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2011年9月7日 第2回全国健康保険協会業績評価に関する検討会議事録

保険局保険課全国健康保険協会管理室

○日時

平成23年9月7日(水)17:00~18:00


○場所

厚生労働省専用第18会議室(17階)


○議題

(1)全国健康保険協会の平成22年度決算・事業実績報告について
(2)平成22年度全国健康保険協会業績評価における評価項目(案)について
(3)業績評価の取りまとめに向けた今後の進め方(案)について

○議事

○土田座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第2回全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、おいでいただきましてありがとうございます。
 それでは、最初に事務局より、出席状況について御報告をお願いします。
○後藤室長 本日は、大変お忙しいところ、全委員の方に御出席をいただいております。協会からは、小林理事長以下、関係理事の方に御出席をいただいております。また、事務局といたしまして、保険課長の西辻、協会管理室長の私、後藤が出席させていただいておりますので、御報告いたします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、最初に西辻保険課長よりごあいさつをお願いいたします。
○西辻課長 保険課長の西辻でございます。委員の皆様には、大変お忙しい中、検討会に御出席いただきましてありがとうございます。
 また、本日は、これに先立ちまして全国健康保険協会の東京支部も御視察いただいたということで、誠に御苦労さまでございます。また、全国健康保険協会の方には、視察の案内等、これもありがたく思っております。
 この9月で、協会けんぽ、発足いたしまして、丸3年を迎えるということでございまして、この間、経済環境等、本当に厳しい状況の中でございますが、小林理事長以下、役職員の皆様の御尽力によりまして、運営が安定化しつつあると考えております。
 本日は、厚生労働大臣が平成22年度の協会けんぽの業績評価を行うに当たりまして、この検討会において有識者の皆様にいろいろな角度から御議論いただきたいと考えております。先般、2月に平成20年度と21年度の業績評価に関する検討会を開催いたしましたが、22年度の評価に当たりましては、本日ともう一回、10月に開催いたしまして、あわせて、御議論をお願いしたいと思っておりますので、活発な御議論を是非よろしくお願いいたします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、本日の議事の内容と配付資料につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
○後藤室長 それでは、資料の確認とあわせまして、本日の議事に関しまして説明させていただきます。
 まず、資料1の関係でございます。協会の22年度の事業報告、決算が付いておりますけれども、まずはこの資料1の関係、1-1、1-2、1-3を説明いただきます。
 それから、2番目といたしまして、資料2の関係でございます。業績の評価に関する基準(案)。それから、資料2-2が具体的な評価項目を一覧にしたものであります。それから、資料2-3といたしまして、評価シートのイメージを付けさせていただいております。この資料2関係につきまして、評価項目を含め、御議論いただくということで進めさせていただきます。
 そこで、評価項目が決まりましたら、今後の進め方につきまして、資料3で御説明、御議論いただきたいと思っております。
 参考といたしまして、参考資料1、船員保険制度の概要というもの。
 参考資料2といたしまして、平成22年度の協会の事業計画及び予算というものを付けさせていただいております。
 以上であります。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 最初に、協会の方から「平成22年度事業報告及び決算」について御説明をお願いいたします。
○小林理事長 全国健康保険協会理事長、小林でございます。まず、私の方から、当協会について一言御説明申し上げます。
 評価委員の皆様におかれましては、日ごろより当協会の事業に御理解・御指導いただき誠にありがとうございます。
 全国健康保険協会は、発足以来、間もなく3年を迎えようとしております。私たちの役割は、地域の実情を踏まえた自主・自律の運営を行い、都道府県単位で保険者機能を発揮すること、そして、民間組織として業務改革を進めるとともに、サービスを向上させることによって、加入者、事業者の皆様の利益の実現を図ることであり、詳しくは後ほど理事より説明いたしますが、改革の成果も少しずつ現れてきております。
 現在、協会けんぽの最大の課題は財政問題であります。協会けんぽの適用事業所は、中小・零細の事業所が大部分を占めております。このため、協会けんぽの財政力は、他の被用者保険と比べて、もともと非常に脆弱であります。更に近年では、標準報酬が下落する一方、給付費は増大を続け、後期高齢者支援金や前期高齢者納付金等もあって、協会の財政は逼迫しております。更に、リーマン・ショックもあり、巨額の赤字を計上するに至りました。
 こうした事態に対しましては、平成22年度から24年度までの3年間を財政再建期間として、国庫補助率の引き上げ等が行われましたが、保険料率は2年連続の大幅な引き上げを余儀なくされました。これにより、22年度決算では累積赤字が相当程度縮小しましたが、先ほど申し上げた構造的な問題が解決したわけではありません。
 当協会としては、24年度においては、保険料率の3年連続の引き上げや10%超えもあり得るとの強い危機感を持ち、こうした事態を避けるべく、関係各方面に国庫補助率の引き上げ等の要請行動を行っております。委員の皆様方にも是非御理解を賜りたいと考えております。
 来年度の保険料率をどうするかという当面の問題とは別に、構造的な問題への対応も必要であります。他の被用者保険と協会けんぽとの保険料率の格差は年々拡大しており、日本の経済や雇用の大きな部分を担っております中小・零細企業や、そこで働く方々の負担の増大をどうするべきなのか、社会保障改革の議論の中で、高齢者医療に対する負担のあり方を含め、当協会の財政基盤の強化の問題についても、是非御検討いただきたいと考えております。委員の皆様方にも御理解いただければ幸いでございます。
 当協会としましては、すべての加入者の皆様から、協会けんぽになって本当によかったと喜んでいただけるよう、役職員一丸となって改革の歩みを続けてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○高橋理事 それでは、総務担当理事の高橋でございます。よろしくお願いいたします。私の方から「事業報告書(概要版)」に沿って御説明申し上げます。それから、決算につきまして御説明申し上げます。
 まず、資料1-1をごらんいただきたいと思います。これは事業報告書の概要版でございます。事業報告書そのものは資料1-3でお出ししております。大変大部なものになりますので、この概要に沿って御説明します。
 まず、1枚開いていただいて1ページですけれども、加入者、事業者の動向です。被保険者と被扶養者を合わせて約3,500万人、適用事業所は約160万で、この辺は余り大きな変化はございません。
 医療費といたしましては、医療費の総額、保険給付費と自己負担額の合計が5兆4,521億円。保険給付費では、医療の方が約4兆円、それから現金給付費が約5,000億円といった動向になっております。医療給付費の方は増加率が3.9%ということで、22年度は診療報酬の改定があって、21年度より多少伸びる傾向になっております。
 それから、船員保険は22年1月から、国の事業から私どもの方に移管されたものでございますが、加入者は、こちらは単位が1,000人でございますけれども、被保険者が約6万人、それから被扶養者が7万6,000人で、合わせて13万人ちょっとで推移しております。これは、船舶の所有者数で事業所を数えますが、約6,000でございます。
 医療費は、総額で245億円でございます。
 従来、船員保険は労災部分と失業保険部分を持っておりましたが、私どもの協会に移管されたときに、労災と失業保険部分は国の方に全部移りましたので、21年度と22年度の数字は比較ができないものでございます。21年度の方は、労災に相当する職務上の疾病等の給付が入っている数字でございます。22年度は、入っておりません。
 それから、3ページに参ります。ここからは、事業報告書の中で私どものこれまでの財政状況を振り返った記述でございますが、それを簡潔に申し上げます。
 まず、医療費の出と、収入の保険料の入りの方を見比べてみますと、3ページに2つの棒グラフが書いてあります。被保険者1人当たり標準報酬月額は、1人当たりの給与でございます。これに保険料率を掛けますと保険料収入が出てくる。一方、上の方の点線は、被保険者1人当たりの保険給付費でございまして、根っこは医療費でございます。
 これは、平成15年を両方とも1として、その後の数字を指数化してみますと、収入の方のベースになっている給与は横ばい、ないしリーマン・ショック後、下降ぎみでございます。一方、医療費の動向の方は、ごらんのとおりずっと右肩上がりのトレンドになっているということでございます。
 これを見ますと、15年度を出発点としてだんだん開いていますので、出と入りの差が開いていますので、16年度辺りからすぐ赤字になってきたのかということになる感じがしますが、4ページをごらんいいただきます。これは、各年度の単年度収支差が茶色です。それから、その累積である準備金残高を青の棒グラフで示しております。この15年度はほぼ収支とんとんのときでありまして、それで15年度を出発点としております。
 16年度から18年度は、少し黒字が出ております。19年度以降、単年度収支が赤字に転換したわけですが、これはベースになっております給与と出の医療費の差がだんだん開いておりますので、基調としては、単年度収支は赤字の方向なんですけれども、図の下の方に書いてありますように、14年度から老人保健制度の対象年齢を1歳ずつ引き上げた。それで、老人保健の拠出金が横ばい、ないしわずかな増加で済んだ。
 それから、15年度から患者負担の3割化が入っておりまして、こういった制度改正が影響して、しばらく黒字が出ていたのですが、そういった制度改正の効果が大体出尽くしました19年度以降は、ベースにある赤字基調が表に出てきたということでございまして、かつ20年度以降のリーマン・ショックで大変大きい影響を受けたということでございます。
 21年度累積で3,179億円の赤字でしたが、22から24年度の3か年で財政再建期間ということで、国庫負担率の16.4%引き上げと保険料率引き上げを行っているということでございます。
 5ページに参ります。23年度の収支と全国の保険料率ですが、これは昨年年末での22年度の見込みでありますけれども、準備金残高1,116億円の赤字。これをあと2年間で解消するために、23年度はその半分の558億円の収支差を出すために保険料収入を確保するという方向で保険料率を設定いたしました。この結果、保険料率は22年度は9.34%、23年度は9.50%、これは全国平均でございますけれども、そういった引き上げになっているということでございます。
 6ページは、私どもの場合には、都道府県の支部単位で保険料率を設定しておりますけれども、各支部の料率を示しております。一番高いのが、北海道の9.60%、佐賀の9.60%。一番低いところは、長野支部の9.39%でございます。これは、暫定的に本来の料率より一定幅のところで料率を抑えておりますので、暫定措置がなくなりますと、この幅が更に広がってくるということでございます。ごらんのとおり、北海道と佐賀は9.6%と、10%にかなり近い数字になっているということでございます。
 7ページになります。この保険料率を設定する際に議論いたしました運営委員会の方から御意見をいただいております。記の1に書いてございますように、こういった料率の変更はやむを得ないということですけれども、同じ被用者保険である健康保険組合の保険料率との格差が拡大していることから、国庫補助率本則上限の20%に向けた一層の財政支援などの対策が講じられるよう、国及び関係方面に強力に粘り強く働きかけていくことを検討していただいております。
 これを受けて、私どもも厚生労働省に働きかけを行っているということでございます。
 それから、個別の事業の御説明に入ります。8ページからでございます。
 保険運営の企画では、まず私ども、保険者機能の強化ということで、いろいろな取組みを試みとしてやって、それを全国展開していこうということでございます。現在、パイロット事業としては、大体4つの分野、保健事業、療養費の適正化、支部の意見発信、遠隔窓口といったところでやっております。
 特に保健の方では、保健指導。私ども、地域的に非常に広がりがあるものですから、ITを活用してできるだけ効率的にできないか。それから、レセプトデータと健診データの両方を持っていますので、それをあわせて受診勧奨をうまくやっていけないかといった取組みを行っております。
 もう一つ、下にジェネリック医薬品の使用促進と書いてございます。これは、もともと21年度のパイロット事業として始めたものを全国に展開いたしたものでございます。これは、40歳以上の加入者の方で、生活習慣病の治療に新薬を使っていらっしゃる方に対して、ジェネリックに切り替えた場合に幾ら自己負担額が軽減されるかを通知しております。通知した結果、約4分の1、26%の方々にジェネリック医薬品に切り替えていただいております。効果額として、これは推定になりますけれども、年間70億円程度ということでございます。
 9ページ、10ページは、健康保険、船員保険の現金給付の支給状況でございます。
 数字をごらんいただくということですけれども、柔道整復師療養費を除きまして、通常の傷病手当金、出産手当金などの現金給付を合計しますと、300万件という数字でございます。傷病手当金だけで約100万、その他出産手当金11万、出産育児41万件といったものでございます。
 11ページ、12ページに参ります。大変規模の大きい現金給付を抱えているものですから、その中で一部、不正請求の疑いのある者が混じっているということでございまして、この給付の適正化対策を現在講じております。これは、本部・支部に給付適正化のプロジェクトチームを立ち上げまして、不正請求が疑われる請求書について不支給決定の処分などを行っております。
 それから、22年度は被扶養者資格の再確認も行っております。これは、被扶養者だった方が、大体学生さんですけれども、就職して他の健康保険、あるいは私どもの方に被保険者として加入しているようなケースですけれども、こういったケースについて資格喪失届がちゃんと出ているかどうか、チェックするということでございます。この結果、8万7,000人の被扶養者の喪失届の漏れがあったということでございます。これをきちんと処理した結果、高齢者医療への拠出金が推定で40億円ほど減ったと見ております。
 12ページに参ります。サービス向上の取組みということで、先ほど東京支部で話が出ましたが、2つ目のサービススタンダードをごらんいただきたいんですが、現金給付の処理などにつきまして、10営業日以内に御本人に支払いができるようにという目標を掲げてやっておりますが、全体の96.9%で達成しているということでございます。
 13ページに参ります。そのほかレセプト点検にも力を入れて取組んでおりますが、いろいろな取り組みを幾つかやっております。グラフをごらんいただきますとわかるとおり、内容点検、資格点検では、私ども、発足は20年度の後半からですが、確実に上昇しているということでございます。
 14ページに参りますが、保健事業の方でございます。
 まず、特定健診の実施率でございますけれども、22年度速報ベースで被保険者御本人の受診が対象者の40.9%、被扶養者に関しましては13.1%ということでございます。年度の目標としては、本文の48ページに載っておりますが、被保険者本人については65%、それから被扶養者については55%の目標を掲げております。
 被保険者本人の健診は、事業主の健診の結果取得率がちょっと低迷しているわけですけれども、目標は45%という数字を掲げておりまして、これは比較的目標に近い数字になってございますが、被扶養者、事業者健診の取得率については、まだ目標からはかなり遠いという現状でございます。
 14ページの下の丸の真ん中で、22年度の取組みということで、被扶養者の健診受診率を上げるための取組みを幾つか書いてございます。被扶養者の方々に受診券を直接送付するやり方。それから、健診機関の拡大。それから、特にがん検診。女性が多いですから、乳がん検診などとのセットが望まれるんですけれども、そのために市町村との連携を強めているということでございます。
 15ページに参ります。健診の後の保健指導でございますが、実施率が被保険者本人に関しては6.2%ということでございます。それから、被扶養者に関しては1.6%ということで、これもまだ目標が遠いという現状にございます。
 16ページに参りますが、業務・システムの刷新と書いてございます。私ども協会の業務処理システムは、20年度の協会発足のときに国から承継いたしております。そのときに新しくつくったんですけれども、事業を国から承継するために、業務を円滑に移行する、サービスを切れ目なく提供するために、従来の仕事のやり方、それからシステムも余り大幅な変更がないようにということで、そこに書きましたように、紙を中心とした業務プロセスをベースに構築いたしました。
 東京支部をごらんいただいておわかりになったと思いますが、大変な紙の山になっております。このために、大量のデータを効率的に処理し切れない。あるいは、システムの経年変化によってトラブルが予想されるということで、この問題解決のために、昨年から業務システムの刷新のための調査を行っておりまして、現在、中でさらに具体的な作業に取りかかっているということでございます。
 これをやるとどうなるか、真ん中の矢印で書いてありますように、紙をベースにした仕事のやり方から、イメージワークフローと言いまして、システムの中にいろいろなものを取り込みまして、画面で仕事を進めていくということでございます。
 それから、データベースの持ち方も、今、保健と業務関係は全部データベースがばらばらになっておりますけれども、一元的に管理して効率的な業務推進を図るということで、特に職員の仕事が、紙ですと物を探すのにどうしても時間がとられますけれども、そういった時間がなくなって、創造的な活動の時間に振り向けることができるだろうと考えております。
 17ページから19ページまでは、船員保険事業の概況でございます。これは記載のとおりでございますので、説明は省略させていただきます。
 それから、20ページに経費削減等の推進と書いてございますが、昨年8月から経費削減計画を策定しておりまして、22年度予算を基準として、24年度までに4%以上のカットをやっていこうということで考えております。
 それから、一般管理費につきましても、8%以上の削減ということで目標を掲げまして、具体的な取組みといたしまして、真ん中に記載のとおり、支部から555の提案がございまして、各支部の判断で実施するもの、あるいは本部で音頭をとっていろいろなことを進めたということであります。例えば、事務所の賃料の更改に当たっても、粘り強く交渉いたしまして、4,200万円削減できたということでございます。
 それから、契約の現在の状況は、下記の表のとおりでございます。基本的には、全国健康保険協会は一般競争入札を原則として調達いたしております。ただ、家賃、事務所の賃貸とかシステムの関係につきましては、そのたびに一般入札するわけにはいきませんので、そういったものを中心にして随意契約があるということでございます。
 21ページでございます。これは、東日本大震災への対応を図にしております。これは23年度に入ってからのことが多いので説明を省略させていただきます。ただ、一言加えさせていただきますと、現在、この表の一番下の欄に書いてございますが、震災に遭われた方につきましては、私ども、免除証明書を発行いたしまして、その免除証明書を医療機関に提示して一部負担金の免除を受けることを7月からやっておりますが、この免除証明書の発行は現在、約17万件ございます。
 それから、免除される資格のある方々が、3月から医療機関でいろいろな事情から一部負担金を払っているケースにつきましては還付を行っておりますが、これまでに2万8,000件の還付申請が出てきておりまして、大量の事務が発生いたしております。
 22、23ページは総括でございます。健康保険におきましては、年度を総括しますと、財政状況が非常に厳しかったということでございます。第2段落でございますが、業務運営については、サービスの向上、医療費の適正化、業務の効率化などに積極的に取組んだということでございます。ただ、被保険者向け特定健診の実施レベルは上がりましたけれども、ほかの保健事業についてはまだ遅れがあるということでございます。
 医療費の適正化のための取組みも始めているということでございます。
 23ページ、船員保険についてでございますが、これは2年目、実質的には1年目でございますけれども、その4行目にありますように、22年度は21年度との連続性に配慮した上で、安定的な事業運営基盤の早期確立を目指して運営に取組んできたということでございます。
 更に、その3行下にありますが、業務処理につきまして、現金給付の支払につきましては非常に早期化が進んできております。そういうことで、事業としてはおおむね軌道に乗ったのではないかということであります。
 今後の課題といたしましては、まず船員保険全体の財政運営の安定的な方向を目指す。それから、加入者への情報発信機能の強化を図りたいということ。それから、加入者一人ひとりの健康増進に総合的に取組んでいきたいということでございます。
 資料1-2に参ります。決算の方の説明でございます。
 3ページです。協会だけの決算で協会けんぽの決算は完結しておりません。図にありますように、通常の保険料収入は国の方の特別会計に入りまして、そこから所要経費を引いたりして私どもの方に交付金で来るということでございますが、協会の決算は、交付金として協会に流れ込んだ以降のものを扱っているということでございます。
 したがいまして、協会決算というのは、図でごらんいただきますとわかるとおり、例えば業務勘定への繰り入れとか福祉施設の売却代金といった出し入れは、私どもの決算にはあらわれておらず、これは国の方の決算に計上されております。私ども、合算ベースと呼んでおりますが、協会と国の特別会計を合わせたものが保険料を設定するための収支のベースになっているということでございます。
 これをまず御理解賜りまして、協会部分の方の決算について御説明します。それが1ページでございます。
 中身は医療分と介護分に分かれますが、22年度決算で国から入ってきた交付金が、医療分で6兆4,868億円、介護分で5,854億円、合わせて7兆721億円でございます。国庫補助金が1兆1,768億円。
 支出の方はそこに記載のとおりですが、少し差が生じた項目について御説明申し上げますと、拠出金は約100億円減であります。これは、予算を設定した21年末に比べて、実際に拠出金は、これは社会保険診療報酬支払基金が算定しておりますが、実施段階になって数字を入れたら少し減ったということでございます。
 それから、業務経費・一般管理費につきましては、予算に比べて321億円の減となっておりますが、これは保健事業につきまして、目標推進のために経費を計上しておりましたが、目標に比べて遅れた分について、実際、予算の執行がなかったということで、減になっております。そういうところが主な予算と決算の違いでございます。
 2枚目が船員保険でございまして、こちらの方は収入はほぼ予算どおりでございます。支出も、保険給付費、一般管理費、予算・決算、それほど大きな違いはございません。
 3ページは、先ほど御説明申し上げたとおりですが、4ページ、5ページは、3ページで申し上げますと、国の特別会計と私どもの協会を合算した、協会管掌の健康保険全体の収支。過去を振り返ったもの、22年度の全体を円グラフにしたものでございます。
 4ページの22年度の支出の方でごらんいただきますと、医療給付は4.1兆円、支出の54.1%でございます。それから、高齢者医療への拠出金、これは介護分を除いておりますが、2.8兆円。それから、現金給付は約5,000億円、健診・保健指導は600億円、事務経費が300億円でございます。高齢者医療拠出金のパーセンテージは、次第に上がりつつあるということであります。
 5ページは、過去からのトレンドを見たものでございます。医療の動向をごらんいただきます。保険給付費の中で医療給付費と現金給付費を分けておりますが、医療給付費が3.8%の増加。過去、大体2ないし3%ぐらいの増加のトレンドになっております。
 それから、後期高齢者支援金につきましては、22年度に被用者保険の間では、拠出金の3分の1について報酬割の制度に変わっておりますが、その影響で後期高齢者支援金の22年度の数字は、前年度に対して落ちております。ただ、全体の傾向としては、この拠出金はだんだん増えつつあるということでございます。
 この結果、準備金の残高は、22年度末は638億円。これは、昨年末、予算のときに予想しました1,116億円に比べて、約500億円の減となっており、いい条件で23年度はスタートできるということでございます。
 以上でございます。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問あるいは御意見などございましたら、どうぞお願いします。はい。
○神山委員 被扶養者も被保険者もなんですが、いわゆる健診の受診率を上げるということは、財政的には当然支出が出ますから、その辺のところは、上がった方が、将来病気になる前に手当てができるからいい、いろいろな問題があるだろうと思いますけれども、14ページではその辺の状況がちょっとわからないんですが、どのように判断されているんでしょうか。質問が余りいい質問じゃないかもしれませんけれども。
○貝谷理事 企画担当の理事の貝谷でございます。
 おっしゃるように、健診あるいはそれに基づく保健指導を一生懸命やれば、当面、費用はその分かかるわけでございますけれども、もともとこういった制度をつくるに当たっては、現役世代からの取組みが、後期高齢者、75歳以降の医療費にプラスの影響を与えるだろう。すなわち、かかるであろうものよりは、少し効果が出てくるだろうと、かなり中長期的な意味でプラスの効果を見込んだ考えのもとで、こういう制度がつくられております。
 そういう意味では、おっしゃるように、今年、来年ということでは、確かに事業をやればやるほど、その時々の事業費がかさんでいく訳ですが、そこは少し長いスパンで見ての制度設計と私どもは理解して頑張っているところでございます。
○神山委員 予算上の目標というのは、この件に関しては、取得件数とか取得率についての目標はございますか。
○貝谷理事 目標は、この概要版にはございませんが、事業報告書そのものの中で、ちょっと厚い「22年度事業報告書(協会けんぽ2010)」の48ページです。
 これは、制度スタート当初、19年度、20年度のころの、まだ社会保険庁で行っていた時期に、今後5年間の目標を立てております。基本的にこういった5か年計画を踏襲いたしまして、協会けんぽになってからも努力しております。
 例えば上の段、特定健診をごらんいただきますと、最終目標が24年度で70%を目指す。1つ下の欄で、特に御本人については、そこに書いていますように、60%をスタートラインにしまして、2.5%ずつ上げていって、最終、70%到達と。ここは先ほど御説明しましたように、それなりに進んできておりますが、大変遅れておりますのは、御家族すなわち、被扶養者といったところが40%とか50%というレベルには、まだ追い付いていない状況でございます。
○神山委員 わかりました。
○土田座長 ただ、確かに健診活動は本人にとってもいいし、恐らく国民全体にとってもいいことではあるけれども、医療費についての実証研究は特にはないですね。別に悪いとか言っているわけではないのですが。
○西辻課長 そういう意味では、どれぐらいの健診ないしは保健指導をやったから、何年後に必ずこれだけ医療費が下がりますという明確なエビデンスが今の段階であるわけではありませんが、相対的にそういうふうに予防を重視することによって、医療費が下がるのではないかという考え方で、これを各保険者にやっていただいているということでございます。
○土田座長 どうぞ。
○古井委員 それに関連して国保連のデータを拝見すると、高額医療費が医療費に寄与していまして、そのうちの多くの割合が生活習慣病の重症化であることがわかりました。そして、重症化はレセプトがなかった方が突然倒れて、手術や入院の医療費が発生していることが少なくありません。このような被保険者を遡ると、現役世代であっても健診を受けていないとか、受けていても必要な治療に乗っていないということが健保組合のデータで明らかになりました。そういう意味では、先ほど先生がおっしゃったように、まずは健診を受けて、高血圧であれば外来でコントロール出来れば医療費は多額にはかかりませんので、出来る限り健診と外来治療、あるいは保健指導の段階でとまれば、中長期には高額医療費の少なくない部分が防止できるという仮説は立てられる段階だと思います。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ほかに御意見、御質問ございましたら、どうぞお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、もしございましたら、また後で戻ってよろしいんですが、次の議題に移りたいと思います。
 次は、評価項目案の提示に関する議題でございますけれども、前回は時間がございませんでしたので、事務局の設定した評価項目に対して、ここで評価を行うということで行いました。今回は、何を評価するか、どのような視点から評価するかということについて、評価項目について議論を行うことになりました。
 それで、これにつきましては、前回の検討会での意見を踏まえまして、事務局に評価項目案を作成していただいております。最初に事務局から説明をいただきまして、その後、質疑応答という形で確定していきたいと存じます。
 それでは、最初に御説明をお願いいたします。
○後藤室長 それでは、評価項目案につきまして説明させていただきます。資料2-1、それから資料2-2でございますが、書いてある中身は全く同じものでございます。したがいまして、資料2-1で説明させていただきたいと思います。
 まず、基準といいますか、評価するについて基本的な整理をしてはどうかということで、基準(案)を整理してみました。
 2ポツでございますけれども、22年度の事業計画に掲げた項目ごとに個別的な評価を行ってはどうか。それを踏まえた全体の状況について総合的な評価を行うということでございます。
 具体的には次のように考えておりますけれども、(1)個別的な評価といたしまして、点線囲いのような視点で評価作業を進めていただいたらどうか。
 そこに項目がございますけれども、サービス関係の指標といたしまして、サービススタンダードあるいは保険証の交付という数値目標を具体的に掲げて、22年度の計画になっておりますけれども、そういった目標に対しまして適切に管理し、着実な実施に努めたかという視点から評価いただいてはどうかということであります。
 また、保険証に関しましては、具体的目標がございますから、着実に達成できたかという観点でございます。
 次の項目でございますけれども、お客様満足度ということでございます。これにつきましては、職員への一層の徹底を図って接遇の向上を図るなど、満足度を高めることができたかということを評価してはどうか。
 次に、2番目、保健事業の関係。
 特定健康診査に関しましては、受診券の交付手続を簡素化するという計画がございましたけれども、そういった取組みを全国展開するなどして実施促進が図られたかどうかということ。
 それから、事業主の健康診断の実施結果でございますけれども、これは事業主に対する意識啓発などを通じて実施率の向上に寄与することができたかという観点。
 それから、特定保健指導でありますけれども、1つには、効果的な指導の実施促進ということであります。
 それから、(4)保健指導の効果といたしまして、持続的に指導の効果が生かされるように、事業の実施方法の改善を図ることができたかという観点でどうか。
 それから、3番目の項目でありますけれども、医療費適正化の関係であります。
 レセプトの点検効果という計画がございますけれども、点検業務そのものを充実・強化する取組みを行ったかどうかということであります。
 次には、点検技術の全国的な底上げを図って、点検効果額を引き上げるという計画がございましたけれども、それが実現できたかどうか。
 次には、ジェネリック医薬品の使用促進ということで、ジェネリック医薬品に切り替えた場合の自己負担額の削減効果などを通知するサービスの全国展開を定着させることによって、一層の使用促進が図れたかどうかという観点。
 数値目標ではございませんが、検証の指標として掲げられたものがございます。
 1.各種サービスの利用状況。インターネットによる医療費通知の利用、あるいは任意継続被保険者の口座振替の利用促進が図られたかどうかという観点。
 それから、事務処理誤りの防止といたしまして、情報を共有して発生原因や再発防止策について職員が深く理解し、同様の事務処理誤りが再発しないことが徹底できたか。
 それから、お客様の苦情・意見に関しましては、意見や苦情の内容を現場にフィードバックしてサービス向上に努めたかという観点。
 4番目、ホームページの利用でございますけれども、内容の充実により、情報提供や広報の充実が図れたかどうかということ。
 それから、申請・届け出書の郵送化の計画でございますけれども、関係団体の協力を得ながら郵送化の促進に努めたかどうか。
 それから、業務の効率化・経費の削減は、先ほどございましたように、事業費削減計画というのがありまして、それに基づき目標を達成するように努めたかどうかという観点。
 次は、船員保険の関係でございますけれども、船員保険の指標に関しましても評価の視点はほぼ同様でございます。ただ、1の(4)お客様満足度に関しましては、船員保険事業が22年度は実質1年度目ということでありまして、22年度の計画といたしましては、調査項目の整理の検討を行うという計画を立ててございまして、そのことが実現できたかどうかということであります。
 他の項目につきましては、健康保険と同様であります。
 最後に、全体的な取組みという部分がありますけれども、組織の活性化への取組みの視点は、協会のミッションや目標の徹底あるいは人材育成、それから最後に掲げてありますけれども、自由闊達な気風と創意工夫に富んだ組織風土・文化の定着に向けた取組みというもの。
 それから、職員の意識向上でありますけれども、各分野ごとに重点的なものを定めて、研修等により人材育成のための取組みを行ったかどうか。
 それから、3番目といたしまして、支部との連携強化というのが非常に重要であるということで、本部と支部との支援協力の関係、あるいはそのガバナンス、組織運営体制の強化という意味で、どのような取組みを行ったのかということ。
 以上が個別的な評価項目として提案している項目であります。なお、?にありますように、個別的な評価は5段階でしてはどうか。Bを標準といたしまして、A、計画を上回っている、S、大幅に上回っている、C、計画をやや下回っている、D、下回っており、大幅な改善が必要という評価。
 それから、?にございますけれども、数値目標がある場合には、その達成度合い、定性的な目標の場合には、具体的な業務実績を把握して評価してはどうか。
 それから、数量だけで判断するのではなくて、質についても考慮する必要があるのではないか。
 また、実績に影響を及ぼした要因、予期せぬ事情の変化などについても考慮する必要はないか。
 それから、実績と計画との乖離、その発生理由を把握して妥当性の評価をする必要はないか。
 最後になりますけれども、(2)総合的な評価につきましては、前記、(1)の個別的な評価の結果を踏まえて、協会の22年度計画の達成状況について、まとめの評価を行うということで考えております。
 資料2-2は、今、申し上げた項目を拾い上げて整理したものでございます。
 ちなみに、今回、評価項目が固まりますと、資料2-3のような形で、まずは左部分に項目と評価の視点、具体的な目標。それから、右上に事業の内容、事業実績ですね。
 それから、真ん中辺り、自己評価というところがありますが、ここに協会が自ら評価したものをお載せいただき、最終的には委員の御意見の欄にその後、記入していただいたものをとりまとめて最終調整したものが最終評価に進んでいくとイメージいただけるとありがたいと思います。
 評価項目の案に関しましては、以上です。
○土田座長 どうもありがとうございました。これは、あらかじめメールで送られてきて、ごらんになっていたかと思いますけれども、修正すべきかどうかということについて御意見、御質問などございましたら、お願いします。どうぞ。
○野口委員 評価的には、私は結構おやりになっているなと思っております。ただ、これは私たち事業主側からいきますと、特に中小・零細企業事業主の、私自身の反省もあるわけですけれども、怠慢があるわけであります。
 1つは、民間になったことに対して、事業主は、協会側の方、それから私どもの個人的な中で要請しても、なかなか委員を出さないとか健診を受けない、受けても途中でやめさせるとか、いろいろある。特に中小・零細企業の事業主に対する徹底というのは、今日、明日的に余りやり過ぎると、どうのこうの問題が出るでしょうけれども、もう少し強くやってもよろしいんじゃないか。
 特に、例えば区の方から直接区長名で入ってきて、やりなさいという場合においては、案外事業主は動いているんです。だけれども、協会側からいろいろな書類が行ったり、要請が行ったとしても、なかなか行かない。我々、今後とも事業主側としても、特に中小・零細企業に対して徹底を図っていかなければならないと思いますし。
 協会側ももう少し強く出てもよろしいし、国も協会に全部任すのではなく、事業主に対してもう少し強い協力要請というのもあってよろしいのではないかという気がいたします。これは私どもの反省も踏まえての考え方でございます。どうかひとつ。我々ももっと動くように努力して頑張ります。
 特に10人以下の零細企業というのは、こういう景気でございますから、長期的に健診に行けということになりますと、本人もたじろぐし、事業主も本人はそんなにやられると、またうちは困るなと、個人的な形の中でそういうことになってしまうので。それは、何回もしつこくやることによって、それが当たり前だという形にすることだと思いますし、やっていただきたいと思います。
 もう一つは、考えてみますと、女性は健診をやっても案外入るんです。積極的に女性側は出てくるんですけれども、どうも男性は、初めは勢いよく、1回ぐらいやりますと言うけれども、続くのかな。男に対して、仕事に対する責任感もあるんだろうと思いますけれども、男性に対しての健診関係についても、もう少し何らかの考え方を持って。これは、事業主がもう少ししっかりとして、この問題について真剣にならざるを得ないだろうと考える何かをお互いにつくり。
 例えば、区で事業主を集めても、事業主全体はなかなか出てこないので、この点が問題かなという感じがいたします。国の方も保健に関しては協会に任せたという形ではなくて、出てくることをお願い申し上げたい。
○土田座長 どうもありがとうございます。非常に重要な御指摘だと思います。また、非常に難しい問題だと思いますけれども、これは保険課長、いかがでしょうか。
○西辻課長 健診等の受診率の向上に向けた取組みをということで、これは先ほど事業状況の報告の中でもありましたが、保険者である協会けんぽでも、新たな取組み等でいわゆる掘り起こし等をやっていただいております。協会けんぽの状況というのを見ますと、先ほどお話がありました小さい事業所が非常に多くて、しかも全国に点在しているということで、展開がなかなか難しいというところもあるんですが、その中で、各支部単位で御努力いただいて、少しずつ数字が上がってきている。
 あわせて、今後、特定健診あるいは特定保健指導のあり方をどうするのかということも、並行して国の方でも検討しておりますし、私どもの方でも、できる限り受診率等の向上が図られるようなことを引き続き考えていきたいと思っております。
○土田座長 どうもありがとうございます。小島委員、どうぞ。
○小島委員 今日示された評価項目の内容について、おおむねこんな感じじゃないかと思います。前年、21年度の評価項目と比較して、特に追加したところ、あるいは変更したところがあれば、そこを少し御説明をして下さい。船員保険については新しく付け加えたところがありますけれども、それ以外のところについて。
○後藤室長 項目としては変わったものはありませんが、資料2-2の一覧表の5ページ。この部分は、数値目標があるもの、あるいは検証指標のたぐい、それ以外の全体的な取組み、組織としてどう取組むかというところを少し評価したらどうかという御意見を前回いただいたと承知しております。
 したがいまして、まずは組織の活性化をいかに果たしていくのかということ、あるいは構成員である職員をどのように育成していくのかという点。それから、全国に47の支部を持っておりますから、手足をいかに連携を図って、いいものにしていくかという点について評価したらどうかという追加をさせていただいております。
○土田座長 よろしいですか。
○小島委員 はい。
○土田座長 ほかにございますでしょうか。どうぞ。
○古井委員 今のところにも関連しますが、先ほど協会の理事からもお話がありました通り、資料1-1の22ページ目の最後にある、「加入者と事業主との関係に関して、距離を狭める、近い関係で動いていく」ことは本当に重要だと思います。たとえば、5ページ目の資料2-2の最後の「全体的な取組み」の中に、本部、支部と事業主との連携を一層重視するよう位置づけていただけるとよろしいと思います。都道府県の保険者協議会に呼んでいただくと、協会の支部ががんばられている場面を目にします。たとえば、新潟の支部では、健康保険委員でしょうか、こちらの普及に注力されていました。地道ではありますが、こういう事業所が増えると、協会の取り組みに興味を持ち始めたり、健診の受診率が少しずつあがったり、ということが起こってくるのだと感じました。
 もう一つ、先ほどの資料2-1の2ページ目、2の(2)事業主健診の実施のところで「データの取得」は重要であると思いますが、できれば事業主にも何かフィードバックしてあげられるとよろしいのではないかと思います。たとえば、私学共済組合でも、幼稚園をはじめ、5人、10人という数十万の小規模事業所との連携をどうやって強めて行くかでご苦労されています。そのような中で、事業所に被保険者の健診・保健指導の受診状況などをリアルタイムでフィードバックする試みを今年度から開始されました。また、特定保健指導に関しては、初回面接だけ共済組合がもっている健診機関で実施することで、参加率を高める努力をされています。無数ある事業主との連携は本当に大変だと思いますが、今後も一層進めていただければと思います。
○土田座長 どうもありがとうございます。
 最初に出てきた協会と事業主との関係についてということは、勿論数値目標とかではなくて、何らかの形で調査項目に、あるいは任意の記入でもいいんですが、そういう形では今まで入っていましたか。
○西辻課長 入っていないです。
○土田座長 それを入れることは可能でしょうか。どうぞ。
○西辻課長 今回議論をお願いしておりますのが、協会けんぽの既に終わってしまった22年度の実績の評価ということで。通常、最初に事業計画等をつくる段階で、今、御指摘があったようなものを含めて入れて、それが結果的にどの程度できていたのかを評価するという形かと思います。
 ただ、今、御指摘いただいた協会と事業主との連携の問題とか、それから取得したデータをどうするのかというのは非常に重要な問題ですので、特に前者の連携の部分については、評価項目という形で22年度から明確に位置付けるかどうかはともかくとして、22年度に実際に協会けんぽでやっていただいたことについても、言及していただいた上で、何らかの形で記録として残すということとし、23年度以降は、具体的な評価項目の中に入れていくということも含めて考えたいと思っています。
○土田座長 はい。
○野口委員 これは早目にやっていただければ、こういう経済の状況ですから。特に零細企業の場合、10人以下。例えば私たちの区は、68万人の中で約1万5,000社あるうち、法人会もそうですけれども、87%が10人以下です。ですから、早目にそういうことをやらないと、今の景気の状況からいきますと、ますます保険料が上がり、そして親方日の丸じゃないですけれども、取引先の親会社は外国へ行ってしまうとなりますと、保険に対する加入関係におきましても、だんだん低下する。
 ですから、なるべく早く協会と事業主の関係という形、その裏に、何と言っても国があるんだということもわかってもらうという交流をなるべく早くやっていただきたい。お願い申し上げます。
○土田座長 ありがとうございました。
 ほかにございますか。どうぞ。
○神山委員 時間も来たのかもしれませんが、非常に基本的な問題で、私も教えていただければと思うんですが。
 資料1-2の4ページ、財政構造の表がございます。支出の37.4%が高齢者医療に出ているわけですね。私も、我々の業界の組合健保の中でも思うんですけれども、これがすごく大きいわけです。これは、今回のこの委員会での検討項目では勿論ないんですけれども、こちらの方の収支はどうなっているのか。これだけのものが出ていくわけですね。これは直接、我々の知るよしもないわけですけれども、実際にどのような判断でしょうか。
○西辻課長 済みません。協会の財政における支出の内訳の中で、高齢者関係の拠出金あるいは納付金の割合が非常に高いと。今、言及いただきました健保組合はもっと高い水準になっていまして、40%を超えていて、アベレージでも45%ぐらいになっております。これは、従来の老人保健の拠出金等もそうなんですけれども、高齢者の方は相対的に若い現役世代の方と比べて、圧倒的に医療費が高いですから、それを高齢者の保険料だけではなかなか賄い切れなくて、現役世代で支えていかざるを得ないということでございます。
 今、日本は高齢化が非常に進んでおりますので、高齢者がどんどん増えていく。かつ医療の高度化によりまして、その方々1人ひとりにかかる医療費もどんどん増えていく。これをどうやってファイナンスするのかという中で、これは協会けんぽに限った話ではなくて、組合健保もそうですし、国保もそうなんですけれども、どうしてもこの部分が増えていかざるを得ない。
 ここは、保険者財政という視点で見たときに、保険者努力ではいかんともしがたい部分、適正化が保険者努力では図れない部分です。それが自然に伸びていくということは、協会の執行部からすると、なかなか歯がゆい部分もあるのかもしれません。その辺りは、高齢者の医療費をどのように支えていくのかということについて、国の社会保障改革の議論の中で検討させていただきたいと思っております。
○土田座長 貝谷理事。
○貝谷理事 協会側の立場を一言だけ申し上げますと、実は高齢者医療制度については社会全体で支えるということで、もう既に前々大臣のもとで、高齢者医療を社会全体でどうやって支えていくのかという議論が1年有余にわたって行われたところです。私どもも理事長がメンバーになって議論して一定の方向が昨年末にまとめられた訳です。
 1つは、若い人たちの負担で支えるという構造も引き続き必要であるにしても、高齢者の方々に対する公費の拡充ということが避けられないのではないかというのが基本線で、当時の検討会の中でまとめられていると私ども、理解しておりまして、いろいろな意味での制約は勿論政府の中にあると思いますが、その点は既に方向性が出されておりますので、一歩でも二歩でも前に進めていただきたいというのが協会の本当の思いでございます。
 以上でございます。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。どうぞ。
○貝谷理事 もう一つだけ。先ほど野口委員からもございました、各事業主の方とのできるだけ近い関係をつくりたいということで、私どもも理事長以下、そういう思いでやっております。160万の事業所の方々が全国にいらっしゃいます。全部の方というのはなかなか難しいんですが、私ども、そういう気持ちのもとで取組みを進めておりますので、今日、御議論のような観点を含めて、取組みを御説明なり、あるいは23年度へ向けて、これから頑張っていきたいと考えております。
○野口委員 お願いいたします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。それでは、調査項目につきましては、御意見は出ましたけれども、基本的には修正等々は今回は必要ではないということで、次回の事業計画なり、その後の検討委員会でまたそこを取り上げていくということで進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、次の項目に移りたいと思います。次は、今後の進め方につきまして議論していただきたいと思いますが、最初にこれも事務局の方から御説明をお願いいたします。
○後藤室長 資料3、1枚物でございます。
 以下の手順で最終評価のとりまとめまで持っていきまして、11月下旬を目途に大臣より協会に業績評価の結果をお示しし、公表するという段取りにしてはどうかと考えております。
 したがいまして、次回は皆様方の御都合により10月6日を予定しておりますけれども、第3回の検討会を開催させていただき、評価シートに事業報告の概要、それから協会の自己評価を書き込んだものを具体的に説明いただき、議論を進めていただく、質疑をしていただくことを考えております。
 その検討会の開催の後に、委員の方々に評価シートの委員の御意見の欄に意見をお書きいただき、提出いただく。提出いただいた評価シートの御意見を踏まえ、最終評価の案を事務局の方でとりまとめをさせていただき、最終評価案を皆様方に御確認いただきながら確定してまいりたいと思っております。
 目標は、先ほど申し上げましたように、大臣からの協会への通知を11月下旬。これは、具体的には24年度の事業計画が徐々に固まりますのが、その時期になってまいりますので、PDCAサイクルを考えて、このような時期を目指して進めたいと思っておりますので、御意見を賜りたいと思います。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問などございましたら、どうぞ。
○神山委員 ?の委員の御意見とありますが、これの日にちはどのぐらいでしょう。前回、大分慌ててやった経緯があるものですから。1週間ぐらい余裕があるのかどうか。済みません、ちょっと手が遅いものですから。
○小島委員 最後の第4回をどの時点で開催するかというスケジュール感等が出てくるといいのですが。
○後藤室長 10月6日に開催後、御意見をいただきながらとりまとめるのに一月程度、間をとりたいと考えております。
○神山委員 では、11月の初旬ごろまでに送っていただくということですね。
○土田座長 大体3週間ありますけれども、そのうちいつごろこちらに渡していただけるわけですか。11月初めにこちらが記入して提出するとして、そちらから資料を送っていただけるのはいつごろかということです。
○後藤室長 申しわけありません。第3回は協会の方からの自己評価などを御説明いただくことを踏まえて、その場で具体的な評価のイメージをおつかみいただきながら御議論いただくんだろうと思っております。したがいまして、その後、2週間を目途に評価シートを提出いただく。その後、1週間程度で集計いたしまして、10月下旬には調整に入りたいと思っております。
○土田座長 わかりました。今、2週間ほど余裕をいただけるということは、かなりありがたいお話でして、皆さんよく覚えておりますので、どうぞよろしく。その後、1週間の余裕で統計をとって出すというのは、かなりきついと思いますけれども、そこはよろしくということで、お願いいたします。どうもありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。それでは、基本的なスケジュールはそういう形で進めてまいりたいと思います。
 本日用意いたしました議題は以上でございます。ほかに事務局の方から何かございましたら、どうぞお願いいたします。
○後藤室長 先ほど申し上げましたとおり、次回につきましては10月6日10時から、本日と同様でございまして、場所はこの会議室で開催する予定としております。
 内容につきましては、先ほど来申し上げておりますように、業績評価に関する評価シートの事業報告、並びに協会の自己評価の説明を受け、それに基づいて皆さんから御意見をちょうだいするということで行いたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○土田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、今日はこれで終わりにいたします。本日はどうもありがとうございました。


(了)

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