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2011年10月15日 第3回 ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳等に関する検討会(年金記録の確認方法のあり方に関する公聴会)議事概要

○日時

平成23年10月15日(土)14:00~


○場所

厚生労働省 低層棟2階 講堂


○出席者

(委員)大山座長、菊池委員、竹詰委員、中嶋委員、西端委員、矢野委員
(日本年金機構)矢崎理事、喜入理事、伊原記録問題対策部長
(厚生労働省)今別府年金管理審議官、塚本事業企画課長、尾崎年金記録回復室長

○議事


-冒頭挨拶-
(大山座長)本日の公聴会は、ご出席いただいた皆様と、検討会の委員及び事務局が、ねんきん定期便・ねんきんネット・年金通帳につきまして意見交換を行う形で順次進めさせていただく。

-資料1(年金記録サービスの概要)について、尾崎年金記録回復室長より説明-

-資料2(「ねんきんネット」の現状)について、伊原記録問題対策部長より説明-

(大山座長)「ねんきん定期便」では130円かかっていて、インターネットの「ねんきんネット」では、見込額をケース・バイ・ケースで比較できるようになる。将来的にはその方に合った情報の提供の仕方で年金のサービスをよりよくしようという趣旨と認識。
 ただ、一方、紙を毎年送付している状況で、電子版で構わない方に紙を相変わらず送付すべきかという点と、1年以上ログインせずご覧にならないという状態がわかった際に紙を送付すべきか、という点を意見交換させていただきたい。

(40代・男性)「ねんきんネット」を自分で閲覧する場合にはユーザIDの取得が必要になっていますが、郵便局や市町村の窓口で「ねんきんネット」を利用する場合もやはりユーザIDの登録をしないと確認できないのか。

(伊原記録問題対策部長)郵便局や市町村では、本人確認の上、プリントアウトしたものをお渡しするというサービスであるため、ユーザIDは不要である。

(40代・男性)そうであれば、たまたま市町村や郵便局の窓口で「ねんきんネット」のプリントアウトを受領しただけでは、ユーザIDを登録したことにならないから、ここでの議論の土俵にはのってこないということか。

(伊原記録問題対策部長)郵便局でプリントアウトされた方というのはIDが登録されてないので、「ねんきんネット」のユーザとして扱われないため、別途定期便は毎年送られることになる。

(60代・男性・会社員)「『ねんきんネット』の利用状況」について、各月で変動しているが、変動要素を事務局は把握しているか。

(伊原記録問題対策部長)まず、来訪及び電話による相談は、一般的に受給者が多く、例えば、受給者に対し、毎年6月に今年度支払われる年金額のご案内を送付すると、その月にはそれを受け取った方々のご相談が殺到することになる。そのため、来訪相談、電話相談の多くは、1年の間の特定月に集中する傾向にある。
 それに対し、「ねんきんネット」のサービスは、主に現役世代の方が対象となるため、その利用状況は、来訪や電話による相談と必ずしも連動しているわけではない。

(60代・男性・会社員)ということは、ネットの利用件数はほとんど変わらないという状況か。

(伊原記録問題対策部長)現段階ではそうであるが、本年10月31日から、「見込額試算」というサービスを提供する予定であり、年金受給が間近な中高年の方々の利用が増えてくるのではないかと考えている。また、来年度に未統合記録の5,000万件記録の検索を可能とすると、年齢の高い方も含めて利用されていくと想定しており、「ねんきんネット」のサービスの内容に応じて、今後利用者の方も幅広くなっていくのではないかと思う。

(60代・男性・会社員)そうであれば「ねんきんネット」の利用促進について、利用方法あるいはPR方法を徹底していかないと、せっかくのネットが利用されないのではないかと思うので、検討お願いしたい。

(30代・男性)論点1について、郵送の希望の「希望する」、「しない」の選択は、仮に当初郵送は「希望しない」を選択した後で、やはり紙でも欲しいといった場合に、「希望する」に戻せるというか、する、しないを行き来するというような選択の仕方はあるのか。

(伊原記録問題対策部長)いつでも登録を変更することは可能である。

(大山座長)今の点の関連で、「ねんきんネット」の表示されている画面を、例えば自宅のパソコンのプリンターに打ち出す、あるいは郵便局で出力することは可能か。

(伊原記録問題対策部長)可能である。

(大山座長)「ねんきんネット」と「ねんきん定期便」に内容的な差異があるか。

(伊原記録問題対策部長)内容的には同様であるが、定期便は年に一度の送付であるが、「ねんきんネット」は毎月更新され、より新しい情報が確認可能。

(大山座長)ほか、先ほどプロモーションの話が出ていたが、データ上、1週間に1万人強の方が新しいIDを取得しているペースでは、例えば、年金の被保険者の方全員が入るのに80年余りが必要。そのため、相当速いスピードで普及できるようにしない限り、大多数の方にとって便利に使っていただくという状況には至らないのではないか。具体的に一人の方が、ユーザIDを取得して、何回閲覧しているかといったデータは出てないのか。

(伊原記録問題対策部長)現時点ではない。

(西端委員)論点2-2の節目年齢に「ねんきん定期便」の郵送を行わない場合、法律を変える必要があるのか。

(伊原記録問題対策部長)法律上は国民の皆様に年金記録を通知する規定があるが、郵送が義務付けられているわけではなく、書面に代えて電子版を送付することで足りると厚生労働省で確認しており、法律を変える必要はないと考える。

(大山座長)法律上の解釈は整っているということだが、この場で決めるのではなく、皆さんのご意見を伺うということでよいのか。

(伊原記録問題対策部長)自由な意見をお願いしたい。

(40代・女性・会社員)論点1については、希望は変更できるということから、「郵送を希望しない」を選択したのであれば、本人が希望を変更するまでは送付する必要がないと考える。
 論点2-1については、B案を選択した場合、例えば1年間ログインしなかった場合に郵送すると、翌年はどうするのかということになり、A案が望ましいと考える。

(菊池委員)先ほどの確認ですが、法律改正をしないとのことであったが、現行規則も変えずに枠内で行うという意味か。

(伊原記録問題対策部長)政府全体として、書面を電子で通知する場合のルールが別途定められているため、省令改正は不要と聞いている。

(40代・男性)論点1について、意向登録の画面上、確実に選択できることが担保されるのであれば、意向登録しない場合には郵送しないで構わないと考える。

(10代・男性・学生)「ねんきんネット」のプロモーションに関する話について、新機能を追加しても、中高年の方などネットに不慣れの方に対するサポートをどうするかが重要。一方、若年者の場合は年代のニーズにあった機能の提供が必要。

(伊原記録問題対策部長)若い世代の方々については、例えば、学生時代の国民年金保険料の猶予期間や、両親が納付したはずの20代の記録が未統合となっている期間等について、是非自分の記録を確認していただきたい。
 こうした年金記録の確認というのは、我が国の「ねんきん定期便」を始めとして、先進諸外国では大部分が実施しており、保険料納付期間が約40年と長期に渡る中で、国民の側から確認いただくことが必要であるという認識。

(10代・男性・学生)論点1について、そもそも「ねんきんネット」が現役世代、特に若い世代の方に年金制度に対する理解を深めていただくことを目的としているのであれば、IDは持っているが、意向登録しない人間に対しては、関心を高めるような努力をすべきで、郵送しないという選択肢をとってしまうと、結局その人たちの関心は浅いままとなってしまう。
 論点2については、一定期間ログインをしない場合に定期便を郵送することを実施することは、敢えて「希望しない」と選択したにも関わらず再度郵送されてしまうと、特に若い世代はSMSのメールが煩わしいためサービスやめる人もかなり多いことから、「ねんきんネット」サービスを利用しなくなる恐れがある。

(20代・男性・学生)若者の意見として、周りの学生と話をすると、実際払った額以上はもらえないから年金を払わなくていいといった学生も結構多い。その一方で、「ねんきんネット」の仕組みがあることで、いくら払えば将来いくらもらえるという見込額がわかると学生にとって魅力的だと思う。そうした情報が、ツイッターやミクシィ等に流れれば即効性のあるPRの可能性もあるはずなので、周りに広めていきたい。
 論点1については、意向なしを選択できるというところに問題があるので、郵送を希望するかしないかの登録をシステム上必須とすべき。
 論点2については、ログインしてない人がどうすればログインするようになるのかというか、仕組みづくりのPRが肝要ではないか。個人的には、記録にアクセスしていることが担保されていないのであれば、ログインしてない人に毎年送付する仕組みが必要と思う。

(大山座長)「ねんきん定期便」及び「ねんきんネット」については、記録の正確性を如何に確保するかということを事業目的の原点として忘れないことが必要。例えば厚生年金の標準報酬月額は年金の金額に大きく影響するが、10年、20年前に遡って当時の給与を確認することは大変難しいため、忘れないうちに確認していただく必要がある。

(菊池委員)論点2に関して対称的な意見があり、非常に興味深く伺っていた。国がインターネットの世界を通じて個人の生活をある意味監視する側面があり、一度「希望しない」と言ったのだから、それ以上に踏み込んで欲しくないという意見と受け止めた。
 もう一方は、年金権をきちんと確保するために、国がある程度介入し、節目でチェックをするべきであるとの意見であり、公的機関の役割に対する考え方の違いが伺えた。

-資料4(「ねんきん定期便の見直し」)について、伊原記録問題対策部長より説明-

(60代・男性・会社員)「照会番号」が印字されているが、ID発行に必要な「基礎年金番号」が印字されていないため、自分の基礎年金番号を探す必要があるがどういう理由からか。また、番号が二重管理になっていないか。

(伊原記録問題対策部長)基礎年金番号を載せてしまうと、この定期便を誰か別の人間が入手することにより、本人になりすまし、IDを発行されてしまうリスクがあり、セキュリティの関係から印字していないもの。

(40代・男性)市町村窓口でも「基礎年金番号」を聞かれるため、ぜひ基礎年金番号を載せていただきたい。

(伊原記録問題対策部長)市町村に入れている端末については、再来年に更新時期を迎えるため、できるだけ便利になるように考えたい。

(30代・男性)ハガキへの簡素化だけではなく、内容の記載方法も見直せないか。50歳以上で節目年齢以外に送付される年金見込額の表示について、60歳、64歳、65歳という記載されているが、60歳で受給すると一生減額されると誤解され、特別支給の老齢厚生年金を請求しないままになってしまうという事例も最近見受けられた。

(伊原記録問題対策部長)改善を検討する。

(中嶋委員)皆さんに質問したい。定期便の文言の中で、国としてコスト削減を進めるので、電子版に協力してほしいといった文言が出てきたときにどう感じるか。

(40代・男性)基礎年金の保険料の中に一定の事務費があるはず。今回のコスト削減によって、この事務費の部分についてはこれだけ減ります。例えば、毎年280円保険料は引き上げることになっているが、このコスト削減をすることで200円に押さえたという内容が明示されれば納得する。

(中嶋委員)保険料への反映は困難と考えるが、例えば、毎年コスト概算と削減額を明示することは可能ではないか。

(伊原記録問題対策部長)金額的に言うと、現在トータルで90億円かかっているが、来年度のハガキ化によって75億円を予定し15億円の削減を見込んでいる。15億円が巨額であることは間違いないが、年金額で言うと、年間46兆円の年金の支給額に対しては、目に見える形にはならない。もちろん、封書からハガキにすることで郵便代が節減できるといった説明は可能。

(40代・女性・会社員)ハガキ化にせよ、ネット化にせよコスト面だけではなくユーザ側へのメリットとして、ネットであれば、24時間自分で確認することができること、ハガキであれば、シンプルに記載されており分かりやすいというユーザのメリットも併せて伝えた方がイメージがよい。

(50代・男性・会社員)基本的な趣旨や理念である記録の正確性及び個人情報保護を前提としたオープン化や簡素化が重要であり、コストを切り詰めながらパブリックサービスとしてサステイナブルさせていく方向が本旨ではないか。

(10代・男性・学生)19歳なので保険料を払う段階ではないが、ハガキにすると見やすく、将来もらうお金と、現在支払っているデータの2つが明示されており素晴しいと感じた。
 しかしながら、「ねんきんネット」はパソコンの使用を前提としているが、若い世代はiPhoneや携帯電話を使用しており、よほど好奇心がない限りパソコンを見ないのではないか。例えば携帯のコンテンツとして発信すればかなりアクセスを増やすことはできるのではないか。

(大山座長)各家庭に今ある地上デジタルテレビで閲覧することもありか。モバイルについても字が小さい、セキュリティの管理の仕方を工夫する必要がある。

(40代・女性・自営業)周りの30代、40代は「ねんきん定期便」が届いているが、封筒の厚さで封を開けない、アクセスキーについて全く視界に入っていないことから、ハガキ化することについては賛成。ハガキにすれば、情報量が封筒よりも少ないため、強調したいことが視界に入ってくるのではないか。

(40代・男性)若年者だけではなく、無年金となる可能性の高い生活保護の受給者でも、パソコンは持たない方が非常に多いが、携帯は必ず持っている状況。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」でボーダーの人たちに年金制度を知らしめて、何とか300ケ月に到達してもらおうというのが1つの趣旨だと考えると、彼らが持っている情報端末でも見れるようにすることが絶対に必要。

(中嶋委員)ハガキ化して最小限の情報とする代償として、ネットへのアクセスをより簡単にすべきではないか。

-資料5(意見交換事項)について、大山座長より説明-

(大山座長)一点目の「『ねんきん定期便』を受け取って、皆さんどう思ったでしょうか」ということについて、自分の年金記録が確認できて、これはよいと思われたという方の挙手をお願いしたい。

(60代・男性・自営業)定期便については、年金の仕組みがわからないと、見てもわからないのではないか。制度の啓蒙が必要。
 毎年送付されても見ないのではないか。例えば5年に一度、節目年齢の方と同じものを送るやり方でいいのではないか。

(大山座長)過去の事例では、転職や転居時に記録が漏れるケースが多いので、その契機で確認できるといいのではないか。

(60代・男性・自営業)年金提供サービスということで、定期便のほかにインターネット、年金事務所、コールセンターといった窓口が用意されているので、本当に知りたいという方であれば、自分で調べるのではないか。

(大山座長)毎年送付が必要であるか、送付頻度の見直しについてご意見があれば。

(40代・男性)同一の勤務先で、給料は右肩上がりで上がっている又は下がっていないという状況であれば毎年は要らないが、同じ勤務先でも標準報酬月額は下がるとか、あるいは転職をするとか、間に1号が入るとか、3号が入るとか、そうした事由が発生した都度送るべき。

(10代・男性・学生)毎年送付の形式はハガキか。

(伊原記録問題対策部長)今のところはハガキを予定している。

(10代・男性・学生)毎年送られたほうがよい。我々が数字を確かめるということだけではなく、意識を底上げするというような意味合いで送られている点を考慮すると、2~3年に1回では完全に忘れられてしまうのではないか。特に現在、年金に関する問題について報道されているが、それら問題の大部分は制度に関する認知不足に起因している。みんなが理解していれば問題が避けられるといった意味では、毎年ハガキが送られることに意味があると思う。

(矢野委員)送付経費90億円をプロモーション費用として意識づけを図るという方法についてご意見があれば。

(10代・男性・学生)年金という制度をプロモーションしても知っているということに留まり、内容の理解に及ばない可能性がある。自分から能動的に確認することが面倒だという意識の壁を超えられないのではないか。

(40代・女性・会社員)毎年送られることによって一番大事なのは、標準報酬月額を覚えているうちにチェックをすること。雇用される立場であれば、年に一度賃金が変わるタイミングが訪れることが多いし、今であれば、例えば介護とか育児で短時間になって給料が大きく変わった、逆に有期雇用社員がどこかで正規の社員になったとか、大きく変わるタイミングがあると思うので、そういう意味では毎年がベストと考える。

(大山座長)『ねんきんネット』の利用を促進するためのメリットについてご意見があれば。

(30代・男性)勤め先から給与明細をもらえない場合、「ねんきんネット」の標準報酬を確認し、適正な給与額に対し保険料が天引きされているかチェックできる。こうした利用方法があることをPRすることも利用促進につながるのではないか。

(伊原記録問題対策部長)それは、給与の振り込みを確認するのではなく、むしろ「ねんきんネット」での一覧表示で確認できるのが便利ということか。

(30代・男性)給与明細を出してない会社の場合、事務処理を正しく行っているかを確認できるということ。

(伊原記録問題対策部長)振込額と、実際の自分の給料との関係が合っているかどうかをきちんとチェックしたいということか。

(30代・男性)そのために利用する場合がある。

(60代・男性・会社員)今の関連で、年1回提出する月額算定基礎届について、賃金台帳等のチェックが全体の15%程度しか行われていないが、全件行われれば年金記録に対する信頼感は向上する。しかし、そのためには膨大な時間が必要であるため、雇用保険の会員制度のように会員の承認が得られれば賃金台帳等の資料の提出を不要とする仕組みと同様の制度を作れないか。

(大山座長)届書が紙で提出される場合は、コンピュータシステムに入力する作業が発生し、ダブルチェックは行うが、過去の例でもミスが発生し得る。本来は事業主から電子データで申請いただき、本人がネットで確認できるという姿を目指すべきと考える。

(50代・男性・会社員)携帯電話などでのアクセスを可能とすることや、年金見込額試算のような新機能のPRをすることで利用率が向上するのではないか。また、メールマガジンのような試みもすべき。

(伊原記録問題対策部長)年金機構では一般の方向けにTwitterを実施しているところ。また、「ねんきんネット」にメールアドレスを登録された方には、先般、この検討会のためのアンケートの実施にあたり、メールアドレスを登録していただいた方全員にアンケートのご案内を行った。見込額試算を開始することについても同様に送付する予定であり、今後も年金機構からの情報を直接提供していきたい。

(40代・男性)「ねんきんネット」の費用の財源は保険料か。

(伊原記録問題対策部長)全額税金である。

(40代・男性)国民全体で負担していることになるため、共済や基金の情報も集約し、すべての方が「ねんきんネット」を利用できる環境を整えていただきたい。

(伊原記録問題対策部長)現在、基金加入の有無は表示されており、10月31日からは基金の代行部分についての年金額試算が可能となる。また、共済記録は現在機構で整備しているところであり、整備次第表示したいと考えている。

(20代・男性・学生)最近GoogleとYoutubeのアカウントが統合されるなど、1つのアカウントとして結合しているという状況にあるが、「ねんきんネット」が乗ることができないか。また、自分の年金に対する不安や素朴な疑問等を解消するプラットフォームとして「ねんきんネット」を活用できないか。

(10代・男性・学生)アクセスを増やすことを目的として、義務・利益・好奇心の三つの観点がある。
 義務を増やす観点では、税理士が税金を払う際に「ねんきんネット」を紹介しパンフレットを渡すといった対応であれば税理士に限定したアプローチであり、軽い負担で実行できないか。
 好奇心を増やす観点では、医療機関に「ねんきんネット」を使える端末があれば、待ち時間に利用していただけるのではないか。

(大山座長)インターネットを使えない方は、特に高齢者が多いと指摘されるが、そうした方にどのようなサービスを行えばよいかということについてご意見伺いたい。

(40代・男性)現在、市町村役場と一部の郵便局で実施しているが、仮に全ての市町村で実施したとしても、居住地ではなく勤務地の役場窓口で申請すると非常に迷惑がられる。また、市町村合併で住民との距離が遠のいている状況であるが、支所で実施するにも体制が貧弱である。
 むしろ、金融機関を活用すべきではないか。本人確認は確実に行われており、銀行側も年金の口座獲得というインセンティブがあるため丁寧な対応が期待できる。

(50代・男性・会社員)共通番号カードによるポータル化との関係はどうか。

(伊原記録問題対策部長)現在、政府において番号制を検討中であるため明言することは困難であるが、「ねんきんネット」と連動して、インターネットを通じて年金記録の情報、保険料の情報、医療の情報、税の情報といったものを一覧できる方向に発展していく可能性はある。

(大山座長)最後の事項として「年金通帳」について、どのように考えるか。
前回、関係者ヒアリングを行ったときには、仮に銀行のATMを使うと莫大な費用がかかることや、若年者は銀行の通帳を持たない方も多いといった発言があったところ。

(50代・男性・会社員)「ねんきんネット」も「年金通帳」も、国側からすると、あくまでも本人からアクセスしてもらったり、通帳に関していえば、記帳してもらって初めて情報が伝達できる。
 それに対して「ねんきん定期便」は、基本的に情報の発信側から強制的に送りつけるという形なので、情報発信機能としては定期便という今の形がいいのではないか。
 「年金通帳」をつくる意味合いがどれほどあるか。そういうコストをかけるのだったら、現行の定期便等を充実していった方が、情報発信の継続性という観点から見ても有効なのではないか。

(大山座長)全体通して、何かご発言があれば。

(40代・男性)「ねんきん定期便」の発送状況を確認したい。日本は国民皆年金なので、日本に住むすべての人は20歳~60歳まで何らかの公的年金制度に加入しており、共済の人を除き全ての人に送付されるのか。

(伊原記録問題対策部長)年間約6,000万人の方に送付している。ただ、住所変更等で未送達となる方もいる。また、制度に未加入の者には送付されない。

(40代・男性)厚生労働省と日本年金機構と総務省統計局の公表資料から計算すると、少なくとも36万4,000人の未加入者がいる。「ねんきん定期便」とか「ねんきんネット」というのは、将来の無年金とか低年金を防ぐため制度だと考えるので、こうした未加入者を救済する方法を検討いただきたい。

(伊原記録問題対策部長)未加入者には、会社をやめて1号に入るまでの間の短期的な統計で出てくる方と、確信的に加入しない方がいる。また、制度には国民年金には入っているが、保険料を納めない未納者の方も将来無年金や低年金になってしまう。こうした未加入者と未納者の方にどのように年金保険料を払っていただくか、年金機構の運用の問題だけではなくて、制度の問題としても厚生労働省と努力していく大きな課題であると認識している。

(40代・男性)日本年金機構にお尋ねするが、不在者という存在を知っているか。納付書や督促状が返戻され、市町村に照会しても居場所が不明の者を1号加入者の分母から除いている。旧社保庁業務を引き継いだ日本年金機構も現場で調査していないのではないか。お客様を把握する努力をすべきであり改善を求める。

(伊原記録問題対策部長)社会保険庁時代においては、送付物に対する管理が十分ではなかったと認識しているが、現在、特別便や定期便等の発送物については送達状況を管理しており、未送達の方に対しては、今年度から住基ネットの情報を活用して再送することを予定している。

(大山座長)極めて本質的なところの課題を指摘いただき感謝する。

—次回日程—
(尾崎年金記録回復室長)
 次回は、11月中に2回委員会を開催する予定である。

以上


<照会先>

年金局事業企画課

担当・内線: 今野(3619)
鶴岡(3606)
電話代表: 03(5253)1111
直通: 03(3595)2806

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