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2011年11月15日 第40回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成23年11月15日(火)9:00〜11:00


○場所

KKRホテル東京 瑞宝の間


○出席者

山崎、伊藤、岩村、大西、勝田、河原、北村、木村、久保田(代理:藤原参考人)、
黒岩(代理:小島参考人)、木間、小林、齊藤(秀)、齋藤(訓)、田中、土居、
橋本、布施、桝田、三上、山田、結城 の各委員
  (葛原、小西、齊藤(正)、藤原 の各委員は欠席)

○議題

(1)社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関する論点について
(2)その他

○議事

○山崎部会長 定刻になりましたので、ただいまから、第40回「社会保障審議会介護保険部会」を開催させていただきます。
 本日の委員の出欠状況、あるいは参考人につきましては、配付した名簿のとおりであります。
 前回までに、社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関する論点について一通り議論してまいりました。本日は、前回までの議論を整理しつつ、更に御議論をいただきたいと思います。
 あと、私からのお願いでございますが、ノイズィ・マイノリティ、サイレント・マジョリティということをよく言います。うるさく叫んでいる人は実は少数であって、黙っている人の方が多数なのだということでございますが、この部会のとりまとめに当たっては、黙っている人のお考えは反映できません。皆さんの御発言をもとに整理していきますので、漏れなく御発言をお願いします。黙っている人は棄権とみなします。よろしくお願いします。
 それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○度山介護保険計画課長 それでは、資料に基づきまして、手短に御説明してまいります。ちょっとのどを痛めておりまして、お聞き苦しい点をおわび申し上げます。
 最初に資料1でございますけれども、前回の当部会の御議論の中で、一体改革に掲げられた改革の項目の相互の関係についての御質問がございました。前回口頭で御説明したところですが、改めて、全体像について説明させていただきます。
 左側、青い箱の方に入っておりますのが「社会保障・税一体改革成案に掲げられた各課題」ということで、大きく申しますと、介護サービス提供体制の改革があり、それを支える持続可能な頑強な制度という意味合いで、負担の公平化という制度の改革があるという、大きく二段構造になっているということでございます。
 それで、相互の関連という意味で申しますと、上に書いてございます「介護サービス提供体制」の、例えば在宅介護・居住系サービスの充実と介護施設の重点化というのは裏表であると思いますし、ケアマネジメントの機能強化と、例えば介護の重度化予防というのも裏表にあるだろうと思われます。このように、サービス提供改革につきましては、その中身が、ある意味ではコインの裏表という関係にあって、両者一体となって進めていく。また、何か抜本的な制度改正をして一気にこうなるということではなくて、2015年、あるいは目標年度であります2025年に向かって、徐々にこの改革がされていくという関係にあるのだと考えてございます。
 それから、下の方に書きました「費用負担の能力に応じた負担の公平化」という点に関しては、流れとしてはこの哲学で、左側に書きました「1号保険料の低所得者保険料軽減強化」、それから右側に書きました「介護納付金の総報酬割の導入」、それから「重度化予防に効果のある給付への重点化」ということが一体のものとして整理されておるということでございますが、この改革全体をどのように進めていくかということになりますと、いろいろな意味で、例えば3年計画で制度を運営しているという問題ですとか、それから、再々申し上げてございますけれども、介護職員の処遇改善交付金が今年度末をもって期限になると、そういったそれぞれのタイミングに応じて手を打っていかなければいけないという要素がございます。
 それで、右側の欄に、御説明いたしましたように、平成24年度の予算編成過程においては、この期限の切れる処遇改善交付金の後にどのような形で処遇改善措置というものを継続していくかということが課題になっている。そういった中で、仮に介護報酬で恒久的な対応を図っていこうということになりますと、恒久的な措置のための財源をどう確保するかということが課題になってくる。これは充実項目でございますので、重点化・効率化項目に掲げられております介護納付金の総報酬割の導入、あるいは給付の重点化というものを並行して取り組んでいかなければいけないと、こういう関係にあるということでございます。
 あと、こういう財源の確保ということのほかに、介護事業者の経営状況が改善していることを踏まえて、事業者自らの努力による処遇改善の実施というものもあってしかるべきではないかという御意見もこの部会で頂戴しております。こういった間の中で、どのように考えていくかという検討になるのではないかということでまとめてみた次第でございます。
 以上、資料1の御説明を終わりまして、続きまして、資料2の方に移ります。資料2は、38回、39回と、介護保険部会の検討を再開いたしましてから二回御議論いただいたところでございますが、この二回の間に皆様からいただきました介護分野の制度見直しに関する御意見について、論点ごとに整理したものでございます。
 ページをお開けいただきまして、1ページ、まず、最初の「1号保険料の低所得者保険料軽減強化」という点ですが、青色の「論点」というところに書きましたのは、先日の資料でお示しをした論点でございます。その下の黄色、「主な意見」のところは、二回の会議で皆様からいただきました御意見をできるだけ忠実に拾ったつもりでございます。この論点に関しましては、この制度そのものに反対する御意見というのはなかったかと思います。ただ、例えば資産の考慮ということ、あるいは制度の枠の中でやるのか外でやるのかといったことについて若干の御意見があったと、このように整理できるかと思います。
 それから、次の2ページ、「介護納付金の総報酬割導入」ということですが、これは大変意見が多くございまして、2ページと3ページ、両方に御意見を載せております。これは各項目共通ですけれども、論点に賛成する意見を前に、それから反対する意見を後ろにまとめておりまして、この順番についてはそれ以上の他意はございませんので、あらかじめ申し上げておきますが、2ページは、主に負担の公平という観点から、総報酬割の導入を行っていく必要があるのではないかという御意見です。それから3ページは、全体の負担が増加する。あるいは、第2号被保険者は介護保険の給付が必要になるという事故が、いわゆる保険事故が起こる可能性が極めて低いにもかかわらず多額の負担を求められることの問題など、御指摘をいただいているところでございます。
 それから4ページに移りますが、給付の見直しの関係で「要支援者の利用者負担」についてでございます。例えば給付の内容によって負担の割合に差をつけるということも検討してしかるべきではないかという御意見をいただいている一方、早期発見とか重度化という観点から、利用者負担の引き上げという方法でこの問題を考えることはまずいのではないかという御意見、こちらの方がどちらかというと多かったという状況だと思います。また、利用者負担という解決法以外に、例えばマネジメントの問題とか、予防給付の効果を検証して、効果のある給付に重点化していく、そういった考え方も示されたと理解しております。
 続きまして、5ページですが、「ケアマネジメントに係る利用者負担」ということでございます。ケアマネジメントについても利用者負担を求めるべき。あるいは、サービス内容についての関心を高めるという意味で、ここにも利用者負担を入れてよいのではないかという意見がありました一方で、例えば利用者負担の導入によって使わなくなる人が出てくるのではないかとか。あるいは公平なケアプランが作成できるということが大丈夫かという、どちらかというと慎重な御意見が寄せられたところです。ただ、これも、これでよいということではなくて、最後にありますけれども、資格の在り方とか質の向上といったようないわゆる制度的な対応の必要性について言及があったとまとめてございます。
 続きまして6ページですが、「一定以上の所得者の利用者負担」ということでございます。比較的多かった御意見は、若い人に、これからの高齢化に伴ってそれなりの負担を求めるという以上、高齢者も応分の負担はしていかなければいけない。あるいは総報酬割とのバランス上、高齢者で所得の高い方には能力に応じた負担というものをお願いせざるを得ないのではないかという御意見もありましたけれども、一方で、既に高い保険料を納付しているということ。あるいは、介護サービスは医療と違いまして、治癒するというよりは、生涯ずっとサービス期間が続くということも考えると、その点で利用者負担の引き上げはどうなのかという、慎重な対応を求める意見があったと整理しております。
 7ページ、「多床室の給付範囲」ということでございます。この問題は実は2回の部会でそれほど御意見がございませんでしたが、一つ御報告させていただきたいのは、11月10日と、それから昨日、介護報酬を議論しております介護給付費分科会におきまして、これは給付範囲を変えるとなりますと報酬設定も変わるものですから、給付費分科会でも御議論いただいたのですけれども、さまざまな観点から、この問題については慎重に取り扱うべきではないかという御意見が多かったということを御報告させていただきたいと思います。当部会の意見としましても、福祉的要素もあって、室料負担は避けるべきという御意見がございました。
 それから、8ページですが「補足給付における資産等の勘案」ということでございます。生産年齢人口が減っていく中で、資産に着目した負担というものの重要性が増える、あるいは若い方よりも高齢者の方が資産をお持ちであるというようなことで、資産の活用ということを積極的に考えていかなければいけないという御指摘がございました。一方で、不動産等を切り売りしながら介護サービスの利用をするということが難しいといった御意見もございました。この点については「論点」に書きましたように、具体的な運営可能な仕組みの検討ということが実施に当たっては求められるのだろうと考えております。
 それから9ページでございますけれども、「その他」ということで、「介護施設の重点化」という観点からのデータを御紹介して御議論いただいたところでございます。在宅サービスの利用者の支給限度額に比べて、要介護1、2という、いわゆる軽度の要介護者に関しましては、施設給付の方が給付される額が高いということになっております。施設サービス給付費につきましては、御存じのとおり、在宅の限度額の適用を受けませんので、このような制度設計になっておるわけでございますけれども、特に施設の重度化というものが求められている中で、これを上回っている部分に関しましては、例えば一定程度自己負担を求めるべきではないかという御意見がございましたので、この点についてまとめてございます。
 最後に、10ページでございます。直接論点としてお示ししたわけではありませんけれども、これらの事項につきまして、「処遇改善についての考え方」、大きく三つくらいに整理できるのかなということでまとめてございます。
 第1の考え方は、交付金というものをつくった必要性、あるいはそういう政策判断で導入した交付金をやめるという状況にはないのではないかといったことで、交付金の継続を求める意見。それから二つ目が、これは筋論ということで、基本的に報酬でもって対処することが必要だと。あるいは賃金決定に関して国がこういう形で介入することの是非などなどから、報酬に組み込んで対応することが必要であるという御意見。それから、三つ目の御意見はちょっとディメンションが違うのですけれども、介護事業者の経営状況が改善している、特に収支差率が、非常に大きなサービスが出てきている中で、いわゆる投入した費用がどれだけ介護従事者に分配されているのかという問題を抜きに、単に介護報酬に交付金の分を上乗せするという考え方は適当ではないのではないか。あるいは社会全体が物価も賃金もマイナス傾向が続いている中で、実質的に見れば、たとえ据え置いたとしても、これは実質的にはプラスになる。そういった経済状況ですとか、介護事業者の経営状況の改善というものを考慮しなければいけないのではないか。
 大きくこの三つくらいに整理できるかということでまとめてございます。
 先ほど部会長からもお話がございましたけれども、前回、時間の関係もあって十分な御発言ができなかった方もいらっしゃると思いますので、それぞれについての賛成、あるいは反対の意見について、本日、前回コメントいただけなかった部分も含めてコメントを頂戴できると幸いに存じます。
 以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 できるだけ、これまで発言されなかった方、あるいは今までの発言を補いたいという方は是非御発言をお願いしたいと思いますが、土居委員がすぐ退席だということで、最初に御発言をお願いいたします。

○土居委員 私の都合で、誠に申し訳ございません。
 事務局には、論点をおまとめいただき、ありがとうございます。部会長からお許しいただきましたので、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 すでに前回までに申し上げたことで、今日の資料2に盛り込まれている点については、繰り返しになりますので、そこは重複しない形でお話をさせていただきたいと思います。
 資料2の4ページのところの「要支援者の利用者負担」ということですけれども、これは利用者負担全般に言えることだと思うのですけれども、社会保障・税の一体改革成案で、2010年代半ばまでに消費税率を10%にするということをうたっているわけであります。その消費税率引き上げに伴うところで、介護の公費負担の部分に充てられるといっても、そんなに無尽蔵に充てられるわけではありませんで、機能強化という点で言えば、1%とか2%といった程度の税率の部分ぐらいしか当たらないと。しかも、これは医療や介護をトータルでというわけでありますから、そう考えますと、できるだけ貴重な公費をより有効に使っていくという必要があろうかと思います。
 消費税が上がる中で利用者負担も上げるというのは国民的理解が得づらいという話もあろうかと思いますが、逆に言えば、若い人たち、ないしは第2号被保険者の側からすれば、第1号被保険者と同様に、消費税率の引き上げに直面するわけであります。そういう中で、介護サービスは利用しない、ないしはできない、そういう年齢層の人たちに対する説明ということで言えば、やはり第1号の方々の利用者負担もきちんとお願いしなければ、こういう若い人たちの消費税引き上げに対する理解も得られにくいということはあろうかと思いますので、やはりそこはバランスをとって、利用者負担も応分の負担をお願いするべきなのではないかと思います。
 あと、5ページ、6ページについても同様の考え方で、利用者負担をお願いしなければいけない部分はきちんとお願いするべきだろうと思います。
 それから7ページの「多床室の給付範囲」ということでありますけれども、個室との対応で、かつての介護報酬の改定の際のいきさつはあろうかと思いますけれども、多床室といえども、居住にまつわるコスト、スペースというものはあるわけですから、しかるべき室料負担というのも、この報酬の中で考慮していくべきことなのではないかと思います。
 それから8ページで、「補足給付における資産等の勘案」ということであります。確かに現行制度ではなかなか資産の捕捉というのは事務的に難しいという面はありますが、一応、社会保障・税の一体改革成案と同時に出されましたアイデアで、社会保障と税の共通番号の導入というものが前向きに検討されるということでありますから、もし社会保障と税の共通番号のようなものが導入されれば、ある程度金融資産の捕捉というものも可能になってくる。つまり、これは税の側で、例えば、今で言えば、金融機関における特定口座のようなもので金融資産を一応税務当局では把握できているわけですが、これは社会保障やほかの総合課税される所得とは必ずしも名寄せされない形で今は情報が税務署にあると。ですから、これを社会保障・税の共通番号などで有効活用、勿論、個人情報はきちんと保護するべきですけれども、リンクした形で、情報が行政機関によって活用できるということになれば、こうした資産は、金融資産に関しても情報が将来的には得られるのではないか。
 勿論、いきなり、2015年までにそれが実現できるかどうか予断を許しませんけれども、行く行くはそういう方向になってくるということであれば、それをずっと待っているというよりかは、むしろ金融資産の情報も活用できるという可能性もにらみながら前向きに検討するべきなのではないかと思います。
 最後、10ページの「処遇改善についての考え方」ですが、もし第5期の介護保険においても処遇改善交付金を保険の中で織り込まずに、別建てで、この交付金という形で引き続き行うということになりますと、事実上、処遇改善交付金は介護保険の財政とは別建ての形で恒久化してしまうということになると。それを私は大変懸念いたします。とにかく後から別に交付金というのをくっつければ処遇改善ができるのだと、介護報酬や介護保険料に反映しなくてもいいのだというような考え方が恒久化してしまうということについては、私は大変懸念をいたします。そういう意味では、処遇改善交付金は今期で打ち切って、第5期においてはこれを介護保険の本体の中できちんと対応して見ていくべきことではないかと思います。
 それから介護報酬にまつわる部分で、これは私は前々回発言したということでありますけれども、確かにデフレだということでありますし、更には、年金においては物価スライド、賃金スライドという発想が前々から導入されておりますから、当然ながら、世の中の物価ないしは賃金の動向と連動する形で給付を考えていく。更には、公務員給与においても、人事院勧告で民間の給与の動きを取り入れながら給与の水準を決めているというようなこともありましょうから、そこは物価や賃金と介護報酬を連動させるべきでないという発想ではなくて、やはり世の中の物価や賃金の動きと整合的になるような形で介護保険の報酬を決めるという考え方が必要なのではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 岩村委員も途中退席なので、御発言をお願いいたします。

○岩村部会長代理 申し訳ありませんが、途中で退席するものですから、先に簡潔に発言させていただきたいと思います。
 今日のこの論点ペーパーの1ページの、低所得者の保険料軽減強化のところですが、これは後の補足給付のところとも同じようなことになると思うのですけれども、高齢者の場合の一つの特徴は、ストックを持っている方が相対的には多いということでありまして、そうだとすると、所得ということだけに着目して保険料軽減というのはいろいろ問題が出てくるだろうと思っています。ただ、ここはちょっと土居先生と考え方が違うのですが、資産を考慮するということになると、ちょっとやはり保険の枠組みでやるのは難しいかなと私は思っております。
 いずれにしろ、資産の把握その他については、実務上は問題あることは理解できますので、その点をうまく解決するような形で、かつ、資産を考慮する場合、どういう制度設計にするかということも含めてやはり考えていくことが必要かなと思っています。
 それから「介護納付金の総報酬割」については、これはもう昨年も申し上げましたけれども、負担能力のあるところにはやはり払っていただくということだとすると、総報酬割を導入するということを考えるべきだと思っています。確かに、第2号被保険者について見ますと、保険事故が特定疾病に限られているという意味で、被保険者自身で考えると、被保険者の利益との結びつきというのがどうしても薄いのですが、他方で、例えば地域包括ケアの中でレスパイトケアとかそういったことを考えたりするということは、やはり第2被保険者の人たちの介護の負担というものを軽減するという意味も実はあるので、法律上、正面から書いていませんが、そういったこともやはり考える必要があると思います。そういったことを考えると、やはり総報酬割というのは導入するということを考えるべきだと思います。
 4ページの要支援者のところ、介護予防のところで、ここは難しい問題がありますが、私自身は家事援助はやはり必要だと思っていますが、今の家事援助のままでいいとは余り思っておりません。そういう意味では、家事援助と、例えば機能維持等の訓練といったものをどうやって結びつけるのか、あるいは、そこのところでどちらに重点をかけていくのかというようなことについて、一部負担の割合も含めて、更にはケアマネジメントも含めて考えていくことを検討すべきではないかなと思っております。
 5ページのケアマネジメントの利用者負担ですが、これも昨年度申し上げましたけれども、私は導入すべきだと考えています。導入すると、ケアマネジメントが利用されなくなり、自己作成プランが増えるのではないかということに対しては、自己作成プランが増えるということは、ケアマネジメントがそもそも専門性があるとは考えられてないということではないかと私自身は思っております。そういう意味では、利用者負担というのは、今までどおり、ないということで維持すべきだということであれば、やはりケアマネジメントというものの質の向上なり、その必要性というものがもっときちっと理解されるような形で、とりわけケアマネジャーの方々の努力ということがより一層要求されるのではないかと思います。
 あと、6ページの利用者負担のところでありますけれども、ここはやや躊躇するのです。というのは、このペーパーにもありますように、サービスの利用が長期間にわたるということもあって、高額介護費はあるのですけれども、例えば1割を2割にしたときにどういう行動が起きるかということの、そこの読みが非常に難しいところはあるかなと思ってはいますが、ただ、やはり負担能力のある方からはより負担をしていただくということの方向性自体は考えなければいけないだろうと思います。
 多床室については、低所得の人が多床室で、そうでない人たちはユニット型でというのはやはり問題があるので、できれば、ここは、いわば費用負担のところでイコール・フッティングにして、できるだけ今後は全体としてユニットの方向に進めていくというようなことを考えていくべきだろうと思います。
 補足給付については、先ほど申し上げましたので、省略いたします。
 それから施設の重点化、9ページですけれども、施設については、今まで経過的に入っている軽度の方はやむを得ないのですけれども、今後については、やはり施設については重度化のところに重点化していくという方向で、被保険者、高齢者の選択を誘導するような形での費用負担の在り方というのを考えるべきだと思います。
 それから処遇改善については、これは土居先生がおっしゃったこととほとんど同じで、私は、報酬改定の中でやるべきであって、交付金というものでやるべきではないと思っています。
 労働分配率の問題は、労働組合がほとんどないようなところでどうするかというのは大問題でありますが、例えば役員報酬を含めた人件費にかかわるような情報については、情報の公開というようなことを含めて透明性を高めるということもありうるのではないでしょうか。もともと介護報酬自体が保険料と税という強制徴収されたお金でありますので、その程度のことはやるということを考える余地はあるのではないかと考えております。
 あと、医療でも言われるのですが、高齢者については応分の負担ということが言われるのですね。しかし、高福祉ということになれば、それは高負担であって、高福祉を応分の負担でということは成り立たないのだと思います。
いずれにしろ、今後のことを考えると、消費税を上げるということによって公費を確保するということしか、恐らく選択肢はほぼないわけですが、それとの関係でも、やはり保険料というものも含めて、高福祉を支えるのだったら高負担だということで考えていくということだろうと私は思っております。
 どうもありがとうございました。

○山崎部会長 それでは、勝田委員。

○勝田委員 利用者の立場から、今回出された論点整理について意見を述べたいと思いますし、今回、意見書を出させていただいています。認知症の人と家族の会では、今年4月に、「認知症の人も家族も安心して暮らせるための要望書」を厚生労働大臣初め関係機関に提出しました。
 今回出させていただいた「認知症があっても安心して暮らせる介護保険制度を」は、その中から再掲したものです。私たちは、その中で、何よりも介護保険が認知症の人と家族にとって安心できる制度にすることを望んでいます。今回出された社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しについては、多くは賛成しかねるものです。
 まず、認知症は早期発見、早期に適切な対応をすることで重度化を防ぐことができ、認知症があっても、豊かで、尊厳のある生き方ができます。その観点から言いますと、まず、1号の低所得者の保険料軽減については、昨年、6月に出させていただいた提言の中でも、これは公費負担を引き上げること、1号保険者の保険負担割合を例えば全体の20%から15%に引き下げることが必要だと考えています。
 また、二つ目の要支援者の利用者負担割合を引き上げることや、ケアマネジメントにかかる利用者負担は反対です。また、一定以上所得のある者の範囲については、金額が示されておりませんが、昨年、部会の中でも出された、全体として320万で、年金収入200万円を指すならば、それはやはり論外だと思っています。この範囲に入れるべきではないと思っています。
 また、多床室の給付範囲についても、室料負担を求めることは、今でさえなかなか入れないのに低所得者にそれ以上室料負担を求めることは、そこにも入れなくなることになりますし、資産の切り売りをしながら介護サービスを利用することはできなくなるということを前回も述べました。
 介護施設の重点化では、在宅サービス利用者の支給限度額や施設給付の差額分について自己負担を求めるべきという意見もありますが、これでは在宅で暮らせなくなることが個人の責任によるというようになるのではないでしょうか。
 そういう点で、少し事務方にも確認したいと思いますが、前回、社会保障・税一体改革が目指す医療・介護のサービス提供体制、1から4について示されました。今日は、事務局の保存用ということで、皆さんのところにもあるかと思いますが、例えば4ページによりますと、2025年を目指して介護サービスを受ける方は641万人とされています。その中でも在宅サービスは449万人としています。
 では、それをどのようにサービスを提供していくかという中では、小規模多機能が40万人分、そして、その40万人の内数として、今、地域包括ケアで目指すという定期巡回・随時対応が15万人分となっていますが、449万人いる在宅介護の中で、この数値が、今、これだけ力を入れているわりには随分少ないのではないか。この定期巡回・随時対応については、いろいろ懸念もありますが、この数値目標でいいのかどうかということを確認したいと思います。
 また、次の5ページにありますが、例えば要介護4、5が77万人、要介護3は58万人と、合わせて135万人となっておりますが、在宅に限って言うなら、要支援1、2、要介護1、2、合わせて314万人についてはどのような数値目標を設定されているのか。もう既にされているのか。もしあれば、今回は難しいと思いますので、次回で結構ですので、是非お示しいただきたい。そして、中・重度を中心にすると言いますが、すぐ中・重度になるわけではなくて、軽度のときこそ、重度化を防ぐ手だてをもっともっとやるべきではないか。そういう点で、訪問介護サービスやショートステイ、そして訪問介護・看護についての数値が示されていないということについては、私たちとしては本当に懸念するところです。次回でいいので、是非これを出していただきたい。
 先ほども述べられましたが、消費税収を主体とする社会保障財源を安定するということで消費税の導入が図られていますが、私たちはやはり、低所得者に重い負担のかかる消費税導入については反対という立場を表明させていただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 ただいま、勝田委員の質問、確認の部分がありますが、後でお願いいたします。続いて、ペーパーが出ています齊藤委員と結城委員にお願いいたします。

○齊藤(秀)委員 ありがとうございます。論点に直接かかわるものではないのかもしれませんが、大きく関連いたしますので、処遇改善交付金の取扱いについてと、もう一点、お話をさせていただきたいと思います。
 まとめでも出ておりますけれども、昨年のこの介護保険部会が終わってから1年が経過したわけであります。3年間の限定的な交付金の取扱いが、政治判断がないまま今日までになっておりますことは大変遺憾に思っております。ただ、この間、全体の状況を見渡しますと、社会保障を支える恒久財源として新たな消費税財源が議論されておりますけれども、まだ政治的、また国民的合意は道半ばの状況にあります。また、国民的関心が非常に高かった現政権によります埋蔵金の財源の期待感というものも薄れております。更に、東日本の大震災におきまして復興財源など多額の費用を要するということでありますから、介護保険等諸施策を支えるための公費財源の確保は非常に厳しいという状況だと認識いたしております。
 そこで、そもそもこの交付金はどこでどう決めたかといいますと、申し上げるまでもなく、国の責任で介護職員の処遇改善を行うということの目的で創設されたという経緯があるわけであります。現段階におきましては、今、申し上げましたように、新たな公費財源を見つけ出すというのは非常に難しいとは思いますけれども、いずれ、恒久財源が確保される見通しになりました段階におきましては、現在の国の負担割合であります25%を超える公費負担というものの拡大に努めていただいて、国としての責任を果たすべきではないかと考えます。
 昨年のこの介護保険部会におきましては、「ペイアズユーゴー原則」に縛られた議論がありまして、私としては、処遇改善交付金は外付けで継続すべきと申し上げてきたところでありますが、現状を理解いたしますと、処遇改善のための選択肢というのは介護報酬化に絞られているのではないかという印象を受けております。また、一方、交付金を通じまして、一時金でありますとか諸手当の支給に限定されるということで、根本的な処遇改善につながりにくい現状も明らかになっております。他の委員も申されておりますけれども、本来、介護人材の確保に要する費用というのは、安定性・継続性の観点から、介護保険財源で対応すべきものであると考えるところであります。
 このように考えますと、その裏のページでありますが、介護報酬化は、1号及び2号の被保険者の保険料負担につながってまいります。介護人材の確保と処遇改善というのは、質の高い介護サービスの提供に資するものでありますので、急激な保険料負担とならないような所要の措置を講じられた上で、総報酬割の導入を含めまして、現役世代、高齢者世代がともに所得に応じた公平な保険料負担によってこの制度を支える必要があるのではないかと考えます。
 なお、この処遇改善に関する情報公表につきまして申し上げたいと思いますが、現在、介護保険給付費分科会におきまして、「処遇改善加算」の創設の検討がされているわけでありますが、私は、本来これは基本単価に組み入れて、すべての介護従事者を対象にして処遇改善を図るべきものと考えておりますので、そのため、将来にわたって報酬が確実に給与所得の改善につながるような仕組みをつくらなければいけない。そのためにはやはり、給与情報等の項目・範囲を検討された上で、公表ということを義務化していただく必要があると思っております。
 以上が処遇改善に係る関係でありますが、もう一点、今日の大きな論点になっております給付の重点化であります。要支援者の利用者負担割合の引き上げでありますとか、ケアマネジメントにかかわる利用者負担、一定以上所得者の利用者負担、多床室の給付範囲、これらに関しましては、昨年のこの介護保険部会で繰り返し審議を重ねて、各委員の意見は既に出尽くしていると思っておりますし、そのことは既に意見としてとりまとめられ、発表されているわけであります。今日のこの議論も、拝聴いたしますと、同じ議論を繰り返しされているような感じがいたしておりますので、私は、すべて同じとは申し上げませんが、ほぼ同じメンバーが参加しての部会でありますから、大きく意見が異なるものではないのではないかと思っているところであります。
 以上、意見として申し上げさせていただきます。

○山崎部会長 ありがとうございました。結城委員、お願いします。

○結城委員 ペーパーを用意したので、ご覧いただければと思います。
 まず、資料に、前回私が述べた意見は記してありますので、それは省かせていただきます。
 今日は別の視点で、まず、一番目は利用者視点から考えて、今、自己負担の議論が出ておりますが、もし計画期途中にこれを行うとなると、利用者にとっては、来年4月からまず報酬改定で大きく制度が変わりまして、計画期途中になると、また利用者負担で変わるということで、そもそも、3年おきの制度改正はやむを得ませんが、余り制度が変わるということは、現場にとっては余りよくないと私は思っています。私は反対ですけれども、万が一これをやらなければならないという結論になってしまった場合は、やはりできるだけ計画期途中にはやるべきではないと思っております。それに伴って、前回もやっているかもしれませんが、現場の職員や説明、事務処理、こういう業務負担というのは非常に大変だと思います。
 それと関連して二番目ですけれども、来年4月から、介護報酬改定に伴って、恐らくコンピュータ、システム改修をやらなければいけません。その際に、また計画期途中に制度を変えるとなると、また更なるコンピュータ改修が必要になります。実はこういう人件費、システム改修費、手間、こういうものはシャドーコストとしてかなりの額になっているかと私は思っております。制度改正を議論するに当たっては、このようなシャドーコストも十分に踏まえながら、きちっと制度改正のプロセスを考えるべきだと思います。
 事務局に御質問をさせていただきたいのですが、例えば自治体だと、また、これはコンピュータ改修、国保連の改修もしなければいけませんが、計画期途中でやる場合は、交付税で見るのか、国庫負担をやるのか、そういうこともきちっと今後も議論してやっていくのかどうか、それを伺わせていただきたいと思います。
 最後に、処遇改善交付金の件は、最終的には予算関連だと思いますが、介護の人件費の、確かに、今、デフレですけれども、2003年、2006年、マイナス改定が続いて、2009年にプラス改定になって処遇改善交付金がついたので、そもそも低かったということと、もう一点は、確かに、今は少しよくなっていますが、まだまだほかの産業と比べると平均的に低い。しかも、今、不景気なので、介護人材の離職率や有効求人のところは若干いいですけれども、また景気が回復すると、もしかしたら悪くなるということで、やはりきちっとそういう点も踏まえて議論すべきだと思います。
 以上でございます。

○山崎部会長 それでは、事務局の方から、ただいま、勝田委員、それから結城委員の質問がありましたのでお願いいたします。

○度山介護保険計画課長 まず勝田委員の御質問ですけれども、何を答えたら答えになるのか、難しい質問だと思いながらお聞きいたしましたが、理解の正確を期すために、前回資料の4ページの、在宅介護にかかわります40万人とか15万人の目標設定ということですが、これはいずれも、内、内と書いてありますのは、449万人分の内数ということで、まず御理解をいただきたいと思います。
 また、小規模多機能は平成17年の制度改正において、それから定期巡回・随時対応は、本年、平成23年の改正で新たに設けられたサービス類型で、どちらもまだ新しいということがございます。需要に比べてどうなのかという御意見も頂戴いたしましたけれども、一方で、供給サイドのフィージビリティというものも考えて、この設定についてはかなり無理をして、背伸びをして設定しているということを申し上げたいと思います。
 それから、これは目標というよりは、こういうサービス像に変えていきたいという一つのシミュレーションと御理解いただきたいと思います。シミュレーションですので、要介護者がどのような数になるかということと、その方々がどの程度サービスを利用されるかということをシミュレーションして、それで特徴的なサービスについて、この4ページに特記をして資料をまとめさせていただいた、あるいは、5ページですと、サービスの内容がどのように変わるのかということが、重度の方について、データがわかりやすいものですから、要介護4、5、あるいは要介護3という辺りについて特記をさせていただいたということでございます。
 ちなみに、要介護4、5、あるいは要介護3というところの在宅という数字の中の2011年度と2015年度の欄、平均限度額利用割合というところを見ていただきますと、改革シナリオにおいては、いずれも、50%台の利用割合になっているのが80%台の利用割合に上がっているということが御理解いただけるかと思います。そういう意味で言うと、2025年に想定している在宅サービスというのは、現行のレベルよりはもっと密度が濃い、あるいは、今だと、重度の方、施設依存が高いわけですけれども、定期巡回型のように、重度の要介護でも在宅生活を継続できるような形の、言ってみればスペックの上がったサービスの提供を目指しているのだということについて、補足をさせていただきたいと思います。
 十分なお答えになっていないかもしれませんが、今の説明で不足があれば、おっしゃっていただきたいのですが。

○勝田委員 では、要支援1、2とか要介護1、2のこの設定というのはあるのでしょうか。人数の設定というのは。

○度山介護保険計画課長 シミュレーション上どういう設定をしているかという数字は、特別に取り出してくればございます。ただ、要介護1、2について申しますと、前回、施設の重度化のところで御説明しましたが、若干施設入所の方がいらっしゃるわけでございますけれども、要介護1、2のレベルで言いますと、そういう施設にいらっしゃる方がかなり在宅の方に復帰されるという形のシミュレーションになっているということだけ申し添えさせていただきます。

○勝田委員 もしその数字があるのなら、次回で結構ですので、この表のような形で出していただけたらありがたいのですが。

○度山介護保険計画課長 承知しました。
 それから、結城委員から御質問いただいたシステムの問題ということですが、いくつか申し上げたいと思いますが、確かに制度改定とか報酬改定に伴ってシステム改修が必要になるのは事実でございますし、それは数十億という単位でお金がかかるということはそのとおりでございます。ただ、我々、このように考えるときには、一つの制度改正による効果というのはその後も続きますので、それに比べると、システム改修というのはワンポイントということなので、必要な制度改正であるならば、それについてのシステム改修経費はできるだけきちんと準備して手当てしてきたという歴史がございます。
 また、計画途上にというお話でございましたが、例で申しますと、ユニットケアの報酬から切り出して居住費を御負担いただくという改正を平成17年に行っておりますが、それは計画期間の一番最後ではございましたけれども、平成17年の10月から施行しているということを申し上げたいと思います。
 もう一点、システム改修ですけれども、確かに、一ときにやった方が効率がいいという側面はございますが、いろいろな改正事項が重なりますますと、システム改修自体のちょっと限界というものもありまして、ある程度分散化させないと、いろんな改正を処理するということが難しいという側面があるということについても申し添えさせていただきます。

○山崎部会長 それでは、河原委員。

○河原委員 今日は、効率化のことについて、今まで触れてなかったので、私どもの考え方といいますか、意見を述べさせていただきます。
 現場でよく聞く話なんかも絡めながらお話をいたしますけれども、介護分野における一体改革の話というのは、そもそも安定財源の確保との給付の重点化、効率化の話だと私は理解しております。そのような観点から、給付への重点化のテーマの解決には、何回も言われていますけれども、いま一度の自立支援という基本理念に強くこだわった検証こそがその道筋をつけるのではないかと私は思います。
 重点化のテーマでは、必ず軽度者介護の給付抑制が俎上に上りますけれども、そこでは、身体介護や中・重度者の介護は介護の真髄であって、生活援助や軽度者の介護は介護に当たらないともとれる議論がございますけれども、身体介護であろうが、生活援助であろうが、また、軽度だろうが中・重度であろうが、そもそもその介護は自立支援のためになっているのかどうかが重要な問題であると私は思います。
 私たちの働く仲間の声として、現場ではまだまだ家政婦扱いされて困惑しているという悩みがございます。この11年間、こうした声は依然としてなくなっておりません。こうした働く人たちの不満の裏側には、せっかく自立支援のために立てられた介護サービス計画が、実際には自立支援のためになっていないサービス、つまり、単なる家事代行サービスに変貌している姿が現場には根強くあるということだと私は思います。
 これは介護費用が無駄に使われているということになるのではないでしょうか。自立支援のためになっていないのであれば、そのサービスは介護保険から外してもいいのではないかと私は思います。ここで自立というのが問題になりますけれども、自立とは、法律の目的から考えると、その方なりの能力をその方なりの尊厳をもって活かすということになるかと思いますが、給付の重点化、効率化の議論を何回も繰り返さないためにも、自立のための本当の介護とは何かという学術的な確立も一方では早急に必要だと思います。これは研究者の方に是非期待もしたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、現実的な対応としては、自立支援のために組まれた介護サービス計画が実際計画どおりに行われているかどうか見極めるためのシステムの一層の構築が、無駄な介護費用の抑制や効率化に結びつくのではないかと思っております。一層の構築と言いましたが、例えば事業者が毎月のように行っております現場のヘルパーの声が反映された業務ミーティングとサービス担当者会議を直接結ぶネットワークや、それがうまくいっているときの評価システムの確立なども一つの考え方だと私は思います。
 また、地域包括ケア研究会報告書において、保護型介護から脱却し、自立支援型介護、予防型介護という視点に立ってケアの標準化を図ることが必要だと指摘されておりました。早急に、かつ、加速させてこのことに取り組むことが重度化予防に効果のある給付の重点化に直結すると私は思っております。
 以上です。

○山崎部会長 では、大西委員。

○大西委員 これまでの議論につきまして論点ごとに整理いただきましてありがとうございます。私が言った意見もそれぞれ位置づけられておりますので、重なる部分は一言ずつお話をさせていただきたいと思います。
 まず、1ページの低所得者対策でございます。これは、一番上に出ておりますように、これまで保険料の中でどうにかやりくりで、若干、保険者ごとにやってきた部分はございますけれども、全国平均の保険料、1号保険料が5,000円を超えるような状況になりますと、やはりその中でのやりくりというのは非常に難しくなってくる。しかも、これがどんどん増えていきますと、納付率とか徴収率、そちらの方にも大きく影響してきますので、国保の状況なんかを見てみますと、やはりここできちっと低所得者対策を、国の責任と財源で基準を決めて入れないとなかなか大変な状況になるのではないかと思います。その辺はしっかりお願いしたいと思っております。
 それから2ページの総報酬割でございますけれども、基本的には賛成でございます。総報酬割の導入によりまして国庫負担が若干軽減されるわけでございますので、その部分については、先ほど言いました低所得者対策でありますとか、あるいは処遇改善の方、そこら辺にきちんと責任を持って措置していただければと思っております。
 一つ御質問なのですけれども、前に国保の問題について、どうにかこの総報酬割の中に国保というのは入らないのかといったら、それは所得、報酬の把握の仕方が違うのだということでございますが、それはそもそも総報酬割の対象にすべきものではないと考えておられるのか、あるいは技術的に報酬の把握の仕方として難しい面があるのか、将来、例えば税と社会保障の共通番号みたいのができたときには、調整できる可能性があるのかどうなのか、その辺についてちょっとお教えいただければと思っておるところでございます。
 それから5ページのケアマネジメントの関係でございますが、保険者としてこの保険を運用していく上で一番困るのが、やはり不公平感が出るというのが最も困るわけでございます。それによりまして、この前からも議論が出ていますように、ケアマネジャーによっては、家族の言いなりになったようなケアプランを立てているとか、そういう話になって、例えば隣近所にいる人が、あの人はこれだけのことをやってもらっているのに何で自分は、みたいな話で不公平感が出るというのが一番困りますので、やはりそこの適正化というのは是非とも図っていただきたい。
 この利用者負担をとるのが即適正化につながるというのはなかなか難しいところがあるかもわかりませんけれども、利用者の自覚を促すという効果もあるでしょうし、そこで話し合いがきちっと持てるという効果もあろうかと思っておりますので、是非この実現については、ケアマネジメントの適正化という、あるいは公平感をきちっと確保するという観点からしっかりとやっていただきたいと思っております。
 それから10ページの処遇改善交付金でございますけれども、これにつきまして、先ほどからお話が出ておりますように、3年前に、いわばこのままではとても介護のマンパワーの確保がおぼつかなくなるということで、国の責任でこのような特別の処遇改善交付金というのを措置して、それなりに効果があったということでございます。そのマンパワーの確保の必要性とかその辺の状況は、現在においても変わってないと思っております。したがいまして、私どもとしては、できれば処遇改善交付金をこのまま継続してほしいという要望ではございますけれども、ただ、それが予算上とか、あるいは本来最終的には介護報酬の中に組み入れられるべきというのは私もわかるわけでございますので、どのような形であれ、きちっと国がマンパワーを確保する、そのための責任を持って措置するという考え方のもとにしっかりやっていただきたいと思うわけでございます。
 間違っても、国の負担が介護報酬とかに入ることによって、つけかえられて地方負担にされるとか、あるいは多大な保険者の負担にされるとか、あるいは、せっかく措置したものがきちっと処遇改善に使われないという事態が起こらないように、その辺につきましては、先ほども出ていましたけれども、やはり見える化という形で、人件費の公表、そういうのも積極的に図っていくというのも考えていただきたいと思っております。
 以上でございます。

○山崎部会長 布施委員、お願いいたします。

○布施委員 追加を含めまして、四点、意見を述べさせていただきます。
 一点目は、介護職員の処遇改善交付金についてでございます。資料1にありますように、介護事業経営実態調査によりますと、地域差は別にいたしまして、どの施設も収支差が9%以上伸びているところでございます。現在のデフレの状況、賃金低下という環境の中で、2桁に近い伸びは目を見張るとともに、高齢化に伴いまして毎年大きな自然増が期待されるわけでございます。そんな中で、交付金の継続や介護報酬の対応についてはほかの企業の理解がなかなか得られないのではないかというのが一点目でございます。また、その財源を総報酬割の導入により確保しようということであれば断固反対したいというのが第一点です。
 二点目は、介護納付金の総報酬割の導入でございます。総報酬割となりますと、第1号被保険者が月額5,000円に対して、介護サービスを受けない第2号被保険者にとっては、月額18,000円となるような場合もあるわけです。こういった格差を事業主や被保険者に対してとても説明するのは困難という状況です。介護保険は、医療保険と異なりまして、医療保険者としての保険者機能を発揮することはできません。そんな中で、一律の保険料率ということにするのであれば、これはもう限りもなく税に近いと思います。そうなれば、医療保険者が保険料を徴収する必然性はなくなりまして、我々、医療保険者が事業主や被保険者に行ってきた説明責任を果たせるものではないと思います。国において保険料を徴収すべきといった意見が多く健保組合から出ております。
 三点目は、利用者負担についてです。介護保険は急激に増え続ける給付費を合理化・適正化する仕組みが弱いのではないかと思います。医療保険がたどってきたように、制度の持続性を保っていくためには利用者負担の見直しを考えざるを得ないと思います。現在は1割負担でございますけれども、給付の効率化、重点化の観点から、所得の水準、年齢区分、要介護の程度によって自己負担の引き上げや新たな利用者負担の導入を検討する時期に来ているのではないかと考えます。
 四点目、これは最後になりますけれども、この介護保険部会のみならず、医療、年金でも、現役世代の負担増による施策ばかりが目立ちます。その反面、給付の重点化、効率化といった適正化対策への踏み込みが不十分ではないかと思います。
 少子高齢化が進む中で、2010年半ばまでに消費税率を10%に引き上げても財源が足りないのは周知の事実でございます。国におかれましては、社会保障と税の一体改革の検討の中で、他の制度を含めたトータルでのグランドデザインを描く中で、国民の理解と納得が得られるような給付の在り方と公平な負担を示していただきますよう強く要望いたします。
 以上です。

○山崎部会長 ありがとうございました。では、北村委員。

○北村委員 先ほどもございましたけれども、昨年のこの部会の報告書の中でまとめさせていただいて、その際に、山崎部会長が最後におっしゃいました。さまざまな両論併記もありながら、最後は、政治マターも含めての強いリーダーシップに期待すると。今回、一体改革成案も含めて、報告させていただいたことをもう一度成案をいただいて議論するということで、その成案の中は、逆に、私どもがずっと望んでおりました将来のビジョンといいますか、グランドデザインがある程度示されているということで、大変私自身はいい結果が出たかなと思っている次第でございます。
 さて、まずは総報酬割を含めてのところでございますけれども、当然、必要な部分の負担はやらなくてはいけないと思っています。一応条件付きで賛成せざるを得ないのかということでありますが、その前に、従来から、年金の問題もあると思いますが、20歳代からの負担というところをどうするかということを再度検討いただく必要もあるのではないかと思う次第です。今回は難しいとしても、そういった負担のあり方を、年金も含めて考えるべきだと思っております。
 それから処遇改善交付金でございますが、まだまだ処遇改善は必要でございます。現場では、男性の寿退社、別に止まったわけではございませんで、まだまだ、結婚するそのときは仕事をやめなくてはいけないということが続いております。確かに、先ほど来の物価下落、それから給与の連動、スライドということは当然必要だと思っておりますけれども、そのベースになるところのもともとが低いということがあるということを是非ご理解いただきたいと思っておる次第です。
 そのような中で、事業者とか、当然、働いている人たちも含めて、最低の決められた基準の中でやっております。本当でしたら、質を向上させるために、職員の加配とか過剰な人員配置をして余裕を持ってやっていきたい。やっていきたいのだけれども、いろんな配置基準を当然守り、それから収支差率が出ております。確かに、ぎりぎり詰めていってあの収支差率を出しているのです。いわゆる車の運転、ハンドルの遊びの部分が一切ないというような状況でありまして、そんな遊び幅をとらせていただいて、研修ができて、教育ができてというようなこと、余裕といいますか、そういったものを是非考えていただきたい。そういうことを考えますと、逆にある程度の自由さ、自律性のところ、幅を持っていただくというような工夫をいただければと思う次第でございます。
 それから要支援者の利用者の負担引き上げ、それから一定以上の所得者の負担率アップ、ここは確かに必要だろうと思うのですが、医療の2割3割負担と介護が違いますのは、この文章の中にも報告がありました。やはり非日常的な生活で、治癒すればそこで終わるというところ、先が見えるというところ、介護はやはりなかなか先が見えないという、この文章にあるとおりでございます。自ら努力して我慢して、一生懸命サービスを抑制しながら使っていらっしゃる。それを継続するために、先が見えない。そのためには、そこの場合をどう考えるかということは医療とはなかなか一緒にならないのではないかということだと思っております。
 それと収入のところの把握というのも、確かに難しいなと思いますが、将来的には先ほど来出ています番号制の問題も含めて網羅しながらできるということで、国民に理解できて、わかりやすく、払うものは払おうということの理解ができればと思っている次第でございます。
 最後でございます。制度の持続性、さまざまな今回の成案の中身も、25年のグランドデザインがある程度見えました。ただ、働く人たちの部分は、確かに140万人が244万人という数字が出ております。けれども、先ほどの資料1にも2,400億という数字が出ておりますけれども、その中身がなかなか見えてこない。これから、人、人材、そして財源の確保をしながら、そして、その中でサービスを提供していくという、その両輪が回ってないといけないというところで、そこの部分の工夫をいただきながら、是非お示しいただきたい。そういった両方を含めた改革というものを目指していただきたいと思っている次第でございます。
 以上でございます。ありがとうございました。

○山崎部会長 伊藤委員、最初から手を挙げておられるので。

○伊藤委員 最初に、処遇改善措置と総報酬割に関して、あと、ほかのテーマについてお話ししたいと思います。
 処遇改善措置については、さまざまな立場の方が介護報酬に組み込んで、労使の自主的な努力で解決すべきだというようなお話を大分されて今日まで来ていますけれども、正直言いまして、夢のようなお話のように感じています。私たち労働組合の力不足もあって、介護報酬から賃金の配分を確実に得るだけの交渉力や影響力を全国すべての介護労働者に対して行使することはできていないのが現状です。これまで繰り返し述べてまいりましたが、介護職員の処遇改善は継続的な重要課題だと考えています。
 先ほど結城先生もおっしゃっていましたけれども、給料水準が下がってきている中で介護職員の給料も下げるべきだという趣旨のお話がある中で、これはそうではなくて、介護職員の賃金がもともと低いというところに立脚して考えるべきだとおっしゃったというのは、まさに私たちが考えていることと全く同じです。
 先ほど事務局からは、一体改革の議論で提出した厚労省のシミュレーションはあくまでもシミュレーションで、あたかも絵に書いたモチのようなおっしゃり方のように聞こえました。私たちとしては、15年間で100万人増やしていくという強い意思を持って、こういうことを示してきたのだと理解してまいりましたので、そういった魅力ある労働市場にしていくということが必要なのだと思っています。2年半たって給料が下がってしまうというようなことは絶対あってはいけないのだと考えています。
 総報酬割については、去年、私はまだ委員ではなかったですけれども、代理出席で、総報酬割の議論があったときに、国費の削減、財源確保ということを目的に導入するという考え方は、被用者保険の被保険者の立場としても納得ができないと申し上げましたが、それは変わりありません。
 もともと介護保険の制度は、世代間連帯と社会的扶養の観点から全国共通のルールで一人当たり同額の保険料を各保険者が負担するという考え方で来ているわけですけれども、こういった介護保険の思想に関する部分について、この間、1年たちましたけれども、一切議論されていません。あのときは代理出席だから相手にされなかったのかもしれませんけれども、1年たって、全く同じ議論をやっているのですね。この点については、財源論というだけで議論を進めるというのは、全く納得できないと言わざるを得ません。
 第2号保険料というのは、介護納付金という形で保険者から保険者に納付するという形をとってはいますけれども、40〜64歳の人にとっては、極めて限定的な保険事故しか対象にはなってない現実はありますけれども、保険料としてきちんと位置づけられているわけです。そこは、後期高齢者支援金ですとか基礎年金拠出金とかとは意味が違う、きちんとした保険料だと考えています。ここについての考え方がどう変わっていくのか。単に保険者の負担能力の問題なのかということはきちんと議論しないといけないと思っています。
 その負担の在り方を議論して、もし応能負担ということがふさわしいのだと、皆、関係者も合意した上で、そうなった上で、短時間労働者の適用拡大ということも踏まえて総報酬割ということを検討するというような流れなら、それはそういうことの検討が必要なのだと思いますけれども、今の流れはそうなってないと思います。
 今の経済状況や雇用情勢から考えると、改定率を十分に確保するというのは難しい情勢と考えますが、そのような中で、先ほど健保連さんからは、2号保険料の徴収事務の返上といいますか、もうやっていられないというような話がありました。そうすると、市町村が保険者としてとるのか、あるいはどこかに頼むのかわかりませんけれども、そういうことによって国費が確保できない、それで処遇改善措置もないというようなことになるのは絶対に認められないと私たちは考えますので、是非行政と政治の責任で別途の処遇改善財源を確保していただくようにお願いします。
 あと、その他の点について。要支援者の利用者負担につきましては、いずれまた重度化して入ってくるということで、ここはむしろ、リハビリ等、自立支援効果の高いものを期待できるような予防給付を行っていくということが望ましいと考えています。ケアマネジメントの利用者負担につきましても、きちんと自立支援型のケアマネジメントが公平・中立に行われるということが必要でありますので、そういった点で、基本はやはり利用者負担を徴収しないということが基本だと考えています。
 一定の所得のある者の利用者負担については、これは応能負担ということを今以上に導入していくということは検討するに値すると考えております。
 多床室の室料徴収につきましては、ユニット化を進めるということについて是非進めていくべきだと考えておりますけれども、今回の対応で低所得者の方がユニットに入れるだけの十分な給付になるというわけではありませんので、これについて、きちんと入れるような対応が必要だと考えております。
 それから補足給付の資産勘案は、考え方は理解できますが、費用対効果を含めて、また不公平感が更に起きるということがないよう実務上の検討が十分必要だと考えます。
 長くなって失礼しました。

○山崎部会長 木間委員。

○木間委員 介護納付金の総報酬割導入に関して、まず申し上げます。負担の公平化という理念からとらえれば、総報酬割の導入が望ましいと考えています。
 要支援者の利用者負担の二つの論点につきましては、昨年、部会で発言いたしました調査結果から申し上げます。
 一つは、日本福祉大学の近藤克則先生たちが行った調査でありますが、要介護認定を受けていない3万人近くの高齢者を4年間追跡した結果についてです。低所得層は死亡率も要介護認定率も高いことが明らかとなっています。要支援者の利用者負担を引き上げれば、特に低所得層は利用を控え、介護度は重度化し、死亡率は高まるおそれがあるのではないでしょうか。
 二つ目の調査は、地域保健研究会が約300人の要支援1、2の介護予防訪問介護の利用者を対象として、家事の遂行能力を2年間、追跡調査した結果についてです。2年間で介護度が改善した人の改善要因の一つは、生活支援と生活機能向上サービスメニューを前向きに実施したことでありました。自立支援型のサービス機能を高める予防給付の取り組みをすることが重要と言えます。
 利用者負担の見直しを求める意見がありますが、利用者も含め、高齢者は1号保険者として保険料を負担しています。負担の公平化は、公平な保険料負担によってなされるべきです。一定以上の所得者の利用負担でありますが、番号制度の活用分野は確定していませんが、公的年金だけが捕捉されるのであれば、320万円という額は非常に限られた人たちであると思います。介護保険制度の枠を超え、年金制度とかかわることですが、税務当局が番号制度の活用分野の中で民間保険会社に受給者の共通番号の提供を求めるようになれば、民間年金の収入も捕捉できるようになります。そうすれば、320万円を超える人たちは増えます。この点と3号被保険者問題について申し上げます。
 現在、3号被保険者は、勤め人の夫、あるいは妻の扶養を受けていれば、保険料を負担せずに基礎年金を受給できるという不公平があります。共働きの女性や独身の女性は、しっかりしておりまして、民間年金に加入している人はかなりいます。その結果、320万円を超えて2割負担になった場合、3号被保険者に関する不公平は更に拡大します。例えば3号被保険者の妻が要介護、夫が元気な高所得者というケースは、妻の収入が基礎年金のみであれば、夫の収入に関係なく、1割負担になります。更に、3号受給者については、将来、年金2分割となれば、夫の年金額が320万円以下に下がり、高額所得者であっても夫の利用者負担は1割適用になります。一定以上の所得者の利用者負担を議論するなら、このような不公平についても議論すべきであります。
 最後に、介護職員の処遇改善を介護報酬で対応する場合は、事業所の管理者を含め給与水準の公表制度を設けるべきであると思います。介護サービス情報公表の項目に追加してはいかがでありましょうか。
 そのほかの点についても、言ったほうがよろしいでしょうか。

○山崎部会長 簡潔にお願いいたします。

○木間委員 昨年と変わらないということでよろしいですか。

○山崎部会長 わかりました。では、小林委員、お願いいたします。

○小林委員 何点か申し上げたいと思います。
 まず、介護保険制度の成り立ちから考えますと、介護納付金の総報酬割導入については、給付財源確保という観点というより、先ほど御意見がありましたように、制度を支える財源の負担の在り方について議論した上で、事務局の提案がふさわしいかどうかということを考えていく必要があるのではないかと思います。
 それから要支援者の利用者負担についてですが、現役世代の負担が相当重くなっており、各医療保険の保険者の財政状況が非常に厳しい中で、必要性の高い介護サービスに重点化していく観点から、予防給付でも効果のないものについては給付の対象から外すことを検討すべきではないかと思います。
 次に、一定以上の所得者の利用者負担についてですが、160万の事業所のうち、4分の3が10人未満の従業員である中小零細企業をカバーしている協会けんぽとしては、これ以上、保険料が引き上がるような事態は何としても避ける必要があると考えております。社会全体で支えるという介護保険制度の趣旨から見ても、一定以上の所得がある高齢者の方には応分の負担をお願いしたいと思っております。
 それから、最後に補足給付における資産等の勘案ということについて、社会保険制度は、給料を通じて生計を立てる現役世代からの保険料でもって支えるという原則があり、これまで、右肩上がりの経済成長下では有効に機能してきたと思いますが、昨今の経済情勢から見て、現役世代の保険料を主たる支え手とする構造では、近い将来、成り立たないのではないかと思います。現役世代は、資産も少なく、給与から保険料を天引きされ、かつ、次世代を育成するという重要な役割を同時に担っております。こうした点を考えますと、中期的な対応としては、資産に着目したサービス提供という観点も真剣に考えるべきときに来ているのではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 齋藤訓子委員、お願いいたします。

○齋藤(訓)委員 ありがとうございます。前回、意見を申し上げておりませんので、発言をさせていただきます。日本看護協会としましても、内部で議論いたしまして、本日、結論を持ってまいりました。
 総報酬割導入につきましては、基本的にお願いできないかなと思う次第です。財源の肩代わりということではなくて、当然、今、小林委員が発言されましたように、予防の効果のある給付に重点を置いていくということと併せて、御負担をお願いできないかという次第です。
 それから要支援者の利用者負担につきましては、利用抑制によって重度化していくことが非常に困るわけです。介護予防については、要介護者とは違って、必ずしも予防の必要性を認識していない方々に周知・啓発を含めてかかわっていくサービスですので、利用者負担を上げてかえって重度化が進んでしまうということでは、本末転倒でございます。ですので、給付の内容はきちんと検討した上で、効果の見込めるサービスに給付を重点化するという形で、利用者負担引き上げは、今回は行わないということでどうかと。
 それからケアマネジメントに係る利用者負担も、私どもとしては、現段階では時期尚早であると考えます。併せて、ケアマネジャー資質向上の対策が明確に示され、効果のあるケアプランがつくられて、その上で、ケアプランについての評価をどうするかという議論であれば、検討に値することだと思いますが、今の時点で、ケアマネジャーの資質向上等のプランニングも何も示されないままで利用者負担を求めるということであれば、御利用者や御家族のニーズというよりは、デマンドに引きずられていくのではないかと思っております。必ずしも、今、利用者負担を導入したからといって自立を促すプランになり得るかというと、そうではないと思いますので、是非、ケアマネジャーの資質向上のプランニング、それから併せて適正なケアプランになっているのかどうかを検証できる仕組み、こういったことを併せ考えていった上で、その効果をはかり、その上で次回改定に向けて利用者負担について検討すべきかと思っているところです。
 それから、ほかの項目につきまして、特に一定所得以上の利用者負担、それから補足給付における資産等の勘案につきましては、やはり経済状況等を考えれば、利用する側の負担というのも併せて考えていかなければならないのではないかと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 では、小島参考人。

○小島参考人 私は、黒岩知事の代理として出席していますが、今回の発言については、全国知事会で事前に調整した内容ではなく、私ども神奈川県の意見ということで御承知をいただきたいと思います。
 一点目は第1号保険料の低所得者保険料軽減強化でございますが、こちらは、皆様も言っているように、一定の高所得者に負担増を求めることによって、低所得者対策として行われるのであれば、賛成だと思っております。ただしその場合には、国が一定の基準を定め、一律的な恒久措置ということで講じていただきたいと思います。
 先般、この会の中でも、保険料率の軽減以外に減免等の措置を講じている保険者も存在するということは我々も承知していますが、不均一による賦課や減免は、一律に行うものではなく、地域の特別な事情に応じて保険者の判断で行うべきものだと思っておりますので、安易に助長するべきものではないのではないかと思っております。
 また、所得に資産を加味するという意見もございますが、やはりこれは、資料にも出ていますが、金融資産の把握は事務負担がかなりございます。そういったこともありますし、また、住んでいる不動産を切り売りすることができないということもありますので、居住用不動産を除くなど一定の配慮も必要かと思いますので、この点については更に議論を深める必要があるのではないかと考えてございます。
 なお、第1号保険料の賦課の関係ですが、現在、所得の捉え方が住民税の課税標準とは一致してございません。例えばマイホームを売った場合には、所得税や住民税は控除されるのですが、介護保険料の課税標準になっている部分は控除されない。そんな関係から、一時的にかなり高負担を強いられるという方がいらっしゃり、県に審査請求などが寄せられているという実態がございますので、ここは住民税の課税標準に統一していただきたい。
 加えて、先般も申し上げましたが、現行制度で多段階制を用いており、私ども県下の鎌倉市の例では、13段階までありまして、一番下の第1段階は0.45を乗じてございます。一番上は、所得1,500万円以上で2.45倍というような多段階制を既に行っています。もう限界があるかということでもあり、やはり将来的には、所得に保険料率を、税率のような率を乗じる方法に移行すべきではないかと考えてございます。
 ケアマネジメントに係る利用者負担、これは、私どもとしては適当だと考えていますが、ただ、やはりマイプランの作成などが増えてしまうということがございます。そうなるとその場合には、マイプランですと負担を求められないということもあり、保険者がそのマイプランを承認する際に、負担を求めるといった、制度構築をお願いしたいと思っております。
 最後に、多床室の関係でございます。私どもとしても、ユニット型個室というのは推進すべき立場にはございます。26年度末までにユニットの割合を7割に高めたいという思いは同じでございます。現在のユニット型個室と多床室の給付の範囲内に不均衡があるというのは三上先生からも言われていて、我々も、やはり減価償却の問題はあるのかなと思っていますので、減価償却費の一部の負担を求めるということは賛成でございまして、11月10日の介護給付費分科会で示された案でもよろしいのかと思っていますが、ただ、一点、分科会で示された中で、なおユニット型個室を推進するために、24年4月1日以降に新設する合築型の特別養護老人ホームに対する多床室の報酬については、通常の報酬よりもペナルティとして下げるという資料がありました。これは、我々としては、地方分権一括法によって、特別養護老人ホームの居室定員1名というのが「参酌すべき基準」とされたわけでして、やはり「参酌すべき基準」となったのであれば、当然、地方自治体として地域の実情に応じて、異なる内容を条例によって定めることができるわけです。ところが、そこを報酬によって、国がシャットダウンするのであれば、それは法の趣旨に反しておりますので、そこは容認することはできないということを申し上げたいと思います。
 また、減価償却費の一部が、8,000円相当ということで議論がございましたが、当時の補助水準であればその減価償却費でよろしいのかと思っていますが、例えばこれから建築をするとなると、建築費の補助の水準はかなり下がってきているので、取得原価が高くなってきている。そういったことを考えると、減価償却というのも変わってくるのではないかと思っておりますので、その辺りも併せて検討していただければと思っております。できれば、ユニット型個室と同様に、第4段階の方、所得のある方についての居室料というのは事業者に委ねて、一定のガイドラインの下で事業者が設定する、こういう仕組みに移行してもいいのではないかと、考えてございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 田中委員。

○田中委員 私は、介護サービスの質の向上ということと併せまして、介護従事者の方々が安心して意欲と誇りを持って、やりがいを持って働いていただけるようという観点から、少し意見を述べてまいりたいと思っています。
 まず、総報酬割についてでございますが、これまでの議論の中で、2025年までに介護サービスの充実、そして施設、居住系サービスにおいても、ケア内容や居住環境の向上が必要とされてきたところでございます。そのためのマンパワーについても、介護従事者を現在の140万人から、更に90万から100万人確保することが求められています。しかし、この先、2025年、すなわち、これから十数年間の間にどのようにして100万人の方々を介護従事者として確保していくのでしょうか。確かに、介護職員処遇改善交付金は、十分とは言えないまでも、効果がありました。しかし、この処遇改善交付金は、ほとんどの事業所においては一時金や諸手当等として支給されておりました。これでは、介護職員の方々自身の将来の生活設計、生活保障には必ずしもつながらないものとなっております。処遇を本来の意味で改善するためには財源の確保が必要であり、そういう意味において、今回議論されております負担の公平化ということにおいて、総報酬割の導入といったことを検討すべきではないかと考えております。
 併せまして、10ページにあります介護職員処遇改善交付金に関して意見を述べさせていただきたいと思っています。さきの議論のときに申し上げましたけれども、私ども介護現場においては、労働組合が組織化された事業所というのはほとんど皆無と言っていい状況でございます。そのような中で、これまで議論されたように、賃金というのは、労使双方によって、話し合いによって決められるべきだということについては、処遇改善につながりにくいということは御指摘させていただいたとおりでございます。そういう意味で、介護職員の処遇改善交付金、現在の制度が介護報酬に組み入れられた場合においては、事業者における人件費率というものを、介護サービス情報の公表等にきちんと組み入れることも可能だと考えております。
 なぜならば、介護保険制度では介護サービスについては財源の半分に税金が投入されているということもあります。また、要介護度の段階設定によるニーズ把握や、また、それに伴う適切なサービスの提供を行うためのケアマネジメントなど、単なる商業ベースの一般的なサービスと異なっております。そういう意味において、公共的な、ないし社会的なサービスとしての観点において、人件費割合を公表することは是非必要だと考えております。
 次に、利用者負担についていくつか述べられておりますけれども、利用者負担に関しては、まず合意が得られるかということの視点から意見を述べさせていただきたいと思っております。この介護保険制度というのは、利用者の側から、そのサービスに対して意見を述べることも可能になっております。すなわち、利用者の権利擁護ということについて、苦情や相談については、各都道府県国保連の方に相談することも可能ですし、また保険者に直接言うことも可能です。また、福祉サービスということであるならば、各都道府県の社会福祉協議会の運営適正化委員会においてそういった苦情相談することは可能となっておりますが、実は私もさまざまな形で各都道府県の国保連の、すでにインターネット上で公開されているそういった情報についても拝見しましたところ、相談・苦情件数が増えているという実態がございます。その内容は、ケアマネジメントに関するもの、施設サービスに関するもの、居宅サービスに関するものもあり、実はここで大切なことは、利用者の理解を得るという観点から言うならば、そういった苦情の内容についての正確な分析、単なる苦情があったからこうしたらいいよということではなくて、国としても、なぜ国民が、利用者の方々がそのような苦情相談を寄せられたかについての十分なる分析といった視点があって、それに対する解決を図ることによって、利用者の介護保険制度そのものに対する理解や、あるいは負担増の可能性についての了解が得られるものと考えております。
 そういう意味において、今回のように、財源がないからということでの負担増ではなくて、サービスの質という観点から、利用者の視点での意見はなかなか通りにくいのですが、現実的にあるデータもあります。そういったものも活用することによって、今後の利用者負担への議論につながるものと考えております。
 以上です。

○山崎部会長 藤原参考人。

○藤原参考人 社会保障と税の一体改革の観点から、総論を一つ、それから各論を二点申し上げたいと思います。
 まず、私どもとして一番考えなければいけないと思っているのは、保険料率の引き上げ、これは雇用に対する課税強化という意味を持つのだということをしっかりと覚えておかなければいけないと思っております。我が国における事業環境につきましては、円高や電力供給問題、こういうものが非常に大きな障害になってきているわけですけれども、この上、更に国内での事業活動の阻害要因というものが増えることになれば、空洞化はますます早まってしまいます。我々はオープン経済にいるということをしっかり覚えておいて、この議論をしなければいけないと思っております。
 また、現役世代につきましては、介護保険以外にも、高齢者医療、年金の負担が重くのしかかっております。今後の現役世代の急速な減少のもとで今の仕組みを継続するということは、現役世代の負担が急増するということを意味しております。
 今、現実に40代の生涯における給付と負担のバランスというものは既に崩れておりまして、負担の方が大幅に上回ってきております。その先の世代になればもっと給付と負担のバランスは崩れていくということになります。これ以上、現役世代に過度に依存する仕組みというものは限界に来ていると思っております。
 そればかりか、私どもが今やらなければいけないのは、高齢者への給付を抑制し、現役世代の負担を抑制するということが各制度で貫かれていくということでなければいけないと思っております。単なる負担のつけかえだけで制度をいじるということでは、社会保障制度の持続可能性は確保できないと考えておりますので、この点を十分に認識しておく必要があると思います。
 続きまして、各論について二点申し上げます。一点目は、介護納付金の総報酬割の導入でございます。公費財源の確保を目的に総報酬割を導入し、一部の保険者に負担を求めるということについては、反対でございます。財源確保のつじつま合わせのために負担方法の変更ということをする前に、優先すべきは給付の重点化、効率化ということであって、費用の伸びの抑制をまずはビルトインするということが必要だと思います。
 繰り返しになりますけれども、現役世代にとって、介護保険は保険料負担はあっても給付は原則として受けられないという制度になっております。そのような構造を踏まえて、加入者割が選択されたという制度の創設経緯というものを、今、もう一度思い出す必要があると思います。40歳以降の働き盛りの現役世代に対して、給付はしないけれども保険料負担は増やすよと説明しても、納得が得られるとはとても思えません。
 二点目、処遇改善交付金でございます。これについては、もう一度同じことを繰り返させていただきます。処遇改善交付金というのは、緊急対応であって、時限措置というのが大前提だと考えております。現時点でこの制度の効果を振り返ってみますと、現状では離職率は低下して、需給状況も改善しております。こういう状況をかんがみますと、交付金の措置を継続する必要はないと思っております。
 また、交付金措置を介護報酬の中に取り込む必要もないと思っております。経営実態調査から、ほぼすべてのサービスで収支改善が大幅に改善しているということで、交付金がなくなったとしても、十分に処遇改善に回す余力はあると判断いたします。必要な労働力の確保というのは経営努力の中で行うべきものでありまして、産業全体で賃金が低下傾向の中で、介護業界だけが継続的に特別扱いを受けるというのは問題であると思っております。
 以上です。

○山崎部会長 では、順番にお願いいたします。

○山田委員 ありがとうございます。まず、基本的な話ですが、給付の重点化・効率化で自立支援に資するサービスの原点に返るべきだと。これは河原委員の意見と全く同感でございまして、その考えに沿ってサービスを見直すことについては賛成であります。
 あと、個別の論点については、我々の今までの発言から今日書かれておりますので、それを省いて、二点だけ言わせていただきます。
 一つは、利用者の自己負担を増やすという話でありますが、現在の利用者の状況を振り返ってみますと、利用者負担の金額の多い少ないがサービス選択の大きな要因になっております。そういう意味で、今回、この利用者負担を増やすという措置がとられますと、もともと、例えば介護予防サービスにおきましては、要介護状態への移行をおくらせる、あるいは防止するという目的がありました。利用者負担を増やすことによって利用者の利用抑制がかかり、むしろ悪化する傾向が強まるという危険性があると思います。そうしますと、結果としては給付の増ということにつながっていきますので、この利用者負担を増やすことによって、どの程度影響があるのか、利用抑制に対する影響があるのか、そういう検証をきちんとやった上でこれはしないと、非常に危険だと理解しております。
 次に、介護処遇改善交付金の話でありますが、今まで、私の立場、あるいは私たちの立場は、基本的にはこの2%相当の金額を報酬の中に組み込んでいただいて、施設運営の判断の中で、職種に関係なく必要な処遇改善に資するという形にすることが望ましいと主張させていただきました。ただ、現在、この報酬に組み込むという際に、はっきり真水で現在の交付金相当が追加されたということがわかる形でその措置をしていただいた上でなければ、今の状況で、どこかに消えてしまうということであれば賛成いたしかねます。勿論、処遇改善にきちんとつながっているということを公表することに関しては、私も賛成であります。
 我が国の労働人口がこれから減っていく中で、今後、介護サービスを充実する職員の確保が国民的課題である中で、このように現場に介護保険における運営に対する不信感をきたすような見直しというのは現時点では賛成いたしかねます。3年前には、たしか将来、次の改定では、介護報酬の中にきちんと入れていくという前提でこの話はあったと思っておりますので、今の時点ではしごを外すということは絶対やってはいけないと思います。
 あと一点、追加ですが、資料1で、右側に「事業者自らの努力による処遇改善の実施→介護事業者の経営状況の改善」という表がございます。収支状況の3年前との比較が出ておりますが、経営状況を見るときには、これは介護給付費分科会でも申しましたが、私たち素人でも、キャッシュフローとか損益計算、いろいろ併せて見ないと、本当に経営が改善しているのか、経営の状況というのは判断できないと思いますし、私たちは経営の継続性、安定性というのも求められておりますので、軽々にこういう表で経営状況改善しているからいいと判断していただきたくないというのが一つと、もう一つ、ここで特養と老健を並べてありますが、課税状況が特養と老健は全然違うということは給付費分科会でも指摘され、その後、税引き後の訂正の資料が出ているはずでございます。
 そういう意味では、きちんとした資料を出していただかないと、また誤解を招きますので、我々は訂正の資料も、療養型と比べておかしいのではないかという意見を持っておりますが、それもそのとき発言させていただきました。そういう意味では、こういうのを軽々に出していただくということに対しては、非常に不信感といいますか、困っておりますので、その辺はよろしくお願いいたします。
 以上です。

○山崎部会長 三上委員。

○三上委員 最初に、社会保障と税の一体改革の成案をもとに、大体こういう利用者負担を増やしていこうという流れが書かれているのではないかと思うのですが、このことにつきましては、この会の最初のときに、副大臣が、税と社会保障の一体改革の成案にはとらわれないと、これは閣議報告という非常に軽い扱いになっているもので、とらわれないということを言われたということを確認しておきます。
 その上で、先ほどからも、経済学者、あるいは保険者の立場で、利用者負担を推進すべきだというお話がどっと出たのですけれども、介護保険の理念というのは、介護の社会化ということで、社会保障、あるいは社会連帯ということが基本だと思います。利用者負担ということですけれども、これは財政安定化するには必要かもしれませんが、医療保険、介護保険を利用せざるを得ない人というのは受益者ではなくて、受難者だという考えに立たないといけない。利用者負担を増やすということは受難者負担を増やすということで、全くこの介護の社会化には逆行するものではないかと思います。
 負担の公平化という観点からは、資料2の2〜3ページにあるような総報酬割の導入というのは当然のことだと思います。また、多床室の室料負担も、ユニット個室と同じように、応分の負担をすべきではないかという意見ですが、これを個室ユニット利用者の負担軽減につなげるということには非常に違和感を感じます。更に、そもそも、多床室のサービス費の中に室料として徴収すべき居住費が含まれているのかどうか。今まではこれは含まれていないということで整理してきたのですけれども、もし含まれていて、これを切り出すということであれば介護保険法違反だとも思いますので、これは問題があると思います。
 それから利用者負担のところで、一定の所得のある方から負担を増やせばどうかとか、さまざまな意見が出ておりましたけれども、岩村委員の方から、1割を2割にした場合にどうなるのかということですが、現在でも、支給限度額の50%ぐらいしか利用されていないということで、これを2割にすれば更にこれが少なくなるのではないかと思いますので、ここは反対の立場をとらせていただきます。
 それから9ページの施設サービス費の問題ですが、重度者に重点化していくという話はいいわけですけれども、支給限度額を超えていると書かれていますが、これには当然、給付調整の中で医療費の部分も全部含まれております。ですから、高くなるのは当然だと思います。在宅サービスを施設サービス並みのものとすれば、極めて多くの費用がかかるということは周知のことですし、現在新しくつくられました24時間の定期巡回・随時対応のサービスについても、モデル事業をシミュレーションいたしますと、要介護3で、25万の支給限度のところが37万円かかった、あるいは要介護5では、35万円のところは67万円かかるというようなことで、極めて多くの費用がかかっているということがわかっております。ですから、施設サービスが非効率であって、在宅が効率的なので、そちらの方にシフトすべきだという論調というのはやめていただきたいと思います。
 それから、処遇改善のことですけれども、デフレで、物価スライドという意見が出ておりましたけれども、これは全く違っておりまして、介護の世界というのは一般産業よりもまだまだ賃金が低いので、物価が下がっているといっても、介護職員の処遇はまだまだ改善していかないといけないという考えに立たないと、これはもうおかしな話になる。今までずっと物価スライドで医療や介護は来たわけではございませんので、その部分のひずみを是正するときなので、その話はおかしいのではないかと思います。

○山崎部会長 桝田委員。

○桝田委員 まず、今の状況の部分で、社会保障・税の一体改革成案の中の話が大分出てきていますけれども、消費税に頼った社会保障というのは、一つの考え方としてやむを得ない部分があると思うのですけれども、一方、介護保険制度自体も、消費税を期待するだけでなくて、やはりスリム化する時期に来たのではないか。財政状況から考えますと、そのスリム化の中にまず効率化と応能の負担という両面が出てくると思うのですけれども、効率化の中に、単に必要だから、必要性がどうのというだけでなくて、思い切った、いわゆるカットというのも要るのではないか。
 そこの部分でまず一番考えられるのが、いわゆる周辺経費。要介護認定に必要な、今かかっている費用とか、今、認定を受けられても全くサービスを使わない人というのがかなり多いとか、そういう状況があります。それから介護予防支援。本来、要支援1、2の方というのは自己決定ができますので、当然、必要性はわかるのですけれども、そこも思い切って切ってしまうということも考えられるのではないか。
 実際のサービスの面になってくると、今、議論されているのは、例えば一定所得者の方の負担を増やすという部分が出てきますけれども、所得に応じた段階的な分で保険料は払っている。そうすると、サービスの方はやはり一定の部分で払ってしかるべきではないのか。それが、今、介護保険制度自体は1割負担で来たのが、それでも足りないのであれば2割負担にするなりの議論をして、所得が多いから少ないからではなくて、そこは基本的なベースを決めて負担を決めると。
 ただし、その中に入ってくるのが、低所得者に対する部分の対策として、例えばそれが1割負担なり補足給付なり、そういう低所得対策を入れていく、所得が多いから2割負担をお願いしますというのは少しおかしいのではないか。その中で、例えば、今、ケアマネジメント、無料ですね。その考え方から言うと、やはりそれなりの負担というのもやむを得ない部分に入ってくるだろうし、補足給付の部分で考えられる低所得者の捕捉するときの資産要件というのも、リバースモーゲージでもいいですし、何らかの形を導入しないと、逆のいわゆる不公平というのも出てくるだろうと。そこらの部分でお願いしたいと思います。
 それと、処遇改善交付金ですけれども、今、財政的に交付金の継続という形がだんだん消えていって、介護報酬の中の議論の方が強くなってきた。その中で、いわゆる給与水準等の公表というお話が大分出てきていますね。その報酬の中に入れるときに、無条件で何らかの形で入った場合は、給与水準の公表というのはおかしい。当然、各事業者がその介護報酬の中の使途制限を受けるべきではない。
 ただし、加算という形、今つくられているスキームの加算で入ってくるのであれば、いわゆる加算の中で使途が制限された分で条件を満たせばOKですよという形になりますので、その中に給与水準等の公表があってもしかるべきだろうと。無条件で入った場合は条件は付すべきでないし、条件づきの設定であれば、そこに条件があってもいいのではないか。
 あと、要支援者の問題という部分のいわゆる予防給付の部分は、やはり内容を吟味していく、成果があったのかなかったのかの検証というのが非常にされてない部分が多いし、弱いですので、そこは、ちゃんとした成果があるのかないのかの検証は早急にすべきではないかと思っております。

○山崎部会長 では、橋本委員。

○橋本委員 三点ばかり意見を、プラス、もう一つ感想的なことを申し上げたいと思います。
 まず一つ、ケアマネジメントのことであります。結論的に申し上げれば、ケアマネジメントに利用者負担をつけることは反対であります。その理由でありますが、私は、ケアマネジメントの問題は、要支援の方と要介護の方で違うケアマネジャーがつくことが非常に問題だと思っております。ケアマネジメント、そしてケアマネジャーというのは、仕組みでもありますけれども、同時に、地域の中で介護を中心とした生活課題を抱えた方のそばに寄り添って専門的な支援をしながらずっと継続的に見てあげる人がいるということが大事な機能なのです。
 そのような意味で言えば、御承知のように、今、予防のケアプランは地域包括支援センターで立てる仕組みになっておりますが、これは非常に問題だと私は思っております。介護支援事業所に委託ができるとかその収入が地域包括支援センターの経営に役立っているというような言い方があるわけであります。これは利用者の側から見れば、大変に違うと思います。また、委託ができるということでも、この委託費の問題もあって、なかなか居宅介護支援事業者は委託を受けません。そんなことで、結局、利用者が、要支援と要介護ではケアマネジャーがかわるということで非常に困っているという現実、これは考えなければいけないと思います。
 そういう意味で、ケアマネジメントを考えるときに、専門性だとか、実施機関の問題等もあるわけでありますが、ちょっと違う視点で考えると、今回の議論も地域包括ケア推進ということが大変大きなテーマになっております。その地域包括ケアを進める際に、やはり基幹的な、中心的な機能になるのは、私は、地域包括支援センターだと思っております。
 すでに資料も示されておられるわけでありますが、地域包括支援センターの仕事、業務が介護予防のケアプラン、ケアマネジメントに割かれている部分が非常に多くて、本来的に地域包括ケアを進める地域支援でありますとか、それから、後で申し上げたいと思いますが、虐待のことでありますとか、それから地域のケアマネジメントの支援等の機能が十分に機能し切れてないということを考え、また利用者の側からすれば、要するに重要なのはケアマネジャーなのです。同一のケアマネジャーが継続して利用者を見ていかれるような仕組みをつくっていくことが、生活に介護問題で課題を抱える方の一番大事なサービスだと思っております。
 そういう意味で、ケアプランは予防のケアプラン、要介護のケアプラン含めて居宅介護支援事業所でつくる仕組みとするべきだと思います。そして、それによって地域包括支援センターの機能強化につながり、地域の中で、地域包括ケア、地域の中のさまざまな介護に係る支援が強化されます。御承知と思いますが、地域包括支援センターがかかわる問題というのは多問題ケースが多くて、必ずしも介護問題だけにとどまらない、本当にその地域の中でソーシャルワークの機能を発揮していくものであります。その意味で、地域包括ケアの本当に支えになる機関、これを大事にできるということにつながると思っています。
 二つ目は処遇改善交付金の問題でありますが、私は、これにつきまして、一つの評価は、利用が事業所の80%であるということを注意しなければいけないと思うのです。それは、やはり使いにくい仕組みであるからであります。勿論、財源の性格等もありますけれども、大事なお金が、事業所の機能強化、そして働く人の支援につながっていくということ。ということは、このお金は、職員の定昇財源として、給与の基本的な、職種に限らないで、支えられる財源になっていくべきだと考えます。介護職だけではない、スタッフ全体を支えられることが大切です。介護は連携が大切であります。それを支える仕組みにしていくといえば、結論的には介護報酬に乗せるということが妥当だろうと思います。
 三つ目は、低所得者、特に施設利用のことについて申し上げたいと思います。今回、低所得者に対する手当てをしながらも、公平、応能という視点から負担も強めていくということでありますが、実は地域の中で多くの声を聞くのは、介護問題を抱えて、本当に家族も介護できなくなったときに、特養の利用料が高くて利用できないというものです。これは、多くの場合、ユニット型の施設ということだと思いますが、今後ユニット・個室型の施設を増やしていくわけであります。そうすれば、やはり施設利用の負担増に着目して考えていかなければ、夫婦で年金のみの収入者、低所得者の方に対して果たしてどうなのか。介護の、あるいは最後の生活のセーフティネットとしての機能、これは実は特養が担っているということ、御承知のように、低所得者、そして重介護者が多いのが特養であります。そして、最後の看取りも担っているのが、介護3施設の中で特養であります。そのように考えれば、夫婦で年金のみの収入の高齢者、低所得者のためには、やはり福祉的な機能としての特養を再度見直すべきだと思います。これは、私は、低所得者対策を基本的には保険財源で考えるということの無理があると思っております。やはりこれは福祉的なケアとして、福祉施策の中で考えていくべきであると考えます。
 四つ目であります。これは私の従来思っている感想でありますが、介護保険がスタートして、当初は私的介護から社会的な介護へと言われました。今も、地域包括ケアと言われますが、しかし実際的には、やはり今も地域の中で要介護者を支えているのは家族なのです。実は今回のテーマ、論点と外れるかもしれませんが、今後の日本の介護問題を考えていくときに、家族ケアをどう考えるか、再度考えなければいけない。
 というのは、介護する家族もいる。しない家族もいる。そして、介護負担を大きな理由として虐待も起こる。何で起こるのか。そういうことを考え合わすと、単に効率ということだけでなく、お金の使い方を考えなければならないのではないか、私どもは、幸せな超高齢社会、どうやって高齢者を社会で支えていくか考えていくときに、介護に当たっている直接家族を、介護の資産、担い手として見る見方も必要なのです。家族であってもそれにはそれなりの仕事として位置つけ、訓練をし監督もして、報酬を支払っていくことが大事であり、必要なのです。
 単に、ショートステイ、デイサービスのようなレスパイトサービスで支えるということだけでなくて、もっと積極的に、労働として位置づけることによって、地域の中で介護する、介護を支える家族の不公平感とかから解放され、家族がケアに当たれるインセンティブにつながると。そこを考えることが、今後日本での介護の問題、お金のことであると同時に、介護の手の問題だと思います。これはもう確実に減っていく中で、家族をどう考えるか。ちょっと問題の最初に立ち戻って、社会的な介護で、というだけでいかなくなっている現実を厳しく見つめることが必要なのです。是非考えなければいけない課題だと考えております。

○山崎部会長 では、最後に木村委員、簡潔にお願いします。

○木村委員 要支援者の利用者負担についてですけれども、前回お話ししたとおり、ここは適正なケアマネジメントをきちっと入れていくということで、負担増はするべきではないということです。
 それから、ケアマネジメントに関する利用者負担に関しても、このことに関しての理由は前回と前々回お話ししていますので、反対の立場であります。
 更に、総報酬制でありますけれども、負担能力に応じた平等な負担という観点からいきますと、やはりここは一つの選択肢として入れていく必要があるのではないかと考えています。
 それと、処遇改善交付金でありますが、報酬改定でそこに盛り込むということでやるべきという、今の状況ではそれしかないのかなあという考えを持っています。
 それから、先ほど北村委員からもお話があったのですけれども、今、法律的なことの改正の話が出ているわけですので、私は、2号被保険者の年齢の引き下げの検討をするべきだと思っています。一気に20歳とかではなくて、今、現場にいて、若年性認知症の方々を支えていくとなりますと、30代で発症して、その人たちが、まさに先ほどの保険事故ということでありますと、そこを支える仕組みがないというか、介護保険上はないわけでありまして、ですから、2号被保険者の年齢引き下げの議論も別にするべきではないかということであります。
 以上であります。

○山崎部会長 事務局から。先ほど大西委員からの御質問もありましたが。

○度山介護保険計画課長 いくつか補足させていただきます。
 まず、総報酬割の対象ということですが、理論的には、それはいろいろな考え方が取り得るのだと思います。ただ、現実に、現在、後期高齢者制度で支援金についてとられている総報酬割の制度がどうなっているかということと、それに伴います関係者の認識としては、やはり同じサラリーマングループの中での助け合いという理解のもとに進められているというのが現実ではないかと理解いたします。これはやはり保険料の賦課ベースをどうとるかというところが一番の問題になってくると思います。
 二つ目が、総報酬割についての考え方ということでありましたけれども、社会保障・税一体改革では、最初に、資料1で御説明いたしましたとおり、これから負担が増えていく中での負担というものを公平に行っていくためには、応能制をある程度高めなければいけないのではないかと。そういう考え方のもとに提案がされていると認識しております。それであれば十分時間をかけて議論すべしという御意見もあろうかと思いますけれども、それを段階的に実施していく中で、来年度どうするかという、やや急な議論になっている点については申し訳ないと思っております。
 最後に、低所得者の軽減のところで、各自治体の例を申し上げたところでありますが、あれは一つの、段階が6段階ある中で、プラスアルファの軽減として実際にとられていることの例として申し上げたので、前回御説明いたしましたように、それは地方任せではなくて、一定の基準を国において定めて、そこに公費を投入する考え方であるという点は補足させていただきます。
 以上です。

○山崎部会長 最後になりましたが、私も一言、一委員として発言させていただきたいと思います。
 今、事務局から、総報酬割については国保は対象になるのかどうかという質問について、現時点では被用者保険の中で考えているという御説明だったのですが、私は実は、大西委員はおわかりかと思いますが、国保については国の調整交付金がありまして、つまり、高所得の保険者については調整交付金が減額されていて、低所得の保険者に対しては手厚い調整交付金が入っております。ということは、逆に言うと、所得水準の高い保険者は保険料負担が重いということでございます。所得水準の低い保険者は保険料負担が低いということでございまして、事実上、調整交付金を通して、その裏返しである保険料水準が違っていて、国保の中、非常に難しい制度になっているのですが、実質的に国保は所得に応じた第2号の保険料を負担していると私は思っております。
 それが一つと、それから、総報酬割については非常に不幸な議論になりつつあるのではないかと思っているのですが、単なる財源対策ではないかという御意見もありますが、一方で、負担能力に応じた負担という要素を強めたいというのも当然のことだろうと思いますが、私自身は、今、介護報酬について、給付費分科会で、特に都市の介護報酬を重点的に改善したいと。具体的には地域係数を重点的に引き上げるという形で提案されているわけでございます。相対的に地方が下がるということでございますが、いずれにしても、地域の賃金水準を介護報酬に反映させるという考え方ですが、保険料について見ますと、協会けんぽというのは全国満遍なく事業所がありますが、実際にはものすごく給与水準に差がありまして、厚生年金は全部民間企業適用しておりますから、厚生年金のデータで言いますと、東京を100とすると、青森、沖縄という一番低いグループですが、63の賃金水準です。実は厚生年金の保険料、上限が62万というかなり低いところにありまして、実際はもっと、生の賃金だと地域間の格差があるのではないかと思いますが、協会けんぽはそれをそのまま反映しているわけです。
 ところが、組合管掌の健康保険は、全国に満遍なく事業所を持っているという企業はまれでございまして、特定の地域に事業所が集中しているわけです。ということになると、東京の保険者であっても、沖縄、青森の保険者であっても、一人頭の保険料は同じ負担ということになっております。地域の賃金の実態に応じた介護報酬を考える、それと同じ発想で、地域の賃金水準を支える世代である第2号被保険者の保険料に反映させるという考え方をとるべきではないかなと思っております。
 この限りにおいては、国庫負担をどうこうという話は一切私の頭の中にはありません。賃金の実態に合わせて負担をしていただいて、それを介護報酬にも反映させるということでございます。ですから、裏を返せば、今は地方の健康保険組合の負担が非常に過重になっているということで、それを下げるということになるかと思います。
 以上、一委員として発言させていただきました。
 それでは、一通り御意見をいただきましたので、今日の部会は終わりにしたいと思います。事務局の方から何か連絡事項がありましたらどうぞ。

○福本総務課長 日程は改めて調整させていただきたいと思いますが、次回、部会長と御相談して、とりまとめに向けての段階に進みたいと思います。

○山崎部会長 それでは、どうもお疲れさまでした。


(了)

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