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2011年9月9日 第24回がん対策推進協議会議事録

健康局総務課がん対策推進室

○日時

平成23年9月9日(金)
14:00~17:00           


○場所

厚生労働省 9階 省議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議題

1 開  会

2 議  題
(1)平成24年度予算要求に係る意見書について(報告)
(2)がん教育に関する意見について(報告)
(3)小児がん、緩和ケア専門委員会からの報告に関する意見について(報告)
(4)がんの手術、放射線療法に関する意見について
(5)その他

3 意見聴取
 ・化学療法・ドラックラグについて
  ア.化学療法について(直江参考人)
  イ.ドラッグ・ラグについて(片木参考人)
  ウ.新たな治験活性化5ヶ年計画(医政局研究開発振興課)
  エ.未承認薬・適応外薬解消に向けての検討について(医薬食品局審査管理課)
  オ.化学療法(ドラッグ・ラグを含む)(堀田参考人)

○議事

出席委員:門田会長、天野会長代理、上田委員、江口委員、嘉山委員、川越委員、北岡委員、田村委員、中川委員、中沢委員、野田委員、花井委員、原委員、保坂委員、本田委員、前川委員、前原委員、眞島委員、松月委員、松本委員
参考人 :片木参考人、直江参考人、堀田参考人

○鷲見がん対策推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第24回「がん対策推進協議会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
 事務局で健康局がん対策推進室長の鷲見でございます。よろしくお願いいたします。
 初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、中川委員及び野田委員、また本田委員、田村委員からは事前に開催時間に遅れるとの御連絡を受けております。
 がん対策推進協議会の委員定数20名に対しまして、本日は20名すべての委員の方に御出席いただく予定でございますので、議事運営に必要な定足数に達することを御報告申し上げます。
 なお、事務局には厚生労働省のほか、文部科学省及び経済産業省より御出席をいただいております。
 また、本日は、化学療法に関する意見聴取としまして、名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学教授の直江様。
 ドラッグ・ラグに関する意見聴取として、卵巣がん体験者の会スマイリー代表の片木様。
 まだいらしていないようですが来られる予定となっております、国立病院機構名古屋医療センター院長の堀田様を参考人としてお呼びしており、後ほど御意見をいただくこととしております。
 それでは、以後の進行につきましては、門田会長にお願いいたします。会長、よろしくお願いいたします。
○門田会長 皆さんこんにちは。台風が通り過ぎて涼しくなるかと思っていますが、この部屋は特別に暖かいようでございます。それでも今日20名中20名参加していただけるということで、前回も非常に多い出席でございましたが、今回も全員集まっていただきまして大変うれしく思っております。
 今回も内容的には非常に多くて、前回同様、長引く可能性もあるかと思いますので、できるだけ委員の皆さんにおかれましては、簡潔な御発言をよろしくお願いしたいと思います。
 本日は、前回の協議会でとりまとめ意見をいただいた平成24年度予算要求に係る協議会意見書、がん教育に関する委員からの意見、小児がん及び緩和ケア専門委員会報告書に対する委員の皆さんからの意見についてとりまとめておりますので、それを御報告させていただくということがまず報告事項でございます。
 がんの手術、また放射線療法については、前回の参考人の方からの御意見を聴取いたしましたが、皆さん方から当日いただいた御意見と事前にいただいた御意見をとりまとめておりますので、その内容について集中審議をやっていただく。集中審議に際しては、各委員の皆さんから提出した資料もございますけれども、できるだけ資料は発言の中で織り込んで使っていただきたいと思っております。
 その後、前回協議会で御発言がありましたけれども、セカンドオピニオンに関する意見につきまして、患者関係委員の皆様から資料を提出していただいておりますので本日それも御説明をしていただくということをし、最後に、先ほども御紹介がありましたけれども、化学療法、ドラッグ・ラグについて参考人の皆さんからの御説明をいただくということにしたいと思います。
 先ほども申しましたけれども、非常に内容が豊富でございます。同時に、時間に追っかけられた協議会となっておりますので、是非御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、事務局の方から資料の確認をお願いいたします。
○鷲見がん対策推進室長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料1「がん対策推進協議会委員名簿」。
 資料2「平成24年度予算要求に係るがん対策推進協議会意見書(案)」。
 資料3「がん教育に関する委員からの意見のまとめ」。
 資料4「小児がん専門委員会報告書に関する委員からの意見のまとめ」。
 資料5「緩和ケア専門委員会報告書に関する委員からの意見のまとめ」。
 資料6「がんの手術・放射線療法に関する委員からの意見のまとめ」。
 資料7「直江参考人提出資料」。
 資料8「片木参考人提出資料」。
 資料9「『新たな治験活性化5カ年計画』の概要について」。
 資料10「未承認薬・適応外薬解消に向けての検討について」。
 資料11「堀田参考人提出資料」。
 参考資料1としまして、小児がん専門委員会の報告書。
 参考資料2としまして、緩和ケア専門委員会の報告書をお付けしております。
 また、田村委員提出資料、中川委員提出資料、松本委員提出資料を添付しております。
 委員の方々のみに机上配付資料といたしまして、原子力災害・子ども健康基金の概要、セカンドオピニオンの認知度について、机の上に置かせていただいております。傍聴で必要な方につきましては、経済産業省及び内閣府のホームページに掲載されておりますので、そちらをごらんいただきますようお願いいたします。
 以上、資料の過不足等ございましたら事務局にお申し出ください。
○門田会長 皆さん、よろしゅうございますか。
 それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず議題(1)「平成24年度予算要求に係る意見書について」ということで、前回御議論いただきました内容を追加させていただきましたものをここで御報告させていただきたいと思います。事務局の方からよろしくお願いします。
○鷲見がん対策推進室長 それでは、資料2に基づきまして御説明させていただきます。
 前回の協議会におきまして委員の方々に御議論いただき、またその後、先月末までを締め切りといたしまして意見の提出をいただきました。これらにつきまして、事務局としまして、平成24年度概算要求に新たに盛り込むべき事項、規定予算の活用等を行い充実強化すべき事項ということで整理させていただいた上で、意見を提出していただいた委員の方々にはこうした形で記載をするということで了承を得たものをこの資料として提出させていただいているところでございます。
 新規の方に関しましては1ページの新たに盛り込むべき事項の「(2)緩和ケア」のところなんですが、一番下に「がん患者・家族が住み慣れた地域において切れ目のない緩和ケアを受けられるように、がん診療連携拠点病院と地域内の在宅緩和ケアを専門とする診療所等の連携強化を目的としたネットワークを構築することに必要な予算措置を行うこと」ということを新規としては新たに盛り込むべき事項として入れさせていただいております。
 また、規定予算の方でございますが、1点申し上げさせていただきたいのが、前回の提出資料の中には東日本大震災に伴う予算要望ということで記載がございましたが、実は本日お手元に机上配付資料として載せておりますこちらの1枚紙、原子力被災者・子ども健康基金というものをごらんになっていただければと思います。一番後ろの方に入ってございます。
 こちらは経済産業省から平成23年度第2次補正予算ということで、既にこうした形で予算措置がなされているものでございます。こうした形で第2次補正予算として対応がなされているものですから、前回掲載されておりました文言、要望書としての文言というものを削除させていただいているところでございます。それについて御報告させていただきました。
 事務局からは以上でございます。ありがとうございます。
○門田会長 ありがとうございました。前回、御意見いただき、またその後、幾つかの御意見をちょうだいしたということでございまして、大きく変わったところというのが先ほどございました緩和医療に関して地域のネットワークの重要性ということで、やはり記載するべきではないかということ。もう一点、原子力関係、放射能関係のことにつきましては、経産省の方のこういう予算が既に決定されているということで、今回はこの意見書の中からは省く方向でさせていただくということを変更点として御説明いただきました。
 こういう形でまとめたいと思いますが、どなたか御発言ございますか。
 どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございました。1点質問でございます。
 先ほど経産省の所管になっている原子力被災者・子ども健康基金、782億円が補正予算に付いているという御説明をいただきましたが、これを拝見させていただくと、県ということで福島県の県民の方を主に対象とした事業であると承知しておりますが、例えば低線量被曝ということに関して申し上げますと、福島県のみにかかわらずその周辺の県、これは関東も含まれるかとは思うのですが、そういった県の放射線影響に関する対策も経産省の所管なのでしょうか。それとも厚労省の所管になってくるのでしょうか。その辺り、もしわかれば教えていただければと思います。
○鷲見がん対策推進室長 済みません。一応この原子力関係につきましては、経産省さんが対応されるとお聞きしております。
○門田会長 よろしゅうございますか。今回をもってこういう形で意見書として出させていただくということで、本会で一応お認めいただいたという形で出させていただきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に参りたいと思います。議題(2)「がん教育に関する意見について」をまとめたものについて報告させていただきたいと思います。これも前回、いろんな御意見をたくさんいただきましたが、その後、意見をちょうだいし、あるいは口頭の意見を踏まえてこういうふうな形でまとめさせてもらいましたので、事務局の方から説明をお願いします。
○事務局 それでは、事務局の方から資料3「がん教育に関する委員からの意見のまとめ」について御説明をさせていただきます。前回も資料を提出させていただきましたが、今回も同じように修正のあった部分を主に説明させていただきます。
 1ページ目の下の部分「2.教育の対象者について」の?の2つ目ですが、がんに関する教育を推進するためには、だれに対して何を教育するのか、またそのために必要なものは何かといった全体のストラテジーを明確にしておく必要がある。対象については、医療関係者、がん患者・家族・支援者、がんになっていない成人、成人になる前の学校教育の4段階があると考えられ、それぞれのカテゴリーで教材・教育内容をどのようにするか、だれが協力するか、フォローアップ体制について押さえておく必要もあるのではないかという御意見をいただきました。
 2ページ目ですが、?の一番下の星ですけれども、がん教育については、「がんに関する児童・生徒を対象とした学校での教育」と定義し、大人に対してはがん啓発とこうした用語の使用についての御意見をちょうだいしております。
 3ページ目「3.学校におけるがん教育」の一番上のところですが、学校教師への講演などから、教師にがんに関する知識が乏しいことが確認されているという御意見をいただいております。
 また「?対象者と実施時期に関して」は、最後の部分ですが、細胞分裂や遺伝子に関する知識ががんを理解する上で重要であるほか、子宮頸がん予防ワクチンの接種時期との兼ね合いもあり、がん教育は中学生を対象とすべきと御意見をいただいています。
 ?は最後の部分ですが、がん教育実施後、多くの生徒が学んだことを親に伝えたいと述べたということをいただきました。
 4ページ目「?学校教育について考えられる対応」の中ですが、下から5番目について説明させていただきます。文科省の制作協力を得たがん教育用のアニメを活用すべきであるという御意見、また一番下ですが、学校保健会とがん関係学会が協力し、がん医療の専門家が学校医に対してがん教育を施し、学校医が学童・生徒に対してがん教育を行う仕組みを構築すべきである。
 5ページ「4.教育の内容について」の?の上から6番目、1次予防、2次予防が非常に有効であること、手術、放射線治療、化学療法など、治療の選択が可能であること、セカンドオピニオンの重要性、こうしたことを項目として入れるべきではないかという御意見をちょうだいしています。
 「?死、命に関する教育について」の一番上のところですが、自分たちには縁がないと思っている死について、人として生まれたからには必ず死が訪れる。しかし、それまでは1日1日を大切に生きるという教育が必要であるという御意見をいただいております。
 6ページ目の一番上、アニメによる授業の結果、生徒から「命の大切さに気づいた」など、ポジティブな感想が多く寄せられたという御意見をいただきました。
 「?がん予防に関する教育」の(1)の1つ目ですが、喫煙は発がんのリスクがあり、副流煙は家族にも影響があるということを明記すべき。
 一番下の(4)ですが、これは前回HPVが性感染症であるという誤った認識が広がらないようにというところについて、HPVというのは性感染症ではないのかという御意見を賜りましたので、そちらについて子宮頸がんがHPVによる性感染症という認識から差別につながることのないよう、公費助成によるワクチン接種が開始されたことを契機として、HPVと子宮頸がん発症についての正しい知識を伝えることは急務というように書き変えさせていただきました。
 7ページ目の?の4番目、アニメによる授業の結果、生徒から「検診を受けるようにしたい」といった感想が多く寄せられた。
 ?の1つ目の後半の部分ですけれども、医薬品等の進歩により、これまで治療法のなかったがんや難病の治療が大きく向上していること、あるいはドラッグ・ラグ、こうした問題が置き去りされては、教育という意味ではバランスを欠いてしまうことが懸念されるため、そうした面もがん教育等の中で含める必要があるのではないかという御意見をいただいております。
 8ページ目「?放射線の影響に関する教育について」の一番上ですが、がんの放射線治療やセカンドオピニオンに関する学校教育が重要である。
 「5.教育者の確保について」の3つ目ですが、教師への教育は時間がかかり過ぎるので実際的ではない。アニメ上映など、教師と生徒が一緒に学習できるような仕組みが必要。教師が使う教授用資料などの整備も重要であるという御意見をいただいております。
 「6.配慮の必要性について」の下の2つですが、家族の喪失体験や闘病中の家族を持つ子どもへの配慮、フォローアップについても検討、準備しておく必要がある。がん教育の経験上は、学校側は心理的配慮の必要性を感じているという御意見をちょうだいしています。
 10ページ目まで飛びまして、一番下の「10.国民・患者・医療者を含めた教育の課題と解決策」について、11ページ目の下、今後、さまざまな場面におけるがん教育が、協調、連携して行われるよう、教育の内容や実施方法を公認する場が必要ではないか。また、本協議会において義務教育段階で正式にがん教育を実施すべきとの認識を一致すべきである。最後にキーワードとして、教師・学校医・がん専門医を視野に入れ、三者でのがん教育の連携を図る。それを協議会の一致した意見とするという御意見を賜りました。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。皆さんからいただいたものをできるだけ多く取り入れようという形でこういう形でひとまずまとめさせていただいております。
 ここで前回、時間の関係で前川委員に発表の時間がいかなかったので、改めて前川委員、御発言ございますか。簡潔にお願いいたします。
○前川委員 前回なので今更ながらで、私の結論としては10ページの最後、キーワードとして、教師・学校医・がん専門医を視野に入れて、三者でのがん教育の連携を図るというということ。今、たくさん意見が出ているから協議会の場で共通認識した、一致した意見としてほしいなというのが私の願いです。あとは前回提出しておりますのでもういろいろ申しません。
○門田会長 ありがとうございました。この教育のところはほとんど意見とすれば方向性は皆さん一致しており、キーワードはどういう言葉を織り込むかというところで、ひょっとすると皆さんで一致はなかったかもしれませんが、こういう形で教育の現場において、教師・学校医・がんについての専門医を視野に入れて、更にいろんなところの連携を図るということでまとめています。今回これはあくまでも御意見のとりまとめでございますので、どういう形で基本計画に盛り込むか、そこで更にディスカッションをしていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 済みません。最初に私、遅刻してきまして、1時間でどうしても出なければならないので途中でいなくなりますけれども、前回の嘉山先生と同じように、この協議会に対して私はもう大変な熱意を持っているということを一言申し上げて、私の意見を言わせていただきます。
 4ページ、学校保健会とがん関係学会が協力し、がん医療の専門家が学校医に対してがん教育を施し、学校医が学童・生徒に対してがん教育を行う仕組みを構築すべきであるということをここに載せていただきましたが、実は実際にもうこのことを進めようとして学校保健会・学校医の会で検討しております。実は先ほど放射線のことで経産省の予算のことが出ておりましたけれども、放射線のことは文部科学省も担当されていて、学校教育において子どもたちに放射線の正しい知識を広げようということで、文部科学省が予算を取るという話になっているんです。学校保健会のメンバーというのは学校医、歯科学校医、学校薬剤師、校長先生、養護の先生、みんな入っているんですけれども、その人たちにがんとがん教育についてのいわゆる研修会のようなものを開いて、それを各学校で広げていくということを今、文部科学省の方と日本医師会の方で計画しているところでございます。
 それは文部科学省が予算を付けてくださるということですので、この放射線障害とがんというのは関連性が高いと思うので、この際、がん教育も是非同じように多少の予算を付けていただいてやりたいということで、これから文部科学省の方にお願いするところですが、本日は文部科学省の方から3人の方がいらしていると思いますので、担当と外れているかもしれませんけれども、お持ち帰りになって、そういう意見が出ているということを一応お伝え願いたいと思います。
 この協議会の皆さんにもそういうことで計画していこうとしているということも是非知っておいていただきたいと思って発言させていただきました。ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。文部科学省、是非よろしくお願いしたいと思います。
 前原先生、前回発言の機会が時間の関係でなかったんですが、何か御発言ございますか。
○前原委員 前回私は、今年度日本癌治療学会のときに取り組む予定の特別企画のことを御紹介したいと思いまして資料を提出いたしました。
 その内容は、本年の日本癌治療学会の折に文部科学省の後援を得て、がんの学校教育をテーマとして特別企画を組み、主だった5か所にIT配信を行い、学校保健会を通して学校の先生あるいは大学の教育学部で将来先生になろうという方を集めてがんの教育のことについて議論をするというものです。がん教育を進めるために、学校保健会あるいはがん関係学会、医師会等が連携してゆくことが必要ではないかと考えています。
○門田会長 ありがとうございました。今回の内容に組み込まれたことで事は足りているということでよろしゅうございますか。
○前原委員 はい。
○門田会長 ありがとうございました。先ほど申しましたけれども、これは意見のとりまとめで、いずれどういう形で最終的に基本計画に盛り込むかというのは改めてもう一回ディスカッションすることになろうかと思いますので、ひとまず意見のとりまとめということについてはこれで一旦終わりたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 天野会長代理、どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。1点だけ。
 8ページの「5.教育者の確保について」の3つ目のポチで、教師への教育は時間がかかり過ぎて実際的ではないという御指摘をいただいていまして、これは教師を通じてがんに関する教育を行うということに関してだと理解していますが、教育されている教育者の方々自体の知識といいますか理解が不足している面があるのではないかということはあると思いますので、そういった教育者の方に対して誤解を解いていただくということに関しては必要性があるのではないかとあえてここで強調しておきたいというのが意見です。
 もう一点、前回の会で啓発に関することで全く別だったか、キャンサー・サバイバーズ・デーの話が出たかと思うのですが、キャンサー・サバイバーズ・デーについて患者関係委員から意見が出たという指摘があったかと思うのですが、議事録を読み返したところそうではなかったようなので、そこだけこの場で念のため申し上げておきたいと思っております。ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。いずれにしましても、一応ここでとりまとめというのはよろしゅうございますか。
○天野会長代理 はい。
○門田会長 ありがとうございました。それでは、現時点で今回のがん教育についてというのはこういう形の資料を残していって、次回計画に盛り込むという形にさせていただきたいと思います。
 引き続きまして、議題(3)「小児がん、緩和ケア専門委員会からの報告に関する意見について」ということでございます。小児がん専門委員会及び緩和ケア専門委員会の報告にいて御意見をいただいて、その追加意見等をまとめたものがこのまとめ案でございます。これについて事務局の方から御報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料4「小児がん専門委員会報告書に関する委員からの意見のまとめ」について説明させていただきます。
 「1.医療提供体制について」ですが、1つ目、小児がんセンターをつくるべきか、チルドレンホスピタルをつくり、その中に小児がんの部分をつくるか議論した方がよいという御意見がありました。
 また、大学が拠点としてやるのであれば、少なくとも小児血液腫瘍講座を立ち上げることが必要。
 小児がんの診療を集約化すると、それ以外の医療機関で小児科医ががん患者を診ることができなくなってしまうという課題がある。子どもの入院、通院によりその家族にも負担が発生することを踏まえて、拠点病院を幾つ整備するかということを検討すべきという御意見をいただきました。
 4つ目、小児がん拠点病院については、地域の実情に合わせた形で、例えば子ども病院なども拠点病院になれるような制度設計にすべきか御意見がありました。
 次が、すべてのがん種を見られるようなワンストップのようなセンターができないか。
 小児がん拠点病院の質を担保するために、第三者機関の整備が必要。小児がんセンター構想については、アジア全体を網羅するような拠点となるような施設も視野に入れるべき。
 小児がんについては、症例が多く集積され、専門家が診療している医療機関が拠点病院や小児がんセンターの候補であると考える。この一方で、小児がんの専門は数も限られている上、各種の医療機関にさんざんしていることが推測されるので、小児がんセンターにさまざまな機能を集中される際には専門家も集中させる必要性があると考えられるが、各地で勤務している専門家の移動や転籍が可能なのかどうか不透明であることから、小児がんセンターに機能を集中されることについては小児がんの専門家に聞くべきという御意見をいただきました。
 小児がんを克服した患者のフォローアップ体制を構築するために、医療機関が連携できる体制を構築すべきである。また、小児がんのセンター化により、患者を集約すると、患者や家族の負担が大きくなることが懸念される。
 「2.長期ケア・教育等について」は、小児がんの患者は成人以上に生存者の長期ケアが必要である。経産省主導で現在そのプロジェクトを行っていますが、小児がん長期ケア、こういったプロジェクトとの整合性をとっていただきたい。
 長期フォローアップで遭遇するさまざまな障害に関して一番早い段階からオリエンテーションクラスといった教育を受けられることが必要。
 また、晩期合併症に対する長期フォローアップのため、生活圏にある既存の社会資源を有効活用していけるような情報収集と情報発信及び必要な支援体制の提示が必要である。
 「3.小児がん医療について」ですが、思春期がん、若年期がんの患者は、小児のプロトコールを施行されて、結果的に難治になってしまうことがある。適切な治療を行うことが必要である。
 小児がんにおいてもチーム医療で質の高い医療を住んでいる地域に関係なく受けることができるような地域連携ネットワークシステムの構築が必要。
 「4.その他」のところですが、治療後に合併症や精神的・身体的苦痛を背負っていらっしゃる患者・家族に対して、経済的、就労的な問題も含めたサポートが必要ではないか。
 また、最後ですが、小児がんに関する病院間の格差あるいは欧米と日本の治療成績の差の有無ということについては、データを基に判断する必要があるという御意見をちょうだいしております。
 引き続きまして、資料5「緩和ケア専門委員会報告書に関する委員からの意見のまとめ」について説明させていただきます。こちらはまだ分類をしていないのですが、とりあえず意見を羅列させていただいております。
 1つ目が、緩和ケアの正しい知識の普及啓発が大切である。
 2つ目が、緩和医療というのは、心の領域も入っており、こうしたことを文言で触れていただきたい。
 3つ目が、地域によって緩和ケアの格差が大きいと感じている。平均点に対して遅れている地域にはめり張りを付けて重点的に対応してもよいのではないか。
 4つ目が、どこにいれば緩和ケアを最初から受けられるのかといった情報発信が必要である。
 5つ目が、疼痛緩和に使用される保険適応外の薬剤に関する問題は非常に大きな問題である。
 6つ目が、どこの地域であっても、がんと診断された初期段階から緩和ケアを受けられるようにするため、それに関わる医療従事者を増やすための研修体制及び研修の質の検討が必要である。
 次も同様の意見ですが、緩和ケアについてがん告知後、すぐに始め、切れ目なく実施することが重要であり、患者・家族が望むときにはいつでも提供されることが重要である。研修については、患者や家族等の視点を取り入れたプログラムが必要。
 次も研修についてですが、介護従事者など、社会福祉関係者に対しても必要である。
 最後が、患者・家族が身体的苦痛だけでなくあらゆる苦痛を躊躇なく訴えられる環境が重要であり、緩和ケアチーム、外来、相談窓口、そうしたところへ確実にたどり着けるシステムの構築が必要である。
 2ページ目、第2の患者ともに言われる家族へのケア、遺族へのケアについては、患者と一体とするのではなく、それぞれに対応した取組みが必要である。
 患者・家族、医療従事者、双方の理解が促進されるための情報提供を進めるとともに、治療と並行して緩和ケアチームからの専門的ケアを受けられるよう、チームの設置数だけでなく、その適切な利用が進むような支援体制が必要であるという御意見をいただいております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。皆様方からお寄せいただいた、口頭あるいは文書による意見をこういうふうにまとめさせていただきましたが、更に何か追加すべきこと等ございますか。
 松月委員、どうぞ。
○松月委員 小児がんの医療提供体制についてなんですが、がんのセンター化というのはとても重要なことだと思っております。しかし、同時進行で、小児というのはやはり地域を離れてというのはさまざまな問題があると思いますので、それをネットワーク、例えば治療方法、治療方針などはセンターの医師と相談する、でも、地元の病院で実施ができるというような体制を整えないと、成人以上に特に小児の場合は家族の負担が非常に多くなるので、そのような医療提供体制という形で、非常にセンター化の意見は多いのですが、それを是非付け加えていただきたいと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。類似のものがあったような気がするんだけれども、今の松月委員のおっしゃられた内容、記載はなかったですか。
○鷲見がん対策推進室長 松月委員からいただいた御意見につきまして、2ページの一番下に北岡委員からも同様の御意見かと思いますが、小児がんにおいてもチーム医療、質の高い医療を住んでいる地域に関係なく受けることができるような地域連携ネットワークシステムの構築について検討が必要であるというようなことであるとか、松月委員、ここに書いてあることと少し趣旨が違いますでしょうか。
○松月委員 ごく初期の超急性期の医療についても、やはりそういうサポートが受けられる体制があると非常に小児がん対象者は少ないですから全国にばらまかれているのではないかなと思っているんですが、勿論、成長していくわけですから、長期のケアというのは当然大事だと思いますが、ごく急性期の非常に集約化した治療についても何かそのような仕組みができ上がると、家族が動かなくていいのではないかと思います。
○門田会長 そこのところを。
○鷲見がん対策推進室長 それでは、今の松月委員の御意見というものを1つ項目として付け加えさせていただきたいと思います。
○門田会長 よろしゅうございますか。この件につきましては、今、申しましたように追加しておくということにさせていただきますが、そもそも専門委員会が報告書をまとめていただいたということで、あのまとめていただいたものは専門委員会のまとめだということで、この協議会において協議したものと意見のまとめとは扱いは別に考えておく必要があります。いつも言っていますけれども、最終的には基本計画に反映させるときに更なるディスカッションをして抽出していくということになるということでございます。
 今、小児がん専門委員会と緩和ケア専門委員会の報告をいただきましたが、小児がんにつきましても嘉山委員からの御質問もございましたし、この件について原委員、何か全体について皆さんの御意見のとりまとめを今出していただきましたけれども、それについての御意見、コメントはございますか。
○原委員 どれもごもっともな御意見ということで非常にありがたく思います。
 大きく2つに分けると、実際は拠点化ということがどこまで可能なのか。その辺りの詳しい制度設計はどうなっているんだろうかというような御質問と、あと拠点化、集約化した場合の副作用に対してどういうふうに対応していくのか。主にこの2点の御意見が多かったのではないかなと思います。
 実行可能性ということに関しましては、これはある程度の時間をかけて現実的なところからゆっくりスタートをしていく。これは当然ながら強制力を持って行うものではございませんので、患者さんたちが自然な流れで集まっていくという中で患者さんも動き、医師も動き、設備も病床数も増え、定員も増えていく、そういう流れになっていくのかなと思っております。
 あと副作用の点に関しましては、これも非常に重要なことで、例えば治療中に関しましては、今、御意見にもありましたが、やはり地域の連携をとりながら治療していく。なおかつ小児がんの子どもたちに対して優れた療養環境だとか、医療以外のいろんなサポート、そういうものを十分提供できる体制は一定以上の患者さんがいないと構築できません。その両者のバランスを考えながら、進める必要があります。更には治療終了後に関しましては、地域連携あるいは家庭医、そういったところに最終的にはお願いしていく、そういうシステム連携を時間をかけて構築していくということになるかと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。時間をかけて、前からそういうふうにおっしゃっていただきますが、そういうふうな中にいろいろと取り込んでいくということだと思います。
 それでは、緩和医療に関して江口委員の方から。
○江口委員 前回は時間の関係でほとんどお聞きしただけに終わってしまったので、この意見のまとめというのを今日拝見しまして、一応いろいろなことをお聞きして、どれもごもっともなことだと考えています。
 この中の多くは専門委員会でもかなり議論されたところでありまして、大きく分けて1つは教育の問題があると思うんです。例えば1ページ目の真ん中の北岡委員の研修体制、その2つ下の患者・家族の視点を取り入れたプログラムという研修内容をするということ、他職種、社会福祉関係従事者に対しても必要であるということは教育研修の問題として報告書でも具体的なことを取り上げております。
 もう一つは、2番目の花井委員の心の領域ということがあります。これは非常に重要なことで、例えば2ページ目の一番上にあります遺族の苦痛、グリーフケアなどの問題もありまして、これは実際には研修内容のプログラムなどにも入っておりますし、サイコオンコロジーの専門家を配備するという文言を触れておりますけれども、この領域というのはもう少し充実させるべきと専門委員の間でも考えているということであります。
 1ページ目の3番にあります地域による緩和ケアの格差ということですが、これはやはり地域によって機能として過不足のあることが事実でありまして、こういうものを均一に地域の連携のネットワークを張るということではなしに、この地域ではどういう機能が不足しているか、あるいはこの地域でどういう役割が十分でないかということをまとめてから、それに対して効果的な連携のネットワークを構築するということを報告書に盛り込んであります。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。それでは、この2つの専門委員会の報告につきましては、協議会の意見も含めてこれからの基本計画の見直しのところでできるだけ取り組んでいただきたいと思いますので、事務局よろしくお願いいたします。
 ということでよろしゅうございますか。その次にまいります。議題(4)「がんの手術、放射線療法に関する意見について」。前回の協議会で参考人の先生方から御意見をいただきました。それを基に委員の皆さんから意見を口頭と文書でいただいたものをまとめております。これについて本日は集中審議という形で進めたいと思いますので、最初に事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
○事務局 それでは、資料6「がんの手術・放射線療法に関する委員からの意見のまとめ」について説明をさせていただきます。
 「1.手術療法」ですが、本日の議論を踏まえてもう少しカテゴリー別に整理したものに次回はさせていただきたいと思います。
 1つ目が、より安全で侵襲の少ない治療を願うが、拠点病院ならどこでもできるというわけではない。腹腔鏡手術の選択肢が患者に示されずに、結局、開腹手術を選択したという例もあり、外科治療の均てん化は道半ばである。
 次が外科手術の待機時間の長さに不安を訴える患者が多い。一方で、医師も疲弊をしている。患者を守るためには、まず医師を守らなければならないのではないか。「外科治療の向上」を明記してほしいという御意見をいただいています。
 基本計画策定時には、強化すべき点が重視されたため、外科医の強化は盛り込まれなかった。文科省の「がんプロフェッショナル養成プラン」もございますが、現状としては外科医に特化した施策はないのではないか。
 4番目が、手術が2か月先では不安である。外科医の3Kの環境は不安材料なので、外科医の育成や環境の整備を進めてほしい。また、手術の種類ごとによい病院はここといった情報も開示してほしい。外科医の減少は憂慮すべきだが、具体的にどれくらい必要なのか医療界から示すことが重要。
 次が外科医の技術向上のための施策が必要である。次が外科について、国内での施設間格差が存在し、また一部の高度な医療機器を用いた手術等への対応が遅れていることから、外科療法の高い水準での均てん化を推進するために、腫瘍外科医の育成等に資する施策を検討・推進すること。
 次が手術待機の長さも問題だが、外科医不足が要因なのか、医療機関による技術格差によって患者集中が起きているのか。こうしたことの実態把握を行って優先的に解決すべき要因に対する対策を具体的に検討することが必要である。
 2ページ目、外科医不足の深刻さは理解したが、今後5年間にどの程度の外科医を増やせばいいのか。そしてどのような制度の見直しや育成する仕組みがあればいいのか検討することが必要であるという御意見をちょうだいいたしました。
 2つ目の放射線療法についてですが、放射線医だけでなく多くの医師、医療者が「がんプロフェッショナル養成プラン」で雇用されており、文科省においてはこの継続をお願いしたい。
 日本の診療放射線技師のレベルは高いが、それだけでは放射線治療を担うには限界がある。医学物理士の雇用を進める環境整備が必要である。一方、ITを使った遠隔サポートのようなシステムを考える必要がある。
 放射線治療は、多くの場合、外来通院で行われているが、毎日診察することが原則であるが、患者の急増の中、毎日診察というのは現実的ではない。
 4つ目が、病院のネットワークの構築を図り、住んでいる地域に関係なくより患者負担の少ない質の高い医療を公平に受けることができる仕組みをつくる必要があるのではないか。また、先駆的に実施しているところを支援できる施策を行い、その評価を行って随時検討していくことが必要ではないかということです。
 次が、医師が自由に科を選択できる中で、外科医や放射線治療医が不足しているという問題を解決することは困難である。学会同士でしっかり協議をしていただいて、どう協働していくのか話し合いをお願いしたい。
 放射線治療において、IT技術を積極的に取り入れて地域連携を進めてはどうか。九州・東北地区でもこのような動きがあると聞いている。
 3ページ目、アメリカではある専門領域に医師が少ない場合には、その領域での若手医師トレーニングに補助を出し、反対に領域に医師が多い場合には補助を削るといった制度がある。学会の力は限られていることから、厚労省・文科省が協働して後期研修で若手医師が自分の専門領域を決定する際に、専門性の偏在化が起こらないような措置を講ずることが必要。
 また、これに関してですが、日本専門医制評価・認定機構など、第三者的な機関が認定するシステムをつくらなければいけない段階に来ている。厚労省でも委員会が立ち挙げられており、問題は認識されている。長期的な議論になると思うが、検討していくべき。
 次が、放射線治療は胃腸のがんを除く多くのがんで手術と同程度の治癒率をもたらすが、先進国の中では施行割合が低く人材も不足している。
 医学部などにおける放射線診断学と放射線治療学の講座分離を進める必要がある。
 医師国家試験の中での放射線治療分野の出題を増やし、モデルコアカリキュラムの見直しも必要。
 放射線治療についての啓発冊子の作成やインターネット経由での情報定提供が必要。
 学校でのがん教育でも、放射線治療またセカンドオピニオンについても学んでもらう必要がある。
 最後ですが、拠点病院の中には放射線治療機器が整備できずに指定を外れている施設もある。一方で、機器があっても医療者が十分にいない施設や、機器の整備に係るコストで患者数が集まらない施設もある。放射線治療に関わる医療者の育成を引き続き進めるとともに、放射線治療機器の整備に当たっては、重粒子線・陽子線治療に関わる機器も含め、適正な整備について検討していくという御意見をいただいております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。それでは、これから審議を行っていただきたいと思いますが、今、手術療法と放射線療法を一緒に御説明いただきましたけれども、これも分けて進めたいと思いますので、最初に手術を挙げて、外科的治療についての御意見をちょうだいしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 よくまとめていただいて感謝なのですが、1つこの中に是非入れていただきたいことがございます。手術療法は外科医が不足しているということで非常に問題ですけれども、実は外科医だけで手術ができるわけではなくて、周辺の医者、そういうチームが非常に大事です。麻酔科医、病理の医者がいないと迅速診断できませんので手術に非常に障害を来すということになります。特に私は病理学会の専門の先生にお伺いしたら、病理の先生方が非常に減っている。しかも平均年齢が50代の半ばでしたでしょうか。いろんな意味で病理の方が不足しているということが現場では問題ではないかということをおっしゃっておりました。これを是非意見の中に取り入れていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。本当に手術のみにかかわらず、がんの診断そのものが病理診断の基本になっているのは皆さん御存じのとおりで、研究的には遺伝子の研究、そのほかの方でどんどん数は増えても多くの人たちが臨床病理を離れていっているという傾向があるのも御存じのとおりで、実際それが現場に影響しているところです。是非加えていただきたいというのは妥当な意見だと思います。
 原委員、どうぞ。
○原委員 手術待ちの期間が長いということですが、勿論、外科医不足ということもあるんでしょうけれども、それ以外に手術枠の不足だとか、麻酔医の不足ということが1つあると思います。
 もう一点は、外科医の雑用が多いということです。外科の先生たちは、本当は手術だけしていただいたらいいんですが、その前後の仕事が非常に多い。ですから、今後日本で外科医療の在り方自体を見直していく必要があるのではないかと思います。術前、術後管理を実際の術者以外の人たちがいかにうまくやっていくか。おそらくその辺りのしんどさということから外科医の志望者が減っている可能性が高いのではないかと思いますので、根本的なところ、ここは多分外科医を増やしても余り解決しないのではないかと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 前原委員、どうぞ。
○前原委員 今のお二人の委員の意見は非常に重要な点だろうと思います。外科はチーム医療ですので外科手術に係わるさまざまな方が一緒に協力してこそよりよい外科医療ができると思っています。
 実際、地方の第一線病院では、麻酔の問題にしましても、外科医がいまだに麻酔医としても働かざるを得ないという病院が結構多いと聞いております。
 もう一点は、実は資料6の手術療法の3番目の門田先生の御発言に関わることですが、今日の午前中に文部科学省で全国がんプロ協議会というものの理事会が開かれました。全国のがんプロに関わる方が集まりまして、現状と今後どうすべきかということを話し合ったわけですけれども、がんプロで今進めているところは、がん対策基本計画にうたわれている重点項目、すなわち診療の重点ということで放射線療法、化学療法、緩和医療等に関わる人材の育成、薬剤師、看護師等の人材育成であります。今まで何度も私申し上げていますが、そこに外科医療が重点として入っていなかったために、結果的にこれまでがんプロで育成された人材について統計をとりますと、がん薬物療法専門医で現在育成中の方が平成20年度から23年度合わせまして699名、放射線に関わる専門医の方が189名、緩和医療専門医で96名の方ががんプロで教育を受けているところです。
 一方、それに対しまして外科系の人材育成は非常に厳しい状況でありまして、乳腺専門医が全国で17名、婦人科腫瘍医が6名、消化器・呼吸器に至っては数名という状況であります。例えば乳腺専門医は全国に薬物予防専門医と同じような状況で898名しか全国で専門医がいない。そして、毎年新たに乳がんの患者さんは5万人~6万人の新たな患者さんが見つかっている。その5万人~6万人を結局898名の専門医で診ることが求められている現実があるわけであります。
 重点項目に外科医療が入っていなかったためにがんプロの中でも腫瘍外科系の専門医の育成が置き去りにされているということであります。今まで5年これが続きまして、今後このままの状況ですと、我が国のがん医療というものは大変な状況になるのではないかと危惧されます。だからこそ是非とも重点項目の中に外科医療の重要性というものを取り上げていただきまして、外科医療に係わる人材育成を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 田村委員、どうぞ。
○田村委員 前原先生の御意見ごもっともで、今までの御意見も非常に大事なことだと思います。やはり一番重要だと思いますのは、この中で本田委員からも書いていますように、適正な外科医の数というのがどのぐらいなのかということをはじき出していかないと、これはがん薬物専門医も放射線腫瘍医もそうだと思うんですけれども、がんプロについても是非継続をお願いしたいということで私も何度かお話ししていると思うんです。この間の吉田先生の統計のグラフを見せていただきますと、実はがんプロより前からも既に減少傾向が始まっておりまして、ほとんど小児科医とか婦人科医と同じようなレベルで右肩下がりをしていっているということで、これは根本的に何かがんプロ以外の問題も勿論あるかということで、1ページの最後に書いてありますように、その要因は何なのかというところが次のステップとして重要と考えていかないといけないと思います。
 もう少し話をさせていただきますが、私が提出させていただいた資料がございますので見ていただきたいと思います。これは門田先生も実は書いておられますが、2行目のところにこの間の吉田先生のお話で3Kではなくて5Kということだと思うんですが、これは血液内科医も腫瘍内科医もそうでして、血液内科医などは、私は九州から来ておりますが、過疎県はかなり壊滅状態でありまして、人がいないというだけではなくてかなり専門医も減ってきております。一番の私が考える大きな問題点は、卒後研修の初期研修を終わった後にそれぞれの医師が専門を決めるわけですけれども、その時点でかなり専門性の偏在化が起こってきているというのが大きい要因ではないかと思います。
 門田先生も記載されていますけれども、第三者機関をつくりましてそこで適正な医師の数、それに必要な研修指定の要件、施設を決めるのか、プログラムで行くのか、それはまた議論があるところだと思うんですが、多分プログラムで行く方がいいと思うんですが、例えば阪大なら阪大のがん科に関連病院を含めまして、そのプログラムの中でどれぐらいの若い人がトレーニングできるのかという視点から適正な配分をしていくというような形を考えないといけないのではないかと思っています。
 これの裏に池田理事長の了解を得てコピーをさせていただきましたけれども、社団法人日本専門医制評価・認定機構というのが既に走っておりまして、ここは基本的な領域と、いわゆるサブスペシャリティという専門的な領域の認定作業を行っているところです。右側の43ページの1~6のところに書いてありますが、3番目、4番目、5番目辺りがそれを記載しておりますのでごらんいただければと思っております。
 このような形で第三者機構が研修施設あるいはプログラムを査定しまして、その中で適正な数の若い医師を育てていく体制が必要ではないかと思っています。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 保坂委員は時間がないですね。どうぞ。
○保坂委員 今の専門医の確保のことで専門医の数を決めて等々の話につきましては、そもそも医学部の中での教育をどうするか、初期研修をどうするかということと全部一緒に考えないといけない問題で、私自身は専門医の認定を数を決めてやるということには反対でございます。そういう考えもあるということを一言だけここで申し上げておきます。がんのことだけ考えていると、もしかしたらそれをやるといいではないかというふうに皆様思われると思うんですけれども、もっと総合的に医療、医師のこと全部を考えたときにそれが果たしていいかどうかということは問題があるということを思っている人間もたくさんいるということを発言しておきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 本田委員、どうぞ。
○本田委員 資料6の5番目に私は必要な数とかを示すべきだというような意見を前回言わせていただきましたけれども、その際に一緒に言ったと思うんですけれども、この問題というのはがん医療だけの問題ではなくて、医療そのものの問題だと感じています。医師の需給の委員会などにも関わらせてもらったことがあるんですけれども、やはりがん医療の中での外科とか放射線とかだけで考えるというプロセスもあっても構わないと私は思っているんですが、そもそも偏在を少なくしていって医療者教育という中からどういうふうに各科に必要と考えられるような医師数とかスタッフ数とかがいくような教育の在り方みたいなこと、病院の中での配置の在り方みたいなものをきっちりそろそろ本当に考えていただかないといけないということをがんの問題からだけでもやりたいという田村委員のお考えに私はある意味共感しているんですが、そこから更にもっと全体のところにやるべきなのではないかということを協議会から申し上げるとか、何らかのアクションをしていくということももう一つあってもいいのかなと感じています。
 もう一つ、単純なことなんですけれども、がんの手術療法に限らないかもしれませんけれども、外科医がたくさんいれば必ずしもいいというわけではないのかもしれないと思っていて、高度な医療などに関してはある程度の集約化みたいなことをしっかりちゃんと書いていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 全国医学部長病院長会議の立場からお話しさせていただきます。今、本田委員がおっしゃったことは一番的を射ていると思うんです。局部的なことを言ってもなかなか難しい。学生にいくら外科に行けと言っても、なかなか行かないんです。長年の日本の社会の中で、子どもたち、若い医学生が自分にとってアドバンテージがあれば行くんです。ディスアドバンテージだと思うから、それは何も医者の社会だけではないんです。アメリカでも実は外科医が減っているんです。やはりハイリスクで踏み込んでいくということがなかなかしにくいということはありますから、今、本田委員がおっしゃったように、これは医学教育全体のことで科の偏在等々を考えないといけないと思うんです。
 人数をということで私も舛添大臣のときの審議会で川越先生と一緒に、医者の人数をどうやって決めるかというのは非常に難しいんです。日本はアクセスがフリーですから、欧米のように保険会社が何月何日何時に来なさいと、そうすれば1時間でも2時間でもお話できるんです。ただし、それはフリーなアクセスではないんです。そういう医療制度を根本から見直さないと医者の数は出てきません。ですから、今、本田委員がおっしゃったように、これは医学教育も含めて根本的な科の偏在等々をがんについて外科医が増えるようにというベクトルは持たなければいけませんけれども、考慮すべきだということを入れないと非常に偏ったことになりますので、今の教育の問題から入れていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございます。
 中川委員、どうぞ。
○中川委員 私は放射線治療医の立場から、放射線手術と同じくらいの有効性がかなりのがん種で出るなどということをよく言うのですが、一方、これまで日本のがん治療を支えてきたのは外科医であることも全くそのとおりで、その中で今後増やす努力をしながらも、しかし、容易ではない。ここで例えば薬物療法、抗がん剤、あるいは緩和ケアもそうなんですけれども、これは正直これまで外科の先生がずっと担当されてきたんです。その部分について今後もそのままでいくのか。この辺を議論するべきかな。門田先生、抗がん剤はどれぐらい外科の先生が今やられているのでしょうか。
○門田会長 どのくらいというか、数はよくわかりませんが、今はすごく変わってきていますね。昔は外科医が手術をし、その後のアジュバントも外科医がそのまま行っていた。外科の立場から言わせていただきますと、内科の先生は余りしていただけなかった。言い過ぎかもわかりませんが、だから外科がやっていたという。でも、化学療法に対する専門性はあまりありません。手術についての努力はするのですが、その辺りに問題があったと。
○中川委員 わかりました。それで、そのようなことを外科の中に書き込むことはどうかということです。やはりそうは言いましても抗がん剤までやりたいというようなお気持ちが外科の先生の中にもしあるとするならば、ないですか。私は感じることもあるんですが。
○門田会長 これは不思議なことに内科の先生は時々そういう発言をされるんですが、外科の立場の人間はこれほど忙しいのに化学療法を自分でやりたいというのはほぼいないと思います。
○中川委員 であれば、この中に1つそういう方向性を出された方がいいかもしれない。
○門田会長 江口委員、どうぞ。
○江口委員 ここのところというのはすごく重要なポイントだと思います。門田先生は今そうおっしゃいましたけれども、やはり外科の先生でも化学療法にも興味を持っている先生はたくさんおられます。特に乳腺の外科などでは、もうお薬の混在とした治療になりますから、それは外科の先生でも多くの先生は専門的に化学療法をやっておられますね。
 例えば緩和のことを考えてみますと、もう進行がんで再発したような患者さんでも、痛い痛いと言っている患者さんでも外科医の先生が診ざるを得ないというようなことがあったり、あるいは最後まで自分の責任だから診ると言い張る外科医の先生もおられるので、もう今は内科でも腫瘍内科もできたし、緩和のスペシャリストもいるし、そういうような体制の中で外科医が今までの仕事で忙しいから人数が足りないという考えはもう捨てた方がいいと思います。見直しです。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 脳腫瘍の場合には外科医がやっています。今、内科の先生がわからないからです。ですからやっていますけれども、なるべくならば我々はやりたくないんです。ただ、小児場合には、もはや小児科の先生が入った薬物療法は一緒にやっていまして、脳外科はもう離れています。例えば埼玉医大の腫瘍内科に全部お任せするような形にしておりますので、門田先生、これは決めることではないと思うんです。
 今、江口先生が外科の先生がやりたがっていると。その成績と治療結果と内科の先生がやった方が治療結果がよければ外科医は離します。これはどの職業でもそうなんです。やはり成績がいい方には我々どうしても自然には手を出しませんので、ですから内科の先生は多分やってくれていないところは内科の先生がまだその病院は積極的ではないということだと思うんです。これは自然に流していくしかないと思うんです。強制で決めるのはなかなか難しいと思います。
○門田会長 もうお二方だけで止めて次に移りたいと思います。
 まず、前原委員、どうぞ。
○前原委員 私自身は消化器がんを専門としておりますが、手術後の補助化学療法は、外来フォローの中でさまざまな消化器合併症に対する対応と同じような認識で取り組むべきではないかと思っております。進行再発がんになりますと内科と連携して進めている。
 しかし、一方で、私どもの関連病院でも、内科医は化学療法をせず、診断しかしないところもある。化学療法は外科医任せというところもあるという現実も是非知ってほしい。
○門田会長 本田委員、最後です。
○本田委員 済みません。ここは患者の立場として言わせていただきたいんですけれども、そういう新しい医療の形が変わってきていて、今まで0か100かになるということはないかと思うんですけれども、その中で質のいい医療が受けられる形になれば患者としてはいいんですが、ただ、今までの日本の医療でよかったのは、先生が責任を持ってくださって、次はどこどこだからねと役割分担をしていくことも重要だけれども、役割分担が余りにもそれだけになってしまうと、今度は患者は人間関係的につらい思いをするというのも現実にありまして、そういう日本的ないいところを残しながらの連携というものも記載するに際は是非お願いしたいなと思います。
○門田会長 例外として認めます。どうぞ。
○嘉山委員 私はもう先ほどからずっと聞いていて言いたいことはたくさんあったんですけれども、結局緩和にしても外科にしても、小児にしても、地域連携パスというのは急性期の病院から全部がチェックできれば均てん化もできるので、例えば地域連携パスの中には緩和医療が入っていないとか、そういうのも全部チェックできますから、あと子どもがどういうことをやっているのかもチェックできる、地域のスクーリングをどうしているのかというのもわかりますから、がんの地域連携パスの充実化を根本にすれば大体はキーになると思います。
 あと麻酔科です。先生方もおっしゃっていましたけれども、麻酔科の医師の立場をよくすること。これは外科医が助かる1つなので、私も賛成なので付け加えていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。まだまだ尽きないかと思うんですが、時間の制約からあと発言できなかったことについては文書にして、提出していただきたいと思います。
 ただ、先ほどの専門医制度のことを少しだけ追加させていただきたいと思うんですが、今は専門医が足りるとか足りないといろんな話がありますけれども、専門医というのはそれぞれの学会が言葉は悪いんですけれども、勝手にやっておられる専門医制度なんです。ですから、学会さんが一生懸命学会の増強という意味もあって頑張るということがある。全体のバランスを考えるところが残念ながらないということで、それで田村先生が出していただいたように、バランスをどう考えるかということについては、各学会がやるのではだめなので、全体的なことを視野に入れた組織をつくる必要がある。それが第三者機関で、第三者機関として学会を超えたところでつくりましょうということが、学会の集合体である専門医制評価・認定機構の総会で承認されたんです。だから、学会の皆さんもそろそろそういう方向に動かなければならないということを認識し始めておられるんです。
 そういうことで具体的にその作業を始めるため、厚労省の医政局の方で委員会を立ち上げてその方法を検討するということになっていますので、この認識は深まってきていると思います。ただ、どう運用するとか云々というのはまだまだこれからの問題だと思いますけれども、基本的にはそういうことになっておりますので御報告させていただきます。
 申し訳ありません。あとにつきましては文書で事務局の方に提出していただきたいと思います。
 それでは、今度は放射線治療の方に移りたいと思います。これについては中川委員の方から資料を出していただいておりますが、簡潔に資料に基づいて御説明をお願いします。
○中川委員 それでは、中川提出資料をごらんください。「放射線治療に関する参考データ」として少しまとめさせていただきました。
 1ページ目の下は北海道がんセンターの西尾先生から、NHKのがん特別取材班、放射線治療が手術と同等であるというようながんを赤字で示してございます。
 2ページ目の上はLancetの論文でありますが、早期の子宮頸がんに対して、手術と放射線治療に関する無作為比較試験を行った。その結果、生存率は全く同じである。このことは既に長く知られてきた、いわゆるコンセンサスでございます。
 しかし、2ページ目の下、実際には子宮頸がんをどれくらい手術されているか。これは目盛の一番上が9割方ということです。例えば?期の子宮頸がん、日本では7割、8割が手術をされているということは、2割、3割が放射線療法。一方、欧米においては、2割しか手術をされない。勿論、これは先ほどのデータで同等でありますので、手術を選ぶということは全く問題ない。ただ、このようなデータがあるということが、やはり患者さんが選べる体制ができていないということの傍証ではないかなという気がいたします。
 3ページ、アメリカにおいては、例えば前立腺がんの治療が手術と放射線があるわけですが、放射線の方は外部照射と組織内照射、これの推移を見ていただくとおわかりのように、2003年においては全摘と外部照射がほぼ拮抗、組織内照射を入れると放射線の方が多いという現実があります。しかし、日本においては恐らくかなり手術をされているというのが現状かと思います。
 その下ががん患者さんのうちで放射線治療を行っている方の割合ですが、このように日本は非常に少ないんだということでございます。
 4ページ、上側は前回、西村参考人がお示ししたデータでありますが、簡単に言いますと10年間で患者さんの数は倍増しています。10年ごとに倍増していき、更にこの上昇カーブが急になっているということが現実であります。
 最後はアメリカと日本とのマンパワーあるいは患者さんの数などを比較しているのですが、この中で一番ごらんいただきたいのは、最後の医学物理士がアメリカでは放射線腫瘍医と同等の4,000人存在するのに対して、我が国においては152人と、この部分が日本の放射線治療医の数が足りないということに更に輪をかけて、先ほど外科医の雑用といったものがありましたけれども、同様な現実が放射線治療の現場でもあるということを御理解いただいて議論を進めていただければと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございます。それでは、委員の皆さんの御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 外科医がいなくなって腫瘍を切らなくなれば一番いいと私たちもそういう具合に教授から言われたこともあるんですが、現実にはまだそこまでいかないということがあります。
 放射線のことは中川委員の方から出されて、私も20年ぐらい前の知識になって恐縮なんですが、このデータは勿論諸外国で婦人科の手術で差はないということは知っておりましたけれども、ただ、日本のデータについて言うと、10%ぐらい当時と違う。今、その後20年経ちましたから最近のデータは知らないんですけれども、もしそれに変わっているようなことがあったら教えてください。
○中川委員 東大でもこれは比較していました。全身状態がいい患者さんはどちらかというと手術に向かう傾向があります。一方、手術をできない患者さんは放射線、高齢あるいは肝機能、腎機能が悪いというようなことで放射線治療に回って来られる患者さんが多いという条件の中でも、実は同等というか有意な差が付いていなかった。この放射線、子宮頸がんにおける手術と放射線が同等であるというのは国際的なコンセンサスでございます。
○門田会長 そのほかいかがでしょうか。
 田村委員、どうぞ。
○田村委員 中川委員にお尋ねしたいんですけれども、なかなか治療医が育たないということと、物理士が非常に少ないという根本的な理由を教えてください。
○中川委員 放射線腫瘍医の数が少ないことは多様な原因があるんだと思います。1つは忙しすぎるということがあります。これは外科と同様で、例えば私どもでもやはり病棟がありますから、24時間医者は携帯で呼ばれるという現実があります。看取るということも行っております。
 もう一つ、放射線科という診療科があるわけですが、これはアジアの諸国を含めて、いわゆる放射線診断学と放射線治療学というのが分離しております。ところが、我が国においては、西村参考人も前回示されましたが、残念ながら多くの大学、医学部においても講座の分離が進んでいない問題があります。この辺が放射線腫瘍医の数の制限要因になっていると思います。
 一方、医学物理士については、これは国家資格でないという1つの壁があって、そのことが例えば厚生労働省の示す文書などに医学物理士という言葉が入りにくい。例えば診療報酬上もやはり医学物理士が常勤していた方がやはり望ましいにもかかわらずそのことが書けない。その結果、やはり自分たちの仕事が評価されていないというような形の制限もあるような気がいたします。
 もう一つ、誤解があるといけないので。私は放射線治療をもっと患者さんにすべきだと言っているわけではありません。そうではなくて、選択肢があるということを知っていただいて、そして患者さんが選べるという形をどういうふうにつくっていくかということに最も関心があるということを確認させていただきたい。
○門田会長 そのほかいかがですか。
 原委員、どうぞ。
○原委員 この放射線治療医、先ほどの外科医、田村委員がおっしゃった血液内科医、すべてに共通して言えるのは、彼らが効率的に働く体制がないというのが一番の問題だろうと思います。放射線治療医のことで言えば、放射線物理士がどれだけいるのかということによって放射線治療医の負担が違ってくるし、見取りとかそういうこともされているということですが、それは特に血液内科だとか我々小児がんがやっている領域もそうなんですが、医師に非常に重く負担がのしかかってきます。そのことによって志す若い医師が減る。
 ですから、そういった分野も多職種の皆さんでカバーしていく。例えば看取りの場に心理士を入れるだとか緩和ケアのドクターを入れるだとか、あるいはいろんなナースを入れる。そういう人たちがたくさんいることによって、医師にかかってくる負担は随分軽減できるんです。だから、先ほどの外科医の仕事もそうですが、ほかの人たちで効率よく負担を軽減していくということによって、そんなにたくさんお医者さんを置かなくてもいいだろうと思います。
 ですから、日本の医療全般について言えることですが、特にこういうハードな外科診療の分野においては、それぞれの専門医が効率的に働ける診療体制を構築するという文言を入れていただければ、特に看護師がどこまでの仕事をしていただくのか、特に大学病院は非常にハードだと思います。それを見ている学生はどうしても引いてしまうという部分があると思います。
 ちなみに、私は学生とか研修医に放射線治療医になることを進めております。
○門田会長 ありがとうございました。
 前原委員を先に、後は眞島委員、どうぞ。
○前原委員 中川先生にお聞きしたいんですが、放射線腫瘍医あるいは医学物理士が少ないということで、前回西村先生にお尋ねしたんですが、放射線領域こそIT技術のネットワークを使って、治療方針の決定ですとか、例えば医学物理士の教育というものも構築していくということは1つ方向性ではないかと思うんですが、中川先生はいかがですか。
○中川委員 放射線治療というのは非常に情報に画像やあるいは画像を使ったコンピュータシミュレーションというところが大変重要なので、その部分をITでカバーするということが非常に有用な分野だと思うんです。とりわけ長期的にはセンター化と向かうべきだと思うんですけれども、現状においてはそういった方向で均てん化をしていくということも大変重要だと思います。
○門田会長 眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 患者さんからしてみれば、やはり治療の選択肢がきちんと提示されるということは非常に重要なことだと思うんです。ましてやエビデンスがあって放射線治療が非常に有効であるということであれば、患者さんはそれを知りたいと思っています。実はキャンサーボードという言葉が今ひとり歩きしているのではないかと思うんです。それが本当に機能しているのであれば、患者さんには必ずそういったような選択肢が提示されてしかるべきだと思うんですけれども、今の現状ではなかなかキャンサーボードでもっていろいろな治療選択肢が出てきてそれが説明されたという患者さんに会うことがないので、その辺りも1つ問題なのかなと思います。
○門田会長 待ってください。では、天野委員から順番にどうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。今、医師や医療者の話になっていると思うんですが、放射線治療で欠かせないものは治療機器の整備ということで、治療機器が例えば最新のものがあっても、治療医がいないというところが現実としてあると聞き及んでいますし、例えば以前本田委員が記事でも書かれたかと思うのですが、重粒子線治療機器は非常に有効性もあるとは思うんですが、海外と比べると機器の数がどうなのかという指摘があると聞き及んでおりますので、適正な数というのはどれぐらいなのかということについて、中川委員の方で知見とかもしお持ちでしたら教えていただきたいです。
○中川委員 これは小児と一緒でして、均てん化とセンター化に大きく依存します。一方、今、例えば拠点病院での放射線治療ができないという理由で地域の拠点病院から脱落する。そのことによる患者さんのデメリットというのは大きいと思っていて、短期的にはその部分はITなどでカバーする。ただ、重粒子線を含めて、将来的には場合によってはX線治療もやはりセンター化していく必要があるのではないか。アメリカはそういう流れになっていました。
 ですから、粒子線治療はまさに小児がんと一緒のセンター化。通常のX線治療については、均てん化という流れの整備をしながら、将来のセンター化に備えるということなのかなという気がします。
 もう一点、申し訳ない。粒子線治療は今中医協の中でも非常に大きな問題になっていて、これに関してはそのこと自体はまた嘉山先生の方からも御意見。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 中川先生の表、基本的に私は放射線治療医がちゃんと出ないと日本のがん医療は適切には行われないという立場でお話させていただきますが、先ほど前原先生おっしゃったように、西尾先生の舌がん、咽頭がん、食道がん、子宮頸部がん、前立腺がん、肛門がんは、放射線化学療法の方がいいとここで言ってしまいますと、患者さんはケースによっては手術の方がいい場合もあるので、これは誤解されないようにしていただきたいです。
 私は外科医だから言うわけではないんですけれども、一例一例みんな違うということです。これだと全部舌がんの患者さんは放射線化学療法になってしまうのが一番いいように感じるんですが、実はそうではなくて手術の方がいいという例がたくさんありますから、そこは先ほど眞島さんがおっしゃったように、選択肢をちゃんと出すということ。そのときに放射線の選択肢がないのは困るということで放射線治療医は増やした方がいいということなんです。
 その誤解を取っていただきたいということと、あと放射線物理士なんですが、これは診療報酬の中で何も反映されていません。実はポスドクで放射線物理をやった人たちは大学院を出た後に職がないんです。多分大学でも旧7帝ですらポジションはないはずです。ですから、そのポジションを付けるために診療報酬でチーム医療の中できちっと付ければ、多分雇われるのではないかと思うんです。
 ですから、実は国立がん研究センターでも放射線物理士のポジションを確保するのはいろんな経済的な問題で難しいところがありますので、その辺は診療報酬で補ってあげないと放射線の先生方は大変だと思います。
 あと、重粒子は年間1,600人のケースがないとペイメントしません。私は山形で全部入れるつもりでやっていたんですけれども、今の群馬大学がやっている年間600のあれでは、アメリカは1,600までとっているんですけれども、日本は300です。第三セクターでやっていますので、上田先生は名古屋とうちと一緒にやろうとして今でも提携しているんですけれども、大体1,600やらないと無理なんです。これは東北でしたら1台ぐらいで十分だと。大体700万弱の人口では1台で十分だと思います。それは計算上大体できています。ですから、日本だと600万ですから20台ぐらい重粒子線があればちゃんとやれると思います。あと治療期間が重粒子線は短いので、それこそ集中して、1か月も2か月もいる必要がありませんので、重粒子線は本当に集中した方がいいと思います。
○門田会長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 私たち患者側というのは、非常に数字、データというところで揺れ動くものでございまして、手術と放射線と同等という数字だけ聞きますと、それは切らない方がいいのではないかと、放射線のほうが良いのではないかと思いがちです。けれども、いろんな患者さんのお話を伺っていますと、そういう説明を聞いた上で私は外科を選んだ、手術を選んだ、放射線を選んだという方が極めて少ないような気がいたします。
 今の最高峰の放射線治療、粒子線治療などをお受けになって治癒、寛解と見られても、何年か後に再発したりするようなケースもまれですけれども、耳にいたします。すると、やはり切った方がよかったのではないか、ファーストオピニオンは外科だったのではないかですとか、切った方でいつまでも傷の痛みとか後遺症に悩んでいる方は、私はなぜ放射線治療ができなかったんだろうかと後顧の憂いを残すというようなケースがあります。
 最初にかかった医師に、あなたのがんは手術も放射線治療も可能で、治療成績は同等ですよ、放射線科の話も聞いてみますかというふうにナビゲートされている患者が一体どれくらいいるのかなという気がいたします。
 患者側の立場では、外科と放射線科の連携はまだまだスムーズではないというように感じております。
○中川委員 そんなことはありません。
○花井委員 そんなことはありませんか。ただ、私たちの望みは、もっともっと先生方の方からこういう方法もあるよという選択肢を専門家と示してほしい、これに尽きます。よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございました。簡潔にお願いします。
○中川委員 例えばアメリカのMDアンダーソンでは、初診の患者さんは外科放射線治療を腫瘍内科、3つのセクションを回れるんです。そうすると、最初の段階で患者さんはある程度自分で情報を得られる。そういったことができてくるんです。
○門田会長 では、中沢委員、天野委員でこのテーマは終わりたいと思います。
○中沢委員 放射線治療のセンター化というお話で、重粒子線・陽子線の治療についてお話が出たんですが、残念ながら今のところ診療報酬に入っていないというところでございますが、これを全国的にある意味センター化みたいな形で広げていくのであれば、診療報酬へ取り込むということも視野に入れていただきたいということで考えますが、それについての検討状況等を教えていただければと思います。
○門田会長 嘉山委員、お願いします。
○嘉山委員 公益委員の一部の方は反対をされているので、提案はしているんですけれども、重粒子の場合、まだ話はその方向では行っていません。
○門田会長 それでは、天野委員、最後に。
○天野会長代理 重粒子について適正な数について先ほど嘉山委員から御示唆いただいたのですが、放射線治療機器の整備に当たって文科省の果たしている役割も大変大きいかとは思っているのですが、文科省の方で放射線治療機器とかを整備するに当たって、適正な数であるとか方針とかそういったものがあれば御教示いただければと思います。
○文部科学省先端医療科学研究企画官 以前ですが、文科省の方から重粒子線に対しまして設備費用というものの補助が出ておりました。ただ、それにつきましては群馬大学を最後にそういった研究に対する放射線治療に対しまして、いわゆる補助は出ておりません。この全体をどうするかという話ですが、今、方医研の中で重粒子線治療が中心になりますけれども、そういった治療に基づく研究が行われているというのが現状でございまして、いつ幾つ整備するかという話は全然文科省の中にも出ておりません。
○門田会長 そのほかもまだまだ御意見があると思うんですが、冒頭にお話しいたしましたように、今、発言できなかった内容については、文章で事務局に出していただいて、次回それを盛り込み、また文言、意見をいただくという形にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、その続きの(5)「その他」でございますが、前回、セカンドオピニオンということについての御意見をいただいたわけですが、ここで机上配付の資料が出ていると思います。この件につきまして松本委員の方から御説明、それから事務局の方から御説明をお願いしたいと思います。
○松本委員 それでは、御説明をさせていただきます。患者関係委員有志提出資料をごらんください。前回の協議会でセカンドオピニオンについての意見を述べるようにということがありましたので、1枚紙を出させていただいております。
 まず意識の調査結果の報告をさせていただきます。中ほどに書いておりますが、昨年度愛媛県で実施をいたしましたがん患者満足度調査の結果です。回答者512人です。4分の3が50代以上ですので、恐らく多くのがん患者の実質の声を反映していると思われます。また、半数以上は罹患して2年以内の患者さんですが、セカンドオピニオンについて、「求めたいと思わなかった」と回答した方が最も多くて44%でした。この結果から見ますと、医療者側も積極的には進めていないし、患者側も求めていないということで、愛媛県においてはセカンドオピニオンについては消極的ではないかということがうかがえるかと思います。
 その下ですけれども、平成22年度がん対策評価・分析事業に寄せられた患者の意見。これはこの協議会の4月のときにお示しさせていただきましたが、全国の患者2,000人の声を集めたものでございます。この中でセカンドオピニオンに関する自由記述欄を拾い上げたのがここに示しているものでございます。
 他科の医師の説明で具体的にわかって心強く感じたという肯定的な意見もありますし、セカンドオピニオンを受けたいと言ったら、退院しろ、二度と来るなと言われたというような意見も一部に見られました。
 また、いろんな説明を受けたんだけれども、結局インターネットで情報を調べようとして選択で迷ったというような意見もありました。
 結論としまして、私ども患者家族会の活動の中で聞こえてきますのは、セカンドオピニオンという言葉への理解は進んでいるように思われます。利用している患者さんも前と比べれば増えていると思います。ドクターの多くもどうぞ行ってきてくださいと言ってくださっていますけれども、一部にまだドクターの中に否定的な方もいらっしゃるのも現実だろうと思います。
 結論として、患者家族が主治医からドクターの説明を正しく理解をして、自分が納得して自分の病気の治療について選択をしていくということが最も大事だと思います。ですから、ファーストオピニオンであろうがセカンドオピニオンであろうが、医療者の説明を正しく理解できるということ、そのための体制整備が必要だろうと思っております。
 体制整備の1つは、設けられている相談支援センターの活用ということもあるでしょうし、あるいは専門教育を受けている専門ナースであるとか認定ナース、そういった方々の働きというのにも期待したいと思っております。
 そのようなことで、ドクターの説明をきちんと理解できるための体制、そして患者・家族が希望した場合にはそれを躊躇なく訴えることができるような体制の整備、この2つが今、求められていると思っています。
 以上です。ありがとうございました。
○門田会長 ありがとうございました。では、引き続きまして、事務局の方からこの資料に基づいて御説明をお願いします。
○鷲見がん対策推進室長 それでは、机上配付資料となっておりますので、委員の方々のみ配付させていただいております。前回の議論の中で中川委員の方からセカンドオピニオンに関する調査を行うべきではないかというお話がありまして、事務局の方でどんなような調査が行われているのかということについて調べさせていただきましたところ、こちらはお手元の資料にあります平成21年にがん対策に関する世論調査ということで、内閣府の方が認知度についての調査を行っております。こちらの調査の標本数は約3,000人でございまして、この世論調査の目的というのはがん対策に対する国民の意識を把握するために行うもので、調査方法は調査委員による個別面接方式というもので行っております。これは19年から開始されまして、19年、21年で実施しているところでございます。
 23年のものにつきましては、実は震災の関係で予定が遅れているとは聞いておりますが、今日お示ししました19年と21年のものでございまして、まずセカンドオピニオンの認知度としましては、知っているかどうかというものにつきましては、19年よりも21年の方が若干言葉自体については知っているということになっております。
 2ページ、セカンドオピニオンに対する意向ということで、これについて必要かどうかセカンドオピニオンについて説明を行った上でどう思うのかということをお聞きしましたところ、必要と思うという方がこのような形で約9割の方が必要だろうということでお答えいただいているところでございます。
 3ページ、厚労省でやっている調査としましては、受療行動調査というものがございます。こちらは3年に一度、10月に実施しておりまして、実は今年度、平成23年の受療行動調査から、項目としましてセカンドオピニオンの中身を入れているところでございます。これから調査を行うところでございますので、公表の予定時期というのは平成24年の夏ごろということになっておりますので、またこの結果については出た時点で御紹介させていただきたいと思います。こちらにつきましては有効回答数というのは入院については約5万人を対象にして、外来について約10万人を対象として調査を行うこととしておりまして、項目としましてはこちらに調査票がございますが、入院の原因となった病気や症状について、他の医師の意見(セカンドオピニオン)は必要だと思いますか。思う、思わない、セカンドオピニオンを知らない。補足としましては、セカンドオピニオンを受けたことがあるかどうか、受けてよかったと思うか、最後に必要だと思うがなぜ受けなかったのか。こんなような形で調査を行っているところでございます。
 先ほど申し上げましたように、この調査の項目につきましては、今年度から入れたものでございますので、この結果が出た時点でまた御報告をさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。
○門田会長 ありがとうございました。この世論調査というのは全く世論ですか。患者さんではないんですか。
○鷲見がん対策推進室長 世論でございます。この受療行動調査というのは外来の患者さん、入院の患者さんに対して行われるものでございます。
○門田会長 この件につきまして何か御質問、御意見ございますか。まだ十分な統計があるわけではない。今、始まろうとしているので数年先にはもう少し具体的な数字が出てくるだろうと思います。実際、医療現場において先ほど松本委員おっしゃいましたけれども、本当に患者さんは頼まないという感じです。今の主治医に対してなかなか切り出せないということをおっしゃる方が非常に多いような気がします。
 川越委員、どうぞ。
○川越委員 受療行動調査の表のことについてお聞きしたいのですけれども、これは病名についての記載といいますか、質問はあるのでしょうか。
○鷲見がん対策推進室長 実は、この受療行動調査は10月に行われまして、こちらは患者調査と同じときに同じ対象者に対して行われることになっております。つまり、こちらの調査を受けた方が必ずしも御自分の病名について知らない場合であっても、患者調査とつき合わすことによって一応疾病別の結果というものが出る形になっております。先ほど説明で詳しく申し上げませんでしたが、最終的に平成24年度末にはつき合わせた形、つまり、患者調査においてがんに分類される患者さんにおけるセカンドオピニオンの結果という形で出せるかと考えております。
 以上でございます。
○門田会長 上田委員、どうぞ。
○上田委員 この問題は非常に大きな問題で、患者さんというのは患者のプロではなくてがん患者になって初めて告知体験、初めて認知するわけですね。そのときに果たしてキャンサーボードとかセカンドオピニオンをどこまで認識させられているのかということが一番のポイントであると思います。そういう組織をつくっても運用はなかなか難しいので、だから拠点病院には相談員センターを置くことになっている。そこがどれぐらい本当に機能しているかというのをまず評価すべきだと思うのです。
 本当にそこで自由に聞けて、必要ならセカンドオピニオンを聞きなさいということを伝えているはずであるし、キャンサーボードに関しても拠点病院なら当然ながらキャンサーボードがあるはずですから、そういう中で満足度があるのかどうか。機能を果たしているのなら、次は、一般の300以上ぐらいの病床の病院にも相談員が必ずおればいいことであるし、またがん患者を主に診ているような病院には相談員を置くことにすることが大事になると思います。いくらそういうことを言っても患者さんはそのときが最初なんです。そのときのステップをちゃんと見える形で溝をつくってあげるということがもっともっと大事ではないかと。中身に関してはここではプロとして、キャンサーボードではどういうことをしなさいとか、セカンドオピニオンはどういうことをしないということはきちんと明記すべきである。またその資格の人は大体こういうことをわかる人が相談員になりなさい、それが物すごく大事だと思う。問題はどういうふうにその人たちを患者さんが使えるか。その方策をしっかり考え、運用するということを是非考えていただきたいし、対策に入れて頂きたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。非常に大切なことだと思います。そのほかいかがでしょうか。
 松本委員、どうぞ。
○松本委員 今、上田委員がおっしゃってくださったこと、まさにそのとおりだと思います。相談支援センターがある、そのことは知っていた。その相談支援センターの前を何度も何度も往復をしたけれども、結局声をかけられなかったという患者さんの声を聞いたことがあります。こういう受け皿があります、こういうシステムがあります、そういうのをつくるのは勿論大事なんですけれども、そこに患者家族が勇気を持って、本当に力を振り絞ってアクセスするのではなくて、診療の流れの中で自然にそういうところに行けるようなシステムづくりこそが大事だと思っております。ありがとうございます。
○門田会長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは、ここまで終わりました。お手元に配付しておりますが、進行の予定表、全くそのとおりに進行して1分もずれがない、非常に喜んでおります。
 それでは、あの時計で55分まで休憩をとりたいと思います。よろしくお願いいたします。

(休  憩)

○門田会長 それでは、本日は、集中審議は次回行っていただくわけですが、化学療法とドラッグ・ラグについて参考人の先生方並びに行政の関係者の方から説明をいただいて、そこで認識を深めていきたいと思います。
 最初に名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学の教授の直江先生です。直江先生には化学療法について御説明をしていただくことで、約10分の御説明をお願いしてございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、直江先生、よろしくお願いします。
○直江参考人 よろしくお願いします。今日のお話は化学療法全体についてお話をしてくれということと、将来展望、問題点ということで、わずか10分でどのような話ができるか不安なんですが、資料7をごらんください。
 化学療法という名前の由来は、教科書的にはエーリヒ先生が化学物質を工夫することによって、例えば細菌であるとかがん細胞であるとか、病因の原因をターゲットとするということ、すなわち魔法の弾丸という概念を出されたのが最初ということになっておりますが、実際の抗がん剤が発見され、開発されるのは戦後になります。
 同じ時期なんですが、ベーリング先生は血清療法というものを開発されまして、これは毒素に対する血清療法であったんですが、その後、ケラー&ミルステインによってモノクローナル抗体ができて、こちらの方もがんに対する目覚ましい抗体療法というのが開発されております。これらをひっくるめまして、最近では化学療法という言葉よりはがん薬物療法というような呼び名をすることの方が一般的かと考えております。
 2ページ、抗がん剤はどうやって発見されたかといいますと、歴史は非常に短いのでありまして、第2次世界大戦にマスタードガス、これは毒ガスでございますが、これを吸った兵士の白血球が下がるということから偶然発見されたということでございまして、それほかビタミン、核酸、いわゆる漢方の系統、植物由来というもの、さまざまな抗がん活性が得られるものが発見されております。
 抗がん剤イコール毒といいますか、非常に副作用が強いと皆さん考えられているのも当たり前でございまして、2ページ目の下でございますが、これまで開発されていた抗がん剤といいますのは、基本的には我々の細胞の中の核にあります遺伝子情報をつかさどりますDNAでありますとか、DNAの合成でありますとか、細胞が分裂をするときのたんぱくをターゲットにしているということでありまして、特異性が非常に少ないということで、例えば血液毒性とか粘膜毒性という細胞が活性化して活発に増殖しているところをやっつけてしまうということで、副作用が出るのは当然ということでございます。
 3ページ、化学療法はそのように1950年ごろから開発されてまいったのですが、当初のアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、ビンカ・アルカロイドというのは、血液がんにおいて非常に大きな成績を収めてまいりましたが、今日よく使われております固形がんにとって重要な抗がん剤というタキサンでありますとか白金製剤、トポイソメラーゼの阻害剤、フッ化ピリミジンの改良型といいますのは、大体80年代から90年代にかけて開発されてきたということでございまして、2000年になりまして、いわゆる分子標的療法の時代を迎えてきたということであります。
 その表の下の方に多施設共同研究のスタートでありますとか、支持療法の進歩、こういうものがあって今日のエビデンスが出てきた。ただ、繰り返しますと、たかだか60年の歴史であるということであります。
 下の方です。がん薬物療法については、最近非常に社会、科学、経済の関心が高まっております。1つは97年のGCP施行後、治験環境が随分変わってきた。エビデンス重視で多施設共同研究が活発化した。後で述べます分子標的医療というのが登場しまして、メーカーの熾烈な競争がございました。マーケットが拡大している。このことについて、基礎研究者も含め、バイオマーカー研究が活発化しているということが背景にあると思われます。
 右側に医学ジャーナルのインパクトファクターという、我々大学で言いますとこのことでいつも頭を悩ませているんですが、いわゆるインパクトのある雑誌というものの評価はこの数年間に相当増えているということがおわかりいただけると思います。
 4ページ目、抗がん剤は御存じのように、すべてのがん種に同等に効くわけではございませんで、ここにA群、B群、C群、D群と分けておりますが、抗がん剤によって治癒をもたらすことが期待できると、すべて治るというわけではございませんが、例えば白血病でありますとかリンパ腫、婦人科の絨毛上皮がんというものは比較的感受性が高い。小児の白血病は最も高いもので分類されます。
 一方、D群にありますような皮膚のメラノーマでありますとか膵がん、肝がん、甲状腺がんというものは抗がん剤は比較的効きにくい。全くと言っていいほど効果が示せないものもございます。
 ということで、現在、B群の中からA群、C群の中からB群、D群の中からC群にいくように化学療法が努力しているということでございまして、今最も効くと分類されている例えば成人の場合の白血病、4ページの下の図のように87年から10年間かかって20年間近くかかってこのように今進歩してきているわけなんですが、化学療法だけですと非常に限界がございます。今回、AML201という2001年間のスタディはよいように見えますけれども、移植が随分貢献しているということでございますし、5ページ目、欧米では化学療法はいいということでスタンダードになっていたんですが、日本できちっと1,000例以上の症例を集めて解析しますと、あるサブセット、白血病の人みんなにいいわけではない。一部の方にきちっと使うことが重要だということが世界的に発信されるようになってきております。
 5ページ目の下です。例えば進行期の非ホジキンリンパ腫。リンパ腫では最も多いリンパ腫に対する治療法も同じでございまして、CHOP療法がスタンダードで、それ以外の治療法とは同等であるということが70年代に開発された治療法が93年に出たんですけれども、その後、2004年にはCHOPの治療間隔を短くすると成績がいいんだということがドイツから出ましたが、皆さんそうかなと思ったんですが、きちっと日本、UK、フランスがスタディをしますと同等であるということでありまして、私がここで言いたいのは、やはり欧米のエビデンスをうのみにするのではなくて、自ら自分たちのデータも発信していく。その中で検討していくということが必要だろうと思います。
 その中で6ページ、リツキシマブという抗体療法を用いますと、今までになかったような初めてCHOPを上回るデータが出てきたということでございまして、これもデータがきちっと固定化するためには5年、10年とかかっているということでございまして、ここで申し上げたいのは、きちっとした多施設共同研究、息の長い研究というものがどうしても必要になってくる。何とかブレイクスルーがもたらせないかということで6ページの下でございます。
 皆さん御承知のように、分子標的療法の登場でございまして、最も画期的なものは慢性骨髄性白血病に対するイマチニブでございます。これまで治癒は造血細胞移植でしかもたらされなかったのがイマチニブの登場によって10年生存率が90%ということになってまいったわけでございます。
 7ページ、これは世界の大型医薬品売上ランキングという余り見たことのない表なのですが、この20番にグリベックという名前で出ています。世界中でなんと4,000億円を売り上げているということでございます。上から5番目、先ほど言いましたリツキサン、幾つかがんに対する抗体薬が上位に載っておりまして、そういう意味でも日本発の画期的な医薬品というものがどうしても求まれることだと思います。
 7ページの下、例えばこれは転移性の大腸がんですが、手術だけで観察するとたかだか半年ですが、例えば5-FU、ロイコボリン、FOLFIRI、FOLFOXというような抗がん剤の組み合わせによってかなりの進歩が見られている。最近ではアバスチンという抗体薬を用いることによって2年ないしは2年以上ということでございまして、このように抗がん剤のエビデンスというのは刻々年々よくなっている。一方、考えてほしいのは、累積する、つまりトータルの患者数というのは増える。薬物療法の担当医の負担がその分だけ増えている。患者さんも有病期間が長くなっているということで、私は最終的には治癒にもたらすような治療法はどうしても開発することが必要なんだろうと思っています。
 8ページ目です。最近、非常に勇気づけられる結果が出てまいりました。これは肺がんでございまして、非小細胞肺がんなんですが、最近遺伝子のことがいろいろわかってまいりました。例えばKRASとかEGFR、EML4-ALKというようながん遺伝子の活性化が肺がんを引き起こすということがわかってまいりまして、特にEML4-ALKというのは日本の自治医大の間野先生らが見つけられた遺伝子異常なんですが、このALKというのは先ほどの慢性骨髄白血病のがん遺伝子BCR‐ABLと同じでございまして、活性化チロシンキナーゼという酵素が原因でございまして、その酵素の働きを止める薬を投与しますと、ここにありますように腫瘍がもうほとんど消えておる。生存もこのように著しく伸びる可能性があるということで、このような研究をどうしても進めていく必要があるんだろうということで9ページでございます。
 現在まで日米で非常に多くの分子標的薬が開発されております。一方、分子標的薬は副作用がないということはないのでありまして、ここら辺は臨床医も含めてきちっとしたエビデンスを構築していく必要があるだろうということでございます。
 8ページ目、9ページ目のまとめはスキップします。10ページ目から少し人材のことについて、今日この会でたくさん話が出ておりましたので、少し私見を交えて述べたいと思います。
 御存じのように平成18年にがん対策基本法ができました。人材の育成というのは非常に重要だということでございまして、10ページの下ですが、がんプロなどで卒後研修のシステムの改革が行われました。外来化学療法部などの整備が行われました。学会では教育セミナー、専門医制度の整備を行って、認定制度をスタートしました。学会では実戦と臨床研究を混同するような発表はかなり少なくなったと思います。多施設共同研究から多くの情報発信が行われるようになりました。我が国の知見も国際レベルをある程度キャッチアップできるようになってまいりました。ドラッグ・ラグの解消の取組みもされております。これは後でまたお話に出てくると思います。
 一方、右側は活躍できる場が増えているにもかかわらず、例えば血液内科も含めて化学療法に精通した医師というのは圧倒的に不足しております。患者数の増加に追いつけないというのが現実でございます。新法が早く、この領域はフォローするのが大変でございまして、毎年のようにエビデンスが変わります。新薬が登場します。分子診断は恐らくすべてのがん種をフォローできる人は多分1人もいないと思います。
 診療科、地域、病院会の格差も広がっております。施設として化学療法に対する理解やコメディカルの協力が得られないと困ります。これは院長、病院の方針ということで後でまた述べたいと思います。
 化学療法医、専門医を一生懸命育てるというのがありますが、実は受け皿が少ないのであります。専門医のスキルが十分生かされているのか、キャリアパスが描かれているのか。ここは検討する必要があると思います。
 学生教育、診療科の壁でございます。特に内科というのは、先ほども話がございましたように、治療学ではなくて診断学で臓器別に分かれているということでございまして、この縦軸ではなくて横軸をどういうふうに構築していくのか。腫瘍内科がうまくいくのかどうかというのはここ数年間にかかっていると考えております。
 11ページをごらんください。がんの薬物流法に関しましては、臨床腫瘍学会、がん治療学会、がん学会等が連携しまして、専門医制度、認定医制度が立ち上がっております。私の考えでは、がん薬物療法、専門医はより高次の薬物療法に特化する多施設共同研究をリードできる人たちを育てているという認識でございまして、正確には言えませんが、多分今までに数百人の専門医を育てていると認識しております。
 一方、がん治療認定医の方でございますが、これはそこにありますようにもう少し卒業後若い人たちを対象にしていまして、これは現在までにたしか9,000人強の認定医を生んでいると思っておりますが、やはりキャリアパスをどのように描くのかということは模索でございまして、11ページ目の下、この後期研修の間にがん専門病院のレジデント、大学院、臓器別の専門医、がん薬物療法専門医、学位というものをどういうふうに若い人に提示していくのかということは若干の混乱があるというのが現実でございます。
 12ページ目、これは非常にポイントでございますけれども、今までのがん診療の縦と横というか、縦軸には臓器別がございます。横軸には治療、オリエンテッド、例えば薬物療法がございますけれども、肺がんはだれが診るのかということなんですが、これはだれがということではなくて呼吸器内科医、がん薬物療法専門医がチームで見なければいけないということが結論だと思うんです。
 そういう意味で、我々の大学ですと化学療法部というものが立ち上がっておりまして、13ページ、いろいろ各科連携の中で治療をやっております。そういう意味で臓器横断的な化学療法部というものを今後どうやって支援していくのがいいのか。チーム医療の位置づけ、定着というものを図っていく必要があるんだろうと思っております。
 14ページ目、ただ、私は正直な話、血液がんが専門でございまして、血液がんは診断から治療、看取りまで全部1人でやっているということがございますけれども、血液がんで治る人がいるというものが心の支えといいますか、やりがいがあるんですけれども、ただ、固形がんのがん薬物療法専門医は基本的には助からない患者さんを対象にしている。これで最後までモチベーションが続くのかどうか。この辺は非常に大きなポイントだろうと思います。
 最後です。なぜ君は○○科を選んだのか、選ばなかったのかということで、○○の中には私の血液というのが入るんですが、これは化学療法部も一緒です。要するに選ばないのは興味がない、専門的すぎる、患者が少ない、これは違うと思いますけれども、開業に向かない、よい先生がない、雰囲気が悪い、3Kだ、死亡が多い、忙しいということで、私は生きがい・やりがい、興味、ニーズ、ロールモデルこれをうまく回していくんです。やりがいというのは非常に負担でもあるんです。こんなにやりがいがあることはないだろう。死と向き合うことについて、最近の若い人たちはやはり敬遠する嫌いがございます。ということで、ここをどうやってチーム医療で克服していくのか大きな課題が残っていると思います。
 最後に、少なくとも先ほどの受け皿でございまして、各病院拠点に院内拠点としての化学療法が絶対いるのではないかと思っております。では、化学療法で全部やってくれるのかというとノーであります。私はコンサルテーション、チーム医療の一員として加わるということが当面数年間の中では最初にやるべきことではないかと思っています。
 時間を超過しました。済みませんでした。
○門田会長 どうもありがとうございました。非常に膨大な内容を話していただきまして、10分しかありませんと失礼なことを言いましたけれども、倍使っていただきました。ありがとうございました。
 せっかく来ていただいていますので御質問をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 天野委員、どうぞ。
○天野会長代理 ありがとうございます。2点ございまして、まず1点目、エビデンス重視ということが勿論、進んでいるところは進んでいるんですが、先ほどお話にもありましたように施設間格差、地域間格差というのは現実としてまだあって、私はその患者会でお話を伺っていても、いわゆる標準治療が行われていれば高い可能性で治癒が期待できたのに、標準治療でない治療が行われて再発難治になる患者さんががん対策推進基本法ができて5年経ちますが、いまだに後を絶たないという現実がある。ここを解消していくのは一筋縄にはいかないと思うんですが、キーとなるポイントは何なのかというのをもし御意見があれば私見でも結構ですので教えていただければというのが1点です。
 もう一点が、先生、血液内科が専門で、私も血液がんでリンパ腫の経験者なんですが、血液内科医の不足について先ほど田村委員からも御指摘がありまして、勿論、どの医療者、どの医療職がどれだけ必要かと適正数を考えなければいけないというのはあるわけですが、学会でも血液内科医は絶滅危惧種といったお話が出ていて、実際に私がお話を聞いている限りでも、県によっては血液内科医が全然いなくて、例えば耳鼻科のドクターが血液がん、白血病などは診ませんが、リンパ腫などを診ているといった例があるという中で、それを解消していくにはどういったことが必要になるかということについて、重なる部分はあるかと思いますが、御意見ちょうだいできればと思います。
○直江参考人 ありがとうございます。大変難しい議論でございます。
 まず、標準的治療を受けられない患者さんにどのように情報を届けるのか。どうやって受けられるようなシステムにするのかということが第1点目の御質問でございますが、基本的には現在取り組んでおられるようながん情報に対する正しい情報を国民がだれでもアクセスできるようにする。現在、やはりインターネットにアクセスできる方は私たち以上に情報を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。
 一方、地方、高齢の方で非常に情報が届いていない患者さんがいるということがポイントかと思います。やはり先ほどあったようながんの相談窓口というものの実質化を図るということと、カルチャーとしてドクター同士にセカンドオピニオンの定着というものを目指すということが1つあるのかなと思いますが、一方では、先ほど拠点化なのか均てん化なのかという難しい御議論もございましたように、高齢化になっていて地域からなかなか離れることができない患者さんも大変多うございまして、例えば急性白血病でも患者の発症中央値、中央年齢というのは65歳でございまして、半数以上の方が65歳以上でございます。リンパ腫もしかりでございます。という中で、やはり合併症を抱えて地域から離れられない患者さんについて、どのように患者さんたちを診ていくのかというのは、がんはがん専門医に任せればいい、拠点に集めればいいという議論とは全く真逆の実態があるということは事実でございます。
 そういう意味で、がんというのは2人に1人はがんがかかる、3人に1人はがんで死ぬという時代が来る中で、がん医療というものを診られるお医者さんのすそ野を広げていくということがもう一つ必要なのかなと思うんです。ただ、そうしますと、拠点科の話とあれなので、ここではあえてそのことは余り強くは申しませんけれども、どこの病院でもやはりがん化学療法医というものを置くことによって、チーム医療でやる。だから、主治医の先生については標準的な治療をオファーできなくても、そこでキャンサーのケモセラピストがいて、先生、そうではなくてこのようにしましょうよと、院内ではこうしましょうよというところを持っていくことが必要なんだろうと思います。
○門田会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 資料の12ページ目の縦と横のものは、私ども放射線治療あるいは緩和領域でも臓器別という形に医学部の講座がなっているという中で、腫瘍内科医もこの問題に非常に直面しておられると思います。今後この問題をどうするのかという臓器別と横断というところ、その中でがんプロ、非常に有効な役割を果たしてきたと思うんですけれども、これはかつて申し上げましたが、今年度で一旦がんプロが終了になって、そうすると特に腫瘍内科医、東大病院では複数の腫瘍内科医ががんプロで雇用されているんです。それが今後どうなるのか。この辺の危惧について御意見を伺えればと思います。
○直江参考人 やはりこれはシステムとして日本では非常に定着が薄い領域なんです。つまり、縦軸は特に伝統のある大学は講座制、主任教授がいる。臓器別が最もリーズナブルな分け方であるということで多くの大学は臓器別になっているわけですが、先ほど言いましたように、これは診断オリエントの学問なんです。つまり、キャンサーというバイオロジーを目指すと、基礎の先生には胃がんも肺がんも非常に垣根が薄いと思うんです。同じような治療薬があちらでもこちらでも使われる。その中でたまたま抗がん剤は副作用が多くて、安全に使うということがなかなか担保しがたいということでがん化学療法部というものがあちらこちらの病院で出てきたわけですけれども、これは1つのチャンスとだと思っています。たとえがんの薬物療法が抵抗薬にどんどん変わっていったとしても、私は化学療法部というのは多分要るんだろうと思っております。
 これは各病院によっても非常に悩むところなんです。ただ、私は、医療というのは1人のドクターだけでやっているものではないという中で、やはり肺の診断に特化する人、化学療法が得意な人、感染症に得意な人たちが数人で呼吸器内科をつくる、数人でがん化学療法部をつくるというような姿の中でチーム医療というのがやられるべきなのではないかと。そこにコメディカルの方が入るという形を日常的につくる。そのためにはここに紹介しましたように、今日はスキップしましたけれども、14ページにありますように、年がら年中他科と一緒にやっている。どこがメインなのかわからないようになっているというようなカルチャーをつくっていくということが院内で必要なのかなと思います。
○中川委員 がんプロについては何か。
○直江参考人 がんプロは是非続けていただきたいと思います。これがないとせっかく大学院生が育ち始めたものを根っこから絶やしてしまうことになりますので、やはり人材育成ということを考えると、これは続かないとこれまで仕込んだものが無駄になってしまうのでは以下、そういう危機感を持っています。
○門田会長 嘉山委員、どうぞ。
○嘉山委員 今のお話は本当にすばらしいお話だと思います。私も大賛成します。
 文部省の医学教育課長の村田さんがいらしているのでお願いしたいんですけれども、救急が必要になった時期に文部科学省は救急医学講座を全部開いたんです。今のところは法人化に国立大学がなってしまいましたので、大学内での人員の割り当てをせざるを得ないので、ここで文部科学省としてはがん診療部、病院付きになりますから、先ほどの救急部と同じなんですけれども、そういうことを文部省が進めると全部進んでいくんです。学生も教育されるし、そこで専門家が育ってくるしということで、これは放射線治療部も同じなんですけれども、それを文部省できちっと救急部と同じようにやれば進んでいくと思います。
 あと先生がおっしゃった肺がんはだれが診るのかなと。うちは国立がん研究センターで乳がんだけの抗がん剤の専門医はいるんでずけれども、これは無駄ではないかということがあって、ほかの臓器も横断的にやっています。それは決めるべきではなくて、今おっしゃったようにチーム医療の中でどこを見ていくかというその人の得意技があるので、それで自然に収まるようなので決めないでもいいのではないかと思います。
 ただし、少なくとも化学療法部というのは教官を置くべきだと思いますが、文部科学省はどうですか。
○門田会長 どうぞ。
○文部科学省医学教育課長 大切な御指摘だと思います。実は午前中の全国がんプロ協議会理事会でもこの話が出まして、今後のがんの人材養成を考えると、やはり大学にある程度恒常的な特化した組織、講座なりができることが必要ではないかというご指摘がありました。
 しかし、一方では大学の中でも御案内のとおり限られた人材をどう資源を投入するかということは大変頭が痛い問題ですが、ただ、結論から申しますと、がんプロは次期どうなるかという話がありまして、第1期は23年で一区切りでございますけれども、継続して何とかやっていきたい。壁は厚いですけれども、御協力いただいて何とかやりたいと思っています。
 その中で第2期については新しい組織の芽が育つような形でやり方を仕組む必要があるのかなと思っています。一律に必ず講座をつくりなさいとまで言えるかどうかは別として、将来的に専門の講座なり組織につながっていくような形で取り組まれるような仕掛けを少し工夫できないのかなと今思っているところでございます。
○門田会長 どうぞ。
○嘉山委員 つくりなさいではだめで、予算を付けなければだめなんです。科をつくるわけだから、人件費というかボーナスとか年金とか付いていないものはだめなんです。ただの派遣になってしまうので、そうではなくてちゃんと座席としてのポジションを付けていただきたいんです。ちなみに国立大学で最初にがんセンターをつくった山形大学にはがんの基礎講座をつくったんです。勿論、放射線講座もつくったし、抗がん剤の内科の教授もつくりました。3人つくれるんです。それは全部の講座の教授から得たんです。なぜかというと、がん科にもがんがいるんです。すべての講座に全部がんがいるんです。ですから、そこに共通する教室をつくるのは当たり前ではないかということで全部つくってしまったんです。文部省はそういうふうにやれば、ちゃんと座席を付けた、やれという命令ではなくて、それをお願いしたいと思います。
○門田会長 どうぞ。
○医学教育課長 大変厳しい御指摘で、端的に言うとこれはとにかく予算をどれだけ取れるかにかかっておりますので、その意味でも是非先生方の御支援をいただいて予算を確保できるようにさせていただければと思います。
○門田会長 直江先生、どうぞ。
○直江参考人 是非お願いしたいと思うんですが、とりあえず専任でないと意味がないんです。そこがポイントなんです。2つ目ですけれども、やはりがんの治療というのは確立されたものではなくて、日進月歩なんです。そういう意味では、多施設共同研究であれ、研究マインドというか臨床研究に非常に熱心な方が取り組まなければいけないんです。ただ、臨床研究というのは病院の経営的に得か損かというと必ずしも得にならないことがあるんです。委員長や施設によっては、今、臨床研究のいろんな指針が出ていますけれども、そういう危ないがんの研究はやめてほしいというような院長もいらっしゃいまして、これはがんの臨床のレベルというのは、臨床研究に参加するということが非常に大きなポイントですので、何か施設としてそういう研究マインド、臨床研究マインドを持っている人たちをやはり評価するということが私は非常に重要ではないかなと思っています。よろしくお願いします。
○門田会長 ありがとうございます。江口委員、どうぞ。
○江口委員 先ほどの嘉山委員の言われたこと、非常に重要なことだと思うんです。今の腫瘍内科というと、多くは病院機能として化学療法部とかそういうものをつくる、あるいは化学療法室、化学療法センターをつくるということで人材があてられていますけれども、例えば医学生と科研修医の立場から腫瘍内科の専門家になろうとすると、やはり正規の講座ができていないとどこに行っていいかわからないということが出てきます。
 ですから、直江先生にもお聞きしたいんですけれども、これはやはり正規の講座として腫瘍内科学あるいは臨床腫瘍学というふうな講座をつくることに対して、それは必要だと思うんです。要するに、将来のキャリアパスを研修医がどう選んでいくかという中には必要だし、それは学会、例えば内科学会の中にも腫瘍内科の領域というものをつくることがそれらの人たちに道筋を示す道だと思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
○直江参考人 これは議論のあるところではないかなと思いますけれども、私は病院組織としてまず化学療法部というのは独立して専任のポストを決める。そこで教授を決めるというのがまず先だと思うんです。そのことが多分抵抗なく多くの大学で受け入れられるのではないかと思うんです。ただ、専任の内科学の中に臨床腫瘍内科という領域をどういうふうに構築していくかというのは多分いろいろ御意見があるところではないかなと思っています。
○門田会長 ありがとうございました。
○嘉山委員 ちなみにうちは全部3人とも講座で教授にしました。ですから、どんどん入局者が出ていますので、そうすると育ってきますから、やはり講座にしないとだめです。文部省がそこを突破するということが大事。
○門田会長 これで最後にしたいと思います。
 田村委員、どうぞ。
○田村委員 大変重要な御意見をいただいて、腫瘍内科というのは内科の1つの分野だと思っております。基本的には先ほど直江先生が御説明になりましたように非常に毒性の強い薬剤を使いますので、それをきちんと適正に使えるというのは内科的な素養がないとなかなか難しいだろうというのが1つ。
 もう一つは、臓器横断的ということが非常に重要なポイントになりますけれども、この場合にどうしても今までの講座が臓器別にきていますので、それぞれの臓器で特化した方々がそれぞれの臓器の抗がん薬をやっているという状況の中で、なかなか横のつながりができてこないという意味で、そこのところをシステムとして構築するためには病院の中では化学療法部あるいは腫瘍センターといったものを構築する。講座の方で人材を育成しないといけませんので、腫瘍内科学あるいは臨床腫瘍学の講座をつくる。
 そして、直江先生はヘマトロジー、血液の専門ですけれども、ヘマトロジー、オンコロジーといういわゆる血液内科と腫瘍内科が合体したような講座の構築がいいのではないかと私自身は考えておりまして、その大きな理由は、がんの領域、特に治癒を目指すような薬物療法の領域は、血液がずっと先導を取ってきていて、今も血液が一番いいわけですけれども、それを追うようにして固形がんのがん薬物治療が進歩してきたということもあります。そして血液の病棟の8~9割は実は白血病とかリンパ腫といったような血液のがんです。
 そういうことで血液腫瘍内科としての位置づけというものを是非構築していっていただければ、先ほど言ったような腫瘍内科が独立してというなかなかそれぞれの大学の思惑がありまして難しいです。それぞれのテリトリーがあってせめぎあいがあって難しいので、血液内科というのは割と既に確立しているところが多いわけですので、そういったところをうまく利用するといけるのではないかということで、特に血液内科も最初に私がお話ししましたように、かなり地方では絶滅危惧種になっておりまして、実際ほとんどいないところも出てきておりますので、そういうところをバックにしますと、腫瘍内科と血液内科が一緒になっていくような方向もいいのではないかと思っております。
○門田会長 ありがとうございました。本田委員、文書で提出いただけますか。誠に申し訳ございません。先ほど時間どおりと申したのですが大幅に遅れていまして、次に参りたいと思います。どうもありがとうございました。この件につきましてはいろいろな御意見があると思いますので、文書で是非出しておいていただきたいと思います。
 それでは、その次のテーマとして、ドラッグ・ラグについてに移りたいと思いますが、ここでは4人の方にお話ししていただくということになっております。大幅に遅れておりますが、先ほどはお一人の方にこのテーマを話していただきましたけれども、今度は一人ひとりに時間制限したいと思いますので、時間以内に終わっていただきたいと思います。
 最初に片木さんの方から、患者さんの立場からということでお話ししていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○片木参考人 卵巣がん体験者の会スマイリーの片木です。このたびはドラッグ・ラグに関して患者会の立場から発言できる機会をありがとうございます。資料8をごらんください。スライドの右下に番号を振っていますので、この番号でお話させていただきます。
 まず2枚目をごらんください。
 第21回がん対策推進協議会で事務局から提出された説明資料です。この数字の根拠があやしいというのが22回の協議会で天野委員が提出された資料でも指摘されているので、説明は割愛させてもらいますけれども、そのほかのここに書かれている文章すべてが具体性に欠けた文章になっています。
 では、具体的にどうしたらいいかという説明をしていきたいと思います。3枚目を開いてください。がん対策基本法ができる背景ですけれども、患者さんが治療薬を求めて声を上げたという出来事があります。
 スライドの4枚目、しかし、がん対策基本法ができても、その後、薬を求める戦いは続いています。2009年から要望が減っているように表では見えるかもしれないんですけれども、これに関しては医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議、名前が長いのでこの後の説明に関して検討会議と省略させていただきますが、この検討会議では、患者会などから開発要望のパブコメをとっていて、そちらに患者さんの要望が流れたというために減っていると思われます。
 続いて、6枚目のスライドなんですけれども、具体的に実例を挙げていきたいと思います。2006年当時の卵巣がんの状況、当時、ドキシルは世界75か国で承認されていて、日本では使えませんでした。75か国というのはどれくらいかというと、8枚目のスライドになるんですけれども、本当にこのような状態で、承認されていない国を探す方が大変な状態です。
 8枚目になりますけれども、60か国以上で承認されているジェムザールもスライドのとおりです。
 9枚目になりますけれども、ドラッグ・ラグになっていた卵巣がんのお薬というのは未承認薬ではなくてほかにも既に適応をとっているけれども、卵巣がんには使えないという適応外薬の治療薬でした。
 10枚目をごらんください。外来化学療法室なんですけれども、いろんな部位の患者さんが治療を受けていると思うんですが、ある卵巣がんの患者さんから悲痛な声が届きました。隣のベッドの肺がん患者さんがゲムシタビンを打っている。隣の国で承認されているだけならばまだ言葉も通じないしわかるんですけれども、隣のベッドで肺がん患者さんが打っている治療薬が自分が卵巣がんだからという理由で使えないなんてという悲痛な声でした。その患者さんですけれども、実際にその肺がん患者さんの点滴を抜いていいかぐらいまで訴えてこられました。それぐらい患者さんにとっては切実な現実が待っておりまして、この患者さんに関しては1か月半後に亡くなりました。
 11枚目をごらんください。この訴えに耳を傾けて動いてくださったのが嘉山先生なんですけれども、中医協で55年通知に該当するような薬に関しては、柔軟に保険を付けてはどうかということを提案してくださいました。すぐに私たちがん患者会71団体で嘉山先生の提案に賛同するという声明を中医協に出しています。
 12枚目になります。中医協ではほかにも検討会議で公知申請が認められた薬に関しては、保険適応するというスキームもこちらで提案していただいて、患者さんが1日でも有効で安全な薬にアクセスできるようにというふうにしてくださいました。その1号となったのが卵巣がんの治療薬や胃がんの治療薬になったわけです。
 13枚目になります。中医協で新しいスキームを導入してくださったお陰で、卵巣がん患者は現在治療薬にお陰様でアクセスできるようになりました。
 14枚目のスライドになるんですけれども、しかし、喜んでばかりはいられない現実が待っていました。この6月にASCOで発表されたOCEANS試験というのがあるんですけれども、再発卵巣がんに対してベバシズマブを使った試験、この試験には実は日本は参加していません。なぜかというと、試験を行っているときに日本ではゲムシタビンが承認されていなかったために入れなかったんです。ドラッグ・ラグが新しいドラッグ・ラグを生んでいるという現実があるんです。
 今日は私が一番説明しやすい卵巣がんのデータを使っているんですけれども、この現実というのは卵巣がんだけではなくて、ほかのがんでも起こっています。では、患者会は協議会に何を求めているかというと、16枚目になります。
 ドラッグ・ラグの解消を求める患者の声ががん対策基本法ができることに対して後押しをしたのに、基本法ができてみると化学療法の推進とひとくくりにされてしまっているという現実があります。
 17枚目になるんですけれども、昨年出た中間報告ですけれども、がん患者が声を挙げて現在進行形でドラッグ・ラグと闘っているのに、余りにも当事者意識が低いとしか言えない報告が出て大変憤りました。
 18枚目になります。例えば検討会議で医療上必要性が高くないとされたお薬の中にハロペリドールというのがあります。こちらは名だたる学会や厚労省の研究班までもが患者さんにとって必要だと言っているのに取り下げられています。
 19枚目、これは私たちスマイリーが要望しているESA製剤です。こちらに関してもがん化学療法に伴う貧血において輸血は患者さんにとって感染症などのリスクが大きいので回避するためにもESA製剤を使いたいと言っているわけなんですけれども、100か国以上で承認されている薬が使われていません。
 20枚目、こういう支持療法、患者さんのつらさなどに対応するお薬に対して声が上がっているんですけれども、緩和ケア専門委員会の報告ですが、治療薬の問題には触れられていません。治療薬がないということは直接患者さんにとって跳ね返ってくるんです。患者さんのためにという患者目線が大きく欠けているのではないかと傍聴していて感じました。
 21枚目、こちらは卵巣がんの臨床試験ですけれども、640名余りが参加した試験で2008年のベストオブASCOを取ってLancetにも論文が掲載されている。アメリカなどはそれを基にすぐに保険収載したんですけれども、臨床試験をやった日本では、患者さんがいまだに使えていないんです。こんなことが続けば、日本でいくら質の高い臨床試験をやってくれと言っても医療現場のモチベーションが上がらないのではないかなと思っています。
 22枚目、前々回のがん研究専門委員会の報告では、どちらかというと前臨床に近い話が多くて、患者さんの目線から言えば、今、そこにある有用な薬が欲しいわけで、有効で安全な薬をより早くという視点が抜けていると感じています。
 23枚目、これは私が委員を務める医薬品等制度改正検討部会ですけれども、薬事法の改正を目指して既にとりまとめに入っています。薬事法ですからがん研究にも大きく関わってくる話も多いのですけれども、こちらの協議会から全く意見が上がってこない。前回、嘉山先生が推進協議会からも意見が出れば中医協で闘いやすいとおっしゃったんですけれども、まさにそのとおりで、意見が出て来なければいくら私が意見を言っても委員個人の私見ととられてしまうことも多くて、本当に大変で闘えません。
 24枚目になります。まとめるとがん対策推進協議会には、人任せのだれがやるかわからないような意見ではなくて、どうあるべきか、どうしてほしいか、当事者目線の計画を出してほしいと思っています。また、国のがん対策をとりまとめる本丸として、どんどん関連する会議に意見も出してほしいと思っています。
 25枚目になります。そして、適応外薬の問題に関しては、がんにおいて顕著であり、この協議会が意見を出さなければどうしようもないわけですから、きちんと計画をつくって意見を出してほしいということを願っています。
 最後のスライドになりますけれども、ドラッグ・ラグに関しては残念ながらこの5年間基本計画は無策であり、私たち患者は憤りと絶望を感じてきました。今後、5年間の計画が更に患者さんを絶望に追いやらないようにと願っています。期待を込めて手厳しい意見を言わせていただきました。
 以上です。ありがとうございます。
○門田会長 ありがとうございました。すばらしく時間どおりにきちっと言いたいことすべておっしゃっていただきました。誠に申し訳ないんですが、引き続きドラッグ・ラグについてまとめて御意見をいただいてディスカッションをしたいと思います。
 では、引き続きまして、新たな治験活性化5カ年計画ということで、医政局の開発振興課より御説明をお願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課(森下) よろしくお願いいたします。研究開発振興課の森下と申します。お手元の資料9をごらんください。
 新たな治験活性化5カ年計画は、平成19年3月に厚生労働省と文部科学省が共同で策定して、今年度が最終年度に当たっております。この5か年計画は、国民に質の高い最先端の医療が提供され、国際競争力強化の基礎となる医薬品・医療機器の治験、臨床研究実施体制を確保し、日本初のイノベーションの創出を目指すということを目的としております。
 1枚目上のスライドに示しておりますが、この5か年計画は5本柱に基づいて進めてまいりました。簡単に、その取組みについて御紹介させていただきます。
 下段のスライドをごらんください。1つ目の「治験・臨床研究を実施する医療機関を整備する」というところでは、5年前に治験中核病院、拠点医療機関をそれぞれ10機関、30機関指定しております。
 また、相互の連携を強化する場として、治験中核病院・拠点医療機関等協議会を設置しています。そして、毎年1回、治験・臨床研究基盤整備状況調査を実施して体制整備の進捗を厚生労働省と文部科学省でも把握しているところです。
 2点目、「治験・臨床研究を実施する人材を育成し確保する」というところでは、特に臨床研究の協力者としてCRCはなくてはならない存在が、この養成にも力を入れておりまして、初級CRC、上級CRC、それぞれ養成研修を行っています。そのほか、ローカルデータマネージャー、治験・臨床研究倫理審査委員会委員研修を実施しております。
 3点目になります。「国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加を支援する」というところでは、平成19年10月に国立保健医療科学院のホームページに臨床研究登録情報検索ポータルサイトを設置して、治験・臨床研究についての情報公開を行っております。
 下にも書いてありますけれども、このポータルサイトは、平成20年10月にはWHOが指定する治験・臨床研究登録機関(WHO Primary Registry)として認められ、現在、臨床研究(試験)情報ポータルサイトで提供している英語試験情報はWHOへの提供を行っています。 4点目、「治験・臨床研究の効率的な実施と企業負担を軽減する」という取組みにつきましては、治験の開始から終了まで、スピードと効率化を図っています。具体的には治験の手続きに必要な書類は統一書式を作成し、さらに統一書式入力支援ソフトなどの作成、公開を行うことで進めています。
 また、平成22年には、治験等適正化作業班を設置しまして、5カ年計画で残された課題の解決に向けての検討を行い「治験等の効率化に関する報告書」にまとめました。その報告書は平成23年6月30日に、研究開発振興課長通知として関係機関に発出しています。
 5点目ですが、「その他の課題」につきましては、この5カ年計画の実施中に、医薬品や医療機器GCPの改正、臨床研究に関する倫理指針、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する倫理指針の改正等が行われております。
 平成20年度からは、高度医療評価制度を導入して、臨床研究において一部保険併用が可能となっております。
 、以上のような形で5本柱それぞれについて取り組んでまいりました。この計画は、3年目に当たる一昨年に中間評価を行い、今後、取組みをより加速かつ強化すべき課題」の抽出も行っています。
 今年度は5カ年計画の最終年度に当たると申しましたが、この8月からは「臨床研究・治験活性化に関する検討会」を開催しておりまして、現状の5か年計画の評価も行うとともに、臨床研究、治験活性化のために更に取り組むべき事項について議論を重ねていります。年度末にはポスト5カ年計画の策定ができるように取り組んでいるところです。
 以上で報告を終わります。
○門田会長 ありがとうございました。それでは、引き続きまして未承認薬・適応外薬解消に向けての検討についてということで、医薬食品局審査管理課より説明をお願いしたいと思います。
○医薬食品局審査管理課(宮田) 医薬食品局審査管理課でございます。
 今回は未承認薬・適応外薬解消に向けての検討についてということでございまして、資料10をごらんください。この会議は本日来られています堀田参考人が座長をされています会議でございまして、いわゆる欧米で使用が認められておりますけれども、国内では承認されていない医療上必要な医薬品や適応を解消するために設置された会議でございます。
 実際には学会、患者団体等からこの左下の図にありますとおり、374件の要望がございまして、この会議で医療上の必要性を評価しているわけでございます。
 続きまして、下のスライドをごらんください。実際には検討会議を続けておりまして、要望の上がった374件につきまして、医療上の必要性の評価、その後、各企業に開発の検討を要請しまして、その後いわゆる公知申請でございますとか、治験が必要かといったところを見まして、その後、医政局の研究開発振興課の方に企業の開発の支援ということでいただいております。その後、医療上必要な有効性、安全性も妥当であるということでございますれば、薬食審の方で審議がされまして、中医協の嘉山委員の御尽力もありまして、保険の前倒しということも現在されて、いわゆるドラッグ・ラグの中の申請ラグや保険ラグ等について厚生労働省としても一丸となって取り組んでまいったわけでございます。
 2ページ、今の検討会議の状況でございますが、全体374件のうち、承認済みが4件、企業に開発を要請したものが167件、開発企業を公募したものが19件等々、数が書いてございます。その中でも本日はがんということでございますので、そのスライドの方に抗がん分野品目の検討状況の概要について抜いてきております。抗がん分野の品目につきましては80件ございまして、そのうち企業に開発を要請したものが41件、開発企業を公募したものが1件でございまして、これにつきましては既に開発の意志を示す企業が見つかっております。
 企業に開発要請したもののうち41件、そのうち10件が公知申請が妥当ということになりまして、例えば乳がんのカルボプラチンといったような適応外でございますとか、胆道がんのシスプラチンといったような適応外のお薬が公知申請へ妥当ということで、これにつきましては薬食審の事前評価も済んで保険の前倒しということにつながっているわけでございます。
 最後のスライドになりますけれども、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議につきまして、第2回要望もすべきであるということでございまして、それを受けまして現在、募集中でございます。8月2日から募集を開始しておりまして、今月の30日まで締め切りとしておりますので、現在まさに募集中でございますので、ホームページを御参照ください。これにつきましても現在多数上がっておりますけれども、引き続きまして取り組んでまいりたいということでございます。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。それでは、最後に国立病院機構名古屋医療センターの堀田先生の方からお話をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○堀田参考人 名古屋医療センターの堀田でございます。本日は10分という時間ですので、複雑な話をするのは難しいところもありますが、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の座長というとりまとめ役ではなくて、今日は私の個人の意見という形でさせていただきます。
 ドラッグ・ラグが抗がん剤の分野で問題になっておりますが、未承認薬と適応外薬は性質がかなり異なるので、これを分けて考える必要があるということがまず第1点であります。未承認薬につきましては、治験の着手が遅いというところに最大の問題があります。承認審査とか治験のスピードというところは国際比較でかなり追いついてきたけれども、治験の着手が遅いことが最大の問題があります。したがって、国際共同治験であるとか、我が国発の新薬開発のスピードを上げない限りは、ラグは防げないと思います。
 もう一つ、適応外薬につきましては、今日の私の本題になるんですが、わが国で薬事承認が保険診療の償還の大前提となっているところを見直すべきであるというところを切り込まない限りは、国際的に見てラグはなくならないと思っています。
 公知申請にしても、これは薬事承認を前提とした仕組みでありますが、本当に公知申請まで持っていかなければ保険診療できないかどうかも含めて御検討いただければと思っているところであります。
 2ページ目、ドラッグ・ラグ解消のために現在まであるドラッグ・ラグをどうやって解消するかという話としては、これまでに連続的に取組みがなされました。平成16年1月から始まった抗がん剤併用療法の検討会、これに私も参加させていただきましたが、教科書的な標準療法で日本で使えないという現状を打開するための取り組みということで下のスライドにありますが、16品目で30適応について一括して医薬食品局で承認したというものであります。このときはあくまで教科書的なものだけを公知申請として薬事承認したということであります。
 その次に、1年後になりますが、平成17年から今度は未承認薬が問題だということで、適応外ではなくて未承認薬について欧米4か国で新たに承認されたものを四半期ごとにすくい出して、それを俎上にのせて日本の現状においてそれが必要かどうかという検討をして開発要請するということでやってまいりました。そして、41品目が開発要請になりました。そのうちの約半分が抗がん剤であります。ただし、そのうちどうしても開発企業が出てこない、あるいは医師主導治験もやれないものに対しては未承認薬の開発支援事業サポートしてきたものであります。しかし、このスキームに関しましては、企業のインセンティブが働かないというところに最大の問題がありました。
 その次に平成22年に、これは先ほどの医薬食品局からの報告があるとおりでありますが、第1回開発要領で374品目を学会、個人、その他から集めて、これに対して医療上の必要性の評価を加えながら開発要請が必要なものを選び出していくというスキームで動いてまいりました。
 3ページ目を見ていただきますと、未承認薬検討会では類型が?、?、?とありますが、そういったものを評価いたしまして、最終的に医療上の必要性が高いとしたのは45品目で抗がん剤が23品目ということになっています。これまでに既に承認されたものが約半数ございます。しかし、逆に下のスライドにありますが、抗がん剤の範疇に入れていいものの中で、この赤で記したものについては、開発を引き受ける企業がその時点ではありませんでした。したがって、それを促進するために支援事業の適応となったものであります。
 4ページ目には、未承認薬検討会のときに新たにスキームとして出てきたのが、治験の組み入れが終わってしまってから承認まのタイムラグの間使えないという状況を防ぐために、追加的試験もしくは市販後臨床試験を前倒しにする安全性確認試験というものを設定して、これで治験に入れなかった人を救うというアクセスプログラムとして提示されたのです。しかし、なかなかこれがうまく機能しませんでした。
 その理由は、企業にとって非常に負担が重かったということ、治験に入れない人はそれだけ条件の悪い人でありますから、そういう人たちが入ってきて有害事象が頻発することを恐れたということが原因と考えています。、したがって、治験本体と切り離したアクセスプログラムが必要だと考えます。
 未承認薬・適応外に係る開発要望については、先ほど審査管理課の宮田さんからありましたので省かせていただきます。
 このような形で6ページ、今あるラグをどうやって縮めていくかという取組みにつきましては、いわゆる標準的治療薬についてはキャッチアップは確実にしてきただろうと考えます。個々にはまだまだ足りない部分もありますが、全体としてはかなりの進歩だと私自身は、評価しております。
 ただし、それでもドラッグ・ラグはなくらないというところがポイントだと思うんです。そこで今日は適応外薬についてお話をします。日本では薬事承認が保険償還の大前提になっておりますけれども、海外では保険診療下で適応外使用が可能な仕組みがあります。米国ではAmerican Hospital Formulary Serviceのdrug informationと言ってcompendiaと言いますが、毎年非常に分厚い8cmか10cmぐらいの厚さの医薬品集が更新されております。ここには新しいエビデンスがどんどん入って、これに収載されれば公的保険の償還が可能とされています。
 ドイツでは『ROTE LISTE』、イギリスでは『British National Formulary』、フランスでは『VIDAL』というのが毎年発行されておりまして、これらの医薬品集はいわゆるEMAあるいはFDAの承認事項とはべつに、独自に評価しております。
 7ページ目に例を挙げます。タキソールという抗がん剤は、日本で非常によく使われていますが、日本の効能効果は卵巣がん、非小細胞がん、乳がん、胃がん、子宮体がんとなっており、どのステージで使うことができるかということは一切書いてございません。日本の適応が狭いとよく言われますけれども、適応承認事項は実は逆でありまして、FDAのインディケーションを読みますと、タキソールは例えば卵巣がんにつきましては、進行期で使うこと、そしてファーストラインで使うときには、シスプラチンと併用で使いなさいと限定しているんです。その次のところに乳がんがありますが、ドキソルビシンを含んだ標準的にな化学療法によってアジュバントセッティングでリンパ節転移のあるケースにしようするときさいされているのであります。そして、記述は面々と続くのでありますが、以後は省略します。適応疾患として非小細胞肺がんあるいはエイズの関連Kaposi肉腫の適応が日本とは違ってありますけれども、しかし、胃がんとか子宮体がんの適応はそもそもアメリカにはありません。それでもなぜ使用できるかということが先ほどの仕組みであります。
 日本での保健の適応外使用ははどうかというと、55年通知というのを皆さん聞いたことがあると思います。社会保険支払い基金の判断で審査情報提供事例としてときどき出されております。抗がん剤領域につきましては、平成19年と21年にそれぞれ4品目と9品目が「当該使用事例を審査上認める」という格好で、適応は薬事承認はないけれども、保険で認めますと言っているんです。では、ほかにも必要な適応外使用を55年通知でもっと認めればいいのではないかということになるんですが、8ページを見ていただきますと、こういう対応には幾つかの問題があります。1つは再申請が終了した医薬品のみが対象であります。したがって、発売後8年~10年経過した薬でないとだめですから、世界のエビデンスとは全然かけ離れたものしか対象にならないということであります。
 また、この信組情報提供事例自体が例外的な対応とされておりまして、明確なルールはございません。審査情報提供検討委員会というものがあることはあるんですが、名簿や、審査過程も公表されておりません。結果としての当該治療事例を申請上認めるという一文以外には何のコメントもありません。したがって、どういう理由でこれが認められたのか、ほかのものはなぜ認められないかがわかりません。一方、こういったもので認めたところで、処方医の責任はどうなるかということが明確ではありません。そういった問題を抱えています。次に最後のスライドになりますが、8ページの下であります。
 これは私見ということで聞いていただきたいと思います。適応外薬で標準的治療に近いものについては、透明の高い審査機関を現在の審査情報提供委員会とは別に学会や専門家の協力を得て設置し、そこに判断を委ねるという組織が必要ではないかと思っています。その前提として学会のガイドラインが必須で、それにはないものは除外してもいいと思います。それぐらい学会も責任を持つべきだと思っています。
 次に、標準的治療を確立するための適応外の使用をどうしたらいいかです。これは保健医療の高度化、適正化事業として保険診療の中でやってもいいのではないかと思っております。というのは、薬事収載されたときには、適応や用法・用量は治験の設定で行われた未熟な段階での薬の使い方であります。本当はそれから薬の最もいい使い方を研究しなければいけないのに、それは以外は全部適応外だから償還しませんという話ではなく、保険診療をもっと高度化するために保険診療の中で扱ってもいいのではないかと考えます。これは勿論、私見です。
 一方、新たな用法・用量とか使い方については安全性が確認されていないという点で基本的には治験が前提であるだろうと思います。、その場合には治験もしくは高度医療評価制度を使って公知申請に持っていくことになります。こういうような仕組みを考えないと、ドラッグ・ラグが今後も発生し続けるだろうと思う次第でございます。今回は検討会のとりまとめ役としての参考人ではないので言いたいことを言わせていただいておりますが、実感としてはこのような考えを持っております。
以上です。
○門田会長 ありがとうございました。私見というお話をしていただきましたけれども、何か打つ手があるのかなという感じもしてまいりました。この件につきまして、以上、4人の皆さんの御発表をいただきました内容についてディスカッションしていきます。
 では、こちらから順番に行きたいと思います。本田委員、どうぞ。
○本田委員 質問と意見があるんですけれども、まず1つ質問です。堀田先生の最後のスライドのところで、全く共感しているというか大賛成というか同じ意見なんですが、標準治療に近いものの透明性の高い審査機関に保険償還の判断を委ねる仕組みというのは、例えばどういう形とかが今だったら考えられるのでしょうか。
○堀田参考人 これはがんだけの問題ではないものですから、例えばこの協議会に設置するというわけにもいかないと思いますが、学会が協力しながらエビデンスをそろえていって、ガイドラインに準じて判断していくというようなものを考えています。余り行政サイドでというイメージではないんです。
○本田委員 compendia方式みたいなものを日本で学会を交えてつくっていくみたいな。
○堀田参考人 そうです。それが医薬食品局あるいはPMDAとどういう関係になるかというのは整理しなければいけないですが、PMDAはあくまで新薬もしくは新規の用法・用量の薬事承認というところに役割をフィックスすればいいと思っています。


○本田委員 1つ意見というか、私自身も今までの今日の皆さんの御発表を聞いて反省すべきところがあるんですけれども、ドラッグ・ラグというとどうしても新薬のことばかりが議論されるんですけれども、患者さんにとっては適応外の問題というのは大変大きな問題で、この片木さんの御発表にもありましたけれども、そもそもがん対策基本法ができて、この協議会があるのも、一番初めにこの問題を提起されていた新山さんという方はジェムザールが適応外で使えなかったということから始まってこういう大きな動きになったわけです。そもそものところを片木さんに大変厳しく指摘されましたけれども、この協議会ではついついそれはこの協議会で話し合うことではないようなことを言われることで、では意見だけという形で終わることが多かったんですけれども、もう少しそのことも踏まえて、ちゃんと意見しかできないかもしれないけれども、それを議論している、例えば嘉山先生の中医協だとか、いろんな今日御発表があったさまざまな委員会、検討会にこの協議会から意見を出していくということをやるべきではないかというのを1つ反省点として感じます。
 とりあえず、もう言えないかもしれないけれども、あとは文書です。お願いします。
○門田会長 ありがとうございました。では、前原先生にお願いしたいんですが、一つひとつ短く切って多くの皆さんに発表していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○前原委員 私からは片木さんの資料の10ページ、19枚目のスライドについて追加コメントとして申し上げたいと思います。抗がん剤というよりも支持療法のことについてでありますが、ESAの製剤は我が国において、腎性貧血とか現在、自己血貯血の適応で20年以上使用されている。しかし、先ほどお話がございましたように、がん化学療法に伴う貧血への使用はいまだに未承認であるということで世界に大きく後れを取っているということが現状ではないかと思います。
 そこで日本癌治療学会では平成19年1月26日に、門田先生が理事長をされておりました折に厚生労働大臣あてにESA製剤の優先審査要望書というものを提出いたしましたけれども、それから5年経っておりますが、いまだ最終結論には至っていないというのが現状であります。現実、臨床医が臨床の意識が主として貧血以外の抗がん剤の副作用ということに向いておりまして、がん化学療法に伴う貧血に関しては、患者さんの置かれた状況、すなわち貧血の実態とかその対応については全く把握されていないというのが実情であるということで、日本癌治療学会では、日本輸血細胞治療学会と協力して貧血に関する実態調査を3,000例を目標に近々始める予定です。そういうものが貧血対策の一助になればということで追加のコメントとしてさせていただきます。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。では、眞島委員、どうぞ。
○眞島委員 先ほど、片木参考人から話がありましたけれども、ドラッグ・ラグの問題、実は解消に向かっているのではなくて逆に悪化しているのではないか。それが更に悪化するのではないかという懸念すらあります。この国がいかにがん患者さんに障壁となるようなものをつくっているかという1つの例なんですが、先ほど新山さんの話が出ましたけれども、国際標準治療薬のゲムシタビン1つの承認を取るために署名活動をし、時の厚生労働大臣に直訴し、初めて早期承認につながったと言われましたけれども、その段階でドラッグ・ラグはすでに4年なんです。それから10年経って今です。国際標準治療薬エルロチニブ、これもまた署名活動を行い、厚労省に直訴してやっと承認になった。今度は5年です。先ほど数字が出ていましたけれども、こういったような実態を見ますと、本当にこの国のドラッグ・ラグというのは解消に向かっているのだろうかということは患者目線から言うとやはり問題なのではないかと思います。
 この間大津先生から聞いた話ですけれども、今世界中でもって新しい抗がん剤の開発がすすんでいて、日本の承認パイプラインにたくさんの薬が、より有効な延命効果につながるものが入ってくる可能性があります。ところが、今の日本の承認パイプライン、これをよほど大きくしないと逆にたくさんのお薬が入ってくると更なるドラッグ・ラグにつながるのではないかなという懸念すらあります。進行がん、再発がん、転移がんの患者さんにしてみれば、やはり新しい治療薬が出てくるのを、一日一日大切に生きながら待っていると思うんです。そういうがん患者さんの希望に応えられるような、いわゆる新しいシステムをこの協議会でもって打ち出さないとだめなのではないかなと思います。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 関連して、花井委員、どうぞ。
○花井委員 ありがとうございます。私も眞島委員のおっしゃったように、私自身はいろんな情報からドラッグ・ラグが解消に向かっているという勝手な印象を持っていたんですが2.4年が2.2年になったことが解消と言えるのかいう印象もあります。堀田先生から十分にお話をいただいたとは思うんですが、片木委員に質問させていただきます。保険適応外薬に関して、保険が付いたのだからそれでいいのではないかというふうな医療者の意見もちょくちょく耳に致します。こうした意見に関して片木委員はどういうふうにお考えでしょうか。
○片木参考人 よく臨床腫瘍学会でもそういうお話がありました。例えば乳がんのカルボプラチン、先ほど宮田さんからは進んだというようなお話もあったんですけれども、実は用法・用量で縛られておりまして、トリプルネガティブというホルモン治療とかが効かない乳がん患者さんには使えないという状況になっています。そういう中で、カルボプラチンがどうして使えないんだという質問が出たときに、ある著名な先生が保険を通っているからいいではないかというようなお話をされたと思うんですけれども、実はそれは言ってみれば東京の有名な先生が支払い基金に言えば保険が通るのかもしれないですけれども、地方の総合病院のような先生はいくら支払い基金に言っても保険が通らずに返ってきてしまうという現状があって、そういう形での医療格差というのが生まれているのかなと思っています。
 またそのカルボプラチンのトリプルネガティブの乳がんに関しては、ASCOとかでももう既に新薬と併用する形で、臨床試験の1つのアーム、ゲムシタビンとカルボプラチンという乳がんの1つのアームとして登場しているのに日本はやはり使えないというラグがラグをまた呼んでいる状態でもあって、それがどうして医療上必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議でそんな縛りで公知となったのか、患者としてはまた変だなと感じています。
 以上です。
○門田会長 その件に関してですか。
○田村委員 少し整理しないといけないと思うんです。堀田先生がまさに言われたように、保険承認と適応というのは本来別物なんです。だから、そこのところをクリアーにするようにしないといけないと思います。
 適応はあっても保険承認は認められていない、そこをどうするのかというところを議論するような場があって、結論を出していく必要がある。
 未承認薬の方は、今一番大きな問題は2.2年とおっしゃいました。2か月ほど短くなったとおっしゃいましたけれども、堀田先生がまさに指摘されたのは、企業側がいかにそれに乗っていくかというところなんです。そこのラグが圧倒的に大きくて、そこを解決しない限りこのドラッグ・ラグは解決しないんです。企業がある薬を開発したいという気持ちが出るような、いろんなリスクを抱えながら開発していくわけですから、そういうところを最初に私ドラッグ・ラグに関して少し提言させていただいたんですけれども、例えば企業と学会と国立研究がんセンターのところが一緒になってある部署をつくって、世界的にいろんな承認を求めて治験が始まっているものを早くとらえて、企業側と話し合ってそれを早く開発していく、そういうシステムがない限りこのラグは縮まらないと思うんです。
 それが始まった後にグローバルなところに早く乗っていけば、恐らく世界同時に日本も含めて承認が得られると思うんです。そういう仕組みをつくっていく必要があると思います。
○門田会長 松本委員、どうぞ。
○松本委員 恐らく参考人は今日しかいらっしゃらないので質問は今日しかできないと思いますので質問させてください。片木委員提出のスライドの2番のところに、平成18年に2.4年だったドラッグ・ラグが平成20年度には2.2年に短縮したと数字が出ています。ただ、これは先ほど眞島委員からの発表にもありましたけれども、私たち患者・家族にしてみれば短くなったという実感がありません。通常、短くなったと出ています。ここはどういう現実の乖離があるのか、片木参考人、もし何かありましたら教えてください。
○片木参考人 こちらについては堀田参考人も御説明されたように、米国に関しては保険償還、コンペンディアで保険という公的保険が導入されているというのがあります。例えば子宮体がんのカルボプラチンに関しても、米国ではFDAが承認していないんですけれども、コンペンディアで保険償還がされている。でも、日本では承認されていないから使えないという状態。同じく子宮頸がんのパクリタキセル、こちらも米国では保険償還されているけれども、日本では承認されていないというシステム、米国では必ずしもFDAが何でもかんでも承認しているというわけではなくて、柔軟に保険が付く形になっているということで、実際大本営発表と言わせていただきましたけれども、これに関してはFDAが承認しているもの、データに基づき計算を出しているということであって、実際問題この数値に惑わされてはいけなくて、米国では保険償還というのがあるというので実際そこでデータを取ったらもっと違うデータが出るのではないかと思っています。
○門田会長 よろしいですか。
 では、こちらからまいりましょう。
○天野会長代理 ありがとうございます。まず1点目ですが、私5月からアメリカの国務省のプログラムに参加させていただく機会をいただきまして、アメリカのNCIや医療や製薬医療企業の皆様とお話しさせていただいて、数年前であれば日本のドラッグ・ラグはどうなっているのかとか、障壁がどうなっているんだという御指摘もあったんですが、この点全くなかったです。もう完全に好きの対義語は無関心という言葉もありますが、もうバイパスされているというか完全に取り残されている感があって、先ほど片木参考人からの発表にもありましたけれども、国際共同治験に参加できないということは、研究の障壁であることは勿論のこと、患者さんに直接不利益になると思うんですが、血液がんでもそういった話は幾つか出てきているんですが、片木参考人が関わられている中でそういった国際共同治験に参加できないことでの不利益みたいな話があればお聞かせいただければというのが1点。
 もう一点が、これだけ薬事承認と保険償還が不可分となっていることが適応外薬の問題であるという指摘がこれほど出ている中で、私の見ている限りではここ1年の動きは、嘉山委員が尽力されたように、一部半歩進んでいるというところはあるんですが、根本的な解決は見ていない中で、今日せっかく審査管理課の宮田さんが来ていただいているので、その辺りのお考えをお聞かせいただければと思っております。
 2点ございます。
○門田会長 では、まず片木参考人、いかがでしょうか。
○片木参考人 国際共同治験に参加することが1つのドラッグ・ラグの解決策のようにこしばらくの間、報道とかウェブサイトとかでは言われてきていましたけれども、実際問題、国際共同治験に入るためのアームがないために参加できていない、研究が進まないという問題があって、その辺を実はがん研究専門委員会が切り込んでくれるかなと期待はしていたんです。より有効で安全な薬をより早くという意味では、そこに参加できないというのはとても大問題だと思っていますので、この問題というのは実は婦人科だけではなくて、ほとんどのいろんながん種で起こっていると思いますので、そういうところを打ち出していくというところを期待していますし、その問題はとても起きていると思います。
○門田会長 宮田さん、どうぞ。
○医薬食品局審査管理課(宮田) まず、グローバル試験につきましては、だんだん国際共同治験の治験相談数も踏まえてきまして、勿論、我々としましてはまだまだ不十分とは思っておりますし、そこの部分は研究開発振興課とともに国際共同治験の数が増えて、世界同時承認申請があるように努力しているところでございます。
 更に薬事承認と保険のところの1対1の付け方というのは、先ほど片木参考人がいわゆる臨床腫瘍学会のシンポジウムの話をされましたけれども、まさにそこは保険局も医薬局も医政局も堀田先生も参加されて、非常にいろんなディスカッションがある中で、勿論、副作用被害の問題でございますとか、その中ですと意見が出たものについてはシンポジウムのではそういった点でございますとか、有効性、安全性の評価の話あるいはいわゆるアカデミアのところでどれほど臨床研究、治験は企業から治験のお金が入ってくるわけですけれども、一方で臨床研究につきましてはなかなか国費が不十分という意見もございましたし、その中でどういった在り方がいいのかというところは国民的議論も必要なのかなというような議論がございました。
 ただ、我々としましては、粛々とPMDAとともに有効性、安全性を評価して、その中で中医協の方でも嘉山委員に非常にお力添えをいただいたわけでございますけれども、保険の前倒しでございますとか、そういうところでできるところで頑張っているというところでございます。勿論、今後の取組みについてはその辺も国民的議論が必要ということは認識しております。
 以上です。
○門田会長 ありがとうございました。
 では、江口委員。済みません、一応あと10分、5時半で閉めたいと思うので、参考人に対しての質問という形のものを優先したいと思います。
○江口委員 質問ではありませんが、片木参考人の20のスライドに御指摘されました緩和ケア専門委員会の報告で、治療薬についての問題がないがしろになっているのではないかという御指摘がありました。
 実際に緩和領域、支持領域で2つに分けて考えなければいけないと思いますが、治験、要するに未承認薬について、今まで私の経験などもやはり高催吐性の抗がん剤に対する嘔気・嘔吐、これに関しての制吐剤の治験があったんですけれども、そういうものに関して治験が終わって申請を出してから実際に審査されて結論ができるまでに2年ぐらいかかっています。やはり抗がん剤などの審査も詰まっているということも聞いていますけれども、制吐剤などの支持療法というのは、患者さんの苦痛に直接関係する者ですから、そういうものについての審査は優先していただきたい。そういうような形の配慮というものが今後は必要になるのではないかと思います。結局こういうのも大きなドラッグ・ラグと言えると思います。その原因がどこにあるかはやはり審査側も真剣になって対応していただきたいと思います。
 適応外の薬についてなんですが、これは多くの緩和領域の症状軽減の治療薬というのは実は適応外なんです。むしろ数年前までは緩和をやっている方々、緩和に従事している方々が臨床試験にそぐわないということまで我々は言われました。実際にはその人のその症状の軽減をするのが1人でも効けばそれでいいではないかという形で適応外のお薬をいろいろ使われているということで、その努力というのは勿論認めるわけですけれども、やはり1つは安全性の問題、もう一つは、どうしても緩和領域というのはいわゆる括弧付きの民間療法などにいつの間にか移っていくという可能性も十分ありますので、私たちとしては、ちゃんとした公知のエビデンスになるような臨床試験といったものも追求するし、あるいは診療報酬の方も外保連、内保連から学会がいろんな薬剤について上げていくというような2本立てのやり方というのを今踏襲して改善しているところであります。
 ですから、そういう意味では、適応外の薬剤について緩和の学会等々のところでは対応しているので、実際に恐らくこういうものをまとめるとしたら、私たちとしては実診療のことの方を専門委員会で重点的にまとめて、実際に臨床研究というような面に関して研究の分野の専門委員会の方で取り上げていただくということをある程度想定した結果であると御説明します。
 以上です。
○門田会長 中川委員、お願いします。
○中川委員 この医薬品の問題は国民全体の問題で、とりわけ未承認薬の問題は医療費とも非常に関係してくるところです。製薬メーカーにとって日本のマーケットが魅力的に映らない。その背景には、国民の薬というものに関する知識というか、そこが根本的に欠けているんです。片木委員のお話というのは、やはり多くの方に知っていただく必要があって、薬のでき方から理解していただく、教育になるんです。ここも是非やっていただきたいという気がして。そういったことを含めて是非多くの方に理解していただくような活動をお願いしたいと思います。
○門田会長 片木参考人、どうぞ。
○片木参考人 江口委員のお話なんですけれども、専門委員会でのお考えというのはよくわかったんですけれども、いくら専門員が増えても薬がなくて痛みとか不具合がとれない患者さんというのはとてもつらいと思うんです。やはり検討部会の中では学会などが多く要望している薬というのがなかなか通らなかったという現実をきちっと把握していただいて、緩和ケア、きちんとお話、患者さんが苦しむ問題なので出していただきたいというのをもう一度お願いしたい。
 中川委員のお話というのはわかるんですけれども、今この現状でベッドの上で治療薬を待って苦しんでいる患者さんがいるんです。そういう患者さんに先生、そのお話をできますか。教育が大事です、何年かかるんですか。患者さんは待っていられないんです。ドラッグ・ラグというのは本田委員からお借りした資料も基に、10年以上前から患者さんが顔を出して涙ながらに自分の命をかけて訴えている問題、それを今さら教育だと言われてもどうしようもない話で、マスメディアに関して私1人で昨年、一昨年は120以上の媒体に出て訴えています。そういう現状でこれ以上どうすればいいんですかというお話があって、知ってもらえればいいというのは勿論わかります。だから、こういう場に出てきたんですけれども、今、ベッドの上で苦しんでいる患者さんが聞いたらどう思うかというところも考えて御発言いただけたらと思っています。
○中川委員 多分、厚労省の皆さんも変えたいんだと思うんです。しかし、そう簡単に変えられないという問題があって、だからやはり仕組み、確かに目の前の患者さんはよくわかります。それについては支払い基金などの在り方も考えなければいけない。だけれども、根本的には制度の問題があって、みんな患者さんのためにやりたいんだけれども、できないんです。だから、基本的に目線が違うわけではないんです。なので、是非一緒にやっていきませんか。そう思います。
○嘉山委員 先生、最後にいいですか。
○門田会長 待ってください。
○片木参考人 多分嘉山先生と言いたいことは同じだと思いますので。
○門田会長 嘉山先生、どうぞ。
○嘉山委員 中医協で少しこの議論が進んだのは、片木さんがほかの患者さんのことを思って私に訴えたんです。時間が待てないんです。明日でもという人がいるわけですから、神経病などと全く違う進行性の病気ですから、これは片木さんの言うとおりだと思います。
 提案なんですが、いろんな面で議論が出たのでいいと思うんですけれども、大きく分けて適応外薬、未承認薬。それに対して例えば治験の推進が先ほどから資料9などで出ていますけれども、実際はほとんどどれぐらい進んでいるのかわからないという状態ですから、こういうことを具体的にこのがん対策推進協議会の骨子の中に片木さんの一番の希望は書き込んでいただきたいということだと思うんです。ですから、具体性を持って書き込む必要があると思う。治験の推進の問題は先ほど国民的というのが出ましたけれども、それも含めて書き込まなければだめです。
 もう一つは、薬事承認の保険診療。本当はある程度支払い側が認めればアカデミズムがOK出しているわけですから、55年通知というのはもともと医師の裁量権の問題が非常に大きいわけで、そのときに支払い側がきちんと対応してくれれば明日からでも大丈夫です。ですから、この辺を具体的に書き込むということを提案したいと思うし、認めていただきたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。
 では、本田委員、これで最後にしたいと思います。
○本田委員 一言だけ。私もその意見に全く賛成で、先ほど言えなかったんですけれども、そもそも第?期の計画にこのことが書き込まれるべきであったのが、残念ながらばたばたの中でつくったということがあって、とにかく予算に乗せなければということで不十分と私は思っているんですけれども、そのままいってしまったということがあるので、書き込むことにはどなたも反対されることはないと思うので、その方向で計画をつくるということでお願いしたいと思います。
○門田会長 ありがとうございました。この続きは次回の集中審議でやりたいと思いますので、今、発言にならなかった方も含めて、非常に重要だと思われることを是非事務局の方に届けていただきたいと思います。非常に重要なポイントのところまで今話題になりましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、本日はこれで協議会は一応終わりたいと思います。次回は本日の「手術・放射線療法に関する委員からの意見についてのまとめ」の報告、「化学療法・ドラッグ・ラグに関する委員からの意見」の集中審議を行いたいと思います。
 また、次回のヒアリングについてですが、「在宅医療・チーム医療」についてやりたいと思います。皆様方から参考人の推薦をいただきまして、一応事務局で相談して、在宅医療に関しては山口赤十字病院の副院長の末永先生、さくさべ坂通り診療所院長の大岩先生、チーム医療に関しましては、株式会社緩和ケアパートナーズの代表取締役の梅田さんに来ていただく予定しておりますので、御連絡しておきます。
 では、あと事務局から何かあったら御報告をお願いします。
○鷲見がん対策推進室長 ありがとうございました。次回開催は9月26日を予定しております。今回ヒアリングを行いました「化学療法・ドラッグ・ラグ」につきまして、あらかじめ各委員より御意見をいただくこととしておりますので、9月15日までに書面にて提出していただきますよう御協力をお願いいたします。
 このほか御提出、御説明されたい資料がある場合につきましても、同日9月15日までに事務局へ御提出いただきますよう御協力をよろしくお願いいたします。
 また、次々回のヒアリングにお呼びする参考人の方につきましては、また事前にいつものとおり各委員にお伺いすることとしておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○門田会長 それでは、本日も35分間延長してしまいましたが、これで終わりたいと思います。どうも御苦労様でした。ありがとうございました。



(了)
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