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2011年10月27日 第65回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

職業能力開発局

○日時

平成23年10月27日(木)10時00分〜12時00分


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省専用第12会議室(12階)


○議題

○今野分科会長 皆さんお揃いですので始めさせていただきます。ただいまから「第65回労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。本日は黒澤委員、三村委員、水町委員、上原委員、諏訪委員、橋本委員がご欠席です。
 まず、厚生労働省に人事異動がありましたのでご紹介させていただきます。総務課長の土屋さん、育成支援課長の山本さんです。なお、小野職業能力開発局長は国会対応がございますので、途中で退席するというご予定でございます。
 それでは議事に入ります。お手元の議事次第にしたがって進めたいと思います。1番目の議題は「職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱について」です。これは厚生労働大臣より労働政策審議会会長あてに諮問がなされたものでございまして、これを受けて本分科会において審議を行うというものです。まず事務局から説明をお願いします。
○星能力評価課長 お手元の資料1-1にしたがいましてご説明申し上げます。今般、諮問申し上げますのは、資料1-2に、3.「改正の内容」とありますが、金属研磨仕上げ、製材のこ目立て、竹工芸、ガラス製品製造、れんが積み、コンクリート積みブロック施工及び建築図面製作、この職種に係る技能検定を廃止するというものです。
 次の頁の中段の箱書きのところにありますが、技能検定職種につきましては、その社会経済情勢の変化に対応した統廃合を行うことにしておりまして、受検者数が少ない職種を検討の対象として、当該技能に対する需要等について関係業界団体等からヒアリングを行うなどして検討を進めてきたところです。
 さらに次頁の下段に表がありますが、今般対象となる7職種の受検申請者数につきましては、いずれもこれらの職種は機械化の進行、あるいは当該技能への需要の低下等に伴いまして、6年平均の受検申請者数が20人以下の状況にあるということです。これらの職種につきましては、業界等のヒアリングの中から、今後とも需要の増加がなかなか見込めないという状況にあることから、技能検定職種としては廃止することにしたものです。なお、施行期日に関しましては、資料1-2の最初の頁の4.「施行期日」にありますが、竹工芸、コンクリート積みブロック施工、建築図面製作の3職種につきましては、公布日施行を予定しております。また、今年度最終試験を実施しております金属研磨仕上げ、製材のこ目立て、ガラス製品製造、れんが積みの4職種につきましては、年度末の平成24年3月31日の施行を予定しています。私からの説明は以上です。
○今野分科会長 ありがとうございました。それではご質問、ご意見をお願いします。
○新谷委員 この技能検定制度の重要性は、私ども労働側として十分認識しておりますし、この制度が果たしてきた役割を大変評価しているところであります。今回提案をいただいております廃止職種については、受検者数と申請者数の推移等を見ても、やむを得ないと思います。廃止についてもこういうプロセスでやっていくというのを資料には書いてあるのですが、1つ気になりますのは、今般取りまとめをいたしました第9次の能開基本計画においては、「攻めの人材育成」と「守りの人材育成」というのが2つの大きな柱になっていると思っております。そういった意味では、いちばん最後のところに136職種、技能検定職種の一覧が出されておりますが、今後いわゆる「攻めの人材育成」とリンクさせて、技能検定制度として、成長分野でいま伸びている技能について、国としてどのようにこれを公認していくのか。あるいは技能検定の中に取り込んでいくのか。そのプロセスなり考え方について厚生労働省にあればお聞かせいただきたいと思います。
 具体的には、例えば太陽光パネルはグリーンジョブということで代表的な例ですが、太陽光パネルの据え付けというのが、職種的には求人等も結構あると思うのですが、こういった新しい成長分野に対して、厚生労働省としてどう評価を下して、新たな技能検定の対象職種として組み込んでいくのか。その検討のプロセスを教えていただきたいのと、最近新たに検定職種として入ったものがあるのであれば、どういうものが入ったのかというのを教えていただきたいと思います。以上です。
○星能力評価課長 まずはご指摘のように、この技能検定制度、1つは国全体の技能水準の向上を図っていく。さらには能力本意の労働市場を有効に機能させていくという意味で、非常に重要な施策であると認識しています。
 技能検定職種として設定するに当たっては、企業横断的といいますか、業界標準的な普遍性を有する技能であるとか知識に対する評価が基本となります。そういったものにつきまして、客観的に評価できる、対象労働者が地域に限定されることなく、全国的に相当数存在するというようなことを前提として、その業界団体と調整を図りながら国家検定として認めてきているということです。
 いまご指摘のように、新規成長分野とか新たな分野、廃止するだけではなくて必要なものをどのように構築していくのかというご指摘だと思いますが、1つには従来、例えば社内検定、業界検定としてやってきたものについて、いま申し上げたような形で広がりが出てくれば、当然それは国家検定として認めていく。あるいは我々は従来、職業能力評価基準として新たな職種についても職務などを分析して、一定の必要となる能力を整理してきていますし、政府においても現在、実践キャリアアップ戦略ということで、特に新規成長が見込まれる分野について、必要な能力を整理するとともに労働市場における適正な評価を実施できるように評価制度を構築していこうというような取組みをしています。
 最近どういったものをということですが、昨年のちょうどいまごろの時期でしたが、この分科会にもお諮りしましたが、ハウスクリーニング職種、あるいはピアノ調律ということで、それぞれ業界等からも申請があって、また先ほど申し上げたように全国的にも相当数の対象労働者がいる、あるいは客観的に評価されるような技能がそこにあるというようなことで、これら職種について、現在は指定試験機関制度ということで、民間での試験の実施とその機関を指定するというような形で、これらの検定試験を実施することとしていますが、そういったものを認めてきているというようなことです。
○新谷委員 確かに去年ハウスクリーニングとピアノ調律はこの場で審議したと思うのです。申し上げたかったのは、我が国の成長戦略と技能検定、人材育成というのは有機的かつ一体的に構築していかないといけないのではないかと思っておりまして、そのための仕立ての仕組みというものもきちっと厚生労働省内で構築されたらいかがかと思っておりますので、是非その面も検討していただければと思っております。以上です。
○今野分科会長 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは分科会としては、いまご審議いただいております職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令案要綱については妥当と認める旨の報告を、私から労働政策審議会会長あてに行うということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは、報告文の案文を配っていただけますか。
               (報告文(案)配布)
○今野分科会長 よろしいでしょうか。それでは、そのように報告させていただきます。
 2番目の議題は「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。これも厚生労働大臣より労働政策審議会会長あてに諮問がなされたものでございまして、これを受けて本分科会で審議を行うものです。まず、事務局から説明をお願いします。
○松本能力開発課企画官 資料2-1をご覧ください。今回、措置したい内容は3点あります。第一は、職業訓練機関に対して支払う認定職業訓練実施奨励金につきまして、不支給事由を2つ追加するという内容です。1つ目は、同一の事由で補助金、助成金等を受け取ったもの。これは二重払いを防ぐという理由から。もう1つは、雇用関係助成金について不正があった場合に不支給とするものです。
 次に残り2点ですが、第二につきましては、現在実施中の震災特例重機訓練につきまして、現在の認定基準上の特例は、今年度末までと期限を切っていますが、現時点でも訓練は実施しておりまして、またそれについての求職者側のニーズ、また求人側のニーズも現にあるということから、これを1年間延長し、平成24年度末までに延長したいという内容です。
 次に第三ですが、資料2-2をご覧ください。被災3県(岩手、宮城、福島県)におきまして、今後の就職実績が上がらないことも訓練機関側に懸念する声があるということもありまして、いわゆるイエローカード基準とレッドカード基準について、発動要件と効果について特例を設けるものです。まず発動要件ですが、イエローカード基準は、基礎コース45%未満、または実践コース50%未満を2回下回った場合に、不認定という発動要件ですが、今回措置しようという内容は、これらの3県に限りまして4回該当した場合に発動ということにしたいというのが1点目です。
 次にイエローカード基準とレッドカード基準の効果ですが、原則としては全国で当該分野の不認定という効果が発生しますが、今回の特例措置の案は、被災3県につきましては、当該県のみで不認定の効果を発動ということにいたしました。例えば全国的に訓練を展開している企業が、被災3県での訓練を差し控えるということがないようにしたいということが、今回の特例措置の趣旨です。期限としては、平成24年度末までに開始する訓練と期限を切りたいと考えております。以上が説明でございます。
○今野分科会長 ありがとうございました。ご質問、ご意見はございますか。
○豊島委員 いまご説明いただいた、第一と第二はわかるのですが、第三についてもう一度説明をお願いします。いま、訓練実施機関から実績が上がらない懸念があるという声があるからとおっしゃったように聞こえたのですが、厚労省としてそれを受けてそう判断をされた理由や背景などについてもう一度お願いします。
○松本能力開発企画官 被災3県につきましては、訓練の量としては、現時点では他県と比較して、さほど遜色のない水準ではあるのですが、求職者の数が相当多い状況ですので、求職者に見合った訓練ということからすると、より多くの訓練を設定しなければいけないと考えています。そういう意味において、他県からの訓練機関の進出も是非していただきたいと考えているところです。特例措置を講じて、それを促進したいと考えています。
○豊島委員 他県からも応援してもらいたいということですか。
○松本能力開発企画官 他県の訓練機関が3県で訓練を実施することも促進したい。
○豊島委員 基準となっている就職率を達成できない可能性が高いのですか。
○松本能力開発企画官 現状では、基金訓練にしても、震災後に始まった訓練については就職実績がまだ出ていない状況です。訓練機関側は、求職者支援制度全体について、就職実績を厳しく問う制度であるという認識が広く共有されているところですので、その中で特に被災3県は大丈夫だろうかと懸念する声があるということです。あくまでもこれは、就職実績という形でのデータの裏付けがあるわけではありません。そういう意味で、就職が難しいのではないかという予測が広がっているということです。
○豊島委員 求職者が多くいらっしゃるというのは、当然想定されることであるし、だからこそ補正予算も含めて、あるいは厚労省としてもそういった皆さんに職に就いていただくように、最大限のバックアップをする責務があるということだと思いますので、まずそれが第一だと思います。もちろんいまおっしゃったような趣旨で、被災3県におけるこのような措置の必要性は大体理解できたのですが、本来は基準を上回る就職率であることが基本ですから、実績が上がらない懸念があるということですけれども、こういうルールを緩和するとしても、やはり初めに第三のルールありきではなくて、その訓練実施機関が基準を下回った理由について、一般的に考えられる理由とは違って、当該訓練機関固有の問題がある可能性がなしとしないわけでありまして、やはりその訓練実施機関から、何でこのような結果になったのですかということぐらいの説明は求める必要があるのではないかということ。
 また、冒頭申し上げましたように、就職率が上がるように訓練実施機関への指導といいますか巡回指導なども含めて、体制との関係もあるかもしれませんが、できるだけ丁寧なことをやっていただきたいということであります。震災からもう半年過ぎて、冬を迎えているときに、まだまだ多くの方が職を求めておられるわけですし、重ねてですけれども就職に結びつかないことが先にあるのではなくて、なるべくなくしていくということが大事だということを申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
○松本能力開発課企画官 誠にご指摘ごもっともだと思います。まず1点目の訓練機関の特殊性、つまり労働市場のせいではなくて、訓練機関なり訓練コースの問題である可能性は確かにそのとおりでございますので、その改善計画は、たとえイエローカード4枚制になっても、改善計画は全てに出させますので、その際にどこに問題があったのかというのはちゃんと検証したいと思っております。また、一旦訓練が設定された以上は、きちんと修め終わるまでの訓練を適切にやっていただいて、そのあと就職支援するというのは言うまでもなく非常に重要ですので、機構もハローワークもそのように取り組んでまいりたいと思います。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、当分科会としてはいま審議いただいています、職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律、施行規則の一部を改正する省令案要綱については、妥当と認める旨の報告を私から労働政策審議会会長あてに行うということにしたいと思います。よろしいでしょいか。
                 (異議なし)
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは事務局から報告文(案)をお願いいたします。
               (報告文(案)配布)
○今野分科会長 お読みいただけましたか。それでは、お手元の案どおりということでお願いをしたいと思います。ありがとうございました。
 続いて3番目の議題に入ります。3番目の議題は「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。これも厚生労働大臣より労働政策審議会会長あてに諮問があったもので、それを受けてここで審議を行うものです。まず、事務局から説明をお願いします。
○田中実習併用職業訓練推進室長 キャリア形成促進助成金関連の省令改正案について、資料3-2をご覧ください。具体的な内容としましては、有期実習型訓練の訓練期間の見直しです。まず有期実習型訓練をご説明いたしますと、フリーターなど、職業能力形成機関に恵まれない方が訓練実施企業に雇用されて、3か月超から6か月以下のOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を受けることによりまして、正社員の移行を目指すものです。
 次の頁に参考として実績を付けておりますが、平成23年度は今年度からの助成金の助成率の低下などによる駆け込み申請もありまして、受講者が1万人を越えていたのですが、今年度は上半期の数字では伸び悩んでいるという状況です。
 有期実習型訓練は、平成20年度からスタートしましたが、正社員への移行割合いは約7割と高い水準で推移しているところです。ただ、訓練修了後、正社員ではなくて、非正規として雇用されるケースも見られます。一方、訓練期間につきましては、「三箇月を超え」と規定されておりますが、実際にいま行われている訓練では、3か月と1日といったような形で、訓練期間に端数を組み入れざるを得ないため、訓練計画を立てにくく、月単位で訓練期間を計画できることを希望する声が事業主から寄せられています。
 これらを踏まえまして、さらに正社員への移行を促進する新たな訓練実施のパターンを検討しましたのが、図の中の見直し分というところになります。なお、現行のパターンにつきましては、今後も活用が可能です。この見直し分につきましては、まず訓練期間については、3か月ちょうどに設定することとしておりまして、その後事業主が訓練修了前に訓練生を正社員採用するかどうかを見極めるために、訓練期間の延長が必要と判断する場合には、雇用契約を更新していただきまして、引き続き最大3か月間までの訓練の延長を可能とすることとしております。これによりまして、現行では事業主にとって訓練生を正社員として採用するかどうかの判断というのは、訓練修了時の1回でしたが、見直し分では3か月の訓練が修了する段階で、一旦見極めができて、また判断が難しい場合には、訓練延長が可能となりまして、訓練修了後に最終的に判断することができるようになります。
 そのため、今般、キャリア形成促進助成金の支給対象の有期実習型訓練の規定につきまして、「三箇月を超え」を「三箇月以上」と改定させていただきたいと思います。また、この見直しに伴いまして、昨年の事業仕分けを踏まえましたジョブ・カード関連の見直しの一環ともなりますが、キャリア形成促進助成金とトライアル雇用奨励金の併給を活用できることとしています。有期実習型訓練の最初の3か月間は併給が可能となりまして、その後、訓練が延長される場合には、トライアル雇用期間も延長となりますが、延長期間については併給されず、キャリア形成促進助成金で対応することとなります。なお、この見直し前と後の支給額の試算例につきましては、資料3-3の参考の2枚目にお示ししておりますので、こちらについてもご覧いただければと思います。以上でございます。
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは、ご質問、ご意見をお願いいたします。
○伊東委員 ご説明ありがとうございました。資料3-2にも、正社員への移行割合をさらに引き上げるとあります。いまは7割と比較的高いけれども、さらに引き上げるために、また使いやすい制度にするということで、今回改正しますという説明はよくわかりました。この7割よりもさらに引き上げるというようなことでお考えになっているようですが、どういう段階でどの程度引き上げようとい目標を立てるというか、見通しをもっているのか。その辺のことを教えていただければと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 特に目標数値を明確に上げるということではないのですが、やはり少しでも多くの方に正社員になっていただけるようにということで、今回の改正につきましては、大体3か月超から4か月未満の訓練数が、全体の6割ぐらいとなっております。そういった方々につきましては、今後、訓練期間の更新が1回に限定されていたのが延長され、併給が可能になり、支給額が高くなるということもありまして、活用が高まるということと、正社員としての判断の機会が増え、そういったことで正社員化が進むようにということで、積極的に事業主の方には広報していきたいと思います。
○伊東委員 わかりました。数値目標が大事というわけではないのですけれども、長期で安定した雇用というのは非常に重要になりますので、少なくともいまのところ7割と高い数字だといっていますけれども、これが高いか低いかというのはたぶんいろいろな考え方があると思いますので、ここに安住することなく、更なる引き上げを図っていただきたい。更に良い事業もやっているということをもっとアピールしてもいいと思いますので、併せてその辺を今後さらに進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○今野分科会長 これ、実態は3か月と1日、3か月と2日とか、そういうのは多いのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 先ほど申しましたが、実際、全体の6割程度が4か月未満なのですけれども、平成22年度で申しますと、3か月と1日というのがその6割の中の15%程度で、以下3か月と2日が8%、3か月と3日が5%というような形で、細かく3か月超となっているということもあって、事業主の方としては超えるような形にされているのが実態です。
○今野分科会長 ほかにいかがですか。
○高橋委員 よろしいですか。有期実習型訓練の常用雇用への移行が7割程度ということですが、その7割というのは、訓練に入られた方を分母としているのか、それとも訓練修了者数を分母にしているのか、どちらなのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 訓練を修了した方を分母としております。
○高橋委員 そうすると、例えば先ほどの参考資料の有期実習型訓練の受講者数というのが出ていましたが、平成22年度に、先ほど説明がありました、1万人を超える受講者数があったわけですけれども、訓練修了者数は何人だったのですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 まだ暫定値なのですけれども、平成22年度は4,774人です。
○高橋委員 そうすると、訓練に入られたのにもかかわらず、訓練修了者というのは5割を切っているということですよね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 修了者数と呼んでおりますが、どういう人たちの数かと申しますと、これは有期実習型訓練の修了3か月後に、ご本人にアンケートを出しておりまして、アンケートを回収してわかった方と、事業所のほうから就職状況について報告があった方の合計数ということで、必ずしも途中でやめた方ということではなくて、訓練修了3か月後に状況がわかった方ということの数字です。
○高橋委員 求職者支援制度でも、そういったアンケートの回収率の問題があったかと思いますけれども、この有期実習型訓練で、訓練に入られた方をどの程度補捉されていらっしゃるというふうに考えたらよろしいのでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ご指摘のように、アンケートの回収などのところで、訓練修了3か月後の状況が不明になっている方もいらっしゃいますので、その辺りにつきましては、訓練をしている間に3か月後のアンケートは回答をいただくようにとか、できるだけ実態を把握できるような形の努力をもう少しすることが必要だと思いますので、もう少しアンケートの回収率が上げられるように考えてまいりたいと思います。
○高橋委員 推測ですけれども、おそらく常用雇用に移行していない方はアンケートに回答していない確率が非常に高いと思われますので、7割という数字そのものがどうなのかという議論もあるかとは思います。それはちょっとここでは置いておきまして、せっかく必要な財源を用いて制度をやっている以上、受講者の方にも是非これは訓練の一環として必ずアンケートには答えるものだと徹底していただいて、100%のトレースを心がけていただきたいと思います。以上です。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。
○豊島委員 質問なのですけれども、修了したかどうかというのは、修了時点で事業主に聞けばわかることなのではないでしょうか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 この言葉が適切でなかったかと思うのですが、具体的には訓練修了3か月後の状況で調べていますので。
○豊島委員 就職率の話だけではなく、ほかのもみんなそうですけれども、修了したかどうかということは、事業主がやることですから、終わったということは事業主に報告を求めればわかるのではないかと思います。
○田中実習併用職業訓練推進室長 それにつきましては、数字の取り方といたしまして、訓練修了後3か月で数字を取っているやり方を取っています。訓練修了時点で、要は訓練を修了した人が何人いるかということについて、数字を別の形で取っているものですから、そこが取れていませんでした。
○土屋総務課長 豊島委員のご指摘のとおり、訓練が終了しているかどうかというのは、当然事業主のほうでわかる話ですし、それはキャリア形成の助成金の支給に当たっても確認が必要な事項だろうと思います。いま手元にデータが整理されていないという、大変恐縮な状況だと思います。少しいまの7割の話の前提となっている数字が修了者、未修了者、修了者のうちの回答者数、そしてそのうちの正規の比率ということだと思います。その整理したものは次回にでもお出しさせていただきたいと思います。
○大久保委員 有期実習型訓練の助成金と、トライアル雇用のほうの奨励金との併給が可能になるという話なのですが、おそらくそれは、ここにも実績で有期実習型訓練の受講者数が平成23年度はだいぶ落ち込んでいるということが1つの背景にあるのだろうと思うのです。有期実習型訓練とトライアル雇用というのは、訓練なのか試行雇用なのか、定義の違いはあるものの、極めて非常に重なり合っている意味合いがある制度なのだろうと思います。それを促進したいということなので、お聞きしたいのはこの手続きについては、どうなのか。全体的に書類をたくさん書かなければいけないものが常に多いような印象を持っているものですから、併給について非常に類似的なものであれば、なるべく簡素化を図ったほうがいいと思うのですが、その辺りの対応はどうなっているかということをお聞きしたいのです。
○田中実習併用職業訓練推進室長 具体的な手続きにつきましては、今後、詰めてまいりたいと思っています。手続きを考えるときには、いま委員からご指摘がありましたように、書類手続きがたくさんあるということもありますので、どこまでできるかというのは、今後の検討なのですけれども、できるだけ簡素化を図るという観点をもって、具体的な手続きについては検討してまいりたいと思います。
○今野分科会長 ほかにはいかがでしょうか。
 それでは当分科会としては雇用保険施行規則の一部を改正する省令案要綱については妥当と認めて、報告を私から労働政策審議会会長あてに行いたいと思いますが、よろしいでしょうか。
                 (異議なし)
○今野分科会長 それではそのようにさせていただきます。文案の配布をお願いします。
               (報告文(案)配布)
○今野分科会長 それではそのように報告をさせていただきます。では、4番目の議題です。「点検評価部会で検討すべき2011年度の年度目標の追加について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○松本能力開発課企画官 資料4は、点検評価部会に求職者支援制度の今年度下半期の事業目標について、何をもって登録するかという件です。求職者支援制度については、制度施行準備の段階の本年6月27日の分科会において、事業目標として、基礎コースについては就職率60%、実践コースについては就職率70%という資料を案としてご提示申し上げ、ご議論の結果、まずはこれでやっていくということについてご理解を賜ったところです。その際いろいろご意見は賜りましたが、これを受けて、資料4の今回の下半期の事業目標としては、その際の目標値である就職率、基礎コース60%と実践コース70%。算定方式は、公共の委託訓練と同様の算定方式によるものとして登録したい、というのが今回の原案です。
○今野分科会長 ご意見、ご質問をお願いします。
○高倉委員 1点確認させてください。就職率の目標の数値ですが、これは公共職業訓練の離職者訓練の目標値と同じということでよろしいのでしょうか。
○松本能力開発課企画官 公共職業訓練委託訓練は60%ですので、実践コースについてはそれを上回る数値を設定しようというのが案です。
○高倉委員 そうした主な理由は何かあるのですか。
○松本能力開発課企画官 求職者支援制度の前身であるところの基金訓練の就職実績値が69〜70%で推移しています。求職者支援制度はより就職に直結した実践的な訓練をやるのが実践コースという位置づけですので、基金訓練の就職実績と同等の目標値を設定するのが適当であろう、というご説明を本年6月の時点で申し上げたところです。そういう意味で少し高めだとは思いますが、そのような経緯です。
○高倉委員 高めの目標でも、目標を設定したからには、あらゆる工夫、あらゆる施策を動員して、必ずやり遂げるという活動に是非取り組んでいただきたいという要望を申し上げたいと思います。
○松本能力開発課企画官 ご指摘のとおりです。
○今野分科会長 ほかにはいかがですか。
○松本能力開発課企画官 すみません、訂正です。公共の委託訓練の目標値は65%でした。大変申し訳ありません。
○今野分科会長 ほかにいかがですか。
○浦元委員 これまでの議論に参加できていなくて申し訳ないのですが、今年の目標ということでこの数字を伺いましたが、短期ではなくてこの2、3年というか、こういう施策をやることでこの数字をもっと高めたいみたいなことがありましたら、ご紹介いただきたいと思います。
○今野分科会長 当面は60%、70%で設定してあるけれども、中期的に考えたら80%にしたいとか、もし80%にするのだったら、どういうことをするのか、ということについて考えることがあったら話を聞きたいと、そういう趣旨ですね。それでよろしいですね。
○浦元委員 はい。
○松本能力開発課企画官 求職者支援制度は本年10月からスタートした新たな制度ですので、まずは基金訓練の実績も参考とした目標値のもとで施策を推進していきます。いま高倉委員からご指摘があったように、あくまでも就職目的の制度ですので、この目標値を達成すればいいということではなくて、できるだけ高くというふうに、訓練機関も、またハローワークも機構も努力していくわけでございます。その結果としての実績値がどうなるか、その際手法が適当であるかどうか、というところも含めて施行状況を検証しながら目標値を高めるなら高める、手法を改善しなければいけないところがあるのだったら、その制度なり訓練のあり方も見直すといったブラッシュアップはしなければいけないと思っています。そういう意味で、まずは施行状況を見ながらということですが、この水準でいいとは決して思ってはいませんので、いずれにせよ、就職実現に向けて頑張ってまいりたいと考えています。
○今野分科会長 たぶん浦元委員は、いまの回答でそれほど満足はされてないと。たぶん今おっしゃられたことは、実績を見て改善していきます、そういうことだったのですが、浦元委員が言ったのは、たぶんもう少し戦略的なターゲットを決めて、それに向かってどう行くかということも考えたらどうですかと、そういうご趣旨だと思います。ですから、今後、改善案を考えるときに、そういう視点も是非とも入れて考えてほしいということだと思います。私が解説するのはおかしいですが、よろしくお願いします。
 ほかにいかがですか。それでは、いま報告いただきました点検評価部会で検討すべき2011年度の年度目標の追加については、案のとおりということでさせていただきます。よろしいですか。
                 (異議なし)
○今野分科会長 ありがとうございました。続いて、5番目の「平成23年度第三次補正予算における職業能力開発施策の概要」について、もう1つ6番目が「平成24年度職業能力開発局重点施策と概算要求の概要」についてです。これは共に予算関係の報告事項ですので、併せて議論をしていただきたいと思います。まず事務局から説明をお願いできますか。
○土屋総務課長 資料5と資料6をご覧ください。資料5が三次補正関係、資料6が平成24年度の概算要求関係です。
 資料5ですが、今年度の三次補正予算については、去る21日に閣議決定をしており、28日に国会に提出の予定です。そのうちの職業能力開発関係の部分について、案の段階ですが、資料にまとめたものが資料5です。
 総額にして84億円ということですが、趣旨としては四角の中にありますように、被災地域の本格的な復興を支えるということと併せて、円高による影響に対応していくということで、訓練の拡充等を行うという内容です。
 具体的な中身としては3点あり、1点目、「公共職業訓練等の拡充」ということで、被災地の復旧・復興に必要な人材、あるいは成長分野における人材育成という観点から、公共職業訓練の委託訓練、求職者支援訓練、これらについて合わせて4万人の規模の拡充を図りたいというものです。
 2点目は、「キャリア形成促進助成金の拡充」です。こちらも公共の訓練の拡充と併せて民間企業における人材育成を支援していくという形で、助成金の助成率の引き上げ等を行いたいというものです。具体的には、被災地においては助成率を引き上げるとともに大企業についても適用するという形で、被災地の企業、事業所については、全体的にこのキャリ形が使えるようにするということと併せて、被災地以外についても震災等の影響で事業活動の縮小を余儀なくされて新事業に展開すると、こういった中小企業事業主に対してはキャリ形の助成率の引き上げを行うと、こういう内容です。
 3点目として、「成長分野と人材育成支援事業の拡充」ということですが、1番目は安定局の施策ですが、2番目にあります・が当局の施策でして、これは被災地向けの事業です。被災地の中小企業において、これから地域の産業の高度化、あるいは新産業の創出という意味での中核人材を大学院などの高度な教育機関等に派遣して育成すると、こういった取組をする事業主の方に、キャリア形成促進助成金が使える部分もありますが、併せて授業料や住居費等についても助成を行うというものを、この支援事業の中で実施してまいりたいというものです。
 続いて資料6です。平成24年度の予算の概算要求の状況について、ご報告申し上げます。総額として1,978億円でして、昨年度比300億円ほど増加をしていますが、これは求職者支援制度の平年度化が大きく影響しているものです。内容としては、7本の柱を立てています。第1として、「成長分野・ものづくり分野等の人材育成の推進」です。そのうち、1として、成長分野の人材育成ですが、介護や医療、あるいはITといった成長分野については、民間を活用した実践的な公共委託訓練、求職者支援を推進するということで、それぞれ今年と同規模の訓練をやっていきたいということです。今後、新規に成長が期待される分野については、事業主の方への委託を想定した実践的な訓練です。これは、例えば3か月の訓練に合わせて実習1か月を合わせると、そういった新しい形での訓練の実施をしていくと。それと併せて、新しく本年10月からスタートしました高齢障害求職者支援機構において、こういった部分についてのカリキュラムの開発も行ってまいりたいと考えています。
 2番目として、新事業展開地域人材育成支援事業です。これは地場産業の事業主団体に、地場で高度な技能や技術はいろいろお持ちであるけれども、それを新しい分野に活かしていくというときに、人材育成の面でさまざまな課題を抱えている、そういった地場産業において、事業主団体が主体となって人材育成のために必要な教育訓練のカリキュラムを開発したり実施したりということを、地域の中の連携の中でやっていただくと、こういった事業を全国20か所ほどで展開してまいりたいということです。
 3番目、4番目は、ものづくり関係です。3番目としては、これは人材育成ということで、新しい機構で引き続きものづくりに特化した訓練を実施していくというものです。頁をおめくりいただきまして4番目、ものづくり立国の推進については、技能五輪大会、技能承継といった趣旨での技能講習の実施、卓越技能者への表彰等を引き続いて行ってまいりたいというものです。
 第2として、「雇用のセーフティネットとしての職業能力開発支援の推進」です。3つ立っていますが、1の委託訓練、2の求職者支援は、先ほどのものの再掲です。3として、ジョブ・カード制度の推進ですが、「ジョブ・カード」については、さまざまな見直しを行う中で、キャリア・アップのための有効なツールという趣旨から、対象となる職業訓練を公的な訓練全般に拡大するということ、あるいは「ジョブ・カード普及サポーター企業」の開拓といったこと、これらを通じて引き続き「ジョブ・カード」制度の推進・強化を図ってまいりたいということです。
 第3として、「職業能力の評価システムの整備」です。2つありまして、「職業能力評価基準」の整備、これらについて新規の策定、あるいは策定済みのものを活用したキャリアマップ、職業能力評価シートの開発・導入といったことを引き続きやるとともに、「技能検定」制度、先ほど見直しのご議論をいただきましたが、これについても着実な推進を図ってまいりたいというものです。
 第4として、「職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の推進」です。柱は4つあります。1つ目は企業内でのキャリア形成ということで、「キャリア形成促進助成金」の活用等々ということです。2つ目はキャリア・コンサルティングの活用促進ということで、キャリア・コンサルタントの専門性の向上、あるいは「ジョブ・カード講習」の拡充、キャリア・コンサルタントの情報提供体制の整備等を図ってまいりたいというものです。おめくりいただきまして、キャリア教育の推進については、引き続き大学等の高等教育機関でキャリア教育が効果的に行われるような人材養成を厚労省としても図ってまいりたいというものです。4つ目は、「ジョブ・カード制度」、再掲ですが、活用の対象として中小企業等の在職労働者や大学生等にも拡大を図ってまいりたいというものです。
 第5として、「若者の就職促進、自立支援対策」です。2つあります。1つは、ニート等の若者の職業的自立支援の強化ということで、「地域若者サポートステーション事業」、いわゆるサポステについて設置拠点の拡充、アウトリーチによる支援の強化を図ってまいりたいというものです。キャリア教育の推進は再掲です。
 第6として、「障害者の職業能力開発支援の推進」です。障害者の職業能力開発支援については、1にありますように、障害者向けの障害者職業訓練校において障害特性やニーズに応じた訓練の推進をするということと併せて、就業経験がない方などを対象にした委託訓練の形でのデュアルシステム、これを推進してまいるという中で、各県に「障害者職業訓練コーチ(仮称)」といったものを配置しながら委託訓練の充実を図りたいというものです。
 最後に第7として、「人づくりを通じた国際協力の推進」です。2点あり、技能実習制度の適切な運用ということで、監理団体、実習実施機関、これらの巡回指導、母国語相談、技能実習生が習得した技能の適切な評価の推進をしてまいりたいというものです。
 2番目として、技能評価システムの発展途上国、開発途上国への移転、ASEAN等の国際機関を通じた人材育成に関する各種研修事業の実施、こういったものを引き続きやってまいりたいということです。
 なお、最後に記載していますが、予算の要求の形として、ご覧の新事業展開地域人材育成支援事業については、重点化措置の枠で要求していますとともに、職業転換給付金の訓練手当の被災地向けの分については、震災枠で要求をしている形になっています。
○今野分科会長 何かご質問、ご意見をお願いします。
○澤田委員 資料5に関係するのですが、1点確認をさせていただきたいのと1点質問です。求職者支援制度の財源については国庫負担が2分の1という原則で、暫定措置55%を適用して実質27.5%、残り72.5%を労使負担の雇用保険料を充当するという整理になっているかと思います。一方、労働政策審議会の建議で基金事業の終了後において基金の残額については、すべて求職者支援制度の財源として活用するということと、平成23年度は実質的に全額国庫、その後当分の間は実質的に国庫負担2分の1を確保するという建議がされているかと思います。そういうことからすると、今年度について、これは確認ですが、求職者支援訓練にかかわる費用については、雇用保険料からの支出はないと、そう理解してよろしいのかどうかが1点です。
 それと、表にあります?の公共職業訓練等の拡充で80億円。これはすべて特別会計になっているように見えるのですが、一般会計から特別会計への繰入れ額があるのではないかと思いますが、そういう意味で実質的に一般会計からの支出があるのかを確認させていただきたいと思います。
○土屋総務課長 求職者支援関係の財源については、いまお話があったとおりの保険料からご負担いただく分、国庫から負担を繰り入れる分があります。また、基金の残額の活用については、制度発足にあたっての建議の中でもご指摘、ご提言をいただいているところです。まず、枠組そのものについては、大変恐縮ですが、議論の場としてはこれまでの経過の中でも、職業安定分科会の雇用保険部会のほうでご審議いただいてきたという経過があります。今後、財源構成の見直し等々も議論していく必要があるわけですが、その点も雇用保険部会のほうでご議論いただくことになると私としては認識していますので、いまご指摘のあった点について、雇用保険部会のほうにもそれが伝わるように事務局としても整理させていただきたいと思います。
 その上で、なおということですが、基金の残額の活用について、私が知っている範囲のことを申し上げますと、基金の残額については、残額がはっきりした段階で繰り入れるということになってくるかと思います。先ほどおっしゃった平成23年度について全額、平成24年度以降について2分の1までということの内容は、そういう繰入れを通じて事実上そういった負担の軽減を図っていくという整理であったかと思いますので、予算の姿として平成23年度の財源に関して、労使からご負担いただく分は全くゼロになるという形ではないという点についてご理解を賜ることができればと思います。
 その上で三次補正の80億円と書かせていただいている部分について、国庫負担の関係を若干ご説明申し上げますと、求職者支援の訓練に関する部分を80億円のうち48億円です。このうち一般会計、国庫からの繰入れに相当する部分が13億円ということです。
○今野分科会長 よろしいですか。ほかにいかがですか。
○新谷委員 資料6の平成24年度の概算要求の関係ですが、これは去年から会計別に金額の内訳を表示していただくように資料を作っていただきまして、よくわかるのですが、これを見る度に、国としての職業能力開発行政において、一般会計からの支出が非常に少ないといつも思います。それは使用者が負担している雇用保険二事業の財源を使って能力開発をやられて、それが就業に結びついて、そのリターンは使用者が得るのだというロジックかもしれませんが、あまりにも一般会計からの支出が少ないのではないかといつも印象として思っています。
 それはそれで置いておいて、今回、概算要求で、あるいは重点政策で出された内容については特に異論はないのですが、何点か教えていただきたい点があります。それは第3の職業能力評価のところです。これは職業能力評価基準を作られて、そのためのツールを開発するとか、評価システムの開発構築を一体的に進めるということをされていて、具体的にはJAVADA(中央職業能力開発協会)で詳細なものを作られているのではないかと思います。あれはホームページで見ても非常に詳細なデータが構築されていて素晴らしいと思うのですが、ただ気になるところは、ここに書かれていますように、例えば社内検定とか、業界検定につなげると書いてあって、活用の部分がどうなっているのか。要するに作ること自体が目的になってはいないのかというところが気になるところなのです。
 教えていただきたいのは、ここに書いてあるように、いままでは何業種か作られたと思うのですが、具体的に社内検定なり業界検定といった形で実際に活用されて、これが能力評価のシステムとして運用されているという実績がどのようになっているのかを教えていただきたいというのが1点です。
 ジョブ・カードが2か所にわたって記載をされていますが、第4の4に対象者の拡大ということで、今回は公的な訓練全般についてもジョブ・カードを拡大するとともに、対象者について中小企業の在職労働者、大学生にも拡大をするという方針が掲げられています。求職者や大学生、これから就職されるという方についてジョブ・カードを活用するのはいいのですが、中小企業の在職労働者に拡大していくというところの意図というか、なぜこういうところでやって、では具体的に在職者の方にどう広げていくのかとかいうところを、もう少し説明いただけないかというのが1つです。それと、ジョブ・カードについては、政府の新成長戦略の目標の中に、2020年度で300万人という到達目標が掲げられていると思うのですが、これとの整合性について、平成24年度の重点政策とこれはどう置いているのかを教えていただきたいと思います。
○今野分科会長 最初、星さん、はい。
○星能力評価課長 1点目の職業能力評価基準の活用の中で、特に社内検定制度あるいは業界検定ということで活用されている事例がどうなっているのかというご指摘でしたが、1つは、スーパーマーケット業界でS検と呼ばれていますが、スーパーマーケットで働く労働者の方々の検定制度は、業界検定としてこの職業能力評価基準を活用して整備、拡充してきているという事実があります。またホテル業界では、現在資格認定制度として評価基準を活用していただいていますが、これも業界検定化に向けて、いま試行検定ということに業界としても取り組んでいるということを承知しています。
 大きな業界としての取組で、いま我々が把握しているのはこの2つの業界ですが、あとは、個別に個々の企業の中で社内検定的な形で運用しているというものについて、アンケート調査などをしますと見えてくるのですが、具体的にどこでどういう業界でというところまでは十分把握できてないのがいまの状況です。
 そういった中で、これまで全体で事務系横断的な職種を除いても46業種まで評価基準を折角作ってきていますので、この活用に向けて、より具体的に検定とかそういった形で評価が明確になる運用ができるように、そのツールをできるだけ提供していくということで、さらにそういった活用が進められるように取り組んでいきたいと考えているところです。
○今野分科会長 もう1点いきましょう。田中さんね。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ジョブ・カードについて、中小企業の在職者にも対象者を拡大していくということの背景ですが、今年4月内閣府に置いていますジョブ・カード推進協議会があり、その中で新たにジョブ・カード推進基本計画を立て、その際に先ほどもお話に出ました政府の2020年までに300万人に対してジョブ・カードを交付していくという目標を鑑み、今後、ジョブ・カードを一種社会インフラとして世の中に普及させていくという方針が打ち出されました。そういった中で今般、学生と中小企業の在職者へもジョブ・カードを交付していくという方針があり、それで今回概算要求の中に盛り込んでいるのです。
 特に中小企業の在職者の方に対してジョブ・カードを交付するという趣旨ですが、在職者の方におかれましても、自社内でキャリアを、いろいろな職務経験を重ねられているということがありますので、今回、在職者の方にもジョブ・カードをできるだけ使っていただくようにということで、方策を考えていくということなのです。そうした際に在職者の方は、自社内で自分がどのようなキャリアを積んできたかを振り返ることにより、いま現在の自分の能力開発における課題とか、今後、能力開発という意味でもどういうことに力を入れていったらいいかといったことを、ジョブ・カードの交付によって、そのあたりのいまの課題と今後の取り組むべきことを自分の中で明確にしていただくということで、ご自身のキャリアアップにつなげていただければと考えています。
 ただ、いま現在、在職者の方へのジョブ・カードの交付は進んでいませんので、在職者の方にジョブ・カードを交付していただくためには、企業の方のご理解というか、企業の中でジョブ・カード交付に取り組んでいただくことが必要になってくると思います。そのあたりで、どうしたらジョブ・カードの交付が進むかについて、来年度検討会を開催するということで考えています。
○今野分科会長 先ほどもう1つ、300万人目標との関係はどうなりますかという質問がありましたが。
○田中実習併用職業訓練推進室長 300万人の目標との整合性についてですが、これについてはまさに公共職業訓練への対象の拡大ということで、基金訓練も本年7月から義務づけになりましたが、この10月から求職者支援訓練の受講者の方には、ジョブ・カードの交付を必須にするということで、その他の公共職業訓練の受講者の方にもできるだけジョブ・カードを交付する形で進めてまいりたいと思います。先ほどの学生と在職者へのジョブ・カードの交付というものも併せて2020年までの300万人目標というのを達成してまいりたいと思っています。
○新谷委員 最初にお答えをいただいた職業能力評価基準の件ですが、いま策定済みの基準はいくつぐらいあるのですか。
○星能力評価課長 業種別に作っているのが46業種です。その他事務系のものということで業種横断的なものについても、9分野について策定しています。
○新谷委員 スーパーとホテルが業界で活用されているという話は、その点はよかったと思うのですが、JAVADA(中央職業能力開発協会)で作られている非常に詳細な能力評価基準はホームページで公開されていて、たどっていくとものすごい膨大なデータがあって、宝の山だと思っているのです。ただ、それはいまお聞きしていて、マーケットのニーズが先なのかシーズが先なのかというところがあって、お金があるからどんどん作っていくのだけれども、実際は潜ってしまって活用されてないという懸念はありはしないのかと思うのです。これは業界なりのニーズが、こういうところを作ってほしいとか、できたらそれを活用しますとかいうものがないと、雇用保険二事業のお金があるからJAVADA(中央職業能力開発協会)にどんどんお金を流し込んで、こういう評価基準を作っていくということになってはいないのかという懸念があって、せっかく公的な資金を投入して作られるものですから、活用も十分に考えていかないともったいないと思うのです。それは是非お考えをいただきたいと思っています。
 もう1点のジョブ・カードについて、中小企業の在職労働者についても広げていくという趣旨は理解しました。ただ、これもまずジョブ・カードありきで在職者に広報するということです。非常に手間がかかることもあるのでしょうが、趣旨は非常にいいと思うのです。これまで積んでこられたキャリアを洗い直して、どこが足りないからどこを在職者訓練で補っていくというシステムとして構築されるというのは非常にいいことなので、そこはシステムとしてもわかる形で、能開機構(現:雇用支援機構)のような国の訓練機関だけではなくて、都道府県が持っている能開の施設、これは在職者訓練でかなりの強みを持っていると思いますので、都道府県との連携とか、国と地方が一体的な能力開発行政でジョブ・カードを位置づけて組み立てていけば非常にいいのではないかと思いますので、是非その辺も検討していただきたいと思っています。
○今野分科会長 何かありますか。お聞きしておけばいいですか。
○星能力評価課長 我々も積極的に取り組んでまいりたいと思っているのですが、これまでどちらかというといかに評価基準を作成するかと、そこに力点を置いてきまして、活用にしてもどちらかというと業界主体にやってきた。そういった中で、今年も全国10か所で活用セミナーなどを開きますと、こういったものがあったのかということで、まだまだ我々の周知不足もあり、知られていない。あるいはこういったものがあるのだったら活用したいという声もありますので、本当に現場での活用に結びつくように、特に中小企業の場合、単に業界に任せておくだけでは活用が進まないということもありますので、活用の面でももう少し手助けをすることを考えていきたいと思っています。
○今野分科会長 田中さんはお聞きしておけばいいですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 来年度また在職者に係るジョブ・カードのあり方を考える際に、本日いただいたご意見も参考にさせていただきながら検討してまいりたいと思います。
○今野分科会長 300万人は難しいですね。
○桑田審議官 私どもは、平成32年までに300万人という長期の目標に加えて、より足元に近い目標として、平成24年度までに100万という目標を持っており、とりあえずはそれに向けていま努力しているところです。平成24年末に100万をクリアすればあと8年間で200万ということですので、年平均で25万人の水準に上がっていけば大体達成されるということで、年間25万は大体1つの目標としてイメージしています。
 それについて申し上げますと、平成23年度で、平成23年8月まで、ですから5か月間の累計で11万1,000ということになっています。しかも10月からは求職者支援制度での訓練でも義務化していますし、7月から基金訓練でも義務化していますので、そういった政策的で推進的なものを入れると、何とか25万かそれプラスアルファぐらいはいくのではないかと。そう考えると、平成24年度末で100万ジャストをクリアするかどうかは微妙かもわかりませんが、少なくともそれに達しないとしても大きく下回ることはないのではないかとは思っています。このような規模感で進めて頑張ってまいりますのでよろしくお願いします。
○伊東委員 第4の職業生涯を通じたキャリア形成のところの2と3について質問と意見を申し上げたいと思います。2のキャリア・コンサルティングの活用促進というところで、5行いろいろと書いてあるのですが、1行目から2行目にかけて、例えばキャリア・コンサルタントの専門性の向上、3行目にまたその体系的な養成、質の向上と出てくるわけなのですが、このキャリア・コンサルタント自体に、何か大きな課題があるのかどうかというのが、ここから見えるのかなと思っているので、その辺、どういう課題があるのか。と言いますのは、私も産業カウンセラーの複数の方とお話する機会があってお話をしたときに、「最近はキャリア・コンサルタントの質が落ちてきているということをよく聞く」というようなお話を聞いたものですから、いままでにいろいろな育成をしてきたと思うのですが、そこに何かやはりちょっと弱いものがあったのか。もし、それを強化するとするならば、いまの育成にはいろいろな段階があるかと思うのですが、そこにある程度お金をかけていくというふうになったときに、この予算で足りるのかというのがちょっと心配だったので、1点質問します。
 もう1つは次の頁、3のキャリア教育の推進のところで、学校教育、特に大学等の高等教育機関で、キャリア・コンサルティングの手法を活用しますと、キャリア教育のことが書いてあるのですが、非常に予算が少ないと思っていて、特にキャリア・コンサルティングの活用促進という部分からいくと、実はキャリアのスタートというのは、具体的に言えば中学生の時期だと思います。義務教育が終わってから社会へ出る。もちろん進学率が高いので高校生からとも考えられるわけですが、そういう意味からいくと、キャリアを考えるいちばん重要なところ、この入口のところは中学とか高校のところかなと思っています。
 大学はもちろんなのですが、そういうことを考えたときに、文部科学省との連携になるのかと思うのですが、中学・高校のところを強化しないと、先ほどからいろいろな論議はしているのですが、大人になってから自分のキャリアをどう考えていくのかという根っこのところについては、どうも中学・高校が手薄かなと思うので、そこの連携をどのようにしていくのか。
 例えば第5と2のキャリア教育の推進、再掲とありますが、ここも何かキャリア教育の推進というところはほかのところと予算額の桁が違うのです。もちろんそれは他の部門との連携だからということもあるかもしれませんが、やはり職業意識の醸成であるとか、そういうことを考えたときに、この両者というのはしっかり労働行政としてやっていかなければいけないのではないか。是非力を入れていただきたいということで、質問と意見をさせていただきました。
○今野分科会長 はい。どうぞ。
○浅野キャリア形成推進室長 ご指摘をありがとうございました。まず、最初のキャリア・コンサルティングの活用促進ですが、この5行に、実はたくさんのことが込められていまして、キャリア・コンサルタントの専門性の向上と書いてある最初のところは、キャリア・コンサルタントの方をさらに指導できるような、あるいはスーパービジョンができるような、そういったようなレベルの人たちも育てていくということです。
 その後のジョブ・カード講習の担い手になるような登録キャリア・コンサルタントのことですが、こちらについては課題として量的な問題と質的な問題があります。その両方をしっかりやっていかなければいけないと考えております。
 キャリア・コンサルタントといっても、ジョブ・カードを交付する登録キャリア・コンサルタントの方もいらっしゃいますが、標準レベルのキャリア・コンサルタントや国家検定の技能士の方など、上のレベルの方もいらっしゃる。標準レベルのキャリア・コンサルタントは、産業カウンセラーの方などと同じぐらいの時間数勉強していますし、技能士はさらに上のレベルですが私どもとしてはいろいろ課題があると思っております。具体的には、まず活動の場の問題があります。折角勉強されても、活躍の場がない。逆に実際にはキャリア・コンサルタントがいれば活用したいという方もいらっしゃるので、そういう方がキャリア・コンサルタントを活用できるようにということで、下から2段目の行に書いてありますが、キャリア・コンサルタントの情報提供の体制を整備して、キャリア・コンサルタントにお願いしたいなと思えばどうすればいいかとか、あるいは活用すればどんないいことがあるかということがわかるようにしたいというふうに考えております。
 もう1つご指摘がありましたキャリア教育の推進の費用が少ないではないかということですが、ここに書いてある事業は、キャリア教育専門人材養成事業といって、大学でキャリア教育を効果的に実施していくために、キャリアセンターでキーパーソンになるような、そういう専門人材を養成しようというものです。金額はものすごく少ないのですが、能開局としてやっているのはこれだけではありません。お金を使わない形で行っているようなものもあり、具体的には、キャリア・コンサルタントを養成する中で、コンサルタントの方の5分の1ぐらいが、既にキャリア教育の分野で仕事をしておられますので、その領域を意識して、今年の7月にキャリア・コンサルタントになるにあたっての必須の能力要件に新たに学校の教育制度とか、キャリア教育に関する理解といったようなことを追加したり、大学等キャリア教育の分野において、キャリア・コンサルタントの方がさらに力を発揮していていくために、全分野共通の能力要件に加えて、どんな能力が必要かといったような調査研究もしています。さらにその下に、学生用のジョブ・カードのことが書いてありますが、これは現在開発中ですが、これについても1つのツールとして、キャリア教育の中で活用いただけるのではないかと考えています。
 厚生労働省全体でいうと、安定局のほうにもキャリア探索プログラムとか、ジュニア・インターンシップといった事業があって、少し別の形でキャリア教育に関与しています。政府全体でというと、キャリア教育というとやはり教育ですので、おっしゃるように文部科学省なのですが、文部科学省は大学生の就業力育成支援事業という26億円近くの事業があり、合わせて44億円余りの予算を要求しておられると聞いています。
 それから大学段階ではなくて、中学校の段階からというご指摘もいただきましたが、文部科学省というか、中央教育審議会で今年の1月に、キャリア教育に係る答申が出されたのですが、中学校どころか幼児期からちゃんと取り組む必要があると書かれており、実際に取り組んでいるようです。なお、答申の中にも、文部科学省がキャリア教育を実施するにあたって、職業能力の開発を所掌する厚生労働省とも連携協力をしてやっていくというようなことも書かれています。実際に私どもの事業に文部科学省の方にも来ていただいたり、私どもも文部科学省の会議に出たりといったようなこともしていますので、予算で見えるところは少ないですが、ここに出ている事業だけではなくて、私どもの中でもキャリア・コンサルタントの養成とか、活用などいろいろございますので、文部科学省との連携などいろいろ工夫をしながら、キャリア教育にしっかり取り組んでいきたいと思っています。
○伊東委員 概要はわかりました。もう生涯にわたって本当に大事、それこそ「オギャー」と生まれてからが大事というのはよくわかるのですが、いま学校教育の現場では、ちょうど中学生になると、自分たちはどういう職業に就きたいかというような、例えばポートフォリオを書かせたりとか、いろいろ具体的な職業経験をさせています。現状から見ると、例えばスクールカウンセラーのように、そういうキャリア・カウンセラーがきちんと学校に配置されていけば、より相乗効果も出るのではないかと感じたりしていました。たぶんそれは文部科学省で十分に考えていらっしゃると思うので、そこのところは是非連動していただければと思っています。
 先ほどのキャリア・コンサルタントの部分もよくわかりましたので、ただ、たぶん絶対的な人数がまだまだ足りないだろうと思います。先ほどおっしゃった活動の場をどうするかというのは、非常に大きな問題で、もっと言えば、各企業でそういう視点での取組がされているのかどうかということも、大きな課題だと思いますので、是非、企業のほうでも、そういう部署を作れる作れないは当然規模によってあるわけですが、そういうことの導入についても、積極的な働きかけをいま以上にするということが必要かなと思います。ありがとうございました。
○大久保委員 平成24年度の予算のことでお伺いします。全体の要求額が1,978億円ですが、その中で第1の1に書いてあります成長分野の人材育成の推進というところが、1,124億円ということですから、かなりの大きなウエイトが、成長分野の人材育成の推進というところに置かれています。これはその後に出てくる第2の1と2を含んだ数字ということなので、いわゆる離職者への公共職業訓練とか求職者支援制度を足して1,000億円ぐらいの予算がここについているわけですから、それを含んだ数字ということだと思うのです。それ以外に、一部新規と書いてありますが、新規で100億円ぐらいの予算がここに足されているという理解でよろしいでしょうか。
 その下のほうに、また環境・エネルギー分野などのところから、いわば新規のところのお話だろうと思います。その中に成長分野人材育成プログラムというものが書かれており、これが比較的予算要求規模も大きくて、いわば新規の目玉の事業というように読んだのですが、この成長分野人材育成プログラムというのがどのぐらいの予算規模で、どういう内容のものなのかを、もう少し詳しくご説明いただければと思います。
○志村能力開発課長 能力開発課です。環境・エネルギー分野ということで予算の積み方ですが、実際にここの成長分野、ここは環境分野とかエネルギー分野の定義とか訓練の要素を見出していって、実際の訓練につなげていくというのはなかなか難しいのですが、そういったような太陽光パネルとか、省エネルギーの分野とか、いろいろです。ただ、いずれにしてもそういった分野を見出していただいて、職業訓練という関係の予算ということで、既存の公共職業の施設でやっていくところもありますが、事業主に委託してやっていく手法も用いまして、予算訓練事業として進めていくということです。そういったような予算を、成長分野人材育成支援プログラムということでやっています。
 後段の資料の6でいえば、第1の1の事業主団体、大学等高等教育訓練機関と連携してカリキュラムの開発等を行うということは、あまり予算としては大きくはない。1億円もいかないような感じですが、こういったところは実際に世の中で行われている訓練の中では、少し先導的な、あるいは分野横断的なモデル的なところを、分野とか事業主団体と少し連携して、予算執行、施策を推進していくというための予算要求として要求しています。
○星能力評価課長 評価課です。第1の2のところの重点化関係の予算ですが、ご承知のとおり、東日本の大震災、あるいは経済のグローバル化、そして急速な円高ということで、生産拠点の海外移転という問題があり、地域産業の衰退、そうした中で雇用の空洞化というか、雇用の喪失が懸念されていると、非常に我々は問題意識を持っているわけです。そうした中で、地場の業界団体が、これまで長年培ってきた技能をベースとして、新しい事業展開をしていこうという業界団体等に対して、人材育成の面から支援していこうという施策を考えているところです。
 我々は職業能力開発局ということで、教育訓練の支援ということになるわけですが、具体的に新たな事業展開に、どういった能力が必要になるのかということをきちんと整理して、いまおられる従業員の方がどういった能力をお持ちで、どういうカリキュラムを作って、どういった教育訓練をしたら新しい事業展開に役立つような人材が育成できるのか。そうした支援をやっていこうというようなことで、1団体当たり1,000万円程度の予算を考えておりまして、20団体で2億円ということで、いま新しい重点化枠の中で予算の要望をしているというものです。
○今野分科会長 いま大久保さんの質問の中で、前段で第1の1の成長分野の人材育成の推進で、1,114億円のうちの1,000億円は第2の1と2で、残りが新規で100億円でいいですねという確認があったのですが、それはそれでいいですね。
○土屋総務課長 第1の1の中には、表に書かれている形では、成長分野に対応する委託訓練、求職者支援。それから、今後新規に成長が期待される分野ということでの新しいプログラムが書いてあるのですが、これに合わせて第1の1の1,124億円の中には、県立の訓練校に対する補助とか、あるいは訓練手当の支給に対する都道府県の補助など、あるいは母子家庭の母に向けたプログラムなどがここに含まれておりまして、そういった意味で後ろの求職者支援、委託訓練、第2のほうの1と2の足し上げのほぼ1,000億円との差の部分というのは、いま申し上げたような点が積み上がっている部分があります。そこはどちらかといえばこれまでもやってきていて、引き続きという部分なので、いま手元に細かい額はないのですが、100億円の多くの部分はそういうものだというようにご理解いただければと思います。新規の部分は、いま志村課長から申し上げましたように、今後、新規に成長が期待される分野という部分でのプログラムの拡充やカリキュラムの開発というところが、新規性がある部分とお考えいただければと思います。
○今野分科会長 そうすると、大久保さんに代わって質問するのですが、この新規というのは100億円ではなくて、それよりかなり小さいということを考えればいいわけですね。
○土屋総務課長 そうですね、私どもの予算はいまご指摘いただきましたように、1つは公共職業訓練、機構がやっている施設内の500億円もありますし、委託訓練が350億円ほど、求職者支援が650億円ほどということで、基本的には訓練の実施そのものにかかる経費について、非常に多額の予算を組んでいるという状況があります。それに比べると新規の部分というのは非常に小さくなりますが、事業として新規というものについてはご指摘があったように限られた予算ということになってきますが、既存の公共職業訓練や求職者支援の実施の中でも、いまの状況に合わせた訓練の設定とかを含めてやっていくという意味で、新しい分野にきちんと対応していくという予算の組み方ないしは使い方をしていきたいと思っていますし、そういうふうにもなっていると考えています。
○今野分科会長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○高倉委員 現在の強烈な円高問題に対する新たな対策も、第三次補正予算にいろいろ織り込んでいただいて評価したいと思うのですが、過去にもニクソン・ショックや、プラザ合意など、強烈な円高があり、その都度何とか乗り切ってきたわけですが、今回の状況というのは過去とは全然違う環境の中での円高なのです。さらに、今も外で騒いでいるのですが、TPPに参加するかどうかもわからないとか、電力の供給がどうなるのか、安定した供給ができるのか、まだいろいろな問題があります。今後、日本でものづくり、製造業を中心に雇用の受皿が本当に維持できていくのか。創出というよりも維持です。だって、もう経営者はどんどん海外移転を始めていますから、そんな中でいかに教育訓練をしたって、雇用の受皿がないと何もつながっていかないわけですから。これは厚生労働省に言う話ではないかもしれません。
 先週、民主党の輿石さんと前原さんのところに行って同じ話をしてきましたが、そういったことを総合的に考えていかなければいけないときに、例えば最近は成長分野と革新技術というのがキーワードになっていて、非常に多く出てくるのです。それはそれで大事なのですが、やはり既存のいままで雇用を支えてきた泥くさい産業、成長分野でもない、新しい技術革新でもないけれども、雇用の受皿にはちゃんとなりますよというところに対しても支援が必要です。そこの大概の中小企業を中心にへたっています。だから、そこに対する助成あたりを強化していくことが、雇用の受皿をちゃんとしていくことにつながるわけです。ちょっとパッと見ると、やはりものづくりだとか技術革新とかということが前面に出てきて。それも大事です。だけれども、その辺のバランスをどう取っていくかということが、今後は非常に大事だと思います。第三次補正予算もありますが、来年度予算も含めて、来年度予算もいろいろなことがもっと大変になります。ですから、是非そういう視点でお願いをしたいと思います。
○今野分科会長 それでは新谷さんどうぞ。
○新谷委員 戻って申し訳ないのですが、平成23年度第三次補正予算で、先ほど求職者支援訓練の国庫負担の点で質問させていただいて、総務課長から答弁をいただきました。80億円の拡充部分のうち、求職者支援訓練で増える部分が48億円あって、そのうち国庫負担が13億円ということで答弁をいただいたのですが、そうすると、これは特会での80億円ということですので、求職者支援訓練でいくと残りの35億円は特会からの予算執行を予定しているということに見えてしまうのですが、それは先ほど確認させていただいたように、実質的には平成23年度は全額国庫負担でやると認識してよいのですか。基金の残高がまだわからないということですから、決算の段階では、全額国庫で補填されると認識しておけばいいのかという確認をさせていただきたいのです。
○土屋総務課長 大変恐縮ですが、私がお約束できる立場にないのですが、基本的な考え方としては、いま新谷委員がおっしゃったような、実質的に平成23年度については労使の負担をゼロにするという考え方で制度発足のときに整備をしていますので、そういった考え方に基づいて、基金の残枠を活用していくということだと思います。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○高橋委員 この議論のセッションの初めに、新谷委員から一般会計と雇用勘定の規模の点をご指摘いただきました。今回見ると、先ほど議論がありました第4の4にジョブ・カード制度の対象者の拡大というところがありました。ジョブ・カードの推進そのものは二事業でやっているわけです。今回は、対象者300万人を目指して拡大をするという観点から、大学生などにも拡大していくということですが、それについてまで二事業でやるということについてはどうなのかな、というようなことも含めて、いろいろ疑問点なしとしないことはないと。一般会計でやるところ、二事業でやるべきところというのをしっかりとわきまえてやっていただきたい。二事業はあまりにも財政が枯渇していますので、ジョブ・カード制度だから二事業なのだみたいな、そういうような形に捉えるようなことは是非やめていただきたいというのが個人的な意見です。
○新谷委員 いまの意見に関連して、私も予算の区分けが勘定による事業との区分けについてよくわからないところがあります。もちろん、同じ事業の中でも一般会計の部分、これは訓練ですと、雇用支援機構に下りていく金と都道府県の訓練施設に下りていく金という区分けの中で、雇用保険二事業と一般会計の使い分けをされているのだろうと思います。また、目的によっても国庫でやる部分と使い分けされているのだろうと思いますが、その辺の仕分けの基準みたいなもの、要するに、この会計で、この事業はこういうことで使うのだという、何か基準みたいなものを一般的にお示しいただけるのならば、今後の議論の参考になるのではないかと思いますので、もしそういうものが出せるのであれば、示していただければと思います。
○土屋総務課長 いまご指摘の点は、能力開発事業だけではなくて、二事業全般の問題かと思いますので、雇用保険課と相談して、お出しできるものがあるかどうか検討してみたいと思います。その上で、職業能力開発局の予算についてどうかということを申し上げますと、確かに一般会計は非常に限られた予算でやっています。また、一般会計についてもシーリングが毎年厳しいという中での要求をさせていただいているわけです。考え方としては、基本的には離職者への対応や、これから就職していく人への対応というのは二事業でも対応できる部分がある中で、中でも就職が極めて難しい方や、これまで就職に全くかかわらなかった方を中心に、一般会計で対応していくというような考え方の下で、例えば障害者の関係、母子家庭の母、あるいはニート対策としてのサポートステーション等について、一般会計で対応してきているというのが現状であろうかと思います。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それではいろいろご意見が出て、少し検討していただくこともありますので、その結果についてはまた次回以降の回でお話いただければと思います。
 それでは最後になります7番目の議題で「その他」ですが、これについては「求職者支援訓練の受講者募集上の留意事項」の改正案についてというのがあります。松本さんお願いします。
○松本能力開発課企画官 能力開発課です。資料7についてご説明いたします。資料7とともに席上に配付されている資料をまず先にご覧いただきたいのですが、求職者支援訓練の検索サイトがあります。それは某企業のものなのですが、一見これは単なる検索サイトなのですが、訓練機関に対するリーフレットをお配りしております。これについては「広告費はいただきません。うちのサイトから紹介した受講者が集まったならば、その当該受講者につき、いくらお払いください」という形態をとっています。私どもとしては、本当に訓練が必要な方に求職者支援訓練を受けていただくという趣旨からすると、このようなシステムというのは制度の趣旨に反する可能性が極めて高いと考えていますので、もともとの留意事項としてもこれは禁止するつもりのものです。
 一方翻って、資料7の1枚目の中段、他者に受講希望者の紹介や募集を依頼という項の次に、(この留意事項全てに適合する広告による場合を除く)と括弧書きが付いています。単なる広告がこの禁止事項であるという誤解を受けないための括弧書きが付いていたのですが、この括弧書きをもってこの当該サイトが広告なのだからと、許容されるかのような誤解を与えてしまった点がありますので、今回、この誤解が生じないように、広告の形態をとるものであっても、受講希望者の紹介や募集を依頼し、対価を支払う、これを禁止したいというのが修正事項の1点目です。
 2点目ですが、職業紹介事業者や派遣事業者が登録者等に対して、自社の訓練だけをご紹介するというのは、これは訓練の受講希望者の選定過程ですとか、訓練修了後の就業機会の提供にあたって公平性が保たれないのではないかという疑念を生じさせかねないので、私どもとしては自社のみのご案内は差し控えていただきたい。機構が求職者支援訓練を検索できるサイトを運営していますので、そちらのURLとともに、つまりこの情報を受けた登録者等が、ほかの訓練も含めて選べるような形であれば、自社のものもご紹介いただいて結構であるという取扱いにしたいと思っております。
 こちらの2件目の方は、事前に派遣会社がこのようにしても大丈夫だろうかというご相談があったため、このような回答をしたものを、他の派遣会社であるとか、職業紹介事業者においてもご留意をいただきたいということで、一般的な事例として載せたいというものです。以上、修正案としての2点をご説明申し上げました。
○今野分科会長 いかがでしょうか。ご意見、ご質問をどうぞ。
○新谷委員 添付されているチラシの中身は、1万7,000円も成果報酬をもらうという、かなり強烈な内容になっていて、こんなのはけしからんと思います。ただし、この留意事項というところの1枚目の紙を見ると、これは不適当な広告・案内を行わないことを条件としていると思うのです。これは、例えば今回の教育訓練機関と、ある業者が相対で契約して、直接、訓練生を誘導するような契約をして、広告も何も出していない、案内も出していないといったときに、国としてそれを指導する基準、根拠というのはいまどのようになっているかを教えていただけませんか。
○松本能力開発課企画官 いまご指摘があったような事案も、この留意事項に抵触する事案と考えています。この留意事項は認定基準として、この留意事項に従わなければ不認定、または認定取消しであるという整理にしています。そういう意味で、認定基準どおりに訓練を実施することという指導をする根拠がありますので、それに基づいて当該訓練機関に対して指導なり、場合によっては取消しの処理をすることになります。
 広告も出さない場合、そもそもそれを覚知することが大変困難であろうかとは思いますが、今回の事案いずれの事例も、ご相談があったり、また訓練機関から通報といいますか、ご相談があったりということでもありますし、また他の受講者からの情報提供というようなものも基金訓練ではありましたので、いろいろな経路で情報があった場合にはその事実を確認して、適正実施に向けて指導していきたいと思っております。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。私の感想は、いろいろなケースが起きますね、それが感想です。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは今日の予定した議題はここまでですが、ほかに何かございますでしょうか。よろしいですか。それでは今日はこれで終了といたします。次回以降の日程等については、改めて事務局から連絡させていただきます。議事録の署名ですが、労働者側委員は豊島委員、使用者側委員は浦元委員にお願いいたします。それでは本日は終了いたします。ありがとうございました。

(了)

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