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2011年9月8日 第5回 健康日本21評価作業チーム 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成23年9月8日(木)10時00分〜12時00分



○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 省議室


○議事

(出席者)
 構成員
  安藤 雄一(国立保健医療科学院生涯健康研究部地域保健システム研究分野 上席主任研究官)
  田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学 名誉教授)
  辻  一郎(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 教授)
  津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター長)
  西  信雄(国立健康・栄養研究所栄養疫学研究部 国民健康・栄養調査研究室長)
  古井 祐司(東京大学医学部附属病院・HCC予防医学研究センター長)
  三浦 克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門 教授)
  宮地 元彦(国立健康・栄養研究所 健康増進研究部長)
  山本 精一郎(国立がん研究センター がん対策情報センターがん情報提供研究部長)
  横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)

 厚生労働省
  外山健康局長
  野田生活習慣病対策室長室長
  河野栄養・食育指導官
  三田室長補佐
  菊地室長補佐


(議事録)
○三田生活習慣病対策室長補佐 定刻になりましたので、ただいまから「第5回健康日本21評価
作業チーム」を開催いたします。
 まず、事務局より本日の委員の出席状況について御報告いたします。
 尾崎委員、兼板委員、鈴木委員、樋口委員につきましては、欠席の御連絡をいただいておりま
す。また、古井委員におかれましては、ただいま少し遅れているということでございます。10名
の委員の出席をいただいてございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日は、外山健康局長が出席しておりますので、外山局長より一言ごあいさつを申し上
げます。
○外山健康局長 厚生労働省健康局長の外山と申します。
 辻座長を初め、構成員の先生方には、平素より公衆衛生行政のために御尽力賜りまして、厚く
御礼申し上げます。
 この健康日本21の評価作業チームにおかれましては、専門家等から意見を聴取して、評価のた
めの作業を行うことを目的として、今年3月に第1回を開催されてから、9分野を中心に御議論
いただいているところでございまして、本日で5回目を迎えました。各委員におかれましては、
精力的に御議論いただきまして誠にありがとうございます。
 これまで、野田室長を通じ、いろいろお話を伺ってまいりましたけれども、評価も最終段階に
入りまして、今後、次の改定の足場を固める重要な時期に来たということでありまして、私もお
邪魔させていただいたということでございます。
 先般、英医学誌「ランセット」から、国民皆保険制度導入50周年記念といたしまして、我が国
の保健医療の主要課題をまとめた日本特集号が発刊されました。この中では、世界一の平均寿命
の背景として、これまでの我が国の地域公衆衛生施策などの果たしてきた役割を取り上げる一方
で、今後取り組むべき健康課題や急速な高齢化、あるいは社会的格差による影響といった、国民
の健康に関する新たな問題も指摘しているわけでございます。
 このように日本の保健医療政策が注目されている中で、平成25年度からは次期国民健康づくり
対策を立ち上げる予定でございます。申し上げるまでもなく、本評価作業チームは、次期国民運
動につながる重要な評価の場であり、幅広い視点で活発な御議論をしていただける場でございま
す。
 それで、健康日本21の評価の方法といたしましては、これまでの9分野の評価に加えまして、
平成24年度まで運動期間を延長した背景とか、他制度の状況でございますけれども、あるいは健
康増進法に基づく基本方針や健康増進計画等々と、調和が求められる他法令に基づく方針・計画
との関係。更には、科学技術の進歩や社会経済の変化等、時代への変化の対応といった観点もあ
るのではないかと考えております。
 本日は、限られた時間でありますけれども、皆様方の忌憚のない御意見、御議論をちょうだい
したいと思っております。よろしくお願いいたします。
○三田生活習慣病対策室長補佐 では、ここから辻座長に議事の進行をお願いいたします。
○辻座長 それでは、事務局から、配付資料の確認と本日の進め方について説明をお願いいたし
ます。
○三田生活習慣病対策室長補佐 まず、配付資料の確認をさせていただきます。
 「議事次第」「座席表」「構成員名簿」のほかに、資料1といたしまして、「指標の達成状況に関
する評価の方法」。
 資料2といたしまして、少し分厚いですけれども、「健康日本21の目標値に対する直近実績値
に係るデータ評価シート」。
 資料3といたしまして、「自治体向け取組状況等の調査結果」。
 資料4といたしまして、「団体向け取組状況等の調査結果」。
 資料5といたしまして、「次期健康づくり運動に向けた課題について」。
 参考資料1「調査票:健康増進施策の取組状況等について(自治体用)」。
 参考資料2「調査票:『健康日本21』の推進に関する取組状況等について(団体用)」。
 参考資料3「健康日本21の進捗状況について(暫定版)」でございます。
 また、机上のみの御配付でございますけれども、各目標項目の決定を実施した結果をファイル
として置かせていただいております。御議論の際に御活用いただければと思います。
 また、別に御意見のメモ用紙といたしまして、これも委員の机上のみの御配付でございますけ
れども、本日、時間も限られておりますことから、十分に御発言いただけなかった御意見につき
まして、記載して提出いただきたいと思っております。
 以上でございます。不足しております資料がございましたら、事務局までお申し付けください。
 それでは、撮影の方はここまでということで、続きまして、本日の評価作業チームの進め方に
ついて御説明を申し上げます。
 まず、議題1といたしまして、「健康日本21の3分野の評価について」でございます。
 本日は、これまで9分野のうち6分野御評価いただいているところでございますけれども、残
る3分野に関しまして、資料2を基に担当委員の先生より御報告いただきまして、3分野すべて
の報告が終了した後に一括した質疑を行いたいと思っております。
 また、前回御意見いただきましたところでございますけれども、指標の改正状況に関します評
価の表記を資料1のように修正させていただいております。資料1をごらんいただけますでしょ
うか。
 前回御議論で、目標値に達成したものと、目標値に達成していないが改善したもの。これは、
前回はA1とA2と、Aというひとくくりでしておりましたけれども、それに関しまして、目標
に達したものと達していないものを明確に分けるべきだという御意見をいただきました。そうし
たことを踏まえまして、今回は目標に達したものをA、目標に達していないが改善したものをB、
変わらないものをC、悪くなっているものをDという形で評価の表記の方法を変えさせていただ
いております。
 この基準を基にいたしまして、これまで御議論いただきました分野も含めまして評価の表記を
変えておりますので、御承知置きいただけたらと存じます。
 また、資料2につきまして少し見ていただければと存じます。
 資料2の例示ですけれども、例えば1の栄養・食生活分野の2枚おめくりいただきまして1ペ
ージを少しごらんいただけたらと存じます。すべての評価シートを同じ様式にしておりますけれ
ども、左側の項目の(3)その他のデータ分析に係るコメントという欄がございます。前回、そ
ちらを一番下の段の項目にしておりましたけれども、(4)最終評価に関する参考ということで、
上の(3)という位置付けにさせていただいております。
 また、(1)直近値に係るデータの分析のところに、これも前回御意見いただいたところでござ
いますけれども、有意差のデータがあったらどうかという御議論をいただきましたので、有意差
のデータをあわせて付けております。また、先ほど申し上げましたように、別紙の冊子の方で細
かい検定の結果も付けております。
 以上を踏まえまして、これまで御議論いただきました6分野を含めまして、総括表及びデータ
評価シートに関しましては、全分野について加筆修正していただいて資料2という形で載せてお
ります。
 以上が議題1についてでございます。
 続きまして、議題2は「自治体・団体の取り組み状況」といたしまして、自治体向け及び団体
向けの調査結果に関しまして御報告申し上げる予定としております。
 議題3につきましては、「次期健康づくり運動に向けた評価について」ということで、本日、一
番お時間をとらせていただくところでございます。先ほど外山局長のごあいさつでもありました
とおり、これまでの健康日本21の範囲の評価にとらわれずに、次期運動も見据えた、この12年
の時代の変化でありますとか、その後のさまざまな制度との関係も含めまして、更に踏み込んだ
検討をしていただければよろしいかと存じております。
 詳細につきましては、議論3におきまして御説明申し上げます。
 進め方等につきましては、以上でございます。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、これより議事に入りたいと思います。本日は、事務局から説明がありましたように、
まずは健康日本21の3分野につきまして、本日版の総括表、そしてデータ評価シートを使いまし
て、各分野御担当の先生から御報告をお願いしたいと思います。時間は、各分野10分程度でお願
いいたします。質疑応答につきましては、最後にまとめて行いたいと思いますので、御協力をお
願いいたします。
 最初に、7.糖尿病分野の田嶼先生、お願いいたします。
○田嶼構成員 田嶼でございます。それでは、報告させていただきます。まず、資料2の「7 糖
尿病(案)」という配付資料をごらんいただきたいと思います。
 表面には総括評価がございますけれども、その前にデータ評価シートの方から御説明させてい
ただきたいと思います。
 目標項目7.1 適正体重を維持している人の増加でありますが、これは既に栄養・食生活分
野の1.1で御議論が済んでいるところであります。糖尿病の分野の方から見ても、特に追加す
ることなどはなく、今後の課題及び対策の抽出などについては、ここに書いてあるとおりであり
ます。
 特に、30代の男性の増加が大変問題であるということと、20代から30代にかけての体重を増
やさないアプローチが必要だということ。もう一つは、地域格差が見られるようなので、それに
配慮した取組みが必要であるということであります。
 次の7.2 日常生活における歩数の増加は、身体活動・運動分野の2.1で議論されていた
ところであります。この歩数の増加につきましては、男女とも有意に減少しているという残念な
結果でありました。糖尿病とその合併症の予防のために、身体活動度を上げる。特に歩数を増加
するというのは大変重要な点でありますけれども、これに関しては、男女とも有意に減少という
ことであり、今後、この点について対策を講じる必要があろうかと思います。
 そして、特に運動習慣のある人とない人における歩数に有意な統計的な差があるというところ
から、まずは運動をしたいというモチベーションが高まるような指導が必要なのではないかと思
われます。
 次の7.3 量・質ともに、きちんとした食事をする人の増加でありますが、これも栄養・食
生活の分野、1.8で議論が済んでおります。これにつきましては、目標値は成人の70%以上と
いうことでありましたけれども、その目標値には達していないけれども、有意に増加していると
いうことで、今後、この点についても指導が必要になろうかと思います。
 さて、7.4からは、今日初めて御議論いただく点でございます。
 まず、7.4 糖尿病健診の受診の促進(受けている人の数)でありますけれども、これは健
康日本21がスタートするときの目標値は6,860万人以上ということでありました。一番上の行に
示されていますとおり、増加傾向にはあります。しかし、この目標値には達していないというこ
とであります。
 図1をごらんいただきますと、男性と女性に分けて受診率が示されておりますが、男性の場合
には20代、女性では20代〜30代で受診率が40%と低い結果であります。この世代は、女性で
はやせ、男性では肥満が問題である世代でありますので、将来に向けて指導と改善が必要であり、
そのためには受診率の向上を図る必要があるということであります。最終評価は、目標値には達
していないけれども、改善傾向にあるということにいたしました。
 次、7.5 糖尿病健診受診後の事後指導を受けている人の割合でありますけれども、この健
診の制度が始まったときに、どのようなやり方で事後指導をするかということは決定しているわ
けであります。そして、その目標値は、男性・女性ともに100%を目指したわけであります。
 この上2段の数値をごらんいただきますと、実数そのものも増加しています。特に、男性では
有意に増加しています。女性では変わりません。しかし、女性では、スタートラインのときは男
性よりは10%ほど高かったということで、実績値としては、両方とも80%近い事後指導受診率に
なっています。
 しかし、内容を見てみますと、年代別に見ますと、男性では20代は一部100%などということ
がありますけれども、これはサンプルサイズの影響があるかもしれません。いずれにしても、30
代の実績値は6割程度にとどまっているということが問題だろうと思います。
 そして、どのような事後指導かと言いますと、その内容は、「糖尿病教室を受けた」「糖尿病の
パンフレットをもらった」「医療機関を受診するように言われた」という3つのうち、どれかを選
択したものでありまして、これをクリアーすることはそんなに大変なことではないはずです。し
たがいまして、この点につきましても更なる努力が必要ということになります。
 最終評価は、男性はよろしかったんですけれども、女性は変わらないということで、C評価に
いたしました。肥満者の割合とか受診者の割合、あるいは受診後の事後指導の受診率の全体を見
てみましても、30代男性における問題が大きいと言えると思います。そして、この世代に対する
健康対策の強化が必要であると思われました。
 次、糖尿病有病者の減少についてであります。目標値は2007年までに1,000万人とするという
ことであったわけであります。これはどうしてこのような目標値を立てたかと言いますと、(3)
その他データ分析に係るコメントというところにあります。
 この目標設定が必ずしもよかったのかどうかということは別といたしまして、この数値を糖尿
病有病者の数値に戻ってごらんいただきますと、実数では690、740、890万人と増えているわけ
でありますけれども、高年齢化しているということも、このデータには含まれているだろうとい
うことから、年齢調整をした数値を計算していただきまして、それが丸括弧の中に含まれており
ます。650、740という数値がそれであります。
 もう一つ、年齢別の有病率も図3に示されております。こうして見ますと、年齢調整後の比較
では、過去10年間、糖尿病の有病率には明らかなトレンドはないことがわかります。しかし、図
3に示されておりますとおり、男性には有病率の有意な増加が認められるわけであります。
 しかし、ここの問題は、糖尿病の軽症者あるいは糖尿病の予備群は有意に増加しているという
ことが推定されることであります。糖尿病の予備群では、既に心血管疾患のリスクも高まってい
るということが、いろいろなデータからエビデンスが集まっているところから、特に軽症の糖尿
病あるいは予備群について、更なる注意を払うことが必要だろうと思います。
 最終評価としましては、最初に掲げた目標値には達しておりますので、A。しかし、今後、こ
の(5)に書かれているような点について、対策がなされるべきではないかということでありま
す。
 次は、糖尿病有病者の治療の継続についてであります。治療の継続は100%にならなくてはな
らないということであります。継続している人の割合は、45%、50.6%、55.7%と、有意に増加
しています。
 しかし、これは目標値に向かって改善したということでありまして、100%にはなっていないと
いうことで、Bという評価になりました。特にドロップアウトしている人がコントロールが悪い
方だとなると、更に合併症の増加ということになりますので、この点についての対策が必要だろ
うと思われました。
 次、7.8 糖尿病合併症の減少についてであります。糖尿病の腎症、特に透析に新規に導入
された数を指標にしたわけですけれども、その数がどのような推移をとったか、あるいは糖尿病
による失明の方々の数値がどうなったかということを観察したわけであります。
 一番上の数値をごらんいただきますと、糖尿病性腎症によって透析に導入した数は、このよう
に右肩上がりになっています。しかし、これは2007年までを評価するとそうなるんですが、(1)
にありますように、糖尿病だけではなく、透析導入全患者数は2008年辺りから少し横ばいになっ
ているわけです。また、それに占める糖尿病腎症の方の割合も、そのパーセンテージが少し横ば
いになっております。
 ということで、過去10年においては、どんどん末期腎症の方が増えて透析の患者さんが増える
状況にありましたが、少し横ばいになってきたということで、これは新しい進展と言いますか、
変化ではないかと思われます。
 また、失明者については、残念ながらベースラインのデータソースと、直近の実績値を得たデ
ータソースとは違いますので、単純に比較はできないのでありますけれども、数としては、まだ
2,000人以上の方が失明しているということであり、大きな問題がここにあると言わざるを得ま
せん。最終評価は、悪くなっているということで、Dにいたしました。
 次、メタボリックシンドロームを認知している国民の割合は、平成18年から15%高くなって
いるということでありました。これは再掲のデータでありますので、ごらんいただければと思い
ます。
 7.10 メタボリックシンドローム該当者・予備群の減少についてですけれども、これに示さ
れているとおりでありまして、男性において該当者予備群が女性に比して高い傾向にあるという
ことと、全体の流れとしては大きな変化が見られないということであります。
 それと、最後の7.11 メタボリックシンドロームの概念を導入した健診・保健指導の受診者
の向上という点であります。これは、直近の実績値から判定する以外にないのですけれども、平
成21年度の速報値を入れますと、最後にありますように、40.5%になっておりますし、また特定
保健指導の実施率は13%ということでありまして、平成20年度の値よりは改善しているという
ことでありました。
 したがいまして、糖尿病につきまして、その総括評価でありますけれども、指標の達成状況は
以上のとおり、Aが1、Bが2、Cが2、Dが1であります。
 総括評価は、ここの4項目を掲げました。
 糖尿病健診の受診及び健診受診後の事後指導を受けている人の割合については、改善が見られ
た。
 糖尿病有病者について、2010年における目標値を下回り、つまり目標は達成した。糖尿病有病
者で治療継続している人の割合については、改善が見られた。
 糖尿病合併症については、2010年における目標を超えて悪化している。
 メタボリックシンドロームについては、中間評価が追加となった項目は、平成20年度と21年
度の比較にとどまるけれども、この該当者・予備群は変わらず、特定健診・保健指導の受診率に
は改善が見られたということであります。
 今後の課題については、このページの下に4項目としてまとめてあります。
 以上であります。
○辻座長 ありがとうございます。
 次に、循環器病分野、三浦先生、お願いいたします。
○三浦構成員 滋賀医科大学の三浦でございます。それでは、循環器分野についての評価を御報
告させていただきます。循環器分野の指標は14ありますが、他分野と重なっていて、既に御報告
されているところがありますので、循環器だけの指標は5つになります。そちらを中心にお話さ
せていただきます。
 先に、2ページ以降のデータ評価シートに沿いまして、各指標の評価を見ていきたいと思いま
す。
 8.1 食塩摂取量減少は、栄養分野と重なりますので、そちらと評価は変わっておりません
けれども、1点追加した点は、(3)の一番最後です。現在、食事摂取基準改訂に合わせて食塩摂
取量の目標値が設定されておりますので、これに合わせて目標値の修正が必要ではないかという
点です。
 その次、8.2 カリウムの摂取ですけれども、特に高血圧予防の観点から重要な指標という
ことで、循環器分野の独自の目標になっております。
 19ページに国民健康・栄養調査におけるカリウム摂取量推移のグラフがあります。ベースライ
ンと比較して、摂取量は有意に低下しており、男女別でも有意に低下しています。年齢階級別に
見ても、すべての年齢階級で低下しています。ただ、中間評価と比べると若干横ばいになってい
ます。(2)の課題のところに書きましたが、食品成分表の改訂もありまして、ベースラインと正
確に比較できるかという点で少し課題が残るところです。また、カリウムの摂取源が我が国では
野菜、魚介類、果実類の順で多いということで、17ページのグラフにも示しましたが、それぞれ
食品群の摂取量の推移が16ページに出ております。特に魚介類と果実類の摂取量は低下してきて
いるというデータがあります。
 最終評価は、男女とも摂取量が低下しており、悪化したということで、Dです。
 今後の課題としましては、特に野菜・果物の摂取増加の対策、また、若い世代が特に低いとい
うことで、小児期からの食育等による普及啓発が必要ではないかということであります。
 次の8.3 適正体重を維持している人の増加は、栄養分野と重なりますので、特に追加する
ことはありません。評価はDとなっております。
 次に8.4 運動習慣者の増加です。こちらも循環器で特に追加することはございません。こ
ちらは評価がCとなっております。
 次の8.5 高血圧の改善であります。指標の推移については、上2行がもともと書いてあり
ましたデータでありますが、今回、3行目、4行目の数字を追加で評価しています。
 これについては(2)の分析上の課題にも書きましたが、まず血圧の国民の平均値の推移につ
いては上2行の方が、国民健康・栄養調査の対象者が若干高齢化していますが年齢の影響を取り
除いていない。また15歳以上で評価していますが、20歳以上の成人で評価するべきだろうとい
うことです。さらに、血圧降下剤を服用している人を除外した平均値が書いてありますが、血圧
降下剤服用率が非常に高くなってきたということで、治療による降圧も含めた国民の血圧を評価
すべきです。そこで、下の2行の評価では、20歳以上で年齢調整した数字、かつ血圧降下剤服用
者を含めた国民の血圧の平均値を評価しております。
 評価ですが、20ページのグラフにも詳しいデータが載っております。全体で血圧は、特に年齢
調整平均値を見てみますと、男女とも有意に低下しています。男で3.5mm、女で5.9mm低下し
ています。しかしながら、男性の血圧の低下は、中間評価以後は有意な差が見られません。
 以上は血圧の平均値を見たものでしたが、高血圧の有病率という観点も必要です。かつ、降圧
剤を服用している人も有病者に含めて、血圧が高い、または降圧剤を服用している人を合わせた
有病率を見る必要があり、結果が21ページのグラフになります。こちらも、ベースラインと比べ
ますと、男女とも有意に年齢調整の有病率は低下してきています。男性では3.5ポイント、女性
では6.8%ポイント低下しております。
 最終評価としましては、年齢階級別あるいは年齢調整値を見ますと、血圧の平均値は低下、ま
た、高血圧有病率も改善したということで、判定はBであります。
 今後の課題としましては、改善したとはいえ、特に高齢者を中心に50%を超える有病率であり
ますので、更に予防対策は必要である。また、国民全体の血圧レベル低下のためのポピュレーシ
ョン対策を更に推進する必要がある。3点目ですけれども、高血圧の発見率、治療率あるいはコ
ントロール率といった指標も観察して、これの改善の対策も必要であるということでございます。
 次は、8.6 たばこですけれども、これはたばこ分野での報告と変わりなく、判定はBにな
っております。
 次が8.7 高脂血症です。こちらは有病率で評価しておりますが、初めの2行の数字に加え
て、その次の2行の数字を追加しております。高脂血症の有病率の評価ですが、平成16年と平成
21年は服薬の有無を調査されておりますので、服薬者を含めた有病率という評価をしたのが下の
2行の評価になります。
 グラフが22ページ、23ページで、22ページは服薬情報を無視した有病率ですが、23ページが
服薬情報を含めた有病率になります。ただし、平成9年のベースラインに関しては服薬情報がな
いということで、有病率は低く評価されている可能性があります。服薬情報を含めた有病率率を
年齢階級別に見ますと、年齢調整値も含めて上昇傾向のところが多いという結果です。
 最終評価としましては、平成9年が若干過小評価されていると考えても、有病率は上昇してい
ると思われるということで、悪化していると考えられ、評価はDです。こちらの対策も引き続き
必要であるということで、課題を記載してあります。
 その次、8.8は糖尿病分野と重なっております。評価はBであります。
 その次の飲酒も重なっており、評価がCです。
 8.10は健康診断を受ける人の増加です。これは糖尿病の7.4の目標とほぼ同じですけれど
も、健診を受けている人の割合の評価も行いました。平成9年の調査のみデータソースが異なり
ますので、正確な比較が若干困難ですが、24ページのグラフに年齢調整値あるいは年齢階級別が
ありますとおり、改善したと思われます。
 ただし、(2)に書いた通り、国民生活基礎調査に出ております健診受診率は、平成10年が61.9%、
平成22年が64.3%、若干上昇しているというデータも認められております。
 課題としましては、受診率を更に向上する必要があるということです。
 次に8.11の循環器病の減少です。こちらも当初掲載のデータにプラスしまして、イタリック
になっております脳卒中の年齢調整死亡率と、虚血性心疾患の年齢調整死亡率を追加で記載しま
した。人口の高齢化の影響を取り除く必要があるためです。そうしますと、年齢調整死亡率は脳
卒中では顕著に低下しており、虚血性心疾患は、年齢調整する前の数字はほぼ横ばいですけれど
も、年齢調整しますと減少傾向にあるという評価であります。
 最終評価としては、改善しており、Bとしました。
 今後の課題としまして、死亡率のみの評価では、発症数あるいは発症率の評価ができないとい
うことで、発症登録システムなどを整備して、発症率の推移の観察が必要と考えます。また、重
要な危険因子であります高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙に対するハイリスク対策、ポピュレ
ーション対策の推進が引き続き必要です。
 8.11は糖尿病分野と重なっておりますので追加はありませんが、評価はAであります。
 8.13も重なっており、評価がCでありました。
 8.14は、評価できないということであります。
 総括表の方に戻りますと、循環器単独の5指標で言いますと、Bが3項目とDが2項目という
ことになっておりますけれども、14指標すべてを見ますと、Aが1項目、Bが6項目、Cが3項
目、Dが3項目という結果になっております。
 総括評価、今後の課題は、今お話しした中で重要な点に絞って記載しております。
 以上です。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、がん分野、山本先生、お願いいたします。
○山本委員 国立がん研究センターの山本です。9番、がんの資料をごんください。
 めくっていただきまして、まずデータ評価シートの方ですけれども、一番初めはたばこ対策と
いうことで、これは既に評価いただいていて、4つあって、C、B、B、Bということです。
 それで、全体を通しての評価をということであったので、(1)どの項目も目標値は達成できて
いない。進んではいるが、遅々としているということと。
 最後、今後の課題のところで、なかなか進まないのを努力不足のせいにすべきではないのでは
ないか。なかなか進まないことは、解決が難しい問題であるということを意味しているので、こ
れまでとは全く異なるアプローチ、抜本的な対策をすべきと考える。何をするかということを書
かせていただきました。
 次に、食塩摂取量も既に評価されていまして、Bで、特に追加はありません。
 次、野菜摂取量は、これも既に評価されておりまして、Cということなんですけれども、最後
の今後の課題のところで、350g以上に対して平均値が評価されているんですけれども、目標値が
あるわけですから、平均ではなくて、目標値の達成割合で見るべきではないか。また、達成割合
が低いセグメントを抽出し、重点的に対策を立てることが重要であると考えると書きました。平
均だけではなくて、どこの集団が低いということがあるのかどうかを調べた方がいいのではない
かということであります。
 次、9.4の果物ですけれども、これはがんだけの分野です。もともと成人が60%以上で、前
回の資料であったのが、平成9年の国民健康・栄養調査が30%で、中間が60、直近が60という
数字があったんですけれども、この数年の間に30%も増えているのはおかしいんじゃないかとい
うことで調べたところ、前回指摘させていただいたのが、計算の仕方として、果物の中にジャム
とかが入っていた影響のようであるということで、事務局にお願いして再計算していただきまし
た。
 そうすると、残念ながら全然違ってきてしまいまして。(1)に書いてあるんですけれども、も
ともと国民健康・栄養調査のデータを再計算した数値に基づくと、策定時のベースライン値が
70%。つまり、摂取しているものは70で、もともと目標値より高かったんです。30と書いてあ
ったのは、どうも逆の方が出ていたみたいで、当時のことはわかりませんけれども、今から振り
返ると、100%から引いた方を出さないといけないところが、30と出ていたんですが、実際は70
だったということです。
 それで見ると、もう目標値自体の意味が多分なくなってしまうので、目標値自体を設定し直さ
ないといけないのですが、後から見て目標値を設定し直すというのも、後知恵解析のそしりを免
れないところもあると思いますので、一つの指標というよりは、全体的に見るべきだろうという
ことで計算していただきましたのが、そこに4つ出ている、果物を摂取していない者の割合、100
g以上摂取している者の割合、200g以上摂取している者の割合と平均摂取量。
 このように、いろいろな指標で見てどうかと判断した方がよかろうといことで、出してみまし
た。結果論なんですけれども、どの数字を見ても悪化している。摂取していない者も増えている
し、100g以上摂取している人は減っているし、200gも減っているし、平均も減っている。いず
れにしろ、目標をどう立てても悪くなっていたということであります。
 厳密に言うと、もう十分だったということであればいいのかもしれませんが、そんなことはな
かっただろうと思いますので、悪化しているということで、Dにさせていただきました。
 コメントとしては、先ほどの野菜と同じなんですけれども、果物だけで摂取量の増加を目標と
しても、果物摂取量増加により、他の食品の摂取量が変化してしまう。例えば野菜が減ることも
あると思いますので、果物摂取と野菜摂取の両方を含んだ目標値を設定するなどした方がいいん
じゃないかということと。
 あとは、野菜と同じで、摂取量の少ないセグメントを抽出して、重点的に対策を立てるのが必
要であろうとコメントさせていただきました。
 次が脂肪エネルギー比率の減少でありますけれども、これも既に検討いただいて、Cという評
価をしていただいて、特に追記することはありません。
 その次、飲酒対策の充実ですけれども、これは3つ項目があって、既に評価されていて、C、
B、Bになっています。全体としてどうかというコメンを書いてみたんですけれども、未成年の
目標値で改善が見られるものの、3項目のどれも目標値に達していない。多量に飲酒する人、節
度のある適度な飲酒の知識がある人の割合は、横ばいまたはわずかに増加していると書きました。
 ただ、アルコール依存とか未成年の飲酒、それから節度のある適度な飲酒というのは、それぞ
れ目標が随分違っているので、メッセージとしてはわかりにくいので、一緒に評価すべきでもな
いでしょうし、アルコール対策としてもう少しわかりやすいスキームを将来へ向けてはつくった
方がいいのではないかと感じましたので、コメントさせていただきました。
 最後に、がん検診であります。がん検診はがんだけの項目でありますが、そこに胃がん、子宮
がん、乳がん、肺がん、大腸がんと出ておりまして、平成9年は健康・福祉関連サービス需要実
態調査で、その後、国民生活基礎調査に移ったと思いますので、それで見たところ、胃がんと肺
がんについては、目標値をクリアーしている。子宮がん、乳がんは減っている。大腸がんは増え
ているんですが、目標にはぎりぎり達していないということであります。
 前回、平成16年に比べると、どれも増加しているという傾向はあるんですけれども、全部達成
しているわけではないということです。
 それから、がん対策推進基本計画の方では、絶対値というか、受診者数ではなくて、受診率で
定義されて50%という目標がありますので、そちらと比較できるように、受診率でも数字を出し
た方がいいのではないかと考えまして、事務局にお願いして出していただいた。
 ということで見ていただきますと、20%前後であって、50%という目標に対しては足りないと
いうことで、目標自体ががん対策推進基本計画と異なっていますので、その整合性をとることは
必要だろうと思います。
 もう一つ大事なことは、今回数字が出ている国民生活基礎調査に関しましては、質問票調査で
ありまして、その中にがん検診とは何かということを説明して答えていただくようにしているん
ですけれども、本当に対象者の方が正しく、こちらが意図しているものを答えているかどうかと
いうのはわからないところがあります。市町村の提供する検診、事業所の提供する検診、人間ド
ッグの検診も含めて、目標としている検診を明確に定義して、その数値を把握できる仕組みをつ
くることが非常に重要であると考えました。
 それから、受診率向上だけではなくて、がんの早期発見に関しましては、有効性がある検診と
は何かということ。それから、精度管理、受診率向上とセットで考えるべきでありまして、それ
ぞれやみくもに努力目標を言うのではなく、エビデンスに基づいた方法でアプローチすべきだろ
うと書きました。
 それから、既に死亡数の減少につながっているのかとか、早期がん発見者の増加につながって
いるのかということも見た方がいいんじゃないかというコメントをいただいておりまして、それ
に加えて、先ほどのがん対策推進基本計画との整合性のことも書いたということです。
 以上で個々の評価の説明を終わりまして、一番初めに戻っていただきますと、2つだけでした
ので、BとDになっております。
 総括評価として、果物摂取については悪くなっているということと。
 がん検診受診者数は増加し、一部検診については目標値に達しているものの、がん対策推進基
本計画の目標値には遠く及ばないと書かせていただきました。
 今後の課題としては、がんの予防、早期発見等、それぞれについて、医療技術に対する科学的
エビデンスを積極的に作成するということと。エビデンスが確立されたものに関しては、介入の
方法についても科学的に検討して、それに基づいて対策を行っていくことが必要である。それら
を系統的に推進する体制がないと、個々の市町村なりにお願いするだけでは、具体的な対策をど
うしていいかわからないところがありますので、系統的に推進する体制をつくる必要があるんじ
ゃないかということを書かせていただきました。
 以上です。
○辻座長 ありがとうございました。
 ただ今、3名の委員の方々から御報告いただきましたけれども、それにつきまして質疑応答を
行いたいと思います。どの分野でも構いませんので、御意見、御質問をいただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
○津下構成員 まず、全体についてですけれども、指標の達成状況の表ですが、再掲の部分を含
んで表記するのか、単独の項目だけ表記されているものもありますけれども、再掲項目も分野の
中の指標ということで考えれば、その数を入れていただいた方がわかりやすいだろうと思います。
 それから、各分野で一つずつ御質問したいんですけれども、糖尿病の分野で田嶼先生の分析の
中で、若年者、または肥満対策、予備群対策が非常に重要だというメッセージが非常によく伝わ
ってきました。
 もう一方、高齢者につきまして、日本人はやせの糖尿病も多いということで、筋肉量の減少、
サルコペニアとの関係が言われておりますので、その辺ももう少し加筆していただくことはでき
ますでしょうか。高齢者については、BMIは高くないんだけれども、筋肉量が少なくて体重減少
している。運動習慣による筋肉量の維持ということももう一つメッセージが伝わるといいのかな
と。
○田嶼構成員 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。これは、7.2の項目、
日常生活における歩数の増加と絡み合わせて、特に高齢者が寝たきり老人にならないように、転
ばないようにとか、そういうこともすごく大切ですので。そしてまた、高齢者における軽症の糖
尿病の予防あるいは予備群にすらならないようにするということとも結び付けてコメントできる
と思います。ありがとうございます。追加させていただきます。
○津下構成員 よろしいですか。
○辻座長 どうぞ。
○津下構成員 それから、循環器の三浦先生のところで、有病率、要は服薬者をどう扱うかとい
うことで、大変興味深いのは、脂質異常症で服薬者とデータ異常を合わせたものと、データだけ
で判定したグラフがありました。例えば22ページと23ページの比較をしますと、高脂血症の有
病率について、服薬者を含むと60代の女性は非常に高いんですけれども、実際にデータでは240
以上の人は少ない。コントロールがいいとも言えますが、逆の見方をすると、服薬がやや多過ぎ
る可能性も考えられないか。これは、HDLとかLDLをちゃんと見ていかないと言えないかもし
れませんが、健診データをみてみると、コレステロール値は低くてもお薬を飲んでいる人たちが
結構見られるので、その辺りについてどうとらえていくのかということです。
 例えばNIPPON DATAでも、女性の場合は男性と比較してコレステロールが虚血性心疾患とか
脳血管疾患に余り影響していないというデータも出ていたと思うので、それをどう扱うべきなの
か、メッセージとしてどう発信すべきか、と思うんですけれども。
○三浦構成員 まず、NIPPON DATAでは、女性でもかなりコレステロールが高いところで虚血
性心疾患リスクが上昇することを報告しています。22ページ、23ページのグラフで、服薬者を有
病者に入れるか入れないかで見え方が変わってきますが、22ページのグラフは総コレステロール
240以上の人の率です。
 特に60〜70代の女性では、近年服薬者は全体の20%ぐらいになっています。お薬で総コレス
テロールが大きく下がりますので、240以上という割合だけで見ると、治療の影響で有病率がか
なり低く出るのではないかと考えています。治療ガイドライン等にあわせてコレステロールが高
い人が服薬を始めたということだと思いますけれども、服薬者を有病者に含めて有病率を見てい
く必要があると思います。
 一方で、国民のコレステロールの平均値の推移も見ていく必要があると思います。こちらも治
療の影響が近年大きく入っていきますので、その辺りを慎重に見て、どういった対策が必要かと
いうことを考えていく必要があると思います。
○津下構成員 もう一つ、がんの分野で、限られた指標の中でコメントするのは大変だろうなと
思いますが、今回のがん分野の指標には入っていないことなんですけれども、肥満や身体活動の
減少が、大腸がんとか乳がん等々のリスクとして関係が深いと言われている。健康日本21の分野
の中に、ほかの分野の指標として観察しているものもあるので、肥満者の動向や身体活動も関係
しているというメッセージをコメントしてはいかがでしょうか。
 それから、今回は、どこのがんかという部位別の考察はできない構造だったと思うので、今後、
先生のおっしゃるように、エビデンスで示す必要がある。だから、例えばがんの年齢調整死亡率
だとか部位別のデータも参考にしながら、今のがん対策がどうなのかということを言及していた
だく。
 先ほど三浦先生のところでは、虚血性心疾患の調整死亡率がどうだという話がありまして、そ
れは減っているんだというデータがありましたので、そのようなデータががんでも表示されると、
これは参考値にはなると思いますけれども、よりメッセージ性が伝わるのではないかなと思いま
すが、いかがでしょうか。
○山本構成員 御意見いただいたように、今回、もともと設定していないけれども、関係ある項
目というのがありますので、それらを含めてコメントすることは非常に適切だと思います。
 それから、記述的な意味で、それぞれのがんのことを書くのもいいと思うんですけれども、年
齢調整するとほとんどのがんは実は減っているので、つながりとして書きづらいなというところ
はあるので、その辺はちょっと工夫が必要かもしれません。
○辻座長 ほかにどなたか御意見、御質問ありますか。山本先生。
○山本構成員 田嶼先生にちょっとお伺いしたいんですけれども、指標の7.6の有病者数です
けれども、予想というか、推計が1,080万ということですけれども、その前のリスクファクター
の変化で見ると、必ずしも改善しているわけではないということだと思うんです。ということは、
何かすごくいいことがあったから下回ったというよりは、これだけ見ると、推計値がちょっと高
かったんじゃないかという感じも受けるんですけれども、その辺どうなのかということをお伺い
したいんです。
 もしそうだとすると、それでも増えているわけなので、これでAで万々歳ということではなく
て、推計値についてのコメントもあった方がいいんじゃないかと思います。
○田嶼構成員 ありがとうございます。実は、その点を最後の最後まで迷いました。実態から言
うと、決して改善はしていない。特に、糖尿病の予備群、つまりそこの範疇にはごく軽症の糖尿
病であり、高血圧や高脂血症なども合併している、将来の虚血性心疾患を起こす人たちが含まれ
ているわけです。そして、その人たちは増えている。そういうことを考えますと、Aという評価
というのは実態には合わないのではないかと思ったんです。
 でも、ぎりぎり私、Aに戻したんです。と言いますのは、目標を設定したわけです。ですから、
その目標が適切であったかどうかということは別として、それについてきちっと評価しないと、
好きなように変えてしまうということになりはしないか。だから、あるがままを言うとAである。
しかし、問題がないわけではないというところを充実させるという方向をとったんです。
 でも、この会議の御議論の中で、Aというのは実態とは違う。Cにすると、改善していないこ
とになるわけです。でも、糖尿病の有病者という、確実な糖尿病らしい人たちは、有病率から見
ると増えていないわけです。これはどんどん増えるだろうと言われてきたわけでしょう。ですか
ら、そこから見ると、この過去10年間の国及び関連者の努力というのは報われているんじゃない
かなと思うわけです。そういうメッセージも加えたい。
 ですから、この会議でどちらにした方がいいかということを御議論いただければと思います。
私、最も議論していただきたかった点であります。
○山本構成員 私も賛成で、そういうふうに決めたので、AはAでいいと思います。ただ、今こ
こで議論したようなことを追記した方がいいのではないか。
○田嶼構成員 わかりました。
○辻座長 ほかにどなたかございますか。
 1つ、私からですが、がん検診の受診者数ですけれども、最終評価のところで、子宮がん、乳
がんの各検診の受診者数は、目標の半数程度にとどまっていると書いてありますが、これは目標
を立てたときは、毎年受診することを旨としての数字であって、しかし、この10年間で大分変わ
ってきまして、子宮がんと乳がん検診については、2年に一度の受診になったわけです。
 それで、このデータのとり方自体もまた問題なのですけれども、直近実績値である平成19年の
国民生活基礎調査での聞き方は、過去1年間にということになっていますので、実際にそれを乳
がん検診みたいに2年ごとに受診という場合に、数は半分になるに決まっているのです。ですか
ら、目標の半数程度と言い切っていいかどうか。前の方にも、国民生活基礎調査によるデータ収
集の問題性、限界性について言及されていますけれども、それも少し付けてコメントしていただ
ければと思います。よろしくお願いします。
 ほかにどなたかございますか。田嶼先生。
○田嶼構成員 山本先生に1つお伺いしたいところなんですけれども、がんの9.4、果物類を
摂取している人の増加の一番最後の(5)、果物の摂取と野菜の摂取の両方を含んだ目標値という
のは、私はこれはすごく大切だと思います。
 と言いますのは、糖尿病でがんの方もいらっしゃるわけです。個人から見ると、すべての疾病
を抱えていることがある。だから、その疾病ごと、分野ごとにメッセージが、ほかの分野ではぐ
あいの悪いことが、別の分野ではいいことだという感じで伝わるのは、受け取る方にとっては少
し混乱するんじゃないか。
 と言いますのは、果物は水菓子でありまして、特に高齢の女性の方が果物は野菜と同じだとい
ってたくさん召し上がると、糖尿病の予備群の人は糖尿病になってしまうわけです。したがって、
果物は甘くないこと。それと、余りたくさん食べ過ぎない。むしろ、野菜を食べていただきたい
というメッセージが強く出ることを、糖尿病の分野の方からは要望したいと思います。
 したがって、最後の(5)をもう少し膨らませて、果物にしても、その内容が大切だとか。た
だたくさん食べればいい、御飯のかわりに、あるいはお肉のかわりに食べればいいというミスリ
ーディングにならないようにしていただけたらと思います。
○辻座長 よろしいですか。
○山本構成員 はい。
○辻座長 古井先生、どうぞ。
○古井構成員 それとまた別なんですが、田嶼先生の7.1の(5)で御指摘があるように、若
年層の男性の肥満の増加を我々もすごく危惧していまして、三浦先生も最後の課題のところで、
若年層の健診受診のアップという御指摘がありました。直近の国保の東京とかのデータで出たも
のがありまして。
 実は、若年層の健診の受診率を見ると、東京都内も非常に低いんですけれども、若年層の方は
継続して経年で受ける方が5割しかいなくて、毎年違う方が受けて4割になっていました。逆に
60代以上の方は、継続受診率が8割ぐらいなので、高齢の方は全く受けない方をどういうふうに
受けさせるかなんですが、30代〜40代の方は、サラリーマンを除きますと、経年で受けない方を
いかに経年で受けさせるかというのは、非常に課題なのかなと思っています。
 全く受けない方は逆に少ないですけれども、3〜4年にたまに受けるという方が国保の場合、
非常に多いので、健診の受診率アップのところで、受けない方を受けさせる施策も大事ですが、
たまにしか受けない。つまり、大企業の労衛法がかからないような方が健診を毎年受けるのは、
余り意識されていない場合が多いので、その辺も御指摘があるといいのかなと思いました。
○田嶼構成員 わかりました。ありがとうございました。先生おっしゃるとおりだと思います。
継続して受けるということ。
 とは言っても、なかなか忙しくて、暇のない方が多いので、受診されたときの事後指導を充実
させるといいますか。そのときに例えば糖尿病のけがあるよと言われて、僕は糖尿病じゃないと
思うのか、あるいはどこかに刷り込まれているのかということは、その後の健康対策、糖尿病対
策にもつながってまいりますので、事後指導をきちんと受けるということと、その事後指導の内
容も含めて、強化できればいいと思います。ありがとうございました。
○辻座長 済みません、まだ御意見があると思うんですけれども、時間も限られておりまして、
ほかにも後で今後のことを議論する時間を残したいと思いますので、これにつきましてはここで
打ち切らせていただきたいと思います。まだ足りない御意見につきましては、机上に御意見シー
トを配付しておりますので、それに御記入いただいて事務局に御提出いただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
 ということで、総括表とデータ評価シートにつきまして、本日の御議論等を踏まえまして、各
分野の御担当の先生方及び事務局におかれましては、また最終仕上げを行っていただきたい。ど
うぞよろしくお願いいたします。
○三田生活習慣病対策室長補佐 済みません、事務局の方から1点補足させていただきます。
○秋月がん対策推進室長補佐 失礼いたします。がん対策推進室でございます。がん検診の受診
率についてでございますが、国民生活基礎調査、最新の平成22年度では、乳がん検診、子宮がん
検診につきまして、過去2年の状況というのも調査しておりますので、そちらの方も考慮に入れ
ていただくことになろうかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○辻座長 ということでした。
 では、次に議題2に移らせていただきます。「自治体・団体の取組み状況等について」というこ
とで、自治体及び団体に調査票を発出しておりましたので、その結果報告につきまして事務局か
らお願いいたします。
○菊地生活習慣病対策室長補佐 事務局の菊地でございます。資料3と4に基づきまして御説明
申し上げたいと思います。今年6月と7月に、都道府県、市区町村、団体に対しまして調査を行
いました。その結果につきまして、まず資料3の都道府県の方をごらんください。
 庁内に部局横断的な組織体制があるかどうかということですが、これに対して、あると答えた
のが32%で、全体の3分の1。これに対しまして、(2)関係団体、民間企業等の協議会の体制
があるかどうかということに関しまして、あると答えたのが98%。ほとんどのところでそうした
体制がとられている状況でございます。
 それから、健康日本21の地方計画の評価ですけれども、評価を行う体制がありますかという問
いに対して、あると答えたのは98%。
 それと、これまでに中間評価等の評価を行ったことがありますかという問いに対しては、同じ
く98%が行っていると答えております。
 あと、二次計画の策定についても、策定した、あるいは策定中と答えたのが全体の7割を占め
ております。
 それから、各分野ごとの取組み状況につきましては、充実した、縮小した、変わらない、未実
施という区分けがなされておりますが、参考資料1をごらんいただきたいと思います。
 その1ページ目の真ん中ほどに、「健康増進施策の取組状況について」ということで、充実した、
縮小した、変わらない、未実施に関しましては、健康日本21が策定された12年から現在までを
対象としております。
 囲った中で、充実したというのは、予算の増額、条例等、いろいろな取組みの見直しなどを行
って、取組みの質を向上した場合。縮小したとするのは、予算額の大幅な削減、投入する労力の
減少があった場合。変わらないというのは、1、2に当てはまらない場合としまして、未実施と
いうのは、その分野の目標項目自体を設定していない場合と区分けしております。
 これに基づきまして、資料3にお戻りいただきまして、それぞれの分野ごとに各都道府県がど
ういう評価というか、取組みについて考えているかということです。
 アルコールと循環器病につきましては、充実したというのがやや少ない割合になっておりまし
て、変わらないとしている割合を下回っている状況でございます。ただ、それ以外の分野につき
ましては、充実したというのが6割から8割を占めている。特に、がんなどにつきましては9割
近くに及んでいる。各県において、これらの分野につきましては、取組みの質が向上していると
評価していることがうかがえるかと思います。
 めくっていただきまして、市区町村の調査結果です。1か所だけ訂正させていただきたいんで
すが、3の丸1栄養・食生活のポツの3つ目、野菜の摂取量の増加の一番右側、未実施の欄でござ
います。「1,365分の3」となってございますのを「1,365分の392」と数字を御訂正いただけれ
ばと思います。丸1のポツの3つ目の一番右側の欄でございます。
 先ほどの都道府県は回収率100%でしたが、市町村についても約85%。今回、震災の関係がご
ざいまして、被災3県の市町村には、仙台市は除きますけれども、調査対象から外させていただ
いた経緯もありまして、それを除きますと約92%の回収率になってございます。
 こちらにつきまして、まず庁内に部局横断的な組織体制があるかという問いについては、都道
府県よりは若干少ないですが、25%があると答えております。まだ、外部の関係団体等との協議
会、連絡会等の体制につきましても、67%があると答えております。
 更に、健康日本21の地方計画の評価につきましても、体制を持っているところが約6割。中間
評価等を行ったところは、半分より若干少ないですけれども、45%。それから、二次計画の策定
等につきましても、策定したと策定中を合わせますと、約4割近くが取組みを行っているという
結果が入ってきております。
 続きまして、分野ごとの取組み状況ですけれども、都道府県に比べますと、充実したという割
合がやや減って、変わらないあるいは未実施としているところが割合的には多くなってございま
す。つまり、項目自体を設定していない市町村がありまして、これらの影響が出ている。
 個別につきましては、栄養・食生活あるいは身体活動・運動、糖尿病、がんといった分野につ
いては、半数を超えた市町村が充実したと回答しております。
 続きまして、関係団体の調査結果、資料4をごらんいただきたいと思います。
 こちらにつきましては、調査対象を健康日本21推進全国連絡協議会の加入会員、現時点で139
団体あるんですけれども、こちらの方に対して調査を実施して回答をいただいております。回収
率につきましては、54%ということで、75団体からいただいております。
 その結果ですけれども、担当者を決めているかどうかということについては、8割が決めてい
ると回答して、年度ごとの計画についても、6割が計画を立てて取組みを行っている。それに対
して、取組みの評価自体は半数を割って、4割が行っている。ただ、他の機関や団体との連携に
ついては、約3分の2の団体が図っている。あと、ホームページでの公表も約6割が取組みを公
表していると答えております。
 各分野ごとに個々の分野の代表目標項目についての回答をとりまとめております。この内容を
見ますと、栄養・食生活や身体活動・運動、糖尿病、循環器、がんなどの項目で実施率が5割を
超えている部分が見られております。ただ、実施していないという項目も多々あって、両者が拮
抗しているといった調査結果が出ています。
 調査結果につきましては、以上です。
○辻座長 ありがとうございました。これらの結果に関しましては、基本的に報告という形をと
らせていただきますけれども、もし委員の先生方で特段御意見がございましたら、御意見シート
の方に御記入・御提出いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、議題3「次期健康づくり運動に向けた評価について」に移らせていただきます。
 本日で、9分野の報告がそろいまして、また前回の議論内容も踏まえつつ、新しい観点も加え
て、今後の健康づくりのあり方について、具体的な内容について御検討いただきたいと思ってお
ります。
 まず、事務局の方から資料の御説明をお願いいたします。
○菊地生活習慣病対策室長補佐 続きまして、資料5について御説明申し上げたいと思います。
 前回の作業チームにおけます御議論などを踏まえまして、事務局の方で次期の健康づくり運動
に向けた課題ということで、案を資料として整理させていただいています。
 議論の前提となる視点ということで、主に4つほどまとめさせていただいております。
 1つ目ですけれども、今日も3分野御議論いただいておりまして、全部で9分野79項目という
ことで、これが議論の前提になることは間違いございません。
 これに加えまして、2つ目としまして、中間評価の際の健康日本21を2年延長した背景。括弧
書きにございますように、関連計画との連動性。当時としては、医療制度改革等の中で医療費適
正化計画あるいは医療計画が平成24年度までの期間で計画が策定される。この辺りの動きを見て、
健康日本21も2年ほど取組み期間を延ばした経過がございます。
 そういった中で、例えば医療制度改革におきましては、若年期からの生活習慣病対策の充実強
化が重要課題に当時なっていた。更には、医療計画におきまてしも、4疾病5事業の具体的な連
携体制などが記載事項とされていたことを踏まえていく必要があるのではないかと考えます。
 更に、3の健康増進法に基づく基本方針、あるいは都道府県計画などとの調和・配慮が求めら
れる他法令に基づく方針、計画ですけれども、以下4つほど。ちょっと重複部分もございますけ
れども、まとめさせていただきました。
 まず、高齢者の医療の確保に関する法律につきましては、この法律に基づいた基本的な方針あ
るいは基本的な指針、下に書いてございます中で、健康増進法に基づく方針、計画との調和が求
められている。計画としては医療費適正化計画ですけれども、現在、見直し等、中間評価が行わ
れた結果なども踏まえまして、例えば特定健診・保健指導のあり方などについて検討しておりま
す。こういった動きも配慮していく必要があると考えます。
 また、医療法に基づく基本方針の中の医療計画につきましても、4疾病5事業の見直し。これ
は、せんだっての議論の中で、5つ目として精神疾患が加えられるという方向が了承されている
状況がございますし、居宅等における医療の確保といった部分など、平成25年度以降の次期計画
について検討中といった動きも押さえていく必要がある。
 更には、がん対策基本法に基づきますがん対策推進基本計画ですけれども、まさに今、議論が
なされておりまして、基本計画に掲げられた7つの分野の変更など、次期計画の変更について、
現在、検討を進めているところでございます。
 更には、介護保険法に基づきますいろいろな指針におきましても、調和規定が設けらさており
まして、介護保険事業(支援)計画は、23年までの4期において計画されている。こういった計
画と、米印にあるとおり、平成23年6月に法改正がなされまして、その内容としては、高齢者が
地域で自立して生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく
提供される「地域包括ケアシステム」の実現に向けた取組みを推進する方向が打ち出されており
ます。
 こういった動き等にも留意していく必要がある。議論の前提として押さえていく必要があると
整理させていただいております。
 更に、前回の議論にもありました、健康日本21の取組み期間における時代の変化への対応とい
うことで、3つほど、科学技術の進歩、社会経済の変化、その他ということでまとめさせていた
だいております。
 具体的には、参考として、前回の議論を踏まえた論点整理ということで、事務局の方で課題の
具体例を整理させていただいております。
 科学技術の進歩につきましては、例えばテーラーメイド医療、長寿遺伝子の活性化、がんワク
チンといったものが考えられます。
 社会経済の変化、これは震災からの学びと書かせていただいております。これもせんだって御
議論があったとおり、きずなの部分。要は、健康リスク・環境、危機管理、衛生教育といった部
分。更には、こどもがこころと体を健全に育成できる社会環境の整備といったものなど、ここに
掲げさせていただいている項目辺りが課題の具体例になっていくのかなと整理させていただいて
おります。
 その他、新規・重点的な疾患・リスク対策、その他リスク対策、健康意識。更には、推進方策・
推進体制などにつきましても、前回の御議論を踏まえて整理させていただいております。こうい
った資料をおつくりしまして、今回、時間をおとりいただいて御議論いただければと考えており
ます。よろしくお願いします。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、前回の議論もまとめた上で、2ページの参考ということで論点をまとめていただき
ましたので、それぞれにつきましてディスカッションしたいと思います。これは、特に本日、意
見をとりまとめるというのではなくて、むしろオープンにいろいろなディスカッションをしてい
ただいて理解を深める。方向性について、ともに考えようということですので、御自由に御意見
いただきたいと思います。
 では、一つひとつ区切って御議論いただきたいと思いますが、まず最初、(1)科学技術の進歩。
テーラーメイド医療とか長寿遺伝子、がんワクチンといったことにつきまして、委員の先生方か
ら何か御意見いただけますでしょうか。宮地先生。
○宮地構成員 テーラーメイド医療というのは、世の中全体で非常に注目されている言葉です。
資料に遺伝子情報を元にしたオーダーメイド健康づくりという項目があります。遺伝子は当然個
人差の元ですけれども、それに加えて私たちを取り巻く環境や生活習慣の個人差というのも非常
に大きく関与しています。遺伝子の違いと環境の違い、どちらが私たちの生活習慣病発症や健康
状態に影響を及ぼしているのかということに関しては、半々、もしくは環境の方が若干大きいだ
ろうという研究が幾つもあります。
 個別性に着目した対策をやっていく際に、遺伝子ということだけを全面に出すのではなく、そ
の人を取り巻く環境の幅の大きさの違い、あるいはその人の生活習慣そのものの違いも見て、個
別のものをやっていくという書きぶりにしておいた方が、より現実的でありますし、予防活動を
推進する側が何をしたらいいかというメッセージになると思いますので、是非その辺を修正して
いただければいいのではないかと思います。
○津下構成員 生活習慣病と言っても、遺伝とか加齢の影響が大きいものもあって、そういう意
味では、セグメント化するということをしっかり考えていく必要があると思います。対象者別に、
例えば高齢者の糖尿病を減らすには何が必要とか。ただざっくりとした平均値で見るのではなく
て、科学的なエビデンスを基に、メタボの人は体重を減少すれば検査値の改善という結果が出る
んだけれども、そうじゃない人たちについては、何をすればどういう結果が期待できるのかとい
うことをしっかりと考えていく。ただメタボ以外にも何かをやればいいじゃなくて、何をすれば
どのような結果が出るんだという議論のもとに、しっかりとしたビジョン、ゴールの組み立てを
していくのが必要だろうと思います。
 先ほどのBMIの話も、以前は体重だけだったけれども、組成まで考えて内臓脂肪に着目するよ
うになりましたし、最近、出生時体重という長いスパンで見て、低体重出生児の方が生活習慣病
になりやすいという研究も出始めているので、そういうものの応用ができるのではないかと思い
ます。
○辻座長 田嶼先生。
○田嶼構成員 今の宮地先生と津下先生は同じことをおっしゃっていると思うんですね。遺伝子
情報を基にしたオーダーメイドと言ってしまうと、物すごくスペシフィックになってしまって、
こういうハプロタイプを持っている人を見つけて、こういう人にはこういう治療と行くけれども、
そこまでではないですねという確認だろうと私は理解いたしました。
 そして、オーダーメイドで、今、津下先生がおっしゃっていただきましたけれども、糖尿病だ
って、2型糖尿病は多様であります。特に体形や遺伝的背景を加えたバックグラウンドを見なが
らアプローチすることが、よりよい糖尿病の予防につながっていくわけですから、この方法は、
私は賛成です。
○辻座長 三浦先生。
○三浦構成員 時代の変化への対応ということで、新たな視点を入れていくのは大事なことだと
思いますけれども、一方で、健康日本21で非常に大事だった部分、1次予防、ポピュレーション
対策という部分が非常に大事であるというところは押さえなければいけないと思います。テーラ
ーメイド医療などは、非常にスペシフィックなハイリスク対策だと思いますが、ポピュレーショ
ン対策の重要性をきちんと確認しておく必要があると思います。
 例えばアメリカでここ20〜30年の間に肥満が爆発的に増加しているという過去の経緯を見ま
すと、遺伝要因では説明が非常に難しく、環境要因が非常に大きな影響があるといことがありま
す。個人の努力に依存するのではなく、環境整備に力を入れるという視点を前面に押し出すべき
ではないかと思います。
○辻座長 横山先生。
○横山構成員 遺伝子情報を基にしたことなんですけれども、健康日本21でも、一部でそういう
ものがありまして、樋口先生がご専門で、今日はいらっしゃらないですけれども、アルコールの
ところで、節度ある適度な飲酒量はエタノール換算で20グラム。ただし書きとして、少量の飲酒
で顔面紅潮を来すようなアルコール代謝能力が低い人は、より少ない飲酒量が適切であるという
ことが書いてありますけれども、それはもともと遺伝子研究に基づいて、そういうメッセージに
なっています。ですから、分野によっては、そんな形で割と一般の方にもわかりやすいメッセー
ジ発信の仕方もできるかと思いますので、次期、こういった遺伝子情報を取り入れるときには検
討したらどうかと思います。
○辻座長 古井先生。
○古井構成員 先ほどの津下先生の御意見、すごく賛同していまして、健康対策の場合は、オー
ダーメイドが大事というよりは、例えばセグメント化して属性とか、あるいはこういうリスクが
ある人はこうなんだというメッセージの出し方がすごく大事なのではないか。今回、年齢とか、
こういうリスクのある人はと、問題の構造が大分明らかになってきたので、そういうメッセージ
の出し方を健康政策としてやれると、ポピュレーションアプローチをやる場合にも、非常に国民
がわかりやすいメッセージをとらえられるのではないかと感じます。
○辻座長 山本先生。
○山本構成員 今の御意見に追加なんですけれども、リスクの方からの定義もあると思うんです
けれども、例えば単身の人とか、対象によってアプローチの仕方も違うと思いますので、そうい
う意味でもセグメント化して、よりメッセージというか、対策がきくような方向性が必要なので
はないかと思います。
 もう一つ、科学技術の進歩は遺伝子だけではなくて、特にがんの世界だけかもしれませんけれ
ども、ドメスチックなエビデンス、疫学的なエビデンスがすごく増えてきて、それの整理とかメ
タアナリス的なこともされているので、よりエビデンスに基づいた目標設定とかをできるように
なってきているので、そこをもう一回見直すことも大事じゃないかと思います。
○辻座長 ありがとうございます。
 ほかにどなたか。西先生。
○西構成員 科学技術の進歩ということで、遺伝子のことだけではないということでしたけれど
も、企業に努力してもらうという意味で、食品中の食塩含有量の減少といったものも、科学技術
ということで大いに関係すると思いますので、その辺りへの働きかけも今後、必要だと思います。
○辻座長 安藤先生。
○安藤構成員 先ほど山本先生がおっしゃったこととも関連するんですが、エビデンスのところ
でも、単純に一つのリスクに対して、こうすればよいというのが、先ほどの糖尿病とがんのとこ
ろで話が出ましたけれども、片やよくて、片や悪いということも出てきますので。そういう意味
では、新しいものをどんどん広げていくということもある程度必要だと思うんですが、お互いの
関連性をもう少し整理すべきところに来ているんじゃないかと思います。
 今日の整理を見ても、かなり重複している。ページ数だけ数えても出てくると思いますので、
そういった観点が重要なのではないかという点を申し上げたいと思います。
○辻座長 ありがとうございました。それでは、時間の関係もありますので、また戻ることがあ
るとしても、次に移らせていただきたいと思います。
 (2)社会経済的な変化につきまして、これに合ったような形でのこれからの新しい健康づく
りについて、何か御提案、御意見いただけますでしょうか。安藤先生。
○安藤構成員 先ほど山本先生がおっしゃっていたと思うんですけれども、対象層をあらかじめ
考えてセグメント化という話が出ていました。たしか健康日本21の総論に、対象層としては、こ
ういうライフステージ別に分けた帯グラフみたいなものが出ていた記憶があるんですけれども、
あの辺りをもう少し細かく、現実にこの対象層にはここからアプローチするということを立てて
いくと、戦略も立てやすいと思いますし、またそれを地方で実際に展開する場合、どうしたらよ
いかという一つの指南書的なものになると思います。
 例えば厚労省が発するメッセージがどういうふうに伝わるのかということをしっかり考えてい
くと、現場でも対策を立てやすいのではないかなと思います。
○津下構成員 人口動態の変化というのは非常に大きくて、何歳までどうであればいいのか。例
えば60歳ぐらいまでは生活習慣病を発症させない努力をするのか、例えば75歳ぐらいまでは一
病息災をめざすのか。年齢で区切るのはどうだという議論はあるかもしれませんけれども、今、
非常に高齢化が進んできて、90歳以上に女性が到達するのが約半分になってきているという状態
を考えると、人口動態の変化をどうとらえて、そのメッセージを発信するのか、計画を立てるの
かというのが大事かなということと。
 あと、経済も余りいい状況ではないものですから、費用対効果のよい事業といいますか、経済
性を見ていく必要がある。たとえば、今までは縦割りで単独部局がやっていたものを、組織横断
的に他部局と一緒にやることで合理化が図れるものや効果性を高めることもできます。ある市で
の取組みなんですけれども、道をつくるときにも住民の健康を考えて、健康部局と一緒に検討し
始めたという動きもあります。健康というのを一番上位に置いていただいて、ほかのところの予
算もうまく生かしていくというか、大きな意味で部局横断的な形で健康政策を考えるようにでき
ないかということを考えます。
○辻座長 ほかにどなたか。三浦先生。
○三浦構成員 私は、2番の社会経済要因というところは、まさに広い意味では環境要因として、
人々の健康に大きく影響する部分だと考えます。先日の「ランセット」の特集でも、日本では社
会経済要因の変化で健康が脅かされつつあるという報告があり、健康への大きな影響が危惧され
ます。そういった意味で、ポピュレーション対策、環境整備という面で社会経済要因をよく考え
た対策が非常に重要になるのではないかと思います。
 すなわち、まちづくりや企業の食品製造などを通して、個人の努力に依存せず、環境を整備し
て個人が楽に健康を守れるというシステムをつくるための後押し、特に社会経済要因を考慮した
対策を立てることが非常に重要だと思います。
○辻座長 田嶼先生。
○田嶼構成員 健康日本21の施策は、1978年に第1次が始まったわけですね。それで、第2次、
第3次と来て、だんだん非常に専門的になってセグメント化してきた。そして、第3次になって
からは、全員が健康を支えるということをやっていこうとなってきた流れがあるわけですから、
ここでじっくりと、今、三浦先生がおっしゃったような環境や、それから心の問題も踏まえて統
合すると言いますか、そういうことを立ちどまって考えることが大切なんじゃないかと思います。
 そして、これからはその分野ごとに検討したことを統合して、またライフスタイル別に考えて
いった縦軸も統合させて、これから何を軸にしていくのかということを、その大枠と言いますか、
基盤になることと言いますか、それを考えたらいいんじゃないかなと思うんです。そして、その
先に個別化した科学技術の進歩ですとか、いろいろなことが入っていくという格好になるんじゃ
ないかと思います。
○辻座長 どうぞ。
○安藤構成員 今、田嶼先生がおっしゃったことに関連するんですが、前回から各分野ごとの評
価が出ておりましたが、これを全体としてどうまとめるのか、ちょっと気になっておりまして。
結局、各分野だけのまとめで終わってしまうのかなという気もしないでもなかったんですが。そ
の辺りをどうまとめるかということにも大いに関わる話でもないかと思いましたので、気が付い
た点として申し上げた次第です。
○津下構成員 先ほどから肥満者が増えている、日本のデータではそうなんですけれども、国際
的に見ると、それでもすごく優秀で、この前も国際肥満学会に行ったときに、日本の男性の肥満
者の増加がとまったこととか、メタボの保健指導で改善した人がいることに驚きの声があったん
です。国際的な流れで見て、日本の状況がどうなっているのかという観点で、少し広くとらえて
みるのも必要ではないかと思います。
 もう一つ、家族の役割ということで、健康行動へのアプローチとして環境と教育が重要だと思
うんですけれども、小さいころから家庭での健康教育が染み渡るというのが、次世代の健康に非
常に重要だと思いますが、今、20代、30代の方々が運動もできない、食事もちょっと心配だとい
う状況の中で、家族で何を次世代に伝えていくかという観点も必要ではないか。
○辻座長 宮地先生。
○宮地構成員 高齢者の健康というところで、ロコモ予防とか認知機能の低下ということが挙げ
られています。こういった項目というのは、今、議論している健康日本21の中では恐らく余り注
目されてこなかった点だと思います。この問題は、実は高齢者の問題というよりは、特に男女別
で言えば、女性の比較的若年のころから培われた生活習慣に基づいて、こういうものが惹起され
ております。
 例えば歩数のデータを見れば男性も女性も減っているのに、普通は太らなければいけないのに、
男性は太っていくけれども、女性は太らないでやせていっている。すなわち、今の女性は運動・
身体活動をもろくにしないし、食事も余りろくなものを食べていないという状況になっているわ
けです。それがサルコペニアだったり、骨そしょう症のもとになってロコモだったり、要介護の
素地をつくっている。
 そういったときに、ここに1つポツを入れて女性の健康という項目を立ててもらう必要がある
かどうかは議論いただきたいんですけれども、今まで私たちが考えていたメタボとか心蔵脳血管
疾患というパラダイムとは違ったリスクが、特に女性を中心に、今後新しく顕在化していくので
はないかということが懸念されていて、それがまさにロコモだったり、自立度低下の問題だった
りすると思います。それは介護の問題だと言ってしまえば、そうかもしれませんけれども、1つ
そういった視点を入れていただけるといいのではないかと思っております。
 ほかにどなたかありますか。西先生、どうぞ。
○西構成員 非常に当たり前のことなんですけれども、健康的な生活を送るには、環境が健康的
でないといけないということがあると思うんですけれども、健康日本21の指標でも、個人が努力
してどこまで達成するかという指標だけではなくて、環境に対してどう働きかけて、環境をどう
したいのかという意味での目標設定も必要ではないかと思います。
○辻座長 ほかにございませんか。よろしいですか。
 1つだけ補足させていただきますと、前回の会議でも申し上げましたけれども、メンタルの問
題はかなり重要になってきているわけです。ですから、資料に書いてありますが、「こどもがここ
ろと体を健全に育成できる」で考えると、不登校から始まって、ニート、ひきこもりといった大
きな問題があります。そして、大人になっても、うつ病とか長期欠勤という問題がたくさんあり
ます。あるいは、高齢期になりましたら、認知機能低下、認知症の問題もありますので、このメ
ンタルヘルスについて、ライフステージごとにどういうふうにするかということを考えていただ
きたいと思います。
 もう一つ、メンタルヘルスでは、単に心のケアとか精神保健医療という専門領域だけではなく
て、それを支える学校のあり方とか就労のあり方、地域のあり方という形で、非常に幅広く、地
域全体、社会全体として対処していかなければいけないと思いますので、その辺の広がりを持っ
て考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、3つ目のその他ということです。新規・重点的な疾患・リスク対策とは何か。ある
いは、その他疾患・リスク対策、健康意識。あるいは推進方策・推進体制につきまして、何か御
意見をいただければと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○津下構成員 では、その他疾患・リスク対策、健康意識のところで、病気や障害があっても一
病息災ということで、先ほどのロコモとか認知症というのもありましたけれども、たとえそうな
っても社会活動ができるということが大切で、介護保険の方で地域の支え合いを進めようとして
います。単に疾病や状態を予防するだけではなく、その疾病があっても活動的に過ごせる社会を
目指すんだというのも、指標に取り入れられたらと思います。
 それから、今回の健康日本21の弱点ですけれども、国はこうやって数値評価できますけれども、
市町村は評価ができないんです。個別の健康指標をとることが難しい。例えば、今回、特定健診
のデータが広く2,100万人あるんですけれども、保険者別になっていて、市町村別に返ってくる
状況には今のところなっていない状況なので、県や市町村できちんと進行管理ができるような指
標の設定をしっかりと行っていく必要があると思います。
○辻座長 どなたか。
○安藤構成員 今回、12年で評価を行っていますけれども、10年以上たってしまうと世の中が相
当変わってしまいます。例えば、たばこの目標などをみますと、今、この目標だけで10年前から
の変化を論じてどうなんだろうかという気さえしてしまうんです。ですから、今度も10年でやる
のかどうかわかりませんけれども、もう少し短いスパンでやった方がいいのではないかという気
もします。実際、地方でも短くなってきているんじゃないかと思いますので、その辺りも少し考
えてもいいのではないかと思っております。
○津下構成員 今の件ですけれども、ビジョンを考えるときに、普通の計画は5年とか、短期的
ですぐに成果を求められる。また、こういう指標が付いていると、すぐに成果を求められるとこ
ろもあるので、10年のビジョンを立てながら、進行管理は5年ごとだとか、毎年できるものはし
ていくという考え方で、たまにはちょっと遠くを見るというのも重要だと思います。
 この健康日本21の10年で見るというのは、私はある意味、10年前を振り返られるいい機会だ
ったかなともとらえているので、またその辺りは御検討いただければと思います。
○安藤構成員 そういう点では、先生のおっしゃることは異存はありません。ただ、短期的にフ
ィードバックできるような仕組みを入れておく必要があると思います。たとえば、メタボでも、
介入をやってから初期の段階で効果が出たかどうかが一番影響しているというデータがあります
ね。そういったことが、いま検討している対策でも重要ではないかなと思います。
○辻座長 ありがとうございます。お二人とも重要な話で、長期的なスパンのもとに短期的な問
題の指摘ということは、フィードバックをかけるのはすごく大事なのですが、そのときにどうい
うデータをどれぐらいうまく集められるかということが問題でありまして。この10年間の反省の
一つとして、国も都道府県も市町村も、この指標の数字を集めるのに必死になって、それで疲れ
てしまったという反省があるわけです。
 ですから、先ほど津下先生がおっしゃいましたけれども、この10年間の一つの変化としては、
レセプトデータが使いやすくなったとか、いろいろな保険のデータが使いやすくなったわけです。
電子化されている、データベース化されている。そういったものをうまく使ってプロセス管理が
できるような、そういったスキームをこれからつくっていただければと思います。よろしくお願
いします。
 ほかに御意見ありますか。三浦先生。
○三浦構成員 以前にも意見を言わせていただいた点ですが、その他疾患・リスク対策のところ
で、「重複するリスクへの対策」と書いてあるのが、どういうイメージなのかと思っています。私
は、リスクが重複していなければいいという間違ったイメージが国民にできてしまうといけない
かなと思っております。1つのリスクファクターでも、疾患の発症に寄与する程度が非常に大き
いので、1つでもリスクファクターは減らしておくべきと思います。ですから、健康日本21はど
ちらかと言うとハイリスク対策よりは、比較的理想的な状態を目指すような目標を掲げていくべ
きではないかと思いました。
○津下構成員 何々すべしではなくて、早く気付いて早く始めた方が快適だという前向きメッセ
ージをどんどん出していけるといいなと思います。
 それから、構造なんですけれども、栄養・食事から入るんじゃなくて、最終的に目指すものか
らだんだんブレークダウンしたような形で示した方が、首長さん、市長さんとか、今、懸念の医
療費や介護費をどうしようと考えている方々にアピール度が高いので、できたら順番を逆にする
とか。私たちが一番考えているのは、こういうことなんだ。そのためにこういうことが必要なん
だという、見せ方の逆転というか、トップがやる気になるような仕掛けというのも必要じゃない
かと思います。
○辻座長 田嶼先生。
○田嶼構成員 今のことと関係するんですけれども、それは(3)その他疾患という3番目です
ね。病気や障害があっても一病息災でという。糖尿病など、まさにその典型でありまして、だか
らこそ特定健診をきちっと受けていただいて、事後指導をきちっとして、そこで肩をたたいてあ
げる。病気じゃない、病気の手前だけれども、今やることがこれであるということを、ポピュレ
ーションアプローチになるんでしょうか、広く伝えることが大切なんじゃないでしょうか。
 糖尿病の専門家としては、これから三浦先生が担当する心血管疾患の予備群をたくさん送り込
んでしまうことになるんですけれども、そうしないためには、早く見つけて軽い状態でともに生
きる。まさに一病息災で、それをすれば、一見健康そうに見えている人よりは、よほど長生きす
るんだというメッセージを是非伝えていくようになるといいなと思います。
○三浦構成員 私は、そのまた手前の予防ですね、1次予防の手前であるプリモーディアルプリ
ベンション(premordial prevention)と言いますが、これが必要と思います。対象はもっと若い
世代になってきますが、20代や子どもといった方々が、将来発症をしないようなライフスタイル
をつくっていくような対策が非常に重要だと思います。
○田嶼構成員 その点では、厚労省のデータを見ますと、日本における肥満児の割合はこの数年
間、減っていますね。おまけに、小児の2型糖尿病もどうも減少傾向にある。それは、世界のど
こにもないことですね。すばらしいこと。そういう意味で、学校教育の食育とも連携をとりなが
ら、小さいときからの指導がすごく大切なんですね。
 そのときに、母親が、お父さんでもいいんですけれども、うちでどういう教育をするかという
ことも大切で、その中で、三浦先生がおっしゃったような不健康な若いお母さんで、一緒にやせ
ましょうみたいなスタイルだと、これは困るということもあります。したがって、どんどん連携
をとりながらと言いますか、すべてが関連のあることなので、その辺りに焦点を当てたメッセー
ジというのもあるんじゃないかと思います。
○辻座長 山本先生。
○山本構成員 言い古されたことではありますけれども、正しい知識の普及。例えば今、野菜の
かわりにサプリメントを食べればいいとか。皆さん、健康には興味があるんだけれども、その対
策とかで必ずしも正しくないことをしている場合もあるので、正しい健康知識の普及というのは、
項目としては必要だと思います。
○辻座長 宮地先生。
○宮地構成員 このペーパーの一番下のところに「関係者・関係機関との連携、ネットワークの
相互活用」ということもありますし、特定健診、保健指導や介護予防といったさまざまな法制の
中で、この健康日本21、将来をどういうふうにしていくのかということが、今まさにテーマだと
思いますが、例えば健康増進とか健康づくりというキーワードは、もともとは厚生労働省が主に
使ってきた言葉ですけれども、スポーツ基本法というのが今年6月にできまして、その前文の中
に、健康及び体力の保持増進のために、運動、スポーツに取組んでいくということが書かれてお
ります。
 先ほどから教育の現場での知識の普及ということもありましたけれども、決して厚労省だけじ
ゃなくて文科省などもかなり積極的に学童期、いわゆる教育が必要な時期に健康づくりのことを
教えようということを、スポーツ基本法や学習指導要領を通して強化している段階ですので、学
校の教員にどういう知識を与えて授業をしてもらうのか、授業以外の活動をどういうふうにやっ
てもらうのかも含めて、こういところに書けると非常にいいのではないか。
 役割分担があるのはよくわかっていますけれども、そういうところへ一歩踏み込んでいく。文
科省の方が結構踏み込んできてくれたのだと思っているのですけれども、その辺を少し検討して
いただけるとおもしろいかなと思います。
○津下構成員 ちょっと視点が違うんですけれども、がんになった後の健康づくりとか、または
救急外来に来られる方では健診を受けている率が低いというのがあって。健診に来ている人だけ
を相手にしているんじゃてくて、例えば3次予防で見つかった人を、次に予防にどうつなげてい
くか。今までは、3次予防、救命救急センターでは、救命救急して助かれば仕事が終わりなんで
すけれども、その人たちは再発しやすいということもあるので、3次をどう予防行動につなげる
のか。
 これは、今まで余りできていない分野ですが、様々な段階の人を「前向きな健康づくり」、予防
活動につなげるのか、という視点も大切ではないでしょうか。
○辻座長 大体時間になってきましたけれども、あと一人二人。よろしいですか。
 では1つだけ、申し上げたいんですが、推進方策の辺りで、これまでの健康日本21の反省とし
て申し上げなければいけないのは、健康日本21という言葉あるいは内容がちゃんとわかっている
日本国民がどれぐらいいたかという問題です。間違っていたら直していただきたいんですが、あ
る調査ですと数%しかいなかったという話もあります。その辺の広報戦略というか、どうやって
国民に伝えていくかということも、これは国民運動だったわけですし、これからもそうですから、
関係機関とどういうふうに連携するか、知恵を絞る必要があります。
 アメリカでは、ヘルシーピープルの推進に当たって、民間の団体、露骨に言うと会社を巻き込
んで、食品業界とかクレヨンメーカーとか、いろいろな会社がヘルシーピープルのキャンペーン
を同時にやっているわけです。ですから、そういった民間との関係をどうするか。
 そういった中で、国民が健康日本の運動をちゃんとしなければいけないということをわかって
いくようなネットワークづくり、推進の方策についても御検討いただきたいなと思っております。
 もう一つ、これと関係ない話かもしれません。インセンティブという話がありましたけれども、
先週、ある学会で韓国の人から聞いたんです。韓国では、がんになって治療を受けるときに、治
療費の自己負担の割合が、がん検診でがんを発見された人と、がん検診を受けずに症状が出てか
らがんの治療を受けた人では、自己負担率が違うと言うんですね。そういうことも考えてもいい
のではないかと私は思っていますので、あえてここで一言申し上げた次第です。
 ということで、大体御意見いただいたと思いますので、これくらいにしたいと思いますが、時
間が限られていますので、その他、まだ御意見を言い足りないことがあると思いますので、机上
にあります御意見シートに御記入いただいて、事務局にお伝えいただければと思います。
 以上で本日の議題は終わりますけれども、事務局から報告事項等、ございますでしょうか。
○三田生活習慣病対策室長補佐 次回の日程につきましては、日程調整させていただきまして、
後日、御案内させていただきます。よろしくお願いいたします。
 また、9分野の報告がそろい、自治体、団体の調査結果も出ており、資料もとりそろってまい
りましたので、次回はとりまとめとしまして議論を予定しております。なお、今日までの評価作
業チームの開催状況につきまして、9月16日に開催を予定しております厚生科学審議会地域保健
健康増進栄養部会に進捗状況として御報告申し上げる予定ですので、御承知置きいただけたらと
存じます。
 以上でございます。
○辻座長 ありがとうございました。
 今お話がありましたとりまとめの方法につきましては、いろいろな考え方があると思いますけ
れども、事務局と座長である私の方に一任していただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○辻座長 ありがとうございます。
 それでは、時間が参りましたので、本日は以上で終了といたします。どうもありがとうござい
ました。


(了)
<照会先>

健康局総務課生活習慣病対策室
 室長補佐 三田
 電話番号 03-5253-1111(内線2348)

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