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2011年4月22日 平成23年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成23年4月22日(金)18:00~20:00


○場所

中央合同庁舎第5号館専用第21会議室(厚生労働省17階)


○議題

一般用医薬品のリスク区分について

○議事

○事務局 定刻となりましたので、平成23年度第1回「薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」を開催いたします。傍聴者の方は、傍聴に際しての留意事項、例えば「静粛を旨とし、喧噪にわたる行為をしないこと」、「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」などの厳守をお願いいたします。
 本日、御出席の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。まず、委員の先生方の出欠でございますが、本日、御欠席の先生はございません。
 続きまして、議題である一般用医薬品のリスク区分について、御出席いただいている参考人の先生方について五十音順で御紹介させていただきます。埼玉医科大学呼吸器内科教授、金澤参考人です。国立医薬品食品衛生研究所生薬部長、合田参考人です。近畿大学医学部眼科学教室主任教授、下村参考人です。昭和大学医学部皮膚科学教室講師、中田参考人です。北里大学東洋医学総合研究所長、花輪参考人です。慶応義塾大学薬学部教授、望月参考人です。御茶の水女子大学保健管理センター所長、森田参考人です。昭和大学薬学部教授の鳥居塚参考人におかれましては、遅れて来るということで、御連絡いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 これ以降議事に入りますので、進行を松本先生にお願いします。
○松本座長 それではまず事務局から、審議参加に関する遵守事項について報告してください。
○事務局 まず、薬事分科会審議参加規定についてです。本日出席いただいた委員の先生方の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受取状況を報告させていただきます。
 まず、議題1ですが、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬にかかるものについて、製造販売会社の大正製薬株式会社とノバルティスファーマ株式会社及びその競合3社、ロート製薬株式会社、千寿製薬株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社の計5社。次のアシクロビルにかかるものについて、大正製薬株式会社とグラクソ・スミスクライン株式会社、そしてその競合1社である佐藤製薬株式会社の計3社。トリアムシノロンアセトニドロ口腔用軟膏にかかるものについて、製造販売会社のブリストル・マイヤーズ株式会社及びその競合3社、帝人ファーマ株式会社、大正製薬株式会社、興和株式会社の計4社。
 議題2、生薬及び動植物成分のリスク区分の見直しに係る検討について、生薬製剤の売上げ上位3社、養命酒製造株式会社、大幸薬品株式会社、救心製薬株式会社について、過去3年度における寄附金等の受取について申告をいただきました。
 なお、競合品目・競合企業については、事前に各先生方に資料をお送りして確認いただいています。各委員の先生からの申し出の状況から、今回の審議への不参加の先生はございませんでした。なお、五十嵐委員より、ノバルティスファーマ株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社、帝人ファーマ株式会社から50万以下の受取、グラクソ・スミスクライン株式会社から50万円以上500万円以下の受取との申告がありましたので、アシクロビルのリスク区分の議決には参加いただけないことになります。
 また、参考人につきましては、中田参考人より、佐藤製薬株式会社から50万円以下の受取、下村参考人より、ロート製薬株式会社、千寿製薬株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取、金澤参考人より、大正製薬株式会社、第一三共ヘルスケア株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、帝人ファーマ株式会社から50万円以上500万円以下の受取、望月参考人より、ノバルティスファーマ株式会社、佐藤製薬株式会社から50万以下の受取との申告がありましたので、お知らせいたします。
 以後の議事進行は松本先生にお願いいたします。
○松本座長 ただ今、事務局から説明がありました審議参加に関する遵守事項についてよろしいでしょうか。
(了承)
○松本座長 特にないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて了解いただいたものとします。ありがとうございました。
 それでは続きまして、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 配付資料一覧で配付資料の確認をします。
 資料1、一般用医薬品(無機薬品及び有機薬品)のリスク区分の検討をおこなう成分一覧。参考資料1-1、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について。参考資料1-2、一般用医薬品のリスク区分表。資料1-1-1、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬のリスク区分について。資料1-1-2、新一般用医薬品の製造販売後調査報告書。参考資料1-1-1、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬の添付文書。資料1-2-1、アシクロビルのリスク区分について。資料1-2-2、新一般用医薬品の製造販売後調査報告書。参考資料1-2-1、アシクロビルの添付文書。資料1-3-1、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏のリスク区分について。資料1-3-2、一般用トリアムシノロンアセトニド口腔軟膏剤のリスク区分について。参考資料1-3-1、ケナログの添付文書。
 議題2の資料として、資料2-1、生薬成分等のリスク区分見直しの考え方について。参考資料2-1-1、一般用医薬品のリスク区分及びその検証について。参考資料2-1-2、一般用医薬品の副作用報告状況。参考資料2-1-3、医薬品販売制度改正検討部会報告書。参考資料2-1-4、リスク区分リスト。資料2-2、生薬成分等の見直し検討結果(報告)。参考資料2-2、専ら生薬成分から構成される一般用医薬品に関する調査について(依頼)。資料2-3-1、第3類から第2類への変更などリスクの高い区分となる生薬及び動植物成分。資料2-3-2、リスクの高い区分に変更となる製剤の一覧とその副作用の発生状況。参考資料2-3、カンゾウを含有する代表的な製剤の副作用について。資料2-4-1、第2類から第3類へリスクの低い区分に変更となる生薬及び動植物成分。資料2-4-2、第2類から第3類へリスクの低い区分に変更となる製剤の一覧とその副作用の発生状況。
 当日資料として、指定研究「一般用医薬品製剤のリスク分類見直しに関する研究」の概要を配布しております。以上配付資料です。足りないもの、落丁等ありましたら、お申し出ください。
○松本座長 よろしいでしょうか。それでは議事に移りたいと思います。議題1「ケトチフェンフマル酸塩点眼薬、アシクロビル、トリアムシノロンアセトニドのリスク区分について」、事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題に入る前に、遅れていらっしゃいました参考人の先生を紹介いたします。昭和大学薬学部教授、鳥居塚参考人です。
 それでは、議題の説明に入ります。まず、参考資料1-1を御覧ください。こちらの変更手順は、平成21年5月8日に行った安全対策部会において御審議いただき、御了承いただいたものです。一般用医薬品の区分については、2.にあるとおり、従前より厚生科学審議会医薬品販売制度改正検討部会報告書に従って実施されております。
 リスク区分の変更について、3.に記載があるとおり、医療用医薬品の使用上の注意の変更に伴うリスク区分の変更、スイッチOTC等の市販後調査の終了に伴うリスク区分の変更等について、その事前整理等を「安全対策調査会」で行うこととされています。その手順として、(1)安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前に整理を行い、その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、変更案についてパブリックコメントを行う。(2)厚生労働省は、医薬品等安全対策部会を開催し、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について調査審議を行い、指定の変更の要否について答申を得ることとなっております。
 続きまして、参考資料1-2を御覧ください。「一般用医薬品のリスク区分」について、簡単に御説明をさせていただきます。
 第1類医薬品については、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの。新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものであり、一般用医薬品としての使用経験が少ない等安全性上特に注意を要する成分を含むもので、薬剤師によって販売され、情報提供の義務がございます。
 第2類医薬品については、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生じるおそれがある医薬品であって厚生労働大臣が指定するものであり、希に入院相当以上の健康被害が生じる可能性がある成分を含むもので、薬剤師・登録販売者により販売され、情報提供については努力義務となっております。また、第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、「指定第2類医薬品」とされており、情報提供をするための設備から7m以内の範囲に陳列するなどの措置をとることとされております。販売は第2類同様、薬剤師・登録販売者により行われ、情報提供につきましても努力義務となっております。
 第3類医薬品は、第1類・第2類に分類されない医薬品で、日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こるおそれがある成分を含むものであり、薬剤師・登録販売者により販売され、こちらの方は通信販売も可能となっております。
 今回御審議いただきますケトチフェンフマル酸塩点眼薬、アシクロビルについては、新一般用医薬品として承認を受けたもので、市販後の調査を行ってきましたが、それらの調査期間が終了しましたので、今回リスク区分の見直しを行うものです。また、トリアムシノロンアセトニドの口腔用軟膏については、本年1月7日にトリアムシノロンの口腔内貼付剤のリスク区分が変更になったこと、口腔用軟膏について一般用製剤の現行承認から分割する承認事項一部変更申請が行われていることを踏まえ、口腔用軟膏のリスク区分について見直しを行うものです。
 まず、ケトチフェンフマル酸塩の点眼薬について説明します。資料1-1-1を御覧ください。薬効群は、アレルギー用点眼薬。投与経路は点眼。告示用の成分名はケトチフェン、ただし点鼻剤及び内用剤を除く。になります。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬の製造販売後調査が終了し報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分について御審議いただきたいと思っております。なお、同様の成分としまして、抗ヒスタミン作用を有するクロルフェニラミンを配合した点眼薬は、第2類医薬品として流通しておりますので、御参考いただければと思います。
 続きまして、資料1-1-2を御覧ください。こちらは対象品目、販売名として、ザジテンAL点眼薬、アイリスアレストです。調査期間については、平成19年11月1日から平成22年10月31日です。3ページ目に別紙(1)として「調査結果の概要」がございますので、それに沿って説明しますので御覧ください。
 まず、1(ローマ数字).「特別調査」は、薬局等と契約し、モニター店舗でアンケート等の調査を特別に行ったものです。モニター店舗は303施設、調査例数は1,102例であり、そのうち副作用報告があったものが16例36件でした。いずれも、重篤なものはございませんでした。2(ローマ数字).「一般調査」は、使用者及び薬剤師からの自発報告です。この調査では、97例138件の副作用が報告されております。重篤な副作用として、1例2件がございました。また、参考として、ケトチフェンの添付文書、参考資料1-1-1を付けておりますので、こちらも御参考いただければと思います。
 続きまして、「アシクロビルのリスク区分について」説明させていただきます。資料1-2-1を御覧ください。薬効群は、抗ウイルス薬。投与経路は、外用。成分名は、アシクロビルとなっています。現在のリスク区分は第1類医薬品ですが、製造販売後調査が終了し報告書が提出されましたので、その結果を基に本成分のリスク区分について御審議をいただきたいと思っております。
 なお、口唇ヘルペスの効能効果を有する外用剤で、第2類・第3類のものは確認しておりません。また、アシクロビルの添付文書について、「してはいけないこと」の項に、「初めて発症したと思われる人、患部が広範囲の人(初めて発症した場合は症状がひどくなる可能性があり、広範囲に及ぶ場合は重症ですので、医師の治療を受けてください)」との記載があり、また「効能」の項には、「口唇ヘルペスの再発(過去に医師の診断・治療を受けた方に限る)」という形で記載されていますので、御参考いただければと思っています。
 続きまして、資料1-2-2を御覧ください。対象品目の販売名は、ヘルペシア軟膏、アクチビア軟膏です。調査期間は、平成19年10月9日から3年間、平成22年10月8日です。4ページの別紙(2)について「調査結果の概要」がありますので、こちらについて簡単に説明します。
 まず「特別調査」については、モニター店舗数が930施設、症例数は3,393例で、副作用は36例。副作用発現件数は51件で、重篤なものはございませんでした。また「一般調査」については19例25件の副作用が報告されており、重篤な副作用もございませんでした。また、参考として、参考資料1-2-1に添付文書を付けておりますので、こちらも参考いただければと思っております。よろしくお願いいたします。
 最後ですけれども、トリアムシノロンアセトニドの口腔用軟膏について説明します。資料1-3-1を御覧ください。薬効群は口内炎用薬。投与経路は口腔用軟膏。告示上の成分名は、トリアムシノロンアセトニド。ただし、口腔用軟膏に限る。になります。現在のリスク区分は第1類医薬品です。なお、同様の成分のトリアムシノロンアセトニド口腔内貼付剤は指定第2類として現在流通しております。
 続きまして、資料1-3-2を御覧ください。まず、一般用トリアムシノロンアセトニド含有製剤として、口腔内貼付剤、口腔用軟膏剤の二つがございます。このうち、口腔内貼付剤について、平成18年にスイッチOTCとして承認され、その際に第1類に区分されております。その後、市販後調査が平成21年12月に終了したことを受け、平成22年11月開催の安全性調査会において、リスク区分の見直しが行われ、指定第2類医薬品にすることとされました。安全対策部会の調査会を経て、本年1月7日付けで指定第2類として告示されております。
 一方、口腔用軟膏剤については、昭和40年に医療用・一般用の区別なく承認が取得され、平成20年12月、一般用製剤として効能・効果を取得しております。リスク区分は、当時、第1類医薬品に区分されていた口腔用貼付剤と同じ第1類に区分されています。現在、一般用製剤を現行承認から分割する承認事項一部変更申請が行われていることを踏まえ、口腔用軟膏剤のリスク区分について見直すものです。口腔用軟膏の区分について、分類の承認が下りる際に合わせて施行することを予定しています。
 3ページより、副作用状況の資料を付けております。表2に過去5年間、そして平成23年3月までの副作用を示しております。なお、平成21年4月時点では、医療用・一般用を区別なく販売されていたこともあり、医療用の副作用として集計されております。この中で重篤なものは1件あり、医療用ケナログの報告で、他社の臨床試験の乳癌再発の症例ということで報告を受けております。また、表4の1に一般用医薬品、表4の2に医療用医薬品の副作用の一覧表を載せていますので、参考にしていただければと思います。以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○松本座長 ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明に対して、皆様から御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。今のケトチフェンフマル酸塩点眼薬のリスク区分について、ただ今の事務局からの説明に対して、下村先生、何かコメントいただけますか。
○下村参考人 ケトチフェンについてですけれども、従来から私ども使っておりまして、非常に安定した点眼薬と考えておりますし、資料1-1-1にクロルフェニラミン、非常に同様な成分として抗ヒスタミン作用を有しているものが第2類医薬品として流通しているということ。そして、また資料1-1-2の副作用報告の中の特別調査におきまして、調査例数が1,102例、副作用報告が16例36件ということで、概算すると副作用報告が1.6%で低いということと、重篤なものが1例のみであったということから、かなり安定したものではないかと考えております。以上です。よろしいでしょうか。
○松本座長 ありがとうございました。森田先生、このことに関して何かコメントいただけますか。
○森田参考人 私も副作用をザッと見ていましたけれども、あまり重篤なものはないし、安全なお薬ではないかという印象を持ちました。
○松本座長 ありがとうございました。お二人とも、これは第1類なのですが、第2類にすることに関しましては、特に御異議はございませんか。
○両参考人 はい。
○松本座長 委員の先生方、いかがでしょうか。この薬剤に関して、何か御意見ございませんか。よろしいですか、ただ今の御意見で。アシクロビルのリスク区分については、中田先生御専門ですので、何かコメントいただけますか。
○中田参考人 アシクロビルですが、非常に副作用の点ではかなり安全といいますか、安心して使える薬剤なのですが、実はこれはウイルスの増殖抑制剤で、初期なのですよね、特に効果を表してくれるのが。そこを患者さんがどれだけ分かっているのかという点と、先ほど広い範囲にという注意が出ていたのですが、この広い範囲にというのは二通りありまして、一つはアトピー肌の人が単純ヘルペスに感染すると、かなり広い範囲に小水疱が出てきて、全身症状を伴ったりするカポジ水痘様発疹症という別の疾患名で呼ばれているものになる場合に広い範囲に出る。それから、同じ仲間のウイルスなのですが、帯状疱疹というのがありまして、水痘帯状疱疹ウイルスの2回目ですけれども、それの初期と、単純ヘルペスが顔にできると区別がしにくかったりするのですね。だから、この薬自体はそんなに重篤な副作用もないですしあれなのですけれども、ちょっと使い方は難しい薬ではないかなと思っております。
○松本座長 ありがとうございました。望月先生、このことに対して何かコメントいただけますか。
○望月参考人 今、中田参考人もおっしゃられてましたように、物としての安全性の部分はそれほど大きな副作用もないですし、問題ないと思いますが、今も使うときに自己治療の範囲であるかどうかということを見極めてお使いいただくというところの判断が難しいところではないかなと思います。効能にも過去に医師の診断治療を受けた方に限るとか、あるいは先ほどのような範囲のこと、あるいは状態のこと等をある程度きちんと専門家の目を通して判断していただくということが大切なお薬だと思っておりますので、できるだけそういったかかわりがきちんとできる環境をとれる分類がよいのではないかと思います。
○松本座長 ありがとうございました。お二人の御意見を伺っておりますと、どちらかというと、やはり使い方が難しいので、第1類のままで様子を見た方がいいというような印象がありますが、そのようなことでよろしいですか。副作用は少ないようなのですが、使い方が難しいですね。ほかに御意見ございませんでしょうか。委員の先生方、特に御異議ございませんか。
 トリアムシノロンアセトニドのリスク区分については、中田先生コメントいただけますか。
○中田参考人 これは、より吸収されるのではないかと考えられる貼付剤が既に第2類として流通していることもありますし、私はこれは第2類で問題ないと思っております。
○松本座長 望月先生からも御意見いただけますか。
○望月参考人 トリアムシノロンアセトニドの貼付剤の方は指定第2類ということでしたので、それと同じという意味で私も結構だと思います。
○松本座長 ありがとうございました。中田先生、貼付剤が指定第2類なので、やはりこのものもどちらかというと指定第2類の方がよろしいかと思うのですが、その辺いかがですか。
○中田参考人 そうですね。やはり、同じ扱いが望ましいと考えます。はい。
○松本座長 同じ扱いの方がよろしいですか。
○鳥居塚参考人 副作用の収集例数、資料1-3-2を見ますと、非重篤な例数の方ですけれども、平成21年からだんだん数が増えているというのは、使い方の問題とか何か理由があるのでしょうか。指定第2類ということで反対ということではなくて、それが妥当かなとは思うのですけれども、ちょっと数が増えているのは、何か理由があるのかというようなことが気になりましたので。
○松本座長 ありがとうございました。これ、事務局で分かりますか。報告数が増えているようなのですが。
○事務局 なかなか難しいところでして、資料1-3-2の3ページにありますように、上に「過去5年間の出荷数量」がありますが、一応平成21年度で医療用・一般用合わせて□□□□□□件ぐらいで、平成22年度もそれとそんなに変わらないといいますか、若干増えているところではありますけれども、ただ、件数的には平成21年度の3から平成22年度の7というように、かなり多くなっていることもございまして、そこの背景となる原因については、分かりにくいところがございます。
○鳥居塚参考人 平成23年1月から3月までの3か月で7例ということですよね。ちょっと、だんだん増えているみたいな。非重篤だから気にしていないのかもしれないのですが、ちょっと気になりましたので、何か原因、集計の仕方とかそういうのがあればと思ったので、ちょっとお伺いした次第です。
○松本座長 そういうことも含めると、やはり指定第2類で様子を見た方がよろしいわけですね。分かりました。このことに関して、ほかに御意見ございませんでしょうか。
 確認をさせていただきますけれども、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬については、現在第1類なのですが、第2類にするということで、特に御異議ございませんか。
(了承)
○松本座長 ないようですので、そのようにさせていただきます。それから、アシクロビルについては、引き続き第1類のまま。御意見を伺うとその方がよろしいような気がいたしますが、よろしいでしょうか。
(了承)
○松本座長 特に御異議ないようですので、これも第1類のままということにさせていただきます。それから、トリアムシノロンアセトニドの口腔内軟膏は、貼付剤と一緒にして指定第2類ということでよろしいでしょうか。特に御異議ございませんでしょうか。
(了承)
○松本座長 ないようですので、そのようにさせていただきます。ということで、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬については第2類、アシクロビルについては第1類のまま、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏は指定第2類ということにさせていただきます。事務局、よろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。ケトチフェンフマル酸塩点眼薬のリスク区分については第2類、アシクロビルのリスク区分については引き続き第1類、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏のリスク区分については指定第2類ということで、告示改正に向けてのパブリックコメントと併せて、指定薬解除に係るパブリックコメントも開始したいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうも、ありがとうございました。
○松本座長 次に、議題2の「一般用医薬品(生薬及び動植物成分)のリスク区分の見直しに係る検討」に入りたいと思います。まず、事務局から議題2の一般用医薬品のリスク区分について、説明をお願いいたします。
○事務局 生薬及び動植物成分のリスク区分の見直しにつきまして、御説明申し上げます。まずはじめに、販売制度も含めた今回の見直しの背景につきまして、簡単に御説明をさせていただきます。お手元の参考資料2-1-1を御覧ください。まず、1.にありますように「販売制度改正の背景」ということで、一般用医薬品を取り巻く環境の情勢の変化を踏まえまして、リスクの程度に応じた専門家の関与、適切な情報の提供等、それから実効性のある制度の構築ということで、平成18年に薬事法が改正され、平成21年6月よりこの新しい制度が施行されているところです。先ほど販売制度の概要につきまして、一般用医薬品のリスク区分の表を御覧いただいたと思いますので、こちらの説明は割愛させていただきたいと思います。
 今回、御参考までに参考資料2-1-2で、「一般用医薬品の副作用報告状況」を横長の表にまとめています。一般用医薬品の副作用につきましては、下段のところにありますように、毎年度250症例程度の報告がなされております。上段に主な副作用の状況を示しておりますが、薬効分類では総合感冒剤とか解熱鎮痛消炎剤などの報告が多く、主な副作用としては、スティーブンス・ジョンソン症候群、急性腎不全、間質性肺疾患、肝障害などが報告されています。
 次ページの裏になりますが、各リスク分類ごとの副作用の報告状況もお示ししています。第2類となっている製剤の数が多いということで、若干第2類のところに報告数が多い傾向はあります。
 参考資料2-1-1です。2.の「一般用医薬品のリスク区分」のところにありますように、一般用医薬品のリスク区分については、厚生科学審議会医薬品販売制度検討部会の下に、専門委員会を設けまして検討が行われ、平成17年12月25日に同部会の報告書が取りまとめられています。同報告書の説明は恐縮ですが割愛させていただきます。本日、参考資料の2-1-3として配付させていただいていますので、必要に応じ御参照いただければと思っております。(2)(3)の記述にありますように、一般用医薬品の区分等及びその変更に関する調査審議については医薬品等安全対策部会で、事前の整理等については安全対策調査会において行うこととされています。
 また、3.の「一般用医薬品のリスク区分の検証(見直し)」の欄にありますように、各リスク区分に振り分けられている一般用医薬品につきまして、安全性の検証等を行うこととなっています。検証に当たりましては、副作用報告の精査等を行うため、安全対策調査会の下にワーキンググループを設けることとされています。ワーキンググループのメンバーについては、2ページに「一般用医薬品のリスク区分の検証に関するワーキンググループ構成員」ということでお示ししております。
 続きまして、具体的な見直しの考え方について御説明をさせていただきます。資料2-1「生薬成分等のリスク区分見直しの考え方について」です。1.「現行の取り扱い」のところにありますように、生薬及び動植物成分については、当時、原則第2類ということです。ただし、これまでの使用経験等から安全上問題がないと考えられる生薬については、第3類となっています。
 次に生薬製剤のリスク区分についてですが、それぞれの製剤に配合されています生薬成分等のリスク区分のうち、いちばん高いリスク区分が適用されるとなっています。下の方の図にありますように、例えば製剤2.では生薬成分等のGの区分が適用されて、Gが第2類ということなので、製剤2.としては第2類。製剤3.の例では、生薬成分のIのものが指定第2類となっていますので、製剤としても指定第2類となります。
 次ページ、ここでは今回の「生薬成分等のリスク区分見直しの考え方」について示しております。下の方にある図を御覧いただければと思います。まずは第2類成分、第3類成分に分類されている生薬成分等につきまして、食経験の有無、有害成分の有無、毒性の知見の有無など、生薬学的な評価を実施して、成分の区分変更案を検討いたします。具体的には、日常生活に支障を来す程度でないと考えられるものについては第3類。1日の服用量が一定量以下であれば、日常生活に支障を来す程度ではないと考えられるものについては、量的な条件を付けて第3類。第2類成分のうちに、特に注意を要すると考えられるものについては、指定第2類と整理をしております。
 次に製剤としての安全性の検証になりますが、副作用の報告状況とか、生薬成分とその副作用との関連などを考慮いたします。この図の例ですが、当初、生薬学的評価において第3類と提案がありましたオレンジ色のいちばん左のマルの成分が、製剤としての副作用の報告状況等から見た検証の結果、最終的には量的条件を付して、第3類に変わるというような事例を模式図的に表わしたものです。こういう形で検討を行いまして、最終的な変更案をまとめる流れになっています。
 生薬成分等の見直しの検討の結果について御説明をいたします。資料2-2「生薬成分等の見直し検討の結果(報告)」というタイトルのものです。まず、ワーキンググループでの検証に先立ちまして、国立医薬品食品衛生研究所生薬部長の合田先生を主任研究者として、平成22年度厚生労働科学研究「一般用医薬品生薬製剤のリスク分類見直しに関する研究」におきまして、生薬学的な評価を中心に御検討いただいております。資料2-2に示しておりますように、(a)から(f)までの資料等を参考にしつつ、生薬成分等についての食経験、医薬品としての使用経験、その物及び含有成分の安全性に関する検討の結果などから、2.にありますように第2類から72の生薬成分等につきまして、第3類に変更するという検討を行っております。
 3.第2類から32の生薬成分等につきましては、配合量の制限を設けて第3類に変更するということです。4.第2類から19の生薬成分等について、製剤中の配合量が少ない場合に、第3類に変更することとしております。さらに第3類の生薬成分等についても見直しを行っていまして、5.と6.に該当しますが、第3類からは四つの生薬成分等について、配合量の制限を設け第2類に変更すること。最後第3類から指定第2類への変更のものが一つ、第2類から指定第2類に変更する成分が12あります。
 次ページの上段に図がありまして、少し複雑ではありますが、今御説明させていただきました変更案を図にしたものが、この図になっています。「見直し対象となる生薬成分」の欄では、現行第2類成分が245成分、第3類成分が408成分ありますが、このうち指定第2類の取扱いから説明いたしますと、現行指定第2類が9成分ありますが、第2類から指定第2類になるものが12成分ありまして、さらに第3類から指定第2類に変わるものが1成分、合計で見直し後は22成分となります。次に現行の第2類の成分のうち、全く変更のないものが101成分あります。
 次に量的条件を付けて第3類に変更されるものが、先ほどの説明で32成分と19成分ありまして、合わせて51成分がある制限値以下の場合には第3類に、制限値を超えた場合にはそのまま第2類にとなっております。次に第2類の成分のうち、第3類に変わるものが72成分、右下の方に矢印として伸びていっているものがあります。一方、第3類の中でも先ほど指定第2類になったもの、それから量的条件を付けて制限を超えた場合に第2類になるもの、条件を下回った場合にはそのまま第3類となりますので、このような矢印で全体の成分の見直しがなされています。
 次に、今回の見直しの結果が実際の生薬製剤に与える影響については、このページの下の欄になります。都道府県の方を通じて製造販売業者の方から申し出をいただきました1,030製剤について、確認させていただいたところ、このような状況となっていまして、第3類の製剤が現行185製剤から352製剤に増える見込みです。
 生薬成分等の具体的な変更提案については、資料2-3-1と資料2-4-1に示しています。はじめに資料2-3-1について概要を説明させていただきます。これまで御説明させていただきましたような考え方に基づいて、資料2-3-1の1番目、「加工ブシ」から12番目の「ホミカ」までの12成分については、中央の変更理由欄にありますような「毒性の強いアルカロイドを含み、使用に注意を要する生薬である」等という根拠から、第2類から指定第2類への変更を提案するものです。また、そのいちばん右の欄には告示名に記載された生薬成分等になる植物などの情報を、参考情報の形で示しております。
 研究班の評価を基に2月4日と、3月25日の2回、ワーキンググループで検討を行っておりまして、ワーキンググループでは資料2-3-1の生薬学的評価についての確認と、資料2-3-2にありますような個々の製剤での副作用報告の状況などを検討し、ワーキンググループとしての検討案を取りまとめているものです。
 資料2-3-2の概要の説明をさせていただきます。個々の製剤の製品名は明示しておりませんが、製剤ごとには効能別という形でお示ししています。その一つ右の欄に具体的に配合されています生薬成分等の1日当たりの処方量と、その量のときのリスク区分について示しております。リスク区分については現在のものと変更のないものは黒字のまま、今回の見直しで変更予定のものについては、色の付いた字で示しています。
 その右の欄に非重篤な副作用の欄と、重篤な副作用の欄を設けています。非重篤な副作用については、平成21年6月1日から平成22年5月31日までの間に企業で把握をされている非重篤な副作用について報告をいただいたものです。さらにその右の重篤な副作用の欄ですが、こちらは薬事法に基づいて、企業の方から報告のありました重篤な副作用について、平成16年4月から平成22年3月末までの間にPMDAの方に報告のあったものを集計しています。
 例えばの例ですが、資料2-3-2の9ページです。いちばん下の製剤でいろいろなものが入っていますが、具体的にはホウブシが入っていますが、このような製剤で例えば下痢とかほてりなどの非重篤な副作用が189例245件、また肝障害など重篤な副作用が3例報告されています。重篤な副作用については、例えば肝障害でしたらこの資料の19ページ以降に具体的な肝障害の症例票を付けています。肝機能異常は29ページ、急性肝炎については35ページ参照となっています。
 11ページです。この真ん中の中段にあるような製剤で肝機能異常が1件報告されていまして、ここには今回指定第2類になるようなブシも入っています。13ページの上から二つ目の製剤でも、非重篤なもの重篤なものが複数報告されていて、こちらにもホウブシ等が入っています。17ページです。下の二つの製剤ですが、ガジュツ末を10g含む製剤で重篤な副作用が報告されている状況があります。また、18ページ、カンゾウを含む製剤で横紋筋融解症が1例報告されています。
 以上のような副作用の報告の状況と、製剤との因果関係、それから製剤中の生薬との因果関係なども、このワーキンググループでは御議論をいただきながら、最終的に資料2-3-1のような提案として取りまとめております。
 資料2-3-1の中では、2.の第3類から指定第2類に変更するものとしては、ソウキセイ、これはヤドリギの枝葉ということですが、これは先ほど指定第2類にするという成分、1ページの5番にあるセイヨウヤドリギなどと同じ基原の植物による生薬だということで、ソウキセイは現在第3類ではありますが、同様に指定第2類にするという提案です。また、3.の四つですが、第3類から第2類に変更するものということで、成分そのものを第2類に移すのではなくて、それぞれの製剤にある程度の量的な条件を付して、その量を超えた場合には第2類という取扱いにしてはどうかというものです。
 ここで資料2-3-1のいちばん下にありますように、ワーキンググループではガジュツについて、先ほども少し副作用の報告の御説明をさせていただきましたが、指定第2類とした方がよいのではないかという意見がありましたが、他の指定第2類の成分のような生理活性の強い物質が含まれていないということと、配合量が少ない製剤では副作用報告がほとんどないこと、効能などを標榜しない場合には食品として流通することも認められていることがありまして、1日当たりの処方量は5g以下であることを条件として、これを超えた場合に第2類とするようなことで、一応取りまとめいただいております。
 次に、資料2-4-1について御説明いたします。こちらも先ほど御説明いたしましたような見直しの考え方に従いまして、まず、合田先生の研究班において生薬学的な評価をいただいております。資料2-4-1の1ページの青字になっている1番目の「アンソッコウ。ただし、外用剤を除く」ものから、6ページ目、72番の「ロクキン。ただし、外用剤を除く」までの72成分については第3類とすることを提案いただいています。表の下の※にありますように、67番の「モツヤク」については、今回外用剤のみを第3類に変更する提案となっています。
 7ページ以降が配合量に制限を設けて第3類とする提案のあるものです。赤字で示している1番目の「インチン。ただし、外用剤を除く」から、8ページの32番目、「リュウタン。ただし、外用剤を除く」、ここまでの32成分について、1日当たりの処方量が中央の条件値の欄にあるグラム数以下の場合には、第3類とすることを提案いただいております。
 9ページからは、配合量が少ないなどの理由によりまして第3類とする提案のものです。こちらは緑色の字で記載しております1番目の「イレイセン」から19番目の「レンギョウ。ただし、外用剤を除く」の19成分について、1日当たりの処方量が中央の条件値の欄にあるグラム数以下の場合に第3類とすることを提案いただいています。こちらもワーキンググループにおきまして、資料2-4-1の現在の資料についての生薬学的評価についての確認と、資料2-4-2にあります個々の製剤での副作用報告の状況を検討し、ワーキンググループとしての変更案を取りまとめていただいています。
 資料2-4-2の御説明をさせていただきます。資料の見方については先ほどの資料と同様なので割愛させていただきます。副作用報告については全体的に少ない印象があります。重篤なものとしては、1ページのいちばん上の製剤で、急性肝炎が一つ出ているということと、7ページの真ん中辺りになりますが、こちらのものでスティーブンス・ジョンソン症候群などが一つ、10ページの上から9段目のところで中毒性湿疹、下から3段目で中毒性皮膚壊死症のような報告があり、それぞれの症例票もこちらの資料に添付しております。
 これらについて副作用と製剤との因果関係、それから適正使用であったのかどうかとか、製剤中、特に今回見直しをしている色の付いている字で記載している生薬成分との因果関係について、ワーキンググループで検討いただきまして、それぞれ、生薬成分によるものではないのではないか、という御評価をいただいています。
 資料2-4-1の7ページのいちばん下の注にありますように、ワーキンググループではオウゴンについて、医療用の漢方の製剤では注意を要する生薬であるという御指摘がありました。当初、研究班としては2gということでワーキンググループに提案しておりますが、今回1gとすることとしています。この理由については、製剤として使用されている多くの医療用漢方のオウゴンの1日当たりの処方量は2g以上であるということ、それより明確に少ない1gを量的条件として提案いただいているものです。副作用報告についても、漢方製剤ではない生薬製剤については、1日配合量が1g以下の場合、非重篤なものがわずかに報告されているというものの、重篤な副作用が報告されていないということで、1日当たりの処方量が1g以下であることを条件として、これを超えてしまった場合には第2類ということで取りまとめをいただきました。説明が長くなりまして大変恐縮ですが、以上でございます。御審議の方よろしくお願いいたします。
○松本座長 ありがとうございました。まず皆様から御意見をいただく前に、ワーキンググループの議論に先立ちまして、研究班として御検討いただいた合田先生から、何か追加で御発言がございませんでしょうか。
○合田参考人 1点だけ確認させていただきたいのですが、資料2-3-2の17ページの表の2.ですが、これ「第2類へ変更となる製剤の一覧と副作用の発生状況」と考えてよろしいのでしょうか。これ3ではないですね。
○事務局 すみません。資料の間違いです。
○合田参考人 了解しました。ここが2ですね。今、座長に言われましたことについて少し説明させていただきます。まず、我々が最初にやったことにつきましては、今日、当日の資料で配っています概略に書いていますので、細かいことはどういうことをやったかはあとで御覧になっていただければと思います。
 基本的に、今回リスク区分を考えなければいけないものという成分の数が650品目を上回るすごい多量なものでして、これをある一定期間の中に科学的な視点を入れてリスク区分をしなければいけないということで、まず、生薬学的、天然物化学的に常識的なことで知られているものは、まずそこで判断をしましょうということを行っております。
 もう一つこれをやるときに非常に大事なのは、この言っている物の範囲が何かということを最初に確認をしないと難しいのですが、ここに出ている物、いわゆるここでリスク区分の告示名とされている物が、現実的にどういう物であるかというのは、実は医薬品の承認書に戻らないと定義ができないということが分かりました。その時その時の承認書でどういう言葉を使っているかということが、実はここの告示名に対応しています。例えば先ほどのリスク区分で指定第2類に変えていくものの中で、ブシとホウブシと、加工ブシというものがばらばらにございますが、これは今はたぶん医薬品の中ではほとんどすべて同じものとして扱っていますし、それから日本薬局方上も基本的に全部、加工ブシをブシとして想定しており加工したものをすべて使っております。そういうような言葉の問題がございますので、そういう間違いというのか、そういうものも確認をしながら作業をしております。
 基本的にまず明確、天然物化学的それから生薬学的に明確な毒性生物、それから強い生理活性成分を持っている物は、間違いなくこれは第2類であろうという判断をしています。さらにそうではなくて、それなりに成分は分かっているけれども、どれも穏やかな成分だろうという物について、改めていろいろな角度から物を見ていこうという作業を行いました。そういう物につきまして、基本的にまず副作用情報を調べました。いわゆる文献等に出ているものです。また、まず文献的にはそういうものが分からない物については、主要成分の量的なものも含めて、どのレベルで第2類であるか第3類であるかを考えました。
 まず、そういう作業をしまして、特に生薬製剤の場合には、実は成分としてこの生薬製剤において、いわゆる主作用をたぶん持っているだろうという天然物もありますし、それから、どうもこれは不謹慎かも知れませんが、味付けのように入れているというのですかね、佐薬という言葉を使うことがございますが、何か特徴を加えるために入れているようなものもありますので、そういう物については量が非常に少ないので、その辺のところも含めまして、量的なものの考えを入れて区分を考えていくべきではないかという結論に達しました。
 そういう物については、実はこういう天然薬物の中でいちばん使用経験が深く、もう一つ圧倒的に量が使われているものは漢方製剤ですので、漢方製剤でどのぐらいの量が使われているかを一つのメルクマールにしました。漢方製剤でこの生薬はこのぐらい使われているか、まず一定の数字を出してみて、そのものに基づいていくつかの作業をしています。次に、基本的にその量が含まれている生薬製剤について、どのような副作用が報告されているかを検討しています。
 そういう検討を行いますと、そういう生薬製剤の中で特に重篤な副作用があるかどうかが分かりますから、それで、そういうものについて、個別の製剤について、どのような副作用があって、これはそこに含まれている生薬そのものの副作用であるかどうかを検討します。多くの場合に非常に多数の成分が入っていますので、判断が難しいのですが、その中で特にこれは明確であろうという物については、では、それは量的制限を入れることはできないだろうという判断をしていますし、そうでない場合には、では、この量で経験的に考えた場合には、副作用が出ていないのだから、これは第3類としてよろしいだろうという判断をしています。
 もう一つ行っていますのは、いわゆる化合物レベルでは毒性情報を入手することができますので、そういう毒性情報を具体的にデータベースから入手しまして、そのものに対して安全係数を掛けます。それから生薬中に含まれている天然物の含量がどのぐらいあるかを推定しまして、その両方からこれは十分に第3類にしても問題はないだろうと判断しまして、そういうような判断を入れて量的な検討を進めました。
 さらにもう一度見直して、各成分について過去の経験からこういう医薬品として副作用があるか等を見まして、そのものも全部フィードバックをさせまして、最終的に今回の区分の基礎となるデータを作ったということです。それに基づきまして、ワーキンググループ等で議論をいただきまして、現在の結果を出しているものです。以上です。 
○松本座長 ありがとうございました。それでは皆様から御意見をいただきたいと思いますが、どなたか御意見がございますでしょうか。やはり量的規制で今回やられたというのは大変あれだと思うのですが、先ほどの話を伺っていますと、必ずしも生薬の効果で量的規制をかけたわけではないのですね。
○合田参考人 これは安全性の話なので、我々が理解しているのは生薬が効くか、効かないかというレベルではなくて、この物自身がどのような毒性があるかをいちばんのメルクマールにしてやっております。それにプラスして、過去の使用経験に基づいた副作用情報を入手してリスク分類しております。
○松本座長 量的制限をかけた量で使用された物というのは、あるわけですね。
○合田参考人 はい。それは物によりまして、非常に多く分類しているので物によって差がありますが、メジャーな生薬の場合は一般的な生薬製剤にたくさん入っておりますので、そのものの量を含んでいる生薬製剤のデータを出していただいて、そのデータに基づいてどのような副作用があるかを全部確認しております。確認したものに基づいて、過去の生薬製剤として安全性が高い物だろうということを、副作用情報から判断しております。
○松本座長 そのほか御意見があればお願いいたします。
○花輪参考人 北里の花輪です。先ほどの資料2-4-1の第2類から第3類へということに関してですが、私ども臨床家の立場から言いますと、オウゴンは医療用漢方としては注意を要する、これは臨床家にとっては常識です。その副作用の出方が量的なものではなくて、アレルギー的な反応を起こすものですから、先ほど御説明があったように、確かに、医療用は通常2g以上であるところを1gにしたということですが、起こるときは1gでも起こるのではないかという懸念があります。確かに量的なことも非常に大事でしょうが、極端に言うとアレルギー反応は量とは関係ないということもありますので、その辺りのところはいかがかなと思います。
○松本座長 そのようなアレルギー反応で起こる頻度は高いのですか。
○花輪参考人 はい。今のところ、何パーセントというのがなかなか出てこないのですが、学会では5%近いとか大きい数字が出ていますので、今かなり注意して使っています。間質性肺炎やアレルギー性の肝障害です。
○松本座長 そういう意味ですね。
○花輪参考人 はい。
○松本座長 森田先生から、この辺に関して何かコメントがありますか。
○森田参考人 オウゴンに関してはあまり知識がないのですが、ここに何かその報告はあるのでしょうか。あるならば、どこにあるのか教えてください。
○事務局 今回提案されているものについては副作用をある程度見ておりますが、生薬製剤の中で1g以下の量のものについては、副作用としての報告はされていないという状況です。
○松本座長 そのようなことですが、いかがですか。
○事務局 漢方製剤の中では、「防風通聖散」というちょっと特殊な処方のもので副作用の報告がかなり来ているという状況がありますが、そういったものを除けば、生薬製剤の中では特には来ておりません。
○松本座長 先生が言われたのは、特に防風通聖散であるというわけではないのですね。一般論でおっしゃっていたわけですね。合田先生から何かコメントがありますか。
○合田参考人 これも難しい話だと思うのですが、アレルギーの場合は食品でも同じように起こり得るというのが、かつてのワーキングでも議論になったことです。今事務局が言われたように、生薬製剤の場合、オウゴンは含まれていても1g以下で、現実的にそのようなものでの副作用情報がないというのを見ると、大丈夫なのかなと。リスク分類の判断基準にしているのが、アレルギーということよりも基本的な安全性といいますか、いわゆる化合物としての安全性のレベルを見ているので、そのような意味ではオウゴンに取り立てて強い生理活性成分があるとは言いにくいなと、そのようなことで判断をしております。
○松本座長 1g以下ではあまり目立たないという意見が強いようですが、いかがでしょうか。第2類から第3類へ変更することに関して、御異議がありますでしょうか。
○花輪参考人 たぶん臨床上というか、経験上のことを踏まえての判断だと思いますので、1g以下では副作用情報がないということであれば、経験知を尊重したいと思います。
○松本座長 ありがとうございます。鳥居塚先生から何かあればお願いいたします。
○鳥居塚参考人 やはり、オウゴンはいろいろ副作用情報がかなり多いと思うのです。量的にもばらつきがかなりある中でのいろいろな情報類は多いような気がします。
○合田参考人 漢方の常識では、オウゴンが副作用を持つ重要な生薬であることは認識しております。漢方ではどのぐらい使っているかを見ると、最低レベルが2gで、それよりもっと量を使っておりますので、それを考えたら生薬製剤の1g以下というのは、アレルギーでは量の問題ではないと言われると難しいのですが、大丈夫ではないかと。それでもう一度生薬製剤の副作用情報を確認してみると、現段階では特に目立ったものはないという判断をしたわけです。
○松本座長 よろしいですか。非常に微妙なところです。
○鳥居塚参考人 無条件で第3類に、というところがちょっと。
○松本座長 一応、量的規制をかけた上で第3類にして様子を見る、様子を見るというのは変かもしれませんが、見てみようということです。
○鳥居塚参考人 そのような報告がなければいいかなという感じはしますけれども。
○松本座長 それはいちばん肝心なところですが。
○鳥居塚参考人 そのような観察はよくしておいた方がいいかなという感じはします。
○金澤参考人 私は呼吸器内科をやっておりまして、今、間質性肺炎という言葉が出たので少しコメントさせていただきますが、間質性肺炎を見たときに、薬剤性の障害というのはすぐピンとくるところで、その中でも漢方製剤はかなり重要な位置づけだと思います。基本的な考え方にかかわってしまうので発言しにくかったのですが、2gを1gにすれば大丈夫ということは、間質性肺炎や急性アレルギー性肝炎に関してはあり得ないと思うのです。その辺りは資料2-1にかかわってしまうので、発言としては慎重にならざるを得ないと思ったのですが、その辺りはよく御検討いただいておいた方が安心かなと。それはオウゴン云々という個別のことではなくて、根本的な考え方にもつながって、間質性肺炎などでは大概がアレルギー性の機序に基づいて起こりますから、量の高にかかわらずという部分があるということはお含みおき願いたいと思います。
○松本座長 そうですね。合田先生から何かあればお願いいたします。
○合田参考人 私はMDではないのでこれ以上は分からないです。我々は量的な問題で生薬製剤として今出ているデータを見れば、ここで切れるかなという判断をしているわけです。もう一つはオウゴンが間違いなくそのようなものの原因であるかどうか、原因物質は何かといった部分は、まだ完全に解明されているわけではないのです。ここが非常に難しいかなと思います。生薬というのは多成分の中でできているので、それ以外の生薬でそのような反応がないかと言うと、どれもみんな出てしまうという感じがします。
○松本座長 これに関して、ほかに御意見があればお願いいたします。オウゴン単独で間質性肺炎というのは結構多いのですか。それほどないのでしょうか。
○事務局 今回は生薬製剤ですが、生薬製剤でオウゴンを配合しているものについては、今日お示ししているように、特段、間質性肺炎の報告はありません。ただ、一方で漢方製剤になってきますと、オウゴンの入っている物の中で、やはり間質性肺炎とか肝機能異常といったものが出てくるという報告はされておりますし、そのような意味では防風通聖散などがいちばん報告例数が多いという状況だというのは事実です。
○合田参考人 防風通聖散は非常に構成生薬が多く、20種類ぐらいの生薬が入っております。そのような症状が出る可能性がある物として、例えばカンゾウとか他の物もたくさん入っておりますから、防風通聖散のどの生薬が原因かというのは非常に判断しにくいと思います。防風通聖散は売れ筋の漢方製剤なので、一般用の中では飛び抜けて売れていて、飛び抜けて副作用が多いのです。従って、この製剤の副作用情報は個々の生薬についての判断の基準にしにくいと我々は考えました。
○望月参考人 今のオウゴンですが、資料2-4-2をザクッと見ると、オウゴンが配合されているものは健胃薬と止瀉薬のようです。防風通聖散の場合は別の用途で使われ、長期的に連用されているなどということがあって、そうしたことがアレルギーなどの発現につながるようなことはないでしょうか。止瀉薬ですと、そんなにずっと連用はしない気がするのです。一般用医薬品のリスク分類をする際、もともとは急性の軽医療の領域で使われる薬物群という領域で一般用医薬品の多くを整理しておりましたので、長期連用によってもたらされるリスクという概念は、リスク区分のときにあまり入っていないのです。その辺りの概念が、今回のこのケースの場合に少し影響するのかなとちょっと感じました。
○松本座長 オウゴンをどうするかというときに、それを含んでいる防風通聖散がおもてに出てくると、結論がなかなか出にくいのではないかという気がします。オウゴンだけに限って1g以下の量的制限をかけて、一応第3類でパブコメントを得るというのも一つの方法ではないかと思うのですが、何か御意見があればお願いいたします。
○鳥居塚参考人 オウゴンに関してはスカルカップという名称ですが、英国では副作用情報がかなり出ていたということぐらいですね。
○合田参考人 種がちょっと違いますけれどもね。
○鳥居塚参考人 種は違いますね。現状としては1g以下という制限付きで、少し様子を見ながらと言っては変ですが、条件がちょっと付くような気がするのです。
○松本座長 確かにアレルギーということになると、量的条件を付けても通用しないということはあるかと思うのです。ただ、オウゴンによって起こる頻度がはっきりしていませんので、防風通聖散によって起こっているということからこうした話になっているとなれば、ほかのいろいろな生薬も含まれているわけですので、そういうものが多いからできないとここで言うのは根拠がないような気がしないでもないです。
○遠藤委員 この天然物はいろいろ微妙なところがあって、ワーキングというか合田先生の研究班でもかなり緻密にいろいろと研究していただいておりまして、今の議論を考えると、確かに多少どうかなというところはあるのですが、先生もちょっと言われたように、パブコメもありますので、今回は量的制限をかけてやられたらどうかと思っております。
○松本座長 第2類のままで指定をかけるということですか。第2類を第3類にはしないで、第2類のままでということですか。
○遠藤委員 今回のワーキンググループの提案のものを活かしてはどうかということです。
○松本座長 今の第2類から第3類にして、パブコメを得るということですか。
○遠藤委員 そうです。
○事務局 今のワーキングの提案としては、一応1gの条件で、1gを超えた場合には第2類の扱いになりますが、1g以下であれば、第3類という扱いでもいいのではないかということです。
○松本座長 起こっていることで、仮に間質性肺炎やアレルギー性のものが高ければ、必ずしもそれは得策ではないかもしれません。例えば肝障害などでは量的なものが関係することがありますが、そのようなものであれば少し話が違ってくるかもしれないです。
○事務局 1点補足ですが、今回御議論いただいている物は、あくまでも漢方ではない生薬製剤に関するリスク区分を、これからパブリックコメントにかける上でどうかということをお伺いしているものです。防風通聖散を含む漢方製剤についてはこの議論ではなく、生薬製剤の議論が一通り終わった段階で、また夏以降に改めて議論していただきますので、今回のオウゴンの議論が防風通聖散を含む漢方での結論を拘束するものでは決してございません。これはあくまでも漢方以外の一般的な健胃薬とか止瀉薬で使う部分でのオウゴン、ということで御理解をいただければと思っております。
○松本座長 そのようなことでオウゴンに限って量的条件を付けて、第2類から第3類にしてパブコメを得るということでいかがでしょうか。
○合田参考人 量的制限はオウゴン以外にもたくさんあるので。
○松本座長 もちろん、これもですね。花輪先生、よろしいですか。
○花輪参考人 はい。
○松本座長 確かに、心配なことは心配ですけれども。
○鳥居塚参考人 先ほど合田先生も言われましたが、英国での副作用はオウゴンとはちょっと種類が違うコガネバナの仲間で、それは肝機能障害で出ているのです。何例も報告されて、重篤な肝機能障害も出ております。オウゴンはそのような報告はあまりなかったのでしょうか。
○合田参考人 日本はオウゴンを単味で使うことはないので、データとしては、結局生薬製剤のデータか、漢方のデータに基づいて判断をせざるを得ないということです。単味ではほとんど使いません。英国等で使われている物というのは、今、日本では医薬品として認められていないので、現実的には日本の段階でのデータがないのです。
○鳥居塚参考人 分かりました。
○松本座長 その他、御意見があればお願いいたします。今回は指定第2類になる生薬、これは逆の方なのであれですが、軽くする方は私は問題はないかと思ったのですが、やはりオウゴンは少し皆さんの注目を引いたようです。もう一つ、指定第2類の生薬がいくつか提案されているわけですが、化学成分における指定第2類の分類の考え方について、望月先生から何かコメントがあればお願いいたします。
○望月参考人 生薬と低分子の化学成分の場合は、実は全く違う考え方でリスク分類をしております。第1類、第2類の区分は大体スイッチされてきて、環境が変わり、医療から一般用に変わってすぐのものというのが第1類です。先ほどのアシクロビルのように適用していくときの判断が非常に難しい医薬品も第1類、あるいは血中濃度のモニタリングを要するようなものは第1類という形で整理されております。続く第2類はその範囲があまりにも広過ぎたので、その中でも特に禁忌として比較的人口比率の多い対象、小児や高齢者、比率はそうでもないのですが、特に妊婦さんに注意をしなければいけないといったものを指定第2類という形に基本的には整理しております。その概念は生薬成分には適用していません。生薬成分ですと、先ほどからの単味の臨床データがほとんど、ないので、難しいところであるのかなと思います。
○松本座長 指定第2類に変更する生薬に関して、どなたか御意見があればお願いいたします。
○望月参考人 もう一つありました。比較的習慣性がある成分というのも、同じ第2類の中でも指定第2類となっております。
○事務局 ちょっと補足させていただきますが、参考資料2-1-4は、現在、告示等がされている現状のリスク区分です。24ページは無機及び有機薬品、25ページは生薬及び動植物成分ですが、これが現在指定第2類になっているものです。その中で生薬及び動植物成分については今9成分ありますが、望月先生からお話をいただいたように、必ずしも妊婦禁忌というのと完全に一致しているものではないですが、例えばセンナなどのように、妊婦さんへの影響がある程度懸念されるものや、マオウなどは習慣性みたいなものもありますので、類似の考え方を多少踏まえながら、この9成分は当時位置づけられたのではないかと思っております。
○松本座長 このことに関して、御意見があればお願いいたします。
○花輪参考人 資料2-3-1の第3類から指定第2類に変更する生薬の中で、先ほど合田先生も言われた加工ブシ、ホウブシというのを、あえて分ける必要はあるのでしょうか。これはブシあるいはそれを周知したものと一言でまとめてはいけないのですか。これには何か理由があるのですか。
○合田参考人 そのとおりだと思いますが、これは現在の告示名がこのようになっておりまして、整理できるものならば、我々もどこかで整理する必要があるだろうとは思います。たぶん、このようなものはすべての承認書に対応しているのだろうと思うので、簡単には触れないような気がします。大丈夫であれば、生薬学的、天然物化学的にどのような範囲であるかということを規定することは可能だと思います。
○事務局 先ほど合田先生から御説明いただいた中で、局方上も一つのブシというカテゴライズに括られておりますので、今回まとめることも含めて、検討させていただきたいと思います。
○松本座長 そのほか何かあればお願いいたします。
○花輪参考人 私ども漢方の臨床をやっている者にとっては、最初に出てくる「センソ」というのが、臨床上あまり使っていないので分からないのですが、パアッと資料を見ると、副作用が全くないという報告がザァーと続いていて、どこか分からないですが1社でしょうか、8例というのがあります。センソが入ると指定第2類と、そんなに毒性が強いものなのですか。
○松本座長 これは事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 今、御指摘がありましたように、確かに副作用報告としては何らかの報告が来ているという状況ではありません。
○合田参考人 センソは、明らかに毒薬成分として非常に高い活性を持っている物が入っているのは事実です。麻黄類似成分は、マオウにも入っていますが、そういう麻薬類似成分であるブフォテニンのようなものが入っていることも事実です。ただ、今使われているものについては、量的には非常に少ない量が使われているので、そのような意味でここでは特に大きな副作用が出ていないということになっているのだろうと思います。ただし、基本的に今の製剤だけを見ているわけではなくて、最初の指定第2類にするかどうかという考え方は、明らかに毒性がはっきりしている物については、それで選択しましょうという考え方が最初の結論でしたので、ここで出しています。要するに、生薬学的、天然物化学的に、これは明らかに毒物であるというものを含んでいるだろうという考え方で決めております。
○松本座長 そういうことらしいのですが、花輪先生、いかがですか。よろしいですか。
○花輪参考人 はい。
○鳥居塚参考人 生薬そのものとしての毒性の話ですね。
○合田参考人 はい。生薬そのものとしての毒性の話ですから、これがどう使われるかについては、これからいろいろな申請があるかもしれないわけで、そのようなのを含めて考えざるを得ない、そういう考え方でやっているのです。例えば副作用情報の話で、薬剤師とか登録販売業者が注意喚起をしようとした場合、ある意味ではマオウ阻害剤との併用などをした場合には何か問題があるかもしれませんので、そのようなことを考えた場合には指定第2類にしている方が安全かなといった意見もありました。
○松本座長 上の方にすること自体に関しては、私どもにとってはいいのですが、やはり、かなり制限がかかりますから、作る方はどうか分かりませんね。
○花輪参考人 私もそう思います。安全性から見たら、やはり指定にした方がいいと思います。ただ、その辺は業者はどう思っているかは分かりません。
○松本座長 そうですね。有用性といいますか、使用を制限することになってもまずいわけで、そういうことがなければ、こういうことで使用を。これについてはパブコメもあるわけですから、それでどのような意見が来るかによって、また議論していただいてもいいのではないかと思いますが、よろしいですか。
                   (了承)
○鳥居塚参考人 資料2-3-2の17ページで、先ほど合田先生からプリントミスということで第2類へ変更、第3類から第2類にということでしたが、いちばん上のガジュツ末(第2類)と真昆布末が入っている製剤に関しては、重篤な副作用の報告例が34例あり、しかもその中にはかなり重篤な肝障害や肝機能異常が12例あって、これは第2類で然るべきなのでしょうか。何を言いたいかというと、もう一歩進めて指定第2類などということまで考えるのかということです。
○事務局 今御指摘いただいたような話が、まさにワーキンググループの中でもありまして、副作用の件数がかなり多いこともあって、普通に第2類にするだけではなくて、さらに一歩進めて指定第2類とした方がいいのではないかという御提案をいただいたところです。ガジュツについては資料2-3-1のいちばん下に、ワーキンググループの御意見とそれに対する考え方というか整理も示しておりますが、指定第2類の成分を検討いただいた際には、生薬学的に毒性成分のようなものが結構知られているというお話もありました。ただ、ガジュツはどちらかというとそういった成分は知られていない中で、ブシなどと一緒に並べてしまうのはちょっと座りが悪いのではないかというお話とか。また、一つは10gの製剤では確かに副作用の報告が多く来ていますが、これ以外にもっと少ない量の製剤が生薬としてありまして、それでは副作用の報告が来ていないこともあるので、5gぐらいを条件として、5gを超えないものについては第3類としてもいいのではないか、5gを超えたものについては第2類としてはどうかということでした。
○事務局 補足で申し上げますと、この製剤自体、ほかの製剤に比べて出荷量辺りの数字がかなり多く、桁が少し違うぐらい多いところもあるので、その影響もあるのではないかと思います。
○鳥居塚参考人 本日は生薬自体のリスク区分と、生薬製剤のリスク区分の話ですね。生薬に関してはここにあるような量的制限を設けた第2類という御判断でよろしいかなと思うのですが、私が申し上げたいのは、この製剤がこれだけ副作用が出ていて、それでも第2類でいいのかという話です。ガジュツそのものに関しては、ここにあるように5gぐらいは順当かもしれないと思いますが、ここの34件、その下も5件出ているようなものを、今は第3類だが第2類でいいのかと。やはり、議論されたように指定第2類ぐらいにしないといけないのではないか、安全性への調査会ですので安全性を考えたときにはそうするべきではないかというのが今思ったところですが、いかがでしょうか。
○松本座長 これはちょっと難しいですが、どうでしょうか。先ほどのオウゴンにも似たような感じのところがありましたが、事務局から何かありますか。
○事務局 今回製剤としての副作用についてもお示しをして、先生方に御評価いただいておりますが、現在の生薬の分類そのものとしては、製剤としてどこに位置づけるかというところまでは告示上は縛っておらず、すべて成分ごと、成分の組合せで、その中のいちばんリスクの高いもので製剤全体が決まるという取扱いになっております。ですから、仮に個別の製剤を縛るという話になると、もう少し別途の検討が必要かなとは思っております。
○鳥居塚参考人 こっちはまた別の話ですか。
○事務局 はい。実際製剤として見たときも、かなり出荷量が多いこともありますので、評価としてはなかなか難しいかなと思っております。
○松本座長 報告症例は結構多いですが、因果関係がはっきりしているわけではないですね。これは報告症例がこれだけあるということを意味しているだけですね。先ほどの指定第2類にする話のように、判断基準を少し変えなければいけないというところもあるようです。先生のお話からいくと、生薬の場合は毒性である程度指定第2類になっているようですから、これを指定第2類にするとなると、また少し基準を変えて判断しなければいけない。
○鳥居塚参考人 生薬はこうかなと思います。
○合田参考人 今、鳥居塚先生が言われたものはガジュツ末と昆布末だけなので、何か起きたというのはガジュツ末の10gが効いているのだろうということは確かだろうと思います。ただ、当初、事務局から説明があったように、この物については食品でも同じように使われておりまして、日常的に食品で流通をしていると。非常に多数の物が製剤としてもたくさん使われておりますし、食品としても使われている中で、これを第2類にするのか、指定第2類にするかというとき、指定第2類と食品で使われている物が同類であるということはおかしいのではないかといった議論もありました。
 そのようなことを含めて、これも量的なものである程度判断できるかどうかということを見たときに、5g以下の製剤も結構販売量があるのですが、なぜか5g以下の製剤であれば、実質的にこのような激しい重篤な副作用が出ていないので、やはり何らか量的なものがあるのかなということを考えて、そこで第2類と第3類を切るのであろうという考えです。指定第2類にするかどうかというのは、最初に先生が言われたとおり、指定第2類の考え方の問題があったので、そこには合わないだろうと。初めから強い重篤なアレルギーが出るものは、すべて指定第2類にするという方針にしてしまえば、そのような方向性が出るかもしれないです。
○松本座長 因果関係がそのものに限ってはっきりしているのであれば、また考え直す必要があるかとは思うのですが、現段階ではその辺までははっきりしていないようですので、今のこの形でパブコメを取るのも一つの方法ではないかと思います。鳥居塚先生、いかがでしょうか。
○鳥居塚参考人 すみません、「一休さん」みたいに何か考えてしまって。
○花輪参考人 鳥居塚先生がお考えになっている間に、よろしいですか。やはり、一般の方の安全性ということを考えると、ガジュツは私どももよく使いますが、こんなに副作用が出るとは思っていなかったし、資料を見て驚いたぐらいです。先ほどのオウゴンについても、最初に副作用情報が出たときに、そんなことはないよと私どもは思っていたのです。副作用とは、そういうものだと思うのです。これだけ重篤といいますか、症例数も出ているのに第2類のままというのは、この委員会の趣旨に反するのではないでしょうか。あえて言わせていただきました。
○鳥居塚参考人 合田先生が言われたように、食品としてもといった感じでウコンとかガジュツが使われていて、過量に飲んでしまったり、消費者が多めに使ったりということもあり得るかもしれないですが、これはガジュツですからクルクマゼドアリアですよね。ムラサキウコンとか、そんな感じになるものですから、それなりに服用するのであれば、量を守ってくださいとか、そのような指示をするべき製剤ではないかと思います。
○松本座長 今ワーキンググループが提案しているこの程度の量的条件では、まだ少ないというか不足だということですか。
○鳥居塚参考人 生薬に関しての、資料2-3-1の2ページの配合量については、今は5gということで第3類、第2類と。これを変えないと、指定第2類にならないわけですね。なるほど、理屈が分かりました。
○合田参考人 ですから、今のルールで指定第2類にしようとすると、すべてガジュツ製剤は指定第2類になってしまいます。
○鳥居塚参考人 なってしまうということですね、なるほど。これは難しいですね。
○花輪参考人 先に生薬があるものは指定第2類にするけれども、現実に起こっている情報ではこうだというのが、何かちょっとdiscrepancyがあるように思うのです。
○松本座長 その辺は今後改良していくべき性質のものだろうと思います。
○事務局 御指摘いただいたように、漢方製剤の場合は今213処方が全体として第2類に位置づけられておりますが、生薬については製剤単位ではなく、まず成分単位でリスクを決めて、組合せで全体を決めるという制度にしておりますので、今いただいた御提案からすると、さらに新しい考え方を入れていかないといけないかもしれないかなと思います。
○森田参考人 先ほど花輪先生が言われた重篤な副作用が多く出ているということについてですが、アナフィラキシーの症例を見てみると、例えば140ページの症例は前回も検討されたかと思うのですが、併用薬剤が非常に多いのです。要するに、因果関係がはっきりした症例はほとんどないのではないかと思うのです。アナフィラキシーに関していえば、そうだと思いますし、肝障害などについても、たしか前回何か議論があったように思います。非常に重篤な副作用が出ているという前提が必ずしも正しくないといいますか、あまり根拠がないのではないかと思います。
○松本座長 副作用の数だけでは、その薬のマイナス面を評価する方にはならないかもしれないということです。いろいろと御意見をいただきましたが、結論的には、この調査会としてはワーキンググループの内容でリスク区分の変更を提案したいと思うのですが、御異議ございませんでしょうか。いろいろと御不満がありそうですが、これは決まったわけではなくて、パブコメを求めた上で、また議論するわけですね。
○事務局 そうです。パブコメに出す原案という形で、まずこの調査会の提案をさせていただきまして、いろいろと御意見がありましたように、パブコメにかけた段階でも、おそらくいろいろ御意見が出てくると思いますので、その御意見等を踏まえて、必要があれば、また調査会などで検討していただきたいと思います。今はまずパブコメにかける段階での原案ということでの整理をしていただければと思います。
○松本座長 また調査会と言っても、結論を出すのはなかなか難しいのではないかという気がします。
○鳥居塚参考人 先ほどあった「ちょっと考え方を変えて」みたいなことだとすると、例えばガジュツ5g以上は第2類になるけれど、ということですよね。
○事務局 はい。5g以上は今は第2類で。
○鳥居塚参考人 さらに、例えば10g以上だったら指定第2類になるとか、そのような考え方もありですか。それはないですか。
○事務局 先ほど森田先生からも御紹介いただいたように、前回のワーキングでも、副作用の症例数が多いということで議論になりました。たしか、そのときも肝臓の先生や森田先生からあったのですが、報告されている34例とか35例で製剤との関連が明らかな症例はほとんどないということで、数からは評価がなかなか難しいといった議論もあり、先ほどから御紹介があったように、食品としての使用の状況とか、または生薬学的に知られている成分から考えられる安全性の問題等から考えて、指定第2類とするのはなかなか難しいのではないかという御議論でした。
○鳥居塚参考人 そこには量的考え方を入れることは可能ですよね。
○事務局 量的考え方を入れて、これまでは第3類だったのですが、こういったこともあるので、5gを超えるものについては第2類という新しい考え方を入れてもいいのではないかということでした。どちらかというと、5g以上を第2類にすること自体が、かなり安全を見ての措置という理解だと事務局としては考えております。
○松本座長 今後と言うと、またちょっと時間があって安全性が保てないと言われると問題があるかとは思うのですが、やはり確実な情報がないので、それを集めるのも必要ではないかと思います。
○鳥居塚参考人 そうですね。
○松本座長 よろしいですか。そのようなことであれば、この調査会としてはワーキンググループの内容でのリスク区分を提案したいと思いますが、御異議ございませんか。
                   (了承)
○松本座長 ありがとうございます。それではそのようにさせていただきます。事務局から何かあればお願いいたします。
○事務局 今、座長からお話があったように、今後のリスク区分の見直しについては、告示の改正に向けてのパブリックコメントをさせていただきたいと思います。パブリックコメントのあと、寄せられた意見への対応がどうしても必要となる場合は、恐縮ですが再度調査会を開催することになるかもしれません。その際には御協力のほど、よろしくお願いいたします。
○松本座長 以上で本日の議論は終了いたしますが、最後に先生方から何か御発言があればお願いいたします。ないようでしたら、事務局からはいかがでしょうか。
○事務局 特にはございません。本会議においては先生方に貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。今回の調査会の配付資料については、厚生労働省のホームページ等に掲載させていただく予定です。以上です。
○松本座長 以上で本日の会議を終了いたします。長い時間、活発な御議論をありがとうございました。


(了)
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(電話・代表)03-5253-1111

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