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2011年11月25日 第14回社会保障審議会人口部会 議事録

○日時

平成23年11月25日(金)15:00〜17:00


○場所

厚生労働省省議室(9階)


○出席者

委員

阿藤 誠委員 稲葉 寿委員 大林 千一委員
加藤 久和委員 佐々木 政治委員 白波瀬 佐和子委員
鈴木 隆雄委員 津谷 典子部会長 林 徹委員
林 寛子委員 廣松 毅委員 宮城 悦子委員
山田 篤裕委員

事務局

香取政策統括官(社会保障担当) 武田参事官(社会保障担当)
鈴木社会保障担当参事官室長補佐 三上総務省国勢統計課長
高橋社人研副所長  金子社人研人口動向研究部長

○議題

(1)報告聴取
     国勢調査人口等基本集計結果
     第14回出生動向基本調査(独身者調査)
 (2)新推計の基本的考え方(2)

○配布資料

資料1平成22年国勢調査 人口等基本集計結果
資料2第14回出生動向基本調査 結婚と出産に関する全国調査 独身者調査の結果概要
資料3日本の将来人口推計 新推計の基本的考え方(2)

○議事

○津谷部会長
 それでは、そろそろ定刻になりますので、ただいまより第14回社会保障審議会人口部会を開催いたします。
 本日は、鬼頭委員が御欠席との連絡をいただいております。
 本日の議事でございますが、お手元に議事次第がありますように、まず2件の報告聴取がございます。1件は国勢調査人口等基本集計結果について、もう一つは、第14回出生動向基本調査の独身者調査についてでございます。誠に申し訳ございませんが、それに引き続きまして、新推計の基本的考え方(2)を国立社会保障・人口問題研究所の金子部長より御説明をいただくわけですが、皆様御承知のとおり、前回、基本的考え方(1)についての審議の時間が、当方の不手際もありまして十分にとれませんでした。ただ、本日が新推計の実際の集計作業に入る前の最後の部会になっております。ということで、この新推計の基本的考え方(2)の御説明をいただきまして、前回の宿題となっておりました(1)、そして(2)についての審議を今回の部会で終了いたしませんと、実際の推計作業ができないということになります。勿論、この第14回出生動向基本調査の独身者票も本部会での承認が公表前に必要とはなっておりますが、この2件の報告聴取につきまして、これは違っているのではないかというような直接の御質問やコメント以外、委員の方々には誠に申し訳ありませんけれども御遠慮いただきまして、もし何かございましたら、こちらにメールなりでいただきましたら、別個に対応させていただくということで議事を進めさせていただくことをお許し願えますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○津谷部会長
 誠に申し訳ございません。効率的な審議に御協力と御理解のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
 では、まず、国勢調査人口等基本集計結果及び第14回出生動向基本調査(独身者調査)について御報告でございます。
 まず、国勢調査の方を総務省の三上国勢統計課長より御説明をお願いいたします。

○三上国勢統計課長(総務省)
 ありがとうございます。総務省の三上でございます。
 7月1日の部会で御報告しましたとおり、昨年10月の国勢調査の概要につきましては、既に御案内と思いますので説明は省略いたしまして、本日は、10月26日に公表した人口等基本集計結果を簡潔に御説明申し上げたいと思います。
 資料1の3ページ目から始まる「結果の概要」に基づきまして御説明申し上げます。
 申し上げるまでもございませんけれども、この基本集計結果というのは、先般こちらで御報告した抽出速報集計ですとか、その前に出ました人口速報集計とは異なりまして、調査票の全数を集計したものです。
 まず、全国の人口でございますけれども、確定した人口は1億2,805万7,352人で、これは速報時の人口から1,300人強増えたということになってございます。集計の過程で、例えば、高齢者が自宅と施設で重複していた場合に削除するとか、聞き取り調査になっていた世帯から調査票が送られてきて世帯の人数が増えたといったような増減がいろいろございまして、1,300人ほど増えた結果となっております。
 平成17年のときには速報から確報で1万1,200人ほど増えた形になっておりましたので、そういう意味では今回は比較的安定した数字ではなかったかと思っております。
 6ページをごらんください。日本人、外国人の内訳でございます。抽出速報のときには日本人とそれ以外という形でしかわからなかったわけですが、今回、外国人がどれくらい、そのうちまた不詳の数がどれくらいかといったものも出てございます。
 7ページ上の表1−1−5をごらんください。日本人、外国人、不詳の数をごらんいただけます。報道では、日本人が初めて減少したといった取り上げられ方も見られましたけれども、不詳が105万人ほどあり、この中には当然ながら日本人と外国人が含まれております。公表に当たりまして我々は丁寧に説明したつもりではありますけれども、数字を見る上で注意が必要であろうかと考えております。
 14ページは年齢別人口です。年齢3区分別人口、特に高齢化の割合が注目されますが、平成17年の20.2%から23.0%に上昇しております。抽出速報のときには23.1%という数字を公表しておりました。平成17年のときには抽出速報から確報にやや大きくずれたということがありましたけれども、その後、抽出する際の標本の取り方などを改善いたしまして、今回は0.1ポイントの変動となっております。
 15ページの表2−1−1をごらんください。年齢の不詳がちょうど真ん中ぐらいの列でごらんいただけるかと思います。平成17年は48万2,000人。平成22年は97万6,000人ということです。抽出速報の時は年齢不詳は123万人強ぐらいだったと思いますけれども、その後、疑義照会等を通じまして、例えば、行政記録から年齢を補うといった地方関係者の努力などもありまして、一定程度押さえ込む形にはなりました。それでも、なお100万弱ほど不詳が出てございます。
 21ページは配偶関係でございます。こちらも確定値ということですけれども、不詳の数が表3−1でごらんいただけます。この辺りについても、抽出のときよりは数を押さえ込めましたが、前回平成17年と比べますと、それぞれ1.2〜1.7倍ぐらい不詳が増えたといった結果となっております。
 23ページでございます。外国人の人口ということで、抽出速報のときには国籍の内訳はわかりませんので公表しておりませんけれども、今回数値が出ております。従来は韓国・朝鮮の方が多かったわけですけれども、国籍を中国とする方が今回はそれを上回ったということです。内訳としては、男性と女性でやや国籍の構成が異なります。国によって日本に働きにこられている方の男女構成が違うといったことが理由ではないかと思います。
 30ページでございます。世帯の種類・家族の類型については、夫婦と子どもから成る世帯が従来は最も多い家族類型だったわけですが、今回の調査で単独世帯がこれを上回ったといった形になっております。
 31〜32ページにかけては、厳密な意味でのライフサイクルではないものの、平成22年の時点で切って見ると、人が生まれてから死ぬまでどういう家族の中で暮らしていくかその割合がごらんいただけると思います。男性と女性で、特に働き始めや年を召されてからの家族の類型などに違いが見られます。平均寿命の違いなども影響しているものと思います。
 年齢や国籍の不詳については、こちらの推計作業のベースになる基準人口がございますけれども、そちらの方でどういう形であん分するかが問題になります。本日14時に統計局のホームページで基準人口とその作成の仕方を公表しました。従来は、把握されている男女別、年齢別の比率に応じて不詳をあん分するといった形を基本にしておりましたけれども、今回、不詳がかなり増えたことに問題意識を持ちまして、新しいやり方はないかいろいろ検討いたしました。分析してみますと単独世帯で不詳が多く発生しておりますので、一歩前進する形になると思いますけれども、単独世帯と単独世帯以外に分けて、その分を加味した形であん分しております。
 この基準人口の考え方、その結果等については、統計局のホームページをごらんいただければと思います。
 以上、簡単ですが、御説明を終わります。

○津谷部会長
 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明につきまして御質問がございましたら、お願いいたします。増えている不詳データ、特に年齢不詳のデータをどうするかについては、今日、統計局のホームページにあん分の仕方についての御説明がアップされたということでございます。世帯類型別、男女別に年齢の不詳をあん分していくということだそうでございますので、もし、細かいことがございましたら、それをお読みいただいて、御質問・御意見などがございましたらお寄せくだされば、私の方から社人研及び統計局にその旨お伝えしたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、議事の2でございます。出生動向基本調査(独身者調査)でございます。これは本日の人口部会をもって公表となります。これにつきまして、国立社会保障・人口問題研究所の金子部長より御説明をお願いいたします。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 金子でございます。当研究所では前回、御報告をいたしました第14回出生動向基本調査・夫婦調査に続きまして、同調査の独身者調査の結果概要をとりまとめましたので、ここに御報告をいたします。
 資料2をごらんいただきます。まず、調査の概要でございますが、表紙をおめくりいただきまして、1ページをお開きください。目的等につきましては前回御紹介いたしましたので、中程の(2)から説明を始めさせていただきます。
 本調査は、全国の年齢18歳以上50歳未満の独身者を対象とした全国標本調査でございます。表1で回収状況をごらんいただきますと、調査客体、すなわち調査地区に住みます独身者1万4,248人に対しまして、有効な回収票数としましては1万581、有効回収率が74.3%となってございます。これは前回の第13回調査に比べますと4%ほど改善をいたしております。
 今回、御報告いたしますのは、この中から比較の可能性が高い、あるいは信頼性が高いといった幾つかの観点から18歳以上35歳未満の未婚の男女に限定いたしまして集計分析を行った結果でございます。
 恐縮ですけれども、表紙にお戻りいただきまして目次をごらんください。今回の御報告では全体を大きく4つのテーマに分けてございます。「1.結婚という選択−若者たちの結婚離れを探る−」「2.パートナーシップ−ゆらぐ男女のかかわり−」「3.希望の結婚像−どんな結婚を求めているのか−」「4.未婚者の生活と意識−若者たちを取り巻く状況と意識−」でございます。ここでは各テーマにつきまして要点となる結果のみ御紹介させていただきます。
 2ページをお開きください。最初のテーマでございます「1.結婚という選択」におきまして、未婚者の結婚意欲とその背景について調べてございます。
 まず、表1−1をごらんください。これは未婚者に生涯の結婚の意思を尋ねた結果でございますが、いずれ結婚するつもりの未婚者の割合は、今回男性で86.3%、女性で89.4%でございまして、依然として高い水準にございます。
 次に、図1−1では、ある程度の年齢までには結婚するつもりと考える割合が、2000年代に入りまして以降増えてまいりまして、今回は男性56.9%、女性58.4%と、理想の相手が見つかるまでは結婚しなくても構わないと考える人の割合を逆転してございます。
 また、表1−2でも、1年以内に結婚する意欲がある未婚者は、今回調査ではわずかながら増加しておりまして、これらの結果からは未婚者でこれまで見られてきました結婚の先延ばし意識というものが、やや薄らいでいるように見えます。
 4ページ以降につきまして「(2)結婚の利点・独身の利点」と示しておりますけれども、ここでは結婚意欲の変化の背景を調べております。
 例えば、5ページの図1−4をごらんください。こちらは未婚者がどのようなことを結婚の利点と考えているかを調べた結果でございますけれども、各項目ごとに並んでおります濃淡のあります細いグラフが時系列の変化を示してございます。そうしますと、近年、男女ともに子どもや家族が持てるという項目を利点と感じている未婚者が急速に増えていることが、ごらんいただけるかと存じます。この辺りが結婚の先延ばし意識がやや薄らいだ背景となっているのではないかと思います。
 ただ、逆に、未婚者がなかなか結婚に踏み切れないという要因も探してみますと、例えば、図1−5にありますように、独身生活の利点として、一貫して行動や生き方の自由を手放したくないというようなことがうかがえます。非常に安定した割合でございますが、詳しい内容につきまして表1−4に調べてございます。これを見ますと、どうも未婚者は結婚しますと自分の生活リズムや生活スタイルが保てないのではないかということ、同様のことですけれども、時間やお金を自由に使えないのではないかといったことを一番気にかけているようです。
 次に、8ページにお進みください。こちらでは「2.パートナーシップ」といたしまして、未婚者の異性交際の状況について調べてございます。図2−1に交際相手を持たない未婚者の割合を時系列で示しております。男女それぞれのグラフで一番左のブロックに年齢総数の結果を示してございますので、そちらを見ていただきます。男性61.4%、女性49.5%とこれまでで最も多くなってございます。どうも未婚者の男女の交際というものは、やや不活発になっているのかなというところでございます。
 また、今回の調査では交際相手を持たない未婚者の中で、そもそも異性との交際を望まないという割合を調べましたところ、ごらんのグラフの黒塗りの内訳のようになってございます。男性で27.6%、女性で22.6%となってございます。すなわち、結婚相手を持たない未婚男女の半数弱が、交際自体を望んでいないという結果となっております。この状況は年齢別に見ても、ほとんど変わりません。
 また逆の見方をいたしますと、交際を望んでいながら交際相手に恵まれないという未婚者は、同じグラフですけれども、年齢にかかわらず男性で3人に1人程度、女性で4人に1人程度いるという状況も明らかになってまいります。
 以上の前半の説明を総括する意味で、恐縮ですが7ページに戻っていただきまして、図1−7をごらんいただきたいと思います。こちらでは独身にとどまっている理由としまして、さまざまな項目の相対的な重要度が比較できるようになっておりますけれども、実際に結婚が多く生じます25歳以上の男女の結果を下の段に示しております。そうしますと、「適当な相手にめぐり会わない」という理由が常に多うございまして、更にそれが今回少し増えております。
 また、そういう観点から、もう少し全体的に見ていただきますと、今回の調査ではグラフの左半分の項目は、どちらかというと結婚しない理由を集めております。そちらの比重が少し下がりまして、右半分の結婚できない理由の比重が増えてくるような傾向が見られております。その中では「結婚資金が足りない」とか「異性とうまくつきあえない」などが、水準はそれほど高くありませんけれども増えているということが今回の特徴となっております。
 次に、10ページまで進んでいただきまして、未婚者の希望する結婚像やライフコースを見たいと思います。ここでは11ページ、女性のライフコースにつきまして、未婚男女がそれぞれどのように考えているのかを見たいと思います。
 図3−2でございますが、左側のグラフは未婚女性が理想と考えている女性のライフコースを示しています。コースの説明は図の上にあります。近年の結果を見ますと、子育て後に仕事に復帰いたします再就職コースを理想とする女性が最も多く35.2%となっておりまして、次いで両立コース、専業主婦コースとなっております。この辺り、近年になりますと余り変化がなくなってきているかなというところです。
 これに対しまして、右側のグラフは未婚女性が実際になりそうだと感じているライフコースを示しておりまして、こちらでは再就職コースと専業主婦コースがほぼ一貫して減少しておりまして、代わって両立コースが増加を示しております。
 その下のグラフでございますが、こちらは男性がパートナーの女性に望むライフコースとして調べているものです。これも女性がなりそうだと感じているライフコースとよく似た変化を示しております。パートナーが就業するというようなコースを求める人が多くなってきており、とりわけ両立コースを希望する割合が急増しているという形になっております。
 次の12ページでございますけれども、図3−3は結婚相手に求める条件を示してございます。横軸の下に示しました条件の項目、これを大切だと思っている未婚者の割合をグラフに示したものでございます。
 棒グラフの色の濃い部分が、各項目を重視すると回答した割合でございまして、色の薄い部分が考慮すると回答した割合でございます。今回、男女とも全般にこの条件が高まっている様子が見られますけれども、特に右から3つ目の項目、結婚相手の家事・育児の能力を重視する割合が高まっております。また、女性では相手の経済力、職業を重視するという傾向が高まっております。
 13ページは説明を割愛させていただきまして、14ページ以降につきましては、未婚者を取り巻く状況と意識について見てございます。
 15ページの図4−2をごらんいただきますと、未婚者のライフスタイルの変化につきまして、97年調査との比較をいたしております。男女とも遊べる友人が多いという人が減りまして、仕事で私生活を犠牲にしているという人がやや増えております。また、女性では、趣味やライフワークを持っている人の割合が目立って増えております。
 最後になりますが、16〜17ページは結婚・家族、男女関係に関する未婚者の考え方を調べております。こちらで注目いたしたいのは2000年代に入りまして、意識の変化の傾向が結婚・家族を支持する方向に反転する項目が出てきているということでございまして、これは前回御報告をしました夫婦調査による妻の意識でも見られたことでございます。
 17ページの図4−4でございますけれども、これは左が男性、右が女性の図でございますが、それぞれ縦軸には一応、伝統的と見なされる考え方を支持する未婚者の割合をとっております。横の項目の並びでございますけれども、左側に伝統から離れる変化が継続している項目、右側にその変化が最近になって反転した項目といった順に並べております。各項目の時系列につきましては、これまでどおり棒グラフの濃淡をごらんいただければと思います。
 右側の5つの項目、つまりマル2同棲なら結婚すべき、マル1生涯独身でいるのはよくない、マル10離婚は避けるべき、マル6結婚に犠牲は当然であるといった項目につきまして、男女ともに2000年代になりまして支持が増えておりまして、90年代に見られました結婚・家族離れの傾向に変化が起きているということが言えると思います。
 ちなみに夫婦調査での妻の意識を同じ形式で表したグラフが右下に示されてございますけれども、基本的には未婚女性と似た変化を示しております。ただ、未婚女性の方が若い世代が多いということで、反転が少し早く起こっているような傾向が見られます。
 それから、一言蛇足でございますけれども、ここで「伝統的」という言葉を用いておりますが、決して新しい世代が単純に伝統回帰しているということを言いたいわけではございませんで、むしろ新しい考え方として結婚・家族の支持が増えていると見えます。と申しますのは、例えば、先ほど11ページで見ましたけれども、ライフコースの項目などには一貫して、新しい結婚・家族像に向けての変化が続いているという項目も幾つかごらんいただけますので、全体としてはこれまでにない結婚観・家族観というものが出てきているのかなと理解しております。
 調査結果の御説明は以上でございますけれども、非常に多岐にわたる項目をお示ししておりますので、全体像がつかみにくいということがありまして、18ページに本調査のフレームワークをお示ししております。個々の項目の位置づけや全体像との関係を示してございますので、参考にしていただければと思います。
 御説明は以上でございます。

○津谷部会長
 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明につきまして、質問等ございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 稲葉委員どうぞ。

○稲葉委員
 1つだけ伺いたいんですが、11ページにライフコースの結果が出ているんですけれども、これは女性にだけライフコースを聞いているのでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 説明が不十分で失礼いたしました、これは女性のライフコースについて女性が理想と考えるコース、それから、実際になりそうなコース。そして、男性の未婚者に対しては、女性に望むライフコース、パートナーとしての女性に専業主婦としていてほしいか、あるいは両立してほしいか、何を望むかというこの3つについて聞いております。

○稲葉委員
 そうしますと、それは男女対称的でないんですけれども、いまの時代にふさわしいのかなという気がするんです。つまり、男性もライフコースを問われてもいいのではないかという気がするんですけれども、いかがでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 そのとおりだと存じます。ただ、私どもの調査は、人口学的と言いますか、例えば、今日お話をしますが、将来推計の仮定設定に用いるということが一つの大きな目的でございまして、その際に女性のライフコースに関連した出生力というものを求める前提がございますので、その辺御了承いただければと思います。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。稲葉委員の御意見はジェンダー、つまり性別を特定して設定されている設問だけれども、男女のシンメトリーという観点から、男性にも自分の望む理想のライフコース、自分の予定するライフコース、そして女性についても男性に望むライフコースというものを左右対称に聞いた方がいいのではないかという御意見のようでございます。次回の調査の設計企画をなさる際に御参考にしていただければと思います。よろしいでしょうか。
 それでは次に、本日の中心的な議題でございます新推計の基本的な考え方。前回(1)を御説明いただきましたが、今回は(2)について金子部長より御説明をお願いいたします。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 それでは、資料3をごらんください。こちらに沿いまして、新推計の基本的な考え方(2)としまして、前回に引き続きまして仮定設定の考え方について御説明を申し上げます。
 まず、資料の2ページをごらんください。「将来人口推計の前提」とありますけれども、これには4つございまして、基準人口と3つの仮定がございます。基準人口といいますのは、将来人口推計の出発点となる人口のことでございまして、男女、年齢別、国籍別の人口がこの推計では必要となります。
 これらにつきましては、本日は三上国勢統計課長から御報告をいただきました、平成22年国勢調査の結果を用いまして、基準人口を作成するということになります。
 この基準人口は、これも御説明があったわけですけれども、国勢調査の結果の中から年齢不詳及び国籍不詳をあん分補正したものを基準人口といたします。これは統計局から毎月公表されておりますカレントの人口推計の基準人口ともなっているものでございますので、将来人口推計としても同一のものを用いることにいたしております。
 先ほどの御説明のとおり、このあん分補正の方法が改定となっておりまして、統計局のホームページで御説明があるということですので、詳しくはそちらをごらんいただきたいと思います。この改定によりまして、私どもとしましても、より実際を反映した基準人口が得られたのではないかと考えております。
 この基準人口が公表になりましたことをもちまして、基本的には将来人口推計の出発点となります人口の準備が整ったということになります。統計局にはいろいろ御協力をいただきまして、この場をかりてお礼を申し上げたいと存じます。
 そのほかの前提となります3つの仮定につきまして、それぞれ資料にお示ししました統計変量につきまして実績値の測定、パラメーターの投影といったものを経まして、将来人口推計の仮定値の設定を行うこととしております。以下、それらにつきまして、具体的に見てまいります。
 まず、(1)出生の仮定設定の考え方ということで、コーホート出生率の趨勢と震災の影響について見てまいります。4ページでございますけれども、こちらのグラフは4つの年齢につきまして、コーホート出生率の推移を過去から未来にわたって描いたグラフでございます。横軸は女性のコーホートを生まれ年によって表しておりまして、右にいくほど若い世代となります。4本のグラフが描かれておりますけれども、これらはそれぞれの年齢までに各コーホートが平均的に何人の子どもを産んだかを示しております。
 一番上のグラフは50歳までの累積出生児数でございまして、各コーホートの最終的な子ども数を表しております。左端2.0付近から始まりまして、1955年生まれコーホートの辺りから低下が始まっているというのがご覧いただけるかと思います。
 ここで「○」は実績値を表しております。「◇」は前回推計以降に新たに得られました5年分の実績値を表しております。また、それに続きます破線は、前回推計の仮定値の推移を示してございます。新たな実績値と前回推計の仮定値の推移を比較しますと、35歳のグラフよりも下のグラフで実績値がわずかに上回っていることがごらんいただけると思います。これは1970年以降に生まれたコーホートにつきまして、最終的な子どもの数の推移が〜一番上のグラフになりますけれども〜これがわずかに高くなる可能性が見えてきたということになります。
 この新たな趨勢につきましては、新推計の仮定設定に反映させていくわけでございますけれども、これとは別途、参照コーホートの出生力水準につきまして、結婚や夫婦出生力などの要素に分けて検討いたしております。
 5ページですけれども、参照コーホートの出生力の要素を示してございます。結婚に関する要素としまして、右側に平均初婚年齢、それから、中程にあります生涯未婚率の2つがございます。その下に、夫婦の最終的な平均出生子ども数に関する要素が2つございます。一番下に、離死別や再婚の影響に関する要素がございます。これらの掛け算によりまして参照コーホートの合計特殊出生率を求めまして、長期仮定の基準といたします。
 次に、これらの中の幾つかの要素につきまして暫定的な投影を御紹介していきたいと思います。6ページでございますけれども、左のグラフは年齢別累積初婚率の実績値を、女性のコーホートごとに描いたものでございます。横軸の年齢が進みますとともに、結婚した女性の割合が増えていくという様子を描いたものでございます。若いコーホートでは、まだ途中までしか実績がございませんので、グラフも途中になっております。とりわけ参照コーホートになりますと、1995年生まれということですので、15歳の一点の実績があるのみということになります。
 このグラフの最終レベル、すなわち50歳時点で結婚をしていない割合を生涯未婚率と呼んでございます。図で言いますと、このグラフの上側、100%のラインからグラフの最終レベルまでの間の幅に相当いたします。前回推計における参照コーホートの生涯未婚率、これは1990年生まれでしたけれども、23.5%と設定されておりました。
 これらの実績値を基にいたしまして、試験的な投影を行った結果が右の図となります。最近5年間の結婚の回復傾向を反映いたしまして、コーホートの累積初婚率のグラフもわずかに全体に高めになっています。したがいまして、生涯未婚率は前回推計の仮定よりもわずかに低くなる見通しが出てきているということです。
 ただし、ごらんのように今後もこの累積初婚率の到達水準が急速に下がっていくという状況、言い換えれば、生涯未婚率が高まっていくという状況については、大きな変化はないと見られます。この投影からは平均初婚年齢も同時に求まってまいります。
 次の7ページに平均初婚年齢と生涯未婚率につきまして、それぞれコーホート変化を示したグラフを載せております。左のグラフは平均初婚年齢の実績値、それから、前回の仮定値の推移、それから、今回の試験的な投影を重ねた図となります。今回の投影で見ますと、1970年生まれのコーホートでわずかに高くなっているということです。これは、前回推計以降30歳代後半以降の初婚がやや増えているということの反映でございます。
 一方、右の図は生涯未婚率でございまして、先ほど申し上げましたとおり、新たな投影ですと、前回の仮定よりもわずかに低くなってくるということでございます。
 今後、こうした投影を精査することによりまして、それぞれの図の右上に赤い破線で領域を示してございますけれども、参照コーホートの仮定値の特定をしていきたいと考えております。
 8ページは、夫婦出生力に関するものでございます。夫婦出生力は、今ありました平均初婚年齢などで表されます初婚のタイミングによって決まる部分と、結婚してからの出生行動によって決まる部分がございます。図では、出生動向基本調査から得ました実績値を基に、この2つの要素のコーホート変化を表しております。
 左の図の上方にありますグラフが、初婚年齢の変化によって起こる夫婦出生力の変化を表しております。晩婚化の進行に伴いまして、夫婦出生力も構造的に低下していくという様子が示されております。
 一方、ドットで示しております実績値でございますけれども、これは曲線を下回って推移を始めておりまして、これは同じ年齢で結婚しても、最近のコーホートでは最終的にはより少ない子どもしか産んでいないということを示しています。すなわち、夫婦の結婚行動による出生力低下がグラフのような形で始まっているということでございます。
 一番上のグラフの期待出生力との違いを結婚出生力変動係数という変数によって調整をすることにいたしております。
 右の図は同じものなんですけれども、出生途上の夫婦について幾つか描いたものです。まだ出生途上でございますので、最終レベルがどうなるかはわからないんですけれども、より若いコーホートでの変化をいち早く見ることができるということになります。
 これらを参考にしまして、夫婦出生力につきましてもそれぞれの変数の投影を精査いたしまして、参照コーホートの仮定値、これも領域を示してありますけれども、これを求めていきたいと考えております。
 以上、幾つかの要素につきまして試験的な投影の様子をごらんいただきましたが、次の9ページに各出生力要素についての基本的な見方をまとめてございます。ここでは、前回推計時点での見方と異なる見方をとる部分についてだけ御紹介したいと思います。
 まず、結婚についてですけれども、上から3段目、左から2列目、生涯未婚率の欄ですけれども、前回推計時点での見方によりますと、平均初婚年齢の上昇に伴う構造的な生涯未婚の増加に加え、選択的な生涯未婚も進むとありますが、新しい動向を踏まえますと、同じ行の右から2つ目のセルに示しましたように、選択的な生涯未婚傾向も緩やかに進むと書いております。これは先ほど見ました若い世代での生涯未婚率の上昇のペースが、前回の仮定よりもわずかに緩むのではないかということを見ております。
 また、夫婦出生力につきましては、夫婦出生力の下の欄ですけれども、晩婚化以外の影響という欄です。ここに前回ですと妻、1960年代以降のコーホートで顕著な低下が進行するとございますけれども、現状から見た傾向では、夫婦出生力の低下が進行するということは同じなんですが、1970年代以降のコーホートについては、若干その進行のペースが緩むと見ております。これは2006年以降、30代後半以降での産み戻しというのが観察されたことを反映した結果でございます。
 次に、離死別の効果についてでございますが、離婚につきましては2000年代前半まで急増してきていたんですけれども、このところ増加が止まっております。ただ、コーホートの長期的な趨勢として見ますと増加傾向がございますので、現状から見た傾向としましては、出生数を引き下げる効果は続くものの、そのペースはやや緩むと見てございます。
 以上が、出生の長期仮定の設定に際しての基本的な考え方でございます。
 次に、出生に対する東日本大震災の影響を検討してございます。
 10ページには、これについて検討しました項目を3つ示してございます。(1)過去の実例としまして、阪神・淡路大震災の際の影響を見たものでございます。(2)今般の東日本大震災の婚姻・離婚の月別の推移を検討したものでございます。(3)東日本大震災の出生への影響を見るために妊娠届の動向を見たものでございます。順番に御説明したいと思います。
 11ページでございますけれども、阪神・淡路大震災の際の婚姻件数と離婚件数の月別変動を示したものでございます。いずれも季節調整を施して特殊な変動というものをとらえやすくしております。地域の違いを確認するために、都道府県別の変動も示してございます。
 左の婚姻数の変動でございますけれども、図の左の方に縦に線が引いてございますが、これが震災発生月になります。その周辺で婚姻数を見ますと、実は特段の変動が見られないということです。むしろ、そのほかの平成7年7月7日といった特別な数字の並びを含む月には著しい変動が見られております。
 一方、右の離婚数でございますけれども、震災発生月に若干の減少が見られますが、これも他の月の変動と比べまして必ずしも大きいものではございません。
 また、婚姻・離婚両方につきまして、その後の期間について見ましても、震災の影響と見られる特別な変動というものは確認できません。
 次の12ページですけれども、これは同じく阪神・淡路大震災の出生数への影響を見たものでございます。左の一番上のグラフが全国の月別出生数の推移でございますけれども、震災から9か月後の1995年10月を中心にしまして、若干の変動が観察されています。
 また、右の図に示しますように、その変動というのは被災地を含みます県で顕著でございます。したがいまして、出生数に関しましては震災の発生直後に妊娠数を減らす影響があったと見られます。ただし、その後の期間につきましては、必ずしも明瞭な影響が続いているということは観察されません。
 次の13ページでございますけれども、ここからが今般の東日本大震災の分析でございます。震災の発生月を含みます婚姻と離婚件数の月別推移を、先ほどと同じように季節調整値によって示してございます。
 左の婚姻件数の推移を見ますと、やはり平成22年2月2日などの月に変動が見られるわけでございますが、震災の発生月やそれ以降につきましては、変動は見られておりません。
 離婚につきましても、はっきりとした震災の影響と見られる変動は今のところ見られてございません。
 14ページでございますけれども、東日本大震災の出生数への影響を見ようというものでございます。ただし、出生への影響に限りましては、震災発生から9か月以降に生ずると考えられますので、それは今回の場合ですと今年の12月以降ということになりますので、現在データは全く得られないという状況でございます。
 そこで、母子手帳の発行の基になっております妊娠届出数につきまして、自治体にヒアリングの御協力をいただきまして、得られた結果から2012年の出生数への影響を検討した結果をお示ししております。左の図、上にあります少し細いグラフが過去の妊娠届出の公表値と、それに今回のヒアリングの結果を追加したものでございます。
 下のグラフは、出生数の実績値に加えまして、震災の影響が出ると見られます2011年、2012年の出生数につきまして、妊娠届の数から推計をしたものでございます。
 右の図にはこの結果を元にしました合計特殊出生率の推定を示しております。これらを見ますと、2012年の出生数につきましては前年と比べまして4%ほど、数で言いますと約4万件ほど少ないということになってまいります。ただし、この減少分には親世代の減少による自然減2万5,000件ほどを含んでおりますので、もし、震災の影響が表れているということであると、残りの1万5,000件分ぐらい、1〜2%減というような影響が見積もられています。
 ただし、この推定につきましては、非常にデータが限られる中での比較的強い仮定に基づいたものでございますので、かなり不確実性を伴うものであることを御理解いただければと思います。
 以上の震災関係の影響につきましての検討結果を15ページにまとめてございます。下のボックスをごらんいただきますと、出生仮定における東日本大震災の影響の取扱いがございます。検討の結果からは、婚姻・離婚の仮定に関しましては、特別な震災の影響を加味しないということを考えております。それから、出生の仮定値に関しましては、一時的影響としまして、主に2012年の仮定に反映をさせることを考えております。また、不確実性を考慮いたしまして、これを高位・低位の仮定に反映させると考えております。
 以上が、出生仮定に関する考え方でございます。
 次に、死亡の仮定の考え方でございますが、これにつきましては前回の会議におきまして震災の影響も含めまして御審議をいただきましたので、ここではまとめのみをお示ししております。17ページは既にお示ししたものですが、前回推計の仮定値と実績値の推移を比較したものでございます。2010年までの実績値は比較的想定に沿った推移を示してございます。
 18ページに、死亡・寿命の動向の見方と仮定設定の考え方をまとめてございますけれども、上の表では全体の死亡率の改善の中で注目すべき高齢死亡率の改善のペースの速さなどにつきまして、実績値とともに示してございます。
 また、下のボックスにおきまして、死亡仮定における東日本大震災の影響の取扱いをまとめてございますけれども、こちらは2011年につきまして警察庁の死亡データに基づきまして震災の影響を反映するとし、2012年以降につきましては、長期的趨勢に回帰する取扱いとなってございます。
 次に、国際人口移動の考え方に進みたいと思います。国際人口移動につきましては、外国人の移動と日本人の移動を分けて取り扱ってございます。
 まず、外国人でございますけれども、20ページには、男女別の入国超過率と国籍別の入国超過率の時系列変化を概観してございます。基本的には1980年代後半以降に長期的な上昇の傾向が見られております。最近では、男女・国籍別の動向が同調的になっているというところが認められてきております。
 21ページですけれども、こちらは一応、男女合計の入国超過数につきまして、長期的な趨勢につきまして投影の模式図を示しております。左側の長期的推移にありますように、外国人の人口移動は特定の事象によって非常に顕著な変動をすることが目立ちます。長期的趨勢の特定に際しましては、こうした明らかな国際事象の変動を除去して行っているところでございます。最近では、最も大きい変動でございますけれども、リーマン・ショック後の世界同時不況の影響によると見られます2009年の出国超過というものがございます。これはブラジル国籍を初めとする外国人労働者の帰国に伴うものでございますが、2010年の実績を見ますと、若干回復しているというようなことになっています。
 いわば一時的なショック、こういう大きな事象に伴うショックから長期的趨勢へ復帰するという場合の考え方の模式図を右に示しております。3〜5年の間に復帰するというものを示しておりますけれども、どのくらいの期間で復帰するかにつきましては推計時点での月別の最新のデータなどを参照しまして決めたいと考えております。
 次に、震災の影響でございますが、22ページに震災を含みます期間の外国人移動の月別動向を載せてございます。左の図に明らかにありますように、季節変動調整を行った上で震災発生月の出国超過に伴います変動、これは非常に顕著なものでございます。
 右の図は同じデータでございますが、当該月までの1年間をまとめた形で示してございます。同様の影響が見られます。
 推計で必要となります数値といいますのは、右の図で破線の楕円で示しました領域の数値が必要となるわけでございますが、これは数か月先行しています月別の出入国管理統計からの資料−緑で示しておりますけれども−こういった資料から推定することを考えております。
 次に、23ページでございます。先ほどの世界同時不況の影響と併せまして、外国人の移動に対する震災の影響をどのように仮定に反映するかというイメージでございますけれども、模式図として示してございます。
 次に、日本人の国際移動につきまして24ページをごらんいただきますと、左に男女別の推移、右には最近年におけます年齢パターンを男女別にお示ししてございます。
 日本人の移動も特殊な事象によって影響を受けております。ただ、趨勢としましては近年は一定水準の出国超過の状況で安定しているように見られます。また、年齢パターンも比較的安定的でございます。したがいまして、日本人の国際移動につきましては、直近10年程度の実績値から特殊な事象による変動年を除きまして、平滑化したモデルを作成いたしまして、これを用いることを考えております。
 日本人の国際移動に対する震災の影響につきまして25ページにまとめてございますけれども、外国人の場合と同様の分析をしております。月別の変動を観察いたしておりますが、日本人の国際移動につきましては、実は震災による明瞭な変動というものが確認できておりません。仮にあるという形で見ましても、その規模は通常の変動の幅に入る程度のものと見られます。したがいまして、日本人の国際人口移動の仮定につきましては、震災の影響を含まないということを考えております。
 以上、国際人口移動の動向の見方、仮定設定での扱いにつきまして、26ページにまとめてございます。ここでは繰り返しません。
 27ページにおきまして、出生、死亡、国際人口移動の仮定設定の考え方の要約を示してございます。
 出生につきましては、今後、完結レベルに至るコーホート出生率は、平成18年推計の仮定よりわずかに高く推移する。ただし、直近においては震災の影響により一時的にマイナスの影響を見込むというものでございます。
 死亡につきましては、将来の平均寿命は平成18年推計同様、速度は緩やかになりつつも、今後も改善を続けながら推移をするといたします。ただし、2011年におきましては震災による一時的なマイナスの影響を見込むというものでございます。
 国際人口移動につきましては、外国人の移動は、過去の動向による長期的な趨勢に従うとします。ただし、直近においては世界同時不況及び震災の影響により、短期的に出国超過の効果を見込むとします。日本人につきましては、直近平年の状況が継続して推移すると見ております。
 御説明は以上でございます。

○津谷部会長
 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明につきまして御質問などございましたら、お願いいたします。
 佐々木委員どうぞ。

○佐々木委員
 7ページの未婚率のところでお聞きしたいんですが、資料はないんですけれども、合計特殊出生率と合計結婚出生率という、前回に夫婦調査のをいただきましたが、あの差は未婚率の差ということで考えてよろしいんですか。結婚の方は1.9ぐらいで、出生率は1.3ぐらいという、あの差は未婚率の差ということでいいんですか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 出生動向基本調査の結果における合計結婚出生率のことでございますか。基本的な考え方は今おっしゃったとおり、結婚した夫婦の出生力ということでいいんですけれども、ピリオド、つまり、何々年の子どもの産み方というものを表す指標と、こちらの推計ではコーホート、何年生まれの人が生涯にどのくらいの割合で結婚するか、あるいは何人子どもを持つかという指標とでは、指標の性格としては同じなんですけれども、統計としては違う数値になってございます。

○佐々木委員
 7ページ目の青い線というのは推計ということなんですか。1970年生まれのところに「○」で実績がついていますが。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 これは平成18年、前回推計のときの仮定値の推移を表しております。

○佐々木委員
 線が中間ぐらいから鈍ってますよね。これは何か理由があるんですか。青い折れ線が若干下方に曲がっているわけですけれども。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 こちらは、若い世代につきましては実績値が幾らかあるわけです。そういった実績値を生かしますと変わってくるところが一つございます。それは、どちらのグラフですか。

○佐々木委員
 7ページの右です。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 それから、60年代のところで少し戻ったりしていますけれども、この辺は丙午生まれの世代が、どうしても統計として分子と分母の関係、率をとりますと、人工的な影響で数値に少し違いが出てしまうというところで、少し戻ったりしていますけれども、その先につきましては、基本的にはわずかながら実績値を生かしているということで、少し変化が現れてきているということです。

○佐々木委員
 先ほど御説明いただいた、独身のいずれ結婚したい人が9割ぐらいあるんですが、やはりそういう部分とは少し違うということですか。若干今年も伸びて、大体過去を見ると9割前後がいずれ結婚したいとありますけれども、未婚率が4分の1ぐらいあるというのは、格差はそんなに変わっていないということですか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 そうですね、生涯の結婚の意思というのは、勿論その世代や時代の雰囲気をよく表しているんですけれども、ただ、実際にその人たちが本当に結婚するかどうかという指標には余りならないと考えています。基本的には意識ですので、実際にはそれに対して環境といいますか、実際に結婚できるかどうかという状況がございますので、違ったものになると思います。

○佐々木委員
 ありがとうございました。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。ほかに御質問ございますか。
 加藤委員どうぞ。

○加藤委員
 1点教えていただきたいのですが、14ページの東日本大震災による出生への影響ということですが、金子部長の御説明ですと、大体自然減の2万5,000件程度を除いて、粗々で1万5,000件程度減るかもしれないということでした。出生数に占める割合は大体1%以下だと思うんですけれども、考え方として将来的には率としては戻るにせよ、この1万5,000件自体はレベルとしてここで下がってしまうわけですから、死亡とは違って、やはり永続的な影響が生じると考えて、すなわち、15年後から50年後ぐらいにかけて全体のレベルが1万5,000件の一時の低下の影響をずっと受け続けるというような形で見込まれていくということになるのでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 この考え方としては、震災の影響でその期間について数が減ると見ておりまして、基本的に長期的なコーホートで考えた場合の最終的な子ども数についての影響というのは考えておりませんので、この年だけの変動ということになろうかと思います。

○加藤委員
 もし、そのときに例えば、1万5,000人減って、そのうち女の子が7,500人ぐらいで、女性の生産率を考えると、そこの女性の生産年齢人口が7,500人ぐらい減ってしまうことによって、出生数もずっと下方圧力みたいなものがかかってくるのでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 人口への影響が勿論、出生数を通して出ますので、その分につきましては将来ずっと年齢構造の違いとしての影響として出てきます。

○加藤委員
 ありがとうございます。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。そのほか御質問ございますか。
 白波瀬委員どうぞ。

○白波瀬委員
 説明ありがとうございました。1つが確認で、1つが質問です。
 確認というのは今の大震災との関係なんですけれども、一時的な変化は認められたけれども、長期的な趨勢においては恐らくそれほど大きいものはないであろうというのが、今回の一つの結論と理解してよろしいでしょうか。少なくともここを見る限りにおいては、長期的な影響は限定的であると、私は理解しました。
 2点目で死亡率のところなんですけれども、前回説明をいただいて忘れてしまっているところも多いんですが、死亡率が改善を続けながら推移するという点です。全体に高齢化が進むといっても頭打ちというか、死亡率の上昇が同じように続くと仮定することがどの程度妥当であるのだろうか、というのが質問です。言い換えれば、人間は永遠に生き続けないわけで、ある程度までいくと全体の死亡率も頭打ちになってある時点に達すると横ばいになるのではないかと思うのですが、このような傾向について考慮されているでしょうか。
 以上です。

○津谷部会長
 最初が確認、次が御質問でございます。金子部長、よろしくお願いいたします。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 震災の長期的な影響ということでございますけれども、確かに現在把握できるデータで見る限り、そんなに長期的な影響が必ず出るだろうと確信を持てるものはございません。それとともに、将来人口推計の考え方でございますが、あくまでも実績値、現実に得られるデータ、知見を反映させるのが前提と考えておりますので、仮にそういう影響が実際に出たとしても、例えば、2年後、3年後に影響が出たということであっても、それは恐らく次回の推計に生かすというような考え方になろうかと思います。
 それから、死亡率につきまして、恐らく人間の寿命には上限があるのではないかという御指摘ではなかろうかと思うんですけれども、将来推計のやり方というのは、これまでの実績をあるモデルを使いまして、将来延ばしていく。ただ、このモデルはかなりいろいろな研究の結果出てきた人間の寿命の延び方、死亡率の下がり方をよく反映したものでございまして、それを更に日本の状況に合わせて工夫しているということでございますから、それ自体は当面は正確な推移をするのではないかと思うのですが、一方で、寿命の限界を考慮しているかというのは、イエスかノーかで言うとノーでございまして、寿命の限界という知見は入ってございません。と申しますのは、これまでの死亡の研究の中で、むしろかなり以前に人間の寿命というのは生物学的に決まっているので、寿命には上限があるのだということで推計されておったわけなんですが、ことごとくその上限値を突破して人間の寿命は延びておりまして、現在では権威の先生方の考え方ですと、寿命の上限というのはむしろ現在においてはないと考えていいんじゃないか、仮にあったとしても相当先なんじゃないかというような考え方が主流になっております。この推計でも、そういった立場に立って推計を行っているということでございます。

○津谷部会長
 一応確認ですが、寿命の伸長にキャップがかかることはないという仮定をしているということですか。勿論、寿命は限界があります、人間は死にますから、そういうことでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 失礼しました。私どもの推計のやり方に従いましても、平均寿命の推移はだんだん寝ていくといいますか、改善率が下がっていくという結果にはなっております。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。
 では、阿藤委員どうぞ。

○阿藤委員
 4つか5つあるんですけれども、まず8ページの夫婦の完結出生児数の左側のデータなんですが、最近の実績というのが一番最後の「○」は1.7ぐらいまできているんですかね。このことと前回の出生動向基本調査の結婚持続期間はたしか24だったかな、2.0を切ったというデータとの整合性を伺いたかったことが一つです。
 それから、これは単純な質問なんですけれども、18ページの死亡の表で10年改善率とあるのは、過去10年間の改善率という意味なんですね。これは確認ですけれども。
 それから、23ページの外国人の移動について、これは勿論将来のことですから、なかなかわからないわけですけれども、今までの特定の経済事象が起こって大きく変わるけれども、その後は傾向線に乗っかるということで、今回もそういう仮定に立ちたいということなのですけれども、今回たまたま2009年がリーマン・ショックで大きく減って、更に2年置いて大震災ということで、2連発と言うと変ですけれども、そういうことが起こっているということと、何しろ今回は特に放射能汚染という問題で相当多くの人が帰国していることを考えると、本当に今までのように戻ってくるのかという懸念があるんですが、その辺はどう考えるのかということ。
 それから、これは推計の数字そのもので動向という話ではなくて背景なんですけれども、24ページの日本人の入国超過率がずっとマイナス傾向だというのは、背景としてどういうことが考えられるのか、もしわかったら教えていただければと思います。

○津谷部会長
 金子部長、4つほどございます。順番に御説明をお願いできますでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 8ページの夫婦の完結出生児数のグラフの実績値でございますけれども、これは「○」をごらんいただけますように、68年生まれぐらいまでの実績を示しております。実を言うと68年といいますと、まだ50歳に達していない、本来なら完結をしていないコーホートでございます。ただ、この世代の変化が非常にクリティカルといいますか、大きく起こっているというのがごらんいただけると思うので、ここは40歳までの出生数を基にしまして、完結時点、50歳時点での出生数の拡大率を計算しまして推定したものでございます。ですから、これ自体が実を言うと本当の実績値ということではございませんで、そこに推定が入っているということで、実際の測定値とは違ってくるということを御了解いただきたいと思います。
 それから、死亡の改善率でございますけれども、これは御確認ということで、18ページに示しました改善率というのは、表頭にあります年次以前の10年間についての改善率ということで、1970年と書いてありますのは1961〜1970年までの改善率ということを示しております。その辺、十分注意書きをしませんで失礼いたしました。
 23ページの外国人の変動につきまして、長期的な趨勢で戻り得るかどうかについてでございますが、その前の22ページの実績をごらんいただきますと、特に右のグラフは、当該月よりも過去1年間を合計したものですけれども、これで見ましても、わずか1〜2か月でございますけれども回復の傾向が見られていると思います。21ページの左のグラフでございますが、年次単位で見ましても、リーマン・ショックの影響が出ましたのが2009年で、その後2010年の結果が得られております。それを見ますと、入国超過率のゼロの付近まで戻っているといった実績を見まして、基本的には長期的な趨勢に戻るのではないかという、あくまでも想定をいたしております。これも先ほどのお答えと重なりますが、推計の時点で得られるデータをフルに反映する以上のことはなかなかできませんで、それが今後、新たなデータを得られた際に余りにも違うようであれば考えるということにしたいと考えております。
 それから、日本人の国際人口移動でございますけれども、これも背景となります社会経済的な根拠というものを強く持っているわけではございませんで、あくまでも実績値の推移というものに沿って仮定値をつくるという立場ではございます。ただ、経済の国際化に伴いまして、日本国籍の方々が多く海外に出られているという状況につきましては、今後そんなに大きな変化を見込むような根拠がございませんで、そのように安定して推移すると考えている次第でございます。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。金子部長、ありがとうございました。
 そのほか御質問などございましたら。
 鈴木委員どうぞ。

○鈴木委員
 質問ではないんですけれども、もしわかっていれば教えていただければと思うのは、18ページの死亡のところで、寿命の男女差というのが、これまでずっと拡大してきたけれども、平成18年時点では横ばいかやや減少で、現在でも横ばいかやや減少傾向が続くということなんですが、男女差の減少傾向が続くというのはどういう原因だとお考えですか。例えば、喫煙率が女性で上がってきて、男性で下がっているとか、自殺率も同様であるとか、あるいは特定の疾病の死亡率が男女で大きかったものが縮まっているとか、いろいろあるかと思うんですけれども、どういうことが大きな要因とお考えになっておられるのでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 これも基本的に実績値を見ますと、90年代に女性の寿命が順調に延びていったのに対して、男性の寿命が少し停滞したという時期がございまして、ちょっと男女差が広がりました。ところが、この5年を見ますと、それを取り戻すかのように男性の寿命も順調に延びているというようなことがございまして、90年代と比べると少し格差が縮小していると見られます。その原因についてでございますけれども、確かに、欧米の先進国で軒並み男女差が縮んできています。日本の寿命の延びと比較しますと、どうも男性が女性に追いついてきているというよりは、女性がちょっと延び悩んでいるのかなと見える部分がございます。それについては、いろいろな研究の結果もございまして、一番大きいのは女性の喫煙率の増加というのが、寿命の格差の縮小につながっているのではないかというのが有力視されているところでございます。
 日本でそういうことが起こるかどうかはわからないのですけれども、一応、推計といたしましては、日本における実績の推移を生かしているということになります。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。
 では、大林委員どうぞ。

○大林委員
 どうもありがとうございました。2点あるのですが、1点は些細な点です。例えば、12ページで、今回、季節調整にセンサス局法のX−12−ARIMAを使われたということですけれども、前回、例えば合計特殊出生率の季節調整などでは、センサス局法のX−11を使われたと伺いました。勿論X−11というのはX−12−ARIMAのサブセットとして含まれますから同じと言えば同じですけれども、手法を変えたことに特に理由があるのかどうかというのが1つでございます。
 それから、国際人口移動は私も気になったのですが、少なくともここ数年という話で人口の変動要因を見てみると、自然増減の規模と入国と出国の差の規模が匹敵するぐらいの大きさになってきている状況があると思います。国際人口移動の動向というのが将来どの程度効いてくるのか、あるいは、いずれ自然減少の方が大きくなっていって、国際人口移動の効果というのは全体としてそれほどはなく、自然減少の大きさの中で相対的に小さなものになって吸収されていくと考えてよいのか、言い換えると短期で元の傾向に回復すると考えても、元の傾向に回復するのに長期の時間がかかるとしても、それほど差がないと考えられるのか、その辺がよくわからないので教えていただければと思います。

○津谷部会長
 では、金子部長、お答えをお願いいたします。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 季節調整でX−11とX−12、基本的には我々としては同じものだと考えております。1つX−12のいいところは末端のところ、最新値につきまして比較的安定的な結果が得られるということがございますので、今回の震災の影響など最新の影響を見るような観点からX−12を使ったということで、それほど大きな理由はございませんで、いわばバージョンアップした手法を今回は使わせていただいたということでございます。
 それから、国際人口移動の大きさについてなんですけれども、これは恐らく将来推計というよりも、将来的に国際化が進んで日本という国が国際的な人口の移動についてどのような方針を持つかということが非常に大きいかと思います。これにつきましては、例えば、いろいろなシナリオにつきましてシミュレーションをするといった、どちらかというと研究的な将来推計というものがございまして、私どももこの推計が終わりました後で同じ手法を使いまして、幾つかのシナリオで条件つき推計というものを毎回出しておりますけれども、どちらかというと研究志向の推計になってくるのではないかと思います。
 現在の状況ですと、人口規模に比べまして外国人の入国というのはさほど大きくはない、これが続くという仮定でございます。ただし、これは累積をしますと割に外国人のパーセンテージが現在の状況でも上がってくるということが見られます。
 そんなところでいかがでしょうか。

○津谷部会長
 いかがでございますか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 そのほか御質問ございますか。
 林委員どうぞ。

○林(徹)委員
 ちょっと教えていただきたいんですけれども、今御説明いただいた資料の9ページの下に、注の(1)があるんですけれども、後半の「一方」以下は何となくわかるんですけれども前半の意味がよくわからないんです。私の解釈では、周りが結婚するのが遅いから、自分が気がついたときは、もう子どもが産めない体になっていたという意味ですか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 こちらは結婚に関する影響について述べたものですけれども、「平均年齢の上昇にともなう構造的な生涯未婚率の増加とは、晩婚化によって非意図的に生ずる結婚の逸失によるものである」、これは年齢別に結婚が起きていくのですけれども、ある程度の年齢に達しますと、結婚する確率が余り上がってこない。つまり、一種の天井のようなものが実績値として見ますとありまして、そうしますと、余りに晩婚化が進んでしまうと、それを取り戻すことがないという現象が見られます。ですから、普通晩婚化と言いますと、ただ結婚が遅れて、最終的には結婚するという効果のことを言うわけですけれども、実際には余りにも晩婚化が進みますと結婚せずに終わってしまう、生涯未婚率が上がってしまうという、結婚のタイミングと最終的な結婚する人の割合に構造的な関係が存在するということでございます。
 これは言ってみれば、意図的に結婚をしないと決めてそうなったわけではございませんで、構造的にそういうふうになる。それに対して、結婚はしないと行動的に、意図的に生涯未婚率を下げる行動が存在しますので、それを人口学的に分けて考えたということでございます。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。

○林(徹)委員
 「非意図的」という言葉が気になりまして、先ほど質問してはいけないという資料にさかのぼって恐縮ですけれども、独身者調査の7ページの御説明を伺っていまして、「まだ若過ぎる」というのと「適当な相手にめぐり会わない」というのが気になっていまして、これとの関係でこの注(1)が書かれているのかなと理解したんですね。非意図的とすると、自分はまだ若過ぎると自分で判断するわけだから、非意図的というのはおかしいんじゃないかということと、適当な相手にめぐり会わないというのも、適当であるかどうかは自分で判断するわけなので、非意図的というのはどういうことなのかなというのが気になったということです。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 確かに「意図的」という言葉のニュアンスが、必ずしもここで使われているものが適切ではないかもしれないですけれども、年齢にしたがいまして結婚する確率に上限があるという実態に沿いますと、構造的に生涯未婚率が増えていく。これは晩婚化を意図しているのだけれども、生涯結婚しないことを意図しているわけではない。ところが、生涯未婚率が上がってしまうというメカニズムを表現しております。これに対して、意図的というのは構造的ではないという意味なんですが、実際に上限にも至らないで確率がどんどん下がっていくということです。それまでの世代に比べて行動的に結婚をしなくなっているという、その2つを分けているということなんですが、必ずしも独身調査の方で見られる意識とはそういう意味で重なりません。調査は純粋に意識を調べているものでございまして、先ほどの資料の注で言っていることは人口学的といいますか、数量的な結婚のモデルに従ったメカニズムについての言及でございます。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。この表現ですけれども、初婚の先送りによる構造的な結婚の質ということかと思います。大変難しい表現ですが。
 そのほか御質問ございますか。
 山田委員どうぞ。

○山田委員
 今回は基準人口となる国勢調査で不詳のあん分ということで、さまざまな不詳について推定して、年齢、配偶関係などであん分したということなんですけれども、推定には一定の幅があると思うんですが、これは次回の話になるかもしれないですけれども、その幅は今回の不詳がやや増えたことで不詳のあん分には幅があるということで、どれくらいの推計に影響が出るのでしょうか。それとも、推計の幅の大小関係は余り考えなくてもよいということなんでしょうか。その点について、わかる範囲で教えていただければと思います。

○津谷部会長
 金子部長、そして、もし御説明・御意見がございましたら、三上課長にも御発言いただければと思います。お願いいたします。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 基本的に将来人口推計は、国勢調査の人口に基づいて行っているものですので、同じ形で国勢調査が続いていきますと同じ定義の人口を追いかけるということになろうかと思います。勿論、不詳をどのように扱うかによって多少の違いが出てくると思いますけれども、そこでは年齢の不詳をいかに実態に即して分けるかということです。ただし、そこは実を言うと、何が正しいか、不詳の人たちは中身がわからないから不詳なので、これを検証する方法がないんです。ですから、一応あん分結果を一つの基準として考えるということにしております。全体の人口の増減や高齢化率に影響するほど不詳が大きくなっているということであれば、いろいろ検討する必要があろうかと思いますけれども、現在のところはそこまでの認識ではございません。

○津谷部会長
 三上課長、お願いいたします。

○三上国勢統計課長(総務省)
 こちらの将来人口推計の前提としてスライド2にも書いていただていますが、基準人口をお使いいただいています。その基準人口のつくり方自体は、平成22年の国勢調査の中で得られました年齢構成や単独世帯、それ以外の割合ですとか、ある数字を使って数で割り切っていますので、幅を持って基準人口をつくっているということではないので、そういう意味では、ベースになるものをどう使われるかという中での幅の話であって、平成27年とか次回以降もっと大きくなってきたときにどうするかというのは非常に重い問題として我々も考えていきたいと思います。

○津谷部会長
 山田委員、よろしいでしょうか。
 そのほか御質問ございますか。
 では、加藤委員お願いいたします。

○加藤委員
 先ほど大林先生の御質問の後に金子部長が、国際人口移動が元に戻らなかった場合の試算などを将来的に研究ベースでやられると伺ったのですけれども、例えば、死亡にせよ、出生にせよ、一時的な影響ということではあるんですが、将来的に全く影響を考えなかった場合と、こういった大震災があった場合、一時的な影響を織り込んだ場合とで、将来的に一時的なものがどれだけの影響を与えたかみたいなことも研究ベースで計算していただけると、まさに大震災の人口への影響がわかるのかなと思います。この場でお願いすることが適当かどうかわからないですけれども、御考慮いただければありがたいなと思いました。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 ありがとうございます。今後、研究ベースでやっていきたいと思います。

○津谷部会長
 では、阿藤委員どうぞ。

○阿藤委員
 どこかで御説明があったのかもしれませんけれども、いわゆる高位、中位、低位といいましょうか、前回出生・死亡について3本の仮定を置いて、たしか国際人口移動は1種類だったと思います。今回推計が行われましたが、その辺の考え方はどういうふうにされるのか。その場合、特に出生の高位・低位というのはどういう決め方になるのか、その辺の説明をいただければと思います。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 バリエーションにつきましては、前回同様に死亡の中・高・低3通り、出生の中・高・低3通りと考えております。死亡につきましては、方法としては前回と同じですけれども、将来に投影いたしますパラメーターの実績値のぶれを測りまして、そのぶれを高位・低位では99%のぶれということで幅をつくってございます。今回は、それ以外のパラメーターを追加することもあろうかと思いますけれども、基本的には同じ考え方です。
 出生に関しましては、先ほども御説明の中にありましたような幾つかの出生の要素がございまして、これらにつきましてあり得る値の範囲を実績値の投影の際に見極めまして、それらを全部組み合わせまして、最も高く出生が推移する場合、低く推移する場合という形で高位・低位をつくる。更に今回は、先ほどの震災の影響もございますけれども、前回も2005年時点でのデータで推計しましたところ、2006年、2007年と出生率が大きく回復したという経験から、ピリオド的な不確実性を実感いたしておりますし、震災の影響もございますので、そういった直近のところに関係します部分は、ピリオド的な変動というものを過去のものについて調べまして、これを高位・低位の設定に生かしたいと考えております。

○津谷部会長
 よろしいでしょうか。そのほか御質問ございますでしょうか。
 林委員どうぞ。

○林(寛)委員
 説明があったかもしれないんですけれども、9ページの「現状からみた傾向」の上から2段目、結婚(女性)の生涯未婚、平成18年の推計では「平均初婚年齢の上昇にともなう構造的な生涯未婚の増加に加え、選択的な生涯未婚傾向も進む」と。「現状からみた傾向」の方には「選択的な生涯未婚傾向も緩やかに進む」と、「緩やかに」が入っているんですね。先ほどの独身者調査の結果の2ページの表1−1を見てみますと、「一生結婚するつもりはない」という数字が男性も女性も明らかに増え続けているので、こういう人たちが選択的な生涯未婚傾向という人たちなのかなと思うんですけれども、ここにあえて「緩やかに」と入れる説明はどういうことでしたでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 前回の推計をいたしました翌年、2006年以降の結婚、特にここでは初婚になりますけれども、その傾向を見ますと、若干ですが回復傾向を示しています。どこで回復しているかといいますと、30歳代半ばから40歳代前半までの高い年齢層で、前半も勿論回復はしているんですけれども、どちらかというと前回の推計の際に入れられなかった取り戻しの効果が見られてきているということです。その新しいパターンを考慮しますと、これからの新しい世代についても割に高い年齢での取り戻しというものを実績に併せて組み入れますと、わずかに生涯未婚率が減ってくるのではないかという投影結果になったわけでございます。

○津谷部会長
 ということは、意識ではなくて前回の推計からの過去の5年間の実績値を投影した、つまり行動的な投影と解釈してよろしいでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 そのとおりでございます。ただ、例えば、参照コーホートというのは現在15歳の女性についての話でございまして、そこに至るまでにどういうことが起きるかという将来の話をするわけでございます。前回の推計では、実績値にしたがいまして、かなり急速に進むことを想定したわけですね。今回につきましては、実績に合わせてそこまでは進まない。ただし、先ほどグラフでごらんいただきましたように、生涯未婚率が高まるということについては一向に変わりはないわけです。今後も若い世代にいくほど生涯未婚率が高まっていくということです。この状況が変わったということを示しているのではございませんで、あくまでも量的な話でございます。そういった意味から言いますと、独身者調査の結果、例えば、今、御指摘のありました生涯未婚を志向する割合が若干増えつつあるということは、決してそういった考え方と矛盾しておりませんで、仮定と反する結果が得られてはいないと見ております。

○津谷部会長
 出生動向基本調査は2010年に18〜34歳の女性のクロスセクションの調査である一方、将来推計の参照コーホートは1995年生まれ、つまり2010年時点で15歳の女性のコーホートであるという御説明だったかと思います。ただ、結果としては矛盾はしていないということだと思いますが、よろしいでしょうか。

○林(寛)委員
 先ほどの2ページの独身者調査の表で見ると、「一生結婚するつもりはない」という数字も増え続けるかなという印象を受けます。また、あるいは先ほど伝統回帰のような意識も増えているという意見もありましたけれども、印象としてはひょっとすると二極分化していくというような兆候の可能性もあるのかなということをちらっと思ったものですから、聞いてみました。
 以上です。

○津谷部会長
 ありがとうございました。
 そのほか御意見・御質問ございますか。
 阿藤委員、お願いいたします。

○阿藤委員
 推計と直接は関係ないんですけれども、それこそ加藤委員がおっしゃられた研究的というか、今の平均初婚年齢とか生涯未婚率は、当然推計のためには女性コーホートでやっているわけですけれども、対になる男性の方は一体どうなのかと。これは本当に研究的興味なんですけれども、こういう方式に従ってやったときに男性の方はどうなるのか関心を持っています。いつもそういう数字があればいいなと思っているんですけれども、もし、そういう研究ベースで何か機会があれば推計していただけるとありがたいと思います。

○津谷部会長
 金子部長、いかがでございますか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 ありがとうございます。是非やってみたいと思います。

○津谷部会長
 そのほか御質問・御意見ございますか。よろしいでしょうか。私が冒頭にお願いをしてしまいましたものですから、時間がまだあと8分ぐらいございますが、他に御意見・御質問はございませんでしょうか。この部会の冒頭に申し上げましたように、これを経ましてこの後、実際の将来推計作業に入っていただきます。ということで、その結果を次回の、恐らく2012年1月の下旬ごろになるかと思いますが、その推計結果を今度は次回の部会で御説明いただくという手順になっております。まだ若干時間はございますけれども、よろしいでしょうか。
 では、最後に稲葉委員どうぞ。

○稲葉委員
 まだモデルが頭にうまく入っていないのであれなんですけれども、先ほど来ディスカッションがありました9ページの説明なんですが、平均初婚年齢の上昇に伴う構造的な未婚増加というのと選択的な増加というものの区別は直感的な説明であって、モデルとしてリアライズされているというわけではないのでしょうか。つまり、モデルの構造的として、平均初婚年齢の変化と生涯未婚率の間に何らかの非線形関係みたいなものを置いて、実体的な結婚出生力の低下みたいなものを別途考えているのか、あるいはこれはそういうことがありますという説明なのか、どうでしょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 このモデルとしては、年齢別の初婚ハザードというものを見まして、これまでずっと晩婚化ということが我が国では起きてきているわけなんですが、そうしますと、若い方のハザードが下がって、高い年齢の方のハザードが上がる。最終的には、そのハザードを経験したコーホートが同じ水準の生涯未婚率に至るというのが純粋な晩婚化のモデルということになろうかと思いますが、実際に調べてみますと、ハザードは若い方で下がるほど高い方の年齢で上がってこない。つまり、ある一定のところまでは上がるんですが、それ以上は上がらないというような天井がございます。それでもどんどん若い方のハザードが下がっていって、生涯未婚率が上がってくるということが実際の分析結果として出てきています。そういったことを6ページに示しました初婚率の実績表を基にした、これはあくまでも試験的な投影でございますけれども、こういったところに生かしてきているということで、メカニズムとして勿論そういったものがあるんですけれども、数理的なモデルではなくて、実際にハザードを調節しているという形での反映のさせ方をしています。

○津谷部会長
 ということは、このモデルの中で構造的なものと意図的なものを別々にパラメーター化しているわけではなく、この区別は考え方に関するもので、全体としてのハザード、「ハザード」という用語が先ほどから出ておりますが、これは女性の年齢別の初婚経験確率だと思うんですが、要はそれを調整しているということでございましょうか。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 実を言いますと、もともとの考え方は、夫婦の出生力の方で先ほど二つの出生力があると申し上げましたけれども、こちらは妻の結婚年齢によって最終的な夫婦の子ども数というのはある程度決まっていて、平均的に見ますと極めて安定しているんですね。奥さんが何歳で結婚すると、最終的には何人の子どもを持つということが、以前の60年生まれぐらいのコーホートまでは非常に安定していたということがございます。ですから、晩婚化にしたがって夫婦の子ども数が下がってくる、これはまさに構造的な、意図的なことではなくて、単に遅く結婚したというだけのことであって、その後の行動については、それまでと同じような夫婦の行動のパターンを描いているんですけれども、結婚している期間が短いといったことから構造的に減ってくる。
 それに対して、実際に結婚した夫婦が行動を変えて、子どもは1人でいいとか、持たなくていいとか、そういう形で変化を起こし得る。実際に8ページの左の図ですけれども、それが起きてきているということなんです。これと全く同じことを初婚の方で構造として持ち込んでいるわけです。結婚のタイミングが遅れれば遅れるほど、最終的な生涯未婚率が下がるという安定的な関係がございますので、それと、もう結婚しなくていいやと思って結婚しなくなる部分というのは分けて考えた方がよいということで、そういう対になっているんですけれども、いかがでしょうか。

○稲葉委員
 2つの説明は別の問題のような気がするんですけれども、出生力の方はコンボリューションだから非常によくわかるんだけれども、初婚の方は単独だから、要するに、シフトによって50歳で切ってしまうから自然に未婚率が上がるんですか、そういうわけではないんですか。例えば、年齢シフトしたら50歳のところでの未婚率は上がってしまいますよね。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 勿論それもあるんですけれども、それはごくわずかでして、実際に高い年齢、例えば、30代後半、勿論40代後半と上がってきますと、今おっしゃったように結婚年齢がシフトしますと、その高い年齢でも数理的には当然上がってこないといけないわけです。ところが、現実に調べると一定の水準以上はなかなか上がらないということが観察されていて、それが一つの法則性であるという前提に立ちますと、晩婚化すれば生涯未婚率も自動的に上がる、そういう構造がある程度あると。

○稲葉委員
 少しずつ何となくわかってきましたが、だから、それはやはりモデルの中で区別されているんですね。さっきの説明はレトリックではなかった。

○金子人口動向研究部長(社人研)
 そういう意味では区別して推計しているということにはなります。

○津谷部会長
 結婚の先送りを後でキャッチアップが十分に行われないということで、その部分はモデルに組み込まれているということだと思います。
 ここでのこれまでの御議論を踏まえまして、金子部長のもとで社人研のチームの方には本格的な推計作業に今後入っていただくことになっております。先ほど申しましたが、次回は2012年1月下旬ごろになるかと思いますが、新推計の推計結果のご説明を、モデルの説明とともにここでお願いすることになっております。ありがとうございました。
 次回の開催日時は、先ほどから1月下旬と何度も申しておりますが、確定はしておりません。改めて事務局から委員の皆様に日程を調整していただくようお願いいたすつもりでございます。その後、決定いたしましたら、皆様に御連絡することとしたいと思います。
 本日は、活発な御議論をどうもありがとうございました。大変効率的に議論が行われたと思います。お礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 本日はこれで終了いたします。


(了)

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