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2011年11月15日 ホームレスの実態に関する全国調査検討会(第2回)議事録

社会・援護局地域福祉課

○日時

平成23年11月15日(火)


○場所

厚生労働省 専用第21会議室


○出席者

座長

岩田 正美 (日本女子大学人間社会学部教授)

委員

水内 俊雄 (大阪市立大学都市研究プラザ教授)
森田 洋司 (学校法人樟蔭学園常任理事)
奥田 知志 (NPO法人ホームレス支援全国ネットワーク理事長)
沖野 充彦 (NPO法人釜ヶ崎支援機構副理事長)
佐久間 裕章 (NPO法人自立支援センターふるさとの会代表理事)
森川すいめい (世界の医療団東京プロジェクト代表医師)
木原 弘子 (東京都福祉保健局生活福祉部山谷対策・自立支援担当課長)
門田 正広 (大阪市健康福祉局生活福祉部ホームレス自立支援担当課長)

○議題

ホームレスの実態に関する全国調査(平成24年1月実施予定)について

○配布資料

資料1ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)実施要領(案)
資料2ホームレスの実態に関する全国調査票(生活実態調査票)(案)
資料3追加意見について
参考資料1ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)調査目標数の推移

○議事

○岩田座長 定刻を過ぎましたので、ただいまから第2回「ホームレスの実態に関する全国調査検討会」を開催いたします。朝早くからお集まりいただきまして、大変ありがとうございます。
 最初に、委員の出席状況について、事務局からお願いします。
○金子地域福祉課長補佐 本日は、委員の方全員、御出席をいただいております。
○岩田座長 それでは、早速、議事に入りたいと思います。
 前回の検討会では非常にたくさんの意見が出まして、調査範囲の問題から実施要領、また調査票について、さまざまなご意見及び、その後皆様から事務局からお寄せいただきました御意見を事務局案として整理をしてありますので、今日はこの資料について御説明いただきながら、ほぼ固めるという大変忙しい話で申し訳ないんですけれども、そういう方向で御議論をお願いしたいと思います。
 それでは、資料について事務局から説明をお願いします。
○金子地域福祉課長補佐 それでは、初めに本日の配付資料の確認をさせていただきます。資料1といたしまして「調査実施要領(案)」、資料2として「生活実態調査票(案)」、資料3として「追加意見について」、参考資料1ということで「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)調査目標数の推移」の4点を配付いたしております。不足等がありましたら、お知らせいただければと思います。
 それでは、初めに実施要領(案)の関係でございますけれども、前回、調査の前提、考え方にかかわる部分についても御意見をいただきましたので、これらにつきましても、実施要領(案)と併せまして御説明をさせていただきたいと思います。
 実施要領(案)、資料1の主に1ページから3ページの関係になろうかと思いますけれども、まず、前回、地方都市の実態を明らかにするためにも、調査対象自治体を増やしてはどうかというような御意見もいただいております。事務局の方で、調査対象を前回の事務局案では50人以上というところを20人以上とか、少し広げて試算をしてみたところでありますけれども、それでも人口10万人未満の自治体というのはほとんど出てまいりませんでした。また、そこまで対象を広げるとなりますと、新規の自治体も増えてくるということもございまして、事務的な対応というものもございます。それから、これまでの考え方等の継続性などの理由も含めまして、当初の事務局案のままということで、50人以上の自治体という形にしてございます。
 次ですけれども、今後の分析ということを踏まえて調査対象人数を増やすことができないのかという御意見がございました。これにつきましては、分析する際のことも考慮させていただきまして、前回事務局案であります調査対象人数については、1,100人を1,300人に増やすということとしてございます。これを反映したものが、実施要領(案)でいいますと、3ページに表の形になってございます。
 それから、次に、偏りがないように、調査対象のホームレスのうち定住層を何割ですとか、移動層を何割というような形で、あらかじめ調査割合を定めてはどうかというような御意見もございましたけれども、これにつきましてはあらかじめ割合を示すということはなかなか難しいものでありまして、移動層の調査については技術的にもなかなか困難であるということから、本調査での反映はいたしておりません。
 それから、ホームレスのおそれのある方についての調査に触れた意見もございました。これにつきましては、調査対象の拡大や調査項目の追加が困難な状況でもありまして、本調査では行わないことにしてございます。
 それから、次に移動層の実態という観点で、野宿から生保に移行した方ですとか、自立支援センターへの入所者数、年間の自立者数などがわかるようなものはないのかというような御意見もございました。これにつきましては、可能な限り、本調査を補強できるような、他の調査になりますけれども、そのようなもので対応していこうと考えておりいます。
例えば、1つにはホームレス対策事業を実施している自治体に対しまして、毎年、地域福祉課で実施をいたしておりますホームレス対策事業の運営状況調査というものがございます。主な調査内容としては、総合相談事業、自立支援センター事業、シェルター事業の3事業につきまして、総合相談事業であれば相談件数や相談後につなげた機関ですとか、件数など、自立支援センター事業、シェルター事業であれば、年間の延べ入所者数や路上生活期間などを調査内容としたものがございます。これは毎年実施をしてきておりますので、経年の比較が可能になっておりまして、平成19年調査の分析の際にも補強資料として活用されておりいます。
それから、2つ目としては、これは平成22年度の社会福祉推進事業といたしまして、全国ネットワークが行った「広義のホームレスの可視化と支援策に関する調査」というものがございまして、この調査の中に福祉事務所を対象としたものがございます。主な調査内容としては、保護の申請時の居住形態ですとか、保護開始決定時の入居・入所先などです。この調査は、23年2月中に生活保護を開始した世帯を対象としています。
それから、3つ目ですけれども、これはまだ検討中ということではありますけれども、福祉事務所を対象に、地域福祉課が保護課と一緒に自治体ホームレス対策状況調べというものを過去に行ってございます。ホームレスの生活保護の適用状況などを調査内容といたしておりまして、これにつきましても19年の際に補強資料ということで活用されております。
今のところ、本調査を補強できるようなものとしては、以上の3つが考えられるところであります。
それから、調査員の質の確保の観点で、詳細な条件を提示をすべきではないかというような御意見を前回いただきました。これにつきましては、詳細な条件を定めると、実施側が調査を行いにくくなるというような御意見もございまして、これについては反映をしておりません。
それから、福祉事務所を通じて自立支援センターやシェルターに入所している方に同じような調査をしてはどうかというような御意見もございました。これにつきましては、調査対象の拡大ということで、別途の統計承認というようなものが必要になってくるということもありまして、反映をしてございません。これも、先ほど申しました、本調査を補強できるような資料と他の調査で、可能な限り対応していこうと考えております。
それから、本調査がすべてのホームレスを表したものではないということを報告書に明記すべきではないかというような御意見もいただきました。これは移動型のホームレスや、おそれのある者など、本調査では捕捉できない方がいるということから、本調査の結果がホームレスのすべてではないということを明確にすべきということでございました。これにつきましては、前回、検討会の場でも事務局より回答しておりますけれども、分析の際などにその旨を意見として記載をしていただければと考えております。
それから、本調査と併せて捕捉するという意味で、自立支援センター、シェルターについて、どのようなデータが取得可能であるのかというような御発言もございました。これにつきましても、可能な限り、先ほど申しましたような調査を活用して対応してまいりたいと考えております。
それから、調査員にかかる基準等についての関係ですけれども、これにつきましても、明確な基準を定めることが難しいことから、厚生労働省から各自治体に伝える際に、検討会での意見を反映した表現にしてほしいという御意見でした。これについては、自治体への依頼をする際に補足をしていこうと考えております。
それから、実施要領につきましては、前回の検討会におきましても御説明いたしましたけれども、事前に4点ほど御意見をいただいておりました、サンプル抽出方法を細かく設定してはいかがか、調査員の選考基準、事前トレーニングの基準、コミュニケーションの基準、こういったものを明確に示すべきではないかというような御意見でございました。これらについては、前回の検討会でも御議論がありましたように、サンプル抽出方法を細かく設定することなどは難しいということ。それから、さまざまな基準についても細かく条件を定めてしまうと、実施側が調査を行いにくくなるのではないかということで、今回は反映いたしておりません。
本調査の実施要領、考え方については以上でございます。
○金子地域福祉課長補佐 続きまして、調査票(案)ですけれども、資料の2をごらんいただきたいと思います。こちらはあらかじめ皆様に事務局案をお示ししまして、御確認をいただいておりますけれども、これについて御説明をさせていただきます。
 まず初めに、今回提出させていただいた調査(案)では、前回、追加という形で一番最後に「8」としておりました部分については、福祉制度のところに溶け込ませた形になってございます。
 それでは、前回の検討会の御議論を踏まえて、事務局の方で整理をさせていただきました反映状況ですけれども、問1で寝ている場所について質問をします。「寝ている場所はだいたいいつも決まっていますか」という形で前回御提案をさせていただきましたけれども、これについては1の冒頭で、「路上での生活についてお聞きします」という部分がございまして、頭の部分を除きまして、「寝ている場所はだいたいいつも決まっていますか」という形に修正をさせていただいております。
 それから、前回、「河川敷」を「河川」という形に修正させていただいた問1-1ですけれども、これについては変わってございません。
 それから、同じく問1-1の回答項目に「その他の施設」を前回入れさせていただいておりますけれども、これは「その他」が別に回答項目として入ってございますので、それで補完することができるということで、今回反映をしないという形にしました。
 それから、問2ですけれども、「ダンボール等を利用して寝場所を毎晩つくっている」と、「毎晩」を前回入れた形にしておりますけれども、これもそのまま反映をいたしております。
 それから、問5の関係で、今回の路上生活の定義を明確にするか、複数選択にしてはどうかということがございましたけれども、これについても前回御議論がありましたけれども、調査の継続性の観点から、ここについては反映をいたしておりません。
 それから、問8の設問で、「路上(野宿)生活の中で」ということで、文言の修正がございましたけれども、これも前回のとおり変わってございません。
 それから、問8の項目の方ですけれども、これについては、もともと「食べ物が十分にないので辛い」とか、「寝る場所を探すのにとても苦労している」というような主観と客観が混じっているということでしたので、前回はその部分を切り分けて、「食べ物が十分にない」とか、「寝る場所を探すこと」という形で御提案をさせていただいていたんですけれども、前回の議論の中でその部分については、気持ちを聞く項目を設けることで、相手との関係性を図ることを重要視しているという御発言もございまして、これは元の形に戻させていただいて、「食べ物が十分にないので辛い」、あるいは「寝る場所を探すのにとても苦労している」というような形で事務局として整理をさせていただきました。これについては後ほど追加意見という形で別に御説明いたします。
 それから、問15ですけれども、その他意見として回答項目を増やしてみたらどうかというものがございました。これについては統計上の制約もありまして、全体のボリュームを考えて反映をいたしておりません。
 それから、問17ですけれども、回答項目の3と4、「仕事があるから」とか、「声をかけられるから」という「から」という部分を文言修正をしたというものですけれども、これについても前回どおり変わってございません。
 それから、問19の設問で、「現在、健康状態はどうか」ということですけれども、これについても変わっておりません。回答についても前回同様、変わってございません。
 問19-1ですけれども、これについても前回同様、変わってございません。
 それから、問20の回答項目の19で、「2週間以上毎日のように落ち込んでいた時期があった」ということで前回提案させていただきまして、事務局としては調査の継続性の観点から反映せずという形で整理をしましたが、これについては後でまた追加意見が出てまいりますので、そちらの方で御議論いただければと思います。
 それから、その他の意見ということで、質問項目を吟味する必要があるというのがありましたけれども、これについても継続性の観点で反映をしてございません。
 それから、問20-1、アルコールの関係ですけれども、これについてはアルコールを飲むか、飲まないか、飲むのであればどれぐらいの頻度でどれぐらいの量を飲んでいるかという形で、事務局で問を新規で起こしましたが、これについても後ほど追加の意見が出てまいりますので、そちらで御議論をお願いします。
 それから、問21、問21-1ですけれども、病名の追加とか、新規問の関係ですけれども、これについては統計法上の制約ということもございまして、余り項目を増やさないということで、今回反映いたしておりません。
 それから、問23は障害者の手帳の関係で、前回の検討会で合意をいただきましたが、「身体障害者手帳や療育手帳(愛の手帳)、精神障害者保健福祉手帳など、障害者の手帳を持っていますか」というような形で整理をさせていただいております。これについても、後ほど追加意見が出てまいりますので、そちらでまた御議論をいただきます。
 それから、回答項目の方でも事実関係だけに項目を絞り、以下のとおり回答項目を修正ということで、1として「今持っている」、2として「以前持っていたがなくした」、3が「わからない」、4が「持っていない」という形で整理をしてございます。
 それから、問24から32にかけて、例えば巡回相談事業など、こういった制度名などがわかりにくいのではないかという御指摘がございまして、これについては自治体ごとにわかりやすい名称を用いた方がいいだろうということで、調査票の方で工夫をさせていただくという形にしてございます。
 それから、問30、31で、回答項目ですけれども、前回、1の「衣食関係」だとか、2の「宿泊・入居関係」とか、何とか関係という形でわかりにくかった部分がございました。これについては「1.炊き出し」、「2.配食会・食事会」、「3.生活相談・支援」、「4.就労相談・支援」、「5.宿所提供・シェルター」、「6.衣類・日用品・寝袋等提供」、「7.集いの場・サロン」、「8.巡回・見回り」、「9.その他」という形で、文言を修正させていただいております。
 それから、問33ですけれども、これは文言の修正で、「まずは軽い仕事から始めたい」ということで、これについては前回と変わっておりません。それから、その他意見として、回答項目が仕事に偏り過ぎているのではないかとか、複数回答にしてはというような御意見もございました。前回、この部分については検討会の場で、次回というようなお話もございましたので、整理をしていただければと思います。
 それから、問35-5ですけれども、新規問、「屋外の軽作業など、生活のリズムをつくるための仕事につくように言われたら参加しますか」、「はい」、「いいえ」ということになっていますけれども、これは「軽作業など、生活のリズムをつくるための仕事を勧められたら参加しますか」、「はい」、「いいえ」という形で修正をいたしております。
 それから、問36、37ですけれども、就業にかかわる資格について聞く必要があるだろうかという御意見がございました。これについても、追加意見が出てまいります。
 それから、問33から38の枝番ように、設問を整理した方がいいのではないかということで、これも就労に関する部分ですけれども、前回自立の関係については設問が多いので、少し検討会で整理をというお話でございましたので、御議論をいただければと思います。
 それから、前回、新規問で問36-1で家族構成の関係を新規で入れておりましたけれども、これについては統計法上の制約もありまして、今回、反映をいたしておりません。
 それから、問44ですけれども、前回、「小学校」、「特別支援学級」を入れましたが、これは前回と変わってございません。
 それから、問46も文言の修正で、「行政への、要望・意見を教えてください」、これについても前回どおりで変わってございません。
 それから、資料3「追加意見について」ということになります。これは、と若干今までの説明と重複する部分がございます。まず、問4と問5については、順番を入れ替えてはどうかという御意見をいただいております。これは、問5に記載されている事例が今回の路上生活が継続している状態を指しているんだということを認識してもらうために、設問の順番を入れ替えた方がいいのではないかという御意見です。
 それから、問8ですけれども、「食べ物が十分にないので辛い」という部分を、これは「困っている」ということで、つらいことと困っていることが回答項目に混在しているということなので、回答項目を困っていることに統一をしておりまして、それと併せて、回答項目自体について少し考えた方がいいのではないかという御意見をいただいております。
 それから、問15ですけれども、回答項目の16に「理由なし」という部分がございまして、これについては路上生活に至るまでには何がしかの理由があるはずではないかということで、これについては削除してはどうかという御意見をいただいております。
 それから、問17ですけれども、回答項目がホームレス側の理由にほとんどがなっているのではないかと。そのようなこともあって、8の「その他」について詳しく分析すべきではないかという御意見をいただいています。これについては、調査結果の分析のときに対応していきたいと考えております。
 それから、問20ですけれども、回答項目として、「18.よく眠れない日が続いた」、「19.2週間以上毎日のように落ち込んでいた時期があった」という部分です。これについては前回一度落としましたが、メンタルヘルスにかかわるものであるから、より正確に表現をということで改めさせていただいております。
 それから、問20-1ですけれども、飲酒、アルコールの関係について、前回御提示したものに対し、1日当たりの量を入れてはどうかという御意見をいただいております。
 それから、問21、21-1ですけれども、これも回答項目の「11.その他」というところの記述について、その内容について詳しく分析すべきではないかということでしたので、これについても調査結果の分析のときに対応していきたいと考えております。
 それから、問23で、障害者の手帳の関係でございますけれども、設問としては「手帳を持っていますか」という形にしていたんですけれども、これについて、「持っていますか、または持っていましたか」を付け加えてはどうかと。これは、「持っていますか」とだけ聞くと、過去に持っていた方も「持っていない」と答えてしまうおそれがあるので、このようにしてはどうかという御意見でした。
 それから、問28-2ですけれども、回答項目の「ない」の部分についてですが、相談に行かない理由を聞くべきではないかということで、「ない」としたところに理由を記載させてはどうかということでございました。
 それから、これは問ということではないんですけれども、大きいくくりとして、「5」の「自立について」というタイトルですけれども、ここは就業に偏っているのではないかというような御意見が前回から議論の中でいろいろ出てまいりまして、これについては「今後の生活について」ということで改めてはどうかという御意見でございます。
 それから、問33、「きちんと就職して働きたい」という回答項目の1ですけれども、この「きちんと」の定義があいまいではないかということで、文言修正として、「きちんと」を落としてはどうかと。それから、御意見として、6の回答項目で「今のままでいい」と答えた方の理由を分析する必要があるのではないかということでした。これについても調査結果の分析時に対応したいと考えております。
 それから、問35-1ですけれども、回答項目で「一般の公共職業安定所」となっていましたが、一般的には「ハローワーク」の方がわかりやすいのではないかということで、文言修正ということで加えてございます。
 それから、問36、これは先ほどもありましたけれども、就労の関係で、「技能、免許・資格を取得しましたか。あてはまるものをすべて選んでください」というような設問と回答項目がありましたが、全体のバランスも考慮して、この部分については問自体を削除ということにしてございます。
 それから、問37ですけれども、ここは「現在取得している有効な免許・資格をすべて選んでください」と。それから、「今後、取得してみたいと思うものに◎をつけてください」という形にしてございます。ですから、「今までに」という過去の分がなくなりまして、現在と今後のことを刀形に整理をしてあります。
 それから、37の回答項目で、「理美容免許」というのが5番としてあったんですけれども、これについても最近の免許取得の状況を勘案いたしまして、項目を「パソコン関連資格」という形に改めております。
 それから、問39ですけれども、設問として「出身地(中学を卒業した時点で生活していた場所をいう。)はどこですか」という設問だったんですけれども、中学を卒業していない方もいるということで、中学を卒業した時点で、卒業していない場合には15歳時点とういことで入れさせていただいております。それから、欄外に一応※印で書いてございますけれども、各設問で回答項目欄に「その他」などで自由記載されているものについては、本調査の分析の際に内訳について把握をするという形にしたいと思っております。
 以上です。
○岩田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、まず実施要領の方から、先ほど御説明がありましたように、対象を50名以上ある地域で行うということと、前回よりは若干総数が増えた、そういう御提案、及び、主には前回かなり議論がありましたこれ以外の特に行政資料等を利用できないかということについて、御説明がありましたような幾つかの可能性があるということで、それを補強資料としようという御提案ですが、いかがでしょうか。
○森川委員 今回の調査で15%にするということかと思うんですけれども、調査方法自体が全数調査でなければ実態を表せられないような形だというのは、皆さんそのとおりだとお感じだと思うんですけれども、その全数調査、全員に聞かないと難しいというサンプルの抽出方法をとっている。すなわち、10人いて1.5人は、話しかけやすい人にしか話しかけられない。そういう人たちが15%集まった結果であるとなったときに、私たちが知りたい結果がここに出るのかどうかということだと思うんですね。それをほかの参考資料でどのように埋められるのかの検討は別途必要かなと思います。
○岩田座長 これは継続調査という性格があって、3回目の調査なんですね。それで、最初から統計局に対してそのように届けてあるという縛りがまずあるそうです。これは事務局からお話しいただければいいと思います。
抽出という方法は、ホームレス問題には非常に難しいというのは事実ですね。全数といっても、全数とは何かというのもまた難しいんですけれども、特に5人とか10人を選ぶというときに非常に問題が起こる。それは前回の調査結果で非常にはっきり出ています。ですから、先ほどの補強資料というのは、勿論かなり制度に乗ったということになりますので、更にまだ乗らない層というのがある、そういう前提で限定されたものだというふうに分析するしかないというのは先ほどの御説明のとおりです。だから、全体に戻してしまうと、今回の調査はそもそも成り立たない。
○森川委員 私が言いたいのは、100人いて15人の選び方はもうちょっと改善される方法があるということと、しかし、それをやらないのであれば、今度は参考とする資料の選び方について吟味しなければならないだろうなと考えて、通常そうだと思うんですけれども、であるとしたときに、参考となる資料を集める時間を別途設けられるかどうかというのが1つ。
もう一つ、本当に抽出方法が改善できないのか。その15%しかとれないのは昨日までの話でよくわかったんですけれども、100人いるところで、大体どの辺にだれがいて、この辺の人の中で何番目に出会った人にしようとか、乱数表を使って何番目に出会った人にしようぐらいは、恐らくすることによってランダム抽出を頑張りましたということは言えるのかなと思うんですね。たったそれだけの作業だと思うんですけれども。
○岩田座長 なるほど、わかりました。そうすると、実施要領の中の事前にコミュニケーションをよくしておいてやりましょうということよりも、むしろランダム性を基準にして、余り恣意的に顔なじみにならないというようなことをむしろ書いておいた方がいいのではないか。いかがでしょうか。
 前回では、長期定住層が85%以上だったんです。とりわけ東京で多かった。これは東京が別途やった調査とは全然逆に出たんですね。ですから、非常に偏ったと私は思っています。それは、何かちょっと誤解があったような感じで、私は調査員をやった人から聞きましたけれども。
ですから、協力を求めることが必要だと思うんです。事前に調査をやりますというような案内をした上で、実際にどなたに調査するかは、逆にそのとき出会って何人目とか、そういうふうに、なるべくランダムにやるとしますか。どうぞ。
○沖野委員 おっしゃっていることはわかるんですけれども、現実に調査するときに、1つはそれが徹底してできるかどうか。これだけの調査を各市町村に依頼して、そこでやっていくときに、乱数的に何番目、何番目といったとしても、それで本当に現実に調査対象者をそれでやっていけるのかどうか。それは、断られる方もおられれば、積極的に調査に協力するよと言う方もおられるし。
 もう一つは、調査するときに、いつも出てくるのは、全数調査であれば出会った人全員に調査していきますよということで、断られる方以外の納得は得られるんだけれども、何人かピックアップしてという場合に、自分はその調査を受けたい、調査に協力しようという人について、あなたは乱数で当たっていないからいいですよというふうに断るわけにもいかない。だから話しやすい人、顔なじみ層というのが結構出てくるという偏りは一定生じることはわかった上で、現実には余り縛りをつけてしまわずに、現場の方に任せるというふうな形にしていただいた方が、現場での調査としたらやりやすいというのは実際の気持ちですよね。
○岩田座長 そのほかにいかがでしょうか。森田委員。
○森田委員 今、森川委員がおっしゃっているお気持ちはよくわかるんです。だれしもがやはりランダム性を保証して、できる限り努力はしたいと思いますけれども、しょせんこれは、先ほどからおっしゃっているように、固定層に偏りがちで、しかも対象をアプローチしていくときには限られた人たちになりがちです。したがって、分析の際に対象者に一定の限界があることをきっちりと書いておいていただく。それを徹底していただくということが一番大事だろうと思っております。これをもって、ホームレス、路上生活者の全体像というところも少しグレーゾーンが出てまいりますので、今おっしゃっている意見からも当然なんですが、それを調査の分析の報告書の中で、対象のところでデータの性格をきっちりと明示していただくということが必要かなと思っております。
○岩田座長 そうしましたら、11ページの「調査の実施」の(2)の2番目の「・」がありますけれども、「事前調査として各担当ブロックの中のホームレスの状態について、よく把握し、調査の実施について周知すること」ぐらいにしまして、次の「・」で、「地域の実情を考慮しながら以下の点について留意すること」というふうにして、偏らないというようなことが書いてあって、それから生活場所もその分布に即して選定してほしいということが書いてありますので、コミュニケーションを図った方が協力を得られやすいんですけれども、逆にそのことによって特定の人だけが選ばれてしまうというのを防ぐ。2番目の方をむしろ偏らないように選定するというところを強調するというような修正でいかがでしょうか。ちょっと難しいことではありますけれども。
コミュニケーションが先に出ると、よさそうではあるんですけれども、話を聞きやすい人にすごく偏ってしまうんですね。実際、1人の人に話を聞いて、次の人、近くにいる人に聞かないとしかられるというのはよくわかるんです。本当にホームレス調査というのはこの辺が一番難しい。そのほか、どうぞ。
○奥田委員 もう調査の限界があるので、これはこれでやっていただきたいと思うんですが、今、一番問題になっているのは定住型と移動型の偏りだと思うんです。例えば、前回調査と今回で言うと、若年層の存在が大きく変わっていると思うんですね。往々にして、若い人たちはなかなかコミュニケーションをとりにくいというのがあって、しかも若い人は移動型が多いですよ。
そうなると、これは北九州・福岡の事情ですけれども、都会はわかりませんけれども、定住型になってくると、定住型イコール、いわゆる高齢者とは言いませんけれども、そっちの層になってしまう。そうなるときに、それこそ調査が意図的になってしまいますけれども、ちょっと頑張って若い人にコミットするのかどうか、対象を定住型に偏らないようにということと同時に、例えばこの前回調査との大きな違いは若年層だと思うので、頑張って若年層の意見というか、調査をするというような、少しそういうのも要るかなという気はしています。
 そうすると、北九州もそうなんですけれども、うちは今、巡回台帳というのをつくっていまして、大体市内のホームレスの方の全部のデータをとっているんですが、平均年齢は余り変わらないんです。50代後半ぐらい。それはホームレス全体の平均年齢が変わっていないのか、やはり若年層のコンタクトがとれていない、そもそもデータに上がっていないというのがあります。
ですから、そのあたりを考えると、配慮すべきところとしては、定住層に偏らないというだけではなくて、やはり年齢分布に関してもきちっととるということは大事ではないかなと思います。
○岩田座長 そうしましたら、今の11ページの下の2つある「・」に更にもう一つつけて、「できるだけ年齢も偏らないように選定すること」というふうにつけておきましょうか。
○奥田委員 それが調査としてそういうことが成り立つのならば、私は調査の学問的なあれがわからないんですけれども、多分人口区分というか、ホームレスの中の年齢層区分でいうと、若年層はそう多くはないとは思うんですが、そのあたりで逆にとり方を間違えると、変にデフォルメされるだろうと思うので、その辺は統計的な話はよくわからないんですが、定住層イコール高齢者だなというのがちょっと気になっていたというだけです。
○水内委員 その問題は、概数調査の方でとりあえず反映していただいたらいけないかなとずっと思っています。年齢というか、概数調査でなるべくいろいろな方を、これは私たちも調査を請け負う方なのでやっていますけれども、調査体制によって全然変わってきますよね。特に、地元のホームレス支援団体と一緒にやるところになってくると、かなりアウトリーチが行き届いている場合があって、普通に市の管轄、あるいは国の管轄、県の管轄から上がってくるデータは大体定着層になってくるんですけれども、それ以外のデータというのは、支援団体の場合はアウトリーチで、「大体あの辺に、夜はダンボールでおられる」とか、「ちょっとわからへんけれども、いてはるんや」というような情報が上がってくるんですよね。その辺で、概数調査の方でなるべく何か一生懸命やっていただく。それは多分、いろいろな民間団体との連携というのは非常に必要になってくると思うんですけれども、その辺で工夫していただき、可能であれば、もしそういう体制が整った市であれば、民間の支援団体と一緒に調査をするという形でないと、私も今、某市のを請け負ってやっていますけれども、やはりベースは市から出てくるデータ、定住定着型になってしまっていますので、それを中心にお聞きしにいくということに、どうしてもなってしまうんですよね。
 実は、私が請けている某市は全数調査を実はやりましたが、厚労省さんには割り当てられた人数だけしか上げていませんけれども、全数調査をしてもやはりどうしてもつかみがたい方々への調査というのは、何度たずねても不在だったとか、「出張中」とか、逆に駅でたまたま出会ったとか、その辺ぐらい。なかなか難しいんですね。ですから、概数調査の方でもうちょっと工夫していただいて、今後、調査体制をよりよくしていくために、もっと連携していろいろなホームレスの実際をつかんでいこうというようなことを考えた方がいいのではないかなと思った次第です。
○岩田座長 今度の概数調査とこの調査はどのぐらい離れているんでしたか。一緒にやるのですか。
○矢田地域福祉課長 どちらも来年の1月に実施する予定です。
○岩田座長 そうすると、「概数調査を踏まえて」と書くわけにはいかないですね。
○矢田地域福祉課長 はい。それは無理です。
○岩田座長 そうしたら、事前調査としてというあたりに、今の前回の概数調査、あるいは民間の支援団体、勿論行政もいろいろなアウトリーチをされているところはたくさんあると思うので、そういうことから各担当ブロック内のホームレスの生活場所、定住型、あるいは移動型か、それから年齢、性別ですね。年齢というのは、概数調査はわかりにくいでしょうけれども、アウトリーチ活動なんかではある程度把握できると思うので、「などを勘案して、以下のように対象者の選定をしてほしい」というような、何かそのように変えてもらいましょうか。
 そうでもないというところはあるかもしれませんけれども、実施予定の市を見ますと、大体これまで何かはやってこられたところだろうと思いますので。
 そうしたら、今の実施のところはよろしいでしょうか。どうぞ。
○木原委員 東京都の山谷対策自立支援担当課長の木原でございます。概数調査の方で年齢を把握するようなことをするということになるんですか。
○岩田座長 そういう意味ではありません。だから、それはむしろアウトリーチや何かで。勿論、概数調査のときにわかる場合もありますよね。年齢というのが何歳かわからなくても。
○木原委員 目視でということですよね。目視で今やっていますよね。
○岩田座長 そうです。目視です。だから、概数調査でわかるのは、性別だって当てにはなりませんけれども、それからテントの中に入っているような場合にどういうふうに数えるのかというのは非常に難しいので、概数調査自体もまさに概数なんですよね。ただ、全体をやりますので、すごく高齢な人が多いかなとか、そういう感じですね。
 それから、今、水内委員がおっしゃったのは、それプラス、いろいろな支援活動の中で最近若い人が増えた感じだとか、女性もいたとか、そういうような経験を踏まえて。ただ、勿論、去年のことが今年当てはまるというほど単純なことではないので、非常に短期で来たばかりという人も勿論いらっしゃるわけですから。
○木原委員 もし、若い方たちの最近の実態を、特にリーマンショック以降、感じとして増えているねということがあるとは思うんですけれども、それでしたら、自立支援センターの利用状況は確実に10年前、東京都は平成12年からやっておりまして、ここ10年間の実績をとりましても、若い人たちの利用が増えているんですね。利用率が非常に高まっています。そういう利用されている方たちで、面接をしながら実態をお聞きになるというのは可能だと思うんですけれども、先ほど、今回補強調査をされるという3つの中の1つに、自立支援センターの調査と。これは行政資料として毎年とられているものを活用されるというお話なんでしょうけれども、今後は自立支援センター調査の中で、若い方たちの実態を知りたいということであれば、その中で面接をしていただくとか、そういう工夫は可能なのではないでしょうかね。
○岩田座長 今の話はさっきの補強資料になるので、ちょっと置いて。それで、路上で若い人に出会うのは難しいかもしれないので、余り事細かに書かない方が多分いいのではないかという御意見ですね。
○木原委員 余り縛りをかけない方がいいのではないですかね。それで、若い人たちの実態を知りたいということであれば、違う方法の方がいいのではないかという御提案です。
○奥田委員 済みません。私が要らないことを言ったのかもしれませんけれども、そんなにきちっとした話ではなくて、要するに配慮項目が定住型云々だけだったので、少し年齢のことも考慮してくださいというのは一項目入れた方がいいという程度の話で、若者の実態調査云々に関しては、私は是非補強の方として、全国ネットワークの方でも推進事業で調査をさせていただいていますので、それは厚労省に提出する資料ですので、そこのところの資料を是非使っていただきたいというふうには思っております。実は、去年の自立支援センター等にも調査を入れておりますし、等々やっておりますので、そこはそれで、私がさっき言ったのは、この調査の実施のところに関しては、定住型だけが偏り要件ではなくて、実は年齢の方も少し考慮してとった方がいいというか、考慮してくださいと一項目入れておかないと、どうしてもとりやすいところだけになりそうだなというところです。
 以上です。
○岩田座長 そうしましたら、さっきの概数調査とか、そういうのを入れるのをやめまして、「事前調査として各担当ブロック内のホームレスの実態を十分に把握し、調査の実施について周知すること」として、そして、「本調査の対象者の選定に当たっては、地域の実情を考慮しながら、できるだけ以下の点について留意すること」というふうに、「できるだけ」というようなことを入れて、定住型、移動型、生活場所、次の「・」に年齢や性別というふうに入れておいたらいかがでしょうか。これはわかる範囲でということです。
○森川委員 そうしたときに、調査の回答が信頼性をおけるものとするために、唯一限定できるものというのは時間と場所だけである。それをどうやって選んでいくかというのが、まず大前提だと思うんですね。それに対して、定住型か移動型かという項目を入れるだけで、既にそこに抽出の段階で恣意性が入り、年齢であったり、性別も、加えれば加えるほど、抽出のときに恣意性が含まれてしまうということと、それをもう少し話しやすい人たちだけでないのをどうやって調べていくかということを少しやっていくということであれば、例えば19年の概数調査では割合はこんなものでした、調査の区画ごとにこのぐらいの間隔で探してみてくださいというような、5人とる区画があれば、割合として若い人は1人とるかどうかかなというのを、随分恣意性が入ってしまいますけれども、とり方として。わかりました。
○岩田座長 具体的にこの文言をどう変えるかという御提案をしていただければ。
○森川委員 そうしますと、各地区の前回の概数調査を考慮した上で、年齢と性別の割合、場所の割合を見た上で、この辺の人は何人というのを決める。
○岩田座長 年齢は概数調査に出ないものですから。性別は出していますね。性別はどこにいるかがわかりますね。場所がね。ただ、概数調査は1年前になるので。半年前でも、夏と冬はまた変わってきてしまうので難しい。余りごたごた書かないようにしますか。
○矢田地域福祉課長 事務局からですけれども、もともと正確な調査というのは、まず技術的にも体制的にも無理だという前提の下でやっている調査だというふうに認識しています。勿論、きちっとできればいいんですけれども、ホームレスも流動性がありますし、体制、それから時期的なものもありますので、そこはある程度緩和をした形で調査をせざるを得ない。調査の各個人で出てきた中身をどう分析するかというところ、それから本調査では当然かなりの限界がありますので、あとはなるべく補強材料で対応していくという方向でやるのがいいのかなと。そういうふうにせざるを得ないのかなと。一定の割り切りが必要なのではないかなと思っています。
 これは、実際には各都道府県から市町村にお願いをして、市町村での対応にはなりますけれども、現在でも市町村が直接にやる場合、それからNPO等にお願いをしたり、学生にお願いをしたり、その辺は実際の調査員もかなり幅があります。そういったことで、なかなか統一的にということは無理なので、なるべく負担をかけないで、とにかく調査が前回よりは改善する形でやれればいいかなと思っております。
○岩田座長 そうしますと、概数調査云々はやめまして、つまり少しよくわかっている地域と余りそうでないところがあることになりますよね。しかし、ともかく事前調査をしてほしいと。できるだけブロック内のホームレスの実態について把握して、調査の実施について周知すること。そして、以下の点について留意をしてほしいということで、その下に、年齢、性別がもしわかればそれを反映させてほしいという程度に書いておきましょうか。
 これは、概数調査でないので、一斉調査にせずに、相手方との了解の上で調査ができる可能な時間帯、日時で実施するという意味ですね。そういうことでいかがでしょうか。なかなか難しいところなんですけれども。
 実施要領について、そのほかの点で何か。できるだけ、ホームレス支援をしている民間団体やボランティアの方たちの協力を仰いで実施するという方向に現実的にはなるかと思います。しかし知っていらっしゃる方がまた危ないというと語弊がありますけれども、いろいろなコミュニケーションが逆にとれていると、調査というのは結構調査票に沿って愚直にやっていただくのが一番いいものですから、そのあたりも注意していただくといいかなと思います。
 調査票の方に移ってよろしいでしょうか。調査票の方も多分まだいろいろな点があると思いますけれども、今日の追加意見の表に沿いまして、先ほど御説明にあって直した点は、前回でかなり議論して、直した方がいいという意見の反映です。そして、追加意見はその後にいろいろな御意見が出たところですので、まず、追加意見の横長の資料3に沿って御議論いただいて、それ以外の点について後でまたお伺いするというふうにしてよろしいでしょうか。
 そうしますと、まず、1の「路上での生活について」ということで、2ページ目の問4と問5を反対にするということ。これは路上の期間の限定というのは非常に難しいので、どのぐらいたちますかという4と5を整合的にするためには、5が先の方がいいという御意見なんだろうと思います。
 ちなみに、何でこんな変なことをやったかというと、前回と前々回の2つの調査の時点が4年離れていたんですけれども、その時間軸を使って、長期層、新規参入層、再流入層という3つの野宿経験のパターンに分けたんですね。そうすると、いろいろな点が非常にクリアーになったんですけれども、そのときにここを使ったんですね。
 それで、再流入層というのが問5の中で3とか、4とか、5とかかわってきます。つまり、病院に入って生活保護を受けたり、自立支援センターに入ったり、施設に入ったりしながら、また路上に来る、何度も来る、そういう層として出てきます。だから、長期層とこの層が非常に支援の点で違うパターンですね。支援に近づけやすいんですけれども、うまくいっていないというのと、支援に近づいてこない、この2つをどうするかというような問題は割合きれいに出たんですね。これは逆さにしても出るとは思います。
 では、問4を先にして問5ということでよろしいでしょうか。
 次に、問8ですね。「路上(野宿)生活の中で、困っていることはどんな事ですか」ということで、辛いとか、そういうのを困っているというものとして文言を統一したということですけれども、こういう調査項目自体、聞くのがはばかられるといいますか、みんな困っているに違いないので、取ってしまってもいいというところもなくはないんですけれども。
ちなみに、これからのところもそうですけれども、前回調査では「その他」に42.6%、○がついている。これ以外の「その他」が非常に多いんです。分析の際に再コード化が必要ですが、その場合も、「その他」をまず書いてもらわないと利用できないので、きちんと内容を書いてもらうようにしてもらう必要があります。再コード化すると、上の選択肢のどれかに該当するものもかなりある。違う言葉で言ったので、調査員が「その他」につける。それで、「その他」になっているというのと、本当にこれ以外に何かいろいろなことがある。それをなるべく具体的に書いてもらうように調査要領に言っていただくと同時に、調査・集計の際、まず再コード化を必ずしていただいて利用するようにすれば、我々が気がつかなかったことが出てくると思います。
ちなみに、ここも困っているのは新規参入の方が困っていて、長期層は「困っている」という表現をしない。そういうことがわかっています。
これは、今のように「困っている」で統一でよろしいでしょうか。
では、次に問15ですね。どうぞ。
○沖野委員 問4、問5のところに戻ってしまうんですけれども、私としたら、もともとの問4と問5の順序の方が聞きやすいですね。というのは、初めての路上と今回の路上との間に入っているのが、問5との関係で言えば、生活保護であろうが、働いて住んでいたのであろうが、一定安定した住まいにおりました、そこからまた路上に戻りました、というところでの初めての路上と、今回の路上との違いだと思うんですね。
そのときに、問5が先に来てしまうと、逆に初めての路上と今回の路上との間に区別がなくて、その間に例えばドヤ、飯場、ホテルに泊まっていたとか、自立支援センターに入っていたというのが、要するに初めての路上と今回の路上との、今回のところで野宿から抜けましたよというところで認識されてしまうような気がする。あくまでも、今回の路上生活ということの中に、ずっと路上にいたのか、ときどきどこかに行っていたのかということがこの流れだと思うので、現場で聞くときはもともとの3、4、5の順序の方が私は説明しやすいなと思ったんです。それは、多分、とる人によっていろいろ違うんだろうと思いますけれども。
○岩田座長 そうでなかったら、4、5、3なんですね。私も調査するとき、まず今の状態から始まって聞くやり方をします。
○沖野委員 それが一番です。
○岩田座長 そうなんです。「寝場所をどこにつくっているんですか」と聞いて、それで「どのぐらいたちますか」と聞いて、「こういう行ったり来たりがありますか」と聞いて、「では初めてはいつごろでしたか」と聞くのが、調査の仕方としては一番スムーズはスムーズです。
 ただ、問5というのが合理的でないというのはよくわかるんですけれども、路上生活とか、ホームレス生活というのは非常に流動的な様相を片一方で持っていて、今日は路上だけれども、明日はどこかの飯場に行っている、そういうことが本質的なものなので、問5というのをつくったわけです。それで、ずっといるよと言っていて、これが来るという、一件矛盾しているのは確かなんですけれども、解釈はできないことはない。
○森川委員 3、4、5、10、15の提案を前回と今回しつこくさせていただいているのは、回答者が迷ってしまうと、出したい結果がぶれてしまうということで、順番がどれがいいかはわからないんですけれども、質問者が今回の路上というのはこういうのだよというのを説明できるようにしておくというのを、実施要綱の方で持っておくといいかなと思います。
○岩田座長 これも、何日入院しているとかというのはちょっと難しいんですけれども、そこら辺は考えてみます。
 では、順番は一応4、5、3としておきましょうか。
○沖野委員 私はそれが一番説明しやすい。
○岩田座長 今回のというのは、前というか、いつも悩むんですけれども、「野宿が多くなったのはいつごろですか」という聞き方をしたこともあったんですね。つまり、ちょっとお金が入ればドヤに泊まるとか、カプセルに泊まるということがある。だけど、「ほぼ路上になったのは大体いつごろですか」みたいな、大体そういう聞き方なんですけれども、いつもここが困ってしまうんです。
 もう少し考えてみますが、いずれにしても「今回」を続けて問3を持ってきた方が多分現在と過去がぶれないですね。ここをもうちょっと考えてみます。
○森川委員 あと、問8ですけれども、前回の議事録も拝見させていただいた上で皆さんにお聞きしたいんですけれども、困っていることとつらいことは違うという提案を前回からさせていただいています。問8の質問が、「困っていることは何ですか」というのは「どういう手段があれば助かりますか」というのを聞いている質問であるので、選択肢と質問が一致していないということを言いたいだけなんですね。つらいことを聞きたいんだということであれば、加えるのか、今回は聞かないのか、また問8をつらいことに絞るのかを選択した方がいいのかなという提案です。
 時間のことを考えると、困っていることだけにあきらめるのかどうかというのと、加えて、困っていることというのは衣食住、人間関係、将来も含めた不安の気持ちの問題というか、その3パターンのどれかというカテゴリーに分けられると思うんですね。そうすると、人間関係と不安な気持ちに関しては、この中で5が人間関係だけを言っていて、人間関係はホームレス同士のいざこざだけでいいのかどうか、6の不安については孤独だけでいいのかどうかという疑問があります。
 そうすると、この5と6があるために回答者が更に迷うのであれば、逆に5と6をなくして、「その他」でより聞くという考え方もあるのかなという提案もしていました。
○岩田座長 問8をやめてしまうという考えもあると思います。これを聞かれても困るだろうと私は思いますけれども、前回、これを使って分析したいという委員の方がおられて入ったんですけどね。
ただ、前々回もあったかもしれませんけれども、どちらかというと、長期化してくると、「困った」という表現をしないとか、何らかの方法で衣食を調達するような生活スタイルを身につけるといいますか、そういう傾向はかなりクリアーに出ます。だから、いいという話では勿論全然ないわけですけどね。むしろ、それゆえに支援の方法はかなり工夫が必要だということになります。
○森川委員 それで、「その他」がかなり前回も多かったと思いますので、前提として「その他」がたくさんあるんだという思いで聞く。それを、19年度、15年度は分析を余りしていなかったというふうに聞いていますので、今回は結果のところで「その他」の分析をしますというふうにしてもいいのかなと思います。
○岩田座長 5、6をなくすということですね。
○森川委員 そうです。整合性という提案を何度もして、事務局の方々も大変だと思いますので、整合性ということを考えるのと同時に、「その他」が非常に多いということを考えると、例えば「孤独で不安」と聞いたために「その他」が増えたということも、実際はわからないですけれども、こういうことも答えていいんだというふうに気持ちが揺れたかもしれないですよね。そうすると、「その他」を分析するんだという意味合いを込めれば、このままでもいいのかなと思います。
○水内委員 この「その他」の分析は私も気になっているんです。再コード化が絶対に必要になってくるんですけれども、どの時点でされるのかというのは非常に私も心配していまして、4月の頭にこれを出すのであれば、再コード化というのはちょっと無理ではないかなと私は思うんです。分析時にこれを改めて検討すると、その分析を改めて検討するというのは、5月以降というか、来年度の意味としかとれないんです。また、再コード化するかしないかは、請けたところがされるのか、それともこの検討委員会の中でも、私も再コード化だったら、「その他」のものを全部乗せて、さあどうするかということを決めながら、みんなで考えて再コード化していかないと、現場の意見とかを入れないと、再コード化は意味がなくなってくるんですよね。ですから、私たちはいつも「その他」というのを丁寧に扱わなければいけないなと思っているんですが、時間がかかるし、ここに書いている横向きの分析、調査時に検討する、それはいつなのかというのを確認させていただきたいんですが。
○岩田座長 では、その点はどうですか。
○矢田地域福祉課長 今の時点でどのぐらいかかるかというのは、申し訳ないのですが、お答えがなかなかできません。
私どもも確かに統計としては、「その他」はどの項目についても非常に高いので、分析をしなくてはという意識はあります。ですので、事務局の方としては、19年度の調査の「その他」の中で大体どんな感じなのかというのを中をざっと洗ってみて、それで再コード化の方法なりを検討してみようかなと思っています。大体のめどがつきました段階で御相談をさせていただければと思います。
○岩田座長 いろいろと大変は大変なんです。職業は、19年のは私がやったんです。夏じゅうかかった。ですから、本当のことを言うと、すごく難しいですよ。しかも、単純集計で出されると、この間のを詳細分析をさせていただきましたので、さっき言ったような野宿経験類型とか、移動の類型とか、支援サービスを利用している、していないとか、どういうタイプのを利用したか、類型でやると非常に面白い結果が出ますね。ですから、政策的にも参考になると思うんですけれども、単純集計だと、前回よりこうだった、ああだったとしか出ないんです。
○沖野委員 これは問8の1番から7番の項目というのは、ずっと3回とも大体中身としては一緒なんですかね。前回、前々回。何か項目が変わったというのはないんですか。
○岩田座長 例えば、社会関係といいますか、人間関係でいいますと、これは最後の22ページの一番後ろに人権問題でつけてある、通行人からの暴力とか、地域住民からの嫌がらせとか、こういうのが通常入ります。例えば、私が調査するときは入れます。
○沖野委員 私が思ったのも一緒で、ホームレス同士のいざこざで困っているというのを入れるのであれば、それは最後の項目にも入っていますけれども。
○岩田座長 ここにも入れるという手はあります。
○沖野委員 ここにもやはり入れるべきではないかなと。
○岩田座長 それはあります。だから、何か投げつけられたとか、雑誌なんかでたたかれたとか。
 では、それをこっちに入れますかね。
○沖野委員 それはかなり重要なことになると思うから、「その他」の中で埋もれてしまうのはどうかと思うんです。
○岩田座長 そうですね。それとか、公共地の管理者との間とか、これは2とも関係するんですけれども、居場所を確保しようとすると追い立てられるとか、そういうのが当然出てきますので、ちょっと表現は難しいですけれども、そういうを増やすということで生かしておいて、ともかく「その他」は聞いたことをそのまま書いてくれというふうに言っておくしかないかもしれません。では、問8はそのような形で。
 問15の「理由なし」というのは削除でよろしいでしょうか。
 それから、問17ですけれども、現在の居場所に来た理由ですけれども、「その他」についてもうちょっと書いた方がいいのではないか。これはホームレス側ではない理由、例えば追い立てられたとか、そういうことがあるのではないかということですね。これは確かに「その他」が多いんです。これも「その他」が40%だった。「その他」と1が多いんですね。◎は1が多いんですけれども、何かいられなくなった理由があるんですね。何て書けばいいですか。何かいい案がありますか。
○森川委員 いい案の前提として、「その他」の分析は確かにいいなと思うんですけれども、追い立てられたけれども、それはしようがないなと思って、なじみがあるところに行ったという人は1を選んでいるのかなと、19年の結果を見ると思うんですね。受け手側の行政区の気持ちがいっぱい入っている項目かなということを前提の上で、「その他」を頑張る。
○岩田座長 ここも、「その他」を見ておいてもらうのと、「なじみがある」という言い方をよくされますけれども、別の理由も勿論あって、知り合いに会いたくないとか、いろいろありますけれども、それ以外にもあるかもしれない。では、これはあらかじめ非常に高い割合で「その他」があるところは見ていただく。
 それで、その次ですけれども、問20です。問20の18を「よく眠れない日が続いた」、19を「2週間以上毎日のように落ち込んでいた時期があった」、そのようにしてはどうかという御意見です。これはこれでよろしいでしょうか。
 20-1は、これは新規項目ですけれども、アルコールの問題ですが、アルコールの問題を把握するには摂取量が大事なので、1日当たりどのぐらい飲むか、これは量はどういうふうに聞いたらいいんでしょうか。
○森川委員 通常は、分析するときにアルコールのグラムに分けて、2本であれば60グラム以上が大量飲酒だというふうに分けられるというのを、ここで細かく聞くとすれば、例えばAUDITというスクリーニングの1、2、3ぐらいを使って聞く方がかえってわかりやすいのかなと、昨日提案させていただきました。
○岩田座長 もう一つは、これを入れるか入れないかというのもある。
○森田委員 ホームレス問題にとって、アルコールとの関係というのは大変重要な指標にはなると私も思っておりまして、新しく起こされた意味はわからないでもないんですけれども、全体をスリム化していく必要がありますので、下に21にアルコール依存症が入っていますし、21-1にも依存症が入っていますので、とりあえず症状として表れたものはここで把握できるとして、この項目自体はいろいろな意味合いが含まれてきますので、これは削除された方がスリム化にとってはプラスかなと。
これを仮に政策評価として、前からのホームレスの自立支援法の政策の評価として使うことに関してどれだけの必要度があるかということをここで少し考えておく必要があるだろう。そのほかにも削除が可能なものがあれば、もっとスリム化した方が調査票全体としては私はいいかなと思っておりまして、さしずめこの項目は一遍御検討をいただいた方がいいと思っております。
○岩田座長 どうぞ。
○奥田委員 私も、20、21が、例えば何が普通の生活かは現代は難しいと思うんですけれども、いわゆる居宅で暮らしている人に対して、例えば2週間眠れないという質問というのはある程度成り立つと思うんですけれども、そもそも路上にいる人で、「いや、おれは毎日ぐっすり寝ているよ」という人は逆に少ない。だから、路上生活が大変だということを言うには、実際には眠れない人が多いんですよということを表すんだったらいいけれども、これがメンタル的な問題だというところに分析できるのかどうかというのは、私は逆に路上でぐっすり寝ている人はいないのではないですかというのもあるので、この使われ方に関してはすごく、アルコールもそうなんです。アルコールも、冬場に関しては結局は寒いから飲むということもあるんですね。
だから、飲めたら飲むということでいうと、依存症が多いのかというふうにも読めるし、また逆にその環境が飲ませているということも当然ある。だから、そういうところで使われ方に関しては、慎重に分析をするということを私は危惧するんですね。
特に、アルコールのことに関しては、ホームレスに関しては社会的排除とか偏見差別の対象化とされているので、やはりそういうことかみたいな言い方で、そっちに持っていく材料になると、確かに依存症の人は少なくはないと思います。私は実際にはいろいろあると思いますけれども、こういう全体調査で一くくりでぽっとやられると、森田先生がおっしゃるように、別の要素も出てくる可能性もあるので、この辺はどういうふうに扱ったらいいのかなというのは私も危惧するところです。
 20番も、この設問自体が何を表そうとする設問になるのかというのを、そもそも路上がしんどいということをいうんだったら、確かにこれはあるということです。
○水内委員 この調査は一体いつまで続くのかというか、5年後も10年後もまたやるのかという問題も含めまして、長期的な視野で考えて、メリットはこういう調査を継続しているという事実はすごく大きいと思いますし、単純集計で出てくる結果の幾つかは、今の路上生活の現状というのを表すという意味では非常に重要だと思うんですね。5年後ももし路上生活者が7,000人、10年後は5,000人と減っても、ある種この層というのはきっちりと押さえておかなければいけないと思います。
 そういう意味での政策的意味がこの調査にあるとすれば、細かい要因分析というのはちょっと大なた過ぎる調査なので、また逆にいろいろな考えも生み出したり、一人歩きすることがありますので、細かく分析していくことに関して、政策立案として使えるものかというと、ちょっと使えないところもある。
と考えると、今、考える事は、もしどうしても増やす設問があればどこかで削るということで、現状維持を図って、この調査なら何とかできると私たちは思っています。聞き取り調査はそんなに時間はかからないんですけれども、これを何とか維持する形で、しかも継続性を維持するというところで議論を進めていった方がいいのかなという感じはしています。
○岩田座長 この問20の意味は、要するに自覚的なことで、ホームレスの方々が自分でこういうふうに感じているということです。
それで、21はそういう診断をされたことがある、つまり医学的診断であるという、一応そういう仕分けで大体聞くわけですね。医者に行かないとか、当然ありますから、診断されていないけれども、こういうのがある。勿論、原因があってホームレスになる場合もあるし、ホームレス生活だから勿論いろいろ出てくるとか、読み方はいろいろ。
○奥田委員 私がさっき21と言ってしまったのは20-1です。20と20-1のことしか言っていません。ごめんなさい。21はそのままでいいと思いますが、20と20-1です。20の18、19の修正案と21-1のアルコール問題に関しては、何をここから導き出すかというのはちょっと難しいのではないかということです。済みません、21ではありませんでした。
○岩田座長 では、まずアルコールの方ですけれども、これはやるとすればもっと厳密にやらなければならないという御意見があって、でもやらなければやらなくてもいいと。
○森川委員 20から21の中で、やるならば厳密にというのはそうだと思います。やらないのであれば、中途半端に偏見が生まれるのも確かだと思います。
そのときの考える上での必要条件として、海外の文献などを読むと、路上とアルコールの課題はかなり密接にありますし、アルコール業界の人々、実際の依存症である当事者の人々にとっては、路上のアルコールは関心事ではあるということもあるかなと思います。その上でどうするかですね。
○奥田委員 それこそ補強調査の方で、例えば私の北九州の自立支援センターで言うと、障害率とか精神の方でも依存のこととか、これはもうお医者さんの診断が出たところでの調査結果が出ますから、そのあたりで補強する方が、路上の本人の印象的な調査で、例えば1日何合飲んでいるというのも、私が知っているお医者さんたちは、「大体2合か3合を過ぎると、あとは何合飲んでも3合と言ってしまう」と言う。1升飲んでも、「いや、二、三合しか飲んでいない」とおっしゃる方も多いので、このあたりは裏付けをとれる調査でやらないと、一人歩きするデータになるのではないかなというのを私は相当恐れているんです。
○沖野委員 20-1ですけれども、どれぐらいの量を飲むのかという申告自体はさほど必要ないかなとは思っているんです。
問20-1の設問自体の追加を提案させてもらったのは私なんですけれども、一方で偏見にどう向き合うかという問題はありながらも、やはり一つの分析としてどれぐらいの収入を得ているかということと、そこの中でアルコールについてはどういうふうな形で飲んでいるかと。収入とアルコールとの割合というのは、そう簡単に出てくるものではないと思いますけれども、そこの中で今後対策を打っていく上で、路上生活の中でアルコール問題というのはどういうふうな位置を占めているのかというのをどこかで引き出しておく必要があるのではないかなということで、あえてこういう設問を追加してくださいという提案をさせてもらったんです。
 確かに、一方で路上生活者はアルコール依存症が多いのではないのかというような偏見を逆の形であおってしまう可能性もないとは言えませんけれども、今後の重要な問題は、路上の中での障害であるとか、依存症であるとか、そういうのをどういうふうに解決していくか、どう政策の中に組み込んでいくかということでもあると思うので、やはりこの項目は、分析の仕方を注意していただいて、このまま残していただきたいと思います。
○奥田委員 その必要性は物すごくわかるんですけれども、飲むイコール依存症ではないわけでしょう。私も飲んでいますよ。だから、そこの偏見なんですよ。だから、ホームレス状態で飲んでいるということが、イコール依存症という図式に持っていかれそうなので、こういう項目に関しては慎重にして、裏付けがとれる、お医者さんの診断がちゃんと出ているというレベルで、本当のところで政策的には反映させないと、野宿状態で飲んでいるということ自体が、例えば依存症でなくても、一般の人から言うと、「野宿をやっていて飲んでいるのか、やはり自立する意思がないんだ」と、そっちにすぐ行くわけで、「そんな金があったら、なぜ家を持たないんだ」と、そういう飛躍した話にどんどんなっていくので、この項目に関しては私は別建てで、きちっと裏付けをとって、これはだれも覆せないというデータで勝負した方が政策的には耐え得ると思うんですが、沖野さん、どうですか。
○沖野委員 どうでしょうか。そこはいろんな判断があると思うんだけれども、特に長期野宿層が野宿から抜け出せる支援策をつくるためには、路上生活の中でアルコールがどういう位置を占めているのかを、調査のなかで導き出すことが欠かせないと思います。依存症であるかないかというのは別にしても、当然冬は寒いから体を温めるために飲まざるを得ない部分もあったり、路上が硬いから飲んでクッと寝てしまうという部分もある。やはり路上とアルコールの関係はどこかで表しておく必要がある。
○岩田座長 時間も押していますのであれなんですけれども、路上生活においてアルコールの問題を取り上げるとすると、路上生活における生活様式といいますか、例えば食べ物で困っているではなくて、「1日何回食べますか」、「何を食べていますか」というようなことの一連の中で聞くとすれば、私は余り問題ないと思います。ただ、そもそもそういう調査をしていないですよね。
ですから、そこだけを取り上げると、勿論、施策的にホームレス自立支援策の一つとして、アルコール依存の問題とかメンタルヘルスの問題というのは大事だというようなことをより強調するというようなことになるかもしれないし、ならないかもしれない。ちょっとわからないですけれども。
置くとすると、さっきのように、厳密に何をどのぐらい飲んでいるというふうに置かなければならないので、そういう意味ではちょっと分析も難しいかなと思うので、今回は削除して、別の形でアルコール問題については議論するというのでいかがでしょうか。
○沖野委員 多くの意見がそうであれば。
○岩田座長 それで、20の18、19ですけれども、これもおっしゃるとおりだと思うんですけれども、私は個人的にはこのような表現に変えてやはり入れておいた方がいいかなと思います。おっしゃるとおりなんですね。野宿生活では眠れないのは当たり前ですから、そうなんですけれども、比較的長期層がつかまるということも一応前提にして、勿論そのときに何かおっしゃるかもしれないので、そうしたら何か書いておいてもらえばいいですね。それが健康のところです。
 あとは、これも表現上の問題ですけれども、問23の障害者手帳等ですけれども、これを「持っていますか。または持っていましたか」と修正し、選択肢も前回のように、「今持っている」、「以前持っていたがなくした」、「わからない」、「持っていない」という4つになるということでよろしいでしょうか。
 今度はちょっと飛びまして、14ページですけれども、28-2で、相談には行ったことがない、断られたという人に、「今後相談に行く意志はありますか」ということの前に理由を聞いた方がいいのではないかということでしょうか。
○森川委員 まず、28が「意志はありますか」という結構強い質問をしているために、行きたいけれども、意志と聞かれると、というふうに迷われて、減るとは思うんですね。それは別にどっちでもいいかなと思うんですけれども、そうやって範囲が狭まるものであるというのが前提でありつつ、何でそんなに行かないのかというのは、分析する時間があればですけれども、結構重要かなと思いました。
○岩田座長 そうですね。これは、むしろ「ない」という人に理由を聞いた方がいいんですね。断られたとか利用しなかったというのは、何かの理由があったわけでしょうけれども、勿論2、3、4はそれぞれ意味が異なるので、もしも聞くとすると、全部に付問がつくという感じになってしまうと思うんです。
そうすると、一番問題になるのは多分4だと思うんですね。勿論2、3も問題ですけれども、2、3の問題は本人の問題というより行政との関係の問題というふうに多分なってしまうと思うので、前回調査で「ない」が70%ですね。そうすると、ない人にどうしてかという設問に28-2は変えて、その理由を選択肢をつくって聞くという修正でいかがでしょうか。選択肢について、特にこの時点でこういうのは入れてくれというのがありましたら。
○森川委員 選択肢をつけるとしたら、私が書いた論文で、生活保護に対するニーズ、本人がなぜ受けないのかというのを聞いた論文はあるんですけれども、結構それは難しいかなと。空にして分析をし直してもいいかなと思います。
○矢田地域福祉課長 事務局ですが、ここの部分について選択肢を今度増やしていくとなると、かなり統計承認上厳しくなりますので、理由を聞くとすれば、できれば今の修正案のとおり、「ない」の人について理由をフリーに聞いて書いていただくということがよろしいかと思います。これはあくまでも事務局の方の提案でございます。
○岩田座長 2、3全部立てるというのではなくて、4だけということです。「ない」という人だけ。
○矢田地域福祉課長 問いも変えるということでしょうか。
○岩田座長 そうです。選択肢というのは、その理由を選択肢にしておかなくていいかなと。勿論、フリーアンサーでも構わないんです。フリーアンサーにすると、後が大変なものですから。コーディングしなければならない。だから、勿論それで構わない。2、3も聞きたいところですけれども、聞かないで、4だけ。つまり、4が多い。ちょっとわかりませんけれども、今回、さっき言ったような実施の工夫をしていただくと変わるかもしれません。
 よろしいでしょうか。設問数は変わらないことになります。ただ、もしも選択肢をつけると、カラムは増えますよね。ただ、調査票上は何も変わらないです。問28で、「これまで生活保護制度を利用したことがありますか」で、「4.ない」と答えた人だけ、この付問の2に飛んでもらって、なぜですかということを聞く、そういう提案なんです。「必要がない」とか、何かそういうのが出そうなんですけれども、何か問題がありますか。よろしいですか。とりあえず、今のところはフリーアンサーで聞くということにして、もうちょっと適当な選択肢があれば、選択肢をつくった上で「その他」をつくる。
 それから、今度は16ページに飛びます。16ページの「自立について」というタイトルをその次の設問に合わせて、「今後の生活について」という表記にして、全体として就労支援にちょっと傾いているので、少し整理をしましょうというようなことですけれども、先ほど御説明がありましたように、一番最初の設問、問33ですけれども、その選択肢の1を「きちんと」を取り、「就職して働きたい」と。ここのところが、生活保護も受けないし、支援も受けないし、「今のままでいい」という層が、前回のように、定住層にいくと多くなる可能性は非常に高いですね。
しかし、この間はそれでも35.9%が1なんですね。「今のままでいい」というのは18.4%ぐらいですけれども、長期層は4分の1がやはり「今のままでいい」と言っています。この理由をコード化してみるということですね。
 次はよろしいですね。
 その次は、「誰と住みたいと思いますか」というのは消してあります。
 35-1に飛びまして、これは表現上、非常に堅い言葉というか、正確な言葉で書いてあるけれども、通称を書いておいて、なるべく通称で質問してもらうというようなことです。これもよろしいですね。
 これは、例えば問35-3ですけれども、必要でしょうかね。つまり、どういう職業を希望していますかということなんですけれども、置いておいた方がいいですか。
○沖野委員 35-3は別にあえて必要ないと言えば必要ないような気がします。問33で「就職して働きたい」とか、そこである程度聞いているので、希望職種までここで挙げる必要もないのかなという感じがします。
○岩田座長 置いておいた方がいいですか。
○伊藤職業安定局就労支援室長 職業安定局の就労支援室長でございます。よろしくお願いいたします。
 このあたりは、私ども職業安定局の方の就労支援室の役目になってくるんですけれども、確かにこの調査の対象となる方々が、調査時点でこうした具体的な求職希望分野についてどの程度意識をし、あるいは書いていただけるかという問題があるというのは、今のお話も聞いていて感じたところではあるんですが、私ども職業安定局の方の希望といたしましては、今後の具体的な就労支援に当たって、どういう分野を希望されているホームレスの方が多いのかといったことは、今後の就労支援事業に関わる基礎的なデータとなりますので、もし全体の問数等の制約がないのであれば、私どもの希望としては、できれば残していただければありがたいなということでございます。
○岩田座長 わかりました。では、そのような政策上の観点もあるということで、ではこれはこのまま置いておくということです。
次が、問36ですね。36は要らないのではないかということでしたか。36は免許・資格をこれまで持っているかということですね。それから、今後どういう資格や免許が必要かというのに続くんですけれども、この辺も就労関係と関係しているかもしれません。
 それと、もしも37を置いておくとすれば、「理美容免許」を「パソコン関連」とかに変えてはどうかということです。
 大体出てくるのは、前回のあれで言うと、「自動車運転免許」と「建設関係免許」が多いですね。今後も、8割が「自動車運転免許」と書いています。その辺も、労働行政との関係で継続した方がよければ。
○矢田地域福祉課長 事務局の方で職安局と調整をしまして、36と37につきましては、提案をさせていただいているということでございます。
○岩田座長 そうしますと、今度はもうちょっと飛びまして、39の最後の「生活歴」といいますか、いろいろな各種属性についてですけれども、中学を卒業しなかった人もいるのではないかということで、15歳時点でというのを括弧して入れておいたらどうかという御提案です。これはそのようにしてよろしいですか。
○森川委員 15歳以前のときに、わからないという人がいるかと思うんですけれども、「わからない」はつけますか。つまり、生まれたところを5歳で移動して、8歳で移動してという人は、中学生、15歳としたとしてもわからないかなと。
○岩田座長 出身地というか、聞き方が幾つかあって、またなぜそれを聞くのかということが勿論あるんですけれども、本籍というのは実態を反映していないので、比較的社会学なんかで使うのがこの方法なんですね。中学時点みたいな。勿論、大抵は移動していますので。それでも、4分の1ぐらいは1なんです。だから、ホームレス問題は広域移動の問題というふうに考えられがちですけれども、そうでもない面もあるというようなことはわかる。よろしいでしょうかね。
 それで、次の36-1は消して、結婚、家族、それから年金ですね。それから、借金の問題と、最後に学歴を聞いています。
 公的年金についてですけれども、前回も非常にここに注目をして分析をしましたので、年金の種類について、面接員の知識が欠けているためにあいまいだったりするのがあるので、もしかすると何か書いておいた方がいいかもしれない。ホームレスの方たちは、年金についてきちっとわかっておられる方が少なくありません。特に年齢の高い方。証書を自分で大事に持っている人もいます。ただ、どこかで勤めたんだけれども、わからなくなったとか、足りないと思うとおっしゃって、でも、実は復活したという例はたくさんありますから、証書を見せてくれるような人もいますので、調査員の方が知識がなかったりするんですね。学生なんかの場合。ですから、これは手引か何かに書いて、確認してもらうようにしていただくといいかなと思います。それによって、職業歴や何かの裏付けにもなってきますので。
 時間がぎりぎりです。大急ぎで。
○森田委員 最後の問44の学歴ですけれども、これは「小学校」を入れられるのは当然のことだと思いますが、「特別支援学級」というのを今回わざわざ入れておられますね。前回はなかったんです。確かに、学制の設置としてこういう特別支援学級というのはあるんですが、固定層の高年齢層に出てきたとしても「その他」ですくい上げることができる。特別支援というのは不登校や発達障害との関係しますので、ここへ調査票として入れておくこと自体、その点で要らざる誤解をホームレスのイメージと結びつけて想定される可能性がないではない。だから、これはやはり「その他」へ回しておかれた方が私はいいかなと。
ましてや、インクルーシブ教育というのはこれから進展してまいります。そうすると、囲い込んだ特別支援というところではなくて、標準学級へ通級するということも現在検討中の事柄ですので、そのあたりをにらんで、政策的に考えれば、この項目を加える必要があるかどうか、ちょっと御検討いただきたいと思います。これは事務局方から出てきたのかもしれませんので。
○岩田座長 では、6は取って、何かおっしゃった場合に「その他」に書いていただくと。
○森川委員 取るか取らないかはどっちでもいいと思うんですけれども、44の項目と36-1で削除された項目の中で、例えば児童養護施設等の人たちは、自分たちの手が離れた途端にこの人たちはどうなるんだろうかという議論は、去年はすごくたくさん出ていたかなと思います。ということと、震災もあって、最近父子家庭が貧困で、外に言えなくて困っているという話もあったり、生活保護世帯がまた子どもが生活保護世帯になるという調査も出てきたりしている中で、あってもいい項目なのかなとは思います。あえて絶対入れてほしいというわけでもないですけれども、その辺を皆さんはどう考えられるかというのを。
○沖野委員 もしかしたら、前回説明があったかもしれないんですけれども、もともと問の36-1が削除になったのはどういう理由なのか、そこをもう一回お聞かせ願いたいなと。できたら、この36-1はあった方がいいと私は思うんです。
○伊藤職業安定局就労支援室長 その点も私の方で。積極的な理由があってこれを聞くべきではないという考え方を持っているわけでは、全くございません。ただ、今日も議論に出ておりますように、幾つかの新規項目もあって、全体的には少しスリム化をしないといけない。相対的には必要性が低いと思われるようなところについては、私ども労働関係でも若干スリム化できないだろうかというふうに考える中で、強いて言えば、今の番号で言ったら37の方がより重要性が高くて、36はそれほどでもないのではないだろうかというような意図で36を削除ということも考えられるのではないだろうかということで、事務局の調整の中で御提案させていただいているという趣旨でございます。
○沖野委員 多分これは実際、調査できる対象者は結構高齢者の方が多いと思うので、ここの36-1の項目がそれなりに分析につながっていけるかどうかというのはどうかなというところもあるんです。趣旨は何となくわかるんですが、今のホームレス問題の中で、特に若い層になってきますけれども、両親世帯なのか、片親世帯なのか、児童養護施設等々の出身なのかというところと、学歴の問題、障害の問題、そこがどう結びついてホームレス化につながっているのかという視点はきっちり持っておく必要があると思います。ですから、せっかく設問があるのだったら、あえて消してしまうよりも、2と3を「父親と自分」、「母親と自分」という項目を統合してもいいと思うので、できたら残した方がいいと思うんですが。
違うんですか。「生活歴」のところの36-1です。
○矢田地域福祉課長 今し方、事務局の方で発言のありましたのは、新しい36番の話ですので、古い36番の話ではございませんでしたので、そこは訂正をさせていただきます。
 今議論になっているのは家族構成のところの問の話だということでよろしゅうございますね。失礼いたしました。
○岩田座長 どうしましょうか。確かに、数はどうせそんなに出てこないんですけれども、私もネットカフェの調査をしたときに、両親の離婚とか、要するに実の親に育てられなかったという経験をしている人がかなり多いとか、つまり早くから家を離れてしまう、そういう感じは受けてはいるんですが、これとさっきの特別支援学級、学校の話を入れるとすると、どういうふうに。そういうところにいた経験はありますかみたいなので、だっと施設の名前を挙げるという手もありますけれども、何かそれも意図的ですが。特別支援学級に入ると、手帳とは関係しますか。しないですよね。
○森川委員 海外の文献を見ていくと、家族機能が弱い人ほど路上生活は複数回あるとか、なりやすいという調査は何本か出ているという点で、旧36-1はそういう思いで聞くのはありかなと。あと、子どものころの虐待経験があるほど自殺しやすいとか、路上生活化しやすという文献もあります。
特別支援学級に関しては、インクルーシブの方法がいいか悪いかはまだ議論の途中だとは思いますが、社会がどう動くかによってこの6は浮いてしまうかもしれないなとは思います。44の6ですね。これは切ってもいいのかなとは思います。
○岩田座長 特別支援はどうしましょうか。森田先生。やめた方がいいですか。
○森田委員 やめた方がいい。これは、調査員の方が少し理解しにくい面があります。複雑ですから。いろいろな要素がそこに入り込んでいますから。
○岩田座長 それで、まだ、そういう学校にいた人はいろいろなところで支援に乗るんですけれども、そうではない人の問題があるんでしょうね。障害のね。
 では、最後の学校のところは6を取って、前の36-1になりますか、今の39の下は復活させるということでいかがでしょうか。
○水内委員 家族構成というのは、前回調査のときから15歳と入れたんですよね。15歳のときのというのは前回の調査から入れたもので、そのときにこの設問は家族構成はついていましたか。今回新しく提案されたんですかね。今回提案されたものですよね。新規をまた削って、また復活ということになっているんですかね。
この問題は、私も義務教育以降をカバーする領域がないというのは重要だと思いますが、もしスリムと言うのであれば、自立支援センターのデータとか、そっちで集めた方がはるかに現状に近いような、若年、10代後半の方々の家族状況とか、非行歴とかも含めて、そういうものが出てくるのではないかと思うので、もし新規であるなら、別に復活させなくてもスリム化ということを優先してというのも考えられるんですけれども。
○岩田座長 そういう御意見ですけれども、15の時点の家族状態というのは、これは社会的排除論なんかでよく使うというか、有意に出ましたなんていう感じで使われるものではあるんですけれども、うまく効くかどうかはわからないですね。これは家族構成しか聞いていませんので、そのときのお家の経済状態とか、あるいは生活保護を受けていたとか、そのあたりは路上の調査だとやはり難しいかもしれないですね。いろいろわかりたいことはたくさんありますけれども、ほかのタイプの制度に乗った方たちに詳しくライフヒストリーをお聞きするというような感じにどうしてもなるかもしれない。
 では、それぞれの設問の意味はあるんですけれども、ここは消してということで、全体でいかがでしょうか。どうぞ。
○奥田委員 意見としてだけ。今後もこのホームレスの調査がずっと続いていくのがいいだろうし、ホームレス自立支援法が来年の夏で一区切りしますので、その後継に関してどうするかという議論もしていく中で、私は自立支援法の第2条のホームレスはだれかというところが自立支援法の一番の課題だとずっと言ってきましたし、今も思っているんですが、そこからいくと、実は問3の初めて路上になったのはいつですかという話で、実はその以前に不安定居宅、居宅が不安定状態になったのはいつかということから始めないと、施策にはならない。安定した居宅を失ったのは一体いつなのか。ここの掘り起こしをすることによって、次の施策の枠組みが決まる。諸外国を見ていてもそうでしょうし。
ですから、今回の調査は継続して考えると、そこの設問を入れる意味がないでしょうから、一応せっかく委員になりましたので、議事録には今後の課題として、不安定居宅になったのはいつかという設問から次回はやっていただきたいという意見を最後に言いたいと思います。
 以上です。
○岩田座長 そうですね。ホームレスというのはまさにそういう意味なんですけれども、その中に2つありまして、そういうことがはっきりできる、つまりアパートとか持ち家という場合と、そうではなくて、ずっと寮を転々としてきたとか、そういう場合が混じるところが難しいということですね。でも、それはおっしゃるように、もう少し広い。それは、奥田委員の方の何か調査、補強で。
○奥田委員 できたら、そのあたりも追加の部分で裏付けがとれるところで、まさにさっきのライフヒストリーの問題も含めて補強できればなと思っていますので、是非使っていただければと思います。お願いします。
○岩田座長 一応再就職のときの住所とかを聞いていますので、いろいろな点はわかります。
 そうしましたら、また今日も時間超過でしたけれども、一応今日御審議いただきました内容で。
○佐久間委員 私も、1点だけ意見というか、さっき言いそびれたのが、33番の質問が気になっていて、岩田先生も「自立について」がちょっと就労に寄っているとおっしゃっていたんですけれども、33番で「自立について」ということで、「今後、どのような生活を望んでいますか」と聞いて、「きちんと就職して働きたい」とか、幾つかあって、これは前回の19年度の比較の調査とかを見ていると、だんだんその数字が減ってきて、ずっと現状の今のままという人が15年度と比べると増えてきていますというふうな分析になっていて、ここの質問項目が、私たちはアウトリーチとかをやっている感じだと、例えばこの質問の中で、「保護を受けてアパートに行きたい」というふうに聞いたら、もっと割合が高いのではないかと思うんですね。ここは聞き方が、「就職することはできないので何らかの福祉制度を利用して生活したい」、これが福祉利用というふうな形のカテゴライズになっていて、私たちの感覚で言うと、アウトリーチとかをやって、その中で100人いて1割の人しかそれを希望しないというのは、割合としてかなり少ない感じがするんですよね。これをもうちょっと聞き方を広げていったら、数字が変わってくるのではないかなと思ったんです。
○岩田座長 具体的に、「福祉制度」を「生活保護制度」とするとか、そういうことでしょうか。
○佐久間委員 「どのような生活を望んでいますか」と言って、例えば具体的な直接的な聞き方だったら、「生活保護を受けてアパートで暮らしたい」というふうな項目があったら、かなり変わってくると思います。
○岩田座長 もっとすっきり。
○佐久間委員 もっとすっきり。それは行きたい、行きたいんだけれども、こういった課題があるとか、こういったところで自信がないとか、結局アウトリーチはそういうことになってきますから。
 あと、もう一つは、「今のままでいい」というのが15年度と19年度で増えてきているとあるんですが、ファーストコンタクトで「いいよ、今のまま」でという、ちょっとすねに近いような形で答えている部分もあると思うんですね。それが長期化によって現状のままでいいという人が増えていますというふうになってくると、強がって言ったことが、彼らはそういうふうな気持ちを持っている人が多いからというふうになってしまってはいけないなと思って、むしろ少し矛盾するようなデータが、そうは言っているんだけれども、実際にはアパートに行って暮らしたいという人もこれだけいますと言って、そのためにはどういった促しとか、アウトリーチをしていこうか、そういうふうに向かえるような。
では、具体的に何を提案するんですかというと、私案としては、33の中に生活保護を使ってアパートで暮らしたいというふうな生活を望んでいますかというのが1つあれば、すっきり答えやすい内容ではないかと思っています。
○岩田座長 私もここの設問についてかなり考えたんですけれども、その下がどっちかというと、アパートとか、施設とか、住み込みとか、家族とか、わからないとか、場所なんですね。では、上は何かというと、ちょっとそういうのが混在しているんですけれども、要するに「きちんと」というのは実は割合意味があって、就職して雇用されて何かしたい、あるいは勿論別のあれもあるかもしれませんが、一応就職。対極にあるのは、就職はできないので何らかの福祉制度というのは勿論生活保護もあるけれども、養護老人ホームに入るとか、別の福祉制度もありますので、そういうようなイメージですよね。入院も勿論生活保護と絡めて。
間にある2、3というのが、ここが難しいところですけれども、3は昔から半福祉・半就労とかいった感じのことですけれども、「今のままでいい」と2というのは実はかなりオーバーラップするんですね。
だから、おっしゃっるように、ここの選択肢はかなり難しいことは難しいんですよ。それで、ちょっと考えていたんですけれども、なかなかいいアイデアが浮かばないので、もしも今のようにおっしゃるんだと、2つを合体させなければいけない。そうすると、かなり面倒くさくなる。
例えば、住み込みの就職をした、アパートを借りて就職をした、それから生活保護で保護施設に入りたい、施設は入りたくない、居宅で保護を受けたい、宿泊所で保護を受けたいというふうに。
○佐久間委員 そうですね。だから、保護を受けてアパートというのが一番わかりやすい。自立支援センターに行きたがらない人も多いですし。
○岩田座長 それはそうだと思うんだけれども、それは援助する側としては勿論そうだし、本当のニーズを引き出す。ニーズ調査というよりも調査ですから、調査員の聞き方に勿論よりますけれども、そう答えられればそうだというふうに○をつけてもらう。調査員は援助者ではないということなんですけれども、それにもかかわらず、ここは余り洗練されていないということは事実なんですね。
○佐久間委員 あくまで意見というか、感じたことで。
○森川委員 33のつくり方は今よくわかりました。それを回答者もイメージできると、全体の中でここかなと言えると思うので、調査員の人に33に関しての説明文を構造を分けて、図みたいな感じにして対応というのはどうでしょうか。
○岩田座長 文言も含めて、もう一回私も考えてみますが、もしも何かいいアイデアがあれば、一両日内に事務局の方にお寄せください。
それで、最後の文言まで完全には確認できていませんし、今、再検討の項目だけについてやりましたので、なお、ここはというのが今の佐久間委員のようにおありになるかもしれませんので、そうしましたらなるべく早く、一両日中にお寄せいただいて、あとの文言修正については一応座長に一任させていただいて、結果をまたメールで見ていただくという感じになります。
○矢田地域福祉課長 事務局としましては、できますれば座長に一任をしていただいて、座長と最終調整をさせていただいて、それで調査の準備に入りたいと思っています。
○岩田座長 沖野委員、どうぞ。
○沖野委員 最後に言って済みません。問17の4番ですけれども、ここをもうちょっと膨らませたような内容にした方がいいのではないかと。多分、前回までは「近くに日雇いの寄せ場があったり、仕事の声をかけられる(手配師が多い等により仕事に便利)」、これで多分集約されていたんでしょうけれども、もうちょっと仕事というか、旧来の日雇いというだけではなくて、何か膨らませたような表現で聞いた方が聞きやすいなと思ったので、何か考えていただいたら。
○岩田座長 日雇いの寄せ場に限定しない方がいいということですか。
○沖野委員 そうですね。限定しない方がいいかもしれないなと。特に、地方で聞くときに、今の状況ではこれが本当に通用するのは大阪だけかなという気もするので。
○岩田座長 そうすると、3と4をくっつけるというか、何かでしょうかね。
○沖野委員 あるいは、そこの都市に出てきたら仕事があると思ってとか、もし加えられるのだったら、そこに行ったら生活保護を受けやすいとか。それは余り書かない方がいいですか。
○水内委員 去年やった調査で、その辺の理由は全部聞いているので、補足でカバーできるのではないかと思うんですけどね。これを変えると、大幅に乱れると思う。
○沖野委員 17の4だけ、何か考えていただいたら。
○岩田座長 わかりました。では、3、4も含めて、全国調査であるということを意識して。
 では、今の問17の点と16ページの問33の中身について、もう一回御意見を踏まえて、もうちょっと何とかならないか、考えてみます。
 そういうことで、大変申し訳ありませんけれども、あとは私の責任で修正をさせていただくということでよろしくお願いいたします。
 そうしましたら、今後の日程はどんなふうな感じになりますか。
○金子地域福祉課長補佐 長時間にわたり御意見をいただきまして、ありがとうございました。本日の御議論を踏まえまして、これから生活実態調査の実施に向けて、事務手続を進めていこうと思っております。
 それでは、終わりに矢田地域福祉課長より、一言御礼を申し上げたいと思います。
○矢田地域福祉課長 まず、日程的に1回、2回とタイトとなりましたことをおわび申し上げたいと思います。その上で、座長を初め各委員の皆様方には本当にお忙しい中を精力的に1回、2回目と御議論をいただきました。御協力をいただきまして、本当にありがとうございます。御礼を申し上げたいと思います。
 今日の第2回の検討会で、調査項目の方向性はいただけたかなというふうに思っております。先ほども座長の方からございましたけれども、最後は座長と最終的に調整をさせていただきたいと思っております。具体的な調査につきましては、また自治体と協力をして適切にやってまいりたいと思います。
 それから、今後のことでございますけれども、1月に調査をいたしまして、即集計に入りたいと思っておりますし、皆様方から御要望のありました補強材料の関係、それからその他の関係の再コード化というような点、そういった点の方向性なり資料もある程度整えた上で第3回目の検討会を開催したいと思います。その際には、また改めて御連絡を申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。
○岩田座長 それでは、どうもありがとうございました。以上で終わります。


(了)
<照会先>

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ホームレス自立支援係: 03(5253)1111

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