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2011年8月12日 第4回 健康日本21評価作業チーム 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成23年8月12日(金)14時00分〜16時30分


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 専用第12会議室(12階)



○議事

(出席者)
  構成員

   安藤 雄一(国立保健医療科学院生涯健康研究部地域保健システム研究分野 上席主任研究官)
   尾崎 米厚(鳥取大学医学部環境予防医学分野 准教授)
   兼板 佳孝(日本大学医学部社会医学系公衆衛生学分野)
   鈴木 律朗(名古屋大学医学部。大学院医学系研究科 造血細胞移植情報管理学(日本造血細胞移植学会)寄付講座 准教授)
   田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学 名誉教授)
   辻  一郎(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 教授)
   津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター長)
   西  信雄(国立健康・栄養研究所栄養疫学研究部 国民健康・栄養調査研究室長)
   樋口 進(久里浜アルコール症センター 院長)
   古井 祐司(東京大学医学部附属病院・HCC予防医学研究センター長)
   三浦 克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門 教授)
   宮地 元彦(国立健康・栄養研究所 健康増進研究部長)
   横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)


  厚生労働省  
  生活習慣病対策室
 
   野田室長
   河野栄養・食育指導官
   三田室長補佐
   菊地室長補佐


(議事録)
○三田室長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第4回の「健康日本21評価作
業チーム」を開催いたします。
 本日、司会を務めさせていただきます、高城の後任で7月29日に着任いたしました三田でござ
います。よろしくお願いいたします。
 まず事務局より、本日の構成員の出席状況について御報告いたします。本日は、山本構成員よ
り御欠席の連絡をいただいております。14名中13名の出席をいただいております。
 本日は、議題1といたしまして「健康日本21の6分野の評価について」とし、「栄養・食生活」
「身体活動・運動」「休養・こころの健康づくり」「たばこ」「アルコール」「歯の健康」の6分野
について御報告いただきます。
 議題2といたしまして「その他」とし、次期健康づくり運動に向けた課題について御議論いた
だく予定でございます。
 ここからは、辻座長に議事の進行をお願いいたします。
○辻座長 それでは、事務局から、配付資料の確認と本日の進め方につきまして、御説明をお願
いいたします。
○三田室長補佐 まず、配付資料でございますけれども、座席表、議事次第のほかに、資料1「指
標の達成状況に関する評価の方法<基本的な考え方>」の1枚紙でございます。
 少し分厚いですけれども、資料2「健康日本21の目標値に対する直近実績値に係るデータ評価
シート(案)(H.23.8.12版)」でございます。
 資料3「次期健康づくり運動に向けた課題について(案)」という形になっております。
 また、机上に配付しております御意見のメモがございますが、構成員の机上のみの配付とさせ
ていただいております。本日、時間も限られておりますことから、十分に御発言いただけなかっ
た場合の御意見につきまして記載して御提出いただきたいという趣旨でございます。
 以上ですが、不足しております資料がございましたら、事務局の方までお申し付けいただける
ようにお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、撮影の方はここまでということで、続きまして本日の評価作業チームの進め方につ
いて御説明申し上げます。
 まず、議題1といたしまして「健康日本21の6分野の評価について」でございます。前回5月
26日に開催されました第2回の評価作業チームにて、データの評価シートの5月26日版といた
しまして、各分野の御担当の構成員より、現状の御報告をいただいております。第2回の御議論
を踏まえまして、指標の達成状況に関する評価の方法として、資料1にございますような基本的
な考え方を設定させていただきました。
 資料1につきまして簡単に御説明させていただきますと、直近値が目標に達したものを「目標
に達した」とする。目標に達していないけれども、ベースライン値と比較して改善しているもの。
それを改善したけれども、目標値に達していないとした。この目標に達したものと改善したが目
標値に達していないものを併せて改善したというくくりにしたということでございます。
 次にベースライン値と比較しても変わらない場合を変わらない、そしてベースライン値よりも
比較して悪くなっているものを悪くなっていると。そういった4つに区切っております。
 また、これらに対しましては、目標値に達したものをA−1、改善したけれども、目標値まで
いっていないものをA−2、変わらないものをB、悪くなっているものをCという形で4つに分
類しまして、総括表及びデータ評価シートにも御記載いただいているところでございます。
 また、総括表につきましては、最終的な評価が今後の取組みにしっかりつながりますように、
今後の課題として新たな項目を増やしております。
 以上を踏まえまして、総括表及びデータ評価シートに関しまして、第2回の評価作業チームの
御議論の内容を基に加筆・修正いただきましたので、分野ごとに御報告をいただく。6分野すべ
ての報告が終わった後に質疑応答を行っていただくということでございます。
 また、「糖尿病」「循環器病」「がん」の3分野に関しましては、次回、すなわち第5回の評価作
業チームで今回と同様の報告と質疑応答を行っていただく予定としております。
 これが議題1に関してでございます。
 議題2「その他」といたしまして、今までの御議論を始め、最終評価を踏まえた次期の運動に
向けた課題について御議論いただく予定としております。
○辻座長 ありがとうございました。それでは、これより議事に入ります。
 本日は事務局から説明がありましたように、まず健康日本21の6分野につきまして、本日版の
総括表及びデータ評価シートを出していただきましたので、各分野御担当の構成員の先生方から
御報告を最初にいただきたいと思います。
 時間は各分野10〜15分程度ということで、ただし分野によりましては目標項目が多い分野もご
ざいますので、そこは流動的に進めていきたいと思います。そして、各6分野の方々からそれぞ
れ御説明いただいた後、質疑応答は最後に一括してまとめて行いたいと思いますので、よろしく
お願いします。
 では、最初に「1.栄養・食生活分野」の西構成員、お願いいたします。
○西構成員 よろしくお願いいたします。「1.栄養・食生活」の資料をごらんください。
 総括評価のところですけれども、栄養状態、栄養素・食物摂取については、児童・生徒及び40
〜60歳代女性の肥満、食塩摂取量に改善が見られましたが、脂肪エネルギー比率や野菜の摂取量
などについては改善が見られませんでした。
 2つ目、知識・態度・行動の変容については、自分の適正体重を維持することのできる食事量
を理解している人の割合、メタボリックシンドロームを認知している割合など、知識や態度レベ
ルでは改善が見られましたが、朝食欠食や野菜の摂取については行動レベルの変容までには至り
ませんでした。
 行動変容のための環境づくりについては、ヘルシーメニューの提供や学習・活動への参加につ
いて改善が見られました。
 指標に関連した施策につきましては、ここに挙げられているとおりです。
 今後の課題としまして3つ挙げておりまして、肥満の予防・改善については運動との連動、朝
食欠食の改善については休養との連動などといった個々人の生活習慣全体を包括的にとらえた新
たなアプローチとともに、子どものころからの望ましい生活習慣の定着を強化していくことが必
要です。
 食塩摂取量の減少のように、個々人の努力ではこれ以上の改善が困難なものにつきましては、
企業努力を促すための環境介入などが必要です。
 また今後は、地域格差や経済格差の影響が大きくなることも想定されますので、社会環境要因
に着目した戦略が必要と考えられます。
 具体的に項目ごとに説明してまいります。
 目標項目1.1「適正体重を維持している人の増加」です。
 (3)の最終評価のところに言葉で説明してありますけれども、全体評価としましてはA−2
ということになります。グラフ、図1がございますが、性・年齢階級別に見ますと、有意に増加
しているのは30〜50歳代男性です。特に平成21年の肥満者の割合を10年前の該当世代と比較
しますと、現在の30歳代世代の増加割合が最も大きいということがわかりました。これは図2で
示されております。
 表の形になっておりますけれども、「図2 肥満者の割合(横断的変化)」において、平成21年
で男性30歳代、平成11年は20歳代ということで、この世代で19.2%から34.8%と増加してい
ることがわかります。
 最終評価のところにありますけれども、20〜60歳代男性では目標に比べまして悪化しています
が、平成12年以降ではそれ以前の5年間と比べまして増加傾向は鈍化しております。
 もう一つ、「図3 肥満者の割合(都道府県別)」という図が出ておりますけれども、色分けが
白黒でわかりにくいかと思いますが、肥満者の割合が大きなところを都道府県別で申しますと、
男女とも東日本、北日本の方にやや多いという傾向を示しております。
 5ページ、目標項目1.2「脂肪エネルギー比率減少」です。
 最終評価としましては、変わらない、Bということになっております。
 図4で示されておりますけれども、脂肪エネルギー比率が30%以上の者の割合は、男女とも20
歳代で最も高く、この世代へのアプローチが必要と考えられます。20歳代の脂肪エネルギー比率
が30%以上の割合を太く囲んでおります。男性より女性でこの割合が高いということがわかりま
す。脂肪の供給食品としましては、肉類、ドレッシングなどの油脂、調味料で約5割を占めてお
りまして、この10年間で変化はありません。
 7ページ、目標項目1.3「食塩摂取量減少」です。
 最終評価としましては、目標に向けて改善しましたが、目標値には達していないということで
A−2ということになっております。
 今後の課題のところにもありましたけれども、個人の努力では限界があるということで、食事
内容や量の調整ができるよう、栄養成分表示の義務化や食品に含まれる食塩含有量を減らすため
の企業努力を促す環境介入も必要と考えられます。
 その他コメントのところにございますが、直近値では男女とも60歳代で最も高く、男性で12.4
g、女性で10.5gということになってございます。供給源としましては、調味料が約7割を示し
ておりまして、この10年間で変化はございません。
 8ページ、1.4「野菜摂取量の増加」です。
 最終評価は、変わらない、Bです。
 (4)今後の課題のところにございますが、平成21年国民健康・栄養調査の結果からは、毎日
野菜料理をたっぷり食べることについて、「するつもりはあるが、自信がない」と回答した人の割
合は29.0%、「するつもりがない」と回答した方は6.1%ということで、禁煙への介入でステージ
というものがありますけれども、こういった観点で野菜の摂取につきましても、対象者の状況に
合わせた支援というものが必要だと思います。数字で申しますと、直近値では20歳代で最も低く、
242gということになっております。
 9ページ、1.5「カルシウムに富む食品の摂取量の増加(成人)」です。
 最終評価はCでして、牛乳・乳製品・豆類では悪くなっています。緑黄色野菜は変わっており
ません。
 直近値の豆類及び緑黄色野菜では、どちらも20歳代で最も低く、牛乳・乳製品は40歳代で最
も低くなっております。
 10ページ、目標項目1.6「自分の適正体重を認識し、体重コントロールを実践する人の増加」
です。
 最終評価はA−2です。男性は目標に向けて改善しましたが、目標値に達しておりません。女
性は変わりませんでした。
 体重コントロールを実践する人の割合が低い年代は、ベースライン値、直近値の男女とも20歳
代ということになっております。
 11ページ、1.7「朝食を欠食する人の減少」です。
 最終評価としましては、20歳代男性では変わっておりません。中学・高校生及び30歳代男性
では悪くなっておりまして、最終評価としましてCということになります。
 図5ですけれども、習慣的に朝食を欠食している人、20歳以上で食べない習慣がいつから始ま
ったということで申しますと、小学生のころからと中学・高校生のころからというのを合わせた
数字が男性は32.7%、女性は25.2%ということで、子どものころから正しい食習慣を見つける取
組みが重要と考えられます。
 次に、図6ですけれども、図6−1、6−2とございまして、図6−1の方が習慣的に朝食を
欠食している者における朝食を食べるために必要な支援内容です。
 ここでは「早く寝る、よく眠る」といったものが高い割合を示しております。また、男性では
「家族や周りの人の支援」や「残業時間の短縮など労働環境の改善」を男性が挙げておりまして、
環境の整備が必要だということがわかります。
 図6−2は、朝食をほとんど毎日食べている者における今までどおり食べるために必要な支援
内容ということで、男女の差が見られている項目を挙げますと、「自分で朝食を用意する努力」は
女性の方で高い割合を示しております。「家族や周りの人の支援」は男性が高い割合を示しており
ます。
 図7ですけれども、直近値の欠食の内訳を見ますと、何も食べない、菓子、果物、乳製品、嗜
好飲料などの食品を食べた割合を示しておりますけれども、男性の30歳代では朝食を欠食する人
の割合が増加しているということが示されております。
 15ページ、1.8「量・質ともに、きちんとした食事をする人の増加」です。
 最終評価としまして、A−2になっております。
 16ページ、1.9「外食や食品を購入する時に栄養成分表示を参考にする人の増加」。
 最終評価としましては、A−2です。
 栄養成分表示は、食事内容や量の調整に活用できることから、栄養成分表示の義務化といった
環境整備を促す制度の見直しも必要であると考えられます。
 17ページ、1.10「自分の適正体重を維持することのできる食事量を理解する人の増加」。
 これも最終評価はA−2ということになっております。
 18ページ、1.11「自分の食生活に問題があると思う人のうち、食生活の改善意欲のある人の増
加」。
 これはB、変わらないです。
 19ページ、1.12「ヘルシーメニューの提供の増加と利用の促進」。
 これもA−2ということになっております。
 20ページ、1.13「学習の場の増加と参加の促進」。
 これもA−2です。
 21ページ、1.14「学習や活動の自主グループの増加」。
 これもA−2です。
 その他コメントのところにありますが、参考としまして、食育の推進に関わる自主グループで
あるボランティアの数は、内閣府食育推進室の調べによりますと、平成18年度の28万人から21
年度34.5万人と23%増加しています。
 22ページ、1.15「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を認知している国民の割合の
増加」。
 これは目標値に達したということでA−1となっております。
 第2次食育推進基本計画において、「メタボリックシンドロームの予防や改善のための適切な食
事、運動等を継続的に実践している国民の割合の増加」というものが目標として追加されており
まして、現状値が41.5%に対しまして、目標値を50%以上と設定しております。
 図8にございますのは、認知している国民の割合の増加ということで、平成18年度の77.3%
から21年度92.7%に15.4%増加したというところが示されております。
 以上です。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、次に「2.身体活動・運動分野」。宮地先生、お願いします。
○宮地構成員 「2.身体活動・運動分野」の評価を担当させていただきます宮地です。よろし
くお願いいたします。
 まず、1枚目の全体の評価表をごらんください。
 前回の2回目の会議のときに出した評価と今回の評価は若干変わっている部分がありますので、
最初にそこを説明したいと思います。運動身体活動は、年齢別のもともとのベースラインの身体
活動状況が大きく異なるという事情、年齢別にこの10年間の変化の仕方が違うといった事情、更
に年齢別のサンプル数が変化しているといった事情から、年齢調整が非常に重要になる評価項目
であるということが前回、前々回の会議でもたびたび指摘されていたところです。
 それに基づいて、年齢調整をいたしました。その結果、前回は「改善した」という項目が5項
目ありましたが、それが4項目に減り、「変わらない」という項目が1つ増えて、「悪くなってい
る」が変わらないということです。「改善した」から「変わらない」に変わった1項目は運動習慣
者の割合です。これについて後で御説明させていただきたいと思います。総括評価を述べる前に
各項目の評価をまずさせていただきたいと思います。
 まず目標項目2.1「意識的に運動を心がけている人の増加」についてです。
 この結果については、1回目の調査が保健福祉動向調査の結果で国民健康・栄養調査でない評
価をしておりますので、平成15年の中間評価と平成20年の直近実績値の2つで比較しておりま
す。その結果、成年男性、成年女性とも増加しているということ。平成20年度の直近実績値で
20歳代は49.6%、30歳代で49.2%、40歳代で50.7%ということで、運動を心がけている人の割
合は比較的若い年齢層で低調であると言えると思います。
 最終評価は目標に向けて改善したが、目標値には達していない、A−2という評価になってい
ます。
 2ページ、目標項目2.2、2.6の「日常生活における歩数の増加」についてです。
 15歳以上の男女、70歳以上の男女ともにこの歩数は減少しています。15歳以上の男女に関し
ましては年齢調整を行いましたところ、減少の程度というのは比較的小さくなりましたが、しか
し、年齢調整をしても有意な減少は結果として変わっておりません。
 この歩数というのは、運動や生活活動全体を含めた身体活動の指標だと言われていますけれど
も、運動習慣のある者とない者でどれぐらい歩数が違うかという分析を直近のデータでしました
ところ、運動習慣のある者とない者では、歩数の平均値に統計的な有意差があるということがわ
かりました。最終評価としては悪くなっている、Cという評価を付けさせていただいております。
 4ページ、2.3「運動習慣者の増加」についてです。成人男性、女性とも、年齢調整を行った場
合は変化なしということです。年齢調整を行っていない数字を見ていただきますと、男性で3%
強、女性で2%強、増えているという結果で前回は報告させていただきましたけれども、60歳代、
70歳代の運動習慣者が20歳代、30歳代、40歳代、50歳代よりももともとベースラインから多
いということ。各年齢の10年間の変化の仕方が違うということがあり、年齢調整を行った結果、
評価をAからBへ変更せざるを得ない結果となりました。
 最終評価については、年齢調整をした場合、変化なし、目標にも達していないということでB
(年齢調査した場合)とさせていただきました。
 5ページ、2.4「外出について積極的な態度をもつ人の増加」についてです。
 高齢者を対象にした調査項目ですけれども、男性60歳以上については、すべての項目について
ベースラインの値が高齢者の日常生活に関する意識調査でしたので、この項目も国民健康・栄養
調査による中間評価と直近実績値との比較をしております。
 中間評価から直近実績値の変化で見ると、60歳以上では増加をしているけれども、80歳以上で
は変化していない。年齢調整をした結果もこれと同様の結果になっています。
 最終評価に関しましては、改善したが目標には達していないということで、これはA−2の評
価にしております。
 6ページ、目標項目2.5「何らかの地域活動を実施している者の増加」ですけれども、これもベ
ースラインの値は国民健康・栄養調査でないので、中間評価と直近実績値を比較しましたが、男
女ともに増加しているということと、更に目標は男性58%、女性50%ということになっておりま
すので、直近が69.4%、66.2%ということで、目標値に達した、A−1という評価にさせていた
だいております。
 ただ、そのベースラインが48.3%と39.7%と、低いレベルにあったところで設定された目標値
であったので、A−1評価、目標に達したという最終評価については熟慮が必要かなと思ってお
ります。
 7ページ、2.7「安全に歩行可能な高齢者の増加(開眼片脚起立時間20秒)」。開眼片脚立ちを
20秒以上できる人の割合を65〜74歳の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者で示しております。
 これに関しては、あいち健康の森が行った総合的な健康度指標調査、かなり長期にわたって行
われたデータですが、それがベースラインの値になっておりまして、平成18年に唯一一度だけ国
民健康・栄養調査で開眼片脚起立時間を評価したのですが、その変化を見ますと増加していると
いう評価であります。
 ただ、データ分析上は国民健康・栄養調査による測定は平成18年度のみで、2ポイント以上の
経時的な評価がないため、これもまた参考評価ということになりますが、目標に向けて改善した
が、目標値には達していない。A−2(参考評価)とさせていただいております。
 メタボリックシンドロームについては先ほど西先生から説明があったので、私の方では説明を
割愛して、もう一度最初のページの総括評価の方に戻っていただければと思います。
 以上の各項目の評価に基づきますと、意識的に運動を心がけている者の割合、やろうと意欲の
ある人は増加しているけれども、運動習慣者の割合は変わらない。運動の重要性はわかっている
けれども、行動に結び付いていないという傾向が見られます。
 そして、歩数について悪化した。歩数は身体活動の指標ですけれども、その原因として、運動
習慣者は変わっていないわけなので、運動以外の生活活動、通勤であるとか仕事で体を動かす等
の生活活動の減少が考えられます。
 高齢者については、外出に積極的な態度を持つ人の割合は、特に80歳以上で悪くなってきたが、
何らかの地域活動を実施している人、安全に歩行可能な高齢者についてはほぼ目標を達成してい
るということで、高齢者に関しては比較的好ましい結果が出ているということです。
 これは逆を返せば、多くの指標で20〜50歳代の比較的若い年齢で身体活動は好ましくない状態
にある、あるいは好ましくない方向に動いているとも言えると思います。
 指標に関連した施策はここにあるとおりですけれども、今後の課題として、歩数は余暇時間に
行われる運動と比較的活発な生活活動を合わせた身体活動の指標であすが、身体活動の減少は肥
満や生活習慣病発症の危険因子であるだけでなく、高齢者の自立の低下や虚弱の危険因子なので、
歩数減少は運動・身体活動分野における最も懸念すべき問題であり、早急に重点的な対策を実施
する必要があると考えております。これらの問題を踏まえて、運動基準、指針の改定、すこやか
国民生活運動の推進、特定健診・保健指導などを通して歩数増加、身体活動増加のための支援を
強化することが望まれると考えます。
 運動・身体活動の重要性を理解、認識しているが行動に移せない人々に対するアプローチを行
う必要があるのではないかということで、具体的には個人の置かれている環境や地域・職場にお
ける社会支援の方法の在り方等についての改善が考えられるのではないかと思います。
 運動・身体活動を個別に見るとこのような総括と今後の課題ができますが、先ほどの西先生の
食事のところの報告で、女性の肥満者が減少しているという報告あるいは食事におけるカルシウ
ムの摂取が減少しているという状況があるにもかかわらず、特に若い世代の女性の身体活動が大
きく減少しているということは、比較的若い女性において、女性の高齢期に大きな問題となる骨
粗鬆症や筋肉の減弱あるいはそういったものを引き起こすカルシウムの摂取の減少や運動習慣の
減少といったようなものが起こっているということで、運動身体活動のみならずほかの項目との
協力した対策というのが必要ではないかということも言えるのではないかと思います。
 以上です。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、「3.休養・こころの健康づくり分野」。兼板構成員、お願いいたします。
○兼板構成員 「3.休養・こころの健康づくり」を担当しております、日本大学医学部の兼板
です。よろしくお願いします。
 総括評価に先立ちまして、まずそれぞれの目標項目に関する達成状況を説明させていただきた
いと思います。評価シートをごらんください。
 まず3.1「ストレスを感じた人の減少」に関しましては、目標値が49%以下のところ、策定時
のベースライン値が54.6%、直近の実測値が61.3%でありました。結果としましては、ストレス
を感じた人は増加しているということで、最終評価はCといたしました。
 その他のコメントのところに少し詳しい分析を書きました。平成8年と平成20年の調査データ
を男女別に10歳ごとに層別化して検討しました。その結果、男女ともすべての年齢階級において
ストレスを自覚している人の割合が増加しておりました。ストレスを感じた人の定義が「大いに
ある」「多少ある」ということになっておりますが、この「多少ある」というのもストレスに感じ
た人に入れていいかどうか、そこが検討する必要があると(2)でそういったコメントをいただ
きまして、(2)のコメントに対してストレスが「大いにある」と回答した人だけを集計しました。
そうしましても、やはりすべての年齢階級において悪化しているということがわかりました。特
に男女とも20歳代、30歳代、40歳代、50歳代の就労世代でストレスの自覚をしている人が多い
ということがわかりました。
 (4)のところで今後の課題について書きました。まず、働く世代(職域での)ストレスの対
策が重要であると考えます。職場でのメンタルヘルス対策につきましては、最近各種調査が行わ
れていまして、事業所ではメンタルヘルス対策は増えてきている結果が報告されております。し
かしながら、まだまだ実施されていないところもあるということで、より一層職域におけるメン
タルヘルス対策といったことが重要かと思っております。
 今後は地域や職域におけるストレス対策、メンタルヘルス対策にどのような取組みが必要か、
目標達成のためのプロセスをもう一度考えてみる必要があると考えています。
 2ページ、3.2「睡眠による休養を十分にとれていない人の減少」です。
 目標値が21%以下となっておりまして、策定時が23.1%、直近のデータが18.4%でありまし
た。したがいまして、目標に達した、A−1という最終評価にいたしました。
 (5)のところで少し詳細な分析を追加しまして記しました。平成8年と平成21年を男女別
10歳ごとに層別化して比較しました。その結果、男性は60歳代と70歳以上、女性は50歳代と
60歳代を除いて睡眠による休養をとれていない人は減少しておりました。
 つまり、男女とも高齢者世代で改善は見られていない。しかしながら、その他の世代では改善
は見られているという結果でありました。
 (4)の今後の課題としまして、全体としては目標を達成したが、改善が認められなかった男
性60歳代と70歳以上、女性の50歳代と60歳以上に対しては、睡眠習慣に対する保健活動をよ
り一層、充実させる必要があると考えております。
 3ページ、3.3「睡眠の確保のために睡眠補助品やアルコールを使うことのある人の減少」。
 目標値は13%以下にするというものであります。策定時は14.1%でした。直近の実測値は
19.5%でありましたので、最終評価としてはC、悪くなっているといたしました。
 (2)のデータ分析上の課題のところに書きましたが、睡眠補助品の使用者が増えたというこ
とは不眠症状を有する人が増えたことを思わせます。また一方で、睡眠補助品が入手しやすくな
ったといったことも影響している可能性があるかと思います。
 そのため、(5)その他のコメントとしまして、今後は、不眠症状などの有無で評価することが
いいのではないかと考えております。
 この目標は睡眠補助品とアルコールと一緒にまとめて目標設定しているんですが、睡眠補助品
を使うことは決して悪いことではないのではないかという意見もありましたので、少し分けて検
討しました。特に睡眠のためにアルコールを使う、つまり寝酒の習慣ですが、寝酒の習慣は男性
で16.4%、女性で6.0%に認められました。寝酒は好ましくない、かえって睡眠を阻害するとい
うことが疫学的あるいは生理学的なデータで報告されております。したがいまして、寝酒が好ま
しくないことなど、正しい睡眠習慣に関する知識を普及することが重要と考えております。
 4ページ、3.4「自殺者の減少」が挙げられています。
 目標値は全国数として2万2,000人以下にするといったものです。策定時、平成10年は3万
1,755人、直近の21年は3万707人でありました。したがいまして、最終評価としてはB、変わ
らないといたしました。
 少し最近のデータを分析しました。(5)にその結果を書きました。平成22年の警察庁の自殺
統計では、3万1,690人でした。この13年間3万人以上というのが続いております。50歳代が
最も多い世代です。男性が7割を占めておりました。原因・動機は健康問題が最も多いという結
果でした。
 平成12年と平成22年を比較してみました。50歳代、60歳以上は、自殺率は高いんですが、
だんだん減ってきている傾向にあります。一方、20歳代、30歳代、40歳代では、自殺率が徐々
に増えてきているという、これは統計学的に有意に増えてきているということがわかりました。
19歳以下は大きな変化はありませんでした。また、男女比に大きな変化はありませんでした。
 原因・動機に関しましては、平成19年より集計方法が変わっておりましたので、比較はできま
せんでした。この項目に関しては、最近のうつ病の状況ですとか、メンタルヘルスやうつ病に伴
う長期休職者の数がどうなっているか、こういったことも検討したらいいのではないかという意
見をいただきましたので、それについて少し調べてみました。
 患者調査ですと、やはり近年うつ病が有意に増えているということが報告されております。ま
た、企業や公務員を対象にした複数の調査で、メンタルヘルス不調や精神疾患による長期休職者
が増加しているということが報告されておりました。今後の課題としましては、働く世代、職域
でのうつ病あるいは自殺への対策が重要で考えております。
 各項目の評価は以上でありまして、最終的に総括評価の方ですけれども、まず4項目中目標は
A−1が1項目、「B.変わらない」が1項目、「C.悪くなっている」が2項目でした。総括評
価としては、睡眠による休養を十分に取れていない人の割合を減少させること、こういった目標
は達成しましたが、ストレスを感じた人の割合や睡眠の確保のための睡眠補助品やアルコールを
使うことがある人の割合は悪化しました。
 自殺数の数については大きな変化が見られませんでした。しかしながら、性・年代別の自殺率
で検討すると、50歳代以降の自殺率は高いが現症傾向にありました。近年では働き盛り世代(20
〜40歳代)の自殺率が増加している傾向が見られました。
 3番目としまして、患者調査によりますと、近年うつ病が増加しております。また、近年、メ
ンタルヘルス不調や精神疾患による長期休職者が増加していることが複数の調査で明らかにされ
ております。
 指標に関しての施策はここに挙げられているとおりです。以上を踏まえまして今後の課題を述
べさせていただきますと、まず第1に働く世代へのストレス対策、うつ病対策、自殺対策が重要
であります。地域や職域においてどのような取組みが必要か、目標達成のためのプロセスを今一
度検討する必要があると考えております。
 2番目としまして、睡眠習慣について正しい地域の普及や保健指導や必要であります。特に、
50歳代以降、この世代は特に不眠症状が増えてくる世代でもありますが、こういった世代に対し
て睡眠習慣に対する対策が必要であると考えております。
 3番目としましては、施策の1つに健康づくりにおける休養の指針というのがあるんですが、
これは平成6年に策定されたものでありまして、現在の社会情勢と少し合致しない面もあります
ので、そろそろ改訂すべき時期にあると考えおります。
 以上です。
○辻座長 どうもありがとうございました。
 それでは、「4.たばこ分野」です。尾崎先生、お願いします。
○尾崎構成員 「4.たばこ」を担当します鳥取大学の尾崎と申します。よろしくお願いします。
第2回の会議は欠席をしまして申し訳ありませんでした。
 1ページ目の指標の達成状況ですけれども、たばこの分野はすべて改善しました。後で見てい
ただくとわかりますが、たばこ分野の目標値は、高いほどいいものは100%、低い方がいいもの
は0%になっているので、A−1は現実的に難しいので、すべてA―2ということで、全分野に
わたって顕著な成果があったという分野になると思います。総括評価の方も、簡単に言えば知識
の向上、施設とかの禁煙の推進、喫煙率の低下ということが見られておりますので、すべてにわ
たって改善と言えると思います。
 それでは、具体的に各指標を見てまいります。
 1ページ目の4.1「喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及(知っている人の割合)」
ということで、ベースラインの喫煙と健康問題に関する実態調査というのが少し異なる調査です
が、その後は国民健康・栄養調査でフォローアップされておりますが、いずれも改善ということ
です。
 特に肺がんとか妊娠に関連した異常とかは元から高くさらに改善しましたが、胃潰瘍とか歯周
病というのも改善が見られます。ただ、心臓病、脳卒中、歯周病というのも増加はしていますが、
ほかに比べればそれほど大きな改善ではない。トータルとして知識の普及というのは明らかに見
られたということでA―2ということになります。
 2ページの4.2「未成年の喫煙をなくす(喫煙している人の割合)」ということですが、これは
同一の調査方法で4年ごとに調査されている全国調査の結果を比較しておりますので、全く比較
性は保たれているものです。そして指標は、男女中学1年、高校3年の値をそれぞれ0にすると
いう目標で追いかけておりますが、いずれも統計学的にも有意ですし、大きな喫煙率の低下を見
ています。
 今後の課題としては、WHO(世界保健機関)とかアメリカの疾病予防センターが推奨する世界
の若者のたばこ調査に対応した内容で国際比較性を維持して、日本の特徴を更に明らかにして課
題を明確化していくということだと思います。
 3ページが4.3「公共の場及び職場における分煙の徹底及び効果の高い分煙に関する知識の普及
(分煙を実施してる割合)(知っている人の割合)」です。
 a)というのが公共の場で、各地方自治体が禁煙や分煙の対策を実施しているかという状況調
査です。
 b)が職場で、これは労働者健康状況調査で喫煙対策に取り組んでいる企業の割合ということ
になります。
 c)が効果の高い分煙に関する知識の普及ということで、一般国民の知識の普及ということで、
ベースライン値はないんですけれども、平成17年と平成22年に研究班による全国調査を実施し
ております。a)公共の場の何らかの対策をしているというのも確実に取組みは進んできており
ます。都道府県、政令市、保健所とかでは100%ということになります。
 職場の喫煙対策も何らかの対策に取り組んでいる事業所の割合は増加しています。ここには中
間評価の値しか出ていませんが、効果の高い分煙に関する知識の普及というのも改善が見られて
おります。中間評価の時点でのその当時の正しい知識というのは、換気扇がある喫煙室は正解と
いうことになっていましたが、現在の知識ではWHOのたばこ規制枠組み条約とか、我が国の職
場の喫煙対策のガイドラインの知識でも、建物内禁煙が正しいということになっていますので、
それで値を取り直しても改善は明らかです。知識の普及というのは、ここに出ている中間の値は
換気扇のある喫煙室を正解とした場合の値であります。
 5ページ、4.4「禁煙支援プログラムの普及(禁煙支援プログラムが提供されている市町村の割
合)」という指標になっています。市町村の割合ということで出せば増加傾向にはあるんですが、
この間、平成の大合併で市町村数が劇的に変化していますので、この指標でいけば改善というこ
とになりますけれども、市町村合併を考慮した分析というのは難しいと思います。このことにも
考えると、今後のことも考えて国民ベースの調査で禁煙したい人が禁煙支援プログラムにちゃん
とつながるのかという指標を設定した方がいいのかなと思いました。
 6ページの4.5「喫煙をやめたい人がやめる」ということで、喫煙率がありますが、これは成人
喫煙率ですけれども、国民健康・栄養調査でモニタリングされておりますが、成人喫煙率は健康
日本21の正式な評価項目ではございません。したがって、喫煙率も禁煙希望者の割合も参考値と
いうことになろうかと思います。
 中間評価のときにこれを正式な項目に復活させるかどうかということが議論になったんですが、
どういう経過だったか知らないけれども、なくなったような記憶をしています。そもそも健康日
本21をつくるときもそんな議論があって、再三成人喫煙率を国の目標値に当然すべきだろうとい
う意見があったにもかかわらず消えていきましたが、ここに参考値として出ています。御存じの
とおり女性の喫煙率低下は、国民健康・栄養調査で見る限りはっきりしませんが、男性の喫煙率
は確実に下がっており、禁煙、たばこをやめたい人の割合が増えているというような結果であり
ますので、これも喜ばしい結果だということになります。
 一番最初のページに戻っていただいて、今後の課題ですが、このように喫煙対策というのは世
界の対策に後押しされて日本の各方面の皆様の努力ですべての方面で、顕著な良い効果が出た分
野だと思われます。その皆様の努力の成果がちゃんと出ている、やればちゃんと結果が出るんだ
ということだと思われます。
 今後は第2回の指摘にもあったように、世界でも特に中学生の喫煙率が極めて低いんですけれ
ども、それが高校生でそこそこ上がって、20代の男性はとたんに先進国有数の喫煙率になってい
るというブラックボックスがどうなっているのかという辺りを調べるべきだというのはおっしゃ
るとおりだと思います。
 それは私が考えますには、国民栄養調査だと項目が限定されますので、その中で18歳以上の国
民を調査する喫煙にターゲットを当てたモニタリング調査をしっかりすべきだろうと思います。
そのことによっていろいろよい方向に出ている成果のどういうメカニズムでそれが起こったのか、
今後特に女性の喫煙等はまだまだ心配は残りますので、余り喜ばしくない傾向が出てきたときに
どう早めに探知して対応していくのかということも含めて、そういう調査があるといいなと思い
ます。
 最後ですが、今後の課題ですが、今回いろいろな成果があったものを延長して拡大していくと
いうことで、FCTCなどでも言っていることと全く同じなんですが、たばこ税を更に値上げして、
特に未成年が買いづらくする。taspoもかなり未成年に広がってしまっていますので、自販機を廃
止していく。広告と販売促進を禁止していく。職場は大分進みましたが、建物内禁煙ということ
で言えばまだまだですので、受動喫煙曝露防護を推進し、特に欧米ではかなり進展しています飲
食店遊技場等の全面禁煙の推進、国民皆保険の国で禁煙治療が保険診療としてできる世界でも非
常に誇らしい日本の禁煙治療の効果や方法についてもっと周知して、それを使っていただく。日
本はそういう制度があるにもかかわらず、全国調査をしますと、禁煙に取り組んだ人の中で何の
方法も使わずに取り組んだという人の割合が世界の中でも飛び抜けて高いので、せっかくいい制
度があるのにまだまだ使われていないということがあります。そういったことを徹底させること
が課題だと思います。
 以上です。
○辻座長 どうもありがとうございました。
 それでは、次に「5.アルコール分野」、樋口先生、お願いいたします。
○樋口構成員 久里浜アルコール症センターの樋口と申します。アルコールについて簡単に説明
させていただきます。
 まずアルコールの3つの指標についてですけれども、分野:アルコール、目標項目:5.1「多量
に飲酒する人の減少(多量に飲酒する人の割合)」からまず見ていきたいと思います。
 ベースライン値と中間、直近が評価の仕方が違っていまして、後の2つは同じなんですけれど
も、正当にうまく評価できないという部分がありますが、中間と直近だけは比べることができる
ということです。
 中間と直近を見ますと下がっているように見えるんですけれども、ベースライン値と比べると
やはり直近値が上がっているということがありまして、これについてはなかなか判断が難しいと
いうことだと思います。以前のコメントのところに書かせていただいたんですが、アルコールの
経時的な変化に関する幾つかの指標のようなものがございますので、それも併せて見てみるとい
いのかなと思いまして、幾つか挙げて見ました。
 2003年と2008年に厚労科研で成人の飲酒実態調査をしたんですけれども、その中に飲酒日に
60g以上飲酒している者の割合というのがございまして、これが似ているんですが、これを見ま
すと若干男女とも下がっています。しかし、アルコール依存症の有病率を見てみますと、男性は
低下して女性は増えているので、一定の傾向にないということです。
 そのほかの指摘として、前回、患者調査のデータはどうなのかというのもありましたので、こ
れを調べさせていただきましたけれども、調査日の推計患者数は低下傾向にありますが、総患者
数は上昇傾向にある。これも一定の傾向にないということです。
 自助グループの話もございましたのでそれも調べてみましたが、自助グループには我が国は断
酒会とAAというのがございますけれども、断酒会のメンバーの数は減っていますけれども、AA
というのはメンバーに関する統計は出さない主義ですが、グループの数というのは統計が出てい
まして、これは上がっているということで、いずれにしてもどのデータを見てみても、上がって
いる、下がっているのは、一定の傾向にないということだと思います。
 しかし、もう少し詳しく中を見てみますと、女性とか高齢者といった人たちのお酒の飲み方が
増えてきている。特に若年の女性のお酒を飲む方が増えてきているということが非常に大きな特
徴なので、1つの人口集団をまとめて増えた、減ったという議論も大事だけれども、もう少し中
を見ていくような細かい見方が必要なのではないかというようなことが示唆されました。
 そういうことで最終評価は非常に迷うんですけれども、変わらないというのが多分一番正当な
評価だと思います。
 今のその他のコメントについては後ろの方に私がつくった資料がございますが、資料の内容は
今私が申し上げた内容とほぼ同じ内容でございます。
 2ページ、5.2「未成年者の飲酒をなくす(飲酒している人の割合)」は、先ほど尾崎先生がた
ばこのところで発表されましたがほとんど同じ傾向でございまして、中学3年生と高校3年生の
男女の調査前30日間に1回でも飲んだということがあればそれが「はい」という答えなんですが、
その割合を見ています。ベースライン値から直近値までコンスタントに下がっているということ
です。しかし、先ほど私、女性とかという話をしましたけれども、女の子の下がり方が悪くて、
男の子の下がり方が非常によいということで、どうも女性は思っているほどお酒の量が減ってい
なくて、むしろ若い人の場合に増えているのではないかと思われるデータが多いと思います。
 最終表はA−2です。目標に向けて改善した。目標値が0なので、この0にいくのは相当難し
いのではないかということが考えられます。
 もう一つ、アルコールは節度ある適度な飲酒の知識の普及というのがございます。節度ある適
度な飲酒というのは、男性の中年の場合に1日平均20g程度の飲酒ということですが、これを見
てみますと男性は若干増えていますが、女性は増えていません。
 目標値が100%という非常に高い数字でして、男性は増えたといってもわずかに4%ぐらい増
えただけなので、100分の4ぐらいしか増えていません。
 これも非常に最終評価は迷うところですけれども、変わらないというのが一番妥当なのではな
いかと思いましたので、変わらないといたしました。節度ある適度な飲酒については、名前が非
常に長くて、もう少し国民にアピールするような名前に変更していくとか、一日平均20g程度の
飲酒というのはそのぐらい飲みなさいといっているようなメッセージのように聞こえて、諸外国
の場合には以下としているので、この辺りも考えていただいた方がいいのではないかということ
です。
 女性、高齢者はこれより少なくと書いてありますが、どのぐらい少ないか明示されていないの
で、その辺りについてもやはり明示されるべきだろうと思います。
 最初の総括評価の方に戻りまして、3つの評価ですが、多量に飲酒する人の割合については、
わずかに増加しており悪化している。ただし、同じ評価法を用いた中間評価に比べると改善傾向
にあるということなので、これは変わらないというのがよろしいだろうということ。
 未成年者については先ほど説明しました。
 節度ある適度な飲酒はわずかに改善傾向にあるということですが、全体的に見れば変わらない
というのが多分一番いいだろうということです。
 今後の課題については、アルコール分野の3項目の目標値についてですが、アルコール関連問
題の指標として多量飲酒は最も重要な指標であるが、今回は改善が見られなかった。この指標の
改善のためにブリーフ・インターベンションというのが非常に有効だと言われています。これは
簡単なカウンセリングをしていくというものですが、世界保健機関も強く推奨しているものです
が、これを推薦されるべきだろうと思われます。
 あと飲酒パターンやアルコール関連問題の定期的なモニタリングシステム。特に未成年者はモ
ニタリングがなされていますけれども、成人の方はモニタリングがなされていませんので、この
辺りが大事だと思われます。
 もし仮に健康日本21のような事業が今後も継続されるとすると、目標値として女性とか高齢者
とかというものにターゲットを絞ったような指標とか、未成年者の飲酒の場合には飲んでいるか
飲んでいないかよりも、欧米の場合、一度期にたくさんのビンジドリンキングというのが非常に
大きな問題になっていますので、こういうようなものが指標に入るのを考慮されるべきだろうと
考えます。
 あとWHOが去年5月に世界戦略というのを出していますが、この対策が我が国の中に反映さ
れていけるとアルコールの問題も下がっていくのではないかと思われるので、是非考慮いただき
たいということです。
 以上です。ありがとうございました。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、最後になりますけれども、「6.歯の健康分野」。安藤先生、お願いいたします。
○安藤構成員 国立保健医療科学院の安藤でございます。
 それでは、「6.歯の健康」について説明いたします。
 まず総括目標の方の総括評価のところを簡単に述べたいと思いますが、全部で目標は13あるん
ですが、うち2つはたばことかぶっておりますので、11が歯科独自の指標になりますけれども、
このうち10で改善、うち半分が目標値に達したということで、全般的にはかなり改善状況がよい
と思っております。
 ただ、よくよく考えてみると、もともと歯科保健は国全体の取組みとしてはかなり遅れをとっ
ていたという背景がありますので、その分伸びしろがかなりあったのかなと思っております。改
善した目標値の内訳を見ますと、目標値に達したうち、疾患の目標値とそれに対する予防対策の
行動指標の目標値の2つに分かれるんですが、疾患に関しては歯の喪失と歯周疾患が目標値に達
しました。う蝕に関しては目標値には達していないが改善したということでございます。行動指
標に関して見ると、半分ぐらいが目標値に達し、半分ぐらいが達していないということです。1
つだけ「変わらない」という評価があり、小児の間食、つまり、おやつの回数がこれに相当しま
す。
 以下、それぞれの項目について説明いたします。
 まず目標項目:6.1「う歯のない幼児の増加(う歯のない幼児の割合−3歳)」。これは全国のど
の市町村で行われている乳幼児の3歳児歯科健診の結果なんですが、全般的には着実に増加、つ
まりう歯を持っている子どもが減ってきているという傾向が明らかです。ただ、目標値の80%に
はまだ達しておりませんので、全体としてはA−2という評価になります。
 これに関しましては、都道府県ごとにデータがかなり活用されておりまして、どちらかという
と都市部の方が少ない傾向がございますので、一番下のところに愛知県、東京都、岐阜県、静岡
県、これらのところでは目標値に達しているということがわかっております。
 あと今後の対策に関しては、更にう歯を減らすためには、フッ化物の入った歯磨きをより早い
時期から使う。フッ化物の歯面塗布などを有効に使っていくことが重要ではないかと思っており
ます。
 次に、予防対策であるところのフッ化物歯面塗布なんですが、これについては改善しており、
目標である50%を超えておりまして、A−1という評価になっております。
 ただ、これに関してフッ化物の歯面塗布が(4)課題のところに書いてあるんですが、受けた
ら効果がすぐ出るということではなくて、定期的に受けなければ効果が出ないということがエビ
デンスとしてもはっきり出ていますので、目標値を少し変える必要もあるのかなという辺りを検
討してみる必要があると思っております。
 6.3「間食として甘味食品・飲料を頻回飲食する習慣のある幼児の減少(習慣のある幼児の割合
−1歳6ヶ月)」。これはおやつの回数が1日3回以上の子どもを減らすということなんですが、
ベースラインのときには全国データはございませんで、一地域で取ったデータを参考として使っ
たんですが、その後の状況をみますと、歯科の指標ではこれのみが唯一「変わらない」という評
価になっております。
 う蝕のリスクというのは砂糖ですので、間食回数を一定程度に抑えることは、曝露を減らすと
いう意味で有効ですので、是非続けて検討していく必要があります。
 また、ほかの分野、ことに食生活の関連など調べてみますと、国民健康・栄養調査のデータを
使って分析したところ、ちゃんとした食事を与えられていないから間食の回数が増えていること
を示唆する結果が得られていますので、そういう面では他分野との連携という面でも少し活用の
方向性を考えてみてもいいのではないかなと考えております。
 目標の6.4、ここから永久歯のう蝕予防になっていきますが、12歳児、中学校1年生の虫歯の
減少という目標値で、これは1本以下に減らすという目標値なんですが、かなりう蝕が減ってき
て、直近値では1.29本ということで、目標値にはまだ及ばないという状況ですので、A−2とい
う評価です。
 これに関しましては、有効な予防対策としてフッ化物洗口、学校とか保育園で行う方法ですが、
それと歯科医院で行うシーラントという虫歯のできやすい溝を埋めるという方法があるんですが、
こういった方法を地域の実情に応じて推進していくことがかなり重要ではないかと考えておりま
す。
 3歳児の虫歯でも言いそびれたんですが、地域でかなりの格差がございます。格差を保ちなが
ら全体的に減っているという状況なんですけれども、そういった面でも地域の特性に応じて推進
をしていく必要があると思います。
 データの取り方という面では、先ほどの3歳児のう蝕というのは全国どの都道府県でも市町村
ごとの比較ということでデータが活用されているんですが、12歳児のう蝕は全国どの学校でもデ
ータをとっているはずなんですが、都道府県が市町村ごとのデータを把握していないところが半
分近くあります。
 このような状況は、幅広くデータ資源を活用するという面では大変もったいないことですので、
今後の課題として検討すべきではないかと思っております。
 6.5、6.6が永久歯のう蝕予防対策になりますが、6.5のフッ化物の配合歯磨き剤は、90%とい
う目標を立てておるんですが、改善はしてきているものの及ばないという状況で、直近値が86.2%
でしたので、A−2という評価になっております。
 なお、中間評価では52.5%と低い値になっていますが、実はデータの取り方に問題がありまし
て、フッ化物が入っているということを調査された方が御自身で把握している場合の数値になっ
ておりますので、知らないで使っている方がかなりいるんです。その辺を勘案すると、中間評価
と直近値はそれほど大きな差はないということを大体つかんでおりますので、お含み置きいただ
きたいと思っております。
 国民健康・栄養調査ですと、このような点を正確に調査することがなかなか難しいんですが、
8020推進財団が行った別の調査の値がつい最近出たんですが、90%よりやや少ないという状況で
して、こういった結果から見ましても目標値に及ばないというところは間違いないとみておりま
す。
 6.6「個別的な歯口清掃指導を受ける人の増加(過去1年間に受けたことのある人の割合)」で
は30%という目標値が設定され、改善はしておるんですけれども、目標値には達していないとい
う状況です。これに関してはやや似たような目標値が後の方でも出てくるんですが、それらとの
関連を少し整理した方がいいかなということも課題として考えております。
 6.7「進行した歯周炎の減少」なんですが、ここからは成人対策になっていきます。これに関し
ては目標値を達成したということでA−1という評価が出ております。ただ、評価年齢が40歳、
50歳ということなんですが、後で出てきますが、昔は60、70になると歯がない方か多かったん
ですが、最近では歯が残っている方が多くなってきていますので、評価年齢を上げていく必要も
あるのではないかなということと、とは言いましても歯周疾患は比較的早い年齢からも出てまい
りますので、若い年齢でも検討することが必要なのではないかということを課題として考えまし
た。
 6.8「歯間部清掃用具の使用の増加」、デンタルフロスあるいは歯間ブラシといったものですが、
これは着実に増加しておりますが、50%という目標値には少し及ばない状況ですので、A−2と
いう評価になります。
 これに関しましては、健康日本21の目標値に挙がったということが生産する側を少し刺激した
面も多分あるのではないかなと思われまして、フロスとか歯間ブラシがかなり一般的に利用でき
る、購入しやすいような形になってきたと思いますので、そういったところも健康日本21という
政策を立てた効果として一般の方が購入しやすくなっている、つまり実現要因を上げたというこ
とがあるのではないかなと思っております。
 6.9「喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及」は、先ほど尾崎先生が紹介されまし
たので1つだけ述べます。歯周病の喫煙が及ぼす健康影響に関する知識は、ほかのものに比べる
と低く、不十分ながらではありますが、増加傾向にありました。
 喫煙と歯周病の関連を調査しますと、ネガティブな関連が示されたものが多く、喫煙者の歯の
数が少ないというデータも国民健康・栄養調査の結果からもはっきり出ておりますので、そうい
った面でも喫煙対策は口腔にとっては非常に重要かなと思っております。
 6.11「80歳で20歯以上、60歳で24歯以上の自分の歯を有する人の増加」ということで、特
に80歳で20本というのは以前から行われております8020運動の目標値なんですが、これはか
なり増加傾向が明瞭でございまして、目標値を達成しました。ですので、かつて80歳で20本と
いうのはかなり遠い目標というか、やや夢物語的なとらえられ方がされていたんですけれども、
いよいよそれが現実化しそうだという状況になってきております。
 今後の課題といたしましては、歯の喪失というのは非常に長い期間で起こる変化ですので、高
齢者で評価することは勿論大事ではあるんですが、もう少し若い年齢で目標値を設けておかない
と、その達成度というのが評価しづらい面もございますので、そういった観点での評価というの
が必要ではないかなと思っております。
 6.12「定期的な歯石除去や歯面清掃を受ける人の増加」ですが、これも着実に増加しておりま
して、目標値を達成したという評価となります。ただ、次の目標などとの関連が非常に大きいの
で、もう少しわかりやすいものに整理した方がいいかなとも考えております。
 6.13「定期的な歯科検診の受診者の増加」というのがありますが、これも目標値を達成してお
ります。
 ただ、これは前の6.12もそうなんですが、定期的とうたっておりながら、実際調べたデータは
国民健康・栄養調査では過去1年間ということになっておりますので、そういう点ではやや甘め
という受け取られ方がされても仕方がない面もございますが、目標値は達成したということです。
 最後に1枚目の総括評価の方を見ていただきたいのですが、一番下に「今後の課題」として(手
元資料には字句が抜けておりますが)、5点ほどにまとめました。
 まず第1点、冒頭で申しましたようにかなり達成状況は比較的良好なんですが、社会が高齢化
していきますと口腔の機能の重要性というのはますます高まってまいりますので、引き続き今後
も歯の健康づくりを推進していく必要があるということです。
 第2点は、特に歯科というのは食生活と関連が非常に強いんですけれども、咀嚼機能の維持・
改善が大変重要になってきますが、こういった機能面の評価を着目していくことも重要ではない
かなと思っております。国民健康・栄養調査の歯の重点調査の年に咀嚼の状況というのも項目を
入れておるんですが、やはり栄養との関連というのは非常に強く出てきておりますので、そうい
った他の分野との連携をより高めるという面でもそういった評価が必要ではないかなということ
です。
 3つ目、これは先ほど申しましたが、永久歯う蝕対策に新たな健康日本21の指標には出ており
ませんけれども、フッ化物の洗口あるいはシーラントを進めていく必要があるということです。
 4点目としては、従来の目標も改善の余地があるものがかなりございますので、あるいは評価
年齢を検討するということもありますので、そういったことを考えていくということです。
 最後の5点目ですが、今回は国全体の目標の達成状況ということで議論しておりますが、実際
健康日本21を政策として進めていく場合、やはり各都道府県あるいは市町村が実際の推進の実体
となるわけですので、そういった辺りでの達成状況というものも考えてもいいのではないかなと。
実際に母子保健あるいは学校保健のように地元から上がってくるようなデータというのはそうい
った観点というのは非常にやりやすい環境にありますので、評価の1つの視点としてそういった
ものが必要なのではないかなと思っております。
 長くなりましたが、以上です。
○辻座長 ありがとうございました。以上、6つの分野につきまして総括、データ評価をいただ
いたんですけれども、これにつきまして質疑応答をいただきたいと思います。どの分野からでも
構いませんので、構成員の皆様から御質問、御意見ありましたらいただきたいと思います。
 どうぞ。
○津下構成員 第2回の検討会のときに御質問させていただいたことも含めて、各分野でかなり
詳細に御検討いただいておまとめいただいたことを、まず感謝申し上げます。幾つか質問をお願
いします。
 まず、判定のところで各分野で若干考え方が違う部分がありまして、1つはベースライン値の
調査が異なっている場合に、宮地先生のところはベースラインは使わないという考え方で中間と
最終で判定されていました。ほかの分野ではベースラインを生かした判定とされていました。
 そこのところでどういうふうに全体としての整合性をとるべきか悩ましい課題だなと思ってい
ます。ベースラインを無視するというのもできないのではないか。V字型になってしまっている
ようなものは変わらないと判定するとか、中間と最終だけで有意に改善していたり有意に悪化し
ていたとしても、それを改善、悪化した、とベースライン値を離れて書いてしまうというのは、
ほかの分野との整合性でどうすべきかと思います。
 もう一つは、検定を行って有意性を確認された項目と、そうではなくて数値の増減だけで見ら
れたものがありました。せっかく有意性を確認された項目があるのであれば、明示したほうが良
いのではないかと思います。有意差があった項目とそうではないけれども、パーセントが5%以
上とか上がっていた項目などと、一覧表で見たときにはっきりとわかるといいのではないかと思
いました。
○辻座長 今2つお話がありました。1つはV字型みたいになっているときはどちらで比べるの
かという話と、宮地先生の方の5ページの辺り、男性60歳以上で目標は70%、ベースラインが
59.8%で中間のときには51.8に下がってしまって、直近実績値になると57.4と上がって、最初
の御説明としては、同じ調査で比べた方が正確なのではないかという話だったんですけれども、
その辺どうでしょうか。
○宮地構成員 例えば全体でベースラインの測定方法が国民健康・栄養調査でなくてもそれも使
っていくんだという方針を示していただければ、それは私としてはそれを踏襲することは何もや
ぶさかではありません。あくまでも私が調査や研究を専門とする者として学問的観点からより妥
当な方法はということで、私はこういうやり方をとらせていただきましたので、さまざまな観点
からそういう方法がいいということであれば指示していただければその方法でも構わないと思い
ます。
○辻座長 ほかにこういうのはありましたか。
○宮地構成員 運動分野に関してはここの部分だけです。ここがA−2かBになるかということ
だと思います。
○津下構成員 そうですね。休養の3.1が54.6、62.2、61.3で、中間とその直近という同じ調査
だけ比べると変わらない。ただ、ベースラインの54.6をとると悪化としている。ここが先ほどの
運動分野と同様、ベースラインは調査法が異なるので関係ないというふうにとらえると、62.2か
ら61.3になるので、悪化ではないという判定にかわってしまうと思うんですが。
このベースラインの取り扱いをある程度統一、整理しておく。それで今回第1期なものですから、
そういうベースラインについて、調査法の違いなどの問題はあるということを認識しつつどちら
かの方向に統一しておく。例えばこれであればベースラインは調査方法が違うので、中間と直近
で比べましたと、それで62.2から61.3で変わらないという考え方もあることを付記しておく方
法もあると思います。
○辻座長 どうぞ。
○河野栄養・食育指導官 本日の検定の作業の状況ですが、2点ございまして、1点は国民健康・
栄養調査を使っている部分については、ベースライン、中間値、直近値、すべて検定を済ませて
おります。
 もう一点、事務局の方で先生方への情報提供が遅れている部分がございまして、今、御指摘い
ただきましたベースライン値がほかの調査を使っている部分についても、全国レベルの調査であ
ってある程度サンプル数があるものについては、その限界を理解した上で比較をするということ
で、一旦こちらの方でデータを確認しまして、それを国民健康・栄養調査の直近値と比較をする
ことにしています。具体的に申しますと身体活動・運動の2.1、2.4、2.5、休養の3.1、3.2、3.3、
この辺りにつきましては、2点目に申し上げた方法で精査をして、そのデータを先生方に一度ご
提供して最終的な修正を行っていただこうと考えておりますので、また次回以降にこうした作業
も踏まえた結果でごらんいただければと思います。
○辻座長 わかりました。まとめますと、原則としてはベースラインと直近値、この10年間の動
向がどうなのかということが大事だと思うんです。その比較でできるだけ合わせられればと思い
ます、今の事務局の話ですと、それに向けてデータを精査しているところ。検定もしている最中
ですので、その結果を基に決めていきたいと思います。もう一つは、国民健康・栄養調査とそれ
以外のデータを比べられるのかという問題です。そのときにはアベイラブルなデータしか使えな
かったわけで、次善の策として出たわけですので、それが全国規模でそれなりのサンプルサイズ
であれば十分比較にたえるものだと思います。その辺をまた精査して教えていただいたうえで、
原則としてはベースラインと直近とで10年間の比較をしたい。もし比較できないのであれば、参
考値として評価を改めてしていただくという形にしたいと思います。よろしくお願いします。
 もう一つ、検定の話でしたね。
○津下構成員 はい。
○辻座長 横山先生に検定の話をお願いできますか。
○横山構成員 主に国民健康・栄養調査に関するものですが、国民健康・栄養調査のデータにつ
いてはすべて検定して一覧表と図としてつくってあり、それを構成員の先生方にお渡しするとい
うことになっていますので、それを見てのコメントかと思います。これまでの説明の中にそうい
う言葉が出てこないかもしれませんけれども、基本的には検定結果までごらんになって判断され
ているということだと思います。
○辻座長 ということで、「改善した」とか「悪化した」という場合は、統計的に有意な差がある
ということを包含していると考えていいんですね。
○横山構成員 恐らく有意な場合には改善したと言っていると思いますし、有意ではない場合に
は変わらなかったというような判断をされていると思います。
○辻座長 では、先生、次を。
○津下構成員 もう一点、判定のことについて、栄養・食生活では項目が結構多くて、例えば1.6
のように2つの項目、男性に関するものと女性に関するものがあって、これですと男性はいい傾
向があるけれども、女性は悪い傾向があるといったときに、A−2という判定になっているんで
すが、これでよいのか。多数決という考え方もあるかもしれませんが、例えば1.1などは4項目
あって男性の肥満だけが悪いので、後は3項目はいい方に向かっているのでA−2になっている
かなと思うんですが、この2項目しかないものでA−2でいいのかどうなのかということの御確
認です。
○西構成員 御指摘のとおりで、多数決といいますか4つのうちの3つを満たしている場合、あ
るいは2つのうち1つという場合もA−2となっていると思いますが、皆様からの御意見をいた
だきたいとは思います。
○辻座長 皆さん、いかがでしょうか。例えば1.栄養・食生活の10ページ、目標項目1.6で自
分の適性体重を認識し、体重コントロールを実践する人の増加ということで、男性ですと62%が
67%ということで改善しているんですが、女性ですと80%が76%と有意かどうかわからないん
ですけれども、下がっているということで、男女で逆の方向性なんです。
 どうぞ。
○鈴木構成員 今のここの男性が改善しているというのも、結局5.1%しか増えていないわけで、
ベースラインに対して10%を下回る程度の変動が本当に改善と言えるのかと思います。ですから、
「変わらない」というのが“どの程度の変動までを変わらない”とするのかが不明瞭であるとい
うことを私は第1回のときに指摘したと思います。“プラスマイナス何%までを変わらない”とす
るのか、それとも“ベースラインから目標までの何%程度動いたら改善という”のか、そこをは
っきりしないと、項目によって評価が変わってしまいますが、相変わらず基本的な考え方が明示
されていませんね。ですから、ここは5%程度の改善を改善ととらえたからA−2となっている
という気がしますが、逆の例も1つあって、話が飛んでしまって申し訳ないんですが、歯の健康
の6.3の項目を見ていただくと、3ページのところでBという評価になっています。
 勿論、津下先生が言われたような「ベースラインからの変動か中間評価からの変動か」という
問題がありますが、中間評価からでも2.9%改善していて、ベースラインからでも10%以上変動
がありますから、これは別に改善しているのA−2といっても良いのにBになっています。評価
方法がきちんとしていないからそういう矛盾が生じているので、“変わらない”の評価をもう少し
客観的にはっきりさせるべきではないかと思います。
○辻座長 これは統計学的な有意差検定に基づいて、有意であれば改善もしくは悪化、有意でな
ければ変わらないとしているんですね。
○横山構成員 恐らくそういう形で判断している先生方が多いかと思いますが、ただ、今おっし
ゃいましたように、統計学的に有意だというのと、予防医学的に意味のある変化かというのはま
た別の問題だと思います。わずかしか変化していなくても、大標本であれば有意差になってしま
いますから、そこは予防医学的に意味のある変化かという視点が必要だろうと思われるんですが、
ただ、その基準を3分の1の変化にするのか、その辺りは分野によっても違うかもしれませんの
で一概には言えないところかと思います。ただ単純に有意だから改善だと言ってしまって、それ
でいいかというところは今おっしゃったような議論があるかと思います。
○辻座長 ただ、議論はありますけれども、予防医学的に意味のある差はどれぐらいかというの
を決めていく基準はないですね。それが分野ごとに変わってきたら、それはそれで国民には分か
りにくい話です。だからここは1つ割り切って統計学的な有意差でいくしかないのかなと思って
いるんです。
○鈴木構成員 統計学的な有意差であるのだったら、統計学的な有意差の数値を載せていただか
ないと我々としてはわからないですね。
○辻座長 どうぞ。
○安藤構成員 歯科の話が出たので補足させていただきますが、私の班もちゃんと検定をやって
いますが、ただ、先ほど話に出た歯の健康の6.3ではベースラインの数値として、一地域の調査
データを用いたもので、これをベースラインデータとして検定するのはまずいだろうということ
で検定は行っていません。中間評価と直近値について検定したところ、「変化なし」という結果が
得られています。資料の用意が間に合わなかったのかもしれませんが、一覧表などがそのうちで
きてくるのではないかと思います。
○辻座長 要するに先生のお話は、この目標の6.3で言うと29.9%と19.7%の差を見たのではな
くて、22.6%と19.7%の差を見たと。そうしたら有意差はなかったということですね。
○安藤構成員 はい。
○辻座長 どうぞ。
○樋口構成員 今のような議論だと、アルコールのところの項目の5.3のところも非常に悩まし
くて、これは統計学的にやっていただいた場合には男性は有意差が出ているけれども、女性は有
意差が出ていないんです。それで男性と女性の間に差があって、先ほど横山先生の話にもありま
したけれども、数が多いものですからパーセンテージが少なくても有意差はすぐ出てしまうとい
うのがあって、目標値が100%で、本当にその100%のうちのたった4%が上がったものを統計
学的に有意だからこれはいい方に向かっているよと言っていいのか。しかも女性の方は上がって
いないという現実がありますので、この辺りもある程度ガイドラインみたいなものがないと判断
が非常に困る。
○辻座長 この間見てきて、やはり男女でかなり違う傾向を示しています。それは恐らく今この
国で進んでいることだと思うんです。さまざまな生活習慣の変化は男性と女性とで全く違ってい
ますので、それに応じた男性、女性それぞれの対策を打っていかなければいけない、あるいはキ
ャンペーンの仕方をしなければいけないと思うんです。
 ですから、そういった意味では、少なくとも男性、女性で逆の方向を示しているときは、間を
とって変わらないというのではなくて、やはり男性では改善、女性は変わらないとか、男性は悪
化、女性は改善とか、性別に出さないと意味がないのではないかと思うんですが、いかがでしょ
うか。それに基づいて今後の対策を考えていくという話が妥当だと思うんです。そういうふうに
整理し直していただいてよろしいですか。
 どうぞ。
○津下構成員 対象別に個々に判定したほうが対策と結び付きやすいし、中をとって・・・とい
うのも全く意味がない話になるので、その方向で御検討いただければわかりやすいと思います。
 宮地先生が丁寧に示されたんですけれども、年齢別にも違う部分が明確なものについては、あ
る程度それもしっかり表記していただくというのが大事だと思います。高齢者はいいけれども、
若年者はよくないということが明確なものについては、分けた判定というのもわかりやすいし、
対策につながると思います。
○辻座長 全く同感です。日本人全部が同じ方向に動いているというよりは、やはり性によって
違ったり、年齢層によって違ったりですから、本当にメッセージを届けなければいけない集団は
どういう集団なのかということですね。こういった中で洗い出していくということが今後の運動
を考えるときに重要になりますので、すべてについてやってくださいという話はしませんけれど
も、何か気になる、特に訴えたいような年齢層があったりする場合、出していただければと思い
ます。よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○鈴木構成員 やはり統計学的なことと改善かどうかというのは分けて考えるべきだと思います。
統計学的に有意だったというのは変動したというだけであって、それが目標値に対して改善方向
に動いている、改善とするのは違和感があるのではないかと思うんです。
 サンプル数が非常に多いと思うものですから、少数の変動であってもそれは改善ということに
なってしまいますね。だから、今の話でもベースラインで62.6%のものが、目標が90%であるの
に5%しか動いていないものを改善というのは違和感がある気がします。
○辻座長 それは、改善に対する考え方の違いであって、今回ここで重要なのは、目標を達成し
たかどうかということが一義的に大事ですね。目標を達成するということがすごく大事で、達成
したものが幾つあるのかという議論だと思うんです。その上で目標を達成しないときにどちらの
方向に向かっているのかという程度の形で改善か悪化かという話をしているのではないかと思い
ます。
 ですから、改善だったらもう手放しに喜んでいいんだという話ではなくて、目標に達していな
ければ不十分だよねということは明確にした上で、その次の議論として副次的に言っている程度
の話だと理解しています。よろしいでしょうか。
○鈴木構成員 そうすると、A−1とA−2が同じくくりに入っているということの方が問題に
なってくるのではないでしょうか。
○辻座長 それはそのとおりだと思います。少しその辺を変えた方がいいですね。ありがとうご
ざいます。
 どうぞ。
○樋口構成員 今の意見に非常に共感を覚えました。改善というとよくなったと言葉がひとり歩
きしますので、例えば改善したというのがA−1、A−2ではなくて、別の言葉にするとか。改
善したというのと改善傾向にあったとか、言葉を変えていくことによって本当は違うんだという
ことを明確に国民に示した方がいいような気がします。
○辻座長 いかがでしょうか。
 三浦先生、何かありますか。
○三浦構成員 私も今の御意見に賛成です。Aのくくりに1と2があるというよりは、まず目標
を達成したという項目があって、それとは別に改善したが目標値には達していないという項目を
立てるのが良いと思います。まとめてAにしてしまいますと改善したのが何項目という形になっ
てしまいますので、2つに分けた示し方の方が国民に対しては分かりやすいメッセージになると
思います。
○辻座長 どうぞ。
○津下構成員 尾崎先生が言われたことなんですけれども、たばこはすごく改善しているんです
が、目標値の立て方がオールオアナッシングなので、現実的にはゼロにはできない。目標値を目
指して行うということも大切ですが、食事とか運動の分野のように目標値が達成可能性も考えら
れた数字と、どちらかというと理念的といいますか、こうあるべきという数字になっているもの
があります。特にたばこの方は理念的な目標になっているので、目標に向かって改善していると
は思うのですが A-2と判定されてしまう。あれだけの数字なのに改善と言えないというのがた
ばことか歯科の分野に関してみられます。かなりの達成状況であるということをアピールできる
方法がないのかなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○辻座長 どうぞ。
○安藤構成員 私は目標値が設定されたときの議論というのはわからないんですけれども、どう
もそれほど厳密に決められていたわけでもないような印象がするんです。例えば、ある学会での
発表で地方レベルでどういうふうに目標を立てているかという発表があったときに、過去の推移
から大まかに回帰直線を引いたりして決めているのではないですか?というコメントがあった際
に、聴衆がうんうんと共感していた姿が強く印象に残っています。そういう点では、酒とかたば
こは「ねばならない」という縛りがあり、このぐらいでいいだろうとは実際言えないところもあ
ると思います。他の分野は、そういう面では目標値を立てやすいところもあるんですけれども、
あとは実際のところ、本当にこのぐらいであってほしいとか、このぐらいはいけそうではないか
というように、目標を立てるときに、今いい言葉が出て来ないんですが、単に数値の推移から線
を引いて決めるのではなくて、もう少しゾーンみたいな概念を入れてもいいのかなというふうな
気がしました。
○辻座長 どうぞ。
○樋口構成員 そういう議論になりますと、酒とたばこだと未成年者は法律で飲んではいけない
と決まっているわけです。それをゼロでなければ改善になっていないという議論もおかしいわけ
で、もし分けていくのだとしたら、法的にだめだというものと、あと学会で決めたある程度の、
今、安藤先生の話にあったみたいな、そういうたぐいのものとに分けていかないとまたおかしな
ことになりますので、その辺りも検討していく必要があるのかなと思います。
○辻座長 この辺の議論はそんな感じでよろしいですか。
 どうぞ。
○三浦構成員 身体活動のところで年齢調整した率を使って評価しておられるところです。一方、
こころの健康などで年齢階級別に見て全体の傾向が同じ傾向だったと確かめた上で評価されてい
るというところがありました。まずは年齢階級別に見てどの年代も同じ傾向だったかどうかとい
うことを確認した上で、年齢調整の率も可能であれば出したらいいと思います。年齢階級別に見
てどの年代も同じ傾向であったかどうかを確認できるものはやっていった方がいいと思います。
 年齢階級ごとに違う傾向が出た場合にどうするかですが、先ほど男女別の分析の議論がありま
したが、年齢階級を5段階ぐらいに分けるようなものでしたら、多数決という手もあります。し
かしいいところだけつまみぐいするような評価ではなく、できるだけ保守的な傾向の評価をして
いった方がいいのかなと思いました。
○辻座長 ありがとうございます。どうぞ。
○宮地構成員 運動・身体活動に関しましては、今、先生から御指摘いただいたように、まず年
齢別のトレンドをしっかり見て、これは全く年齢別で違うなというときに年齢調整のものを非常
に重視する。年齢別にその変化に違いがなければ、年齢調整した値は年齢調整しない値とほとん
ど変わりませんので、その際はまたそういったものを使って調整するというように、プロセスと
して先生から御指摘いただいた方法でやっております。
○辻座長 どうぞ。
○津下構成員 今の件ではないんですがいいですか。
○辻座長 わからなくなってしまったんですけれども、身体活動だけ年齢補正しているんですか。
ほかはしていないですか。
○横山構成員 データとしては年齢調整したものと、性・年齢階級別のものと、もともとの調整
していない値というのを一覧表と図にして作成しておりますので、それを見て構成員の先生方が
それを採用するかは、構成員の先生方にお任せということになっております。
○辻座長 先生、実際に9年と21年だったら客体の年齢構成はかなり違ってきますね。ごらんに
なってどうですか。
○横山構成員 年齢構成はかなり高齢側にシフトしていますので。調整するときはベースライン
を人口構成に調整しています。ですから、ベースラインの値は元の値のままという形でデータを
作成して、それで判断しているという形だと思います。
○辻座長 これはある程度すべてというわけにはいかないかもしれませんけれども、全体として
共通化した方がいいのではないですか。年齢補正するかしないかぐらいはどうなんでしょうか。
○河野栄養・食育指導官 1つ補足させていただきます。先生方に最終的なデータをフィードバ
ックするタイミングが遅いことがございまして、現時点では、各分野の評価方法に違いが出てい
ます。身体活動・運動以外では年齢調整の値についても先生方はごらんになっていますが、各性・
年齢階級別の推移を丁寧に見ていただき、その変動を重視した書きぶりになっているために、結
果的に年齢調整の値には触れていない整理になっています。
 ただ、身体活動の方は逆に年齢階級のデータまで評価いただくまでに今回なっていない関係で、
年齢調整の方が優先して記述されています。
○辻座長 先生、何かありますか。
○三浦構成員 身体活動の例えば5ページ目のところは、男女80歳以上というくくりになってい
て、さらに年齢調整をしているようなので、これは調整しすぎではないかと思います。
○宮地構成員 5ページですか。
○三浦構成員 5ページに括弧付けの数字が入っていますので、本来生の数字は60歳以上や80
歳以上に限定した数字ですので、これをまた年齢調整されているので、これは必要ないのではな
いかと思います。
○宮地構成員 今のコメントに対してなんですが、60歳以上の人は80歳以上の人も含んでいま
す。80歳以上のデータを見ていただきますと、80歳以上の人の外出に対して積極的な態度を持っ
ている人の増加は余り顕著ではなくて、60歳以上は増えているということで、80歳以上の年齢調
整は必要ないかもしれませんけれども、60歳以上の人の年齢調整は必要ではないかと判断して、
その数字を使わせていただいた。
○辻座長 どうぞ。
○津下構成員 年齢調整の話ではないんですけれども、運動のところ、特に社会活動とか地域活
動、肥満の地域差ということが記載されていたと思うんですが、また、歯科分野のコメントの中
にも環境の整備とか地域差という御指摘がありましたけれども、そういう言及の中で例えば県ご
とにどれぐらいのばらつきがあるのかとか、そういうデータがもし根拠としてあるのであればお
示しいただいた方がわかりやすいかなと思いました。
 地域差、環境ということが地域の取組みで重要というコメントは随所に出てくるんですが、そ
の根拠となるような都道府県別のデータをどの程度参照されたコメントなのかというのが明記さ
れるといいのかなと思うんですけれども、それをどのぐらいに見ておられるのか、もしわかれば
教えていただきたいと思います。
○宮地構成員 地域別のデータは全く見ていません。
○辻座長 横山先生、統計的にどれくらい可能かどうか。
○横山構成員 地域別の話ですね。まず例えば国民健康・栄養調査、単年度分では都道府県別の
比較はできません。1地区しかない県が結構あるわけです。複数年プールしてある程度の数をま
とめて集計するという作業が必要になります。それは今回は特に行っていないのですが、資料の
途中に出てきたと思いますけれども、数年前に吉池先生が国民健康・栄養調査の5年分のデータ
をプールして都道府県別に比較したという報告書があります。ただ、すべての指標があるかは定
かではありませんが、かなり網羅していると思いますので、その報告書の数字を参照していただ
くということは可能かと思います。
○安藤構成員 私、歯科の方で使ったのは2種類でして、1つは母子保健で乳幼児歯科健診デー
タとして市町村からあがってくるデータです。もう一つは、文部科学省の学校保健統計で、平成
16か18年ぐらいから都道府県別の比較ができるようになりましたので、先ほど私が申した問題
点というのは違うんですけれども、都道府県ごとに比較するのであれば特に問題はないと思われ
ますので、それを使って数値ではっきり示すことはすぐできます。
○辻座長 どうぞ。
○横山構成員 栄養・食生活の4ページ目の資料、このほかの幾つかの主要な指標についても都
道府県別の5年分のデータが出ています。
○辻座長 ただ、そうは言っても、国民健康・栄養調査ベースで都道府県比較するというのは現
実的ではない。それができるほど大きなサンプルサイズでないということでいいんですね。
○横山構成員 はい。5年分プールしても誤差は結構大きくなりますので、本当は都道府県別の
健康・栄養調査のデータが比較できる形でデータベース化されるといいんですが、現在のところ
は吉池先生の研究班で都道府県別のデータベースをつくろうという試みはしているんですが、た
だ、すべての県からのデータが集まっているわけではありませんし、今回は十分に活用できない
かと思います。
○辻座長 この10年間の評価というときに、実際の指標数値がどうだったかというと勿論、一番
大事なことなんですけれども、それに加えて先ほどどなたかからお話がありましたけれども、本
当に目標設定はどういうふうに妥当だったのかという議論とか、あるいは今出たように、国全体
のデータだけではなくて、都道府県は都道府県で計画をつくっているわけですね。ベースライン
のデータがあって、目標値があって、多分何らかの形で追跡したデータを出しているはずです。
そこでデータの精度を最低保証した上でプールして国全体として使っていけるようなスキームが
今回なかったわけですが、そういった手法も今後検討していきたいというような感じですね。
○横山構成員 そうですね。都道府県別の健康・栄養調査はある程度十分なサンプルサイズ、30
地区とか50地区とかあります。ただ、実施している間隔、タイミングが都道府県によってまちま
ちであるという問題もありますし、あとは若干独自の手法でやっているところもありますので、
ほとんどの県は国民健康・栄養調査方式なんですが、その辺のクオリティも統一化されてタイミ
ングももし一緒にできるようであれば、今後こういった評価等に活用できるのではないかと思い
ます。
○辻座長 ありがとうございました。
 田嶼先生、お願いします。
○田嶼構成員 今までの御発表とその後の御議論で、次回私が評価することになる糖尿病の分野
についてどのように考えていけばよいかがわかり、大変勉強になりました。ありがとうございま
した。
 今、お聞きして思ったのは、私も糖尿病の分野のデータを見ておりましたときに、どうしてこ
の目標値が設定されたのか、目標を判定するための指標が選ばれたのかということがわからない
ものがありました。この1番の「栄養の分野」で取り上げられた目標値については、誰の目から
見ても明らかなのは、例えば肥満者の割合ですとか根拠があるものです。でも、根拠がはっきり
しないものでも、最初に目標値を設定されたときに何らかの考え方があったと思うのです。十分
な根拠がないものであっても、そのときに手に入るベストな指標をお選びになったのに相違ない
のですから、それをどこかでお示しいただけるとありがたいと思います。
 あとはベースラインのデータをどう扱うかということですが、これでは3ポイント比較はでき
ないだろうと思うものがあります。したがって、データの改善があったかどうかを判定するとき
に、それらデータの精度と限界をどこかで教えていただけると、それなりの評価ができるのでは
ないかと思うんです。
 もう一つ、性差、年齢差、地域差という問題が挙がりました。これは調整しすぎると年齢別、
性別、地域別比較に関するメッセージが出なくなるので、層別のデータも必要ですけれども、是
非、年齢調整をしたデータも頂けるとありがたいです。
 この次の会議がいつになるかわかりませんが、ごく簡単にこれらの点についてお示しいただけ
ると、全体の足並みがそろうのではないかと思いますし、メッセージを国民に発信するときにも
説得力のあるものになるのではないかと思いました。
 私の意見は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○辻座長 ありがとうございました。この件、よろしいでしょうか。大分時間が限られてきまし
たので、まだ言い足りないという方もいらっしゃると思うんですが、その御意見につきましては、
机上に配付されております「ご意見シート」というのがありますので、それに御記入いただいて
事務局にお伝えいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日、6名の先生方に発表いただきましたけれども、この総括表、データ評価シートにつきま
して、あるいは全体のまとめ方につきまして本日の御議論を踏まえて、各分野の担当の構成員の
先生方並びに事務局の方で最終仕上げを行っていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い
します。
 それでは、続きまして「議題2 その他」といたしまして、最終評価を踏まえた次期の健康づ
くり運動に向けた課題ということについて議論をいただきたいと思います。その前に事務局から
御説明をお願いいたします。
○河野栄養・食育指導官 資料3の方に「次期健康づくり運動に向けた課題について(案)」とい
うことで整理させていただきましたので、御説明させていただきます。
 構成員の先生方におかれましては、短期間に御意見をいただきましてありがとうございます。
今回、事前にいただきました御意見を中心に、また前回第3回の会議の後半で御意見をいただい
た部分も併せて整理をさせていただきました。先生方には自由に御意見をいただく形になってお
りましたが、今回整理するに当たって、四角で囲んでありますとおり、1ページの「基本的な方
向」、2ページの「取り組むべき健康課題(例)」、更に「推進方策・推進体制」という3つの枠組
みで仮にということで整理させていただきました。
 1ページに戻りまして、基本的な方向につきましては、健康日本21の目的である壮年期死亡の
減少、健康寿命の延伸、生活の質の向上は引き続き重要であるという御意見。
 また、生活の質、人生の質に注目した国民の総合的健康度を取り上げてはどうか。例えば主観
的健康度や生活満足度、幸せ度、前向き度、生き抜く力、現状肯定感など。
 理想的な状態を目指すアプローチから、病気や障害があっても相応に暮らせる状態を目指すア
プローチへの転換ということでは具体的に3点ほどございまして、個々人が健康設計を行えるこ
とが重要。理想的な生活の学習“こうすべき”型から、人生設計として健康課題をとらえる学習
“こうありたい”型への転換が必要。
 生活習慣病にならない支援だけではなく、一病息災で長生きするための支援も必要。
 また、貧困等のさまざまな生活条件、健康格差の縮小方法等も考慮してはどうかという御意見
がありました。
 生活習慣、個々の改善アプローチから包括的アプローチへの転換という観点からは、食事、運
動、睡眠、喫煙、飲酒などの生活習慣は相互に密接に関連するため、生活習慣全体を支援する包
括的な対策が重要。
 更に一人ひとりの人間は幾つものリスクを有しているので、リスクがどう重なっているかを見
ていくことが必要。
 家族、地域のきずなの再構築−助け合いの社会へ−ということで、東日本大震災からの学びを
生かすことも重要という御意見をいただいております。
 2ページ目「取り組むべき健康課題(例)」としては、高齢者の健康づくりの充実という観点か
らは、運動器疾患、生活機能の向上、心不全の予防、認知症の予防。心の健康づくりの充実とい
う観点からは、睡眠習慣の改善、うつ病の予防。
 健康づくりのための環境整備ということでは、日常的に運動できる環境づくりとしては、車に
乗らなくても済むような交通インフラの整備等、食塩摂取量低減のための環境づくりとして具体
的には栄養成分表示の制度化等。
 感染症としてワクチン、衛生教育。事故防止として教育、環境整備。健康危機として災害、感
染症、食品安全。環境としてアスベスト、放射線といったものについても課題例としていただい
ております。
 「推進方策・推進体制」につきましては、他省庁、他部局との連携、ネットワークの相互活用
の促進ということで、具体的には災害ネットワーク、虐待防止ネットワークと健康づくりの連動
ということがあるのではないかという御意見。
 自治体、保険者、企業、学校、各団体が自己評価、ベンチマークできる指標の導入。あるいは
達成状況に対するインセンティブを与える仕組みづくり。具体例としましては、大学では卒業時
の喫煙率の公表、健康企業の公表、あるいは健康文化都市では、宣言から実行性、結果評価へ。
 また、市民参加、市民主体の健康づくりの推進を評価したカテゴリ、指標、対策の推進(NPO、
NGO活動の評価等も含む)。
 3ページに移りまして、アウトカム指標(健康状態の指標)、アウトプット指標(中間的な行動
の指標、知識態度についての指標、取組みの実績)、基盤指標(基盤整備、実施のための環境整備、
マンパワー、予算、法制化)に分けた整理が必要ではないか。
 社会基盤整備の確保策への言及についても含めてはどうか。
 更に保健活動と指標の関連についての分析を行う体制づくりについても必要ではないか。具体
例としましては、運動プログラムと生活習慣病の減少、ワクチンと感染症減少効果といった御意
見をいただいております。
 なお、このほか具体的な指標や数字についても御意見をいただきましたが、この部分は次回の
3分野における取組み、評価も含めて御議論をいただければと考え、ここには記述しておりませ
ん。
 以上でございます。
○辻座長 ありがとうございました。これは構成員の先生方からお寄せいただいた御意見を事務
局の方で少しグループ化させていただいたということで出しておりますけれども、これにつきま
してそれぞれの先生方から、フリーディスカッションで御意見いただきたいと思います。どなた
からでも結構ですので、よろしくお願いします。
 古井先生、どうぞ。
○古井構成員 2ページ目の「取り組むべき健康課題(案)」の3つ目の○に関してです。生活習
慣病予防や健康づくりのための環境整備は非常に重要ですが、まずは本人が自分の健康に目を向
けるということが自己の環境整備になるのではないかと思います。ところが、循環器病調査によ
ると、健診を受けても7割の方が自分の健診結果を覚えていないとか認識をしていません。せっ
かく特定健診制度も入っているので、健診結果をもう少しうまく使うことで、自分の経年変化と
か、同じ性・年代の中で自分の位置づけはどうかといったことを意識してもらえるような環境整
備をやるのが重要ではないかと思います。
○辻座長 ありがとうございました。ほかにどなたかございますか。
 どうぞ。
○津下構成員 先ほどの議論を聞いていて、20代、30代の男女、特に女性の健康に関する指標が
悪くなっている。辻先生の言葉ではないですけれども、健康はうつる、不健康もうつるかもしれ
ない。これは次世代に対して次の子どもたちの生活習慣に関して影響が強く出てくる可能性があ
るということで、個人だけではなくて、次世代育成の観点からもターゲットとしなければいけな
い対象者というのを考えるのも必要ではないかなと。先ほどの指標の一連からそんなことを思い
ました。
○辻座長 三浦先生、どうぞ。
○三浦構成員 4つほど気がついたことがあったので申し上げます。
 基本的な方向のところでは、壮年期の死亡という用語について前回の会議のときにもお話をし
ましたけれども、壮年期は25〜44歳、中年期が45〜64で、64歳までの死亡である早世の減少
を目指すということだと思いますので、壮年期死亡というと非常に狭い範囲になるのではないか
と心配しています。
 また基本的な方向のところで、個々人での健康設計が重要という話も書いてある部分です。健
康日本21のときもそうでしたが、やはり国民全体のための環境整備が非常に大きな柱になると思
います。これを大きな柱にきちんと据えておいて、基本的な方向の中に個人がやることと環境整
備として産官学など社会全体でやる部分とをしっかり書く必要があるのではないかと思います。
特に健康日本21は国民の認知度が低く、例えばマスコミの活用など不十分なところがあったので
はないかと思います。その点を基本的な方向に1つ書くべきではないかなと思いました。
 3つ目は、○の4つ目のところで、リスクの重なりということが書いてありますが、私は健康
づくり運動に関しては重なっていると悪いというメッセージよりは、1つでも持っているとよく
ないよと、1つでも減らそうというメッセージが重要と思います。例えば喫煙1つ持っているだ
けでもかなり悪いといったメッセージが必要ではないかと思うので、その点は注意が必要なので
はないかと思いました。
 最後に、今後目標値云々の話になると思いますが、方向性として目標値の数は多くてもいいの
ではないかと思っております。国が具体的な目標でここまでやってほしいという目標をきちんと
示した方が、変に目標の数を絞り込むよりもいいのではないかなと思いました。
 以上でございます。
○辻座長 ありがとうございました。ほかには。
 安藤先生、どうぞ。
○安藤構成員 3点ほどあるんですけれども、1つは健康日本21のメッセージというのが誰に向
かっているのかということです。たぶん最初の段階ではいろんなものがあったんでしょうけれど
も、だんだんそぎ落とされて個人になってしまったというような経緯があるように思えてならな
いんです。その辺りが読んでいるとそれはわかるけれども、こちらではないのかという話がいろ
いろ出てくると思うんです。
 2番目は地方の取組みです。実際、健康日本21が展開されているのは地方でやられているわけ
ですので、今回最終評価で私自身が違和感を覚えたのは、地方における取組みが主体的に取り組
まれた先生方、地方でもいろんな御意見、貴重な役割をされているとは思うんですが、行政の方
とかそういった方が最終評価のメンバーにいないという点についていかがなものかなと思いまし
たし、1番目に申した誰に向けてというメッセージかという点については、地方ではそれなりの
ことをやられている事例がいろいろあると思うんです。
 ですから、そういった意味で今からだと間に合わないのかもしれないんですが、やはり地方で
どのような取組みをやったかという辺りはきちんと押さえておく必要があるのではないかなと思
っています。
 3つ目は、今、三浦先生が言われた1枚目の生活習慣のリスクの重なる云々のところなんです
が、この辺りをきちんと見るためにはデータをしっかり分析しないことには、ここの今回出てい
るような資料を見ただけではわからないと思うんです。
 大変難しいのかもしれませんけれども、国民健康・栄養調査のデータ利用は統計法の壁がある
のでなかなか大変かもしれませんが、もう少し研究者が関わりやすいような形で運用するとか、
そういった面も考えていかないと、多分個々の研究成果を待っていたのではなかなか難しいとこ
ろもあると思うんです。どうしても皆さん自分の分野がありますのでそこの研究が中心になると
思いますので、そういった狭間領域みたいなところをもし本気でやるのであれば、別の仕掛けみ
たいなものが必要だと思いますので、そういった研究の面からどのようにサポートしていくかと
いう辺りを検討するということが重要なのではないかなと思いました。
○辻座長 宮地先生の次に樋口先生。
 どうぞ。
○宮地構成員 3つほど追加したいのですが、今の段階でも特定健診、保健指導や介護予防とい
ったハイリスクアプローチもありますし、すこやか国民生活習慣運動あるいは今の健康日本21と
かポピュレーションアプローチもありますが、こういった今行われている政策をより生かして国
民全体の健康づくりに結び付けていく、そういったものと有機的に連動していくというようなこ
とを是非進めていただければというのが1つ目です。
 2つ目は、健康日本21は政府から国民に対するメッセージなんですが、先ほど先生も少しおっ
しゃいましたけれども、自治体、保健者、企業、学校、各団体あるいは保健師、管理栄養士、健
康運動指導士といった専門家、医師も含めてですが、そういったステークホルダーが間に入って
伝わっていくものです。それぞれのステークホルダーに優秀な人材がいれば、別に国がこうして
ほしいとか言わなくてもいろいろ考えて伝えてくれるとは思うのですが、やはりそれぞれのステ
ークホルダーが何をすべきかとか、どういう目標を達成すべきかといった各ステークホルダー向
けのメッセージや目標値みたいなものを定めるということが必要かなというのが2番目です。
 3つ目は、取り組むべき課題の例の一番最初に高齢者の健康づくりを重視することなんですけ
れども、高齢者の問題は生活習慣病の問題もそうですし、介護や自立度低下の問題もそうですけ
れども、実は20歳のときからもう始まっている。むしろ20代、30代の問題が高齢者になって顕
在しているというのが特に運動習慣を見ている私にとっては強く感じられるところで、高齢者に
なってからというよりは若い世代からのポピュレーションアプローチを重視していくということ
が重要ではないかと思います。
 最後にもう一つは、こういったメッセージはできるだけシンプルでわかりやすい言葉にして、
次の健康日本21では子どもでもわかるといったら言いすぎかもしれませんけれども、親しみやす
いメッセージになるようなメッセージづくりができればよりよいものになるのではないかなと思
いました。
 以上です。
○辻座長 樋口先生、お願いします。
○樋口構成員 頭の中で言いたいことがまとまっていなくて変なことになるかもしれませんけれ
ども、健康日本21というのはそもそも何なのだろうかというのが私の中によくわからない部分が
ありまして、これは単なる運動なのか、それとも何か目標値を決めてその目標値に向かって少し
でも健康状態が改善していく何かの政策を伴ったそういうものなのかということがどうも余りは
っきりしていない。
 例えば今、安藤先生もおっしゃっていましたけれども、地域のレベルでは結構啓発にプラス例
えば研修会をやるとか、いろいろな健康の実際の数値がよくなっていくような活動を伴ったもの
を健康日本21の一部としてやっているところも結構あるんだと思うんです。
 だけれども、国全体としてはそういうのがよく見えてこないところがあって、表現が正しいか
どうかわかりませんけれども、状況を10年間フォローアップしていったらいいものもあったし悪
いものもあったというレベルのことなのかというのことがあって、次にもしこういうことがある
とすると、もう少しわかりやすく運動プラス政策が加わったものなのか、運動がメインなのか。
その辺りも性格付けを明確にしていただきたいと思います。
○辻座長 田嶼先生、どうぞ。
○田嶼構成員 これから取り組む課題として忘れてはならないのは、今、日本がどういう状況に
置かれているかという視点をもつことではないかと思います。2000年に健康日本21がスタート
したときは、日本では中流階級が80%を占めると考えられるほど安定して平和でしたが、東日本
大震災後はどのような状況に直面するかわかりません。これからは経済的な格差だって大きくな
るかもしれません。また、新聞などの報道を見ていますと、信じられないほどの幼児の虐待など
があります。このように、恵まれた人たちと取り残されていく人たちが出てくる可能性だってあ
るわけです。そういう中で弱者の健康を守るという視点を是非入れることが必要なのではないか
と思います。
○辻座長 ありがとうございます。ほかにどなたかございますか。
 鈴木先生、どうぞ。
○鈴木構成員 広く国民に伝えるという点では、やはりメディアに対してどうアプローチするか
ということだと思います。だから、この結果を踏まえて今、先生が言われたような特に弱者みた
いな人ということを考えていくのだったら、NHKの解説番組にするのではなくて、民放のバラエ
ティみたいなところでこういうテーマをうまく使ってやっていく、そういうことを継続的に知っ
てもらうような取組みが必要なのではないかと思います。
○辻座長 ほかにどなたかいらっしゃいますか。
 どうぞ。
○尾崎構成員 昨日もたまたまある市の保健士さんと話をしていたんですけれども、健康日本21
の市町村計画は努力義務で、義務化されてはいないので、市町村の中における同じ厚生労働省管
轄でもつくらねばならない計画に押されてしまって、せっかく10年前につくった計画の評価体制
が立ち上げられないとか、目先の大変なことがあるから後回しにされて全然2年間進んでいない
とかそんな意見を聞いたばかりなので、やはりそういうほかの同等の介護予防だとかいろいろな
対策と対等なものに市町村が取り組まないと、恐らく全日本で見ているものは現場の方の努力の
評価をモニタリングさせていただいているというだけなので、現場が一生懸命活躍しやすくする
環境を整えてあげるという意味でも、そこは市町村の健康づくり計画をつくってそれに基づいて
活動して、そしてちゃんと評価してくださいというのを義務化していただいた方が市町村は動き
やすいのかなという気がしました。
 以上です。
○辻座長 あと数人まだですけれども、兼板先生、どうですか。
○兼板構成員 国民健康づくり運動が第1次、第2次、第3次と進んでまいりまして、第3次が
健康日本21だったわけです。次のが第4次ということになるとしましたら、やはり国民の健康づ
くり運動でありますので、主座は国民にあるということは間違いないかと思っています。それを
サポートする形が国であり都道府県であり、市町村であって、勿論、その他各種健診団体、企業、
学校、そういった各団体になるかと思います。
 国民主座の健康づくり運動となりますと、国民が自ら対処できる生活習慣ということが中心に
なるということは間違いないことだと思いますので、健康日本21の考え方自身は非常に継承され
るべきだと考えています。
 その中で、今日ありましたように、生活習慣あるいは健康指標で改善したもの、そうでないも
のが浮かび上がってきつつありますので、そういったことを基に改善していないことにはより積
極的にアプローチをするということですし、またこの10年間で明らかになった、こういった生活
習慣、例えば私のところの睡眠などはそうなんですが、特に生活習慣病と関連していることはよ
くわかってまいりまして、そういった新しい知見をまた取り入れていくという形で第4次の国民
健康づくり運動というのが構築していかれるべきかと思っています。
 以上です。
○辻座長 西先生、どうぞ。
○西構成員 栄養・食生活の分野でも企業努力という話は環境整備ということであったんですけ
れども、健康づくりのための環境整備、国の健康日本21のその次の運動というものを、国の政策
として環境整備としてできる施策は何かというのをきっちり見極めて、それを打ち出していくの
が国の運動なのかなと思います。市町村の計画というのは、住民への啓発ですとか、そういった
住民に密接なアプローチができるという利点がありますけれども、国としてやるべきことは環境
整備の施策の展開だと思います。
○辻座長 横山先生、何か。
○横山構成員 健康日本21と同様に、早世の予防とか、健康寿命とか、その辺は引き続き重要だ
と思うんですが、個人的にはこの中で人生設計としての健康課題という、健康の人生設計という
言葉がとても響いたんです。やはりいろんな生き方があると思いますので、国民全体で多くの方
は恐らく人生設計の中で健康が入っていないのではないかと思うんです。仕事とか家庭とかとい
う人生設計は多くの方が考えますけれども、健康についてのイメージというのは持っていない方
もいますので、更に今後の日本の将来がやや不透明だという現状も踏まえて見ると、個々の国民
が人生設計を考えていただく中に健康を入れるというコンセプトはとてもいいのではないかと個
人的には感想として思いました。
○辻座長 どうぞ。
○津下構成員 今、経済紙の中でも健康とか医療費や介護の問題がとらえられるようになって、
健康というのが例えば健康局だけの問題ではなくて、社会インフラの非常に大事なベースになっ
てきている。だから、健康日本21の計画というのは目標とすることが非常に大きいことであって、
個別の計画よりももっと包括的に大きな目で動かしていく必要があるのではないかなと。
 だから、そういう次の計画については、健康日本21の一つひとつの指標を達成するために、例
えば介護予防の事業があり、特定健診、保健指導という事業がある。だけれども、そういう事業
に乗らない人たちもいるのも実際には数多くあって、呼びかけられても来ない人たちも含めてど
うやってサポートしていくかということも大切で、環境とか周りの影響というインフォーマルな
情報の役割が非常に大きい。広い視野から、ほかの政策も包含して一度整理して、また、目先の
2〜3年の計画ではない10年のスパンで、先ほど田嶼先生がおっしゃられたこれからの人口構成
の予測とか、さまざまな要素も取り入れて検討していくのが必要ではないかと思いました。
○辻座長 ありがとうございました。一応全部の方から御意見をいただきましたけれども、時間
も限られていますけれども、最後にこれだけは言っておきたいという方はいらっしゃいますでし
ょうか。よろしいでしょうか。
 私も大体皆さんの御意見と一緒で、特に今日はまとめる必要はなくて方向性として幾つか出し
ていけばいいと思っていますので、改めてまとめることはないんですけれども、2点だけ申し上
げます。
 1つは、この10年間を振り返ってどうだったかなというのを考えていきますと、大きな成功を
収めたのは喫煙率が下がってきたことを高く評価したいと思います。ですから、我々はこの10年
間の喫煙問題が完全ではないですけれども、ある程度進んだ、改善したことの要因について一度
きっちりと見直した方がいいのではないか。
 その要因として、環境整備が挙げられます。健康増進法という法律をつくったり、受動喫煙を
かなり制限したり、あるいはたばこ税を引き上げたりとか、いろんな環境整備があって喫煙率も
低下したのではないかと思います。それを1つのモデルにして、これからも他の課題についても
社会環境とか法制面の取り組み、あるいはさまざまな政策を総動員して健康づくりをしていくん
だということを、今後のために1つ明確にしていただきたい。
 その上で、公がすべきことと私がすべきことをきちんと、樋口先生がおっしゃったように、運
動と政策との融合ということをこれからの大きな課題にしていただきたいというのが1つ。
 もう1つは、田嶼先生の御意見と同じなんですけれども、10年前を振り返ってみると、国民の
健康づくりというときにメンタルヘルスの話はそれほど出なかったんです。勿論、検討はされて
いますけれども、これほど大きな課題になるとは思っていなかった人が多かったと思います。
 しかし今では失業の問題、貧困の問題あるいは孤独とか無縁、そういった社会経済的な理由で
病気が増えている。経済格差や社会格差が原因となって健康を害していく。そういった健康の社
会的な側面が色濃くなってきたのが、この10年だったと思います。今回の東日本大震災について
考えますと、被災者の方々が何十万人といるわけですけれども、その方々の今後の大きな課題と
いうのは、職に就けるかどうかということなんです。田んぼも使えない、あるいは港も使えない、
漁にも出られない、養殖もできない、そういった中で仕事をできないという問題なのです。ある
日突然仕事ができなくなって、その先が見えないというのが、今彼らを非常に大きく苦しめてい
る訳です。そういったところから始まって、雇用の問題、経済の問題が、実は国民全体の健康に
大きな影響を及ぼしている。それが今の最重要課題の1つなのです。そういった意味でメモにも
たくさん書いてありますが、貧困等のさまざまな生活条件の格差や健康格差の縮小に向けた社会
的な運動に広げていく必要があるのではないか。あるいは家族や地域のきずなという形でソーシ
ャルキャピタルが健康に及ぼす影響も分かってきましたので、健康を支えるような社会的、経済
的あるいは文化的な条件についても理論化して、メッセージを投げかけていくということも我々
の仕事なのかなと思いましたので、あえて申し上げました。
 以上ですけれども、まだ言い足りない方はたくさんいらっしゃると思いますので、その他御意
見につきまして、先ほどと同じように机上の「ご意見シート」に御記入いただきまして、事務局
にお伝えいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 次回の評価作業チームでありますけれども、「糖尿病」「循環器疾患」「がん」の3分野における
評価も報告される予定ですので、それを含めまして次回、また総合的な議論ができればと思いま
す。
 ほかに事務局から何かございますか。
○三田室長補佐 次回の日程につきましては、日程調整させていただきまして、後日、案内させ
ていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○辻座長 それでは、時間も参りましたので、本日はこれで終了といたします。どうもありがと
うございました。


(了)
<照会先>

健康局総務課生活習慣病対策室
 室長補佐 三田
 電話番号 03-5253-1111(内線2348)

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