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2011年11月11日 第6回社会保障審議会年金部会議事録

年金局

○日時

平成23年11月11日(月) 14:00〜16:00


○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室


○出席者

神 野 直 彦 (部会長)
植 田 和 男 (部会長代理)
逢 見 直 人 (委員)
小 塩 隆 士 (委員)
柿 木 厚 司 (委員)
菊 池 馨 実 (委員)
駒 村 康 平 (委員)
小 室 淑 恵 (委員)
小 山 文 子 (委員)
佐 藤 博 樹 (委員)
武 田 洋 子 (委員)
花 井 圭 子 (委員)
藤 沢 久 美 (委員)
森 戸 英 幸 (委員)
諸 星 裕 美 (委員)
山 口  修 (委員)
山 本 たい 人  (委員)
吉 野 直 行 (委員)
米 澤 康 博 (委員)

○議題

(1)これまでの議論の整理
(2)その他



○議事

○神野部会長 それでは、定刻でございますので、ただいまから第6回を数えますが、年金部会を開催したいと思っております。
委員の皆様方には貴重なお時間をたびたびやりくりしていただき、また、本日足元のお悪い中御参集いただきまして、本当にありがとうございます。伏して御礼を申し上げます。
 本日はお忙しい中、辻副大臣に御臨席いただいておりますし、また、遅れてではございますけれども、藤田政務官も御臨席いただけるという御連絡をいただいております。
 本日の委員の皆様方の出欠状況でございますが、小塩委員、小室委員、佐藤委員、藤沢委員、森戸委員、吉野委員から御欠席の御連絡をいただいておりますし、また、駒村委員からは遅れて御参加の御連絡をいただいております。いずれ皆様もお集まりいただけるだろうと思いますので、議事の方を進めさせていただきたいと思っております。
 カメラの方々には大変恐縮でございますが、ここで御退室をお願いできればと思いますので、よろしく御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○神野部会長 今回は皆様方にも既に前回御案内申し上げましたように、これまで委員の皆様方から大変精力的に、また、生産的に御議論をちょうだいいたしました。その結果をおまとめした上で整理をしてございます。これまでの言い方でいくと、1巡目を一応終わらせていただいて、2巡目の段階に足を踏み入れたいと思っております。
 その前に御報告、その他をいただくことがございますので、事務局から資料1の御説明をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○年金課長 年金課長でございます。
 まず、資料の確認をさせていただきたいと思います。
お手元の資料のホチキスで留めてございますものが資料1〜3、参考資料です。
 あと、正誤表というものを1枚入れてございますけれども、前回の会議の資料の中で間違った記載がございましたので、その正誤表を付けています。
 なお、厚労省のホームページに掲載しております資料につきまして、もう既に新しく直したもので掲載をしています。お詫びして訂正させていただきます。
 資料1「報告事項」につきまして御説明をします。
 報告事項ということで3点ございます。
 1つ目は基礎年金の国庫負担の話。
 2つ目は別の部会であります短時間労働者の適用拡大の議論の状況。
 3つ目は被用者年金の一元化の状況です。
 資料1をおめくりいただきまして、1つ目は「基礎年金国庫負担関係」という資料ですけれども、8月の第1回目のこの部会の際に、基礎年金の国庫負担の2分の1の確保ということが、現在の年金財政の中で非常に大事なポイントでありまして、そのうちの23年度の基礎年金の国庫負担を2分の1にするということにつきましては、2月に国会に提出した法案の時点では臨時財源を充てて2分の1にするとしておりましたのが、その分の財源というのを1次補正で震災復興に充て、ただし、これはちゃんと23年度中に確保しなければならないということの話で建議もいただいたところですけれども、その後の検討により、今、国会で審議いただいております3次補正の中で、もともと年金に充てる予定であったものを復興事業に充てたという経緯にかんがみて、その分についても復興債を発行する形で財源を確保するということに、3次補正でなりました。
 具体的に、予算上の措置は3次補正予算になりますけれども、法律上の話としましても、復興債の発行により確保される財源を充てて今年度分を2分の1にするという形で、国会に提出の法案も修正をして、今後国会での御審議をいただいて、23年度分を2分の1に入れるという形の段取りになっています。
 2ページの一番下の※のところにそういった経緯を書いています。したがいまして現在提出をして、予算成立後だと思いますけれども、審議を待っております法案につきましては2.の1つ目の○にありますような形で、23年度分の差額については復興債の発行により確保される財源を活用して、確保するという形になっています。
 なお、2つ目と3つ目の○は、2月に提出をしたときから変わっていない内容ですけれども、2つ目の○は24年度以降、税制の抜本改革により安定財源が確保されて以降は、国民年金法の本則に戻って2分の1になるということですが、24年度以降ということについても、税制の抜本的な改革により確保される財源を活用して国庫の負担とするという条文に、2月の段階からなっています。
 また、免除期間については、国庫負担2分の1を前提に、免除を受けた場合の年金額は2分の1で計算するという形です。この2つ目、3つ目のポイントは2月の時点から変わっていないということです。
 8月に建議をいただいたわけですけれども、現在23年度について修正したこういった法案を、国会の審議をお願いしているという状況になっているということの御報告が、1点目でございます。
 2つ目の報告事項は、短時間労働者の適用拡大の関係でありまして、これにつきましては別の部会の「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」という場がありまして、19ページまで飛んでいただきますと、これまで7回この特別部会は開催をしてきています。ここにはヒアリングの話が書いてありますけれども、第1回から第3回にかけまして、短時間労働者への適用拡大というものの意味等につきましての議論をし、あるいは、実態等につきまして、そういったデータをお持ちの方からのヒアリングをする会を第1回から第3回に行った上で、こういった短時間労働者を抱える業界あるいは短時間労働者である方々というのが、どういった意見をお持ちかということについてのヒアリングを行おうということで、第4回から第7回までヒアリングを行ってきているところでございます。
 こういった会議を重ねているわけですけれども、5ページに戻っていただきまして、この「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」では最初の第1回・第2回のときに、なぜこの適用拡大が必要なのかということについての議論をしていただきました。その際に、考え方として大きく整理をしたものがこの資料でございます。9月の会議に出した資料でありますけれども、短時間労働者への適用拡大というのは、1つ目には「被用者には、被用者にふさわしい年金・医療保険を確保すべきではないか」ということです。
 2つ目には「社会保険制度における、働かない方が有利になるような壁を除去し、就労促進型、少なくとも中立なものに転換すべきではないか」という考え方です。
 3つ目には「企業の社会保険料負担を業種や雇用形態によって異ならない公平なものとすべきではないか」といったことが、考え方としてはあるのではないかという議論をいただきました。
 これにつきましては最初の第1回・第2回、特に第2回に議論をいただきましたけれども、これがどうかということの是非も論点としては、委員の中から本当にこれでいいのかという議論はないわけではないんですけれども、こういう考え方があるということを前提にいろいろヒアリング等を行って実態を把握した上で、また議論をしていこうということになっております。
 6ページ以降に簡単にそれぞれについての資料を付けてございますけれども、1つ目の「被用者には、被用者にふさわしい年金・医療保険を確保すべきではないか」ということに関しての資料・データ等でございます。4つグラフがありますが、左上のグラフを見ていただきますと、太い線が全体ですけれども、非正規労働者というのが昭和63年ごろは2割に満たなかったわけですが、現在は34%ほどを占めている。特に上の方の実線になりますが、15〜24歳の若い世代にこの非正規の割合が高いという形になっております。
 例えば右下のグラフを見ていただきますと、これは母子世帯の方で、母子世帯になる前は働いていなかった方がその後、働きだしたという場合に、どういう就業状況かというと、就業しているのが75%ですけれども、そのうちの50%は臨時・パートという形で、常用雇用者には必ずしもなれていない実態があるということでございます。
 7ページを見ていただきますと、こうした非正規の労働者というのは厚生年金や健康保険の適用を受けられない者も多くて、非扶養配偶者でなければ自身で国民年金や国民健康保険に加入するということで、平成21年時点で言いますと国民年金の1号被保険者、自営業者等というわけですけれども、その中の39.4%が被用者になっているということでございます。
 その下にグラフが2つありますけれども、第1号被保険者がどういった職業であるかというと、自営業者やその家族あるいはパートといった被用者の方、あとは無職の方もおられるわけですけれども、この常用雇用、臨時・パートの部分で39.4%を占めているという状況なのですが、こういった方々は国民年金の保険料の納付状況を見ますと、一番上のところが完納者で、すべてを納めている方です。
 一番下のところが納めておられない方になりますけれども、この方々は完納者の割合が自営業者、その家族に比べても低いということで、それは国民年金の保険料の負担感が重いということで、払えずに、将来無年金、低年金ということにもなることが懸念されるということです。下の方にありますが、こういった方々、老後には稼得能力を喪失する被用者にとっては基礎年金だけというのは、所得保障上十分でないということで、できる限り所得比例型で、事業主負担も入っているようなグループに入っていただくということが、望ましいのではないかという議論をしております。
 8ページは医療保険の方についても、被用者保険の方に入りますと傷病手当金とか出産手当金等があるということです。
 9ページ以降は考え方2に関する話で「社会保険制度における、働かない方が有利になるような壁を除去し、就労促進方、少なくとも中立なものに転換すべきではないか」ということで、よく就業調整ということが言われております。
 これにつきましては、就業調整をしているかしていないかをパート労働者について聞きますと、調整をしているというのが22年の調整で25%、していないというのが66%ほどではありますけれども、調整しているという方々がおられて、それはどういう理由でというと、下に棒グラフがありますけれども、103万円という自身の非課税限度の話とか、4つ目にあります130万円という年金や医療保険の被扶養の基準というのを意識しているということは、見てとれるわけでございます。
 ただ、こういった就業調整という行動をするということが、10ページにありますように、就業調整をすることで働く時間を抑えるということによって、そういうこと自体が企業にとっても、長く働いてもらって能力を高めてもらってということをやりにくいという形になってしまう問題点もあるということで、今後労働力率、労働者数というのをある程度確保していかなければならない。高齢者も若者も女性もそのような形で就業率を高めていかなければならない中で、こういう働かない方がいいということを誘導する仕組みというのは、変えていく必要があるのではないかということがございます。
 11ページにはパート労働者自身が望んでいるのか望んでいないのかということも議論にありますけれども、望む者も多いというデータもある。これはさまざまなデータもございますが、そういったものを紹介しているところでございます。
 12ページはOECDからも、そういったところは改善の必要があるのではないかという勧告も受けていることを紹介している資料です。
 13ページからは「企業の社会保険料負担を業種や雇用形態によって異ならない公平なものとすべきではないか」ということでありまして、まず、どういった業種においてパート労働者が多いかということのグラフでございます。これは逆に言えば、適用拡大した場合にどういった業種において特に影響が大きいかということにもなるグラフではございますけれども、ただ、そういった業種において、事業主がパート労働者を雇用するさまざまな理由を挙げておりますが、人件費、労務コストの効率化というのが理由に挙がっているということです。ほかにも理由は勿論ありますけれども、そういったことも理由に挙がっているということではあります。
 こういった業種間での差があるということというのも企業、産業全体を見たときにどう考えていくのかという論点があるんだろうということを紹介して、こういう考え方で社会保険適用を拡大していく必要があるのではないかということを提示しつつ、ただし、その際にはどういう論点があるのかということで、16ページ以降ですけれども、これも特別部会に提示して、こういった論点について検討していく必要があると考えておりますということでお示ししておりますが、適用拡大するという場合にどういう範囲に定めていくのか。最初の○です。ポイントとして、週の労働時間でどう考えていくのか。また、雇用見込みがどのくらいある方を対象にするのか、短期間の人も入れるのか入れないのかとか。
 パート労働者と一口に言っても、生計の中心である方、あるいは生計、御家庭の中では補助的な役割にとどまるような方もいる。そういったことをどう整理をして考えていくべきかとか、学生をどう考えるか、あるいは年金受給権を得ているような高齢者をどう考えていくのか、そういったこともしっかり意識しながら検討する必要があるのではないでしょうかという論点の提示をしております。
 また、その適用拡大が雇用そのものにどういう影響があるかといったことを意識しなければならないということです。また、多く就業している企業への影響をどう考えていくのか。
 17ページの話は以前この部会でも御報告しましたけれども、標準報酬の下限というのをどう考えていくのかという話があります。あと、この特別部会は年金だけではなくて医療保険の関係も当然一緒にありますけれども、特に医療保険独自での論点としてどういったものがあるかといったことを論点提示しております。これまで最初の2回ほどで考え方の議論をし、ヒアリングをしてきておりますので、今後それらを踏まえて、こういった点についての議論を深めていこうということで、特別部会の議論は進められているということの御報告でございます。
 3つ目の報告事項でございますけれども、被用者年金の一元化の関係で、前回の部会の最後の方で、委員の中から検討状況はどうなっているのかという御質問もいただきました。状況の報告でございますけれども、20ページ以降です。
 まず、23ページをごらんいただきますと、これが公的年金制度一覧ということで、下半分が被用者年金制度ということで厚生年金、国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校教職員共済ということで、被用者年金には現在4制度があるわけでございます。それぞれの適用者数というのはほとんどが厚生年金で、国家公務員が100万人、地方公務員が200万人、私立学校の先生が50万人ほどということです。
 24ページに箱が書いてある表があります。これは何の図かというと、現在の厚生年金と共済年金の給付の計算式です。式は構造としては同じでありまして、モデル世帯的に書いていますけれども、単身で考えても同じなんですが、夫婦で考えた場合に配偶者分の老齢基礎年金があり、本人分の老齢基礎年金があって、その2階部分の、厚生年金であれば老齢厚生年金、共済年金であれば退職共済年金という名前になりますけれども、これは同じように、加入期間と、加入していた間の平均標準報酬を基に計算をするという形になっております。
 違いますのは、共済年金には上に職域相当ということで、退職共済年金の2割分ぐらいになるわけですけれども、これが付いている。昭和61年の改正の前は国民年金、厚生年金、共済年金はすべて別制度でありましたものを、61年の改正で基礎年金に統一して、1階部分に基礎年金、2階は厚生年金、共済年金という形に整理をしたわけですが、60年の改正の前は厚生年金の計算式と共済年金の計算式は違っていたんですけれども、61年で整理した際に計算式は同じにしたということです。
 その際に、厚生年金の方には企業年金というのが一定程度普及をしているということ等を背景にしまして、共済年金についても職域相当という形で、3階部分が設けられてございます。
 23ページの資料は人数ですとか年金額とかが書いてございます。これの真ん中辺りに老齢(退職)年金平均年金月額ということで、厚生年金が16.5とか、国家公務員共済が21.7とか書いてございますけれども、ここは1人分で基礎年金プラス厚生年金、基礎年金プラス共済年金の平均の数字ということで、ここに(老齢・退年相当)と書いてありますのは、わかりやすく言うと20年以上加入をしているような、ある程度長い方についての統計をとった場合で、こういった数字になっております。
 何でこういう差が出てくるかといいますと、それは賃金・平均報酬の違いということと、職域相当部分があること、加入期間が20年以上というのでグループをとったとしても、公務員の方が長い人が多いということの実態を前提として、こういった数字になっているということです。
 もしこれで20年以上に限らず短い人まで入れると、厚生年金が短い人はもっとたくさんいるものですから、1人当たりで割るともっと少ない数字になったりもするということであります。
 25ページ、厚生年金と共済年金では幾つか給付設計はおおむね似てはいるんですけれども、被保険者の範囲ですとか、年金をもらいながら働いているときの支給停止、在職老齢年金の仕組みですとか、あるいは遺族年金をもらっている方が亡くなった場合に次の人に回るかどうかといったような、幾つかの制度間の違いがあるということがありますが、これは後ほど御説明します19年の法案では、これはすべて厚生年金のルールに統一をするという内容にしておりました。
 26ページ以降につきましては公的年金財政状況報告ということで、それぞれの各制度から決算状況等を社会保障審議会の年金数理部会に報告をして、そこで決算結果の確認もしていただいているわけですけれども、これは参考までに21年度決算についての評価を受けたものについて資料を付けてございます。その前には21年の、厚生年金だと財政検証、共済だと財政再計算という名前になりますけれども、それの長期見通しがどうかということについて、各制度が実施をした上で、それをまた年金数理部会でも検証をしておりますが、それにつきましても100年にわたる財政給付と負担の見通しは、健全であるということの確認もされております。
 21ページに戻っていただきまして、以前、被用者年金の一元化という項目につきましては、19年に提出をした法案をベースに関係省庁間で調整をしておりますことを申しておりますけれども、どういう内容なのかということであり、19年の法案の内容でございます。
 法律案の趣旨ということで18年4月に閣議決定があり、12月に合意があったわけですけれども、基本的には共済年金制度を厚生年金に合わせるという方向を基本として、同一保険料、同一給付を実現しようということで、このときの内容は厚生年金に公務員と私学教職員も加入をする。2階部分は厚生年金で統一する。そして制度間の違いというのは基本的に厚生年金にそろえて解消していく。
 保険料率は、現状でも厚生年金と同様に0.354%ずつ毎年上がっていくという形になっておりますけれども、これは厚生年金の保険料率に統一をしていくということと、?の事務組織は効率的な事務処理を行う観点から、既存の共済組合や私学事業団を活用していく。ただし、厚生年金全体の姿というのがわかるように、公務員、私学職員も加入した新しい厚生年金の全体の姿がわかるような形での会計の計上というか、公表をしていく。
 22ページに、3階部分というのは現在は公的年金として実施しているわけですけれども、公的年金としての3階部分は廃止をする。公的年金としては2階までにします。ただし、新しい3階ということについては、このときの19年の法案にはそれは入っておりませんで、それは別途検討した上で同じタイミングで実施できるようにということが19年の法案ではなっておりまして、したがって19年の法案には新3階をどうするかというのは盛り込まれていない形になっています。
 ?の追加費用というのは、共済年金は恩給期間を引き継いでいるものですから、例えば国家公務員であれば昭和34年以前の加入に対しては恩給が支払われ、それ以降の公務員期間については共済年金の対象であるんですけれども、これを恩給は恩給、共済年金は共済年金という形で支払うのではなくて、共済年金という形でまとめて支払う。恩給期間の財源は恩給は全額税金なものですから共済組合に渡して、共済組合からまとめて払うという形で、恩給期間分を共済組合に渡すお金のことを追加費用と言っているわけですけれども、これを減らしていくということで、恩給期間についての恩給分を引下げをして、したがって追加費用も減らしていくということで、追加費用を削減し、恩給期間分の年金も引き下げるという形が盛り込まれておりました。
こうした内容の法案を19年4月に出して、3年後の施行ということで想定しておりましたが、審議に入らずに解散になっているということでありまして、こういったものをベースに現在、それから4年ほど経っているわけですが、見直すべきところ等ないかの議論を関係省庁間でやっておりまして、例えば先ほど制度間の違いということで幾つか表がございましたけれども、例えば未支給年金の範囲で、前回の整理では厚生年金の方に合わせるということでしたが、前回御紹介した年金機構からの提言あるいは国民の声で言われている中でも、どちらかと言うと共済年金の方に合わせる方がいいのではないかという議論もあったり、在職支給停止の仕組みは別途ここでも御提案しておりますけれども、ああいったことをした場合にこちらの整理はどうするかとか、そんなことも含めて議論を、調整している状況でございます。
 3点御報告いたしました。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
 ここで皆様方に御検討いただいている事項に関して、極めて密接に関連する項目についての現状を御報告いただきました。
 冒頭に申し上げましたように、お忙しいところ藤田政務官に御臨席いただいておりますので、御紹介申し上げておきます。
 それでは、ただいま御説明いただきました3点の事項のうち、基礎年金の国庫負担はこの部会でも一番最初に意見具申を申し上げたところでございますけれども、ここについて御意見あるいは御質問がございましたらちょうだいしたいと思います。いかがでございますか。そう大きな問題はなく推移をしている御報告とは言え、まだ全然結論が出ているわけではございません。よろしいですか。
それでは、この点はこれだけにさせていただいて、2番目に御報告いただいた事項でございます。短時間労働者適用拡大について御意見ございましたらちょうだいしたいと思います。ここもよろしいですか。検討状況等を御報告いただいて、この部会として承ったということでよろしいでしょうか。山本委員、どうぞ。
○山本委員 包括的な審議が特別部会で進捗しているとのことですが、3号被保険者の審議も今、進んでいるようでございますので、そこがどのような落着になるかということを鑑みて結論を出していかないといけないと思いますので、指摘をさせていただきます。
○神野部会長 ありがとうございます。ほかいかがでございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、最後の第3番目ですが、前回も御質問をちょうだいいたしましたけれども、被用者年金一元化について御意見がございましたらちょうだいしたいと思います。逢見委員、どうぞ。
○逢見委員 被用者年金一元化については今、所管する省の間で議論をしているということなんですけれども、いつまでに結論を得るという期限のようなものはあるのですか。
○年金課長 期限と申しますか、2012年以降、できるだけ早く法案提出となっておりますので、来年の国会への提出を目指してということで、関係省庁間での議論をしてございます。
○神野部会長 よろしいでしょうか。法案上程の日程に合わせながらというか、それに間に合わせるようにということです。ほかよろしいですか。
それでは、次の議題でございますけれども、資料2、資料3に基づいて、今日の主要なテーマでございますが、事務局の方から御説明いただければと思います。よろしくお願いします。
○年金課長 それでは、資料2と資料3、適宜参考資料も使わせていただきますけれども、基本的には資料2に沿った形で御報告をしたいと思います。
 「一巡目の議論における各委員の意見の整理(未定稿)」ということで資料をつくらせていただきました。これを使いまして、これまでの第1回から第4回での議論でこんな議論があったということを報告しつつ、その中で幾つかこんな資料はないかというお求めがあったりしたり、報告する中でこういった参考資料を見ていただいた方がよりいいかということを付けてございます。
 ページをおめくりいただきまして、最初に議論がありましたのは受給資格期間短縮という論点につきまして、この表は左側の論点の欄にありますのは、これまでの年金部会で大体資料の前の方に現状等がありまして、後ろの方にこの問題についての論点というのは、こういうものがあるのではないかと書いておりました、あの論点のところに書いてあったものを左側に記載して、それに関する御発言あるいは文書での意見を右側の方に、事務局なりの整理で掲載してございます。
 受給資格期間の短縮について、最初の論点は短縮することは適当なのか、また、その場合は何年とすることが妥当かということを書いてございました。ここにつきましてはここに整理をしておりますけれども、短縮はすべきであろう。その際は10年というのが妥当なのではないかという意見が、複数の委員からあったかと思っております。
 一方で、短縮は賛成だけれども、4分の1にする、10年にするというのでいいのだろうかという意見ですとか、10年にする場合でも40年納付いただくのが原則だということの徹底が必要という意見があったかと思っています。
 財政影響に関して第2回の議論の際に、給付費に関しては税財源で年300億円程度で、保険料財源もそれと同じ程度で、年金財政全体から見れば大きな影響はないという回答を第2回の中で申し上げたかと思いますけれども、事務コストに関して極めて少額の年金を給付することに執行上のコストが問題になるのではないかという論点を掲げたものですから、それだったら執行コストの試算をすべきだという御意見もいただいたところでございます。
ただ、これは論点の出し方が余りよくなかったかなと思っておりまして、その際も議論がありましたけれども、現状例えば2〜3年の納付済み期間プラス、カラ期間が長いという形で月数千円になるような場合でも勿論お支払いしているわけですので、受給権を認めるということがあれば、少額であってもお支払いをすることが原則なわけですので、少額の年金になることも念頭に資格期間短縮を認めるのかどうかという問題設定があって、その判断に執行コストがどうかということを混入させるべきではないと考えますので、第2回にそういった論点を書いたのでそういった御質問をいただいたんですけれども、そこは論点として下ろした方がよろしいのかなと思っています。
 納付意欲の論点に関しましては、10年に短縮をする際に納付意欲を損なわない施策を併せて講ずるべきという意見を複数の委員からいただいておりました。その際、なぜ納付率が低下しているのかということの分析が必要なのではないか、何かそういった分析をしたものはないのかという意見がありましたので、資料3が委員から要望のあった資料ですけれども、冒頭に納付率に関する分析の資料を用意しておりますので、そこについては事業管理課長の方から御説明いたします。
○事業管理課長 事業管理課長でございます。資料3の2ページをお開きいただければと思います。国民年金保険料納付率に関する資料を、お求めにより本日用意をさせていただきました。
 2ページは直近の平成22年度の実績を改めてということで書いてございますが、昨年度の現年度分の納付率59.3%ということで、前年度と比較して更に−0.7ポイントという状況になってございます。
 下に表を付けてございますけれども、19年度から22年度にかけて毎年納付率が低下し続けている状況がまだ続いておる状況があるわけでございますが、その前と比べれば下げ幅というのは少しずつ少なくなってきている現状にあろうかと思ってございます。
 ちなみに参考として、今年度に入りましてからの状況をお付けしてございます。毎月公表している数字でございますけれども、今年度に入りましてはかなり対前年度同月比と比べて拮抗してきているような状況でございまして、直近の8月末現在の数字、一番下でございますが、対前年同月比で▲0.1まで戻してきておるところでございます。更にこの傾向を進めてプラスに転じる必要があるだろうと考えておるというのが、今の状況でございます。
 御質問がございました要因分析につきましては3ページ以下となりますけれども、今年7月に昨年度の実績を公表させていただきましたときに、昨年度また低下をしたことについての要因分析をここに3点ほど書かせていただいておりますが、1つは第1号被保険者の中で年齢構成の変化、要は平均年齢が若返っているという傾向がございます。これに伴いまして国民年金の保険料は、どうしても年配の方の方が納付率が高い状況がございます。それの影響として国民の納付率が下がっている。影響率としては▲0.2ポイント程度と見ているところがございます。
 国民年金保険料の納付特例等につきましては、現在、市場化テスト事業を活用いたしまして、業者に委託する形で進めてきているところでございますけれども、目標とする水準になかなか達していない現実があるわけでございまして、この影響が▲0.3ポイント程度と見ているところでございます。
 ちなみに、市場化テスト業者を活用しての納付特例でございますけれども、電話での特例等にシフトが行った年がございますので、昨年下期からはもっと訪問しての特例を強化するというふうに、取組みの強化を図ってございまして、その効果も徐々に出ているのではないかと考えているところでございます。
 3点目は若干ではございますが、年度末の大震災の影響等によって年度末の納付特例、強制徴収等が全面的に止まったような影響も見受けられるのではないかということを書いてございます。
 今、申し上げましたのは昨年度の実績、分析でございますが、もう少し構造的な課題としてどんなことがあるかというのが4ページ以下でございます。平成20年の国民年金被保険者実態調査の結果から見た構造的な課題ということで整理をした資料でございますけれども、5ページ以下に表も付けながらまとめてございますので、ごらんいただきますと、まず1点目が第1号被保険者の就業状況についてという点で、先ほど資料1の中で年金課長からも少しお話がございましたけれども、第1号被保険者の中で臨時・パートの方の割合というのが足元でも26.1%まで来ておりまして、平成11年の調査と比べれば10%近く増加をしておる状況がございます。
 そうした中、次の6ページにございますけれども、臨時・パートの方の納付率が非常に低い状態がございます。上の表で見ていただきますと、自営業主の方の完納者が大体6割近い状況に対して、臨時・パートの方の完納者の割合というのは3分の1程度となっておる状況がございます。所得水準ということで見ても、下の表をごらんいただきますと世帯での所得金額あるいは第1号被保険者御本人の所得金額を見ても、臨時・パートの方の水準というのが非常に低い状態にとどまっていることがございまして、納付率低下の要因の背景の1つとして、不安定な雇用状況に置かれた保険料負担能力の低いいわゆる非正規労働者の割合の増加というものもあるのではないかと見ているところでございます。
 関連する資料でございますが、7ページに所得水準ということでほぼ同じような分析も出てございますけれども、第1号被保険者の属する世界の総所得金額。若干20年度は戻ってございますが、平成11年度と比べればかなり下がってきているような状況がございまして、その中で保険料を滞納されている方の所得水準というのは、平均で342万円となってございます。
 8ページに資料を付けてございますけれども、納付しない理由として「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」というお答えをされている方が、全体の64%いらっしゃるということで、非常に高くなっている状況がございます。
 8ページを改めて見ていただきますと、年金制度及び行政組織に対する不信感・不安感という面もあるのではないかという分析を付けてございます。納付しない理由の主要な回答でございまして、先ほど御説明をした「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」とお答えになっているというのが、全体で言えば3分の2で今、申し上げたように非常に高いわけでございますけれども、中には年金制度への不安あるいは社会保険庁への不信感といったことを理由として挙げられる方もいらっしゃる。そういったことがアンケート調査からわかっている状況でございます。
 以上でございます。
○年金課長 それでは、また引き続き私の方からですけれども、納付意欲の関係で委員からほかに求めがあったものとして、諸外国の年金制度で納付意欲にインセンティブを与えているような仕組みがあれば、情報提供をというお求めもあったわけですが、これについては大体諸外国の公的年金というのは一定以上の所得があれば強制加入で、所得比例の保険料を納めるというのが原則的な姿であって、日本の国民年金のように所得に関係なく定額の保険料として、強制加入なんだけれども、未納とか滞納があるという仕組みをとっているものはなかなかないものですから、参考になりそうな事例は見当たらなかったんですけれども、もし何らか情報提供をいただければ幸いでございます。それは見当たらなかったということで御報告させていただきたいと思います。
 資料2の5ページからは、2つ目の議題であります低所得者等への加算についてということで、まず最初は加算の位置づけですけれども、この加算の位置づけに関しましては公的年金の枠組みの中でやるべきだという意見と、そうすると保険システムのパフォーマンスを下げることになるので、慎重であるべきという意見があったかと思います。
 加算については定額か、定率かというと定額の方がベターだけれども、納付実績等に応じた区分を設けるべきという意見ですとか、加算額の意味をわかりやすく説明できるようにすべきという意見、障害基礎年金のほか遺族基礎年金も考えるべきといった意見、繰上げ減額受給をしている方の取扱いに関して、なぜ繰上げをしているのかという分析が要るというような意見、所得や資産の把握も要るのではないかという意見、所得調査を行って支給を決めるのは社会保険の年金とは異質のものになってしまうのではないかという意見があったかと思っております。
 これに関しまして、委員からお求めのあった資料といたしましては9ページ以降ですけれども、1つには年金月額分布について男女別のものをというお求めがございましたので、9ページが基礎年金受給者全体について、男性だと平均5.9万円、女性だと5.1万円で、10ページは基礎年金だけ、1階部分だけを受給している方、全体平均ですと4.85万ぐらいですけれども、男性だと5.4万、女性だと4.7万という形になっておりますが、男女別のグラフをお示しさせていただきました。
 繰上げ受給の分析についてのお求めがありましたので、それに関連しまして今の資料の11ページに資料を用意してございます。老齢基礎年金の繰上げ支給制度ということで、老齢基礎年金は65歳からの支給でありますけれども、受給権者からの請求に基づきまして繰り上げて受給することができるということで、現在は請求時点で月単位で年金額が減額されます。
1か月当たり0.5%、したがって5年間60か月を繰り上げると30%の減額になるという形になりますけれども、そういう減額をして60歳以降であれば受けたいという人は受けられる。ただし、それは65歳以降もその額で続きますということで、この減額率というのは年金数理的に計算をされているということですが、平成13年に制度改正がありまして、減額率の見直しがされて、生年月日で昭和16年4月2日というのが区切りになっておりますけれども、率が変わっているということでございます。逆に66歳以降に繰り下げて増額して受給するというものもあって、その増額の方も率は同じタイミングで変わっているということでございます。
この繰上げ受給動向でございますけれども、12ページをごらんいただきますと、薄い線がその年度に受給した人の何割が繰上げ受給したかということで、昭和の終わりごろは7割近くが繰上げ減額で受給をしていた。その年に受給を開始する人の7割ぐらいが繰上げ減額をする人たちでしたということですけれども、最近は繰上げ受給をしている人は2割ぐらい。ただ、積み重ねがありますので、現に受給している方の何割が繰上げ受給をしているかというと、現状43.9%が繰上げ受給をしているという経過でございます。以前はその年に受給をする人の7割ぐらいが、繰上げをしていたという時期があったということです。
13ページは繰上げ受給したら年金が引き下がるということで、これは県別にプロットすると当然繰上げ率が高い県は、年金額も低いという形になっているということです。
では何故繰上げ受給をするかということで14ページ以降になりますけれども、これは平成8年の調査で、その当時の被保険者が将来どうするかということをしたということで、そうすると今、受給している人たちというのはこの辺りでもあるわけですが、繰上げするのではないかと言っていた方が、これで多い少ないはなかなか言い難いかと思いますけれども、現役ですのでまだわからないと言っている方が多いわけです。
ただ、15ページでありますけれども、これは歳を重ねるにつれて繰上げ受給意思が高くはなっていることがございました。
16ページが何故ですかという質問に対する回答ですけれども、繰上げ受給の理由としては「長生きできると思っていないから」が5割です。あとは「早く生活費の足しにしたいから」というのが25〜30%という分析になってございます。
これを年齢別にしたのが17ページでありますけれども、ここまでのものが平成8年の国民年金被保険者実態調査ですが、18ページは駒村委員の論文に使われていますデータで、2008年の調査でありますけれども、おおむね2008年においても、分布は同じような回答割合になっているようです。こういったことが理由ではないかということを御紹介させていただきます。
 次に、低所得者の加算にも関連するんですけれども、参考資料をごらんいただきたいと思います。低所得者への加算あるいは高所得者の年金額の調整その他と関係するんですが、基礎年金の水準の考え方ですとか、社会保険である公的年金制度の中で税による再分配を強化するということに関連する資料を用意してみました。この後の議論にも参考になると思いますので、紹介をさせていただきたいと思います。
 2ページは以前もお示しをしたことがありますけれども、年金額というのはどういうふうに決まっているのかということですが、?の一番下にあります括弧の中に式がありますけれども、満額の水準、今だと約6.6万円ですが、満額の水準を設定した上で40年間480月保険料を納めれば満額になるという計算式で、40年間のうち25年納めたら40分の25になるという、満額を設定して、あとはどれだけの納付があったのかということで実際に計算するという仕組みになっています。その上で所得が低いということで保険料の免除を受けた月は現在は2分の1扱い、平成20年度以前は3分の1扱いというふうに計算をしています。これはその時々の国庫負担割合に合わせているわけですけれども、保険料を納めなかった月というのはゼロ扱いで計算をする。その上で保険料を納めた月と免除を受けた月、そして年金に加入しなくてもよかった月、これがカラ期間になるわけですけれども、そういうものを合わせて25年300月に満たない場合は年金受給できないというのが現在の仕組みです。
 そういう意味で、逆に言いますと無年金であるというのは免除手続もせずに保険料を納めなかった未納期間が、40年のうちの8分の3である15年を超えたという方であって、先ほどの受給資格期間を10年にするというのは、そういった手続もせずに納めなかった未納期間が40年の4分の3である30年までは構わないということになってしまうということで、納付意欲への問題は考えないといけないということでございます。
 低年金というのは資格期間は満たしているんだけれども、未納期間あるいはカラ期間など保険料を納めていない期間がある程度あるだとか、免除を受けて3分の1扱いで計算されている期間がある程度あるとか、先ほどの繰上げ減額年金を受給しているケースになるわけでございます。
 3ページに年金額の分布ということで、これは先ほど男女別のものをお示ししたものの、もとの数字でございますけれども、基礎年金のみを受給している方で言うと月額3万円台が非常に多い。その多くは女性であるというのが右側の半分の数字だと先ほどのグラフにあったとおりでございます。
 それでは、今、6.6万円と申しました基礎年金の満額水準というのは、どういうことで設定されているかということなんですけれども、4ページは所得保障施策における基礎年金の位置づけということで、これは基礎年金制度の創設当時の解説書の抜粋です。これを見ていただきますと?にありますが、老後の生活の基礎的部分を保障する。老後の生活の全部を支えるものではなくて、老後に備えた個人の貯蓄や私的年金等の自助努力もまた、生活を支える重要な手段だということの位置づけにしてございます。
 基礎年金でなぜ国庫負担がされているかというのは下半分に整理をしてございまして、一番下の※に書いてありますように、社会保険料に国庫負担を組み合わせるということで、低所得者でも負担できる保険料水準に全体を抑えるということと、保険料負担が困難な者に一定の給付保障を可能としているというのが、現在の基礎年金の国庫負担の説明です。
 5ページで実際の数字はどうかということですけれども、基礎年金の給付水準は昭和60年の改正で設定されましたが、65歳以上の単身無業の者の基礎的消費支出などを勘案して創設当時は月5万円ということで設定されまして、その後、制度改正の折に消費支出の伸びですとか物価の変動に応じた改定がされてきておるということで、しばらくの間は伸びてきて、最近は少し下がっているという形でございます。保険料と税金を財源とするわけですので、その収入、裏返せば賃金の動向ですとか現役人口とのバランスから独立して水準を決めるというのは、なかなか難しいわけでございます。
 現在の水準を単身無業者の消費支出のスケールに当てはめたのが6ページでありまして、これは単身無業の65歳以上の高齢者ですが、この方は月当たりの消費支出が14.6万であるという方の支出の中身を分析していって、左側の衣食住を基礎的消費支出としますと6万7,819円ということですので、基礎的消費を考えますと、基礎年金の満額の水準というのはこれをわずかに下回るけれども、同程度の水準ということでございます。したがって、基礎年金以外に一定の収入があれば、この収入をまかなうことができますし、厚生年金もあれば年金収入だけで生活できるというイメージになっています。
 7ページは夫婦の場合でありますけれども、夫婦世帯の家計調査での家計支出のスケールですが、衣食住の基礎的消費支出は10万7,785円ということで、2人分の老齢基礎年金はこれを上回っているということでございます。
 8ページからは基礎年金と生活保護との関係を示したものでありますけれども、生活扶助基準額というものを老齢基礎年金の満額と比較しますと、単身の高齢者については下のところに生活扶助基準額、これは地域によって違いまして、1級地の1というのが大都市で、3級地の2というのが町村部、地方郡部になるわけですけれども、単身高齢者については地方郡部であります3級地の2では基礎年金の方が上回っているということですが、それ以外の地域では扶助基準の方が上回っている。夫婦で見ますと都市部である1-1でも夫婦合計額12万1,940円ですので、夫婦で見ると大都市部の1級地の1でも基礎年金を2人で受給していれば、扶助基準を上回る水準というのが現在の生活保護の基準と年金の水準の関係であります。
 9ページに、生活保護と公的年金の役割の違いということの資料を用意しておりますけれども、生活保護というのは資産、能力等すべて活用しても、なお生活に困窮する者に最低生活の保障をして、自立を助長するということのために、最低生活を保障する水準で生活を営むことを想定して、就労収入ですとか年金収入と差し引いた不足分を給付するというもので、こういった預貯金等の調査を減額に実施するというのが前提です。公的年金はそういうものではなくて、他の収入や資産の有無は関係なくて、現役時代の保険料納付実績に基づいた年金が支給されるということで、図といたしましては10ページのようなことでございます。右側が生活保護ということで、すべてを調査した上で足りない部分について生活保護費が支給されることになります。
 このような役割の違いを念頭に置いて、両者の水準についてしばしば指摘されます基礎年金が生活扶助基準より低いのは問題だという指摘を考えてみますと、まず単身者についても地方郡部では基礎年金の方が高いし、夫婦ではどこの地域でも基礎年金の方が高いわけですので、仮に都市部の単身者で扶助基準を上回る基礎年金を月8万円ということにしますと、ほかの地域では高過ぎるし、夫婦世帯だと更に高過ぎる。大きな差が出るということになるので、それだったら、基礎年金に地域差を設けるとか夫婦だったら減らすとか、そういうようなことになるのかという論点が生じます。
しかし、そうなると逆に、同じ保険料を払って給付を受ける社会保険や年金で地域差とか夫婦調整をやるというをどう考えるかいうのは論点が出てくるということで、結局こういった問題点が生じるというのは、役割が異なる年金と生活保護というのを金額的に単純に比較すると、そういうことになってしまうということなんだろうということです。
基礎年金というのは、自ら保険料を納めて、その納付実績に基づいて受け取るものですので、これと現役時代に構築した生活基盤とか、老後の備えを基に生活を送るというのが想定される。それが乏しかったり年金が少なかったりしたら、厳格な所得調査を経た上で、住んでいる地域の生活扶助基準との差の分だけ保護費を受けるという役割なんだろう、ということです。
このような社会保険である公的年金と、税財源による生活保護との役割の違いというものを確認いただいた上で、今回議論をお願いしています低所得者への加算をどのように考えるのかということで、委員の意見の中にも年金制度の中でやるのがよいのかどうかという意見もあったわけでございます。
この点に関連しまして今の資料の続きの11ページに国民年金ができたとき、あるいは61年に改正がされたときの、これも書物等の抜粋ですけれども、国民年金制度というのは制度発足当初以来、拠出制の保険の仕組みということを基本としながらも、無拠出で全額税金あるいは税財源割合を高めた給付で、所得による受給制限を設けるような老齢福祉年金ですとか、二十歳前に障害者となった方への障害基礎年金といった、保険の仕組みの中で、そういった制度も設けてきているという経過がございます。
 12ページは前身の年金部会の20年11月の中間的整理でありますけれども、低年金者について国民生活の安定が損なわれることをあらかじめ防止する年金制度の射程外だと決めつけずに、年金制度としての対応可能性についても再検討が要るのではないかという指摘もされております。
 そうすると、例えば7万円になるような加算を行うと、単身者でも2級地の2までの地域で加算後の年金は社会保障基準を上回るとか、それで保護の対象から外れることになることも出てくるわけですけれども、とは言え低所得者への加算というのは所得の低い方に税財源で現金給付を行うものですとか、年金制度の中で実施するというふうにした場合でも、生活保護との関係というのは整理をする必要があって、どういった方を対象にどういった調査を行って、どういった内容の給付を行うかということを今後検討していく必要がありますし、その際には年金制度の中で義務を果たさなかった方に等しく給付をしたのでは、年金制度の趣旨は損なうという意見がございました。そういったことを留意しながらどう考えていくのかということなんだろうと思っております。
 戻りまして、意見の整理の資料の7ページですけれども、高所得者への年金額の調整に関してどんな議論があったのかということですが、高所得者への年金額の調整に関しては低所得者への加算との関係から、それをやるんだからということの関係での論点から、あるいは効率化・重点化というのは必要だという観点から、高所得者への年金の減額が必要だという意見もありましたし、拠出に基づく給付という考え方に反するのではないか、あるいは財産権の問題があるのではないかということでの消極的な意見、また、所得捕捉の仕組みが必要ではないかという意見があったかと思っております。
 所得捕捉の問題につきましては、先ほど見ていただきました参考資料集の16ページ以降に、社会保障・税に関わる共通番号制度についての資料を付けてございます。18ページに大きくスケジュールを掲載しておりますけれども、下の方に23年秋以降ということで、実際は来年の通常国会が想定されますが、関係法案を国会に提出して、現在の計画では27年1月以降に社会保障・税分野のうち、可能な範囲でマイナンバーの利用が開始されることになるという予定で、この時期にはこういったことが利用開始されるというスケジュール感が、まだ法案は出ておりませんけれども、この問題に対する大綱にはそういうような記載になってございます。
 高所得者の年金額の調整に関して財産権の関係の論点があったわけですけれども、今の資料の続きに財産権に関する判例あるいは質問主意書の関係資料を、20ページ以降に付けてございます。
 資料2に戻りまして9ページですけれども、第3号被保険者制度の見直しについて、どのような議論があったのかということで、最初の○、第3号被保険者制度の現状に照らし、その在り方についてどう考えるのかということに関しましては、最初のところに4つポツがありますようなことがございました。総合的な検討が要るということと、従来の性別役割分業から変わっているのではないか。そういったことをどう考えていくのかということ。そして医療保険との関係の話もございました。
 医療保険との関係で、会議の中でなぜ年金の方では議論になるけれども、医療保険の被扶養者の方では議論にならないのか事務局で整理してほしいというお求めがありまして、会議の中でも委員の中から幾つか発言いただきましたが、「委員から要望のあった資料」の資料3の19ページに、健康保険の被扶養者と年金の第3号被保険者がどう違うかという、年金の3号に対する批判が健保被扶養配偶者制度には向けられていない理由を整理してみました。考え方としては、医療保険というのは給付は医療が必要になった方のみに現物で行われる。年金は一定の年齢に達すれば現金で給付を受けられるというところが、対価性の意識ということで違いがあるということがまず1点あるんだろうということです。
 2点目は、医療保険は家族も含めた全体の費用をということをやっていますので、配偶者のみに着目したという帰着の議論になりにくいんですけれども、厚生年金は配偶者分の話だけなので、そういった議論になりやすい。
 3つ目は、医療保険は国民健康保険と健康保険が別制度ですし、自営業者世帯の専業主婦も保険料を賦課されていますけれども、所得割は所得の低い、要は低額であるということで、ほかの制度である健康保険加入世帯の専業主婦が負担なしであることに対して、自営業者グループからの不公平感が生じにくいのではないか。一方、年金は共通部分として基礎年金というものがあって、自営業者の専業主婦も月1.5万の保険料を負担しているというところが、国民年金、厚生年金の各グループごとの負担のルールの違いがあるというのが前提ではあるんですけれども、自営業側からの不公平感が出る。そういったことが医療保険の場合と年金の場合の違いなのかなということを整理してみました。
 資料2の9ページに戻っていただきまして、過去に提案されてきた3号制度見直し案の話ですが、10ページで夫婦共同負担等々についてどういう意見があったかですけれども、夫婦共同負担方式には一定の評価はこの部会の中であったんですが、夫の年金が強制的に分割されることの問題とか、結局実態は変わらず不公平感が残るのではないかといった問題点の提示がありましたし、遺族年金の取扱いについては工夫が可能ではないかという意見もありましたけれども、制度が難解になるという問題があるのではないかという意見もあったと思います。
 12ページ、マクロ経済スライドの関係ですけれども、このグループの中には、1つにはデフレ下でも人口変動に応じたマクロ経済スライドというものを行うなど、中長期的な年金財政の安定化を図る仕組みの見直しが必要だという論点と、特例水準というものに関して世代間不公平の解消のために、早期に解消をすべきだという大きく2つの論点が混在をしてございます。これらについては分けた議論が要ると思っていますけれども、前者の、仕組みの話につきましては、多くの委員からデフレ下でもマクロ経済スライドを実施すべきとの意見があったかと思います。ただ、受給者への説明が必要だとか、年金額の低下に一定の歯止めが必要といった意見があったかと思います。また、わかりやすく説明する観点からも、名前の見直しが要るのではないかということの御意見もありました。
 次に、13ページの下の方、特例水準の解消の関係につきましても、これも早期に実施すべきとの意見が多かったと思います。ただ、タイミングや手法には十分な配慮が要るし、本来額より高い額を受給していることがほとんど意識されていないので、そこの説明が要るのではないかという意見があったかと思います。
 マクロ経済スライドの仕組みの見直しに当たって、名目額を切り下げることが財産権の侵害の問題を生じるかについては、政策目的とか見直しの内容等によるので、さまざまな観点からの検討が必要だろう。この辺りについてはさまざまな意見があったかと整理してございます。
 基礎年金についてはマクロ経済スライドを適用しないとか、名目下限を維持すべきといった論点については、切り下げを行うことは問題だという意見と、別財源があるわけではないので、適用した上で別途所得保障の仕組みを考えるべきといった意見があったかと思います。
 16ページの支給開始年齢につきましては、参考資料の24ページ、25ページに小宮山厚生労働大臣、野田総理大臣が国会を答弁されている、直近の、来年の国会に改正案として出しているものではない等々、拙速で進めるわけではないというようなものを紹介してございますけれども、もともとすべての項目について来年法案化するという話での議論ではないわけでございますが、最長寿国である我が国においては、中長期的には常に意識に置くということでの御意見もあったかと思います。
 委員からは、議論や検討は要るけれども、高齢者雇用の現状を考えれば実現は困難だという意見だとか、中長期展望を考慮すれば支給開始年齢の引き上げは考えざるを得ない。また、マクロ経済スライドによる将来の財政安定効果との関係で考えるべきなどの意見があったということと、18ページの下の方ですけれども、公的年金を縮小するんだったら私的年金などによる備えの奨励とか、税制優遇なんかも要るのではないかという意見があったかと思います。
 諸外国の例については、支給開始年齢引上げだけではなくて、そのときに繰上げの制度なんかも入れているのではないかという資料提供をということがありましたので、資料3の21ページにその資料を付けております。若年者就業率の推移のデータをということもありましたので、それは22ページに付けております。
 資料2の20ページに戻りまして、在職老齢年金につきましては就労意欲の抑制効果につきまして、現在はそれほど抑制効果はないのではないか。効率性と公平性の関連からの議論が必要だということだとか、これをやったら高齢者雇用が増えるかどうかも疑問なのではないかという議論があったと思います。
 資料3の24ページに、前回2004年改革後の制度については、山田先生の就業抑制効果が認められなかったという資料だけをお示ししたんですけれども、ほかにないのかということで、浜田氏の論文でありまして、2つのパラグラフありますが、在職老齢年金制度の年金減額による就業抑制効果で年収が24万円低下する効果がある。ただ、以前の制度と比べると平均年収が1万円上昇するという効果もあるという推計ということです。ただ、いまだ学説としては両方あるという資料にさせていただいております。
 在職老齢年金の支給停止について、厚生年金適用事業所での賃金収入だけではなくて、ほかの収入も含めて判定すべきではないかとか、なぜそれができないのかという御質問もあったわけですけれども、まずリアルタイムで個人の所得を把握するという仕組みは現在ありませんので、それを基礎に年金額を調整する仕組みというのは実務上、実際は無理だと思っております。
また、第4回でも御説明しましたとおり、在職老齢年金というのが何であるかというのが、本来は退職してから受給するものなんだけれども、高齢者の賃金が低いことをかんがみて、在職中でも年金を支給するようになったという経緯で、所得があることを理由に支給を減らすという発想の制度ではないということを、改めてコメントしたいと思います。
 22ページ、産休期間中の保険料免除に関しては、いろいろ理由を挙げていただきましたけれども、基本的には賛成という意見が多かったかと思います。また、年金財政にどう影響するかを見極めるべきとか、他の政策との兼ね合いを考慮すべき、支え手が増えることで長期的には必要な財源というのも逓減していくという効果もあるのではないかという意見もあったかと思います。
 24ページからは標準報酬上限の引き上げに関して、所得の高い方にも経済力に応じて負担していただくべきなので賛成とか、高い保険料を払ってもらえば高い年金を出すことになるわけだから、若い世代とのバランス上、問題が生じるおそれがあるので反対だという意見、両方の意見がありましたし、給付への反映方法についてはアメリカの制度を参考に反映の仕方を工夫すべきという意見もございましたけれども、一方でアメリカの制度は1階建てなわけですから、基礎年金という1階部分で再分配機能がある日本とは違うし、制度が複雑化するのはよくないのではないかという意見、また保険の機能を弱めるのではないかという意見があったかと思います。また、今の経済状況を考えると事業主負担が増えることも無視するわけにはいかないという意見をいただいたところでございます。
 27ページ、その他のところで遺族年金の男女差については、男女差は基本的に解消すべきという意見が多かったわけですけれども、その際に生計維持要件をどう考えるのかという意見がありました。
前回の会議で出された850万円は何ですかというご質問に対して、経緯的なものとだけ御説明しましたけれども、資料3の最後のページに遺族年金の生計維持要件についてということで、昭和60年の改正でこういった制度を導入したわけですけれども、そのときは600万と決めました。これは遺族年金の生計維持要件というのは権利発生要件で、毎年の所得を確認して、それ以下だったら支給する、それ以上だったら支給しないではなくて、そのときに生計維持されていると判定されれば遺族年金が出る。維持されていないとすれば支給されないというものですから、ある程度高めに設定する必要があるだろうということで、その当時の考え方で言いますと、所得区分で十分位の最高位、上位10%に当たる年収ということで60年改正の時に600万円と定め、平成6年に全体的な所得水準の向上を踏まえて850万円に改定をしてきたということで、考え方と経緯としてはそういったことです。
 どういう認定の仕方をしているのかという質問もありましたけれども、裁定請求の際に現状の収入額の証明を出していただくとともに、近いうちに所得が減ることが明らかである、定年が近いというような場合は、そのことの書類を出していただいた上で、将来にわたって850万ありそうかどうか認定をするということをやっております。
 長くなりましたけれども、これまでの議論の整理と求められた資料、関連する参考資料について説明させていただきました。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
 これまで委員の皆様方からちょうだいした御意見を、論点に対応してそれぞれ委員の皆様方からちょうだいした意見をまとめた資料を御説明いただいた上で、それとの関連でもって委員の皆様方から御要望があった資料と、委員の皆様方からいただいた意見及び今後の議論に資するような資料についても、関連して御説明いただいたところでございます。
 まず委員の皆様方から御要望のございました資料を事務局の方からまとめていただいたんですが、これについて御意見があればちょうだいしたいと思います。菊池委員、どうぞ。
○菊池委員 私からも幾つかお願いしていた資料を出していただきまして、どうもありがとうございました。大変参考になりました。
 その中で2点あるんですが、1つは資料3の19ページで、健康保険との違いについてでありますけれども、確かになぜ健康保険の被扶養者については余り議論されないのかというのは、多分こういうことではないかというのは確かにそういうことかなと思われるんですが、客観的になぜ議論がされていないのかという分析であると思うんですけれども、これは事務局に対してではなく、我々が議論する際にも、同じ被用者保険の中での被扶養者の負担をどう考えるかという意味では、共通性を有するテーマですので、医療は医療、年金は年金、ここは年金部会だからというような縦割りの思考ではなくて、3号被保険者制度についての3号の負担はどう考えるかという際には、では健保の負担はどう考えるのかということを、少なくとも我々は頭の中ではセットで考えていく必要があるのではないかと思います。
 例えば3号は負担すべきだという考え方の1つには、応益負担的な発想があるかと思いますけれども、健保はこのままでいいとすれば、なぜ健保では被扶養者制度をこのまま維持することが適切なのかという意識を持って考えていく必要があるのではないかという個人的な感想でございます。
 もう一点は25ページでお示しいただいた生計維持要件ですが、これも法律上の権利発生要件ということで、支給停止とは異なるんだというのもよく理解できました。ただ、これにつきましても1つは遺族年金というのは最高裁判所も言っておるんですけれども、場面は違いますが、老齢年金、障害年金、遺族年金で違うのは給付の確実性という面で性格が異なるということを言っております。
例えば再婚した場合には失権事由になるとか、そういった意味で給付の不確実性というものが1つの遺族年金の性格でもありますので、そう考えていくと主たる生計維持者が死亡した当時、生計を維持されていたという関係にあるかどうかが問題なのであって、例えばそのときに代表取締役でたくさん収入があって、10年後に失業して会社が倒産して、生活保護レベルにまで落ち込んでしまったとしても、それは生計維持要件云々の問題ではなくて、その方のそのときの生活の保障をどうしようかという、別の生活保障の問題としてとらえていくことがむしろ正当とも思えますので、やはり権利の発生要件であるということからこういう基準にしているとしても、なお私としてはこの基準でいいのかということについては疑問がございます。
 更に言えば、こういった基準を考えられたのはかなり前の、数十年前の家族観であったりライフスタイルであったりする時代における社会通念に基づく基準だと思いますので、それが現在においても妥当するのかということは、考慮してみる必要はあるのかなと思われます。
 以上です。
○神野部会長 どうもありがとうございました。
 いずれも菊池委員の御意見としてちょうだいした上で、私どもこの部会で今後議論をする上で念頭に置くということで了解しておけばよろしいですね。何か事務局の方からコメントありますか。花井委員、どうぞ。
○花井委員 要望があった資料ということで、9ページ、10ページの表ですが、男女別の年金受給額に関する資料を提出していただいたことに大変感謝したいと思います。すべて男女別と言うつもりはありませんが、生活費に関わる数値は今後とも是非、男女別に出していただけたらと思います。
 今、お話が出ていました最後の25ページ、私がなぜ遺族年金の生計維持要件が850万円かと聞いたことに対しての資料を出していただいたことにも感謝したいと思います。ただ、これを見ますと850万円なのかという理由は、被用者年金の上限10%にあたる年収を基準としたということで理解しました。しかし、今、ライフスタイルが大きく変化していて、昔のように1回結婚したらほとんど離婚しないとか、そういう時代ではなくなってきているときに、夫が亡くなったときの、その時点で将来にわたって年収850万円を超えないという決め方が果たしていいなかというのは、またより一層疑問に持ったということだけ意見として述べておきたいと思います。
○神野部会長 これも御意見としてちょうだいしておけばよろしいですね。
 あといかがでございましょうか。
○諸星委員 今回の年金部会の議題の中で、受給資格期間の短縮というのもこれから検討されると思うんですが、その中で今回、資料として納付率、特に国民年金保険料の納付率の資料を出していただきました。
 この中で保険料の納付状況というのが、やはり年々落ちているというのは事実なんですけれども、これは実は以前は専門に国民年金を徴収する方々がいらして、専門の知識を持って御説明をしていたということで、納付率が余り極端に下がらなかったんです。ところが、いろんな事情があって市場化テストといったものをやりまして、要は専門ではない方々が回るようになって理解がされない。基本的に何回も言うように年金は非常に複雑ですので、余りに複雑過ぎて普通の方々が理解できないものですから、やはり国民年金の保険料を納める大切さ、それに併せて先ほど資料の中にもありましたけれども、いわゆる免除手続。これが私も冒頭にお話申し上げましたが、免除手続がかなり煩雑なんです。
しかも若年4分の1、半額、全額免除、それぞれの免除の仕方によって所得の計算方法なども違っていまして、複雑過ぎる。もしこちらの受給期間を短縮するという検討をするのであれば、そこの分も含めて今後考えていくべきではないかと思います。
 もう一つ、先ほど来、菊池委員からお話があった遺族年金の850万。これは私は当時の議会といいますか、国会での審議の内容の議事論を見させていただいたんですが、この上位10%は平成3年当時の標準報酬で、多分以前の資料で見ると平成3年は男性の被保険者の標準報酬を基本としていたと思います。それが平均年収803万ということで答えられている。それがなぜか850万は切りがいいところで、ここが803万なので850万になったと思うんですけれども、そういったことが先ほどからお話があったように、その当時からは意外と高いものだった。
今これだけ報酬といいますか、給与がとにかく下がっていて、非正規労働者が増えているという時代に合った検討を今後されるべきだと思いますし、こちらの部分について言えば、収入要件の死亡当時の生計維持は、一応おおむね5年間でその当時から下がるという見込みがあればということが現実行われているんですけれども、それについてもいろいろと具体的に問題も出てきてまいりますので、これは法律の条文の中で決められていますから、これも今後収入の内容と併せて検討すべき問題ではないかと、私は現場にいる者として素直に思います。それは意見ですけれども、そのようにさせていただきたいと思います。
○神野部会長 これもいずれも意見としてお伺いした上で、納付のときにも懇切丁寧な専門委員、その他、つまり徴収上の問題もあるのではないかという御指摘がありました。特にいいですか。コメントがなければ御意見として承ることにさせていただければと思います。
 あとほかにございますか。小山委員、どうぞ。
○小山委員 1点だけ質問なんですけれども、先ほどいろいろ御説明いただいた中で、参考資料の18ページなんですが、マイナンバー、法人番号と今後のスケジュールの中に入っているんですけれども、これはこちらの部会で審議されたことなのでしょうか。
○神野部会長 これは政府の方で検討している例の番号制度の進捗状況を御説明いただいた。進捗状況というか、予定を含めてスケジュールを御説明いただいたということなので、これはどこでの議論になっているのですか。
○年金課長 18ページで申しますと、点々より少し上の平成23年1月31日のところに政府・与党本部において「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」を決定し、そして検討会で要綱をとりまとめて、6月30日に「社会保障・税番号大綱」を決定しているというものがございます。この政府・与党本部で定めた社会保障・税番号大綱の内容というのが17ページに記載してあり、その場で決めた大綱の中にこういったスケジュールが、こういった番号を付けて発行していくということと、それをいつぐらいからやっていくというのを、その場で決まっていることを御紹介したということでございます。
○神野部会長 よろしいですか。ここでは番号制度そのものが導入が必要ではないかという条件として出てきたことがございますが、この制度そのものについて議論するのは任務でもございませんので、これについては別なところでやっております。
 あといかがでございましょうか。山本委員、どうぞ。
○山本委員 今のご発言との関連で、社会保障と税に関わる番号制度についてスケジュールが出ておりますが、この部会での審議事項ではないかもしれませんが、番号制度がどれほどの行政の経費縮減につながるのかという大まかな見込みというのはあるのでしょうか。
これからいろいろな負担が増えてくる中にあって、番号制度が全体の管理コストを下げることにつながるとすれば、これは是非早期にでも進めていかなければいけないことだと思いますし、それがどれくらいの価値観としてとらえ得るのかというところは、1つ質問を申し上げようかと思いました。
 もう一つですが、委員からの要望のあった資料の8ページでございますけれども、国民年金を納付しない理由として、年金制度の将来が信用できないという回答が、3年間で微減しておりますけれども、かなり高止まりしている状況のように拝見できます。この審議会もこれには大きく関わるのかもしれないのですが、やはりこの辺のところを払拭していくようなことを早期にやらないと、納付の面で本当にもったいないことになっているのではないかと思います。
社会保険庁が信用できないというものもございますが、確かに先ほどの複雑性の問題とも絡めて非常に理解しづらい点も多々あろうかというところで、その辺を払拭していく手段も何がしか講じる必要があるのではないかという気がいたしました。
 最後でございますが、特例水準2.5%の解消についてでございますが、経済が縮減している中でございますので、これをどういう形で実際に実行に移すかというのはなかなか難しく、国民的な理解を得ながら進めるというのは大変なことではないかという気もいたします。しかし、サステナブルな制度ということを考えますと、マクロ経済スライドもそうでございますけれども、特例水準の解消についても是非、実現の方向に向けてお考えいただかないといけないという意見でございます。
○神野部会長 最初のこと以外は意見としてちょうだいしておきますが、社会保障・税の番号制度については恐らく政策目的も単に経費縮減ということだけではないので、これをどの程度追求しているか私は了解しておりませんので、ここの部会というよりも、むしろ既存のそういったことを検討しているところで出ているのであれば、委員の方につないでいただくということでよろしいですか。では、そのようにさせていただければと思います。
 山口委員、どうぞ。
○山口委員 私は確認というか質問をさせていただきたいんですけれども、先ほど在職支給の御説明をいただいたときに、「在職支給の考え方は所得があるという理由で減額するという概念ではない。年金の支給については退職が前提であって、どちらかと言えば給与の少ない人に対して年金で足し算している」というようなイメージでお話になったかと思うのですが、厚生年金については老齢年金ということで、これまで支給開始に当たって一定の年齢に達すれば年金を支給するという年齢を支給要件とする考え方だと理解をしております。今おっしゃったような退職が前提ということになれば、いろんな働き方があるわけでして、例えば自分で商売されるといったようなケースなんかも勿論あるわけですけれども、被用者であり続けた場合だけが要するに退職要件がまだ満たされていないからということで在職支給の停止をしているという御説明だったのかどうか。その辺りの点について、今おっしゃった意味がよく理解できなくて、確認しているのですが、以前から要するに老齢年金は退職が要件であったということなのでしょうか。
○神野部会長 年金の本質論に関係しますが、事務局いいですか。
○年金課長 先ほど御説明しましたのは、昭和40年の改正で在職老齢年金の仕組みが入ったときの発想はどういうことだったかというと、年金というのは退職してから支給されるというものなんだけれども、それまでは退職していなければ年金は出ていなかったわけですが、そうすると退職していなくても低賃金で働いているから年金が出ないというのだといけないというので、昭和40年に在職中でも年金が出るという仕組みになっている。
勿論、今の年金の仕組みは年齢に達して納付期間があれば受給できていますから、退職しなければ年金は支給されないという仕組みではないです。それは周知の事実ということだと思いますけれども、昭和40年に在職老齢年金という仕組みが入ったときというのは、そういう考え方でしたということを御報告しました。
○神野部会長 それでは、時間も押してきたのですけれども、本日の主要なテーマを残しておりまして、先ほど極めて丁寧に御説明いただきましたが、資料2で皆様方の意見をこれまでちょうだいいたしました。貴重な御意見をまとめさせていただいておりますが、これにつきまして今日追加でここは抜けているのではないか、あるいは新たにこういうふうなことを意見として述べたいということがございましたら、御発言いただければと思います。
○柿木委員 資料2“一巡目の議論における各委員の意見の整理”の一番最後(2)その他の欄ですが「「財政試算が議論になったが、年金制度改革が年金財政に与える影響については、年金部会で考えてほしいという議論があった」」と書かれています。今、年金について多岐にわたる課題の議論を深めていく際に、各政策案が年金財政に与える影響を試算することは極めて重要ではないかと私は思っております。
 例えば先日、支給開始年齢の引き上げの議論の後、各メディアがいろんな試算を出しましたが、あの数字が国民を非常に惑わしているという印象が強いと思います。そういう意味で、とりまとめでは、こういう(2)その他という項目扱いではなくて、“財政見通しの提示の必要性”というような確固たる項目を設けて、多少粗くてもきちんとした試算を、少なくともメディアが勝手にいろんな数字を書きづらいような試算を示すべきである、と書くべきと思っておりますので、付け加えさせていただきます。
○神野部会長 これはどうしましょうか。いずれにしてもその都度可能な限り計数表示などの努力は事務局にしていただきますが、ただいまのはここに書くような意見として承っておけばよろしいですか。
○柿木委員 はい。
○神野部会長 わかりました。花井委員、どうぞ。
○花井委員 今の柿木委員の意見ですが、私も同じように財政見通しの提示が必要と考えます。2009年に財政検証が行われている中、今回の見直し案というのは、国民に対する負担感が非常に強い印象を与える項目が提示されており、このような大きな改革をもしするとすれば、全体の財政がどうなのか、100年安心と言われた年金財政が今後どうなのかということをきちんと財政検証を行うべきではないか。その上でどうしていくのかという議論をすべきではないかと思っておりまして、その意味で今回の議論の進め方について、もう少し全体的な財政検証を行っていただくようお願いしたいと思います。そのことを意見として述べておきたいと思います。
○神野部会長 米澤委員、お待たせいたしました。
○米澤委員 私も今までどちらかと言うと、年金財政の方から給付を豊かにすることに関しては、注意しなければいけないと言っていたつもりが多いんですけれども、そればかりもいかがなものかと思いましたので、ある方から伺ったんですが、そもそも物価スライド、その下にマクロスライドの調整があるわけですけれども、その物価の方なんですが、要するに給付を受けてからは物価上昇でいくわけです。要するに想定しているのはリタイアした人なわけで、そこのところの物価が、その人たちが直面するような物価でもって図られているかどうかをチェックする必要があるのではないだろうか。
普通の一般の消費者物価と似たようなものなのか、その意見を言った方は医療費が非常に多くなっているので、そこから見るとデフレと言ったって余り下がっている感覚はないということなので、まずそこのところはそのような指数がつくれるかどうかの問題なんですけれども、そのようなリタイアした方にとってもデフレになっているのかどうか、もしかしたらそこに関しては余り下がっていなくて、インフレになっているかどうかは分かりませんけれども、そういうふうな指数ができるのかどうか、まずそこのところは粗っぽいものでいいのでつくっていただいて、その人たちにとっては決して下がっていないというものがあったとしたら、いろいろそういうところにきめ細かくスライドの調整の仕方も考えていく必要があるのかなと思いましたので、そういうところはできる範囲で調べていただけると嬉しいなという感じがします。
要するに老後の人たちにとって平均的な消費、医療を含めて物価がこの中で同じようにデフレになっているのか、そうでないのかということをわかる範囲で調べていただきたいと思っています。
○神野部会長 駒村委員、どうぞ。
○駒村委員 今日初めて私も意見を言わせていただきます。
 先ほど財政の議論があったんですけれども、一応年金数理部会の方で毎年の財政状況について報告書が出ているんですが、余りにも厚くて複雑なことが書いてあるので、今の賃金デフレの状況によってどのぐらい財政予測にずれが出てくるという足元の話、名目値ですごく出ているということで議論がありますけれども、実質レベルでどのぐらいの差が出ているかというのをお示しした方がいいのではないかと思います。わかりやすい形でお示しした方がいいと思います。
 今の米澤先生の高齢者の消費の組み合わせの中での尺度というのは、私も以前、どこかで聞いたことがあって面白い議論で、1つそれはやってみてもいいのかなと思いますけれども、中身の別のコメントもしてもいいんですか。
○神野部会長 中身のコメントというのは、この意見はおかしいのではないかとかという話ですか。
○駒村委員 違います。私が低所得加算についてのときに出損なったので、そのときの話なんですけれども、とても難しい議論だと思います。ただ、先日、生活保護の受給者数が戦後最高値に達したというか、超えたという状況で、そのうちの44%が高齢世帯ということだったんですけれども、よくよく見ると、その他世帯の中にも高齢世帯主がたくさんいるようでありまして、高齢世帯というのは高齢者の世帯が高齢者のみによって構成されているので、全高齢者がカバーできているわけではないので、高齢者がかなり生活保護の中のボリュームを占めてきている。
統計を見ると高齢者の数の増加率よりも、高齢者の中で生活保護をもらっている人の増加率の方が早い状況、つまり戦後、年金が拡充されてきた歴史の中で、高齢者の貧困リスクは下がってきたのにもかかわらず、90年代後半からどうも上がり始めているのではないかというのを考えると、生活保護をもらっている高齢者の年金の状況がどうなっているのか。年金と生活保護を全く切り離した議論をしていていいのかどうなのかというところがまず足元の議論としてあって、更にグローバル経済が今後進展するということを考えると、不安定な低所得の労働者、結果、免除あるいは未納という人も増えてくるでしょうし、将来的には単身高齢者もかなり増えてくる。
更に言うと政策的にはマクロ経済スライドというものも、基礎年金にかけるとなるとかなり厳しいものがかかってくるとなってくると、かなり従来の発想とは違う税財源の使い方をしていかなければいけなくて、そこにおいて高所得層の年金、税財源年金のところの見直しと、低所得者の年金の加算という話が出てくるのではないか。
 今の基礎年金の枠組みとか財政構造なりを維持するという延長上での微調整というのがかなり限界になってくるのではないかと、10年後、20年後のことまで展望していくと、ここ20年で起きたことと今後10年で起きることを見ると、かなり構造的な変化を覚悟して、財政制約の中で税財源の使い方を工夫しなければいけないのかなと思います。その上で低所得者層の加算については、ここに書いてあるようにかなり難しい部分があって、繰上げで低年金になっている人にあげるというのはよくわからない話になりますので、低年金になっているどのグループについて、未納についてはどのように考えて、免除の結果、低年金になった人はどのように考えるのか。その低所得、低年金の人をどう定義していくのか。あるいは実際に所得制限をやるときにだれがその資産なり所得テストを行うのか、できるのかというところも考えてもらいたいなと思います。
加算については賛成ですけれども、具体的な組み込みでやらないと事後的に未納になった人に対してお金をあげるということになれば、非常に不公平感が出てくると思いますので、具体的なイメージを出さないと事後的な不平等感が高まると思いますので、その次のステップに入っていただきたいなと思います。
○神野部会長 逢見委員、どうぞ。
○逢見委員 デフレ下のマクロ経済スライドの検討というのは、今回の部会での重要な論点の1つだと思うのですが、資料2で言うと12ページから13ページにかけて、前回も少し発言したのですが、もう少し補足的にこの点について意見を申し上げたいと思います。
 2004年に導入されたマクロ経済スライドは、そもそもデフレ下における発動は想定していなかった。今回それを検討するということになれば、当然財政検証を新たにやり直すというところから始めなければいけないし、大きなルールの変更ですから、これはやはり慎重に考えなければいけないと思います。
 また、留意しておかなければいけないのは、所得代替率を50%下回らないことが2004年改正の前提になっているわけです。もし50%が維持できないということになれば、それは国民に対する年金への信頼を損なうことになりかねないので、これは絶対に堅持すべきと思います。
 最後に、基礎年金へのマクロ経済スライド適用です。これについても参考資料の中で基礎年金の給付水準と改定経緯が5ページ、6ページに記されておりますが、現在の基礎年金額は基礎的消費をまかなえる状況にない。かつ、基礎年金の受給額が満額に満たない人もいる中、基礎的消費に関わる部分を賄う基礎年金を、マクロ経済スライドという人口動態要因で切り下げるというのは、政策的には実施するべきではないと思いますので、その点を追加して意見として出しておきたいと思います。
○神野部会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 申し訳ありません。これで最後にしたいと思います。
 10ページに関わってのことですが、夫婦共同負担を基本とする考え方についてという論点の中で、いわゆる2分2乗制度というものが提案されてきたわけですが、このことについて意見を述べなかったので今回述べさせていただきたいと思います。
 3号問題を解決するためにということであれば、2回部分の2分2乗がなぜ解決になるのかわからない。世帯でみた負担と給付は全く変わらず、ましてや3号というのは基礎年金の問題でもあるにもかかわらず、厚生年金(2階部分)を半分に割ったとしても、3号問題の解決にはならない、むしろ3号を存続させていくものでしかないと考えていますので、是非ともそのことを追加意見として記載をお願いしたいと思います。
 その上で10ページの上から4つ目のポツが私の発言かと思います。その2行目「在り方として夫婦共同負担案や適用拡大を」と書いてありますが、「共同負担案」は認めていませんので、ここの部分の削除をお願いしたいと思います。
 以上です。
○神野部会長 わかりました。
 あといかがですか。武田委員、どうぞ。
○武田委員 本日の部会から2巡目に入り議論がさらに進んでいくと思いますが、その際、優先順位をつけていくことが大事であると感じております。これまで部会に参加させていただき、更には本日御説明いただいた中で、優先項目として第一に挙げるべきは、特例水準の廃止ではないかと思います。
 理由は3点ございます。1点目は年金財政の持続性の観点です。その観点から特例水準の解消を行うべきという点で、この部会において委員の総意は得られているのではないでしょうか。こちらの資料にも記載されているとおりかと思います。
この部会では、年金を充実させる方向の改革案なども、いろいろと議論を重ねてきたわけですけれども、そもそも年金財政の持続性といった大前提が崩れてしまいますと、充実化の議論も前に進まない、充実させたくてもできない。つまり、年金財政の持続性がしっかり担保されてからの議論になるのではないかと思います。
 2点目は最近の国際情勢の変化です。御存じのとおり、欧州では債務問題が非常に大きな事態へと発展しています。我が国は今こうした事態に直面しているわけではございませんが、客観的なデータに基づけば、債務残高は対GDP比200%とイタリアをはるかに上回る水準です。したがって、年金財政の持続性、更にはわが国の財政の健全化のためには、改革のプロセスに今すぐ着手すべきではないか、時間的にも急ぐ話ではないかと感じております。
 勿論、特例水準廃止のスピードや方法などで検討すべき点はあるかもしれません。しかし、特例水準廃止の結果として生じるコストと、何もやらずに改革を先送りした結果、将来の日本にふりかかってくるマイナスのインパクトと、どちらが大きいかを考えなければいけないと感じています。
 少なくともギリシャ、イタリアの結果を見ていると、後者のマイナスのコストがはるかに大きくなっているということを、私たちは理解して議論を進めていくべきです。そのために早急に特例水準の解消を決定していただきたいと感じているわけでございます。
 3点目は、一巡目の繰り返しになりますが、世代間格差の是正、このためにも必要な措置であると思います。支給開始年齢の引き上げは、スピード次第では世代間格差の縮小というより世代間格差の拡大につながる可能性がある一方で、特例水準の廃止は、世代間格差の更なる拡大を阻止する方向に機能するものです。
 以上です。
○神野部会長 ありがとうございました。
 あといかがでございましょうか。柿木委員、どうぞ。
○柿木委員 私も今の武田委員に賛成します。進め方の問題もありますが、今回のように多岐にわたる検討項目がある中で時間が限られているのですから、先ほど出ましたように優先順位を決めて、年末までにある程度道筋をつけることが大事ではないでしょうか。
 先ほど御説明にもありましたように、特例水準については今、年金をもらっている方にどう説明をするか非常に難しい問題があるわけですけれども、特例水準の解消については委員の中でほぼ意見が一致しているのではないかと思います。
そういう意味では、どういうふうに実施をしていくかということが非常に大事だと思いますが、少なくともこの年金部会の中でいろんな項目がありますので、既に委員としてほぼ一致をみた項目は、ある程度そういう方向で外していくというか、そういう答申を出すという形で進めていってはどうかと思います。
○神野部会長 ほか意見よろしいですか。山口委員、どうぞ。
○山口委員 今のお話で、優先順位をある程度つけた方がいいということが出ておりました。今回のいろんな議論を少し整理しますと、個別的な課題と年金財政全体に関わる課題といった区分がありましたし、新しく出てきた課題と、以前から継続となっている課題といった切り口もあったのではないかと思います。
 私もどちらかと言えば、年金財政の安定化ということが頭の中で大きなウェートを占めておりまして、そういう意味では全体的な財政を改善していく施策といったものに、少し重きを置いて考えていく必要があるのではないかと思っております。
 そういう中では今、特例水準の話が出ていましたが、財政的な見方からすると特例水準だけでなく、2009年の財政検証でもある程度今後のインフレ、物価の上昇があるという前提で計算をしていて、その中でマクロ経済スライドがきちんと作動するということで将来の見込みをしていたわけです。それが現実に全然作動しておらない状況になっているわけですから、このマクロ経済スライドの問題が大きいと思います。
 一方で、加入者の方は毎年保険料が上がっているわけで、加入者の皆様は財政安定化のための負担をされている。受給者の方も負担してくださいというのが、このマクロ経済スライドの趣旨だったと思うんです。一方的に加入者だけが負担しているという状況の中で、全体としての財政構造の改革は進まない理由は、やはりこの給付減額の部分が発動できていないためですから、私はデフレ下においてもマクロ経済スライドを発動させて、それで国民全部が財政の安定化のために参画していくという大きなストラクチャに参加していくというような仕組みに早く実現していくということが非常に大事ではないかと考えています。そして、その部分の議論が今後いろいろと道筋がついていけばいいなと期待しているところでございます。
○神野部会長 あとよろしいですか。それでは、そろそろ時間でございますので、今回の御議論はここで打ち切らせていただいて、今日は本当に委員の皆様方から生産的に御議論をいただきまして、ありがとうございます。
 現状の財政状況その他の資料や、ここで提案したことに関してどの程度影響するかということについては、ここの部会での答申でどの程度中身を書き込むかということとも関連いたしますので、その点については少し事務局と話をさせていただければと考えております。
 今後の進め方ですが、これから事務局に説明していただきますけれども、そもそもここで私どもが今年度始めているのは現行制度の改善ですので、制度そのものの核に関わる抜本的な改革というのは次に控えておりますので、喫緊度に応じて進めていくのかなと思っておりますが、事務局の方から具体的な日程その他お考えのところがあるかと思いますので、御説明いただければと思います。
○年金課長 ありがとうございました。
 今、優先順位をという議論も幾つか御意見もいただいたところでございますけれども、今後のスケジュール感でございますが、今後政府・与党全体での社会保障・税一体改革の進め方を考えますと、社会保障改革に関する各制度の議論等につきましては、来年の国会等を考えますと12月上旬ぐらいまでに一区切りをつけることが必要なんだろうと考えております。
 そういった日程であることを勘案しますと、現在この部会で御議論いただいております一体改革の成案に多くの項目を掲げて今日も論点をたくさん並べたわけですけれども、その中で税制改革、税財源との関係あるいは24年度の予算編成といったことと関わりが深い事項、具体的に言えば低所得者等への加算、資格期間の短縮、高所得者への年金額の調整、年金の特例水準の解消の話、基礎年金の国庫負担の2分の1の話といったことを中心に、また、貧困格差対策や子ども・子育て支援といった喫緊の課題ということで、短時間労働者の適用拡大ですとか、産休期間中の免除の話。こういったものを優先させるなど、多少順番をつけさせていただいた上で、12月上旬という一区切りのときまでに御議論をいただくということで、お願いできないかと思っております。
 したがいまして、次回から社会保障・税一体改革の議論を見据えながら、今、申し上げましたような事項を中心に集中的に議論を深めていただいて、12月上旬までにはこれらの事項についての基本的な考え方をとりまとめいただいて、とりまとめに至らなかったような事項については順次引き続き御議論いただく。今、部会長からありましたように、大きな財政への影響の話などについては、どういった形にするかまた部会長と御相談させいただきたいと思いますけれども、そういった形での進め方をしていただけないかと思ってございます。
○神野部会長 今、進め方について事務局の方から御説明をいただきましたが、何か御意見がございましたら。よろしいですか。
 それでは、御了承いただいたということにさせていただきまして、本日の部会はこれにて終了させていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。伏して御礼申し上げます。
 事務連絡はありますか。
○総務課長 部会の次回の開催日時でございますけれども、部会長と御相談しまして、追って御連絡をさせていただきます。
○神野部会長 どうもありがとうございました。


(了)

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