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2011年9月30日 地域医療再生計画に係る有識者会議(第3回) 議事録

医政局指導課

○日時

平成23年9月30日(金) 14:00~15:40


○場所

全国都市会館 第1会議室(3F)


○出席者

委員

梶井委員
内田委員 齋藤委員 佐藤委員 水田委員 鈴木委員
田城委員 西村委員 林委員 藤本委員 正木委員 山本委員

○議題

1.地域医療再生基金配分の考え方について
2.地域医療再生計画(案)の評価について
3.その他

○配布資料

資料1地域医療再生臨時特例交付金 各県要望額
資料2-1地域医療再生基金配分の考え方について
資料2-2地域医療再生基金配分の考え方(イメージ)
資料3地域医療再生計画(案)の評価について
資料4今後の作業について(案)

○議事

○石川医師確保等地域医療対策室長 ただいまから第3回「地域医療再生計画に係る有識者会議」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、また遠方よりご出席を賜りまして誠にありがとうございます。
  事務局に人事異動がございましたので、ご紹介させていただきます。本日は業務の都合により欠席させていただいておりますが、医政局総務課長の池永です。医政局指導課長の井上です。私は指導課医師確保等地域医療対策室長の石川です。よろしくお願いいたします。
  本日の出席状況ですが、本日は委員の皆様、全員お揃いいただいております。ありがとうございます。
  議事に入る前に配付資料の確認をお願いいたします。以降の進行は梶井座長にお願いいたします。

○梶井座長 本会議の座長を務めさせていただきます梶井です。どうぞよろしくお願いいたします。
  先日、膨大な計画書が皆様の手元に届けられて、私を含めて、相当時間を費やさせていただいたと思います。ただ時間を費やしただけではなくて、しっかりと読み込まれたのだと思います。皆様の意見書を読ませていただきますと、その様子が本当に伝わってまいりました。そういうことを念頭に置きながら、議事を進めさせていただきたいと思います。円滑な運営に努めますが、つきましては質疑等における発言に関しては挙手をしていただき、私から指名させていただきますので、そのあとにご発言を願えればと思う次第です。何卒よろしくお願いいたします。
  議事に入ります。お手元の議事次第をご覧いただきますと、本日の議題は2点です。最初は「地域医療再生基金配分の考え方について」、2つ目は「地域医療再生計画(案)の評価について」です。事務局より、議題1「地域医療再生基金配分の考え方について」のご説明をお願いいたします。

○梶野地域医療専門官 議題1「地域医療再生基金配分の考え方について」の説明をさせていただきます。資料1をご覧ください。今回の地域医療再生臨時特例交付金の各県要望額については、被災3県を除き、全体で2,925億円となっております。このうち各医療圏に対しては、15億円ずつを基礎額として交付することとしておりますので、残りの2,190億円が要望加算額の合計となります。この要望加算額に対する加算枠の予算は、資料1の下に示しているとおり、1,005億円となっておりますので、差引きしますと1,185億円ほど要望額が上回っていることとなっております。したがって、この要望加算額2,190億円を加算枠の1,005億円に納めなければなりません。仮に一律の調整を行った場合には、要望加算額を約45%程度まで削減する必要があります。
  資料2-1「地域医療再生基金配分の考え方(案)」をご覧ください。資料2-2のグラフは配分の考え方について見ていただくためのイメージですが、架空の数字となっています。併せてご説明いたします。
  「申請時における基金要望額に係るルール」として、地域医療再生計画に盛り込まれた事業の内容に応じて、要望できる額に差を設けております。1つ目は、病院の再編統合及び一定の病床数を削減する場合には、80億円を超えて120億円まで要望することを可能としています。2つ目は、一定の病床削減を行う場合には、50億円を超えて80億円まで要望することを可能としております。それ以外については、50億円までとなっております。これにより、資料2-2の1頁目にありますが、要望額は大小さまざまなものとなっています。
  これらの要望額を評価し、配分額を決定していくに当たっては、委員の先生方の評価だけではなく、行政的な視点で評価できる指標として、都道府県が計画する事業の総事業費に対する基金充当割合、すなわち国費への依存度の度合いが、どの程度あるのかという点に着目しました。特に、要望額が50億円を超える医療圏については、地元負担の割合の差により、例えば120億円の基金の要望であるのに、その事業費に対する基金の依存度が50%を上回る県もあれば、20%を下回る県もあり、これらを同様に評価するにはあまりにも大きな差があるということもありまして、まずスタートラインとして要望額を適正な金額に近づけるよう調整を行うことにしました。
  それが、先ほどの資料2-1の中段の2にある「要望額が50億円を超える医療圏に係る調整」になります。?の、いわゆる50億円から80億円と、?の80億円以上の2つのグループ、それぞれのグループにおいて、各医療圏の総事業費に占める基金充当割合が平均よりも高い所は、それぞれ80億円、50億円を超える部分について調整を行いました。
  具体的にその方法です。まず、80億円を超えるグループというのは、今回の要望では11医療圏ありました。その医療圏の基金充当割合は20%程度のものもあれば、60%を超えるものもありまして、平均すると33.3%となっております。そこで、まず平均を上回っている医療圏については、総事業費に平均である33.3%を乗じて、平均的な要望額を算出しました。しかしながら、この平均的な要望額をスタートラインとしてしまうと、80億円を下回ってしまうというケースも出てきてしまい、再編成を行わないで80億円を要望しているところより、下回るようなケースも出てきてしまいますので、当初の80億円を超えて要求を可能としたルールとの整合性も図れないので、80億円を超える部分の要望額の半分までのところまでを、要望できる額の下限として設定しました。
  例えば、要望額120億円の場合、80億円を超える部分は40億円あるので、その半分の20億円を80億円に加算した100億円が、要求できる額の下限としております。一方で、その県の総事業費が例えば250億円だった場合、平均的な基金充当割合は33.3%ですから、83億円がその場合の平均的な基金要望額となります。比較した場合に、下限が100億円なので、高いほうの100億円を採用するという方法を取っております。逆に、同じ要望額であっても、総事業費が320億円の場合、平均的な基金充当割合は107億円となります。下限額を上回っていますので、そのまま107億円を採用するという方法です。
  同様に、50億円から80億円のグループも、同じようなやり方をさせていただいております。例えば50億円グループというのは、今回の要望では8医療圏ありました。その基金充当割合の平均は46.2%でした。これらの50億円を超える調整というのは、資料2-2の先ほどのグラフで見ますと、2頁目の白くなっているところが、調整した部分になっております。
  この方法で算出された調整後要望加算額を含むすべての医療圏の要望加算額に対して、要望加算額と予算額の割合の45%を勘案した、一定の率を乗じて算出した額を、標準加算額としております。それを示したのが資料2-2のグラフの3頁目になります。緑色の部分が標準加算額となります。白い点線の矢印のところが、その調整額になっております。この標準加算額に委員の先生方の評価結果により調整を行って、配分額を決定していきます。
  具体的には4頁目になります。全国平均の県については、標準加算額と基礎額15億円が配分額となります。この図のJ県の「配分額?」の部分が、配分額となります。評価結果が平均よりも高い県については、順位に応じて段階的に1よりも高い率を乗じた額を配分します。グラフで見ますと、A県では、矢印で上がっているところまでが配分額となっております。「配分額?」と示してあるところです。
  逆に平均より低い県については、順位に応じて1よりも低い率を乗じた額を配分します。例えば0.9、0.8という形で乗じていきますと、グラフでいちばん低いところでいくと、「配分額?」の矢印で下がったところまでが配分額となっております。
  順位に応じて乗じる計数については、いちばん高いところで1.5、いちばん低いところで0.5までとし、これら計数を乗じて加算額を決定し、配分額を決めようと考えております。資料の説明は以上です。

○梶井座長 ただいまの事務局のご説明に、ご質問等がございましたらお願いいたします。

○藤本委員 最後の4枚目のグラフを見ていて、評価が低い県と高い県がずらっと並んでいますが、最終的にもらえる金額が、評価の高い県よりも評価の低い県のほうが高いこともあり得ると読み取れるのですが、そのように理解してよろしいのですか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 はい。それはもともと要望額に大きな差がありますので、評価が低いと言いましても、必要な額は一定程度かかるのではないかと考えております。

○梶井座長 この点は非常に重要な部分ですので、よく表をご覧になられて、あるいは先ほどの事務局のご説明を思い起こされながら検討していただければと思います。

○齋藤委員 質問です。非常にたくさんの要求額、ぎりぎりいっぱいまで出して、こういう計算の結果では当初の要求額よりかなり削減されて配当されることになります。要求した側がそれについて納得していただけるのかどうかについては、どういう形でお話を進めていくのでしょうか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 後ほどご説明をさせていただく部分があるかと思いますが、先生方からいただいたコメント、必要性、重要性、優先度といったところでいただいているコメントも、自治体側にはお返ししようと思っております。その中で、自治体側で優先順位等をお付けになっていただいて、再度その金額の中で計画を考えていただくことになります。

○鈴木委員 今回、後半になって急に委員が増えたのですが、その委員が増えたことによって、それぞれの評価が分かれたとか、一定の傾向は出ていないようだとか、評価そのものの評価というか、そういうことを教えていただけますか。

○梶井座長 大事な視点だと思います。事務局、いかがでしょうか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 次の議題でご説明をさせていただこうと思っておりましたが、こちらは重要だけれども、一方の先生はあまり重要ではないというご意見があった部分もございましたが、いま精査中ではありますが、資料3をご覧いただきますと、こちらの点数の分布で見ますと、正規分布というか、高いところから平均のところ、それから若干低いところまで、常識的な範囲内というか、そういうところに納まったのかなというのが、私どもの印象です。それなので、先生方に細かいところまで評価をしていただいた結果、おおむね同じような傾向になっているのではないかと思っております。

○佐藤委員 いまのご質問の趣旨は、正規分布していることよりも、1つの自治体に対して、それぞれの委員の評価が大きく違っていたかどうかという視点だと思うのですが、その点はいかがなのでしょうか。

○事務局 各先生方のコメントについて、特に事業ごとのコメントを見させていただいたときに、必ずしも先生方のお立場ということだけではないのだろうと思いますが、正直に申し上げまして、同じ事業で評価の結果が違っていたケースはございました。それは事実です。ただ、それは特に計画を見ていただいて、それぞれの先生方がそれぞれのご経験、お立場の中でご評価、ご判断をいただいたものだと思っておりますので、それはそういうものとして全体の結果として、先ほど石川室長からもご説明させていただいた、集計をしてみると資料3のような形になっていたということです。
  それからもう一つは、個々の先生方の評価の結果の平均値を取らせていただく際に、ある意味での異常値と言いますか、いちばん高い点数と、いちばん低い点数については、落とさせていただいた上で、残りの部分について平均値を取るという処理をしております。そのような処理をすることで、ある程度の妥当性のある評価というものを反映させていただくことができているのではないかと考えております。

○梶井座長 いまの佐藤委員、鈴木委員からのご指摘は重要な部分だと思います。ただいま事務局からご説明がありましたが、これについていかがでしょうか。基本的には、それぞれが利益相反の部分については申し出ていただいて、そこには評価点は入れないことになっています。それから、それぞれの基準をもって、すべての計画を見ていただいて、その上で評価をしておられるということだと思いますので、それぞれの中では1つの流れができているのかなと思いますが、いかがでしょうか。この点は重要だと思うのですが、皆様のご納得、ご理解がまず大事かなと思います。

○田城委員 すべての県からの要望額と、決められた予算額の差が1,000億円を超えているわけですから、どのような計算方法を取っても、思いとは違うというようなご批判は、どこかからは必ず出てくるので、100パーセント完璧というのは難しいと思います。
  その中で、私は1次のときから居ますが、委員も増えてきて、逆にそのことによって公平性というか、いろいろな立場の方々から全方位評価、360度評価に近い形で評価もあり、積算もどのような計算をしてもいろいろな指摘を受けるのでしょうけれども、限られた中では、公平公正でバランスが取れているのだろうと、私は個人的にはBest of Bestだと思います。しかし、身贔屓と批判されるといけませんので、Best of Betterというか、いろいろと考えられる中で、その組合せとして、現在考えられる範囲では、頭を絞って、汗も絞った中でベストではないかと思いました。

○内田委員 事務方は大変苦労されて、こういう配分方法をお考えになったのだと思います。いま田城先生もおっしゃったように、皆さんが納得されるところに近い線が出ているのかなと思います。
  私が1つ質問したいのは、120億円までのところで、下限額を100億円で切ったというところです。それを考えると、できるだけ嵩上げをして、たくさん要求した所の基礎額が高くなって、多く配分されるということが、どうしても見られると思うのです。その点に対してのご説明をいただきたいと思います。
  もう1点は、これだけ減額されていると、事業の内容を大幅に見直さなければいけないところが出てきます。これが都道府県にとっては大変な負担になるということが1つあります。むしろ見直した事業に対する評価をどうするのかも、重要な視点だと思うのです。そこを事務方としてはどうお考えになっているのでしょうか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 まず100億円を下限にしたという点についてお答えいたします。そこは私どもでも、いくつかシミュレーションをしてみたのですが、病院の統廃合という大きなプロジェクトを盛り込んでいただくこともありまして、真ん中またはその下のランクと比べたときに、上限額の半分程度で納まるくらいにしたほうが、結局削減はされてしまうのですが、計画にしっかり取り組んでいただくにはそれぐらいが限度ではないかということで、いまの案をお示しさせていただきました。
  2点目の今後の事業の見直しについてですが、平成21年度の基金もそうですが、こちらについて、先生方としっかりとあとフォローをさせていただきたいと思っております。
  まず、今回これだけ削減したものに対しての再検討に関しては、先ほど申し上げました先生方のいろいろなご意見、例えば「かなり機器整備等に偏っている」といった厳しめのご意見、片や悪い中でも、「一部救急なり、そういった取組みは非常に重要である」といったご指摘等も併せてお返しさせていただいて、しっかり県の中で最終的に優先順位を付けて、また地域の方々の合意を取っていただいて、計画を練り直していただくという手順を考えております。

○梶井座長 そのほかにいかがですか。

○鈴木委員 実際の金額についてですが、都道府県で気になるのは、何パーセントぐらいかというのは自分の所はわかるわけですが、それが平均に比べて高いのか低いのかが気になると思うので、平均は何パーセントぐらいの金額になっていて、最低の所と最高の所が何パーセントかという、幅を教えていただけますか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 先ほどの資料2-2のグラフの中で、まず3枚目の大きく圧縮する部分が、先ほどの梶野の説明で申し上げた、おおむね45%~40%ぐらいまでにしないと、とにかく納まらないということです。そのあとの、こちらの先生方の評価に応じた高低差を付けるという点については、係数が0.5から1.5の間ということで、5割増しから5割減ぐらいの間には、何とか納まるように調整したいと思っております。

○井上指導課長 補足いたします。先ほど梶野から説明した資料1をご覧いただきますと、右下に数字が3つ書いてありますが、各県15億円は平等に基礎額としてお支払いして、その上にどれだけ乗せるかということで、要望の合計が2,190億円で、それに対して予算の枠が1,005億円です。この1,005億円というのは、2,190億円の要望に対しては45%ですから、15億円を上回る部分について、要望に対して45%以上付いていた所は、平均よりも付いている、45%より少ない所は、平均よりは少ないという目安になります。出てきた数字を見たときに、目安としてはそのような数字になろうかと思います。

○鈴木委員 それぞれの都道府県の計画がどのぐらいの評価を受けたのかというのは、知りたいところだと思うのですが、そこはどの辺まで公表するのか、その辺を教えてもらえればと思います。

○石川医師確保等地域医療対策室長 今回、先生方に評価をしていただいたのですが、個別の県を順位づけするというよりは、それぞれの事業の良し悪しを判断していただいて、金額等を決めていくということですので、各県に個別にお知らせをするときには、先生方のコメントと同じようにお話はしますが、隣の県がどうだということは、現段階では考えておりません。

○梶井座長 鈴木委員、この点については何かご要望などはありますか。

○鈴木委員 ある程度、計画の良し悪しも評価されるということなので、全体の中での評価の位置づけがある程度わかってもいいのではないかという気がします。

○石川医師確保等地域医療対策室長 今回は再生計画の案での評価ということもありますし、あとはもう一度この金額で再度計画を練り直していただいて、それを今後どのように達成されて、良いものになっていっているかについては、オープンにして評価をしていきたいとは思っておりますが、現段階では案の段階でもあり、金額も変わっていくということですので、いまの時点で順位づけをして公表ということは考えておりません。

○水田委員 順位を全部出す必要はないと思いますが、上の10位ぐらいまでは順位を出して、こういうところが良かったということは言ったほうが、ほかの県も自分の県と比べてみて、このようにしたらいいのではないかということが分かるのではないでしょうか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 ほかの先生からも以前にご指摘があったかもしれませんが、そういった良い取組みをほかの県にも知っていただくことは、私たちも非常に重要なことだと考えておりますので、何らかの方法で周知することには取り組みたいと思います。

○齋藤委員 私は是非お願いしたいと思っております。こういう地域医療再生計画、医療計画もそうですが、医療を利用する方々にとっても、馴染みがないという状況もありますので、良い計画、非常に地域にマッチングした取組みであるという場合については、是非公表していただいて、地域住民や医療を利用する方々に情報提供等々という形でやっていただきたいと思います。
  それと、県にしても、自分の所と何が違っているのか、参考になる活動もたくさんあったかと私は計画を見ていて思ったのですが、そういった検証を各県で取り組むことも可能だろうと思いますので、再生計画が提出され、ある程度交付金額が決まった段階で、良い取組みをしているという県の計画については、是非公表をお願いしたいと思います。

○石川医師確保等地域医療対策室長 その点については、私どもも計画を拝見していて、住民参加型の取組みを先駆的にやるような案や、ユニークな取組みがいくつかございましたので、是非検討させていただきたいと思います。

○藤本委員 事前説明で伺った話なのですが、再計画を提出するまでの期間はどのぐらいなのでしょうか。それによって計画を練る精度というか、それが変わってくると思います。

○石川医師確保等地域医療対策室長 これからのこちらの作業がどのくらいかというところもありますが、おおむね3週間程度かと思っております。というのも、まず、県のほうで15億円と加算分ということで、事前に分けて考えていただいているという点もありますので、あまり長く取ってもと思っておりますので、目安としてはそれぐらいかなと考えております。

○藤本委員 私たちが事業に対していろいろと評価をしましたが、それは参考意見ということで都道府県のほうに返るわけですね。簡単な例として、医療機器を買いすぎではないかということがあったときに、県のほうでは、いや、限られた予算の中でも医療機器に充当するのだということであれば、それは都道府県の主体性に任せると考えてよろしいのですか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 結論を言えば、最後は本当に県の裁量です。あとは、県も当然地域でコンセンサスを得ていただく必要はあると思っております。ただ、先生方の意見というのは、しっかりと返させていただきますので、それでもなおかつということであれば、事後の評価も我々はしっかりしていきたいと思っております。

○藤本委員 そうなったときに、都道府県の方たちは3週間ぐらいで大丈夫という感触でしょうか、返ってきたものを練り直すということで。

○石川医師確保等地域医療対策室長 はい。

○梶井座長 そのほかのご意見、ご質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、ただいま議題1「地域医療再生基金配分の考え方について」、3つの積上げで配分額を決めることをお示しいただきまして、皆さんの間でご議論をいただきましたが、事務局から示された案でよろしいでしょうか。

(異議なし)

○梶井座長 ありがとうございました。続いて、議題2「地域医療再生計画(案)の評価について」のご説明を事務局からお願いいたします。

○梶野地域医療専門官 資料3、資料4を一括して説明させていただきます。先ほどの議論の中でだいぶ説明させていただいたところもありますので、簡単に説明させていただきます。
  資料3は、地域医療再生計画(案)の評価の結果です。先ほどの事務局からの説明の中にも一部出てきておりますが、今回の評価については、前回の評価要領でお示しさせていただきました、必要性、有効性、公平性、効率性、優先性の観点から、委員の先生に評点を付していただいて、評価していただいております。評価に当たっては、利益相反に当たる医療圏については評価を辞退していただいております。それから、評価点数を集計するに当たっては、各医療圏の評価点数にそれぞれの委員の合計点数のうち、いちばん高い点数を付けたもの、いちばん低い点数を付けた委員の採点は除かせていただき、中心の部分での評価による点数を採用しております。
  資料3です。49の医療圏の評価を行った結果、いちばん低い所で300点前後、いちばん高い所で390点台というバランスになっておりまして、20点刻みぐらいになっていると思いますが、その中では、全体的にばらついたような状態になっているというのが、今回の評価結果です。
  資料4は「今後の作業について(案)」で、この評価の点数を受けてのこれからの動きです。まず、配分額の内示額については、基金交付額の総額、基礎額の15億円と今回の委員の先生方の評価を加味した加算額を足した金額、この総額について内示することにしております。内示の際には、有識者による評価項目ごとの意見、事業別の意見を付けて内示したいと考えております。それを受けた都道府県は、内示額と有識者による意見を踏まえて、地域医療再生計画を作り直していただき、おおむね3週間ぐらいを目処に厚生労働省に提出するということにしておりまして、その交付申請に基づいて交付決定をしていただくことになります。
  資料の説明は以上ですが、事業別コメント、都道府県別のコメントについては、ある程度事務局で同様の意見、似たような意見は集約させていただき、表現に誤り等があれば修正させていただいて、委員の先生にご覧になっていただいた上で内示したいと考えております。よろしくお願いいたします。
  それから、今回先生方には大変ご苦労をおかけして、評価をしていただいたのですが、その評価をしていただいた中で、先生方がお気づきになった点等がございましたら、この場で言っていただければ、都道府県に内示する際には併せて付させていただきます。ご議論のほう、よろしくお願いいたします。

○梶井座長 最後に申し添えられた点も含めて、ご意見、ご質問等をいただければと思います。

○田城委員 議題の2で、評価についてですが、いままでも一部共通の意見は出ていたと思いますが、第1次、第2次を通して読ませていただいた人間として、全体の講評をお話させていただきます。それから藤本委員もおっしゃっていましたが、再生計画をトータルで1,000億円を下げたほぼ半分の額で作らなければいけないので、そのときに是非留意していただきたいという再計画の際の要望を「その他」の議論の際に述べたいと思いますので、まずここでは計画の評価の全体の講評について申し上げます。
  これはすべての委員の方に共通した意見だと思うのですが、「人」「物」という中で、「物」に偏重する計画が目立った気がします。共通した意見として、少し評価が低くなったのではないかと思います。というのは、「物」がいくらあっても人がいなければ動かないわけで、せっかく買っても倉庫に箱詰めになったままでいたり、埃を被るということが危惧されるわけです。
  また、いい例として、兵庫県の県立柏原病院の小児科を守る会が代表的ですが、小児科を守る会もしくは藤本委員がされている千葉県のように、住民と一体となって地域医療を守る活動を支援する、これは比較的金額が少なくても効果が大きいのです。こういう地域の活動です。それから、死亡率が高いから救急医療の充実が必要ですが、それはそのおりなのですが、そもそも救急車で運ばれなければいけなくなる前に、生活習慣病対策、健康づくりなど、救急医療のその前のところ、そのあとのところにも、きっちりとお金を使えば、結局少額で済むだろうと思います。
  これも皆さん共通だと思いますが、優れた案を提出した県、評価の高い所というのは、実はこの地域医療再生計画の話がある前から、何年間も何十年間も苦労をして、継続した事業をやっていて、そういう土台があるから、こういうお金が付いたときに、すぐに組み込むことができて、継続している事業に再生基金を活用しているということです。これは第1次のときの島根県などがそうだと思います。
  一方、いかがなものかなと思われる県は、再生基金の話があってから事業計画を慌てて考え、しかもそのときにいろいろな意見があちこちからきて、業者誘導と思わせるようなものがあります。つまり、お金が付いたから、その使い道を慌てて考えているのではないかと思わせるものがあった。これは正直な感想です。ですから、常に必要なことを考えていれば、お金が付いたときに、きちんとはめ込むことができるのではないかと思います。
  それからこれは厳しい話になりますが、積算根拠です。特に私は積算根拠の付属資料はできるだけ詳細に見ましたが、単価掛ける個数というような積算根拠ではなく、高額機器がいくらかという根拠として、業者に聞き出した金額だと記載している県がありました。いかがなものかというか、業者の言いなりではないかと思います。納税者の1人として、私の貴重な税金をきちんと使ってほしいと思います。金額は大きいですが、国全体のことを考えれば、なけなしのお金です。増税と言われているときに、貴重な国民の税金なので大事に使ってほしいと思います。
  最後ですが、地域の意見の集約ということで、合議体です。「検討会」「協議会」という名前のもので、私は厚生科学研究で調べているのですが、第1次の地域医療再生計画の文中に、30何回記載されている県と、0件の所、一度も会議を開いていないのかという所があります。そういうことが調べてわかったので、いろいろな団体から意見を聞いて、意見集約をするような会というのはやっていただきたいです。これは本当に温度差があります。
  本庁の机上のみで書かれた、また大学などの有力の方の特定のご意見のみではなく、住民をはじめとした地域の意見をきちんと集約して、再計画していただきたいと思います。

○梶井座長 とても重要なご指摘をありがとうございました。

○水田委員 いま田城先生がおっしゃったように、私も強くそれは感じたところです。それから、何県とは言いませんが、中には大学に丸投げという感じのもので、機械をたくさん買えば地域医療まで全部いくというような考え方の県が、1県だけではなくて、いくつか見られましたので、最先端の機械だけ買って医師が集まるという考え方では、どうしようもないのではないかと思います。医師会に丸投げという所もありました。
  もう一つ気がついたことは、嘆き節の県が非常にあったということです。「・・・・・・・・ですから駄目なのです」と言うけれども、それをどうかするのが、県としても考えるべきことで、そのためにこの基金ができたのです。そういうことを考えて、もう少しやってほしいと思いました。県によっては、ものすごく練られた所もあって、本当に素晴らしいというものもございますし、全部見ましたが、ものすごく温度差があるという感じです。
  それと、気持はあるけれども、書き方がまずいというところもあると思いますので、これは県のほうでお勉強されることではないかと思います。

○林副座長 いままでの委員の方がおっしゃったことと内容的には重複するかもしれませんが、私はこの委員会が、各都道府県の担当の方々の計画案を作成するための1つの応援部隊として位置づけていただくのが、健全かなという気がします。
  内容的に重複すると申し上げたことは、いくつかの県に見られたのですが、総論的な部分は非常に立派に書かれていて、そのとおりだと頷くのですが、二次医療圏が問題だから強化したい、病院も統合するという意見があって、そのとおりだと思ったのですが、予算の積上げの段階になると、先ほど出たように、三次医療にドバッと予算が付いていて、最初の前段のフィロソフィー、金額の積上げの考え方が一致しないというのが、私にはいくつか見られたわけです。
  それは、私は県の問題とするよりは、県の担当者が企画する段階で多方面の意見をお聞きになっていて、調整しきれなかった結果ではないかと推察します。そういう意味では極めて気の毒だと、お立場を察するものですから、逆に、そういうようなコンテキストで案を書かれても、こういう委員会で読めばわかってしまうということで、県のほうを説得されて、本来考えているようなプランで予算の積上げもあると良い方向にいくのではないかと思います。

○梶井座長 いまのお話は私も非常に納得です。私たちの役割というのは、ただ評価をして、順位を付けてということではなくて、第1回目のときもそうだったのですが、全国にモデルを作る、そうすると日本の医療は間違いなく発展していくという気持で、第1回目は臨んだわけです。そこに、この第2回目の追加分が出てきたわけですから、さらにそれを後ろから押していくという、林副座長のいまのお話はごもっともだと思いますので、そういう意味では、私たち委員一人ひとりも大きな責任を背負っているということかと思います。

○佐藤委員 まさに経験ある委員のお話を聞いていまして、共感することが多くあって、自分自身の評価に関しても、少しは自信を持てたかなという気がする視点を、講評の中で示していただいて大変感謝しております。重複する点は申し上げませんが、2点ほど申し上げます。
  合議体で、皆さんと常に相談しながら練ってきたところというのは、持ち帰った際に、減額された際に相当合議が必要になることもあるということを、1つ可能性として考えていただいて、その辺は事務方でも、合議の過程の部分も大事にしていただきながら、進捗状況をご勘案いただければと思います。
  それから、今日の午前中に災害医療の見直し検討会があったのですが、さまざまな災害拠点病院の中で、整備に関する予算的な話も出ておりました。今回の計画の中にもDMAT、ヘリの問題などの議論もあったように思います。そうしますと、この再生基金の予算と、国が本来災害医療を回復するための予算というのは、もしかしたら重なり合っている部分があった場合に、減額になった場合には、省内の方向、情報として、こういう拠点に関する整備については、こういうものがあるという、広く都道府県行政が周知できるような、きめ細かな情報提供があれば、重なり合っての要求がなくて、まさに国民のお金が有効に使われるのかなと感じましたので、その点は申し上げたいと思います。

○梶井座長 確かに災害医療のところは、皆様同じようなお考えで読まれたのではないかと思います。この点について、事務局から何かコメントはございますか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 今回いろいろと災害関係のものも、一部3次補正で検討しているものもありますので、こちらの基金では満額ということはないので、我々も情報提供は十分にさせていただきたいと思っております。うまく使い分けて、当然重複がないように、効率的に使っていただきたいと私たちも思っております。

○梶井座長 是非よろしくお願いいたします。山本委員、どうぞ。

○山本委員 感想的になってしまうかもしれませんが、初めて参加させていただきまして、何しろ大変な作業だなというのが偽らざる心境です。
  とても上手に書いている県と、中身は素晴らしいけれども上手に書けていない県で、どうしても評価が上手なほうにいってしまうというのは困ったと思いました。
  もう1点は、医療圏の位置関係がわからなくて日本地図を置きながら評価をしていましたので、前回との比較ができないので、田城先生のように細かなところまでの分析はできないのですが、総じて、医療再生というスタンスなので、どうしても医師、看護師、医療機関、道具、機械の数というところに焦点が合うのは仕方がないと思うのですが、薬はどうするのだろうと気になって読むと、言葉はよくないのですが、「まあ、とりあえず書いておくか」という県もあれば、しっかり書いてある県もあります。この評価が終わったあとに、県に戻すときに、医療を再生するとすれば、医療機関はもとより在宅医療でも薬が必要なわけですから、そういう視点を入れ込んだ再生計画を作ってほしいと思います。各県に戻すときにはそのような意見があったということを是非付けていただきたいと思います。

○西村委員 繰り返しがないように申し上げますが、統合再編をされるという提案がたくさんありまして、金額が大きいですから慎重に検討させていただきました。あるところの新聞記事か何かですが、やや全体的に官というか公に偏った評価がされているのではないかという意見があったように思いましたので、それだけはっきりさせておきたいと思います。統合再編をやるときに、民間の方を巻き込んでというのは、官同士よりも相当難しいことは十分わかっておりますので、私としてはそういう試みをかなり高い点数を付けるという努力をしたつもりです。ただ実際問題、このあと本当にできるのでしょうかという心配がありますので、今日は先ほど林副座長もおっしゃったように、是非エールを送っておきたくて、民間を巻き込んだ再編の努力は頑張ってやっていただきたいというのが1つです。
  それとの関連で、いま田城先生がおっしゃったことの積算根拠なのですが、やはり逆にどうしても官優先ではないかという印象を持つのは、ちょっと別の意味で、例えば民間病院のほうがやはり機器の購入等に関してはかなり厳しいスタンスで従来やっておられるという印象を、私は持っています。当然、経営がすごく傾きますから、高い機械を買って成果が上がらないと駄目ということです。ところが、おそらく県の方は田城さんのお話の延長線上で少し重なるお話なのですが、民間病院でいくらでこういう機械を買っていますかというような情報は、おそらく集めておられないのではないかと、私は推測しています。従来、民間が大事だということは10数年言われていまして、その中で県の方はこれからできるだけ民間の方と接触し、積算根拠だけではなく、さまざまな医療に関する情報を集めていただく努力をする必要があると。これも、是非エールとして送らせていただきたいと思います。
  最後に、これは自分も自問自答しながら思うのですが、医療というのは藤本委員のご意見を伺いたいのですが、どうしてもほかの分野の住民参加と比べると、かなり専門的知識を要するということがあるので、先ほどいろいろな各方面の意見を聞きながらということに、県の方が若干躊躇される。やはり、どうしても医療の中心の病院などの意見を聞く傾向が表れて、それはある程度やむを得ないという気もします。そこは、残念ながらそういうことに関して、新たな形の住民参加を開発しようというような意図がないかなと思って拝見しましたが、あまりそれはありませんでした。
  住民に対して、専門的知識がかなり浸透しないと、逆に浅い知識で、とにかくベッドがたくさんあるほうがいいよというような意見が出てくるので、逆に大変怖がってそういうことはやらない傾向があるので、ここはやはりこれから是非住民参加と専門的知識のうまい組合せをどうするかは、各都道府県でご検討いただきたいと思います。
  さらにコメントをさせていただくと、今回私も新しい委員なものですから、地図を広げながら拝見したのですが、やはり自分の知っている地域以外に関しては、二次医療圏のどこが手薄で、どこがかなり濃密であるという現状を、ここがこういうことが足りないというワンセンテンスぐらいしかないのです。ですから、全体のイメージがどうしても。これは、こちらの審査の委員のまずい点でもあるのですが、二次医療圏のここにどうしていま力を注ぐ必要があるのかということの説得力は、少し不十分だった印象を持っています。これは、もちろん審査委員の私の責任でもあるのですが、今後もしそういうことがあれば、日本全国津々浦々歩いた委員ばかりではないと思いますので、是非ご検討いただきたいと思います。

○藤本委員 皆様の意見と重なるところは省いて、私が申し上げたいことは3つあります。残念だった点と、心配な点と希望です。まず残念だった点は、医療機関の再編集約に関して、現在地域で頑張っておられる病院の院長先生のコメントが直接知りたかったです。勉強会のときにそういう要望を出したのですが、やはり時間の関係でどうしても行政の方の意見しかこなかった都道府県が多かったです。ですから、それはその地域でやっておられる、先ほどの西村委員のお話と重なってくるのですが、やはり現場の先生方の声がなかなか広がらない、伝わらない、行政の中にも通ってこないところがすごく残念だったと思います。再計画を練る段階では、できるだけそういうところも踏まえて、各都道府県で作っていただければと思います。
  心配な点は、いろいろな医療機材や機器を買うことを考えておられる所が、更新や買ったお金の償還について、どのぐらいまで考えておられるのかということです。先ほど、基金の占める割合、依存度が低いほうがいいようなお話もありましたが、しかし住民からしてみると、依存しない部分はたぶん各都道府県はこれから借金をして買っていくことになりますから、その都道府県の財政は大丈夫かなと。その辺のことまできちんと考えて、これだけの物を買うと考えているのかなというのは、すごく心配な点でした。
  最後に希望なのですが、今回震災のことがあってDMATやいろいろなお話がありましたが、先日、日本医学会総会に出たときに、被災された都道府県3県の先生方から発表があったのですね。その中でも異口同音におっしゃられていたのが、介護・福祉と医療の連携がいま本当に必要だというお話をされていました。介護や福祉に関しても、医療と密接ですので、先ほどの山本委員のお話にもありましたように、医療の周辺まで広げて考えていかれる必要があるのかなと思います。
  それから、これは私委員としての希望なのですが、各都道府県をきちんとフォローする。前回の医療再生計画のときには、こちらから希望した主な都道府県の方にお越しいただいてお話を伺う時間を持ちました。やはり、私はできれば全部の都道府県の方々とキャッチボールをしながら、この計画がどのように進んでいくかを見守らせていただきたいと思います。これは、個人的な希望です。よろしくお願いします。

○梶井座長 藤本委員、先ほど西村委員から質問がありましたが、これからの住民活動について、何かお答えいただければと思います。

○藤本委員 医療の問題は、いままでどちらかというと医療者不足、医師不足、看護師不足というところがすごくクローズアップされていて、「お医者さんが来たくなる地域になるには」とか、「看護師をどうやって育てていったら」という、人の部分がすごく中心だったと思います。これから、たぶん各都道府県、あるいは各自治体で問題になってくるのは、お金の問題だと思うのですね。そうなってくると、本当に住民の皆さんに理解してもらわないと、例えば国民保険料をどんどんこのまま上げていいのだろうかとか、病気が増えるばかりで、それに医療費を注ぎ込んでいける地域なのだろうかということは、本当に皆さんに考えていただかないと、その地域が破綻する時期がもうすぐ来ると思うので、やはり専門機関からのわかりやすい情報発信を、真剣に考えていただくことが第一歩かなと思っています。

○正木委員 医療現場を預かっている者から見ますと、今回の中身ですが、随分と高額な医療機械、手術ロボットやMRI、CTなどもそうなのですが、こういったものを買いたいとおっしゃっている中では、もちろんメンテナンスの問題や採算の問題があると思います。日本の医療具の水準として、こういったものが全部必要なのかどうかを、指針としてこの委員会が少し出すべきではないかと思います。手術ロボットにしても、まだ保険診療上認められていませんし、算定すら、320列というのは確かにいい機械ではあるのでしょうが、その辺りが本当に必要かどうかもあります。
  全体的な感想としては、自助努力をしていくことを忘れてしまう感じがして。自分たちでこういった品物を買いたいときには、やはり皆様方がいろいろな計画をしながら、きちんと採算も取りながら買っていこうということで、断腸の思いの中で買っていくような機械なのですね。ですから、そういったものについても、お金さえ請求すればいろいろな物を買ってくれるといった公的な公立病院ではなく、やはり自分たちで自助努力をして買うと。税金をどんどん投入していくことは最後の手段で、自分たちでどれだけ努力して買うかといったものが必要ではないかという気がしました。再生基金の趣旨をもう少し理解しながら、しっかり経営は自分たちでやっていく中で助けていただくことが必要ではないかという気がしました。

○梶井座長 いま正木委員がおっしゃったことは、私も同意します。読んでいて、やはりその辺りが大変気になりました。おそらく、ほかの委員の方々も同意見ではなかろうかと推察します。その辺りについては、皆様の意見を読ませていただくと、もうそこのところはズバズバと書かれていますので、今後の計画の見直しでそれがどのように改められて提出されてくるのかは、私自身は慎重に見せていただく必要があるのかなと思っています。

○鈴木委員 西村先生はじめ何人かの先生に、民間の医療機関のことを評価していただいて非常に嬉しく思います。日本の医療提供体制の特徴は、民間中心であるということです。それで、非常に低コストで充実した医療を提供してきたと思っています。ところが、こういう災害や再生の基金の話になると、どうしても公的な所が中心になってしまうので、非常に残念に思っていました。実際、公的な所を丸がかりで、例えば再生するにしても再建するにしても、民間なら少し補助をするだけで同等以上の効果があることは、実際地域で起きていますので、そういったことをもっと実際にやっていくと、より少ない額でより効果的な支援ができるのではないかと思いました。
  それと、各都道府県の計画を見まして、皆さんお感じになったでしょうが、かなり差があるのが実感です。それぞれの都道府県で金額が違いますから、もちろん最終的な金額も変わってくるわけですが、私など非常に医療資源の少ない所にいますと、より医療資源の多い所の計画はより深刻度が少ないというか。折角くれるのだからもらっておかなきゃみたいなところもあって。しかし金額を高く積み上げておくと、減らされてもそれなりに結構もらえるのですよね。より厳しい深刻な所が被災も含めてあったわけですが、そういう所がきちんと評価されたのかが少し気になりますので、そういうことが是非正しく評価されていることを希望します。

○内田委員 私は第1期の頃からかかわっているのですが、そもそもこの地域医療再生基金が出てきた背景を考えますと、従来の医療に対するペイは診療報酬でやったところに対して、それだけの報酬が従来ある医療機関に対して付くと。この地域医療再生基金というのは、地域全体を見渡した上で、その地域に必要な医療を確保するために、真水の基金が付くわけです。ですから、そういう全く新しい枠組みでの事業費だと思います。ただ、ここで問題なのは、本当にその真水の使い勝手のいい、縛りの少ない金が付くというところで、やはり事業全体が非常に甘いと思っています。今回出された計画書にしても、もちろんこれまで経験がない金ですから、それをどう使うかというところで、非常にそういうことを感じます。
  たぶん、これはそれなりの大きな金が付くわけですから、私はこの貴重な税金を使うのにもっと緊張感をもってやってもらいたいと思います。そこで何を提案したいかというと、評価のところで「返納もあり得るよ」ということを是非付けていただきたいと思います。あなた、これだけの計画をやっているのに、これだけしかやっていないじゃないか、という所に関しては、返していただくこともあり得るよということを是非付けていただいて、緊張感をもって仕事をしていただきたいというのが1つです。
  それから、先ほど申し上げた趣旨ですと、地域医療に何が足りないかをよく見て取り組んでいただきたい点からすると、私はこれからの社会は高齢多種社会で、特に都市部における医療の空洞化が非常に深刻になってくると思うのですね。これは、田城先生が今回包括ケアの教室を立ち上げられたということですが、一方でこの地域医療計画でいちばん評価している点は、統合再編、病床削減なのですよ。そこが、どうも私は趣旨と噛み合わないところがあるのかなということ、地域で本当に必要な地域医療の確保、患者さんや家族も含めた他職種の協働、あるいは縦の連携だけではなく横の連携も含めた他施設の連携といったものを進めるような考え方や発想が、あまり今回の計画の中になかったことが少し寂しいなと思います。

○梶井座長 大事な視点でのご指摘をありがとうございました。そのほかございませんか。

○田城委員 内田先生に、いろいろ私のことも褒めていただいてありがとうございます。これは、本来事務局が答えることではないかなとも思いますが、統合や病床を減らすことに関しては、マグネット・ホスピタルという構想が震災以降あまり言われませんが、要するに地域に150床、180床、200床前後の病院が3つあって、例えば済生会、市立、赤十字、それから民間があって、そこに専門医が2人とか1人しかいなくて、当直も組めないとか救急車も断わるぐらいであれば、それをまとめて300床ぐらいの1つの病院にして、専門医が5、6人いれば当直も回せるし、救急車も断らない。それから圏域外に患者を送り出すこともないというような意味で、人材の分散を避けるという意味での統合と、病床数を適正な規模に減らすというようなことなのだろうと類推します。
  それから、特に運営母体が違う再編成は非常に難しいです。是非、こういうお金を使って成し遂げていただきたいと思いますが、第1次の地域医療再生計画でやりますと言ったので、首長さんが変わったり、いろいろなことで予定どおりいかないこともありますので、これは全国の模範になるべくこのお金を使って。実は国立ですと寄付行為などいろいろな制度の壁がたくさんあるようなのですが、その辺りは構造改革特区や規制改革も組み合わせながら、所属、運営母体が違うところも、経営母体が違うところの壁を乗り越えてやっていただきたいと思います。
  神戸なのですが、同じ大学の関連病院でありながら、うまくいっているところとそうではないところで、基礎自治体の市が是非やりたいと言っていても、経営母体の本部で首を縦に振らないなどいろいろなことがあるようです。これは適正規模な人員配置が、実はそこで働いている医師の命を救うことになるわけですね、過労死を防ぐ。それが地域住民のためにもなりますので、是非そういう点ではこの基金をうまく使ってもらいたいと思います。

○梶井座長 内田委員がおっしゃったとおりだと思います。たぶん、私の頭の中では、医療機関を集約、統合していくためには、そこだけにフォーカスを当ててもうまくいかないと。地域全体が理解して変わっていかなければいけないと思うのです。健康の問題、要望についてどう捉えていくのか、あるいは在宅や介護についてどう考えていくのか、その中で新拠点病院がどういう役割を果たしていくか。しかし、その新拠点病院にすべての役割が集中すると、また同じ繰り返しになっていくわけですね。そうすると、地域を面としてどのような医療機関の本当の役割分担、よく連携と言われていますが、連携が図られていない現状の中でどのように連携を図っていくかを、たぶんこのテーマで地域全体を考えていかなければならないのではないかと思います。
  それから、先ほど西村委員がおっしゃった点で、住民活動のあり方は、今回も皆さんいろいろ意見をお書きになっていました。私自身は、いろいろな地域の新拠点病院の構想を聞いていますと、いきなり何百床で三次救急までやりますというような話からスタートしてしまうのですね。それは違うでしょうと。住民の方々に、まずいまの自分たちが生活、暮らしをしている地域の医療の状況をきちんと知っていただいて、より大きな病院があればいいのですが、そうはいうものの資源や財源にも限りがある中で、どういう病院が必要なのだというところから立ち上げていかなければ、たぶんこれは同じ繰り返しになってしまうと思います。限られた資金、今回の基金もそうですが、こういう状況の中でこれだけの基金を国は出そうということで、それを皆さんに有効に利用していただくためには、相当一緒に議論していただかなければいけないのかなと思っています。
  そのほかにいかがでしょうか。各都道府県に意見をお返しいただくときに、今日のお話も届けていただければと思います。

○田城委員 「その他」に入ってもよろしいですか。これは、要するに再計画する際、減額されたあとの計画を立てる際の要望事項、それから皆様の議論を聞いて、全部で3点あります。これは、ほぼすべての委員の方がおっしゃったことの蒸し返しで申し訳ないのですが、是非あえて触れたいと思います。
  私自身大学人ですので、高度先進医療というものの必要性はとても理解できます。やはり大学の人間ですから、大学の先生方がそれを強く必要と言うのもおっしゃるとおりですし、それで救われる命があるのも事実ではあるのですが、機器の維持費に毎年4,500万円以上かかるとか、1人の治療に健康保険もかかっていないので、患者さんに200万円以上の自己負担をしていただかないと治療できないというような機器が、例えば妊婦さんを断わったとか、救急車が何箇所も行かないというような、緊急事態を救うという趣旨の地域医療再生計画に合っているのかということは、その地域住民を含めて是非全体で話し合ってほしいと思います。これは、座長がおっしゃっているとおりだと思います。
  それから、中には臓器移植のこともあって、腎移植必要ですし、肝臓がんの場合にも生体肝移植などがあり命を救えるのですが、優先順位を考えるとほぼ半分に減額しなければいけない場合には、断腸の思いではありますが、優先順位というものは是非考えていただきたいと思います。
  2番目は、これはちょっと用意したコメントではなかったのですが、銚子市立病院の廃止の顛末を書いた本が書店で売っています。それを読むと、それは一方的な意見かもしれませんが、再生計画では都道府県の担当者のことばかりコメントされていますが、どうしても、住民や基礎自治体のさまざまな意見があります。議会や首長さんなど。しかし、そういう側にも全く責任はないのかと。
  梶井先生がおっしゃったように、自分の命はやはり自分で守ろうという地域住民の思いが必要です。これは、すべての法律が国民は自分の健康は自分で守ろうというのが法律の第1条か第2条に書いてあるのですが、地域の医療を守るのは地域住民にも何分の1かは責任というと言葉が重いのですが、地域住民ご自身の問題だろうと思います。天から何かが降ってくるのを待って、降りてこないと不満を言うだけではなく、自ら努力をする所は救われ、むしろ助け船が出てくるという気がします。逆に言うと、上意下達では駄目なので、是非、住民の方々や基礎自治体のあらゆる考えや、勢力や団体を巻き込んで、その方々各々も自分の問題と考えるような合議体を、行ってください。話し合っている所は実は素地があるのです。
  3番目は、いままでは評価をして金額が絡んでくるので、都道府県と委員は接触禁止です。金額も決まって2、3週間で再計画ということであれば、これは事務局等にお伺いしたいのですが、これから委員がある程度積極的にアドバイスすることが可能なのかどうかを教えていただければと思います。
  やはり、本当に貴重な財産、貴重な税金なので、きちんと作ってほしいし、半分に減額される際にはいろいろなご意見、天の声もあるのでしょうが、是非その辺りは慎重に考えて熟慮して、妥当性のある再計画を出していただきたいと思います。

○梶井座長 先ほど事務局へ質問がありましたが、いかがでしょうか。

○事務局 先生からの先ほどの質問なのですが、最終的には今後のスケジュールとして内示をして、再生計画を出していただいて、最終的に交付決定の手続きを行うわけです。我々としても各県の計画については、ホームページにも掲載をしたいと思っています。そこから、もう各県がフルオープンになった状態で事業を展開し始めるという状態です。そこまでなった段階であれば、それ以降であれば先生がおっしゃるような形で、たぶん各県にとっても先生方のご意見が事業をよりよく展開していくに当たって、有益なアドバイスになっていくのだろうと思いますので、先生がおっしゃられるような趣旨で働きかけをしていただくこと自体については、問題がないのではないかと考えています。

○佐藤委員 今回、利益相反のみならずといいますか、この有識者会議の中で議論されない県が3つあります。特に、この3つの県に関するスピード感は重要だと思っています。今回、さまざまな有識者会議の日程上の都合で少し遅れているようですが、特に被災3県に関する地域医療再生基金は、まさにスピード感と、ある意味では有識者会議の目に触れないで進められることがありますので、是非とも迅速に進めていっていただきたいと思います。

○梶井座長 3県は11月ですね。それについては、この有識者会議の意見集約はどのようにお考えでしょうか。

○事務局 いまの状況ですが、先生方がおっしゃられるように、被災3県いずれも120億円を確保させていただいています。まず、基礎部分の15億円については、すでに交付決定をさせていただいた県、それから先日申請をいただいた県、それから決定をしようとしている県とあります。その上で残りの105億円ですが、先生がおっしゃっていただいたとおり、ものすごく迅速性、スピード感が大切だと思いますので、このような被災3県以外の県の地域医療再生計画というような形でじっくりとご審議をいただく時間は、やはり確保できないのではないかと思っています。
  そういう意味では、被災3県から出てきた計画については、例えば持ち回りなどさまざまな方法を使いながら、先生方には情報として提供させていただくにしても、できるだけ県に対しては早く内示ないし交付決定の手続きをして、それが医療の復興のために有効に活用していただけるように考えさせていただきたいと思いますので、是非ご理解をいただくことができればと思っています。

○梶井座長 そのほかございませんか。

○水田委員 もう一度確認させていただきたいのですが、3週間後に再提出ですよね。その決定は、厚労省だけでなさるのですか。それは、どういう視点でなさるのですか。再提出した計画が、それでよろしいかどうかは、どこがどうするのですか。もう一度教えてください。

○石川医師確保等地域医療対策室長 再提出いただいたものについて、もう一度改めて評価をお願いすることは現時点では考えていませんが、先ほど先生方からコメントをいただいた点は、当然我々でチェックさせていただきます。

○水田委員 今度再提出を内示するときに、例えば先ほど出てきたような10位ぐらいまでの計画は教えるとか、皆さんどういうことに注意しなさいということは全部出すわけですね。高額な機械ばかりは無理ですよということはきちんと出して、もう一度再提出させるということですか。練り直しということですか。

○事務局 練り直しをしていただくに当たって、今回の先生方のご議論、ご意見を踏まえて、県に対して金額の提示を行う際に、先生方からいただいた貴重なご意見は、先生がいまおっしゃられたような点を含めて提示、情報提供をさせていただきたいと思っています。各県は、そのような意見を踏まえながら、あるいはもともと県の中での優先順位もあったかと思いますが、それはそれとして、先生方のご意見も十分に尊重していただきながら、計画を練り直していただいて再提出をいただくというような流れになると思います。その局面で出てきた計画を、改めてこのような場で審査をするかどうかという点については、たぶんそれをやってしまうと、いつまで経っても計画が固まらないことになりますので、そこは大変申し訳ありません。なお、都道府県側も先生方のご意見は十分尊重して計画の練り直しをしていただく前提で、最終的な計画についてはそれで計画としていただいてスタートしていただくと。
  ただし、その後やはりこういう場で毎年フォローアップはさせていただきたいと思っていますので、県の計画を実行する中であまりよくない方向にいっているケースがある場合については、きちんと有識者会議としてご意見を言っていただくことで理解をいただくことができればと思っています。

○水田委員 この最終計画は、評価は別として、来るのか来ないのかということです。ここでもう一度審査はしなくていいと思いますが、それは私たちにもホームページを見なさいということですか。

○石川医師確保等地域医療対策室長 先生方には、こちらからお送りいたします。

○藤本委員 先ほどもお話しましたように、フォローアップを第1回目のときも、繰り返しになりますが適当にピックアップした所だけしかやっていないのですよ。これは、第1回目の委員の方々皆さんおっしゃっています。たしか正木委員は、集まった計画の中から1つモデルの計画を作って、こういうものはどうでしょうと見せることを、私たち有識者の中でやってもいいのではないかと。やはりお金を出すところまでは一生懸命時間も労力もかけていろいろやって、出したら出しっぱなしはまずいと思うのですね。そのあとのことを、いまどの程度までお考えなのか、是非事務局の考えを聞きたいのですが。

○石川医師確保等地域医療対策室長 対象については、全県を考えています。

○梶井座長 私たちも、しっかり受けていきましょう。

○水田委員 これは言わなくてもいいことかもしれませんが、1次のときの京都がまだ片付いてないのですよね、私の中でも。それについて、私は何回もどうなりましたかと言っていましたが、返事もないままで進んでもない。それで、お金だけは25億円か50億円かいったと思うのですね。それは、どうなっているのですか。

○事務局 すみません、我々も京都の舞鶴のケースについては注視をしている部分で、いろいろと計画どおり進んではいないという情報もいただいています。府側が、最終的にどのようにしようとしているのか、お互いに話合いをしながら計画の見直しが必要なのかどうなのかも含めて、いま府側から意見、情報を取っているところです。その結果を踏まえて、手続上、計画の変更をする場合については、有識者会議のご意見をいただくことにもなっていますので、そういう手続きを行うなり、考えさせていただければと思っています。

○水田委員 もう1年経っていますよ。あれは5年間ですよね。どんどん厳しくなってきますよね。それなら、2次の分はホールドぐらいにしないと。

○石川医師確保等地域医療対策室長 実は、要綱にも基金事業の中止なども規定はされていまして、そんなに遅くならないうちに我々も結果を確認しようと思っていますので、またご報告させていただきます。

○梶井座長 そのほかございませんか。随分と皆様から率直な忌憚のないご意見をいただきました。是非、今日の意見を集約していただいて、各都道府県にお届けいただければと思います。今日の議論を踏まえて、最終的な評価点数を集計していただくことになろうかと思います。また、その結果を本日ご議論いただいた配分方法に当てはめて、最終的な交付額を決定していただくことになろうかと思います。併せて、先ほど事務局からありました事業別のコメントについては、事務局でおまとめ中ということですので、皆様にチェックをしていただきまして、意見の最終的なチェックに関しては、また皆様からいただいたものを座長に一任していただければと思いますが、よろしいですか。

(異議なし)

○梶井座長 ありがとうございました。以上で本日の議題はすべて終了いたしました。

○齋藤委員 1点確認させていただきたいのですが、今回の内示で逆にお金が余ることは全くないと考えてよろしいのですね。

○石川医師確保等地域医療対策室長 先ほど座長のお話にもありましたが、これから調整をさせていただきます。最終的な結果は、またご報告します。

○梶井座長 すごく重要な視点だと思います。ありがとうございます。今日も、途中で座長という立場でありながら意見を言わせていただきました。すごく皆様が真剣に読み込んでいただいて、その上でご意見をお寄せいただいて、今日も非常に鋭い重要なご意見がたくさん出ました。やはり、もう貴重な税金を使って地域医療の再生を図っていただくという視点で考えますと、今回の結果を踏まえた各都道府県の見直しの段階で、各都道府県に本当にもう一度よくお考えいただき、その上で再計画を出していただくことを期待します。
  それから、全国の計画の中で、皆様が良い計画というか分かりやすい計画という言葉を出しておられましたが、全体像が見えていて、将来のビジョンが明確で、そこへのロードマップが明確に示されているのですね。そして、その背景にきちんとしたデータの解析がなされています。データの解析が十分でない、あるいはこれから人口がどのように変わっていって、疾病構造がどのように変わっていくかというようなことが踏まえられていないというようなご意見もありました。まさに、そのとおりだと思います。やはり、そういうところを踏まえた計画は、どなたにも素晴らしい計画と写ったのではないでしょうか。そういう意味では、やはり地域医療をどう捉えていくか。たぶん、機器のほうに最重点がある所は、なかなか全体像が捉えられていないのではないかと思います。そういう意味で、きちんとした再生計画の道程、ストーリーが見える計画を考えて再提出していただくことを心から願う次第です。
  それから、何度も議論がありましたが、今後の見直し後のことなのですが、是非フォローアップをどうしていくかを、事務局でもう一度よく考えていただければと思います。これから平成25年までですから、期間はそうないのですね。その間に、すべての県のきちんとしたフォローアップ、ヒアリングをさせていただいて、意見を言わせていただいて、より計画が実行されるように、この委員会としては最大限バックアップしなければと思う次第です。そういうことを踏まえて、委員の皆様には大変なご苦労がかかるのではないかと思いますが、しかし委員の方々はそのような覚悟をなさっておられるのではないかと、私は勝手に思っています。そのようなことを踏まえて、事務局でフォローアップの計画をお考えいただいて、是非委員にお示しいただければと思う次第です。

○田城委員 一言だけ、補足というか、誤解がないようにと思います。高度先進医療が駄目と言っているわけでもありません。それから、そういう機械は、実は医者の負担を減らす上に、技術を普遍化しますので、名医でなければ、天才的な外科医でなければできないような手術が、ある程度の一定レベルの人でもできるようになるという意味では、長い目で見れば地域医療につながるので、それが駄目と言っているわけではなく、別の予算で、この地域医療再生基金ではちょっと優先度は下がりますが、高度先進医療のための予算はきちんと別枠で、これは文部科学行政や文教予算や、科学技術を進めるとか、日本も世界に期すという別の予算枠で、是非確保していただくことを強く望みます。その機械が駄目と言っているわけでは決してありません。大学に籍を置いている人間ですので、誤解をされると困ります。私自身も消化器内科医なので、本当にそれが重要だということは理解はしています。以上です。

○梶井座長 ありがとうございました。最後に何か言っておきたい方はいらっしゃいますか。今日は大谷医政局長もいらしておりますので、一言いただければと思います。

○大谷医政局長 今日は別の会議があって遅れましたが、残りを聞かせていただいた中でも、この基金の性格、今後の扱いについて、重要な示唆をいただいたと思います。確かに、大量の資料でもあり、困難かつ煩瑣なものを、特に今年の夏は暑かったり、短期間で処理いただきまして、本当に厚く御礼を申し上げたいと思います。私どものほうにも、この交付金については、あまりこの商売をしていても経験がないぐらい、いろいろな関係の方から関心や期待が寄せられています。この配分について、その客観的な根拠なしには、どうしても我々は仕事ができないということで、そこを与えていただいたということで、非常に頼りにもし、また感謝しています。
  先ほども少し出ましたが、この作業は震災の影響もいろいろな形で受けましたし、残る3県についても120億円を枠取りはしていますが、これが3次補正予算との組合せの中で、できるだけ早く執行してもらいたいという別の動きもあります。そういう意味で、今後まだ予算編成にはいろいろ複雑な悩みがあります。この場所ですから1つ申し上げますと、震災については3次補正ということで、政府としては9月中旬に要望の規模は発表しています。特に、いわゆる復旧ではなくて復興についての予算について、相当大きな枠を要求していると。これは、近々政府として財源も決めて閣議決定をして国会に出すという運びになります。
  それから、今日になると思うのですが、概算要求、来年度予算編成については、例年より1カ月遅れになりましたが、たまたま今日最終確定して、財務省に提出され、公表されるとなっています。
 その中で、先ほどお話がありましたように、在宅医療や介護との一体化、連携といった経常費とは違う、言葉は悪いですが天から降ってきたような滅多にないというのとは違う地道なものが、今回、在宅医療や介護については予算の柱で打ち出そうと思っていますので、その辺りは抜かりなくこういった再編や大きな病院の動き、それから患者や医療の流れとしての最後の在宅までつなげて、予算なり制度を作っていきたいと考えています。
  これは貴重な資源ですので、有効に使わせていただきたいと思いますし、各県にもこういったご意見を基に、再計画、内示に基づいて、若干の練り直しがあろうかと思いますが、その辺りについてもよくお願いしたいと思います。フォローアップも、いまいただいた意見を踏まえて丁寧に進めたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。どうもありがとうございました。

○梶井座長 どうもありがとうございました。最後に、事務局から連絡事項等がありましたらお願いします。

○梶野地域医療専門官 後日、事業別コメントシートについて、委員の先生方に一度目を通していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。

○梶井座長 それでは、これをもちまして、本日の有識者会議を終了させていただきたいと思います。委員の皆様、ありがとうございました。お疲れ様でした。


(了)

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