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2011年8月29日 第22回社会保障審議会議事録

政策統括官付社会保障担当参事官室

○日時

平成23年8月29日(月)16:00〜17:37


○場所

厚生労働省 省議室(9階)


○出席者

委員

伊豫雅臣委員 岩瀬達哉委員 遠藤久夫委員
逢見直人委員 大日向雅美委員 大森彌会長
加藤達夫委員 河村小百合委員 見城美枝子委員
木間昭子委員 駒村康平委員 西郷浩委員
斎藤勝利委員 齋藤英彦委員 榊原智子委員
白波瀬佐和子委員 神野直彦委員 寺谷隆子委員
福田富一委員 藤原忠彦委員 本田勝彦委員
横倉義武委員 吉川洋委員 米澤康博委員

事務局等

大塚副厚生労働大臣 香取政策統括官(社会保障担当)
外口保険局長 武田参事官(社会保障担当)
池永医政局総務課長 伊藤雇用均等・児童家庭局総務課長
古都社会・援護局総務課長 福本老健局総務課長
藤原年金局総務課長 酒光参事官(労働政策担当)

○議題

1 社会保障・税一体改革成案について
2 最近の分科会・部会の動向等について
3 その他

○配布資料

資料1−1社会保障・税一体改革成案(6月30日取りまとめ)
資料1−2社会保障・税一体改革の当面の作業スケジュール(8月12日公表)
資料1−3社会保障・税番号大綱(概要)(6月30日取りまとめ)
資料1−4社会保障と税の一体改革の今後の検討の進め方について
資料1−5社会保障給付費検討会の設置について
資料1−6「国と地方の協議の場」について
資料2−1「短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」の設置について
資料2−2社会保障審議会・第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会報告書について
資料2−3人口部会の検討状況
資料3−1−1医療イノベーションについて
資料3−1−2B型肝炎について
資料3−1−3基礎年金国庫負担割合2分の1財源確保の検討状況について
資料3−1−4子ども・子育て新システムに関する中間とりまとめについて
資料3−1−5平成23年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法の概要
資料3−1−6社会的包摂政策を進めるための基本的考え方
資料3−2−1日本再生のための戦略に向けて
資料3−2−2中期財政フレーム
資料3−2−3政策推進の全体像について
資料3−3−1厚生労働白書
資料3−3−2第177回国会における成立法案について
資料3−3−3東日本大震災への対応について

○議事

○大森会長
 それでは、定刻でございますので、審議会を開催させていただきます。
 私は審議会の会長を仰せつかっております、大森と申します。よろしくお願いいたします。
 本日「第22回社会保障審議会」でございますけれども、くしくも今日は民主党の新しい代表が決まった直後でございまして、記憶に残る審議会になるのではないかと思っています。
 本日、細川厚労大臣の御出席をいただく予定でございましたが、あいにく公務のため、急遽御欠席という御報告を受けています。皆様方によろしくという御伝言でございます。
 初めに、大塚厚生労働副大臣からごあいさつがございます。よろしくお願いいたします。

○大塚副大臣
 御紹介いただきました、副大臣を務めさせていただいております、大塚耕平でございます。本日は委員の皆様方には「第22回社会保障審議会」に大変御多忙の中、御出席いただきまして、本当にどうもありがとうございます。
 また、この社会保障審議会は、大変の所管の範囲が広い重要な審議会でございます。更には、社会保障の改革あるいは内容についての今後の方向性が問われている局面でございますので、重要な上にも、更にその重要性が増している局面で、審議会の委員として御尽力、御指導を賜っている皆様方には、この席をお借りいたしまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 今、会長からお話がありましたように、本日、現在の与党である私どもの新しい代表が決まりましたので、明日以降、政府の体制も新しくなってまいると思います。できるだけ早く新体制が軌道に乗るように、私ども政治の側に身を置くものもしっかり進めてまいりたいと思いますが、その間も社会保障を含め、行政について、いろいろ御指導いただいております皆様方には、是非とも粛々と御検討を前に進めていただければ幸いでございます。
 大変微妙な局面での審議会、そして、ごあいさつの機会をいただくことになりましたが、引き続き御指導賜りますことをお願いを申し上げまして、冒頭の御挨拶に代えさせていただきます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。

○大森会長
 どうもありがとうございました。
 前回の総会以降、新しく委員に御就任いただきました方を御紹介いたします。
 前回は2月10日でございましたけれども、その後、2月28日に御就任いただきました、お一人は、全国知事会社会文教常任委員会の委員長でございまして、現在の栃木県知事の福田富一委員でございます。
 一言、ごあいさついただけますか。

○福田委員
 皆様、こんにちは。御紹介を賜りました栃木県知事の福田でございます。知事会の代表でまいりましたので、よろしくお願いをいたします。
 なお、大塚副大臣を始め、厚労省の皆様方には大変お世話になりましたけれども、先週木曜日をもって、汚染稲わらを食べた牛の出荷一時停止につきまして、解除になりました。栃木、福島、宮城、岩手、すべて解除になっており、本県では今日からと畜を開始しておりますが、皆様方には、どうぞ御愛顧いただきますようよろしくお願いをいたします。

○大森会長
 ありがとうございました。
 続きまして、本年8月25日付で新たに御就任いただきました、東京大学名誉教授の神野直彦委員でございますけれども、神野先生は少し遅れて御出席でございます。後ほどおいでくださったときにごあいさつを願うことにいたします。
 本日の出席状況でございますが、本日は櫻井委員、庄司委員、津谷委員、森委員、山崎委員が御欠席でございますけれども、委員総数29名の3分の1を超えてございますので、会議が有効に成立してございます。
 それでは、これから議事に入りたいと思います。

○武田参事官
 恐れ入ります。ここで副大臣、公務のため退席をいたします。

○大塚副大臣
 よろしくお願い申し上げます。

○大森会長
 いろいろとありがとうございました。

(大塚副大臣退室)

○大森会長
 それでは、議事1でございますけれども、「社会保障と税の一体改革」につきまして、資料に則して事務局から御説明がございます。よろしくお願いいたします。

○武田参事官
 社会保障担当参事官の武田でございます。
 本日の審議会は、議事1「社会保障と税の一体改革について」。
議事2「最近の分科会・部会の動向等について」。
議事3「その他」となっております。
議事2につきましては、後ほど担当から御説明を申し上げたいと思います。
議事3につきましては、最近の厚生労働省関係の資料を御参考までにお手元にお配りをしたものでございますので、ごらんいただければと思います。
 なお、資料3−1−4のとおり、子ども・子育て新システムにつきましては、少子化社会回対策会議で中間とりまとめについて決定をされておりますので、念のため申し添えたいと思います。
 それでは、早速でございますが、議事1の関連資料について、私は社会保障担当参事官の武田でございますけれども、私の方から御説明を差し上げたいと思います。
 お手元の資料1−1をごらんいただきたいと思います。「社会保障・税一体改革成案」についてでありますが、6月30日にとりまとめをされております。
1ページ、一体改革成案ということで30日、政府・与党社会保障改革検討本部決定ということになっております。
大変大部なものでもございますので、かいつまんで申し上げたいと思いますが、1ページ目は「はじめに」ということで、検討の経過についてまとめられておりますけれども、基本的考え方については2ページ以降にまとめてございます。
 2ページ、「I 社会保障改革の全体像」。
「1 社会保障改革の基本的考え方」。
1つ目のパラグラフで、1960年代に現在の社会保障制度の基本的枠組みがつくられ、今日まで非正規雇用の増加など、さまざまな社会経済情勢の大きな変化が生じているということが書いてございまして、これを踏まえ、国民の自立を支え、安心して生活ができる社会基盤を整備するという社会保障の原点に立ち返り、その本源的機能の復元と強化を図っていくことが求められているということで、ここで本源的機能の復元という考え方。それから、そもそも機能の強化を図っていくという考え方が述べられているところでございます。
 その後、「3つの理念」と「5つの原則」という昨年12月の社会保障改革に関する有識者検討会の報告で示された理念と原則を紹介した後で、3ページになりますが、全体として、国民皆保険・皆年金を堅持するといった点。納得感がある社会保障の実現を目指すために給付と負担のバランスを図っていくということ。給付と負担それぞれにつきまして、OECD先進諸国の水準を踏まえた制度設計を行うこと。全体として、中規模、高機能な社会保障体制を目指すといった点が書かれておりまして、こういった点が社会保障の制度改革の基本的な視点として述べられているところでございます。
 更に、3ページのマル1〜マル5につきまして、制度改革の主な点が掲げられております。
 例えばマル1では、自助・共助・公助の最適バランスといったことが書かれております。
 マル2では、給付の重点化・効率化を同時に行って、高機能で中長期的に持続可能な制度の実現ということが書かれております。
 マル3では、給付・負担両面で世代間ののみならず世代内での公平を重視した改革という点などが書かれているところでございまして、こういった点を踏まえまながら、個別分野の具体的改革がとりまとめられているところでございます。
 3ページ下の2のところから、個別分野の具体的改革がまとめられております。まず優先順位というものが書かれておりまして、4ページの冒頭のところになります。
 「マル1子ども・子育て支援、若者雇用対策」、「マル2医療・介護等のサービス改革」、「マル3年金改革」、「マル4制度横断的課題としての『貧困・格差対策(重層的セーフティネット)』『低所得者対策』」について、まず優先的に取り組むということが掲げられております。
 このいずれも、本社会保障審議会、各部会、分科会での議論のテーマでございますので、今回の審議会におきましては、関連資料、関連スケジュールを御報告するということで、資料の用意をさせていただいたところでございます。
 個別分野につきましては、主な改革項目が述べられておりまして、4ページの一番下のところからです。
具体的には5ページになりまして、「I 子ども・子育て」の関係におきましては、子ども・子育て新システムの制度の実施。それに伴って、保育等の量的拡充と幼保一体化などの機能強化が掲げられているところでございます。
 「2 医療・介護等」のところにつきましては、幾つか重要項目が並べられておりますが、これもかいつまんで申し上げますと、1つ目の○のところでは、提供体制の効率化・重点化と機能強化を図る。そのため、診療報酬・介護報酬の体系的見直しと基盤整備のための一括的な法整備を行うということで、全体として、医療・介護のサービスの提供体制の改革のポイントが記載されております。
 2つ目の○のところは、保険者機能の強化ということで、医療・介護保険全体のセーフティネット機能の強化と給付の重点化を図ることが述べられております。特に重要な点といたしまして、a)の被用者保険の適用拡大と国保の財政基盤の安定化・強化・広域化。
 b)の介護保険における費用負担の能力に応じた負担の要素強化、低所得者への配慮、保険給付の重点化。
 c)の高度・長期医療への対応としての高額療養費の見直しと、その規模に応じた受診時定学負担などの併せた検討。
 d)のその他としての総合合算制度などの検討が書かれているところでございます。
 6ページ、「3 年金」について、改革のポイントが書かれております。
 1つ目の○におきましては「新しい年金制度の創設」実現に取り組むといった点が書かれておりますし、2つ目の○におきましては、年金改革の目指すべき方向に沿って、現行制度の改善を図るということで、最低保障機能の強化、高所得者の年金給付の見直し、短時間労働者の厚生年金の適用拡大、第3号被保険者制度の見直し、マクロ経済スライド、支給開始年齢の引き上げといったもろもろの点が書かれているところでございます。
 「4 就労促進」、全員参加型社会の実現とか若者の安定的雇用の確保などが書かれております。
 「5 1〜4以外の充実、重点化・効率化」。サービス基盤の整備、医療イノベーションの推進、生活保護の見直しといったもろもろの制度が書かれているところでございます。
 7ページ「6 地方単独事業」。以上の改革の方向も勘案し、地方自治体は国費に関連する制度と相まって、地域の実情に応じて、社会保障関係の地方単独事業を実施するといったところが書かれているところでございます。
 その後、貧困・格差対策が再掲となっておりますけれども、この点は省略いたします。
 (3)のところで、関連する大きな制度改正といたしまして、共通番号制度のことが書いてございます。この点につきましては、後ほど資料がありますので、簡単に御説明を差し上げたいと思います。
 以上が制度改正の盛り込まれている内容でありまして、これを踏まえて8ページで社会保障費用の推計が行われております。
 これにつきましては、別紙の方で後で数字がいろいろ出てまいりますが、8ページに書かれているところでは、全体として2015年度におきまして、制度充実によってプラス3.8兆円、重点化・効率化によって最大1.2兆円のマイナスを見込んで、全体として追加所要額の公費は2.7兆円程度と見込まれるということが書かれているところでございます。
 この追加所要額の内訳につきましては、子ども・子育て、医療介護、年金別に記載がございますけれども、更に制度別、改革項目別には行程表の後ろの方で書かれているところでございます。
 その下に、「社会保障給付にかかる公費(国・地方)全体の推計」という点がございます。8ページ下から9ページの頭のところに書かれておりますけれども、今後、全体状況の把握を進め、地方単独事業を含めた社会保障給付の全体像及び費用推計を総合的に整理するといったことが書かれているところでございます。
 その次は「3 社会保障・税一体改革の基本的すがた」。安定財源確保の基本的枠組みが書かれているところでございますので、ここにつきましては、後ほどごらんになっていただければと思います。
 その後、税制の抜本改革の中身についても記させた後で、14ページに「社会保障・税一体改革のスケジュール」。
 「社会保障・税一体改革にあたっては、『国と地方の協議の場』で真摯に協議を行い、国・地方を通じた改革の円滑かつ着実な推進を図る。社会保障改革については、税制抜本改革の実施と併せ、別紙2に示された工程表に従い、各分野において遅滞なく順次その実施を図る」ということが書かれているところでございます。
 そういうことで、別紙にいろいろ書かれているわけでありますけれども、そこにいく前に少しだけ御紹介いたしますと、「6 デフレ脱却への取組み、経済成長との好循環の実現」という章がございます。
 15ページの半ばほどに書いてありますが、社会保障改革と経済成長との関係でありますけれども、3行目から「社会保障・税一体改革により、社会保障分野における潜在需要を顕在化し、安心できる社会保障制度を確立することが、雇用を生み、消費を拡大するという経済成長との好循環を通じて、成長と物価の安定的上昇に寄与する」ということで、社会保障も経済成長に寄与する機能を持っているということが、今回ここに書かれているとおりでございます。
 また、医療イノベーションを通じた新たな経済成長といった点も書かれていることを申し添えたいと思います。
 その後が、別紙1になります。これは昨年12月の閣議決定でありまして、その別紙1の次から別紙2「社会保障改革の具体策、工程及び費用試算」が書かれているところでございます。これは、詳しくは御説明を省略いたしますけれども、別紙2の1枚目が子ども・子育てにかかる充実策、重点化・効率化策、工程、所要額でありまして、全体として2015年で公費の総額0.7兆円程度といったことが書かれております。
 2ページが医療・介護マル1ということで、主に医療・介護のサービス提供体制の充実策、重点化・効率化策、工程、所要額が書かれているところでございます。
 3ページが医療・介護マル2ということで、主に制度改正面の充実策、重点化・効率化策、工程、その他が書かれております。医療・介護につきしては、前のページと合わせて全体としての所要額が一番下のところに記されております。
 4ページが年金ということで、新しい年金制度の創設、現行制度の改善、それぞれの改革の工程表が記されております。
 5ページで、引き続き年金の改革、それぞれにつきまして、各項目での充実策、重点化・効率化策、工程、所要額が記されているところでございます。
 以上、1、2、3、子育て、医療、年金の全体の所要額が別紙2の5ページの一番下のところに記されているところでございます。
 その後、工程表は更に続きまして、6ページに就労促進、それ以外の充実策。
 7ページに貧困・格差対策が書かれているということでございます。
 その次のページをめくっていただきますと、別紙3「社会保障の安定財源確保の基本的枠組み」が書かれております。
 特に2ページで、今回の社会保障・税一体改革におきましては、安定財源の確保のために消費税5%相当の安定財源の確保が必要であるということが、全体としてまとめられているということでございます。その5%の内訳につきましては、3ページで具体的な内訳が書かれているというところでございます。
 以上、御説明申し上げました一体改革の成案が出た後で、資料1−2としてお配りしておりますが、8月12日に、関係5大臣、厚生労働大臣、総務大臣、財務大臣、官房長官、社会保障・税一体改革担当大臣でございますけれども、この5大臣で当面の作業スケジュールについて確認をして公表をしております。
 これを見ていただきますと、一番左の欄が項目になりまして、一番上から今、見ていただきました一体改革の成案に沿いまして、1つ目の欄が子ども・子育て新システム。2つ目の欄から診療報酬・介護報酬の改定、基盤整備の法整備、保険制度改正ということで、医療・介護に関わる項目が並んでおります。
 医療、年金両方にまたがるものとして、非正規労働者の適用拡大。年金に係るものとして、現行制度の改善、基礎年金1/2、新年金制度といった点が項目として掲げられておりますし、その他就労促進、障害者、社会保障給付費統計、番号、税制、国・地方関係と項目が分けられております。
 8月以降、来年の1月、2月、3月までのスケジュールが集中的に書かれているところでありますが、いずれも8月からそれぞれの検討の場におきまして、集中的に検討が進められ、12月にはそれぞれ主な方針がまとめられて、1月以降、子ども・子育て新システムでいいますと、「税制抜本改革とともに、早期に法案提出」と書いてございますし、診療報酬・介護報酬改革につきましては、諮問・答申を経て4月実施ということが書かれております。
 医療・介護の基盤整備につきましては、基盤整備一括法を来年をめどに法案を提出といったことが書かれておりますように、医療・介護、基盤整備と保険制度、年金制度、障害者関係につきまして、それぞれ来年には法案提出が予定されているということが関係大臣の下で確認をされているということでございます。
 関係するものといたしまして、番号制度、税制改革につきましても、それぞれ法改正が予定されているということを御確認いただきたいと思います。
 それぞれの項目ごとの検討スケジュールについては、資料に沿って御説明したいと思いますけれども、その前に資料1−3といたしまして、社会保障・税番号大綱がとりまとめられておりますので、少しそちらの方の御説明を申し上げたいと思います。
 資料1−3のページをめくっていただきますと、表と裏で2ページものにまとめられておりますが、これも6月30日の政府・与党社会保障改革検討本部で決定をされたものであります。
 「1.番号制度導入の趣旨」が書かれております。現在の背景、課題、将来の理念ということで、いろいろ効果が書かれているところでございます。
 「2.番号制度で何ができるのか」ということで、(1)〜(6)まで掲げられております。特に医療・介護、年金制度ということでは、統一番号制度でよりきめ細やかな社会保障給付の実現、所得把握の精度の向上、事務・手続の簡素化、サービスの質の向上などの諸点が書いているところでございます。
 それでは、この番号制度のために何をしなければならないかということですが、「3.番号制度に必要な3つの仕組み」。
 1つは付番の仕組みでありまして、現在の番号制度でいいますと、例えば基礎年金番号は日本年金機構が付番をし、住民基本台帳はそれぞれの住民基本台帳を所管しているところで付番をするわけですけれども、今回は国民一人ひとりに唯一無二の利用可能な番号を付番をするということでございますので、この付番の仕組みが必要になっている。
 1つの番号を複数の機関、または複数の制度で使うことになりますので、情報連携のための仕組みが必要になってくる。特に、それぞれの番号、例えば医療保険でありますと被保険者番号というのがありますが、そういった番号とこの統一番号とのひもづけ。ひもづけによって情報を引き出す仕組みといったことで、情報連携が必要になります。本人確認の仕組みも必要になりますので、こういった3つの仕組みが必要になってくるということになります。
 安心して番号が使えるというためには、4のところにありますけれども、制度上の保護措置、第三者機関による監視、システム上の安全措置としてのアクセスのコントロールの問題、番号を用いない情報連携の問題、暗号化の問題といったことが必要になってくるわけでございます。
 こういったことを考えますと「5.今後のスケジュール」になりますが、番号制度につきましては今年の秋以降、可能な限り早期に番号法案を出し、法案成立後、可能な限り早期に第三者機関を設置し、その後、個人に番号を付番するのが平成26年、法人に法人番号を交付するのもこの平成26年。したがって、番号の利用開始は平成27年、西暦でいいますと2015年1月以降が予定されているということでございます。
 その後ろ側に法整備として、この番号のための法整備でどういったことが求められるかということが、今後、今年の秋以降に法案が出てくるということで掲げられておりますけれども、その具体的な法改正のイメージが掲げられております。なお、右下のところに情報の機微性に応じた特段の措置ということが一つ別の箱で書いておりますように、例えば医療分野のように情報の機微の特性が高いものにつきましては、特別法の整備が併せて求められているということを御紹介いたしたいと思います。
 以上が番号制度についてであります。
 資料1−4「社会保障と税一体改革の今後の検討の進め方について」として資料をお配りしております。
 1ページ「子ども・子育て新システムの実現」関係でございます。緑とオレンジの色の付いているところは、先ほどごらんいただきました社会保障・税一体改革成案の工程表、別紙2から抜き出したものでございますが、この一体改革成案を受けまして、下の矢印のところから「上記を踏まえ、新システムの具体案を早期に取りまとめ、税制抜本改革とともに早急に法案を提出」ということでございます。
 主な検討の場、スケジュール。主な検討の場といたしましては、子ども・子育て新システム検討会議作業グループ(基本制度WT)がございまして、ここで検討が行われております。最近の開催状況ということでは、本年7月に少子化社会対策会議におきまして、「子ども・子育て新システムに関する中間とりまとめについて」を決定したところでございます。今後のスケジュールといたしまして、今後更にワーキングチームにおいて検討を進めるということになっております。
 2ページ、「医療・介護改革マル1」。診療報酬・介護報酬の体系的見直しと基盤整備のための一括的な法整備関係であります。
 2ページの下の矢印のところですが、診療報酬・介護報酬の体系的見直しについては、24年度以降順次実施。基盤整備のための一括的な法整備については、平成24年を目途に法案提出ということでございます。
主な検討の場といたしまして、3ページをごらんいただきますと、1つは社会保障審議会医療部会でございます。医療提供体制の審議を行う中心的な部会でありますが、昨年10月より既に計9回集中的な議論が行われておりまして、直近では7月20日に開催されたところでございます。
 7月に一体改革成案についても報告をされておりまして、年内を目途に引き続き議論が進められるということになっております。医療部会といたしましては、2つまとめる予定になっておりまして、制度改革案と診療報酬改定の基本方針についてとりまとめようということになっております。
 医療保険部会も本年7月に既に成案が報告をされ、年内を目途に診療報酬改定の基本方針がとりまとめられる予定となってございます。
 中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協でありますが、平成22年改革以降、おおむね月2回程度のペースで審議を実施してきておりますけれども、今後、社会保障審議会医療部会、医療保険部会で改訂の基本方針がまとめられますので、これを受けて改革に向けた議論が進められる予定になっております。
 また、介護報酬の関係は、介護保険部会・介護給付費分科会ということになりますが、介護保険部会は昨年11月に介護保険制度の見直しに関する意見をまとめたところであり、給付費分科会は本年4月より既に計7回開催されておりまして、24年改訂に向けて議論が進められ、必要な検討が行われる予定となっているところでございます。
 4ページ「医療・介護改革マル2」。保険制度の改革関係でございますが、4ページが工程表、
 5ページの矢印のところですが、「24年以降速やかに法案を提出し、順次実施」ということになっております。
 医療保険関係は医療保険部会が中心的な議論の場になりまして、今後のスケジュールといたしましては、引き続き議論を進め、年内を目途に改革案をとりまとめる予定となっております。
ちなみに、※印が2つ付いておりますが、改革の中で被用者保険の適用拡大につきましては、特別部会が設置をされますので、ここで議論されることになっておりますし、「国民健康保険の基盤強化に関する国と地方の協議の場」が別途設けられておりますので、国保に関しては、そちらでも議論が進んでいるということでございます。
 介護保険部会につきましては、昨年11月にとりまとめられておりますので、今後のスケジュールのところですが、給付費分科会の議論も踏まえ、必要な検討を行う予定になっているところでございます。
 6ページから年金制度の関係になります。6ページ〜7ページの上段までが工程表であります。矢印がありまして、「国民的な合意に向けた議論や環境整備の状況を踏まえつつ、検討を進める」ということで、現行制度の改善につきましては、税制抜本改革とともに、2012年以降速やかに関係法案を提出する。その他は、2012年以降速やかに法案を提出するというのが今後の予定でございます。
 検討の場といたしましては、年金部会が8月26日に第1回が開催されたところでございまして、第1回の年金部会では今後の進め方等について議論が行われたと承知をしております。今後のスケジュールといたしまして、この年金部会で年内を目途にとりまとめを目指すということになってございます。
 先ほども少し出てまいりましたが、短時間労働者の社会保険適用につきましては、下の欄にございますとおり、「社会保障審議会短時間労働者への社会保険適用等に関する特別部会」が設置されたところでございまして、9月1日に第1回を開催し、今後の進め方等について議論が行われる予定になっております。また、年内を目途にとりまとめを目指す予定になっているところでございます。
 8ページ、障害者関係の施策でございます。現行の障害者自立支援法の廃止、「障害者総合福祉法」(仮称)の制定に向け、平成24年の法案提出、25年の施行を目指すということになっておりまして、議論の場といたしましては、「障がい者制度改革推進会議」、「障がい者制度改革推進会議総合福祉部会」で議論が行われております。今後のスケジュールのところを見ていただきますと、8月30日に総合福祉部会で新法の骨格提言がなされる予定となっております。
 9ページ、「就労促進」。就労促進につきましては、主な検討の場といたしまして、それぞれ「労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会」、「今後のパートタイム労働対策に関する研究会」、「非正規雇用のビジョンに関する懇談会」など、さまざまな場におきまして、ここにありますようなスケジュールに沿って、今後議論が進められると承知をしています。
 10ページ「貧困・格差〜重層的セーフティネットの構築〜」。これにつきましては、議論の場、今後のスケジュールに関しては2つ記載をしておりますが、「生活保護制度に関する国と地方の協議」で議論を進める予定にしております。最近の開催状況としては、本年5月に大臣、首長によるハイレベル会合を開催したところでありまして、今後、引き続き議論を進め、再度ハイレベル会合を開催し、速やかにとりまとめる予定でございます。
 生活保護に関しましては「生活保護基準部会」もありますので、ここで今後議論をし、平成24年後半に報告書をとりまとめる予定と承知をしております。
 11ページ、「難病対策」。難病対策につきましては、「難治性疾患対策について、医療、研究、福祉、就労、雇用支援施策等制度横断的な検討を行う」こととしておりまして、省内に設けられました「新たな難治性疾患対策の在り方検討チーム」、それから、厚生科学審議会で難病対策委員会が設けられております。こういったところで引き続き議論が行われる予定になっております。
 資料1−4につきましては、以上でございます。
 あと2つだけ御紹介したいと思います。資料1−5と1−6です。
 1−5につきましては、一体改革の成案の中で社会保障給付の整理が求められておりましたので、今後、社会保障給付費の整理に関する検討会といったものを厚生労働省政策統括官の私的諮問機関として設置する予定となっておりまして、今年10月ごろまでを目途に3回程度開催を予定したいと考えているところでございます。
 それから、資料1−6を見ていただきますと、「国と地方の協議の場」であります。これにつきましては、目的、概要のところを見ていただきますと、協議の場につきましては、国側、内閣官房長官、特命担当大臣、総務大臣、財務大臣、内閣総理大臣の指定する国務大臣。地方側としては、地方6団体の代表。こういった構成におきまして、協議の場を設定しているものであります。
 協議の対象につきましては、国と地方公共団体との役割分担に関する事項。地方行政、地方財政、地方税制その他の地方自治に関する事項。経済財政政策、社会保障に関する政策、教育に関する政策、社会資本整備に関する政策、その他国の政策に関する事項のうち地方自治に影響を及ぼすと考えられるものということでございまして、大変幅広い協議の場でありますけれども、分科会を設置することができるということになっておりますので、こういった協議の場、それから分科会におきまして、それぞれ議論が行われるものと承知しております。
 裏のページに、開催状況が書いてありますが、第1回の会合が6月13日に開かれ、8月12日に臨時会合が開かれたところでございまして、今後、引き続きこういった場を活用していくものと承知しております。
 議題1、資料1−1〜1−6まで以上でございます。

○大森会長
 どうも御苦労様です。
 神野直彦委員がお見えです。一言ごあいさつ。

○神野委員
 御紹介にあずかりました神野でございます。公務の関係で遅れました失礼を、御寛容いただければと思います。
 つい最近まで、「私は右も左もわからない若輩者ですが」と言っていたような気がするんですが、年をとりまして、右も左もどころか前も後ろもわからなくなっております。皆様方の御指導仰ぎながら、精一杯努力をしたいと思っております。よろしくお願いします。

○大森会長
 神野先生からそう言われると、私なんかどうすればいいかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 今、御報告がございましたので、20分程度、御質問等があれば承りたいと思いますが、どなたからでも結構でございます。
 福田さん、どうぞ。

○福田委員
 それでは、福祉医療現場に近い行政の立場から意見を申し上げたいと思います。
 まず、社会保障・税一体改革成案につきましては、議論の過程におきまして、社会保障の担い手であります地方の代表が、集中検討会議に参加させてもらえないということがありました。また、十分な意見陳述の機会も与えてもらえないという重大な問題がございましたが、「国と地方の協議の場」における地方6団体の意見表明などを通じまして、原案が大幅に修正され、地方の意見が一定程度反映されたところでございます。
 成案につきましては、地方の意見を踏まえ、地方単独事業を含めた社会保障給付の全体像及び費用推計を総合的に整理した上で、地方単独事業に関して必要な安定財源が確保できるよう地方税制の改革を行うと明記されたところであり、社会保障において、重要な役割を担っております地方単独事業を含めた社会保障全体の持続可能性の確保と、その安定財源を確保するため、引き上げ分の消費税収の国と地方の役割分担に応じた適切な配分を実現することとされました。
 今後、社会保障制度や税制度の具体的な制度設計に当たりましては、地方の意見を的確に反映し、運営の実態を踏まえた効果的な制度を実現し、将来にわたって地方が安定的に社会保障を担っていけるよう、委員の皆様方のお力添えをお願いいたします。
 次に、医療保険制度、特に国民健康保険制度についてであります。
 成案におきましては、資料1−1の5ページで特に重要と御説明をいただきましたが、国民健康保険関係につきまして、市町村国保の財政運営の都道府県単位化、低所得者対策を中心とした財政基盤の強化、高齢者医療制度の見直しなどが掲げられているところであります。国民健康保険制度につきましては、今更申し上げるまでもありませんけれども、被保険者の年齢構成が高く医療費水準が高い、所得水準が低い、更には、小規模保険者の存在など、多くの構造的な課題を抱えており、多額の法定外繰入の発生など、財政的に大変深刻な状況にあります。
こうした中、私ども全国知事会では、7月に全国知事会議を開催いたしまして、来年度の国への提案要望をとりまとめたところでございますが、その中で医療保険制度につきましては、将来にわたって医療保険制度の安定的な運営を図るため、国の財政責任を明確にした上で、医療保険制度の改革などを着実に行うこと。特に、後期高齢者医療制度については安定的な運営に努めるとともに、国民健康保険制度については、構造的な問題に対する抜本的な解決を図り、持続可能な制度を構築すること。その上で、医療保険制度の全国レベルでの一元化に向けた具体的道筋を提示すること。としております。
 全国知事会といたしましては、国民健康保険制度の構造的な問題に対する抜本的な解決が図られ、持続可能な制度が構築されるとするならば、責任を担う覚悟ではございますけれども、成案に掲げられました低所得者対策としての2,200億円の公費投入だけで構造的な課題が解決するのか、国はより一層の国費を投入すべきではないか。また、構造的問題の解決なく、財政運営を都道府県単位化するだけでは財政運営上の問題は解決しないのではないか、ということが、おおむね共通の認識でございます。
 今後、医療保険部会などで検討が進められていくことと思いますが、そうした場は勿論、「国と地方の協議の場」などにおきまして、よりよい制度となるよう積極的に議論を重ねてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。
 以上です。ありがとうございました。

○大森会長
 ありがとうございました。
 ほかに、どうぞ。

○横倉委員
 今日は資料を出させていただいておりますので、この「社会保障・税一体改革成案」に対する私どもの見解ということで最後にございますので、御参照ください。
 実は、私どもはこの成案ができまして、社会保障の強化に向けて、医療、介護に相当の資源、特に費用やマンパワーを投入する方向性を打ち出されたということは非常に高く評価をしているところでございます。
 しかしながら、幾つかの問題点がある。そこに書いておりますように、受診時定額負担の問題については、資料の中にございますけれども、いわゆる日本の医療保険の自己負担が他の先進国と比較すると高いという問題。また、高額負担をしなければいけないという方の負担低減のためにこういうことをお考えいただいたということでありましょうが、高額負担の軽減は私ども賛成するわけでございますけれども、病気になられた方から一定額を常に取るということで財源にされることについては、幾ばくかの不安を覚えているところでございます。
 そこで、9ページに私どもの考えます「安心を約束する医療保険制度」を記載しております。これは、基本的理念としましては、すべての国民が同じ医療を受けられる制度にしてほしいということ。すべての国民が支払い能力に応じて公平な負担をする制度にしてほしい。将来にわたって持続可能性のある制度ということで、今、知事会の代表の知事からも御発表がありましたが、将来的には国保、社会保険、被用者保険ともに全国一本化の方向に向けての努力をしていくべきではなかろうかということでございます。
 また、保険料につきましては、協会けんぽとその他の組合けんぽや共済組合の保険料で差が相当ございますので、そこの負担をできるだけ同じにしていただいて、公平を図っていただくことが1つの方向性ではなかろうか。国民健康保険については、当然、市町村単位から各都道府県単位にして、更には全国的な統一の方向に持っていっていただければという思いであるところでございます。
 そういうことで、今回の成案に関しましては、全体的には非常に高い評価をしておるわけでございますが、幾つかの問題点を私どもとしては指摘せざるを得ないところでございますので、そこのところは何とぞ御理解をいただきたいと思っておるところでございます。
 社会保障番号制についてでございます。番号につきましては、17ページと18ページに書いておりますが、健康情報は国民にとっては非常にセンシティブな問題を含んでおります。先ほど参事官からの御説明もありましたけれども、機微性のあるいろいろな情報をどう守っていくか。やはりITが進んでいろいろセーフティな物がつくられても、必ずそれを破る人が出てくるという現実がよその国では起きておりますので、そういう個人情報、特に健康に関する情報の漏えいといいますか、そういうことが起きないような手はずを十分に取っていただいた上で、番号制についてお願いをしたいという思いでございます。
 以上、手短に幾つかの問題点についてだけ御指摘をさせていただいております。

○大森会長
 ありがとうございました。
 吉川先生、どうぞ。

○吉川委員
 私は、先ほど事務局から説明のありました社会保障と税の一体改革の集中検討会議に委員として参加させていただいた者ですが、幾つか私の意見を述べさせていただければと思います。
まず第一に、成案に盛り込まれました医療保険に関する定額負担。私はこれに賛成であり、集中検討会議でもそういう発言をいたしました。
 今、横倉委員の方から日本の医療保険の自己負担は国際的に見ても高いという御発言がありましたが、これは私の理解とかなり違っていて、日本の場合いわゆる医療費、全体を国民医療費と仮にしたとき、個人が負担する比率は大体15〜16%だと思いますけれども、これは先進国の中では最も低いと思います。
私自身、その数字を見たときにやや意外だったのですが、イギリスあるいはドイツ、フランスよりも低い。ただし、この場合の自己負担というのは、日本の場合は自己負担というのはほとんどイコール窓口負担ですけれども、欧米の場合には皆様方御存じのとおり、プライベートな医療保険に入るために個人が支払う保険料も含まれています。個人が自分で払う医療保険のプライベートな医療保険の保険料と、窓口負担を足し合わせたものを広義の自己負担と定義した場合、先ほど申し上げたとおり、日本はほとんど窓口負担ですが、自己負担15〜16%。これは国際的に見ても一番低いと思います。これが1点。
 それはそれとして、定額負担というのは、医療保険に関する負担増といいますか、こうした議論をするときによく使われる言葉では、効率化という範疇に入るような措置だろうと思いますが、集中検討会議で効率化の議論のときに、そこに参加されていた方というのは社会保障に造詣の深い方、あるいは現場で働いている方、そうした方が随分入られたわけですが、それは弱い者いじめだ、あるいは冷たい改革であるという御意見が多数出ました。私は、これは今後、社会保障の改革を進めていく上で、よくよく議論をして解決しなくてはいけない問題だろうと思います。
 問題の所在がどこにあるかというと、やはりバジェット、財源が限られているということです。社会保障が大変大切な制度であって、これを維持したいというのは総論としては全員が一致している。集中検討会議だけでなく、社会保障審議会でもそうだろうと思います。ただし、バジェットが限られている、財源が限られているという中で、一体どこを私たちは集中的に社会保障として維持すれば一番使い勝手がいい、賢いお金の使い方になるのだろうか。こうした視点が欠かせないと思います。
 医療保険について言えば、保険インシュアランスということですから、車の保険でも同じだと思いますが、やはりビッグリスクをみんなでしっかり支え合おう。しかし、中以上の所得の人であれば、小さなリスクはそれぞれ少し自分で負担してもいいのではないか。これが今回政府が提案した定額負担の基本的な考え方だと思います。
 私は一番初めに申し上げとおり、これを支持する立場ですが、これは1つの例ですけれども、今後、いわゆる効率化ということについて、効率化という言葉が出た途端に、市場原理主義であるとか、そういうことを言われる方がいるのですが、市場原理主義とかアメリカの共和党右派のティーパーティのような考え方は、日本ではほとんどない。先ほども申し上げたとおり、社会保障制度を維持したい、皆保険、皆年金を維持しろというのが国民のマジョリティー。しかし、財源が限られているという中で、いかにお金をワイズに使うかということが社会保障に問われているんではないかと強く感じました。

○横倉委員
 一言だけ反論させてください。

○大森会長
 どうぞ。

○横倉委員
 いわゆる公的医療保険の場合、自動車保険等と同じ扱いでいいのか。社会保障として、日本のセーフティネットとしての医療保険であるべきではないかということで私どもは、過度な自己負担はいかがかというお話をしているところであります。
 ドイツの例を先ほどおっしゃいましたが、私は実はドイツで2年生活したことがあるんですけれども、ドイツのプライベート保険というのはお金持ちだけの保険なんです。ほか勤労者の方は日本と同じような、健康保険公社の保険に雇用主と本人が負担をしてお金を払うという形で動いているわけで、そういう負担を見ても、日本の医療保険の患者負担割合が非常に低いということは、私どもが調べた範囲では余りないんではないかと思っておりますので、こういうことを提案しました。
 吉川先生の医療保険に対するお考えというのは、私も十分理解させていただいているつもりで、医療の適切な効率化は当然必要であるという思いでございますので、よろしくお願いします。

○大森会長
 これは今の御議論で、共通認識のためのデータがあるんですか。

○香取政策統括官
 詳しくはこの議論は医療保険部会でされることになると思いますので、そちらで議論になると思いますが、集中検討会議あるいはこの議論のベースになっている国民会議での議論でいいますと、諸外国の制度と日本を比べた場合には幾つかの特徴があります。
 1つは、日本の医療保険制度は保険でカバーする範囲が非常に広いということです。ドラッグラグ等、保険適用のない薬のことがときどき問題になりますけれども、総体として見た場合、日本の医療保険制度は非常に先進的な医療から軽度な医療まで、ほとんどすべての医療が保険でカバーされているという意味では、保険制度の範囲が非常に広いということが1つでございます。
 もう一つは、いわゆる公的な制度、制度の中で負担している一部負担については、御案内のように3割負担がベースになっておりまして、高額療養費による給付を加えて84%ということになりますので、16%くらいの自己負担ということになります。この部分は、保険制度の負担ということで見ると、諸外国の場合と比べて高いという御議論は勿論あります。
 他方で、フランスなどその他の国ですと、一部負担の部分に対してもう一枚保険が付いている。これは国によって仕組みが違っておりますが、健保組合の付加給付のような形で、付加保険料を取って付加給付で一部負担を埋めるという制度が割りと広く普及しており、結果的に窓口の負担は結構小さくなることがございます。
 勿論、この部分を私的な保険で対応しているドイツのような国もありますので、総体として見ると、実際の窓口での負担が日本が大きくなるというのは一方で現実でございます。しかしながら、申し上げたように保険のカバーの範囲の広さ、逆に言うと保険でカバーされない部分の医療は患者の自己負担ということになりますので、マクロで見ると実はトータルな医療費の中で保険でカバーされない部分というマクロの統計を取ると、実は日本は小さくなるというのは事実でございます。
 いずれにしましても、御指摘ありましたように保険制度の仕組み上、窓口負担が大きく出ているというのも事実なので、それは少しデータを整理していろんな局面から見ていただいて、どう保険の範囲なり一部負担を考えるかという御議論を、関係の部会・分科会で改めて御議論をいただいて最適な御結論を出していただければと思います。

○大森会長
 わかりました。
 斎藤さん、どうぞ。

○斎藤(勝)委員
 経団連では、6月15日に一体改革につきまして、意見表明をしておりますけれども、本日はそこに幾つか肉づけをする形で申し上げたいと思います。
 まず、消費税の引上げについてでございます。社会保障の安定財源の確保に向けて消費税の引き上げが明記されたという点につきましては、課題解決の一里塚として評価をしたいと思います。ただし、成案では引き上げの時期等があいまいとなっておりまして、今後、これを明確にするとともに、着実に実行していく必要があると考えます。
 2点目は、今、吉川先生からも御指摘がありましたが、効率化・重点化の必要性でございます。社会保障制度の持続可能性を考えますと、本来、給付を拡充する前に、更なる効率化・重点化が必要です。給付の充実、強化を行うのであれば、それに見合うように効率化・重点化への取組みを一層強化すべきであると考えます。
 3点目、最後ですけれども、経済成長や雇用創出を阻害するような改革であってはならないということでございます。集中検討会議での参考推計によりますと、社会保障にかかる負担額は現在から2015年度にかけて14.7兆円、14.8%増加し、2025年度には50.8兆円、50.9%増加するということが見込まれております。一方で、これを担う生産年齢人口は現在と比べて2015年に約420万人、5.2%減少。2025年には実に約1,000万人、12.4%減少するということが別途見込まれております。
 つまり、例えば2025年について見ますと、負担額は50.9%増える一方で、これを担う現役世代の数は逆に12.4%減少するということになります。このように増え続ける社会保障給付費の財源を減り続ける現役世代の保険料負担で手当てするということになりますと、現役世代の働く意欲、活力をそぐことになりかねないと思います。また、保険料の引上げは、いわば雇用に対する課税の強化と同義であり、とりわけ医療の給付改善に保険料の引き上げで対応するとなると、保険財政の悪化や雇用に悪影響を及ぼすものと危惧しております。
 したがいまして、公費の拡充によって現役世代の保険料に過度に依存しない制度を是非確立していただきたいと考えております。
 以上でございます。

○大森会長
 ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。
 藤原さん、どうぞ。

○藤原委員
 現状では、自治体は将来の社会保障について、いろいろな面でどうなるのかと大変悩んでいるところであります。社会保障と税の一体改革の成案ができてきまして、一定の今後の方向が出てきたわけでありますが、今まで小委員会や部会で相当の時間とエネルギーを費やして慎重に審議されてきたわけでありまして、国は今後、工程表に基づきまして政策を実現していっていただきたいと思っております。そしてまた、地方自治体が安心して事業ができるような方向を出していただきたいと思います。
 特にお願いをしたいことは、先ほど栃木県の知事さんが言われたように国と地方の負担区分の関係でありますけれども、本当にこれはその都度問題になるわけでありますので、納得のいく区分となるよう明確化を図っていっていただきたいと思います。
 また、細かいことについては、相当微調整もしていかなければいけないと思いますので、その都度しっかり協議をしていっていただけばと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

○大森会長
 ありがとうございました。
 それでは、議事1についてよろしゅうございましょうか。本日はこのくらいということにいたします。
 議事2「最近の分科会・部会の動向等について」、事務局から御説明いただきます。
 最初は年金局からでしょうか。

○藤原年金局総務課長
 年金局の総務課長でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元に資料2−1、2−2の関係について御説明を差し上げたいと思います。
 資料2−1「『短時間労働者への社会保険適用に関する特別部会』の設置について」という件でございます。先ほど、武田参事官の方から一体改革の年金におけるテーマの関連で、既にこの特別部会の設置については御説明がございましたけれども、改めて設置の趣旨というところでごらんいただければと思いますが、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大ということで、年金を横断して、雇用政策と連携した総合的な検討を行うための専門の部会ということでございます。
 9月1日、今週に第1回開催ということを予定してございまして、当面のスケジュールにございますように、9月以降月2回の程度のペースで開催を予定し、関係団体からのヒアリングを行いつつ年内のとりまとめを目指し、24年以降速やかな法案の提出に向けて検討をお願いするというものでございます。
 検討の結果につきましては、医療保険部会、年金部会の方に御報告を差し上げ、医療保険制度改革、年金制度改革との整合性を図ってまいりたいということでございます。
 裏面には、この特別部会の委員への御就任をお願いしております予定者の先生方のお名前を名簿で付けさせていただいておりますので、ごらんいただければと存じます。
 続きまして、資料2−2でございます。社会保障審議会の下に「第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会」ということで、特別部会を4月〜5月にかけて設けて御議論いただいたという件でございます。
 おめくりいただきますと、概要ということで5月20日にちょうだいをした報告書の骨子をそこに入れさせていただいております。若干経緯について改めて申し上げますと、サラリーマンの被扶養配偶者でございます第3号被保険者につきまして、配偶者が退職をすることによって、実態として1号被保険者となった。また、御自身の収入が増えることによって3号被保険者ではなくなった。こういうが必要な届出を行わなかったために、年金の記録上は第3号被保険者のままとされているケースが多数存在することが問題となりました。
 この問題につきまして、今年の1月以降、運用3号という形で受給者の方についてはそのまま記録を尊重すると。加入者の方につきましては、2年前以降について記録をしっかりと訂正して保険料を納めていただきますが、それ以前の記録についてはそのままの形とするという取り扱いを行政としていたしましたけれども、国会等での御指摘がございまして、今年3月に厚生労働大臣の御判断で、運用3号の取り扱いを廃止するとともに、立法よる抜本改善策を取るという方向性と論点が示されました。
 そのことを受けまして、今年の4月、本審議会の本田委員を部会長とする本特別部会を設置していただきまして、5回の審議をちょうだいし、とりまとめられた報告書がお手元にある骨子でございますが、5月20日の報告書ということになります。
 この報告書の内容でございますが、この抜本改善策に向けてどういう基本的な考え方でものを考えるか。第1に、保険料に応じた年金給付という原則を踏まえて、制度への信頼を確保すべし。また、できるだけ正しい記録を追求するべし。適正に手続を行ってきた方との公平性に留意するべし。特に、この3点目が国会等の議論で、運用3号の取扱いについて御指摘をいろいろいただいたということが、今回、抜本改善策を御議論いただく背景となったということがございます。
 同時に、不整合期間を有する方に対する救済という観点にも配慮すべしと。もともと、行政の方で記録、御本人からの届出によることで記録の正しい形というものを取るというのが基本の仕組みでございますけれども、行政の取組みが十分でなかった面ということもあるではないかということで、この救済の観点にも配慮すると。5点目としまして、こうした取り扱いは特例的な時限の措置として、再発の防止というものも徹底していかなくてはいけない。
こういう基本的な考え方をちょうだいし、その上で具体的な抜本改善策の内容といたしまして、まず記録の訂正というものを行いますと、言うならば、不整合の記録をお持ちの方々の記録を本来の1号の記録という形に直した場合に受給資格権の問題が生じてまいりますが、これにつきましては、不整合期間は「カラ期間」、資格の機会にはカウントするけれども、年金の額には反映させないという「カラ期間」とするということが抜本改善策の1つのポイントになります。
 2点目としまして、不整合期間をお持ちの方について、追納を特例で可能とする。追納の期間につきましては、そちらにございますが10年ということを考え方としてお示しをいただいております。また、この追納の制度につきまして、先ほど基本的な考え方のところで時限措置ということがございましたけれども、これは3年間の時限措置とする。社会保険事務所、年金事務所の窓口で既に訂正された不整合期間、訂正済みの方もいらっしゃるわけですが、そうした方々についても措置の対象とする。こうした点をお示しいただいたところです。
 3点目といたしまして、年金の受給者になっていて、未訂正期間が不整合のまま訂正されていない期間を有する方の扱いということでございます。こうした方々については、特例の追納というものがなければ過去5年に支払われた過払い額の返還を求め、将来の年金額については減額を行うことを原則とする。ただ、同時に行政の取扱いを信頼してきた受給者の保護、高齢者の生活の安定を考慮して、配慮の措置も併せて講じるべしという報告書をちょうだいしております。
 また、運用3号の取扱いが今年1月からそれが廃止されるまでの間ございましたので、その取り扱いの下で裁定をされた受給者についても同様の取扱いをするということも御意見としていただいております。
 こうした不整合期間が、今後生じないようにするための再発防止策もきちんと講ずるべしという御意見もちょうだいしまして、こうした報告書をちょうだいし、政府といたしましては、所要の法案を国会の方に提出するということで、現在、調整をしているところでございます。
 非常に短期間、集中的な御議論をちょうだいいたしまして、この問題に取り組ませていただいているということを御報告差し上げたいと思います。
 以上でございます。

○大森会長
 それでは、次。

○武田参事官
 続きまして、資料2−3「人口部会の検討状況」であります。
 人口部会の検討状況でありますけれども、平成23年7月より月1回程度開催し、東日本大震災の影響も踏まえ、年明けを目途にできるだけ早期に推計結果をとりまとめるという方針で、今、検討しているところでございます。
 ここにございますように、平成23年7月1日に第11回を開催し、第12回、第13回で新推計の基本的考え方の議論に入り、平成22年の国勢調査の基本集計の公表が23年10月ごろの予定でありますので、これを踏まえまして、日本の将来推計人口の推計結果の公表につなげていきたいということで、検討する予定となっております。
 私から、以上でございます。

○大森会長
 以上、全部で3件でございますけれども、何か御質問、御意見はございますでしょうか。
 逢見さん、どうぞ。

○逢見委員
 逢見です。
 短時間労働者への社会保険の適用に関する特別部会が設置されるということで、この課題は非常に以前から議論があったところであり、是非、特別部会でしっかりした結論を出していただきたいと思います。
 この一体改革の成案の中で、いわゆる重点化・効率化という部分と、機能強化と充実という部分とに分けて描かれているんです。この短時間に対する社会保険の適用強化というのは、どちらかというと、重点化・効率化という部分で財政に寄与するという視点での1,600億円ですから、他方、貧困対策とか格差問題の中では充実という位置づけになって、いわばこの問題は両面あるわけです。
そういった意味で、その両面性というのをよく問題点を認識した上で、しっかりした議論をしていただきたい。ともすると、これが効率化・重点化ということになると、一方でそれは負担増という議論になってしまいかねないわけで、その両方ある部分を一体改革で3つの理念とか、そういうものが示されている。その理念に沿っていかにあるべきかという、しっかりした土台に基づく議論を今後、特別部会でお願いしたいと思っております。

○大森会長
 ありがとうございました。
 もっともな御意見だと思います。ほかに御質問。
 河村さん、どうぞ。

○河村委員
 御質問お願いしたいんですが、資料2−2で御説明くださいました不整合記録の問題の件で、非常に解決策の在り方が難しい問題であるということはよくわかるんですけれども、年金制度に対する国民の信頼性をどう確保するかという上では、こういう問題をどうさばくかということを国民のみんなが非常に関心を持って見ていると思うんです。
 その中でお尋ねしたいんですが、黄色い2番のところの(3)のところで、未訂正期間を有する年金受給者の扱いということで、特例追納がない限り、減額を原則と言いつつも、行政の取扱いを信頼してきた受給者の保護や高齢者向けの配慮措置と、言葉で書かれるとわかる気はするんですけれども、取扱いを信頼してきた受給者の保護といってしまうと、ほとんど皆さんがそれに該当してしまわないのか。減額を原則としつつも、このように救済措置を図るという2つの点を、実際どのように両立させていこうとお考えになってらっしゃるかをもう少し細かく御説明いただければありがたいです。

○大森会長
 もう少し語を継いで御説明いただけますか。

○藤原年金局総務課長
 この点につきましては、現在、詳細の内容につきましては、法案の提出に向けて検討中ということになりますが、この部会の議論の中でも無理のない範囲で、例えば内払い調整という形で、内払い調整と申しますのは、今後もらう年金額から返還分を減額するという形のことを指しますけれども、そういう形で一括ではなくて内払い調整のような形を取って、無理のない形で返済をいただくとか、いろいろな配慮をすべきであるという御意見をちょうだいしておりまして、いろんな観点から検討させていただいているというところでございます。

○大森会長
 減額は原則だから、減額するんでしょう。それは、変わっていないわけでしょう。

○藤原年金局総務課長
 減額の規模というものについても、どういう形が適当かというのは、いろいろな御意見をちょうだいしておりますので、減額の規模、それから実際の分割納付の仕組み、いろいろな観点で検討しているところでございます。

○大森会長
 河村さん、よろしいですか。まだ、これから詰めなくてはいけないことが残っているという御説明です。これ以上追及しても、回答が出てこない可能性がございますので、ほかにございますでしょうか。
 どうぞ。

○白波瀬委員
 白波瀬です。
 少しずれるかもしれないんですけれども、重点化・効率化について、大変気になっておりますので、1つ質問というかコメントを差し上げたいと思います。
 効率化と言っただけで過敏に反応する人がいるという状態も確かにあるわけですが、そこではやはり重点化・効率化と言ったときに、何をもって重点化するのかという基準値が必ずしも共有されていないところに問題があると思います。また、その基準とするところを各制度まで落としますと、勿論、目的とするところが細分化されますから、互いに必ずしも整合しないわけです。
また各論での基準とするところが全体から見たときにどう整合するかという問題もあり、各論から全体へと単純に還元できるわけではありませんので、そこのところの齟齬が問題になってきます。社会保障と税の一体改革の中でも、効率化・重点化がいわれてきたわけで、その点大枠のところでは決して反対するものではありませんが、どこに最終的な重点化・効率化の基準をおいているのかを、どこかで今一度確認し、全体としてもやはり共有をする必要があるのではないかと思います。そうすることで、各論レベルで例えば給付を抑えることを議論する際に、単なる切り捨てではないということも理解してもらえるのではないでしょうか。まとめますと、効率化、重点化の中身が個々人の中で必ずしも共有されていないと、具体的な制度レベルで、議論を詰める際に無駄に拡散する危険もあるのではないかと感じました。
 以上です。

○吉川委員
 2度目になりますが、よろしいですか。

○大森会長
 どうぞ。

○吉川委員
 今の点に関して、ポイントは私自身は、全体でのバジェットにコンストレイント(制約)があるということに尽きると思います。勿論、給付とか社会保障のサービスを積み上げて、これだけ負担を求めるという考え方も論理的にはありうるわけですが、サービスを供給すればだれかが負担しなければいけないということは当然のことである。そういう前提で、負担を増やすということもあり得るわけですが、実際、この一体改革では消費税を5%上げると数字も出して求めているわけです。
 しかし、大きな判断として、負担増だけでは増大する社会保障を賄えないだろうという判断があると思います。つまり、給付サービスの方でもどこかを少し縮めなければもたないであろうというのが大きな判断としてあると、そこに尽きると思います。
 もちろん社会保障と言ってもいろんなものがあるわけですし、更に制度の詳細設定ということになればいろんなことがあるわけですから、どこでどれだけというのは各論になってくるわけで、そこのところで政府、あるいは社会保障の専門家の方々が知恵を出すということだと思いますけれども、大きな判断としてはバジェットにコンストレイントがあるということがすべてだろうと考えております。

○大森会長
 事務局も今のようなお考えですか。

○香取政策統括官
 説明すると長くなるので余り話しませんが、一体改革成案の考え方ですけれども、先ほど参事官から御説明申し上げましたように、基本的には社会保障制度として必要な給付あるいは本来の機能を基本的には確保できるような機能強化を図るというのがベースになります。
その上で、必要なサービスを保障するあるいは提供するに当たっての最適の供給体制といいますか、最も資源の効率的な使い方という意味で、与えられた人的資源、あるいは財政資源の中で最良のアウトプットが出せる提供体制をつくると、特に、医療・介護のサービス提供体制については、病院の体系を見直すとか医療と介護の資源配備の見直しとかということが書いてあるわけですが、その考え方が基本的には与えられたリソースで最適なアウトプットを出す供給体制かどうか。この制度改革で考えている考え方の効率化とは実はそういう意味なので、給付の範囲を小さくすると給付は減るわけですけれども、そういう意味で効率化とは呼んでいないと思います。
 もう一つは、もっと大きな意味でのさまざまな分野の間の優先順位ということだと思います。それについては、先ほども御説明申し上げましたように、基本的には現役に対する給付、子ども・子育て、若年対策について重点的に行うということや、年金サービスである年金、所得移転のサービス、給付である年金よりは現物のサービスで医療・介護について重点的にやっていくということ。あるいは個別の制度とは関わりませんが、制度横断的な課題としての低所得者対策を重視する。そういった部分に資源を重点的に投入するという、言わば、どの分野に重点的に投入するかということと、資源の最適配分というか最も効果的な利用という意味での効率化・重点化ということを基本的には述べているんだろうと思います。
 あとは、個別制度の中でどう組み立てるかということが議論になるわけですが、今回の成案は資料1−1の別紙2の色刷りのところがあったと思うんですけれども、見ていただきますと、それぞれ分野ごとに各テーマごとにといいますか、セッションごとに充実と重点化・効率化をセットで考えましょうと。
 例えば供給体制の効率化をするということと、できるだけ早期の退院をするために入院期間の短縮を給付のセットでいくと。医療提供体制、急性期の充実、強化というものと在宅の強化というものもセットで考えるというふうに、機能強化と充実と言わばめり張りの利いた資源配付という意味でセットで考える。
 そういう意味で言うと、給付改善だけを先取りするとか、効率化だけを先に走らせるということにならないような、いわば全体のパッケージで考えて改革を一体で考えるということで、全体の絵柄が描かれているということだと思いますので、個別の改革の星取りは各制度ごとに議論することになると思いますが、全体の改革の考え方はそういう形で、与えられた我々の今の社会経済情勢、あるいは合意できる負担の範囲内で最も効率的で効果的な制度設計はどうかという考え方で構築されているということでございます。

○大森会長
 米澤さん、今のことに関してですか。どうぞ。

○米澤委員
 その点で、1点だけ確認させていただきたいんですけれども、基本的には私も市場原理主義者ではありませんので、何でもかんでも市場でというのは、特に保険に関しましてはうまくいかないことは十二分に知っておりますが、吉川先生の言葉で言うとバジェットのこともありますので、何かしらそこのところを少し考えて重点的に考えていかざるを得ないわけです。
 その結果、幾つかのところでカットせざるを得なくなることは多々あるとかと思いますけれども、その際には、市場で代替のものが出てくるように、現在、市場で規制がある場合だったらそれを緩めていただいて、同時につくっていただいて、その下で選択肢を広げてやっていただきたいということです。
 例えば保険にしても、年金にしても市場でもってそれに近いものが出てくるように、それなしにして給付をカットするというのは非常に問題があると思いますので、カットしても部分的にそれほど困らないようないろんな仕組みをつくっていただいて、徐々にカットしていくようなことを是非お願いしたいということでございます。

○大森会長
 そういう反応ですけれども、御質問はよろしいですか。

○白波瀬委員
 考えます。

○大森会長
 ほかはよろしゅうございましょうか。
 最近、厚労省関係の資料がほかに出ていまして、今日、それについて御議論することはいたしませんけれども、どういうことになっているかということの報告を時間の限りいただきましょうか。
 議題3、お願いします。

○武田参事官
 参事官でございます。
 個々の資料についての御説明はいたしませんが、今日、どんな資料を配付しているかをごらんいただきたいと思います。
 まず、資料3−1−1「医療イノベーションについて」。これは6月16日に医療イノベーション会議でまとめられたものでございまして、検討の方向性として、例えば医薬品、医療機器、再生医療、個別化医療といった点につきまして、今後、制度、インフラ整備、人材育成などで、こういったことを伸ばしていこうという報告がまとめられておりますので、参考までに配付させていただきました。
 資料3−1−2「B型肝炎について」。これも新聞等でごらんになった方は多いと思いますが、先般、地裁から和解の考え方が提出されたことを踏まえ、基本合意書の締結がされ、更に全体解決の枠組みに関する基本方針というのが閣議決定されております。資料といたしましては、その基本合意書の概要と、当面必要な費用と将来分の費用についてということと、全体的解決の枠組みに関する閣議決定を参考までに資料として配付させていただいております。
 資料3−1−3「基礎年金国庫負担割合2分の1財源確保の検討状況について」。これまでの経緯、23年度当初予算の対応、2.5兆円の分につきまして、震災後の補正予算で震災対応への転用がなされましたので、現在、年金財政に穴が空いている状態であるということから、今後求められる対応につきまして、書かれているものでございます。
 資料3−1−4「子ども・子育て新システムに関する中間とりまとめについて」。先ほど御説明いたしましたが、そのものにつきまして配付をさせていただいているものでございます。
 資料3−1−5、子ども手当の支給に関しまして、特別措置法がまとめられておりますので、関係の資料を配付させていただいたものでございます。
 資料3−1−6「社会的包摂政策を進めるための基本的考え方」。「一人ひとりを包摂する社会」特命チームというものができておりますけれども、そこでまとめられた基本的考え方を参考までに配付しているものでございます。
 資料3−2−1「日本の再生のための戦略に向けて」。これは新成長戦略がまとめられておりましたが、これにつきまして震災後の状況も含めて改めて整理をし直し、8月5日に閣議決定されたものでありますので、参考までに配付させていただいたものでございます。
 また、資料3−2−2、8月12日に閣議決定が行われました「中期財政フレーム」を参考までに配付をしております。この中期財政フレームにおきましては御案内のとおり、具体的な数字は4ページに出ておりますけれども、基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの改善をするために対象経費、それに対応する財政措置といたしまして、24年、25年、26年と歳出の大枠については71兆円を維持することがここで決められているということを参考までに配付したものでございます。
 資料3−2−3、政策推進の全体像が8月15日に閣議決定されております。これは震災復興と並ぶ日本再生のための取組みということで、現在、政府において行われております各班の政策推進の状況につきまして、整理をした上で閣議決定しているものでありまして、この中で例えば本日の議題との関係でございますと、資料の3ページで「財政・社会保障の持続可能性確保」がございまして、財政運営戦略としての中期財政フレーム、社会保障・税一体改革が両方とも掲げられ、政策推進の是体像として閣議決定されているというものでございます。
 なお、財政・社会保障の持続可能性以外にも、例えば成長戦略に関係する部分ですとか、成長型長寿社会・地域再生といった項目など、一部社会保障と関係する部分がございますので、併せて御参照いただければと考えております。
 資料3−3−2「第177回国会における成立法案について」。予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律の概要。
 雇用保険法及び労働保険徴収法の一部を改正する法律の概要。
 職業金連の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律について。
 戦傷病者等の妻に対する特別給付支給法の一部を改正する法律。
 障害者基本法の一部を改正する法律。
 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律。
 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律。
 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律。
独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法の一部を改正する法律。RFOと言っておりますが、社会保険病院・厚生年金病院を保有している独立行政法人RFOについて一部改正法といった今国会における成立法につきまして、それぞれ簡単な概要をまとめて提供したものでございます。
 資料3−3−3「東日本大震災への対応について」。厚生労働省で行いました対応、被害状況、施策ごとの対応状況といったものを簡潔にまとめておりますので、御報告をさせていただいているものでございます。
 私の方から、本日、議題3といたしまして配付している資料は,以上でございます。

○大森会長
 どうもありがとうございました。
 先ほど資料1−2で御説明がございましたが、当面、作業スケジュールが組まれていまして、本審議会の先生方に各部会等で集中的に御議論していただかなくてはならないことがメジロ押しになってございます。全体とすれば、社会保障と税一体改革が順調に進むように各先生方の御協力を欲しいと思っていますので、お忙しいところ恐縮でございますけれども、各部会等でいろいろ御議論を賜ればと思っています。
 少し早ようございますが、以上で本日は閉めたいと思います。特段に何か御発言等ございますれば、承りますけれども、よろしゅうございましょうか。
 それでは、引き続き、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室

代): 03−5253−1111(7707、7708)
ダ): 03−3595−2159

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