ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(医療部会) > 第19回社会保障審議会医療部会議事録




2011年7月6日 第19回社会保障審議会医療部会議事録

医政局総務課

○日時

平成23年7月6日(水)10:00〜12:30


○場所

厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階)


○議題

1.医療提供体制のあり方について
2.その他

○議事

○医療政策企画官 定刻がまいりましたので、ただいまから、「第19回社会保障審議会医療部会」を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、また暑い中ご出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 会議に入ります前に、皆様方に申し上げておきたいことがございます。既に報道等を通じてご承知の先生方は多いかと思いますが、先日、辻本好子委員が逝去なさいました。ここに改めまして辻本委員のご生前のご貢献に深く感謝を申し上げるとともに、お悔みを申し上げたいと思います。
 それでは、本日のご出欠についてご報告を申し上げます。本日、代理の方にご出席をいただいておりますが、山本信夫委員がご欠席です。また、上田清司委員、大西秀人委員、小野精一委員、水田?代委員からご欠席との連絡を頂戴しております。
 議事に入ります前に、配付資料のご確認をします。黒いクリップを外しますと、議事次第、座席表、委員名簿、パワーポイントの「7月6日資料」と、参考資料1「目次」、参考資料「社会保障と税の一体改革案」、さらに中川委員と横倉委員からそれぞれご提出のあった「特定機能病院」「地域医療支援病院」という形の資料をお配りしております。過不足等ありましたら、事務方にお知らせいただければと思います。
 事務局からは以上です。マスコミの方で冒頭にカメラ撮りをしておられる方がいらっしゃいましたら、ここまでとしていただければと思います。それでは、部会長、よろしくお願いします。
○齋藤部会長 おはようございます。まず、委員欠席の際に代わりに出席される方の扱いについてですが、事前に事務局を通じて部会長の了解を得ること、及び当日の部会において承認を得ることにより、参考人として参加し発言をいただくことを認めることとしております。本日の会議につきましては、山本信夫委員の代理として、社団法人日本薬剤師会常務理事の森昌平参考人のご出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○齋藤部会長 ありがとうございました。
 それでは、議題に移ります。今日は、医療提供体制のあり方のうち、特定機能病院・地域医療支援病院、次に精神科医療について、意見交換をしたいと思います。途中で退席を予定されている委員におかれましては、この順番に関わらずご発言をいただいてもかまいませんが、その場合には、その由を明示されてからご発言いただきますようお願いします。
 今日は、特定機能病院と地域医療支援病院について、100頁を超える資料が準備されております。事務局から説明をお願いします。
○医療政策企画官 「社会保障審議会医療部会(7/6資料)」をご覧ください。資料は大きく3つの部分で構成しております。1つ目が、いま部会長からもありました「特定機能病院・地域医療支援病院について」ということで、医療法上、病院としてある機能を期待されて位置づけられている2類型の関係データ等についてまとめたものです。2つ目が、昨年12月22日に医療計画等々ということでご議論を賜った際に、「4疾病5事業について」、現在、医療計画の中に医療機関の役割分担当と連携ということで、具体的に医療機関名を記載している対象疾患と事業についてご議論いただいた際に、精神科医療をこの中に疾病として追加をすべきではないかというご指摘もありましたので、その点についてお諮りするということです。資料は120頁から、「その他」として、その際にいくつかデータ関連でご指摘があったものについてまとめたものをお付けしております。
 それでは、最初のパーツですが、「特定機能病院・地域医療支援病院について」ということで、3頁の「特定機能病院制度」です。「役割」としては、真ん中にありますように、高度な医療の提供をし、開発・評価をし、研修をするというのが大きな役割です。「承認要件」としては、高度な医療を提供し、開発・評価あるいは研修をする体制・能力を有すること、400床以上の規模を有することなどが代表的なものとして挙がっております。
 より具体的には、4頁をご覧ください。こういった主な役割として期待されているものを、ザクッとしたものですが、イメージとして書くとどうなるだろうかということです。地域完結型の医療ということで、医療計画等々で地域医療体制を築いていく中で、その地域の中だけでは対応が難しいような高度な医療も提供できる機能を有する病院ということで、特定機能病院が位置づけられています。その中が先ほど申し上げた役割で、高度医療の提供、研修、開発・評価ということで、それぞれの切り口から要件がいくつか定められております。
 特定機能病院は平成4年の第2次医療法改正で制度が発足して、平成5年から施行されておりますが、こうした高度の医療を提供したり、開発・評価をしたりという機能自体は、これからの医療を考える際にもある程度機能として必要と言えると思いますが、一方で、その後の医療の高度化、制度発足後の時代の変遷を踏まえると、ある程度その機能、要件等について見直し等々が必要ではないかという課題意識が根底にあるということです。これは平成19年に行われた「医療施設体系のあり方検討会」などでも、そういった指摘に通じるところがあるかと思います。
 こういった基準の大枠というか、もう少し具体的に拡大したものが5頁からです。例えば、「高度の医療の提供」のところで言うと、「特定機能病院以外の病院では通常提供することが難しい診療の提供を行うこと」と省令で規定されており、それの中身として、保険制度の先進医療、あるいは俗に難病事業と言われる、特定疾患治療研究事業の対象とされている疾患についての診療ということで、?の先進医療は必ず1件以上こなしてほしいと。基本は2件以上やっているということです。一方で、先進医療の数が1件の場合には、特定疾患治療研究事業の対象疾患患者について、年間500人以上の診療実績を上げることということが要件として掲げられております。以下、高度の医療の開発及び評価、研修評価、有するべき診療科目、人員配置等についての要件を列挙しておりますので、必要に応じてご参照いただければと思います。
 15頁をお開きください。パーツに分けてお話をします。特定機能病院に求められる機能、いろいろな機能がありますが、その中で代表的なものということで、平成19年の「あり方検討会」でどういったことが指摘されていたのかという原文の特定機能部分の抜粋が15頁です。その中のゴシック体のところは、この後の数頁で関連のデータ等についてお示ししているということです。
 16〜18頁の辺りは、12月2日にご議論いただいた際にもご提供した資料だと思います。毎年1回提出いただいている報告書の中から取ったもので、例えば人員配置のように承認要件として見て、年次の報告をいただいているものも入っておりますし、一方で最後のグラフですが、「剖検率」のように、特に承認要件にはなっておりませんが、活動状況というか、診療状況を示すものとして、年次報告の中に盛り込むことを求めているもの。データの中にそういった性格の違うものも混ざっておりますが、具体的な数字を拾っております。
 機能の中で、「高度の医療の提供について」ということで、19頁は先ほど表でご覧いただきましたが、その要件をどのように書いているかということの抜粋ですので割愛します。「高度医療の提供」という1つの先進医療、これは健康保険制度上の保険外併用療養費の中で、高度先進医療と言われるものです。大きく2つありまして、第2項と第3項の先進医療があります。第2項先進医療は、一定の施設基準を満たせば届出で実施ができる。さらに薬事法等との関係では、薬事法上の承認を取れたものについての技術の施行に留まる。逆に言えば、薬事法上承認が取れていない、ないしは未適応のものはやっては駄目ということになります。一方で、第3項先進医療は、個別施設ごとに認められることによって実施が可能になって、なおかつできることの範囲も薬事法上の未承認・適応外の事柄もできるというところで違いが出てくるということです。
 「先進医療」という1つの言葉、要件として見ているのですが、第2項と第3項に分けて、それぞれ実施状況がどうなっているのかをまとめたものが21、22頁です。21頁が第2項です。下に注意書きを※で書いておりますが、薬事法上の承認を受けた医薬品・医療機器を用いた医療技術、保険導入前の段階として実施するものですが、下のオレンジのグラフが届出件数、どれぐらいのメニューをやるという届出が出ているかということです。実際に患者をどのぐらいの数診療したのかが上のグラフですが、取扱患者数も0人から344人まで分布しておりますし、第2項先進医療をやりますという届出だけでも0件から13件まで、それなりに差が生じているというのが現状です。
 同じようなグラフで第3項先進医療、こちらは薬事法上の未承認・適応外使用になりますが、こちらをどのようにやっているかというのが22頁です。これも先ほどのグラフと同じですが、下が承認件数、つまりどれぐらいの項目をやるのかということで承認を得ている件数、上が実際の取扱患者の数です。こちらになると、第2項よりさらにメニューとして登録をしておられる特定機能病院、さらには実際に患者を受けておられる特定機能病院の差がかなり出てくると言えるのではないかと思います。
 24頁ですが、患者数についてどういった分布があるのかを見たものです。第2項、第3項、それぞれ患者を何人適応対象として診ているのかをまとめたものです。左側の「全体」のグラフでざっと傾向を申し上げると、第2項に力を入れておられる所と第3項にも力を入れておられる所があると。斜めに相関関係の直線になっているのではなくて、縦軸、横軸にそれぞれ進路を取って、ある程度分布しているということです。0人から50人、100人の辺りはドットがかなり重なっておりますので、ある程度重なりが少なくなる形で拡大したのが右側のグラフです。こちらを見ても、縦軸方向、横軸方向にある程度分かれて取り組んでいる状況が見えるということです。
 一方、先進医療の実施が1件に留まる場合には、特定疾患治療研究事業の対象疾患が500件以上ということを要件にしておりますので、特定疾患関係の資料をまとめたのが25頁です。いわゆる難病事業ですが、これ自体は医療費助成に当たるところの特定疾患治療研究事業、右側の下の黒いところですが、これ以外にも研究費を助成しているということで、事業の中身としてもいろいろなものが関連事業として位置づけられております。そうした研究対象となっているもの、治療費の助成対象になっているもの、すべての疾患の種類を並べたのが26〜27頁ですが、説明は割愛します。
 28頁、これは診療実績、特定機能病院の中でどうなっているのかということで、先ほどの先進医療と同じく、毎年いただいている業務報告から取ったものです。先ほど先進医療のところで言い忘れましたが、下の軸が取扱疾患の種類、先ほどのもので言うなら承認や届出の数に相当するもので、上が患者の数です。横軸はそれぞれの病院です。いま特定機能病院は83カ所ありますので、それが並んでいるとお考えいただければと思いますが、83病院とも何らかの医療費助成の対象となる疾患の取扱いがあるということです。
 いま、医療費助成の対象となっている難病について、それぞれどれだけ受給者証を所持しておられる方がいるのかを参考までに並べたのが29頁です。いずれにしても、特定疾患治療研究事業の対象となっているものの中には、人数の多いものから少ないものまでばらつきがありますが、現状の要件では、先進医療が1件しかない場合には、いずれの疾患でもいいので500人という形になっていますので、そういう意味では医療費助成の対象となっている所だけを見るのでいいのだろうかと。研究の対象だけでしかないような希少疾患の評価についてはどう考えるのかということがあるかと思います。
 こういった要件を積み重ねてグラフ化したのが30頁です。要件で先進医療の実施件数、並びに特定疾患治療研究事業の診療実績が500人以上ということですので、先進医療は患者の数ではなく、届出の件数ないしは承認の件数を棒グラフにし、難病事業は折れ線グラフにして、左右の軸に分けて表記をしたものです。先進医療も2件ということで、第二項であれ、第三項であれ、どちらでも実施があればということで、いまの要件では中身は区別しておりません。
 そうすると、第2項先進医療は特に薬事法の承認を得ていることもあって、ほどなくして保険に収載されること等によって、この間まで第2項先進医療だったのだけれど、ある日を境に先進医療ではなくなってしまう、通常の保険診療になってしまう等々ということが発生します。そういった場合には、3年以内を目途として、どのように先進医療に取り組むのかを考えていただくことを指導することになっております。
 31頁からは、「あり方検討会」の中で、承認要件の中で高度な治験の実施などについて考えてみたらどうだろうかというご指摘をいただいていたので、医療機能情報提供制度によって各県に情報を登録していただいて、ホームページで情報を開示しているものの中に治験の契約件数を出していただいておりますので、そこで確認できたものをお付けしています。これも治験の契約件数は特定機能病院の中でもばらつきが出ております。ただ、医療機能情報提供書でご報告いただく際には、治験の契約件数ということでいただいているので、これが第?相、第?相、第?相のいずれになるのか、その結果がどうだったのかまではデータが取れておりません。
 こういった治験あるいは臨床研究の質の向上、治験研究体制をある程度集約して強化を図っていくべきではないという指摘等もあります。次の32頁に付けていますが、先般の一体改革の議論の中では、臨床研究に中核病院も予算事業として提案したところです。
 36頁です。これも、検討会の中で後期研修のプログラムへの取組を位置づけてはどうかというご指摘をいただいておりました。現在承認要件には入っていないのでこういうご指摘をいただいているわけですが、日本専門医療評価・認定機構のホームページで、基本領域分野でどういった病院が各学会の専門医研修施設としての指定承認等々を受けているかが提供されておりますので、そちらをまとめたものです。基本領域(18分野)について、おおむね半数の特定機能病院は18分野とも取得しておられるということですが、若干取得の実績がほかに比べると低い所もあるという状態です。それを分野ごとにどれぐらいの病院が取っておられるかを見たのが、右側ですが、説明は割愛します。
 続きまして、地域医療支援病院です。39頁がイメージ図ですが、基本的に役割としては紹介患者に対する医療の提供ということで、地域医療連携の1つのシンボルというか、象徴するものだと思います。また、医療機器の共同利用の実施、救急医療の提供、あるいは地域の医療従事者に対する研修の実施等を通じて地域医療の確保を支援するのがもともとの役割です。
 「承認要件」としては、より細かいものは40頁から数頁にわたってお付けしておりますが、紹介率80%、あるいは紹介率が60%で逆紹介率が30%、ないしは紹介率が40%で逆紹介率が60%という3つの選択肢、また救急医療を提供する能力等々を要件として提示しております。40頁からあとの要件のところは文章でまとめて、さらに詳細なものは参考資料にお付けしておりますが、主だったところはこういうものです。
 この関係のデータ等については、50頁です。平成19年の「あり方検討会」の際の地域医療支援病院関係の全文は51頁に書いております。地域の医師確保対策への協力・協働や連携といった切り口が強調されているというのが主だったと承知しております。先ほどと同じゴシック体のところに、関係するデータをこのあとのパーツに入れました。これも各都道府県に毎年報告いただくことになっていまして、こちらに出てきた報告の数字などからグラフ化したものを52〜53頁に付けておりますので、お目通しをいただければと思います。
 56頁です。年度別にどのように数が推移してきたかですが、平成10年度の制度発足以来、平成22年度には340件という開設主体の承認数になっております。その内訳ですが、開設主体別にどうなっているかについては、左側が役所として独自に把握しているもので、右側が医療施設調査という統計調査で把握しているものですので、時点がずれておりますが、開設主体別の内訳をお示ししております。
 このように、推移しておりますが、もともと整備数として二次医療圏ごととされているものが実際にどのように分布しているかが、58〜59頁です。これは、かねてから何回か委員の先生方からもご指摘いただいておりますが、「二次医療圏」と言っても、大きさ、人口規模、面積等々の差もありますので、各医療圏に1カ所と言っても、地域の実情に応じて数にばらつきがあったり、山梨県や奈良県のように承認が出ていない所もあります。60頁は紹介率の分布などの散布図を付けていますので、ご参照いただければと思います。
 62頁ですが、救急の関係です。地域医療支援病院は救急の実施、24時間応需体制と緊急の検査、治療等々に対応できる体制を要件としてお示ししておりますので、実際、入院患者を見ても、救急という形態で入院しておられる患者の比率が平均値よりは高く出ていると言えるのではないかと思います。
 こういった地域医療支援病院に関して、各県に出ている報告などを見て、共同利用や救急、研修等について、取組の目立つ所でどういった取組をしておられるか、どういった点に留意をしておられるのかという辺りを県を通じてお聞きして、分野ごとに取組事例をまとめたのが66頁からです。例えば紹介を通じた、連携と言い直してもいいかもしれませんが、こういったものについては、紹介前後にきちんと情報提供に留意をしておられるとか、あるいは院内での体制整備ということで紹介予約制を採用して、一般外来は極力実施しない形で取り組まれているとかということです。
 機器の共同利用に関しては、まず広報をして、利用の掘起しというか、開拓をやっていくことと併せて、実際地域の中でどういった医療機器の共同利用が望まれるかを、ヒアリング等を通じて設備投資を選択していく。さらに、アクセスという意味では、予約センターなどを通じて予約を一元的に管理していく形にしている。情報についても、共同診療等をやった際にはフィードバックをきちんとやっていく等に取り組んでおられるということです。
 救急医療の関係ですが、68頁です。24時間救急実施体制ということで、下に自院内における救急受入体制、例えばERを作られたり、他職種合同のカンファレンスをやるといったことをやっておられるわけですが、一方で地域医療支援病院が救急を実施するための体制だけではなくて、地域全体での救急医療体制ということで、地域の中で他の医療機関への訪問等を通じての情報共有をしたり、あるいは前方連携。また、地域住民への啓発活動に取り組まれるといったことをおやりになっているということで、地域の救急体制も見据えた上で自院内の救急体制を考えておられるところがあったのかなと思います。
 研修については、病院だけではなくて、老健、老人ホームといった所も対象に広げておやりになっている所、あるいは市民に対する公開講座ということで近隣の住民の方に対する健康意識向上のための講座をおやりになっている所もあるということです。
 70〜71頁は、地域医療支援病院が設置する委員会です。委員会を設置して、地域の医師会等々の関係団体、あるいは警察、消防関係にも入っていただいて、いろいろ議論をして、それを運営につなげていっていただくという仕組ですが、どういった意見が地域から出てきて、それをどのように運営に反映されたのかということの代表例、その中で出てきたものを並べたものですので、ご参照いただければと思います。
 連携という切り口でどういった取組をしておられるかを聞いたのが、71頁のスライドです。共同利用や研修等の登録をしておられる医療機関にいろいろ広報をされたり、左側の4つ目の枠ですが、スタッフについて交換研修を実施されたり、右側の枠にありますように、地域連携パスを積極的に取り組まれたりといったことが目立つかなと思います。
 次に、両病院類型を通じてという点で、73頁以降です。平成19年の「あり方検討会」でも、こういった拠点的な特定機能病院や地域医療支援病院といったものが、どのように地域の中で他の医療機関と役割分担するのかを考えていく中で、外来ということが1つ問題として提起されております。その関係のデータをまとめました。
 74頁は12月2日の資料と重複します。75頁が特定機能病院です。病院報告のもとに、各病院の入院患者の数を横軸、外来患者の数を縦軸で、ドットで表記をしたものです。相関を見ると0.5カ所、あるのかないのかというと、若干あるということで、規模と外来患者の数は、やや弱いけれど、ある程度相関があるようにも見えるということです。その中で、入院患者の何倍の外来患者が来ているのかですが、平均はおおむね2倍ぐらいになるのですが、最小と最大の間を見ると0.9〜3.7ということで、入院と外来の比率にはばらつきが出ていると。逆に言うと、相関も0.58ということで、あるのかもしれないけれど、高くはない数字になっています。
 これを棒グラフにしたものが、76頁です。こちらは、毎年次、特定機能病院に提出をいただいている業務報告に基づいて作成したものです。こちらも青い所が入院患者数の1日当たりの平均、上が外来患者数です。それを入院・外来比率で割って折れ線グラフにしたものです。ドットで表記した前の頁を見ても、こちらの頁で見ても、入院・外来比率に差があることを見取っていただけるかと思います。
 同じものを地域医療支援病院に置き換えて作ったのが、77〜78頁です。地域医療支援病院は300近く、この時点では平成21年実績なので200カ所ぐらいですが、立地や地域の中での機能分担にかなり左右されるところはあるかと思いますので、一概には言えないところもあるかもしれませんが、このようなグラフになるということです。
 79頁が年齢階級です。特定機能病院、地域医療支援病院は、ある程度救急や急性期病院ということになるかと思いますが、比較相対として見ると、入院患者に占める若い人の割合が高くなっているところがあります。
 患者の数について、入院・外来それぞれに分けて見たものが82頁です。推定入院患者ですが、これは患者調査を基に作成したもので、入院患者の実数と、そのうち特定機能病院、地域医療支援病院に入院しておられる方がそれぞれいくらかということですが、患者の総体値の数の多さもあり、新生物、がん系等が目立つということです。地域医療支援病院の場合は、循環器系の患者も割と目立つ感じがします。
 同じような括りで外来についてが85頁です。こちらも新生物、地域医療支援病院では循環器系の患者が目立つということです。入院・外来とも、元々の患者の数が多い疾患への対応が目立つということかもしれませんが、一方でそれぞれの期待される役割から見ると、必ずしも数的に多いというだけではなくて、希少性、あるいは地域の他の医療機関では対応が困難といったところも組み合わせて、どう考えていくのかということかと思います。
 91頁です。外来患者の初診・再診比率ということですが、初診患者の何倍再診患者がいらっしゃるのかということです。地域医療支援病院の紹介有り患者の数、いちばん右の赤いところを見ると、ほかのグラフの背丈に比べると有意に低くなっております。地域医療支援病院は紹介が中心なので、紹介を受けて来られた患者が逆紹介をしていたりすることの1つの表れなのではないかと思います。
 94頁からは、「診療体制について」です。これも、「あり方検討会」の際に連携部門や退院調整部門といったところについてのご指摘をいただいており、その関係のデータです。
 99頁です。「あり方検討会」の中で、「特段の医療安全体制の構築」ということで、これはかつて院内感染対策等々について2回目にご議論いただいたときにも、ほかの関係でデータをご覧いただいたこともあると思いますが、今回は「院内ラウンド」と言われる地域への取組状況をお示ししたものです。ほかの規模に応じたものから見れば取組頻度が高いと言えると思います。
 また、同じく「あり方検討会」で指摘された退院調整部門の話ですが、101頁です。退院調整支援担当者の数と平均在日数との間には、特に地域医療支援病院と一般病床のみを有する一般病院の間では、ある程度相関が見て取れるかと思います。一方で、特定機能病院は必ずしも退院調整支援担当者の数との相関があまり出ていなくて、特定機能病院は、主に診療される患者は難しい患者が集まってくる病院であったり、そういった中身のばらつきもあるからかと思います。それはご意見があればお寄せいただければと思います。最後の頁は、診療録管理専任従事者の配置状況ですが、これもご覧いただければと思います。
 103頁からは「診療実績について」です。104頁はDPC関係です。最近、DPCデータは開示しておりますが、特定機能病院、地域医療支援病院ともカバー率指数あるいは複雑性指数は全体の平均値に比べればかなり高く出ていると言えるのではないかと思います。
 このグラフに挙げている3つの指数の定義は105頁に書いております。「複雑性指数」は診療の複雑さについて見たものです。「カバー率指数」はどういった診断の広がりというか、種類の多さを見ているかというものです。106〜107頁で、各病院をドットでお示ししておりますが、ある程度複雑さに対応している疾患の広がりなどを、こういった平均値を見ると、ある程度病院類型として見たときに、機能としては高度な医療なり、地域の中で救急などを担う地域医療支援病院なりの役割分担の様子が出てきているのかなと推察しております。以下、それぞれの診療設備等々の配備状況などデータをお示しておりますので、ご覧いただければと思います。
 116頁ですが、こういったいろいろなデータを見て、どの辺りを論点としてご議論いただきたいかということで、検討会からさらに具体化していくにあたって、私どもとしては、特定機能病院、地域医療支援病院とも高度な医療を提供する、あるいは地域の医療確保を支援するといった機能自体は、現時点でも機能強化等をしながら必要とされるものではないかと考えております。そうした中で、特定機能病院は高度な医療の提供評価、研修といったものについて時代の変化に合わせた見直しが必要ではないか、地域医療支援病院についても地域における連携をさらに推進していく、地域住民、あるいは地域のほかの医療機関との関わりといった観点から、何か機能のアップが考えられないかというところです。
 さらに、特定の病院類型を考えたときに、いまは紹介率をベースに地域の医療機関の中での連携関係を指標にしておりますが、データをお示ししましたが、入院・外来の状況を見たときに、機能分化・連携といった観点から、外来・入院の状況についてどのように考えていくかということがあろうかと思います。医療安全やチーム医療、さらにはクオリティ・インディケーターによる評価、患者との相談調整対応等、率先して何か医療分野の中で取り組んでいただきたいこと、あるいは実際に取り組んでおられることについて、指標や報告事項の中で評価をしていくことについてどのようなことが考えられるかということがあると思います。
 「特定機能病院について」の論点ですが、高度な医療を提供する能力ということでは、先進医療または特定疾患治療研究事業、これは先ほど申し上げたように、先進医療を1件のみしかやっていない所は、年間500人以上診療としておりますが、この事業の取組について、いまの要件としての取扱い、あるいはこの水準、先進医療だけであれば2件以上やっていれば難病事業をやらなくてもいいとか、年間500人といった数字で、こういったものについてどう考えていくかということです。時代の変化に合わせて、引上げ等々を考える必要がないかということです。
 さらに、先進医療2件、あるいは1件なら500人以上という、人数、数値でやっておりますが、中身、例えば先ほど第2項先進医療、第3項先進医療とか、難病でもいろいろな事業や研究があると申しましたが、そういった中身にわたる要素について何か考えるべき点はないか。先進医療、特定疾患治療研究事業が1つの選択肢的なメルクマールになっておりますが、それ以外に、ほかの医療機関では実施が難しい特定機能病院に積極的に期待される診療機能として、新たなものは何かないだろうか。そうしたものを支える体制として診療科目を、いまは16候補を並べて、その中から10個ということになっておりますが、あるいは病床規模400床といったものについてどう考えるか。
 次に、「高度の医療技術の開発と評価について」です。いま、補助金による研究又は発表論文100件が要件ですが、こうしたものについてもある程度中身・内容で、もう少し要件をクリアにしていく必要はないのか。さらには、平成19年の「あり方検討会」でもご指摘をいただいておりますが、治験への取組体制、そのための人員や設備、あるいはどういった治験を実施しているのか、実績はどうなっているのかについてどのように考えるべきかということがあります。その実績の評価の中で、先ほど件数だけで中身を区別できないということをお示ししましたが、治験の種類が第何相だったのか、難易度がどうなのかとか、その結果状況はどうなっていたのかとか、そういったものなど、どういったことが考えるべき論点としてあるだろうか。もう1つ、関連して臨床研究ですが、臨床研究の質を高めていくことの観点では特定機能病院の中でどういった取組が考えられるか。これはすべての特定機能病院なのか、特定の特定機能病院なのか、ものによって種類があるかもしれませんが、そういった議論もあるかと思います。
 次に、「高度の医療に関する研修」です。こちらも年間30人以上実施するとなっていますが、研修の方法論や、客観基準として言うならば、学会の認証の関係といった辺りが評価としてあると思います。地域医療支援病院については、いま24時間応需体制、優先/専用の病床確保をお願いしておりますが、何らかの実績もみるようにしてみてはどうだろうかと。そういったことは問わなくていいのかということです。さらに、その中で、「あり方検討会」でも提供されている精神科救急・合併症についても位置づけができないかという辺りも考えてみてはどうかということです。
 その他、「地域医療の確保」ということでは、地域の医療従事者確保への協力や地域住民に対する普及啓発や研修などについて、自治体と協力して何かを取り組んでいただく。あるいは、先ほど事例でも出てきましたが、消防・救急隊との連携も含めた地域の医療救急体制のための支援等について、もう少し要件の中で位置付ける、ないしは客観的なものは比較をきちんとしてみてはどうかと。これは、1つには紹介率という客観的な指標があるので、どうしても紹介率を中心に動きがちなところもありますので、本来の地域医療確保の支援という切り口から見たときに、ほかの要素について新たに考えるべきものであったり、いまあるものでも客観的なものや数値的なもの、捉えるべきものは何かということを考えられないか。長くなりましたが、特定機能病院、地域医療支援病院の関係です。
 121頁から、「4疾病5事業と精神科医療関係」です。これは12月にご議論いただいた際に、患者数が多いとか、医療機能の機能分担、連携が必要になるものについては、がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病、事業では救急事業等について連携体制を構築していくと、医療計画に記載をいただいております。今回お諮りするのは、122頁にありますように、精神疾患を、医療計画に必要な医療機能とそれを担う医療機関を記載する疾病として追加してはどうだろうかということです。これは患者の数を見ても300万を超えるということで、非常に人数が多くなっていることと、研究によると自殺者の多くの方には精神疾患に罹患している可能性があるとか、その一方で受診をしていた方も6〜7割ぐらいいらっしゃると指摘されていますので、そういった死亡原因の中で占める状況。
 また、機能で見ても、医療機能の役割分担と連携がポイントになってきますので、次期医療計画の策定指針の中に反映していってはどうかと。こちらにつきましては、去年の10月の1回目のときに、医療計画の検討会においてワーキンググループを置いて、その中で医療計画策定指針を作成していくという形でご報告しましたが、そちらで揉んでいただいて、策定指針を作成してと、日程を後ろから考えていくと、今日ぐらいの段階でご議論いただこうと思って用意したものです。以下、いくつかデータをお付けしておりますので、ご参照いただければと思います。
 130頁からあとは、救急の議論があった際に、精神科救急関係のデータが抜けておりました。その関係で、各県ごとの精神科救急医療圏域設定の状況の中で、精神科救急医療施設がどのぐらい設置できているのか、電話相談、あるいは精神科救急事業の実績といったところのデータをお付けしておりますので、ご参照いただければと思います。長くなりましたが、以上です。
○齋藤部会長 膨大なデータの説明をありがとうございました。今日のテーマは、医療提供体制の中でも具体的な各論ですので、それぞれの立場からいろいろなご意見があると思います。活発なご意見をお願いしたいのですが、お一人当たりのご発言はできる限り簡潔にお願いしたいと思います。
 それで、いまお話があるように特定機能病院、地域医療支援病院をまずやって、それから精神科にいきたいと思います。最初に特定機能病院についてのご意見を伺いたいと思いますが、日本医師会から特定機能病院について資料が出ているので、それをまず中川委員に説明していただいて、議論を進めたいと思います。
○中川委員 それでは、恐縮ですが、パワーポイントのプリントしたものをご覧ください。まず1枚めくっていただいて、右下の1頁です。先ほど説明がありましたが、承認要件として、医療法第4条の2にこのように3点書いてあります。「高度な医療を提供する能力」「医療技術の開発及び評価」「高度の医療に関する検証を行わせる能力」をそれぞれ有することとなっています。このことを我々はしっかり認識したいと思うのです。2頁をお願いします。「医療費の推移」、これは「概算医療費データベース」から取ったものです。2000年から2009年までをこのような表にしました。大学病院、ほとんどが特定機能病院ですが、この医療費が2000年は1.6兆円でしたが、2009年には2.1兆円になりまして、病院医療費のうちの大学病院の医療費が占める割合は9.8%から11.5%に拡大しています。
 次に3頁をお願いします。同じく、「病院医療費に占める大学病院の割合」ということをここに示していますが、入院では微増、入院外では増加傾向にあります。特に入院外の伸びが著しく、「大学病院の外来患者が増加していることが伺えると思います。
 次に4頁をお願いします。「大学病院の1件当たり入院外医療費」は、2005年度に大学以外の病院を上回る増加傾向にあります。大学病院では2003年にDPCが導入されましたが、その後、外来の検査や外来化学療法などが増加しているのではないかということが推察されます。
 次に5頁をお願いします。「外来患者の動向」を見てみますと、1施設当たりの入院外件数は、2000年度を100とした場合に、2009年度には大学病院では108.2、大学以外の病院では92.9でして、大学以外の病院で減少したのに対し、大学病院ではこの10年間に約1.1倍になっています。
 6頁をお願いします。「医師1人当たりの外来患者数」という視点で見てみますと、2002年を100としたときの2008年は医育機関(特定機能病院)ですが、101.8であったのに対して、その他の病院では77.3であり、医育機関への外来患者の集中も見られると思います。
 次に7頁です。私はここが最大の問題点だと思うのですが、これは国立大学の附属病院を例にとって紹介します。いわゆる骨太の方針、基本方針2006によって国立大学運営費交付金について、効率化ルールを徹底し、各年度の予算額を名目値で、対前年度比▲1%の年率とするとされまして、国立大学附属病院の「運営費交付金」が大幅に削減されてきました。
 その結果としてどうなったかといいますと、8頁をお願いします。運営費交付金が削減されたことから、大学の附属病院は、病院収入、これは診療報酬財源ですが、この増収を図らざるを得ないということになったと思います。しかし、そのため、高度医療の開発や研修の妨げになっているのではないかと。さらには大学病院勤務医師のさらなる過重労働を招いているのではないかと思われます。
 この点線内は2010年7月15日の文科省の「国立大学法人化後の現状と課題について」という所の中間まとめですが、「附属病院収入の増加を目指すあまり、教育研究時間が大幅に削減されているとのアンケート結果もある」と明記されています。
 9頁をお願いします。「特定機能病院の医療費の集中」といいますか、偏在というか、それをここに図示しましたが、特定機能病院はいま申し上げたように、「文部科学省予算(一般財源)である運営費交付金(または私立であれば私学助成金)を減らされ、附属病院は病院収入の増収を図っている。また最近では、大学病院の診療報酬が手厚く配分されており、民間病院や診療所の診療報酬を圧迫している」というのがこの図ですが、特定機能病院も自分で稼ぎなさい、経営しなさいということで、本来これは本末転倒だと思うのですが、このように診療報酬財源の獲得を、運営費交付金が減額された以上に頑張り出したのではないかと。
 私もいろいろな大学の先生を存じ上げていますが、単年度で黒字になったと喜ばれるのです。ところが、それはちょっと違うのではないかと。やはり適正な財源は投入しなければならないと思って、10頁の提案です。まず「特定機能病院の役割・機能というのをあらためて整理する。大学病院以外で高度な医療を提供できる医療機関もあることを踏まえ、特定機能病院の承認要件を再検討する」「特定機能病院が担っている高度医療の開発、研修は国家的責務であることから、特定機能病院のうちの大学病院に対しては、今後も適正な運営費交付金(私学の場合は私学助成金)を交付する」「特定機能病院が本来の役割・機能に集中できるよう、特定機能病院では、原則、紹介外来以外の外来診療は行なわない」といったことも考えるべきだと思います。
 大学病院の外来医療費は年間約6,000億円と言われています。民間医療機関でも可能な手術等も行わなければ、さらに財源を確保できるのではないかと思います。特定機能病院、特に大学病院は日本の医療の根幹ですから、この本来の目的が損なわれることになれば、日本の医療は、中長期的に見れば、質の低下も免れないという心配があります。ぜひ再検討していただきたいと思います。以上です。
○齋藤部会長 ありがとうございました。ここで、いま特定機能病院の役割、機能の大きな柱として、高度医療、つまり先ほど先進医療あるいは高度医療の説明がありましたが、ちなみに事務局から特定機能病院以外で、あるいは特定機能病院の先進医療、高度医療の占める割合という、何かおおよその数字がありましたらお願いします。
○研究開発振興課長 ちょうど資料の20頁に、「先進医療と高度医療の比較」があります。第2項の先進医療と第3項の先進医療、これは「高度医療」と言っていますが、それぞれ区別がありまして、高度医療は、薬事法上の未承認や適応外のものを使いまして、科学的評価可能なデータ収集の迅速化を目的としたものです。また、高度医療評価会議での評価も臨床試験計画(プロトコール)でやりますとか、症例数、モニタリング体制など、厳しく評価されるべきものでして、第3項先進医療のほうがより高度です。
 その第3項先進医療の実施ですが、現在31件が認められていまして、そのうち実施医療機関数が183あります。うち特定機能病院が120程度で、高度医療実施医療機関の約6割を特定機能病院が占めているという状況です。
 それから、第2項の先進医療の状況ですが、これは現在89件が認められています。実施医療機関が943ありまして、このうち特定機能病院が実施しているのは430程度で、実施医療機関の約5割を特定機能病院が占めているというところです。以上です。
○齋藤部会長 ありがとうございました。そうすると、第2項の先進医療では、約半分は特定機能病院以外でもやられているというわけですね。
○研究開発振興課長 そのとおりです。また、クリニックでもやられています。
○齋藤部会長 いかがでしょうか。
○邉見委員 いまの中川先生の最後の資料の10頁目、私はご意見の2つ目は全面的に賛成です。このご意見の1つ目と3つ目は、理想ではありますけれども、3つ目は意見を留保したいと思います。
 1つ目もあるのだと思います。いま加藤先生がおられますが、加藤先生の委員会では2つ、いま審査中とかですね。新しく申請されている特定機能病院。だから、こういう病院はあるのだと思いますが、どこまでかという要件がなかなか難しいのではないかと思います。
 なぜ私がこの2番目に大賛成かといいますと、1つの国立大学と1つの公立大学の運営委員を委託されていまして、そこに行きますと、経営の話ばかりで、やはり運営交付金がどんどん減っていくのでやってられないというわけです。だから歯科口腔外科などは経営が悪いから減らさなければいけないとか、本当にお気の毒な感じで、デンタルチェアを減らして助手も減らそうとか、そういうことでは大学はいけないのではないかと思います。
 そういうことをすると、ますます大学に人が行かない。論文数もどんどん減っているのです。もう重症な患者さんを診るか、経営のためにフル回転するから診療ばかりに力が行って、研究と教育というのは片手間にしかできないのです。だから疲弊というか、かなり特定機能病院がしんどい。.
 私は中医協でも、大学病院から嘉山先生が来られまして、かなり特定機能病院の苦しさを訴えられていますが、真ん中の運営費交付金が、やはりいちばんの問題ではないだろうかと。それが減ったのが基本になって、いろいろな悪い連鎖が始まっているのではないかと思います。
○齋藤部会長 先ほど説明がありましたが、一口に「特定機能病院」といっても、先進医療に関しても、あるいは難病の診療に関しても、かなり格差がありますよね。一部に集中しているという感じですね。
○永井委員 大学病院の立場から説明しますと、医師会が出された資料の7頁目、「運営費交付金の削減」というのは非常にインパクトのある数字だと思います。青く塗った所が国立病院への運営費交付金で、2011年までの間に430億円も減っているわけです。430億円減るとバランスを取るには、約2倍、1,000億円くらいの医療収入を上げないといけないわけです。
 ちなみに国立大学全体への交付金が430億円減ったかというと、その間ほとんど減っていないのです。大学病院が一所懸命カバーした分が他の部局の予算として回っているという図式になっていたのです。いずれにしても、多くの国立大学病院が非常に切羽詰まった、普通の病院ですと、倒産の危機がある状況に追い込まれたといえます。
 ただ、大学病院もまだ余裕があったので、意識改革によって乗り越えてきたわけです。ただ、10年前に比べると、大学病院の医療安全体制や診療体制が非常に強くなったということも、患者数の伸びに関係あるのではないかと思います。
 もちろん経営的なドライブも重要ですが、もう1つ、時代が変わってきまして、高齢者疾患、要するに複数の疾患が増えてきたということ、それから救急や重症患者さんへの高度で良質な医療への期待もあります。先ほどの救急受入体制でもおわかりのように、大学病院はいざとなると診てくれるという、そういう安心感もあって、患者さんは普段から外来へ来られているのではないかと思います。それから、複数の疾患を持っている患者さんにとって、複数の科を受診できるというのは大学病院の1つのメリットで、あとは専門性です。
 最近ITも発達してきまして、大学病院では検査結果がすぐ出る、1時間ちょっとで出ます。ところが、その体制がない病院や診療所ですと、2日に分けて受診しないといけない。その辺まで含めて、今後どう特定機能病院のあり方を考えるか議論すべきだろうと思います。
○日野委員 私事で恐縮ですが、私は今年の1月に右の顔面に違和感を覚えまして、お正月の賀詞交換会のときにちょっと話をしたのですが、会場にたくさんの名医が来られていたのですが、誰一人として、どういう疾患を疑えばいいかという話はなくて、別にそれが悪いことでも何でもないのですが、いろいろ私なりに試行錯誤して、やっと最終的に診断がつきました。
 現在は治療の途中でして、複雑な患者の心理ということで、今回は特定機能病院について、御多分に洩れず近隣の大学病院にかかりましたので、特定機能病院の問題点を患者の視点でお話をさせていただきたいと思います。
 まず、特定機能病院に辿り着くまでに苦労しました。医療知識が普通の人よりは豊富だったと思うのですが、その正解を引き当てるというか、探し出しにくいのです。ここで随分整理をされてきたようですが、個々の疾患に関しては、例えば悪性疾患・新生物ということで括りましても、誰が何を得意か、どういう治療を自分はやってほしいと望むかという、マッチングがなかなかできないのです。そこに非常に時間を費やしまして、3ヶ月くらいかかりました。でも、随分早いほうだと思います。同じ病棟におられた患者さんが大学病院に入院されて半年くらい診断がつかなかったという話をされていました。結構それは日常的なことであって、早期診断、早期発見というのはなかなか難しい。たくさんの診療科がある所でもできないという現状です。これを、まず理解しなければいけないと思います。
 それから、入院の前に、入院用の診察を受けないといけない。その待ち時間が3時間以上かかりました。これは先ほど中川先生もおっしゃいましたし、この資料の76頁にも載っていますが、私も実際に大学病院へ行きまして、つくづく思ったのですが、外来の患者さんの多さです。これは何とか早く手を打ってもらえないかということをつくづく思いました。
 横を見ますと、主治医の先生にも実際に腹を割ってお話をお伺いしたのですが、来なくてもよい患者さんが随分おられて、それで時間がかかる。そういう人々には紹介状を書いて、近所の適当な医療機関にかかってもらって、もし何か質問でもあれば、大学病院のほうで答えはするからという人もおれば、全く自分の自己判断で強引に特定病院を支払って、診察を受けに来るという、当て外れの方も来られている。
 疾病というのは、疾病を探すのは比較的簡単なのですが、疾病を否定するのは非常に難しいです。ここに変なのがあるからどうかしろ、という話を否定するには時間と労力がかかります。医療費も無駄に使われてしまうという特徴がありますが、それに特定機能病院は時間と労力を随分取られているという、この現状にやはり何か対策が必要だとつくづく思いました。
 診察に当たっておられる先生の仕事ぶりを見ても、実にお気の毒です。朝9時に始まって、大体終わるのは4〜5時、当然お昼ご飯は食べられません。その間、一生懸命診察に当たって、論文の数が減ったとか、研究の内容が減ったとか、研修医の教育ができないとか、それも偏に原因は、やはり患者さんの振り分けが不十分なためだと思います。
 意見として出てこられているのは、それはそれできれいな表現で、特定機能病院がそれに相応しい患者さんを扱うという言葉ですが、ちょっときつい表現ですけれど、私は患者さんに自覚を促すということが、特定機能病院にこれから求められる時代が来ているのではないかと思います。
 特定機能病院の責任を列記していないのですが、やはり、「あなたは来なくてもいいですよ」ということが言えないと、いまのおかしな状態が永遠に続く。マスコミも大学病院に行って断られたとなると、それは大学病院がとんでもないことだと、前に大学病院はトラウマがありますけれども、非人道的なことをやっているかのごとく書き立てる風潮は、もうやめていただいて、冷静に考えていただいて、本当に必要な人に必要な医療を提供するという形。それが他の医療機関ですとやりにくいですが、特定機能病院はこういう特徴を持っているのだから、こういう人に来てもらうのだよということで、自由診療の誰でもどこでもいつでもという中の、1つのフリーアクセスは欠けますけれども、特定機能病院に限ってはそれを欠かせたほうがいいのではないかということも、これからはお考えいただけたらいかがかなと。
 患者になってつくづく思うのは、とても長い待ち時間、その間のストレスでかえって病気が悪くなるような気がしました。以上です。
○小島委員 先ほど中川委員からご説明がありました、特定機能病院のあり方についてですが、10頁に、日本医師会の提案として3つのことが指摘されています。この案に関連しての意見です。特定機能病院が持つ機能、役割としては、「高度な医療提供」、「技術開発」、「研修」といった3つがありますが、それを財源的に何で保障していくのか、担保するのか、診療報酬でどこまでカバーするのか。そして公費、いわば税金でどうカバーするのかということを、きちんと整理しておく必要があると思います。そういう意味では、高度な医療技術の開発あるいは研修というのは、基本的には公費でカバーするべきだと、私も思います。
 高度な医療の提供ということについては、すべて診療報酬でカバーすべきかどうか。ここは、少し議論があるところだと思います。高度な医療を提供するということは、高度な医療技術開発とも関連しているということがありますので、その辺の峻別をまずしておく必要があると思います。
 その点で、先ほど中川委員の説明の中でも、特定機能病院、特に大学病院のことについては、近年外来患者の数、あるいは外来患者の医療費が増えてきているという指摘もありました。これはDPCの適用に伴う入院期間の短縮に伴って、外来での治療に切り替わるということもあると思います。外来患者といっても、そこは峻別する必要がある。その辺が整理できれば、特定機能病院が外来患者を受けるときの要件をもう少し見直すということはできるのではないかと思います。そういう観点からの検討が必要ではないかと思っています。その意味では紹介率30%の見直しも含めて、いま言ったように外来患者のあり方のところを整理する必要があるのではないかと思います。以上です。
○相澤委員 先ほどからの議論を聞いていますと、特定機能病院イコール大学附属病院ということで、ほとんどの先生が大学附属病院の話をしているのですが、そもそも日本の医療に特定機能病院というのを設定した本来の目的というのがあるはずだと思うのです。特定機能病院があって、日本の医療を良くするために、特定機能病院を設定したわけですから、特定機能病院を設定した目的というのが絶対にあるはずで、それは何なのかというのが、どうも私にはいまいち見えてこないのです。
 何か特定機能病院を設定したら、それが大学病院と同じかなというようなところでいっていて、大学病院が持っている意味合いというのは、例えば医育機関であったり、研究をするということなので、それが果たして特定機能病院とイコールか。例えばナショナルセンターですね。それは特定病院でも機能病院でも、私はいいのではないかなと思うのですが、要するに特定機能病院をなぜ日本の医療の中で設定してやらなければいけないかということを考えたときに、私はおそらくそういう高度の医療を集約化・集中化することによって、日本の中で質の高い医療というのを提供していくということだと思うのです。
 そういうことを考えたときに、では、特定機能病院をどれくらい設定していったらいいのかという基本概念がなくて、いま議論されているような気がして、本当に特定機能病院というのは日本に必要なのかなという疑問が1つあります。
 それと、もう1つ。では、特定機能病院というのは高度な医療をやるというので、私はネットで、高度医療というのを引いてみたのですが、高度医療というのは定義がないのです。要するに程度が高い様。どこに線を引くかによって、程度というのは変わってくるのです。それを調べていくと、ある言葉は高度先進医療というのと高度専門医療というのが2つあるのです。この先進医療というのははっきりしているのですが、高度専門医療、例えば腹部大動脈瘤に入れるステントを挿入する、これは高度医療なのか、それとも高度医療でないのか。誰がどこで線引きするのでしょうか。いつ誰が判断するのでしょうか。
 非常に特定機能病院が持っている高度医療を提供するという意味と、それから国全体の医療の中で、この特定機能病院というのは本当に必要なのか。必要だとすれば、どういう機能を持った病院が、どれくらいの人口規模、あるいは地域的範囲の中で必要かという議論をきちんとしないと、私はこのまま何かずるずる変な方向に行くような気がして、心配をしています。以上です。
○齋藤部会長 いま相澤委員が指摘されたことは、13頁にある平成19年の「あり方検討会」で、もう既に指摘されていることでして、例えば大学病院が必ず特定機能病院である必要はないのではないかとか、もう1つは、例えば大学病院以外のナショナルセンターのように、1つの疾患とか臓器に特化したものがいいのかどうか。やはり特定機能病院というのはいろいろ総合的な対応能力を発揮するためには、いろいろな科を持っているほうがいいのではないかとか、いろいろな議論があって、それはまだ決着がついていないと思うのです。
○加藤委員 ただいまナショナルセンターについて議論が出ましたので、ナショナルセンターの者として発言します。ナショナルセンターは、ここにあります高度の医療の提供、高度の医療技術の開発・評価、高度の医療に関する研修、これらの役割は全部担っています。
 ここで、「高度の医療」という言葉が出てくるので若干混乱すると思うのですが、そこは読み替えていただいて、いわゆる先進医療、高度医療、いわゆる第2項、第3項、この医療をやっているかやっていないかということを1つの基準としていただければ、よりわかりやすいのではないかと思います。
○永井委員 「高度」というのは、別に高度医療、先進医療だけではないはずです。合併症が多いとか、人手がかかるとか、いざというときに重症患者を診てもらえる。それが高度医療では非常に重要な要件のはずです。
○加藤委員 先生がおっしゃっているとおりなのですが、「高度」という意味が曖昧だというご意見だったので、それを整理するためには、その高度という中身は第2項、第3項の先進医療をやっているかどうか、高度医療をやっているかどうかという基準を付けると、わかりやすいのではないか。
○永井委員 そこはわかりますが、必要条件であっても十分条件ではない。
○加藤委員 おっしゃるとおりです。
○齋藤部会長 先ほど事務局から説明がありましたように、第2項の先進医療というのは、約5割が特定機能病院以外で行われているのです。
○渡辺委員 いままで皆さんのご意見を伺っていて、まず1つは、特定機能は先ほどお話があったように、最初は自動的に大学附属病院だったわけですが、いまはナショセンの中でも国循と築地のがんセンター、プラス大阪府立医療センターが加わって83になっていますので、ニアリーイコール大学病院だけども、いわゆる高度な先進医療をやる所を指定しているという意味では、患者にとってみると、どこが、まさに高度の定義にはいろいろあるかもしれないけれど、どこが高度な。特に国循あるいはがんセンターは、癌あるいは循環器という、ある意味では特定疾病に関する高度なことを行っているという、そういう情報というものを国民に流す上で、私は役割を果たしているかなと思いますし、大阪府立成人病センターを指定していたということも、新たな発想としていいから、そういった意味では特定機能をさらにこれから拡大していくということは、条件はもちろん指定していますが、賛成です。
 それと、先ほど日野委員がおっしゃったように、私たち患者からすると、そういった病院に集中するのは当然でして、それを病院側が仕分けというのは、私に言わせると、ちょっと難しい。逆であって、むしろそういったことをするためにこそ、総合医的な機能、1次診療を担う診療所が中心となって紹介するという格好のほうが非常に望ましいと考えていますので、特定機能、さらに後から出てくる地域医療支援病院のあり方というときには、今日は時間的に無理かもしれませんが、地域診療所のあり方といったものも併せて議論したいと思います。
 最後に中川委員提出の資料で、ほとんどすべて、80の大学病院全部が特定機能なのですが、この助成金を増やす、あるいは私学助成金、運営費交付金を増やすということは大賛成なのですが、これは民主党政権なり自民党に戻るなり、どちらでもいいのですが、とにかくこれをやってくれたら大変ありがたいと思うのですが、現実問題としては極めて難しい。となりますと、最後の「特定機能病院では、原則、紹介外来以外の外来診療を行わない」ということも私は賛成なのですが、このためには、いつか以前の厚生労働省医療課長がおっしゃったように、例えば入院料、手術料を大幅に値上げするというくらいのことをやらないと、外来で経営が成り立ったということは現実なので、そこも併せて議論したほうがいいと思います。以上です。
○中川委員 ありがとうございます。おっしゃるとおり、このまま、いまの診療報酬体系のままで見直したら、大変なことになります。大学病院は経営が全部駄目になってしまいますので、やはり診療報酬体系は特定機能病院、特に大学病院は別建てにするべきだと思います。
 運営費交付金、私学助成金をどうするかというのは、国の根幹の政策ですので、これは政府がしっかりと議論して見直していただきたい。優先順位的には、かなり高いだろうと思いますので、医療部会でしっかり結論を出していただければと思います。
○田中部会長代理 特定機能病院の制度には、目的がなければならないという話がありましたが、その目的あるいは成果を、どういう指標で測るかが重要だと思います。自分の病院、特定機能病院の診療については、カバー率指標や複雑性指標を見ると、十分に特定な機能を果たして、永井先生が言われる高度な、複雑な治療が必要な患者さんを診ていることがわかるので、そこはいいのです。それ以外の指標について見ると、必ずしもいまの承認要件でいいかどうか疑問です。
 承認要件は紹介率を除くと、基本的に構造要因、体制要件だけなのです。別に成果を見ていない。そうすると、その結果、成果として、例えば特定機能病院が地域にどういう医療機能分担をもたらしているかはわからない。癌は特定機能病院が多く診ていますが、地域の癌の診療の分担体制をどう作れているかは、DPCを見るとある程度わかりますが、それはものすごく地域差があります。
 特定機能病院が地域の、同じく高度な医療を行っている病院と競い合っているだけではいけないのだと思います。経営のために競い合う状態はおかしい話で、特定機能病院は自院が複雑性指標が高いことはもちろんなのだけれども、地域の、基本的には県レベルかもしれませんが、そこでの分担体制をどう作れるかにかかわるポジションもあるべきです。
 それから、研究については邉見委員が言われた点ですが、80いくつの病院が全部の研究をしているとの判断は、やはり難しいです。現在の国際的な競争の中で見ると。大学の側、学内で見ていてもそう思います。そうすると、特定機能病院、診療の面では83あってもいいでしょうが、研究の面ではもっと集約化することが必要かもしれません。研究の中心となる病院とそれをサポートする体制の構築です。2段階の研究面については、特定機能についても私は2種類あってもいいと思います。論文数の減少を指摘されました。まさにこれは我が国の将来にとって大変な問題です。以上です。
○西澤委員 いままでの意見とかなりだぶっている面もあるのですが、議論としては、やはり特定機能病院と大学病院というのを分けて、その要件なり等々を議論すべきかなと、聞いていて感じました。とすれば、場合によっては厚労省だけの委員会で検討していいのかと。場合によっては文科省と同時の、そういう場も必要ではないかなと思っています。
 それと特定機能病院の先生方は、どうしてもやはり頭に経営があって、どうしてもそちらのほうに機能というものが引きずられているのかなと。もっと、あまり経営的なこと、収入のことを考えないで、機能というもの、機能分化というものを、他の病院群と分けて協議していただいたらどうかなと思いました。機能が明らかになれば、それに対する収入、報酬は後できちんとそこが運営できるように付ければいいだけの話かなと思っています。当然そこには診療報酬の問題も絡んでくるのではないかなと思っています。
 それと、先ほど特定機能病院で、最近は高齢化になって、多くの疾患を持って複雑化している、そのとおりだと思いますが、それは特定機能病院だけではなくて、民間病院でもそういう患者への対応に追われています。外来が多いというのは、やはりこれは働いている勤務医のモチベーションを下げるので、外来は減らすべきだと。特に先ほど、民間の他の所に行くと、例えば検査で1日、次の日に結果ですが、うちの病院は100床未満ですが、いまは検査を1時間以内に、すぐ結果が出るようにしています。ほとんどの日本の病院はもうそうなっています。ですから、そういうことでは他の病院も頑張ってやっていますので、もう少しいろいろな病院を見ていただければ、患者さんも特定機能病院だけで診なくても、送っていただくこともできると思います。
 1つ事例ですが、今回の大震災の後、茨城県のある300床規模の病院の話ですが、やはり急患といいましょうか、被災者の方々が来て、一方、いろいろな所から入院患者が送られてきて、診なければならなくなった。非常に大変な中で、とても全部は診られないので外来を閉めた。そして、そういう救急患者の受入れだけに集中したという事例があります。そのときに、そこで働いていた勤務医が非常に頑張ったのですが、非常に生き生きと働いていて、看護師さんたちから、うちの先生方がこんなに生き生き働いているのは見たことないという発言があったそうです。
 ということは、やはり外来に追われて、その病院の本来の使命である入院患者に労力をかけられないために疲弊したのです。ですから、やはりその病院の機能を考えたときに、その機能は何かというと、特に特定機能病院、あるいはこれから出てくる地域医療支援病院等は、やはり入院のほうに重点を置くとすれば、外来を減らすこと自体が機能を果たすことであって、そこで働く勤務医のモチベーションを上げることだという、私はそういう事例だったのではないかと思っています。以上です。
○永井委員 まず大学病院と特定機能病院が必ずしも一致する必要はないと、私も思います。それから何をしているかというのは、先ほどの3項目の調査だけではなかなかわからないと思います。私は全国医学部長病院長会議で、大学病院の医療の質の問題を取り上げたことがあり、600項目を調査しています。そういう報告書をご覧になっていただくと、かなりばらつきはあるということと、相当な医療を行っているというのも一方でおわかりだろうと思います。
 大学だけではなくて、全国の病院あるいは診療所がもっと細かい医療の質、クリニカルインジケーターをもっと出して、患者さんが選べるようにしていかないといけないだろうと思います。
 かなりの病院で、いまは1時間くらいで検査の結果が出ますが、診療所では大変難しい。したがって、受け皿、診療体制、ホームドクターの体制をどうするかということを併せて議論していかないと、大学病院だけ無理に外来の制約しても、患者さんはそのとおりには動かないだろうと思います。むしろ患者さんの意見を聞かれたほうがよろしいのではないかと思います。
○高智委員 すみません。先ほど永井先生から、高度な医療を提供する病院のメリット論のお話がありましたが、要するにこれを裏側から見てみますと、ほとんどの患者が懸命な選択をしているという言い方もできると思います。「最短・最速・最良の医療を受けたい、1つしかない生命だから」、そういう思いがそこにはあると思います。ですから、トリアージ的な考え方、患者さんを振り分けるというやり方は、相当な技術が必要だと思いますし、なかなか難しいと思います。
 同時に中川委員がご提出された資料の5頁の大学病院の「1施設当たり入院外の件数」は、2000年を100とすると、2009年で108.2まで伸びていますが、やはり限りある有効な人的資源、医療費も含めて、この使い方はいかがなものか。
 患者は入院・入院外とそれぞれ選んでくるわけですが、ここで患者を診察する医師は同じです。医師の疲弊度がさらに増していく要素も多分に含んでいます。
 やはりここは1つ、足元の問題として無視できないという位置づけのもとに、医療機関の選択について、保険者なり、国、行政当局もそうですが、保険者、事業主、そういったところが先頭に立って、保険者とすれば保険者機能をさらに発揮し、大きなアクションを起こさなければいけないのではないか。そうすることによって、適切な患者の振り分けが徐々に形成されていくのではないかと考えます。
 79の大学附属病院の関係のみならず、病院の入院と入院外のアプローチの仕方については、フリーアクセスだからなかなか問題点が見えてこないというところもありますので、その点をベースに、この審議会においてきちんとした議論をすべきだと思います。
○光山委員 診療・治療という観点以外の機能について、少し意見を申し上げたいと思います。いわゆるドラッグラグといいましょうか、薬の承認に時間がかかる問題は、診療・治療とは別の意味でしょうが、国民的な関心は非常に高いと、私は思います。例えば患者数が少なくて、開発が進めにくい分野などについての薬事承認の迅速化は、患者が切望していると言っても過言ではないと思います。
 政府の成長戦略の中にも、新薬開発に注力するということが書かれていますが、特定機能病院の重要な役割・機能として、そういった治験に積極的に取り組むということが含まれますので、診療・治療という直接患者と向き合う分野以外のところについて、特定機能病院であれば評価していく方向、あるいは集約して機能を高めていく方向といったことも、ぜひ意見として申し上げたいと思います。ありがとうございます。
○齋藤部会長 論点が116頁、117頁、その3枚くらいにあるのですが、「医療提供体制の中の特定機能病院」という位置づけについて、いままでのお話でも、いろいろ格差があることもよくわかってきたのですが、これはさらに承認要件を厳しくして減らすのか、あるいはどんどん特定機能病院というものを作っていくのか、その辺はいかがでしょうか。
○近藤委員 特定機能病院の件で邉見委員から、いまのような状況だと、大学病院を中心とする特定機能病院の中から、歯科はなくなっていく傾向が懸念されるというお話がありました。大学病院を中心とする特定機能病院には、ほとんど歯科があります。歯科はご承知のように診療報酬が低いという問題がありますが、採算性を考えた病院経営をされますと、どうしてもいちばん先に歯科が矢面に立たされることは事実だと思います。
 ただ、我々は今回チーム医療推進会議の中で多職種間の協働等が議論もされていますし、医科歯科連携の必要性や重要性についての考え方も厚労省から示されているので、特に人員が手厚い、職員がたくさんいらっしゃる大学病院を中心とする特定機能病院の中で、歯科を含めた全医療の連携というのが非常に重要だと考えています。その中で歯科の力を発揮すべき場所もあると考えています。いまの運営費交付金の問題も含めて、診療報酬で対応すべきなのかどうかわかりませんが、病院の中で採算性を主体として考える医療が行われるようになりますと、場合によっては歯科がなくなるという危険性も感じておりますので、特定機能病院の検討を進める上で、そのようなことも考え方の中に入れておいていただきたいと考えています。以上です。
○加藤委員 特定機能病院を増やすか減らすかという議論ですが、やはり一定の基準が必要だと思います。須く大学病院が特定機能病院である必要はないと考えていまして、一定の基準を満たしていない所は、暫時それを下りていただくという考え方も必要だし、また、一定の基準が満たされているのであれば、大学病院でなくても特定機能病院に昇格させるという方法をとるべきだろうと思います。
○横倉委員 少し地方のことを言わせていただきます。特定機能病院、大学病院、ナショナルセンターにしても、人口集中地域に大体集中しています。大学病院が特定機能病院になって、それまで大学病院がなかった県では、それによって県の医療のレベルが随分上がりましたのも事実です。医療提供体制がよくなったのも事実です。そういう中で大学病院は須く特定機能病院である必要はない。当然、質が非常に低い大学病院を想定されてのお話だと思うのですが、それよりは全国47都道府県を見ていけば、大学病院はある一定の機能を常に持たせるような財政処置を考えていただきたいということです。地方も1つしかない大学病院があるがために、非常に助かっている地域があるということは念頭に置いて議論をしていただきたいと思います。
○中川委員 大学病院が特定機能病院であるべきかどうかは別として、大学病院というものをきちんと位置づけて評価するということは、医学部教育からの流れから考えても、大事なことだと思うのです。それを要件に合わない、内容的に問題があるから特定機能病院から外して、そのままにしてしまいますと、全国的に最低のレベルを担保することの観点からいうと、まずいだろうと思います。特定機能病院にするかどうかは別にして、大学病院というものの位置づけはきちんと今後もするべきだと思います。
○齋藤部会長 時間の関係で、そろそろ地域医療支援病院の議論をお願いしたいと思います。横倉委員から資料が出ていますので、この説明をお願いいたします。
○横倉委員 「地域医療支援病院の現状と課題」ということで、日本医師会で取りまとめたものです。先ほどご説明がありましたが、1998年に第3次医療法改正によって制度化されまして、いわゆる地域の第一線の医療を担っている、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力がいちばん求められているということです。そして、都道府県知事が個別に、それぞれの都道府県の医療審議会の意見を聴取し承認するという形でスタートしたのですが、スタート当初はなかなかこれに該当する病院がないということで、2004年に3段階の見直しが行われました。
 その結果、地域医療支援病院が急増してきたわけですが、当然診療報酬上の手当、3頁にはその急増した状況、4頁にはその開設主体等々の図があります。5頁には病床規模を書いておりますが、基本的には先ほどの特定機能病院の議論でもありましたように、地域医療支援病院も外来、特に再診の患者のあり方ということがいちばんの問題かと思っています。
 基本的に、今日は西澤委員はじめ、病院団体の先生がおられますが、すべての病院というのは地域医療を支援する機能を持っているというスタンスは明確だと思うのです。その中で、わざわざ「地域医療支援」とわざわざ名を打つわけですから、本当にそれぞれの地域で十分な働きをしていただきたいと思うわけです。
 しかしながら、7頁にありますように、二次医療圏に地域医療支援病院が全くない地域が全国で半分ぐらいあるという状況もあり、一方、人口集中地域では、1医療圏に5つ以上も、病院が地域医療支援病院として認定をしている地域もあるということから、これは1つには、要件が見直され、紹介率が40%でも逆紹介率が高ければいいのだという見直しが行われたことで、それと相俟って、経済誘導が行われたために多くの病院が手を挙げたと思われます。
 私も地元の福岡にいたときは、地域の医療審議会の委員を8年間務めました。そのときにいろいろと議論をする中で、行政の方は、この病院では少し無理だとおわかりになっているし、地元のいろいろな医療団体の意見も、この病院では無理だということで、一応断るのです。まだ、もう少し条件を合うようにしてほしいとお願いするわけですが、行政訴訟の恐れがあるので、行政の方はそれ以上突っ張れないということを、よく相談に来られておりました。
 それで、人口集中地域でこの地域医療支援病院に複数の医療機関が手を挙げるとき、地域の医療状況をよく把握しているのは地域の住民であり、いろいろな医療関係者で組織する医療審議会ですから、その意見を十分に反映するような仕方にもう少し強化していただきたいと思います。それと、地域医療支援病院には運営委員会を設置するという必要条件があります。その運営委員会のあり方が形骸化しているような病院も見受けられるわけですので、そういうことのないようなことが必要であろうかと思っています。
 そういうことを踏まえまして、私はすべての医療圏に地域医療支援病院を設置すべきだと思いますが、そのときの要件ということは、紹介外来制を置くというような、外来の機能のあり方については、十分なご検討をお願いしたいという意見です。
○齋藤部会長 116頁以降の「論点」を参考にしつつ、ディスカッションをお願いしたいと思います。
○尾形委員 116頁の「論点」の上から4つ目です。「現在は・・・主として紹介率を基に他の医療機関との連携に関する基準としているが、入院、外来(初診・再診)の状況等踏まえ、病院間、病院・診療所間の機能分化・連携の観点から、例えば、外来・入院の比率などをどう考えるか」と、このように問題提起されていますが、私はこれは1つの考え方だろうと思います。
 かつて診療報酬上の制度としてですが、急性期特定病院あるいは急性期特定入院加算という制度があって、そこでは、たしか外来と入院の患者数比率は1.5ということで要件にしていたと思います。その要件がいいかどうかは別にしても、こういうやり方というのは、1つの考え方としてあるのではないかと思います。
 その関係で1点質問、1点要望です。先ほどご説明があったのですが、資料の78頁の「地域医療支援病院の患者数」というところを見ると、これは意外だったのですが、一般病院の外来と入院の患者数の比率が1.3なのに、地域医療支援病院は1.9だということです。原則紹介ということから考えると、本来は地域医療支援病院のほうが低いはずではないかとも思われるのですが、なぜこうなっているかについて、何かお考えがあればお聞きしたいと思います。
 それから要望ですが、こういう外来患者数をある意味で抑える1つの手段として、現行制度の下でも、例えば経済的インセンティブによる対応があると思います。具体的に言うと、保険外併用療養費を使って、紹介状を持たない外来患者に対して、初診料や再診療の上乗せ負担を求めることができるという制度がありますが、地域医療支援病院あるいは特定機能病院を一般病院と比べたときに、果たして十分に活用しているのかどうかについて、データがあれば、後日で結構ですので示していただければと思います。こちらは要望です。
○齋藤部会長 最初の数字の点で答えられますか。でも、数字が少し変わっていますよね。77頁では、地域医療支援病院の入院と外来の患者数比率は平均1.5ですが、いま尾形委員が指摘された78頁ですと、1.9になっていますね。
○医療政策企画官 77頁は病院報告で、統計法に基づく統計調査の数値です。もう1つは都道府県が出している業務報告になりますので、指標としている月が違ったり、記入の仕方によって若干違っていまして、そこは出典が違うということになります。
○齋藤部会長 そのほか地域医療支援病院についていかがでしょうか。
○齋藤(訓)委員 資料100頁を見ていくと、「退院調整支援担当者の配置状況(一般病院)」のグラフが出ています。特定機能病院でも地域医療支援病院でも、退院調整支援担当者をまだ配置をしていない病院があることが、これで推察されるのではないかと思っています。一方、配置をして機能させている病院では、平均在院日数も短いという結果が出ています。地域医療支援病院は地域の中核病院に当たるのではないかと考えますので、地域医療支援病院でずっと患者さんを抱え込むということではなく、ある程度専門的な医療なり治療なりが終われば、必ず地域の患者さんの暮らすところにお返しする機能が、これからとても大事になるのではないかと思っています。
 実際、退院調整機能については、ただ退院日を調整するということだけではなく、地域での様々な社会資源をどう活用していくのかの視点を踏まえて、患者さんとご相談した上で、地域医療支援病院の中で受けられていたサービスが、地元でもしっかり受けられることを保障した上で地域にお戻しすることが必要です。そして、自分の暮らす地域での生活移動の範囲で、適切なケアが受けられる体制を整えつつ移行させることが、これからさらに重要になるのではないかと思っております。この論点に立ち返れば、退院調整機能の強化が論点の中に入っていくべきではないかと考えています。
○森参考人(山本委員代理) 119頁の「特定機能病院・地域医療支援病院に関する論点?」の2つ目の○でポツの3つ目に、「地域における医療連携の推進に資する取組」と記載があるのですが、その上で71頁をご覧いただければと思います。ここには、「地域医療連携体制の構築に関する取組について」の記載がありますが、今後望まれる在宅医療を考える際に、ここにありますように、地域医療支援病院と地域の医療機関との連携が重要になります。ただ、その一方で地域医療支援病院から退院された多くの患者さんが、入院中と同様に薬物治療が継続して行われて、その場合に医薬品は不可欠になります。必要な医薬品を地域住民に供給するため、そして適正な薬物治療を行うためには、薬局、薬剤師の担う役割は大きなものがあり、その医療提供体制の中で不可欠な医療者並びに施設になります。しかし、この71頁に示されたポンチ絵には薬局が抜けています。地域住民に必要な医薬品が適切に提供可能なように、医療連携体制の中に明確に位置づけをお願いしたいと思います。
○山崎委員 本日の資料の119頁の「地域医療支援病院」のところで、「精神科救急・合併症対応等の実績を積極的に評価することを考えられないか」という観点で書いてありますが、平成19年の「医療施設のあり方検討会」に提案をしたのですが、いま地域医療支援病院の中で、精神科の病床を持っている、あるいは精神科の外来をしている病院がどれぐらいあるのか資料を出してほしいと思います。実際に精神科で統合失調症、認知症、癌のターミナルで精神症状のある患者さん等で、単科の精神科病院に入院しているケースが増えています。したがって、そういう患者さんを地域医療支援病院に搬送できるような体制を取っていただくことと、いままでの実績を教えてほしいと思います。
○齋藤部会長 いまの点ですが、まだその数字は見ていないのですが、そもそも単科の病院に精神科医が集中しすぎて、いわゆる総合病院に少なくなっていますよね。これは何とかならないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○山崎委員 それは別段、単科の精神病院に集中しているのではなくて、単科の精神病院も精神科の医師がものすごく不足しています。どうしてかというと、精神科の単科の病院の勤務が大変だということで、開業してしまうからです。したがって、いまは、「精神科クリニックバブル」と言いまして、精神科の開業医の先生や、「心療内科バブル」の状態になっていて、昔のように単科の精神科病院がドクターを集めるので、総合病院に少なくなるという構図はなくなっています。また、公立病院の人事は大学病院を中心にしていましたが、大学病院の医局自体が崩壊してしまったので、大学病院にも医師がいなくなってしまっているのが現実だと思います。
○渡辺委員 厚生労働省にも伺いたいのですが、まず地域医療支援病院の承認の数が、56頁の表によると、毎年50前後の承認をしていて、いま340になったということです。このトレンドというか、ベッド数200以上の病院というのは、日本の全体の30%ぐらいですから、2,000ちょっとあると思うのですが、この急激な上昇カーブを今後どう見るかというのが1つです。
 もう1点は、先ほどあったように、349の二次医療圏で地域医療支援病院のないところが半分弱、167あります。二次医療圏の組み替えの問題もあるのだけれども、どのぐらいの数が適正かということで、お考えがあれば教えてください。
○医療政策企画官 増え方のテンポですが、ここ数年については毎年数十のテンポで増えているのですが、このテンポがいつまでも続くかというと、そうではないのかなと。もうちょっとと言っても何年かわかりませんが、ある程度のところで止まるのかなと思っております。いま渡辺委員からありましたが、医療圏での整備状況を見ますと、12月のご議論の際、あるいは初回からでしたが、二次医療圏を見ましても、人口数万のところというのが多々ございます。こういったところは隣の圏域と合わせてとか、あるいは人口20〜30万人ぐらいのまとまりでと捉えていくことになると思います。そういう意味では、ある程度のところで新規はなくなってくるというか、その必要はなくなってくるのかなと思います。
○渡辺委員 そうなると、いまおっしゃったように人口30〜40万人の本来の二次医療圏の単位でいうと、人口1億2,600万人だから、300数十カ所と、そのような。
○医療政策企画官 人口30万当たりなら、400とか、そのぐらいかと。
○渡辺委員 わかりました。
○邉見委員 いまの渡辺先生と意見が重なるところと違うところがありますが、58、59頁に二次医療圏が出ています。山梨県、奈良県はゼロで、県庁所在地の町があったり、大きな病院があったり、あそこは何で取っていないのかなというような、私の頭に浮かぶ病院も自治体病院の中にもあるし、それ以外の病院にもあります。
 38頁の「承認要件」の2つ目の○のところ以外にはほとんど引っ掛かるところはないと思うので、たぶんここだろうと思うのですが、私は、もし二次医療圏というのを決めたのであれば、二次医療圏に1つずつは、いちばん地域医療を支援しているところを認めるべきだと。逆に要件を簡単にしてと。いまの渡辺先生とは私は違うのですが、救急車を全部断っていない、夜に来た人も全部断っていない、紹介医から紹介されても全部断っていないというところでも、取れていないところはあるわけです。そういうところは逆に上げるべきだと。救急車の人が来て、ここは取っていないのですかと、却って不思議に思うような病院、本当に支援しているのはそういう病院ではないかと思います。
○光山委員 地域医療支援病院は、「救急医療を提供する能力を有する」ということだけで、あとは「紹介率の一本槍」です。それだけではどうかと思いますので、拠点病院として期待される役割を明確化するということであれば、今おっしゃったような救急搬送の受入実績などは、ぜひ要件として組み込んでいくべきだろうと思います。二次医療圏のあり方はどういうものが適正かというのは、いろいろと論議がございましたけれども、いまの邉見先生がおっしゃったような方向感も理解できます。
 もう1つ申し上げたいのは、64頁にありましたが、電子カルテのようなITによる診療情報の管理についてです。地域医療支援病院について、半数が電子カルテを導入しているものの、他の医療機関との連携には活用していないようですが、院内の効率化あるいは検査の迅速化というところからスタートしたカルテが多いのだろうと推察します。「ITの促進による情報連携」というのは、今後情報連携を進める上では不可欠なものだと思いますし、かつ、どのような情報を流していくのかを考えることが大切です。地域医療支援病院は拠点となり、いろいろなところで情報を上手に流通、活用していくことが必要だと思います。
 先進的な事例の紹介がいくつかありましたが、いろいろなエリアでいろいろな事例、ベストプラクティス的にあるものの、地域間で共有できていないところもあるのではないかと思うのです。あるいはやってみた効果についての検証も、できていないところがあるように思います。地域医療支援病院、地域医療全体の底上げの観点からも、そういった拠点を作っていくべきだと思います。
○齋藤部会長 要するに、地域医療支援病院の均霑化が必要だというご意見ですね。
○相澤委員 私のところは地域医療支援病院ですので、あまり言うと手前味噌になってしまうのですが、1つこの制度ができたいちばん最初の目的というのは、「病院とかかりつけ医が地域の医療を支える両輪となって、地域の医療を支えていく」ということで始まったと思うのです。そうなったときに、ちょっとこれは議論があると思うのですが、「かかりつけ医」という定義が、医師会の先生方が、その名前はおかしいのだということをおっしゃっておられて、ある方は中小病院の先生もかかりつけ医だということをおっしゃる方がいて、このかかりつけ医という定義をしないといけないと思うのですが、私はこのときは、いわゆる開業医の先生方をターゲットにしていたと思うのですが、いまや病院と診療所というのは、ある程度の機能分担ができてしまっているので、むしろ連携をしなければいけないのは、地域の病院間の連携だと思うのです。それをここの文言に入れていかないと、私は地域の医療を支えることにはならないのだろうと思います。
 連携をするということでありますと、ご存じのように「前方連携」と「後方連携」があると思います。前方連携でいうとすると、紹介のあった患者をいかに受け入れるかというのが、地域医療支援病院ですから当たり前のことで、その受け口がちゃんとあって、それがしっかりとしているということをここの機能に明文化しないと、地域医療支援病院とは言えないと思うのです。
 その中で最も大切なのは、おそらく救急医療で、救急医療というのは2時間も3時間もかけて遠くに行くことはできませんので、それは地理的範囲の中で救急がきっちりと受けられるということをやっているのを評価しなければいけません。
 もう1つは後方連携で、後方連携というのは、自分たちの診た患者を紹介していく機能ですから、紹介ということを考えたときに、かかりつけ医の先生だけではなくて、中小病院だったり、あるいは福祉との連携も必要だと思うのです。そこのところの後方連携の窓口を持っていて、それをどのくらいやっているかというのも評価しないと駄目だと思うのです。
 もう1つは、地域の医療を支援するわけですから、地域に働いている医療従事者の教育、研修を考えたときに、例えば調剤薬局の方々、訪問看護の方、福祉施設で働いている看護の方々もきっちりと研修をするという機能をしっかりと持ってもらうことが必要なので、それをぜひ入れてほしいと思っています。
○齋藤部会長 まだまだご意見はあると思いますが、時間の関係で、最後に、精神科医療についてご意見を伺います。
○高智委員 ご承知のとおり、保険者では、既に「4疾病5事業」に対処しているわけですが、今日ご提案の精神科の関係ですが、資料にもありますとおり、患者数が300万人を優に超えております。また、職場や職域の関係においても、また学齢期の方も、この病気にかかっている方がウナギ登りという状況にあるようです。
 医療計画に記載すべき疾病として認める要件は、患者数が多いことのほか、数点書かれていますが、私どもとしましては、平成20年度の患者調査を基に精神疾患を1つ加えることについては、結論から申し上げますと、賛成いたします。
 精神患者の患者数をもう少し詳細に見てみますと、悪性新生物は150万人の患者がいますが、その2倍弱、虚血性疾患患者の4倍ということで、多数を占めるに至っています。しかも、この病気の方々については、勝手に服薬を止めてしまったり、周りで見守らなければいけない等、いろいろな要素を有しております。職場だけでは駄目、家庭だけでは駄目ということで、社会がこぞって助けなければならない、見守らなければならないという要素もたくさん含んでおりますので、これについては、保険者集団としても一生懸命取り組むつもりでおります。
 それから、薬物療法のみならず、カウンセリングの必要性、あるいは治ったあと、適切なリハビリテーション等も必要だと思いますので、幅広に対応すべきものと思っております。
○横倉委員 山崎委員からもお話がありましたように、124頁ですが、精神科標榜診療所が12年間で約2,500も増えているのです。そうなりますと、地域で精神科を診られる医療機関の連携、そしてまた精神科の場合は入院治療があって、そのあと社会復帰するためのいろいろな施設が地域で展開をされております。そういうところとの連携を考えましても、ある意味では他の4疾病よりも、地域連携という観点が非常に重要ではないかということで、この精神科については、4疾病の事業の中にぜひ入れていただきたいと思います。
○光山委員 高智委員からもありました、企業を応援する立場と、地域社会における子どもたちのことを含めて申し上げます。体制として精神疾患への対応、機能と連携、129頁にありますが、「救急医療等」「専門的医療」「地域医療」という分野で今日は資料を提出されておりますが、実際には子どもにしても、社会人にしても、戻り先は確かに家庭ではありますが、最終的には生産活動に従事するようなところまで復帰することが望ましいと考えます。特にうつ病関連は、非常に長い期間の療養を要しても、うまくいかないようなケースも中にはありますが、最終的には職場復帰の支援をするということを治療の目的にしていただければと思います。
 一方で、学校保健、産業保健の分野を見ますと、医療提供体制ではないので、この場で論議することではないのでしょうけれども、労働安全衛生法上では、こういう事業所には産業医を置きなさいと決まっていますが、ここで言っていいのかどうかわかりませんが、やや名板貸契約のような先生方がいらっしゃるのも事実です。実際に職場の不適応にどう対応させるかまで見込んで、サジェスチョンのいただける先生が非常に少ないというのが現実です。
 そういう意味では、精神科の専門の先生方と、職場、学校といったところをつなぐような仕組づくりが必要です。あるいは精神科の専門の方からご助言をいただくなど、情報をやり取りする中でどうやって不適応をなくすか、ストレッサーを軽減することに専門の方からご助言をいただけるか。これは非常に重要なことだと思います。治療という観点、職場への復帰という観点もありますし、もう1つは予防という観点もありますので、いわゆる医療の専門家ということだけではなくて、学校や職場など、様々な職域にも足を伸ばしていただき、連携体制を組んでいただければありがたいと思います。
○齋藤部会長 医療計画に記載すべき疾患としての精神疾患の追加については、皆さん全く異論がないように思えます。よろしいでしょうか。
 もう時間になったのですが、今日まだ一度も発言のない方がおられましたら。
○森参考人(山本委員代理) 4疾病に精神疾患を追加することに関しては賛成です。横倉委員から、連携という話があったのですが、いま精神神経領域では過量服薬防止、自殺予防等、薬剤師がゲートキーパーとして機能することが求められており、実際に活動をしています。そのときに地域の医療機関との連携は欠かすことはできないのですが、129頁の「精神科医療の機能と連携について」の中を見ても、残念ながら薬局、薬剤師という記載がありません。精神疾患を持つ患者にとって、適切な薬物療法の確保という視点から、今後医療提供体制を構築する中で、薬局、薬剤師の役割・位置づけについても検討いただければと思います。
○海辺委員 話が戻ってしまうのですが、118頁の特定機能病院のところで、「医師等の発表論文100件以上を指標としている」というのを見まして、83の特定機能病院が毎年100件以上の論文を発表しているということだと、その中身や質はどのように評価されているのかを非常に興味深く見ました。もしかすると、「研究のための研究」になってしまっている嫌いがあるのかなという印象を持ちました。
 あと、外来と入院のご議論を伺っていたときに思ったのですが、私がイメージするのは、癌の治療のイメージしかないのですが、癌の場合ですと、最初に高度な病院にきちんと診ていただくことが重要ではないかと思います。あと、いま治療方法が確立してきているお蔭で、外来に通院して、5年、10年という長い期間の治療を続けて、その時間をつくるという方が増えてきていることを見ると、入院と外来の比率だけで、ああいう見方でいいのかなということを感じました。
 癌の場合は、まず入院するといったら、最初の手術のときと、どうしても終末期ということになってきますと、年間33万人が亡くなっている中で、たくさんの人が外来治療によって命をつなげているというところがあります。この頃見ていると、どういう病気でも比較的入院しないで済んで、通院によってQOLを維持されている方が非常に多いので、高度な機能を持っている病院が入院だけを見るというのは、不思議な印象を持ちました。入院されている患者は、どちらかというと、高齢の方が多いというイメージを持ちますので、高度な病院が入院しか見ないというと、外来とか、一定期間経過観察を受けている移植の患者などはどのような扱いになるのかなという印象を持ちました。
○山崎委員 131頁の「精神科救急医療体制の都道府県別の状況」ですが、この表にありますように、一般の二次医療圏と精神科救急医療圏で、圏域によって非常に差があります。、精神科救急で見ると、宮城県は全県1圏ですし、群馬県、栃木県、神奈川県等、精神科救急医療圏域が全県1圏になっています。一方で、社会医療法人の認定条件で、万対2.5人の救急患者を取っているというのがあります。
 そうすると、全県1圏の県は、ほとんど社会医療法人が取れないということになってしまっています。したがって、精神科救急医療圏を、複数の数に合わせていただけなければ県よって不公平が生ずると思います。
○樋口委員 3点あります。1つは精神科の問題です。これはいわゆる高齢社会で、介護で、徘徊であれ何であれ、大変な苦労をしている人が私の身近にもおりますし、高齢社会が進んでいくことはたしかです。それから、私も大学で教えておりますので、大学の学生で、統合失調症であれ何であれというのを抱えたこともありますので、その精神科の領域について、重点化をするというのは大賛成です。
 2つ目は、法律のところの議論は非常に単純で、要件と効果と目的をどうつなぐかという話なのです。海辺さんもおっしゃいましたが、特定機能病院であれ、地域医療支援病院であれ、一定の目的がある。相澤さんが言うには目的自体が何だったのかと言われると、何だかという感じはしますが。それに対する要件というのが、十分にフィットしていない。どうしても形式的に流れてしまって、それで何だかなという、初めの効果とか目的を考えると、本当は認めてもいいのに、それがという、そういうところがここにも今日出てきている。
 3つ目は、もっと大ぼら吹きの話なのですが、いちばん初めの特定機能病院です。私も日野先生の話なども、自分でも経験しているし、永井先生の病院の患者でもあるので、そうすると、いま東大病院に行きますと、入り口に、「今日の患者数4,325人」とか出ていて、多くなってよかったなと思ったらいいのかどうか。すごく流行っているなということだけはわかるのですが、本当にそういうものでいいのかどうかという問題です。
 それで、今日の話で日野先生もおっしゃったのですが、こういう特定機能病院のところだけ、つまり私は法学部にいるのですが、本当は何でも規制というのは反対の人間なのです。ただ、日本の医療というのは国民皆保険の下で、過剰規制と言ってはいけないのかもしれませんが、ものすごくいろいろな規制をしている反面で、すごく自由なところがあるわけです。このアンバランスがいろいろなところに問題になっているわけなので、今日のテーマでいえば、特定機能病院というのがはっきりと特定された目的を持ったものであれば、そこに本当に分化すべきなので、患者の病院選択の自由を狭めても、紹介状がなくてはいけない、紹介状がこういう高度何とかかんとかに値するものもでないと如何というぐらいに、まず絞るというところまで、思い切って法規制で踏み込む。規制反対派がこういうことを言いたくはないのですが、組当は逆なのです。その代わり、それは患者にとって規制が強まるということです。それなら医者のほうも考えてもらいたいです。
 今日のテーマとは関係ないのですが、例えば地域偏在があまりにひどいのではないか、医者のいないところもあるのであったら、ある一定年度までに、つまり医療の研修の話がありますが、研修というのは技術の研修だけではなくて、心の研修であってももらいたいです。心の研修がそう簡単にできるのかどうかわからないけれども、最低1年はどこかのそういう地域で、とにかく診療しますというのを医者にも義務付けます。患者も規制を受けてくださいと。そういう思い切ったことをやらないと、全体の日本の医療体制というのはどうしようもなくなってきているのではないかというのを感じました。
○齋藤部会長 貴重なご意見をありがとうございました。
○近藤委員 精神疾患を4疾病に追加することについて何の異論もございません。むしろ積極的に賛成したいと思います。いままで精神科を標榜する病院は、住宅地から離れたところに多くありました。いまは住宅地が周りにでき、地域に対する影響もかなり大きなものになってきていることは間違いないと思います。精神疾患を持った患者さんが増え、高齢化しているという状況の中で、精神疾患の患者さんを地域全体で支えていく必要があるのではないかと思います。
 前からこの医療部会の中で、4疾病の問題に精神疾患を含めるという話が出ているわけですが、さらに我々の歯科の部分でいうと、糖尿病と歯周病のエビデンスは明確に出ています。また、国立がん研究センターと歯科医師会は、がん患者に対する歯科医療について連携体制を構築し、すでに事業がスタートしています。そういうものも含めて、糖尿病、がん等について、4疾病の中で、歯科医師が果たすべき役割、特に病院と歯科診療所の連携に重点を置いた事項を医療計画に明確に記載していただきたいということが1つあります。
 もう1点は、今日は5事業の話が出ておりませんが、前からこの部会で議論の出ている在宅歯科医療も含めた在宅医療の重要性を、5事業にプラスするという形で議論をしていただく機会があるのだろうと期待をしておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○齋藤部会長 事務局から最後にお願いいたします。
○医療政策企画官 次回の医療部会については、ご案内のような事情でもありますので、小さなことからの積み上げでの節電ということで、なるべく8月中には会議をセットしないということが全体の方針としてありますので、日程が詰まっておりまして、事務方も自転車操業ですが、7月20日(水)の10時からで、場所は今日と同じ省議室を予定しております。正式には追ってご連絡を差し上げたいと思います。今日も暑い中でしたが、当日も暑いかもしれませんが、またよろしくお願いいたします。
○齋藤部会長 これで終わります。ありがとうございました。
○山崎委員 前回病院歯科医師配置の話がありましたが、そのお答えを頂戴したいのですが。
○医療政策企画官 歯科医師の配置の関係は、昭和30年に見直されたときの記録ですが、地下3階の倉庫まで捜索に行ったのですが、どういう背景だったのか詳細はわかりませんでした。
 解釈ですが、基本は震災直前の9日の会でお答え申し上げたように、基本的には実情に応じてということになりますので、入院と外来を別々に算定して、それぞれで足すというのではなく、16対1を基本としつつ、あとは実情に応じてということなので、必ず外来1人でも来た瞬間、2人必要だということにはならないという解釈だと、Q&A集などではなっています。
○山崎委員 実際の指導は、外来は外来で病院の必要数に応じてと書いたものがあるのですが、一方、入院のほうに、1年間に1人でも入院したら、常勤として医師を置かなければいけないという指導です。1人でも入院したら、そこに常勤を置いておかなければ標欠になります。その事が指導なのか、監査要綱の通知にそのように書いてあるのか、厚生労働省としてどのように考えているのか、お聞きしたいと思っています。例えば皮膚科などの場合、1人で医長をして、外来をやって、空いた時間に病棟の患者さんを診て、1人でいいわけです。歯科の場合は、1人でも入院をさせれば、入院に1人、外来に1人置かなければ、つまり2人いないと入院の患者さんを取れないという指導を受けています。
○医療政策企画官 省令の規定上、歯科の入院患者に対して、16対1で、外来は必要に応じてとしか書いていないので、16対1のときに、患者が1人というのを、年に本当に1人しかいなかったらどうなるかというのは確認します。外来のほうの実情に応じてという解釈については、3月9日に議論がありましたので、そこを中心に調べています。入院患者のカウントの仕方とかが背景にあると思うのですが。
○齋藤部会長 次回にまたやりましょう。


(了)
<(照会先)>

医政局総務課

企画法令係: 2519

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(医療部会) > 第19回社会保障審議会医療部会議事録

ページの先頭へ戻る