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2011年11月2日 第203回中央社会保険医療協議会総会議事録

○日時

平成23年11月2日(水)10:02〜12:25


○場所

厚生労働省講堂(2階)


○出席者

森田朗会長 印南一路委員 石津寿惠委員
牛丸聡委員 関原健夫委員 西村万里子委員
小林剛委員 白川修二委員 花井圭子委員(代理 森原琴惠)
北村光一委員 田中伸一委員 伊藤文郎委員
安達秀樹委員 嘉山孝正委員 鈴木邦彦委員 西澤寛俊委員
万代恭嗣委員 堀憲郎委員 三浦洋嗣委員
北村善明専門委員 福井トシ子専門委員 佐藤田鶴子専門委員
<事務局>
外口保険局長 唐澤審議官 鈴木医療課長 迫井医療課企画官
屋敷保険医療企画調査室長 吉田薬剤管理官 鳥山歯科医療管理官 他

○議事

○森田会長
 それでは、委員の方、皆さんおそろいのようですので、ただいまから第203回「中央社会保険医療協議会 総会」を開催いたします。
 まず、委員の出席状況について御報告いたします。
 本日は、花井十伍委員、藤原専門委員が御欠席です。
 また、花井圭子委員が欠席されておりまして、代理として森原琴惠連合生活福祉局次長に御出席いただいております。よろしくお願いいたします。
 なお、邊見公雄委員におかれましては、10月26日付で退任され、後任として27日付で万代恭嗣委員が発令されております。万代委員からは、自らが公務員であり、高い倫理を保って行動する旨の宣誓をいただいております。
 万代委員より、一言ごあいさつをお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○万代委員
 社会保険中央総合病院で委員長をしております、万代でございます。
 このたび、小宮山厚労大臣から中医協の委員として任命されましたので、よろしくお願いいたします。
 簡単に自己紹介させていただきますと、私の専門は、一般消化器外科でございます。邊見先生の後任ということで、一応、公的病院というところから選ばれたとは考えておりますが、私どもの病院は、急性期病院ではございますけれども、一応病院の代表、更には医師の代表として公平な目で判断して審議に参加させていただきたいと考えておりますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

○森田会長
 ありがとうございました。万代委員の属する部会につきましては、社会保険医療協議会令第1条第2項の規定により、小委員会につきましては、中央社会保険医療協議会議事規則第13条第2項の規定によりまして、双方とも中医協の承認を経て会長が指名することとされております。
 邊見委員の後任として発令された万代委員には、これまで邊見委員がなさっていた役割を引き継いでいただき、診療報酬基本問題小委員会、調査実施小委員会及び薬価専門部会に属していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長
 御異議がないようですので、それでは、社会保険医療協議会令及び同規則に基づきまして、中医協として承認し、会長である私が指名することとしたいと思いますが、これもよろしいですね。

(「異議なし」と声あり)

○森田会長
 ありがとうございました。それでは、そのように決し、指名させていただきます。よろしくお願いいたします。
 さて、議事に入りますが、まずは、精神科医療について、これを議題としたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、御説明をお願いいたします。
 どうぞ。

○鈴木医療課長
 医療課長でございます。私の方から中医協総−1「精神科医療について」ということで御説明申し上げます。少し大部でございますので、ポイントを絞って御説明いたします。
 まず、スライド番号を真ん中の下に書いてございますが、2のところをごらんいただきますと、本日、御議論いただきたい点は5点ございます。
 1つは、認知症の対策。
2つ目は、身体合併症を持った精神疾患の患者さんのケースです。これは、一般病床に来られて精神疾患を持っておられる場合もありますし、精神科の病床に来られて一般的な身体的疾患を持っておられる場と、この両方があると思います。
3つ目が、精神療養病床ということで、これは少し長めに精神病床におられる方の問題です。
 4つ目が、地域移行ということで、精神病院を退院されて、地域にどうスムーズに帰っていただくかという問題。
 それから、その他と、この5点について御説明させていただきたいと思います。
 おめくりいただきまして、まず、最初は認知症でございます。スライドの4にありますように、左側が介護の領域、右側が医療の領域ですけれども、いずれの領域においても認知症の患者さんというのは増えているということになります。
 少し飛んでいただきまして、スライドの7以降、これが認知症の第1のポイントの鑑別診断でございます。
 これは、前回も若干申し上げましたけれども、特にスライド10をごらんいただきたいと思います。右下でございます。これは、熊本大学の認知症専門外来に一般的なお医者さんから認知症ではないかということで、鑑別診断を依頼された方の、最終的診断が何であったかということを示しております。
 もちろん、アルツハイマー型の認知症であるとか、レビー小体の認知症であるとか、さまざまな認知症がございますけれども、私どもの観点からしますと、特に赤い点々で囲ってございますけれども、うつであるとか、水頭症であるとか、パーキンソン、それからてんかん、こういう治療ができる症状というのが何例かございますので、こうした例を早く発見して治療できるものは、きちんと治療をするということが大切ではないかというふうに思っております。
 それから、認知症については、スライド13でございますけれども、そうした鑑別診断を行うセンターとして認知症疾患医療センターというものの整備事業を障害保健福祉部の方で実施していただいております。
 これは、下に少し数が書いてございますけれども、センター数というところをごらんいただきますと、20年には14、21年には66、22年に97、23年10月1日現在というのが、左の真ん中ぐらいに書いてございますけれども、131か所ということで順調に増えているということでございます。
 特に鑑別診断数、それから外来数をごらんいただきますと、実数と最初の20年度に比べる比率というのが書いてありますけれども、鑑別で6.7倍程度、外来では10倍程度ということで、非常に数としては拡大をしているということだと思います。この数のレベルがどうであるかという論点が1つ。
 もう一つ、スライド14のところで、認知症の専門医に、例えば紹介加算とか、専門医療機関連携加算、これは、一般の病院診療所からこういう専門医療機関にある意味でいうと、疑いがある、もしくは一旦診断が付いた患者さんが非常に悪くなった場合に送り出していただくことで、これは、社会医療の診療行為別調査にしますと、大体合計しますと、月360回ぐらい、年間ですと、その12倍ということになります。
 逆に、専門医療機関の方から病院診療所に返ってきた例というのは、その一番下のところです。これも360回ぐらいということで、そういうところに紹介される例と逆紹介される例がほぼ等しいということにはなっておりますけれども、上の鑑別診断との関係を見ていただきますと、鑑別診断は、年間2万4,000件ぐらいですので、そういうところからすると、実際に、この紹介加算なりを取っていただいているのは6分の1くらいということになりますので、このところ、どういう原因でそういうことになっているのかというのを少し分析を進めさせていただきたいと思います。これが、1点目でございます。
 2点目、スライド15以降ですが、認知症の入院治療でございます。
 認知症の方の大部分は、家庭でお暮らしであったり、介護の関係でケアを受けたりということが多いわけですけれども、非常に激しい、前回も申し上げましたが、BPSDというような異常行動なり、問題行動というものが起きますと、入院が必要な場合も出てございます。
 実際に入院する例の72%ぐらいが、そうした異常行動が著明であって、なかなか在宅では難しいというような例になっております。
 次の違う統計でも、スライド17でございますけれども、95%がBPSDの対応困難ということで、これは、非常に率として高くなっているということになります。
 それでは、入院していただくと、BPSDの状況は、時とともにどう変わっていくかというのをごらんいただくのが、スライド18でございます。
 これは、次のページに書いてございますけれども、BPSDがどういうものが出ているかという数と、どのぐらいの頻度が出ているかというのを、いわばかけ合せた指標ですけれども、その指標で見ますと、入院時は、50点、60点であるというものが、ほぼ1か月で、退院時、6か月でもほぼ変わらないぐらいのレベルまでには達するということでございますので、入院というのは1か月というのが1つの目安になるのではないかということでございます。
 少し飛んでいただきますが、そのことは、スライド21でありますような、障害保健福祉部でまとめていただいた認知症に関するとりまとめの中でも速やかに症状の軽減を目指して退院を促進するという、赤で囲ったところの、特に3番のところでございますが、それが1つの方向性となっております。
 それでは、現在の入院の状況はどうなっているかというのが、スライドの22でございます。
 赤いところが精神病床全体、青いところが認知症の治療病棟というところですが、これは、入院してから11月目まででどのくらいの患者さんが残っているかというのを示したグラフです。
 一般の精神病床だと、14%くらいですけれども、認知症の方は41%残っているということで、先ほどのBPSDということについては、1か月くらいを目途にほぼ解消に向かうということから考えると、この入院期間をどう考えるかというのが非常に課題になってくるということになると思います。
 スライド23をごらんいただきますと、こうした患者さんのうちで、退院できるという方がどのくらいおられるのかというのが左上のところに書いてありますが、病院の側からごらんになっても46%ぐらいは退院の可能性があるということになります。
 かつ、では、何で退院できないのかということを見たのが下の円グラフですけれども、53.7%が転院もしくは入所の順番待ちということになります。
 それから、左側のオレンジのところですけれども、これは家族または本人の了解が得られないというのが23%ぐらいということで、これは、やはり後方の病院であったり、後方の医療機関である場合もありますし、在宅ということもあるでしょうけれども、そういうところのサービスを充実して、こういう退院を待っておられるという方を少し減らしていくということが必要ではないかということでございます。
 実際に、認知症の入院料というのは、前回見直しをいたしまして、20年までは90日を目途にしていたんですけれども、22年で60日を目途にするということになりました。
 では、今、60日以内の方と以上の方でどのくらい取っておられるかというのを見たのがスライドの26、それから27でございます。
 26が看護が20対1、27が看護が30対1ということで、スライド25をごらんいただきますと、21年から22年で20対1の方が増えているという一定の方向は出ます。ただし、もともとは20年、21年であると90日、22年以降であると60日の方の割合ということですけれども、左側に濃い色で示していますけれども、濃い色のところが、20対1のところで、例えば22年であると14%ということになりますし、27ページの30対1のところだと、約10%弱ということになります。このことをどう考えるか、その60日の区切りというのが適切かどうかということがございます。
 それから、もう一つの論点としては、スライドの28でございますけれども、そうした病院に退院支援部署があるか、ないかによって実際の入院期間というのがかなり異なるということでございますので、こうした退院部署をきちんと整備をして、短くしていただくということについても一定の評価が必要ではないかということになろうかと思います。これが、認知症の入院でございます。
 3つ目、スライド31以降でございますけれども、認知症の、いわば先ほど申し上げた在宅での手当というものの1つの重度認知症患者デイケアということでございます。
 これは、本来であれば、非常に伸びていただきたいと思っているんですけれども、それほど伸びが大きくないという状況であるとともに、スライド33をごらんいただきますと、都道府県ごとに非常に大きな差があるというのがわかります。いくつかの県では、まだ1つもないというところでございますので、こうしたところを、今後、いかに進めていただくかというのも1つの大きな課題になると思います。
 認知症デイケアの効果をごらんいただきますと、スライドの34でございますけれども、左側が実際にデイケアをする前、薄い紫のとこですね、濃い紫のところは、デイケア実施後ということで、特に左のGAFというスコア、それから真ん中のNM式のスコア、この2つで見た場合に、明らかに実際にデイケアを実施すると点数が高くなる、つまり改善するということがわかっております。
 また、右側の18年間で131例を追った例をごらんいただきますと、通常であると、やはり認知症でどうしてもBPSDがひどくて入院される例は比較的あるんですけれども、このデイケアを実施していただくと、精神科に入院するというのが6%くらいで済むということでございますので、この在宅の患者さんに対するデイケアというのは、非常に有効であるということがいえるかと思います。
 もう一つのデイケアに関する論点として、スライド35、スライド36でございますけれども、認知症の患者さんの特性の1つとして、夜が暮れてくるとやはり不安になって、さまざまな症状が出ると、いわば「夕暮れ症候群」と呼んでおりますけれども、そういうことが生じやすい。例えば夜間の問題行動で15%ぐらいあるということでございます。
 先ほどの実際の重度の認知症の患者のデイケア、これは昼間だけを今のところ対象にしていますけれども、こうしたことから考えると、特にこうした夜間に問題行動が出る方に向けて、少し時間帯を考えさせていただくということも必要ではないかと思っております。
 37ページは、現在、今のところの認知症に対してのまとめでございます。
 それまでが認知症でございまして、スライド38以降が、特に救急を中心とする、身体と精神療法の疾患を持った患者さんに対する対応ということでございます。
 これは、先ほど申し上げたように、一般のところに行った場合の精神症状をどうするかという問題と、精神のところに来た場合の身体症状をどうするか、2つの問題がございます。
 スライド40をごらんいただきますと、下の方のグラフですけれども、実際に精神で入院しておられる患者さんのうちで、脳血管疾患なり糖尿病なり身体の疾患を持っておられる方というのが、やはり15%前後おられます。
 逆に救急隊が搬送して来られて、医療機関からなかなか受入れ困難だと言われた事例、これは以前にもお示しをしましたけれども、スライド42でございますけれども、上位5つのうちの赤で囲った4つ、急性アルコール中毒なり精神疾患、薬物中毒、認知症と、いずれも精神科関係のものが受入れ困難の事由として挙げられているということで、この課題は、精神科の救急搬送はいろいろ課題がございますけれども、その中でも大きい課題の1つになっております。
 それでは、両方の状態を持った患者さんがどういうところに運ばれているかというのを見たのがスライド43、44でございます。
 43が栃木県の例でございますけれども、両方持っておられる患者のうちで精神科の病院に行かれた方が7%ということで、31%は三次救急に行っておられます。その他の病院が62%ということになります。
 また、福岡県の例というのが、その下のスライド44でございますけれども、二次、三次救急に行っておられる例が全体の82%です。そのうち精神科を除いた、いわば一般の救急に行かれた方というのが89%ございますので、そういうことからすると、精神に行かれるというより、むしろ一般の病院に行かれるケースが多いということがわかると思います。
 それでは、一般の病院において精神の手当がどうなっているか、何か課題があるのかということをごらんいただくのがスライド45以降でございます。
 スライド45は、二次救急病院、それから三次救急病院の中で精神病床があるものの割合を示しています。三次救急の場合には、大きな病院、大学病院等がございますので、54%が精神病床がありということですけれども、二次救急病院の場合には、精神病床ありというのが14%程度ということで、ここにも1つの課題があろうかと思います。
 また、これは障害保健福祉部の方で進めていただいている、一般救急と精神科救急の連携モデルがスライド46でございます。
 どういうことかというと、精神科の単科の病院もしくは一般の病院で精神科がない場合どうするかということで、例えば外から内科の先生が精神科の単科の病院に来ていただくとか、逆に一般病院に精神科の先生が来ていただくというようなことをしてはどうかということですが、診療報酬上の課題は、右側の精神科の救急に内科の先生方が来るような場合には、現在、精神科の身体合併症管理加算で評価をしていますけれども、逆に一般救急に精神科医が来られる場合、ここについては、今、特段の評価がないということでございますので、こうしたところをどう考えるかというのが1つの点でございます。
 スライド47をごらんいただきますと、これは少しわかりにくいかもしれませんが、そうした精神と身体の両方の状況を持った患者さんが来られたときに、左側がいわゆる一般の病棟に来た場合、右側が精神の救急に来た場合で、上段が救急で下段が救急後、ポスト救急ということになると思います。
 ここは2つ課題がございまして、特に精神以外の病棟の場合に、救急の後のところに精神の何らかの手立てをした場合に、現在のところ空欄になっておりますけれども、特段の評価がないというところが1点。
 それから、ここには書いてございますけれども、前回の救急のところで申し上げましたが、一般救急、身体救急の場合には、救急から後方に送った場合、そうした場合にはさまざまな診療報酬上の手立てがあるんですけれども、精神においては、精神科救急から一般の精神に送った場合のさまざまな手立てが、現在ございませんので、そうしたところも少し評価を考えるという点はあるんではないかと思っております。
 次に、更に詳しく一般病棟における合併症の患者さんは、どういうものがあるかというのをごらんいただきたいと思います。
 ちょっと飛びますが、スライドの51をごらんいただきますと、院内の一般診療科から精神科の先生もしくは精神科の専門看護師さんに依頼があった例として、どういう例が多いのかというのを見たのが、右側の円グラフでございます。
 一番多いのがせん妄、それから神経症、適応障害、うつ病というふうになっております。このうち、せん妄とうつ病について少し申し上げたいと思います。
 せん妄は、スライド52にあるように、せん妄の持続期間と、それから生存率が関連しております。これは、海外のデータでございますけれども、やはりせん妄の持続が長いと、生存率が低くなってしまうというような問題があります。
 これも海外におけるデータですけれども、せん妄に対する介入をするとどうなるかということをごらんいただいたのが、スライド53、それから54でございまして、これは、プログラムをつくって、個別ケアをしていただいて、看護職員等のチーム医療をするということでございます。
 例えば入院期間の長さ、スライド53でございますけれども、そうした介入をすれば、入院期間は短くなります。
 それから、スライド54の下のところにもありますけれども、それぞれのときに、7日目で入院している方の人数というのも介入した方が少なくなっておりますし、入院中の死亡率を見ましても、介入群の方が有意に低くなっているということでございますので、これはやはりせん妄等に対する、一般病棟にいたとしても、精神的な、さまざまな手立てというのが必要になると思います。
 また、そうしたリエゾンの効果をもう少し違った統計でごらんいただきましたのが、スライド56で、さまざまな評価尺度がございますけれども、いずれもそうした介入をすると、中程度の有意な相関ありというのが統計上でております。
 次にうつでございますけれども、スライド57、うつの可能性ありという方が、やはり55、56%おられるということで、うつがあるとどうなるかといいますと、実際に入院期間が長くなりがちというのが、スライド58の左側のグラフになります。
 しかしながら薬物療法をしっかりすると、入院期間は、うつの場合、きちんと短くなるというのがスライドの右側でございますので、やはり一般病棟に入っておられても、もし、せん妄なりうつなり、精神科としての手当てが必要ということであれば、それはきちんと対応した方が、結果としては入院期間も短くなる、生存率も高くなるということになろうかと思います。
 今のは、一般病棟における精神患者、精神を持った患者さんですけれども、逆に精神科病棟における身体の症状を持った患者さん、これは59以降でございます。
 特にスライド60をごらんいただきますと、特別な管理を必要とする身体合併症も持っている方が約10%ぐらいおられます。
 中身としては、内分泌・代謝の問題、循環器の問題、消化器の問題、こうした問題が多いということになります。
 実際にスライド61をごらんいただきますと、精神科救急で他病棟、もしくは在宅から来られて、精神科救急病棟に入られます。その後、在宅なり他の病棟に転科される、もしくは他の病院へ転院されるということですけれども、実際に、在宅への復帰率ということをごらんいただきますと、上が2003年、下が2009年でございますが、右上の緑で書いてあるところが在宅ですけれども、53%から65%程度、これは在宅への復帰率が有意に上がっているということになりますが、院内の他病棟へ行く率というのが34%から25%に下がっています。
 これは、一部、もちろん在宅に行かれているという例もあると思いますけれども、課題となっていますのが、真ん中の入院継続、これは1年以上、精神科の救急病棟におられるということですね。入院継続しておられる例が21件から46件というふうに倍以上になっていて、もちろん、精神科の救急でございますので、そこは早くに他に移っていただくというのが前提ですけれども、先ほど申し上げた精神科の中で後方に移す支援というのがないということもあって、この精神科救急病棟に滞留してしまうという問題が1つあろうかと思います。
 もう一つの問題、スライド62でございますけれども、これは、特に緑のところですけれども、精神科の救急で、一旦、例えば体の状況で、どうしても一般病棟に移らなければいけないと、ただし、救急の治療がまだ続いているので、精神科の救急に戻ってきましたと、こういう例が下の四角の中に書いてありますけれども、大体6%ぐらい存在をしているんですけれども、現在の支払いの制度ですと、そうした再度救急に入院した場合というのは、再算定はできないということになっておりますので、これも事由によってはやむを得ない場合もあるのではないかということでございます。
 そうした身体合併症の管理加算というのは、現在、算定数はスライド63にございますけれども、実際に算定患者さんの割合や重症な患者さんの増減を見たのがスライド64でございます。算定患者さんは倍近くになっておりますし、特に身体合併症で精神症状が重くなったという方も22%くらいおられますけれども、身体合併症が重い方が増えたという片が50%ぐらいおられますので、この管理加算、少し増点をしましたので、こうした効果というのはあるのではないかということでございます。
 また、現在、身体合併症にどれぐらい対応できるかというのを見たのがスライド65でございます。
 6割近くは、おおむね対応できていると、3割5分ぐらいがときどき対応できないことがあると、6%ぐらいがほとんど対応できないということでございまして、では、どのように対応するかというのを見たのが、スライド66、67ですが、66の場合には、院内の他科との連携でございます。60%ぐらいが、そうしたことをしていただいております。
 これは、複数回答ですので、足して100になりませんが、そこで診療をしていただいたり、院内の他科に転棟したりという例が7割、5割程度ございます。
 次にスライド67でございますけれども、ただし、院外の他の診療科との連携、あるというのがやはり6割強ございまして、この場合は、やはり対診という、来ていただいて見ていただくというのが25%ぐらいございますけれども、やはりなかなか難しいということで、他の診療科に転棟すると、他の病院に転院するというのが8割ぐらいあるということでございます。
 こうした場合の、対診の場合の手当もしくは実際に行って診ていただく場合の手当というのを、現在のシステムと比べてどう考えるかというのが1つあろうかと思います。こうしたものをまとめたのがスライド63でございます。
 以上で2点終わりまして、3点目が少し長期に見る精神療養病棟というものでございます。スライド69でございます。
 全体としては、スライド70にありますように、重症度に応じた評価体系というのが1つの課題になっております。前回の改定でも、スライドでいいますと72でございますけれども、精神療養病棟に入っておられる入院基本料、従来は患者の状態像によらず一律に評価ということでございましたけれども、前回は全体を40点下げた上で、重症者の方にのみ40点を付けるというような形で、先ほどの重症度に応じた評価ということをさせていただいたということでございます。
 その結果でございますけれども、スライドの74をごらんいただきたいと思います。
 先ほど申し上げたように、GAFというスコアで、40点で切ったわけですけれども、40点以下の患者さん、以下というのは、より悪いということですが、以下の患者さんの割合というのは、実は94.1%で変わりません。94%の患者さんが、いわば40点以下の加算を取っておられるということですけれども、実は、30点以下の患者さんをごらんいただくと、40%から55%というふうに伸びておりますので、ここは40点という切り口、それから30点以下、本当に大変なところをごらんになっているところというのをどのように評価するかというような課題が残されているのではないかと思います。
 もう一つの課題として、スライド75、76をごらんいただきますと、比較的長期にはごらんになっておられますけれども、やはりどうしても在宅に、もしくは施設へというようなつなぎは必要だということです。
 退院支援計画、真ん中の丸でございますけれども、ほぼ全員もしくは5から8割になっているということが、ほぼ半分でございますので、退院支援計画については、比較的やられていますけれども、左の下の患家を訪問する、患者さんの御自宅を訪問するというようなこととか、もしくは、その方についてカンファレンスを開催するということになりますと、そうした割合が非常に少ないということでございますので、こうしたことをしっかりやっているということをその他に比べてどう評価するかという論点。
 更には、先ほどは認知症で申し上げましたけれども、今度は、精神療養病棟について同じように退院支援部署がある場合と、ない場合の平均在院日数を見ると、これもやはり退院支援部署がある方が短いということになっておりますので、こうしたところをどのように評価していくかというのも課題になるんではないかと思います。
 77ページは、今の精神療養病棟のまとめでございます。
 次に4点目、78ページ以降でございます。これは、先ほども申し上げましたように、なるべく地域に移行していただくということで、スライド79にございますけれども、これは精神障害保健福祉部の方でおまとめいただいていますが、着眼点としては2つございます。
 現在のところ、特に新しい患者さんについては、比較的早期に退院されるという例がやはり多いですので、1年未満の方の平均退院率というのが1つの着眼点だろうと。
 もう一つは、着眼点2でございますけれども、やはり前からも入っておられて長くなってしまった患者さんというのは、特に高齢の方が多いですけれども、5年以上かつ65歳以上の退院の方の数というのが、やはり着眼点のもう一つになるのではないかということでございます。
 特に、退院をして外来等に行きますと、どういうことをやっているのかというのを見たスライドが82でございますけれども、デイケアに参加している、もしくは訪問看護を受けている、外来を受けている、これがやはり退院後の3つの大きな柱ということになるんではないかと思います。
 そのうち、精神科デイケアについて少しごらんいただこうというのが、スライドの83以降でございます。
 現在、精神科のデイケアについては、84にございますけれども、基本的には規模の大小、それから実施している時間、短いか長いか、かつ夜やっているかどうかということを中心に点数の差を付けているということがスライド84でございます。
 ところが、もう一つの観点としては、疾患別プログラム、例えばうつの患者さんを集めて、もしくは統合失調症の患者さんを集めて、それぞれやはり患者さん像が違いますし、実際の手立ても若干違うということで、疾患別プログラムをやっているか、やっていないかというのを見たのがスライド85の右側の円グラフでございますけれども、青いところがやっているという例で、大体3割強、3分の1ぐらいということになります。
 それでは、実際に、そういう疾患別プログラムをやるとどうかというのを見たのがスライド87でございます。
 これも、先ほどのGAFというスコアで見た場合、100以下の場合と、50以下の場合、両方ごらんいただいておりますけれども、そういう疾患別プログラムをやはりした方が、2年間における入院回数というのが減っているということでございますので、これも先ほど申し上げた規模や時間帯による評価の違いだけではなくて、疾患別プログラムを実施して入院回数をなるべく少なくしているというようなところにも一定の評価を考えるべきではないかということだと思います。
 次にスライド88、精神科の訪問看護でございます。
 現在、スライド89にございますけれども、訪問看護の場合には、病院から行くタイプと、訪問看護ステーションから行くタイプと両方ございます。実際に、いずれも伸びておりますけれども、数としては病院から行かれるタイプの方が多いということになっておりまして、これが一般の身体の訪問看護と少し違う対応になっております。
 それから、実際にステーションから訪問看護の中身を見てみますと、スライド90でございますけれども、青いところが患者さんの御自宅に行く場合、それから、赤いところが施設に行くような場合ということで、やはり御自宅に行くような場合が圧倒的に多いということがわかると思います。
 また、どういう疾患について訪問看護に行っているかというのをごらんいただくのがスライド91でございまして、これはちょっと見にくいかもしれませんが、一番多い、4分の3ぐらいを占める緑色のところ、これが統合失調症でございますので、統合失調症がやはり圧倒的に多いということになります。
 それから、訪問看護の効果でございますけれども、スライド92、これは以前にもごらんいただいたことがあると思いますけれども、実際に訪問看護の開始の前と後で、入院される日数が2年間で見た場合に有意に減っているということでございますので、先ほどのデイケアに加えて、訪問看護も有用な手段だということがわかると思います。
 訪問看護の課題でございますけれども、1つはスライド93をごらんいただきます。
 これは、実際に訪問看護に行かれた場合に、実際に滞在されるのは、どのくらいの時間かということで見たものです。30分前後というのが2割弱くらいで、1時間前後というのが5割弱くらいというふうになっております。実は、これは二峰性になっています。通常の訪問看護ステーションからの訪問の場合には、原則的には30分から1時間半というのを原則にしていますので、このところ、特に30分未満というところが非常に少なくなっているんですけれども、実は、精神の訪問の場合には、特に服薬の管理、きちんと薬を飲んでおられるかというところが多い場合があって、実は短くて済む場合もあるということでございますけれども、現在のところ、30分から1時間半という、言わば時間で区切っておりますので、短いタイプというのも少し考えてみる必要があるんではないかということ。
 それから、2時間以上になるタイプというのが、訪問看護ステーションの場合には、一定程度規制されておりますので、そこのところをどう考えるか、この2つの課題があると思います。
 更に、もう少し違う課題を見たのが、スライド94でございます。これは、少し入り組んでおりますので、見にくいかと思いますが、簡単に言いますと、縦に2つ、医療機関から行く訪問看護と訪問看護ステーションから行く訪問看護、これは並列に書いております。
 それから、上段が精神の訪問介護、下段が精神以外の、いわゆる身体的なケアの訪問看護で、単純にいってしまいますと、精神以外の訪問看護については、医療機関から行くタイプも訪問看護ステーションから行くタイプも、その行ける場合とか、行く人とか、そういうことについては違いはないというのが現状でございます。
 ただし、精神の場合には、医療機関から行くタイプと訪問看護ステーションから行くタイプで、3点ほど違いがあるということです。
 実は、この中にIとIIというのが書いてありますけれども、いずれもIは御自宅に行く場合、IIは精神障害者の施設に行く場合というふうに御理解をいただければと思います。
 違いの1つは、?と左側に書いてありますけれども、だれが行けるかという問題で、医療機関からは、精神保健福祉士も行けるということになっておりますけれども、ステーションの場合には、そういう方は、今のところ行けないということになっております。
 また、施設要件ということで、一番下に書いてありますけれども、訪問看護ステーションのうち、精神障害者の施設に行けるところは減点がございまして、精神障害者を有する者に対する看護に相当の経験を有する保健師、看護師または作業療法士というふうに限定されています。これが違いの1つ目でございます。
 2つ目は、家族と書いてありますけれども、どういう方に対するケアができるかということで、これも後で少し申し上げますけれども、精神障害者の場合には、同居しておられる家族に対していろいろお話をして、薬の飲ませ方とか、こういう症状が出たら気をつけてくださいということを申し上げるのが非常に大事だということですけれども、医療機関の場合には、そういうケアもできますけれども、現在のところ、訪問看護ステーションはできないということになっております。
 3番目は、対象者としてどういう方に訪問看護は行けるかということですけれども、医療機関の場合には、通院が困難な方に限定をしていない、通常の訪問看護というのは、御自分で病院に来られる方は来てくださいと、来られない方に行くんですよというのが前提ですけれども、精神の場合には、やはり体は比較的自由が利いて、物理的には病院に行けるんだけれども、閉じこもり等があって、家から出ない、ただし、どうしても服薬の指導等をしなければいけないというような場合がありますので、そこを少し広げているんですが、現在のところ訪問看護ステーションは、通常の身体と一緒のままになっている、この3つぐらいが違いでございます。
 この違いを、特に精神に一定程度経験を有しておられるような方が行かれる場合のステーションからの訪問看護については、違いを一定程度是正するという観点については、いかがなものだろうかということでございます。
 もう少し細かくごらんいただくのが、スライド95以降でございますが、実際に、訪問看護をした場合のケアの中に、赤で囲ってございますけれども、いわば、精神保健福祉士の方が対応されるような施設の利用の問題とか、住環境に対する問題、仕事や家族に対する問題というようなことも実際のケアの中身に入っています。
 2番目の96、実際に精神科訪問看護を行かれると、家族に対してアドバイスをした、説明をしたというのが4割、5割という割合でございますので、これは身体とは違って精神の場合には、家族に対する説明なりというのが非常に重要な役割を持っているということでございます。
 それから、先ほど実際の訪問した滞在時間の話をいたしましたけれども、例えば同居者がある場合、それから合併症があるような場合、GAFスコアが低い、症状が悪いということですね、その場合には有意に長くなるということがスライド97でございます。
 そうしたことを踏まえて、先ほどのような医療機関からの訪問看護とステーションからの訪問看護をどのように考えるかということです。
 最後に、スライド98でございます。実際に退院した後、外来のみで追っている群、それから病院から訪問看護を受ける群、それからステーションから訪問看護を受ける群で、その後の入院日数というのがどのぐらい違うのかということを見たのが、スライド98でございます。
 上の方が全員に対して平均した場合、下の方が入院した方のみの平均日数を見ていますけれども、やはり外来のみの群が入院が一番多い、2年間ですね、次がステーションからの訪問、最後が病院からの訪問ということでございますので、やはり病院で知見を持っておられる、経験を有しておられるところから訪問を受けるということが、一定の効果はあるということでございますけれども、同等のステーションがあった場合には、どう評価するのかというような観点はあろうかと思います。
 以上が訪問看護でございます。
 少し長くなっておりますが、次に3番目、外来の体制です。
 特にごらんいただきたいのが、少し飛ばしますが、スライドの102でございます。これは、精神科の病院と精神科の診療所で、夜間救急の対応がどのくらいできるかというのを見たのが、左側の2つの円グラフです。
 病院の場合には、55%が救急対応できますけれども、診療所の場合には3%しかできない。これは、ビルで開業しておられて、夜はおられないというところが多いということも影響していると思います。
 スライドの105をごらんいただきたいと思いますが、これは精神保健福祉法の一部改正、来年の4月に施行でございますけれども、精神科の場合には、指定医というものがございます。一定の経験を有しておられて、精神科の鑑定等をしていただく資格でございますけれども、こういう方に公務員職務への参画義務を規定するということが、来年の4月から施行されるということも一部念頭に置いていただいた上で、次のスライド106以降をごらんいただきたいと思います。
 106は、指定医の方がどこで増えているかというところをごらんいただいています。下側の病院常勤の指定医の数が平成20年までしかございませんので、平成15年と20年の違いの比率でごらんいただきますと、病院の常勤の指定医さんが105%ということで、5%増えているということですけれども、指定医全体では114%ということで、14%増えておりますので、残りの9%というのは、これは基本的には診療所等に行っているということで、実は病院よりもそちらの方が多いということでございます。
 それでは、実際に、先ほど法律にも来年4月から規定される鑑定の業務というのに、どういう指定医が当たっておられるかというのを見たのがスライド107でございます。
 実際に、これは大阪府の都会でございますので、通常よりは診療所が多いということを少し念頭に置いていただいて、実際に病院と診療所の指定医の数の分布を見たのが下の四角でございまして、7割強が病院にいる、3割弱が診療所にいると、こういうふうになっておりますけれども、実際に、鑑定した指定医さんはどこにおられるかというと、上に書いてございますけれども、97%が病院に指定医さんということになりますので、ある意味でいうと、診療所の指定医さんは、現在までの法的な枠組みもあるかもしれませんが、鑑定に余り協力いただいていないということでございます。
 スライド108でございますけれども、現在のところ、通院・在宅精神療法というのは、指定医が行った場合と、指定医以外が行った場合というのは、料金が違っておりますけれども、観察をしていない指定医さんが行った場合というのも、従来のまま、この上の高い料金のままでいいのかということが1つの課題ではないかというふうに思います。
 そうしたことを、デイケア以降の地域移行についてまとめたが、スライドの109でございます。
 あと、2点ほど申し上げます。1つは、その他の1つ目、外来における向精神薬の取扱いということでございます。
 これは、以前も少しお示しをしました、特に精神科の場合に、多剤投与というのが、かなり意識レベル、もしくは自殺の問題とも絡んで課題になっているということでございますが、スライド112をごらんいただきますと、実際に薬を出していった場合に、治療反応率というのが上のものでございますけれども、ある一定程度でプラトー、平らになるんですけれども、錐体外路症状という副作用の場合には、出せば出すほど、やはり多くなってしまうということでございますので、やはり一定の量については、限界があるんではないかということだと思います。
 また、海外ですけれども、スライド113にあるように、アメリカの精神医学会、これは抗精神病薬と抗うつ薬というのは、単剤を推奨しております。それから、ベンゾジアゼピンについては、依存の可能性があるということもいっておられます。
 英国の評価機構についても、併用を行わないとか、2週間以上のベンゾジアゼピンの投与は行わないというような推奨をしております。
 現在のところ、114にありますように、非定型の抗精神病薬の加算というのが、実際に2種類以下であるような場合には15点、1以外の場合には10点ということになっておりますけれども、これから申し上げるようなことを踏まえて、この点数配分というので妥当かどうかというのが1つの論点になろうかと思います。
 実際に、どのぐらい処方されているかというのをごらんいただくのが、スライド115でございます。
 これは、抗不安薬と睡眠薬に分けて書いております。青いところが1剤、黄色のところが2剤でございますので、ここまでは恐らくかなり例が多いということですけれども、3剤以上ということになると、抗不安薬で2%弱ぐらい、それから睡眠薬で6%強ぐらいになるので、これはかなり3剤以上になると厳しい状況かなというふうに思っています。
 スライド117をごらんいただきますと、これは、何剤を投与していくと、ジアゼパムというものの換算で、どのくらいの力価になるのかというのを見たものでございますけれども、基本的には、15近辺、1日当たり15mgというのが通常の添付文書の処方量でございますので、3剤以上になると、それを大きく上回るということになります。
 それから、先ほどの実態から見ても、一部にしか3剤以上は投与されていないということでございますので、先ほどの処方に関する手当、それから次のスライドの119には処方料、それから処方箋料というのがあって、そのうち向精神薬については、一定の加算を設けておりますけれども、そうしたことも併せて、3剤以上を用いるということについては、2剤以下を推奨するという観点から、どのような手立てが適切なのかということが1つの論点としてあろうかと思います。
 最後でございます。認知行動療法、121以下でございますが、これは、前回の22年改定のときに、特にうつ等の気分障害について面接を通じて解決するということで、これは比較的新しい療法ですけれども、効果はあるということでございます。現在のところ、医師が実施することを求めておりますけれども、チーム医療として、これを実施してはどうかというような課題もございますので、現在、それを研究していただいております。
 スライド124の上の方の●の真ん中の2でございますけれども、現在のところは、医師が同席した下で、看護師なり心理職の方がやっていただく場合には、明らかに効果があるということが示唆されておりますので、これは単独でコメディカルの方が実施してもやはり効果があるという結果を待って、そういう結果が出た上でチーム医療というのは対応してはどうかというふうに思っております。
 大変長くなりましたが、精神については、以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。多数の論点があったと思いますけれども、ただいまの御説明につきまして、御質問、御発言等がありましたが、どうぞ。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 長い文章でしたので、私の方からも7点ぐらいございます。まず、14ページで、認知症疾患医療センターというのが大分増えてきて、前回の改定のときには、まだかなり空白県とか、あるいは集中県とかかなり差があったんですが、大分増えてきたということはいいと思うんですが、一方では、鑑別診断が終わった後、外来にそのまま通院される方が増えているのではないかと思われます。やはり鑑別診断が終わったら、通常の医療機関に戻るようなことも必要だろうと思いますので、14ページで言いますと、一番下のところの認知症専門診断管理料、こういったものを増やして一般の医療機関に戻るようにする。あるいは更に一般の医療機関の中小病院、診療所に鑑別診断についた方が、できるだけ長く通院できるように、認知症の診断確定後に、3か月に1回ぐらい、例えばミニメンタルステートみたいなものをして、生活機能評価をする、そして、それらを踏まえて療養指導を行う、こういったもので算定できるような、200点くらいの加算を設けて、できるだけ長く確定診断についた方が、地元の診療所、中小病院等の外来で診られるようにするというのがいいんではないかと思います。
 それから、24ページのところでございますが、認知症のBPSDの対応というのが、症状が1か月ぐらいで落ち着くということですので、そういうことからすると、90日、60日の入院料の期間が短縮されてきていますが、更に例えば30日というようなものができるとした場合、今までですと30日というものをつくって、そこが高くなると、それ以上の60日、90日を下げてというようなことが考えられがちですけれども、今回、実調なんかを見ても精神科は非常に厳しい状況でもあるようですので、こういったところは、他を引き下げて30日を評価するという形ではない形で30日を評価していただくということが必要と思います。
 それから、28ページのところでございますが、退院支援というものは、在宅を推進していく上では、精神科でも必要だと思いますけれども、これは例えば一般の療養病棟における慢性期病棟等退院調整加算なんかと比べて、かなり差がある部分があります。
 例えば、療養病棟では、退院支援計画作成加算と退院支援加算というのと両方取れるわけですけれども、精神科の場合は、退院支援計画加算というのがないということ。あるいは6か月以上の患者にしか取れないというようなことがありまして、これも早期に在宅に移行してもらおうと思っても、そういう縛りがあるということなので、こういった縛りはなくして、療養病棟と同じような形にしていただくのがよろしいんではないかと思います。
 67ページのところでございますが、院外の入院中の方の、他診療科との連携なんですが、対診ということが一定程度行われているようですが、これが本来の意味での対診というのは、個人的には、医療資源の少ない我々の地域では、対診というのは、死語のような感じになっていますので、余りイメージが浮かばないんですが、もしかしたら、例えば精神科の病院に、ほかの病院の医者がわざわざ特定の患者さんを診るために来るということが対診だとすれば、そうじゃなくて、非常勤で内科の先生が週1回とか来てもらって、その人にとりあえず診てもらうようなことを対診と言っているのかもしれないと、そうだとすれば、本当の対診というのはもっと少ないかもしれません。
 その場合に、いわゆる入院中の他診療科への受診ということが、これでも非常に多いと思うんですが、現在、非常にそれが制限されているという状況があって、次回の改定に向けて大きな課題だと思うんです。よく言われるのが、透析の方が非常に不利益を受けているということがあるんですが、精神科というのは、長期的に言えば、在宅移行というのは進んでいくと思われますが、現状では、少なくとも長期の入院という方が多いので、例えば高齢化に伴って、骨折を起こした方が、整形外科の医療機関に通って、治療を受けるような場合も全部精神科の医療機関の持ち出しになっている。あるいは、最近ではがんの治療も抗がん剤の点滴も外来で、あるいは放射性の治療も外来でということが行われますので、そういうものも全部病院の持ち出しになっていると、これは非常に不合理な部分だと思いますので、是非、入院中の他診療科受診の見直しの中に含めるべきだと思います。
 最後に、94ページのところでございますが、訪問看護ステーションについてでございます。これもやはり在宅に移行された後、必ず必要になってくるところだと思うんですが、これが先ほど御説明もありましたように、精神科以外では、医療機関と訪問看護ステーションの間に差がないわけでございますけれども、精神科の場合には差があるということでございまして、その差を基本的になくしてほしい。例えば精神科の方は動けるような方もいらっしゃるわけですから、そういう方に対して訪問看護ステーションからも行けるようにする、あるいは家族とか、障害者施設等の介護の担当者、そういった方への指導も認める、あるいは准看護師ですね、正看護師だけではなくて、准看護師、それから精神保健福祉士ですか、こういった方も行けるようにするということが必要だと思います。
 もう一つ、62ページのところでございますが、精神科救急・合併症入院料算定病棟でございます。これは、治療上の必要性があって、身体合併症の手術等で、一旦一般病棟に転棟して、また戻そうと思った場合、その算定が、再算定ができないという問題があって、非常にこれも現場では不合理な点ということになっておりますので、新規として再び認める、あるいは継続として認める、そういった対応を是非お願いしたいと思います。
 以上です。

○森田会長
 幾つかございましたけれども、御要望として承っておきます。
 小林委員、どうぞ。

○小林委員
 何点か申し上げたいと思います。まず、スライド18で認知症患者のBPSD治療に要する期間は約1か月が妥当とありますので、入院後、速やかに退院に向けた調整を図るような取組みを評価する方向が望ましいと思います。
 それから、スライド43、44に栃木県のケース、福岡県のケースがありますが、この資料を見ますと、救急の現場では、身体合併症を有する精神疾患患者の搬送及び受入れにおいて大変御苦労があると思います。
 精神病床がなくても、こうした患者を積極的に受け入れている一般病院等の取組みは評価されてしかるべきだと思いますので、是非、こうした現場の努力が報われるように考えていただけたらと思います。
 もう一点、スライド113、これは海外のガイドラインの状況、アメリカのガイドライン、それからイギリスのガイドラインがあり、抗精神病薬は単剤での使用を推進するとあります。日本にはこういった類似のガイドラインというのはないのかどうか、まず、これをお聞きしたいと思います。
 それから、日本においても多剤投与にマイナスの影響が認められるというのであれば、投与する薬剤の数を少なくする方向で診療報酬について御検討いただきたいと思います。
 その下のスライド114、これは22年診療報酬改定で非定型抗精神病薬加算の算定回数、2種類以下であることが加算1として新たに新設されております。平成22年6月に、この加算1を算定した回数が4万924回とあり、この数字の評価、これをどう見たらいいのかということですが、日本の精神医療においてどの程度インパクトがあるのか、全体の中での広がりについて補足の情報があれば教えていただけたらと思います。
 以上です。

○森田会長
 今の小林委員の御発言ですけれども、終わりの方、2つは質問だったと思いますので、事務局の方からお答えいただけますか。
 どうぞ。

○精神・障害保健課長
 精神・障害保健課長でございます。最初の御質問、ガイドラインの件でございますが、平成21年9月に今後の精神保健医療福祉の在り方の検討会を行いまして、その際に、やはりこの課題、特に医薬品の使い方についての課題というものが、大きくなされたところであります。
 そこを踏まえて、前回改定でも単剤推奨という形で進んでおりますが、日本における、いわゆる治療に向けてのガイドラインについては、まだ、必ずしも外国水準に沿ったようなレベルにまでは来ていないというのが現状でございまして、現在、関係学会などにお願いをいたしまして、こういった外国の例も含めてよりよいものをつくっていただけるように進めていると、そういう現状でございます。
 以上でございます。

○森田会長
 医療課長、どうぞ。

○鈴木医療課長
 もう一つの御質問は、スライド114の非定型抗精神病薬加算というのが、この数というのをどういうふうに評価したらいいのかということでございます。
 これは、少し説明が足りなかったかもしれませんが、実際は、上の方の四角の中の※印のところに書いてございますけれども、基本的には、A311、311-2、311-3、312に対する加算ですので、具体的に救急なり急性期のところの母数がどのくらいあるかということを、ちょっと今、手元に資料がございませんので、宿題にさせていただきたいと思いますが、基本的には、1という2剤以下のところを評価していますので、基本的には、先ほど申し上げたように、少ない処方で対処しているところについて評価をするというような加算でございます。その評価については、また、数字を含めて次回以降、お答えしたいと思います。

○森田会長
 よろしいですか。ほかに、いかがでしょうか。
 牛丸委員、どうぞ。

○牛丸委員
 スライドの4ですね。最初のところですが、ここに認知症患者数が出ております。左側の方は将来で、右側が過去ということですが、それだけではなく、左側が介護領域から、右側が医療領域からということです。まず、1つお伺いしたいのは、認知症の患者を推計というか、把握するときに、ここでは介護と医療と両方出ておりますが、それがちゃんと区分けされているのか、重なっているのか、どうなっているのかということです。それが1点です。
 それから、後ろの方で、スライド番号83以降でしょうか。精神科デイケアの話がありますが、デイケアとなりますと、すぐに頭に浮かぶのは介護保険ですが、ここで言うのは、医療の対象となっております。
 そこで、先ほどの患者数の話もそうでしたが、介護保険と医療保険、その両方が対象としているわけで、きれいに区分けされているのか、重なっている部分はないのか、逆に両方とも対象にされていないような空白部分がないのか、その辺、教えていただきたいと思います。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○鈴木医療課長
 医療課長でございます。ただいま2点御質問がございまして、1点目はスライドの4でございますけれども、左側が介護領域からの推計、右側が医療領域の推計で、この重なりがあるかという御質問でした。
 実は、介護領域からの推計というのは、要介護認定を受けた方の中で、スライド5にありますけれども、認知症高齢者の日常生活自立度で見た場合に、何らかの認知症があるという方を推計しております。
 ですから、ここで2点注意が必要なのは、1点目は、必ずしも医学的に認知症と鑑別診断をされたわけではないということで、この中には、もしかすると、認知症以外の方も含まれている可能性があるというのが1点。
 もう一つは、勿論、入院の場合には重なりがないんですけれども、医療として外来を受けている、右側のところの外来部分ですね。そこは、要介護認定を受けて、さまざまな介護のサービスは受けているけれども、外来で認知症の治療を受けているという方は重なってきます。この実数はわかりませんけれども、一定程度重なりがあるけれども、入院の部分はないという御理解をいただければと思います。
 もう一つの御質問はデイケアについてですが、御質問は認知症のデイケアではなくて、全体のデイケアということでよろしかったと思いますが、一般的なデイケアからしますと、基本的には、やはり要介護認定を受けていない限りは、すべて医療ということになりますので、例えば年齢でいうと、65歳以下の場合には、基本的には医療が全部引き受けるということになります。
 ただし、もちろん、要介護認定で、いわゆる加齢性変化に基づいて何らかのデイケアの必要性が出てくるというような場合には、基本的には、これは法律上介護優先ということになっていますので、厳密にいうと迷う例はあるかもしれませんけれども、概念的にはきちんと分けられているし、もし、今回、同時改定でございますので、その間で透き間があるのであれば、その透き間をどう埋めるかというところは、介護担当部局とも話をしたいと思っております。

○森田会長
 よろしゅうございますか。ほかにいかがでございますか。
 どうぞ。

○森原氏(花井圭子委員代理)
 花井圭子委員の代理で森原と申します。10ページのスライドの方ですが、専門医による鑑別診断の重要性は、このスライドでも明らかです。
 そして、14ページの認知症の疾患医療センターなどの専門医療機関で早期の鑑別診断を全国で受けられる体制が必要なのは確かだと思います。
 しかしながら問題は、精神症状が出ている人に対して、早期の鑑別診断へのアクセスを確保することが困難であると思います。
 認知症と思われる症状が出ている家族を専門医に連れていくことが、本人が嫌がってとても難しいと思います。
 そのため、認知症や精神科医療における訪問診療ですとか、往診を推進していくことがとても重要だと考えます。
 この間の介護給付費分科会と中医協との打ち合わせの中でも、認知症における入院から在宅医療への転換などを指摘していることもありまして、精神科における在宅医療を推進するような報酬上の評価についても検討すべきだと考えます。
 以上です。

○森田会長
 森原さん、失礼いたしました。今の点は、御要望として伺っておくということでよろしいですね。

○森原氏(花井圭子委員代理)
 はい。

○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 安達委員、どうぞ。

○安達委員
 2点申し上げますが、今日、ここに出ていないんですけれども、身体合併症を有する精神疾患の場合という、その検討課題の中で、たしか前回改定のときに、その合併症を有する全体を診られるようにということで、精神科病棟には従来なかった13対1の病棟を認可したはずだったのだろうと思います。
 だから、これの利用状況と合併症との関係はどうなっているかというデータの切り口が1つ必要だろうと思う。
 恐らくそれは、前回の改定で入院中の他科診療の場合のいろんな制限を設けたところの切り口の中で、そのデータが出されるんだと思いますけれども、そのことのクレームは、圧倒的に精神科の入院病棟からが、現在、医療界では多いわけでございますので、それも含めて使い分けと機能分化とがどういうふうに稼動しているのかというデータは出していただく必要があるんだろうということをお願い申し上げておきます。それが1点でございます。
 もう一つは、多剤の投与なんですけれども、精神科領域の診断そのものが相当難しくて、しかも多岐にわたるために、どうしても多剤投与に傾く傾向があって、日本においてその傾向が特に顕著だというふうに、私は理解しておりますけれども、その原因の一部には、かつてこの2年間にも、ここの総会でも承認をしている新たな単剤でいけるような抗精神病薬が極めて高価であるために、例えば入院中の病棟においては、包括評価の中でそれを使い切れない場合、あるいは患者さんの自己負担が非常に高くなることに対して使い切れない場合というようなものが存在しているということは、事実だろうと思いますので、それを安価な薬剤でやろうとすると、何種類かの組み合わせになるというケースが出てくるということは、現実の、日本の今の治療の中であると思います。そのことも含めて考えないと、多剤投与を単剤にすることの評価点数だけを誘導点数として付けるというようなことをやると、そこのところの問題は残ったままになる、これをどう考えるのかという視点が、多剤投与の議論については是非必要であるということを申し上げておきます。
 以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。今の点、事務局、お願いいたします。

○鈴木医療課長
 特に1点目でございますけれども、安達委員から御指摘いただいた13対1の精神科の入院基本料です。
 これは、前回の改定のときに御議論いただきましたけれども、基本的には、やはり総合病院の精神科のようなところで比較的厚い基準で看護をしていただいて、その中で身体合併症等も診ていただくということを念頭に置いておりました。
 次回以降、また資料をお示ししたいと思いますけれども、今、手元にございます資料でいいますと、身体合併症の管理加算の算定割合、これは一般の精神病棟ですと、大体2%前後ですけれども、13対1ですと、3.5%でございます。若干高くなっている。
 それから、身体合併症の対応状況でございますけれども、一般の精神病棟ですと、おおむね対応できているというのが6割、それからときどきできないというのが3割5分、ほとんど対応できないというのが6%、先ほど申し上げた数字です。
 ところが、13対1ですと、8割以上がおおむね対応できる。それから、ときどきできないことがあるというのが19%で、ほとんど対応できていないのはゼロということでございますので、やはり一定の効果はあったというふうに思われます。資料自体は、次回以降にまたお示しします。

○森田会長
 2点目の点については、いかがですか、それは何かデータといいましょうか、調査というのはございましょうか。

○鈴木医療課長
 基本的に、今、安達委員がおっしゃったのは単剤ということを多分おっしゃったんだと思いますが、我々のデータでも、やはり2剤というのは、どうしても一定程度生じてきてしまうということですので、3剤以上、通常でいいますと、恐らく超えてしまうような例というのが一定程度あるというのをどう考えるかということでございますが、具体的にどのぐらいの薬価で、実際、使い切れない、1剤では高くて使い切れない例があるかどうかというのは、少し検討させていただきたいと思います。

○森田会長
 安達委員、よろしゅうございますか。

○安達委員
 はい。

○森田会長
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 スライド111以降の外来における向精神薬の取扱いについてでありますが、今、安達委員からのお話にもあったとおり、多剤投与の評価の在り方については、なかなか難しいという点も十分理解した上で、私ども薬剤師として、やはり抗不安薬や睡眠導入剤の処方をされた患者さんについては、薬剤師として、例えば家にまだ薬が残っていないかとか、あるいは他の医療機関からも同様の処方が出ていないかなど、そういうことも含めてお薬手帳や薬暦を通じ、あるいは患者さんからよくお話を聞いた上で、そういうことがないかどうか、常日ごろより注意を払っているという仕事をしているわけでありますが、スライド118にもありますように、今、自殺・うつ病対策プロジェクトとしても、薬剤師の活用が期待されているところでもありますし、引き続き、この向精神薬等の過量服薬への取組みにつきましては、安全管理という面からもこれまで以上により積極的に取り組んでみたいと、そういうふうに考えており、また、それに対するさらなる仕組みもやはりお願いしたいと考えております。
 以上です。

○森田会長
 それでは、嘉山委員。

○嘉山委員
 質問を2つ、あと意見を2つ述べたいと思いますが、5月18日のこの総会で、この認知症のことが問題になりましたときに、私はニューロサイエンスを基盤にしておりますので、別に認知症等々あるいは精神疾患を、精神科の医者だけではなくて、最近では高次脳機能の科とか、あるいは神経内科の医者が診ている場合が多いので、かなり出てきましたので、その実態を調べてほしいということを申し上げました。そのときに、会長は、わかりましたということをお答えになったので、今日、そのお答えを持っていたら教えていただきたいのが1つ。
 もう一つは、次の質問は、資料18にあるように、ほとんどBPSDは1か月ぐらいで治るというのが、このデータだと思うんですが、23のスライドでは、ところが、退院の可能性がないというのが54%になっているんですが、この理由は何かあったら教えていただきたいと、これは、2つ質問であります。
 ここからは意見ですが、スライドの65ですが、これは、従来から現場で非常に問題になっていることで、例えば我々外科医は、非常に外科の希望者が、医学部卒業した後、少ないんですが、精神科には、もう我々がうらやむぐらいに入っているんですよ。
 にもかかわらず、一般病院での精神科病棟の閉鎖が非常に続いているんですね。そういうことが続きますと、この65にあるように、やはり精神科だけの単科の病院ですと、なかなか、ここに書いてあるように、身体的なものに対応できないというようなことがありますので、やはり総合病院に精神科があるというのは、私は健全ではないかと思っています。勿論、精神科単独でも構いませんけれども、ただ、これだけ高齢化社会になって、何もほかの病気がないということはあり得ないんですね。
 ですから、この65がものの見事にそれを表現しているわけでございまして、精神科にたくさん入っているのに病棟が閉鎖しているというのは、何か診療報酬の上で問題があるのではないかと思いますので、その辺、私もそういう細かいこと、その辺はわからないんですが、そこを事務局に意見として、そういうものを解決するような方法を探してほしいということです。
 その場合に、精神科の先生で、特に私が尊敬しているのは、救急をやっている、本当に夜、例えば包丁を持ち出すとか、そういうようなことが起きることがあるわけですね。そういう患者さんを受け入れている、本当に精神科の、涙が出るくらいに尊敬する先生がいらっしゃいます。そういうところ、つまり精神科の救急病院なんですけれども、そういうところには、やはり厚くきちんと診療報酬を付けないと、本当に救急の場合、受入れ皿がなくなってしまうと思いますので、どうぞ、よろしくお願いしたいと思います。
 次の意見なんですが、前回の5月18日に日看協の会長になられた福井専門委員の前の坂本すが専門委員から、やはりチームでやらないと、チーム医療というか、精神科リエゾンですね。これについての算定をしていただけると、非常に看護師さんが、夜、病棟で助かるんです。
 実は、国立がんセンターで、今、一番問題になっているのは、せん妄です。せん妄で夜転倒するんです。これは、今、この4月からチームをつくりました。チームをつくって、がんの患者さんが、がんだけではないんですね、せん妄状態の患者さんがすごく多いんです。
 したがって、坂本すがさんが提案した一般病棟で、そこで精神科スタッフが入ってケアをするようなことをやったら、やはり精神科の患者さんをどうやって扱っていいかわからない若い看護師さんがたくさんいますのでね、そういう人たちが非常に安心して、がんの患者さんのケアに当たれますので、その方の手当をきちんと付けていただきたいというふうに思います。
 それから、最後はちょっと外れることなんですが、今回の事務局の提案に関しては、おおむね賛成なんですが、今の言ったことがほとんど骨子だと思うんですけれども、つまり、たくさん精神科のお医者さんが生まれているのにもかかわらず、急性期の精神科は減っているというところに問題があるので、そこを解決するような制度設計をしていただきたいと、これは意見なんですけれども、以上です。

○森田会長
 ありがとうございます。後の3つは御意見ですけれども、最初の2つについて、事務局の方でお願いします。

○鈴木医療課長
 嘉山委員から具体的に2つの御質問がございました。
 1点目は、特に精神科だけではなくて、神経内科等の他科の診療の実態がどうなっているかということで、これは、なかなか他科の実態というのは、勿論、我々の方で精神科に限定していない部分が多いですので、どの科でやっているかというのを調べるのは難しいんですが、もし、できるとすると、例えばスライド13にありますような認知症疾患医療センター、ここが精神科単科でやっている場合と、総合病院でやっているような場合というようなところはわかると思います。ちょっと調べさせていただきたいと思います。
 もう一つは、退院可能性というところで、スライドの23でございますけれども、退院可能性がありの方は、理由を分析しているんだけれども、なしの方は分析していないのかという御質問でございましたが、これは、残念ながら、ここは質問をありのところだけに限定をしておりまして、これはすぐに実施された研究でございますので、今後こういう研究をするときに、退院の可能性「なし」の部分についても、なぜ退院できないのかというところについても調査をするようにしたいと思います。

○森田会長
 どうぞ。

○嘉山委員
 それは、高度精神機能をやっている医者は、かなりサイエンスを使うんですよ、つまり、ペットとか、非常に客観的なサイエンスを使って診断をしていますので、多分、私の経験ですと、個人的な経験なので全部正しいとは言いませんけれども、やはり治療結果がかなり違ってくるんではないかと思うので、こういうところをちょっと混ぜて比較することも今後大事だなということで、質問させていただきました。

○森田会長
 ありがとうございました。それでは、白川委員、どうぞ。

○白川委員
 まず、精神科医療全体について論点を整理していただきまして、私どもの問題意識と、ほとんど合致していると考えております。勿論、個々にはいろいろございますけれども、論点の出し方については、ほぼ網羅されているというふうに感謝申し上げたいと思います。
 ただ、ちょっとよくわからない部分の質問、それから意見も含めて若干意見を言わせていただきたいと思います。
 1つは、全体としては、我々の問題意識は、精神疾患の方々の入院期間が長過ぎると、これをどういうふうに整理していくかというのが、大きな問題意識の1つです.勿論、重症の方々については、入院を中心に厚くケアをすると、それはそれなりに診療報酬上も評価するということだと思います。
 その点で、1つよく理解できませんのが、スライドの5に認知症、高齢者の日常生活自立度というのがありまして、現在、認知症の方々を、こういうランクで区分けしたデータが存在するのかどうか、それから、いわゆる重症と言われる、この後にも重症という言葉がよく出てくるんですけれども、重症と言った場合は、このランクのどのクラス以上のことを重症と言うのか、これを質問としてお答えいただきたいというのが1つ目でございます。
 併せて、精神疾患でもGAFスコアで、これはスライドの72に前回の改定のときに、重症者加算というのを一応、GAFスコアで40点以下ということになっていると思いますが、スライド73を見ると、重症者加算の算定あり、95%ということですから、これを見ると、重症者というのは、GAFスコアでいうと、40が正しいのかどうか、ちょっと私も素人なものですから、よく理解ができないんですけれども、この精神疾患で重症と言われるのは、どのクラスというふうに把握するのが正しいかということも併せて、ちょっと問題意識を持っておりますので、教えていただきたいということでございます。
 それから、当然のことながら、重症の方々は、そういうことで、厚くケアする一方、医療の必要度の少ない方は、なるべく在宅とか、ほかの施設でということになるんだと思いますが、世の中で、まだまだ精神疾患に関する正しい認識というのは、醸成されていないと。
 最近、例えばうつ病については大分理解が進んできたかと思いますけれども、認知症についての正しい理解というのは、社会的にはまだまだ浸透していないと、非常に残念な思いをしておりまして、したがって、在宅の場合、御家族もそうですけれども、近隣の住民の方々含めて、相当考えた行政的な施策が必要だと考えております。
 医師や看護師さんの往診、訪問看護含めてもそうでありますけれども、これは中医協とは直接関係ない要望かもしれませんが、地域でそういう方々をどういうふうに迎えていくんだといったことについて、是非、行政サイドで積極的に取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 それから、もう一つは、多剤投与の話でございまして、何人かの2号側の先生方も御意見をおっしゃいましたけれども、制限するというのは、学会でのガイドラインもあるでしょうし、医師の方々のリスクをどれくらい考えるかという意識の差もあると思いますので、非常に難しい問題とは思います。ただ、リスクばかり考えて、多剤を投与しますと、実は、私ども保険者としてよく問題になるんですけれども、1つの病院で、処方を受けて、また、ほかの病院に行って処方を受けてと、ひどい方は、一月に20病院から処方を受けているなんていうケースもありますから、そこまで考えてということは、なかなか難しいとは思いますけれども、多剤投与による無駄を省くと同時に、そういう複数回受診といいますか、そういったことを防ぐような仕組みが必要です。個人個人の情報管理、漏えいの問題もありますから、そう簡単にはいかないんですけれども、三浦委員がおっしゃったとおり、お薬手帳をきちんと活用するとか、それから、保険者サイドはレセプトでわかるわけですので、精神科の先生方、保険者と連携を取るとか、そういったことも含めて、これも診療報酬と関係ない話ではありますけれども、きちんと薬については管理をしていかなければいけないと思っておりますので、そういう仕組みも是非お考えいただきたいと、これも要望として申し上げます。

○森田会長
 ありがとうございました。北村委員、関連することですか。

○北村(光)委員
 関連することで。

○森田会長
 では、御発言をお願いします。

○北村(光)委員
 37ページの論点の3番目に重度認知症患者のデイケアについて長時間ケアを行った場合の評価は、どのように考えるかということがございます。上の方を読ませていただくと、長期入院が非常に多いとあり、今後、その改善が望まれます。また、高齢化とともに認知症患者は当然増え、重度の方も増えていくでしょう。そんな中で長期入院が是正されて在宅療養が進むということになれば、やはり家族を含めて在宅デイケアというのが非常に重要になってくると思います。32ページには「重症認知症患者デイケア料」の利用患者数等が出ておりますが、このデイケアというのは「6時間の、介護面ではなく医療面での治療が必要」だということですが、「6時間に及ぶ医療行為」というのは、どのようなことが行われるのか、教えていただければと思います。

○森田会長
 それでは、御質問の点で、白川委員の1番目と2番目が中心になると思いますけれども、事務局、お願いできますか。

○鈴木医療課長
 具体的な御質問が白川委員と北村委員、合わせて3点ございました。2点、私の方からお答えして、もう一点は、精神・障害保健課長からお願いしたいと思います。
 1点目は、認知症の自立度についてでございます。スライドでいいますと、5のところに認知症の自立度の基準がございまして、これは、今、手元にはございませんけれども、要介護認定を受ける際には、必ずこの自立度を評価しますので、要介護認定をしていない場合は全住民にやるのは、なかなか難しいんですけれども、要介護認定をしている人の中で、どのぐらいの割合おられるかというのはデータがございますので、次回以降にお示ししたいと思いますが、この中で何を重度というかということでございます。
 それは、立場や提供するケアによって、いろいろ異なるかもしれませんが、私どもが、例えば、先ほど申し上げた重度の認知症のデイケアでやっておられる場合の重度の定義は何かというと、一番下のMでございます。
 これは、IVまでは、比較的ある意味でいうと、ケアで対応できる部分もございますけれども、Mのところになると、これはメディカルのMだと思いますけれども、せん妄やいろいろな状態が出てなかなかコントロールし難いということでございますので、こういう方に限定して、やはり医療というのは必要ではないかということでございます。
 それから、北村委員から長期間のケアという中身は何かということでございますが、私どもの意図というのは、1つは、先ほど申し上げた夕暮れ症候群というのがあるので、夕方についてのケアということでございますが、しかし、手元に何を具体的にやっているかという資料がございませんので、また、ちょっと調べてお答えをしたいと思います。

○森田会長
 よろいですね。どうぞ。

○精神・障害保健課長
 精神・障害保健課長でございますけれども、重症度の関係で、GAFで大体どんな感じなのかと、なかなかこれは一口で申し上げるのは難しいんですが、例えばGAF30以下となりますと、行動について妄想とか幻覚に相当影響されていると、社会生活の観点からすると、これは一律に決めつけるのは、また難しい問題がありますので、1つの参考としてお聞きいただければと思うんですが、仕事とか、家庭において相当困難というか、なかなかそういった生活が単独で維持できにくいと、そういったくらいのレベルになる。
 それよりもちょっと上がって、前回の改定のところのGAF40以下という部分でありますけれども、ここは意思伝達のコミュニケーションの部分ですとか、それから、今、自分はどういうところでどうなんだという現実検討能力という部分があるんですが、そういった部分のところで欠陥がかなり見られると、そういうことで、実際に社会生活に当てはめた場合には、通常の社会生活をやっていくに当たっては、相当困難が生じると、できないわけではないんだけれども、やはりちょっとしたサポートがかなり必要になってくると、そういったレベルというふうに御理解いただければというふうに思います。

○森田会長
 ありがとうございました。よろしいですか。
 他にも議題がございますので、なるべく簡潔にお願いします。

○安達委員
 簡潔にします。最後に白川委員がおっしゃったことなんです。ここに挙がっている多剤投与というのは、1つの医療機関で1つの治療のための多剤投与ということで、白川委員がおっしゃったような重複処方のことではないんだと思うんですけれども、実際に診療現場でこれが御指摘のようにあるんです。
 精神科だけではなくて、軽症の方は、例えば大量の睡眠薬を服用したいという願望があって、一般の診療所を重複してずっと受診をされる。合算してみると、物すごくたくさんの眠剤が一定の期間に出ているというようなことが起こります。
 我々はどうするかというと、例えば地元の医師会の我々のクローズドサーキットのメーリングリストの中で、こういう方は、こういうビヘイビアがあるみたいだから、皆さんお互いに注意をしましょうというようなことでやりとりをする。それで、患者さんが来られます。それで指摘をして、要は、あなたのためなんだから、こんなことをやっていてはだめだと、ちゃんと精神科の診断を受けた上で適切な量のお薬をもらいなさいという指導をするわけですが、しばしばそういう患者さんは、そういうときに、そういう私の個人情報をどうして医師同士で勝手にやりとりするのかという反論をされます。私なんかはかなり強硬ですから、そんなものは個人情報の保護に当たらないと、あなたのためなんだということでやりますけれども、例えば女性の医師の方なんかは、それですくんでしまわれる方もある。
 もう一つ、今、白川委員の御指摘のように、保険者の方にデータが集積されると、それはわかるわけですね。そうすると、我々に教えていただければ、それは現場で、その患者さんに対してそういう注意をして、適切な精神科の診断をきちんと受けた上での投薬を受けられるようにと指導することは可能なんです。
 こういうデータのやりとりは、個人情報保護法に抵触する話ではないと私は思いますけれども、それでいいですか、一度確認をしてください。しばしばそういう反論をされる方があるので、ということであります。

○森田会長
 個人情報保護法の個人情報の保護の範囲について、すぐお答えできるかどうかわかりませんし、実際問題として、いろいろデリケートな問題もあるかと思いますけれども。

○安達委員
 今、白川委員がおっしゃったように、保険者の皆様方も気がつかれても、では、我々処方している医師に、それを教えていいのかどうかということで、同じように判断に迷われると思うので、併せてお聞きをしたと、そういうことでございます。

○森田会長
 では、事務局の方で、一言お願いします。

○鈴木医療課長
 さまざまな要因がある事項ですので、少し調べさせていただいて、次回以降お答えをしたいと思います。

○森田会長
 私も専門関係でこの問題を研究しておりますけれども、これは、個人情報保護制度そのものについても再検討する必要があろうかと思っております。
 福井専門委員、どうぞ。

○福井専門委員
 先程、嘉山委員からお話がりましがように、精神科リエゾンチームについては一般病棟において、大変有用だというデータがあります。その有用性としては、在院日数が減少することとか、予後の改善、身体機能の回復、それから、患者さんに対しての効果だけではなくて、一般病棟の看護職や他のコメディカルに対しても、大きな効果があります。是非、精神科リエゾンチームの評価を進めていただきたいと思います。
 それから、精神科病棟で、行動制限を受けている患者さんがいらっしゃいますけれども、行動制限の患者さんへのケアには、人の手も、それから時間も、非常に多く必要としています。この患者さんたちは、突然死のリスクが非常に高くて、その突然死の内容としては、肺塞栓症や循環器障害等があります。これらの身体疾患予防のほかに、褥瘡予防とか拘縮予防などの多岐にわたったケアが必要になるわけですけれども、ここにも非常に人の手が入っておりますので、是非、検討の方向でお願いしたいと思っています。
 それから、デイケアのところですが、スライドの109番の論点にデイケアについて患者さんの状態像に応じたサービス提供を行っている場合の評価についてどのように考えるかということが挙がっていますけれども、患者さんが退院した後に、地域で生活をする上で、スムーズになじめないという状況があります。在宅からのデイケアも勿論そうですが、こうした状況を踏まえて、入院中からデイケアへの会談的以降を行っているところにも評価をしていくことが、地域につながっていくために有用ではないかと考えますので、是非評価をしていただきたいと思います。
 もう一つですが、125の資料ですけれども、論点2、医師以外が行う認知行動療法やうつ病以外に適用を拡大することについてどうか、安全性などの結果を踏まえた上で、評価を行うこととしてはどうかということが挙げられていますけれども、この認知行動療法を行うことについても、看護師が実際に行っていて、成果を出しているデータなども既にございますので、是非、評価を行う方向として進めていただきたいと思います。
 以上です。

○森田会長
 御意見として承っておきます。それでは、この件につきましては、この辺りにしたいと思います。
 本日の議論を踏まえまして、次期改定に向けて、より具体的な検討を今後進めていきたいと思っております。
 それでは、次の議題に移ります。次は、医療経済実態調査についてです。
 調査実施小委員会の石津小委員長から御説明をお願いします。その後、事務局から補足をお願いします。

○石津委員
 それでは、第18回医療経済実態調査の結果につきまして、先ほど開催されました調査実施小委員会において審議を行いましたので、その結果について御報告させていただきます。
 この調査は、病院、診療所などにおける医療経営等の実態を明らかにし、社会保険、診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的として実施したものです。
 医療機関等調査につきましては、平成23年6月及び直近の2事業年度の状況を、また、保険者調査につきましては、平成22年度及び21年度の状況をそれぞれ調査しております。
 このたびの調査に御協力をいただいた医療機関、保険薬局、保険者の皆様及び関係者各位の皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。
 また、今回の医療機関等調査につきましては、診療側委員の要望を取り入れ、複数事業年度のデータを取得したほか、青色申告を行っている医療機関には、一部記入項目の省略を認めるなど、医療機関の負担減を図っていること、そのほか、3月11日に発生した東日本大震災の影響を把握するため、震災地区の特別集計も行っており、さまざまな改善を図っております。
 それでは、具体的な内容につきましては、事務局の方からお願いします。

○森田会長
 どうぞ。

○屋敷保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。総会資料では、総−2−1及び総−2−2が医療機関等調査の分の資料でございます。そのほか、調査本体といたしまして、医療機関等調査につきましては、調査本体と別冊が2冊、震災地区関係の、東日本大震災影響関係の別冊と、青色申告の別冊がございます。また、保険者調査の方につきましても、資料を添付させていただいております。
 医療機関等調査の方につきましては、私の方から御説明をさせていただきますが、先ほど小委員長の方から御紹介がありましたとおり、今回の調査につきましては、抽出施設の改善や複数年度データの取得を工夫をしているところでございます。
 また、本編の方の資料は、また、後ほどごらんいただきたいと思いますが、単月データ、複数年データの取扱い及びまた今後どのようにするのかといった点につきましても、今後、御議論をいただくことになるのかなと思いますが、それぞれデータにつきましては、損益差額の構成比率ということだけではなく、一部分析でございますが、平均値、中央値、標準誤差等が示されております。それも併せまして、それぞれ年度データあるいは単月データについてごらんをいただくというのがよろしいかと考えております。
 また、震災の影響という点につきましては、総−2−1の22ページ目をごらんいただきたいと思いますが、参考3で東日本大震災の影響で、全国と震災地区以外の集計及び震災地区の集計、それぞれ3ジャンルございます。代表的なデータという形になりますが、それぞれ2の事業年度の集計結果の中で、全国データ、震災地区以外のデータ、震災地区のデータが年度の推移に伴いましてどのように動いているか。
 あるいは、その全国データの比較におきまして、1番、23年6月のデータがどのように動いているのかといった点を併せて、データの安定性といったような観点から、併せて留意しながらごらんいただければと考えております。
 調査結果につきまして、簡略に御紹介いたしますと、2事業年度の集計結果の方で御紹介させていただきたいと思います。
 資料の10ページ目以降が、一般病院のデータになってございます。11ページ目が開設主体を合わせました全体データでございますが、損益差額で見ますと、前々年度から前年度の推移が、−2.5から−0.1への上昇となっております。
 12ページ目、精神科病院につきましては、−0.1%から−0.3%への低下となっております。
 診療所につきましては、13ページ目から15ページ目でございますが、15ページ目、入院診療収益あり、なしを合計いたしました全体になってまいりますが、個人立につきましては25.9%から26.9%への上昇、医療法人につきましては、5.5%から5.8%への上昇ということでございます。
 個人立のデータにつきましては、注に書いてありますとおり、損益差額からは、開設者の報酬となる部分以外も当然ながら含まれているということでございますので、その点、十分な留意が必要と考えております。
 16ページ目が歯科診療所についてですが、個人につきましては、27.1から27.3%への上昇。医療法人につきましては、3.3%から3.6%への上昇となっております。
 保険薬局につきましては、17ページ目でございますが、個人が11.1%から11.3%への上昇、法人につきましては、5.2%から5.1%への減少となっております。
 なお、損益差額につきましては、これは当然ながら、収益とその費用との関係におきまして、出てきているというものでございますので、それぞれの詳細につきましては、本編資料に掲載されております。
 評価分析の際には、また、ごらんをいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 簡潔ではございますが、以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。事務局、補足をどうぞ。

○下島調査課数理企画官
 調査課数理企画官です。引き続きまして、保険者調査の御説明をさせていただきます。
 資料は、報告書本体の第18回医療経済実態調査(保険者調査報告)とあるものでございます。
 早速、1ページ、2ページが平成21年度、22年度の決算収支状況ということでございます。中医協での御審議をいただきまして、今回から直近2年度分御報告させていただくことにいたしております。
 幾つか注意事項がございますけれども、2ページの注1をごらんください。22年度につきましては、現時点での最新のデータをとりまとめた速報値という性格でございます。今後、各制度におきまして数値が変わり得るというものでございます。
 更に、東日本大震災の関係につきましては、市町村国保で5保険者ほどまだ報告がなされていない状況でございます。この5保険者を除いたデータでとりまとめたものでございます。
 それから、この表の見方としましては、従来からそのような取扱いですけれども、介護分を除く医療保険相当分の収支についてとりまとめたものでございまして、上の?の収支状況の総収支差が、?の表ですけれども、積立金等の状況の積立金の増減に直接反映されるような形で集計し直しております。ですから、通常、各制度が公表している収支表と形式が異なることがございますので、御注意いただければと思います。
 更に、船保につきましては、21年度は、独自給付が含まれるような形になっておりまして、22年度は医療保険分だけでとりまとめが可能になっております。ちょっとベースが違いますので、その点も御注意いただければと思います。個々の数字の御紹介については、説明を割愛させていただきます。
 3ページ、4ページが事業状況報告に基づいて、同じく2年度分、直近でとりまとめたものでございます。適用状況、保険給付状況とございます。
 保険給付状況につきましては、こちらも中医協の御審議をいただきまして、区分ごとでできるだけ集計、御報告させていただくということでまとめてございます。
 幾つかバーになっている箇所がございます。捕捉できないところが何ヶ所かございますが、高額療養費の現物給付につきましては、例えば3ページでいいますと、注11でございますけれども、上の診療費に含まれるような形でとりまとめられてございますので、御注意いただければと思います。こちらも個々の数字については、御説明を割愛させていただきます。
 最後に、5ページ、6ページが健保組合、共済組合について、建物の保有状況について調査をしたものでございます。回答は100%いただいております。
 6ページが前回調査との比較が可能なような形になっておりますので、見やすいかと思います。それぞれの表の注に保有組合数が、前回からの数字と並べて御紹介させていただいていますけれども、共済組合について、ちょっと1組合ずつ増えておりますけれども、こちらは、この2年間におきまして、自治体によっては健保組合だったところが、地方公務員共済組合の方に移ってきております。9組合ほど、新たに地共済の組合ができておりますので、そういった事情で見かけ上、1組合ほど増えているという状況でございます。
 土地・建物の保有箇所数あるいは保有面積等については、ごらんのとおりでございます。説明は、割愛させていただきます。
 以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。ただいま御説明いただいた資料ですけれども、これは総会資料の中に入っていますか。

○屋敷保険医療企画調査室長
 調査実施小委員会に引き続き総会を開催しておりますが、総会のみに参加をされる委員の方にも、本編資料として医療機関等調査関係は、この本体と別冊2つ、これは印刷物になっております。あと、併せて保険者調査報告、この横になっているものを併せて配付をさせていただいております。

○森田会長
 わかりました。どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。
 鈴木委員、どうぞ。

○鈴木委員
 5月18日の総会において、実調を実施するかどうかについて大激論をしたわけでございますが、最終的に実調の実施が改定に直結するものではないという確認ができたために、実施に同意したという経緯がございます。
 その際に、次の4点を要望して了承されておりますが、確認させていただきますと、1つとして、調査結果が出た際に、次回改定に使えるかなどの評価・分析等を行う。
 2番目に、今後、23年4月以降の被災地を含めた日本の医療の実態を把握するためには、どのような調査が考えられ、行うことができるかなどを検討していく。
 3番目として、厚労省で行っている既存の各種月次調査を発表する際に、震災の影響について、考察を加え中医協に報告する。
 4番目として、厚労省に限らず、震災に関連した調査が行われた場合も中医協に報告するということがあります。
 そういった要望について、どのようにお考えなのかお聞きしたいということと、この実調の結果を改定に使うということであれば、使えるということを証明というか、説明していただきたいと思います。被災地の状況を見ますと、やはりかなりの影響が出ているということでございますが、それを踏まえて、全体として実調に使えるということであれば、その御説明がいただきたいということが1つでございます。
 それと、今まで6月の単月調査が中心ということだったので、今回、2年間の定点調査ということが加わって非常によかったと思いますが、部分的に両者の結果が違っているものがあります。その場合に、通常ですと、やはり定点で比べたものが正しいんだろうということになると思うんですが、そうすると、以前非定点で比べたもので上がった、下がったとなり、それが改定に反映されたということがあった訳ですが、結果的に、過去の改定において、必ずしも正しいデータに基づいていなかった可能性もあるというような御認識はお持ちなのか、いわゆる実調の内容が改善されていくに伴って、過去の検証というのは難しいと思いますが、どのような見解をお持ちなのか、ちょっとお聞かせいただければと思います。
 以上です。

○森田会長
 事務局、お願いします。

○屋敷保険医療企画調査室長
 保険医療企画調査室長でございます。5月18日の御審議におけます御指摘点についての確認ということでございます。
 今回の調査結果について、改定との関係で、どのようなデータの評価をすべきか、という点でございます。こちらは、調査実施小委員会でも御議論がありましたが、複数年度のデータ及び単月のデータをどのような関係で見るのかという点でございます。
 この点につきましては、先ほどごく簡単に御紹介いたしましたが、総−2−1の資料で行きますと、22ページ目に東日本大震災への影響という点がダイジェストで掲載をしておるところでございます。
 調査実施小委員会でも御質問がありましたが、その年度データにつきましては、全国と、あるいは震災地区以外の状況、震災地区の状況といったものが比較的安定的に動いているのではないかというところが見える一方で、単月の分につきましては、少し年度データの安定的な動きとは別の動きが出ているというような形で、単月分につきましては、震災影響が出ているのではないかといったところが考えられるということでございます。
 また、各種、その他の調査につきましてでございますが、本日は、こちらの総−2−2で、社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会の受付件数の推移でありますとか、メディアスのデータというところを掲載しておるところでございます。
 このレセプトの受付件数について見ましても、基金のデータと国保連合会のデータの方で、マイナスの立ち具合が、さまざまに出ているということでございますので、実調のデータというものを基に、また、こちらの方の月次のデータというものも併せて考えていかなければいけないというのは、御指摘のとおりかと思います。
 あと、過去の17回以前の医療経済実態調査についての評価という御質問をいただいております。非常に難しい点があると思いますが、それぞれの抽出の仕方でありますとか、サンプルが違うという意味で、定点的な調査にはなっていないというのは、まさに事実だと思います。
 しかしながら、それぞれの調査の性格として、そのような制約の下で行ってきたといったところの評価を、それをデータとして見ていただいていたというところもまた事実でございますので、今回は、その定点の複数年度データがございますので、ある意味、これがまた中医協での御議論が十分いただかなければいけないところでございますが、変わり目といったような関係でもあるのではないかと考えている次第でございます。
 以上です。

○森田会長
 よろしいでしょうか。それでは、この件について、特にほかに御質問はありませんか。
 万代委員、どうぞ。

○万代委員
 万代でございますが、今の中医協総−2−1の22ページの東日本大震災の影響でございますけれども、その震災地区のところでは、かなり影響があるというデータでございます。
 ただ、震災地区は、幾つかの都県にまたがっていると思いますので、一方、中医協の総−2−2のレセプトの受付件数を見ますと、特に調査した6月の部分を見させていただきますと、やはり福島県が、かなり影響が強いということがよくわかると思います。
 質問なんですけれども、震災地区の施設数、サンプル数は必ずしも多くないですけれども、この中の都道府県別の割合というのは、データとしてはございますか。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○屋敷保険医療企画調査室長
 震災地区のN数自体につきましては、22ページ目を見ていただけますとおり、病院でありますと47とか、そういうデータになっておるところでございますので、これは有効回答率が低くて、前回の調査に比べれば低いという結果でございます。県別に今回の調査結果でいわゆる被災3県と言われているところで御紹介いたしますと、岩手県につきましては、病院から保険薬局まで合わせまして18のデータを組み込んでおります。うち病院は10というデータ。
 宮城県につきましては、病院から保険薬局まで17のデータを組み込みまして、病院でありますと8、福島につきましては、23のデータを組み込んでおりますが、病院につきましては7といったような状況になってございます。
 以上です。

○森田会長
 よろしいですか。

○万代委員
 はい。

○森田会長
 それでは、他に御質問ないようですので、第18回医療経済実態調査の結果につきましては、ただいま御説明があったとおり、中医協として承認するということにしたいと思います。よろしいですね。

(「はい」と声あり)

○森田会長
 どうもありがとうございました。なお、診療報酬の改定率につきましては、予算編成過程を通じて内閣が決定するものではございますが、中医協においても、ただいま御議論いただいた医療経済実態調査等を踏まえ、改定率について議論を行い、その結果を厚生労働大臣に意見として進言することができるとされております。
 このため、今後は、この医療経済実態調査等を踏まえつつ議論を進めていくこととしたいと思いますけれども、その際には、1号側、委員全体としての御意見、そして2号側委員全体としての御意見をとりまとめて提出していただくということも含めまして、今後、議論を進めてまいりたいと思いますので、その点、よろしくお願いいたします。
 次の議題に移りたいと思いますが、調剤薬局等における一部負担金の事情に応じたポイントの付与等について、これを議題としたいと思いますので、事務局より資料が提出されておりますので、報告をお願いいたします。
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。中医協総−3をごらんいただければと思います。
 これにつきましては、先般、10月12日の中医協におきまして、三浦委員の方から御指摘いただいたことに対する事務局なりの整理案でございます。
 1ページ目でございますが、現状でございます。1年ほど前から一部の保険薬局におきまして、保険調剤に係る患者の一部負担金の支払いに対しましてポイントを付与すると、そういうようなサービスが散見されるようになったところでございます。
 これに対しましては、本年の1月19日付で、そのポイントの提供、使用が一部負担金の減額に当たる場合には、規定に違反する旨、あるいは保険薬局については、懇切丁寧に保険調剤を担当し、保険薬剤師が調剤、薬学的管理等の質を高めることにより、患者から選択されるべきであると、そのような旨の通知を発出したところでございますが、現時点においても、そのようなポイントの付与あるいはその広告が継続されているという現状でございます。
 これに対しましての今後の対応方針でございますが、その考え方をそこに書いてございます。
 保険調剤につきましては、調剤料あるいは薬価、これはそもそも公定されているというものでございます。その制度の上においては公費も入っているということもございますので、ポイントのような付加価値を薬局側が独自に付与するということは、医療保険制度上、ふさわしくないのではないか。あるいは患者が保険薬局を選択するに当たっては、先ほどもありましたように、調剤、薬学的管理、服薬指導の質を高めるということが本旨だということでありますので、適切な健康保険事業の運営の観点からも、ポイントの提供等によるべきではないのではないかということでございます。
 こうした考え方については、保険医療機関にも当てはまるんではないかというふうに考えているところでございます。
 そういう考え方に基づきまして、具体的な対応案でございます。裏面、2ページをごらんいただければと思います。
 対応案の最初の○でございます。一部負担金の受領に応じて、専らポイントの付与及びその還元を目的とするポイントカード、これにつきましては、ポイントの付与を認めないということを今後の原則としてはというふうに考えております。
 ただ、一方で、いわゆるクレジットカードあるいは一定の汎用性のある電子マネー、これによる支払いに伴ってもポイントが付与されるということがございます。これらのカードについては、患者の支払いの利便性の向上というのが本来の目的であるということにかんがみますと、こういう支払いに伴うポイントの付与についてはやむを得ないものとして認めざるを得ないのではないかということでございます。
 これらのことにつきまして、いわゆる療養担当規則あるいは薬担則を改正するということとしてはどうかということでございまして、ただ、一定の広がりもあると思われますので、その施行に当たりましては、平成24年4月1日としてはどうかという事務局からの提案でございます。
 そのことを図で書きますと、3ページの横表でございますけれども、左側の方の丸1の薬局専用カードあるいは丸2の共通ポイントカード、こちらについて、今後、下の方でございますけれども、来年4月1日より、原則認めないという形にするけれども、右側丸3のクレジットカード等、これについては、やむを得ないものとして認めてはどうかと、そういう御提案でございます。
 事務局からは、以上でございます。

○森田会長
 ありがとうございました。これについて、いかがでしょうか。
 三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 この薬局におけるポイントカードの使用問題につきましては、先般10月12日の中医協において、私の方から事務局にお尋ねしたものであり、早速対応していただいたということに、まず、事務局の方にお礼を申し上げたいと思います。
 ただいま説明いただいたとおり、患者が薬局を選択するに当たっては、服薬指導の質を高めるなど、そういうことで選ばれるべきであり、ポイントのような付加価値を独自に付与するのはふさわしくないということで、この2ページの対応案というのをつくっていただきました。
 1点確認でございますが、今の御説明でもあったとおり、ポイントの付与を認めないことを原則としてはどうかということで、クレジットカードや電子マネーについては、やむを得ないものとして認めるということで、3ページ目の図になっているわけでありますが、一番下のところに、そのポイントの付与、ここには原則認めないと書いてありますが、今、薬剤管理官の方からは、ここのとしころはポイントの付与を認めないと、今、聞いておりまして、丸1の薬局専用カードあるいは丸2の共通ポイントカードについては、ポイントの付与を認めない。そして、クレジットカードの提携についてのポイントについてはやむを得ないという理解でよろしいかという確認でございますので、お願いします。

○森田会長
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。今、三浦委員、御指摘のとおりの御理解でよろしいかと思います。

○森田会長
 よろしいですか。

○三浦委員
 ありがとうございます。

○森田会長
 ほかに、では、西澤委員から、どうぞ。

○西澤委員
 これは、今の御提案のとおりでよろしいと思いますが、実は、最近、このクレジット会社と、それから調剤薬局等々を大きくやっている場合は、それの共通カードというのがあると思います。ここで言うところのクレジットカードとポイントカードとの共通カードがあると思うんですね。そういう場合の取扱いというものもきちんと明記していただいた方がいいと思います。

○森田会長
 どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。西澤委員の御指摘でございますが、共通ポイントカードに、例えばクレジットカード機能も付いていた場合ということの整理でございますが、基本的にはクレジットカードで支払った部分についてのポイント、これは認めざるを得ないという形になると思うのですが、その共通ポイントカードへ別途ポイントを付ける、そういうポイントについては認めないと、そういう整理かと思います。

○森田会長
 西澤委員、よろしいですか。

○西澤委員
 はい。

○森田会長
 では、安達委員、どうぞ。

○安達委員
 これは、大分前から問題になっていて、製薬関係のメディアの方から一度私の意見を問われたことがございました。言葉で言うと誤解が生じるのでということで、文章を書かせていただいて、そのとおりの私の回答にさせていただいたんです。
 そのときの考え方は何かというと、ポイントカードを付けておられる、そういう大手の、いわゆる薬局チェーンのようなところの皆様方の反論は、病院の支払い等々はカードで決済しているではないかと、このカードにもポイントが付くじゃないかというのが反論の大きな趣旨だったと思います。
 私がお答えした、今でもそう思っておりますが、要するにポイントというのは、自社をあるいは自分のところの製品を使ってくださいということの誘導のための付加価値ですから、だから一般の社会的な、いわゆるクレジットカードのポイントというのは、クレジットカードの会社が、うちのクレジットカードを使ってくださいという誘導のためのポイントであります。ですから、このポイントは、そのクレジットカードが使われる、社会的に非常に多くの購買分野でそれが使えるということになるわけで、いわゆる医療機関が自らの院に来てくださいというためのポイントではないというくくりができると思います。
 一方で、薬局のポイントカードというのは、さすがに薬剤費の支払いそのものにはお使いにはなれませんけれども、そのチェーンの中にある自社の幾多の商品の購入には全部使えるということですから、公定価格である薬剤費用を支払うに当たって、自社だけに誘導をするというようなポイントなので、この違いは明らかだと、だから、これはだめにしましょうという意見を申し上げたんです。
 ですから、それで、今、西澤委員の御質問の、ポイントカードの2番目ですね。自社だけではなくて、少し広がったような共通カードというのと、クレジットカードというものとの境目をきっちりやれるかということが具体的には問題なので、もう少し巧妙なものが出てきたらどうするかということは、これはまた別途議論するしかないのかなというふうに思います。
 ですから、対応といたしましては、この2番に書かれたような下線以下の「のではないか」というのは全部要らなくて「ふさわしくない」でいいんだろうと思いますし、その後ろの対応策も「としてはどうか」というのは全部要らなくて、これでいいんだろうというふうに思います。
 3番目の○が、こうした考え方は保険医療機関にも同様でないかというふうにお書きになったのは、そのチェーン薬局店などから病院の支払いにおいてもカードを使ってポイントが付くではないかということの御指摘に対してのお答えだと思いますので、医療機関がたくさん受診されたからポイントを付けて、年末にはハワイ旅行をどうぞ、そういうことは思いもよらないということは事実でございますので、これは書いていただかなくてもいいんですけれども、念のためにお書きになったのかということで、やむを得ず了承いたしますと、そういう感じでございます。

○森田会長
 御意見として承ります。
 石津委員、どうぞ。

○石津委員
 私もこのポイントにつきましては、調剤料や薬価の公定価格制度をある意味形骸化させるものであるというふうに思われるので、対策を取ることが重要だというふうには考えております。
 しかし、対応策にありますように、この目的によって場合分けするような考え方というのには少し懸念するところがあります。多分、今回、この目的によって場合分けされましたのは、1つには、既にクレジットカードによるポイントが普及しているという点。もう一つには、ポイントが一部負担金の減額に当たると捉えられるかどうかというところに課題があったということだったんではないかと思います。
 すなわち、我が国においては、収益認識においてまだ国際会計基準とのコンバージェンスの途上にあるので、したがって、国際会計のように売上時に、そのポイント分を控除するという形になっていないために、減額したと認識されるのが、ポイント利用時に限られ付与時にはなされません。これらの点との整理の具合ということで、今回、この目的別ということで考えられたんではないかというふうには理解しております。
 ただ、私が懸念しますのは、調剤薬局が株式会社、この間聞きましたところ、5、6割が株式会社じゃないかということも伺いましたけれども、株式会社という企業形態ですと、やはりその目的は利益の追求にあるわけです。ですから、ある特定のところに規制をかけますと、それをくぐり抜けるような形で新しい企業活動やサービスを行ってくるというようなことが考えられます。それは、ファイナンスリースにおける規制当局とのイタチごっこのような先例を見れば明らかではないかと思っております。
 そうであれば、今回のように、こういう場合はこう、という形ではなくて、やはりポイントというのは、医療制度の趣旨から好ましくないということは、まず、最初に明らかにした上で、ただし、クレジットカードに関しては、利用者の利便性等を考えて、例えば過度な経済的な誘導のインセンティブをもたらさない範囲において、やむを得ない措置として認めるとか、そういったような形にした方が、後々いろんなタイプのものが出てきて、そのたびに対応を考えるということにならないで済むのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

○森田会長
 事務局、どうぞ。

○吉田薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。ただいま石津委員御指摘のように、基本的な対応案といたしましては、私どももポイントの付与を基本的に認めないことを原則とする、これはすべてにかかっていると、そういう理解でございます。
 その中で、クレジットカードあるいは電子マネー、これについては一定の利便性、向上目的ということでやむを得ないという形にしているということでございますので、基本的には、石津委員御指摘の線で整理させていただいているというふうに理解しているところでございます。

○森田会長
 よろしいですか。

○石津委員
 今の御説明で大体わかりました。今日の資料だと、ほかの委員からもご質問がありましたけれども、新しい多様なサービス形態が出現した際に、はたして禁止事項に該当するのかどうかといった懸念が出てくると思います。ですからやはり原則としては禁止だというトータルなものを明らかにした上で、例外的に認められるのはこうだという限定列挙的な形でお示しされるといいのかなと思います。

○森田会長
 よろしいですか。

○吉田薬剤管理官
 そのような形で整理を進めさせていただきたいと思います。

○森田会長
 白川委員、どうぞ。

○白川委員
 このポイント制ですが、もう1年以上前からいろんな形で、私も伺ってはおりましたけれども、調剤薬局といいますか、公定価格にポイントを付けるということは実質値引きでありますから、我々サイドとしては、そんな余裕があるのなら薬価下げろと言いたいところなんですが、調剤薬局全体でやっているという話ではなくて、一部がこういうポイントで客寄せをやっているというのが実態ということも承知をしております。
 公定価格である以上、こういう値引き行為は、やはり認めるわけにはいかないと考えますので、事務局の御提案の内容で結構だというふうに考えております。
 何人かの委員がおっしゃいましたとおり、規則をつくりますと、その規則をくぐり抜けるような新たな手法が出てくるというのは、世の常かもしれませんが、私は法律学者ではありませんけれども、法の精神というのがあるわけでございますので、事務局におかれては、そういう法をつくったあるいは規則をつくった精神というのを大事にして、それをきちんと運用していただくように、併せてお願いいたします。

○森田会長
 ありがとうございます。三浦委員、どうぞ。

○三浦委員
 今、白川委員からの御発言があったとおり、これは、ごく一部の薬局が独自の判断でされたんだろうというふうに我々も理解しており、最初にこういう問題が出たときから、多くの薬局は、それはおかしいということで意見を大変多くいただいておりました。我々としても、当然この問題については、利益誘導のためにのみやっているのではないかという考えもありまして、これは何とかいろいろな関係団体等にもお願いをして、そして、理解をしていただいて、やはりこれはルールに、今のお話でもあったとおり、法の精神にもとると、我々もそういうふうに思っておりますので、今回のこういう御提案で大変速やかに、これが執行されるようにお願いしたいと思っております。

○森田会長
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、他に御意見もないようですので、本件につきましては、ただいま御説明にありましたとおり、中医協として承認するということにしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○森田会長
 ありがとうございました。それでは、本件につきましては、中医協として、保険薬局等及び保険薬剤師療養担当規則等を改正し、来年4月から施行することを承認いたします。
 大分時間が経ってしまいましたけれども、予定されている議題は以上ですが、そのほかとして、何か発言とか御提案ございますか。
 西澤委員、どうぞ。

○西澤委員
 先ほど会長から改定率に対しての意見をまとめるようにという御指示がありましたが、いつごろをめどにまとめればよろしいでしょうか。

○森田会長
 スケジュールの関係で、事務局、いかがでしょうか。

○鈴木医療課長
 原則的に、最終的な時期もございますので、11月半ばごろを目途にと考えておりますが、また、先生方に具体的な日程をお知らせしたいと思います。

○森田会長
 西澤委員、よろしいですか。

○西澤委員
 はい。

○森田会長
 本日の議題は、以上でございます。
 それでは、次回につきましてお願いいたします。

○鈴木医療課長
 次回は、もう一度11月上旬にお願いをしたいと思っております。また、詳しい議事等は御相談申し上げます。よろしくお願いいたします。

○森田会長
 ありがとうございました。予定していた時間を相当オーバーしてしまいましたけれども、本日の総会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。
 この後、薬価専門部会がございます。


(了)
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