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2011年9月28日 第26回高度医療評価会議 議事録

医政局

○日時

平成23年9月28日(水)16:30〜17:30


○場所

経済産業省別館 827号会議室


○出席者

猿田座長、山口座長代理、伊藤構成員、金子構成員、
佐藤構成員、柴田構成員、関原構成員、田島構成員、
葉梨構成員、林構成員、藤原構成員、村上構成員、
山中構成員、山本構成員、松山技術委員
(事務局)
医政局研究開発振興課長、医政局研究開発振興課治験推進室長
医政局研究開発振興課高度医療専門官・治験推進室長補佐
保険局医療課課長補佐
医薬食品局審査管理課課長補佐

○議題

1.新規申請技術の評価結果について
2.協力医療機関の追加について
3.その他

○議事

○猿田座長
 ただいまから、第26回高度医療評価会議を開催いたします。委員の先生方におかれましては、本日は少し遅い時間からのスタートということで、お忙しいところをお集まりいただきましてどうもありがとうございました。委員の出席状況ですが、川上構成員、竹内構成員、永井構成員、堀田構成員はご欠席です。山口座長代理は遅れるとのことです。本日は技術委員として松山先生においでいただいております。竹内構成員はご欠席ですが、本日は意見書をいただいております。
 事務局に異動がありましたので紹介させていただきます。研究開発振興課の佐原康之課長です。研究開発振興課治験推進室の山田雅信室長です。研究開発振興課の町田宗仁高度医療専門官です。3名を代表して佐原課長から一言ご挨拶をお願いいたします。
○研究開発振興課長
 佐原です。高度医療評価会議の先生方におかれましては、お忙しいところをいろいろご協力をいただきましてありがとうございます。先生方のご努力のお蔭で、高度医療評価制度は非常に高い評価をいただいておりますことをまず御礼申し上げます。
 来年度から、高度医療と先進医療の一本化が控えておりますので、猿田座長をはじめ、構成員、技術委員の皆様にはいろいろご苦労をおかけすることになるかもしれませんが、引き続きご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。簡単ですが挨拶とさせていただきます。
○猿田座長
 いまお話のありました、高度医療と先進医療をできるだけ早く進めていくためには、なんとか一本化できればということでお願いしております。そういうことで、皆様方にもいろいろご相談があるかと思います。昔は高度先進医療としてやっていましたが、問題だったのは時間がかかりすぎていたこと、特定機能病院からしか出せなかったということでしたが、そのような点も踏まえ、現在、検討していただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の審議事項に入ります。まず、事務局から説明をお願いいたします。
○高度医療専門官
 事務局です。先ほど連絡が入りまして、葉梨構成員は間もなく到着する予定です。配付資料について確認させていただきます。議事次第、座席表、開催要綱、構成員名簿、技術委員名簿、新規申請技術の評価結果として資料1-1〜資料1-8まであります。協力医療機関の追加申請があり、その関係は資料2です。参考資料1と参考資料2です。
 利益相反についてご説明させていただきます。対象となる医薬品及び医療機器の企業等について、資料1-1に記載しております医薬品・医療機器情報をご覧ください。対象となる企業又は競合企業に関して、事前に確認をさせていただいております。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場でご報告をお願いいたします。
○柴田構成員
利益相反ということではないと思うのですが、私は036の千葉大学の件については、以前本件とは別ですが、先行研究のほうに試験統計家としてかかわったことがありましたのでご報告いたします。
○山中構成員
 037のペメトレキセドを用いた術後補助化学療法に関して、私はこの研究に試験統計家として参画しておりますのでご報告申し上げます。
○高度医療専門官
 その他、該当なしということでよろしいでしょうか。
○高度医療専門官
 ありがとうございました。
○猿田座長
 議事に入ります。新規技術の評価結果について事務局から説明をお願いいたします。
○高度医療専門官
 撮影されている傍聴者の皆様は、ここまでとさせていただきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。資料1-1です。新規申請技術の評価結果として、整理番号036、高度医療名は非小細胞肺癌に対するNKT細胞を用いた免疫細胞治療です。適応症は、切除不能進行期または再発非小細胞肺癌にて、化学療法による初回治療が行われた症例の適応のある症例が対象となっております。申請医療機関は千葉大学医学部附属病院です。審査担当構成員として、主担当が林構成員、副担当として藤原構成員、田島構成員にお願いしております。また、本件については松山技術委員にもご評価をいただきました。以上です。
○猿田座長
 主担当の林先生からご説明をいただき、その後に各委員の先生からご意見をいただきます。
○林構成員
 説明させていただきます。いま説明のあった、7頁の036の適応症のところで、最後の1行がダブって書かれていると思いますので、削除をお願いいたします。つまり、「切除不能進行期または再発非小細胞肺癌にて、化学療法による初回治療が行われた症例」というところが、たぶん適応症になっているかと思います。
 申請された高度医療の研究ですけれども、概要は34頁の資料1-4をご覧いただくのがいちばんいいかと思います。既に臨床試験がなされていて、いちばん左に書いてある図ですが、ロードマップになります。既に単群のオープン試験ということで、平成16年から平成18年にかけて、23例の患者さんを対象に行われた試験があります。その成績の結果が2次治療として好ましいのではないかということで、今回高度医療ということで、試験デザインとしては単群のオープン試験、目標症例数は35例、プライマリーエンドポイントとしては、全生存期間をプライマリーエンドポイントとする研究を今回申請しております。これがうまくいったら、次は少し大きなトライアルを行って、治療法の評価を確立する手順になっています。細かいところは、担当の先生にお願いいたします。
○猿田座長
 副担当の藤原構成員よろしくお願い致します
○藤原構成員
 資料1-2で私のコメント、16頁の資料1-3で私と申請者の方々とのやり取りのまとめがあります。まとめますと評価表にありますように、実施責任医師の体制とか、医療機関の体制は全く問題ありません。医療技術の有用性についても、現状では「適」と考えております。
 ただ将来的に、このロードマップで、このシングルアームのトライアルをやった後には、どこかでランダム化の比較試験をきちんとやって、この治療法の、既存の治療、特に抗癌剤になると思うのですが、それとの比較をやるプロセスを経て世の中に出ていく、ということをやり取りの中でも確認しましたし、申請者の方々もそれをしっかり考えていますので、全体として全く問題ないと思います。
○猿田座長
 非常に慎重に進めていただいているということで、既に23例の検討がありますが、更にもう1回確認のための試験をやって、その後にランダム化試験をやるということだろうと思います。技術のほうについて、松山技術委員からお願いいたします。
○松山技術委員
 技術に関して、いままでこの場で見てきた細胞治療に関係するものの中では、いちばんハイスペックなものであろうと思います。23例の経験がありますので、その中でおそらくプロトコール、あるいはSOP(標準作業手順書)の変更をかなりなされたのだろうというご苦労の跡が見られます。しかもエンドポイントのこととか、あるいはNKTのことで今回10個以下ではなぜ駄目なのかというコメントを出させていただきましたが、化学的に感度以下のものは今回は除外しているというように、きちんとご返答をいただいております。これだけやっていただければ、患者さんにこの細胞を入れても問題はないだろうと考えております。
○猿田座長
 倫理その他については田島先生からお願いいたします。
○田島構成員
 当初ご提出いただいておりました、説明文書の中にはいくつかの問題点がありました。資料1-3の21頁と22頁にある問題点の指摘をさせていただいたところ、その後所要の修正がなされましたので、最終に提出された文書については「適」の評価とさせていただいております。
 指摘事項の中で、最も重要なのは患者さんが臨床試験に参加するかどうかを判断するための情報として、この臨床試験に参加しない場合にはどのような治療が行われて、それにはどのような効果が期待できるかということ。臨床試験に参加した場合にはどのような治療が行われて、その効果としてはどのようなことが期待できるか。関連する臨床試験が行われている場合には、その結果がどのようなものであったかということが明らかにされている必要があると考えますが、それらについての説明が不明確でしたので、その点を特に修正していただいております。
 患者相談の窓口として、臨床試験の担当者の連絡先のみが記載されておりましたが、病院内にすべての患者さんを対象にした患者相談窓口も設置されているということでしたので、その連絡先についても補充して記載していただいております。
○猿田座長
 いまご説明いただきましたように、各委員の先生方と、提出されている施設との間のやり取りを私も拝見させていただきましたが、非常に丁寧に対応していただいているということで、いまお話いただきましたようにすべて修正されたということです。総括的に林先生からもう一回お願いいたします。
○林構成員
 私は、主にプロトコールの内容を中心に検討させていただきました。10頁に書いてあるように、先ほどの図にもありましたが、既にある程度良い治療だと思われるのであれば、5年使ってワンアームでやるのは、もう少し積極的に評価するようなデザインでもいいのではないかということをお聞きしました。
 プロトコールを拝見すると、申請された方もだいぶ悩まれた名残りが相当残っていて、ツーアームでやるかというところもあったと思うので、そこを確認させていただきました。今回はシングルアームで、特にサバイバルを中心にもう一度その値が確証的な値になるように見るという返答をいただきましたので、私としては今回はそういうデザインでいいのではないかということで「適」とさせていただきました。
 ほかのところは、先ほど言いましたようにツーアームで書いてあったところもあったので、そこを修正していただいて、全体としてプロトコールは「適」ということで評価させていただきました。
○猿田座長
 そして、結局11頁にあるように、総評として「適」ということと、この症例数ということです。担当していただいた先生方からのご説明をいただきましたが、全体として委員の方々からのご意見をお願いいたします。
○山中構成員
 総合評価に関しては「適」ということでいいと思うのですが、主要エンドポイントに関して構成員の先生方のご意見をお伺いしたいことがあります。この試験は、主要エンドポイントが全生存期間になっています。2次治療でやるということですので、この治療に関して耐性ができたときに、本来2次治療で使われるはずだった薬が使われることになります。いまは2次治療に関してはドセタキセル、ペメトレキセド、エルロチニブとか有効な薬はいっぱいあると思いますので、この免疫治療に関して体制ができた後、それらの薬が使われれば、この試験では全生存期間の中央値を17カ月と期待しているのですが、そのぐらいにまで達してしまうことはあり得ると思うのです。
 そうなった場合に、仮にこの免疫細胞治療が効いていなかったとしても、全生存期間の中央値が17カ月にいってしまった場合にどう評価していいのか、どこまでが免疫細胞治療の寄与で、どこからが後治療の寄与なのかというのがちょっとわかりづらいと思うのです。ですから、この試験の段階では、例えば無増悪生存期間、増悪するまでの期間を主要エンドポイントにすることも考えられるのではないかと思うのです。そうなった場合には、症例数の設計の変更などが必要になってまいりますけれども、その点に関してはいかがでしょうか。
○林構成員
 たぶん先生ご指摘のとおりだと思うのです。私が評価したときに、プライマリーエンドポイントを全体のサバイバルにしていることに関しては、次のステージの評価もそれでやるようなステップで書いてあったので「適」としました。もしくは、プライマリーをサバイバルのままにしておいて、増悪するまでの期間をセカンダリー、もしくはそれの推定値を同等に扱うような形にしていただいても構わないのかと思います。
○山中構成員
 副次エンドポイントに、無増悪生存期間、増悪するまでの期間は入っていると思いますので、それも十分に考慮した上で、次のステップに進めるかどうかを判断していただきたいと思っております。
○藤原構成員
 世の中に出るのは、第3相比較試験を経なければいけなくて、これはこの治療法が、いままで医師の方々がやっていた手弁当の試験が本当に大丈夫かどうかというのを、きちんとした環境下で見る試験です。副次評価項目にも、PFSとか奏効率とかありますから、それを総合的に考えて、第3相に行くかどうかはたぶん見ると思うので、最終判断はフェーズ3に委ねるというので、私はこれでいいかと思いました。
○猿田座長
 山中先生、それでよろしいですか。
○山中構成員
 はい。
○猿田座長
 いままで23例の詳細な検討をされてきて、それからプロトコールその他に関しても非常にしっかりと検討されているということです。
○関原構成員
 私は、この患者への説明書を何回も読んだのですがよくわからないところがありました。従来型の2次治療としての抗癌剤治療の説明、2頁の終わりから3頁の上に、「どの抗癌剤も癌の増殖を抑制する薬なので、腫瘍縮小や生存期間の延長などの効果をある一定割合で認めます」と書いてあります。他方今度の新しい治療は、3頁の4の最後のほうに、「20%の患者さんに疾患の悪化が認められなかった」という記載なのです。この2つを見て、私は従来型の「一定の割合効果」というは数値の記述もなく非常に低いのではないか。肺癌で再発して、手術のできない人にとっては、この新しい治療を是非やってみたいということだと思うのです。それにしては、従来型の2次治療の説明は、ちゃんと一定割合の効果があると説明し、新治療は僅か23例で、2割で悪化が見られなかったという。それでは患者として選ぶときにわかりにくいということです。
 それから従来型の治療というのは、「標準治療」と9頁に書いてあります。「これに参加しない人は、現時点で標準治療が受けられる」と言っているのは、つまり標準治療をやめて、まず今回の新しい治療を受けるという説得力、納得感がこの文章からだけだとなんとなしにわからない。もうちょっとポジティブに表現するなり、あるいは従来型の2次をもうちょっとネガティブに書いたほうがというか、この納得性がむしろ得られるのではないかと思いました。
○猿田座長
 いまの関原構成員のお話にお答えいただけますか。表現の問題だと思うのです。田島先生は何かご意見がありますか。
○田島構成員
 正直申しまして、この説明文書を読んだ場合に、患者さんがこの臨床試験に参加することを決められるかどうかというのは疑問かもしれないとは思いますが、私の理解では、こちらのほうが標準治療より優れているのは、副作用などが少ないといいますか、抗癌剤に比べて、身体に対する悪影響が少ないので、こちらのほうが適した治療となり得るだろうというところだと私は理解しております。
 例えば、無増悪期間が延びるかどうかとか、生存期間が延長するかどうかというところだけで、正直勝負できるのかどうかというのは、あまり明らかではないとは思っております。そこをもうちょっとアピールするように書いたほうが、これに参加される方は増えるのかもしれないのですが、そこは私の立場でお勧めするのもいかがかと思います。疑問に感じられる点は理解できると思います。
○関原構成員
 それは、もちろん私は先生方と違って専門家ではないのですが、従来型の2次治療というのは、肺癌がこういうふうに進行したら中々うまくいかない。だからこそがんワクチン治療に患者が殺到しているのが現実なのです。そういう意味で、効果は一定の割合である、下に数値としては20%と書くとしても「この効果は極めて限定的である」というように付記した方がいいと思う。「一定の割合で延長する」とか、「縮小する」と書いてしまうと、そこが非常に引っかかったのです。
 田島先生がおっしゃるように、これは免疫治療だから、副作用は軽いし、むしろやれるのならやってみようという話だと思ったものですから、それにしてはこの文章ではという感じを受けたのです。
○猿田座長
 要するに表現の問題で、そこがポイントかと思います。そこを少し検討して、いまのパーセントを出してあることと、そうでないところを少し直していただく程度でよろしいでしょうか。
○関原構成員
 標準治療というからには、当然どのぐらいの効果というのはどこかにあるはずです。だから標準治療と言っているわけでしょうから。
○猿田座長
 いままで、実際に手術の後、こういう形でやられてきているものですから、それでこの治療は副作用が少ないというのが特徴です。そういうのを患者さんが読んで、参加しやすい形に少し直していただければということですがどうですか。
○藤原構成員
 彼らのジャーナルオブイミュノロジーのペーパーで見ると、生存期間中央値で10何カ月と、結構良いデータが出ています。それは従来の標準値とはそんなに遜色ないと思いましたが、先生がおっしゃるように、本当かなというのがあります。それは、次のフェーズ3のところでたぶん検証されるでしょうし、IC文章の中には、もう少し具体的な数字を書いてあげたほうがいいとは思います。
 ただ、彼らの先行する試験の中でのデータはすごく悪いというのではなくて、過去のペメトレキセドとかドセタキセルを使った2nd lineでの治療の成績とほぼ同じなので、これを止めるほどではないと私は医学的には思った経緯があります。
○猿田座長
 大切なことは、患者さんが読んで、参加しやすい形の文章にしていただくことかと私は考えます。そういう形で、本筋的にはよろしいですか。もしそういうことであれば、いまの患者さんへの説明のところだけは検討していただくということで、本筋的には本日はこれでお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは認めていただいたことにさせていただきます。それでは、次を事務局からお願いいたします。
○高度医療専門官
 資料1-1で、本日お諮りいただく2件目です。新規申請技術の評価結果として、整理番号037、高度医療名は「非扁平上皮非小細胞肺癌に対するペメトレキセドを用いた術後補助化学療法」です。適応症は、完全切除された非扁平上皮非小細胞肺癌が対象となっております。申請医療機関は静岡県立静岡がんセンターです。本件の審査担当構成員は、主担当が村上構成員、副担当として藤原構成員、佐藤構成員となっております。また竹内構成員より、資料1-8のとおり意見書を頂戴いたしました。説明は以上です。
○猿田座長
 037の評価を担当していただいた村上構成員からお願いいたします。
○村上構成員
 説明させていただきます。薬事未承認の医療技術は、いまも説明がありましたがペメトレキセド、商品名はアリムタです。この抗癌剤の製造販売業者は日本イーライリリー株式会社です。この薬は、水溶性ビタミンの一種である葉酸と分子構造が非常に似ているということで、葉酸の代謝拮抗剤として作用いたします。
 現在は、悪性胸膜中皮腫、この場合はシスプラチンとの併用ですが、及び切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対して承認されていて、非常に有用な薬として臨床で使用されています。この薬を術後の補助化学療法として使用することについても、延命効果が期待できるのではないかとされているのですが、現時点では、術後補助化学療法におけるこの薬の有効性及び安全性については確立していない旨が、添付文書の使用上の注意に記載されております。このため、術後の補助化学療法の有効性及び安全性を評価するに当たっては、適応外使用といった形になることから、今回この高度医療評価会議に申請されたと理解しております。そして良い結果が出れば、そのデータを基にして本薬剤の適応拡大につなげていこうというものです。
 申請医療機関は、静岡県立静岡がんセンターです。申請された臨床試験は、ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法の有用性について、今回対象とする扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌の現在の標準治療であるビノレルビン及びシスプラチンの併用療法を対照として、ランダム化比較第3相試験をすることによって、ペメトレキセド+シスプラチンの有用性を検証するというものです。
 評価結果については、35頁の資料1-5をご覧いただければと思いますが、各項目すべて「適」です。実施体制の評価については藤原先生に、並びに倫理的観点からの評価は佐藤先生にしていただいておりますので、それぞれの先生からまずご説明いただければと思います。
○猿田座長
 実施施設の体制等について、藤原委員からお願いいたします。
○藤原構成員
 責任医師、医療機関はそれぞれ非常にしっかりしたグループで、がんの臨床試験の領域では実績のあるグループで何の問題もないと思いました。医療技術の有用性というのは、実際にシスアリムタもシスナベルビンも結構いい、きちんとした定評のある併用薬であり、それを術後の補助療法で使うことの安全性等に関しては問題ないと思った次第です。
 1点聞いたのは、資料1-7の前の104頁で、シスアリムタ群のほうは、アリムタがイーライリリー社から無償提供で受けるのですが、シスナベルビン群のほうは、ナビルビンがご自身で負担しないといけないので、いわゆるフェーズ3の原則である両群間の平等性がそこでちょっと崩れるのではないのですかという点です。その回答としては、過去にもそういう試験をやって、ちゃんとエントリーは進みましたから大丈夫ですという回答をいただきました。進まなかったら当然試験は途中で終わることになりますから、そこは申請者の方々の責任かと思って、これは了承しました。
 あとは35頁の資料1-5の私のまとめのところに書いてあるように、こういう大規模な比較試験、800例の規模で、しかもこの試験が終わるころにはアリムタの特許も切れて、通常は企業がそんな薬について効能追加の治験などしないと思います。それゆえ、こういう高度医療評価制度下の臨床試験でクオリティをちゃんと担保して、良いデータを出していただいて、彼らがポンチ絵で書いているような公知申請まで持っていくようなスキームが今後できてくれば非常にいいのではないかと考えました。
○猿田座長
 いまご説明がありましたように、グループとして非常にしっかりとした体制をとっていること、これは前からこのグループはしっかりとやっていますけれども、それと800例ということで、検討するとしていることです。佐藤構成員のほうから、倫理の点についてお願いいたします。
○佐藤構成員
 36頁をご覧ください。同意にかかる手続と同意文書、それから補償内容ともに「適」といたしました。説明文書に関しては99頁の資料1-6以下にありますように、いくつか事務局を通じて質問させていただきましたが、すべて解決いたしました。少し細かい点が多くなっております。
 補償内容のほうは、別に綴じてある説明同意文書の10/13、17.補償についてというところで、健康被害が生じた場合も、一切の金銭補償はしない。健康保険の自己負担分も患者さんが持つというスタイルになっております。こういうことはちょっと気になったのですが、第3相ですし、抗癌剤というちょっと特殊なものですので、本研究に関してはこれでいいかと判断いたしました。
○猿田座長
 そういう形で、評価の先生方はすべてよろしいのではないかということですが、総括的に村上先生からお願いいたします。
○村上構成員
 総括の前に、プロトコールの評価の話を少し補足させていただきます。この試験の背景が明確であり、患者選択、割付けの調整、治療計画等についても、プロトコールはしっかりと作成されていると評価いたしました。
 また、生物統計の観点から、竹内先生にもコメントをいただいております。資料の109頁、資料1-8のところにコメントが記載されております。予定症例数である800例の登録までは実施される可能性が大ではありますが、途中でターゲットポピュレーションの適切性、症例数の妥当性を判断できる機会があれば適切であると判断いたしますというコメントをいただいております。
 これに関連して、プロトコールにも書かれておりますが、定期モニタリングがしっかり実施される予定になっております。そこで、ここに書かれております項目については、きっちりと検討されると判断いたしましたので、そういうことを含めてこの部分は「適」であると判断しております。
 ただ1点だけ、先ほど藤原先生のほうから、実施医療機関については実績のあるグループ、co-operative groupであるというご報告をいただきました。まさにそのとおりではありますが、ただ今回の場合は7つのco-operative groupsが合同で実施する臨床試験です。そういうことから、試験のイニシエーション、あるいはマネジメントの責任体制のところが少しわかりにくかったので質問させていただきました。特に、本試験の結果については、そのデータに基づいて、本薬剤の適応拡大につながる可能性が非常に高いといったことでありますので、やはりデータの品質管理・保証の責任体制について、今回の場合はWJOG、すなわち西日本がん研究機構のデータセンターに業務委託する形になっていますが、この責任体制を明確にしていただきたいという指摘をさせていただいたところ、適切に対応していただいております。
 コメントのところにも少し念を押させていただくという意味合いで、「適応拡大の判断に使えるデータが得られるよう、しっかりとした責任体制の下でデータの質を確保していただきたい」と書かせていただいておりますが、プロトコールの評価についても、すべて「適」と判断させていただきました。
 すべての体制、プロトコール評価について「適」ということですので、総合評価についても「適」といたしました。コメントのところです。藤原先生からもコメントがありましたが、肺癌の術後補助化学療法にかかわる標準治療刷新につながる試験であること、また癌治療薬の適応拡大につながるデータ作りをこの高度医療評価制度の下で実施する上でのモデルとなる事例と考えますので、是非本試験を高度医療として推進していただければ幸いです。
○猿田座長
 いま総括的に村上先生にまとめていただきましたが、参加していただいた構成員の先生方は皆様「適」ということですが、全体的に委員の先生方からご質問はありますでしょうか。こういう形でやっていくことは、まさに高度医療で大切な課題だと思いますが、どなたかご質問はありませんか。
○山口座長代理
 いまお話いただいたことに尽きると思うのですけれども、2つの点でこの研究は非常に注目されると思うのです。1つは藤原先生がおっしゃったように、適応外使用の薬剤をこのような形で検討するということは、製薬会社では普通はあり得ませんから、そういうものはほかの分野でもたくさんあると思います。
 いま、いろいろな研究グループが立ち上がっていますけれども、一つひとつのグループのサイズが小さくてスピードが遅いというときに、連合しなくてはいけないという考え方はあるのですけれども、それをなかなかまとめられなかったところを、これは非常に見事にやっておられます。結果はどうなるかわかりませんけれども、非常に良い例になりますので注目したいと思います。
○関原構成員
 また同意書のところで6/13頁に、「臨床試験への参加に伴って期待される利益」と書いてあります。私たちは、あなたがこの臨床試験に参加して、どの治療方法を受けたとしても、現在の標準治療と同じor moreの効果が期待できると書いてあります。ところが、すぐその後の6行目に、「なお、この試験に参加することによる、患者さん自身にとっての直接の利益はありませんが、臨床試験に参加することは、よりよい治療法確立のための社会的な貢献となります」と書いてあります。これは一体何を言わんとしているのか。
 それから不利益のところで、上のほうには「現在の標準治療と同じような効果が期待できる」と書いてあるのだけれども、今度は「従来よりも高い、若しくは同じ効果が得られない可能性もあります」というのは、私もそう思います。そうすると、これは一体何を言いたいのか要するに、これはあくまでも、効果はどうかわからないけれども、治験として今後のためにやるので、積極的に参加してくださいということなのか。そこは、この説明が10番と11番の2つの記載が私にはわかりにくいというか、そういうことです。
○猿田座長
 非常に大切なことですので、佐藤先生何かございますか。
○佐藤構成員
 そのとおりだろうと思いました。10.のところは研究者の期待なのです。私たちが期待していますということなのです。11.のところは客観的な可能性として、どうかはわからない。おそらくこれは研究だけではなくて、プラクティスもそうなのかもしれませんが、医学というのはやってデータを取ってみないとわからないところがあるので、そのことを正直に患者さんに話して、試させてくださいというのが正直なあり方だろうと私は思います。ただ、果たしてこの文章で、患者さんがそれをわかるかどうかについては、私はよくわからないです。
○猿田座長
 私たちは、ついデータを見て非常にあれだからということになってしまうのですけれども、実際患者さんにとっては参加するかどうかというのは、こういう文章で考えますから、もう少しうまく書いていただくとどうですか。
○関原構成員
 私たちが期待するのは、患者にとっての利益の話です。最初に私たちというのを主語に持ってきて、医師の期待を書くというのはなんとなしに腑に落ちないです。最後に医師や研究者も期待していると書くのならいいと思うのです。「期待される利益」というタイトルにして、最初に医師の期待を書かれると、ちょっと違和感があるというのが私の印象です。
○猿田座長
 たくさんの方に参加していただかなければいけませんから、その点でも確かに表現には配慮が必要ですね。
○佐藤構成員
 少し細かいことなのですが、確かに10.のところは、治療法の主観的な期待と、それから経済的な患者さんにとっての利益と、2つ違うことが書いてあります。前者については11.との対比という形で、利益と不利益という形でまとめ、患者さん自身にとっての直接の利益というのはまた項を分けて書いたほうが確かにわかりやすいかと思いました。
○猿田座長
 村上先生は何かありませんか。
○村上構成員
 書くところを少し工夫したほうがいいかもわからないですね。患者さんに期待される利益ということを書いていますが、臨床研究者のほうは最悪のシナリオのほうを想定して、それを正確に記載されますからこういう表現が出てくるのだろうと思います。やはり期待される効果ですから、期待される利益は良いシナリオの場合はどうなのかということを、しっかりと書く必要があると思いますので、その辺のところを少し工夫していただくように検討させていただければと思います。
○猿田座長
 それは非常に大切なことですので、多くの方に参加していただきたいということです。前のもそうですが、この2つはプロトコールその他もしっかりしていて、体制もしっかりしているということです。後のほうは特に多施設で、しかも800例ということで、高度医療としては非常に大切な案件だと思います。いまの患者さんへの説明文だけ検討していただくということで、本筋はお認めいただくということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○猿田座長
 ありがとうございました。それでは、ここで正式にお認めいただくことにさせていただきます。患者さんへの説明だけは検討していただくことにさせていただきます。本日の最初の議題1である、新しい技術に関する評価は2つだけです。議題2として協力医療機関の追加について事務局から説明をお願いいたします。
○高度医療専門官
 資料2をご覧ください。協力医療機関の追加としての1つ目は、番号は007、高度医療名は経皮的乳がんラジオ波焼灼療法です。申請医療機関は国立がん研究センター中央病院です。今回追加を予定している医療機関は国立病院機構北海道がんセンターです。
 2件目は、番号020、高度医療名はパクリタキセル静脈内投与(一週間に一回投与するものに限る)及びカルボプラチン腹腔内投与(三週間に一回投与するものに限る)の併用療法です。申請医療機関は埼玉医科大学国際医療センターです。今回追加を予定している医療機関は、鹿児島市立病院と、済生会長崎病院の2施設です。
 3件目は、番号023、高度医療名は十二種類の腫瘍抗原ペプチドによるテーラーメイドのがんワクチン療法です。申請医療機関は久留米大学病院です。今回追加を予定している医療機関は弘前大学医学部附属病院、近畿大学医学部附属病院、獨協医科大学越谷病院の3施設となっております。
 事務局にて、倫理審査委員会の構成、並びに医療機関の実施体制等を事前に確認しております。特にご意見がなければ、追加の手続を進めさせていただければと思います。説明は以上です。
○猿田座長
 いま説明がありましたように、007、020、023に関して追加の機関はいずれも申請機関はしっかりしている所ですし、できるだけこういう形で症例を多くして、検討していただきたいということもありますので、委員の先生方からご意見が特にないようでしたら、この追加機関をお認めいただければと思います。
(異議なし)
○猿田座長
 特にご意見はないようですので、この形で認めさせていただきます。これで本日用意された議題は終わりましたが、事務局のほうから何かありますか。
○高度医療専門官
 本日はご審議をありがとうございました。次回の本会合の日程ですが、10月13日(木)の16時30分からを予定しております、よろしくお願いいたします。本日の議事録については、作成され次第、先生方にご確認をお願いし、その後公開とさせていただきますので、併せてよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○猿田座長
 本日の2つの案件は、高度医療としても非常に大切な案件でしたが、最後に先生方から特にご意見がないようでしたら、本日の高度医療評価会議を終わらせていただきます。ご協力をありがとうございました。


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課
TEL 03−5253−1111
高度医療係 新美 内線2589

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