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2011年9月30日 第6回社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会議事録

○議事

23/9/30 第6回社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会議事録

1 日時及び場所 平成23年9月30日(金)
16時00分から18時00分
グランドアーク半蔵門(3階 光の間)

2 出席委員:池田、田中、千葉、藤井、堀田、村川(敬称略、五十音順)


○宇都宮老人保健課長 定刻よりちょっと早いですが、委員の先生方、皆様おそろいでございますので「第6回社会保障審議会介護給付費分科会調査実施委員会」を開催させていただきます。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、全員に御出席いただいております。
 それから、前回の開催が昨年末でしたので、それ以降に人事異動がございました事務局の紹介をさせていただきます。
 まず、福本総務課長でございます。
 度山介護保険計画課長でございます。
 深澤高齢者支援課長でございます。
 千田介護保険指導室長でございます。
 高橋企画官でございます。
 あと、勝又認知症・虐待防止対策推進室長も異動となりましたけれども、本日、公務の関係で遅れるとのことでございます。
 続いて、議事に入る前に、お手元の資料について確認をさせていただきます。
 座席表、議事次第、資料1−1「平成23年介護事業経営実態調査(速報値)の概要(案)」、資料1−2「平成23年介護事業経営実態調査(速報値)(案)」でございます。資料の不足がございましたら、事務局までお申しつけください。
 以降の進行は田中委員長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○田中委員長 皆さん、お忙しい中、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 早速ですが、議事次第に沿って進めてまいります。本日の議題の「平成23年介護事業経営実態調査(速報値)について」、事務局から説明をお願いします。

○説明者 資料1−1「平成23年介護事業経営実態調査(速報値)の概要(案)」について御説明をさせていただきます。
 本調査の目的としましては、各介護サービスにおける費用等の実態を明らかにし、介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的として調査を実施いたしました。
 本調査では、平成23年4月を調査時期に、平成23年3月の収支の状況を把握しております。
 調査対象につきましては、昨年12月に実施しました調査実施委員会で提案したとおり、各サービスの調査対象数を増やしております。具体的には、平成20年の前回調査に比べまして約5,000事業所増やしまして、約3万事業所としております。そのうち有効回答となる集計対象数は約1万施設・事業所で、有効回答率36.1%となっております。ただし、今回の調査実施時期が東日本大震災の直後ということもあり、被災地においては適正な調査が行えないことを考慮しまして、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の5県につきましては、調査の対象外としております。
 なお、対象外とした地域の調査対象予定数につきましては、5県以外の都道府県に振り替えて、層化無作為抽出方法の考え方に沿い、偏りがないよう調査を実施しております。
 主な調査結果としましては、各介護サービス別の収支はおおむね黒字であり、多くのサービスにつきましては、前回調査に比べ収支状況は改善されております。一方、総収入に占める給与費の割合はおおむね減少している状況でございます。これは、収入の伸びが給与費の伸びに比べ大きくなっていることが1つの要因と考えられます。
 それから、1ページめくっていただきまして、各サービス別の有効回答率の状況でございます。高いサービスで約50%から、低いサービスで約25%の有効回答率となっております。今回の調査では、回収率及び有効回答率の向上を目指すために、例えば、既存情報の活用等による調査票記入者の負担軽減を図っております。
 参考で平成22年の概況調査を表記しておりますが、今回の調査の有効回答率もおおむね同様の数字となっており、一定の効果があったと考えております。
 また、平成22年概況調査の方で記載のないサービスにつきましては、従来は有効回答数が少ないため、集計が不可能でしたが、今回調査の実施に当たりまして一定の規模の回答が得られるように配布数を増加した結果、有効回答数が増加し、集計が可能となりましたので、今回の結果には反映しております。
 続きまして、3ページでございます。平成20年の実態調査と平成19年の概況調査の有効回答率を参考に添付しておりますので、後でごらんいただければと思っております。
 続きまして、4ページでございます。各サービスの収支差につきましては、居宅介護支援以外、黒字となっている状況でございます。
 各サービスの分野別に見ますと、まず、上段から、介護3施設及び認知症対応型共同生活介護の収支差率につきましては、おおむね9%前後となっております。
 また、訪問介護から訪問リハビリテーションの訪問系サービスにつきましては、収支差率は約2〜6%台とばらつきがあります。特に訪問看護、訪問リハビリテーションの医療系サービスの収支差率が2〜3%と低くなっている状況でございます。
 通所系サービスの収支差率では、認知症対応型通所介護や通所リハビリテーションにつきましては、4〜6%となっている一方で、通所介護が11.6%と高くなっている状況でございます。
 続いて、短期入所系のサービスでございますが、こちらの収支差率につきましては、短期入所生活介護が5%台、短期入所療養介護が5%台と若干差が生じている状況でございます。
 居宅介護支援の収支差率につきましては、唯一の赤字で、−2.6%という状況になっております。
 その他のサービスの収支差率につきましては、福祉用具対応、小規模多機能型居宅介護につきましては、約6%となっておりますが、特定施設入居者生活介護につきましては、地域密着型を含め3%台となっております。
 また、右から2列目の収入に対する給与費の割合でございますが、介護保険3施設、認知症対応型共同生活介護、通所介護、短期入所生活介護、地域密着型を含む特定施設入居者生活介護では、約50%台となっております。訪問介護、夜間対応型訪問介護、訪問看護、居宅介護支援につきましては、約70%以上。その他のサービスのうちで、福祉用具貸与を除くサービスにつきましては、約60%台という状況になっております。
 続きまして、5ページ目でございますが、こちらは収入に対する給与費の割合と収支差率につきまして、平成22年概況調査と平成20年実態調査を添付しておりますので、参考までに活用していただければと思っております。
 続きまして、資料1−2でございます。「平成23年介護事業経営実態調査結果(速報値)(案)」でございますが、各サービスの詳細な数値については、こちらをごらんいただければと思っております。基本的には、前回調査と同様の分析を行っておりますが、一部変更した点もありますので、御紹介したいと思います。
 1ページ目の介護老人福祉施設(総括表)を例に御説明します。下のグラフにつきまして、従来は収支差率別に事業所の分布割合をグラフ化しておりましたが、今回は事業所の延べ利用者数を縦軸に、収支差率の分散が目に見えてわかるようなグラフを各サービスとも挿入をしております。
 また、収支差率の動向につきましては、例えば、1ページ目の上段の表の中にございますが、左欄外に数字が並んでおりますが、16行目でございます。介護老人福祉施設では、前回の平成20年調査では、収支差率3.4%となっておりますが、今回、平成23年調査につきましては、9.3%と改善が見られている状況でございます。他のサービスにつきましても同様の表記となっており、主なサービスの収支差率を御紹介をさせていただきます。
 まず、6ページ目の介護老人保健施設。同じく16行目になりますが、前回収支差7.3%から、今回9.9%への改善となっております。
 17ページの訪問介護。こちらも同様に16行目でございますが、前回0.7%から、今回収支差率5.1%と改善の状況になっております。
 それから、37ページの通所介護も同じく16行目になりますが、前回7.3%から、今回11.6%というように、多くのサービスにおきまして収支差率が改善されているような状況になっております。
 一方で、12ページの認知症対応型共同生活介護でございます。こちらは、同じく16行目になりますが、9.7%から、収支差率8.4%という形で、ちょっと下降ぎみという形になっております。
 同じく30ページの訪問看護。こちらも16行目ですが、2.7%の収支差率から2.3%となっております。
 同じく49ページの通所リハビリの関係でございます。こちらも前回調査4.5%から、今回調査4%というように、収支差率が前回の実態調査よりも若干下がっているサービスも、一部でございますが、あります。
 なお、他の詳細なデータにつきましては割愛させていただきますので、後でごらんいただければと思っております。
 説明につきましては、以上でございます。

○田中委員長 ありがとうございました。
 では、ただいま説明がありました介護事業経営実態調査について、御質問や御意見を伺います。質問や意見だけではなく、データの読み方についての参考になるような見解を述べていただいても結構ですし、給付費分科会に報告するに当たって、もう1週間ほどあるので、事務局に、ここのところのデータはもうちょっと細かく見てほしいでも結構だと思います。
 千葉委員、お願いします。

○千葉委員 毎回そうですが、速報値、それから、確報値という形で数字が塗り替えられていくと思います。今回の速報と確報というのは扱いがどう違ってくるのかを確認させてください。

○説明者 速報値につきましては、現時点で集計できているものにつきまして、今回、整理をしております。確報値につきましては、若干確認できていないようなデータとかがありまして、それがまた若干反映されて確報値という形になるということでございます。

○千葉委員 そうすると、サンプルが増えるということですか。それともサンプルは変わらず、数字が変わるということでしょうか。

○説明者 増える場合もございますし、中には、確認した結果、使えないデータとかということもありますので、そういったところで若干の変動はあるということでございます。

○千葉委員 もし差し支えなければ、わかる範囲で構いませんが、怪しげなサンプルというのはどのような項目で生ずるのか教えてください。

○説明者 確認をしてみないとわからないということになるかとは思うんですけれども。

○千葉委員 わかりました。要は、これを基に、どれぐらい信頼を持って議論ができるかというところなので、そこの確認でした。

○田中委員長 今の話だと、若干の変化というニュアンスでしたね。

○説明者 はい。

○田中委員長 池田委員、お願いします。

○池田委員 常勤換算職員1人当たり利用者数と看護・介護職員(常勤換算)1人当たり利用者数というのは、どこがどう違ったんでしたか。

○説明者 34行目につきましては、常勤換算職員、看護・介護以外の職員も全部含めての常勤換算でございまして。

○池田委員 事務職員、調理員とか、そういうのを入れてということですね。

○説明者 そういったものを含めて。
 35行目は、看護・介護職員のみということでございます。

○池田委員 では、もう一つよろしいですか。新しく散布グラフを入れていただいて、より実態が見やすくなったというのはいいことだと思っているんですが、実は、前回までの調査をグラフ化してみますと、利用者数が増えていくに従って収益が上がっていくという明らかな傾向があったんです。特別養護老人ホームなら、50人未満のところで下がっているとか、そういうゆがみはあるんですけれども、全体としては、スケールメリットというのはよく見えたんですね。ところが、今度の散布図を見ると、スケールメリットは余り読めないんですね。同じ規模でも、赤字のところもあれば、かなり収益を上げているところもあるということで、これは何か変わったんだろうかという疑問が1つあります。すぐお答えが出てくるとは思っていないんですけれども、問題意識として聞いていただければ結構です。
 もう一つは、同じ規模なのに、どうしてこんなに収益の差が出てしまうんだろうか。多分、経営の無能さとか、そういうのはいっぱいあるんだろうと思うんですけれども、それだけで片づけられる問題なのかどうなのか。この辺は、分析のしようはあるんですかね。質問なのか意見なのか、よくわからないようなことで申し訳ないんですが、委員の方からもあれば。

○田中委員長 千葉委員、お願いします。

○千葉委員 関連意見ですが、今ご指摘のあった同一の規模においてばらつきがあるというのは、例えば、地域区分が混ざって集計されている点があるのではないでしょうか。単価が違うものの差とか、地域による人件費単価の違いとか、その結果としての収益率への影響、経営環境の前提条件が違うものが混ざっているためではないかと思います。多分、このデータを分類した上で幾つかのグラフにしてみると、もしかしたら先生のおっしゃったような傾向が出るかもしれないですね。全部の要素が混ざってしまっているのではなかろうかというのを感じました。

○田中委員長 村川委員、お願いします。

○村川委員 資料説明の補足をお願いしたいんでありますが、サービスの番号16番の居宅介護支援について、59ページ以下であります。先ほど収支差率で△が立っておりましたので、59ページについて御説明いただくとともに、60ページでやはり地域区分による収支差などがあらわれておりますので、そこを解説をしていただきたいということが1つ。
 それから、18番の小規模多機能型居宅介護、これは以前はなかったわけでありますので、差し当たり現段階のもので結構でありますが、説明の補足をしていただくと助かるのですが。

○説明者 59ページの居宅介護支援の収支差率につきましては、平成17年調査からの経緯をそこに表記しておりますが、マイナスではございますが、そのマイナスの大きさが小さくなって、若干経営は改善されてきているのではないかという判断をしております。
 それから、地域区分につきましては、現在、別な角度からも分析等しておりますので、それをもって判断したいと考えております。

○田中委員長 もう一つ、小規模多機能に関するご質問にも。

○説明者 小規模多機能につきましても、平成18年にできたサービスでございまして、前回調査ではかなり経営が悪かったと思われますが、今回調査につきましては、6%近くまで収支差が上がっておりまして、かなり改善されてきているという状況だと思います。

○村川委員 ちょっと補足的に。先ほどの居宅介護支援でありますけれども、60ページ、説明を保留されましたが、とりあえずの印象としては、特別区、あるいは政令指定都市等の特甲地は収支差率がマイナスがある程度あると、あるいは甲地までですかね。逆に言うと、乙地、その他地域はさほどでもないと、とりあえず、そういうことで読んでよいのか。何か留保された要因、差し支えなければおっしゃっていただくといいんですが。

○宇都宮老人保健課長 まず、居宅介護支援の場合、そもそもほかのサービスと違ってマイナスが立っておりますが、これは以前のときにも御説明申し上げていますけれども、このサービスについては併設の事業所が多いということで、併設されている他のサービスの事業所の一部を利用して業務を行っている場合が多いため、占有面積などで減価償却が家賃等の建物に係る経費などを案分しているんですけれども、その案分の仕方によって、本来のそもそもの事業に係るものとちょっと違った傾向が出ることもあるんではないか。もともとそういう感じですので、更に地域区分に分けたときの傾向というのは、これだけからものを言うのはなかなか難しいのかなと、そういうことでございます。

○田中委員長 池田委員。

○池田委員 居宅介護支援のところで、59ページ、60ページを読んでいて、今、気がついたんですけれども、ちょっと変だなと思うのは、28番目の介護支援専門員(常勤換算)1人当たり利用者数が、平成23年度調査で33.9人に増えているということです。ところが、60ページの28を見ると、同じ介護支援専門員(介護換算)1人当たり利用者数が、特別区で17.7人で、一番多いところは30.4のその他なんですね。これはつじつまが合わないと思うんです。例えば、その他が40人ぐらいだったらば、ならして33.4人とか、そういうことはあり得るんだろうけれども、それより低いですから、絶対にその数字にならないはずですね。

○田中委員長 そうですね。構成要素がすべて平均値より低いことはあり得ないです。

○池田委員 今、出ないんだったら、精査されてお答えいただければ結構です。

○説明者 確認をさせていただきまして、精査したいと思います。

○田中委員長 7日までに。ここは20何人にならないと、計算上、あり得ない。池田先生、間違いを指摘していただいて、ありがとうございました。これは間違いでしょう。

○池田委員 それと関連してなんですが、その数字が出てこないとはっきり言えないんですが、実は、1人当たりの利用者数が26.9人、これは前も出ていますね。大体、ケアマネ1人当たり27人ぐらい持っている。これは今、34人ぐらいになったわけですから、赤字幅が減るのは当たり前。
 ところが、もう一つは、上の方で1人当たりの給与を見ると、下がっているんですね。あれだけ赤字だから下がってくるのは当たり前だと思うんですけれども、ケアマネジャーの標準的な件数は35件プラス4ぐらいですね。そうすると、標準的な件数をこなしたらば、赤字は消えるんではないかという気もするんです。多分、消えると思うんです。そういうのも補足説明に入れないと、何かケアマネージャーだけひどい目に遭っているみたいな話になって、もう少し率直に言いますと、実は、介護職員は人手不足であることは間違いない。でも、ケアマネジャーは明らかに人数が過剰なんです。そういう問題をどこかでちゃんと整理しないと誤解が生じてしまうんではないかという気がいたします。

○田中委員長 藤井委員、お願いします。

○藤井委員 1点は池田委員が先ほどおっしゃった規模との関係ですが、この委員会がある前の2003年か、遡った、審議会の中で介護事業経営実態調査が出されたときは、規模別に、少なくとも施設は収支差は出ていなかったということがあったんではないかと思います。むしろ、前回、施設において出たと。今回も老健は出ているんですけれども、その辺りが規模によって差があるのか、ないのかというのは、やはり少し御確認いただきたいのと、その際に、この間、加算の関係が前回の改定で変わったことと、それから、地域区分の人件費の単価が変わりましたので、それの影響があるのか、ないのか、ちょっと考えてみたんですけれども、直接あるようには余り思えないんです。これは恐らく利用者1人当たりの収入単価、支出単価、あるいは人件費単価みたいなものを見るとわかる可能性はあると思うんですが、施設に関して、規模と収益というのは、私も私自身の課題でいろいろ見るんですが、なかなかわかるようでわからないということがありまして、1つ、補足的にということ。
 それから、もう一点、先ほど田中先生がおっしゃったデータの見方という意味なんですけれども、速報値にありますとおりに、人件費率、給与比率というものはおおむね減少と、これはこのとおりでいいと思うんですが、これをまた変な取られ方をして、給料がまた下がっているという取られ方をすると嫌なので、念のため、違う表現で見ますと、例えば、資料1−2の1ページの最初が特養なので、これを見ますと、1人当たりの給与というのは1つ見られるのと、それから、そもそもこれは17年、20年、23年と並んでおりますが、それぞれ平均定員が違っておりますので、1定員当たりにどれだけ人件費を投入しているかということを計算しますと、17年が18万7,000円ぐらい、20年が20万円ぐらい、23年が22万2,000円ぐらいというふうに投入する金額は増えております。勿論、前回の介護報酬の改定で、プラス改定は全部人件費に回してくれということだったのが、全部回っていないねという意味では困った話ではあるんですが、減ったわけではない。それなりにこちらには向いているし、1ベッド当たりの給与の投入額は増えているんだという見方をした方がいいんだろうと思います。
 以上です。

○田中委員長 専門的にデータを読んでいただいて助かります。ありがとうございます。
 どうぞ、堀田委員、お願いします。

○堀田委員 規模との関係で、訪問系サービスについてなんですけれども、19ページの訪問介護、32ページの訪問看護、35ページの訪問リハを見ると、おおむね訪問系に関しては回数別にみて提供、訪問回数が増えていくと収支差率もいいという傾向が見られるというのを拝見して、興味深く思いました。
 それと関連して、これはお願いですが、訪問入浴介護については、27、28ページですけれども、その傾向がやや見にくい。ただ、この回数の分け方が非常にサンプルが少ない。13とか、18とか、こういった形で分けていると、なかなか意味がある数字になりませんので、訪問入浴介護について、訪問回数別の集計表はもう少しまとめていただいた方がいいのかなと思いました。
 あと2点お伺いしたいんですけれども、69ページ、小規模多機能なんですが、これは平成20年と平成23年を比較すると、収支差は大いに改善しているということで、たしか取っていたと思いますが、平均要介護度がどれぐらい変わったのかというのを情報としていただければというのが1つ。
 もう1点、戻りまして21ページの訪問介護の経営主体別の集計表なんですが、社協が給与比率がとても高くて、収支差率はここだけマイナスとなっているんですけれども、過去もこういうような傾向だったか。それから、経営主体別だけではない、ほかの要因がいろいろと入っていると思うんですが、例えば、社協は訪問回数がまとまりにくい地方で難しいところをやっているとか、この背景にありそうなこととして分析なさっていることがもしあれば、教えていただけますか。

○田中委員長 では、お願いします。

○説明者 まず、平均要介護度の話でございますが、今、手元にデータ等ありませんので、御回答できないという状況でございます。
 それから、社会福祉協議会のデータでございますが、こちらは昔から低い状況になっているということでございます。

○宇都宮老人保健課長 済みません、1点目は小規模多機能の平均要介護度のお話ですね。それは以前調べたものがありますけれども、平均で取れば、それほど大きくは変わっていない感じです。

○田中委員長 どうぞ。

○堀田委員 もう一つ質問を忘れまして、確認なんですけれども、これは1事業所ごとの規模はわかるけれども、その法人の中にほかに事業所があるかどうかは取っていなかったんでしたか。

○説明者 今回、そこについては取っておりません。

○田中委員長 確かに経営の安定性という意味では、個別事業所ではなくて、事業者が全体として何人雇っているかの方が効いてきますね。それはここからはわからないようです。
 単に質問や御意見だけではなくて、データはこういうふうに読める、ここは着目すべきである、あるいはこんな読み方をしていいのではないか、さっき藤井委員が言ってくださったようなことでも結構ですし、ほかの視点として、今、言われたような点が、やむを得ないけれども、存在しないので、そこは注意するようにとか、さまざまに御専門の立場から御指摘をお願います。これを今日すぐ見て、たくさん質問をするとか、理由を述べよと言われても難しければ、着目すべき点を指摘していただくだけでも結構です。
 村川委員、お願いします。

○村川委員 先ほども地域区分に関連して少しお尋ねしたんですが、地域区分については、今後の報酬改定においても検討すべきというか、方向づけるべき重要なファクターだと思っております。そこで、2ページでありますが、介護老人福祉施設、いわゆる特養に関連した地域区分関連のデータが出ております。先ほどケアマネの関係では少し説明を保留された部分もございましたが、これを見た場合に、例えば、特別区、あるいは特甲地などでは、収支差、若干プラスにはなっているけれども、そうした数字であって、甲地以下のところは10%前後と、こういう構造が見えたということかと思います。この辺りも詳細な点は保留される要素もあろうかと思いますが、現時点でどういう解釈を持たれるか。これは社会的注目度も強いところでありますので、補足説明をいただければと思います。

○田中委員長 可能ですか。

○宇都宮老人保健課長 きちんとした解釈のためには、更にいろいろ、また分析が必要だと思いますが、例えば、特別区の方がほかの区分に比べて低いという状況などがございます。これは今、介護給付費分科会で御議論いただいていますが、国家公務員の手当における地域区分と比べますと、あちら側は、例えば、特別区は18%ですけれども、こちらの介護保険は15%というような上乗せ率になっているということもございます。そういった差なども考えられるかどうか、ちょっとわかりませんけれども、客観的にはそういう差もあるなと。そういうところと結びつくかどうかはまた今後の分析によるのかなということだと思います。

○田中委員長 千葉委員。

○千葉委員 読み方というより留保だと思いますが、まさに地域区分というのは1つ、今回の分析では重要になってくる集計要素だと思います。そうしたときに、例えば、今、ごらんいただいた2ページの特養は、全体としては今回650サンプルですから、まあまあのサンプル数だなと思うのですが、その大半がその他地域に偏っている。逆に言うと、特別区、特甲地、甲地のサンプル数はいずれも2桁でありまして、当該地域、実際の全数、母集団数に対してこのサンプル数というときに、相当大きなサンプリングによるエラーを起こしているんではなかろうか。そのときに果たして、この2.1なり、5.4なり、11.8というのが、例えば、5%の誤差、信頼許容水準を設定したときに、それがどのぐらいの幅で広がるのかというのは、本当は統計的に示しておかないと危ないんではないかと思います。

○宇都宮老人保健課長 一応、今回の調査におけるサンプリングにおいて、層化無作為抽出ということでやってはいるんですが、地域区分のところまで、どこまでその辺のところを配慮してサンプリングしたかということは、また確認してみます。

○千葉委員 いずれにしても、この結果を使うしかないので、これはどうしようもないと思いますが、これで言えるのは、例えば、5%のエラーの範囲が、特別区であれば2.1を中心に例えば±4%の幅を持っているよとか、多分、母集団数に対してサンプル数が多くなればなるほど、そのエラーの幅が小さくなりますから、そこの幅があることを、念頭に置くべきというウォーニング、注記を付けておかないと、この数字がひとり歩きする。それぞれの地域のサンプルが、たまたま非常に偏った数値だったりすると、大きなミスリードを招くと思うので、そこのところは留保された方がいいと思います。

○宇都宮老人保健課長 標準偏差的なものを出して、それも併せて考慮するという感じですね。そういった誤差範囲も含めて。

○千葉委員 そうです。いわゆる統計学における標本調査のサンプリング理論で言う、標本抽出に伴う誤差率ですね。

○田中委員長 ありがとうございます。読み方のお話ですね。これは地域区分はくっつけようがないけれども、堀田委員が言われた、連続変数である回数などはもう少し大きな刻みにした方が精度が高まるであろうとの指摘もできますね。こちらは地域区分だから、くっつけるわけにもいかないでしょうから。

○千葉委員 離散型ですからね。

○田中委員長 離散型変数については仕方がない。ただし、読み方は留保しましょう。ここに出ている2.1、5.4が絶対的な数値ではない。もう少し幅のある数値のたまたまの平均値である。ありがとうございます。
 そういう専門的な観点からの御指摘をいただいておくことが一番大切です。出てしまった統計なら、これについて更に調査は難しいかもしれません。地域区分と、それから、賃金に関しては注目が集まるでしょうからね。その読み方を正しく指摘していただいて助かります。

○千葉委員 1つ、これも確認になりますが、給与費が議論になるということで、関連質問なんですが、例えば、1ページ、特養の上の方の、行番号で言うと7番のところに給与費というのが書いてあろうかと思います。ちょっと気になったのが、その下の方を見ると、10番に委託費というのがあります。特に特養ですと、社会福祉法人会計基準ですから、給与費というか、人件費という区分の中に派遣職員等の給与費がたしか含まれていないはずです。基本的には、業務委託費の方に計上されていると思うので、もしかして、ここで委託費と書いているのは、それを意識して書かれているのかどうかが1つ。それから、場合によって、そこのところを分析に加えるのかどうかが2つ。委託というのは別に人だけではなくて、役務の委託とか、いろいろなものが含まれるので、これだけをもって確かめるのは危険ですけれども、給与費というのがそういうものを含んでいるのかどうか、派遣の方のものを切り出して入れ直しているのかどうかというところを確認したいです。

○説明者 今、お話がありましたのは、派遣の部分でございますが、そちらにつきましては、10行目の委託費に含んでおります。

○田中委員長 先ほどの特甲地も給与比率は低く見えるけれども、2ページで見ますと、委託比率が高いですね。ですから、給与比率だけでは人にどれだけ分配しているかわからなくて、委託費のある部分が派遣で入っていると読むべきだと。

○千葉委員 そう読むべきではないかということです。

○田中委員長 大変よい指摘ですね。
 どうぞ。

○池田委員 関連で、給与費の割合の計算の仕方なんですけれども、人件費率とも言いますが、介護報酬というのは基本的にケア費用を賄うものであって、それ以外のホテルコストなどは自己負担になりますね。そういった自己負担の収入もひっくるめて、給与費の割合は何%と出ています。それはそれで必要なんですけれども、つまり、介護報酬+処遇改善交付金もあるのかもしれませんけれども、その何%が人件費に行っているのかというと、すべてのサービスが大体、横並びになるんですね。訪問介護はホテルコストがないんですから。だから、そういう形で数字を見せていただくと、何でここはそんなに事務費がかかっているのというのが見えやすくなるんです。だから、介護報酬というのは、ある意味で、人件費と事務費と若干の収益の塊だと考えると、一番大きい塊は人件費に決まっているわけですから、その人件費の比率は各サービスにおいて横並びに見えるように、これでもちょっと乱暴にやればできないこともないと思うですが、その数字が欲しいなという感じがしますね。

○宇都宮老人保健課長 ちょっと検討させてください。済みません。

○田中委員長 むしろ研究者がそういう視点から研究していただくこともいいかもしれませんね。かなり推論が間に入った話になるので、ぴったりとした答えは難しい。ただ、見方としては大切だと思います。ありがとうございます。
 この委員会は政策を討議する場ではないので、意見はないかもしれませんが、最後は、この数値を見て驚いた点でもいいですから、御指摘しておいていただくと、見方の参考になりますので。委員長は最後に言います。

○千葉委員 そういう意味では、蛇足かもしれませんが、先ほどもどなたか委員の方がおっしゃられたんですが、平成21年度の改定は一般には3%+改定というふうに包括されてしまいますが、内訳を見ると、先ほどの地域別人件費の上乗せ割合が変わったサービスが幾つかあるので、実質、地域とサービスによってはマイナス改定したものもあったはずなんです。そういうのも一応、頭に置いてこの調査結果を見ないと、どうなのかというのはわからないと思います。それは見せ方というよりは、そこを頭に置いて当然、分析されるでしょうから、いいんでしょうけれども、特に地域区分というのが出てきたときは、そういう点も留意すべきと思います。

○田中委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○池田委員 60ページの居宅介護支援の介護支援専門員1人当たりの利用者数は、これは精査していただくことになるんだけれども、特別区で17.7人で、その他が30.5人という、とんでもない開きがあるんです。びっくりするような開き。これは精査された数字でもう一回言わなければいけないんだけれども、17.7人の利用者だったら黒字になるはずがないわけで、大幅な赤字になるに決まっているんです。だから介護報酬を上げろという議論にはならないわけで、その辺のバイアスみたいなものをちゃんと説明しないと、変な話になってしまうなという感じがします。この数字自身が精査の対象ですから、それを見て改めて申し上げたいと思います。

○田中委員長 どうぞ。

○藤井委員 今のに関連してなんですけれども、基本的に平均の収支差率を見ていくということで来ているんですが、やはり規模別に見ても違うとかいうことがありますと、標準的な事業所というものが、どれぐらいの規模で、どういう収支差があってと。基準では2.5人以上いれば訪問介護も訪問看護もやっていいということになっていますけれども、全然お客さんが来ないんで赤字になっているということをもって、では介護報酬を増やすという話は、やはりちょっと変な話だと思うんですね。
 ですので、その辺りは、研究とか検討ベースになるのかもしれませんけれども、今あるデータの全部を使った平均を見るというよりは、この値の範囲を切り取って、例えば、わかりやすいので言うと、22ページで見ますと、違う意味ですけれども、訪問回数が3,500回以上というのは、今のところは上に外れ値になっていますから、これは余り平均に影響していないかもしれないですけれども、統計データとしては平均で勿論いいと思うんですけれども、外れ値みたいなものとか、先ほど御指摘ありましたように、この規模でやるはずないだろう、やれるはずがないだろうといったものは、ある程度切り取ったものでデータを見るということをそろそろやっていかなければいけない時期なのかなというふうには、個人的な意見としては思います。

○田中委員長 研究の場合にはそういうふうにすることが多いですね。
 千葉委員、どうぞ。

○千葉委員 池田委員のお話はケアマネのお話だったかと思うんですが、17人ではやっていけない。要は、介護のサービス資源の稼働状況というか、そういう概念だと思うんです。そういう意味では、多分、施設サービスというのはほぼ満杯ですから、そこは議論しなくてもいいのかもしれませんが、例えば、通所介護とか、こういうのは非常にうまくやっているところだと稼働がよいし、悪いところは稼働も悪い。かなり悲喜こもごも混ざっているサービスもあろうかと思います。今、これを拝見する限り、私が見落としがなければ、施設の定員なりに対する稼働率は出ていないものもあります。勿論、出せないサービスもありますけれども、そういう形で稼働状況というか、経営資源の利用率を示す必要があると思います。稼働率が低いことによる赤字を補てんするのはどうかというのはまさに正論だと思いますから、そういうのは見ておく必要はあると思います。

○田中委員長 そうですね。ブレークポイントに達していないところの原因がお客様が来ないことであれば、それを補てんすることはおかしいと藤井委員も見ているんですね。
 どうぞ、堀田委員、お願いします。

○堀田委員 今の御指摘と似たようなことになりますけれども、通所の場合もそうですし、訪問の場合も、どれだけ効率的にシフトが組めているのか。時間は常勤で確保しているわけだけれども、実際、訪問していないと収入はないわけで、どれぐらい効率的な稼働が組めているかという観点でも見る必要があるのかなと思います。
 以上です。

○田中委員長 お願いします。

○池田委員 収支差率が割と安定しているという感じが見えるんですね。介護保険事業は割と安定していると読めるんで、そのとき、老健局のお答えは難しいから期待していないんですけれども、要するに、どのくらいの収支差益が望まれるんだろうか。昔は、収益が5%はなくては困って、事務費は20%は絶対要りますよ、だから人件費は75%になりますよという話もあったんです。それはサービスによって違いますけれどもね。
 つまり、老健局がそれを言うと、みんな反発するに決まっていますから、言えないと思うんですけれども、事業者はどういうふうに考えているんでしょう。突拍子もない質問ですが、一回、事業者から聞いてみたいんですよ。あなたたちは、準市場の中で、介護報酬である意味で守られている世界の中で、そんな高い収益を出すことは不可能であるということはわかっているはずで、では、何%が適切なのか。そういう常識みたいなものをつくらないとまずいんではないか。保険外であれば、それは自由市場ですから、幾らもうけてもいいわけです。契約の社会ですからね。というところがどうもはっきりしないものだから、何でもかんでも介護報酬の方に押しつけられてしまって、話がゆがんでいるなという感じがするんで、老健局の方から何%が望ましいということは言えないということを承知の上で、では、あなたたちは一体何%が適切だと思うのというのを、私は事業者に聞いてみたいですね。

○宮島老健局長 ほかの産業と比較するというのはありますね。

○千葉委員 その関係で1つ、私の所属機関が政策融資機関ということもあって、お客様という形で介護事業者の方にお伺いすることもあるんですが、今回のこういう調査で上げられる収支差率というのが、会計学的に言えば、損益計算書、社会福祉法人なら事業活動計算書というものがベースになっているわけですが、結局、事業者の方はそれを含めて資金繰りがちゃんと回るかというのが非常にいつも気にされている。何が言いたいかというと、損益計算書で出てこないお金の出入り、例えば、借金をして新たにお金が入ってくる、借入金の返済をする、それはいずれも事業活動計算書なり、損益計算書の収入にも支出にも出てこないものになりますから、そこの部分をちゃんとカバーしてツーペイできているレベルかが、1つの最低限必要な利益だというふうに思います。

○田中委員長 藤井委員、どうぞ。

○藤井委員 先ほど局長から、ほかの産業という話がありましたので、1点、留意していただきたい点が、日本ですと、売上高に対する利益というリターン・オン・セールスがベースになっていますが、諸外国ではリターン・オン・セールスよりは、アセット、あるいはイクイティに対してのリターンを見ると思うんです。イクイティというのは営利しかないですけれども、アセットに対してリターンを見るということになると、アセットを、資産をどう維持していくかという観点から利益が必要だというふうになるんですが、厄介なのは、無用に現金を貯め込んでいる法人がある。そうすると、アセットが膨らんでいるわけですね。それに対して、抱えている現金を更に子どもを生むようなことをしてやるということは意味がないんで、実は、利益率をほかの産業と比べるのはちょっとやっかいかなと思っている。
 それから、もう一点は、まず、税金を取られている法人と、取られていない法人があるという問題が1つ出てくる。それから、税金を取られていない方の弁護をすると、今、国庫補助金等特別積立金取崩額というものがございます。会計学的にこうやるのは正しいと思うんですけれども、昔、多くの補助金が投入されていた。これを収入の方に流しているわけですけれども、事業者側からどう考えるかというと、これを収入として考えたときに、次期に建て替えするときには、多分、補助金は過去のようには絶対もらえないだろう。その部分をどうするかと考えたときに、将来、借金でいいと考えれば、これは収益でいいんですけれども、やはりその分、貯めておかなければいけないねというふうに、資産維持とすれば、そちらの方が正しいと思うんですけれども、考えたとすると、その部分、利益として膨らませようとする考え方は決して否定しにくいと思うんです。
 それから、そもそも過去、損益計算を、企業会計をやっていなかった法人で、どの程度適正な減価償却ができているのかとか、あるいは、この間の市町村合併が行われた結果として、建物がぼろぼろなのを引き受けさせられた。しかも、次回はあなたが建ててねというタイプの指定管理が多く行われております。そうすると、そこでは減価償却がないといったようなさまざまな問題がありまして、例えば、この特養の9.3というのは、常識的に考えると随分もうかっているなというふうに見える数字でございますが、今のさまざま勘案したときにどうなるかというのは見なければいけないんだろうと思っておりますので、簡単に9.3を切るという形ではないんではないかと思います。
 以上です。

○田中委員長 次回、建替えのための原資、あるいは建替えのためにキャッシュを借りたときに返す原資、そういう視点も必要であるし、4番の国庫補助金の群が売上げに一回入った上での利益なので、これは別途にしていいかと、さまざまな読み方を注意していただきました。介護経営学会のシンポジウムみたいになってきまして、大変助かります。
 どうぞ。

○池田委員 藤井委員にお聞きしたいんですけれども、例えば、特別養護老人ホームは、老施協の方が自ら認められているように、1兆円の内部留保を持っているわけですね。1兆円の内部留保というのはすごい金額であって、介護職員の処遇改善交付金が年間1,600億円ですから、その8倍の金額です。これをどう評価するか。
 もう一つ、介護保険になってからは措置施設ではなくて契約施設になったわけですから、新築にしろ、改修にしろ、かかった費用は銀行から借りて、それをローンで返していく。ローンで返していくというのは、基本的に利用者の居住費に持っていくものであるから、そもそも持っている必要はないんではないかという議論も片方で成り立つんではないかと私は思うんです。そこのところを整理しておかないと、貯める理由にされてしまうという怖さもある。経営学会の討論ではございませんので、その程度におさめておきますけれども、その辺、ちょっと整理する必要があるなという感じがしますね。

○千葉委員 そういうことで言うと、確かにおっしゃるとおりなんですが、1つは、例えば、ホテルコストを純粋に目的どおり借入金の返済に当てた、いわゆる資本取得コストに当てたとすると、まさに返済に当たるわけですから、PL上の支出にはなりません。したがって、ホテルコスト分が丸々浮いてプラスの利益にならざるを得ない。むしろ、なっていなければおかしいものであります。ただ、それが結果として9.3なり9.9として高いというのは、そこの部分は差し引かなければいけないというのが1つあると思います。
 それから、もう一つ言うと、1兆円という内部留保の話も、私の誤解でなければ、貸借対照表の次期繰越活動収支差額、いわゆる過去の累積利益の全国集計の推計だったと理解しているんですが、この点については、政策金融機関の人間として申し上げますと、先ほど申し上げたように、利益を出して、その中から返済していますから、実は、次期繰越活動収支差額と同額の現預金はもはや残っていない。次期繰越活動収支差額を全国推計して1兆円がもし仮にあるんだとすれば、我々の推計では、そのかなりの部分、半分とか、そういうものではなくて、もっと多くが、実は返済としてもう既に消えていて、藤井委員なども貯め込んでとおっしゃっていますが、実際、思ったほど、現預金のところには利益から生まれた現預金がそのままストレートに貯まってはいないという事態があることは、これは会計のメカニズムとして押さえておくべきことなので、そこも留意することが必要だと思います。

○田中委員長 コンセプトとして言えば、貸方のコンセプトであって、借方の現金ではない。

○千葉委員 そういうことです。

○田中委員長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○藤井委員 2人して特養側を守るわけではないんですけれども、まず1点、池田委員がおっしゃった中で言うと、これからサービスと住まいは分けようという方向で来ているわけですから、収入も支出もそれぞれ案分して、サービスの部分と建物の部分と、収入も分かれているはずですから、どこでもうけているのかという話はあるんだろうと思うんです。少なくともサービスの部分に関して言うと、そんなにもうける必要がないものでありまして、サービスの部分で利益を上げておきたいと言うとすれば、恐らく重大な事故があるときのためのリスクをヘッジしておきたいとか、あるいはやはり給料を上げてやりたいよなとか、その程度だと思います。そこでPL上の利益がそんなに上がるはずはないと思うので、そこを分けて数字を見るという見方はあるんではないかと思います。そうすれば千葉委員のおっしゃっていることも問題ないと思います。
 内部留保に関しては、私も千葉委員のことを申し上げようとして、千葉委員などは見ておられると思いますけれども、私がいろいろ集合的なデータを見させていただいている範囲で言いますと、内部留保という純資産の項目に貯まっているものではなくして、左上に貯まっている現金預金と、特養会計の場合、左下に特定の目的を持ってお金を貯めたものを入れられるんですけれども、そういう資産の項目にある現金と、そこから右にあります長期負債を引きます。それでも、キャッシュが、残るんですが、いわゆる運転資金分ぐらいしか残りません。ですから、平均的に言うと、そんなに現金を貯めているわけではないんです。しかし、一般の業界、医療も含め、借金をして経営しているというのが通常でございますので、資産の現金から固定負債を引きますと、固定負債が残るという状況が普通でございますので、それをもって見れば、確かに現金が、ほかの業界に比べれば潤沢にあるよねということは言えると思います。
 それから、もう一点は、法人によっては意味のない現金をたくさん貯めているというところは、多分、散見されるんだろうと思います。その問題をどうしていくかというのは、恐らく社会福祉法人の改革といった方で考えなければいけないのかなと。公益法人でも無駄な現金をたくさん貯め込んでいて、大変なことになっているところはあると思いますから、介護報酬云々の話ではないんではないかという気がします。
 以上です。

○田中委員長 堀田委員、お願いします。

○堀田委員 少し話題が変わりそうな感じなんですけれども、2つあります。1つは、この前に池田委員が御指摘になったことと共通ですが、収入に対する給与費の割合を見るときに、建物部分が含まれているサービスと、そうでないサービスで分けて見る必要があるだろうなというのが1つ。
 それから、もう一つ、少し前に藤井委員も御指摘になりましたけれども、役所、あるいは研究者として、こういうデータを見て、標準事業所というのはこういうものですというのを出すのも、それはそれで重要です。これに加えて、各業界団体・事業者団体、これは池田委員がおっしゃった各事業主の方々がどのぐらいの収支差率を望んでいるのかということとも関係してきますが、各業界として、少なくとも収支差ゼロ、赤字を出さないために、地域なども考慮して今、言われているところのしっかりとした職員の処遇も確保して、キャリアパスもつくっていった場合に、どういった経営をすればよいのか、といったモデル事業所みたいなもののデータを是非出していただきたい、それに基づいて今後議論が進んでいくといいなと思います。
 以上です。

○田中委員長 老健事業の研究みたいな話ですね。業界団体自ら行っていただくことが必要ですし、研究者サイドからすると、研究事業もしくは老健事業などでする話ですね。

○宮島老健局長 給与費の割合が何となく下がるというのはどういうことですかね。

○田中委員長 局長から御質問がありました。口頭諮問です。

○池田委員 単純に言えば、経営者の取り分が大きくなったとしか理解できないですね。

○藤井委員 ただ、先ほど申し上げましたように、1ベッド当たりの投入額は、全部計算していないんですけれども、特養、老健、計算していくと下がってはないんで、池田委員おっしゃるように、より経営者が取っていくのは間違いないんですけれども、ある程度は労働者の方にも送っているということなんだろうと思います。ですから、減っているように見えるのは、1つは、収入規模ほど給与が伸びなかったということだけになると思います。

○宮島老健局長 処遇改善交付金の1万5,000円というのは、配ってくださいと言われているんですね。そうすると、それはどういうふうに解釈されますか。

○千葉委員 理屈上から言いますと、1ベッド当たりの人件費投入額が増えているというのは、配置が増えたか、給料が増えているか、どっちかだと思うんですけれども、給与が増えた方は、今、おっしゃったように、これだけ入っているはずだというのが出ますので、分解は可能だと思います。ここだと手計算できないもので、よくわからないんですけれども、給与を下げてまで経営側に入っているかどうかというのは、計算してみればわかるんだと思いますけれども、そうではない。報酬の伸びに比べるなら、実際の給与はちょっとしか上がっていないということだと思います。

○田中委員長 堀田委員。

○堀田委員 今のことに関係して、34・35行目辺りなんですけれども、常勤換算の職員1人当たり利用者数というのを見ると、平成20年と23年で、23年の方が特養と老健では少なくなっているので、こういったことも留意する必要があるかなと思います。

○田中委員長 働いている人は増えているんですね。新規に雇用で入ってくる人は平均賃金が低いですから、平均値は低く見えますね。そういう効果も入るはずです。
 よろしいですか。

○千葉委員 ほぼ同じことだったんですが、1つ、これは局長の御質問への回答になるのか、趣旨が違っていたら申し訳ございません。処遇改善交付金は入った。それは、当然この調査の中だと、補助金収入の中に入っているはずです。

○田中委員長 交付金という項目があります。

○千葉委員 交付金は別になっているんですか。別立てですね。入っていますが、藤井委員がおっしゃられる、それほど使っていないということはあり得ないのではないか。つまり、処遇改善交付金は使い残せば返還義務がありますから、少なくとも使ってはいる。使ったけれども、それ以上に収入が伸びたということがあるのかもしれないし、もっと言うと、介護職員の処遇は伸びたが、その他の職員が伸びていないとか、何か、そういう要素はあるのかもしれません。

○池田委員 よろしいですか。3%引き上げになったときにどう変わったかというのが出ましたね。あのときに分析をしていると、どっちも上がっているんですけれども、経営の方の取り分が増えていることは間違いない。それが1つ反映しているなということと、1万5,000円のばらまきは、それを渡さないとだめですから、これはほぼ確実に職員に渡っていると見ていいだろうと思うんです。
 あとは、大きいのは人員増との関係だと思うんです。1,000万円を10人で分ければ100万円なのに、それを20人で分けたら50万円になるということが、どうもこの業界の方はおわかりになっていらっしゃらないみたいなんです。少数精鋭ということを考えずに人手を増やすということになって、それが結果的に足を引っ張っているという構造は何なんだろうかということは、業界は一回考えるべきだと思うんですね。そのためにもっとITの使い方とか、そういうのがあるんではないか。そういう議論につないでいく方向で持って行くと、結構面白い展開をするんではないかと思います。

○田中委員長 藤井委員。

○藤井委員 今、ちょっと計算してみまして、例えば、1ページ、特養の7行目の平成23年の15271というのが給与費でございますが、処遇改善交付金がすべて入っているはずですから、この15271から486を引きまして、これをベッド数で68.7というふうに割りますと、21万5,000円になります。この値が平成20年が19万9,000円ですから、やはり1ベッド当たりの投入額は増えている。配置人員を見る限りにおいて、1人当たりの給与は下がっているんだと思うんです。ただ、下がっているのが、やはりこの間、労働市場の需給が緩んでいますから、池田委員がおっしゃるように、新規に採用した場合に、どうしても新規採用は給料が安いですから、その分で下がったのかもしれないと考えると、一概には言いにくいのかなという気はいたします。ただ、介護報酬が上がった部分を全部給与に投入しないで経営者側にも入ったことは間違いないんだろうと思います。

○田中委員長 どうぞ、お願いします。

○堀田委員 この期間に、今、御指摘があったように、採用率が上がってきているというのは併せて見る必要があるかなと思います。

○田中委員長 この統計からはわかりませんが、同一勤続年数の人の賃金が下がったとは必ずしも言えないですね。

○藤井委員 下げないと思いますよ。それはないと思います。

○田中委員長 あり得ないですね。だから、平均値が下がった理由として、人員が増えた効果、新規参入者の賃金によって平均値が足が引っ張られた、はあり得る仮説ですね。

○宮島老健局長 この業界は、どこかで5年間勤めて、引っ越しして、新しいところに勤めたら、5年間ほかの事業所で勤めたことは評価されているんですか。どんな感じなんですか。

○藤井委員 いろいろですが、例えば、前の施設で5年間やって、ユニットリーダーをしていました、ここでもユニットリーダーできますよぐらいがちゃんと評価できた場合は、その分、多少評価するケースは多いですが、一般的に2年とか3年ぐらい勤めていたものを、例えば、グループリーダーにすぐできるとか、サービス提供責任者にすぐできるとかというんでもなければ、給与水準は最初の段階から入れるというケースが日本的な雇用の中ではあると思います。

○宮島老健局長 最初から。

○藤井委員 最初から始まると。実力があると、ちょっとスキップすることはあるとしても、やはりゼロからが通常、多いと思います。

○池田委員 それはそうだと思うんですが、実は、入職率と離職率はすごく数字が接近しているんで、ほかの職種に行ったり、家庭に戻ったりしているのは少ないんですね。つまり、同じ業界の中でぐるぐる回っている。というのは、その人の選択でもって動いている。ということは、今より悪い賃金のところに行きません。必ず今と同じ、もしくは少し高い、あるいは同じであっても働き方が違うということで、一般とは違って、自ら低い賃金のところに変わっていくというのは、この業界は余りないと思うんです。そのときに当然のことながら、5年の経験だとか、そういうのがどういうふうに評価されるかはまた別問題で、確かに藤井委員のおっしゃるとおりの形になると思うんですが、現実の動き方としては、多分、高目、高目の方へ動いていくという労働者の動きがあるんではないかというのも勘案しておかなければいけないんではないかと思います。これは堀田さんが一番詳しい。

○堀田委員 同一の介護分野の中で移っていれば、おっしゃるように、地域を動かない限りは、賃金が低い方に動くというのは余りないんですけれども、特に2007年以降は他業界から入ってらしている方が少なからずあるので、そうすると、本当に経験ゼロから始まっていて、給与としては入り口に立っている方々も多いんではないかと想像されます。

○藤井委員 今、池田委員、堀田委員のおっしゃったことは、自分の職場、あるいは通勤圏内に複数の事業所があるというケース、特に首都圏等ではおっしゃるようなことが起きていると思うんですけれども、地方部に行きますと、そもそも近所に1つしかない。近いところを選びますので、多くの場合、職を変わるというのは、職場が嫌で辞めるということもあるんですが、御主人の関係でどこかに行かなければいけないとか、本当に住居が変わるので変わるケースも多いですので、そこの動態まではちょっとよくわかっていないんですが、ただ、全般には、おっしゃっているように、職場を選択するということで給与が下がらないように移動するというケースの方が、ならすと多分、多いでしょうね。

○田中委員長 ありがとうございます。
 よろしいですか。極めて分析的に話が進んでいます。これをどこまで細かく分科会に報告するかは別の話です。行き過ぎると、学術的報告になってしまいますから、ポイントをつかんで、数値は、最初の資料1−1の主な調査結果の4のところに書いてありますね。ただし、これを読むに当たっては、標本誤差を加味して見なくてはならないとか、先ほど藤井委員が言われた1ベッド当たりの賃金とか、統計に出てこない側面もあるとか、それから、利益率については、次の建替え費用というコンセプトや、国庫補助金等特別積立金取崩しの概念とか、さまざまな要素を加味して見ないと、結果だけで高いとか低いとかは言えないなどの注をつければよろしいでしょうかね。7日に私及び事務局から報告しますが、そのときには、これは高いとか低いとか、そういう評価に属する言葉はつけないで、3年前よりも上がったとは言います。ファクトですから。分析的に見ることが大切ですね。
 ほかはよろしゅうございますか。
 これは委員長としてはではなく、単に研究者としての発言ですが、この数値は病院の経営の評価とちょっと違います。病院の中の診療科目別の評価にあたります。1つの事業所の中で大抵複数事業行っていらっしゃいますね。短期と通所と本体の施設と、訪問も行っているかもしれない。それの部門別に無理に、無理にと言うと言葉がきついかもしれませんが、部門別に分けて費用を計算したときの人為的な収支差なので、ある塊としての経営体のデータというよりは、病院の診療科目が5つあったとしたら、5つごとの費用を出している。だから、医療側の経営の評価とは違うところも踏まえなくてはならないと私はいつも思います。それでよろしいでしょう。どうぞ。

○藤井委員 その点で言いますと、病院でも診療科で、ここがプロフィット部門で、ここがコスト部門だということで、もうける、もうけないがありますように、これも田中委員長よくおっしゃるように、例えば、特養でもうけているから、訪問介護はそうでなくてもいい、あるいはケアマネはほかが支えているからというのがあると思うんですけれども、その姿勢がどこに影響するかというと、赤字でも構わない、お客さんがきちんといなくてもいいと。いなくてよくて、いいケアが提供できていればまだ救いがあるかもしれませんが、そうでもないケースが多々ございます。
 私はあるところで、訪問介護事業が余りにも赤字なので、何でこれは赤字なのかと聞いたら、うちは訪問介護事業は社会貢献でやっていますからと言われて、社会貢献的なことは何らやっていないんです。普通の訪問介護をやっているんですよ。というところまで入っての平均値というものは非常にナンセンスな面があるかなと思いまして、先ほどの、ある一定の規模の数字も見たらどうかとか、あるいは田中委員長が前からおっしゃっている、一体として見る視点とかいうものもどうしても必要になってくるのかなという気はいたしております。
 以上です。

○田中委員長 フォローありがとうございます。
 よろしいですか。大体1時間ぐらいかかるかなと思っていたのですが、ほぼ1時間ぐらいたちました。よろしければ、この辺で締めてもよいですが、もう少し何かございますか。この資料をぱっと見て、よくこれだけ突き詰めていただきまして、ありがとうございます。帰って読むと、更に細かいところに気がつくかもしれません。今日の段階ではここまでとさせていただいてよろしいでしょうか。先ほど申し上げましたように、この値につきましては、事務局にて更に対応していただいて、もう少し詰められるところは詰め、私及び事務局から7日に報告いたします。
 今後のこちらの委員会の日程について、何かありましたら、お願いします。

○宇都宮老人保健課長 次回につきましては、決まりましたら追って御連絡させていただきます。
 本日はありがとうございました。

○田中委員長 どうもありがとうございました。


(了)

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