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2011年8月25日 第1回臨床研究・治験活性化に関する検討会 議事録

医政局

○日時

平成23年8月25日(木)10:00〜12:00


○場所

KKRホテル東京 瑞宝


○議題

1.構成員紹介
2.座長の選出について
3.臨床研究・治験活性化に関する検討会の基本方針について
4.臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について
5.臨床研究・治験活性化に関する検討のための論点について
6.その他(今後のスケジュールについて等)

○議事

○事務局(森下) 定刻となりましたので、第1回臨床研究・治験活性化に関する検討会を始めます。事務局を務めます厚生労働省医政局研究開発振興課の森下と申します。構成員の先生方においては、ご多忙中のところお集まりいただき誠にありがとうございます。開催に当たりまして、厚生労働省大谷医政局長よりご挨拶申し上げます。
○大谷厚生労働省医政局長 おはようございます。医政局長の大谷です。本検討会の開催に際して一言ご挨拶を申し上げます。皆様方においては、本日はお忙しい中、この検討会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。この場を借りて厚く御礼申し上げます。本検討会は、平成15年から開始された全国治験活性化3カ年計画及び平成19年3月から開始された新たな治験活性5カ年計画を引き継ぐポスト5カ年計画を策定するための検討会であり、臨床研究・治験の活性化施策の集大成となるものと考えています。これまでの9年間にわたる治験活性化計画を踏まえたさらなる飛躍はもちろんですが、先の東日本大震災の発生という未曾有の事態を踏まえ、我が国の中長期的な復興の手段としても臨床研究・治験をより一層推進し、日本発のイノベーションを創出することを目指しています。改めて申し上げるまでもなく、画期的な医薬品や医療機器を我が国の医療現場に速やかに導入し、世界最高水準の医療を提供するために臨床研究・治験は必要不可欠なプロセスです。その体制整備は最重要な課題と考えます。本検討会には、臨床研究及び治験に関係するさまざまなお立場の有識者の先生方にお集まりいただきました。新たな治験活性化5カ年計画のこれまでの取組みを評価していただいた上で、臨床研究・治験の活性化のため、これからの5年間の方向性をお示しいただきたいと思っています。繰り返しますが、本件は現在の我が国の医療行政の最優先課題の1つと認識しています。是非ご忌憚のない意見をいただきたいとお願い申し上げます。冒頭のご挨拶にかえさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
○事務局 なお、大谷局長においては、国会用務のため間もなく退席させていただくことをご承知おきいただければ幸いです。カメラ撮影はここまでとさせていただきます。
 次に構成員の先生方をご紹介します。お手元の資料1をご覧ください。本検討会は19名の先生方に構成員をお願いしています。早速、五十音順に構成員の先生方をご紹介します。赤堀構成員です。次に、一木構成員です。井部構成員からは本日は欠席のご連絡をいただいています。景山構成員からは本日は欠席のご連絡をいただいています。川口構成員、北田構成員、楠岡構成員、小原構成員、小林構成員、近藤構成員、塩村構成員、田代構成員、中川構成員、中西構成員、本田構成員、松島構成員、矢崎構成員、山本構成員です。なお、渡邊構成員は本日出席のご予定ですが、雨の影響で遅れるとのご連絡をいただいています。本日は、17名のご出席を賜っています。
 資料2開催要綱の4、運営に記載されている「検討会は、構成員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない」に従い、本検討会は過半数以上であり、成立していることをご報告申し上げます。また、本検討会の事務局は厚生労働省医政局が務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
 本日の出席者として、厚生労働省からは大谷医政局長、佐原研究開発振興課長、同課山田治験推進室長、また文部科学省からは高等教育局村田医学教育課長、同課玉上大学病院支援室長及び研究振興局石井ライフサイエンス課長が出席しています。
 次に配布資料について説明させていただきます。議事次第、座席表、資料1「構成員名簿」、資料2「臨床研究・治験活性化に関する検討会開催要綱」、資料3「臨床研究・治験活性化に関する検討会の基本方針について(案)」、資料4-1「臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について(厚生労働省)」、資料4-2「臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について(文部科学省)」、資料4-3「治験中核病院・拠点医療機関等治験・臨床研究基盤整備状況調査結果要約(暫定版平成18年度〜平成22年度)」はペーパー2枚と冊子があります。資料5「臨床研究・治験活性化に関する検討会のための論点について(案)」、資料6「今後のスケジュールについて(案)」。別ファイルになっている参考資料1「新たな治験活性化5カ年計画(平成19年3月30日文部科学省・厚生労働省)、参考資料2「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会報告(平成22年2月22日医政発0222第6号)」、参考資料3「治験等の効率化に関する報告書(平成23年6月30日医政研発0630第1号)」、参考資料4「新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)(抜粋)」、参考資料5「社会保障・税一体改革成案(平成23年6月30日政府・与党社会保障改革検討本部決定)(抜粋)」、参考資料6「提言エビデンス創出を目指す検証的治療研究の推進・強化に向けて(平成23年7月13日日本学術会議臨床医学委員会臨床研究分科会)」、参考資料7「臨床研究に関する倫理指針の改正等について(平成20年7月31日医政発第0731001号)」。以上です。資料の過不足等ありましたらお知らせくださいますようにお願いします。
 なお、参考資料は毎回使用する資料とします。会議終了後事務局で保管しますので、机上に置いたままでご退席をお願いします。
 続いて、座長の選出を行います。なお、座長の選出までは事務局にて司会を務めさせていただきます。
 資料2「臨床研究・治験活性化に関する検討会開催要綱」をご覧ください。3.構成に「検討会は構成員のうち1人を構成員の互選によって座長として選出する」とあります。それに基づいて、本検討会では座長をおき、構成員の互選によってこれを定めることとなっています。構成員の中から自薦他薦等ございますか。
○川口構成員 できましたら、国立病院機構の理事長矢崎構成員を座長にご推薦申し上げたいと思います。
○事務局 ただいま、川口構成員からのご推薦に何かご意見はありますか。また、矢崎先生においては座長を務めていただくことでいかがですか。
                 (異議なし)
○事務局 ありがとうございました。座長を矢崎先生にお願いします。矢崎先生は座長席にお移りください。以降の議事は座長にお願いします。座長から一言ご挨拶をどうぞお願いします。
○座長(矢崎) ただいまご任命いただきました矢崎です。この会は、先ほど大谷局長からお話があったように、平成15年に我が国の治験の空洞化ということの克服を目指して9年間やってまいってきたところですが、これからは日本発のイノベーション的な新薬、あるいは医療機器の開発を目指したシステム作りをどうしたらいいかを検討する会というように私は先ほど局長の話を聞いて理解しましたので、是非皆様方のご意見をいただいて、いい結論に達すればと思いますので、今後ともよろしくご指導のほどをお願いします。
 まず初めに私に万一のことがあったときに座長を代わっていただく方ということで、私から指名させていただきたいと思います。大阪医療センターの楠岡構成員がいままでずっとこの治験検討会の中心的な役割をなさっておられたので、楠岡構成員にお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
                 (異議なし)
○座長 楠岡構成員よろしいですか。よろしくお願いします。
 早速、議事に入ります。議題3「臨床研究・治験活性化に関する検討会の基本方針について(案)」を事務局から説明をよろしくお願いします。
○事務局 事務局から「臨床研究・治験活性化に関する検討会の基本方針について(案)」を説明させていただきます。お手元の資料3をご覧ください。本日は、第1回の検討会ですので、どうして本会を組織し、実施することになったのかについて、いくつかのポイントをもとに説明させていただきます。
 まず1つ目は、次期の臨床研究・治験の活性化の議論の目的についてです。平成19年3月30日に文部科学省・厚生労働省で策定された「新たな治験活性化5カ年計画」では、治験・臨床研究の活性化が目指すものとして、「国民に質の高い最先端の医療が提供され、国際競争力の強化の基礎となる医薬品・医療機器の治験・臨床研究実施体制を確保し、日本発のイノベーションの創出を目指すこと」が示されています。さらに、5カ年計画の実施により、期待される治験・臨床研究の姿としては、次の3点が最終目標として掲げられています。1点目は、治験・臨床研究のコスト、スピード、質が米国等諸外国並みに改善されている。2点目は、国際共同治験の実施数がアジア周辺国と同等以上の水準まで向上している。3点目は、質の高い最先端の医療の提供を確保し、国民が安心して治験・臨床研究に参加することができる体制が確保されていることとしています。
 これらを踏まえ、5年後、つまり平成23年度末に目指すべき改善指標を設定して、進捗状況を適宜評価していくこととされています。また、平成22年1月にまとめられた「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会報告」では、治験の効率化等については、これまでの関係者の取組みにより、全体として着実な改善が見られたものの、我が国が治験を実施する環境として、世界的な視点から一定の評価を得るためにはまだ解決すべき課題があること。及びそれらの事項について一定の評価指標を定める必要があることなどの評価及び課題が示されました。それとともに今後の取組みとしては、より早期段階の治験やPOC試験等の臨床研究及びエビデンスの創出に繋がる大規模臨床研究に注力すべきとの指摘がなされています。また、平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」では、「ライフ・イノベーション」を成長分野の1つに掲げ、「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」を掲げています。さらに「社会保障・税一体改革成案」では、医療イノベーションの推進のために「国際水準の臨床研究中核病院等の創設」「日本発のシーズを実用化につなげるための実務的な相談支援」などが明記されています。
 さらに、本年3月11日に発生した平成23年東北地方太平洋沖地震により、我が国は未曾有の大災害に見舞われましたが、かかる東日本大震災が治験や臨床研究に及ぼした影響や今後の対策を検討し、今後の災害への迅速な対応策や我が国の復興に臨床研究・治験が寄与する可能性についても議論が必要となっています。
 以上を踏まえて、5カ年計画の成果を検証するとともに、臨床研究及び治験の活性化の残された課題と新たな課題を抽出し、次期の臨床研究・治験活性化計画、いわゆるポスト5カ年計画を策定することを本検討会の目的としています。
 2つ目は、「ポスト5カ年計画」の目標についてです。ポスト5カ年計画は、平成15年から開始されました「全国治験活性化3カ年計画」及び平成19年から開始された5カ年計画の合計9年間に取り組まれた各アクション・プランを引き継ぎ、これまでに達成できたこと、新たに取り組むべきことを含めて臨床研究及び治験の活性化のための集大成となる最終段階のアクション・プランとして臨床研究及び治験においてグローバル、又はアジアの最先端を行く国又はそれら地域と同等の位置を目指すことを目標としています。また、ポスト5カ年計画では上記のとおり、これまでの2つの活性化施策の集大成とすべく、また先の東日本大震災という未曾有の事態も踏まえて、我が国の復興に臨床研究及び治験が寄与することを目的としてふさわしいアクション・プランを策定し、アクション・プランを通した医療イノベーションの推進により、日本経済の復興にも貢献できることを目指すものです。
 3点目は、検討会の基本方針についてです。ポスト5カ年計画は、5年間を1つの区切りとして、アクション・プランの策定を行います。ポスト5カ年計画は、平成24年3月末を目途に策定することを目標とします。策定にあたり、5カ年計画の4年間の実施状況の評価と残った課題の同定を行うとともに、新たに取り組むべきことについて論点案に従い議論を行います。検討会の議論に先立ち、より詳細な事項又は専門的な事項を議論するために検討会の下にワーキンググループを設置し、報告を求めるものとします。
 平成24年度以降は、5カ年計画の最終的な評価及びそれに基づきポスト5カ年計画として追加すべき事項について検討を行うとともに、ポスト5カ年計画の中間年には中間評価を実施し、アクション・プランの追加又は修正を行うものとします。以上です。
○座長 ありがとうございました。ただいま、この度の臨床研究・治験活性化に関する検討会の基本方針の背景を含めて方針の説明をしていただきました。特にポスト5カ年計画を作る。それを来年3月までに作ると。非常にタイトなスケジュールで、先生方に大変ご苦労、お手数をかけることと存じますが、そういう方針で、いま事務局からご説明いただきましたが、どなたかご質問、ご意見ありますか。背景についてもう少し詳しい説明は次の資料から行われますので、基本方針の案をお認めいただけますか。よろしいですか。
                 (異議なし)
○座長 ありがとうございました。これを基本方針として今後検討を進めていきたいと思いますのでよろしくお願いします。引き続いて、議題4「臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について」を厚生労働省及び文部科学省からご説明をよろしくお願いします。
○研究開発振興課長(佐原) まず厚生労働省よりご報告をさせていただきます。研究開発振興課長です。資料4-1をご覧ください。資料4-1は「臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について(厚生労働省)」です。
2枚目をご覧下さい。新GCP施行以降、1990年代の後半から2000年代前半までは、いわゆる治験の空洞化が起こっています。そこで、2003年度から開始した3カ年計画、2007年度からは現在実施中の新たな治験活性化5カ年計画を文科省と厚生労働省の共同で策定をしました。基盤整備を行った結果、徐々に治験届出数が増えてきている状況です。
3枚目です。治験の空洞化が引き起こすものということで、患者さんにとって、また医療機関にとって、産業界にとっていろいろなマイナス面があることをこのスライドはお示ししています。繰り返しになりますが、平成15年に治験活性化3カ年計画を策定して、5本柱を建てて、実施をしてきたということです。その結果、少しずつ国内の治験が回復傾向になったため、3カ年計画を1年間延長してその間に次の5カ年計画の策定を行った経緯があります。
 その中身は5枚目のスライドです。現在の5カ年計画の概要です。ここに示したとおり、5つの柱からなっています。5カ年計画の最終的な目標は6枚目のスライドに示しています。5カ年計画により期待される治験・臨床研究の姿として、先ほど森下からも説明させていただきましたが、1、2、3が目標として掲げられています。
 5カ年計画は、いま最終年に入っておりまして、7枚目は進捗状況について5つの柱ごとに書いています。
 まず1点目の「治験・臨床研究を実施する医療機関を整備」については、8枚目をご覧ください。この新たな治験活性化計画では、中核病院・拠点医療機関を選定し、それぞれに治験・臨床研究の実施基盤を整備するために補助等を行い、取り組んできたところです。
 全国治験活性化3カ年計画の頃より、治験のネットワーク化を図っていますが、現行の5カ年計画でも中核病院、あるいは拠点医療機関、そして文部科学省が行っている橋渡し研究支援機関とも連携を取りながら、効率的かつ迅速に治験の実施できる連携体制を構築できるよう取り組んでいます。
 2本目の柱である、治験・臨床研究を実施する人材を育成し、確保する取組みについてです。厚生労働省では、初級者CRCの研修、あるいはローカルデータマネージャー研修等々についての養成に積極的に取り組んできました。ほかにもいろいろな団体で取り組んでいただいています。その全体像としては11枚目のスライドになります。臨床研究コーディネーターCRC養成数の年次推移です。現行の5カ年計画では8,000人の養成を掲げておりまして、平成22年度までで6,708名の養成を行いました。
 また研究者等向けの教育プログラム作成・提供例では、2つのEラーニングの仕組みを設けて、教育にもいろいろ取り組んでいただいています。
 3つ目の柱の国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加を支援することについては、平成19年10月より国立保健医療科学院のホームページに臨床研究登録情報検索ポータルサイトを設置して、企業治験や医師指導治験、臨床研究に関する情報を一元的に集めて国民の皆さんにお知らせする仕組みを整えています。
 そのほか治験啓発活働では、日本製薬工業協会における治験啓発キャンペーンや日本医師会治験促進センターの治験啓発マンガなど、様々な啓発活動にも取り組んでいただいています。
 4番目の柱の治験・臨床研究の効率的な実施と企業負担を軽減する、という点では、治験の依頼等にかかる統一書式の作成・導入を文部科学省、厚生労働省で取り組んできました。
 5番目のその他の課題への対応です。この5カ年の間に医薬品や医療機器のGCPの改正、あるいは臨床研究に関する倫理指針の改正。ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する倫理指針の改正等を行っています。また、平成20年度からは、高度医療評価制度を導入して、一定の条件のもとで臨床研究における保険併用が可能としています。
 以上、これまでの取組状況について説明しました。続いて17枚目のスライドをご覧下さい。5カ年計画では3年目の中間年に中間評価を行うことになっておりまして、検討会を設けて議論を行っています。その時の結論については18枚目にお示ししています。
中間見直しでは、これまでの関係者の取組みにより、全体として着実な改善が見られたこと。また、我が国が治験を実施する環境として世界的な視点から一定の評価を得るためには、まだ解決すべき課題があること。これらの課題について、一定の評価指標を定める必要があること等と報告されまして、今後取組みを加速かつ強化すべき課題として6つの課題が示されました。具体的には、症例集積性の向上、治験・臨床研究の効率化、研究者の育成、人材の確保、情報公開、コスト・スピード・質の適正化です。この中間見直しの議論を踏まえて、平成22年度以降どのような取組みを行ったかについて説明します。
 20枚目のスライドは特定領域治験等連携基盤事業について示しています。平成21年度の中間見直しに関する検討会報告を受け、症例集積性の向上を図るために治験実施が困難な疾患に対して支援を行う事業を、平成22年度より開始しています。この事業には、国立成育医療研究センターが選ばれ、全国の小児疾患の関係機関と連携を図っています。
 また、平成22年9月には治験等適正化作業班を設置しました。21枚目のスライドにありますように1〜4の項目について、今後、取組みをより加速かつ強化するために検討を行い、改善策を報告書にまとめていただきました。この報告書については、本日の資料の中にも入っています。そして、この報告書は、本年6月に文部科学省と共に関係者等に周知徹底を図っています。
 さらに平成23年度は、早期・探索的臨床試験拠点の整備に取り組んでいます。23枚目のスライドをご覧下さい。中間見直しの検討会では、これまでの開発後期の治験の実施体制整備から、今後はより開発早期の治験、POC試験等の臨床研究、あるいはエビデンス創出につながる臨床研究の体制整備によりフォーカスをシフトしていくべきというご意見をいただきました。
 今年7月には早期・探索的臨床試験拠点を5機関選定し、24枚目のスライドに書いてありますキャッチフレーズ「世界に先駆けて臨床試験を実施し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する」を実現するために、ファースト・イン・ヒューマン試験を実施できる医療機関の体制を整備し、新規薬物・機器について世界に先駆けて日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出する拠点を整備することに取り組んでいます。
 25枚目のスライドは、7月に選定された5機関のリストです。
 以上、厚労省としての取組みです。さらに、政府全体としての議論にどのようなものが挙がっているかということについては26枚目のスライドをご覧下さい。税と社会保障の一体改革成案の中でも、「医療イノベーションの推進」が今後、充実、重点化、効率化していく項目の中に含まれ、その中に国際水準の臨床研究中核病院の創設が挙げられています。また、平成22年6月に閣議決定された政府の新成長戦略でも、このことが盛り込まれています。
 最後の27枚目のスライドでは、新成長戦略実行計画行程表をお示ししています。2011年度に実施すべき事項の上から2つ目に、早期臨床試験の強化やグローバル臨床研究拠点の整備を含む「ポスト治験活性化5カ年計画」の策定実施が記載されていまして、本日の検討会につながっています。
 以上、大変簡単ですが、これまでの臨床研究・治験についての進捗状況について報告をしました。
○座長 ここでご質問をいただくことも考えたのですが、一応、資料の3つをご説明いただいたほうが全体的に把握できるかと思いますので、ご質問はそのあと、あるいはコメントはそのあとにいただきたいと思います。続いて、文部科学省からよろしくお願いします。
○文部科学省ライフサイエンス課長(石井) 文部科学省における臨床研究・治験活性化のこれまでの進捗について、報告申し上げます。2枚目の資料の下のところになります。私からは、橋渡し研究支援ネットワークプログラムの進捗と今後について説明した後、医学教育に係る取組みについてまた引き続きご説明いただくこととしています。
 3頁にまいります。橋渡し研究加速ネットワークプログラムの概要としています。私どもは、平成19年度、まさにこの5カ年計画に合わせる形で橋渡し研究加速ネットワークプログラムを開始しています。がんや認知症、生活習慣病等の国民を悩ます病に対する創薬や医療技術などについて有望な基礎研究の成果をアカデミアにおける研究成果を実用化につなげる「橋渡し研究」の支援体制を整備するという目的でこのプログラムを開始しました。全国7カ所の支援拠点、当初6カ所でしたが、平成20年度から1カ所追加して7カ所の支援拠点を中核として、地域性や開発シーズの特性を基本とした大学等から構成される橋渡し研究ネットワークを形成しているところです。
 また、これらの拠点とは別にサポート機関として、先端医療振興財団において各拠点のサポートを行うという形でプログラムを進めてまいりまして、平成23年度までに各拠点2件の研究シーズを治験の段階まで移行させ、拠点の支援能力について一定の確立を図るとともに、各拠点の自立した橋渡し研究支援を促進するということで行ってまいりました。
 4頁です。プログラムの実施体制と成果ですが、科学研究費、補助金など、大学における研究シーズをこの拠点において、企業へのライセンスアウト・先進医療・治験につなげていくと、そして医療として実用化させることを目的とした形でこの拠点を運営しており、この拠点において支援設備、支援人材を育成、整備をしていくことです。
 下のところに成果として波及効果例が書いてあります。例えば、がんのウイルス療法や脳梗塞に対する細胞治療ですとか、こういったものについての医療としての実用化を目指した取組みを行っているところです。
 5頁です。プログラムの進捗状況と今後の方向性です。このプログラムでは大きく3つの到達目標を掲げています。1点目はハード面の整備で、GMP基準等に準拠したレベルで細胞調整設備、CPC等の試験物製造設備を整備することの目標でして、これについては平成21年度の段階で各拠点においてGMP基準等に準拠した支援設備を整備、完成しているところです。
 また、ソフト面の整備ですが、平成23年度までに必要人数の人材の確保・登用を進めるとともに、OJTによる育成を行い、支援能力の蓄積と向上を図るという目標で進めてまいりまして、平成23年度末までの段階でシーズ評価、プロジェクト管理等、すべての面で十分な支援のできる人材の配置完了ができるという見通しになっているところです。
 また、橋渡し研究の推進ということで、平成23年度末までに各拠点2件以上の研究シーズを治験段階まで移行させる目標で進めてまいりまして、現在までのところ各拠点2件の研究シーズを治験段階まで移行できる見通しが得られているということで、概ねプログラムについての目標は達成できる見通しとなっているところです。
 6頁ですが、タイムスケジュールのことで掲げています。平成19年度から第一期のプログラムとして5年間で進めてまいりました。現在その5年目ということですでに事後評価は行われており、概ね目標が達成されたことについてご評価いただいているところです。
 また、平成21年度からは、シーズの育成ということで5年ものと3年ものの公募として、5年もの10件、3年計画のものが4件、これはシーズ育成ということで、これも事業を進めているところです。
 今後の見通しとして現在第二期プログラムの検討をしているところですが、実は平成23年度、今年度からこのプログラムについて、当初委託費で進めていたものを補助金化しているところです。委託費と申しますのは、文部科学省直轄の形でこの事業を進めていたものを、今後、各拠点においての自立を目指すということで、平成23年度から補助金化しており、その補助金化したのを前提に第二期プログラムの検討を進めています。
 自立という目標をどのように達成するかということで、各拠点においても人材の配備等を行っているところですが、これは基本的にプログラムの資金による人材の確保、任期付きなどの形での雇用しているところを、いかに本来の定員化をしていただくか等、本来業務としての体制整備を第二期プログラム以降進めていただくことを考えているところです。
 また、シーズの育成などについては、この中で一部公募を行っていますが、文部科学省のその他のプログラム等も連携した形でのシーズの育成を橋渡し拠点で進めていただくべく、これもほかのプログラムとの連携を進めているところでして、第二期プログラムについては今回の概算要求の中で具体化したもので要求したいと考えています。
 引き続いて、医学教育についての取組みを説明します。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長(玉上) 7頁からですが、医学教育に係る取組みについて説明します。8頁をご覧いただきます。関連で医学部の入学定員の増員ということですが、一時、平成19年に7,625人まで減ったわけですが、これが今年度においては下にありますように8,923人ということで、約1,300人の増員をお願いしているところです。
 その中でも特に本会に関係しますところで、真ん中ほどの増員の枠組みのところをご覧ください。研究医養成のための定員増ということで、研究医の拠点を形成しようということでして、平成22年度、平成23年度を合わせて、平成23年度は6名ですが、平成22年度は17名でしたので、現在のところ合わせて23名の増員、特に研究医枠ということで増員をお願いしたいということです。
 次の頁をご覧いただきますと、モデル・コア・カリキュラムということで、本年3月31日に改訂をした医学教育カリキュラムです。今回改訂の基本的な方向性の中に、臨床実習の系統的・体系的な充実とか、研究マインドの涵養を入れています。下に書いてありますように、医学研究への志向の涵養に資するよう、必要な改訂を実施するということを入れているところです。
 一方、10頁をご覧いただきますと、これは国立大学病院のデータを出していますが、研究時間が相対的に大変減ったことを感じていらっしゃる先生方が大変増えているということです。
 その結果、11頁ですが、臨床医学の研究の国際競争力と申しますか、基礎研究はそうでもないと言われていますが、臨床医学の研究の国際競争力は落ちているというご指摘がありますので、そのため、例えば運営費交付金とか、12頁にありますが、国公私の大学に関する補助金で、クラークを増員させていただく。またはCRCとか、治験を実施する方の体制を強化するというようなさまざまな予算なども一部ありますが、大変厳しい予算状況ですのでなかなかうまくまいりませんが、そのあたりのことについて充実を図っているところです。
 先ほど厚労省からもご説明はありましたが、私どもでも国公私の大学病院に対してCRCの養成なども図っているところでして、これまで約1,500人の養成をしていると。そのような取組みをしているということです。
○座長 続いて、治験中核病院・拠点医療機関等の整備状況を厚労省からお願いします。
○厚生労働省(森下) 今回は特に治験中核病院・拠点医療機関等の基盤整備状況調査の結果について報告します。お手元の資料4-3をご覧ください。まだ暫定版ではありますが、「治験中核病院・拠点医療機関等治験・臨床研究基盤整備状況調査の結果要約」について説明します。この調査の目的、方法については、冊子で綴じてあります1頁をご覧ください。状況調査の調査対象としては、治験中核病院・拠点医療機関等協議会に参加する55機関から毎年回答をいただいています。これまでの取組みの成果についてですが、(1)として治験実施体制について。治験申請時の訪問窓口については、治験依頼者窓口機能があると回答した施設が、全体の95%を占めています。平成19年度では89%という回答を得ていましたが、この5年間、概ね95%で推移しています。
 治験手続に要する最短日数についてご説明します。各機関のSOPに基づく最短期間ですが、表をご覧ください。申請書提出からIRB開催日、IRB承認日から契約締結日、契約から治験薬搬入日については、5カ年計画では目標値をそれぞれ15〜20日、10日以内、7日以内と定めています。これらを平成18年度、平成22年度と中央値で比較してみますと、いずれの期間も減少しています。
 平成22年度について、実測値を参考までに示しています。これも同じく申請書提出からIRB開催日、IRB承認日から契約締結日、契約から治験薬搬入日では、実測値でも中央値でも目標値をクリアしているというところです。
 治験薬搬入から1例目登録では、平成22年度では中央値が38日でした。
 また、ヒアリング回数を見てみますと、平成18年度は最大値では4回、それが平成22年度には最大値が2回となっています。
 IRBへの依頼者の出席についても、平成18年度は10%の医療機関が依頼者の出席を求めていましたが、平成22年度では4%に減少しています。
 (2)、治験・臨床研究に関するネットワークについてです。医療機関としてのネットワークの参加状況ですが、「治験・臨床研究、いずれのネットワークにも参加している」としたものが、平成18年度には63%でしたが、平成22年度には80%となっています。また、「治験ネットワークの中核機能を担っている」とした施設が、平成18年度には33%でしたが、平成22年度には48%になっています。
 (3)、治験に関する人材についてです。平成18年度から平成22年度までの年度推移を見てみますと、いずれの職種においても増加をしていることがわかります。平成22年度を見てみますと、CRCの占める割合は全体の割合では減少していますが、その分、生物統計家、ローカルデータマネージャー、セントラルデータマネージャー、治験事務職といったあたりで増加しているというところがわかります。
 また、教育研修については、1年間に開催した「治験・臨床研究」に関するセミナーの回数をまとめてみました。「開催せず」と回答した施設が、平成18年度には15%ありましたが、平成22年度には4%になっています。また、治験・臨床研究に関連するセミナーの開催の回数を10回以上としたところが、平成18年度は19%から平成22年度には29%となっています。
 (4)、被験者や一般患者に対する取組みについてです。一般患者に対する情報提供等については、治験に関する相談窓口を設けている施設は、平成18年度には35施設から平成22年度には46施設へ。治験に参加した被験者への治験終了後の情報提供については、「何もしていない」とした施設が、平成18年度は19施設ありましたが平成22年度は8施設となっています。
 一般市民向けの啓発活動としては、「実施していない」とした施設が、平成18年度は16施設ありましたが平成22年度は5施設となっています。
 (5)、治験依頼者との役割分担・効率化については、治験の依頼等に係る統一書式の導入について、先ほど佐原課長から説明がありましたが、すべての施設で統一書式は導入済みです。
 (6)、治験の契約形態・支払形態についてです。「単年度契約」と回答した施設が、平成18年度は27%を占めていましたが平成22年度には9%になっています。また、治験の支払形態は「前納返還なし」とした施設が、平成18年度の31%から平成22年度は4%、「一部前納+出来高払い」とした施設が平成18年度は35%から平成22年度は55%となっています。
 (7)のグローバル治験への対応について。国際共同治験の実施について、前年度契約した治験課題数のうち国際共同治験数は、表をご覧いただきたいと思います。平成19年度から平成22年度まで、すべての治験課題件数、中央値をご覧いただくと概ね50〜60台で推移していますが、この課題のうち国際共同治験の数は、平成19年度の中央値が4から平成22年度は22となっています。
 英語の対応状況についてです。「英語の実施計画書の受入」「英語(電話)での被験者登録」「英語の症例報告書の受入」の数は年々増加しており、平成22年度には各々75%、84%、95%を占めています。その対応状況については、英語の症例報告書の受入れでは「問題なく対応できる」と回答した割合が、平成18年度が19%から平成22年度には36%となっています。
 (8)、臨床研究の実施体制についてです。臨床研究の支援部門については、「支援部門なし」と回答した所が平成18年度は10施設、平成22年度は6施設でした。「臨床研究を支援するCRCの部門がある」は、平成18年度は25施設から平成22年度は39施設となっています。「研究者から独立したデータマネージメント部門がある」と回答した所が、平成18年度は15施設から平成22年度は23施設となっていました。
 今後の課題についてです。今後の課題については、1点目、治験コストの適正化として、「治験等の効率化に関する報告書」が本年5月に出ていますが、その中で国際的な動向を踏まえて実績に基づく治験費用の支払い方法を実施し、「前納返還なし」の解消を提言していますが、まだ完全に解消できていません。
 2点目、症例集積性の向上については、90%以上の医療機関が何らかのネットワークに参加していると回答しています。ネットワークの具体的な活動内容としては、治験に関する情報交換、各種勉強会・セミナーの共催が中心であり、関連医療機関からの被験者候補受け入れについては少なく、ネットワークが必ずしも症例集積性には結びついていないという現状です。
 前年度終了した企業治験、医薬品と医療機器についてお示ししています。平成19年度から平成22年度の課題数の中央値を見ますと、概ね10台後半を推移していますが、実施総症例数を見てみますと、この4年間でその数はほとんど一定で70〜80台で推移しているところです。
 3点目、臨床研究の支援体制についてです。臨床研究の支援部門として、治験の支援部門が100%であるのに対し、臨床研究の支援部門は中核・拠点等においても全施設での整備にはまだ至っていません。臨床研究における共同IRB機能についても、自施設では実施しない研究の倫理審査、それらを「実施していない」と回答する施設が、平成18年度の50%から平成22年度は56%となっていました。
 4点目、臨床研究に関わる人材の安定雇用についてです。平成18〜22年度は、先ほどの1の(3)で人員の配置の表を示しましたが、それらを常勤・非常勤の内訳で見てみますと、非常勤の割合が30%程度を占めています。
 5点目、一般患者に対する治験・臨床研究の情報提供等についてです。治験に関する一般患者への情報提供や、相談窓口を持つ施設や、治験に参加した被験者への治験終了後の情報提供の取組みについても、この5年間で進捗が認められていますが、これらについては今後も引き続き啓発を含めてさらにわかりやすい情報提供を行うことが必要です。
 6点目、研究者の育成についてです。治験・臨床研究の教育研修については、平成18年度に比べると増加していることは先に述べたとおりですが、この教育研修の機会を通じて研究者の育成につなげていくことが必要です。
 以上、治験中核病院・拠点医療機関等の基盤整備状況調査の結果、暫定ではありますがご報告申し上げます。
○座長 そのあとに100頁近くのアンケートの実際のデータがあります。それを大変要領よくまとめていただきまして、ありがとうございました。以上が報告です。いままでの報告などについて、委員の皆様からご質問、あるいはコメントを受けたいと思います。いかがですか。
○中川構成員 資料4-2、文科省のご説明の中に13分の10の、「国立大学病院における診療時間の増加等により教育時間・研究時間が減少し、教育研究への支障が懸念されている」とありますが、その1つの原因として運営費交付金がずっと減額されていて、2年前から形ばかり特別交付金というのが上積みされていますが、来年度予算の概算要求で運営費交付金をどのように要求するのか。今年度の額と比べてどうなのかを説明してください。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長(玉上) 平成16年から法人化が始まったわけですが、運営費交付金約900億円の削減がありまして、先生ご指摘のとおり大変大きい影響があります。来年度においては、まだこれからシーリングも出ますので、いまの時点で私どものほうできちんとしたものが立てられたものではありませんが、その厳しい状況の中でどういう形で特に病院のことについて工夫をさせていただくかを、いままさに検討しているところです。いろいろなご指摘もありますので、私どもは最大限頑張りたいと考えていますが、大変厳しい状況のもとでどういう工夫ができるかをいま考えているところです。
○中川構成員 大学病院の運営費交付金が減額されたことによって診療報酬収入を急増させているのです。実際、莫大に収入を増やしているのです。本来の姿でないこの1行に現れているのです。文科省として諸悪の根元の運営費交付金の削減という流れを本気で断ちきらなければなりません。形ばかり努力しますでは何もならないのです。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長(玉上) 運営費交付金の削減問題については、先生のご指摘以前に国立大学法人からも大変厳しい要請をいただいているわけです。私どもも最大限努力をさせていただいていますが、その中でこういう結果ということで、それは本当に申し訳ないことだと深く考えております。是非、努力はさせていただきたいと思いますし、いろいろな工夫をさせていただく。診療報酬について、診療のことは診療のことでまたということですけれども、いずれにしましても、運営費交付金を何とかして一生懸命守りたいという気持ちは、気持ちだけでは何ともならないのですが、そういう努力をしたいと思います。
○中川構成員 それに加えて、私学の場合、私学助成金、これも同じですね。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長(玉上) はい。
○中川構成員 そのために、診療報酬の仕組みが、大学病院が収益が上がるように誘導しているのです。全くおかしなことになっているのです。まずは、その運営費交付金を戻す努力を見せてください。
○文部科学省医学教育課大学病院支援室長(玉上) はい。運営費交付金が診療報酬と直接どうこうということは別としましても、いずれにしましても、絶対的な問題として運営費交付金の減少の問題があることは確かでありますので。
○中川構成員 それと、もう1つ、いいですか。
○座長 はい。
○中川構成員 佐原課長、あなたの説明の中で、「一体改革成案」という言葉が端々に出てくるのですけれど、これはどうなのですか。閣議決定はもとより、閣議了解もされていないのですよ。閣議報告というのは、ただ報告しただけです。閣議で了承されていないのです。これを、新成長戦略と同等に並べて、あたかも大義名分のように説明されるのだけれど、その論拠はありますか。
○研究開発振興課長(佐原) 私としては、事実関係としてそういうものがありますという説明をさせていただきました。政府全体として見ると、もう1つこういう話があるということでご紹介をさせていただきましたが、もちろん、成長戦略は閣議決定でありますので、そちらのほうがより正式なものと考えています。
○中川構成員 「一体改革の成案にも書かれておりますように」とあなたが言うことが問題だと言っているのです。よろしいですか。
○楠岡構成員 厚生労働省治験推進室に、中核病院と拠点医療機関等の進捗状況をまとめていただいて、概ね、問題になっていたスピードが遅いところはかなり改善されつつあること、それから、質は問題ないことが確認できました。残る、コストが高いということが治験の問題点とされていたわけですが、これに関しましても、出来高払い等を導入することで改善が図られてきているかと思います。そのベースになっているのは人材が増えたこと。特に、医師だけで行うのではなくて、CRCはじめいろいろなサポーターが増えてきていること。それから、病院全体としてシステムを作っていく形になってきているのですが、中核病院と拠点医療機関に関しましては、ある意味、補助金が出されていて、その支援の下でここまできている状況があると思います。実際これを、いまの日本のすべての治験の状況に当てはめて考えていいのかどうかに関しまして、実際に治験を依頼している製薬協とかCROの方々、あるいは、中核病院や拠点医療機関ではないところで実際に治験を実施されているSMOの方々からの、感触でも結構ですが、中核・拠点での流れとほぼ同じ傾向にあるのか、それとも少し乖離があるのか、ご意見をいただければと思います。それによりまして、次のポスト5カ年計画をどういう形にするかに、かなり大きな違いが出てくると思います。よろしくお願いします。
○座長 いかがでしょうか。
○川口構成員 なかなか、コストの問題というのは難しくて、必ずしも中核・拠点とほかの医療機関に乖離があるかというと、何とも言い難い。診療所関係がも多いので、その辺の解釈は難しい。コストにかかわるところは私たちも分析して、実質的なコストは一体何なのかを検討しているところですけれども、果してそれも、本当にそれが適正かどうかはこれからの分析が必要かなと理解しています。
○一木構成員 CROの一木です。分析をしたことがあるわけではないので、明確な回答は数字としては出せませんけれども、そんなに開きはないだろうと思います。いずこも同じような認識を持って変わりつつある。ですから、あるところは助成金をもらっているから大きく良くなって、あるところはそうではないということではないと思っています。ただ、これは1つの方向性であって、1個1個の数字が物語っているものではありません。
○座長 よろしいですか。
○松島構成員 SMOの立場から申しますと、案件数は変わっていません。ただ、協会としての全体的な売上げの数字は横這いですので、コストは若干低下傾向にあるのかなと思っています。
○塩村構成員 バイオテク協議会の塩村です。私どもの会の人たちは、難病とか、希少疾病をよく依頼することがあるのですが、存外、成育医療センターなどのセンター病院での治験の実施は遅いことが多いです。逆に、国立大学で一定の患者さんを集めておられる施設のほうが早い。それは、別に成育医療センターがさぼっているという意味ではなくて、ある種、当たり前で、各地域で患者さんを診ておられるので、成育医療センターに来られる方は、何と言いますか、行き着いた先の方が多いと思います。ですから、事実としては、日本の場合は、患者さんが割と分散して存在しておられるので、難病とかオーファンの疾病の治験を依頼するときには、逆にセンター病院に依頼するほうが効率の悪いことが多いです。これはセンター病院のせいではないのですけれども。
○渡邊構成員 コストに関してですが、いま治験にかかわるCRCなどの人材がどんどん増えており、その一方で、1症例当たりのコストの削減が求められています。国際共同治験が増えれば、日本が担当する症例数は、同じプロトコール数を実施するならば、むしろ減る傾向にある。そうしますと、治験によって生計を立てている人たちは多くなっているのに、治験全体に投下される資金は削減される状況に置かれています。コストについては、何が日本にとって有益な適正コストなのかという視点で考えたほうがいいと思うのです。
 それから、もう一つこちらから質問させていただいてもいいでしょうか。
○座長 はい、どうぞ。
○渡邊構成員 文科省の資料の8/13に、研究医の養成のための定員増と書いてあります。この場合の研究医というのは、基礎研究を目指しているのでしょうか、あるいは、臨床研究でしょうか。
○文部科学省医学教育課長(村田) 必ずしもそのどちらかに特定しているものではありません。幅広く研究方面に進みたいという志向を持った学生を、特別なプログラムで育成するというものです。
○渡邊構成員 個人的な意見ですが、臨床研究のエビデンス創出のところにもう少し重点を置いた表現のほうが、よりこの目的に合致するのではないかという気がしました。
 もう1つ、質問です。厚労省から早期・探索的臨床研究拠点が選定されましたが、その中には、大阪大学、東京大学など、文科省の橋渡し研究支援ネットワークプログラムでの支援拠点にも選ばれた施設があります。同じような目的のプログラムが、それぞれの連携をどう保っていくのでしょうか。文科省からのTR、そして、厚労省の早期・探索的臨床研究拠点、どう繋いでいくのかという質問です。
○厚生労働省(森下) まだ、早期・探索のほうは当省として始めたところですので、今後のこととして、文科省とも連携を図っていく機会はあるかと思っています。また、評価としては、こちらもPOとPDを設置しまして5年間の進捗について評価していきますので、その辺りでもいろいろと考えたいと思っています。
○渡邊構成員 目的自体は非常に重なる部分がありますね。
○厚生労働省(森下) 重なる部分もあるかと思います。
○座長 よろしいでしょうか。
○塩村構成員 コメントに近いかもしれません。資料4-3の3頁、(8)です。臨床研究の実施体制のところで、支援部門がないところがまだ6施設あるとか、あるいは、CRCの部門がある施設は39、逆に言えば、16施設はないということですね。また、データマネージメント部門は過半数のところでない。この55機関と、先ほどの説明の、中核病院10機関と拠点医療機関20機関とは、どういう関係にあるのかよく分からなかったのですが、実際に臨床研究をやるときに、支援部門がなくて、かつ、4年も5年も財政的支援を受けている。これをやらない施設は、もう外したほうがいいのではないかと思います。私の理解が間違えていたら申し訳ないのですが。率直に言うと、データマネージメント部門は結構難しいかもしれませんが、支援部門がないと回答するのはいかがなものかという気がします。それが1点、コメントに近いものです。
 いまの渡邊構成員のご質問にも、先ほどの私のコメントにもかかわるのですが、例えば、早期・探索的臨床試験の施設には、ファースト・イン・ヒューマンをやる適切な治験にエンロールすべき患者さんが必ずしもいない可能性があると私は想像します。したがいまして、共同研究を支援、促進しないとならない。例えば、東京大学だとそういう方がたくさんいるのか知りませんけれども、一般的にいうと、国立病院でも地方の国立病院にたくさんそういう患者さんがいたり、そういうことが経験的にはありますので、コラボレーションをしながら、こういう早期試験もやっていかないと、なかなかやっていくのは難しいのではないかという印象を受けました。
○楠岡構成員 いまの塩村構成員のご指摘は、まさにそのとおりです。新たな治験活性化5カ年計画の作成に携わった者の1人ですが、まさにそれをいちばんの問題点と考えて、それで、症例集積性という言葉で表しています。おっしゃったように、日本の場合特に患者さんは全国にいらっしゃって、かといって、治験なり臨床試験を行える機能を持った病院は必ずしも全国均一に存在するわけではない。その中でどうやっていくかの解決策の1つとして出してきた言葉がネットワークで、まさに、患者さんのいる病院と、治験あるいは臨床試験を実施しようとする病院が連絡を取り合う。その中で、場合によっては地域の病院に臨床試験の一端を分担いただく。ただ、そのときに、いままでやったことがない病院がすぐにできるわけではありませんので、そういう場合にどう支援するのか。あるいは逆に、お手数ですけれども、患者さんが一時的に、試験のできる病院に、通える範囲であれば通っていただいて、その間だけは試験にご参加いただく。そのような連携を深めることで全体的に進めていくことが、5カ年計画の1つのキーになっていました。結果としては、先ほどの報告にありますように、教育・研修等に関しての連携はかなり進んでいるのですけれども、実際に患者さんあるいは被験者を巻き込んだ形の連携まではなかなか進んでいないところがありまして、それを少し進める意味で、今回、成育医療センターを中心とした小児疾患のネットワークを作る形になったかと思います。基本的には、別に小児疾患だけではなくて、すべての疾患において、あるいは広い意味で、生活習慣病も含めて、いかにネットワークを構築していくかになると思います。
 韓国が非常に治験が進んでいると言われますが、韓国でも、すべての病院が治験を行っているわけではなくて、全国で10箇所程度なのです。しかし、その10箇所の病院は、ベッド数が3,000で、外来患者数が5,000というような病院です。結局、それだけの患者さんが集まるところでないとなかなか研究は進まない実態がある中で、では日本でそういう病院をいまから造るかというと、とてもできるわけではありません。それをバーチャルで実現しようとしたのがネットワークという考え方です。ですから、まさに塩村構成員の指摘されるとおりで、そこがたぶん、先ほどの中でも、次のポスト5カ年計画に残された課題の大きな1つではないかと思います。よろしいでしょうか。
○塩村構成員 はい。
○楠岡構成員 それから、治験に関しては確かに進んだのですが、まさに臨床試験、臨床研究が遅れていることが先ほどのデータでも出てきていると思います。臨床研究となりますと、やはりコアになる病院、要は、臨床研究のプロトコール等を作り、データを集めてマネジメントする、コアになる病院と、自分で全部そこまではできないけれども協力は惜しまない、連携を取って行う病院とで進めていかざるを得ないと思うのです。そのコアになる病院が、5カ年計画では中核病院だったと思いますし、また、文科省の計画の中では、TR拠点がそれだったと思います。いまの報告の中で、臨床研究の基盤が進んでいる病院は、どちらかというと中核病院が多く、拠点医療機関は基本的にそこまでのことを最初の目標の中で求めていませんでしたので、協力的なところです。問題は、中核病院なりTRなり、あるいは今度の早期・探索なりが、どうやってそれを進めていくかです。1施設が頑張ろうと思っても、先ほどのまさにネットワークの問題で、なかなか進まないところがあるので、そこをどう進めていくかが次の課題ではないかと思います。
 もう1つは、いま、治験もそうですが、プレーヤーは揃って、病院も頑張っていますし、個々の医師あるいは関係者も頑張っていますし、依頼者も進めようとしているのですが、いくらプレーヤーが揃っても、肝心の患者さんがおられないと治験は全然進みませんし、臨床研究に関しても全く同じ問題があります。いままでの中で比較的遅れてきたのが、患者さんへの啓発であります。なかなか、患者さんに参加していただくのが難しい。特に、日本は国民皆保険制度の中でいかに治験に参加していただくために、メリットと言うとおかしいですが、完全に100%ボランティアで参加していただくのか、多少とも患者さんにもメリットを受けて参加していただくのかも、非常に大きな違いになってきます。その辺に関して、いかに患者さんあるいは患者の周辺にいる方々の理解を得ていくかが、次の大きな残された課題ではないかと考えています。先ほどの中で、啓発活動に関してはなかなか進んでいないというデータがあったと思いますが、それがまさにこの点だと思っています。

○小林構成員 難病の子ども支援全国ネットワークの小林です。私は、難病の子どもの家族と子どものサポートをしていて、我々の活動には、子どもの難病の団体が50団体ほど一緒に参加して活動しています。いまのご意見をお聞きしながら、個人的な印象ですが、多くの人たちは、臨床研究で治験などに協力することに決して否定的ではなくて、ちゃんと説明をすればむしろ喜んで協力してくれる人のほうが多いように私は感じているのです。ただ一方で、我々はいろいろな相談を受けたりしていますと、治験をやっている臨床医から、非常に冷たい、例えば、治験に協力してくれと言われてわざわざ遠い大学病院に行ったけれども、血液を採られて、後はその結果の説明も何もなしで、「そんなことが心配だったのか、そんなものは自分の主治医に聞きゃすぐ分かるよ」と言われたとか、それはたまたま1例かもしれませんけれども、そういうことを聞きます。この報告を見ながら先ほど感じたのは、臨床医に対する教育をもっとしっかりちゃんとやっていただく必要があるのではないかともちょっと感じました。
○本田構成員 読売新聞の本田です。私自身は乳がんの患者で、患者会の皆さんとの個人的な付き合いなどもある中で、最近は、がんの患者さん、特に再発を経験されたり、もしくはそれを心配している方の中には、どこで治験をやっているのか質問されることがよくあります。これも私の個人的な印象なのですが、今日のお話を全部聞いていても、やはり治験を実施する主体のほうから物事が全部見られていて、プレーヤーの本当はもう片方である、受ける側とか患者側からどう見えるかという視点が感じられないというか、何か遠いところにあると感じました。それと同じように、国民とか患者もやはりまだ遠いところにあるのかなと思うのです。ただ、がんなどの疾患の場合は、新しい治療、薬に対しての思いが熱いので、興味、関心は大変深まってきていると思います。ただ、何となく分からない。
 この前聞いたある患者さんからの相談は、自分の行っている病院は治験などをあまりされていないようだ、ただ、乳がんの診療はすごくやっているところなのだけれども、そういうネットワークとは違う病院なのだ。自分がもしも治験を受けられるような病院があれば、そこの病院に行ってでもいいから受けたいのだけれども、それは患者個人が動けるものなのか、それとも自分の主治医の先生がそういうネットワークに入っていなければできないものなのか、そういうことを心配されている方もいらっしゃいます。その辺の対応も、先ほど、楠岡構成員がおっしゃっていたネットワークに関しても、研修などのネットワークは進んでいるけれども、被験者の候補の受け入れとか、そういうネットワークはまだまだだというのは、まさに患者も実感しているところであって、こういうことの対策を取って欲しいと思いました。普及・啓発の部分は、一般国民向けのものも必要だとは思いますけれども、そういう大きなものと、もっと必要とされているような、患者さんとか家族とかへの、もう少しターゲットを絞ったようなものもあってもいいのではないかと最近常に思っています。
○座長 貴重なご意見をありがとうございました。そのほかにありますでしょうか。
○中西構成員 ネットワークの話が出たので発言させていただきます。私自身は福岡県で4大学を含めた10病院ぐらいのネットワークをもやっています。また、がんあるいは循環器系の疾患の、いわゆる疾患別のネットワークにもかかわっています。経験の中から感じていることは、病院とか治験管理センター等が中心になってやるネットワークはなかなか機能しません。やはり、患者さんを実際にご覧になる主治医、あるいはそこでの診療の中からの患者さんの希望がどう伝わるかという点から考えると、どうしても、疾患別のネットワーク、これも治験のネットワークというよりも、臨床試験・臨床研究のネットワークのようなものの中から、治験にクオリファイする被験者の方が上がってくるというのが、いちばん有効だと思っています。したがって、ネットワークという言葉を決して否定するわけではありませんが、恐らく、いままでネットワークとして私自身も感じていたのは、病院単位の大きなネットワークなのですけれども、治験と臨床研究をうまくリンクした形で疾患単位のネットワークは地域にたくさんあります。例えば、がんだけで言えば、国内でウェブサイトを持っているネットワークが40か50あると思います。こういったものとうまくリンクするような方策を立てることが非常に大きくこれを活かすことになるのではないかと思います。
○座長 そのほかに、いかがですか。
○山本構成員 私が言うのも何ですけれども。患者さん側の視点が抜けていることもあると思いますが、実際に治験を企画される製薬会社や医療機器の方々の視点もやはり抜けているのではないかと思うのです。先ほど、方向性としては同じというようなご意見がありましたが、本当に、今回出てきている数値のところが、治験をやるのに適した病院なのかどうか。全体の、日本の治験をやっている中での位置付けというか、ボリュームなど、こういうところでは出ないのですが、インフォーマルに伺うと、今回選ばれているようなところには治験を持って行きたくないとか、そういうことも聞きます。ここだと言いにくいから言わないのかもしれませんけれども。持って行きたくないところを、病院側がいくら整備しても、あまり企業側のニーズとは合わないように思います。選考過程でもっと製薬会社の方々の意見を聞くとか、何か。私が間違っているのであればいいのですが。治験と臨床試験は、いま中西構成員がおっしゃった意味では私も一緒にやったらいいと思いますが、必ずしも一致しないところもあると思います。依頼者側の意見をもっと取り入れたほうがいいのではないかと思います。
○川口構成員 ありがとうございます。実は、私たちはこの5カ年を振り返っていかなければいけないと思うのです。振り返ってみると、中核・拠点というのだから、そこが中心になってリーダーシップを図って欲しいという期待を持ってその医療機関が決められてきたのです。ところが、この成績を見ても、結局、ただ治験などに参加したとか、ただ臨床試験などを実施しているとか、そんな感じで中核・拠点が評価されているのです。振り返ると、拠点医療機関などに本当に私たちが治験を頼みに行っているかというと、そこよりもほかのところへというケースもないわけではない。したがって、今後大切なことは、そこが本当にリーダーシップを取っていただくこと。先ほどネットワークの話も出ましたけれど、本当にネットワークができるのかも含めて、そのリーダーシップを期待したいと私たちは思っています。
○赤堀構成員 医療機器に関しても、先ほどバイオテクの方がお話されたように、ここに載っている中核病院での治験というよりも、やはり専門性を有した専門病院での治験が多いことがあり、その辺は今後どう整備していくかが必要です。やはり、こういった大学病院等で治験する場合には、先ほどから話題になっているネットワークの形成をきっちりしていかなければならない。その辺も含めての整備が必要であろうかと考えています。
 ちょっと話が前後してしまいますが、コストに関してです。実は、医療機器のほうも、ようやく実際の治験コストの調査をいま始めているところで、第1回目の調査が終わったのです。相対的に見ると、全体像は医薬品とあまり変わらないコストになっているのが、いまのところです。最終的な結果はまだ出ていませんので発表できませんが、一応、そういう傾向にあることは分かってきています。
○近藤構成員 PMDAの立場も含めてお話させていただきます。私は、ドラッグ・ラグ、デバイス・ラグの解消をミッションの1つとしてPMDAに来たのです。厚生労働省の発表の中の、資料2で、新GCPが完全に施行された1997年から治験が急速に減少しています。これは非常にはっきりしたデータですが、これは治験を実施する医療機関にIRBが欠けているとか、体制が不備で、日本で実施できなかった結果です。それにつきましては、治験活性化3カ年計画、5カ年計画、これらを進めていくにしたがって、IRBが整備され治験がどんどん進められていくようになり治験の数が元に戻った。これは体制の整備でなってきたのです。これはあくまでも、ご覧のとおり、治験についての結果です。一方、実は大事なことは、大学にしろナショセンにしろ、多くの病院にしろ、治験の他に臨床研究も同時に進められているのです。この臨床研究については、IRBと全く同じことをするのですけれども、組織として倫理委員会が設置されて別に行われているはずですが、これも整備が非常に遅れている。つまり、薬事に詳しい方がそういう体制を支えていなかった。せっかくいいアイディアがあって研究されても、それが薬事法にもとづいて有効に実施されてこなかった。そういうことで、各施設で治験と臨床研究を推進する構造が二重になっていて、その不備のために遅れてきたことは事実だと思います。したがいまして、薬事に詳しいお医者さんや薬剤師さん、そういう人たちを積極的に配備する努力が、治験の推進機関には絶対に欲しい。その為には、PMDAとか厚生労働省でもいいのですが、そこでの業務経験を積んでもらう様な努力を各医療機関はして欲しいと思います。
 それから、この会議の大事なテーマは、臨床研究・治験活性化でありますから、シーズをどう見つけて、どう育てていくかということだと思います。実を言うと、製薬企業のこの何年間にわたる研究成果は、世界で売れている100品目の医薬品の中の、その国籍をたどりますと、日本はアメリカ、英国に次いで3番目にシーズを開発した国です。さらに347品目について見ますと、米国に次いで2番目なのです。実は、製薬企業を中心とする低分子化合物における開発能力は非常に高かった。しかし、この10年、低分子化合物についてはなかなか欧米においても新規な開発が遅れている。つまり、低分子化合物に限界が生じているわけです。そこで、新しい物質を開発していかなければならないとなると、これは間違いなくバイオです。バイオの研究の母地というのは臨床研究しかないのです。そうすると、製薬企業は臨床研究をやっているところと組まなければならない。このテーマ、臨床研究活性化は、まさにそれがあると思います。
 先ほど渡邊構成員からご指摘があったトランスレーショナル・リサーチ云々の話と、厚生労働省がやろうとしている探索的研究は、全く同じです。違いはないと思います。トランスレーショナル・リサーチというと、シーズを見つけてそれをものにしていくという、基礎から臨床へと言いますけれども、実は、臨床で発見されたものを基礎に持って行って整理してもう1回臨床に戻す、つまり、トランスレーショナルの考え方を考え直さなければいけない。となると、私は、この任務を持った研究機関ないし病院は、臨床現場でシーズを発見し、シーズを育てるミッションを明確に出してもらわなければならない。どうやってシーズを出していくのか、つまり、その病院にいるお医者さんが、まず大事なことは、フィジシャン・サイエンティストでなければならない。または、サージェン・サイエンティストでなければならない。つまり、科学的精神を持ったお医者さんにしっかり活躍してもらい、そういう人が発明・発見したものを基礎的に持って行って、また応援していく、そういう体制を整える、その流れのリーダーシップを発揮していただきたい。また、ただ自動的に何か発明・発見されるわけではなくて、戦略的に、シーズというのは発見していく必要もあります。欧米はまさにそれでやっているのです。そういう、臨床の現場が、もう少し戦略的にものを見つけ出す体制を作ってもらいたい。
 例えば、医療機器でいうと、ミシガン大学などは、3人ぐらいの学生にまず薬事を徹底的にブートキャンプで教え込み、その後で、その病院の中に張り付けて、その機能などの不備・不足を見つけ出させて、興味ある点を探し出させて、少なくとも1人に100品目ぐらいの項目を挙げさせて、その中から絞って2、3項目にしたものを、自分のアイディアで物に作る形にして、設計図を書くなり、どういう部品を作るか持って行く。最終的にそれで近郊にあるいろいろなベンチャー企業と相談してパテントを得て、大学も稼ぐ。自立的なものもあるかもしれないけれど、基本的には、そういう戦略的に物事は見つけ出さなければならない面もある。ですから、2つのルートでシーズは開発していかなければならない。これだけ多くの大学又はセンターが設定されたのですから、そういうところはただお金をもらって誰かシーズを出してくれないか探すというのではなくて、探させる仕組みを作ってもらいたい。そうしていかないと、決して物は出てこない。受身では欧米にはいつまでたっても負けてしまいます。ただ、先ほど申し上げたように、日本はもともと開発能力は非常に高い。化学製品ではそうですから、だから、バイオや医療機器でも同じことができるだろう。是非そういう形でやる覚悟を持って、各施設の方々は、ミッション・ステートメントを出してやってもらいたいという気がします。以上です。
○座長 どうもありがとうございました。そろそろ時間です。大変貴重な、有意義なご議論、厳しいご意見も数々いただきました。
 これから論点をどう整理するかという問題ですが、いまお話をお聞きすると、具体的な問題点は3つにまとめられるのではないかと思います。1つは、国から補助金などが出ていて、非常に貴重な財源を使っているので、これは文科省も厚労省も、補助金を出すときには、省庁の壁を超えて連携をしっかり取って、効率的に公費財源を使っていただきたいというご意見でした。
 2番目は、非常に大規模な病院、アメリカのハーバードなどは1,000床以上の病院が4つも5つも、附属病院、affiliate hospitalsという形でネットワークされている。韓国もお話にありました。ところが我が国は、大から小まで、非常に多様な多彩な内容を持った病院の集まりであるので、連携が必要である。これが2番目です。治験推進のときに、ネットワーク作りが必要であるということですが、そこにはやはり中核病院の役割も、もう少しリーダーシップを取って欲しいという話。それから、症例集積性も大事だけれども、患者さん側からの視点のネットワーク作りを考えて欲しい。あるいは、依頼者である開発メーカーさんからの視点も十分取り入れたネットワーク作りをする必要があるのではないか。
 そして、3番目は、いちばん大事なことは国民の皆さんに治験・臨床研究の理解を深めていただくにはどうしたらよいかです。いろいろと言われていますが、やはり、広報が大事である。治験にかかわる医師の教育をもう少ししっかりして欲しいなど、患者さんの視点からのご意見もありますし、依頼者側からも、治験に熱心な医師を教育して欲しいというご意見がありました。我が国は、合成化学ではほとんど毎年のようにノーベル賞を取っていますので、近藤構成員が言われるように、シーズは十分に見つけ出す可能性があるので、これを戦略的に臨床応用に持っていくシステムをどう構築するか、具体的に今後検討していきたいということです。
 資料5「検討のための論点」は、これは構成員の方々のいろいろなご意見をお聞きする前にまとめましたので、今日のご意見を参考にまたリバイズして検討したいと思いますが、一応、事務局から説明してください。
○事務局 「臨床研究・治験活性化に関する検討のための論点について(案)」を資料5に基づいてご説明させていただきます。この検討会を始める前に、事務局では論点案を大きく3つに分類していました。1点目は、「9年間の治験活性化計画を踏まえたさらなる飛躍と自立」で、1.治験に関しては、中間見直しでも改善傾向にあるとは出ていますが、実施医療機関及び治験依頼者の間で完全自立が可能な体制を構築すること。2.としては、「新たな治験活性化5カ年計画で残った課題の完全解決に向けた取組みについて」を論点としています。例えば、コストの適正化、症例集積性の向上、被験者保護のあり方、医師等の人材育成、国民への普及・啓発、治験手続の効率化、IT技術のさらなる活用等を挙げています。
 2点目は、「イノベーション」としまして、革新的な技術・医薬品・医療機器の日本からの発信を掲げています。グローバルに通用する国際水準を保持した臨床研究の推進、新成長戦略に基づいたアクション・プランの策定の必要性を踏まえながら、臨床研究及び治験の実施体制の整備を行う。これには、早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究中核病院、グローバル臨床研究拠点等のあり方についてなどが含まれます。2.として、臨床研究における倫理性および質の向上について。これは平成25年までに改正が予定されています「臨床研究に関する倫理指針」との関係についての点と、質の高い臨床研究の実施促進と被験者保護のあり方についてを挙げています。
 3.その他としまして、小児・難病・希少疾患等への取組みについて。あるいは、医療機器・再生医療への取組みについて、利益相反や資金提供等のあり方についてなどを挙げています。3点目の、復興に向けた取組みとして、大規模災害が発生した際の迅速な対応についてで、被験者の安全確保やデータの信頼性確保などを挙げています。3.としては、中・長期的な日本経済の復興の手段として臨床研究及び治験の積極的な活用について、論点として挙げています。以上です。
○座長 どうもありがとうございました。大体、構成員の方々からいただいた趣旨が、読めば中に入っているような感じもします。取り敢えずは、この論点について、こういう方向で検討したいということです。具体的には、内容をリバイズしながらやっていきたいと思いますが、一応、この論点についてお認めいただけますでしょうか。
                  (了承)
○座長 ありがとうございます。
○山本構成員 先ほど言えなかったのですけれど、いままでで抜けていたところに、早期開発もありますが、臨床研究及びエビデンスの創出につながる大規模臨床研究というものもありましたね。CRCさんが、臨床研究で多施設でやるようなものになると、全く壊滅状態というか、全然ついていない状況なので、これだとその部分が抜けてしまう気がします。イノベーションの2か、1点目の2か分かりませんが、CRCさんがどんどん出てきて、治験は数が減っているところもあるので、臨床研究にCRCさんが確保できるような、幅広い臨床研究のサポートのようなものも読み込める論点をどこかに入れていただきたいと思います。
○座長 ありがとうございました。
○塩村構成員 基本的にこれで非常によくまとまっていると思います。小児・難病・希少疾病を専門的に開発している会社なので、こういうものは、基本的にはなかなかうまく儲からないのです。ライバル意識をもって頑張りましょうということも結構だと思いますが、やはり、欧米諸国では、国が治験や臨床研究に対してどのような予算措置、公的補助をしているのか。それと比べて、我が国がどういう状態にあるのか、是非、ご議論いただければと思います。
○座長 ありがとうございました。これは、オーファン・ドラッグ、「その他」のところの取組みについての中でまた議論させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。それでは大筋はこの方向で議論を進めることで、今日いただいたご意見を反映しながら、最終的な新たなポスト5カ年計画を今後作っていきます。
 事務局から今後のスケジュールをお話しください。
○事務局 次回以降のスケジュールについて説明させていただきます。資料6をご覧ください。まず、冒頭でもありましたが、8月、第1回目を本日させていただきました。本日は議論の基本方針の決定と、5カ年計画の4年間の実施状況の評価、残った課題の同定、論点整理についてご議論いただきました。第2回目の日程はいま構成員の先生方に確認中ですが、9月の中旬頃としています。今日は、医療機関側の状況調査の結果報告で、第2回目では、関係機関とも連携を取りながら、引き続き、5カ年計画の4年間の実施状況の評価を検討していきたいと考えています。さらに、今後のワーキングで検討すべき課題を決定するところまで持っていくことを予定しています。第3回以降は、かなりタイトなスケジュールで申し訳ありませんが、原則、最低月に1回、この検討会を開催する予定にしていまして、来年3月末の次期臨床研究・治験活性化計画の策定に向けて作業を進めたいと思います。ただ、3回目以降につきましては、必要に応じてワーキング・グループを開催することとしていますので、この開催予定はあくまでも予定としてご確認いただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○座長 どうもありがとうございました。大変タイトなスケジュールで、今日たくさんいただいたご意見をすべて盛り込んで計画を作るのは大変な作業になると思いますが、是非今後ともご意見をいただいて、よかったなという5カ年計画を作れれば大変ありがたいと存じます。以上で本日の議題を終了させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。次回以降もよろしくお願いいたします。
(了)


(了)

照会先
厚生労働省医政局研究開発振興課治験推進室
TEL 03−5253−1111
治験推進指導官 森下 内線4165

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