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2011年10月12日 第8回チーム医療推進会議 議事録

医政局医事課

○日時

平成23年10月12日(水)17:00〜19:00


○場所

厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○議題

○チーム医療推進方策検討ワーキンググループの進捗状況について
○チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループの検討状況について
○その他

○議事

○永井座長 ただいまから「第8回チーム医療推進会議」を始めます。委員の皆様には、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。事務局から、委員の出欠状況と資料の確認をお願いします。
○石井補佐 初めに、今回より委員の交代がありましたのでご紹介します。日本看護協会副会長の大久保清子委員、日本看護系大学協議会会長の野嶋佐由美委員です。委員の出席状況ですが、本日は小川委員、堺委員からご欠席との連絡を、宮村委員、山本隆司委員から遅れてご参加という形でご連絡をいただいています。
 本日は、特定看護師(仮称)業務試行事業の実施2施設により、参考人としてお越しいただいていますので、先生方についてご紹介します。日本医科大学武蔵小杉病院より黒川顯院長、高橋久美子副院長兼看護部長、指導医の南史朗内科教授、事業実施の対象看護師の福永ヒトミ看護師長です。藤沢市民病院より、指導医の小野田雅仁皮膚科医長、岩田眞理子看護部長、対象看護師の内藤亜由美様です。
 続きまして、事務局に異動がありましたのでご紹介します。医事課長の田原、医療政策企画官の徳田、文部科学省医学教育課長の村田です。
 お手元の資料の確認をします。議事次第、配置図、開催要綱、資料1「平成23年度チーム医療実証事業委託施設の選定について」、資料2「特定看護師(仮称)の考え方(案)」、少し厚い資料3「平成23年度特定看護師(仮称)業務試行事業実施状況報告概要(8月)」、1枚紙の資料4「特定看護師(仮称)養成課程に関するこれまでのご意見」、資料5「特定看護師(仮称)養成のイメージ(たたき台)」、資料6「能力認証を受けるために必要なカリキュラムの内容(イメージ)」、資料7「能力認証の有無による業務実施方法のイメージ」、資料8「第16回看護業務WG主な御指摘」、資料9は、本日お越しいただいている日本医科大学武蔵小杉病院から提出いただきました資料です。また参考資料として、参考資料1「平成23年度特定看護師(仮称)業務試行事業実施施設視察概要報告」、参考資料2-1「平成22年度特定看護師(仮称)養成調査試行事業最終報告」、横綴じの参考資料2-2は、同じく指導者の評価です。参考資料3「平成23年度特定看護師(仮称)業務試行事業実施施設指定一覧」、参考資料4は、テーブルの席の方々にはオレンジ色の冊子でもお配りしていますが、藤川委員からの提出資料です。資料の不足、乱丁等がありましたら、いつでも結構ですので事務局までお申し付けください。カメラの頭撮りをされている方がいらっしゃいましたら、ここまでとさせていただきます。
 今後の進行を永井座長、どうぞよろしくお願いします。
○永井座長 まず議題(1)のチーム医療実証事業の採択について、事務局より報告をお願いします。
○石井補佐 お手元の資料1をご覧ください。こちらは前回のこの推進会議に対して、チーム医療実証事業についてということで、応募についてご報告をしましたが、その後応募をいただきまして、その対象施設を選定したことの報告をさせていただきます。
 初めに、事業の目的は、この会議とチーム医療推進方策検討ワーキンググループにおいて取りまとめていただいた、「チーム医療推進のための基本的な考え方と実践的な事例集」を踏まえた取組を全国に普及させることを目指すもので、医療関係者等のご協力の下に提供可能となる医療サービスの安全性・効果等を実証するということを目的として、実施をするものです。
 2番目の事業委託施設の募集は、本年6月1日より6月30日までの期間で募集を実施しました。
 3番目の応募施設数は、施設数が104、複数のチーム応募をいただいているところもありますので、チーム数は200となっていて、病床規模別に見るとこの表のような内訳でいただきました。
 4番目の事業委託施設の選定は、チーム医療推進方策検討ワーキンググループの山口座長ともご相談の上、事務局において厳正に審査を行いまして、こちらの表にあるとおり施設数68施設、チーム数115の施設について選定をしました。参考までに、選定施設の地域別、病床別の分布はいちばん下の表のとおりで、比較的全国、病床規模もさまざまなところから採択をしました。
 別添の1、2頁が具体的な採択の委託施設の一覧となっていて、病床数別に並んでいます。いちばん上から順に400床以上の病院の採択が並んでいますが、それぞれの病院の施設名、種別、病床数、それから選定したチームがどのような分野であるのか。個別疾患の場合は、字が小さくて恐縮ですが、どのようなチームであるかについて一覧としてまとめています。こちらの対象施設に対しては、7月29日付で選定結果を事務連絡にして事務局より通知をして、現在事業の実施を行っていただいています。事務局からの報告は以上です。
○永井座長 ありがとうございました。ただいまのご説明に、何かご質問、ご発言はありますか。山口先生、何か追加はありますか。
○山口委員 全国的に多くの施設から応募いただきまして、チーム医療推進という目的には非常に適った出発ができたのではないかと思っています。
○永井座長 これは、最終的に評価はどのように行うことになりますか。
○山口委員 対象のチーム医療の内容によって異なりますので、それぞれの施設から評価法も含めて提出をいただいていますから、個別の評価になると思いますので、またそれが出てきたところで委員会で検討することになるかと思います。
○北村委員 この委託事業について、これがいつごろまでに結果として上がってくるのかをお聞きします。
○石井補佐 実施の報告については来年の2月ということで予定していますので、その詳細な内容をワーキンググループでもご議論いただいた上でこちらの会議にご報告ということですので、年度末から来年度になろうかと思います。
○北村委員 少し遅くて残念ですが、今年が平成24年度の診療報酬改定ということもありまして、この結果が、本当を言えば反映できればなと思っていました。以上です。
○藤本委員 診療所の数が全国で6カ所ということですが、診療所のチーム医療というのは病院のチーム医療とまた違った形になると思いますので、応募してきた8のうち6と、さらに少なくなってしまったのは残念な感じがしますが、その辺はいかがですか。どうして2施設が落ちたかをお聞かせください。
○石井補佐 先ほど、山口先生からもお話がありましたように、この事業の効果を検証する評価というものも非常に重要だということで、申請の内容に、評価をどのように行うのかについてもお書きいただきまして、残念ながらその評価の方法の妥当性が十分でなかった施設があったということです。
 それから、こちらの施設、チーム医療は単独の施設でご応募いただいている場合もありますし、地域の医療機関で連携してご応募いただいているケースもありまして、採択は病院になっている施設でも、地域の診療所と連携したチーム医療という形でご提案いただいているものもこの中に含まれていますので、実際には参加していただける診療所の数はもう少し多いと認識しています。
○藤川委員 チーム医療を在宅を中心に実施している関係者は、診療所が頑張って地域に根差してやられています。診療所で活躍している医師や看護師はたくさんいますので、チーム医療イコール病院だというレッテルを貼られても、地域の医療で頑張っている人たちは「いや、違うよ。私たちもチーム医療でしっかり頑張っていますよ」という声がよく聞こえます。診療科によって、チーム医療の形が有床診療所であっても違います。その辺を少し考慮していただきたい。
 診療所におけるチーム医療のレベルを上げることが大切であるという認識を持たせるためにも、診療所をここまで件数を少なくしているのは改善していただきたいと思います。
○永井座長 これはいかがですか。教育とか研修とか評価とか、いろいろとサポートするシステムが必要ですね。その辺を国なり医師会、大学が教育して、診療所でもこういうものに申請できるような体制を支援する。医師会のほうでは、そういうことはまだ計画されていらっしゃらないですか。
○藤川委員 チーム医療が大切であるという認識はもちろん持たれていますが、例えば有床診療所の場合は薬剤師がいないのです。診療放射線技師がいない所が多いものですから、圧倒的に医師と看護師、准看護師、看護助手のメンバーで、チーム医療として夜勤の体制を頑張っています。そこに特化したチーム医療のあり方が厳然とありますので、そこはきちんと認めてあげないといけません。大きな病院からの退院患者がこれから有床診療所に、医療だけではなく介護に関しても転院して来ますので、そこで患者さんがきちんとしたチーム医療の恩恵に授からないといけません。
○永井座長 今回、申請はどうだったのですか。申請が上がってきたけれども認められなかったということなのか、申請数も少なかったのか。
○石井補佐 資料1の1頁をご覧いただきますと、診療所からの申請は8施設ありまして、そのうちの6施設が採択ということですので、申請数も少なかったということかと思います。
○太田委員 私も診療所のほうでアプライした側ですが、ここは医科の診療所だけが採択されているようで、歯科が採択されていないことに疑問を感じました。というのは、在宅地域の高齢者に対する食の支援という切り口で、歯科診療所がアプライしました。そこには、耳鼻科医もSTも在宅医も関わるわけで、非常にいいチームができて、そのチームがいいネットワークを結成すれば、地域で最後まで過ごせるような地域づくりにも役立つと思います。ここに保険薬局が採択されてはいますが、医科だけが採択されていることに些かの疑問を感じます。
○山本(信)委員 薬局が2件選択されているのは大変ありがたく思っていますが、藤川委員から有床診の中で薬剤師がいないというご指摘があったのですが、多少お言葉を返すようですが、だからこそ地域の薬局を使って連携を組むというのがあり得るべき姿なのだろうと思いますので、そういった意味では連携がうまくいくような地域での診療所を選ばれることも、今後の方針としては要るのではないか。以前に太田先生が、確かそれと類似したことをおっしゃっておられて、うまく使っていけば、仮に薬剤師がいなくても地域の薬局との連携で薬は困らないだろうというご指摘があったので、是非これからもそのあたりはご検討いただいて。薬局が出てこなくても連携先としてきちんと位置づけられていればいいのかなと思っていますので、そのあたりもご検討いただければと思います。
○永井座長 よろしいですか。また来年度に向けて、引き続きご検討いただくということで、議題2にまいります。チーム医療推進のための看護業務検討ワーキンググループの検討状況について、座長の有賀委員からご報告をいただきます。よろしくお願いします。
○有賀委員 私のほうからの資料は、資料2以下たくさんあります。分担ということではないのですが、骨格的なお話は座長の私からしたいと思います。骨格的な話というのは、資料2にありますように6月にワーキンググループがあったときに、「特定看護師(仮称)の考え方」ということで、座長の今後の方向性などを勘案するために作った文書です。私からこれを説明して、その後に少し分量の多い資料については事務局にフォローアップいただくようにしたいと思います。
 資料2を見てください。これは6月のワーキンググループの資料そのままです。そもそも特定看護師(仮称)、チーム医療の中の一分掌になりますが、検討の背景があります。これは、患者の高齢化が進んできた、医療の高度化・複雑化というか、内容が大変豊富になってきたということがあるので、たくさんの人が寄って関わらないと、なかなか仕事が進まない。なおかつ高齢化ということがあると、いまたまたま薬局や歯科診療所の議論がありましたが、生活に戻ることを考えると、さまざまな職種が専門的なケアを提供する必要 があって、チーム医療に関しては推進していかなければいけない歴史的な背景があります。
 その次のパラグラフには、看護師のことがあります。つまり、どのような場面においても看護師たちは医学的な観点だけではなくて、社会的な背景や心理的な状況、これは、あとから出てくる「療養上の世話」という局面からのお話がここに含まれるわけですが、患者の状態を「診療の補助」という医学的な側面からのみならず、総合的かつ継続的に診てくださっている。診療に関する業務から、いまお話の患者の療養生活の支援に至るまでの幅広い業務を担ってきています。こういうことで、看護師たちに是非頑張ってもらいたいということがここにあります。
 具体的には在宅医療の場面などで在宅患者がどんどん増加してくるだろう。医師が医学的な判断に基づいて、治療計画を作る。看護師たちが、日常的な症状のコントロールや症状の変化への対応をする。そういう連携・協働のモデルを考えていくことになるわけですが、もっと具体的に言いますと、専門的な能力を備えた看護師を養成することがあれば、先ほどお話した「診療の補助」と「療養上の世話」の内、診療の補助について個々の医行為がうまくできればいい。ただ、できるためにはその範囲についての議論を少し深めておかないといけないことがあるので、現状においては診療の補助の範囲、グレーゾーンが必ずしも明確になっていないことがあるので、単純に「やってくださいね」というわけにはいかない。こうした状況を打破するために、平成21年に行われたチーム医療の推進に関する検討会の提言を受けて、従来の看護業務における医行為、つまり診療の補助のあり方を再評価した上で、一定の医学的な教育や経験を前提にして、専門的な臨床実践能力を有する看護師たちに、患者の状態を総合的かつ継続的に把握・評価していただいて、それを基盤にして、診療の補助たる幅広い医行為を含めた看護業務を実施できるように、何らかの枠組みを構築する方針で検討を進めてきたということです。現在もきていることになります。
 ここら辺がいちばん大事なことになりますが、制度の枠組みという意味では保助看法の定義のとおり、患者に対して患者の状態を総合的かつ継続的に評価しながら、「診療の補助」と「療養上の世話」とを統合した看護サービスを提供する役割を担ってきている。今後、高齢化や医療の高度化・複雑化の中で、従来よりも質の高い医療を提供するという観点に立てば、看護師本来の職能を基盤としつつも、診療の補助に含まれるか否かがわからないグレーな部分についても検討を加えて、その成果を適切に取り込みながら、「診療の補助」と「療養上の世話」を統合した形で、より高い看護サービスを提供できるようにする必要がある。ということから、新しい、そうは言いながら専ら侵襲性の高い医行為をやる新しい職種を作るわけではなくて、看護師の能力に応じて医療機関などにおいて、先ほど病院だけではないというお話が出ましたが、いろいろな分野において医療安全を十分に確保することを条件としながら、医療現場のニーズを踏まえて看護業務を展開していただきたい。
 業務に関する枠組みとしては、医療現場の実態に配慮して、いわゆる「業務独占」とはしない。十分に医療安全を確保することができる枠組みを構築したい。一定の要件を満たした看護師に限り特定の医行為の実施を認める内容、いわゆる業務独占の法整備を行う場合には、その他の看護師たちに、既にいま少しはやっておられることになっている当該行為を実施することができなくなってしまう。少数ながらも、「現在看護師が実施している」と回答がなされたことに鑑みれば、医療現場に混乱をもたらす。つまり、業務独占をしてしまうと混乱が生じる。
 一方、現行法の下で、通知によって「診療の補助」の範囲を明確化する場合には、法律上実施することが認められる業務はすべての看護師について同一であることになってしまうので、看護師全体の平均的な能力を前提に検討する必要がある。その結果、明確化できる範囲はまた限定的なものになってしまう。したがって、このような枠組みとして新たなものを作ろうとすれば、「業務独占」ではなくて、幅広い医行為を含めた看護業務について、専門的な能力を備えていると公的に認められた看護師、いわゆる「特定看護師(仮称)」が医師による「包括的指示」の下で実施することができることにしようではないか。その他の看護師はどうなるかというと、医療安全を確保できる十分な体制が整備された状況、病院の常識的な状況において、医師の具体的というか、直接的な指示の下に実施することができる。ですから、同じことをやるにしても連続的に包括的な指示の下で、特定看護師はできる。そうでない方は、具体的かつ直接的な指示の下に実施することができるという、業務に関する枠組みを考えたいことが1点。
 名称に関しては、新たな職種の創設と誤解されないように配慮しなければいけない。「名称独占」とはしない。一方で、医師や患者たち、「医師や」というときには、医師を含めた他の医療職種、メディカルスタッフになるのでしょうが、それから患者や患者のご家族が容易に識別できるような「見える化」を図ることが必要である。したがって、一定の名称、いま言った特定看護師を名乗ることを認める内容の法整備を行った場合には、従来、看護業務が医学的専門性・独立性を有している場合に、新たな職種として同様の法整備が行われてきたことに鑑みて、看護業務のあり方に関する検討であるにもかかわらず、「看護師」と異なる職種の創設と誤解される可能性がある。したがって「名称独占」ではなくて、公的に「見える化」を図るべきものだということにしたいということです。
 そういう場合に、どうするかということがその次のことです。制度の骨子。もちろん案ですが、認証の方法については以下の要件を満たした看護師はその専門的な能力について、厚生労働大臣の認証を受ける。?免許がある。?5年以上の臨床経験がある。?として、厚生労働大臣の指定を受けたカリキュラムを受けてもらう。?試験に合格していただく。ということで、厚生労働大臣の認証には2年間のカリキュラムを経て取得した能力の認証、これは特定看護師を養成するほうのトライアルで、大学院がノミネートしてくださっているというものですが、それと8カ月程度のカリキュラムを経て修得した能力、これは日本看護協会などの認定看護師たちがその程度ということになりますが、2つの認証を設けることとしようと。8カ月程度のカリキュラムの修了者は、2年間のカリキュラムの修了者に比べてより限定的な分野、これは認定看護師がもともと限定的な分野なので、そういう能力の認証を受けることとなるだろうということになります。看護師には、いま言った識別ができるようなワッペンではありませんが、「特定能力認証証」を着用していただこうかということになりますし、厚生労働大臣が指定する第三者機関が、これらの実務を担うのがいいのではないかということです。
 そうしていけば、(1)の認証を受けた看護師は「診療の補助」の侵襲性の高い一定の医行為(「特定行為」)について、その他の「診療の補助」と同様に医師の「指示」を受けて実施することを可能とすると。受けていない看護師が特定行為を実施する際には、平時・緊急時においても、当たり前ですが、一定の病院の組織としての安全管理体制の下で、「具体的な指示」、直接的な指示と言ってもいいと思いますが、それによってすることになるということです。
 引き続き検討を要するというか、いま現在もそれを続けていることになりますが、新たな制度を実現するためには、専門的な能力を確保することが最も重要であり、教育体制のキュラムや試験の内容・方法、「特定行為」の内容については、昨年度から実施している看整備、専門的な能力の確認システムの構築が必要不可欠である。こうした観点から、カリ護師の養成のほうのトライアル、今年からやっている特定看護師たちの実際の業務に携わっていただくトライアルの実施状況を踏まえて、詳細な検討へと進めたいということです。
 専門看護師・認定看護師は、日本看護協会によるということになりますが、認定を受けた看護師が3.(1)の特定看護師の認証を受けるための要件については、医療安全の確保の観点からその知識・技能の水準を勘案しつつ、具体的な検討を進めていく。チーム医療を推進し、良質な医療の提供を実現するためには、看護業務のあり方、看護師の基礎教育、継続教育の内容、他の医療スタッフとの役割分担・連携について検討を行う必要があるということです。これは6月の時点での考え方で、その後8月に至って、いくつかの実際的な看護業務、今日は武蔵小杉病院の黒川先生にも来ていただいていますが、具体的な場面でのさまざまなトライアルの経過、結果などを勘案しながら、いま現在議論を進めていることになります。座長の、基本的な考え方に関するプレゼンテーションを最初にさせていただきました。
○永井座長 ありがとうございます。事務局から追加はありますか。
○島田看護サービス推進官 ただいま、有賀委員から示された特定看護師(仮称)の考え方についてご説明いただきましたが、これをご議論いただくために、事務局でいくつか資料を準備しています。それらについてご説明したいと思います。
 資料3と参考資料3をご覧ください。参考資料3に、9月27日現在で今年度の業務試行事業、実際の医療現場でのトライアルにご参加いただいている施設の一覧を付けています。9月27日現在で20施設にご参加いただいていますが、それらの実施施設の中から、7月末までに指定をした施設について、8月末までの実施状況をご報告いただいたものを資料3でまとめています。トータルで12施設からご報告がありました。内容を掻い摘んでですが、ご覧いただければと思います。1頁は実施状況の報告概要です。施設での安全管理体制等に関するご報告ということで、実施基準に係る状況。例えば、安全管理に係る組織の会議の開催状況や指導体制の方法・内容。2頁は業務の実施体制ということで、夜間の活動状況や、患者に対するこういった事業を実施しているということについての同意確認の方法といった実施状況、業務実施方法の工夫点をご報告いただいています。
 3頁、2に試行の対象となる業務・行為の実施状況があります。こちらは、それぞれの施設でこういった具体的な行為について実施をすると申請をいただいていて、この資料の5頁以降に、それぞれの施設からのこの報告時点での業務・行為の実施状況を具体的に提出をいただいています。3頁の2の(2)にインシデント・アクシデントの発生状況がありますが、これについては今回、施設からのご報告はありませんでした。
 資料の13頁以降は、個別の12施設からいただいているそれぞれの報告を参考としてお付けしています。
 資料4です。先ほど有賀委員から、特定看護師(仮称)の能力認証を受けるための要件を示されていましたが、その中で養成課程についての要件もありました。これについて、養成課程に関するワーキンググループ最近3回分で、どういったご意見があったかというものをまとめたものです。必要な教育内容についてのご意見、教育期間についてのご意見、2頁は単位制の導入といったご意見、専門看護師課程との関係、養成課程修了後の活動についてといったようなご意見をいただいています。
 資料5は、特定看護師(仮称)の養成のイメージのたたき台として、事務局からお示しをした資料です。先ほど有賀委員からの座長試案ということでご説明いただいた中に、医療現場でのニーズといったもののご説明がありましたが、そうしたものを背景に教育課程においては、左側ですが、患者の身体的状態を正確に把握・評価、適切に対応する能力を身につけるということで、臨床医学を中心とした医学的教育を実施するとか、右側ですが、患者の社会的背景、心理的状態を正確に把握・評価し、チーム医療を実践する能力を身につけるために看護理論、看護・医療管理を中心とした教育の実施をする。それらをさらに演習・実習で実践力に統合するということで、全人的なアセスメント・臨床推論の実践ができる特定看護師(仮称)を養成する流れがあるのかというイメージをまとめています。
 2頁は、養成カリキュラムはどのように考えるのかというたたき台です。先ほど案にありましたように、2年間のカリキュラム、8カ月程度のカリキュラムの2通りを考えるという案でしたので、それぞれについてまとめています。2年間のカリキュラムは、さまざまな看護実践の場面において必要とされる能力を向上させることを目指すという目的の下に、養成課程では講義・実習を行って、広範な領域で高度な臨床実践能力を発揮するための基盤を身につけていただく。修了後は、広範な領域で専門的な臨床実践能力を向上させて活躍をするというイメージでまとめています。
 右側の8カ月は、当該領域での専門性を向上させることを目指すということで、例えばいま養成調査試行事業でお出しいただいている救急、皮膚・排泄ケア等といった領域がありますが、そういった領域の専門性の向上を目指す。養成課程では、その特定の領域における高度な臨床実践能力を身につけるための教育を行っていただいて、修了後には特定の領域の臨床実践能力を生かして、その領域で引き続き活躍ということがイメージされるのではないかということでまとめています。
 3頁は、これらの教育を受けた方々が、どういった行為の幅で実践されるのか。そして、能力認証の範囲はどう考えられるのかということをまとめた、たたき台です。左側のこういった教育を受ける前の看護師が、ここの図に示されているような実施可能な行為の幅、行為の熟練度でいらっしゃるということですが、その方々がまず2年間のカリキュラムで教育を受けた場合に、高度な臨床実践能力発揮のためのコアとなる知識・技能を強化・拡張するための教育を受けていただいて、右側の上の赤で囲んでいる範囲が能力認証される範囲ということで、実質可能な行為の幅も、これまでよりも広がった範囲を能力認証する。ただし、紫の部分ですが、能力認証の後、養成課程における演習・実習なども含めて看護実践の経験によって、実際に行われる範囲としては一定程度の部分となるかと思いますが、そこを中心に疾患についても広げて対応するという部分では、実施可能な行為の幅が広がる。そこまでの伸びも含めて、能力認証をするということでイメージされるのではないかということでお示しをしています。
 一方、8カ月程度のカリキュラムについては、ある特定の領域について修得をしていただくというカリキュラムですので、実際に実施可能な行為の範囲と能力認証の範囲が一致するということでお示しをしています。
 資料6は、能力認証を受けるために必要なカリキュラムの内容について、イメージとしてお示しをしています。左側の能力認証を受けるために必要なカリキュラムですが、大体こういう要素が含まれた教育ではないかということで、基盤となる理論、基礎となる知識、技術・能力、総合的知識・統合力、演習・臨地実習を行っていただくようなカリキュラムではないかということです。具体的にはどういった科目名が想定されるかを右側にお示ししていますが、こちらのほうは養成のトライアルにご参加いただいているところから、例として抽出をしたものをお示しをしています。
 裏は、2年間のカリキュラムと8カ月程度のカリキュラムの2通りということで提案されていますので、それぞれについてのカリキュラムの例をお示しをしています。2年間のカリキュラムの例としては、ここでは高齢者及び成人の慢性疾患を主として学ばれるカリキュラムの例をお示ししていますが、教育課程におけるねらいとしては、慢性疾患の継続的な管理や処置というような、広い範囲について学ばれるねらいがあろう。そのねらいに基づく実習、実習における目標が立てられています。
 一方、8カ月程度のカリキュラムは、皮膚・排泄ケアの例をお示しをしています。こちらは教育課程におけるねらいの下にアンダーラインが引いてありますが、「創傷処置を実施」ということをねらいとして、それに係る知識・技術を学んでいただいて、実習においても創傷処置管理を実施できるような実習を行う目標が立てられている例です。
 資料7は、有賀委員からご説明いただいた座長試案で、「業務独占」としないという内容で提案されていましたが、その場合に能力認証を受けた看護師と能力認証を受けていない看護師との業務実施方法の違いについてをイメージした図を示しています。左側は、能力認証を受けた看護師は、上からいきますと、事前に院内で作成されたプロトコールに基づき、院内での安全管理組織における特定行為の実施に係る取決めの下、医師による包括的指示を受けて、患者の状態把握をした上で、自ら決められた範囲での判断、検査結果など一次的に評価をするということで、特定行為を実施する。そして実施を医師へ報告するという流れになろう。
 一方で、能力認証を受けていない看護師については、プロトコールに基づき、患者の状態の把握というプロセスまでは同じ経過を辿るかと思いますが、特定行為を実施する際にはその患者の状態を把握した上で、その状態を医師に報告をし、確認をした上で実施に係る具体的な指示を医師から受けて、特定行為を実施ということになろうかという図です。
 次の頁に、院内での安全管理組織における取決めというものは、具体的にどのようなものが考えられるかということで例をお示ししています。水色の下です。行為の手順書を院内で整備をする。特定行為それぞれに対する講習、技術トレーニングを行う。すぐに医師が対応できる体制を構築する。能力を評価する院内ルールを作成するといったようなものが取決めの例として考えられるのではないかということで、お示しをしています。この資料の3頁以降は、先ほど医師の包括的指示、具体的指示といったものが出てきましたので、それらに係る事務局の取りまとめを参考としてお示しをしています。
 資料8は、ただいまご説明した資料を10月3日に開催された、第16回看護業務検討ワーキンググループでご議論いただきまして、その際にいただいたご意見をまとめています。それぞれ資料ごとに意見がまとめられていて、業務試行事業の実施状況の報告について、養成のイメージについて、カリキュラムの内容、業務実施のイメージ、その他のご意見といったご意見がワーキンググループで出ました。
 参考資料1は、ワーキンググループでは8月末から9月中旬にかけて、業務試行事業を実施しておられる中の11施設をワーキンググループの委員の先生方に視察に行っていただき、その概要をまとめました。本日ご参加いただいている藤沢市民病院、日本医科大学武蔵小杉病院にも伺っています。
 参考資料2-1、2-2は、平成22年度の養成調査試行事業を実施された課程からご報告いただいたものを取りまとめていて、教育内容についてご議論いただく際のご参考にしていただければと考えています。資料の説明は以上です。
○永井座長 ありがとうございました。ただいまご説明いただいた資料に基づいて、看護業務検討ワーキンググループでご議論いただいたということですが、ヒアリングを踏まえて本会議で検討を行うに当たりまして、今後のスケジュールについて事務局からご説明をいただきたいのですが、いかがですか。
○田原医事課長 私から、スケジュールについてご説明をいたします。国全体のことについて申し上げますと、社会保障と税の一体改革が進められていて、医療制度の改革もこれに含まれています。厚生労働省においても10月7日に大臣を本部長として、政務三役などを構成員とする改革推進本部の第1回の会合を開催しました。年明けの国会に関係の法案を提出することを目標にして、現在準備を進めています。そこで、この特定看護師の枠組みとの関係ですが、事務方としては、この一体改革のスケジュールと歩調を合わせてご議論いただければと思っています。具体的には、12月の上旬に社会保障審議会医療部会が開催されますので、そこにこの制度化の案をご報告できればと考えています。したがいまして、この推進検討会議においては12月の上旬までに、意見の取りまとめを行う方向でご議論をいただければと考えています。以上です。
○永井座長 ありがとうございました。これからご議論いただくに当たりまして、本日特定看護師(仮称)業務試行事業の参加施設からお越しをいただいています。事業の実施状況についてお話を伺いたいと思います。質疑は、そのあとでお願いしたいと思います。
 まず、藤沢市民病院のほうからお願いできますか。
○内藤参考人 対象看護師の内藤と申します。よろしくお願いいたします。まず4点についてお話をするようにと言われていますので、1点目の特定看護師養成課程試行事業課程への進学の動機を述べさせていただきます。うちの場合、看護師として20年、認定看護師として10年勤務してまいりました。分野は皮膚・排泄ケアです。その間、院内のみならず地域医療のストーマや慢性創傷を持つ患者のケアや医療連携の現場で、院内及び地域の医師会の皆様、看護師、介護職の方々からコンサルテーションを受けて実践を行ってまいりました。その中には、医師が手が離せず、タイムリーな処置ができなかった場面がありました。また、生活を支援するナースの視点で、適宜日々の処置方法を評価し、変更できていけたならば患者の生活はもっと楽になるのではと思う場面もありました。そこで、このようなジレンマを解決し、よりタイムリーに患者とのパートナーシップを大切にしながら、必要な医療を提供できるために、これまでの経験を生かし、特定看護師(仮称)として国民が安心して医療を受けられる将来を作ることに貢献したいと考え、研修に参加させていただきました。
○田原医事課長 資料はありませんが、参考資料1の11頁に藤沢市民病院にワーキンググループの委員が訪問したときの概要が載っていますので、それも参考にしながらご覧いただければと思います。以上です。
○永井座長 どうぞ、お続けください。
○内藤参考人 次に、業務の実施状況で、業務・行為実施の際は、医師の包括的指示の下、プロトコールに沿って行うもの、医師が立会いの下、自分で判断して行うもの、医師が立会いの下、医師と一緒に行うもの、見学だけにするものという4段階に分けて行っています。その中で局所麻酔、切開、縫合など、ある程度侵襲が大きいものに関しては医師が付きっきりで、指導をしていただきながらトレーニングを受けている状況で、現在は各処置について1件程度の実践になっています。そのほか、陰圧閉鎖療法、薬剤、ドレッシング材の選択、抜糸などは包括的指示の下で初回は医師とともに行い、その後は包括的指示の下で実施している状況です。また、包括的指示の下で行う場合も、週に1回は担当の医師に同席していただき、確認をしていただいています。
○小野田参考人 続きまして、養成課程修了後の知識・技術の向上についてですが、私がいま対象となっている内藤と一緒に働き始めて、4月以降ということもありますので、2年間の勉強を行う前にどの程度だったかということはわかっていないところがあります。ですが、4月以降一緒に仕事をさせていただいて、私の担当が皮膚科ですので、主に慢性化したような下腿潰瘍や難治性の潰瘍を、通常週に1回程度必ず一緒に診るようにしていますが、最近高齢者が多いこともあると思いますが、主に私が一緒に担当している患者は、高齢者が夫妻で住まれていたり、独り暮らしの高齢者というケースがいちばん多いです。結構複雑な潰瘍の処置になると、ご高齢の方は難しいケースもありまして、そのような場合は診察と診察の合間に内藤に診てもらって、適宜変化があれば連絡を院内PHSでもらったりという連携を取っています。いま行っている状況において、特に何か問題になることはありませんし、どこまで自分で診て、どこからを医師に相談していいのかがトレーニングされてきていますので、特に診察において不具合に思ったことはありません。
 業務試行事業における活躍についてですが、先週1つエピソードがあります。高齢者の夫婦で、奥様が大きな下腿潰瘍を持たれていて、私が週に1回程度診ていて、家での処置が難しいこともあって、それ以外に週に2、3回ぐらい内藤が診ている患者がいます。今日の特定看護師(仮称)の話が進んでいることが処置の合間に出てきたときに、その患者から「いま自分ばかりが良い思いをしているような感じがしているので、是非こういった制度が進んで、もっと恩恵を受けられる人がいるといいですね」ということを旦那さんからいただいて、やっていてよかったなと先週思ったところです。
○内藤参考人 対象看護師として修了後の知識・技術の向上についてですが、いま先生からもお話がありましたように、対象となる疾患の患者は慢性疾患のために、いくつかの複数の診療科を受診しているようなケースが多いです。それぞれが治療を行っているようなときに、今回養成コースで医学モデルと看護モデルの両方を学ぶことにより、お互いの立場を理解し、診療科や職種の隙間を埋めるような、煉瓦とモルタルの、モルタルの部分を担うような役割ができるようになったのではないかと考えています。また、生活の視点という看護独自の視点から治療の方針を考え、患者のコンコーダンスを高めて、これならば患者ができそうかなと思える実践可能な方法を医師にご提案して、患者が安心できたり満足できるような医療の提供ができるように、少しずつ変わってきているかなと思っています。
○岩田参考人 看護部長の岩田と申します。業務試行事業における活動について少しお話させていただきます。この事業のほかに参加事業の動機のところに、「特定看護師には、患者が他院に転院する際に」と書かれていますけれども、これはどういうふうに申し上げたのがこういうふうに書かれたのかわかりませんが、本日違っているところは訂正してくださいということでしたので、これについては訂正をさせていただきたいと思います。
 先ほど指導医のほうからもお話がありましたように、実際、いまは地域医療連携室という所のWOC室という所で専従でいて、対象看護師ですが、この事業に対して専従で取り組むことができる状況でやっています。毎日、指導医と相談しながら、できるだけ経験を重ねるということで、いまやっています。その中でも個々に患者さんとは毎日接しているわけですけれども、患者さんのほうからは、先ほどお話があったようないい評価をいただいているようですが、一看護師として勤務していますので、初めはこの取組まで結構、いろいろ戸惑いもあり、所属をどうするか、どのような位置づけにするのが適切かということで判断が難しかったのですけれども、今までいたWOC相談室のほうで続けて今の取組をやっています。
 指導していただける内容についてやるだけでなく、これまでやっていた病棟訪問等も行いながら、病棟、それからいろいろな部門のスタッフとも関わっていて、聞き取り調査の段階ではありますけれども、丁寧で細かい対応ができるようになったとか、変化に応じて何かあったときに相談すれば迅速な対応がしてもらえるとか、ほかの職種の方からは、看護師さんはまとめ役というか、中心になってやってもらっているところはあるけれども、こういう仕事の仕方があるんですねということが聞かれました。
 今後の課題と言いますか、このままどういうふうになるかはわかりませんが、いまは安全な状況の中で毎日取組ができていると思っています。今後はどのような位置づけにするか、先ほどもすごく判断が難しいと申し上げましたが、どこに勤務して、どういう仕事をさせるかということは、今後の課題かなと思っています。
 あと院内の看護師だけでなく、院内職員の協力と理解をしていただかないことには推進は難しくなると思いますので、今はいろいろな会議の中で、私のほうからそういう説明をして理解を得るようにしている状況です。以上です。
○永井座長 ありがとうございました。続きまして日本医科大学武蔵小杉病院から、ご説明をお願いします。
○福永参考人 日本医科大学武蔵小杉病院の対象看護師の福永です。よしろくお願いいたします。私も4点依頼がありましたので、お話をしていきたいと思います。1つ目として、特定看護師養成課程試行事業課程への進学の動機ですが、当院の看護部長より、看護師のフィジカルアセスメント能力が不足しているために、その能力を深めてほしいということがありました。私自身も興味があり、海外研修で家族領域のナースプラクティショナーと実際に接していたことがあったため大学院へ進学を決めました。2番目の事業実施状況として、私の養成課程が慢性疾患ということもあり、現在は糖尿病の患者さんを中心に医療活動を行っています。
 お手元の資料9をご覧ください。「糖尿病診療における対象看護師の実施プロトコール(1)〜外来診療」と書いてあります。包括的指示として赤い点線で結ばれたところの部分になります。患者さんが外来に診療に来た場合、一般的に必要なことを行います。基本的アセスメントに沿って、いちばん上の四角い部分で囲んだところを中心にアセスメントしていきます。その後、看護師による療養指導を担当しています。必要時合併症検査や特殊検査を行い、検査の評価として医師とともに治療方針、治療薬の変更について検討していきます。最終的には医師が判断しますが、診療が終わった後に指導医とともにアセスメントと診療内容を確認し、今後の診療計画について相談をしていきます。そして特定看護師として何を行ったらよいのか継続的診療の確認をしていきます。また糖尿病とは別に、消化器病センターの部長より、内視鏡検査後の結果説明をするよう依頼を受けていますので、現在は内視鏡画像の読影の指導を受けています。
 3番目に、現在、当院は内科の初診患者や救急患者が多く対応が難しいために、9月から患者の受入システムを構築中です。慢性期だけでなく、慢性期の患者が急性増悪したときに救急処置ができるように、内科の救急外来で、その日の担当医師とともに付添い指導を受けています。医療安全においては、医療安全管理部として特定看護師の行為に対して承認されています。診療部の小委員会と看護部の小委員会に出席し、医療行為に対して報告、意見をもらっています。
 次に養成課程修了後の知識・技能の向上については、養成課程修了後、実習で学んだことを活かして、実臨床の場で積極的、実践的に患者に対応していっています。わからないことや問題点については常に医師とディスカッションしています。私は病棟経験が長いのですが、病棟のときには看護業務をこなしていただけのような気がしますけれども、2年間の医学的知識や実習を行い、病気の特性と患者の病状とを結び付けて診ることができています。現在はインスリン量の調整や合併症のチェック、フットケア等を中心に具体的に指示ができるようになってきました。知識・技術の向上については、院内の勉強会や内分泌関連のセミナー、学会活動、あと研修医の参加するセミナーに一緒に参加して、メディカルプラネックスなどでの技術向上も行っています。内視鏡のほうではデモ機を活用して訓練したり、マウスの解剖や縫合を見学したり実践していくことで、自分の知識の向上につながっています。次に指導医より、養成課程修了後の知識・技術の向上について述べていただきます。
○南参考人 日本医科大学武蔵小杉病院で、内分泌・糖尿病・動脈硬化内科を担当しております南と申します。先ほどから話しています福永さんが私の所に来たのは1年ちょっと前、実習でお見えになって、さほど指導はしていないのですが、指導しつつ、一緒に仕事をさせていただきました。ですから、私が関係しているのはこの方と、あと糖尿病関係では私の病院に2名の認定看護師がいます。1名はベテランですが、1名は今年の春に資格を取ったばかりですので、まだ未熟者です。そういったことで糖尿病を専門的に診る看護師と接する機会があって、その方と必然的に比較をしながら診ていくことになります。
 そういった中で、彼女がどういうふうに発展していったか、口で表現するのはなかなか難しいのですが、知識は日々、当然のことながらどんどん増えていきますし、技術的な問題、特に患者さんとの接し方も日々変わっていきます。それは例えば研修医がどんどん成長していく変わり方と、この看護師の変わり方と不思議なことに違って、医師はどちらかというと勉強して知識に走りたがる傾向がありますし、看護師は必ずしもそうではなくて、一生懸命患者さんと話をして患者さんのことを理解しようとする。そういう方向にいく傾向があるようには感じます。いずれにしても言葉で表せば、どんどん視野が広がっていったと言ってよろしいのではないかと思います。
 せっかくの機会ですので、私の個人的な意見も含めてざっくばらんにお話をさせていただきますが、糖尿病の診療をしていますと、ご存じのように日本には糖尿病の患者さんが何百万人もいるわけで、それを数の限られた専門医が診る。あるいは病診連携によって何とか患者さんをクリニックの先生に押し付ける。そういうことを一生懸命やってきても必ずしもうまくいかないのです。その何百万人もいる患者さんをどうやって診るのか、誰が診るのかということが常に話題になっていて、糖尿病の専門医は半分怒りをぶちまけるような感じで、一体、誰が診るんだと怒鳴るように議論することもよくあるわけです。
 そういった中で私は実際に、うちの病院で1日に100人ぐらいの糖尿病の患者さんを診ないといけないのです。現実には診れるわけがないのですが、診ないといけない状況に追い込まれますから、そのときに一体何ができるかということになるわけです。実際、医師は何もする力がなくて、結局、必然的に看護師に頼ることにならざるを得ません。例えば患者さんの足の指1本診るにしても、いちいち患者さんのソックスを脱がせて私が足を診ていたのでは1日が終わってしまいますから、そういった細かい具体的なことを包括的指示で、これをやっておいてと私が言ったときにやっていただければ、しかもある程度勉強した医学的知識を基にした眼で診ていただけるような状況にあれば、それはお互い、信頼して一緒に仕事ができる状況が生まれ、患者さんにとってとてもハッピーなことになると思われます。実際に彼女が来て私と一緒に仕事を始めるようになって、そういう指示の下に彼女が患者さんを診る仕事を手伝ってくれるようになり、ここのプロトコールに示したようないろいろな仕事をしてくれるようになりました。
 具体的には、資料9の左の「療養指導」と書いてある項目などは彼女の得意分野で、週にまる1日、患者さんに糖尿病療養指導外来というのを作ってやっています。インスリンの指導を30分以上個室でやると看護師だけの保険診療が認められていますので、非常にいい仕組みです。患者さんが「次回はないんですか」と聞いたりして、非常にいい状況になってきています。
 そうすると糖尿病の診療で何が不足しているかというと、十分な時間をかけて療養指導する暇がなく、したがって患者さんが良くならない。良くならなければどうするかというと薬漬けになるという悪循環が生まれているのが、正直なところ、現実ではないかと思われます。そういったことを打破して、もちろん医療経済的にも、実際に試算したわけではありませんが、ものすごいメリットがあるだろうと想像されますし、患者さんの満足度はものすごく高くなるだろうと予想されます。当然のことながら合併症、特殊検査なども、本来はきちっとやるべきなのですが、ひょっとしたら我々、抜けている場面も多々あると大いに反省するわけですけれども、そういった場面もカバーしていただけることから、実際の実診療上、この1年間一緒に仕事をして、医師の側にも患者の側にも、おそらく病院にとっても、ものすごく大きなメリットがあっただろうと私は考えています。以上です。
○福永参考人 最後に、業務試行事業における活動について、看護部長よりお願いいたします。
○高橋参考人 看護部長の高橋と申します。よろしくお願いいたします。私が福永さんに特定看護師の事業というか教育に行くようにと言ったのは、本当に単純な考えで、いま現場で仕事をしている看護師たちは、やりがいを失っている状況が多々見られます。ですから定着をするということでは、4年、5年経ったときに看護師が「これでいいんだろうか」と思っていて、違う場所に転職したり看護師を辞めてしまったりということが日々、私の周りでも起こっていましたので、ここでもう少し看護、医療に興味を持って本当に自分で判断できる能力が備わり、患者さんのためにやれたという手応えがあれば定着していくし、質も上がるのではないかと常日ごろ考えていたときに、国際医療福祉大学でセミナーがあり、そのセミナーに参加していたところ「NP教育」というパンフレットを目にして、それを見てみたところ、結構いいじゃないかと思いました。日本ではNPというのはほとんど無理だと思っていますが、内容を拝見して教授にもお会いしました。私は、看護師の教育に欠けているフィジカルアセスメントの部分が大事だろうと思っていましたので、これを強化してくれれば、すごくいい看護師、質の高い看護師になるのではないか。やりがいが生まれるのではないかと思いました。当時、福永さんは教育担当師長をしていましたので、行ってくれないかと言ったところ、二つ返事で行っていただきました。
 実際に2年間を通して見ると、非常に大変な授業を自分のものにしながら、苦労して卒業したと感じています。実習になって指導医の下で毎日遅い時間までセミナーに行ったり、いろいろな所で声をかけていただき、そこに非常にフットワークよく勉強に参加して知識を高めていき、2年間が修了しました。
 その間に私がやったことは、特定看護師という人が生まれますよと院長にも話をして、こういう内容のことをだんだんやっていきましょうという話もしました。それは大学病院であっても、これから在宅をしていかないと患者さんがなかなか退院できなくなるだろうということが、私の想定の中にありましたので、在宅をやるためには、こういう医学知識を持っている看護師が生まれていくことがいいだろうと思って、院長にもその話をしました。部長会等でも、こういう特定看護師が生まれますという話をしています。そういうふうなことを繰り返していき、福永さんが卒業したら、留学をしている先生方は非常に理解があって、彼女に声をかけ、こういうことをやってみないか、こういうセミナーが研修医にあるけれど行ってみないかということを、福永さんを通して私自身にも許可を求め、だんだん広がっていったという状況です。でも本来、特定看護師は何をする人なのかというあたりは、まだまだ未知の世界だと思っていますので、そのことは今後の課題としたいと思います。
 いま、福永さんは師長という役割なのですが、組織の中では師長の役割は果たせていませんし果たさせようとはしていませんので、専従で特定看護師としての役割を、いま南教授の指導の下で行っています。彼女がいま何をしているのかというのは日々の日誌で私は確認している状況ですので、毎日、何をしたという報告は受けていません。ですから時々話をして、いま何をやっているか、誰先生に言われてこういうところまで拡大しているという報告を受けるだけで、私はあくまでも後ろの支援だけをしている状況だと思います。ですから、南先生、ほかの先生方にかなり信頼を得て、いろいろな業務拡大をしている状況です。師長という役割の中ではスタッフを育ててきている人ですので、彼女のやる方向性をモデルとして期待をしています。まだまだ試行事業の中で課題はたくさんありますし、私が支援する部分もまだまだあるかと思っていますが、進んでいく中で、支援を、その時その時に考えていこうと思っています。以上です。私どもの所の院長が非常に理解がありますので、最後に院長からコメントをいただければと思います。
○黒川参考人 ご紹介いただきました院長の黒川と申します。私のほうから2点だけ申し上げたいと思います。1点は、先ほど福永本人あるいは南が申しましたけれども、例えばドクターの業務軽減に役立っているという話がありました。患者さんの満足に関しても寄与していることからして、医師の立場からしますと、私も救命救急医ですので、そういった場合に福永のようなある程度認定された者がいて、本当に命に急に関わるものでないような救急患者の場合に、例えばどの人がいちばん危ないのかという判断をしつつ、前もって検査をしてくれたりすれば、我々にも患者さんにも非常に役立つだろうと考えると、私自身は特定看護師的なナースが、私どもの病院にはもっとほしいなと思っているところです。それが1点目です。
 2点目ですが、参考資料1の最後の頁に私どもの所に視察にお見えになったときのサマリーが書いてあり、その最後に私の意見を2行にまとめて書いてあると理解します。「特定看護師(仮称)が実施する医行為は、細分化しないほうがよい」という書き出しですけれども、私は細分化というより、むしろ限定化と言ったつもりでいるのです。もちろん今までいろいろな資料を読ませていただくと、例えば特定看護師の医行為に関して203項目とかいろいろ書いてありますけれども、この特定看護師にはこの範囲だけをやらせるということではなく、もちろんある程度の範囲は限定していただいて、その中でやれるようになったものをやるようにすることが大事ではないかと思います。
 これは例えば研修医においても、自分ができないことを無茶してやる研修医は糾弾されるべきだし、例えば医師免許を持っていれば、レントゲンを撮ることもできるし放射線治療もできると言いますけれども、私はそういうことはできません。できないから手を出そうと思わない。あるいは鼓膜が破れてどうこうしているといったときに、私に何とかしろと言われても私はできません。有賀先生の資料で考え方のところに自律性ということが書いてありますけれども、医師も研修医も特定看護師も、自分ができること、できないことについて自分で律していく。こういうことを求められたから、このことをやりたいといった場合には、できるようになればいいと思います。ということで範囲は限定化する必要はない。大きな範囲は決める必要があるけれども、その中でやれることは次々に伸ばしていくようにしたほうがいいと私は思います。以上です。
○永井座長 ありがとうございました。先に、藤沢市民病院または日本医科大学武蔵小杉病院の参考人でお出でいただいた方々に、ご質問をしていただけますでしょうか。どちらの病院でも結構ですが、従来の教育を受けてきた看護師とは違うということは明確に言えるのでしょうか。それから継続的な教育体制についてどういうふうにお考えか、その2点についてお答えいただけますでしょうか。従来の看護師との違いと教育体制です。
○南参考人 正直に申し上げますと、最も違うのはモチベーションなのです。患者さんを診よう、患者さんに接しよう、病気を診ようということに対するモチベーションが非常に高い。おそらく高くなったのだろうと思います。元をよく知らないのでわからないですが、少なくとも私のところに見えた段階では、こうなんだというぐらいのモチベーションの高さがあります。そうすると何が良くなるかというと、モチベーションの高い人間と一緒に仕事をするわけですから潤滑油を散蒔かれているのと一緒で、周りにも影響を与えますし医師にも影響を与えますし、患者にも影響を与えられるということで、いろいろな意味で良い影響があります。悪い影響は何ひとつないわけです。
 私の言い方が間違って誤解を与えてはいけないのですが、医師の肩代りをしてもらおうとは思っていないのです。そういうことは夢々思っていなくて、医師には医師の仕事がありますし、看護師には看護師の仕事があるわけです。その中でモチベーションの高い、医学的知識を持った看護師が1人いることは、患者環境、職場環境、そして実際の医療行為も含めてグレードアップしたということは、はっきり申し上げられます。看護師個人の問題としては、モチベーションが高い分、日に日にグレードアップしていきますから、一緒に仕事をしていて、私個人も非常に楽しい思いをさせていただいているというのが正直なところです。
○永井座長 これからの教育指導は、いかがですか。
○南参考人 それは大変難しい問題だろうと思います。例えば何年かに1回、資格審査をするとか、あるいは医師でもときどき話題になりますけれども、10年に1回、トレーニングの期間を設けるとか、そういう仕組みを作るのもいいことかもしれませんし、単位制にするのもいいことかもしれません。いまの段階で私にこうしたらいいというアイディアはないのですが、制度として少なくとも、最初の人は良かった、だけどだんだんレベルダウンしてきたというのは避けていただきたいというのが、正直な感想です。
○小野田参考人 1点目のこれまでの看護師と何が違うのかというところですが、これまでの業務を見ると、医師の仕事、看護師の仕事はある程度選別されてしまっていたところがあると思います。実際に患者さんを現場で診ていたときに、もちろん看護的なこと、あと医師に対してエキスパートの意見を求めているというのは、当然、いちばん大きなところですけれども、ただ、意外に患者さんが強く求めていると最近感じているのは、具体的なことで言えば下腿潰瘍などで、なぜ悪くなるのかを社会的な面も含めて踏み込むことができるところが、これまでの看護師と違うのかなと考えています。本当は医師がそこまでできればいいのかもしれないのですが、なかなか実際の業務でそこまで踏み込むことはできない。やろう、やろうと思っていてもできないケースがあります。患者さんからしても、医師に話すことと看護師に話すことは、ちょっと違うような感じを受けています。すべてのことを担当医に話すことができているのかというと、必ずしもそういうことではなくて、もっと身近な看護師さんにというか、そういう人だから話せることがあるわけです。そういったことをフィードバックしてもらえているというのが、良い医療ができるという意味でとてもいいのかなと思っています。
 もう1つ今後の教育的なことで、ひとつ私が思っていることですが、医師は研修医から始まって各科に配属され、一人前になっていく間にいろいろな病院を回って行くことができると思います。いろいろな病院の中で、いろいろな指導医に付いて数々のトレーニングを受け、だんだん一人前になっていくわけですけれども、こういった看護師の場合、大体、そこに就職して、ずっとそこで働いてというケースがとても多いと思います。そうすると病院によっては、やっていることについて偏っていることもあると思いますし、やっていることも病院によって大分違うところがあると思いますから、うまい方法がもしあれば、それこそ先ほどおっしゃっていたモチベーションの話にもなると思いますが、モチベーションを上げるために外ではどんなことをやっているのかを研修する機会があれば、とてもいいのではないかと考えています。以上です。
○有賀委員 私も看護業務のワーキンクグループの中で、参考資料1で言うと、川崎大師の訪問看護ステーションと千葉県救急医療センターに行って来ました。どちらも医学的な知識を身につけて実践しようとしている方たちで、医師のやっていることがよくわかるようになったと言っていて、何でもかんでも手を出すわけではないよと言っていたのが印象的でした。黒川先生の最後のコメントのところは、私もちょっとだけ誤解していたのかもしれませんが、実は川崎大師のほうは大学院に行った方で、千葉県救急医療センターのほうは日本看護協会の8カ月コースでした。黒川先生に特にコメントいただきたいのですが、資料5の3枚目にあるように、2年間のカリキュラムを経た方について対象の看護師さんの働きぶりを見ると、どちらかで能力認証を経て、その後に実施可能な行為の幅にしても、X軸とY軸の行為の熟練度ですかね、それが横にも縦にも伸びていきそうな現場の景色を感じることができるのです。
 黒川先生の所には8カ月コースはいないわけですが、救急の認定看護師がもしいれば、先生がおっしゃったようなことを、千葉県救急医療センターでやろうとしているという話になるのですが、2年間のカリキュラムを経た特定看護師と、8カ月を経た看護師がいて、こちらのほうが圧倒的に数が世の中では多いだろうと思いますけれども、先生の実体験から南先生でも黒川先生でもいいのですが、この2つのコースはどんなイメージを持つべきなのでしょうか。先生の所におられるのは、まさにこの上のほうの2年間のカリキュラムのイメージで、こういうふうなんだなということがわかるのですが、8カ月程度のカリキュラムとなると横軸もちょっと狭いし縦軸も何となく狭い。いま先生が言われた、限定的ではなくて、それなりのことをやるけれども、それでもエクスパンドできるようなモチベーションがあって然るべきだという話になってくると、8カ月コースの人も場合によってはエクスパンドできるということは、あってもいいのではないかと思います。ただ、勉強のプロセスが、先生の言葉でいけば限定的なので、そこだけ教えていただけますか。
○黒川参考人 実は私どもには認定看護師が、救急やWOCなどいくつかの分野でおります。その人たちはどうしても領域が限られているので、この図で言う上乗せされた点の中だけで多少は伸びていく。医学の進歩や看護の進歩で伸びていくだろうとは思いますので、認定看護師でもそうですし、あるいは仮称の特定でも、先ほど南がモチベーションと言いましたが、モチベーションさえ持っていればどんどん伸びていく可能性はあるだろうと思っています。
○有賀委員 2コースあるということは、現状の看護師たちの分布の状況や私たち医療界の状況から見て、こういうふうなことを考えてきたというのが実態なのですが、先生のご感想をお聞かせいただけますか。
○黒川参考人 こんなことを言っていいのかどうかわからないですが、例えば認定看護師は多くは6カ月ぐらいですかね。それを取っている人が現にいるのに、特定看護師8カ月、特定看護師2年というふうに、わざわざ切り込んでいく必要はないのではないか。だから特定看護師という2年のコースがあれば、それでいいのではないか。この図は認定看護師そのものだと私は思いますので、それはちょっと考えていただいたほうがいいのかなと思います。
○野嶋委員 本当にいい事例を聞かせていただきまして、ありがとうございました。特に看護の自律性をとても大事にしてくださっていることがうかがわれて、とても嬉しく思います。しかし、いま教育に2つのコースがあるという話の中で、日本看護系大学協議会の会長としては、現在、出されている2年の教育課程に関しては反対をさせていただきたいと思っています。私どもは1995年以来、専門看護師の育成に取り組み、いまは68の大学院で172の教育課程、11の看護専門領域で育成をしています。そういうふうに専門看護師が生まれています。昨年3月の報告書では、特定看護師は修士課程修了を要件とするとされていましたので、私どもは特定看護師というのは高度実践看護師のグローバルスタンダード、世界水準を満たすものだというふうに考えてまいりました。そしてチーム医療の推進、看護の役割拡大は非常に重要で、今日、お話していただいたような実践が広がっていくことは、とても大事だと思っていますので、特定看護師養成試行事業にも積極的に参加してまいりました。しかし、残念ながら現在の2年課程の案は、これから述べさせていただく2つの点で、どうしても。
○永井座長 いま、この2つの病院に対するご質問ということです。
○野嶋委員 でも教育課程2つが出たので。
○永井座長 一般的な話はこの後で、2つの病院に対するご質問はよろしいですか。
○藤川委員 2つの病院のお話を聞いて共通するところは、リスクのある患者さんに対し、に危険性のある行為をやらせていないというのが共通点ですね。もう1つは一般の看護師、例えば皮膚科に就職した看護師が1年、3年、5年経ち、10年経てば当然、卒後研修、生涯教育をどの医療機関でもします。糖尿病でもそうです。特定看護師(仮称)だけ教育指導して、一般の看護師を指導しないということはないわけです。だから当然、いまのような教育を是非とも、皮膚科は皮膚科の専門で来た一般の看護師を卒後研修のプログラムに乗せてやっていただきたい。糖尿病も一般の看護師たちを糖尿病の病棟ないし外来の専門看護師として卒後研修を5年、10年やれば、いま先生たちが言われたことは十分できるだけの国家資格として看護師を認定しているわけです。できれば多くの一般の看護師の全体のレベルアップが、いま求められている。一部の人間だけ能力を伸ばしても、現場では看護師の絶対数が足りないのです。地域の看護協会の方々とお話をすると、とにかく絶対数が足りませんと言います。大きな病院であれば各科で看護師を養成して、ローテーションしていく場合もありますけれども、各科の専門看護師を作っていただかないと、特定看護師(仮称)という表現で何でもできると言われても、やはりまた一から、心臓外科であれば心臓外科の看護師を育てざるを得ない。いくら認証してもすぐには薬に立ちません。
○永井座長 質問をお願いしたいのですが。
○藤川委員 だから一般看護師でも、いま言われたことは能力的に十分可能だということです。私はいろいろな医療機関を見ています。私が院長であれば糖尿病専門の看護師に同じような教育をして、多くの一般の看護師を育てることができると思います。そうしないと本当の意味での看護師全体の質の向上、医療安全を実施できません。
○永井座長 質問ですか。
○山本(信)委員 大変貴重なお話を伺い、自分の考え方が少し変わったのですが、その上でお伺いしたいのは、今回の2つの医療機関からのプレゼンテーションが、看護師の方々が具体的に関わっているお話ですので、看護の話題が中心になっているのはやむを得ないと思いますが、例えば資料3に藤沢病院の例が載っていますし、今回、参考資料1あるいは資料9などを拝見すると、具体的にそれぞれの医療機関でなさっていることが載っています。その中で薬に関する部分に先ほどのプレゼンでも言及されておられたのですが、2つの医療機関の中では薬剤師は当然勤務されていると思います。その上でお伺いします。藤沢病院の例では出席者が消えてしまって見えないですが、薬に関する部分で薬剤部はどんなふうに関わっているのでしょうか。また資料9の日本医科大学の例で言えば服薬指導であったり、更にその結果としての治療方針についても看護の方々がというふうに聞こえたのですが、薬剤部はどんな関わり方を持っているのですか。全く無関係で動いているのでしょうか。それとも何らかの関わりを持っているのでしょうか。
○小野田参考人 院内の褥瘡対策チームのチームリーダーもやらせていただいています。週に1回、院内の褥瘡の患者さんの回診を行っているのですが、薬剤師の方には当然、そこに毎週入っていただいています。やはりチーム医療ですので医師、看護師だけでなく薬剤師もそうですし栄養士の方とか、あと毎週ではないのですが、特に定例会などではリハビリの方にも入っていただいて、そこで一人ひとりの患者さんについてさまざまなアセスメントを、それぞれの専門からどういったことが考えられるか議論しながら、それぞれのスキルアップを行っていますので、薬剤師の方にとてもよく関わっていただいています。
○内藤参考人 もう1つ、分子標的薬を使うがんの患者が増えてきて、皮膚に障害を持つ患者さんが増えてきています。私は傷のほうから患者さんを診ていく立場にいるのですが、新しい薬ですし、使っている薬の種類や量がどれくらいになっているかというデータを、薬剤師の方々と一緒に積み上げていく仕事をさせていただいています。
○大久保委員 貴重な報告をありがとうございました。2例の報告からですけれども、特定看護師は患者の状態に合わせてタイムリーに、そして丁寧に対応するということがよくわかりました。また、院長先生の報告からも、臨床の現場でニーズがあるという現状がよくわかりました。特定看護師も一般看護師についても、やりがいを持たせてモチベーションを高く維持するためには、安全性を担保していくことが重要であるということを、いま再確認したところです。
○山本(信)委員 藤沢病院はわかりましたけれども、日本医科大学は薬剤師は関わっていないのでしょうか。
○南参考人 実際に薬剤師はもちろん服薬指導していますし、病棟あるいは外来でも患者さんに直接対応いたします。それから私たちはチーム医療を推進していますから、いろいろな職種の人間が集まって、少なくとも月に1回、カンファレンスをするような仕組みを作っています。もちろん、それは義務ではなくて任意出席なのですが、毎回出席してくれる薬剤師は1名ですけれども、参加して一緒に勉強したり仕事をしていただいています。
○永井座長 時間の関係がありますので、少し全体的な討論に移りたいと思います。最初の有賀先生あるいは事務局からの説明を踏まえて、全体的なことでご意見をいただきたいと思います。藤川委員、どうぞ。
○藤川委員 まず、そもそもですが、看護師にどこまで診療の補助をさせるかというときに、現場で医師が個々の看護師の能力を判断して具体的指示のもとに現在もやらせているのです。しかし、認証を付けることによって事実上の業務独占になってくる。認証を付けていないから、一般の看護師は必要な診療の補助行為はできないと。看護師の中に今でも看護師、准看護師という2つの資格があります。そこにもう1つ、特定看護師(仮称)が入ってくる。それから、現実にある専門看護師、認定看護師とさまざまな看護師が業務独占をして、ここまではできる、ここまではできないということを、果たして現場で医師や看護師達が理解できるのかなと思います。緊急を要した場合に問題になってくるのではないか。いま看護大学の代表者からも言われましたけれども、専門看護師がどんなものであるか、認定看護師はどんなものであるかというのは、ここにいる人たちは相当議論していますから、イメージとしては掴めるのですが、普通の一般国民には見えない。一般の医療関係者もわからないというところで、いまの治療現場では大混乱をするのではないかというのを危惧しています。
 それから資料7ですが、認証ありの場合は、患者の状態の把握をした後に、判断・一次的評価をして特定行為を実施して、その後に医師に報告する形で、右側にある一般看護師の予診をした後に、医師に対する患者の報告、確認、具体的な指示をいただくことを省くようになっています。何か起これば近くに医師がいればいいというものの、予診をして自分で診療の補助としての医行為をするときに、医師に連絡をしないまま診療の補助としての医行為をすることはまずあり得ないと思います。それは緊急時であっても救命センターには必ず医師がいて、電話一本で連絡は付きますから、こういう患者が来ています、血胸です、ドレナージが必要ですと言われたら、まず医師は駆け付けますよ。しておいてくれとは言えないです。国民や家族が、医師にしてもらうか特定看護師(仮称)にしてもらうかということは、本来、そういう同意を取るのが今はものすごく厳しいのです。検査ひとつにしても同意が要る。手術や麻酔もさまざまな同意が要るわけです。そのときに2つの同意のどちらかを取るとするならば、一般の国民であれば、医師がいるなら、当然医師にしてほしいとなってくると思います。あくまでも国民にリスクを伴い、侵襲性の高い危険な医行為は、医師が必ずすべきだという日本医師会のスタンスは全然変わっていません。これは守らないと、いまうまくいっている日本のチーム医療の中で、特定看護師(仮称)が医師に連絡をせずに危険な行為をして医療事故をおこし、早く助けに来てくださいという事態が全国の医療機関で起こることは、絶対に避けなければいけないと確信しています。
○永井座長 いまの点、いかがでしょうか。どなたかご意見はありますか。
○藤本委員 それに関連しての質問ですが、よろしいですか。
○永井座長 いま、ご意見をお聞きしています。
○藤本委員 資料3の29頁のところですが、千葉県救命救急センターでは倫理の問題についてもう少し確認しなければならないので、事業が一旦止まっているということが、「患者に対する業務試行事業の説明方法及び業務実施に関する同意確認の方法」のところに書かれています。この資料を見ただけでは具体的にどういうことなのかよくわからなくて、それを伺いたいのと、さらにその点について2つの病院でどのようにされているのか確認したいのですが、いかがですか。
○有賀委員 直接的に行って来ましたので記憶を手繰りながら申し上げます。ここには救急看護に関する勉強をした特定看護師(仮称)として仕事をしようという方がいました。要するにいまの藤川先生のご意見とも関係があるのですが、資料7の左側の看護師が患者さんを診て、それなりの評価などをする。それらについては予め方法論について決めておくということで、いま議論が進んでいる。その方法論そのものを病院の中の倫理委員会で、こういうときはこうしますと、私たちの作法はこうなっていますというものを、今、まさに上げようとしている状況でのお話でした。そういう意味で、例えばここにプロトコールとかクリティカルパスとしてと書いてありますが、そのプロトコールやクリティカルパスをいま作っているところなのです。そのできたものはどこで認定してもらうかというと、病院の中では倫理委員会ということです。そこでも、いま言った緊急事態において患者さんにどう説明するのかということがあるので、結局、倫理委員会だという話になっています。今までも、この病院においてはナーシングスタッフも薬剤師たちも、もともと3次救急を旨とする病院でしたので、あっという間にバババッとやると。やりながら説明していくという話があるようでしたから、この書類ではそういうことでいいのかとか、予め院内に掲示するとか、千葉県の病院なので、県のお知らせみたいな形でコミュニティに説明すればいいのか、そういうことについてディスカッションしていることがあって、そういうふうに書かれていると理解しています。事務局、それでいいのですよね。追加があったらよろしく。
○永井座長 それから有賀先生にお聞きしたいのは、先ほど藤川先生がおっしゃられた、医師が診察する前に特定看護師さんが診察するというのでいいのかと。これは診療の補助行為としてどうなのですか、プロトコールが決めてあればいいと言えるのかどうか。
○有賀委員 プロトコールが決めてあるというか、いま救急医学会などで議論をしていますが、患者さんの緊急度について、どれだけ待たせていいか、またはすぐ診るべきだという、先ほど黒川先生も言及されましたが、そのようなことについてのあらかじめの、私たちが普段慣れている言葉で言えば予診ということでしょうが、その予診をする方法、そのようなことについての基本的な考え方・方法論について症状ごとに示すというようなことを今やっています。そういう意味ではいいのか悪いのかという問題ではなくて、病棟から呼ばれるとか別の部屋から呼ばれるというようなときに「走ってこい」と言うのか、「15分後に来い」と言うのか、「30分あってもいいですよ」と言うのか、というようなときのための看護師さんの判断ということになります。
 そういう意味ではいいとか悪いとかという問題ではなくて、あらかじめこういうふうに決めて、こうだったら走ってこいと言ってくれ、というような話になります。ですから、それを特定看護師さんまたは大学院を出たほどの、看護師さんの言葉ではクリティカルシンキングと言うようですか、そのような、ドクターと比較的似た思考過程を持つことで、ドクターに「こういうふうな患者さんが来ていますのでこうしましょう」というような形だと思います。
○永井座長 それは、どの看護師さんがしてもいいわけですが、実際はされていないからこういう制度が必要だという考え方ですね。
○有賀委員 ええ。これは、何年か前の日本病院会の統計委員会がたしかそれを出しているのですが、医政局長の通達か何かで救急外来における患者さんの緊急度、救急外来におけるトリアージがきちんとできていますかという話のときに、できていなかった、つまりできていないいくつかの1つだったのです。現にいろいろな病院で救急外来の看護師さんが「ちょっと待ってなさいね」と言ったり順番を変えたりということはしていますが、それをより体系的に医学的な根拠に基づいてルールに従ってやろうというようなことで、この手の話で救急外来におけるトリアージの件があると。
○永井座長 そこを今度、藤川先生は業務独占になるからやめたほうがいいという意見なのですが、そこについてはどうお考えですか。
○有賀委員 救急患者さん、すべからく全部というようなことで、もし考えていくとすれば、やはり特定看護師レベルの勉強をしていただかないと。だから、米国で言えばたぶん大学院を出たような看護師さんが、いわゆるトリアージナースとしてやるのだろうというようになります。ただ、一般的にすべての患者さんが一気にERにどんと押し寄せるかというような話はない、普通のクリニックやら比較的小ぶりの病院でいけば、来る患者さんが大体決まっていますので、そういう意味では、実は今でもトリアージに似たことはやられているということになります。どこまでが業務独占でどこからが業務独占でないかという話については、こういう場でいけば議論としては面白いと思いますが、私は、業務独占にはたぶんならないのではないかと想像します。
○藤川委員 トリアージなどは、能力があれば可能ですね。例えば一般の外来であっても、ホテルのコンシエルジュと一緒ですね。聖路加国際病院などにはありますが、ベテランの看護師が「内科に来たけれども、あなたの場合は精神科のほうがいいですよ」とか、そういう一般のことは、ベテランの看護師などはできるわけです。特定看護師でも専門看護師でもいいのです。
 しかし、ここでコンセンサスを得ておかないといけないのは医療側の都合ではなくて、国民サイドの医療安全から見て最高の医療を提供しようという考え方で、質の高いチーム医療をいま頑張っているわけです。あくまでもいちばんのメインテーマはチーム医療の質の向上による医療安全の構築です。チーム医療で素晴らしい医療を提供しよう、安全な安心できる医療を提供しようということですから、あくまでも患者さんにリスクを伴うようなことは、やはり医師法に基づいて医師が行う。しかし、先ほど言われたように、糖尿病でも問診の段階でさまざまな検査などの侵襲の少ない部分は、検査技師と連携して、リスクがないものはさせてもらうことですね。あくまでも、検査技師も国家試験を受けるわけですから、その人たちの専門分野(プロフェッショナリズムの世界)を土足で侵すということは控えなければならないと思います。患者さんのリスク、医療安全、さらに国民サイドの視点を忘れないようにしなくてはいけないと思います。
○永井座長 そうであればこそ教育が必要になってくるわけですが、いかがでしょうか、むしろ、黒川病院長、従来はやはり問題があるのだと、こういう制度が必要だということを先生としてはどのようにお感じになっていますか。
○黒川参考人 先ほど予診というお話がありましたが、予診は、先ほど私どもの高橋看護部長が言いましたが、フィジカルアセスメントが必要だと。そういう意味では、ドクターの視点、ナースの視点での予診という意味での診察だろうと理解します。
 もう1つ、藤川先生のおっしゃる資料7に関しては、特定看護師は特定行為を実施というのがあって、それから医師へ報告と。これは、私自身もちょっと無茶だなという気はいたします。私どものところでは、いわゆる侵襲的な特定行為に関してはIC(インフォームド・コンセント)を取ることが鉄則になっています。その際にナースが単独でこういう行為をやりますが、「私、特定ナースですからやっていいですね」というICを取るはずがないと私は理解しています。ですからもしここを直していただけるのだったら、「非侵襲的な特定行為は実施する、侵襲的な特定行為に関してはドクターの立会いの下でやる」とか、そのようなことを。そういう背景があるのかなとはちょっと思っていますが、藤川先生のおっしゃるのは当然だと思います。
○野嶋委員 国民の安全を守るというような意味で、とても大事なのは教育課程だと思っています。教育課程の中で、いままでその2年間は修士と言われていましたが、現時点ではその2年間が、国民の健康を守るというときが、私たち看護としてはやはりスペシャリティを大事にしていただきたい。看護の専門性を重視した、分野別に考えていただくということはとても重要だと思います。それはワーキンググループからも度々出ていることではありますが、依然として、8カ月コースに関しては、資料5に「特定の領域」と書かれていますが、2年課程に関しますと、「看護実践の場面で」と書かれていまして、その専門性ということをどのように考えているのかなと思います。私たちと教育サイドとしては専門性に基づいた、それに立脚した医行為であったり、あるいは医行為とケアを統合するような形ですることが重要だろうと思っております。
 そして、また2年課程であるならば、いまの状況から考えまして、当然修士。2年も教育するわけですから、2年課程に関しましてはどうぞ修士にしていただきたいと思います。その場合、大学院教育との調和を図ることがとても大事になると思いますので、文科省等とのことも協議をしていただければと思います。
 2年課程に関しての問題の第2は、専門看護師教育課程について、その専門看護師あるいはその教育課程に関して全く考慮されていない制度設計だと思います。確かに数が少ないところはありますが、日本看護系大学協議会は平成23年度の総会でカリキュラムを改正しました。その改正では26単位から38単位へと変えました。変えたところは、基本的には医学的知識、そして、医学的知識を活用してそれを看護ケアに提供できる人材の養成ということで強化をしております。そのように見ますと私たち専門看護師は、資料5のいちばんはじめに「特定看護師(仮称)養成のイメージ(たたき台)」というのがありますが、これこそ、38単位になった暁には専門看護師の具現化だなと考えております。この委員会そのものはやはりチーム医療が大事。専門看護師の中ではチームでの協働、チームでの連携をする能力を非常に重視して育成もしておりますので、そういう点からも医行為だけではなくて、そういう幅広いところも見ていただければと思いますし、現在の専門看護師及び教育課程を基盤とした制度設計をしていただければと思っています。本当につぎはぎだらけというのはいかがなものかということで強く要望したいと思います。よろしくお願いします。
○永井座長 ただいまのご意見に対していかがでしょうか。
○山本(信)委員 直接関わるかどうかはなかなか難しいのですが、本日事業に参加されている医療機関からのご報告が2つあって、薬剤師が評価されていることについては、同じ職業を持つ者として非常に喜ばしいことだと思っております。そうした意味からすると、改めて、どの範囲までそのカリキュラムを広げるかをかを考える際、先ほどどなたかから、「それがしたかったら、その資格者になればよい」というご指摘がありましたが、そういう観点からすれば、まずはここで薬について言えば、すべてを「調剤にせよ」とまでは申しませんが、原則は調剤された医薬品をどうプロトコールの中に載せるかということと理解しています。有賀先生もおっしゃった、救急の中であっても薬剤師が何らかの形で関わっているという前提がないと、どのような教育をしても教育の年限や深さなど規模が違いますので、4プラス2で十分かというと、そう簡単ではないと思います。
 そういう意味では、改めて確認しておきたいのは、ここで議論されているのは、調剤された薬あるいは薬剤師が関わった薬をどう使っていくかという理解でよろしいですね。その上で、まさに皆さんがおっしゃっているように、チーム医療を組む中でその認証であれ、認定であれ、2年あるいは8カ月で基本的には総合的に調整能力を持つべきだというご意見がありましたが、だとすると示されている教育概論の中で、それぞれの専門職がどのように関わってプロトコールを組んでいくかということが明確に示されないと。先ほど有賀先生が話された資料2に関わる御説明では、「なかなか読みきれないなという気がします。今後、制度設計をされて、具体的な試行作業が終わったあとに形が決まるわけですが、その際にはいま申し上げたようにプロトコールを使う場合に、どういう専門家がどう関わってプロトコールを組んでいくのかということをより明確にしておかないと、先ほどの藤川先生のご心配のようなことも起こりましょうし、黒川先生がご心配の、あまり範囲を限定するなということにも影響しますので、それぞれの専門家が専門家として活躍することが、有賀ペーパーには書かれていますし、最後の「引き続き検討を要する議論」の中には「他の医療スタッフと役割分担・連携等について」と謳われていますので、特定看護師という名前がいいのかどうかはまた別ですが、是非その点を外さずにここでの議論を進めていただきたいと思います。
○北村委員 今日、2つのご報告を聞かせていただいて、いま山本委員からありましたように、やはりチーム医療が中心になって安全な医療を推進するということで、プロトコールというか、中で、専門的なものの場合、ほかの職種とどう関わっていくか、それをしっかりした形で作っていってもらうと。やはりそこには専門家が必ずいて、それと一緒にやると。画像診断についても、そこには画像を作った人がいて、そこの専門家がいるという中で行っていくのであれば、自分たちが判断するわけではなくて、やはりその専門家に判断してもらって、それを総合的に判断して行っていくということだと思うのです。
 それから、資料7の中にお聞きしたいことがあるのです。院内でプロトコールなどを作って特定行為の実施に係る取決めをやるという中で、能力認証なしの方も、医師による具体的な指示があれば決められた特定行為を実施できるというような形に見えるわけです。そうするとやはり、これは業務独占とか名称独占がなしという中での話だと思いますが、この辺の話をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○永井座長 これは、今の保助看法ではできることになっているわけですね。
○北村委員 特定の医行為となると。
○永井座長 診療の補助ができるということですね。
○有賀委員 だから、特定の医行為の中にみんなが当たり前のように日常的にやっているものと、結構きついんじゃないというようなものと、その真ん中ぐらいがたぶんあるだろうと。そういうような話になったときに、特定の医行為といってこの漫画で出てくるのは、比較的難しいものをイメージしているのだと思うのです。ただ、比較的難しいといっても、うんとこさ難しいあっちのほうのものをやれというようなことは、黒川先生も「そんなものはないだろう」とおっしゃっている。そのような私たちの日常の状況がありますので。だからそのようなことで、私たちのワーキンググループのときにときどき言うのですが、私が手術場に入るときに、朝、「ウイニングしておいてね」と言って、夕方、手術場から出てくるときウイニングされていると。それは、医師の、ある信頼できるナースに対する、ここで言う特定行為なのですが、具体的かつ直接的な指示というよりは包括的な指示に従ってやってもらったというようなことになるのです。そういう意味では患者さんには見えませんし、ほかの医療スタッフにはたぶん見えないかもしれない。しかし、このような仕組み、社会の仕組みとして議論するというようなことになった暁には、それなりのワッペンを付けたナースがいると、そういうことがあるんだなというようなことが、たぶん「見える化」という意味だろうと。
 そこで医師が事前にというか、これは医師だけでは決められません。つまり、先ほどの薬の話もありますし、例えば病棟では歯科医師、歯科衛生士さんたちとも一緒に働いています。そういう意味ではこのプロトコールの中には、すべての人たちが一緒になって作らなければいけないということは当たり前の話です。その当たり前のことをここでわあわあ言ってもしょうがないので言いませんが、そういう意味ではここに書いてある、特定の医行為も具体的かつ直接的な指示があればワッペンのないナースもやり得るということだと思います。たまたま質問された方が放射線の関係の方なので、もし私たちが、脳卒中だと思った患者さんが来たとして、「ちょっと悪いけどCT頼むよね」と。これは具体的な指示としていいですよね。そのあとに「きれいな写真頼むぜ」と、こうきたときに、結構微妙な問題があるわけですよね。つまり、単なる出血だけだったら普通に撮ればいいのかもしれませんが、どうも動脈瘤らしいと。そうすると、場合によっては動脈瘤を描出するような画像も得たほうがいいのではないかという話になる。そのときに、もし黒川先生が「きれいな写真を撮ってくれ」と言ったときには、「何だこんな写真、わからんじゃないか」というような写真が出ても困るわけですよね。だからそういう意味では、レントゲンの技師さんたちも相当程度に訓練された仲間としての存在という実態が起こるわけです。ですから、ナースもそうだし、ほかの職とも仕事の相互乗り入れが起こっていると。論理的には起こっていると私は思うのです。その中で、たまたま私はナースのほうの係なので、このようなプレゼンテーションをしているというような理解です。
 だから、先ほど薬剤の方も言っていますが、薬剤の方は私たちと一緒に仕事をしてないなどと思っていないはずですよね。調剤された薬と言っていますが、まさに調剤が、今ここで起こっているというものに関しても、やはりそこでは使われているわけです。本当の現場というのはそのようなものだと思うので、プロトコールを作るといったときには、みんなで作っているというような理解でわかっていなければいけないと私は思います。
○永井座長 先ほどの特定看護師と専門看護師との違いですが、これは野嶋委員からもご指摘がありましたが、そこはどう考えるのか、むしろ事務局にお聞きしたいのですが。
○有賀委員 いや、もうちょっと。野嶋先生にお聞きしたいのは、もともとの話が先ほど言ったグレーゾーンの医行為から出発してしまったではないですか。
○野嶋委員 そうですね。
○有賀委員 チーム医療という、もう少し原理原則的なところから出発しますと、それは、ある意味付録的な話なのかもしれませんが。最初からそれが真っ正面からバーンと出てきたものですから、こういう議論ですよね。専門看護師さんというのは、そういう意味では、たぶんその手の議論をちょっと横に置いておいて出来上がっている仕組みではないかと思うのです。そうすると、2年間の勉強の中で、いま言った医行為のほうをどのように位置づけていくかという話がお互いにある程度わかっていないと、大学院、大学院と言っても。
○野嶋委員 そうですね。
○有賀委員 ちょっと意見を。
○野嶋委員 今年度からいままでの26単位を38単位に強化しましたし、もちろん、いくつかの大学院は養成試行事業にも参加いたしました。これから先は、医学的知識は入れていくということが鉄則です。つまり、それぞれの医学的知識と、それにプラス、それぞれの領域で診断治療に関わる基本的な医学的知識、あるいは薬剤などに関して学んでいき、さらに実習でも、いままではどちらかというと看護、ドクターに付くという実習は少なかったのですが、これから先は是非ご一緒に実習もさせていただきたいというような形で変えていきたいとも思っています。本当に、本来あるべきチーム医療というところから出発すればこのような遊離された状況ではなかったのかもしれないですが、私たち、専門看護師教育も変わっております。特定の医行為、ケアとキュアとの融合の中で大事だと思っていますし、専門看護師は実際、それぞれの領域で先生方と協力しながら実施していると考えております。
○永井座長 そうすると、そういう体制になったときに、専門看護師の教育が変わってきたときに、特定看護師というものとどういう関係になるのかというのは非常に難しくなりますね。むしろ厚労省としては、その辺をどのように位置づけていらっしゃるのですか。これは全く違うものだと考えるのか、あるところで一緒になってもいいものだと考えていらっしゃるのか。
○岩澤看護課長 本日有賀座長からご説明いただきました試案の最後のところ、4番の3段落目で、専門看護師、認定看護師が特定看護師の認証を受けるための要件については具体的な検討を進めるとされております。
 現在、専門看護師は6つの役割を取得すべく教育が行われていると聞いておりますが、その中の1つが実践です。実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究という6つの役割を学ぶべく2年間で教育されています。その中の実践の中で、先ほど野嶋先生がおっしゃいましたように、従来、診療の補助の範囲、現行、多くができるであろうという範囲を超えない中での教育が実施されてきたけれども、今後は単位を増やして、その部分を強化していきたいと、そういうカリキュラムをこれから実施していくと伺っております。特定看護師は実践において従来より幅広い医行為を含めた業務を行うということですので、専門看護師の教育を受け、かつ特定の医行為もできる教育が併せて教授されること、そして、実際の場で活躍されるということは十分にあると考えております。
○永井座長 そうすると、カリキュラム次第ということになってくるわけですね。何が求められているかという、要件を満たすかどうかということでしょうか。その点に関して資料6のイメージ図がありますね。基礎となる資料6の裏表がありますが、表がイメージですか、この「基礎となる理論等」のところに「看護理論を学び」とあるのですが、おそらくこういう役割を担う方というのは従来の看護理論だけではなくて、もちろん病態の理論であったり、薬の理論であったり、検査の理論であったり、まずそういう理論があって、その上で「○○学」というのがあるのだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。看護理論の上にすぐに病態生理が成り立つのかどうかですね、もっときちんとした教育体制を作ったほうがいいように思うのですが。有賀先生、いかがですか。
○有賀委員 この辺は、私たちのワーキンググループの看護師さんたちに相当程度座長が依存していますので、先生がおっしゃるように看護理論の上にそれがあるのか。ただ、そのような診療の補助に関連する学問体系があったとして、たぶんその学問体系の底辺には看護師さんたちならではの歴史的な、または大事な部分があると思うので、私たちが勉強してきた薬理学とか病態生理学と同じようなものを学んでいることにはなっているのでしょうけれども、その学ぶ理由というところの土台の部分がおそらく先生がおっしゃった看護理論というような話になっているのだと、ワーキンググループなどの議論からはそのように思っています。ちょっとフォローしてください。
○野嶋委員 ありがとうございます。どのように説明したらいいかよくわからないのですが、分離しているものではないと考えています。例えば試行事業の中で精神の患者さんの下剤の管理といったときに、浣腸のほうがすごく多くて、そうでなくても下剤で、そのときにはやはり生活を考えていかないといけない。看護理論の中の多くは生活だったり、人と人との関係性だったり、病気に対する態度だったりということですので、実際ケアをするときは、看護理論、解剖生理、病態生理、薬理学、すべてが統合されて起こるだろうと思っています。教えるときも、基礎教育とは違いますので、重ねながら統合するような形で教えていくというのが特徴だと思っています。
○永井座長 この中には、病気の理論も検査の理論も薬の理論も入っているということでよろしいのでしょうか。
○野嶋委員 はい、私たちはアドバンス・フィジオロジーとかアドバンス薬理学などと言っていまして、そういうクラスを入れています。
○有賀委員 実は私もこの座長をしながら必死に勉強してきた1人ですが、診療の補助と療養上の世話の2本立てと思っていたと。分離して考えるほうが、まずは分離して、それから統合しようというような形での思考プロセスからすると、先生がおっしゃっているご質問の意味は2つあって、それぞれ、こっちもやっているし、あっちもやっているよねというようなイメージなのではないかと思います。私も実はそう思っていたのですが、どうもいろいろな方たちと、特に看護系の方たちと議論をしていると、こっちとあっちを2つやっているのではなくて1個のことをやっている。しかし、あっちから見るとこう見えるし、こっちから見るとこう見えるというような、つまり、そういう意味では、分かれて存在しているのではなくて、1つのものとして存在している。というようなことをある程度それなりに理解しないと看護師さんたちの勉強の全体像が実はよくわからなかったというのが私の経験です。ですから、そのように考えていくのがいいのではないか、ですよね。
○野嶋委員 そうです。ありがとうございます。
○有賀委員 看護のフォローをしてください。
○大久保委員 おっしゃるとおりです。
○永井座長 従来、必ずしもそういうところまで診療の補助が十分できていなかったということであれば、もっとそこを強調しないと新しい時代に対応できないのではないかと思いますし、質の保証もどこが問題かと。従来どおりの看護の理論だけでいいのかどうか、そういう見直しも求められると思うのですが。
○野嶋委員 当然、はい。
○藤川委員 お手元に資料を回しておりますので見ていただきたいのですが、参考資料として、平成20年2月に日本医師会の医事法関係検討委員会の答申を提出させていただきました。日本医師会の中に会長諮問を受けて検討を行う委員会が、40以上ありますが、医事法関係検討委員会もその1つです。
○永井座長 参考資料4ですね。
○藤川委員 はい、横書きのものです。平成18年に「『医師・患者関係の法的再検討』について−国による規制と医師の自己規制の役割分担を中心に−」という諮問で、当時の唐澤会長より受けて取りまとめたもので、その当時の委員長が現在日本医師会の副会長の横倉先生であります。
 21頁をご覧ください。(3)の「チーム医療と医師の業務、裁量について」として、?「チーム医療における分担と協働」などまとめております。22頁の上から15行目ですが、「現在、医師が担っている業務のうち一部のものについては、一定の教育・訓練を施した薬剤師、看護師等」、放射線技師も入りますが、「他の専門職種に、医師の一般的指示のもとに、ある程度分担させることも検討されるべきである」としていますが、以下、「もっとも、医師の業務範囲を他の職種に委譲することには、医療の質や患者の安全確保の観点から慎重であるべきことは言うまでもない」。いわゆるタスクシフティングです。最後から3行目以下では「いずれにせよ、医学的判断を必要とする業務については、医師が自らの責任のもとに実施するという原則は堅持すべきである」。次に38頁をご覧ください。?「医師と他職種の業務分担のあり方を見直すこと」と題して、現在、すべて、医師の具体的指示がなければ他の職種の者は医療行為の補助ができなくなっているが、これを見直すことを提言しています。指示のあり方、例えば包括的指示による医療行為の補助を検討することも提言している。15行目以下、「医学的判断を必要とする行為については、あくまで医師自身によることを大前提とすること」、さらには、「管理・監督する医師が負う責任や、患者の安全確保の視点を十分に踏まえて、その是非を議論する必要がある」としています。
 これが医師会の、役員ではなくて全国から集まった先生方とともに議論した1つの考え方です。やはり我々は医師法と保助看法という法の下に医行為をやっていますので、あくまでもその違法性阻却として医行為をする場合には、きちんとした裏付けがないと患者さんの安全は保てないということを警鐘している。
○島崎委員 いままでの議論を聞いておりますと、よくわからないところやちょっと誤解もあるのかなという気がいたします。1つは、少なくとも有賀先生の試案を見る限りは、特定行為について、医療行為は侵襲性の極めて高いものまですべて特定看護師にやらせることを認めるという考え方ではないことです。つまり、特定行為といっても、例えば特定看護師に手術を行うことを認めるということではなく、あくまでも保助看法上の「診療の補助」という枠組みは外してはいないということです。ただし、「診療の補助」といっても、比較的侵襲性の高いものからそうでないものまであって、「診療の補助」の臨界に関しどこで線を引くのか、また、教育などそのために必要なことは何か、といったことを検討するということ。これがこの検討会でやってきたことの大前提だと思うのです。
 2つ目として、特定行為といえども「医師の指示」という要件を外して考えているわけではないことです。もっと端的に言えば、特定看護師が全く医師の指示なしにインディペンデントにその行為ができるということを言っているわけではなくて、個別的な指示か包括的な指示かはともかく、「医師の指示」が必要だということです。この点はこれまでやってきた議論の大前提であり、もしこの点について違う議論があるならともかく、そこを前提にしないと議論はとてもまとまらないと私は思います。
 3つ目として、冒頭の事務局の説明の中で、私が聞き間違いでなければ、これは12月にも医療部会に報告をするというようなご発言があったわけですが、それほど時間がないのだとすると、もう少し議論の論点を整理していかなければいけないように思います。しかも、そのときに法律事項が何なのかということも明確にする必要がありますが、実を言うと私にもよくわからないところもあります。例えば有賀試案を見ると、法律で何を書くのかというと、少なくとも「診療の補助」のうち侵襲性の高い一定の行為を特定しなければいけない。もっとも、具体的な行為が何であるのかということについては法律で書く必要はないかもしれませんが、おそらく特定行為という概念をつくらなければいけないはずです。その上で特定看護師の認証を行って、そういう人については包括的な指示でよく、そうではなくて一般的な看護師の場合には具体的な指示が必要だとして、メディカル・コントロールの下範囲に置くという、たぶんそういうことだと思うのですが、ほかのところを見ると、例えばそれ以外に施設要件的なこと安全管理の体制も必要だと読めるような部分もあります。そうすると、具体的な条文案まで示してほしいと申し上げるつもりはありませんが、具体的にどういう行為が法律で書こうとしていることなのか、もし本当に医療部会に報告することを考えているのであれば、ある程度具体的に明らかにした上で、それについてどういう意見があるのかという論点整理をしていただいたほうがよいのではないかと思います。
 さらに言うと、当然のことながら法律ですべて決まるわけではなくて、例えば教育の関係、研修の関係、認定の関係などいろいろな条件整備も必要です。当然のことながら、それを疎かにして安全でない行為をどんどんやってよいなどということを申し上げているつもりはありません。また、先ほど議論がありましたように、プロトコールの作り方にしても、ほかの専門職種がどう関わるのかといったことも議論があるところだと思います。その辺を少し整理していただくとともに、それについてどこのところで委員の考え方が分かれているのかということも併せて整理しませんと、たぶん本検討会は年内にあと1回か2回しか開催できないのではないかと思うのですが、医療部会に報告するにしても、一体何を報告するのかということになってしまうのではないかという気がいたします。
○永井座長 大きな枠組みとして、これは診療の補助であるというところはよろしいですね。それから、医師の指示の下での行為であると。問題は、いままでそれがされていなかった部分、まさにグレーゾーンと言われるところをどうするかということで、その体系を有賀先生がいま提案としていると。そこまではよろしいですね。ですから、どういうところが具体的な行為で問題になっているのか、また法律的にどうなのか。これはむしろ山本先生にお聞きしたいのですが、有賀先生の資料をご覧いただいて法律的にどういうところを整理したらいいのか、資料2に基づいてご意見をいただけますか。
○山本(隆)委員 私も細かいことまで詰めてこの場で申し上げられるわけではありませんが、先ほど島崎委員からご指摘いただきましたように、基本的には、一定の教育課程を経た看護師については、ここで特定医行為という言葉が使われていますが、特定医行為が医師の指示の下でできるという仕組みを作り、そして、それ以外の看護師の方については、要するに、一定の教育課程を経た看護師の要件に相当するような、その場の具体的な指示なり病院の体制なりというものを要求しなくてはいけないと、大きな枠組みとしてはそういうことではないかと思います。あと、それ以下、細かいことをどこまで書くかというのは、おそらく、法律で全部書くわけではなくて、場合によっては省令あるいはさらにその下のレベルの告示や通知に落としていくということだと思います。大きな骨組は大体この資料に現れていると思いますので、あとは、細かい部分について詰めていただくということではないかと思います。
○永井座長 藤川委員にお聞きしたいのです。先生のご意見は一切の医行為はいけないというご意見と看護師はいろいろなことができるというご意見、2つの点が入っているように思うのですが、そこはどのように整理なさいますか。
○藤川委員 1つは、現実に診療の補助として安全性の担保されている、例えば心電図をとるとか、そういうことはもう現実にやられているわけです。そういうことは全然問題ないのです。問題は、患者さんに侵襲のある行為を本来医師がすべき、ないしは国民が一般的な常識としても医師が本来すべきだろうというところを看護学の教育でやらせることは法律違反ですよと、医師法に反しますよということです。
○永井座長 そこにグレーゾーンがあって、もう少し明確にしたほうがいいと思うのです。いままでは例えば静脈注射はいけなかったわけですから、そういうところを看護師さんができる行為としてもう少し含めていったほうがいいだろうというのがいままでの議論で、そのためには教育が必要であるし、誰でもやっていいというわけでもないだろうと、そこをいま議論しているので、その特定の行為の範囲と教育の体制が非常に問題になってくるのだと思うのです。そこまではよろしいですよね。
○藤川委員 それは結局、皆さん、侵襲性の程度の理解に認識の差があるのです。そこが明確になっていないからどんな特定行為をするかというのは、たぶんここにいらっしゃる方で千差万別、いろいろ認識が違うと思うのです。いま本当に緊急に、来年4月から特定看護師(仮称)をつくらないと現場がこまっているというわけではありません。税と社会保障の問題はありますが、医療現場として特定看護師(仮称)がいないと来年4月から現場が回らないというわけではないのです。今後、2回の審議で医療部会に上げてかたづけてしまいたいと事務方が急いでいることが非常に理解できません。日本医師会で議論をしましたが、そういうことで解決するような次元の問題ではないということです。チーム医療をいま高めようとしているときにこの新たな制度案には、これだけの問題があるわけですから急ぐべきではないと思っています。
○永井座長 ですから、内容と教育と評価ですよね。有賀委員、そこをどのように考えていらっしゃいますか。
○有賀委員 内容ということに関して言えば、現在、あちらこちらで行われているというようなことがありますので、それをゆっくり見ながら考えていくということだと思います。どこの施設もどうも無謀なことはやっていそうもないというようなことがわかりますので、無謀でない部分で、いままでグレーだと思われているものについて特定の医行為というようなことでリスティングすることは私は可能だと思います。
 それから、いま評価と言われましたが、実は最初のチーム医療推進方策検討ワーキンググループの中で、施設をピックアップして、そんなことで評価というのが出ましたね。今も先生、評価とおっしゃって。実は、私たちが特定看護師さんの業務のトライアルで既に進行中の施設に行って、視察と言っていましたが、ある意味、評価に行くわけですよね。評価に行ったときに何がいちばん問題かというと、評価のルールそのものが実は決まっていないという中で評価をする。だから、現場そのものも一定のブレがあったとすると、評価に行った私たちも相当程度に、もともと評価のスケールを持たずに行っていますから、そういう意味では何人かの人たちの心のずれが絶対に出てくるわけで、ずれ掛けるずれは大変なずれというような状況が起こり得ますので、評価といったときには、やはり評価の仕組みというか尺度というか、そういう一定のものを持たないとなかなか難しいのではないかと思います。
 ただ、どちらにしても、私たちの仕事の現場そのものの展開の状況を見るわけですので、軸がなければ何もできないというわけではありません。そういう意味では、しばらくこのトライアルとしての状況、例えば糖尿病の診療におけるというようなことで言えば、刻々と進化しているというようなこともわかりましたので、進化して、ある一定のプラトーに達すれば、そこでこんなことが特定行為としてあるのではないかという話で、南先生や現場で働いている方たちが、患者さんも含めて一定の水準で満足度が得られるというようなところになるのではないかと思います。
○永井座長 評価はやはり必要だと思うのです。ですから、是非ワーキンググループのほうでも評価はどうあるべきかということのフレームを作っていただいて、それを基にして始めないと、結局ばらつきが大きくなってしまうということになると思うのです。時間もだいぶ過ぎましたので、今日の議論はここまでにしたいと思います。次回、また今日の問題を引き続きご議論いただきたいと思います。事務局から連絡事項等をお願いいたします。
○石井補佐 次回の日程につきましては、また追って連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○永井座長 どうもありがとうございました。


(了)
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