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2011年10月13日 第38回社会保障審議会介護保険部会 議事録

老健局総務課

○日時

平成23年10月13日(木)17:30〜19:00


○場所

グランドアーク半蔵門 富士東の間


○出席者

山崎、伊藤、勝田(代理:田部井参考人)、河原、北村、木村、葛原、久保田、
黒岩(代理:小島参考人)、木間、小林、齊藤(正)、齊藤(秀)、齋藤(訓)、田中、
土居、橋本、布施(代理:齋藤参考人)、桝田、三上、山田、結城 の各委員
  (岩村、大西、小西、藤原 の各委員は欠席)

○議題

(1)社会保障と税の一体改革について
(2)その他

○議事

○福本総務課長 定刻になりましたので、委員の方、若干遅れておられる方がおられますけれども、ただいまから「第38回社会保障審議会介護保険部会」を開催させていただきます。
 それでは、開催に当たりまして、まず初めに、辻副大臣からごあいさつ申し上げたいと存じます。

○辻副大臣 介護保険部会の皆様、御紹介いただきました、小宮山大臣のもとで副大臣を拝命いたしております参議院議員の辻泰弘でございます。
 本日は、御多用の中、この部会に御参集いただきまして、心から感謝申し上げますとともに、昨年も御熱心な御討議をいただきまして、さきの通常国会で成立いたしました介護保険法の成立に向けて御尽力をいただきましたこと、厚く御礼申し上げる次第でございます。
 釈迦に説法になりますけれども、介護保険も11年目を迎えたわけでございます。今後、改善していくべきものもいろいろあるとはいえども、根本的に介護の社会化を図った介護保険の導入というものは、課題は多くあれども、基本的に正しかったと改めて思う次第でございます。とは申せ、高齢化がますます進み、また国家財政も大変厳しい状況にあるわけでございまして、介護保険を取り巻く状況、大変厳しい状況であることは、御高承のとおりでございます。
 そういった中で、過半、6月末に政府・与党の立場から社会保障・税の一体改革という方針を出させていただく中で、いろいろと各般の御議論、また御検討も賜っている次第でございます。同時に、介護職員の処遇改善交付金の扱いも、年度末に向けて大きな課題となっているところでございます。これらの課題につきまして先生方の御意見を賜り、介護保険制度のあるべき姿の追求に向けて、御一緒に議論し、進めさせていただきたい、このように思っているところでございます。
 高齢化社会がますます進む日本でございますので、高齢者の皆さん方の笑顔がいかほどであるかが日本全体の幸せ度をはかる物差しであると思いますし、そのような高齢化社会を支える若い方々が、後輩の方々に一緒にやっていこうと声をかけて、それが継続していくような状況がつくれるかどうかが、日本の社会の明るい将来の姿にもつながると思っているところでございます。
 どうか大きな意義を担う介護保険制度の更なる充実・強化に向けて、先生方の御尽力を賜りますように心からお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 本日は、よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 それでは、最初に、前回の会議から委員の異動がございましたので、新任の委員の方の御紹介をいたしたいと思います。お手元にあいうえお順の名簿がございます。
 最初に、日本労働組合総連合会生活福祉局長の伊藤彰久委員でございます。

○伊藤委員 よろしくお願いします。

○福本総務課長 それでは、本日は御欠席ですけれども、全国市長会介護保険対策特別委員会委員長で高松市長をされております大西秀人委員が御就任でございます。
 続きまして、これも本日御欠席ですけれども、全国知事会社会文教常任委員会委員で神奈川県知事の黒岩祐治委員が御就任でございます。本日は代理として、小島参考人に御出席いただいております。

○小島参考人 よろしくお願いします。

○福本総務課長 それから、日本看護協会常任理事の齋藤訓子委員でございます。

○齋藤(訓)委員 齋藤でございます。よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 本日は御欠席ですけれども、健康保険組合連合会副会長の布施光彦委員が御就任でございます。本日は代理で、齋藤参考人が御出席です。

○齋藤参考人 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 以上5名でございます。
 それから、本日の出欠状況でございますけれども、岩村委員、勝田委員、小西委員、藤原委員が御欠席でございます。なお、勝田委員の代理として田部井参考人が本日は御出席されておられます。

○田部井参考人 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 あわせまして、恐縮ですけれども、事務局の方にも異動がございましたので、御紹介させていただきたいと思います。
 介護保険計画課長でございます。

○度山介護保険計画課長 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 高齢者支援課長でございます。

○深澤高齢者支援課長 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 企画官でございます。

○高橋企画官 よろしくお願いします。

○福本総務課長 介護保険指導室長でございます。

○千田介護保険指導室長 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 認知症対策室長でございます。

○勝又認知症・虐待防止対策推進室長 よろしくお願いいたします。

○福本総務課長 私、総務課長をしております福本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、この後の進行を山崎部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。

○山崎部会長 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は、社会保障・税一体改革成案を踏まえた介護保険での対応等につきまして御議論いただきます。
 まず、事務局より資料の説明をお願いいたします。

○度山介護保険計画課長 介護保険計画課長の度山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。議題が3つほど並んでおりますけれども、一括して私の方から御説明させていただきます。
 まず最初の「『社会保障・税一体改革成案』について」でございますが、資料1に「社会保障・税一体改革成案」がございます。
 6月30日に政府・与党の社会保障改革本部の検討本部で決定され、その後、閣議に報告されたものでございます。これまでいろいろな局面で御説明があったと思いますので、詳しい説明は省略いたしますが、今後の介護保険の議論をする上で踏まえておくべき点、ポイントを3点に絞って御説明したいと思います。
 まず最初は、基本的な考え方が書いてございますが、3ページ目から4ページ目にかけて改革の優先順位というものがあって、4ページ目に、子ども・子育て支援や若者雇用対策。医療・介護等のサービス改革。その後、年金改革等々と続くわけでございます。
 医療、年金、介護、いずれも世代間扶養を前提に成り立っている仕組みですけれども、今、世代間扶養を行う現役世代の方が傷みかけており、ここに手を入れないと世代間扶養の仕組みそのものが崩壊するということで、新しい現役世代向けのサービスの充実というものも求められていますし、社会保障全体も、これは基本的考え方にございますが、全世代型社会保障への転換が課題になっているということです。
 このような状況から見ますと、高齢者向けのこれまでの社会保障のサービスに関しては、現役世代向けサービスにも資源投入ができる、一定の節度ある対応というものが求められている状況にあるということが言えると思います。
 次に、8ページ目でございますけれども、社会保障費用の推計で、機能強化にかかる費用というところでございます。
 改革全体を通じて、充実と重点化・効率化を並行していって、充実の方が丈が大きいので、その分について消費税を引き上げた分を機能強化に関する公費投入することが、一体改革の財政のフレームでございます。ここを見ていただいてわかりますように、充実と重点化・効率化の差のところに消費税が入る構造になっていますので、重点化・効率化というものができなければ、そのできない分だけ充実もできないという構図になっている。
 特にサービス構造の改革に関しては、充実と重点化・効率化を裏表で考える構造になっているということは押さえておくべき点かと思います。
 3点目ですが、10ページから11ページ目にかけて、これは改革全体の話でございますけれども、社会保障改革の安定財源の確保と財政健全化を同時達成するというところでございます。
 11ページの注4に、この報告のベースになりました有識者検討会の報告からの引用もございますけれども、社会保障は社会保障のことだけで考えておれないということです。介護保険も、御存じのとおり50%は公費で賄われております。制度の外から入ってくるお金ということで意識が薄くなりがちですが、そのファイナンスができなければ同じように制度が立ち行かなくなるということでございます。
 御存じのとおり、かなり赤字公債に依存するような財政が続いておりまして、それから、社会保障についても、恐らく年1兆円規模の自然増がある。税金の方はずっと増税ができておりませんので、その分、赤字公債によってファイナンスしてきたということも言えるわけでして、このような状態を放置することは、社会保障の持続可能性も失うことにつながるということが言えるかと思います。
 そういう意味で言いますと、消費税の引き上げ分の全部を社会保障の充実に充てるということは難しいということですし、これから発生する自然増も含めて、消費税の引き上げによりファイナンスしていくということも、きちんと考えなければいけないということです。こういった状況の中で言いますと、消費税を5%から10%に上げることが改革の中にあるわけですけれども、そうしたとしても、できることには限界があるということでございまして、打ち出の小づちではないということでございます。
 参考資料1として、本部会が昨年まとめた意見書がございます。
 その中で、例えば26ページには、公費負担割合の増加とか調整交付金の外枠化とか、あるいは30ページには補足給付の公費負担化とか、いろいろな検討課題がありまして、33ページには社会保障と財政のあり方全体の中での課題として検討するということが言われておりますが、残念ながら消費税を5%から10%に引き上げても、今申し上げました項目については、その中ではファイナンスできないという図柄になっている。このことを頭に置いた議論が必要ということで、御紹介させていただきます。
 次に、2つ目の議題「24年度に向けての概算要求について」ということでございます。
 9月30日に、例年より1か月遅れで概算要求をしております。その中身につきましては、参考資料3に老健局の概算要求の概要を付けております。これの詳しい中身の説明は省略させていただきますが、今後の議論の前提として要求内容についてのポイントを説明させていただきたいと思います。
 資料2で、概算要求に関する四角い箱の付いた絵がございます。
 介護保険の25%分の国庫負担に関しましては、左側から2番目の水色の箱、年金・医療等の経費の一部ということで、高齢化に伴う増分の要求が認められているということですが、認められているのは高齢化に伴う増分だけということですので、それを超えるプラス、すなわち政策改定を行う場合には、それと相応した恒久的な財源措置が必要という整理になっているところでございます。
 実際に行った概算要求としてはこのような内容になっておりますので、高齢化に伴う増分のみを織り込んだ、いわばプラスマイナスゼロ改定前提での要求ということになっております。後ほど御説明いたします処遇改善などの扱いについては白紙要求、予算編成過程での検討となっているということを御報告させていただきます。
 なお、今年度末で期限が切れます介護職員処遇改善交付金につきましては、継続する場合には、これも後ほど御説明いたしますが、6,000億円程度のお金が3年間分で必要となります。資料2の裏側を見ていただきますと、年金・医療以外の経費の、いわゆる政策的なものに充てられる経費の各省庁の要求の枠が書いてありますが、厚労省の枠というのは1兆1,000億円ぐらいの話でございまして、しかも全体に10%削減がかかっている状況でございます。皆さんおわかりと思いますが、この枠の中ではとても要求ができないということで、24年度当初予算の中では要求していないということも御報告させていただきたいと思います。
 続きまして、そういった状況のもとで、社会保障・税一体改革におけます介護分野の対応をどのように考えていくかということで、資料3に移らせていただきます。
 1ページ、表紙をおめくりいただきまして、社会保障・税一体改革におきましては、介護分野の検討課題ということで、左側の箱に掲げられたような地域包括ケアシステムの構築から始まりまして、費用負担能力に応じた負担の強化と低所得者への配慮、保険給付の重点化という各項目が列記されているところでございます。委員の方には色刷りで行っていると思いますが、緑色が充実の項目、赤色のところが重点化・効率化の項目ということでございます。
 これに対応して、これまでの対応を整理してみますと、地域包括ケアシステムの構築ということに関しましては、昨年御議論いただきまして、本年成立し、来年4月から施行されます介護保険法の一部改正におきまして、例えば24時間対応の定期巡回サービス、あるいは複合型サービスといった新しい類型のサービスを創設した。あるいは、介護職員によるたんの吸引などの実施を可能にする制度を創設しております。
 それから、国土交通省と一緒に高齢者住まい法の改正も行いまして、サービス付き高齢者住宅というものが創設されたことなど地域包括ケアシステムのメニューを法律改正、制度改正により創設したということが言えると思います。今後、これに実を入れていくことが必要だと思いますけれども、実際そのような形でサービスが展開するような介護報酬改定というものを給付費分科会の方で御議論いただいている状況でございます。
 それから、真ん中少し離れて、上記の重点化に伴うマンパワー増強ということにつきましては、地域包括ケアシステムを実現するための必要なマンパワー、特に今までだったら施設に入らなければいけないような人も、在宅でカバーしていくという難しいお仕事をしていただくことに伴って、処遇もそれなりに考えなければいけないだろうということを、一体改革の中では盛り込んでいるわけでございます。
 これについては、御存じのとおり、23年度末までの処遇改善ということで、交付金によりまして、平均すると1人当たり1万5,000円の給与改善を行ってきたということでございますが、23年度末で期限が切れますので、交付金期限後の処遇改善を継続するための方策の検討が必要だという状況でございます。
 それから、下の費用負担の能力に応じた負担の強化と低所得者への配慮、保険給付の重点化ということに関しましては、昨年も当部会で若干御議論いただきましたが、実際には具体的な制度改正項目というところまで議論が煮詰まっておりませんので、これは制度的な改正の検討をこれからやっていくことが必要だという状況でございます。
 右側の方、薄い色のところが今まで講じてきている措置。それから、色が濃くなっているところが、これからやらなければいけない措置ということですが、制度改革に絡んでは下の2つの問題が課題になっていると思います。
 それで、今年度末に期限が切れて、早急な検討が必要となっております介護職員の処遇改善について、次のページからまとめてございます。
 介護職員処遇改善交付金の概要、効果、課題ということですが、概要はもう御存じのとおりでございまして、真ん中に実際に効果ということで、私どもの調査によれば、交付金を申請した事業所では、介護職員の平均給与額が1.5万円増加したということを確認しております。また、対象外の職種についても、看護職員やケアマネジャーなどで1万円前後増加していることが確認されております。
 また、次のページに、介護労働者をめぐる需給の状況についてのデータも紹介しておりますが、入職率が一時下がったのが回復する。あるいは、離職率が一時期かなり高まったのが低下する。あるいは、介護分野に限った有効求人倍率が2を超えていた状況になったのが、1.3程度に落ち着いたといったように、人手がなかなか得られないという需給逼迫状況は、かなり改善したということが言えると思います。
 ただ、課題がございまして、給与の引き上げの多くは一時金や諸手当という形で行われておりまして、例えば基本給の引き上げをこの交付金によって実施した事業所の割合というのは約16%にとどまっております。継続性が弱い処遇改善になっているということが言えるかと思います。
 また、これはずっと言われていることですけれども、全般的に離職率が低下する中で、依然として離職率が高い事業所と低い事業所の二極分化がある。3ページの右上のグラフになりますけれども、離職率が30%、すなわち年に3分の1近くの職員が入れかわる事業所が、まだ依然として2割程度存在するといった状況でございます。
 こういった効果と課題というものを総括して整理いたしますと、適切な介護サービス供給を安定的に確保するためには、介護労働力の需給改善効果の維持というものを図らなければいけないということだと思いますが、この際、交付金による対応というのは、どうしても期限付きのものですので、一時的な対応にとどまっているということを考えますと、効果が持続するような対応を何か検討しなければいけないのではないかという認識を持っておるということでございます。
 ページ、1枚飛んでいただきまして4ページになりますが、では、この処遇改善の効果を継続するために、どの程度の財源が必要になるのかということでございます。
 現行の処遇改善交付金と同様の仕組みを、次の第5期の計画期間の3年間に実施すると考えますと、必要な費用は約6,000億円となります。前は2年半で3,900億円だったのですが、3年間分ということと、それから介護総額が増えておりますので、次の3年間分では6,000億円必要ということになります。
 果たして、こういった予算措置が可能かどうかということですが、客観状況を申し上げますと、現行の処遇改善交付金は、21年度の補正予算、10兆円の経済対策のときに設けられたものだということでございます。
 また、先ほど御説明申し上げましたように、24年度概算要求の中には、とてもこれは枠におさまらないということがございます。
 それから、御存じのとおり、10兆円を超える規模の震災復興対策が必要となっている状況下で、このような予算措置というものが、3次補正を今度出しますが、それに追加してということが果たして可能かどうかということもあろうかと思います。勿論、だめだということではありませんけれども、これができるかどうかというのが見通しが立たない中では、別の方策というものも考えておかなければいけない状況ではないかと思います。
 それで、介護報酬に組み入れることの検討をということになるわけでございますが、これも先ほど御説明したとおり、概算要求基準の自然増は高齢化分のみを反映しているということでございますので、介護職員の処遇改善を行うための政策改定ということについては、別途財源措置が必要ということになります。
 規模的なところを説明いたしますと、現行の処遇改善交付金相当分、新しい年で言いますと、年間大体2,000億円になりますが、それがそのまま介護報酬に上乗せされることになりますと、大体プラス2%改定に相当するというボリュームでございます。この場合、全体経費が2,000億円大きくなるということで、介護保険は半分が公費、半分が保険料ですので、そうするとそれぞれに1,000億円。公費については、国と地方がおよそ半々ということになりますと、公費財源だけ考えても、国・地方それぞれに約500億円の確保が必要という計算になるということでございます。
 先ほど御説明した社会保障・税一体改革の中でも、当然マンパワーの増強という形で、介護職員の処遇改善という中身が盛り込まれておりますので、この関連で考えることはできると思いますが、これも先ほど御説明したとおり、機能の充実と給付の重点化・効率化というのはセットでやらなければいけないということでございます。
 来年度、消費税収を期待することは客観的に難しい状況と思われますので、そういう状況下では、重点化・効率化項目で挙がっております介護納付金の総報酬割導入、あるいは重度化予防に効果のある給付への重点化というものを、あわせて検討することが必要な状況ではないかということでございます。
 また、下の箱になりますけれども、先週の給付費分科会の方で報告させていただきました、平成23年の介護事業経営実態調査では、各サービスとも介護事業者の経営状況は全般的に改善しているという結果になっているところでございます。通常の産業活動であれば、従業員の処遇改善というのは事業者の経営努力でなすべきものであるということから考えますと、介護職員の処遇改善についても、経営状況が改善しているということであれば、すべてそれを外からの経費に頼るということではなくて、事業者の自主的な努力も求めてしかるべきであるという考え方もあろうかと思います。
 こういった状況のもとで、今後、どのように検討を進めていくかということを最後に5ページ目にまとめてございます。
 介護保険部会につきましては、今、社会保障・税一体改革の関係で、例えば年金の関係、医療の関係、医療保険の関係、そしてパート労働者の適用の関係等々、各分野で検討が必要ということで、それぞれの部会あるいは特別部会が動いているところでございます。介護分野の改革につきましても、2015年までの一体改革に掲げられた課題をどういうふうにこなしていくかということについても検討が必要ということで、本日、再開となったわけでございます。
 当面は、23年度末で期限が来ます処遇改善交付金を踏まえまして、処遇改善問題を中心とした検討になるだろうと考えているところでございます。その際、介護保険部会の方では、先ほど申し上げました処遇改善のために財源が必要ということになりますと、その財源確保の方策を含む制度見直しに関する論点についての検討を進めたい。並行して介護報酬について御議論いただいております介護給付費分科会におきまして、当然、介護報酬のあり方あるいは各サービスの基準等について御議論いただいておるわけでございますけれども、あわせて処遇改善を介護報酬で対応する場合の論点について御検討いただくことを考えているところでございます。
 この点につきましては、例えば従業員の給与に確実に反映させる方策、あるいはキャリアアップを促進させる方策、あるいは先ほど申し上げた人材確保に伴う経営改善効果をどのように考えるかといったところが論点になろうかと思います。
 それぞれ意見を年内に取りまとめた上で、年内に編成されます予算編成におきまして、介護報酬の改定率をどのようにセットするのか。あるいは、処遇改善をどのような方策で行うのか。それから、財源が必要であれば、その財源確保方策を含む制度をどのような見直しを行うかということを決定する。それで、制度見直しに関しましては、来年の通常国会に所要の提案を御提出するといった枠組みで、御検討を進めていただければと考えているところでございます。
 少々早口になりましたが、事務局からの説明は以上でございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、各委員からの御質問、御意見をお願いしたいと思います。文書が出ていますから、結城委員からお願いしましょうか。

○結城委員 ありがとうございました。
 これから議論するに当たって、簡単に私はメモをつくってきたので、確認させていただきたいと思います。
 1点目、この社会保障・税一体改革の成案ですが、これは基本的には閣議決定を経ていないと認識していますが、ある程度これに縛られるということを踏まえて、ここで議論する。そして、18ページとか19ページに予算額や見込み額が書いてありますが、これは目安として認識していいのか。ある程度、これを前提として議論をするのかということが1点目、質問でございます。
 2点目は、消費税の引き上げということで、これは私の考えですが、18ページ、19ページを拝見すると、重点化と効率化、それから充実を差し引くと、それほど消費税増税分が介護分野に配分されていないという認識で、これは感想でございます。
 3点目は、今の事務局のお話と、25ページをちょっと開けていただければと思います。これは質問でございます。例えば消費税増税分の機能維持というところは、私の理解では、これから後の世代に余り負担をかけないために、消費税の約1%分は例えば借金の返済にしていくということで、今の御説明を伺っていると、サービスにはなかなか直結しないと理解していいのかどうかということを御質問させていただきたいと思います。
 本来、国民的な認識では、消費税を上げるのであれば、サービスに直結するものだろうと認識しているのが私の考えでございます。なお、私は消費税を上げることについては、いたし方ないという考えでございます。
 4点目は、処遇改善交付金についてはなかなか難しいかもしれませんが、現状では交付金で予算をとっていくべきがファーストベストとして考えられると思います。
 以上、質問2つと考えが2つです。ありがとうございました。

○山崎部会長 事務局からいかがでしょうか。

○度山介護保険計画課長 社会保障・税一体改革は内閣官房の方でとりまとめたものでございますので、私が答えられる限りでお答え申し上げたいと思います。
 まず、資料1の18ページ、19ページの工程表に具体的な項目についての数字が載っていると思います。勿論、一つの目安でございますけれども、2015年を念頭に置いて、2015年までこれぐらいサービスが拡大する。あるいは、そのサービスの拡大について、例えばこういう方向付けをするということで推計した一つの目安とお考えいただきたいと思います。
 ただ、これにどれだけ縛られるのかということに関しては、閣議決定がされていないというのは、こういう政治状況の中で、これから与野党協議なども進めていくということも考えて、政府の最終的な方針決定にしなかったものと理解されていますので、現時点ではこれに沿って、各分野とも改革を考えていくという前提に立って進められているということは申し添えたいと思います。
 2番目の、消費税の引き上げで、それほど多くの財源が配分されていないのではというお話で、あるいは成案における消費税引き上げの使途ということで、特に何で消費税引き上げの全部がサービス拡充に使われないのかという御指摘だと思います。先ほど一体改革を御説明したときのポイントを3つ申し上げましたが、要は3つ目の問題でございまして、24ページ目に社会保障の安定財源確保の基本的な枠組みと書いてあって、2011年度の下の箱があると思います。
 よく消費税というものは、今の予算では福祉目的化されていると。すなわち、国に入る消費税収は高齢者3経費に充てるということを予算総則に定めたのは、たしか平成11年だったと思います。そのときには、高齢者3経費の費用と国に入る消費税収が大体つり合っていまして、不足分が1兆円ぐらいだったと記憶しております。それが2011年度で見ますと、今日9.3兆円に膨れ上がっていると。
 社会保障はどんどん自然増で膨らんだにもかかわらず、消費税の引き上げは行われておりませんので、経済成長により若干膨らんだかもしれませんけれども、ここのファイナンスができていないということを先ほど申し上げたわけでございます。
 公費負担というのは、制度の外側から入ってくるお金ですので、制度を考えている上では、我々は余り気にせずに入ってくるものだという前提で考えるわけですが、実はそこもきちんとファイナンスされていない。すなわち、そこもきちんとファイナンスしなければ、社会保障の持続可能性は担保できないということです。一方で、勿論、国民の方から御負担を追加していただくわけですから、今よりもいいサービスを提供するということもしなければいけない。そういう2つのバランスをとった結果、こういう配分になったものであります。
 もう一つ解説をいたしますと、機能維持に1%充てているというのは、これとは別に財政健全化の目標で、2015年時点で現在のプライマリーバランスの赤字を半減させるという、財政運営戦略上の目標もございます。こちらの目標達成も確保できるような形での設定を行った結果、こういう配分になっていると承知しているところでございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。結城委員からまだありますか。

○結城委員 ありがとうございました。
 では、今の御説明だと、機能維持は社会の安定のために、プライマリーバランスのために、ある程度借金の返済も考えていると理解してよろしいでしょうか。

○度山介護保険計画課長 そういうことなのですが、一言言わせていただきますと、それがひいては社会保障の持続可能性を担保することにもつながるということでございます。

○結城委員 ありがとうございました。

○山崎部会長 ほかにありますでしょうか。齋藤参考人。

○齋藤参考人 今の社会保障・税一体改革の成案に関連したことなんですが、資料1「社会保障・税一体改革成案」の18ページですけれども、介護予防とか重度化予防、介護施設の重点化、在宅に移行で公費1,800億円程度効率化するという記載があるわけです。
 それで、1,800億円の公費削減なんですが、さっと見ると、ああ、そうかと思うんですが、具体的な内容は何を言っているのかというのが、これだとちょっとわからない。本当にこれを下げるだけの具体的な施策をこれから議論していくのかどうか。また、そういうものをきちんとやらないと実現性が問えなくなるわけでして、最終的な給付と負担とのつり合いが難しくなるのではないかということです。ほかにも重点化というのはいろいろ議論がありますので、そこは慎重な議論をお願いしたいというのが1点です。
 それから、今回、久しぶりにこの介護保険部会が開催されまして、昨年末にまとめた意見を基に法案がまとめられまして、先の通常国会で成立したわけですけれども、これから3か月間かけて、色々かなり重いテーマに入っていくわけですが、これを全て第5期に導入するお考えなのかどうか。そうした場合、スケジュール的にもかなりタイトではないかと考えております。部会はあと4〜5回開催が予定されているということでありますが、本当にその辺がスケジュール的に可能なのかどうかについて、どうお考えなのか、お聞きしたいと思います。

○山崎部会長 どうぞ。

○度山介護保険計画課長 資料1の18ページ、今の御指摘のあった、介護予防・重度化予防あるいは介護施設の重点化ということについてでございますが、これも関係者の方は御存じと思いますけれども、前の政権のときに行われた社会保障国民会議以来の、いわゆるサービス体系を全体として効率化していくという流れの中で、充実と裏表になるような形で、このサービス体系の改革を進めていくという中身になっております。
 これは、そういう前提で計算すると、こういう効果が出てくるということですけれども、実際にこれを実現するための取組みというものも進めていかなければならないというのは、御指摘のあったとおりでございます。
 先ほど説明を省略いたしましたが、これは基本的に介護サービスを展開したり、あるいは介護保険の制度の中で、予防給付とか介護予防事業を展開する中でやっていくということでございますけれども、今、取組んでいるものだけでは、こういった効果がなかなか出てこないということになりますれば、また続いての何らかの制度改革というのが考えられないわけではないだろうと思っております。
 そういう意味で言いますと、今、差し迫った課題としての処遇改善問題を中心とした御議論を年内にいただくことになりますけれども、年を越した後につきましては、ちょっと気が早いかもしれませんけれども、次の第6期をにらんで、2015年時点でここに書いたようなことが実現できるような、次のステップの改革ということもあわせて検討が必要ということも想定しているということでございます。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 久保田委員、お願いします。

○久保田委員 どうもありがとうございます。
 3点ほど申し上げたいと思います。1点目は、この社会保障・税一体改革成案についての話です。これは、まさに社会保障改革と税制改革を一体的に実施するということに一番のポイントがあったと思います。
 その具体論の検討は、介護については本審議会が担当しますが、各課題をそれぞれの分野の審議会に縦割りに落として議論しているわけです。そのような検討体制のもと、歳入改革の具体的な日程や見通しが明らかでない中で、例えば今回のように介護給付の改善ということを打ち出すと、消費税を上げなくても社会保障給付の維持・向上が可能という誤解を招くようなメッセージを国民に与えてしまうのではないかと懸念しています。
 歳入改革なくして給付の改善はないということをきちんと基本に置くかたちでの審議のあり方、あるいは結論の出し方というところに是非配慮していただきたいというのが総論的な話でございます。
 2点目は、介護職員の処遇改善についてです。これは今後の議論によるかと思いますけれども、現在、日本の産業全体の景気が非常に低迷しており、全体としては賃金水準が低下している中で、仮に介護報酬のプラス改定を行い、その原資を総報酬割の導入で賄うことになれば、これは結果的に、ほかの産業に追加的な負担を求めることになりますので、2号被保険者の理解が得られないのではないかと考えているところでございます。
 3点目の介護納付金の総報酬割の導入です。2号被保険者は保険料負担はありますが、原則として給付は受けられません。総報酬割を導入すると、給付を受けられないにも関わらず重い負担を強いられる者が発生することになりますので、これも2号被保険者の理解を得られないのではないかと考えているところでございます。

○山崎部会長 事務局の方から何かお答えできることはありますか。

○度山介護保険計画課長 税制改革の方については、さすがに担当でないので、詳しいスケジュールなどをお示しすることはできませんが、この一体改革を決めたときにも、例の税法の改正法の附則の中で、今年度中の法的な措置を行うということを、この改革を進める上でも確認されていますので、これを前提にしてさまざまな制度改革の各分野の議論がなされていると、我々としては考えているということだけ申し上げさせていただきたいと思います。

○山崎部会長 ありがとうございました。
 副大臣がいらっしゃるので、ちょっと私の方からお聞きしたいのですが、去年審議しましたときは、いわば白紙諮問でございまして、つまり新政権として介護保険をどう持っていくかという公式の方針がないまま、あるとすれば、財政運営戦略おいて、非常に厳しい新規の施策については、ペイアズユーゴー原則を入れますよという方針だったのですが。
 今回は幸いに社会保障・税一体改革の成案を得ておりますから、今日出していただきました資料の中で、介護保険部会については、納付金について総報酬割を入れることを検討したい。それから、給付の重点化、第1号被保険者の低所得者保険料軽減強化といったことを中心に議論をしてほしいと。これは、政権として閣議決定はしていないけれども、正式の閣議決定に至る前の方針、諮問案のようなことで受けとめていいでしょうか。
 つまり、自由に議論してくださいじゃなくて、大体こういったことについて、しかも一体改革の成案に示されているような方向で議論してほしいということで受けとめてよろしいでしょうか。

○辻副大臣 厳密にこの一体改革案に沿って御検討いただきたいという、当てはめ、押し付けと言いますか、枠をはめるというものではないと思うわけでございますし、もともと部会というのは、フリーなディスカッション、いろいろな御議論をいただく場だと思っておりますので、具体的にこれを諮問して答申をいただくということであれば、それはその限りで是非お願いしたいということになるわけですけれども、これは日本の介護保険制度をどのようにしていくかということについて、先生方の御議論をいただいて、よりよき姿をつくっていくことが基本にあるわけでありますので。
 ですから、政府の立場といたしましては、一体改革を提示させていただいているところでありますので、そのことを踏まえて、課題をいろいろ御議論いただきたいということになろうかと思いますし、現実に他の年金や医療保険においても、ここに掲げられた政策課題について御議論いただいているという現状になるわけでございます。ただ、先ほども御指摘いただきましたように、そもそも消費税の財源自体、不明確と言いますか、必ずしも定かではないではないかという御議論も、これはまた、そういった側面を持っておることも事実でございます。
 その分、私どもとしても明確に申し上げられない部分もあるわけですけれども、原点に返って、このことを踏まえていただきつつも、先生方から日本の介護保険制度をどのようにしていくべきかという根本論を御議論いただければと思うところでございまして、私どもからここで制約的にということを申し上げる筋もございませんし、むしろ、先生方のこれまでの御議論の延長線の中で、この一体改革をとらえていただきながら御議論いただければ。そして、いろいろと御示唆をいただければと思っております。
 同時に、民主党の新たな政権の中で、党のウエートと言いますか、政策に関与する度合いを高めていこう。すなわち、法案を出すときに党の政調のプロセスを経るという、今までと違う流れも出てきております。
 そういった意味で、党のワーキングチームの審議が少し遅れておりますけれども、それもこれからそれぞれのセクションにおいて、医療、介護あるいは年金等といった党内のワーキングチームにおいても議論が進んでいく。その中で、来年、法制化していくもの、あるいは継続的に取組むもの、介護職員の処遇改善交付金の扱い等々についても同時並行で議論する中で答えを出していくということだろうと思っております。
 お答えになったかどうかわかりませんが、恐縮です。

○山崎部会長 わかりました。踏まえつつも、幅広い議論をしてほしいという。ただ、時間的に非常に制約があることも事実でございますので、その辺を心配する委員の発言が先ほど来あったかと思います。
 そのほか、御質問等ございますでしょうか。よろしくお願いします。

○田部井参考人 認知症の人と家族の会です。
 社会保障・税一体改革成案の全体の感想と、それから処遇改善交付金についての意見を述べたいと思います。成案の全体像では、すべての人が社会保障の受益者であることを実感できるようにしていく。それから、支援を必要とする人の立場に立った包括的な支援体制を構築し、また地域で尊厳を持って生きられるよう、支える医療・介護が実現した社会を目指すということで、その方向で全体がつくられているということで、ここでは大きく希望を持ったところです。
 しかし、具体的なところで詰めていきますと、機能の充実と給付の重点化ということが必ずセットになっています。新たに導入された定期巡回随時対応型訪問とか総合事業も、まだ全体像が明確になっていなくて、本当に今までのサービスよりも充実したものになるという確証が持てない状況があります。
 全体としてこれまでよりもいい制度になっていくという確証が持てない状況では消費税を10%に上げるということには、到底私どもとしては、今は結び付き得ないのではないかという感じがしています。
 それから、処遇改善交付金についてですけれども、私ども家族の会では今年4月に要望書をまとめまして、その中で処遇改善のための措置は継続すべきである。その財源は、一般財源で賄うべきであるという要望を述べています。私どもは介護保険の利用者ですので、例えば病気になったり、障害を持ったらどうなるだろうということに対して、余り大きな不安を持たずに生活していける。つまり、安心して生活できるということが社会保障の根本ではないかと思います。
 そういう意味でいくと、例えば介護報酬で財源を賄うということは、医療や介護が必要になった人間がそれを賄っていかなければいけないということになるわけですね。それでは、病気や障害を持ったら大変だということで、不安を解消することができないことにつながるのではないか。私どもが望む社会というのは、多くの人が応分の負担をして制度の基盤をつくって、実際、医療や介護が必要になったときに、大きな負担をしなくても、それが利用できて、安心できる社会です。
 それはもう不可能だと言われてしまえば、それまでなんですけれども、先ほど結城先生も言われていましたけれども、これだけの皆さんがお集まりなわけですから、私どもも努力はしたいと思うんですけれども、何とか知恵を出し合って、そういうことが可能な制度というのを是非つくっていただきたいと考えております。
 以上です。

○山崎部会長 では、伊藤委員、お願いします。

○伊藤委員 では、連合としては被保険者の立場と利用者の立場と、そして介護を含めた労働者の立場という3つの側面を持っておりますので、このような立場を踏まえて発言させていただきます。2つ御質問と意見を言わせていただきます。
 まず、介護職員処遇改善交付金を導入した経緯を振り返ってみますと、当時の介護労働の逼迫状況、危機的だという政治判断で導入されたと理解しております。また、今般の一体改革の成案の中での試算でも、介護職員は、今後100万人近くの増加が求められており、まだ処遇改善問題というのは全く終わった問題ではないと私は理解しております。
 今回、資料3の3ページで、離職率が下がってきたという御説明があったと思うんですけれども、この点については、リーマン・ショック後の雇用状況が非常に悪い中での動向であるという見方もできると思っているんです。先ほどのような説明ですと、雇用状況は改善しているので、特段の対策はもう必要ないという判断なのかというのが質問です。
 それから、今回の御提案では、介護報酬に上乗せすることを検討してくださいという話ですが、1号保険料については、基金の取り崩しなどをして引き上げないということも言われておりますが、2号保険料については、そのまま上乗せというか、上げざるを得ない状況で、国庫負担分について国からはお金が出ないということで、協会けんぽの補助金削減分をそれへ充てるために総報酬割の導入をしたいということで、被用者保険に対する期待が非常に厚い考えをお持ちのようです。
 一方で、医療保険についても、昨日の医療保険部会でも保険料負担の増加の見通しが示されている。そういう中で、雇用労働者への負担の増加を心配せざるを得ない状況にあります。
 ちょっと長くなって申しわけないのですが、質問の2つ目というのは、国の負担分については、総報酬割の導入で浮いた分を充てるというお考えのようですけれども、地方負担分についての財源はどのようにお考えなのかというのが2つ目です。
 意見は、したがって、政策判断で導入した、この交付金をやめるという状況には今ないと思っておりますので、処遇改善交付金という形で続けるということを是非考えていただきたいというのが1点です。
 以上です。

○山崎部会長 質問の部分に対するお答えは後でまとめてお願いします。今日、時間は7時までなので、意見を河原委員、お願いします。

○河原委員 介護職員処遇改善交付金のことだけ、私どもの考え方を言います。日本介護クラフトユニオンの河原と申します。
 今、連合の委員から御発言がございました。私どもは、実は連合の傘下のUIゼンセン同盟、UIゼンセン同盟の傘下の日本介護クラフトユニオンという構図になっておりますので、本来、ナショナルセンターの連合の方針に余り逆らってはいけないんでございますが、最も現場に近い組合ということで、ここに座っていると思います。そうした中で、処遇改善交付金のことについて、本来、そのまま賃金の方に反映が担保できない介護報酬の方に組み込むことについては、反対と言わなければいけないんですけれども、その真反対です。
 と言いますのは、私どもは2年半前から、この処遇改善交付金のあり方そのものがおかしいと思っております。それは、お金があるかないかということではなくて、それから賃金に反映できるかどうかということでもなくて、そもそも国が介護事業者を通過させるとはいえ、働く者の賃金に直接介入すること自体、私はおかしいと思っております。
 しかし、そのときは緊急経済対策ということで、2年半の限定と私は聞いておりましたので、それは働く者に国がいろいろ気を遣っていただく、配慮していただく、これはありがたいと評価しましたけれども、そもそもこれが続くと私は思っておりませんでした。この点が1つ。
 それと、当然のことながら、国は介護職員に限定せざるを得ないと思います。介護にはほかの職種もございますけれども。ということで言えば、私たちはチームワークで仕事をしておりますので、今のままですと、恐らく今後、来年も交付金という形でやると、介護職員に限定されると思います。そうすると、看護師さん、ケアマネジャー、事務職の方の中で、あの方たちいいわね、あの方たちだけ厚くしてもらってという、心情的なあつれきというのが現実に起こっているのです。
 勿論、データ的には1万5,000円に便乗して、ほかの職種の方も上がっているということはございますけれども、これがいつまで続くのかわかりませんが、それにしても心情的なものはあります。
 もう一点が、この介護に働く人たちだけに限定した国のお金を投じ続けるということは、ほかの職種から見たら、いいわね、介護の方たちはずっと税金が投入されてということになったときに、私たちはどうやって答えればいいのだろうと思うのです。私たちの労働組合というのは、公正な社会と言っているのですよ。公正な社会の定義はいろいろあると思いますけれども、そうなってくると、それに私は非常に答えにくいと思います。
 そうするならば、では担保はどうするんだという議論はありますけれども、冒頭言いましたように、それよりもまず筋を通す議論をしようと私は思っておりますので、私は介護報酬に当然のことながら組み入れてしかるべきだと思います。ひょっとしたら、事業者の方たちは安定した財源ということで、基本給に組み込むかもしれませんよ。
 ということもありますし、後は責任を持って、労使の自治の話ですから、私たちが一生懸命話し合って、何とか賃金の方に反映していただくようにしたいと思っています。残念ながら、労使の自治と言っても、この介護従事者が組織化されているのは恐らく3〜4%ぐらいだと思いますので、そんな責任を持った大きな発言はできませんけれども、それにしても、私は国が云々とするのは、まず取り払うべきだと今でも思っております。
 それと、副大臣に別の話でございますが、私は今度、再開になったときに、諮問かなと思っていたんです。昨年の11月に意見のとりまとめということが行われて、私の感覚ですけれども、あとは政治主導という今の政権の中で政治判断をされていくんだろうと思っていたところが、そうではないということでしたので。これは私の感覚では、社会保障と税の一体改革がいろいろな議論の末に、やっと6月に成案となった。とするならば、再開された今回の部会ではもっとテーマを絞って、納得できる議論を進化させてくれないかということだと思っております。
 重点化についても、お金が当然ないわけですから、介護だけ手を差し伸べるような余裕はないということは、いろいろなデータを見させてもらってわかりましたので、その中のやりくりの話を、これに基づいて納得した議論を、いろいろな反論もあるでしょうけれども、そこを何とか今回の部会でおさめると私は思っておりましたので、これ以上、また自由活発に意見を言うということは、またまた議論が錯綜してしまって、まとまりがないのかなと。副大臣に対して申しわけなかったのですけれども、そんなふうに思いました。
 以上、今回の議論の位置付けということと、最初に言いました処遇改善交付金については、報酬の方に組み入れて当然だというお話をさせていただきました。以上です。

○山崎部会長 御意見。

○河原委員 そうです。

○山崎部会長 そうですね。ただ、副大臣、何かコメントございますか。

○辻副大臣 私の言い方が十分でなかったかもしれません。基本的には、政府として一体改革を決めさせていただいたということですから、それに基づいて、先ほど申し上げましたように、その項目に則して御意見いただきたいと思うわけです。
 ただ、ほかの部会においても、そのことについての御議論もいただいているわけですから、そのことを含めて、介護だけではありません。社会保障全般でございますけれども、決め打ちでこれで方針を決めているから、絶対動かないということではないという意味合いで申し上げたということでございます。

○山崎部会長 ほかに。
 桝田委員。

○桝田委員 質問ですけれども、社会保障・税一体改革における介護分野の検討課題、資料3の1ページですけれども、ここに「介護施設の重点化(在宅への移行)」と書いてございます。成案の18ページの下の方の重点化・効率化の部分、1,800億円がこのままここに文章化されているわけですけれども、この意味するところを少し御説明願いたいんです。
 このまま読みますと、介護施設の重点化、重度の方等が重点的に使う。それで、残っている方は在宅へ帰ってください。今ある既存の施設を減らしますよと見える。左側の充実の方は施設のユニット化ですので、例えば特別養護老人ホームはユニットの施設は増やすけれども、既存施設は減らしていくという感じに見えてしまうんです。この辺の意味するところを御説明願いたいと思います。

○山崎部会長 後でまとめてお願いします。
 ほかに御質問等ございますか。小島参考人。

○小島参考人 本日は、神奈川県知事の代理で出席させていただいておりますので、地方団体の側の立場からお話をさせていただきます。
 先ほど河原委員からもお話がございましたけれども、私どもも今回の処遇改善交付金については、基本的には報酬改定の中に織り込んでやるべきものなのかなと思っております。ただ、実際には交付金の申請率が83%ということで、現在の制度の中には、看護師とか、ほかのOT、PTといった専門職種の方への配慮がされていない。そういった制度矛盾があって、17%の方が申請していないのかなとと思います。
 私ども行政の方でも、申請のない方には一件一件、申請するような促しもさせていただきましたけれども、その中で出てくる答えとしては、看護師が抜けている以上、例えば介護療養型とか老健施設においてはなかなかできないというお声をいただいております。
 更に、これは質問なんですが、前回の報酬改定3%アップの折に、第1号被保険者への負担を軽減するということで、国の方で1.5%相当分を特例交付金として交付していただきました。これが今回、そういった措置の継続がなければ、必然的に1.5%分、はね上がることになりますので、今回、国の方で県が持っている財政安定化基金の取崩しを可能としたわけですけれども。
 私どもは当初、全額が保険料の抑制に使われると思っておりましたが、現実には3分の1が市町村に交付されて、その部分だけが保険料抑制で、残りの3分の2は県と国に返還し、その分は、国でも介護保険事業に資するものに充てるとなっているんですが、その部分はどう対応されるのか、まだ明らかでないということで、教えていただきたいと思っております。

○山崎部会長 ほかにございますか。田中委員。

○田中委員 介護保険制度の持続的な発展のためには、勿論サービスの質の問題がありますけれども、そこに働いているマンパワーの定着・確保というのが大きな課題だと思っております。そういう意味において、私どもはこのたび導入されました介護職員処遇改善交付金については、一定の効果があったと理解しております。
 私ども日本介護福祉士会としても、この7月にその効果について実態調査を行ったところですが、回答を寄せた会員の中から、その効果はあったと。国が言っている1.5万円にはほど遠いんですが、賃金が上がったことも1点あります。しかし、先ほどどなたかもおっしゃいました、これから国民の方々の負担をお願いするのであれば、サービスの質ということについて担保されなければいけない。私もそう思っております。
 サービスの質を担保するのは、介護の場合は人ですから、従事者の質をどのように上げるかということも、決して切り離せない問題だと思っております。そういう意味において、この介護職員処遇改善交付金は、本来の目的である介護職員の処遇改善が十分に行われていないというのもあります。それはなぜかと言いますと、私どもの調査した者の約7割は、その事業所の中で実際に処遇改善交付金の効果があったと言っていますが、約3割に関しましては、そのことも導入されなかった。
 要するに、同じ介護という現場に働きながら、そういった処遇改善交付金の効果がきちんとあった事業所とそうでない事業所があった。これについては、日本全体の介護サービスの質の向上ということから、なおかつ従事者の質の向上ということを言うならば、そういった不公平感があってはならないと考えております。これからの議論については、そういったこれまで導入されなかった事業所における問題とか課題というものを、きちんと洗い出しながら議論すべきだと思います。
 いずれにいたしましても、今後、介護職員の処遇改善の効果を継続的なものにするために、このたびのような一時的な制度ではなくて、将来を見据えた介護人材の確保・定着を目指すものとしていただきたい。そういう意味において、私どもとしては、介護報酬改定の議論の中できちんととらえるべきではないかと思っております。勿論、先ほど言いましたように、そのことによって国民の方々に対する負担を強いることは明らかなんですが、それをイコール従事者の質の確保につなげるといったプロセスも大事かと思っております。
 以上です。

○山崎部会長 それでは、一旦ここで事務局の方から、質問部分についてお答えいただきたいと思います。

○度山介護保険計画課長 まず、伊藤委員から御質問のあった現状の処遇対改善対策の必要性の認識ということですが、資料3の御説明のときにも申し上げましたとおり、2ページ目になりますけれども、交付金がどこまで効果を持って、労働力の需給改善効果につながったかということは、これは実験ができませんので、完全な分析はできません。勿論、失業率自体も上がったので、その影響もあると思います。
 いずれにしても、今、交付金が果たしているところの労働力需給改善効果を維持するための対策ということは、きちんと考えなければいけない。そういう観点から、23年度末に交付金が終わってしまって、元に戻るというのではいけないという認識を持っておるということは申し上げさせていただきたいと思います。
 もう一つ、総報酬割で国の分を出したときの地方負担分ということです。これは大変難しい課題でございまして、確かにそのとおり、地方の方は別の財政フレームで動いておりますので、なかなかいい知恵がないのですけれども、事実として、総報酬割で国の負担分の仮に500億円を手当てできたとしても、地方の負担については別途検討が必要であるということだけ申し上げさせていただきます。
 また、並行して給付の重点化ということについても御議論いただきたいと思いますが、これはメニューにもよると思います。給付の重点化の場合には、それぞれの持ち分に従って、それぞれの財源措置ができるものと考えております。
 それから、桝田委員から「△1,800億円」の意味するところということがございました。今日、一体改革の資料の全部を出しておりませんので、資料に基づいた説明はできませんが、例えばプラスとかマイナスはどういうふうに計算しているかというと、今をゼロとしてプラスとかマイナスということではありませんで、今のサービス体系を相似形に拡大する。今、6対4の比率なら、そのまま6対4の比率で拡大したものから、新しいサービス体系はどこがへこみ、どこが増えるという計算をしているというのが基本的な考え方でございます。
 具体的な数字も見ていただければと思いますが、したがって、今ある介護施設のベッドの数が2015年にかけて減るという推計にはなっておりません。ただ、今と同じペースで増えていくということよりは、少し増加が抑制されるという計算になっている。その計算の分と、それから介護予防の方は、要介護認定者数が箱囲みで現行ベースより3%程度減少と書いてございます。そういった効果を見込んだ、トータルの節減効果が1,800億程度という計算になっていると御理解いただければと思います。
 それから、小島参考人からお話のあった安定化基金取り崩しの行き先ということですが、市町村の方には、お話のあったとおり、介護保険料上昇の軽減に充てていただきたいということでお願いしてございます。
 それから、国や都道府県の分はどう使うかということですが、まだ実際にどれぐらいの取り崩しになるかということがはっきりしておりません。その額とか使い道というのはこれからの問題でございまして、予算編成過程の中で、去年の国会審議の趣旨としては、介護の充実に資するようにというお話であったということですので、そのような形の使い道を検討することになろうかと思います。
 説明は以上でございます。

○山崎部会長 いかがでしょうか。どうぞ、齋藤参考人、後で橋本委員にお願いします。

○齋藤参考人 追加の意見でございます。
 先ほど、重点化・効率化については、きちんと検証して慎重にということを申し上げましたけれども、久保田委員の御発言の中で総報酬割の話が出てまいりました。これにつきましては、伊藤委員からも簡単に説明がありましたけれども、昨年、私どもとしましては、第2号被保険者というのは、そもそも原則として直接給付を受けることがないために、介護サービスを必要とする親を持つ世代、つまり40歳以上の方が公平に負担を分かち合うこととされています。
 当時の公平というは、あくまでも加入者割というのが考え方になっていたものですから、総報酬割導入は、介護保険制度創設時の基本的な理念から逸脱するのではないか。昨年、ペイアズユーゴー原則の話が出た段階で、突如、総報酬割という考えが出てきたものですから、これはどうなのかということと、被用者保険への国庫補助の削減分を健保組合等が肩代わりする構図になるという問題。
 更に、健保組合全体では、私どもの試算で約1,300億円増える。しかも、健保によっては、本人並びに事業主さんにとってもかなり大幅な負担増になるところが出てくるので、激変的な変動が起こるということで反対してきた経緯があるわけです。
 これは、昨年11月末の意見書の中でも、26ページに「強い反対意見があった」ということで両論併記されておりますけれども、総報酬割については、私どもとしては激変とか重い負担になるということについて、事業主とか加入者の方に御説明できないというところから、反対だということを意見として申し上げたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 御意見でした。
 橋本委員、お願いいたします。

○橋本委員 こういう形でしか介護保険制度は前進していけないかなというところで、全体のフレームについてはある程度了解できるところであります。
 ただ1点、資料3ページの処遇改善効果のところでございます。4ページの最後に、結果として介護事業者の経営状況は全般的に改善しており、介護職員の処遇改善に関しても、事業者の自主的な努力が求められるのではないかというまとめ方でございます。まず全般的に改善というのは、総論的にはそうであろうかと思います。しかし経営改善の中身を見てみると、地方と都市部の状況というのは非常に違うわけであります。これは、基本的に係るコスト、人件費の部分かと思います。そんなことで、全般的に改善しているからいいとはいかない。もう少し細かいことを見ていかなければいけないのではないかなと思うわけであります。
 そして、それが事業者の自主的な努力、労使関係の中で解決しなさいとなっているわけでありますけれども、収入の枠が決まった中でのことになるわけであります。その辺について、都市部と地方の事業者の経営状況の格差のようなことについて勘案しておかなければいけないことではないか。都市部の事業者は人材確保を含め、大変厳しい状況にあるという事を認識しておかなければなりません。
 総報酬割のことにつきましても、今、齋藤参考人の方からお話がございましたけれども、勤労者が多いのは都市部であるわけでありまして、ご家族も利用する介護保険のサービスに負担と利用のアンバランスを考えることも重要な視点になると思います。簡単にこういう形で全般的に経営は改善されたとして、後は労使関係に任せられることではないんではないと。
 以上です。

○山崎部会長 では、北村委員。

○北村委員 民間介護事業推進委員会の北村と申します。
 処遇改善交付金につきまして、今まで御指摘のあったとおり、特に2ページ目の介護職員、直接処遇職員は1万5,000円。当然のこと、結果であります。今までこれを継続するための議論というのも大分させていただいた経緯があったと思うのですが、全職員、全介護従事者を対象にということを申し上げて、先ほどの河原委員が御指摘のとおりの結果だと思っています。
 それと同様に、時限立法でございましたので、3ページ目の一時金の支給が半数を占めている。当然のことでありまして、その先が見えない、保障されていない場合に、経営者としては一時金でということ、スポットでの支給をやっておくということの結果です。
 ただ、このときに見なければいけないのは、基本給を引き上げたところは下げられません。今の御報告、それから介護給付費分科会の収支差率のような問題で、プラスになっているからいいだろうということになるんですが、今、橋本委員の御指摘がありましたとおり、4ページ目の事業者の自主的な努力がさらに求められるのではないかと考えます。
 確かにそのような努力、交渉を労使でやっていくものだと思っておりますが、その中でそもそも介護保険、基本は制度ビジネスになっていますので、労使の関係もそうなんですが、逆に経営努力をするための幅とか余地がどんどん厳しくなっているということがございます。すでに限界まできているところで、労使の中でまた自主的にどうするのかというところ、幅や余地、ハンドルの遊び幅というようなことも考えていただきながらということを、是非お願いしたいと思っている次第でございます。
 以上でございます。

○山崎部会長 では、土居委員、お願いします。

○土居委員 今までの御議論を伺っておりまして、昨年の議論に比べれば、社会保障・税一体改革の成案が出たこともあって、割と建設的なと言いましょうか、負担増はまかりならぬという印象がかなり前回は強かったわけですけれども、今回はある程度負担と給付のバランスをどういうふうに考えていくかという方向で議論がまとまるのかなという印象を持っております。
 そういう意味で言いますと、当然のことながら処遇改善交付金の取り扱いをどうするかということは大きな焦点ですけれども、処遇改善交付金そのものに限らず、介護保険の報酬は基本として税と介護保険料で賄われるべきものだという原則から、できるだけ逸脱しないような形でこの制度設計を考えていくということを、いま一度確認するべきではないか。つまり、介護保険の枠外からお金が天から降ってくるがごとく入ってくるものに、淡い期待を抱くということは、今後は慎んでいく方向に持っていくべきではないかと思っております。
 もう一点は、当然ながら、この介護保険部会で、結果としての報酬の引き上げがどの程度になるかを決めるものではないとは思いますけれども、介護報酬の引き上げの改定率がある程度プラスに見込まれたとしても、もっと大きくプラスを出さないと給付がうまく活用されないんじゃないかというニュアンスの御意見もあろうかと思いますけれども、専らデフレである。もちろん、デフレの項目は、別途それはそれで必要ですけれども。
 つまり、全体としては物価が下がっている中で、それでも報酬が増えるということは、その分だけ実質的にはかなり大きく給付が増えていると認識する必要があるんじゃないか。極端に言えば、物価がマイナス2%であるときに、報酬が1%しかプラスにならなかったとしても、実質的には3%分の報酬アップというぐらいの認識と言いましょうか、デフレのもとでの報酬アップであるということは、ある種ゼロ改定だったとしても実質的にはプラス。更に名目で何%プラスになるかという発想でとらえることは、1つ重要な視点なのではないかと思います。
 以上です。

○山崎部会長 葛原委員。

○葛原委員 私は、ここの社会保障・税一体改革案に書いてあります、現在の世代における社会保障は、現在の世代が負担するという原則に賛成です。これは、非常に大事な原則で、これをいい加減にしておくと、今の医療制度と同じように、将来的には介護保険制度そのものがパンクしてしまうことを危惧しています。利用者サービスを上げるにしても、あるいは職員の報酬を上げるにしても、収支バランスを常に考えて、多くのサービスを要求するときは、必ずどこかで負担を増やすことを考えながら論議するべきだと思います。
 あと、先ほどから介護職員の交付金をどうするかという議論が出ておりますけれども、私、介護保険とか医療保険から支払われる料金、要するに介護と医療というのは自由に値段が付けられる産業ではないと思うんですね。税金で既に値段が決まっているわけで、その中でどうするかということでは、料理屋さんとか理容師さんとは全く違う規制の掛かった産業だろうと思いますから、こういう中で、経営努力というのはかなり限界がある。特に、きちっとしたことをやると経費がかかり、公的病院が全部赤字になっているのと同じ状況に陥るかもしれません。収入はもう限られているんだという中で、どうするかということを考えなければいけないだろうと思っています。
 そういう点で、介護職員の人に今まで1.5万円ぐらい付けるという形で交付金が出たというのは、昨年の議論を聞いておりましたときには、看護師、あるいは理学療法士とか薬剤師、そういうチームの中で比較すると、その分だけ低いから付けているという論議だったと思います。ところが、今日の論議を聞いていると、頭が出たのでたたかれているような感じであり、私は非常に不思議な気がしているんです。
 質問ですが、1.5万円付けたら、看護職とか理学療法士とか、そういうほかの専門職よりもすごく飛び抜けた高額になってしまっているのかどうか。この点をきちんとしておかないと、先ほどから聞いているとちょっとおかしな論議で、私は、今でも介護職の給与水準は低いと思っているんです。
 もう一つの意見は、昇給分の費用をどこから出すかという点では、さっき申しましたように、医療と介護というのは法律で値段が決まっているので、べらぼうに収入を増やすことはできないと思いますから、これは介護報酬の中に組み込んで、きちんと基本給を上げるような形でやるべきだと思います。
 私は、医療の現場にいて、医療崩壊というのは、利用者がどんどん要求するのを、医師とか看護師とか現場の職員が全部引き受けて、結局つぶれちゃって逃げ出したという経緯を見てきました。ですから、利用者の待遇をもよくするのは勿論ですけれども、介護をする職員の待遇も余りみじめな状態に置かないような方策を、法律の中できちんと担保すべきだと思います。
 以上です。

○山崎部会長 山田委員、お願いします。

○山田委員 今日初めて出てきたので、ひょっとしたら場違いな話になるかもしれませんが、そもそもこの介護職員改善交付金が出たときの、私が報道等で聞いていた範囲では、交付金でスタートするけれども、次回報酬改定の中では、報酬に上乗せしてとは言いませんけれども、介護報酬総体の中でこれは検討するんだということであったと思います。
 そういう意味では、今回、交付金か報酬に入れるかは別といたしまして、せっかくここまで介護職員が非常に喜んで、この交付金をいただいたわけでございますので、私の現場もそうですが、これはきちんとして、将来も給付水準と言いますか、給与水準が維持できるような形で報酬の中に別途予算を確保していただきたい。
 そうしないと、どうも事業経営実態調査がいいから、その中でやれという雰囲気になってきておりますけれども、変な話ですが、すべての事業者がこれだけいいわけではありません。下手すると、真面目に一生懸命やっているところは経営的に苦労しているということもございます。
 そういう意味では、是非そこはもう一回、これは当然、雇用者と被雇用者の間での話し合いというのは、勿論、報酬・給与を決めるときの原則でございますけれども、それも経営全体の中でやっていかないと、報酬は公定価格ですけれども、経営自体は経営者の自己責任でございますので、これは軽々に報酬の中に入れ込む、そして財源は知らないということにならないように、是非していただきたい。
 もう一つは、我々の団体は前から言っていましたが、介護サービスというのは我々は多職種でやっていますので、介護職員に限定したというのはこの限りにしていただきたい。必要な処遇改善によって人材確保しなければならない職種というのは、それぞれの地域あるいは施設によっても違いますので、できましたら、その辺は柔軟に対応できる形で。これは、呼び水効果はあったと思いますので、そこはよろしく検討していただきたいと思います。
 以上です。

○山崎部会長 介護給付費分科会にどちらかというと関係するような御意見が多かったんですが、重なる部分もあるかと思いますが、事務局の方から分科会での議論等も若干紹介していただければいいかと思います。

○度山介護保険計画課長 幾つかのことを申し上げたいと思いますが、まず処遇改善交付金が出たおかげで、介護職員の給与がほかの職員に比べて頭が抜けたのかという話は、勿論そうではありません。業務独占の資格をお持ちの方は、病院でも働くチャンスがあるわけですから、そういうことに比べますと介護職員の給与というものは低い実態がありまして、決してそこは逆転したということはない。ただ、現場では、一部の人の給与だけが上がったという対応になりますと、そういう不満をちょっと持たれたということかと思います。
 それで、先ほどもちょっと説明しましたが、資料3の2ページ目でございます。交付金の申請事業所について調べた結果ということで御紹介しますと、介護職員の平均給与額は1.5万円、そういう意味では約束どおり上がっていたと。それから、対象外の職種についても、それにつられてと言いますか、1万円前後増加したという実態が調査結果からは出ています。
 これは対象外であったもので、その分のお金は行っていないわけですけれども、同時に21年度、プラス3%改定とか、いろいろな事情の中で、このような対応を事業者の方でとっていただいたものだと理解しております。
 それから、先ほど都市部の人材が逼迫しているというお話がございました。確かになかなか明確なデータは出ないのですけれども、例えば有効求人倍率の違いなどを見ておりますと、大都市地域の県の有効求人倍率が高いと、それだけ人材確保には苦労しているという実態があろうかと思います。
 この点については、給付費分科会の方で、いわゆる地域区分の見直しということで、介護保険制度をつくってから、ずっと当時の国家公務員の地域区分の5区分に合わせて運営してきておりましたが、国家公務員の地域区分の見直しがありまして、それに対応できていない形になっていますので、そこの見直しを御提案して御議論いただいている状況にございます。

○山崎部会長 ほとんど時間がなくなりましたが、どうしてもという方がいましたら。三上委員、お願いします。

○三上委員 最初に、この社会保障・税一体改革の成案の取り扱いについて副大臣の御説明がありまして、成案は閣議報告された後に、これを基に検討するということが閣議決定されたので、上書きされて、これは閣議決定的になるのかと思ったんですけれども、そうでないということをおっしゃっていただいて、少し安心いたしました。
 それと、介護職員の処遇改善交付金の取り扱いですけれども、介護報酬の中に入れることは構わないと思いますが、2%の改定に相当するということです。先ほど、経営実態調査の中でかなりいいので、介護職員の改善は事業者の自主的な努力で行けるんじゃないかということが書き込まれたり。あるいは、先ほどデフレなので、プラマイゼロでもプラス改定なのだという意見もございましたけれども、そういう流れで議論が行くことは非常に不安です。
 現在でも介護職員の処遇自体は非常に苦しいわけですから、苦しい中で1万5,000円上げてきたという経緯の中で、2%分は確保していただいた上で改定率を決めていただきたいと思います。

○山崎部会長 ほかに。木村委員。

○木村委員 資料1の18ページの読み方なんですけれども、確認したいと思います。
 ケアマネジメントの機能強化等をして、結果的に介護予防・重度化予防というところで、充実させたことと重点化・効率化ということで、ケアマネジメントをきちんとやって重度化予防をやっていく。こういうことでケアマネジメントの効果を見たいという形にも読めると思うんですね。
 そこで、その下の重点化・効率化のところで、要介護認定者数を2025年に現行ベースより3%程度減少というのがありますけれども、これは2次予防事業とかを強化すると読めばいいんですか。自立と2次予防事業のところを効果的にきちんとやって、結果的に要支援者から要介護者のところを増やしていかないと読んでいいということですか。

○度山介護保険計画課長 どこがどうということではありませんけれども、自立の方に対して、介護予防事業で要介護にならないということもございますし、それから今、要支援の方にやっている介護予防の給付を通じてということもございますし。そういうものを全体をトータルで、要介護者の増えていくペースを3%程度落としたいという話になっているということです。

○木村委員 わかりました。

○山崎部会長 時間が参りました。本番は次回からということで、今日はこれで終えさせていただきます。
 副大臣には、最後までお聞きいただきまして、ありがとうございました。
 本日は、これで終了させていただきたいと思います。次回の部会では、引き続き一体改革成案を踏まえた対応について御議論いただきます。
 それでは、これで終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

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