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2011年11月10日 第3回労働政策審議会職業能力開発分科会中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会議事録

職業能力開発局

○日時

平成23年11月10日(木)10時00分~12時00分


○場所

中央労働委員会 労働委員会会館612会議室(6階)


○議事

○今野座長 ただいまから「第3回労働政策審議会職業能力開発分科会中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会」を開催いたします。本日は、浅井委員と梶川委員がご欠席です。
 議題に入ります。お手元の議事次第にありますように、本日はこの委員会の報告書の原案について検討いただきたいと思います。これまでと同様ですが、中央職業能力開発協会の担当者の方が参加されていますので、予めご了承いただきたいと思います。事務局から説明をお願いします。

○原田調査官 お手元の資料の報告書(素案)について説明させていただきます。まず、報告書(素案)全体の構成ですが、1頁の第1「はじめに」とありますが、今回の検討の経緯等を説明している部分です。第2「検討項目」は、?から?までありまして、設定されている検討項目です。2頁以降は、各検討項目ごとに検討した結果を記載させていただいています。2頁の1「趣旨」で整理したうえで、3頁は2「検討」で、具体的な検討の部分です。8頁は3「評価及び提言」で、これまでの議論を踏まえたものとしての評価及び提言です。以下、9頁の検討項目2についても、同様に1「趣旨」、2「検討」、11頁は3「評価」という形で整理させていただいています。検討項目3について、11頁から15頁までありまして、15頁からは検討項目4、17頁は検討項目5、19頁からは検討項目6です。21頁は第4「おわりに」です。
 1頁に戻ります。第1「はじめに」ですが、4行目に厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会が平成22年に開催されたところです。その中の報告書で、中央労働災害防止協会について、直接的には提言がありましたが、「他の全ての特別民間法人についても、同様の検討を始める」ということでしたので、特別民間法人である中央職業能力開発協会(以下「中央協会」)について、審議会分科会の下に当専門委員会を設置して、検討を開始したものです。
 第2の検討項目は、従来から議論いただいています項目?から?です。2頁の検討項目1「根拠法に基づく業務が遂行されているか」です。中央協会及びその業務は、ご案内のとおり職業能力開発促進法に基づいて設置、あるいは業務運営されているものです。中央協会は、もともと?にありますように、事業主あるいは事業主団体の方々が自主的に職業訓練等を推進するということです。?で、官民一体となって職業訓練等を推進するということで、民間の中核的な指導団体という位置づけです。?で、職業訓練の推進と技能の評価は密接な関連の下に行われるべきということで、中央協会が法律上の民間法人として位置づけられ、その業務については、法第55条一から六に各業務が規定されています。併せて第2項、それから第46条にも行う業務として、法律上の規定があるものです。
 2「検討」です。現に、中央協会が行っている各種の事業、特に平成23年度に行われている事業について、それぞれ個々に検討したものです。(1)職業訓練振興事業で、これまでの専門委員会の中で説明させていただいてきました個別の事業ごとに、法律第55条の中の第1号から第6号のどれに該当するか、法律に基づいて行われている事業であるかどうかの整理をさせていただいているものです。併せて、前回の専門委員会でも、それぞれの事業をなぜ中央協会が行っているのか、なぜ中央協会で行うことが適当なのか相応しいのかについて、問題設定をしていただきましたので、それに対して、それぞれの事業ごとに整理させていただいている部分もあります。3頁で申し上げますと、ロの職業能力開発推進者リーダー養成研修事業等とありますが、第2段落に「中央協会は」とあります。「中央協会は、都道府県協会との協力のもとに、全国的にこのような支援を20年以上行ってきた実績・ノウハウを有し、業界関係者等の協力を得てこの事業を効率的に実施している」ということで、中央協会が行う意義等について整理させていただいています。ハは、職業訓練生援護事業です。法律上の第55条第1項第6号に位置づけられます。
 4頁は、(2)技能検定等事業です。中央協会が行う業務の中心的な事業ですが、イの技能検定試験問題作成、業務指導、職員等研修事業について、法律上の位置づけ、それからこれまでの実績等について整理しています。ロが技能士実態調査、ハがコンピュータサービス技能評価試験事業で、法律上の位置づけ等実績を書いてあります。ここも第2段落に「当該試験は」とありますが、ベンダーフリーな課題設定、評価手法に係る情報提供等、中立的機関にしかできないことから、中央協会が実施しているという整理をさせていただいています。
 ニでCADのことが4~5頁にかけてあります。CADについては同種の試験が他になく、ベンダーフリー等から、中立的機関にしかできないということです。ホは、ビジネス・キャリア検定試験事業です。国が定めた基準に準拠し、事務系職務であれば誰でも均等に受けられるインフラ整備である。特定分野だけでなく、事務系職務を幅広く網羅している我が国唯一の試験ということで、職業能力評価についての専門的知見を持つ中央協会が実施しているということです。
 (3)は情報資料提供等事業です。中央協会が幅広く実施しております。業界関係者等から情報収集について協力を得やすいということで、中央協会が都道府県協会と連携し、全国網で幅広く情報浸透を行っています。
 (4)の図書出版事業は、中央協会で行っている関連事業において、蓄積された情報・ノウハウを有効活用することにより実施しているものです。
 (5)からは受託事業になりますが、6頁でキャリア支援企業創出促進事業を中央協会が行うことの意味として、中央協会は、都道府県協会とともに、職業能力開発施策に関するノウハウと、全国ネットワークを活用しているということです。ロは、職業能力評価制度の整備及び活用促進事業です。ここも、法律上の位置づけとともに、第2段落で中央協会が行っている意味として、職業能力評価制度全体に対する知見や、業種横断的にレベル調整を行うノウハウを蓄積しているということです。ハの技能評価システム移転促進事業等ですが、第2段落に中立的な立場や、ノウハウや国際的なネットワークを活用することによって、中央協会が効果的に実施できているものです。ニは、各種技能競技大会等推進事業です。この中の(イ)についても、各企業等が参加する技能五輪全国大会は、特定の参加企業等に有利とならない公平中立な人材養成に資する運営が必要であり、WSIの日本唯一の加盟団体として、ノウハウやネットワークが有用と。中立的な機関、国際的なネットワークと人材養成に関するノウハウも活用して、中央協会が行っているものです。(ロ)についても、公平中立的な立場です。ホは教育訓練受講環境整備事業です。法律上の位置づけで、中央協会が行う事業の意義を整理させていただいています。
 3「評価及び提言」です。今回の専門委員会等でいろいろ議論いただいたものを取りまとめさせていただいている部分です。(1)は中央協会が行っている意義について、これまで個々の事業で説明させていただきましたが、それを再度取りまとめています。中央協会は、従来から行ってきた各種の事業において蓄積された情報・ノウハウや、全都道府県協会等を会員とする全国ネットワークと、法律に基づいて設立された全国で1個の法人という公共性、信頼性、中立性により、業界団体等の協力を得やすい立場から、職業能力開発関連事業を円滑、効果的に実施することができているということで、整理させていただいています。
 (2)は、これもこの専門委員会の中でご指摘いただいたところですが、中央協会が自主事業として行っている各種の技能評価試験、技能審査等については、能力評価のインフラを整備し、職業能力の全体的な底上げに資する、あるいは受検のインセンティブをさらに高めるため、合格者がより評価されるような試験とすべく、内容の精査・向上についてさらに検討していく必要があると。併せて、受検者が増加すれば、後ほど出てまいります「検討項目6」の自己収入の確保にもつながるものであります。
 (3)は、職業能力評価制度です。職業能力評価基準は、各種の事業で整備してきたところですが、中央協会としても厚生労働省としても、普及・活用に努めてきているところですが、なお不十分というようなご指摘もありまして、より効果的な方法等を検討して進めていくべきということです。
 (4)は、技能競技大会についてです。非常に社会的にも意義のあるものだという評価をいただいたところです。それについて、積極的に世の中に広めていく工夫が必要です。技能検定についても、人材育成の大きな目標になっている、あるいは企業の競争力強化にもつながっていることから、その効果について世の中に周知していくことが必要です。併せて、技能検定職種の見直しについて不断に進めていくべきということで、これもいろいろな所で繰り返しご指摘をいただいているところです。以上が、検討項目1です。
 9頁以降が、検討項目2です。「法人役員への官庁OBの在籍状況・給与等は適正か」です。1「趣旨」は、閣議決定がありまして、指導監督基準ですが、特別民間法人の役員や給与については、この基準が適用されているところで、これに則った運用になっているかの確認です。
 2「検討」役員の在籍状況ですが、平成23年7月1日現在の役員138名のうち、厚生労働省出身者は2名で、指導監督基準がありますが、所管省庁の出身者の割合が役員現在数の3分の1以下という基準になっていまして、厚生労働省出身者2名の中で常勤は1名です。常勤は、全体で3名のうち1名ですので、常勤だけに限っても指導監督基準は満たしています。なお書きのところですが、出身者2名のうち常勤1名で理事長ですが、平成23年度は公募を経たうえで選任されていますので、結果的にご就任いただいたのが厚生労働省の出身者であったというものです。
 (2)給与等についても、指導監督基準あるいはその後の閣議決定がありました。10頁をご覧ください。(参考1)に指導監督基準とありまして、3の?で役員の報酬等は、資産の状況及び国家公務員の給与・退職手当や民間役員の報酬等の水準に比べて不当に高額過ぎることなく、社会一般の情勢に適合したものとなっていること。給与については、(参考2)?のエで、独立行政法人の長の報酬を各府省事務次官の給与の範囲内とするよう要請する。併せて、(参考3)でも同様に、いちばん高い理事長等についても、事務次官の報酬相当額の範囲内が定められています。9頁に戻ります。(2)の給与等の所で、細かい金額等を確認したうえで、給与、退職金について、いずれもこういった基準に照らして、その範囲内あるいは不当に高額すぎるとは言えないものということです。いちばん下になお書きがありまして、役員の退職金の水準については、独立行政法人等と並びということでしたが、中央協会については、独立行政法人について定められたときよりは若干遅い平成21年4月から、現在の給与の率になっていることを紹介させていただいています。
 11頁の3「評価」としては、指導監督基準等に沿っているということで、整理をさせていただいています。
 検討項目3「十分なガバナンス体制となっているか」です。ガバナンスの体制については、2の「検討」のところで、各種法律上の規定がありまして、具体的には総会・理事会、参与を置く、あるいは決算関係書類についても、厚生労働大臣に届け出る等の規定があります。12頁のイの総会・理事会、参与会議における審議のところに整理させていただいていますが、それぞれ法律上の規定に従った形で運用されております。さらに、13頁のロでは、監事、監査法人による監査です。法律上あるいは先ほど出てきました閣議決定の指導監督基準で、各種の仕組が定められています。中央協会についても、それに則った運用がされています。法律上は、厚生労働大臣が勧告あるいは処分ができる規定がありますが、これまではそういった規定の発動がされる事態は発生していません。
 14頁は、法律上あるいは指導監督基準上の規定を超えた中央協会として独自の取組がなされています。それについては、(2)独自の取組のイの目標管理制度(PDCAサイクル)です。中央協会内部に評価委員会、幹部会議が設置されていまして、そこで目標設定あるいは進捗状況についての確認、報告等がなされています。業種別団体との連携強化ですが、各業種別団体に対して、中央協会の運営方針を説明する、あるいは業種別団体からの要請、要望を伺うための場として、業種別団体会議を従来にも増して回数を増やす等の取組を行っています。併せて、都道府県協会との連携の強化ですが、都道府県協会と中央協会は別個の団体ということで、制度上、上下関係にない難しさはありますが、そういった中でもブロック会議等に中央協会から出席する、あるいは情報交換会議等を開催することによりまして、中央協会の方針なりを都道府県協会に伝える、あるいは都道府県協会の要望、問題点等を中央協会として把握するという場を広げています。
 3「評価及び提言」の(2)ですが、先ほど紹介させていただきましたPDCAサイクルを行う評価委員会、幹部会議は、先ほどの記述の中の(2)独自の取組のイで紹介させていただきました。括弧書きで構成員を紹介させていただいていますが、いずれも協会内部の役職員ですので、外部の目を入れたほうがいいのではないかというようなことも、この場でも指摘いただいたところです。参与会議を活用する等により、外部有識者の意見、視点を反映する仕組みを構築するべきということです。
 (3)は、これもこの専門委員会でご指摘いただいたところですが、PDCAサイクルを回してはいますが、目標がコスト削減、コストリダクションに偏っているというか、それのみのように見受けられるということで、コスト削減だけではなく、収益性の向上等を踏まえた事業内容等の見直し等を踏まえた目標を設定したうえで、その達成に取り組むべきだということです。
 引き続き、検討項目4「十分な情報公開がなされているか」です。情報公開については、先ほど来、出てきています指導監督基準にも、行うべき取組が規定されているところです。具体的には16頁に書いてあります。
 それらについての確認をしたうえで、17頁の「評価及び提言」です。(2)は、この専門委員会等の設置の契機となりました、先ほど説明させていただいた厚生労働省の整理合理化委員会で、直接的には中央労働災害防止協会についてのご指摘でしたが、法人形態の変遷に関する記載がホームページ上されていないということがありました。中央協会についても、現時点ではそういった記載がホームページになされていませんので、それは中災防と併せて取り組むべきということで、記載をさせていただいています。
 (3)は、この専門委員会等でも繰り返しご指摘いただいたものをまとめさせていただいています。中央協会が行っている事業には、補助事業と自主事業、それから国等からの受託事業があります。これらについて、補助事業、自主事業に係る人件費や管理費の按分の状況、補助事業、自主事業ごとの採算状況、受託事業に係る人件費、管理費等が必ずしも外部的に明らかになっていません。中央協会は、営利を目的とする民間企業とは異なり、法に位置づけられた公的な団体であり、技能検定に関する事業等の公益性の高い事業を円滑に実施していることについて広く国民の理解を促進するとともに、今後、自主事業の拡大を進めていくためにも、法律等で定められた最低限の情報公開を超えた、より積極的なオフェンシブな情報公開を行っていくべきであるということです。
 検討項目5「コンプライアンス違反がないか、また、独自の委員会を設けるなど、組織内のチェック体制は十分か」です。法律の規定等に則った運用がされているか、あるいは協会においては法律等を踏まえて、さらに独自に各種の文書の取扱規程や倫理規程、個人情報保護規程等々、各種の規程を整備しているところです。(2)は、過去の不適正事案です。イの技能検定試験の問題漏洩、平成12年度及び平成15年度ですが、中央技能検定委員が技能検定試験問題を漏洩していたことがありました。それについては、処分なり再発防止策を講じています。
 ロは、会計検査院の指摘事項です。平成20年度に指摘を受けましたが、中身については平成14年度から平成18年度に行われていた事柄についての指摘がありました。補助金あるいは委託費の算定について、本来含めるべきでない経費を含めていたというものでした。これについても、国庫への返還あるいは担当者の処分等の再発防止策を講じています。
 これらを踏まえた「評価及び提言」が、19頁です。それぞれ、処分、再発防止策を講じているとはいえ、さらに組織内の情報共有・チェック体制の整備も必要ということで、コンプライアンスに関する独自の委員会の設置を検討すべきということです。併せて、都道府県協会もいろいろな不適正事案はあるところで、必ずしも中央協会と上下関係にないことは、先ほども紹介させていただきましたが、いずれにしても、都道府県協会職員への研修の場もありますので、それらを通じて、中央協会としても都道府県協会のコンプライアンスの働きかけを強めていくべきという指摘もあったところです。
 検討項目6「自己収入化していくための取組や、自己収入を確保するための枠組みが整備されているか」です。中央協会については、今回の整理合理化委員会からの指摘もありますが、それ以前にも平成7年度の閣議決定等、あるいはその後の平成10年の民間法人化についても、自己収入の割合の拡大を図ることが求められてきたところです。2の「検討」では、自己収入の額、割合を紹介させていただいています。割合については、平成22年度時点で41.5%と拡大してきています。20頁の(2)は、自己収入の確保をするための枠組み等です。中央協会としての取組は、平成22年度からは自主事業検討部会を設置したうえで、複数の関係業界団体あるいは個別企業、労働組合等からヒアリングも行っています。平成23年度からは、経営企画室を創設ということで、新たな自主事業の開発に向けて?新たな検定制度の創設、?管理者資質向上セミナーの検討、さらに中央協会ホームページを活用した広告事業の検討等、種々の検討を開始し、進めています。
 3は「評価及び提言」です。自主事業についての検討のための枠組みの整備は進んでいますが、自己収入の額については、具体的には20頁の参考2に平成20年度以降の額と割合の推移を掲載させていただいています。割合は伸びてきているとはいえ、額は必ずしも増えていないことを踏まえて、今後も自主事業たる評価試験、技能審査等の受検者の増加策等や、職業能力開発促進を図るという中央協会の設置目的に沿った新たな自主事業の収入の拡大を図るべく、取り組んでいくべきということです。
 第4「おわりに」ですが、これを踏まえて真摯に取り組むと。併せて、取組状況のフォローアップとして、取組状況を随時、審議会職業能力開発分科会に報告するということです。以上、各検討項目ごとに検討を加え、それぞれの検討項目に「評価と提言」ということで整理させていただいています。これまでご議論いただいたものが、こういったところにきちんと反映し、書き切れているか、それから特に検討項目1では、先ほども3頁で紹介させていただきましたが、平成23年度に行われている事業について検討したということで整理させていただいています。中央協会の業務あるいは技能評価施策については、これまでもいろいろな改革、見直しの取組を進めてきた積み重ねとしての平成23年度ですし、今回の専門委員会あるいはいろいろな場でのご指摘を踏まえて、今後も見直しを進めていく過程の中での平成23年度ですので、こういった報告書の書き方として、これでいいのかというところも含めて、ご議論いただければと思っています。以上です。

○今野座長 ありがとうございました。それでは、ご意見、ご質問をお願いします。段取りとしては、今日はバーッと意見をいただいて修正をして、次回に報告書をまとめることにしたいと思いますので、たくさん言っていただけるといいなと思います。

○高倉委員 7頁の技能五輪の関係です。特定の参加企業等に有利とならない公正中立な人材養成に資する運営が必要ということですが、決まった企業だけではなくて、幅広く中小企業も含めて技能五輪の参加を促すようなことも含まれていると思いますが、そういう形になる努力はされているのかが1点です。
 あと1点は、自動車も電気も積極的に技能五輪に参加をして、当然企業としても必要ですし、あとで書いてありますが若者に夢と希望を与えるという面では非常に大事な取組だと思いますが、正直言って企業の負担も相当あります。それに対して、支援なり何かしていくようなこともされているのかどうか。もし不十分であれば、後ほどの評価提言の中に、少しその辺の記載も入れていただきたいと思います。

○星能力評価課長 ご指摘のとおり、できるだけ我々も、せっかく技能五輪という場があり、本来の目的として、若い青年技能者の皆さんの目標として、その技能の向上なり、労働者としての資質の向上につながるような施策として活用していきたいということで、できるだけ参加者の裾野の拡大を図っていきたい。そういう意味では都道府県を通じて、こういった催し、イベントがあるのだと。それに向けて、多くの方に参加いただきたいということで、これまでも働きかけ、周知してきているわけですが、一方で後段でご指摘いただいたように、確かに参加するとなると、それなりに参加者あるいはその参加者を送り出す企業に負担も出てきているのも実態です。そうした状況の中で、我々としても特に中小企業の皆さん、例えば選手を育成していく中で、その訓練に必要な材料費とか講師の方にかかるような謝金とか、一部を支援しているのが実態で、企業なり参加者にもご負担いただいております。そういった問題を我々としても意識する中で、この技能五輪の大会を通じて、いかにもっと効果的に選手の方に参加していただいて、あるいはこの事業をもっと広く効果たらしめるか。どういった方策で取り組んでいくべきかを産業界の方にもご参画いただいて検討しているのが、いまの状況です。

○今野座長 いまのご意見は、その次の頁の評価及び提言のどこかに、技能五輪等について企業や労働者が参加できるような支援体制を、もう少しきちんと作ってほしいという趣旨の文書を入れてほしいということですね。

○高倉委員 どちらかというとPRのことが書いてありますが、それについても今後検討していくべきではないかと。

○星能力評価課長 非常に財政状況も厳しい中ですが、どういった取組ができるのか、引き続きそのあたりも検討してまいりたいと思います。

○今野座長 これを文章にするとき、金をたくさん出せと書きにくいから、支援体制をもう一度考えるとか、少しフワッと書くならいいのではないですか。

○今野座長 ほかにいかがですか。

○新谷委員 8頁の(3)に、能力評価制度の活用促進について記述を追加していただきました。これでいいのですが、前回私が申し上げたかったのは、能力評価基準の作り込みと活用とのリンケージというか、要するに評価基準は評価基準で作ってたくさんストックがある状態ではなくて、作る段階から活用を睨んで作り込みをしないと、もったいないのではないかと思っています。せっかくいいものを作るのであれば、活用先も睨んでやっていただくような有機的な連携の中で、これを運用していただきたいと思っていますので、その辺も含めて記述していただいたらどうかと思います。
 もう1点は中身を教えていただきたいのです。21頁の自己収入を確保するための枠組み等で書かれている中で、?のホームページを活用した広告事業の検討があって、その事業概要に協会ホームページにバナー広告を載せることが、いま現在やられているということで、事業概要と書かれていると思いますが、これは広告料収入をあてにして、バナー広告をやっているということなのでしょうか。

○星能力評価課長 前段の8頁ですが、いま新谷委員ご指摘のとおり、我々もこの部分は評価制度と書いていますが、言葉足らずかもしれませんが評価基準をイメージして書いており、そこは明確に修正したいと思います。いまご指摘のように、評価基準は作り込みの段階から活用を睨んで、これまで作ってきた中で活用が必ずしも十分に進んでいないことを考えたときに、もう少しその業種なりを選定する段階で、業界としてどう活用していくのか。あるいは、国としてそれをどう支援していけるのかのあたりを念頭に置いて、業種の選定とかをして、いまご指摘の趣旨を踏まえ、そのあたりが読み取れるように書き込みたいと思います。

○畑中総務企画部長 バナー広告のところは、まさに広告料収入を目的にしてやろうとしています。

○新谷委員 事業概要と書いてあるのは、まだこれから検討されるということですか。それとも、もう既に実施されているのですか。

○畑中総務企画部長 既に実施を開始しています。

○新谷委員 例えば、どんな広告内容ですか。

○畑中総務企画部長 広告内容としては基本的にはバナー広告ですので、企業名と企業のバナー広告をクリックして企業のホームページに出る形でやっています。ただ、一応私どもの事業ですので、前提としては、職業訓練をきちんとやっている企業を対象として考えています。

○今野座長 一度見てみないと。

○畑中総務企画部長 いま募集中で、実際にはいまの時点ではまだプレアップはされていないですが、いま募集中です。

○新谷委員 職業訓練を一生懸命やっている企業の広告だといっても、公的な法人のホームページに企業の広告が載っていることには何か違和感があります。広告ではなくて取組事例を紹介する、例えば「こんなことをやってる」というのだったらいいけれども、金を取ってバナー広告を載せるというところが、JAVADA(中央職業能力開発協会)の存在意義を考えると、自己収入を確保するという目的はあるのでしょうけれども、何か違和感があります。

○畑中総務企画部長 いま東京23区も広くバナー広告をやっていて、基本的にはきちんと公的団体としてのバナー広告についてのさまざまな基準がありまして、それに則った形でやっています。また、国においても国の機関がそういうバナー広告を利用する、バナー広告で収入を上げるときのいろいろな注意事項といったことも要領として示されていますので、そういったものを参考にして、いまやっています。

○今野座長 ほかにいかがですか。
○上原委員 ガバナンスとコンプライアンスで委員会を設置するということが書いてありますが、それぞれ委員会そのものが違うのかどうか。例えばガバナンス委員会とコンプライアンス委員会というのがあるのか、ほかにも評価委員会とかが14頁に出てきていますが、その辺はどうですか。まだ具体的に決まっていないのかというのが1つです。
 もう1つは、自己収入を確保するというのが20頁に出てきます。非正規労働者に対するキャリア形成支援というのがありますが、これをたぶん有料にするのだろうと思います。非正規で有料というのはいまひとつピンと来ないのですが、その辺がどうなのか。それから、業界企業に対するコンサルテーションをしてビジネスチャンスを広げるということですが、業界はわかりますが個別企業というのはどうアプローチするかというのが、このこともいまひとつピンと来ないというところです。その2点です。

○畑中総務企画部長 自主事業の関係からお答えします。非正規労働者に対するキャリア形成支援ですが、いまご指摘のとおり、非正規労働者からお金を取るというのだと難しいなと当初考えまして、労働組合とか人材派遣業の団体といったところからお金を出していただいて、非正規労働者を対象にしたセミナーをやろうかなということをいま検討しています。
 個別企業へのコンサルテーションは難しい面がありまして、この段階で考えていたのは、私どもが事業として請け負って作ってきた職業能力評価基準を、各中小企業などに、その企業に合った形でカスタマイズする。そのために、かなり労力がかかりますので、その実費相当分ぐらいをいただこうかなと検討はしてきたのですが、評価基準のカスタマイズという形になると、人事コンサルテーションみたいな領域に踏み込まないといけないので、うちの協会単独では難しいのかなということで、この事業についてはさらに進めていくのは保留にしています。
 コンプライアンスについては、評価及び提言にありますように独自の委員会はまだ設けていませんので、これは検討したいなと思っています。

○今野座長 これは自主事業検討部会と経営企画室が検討した新事業と、2つ並列的に並んでいますが、どちらが協会としての主要な方針になるのですか。

○畑中総務企画部長 これは経営企画室のほうになりまして、イは昨年の検討段階でこういったアイディアが出てきていますが、いま申し上げたように一部中断している部分もありまして、平成22年度に20頁イの?から?の検討をいろいろしてきたのですが、なかなかうまくいかない部分もあって経営企画室に入りまして、ロの?から?で現在進めていますので、現在の状況はロの?から?です。

○今野座長 公式的な事業計画ということですか。
○畑中総務企画部長 はい。

○今野座長 そうすると、これは自主事業検討部会で出た個別の案でしょう。コンサルテーションの?とか。

○畑中総務企画部長 はい。

○今野座長 これは、書かなくてもいい。つまり、フワッと全体として検討をしたぐらいにしておいて、そういうことも踏まえて経営企画室を作ってやったわけですよね。だから、いまお話を聞いても自主事業検討部会の?から??は、要するにジャストアイディアというか、その程度だから書かなくてもいいのではないですか。

○星能力評価課長 取りまとめに向けて検討したいと思います。

○今野座長 ほかにいかがですか。

○高橋委員 質問も含めて、3点ほど指摘したいと思います。
 1点目は質問ですが、12頁に法の第63条があります。そこに、中央協会に最大9名、役員を置くことができる旨の規定があって、実際はいまは6月の総会で、会長を入れて5名体制ではないかと思います。他方で、この報告書の9頁の2の(1)在籍状況の出だしですが、「平成23年7月1日現在の役員138名のうち」というのと違和感がとてもあって、同じ文書の中に役員という言葉が2つ出てきています。ミスリードしがちなので、このあたりをまずご説明していただけますか。それとも、何か対処のやり方があるのかどうかを教えていただければと思います。

○星能力評価課長 中央協会の役員については、能開法の第63条に規定がありまして、まず役員として会長1名、理事長1名、理事5名以内、監事2名以内を置くことができるように規定しています。その上で、2項に定款の定めるところによって前項の理事及び役員のほかに、非常勤の理事及び監事を置くことができるという規定となっていて、実際にいま138名の役員を抱えていますが、ご指摘のようにこのうち常勤は3名のみということで、残り135名は非常勤の役員になっています。これは協会の業務の性格から、広く業界団体の皆さんにご意見をいただきながら、技能検定あるいは職業訓練の業務を進めていくという協会の成り立ちから、そういった構成になっているということです。

○今野座長 いまの件は誤解を招くから、何か説明が入ったほうがいいですよね。
○高橋委員 説明を書いたほうがいいのではないかというサゼスションではあったのですが。

○今野座長 いずれにしても、私もこれは何だろうと思いました。

○星能力評価課長 そのあたりは、いまご説明したような内容について、明確になるように記述をしたいと思います。

○高橋委員 2点目は、検討項目6に関わるところ、具体的には19頁の終わりから21頁ですが、とりわけ20頁の参考2に端的に現れています。総事業収入に占める割合が3年間しか提示されていないので、トータルではどうなのかがわかりにくいのですが、平成22年度は大幅に割合は高まっていますが、収入額そのものは平成21年度に比べると減少していて、ここのあたりが非常にわかりにくいのです。21頁の評価及び提言の下から2行目の真ん中から、「新たな自主事業収入の拡大を図るべく」という表現ぶりの意味ですが、提言の趣旨が額の拡大を目指しているのか、割合の拡大を目指しているのか、両方を目指しているのかがわかりにくいため、そのあたりの確認をさせていただきたいのが2点目です。

○星能力評価課長 協会は従前認可法人から民間法人化してきた中で、1つそこで言われているのは、総事業収入に占める国庫からの支援、補助金等の収入のウェイトを下げていきましょうというのがありますので、1つは自前収入の割合を引き上げていかなければいけないというのは協会の大きな命題になっています。一方で、ここに記載されているのは3年間ですが、12億円から13億円ということで、このところ収入は横ばいです。そういう中で協会の本来の存在意義、協会として果たすべき役割をさらに強く示していく上では、一定程度自前の収入額の上でも増やして運営をしていくということが求められるという意味で、ここでは両方の意味を含めて書いたつもりですが、そのあたりも読みきれないというご指摘ですので、少し表現も工夫してまいりたいと思います。

○高橋委員 もし割合を高めていくようなこともわかるような形でお示しいただく場合でも、当面の中期的な目標でも結構ですので、例えば50%というのが適当かどうかはわかりませんが、何か目標値を持って、それに向けて取り組んでいくようなニュアンスを出されていくのも1つの考え方ではないかと思います。

○星能力評価課長 検討したいと思います。

○高橋委員 3点目は、ご説明の最後にも平成23年度の事業というのは、これまでのいろいろな積み重ねを経たものなので、それについての書きぶりも考えたいというご指摘があったことに関連してのところです。これまでは、いろいろな省内の事業仕分けの指摘なども受けて、組織のスリム化などにも取り組んでいると思いますので、そうしたあたりが今回の報告書を見るとあまり感じられない。そういう表現の記述ぶりがないように見受けられています。根拠法に基づいて業務を適正に遂行するのは当たり前といえば当たり前の話であって、法律が求めているものを上回る努力をその組織としてしているというところがあまり感じられないというのは、個人的には残念な感じがしていますので、是非そのあたりの記述を工夫していただいたらよろしいのではないかと思いました。
 それから、前回の会合で今野先生がいみじくも非常に厳しいご質問をされて、なぜこの組織でないといけないのかというご質問に対して、そこはかとなく感じられるような抑えた表現ぶりで書かれているようにお見受けしたのですが、その際に私的には1例を挙げると、7頁をお開きいただきますと、いろいろな事業等について、2段落目で必ず出てくるものがあります。(ロ)のいちばん上と(ロ)の2段落目の最後に「この事業を効果的に実施している」、ホの最後も「この事業を効果的に実施している」と書いてはありますが、何をもって効果的にどう実施しているのかがわかりにくくて、要はJAVADAでなければ、なかなかこうしたことができにくいことは、そこはかとなくは感じられる記述になっていますが、本当にそうなのかとなると、わかりにくいかなという個人的な印象を持っていて、もう少し記述に工夫をしていただいたらありがたいということです。これは要望です。

○星能力評価課長 ご指摘の点も踏まえて、最終回に向けてもう少し修文をしたいと思っています。

○高倉委員 9頁の在籍状況のところです。理事長は公募により行われたという記載は別に書く必要があるのかと思っていますが、いまは名ばかり公募みたいな、公募といいながら実態がどうなのかがよくわからない。平成23年度の公募は、どんな感じだったのですか。

○星能力評価課長 これは、協会の中に理事長の候補者を公募するに当たっての委員会を設けて、委員長は民間からご出身の理事を筆頭に、そういった官庁出身者を外した組織体制を協会の中に作りまして、その上で学者の先生方やその選考に当たる委員会をさらに外部に設けて、その中で公募された方々を公正に選考しました。協会の理事長は総会で選任することになっていますので、総会の席で経緯についてご説明いただいて、最終的には現理事長が選任されたという手続を取ったわけですが、今回そういった取組をこの協会としても初めて行われた中で、今回検討の視点として、法人役員への官庁OBの在籍状況等についても検討したということであれば、そういった事実も明確に記載すべきではないかというご指摘もありまして、ここに盛り込んだということです。

○高倉委員 そういうことであれば、むしろ記載したほうがいいと思いますが、「理事長であるが、公募により行われた」というのは、「理事長であるが」で、もう公募だから問題ないだろうみたいなふうにも取れるので、これは淡々と「理事長であり、その選考は公募に」でいいのではないですか。

○星能力評価課長 そのあたりは、修文をしたいと思います。

○上原委員 20頁の職業訓練生援護事業というのは、前の説明ですと保険収入にたぶん入っているのではないかと思いますが、その辺の中身を教えていただければと思います。自己収入が。前にも出ているのかもしれません。それが1つです。
 もう1つは、行政改革の一環でこういう作業というのは「はじめに」を見ると、いろいろな部分でたぶん行われているのだと思います。民間のレベルで考えると、コストがみんなかかるわけです。当該担当部門としては、「そんなことは必要ありません」とはなかなか言えないだろうと思いますが、これからも事業仕分け第2段があるやに言われているので、中にしっかりしたガバナンス委員会みたいなものを作っていただいて、言われたときに、「これこれこうだから問題ない」と言い切れるような組織になるのが、まさしくあるべき姿なのかなということをつくづく思います。我々も呼び出されて、いろいろやらなければいけないので考えていたのですが、その辺をもう少ししっかり言えるような組織になれば、もっと優れてくるのかと。余計な話ですが、なかなか難しいことだろうと思いますが、感想です。

○今野座長 前半はどうですか。

○星能力評価課長 前半の職業訓練生援護事業2億5,800万円の収入ですが、上原委員ご指摘のとおり、これは災害補償保険料の集金にかかる実際に保険会社に保険料として納める金額が相当額を占めています。大半がそれで、若干の事務費がここに計上されていますが、2億5,700万円ほどはそういった保険料になっています。
 ガバナンスの点は先ほどと重複しますが、まさにいま内部で行われているような評価委員会にも、きちんと外部の方の意見を反映できるようにということで、委員のご指摘のように外に向かって、そういった面での評価もきちんと協会としても行われているということが、言えるような体制にしていきたいと考えています。

○上原委員 私がつくづく思うのは、民間でいろいろ調べたり、例えば仮決算するといってもコストがかかるわけですよね。そのコストと結果について秤に掛けて、費用対効果を民間というのは必ずやるわけです。効果よりコストがかかる場合には、これをやらないという選択もあるわけです。行政だから難しいと思いますが、仕分けにそんなのは無駄だとは言えないわけだけれども、呼ばれなくても済むようなしっかりした志プラス運営をやれて、言われても「これこれこうだから、こういうのを開かなくてもこうなんです」と言い切れる組織になれればいいのかなと。非常に難しい話だと思いますが、そこのところを認識してもらうのは重要ではないかと思います。全部コストがかかっているわけです。皆さん方も、改めて調べたり作ったり、印刷したりとかをやっているわけで、そこのところもやらないと、何でもかんでも調べて検討することばかりやっても、前に進まないような気がします。

○小野職業能力開発局長 いろいろなご意見をいただきましたので、次回までに少し淡白に検討項目をいまは6つ並べて、それぞれこれについてはどうだという構成になってしまっていますが、そもそも先ほどの議論にあったように、中央協会がこの組織がなぜこういうことをやらなければいけないのか。これは、おそらく事業主への職業訓練なり技能の振興というのを担わねばいけない。そうすると、全事業主のニーズをきちんと汲み上げる組織がなければいけない。だからこそ、いろいろな事業の業界団体を会員にして、それから都道府県と技能検定については一体になってやらなければいけないので、都道府県の協会も会員になっています。だから、まさに特別民間法人という形態を取っている。そのあたりの基本的な考え方みたいなものを最初に置いて、そこをきちんと書いた上で、さらにいろいろな改革を進めるために、今回こういう視点から検討してもらったのだと。
 最後に、個々の項目では「評価提言」といういろいろな球を入れていますが、「おわりに」が4行ぐらいで終わっているので、いま上原委員がおっしゃったように例えば組織改革で、これをコンプライアンス委員会を作るし、あるいは評価委員会とかに外部の人も入れるとか、いくつかこれからの取組に向けた内容が書かれているので、そのキーポイントになるものをピックアップして、こういうところでこれから新たな組織としてやっていくのだというメッセージがうまく伝わるように。これは自主事業の問題もそうですし、全体をここでメリハリをつけて、この報告でどういう形に中央協会は新たにスタートしていくのかがわかるような構成に改めてしたいと思います。

○高橋委員 細かいですが、17頁の3「評価及び提言」の(3)のいちばん最後の記述の、「最低限の情報公開等を超えた」の後の「より積極的なオフェンシブな情報公開」という表現があります。まずそもそも日本語として、積極的な情報公開とオフェンシブな情報公開の意味合いというか、どういうことなのかが私個人はよくわからないなと思ったので、ご説明いただければと思います。もちろんこれは梶川先生のご意見も聞いていただいたほうがいいかと思いますが、何か具体的なイメージがあるならば、例えば1つぐらい何々などといったような形で、どういう積極的な情報公開を行うのか。単に一般論みたいな話だと、何を情報公開するのかがわかりにくいので、そのあたりは工夫が必要なのではないかと思ったのです。

○星能力評価課長 この検討会を通じて、梶川委員からご指摘をいただいている点を踏まえて記載した文言ですが、いま高橋委員からご指摘いただいたように、より具体的にこの内容を示すことができるように、梶川委員のご意見も伺いながら次の会までに、もう少しここらあたりも具体的な方向性について、お示しできるように。

○今野座長 でも、これは文章からすると、「オフェンシブな」を取ればいいだけですよね。これは日本語が変だから、それだけの話。もう1つは「最低限の情報公開等を超えた、より積極的な情報公開」とは何かというと、この文章の前の段落の下3行に「補助事業とは何々」と書いてある最後に、「必ずしも外部的には明らかとなっていない」と受けているから、そうすると内容はこれを受けるから、そういうことだと私は読んだのです。ですから、企業でいうと内部管理というか、例えば企業でいうと事業ごとの採算の数字がありますよね。もう少し小さく言うと、プロジェクトごとの採算の数字があるけれども、一種の管理会計上の数字に近い数字までを出したらどうかという内容かなと思ったのです。この文章を読むと、素直にそういうことかなと。違うのですか。

○星能力評価課長 まさに、ここに書いてあるような内容で、また具体的にどういった形で出すかということはこれからですが、実際に内部的には一定の整理はいまでもされています。いま、財務諸表で示されている数字はそういったものを引っ括めた数字になっていますので、どこまで具体的に分けて外に情報提供をしていくかというような。

○今野座長 でも、財務諸表は管理会計の情報ではないから、管理会計に近い情報を出してくださいと。普通は企業は出す必要はないわけですが、これはそれまで出したらどうですかという意見ですね。私の意見は素直に読むと、そこまで読めるからいいかなと思うけれども、高橋さんはどうですか。

○高橋委員 私は、オフェンシブな情報公開の意味がよくわからなかったものですから。

○今野座長 これは消します。

○高橋委員 もしそれを取るというのでしたらよろしいのですが、オフェンシブな情報公開ということに、別に何か意味がすごくあるのかなと思ったもので。

○今野座長 何かあるのですか。

○星能力評価課長 まさに、いま法律なり指導監督基準に定められたここに書いてあるとおりで、最低限の情報公開を超えたという意味で、やや突飛な書き方をしたということで、少しその辺を削除するなり修正をしたいと思います。

○今野座長 この辺は、どこまで出す必要があるのだろう。何でもいいですが例でいくと、ビジネス・キャリアとあるけれども、これの収入と支出と全部出せと。あと、支出の個別項目も全部出せというイメージですよね。人件費がいくらか、何がかかったとか。公的機関だから、そこまで出すべきですかね。

○畑中総務企画部長 いちばん問題なのは、人件費の按分がなかなか難しいところがありまして、実際ビジネス・キャリアを能力開発支援部でやっていますが、ビジネス・キャリアのこともやっていますし、コンピュータサービスのこともやっていますし、また先回もご説明したかと思いますが、総務部の会計なり経理が、収支のいろいろなチェックもやっていますので、人件費が本当はどのくらいかかっているのかの正確なところが非常に難しいです。ですから、下手な形で出してしまうと、それが独り歩きして、いろいろな議論を呼んでしまうところがあって、そのあたりが本当にどこまで出せるのかが悩ましいところではあるかなと思います。

○今野座長 私も詳細にはわかりませんが、企業でもそういう共通費は何らかの形で配賦していくわけですよね。配分するときの基準は、極端なことを言うとそんなに正確ではないというか、ある程度の基準を置いてやっています。それで原価を出して原価管理をしていくと思いますが、普通はそれは内部管理用です。どうですか。もし、これを積極的な情報公開を行っていくべきであるという内容が、上のような前のパラグラフのほうで受けると、少し緩めて「情報公開を行っていくべきである」というと強いな。そんな感じがしないですか。もう少し検討するとか、何か緩めたらどうですか。

○高橋委員 それに触発されたのですが、確かにここで書かれていることは専ら内容的なことだけに特化されているような記述になっているのですが、このほかの指摘もありましたように、例えばPDCAを回しているわけですから、PDCAをどういうふうに回して、その結果をどうしたのかということも情報公開の有力な1つの考え方のような気がします。もう少し幅広く捉える情報公開の内容ですね。そんな方向性もあるかなと、いま感じました。

○今野座長 一般的に、最低限のレベルを超えた情報公開をするように努力しましょうという感じね。

○小野職業能力開発局長 いま情報公開しているというのは、総会などでも出されているように収支決算書とか財務諸表とか、非常に定番のものです。前回の分科会でお出しした資料1は、もともと梶川委員からも少し補助金の収入と自主事業の収入とあって、一般的な収支決算書はそれが丸ごと総額みたいなものがボンと書かれているようなことで、補助金収入があって、いったいどこまで執行されて、自主事業についてもどういう財源からどう回って、個々の事業にどう割り振られているのか。できるならば人件費と管理費、それがそれぞれの事業ごとにどうなのだというご指摘があって、これはいままで公表はしていないのですが、新たにこれを作ったのです。ですから、例えばこういうものであれば当然公表はできると思っていますので、こんなものを今後定期的にリバイスをして公表するとか、もちろんさらに自主事業の効率的なやり方とか実態とかは、もっと情報公開ができるものがあれば個々の事業についてもやっていけばいいと思いますので、そういうことではないのかなと受け止めています。ですから、こう書いていただいて、こんなものを第1段として公表してみるとか、そういうことは積極的に取り組んでいきたいとは思っています。

○今野座長 どうしましょうか。この文章のままだと、先ほど言った第1段落目の上だけを受けてしまう感じの情報公開になっているので、少し広めにしますか。それで工夫をしてください。例えば、自主事業で人件費がどれだけと原価構成を出して、お客さんから「これはもっと安くできるじゃん」と言われたらどうするのですか。だから、企業は決して外部に見せないのですよね。ほかに、いかがですか。

○上原委員 14頁のPDCAサイクルのときに、特に目標のほうですが、先ほどの能力協会そのものの主な事業というのは、前回の資料3にも書いてありますが、こういうものに対して人数みたいなもので捉えているのか、年に4回見直すことになっていますが、そういうところはどうですか。例えば、あるコンピュータサービスに対する評価試験に関する業務があって、年間これぐらいの数を目標にしていて大体こんな感じですよという意味ですか。

○畑中総務企画部長 まさにコンピュータサービスであれば、9万3千人という目標に対して、いまどのくらいに近付いているのかとか、そういうチェックをしています。

○上原委員 それは、年間9万3千人に届いたのか届いていないのかということもやっているわけですね。その辺の数字というのは公開しているのですか。

○畑中総務企画部長 そこは、公開をまだしていないです。

○上原委員 する意思はありますか。
○畑中総務企画部長 一応、受検者数というのはもちろん公開していますが、PDCAの審議状況という形では公開はしていません。

○上原委員 お金の問題が必ず出てきます。もっとコストを下げろということはたぶん言われるのでしょうけれども、アウトプットが高まれば、考え方としてそれはいいわけですよね。あまり数字ばかりを追いかけてもしょうがないけれども、前回の資料にも、たしか技能検定を取ったほうが、会社としても個人としても効果があるというのは3分の2ぐらいの円グラフがありましたが、我々の企業でも取るような人間のほうがスキルが高いわけです。だから、普及してもらったほうがいいわけです。個別に当たろうとすると、年に1回とか来年にしかないという試験もあったりして、受けるほうからすると、もっと頻繁にやってほしいなと思うこともありますが、それは置いておいて、その辺のアウトプットをもう少し高らかに掲げて、個別企業を誘導していくような。ホームページもかなりよくできていますが、その辺の工夫はもう少しあったほうがいいのかなと思います。現状はこうですよと。職種が200ぐらいあるから、それを全部公表するのは大変かもしれませんが、ホームページのアクセスも大変多いと聞いていますし、その辺は1ついいのかなと。
 私はたまたま直近で見たら、「ガイアの夜明け」で取り上げられて、いろいろなものがあるのですね。コーヒーにミルクを乗せてアートになるとか、こんなのがあるんだなと思うようなことが結構あるわけです。だから、こういうPRはもっとメディアも使って、積極的にいまもやられているわけだけれども、もっとやっていって、JAVADAと言われても普通の人はわかりませんものね。だから、この間も出ていましたがその辺のPRをもう少しうまくやると、言われることが減ってきて抜群の効果を上げていますということになるのではないかなと思いました。

○今野座長 何かありますか。

○畑中総務企画部長 まさにおっしゃるとおりで、PRはいま総務企画部ということになりまして、広報も力を入れようとしていますので、より受検者が増えるようなPRをなんとか考えていきたいなと思います。

○今野座長 ただ、事業収入の構成を見ると、やはり検定ですよね。これがつぶれたら終わりですよね。本当に検定で持っているから、検定が1つの売りですよね。ここの経営企画室で検討された内容自体について別にあれですが、「新たな自主事業の開発に向けて」というのがテーマでやったのでしょう。

○畑中総務企画部長 はい。

○今野座長 でも、既存事業をいかに伸ばすかというのが、本当はすごく重要ですよね。事業収入の構造を見ると。

○畑中総務企画部長 おっしゃるとおりだと思います。ただ、新しい事業を立ち上げていくことも、これまできちんとやってきていなかったので、わざわざ人をきちんと付けてやり始めたのが平成23年度ですので、既存の自主事業の改革についてはそれぞれの部でしっかりやっていただこうというスタンスで、組織的にはそういう縦分けでやっています。

○今野座長 ほかにいかがでしょうか。この報告書のあちこちに入っていますが、JAVADAの役割というかミッションみたいなものは、先ほど局長も言われたようなことだと思いますが、そのミッションを達成するためにJAVADAの強みというか、ざっと読むと、全国ネットワークを持っているとか、公共性、中立性とか、技能評価検定について格段のノウハウを持っているとかの大体この3つぐらいですかね、いろいろなことが共通で書いてあるのは。「JAVADAの強みって何、売りって何」と聞かれたら、この3つですか。これをざっと読んでいって、勘定したら3つかなと思いますが、ほかに何かありますか。

○畑中総務企画部長 やはり都道府県協会とのネットワークと、業界団体とのつながりというのもあるのかなと思います。それは、いろいろご協力もいただいていますが。

○今野座長 私が読んだ感じとして、本当は新規事業を作るときに頭にそういうのがあるといいですね。そういう強みとミッションを生かして、こういう新規事業に行くのだと。そうすると、もう少し格調がというか説得力があるというか。本来は、そういうふうに行ってアプローチしてくると、21頁の?の「管理者資質向上セミナーの検討」というのは、いまのミッションと強みからいくと若干外れるかな。つまり評価検定は強いけれども、研修の実施についてはJAVADAが競争優位性を持っている分野ではないよね。

○畑中総務企画部長 セミナーは、実施するということももちろんありますが、まさに管理者の資質とかについての基準というか、これをベースにして、私どもはいまチェックリストみたいなものをいま整理しようかなと思っていて、このあたりはこれまでやってきた評価基準作りとか、ビジネス・キャリア検定試験の知見といったものを総動員して、そういうチェックリスト的なものを作っていこうと。これを1つの売りにしていこうかなと思っていて。

○今野座長 これも技能評価検定の中での。

○畑中総務企画部長 ノウハウを使うということです。

○今野座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、いろいろご意見をいただきましたので、それを踏まえて、もう一度事務局に修正をしていただきまして、次回の研究会で最終報告書としたいと思います。あと、今日欠席された委員もいるので、その方にはまた意見を聞いておいてください。そのようにさせていただきます。今日はこれで終了します。
 次回は、11月30日17時からです。場所は、また改めて事務局から連絡をしてもらいます。
 議事録の署名ですが、労働者側委員は新谷委員、使用者側委員は高橋委員でお願いします。
 それでは終わります。ありがとうございました。


(了)

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