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2011年11月9日 第204回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成23年11月9日(水)9:00~13:05


○場所

厚生労働省専用第18~20会議室(17階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 石津寿惠委員
牛丸聡委員 関原健夫委員 西村万里子委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員
花井十伍委員 北村光一委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
北村善明専門委員 福井トシ子専門委員 佐藤田鶴子専門委員
<事務局>
外口保険局長 唐澤審議官 鈴木医療課長 迫井医療課企画官
屋敷保険医療企画調査室長 吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他

○議事

○森田会長
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第204回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について報告いたします。本日は、田中委員、藤原専門委員が御欠席です。また、外口局長は国会のため、遅れて出席されるとのことです。
  それでは、早速議事に入ります。まずは「在宅医療について」を議題としたいと思います。事務局より資料が提出されております。
 10月21日に行われました中医協と介護給付費分科会との合同打ち合わせ会の報告とともに、事務局より御説明をお願いいたします。
 医療課長、どうぞ。

○鈴木医療課長
 医療課長でございます。私の方から総-1、総-2について御説明を申し上げます。
 総-1が在宅医療についてということで、スライド番号を振っておりますので、それに応じまして御説明申し上げます。
 冒頭概説でございますが、スライド2については、既にごらんいただいております。今後の人口推計でございまして、特に75歳以上の人口の率については、ますます高まっており、これが75歳人口の絶対増というよりは、むしろ若い方が減っていくということが主な原因だということがわかります。
 1ページおめくりいただきまして、スライド3でございますけれども、左側の特に青い部分、これもごらんいただきましたが、要介護3以上でお一人でお住まいの方の数、これが3倍近くになっており、非常に増えている。
 また、単身世帯の伸び、右側の青いところでございますけれども、高齢者人口全体の伸びに比べて非常に早いということで、単独世帯が増え、かつその中でも要介護者の方の割合が増えているということがわかります。
 スライド4も既にごらんいただいておりますけれども、これは亡くなる方の数、総数がバーの高さで、そのうち、緑色が医療機関の中で亡くなる方、オレンジ色が自宅で亡くなる方、それから青いところが介護施設等で亡くなる方ということで、実は、この図は1975年から始まっておりますけれども、この左側、戦後すぐのときには、8割ぐらいがオレンジ色でした。現在、約年間120万人亡くなっておりまして、65歳以上人口が100万人ぐらいですけれども、2030年には、それが160万人になるというふうに予想されておりますので、この死亡される方の増というのを、実際、最後、どういうところで看取るべきなのかというところが1つの論点になると思います。
 スライド5は、前回もお示ししましたけれども、社会保障・税の一体改革の中のイメージ図でございます。
 特に、一般病床と俗に今いっていますけれども、その中でも病気の時期、病期に応じて高度急性期から長期療養まで、医療機関の中で分化を図るとともに、特に医療支援がなかなかないところでは、さまざまな患者さんが混在し得るということから、地域に密着した病床での対応も考えるということでございます。
 スライド6でございますけれども、これは、特に介護との協働という観点から見た医療介護のイメージをいくつかのフェーズに応じて書いてございます。オレンジ色のところが、医療のところ、それから青い四角で書いているところが、介護のイメージということで、実際に病院から退院される際、それから地域生活を送っていただく際の問題、それから状態が変化した場合、さらには、状態変化のうちで、入院を要する場合と、さまざまな場合に応じて医療サービスと介護サービスが連携を取りながら提供されるというのが必要だというのがスライド6になります。
 スライド7でございますけれども、これは、今回、11月9日、それから後で申し上げますけれども、次回は11月11日にお願いしようと思っておりますが、今日は、在宅医療の特に在宅療養の支援診療所なり病院の問題。それから、急変、看取りということを中心にさせていただいて、次回は、在宅の歯科、薬剤、それから訪問看護の関係をさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、在宅医療のニーズについて、スライド8以降で申し上げます。
 スライド9でございますけれども、これも以前、お目にかけた図ですけれども、実際に終末期の療養をどこでされたいかということで、いろいろご希望はあるんですけれども、少なくとも自宅で療養して、最期までも含めて、自宅で療養したいというところが赤で囲ったところということになりますので、6割ぐらいは自宅で療養したい、しかしながら最期まで自宅でということになりますと10%ということになります。
 それから、療養に関する希望については、自宅で介護してほしいというところが、やはり4割ぐらいということで、終末期と療養ということで、若干異なっております。
 その下のスライド10ですけれども、これは、男女で差があるということをごらんいただきたくて、このグラフを出しましたけれども、一番左の黒いところが、現在の住まいで介護を受けたいというところです。男性ですと45%程度、女性ですと3割強ということで、男性はおそらく女性よりも早く亡くなる場合が多いということで、配偶者に面倒を見ていただくということを一定程度期待されているということではないかと思います。
 スライド11でございます。これは、申し上げておかなければいけないのは、入院中の患者さんにお聞きしたもの、もしくは家族の方にお聞きしたものですので、一般の住民の方もしくは在宅で介護を受けておられる方ではないのですけれども、そういう方の中で、患者さんの御希望として、今後の療養をどこでお迎えになりたいですかということをお伺いいたしました。
 ご本人にお伺いをしたところ、一番多かったのは、一番右の紫の部分、これは、自宅で療養したいというのが37%でした。
 医療機関については、赤い部分ですので、27%ということでございますけれども、家族にお聞きいたしますと、6割ぐらいが医療機関でというご希望を持っておられて、自宅でというのは、14%弱に過ぎないということでございます。やはり患者さん御本人の思いと、家族の思いとの間でずれがあるということがあろうかと思います。
 スライド12でございますけれども、これは、在宅療養患者さんが、在宅を選択した理由ということで、大きく2つピックアップしておりますけれども、1つは、やはりサービスが確保できたというところが上の○。もう一つは、自宅の中で家族との介護者が確保できたと、この2つが大きな在宅を選択できた理由ということです。
 逆に在宅を選択できなかった理由というのが、スライドの13でございます。これも聞いていますのは入院の患者さんですので、医療機関というのが多くなっておりますけれども、その中でも入院患者さんの中で、今後の適切な療養の場ということで、自宅がいいだろうと、これは医療機関側が判断したものですけれども、約20%おられます。その中で、自宅で療養するということで、見通しが立っていないという方が約3分の1おられます。
 この見通しが立っていない理由というのを見ますと、上位3つが家族がなかなか介護が困難である、それから、退院後の生活に不安があ、。最後は医療サービスが確保できない。この3つぐらいがやはり大きな理由になっているということがわかります。
 違う調査で同様のことを聞いたのが、次のスライド14でございます。これは、平成15年と平成20年と分けて聞いておりますけれども、ほぼ傾向は似ておりますけれども、在宅に移行する場合、もしくは在宅を継続する阻害要因は何ですかということをお聞きしました。
 そうしますと、私どもからしますと、おそらく3つぐらいの大きな理由の群があるんではないかと。
 1つは、介護していただく家族の問題、これは一番左の問題です。それから、真ん中のところは、急変時の対応の問題。一番右のところが、在宅サービスの不足、往診してくれるお医者さんの問題、訪問看護の問題等々、この3つぐらいが大きな群であろうというふうに思われます。
 ということで、スライド15、次のページでございますけれども、3つの点について整理をさせていただきました。これは、今の焼き直しでございますけれども、1つは、やはり介護者が自宅では、なかなか確保できないということですので、自宅以外の場所、特にこれから申し上げますけれども、高齢者向けの住宅等々でどのように受けとめるかという問題がやはりあるだろうと。
 2つ目と、3つ目、これはかなり重なり合っていると思いますけれども、急変時の対応の問題、それから訪問診療、訪問看護等の医療サービスの問題。この3つの問題が、やはり在宅で療養していただく際にはかぎになるのではないかということでございます。
 そのうちの1の自宅以外の場におけるサービスということをスライド16以降でいっております。
 スライド17、これは、平成21年に法改正をいたしまして、23年10月以降施行されておる登録制度でございますけれども、サービス付きの高齢者向け住宅ということで一定の面積、それから最低限の安否確認等のサービスは必要ということでございます。
 さらに、介護保険法の世界では、右の真ん中くらいに黄色の四角で囲っておりますけれども、法改正をした上で、24時間対応の訪問看護・介護サービスということを入れ込みまして、実際には、24年改定以降、介護の方で手当をするということになっております。
 スライド18でございますけれども、この国土交通省と厚生労働省の共管の法律の中で、こうした高齢者に対する高齢者住宅のキャパの割合というのを欧米並み、3~5%にするということを2020年の目途にしております。現在、2005年段階ですけれども、日本では大体人口比で0.9%くらいということでございますので、2005年比で見ますと、大体3倍から5倍にしていくということがあるということでございます。
 スライドの19以降、これは診療報酬における、そうした住まいに対するお支払いの仕方ということですけれども、実際に上の図が平成20年のもの、下の図が平成22年改定のものということで、どのように変えたかというところですけれども、一番左の自宅は変わってございません。変わっておりますのは、真ん中の居住系施設と一般のマンションの違いですけれども、20年以前のときには、すべてが居住系施設の場合には、訪問診療料の2ということで安い料金、マンションの場合には、すべてが訪問診療1ということで高い料金ということになっておりましたけれども、これは施設類型ではなくて、同一建物、訪問人数により整理をするべきだということで、22年改定では、居住系施設についてもマンションについても1人の場合には、訪問診療料1という高い料金、2人以上行く場合には、1人目から診療料が2ということで安い料金、こういうような整理を22年でいたしました。
 実際に訪問診療料の算定がどうなったかというのを見ていただきますと、スライドの21でございますけれども、1、2で変化の割合というのは違いまして、1の方がより少なくなっているということですけれども、実際の算定回数は減っているということでございますので、ここを少し課題としてとらえさせていただきたいと思っております。
 特に、いろいろ現場の声をお聞きしますと、スライド22でございますけれども、真ん中が平成20年、右側が平成22年、これは点数でございますので、1回訪問していただく際の点数ですが、これに10倍をしていただくと料金ということになります。
 実際の医科の訪問診療料、それから歯科の訪問診療料、それから訪問看護、それから訪問薬剤等々をごらんいただきますと、やはり居住系施設のところで赤の点々で囲ってございますけれども、200点というところが、医科が割合目立って低いということでございますので、ここを少し、今回再考してみるという課題があるのではないかということでございます。
 特にスライド23でございますが、これは、1つの診療所ですので、必ずしも全国を代表しているというわけではないんですが、申し訳ありませんが、データがこれしかなかったものですから、お借りをしてまいりましたけれども、これは仙台市において、実際に訪問診療をしておられる場合に、移動にどのくらいの割合がかかっているのかということを示したものでございます。このグラフでは、移動に大体22%ということでございます。ただし、先ほど申し上げましたように、これは仙台市内でございますので、これがもう少し郡部ということになると、移動時間は長くなるということになりますので、その辺も勘案して、多数お住まいの場合には、当然ながら移動時間のところはセーブできるということでございますので、その辺も勘案して設定するということではいかがだろうかというふうに思っております。
 スライド24以降でございますけれども、これは、先ほどの2の急変時、それから在宅の医療サービスを含めて両方を少し御議論いただきたいと思っております。
 スライド25、スライド26でございますけれども、これは、上側が在宅療養支援診療所の基準、下側が在宅療養支援病院の基準ということで、ほぼ似通っておりますけれども、1つ違うのは、在宅療養支援病院の一番上に書いてあるところで、22年改定で在宅療養支援病院の要件を見直しました。もともとは半径4km以内に診療所が存在しないものという要件でしたけれども、22年改定では、そのものに加えて、200床未満の病院を「又は」でつながせていただいたというところが新たな基準になっております。
 次のスライド28をまずごらんいただきますと、そうしたこともありまして、右側の在宅療養支援病院の届出数というのは、11から331ということで、30倍に非常に増えております。在宅療養支援診療所の方も18年当時の9,400余りから、今、1万2,000程度になっているということでございます。
 上の方、スライド27をごらんいただきますと、これが在宅療養支援診療所、病院と、その他の診療所等々で、例えば往診料、例えば訪問診療料についてどのぐらいの点数差があるのかということを示したものでございます。
 基本的には、在宅療養支援病院の方が、特に在宅にかかるものについては高いということでございますけれども、特に下の注で書いてあるような在宅療養支援診療所については縛りがありまして、実際に担当者の氏名や連絡先や担当日や緊急時の対応等々について、きちんと文書により患者さんに提供しているというような要件がかかっております。
 それから、ターミナルケア加算、2番目のところの10,000点、これは10万円でございますが、非常に高いものでございますけれども、この場合には、2,000点の要件に加えて、死亡前24時間以内に往診を行ったということで、看取りの要件が更にかかっているということでございます。
 スライド29をごらんいただきたいと思います。これは、在宅医療を行っていただく医療機関の現状でございますけれども、上の方をごらんいただいても1人で、やはり診療所をやっておられるという方が圧倒的に多いということがわかります。
 それから、下の方の表でも「うち」と書いてある以下ですけれども、在支病、在支診にしろ、実際に訪問に当たるお医者さんの数というのは、1人から2人ということで、非常に限定されているというところが1つの課題になっていると思います。
 スライド30でございますけれども、緊急時の対応をどのように行っているかということで、緊急時の往診を、上の方でございますけれども、時間内、時間外いずれにも行っているというところが黒いところで書いております。在支病なり在支診というのは、7割から7割5分くらいということで非常に高い割合で行っておられますけれども、その右隣、赤で囲っておりますけれども、時間外は行っていないけれども、時間内は対応している。もしくは時間外は行っているけれども、時間内は未対応であると、もしくはいずれも行っていないというところは、やはり2割から3割弱程度まだあるということでございますので、ここをどのように解決していくかということでございます。
 それから、実際に、他の在支診との連携の有無というところを下のグラフでごらんいただきますと、黒いところが連携をしているんですけれども、灰色のところの連携していないというところが、上から3つ目でございますけれども、在支診でも4割くらいあるということでございますけれども、この連携をどのように強化していくかということが、やはり実際に訪問していただくお医者さんの数の少なさということを考えても重要ではないかと思います。
 スライドの31、32でございます。これは、緊急時の対応なり在宅での看取りというのを、前回の診療報酬改定の前と後で比較をしたものでございます。上段が21年度、下段が22年度ということにそれぞれなっております。
 余り差が目立ちにくいということはあるんですけれども、特に黒いところをごらんいただければと思いますが、黒いところは、実際に、例えば緊急時に往診した回数がゼロ回であるというところを示しております。
 これをごらんいただきますと、在支診、在支病の場合には、微減ではありますけれども、21年から22年にとかけては減っているということでございますが、それ以外の病院なり診療所というのは、これはたまたま偶然でございますけれども、全く割合が変わっていないということになります。
 下の方、スライド32は、在宅での看取りについて改定前と改定後の状況を比較しております。特に黒いところ、赤で囲っておりますけれども、ゼロ回というところの割合が、在宅療養支援診療所では、微減ではありますけれども減っています。ただし、それ以外の病院になり診療所は逆に増えている傾向にあるということで若干の差がやはりあるんではないかということでございます。
 スライド33でございますけれども、これは、在宅死亡率の推移ということで、先ほどかなりマクロの状況をお示ししましたけれども、もう少しミクロで見たらどうなるかというところを、ここ15年くらい追っております。
 これは、見方としては、在宅、いわゆる自宅のところと老人ホーム、これは、老人ホームという用語を使って調査しておりますので、この中には、特養なり養護老人ホームなりが含まれていると考えられますけれども、それと分けて、それから合計を出しておりますので、まず、合計のところをごらんいただくと、合計は青いところでございますけれども、大体14.4%、2005年が底でございまして、そこから少し在宅の看取りというのが増えている。
 ただし、特に多く増えているのは、いわゆる老人ホームでございまして、2004年が2.1%から3.5%に増えている。ただし、自宅というものも、やはり2005、2006年のところで12.2%でしたけれども、現在、12.6%ということで、微増ではありますけれども、若干増えているという状況ではないかと思います。
 スライド34でございます。これは、ターミナルケアの実施状況ということで、在宅医療を提供していた患者さんのうち、死亡された方の中で、自宅で死亡された方がどのくらいおられるかということを調査いたしますと、大体この中では52%ということで、在宅医療を提供していると、当然ではございますけれども、自宅で亡くなる方の割合が多いということになるかと思います。
 スライド35でございます。これは、スライド27にありましたような点数の比較の中の関係でございますけれども、これは在宅ターミナルケア加算ということで、一般的には、2,000点でございますけれども、死亡直前の24時間以内に往診または訪問診療を行った場合というのは、10,000点ということで、10万円ということになっております。
 ただし、これは、なかなか難しい課題がございまして、これも1つの診療所だけのものでございまして、必ずしも日本全国を代表しているわけではないということを念頭に置いていただいて見ていただきたいんですが、スライド36でございます。
 実際に亡くなった方全体の中で、この10,000点というのが請求できたというのが53%程度でございますけれども、緑のところと、オレンジのところをごらんいただきますと、緑のところは、10,000点、2,000点ともに算定できなかったということでございます。これは、もちろん、要件にそもそも合致していなかったというところが半数程度ございますけれども、実際に、10,000点の算定要件が合致しているけれども取れなかったというものが8件ございますので、これは、実際に初診をされてから亡くなるまでの期間が非常に短くて、この短さだと、なかなかこの料金というのは請求しづらいということがあったんではないかと思います。
 オレンジのところ、これは、10,000点は算定していないけれども、2,000点を算定したというところでございますけれども、特に24時間以内の訪問がなかったというのが47件でございまして、このうち9件は、この24時間というのを48時間にすると算定が可能となるということで、20%程度は、時間要件というのが1つのネックになっているという状況が、この一診療所のデータからはうかがえるということでございます。
 これは、既にごらんいただいた資料ですけが、スライド37ですけれども、在宅療養支援診療所の中で看取りのない機関、それから看取りが1名以上ある機関で、それぞれの都道府県の中における在宅死との相関を見ますと、当然ではございますけれども、看取りのある機関の数の方が在宅の看取りとの相関があるということになります。これは、各県ごとのプロフィットでございます。
 スライド38、39は同様のデータでございますけれども、これは色に分けまして、カンファレンスがあり、なしのところで、右側を特にごらんいただきますと、緑色が非常によく看取っておられる、青が看取りがないというところですけれども、やはりカンファレンスありのところの方が看取りが多いということになりますし、次のページをごらんいただきますと、地域医療連携に携わる職員の配置との関連ですが、これも右の方をごらんいただきますと、非常によく看取っているところが緑色、看取りがないところが青色でございますけれども、やはり配置がありのところの方が多いということがうかがえるということになります。
 スライド40でございますけれども、在宅医療を提供する診療所の課題ということで、実際に在宅医療提供上の課題、それから右側が在宅療養支援診療所の届出をしていない理由ですけれども、いずれもこれは似通っております。
 多くは、やはり24時間の連絡体制なり往診体制というのが、人員ではなかなか確保できないというところが大きな理由です。緊急時の対応というのも、その中に入っているということでございますので、やはり連携ネットワーク化というのが、1つの大きなキーワードになるのではないかと思います。
 その辺をまとめさせていただいたのが、スライド41でございまして、診療所でございますので、基本的には、お医者さんの数が非常に少ない、1名が非常に多いということでございますので、24時間の対応、それから緊急時の対応、看取りを含めたターミナルというのをすべて自力だけで行うというのは、なかなか難しい場合もあるんではないか。これは、機能分化と連携ということが必要なのではないかということで、いくつかのイメージでございますけれども、スライド42以降、考えさせていただきました。
 スライド42は、これはこういう要件になっているということで、別にこれ以外していないということではないんですけれども、一般の診療所、それか在宅療養支援診療所、在支病それぞれにおいて、実際にしておられるところと、機能強化が必要なところが分かれております。在支診の場合には、有床の場合には、一番右の急変時の入院というのは○になっているということで、単独の機能としては、こういうことになっているということでございます。
 そこで、我々としては、次のスライド43から45まででございますけれども、基本的に、現在の在支診なりのシステムというのは、単独でやっていただく場合が多いと、もちろん、連携等を届け出ていただくというシステムになっていますけれども、ネットワークを基本に考えているわけでは必ずしもないということでございますので、今回、やはり3つくらいのパターンに分けて考えさせていただいたらどうだろうと。
 特に大事なのは、やはり緊急時の対応というのも、必ずしも自院でやっていただくことはないんですけれども、ここも含めて想定をしていただくということが大事ではないかと思います。
 パターン1は、これは、有床の在支診で、これは御自分のところでベッドがございますので、ここは入院も含めてやっていただける。ただし、一医療機関でやっていただく場合には、複数のお医者さんなり看護師さんというのがおられないとなかなか難しいんではないかと思います。
 44のところは、これは有床ではない、無床の在宅療養支援診療所がやっていただく場合で、これはベッドがございませんので、ベッドの部分は、やはり在支病と連携を取って対応をしていただくということが必要ではないかと思います。
 これも、1つでやっていただく場合には、やはり複数のお医者さんがいないとなかなか難しいと。
 ただし、43,44というのは、1つの診療所で複数のお医者さんがおられるというパターンですので、数としては、非常に限定されているというふうに思います。
 むしろ45のところが大部分になるんではないかと思いますけれども、これは、1つの診療所だけではなくて、いくつかの診療所、それから在支病も含めたネットワークで24時間の対応なり、入院等の急変時の対応をしていただくということで、こういう形で現在の1つの診療所の、ある意味でいうと、マンパワーが不足しているがゆえの24時間対応についての課題というのを克服していただくということが1つの考え方なのではないかと思っております。
 その他、3点ほど課題を申し上げます。在宅の緩和ケア、在宅医療を担う施設の地域性の問題、それから地域の拠点の問題でございます。
 1ページおめくりいただきまして、在宅の緩和ケア、緩和ケアについては、がんの回のときに既に在宅を含めて一定程度申し上げておりますけれども、現在、在宅については、こういう料金体系、それから算定回数になっております。
 スライド48でございますけれども、これは、診療所のお医者さんに、さまざまな行為についてお聞きをしました。
 ただし、ちょっと注意をしていただきたいのは、技術的にできるかどうかを聞いているわけでは必ずしもなくて、技術的にできるのは当然ですけれども、医学的管理や急変時の対応も含めた対応ができるかということを聞いておりますので、そこを念頭に、ちょっと聞いていただきたいんですが、さまざまな手技があります。そのうちの青いところをごらんいただくと、これは御自分でも十分できるというところを書いてございます。赤いところは、専門家に相談をすれば行うことができると。緑のところは、24時間対応も含めてなかなか対応が難しいというところでございます。
 現在のところ、特に単独でやっていただくということだけを前提にしますと、青い部分しか対応できないということになります。
 したがいまして、私どもとしては、ぜひこの赤い部分、専門家に一定程度相談できれば、もしくは協力できれば、行うことができるというところも含めて行っていただければ、在宅における緩和ケアの推進力というのも非常に高まるんではないかというふうに考えております。
 スライド49でございます。これも一診療所の例で恐縮ですけれども、これはがん治療の専門病院、右上、左上に書いてございます。それから、基幹となる在宅療養支援診療所、これは複数のお医者さんがいる、かなり特化したタイプというふうにお考えいただければいいと思いますが、そこと在宅療養支援診療所と一般診療所が連携して在宅の緩和ケアを支えるという形になっております。
 ただし、49の下のところに書いてございますけれども、現在の問題は、同じ日に、例えば病院と診療所が訪問診療をするということになると、急変時を除いては、どちらか一方しか算定できないということになっておりますので、もちろん、お忙しいお医者さんがどこかでカンファレンスをされるということであれば、別かもしれませんが、多くの場合は、こういう場合は、在宅の場合、実際に患者さんの御自宅に同時に行って、相談しながら今後の療養方針なりを議論して、専門家のヘルプを得るということになろうかと思いますので、そういう場合に限定して、現在のこのルール、同一日に算定できないということについて、一定の緩和を図るということが必要なのではないかという論点もあろうかと思います。それが第1点でございます。
 第2点目、これはどうこうしたいということでは、必ずしもないんですけれども、少し在宅医療を担う医療機関の地理的分布を、これは、奈良県を中心にごらんいただきます。
 実際に、先ほど申し上げた在宅療養支援診療所の分布を奈良県で拝見しますと、北西、左上のところに集中しているというところがよくわかります。これは、人口からして当然でございまして、大阪に近い方が人口が集中しておりますので、こういうことになっております。
 それをもう少し細かく見たのがスライドの51でございます。これは、ちょっと見にくいかもしれませんが、左側が総人口メッシュ、それから右側が65歳以上人口メッシュでございまして、人口の多いところには、やはりそれなりに在宅療養支援診療所があるということがわかります。わかりますが、特に奈良県の南部については、現在のところ、ほとんど在宅療養支援診療所がないということが逆にわかるということでございます。
 それぞれの施設がどのように分布をしているかということでございます。これは、WAM NETで見ましたので、必ずしも100%正確かどうか、もう一度確認をさせていただきますけれども、WAM NETでは、こういうことになっているということで、左側が医療機関なり訪問看護ステーションの分布。右側が老人保健施設、特養、それから特定施設という介護施設の分布ということでございます。いずれもやはり左上、北西のところの、大阪に近い人口密集地域に非常に密に分布しているということは、そのとおりでございますけれども、実際に、左側のところをごらんいただきますと、南部でも街道沿いの枢要なところに、在宅療養支援診療所ではなくて、一般診療所があるということがわかります。
 特に南部の人口密度が薄い地域をごらんいただくと、青い一般診療所というのがいくつか街道沿いにございます。これは、1つを除いては国保の直営診療所というところで、こういうところは非常に重要なサービスの拠点になっているというところでございますけれども、残念ながら、ここがまだ一般診療所でございまして、在宅療養支援診療所ということになっていないということでございます。
 まさに先ほどの少し広域的なものも含めて、ネットワークで考えていただければ、こういうところも24時間支える在宅療養支援診療所になっていただけるんではないかということで、少しその辺も考えさせていただければと思っております。
 スライド53以降、これは、医政局の資料も含めまして、53は何回かごらんいただいておりますけれども、医療・介護の提供体制ということで、一番右の小・中学校区レベル、左にいきまして、市町村レベル、人口20~30万レベル、それから都道府県レベルということで、それぞれ高度な医療機関であれば、レベルが高い方に存在しているということになります。
 スライド54、55、56以降が医政局の資料でございまして、54は、これは在宅医療の連携拠点事業ということで、在支病なり在支診なり訪看ステーションというところが中心になって、人材の育成なり、医療と介護の協働なり、退院支援なり、情報の共有等を行うということになっております。
 スライド55でございますけれども、これは多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成ということで、都道府県のリーダーなり、地域リーダーというのを育成すると、将来的には、地域リーダーによる、地域の多職種に対する研修というのも考えるということになっております。いずれも24年度の予算要求ということでございます。
 56は、在宅医療拠点事業の展開ということで、さまざまなモデル、都市型、地域モデル、それから、どういうところが中心になるかと、もしくはどういう患者さんをモデルにするかというところになっているということでございます。
 スライド57は、今、申し上げたところの文章のまとめでございますので、省略をさせていただきます。
 ちょっと時間がかかっているかもしれません。スライドの総-2だけ簡単に御説明をいたします。
 これは、先ほど会長からもございました、10月21に実施されました中医協と介護給付費分科会との打ち合わせにおける主な意見ということで、ざっとだけ御紹介をいたします。
 最初の「地域包括ケアシステム」というところにおいては、やはり何らかの拠点が必要ではないかということでしたけれども、意見がさまざま出まして、この拠点としては、市町村がいいのか、それともさまざまな関係団体の連合会体なのかということについては整理が必要ということでございます。
 それから、ケアマネージャーの役割、下から2つ目の費用対効果やサービスの効率的な提供と、これもやはり考えていくべきではないかということになっております。
 2ページ、本日も課題になっている在宅医療と、もしくは訪問看護、リハビリテーションですが、リハビリや訪問看護については、やはり利用しやすい仕組みというところが必要ですので、退院直後や急なADLの低下時というのは、考えた方がいいということ。
 下から2つ目ですけれども、訪問看護と訪問介護の連携というのもやはり必要だという論点。
 それから、認知症にまいりますと、ケアをどのように標準化していくか、また、医療と介護でどのように役割分担をするかというところも、やはり課題として定期されております。
 また、医療については、早期発見をした上で個別ケアをする。3つ目のポツです。
 それから、4つ目、在宅医を養成する。それから、薬剤をどのように管理していくかという問題があろうかと思います。
 3ページ、ターミナルケアについては、今回の課題とかなり関係しますけれども、在支診で看取っているのは4分の1程度と、残りはやはりかかりつけ医の方が看取っているんだけれども、やはりお一人では、なかなか24時間365日というのは難しいということで、グループ型が大事ではないかということをおっしゃっておられます。
 次の療養病床転換は、主に老健局の問題でございますが、その他のところで、特に上から3つ目のところ、胃ろうの問題が提起されております。胃ろうを増設して介護施設に送られると、なかなかそのケアは難しいということで、この胃ろうを例えば経口の摂取に切り替えていくような手立てというのが、やはり必要なんではないかという御議論でございました。
 以上が、簡単ではございますが、21日の議論のまとめでございます。
 事務局からは、以上でございます。

○森田会長
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御質問等、御発言をお願いします。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 まず、中医協と介護給付費分科会の打ち合わせ会なんですが、これは、中医協の2号側としては、1号、2号、3号2名ずつということでバランスが取れていたと思うんですけれども、介護給付費分科会が学者の方だけが4人、いわゆる公益側の人みたいな人だけが出てこられて、非常にバランスに欠いた人選だったと思うので、話を傍聴させていただいていますと、この方は、全部介護の専門の学者の方々ですから、学者の御意見を中医協の委員が拝聴するような、ちょっと皮肉混じりの御意見もございましたが、そういう会のような感じがして非常に違和感がありました。
 その中で、地域包括ケアシステムのハブが必要だという話があって、そのもともとの資料というのは、我々中医協の2号側の委員が出したものなんですが、これは、そもそも1月、2月ごろにつくったもので、今回の打ち合わせ会に合わせてつくったものではないんですね。大震災等ありまして、出しそびれていたものを、ちょうどいい機会かなということで出したということで、そういう意味でつくられたものであるということが1つ。
 それから、その中でたまたま発言が、自治体にいい例があったというような話が出てしまったんですが、それを介護給付費分科会の学者の先生方が受けて、御自身の考え方に合っていたということもあるんでしょうが、自治体がやるべきだということで話が進んでしまったというのは、私は非常に問題だと思っておりまして、その場でよほど発言しようかと思ったんですが、さすがにそれはやめましたけれども、元のオリジナルの文章を読んでいただいたら、これには、ハブの機能を担う主体は、それぞれの地域の実情に応じて工夫されるべきであり、自治体や地区医師会が中心になる場合もあれば、病院の場合もあれば、診療所の場合もあり得るだろうということで、非常に多様性を持たせて書いてあるんですが、議論が自治体だけになってしまっているのは、非常に我々の考え方とも反しますし、たとえ給付費分科会の先生方がそういうお考えを持ったとしても、我々はそうではないということをはっきりさせておきたいと思います。
 もう一つは、在宅医療の枠組みなんですが、グループで見なければならないともとれる説明にも違和感を感じました。在宅医療のシステムについて、幾つかのパターンが示されたんですが、そういう複数の医療機関でやる場合も勿論あるでしょうけれども、現在、既に単独の診療所とか、あるいは在宅療養支援病院もあるわけですが、単独でやっていらっしゃる場合もあるわけですね。少人数で大変だろうと、御心配いただくかもしれませんが、1人の先生でもかかりつけの方にちゃんとやっていらっしゃる先生もいらっしゃるので、それは勿論、現状、今、やっている形はすべて認めた上で、更にこういう連携をして、負担を減らして、今、参加されていないような先生でも、こういう形だったらできるんじゃないかという意味だと理解していいということなのかどうかを確認したいと思います。
 もう一つ、奈良県の地図が出てきまして、南半分くらいがほとんど過疎地域だということなんですが、これは、私、今朝、十津川村の村役場に電話をしまして、確認をしました。そうしましたら、人口は4,000人、特養が1か所とグループホームが1か所あります。それから、国保の診療所が2か所、それから開業医の先生が1か所あります。
 今、一番の悩みは、3軒あった開業医の先生が、2軒、御高齢でやめてしまって、今は1軒しか残っていないんですが、その先生も御高齢でいつやめようかという話が問題であるということで、開業医の先生の収入がどうこうという話がありますけれども、こうやって地域医療を支えている先生方を余り追い込まないでほしいと思います。
 それと、在宅もちゃんとやっているんです。訪問看護もやっている、ホームヘルパーもやっている、それから診療所は往診もしている。ただし、訪問診療までする余裕はないという話でした。
 それから、入院施設はないので、入院の場合は、五條市、それから和歌山県の新宮市に行くということでしたので、やはり私は在宅を、こういうところでもできるんですよ、でも、完璧にはできないから、こういう場合、例えば、もし、医療圏をつくるんだったら五條市というのがありまして、あるいは南和医療圏が人口8万ぐらいですね。恐らくそこを全体で1つぐらいにしないと、街道沿いの診療所1か所を在宅療養支援診療所にしても無理だと思いますね。そこの先生は自治医大から来ているそうですけれども、多分パンクしてしまうと思います。非常に在宅まで遠距離ですからね。
 やはりそういう地域性が必要だろうということで、現在在宅の話が進んでいますが、私は都市型と地方型と、少なくとも2つのパターンに分かれるだろうということを言っているのですが、地方の場合は、恐らくこの南和医療圏、10市町村くらいありますね。でも、人口は8万くらいしかいないんですよ。そういうところは、多分、1つくらいにまとまらないとできないんではないかと思います。
 それでも、在宅はやっているのですが、巡回型は無理ですと、それから訪問診療も現状では無理ですというようなお話でございました。ですから、そういう場合には、地方型だと施設も使った、あるいは急変した場合は直接入院させるとか、そういう施設や入院も使った在宅というのがあって、そういう地域性に応じた形が、少なくとも都市型と地方型では必要なのかなと思いました。
 以上です。

○森田会長
 ありがとうございました。それでは、事務局の方からお答えいただけますか。

○鈴木医療課長
 1点、確認がございました。今、鈴木委員がおっしゃったように、私どもとしては、在宅にさまざまな形で関わっていただく診療所の先生なり、病院の先生を増やしていこうと思っておりますので、現在、お一方で、1か所でやっておられる方は、そのまま当然やっていただいた上で、こうしたネットワークに参加していただきたいということでございます。

○森田会長
 ありがとうございました。最初の点ですけれども、社会保障審議会の介護給付費分科会と合同で行った会合の件ですけれども、それについては、鈴木委員の御意見ということで承っておいてよろしいですね。中医協の委員も参加された上で、一応、こういう形で結論が出たんですけれども。

○鈴木委員
 いや、御意見というか、間違った結論だと思いますので、修正していただきたいと思います。

○森田会長
 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
 今、鈴木委員が言ったことですが、私は、そのとき出ていましたので、このハブの運営責任の所在地のところですけれども、最初は、安達先生が京都でやっている例を示して、そこでは自治体がやっているという意見があって、それに応えて、たしか田中先生と池田先生の方が恐らく自治体というのが望ましいみたいな意見があったんではないかと思っています。
 田中先生と池田先生の場合は、あくまでも介護保険の方の立場から言ったということで、医療保険の方では、安達先生が、結論ではなくて、京都の例を言ったというだけでございます。私もそのとき発言をしておけばよかったんですが、私たちの報告書には、自治体とは一言も書いてございません。これは、実際、ハブ機能を担うのは、在宅療養支援診療所あるいは在宅療養支援病院等々現場だと思うんです。それは現場がするのであって、行政の役割というのは、そういうハブ機能を現場がしっかりできるような整備、仕組みづくりであって、行政自体が、こういうようなハブ機能を持つということは、私はあり得ないと思っています。そういうことでは、ハブの運営責任という言葉がちょっと誤解を受けるので、その辺りは、もう少しわかりやすくしていただきたい。行政の役割と、それからハブ拠点はどこにするのかというのが、ここでは混じり合っていると思いますので、そこら辺はきちんと整理していただきたいと思っております。

○森田会長
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 それだけで申し上げれば、私は、京都の例を確かに御紹介しましたけれども、今、西澤先生がおっしゃったとおりの趣旨でございます。京都がなぜその形でやれるのかというのは、自治体の、実は京都府には、地域医療包括ケア推進機構という新しい部署が近年できました。
 この部署は、実は実務の関係もあって京都府の御要望で、京都府医師会館、昨年から新しくなりましたが、その医師会館内の最上階にこの部署を、京都府が置いておられます。
 つまり、我々が申し上げたいことは、今、西澤先生がおっしゃったとおりで、実務に関わる我々医師会の側が非常にきっちりと、包括ケアシステム、機構に対して実務的に発言をすることができ、しかも、我々の意見を中心にしてその機構が運用をしていただいているという状況だから、それはやれるということでありますので、そういう意味の御紹介をしたというのにとどまっておりまして、私も別にハブを自治体でというふうに言ったつもりも全くないので、この辺の文言の整理は必要なのかなと思います。

○森田会長
 ありがとうございました。あれは、一応、それぞれの方の御意見が出たということですが、伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員
 私はそのときに、自治体の役割というのは、非常に大きいと、決してそれを逃げるものではなくて、積極的に一緒に皆さんと連携をしながら取り組んでいかなければいけないと、そういう趣旨の発言をしたつもりでありまして、決して自治体だけが唯一の責任を担うものではなくて、ただ、自治体が皆さん方、医療者にすべてを任せて、知らない顔をするということはあり得ないということを申し上げたつもりであります。

○森田会長
 この件については、それぞれのところで出た御意見をまとめたということで、特にそれに対して反論があったわけではないということだと思いますので、そういうことで、この資料というのは出されているということです。

○鈴木委員
 その会に出られなかった委員が、今、反論しているということですから、是非それも、私は修正をすべきだと思います。明らかに正しくないことですから、我々の考えと違う内容になってしまっています。結論がね。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○鈴木医療課長
 これは、当日、冒頭に会長にも言っていただいたことですけれども、この会というのは、何らかの結論を出すというよりは、お互いに意見を言っていただくという趣旨でございますので、誤解のないように言っておきますと、この何らかの発言をされたことをもって、厚生労働省で何かを決定したとか、そういうことでは必ずしもないということが1つ。
 それから、もう一つ、この会議自体が圧倒的に市町村だけがやるべきだということであったかということについては、このまとめでございます。これは、いろんな意見が出た意見を網羅的にやっているので、必ずしも100%ではないですが、この中で市町村が望ましいんではないかという意見もあれば、関係団体の連合会なのか、整理が必要であるという意見もあって、一応、出た意見を両論で併記しておりますので、別にこの中で圧倒的に市町村だけがということが会議の中で議論されたわけではないということだと思います。

○森田会長
 どうぞ。

○鈴木委員
 私の記憶では、関係団体の連合体という意見は出ていなかったと思います。自治体一色みたいになってしまったので、私は、それは非常に間違った結論だと思ったので本日発言しました。多分、これは後で付け加えたんじゃないでしょうか。

○森田会長
 どうぞ。

○鈴木医療課長
 もう一度録音を確認しますけれども、我々は、一応、録音のテープから起こしてこれをつくっておりますので、意図的に何か加えたということはありません。

○森田会長
 いずれにしましても、これは既に会議があって、その記録ですので、記録の仕方が適切かどうかは御確認いただきたいと思いますが、この内容について異なる御意見があるという場合には、ここで議事録なり、何なりきちんと記録するということにさせたていただきます。この文章そのものを訂正するかどうかというのは、向こうとの関係もございますので、ここではそこまでできないということでございます。
 それでは、ほかにいかがでしょうか。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 ちょっとこの話を終わらせたいので、先にこの打ち合わせ会のことを申し上げますけれども、私は、最後に申された大森分科会長のことは、大変気になっております。2点あります。
 1点は、まず、こんな会要らないんじゃないのとおっしゃいました。事務局同士の打ち合わせでやれるはずではないのかとおっしゃいました。この認識は、私は大変問題が大きいと、中医協の側から言えば申し上げなければならないだろうと思います。事務局の打ち合わせだけで済むということは、事務局発の規範だけでやればいいという話ですから、では、分科会の委員は、あるいは中医協の委員は何のために存在しているんだということを考えると、先ほど冒頭、鈴木委員が言われたように、分科会の側は医療担当者も出てこないし、施設の担当者も出てこなくて、公益委員だけが来ておられると、そういうことと関連をして、やはりその分科会の姿勢というものは、私は中医協としては意義ありと申し上げたいと、それが、まず、1点であります。
 もう一点は、最後の締めくくりでありまして、分科会長は、介護の現場では、医師が最も偉いと思っている事例が多いと、これは是正しなければならないと、これでは前に進まないという締めくくりでございました。極めて遺憾でございます。
 強いて申し上げれば、今日ここに来ておられる2人の委員は違うのでしょうがと言っていただきました。西澤委員と私のことであります。申し上げたのは、我々は、極めて日本の医療界の中では平均的な医師でございまして、全く変わってはおりません。
 それから、特に在宅医療に関わる医師は、関わった経験が1回でもあれば、在宅医療が医師だけでは成立しないということは身をもって知ります。看護師さんもいれば、ヘルパーさんもいる、みんなの協力がなければ成り立たないということは、身をもって体験をするわけでありまして、そんな理解でおられるということは、非常に遺憾に思いました。
 1点だけ申し上げたのは、介護の中にある医療の部分について、これは、法的我々医師が圧倒的に責任が重い、多くの責任を持ちますので、その部分については、我々の意見が出る、これはそうでなければならないし、職業の専門性と知識から言ってもそうなるであろうということは申し上げました。
 しかし、全体としては、そんなことを思っている医師が日本にいるとは、私は到底思えないということを申し上げたので、介護保険スタートからの設立の歴史のような分科会長はお立場で、介護保険のことは極めてよく精通しておられるわけでしょうが、その立場の方が、いまだにそんな印象を持って分科会の議論をしておられるのかということについては、非常にある意味では、暗澹たる思いがいたしましたということも重ねて申し上げておきます。印象でございます。

○森田会長
 それは、ここで御発言があったということで、よろしいですね。
 それでは、嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 在宅医療に関しては、私も中医協の委員になってから、ずっといろんな意見を申し上げてまいりましたが、今回の今までの問題点をまとめられたという点では、非常に尊敬を申し上げます。
 それで、やはりこういう1つの政策的な、これによって診療の流れが変わると思うんですが、大学病院なり、あるいは急性期病院なり、がんセンターのような、そういうところのソフトがこちらに流れる可能性が十分にあるんですね。要するに、そのシミュレーションも同時にやらないと、やはり1つの理念だけ突っ走ると、やはり現場は、制度の裏にはそういうことが起きますので、それがどうなるのかと。
 例えば、余り看取りが増えていないから、看取りを増やしましょうということで、診療報酬をそちらの方にちょっと上げますと、やはり医療というのはそちらの方に動くんですね。そうすると、今、勤務医がかなり疲弊しているところで、そういうことも考えながら、こういうことをおやりになっていただきたいと思うので、私は、事務局にお願いは、非常に今までの問題点は整理されて、勿論、全部満点ではないんですけれども、整理されているので、その陰のところを、今度データとして出して、これが起きればどうなるかということですね。
 もう一つは、例えばがんの在宅療養が、川越先生は、非常に御専門家で、日本でも有名な方なので、それはできるんですけれども、これを、例えば日本全国に、この1年や2年で普及した場合、そのクオリティーを担保する制度設計も同時にしておかないと、診療報酬だけでは進まないで、現場が非常に混乱する。今までも、これは日本の政治の政策立案の弱いところなんですけれども、それを今度は出していただきたいと思うんですね。
 それでなくても、今の高等教育費を始め、教育に関する費用が医療の中でも、例えばがん助成金等々でも、レジデントの数が、教育費が減らされているとか、そういうことがございます。国立大学でも運営費交付金、私学助成金も減らされていると。
 教育も、やはりこれと一緒にやっていかなければ、このソフトは動かないわけで、その辺のことも事務局としては、やはり中医協というのは、お金を付けるとどうしてもそういうふうにそっちに動きますから、それを教えていただきたいと思います。
 これは、会長、大事なことなので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。

○森田会長
 事務局、よろしいですか、今の点につきまして。

○鈴木医療課長
 今日は、手元に資料はございませんけれども、今、嘉山委員から御指摘の点については、具体的に議論する際には、ぜひ提出させていただきたいと思います。

○森田会長
 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
 総-1の資料で、3点ほど質問と意見があります。まず、23枚目ですが、川島先生のところですが、移動時間が22%とありますが、実は、私たち訪問診療と言った場合に、大体医療機関を出発してから帰るまでというような概念があって、その中において、移動時間がどれだけあって、それから患者さんの家にどれぐらいいるかということですが、この時間を見ますと、1日の業務ということで、朝のミーティングから始まって、全部で660分、11時間の中の移動時間が142分ということですね。ちょっと私たちの普通の考え方と若干違うんじゃないかと。
 また、これは、何軒行ったかということも書いていませんので、できれば、これは何軒行ってこのような状態なのかということも書いていただかないと、きちんとしたデータになっていないんではないかと思います。
 例えば、これで、何軒行ったかでも変わりますが、滞在が178分ですか、大体3時間、それで移動時間が2時間ということになったら、滞在時間が1軒当たり何分というのは、非常に大事な資料ですね。例えばこれが1軒に1時間いるのであれば、大体3軒行っているということですから、70分の移動時間と見られますし、30分だったら、移動時間がすごく長いということも言えます。もう少し、こういうデータはきちんと正確なものにしていただいた方が後で議論しやすいと思います。
 36枚目ですが、在宅での看取りとターミナルケア、これの右側の上の方ですが、ともに算定がない場合、初診日から在院日数が数日で死亡、12件が取れていないんですけれども、そのうち8件は10,000点の算定要件を満たしているが算定していないということは、あとの4件は、具体的にはどういう例と考えていいのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
 もう一つは、49枚目ですが、川越先生のところですが、下の注の中に、1日に複数の医療機関が同一患者に訪問診療を行っても一方しか取れない。この場合、基幹となる在支診は、川越先生のところですが、同時でいくというところは、下の在支診あるいは一般診療所だけのことを言っているのか、あるいはほかの上の病院も含めて言っているのか、ちょっと教えていただければと思います。
 以上です。

○森田会長
 事務局、お願いします。

○鈴木医療課長
 具体的にスライド23で何軒訪問したか、もしくは2番目のところで4軒分は何かというのは、今、手元に資料がございませんので、また、調べさせていただきたいと思います。
 スライド49の例については、これは一般ルールでございまして、患者さんの側から見て、同じ日に複数の医療機関に行った場合には、緊急時を除いてはどれかしか算定できないということですので、別に在支診だからとか、病院だからというふうに区切っているわけではございませんで、それを全部含めて複数行った場合には算定できないということになっております。

○森田会長
 西澤委員、よろしいですか。

○西澤委員
 わかりました。49ページのことですけれども、結局、具体的に川越先生の例だということではないわけですね、下の注ということは。

○鈴木医療課長
 御指摘のとおり、これは一般ルールということでございます。

○森田会長
 それでは、1号側、白川委員、どうぞ。

○白川委員
 今回の在宅医療に関する資料は、問題点を明らかにする形でうまくまとめていただいたと、事務局には感謝したいと思います。
 意見と質問とを混ぜて発言をさせていただきますが、資料を見ますと、在宅支援の診療所あるいは病院の数は、着実に増えてはいるというもの、スライドの21で見ますと、訪問診療料の算定状況は、余り変化がないといいますか、むしろ減っているように見えるということがちょっと気にかかる点でございます。要は、在宅医療が非常に重要だということは、ここにお集まりの委員の方の共通認識だと思うんですけれども、それが進まない、あるいは看取りの問題まで含めて余り進まないという本当の原因がどこにあるのかということを1回皆さんで議論する必要があるんではないかと。
 我々は、医療の現場にいるわけではありませんので、2号側の先生方は、本当の原因はここなんだといった御意見がある先生もいらっしゃると思いますので、できれば、是非聞かせていただきたいと、1点はお願いといいますか、希望しております。
 それから、在支病の方の動きというのは、私どももよく理解ができておりませんで、2年前の改定のときに、在支病の要件を若干緩和した形で、病院にもそれなりの在宅医療への御貢献というのを期待したわけですけれども、331というのがスライドの28に示されていました。ただ、これが地域別にどうなっているかというのがよくわからないものですから、1つは、都道府県別にどうなんだという話と、いわゆる都市部とそうではないところで、どういう差があるんだといったことを、もしもデータがございましたら示していただきたいと、これはお願いでございます。
 と申しますのは、事務局の方で、スライドの43、44、45で、目指すべきイメージというのを提示されておりまして、確かに診療所の方は医師の数が平均で1人台ということですので、往診、訪問治療まではなかなか難しいというのが現実だと思いますから、こういった連携、特に45のスライドにありますような連携のパターンを組むというのは、絵としては決して間違っていないというふうに思うんですけれども、現実が可能かというところは、我々もちょっと理解できないところでありまして、例えば中心は在支病ということになるわけですが、331の地域別の分布を見て、こういうことが成り立つのかという話。
 それから、奈良県の地図が出ておりましたけれども、あれだけ広い範囲で、在支診同士で連携を組んで訪問あるいは往診みたいなことができるのかというのが現実問題としてかなり難しいパターンではないかと。都市部はある程度できるかなという感じはしますけれども、したがって、在宅医療の議論をする場合は、どなたか委員もおっしゃいましたけれども、都市部とそれ以外のところで、いろんなパターンを変えて、これも当たり前ですけれども、診療報酬上のいろんな評価、配慮も必要ですけれども、それ以外のお医者さんの配置といったことも含めて、総合的に考えていかないと、そこが進まない本当の原因ではないかという気がしております。

○森田会長
 ありがとうございました。一応、お答えいただけますか。事務局、どうぞ。

○鈴木医療課長
 今、白川委員から御質問がございました点ですが、特に在宅の医療がなかなか進まない原因というのは何かということでございます。
 先ほど若干御説明しましたが、スライド40をごらんいただきますと、右側を特にごらんいただきますと、在宅療養支援診療所の届出をしていない理由というのが書いてございます。これは、必ずしも在宅医療ができない理由と100%一緒かというと、なかなか難しいところがあると思いますが、今、近似のデータとしては、こういうところが多いということです。やはり24時間の往診なり、連絡体制、それから訪問看護、こういうところがなかなか確保できないので在宅療養支援診療所の届出はできないと言っておられるところが、やはり多いということでございますので、こういうところをどう考えるかというところが1点あろうかと思います。
 それから、2点目の331の在宅療養支援病院の地域分布なり郡部と都市部の違い、これは資料をまた別途用意させていただきたいと思いますが、先ほど鈴木委員からも御指摘がございましたけれども、非常に人口が薄いところで、どのような形で在宅医療を確保できるかというのは、明らかに都市部の人口密度が高いところとはちょっと違ったパターンになるというのは、御指摘のとおりだと思いますので、そういうところも踏まえて、一定程度の在宅を支えるシステムというのは、どういうものが考えられるかという案を具体的に提示する段階で、また整理をさせていただきたいと思います。

○森田会長
 白川委員、よろしいですか。

○白川委員
 今、鈴木課長からは、スライド40について、在宅療養支援診療所の届出をしない理由ということで御説明があったんですけれども、私が申し上げたいのは、在宅支援の診療所の届出をするとか、しないとかいう話ではなくて、医療の関係者は、すべての方が何とか患者さんの役に立ちたいということで奮闘されているんだと思いますけれども、そうは言ってもいろんな物理的な制限もありますから、ですから、仕組みだけの問題あるいは診療報酬上の評価だけの問題ではないんではないですかということを申し上げたいということでございます。そうは言っても、診療報酬上、何も評価しなくてもいいのかと言われたら、そんなことはないとは思いますけれども、申し上げたかったのは、厚生労働省として、すべての局に関係があると思いますので、全体としてどういう方向にするかというのを是非とも考えていただきたいと。その中で、診療報酬上の位置づけはこうしますというような形にするのが理想ではないかなということを、これは意見として申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○森田会長
 北村委員、どうぞ。

○北村委員
 白川委員のお話に関連するんですけれども、在支診の登録をしなくても、地域で患者さんのために看取りまでなさっている先生もいらっしゃると思うんですね。
 在支診や在支病、そして届け出ていない地域のかかりつけ医の先生方々も含め、これからの地域医療というのは、看取りも含めて進んでいくんだろうと思います。一方で、患者本人の意向と家族の意向が異なるという問題もあり、在宅ターミナル加算のように10,000点という高額な加算があっても、在宅が進みにくい面があるのかと感じました。
 事務局に質問ですが、42ページが現状で、43から45まで、これからのイメージがありますね。このイメージは、41ページの、やはり機能分化、関係機関との連携というのが前提になっているわけですが、これは、次回の改定で踏み込まれるのか、それともこういうイメージ図というのは、これからどのくらいの時系列で進めていかれようとしているのか、教えていただきたい。

○森田会長
 事務局、お願いします。

○鈴木医療課長
 今、北村委員から具体的な御質問がございました。スライド43から45のイメージというようなものを、先ほど鈴木委員からもありましたけれども、これは、必ずしもこの3つに全部当てはめるということではなくて、現行に加えてこういうものをしっかりやったらどうかということですけれども、私どもとしては、これは、これから中医協の先生方への御相談次第ですけれども、できれば、24年改定、今回の改定のときにこうしたグループというものも診療報酬体系の中に組み込み、もちろん、1回入れてすぐ日本全国津々浦々これができるというほど状況は甘くはないと思っておりますので、その段階でこうしたものを更に広げていくにはどうしたらいいかというのを引き続き考えるという、こういうステップで推進をさせていただいてはどうかと思っております。

○森田会長
 それでは、花井十伍委員からお願いします。

○花井十伍委員
 花井十伍です。質問と意見なんですけれども、スライドの19、20、21、22の辺りで、いわゆる在宅患者訪問診療料の22年改定の効果という部分で、もう一つ件数が上がっていないというところがあって、事務局の方から22で、居住系施設等で一部低いんではないかという指摘がされたんですが、そもそもいわゆる訪問診療料加算を見直したことが、思ったより効果が出ていないということを事務局としてどのように評価されているかというのが1点。
 それから、意見なんですが、先ほど西澤委員からも指摘があったんですけれども、訪問にかかる移動時間というのは、結構これは地方と都市でくるくる回ると言ったら失礼ですけれども、午前中に3軒回れる軒数の話と、それから半日かかってやっと1軒回れたという場合とでは、おのずと違うんですけれども、22年改定では、やはり一軒屋であれば、ある種同じということで、いわゆる830点ということで一律になっているんですが、ここはやはりどれだけ効率性というものも含めて、これが都市部と地方で一律になっていること自体が、果たして公平なのかどうかというのは、非常に疑問に思うので、これは意見なんですけれども、やはりここはもう少し人口密度で見るのか、何人をどのくらいでやれるのかというので見るのか、それは、また、資料等を出していただいて検討していただいたらいいと思うんですけれども、やはりここは見直すべきではないかというふうに思います。
 もう一つだけ質問なんですけれども、先ほど、自治体の役割について最初に議論が出ていましたけれども、先ほど鈴木委員からも意見が出ていましたが、例えば真言宗は和歌山県ですね。奈良県と、つまり越境問題というのはよくあって、物流であれば、県境というのは無視して、いわゆる合理的な枠組みというのがやられるわけですね。そういうときに、自治体が絡むときに、よく越権問題で、結局、こっちの県の予算はそっちに使えないみたいな議論で、よく壁になるんですが、その辺のことは、医政局等はどういうふうにお考えになっているのかなという質問です。質問は2点で、意見が1点です。
 以上でございます。

○森田会長
 事務局、お答えください。

○鈴木医療課長
 まず、1点目の訪問診療がなかなか現在のシステムで効果が出ていない理由、これはさまざまな理由があると思います。もちろん、根底には、資料の中でも申し上げていますけれども、基本的には1人で開業されておられる診療所というのが多くて、なかなか資源的にも、先ほどの奈良県南部の問題ではありませんけれども、訪問診療等ができにくいというところもあります。
 それから、受け手側の家族なり患者さん側の課題としては、やはり患者さんは比較的御自宅でという要望は多いんですけれども、家族の場合、一定程度になると、やはり病院なり施設に診てほしいというケースが一部散見されるということで、複合的な要因として、なかなか訪問診療が進まないという土台があった上に、ある意味でいうと、診療報酬的に、これから一定程度伸ばしていかなければいけない居住系施設等について、今、非常に低い評価になっているというところが合わさった複合的な要因で、現在のところなかなか伸びていないんではないかと、現在のところは分析をしております。
 それから、自治体の問題、確かにおっしゃるように、必ずしも都道府県単位だけではなくて、都道府県の境を越えて移動するというような場合もございますので、ある意味でいうと、都道府県だけではなくて、そういう移動も含めて考えなければいけないということですが、現在のところ、特に2点目とも関連いたしますけれども、長距離で非常に移動して訪問診療する場合と近距離の場合で、一定の差を設けている場合があります。
 例えば、16kmを超えて訪問診療等をするような場合には、超えた部分の医療費については、御自分の負担になるというような場合もありますし、それから、離島等、非常にある意味でいうと、移動は必然的に長くならざるを得ないような場合、これは別途料金を設けておりますので、一定程度は見ていますけれども、御指摘のような、都市部と郡部でそもそも違いを付けるかどうかということについては、これからも議論をさせていただきたいと思います。

○森田会長
 よろしいですか。

○花井十伍委員
 ちょっと蛇足なのかもしれませんが、こういった算定がほんの一部だと思うんですけれども、都市部ではかなりマンション経営と合体したビジネスモデルとなって、一部そこでは商売として成り立つ話になっていて、一方では、地方の孤軍奮闘するお医者さんへの手当が薄くなっているとすれば、これはやはり診療報酬の使い方としても非常に問題があると思うので、是非そこは検討していただきたいと思います。

○森田会長
 花井圭子委員、どうぞ。

○花井圭子委員
 花井です。意見と質問を述べたいと思います。
 スライドの10のところで、先ほど事務局の方から興味深いという言葉で掲載したというお話がありました。
 その次の11、12、を見ますと、まず、10で男女の意識の差が大変大きい、それから次の11、12も病院にいる方と家族の希望が違うとか、在宅療養を行うことができた理由は、必要なサービスがあったとか、家族がいた、などが出てきます。
 私は女性ですので、男性が先に亡くなるからというだけの話ではなくて、家族といえば、イコール女性ととらえてしまう、そうではない男性もいるということは十分知っていますが、家族介護をなくす、介護の社会化ということで、介護保険をつくったという経過からしすると、いまだに男女差が大きいということは、まだ、社会化されていないし、社会が在宅で亡くなりたいという方を支え切れていないという証拠だなと思って見ていたんですけれども、そういう意味でいうと、在宅医療、在宅介護、それらの連携というのは、非常に多くの女性にとって深刻であって、かつ緊急な課題だと考えておりますので、是非とも一刻も早い、一歩でも進むような改定にしていただきたいというのが意見、要望です。
 その上で、その在宅を支える、先ほど48のスライド「がん緩和医療における担当可能な治療の種類」で、ターミナルとか、技術的には問題はないんだという説明がありましたが、それ以外何があるのか、これらのことが保障され、訪問看護とかさまざまなサービスが保障されて在宅でできると思いますが、これは、それ以外の理由というのは何なのかをお伺いしたい。
 それから、ここの診療所は、在宅療養支援診療所の届出をしているところなのか、していないところなのか、その辺りを教えていただければと思います。
 以上です。

○森田会長
 事務局、お答えください。

○鈴木医療課長
 具体的な御質問、スライド48についてございました。先ほども若干御説明を申し上げましたけれども、青いところ、御自分のところで自信を持って行うことができる。それから、赤いところ、専門家に相談できれば行うことができる。それから、対応は困難という緑のところ、これは技術的な手技にかかると申し上げたのは、例えば診療所のお医者さんであれば、当然ながら静脈の点滴とか、御自院に来ていただいた場合にはできるわけですね。
 ところが、これは在宅で行えるかということを聞いていますので、そうしますと、例えば急に漏れた場合、緊急の対応ができるのかというようなことも含めて、在宅でそういうことをすることについてきちんと責任を持てるんですかというところを含めてお聞きしていますので、単に技術としてそれができるかということだけではないということを先ほど申し上げました。
 それから、このデータ自体が、在宅療養支援診療所に限定しているのかということについては、そうではございません。一般の診療所も含めて聞いております。

○森田会長
 よろしいですか。

○花井圭子委員
 はい。

○森田会長
 では、万代委員、どうぞ。

○万代委員
 万代でございます。1つは、本日の資料は、事務局が在宅の問題点をわかりやすくまとめていただいたということで評価させていただきたいと思います。
 意見と質問を述べたいと思いますが、私、急性期病院を担当しておりますので、その立場から言いますと、やはり少し入院が長引く方がおられます。その方をどういうふうにして退院していただくか、要するに急性期病院の役割としては、急性期の医療が終わったところで、どういうふうに患者さんに次のステージに進んでいただくかということが、しばしば患者さん個人個人の状況によって問題になることがございます。
 そんな中で在宅というのは、1つの解決法だというふうに十分認識しておりまして、これをいかに有効に活用するかということが非常に重要かなというふうな形で認識しております。
 そこで、スライドの28でございますけれども、白川委員も御質問があったように、このグラフをどういうふうに見るかということだと考えております。
 鈴木課長は、在支診は微増というふうに言っておられましたし、在支病の方は急増というふうなことをコメントしておられましたが、私は2つの点で申し上げたいと思います。
 1つ目は、右と左のグラフを見ていただくと、在支病が急増しているということでございまして、平成22年の改定で急増したということは、それだけ需要が多かったというふうに私は判断すべきだと思いますし、在支病の方は、増えているといっても、ほとんど増えていないというふうに認識すべきと考えております。
 この平成18年から在支診の方が増えていないということは、余り増えていないと認識すべきだと思いますが、それは当然でございまして、これまでの議論もありましたように、特に1人の診療所の先生が在支診を申請しようとすると、24時間体制の往診をしなければならないと。初めに要件が出たときに、私は急性期の病院ですけれども、これは当然無理だと、人が何人もいなければ、1人で24時間対応は絶対あり得ないので、なぜそういう要件を初めから付けるのかなという疑問を持っておりましたし、各種の報道でなかなか増えないという事実もございますし、このグラフにあるように余り増えていないというふうに認識すべきだと思っております。
 一方、もう一つの点は、在支病の方が急増しておりますけれども、絶対数が少ないということもやはり注目すべきだと考えております。
 ですから、読み方としては、非常に需要はあるけれども、すごく対応できるところは対応しているけれども、その絶対数が少ないというふうに考えます。
 そこで、質問でございますけれども、先ほど在支病の要件のところで、戻っていただいてスライドの26の在支病の施設基準ということで、まず、200床未満が「又は」で加えられたということで、これも1つは評価いたしますが、これにつきましては、枠の下の黒枠のところの(3)の赤字のところに、当該病院において24時間往診が可能な体制を確保とございまして、例えば急性期ではない病院としても、これを確保しようとしますと、その分、当直がいたとして、そのほかにもう一人付けないと、とても業務が回っていかないだろうということで、体制的に無理なことを要求されているように思います。
 したがって、先ほど申し上げたように、先ほどのグラフで絶対数が増えないというのは、そのことかというふうに思います。基本的な認識といたしまして、在宅が重要であることは間違いございませんので、それをいかに有効に各施設が対応できるかということについては、是非お考えいただきたいので、ここの質問でございますが、この200床未満の病院以外に、少し制約が強いと思いますので、ここら辺のところをどう緩和していくのか、あるいは200床以下の病院だけがやるんではなくて、500床、600床の病院がやればいいとは思いませんけれども、もう少し要件を緩和するようなお考えはあるかどうかということを質問させていただきたい。
 続けて申し上げますけれども、スライドの45で、目指すイメージのパターン3、これが大部分と課長はおっしゃいましたけれども、私は、そのとおりだと思います。ただ、あえてか、たまたまミスかわかりませんけれども、一番左側の青の矢印に、本当は急変時の入院という文言が入るところが欠けておりますが、意図的ではないと思いますけれども、私のイメージとしては、やはり先ほどの在支病の要件が往診に行くというんではなくて、やはり患者さんを急性期からまた在宅に行く、それで在宅から入院が必要なときにはまた病院に来ると、そういったようなやりとりの中で患者さんを診ていく、それで在宅を有効に活用すると、そういうような理念の方がより現場に即しているかなと思いますので、この急変時の入院という文字が欠けておりますけれども、是非、ここのところを一番重要だと思っていただいた体制づくりをしていただけないかというふうに考えております。
 以上です。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○鈴木医療課長
 具体的にスライド26のところで、特に200床未満という限定について緩和する考えはあるかという御質問でございました。これは、いろいろな考え方もあって、前回もいろんな御議論が出たと思いますけれども、少なくとも原則としては、総論のところで入院なり、外来なり、在宅医療の総論のところでも申し上げましたけれども、やはり大病院というものは、基本的には入院なり、もしくは高度の外来に特化をしていただいた上で、中小病院なり診療所というところで地域の訪問診療なり、往診も含めた、外来も含めて診ていただくということがあり得べき姿だろうというふうに思っています。
 もちろん、例外はあるかもしれませんが、言葉は悪いかもしれませんが、なし崩し的にそういうところをどんどんやっていただくということになれば、それはお医者さんの確保できる数も比較になりませんので、ある意味でいうと、しっかりやっておられる、もしくは、やられようとしておられる診療所なり、中小の病院というところは、ある意味で淘汰されてしまうということにもなりかねないので、御議論はいろいろあると思いますが、現在のところ、やはりこの200床未満ということについては、維持をさせていただくのが妥当ではないかと考えております。

○森田会長
 それでは、安達委員、どうぞ。

○安達委員
 幾つかあるんですけれども、ちょっと絞って申し上げます。まず、今の万代委員の200床未満のことについては、これは、私は事務局じゃないから、私かこんなことを言うのは変かもしれないんですけれども、前回、我々診療側として、この条件だけで認めたというのは、理由はたった1つだったと我々は理解しているんです。
 つまり、前々回、前回の改定で、改定原資の多くが基本的には大病院に回った。200床未満の病院、特に地方で基幹的な役割をしている医療機関にはほとんど改定原資の回らない部分がある。これの緩和ということが、一番我々にとっては大きな理由だったと思います。
 ですから、我々の認識も、少なくとも私自身の認識は、次の改定で200床未満の在宅療養支援病院について求めるべき幾つかの要件というのは、必要なのではないかと思っておりますというのが現状だということであります。
 2番目は、先ほど白川委員がおっしゃった、点数ばかりではなくて、現場で一体何があってということを、我々の経験をという御指摘でした。これは、物すごく語れば長いんですけれども、端的な例を一例だけ申し上げれば、よく我々医療関係者、医師の間では、総括的に遠くの親戚という言葉が出てきます。これは、終末期医療にも関わる問題であります。
 例えば、終末期医療で、もう根治が認めない状況というのは、残念ながらまいります。医学万能でなしということでありますが、その医学的な判断について、ずっと付き添っておられた御親族、家族の方々はよく理解されるわけです。日々の治療経過も説明しておりますから、そういうときに限って、もうちょっと危ないというと、今までおられなかった遠くの御親族がおいでになる。そうすると、その治療を中断しようということに対して、そういう方々の異議申立ては結構あります。これは、実は聖書にも書かれている部分があります。リビング・ウィルのすすめということを書かれた名古屋の大野先生が発刊された本があります。その中にも、そういう御経験が多々書かれております。大野先生は白血病の御専門でありますので、でも、治療を中断しようと、要するに効果がないから、無駄だからやめようとするんだけれども、往々にして遠くの親戚がおいでになると、それがやめられないというようなことが起こってしまうというようなことをおっしゃることがあります。
 在宅医療についても似たような部分があって、お亡くなりになる前は、そういう方の御意見が強くなることがあります。つまり、我々の推測するところは、普段世話をしていないので、せめてぎりぎりまで何とか治療をしたという、こんなことを言うと、言葉は非常に悪くて誤解を招くかもしれませんが、言い訳的な意識というものが、日本人は特有に働くんではないかというような気もいたします。全国調査のいろんな大新聞の調査でも、何回やっても同じ結果が出ます。これは、御存じのとおりだと思います。終末期医療について、御本人に聞けば、70%以上の方が有効でないのなら、そこで延命治療はやめてほしいという回答です。これは、どこでも同じ数字です。家族に聞くと、御自分の両親が、あるいは親戚がそうなった場合にどうしますかという判断を求めると、それは半分以下にやめてほしいという意見は減るわけであります。
 ここのところは、やはり日本人の意識の問題ですが、国民の皆さんにも考えていただかなければならないこと、我々もそのためのデータを発信するということと、その医療がそこまでで限界であって、それ以上は治療をしても、残念ながら効果が得られないんだということを下した、我々の判断に対して、国民の皆さんがどれだけの信頼を置いてくださるかと、そういうこともあるかと思います。
 そういうことを申し上げて、長くなって申し訳ありませんが、まず、スライド11と13の関係について事務局にお尋ねをします。
 13のアンケートの回答者はだれですかということが、まず、1つです。
 あと、関連で、とは言いながら、中医協ですから、点数の話をするんですけれども、27の、例えばこの括弧に在支診の連携医療機関も算定可と書いてありますが、在支診の連携医療機関に対しては、連携医療機関についても、この下に書いてあるような、24時間体制が求められているか、いないか、その2点をまず教えていただいて、その上でちょっと意見を申し述べたいと思います。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○鈴木医療課長
 医療課長でございます。今、安達委員から、2点具体的な御質問がございました。まず、スライド13のところに円グラフが2つございますけれども、これはだれが答えているかということでございます。これは、横断調査を医療機関にして、医療機関の側から見たということでございますので、患者本人もしくは家族ということではこません。
 それから、スライドの27ページ目の在支病、在支診もしくはその他についての連携医療機関の算定ですが、この場合、連携医療機関は、実は24時間求めておりませんということです。

○安達委員
 ありがとうございます。まず、最初の点について意見を申し述べます。1号側の委員も御記憶であるかと思うんですが、特にこれを出したときには、白川先生からは、それはいろいろ問題があるという御意見があったように記憶します。我々が、我が国の医療についての基本資料というものをお出ししました。たくさんの資料をお出ししたんですが、その中で、要介護3の脳血管疾患のある方の療養病床におられた場合と、在宅に行かれて、基本的には療養病床におられるのと同等と思われる医療サービスを在宅の介護保険も含めたケアの中で提供した場合、この両方の月々の負担金の計算をしてみましたというのをお出ししました。
 こういう我々が選んだようなケースだと、在宅に行かれた方が金額的負担は大きくなるというふうな計算になりました。ここに資料としても使われています、川内の川島先生がヒアリングにおいでいただいたときは、在宅の方が療養病床よりも金額的負担は低くなるという御指摘でしたので、ここは全く意見が違うわけです。
 我々は、実はこの後、川島先生にもお願いをして、データをくださいということも申し上げたんですけれども、ここにヒアリングのときにお出しになった以上のデータは余りないんだという御返事だった。
 それで、ここに出てきた川島先生のところのデータを、我々はもう一回見させていただきました。平均値として、確かに低くなるということで、平均値は、病院よりも在宅の方が低くなるところにポイントがあるんですが、それに付いているスタンダード・デビエーションの場は、物すごく大きいものでした。つまり、我々が計算したのは、そのバーの上の方、入院時よりも高くなるものを計算したんだろうと思います。ただ、私どもの認識では、ここで選んだような症例は、決して特殊な例ではありませんので、こうなるケースは多々あるんだろうと思うということであります。
 そうすると、スライド11で聞いてある家族への質問の中で60%が病院で、入院でやりたいとおっしゃっている、この中に、この入院でやりたいと思っておられる理由は何なのかということが、まず、聞いてあれば一番いいんですが、教えてください。
 それで、私は、今、お示ししたようなデータの中で言うと、多分その中に経済的負担の理由があるんだろうというふうに理解をせざるを得ないと、現状から言えばということを申し上げる。
 それに関連して13番が、だれの回答ですかということをお聞きしたので、この中の経済的な事情があるためというのは、わずか2.4%なんですね。だけれども、これは医療機関側が理解している回答ですから、1つは、入院中に患者さんに在宅へ行って、これだけのサービスをする場合、これだけの費用がというところまで、入院中に在宅移行を将来に見据えてきちんと説明がしてあった上でのこの回答なのかどうかということは多少疑問が残る。
 ですから、本当は、11の調査をやったときに、家族の方が60%入院希望ということならば、それを希望される理由は何ですかということは聞かれるべきだったんだろうと思います。
 それから、27ですが、これは、今、連携の医療機関は、24時間体制というような条件づけはないと、親元の在支診がそれを満たしていればというお話でした。
 連携を組む場合に、現状は、その連携を組んだら、この医療機関もこの在支診側の点数が取れるということなんですね。では、連携を組まない一般の医療機関が、かかりつけ医として自らの患者さんを診て、これと同じことをやった場合に、右側の点数になるということなんですね。これは、点数の高い、低いだけで、その在宅医療に関する医師のモチベーションや倫理観とか使命感というようなものが変わるというふうに、私は思いませんけれども、必ずしも思いませんけれども、余りにもこの点数格差は大きいだろうなということは実感であります。
 だから、在宅を進めるというのであれば、この是正は、やはり何らかの形で必要なのではないかというふうに思います。
 特に、前回は、地域医療貢献加算という、名前が偉そう過ぎるとみんなから御批判を受けておりますが、基本的に、あれも準夜帯とは言いながら、連絡を受ける、あるいは24時間だというようなことを課長補佐もおっしゃったことがあるというような、要するに連絡を受ける体制の中で、連絡を受けて、診察をしなければいけないケースは、そのまま往診に行くわけです。その体制が3点で、それでやったことについて、これだけの格差があるということは、在宅医療を進めるという政策の上で診療報酬の議論をするならば、余りにもこの差は大きいということは、私は意見として申し上げておきます。

○森田会長
 かなり時間が経ちまして、次の議題もありますので、嘉山委員、どうぞ、なるべく簡潔にお願いします。

○嘉山委員
 さっきは一番簡潔に言ったつもりなんですけれども、このように意見がかなり、みんな経験が違うんですよ、私は、実は山形の、月に何回か療養所に行ってきていますからね。余り長いこと今回言わなかったのは、簡潔にとおっしゃったけれども、一番私は簡潔に短く言ったんですけれども、原因がみんな違うんです。それで場も違うんです。それで、かえって田舎の方が、例えば専業主婦がほとんどいない、田舎の方がいないんです。田舎の方が自宅にいないんですよ。それは、地方と都会では全然違うし、ですから、今回のこれは、余りリジッドにしないということが大事なので、さらっとさっきシミュレーションしてくださいと言ったんです。やったらどうなるかということです。多分、これだけでやってしまうと、影響が大きなところが出てしまうと思うので、我々2号側で、これだけは絶対に進めてくださいというようなことをまとめます。みんな意見が違ってしまったので、看取りはお二人がおっしゃったように、ターミナルケアと看取りは全く違うので、この辺の文化的な問題は、あとから何かのときにきちんとやらなければいけないことだと思います。いいですか、会長、このくらいで。

○森田会長
 結構です。鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 在宅がなぜ進まないのかという話なんですが、1つは、御家族の側から見ると、私どもの地域では、在宅は贅沢だと言われていまして、ある程度家族が経済的にも余裕があって、家族にだれか看る人が、それも重度の人だと複数いないと続かない。
 一方、施設は、安くて家族も楽だと、在宅は高くて家族も大変だということで、やはりこの流れがどうしてもあるのでなかなか難しい。
 それでも、私どもの所のように高齢化率が上がってきますと、私のところは30%近いですから、そうなると、施設は重度の人でいっぱいになるんですね。それは日本の近未来の姿になる訳ですけれども、在宅で軽中度、それから重度でも可能な人は看ないと、看切れなくなる、まさに今後問題になってくるところが今起きているわけです。ですから、在宅が必要だということで、そういう意味では、やはりこれからが本当の在宅元年ということになると思うんです。
 だから、本当はかかりつけ医の方がずっと看取りまで診て、それを診られるように在支診とか在支病がサポートするというのが本来の姿だと思うんです。それが、余り今までなかったので、在宅専門の先生が都市部を中心に出てきたんですが、私は、それは正常な姿ではないと思っています。
 在宅療養支援病院ですが、在宅支援は、中小病院の大きな仕事だと思います。200床未満がなぜかというんですが、これはやはりかかりつけ医機能を持っているということですね。それで、かかりつけの先生と同じように、在宅も今までもやってきたし、かかりつけ医の方も何十年も診てきた。私の父なんかも、最近亡くなりましたけれども、かつて1日20件も30件も、病院で回診の後、午後から往診していたんです。
そういう歴史的経緯があって、今日の日本の姿があるということで、要するに在宅をどうやって進めたらいいかというと、私は在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、中小病院と有床診療所の入院機能を活用することだと思っています。勿論、在宅は無床の診療所の先生方が中心になってやられるわけですが、その入院のベッドを活用する。それから、施設のベッドも活用する。重い人は、施設や、入院も気軽に利用する、日本の入院は高くないので、施設もですね、ですから、気軽に入院や施設も使いながら、在宅にいられる期間をできるだけ長くして行く、最後は病院でもいいじゃないかと思うんですよ。そういうような形で、日本型でやらないと、多分この超高齢社会は乗り切っていけないし、幸い、既存資源が、中小病院、有床診療所にはベッドがありますから、こういうところを活用してやっていけば、恐らく家族の負担も減らし、医療側の関係者の負担も減らすような、余り負担を重くし過ぎない在宅をやれるし、そういう在宅だったら、これから進んでいくんではないかと考えています。

○森田会長
 ありがとうございました。三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 在宅医療における連携と、それから多職種協働による在宅チーム医療という観点では、これも重要だと認識しておりますし、この在宅は、高齢者ばかりとは限らないとは思いますが、薬物治療というのが、基本的には欠かせないものだと考えております。
 薬剤師も、なかなか進んではおりませんけれども、やはり積極的に在宅医療や介護へ取り組むべきと考えております。
 今回、このスライド49の地域の在宅緩和ケアネットワークでは、薬局が無菌調剤などを行う例も出ておりますし、スライド52の将来像の例とか、53の人材育成事業の中にも薬局薬剤師が小さいですけれども、ぽつんと出ておりますので、より積極的に活用していただきたいと考えておりますので、要望としてよろしくお願いいたします。

○森田会長
 ありがとうございます。北村委員、どうぞ。

○北村光一委員
 22ページについて、事務局に1つだけ確認させていただきたい。
 この訪問診療の平成22年の診療報酬改定の際には、変えざるを得ない事情があって減額したんだと思いますが、今度は、居住系の施設のところだけ赤いマークがあります。隣の枠のマンションの方は同じ200点ですがマークはありません。仮に200点を見直しても、前回のような状況に逆戻りしてしまうということはないと考えてよいのでしょうか。

○森田会長
 回答をお願いします。

○鈴木医療課長
 今、北村委員から、スライド22について御質問がございました。御質問のとおりでございまして、特に、言葉は非常に悪いんですけれども、一部寝たきりマンションのような形で、非常に不適切な例というのが出ております。そういうことがないように、我々の方で把握ができる居住系施設に限って、今回改善したということでございます。

○森田会長
 堀委員、どうぞ。

○堀委員
 1点だけ、正式に発言させていただきたいんですが、55番のスライド、これは医政局の方にお願いになるんですが、医療部会におきましても、人材育成事業で、歯科衛生士の文言が入っていないということで、ここに規定する職種は何かとお尋ねしたところで、御回答は、まだ、今後詰めるという話だったところであります。
 こういった在宅チーム医療において、歯科衛生士が果たす役割は、相当に認知されておりまして、問題提起しますと、ずっと来た、医師、歯科医師、ケアマネージャー、介護士などのなどに含まれてしまうというふうな認識が割と強くまだ残っているところがあるので、そういったところに、もう既に入っているような職種ではないと、我々は認識しておりますので、是非、この文言を、これから具体化する際には、歯科衛生士ということの評価について明確にお示しをいただきたいということでお願いをしたいと思います。
 以上です。

○森田会長
 これは、医政局の方へ伝えていただければと思います。
 関原委員、どうぞ。

○関原委員
 1つは意見で、1つは質問ということです。
 私自身は、素人なりに、いろんな在宅医療・介護の例を見てきました。今日議論されている必要な医療行為をする、あるいは介護サービスを提供する制度は着実に充実していると思います。実はがんにしろ、脳卒中にしろ、認知症にしろ、介護というのは24時間なんですね。まして、医療や介護が必要な高齢者の二人暮らし、あるいは独居者自宅で暮らすということは、安達先生が言ったように、物すごく費用がかかります。高齢者の奥さんが御主人をケアする場合、日中はいいんですが、24時間になると、12時間は人に頼まなければ見られないわけです。患者が静かに休んでいて何も問題ないという人ならいいんだけれども。
 そうすると、東京で、例えば12時間の夜の介護の人を頼めば、1日2万円はかかります。つまり、月に50万円以上必要ということです。だから、そういう意味で在宅で何とかケアしたいんだけれども、しかし、24時間寝ないでケアができるかと、これはできないと思います。それで人に頼むということになると、どうしても50万とか60万かかると。
 それが病院の個室に入院して、差額ベッドで2万円を払っている人は、そのリプレースとして家に帰ってきて、その分、人を雇ってケアするということができますが、入院費用の安い病院で差額ベッドを払えない人にとっては、在宅というのは、本人も希望するし、家族もそうしたいんだけれども、費用がネックになっている人達非常に多いと思うんです。 
入院の方が安いと余り表立っていえない、しかもがんのよう比較的期間が限られているんなら、お金がかかっても、人を雇って在宅でのケアはできるんだけれども、脳卒中のようなケアの期間が長期化する場合、月に50万円、年に600万円だということになってくると、やはり病院に置いてもらった方がいいというのが本音でしょう。そういうことだということを含めて、安達先生の言うように、私は実態をもう少しよく調べる必要があるし、では、それを全部国なり自治体が面倒を見るということになるとは思わないけれども、事実の認識として、それは非常に必要なことなんではないかと思います。
 それから、資料で、今後在宅医療を必要とする患者が急増する一方、課長が2項の表の通り最初に説明されたこの急増する患者を支える働き手の層が3,000万人減るわけですね。経済的なお金の計算はある程度試算できるとしても、これの働き手の問題は日本の産業全部に関わっているわけです。これを医療だけで論じて、これだけ人が必要でこのためには、少し診療報酬を上げるとか、介護報酬を上げるとかと言うんだけれども、しかし、ほかの産業でも何でもみんなそういう話の中で、果たして、これを支えるだけの人というものが、5年、10年後に大丈夫なのか、今の農業のTPPと同じなんですけれども、そこがしっかりできるのか、要するに支え手がどうなのかということの検討を医療だけではなくて、日本全体の産業構造、デモグラフィーの中でやはりそれなりに検討して国としての方針をしっかり固めていただきたいということで、その辺は一体だれが全体像を見て検討しておられるのかというのが質問の2番目です。

○森田会長
 お答えいただけますか。

○鈴木医療課長
 一医療課長として、非常に答えにくい御質問です。これは、もちろん、診療報酬だけの問題ではないですし、広くいいますと、厚生労働省だけではなくて、全部全体の問題として考えなければいけない。
 例えば健康な高齢者の方にどう貢献していただくのか、それから、今、働いておられない方についてもどう貢献していただくのかということもありますし、さまざまな課題がありますので、これは、将来にわたって、例えば2025年でもいいんですけれども、その際に、例えば在宅の施設なり病院の割合がこのぐらいになって、そうすると、人がこのぐらい必要になってということから出発して、では、このぐらいを養成しなければいけないのかというところをやはり計画的に整備をしていく必要があろうと思います。
 そのためには、もしかすると、現在の日本の産まれる人口だけでは足りないということにもなるかもしれないので、そういうところも含めて検討を政府全体でしていただいて、国民なり、民間の方に協力をしていただくということになると思います。

○森田会長
 ありがとうございました。議論は尽きないようですけれども、今日のところは、これくらいで、このテーマについては議論を終わらせていただきたいと思います。
 本日の議論を踏まえて、次期改定に向けて引き続き検討を進めていただきたいと思いますが、一言、会長の立場でよけいなことを申し上げさせていただきますと、今の話もそうですけれども、この在宅医療に関しましては、非常に問題が複雑であって、地域による特性あるいは文化であるとか、意識の問題であるとか、更に長期的な労働力の供給の問題というものがございますけれども、この中医協で、これから議論いたしますのは、少なくとも時期改定に向けて診療報酬をどうするかということでございます。
 当然のことながら、その背景、バックグラウンドについても十分に配慮しなければなりませんけれども、そうした目的、問題を解決するために診療報酬だけでできるわけではございませんので、診療報酬で何ができるのか、どこまで何をすべきなのかと、そこに焦点を当ててこれから御議論をしていただければと思います。
 それでは、次に、これも重要なテーマですが「後発医薬品の使用促進のための環境整備について」を議題といたします。
 事務局より資料が提出されておりますので、報告をお願いいたします。
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。それでは、中医協総-3に基づきまして、後発医薬品の使用促進のための環境整備について御説明いたします。
 お手元の資料のスライドの2枚目でございます。後発医薬品の普及については、患者の負担軽減あるいは医療保険財政の改善に資するということから、これまで政府目標を立て、24年度までに30%を目標に取り組んできているところでございますし、更に、社会保障・税の一体改革成案の中でも、今後のさらなる推進というものが盛り込まれているというところでございます。
 スライド3あるいは4でございますが、それに向けて総合的な取組みとしまして、平成19年に後発医薬品の安心使用促進アクション・プログラムというものを立て、安定供給あるいは品質確保、更には後発の情報提供、それから使用促進に係る広い環境整備、それから医療保険制度上の事項という視点に立って、国あるいはメーカーがどういうことを取り組むかということをまとめ、これまで取り組んでいるわけでございます。
 スライドの5ページをごらんいただければと思いますが、直近の進捗状況の報告がスライド5でございます。
 ただ、そういう中で、現在の後発医薬品のシェアでございますが、スライド6でございますけれども、いわゆる薬価調査のデータとしましては、21年の9月のデータしかございませんので、その数字では数量ベースで20.2%という状況になってございます。
 ただ、直接的な比較はできませんけれども、いわゆる薬局における電子レセプトにおける後発医薬品の数量というものの推移がその下に出ておりますが、それによれば、もう少し進んでいるというのが現状かと思います。
 スライド7でございますが、先ほどの数量ベース、薬価調査のデータを表にしたものがこういう形になっているということでございます。
 スライド8からが、平成22年度、前回の診療報酬改定時の後発品の使用促進策でございます。スライド8にありますのが、いわゆる薬局における促進策でございますが、いわゆる後発医薬品調剤体制加算、これを従来の処方箋ベースから数量ベースに切り替えたということでございます。
 次のスライド9でございますけれども、併せて薬局における取組みとしましては、含量違いあるいは別剤形への変更調剤、これも認める形にしております。
 スライド10は、医療機関におけますインセンティブといいますか、促進の評価でございますけれども、薬剤部門で後発品等の評価体制を整えており、かつ後発品の品目割合が20%以上ある医療機関についての使用体制加算というものを評価したところでございます。
 スライド11でございます。更には、いわゆる療担則でございますけれども、こちらの方に、保険医が後発品を考慮するという従来の規定に加え、選択する患者さん本人に後発医薬品を選択する機会を提供するなど、選択しやすくするための対応に努めなければならないという努力規定も盛り込んだということでございます。
 これらの取組みに対しましての、いわゆる22年度特別調査の検証部会における評価をスライド12あるいは13にお示ししております。
 ポイントだけ申しますと、後発医薬品調剤体制加算については、一定の評価ができると思いますが、まだ、体制加算をしているところが約半数ということで、二極化しているという評価でございます。
 それから、変更調剤については、薬局における負担感を軽減しているという評価でございます。
 医療機関の使用体制加算については、引き続き注視する必要があると。
 スライド13でございますが、今後、後発医薬品を進める要件として、ここにあります後発医薬品の品目数の問題あるいは一般名処方の問題等々の問題点があるという指摘があります。
 更には、さらなる後発品の信頼性の向上に向けた取組みなどが必要だということて、22年の施策については、一定の効果はあったと考えられるけれども、まだ、一部の医療関係者あるいは患者に不信感がまだあることから、継続的な取組みが必要というふうに評価されているところでございます。
 これらも踏まえまして、具体的な調剤報酬、診療報酬上の取組みということでございますが、スライド14にありますように、後ほどスライド15、16のアンケート結果にもありますように、薬局あるいは診療所、医師調査を通じまして、メインの回答ではございませんけれども、調剤報酬・診療報酬上の取組みを希望する回答もございますので、今回もその取組みを検討すべきではないかというふうに考えるところでございます。
 そういう状況を受け、スライド17からでございますが、まずは、調剤報酬の検討でございます。
 まず、スライド18からでございますが、後発医薬品の調剤体制加算、18は、先ほどのスライドと同じでございます。
 それの評価でございますが、スライド19でございますが、23年度の検証調査の結果では、左側の図表12にございますように、23年度で調剤率、数量ベースは、22年から比べ、更に上昇したという状況でございます。
 右側の方でございますが、個別の薬局での調剤率も伸びておりますけれども、30%を超えるようなところもあれば、一方で、20%に満たないというところもまだあるということから、二極化しているということが、このデータから見て取れるところでございます。
 スライド20の方も同じように、この調剤体制加算を算定している薬局がほぼ半分ということで、これからも二極化の状況が見て取れるということかと思います。
 次のスライドの21の方をごらんいただければと思います。いわゆる調剤数量の算出に当たっての課題ということでございますが、現在、後発医薬品と先発医薬品の価格を見た場合に、その価格が逆転している、先発医薬品よりも高い後発薬があるということから、前回の改定時に、そのものについては、診療報酬上、加算の算定対象になる後発品のリストから除外するという取扱いを行っております。
 また、同じく調剤率の算出に当たりまして、いわゆる経腸成分栄養剤、特殊ミルク製剤などにつきましては、1回の製剤が、例えば250mLの缶であるにもかかわらず、薬価上の単位が、例えば10mLというような単位になっておりますので、計算上、その数量が非常に大きくなると。これらのものについては、後発品が存在しないということから、この調剤率を計算するに当たりまして、こういった製剤については、調剤数量、具体的には分母の方になりますけれども、そちらから除外しているという扱いをしております。
 これについての課題としましては、先発、後発の価格の問題については、勿論、薬価の付け方でもございますが、今、逆転しているものをリストから除外しておりますが、そのほかのものも含め、診療報酬の扱いをどうするかという課題があるんだろうと。
 もう一つは、先ほど申し上げました経腸成分栄養剤あるいは特殊ミルク製剤などの除外しているもの以外のもので、そういう除外を検討する薬剤があるのか、ないのかというのが課題だろうと。
 そういうことも含めまして、スライドの22ですけれども、この調剤体制加算、これについてまだ調剤体制加算1、一番下の20%にも達していない薬局に対するインセンティブも維持しながらも全体の数量を引き上げるためのインセンティブとなるには、算定要件を含めた加算の在り方をどう考えるかという問題があるんだろうと、論点として御提案しているということでございます。
 数量の算定については、先ほど申し上げた点もあるんだろうということでございます。
 ここまでが、調剤体制加算のお話でございます。
 スライドの23からでございます。薬剤情報提供文書を活用した後発の情報提供ということでございます。
 スライド24の方に、これは一部の保険者におきまして、後発医薬品に切り替えた場合の自己負担額の差額をお知らせすると、いわゆる差額通知あるいは軽減額通知というものの取組みが行われているところでございます。
 スライド25でございますが、その現状でございますけれども、いわゆる軽減額通知を受け取っている患者さんは10%程度でございますが、受け取った患者さんにおかれては、約半分の方が後発医薬品に変更していると、そういう事実があるわけでございます。
 一方で、スライド26でございますが、同じく検証調査によりますと、後発医薬品の切り替えのきっかけとなったのは何かという問いかけに対しまして、薬剤師さんからの説明あるいは一般的な宣伝というような回答がございます。
 また、スライド26の右側の方でございますが、薬局で実際に後発医薬品への切り替えを希望した患者さんの中で、切り替えることができなかった場合の説明の中に、そもそもそれが、後発医薬品がない医薬品だという回答が実際に多かったというようなこともございます。
 そういう意味では、後発医薬品に関する情報が患者さんにとって十分に浸透していない面もあるんではないかということもございます。
 そういうことから、スライドの27でございますが、このような状況を踏まえまして、論点といたしましては、後発医薬品に関する情報提供、これは価格情報も含めてだと思いますが、そういう情報提供を充実させる手段として何があるかと考えた場合に、現在でも薬局におきまして調剤あるいは服薬指導をする際に、患者さんにその薬剤名あるいは効能、用法あるいは服用上の注意を記した、いわゆる薬剤情報提供文書、こういうものを発行しているわけでございますが、これをいかに活用するか、ここに後発医薬品に関する情報を含めることができるかといった意味での活用があり得るのかどうかということが1つ論点として考えられるんではないかということでございます。
 薬局については、そのような論点があるんではないかということでございます。
 引き続きまして、診療報酬の方でございますが、まず、最初には後発医薬品使用体制加算ということでございます。スライド29に、その内容を書いています。内容としては、先ほど御説明したとおりでございます。
 スライド30でございますが、この後発医薬品使用体制加算でございますが、現状では、まだ、加算を算定している病院は、依然として少ないという状況かございます。
 スライド31でございますが、同じくその調査におきまして、今後の施設としてあるいは医師として後発医薬品の処方を勧めていいかというアンケート調査によりますと、最も多いのは、品質保証が十分であるという、そういう周知徹底という形になってございますが、その中に、診療報酬の評価を望む声もあるということもございます。
 そういうこともありますので、スライドの32でございますが、論点で出しまして、現在の医療機関におけるさらなる取組みを進めるためには、後発医薬品使用体制加算を薬局におけます後発医薬品調剤体制加算の扱い、例えば数量ベースである、あるいは段階的な評価になっている、そういったようなことを視野に入れつつ、この使用体制加算の在り方が、どのような対応策が考えられるのかというのが論点としてあるんではないかということでございます。
 スライド33からでございます。処方あるいは処方箋の在り方についてということでございます。
 スライド34でございますが、薬局におけます調査では、余り積極的に取り組んでいない薬局が25%ある中、やはりその最大の理由は、近隣の医療機関が後発医薬品の使用に消極的という理由もほぼ同じくらいの理由としてありますけれども、在庫管理の負担が大きいというのが大きな理由になっているところでございます。
 スライド35、36でございますが、そのような中、今後、後発医薬品への変更を進めるための要件として希望するもの、薬局が望むもの、あるいはお医者さんに望むものとしましては、一般名処方が普及することというのがかなり多うございます。
 スライド36の右側の方で、お医者さんの立場として、後発医薬品の処方を進めてもいいかという問いかけに対して、一番大きい回答は、品質保証の周知徹底でございますけれども、一般名処方を行いやすくする環境の整備というのも回答の中にあるということが事実としてございます。
 引き続き検証調査データの解析でございますが、スライド37でございます。現在の処方箋におきましては、後発医薬品の変更不可、全体的に変更不可という欄がございますけれども、そちらの方に署名がある処方箋の割合というのは、31%でございます。右下の方、赤でくくってございます。22年度調査に比べれば、少し減っておりますが、31%あるという状況でございます。
 スライド38でございますが、薬局におけます調剤への考え方としましては、薬効によっては取り組んでいるという回答が3割程度あるということもございます。更には、後発医薬品を進めるに当たってお医者さんに望むことといたしまして、先ほどのスライド36と同じものでございますが、一般名処方を望む声とともに、この処方箋の変更不可欄に署名を行わないということも希望としてはあるということでございます。
 スライド39でございます。同じくこの調査の中で、実際に後発医薬品への変更不可欄に署名をされたお医者さんへ、なぜ署名したのかという理由を聞いた結果が、このスライド39でございますが、中身を見ておりますと、赤でくくっているようなところでございますが、剤形が患者に適していない、あるいは治療効果の違いを経験した、あるいは作用が強くて治療域が狭い医薬品であると、あるいは疾病の特性により後発医薬品が適当ではないと考えたと、そういう一部の医薬品に由来するであろうと思われる回答も見られたというのが、このスライド39の回答から見て取れるところでございます。
 調査結果は、そんなところでございますが、これまでのこのような調査結果に関連した情報としまして、スライド40からでございますが、後発医薬品におけます販売名でございますけれども、いわゆる一般的名称を基本とした販売名の医薬品の割合というのが、平成20年から23年にかけましてかなり増えている、従来20%だったのが、23年には38%ということで、かなり増えてきているという事実がございます。
 スライド41あるいは42でございますけれども、現在の処方箋様式は、スライド41でございますけれども、全体的に変更不可という欄があるという形になっているわけでございますが、スライド42の方でございますけれども、ドイツの処方箋様式を見てみますと、ここにございますとおり、個別に代替調剤不可をチェックする欄というのがあるというのがドイツ処方箋様式となっております。
 スライド43あるいは44でございますけれども、診療報酬上の扱いという形でございますが、平成14年から20年までにおきましては、後発医薬品を含む場合の処方箋料の評価というのがございましたが、20年の改正のときに、処方箋様式を更に変更したときと機を同じくしまして、この処方箋料化については廃止したという経緯がございます。
 現在、そのほか、処方箋料の加算はここにあるようなものがある、こういう事実でございます。
 同じく事実関係としまして、スライド44でございますが、先般、日本ジェネリック医薬品学会が発表いたしました政策提言によりますと、いわゆる処方箋への変更不可欄に係る提言あるいは一般名処方に係る提言なども盛り込まれているということでございます。
 このような調査結果あるいは事実を踏まえまして、スライド45でございますが、論点といたしましては、保険薬局におけます特に後発品の在庫管理の負担を軽減するという観点から、1つ目は、医師が一般名処方を行うことや、諸外国の様式を参考に、2にありますように、個々の医薬品について、変更の可否を明示するような様式に変更する、こういったようなことについて、どのように考えるかというのが、論点としてあるんではないかということでございます。
 スライド46でございますが、いわゆる診療報酬、調剤報酬以外の関係としましては、同じく調査結果の中では、後発医薬品そのものの薬価あるいは品目の多さ、ばらつきの改善が必要という指摘もございます。このことにつきましては、現在、薬価専門部会で議論しておりますので、そちらの方で議論を進めてはどうかということでございます。
 スライド47でございます。その他の事項といたしまして、同じこの調査結果の中で、後発医薬品を使用を進めるための要件の中に、医師や薬剤師に対する後発医薬品の品質保証、これが十分であることを周知徹底、特にそれを厚生労働省が行うべきだといったような診療報酬上の評価とは別の取組みを求める声も多うございます。
 これの関連で、参考情報としましては、アメリカのFDAにおきましても、同様の疑念があることを受けてだと思いますが、2010年10月にジェネリック医薬品に関する事実と誤解というような内容をとりまとめ、ホームページに掲載しているという事実がございます。そのホームページがスライド48でございますし、それの仮訳がスライド49という形で御紹介させていただいております。
 こういうような取組みも参考にしながら、日本でどのような取組みがあるのかというのが、その論点としてあるんだろうということでございます。
 50から52は、先ほどの2ポツ、3ポツの内容を裏付けるアンケート調査の結果という形になってございます。
 以上、駆け足でございますが、事務局からは、以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。ただいまの御説明について、御意見等をお願いいたします。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 1点だけ申し上げます。たくさん御紹介いただきましたが、要は、32のところで、課題と論点というのを挙げられて、医療機関における取組みを進めるため、保険薬局における後発医薬品調剤体制加算を視野に入れつつ、どのような対応策が考えられるか。つまり、20年度改定で後発医薬品を調剤した場合の加点というものを診療側にはなくしました。それを復活させるかというような御意見なのかというふうにも思えないでもないんですが、例えばスライド16、それからスライド31両方見ても、診療報酬上の後発医薬品を処方したことに対する評価というのは、非常に少ないパーセンテージでしかないんですね。医療機関が、診療所も病院も医師も一番求めていることは、品質の保証なんです。このところをやらずして、こんなところにだけ赤線を入れて点数をやったらもっと後発医薬品の処方が増えるかなと、こんな浅ましい理解を我々医師に対してはしていただきたくないですよということと、後発医薬品を使うということは、患者さんの経済的な状況にも関連があることですから、我々は何も反対しません。品質がきちんと保証されればいいというだけの話であります。
 そういうことを申し上げて、最後に44の日本ジェネリック医薬品学会のこの政策提言があきれるばかりだということを、それに関連して言えば申し上げておきます。
 こういうことをやれという前に、品質の先発品との同等性に関する努力を一層されるべきだということが必要なのであって、それ以外の要件というのは何もないですと申し上げておきますと同時に、最後に申し上げれば、この件に関しての事務局の御回答には、我々は一貫して満足ができておりません状況でありますということも申し上げて、厚生労働省として後発医薬品の品質の、先発品との同等性について、その確保のために一層の努力をしていただく、これに尽きるんだということを申し上げることにいたします。
 以上でございます。

○森田会長
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 これをまとめていただきまして、ありがとうございます。これを見る限り、薬局における後発医薬品の使用については、残念ながらまだ進んだとまでは言えないと思っております。引き続き、薬局の現場の努力は必要だろうと考えております。
 スライド20にありますように、後発医薬品の調剤体制加算の算定状況を見ますと、対応できている薬局とできていない薬局に二極化しているということでありますので、大変これを見ると、どういうことなのかなと思うんですが、二極化して、算定できていない薬局も、これは努力をしていなかったのかと言えば、そうではないんだろうと、ある程度頑張ってはいるけれども、いろいろな理由で、今、少しのところで届いていないということもあると聞いております。
 この政府目標実現のためには、今、目標値を達成できているところというのは、それ以上に少し高いレベルで努力を必要とするんだろうと思いますし、また、届いていない薬局についてもあきらめずに、この努力を継続していただくということが大事であろうと思っています。
 スライド21の先発品より高い薬価の後発品については、現在の取扱いでよいと考えておりますが、薬局自身が使用促進に取り組んでいるという努力を実感するということも大事だと思いますので、スライド22にありますように、後発品のない薬剤について、分母を考える上で、何か検討の余地はないものかというふうにも考えております。
 また、スライド24、25の保険者による差額通知についてでありますが、これは大変有効な手段の1つだと考えており、実際、薬局においても、患者さんがそれを持ってこられて、こういうものが来ていますというお話をされる方もおられます。ただ、若干のタイムラグがあるんですね。処方されている内容と、それから、実際に薬局にある備蓄医薬品とが異なることもあるということで、勿論、そこら辺はきちんと説明をさせていただくんですが、ここに提案されているような、例えば薬局でお渡ししている薬剤情報提供文書に、現在薬局で備蓄しているジェネリック医薬品の情報を追加して、そして、患者さんにお渡しする。例えば先発品の方がいいとおっしゃる患者さんにおいても、後発品であれば、こういうものがあって、値段は幾らですよというような、そういう渡し方をすることも可能であるのかなというふうにも考えておりますし、また、患者さんは、これが先発なのか、後発なのかと、よく理解しておられない方もおると思うので、あるいは後発医薬品のない先発医薬品かもしれませんし、そこら辺もわかるように情報提供するということも、今後は必要なのかなとも思っております。
 また、一般名処方についても出ておりますけれども、処方箋を調剤する側として推進の方策で検討していただければ、大変ありがたいと思っております。
 安達先生がおっしゃった、医薬品の品質、それが、まず、第一であるということは勿論前提としております。

○森田会長
 ありがとうございます。それは御意見として承ってよろしいですね。
 それでは、鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 ジェネリックの使用に関しては、ドクターの心配というのは、安達委員がおっしゃったように、品質面でのことだと思うんですけれども、患者さんにとっては経済的に安ければ、同等ならいいとおっしゃる方もいらっしゃるので、その安いところが一番の売りだと思うので、24ページのような後発医薬品利用差額通知ですか、こういうものは、非常に有効ではないかと思います。
一方では、医療機関あるいは特に調剤とか加算を付けて使用を促進させようという取組みの趣旨はわかるんですけれども、それでどんどん高くなってしまうと、せっかくの安さが消えてしまいかねないので、それはちょっと裏腹な問題があるんではないかというふうに思います。
 それと、一括して変更不可というんではなくて、個々の医薬品でということなんですけれども、ドイツの処方箋というのを見ますと、これがすべてかどうか知りませんけれども、3か所しかチェックする欄がないような感じになっているんですけれども、日本の場合は、薬の種類が多い方もいらっしゃるし、その辺、ある程度まとめてチェックできるようにしないと、医師の負担を増やして、処方を減らそうというのは、それは姑息な手段ではないかなという感じがします。
 安達委員と同じなんですけれども、ジェネリック医薬品学会と、学会と名が付くようなところが、こういう文書を出すのは、異常だと思うんですけれども、ドクターが不可としたものを取り消してもいい、不可欄そのものを削除する、これはあってはならないことだと思うので、これはこの学会には抗議をしたいと思います。
 以上です。

○森田会長
 ありがとうございました。小林委員、どうぞ。

○小林委員
 後発医薬品の使用促進のための環境整備についてまとめていただいた、この事務局案の方向の中で、是非、具体策を提案していただきたいと思います。
 特に、次に申し上げる点については、更なる促進に向けた検討をお願いしたいと思います。
 まず、第1点は、薬局に来られた患者さんに対してジェネリック医薬品に切り替えた場合の価格情報などの情報提示の仕組みをつくるということは、是非やっていただきたいと思っております。
 三浦委員から、今、効果があるとお話しいただきましたが、私どもも年1回ジェネリックに切り替えた場合の差額、軽減額を加入者に通知しており、鈴木委員からもお話がありましたように、これも引き続きやっていきたいと思っておりますが、やはり薬局で薬を受けるその場で、差額等を含めて提示いただけるということが、効果があるのではないかと思いますので、論点の中でも情報提供文書の活用をどう考えるかとありますが、是非、検討していただけたらと思います。
 2番目は、医薬品名の表記について、一般名での処方については、検証調査の結果でも、薬局の方も後発医薬品への変更を進めるための要件としては、一般名処方を普及するとこと、またお医者さんも一般名処方を行いやすくする環境の整備が必要と調査の結果にありますので、是非、一般名での処方を原則として普及させていただけたらと思います。
  3番目として、一部の病院において処方箋に後発医薬品への変更不可を事前に印刷されている例があると聞いておりまして、こういった事例は療担規則の趣旨に逸脱しているのではないかと思います。こういうケースは、厚生労働省においても個別に指導されていると思いますが、それでは限界があると思いますので、一歩踏み込んだ対策を検討していただけたらと思います。
 4番目として、後発医薬品を銘柄指定した上で、後発医薬品への変更不可欄に署名した処方箋が見受けられるとの問題点があるとの記載が資料の中にありました。このような処方例は理解し難いので、対応策を検討していただけたらと思います。
 5番目として、調剤体制加算の見直しですが、これは前回の改定で数量ベースに切り替えて、20%から25%未満、25%から30%未満、30%以上と段階的に加算を付けて、特に25%以上に重点を置いたということで、25%以上についてはそれなりに効果があったのではないかと思っておりますが、逆に20%から25%未満というのは、この調査の結果を見ますと、ほとんど変わっていない。現在の後発品のシェアが22.4%ということであれば、この論点の中で、調剤体制加算1も算定できていない薬局に対するインセンティブを維持しつつとありますが、むしろ、加算1は廃止するということでメリハリを付けた加算を考えるべきと思います。
 最後に、先発品より高い後発品の価格是正や、価格設定については、薬価専門部会の議論ということになると思いますので、また、その場で意見を申し上げたいと思います。
 以上です。

○森田会長
 ありがとうございました。牛丸委員、どうぞ。

○牛丸委員
 検証部会で今回の23年度調査の結果を見まして、それで感じたことを少し申し上げます。
 とにかく患者さんにとって品質のしっかりした、できるだけ安い価格で、これが一番の目的だと思います。今回の結果、速報段階ですけれども、見て少し考えたことがあります。
 今日の資料ですと、まず、スライド番号26、これは、後発品に変更してもらえなかったときの薬局からの説明の中で、赤いのが付いてありますけれども、私は2番目の変更が医師の指示によりできないと、この19.8%、これに注目をしたいんです。
 それから、ジェネリック医薬品軽減額通知を受け取ったが、結局、後発医薬品に変更しなかった。その理由、今回の資料の中にはなかったと思いますけれども、それを見ますと、その中で1番か2番目の割合が高いのが、これは恐らく患者さんの普通の気持ちだと思いますが、医師の処方した薬の変更に抵抗があったということです。お医者さんが処方してくださったものを、あえて変えたくないと、こういう気持ちだと思います。
 それから、今日の資料の37を見ますと、いまだ33%のお医者さんが不可にしているということ。
 こういうことを考えますと、1つには、患者さんとしては、後発品というものが、仮にそれでもいいかなと思っても、お医者さんがそれを処方された場合には、それを信じたいというか、それで、お医者さんの場合に、やはり33%ということがあるとするならば、やはりそこにまだ不信があるのかな。ですから、先ほど安達委員がおっしゃったように、ここをまず、お医者さんが後発品を処方しても大丈夫と、その意識が変わらない限りは変わっていかないと思います。
 お金の問題とともに、ここのことに対して、従来からやっていると思いますが、もう少し何らかの働きかけをする必要があるのではないかと思います。
 もう一つ、興味深かったのは、今日の資料にはないですが、今度は、お医者さんが後発品の変更不可欄に署名した理由と、その中で、一番の理由のトップが、後発医薬品の品質が不安ということですが、その次に意外だったのは、患者さんからの強い要望があったと、こういうのがあるんです。これは、どういうことなのか、ちょっとその先が読めないのですが、患者さんから後発品が嫌だと言われたのかどうかわかりませんけれども、もし、素直にそう考えるとすれば、今度は、医者と違って患者さんの方も後発品に対して何らかの不信があるのかなと、こういうふうに感じたのです。いずれにしましても、後発品を進めるためには、最終的に、最初に申し上げましたように、安い価格で、なおかつ品質がいいもの、それが患者さんに行くのが一番いいわけですけれども、安くても品質に不信があるとするならば、患者側としても、お医者さんの方からしても進み難いというところがありますので、全く問題がないということがあるならば、その不信というものを解消するような政策といいますか、それを推し進める必要があるのではないか、今回の速報の結果を見て、私はそう感じました。
 以上です。

○森田会長
 それでは、嘉山委員、どうぞ。

○嘉山委員
 原理原則として、三浦先生が認めたことに非常にびっくりしているんですけれども、ジェネリックのプライスリストを出して整理して患者に見せるというようなこと、それもいいよというようなことをおっしゃったんですが、前回のこの総会で、ジェネリックの値段が、同じジェネリックでもすごく値段に差がありましたね、数倍というのもありましたね、それが薬局に、患者に選ばせた場合にないと、何を言いたいかというと、例えば私らの外科の手術でも、材料が違う値段があって、プライスリストを出して、どれにしますか、というのに通じる可能性があるので、これは、医療の今の公定価格でやっている原理原則に非常に危険な考えなんです。それで、もしも先生の薬局で一番安いジェネリックがかなったと、そうした場合に、患者は値段でいけば、選ぶ人は値段でいきますから、そうした場合、混乱はしませんか。

○森田会長
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 実は、今も後発医薬品を御説明するときに当たっては、値段を提示するんですが、今も自分の薬局に、今、在庫があるのは、この後発品はこれとこれですと、値段はこうですと、実際、もっと安いのもあるんですが、今は在庫しているのは、これとこれなんですがというお話はさせていただきます。
 ただ、今の嘉山先生の御質問は、今度、もし、それが義務化された場合にどうかというお話だと思いますので、そこは何らかの検討をしていただかないとならないかなと思っております。

○嘉山委員
 続けてなんですけれども、やはり一番の、先ほど牛丸先生もおっしゃったように、やはりジェネリックの薬効なんですよ、素材ではないんです、薬効というのは、要するに体に対するどういう効果があるかというのがきちんと調べられていないので、それでもって、こういうふうな30%なんていう結果が出ているんだと思います。ですから、そこを事務局がいつも、いつもというか、3年間一度もきちんと答え切っていないので、今後、この質問にどういうふうに、安達先生の質問に答えていくのか、これは根本的なことなので、そこを聞きたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○森田会長
 安達委員。

○安達委員
 では、関連して申し上げておきます。先ほど申しそびれました点を1点だけ申し上げれば、まず、今の小林委員からもありましたが、調剤薬局のいわゆる加点の見直しという話ですね。私の感覚、先ほどから申し上げたような意見から言うと、後発医薬品が先発品との同等性において、極めて高いレベルで、それが同等であること状況が実現されて、もう一つの問題である1つの先発品に対して、極めて多数の後発品があるという不自然な状況も整理をされて、そういうふうになってしまえば、入院と調剤薬局にある、この加点というものは必要ないんだろうと思います。本来、この加点はおかしな話なんです。今、品ぞろえをしなければならないということの手間と経費のためにこの加点があると、そうしか理解のしようがないので、後発品を使った方が医療費は安くなって結果が同じであれば、そして、それが製品の数においても適正な数になるのであれば、普通に使える薬剤を処方するだけの話なんですが、こんな点数があること自体が基本的にはおかしいんだろうということをまず申し上げておきます。だから、医療機関も要らないと申し上げたわけであります。
 それで、今、嘉山委員の御指摘の49、品質の安全性に関してということを我々が再三言うので、恐らく米国FDAのこのデータを、日本語訳にしてお出しになったんだと思います。
 私の理解だけ御説明をしておきます、皆様方にも、あるいは吉田管理官にも私が何を考えているかということを御説明しておきますが、この黒丸の1行目にある同一性、含量、品質、純度、原文の品質はクオリティーです。その品質に何を含んでいるかということが問題なので、私は前回から申し上げておりますとおり、一旦合成されたものについて、でき上がったものの形においては、その時点で生体内の全体の含有量の血中代謝と有効成分の血中代謝をともに48時間モニタリングするというのが、今の生物学的同等性の判断基準ですから、それに合致したものだけが後発品としても販売を認められるわけでありますので、そこのところは全部満たしているんだと思うんですよ。にもかかわらず、結果が違うというデータが出てくるということは何なのかという話なので、これは最初が合っているんなら、あとは、でき上がったもののステイビリティー、安定性しかないんです。それが変わる可能性があるということを、私は前から申し上げています。
 なぜ変わるのか、固相合成で幾つかのフラグメントを次々につないで、最終的な薬剤の形にするというのが、大量生産における合成の方法なんですけれども、1つのゴールを目指した合成品をつくるときに、固相合成で、その中間過程で、どの過程を通るかという幾つかの方法があります。すべての品目についてそうだと思います。私の理解ではそうです。
 その合成法のどれを取るか、先発メーカーの皆さんは、恐らく幾つかの固相合成のいろんな経路のうち、それぞれの最終目的である薬剤をつくるについて、この方法でつくったものが一番安定だろうというものを選んでおられると思うんです。
 後発メーカーは、そんなにたくさん合成法を持っていない場合、あるいは何種類か持っているんだけれども、こっちを選んだら値段が高くなってしまうというもの、これは価格の関係で選べないわけです。その合成法の違いによる、安定度の最終的な違いというものが認可のところでは、同等の結果を出すにもかかわらず、使用の経験の中で変化をしてくる、だから効かないというデータが出てくるということの問題点ではないのかと、私は理解しているということなので、せっかくFDAのデータを出していただいて、FDAがこういっているから、これでいいんでしょうと言われるけれども、そうはいかないと、FDAもそこのところはチェックしていないということは同じだということを申し上げるということと、これは、PMDAの近藤先生がおっしゃったので、正しければそうなんでしょうが、FDAの方が多分認可が早いんですけれども、FDAは認可した後、余り責任の所在を問われないという部分があるんではないか、日本のPMDAはそうはまいりませんので、その違いはあるのかなというふうにも思っております。
 以上でございます。

○森田会長
 万代委員、お願いします。

○万代委員
 今の安達委員の御意見に賛成ですし、追加での質問をさせていただきます。
 49ページの今のFDAの和訳のところで、私の方は、黒丸の2の方を注目していただきたいと思いまして、最後の行にジェネリック医薬品の賦形剤(非活性成分)は先発医薬品と同じである必要はありませんとございますが、ここに非活性成分とありますので、活性はないというふうにそのまま理解はできるわけでございますが、実際、臨床の現場で医師が使っていて、先発で起きなかった副作用が後発で起きてくるという事例が、数多くはございませんけれども、やはり経験されます。
 こういったことがありますと、医師は品質ということで非常に問題になるということで、先ほど来の議論になると思うんですけれども、医師の方が品質という場合に、そういったことも含めた品質というふうに考えているんですけれども、どうも当局の方からの御説明では、薬効成分に対して品質が同一であるということで、それが、品質が担保されているというような御返事をいただいているような気がします。
 学会発表なんかを見ておりますと、先発品と後発品をガスクロマトグラフィーにかけると先発品は見事にピークが薬効成分のところで高くなって、それ以外にも何も出てきませんけれども、後発品については、幾つかのピークがクロマトグラフィーで出るというような発表もございますので、そういった非活性成分が本当に非活性化ということもきちんと調査いただいて、そういうデータを示していただければ、恐らく医者の方も品質ということで納得するんではないかと考えております。
 以上です。
 その点につきまして、加えた質問としましては、医療課だけの問題ではないと思いまして、厚労省全体の問題として、そういった同一性、それから品質についてはきちんとしたデータをお示しいただくということが後発の使用の促進になるんではないかと考えておりますので、是非、よろしくお願いしたいと思いますし、そういう方向性をどう考えているかということも是非お聞きしたいというふうに思っているところでございます。

○森田会長
 事務局にお答えいただきたいと思いますけれども、その前に白川委員、どうぞ。

○白川委員
 前回も申し上げたんですけれども、我々薬の薬効がどうこうという話は、はっきり申し上げて全く議論に参加できない話なんです。どういう意図でお話になっているかわかりませんが、中医協の場でジェネリックの品質に問題があるという議論をふっかけられても、私どもは何とも言えない話で、我々としては、厚労省が国の基準で合致して市販しているものでありますから、それを信じて使っているわけでありまして、それに疑義があるのでしたら、別の場面でやっていただきたい。これは、前回もお願いしましたけれども、強く申し上げたいと思います。
 それから、そもそもジェネリックをなぜ使うかというのは、簡単に言えば、非常に限られた医療費ということですから、それはなるべく節約したうえで、医療費を重要なところに配分できるようにしようという発想で進めているわけでございまして、それは、医療界がどうだとか、薬局がどうだという話ではなくて、国民全体がそういう意識を持たなければいけないというのが、私は根本の問題だと思っています。
 したがって、我々保険者としても加入者に対してジェネリックを使うということを通じて、なるべく無駄な医療はなくしていこうと、こういう意識づけをしている話でございまして、それが私は本質だと思っておりますので、ジェネリックの効能、品質がどうだ、こうだという議論は、是非ともこの場では、もうこれ以上はやめていただきたいということを強くお願いいたします。

○森田会長
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 それは、ちょっと白川委員、誤解でございます。私は、そうは思っておりません。後発医薬品を促進したいということは、日本の医療費を全体に適正に抑えたいということの政策である。そのところの値付けをするのも中医協の仕事でございます。だから、その使用促進を図るに当たっては、一番大事なことは安全性の確保を行政全体が広く周知できることであるという点で、その問題点を指摘しているということでございまして、併せて、今、申し上げましたように、点数についても、品質の部分が一番大事なので、誘導点数というのは、本当は要らないんじゃないかという議論もさせていただいた、そういうところであるということで、我々の立場は品質の確認をすることが一番大事で、そのための努力を一層厚労省としてはやるべきですよということを申し上げている。そういう意味では、広く言えば、中医協マターだと思います。
 これ以上、この問題だけをそんなに突っ込んでやるつもりは全くないんですが、我々の認識では、薬剤管理官の方から1回もまともに答えていただいていないものですから、重ねて申し上げると、そういうことであります。

○森田会長
 それでは、薬剤管理官からお願いします。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。品質の問題について、議論すべきかどうかという面もございますけれども、やはり信頼性の確保といいましょうか、それはすごく重要なことでございますので、必要ならば、また、審査部局から説明を考慮したいと思いますが、私なりに後発品の品質あるいは薬効といいましょうか、効果がどう担保されているかということを御質問のことも踏まえまして御説明させていただければと思います。
まず、賦形剤が問題なのではないかという御質問がございましたけれども、そこにつきましては、一応、承認するときには、日本で使っていい賦形剤、これは先発薬、後発薬に関わらず、使っていいリストといいましょうか、そういうものがございまして、その中で、先発薬、後発薬それぞれがその製剤に適した賦形剤を使っているという形でございます。
 したがいまして、後発品だけが問題のあるものを使っているというものではございませんので、そういう意味では、逆に言えば、後発品が使っている賦形剤の方が適しているといいましょうか、先発薬が使っている賦形剤に由来する副作用、過敏症的なものが場合によっては、後発品が使っている賦形剤の場合には、それが解消されているケースも理論的にはあり得るんだろうと思いますが、そういった形で賦形剤の問題も確認した上で審査を行っているということを、まず、申し上げたいと思います。
 それで、承認に当たりましては、薬効を、いわゆる血中動態を用いて確認するという形を取っております。いわゆる経口剤であれば、健常成人に対しまして、先発薬と後発薬を交互に飲んで、血中動態が同じように上がるのかどうか、血中濃度が上がれば、同様の効果が発現すると、そういう考え方で、血中動態が同じかどうかというのを統計的に処理して確認した上で承認を与えているという形になってございます。
 この考え方は、FDAも含めまして、万国共通、WHOのガイドラインをベースとした同様のガイドラインに基づいて審査を行っているところでございますので、そういう面で有効性が確認されているんだろうと思っております。
 その上で、そういったような扱い、審査をしているということも含めまして、今回、御提案している、FDAも同様の審査をしているわけでございますが、それでも疑義あるいは誤解があるということを払拭する取組みをしているということもございましたので、この点は、FDAのあれをもってどうこうというわけではございませんで、同じような取組み、すなわち正確な理解を医療関係者にしていただくような取組みというのを、我が国でも行うということを考えてはどうかと、そういう御提案をさせていただいたということでございます。医療関係者に対しては、そういう形でやっているということでございます。
あと、一般の方への普及啓発ということにつきましては、今回のアクション・プログラムの中にもございますように、国としまして、政府広報等々を通じて、一般の患者さんに対しても正しい理解を進めるような取組みをさせていただいていると、そういうことを、説明させていただければというふうに思っております。

○森田会長
 この議論は、何となく水掛け論といいますか、ずっと続くような気がいたしますので、あるところで区切りたいと思いますが、嘉山委員、そして三浦委員、では、順番に簡潔にお願いいたします。

○嘉山委員
 もうこれで明らかになったと思うんですよ、ジェネリックというのはどういうものかというのがね、つまり、同じ効果ではないということ。要するに血中濃度だけで見ているんであって、ここにも書いてあるように、FDAのサブストレート、先ほど先生おっしゃったような、要するに同じだという基質が書いていないんです。結局、血中濃度は同じで、ほとんど効果は同じだけれども、違うこともあり得るという可能性は、やはり国民に知らせておかなければいけないと思うんですよ、FDAが何やろうが、世界が何をやろうが、米国と日本の医療制度は全く違いますからね、どっちが結果がいいかといったら、日本の医療健康結果の方がアメリカより上なんですから、それが、FDAがこういうやり方でやっているからいいんだというふうにはならないわけで、私は、このことに関しては、日本は独自の考えをちゃんと持ってもいいと思うんですけれども、ただ、やはり白川先生がおっしゃるように、何しろ医療費を減らしてというのは正しいと思います。ただし、ジェネリックの調べ方は、全く同じではないということは、正しい情報として、皆さんが理解して、これを使うのなら、私はそれでもいいというふうなことが結論ではないかと思いますけれども。

○森田会長
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 薬剤師は、創薬にも関わっている職業でもありますし、今回は、ジェネリックの品質というところだけをもって、ここの場で話すのは、今のお話の流れからも適切ではないと思いますが、薬局として、ジェネリック医薬品を推進するということが、この中医協の場で、政府目標30%に対して、今まで調査に当たって薬局がボトルネックになっているという指摘があって、更に一層薬局でもっと頑張らなければいけないと、そういう議論で、こういう政策ができて、点数が付いているというふうにも理解しております。
 確かに、ジェネリックがどんどん推進して、政府目標を達成し、更に上に目標ができるかもしれませんけれども、そういう方向性であるのだというふうにも理解をしていますので、そこは、やはり薬局が、薬剤師で更に推進していく努力義務ということにも、薬担の方でもうたわれておりますので、それには従うということでありますが、先ほど小林委員の方からも、3段階に分けて、20%に満たないところはというお話がありましたけれども、やはり45%近くの薬局が、算定要件に達していないということは、先ほども申し上げたとおり、それは努力が足りないということではなくて、さまざまな理由があるんだということは、今までの議論からもおわかりだと思うんです。
 そこは、やはりこの仕組みを維持した上で、更に目標を上げていくような検討をしていただきたいと思っております。

○森田会長
 関原委員、短くお願いします。

○関原委員
 品質の話ではなくて、22にありますが、結局、今の三浦委員のお話のように、半分は算定していない、3割は品質問題というのは、実は7割、つまりマジョリティーは大丈夫だと言っているわけですね。にもかかわらず、普及しないところは、私は非常に大きいと思うんです。ですから、クオリティーを上げるというのは、勿論努力してもらうとしても、なぜ7割のところができないのか、ここに書いてある説明を見たら、インセンティブを維持しつつ、更に上げるためのインセンティブとなるよう、加算の在り方についてと書いてある。つまり、こういうのを見ると、結局は、後発薬はもうからないと、だから、加算をどんどん上げてもらって、先発薬と接近ないしイコールになるま普及しないと、私はビジネス的に見れば、そういうふうに思えてならないわけです。国策としてで3割と目指すということになったら、保険薬局の業界としても、そのために何と何をやる、目標・計画をつくって、我々はこうやるんですということぐらいを、2年後、4年後の目標を示し、アクション・プログラムでもつくって、それで徹底推進する。それを実現するために、どうしても国としてこのところはやってほしいという要求をするのはいいと思いますが、お話を伺っていると、何となしに、これは我々の義務ですとか、努力ですとかということでとどまっているような気がしてならないわけで、もっと具体的・能動的なアクションを、やはりこれを達成するために、私は是非やってもらいたいという希望でございます。

○森田会長
 三浦委員、簡潔にお願いします。

○三浦委員
 今、お話のあった、アクション・プログラムというお話ですが、業界全体として、いかに使用促進をするかということについては、今回の後発医薬品の調査を見てもわかるようにさまざまな理由がある。患者さんが、25%くらい先発薬がいいとおっしゃっているところもある。だから、そのために、そういう情報提供の在り方をもう少し考えましょうとか、そういうことは、今後も進めていきたいと思っておりますし、処方箋の様式の在り方も、総合的に判断していただいて、そして、我々も全力で努力をしますけれども、それ以外も、やはりそういう方向で仕組みづくり、体制づくりをしていただきたいと思います。

○森田会長
 西村委員、どうぞ。

○西村委員
 この議論は、薬価専門部会で引き続き、引き取ってしていくことになると思いますので、部会で出なかった点などが、すごく深く議論された点もありますので、1つは、品質の確保というのは、前提条件として必ず必要なことですが、ここをもう少しデータをもって詳細に提示していただいて議論を進めることも必要になるかと思います。
 それから、加算の付け方というのも、今、情報提供というところで出していますけれども、ほかの面についても少し考えてみる必要があるかもしれないと。
 患者あるいは医療機関が変更できない理由という、ほかの点も出ていますので、ここをもう少し視野に入れながら検討する必要があるかと思います。引き続き部会で議論させていただきたいと思います。

○森田会長
 どうぞ。

○三浦委員
 今ので、今回、この論点とはちょっと違うんですけれども、後発医薬品の話として、実は、保険薬局では、先発医薬品がジェネリック医薬品に変更した場合、それを処方医へ、その変更内容を情報提供するということになっておりまして、それを実際にやっております。
 この保険薬局から処方医でフィードバックされたこの情報の取扱いについては、今回のこの検証部会による調査結果にも出ているんですが、カルテに記載、入力しているという医療機関が大体6割程度いらっしゃる。現場の薬局からは、この医療機関側からは、いちいちFAXとか郵送が迷惑だという話も聞こえてくると、FAXがどんどんたまってしまってというような話が聞こえてきていると。
 実際、我々も実は初めて処方箋を受けた、いろんな医療機関から受けますので、初めての医療機関であれば、処方箋の情報をどうやってフィードバックするかというのはわからないので、必ず電話をして、FAXがいいのか、このまま電話でお伝えしていいのかというのをずっとやっています。その医療機関さんによっては、情報提供文書だとかを薬手帳等で、次回、患者さんが来たときに、それでわかるからいいよという医療機関もあると聞いておりますが、このフィードバックする情報提供の在り方についても、今後、検討していただければと思います。

○森田会長
 もう大分時間が来ましたので、簡潔にお願いします。

○北村光一委員
 後発品を選択することで患者さんの負担が減るのに、加算で患者さんの負担が増えてしまうのはいかがか。患者にとっては価格が低いことがジェネリックの強い魅力の1つですから、せっかくジェネリックの薬価が下がっても加算で負担が増えてしまう状況は実際どれほどあるのかを教えていただきたい。

○森田会長
 どうぞ。

○白川委員
 北村委員の意見の関連でございますが、患者側の立場からすると、2つ問題がありまして、大きくは医療費の効率化という点でジェネリックを推進しているわけですけれども、全体としてのジェネリックの使用率というのは、一定の伸びがあるというふうに分析されておりますが、私に言わせると、全然伸びていないと言わざるを得ないと思っております。したがって、いろいろな加算とか何かで、我々側も協力はしているんですけれども、それにかかったコストと、結果がどうなのかという数字を出すのは、なかなか難しいかもしれませんが、全体としてどれくらいの薬のコスト削減になったのかというのを、我々としては非常に関心があると、それを何とか試算をしていただけないかというのが1点目でございます。
 2つ目は、実際に薬局で処方箋を持っていって、処方していただくと明細書が出るわけですけれども、そこに後発医薬品関連の項目が、今、3つ出るわけですね。体制加算と切替加算と、それから情報提供料と、この3つが出るわけで、全部合わせると30点ぐらいになると。これは、今、北村委員の発言だと思うんですけれども、ですから、この辺を少し整理していかないと、ジェネリックに協力したら何かやたらと取られていると、そういう印象を持たれるので、少し内容を含めて、算定要件を含めて整理をしておく必要があるんではないかというふうに考えます。

○森田会長
 この辺りでそろそろ区切りたいと思いますけれども、今のお話もございましたように、ジェネリックが拡大しない要因が加算以外といいますか、意識とか、そういう点にもにあるとしますと、ジェネリックの使用を進めるために加算をどんどん上げていっても効果がないんではないかという、その辺の関係をはっきりさせようという御意見だったと思います。
 もう一点、私、会長ではなく、一委員の立場で、安達委員、万代委員にも確認させていただきたいんですけれども、ジェネリックはたくさん出ていると思いますけれども、そうした有効性その他について疑義がある品目というのは、どれくらいなんでしょうか。と申しますのは、今までの議論ですと、そもそも生物的動態性の確認の仕方自体が悪いので、すべて疑義があるというふうに、論理としては理解できないことはないんですけれども、現実の問題としてそういうものなのか。もし、特定の部分だけが疑義があるとしますと、その部分について、例えば学会か何かできちんとしたエビデンスがあるという部分について別な扱いをするということが可能なのかどうなのか、オール・オア・ナッシングで、今、議論されたような気がしますけれども、その辺の量的な感触というのは、どのようなものでしょうか、専門外なものですから、教えていただければと思います。

○安達委員
 白川委員は、余りお好みではないと思うので、長くはお話をしませんけれども、総じて言えば、後発医薬品の中でだめなものは物すごく減りました。これは、間違いありません。前にもそれは、ここでもお聞きをしております。臨床薬理学会で問題あり、大体臨床薬理学会が出てくることが多いんですが、演題として、論文として、その件数はどうですかと、薬剤管理官の方で把握しておられますが、年々減ってきていると思います。
 ですから、その点は、だんだんよくなりつつあるということは、我々も同じ認識なんだということです。ただ、全く同等かと言われたら、先ほど来、御説明しておりますとおり、全くというわけにはいかない問題は必ず、基本的に後発品のいわゆるクオリティーの中に内包されているんだということをさっきから申し上げたということなので、結局、その都度、例えばそういうものが出たときは、一応、情報だけちょっと出していただいて、説明していただくのが一番いいのかもしれません。
 今年になっても、夏ごろでしたか、例えば鉄剤の注射薬が1つだめになっていますね。認可されていないか、販売が終わっていると思う。だから、そういうことも説明していただければいいんじゃないかと、そういうふうに思いますけれども。

○森田会長
 簡潔にお願いします。

○嘉山委員
 先生、余りディスクリメートしないでくださいね。

○森田会長
 失礼しました。

○嘉山委員
 私、時間数にして、一番しゃべっていないですから、まず、ジェネリックに関しては、一例でも自分で経験すると、医者というのは、やはり帰納法で仕事をしているので、ほかのもやはりそうでないかと非常に不安を持つんですね、医者自身も、それは皆さんも何か経験すれば同じだと思うんですね。ですから、それを、今、会長が一委員として、科学的にそれを何パーセントかと、これは無理です。なぜかというと、最初の薬と同じように、また治験をやらなければいけないので、それは無理なんですけれども、現場で、やはり1例でも2例でもあった場合に、やはりその後の影響は大きいんです。
 私自身で言えば、今、脳卒中の発症を急性期の薬で、ジェネリックとそうでないので、かなり切れ味が、我々の言葉で言うと切れ味というんですけれども、それが違う薬はやはりあります。それが何パーセントかと言われると、先ほど言ったように、なかなか答えはできないんですけれども、そういうものがあるということはエビデンスなので、これは1つの提案なんですけれども、いつまで経ってもこれは平行線なので、FDAが言っている黒丸の2つ目のサブストレートというか、日本語で言うと、非活性成分というような記載をちゃんとジェネリックにすれば、そういうエビデンスはあるわけだから、それを我々国民が認めて、認めるということが私は大事だと思います。ですから、血中濃度でやっていると、ずっと平行線なんですよ、血中濃度は同じだけれども、薬効は違うというのがあるわけで、そこがやはり違うので、FDAが出している、これをちゃんとジェネリックに記載したらどうかということを提案したいんですが、いかがですか。

○森田会長
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。嘉山委員の御指摘は、この賦形剤が実際に何が使われているかということを記載するということでございますか、それであれば、現在でも添付文書の中に、実際に賦形剤としてどういうものがあるかというのは、成分も書いておりますし、それがどういうものかと・・・。

○嘉山委員
 だから、先発医薬品と同じである必要はありませんというような表現が正しいんだと思うんですね。同じではないということを記載することは意味があるんですよ。

○森田会長
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 すべてのジェネリックにそういう形の添付文書を書くかどうかというのは、あれでございますが、一般の方々への、あるいは医療関係者への啓発あるいは周知については、この点は、再度入念的に周知をさせていただくということは、可能ではないかと思います。

○嘉山委員
 というのは、もう一度検査を、全部薬効をやれとか、治験をやれというのは無理なので、ですから、ジェネリックは安いんですよ、そうでしょう。

○吉田薬剤管理官
 はい。

○嘉山委員
 できるわけがないんですから、ですから、事実を国民にちゃんと提示するということをしていただきたいんですね。

○吉田薬剤管理官
 いずれにしましても、そういう賦形剤あるいは非活性成分が違いますよということを周知するということについては、今以上に徹底させていただくようにしたいと思います。
 それと、併せてでございますが、何点か御質問をいただいている分、答えられるところだけお答えさせていただきます。
 まず、北川委員からありました、加算とか、そういうのを付けた場合に、薬剤料が下がったことと比べてどうなのかという御指摘でございますが、これも同じく特別調査の中で、実際に後発品に切り替えた場合に、薬剤料が、1処方箋当たり200点ぐらい差があるというふうな結果が出ております。
 したがいまして、例えば薬局の方での加算、例えば調剤加算あるいは情報提供料などが2点とか10点、あるいは今回の調剤体制加算が17点があったとしても、合計でも30点程度でございますので、そういう意味では、差し引きすれば、まだマイナスにはなって、効果はあるんだろうというふうに思っております。
 それから、白川委員からの御指摘の、全体でのコスト削減の、最適かどうか、そこはまたどういう形でできるか、少し検討させていただきたいと思いますし、全体的な加算の在り方については、一般論としまして、個別のものがどうかという議論ではなくて、一般論としましては、当然新しいものを考えたときに、必要性が乏しくなったものについては、当然適正化、合理化は必要なんだろうなと思っております。
 それから、ちょっと戻りますけれども、西村委員の御発言の中で、薬価専門部会の方でいろいろ品質の問題あるいは患者さんが何を選ぶのかどうか、ということを専門部会でもと、そういう話がございましたけれども、部会のマンデートといたしましては、薬価専門部会でございますので、薬の価格を中心に御議論いただければと思いますので、関連のところで、すべてを排除するものではございませんが、少しその辺りは整理し、御相談させていただければと思っております。

○森田会長
 それでは、もう大分時間も経ちましたし、議論は尽きないと思いますけれども、本件に係る質疑は、この辺りとしたいと思います。また、今日の議論を踏まえまして、特に事務局の方では、更に御検討いただきたいと思います。
 それでは、本日の議題は、以上ですけれども、事務局からその他といたしまして、資料が提出されておりますので、簡潔にお願いいたします。
 どうぞ。

○迫井医療課企画官
 医療課企画官でございます。時間もございませんので、簡潔に御説明させていただきます。
 総-4、平成24年度改定に向けまして、技術評価を現在、医療技術評価分科会で作業を進めております。この資料で本日お伝えしたい点は、ポイントは2つです。
 1.の(1)をごらんいただきまして、関係学会等から御提案をいただきました。これが6月末で締め切らせていただきまして、結果としまして、これは、重複を含む、現時点で985ということでございます。
 ポイントの2番目は、2.の「具体的なスケジュール」をごらんいただきたいんですが、本日、11月9日中医協でございますが、今のところ、11月16日を予定しておりますけれども、医療技術評価分科会におきまして、実際の技術評価の作業を始めさせていただきます。そのときに、どういった技術かというようなことを含めまして、すべて学会からの御提案につきましては、公表させていただくこととしております。本日の時点では、この表の後ろの方に技術名だけ載っておりますが、16日の分科会の時点で、可能限り、速やかにホームページ等で周知をさせていただきます。
 事務局からは、以上でございます。

○森田会長
 以上、報告でございますが、何か御発言はございますか。
 それでは、ないようですので、本日の議題は以上でございます。
 それでは、次回の日程等について、事務局からお願いいたします。
 どうぞ。

○鈴木医療課長
 大変恐縮でございますが、次回は、今週の金曜日、11月11日を予定しております。よろしくお願いいたします。

○森田会長
 あさってでございますので、タイトになってまいりますけれども、どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の総会は、これにて閉会といたします。長い間、どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第1係

代表: 03-5253-1111(内線3288)

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