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2011年7月29日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

医薬食品局

○日時

平成23年7月29日(金)17:00~


○場所

厚生労働省 専用第14会議室


○出席者

出席委員(16名):五十音順 敬省略

◎五十嵐   隆、 石 井 則 久、 猪 熊 茂 子、  遠 藤 一 司、

 生 出 泉太郎、 大 野 泰 雄、 加 藤 進 昌、  金 澤   實、

 倉 田 雅 子、 高 杉  敬 久、  新 見 伸 吾、  林   邦 彦、

 日 野 治 子、○松 本 和 則、 三 宅 良 彦、  村 島 温 子

(注) ◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順 敬省略

 國 頭 英 夫、 倉 山 英 昭、 平 原 史 樹、  槇 田 浩 史、

 三 谷 絹 子、 渡 邉 治 雄

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 俵 木 登美子 (安全対策課長)

 渡 邊 伸 一 (安全使用推進室長)

 森   和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○事務局 定刻になりましたので、「平成23年度第1回医薬品等安全対策部会」を開催いたします。本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧騒にわたる行為はしないこと」、「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など留意事項の厳守をお願いいたします。
 本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。本日の会議は、國頭委員、倉山委員、平原委員、槇田委員、三谷委員、渡邉委員より欠席の御連絡をいただいております。また、加藤委員より、都合により遅れる旨、御連絡をいただいております。現在15名の委員に御出席いただいておりますので、本部会の定員は22名となりますことから、定足数に達していることを御報告いたします。なお、金澤委員より、18時で御退席される旨の御連絡をいただいております。
 議事に入ります前に、事務局に異動がありましたので、簡単に紹介させていただきます。安全使用推進室長として、佐藤の後任に、渡邊が着任しております。医薬品医療機器総合機構安全第二部長として、依田の後任に、高松が着任しております。
 議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。以降の議事進行については、五十嵐部会長にお願いいたします。
○五十嵐部会長 委員の先生方におかれましては、お忙しいところ、またお暑いところお集まりいただきまして、ありがとうございます。初めに事務局から、審議参加に関する遵守事項について御説明をお願いします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程について御説明いたします。ケトチフェンフマル酸塩点眼薬については、製造販売業者である大正製薬株式会社及びノバルティスファーマ株式会社並びにその競合企業の3社の計5社、アシクロビルについては、製造販売業者である大正製薬株式会社及びグラクソ・スミスクライン株式会社並びに競合企業1社の計3社、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏については、製造販売業者であるブリストル・マイヤーズ株式会社及びその競合企業3社の計4社、生薬及び動植物成分のリスク区分については、生薬製剤の売上げ上位3社の養命酒製造株式会社、大幸薬品株式会社及び救心製薬株式会社から、過去3年度における寄付金等の受取について申告いただきました。
 五十嵐委員から第一三共株式会社より50万円以下の受取、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円を超え500万円以下の受取、帝人ファーマ株式会社より50万円以下の受取との申告、石井委員から第一三共株式会社より50万円以下の受取、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取との申告、猪熊委員から大正製薬株式会社より50万円以下の受取、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取、帝人ファーマ株式会社より50万円以下の受取との申告、遠藤委員からノバルティスファーマ株式会社より50万円以下の受取との申告、加藤委員からグラクソ・スミスクライン株式会社より50万円を超え500万円以下の受取との申告、金澤委員から大正製薬株式会社より50万円以下の受取、グラクソ・スミスクライン株式会社より50万円を超え500万円以下の受取、帝人ファーマ株式会社より50万円以下の受取との申告、林委員から大正製薬株式会社より50万円を超え500万円以下の受取との申告、三宅委員からノバルティスファーマ株式会社より50万円以下の受取、興和株式会社より50万円以下の受取との申告がありましたので、お知らせいたします。
 ケトチフェンフマル酸塩点眼薬について審議する間は、林委員におかれましては、御出席し、意見を述べることができますが、議決には加わらないこととします。アシクロビルについて審議する間は、五十嵐委員、加藤委員、金澤委員及び林委員におかれましては、御出席し、意見を述べることができますが、議決には加わらないこととします。トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏について審議する間は、林委員におかれましては、御出席し、意見を述べることができますが、議決に加わらないこととします。その他の審議については、審議又は議決への不参加に委員はいらっしゃいませんでした。
○五十嵐部会長 ただ今、事務局から説明がありました審議参加に関する遵守事項について、何か御質問、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、競合品目、競合企業の妥当性を含めて御了解をいただいたということにいたします。
 それでは、事務局から今日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 各委員の先生方には、事前に資料を送付しておりますが、お手元の資料の御確認をお願いいたします。お手元の配付資料一覧がありますが、資料1が「一般用医薬品のリスク区分について関連」でございます。資料1-1が「製造販売後調査の終了等に伴うリスク区分の変更について」、これが資料1-1-1~資料1-1-3まで3種類ございます。資料1-2が「一般用医薬品のリスク区分の見直しについて」で、参考資料1~3の3点でございます。
 次に資料2「医薬品等の市販後安全対策について関連」でございます。これが資料2-1-1~資料2-1-4までの4種類と、資料2-2~資料2-8までとなります。
 続いて資料3「医薬品等の副作用等報告の状況について関連」ですが、資料3-1、資料3-2、これに参考資料3-1が付いております。また、資料3-3~資料3-6までの4種類ございます。
 資料4「医薬品の感染症定期報告の状況について関連」ですが、こちらは資料4-1と資料4-2の2種類でございます。
 資料5「医薬品等の回収報告の状況について関連」ですが、資料5-1と資料5-2の2種類ございます。
 資料6は「その他関連」ですが、こちらは資料6-1~資料6-5までの5種類ございます。何か不足等がありましたら、お申し出いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 議題1に入ります。この審議につきましては、審議参加規程の関係から、松本部会長代理に進行をお願いいたします。よろしくお願いします。
○松本部会長代理 議題1の進行を務めさせていただきます。議題1は「一般用医薬品のリスク区分について」ですが、事務局から概要の説明をお願いいたします。
○事務局 審議事項の議題1、「一般用医薬品のリスク区分について」御説明いたします。資料1-1を御覧ください。現在第1類医薬品に区分されている、これら3つの成分について、製造販売後調査の終了等に伴い、リスク区分の変更の検討を行うものでございます。
 次に、資料1-1の2枚目を御覧ください。「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」ですが、一般用医薬品のリスク区分の変更等については、安全対策調査会において専門家の方々や学会関係等の御意見を踏まえ、事前に整理をした上で、その事前整理の結果とパブリックコメントの結果を踏まえて、安全対策部会で調査審議を行い、指定変更の要否について答申を得るものとされております。
 こちらの3成分については、本年4月22日に開催された安全対策調査会で検討されましたので、その整理結果を御報告し、御審議をお願いするものでございます。
 まず、ケトチフェン点眼薬について御説明いたします。アレルギー用薬のケトチフェン点眼薬ですが、製造販売後調査終了に伴い、見直しを行うものです。資料1-1-1に製造販売後調査報告書とザジテンAL点眼薬、アイリスアレストの添付文書を示しています。安全対策調査会において、同様の成分として抗ヒスタミン作用を有するクロルフェニラミンを配合した点眼薬が第2類医薬品として流通していること、製造販売後調査の結果、重篤な副作用も少ないことから、第2類医薬品が適当であるとの御意見をいただき、参考資料3にパブリックコメントの一覧を載せていますが、2件のパブリックコメントが寄せられました。
 次に抗ウイルス薬のアシクロビルです。製造販売後調査の終了に伴いリスク区分の変更の検討を行うものです。資料1-1-2に製造販売後調査等報告書とヘルペシア軟膏、アクチビア軟膏の添付文書をお示ししています。安全対策調査会においては、自己治療の範囲であるか否かを見極めて使用するのに判断が難しい医薬品であること、効能に「過去に医師の診断治療を受けた方に限る」との記載があり、慎重に使用する必要がある薬であること等から引き続き第1類医薬品とすることが適当であるという御意見をいただきました。参考資料3に3件のパブリックコメントが来ております。
 最後に、口内炎用薬のトリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏です。トリアムシノロンアセトニドについては、昨年、口腔内貼付剤について製造販売後調査が終了したことから、リスク区分について見直しが行われ、指定第2類に変更になったところです。今回、御審議いただきますのは、口腔用軟膏ですが、口腔用軟膏は昭和40年に医療用、一般用両用の製剤として承認を受けたもので、平成20年に一般用医薬品の効能・効果を追加承認した際に、口腔貼付剤と同じく一般用としては第1類医薬品に区分されたものです。現在、トリアムシノロンの口腔用軟膏について、一般用製剤と医療用製剤とを分割する承認事項一部変更申請が行われており、それを踏まえ口腔用貼付剤との整合も考慮し、口腔内軟膏のリスク区分について検討を行うものです。資料1-1-3には、ケナログ口腔用軟膏の副作用の発現状況と添付文書を付けております。
 安全対策調査会においては、より吸収が良いと考えられる口腔内貼付剤が指定第2類であること等から、口腔用軟膏についても指定第2類とすることが適当であるといった御意見をいただき、参考資料3に4件のパブリックコメントが寄せられました。資料の御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○松本部会長代理 ただ今の事務局からの説明に対して、御意見、御質問等がございますか。
○生出委員 薬剤師会の生出です。ケトチフェンフマル酸塩点眼薬、アシクロビル、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏ですが、ずっとケトチフェンについては点鼻であったり、そういうときにも浮動性のめまい等々があるので、第1類医薬品に留めるのは望ましいと考えるというパブコメを出しています。アシクロビルについては第1類に留めることは妥当であると、当然であると考えるというパブコメも出し、トリアムシノロンについては、貼付剤と異なって塗るという行為は、使用量が多くなると副作用が発現しやすくなるのではないかというパブコメを出しておりますが、それよりも昨年8月のこの部会で私が発言しており、薬剤師のスクリーニングといいますか、我々はトリアージ業務と言っていますが、その中で「この方には売らない」ということから副作用が発現しなかったという事例を、薬剤師会として今、アンケート等々意見を集めているところです。国の形としてPMSを取るときとか、いろいろなことを検証する場合に、「販売をしなかったために、副作用の発現を防いだ」というデータの取り方をしていだくことはできないものかと思っております。「販売しなかったために未然に防いだ」ということまで評価していただきたいということであります。
○松本部会長代理 その点はいかがですか。事務局からお答えいただけますか。
○安全対策課長 今、一般用のスイッチOTCについて市販後の調査をかけるときには、多くが購入者の方にはがきをお願いして、何か健康被害があった場合に、その情報がフィードバックして返ってくるという形でやっていますので、売らなかったことによる被害の未然防止を調査する手法としては非常に難しいのですが、先生の御発言にありました、前から教えていただいているように、薬剤師会なりでそういった手法での情報収集が可能であれば、私どもとしても非常に貴重な情報であると考えておりますので、是非いろいろな情報をいただければありがたいと思っています。
○生出委員 それでは、そういう調査の結果が挙がりましたら提供したいと思います。
○松本部会長代理 その結果をまた、こういうものに反映されればよろしいのではないかと思うのですが、ほかに御意見はありますか。
○日野委員 私は皮膚科です。ケトチフェンについて、これに添付してありますように副作用の症例は決して少なくはないです。皮膚科で接触皮膚炎の患者を診る機会が非常に多い。これは他の科の先生方はまず御存じないかもしれませんが、皮膚科医にとってケトチフェンは決して感作力の弱いものではないということ、つまり感作しやすい。粘膜から吸収されるからかもしれませんが、また頻繁に点眼することによって、接触皮膚炎を起こしやすくするのかもしれませんが、決して接触皮膚炎が少なくはないこと。それから、ケトチフェン点眼薬にはベンザルコニウムも入っています。これもやはり感作しやすいものであるということから考えて、このパブリックコメントにもありますが、第1類に置くべきだという意見に私は賛成したいと思います。
○松本部会長代理 これに対してどなたか御意見はありますか。事務局から何かコメントはありますか。
○安全対策課長 資料1-1の4枚目、参考2となっています一番最後の紙ですが、一般用医薬品のリスク区分の基本的な考え方といいますか、区分について資料をお示ししています。第2類医薬品としては、副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品として区分されており、風邪薬とか、解熱鎮痛剤等の一般用医薬品もほとんどが第2類に分類されており、第1類はさらにそれに加えて特段の注意喚起が必要なものということで、非常に限定的に区分をされています。
 これまで分類されている第1類、第2類の医薬品との均衡といいますか整合を考えますと、事務局としてはケトチフェンについて、内服薬についてはすでに第2類としているところでして、今回の点眼薬についても、先生が御指摘の感作の問題については添付文書等にも注意が行われていると思います。そのような注意を、当然第2類についても店頭での薬剤師または登録販売者による情報提供の努力義務がかかった区分ですので、そのようなところでの注意喚起の徹底を企業にはお願いして、第2類として区分するのが、他の薬との均衡という意味では適切ではないかと思います。そういう観点から、調査会では御議論を第2類ということで、いただいたのではないかと考えています。
○日野委員 症状が非常に重いからというだけではなくて、その発症の件数が多いか少ないか、それも考慮しなければいけないのではないかと、いつも思っているのですが、いかがでしょうか。
○松本部会長代理 そうですね、一応件数は今のところ公に出ている件数としては、そう多くないということですか。
○日野委員 これは水面下でもっと数が多くて、皮膚科では総数を集めろといったなら、たぶんもっと数が集まってくるのではないかと思います。これは本当に一部の数が出ているだけだと思います。
○松本部会長代理 そうですね、先生がおっしゃるような専門家が見られた形でどれぐらいあるかというのは、今のところまだはっきり分からないところもあるかとは思いますが、今現在、公に出てきているものに関しては、そう多くありません。
○安全対策課長 そうです。重篤な副作用については報告義務がかかっていますが、一般用の医薬品についても、もちろん副作用の報告は来ていますが、ケトチフェンに特に多い報告状況ということではないと考えていますが、先生のおっしゃるように件数が多いということであれば、加えて、例えば情報提供の資材を少し先生とも御相談させていただいて、注意喚起が図れるように対策が取れないか、検討させていただければと思います。
○松本部会長代理 日野先生、よろしいですか。そういうことで協力していただければと思いますが、よろしいですか。
 ほかに御意見はありませんか。よろしいようでしたら議決を取りたいと思います。各医薬品のリスク区分について、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬については第1類から第2類に変更するということでよろしいですか。申し出に基づいて、林委員におかれましては議決への参加を御遠慮願います。いかがですか。御異議はありませんか。
 御異議はないようですので、先ほどの日野先生のお話もありますが、今後注意するということを念頭に置いて、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬については、第1類から第2類に変更することをお認めいただいたものとします。
 続いてアシクロビルについては、引き続き第1類のままとするということでよろしいですか。こちらも申し出に基づいて、五十嵐委員、加藤委員、金澤委員及び林委員におかれましては、議決への参加を御遠慮いただきます。特に御異議はありませんか。
 御異議ないようですので、アシクロビルについても引き続き第1類のままとすることをお認めいただいたものとします。
 続いて、トリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏については、第1類から指定第2類に変更するということでよろしいですか。この薬剤についても、申し出に基づき、林委員におかれましては、議決への参加を御遠慮いただきます。特に御異論はありませんか。
 御異議なしとします。ありがとうございました。
 ただ今審議いただきました3品目の一般用医薬品のリスク区分案について、今後の予定の説明を事務局からお願いします。
○事務局 ありがとうございます。御審議いただきました結果に基づいて、これらの変更に係る告示改正と指定薬解除に係る省令の改正を進めさせていただきます。
○松本部会長代理 引き続き、一般用医薬品、生薬及び動植物成分のリスク区分の見直しについて、審議をします。事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 一般用医薬品、生薬及び動植物成分のリスク区分の見直しについて、御説明申し上げます。初めに、今回の見直しの経緯等も含めて簡単に御説明いたします。お手元の資料1-2を御覧ください。平成21年6月より新しい医薬品販売制度が施行され、リスク区分に応じた販売の仕組みが導入されたところですが、「1.安全性の検証等」にありますように、販売制度が施行され一定期間が経過した後の副作用等報告状況や報告内容等を評価し、各リスク区分に振り分けられている一般用医薬品についてリスク区分の見直しを行うこととなり、対応を進めてきたところです。
 「2.ワーキンググループ(WG)の設置」にありますように検証に際しては、副作用報告の精査等を行うため、安全対策調査会のもとにワーキンググループが設置されました。
 「3.見直しの方向性」については、1.にありますように当初のリスク区分については「成分単位」で行われており、配合剤の製剤としてのリスク区分は、最も高いリスク区分の成分によって決定されるということになっています。今回の見直しにおいては、2.の欄にありますように、実際の「製剤単位」でのリスク評価を検証することとしています。
 「4.見直しの手順」は、当面、配合剤としての配合パターン等が比較的単純で、検討が容易な生薬製剤から見直しを行い、その後、漢方製剤、化学薬品の配合剤について順次検討を進めることとしております。
 1枚おめくりください。別添が付いていますが、ここにありますように生薬及び動植物成分についての検討結果として取りまとめております。
 「1.見直しの考え方」は、下段にありますフロー図を御覧ください。2類成分、3類成分と分類されている生薬及び動植物成分について、まずは成分の生薬学的評価を実施いたします。具体的には、食経験の有無とか、有害成分の有無とか、毒性の知見の有無を考慮して、成分の区分変更案を策定いたします。
 この作業に当たり特徴的なこととしては、上段の説明文の(3)にありますが、1日の服用量が一定量以下の配合量の場合に限り、第3類扱いとなる量的条件の考え方が設けられております。
 このように、まず2類成分、3類成分について、成分の生薬学的評価を行ったことによって、成分の区分変更案を作った上で、その成分の区分変更案を実際の製剤に適用して製剤としての区分が変更となるものについて、フロー図にありますように「製剤としての安全性検証」の部分、下の部分になりますが、このような検証を行うこととなります。具体的には、製剤としての副作用の報告状況、副作用と製品の関連性の強弱、使用方法などを考慮して、問題となる副作用の報告がないか等の確認をします。この結果、改めて成分の区分変更案を見直すこととなっています。
 このフロー図の例では、成分の生薬学的評価で第3類とされていた上の段にありますオレンジ色の丸の成分が、製剤としての安全性検証を経て、副作用等の状況からみて、区分が変更となる場合ということで、点線で結ばれていて、結果的には量的条件によって第3類となる区分に変わったとなる事例を示しています。
 3ページを御覧ください。検討の経緯を示していますが、本年2月と3月に1回ずつ、合計2回ワーキンググループを開催し、その結果をもとに4月22日の安全対策調査会において御議論をいただきました。ここで素案を取りまとめて5月16日~6月14日までパブリックコメント手続を実施し、お寄せいただいた意見を踏まえて、7月8日に再度安全対策調査会で検討し、変更案をまとめたところでございます。
 見直しの結果について御説明をします。下段に表として1.~7.までありますが、1.にありますように成分の区分を第2類から第3類に変更するものです。これについては、(別紙1)として5ページ~10ページにかけて変更案をお示している72成分です。
 ここで10ページの欄外の中央を御覧いただきたいのですが、No.67、現行の告示番号では224番になりますが、このモツヤクについては、外用剤に限って第3類とする案となっております。
 また3ページにお戻りください。2.になります量的条件を付して第2類から第3類に変更するものですが、(別紙2)という形で11ページ~13ページのところに変更案をお示ししております。これは、漢方処方製剤の半量程度を目安とした32成分と、13ページにお示ししております漢方製剤の1/10程度の量を目安とした19成分の2通りのパターンに分かれております。
 12ページの欄外の注3)を御覧ください。ケイガイ、ケイガイホについては、その外用剤は第2類とする案となっております。
 13ページに注3)があり、イレイセン、モクツウの外用剤は第2類、ハンゲの外用剤は粘膜に適用するものを除き第3類とする案になっております。
 3ページにお戻りください。3.の第2類から指定第2類に変更するもの3成分、4.の第3類から第2類に変更するもの1成分、5.の量的条件を付して第3類から第2類に変更するもの4成分については、14ページの(別紙3)に変更案をお示ししております。ソウキセイの外用剤については第3類、アロエ、カンゾウの外用剤については第3類、ガジュツ、トウニンの外用剤については第2類とする案となっております。
 また3ページにお戻りください。6.になります外用剤について、第2類から第3類に変更するもの1成分と、7.の外用剤について第3類から第2類に変更するもの2成分については、(別紙4)に取りまとめております。これは15ページになりますが、先ほど御説明の際に欄外の注の中で説明した事項と同じものとなっております。
 小児のみを対象とした製剤について、量的条件を適用する場合についての詳細は16ページにお示ししていますが、基本的には成人用量に換算した1日量をもって適用することとしております。
 この他、17ページ~18ページにあります(別紙6)のとおり、生薬及び動植物成分の名称等について整備をしております。現行の生薬及び動植物成分のリスク区分が、これまで御説明した変更案を反映させると、実際どのように変更になるのかについては、19ページ以降の(別紙7)に具体的にお示ししたとおりです。
 これが変更の案の全体ですが、また4ページにお戻りください。今回の見直しにより成分がどのように変わっていったか、また製剤にどのような影響があるかをお示ししたものです。上段が成分の見直しの部分ですが、今回の見直しにより、現在、第2類成分が245成分、第3類成分が408成分となっていますが、見直しの結果、第2類が177成分、第3類が428成分と変わります。
 ここで現行の第3類から見直し案のところで落ちていく際に、第2類のところが第3類の方に72成分と51成分という形で矢印が延びていっています。これは成分としては変更になっていきますが、今まで外用剤のみが第3類となっていたものに、その本体である生薬成分が移動するものなどもありますので、最終的な結果としては408成分から少し成分が増える程度で、余り大きな成分の変化とはなっていないという状況があります。こういう名称の統合、分割とか追加等で、見直しの前後で成分数に少し差が出てきていますので、厳密には移動した数がそのまま変更後の数になっていないところはありますが、このような形で、全体が変更になるということです。
 これを製剤ベースで見たときには、下段にありますように第2類から第3類に変更となるものが183製剤あり、第3類の製剤に着目しますと、変更前の185製剤~355製剤と大体2倍近くの量になっています。これは製造販売業者から申し出のありました1,030製剤について確認したところ、このようなことではないかということです。
 資料の御説明は以上になりますが、製剤としてのリスクの検証に用いた副作用の発生状況の一覧について、参考資料1と参考資料2にお示ししております。また、パブリックコメント手続によってお寄せいただいた意見については、参考資料3にお示ししたところです。多くは、指定2類のところについて、取扱いを見直ししてほしいという御意見とか、外用剤の取扱いについてどうするのかという御意見、小児の製剤についての量的条件の適用の仕方をどう考えるのかという御意見などをいただいたほか、生薬及び動植物成分の名称等の見直しなどをしたということです。変更案についての御審議をよろしくお願いします。
○松本部会長代理 ただ今の事務局からの説明に対して、御意見、御質問等はありますか。特にないようでしたら議決を取りたいと思いますが、事務局の提案どおり変更するということでよろしいですか。
 特に御異論はないようですので、そのようにさせていただきます。この後、今後の予定を事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 御審議いただきました結果に基づき、これらの変更に係る告示改正を進めさせていただきたいと思っております。
○松本部会長代理 議題1の審議は以上となります。これ以降の議事進行を五十嵐部会長にお願いします。
○五十嵐部会長 松本先生、ありがとうございました。それでは議題2に移りたいと思います。事務局から、資料2の説明をお願いします。
○事務局 議題2「医薬品等の市販後安全対策について」の御説明をいたします。本議題については8項目の内容がありますので、一通り資料の御説明をしてから御意見や御質問等をお願いしたいと思います。資料2-1-1を御覧ください。こちらは平成22年度の安全対策についてのまとめの資料となっております。1ページに医薬品及び医療機器の副作用等報告数の推移を示しております。副作用等の報告制度について簡単に御説明いたしますと、薬事法第77条の4の2の第1項の規定により、医薬品等の製造販売業者は、その医薬品等に係る副作用・不具合報告・感染症・研究報告を知ったときには、当局に対し報告することが義務づけられております。また、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても、同条2項の規定により、医薬関係者は必要と認めるときは、国へ直接報告することが義務づけられております。この制度に基づいて報告された、過去5年間の副作用等の報告数を表に示してあります。
 (1)の医薬品について説明しますが、平成22年度の製造販売業者からの副作用報告は、34,578件、研究報告が940件、外国措置報告が1,033件、感染症定期報告が1,101件です。また、医薬関係者からの副作用報告については3,656件でした。これらについて、昨年度と比べて大きな変化はないものと考えております。
 次のページですが、資料の一番下に修正資料を付けていますので、そちらを御覧下さい。安全対策上の措置数の推移について、過去5年間、医薬品、医療機器についてまとめたものになっております。医薬品については、平成22年度は、「医薬品・医療機器等安全性情報」という厚生労働省から毎月発行している情報誌ですが、そちらに掲載された件数が33件、個々の医薬品の使用上の注意の改訂については341件でした。使用上の注意の改訂の件数が平成21年度~22年度で約100件ほど増えています。その理由としては、昨年度、向精神薬等においてクラス改訂を何件か行ったことがありますので、それが理由であると考えております。
 修正の内容は、医療機器の使用上の注意の改訂件数に誤りがありましたので、こちらは修正しております。また、それに伴って合計の数も修正しております。これについては、先日、医療機器の安全対策部会で報告した資料と同じものですが、そちらの修正もホームページの掲載の際に対応したいと思います。
 同じ資料の4ページを御覧ください。その他の安全対策状況として、本部会の下部組織である安全対策調査会での審議状況をお示ししています。調査会の開催回数が多くなっておりますが、主な内容としてはワクチンの関係、新型インフルエンザワクチンと、昨年11月から助成が開始されております子宮頸がんワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの安全性に関する評価についての会議が多く開催されたので、開催回数も必然的に多くなっております。資料2-1-1については以上です。
 資料2-1-2を御覧ください。先ほど御説明しましたように、医療機関及び医療製造販売業者からの副作用症例の報告の制度がありますが、その制度に則って受け付けた副作用症例について、PMDAの情報提供ホームページにおいて、各医薬品ごとに副作用ごとの件数や各症例のラインリストを公開しているところです。これについて全体の公表数の総計、このうちの死亡症例の公表数について、過去5年間の状況をまとめた資料になります。
 この資料の裏面が、グラフとして報告状況の年次推移を示したものになります。上のグラフが、報告数全体の年次推移を示しております。下のグラフが公表数の年次推移となりますが、各年度の一番左側が公表数、中ほどが死亡公表数、右側が死亡公表のうち因果関係が否定できないとされたものとなっております。
 続いて、資料2-1-3と資料2-1-4になります。これらの資料は、PMDAの情報提供ホームページに公表されている死亡例について、医薬品ごとに資料2-1-3については因果関係が否定できないと評価されたものの件数、資料2-1-4については因果関係にかかわらず死亡全体の数を集計したものとなっており、それぞれ過去5年間分をまとめたものになっております。これらの集計については昨年度の本部会でも御説明いたしましたが、PMDAの情報提供ホームページで公開されている情報をまとめたもので、国民の皆様に対する医薬品の適正使用に供するための情報提供の一環として、毎年1回本部会において報告するものです。議題2の(1)の関係については、以上となります。
 資料2-2「医薬品等の使用上の注意の改訂について」です。本年3月31日に開催された、前回の医薬品等安全対策部会以降に改訂したものの一覧です。4月に17件、5月に15件、6月に3件、7月に12件の改訂を行いました。これらの使用上の注意の改訂については、本部会の先生方に事前に御確認いただいておりますので、内容の紹介については省略させていただきます。これらの改訂は、PMDAの情報提供ホームページに掲載するとともに、毎月発行しております医薬品医療機器等安全性情報にも掲載しております。資料2-2については以上です。
 次に、資料2-3のニフェジピン製剤の使用上の注意の改訂について御説明いたします。本件は、社団法人日本産科婦人科学会からの要望を踏まえ、ニフェジピン製剤について、妊婦への投与を禁忌としていることについて検討を行ったものです。
 1ページです。この資料は、厚生労働省からの依頼に基づき、ニフェジピン製剤の妊産婦への投与に関し、PMDAが取りまとめた調査結果報告書です。ニフェジピンは、「本態性高血圧症」、「腎性高血圧症」及び「狭心症」の効能・効果を有するカルシウム拮抗薬です。ニフェジピンの「使用上の注意」の「禁忌」の項に「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」が記載されていますが、これは承認申請時に提出されたラット、マウス等を用いた毒性試験において、催奇形性が確認されたことによるものとされています。
 20ページです。社団法人日本産科婦人科学会より、妊娠20週以降の妊産婦への投与について、禁忌の取扱いを変更するように要望書が提出されたものです。
 12ページです。PMDAによる公表文献、関連する国内外のガイドライン、使用状況等の調査の結果、器官形成期を十分に過ぎた妊娠20週以降については、禁忌の対象から除外することが妥当とされ、6月23日に行われた安全対策調査会において、14ページの改訂案のとおり使用上の注意の改訂を行って差し支えない旨の御意見をいただき、製造販売業者に対してその旨を連絡いたしました。
 次に、ラベタロール塩酸塩製剤の使用上の注意の改訂について御説明いたします。本件は、社団法人日本産科婦人科学会からの要望を踏まえ、ラベタロール製剤について、妊婦への投与を禁忌としていることについて検討を行ったものです。
 45ページです。ニフェジピン製剤と同様、厚生労働省からの依頼に基づき、ラベタロール製剤の妊婦への投与に関して、PMDAが取りまとめた調査結果報告書です。ラベタロールは、「本態性高血圧症」、「褐色細胞腫による高血圧症」の効能・効果を有するαβ遮断性降圧薬です。ラベタロールの「使用上の注意」の「禁忌」の項に「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人」が記載されていますが、これは承認申請時に提出されたラット、マウス等を用いた毒性試験で、催奇形性等は認められなかったものの、ヒトにおける使用経験が少ないことから、「妊婦・授乳婦への投与」の項に「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。」と記載され、再審査の際に「次の患者には投与しないこと」の項に、「妊婦」の記載をすることとされたものです。
 59ページです。社団法人日本産科婦人科学会より、妊産婦への投与について、禁忌の取扱いを変更するよう要望書が提出されたものです。
 54ページです。PMDAによる公表文献、関連する国内外のガイドライン、使用状況等の調査の結果、本剤の使用に関する現状の妊婦に係る禁忌事項を改訂し、妊婦禁忌を解除することが妥当とされ、6月23日に行われた安全対策調査会において、55ページの改訂案のとおり使用上の注意の改訂を行って差し支えない旨の御意見をいただき、製造販売業者に対してその旨連絡いたしました。なお、本剤の投与を受けた母親から出生した児での、軽度の一過性収縮期血圧低下が認められたとの報告や、国内においても新生児の低血圧症例が報告されていることから、徐脈だけではなく、血圧低下も注意喚起する必要があるとされています。
 次に、ニカルジピン塩酸塩製剤の使用上の注意について御説明いたします。本件は、一般社団法人日本脳卒中学会等からの要望を踏まえ、禁忌事項の見直しを行ったものです。81ページです。ニフェジピン製剤、ラベタロール製剤と同様に厚生労働省からの依頼に基づき、PMDAが取りまとめた調査結果報告書です。ニカルジピン塩酸塩注射液は、「手術時の異常高血圧の救急処置」、「高血圧性緊急症」及び「急性心不全(慢性心不全の急性増悪を含む)」の効能・効果を有する血管拡張薬です。本剤の禁忌の項に記載されている「頭蓋内出血で止血が完成していないと推定される患者」及び「脳卒中急性期で頭蓋内圧が亢進している患者」については、本剤の承認時に既に承認されていた同一成分の内用剤に準じて記載されています。
 92ページ以降です。一般社団法人日本脳卒中学会、特定非営利活動法人日本高血圧学会及び社団法人日本脳神経外科学会の各学会より、ニカルジピン製剤の禁忌事項の記載の見直しについて要望書が提出されたものです。
 86ページです。PMDAによる公表文献、関連する国内外のガイドライン、使用状況等の調査の結果、臨床現場における当該使用の必要性があることを考慮しつつ、禁忌の項を改訂し、これら患者への使用に際して慎重に投与すべき旨の注意喚起に変更することが妥当であるとされ、6月23日に行われた安全対策調査会において、88ページの改訂案のとおり使用上の注意の改訂を行っても差し支えない旨の御意見をいただき、製造販売業者に対してその旨の連絡をいたしました。
 脳出血急性期における降圧療法の有効性や安全性については、科学的なエビデンスの構築が続いている現状を考慮し、本剤の使用にあたっては、緊急時に対応可能な医療施設において、患者の血圧等の状態を十分にモニタリングしつつ使用することが必要であり、その旨を注意喚起することが適切とされています。また、「警告」欄を設け、緊急対応が可能な施設において、最新のガイドラインを参照しつつ、血圧等の患者の状態を十分にモニタリングしながら使用する旨を注意喚起することが重要とされています。
 続いて、イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について御説明いたします。資料2-4です。平成22年7月に、台湾においてピリン系化合物による血液障害や、重篤な過敏症等の副作用の懸念から、イソプロピルアンチピリン製剤が販売中止及び回収となったことを踏まえ、我が国における安全対策措置の必要性について検討するため、PMDAが取りまとめた調査結果報告書です。イソプロピルアンチピリンについて、日本においては13ページ以降にお示ししますとおり、医療用医薬品、一般用医薬品として種々の製剤が販売されています。なお、台湾以外の諸外国の情報としては、ドイツ、イタリア、スペイン等で販売が確認されています。なお、米国、英国、フランスでは、イソプロピルアンチピリンを含有する医薬品の販売は確認されませんでした。
 10ページです。PMDAによる調査の結果、医療用医薬品の副作用の発現頻度は、推定使用患者数からの算出では年間1万人あたり0.03件~0.3件と推定され、また一般用医薬品の副作用の発現頻度は、推定使用患者数からの算出で、年間1万人あたり0.03件~1.0件と推定され、いずれもリスクは高くないと判断されています。
 以上より、イソプロピルアンチピリンを含有する医療用医薬品及び一般用医薬品について、現時点で得られているデータを基に判断した結果、販売中止等の対応は不要であるとされ、6月23日に行われた安全対策調査会において了承されました。
 なお12ページに改訂案をお示ししましたとおり、クリアミン配合錠A1.0/S0.5については、肝機能障害に関して注意喚起することとし、使用上の注意を改訂することが妥当である旨の御意見をいただき、その旨の連絡をいたしました。
 次に報告事項(5)、資料2-5「インフルエンザワクチンの安全対策について」御説明します。インフルエンザワクチンについては、本年3月まで新型インフルエンザワクチンの接種事業として接種されておりましたが、昨シーズンの2010年-2011年シーズンに接種されたものについて、当該シーズンの状況をまとめたものの報告です。本件については、本部会の下部組織である安全対策調査会と、健康局の検討会とで合同の調査会を開始し、適宜安全性の情報について収集・評価してまいりました。
 1ページです。医療機関及び製造販売業者からの副反応報告についてまとめたものです。医療機関に納入されたワクチンから算出された、推定接種可能人数は4,946万人です。医療機関からの副反応の報告数は673件で、そのうち重篤として報告されたものが129件、死亡報告は16件です。製造販売業者からの副反応の報告数は、重篤なものが97件で、そのうち死亡報告は6件です。
 4ページからが医療機関からの接種者数報告に関する情報のまとめです。新型インフルエンザワクチンの接種事業においては、基礎疾患を有する方や、年齢層別に接種者数の集計を行っています。それぞれの被接種者数の背景別に副反応報告の頻度を集計・分析したものです。新型インフルエンザが流行した2009年-2010年シーズンと比較し、2010年-2011年のシーズンにおいて際立って異なる傾向は見出されていないものと承知しています。
 重篤な副反応の報告については、医療機関からの報告が13ページ~15ページに、製造販売業者からの報告を16ページと17ページに一覧としてお示ししております。注目される副反応としてアナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群(GBS)があります。
 アナフィラキシーについては21ページにお示ししておりますように、専門家の評価によりブライトン分類で3以上となるものの頻度は、対10万回接種で0.1と、対10万回接種で1を下回る頻度でしたので、安全性上の問題はないものと承知しています。GBS、ADEMについては22ページにお示しております。GBSについては専門家の評価により可能性ありとされた症例が、医療機関からの報告で7例、製造販売業者からの報告で3例でした。ADEMについては、専門家の評価により可能性ありとされた症例が、医療機関の報告で5例、製造販売業者からの報告で2例でした。いずれも例年と比較して、報告頻度の顕著な増加等が見られていないものと承知しています。
 23ページからが、新型インフルエンザワクチンの安全性に関する疫学研究の結果の概要です。背景としては、新型インフルエンザ流行シーズンでした2009年-2010年シーズンの、新型インフルエンザワクチンの接種において、基礎疾患を有する方のワクチン接種後の死亡が報告されていましたが、ワクチン接種が症状増悪のリスク要因であるかどうかについて、自発報告と呼ばれているような副作用報告による解析では限界があり、計画調査を実施する必要があることについて、先ほど申し上げました合同調査会において、専門家からも指摘を受けていました。
 これらを踏まえて、特発性肺疾患及びCOPDの患者を対象に、診療記録等を用いたケースコントロール研究を厚生科学研究で実施し、その結果の概要をまとめたものが本資料となっております。詳しい内容は割愛しますが、結果としてはこれらの疾患の患者において、新型インフルエンザワクチンの接種が、患者の死亡リスクを上昇させているとは言えないという結果になっております。
 37ページからは、PMDAにおいて、インフルエンザワクチンの副反応症例について、集積状況を調査し、添付文書改訂の必要性について検討した結果の報告書です。
 これを踏まえて、重大な副反応に血管炎及び Stevens-Johnson症候群を、その他の副反応に食欲減退を追記することとしております。本件については、今年のインフルエンザワクチンの接種の時期に対応できるように、8月上旬を目途として改訂の指示を発出する予定です。本報告事項については以上です。
 さらにワクチンの関係で続いて、報告事項(6)、資料2-6「子宮頸癌等ワクチンの副反応報告状況について」御説明いたします。先生方は御承知のことと思いますが、昨年11月から子宮頸癌予防ワクチン、Hib(ヒブ)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの3つについて接種の助成事業が開始されています。これらのワクチンに係る副反応の報告状況をまとめたものが本資料です。それぞれのワクチンについて、別紙1~3で副反応報告の状況をまとめています。本件については、安全対策調査会と、健康局の検討会との合同の調査会を今月13日に開催し、評価を行っております。
 1ページからが子宮頸癌予防ワクチンについての資料です。本ワクチンは平成21年12月から販売が開始されていますが、本年5月末までの接種可能な延べ人数は約190万人となっており、製造販売業者からの副反応報告は193件でした。接種補助事業が開始された昨年11月26日~本年の5月末までの、医療機関からの副反応報告件数は219件で、そのうち重篤例として報告されたものは14件でした。重篤例とされたものについて、医療機関からの報告を4ページに、製造販売業者からの報告を5ページ~8ページに一覧としてお示ししております。副反応を報告件数順にまとめた表を9ページ~11ページにお示ししております。このワクチンにおいて、失神や意識消失といった血管迷走神経反射が疑われる副反応が多く報告されているのが特徴と考えます。アナフィラキシーの可能性のある症例については12ページにお示ししておりますが、2月に開催された合同調査会以降に報告されたもので、専門家の評価によりブライトン分類で3以上とされた症例は2例であり、報告頻度から見て特段の安全性上の問題はないものと考えています。
 14ページからがヒブワクチンについての資料です。このワクチンは、平成20年12月から販売が開始されていますが、本年5月末までの接種可能延べ人数は約400万人となっており、製造販売業者からの副反応報告は94件、そのうち死亡報告は3件です。接種補助事業が開始された昨年11月26日~本年5月末までの医療機関からの副反応報告は173件で、そのうち重篤例として報告されたものが27件、死亡報告が5件でした。
 重篤例とされたものについて、医療機関からの報告を17ページに、製造販売業者からの報告を18ページ、19ページに事案としてお示ししております。また、先ほどと同様に副反応を報告件数順にまとめた表を20ページと21ページにお示ししております。アナフィラキシーの可能性のある症例については、22ページにお示ししておりますが、2月の合同調査会以降に報告されたもので、専門家の評価によりブライトン分類で3以上と評価された症例はありませんでした。
 23ページからは、小児用肺炎球菌ワクチンについての資料です。本ワクチンは平成22年2月から販売が開始されていますが、本年5月末までの接種可能延べ人数は約300万人で、製造販売業者からの副反応報告は110件でした。接種補助事業が開始された昨年11月26日~本年5月末までの医療機関からの副反応報告は205件、そのうち重篤例として報告されたものが26件、死亡報告が4件でした。重篤な副反応の報告については、医療機関からの報告を26ページに、製造販売業者からの報告を27ページ、28ページに一覧としてお示ししております。副反応を報告件数順にまとめた表を29ページと30ページにお示ししております。アナフィラキシーの可能性のある症例については31ページにお示ししておりますが、2月の合同調査会以降に報告されたもので、専門家の評価によりブライトン分類で3以上とされた症例は2例であり、報告頻度から見ても特段の安全性上の問題はないものと考えられます。
 32ページと33ページにヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンに関する死亡症例の一覧をお示ししております。これらのワクチンの死亡報告のうち、接種の一時見合わせを行った本年3月までの死亡例については、3月の部会で御報告したとおりですが、4月以降に同時接種で1例、単独接種で1例の報告がされています。このうち4月に接種再開後の接種での死亡例は、同時接種の1例のみでした。これらの死亡症例についても、本年7月13日の合同調査会において検討していただいておりますが、ワクチン接種との直接的な明確な因果関係は認められないとの評価をいただいています。今後も適宜、安全性の情報については収集評価し、国民の皆様に速やかに提供してまいりたいと考えています。
 続きまして報告事項(7)、資料2-7「ピオグリタゾン塩酸塩含有製剤の安全対策について」御説明いたします。本件の背景から御説明いたします。ピオグリタゾン塩酸塩については、資料の2ページの頭の(4)に記載がありますように、承認審査時の変異原性試験はいずれも陰性でしたが、ラットがん原性試験で膀胱腫瘍の増加が認められ、各種疫学調査が行われてきています。
 1ページに戻って2の(2)に記載がありますように、これまでも米国で実施された疫学調査の中間解析結果などを受け、PMDAにおいて評価を進めてきたところですが、本年6月9日に2の(1)にお示ししますように、フランスにおいてピオグリタゾン製剤の腫瘍患者の膀胱癌発生リスクに関する疫学調査の結果を受けて、これらの医薬品の新規処方をしないようにということが通達され、ドイツにおいても同様の措置がとられたことから、フランスで行われた新たな疫学調査の結果を踏まえて評価検討を行ってきたものです。
 欧米の状況については資料の2ページの3にお示ししておりますがフランス、ドイツについては今御報告したとおりですが、欧州全体としては欧州医薬品庁(EMA)で、フランスが新規処方の停止を公表した6月9日に使用制限は行わず、全欧州として対応を検討する旨の発表をしていましたが、その後EMAでの専門家委員会の評価を得て、7月21日に使用上の注意の改訂を行うなどの措置を公表しております。
 一方、米国では米国の疫学研究の中間解析結果等に基づき、6月15日に本年の1年以上の投与が膀胱癌を高める危険性についてコメントし、膀胱癌患者には使用しないことなどについて、医療関係者や患者に対して注意喚起を行っており、添付文書の改訂を今後行う予定であるということで公表しています。米国においても、引き続き疫学研究の結果の評価を進めることとされています。
 我が国においてはこれらの状況を踏まえ、6月23日の安全対策調査会において御検討いただき、2ページの4にお示ししております当面の対応案を取りまとめています。これに基づいて6月24日付で使用上の注意の改訂の指示を行っています。製造販売業者に対し、その改訂内容について、資材等で医療関係者や患者に対して周知するように指導していました。
 その後、引き続き厚生労働省、PMDAにおいて、疫学研究の結果や、欧米の規制当局の評価を含めて情報収集を行い、PMDAにおいて、専門家を交えた調査の結果が9ページ以降の別紙3のとおり取りまとめられたので、今回御報告いたします。
 主要な点としては、日本で先般行われた使用上の注意の改訂の内容は妥当であるとされ、24ページにありますように、先ほど申しました7月22日付の欧州EMAで禁忌に設定するとされています「膀胱癌の患者及び膀胱癌の既往のある患者」については、現時点のエビデンスからは禁忌に設定するまでの必要はないということ。2番目として、同じくEMAから禁忌に設定するとされております「精査されていない肉眼的血尿のある患者」については、我が国の医療現場では通常の医療行為として精査されるものであるので、特に添付文書上での注意喚起すべき事項ではないということ。3番目として、ただしヒトにおける本薬の膀胱癌発生機序を検討することや、日本における本薬使用者での膀胱癌発生リスクについて、疫学調査の実施を検討することが必要であるとされています。3番目の、膀胱癌の発生機序を検討することについては、6月23日の調査会で大野先生からも御指摘があったと思いますが、そのような結果が現在出ております。
 27ページのV「総合評価」のところにありますように、従前の安全対策に加えて、医療関係者の注意喚起の徹底や膀胱癌の早期発見のための対応をとることなど、27ページの上の方に記載された安全対策が適切に実施され、また添付文書の記載事項が遵守されるのであれば、本薬について現時点において使用を中止するまでの新たな情報は得られていないという判断となっています。ただし、製造販売業者においては、引き続き国内外での本薬の安全性に関する情報を迅速に収集し、得られた情報について、医療現場や患者への情報提供を行うとともに、膀胱癌発生のメカニズムや、日本国内での疫学調査等の必要性について、継続して検討することが必要とされていますので、引き続きこれらの点について製造販売業者の方に指導してまいりたいと考えています。
 続きまして資料2-8です。小麦加水分解物含有石鹸「茶のしずく石鹸」と全身性アレルギーに係る報告について御説明いたします。経緯ですが、小麦を加水分解した成分を含有した石鹸の使用者において、小麦含有食品を摂取して、その後に運動した際に全身性のアレルギーを発症した事例が報告されたことを受け、昨年10月15日付で、小麦加水分解物を含有する医薬部外品、化粧品について、製造販売業者に対し、小麦アレルギーに関する注意喚起及び副作用報告の徹底を求めました。本件については、昨年11月の部会において御報告をしたところです。2ページ以降に、このときの通知を添付しております。5ページには、この通知の別添として、報告のあった症例の概要をお示ししています。
 その後、株式会社悠香が製造販売する「茶のしずく石鹸」の使用者において、同様の「運動誘発性アレルギー」に関する副作用報告が集積したことから、8ページに示すとおり、本年5月20日より(株)悠香により、当該製品の自主回収が行われています。更に本年7月14日付で、独立行政法人国民生活センターより、当該製品における危害状況の報告が公表されたことから、同日付で(株)悠香に対し、当該製品の使用者及び所有者に対する回収情報の周知徹底、サンプル提供等の原因の調査への協力を指示しています。
 1ページに戻りまして、これまでの副作用報告の集積状況ですが、平成23年7月15日までに、医療機関から109例、製造販売業者である(株)悠香から159例の報告がありました。報告内容としては、食物依存性運動誘発性アレルギー疑い症例が、医療機関報告で55例、企業報告で125例あり、そのうち情報が十分なく、評価の難しい例が多いのですが、専門家の評価により因果関係が否定できないとされたのは、それぞれ35例と14例です。
 アナフィラキシー症例、眼瞼浮腫、顔面浮腫、蕁麻疹及びその他のアレルギー症例の報告例数は、表にお示ししたとおりとなっています。本件については、引き続き情報提供、回収の徹底を指導していくこととしています。本報告事項については以上です。
○五十嵐部会長 たくさん説明していただきましたが、ただ今の事務局からの説明に対して御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 特にないようですので、議題3に進みます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 資料3-1です。「薬事法第77条の4の4の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等報告について」御説明いたします。平成22年12月1日~平成23年3月31日までの4か月間に受け付けた副作用報告等に関する情報を御報告するものです。
 報告事項は大きく二つです。一つ目は、1に示す製造販売業者からの報告。二つ目として、2に示す医薬関係者からの報告です。1の(1)製造販売業者からの、国内症例の報告状況として、表の左側の副作用報告について、医療用医薬品について11,986件、一般用医薬品について75件、合わせて12,061件の報告を受け付けております。また表の右側の感染症報告として、医療用医薬品について30件の報告を受け付けております。前回の部会において御報告させていただきましたが、平成22年8月1日~平成22年11月30日の4か月間に受け付けた副作用報告は11,712件、感染症報告は41件であり、報告件数としては大きな変化はないものと考えております。
 (2)は外国症例の報告状況です。この4か月間で副作用報告が60,050件、感染症報告が6件ありました。なお、前回の4か月間の報告数は、副作用報告が57,784件、感染症報告が13件であり、大きな変化はないものと考えております。
 (3)は外国での新たな措置の報告状況です。この4か月間で413件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は323件であり、大きな変化はないものと考えております。
 (4)は研究報告の報告状況です。この4か月間で319件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は292件であり、大きな変化はないものと考えております。
 2は医薬関係者からの報告です。この4か月間に1,778件の報告を受け付けております。前回4か月間の報告は1,634件であり、大きな変化はありません。
 資料3-2~資料3-6については、副作用報告、感染症報告、外国措置報告、研究報告の概要資料です。概略を御説明いたします。資料3-2は、この4か月に報告された医療用医薬品の国内の副作用報告について、医薬品別・副作用名別の件数を整理したものです。薬効分類別に並べておりますが、薬効分類については参考資料3-1の表を御参照ください。表の見方にいくつか留意点がありますので御注意ください。
 1)これらの副作用報告は、医薬品との因果関係が不明なものを含め、製造販売業者等から報告されたもので、個々に医薬品との関連性を評価したものではありません。2)副作用報告の件数については、平成22年12月1日~平成23年3月31日までに報告されたものですが、同一症例に複数の被疑薬が存在し、同じ症例が複数の企業から報告された場合は重複してカウントしておりますので、ここで報告された件数がそのまま症例数にはなりません。3)副作用報告の件数ですが、本報告期間中に報告されたものであっても、本報告期間中に追加情報により因果関係が否定された場合や、重篤性が変更となり、報告対象外となった場合には、報告件数から除外しております。4)報告件数は、副作用名別の件数を示したものであり、1症例で複数の副作用を発現する場合がありますので、報告件数を合計した数が報告症例数になるわけではありません。
 続きまして資料3-3です。一般用医薬品の国内の副作用報告です。一般用医薬品については、一番左の行に薬効別の名前を示しておりますので、こちらを参考に御確認いただければと思います。資料3-4は感染症の報告状況です。多くが輸血用血液製剤に関する感染症の報告です。資料3-5は、外国での新たな措置の報告状況です。資料3-6は、研究報告の報告状況です。以上です。
○五十嵐部会長 御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
○生出委員 資料3-3の4ページの一般用医薬品の副作用報告の中で、上から5番目のカルシウム剤で死亡例が報告されているのですが、この詳しい因果関係とか、どのような状況だったのかとか、何歳ぐらいの方ということは挙がっていますか。
○安全対策課長 本日は手元に詳細な情報を持ち合わせておりませんので、確認の上、先生に御報告させていただきます。
○五十嵐部会長 ほかにいかがでしょうか。
 特にないようですので、議題4に進みます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 議題4の感染症定期報告について御説明いたします。医薬品の感染症定期報告については、薬事法第68条の8に定められております。お手元の資料4-1と資料4-2により御説明いたします。今回は平成22年12月~平成23年3月末までに報告された感染症定期報告を取りまとめており、合計で356件の報告がありました。資料4-2の方が感染症定期報告の報告ごとの整理、調査結果になっています。しかし、医薬品原材料ごととなっており、感染症単位でまとめているものではありませんので、同一文献が何度も出てくること、また前回までの部会に御報告済みのものもありますので、これらを新規の文献について、感染症ごとに整理した資料4-1を用いて御説明させていただきます。
 資料4-1には平成22年12月~平成23年3月末までに報告された新規文献及び報道記事等120件をまとめています。今回も、従来同様インフルエンザが13件、鳥インフルエンザ8件の計21件と最も多くなっています。このほかではデング熱について、特段新しい内容ではありませんが、海外での発生報告が12件というのが比較的多く報告されているものです。今回も、事前に渡邉先生、石井先生、新見先生に御確認いただいておりまして、特に安全対策措置を講ずるものはなかったということです。
○五十嵐部会長 御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 特にないようですので、議題5に進みます。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料5-1に、「医薬品等の回収報告の状況について」、平成22年度分を新しく付け加えておりますので、こちらを御説明いたします。既に皆様御存じと思いますが、平成8年に薬事法が一部改正され、回収を実施したときには、厚生労働大臣又は都道府県知事に報告しなければならないこととなりました。これらに基づいて報告されたものが、PMDAのホームページに毎日掲載されてございます。
 この数をカウントして、平成22年度分の回収数をまとめたものが、「1.回収件数年次推移」の表の一番右側に付け加わっております。上から医薬品、医療機器、医薬部外品、化粧品になっておりますが、件数は医薬品が146件、医療機器が396件、医薬部外品が11件、化粧品が91件、合計644件です。昨年度よりは若干減っている状況です。
 裏面の「2.平成22年度の医薬品等の回収件数及びクラス分類」です。クラスI・クラスII・クラスIIIの説明は表の下にありますので適宜ご参照下さい。クラスIは医薬品で27件です。すべてロットを構成しない血液製剤です。医療機器と合わせて一番下の34件となっています。クラスIIの医薬品は98件、クラスIIIは21件となっています。
 それぞれの概要を取りまとめたのが資料5-2です。1ページにクラスIの回収の概要がありますが、すべて血液製剤(ロットを構成しないもの)になっております。次のページからはクラスIIのもの、一番最後にクラスIIIのものも同じように取りまとめております。こちらについては数が多いので御説明は省略いたします。
○五十嵐部会長 御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 特にないようですので、議題6に進みます。事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 市販直後安全性情報収集事業の結果について御報告いたします。本事業は、新たに承認された新医薬品のうち、新規性が高いものや、国内外において使用経験が少ないものなど、特に市販直後の安全性確保が必要と判断されるものについて、原則として6か月間、当該医薬品の使用状況や、副作用の発現状況、また臨床現場への製造販売業者による安全性情報の提供情報などの情報を毎月医療機関より提供していただき、必要な対策を図ることを目的とした事業です。
 資料6-1を御覧下さい。今回はフェントステープ、一般名フェンタニルクエン酸塩と、レブラミドカプセル、一般名レナリドミド水和物について調査が終了しましたので御報告いたします。
 まず、フェントステープについて御報告させていただきます。製造販売元は久光製薬株式会社、効能又は効果は非オピオイド鎮痛剤及び弱オピオイド鎮痛剤で、治療困難な疾患における鎮痛(ただし、他のオピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する場合に限る。)中等度から高等度の疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛です。調査に御協力いただきました医療機関は、資料の中ほどにあります国立病院機構東京病院などの5施設の医療機関です。これらの医療機関における、当該医薬品の使用状況や重篤な副作用、また製造販売業者による安全性情報の提供状況などについて、平成22年8月1日から6か月間、毎月1回御報告をいただきました。
 使用状況については、すべての医療機関で採用され、約174名の患者に使用されていました。副作用などの発現状況ですが、調査実施期間中、重篤な副作用の発現及び報告はありませんでした。調査実施期間中の、定期的な訪問により、安全性情報の提供が行われていたとの報告もありました。医療機関においては、製造販売業者からの安全性情報について院内に周知するなど、適切に活動した旨の報告がありました。
 次に、レブラミドカプセルについて御報告いたします。資料の9ページを御覧下さい。製造販売元はセルジーン株式会社、効能又は効果は再発又は難治性の多発性骨髄腫、5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群です。調査に御協力いただきました医療機関は、資料の中ほどに記載しております旭川赤十字病院等6施設の医療機関です。これらの医療機関における当該医薬品の使用状況、重篤な副作用又は製造販売業者による安全性情報の提供状況などについて、平成22年7月20日から6か月間、毎月1回御報告いただきました。
 使用状況はすべての医療機関で採用され、52名の患者に使用されております。副作用などの発現状況ですが、調査実施期間中、調査実施機関から重篤な副作用として血小板減少2件、好中球減少2件、貧血1件、皮疹2件、薬剤性肝障害1件、敗血症1件の御報告がありました。これらについて、製造販売業者から、副作用報告がなされていることを確認しております。調査実施期間中、製造販売業者からの定期的な訪問により、安全性情報の提供が行われていたとの報告がありました。医療機関においては、製造販売業者からの安全性情報について院内に周知するなど、適切な活動をした旨の御報告がありました。
 ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告件数等について御報告いたします。資料6-2です。ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用の報告の件数等については、これまでも安全対策部会や安全対策調査会の機会を活用し、定期的に御報告しているところですが、今回は平成23年3月末までの状況について、アストラゼネカ株式会社よりデータが提出されましたので御報告いたします。
 1ページと2ページが、本年3月末までのゲフィチニブ服用後の、急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告例数及び死亡例数の推移を月毎にお示ししているものです。1ページがグラフになっていて、2ページはそれを数値にまとめた表です。報告例数は、累積で総数が2,226、そのうち死亡例数は825です。
 3ページは、ゲフィチニブに係る新規処方患者数及び継続投与患者数等について、四半期毎に整理された表です。新規投与の患者が大体2,000人程度、継続投与については大体8,000人程度で推移しております。
 資料6-3「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」と、資料6-4「医薬品の安全性情報の提供について」をまとめて御説明いたします。資料6-3「緊急安全性情報等の提供に関する指針について」は、本年7月15日に発出した通知の写しです。緊急安全性情報はドクターレターとして先生方は御存じと思いますが、これまでに発出してきております。これについて、その作成基準が昭和60年代のものであり、かなり古かったことから、現状の情報提供の在り方を踏まえて、その内容を改訂したものです。今後、この通知に従ってドクターレター、ブルーレターを発行していくことになりますが、その施行については本年10月1日からとなっております。
 資料6-4「医薬品の安全性情報の提供について」です。こちらについては薬害肝炎の検証検討委員会でも指摘されておりますが、グレー情報のアーリーコミュニケーションの観点から、今般医薬品の使用上の注意の改訂等の安全対策通知に繋がる事前情報として、通知の「記」の1に挙げられておりますような、使用上の注意の改訂等に繋がるものとして注目しているリスク情報や、外国規制当局や学会等が注目し、厚生労働省及びPMDAが評価を始めたリスク情報について、事前に提供することを始めております。通知発出日の7月15日からPMDAの情報提供ホームページで情報の提供を始めております。以上です。
 資料6-5「医薬品医療機器情報配信サービス活用のための意見交換会のまとめ」について御説明いたします。平成17年よりPMDAでは、医薬品医療機器情報配信サービス、愛称「PMDAメディナビ」という医薬品等の安全性情報のメール配信サービスを運用しております。例えば、使用上の注意の改訂といった場合など、直ちに登録者にメールを配信しています。
 情報提供の迅速性、網羅性から価値の高いツールですが、登録者数が伸び悩んでおり、利用の促進を図るため、改善策を明らかにし、更に医療機関等のニーズを踏まえたものになるよう、医療関係団体の方々に御出席いただきまして、意見交換会を昨年度に2回開催いたしました。その結果のとりまとめを、本日通知いたしましたので御報告いたします。
 意見交換会で指摘された事項を踏まえ、PMDAメディナビの登録方法や、配信情報の改善を進めており、登録件数は昨年10月31日現在30,457件でしたが、昨日の7月28日現在では40,065件となっております。今後更なる登録者の増加を図るため、引き続きPMDAメディナビについて周知を図ること、その他のサービスの利便性の向上をさせることを進めていきたいと考えております。
 PMDAメディナビの周知については、資料の9ページにあるとおり、既に医療関係団体のホームページのバナーに掲載していただいたり、機関誌に掲載していただくなど多大な御協力をいただいているところですが、媒体を広げつつ、継続的に周知活動を実施していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 ただ今の事務局からの説明に対して御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 予定されている議題は終わりましたが、事務局及び委員の先生方から何か御意見、御質問はありますか。
○石井委員 国立感染症研究所の石井ですが、1点お願いがあります。今サリドマイドのカプセル(サレド)が販売されています。そのインタビューフォームを見ますと、適用上の注意のところに、「服用時にはカプセルを開けずに服用するよう患者に指導すること。また、やむを得ず本剤を脱カプセル調剤する場合には、医療関係者の曝露を防止するために安全キャビネット内で調製することとする」と書いてあります。これは、おそらく100mgカプセルのときだと思います。今現在100mgカプセルと、50mgカプセルの2剤あると思うので、「脱カプセル」というのは本当は必要ないかと思います。
 それで、ほかを見てみますと、先ほども説明がありましたレブラミドもサリドマイドですけれども、これには「調剤時には脱カプセルをしないこと」と記載されております。男性型脱毛症のプロペシアは錠剤になっておりますが、「本剤を分割・粉砕しないこと」となっております。サリドマイドというのは非常に問題がありますので、「脱カプセル」という言葉自体がおかしいと思うので、これは削除すべきではないかと考えますが、御検討いただければと思います。
○安全対策課長 ありがとうございます。事務局の方で検討させていただきます。
○五十嵐部会長 ほかにないようでしたら、本日の部会は閉会させていただきます。長時間どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 安全対策課 課長補佐 広瀬(内線2752)

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