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2011年10月13日 専門医の在り方に関する検討会(第1回) 議事録

○日時

平成23年10月13日(木)13:00〜15:00


○場所

厚生労働省 専用第18会議室(17階)
東京都千代田区霞ヶ関1−2−2


○議事

○医師臨床研修推進室長 定刻になりましたので、「専門医の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 すみません。今、マイクを御用意している途上ですので、途中からマイクを入れさせていただきます。
 本日は、先生方には御多忙のところ御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
 初めに当たりまして、医政局長からごあいさつを申し上げます。
○医政局長 医政局長の大谷でございます。どうぞよろしくお願いします。
 平素より、厚生労働行政の推進に御協力を賜っております。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
 本検討会でありますが、これは医師の質の一層の向上、または医師の偏在是正を図るといったことを目的としまして、専門医の在り方について御検討をいただくという趣旨で設けられたものでございます。これから1年半余りをかけまして、先生方のお知恵を借りながら、見通しとしては平成24年度内を目途に報告書をとりまとめていただければと考えております。
 本日は第1回目ということで、専門医を取り巻く状況等について後ほど御説明をさせていただきます。比較的長期にわたる検討になるということでありますが、専門的なお立場から忌憚のない御意見をちょうだいできればと考えております。何とぞよろしくお願い申し上げます。
 マイク等の不手際がありまして申し訳ありませんが、じきに整うと思いますので、失礼いたします。どうぞよろしくお願いします。
○医師臨床研修推進室長 続きまして、初回でございますので、本検討会のメンバーの先生方の御紹介をさせていただきます。五十音順で申し上げます。
 池田康夫日本専門医制評価・認定機構理事長でいらっしゃいます。
 金澤一郎国際医療福祉大学大学院長でいらっしゃいます。
 桐野高明国立国際医療研究センター理事長は、本日所用により御欠席との御連絡を賜っております。
 今明秀八戸市立市民病院副院長でいらっしゃいます。
 高久史麿自治医科大学長でいらっしゃいます。
 高杉敬久博愛クリニック院長でいらっしゃいます。
 高山佳洋大阪府健康医療部長でございますが、本日は代理として中沢明紀神奈川県保健福祉局参事官にお越しいただいております。
 富田保志国立病院機構名古屋医療センター教育研修部長でいらっしゃいます。
 平林勝政國學院大學法科大学院特任教授でいらっしゃいます。
 福井次矢聖路加国際病院長でいらっしゃいます。
 藤本晴枝NPO法人地域医療を育てる会理事長でいらっしゃいます。
 松尾清一名古屋大学医学部附属病院長でいらっしゃいますが、本日は代理といたしまして植村和正名古屋大学医学部附属病院総合医学教育センター教授にお越しいただいております。
 三上裕司東香里病院理事長でいらっしゃいます。
 桃井真里子自治医科大学医学部長でいらっしゃいます。
 森山寛東京慈恵会医科大学附属病院長でいらっしゃいます。
 門田守人がん研究会有明病院副院長でいらっしゃいます。
 山口徹虎の門病院長でいらっしゃいます。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 医政局長の大谷でございます。
 審議官の篠田でございます。
 総務課長の池永でございます。
 医事課長の田原でございます。
 また、本日は文部科学省医学教育課から渡辺企画官にお越しいただいております。
 なお、私、医師臨床研修推進室長の植木でございます。よろしくお願いいたします。
 本検討会の座長につきましては、あらかじめ高久先生にお願いをしております。また、座長代理は金澤先生にお願いをしております。
 以降の議事運営につきましては、座長にお願いいたします。高久先生、よろしくお願いいたします。
○高久座長 座長の指名にあずかりました高久です。
 専門医の在り方に関する検討会は、なかなか難しいのではないかと思っていますが、メンバーの先生方の御協力を得て、先ほど局長さんからもお話がありましたように何とかまとめたいと願っています。委員の皆様方の御協力をよろしくお願いします。
それでは、議事を進めてまいります。まず、資料の確認を事務局からお願いします。
○医師臨床研修推進室長 資料の確認をさせていただきます。
 お手元に配付申し上げている資料、まずは「専門医の在り方に関する検討会議事次第」というものと座席表を2枚セットでお配りしております。
 続きまして、資料1といたしまして「専門医の在り方に関する検討会開催要項」といたしまして、構成員の別紙と2枚、セットでお配りしております。
 その次に、資料2といたしまして横長でありまして、「第1回専門医の在り方に関する検討会 事務局提出資料」ということで、全部で15ページにわたる資料を一括してお配りをしております。
 最後に資料3といたしまして、「検討スケジュールについて(案)」ということで1枚紙をお配りしております。
 不足等がございましたら事務局にお申し付けいただきますようよろしくお願いいたします。
○高久座長 お手元にあると思いますので、なければ事務局にお申出ください。
 それでは、時間の都合もありますので、議題の1と議題の2の「専門医の在り方に関する検討会について」、更に「専門医を取り巻く現状について」を事務局の方から説明をしていただいて、その後、委員の皆さんから御意見、御質問をいただきたいと思います。まず最初に「専門医の在り方に関する検討会について」を事務局から簡単に説明していただき、引き続いて「専門医を取り巻く現状について」、説明をよろしくお願いします。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。
 資料1をごらんいただけますでしょうか。「専門医の在り方に関する検討会開催要項」でございます。本検討会の開催趣旨でございますが、そこにお書きしておるとおり、医師の質の一層の向上及び医師の偏在是正を図ることを目的といたしまして、専門医に関して幅広く御検討をいただくために有識者の検討会を開催させていただくということでございます。
 今のところ予定されている検討項目といたしましては、主に1つは「求められる専門医像について」、2つ目が「医師の質の一層の向上について」、3つ目が「地域医療の安定的確保について」ということを予定しております。ここには書いておりませんけれども、この中で総合医につきましても御検討いただければと考えているところでございます。
 議題1につきましては、以上でございます。
○高久座長 それでは、議題の2の説明もよろしくお願いします。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。
 資料の2、事務局提出資料に基づいて御説明申し上げます。
 1ページをお開きいただけますでしょうか。「人口10万対医師数の年次推移」でございます。これは御案内のとおりでございますけれども、医師数につきましては昭和30年から一貫して増えております。10万人当たりで見た場合に、昭和30年が105.9人、これが最新の平成20年の場合には10万人当たり224.5人ということで、総数といたしましては上にも書いてありますが、平成20年現在で28.7万人、うち従事医師数は27.2万人となっております。
 次のページに、それを診療科別に見た場合の年次推移を示しております。かつ、ここの表につきましては平成6年を1.0とした場合の指数で経緯をグラフ化しております。総数で見てみますと、1.2をちょっと超える辺りが平成20年の医師数になりますが、指数としては麻酔科が1.5を超えるという状況で、逆に内科、産婦人科、産科あるいは外科の部分につきましては若干微減という状況でございます。
 なお、内科につきましては注にありますとおり、呼吸器、消火器、循環器、アレルギー、リウマチ、神経内科、感染症、心療内科は含みませんことを御留意いただければと考えております。
 次のページにまいります。3ページでございますが、「病院等における必要医師数実態調査の概要」ということでございまして、これは私ども厚生労働省の方で昨年の6月1日現在、全国の病院及び分娩取扱い診療所対象、1万を超える施設を対象に必要医師数という実態を調査したものでございます。
 ポイントの1つ目の丸に書いてありますように必要求人医師数、この求人というのは実際に募集をしている医師数でございますが、1万8,288人ということで、合計数は現医師数の1.11倍でございます。
 それから、ちょっとここはわかりにくいんですが、必要医師数という場合に、これは必要求人医師数と必要非求人医師数の合計医師数、つまり必要と思っていても実際に求人していない場合もありますので、それも含めた必要と思われる医師数につきましては現医師数の1.14倍でございます。
 これを都道府県別に見てみた場合が2つ目の丸でございまして、必要求人医師数は島根県が1.24倍をトップにしております。必要医師数も含めて考えた場合には、岩手県が1.40倍ということで一番高い倍率でございます。
 それから、必要求人医師数と医師数につきまして、診療科ごとに見てみた場合にはどちらも似たような傾向がございまして、リハビリ科、救急科がいずれも高く必要とされているところでございます。
 ただ、御留意いただきたいのは、これは例えば対人口当たりの医師数といったような客観的なデータではございませんで、各医療機関がどのぐらい必要と考えているのかという、いわば主観的な認識に基づくデータでありますので、その点、御留意いただければと考えております。
 次のページ以降は今、申し上げたデータをグラフにして一覧にしたものでございます。4ページは都道府県別でございますが、先ほど申し上げましたように島根県が突出して高い。それから、左側の岩手や青森が高い数値になっております。
 次のページでございますが、診療科別でございます。これも先ほど申し上げましたとおり右側、リハビリ科、あるいは救急科が高い数値になっております。
 6ページでございます。「卒前・卒後の医学教育の概要」ということで、これも御案内のとおりでございますけれども、学生という観点から見た場合に、高等学校3年間を卒業後、医学部の6年間の教育課程を修了し、その後、法に基づきます臨床研修2年間、義務として課されている臨床研修を経て、その後、臨床研修修了後の研修等ということで、専門医の資格もここの部分で取得をするということでございます。本検討会が主に検討対象としているのは、この一番右の青がかった研修修了後の研修等、ここの部分だということでございます。
 次のページにまいります。現在、学会が認定をしている専門医についての制度の概要でございます。左上に簡単に概要をまとめております。1つは、学会が一定の基準で認定した施設で5年間以上の研修、この場合の5年間と申しますのは初期臨床研修、2年間の義務年限の臨床研修期間を含む期間でございます。それから、指導管理責任者の施設下でカリキュラムに沿った研修を受けて、資格審査を経て資格を取得する。5年ごとの更新にかかっているという制度でございます。
 下に、第?群と書いております「認定された基本領域の専門医」ということで、これは18分野について、この領域内の専門医は原則1つ取得が可能となっております。
 それから、真ん中の上でございますけれども、第?群といたしましてSubspecialtyとして認定された専門医として消化器病以下、挙げられておりますけれども、これは第?群の専門医取得が必須となっておりまして、その上でこの中で2つ以上の専門医の取得が可能となっております。
 右側は第?群として、第?群、第?群以外に「今後認定について議論するその他の加盟学会」として多数の学会を挙げさせていただいております。
 次のページは今、申し上げたもろもろの専門医のうち広告可能な専門医資格ということで規定がございます。これは厚生労働省告示によりまして定められておりますけれども、ここの枠内に掲げられている9つの外形的な基準をクリアした場合、例えばその学会が法人格を有している、あるいは会員数が1,000人以上である。あるいは6号でございますが、資格の認定に際して医師として5年以上の研修の受講を条件としている等々の基準をクリアした場合に広告可能としているところでございます。
 その結果、一番下に書いておりますが、平成23年8月23日現在で広告可能な医師の専門医資格は55となっております。
 次のページをごらんいただきますと、今、申し上げた55の専門医につきまして、その専門医を認定する学会とセットにして記載をしているものでございます。だんだん右下にいくに従って新しく広告可能となった専門医でございます。全部で団体の数は57でございますが、資格の数は55でございます。
 次の10ページでございますけれども、平成18年度、若干古いのでございますが、学位、専門医資格の取得希望の調査を私どもでいたしました。これは、対象は2年次の研修医に対してアンケート調査をしたものでございますが、上の枠が医学博士号、Ph.Dを取りたいと思いますかという問いに対して、その研修が臨床研修病院で行っている場合には30%ちょっと、大学病院で行っている場合には41%以上の研修医が医学博士号を取りたいと希望しているということでございます。
 下の枠につきましては、同じ研修医に対して専門医・認定医の資格を取りたいと思いますかという問いに対して、これは臨床研修病院、大学病院を問わず、9割以上の研修医が取りたいと考えているということになります。
 続きまして、11ページでございます。ここからは日本専門医制評価・認定機構の方で調査をされました「専門医に関する意識調査」から抜粋をさせていただいております。まず、このページの一番上に書いてありますように、「あなたは下記に掲げた医師を、『専門医』と思われますか」というイメージを問うたものでございます。対象は、一般の方々1万5,000人でございます。ここでは12項目を挙げて選択をしていただいております。
 その結果、上の方でございますけれども、「テレビなどで取り上げられているスーパードクター」、あるいは「重症・難病の患者を治療している医師」、「医学系学会などで認定された医師」については、「専門医だと思う」という割合が4割から5割近くに上るのに対しまして、下の方でございますけれども、「総合病院に勤務している医師」、「診療科(医院・クリニック)の医師」、あるいは「内科・外科などを問わず、様々な病気を治療できる医師」につきましては、「専門医だと思う」と答えている方の割合というのは相対的に非常に低くなっているという結果でございます。
 次のページは、同じ対象の方々に対して専門医に対する期待度を伺ったものでございます。これは13項目挙げておりますが、それらについて専門医として「非常に期待する」か、「やや期待する」か、「あまり期待しない」かを聞いたものでございます。
 上の方を見てまいりますと、「疾患(病気)に対する知識」、「診断の正確さ」、「治療法への精通」、「医師としての能力」に対しましては、「非常に期待する」という割合が8割から9割に上るのに対しまして、下の方にいきますと、例えば一番下、「マスメディアに取り上げられる有名な医師であること」、あるいは「低額な治療費」であること、あるいは「社会人として尊敬できる」という項目につきましては、相対的に期待する度合いは低くなっているようでございます。
 次のページでございます。13ページでございます。同じ方々に対して、今度は専門医どうのこうのではなくて「医療機関を受診する際の期待度」を問うたものでございます。
 上の方を見てまいりますと、「診断の正確さ」、「疾患(病気)に対する知識」、「医師としての能力」、「治療法への精通」につきましては、やはり先ほどと似たような傾向でございます。7割8割の方々が「非常に期待する」と答えられているのに対して下の方、「マスメディアに取り上げられる有名な医師であること」、「低額な治療費」、「社会人として尊敬できる」ということに対する期待は相対的に低いという結果が出ております。
 続きまして、14ページ、15ページは、この医師の偏在等に対しまして各団体、組織から提言等をいただいておりますので、それをまとめて御参考にして付したものでございます。平成19年と20年、続きまして日本学術会議の方から御提言を賜っております。
 平成19年の方では特に2つ目の丸の最後の方でございますけれども、長期的な視点から、日本の医療の将来像を見据えたビジョンの形成が必要であり、医師の偏在問題も、その長期的将来像に立脚して解決しなければならない。あるいは、20年の御提言の方では上の黒ポツのところの最後の方に、医療崩壊という絶対に避けるべき緊急事態を回避するために、政府に対して下記の3項目を審議することを強く要望するということで、そのうちの特に3つ目、(3)でございますが、「専門医制度認証委員会の設置」ということで、専門医制度を根本的に見直し、「専門医制度認証委員会」(仮称)の設置を速やかに実現し、10年以内に新しい専門医制度の体制整備を完了することという御提言を賜っております。
 最後のページでございますが、平成21年の厚生労働科研でございます。これは専門医・家庭医に関する研究ということで、当時の国立がんセンター中央病院の土屋了介病院長が中心となりまして研究をされたものでございます。この中で、卒後医学教育研修の充実による医師の資質の向上を使命とした独立機関である、卒後医学教育認定機構(仮称)の設立を要望する等々のことが述べられております。
 その下、今年になりましてつい最近でございますけれども、1つ目が全国知事会、2つ目が全国衛生部長会から御要望を賜っております。
 知事会の方からは、医師不足の抜本的改善を図るために、医師養成の在り方等について早急に見直すとともに、医師確保対策を強力に推進することというような内容になっております。
 下の衛生部長会の方はより突っ込んだ書きぶりになっておりまして、(2)でございますけれども、医師偏在解消の是正策については専門医の適正数・適正配置の設定など、制度的な誘導策を検討することというような内容の御要望を賜っているところでございます。
 資料2の説明は以上でございます。
○高久座長 どうもありがとうございました。
 今、事務局の方から資料の1と2について説明がありましたが、これからフリーディスカッションの時間にしていただきたいと思います。主に今、事務局から説明がありました資料の1と2、特に2について各委員の方から御発言をお願いしたいと思います。大体1人5分以内程度で、それよりも短くても結構です。余り長くなりますと3時過ぎますので、その点は御配慮願って、まずはお一人ずつということで、学術会議からの提案が2つ出ていますので、副座長の金澤委員から順番にお願いします。
○金澤座長代理 金澤でございます。この6月まで学術会議の会長をしておりましたので、責任上ちょっとお話をさせていただきます。
 学術会議の提案に入る前に、この資料2の1ページ目の医師の数の年次推移ということに関してコメントというか、お話させていただきたいと思います。これは確かに増えているのですけれども、つまり亡くなっていく方、医者を辞める人たちを除いた数と思っていますが、ここには実働の実態が出てこないんですね。
 2年前でしたでしょうか。当時、足立政務官が主導されて先ほどの医師必要数というのをお調べになったときに、実は私は誠にいいチャンスなので各医師の実働の時間を調べてほしいと申し上げたつもりです。足立さんはわかった、わかったと言っていたけれども、実際に調べるということが実は大変な操作なんですね。
 しかし、それが本当は必要なのであって、例えば御存じのとおり一つの診療所に、あるいは病院に1週間のうちに1回1日勤めた人も、それから前日勤めて常勤でいる人とは今の調べ方では全く同じにカウントされるわけです。これでは実態を見ることにならないんですね。実働時間というのは、ほんの小さなグループに関しては調べられていますけれども、全体的に調べられているものは多分ないだろうと思います。それを是非、今後調べていただきたい。偏在のことも勿論、大事ですけれども、全体の数ということもまた同時に大事だと私は思っています。例えば、9時〜5時で終わってしまう人と、夜まで頑張ってやっている人とはやはり意味が違うわけでありますので、それはひとつお願いです。
 それと、先ほどの学術会議の話になりますけれども、これは14ページです。別に医師だけではありませんけれども、根本的にやはり社会と医療者との間のあつれきの歴史がここ20年ぐらいかなり続いているわけですね。
 その挙げ句に医療崩壊という言葉が残念ながら使われるような状況になっちゃったわけですけれども、その根本にはやはり患者さんたちは専門志向なんだろうと思うんですね。ちょっと言葉が適切でないかもしれませんけれども、自分の病気の専門の先生に診てほしい。専門医とは言わなくてもいいんですが、専門でない人に診てもらいたいとは必ずしも思っておられないんですね。そこが非常にベースとして大変難しい問題を生んでいるのではないかと思うんです。
 これはちょっと個人的な意見になりますが、さっき総合医の話がちょっと出ましたけれども、本来は全体を見てくれる人格的に信頼できる、そういう人をまず頼って、健康管理まで全部含めてお願いをして、その中からその先生から紹介されるなり何なりで専門医にいくというのが多分一番素直なんだろうと思いますけれども、まだまだ日本はそこまでいっていない。
 かかりつけ医という言葉が使われますけれども、それをあなたは持っていますかと聞くと、10人ぐらい持っていたりするわけです。つまり、それぞれの臓器に一人ずつかかりつけ医を持っているということをおっしゃる方が少なくないわけです。やはり本質的ではないんですね。
 そういうことを考えますと、今までは、いつでもどこでもだれでも診てもらえる医療ということを目指していたわけですけれども、もう残念だけれどもその時代ではないんじゃないか。むしろ、質まで求められる時代になった。それならば、今までの医療制度そのものをやはり根本的に考え直さなければいけないんじゃないか。別に保険制度をやめろとかそんなことを言っているわけではありませんけれども、全体の中でやはり考えるしかなかろうというのが出発点であります。
 その挙げ句に、2番目に出した提言の最後のところです。言いにくいんですけれども、専門医の外形基準をまずはつくってしまったということが実は非常に混乱の元になっていて、もうちょっと医療会とか医師会とか医学会とか、そういうところの結論をもうちょっと待っていてもらいたかった。しかし、外形基準でもってわっと進んでしまったものだから、雨後のたけのこみたいにたくさん専門医ができてしまったんですね。
 これは、やはり根本的に見直さなければしようがないんじゃないか。多分、皆さん方も似たようなことを考えていらっしゃると思うんです。ですから、これについては10年以内と提言しましたけれども、できればもっと早く医学会に属しているであろう各学会の先生方の御協力の下に、がらがらぽんができるかどうかわかりませんけれども、専門医機構の下できちんとした体制が、上には厚労省がいてくれるという形で進むのが多分一番いいんじゃないかと思っています。
 何を申し上げていいか、わかりませんでしたけれども。
○高久座長 池田委員は専門医の認定機構の理事長ですので、後で詳しくいろいろとお伺いする機会があると思いますが、この場では簡単にご意見をおっしゃって下さい。
○池田委員 今、高久座長おっしゃられたように、私は専門医制評価・認定機構の理事長をやっておりまして、ここ数年、日本の専門医制度の在り方、専門医をどういうふうに育てるかというようなことについて議論をしてまいりました。
 その経緯についてはまた別の機会にお話をさせていただきたいと思うんですけれども、私どもが今、目指しているところ、あるいはコンセンサスが得られたところ、我が国の専門医制度というのは学会を中心につくってきました。それぞれの学会が非常に努力をされていい専門医制度をつくっている学会も勿論たくさんございますけれども、しかし、学会の数ほど専門医の制度がありますと、その中には必ずしも満足できないような専門医制度を持っている学会もないわけではない。
 それをいかに標準化するかということが大事だということなんですけれども、まず最初にどんな専門医を育てたらいいかということについては、これは言うまでもないですが、決して神の手を持つドクター、スーパードクターを育てるわけではなくて、それぞれの診療分野で標準的な医療が責任を持って担当できる、患者さんにとって安心・安全な医療を提供できる、そういう医師をそれぞれの専門医として育てるということがきちんとコンセンサスとして得られることが重要であろうということです。
 専門医の制度の枠組み等についても議論をしてまいりまして、先ほどちょっと厚生労働省の方から説明がありましたように基本的な領域ですね。その上に立ったサブスペシャリティというようなその枠組みが、私ども現在76学会が加盟しているんですけれども、ここ1〜2年の議論でこの76学会がそういう形の専門医制度を我が国が定着させることが非常に重要であるというコンセンサスを得られました。機構に入っている学会だけのコンセンサスではなくて、日本医学会、日本医師会、医師のコミュニティの中でやはり専門医の在り方に対するコンセンサス、制度設計というものについて、ここ2年ぐらいの議論で確立をしてきたということがございますので、その辺についてまた別の機会に御報告させていただくことができれば幸いでございます。
 日本の医療制度がやはり専門医制度を確立することによってどのように変わっていくかという視点で、患者さん目線で専門医制度をつくっていくことの重要性というものを何回か繰り返して、これまで主張してきてそのような方向になっているということをまずここで申し上げたいと思います。
 また別の機会に、是非お話させていただきたいと思います。
○高久座長 それでは、今委員よろしくお願いします。今先生は救急の先生で、私は彼がヘリコプターに乗る時の制服しか見たことがなかったものですから、背広を着ておられるのは今日、初めて拝見いたしました。
 今先生よろしくお願いします。
○今委員 青森県八戸市民病院で救急をやっている今です。自治医大を卒業しまして、へき地にもいましたし、外科もやりましたし、それから東京の日本医大で三次救急も学びました。今、青森県でドクターヘリに乗っています。
 私どもの病院は600床弱ですが、そこは古い大学病院の体系そのままでして、臓器別の医師がたくさんいましたが、呼吸器内科、産科、麻酔科の医師が随分減ってしまいまして大変な状況になりました。
 そこに、私とともに18名の救急医が参入しまして病院を変えることができました。今、病院の入院患者とか患者数では救急科が1番でして、次に外科、循環器、整形となります。地方では救急を専門にする医師が活躍することによって、活躍すればするほど必要度が高く、今までそういうシステムがなかったので内科とか外科という話だったんですけれども、救急という部分が力を発揮することによって随分変わるんじゃないかと思いました。
また、過去のへき地の経験では、それまで200床未満の病院では消化器内科とか循環器内科医師という人が活躍したんですけれども、最近ではそういう需要がなくなり、以前、消化器専門医をやっている人が総合内科に転向して、それで成功している病院が小さな病院ではあります。つまり、田舎の小さな病院では臓器別の専門医よりはやはり総合内科の需要がすごく高いのではないかと思います。
 しかし、それらの医師の質を保つには、突然総合内科だからと言ってそうなれるわけではなく、そのためには総合内科の学会もあるわけですから、そこである程度の質を保証するようなシステムが必要だと思います。
 救急に関しては既に質を保証するシステムがありますので問題ないんですが、臓器別の内科から総合内科に変わった人たちに対する何かの方策が必要だと思います。
 地域医療を安定化させる地域医療で働く医師の供給のためには、例えば心臓外科とか新生児の専門医では絶対に都市部で修練する方がいいに決まっています。だから都市部に集中するわけで、今、申し上げたキーワードの救急と総合内科というキーワードであれば、そういう医師の修練であれば地方でも全く遜色なく修練できます。例えば、八戸に救急医が18名集まっている理由は、地方でも救急の修練ができる証明なわけです。
 こういう地方でも修練できる診療科、つまり救急と総合診療をもう少しクローズアップすれば、修練のために地方に残る医師が増えるのではないかと思います。そのためには、大学の地域枠の学生に研修医が終わってからいきなり、どうぞ自由に専門医に進んでくださいではなくて、その一部分をデューティとして、研修医が終わってからほんの一部分をデューティとして総合内科あるいは救急にとどまるべきだとか、そういう方を推進していただければ、ある一定期間の人数が地域に残るのではないかと思いました。
 すみません、勝手なことを言わせていただきました。
○高久座長 どうもありがとうございました。
 それでは、高杉委員よろしくお願いいたします。
○高杉委員 今、今先生がいろいろおっしゃいましたけれども、地方での救急分野の対応への処方はこういう形が一番いいんだろうかなと思いますが、今までのひずみの起こった原因はやはり医療削減政策財源、つまり、お金をかけなかったツケがいろいろなところで出てきていると思います。医師の実態数1つにしても、これは女性の医師が増えていることが入っていない。あるいは、先ほど金澤先生のお話にあったけれども、パートの人、オール週ずっと働き、その上、当直もして働く人たちの数の中身が全然分析されていない。これで医師数を云々されても、これは意味がないだろうと思います。
 これは、よく厚労省がおやりになる、ナースの働いている数の分析も一緒なんですね。夜勤をやっているナース、昼間だけ働いているナース、午前中だけ働いている数の分析がない。すべて数はそろっているんだけれども、実際は不足というのが実態であります。したがって、医師の実態を示す数の調査というのは実にいいかげんだろうと思っています。
 それから今、崩壊、崩壊と言っていますけれども、その処方箋の中には、医師会で今いろいろ議論しておりますけれども、各県1大学あるんだから、今の今先生の発想みたいに、せめて地域で何とか実際の勉強ができないか。少しでもその出身大学に残れないかというような教育の工夫も要るんだろうと思います。
 それから、今日いきなり専門医の中身と医師の偏在、これを一緒くたに論じるのはどうなのか。この辺を整理しないとやはりいけないだろうと、そんなことも思います。
 又、今までの専門医の認定、あるいは広告の仕方、これは全く行政のやり方の間違いだろうと思っています。ここをきちんと直していかなければいけない。そんなことを思っています。
○高久座長 それでは、中沢委員よろしくお願いします。
○中沢委員代理 本日、高山委員の代理ということで全国衛生部長会から参りました。
 資料の最後にもございましたように、衛生部長会としても国の方に今年の7月に要望しているところがございます。専門医につきましては、特に(2)のところでございますけれども、医師偏在の是正策につきましては、いわゆる診療報酬での誘導のみならず、現在例えば分娩手当ですとか、救急医に対しての手当等での誘導も少しずつされておりますけれども、なかなか根本的な解決にはならないというところもございますので、専門医の適正数・適正配置について何らかの指標が必要ではないかなというところで、国の方にこの検討をお願いしたところでございます。
 現在、地域医療を見てみますと、全国的に医師の総数が1つは足りないというのは確かにあろうかと思いますし、また地域偏在ということでは、都道府県ごとの偏在と都道府県の中での県庁所在地と他地域での偏在というものもございます。そういった意味では、医師の数の地域偏在の問題と、更には診療科の偏在という両方の偏在が今、複合的に絡み合って、ある意味、医療崩壊的な形になっているのが現状ではないか。これは全国都道府県、同じような形で悩んでいるところかと思います。
 特に身体的、精神的負担の多い診療科を志望する先生たちが、残念ながら十分確保されていないというところでございますので、医師の養成数全体を今、少しずつ増やしているところではございますけれども、それだけではなくて、やはり何らかの形で専門医の、例えば診療科ごとの、地域ごとの適正数ですとか、そういったものを何か制度的な誘導を検討する必要があるのではないかというところでございますので、本日のこの「専門医の在り方に関する検討会」については、衛生部長会としてもすごく期待しているというか、しっかり積極的に関わっていかなければいけない会議だという形で考えています。以上でございます。
○高久座長 それでは、富田委員よろしくお願いします。
○富田委員 よろしくお願いします。名古屋医療センターで教育研修を担当しています富田と言います。
 専門医というところで、どういう専門医を考えていくのかということが私自身まだわかっていなくて、本当にいわゆるプロフェッショナルの中のプロフェッショナルみたいな専門医の話をしていくのか、あるいはもう少し広い、これは専門医の数とも関連してくると思うんですが、もう少し多い数の専門医を目指して考えていくのかということで大分、違うと思うんです。
 恐らく患者側の目から見ると、例えば病院に行って、私は循環器なんですが、循環器に属していれば、その医師はもうそれだけで循環器の専門医だと思うと思うんですね。しかし、実際には循環器の中にも別に今の学会認定の循環器専門医でない方もいるわけです。その辺をどうやって整合していくのか。一般の人から見ると、循環器と標榜しているから、これは恐らく診療所でも同じなんでしょうが、標榜科と実際の専門科学というのをどうやっていくか。その辺はまだ私自身もここでどういう議論になっていくのかわからないんですが、そうすると非常に大きな問題になってしまって、そういう標榜科とかということになってくるとどんどん話は広がっていって大変なことになるかもしれませんが、それは恐らく何か考えなければいけないんじゃないかと思います。
 一方、逆に私たち医療側から見ると、専門医というのは恐らくその人に頼めばその科のことは大丈夫、その専門的なことは診断して治療していただいて、ちゃんとコンサルトもその人にできなければほかの人にコンサルトしてもらえる。そういったものが専門医というふうに理解しています。ですから、一般の患者側から見る専門医のイメージと、私たちが議論している専門医とはちょっとずれているのかもしれません。
 あとは、医師の偏在のことに関しては先ほど今先生がおっしゃいましたけれども、私は逆にいろいろな循環器とかの専門医を考えますと、やはりなかなか地方で症例を集めてそういう専門医の資格を取ったり維持していくのはかなり困難かと思います。だから、先ほど今先生おっしゃったように、確かに救急とか総合診療というところでそちらになるべくシフトしていけばいいのかなと思います。以上です。
○高久座長 どうもありがとうございました。
 それでは、平林委員よろしくお願いします。
○平林委員 國學院大學の平林でございます。
 この中で法律家は私1人ということで、やや心細い思いをしております。私はずっと医事法という領域を勉強してまいりましたが、医事法と言いましてもその対象領域は非常に広うございまして、その中のほんの一部分しか私は勉強しておりません。最近は、昨今、言われておりますようなチーム医療との関わり合いで言うと、医療スタッフの業務分担と連携とその責任の在り方といったようなことを中心に少し勉強しております。
 具体的には特定看護師の問題とか、あるいは三上委員と一緒にやりました介護職員に対するたんの吸引の問題とかというようなことを中心に、チーム医療ということを考えてきておりますが、ただ、この専門医の問題というのもある意味においてはチーム医療の一つだろうと思います。従来のチーム医療が医師の業務をどう他の職種にシフトしていくのかということを中心に専ら議論されていたようでありますが、先ほど金澤先生が、総合医と専門医とがどう連携していくのか、それがこの問題の解決の一つのポイントだというようなことをおっしゃったと思います。
 まさにそのとおりだろうと私も思っておりまして、それはまさに医師と医師との連携であり、医師と医師とのチームをどう組んでいくのか。そのために、それを実現するためのシステム、病院を含めた医療の提供システムの在り方を含めた医療全体の在り方、医療制度の在り方をどう考えていくのというかなり大きな問題を背景に含んでいるんだろうと思っておりますので、そういった背景の問題も考えながらこの問題を議論していく必要があるのではないかなというふうに考えております。
 もう一点は、しかしながら、その専門医につきましては、先ほど来、御紹介がありましたように、機構の方で一定の成果を上げているわけでありまして、それに対する評価はまちまちなのかもしれませんが、私自身としては、問題はやはりそのプロフェッションの自律性ということを重視すべきだろうというふうに思いますので、そのプロフェッションの自律性をどう尊重しながら、国がそこにどう関わりを持つのか、ということが問題になろうかと思います。
 御承知のように、日本の医師の資格制度については、基本的に国がコントロールをしているという状況がありますので、その基本的な枠組みとプロフェッションの自律性とをどう調整し、調和を図っていくのか。これも、言うはやすくして行うは難しという問題だろうというふうに思っておりますが、そんな視点も踏まえながら議論に参加させていただきたいと思っております。
 3番目は、これも既にお話がありましたことと重複いたしますが、専門医制度の確立は医療の質の確保に資することなり、医療の質の確保が医療安全につながっていくということになります。昨今、医療安全のことがやかましく言われておりますが、その医療安全という観点でも質のコントロール、質を確保するという点では専門医制度はとても重要な意味を持っていると思います。
 ただ、従来の議論がややもするとその質の向上というところにとどまっていて、衛生部長会の方の御提言にありましたように、その量のコントロールというのをどうしていくのかということも、また医療崩壊とか偏在の問題を考える上では重要な問題だろうと思います。量をどうやってコントロールするのか。それはだれがどうコントロールするのか。これも考え出しますと頭が痛くなるような問題だろうと思いますが、しかし、これも避けて通ることはできない問題なのかと思っております。
 今この検討会に参加するに当たりまして、私は従来、余りこの問題は詳しく勉強したことはなかったのですが、先生方の御意見をお伺いしながら、またいろいろと教えていただきながら、いろいろと御一緒に考えさせていただければと思っております。ありがとうございました。
○高久座長 どうもありがとうございました。
 それでは、福井委員は最後にお伺いすることとして、山口委員の方に回したいと思います。よろしくお願いします。
○山口委員 私も専門医制評価・認定機構に席を置いていますので、そういう意味で専門医制の在りようを大分、見させていただいたと思うんですけれども、この専門医の在り方検討会の中で多少、私が気になりますのは、検討会の目的の中で、医師の質の向上と医師の偏在の是正が一緒に並べられているというところです。ここはいささか引っかかるところであります。この専門医制を適正にやることで結果として医師の偏在が是正されるというふうに流れるのはもっともな方向ですが、医師の偏在を是正するために専門医の例えば定数をこう決めてこうやるというのは流れとしてやはり異なるのではないか。
 と言いますのは、先ほどの一般の人からのアンケート調査を見ましても、医師に対するイメージは、例えば今かかっているあなたの主治医が専門医ですかというと、半分ぐらいの人は専門医じゃないと思っていますし、専門医のイメージはどうですかと聞くとスーパードクターというようなところへ結び付いてしまう。専門医制度についても、やはり適切に患者さんに伝わっていないというところがあります。また、患者さんに伝わっている専門医というのがどういう形でちゃんと担保されているか、その質が保障されているか、ということになりますと、今のところは各学会がやっているという形になっています。
 更に、この専門医資格を広告できるということが始まったために、いろいろな学会がそれに倣う。今55の学会がありますけれども、それを見ても一般の人がその専門医の何たるかがすぐわかるかというとかなり難しいところがあります。普通の人ではちょっとわかりそうもない専門医がたくさん出てきましたので、本当に国民にとって専門医というものがどういうものであるかというところがちゃんと伝わらなくなった。
 この辺のところは、ただ単に専門医がどうかということだけではなくて、大きく言えば医療の実態が国民に正確に伝わっていない、それが医療への信頼感を損なうことにつながっているのではないか。従って、医療への信頼感を回復するという点では、専門医も当然一つの役割を担ってしかるべきなのに、ちゃんとその役割を担えていないのではないかと

思います。
 だから、その意味では今、機構でようやく意見がまとまってきました、中立的な第三者機関を早くつくって、そこでしかるべき専門医を認定していく。そして、専門医の質を担保していくということを早急に進めていく事が必要だと思います。当然その中には、例えばそれぞれの専門医を養成する研修プログラムを評価するということがあります。研修プログラムを評価するという流れがあれば、例えば救急であれば、救急のトレーニングを受けるためには年間これぐらいの救急患者が必要という基準があるでしょうから、おのずとそれぞれ施設の患者数に応じてそのプログラムで研修可能な人数が決まってくるわけです。そうすると、その地方の患者数に応じて大まかな筋はそうは違わない方向に専門医の数が決まってゆくことも可能ではないかと思います。
 その意味では、しかるべき第三者の立場からこの専門医を認定する制度をしっかりと構築していくということが、結果として医師の偏在の是正にもつながることだろうと思いますし、医療の質の向上にも役立ち、専門医制の確立を通じて医療への信頼を取り戻す話になって欲しいと思います。
 医師の偏在の問題は、確かに目先の問題として大きいことは重々わかりますけれども、この問題には医師のトータルの必要数とか、医療費とか、もろもろの問題が関わる話だと思いますので、是非この検討会では第三者機関が専門医を認定する制度を日本にしっかりと根付かせる方向で話が進んでくれればというふうに思っています。
○高久座長 それでは、門田委員よろしくお願いします。
○門田委員 門田でございます。
 私も、この専門医制評価・認定機構の理事を5年前から昨年までやっておりましたので、そのときにこの専門医制度ということを一緒に考えた機会がございます。
 私が今、感じていることを申させていただきますと、今ここで改めてこの会が発足したのは非常にいいことだと思うのではありますけれども、考えてみますと、これは25年から30年昔に返ったのと一緒じゃないかと思っています。
 それはなぜかと言うと、昭和30年代から40年ごろに我が国ではいろいろな学会が認定医をつくり出した。そして、この専門医制度の機構が当時、学認協と言っていましたが、発足しましたけれども、それはその当時ばらばらにできているものを何とか整合性をとらなければならないという必要性を感じたからですね。機構が発足したのは昭和56年なんです。それからあとは医学会、あるいは医師会が一緒になって、ばらばらになっている認定医制度、あるいは専門医制度と言ってもいいかもわかりませんが、それを何とか整合性をとるようにしなければならないという時代がもう25年ほど前にあったということの認識を改めなければならないんじゃないかというふうな気がするんです。
 そのときからこういうことが話題になり、そして先ほど金澤先生から学術会議の方のお話がありましたけれども、私は歴史的なものを読ませていただきますと、1999年の段階で日本学術会議第7部がまとめられた専門医についての非常にすばらしい提言があります。あれも1999年ですから、これもまだまだ大分、前の話ですよね。そういう歴史がありながら、金澤先生が先ほど言われましたけれども、規制緩和という名の下に学会が認める専門医を国が広告してもいいんだということを通達で出されたために、各学会はそれまでの努力をしてきたことは置いてきぼりにして、勝手にと言うと言い過ぎですが、それぞれ独自に自分たちの専門医制度を構築し始めた。
 しかも、それより前にあったよりもはっきりと外形基準が上げられましたから、法人格を取るんだ。いや、1,000人以上の会員数だ云々というようなことの条件を満たせばどうにかなるというふうに、私たちの反省と学会の反省とすれば、そういうふうに外形が決められたことについゆらゆらと偏って、そちらの方向を走り過ぎたという歴史が今日まで続いてきていたと言っても言い過ぎではないのではないかと思うんですね。
 ですから今、私たちが問題としていることというのは同じことを繰り返してきているので、今度は早急に何とか基本に立ち戻ってやっていかなければ仕方がないのではないか。その基本に戻ることの一つの問題点は、やはり各学会が非常に細分化して、細分化されたものが専門医制度というものをつくっていきますから、いつの間にか専門医は専門医なんだ。特殊な技能を持った人なんだと思うけれども、それは学会のスペシャリストをつくるのであって、決して医療の体制の根本、基盤を変えるものにはなっていない。
 だから、学会のつくるスペシャリストと、それから我々が必要とする医療の基盤となるプロフェッショナルとの意味を多分混同してしまって、何かそれを都合のいい方に解釈しながら進んできて今になったんじゃないかと思うんです。
 ですから今、我々がしなければならないことというのは、やはり学会さんがその狭い領域、どんどん細分化された中の専門性をしてきた中のうち、どこまでが医療の基盤として求められるのかというところを決めなければならない。それを決めることによって、医療の基盤となる専門医制、そしてその専門医と、あるいは総合医を含めてどういう形で患者さんが流れていくのか。どういう形で医療提供をしていくのかという、その制度設計を実際はやらされなければならないのではないか。あるいは、そういう制度設計の中に専門医制度がなくてはならないというふうに思います。
 ですから、今、専門医をどう思うかとか、専門医に対して何を期待するかということもさることながら、我々がしなければならないことは専門医を入れた場合の医療提供システムをどうするかという大きな骨格をつくって、そして考えていかなければならないのではないか。改めてつくるまでもなく、いろいろと検討されているわけですから、それを上手に形づくっていただいて、是非、早いうちにこれは軌道に乗せなければならないというふうに強く思っています。そういった意味で、この委員会に期待をしているということです。
○高久座長 では、森山委員よろしくお願いします。
○森山委員 今日の検討項目にある、求められる専門医像なんですが、これは医療サイドの目指すものと、国民、患者さんの要望のギャップはかなりあるというふうに思うんですね。どちらが正しいとか、そういう問題ではなくて、いつもこのギャップがあって何か崩れているなというふうに思います。
 私は大学病院に所属していますので、かなり専門医、高度医療人の育成には関わっているんですが、私どもの大学は私立で380床から600床ぐらいの分院を3つ持っているんですね。したがって、高度専門医の育成だけではなくていわゆる総合医、総合内科医の育成にも今、取り組んでいまして、そういう意味では大学がかなりいろいろなことに関われるのではないかと思っています。 
 あとはもう一つ、私は全国の医学部長病院長会議というところに席を置いているんですが、そこでも大学への帰学率の問題とか、あるいは医師養成のグランドデザイン等々もやっていましていろいろな角度から検討はしているんですが、先ほど門田先生が話されたように医療供給体制の見直しと患者さんの受診の在り方がこのままであれば、幾らいろいろ専門医とか総合医を育成してラインナップをそろえても、余り有効な手段にはならないのかなというふうに思いますので、かなりこの会議は広い問題を扱うという認識で会議に参加させていただきたいと思います。
○高久座長 それでは、桃井委員よろしくお願いします。
○桃井委員 ずっと大学という医育機関におりましたので、見方が少し偏っているかもしれませんが、この委員会でその検討項目の3項目について何回か大変詳細な御説明をいただきましたが、どうもこの3つが頭の中でピンと合わさってトライアングルになってこないのです。この3つを合わせてどういうアウトカムを1年後に期待するのかということもまだ私の頭の中では明確になってきていません。
 それは、医師の質の向上や求められる専門医像についてという項目で話し合う前に、今までも御意見が出ましたが、日本の現在の医療提供体制のどこに根本的な問題があって、どういう方向に動かそうとする中で専門医を考え、総合医を考え、地域偏在を考えようとしているのかが必要であると思うからです。診療科偏在も含めて、現在の日本の医療提供体制の根本的な問題について共通認識をしませんと、さまざまな立場でさまざまな意見が出て、このトライアングルは収束しにくいのではないかと思います。
 皆様、大専門家でいらっしゃいますから、日本の医療の現状に対する認識は恐らく共通だと思いますが、日本の医療提供体制の特徴は、低保健医療費である。この低保健医療費の中で世界最高水準の保健医療を維持しているのが現実です。
 低保健医療費で世界最高の医療水準を維持している。なおかつ、ほかに類を見ないほど医療提供体制の基本が自由主義である。全く自由放任主義である。何からのグランドデザインで医療体制ができ上がっているわけではなくて、イギリスのように確固たるGPという存在を決めながらやっていくわけでもなく、まさに診療科も地域も自由放任主義である。
 この低保健医療費政策と、自由放任主義の医療提供体制の中でうまくいっているのは、これは最近の外国誌にも出ていますが、日本の医師集団の高い倫理観が何とかこの状態を維持していると解析されています。外国からもそう評されていますので、事実であろうと思います。恐らくナースが休み時間に株の話をするのが日常的で普通であるというようなほかの国では、この保健医療提供の方策では崩壊しているんだろうと思います。崩壊せずに世界最高水準の医療をこの低保健医療費政策の中で、なおかつ、この他に類を見ない自由放任主義の中でやっているのは、少ない医師人口の極めて高い倫理観を持った集団によって支えられているからだと思います。
 この現状をこのまま容認をして、医師の一層の質の向上とか、専門医はどうあるべきだという議論に走っても、今後の医療全体の質の向上や改善にはならないと思います。その意味でも、日本の現在の医療提供体制のどこに抜本的問題があって、今までの医療政策にどこに問題があったかの共通認識をしてから議論をスタートして、なおかつ、今後その自由放任主義をどうするのか、低医療費政策をどうするのか、医師不足はどのようなグランドデザインで医師を育成するのか、必要な数ですね。そういうことを議論してから、初めてその在るべき医療提供体制の中で専門医とか総合医がどうあるべきかが出てくるんだろうと思います。
 例えば諸外国では、アメリカも含めて女性医師数が30%を超えたときに、ガバメントと医療機関、医育機関が共同して女性医師の生涯のワークフォースが0.8であると、数字を国際誌に発表しています。そういう見通しの中であるべき医療提供体制が出されているのだと思います。日本では、先ほども御意見が出ているように医師の総数が出ているだけでは、これは医療提供体制の参考の数字には全くなりません。ここに示された数字の大部分は、今後どういう方向に向かっていったらいいかという医療提供体制のグランドデザインを思い描くために有益な数字にはならないと思います。有益な数字を出した上で議論をすべきだろうと思います。
 第2の課題である、地域医療における医師確保についてですが、これは医療提供体制をまず小さなレベル、市町村のレベル、県のレベル、そして救急周産期医療は県を越えますので、県を越えたレベルで協議をする医療のネットワークを、段階的医療の提供体制を議論する場を確保して初めて成り立つものであって、今のように自由放任主義の医療で、一病院が今の求人数が1.4だとか、1.1だとかという数字を見ながら議論していても全く何も始まらないように思います。ここにも医療提供体制のグランドデザインの必要性が前提としてあります。
○高久座長 それでは、三上委員よろしくお願いします。
○三上委員 まず第1に文言と言いますか、その用語をしっかり定義をしてから議論をしないと、例えば専門医と言っても、第1群の専門医の方、第2群と全く違うというふうに私は思いますけれども、そういったことが大事ではないか。それでないと議論がかみ合わないと思います。
 金澤委員がおっしゃったように、専門医の外形標準ができて、それをクリアすれば学会として専門医を出せるということで、学会がそれぞれ運営経費を算出するために非常にたくさんの専門医をつくっているという状況があるのではないかと思いますが、特に第1群については標榜医と認定医の違いというのがはっきりしないということ。第2群については専門医というような形だと思いますけれども、その辺のところを一度この会ではっきり定義をつけていただきたいと思います。
 それから、総合医の問題も検討するということなんですが、今先生が言われたように、地方においては総合的な診療能力を持つ医師が非常に要求されていることは確かで、総合内科医、あるいは総合外科医といった人たちが必要であろうと思います。救急医は究極の総合診療医と内科系、外科系を問わず、総合的な診療技術を持っているのではないかと思いますけれども、現在その文言として総合医、総合診療医、かかりつけ医といった言葉がいろいろなところで使われておりまして混乱していると思います。
 政府の中でも、社会保障改革に関する集中会議の中のポンチ絵にはかかりつけ医というのが出てきておりますし、税と社会保障の一体改革の中には総合医、専門医という文言が出てくる。また、医政局の第3次の補正予算に対する要望の中には総合診療医という文言が出てきますので、何を意味しているのかということもはっきり定義していくことが必要ではないかと思います。
 私は総合医という言葉は必ずしも、あるいはかかりつけ医もそうですが、広い領域の診療技術が要求されているのではなくて、いわゆる全人的医療を提供する。患者さんのいろいろな訴えに対して、最良の解決策をさまざまな連携などを駆使しながら提供できるということが総合医、総合医機能とも言えるわけですが、そういったものではないかと思います。
 是非、この標榜医、認定医、専門医、総合医、総合診療医、かかりつけ医という文言について、この会を通じてでもはっきりした定義をした上で、再度議論していただきたいというふうにお願いしたいと思います。
○高久座長 それでは、植村委員よろしくお願いします。
○植村委員代理 私は、本学の松尾病院長の代理で参りまして、松尾病院長からメッセージをいただいておりますので、まずそれを読み上げさせていただきます。
 本日は、海外出張のために出席できずに大変御迷惑をおかけしております。
 我が国におきましては、医療をめぐる状況が激変しており、地域医療の危機的状況が進行しています。一方で、今年は国民皆保険達成50周年の記念すべき年ではありますけれども、厚生労働白書にも見られますように、大変早いスピードで進行している人口の高齢化が今後一層加速されるとともに、高齢者単独、単身世帯の急激な増加と社会構造が今後も激変していく中で、我が国の医療の在り方を中長期的な展望に立って見直すべき時期であるというふうに考えています。
 そういった背景の中で、医師の育成という観点を、段階を分けるとするならば、卒前、それから卒後、更に専門教育と言えると思うんですけれども、医学教育に関しましては所掌は文部科学省になるんですけれども、近年、改革がそれなりに進められているのと、卒後の臨床研修も2004年の必修化とマッチングの導入によって大きな変化がもたらされた中で、いずれにしてもこれらは道半ばとは言いながらも、国全体として取組みが始まったという点では、この第3番目の専門医制度に関する議論もようやくその端緒に上り出したという点で非常に大きな役割を担う会議になるんじゃないかということで、責任を痛感しているというふうに松尾は述べております。
 それで、具体的な問題意識を3つ彼は挙げております。私も共有するところなんですけれども、盛んに既に各委員から御意見がございました、まず専門医の定義とか、それから専門医のそれぞれの地域における役割といったようなことを明確にして議論する必要があるのではないかと思います。ここで言うところの専門医は、場合によっては総合医というようなものも入ってくるのではないかと思います。
 それから、専門医の地域偏在とその是正についてなんですけれども、これは恐らくグランドデザインと言いますか、大きな制度設計を前提とした配置計画を立てないと、弥縫策ではまた新たな矛盾を発生するようなことになるのではないか。そこではいわゆる専門家集団というようなレベルだけでは当然のことながらなくて、行政や政治などを含めた、国民を含めた議論が必須になってくるだろうと考えております。
 3つ目が専門医の質保証ということで、当然ですけれども、各専門学会はそのように努力している学会も多ございますが、国際比較などに十分耐え得るような育成のシステムの構築のために、必要ならば第三者機関の設立なども検討すべきではないかというのが彼の考えでございます。
 最後に、私から1つだけ補足させていただきたいのですけれども、私も全く同感でございまして、今、挙げた3つは非常に連関はして非常に関係は深いものであるんですが、同じベクトルでは全然なくて、地域偏在の是正が専門医の育成の質を保証するよりも、それを毀損するような議論にならないように願っているところです。以上でございます。
○高久座長 それでは、藤本委員よろしくお願いします。
○藤本委員 よろしくお願いします。私たちは地域医療の医師不足が深刻化するのが全国に先駆けて早かった地域、千葉県の九十九里の地域で活動しております。2005年から活動しておりますNPO法人です。
 もともとは地域病院の勤務医が少なくなったということがきっかけで立ち上がった団体なんですけれども、当初は医師不足、あるいは看護師不足がテーマで、どうやったらこの地域に医師が来てもらえるようになるんだろうと考えて東金病院と協働でレジデントのコミュニケーションスキル研修などを行いました。
 活動を通じて感じたことは、住民と医療者がお互いに対話をしていく中で、自分たちの地域をどういうふうにしたら皆が安心して、また医療者も十分に自分の力を発揮して医療というものが回っていくんだろうということを話し合う場がいかに大切かということです。ですから、こういったところで大きな制度設計は勿論、必要なんですけれども、やはりその住民、患者、地域にいる人たちにとって医療というものがもっと見えるものになっていくための工夫が非常に求められているのではないかと思っております。
 具体的には、大きいところで言いますと、医療の不確実性という問題もそうなんですけれども、先ほどから出ているように、自分の病気を診てもらえるお医者さんが地域のどこにいるかというのが、住民からは実は見えないのです。
 かかりつけの先生を持てば、その先生からコンサルテーションしていただけるということに一応はなっていますけれども、やはり頼りになるのはそのかかりつけの先生のいわゆるヒューマンネットワークであって、地域全体を見渡した中で本当に適するドクターにつなげてもらえるかというところが担保されていない。私たちからそれが見えないということが1つあって、同じ疾患でドクターショッピングをしている方たち、あるいは同じような薬をあちこちからもらっている方たちなど、医療費の無駄というものがかなりあるのではないかと指摘されています。
 当初私たちは、医療に携わる人不足がきっかけで活動を始めましたが、それにも増して昨今、私たちの地域で一番問題になっておりますのはお金の問題なのです。国保財政がかなり逼迫してきまして、例えば新規に透析に入られる患者さんが東金市の場合ですと、ここ2〜3年で今までの3倍、4倍という形で増えています。そうなってきますと、お医者さんが来てくださって、看護師さんがいてくださって、医療が提供されたとしても、それを支えるための財源が地域ではもうリミットにきているんですね。
 そうすると、これから私たちのテーマとしてはそういった財源、お金の問題に目を向けつつ、いろいろなところで私たちが気づかないうちに無駄にしている薬であったり、同じような病気でドクターショッピングをしたりとか、そういう無駄をなくしていきましょうということをわかりやすく地域に伝えていく必要があると感じています。
 先ほどのコンサルテーションの中では、そこに総合医という方がいらして、そしてなおかつその地域のドクターの専門性というものをしっかり把握しておられて、きちんと紹介していただくというシステムが必要です。
 それから、住民の目線から見たときに、かかりつけ医をどなたにするかというところで一番大きな問題は夜ですね。夜、急に具合が悪くなったときでも診てもらえるところがどこだろうと考えた場合、夜間急病診療所を医師会の先生方がやってくださっていますが、そこが閉まった後から次の日の朝までの時間帯に診てもらえるところはやはり病院しかないんですね。そうすると、やはり病院の診察券を持っていないと、カルテがないとなかなか診てもらえないんじゃないかという漠然とした不安があります。
 それから、医療側も自分のところにカルテのある患者さんだったら何とか対応できるけれども、ちょっとわからないと躊躇されるようなこともあるので、そうなってくるとなかなか普通の診療所をかかりつけ医として頼るということが難しくなってくる。そういう提供体制の問題もあるのではないかと思います。
 ですから、こういった専門医の在り方というところとちょっと論点がずれるかもしれないんですが、先ほど山口先生もおっしゃられましたように、私たち国民、患者にとって医療の提供体制がもっとよく見えるようになることがとても大事だ。その中で、もしかしたら広告の制限とか、学会が認定しているドクターの紹介の仕方とか、そういったところとも関わってくると思います。
 私は不勉強なものですから専門的なことはまだまだよくわからないんですけれども、1つ、どういった形になるにしてもやはり医療現場で働いておられる方々のモチベーションが上がるような制度設計であってほしい。今、一生懸命やっていることが、制度ができることによって水の泡になってしまうとか、今までの努力が報われなくなってしまうものになってしまうと、今、一生懸命現場でやってくださっている皆さんのモチベーションが下がって、そしてまた私たちが受ける医療の質が低下することになるのではないかと思っています。
 それから、先ほどから出ているように医療のニーズの把握ですけれども、何をもってニーズとするのか。いわゆる患者、住民の要求が全部ニーズではないと思います。先ほどのアンケート調査を見ても、どういう人を専門医と思うかということと、それから専門医に期待するところを照らし合わせると、矛盾していることを平気で患者というか、国民は答えるんだなと私は思いました。
 ですから、そのニーズの把握というところ、患者の要望もそうですけれども、国保や社保のデータなのか、どういうものをもってニーズとするのかというところもかなり大事な問題になってくるのかなと、そんなことを思いつつここに臨ませていただきました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
○高久座長 それでは、福井委員よろしくお願いします。
○福井委員 15人目になりますので、聞く方もお疲れだと思いますが、基本的には門田先生と桃井先生がおっしゃったことと同じことになるかもしれません。
 私のバックグランドは、総合内科と公衆衛生です。少々バイアスがかかった意見を申し上げるかもしれません。専門学会はこれまでたくさん専門医をつくってきましたけれども、残念ながら全国的な視点で数とか分布を考えてこなかったし、恐らくそのような立場にもなかったと思います。
 そのために、各学会の最大利益の追求が国全体の最大利益の追求につながっていなかったというのが根本的な専門医をめぐる問題だと考えています。そして、我が国の厚生労働省が考えている医療提供体制全体の中で、5年後、10年後に実現すべき医師の専門性の分布とか地域分布についてまず目標をつくらなければ、恐らく何も進まないのではないかと考えています。つまり、グランドデザインをつくるということがまず大切だと思っています。
 その中で、私は総合内科とか一般内科をずっとやってきた立場から、外国のいろいろな研究論文でも総合医を組み込んだ医療提供体制が効率的であり、しかも地域住民のヘルスアウトカムの改善につながるという研究論文が最近では幾つも出てきておりますので、できることでしたら、例えばですけれども、住民2,000人に1人程度の総合医を養成して、その数に対していろいろな専門医がどれぐらいの比率で必要なのか、地域を面として考えて目標値を設定するということがどうしても必要ではないかと考えています。
 そうすることによって、限られた医師数の中で総合医と、他の臓器別専門医との割合を考慮するという作業が必要になります。そのときにうまくやれば偏在も少々是正できるのではないかと考えています。つまり、各専門分野の専門医を養成する医療施設がどこにどれぐらいあるかということも決めなくてはなりませんので、やり方によっては地域偏在の是正にもつながるのではないかというふうに漠然と考えております。
 それから、専門医の質の確保につきましては、私も第三者的な機構でもって国民の視点も入れて認定するような機構が必要ではないかと考えております。5年、10年先の行き着く先を明確にしなければ、我々自身何をどうしていいのかわからないというふうに常々思っております。
○高久座長 どうもありがとうございました。
 最後になりましたが、私もちょっと言わせていただきたいと思います。
 日本のドクターの勤務時間が非常に長いというデータがかなりあります。しかも、高齢のドクターが長時間働いているというデータもあります。
 それから、先ほど桃井委員のお話にもありましたが、『ランセット』が日本の医療保険制度50周年という特集を組みました。日本語訳が出たものですから私も詳細に読みました。その中でいかに日本の医師が誠実であり、かつ勤勉で働いているかという事が強調され、それ故にGDPの8.5%で世界に冠たる皆保険制度を維持しているということが述べられていました。これから先が大きな問題であるということも書いてありました。
 厚労省が作成した広告のできる専門医の外形基準は、私がたしか医師部会長のときにできたのだと思います。あの基準は厚労省が勝手につくったのではなくて、その時の日本医師会の幹部の方に了解を得てつくった筈です。今の専門医制認定機構が学会専門医機構の時代の一つの大きな目標が看板を掲げるということでした。それが私は頭の中にあったものですから、医師部会で外形基準をつくってそれを満たせば看板を掲げてもよろしいということになり、その結果、各学会が一斉に外形基準に合わせて専門医制をつくったという経緯があります。
 その結果、各学会が我も我もと専門医制を作って返って混乱を招いたと思います。
 その当時は内科と、外科に認定制がありました。外科は専門制だけになり、内科には認定制が残りました。内科の方は総合内科という専門制をつくったのですが、私は内科の認定医はやはり総合内科でないと、専門医だけが総合内科というのはおかしいと思います。総合内科の専門医はスーパーマンの様な感じがしないでもありません。
 私が日本医師会の生涯教育の委員会の座長のときに専門医の問題が議論されました。そのときには元に戻って基本領域の分野の専門医は認定医にして、サブスペシャリティを専門医にした方が一般の患者さんにはわかりやすいのではないかという提案をした記憶があります。
 それから、総合医、総合診療医、かかりつけ医という言葉が使われています。確かに病院の中では総合内科医、総合診療医で良いと思います。しかし診療所のドクターは学校保健医、産業医など、いろいろな仕事がありますので、必ずしも診療だけが業務ではない。ですから、私は総合医という言葉の方が良いのではないか。病院では総合内科医でもいいし、総合診療医でもいいと思いますが、広い意味では総合医の方が良いのではないかと思っています。
 専門医の問題を議論するとすれば、門田委員も言われたように、当然医療提供体制の問題を議論しなければならない。医師の地域偏在の問題は、この専門医の問題と切り離してもらいたかったのですが、もし地域の偏在の問題を議論するならば、日本の医療全体の問題を考える必要があるのではないかと思います。
 私の個人的な考えですが、ドイツのように州の医師会がコントロールするという体制も、将来的には考えていく必要があるのではないか。今後のヒアリングの中で、外国のスペシャリストの養成の在り方、あるいは外国の医療提供体制のことなどを皆で勉強していきたいと思っています。その中で医療提供体制の問題から、更に医師の自律性の問題を含めて日本の医師の集団の在り方ということも真剣に考えていく必要があるのではないかと思います。
 問題がますます大きくなり、皆さんの御意見を聞きますと、気が重くなってきますが、年月が限られていますので、その間にすぐには実現できないとしても、少なくとも5年、10年先にはこうあるべきだという姿を是非出していきたいと考えています。
 これは私の5分間のコメントですが、その他、どなたか御意見がありましたら、まだ時間がありますので、どうぞ御自由に御発言いただければと思います。
 では、池田委員どうぞ。
○池田委員 先ほど申し上げましたように、改めて私どもどういう考え方で専門制度に取り組んでいるかというお話をさせていただきます。
 やはり一番大事なのは、それぞれの診療を受け持つ医師がどういう過程を経て、どういう教育を受けて、どういう技量を獲得したのか、あるいは医者と患者さんのコミュニケーションスキルをどのように獲得したか。そのプロセスが見える形で、そしてその医師がどういう日本の医療界の中で役割分担をするのかという、そこのところを大事にしたいと思うんですね。
 その枠組みをこの検討会でいろいろお話し願えればいいと思うので、その中で総合的に診られるお医者さん、これは一つのプロフェッション、専門性だと思うんですね。それ全体を診られるというのは一つの重要な専門性だと思いますので、そういう医者はどういう過程を経てつくられるべきなのかというような議論をしていかないといけないのではないかというふうに思いますので、先生方のお知恵を、そういう面では是非お貸しいただきたいと思っています。
○高久座長 どうもありがとうございました。ほかにどなたか御意見おありでしょうか。
 どうぞ、高杉委員。
○高杉委員 ちょっと言い足りないところと、それから福井先生のお話にちょっとあれですが、総合医という言葉に何か惑わされているような気が私はするんですね。
 勿論、総合的に診られる医者は大切なんですけれども、その前にやはりこれは大学教育であり、臨床研修であり、あるいはそれから各科に進む人たち、私はもっとプライマリーケアがきちんと診られる、それが基本の医者だよということを保証しない限りは、総合医になっても総合診療医になっても一緒だと思うんです。
 だから、きちんとそこができた上での専門医にしてほしい。そこはドクターの本当の基本だろう。したがって、それがきちんとできれば、それは田舎に行っても一人になっても大丈夫でしょう。
 それを今、今先生がおっしゃったように救急医がすべてさばく、それは本当の医療の姿かなと、そんなことも思いますので、専門医を養成するときにはやはりプライマリーケアが基本で、それから専門に行くというシステムですね、これを大切にして欲しいと思います。
 あるいは、今の専門医は果たして専門医なんでしょうか。これは認定医じゃないんですか。その上の上級段階が専門医と呼べるものだろう。そんなことを、池田先生にいつもぶつけておりますけれども。
○池田委員 名称は非常に重要だと思うんですけれども、基本的な診療の領域をどういう方たちが担当するのかということをまずきちんと議論をして、それを高久先生がおっしゃられたように基本領域、18領域というのはどなたが見ても、その医療の中での区分としてはリーズナブルだろうというふうに基本的には思われると思うんです。
 それを、高久先生がおっしゃったように認定医と呼ぶ方がいいのか、あるいは基本専門医というふうに呼ぶのか。それはいろいろ議論すればいいと思うんですけれども、その名前で余り議論の方向がそちらの方にいくよりは、むしろこういう医師をやはりどういう形でつくっていくのか、そのプロセスが国民に見えるという、そこのところの仕組みづくりということを大事にしていただきたいと思います。
○高久座長 高杉委員がおっしゃったように、本来、医者は総合医の基礎をもつべきなのですが、そのレベルがまたいろいろある。初期臨床研修を必修科としたときのうたい文句は2年間でプライマリーケアの能力を身につけるということだったのですが、初期研修の2年間では足りないですね。初期研修の問題も頭に入れて議論していく必要があるのではないかと思います。
○桃井委員 研修の2年間が出ましたので、大学にいる者として付け加えさせていただきます。日本の医学生が卒業した時点、あるいは国家試験を合格した時点で、北米、ヨーロッパ等の医学生と違う点は、臨床実地能力です。これは皆様、御承知のとおりであります。それを妨げているのは、その臨床実地能力を身につける教育には欧米などでも72週間の臨床実地教育が在学中に行われています。それが行われているのは、日本でたった2つの医科大学、医学部だけです。それを妨げているのは、つまり最終学年で国家試験対策の座学に走らざるを得ないのは、国家試験の改善が十分に行われていないからであるというのは周知の事実であります。それが行われれば、諸外国のように最終の2年間を十分、あるいはそれ以上可能かもしれませんが、クリニカルクラークシップに使えます。それによって初期研修の2年間がより一層生きる形でプライマリーケアの教育がトータル4年間になりますから、プライマリーケアの十分な能力を身につける研修をすることができるのです。
 それにもかかわらず、この初期研修の制度が見直しになって、逆行していると思われるのは、小児科が足りない、産科が足りない、それではストレートだということで、姑息な改善が行われるようでは初期研修が何を目指しているのかがよくわかりません。この医師の育成、医師の質の向上、そして総合的能力を身につけた医師の育成という議論の中で、余り範囲が広くなってもとんでもないことになりますけれども、しかし、国家試験の問題は極めて大きな問題で、6学年の1年間を無駄にしている大学がいかに多いかという大変大きな問題であると認識して、是非そこも念頭に置いていただいてこの議論にお含みいただきたいと思います。
○高久座長 どうぞ、三上委員。
○三上委員 先ほどからいろいろ総合医とか、文言が出ているようですけれども、やはり少しずつ皆さんでニュアンスが違うと思います。
 藤本委員は先ほどかかりつけ医という言葉と総合医という言葉を同じニュアンスで使われたというふうに私は思いますけれども、福井委員はどちらかというと総合内科医というんですか、いわゆるホスピタリストのような総合診療医のイメージで総合医という文言を使われたというふうに思うんですね。その辺のところが、委員の中で議論する際に非常に混乱するのではないか。
 私は、高久座長が先ほどまとめられたような形が一番すっきりすると思いますし、そちらの方向で議論を座長の形で進めていただければと思いますが、基本的には総合診療医についても総合という言葉と専門という言葉はやはり少し違うので、総合医を認定するということと専門医を認定するということは文言としては違うので、総合専門医というのは言葉の上では矛盾しているなというふうには感じております。
○高久座長 どうぞ。
○福井委員 私が先ほど使った総合医という言葉については、言葉のバトルはやりたくないんですけれども、ホスピタリスト的なことは一言も申し上げておりませんので、そういうふうに取られるのは非常に心外です。総合医という言葉は高久先生がおっしゃったのと全く同じ意味で使っているわけでして、日本医師会の中で高久先生が座長をされた委員会でも申し上げたとおりです。私たちが今考えている総合医というのは、病院の中だけではなく、地域でもさまざまな役割を果たすということも含んだ考え方ですので、それほど皆さん、内容については違いはないんじゃないかと思っています。
 それから、総合的に診るというのは、専門性であって、総合的に診るのは専門ではないというのは、受け入れ難い考えだと思っています。
○金澤座長代理 総合とか、かかりつけとか、この定義はなかなか難しいのでむしろ後にして、ちょっと伺いたいのは専門医というものの定義です。さっきどなたかもおっしゃっていましたけれども、本当に皆、一緒ですか。私は大分、違うように思えるんですね。
 例えば、12ページの「専門医に対しての期待度」という一般の方々のイメージからいきますと、「疾患に対する知識」は100%持っていて、診断も100%持っていて、治療法にも精通を100%しているという、そういうのが専門医と見なされているんだとしますと、これでは日本の専門医はつぶれますよ。
 そうじゃなくて、先ほど池田先生がある一定のレベル以上とおっしゃった。それがやはり専門医としての条件なのではないかと思うんですが、この専門医の定義をきちんとしておかないといけないんじゃないかと思います。
○高久座長 定義をはっきりする必要は、確かに後でまたヒアリングの機会があると思いますので、そのときに池田委員からまたいろいろとお話をお聞きしたいと思います。
○金澤座長代理 この手の会議で、きちんと定義をして始めた会というのはほとんどないんですよね。これを私は非常に不満に思っておりまして、あるいは最後の報告書の中にもどこかできちんと定義を入れていただきたい。それだけお願いしておきます。今でなくても勿論、結構です。座長にお任せします。
○高久座長 わかりました。
○福井委員 個人的には、定義がうまくできればいいとは思っています。
 と言いますのは、私は大学で総合診療部を立ち上げるに当たってある内科の先生から、総合診療の定義をしろと言われて、大変難しく、抽象的な言い方しかできなかったことがあります。そのときに、「先にどうぞ、内科の定義をしてください」とお願いしたら、できないんですね。どの分野か、定義は容易でなく、少々あいまいな部分が残るのは仕方ないのではないかと個人的には思っています。
○高久座長 専門医の定義は、池田委員がつくられる第三者機関で認定されたトレーニングを受け、その後試験を受けるかどうかは別にしても、その課程を修了した人という様に決めざるを得ないと思います。ですから、むしろ基本領域の方が、サブスペシャリティの専門医よりも複雑な点があると思います。サブスペシャリティの専門医はカリキュラムをつくればそれを終えて試験を通った人ということになると思います。
 それでは、資料の3の今後の予定について事務局の方から説明していただけますか。
○医師臨床研修推進室長 かしこまりました。お手元の資料3に基づきまして、「検討スケジュールについて」の御説明を申し上げます。
 本日、第1回、10月13日御議論を賜りました。
 第2回、今のところ11月ごろを目途に開催いただければと思っておりますが、今まだ日程調整途上でございますので、決まり次第、御案内を申し上げます。
 その後、できれば毎月1回程度のペースで開催をしていただきます。この中で、ヒアリングなんかも適宜入れていければと考えております。
 その後、平成24年の夏ごろを目途に中間的なおとりまとめをいただきまして、最終的には平成24年度、すなわち平成25年の3月末までを目途に最終報告書をおとりまとめいただければと考えております。
 資料3の御説明は以上でございます。
○高久座長 ヒアリングのときに、外国の状況、それがうまくいっているかどうかということを是非教えていただきたいと思います。それから、総合医のことについてはプライマリーケア連合学会が関連が深いと思いますので、その学会の方の話も是非お伺いしたいと思いますし、池田委員のお話も当然お伺いしたいと思います。
 ほかに、どういう団体から聞きたいという御意見はおありでしょうか。
 もしなければ、これで今日の第1回目の会を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室

直通電話: 03−3595−2275

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