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2011年3月9日 第4回地域保健対策検討会議事録

健康局総務課地域保健室

○日時

平成23年3月9日(水)15:30〜17:30


○場所

合同庁舎第5号館専用第18〜20会議室


○出席者

構成員

大井田 隆 (日本大学医学部教授)
大場 エミ (横浜市南福祉保健センター長)
岡   紳爾 (山口県健康福祉部健康増進課長)
岡部 信彦 (国立感染症研究所感染症情報センター長)
小澤 邦壽 (群馬県衛生環境研究所長)
曽根 智史 (国立保健医療科学院公衆衛生政策部長)
羽佐田 武 (静岡県駿東郡小山町住民福祉部健康課長)
秦 榮子 (愛媛県食生活改善推進連絡協議会会長)
林 謙治 (国立保健医療科学院長)
廣田 洋子 (北海道空知総合振興局技監(北海道岩見沢保健所長))
松崎 順子 (千葉県市川市保健スポーツ部保健センター健康支援課長)
山本 都 (国立医薬品食品衛生研究所安全情報部研究員)

事務局

外山 千也 (健康局長)
木村 博承 (大臣官房参事官)
堀江 裕 (生活衛生課長)
大橋 正芳 (総務課地域保健室長)
勝又 浜子 (総務課保健指導室長)
後藤 謙和 (総務課地域保健室室長補佐)
南 二郎 (総務課地域保健室地域保健専門官)

○議題

1 開会
2 議事
(1)地域保健における対物保健サービス検討ワーキンググループの開催要項について
(2)評価及び優先度に基づいた地域保健計画の策定と推進について
(3)地域保健に関する調査・研究について
(4)その他

○議事

○大橋地域保健室長 それでは、定刻になりましたので、第4回地域保健対策検討会を開催いたしたいと思います。
 皆様方におかれましては、年度末のお忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございました。
 開催に先立ちまして、本日の構成員の出席状況を報告いたします。本日は、五十里構成員、尾形構成員、中構成員、吉田構成員、4名の構成員の方々から欠席の報告を受けております。
 それでは、座長の方、よろしくお願いいたします。
○林座長 それでは、早速議事に入りたいと思います。
 報道関係者がいらっしゃった場合は、頭撮りはここまでといたしたいと思いますので、これからの撮影を控えていただければと思います。
 まず、議事に入る前に、事務局より本日の資料の確認をお願いいたします。
○後藤室長補佐 それでは、資料の確認をいたします。お手元の資料のクリップをお外しください。
 まず1枚目は議事次第となっておりまして、裏の方に配布資料のことが書いてあります。
 そして、座席表。裏側に構成員の名簿となっております。
 資料1「地域保健における対物保健サービス検討ワーキンググループ開催要綱」、そして、別紙が付いております。
 資料2「地域保健関連の政策評価・事業評価における諸外国及び我が国の現状」
 資料3「地域保健関係の統計情報及び情報の活用例」
 資料4「地域保健関連の政策評価・事業評価における今後のあり方」
 資料5「市町村における地域保健計画等の位置づけと取組について」
 資料6「諸外国及び我が国における各調査・研究機関」
 資料7「地域保健関連の諸外国及び我が国におけるデータベースの現状」
 資料8「地域保健関連の体系的な評価がなされた「知の集積」について」
 資料9「地域保健関連の調査・研究における国と地方の連携及び役割分担について」
 なお、本日のテーマにつきましては、研究機関の御協力もいただいておりまして、その関係で、曽根構成員からの提出資料がございます。
 曽根構成員提出資料1「諸外国の政策評価について」
 曽根構成員提出資料2「健康影響評価」
 続いて、3で「政策評価の方法」
 4で、「調査研究に関するデータ集積のあり方について」
 資料は以上でございますが、書類に不足・不備等ございましたら、事務局までお知らせください。
 なお、本検討会の参考資料として、前回、前々回もお出ししております報告書「健康課題の役割に関する研究報告書」をお出ししております。必要に応じて御参照いただければと思います。
 事務局からは、以上です。
○林座長 よろしいでしょうか。資料が整ってない方がいらっしゃったらお申し出ください。
 本検討会の参考資料が整っておるようでしたら、まず議題1「地域保健における対物サービス検討ワーキンググループの開催要綱について」ですけれども、この件に関しては、前回既に事務局からアナウンスがございましたが、この件について、事務局から説明をお願いいたします。
○大橋地域保健室長 それでは、資料1について御説明申し上げます。
 座長から説明がございましたように、前回第3回の検討会におきまして、事務局より、この検討会を円滑に運営するために、対物保健サービス分野について、別途ワーキンググループを設けて検討をする旨の説明をしたところでございます。
 今般、資料1のとおり、当該ワーキンググループの開催要綱を作成いたしまして、別紙のとおり、このワーキンググループに参加いただくメンバーを決定いたしましたので、御報告させていただきます。構成員メンバーにつきましては、検討会の構成員、地方公共団体の関係団体、関係者等々から構成されておりまして、今後のスケジュールといたしましては、メンバーへの事務手続が終了次第、速やかに会議を開催したいと思っております。この検討会の議題の1つであります「快適で安心できる生活環境の確保について」という議論の場において、その検討結果を報告したいと思っております。
 私からは以上でございます。
○林座長 ただいま公表されたメンバーで、対物保健関係の事前の前さばきをよろしくお願いしたいと思います。
○大井田構成員 対物という定義はどうされるのですか。
○木村大臣官房参事官 今、御指摘の「対物」という用語につきましては、はっきりした定義はないわけですけれども、特に今私どもが想定しておりますのは、前回の論点の資料で8テーマ提起させていただきましたが、その中で、特に「快適で安心できる生活環境の確保について」という議題を事前に挙げさせていただいております。その中で、環境衛生の推進方策、食品衛生の推進方策という2つを特に今回は取り上げていこうということで全体の議題が設定されておりまして、また、議題で「健康危機管理のあり方について」も関係してございます。これらに関係するメンバー構成を考えて、今回のワーキンググループのメンバー構成をさせていただいております。
 ただし、あくまで、このワーキンググループで何かを決めるということではなくて、検討するのはあくまでこの当検討会で検討をするということで、そのための資料の前さばき整理をするためのワーキンググループという位置づけでございます。その点は何卒よろしく御了承のほどをお願い申し上げたいと思います。
○林座長 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、議題2について議論をしたいと思います。事務局から、議題2に関する資料の説明をお願いいたします。
○大橋地域保健室長 それでは、資料2につきまして御説明申し上げます。「地域保健関連の政策評価・事業評価における諸外国及び我が国の現状」についての資料でございます。
 おめくりいただきますと、「政策評価・行政評価の歴史的背景」をお示しする資料でございます。評価の理論や手法は、主にアメリカで誕生したと言われておりまして、特に1960年代より評価手法が発達し、1993年にすべての政府機関で適用されたと聞いております。
 当時、公共部門における評価の主流は、プログラム評価であったようでございますけれども、政策の経過、実施プロセス、政策への影響、効率性を体系的に評価するという、信頼性が高い反面、高度の専門性が要求されまして、実施には膨大な時間と費用がかかるというような傾向にあったようでございます。そのため、政策を実施する政策効果や効率性などを注目して、側面を数量的に把握することの事業指標を策定いたしまして、その指標を測定することによって実態を評価する方法、いわゆる事業評価が簡便な方法として、アメリカの州や自治体に普及していったと言われております。
 日本においても、1990年代後半よりこの手法が取り入れられて、多くの自治体が導入をしたと言われています。国におきましては、2001年「政策評価制度」を導入いたしまして、翌年4月に「行政機関が行う政策評価に関する法律」が施行されております。
 次のページにかかりますけれども、政策評価に関する基本方針が閣議決定されまして、これに沿った形で各省庁で、政策評価に関する基本的事項等を定めているという状況でございます。その結果を政策への適正な反映に当てるということになってございます。
 国での政策評価の取組については、御存知のとおり、PDCAによる政策マネジメントサイクルの取組がなされているところでございますけれども、その流れについては、次のページに示しているところでございます。この取組は、政策の質の向上や職員の意識改革なども進み、効率的で質の高い成果重視の行政が実現される。国民に対する行政の説明責任の徹底につながる効果が期待されているということになっております。
 続きまして、4ページ以降では、地方自治体がどのような行政評価を行っているかということを示したものでございます。4ページでは、行政評価の導入率を示しておりまして。都道府県・政令指定都市レベルでは、ほぼ100%近くが導入されておりますけれども、市町村レベルで見ますと、約半数の導入にとどまっています。しかしながら、毎年その導入率が上がっていることは、その広がりを見せている、浸透していることが言えると思います。
 次のページでは、行政評価の実施根拠を示しております。国においては、先ほど説明しましたが、法律や基本方針を根拠としておりますけれども、地方自治体では、条例や規則あるいは要綱・要領を根拠にしております。中でも最も多く根拠としているのが要綱・要領によるものが、この表でわかると思います。
 次のページ以降では、行政評価の対象に何にしているか。あるいは、7ページ以降では、その評価結果の公表をどうやっているかというのを示しておりますけれども、後ほどごらんいただければと思っております。
 続きまして、資料3について御説明申し上げます。
 資料3は、地域保健関係の統計情報や情報の活用の状況を取りまとめたものでございまして、政策評価を行う上での指標となる重要なものだと認識しております。
 最初のページでは、地方自治体から国は何を根拠で情報を入手しているか、その法的根拠を示したもので、大きく3つに分けることができます。その多くが、?番の地方自治法に基づくものでございまして、各省庁から、統計法に基づいて、総務大臣の承認を受けたものがそれに当たるというものでございます。具体的には、基幹統計調査と一般統計調査に分かれておりますけれども、公的機関が作成する統計を体系的・効率的に整備し、国民の利便性を向上させるということで、60年ぶりの統計法の全部改正が行われ、名称変更されたものです。従来で言う指定統計と承認統計に当たるものがこれでございます。地域保健関連で例を申し上げますと、基幹統計調査では人口動態調査、あるいは、医療施設調査、一般統計調査では衛生行政報告例や地域保健健康増進報告がございます。
 もう一つの法的根拠となるものが?番目でございます。補助金等適正化法に基づくものでございます。これは補助事業者から補助事業等の成果を報告書として提出を求めるというものでございまして、事例を申し上げますと、難病相談センターでのセンターの従事者や活動内容を報告しているものがございます。
 続きまして、?点目は個別法に基づくもので、これは健康危機管理事案など、緊急的に状況を国が把握する必要があるものについて個別法で報告を義務づけているものでございます。事例で申し上げれば、感染法に定める一類感染症等の発生状況の報告がございます。
 次のページが、国の行政機関が実施している統計調査のうち、地域保健に関連する主なものを整理したものでございます。調査分野で言いますと、人口、生活・環境、福祉・衛生、教育・文化・科学など、幅広く行われることがわかります。ここに挙げている統計調査は、平成17年度から5年間に行われたものを挙げておりまして、1回限りの調査から月ごとの調査、あるいは10年ごとの周期で行われるものがありまして、大変周期の幅があると思います。したがいまして、10年周期の統計調査でこの期間が到来してないものは、当然、この5年間に行われておりませんので、さらに、統計の数は増えるのだろうと予測しております。
 私からの説明は、以上でございます。
○勝又保健指導室長 続きまして、資料の3ページをごらんいただきたいと思います。「評価に関する課題の事例」ということで、3つの事例を示させていただいております。
 まず1点目が「健やか親子21」の評価指標です。これが全体で69の評価指標になっております。「保健水準の指標」、それから、「住民自らの行動の指標」、「行政・関係団体等の取組の指標」ということで69あるわけです。左側から見ていただきますと、「保健水準の指標」が20ありますが、先ほど御説明いたしましたように、政府統計で把握できる指標は12ありまして、例えば「十代の人口妊娠中絶率」でございますと、「衛生行政報告」等によって把握ができることになっておりますけれども、それの下をごらんいただきますと、それで把握できないような指標が「15歳の女性の思春期やせ症の発生頻度」については把握ができていないというような状況になっております。「住民自らの行動の指標」が22ある中で、把握できない指標が16、それから、「行政・関係団体等の取組」27あるうち、把握できない指標で23指標が挙がっているところでございます。このように政府統計で把握できない指標については、厚生労働科学研究費補助金等で把握をしているという実態がございます。それが課題の1つです。
 それから、事例2でがん検診を取り上げておりますけれども、自治体ごとの住民のがん検診の受診率を知りたいということなのですけれども、政府統計といたしましては、「地域保健・健康増進事業報告」におきまして、これは回答者は市町村・特別区になってございまして、それの受診率とかが出てくるわけでございます。問題点としては、自治体以外で行った検診については、保険者とか、あるいは企業とか、そういったところで行ったがん検診については把握ができていないという状況でございます。さらに、「国民生活基礎調査」では、1,000地区を取り上げまして、45,000人の方々に対して「あなたは過去1年間にがん検診をお受けになりましたか」と聞いているのですけれども、問題点としては、その下に記載がございますように、1,000地区の住民を対象としているというようなことで、すべての市町村別の受診率を算出することが不可能になっている。それから、住民の主観的な回答でございますので、受診の記憶の欠如とか、あるいは他の検査をがん検診と間違って回答をしているというようなことで、市町村別の受診率を算出することが難しくなっておりまして、既存の統計調査では正確な情報を把握することが困難な状況になっているというような問題点があります。
 さらに、次のページをごらんいただきまして、これはある県の同一保健所管内の1歳6か月健診のカルテと、それから、健診前のアンケート用紙を比較したものでございます。1歳6か月健診カルテの大項目のところでは、計測とか、診察とか、歯科診察が挙がっているわけですけれども、特に診察のところだけ取り上げてみましても、A自治体とB自治体では、例えば全身状態、これは赤で記載しているところですけれども、運動発達、精神発達については、B自治体では記載がありますけれども、A自治体ではそういったような記載がなく、統一的なデータがとりにくい。それから、6ページでも、アンケートの中身で、育児に関する部分のみを抜粋しておりますが、黄色の部分は同じような中身の問いがございますけれども、緑のところでは、とっていないところととっているところが出てきているというような、そういったデータをとるにもなかなか難しいというような実態の事例が以上3点でございます。
 次の7ページをごらんいただきたいと思います。「評価に関する先進事例」ということで、全国幾つかのところの状況を確認いたしまして、事例1としては、「島根県の保健統計資料提供システム」を挙げさせていただきました。島根県の先進的な取組のポイントは、島根県では、全県下の市町村で標準化した質問紙を用いて健診等のデータを収集しておられます。さらに、健診等の各種データの流れをシステム化しておられるということです。20年度のころに、この4つについて確立されているというように聞いております。健診等の統計データは、基本的に、市町村、保健所、県庁、それから、地衛研であります保健環境科学研究所へと送られまして、保健環境科学研究所の保健師、管理栄養士、検査技師の3人のこういった方々で分析をされまして、その後、県庁、保健所へ結果を還元し、保健所は市町村へ結果を還元されて、さらに、保健環境科学研究所では、市町村ごとの死亡状況とかそういったものについても、県民の方々にリーフレットなどを作成いたしまして、県民にその情報を提供されているというようなことでございます。
 右下の?の「母子保健データ提供システム」の具体的な中身が、その下に書いています1歳6か月健康診査でいきますと、こういった健診項目とか、アンケート項目とかが、すべて最低限統一されておりまして、それらの情報を市町村に還元しておられるというようなことで、島根県では、県内で統一した健診項目を使用されていると。現在、この中身がちょっと古くなってきているということで、今後、見直しをしていこうということで取り組んでおられるというように聞いております。
 次のページ、9ページが事例2で、「尼崎市における生活習慣病対策」の評価の実践でございます。特定健康診査等の実施計画を立てておられるところでございます。健診結果とレセプトのデータを突合させて評価を行っておられまして、高額な医療費を示している例えば糖尿病の人工透析等に焦点を当てまして対策を講じることによって医療費の削減を行っておられるということでございます。様々な健診結果を分析されまして、特に緊急性、それから、優先性を勘案した上で、対象者を抽出されまして、保健指導を実施するというようなことを行っておられます。11ページをごらんいただきたいと思います。高血圧の方、あるいは高血糖の方々、特に重度の高血圧の方々、あるいはHbA1c8%以上の方々を対象にされまして、19年、20年度と、そこに優先的にポイントを当てて保健指導をされた結果、心筋梗塞で入院された方、あるいは脳血管疾患で入院された方々の数が減ってきておりますし、入院医療費の削減が達成できたというようなことでございます。
 13ページ、最後のページをごらんいただきたいのです。「国保、国保外の透析導入推移」を見ていただきたいのですが、赤が国保の人工透析をお受けになった方です。白は国保以外というようなことで、人工透析の方々が保健指導を行うことによって減ってきているという、そういったデータで評価をされているということでございます。
 次に、資料4をごらんいただきたいと思います。これは「地域保健関連の政策評価・事業評価における今後のあり方」ということでございまして、こういった提案を考えております。「標準化されたデータによる評価と情報の開示」でございますが、基本的な考え方としては、一定標準化されたデータによる評価を実施した上で、その情報を国民に開示していく必要があるのではないかという提案でございます。
 まず、市町村及び都道府県におかれましては、国による全国的な規模の評価を踏まえまして、自ら、政策とか事業を評価して、全国、県内、市町村を比較して、公衆衛生水準の確認を行い、地域保健対策を推進することが必要であると。また、国民の方々は、居住する地域の公衆衛生状況の十分な把握とか、理解によりまして、行政に対して適切な働きかけを行う必要があります。下記の図にお示ししたように、対人・対物保健サービスが提供された結果を、市町村、都道府県、国が、それぞれモニタリングしたり、フィードバックをしながら評価をし、その結果を地域住民に積極的に情報提供していく必要があると考えております。これらを実現するための方策として、右の上のところをごらんいただきたいのです。【実現のための方策】では、標準化されたデータを用いまして、標準化された評価指標、それから、地域保健活動の現状について、全国と比較、検討できるようにその方法を確立することが必要であることと。また、評価情報を還元するための仕組みを再構築する必要があるのではないかという、そういった御提案でございます。
 次に資料5をごらんいただきたいと思います。「市町村における地域保健計画等の位置づけと取組について」でございまして。前回の検討会でもお示しをいたしましたが、地域保健に係る法的に位置づけれた市町村の主な計画がかなり多くありまして、私たち調べただけでも1〜10までの例えば健康増進計画、障害者計画が義務づけられたり、あるいは任意的に策定することになっておりまして、10計画あります。市町村におかれましては、これらの10の計画をそれぞれに、人口動態をはじめとする政府統計とか、あるいは健診等をはじめといたしまして、事業実績とか、実態調査などをそれぞれ行って、評価しながら、それぞれの計画を立案し、実施されているというのが今のほとんどの市町村の実態ではないかと思っております。
 ですけれども、このようなやり方があるのですけれども、2ページでございます。今日御紹介いたしますのは、福井県坂井市福祉保健総合計画でございます。坂井市は、福祉保健を総合的に、あるいは計画的に進めていくために複数の計画を総合計画の各論として位置づけられまして、統一した共通した基本理念に基づいて、3ページをごらんいただきたいのですけれども、推進する上での5つの計画の共通視点を6つに定められまして、地域福祉計画、高齢者福祉計画、障害者計画、健康増進計画、それから、母子保健計画に反映させて策定をされています。総合的視点で様々なデータをどう評価し、共通した施策につなげて効率的に運用しているというような点が先進的であると考えて、情報提供をさせていただいたところでございます。
 私からは、以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 今回は、曽根構成員からこれらについて補足資料が提出されておりますので、曽根構成員から説明していただけますでしょうか。
○曽根構成員 私の方からは、資料1、資料2、資料3と3枚政策評価について提出させていただきましたので、簡単に御説明させていただきます。
○林座長 提出資料1ですね。
○曽根構成員 はい、そうです。提出資料1、提出資料2、提出資料3でございます。
 まずは、諸外国の政策評価についてですけれども、米国においては、連邦政府の政策評価、先ほども若干御説明がございましたけれども、1993年にGovernment Performance and Results Act(GPRA)が成立いたしまして、これはすべての政府機関(省庁、研究所等)に適用される法律でございます。これは向こう3−5年間の達成目標を含む戦略計画を策定いたしまして、それに基づいて年次業績目標を設定し、それを評価していくというものでございます。直結ではございませんが、業績に基づいてある程度の予算の増減がなされるというものでごす。
 これは国レベルのものですけれども、地方レベルにいきますと、2ページ目以降に書きました米国の公衆衛生実績基準プログラムが、CDCが主体となって、州の保健部局連合会とか、市郡の保健部局連合会等が協力して開発したシステムがございます。これは公衆衛生をシステムとしてとらえて、そのレベルを判断するというものでございます。ここで言うシステムは、ただ単に行政の衛生部門だけを指すのではなく、それに関連する様々な公的機関とか、医療機関、あるいは教育機関、NGO等を含むものです。いわゆる地域保健システムと言っていいかと思います。
 3ページにありますけれども、今まで出ている3つのプログラムがございまして、州レベルのもの、向こうの行政単位でございます郡(カウンティ)、カウンティ、あるいは市のレベルのもの、それから、郡市の管理機関レベルと、3つのものがございます。これらの?〜?について、10項目の基本公衆衛生サービスを設定して、それらに基づいてそれぞれに評価基準が設定されている。さらに、それぞれの評価基準に基づいて数項目の判断基準があって、ここに書いてあります、それらを全くやってないであるとか、あるいは、最低限やってあるとか、あるいは、中程度やっている、あるいは顕著にやっている、あるいは最大限にやっているという5段階で評価しております。これらは数値目標ではなくて、どちらかというと「○○できる」とか、あるいは「○○している」とか、そういう表現で表されるものでございます。これらは行政の中だけで評価するのではありませんで、例えば?の州レベルの評価につきましては、例えば、州の政府機関は勿論のこと、病院であったり、保険者であったり、市民団体であったり、あるいは、大学等の高等教育機関とか、いろいろな団体の担当者が合議で判断していくというふうな形をとっております。
 その評価項目の一部を4ページに挙げました。一部英語で大変恐縮ですけれども、例えば「地域の健康問題を明らかにするために健康状態をモニタリングする」という評価項目がございますと、その下にいろいろな細かい評価指標等があるという形でございます。これは一覧表にしたものですので、?の「州のシステム評価」のもの、それから「郡市のシステム評価」のもの、「郡市の管理機関評価」のものが連動している様子が御理解いただけるかなと思います。こういうものをCDC等が提示して、それらに基づいて、州であったり、郡市が自分たちの公衆衛生システムの状態を評価していくという形になっております。2007年の時点で、?については22州が取り入れてやっています。?については、州によって差がありますけれども、比較的多くの郡市で全国的に取り入れられているという報告がございます。
 次に5ページでございます。ここからは、それぞれの州ごとの行政評価の例で、有名なものを2つほど挙げさせていただきました。1つは「ミネソタマイルストーン」という名前で、これはミネソタ州の行政評価でございます。これは1991年に開始されまして、州民に、州の将来像を尋ねて素案を作成して、いろいろなところからコメントをもらい、そして、それを整理しまして、4カテゴリー、19目標、70指標を用いた評価システムをつくったものです。これらについて、住民、コミュニティ、行政が目標達成への道筋をたどっていくことができます。
 6ページに健康に関する指標の例を幾つか挙げました。例えば子どもに関することですと、低出生体重児の割合とか、あるいは予防接種、あるいは発育ということが挙げられておりますし、健康に関することで言うと、健康保険の加入率とか、乳児死亡率等が挙げられております。
 7〜8ページは、これは同じようなものですが、「オレゴンシャインズ」という形で、オレゴン州が実施しております同じような概念に基づきました評価のシステムについて示しております。基本的には同じですので、ここでは詳しい説明は割愛させていただきます。
 9〜10ページには、英国の国レベルの評価システムを掲げさせていただきました。特に10ページでございますが、英国ではPSA(公共サービス合意)というシステムに基づいて行政の業績管理が行われておりまして、これはもともと各省庁が今後3年間で達成すべきアウトカム目標を財務省との協議で決定して、それをブレークダウンしていって、目的→目標→業績目標→指標という構造でやって、それがどれだけ達成されたかということを評価していくものでございます。何回か大きな改訂が行われまして、直近の2007年の改訂では、30項目、153指標ということで設定されています。また、もう一つ、2007年の時点で、それまで省庁完結型ということで、各省庁が独立してつくっていたのですけれども、そうすると、縦割りということで、省庁間の協力態勢がなかなかできにくいということで、省庁横断型のPSAを30項目設定するという形で行われるようになったと聞いております。これらの結果について、財務省の組織がモニタリング評価いたしまして、首相や財務相に直接報告をして、ものによってはいろいろなところに反映させていくというシステムをとっているということです。以上、アメリカの状況、英国の状況等を報告させていただきました。
 次に、提出資料2でございますが、近年、「健康影響評価(Health Impact Assessment:HIA)がかなり行われていたり、あるいは日本でも導入の試みがあったりいたしますので、これも簡単に御報告させていただきます。
 1ページですけれども、もともとはこれはEUの方から出てきた発想でございまして、政策や事業が集団の健康にどういう影響を与えるかを予測・評価するためのプロセスあるいは方法でございます。1990年代からEUで発達いたしまして、基本的には、政策の事前評価に使用されるものでございます。対象となるのは、保健医療分野の健康関連要因だけでなく、保健医療分野以外の政策にも適用されるのが一つの特徴になっております。ある政策が実施されたときの人々の健康への影響をプラスとマイナスの両方から評価するというもので、最終的には、いろいろな意思決定者、首長さんであったり、議会であったり、いろいろな段階の意思決定に役立てていただくことを最終の目的としております。
 近年、ヨーロッパでは、ヘルス・プロモーションの考えを進めまして、すべてのポリシー、政策に健康の視点を入れていくという動きが進められておりまして、その事前評価として一つ大きな役割を果たしつつあるというところでございます。
 2ページには英国の例を挙げましたけれども、例えば「飲酒の害を低減する戦略」を国が立てたといたしますと、それを事前評価して、これで推し進めていったらどういうふうな効果があったり、あるいはどういうネガティブな不利益があるのかということをモデル化して、特に狭義の健康影響だけではなく、それ以外の社会的要因に対する影響も評価していくという枠組みになっております。
 また、詳しいやり方については、3ページに5つのステップということで載せさせていただきましたけれども、基本的には、事前評価という観点から、そこの下に書きましたPDCAサイクルのP(立案)からD(実施)に至るときの特にPのところに取り入れると、かなり役に立つのではないかと考えました。
 我が国におきましては、久留米大学の石竹先生の教室で「久留米市の中核市移行に伴う健康影響評価」ということでレポートが出ております。久留米市が中核市になったときに、それらの施策の変化が市民の健康にどういうふうに影響するのかということを評価した報告です。基本的には、保健所が新設される等で大きな意義があるが、一部注意しなければいけないところがあるというアセスメントの結果が出ています。このように我が国の都市計画等にも少しずつ取り入れられているという状況でございます。
 それから、提出資料3で、「政策評価の方法」について簡単にまとめていますので、御報告させていただきます。
 1ページ目です。具体的に、政策評価でどのような方法を使うのかというのは、これはいろいろな方法があるわけですけれども、例えばケーススタディ(事例検討)のこともありますし、あるいは、政策を導入した前と後で比較するというデザインもあります。あるいは、もう少し実験的なデザインの準実験デザイン、あるいは、完全にランダムにその施策を割り当てまして、エクスポージャー群(ばく露群)とコントロール群で比較するというような方法もございます。それから、質的な評価、例えば関係者へのインタビューとか、あるいはフォーカスグループディスカッション等の結果を用いて質的な評価をする場合もございます。費用効果分析等で経済的評価に置き換えて評価する方法もございます。質的な方法、量的な方法の分け方では1.と5.が質的な方法で、2.3.4.6.が量的な方法ですけれども、これらは事業内容とか規模によって使い分けていくことが必要で、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、評価方法の適用もある程度標準化していくと使いやすくなるのではないかなと考えます。
 また、政策評価の流れとしては、2ページに書きましたけれども、政策目的がありまして、それから、資源をそれにどれだけ投入するか(インプット)。それから、それによってどういうふうな活動(プロセス)が行われて、それから、それがどのような財やサービスを生み出すかというアウトプット。その財・サービスが市民や国民の健康にどういう効果や目的をもたらすのかというアウトカムというふうな、大体分類すると、こういうふうなプロセスを経ていまして、それぞれが評価の対象となるわけでございます。、私、いろいろなところで評価の話をさせていただいたり、あるいはそういう計画検討の場におりますと、ともすると、インプットとか、プロセスとか、アウトプットとか、アウトカムの評価指標などがごちゃごちゃになっておりまして、結局、何を評価しているのかよくわからなくなってしまっていることがございます。それぞれを混同しないことが、適切な評価のためには重要かなと思いましたので、ここに表を入れさせていただきました。
 続きまして、3ページです。もう一つ問題になるのは、政策評価はだれがするのかという主体の問題でございます。大きく分けて、内部か外部か、その中の中間かに分けられると思います。内部評価は、施策等を担当する行政機関によって行われるものでございまして、当然、施策は熟知していますけれども、客観性という意味では若干問題があると考えられます。外部評価は、当該行政機関による、例えば第三者機関であったり、会計検査院であったり、市民団体によるものです。これは客観性は高いかもしれませんけれども、施策の理解自体が不足しがちで、多少問題がある場合があります。2番については、その中間的な省庁横断的なものとありますので、評価をする場合には、その主体がだれであるかというのは、これは目的にも通じるものでございますけれども、考えなければいけないということです。
 それらをまとめて考えますと、4ページ目ですが、地域保健活動の評価を考える場合には、だれが、つまり国なのか、都道府県なのか、保健所なのか、市町村なのか。それが何の目的で、そして、だれに対して、何について、どのような手法を用いて、どのような仕組み・枠組みで行うのか。そして、その結果をどうまとめて、どう生かすのかという一連の評価の流れをきちんと定めないといけないと考えまして、提示させていただきました。
 以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 いろいろたくさんの資料を用いて御説明があったかと思いますが、先進国の状況から、そして、国内の現在の評価に関する実態についての説明かと思います。たしか、アメリカでもジョンソン大統領のときから行政評価が始まりまして、1960年代のベトナム戦争直後のアメリカの貧困率が非常に増えた時期ですね。そのときに、行政がお金を投入するからには、フォーカスがきちんと当てられて、そして、それがどういう効果が上げられているのかをきちんとやりましょうということから始まったかと思いますけれども、日本もその後行政評価がたしか自治体の幾つかから始まったと記憶しておりますが、日本はどちらかというとまだスタンダーライズされてなくて、自治体もそうだったのですけれども、どうも、私の印象では先に結論があってから評価するというような面もなくはなかった。そういう形式だけをまねて評価をするという行き方が果たして健全なのかどうか。先にサイエンティフィックなエビデンスを出して、それから、考えていくのが全うではないかなと私も思うのですけれども、さて、このことに関して、今後、どのように考えていけばいいか、構成員の皆さんから御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岡構成員 意見というよりもちょっと教えていただきたいのですが、行政評価は必要だと思いますし、指標も評価するためには必要だとは思うのですけれども、例えば「健康日本21」でもかなり指標が出ていましたけれども、そういうものに対する評価をされて、その反省点といったようなものが何か出ていて、次に結びつけるものが何かあれば教えていただきたいというのが1つです。
○木村大臣官房参事官 今、「健康日本21」の話が出ましたけれども、私ども厚生労働省のいろいろなセクションでその現場を抱えているところで、今このような申した日本型の評価のやり方でやってございます。そこで、「健康日本21」も、また、検討会を立ち上げて、最終的な評価に入っていくという状況になってございますけれども、今回、ここの検討会では、個々の評価をどうすべきかというよりも、むしろ、全体的に動いていくインフラとして、地域保健を推進していくためのインフラとして、この評価をどういうふうに扱い、また、その評価の結果を用いて進めていったらいいのかというどちらかというとインフラの方に焦点を当てた御議論を賜れば有り難いなと思ってございます。
 私の方からは、以上でございます。
○林座長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
○羽佐田構成員 小山町の例ですけれども、先程、勝又室長からお話がありました尼崎市さんの生活習慣病対策の資料の中で、レセプト分析やターゲットを絞った戦略につきましては、本町でも医療や介護給付費の適正化という形で10年ぐらい前から取り組んでいます。一つひとつの施策ではなくて、保健事業全体という形で保健センターがどう機能していくのかということを悩みながらやっております。資料4にありました標準化されたデータと情報の開示という御説明がありましたが、市町村にとってみますと、住民の医療費データにつきましては、毎月、各都道府県にある国保連合会で整理されております。これら過去10年間の医療費分析をして、保健師等が行っている保健事業がどこに効いていて効果があるのかということ確認してまいりました。その結果、10年たってみて、老人医療費の入院費用の抑制効果や、高血圧がどう変化してきたか、透析患者の数がどう動いたかというデータを、保健師が把握しながら保健事業を転換してきました。資料4にある標準化されたデータによる評価と情報の開示を国としてやっていただければ、各市町村現場の保健師は非常に助かると思います。かかった医療費で保健事業を評価するわけではありませんが、保健事業の対象者であるターゲットが非常に絞りやすくなると思いました。私どもは小さな町で、このデータを解析するのに非常に手間がかかっておりまして、国として何とかシステム化していただければ各市町村では有効利用できると思います。
○廣田構成員 さっきの説明の中で、今、統計で出てきているものだけで把握できないものがあることは、それは改めて調査しなければいけないことはわかるのです。それと、全国的な調査で、市町村別のデータがわからないというか、示されないことについて、何かどこか工夫することで還元できるということはあるのでしょうか。ここの例としては、国民生活基礎調査で、市町村別の受診率が算出できないというのがあるのですけれども、それはちょっとした工夫でお示しいただくことはできないものなのでしょうか。
 それから、国民健康栄養調査などもそうですね。大まかな都道府県別のデータで示されているものと、中には、都道府県別のデータさえもないものがあるので、そういうところを自分のところがどうなのかということを全国データと比較するために、もう少し工夫して算出していただけたら、自分のところが評価できるのではないかなと思うのですけれども。
○林座長 ですから、国民生活基礎調査は、国勢調査区と同じようなサンプリングをしていたのでしたか。そういうような記憶も。健康栄養調査もそうでしたよね。大井田先生、そこら辺どうなっていましたか。御記憶ございませんか。
○事務局 国民健康栄養調査につきましては、生活基礎調査の方から単位区を決めまして、全国300単位区から抽出という形になっています。御指摘のように、サンプル数が限られているもので、都道府県別のデータをお出しできるもの、できないものがございまして、その点については、例えば今年度から、項目によっては5年間プールすることによって都道府県ごとのデータをお出しするような工夫を今図っているところでございます。
○林座長 なるほど。サンプル数とか、サンプリングの仕方がいろいろな調査によって異なるものだから、表現が小さい単位でできるものと、必ずしもそうはいかないものとがあって。
○廣田構成員 いろいろなデータについてそうなのですけれども、サンプル数が少ないと、例えば乳児死亡だとか、妊産婦死亡のように、非常に数の少ないものを小さい単位で論じても仕方がないというものも勿論あると思うのですけれども、せめて都道府県別のデータのようなものがわかれば、今度、計画を立てるときに立てやすいと思うのです。
○林座長 はい、そうですね。基幹調査の場合、以前の指定統計はかなりできるかと思うのですけれども、以前の承認統計ですと、ちょっと苦しいかなという気がします。そうすると、保健所単位で集計してもらったものを上げていただくというような感じになるものもあるのかなという気がしますけれども、大場さん、保健センターの立場から何か御意見はございませんか。
○岡構成員 では、県の立場から。県としてのデータがなかなか拾えないものがありまして。今、廣田構成員が言われましたように、是非、指標として県のものがとれるようなシステムがあると非常に有り難いというのは、計画をつくっていていつも思います。
 それと、ちょっと話が違うのかもしれませんが、例えば、すぐ効果が出るかどうかという指標が出しにくいときに、県の指標として意識調査のようなものもよく指標に挙がってくるのですけれども、そういうものはこういうもののシステム化にはなじまないものなのでしょうか。
○林座長 意識調査ですか。例えば健康度の意識調査。
○岡構成員 はい、そうです。ちょっと聞き方が変わってしまうと、指標として全然使えなくなってしまいますもので、そういうものも何か統一してあると、県としてはよく使うのですけれども。
○林座長 意識調査、例えば健康の主観的な評価みたいなものですか。
○岡構成員 はい、そうです。
○林座長 どうですか。大学の先生の立場から。
 先生、例えばたばこの調査をされているときに、主観的な項目がありますね。
○大井田構成員 自治体がそういう主観的調査をよくやりますけれども、こんなことを言っては失礼なのかもしれないけど、まず回収率がよくない。30〜40%ぐらいが多いですよね。それから、2つ目は、いいのかなというのはよく考えますね。
 それから、さっきの厚生労働省の調査ですけれども、これは疫学会がアンケート調査をとって、疫学会員で、非常に日本の統計はすばらしいけれども、なかなか出してもらえないという、こういう調査をまとめて統計情報部の部長さんにたしか出したような気がいたしましたね。もう少し使いやすいといいなと、いつも思っております。1個申請してから下りるのに1年以上、2年ぐらいかかるときもあるわけで、そのときはもう価値がなくなってしまうことがよくあるので。
○林座長 多分、今の御発言は研究者からの立場ということかと思いますが。
○大井田構成員 研究者でも、地域保健とはイコールではないかなと思っておりました。
○林座長 若干違うのではないでしょうかね。そのことは大事なんですけどね。
○外山健康局長 恐らく僕が一番知識がないので。私が思っている改革の出口は、資料3に今国がとっている統計等がありますけれども、こういった統計法に基づく統計の中で、今の地域保健の評価に照らすと、少し古いものもあったり、使えないものもあったりするので、まず、そこのところは、さっきインフラとしてどういうふうに使うかという視点から、積極的に我が方からも見直しを提言したらどうかと思っているのが1つです。それがさっき行った抽出率によってどのレベルで評価できるか決まってくるので、そうすると、評価を還元することを意識した母集団とか、そういうことも考えて、今後、こういう統計法に基づく統計をもう少し提言していく必要があるのだろうと。ただ、今、議論になっております統計法の枠で、その改革の中からはみ出る部分がありますね。そういった部分について、今、厚生科学研究という手段でやっておりますけれども、あるいは「健康日本21」でもそれなりに評価しているのですが、そういった分野について、それは全部統計法の中に収まればいいのですけれども、収まらないような分野についても、何らかのシステム的な評価方法によってそれを行政の一つの手段として取り入れて、それが一つ地域保健の改革のインフラになるようにするためには、どういった仕組みでそういったものを育てていったらいいのかというのが我々の希望でございます。
○大場構成員 そういう意味で発言させていただきたいのですけれども、今日お示しいただいた資料の中で、島根県の保健統計の資料に非常に関心を持ちました。この中で、特に母子保健データ提供システムというところを、これをもし全国的な規模でデータ化されると非常にすばらしいと思いました。
 なぜかといいますと、今、子育て支援もそうですし、あとは児童虐待、非常に社会的な大きな問題になっている、次の世代を担う子どもたちをしっかり育てなければというところの視点が1つと。それと、軽度発達障害、アスペルガーとか、注意欠陥・多動性障害とか、そういったお子さんが非常に増えている。「どうして増えているのですかね」といろいろな方に聞かれるのですけれども、「よくわかりません」というのが今の日本の現状なのかなと思います。ですから、そういった意味でもこういった研究をもう少し進める必要があるのではないかなという視点から考えますと、この母子保健データは、これを全国的にとっていくのは、これからの日本の社会にとっては非常に大きな意味があるのではないかなと思いますので、是非、お願いしたいと思います。
 それと、もう一つ、若い世代の家族はいろいろな都市を移動します。ですから、そういう意味でA市からB市に移ったときに、この共通のシステムがありますと、共通の視点で申し送りができることもメリットかなと思います。
 それと、もう一つは、乳幼児健診は、市町村が自前で行っているところと医療機関等に委託しているところと様々です。そこら辺の統一感をある程度基本的なところを持たせるという意味でも、この母子保健データシステムは、もしできたら、非常に私は期待したいなと思います。
 以上です。
○林座長 ありがとうございます。
○秦構成員 私たち食生活改善推進協議会では、「健康日本21」など、そして、地域のいろいろなイベントを通して現場で皆さんにまず参加して、見て、そして、それを実験して、どう効果をあらわすかというのを大切に思っております。そこで、例えば350gのお野菜をどれだけ食べたらいいかというのを展示場に来ていただいた方に、持っていただいて、自覚して頂いております。そして、必ず後で意識調査をちゃんとやります。そして、みそ汁についても、実際、減塩テープを使って、我が家のおみそ汁とこの標準のおみそ汁の味を舌で味わって頂いて、我が家と比較をして効果を少しずつ上げております。
○林座長 現場の指標は非常に大事だという御発言かと思います。
○松崎構成員 市川市では、問題になっているのは、事業評価・政策評価になってきますと、コスト的な面の評価から入ってきます。私が一番困ったのは健康増進法で、健康教育とか健康相談をどのように評価していったらいいのかということで、この事業は市民にどれだけの健康度が上がったかとか、還元されていくのかといったところを示すだけの私たちのデータがなくて、非常に困ったことが。要するに、事業をスリム化していくという方向なので、この事業をしていく必要があるのかという視点だったのですね。ですから、法律で定められたものだから、これはそんなふうには評価されないだろうと思っていたところ、そのような形で示されて、どうしていったらいいのかなというのを課の中で非常に検討をしたことがあります。
 あと、もう一点ですが、母子の保健については、横浜とは同じような自治体だと思いますけれども、発達障害の発見率とか、産後うつの発見率ということで、私たちが平成20年から、虐待・死亡事例があったこともありましたので、生後2か月までの全戸訪問を、エジンバラの産後うつのシートを使ってやったのですけれども、今も実践していて、それを比較するデータがなかなか少ない。それをいいとか悪いとか改善する点も、自分たちではなかなか評価できないというところが、今やっていて難しいところで、そういった全国的な比較ができるといいなというのを非常に考えています。以前と違って、1歳6か月、3歳児健診の見方が変わってきていますので、発達障害的なところに非常にポイントが当てられているなというところのその比較するものが今のところちょっとなくて、非常に困っているかなというところはあります。
○林座長 発達障害といえば、赤ちゃんの一番基本的な首が座るとか座らないとか、出生低体重児が非常に増加してきているわけだけれども、それの全国データはたしか存在しないですね。今、特殊学級とか、そういう障害児施設にみんな入ってしまって、小児科の先生もそういう子どもたちを診るチャンスも余りなくて、どちらかいうとリハビリの世界なものですから、そういう状況にあるのも全国比較は、そういう観点からするとなかなか難しいのかな。
○大井田構成員 今日の資料を見てすばらしいと思います。島根県のこれは、私自身も県庁に勤めているときに、何でこれをしなかったのかという思いがあります。見れば当たり前のことかもしれないけれども、島根県はよく気がついたと思います。何でしなかったのかという反省を込めて、これを大いにやっていただければと。まさに地域保健です。
○林座長 つまり、島根県では、島根県内のいろいろな地域のデータが比較可能なような、そのシステムをつくり上げたということですね。
○大井田構成員 そうですね。偉大なことだと思います。
○林座長 こういう指標は挙げれば数限りなくあるわけで、その中で何が本当に必要なのかというものを拾い出す作業も多分必要かなという気がするわけですね。全国で標準化すると考えた場合、すべて入れるというわけにもいきませんから、どこかの段階で、共通指標みたいなものを考えて、それで、各地域でプラスアルファ、必要なものを考えていただくとか、そういうプロセスをたどる。
○廣田構成員 今、林先生がおっしゃったように、国のレベルできちんと標準化すべきものと、この島根県のように県レベルでシステムをつくっていくものとあると思うのですね。一番問題なのは、先ほども出ましたが、今は健診自体は医療機関に委託しているところが多くなっていますので、どこの医療機関であっても、ある程度同じような基準でやられてないと、混乱が起きてしまうと思うのですね。だから、そういうところを押さえるところは国が示して、あと、県の中でどうなのかということを島根県のような形でやっていったらいいのではないかと思うのです。それと、それぞれの市町村でそのデータを活用していくためには、保健所単位ぐらいでそれを一緒に評価していくことが必要ではないかと思うのです。
○林座長 そうですね。
 先ほど、ほかのいろいろな指標で問題があるのですけれども、がん検診も、実は私ちょっと気になっておりまして、今、実態が私にもよくわかってないのですが、たしか以前では、がん検診で要精検の率までは出るのですけれども、あるいは、ここに書いてあるように、がんの疑いという率は出るのですけれども、その中で結局は何人ががんと診断できたのか。がんの発見率みたいな数字は、今把握は可能なんですか。さらに、そのがんは治療されたのかどうかという話になったときにいかがですか。
○廣田構成員 多分、発見されたがんの数は報告があります。ただ、そのがんが何期だったのかとか、それから、どういう治療をしたかというのは、病院の方の先生方の報告がないと把握できないのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○岡構成員 がんのデータについては、検診を含め、医療機関を受診され診断された方については、どういった理由で精密検査に行って、その方がどんな「がん」だったかというのががん登録の方で挙がってきますので、ある程度きちんとした数は、把握できる。検診については、市長でのデータからは発見率はわかりますが、ただ、検診を受けられた方が、全体では非常に低いものですから、そこが一番問題になってくるだろうと思います。
○林座長 がん検診の種類、例えば市町村でやっているのと職場検診で人がダブっていることがありますね。そうすると、母集団が何人いるかというのが把握しにくいと、率の計算もなかなかきちんと出てこない。
○岡構成員 だから、むしろ、がんの発生の状況を知ろうと思ったら、がん登録をきちんとやって、その中で県内のがんの発生状況を把握していく方が手っとり早いのかなというふうには理解しております。
○林座長 そのような、いろいろな例が今出てきたわけですけれども、割と簡単につかまる指標と、なかなか統一的な指標として打ち立てるには、いろいろな困難をまだ乗り越えなければならないというふうなものもあるような気がします。
○堀江生活衛生課長 失礼申し上げます。生活衛生課長でありまして、どちらかといいますと、理美容、クリーニング、あるいは主に食品安全部の担当になりますけれども、食中毒とか、そちらの方に関係する、今回、対物のワーキンググループをつくったところです。実は、この評価のところで、先ほど、曽根構成員の政策評価の流れで、インプット、投入だとか、活動だとか、あるいは、アウトカム、アウトプット、その辺が混同してしまうというような対人保健、生活習慣病予防があって、対物保健は、これを日々悩んでございます。というのは、高齢社会の中で、糖尿病の患者さんがどのように抑制できるかとか、そういう話とちょっと違いまして、レジオネラ菌とか、食中毒とか、ある意味ゼロで当たり前みたいなところがあるわけでございまして。10万円投入したら効果が出るとか、100万円で十分かどうかとか、そういう話はなかなか一概には言いづらくて、そこら辺を介入とその成果の因果関係をどういうふうにつかんでいくかというところを非常に悩んでおります。今回、対物ワーキンググループには、環境衛生監視員の方とかいろいろ入っていただこうと考えているわけでございますけれども、立入検査票などを見ながら、年に何回公衆浴場には立入をするのかみたいなことと、いかにレジオネラ菌の事故件数との因果関係が出てくるかどうかというようなことを見ているわけでございますが、あくまで投入計画のようなものを見ながら、それでもって議論していくのがどれだけ正しいか。特に曽根構成員の資料を見させていただきながら、やることは立入回数と事故との関係で、立入が多ければ事故は抑制されるのか、あるいは事故が出てきてしまっているので立入が増えてしまっているのかというようなことを分析をしながら、対物ワーキンググループで少し資料を集め、また、議論をして、本検討会にまた御相談申し上げようと考えてございますけれども、特に曽根先生とか、御示唆がございましたらば、少し教えていただければと思っています。
○林座長 多分、今おっしゃっていることは、アウトカム指標がずばり出てこないものについては、どういう指標をとればいいかという代替的指標がありますね。そこら辺のことに関連するように思いますが。
○曽根構成員 先ほど、両構成員がおっしゃったように、アウトカム指標で全部評価できれば、これにこしたことはないのですけれども、何か政策や施策をしたときに、それがダイレクトにアウトカム指標に結びつかなかったり、あるいは、期間が必要だったりということは当然あるので、そういうときには、インプットとか、あるいは、それがちゃんと行われたかどうかというプロセスのところとか、あとはアウトプットがどのくらいだとかというところも指標に含めないと、アウトカムだけをやってもなかなか難しいところがある。ただ、アウトプットをしたときに、アウトカムに結びつくんだというきちんとした理論的な裏付けがないと、アウトプットだけだと、それがどう役に立ったとかと言われたときに、理論的なものが示せない、あるいは科学的な筋道が示せないのは、それはそれで困るというふうなことだと思います。その辺をきちんと峻別したり、あるいはそれは母子保健であったり、いろいろなものの細かいところをきちんと見て、きちんと分類してやっていかないと、一概にこうだとか、どうだとかというふうには言えないですけれども、大まかなピクチャーとしてはそういうことになるかと思います。
○林座長 そうですね。先ほどの私が首が座らない話をちょっとさせていただきましたけど、首が座らないということがイコール例えば知的障害に結びつくかどうかという問題がありますね。でも、本当に知りたいのは、知的障害がどのぐらいあったか。だけど、その指標がとれないうちは、首が座らないのはどのぐらいあるかということを知ることによって、あとは論文等で首が座らない子どもは知的障害を何%引き起こすという理論的な根拠がはっきりしていれば、代替的な指標になり得ると、そういう発想ですよね。
 指標のことになりますと、多分、議論を一日やってもなかなか終わらないような深い問題があるかと思いますが、アメリカで私がたしかミネソタマイルストーンの指標の構成を見ていたときに、州でこの指標は大事だということを一応決めるのですけれども、それが指標によってはデータがとれないものがある。それが本当に必要であれば一応載せるのですが、データがとれないときには、インスツルメンタル指標とかいう名前がつけられており、今後調査する必要のある指標であるという位置づけで、さらに進めていくという、そういう方式をとって、スタート時点からすべての指標がきれいに集まるというわけでもない感じなんですけれども。
 先ほど、秦さん何か。
○秦構成員 ちょっと場違いかもわからないのですが。私は、この検診率にすごく協力して、皆さんに「受けなさい」ということで、検診率を上げることをやっておりました。その検診にひっかかって、急性胃がんで摘出したのですが、胃はありませんが。それから後、1週間とか1か月とか、自分で病院には行くのですが、お医者様の方からとか病院からは「あなたどうなったですか」とかいうのは一切私はありませんでしたので、とても不安だったのです。だから、ちょっと違うかもわかりませんが、そういうケアも、今後、摘出した者にとって1年2年生活していく中で、御指導があれば有り難いかなと、がん患者として思います。
○林座長 ありがとうございます。
 地域保健は、ノンコミュカブルディジーズだけではないわけですけれども、感染症との関連で、岡部先生、何か御注文なり、コメントなりございませんでしょうか。
○岡部構成員 感染症の方は割にうまく動いているところがありますが、統計上のネックであったり、情報としても、感染症をやる側としては、いっぱい情報が欲しいのですけれどもしかし、それは実際にはいろいろなハードルが高くて、肝心情報がとれないということが少なからずあります。例えばある病気の予防接種歴はどうなっているのでしょうかとか、それから、その人の予後はどうなっているかというのは実はわからないわけですね。
○林座長 そうですね。
○岡部構成員 それから、今は改善されていますけれども、例えば、今回、新型インフルエンザが発生して初めてインフルエンザでの重症者数、死亡者数がわかるようになったのですけれども、しかし、それはふだんのインフルエンザでは実はわからない。これは地域保健というよりは、むしろ感染症法であったり、そちらの方の仕組みだと思いますけれども、それを運用したりするときに保健所であり、あるいは衛生研究所の力が必要なんですけれども、そこは法律を盾にといいますか、決まり上とれないという返事がバシッと出てくるので、なかなか思うように有効な情報にならないといったようなことはよくあります。
○林座長 例えば昨年の話で、学校の欠席率でかわりに見ていこうというようなやり方がありましたね。学校は勿論モニタリングしているのですけれども、感染症サイドで、それは今どういう動きになっておりますか。
○岡部構成員 基本的には、通常の場合は、学校保健安全法の疾患として教育委員会でとられていますけれども、一方では、学校での欠席数とか、欠席率とか、あるいはどういうような症状でお休みになっているかというようなことが、これはむしろ協力ベースといった形をいただいて把握できるようになってきています。それは厚生労働省児童家庭局の協力を得ながら、データとしてとりいれるようになってきています(学校症候群サーベイランス)。その結果は、例えばある地域で発疹性の疾患が出てきたのが早くキャッチできるとかですね。結局、それははしか(麻疹)であった、はしか(麻疹)でない、そういったようなこともとれます。おおもとの発想はバイオテロの早期検知とかそういうところに結びついているものです。
○林座長 ありがとうございます。
 そのほかにいろいろ御意見をいただいたわけですが。
○大場構成員 感染症の話が出ましたけれども、たしかはしか(麻疹)が発生すると、予防接種率はどうなのかというのは常に話題になります。そういった視点から考えると、予防接種のデータシステムみたいなものがあると非常に有り難いかなと。
○林座長 予防接種歴ですか。
○大場構成員 はい。思っているところです。
○岡部構成員 それはもう一つ別の方の仕組みだと思うのですけれども、各自治体では予防接種台帳が本当は置いてあるはずなのですね。しかし、それが実際に行われているところと行われてないところの格差があって、同じデータが一度に出てこないということが実際上は多く見られています。したがって、それの把握が遅いわけですね。
○林座長 なるほど。それは、また、別の意味で重要な問題かと思いますが、多分、いろいろなデータを都道府県に要求したときに、きれいにいつもそろって出てくるかどうかという話が、項目が多ければ多いほどそういう話になってくると思うのですけれども。そうすると、それを効率的に提供していただいて、国のどこかでまとめるという作業も、また、必要かなという気がしないわけでもないのですけれども。
○岡部構成員 感染症の場合で言えば、実際には、感染症の扱いは自治体の方に投げかけられているわけですね。例えば予防接種でも、決めるのは国だけれども、実施は自治体がやるということで、いろいろなフォーマットがばらばらになってきている可能性があると思うのです。この中にも1つ例がありましたけれども、乳幼児健診のときのとり方とかですね。
○林座長 そうですね。
○岡部構成員 感染症法でやっている分には、私たちの方は、一つの一定のフォーマットで届けてもらうことができるようになっているけれども、ほかのところはよくわかりませんけれども、そういうばらばらの部分が、1歳6か月健診のときのフォーマットに見られるようにばらついているのでわかりにくいのではないかと思うのですね。私はもともとが小児科なので、母子手帳を見る機会が多かったのですけれども、それはいろいろなところでばらばらのところで、一体何がどこに書いてあるのかなというようなところを見るようなので、それは結局なにか統計をとるときに非常に負担になってくるのではないか。ばらばらでやっているので自治体も大変だと思うのですけれども、そういうようなことを何らかの形で、そこは統一的にやっていくことがあるとやりやすいのではないかなと思います。
 ただ、一方では、そこの地域でのアイデアだったり、そこの地域独特のものがあると思うので、それはちゃんと組み入れるようにしておかないといけないと思います。
○林座長 ありがとうございます。
 小澤構成員、何かコメントございますか。
○小澤構成員 いや、特にございません。
○林座長 山本構成員、何かありますか。
○山本構成員 私のところは、国立衛生研究所の情報部門ですので、今の議論とはちょっと離れて、次の議題に関係することかもしれないのですけれども、情報をずっとやっていて、情報がないわけではなくて、いろいろなところにあるのに、それが有効に使われてないと感じています。
 それと、もう一つは、例えばいろいろな問題、冷凍餃子とかああいうような問題が起きたときに、私たちは食品安全面からいろいろ調べて関係しているところとやりとりすることが多いのですけれども、例えば私たちと保健所の間でのルートがないので、なかなかこちらがどういうところに情報提供すればいいかわからない。保健所の方と個別にやりとりしているときには、そちらからこういうのが欲しいということがあるのですけれども、全体のところにいかない。せっかくリソースがあり、一方でマンパワー不足があるからできるだけ効率的に活用しなければいけないときに、それを共有するようなシステム、例えば保健所と私たちの研究所などでなかなか直接のルートがない。そこはちょっとした工夫で、例えば間に、どういうところが適当かはわかりませんけれども、厚労省の担当する部とか、そういうようなところが1つ間に入るだけでずっと情報の共有とか流れがスムーズにいくのではないかなということはよく感じております。
○林座長 ありがとうございます。
 今日、いろいろたくさん意見を出していただきました。大変貴重な意見をありがとうございます。多分、こういった指標、統計を集めて、地域保健推進の一つの重要なメカニズムの中に埋め込んでいこうということに関しては皆さん賛成されているかと思いますが、問題になるのは、結局、これをどういう指標を中心に集めていって、どうやって集めていって、標準化する場合にはどういう手続を経て、そして、どこがそれをまとめて還元していく。あるいは、各都道府県の特徴も考慮に入れながら尊重していく。この仕組みを検討する必要があると、そういう意見だという気がするのですけれども、その話は、また、非常に具体的な検討は別途必要になろうかと思いますので、今日は一応総論的に、皆さんはそういう方向がよかろうということかと思いますので、そのように承りまして、このことについては、ここで議論を一応終了させていただきたいと思います。
 それでは、議題3に移りたいと思います。事務局より、資料の説明をお願いします。
○南地域保健専門官 それでは、資料6「諸外国及び我が国における各調査・研究機関」について説明させていただきたいと思います。
 資料6の1ページをごらんください。海外の各国において地域保健に関する調査研究機関がございます。アメリカにおきましては、保健社会福祉省所管の総合研究所でありますCDCや同省に属する機関であります1888年に設立された合衆国で最も古い医学研究の拠点機関でありますNIH、また、同様に保健福祉省に属する機関であります食品や医薬品、さらに、化粧品、医療機器、動物薬、玩具など、消費者が通常の生活を行うに当たって接する機会のある製品について、その許可や違反品の取締りなどを行っておりますFDAなどがございます。また、イギリスにおいても、一般や医療専門省から地方政府などへの情報提供をはじめ、感染症などの脅威から健康増進までの分野を所掌しております政府によって設立されましたHPAなどがあり、フランス、オーストラリア、韓国、カナダにおいても、記載されますような機関がございます。
 資料6の2ページ。「我が国における地域保健に関する主な調査・研究機関」をごらんください。国内に目を向けますと、各省において調査・研究する機関がございます。厚生労働省においては、国立の医薬品食品衛生研究所、保健医療科学院、社会保障・人口問題研究所、感染症研究所がございます。また、独立行政法人として、国立健康・栄養研究所をはじめとする記載されていますような機関がございます。
 文部科学省においては、独立行政法人として、防災科学技術研究所をはじめ大学や大学院などのあります国立大学法人もございます。また、農林水産省、経済産業省、環境省においても、記載されますような様々な調査・研究機関があり、国立である水俣病総合研究センター以外は、すべて独立行政法人となっております。
 めくっていただきまして、資料の3ページでございます。「我が国における地域保健に関する主な調査・研究機関?」をごらんください。地方に目を向けますと、各自治体において調査・研究する機関として、地方衛生研究所、環境衛生研究所がございます。資料の一番左の欄は地方衛生研究所の数を示し、一番右は環境衛生研究所の数を示してございます。各自治体において、地方衛生研究所、環境衛生研究所を別々に設置している場合や両者を一つの施設としている場合があることから、地方衛生研究所、環境衛生研究所の欄の記載については、別々に設置している場合はそれぞれの機関名を記載し、一つの施設としている場合は、中央に1つの機関名を記載してございます。表のように、地方衛生研究所は77か所、環境衛生研究所は66か所がございます。
 諸外国及び我が国における各調査・研究機関につきまして、説明は以上とさせていただきます。
○後藤室長補佐 続いて、資料7の「地域保健関連の諸外国及び我が国におけるデータベースの現状」でございます。こちらにつきましては、地域保健関連の調査・研究、いわば知の集積と申しますか、そういったことの世界最大のものが米国の国立図書館にございます。2000万件の文献情報とか、医療に関する情報の収集・発信の拠点となっております。皆さん御存知のとおりPubMed(パブメド)という文献情報の検索がありますけれども、こういったことの運用も生物工学情報センターで運用しております。御参考に、3ページに米国国立医学図書館のサイトをお示ししまして、我が国の方はどうかということで、国立保健医療科学院とか、国立感染症研究所、国立医薬品食品衛生研究所、ずらっと6個の主立った研究機関のデータベースの現状を一覧表にしております。この中で、保健医療科学院がサイトの方もよくできておりまして、独自の研究の公表とか、厚生労働科学研究データの結果の成果のデータベースとか、特定保健健診・保健指導データベースとリンクもしております。また、各々の機関において、それぞれ独自で年報とか、月例報告とか、そういった形で調査・研究の結果を公表しておりまして、また、独自の国内外の関連機関とのサイトともリンクしていることになっております。ただ、一方で、下の方に書いてありますけれども、そうやって独自の各サイトでは、研究結果も公表しておりますけれども、全体をレビューして、総括・統合といいますか、そういった形で調査・研究結果を行政施策に生かせる環境はどうなっているかといいますと、ここは、また、必ずしも十分に整っているとは言えないというのが我が国の現状でございます。
 続きまして、資料8です。「地域保健関連の体系的な評価がなされた「知の集積」について」ということで、米国では、どういう形で整っているかということで例を示させていただきます。体系的な評価が米国ではかなりされておりまして、一番なされているのが「米国CDCにおけるメタ・アナリシス等における評価を踏まえた「知の集積」」と題しておりますけれども、こういった形でよくまとまっていると言えるかと思います。がんとか、エイズとか、喫煙など、そういった様々なテーマ別に大量の研究論文、統計資料を専門家集団が系統的にまとめて、信頼できる事実を提示しております。御参考までに、CDCのがん予防に関するサイトが次のページに示しておりまして。
 1例ですが、その次のページに示しますとおり、「喫煙(たばこ使用)に関する米国公衆衛生総監報告書」をCDCを中心に米国の保健省が数年おきに作成しているところであります。ここでは、喫煙に関するその時点での科学的知見をテーマ別に系統的に集約して、そういった報告書を出しておりまして、米国のたばこ対策の推進に貢献したということで、国の行政施策にも有効にそういう調査・研究の結果を体系的にまとめながら活用しているというところが、米国ではきちんとされているといったところで例に示させていただきました。
 続きまして、資料9でございます。「地域保健関連の調査・研究における国と地方の連携及び役割分担について」ということで、もう一つ、我が国の調査・研究に関しての一つのテーマであります、国と地方が今後どのように調査・研究を進めていったらよいのかといったところで、国レベル、地方レベル、まず、ここで便宜上分けておりますが、国においては、諸外国、例えばWHOとか、米国のCDCとか、そういった関係機関との連携を通じて地域保健関連の知見を、国レベルの研究機関では集積する必要があるであろうと。そして、国ならではの大規模コホート調査・研究等信頼度の高い調査研究の推進をする必要がある。また、メタ分析も踏まえた体系的な地域保健関連の知の集積。先ほどアメリカの例を示しましたが、今後、我が国においても、こういったこともやっていく必要があるのではないかということで、ここで提案として示させていただきました。
 また、一方、地方自治体レベルの調査・研究機関においては、例えば地域特有の課題に対する調査・研究と書いておりますけれども、地域特有の疾患とか、地域の少子高齢化に起因するものとか、そういったことで地域特有の課題に対しての勿論その地域地域で研究していく必要もありますでしょうし、また、先ほど申しました国レベルで調査・研究することについて地方の情報も勿論重要でございますので、そういったことの調査・研究をしていくと。主に地方衛生研究所とか、そういった他の地域にある、先ほど資料6で説明しました地域にある研究機関との連携を通じまして、地方ならではの研究を進めていく必要があるといったところで、国レベル、地方レベル、それぞれの特色を生かしながら、今後、連携と役割分担を図る必要があるのではないかというのが、この資料の趣旨でございます。
 以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 そのほかに、曽根構成員から補足資料が出ているかと思いますが、御説明いただけますか。
○曽根構成員 提出資料の4でございます。「調査研究に関するデータ集積のあり方について」ということで、2ページのものでございます。
 今、後藤補佐からも話がありましたけれども、科学的知見を政策に生かすことが我が国にとっては重要なのではないかなと思います。恐らく、先ほども話に出ていましたように、いろいろなところにいろいろなデータがあったり、それぞれの課とか、疾病ごとのいろいろなデータはまとめられてはいるとは思うのですけれども、それらをきちんと集積して、分類したり、あるいは科学的な度合いによって信頼度をラベルづけするとか、そういう作業がまだ足りないのではないかと思っています。だから、あっても使えないという事態になっているのかなと思います。それぞれの関係者の役割としては、例えば国は科学的知見、これは内外の研究論文とか調査結果を集積して、系統的に分析して、先ほどの公衆衛生総監レポートのように報告書にまとめる。都道府県でも、上記に沿った形で域内の状況を系統的に調査も含めてまとめていくという作業が必要で、例えばアメリカなどでも、各州、カリフォルニア州とかいろいろな州で、全部のテーマではございませんけれども、例えば思春期の子どもたちの健康状態のようなテーマで、国の知見も含めて、その州の調査もわかりやすい形でまとめてレポートに出しています。それを議会等で役立ててもらうという取組がされているところでございます。
 そのようにまとめたものをただ棚にしまっておくというだけではなくて、その成果をいろいろな審議会とか議会等へ提出して、具体的な政策決定に生かす取組が不可欠ではないかと思いますし、そういう形でまとめられた知見は、国民や県民あるいはマスコミへの正確な科学的情報の提供という意味でも大変役に立つものではないかなと思います。特にマスコミの方々につきましては、必ずしも科学的な知見に基づいて報道がされない場合もままありますので、そういうときにきちんと提示できるものは私どもにとっても必要なのではないかなと思います。
 また、それらをまとめますと、2ページ目の下の図ですが、それぞれの研究機関とか地方の研究組織が行った調査・研究、そういうものをきちんとレビューして整理する。世界の状況もプラスしていって、それを系統的に保存して、使える形でストックして、それぞれ自治体あるいは国レベルでの政策に生かしていただく、そういうシステムづくりが重要なのではないかなと考えました。
 以上でございます。
○林座長 ありがとうございます。
 ただいまの説明について、何か御意見・御発言はございませんでしょうか。
○廣田構成員 国と地方の調査・研究機関の連携と役割分担ということが示されたのですが、保健所は調査・研究機関ではありませんが、現在の地域保健法の基本指針の中でも、調査・研究という事項がございまして。21年度の調査の中でも、大体7割ぐらいの保健所は主体的に行っていると答えていますし、市町村との共同研究もやっておりますので、やはり身近な調査・研究は、その市町村で保健計画などをつくっていくときに非常にインパクトがあるのですね。ということで、是非、ここのところに保健所とか市町村も忘れないようにしていただきたいなと思っております。
 以前、食生活改善推進員の方々と一緒に骨粗鬆症の検診を受けていただきまして、その調査の結果をまとめたのがすごく喜んでいただけたので、そういうこともできるかと思います。
○林座長 試験研究機関だけではなく、保健所あるいは各団体ということですね。
 そのほかに。
○小澤構成員 地方衛生研究所ですが、地方衛生研究所と言うと、業務は一応4本柱ということになっていて、調査・研究と、試験・検査と、それから、研修・指導ですね。4番目が、公衆衛生情報の収集・解析・提供と、その4番目に位置づけられている公衆衛生情報の収集・解析・提供というこの分野の業務に関しては、地方衛生研究所は地方ごとに非常に大きな差があります。やっているところとやっていないところが、地方衛生研究所によって極めて格差が大きいということが1つあるということですね。
 それから、もう一つは、資料6の一番最後のところで、地方衛生研究所と環境研究所をまとめてくださったのですが、ここにありますように、いわゆる衛生研究所と昔の公害研究所(現環境研究所)が合体している組織がかなり多い。実は、公害研究所から今は環境研究所になっているのですが、環境研究所は、現状を言いますと、今、地域における公害問題はほとんどなくて、例えば何県のどこどこにこういう公害問題があるのは実情としてはあんまりないので、環境研究所がどういう業務を地方で行うかに関しては、かなりいろいろまちまちになっているということがあります。ただ、地方自治体は、基本的に、衛生研究所と環境研究所に関して、首長とか、議会対策とか、そういったところのかなりポリティカルな要素で、どちらを重視するかということが温度差が非常に大きくて、実は環境をスローガンに掲げるとかなり票が取れるとか、そういったこともあって、環境に関してはどうしても外せないということがあるのですが、衛生研究所に関しては、例えばこの間の新型インフルエンザというような騒ぎがあれば非常に大きな問題にはなるのですが、ベースとして、本当に衛生研究所の例えば公衆衛生情報に関する業務、そういったものを担保できるだけの今、人と物とお金が十分に地方衛生研究所にいわば投入されてないという状況があるので、ここを何とかしないと、地方の公衆衛生情報の基本的な収集とか解析とか、そういう一番基盤になるところの機能が極めて脆弱であるし、危機的状況にもあるということ。そこは是非認識をしていただきたいなと思います。
○山本構成員 データの集積のあり方についてですが、いろいろなところのデータが必要なときに入手しやすい形になっているのが一番いいのではないかなと思っていまして、例えばデータがどこかに一緒に蓄積されているというよりは、どこに何があるかがわかっていれば、それでいいのではないか。例えば地方衛生研究所でも今既にホームページなどで、そこが出した紀要とかそういうようなものはわかるようになっている場合が非常に多いので、最近とても楽なのですけれども、それぞれどこに何があるかというインデックスみたいなものが整理されていれば、それが一番現実問題として使いやすいかなという気がしています。
○林座長 情報源情報ですね。
○山本構成員 そうですね。一つのところに何か新しいシステムをつくって、中身を入れるのはなかなか大変なので、それよりはそれぞれの機関が持っている情報に容易にアクセスできる、どこに何があるかが容易にわかる、情報を調査している私たちとしては、そういう形が一番利用しやすい形ではないかと思います。
 もう一点は、例えば前にナホトカ号重油流出事故があったときに、食品とか海の生物などがどういうふうに油の影響を受けるかというのを急に調べなければいけないことが出てきて、それをいろいろ公的文献データベースで調べても全然出てこなかったのですね。そのときに、行政報告ならあるかもしれないと思いまして、全国地衛研の協議会を通して地衛研の方たちに声をかけたら行政報告がいろいろ出てきて、その中にとても有用な情報が多かったという、そういうことがありました。今、例えば行政報告がどれだけ公開されているのかよくわかりませんけれども、そういうようなところに有用な情報が埋もれているというのを感じたことがあります。
○林座長 情報源情報が大事であるという発言かと思いますが、そのほか、いかがでしょう。
○外山健康局長 私が一番知識が少ないと思っているのですけれども、さっきと一緒で。地域保健に関する調査・研究は、こういう分野を充実しなければいけないという気持ちもありますけれども、私の感じでは、健康局は、例えば感染症のような問題については、研究と行政が結構近いというか、その知見をすぐ反映させなければいけない状況にあるのですけれども、いわゆるヘルスサービス全般が、行政と研究との距離が結構あって。ですから、もうちょっと自分の健康局長の立場でおりますと、先ほどの松崎さんですか、健康教育と健康相談が法的に位置づけられたとしても、なかなか力強く前へ進められずに、いろいろな合理化のカットの対象にすぐなってしまうというふうなことがないように、行政の施策と研究が距離がもっと近づいて、さっきの統計ではないですが、同様に、地域保健推進のインフラにもう少しなるような、そういった仕組みなり改革が必要ではないかと思っておりまして、これもまた野望なのですけれども。ですから、こういった知見と同時に、もしかしたら保健医療科学院とどういうふうに連携するかとか、具体的に、今ある研究成果ができるだけ早く力強く国民の皆さんに提供されたり、それに従事する方々の手助けになるように、今もなっているのかもしれないのですけれども、さらに、そういうふうに改善していけたらなと思っております。
○林座長 ありがとうございます。
○大井田構成員 全くそのとおりなのですけれども、私、厚生労働省からお金をいただいてたばこの調査をしておりまして。それをマスコミに出すのも仕事だと思ってやると、ネットで「こんな研究をするんだったら、もっとまともな研究をしろ」という国民から多くの声が寄せられて、国民にとって研究とは、山中教授みたいな、あれが研究だと思っているわけなんですね。だから、いわゆる英米流の調査、国民の意識調査にしても、こういう調査は研究じゃないというのが多いのかなという感じがします。去年の公衆衛生学会もそうですけれども、いかに調査をベースにして政策に結びつけるかを大事にしようということを訴えたのですけれども、まさに、曽根先生のこれと全く同じなんですけれども、外山局長の言ったことも全く同じですが、いかにこれを反映させていくかということは結構大変なことだなと思っております。頑張りましょうということなんですけれども。
○外山健康局長 私ども役所の責任としては、さっきの統計法の改革とか、具体的に根拠を設けることや、さらには、できるだけ高いところでの政策の意思決定を、例えば閣議とか、あるいは法律に根拠を置くとか、今、大井田構成員がおっしゃったような事柄が物すごく政府を挙げてそういうことを推しているんだというふうな形にできる限り、感想でなくて、制度として打ち立てることが我が方であったり、役所の方の責任だ思っていまして。この検討会では、そういったことに対する方向性をしていただければ有り難いと思っています。しかし、できるかどうかというのは、それはまたわからない話ですけれども、意識としては、百偏いいことを言ったってというか、形をつくらなければ、役所の立場としてはそれが宿題だと思っております。
○林座長 健康情報体系を目指すと、多分そういう意味かと思うのですけれども。
○小澤構成員 関連していることだと思うのですけれども、結局、例えば政策決定を地方でやる場合に、地方にはエビデンスを提示できるだけの研究能力が余りないことが多いのもありまして、地方で政策を決定する場合に、エビデンスを重視するといいますか、科学的根拠を何か求めるという姿勢が非常に薄いような感じがします。
 だから、是非、国の方で、地方で施策を打つ場合にも、エビデンスを重視すること、あるいはエビデンスを日ごろから収集しておくための努力を怠らないようにというような、そういう観点の姿勢、方向性を打ち出していただけると、地方でそういった研究とかデータの集積がやりやすい。例えば非常に極端な例を挙げますと、新型インフルエンザとか感染症に関して地方衛生研究所がいろいろやっていても、本庁の方は、衛生研究所は検査だけやっていればいいと、研究なんかはやらなくてもいい、検査だけやっていろというようなことを結構オープンに言うような、そういう地方自治体の例えば部長さんとかそういった方もおられると。極端な話、そういうこともあり得るということで、是非エビデンスの集積と、エビデンスを活用するといいますか、そういう方向性を強く打ち出していただけると有り難いと思います。
○林座長 多分、その進める間に、エビデンスを集めると同時に、行政当局とこういうことをやるとこういうメリットがあるんですよというアピールも同時にやりながら、同時並行しながら進めるという感じかと思うのですが。
○外山健康局長 鶏が先か卵が先かという話になりますけれども、例えば地衛研の話でも、形を求める姿から言うと、形を求める方法論から言うと、常に保健情報とか、もうなくなりましたが地域保健法とか、そういったところに地域が位置づけられてないのですね。保健所とか市町村は保健センターに位置づけられていますけれども。ですから、そういったことを知事会として、では、一方で必要なら高めていく、我が方は我が方でまた努力するというふうなことで、一つの例ですけれども、もっと実態的なことの改革は先なのかもしれませんけれども、個人的には形を求めていくことも重要だなとさっきから思っているわけです。
○小澤構成員 ありがとうございます。
○曽根構成員 情報を集積したり、あるいはインデックスを付けてということですが。研究者の立場から言うと、情報の確実性とか信頼性とか妥当性もきちんと担保するような何らかの分類作業を行い、分析もしておいた上で提示するという作業が必要ではないかと思います。
○林座長 加工。
○曽根構成員 はい、加工です。
○林座長 知的なものを集積していく。たしか「ヘルシー・ピープル2000」がアメリカから出たときに、あれは検診だとかああいう話から始まって、ちょうどEBMの流行りの流れに乗ってガイドラインを出していったと思うのですけれども、CDCの方は、パブリックヘルスのそういう保健活動については、RCT(ランダムライズ・コントロール・トライアル)できないものだから、どういう方法を持てば科学的な根拠が集積できるかというのを随分研究しておりましてね。10年前から、たしか「コミュニティ・ヘルス・ガイド」をつくって発表しているかと思うのですが、そういう作業は公衆衛生の分野では、我々の責任でもありますが、日本では全く手つけてないというような状況がありまして。それこそ、先ほど大井田先生がおっしゃったように、こんなのは学問かと言われることもあったりもするのですけれども、CDCのを見ますと、例えば検診率を上げるためにどういう手法があるのか。はがきで通知するのと、電話をかけるのと、家庭訪問して誘いかけるのと、一体どれが一番有効なのかという調査・研究すらあるわけですね。それなんだけど、例えばこういうふうにやるとお金がかかるよ、だけど、検診率は上がるよというエビデンスを出しているわけですね。(大井田)先生の先ほどの発言からすると、そんなのは研究かと言われかねないけれども、しかし、地域保健をやっていく上で、そういう情報はとても重要なような気がするのです。そこら辺は社会に対してもアピールしていく必要があるのかなという気がします。
 いずれにしても、情報を集めるにしても、多分、今日の議論から出たように、体系をつくるときに一体どういう要素を考慮しながらその体系をつくっていくのか。研究の分野もあるだろうし、あるいは現場の問題もあるだろうし。それから、国、試験研究機関、地方の研究機関、それから、保健所と出ましたけれども、あるいはそういった団体の情報をどうやって吸収していくか。また、そういう情報を集める、コーディネートする機関はどこにするのかとか、地方だったら、どこがその県なり、あるいは地域の窓口になり得るのか。そういうことも考えながら、多元的な要素を考えながらシステムをつくっていくという、そういう作業が必要かなという気がします。ちょっと大変な作業ではあるけれども、せっかく局長が非常に野心的にこれを進めるという話になっておりますので、多分、構成員の皆さん方もその意気を感じて頑張らなければならないという気になっているかと思うのですが、皆さん、日本国のために頑張っていくという、そういう精神で進めることになろうかと思います。
○岡部構成員 野望的な話ではないのですけれども、先ほど、感染症の情報の収集あるいは提供が割にできるようになったのは急性のものに対してなんですね。日本の仕組みは、行政に反映するのも、急性だから早くリスポンスしやすいというのでわかりやすいのだと思うのですけれども、慢性のものに対する調査及び情報収集は結構難点が多く、その結果としてそれこそ行政に反映しにくいと思うのですね。例えば感染症の分野でも、B型・C型肝炎とか、HIVエイズとか、あるいはBSEの問題とか、本当は慢性は急性と切り離した形(仕組み)でやらなくてはいけないと思うのですね。先ほどの例えば発達の問題とか、精神的な問題、それぞれの分野で研究であり、調査は行われているけれども、それを慢性疾患をとらえるところがなかなか中核としてあらわれてないような気がするのです。アメリカのCDCは感染症の方でもよく名前は出ていますけれども、あれはセンター・オブ・ディジーズ・コントロール・プリベンションなんですね。ディジーズの中には、急性と慢性が含まれている。その慢性疾患の部分をどうするかというのが、感染症も含めてですけれども、これまでとはことなった別の分野で確立していく必要があるだろうと思います。
○林座長 今の発言は大変重要なことかと思いますが、たしかエイズがわかったときには、エイズがいきなりわかったわけではなくて、何と言いましたか。
○岡部構成員 最初はだんだん人がやせて消耗し、皮膚に腫瘍や感染を起こしやすくなる病気と。
○林座長 慢性の何かの病気を追いかけていたら、それが最近増えているのはおかしい。
○林座長 というようなこともありますし。たしか、以前ちょっとお話ししたかもしれませんが、アメリカの70年代のインフルエンザの流行の後に、パーキンソンとか、ギランバレーが非常に増えたという話が出ているのですけれども、例えばそういうのが感染に関係あるのかないのかということに関しては、日本のシステムでは追いかけられないわけですね。だから、そういうようなことは非常に重要。急性と慢性はインターリンクしている面がありますので、今も子宮がんは感染の一種だということになっておりますし、胃がんだってピロリ菌の話になってきておりますから、昔の概念とは大分違っている。いずれにしても、そういうことを考慮すると大変な作業かと思います。
 時間も来ましたので、大変な有益なお話、御意見をいただいてありがとうございます。本日の検討会はこの辺で終了させていただきたいと思いますが、事務局から何か伝達すべきことがございますか。
○後藤室長補佐 次回の開催につきましては、皆様方のスケジュールと調整いたしまして、後日、御連絡させていただきたいと思います。
 事務局からは、以上です。
○林座長 ということでございます。
 どうも、本日、長い間、活発な御議論をありがとうございました。


(了)

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