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2011年8月2日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会議事録

○日時

平成23年8月2日(火)10:00 ~12:20


○場所

厚生労働省 専用第23会議室


○出席者

委員

西島委員(部会長)、阿南委員、有薗委員、石井委員、竹内委員、早川委員、広瀬委員、堀江委員、松岡委員、六鹿委員、鰐渕委員

参考人

河村参考人、佐多参考人、西江参考人

事務局

梅田食品安全部長、森口基準審査課長、横田課長補佐、太田専門官、後藤主査

○議事

○事務局 定刻を過ぎてしまいましたが、ただ今から、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会」を開催させて頂きます。
 委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席頂きまして、ありがとうございます。
 本日は、当部会委員総数11名のうち全委員に御出席頂いております。出席委員が過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告申し上げます。
 先日、器具・容器包装部会の委員の改選がございまして、任期を終了されました井口委員、河村委員、野田委員、山本委員にかわりまして、新たに4人の委員が就任されておりますので、部会の開催に当たり御紹介させて頂きます。
 アイウエオ順でございますけれども、熊本県立大学環境共生学部食健康科学科教授、有薗委員でございます。
 埼玉県衛生研究所水・食品担当専門研究員の石井委員でございます。
 独立行政法人産業技術総合研究所環境化学技術研究部門総括研究員、竹内委員でございます。
 国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部第三室長の六鹿委員でございます。
 本日、委員の改選がございましたけれども、引き続き、西島部会長に当部会の部会長をお願いしております。西島部会長におかれましては、昭和薬科大学特任教授に御所属が変更になりましたことを御紹介申し上げます。
 次に、本日の議題に係る有識者としまして、部会長の了承を得まして、参考人に御出席頂いておりますので、御紹介申し上げます。
 国立医薬品食品衛生研究所の河村先生でございます。
 PETトレイ協議会の会長補佐をされております佐多先生でございます。
 株式会社エフピコ基礎技術研究室基礎技術課のチーフマネージャーをされております西江先生でございます。
 この3人の先生方には、後ほど、再生材料の使用に関しましてコメント等をして頂く予定でございます。
 それでは、以後の進行につきましては、西島部会長にお願い致します。
○西島部会長 改めまして、おはようございます。それでは、これから本日の部会、私が進行を務めさせて頂きます。
ちょっと遅れておりますが、資料等がたくさんありまして、もしかすると12時までに終わらないかもわかりませんが、そのときには御了承願いたいと思います。
 まず初めに、資料の確認を事務局からお願い致します。
○事務局 資料の確認をさせて頂きます。
 本日お配りしました資料でございますけれども、議事次第の裏に一覧がございます。議事次第がございまして、その次、配布資料一覧がございまして、その次に、本日の出席者の名簿をつけてございます。その後ろに座席表がございます。配布資料一覧に基づきまして、確認させて頂きます。
 資料1-1、ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製及びゴム製の器具又は容器包装に係る試験法の改正について。
 資料1-2、新旧対照表。
 その後ろに、参考1-1、1-2がございます。
 資料2-1、乳及び乳製品の容器包装に係る試験法の改正について。
 資料2-2、新旧対照表。
 その後ろ、委員限りの資料で、配布資料一覧では一番下に書かせていただいております参考資料2がございます。
 資料3-1、食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用について。
 資料3-2、パワーポイントの資料。
 資料3-3、再生プラスチックワーキンググループ概要。
 その後ろに参考資料3-1、3-2がございます。
 資料4-1、食品用器具及び容器包装における再生紙の使用について。
 資料4-2、パワーポイントの資料。
 資料4-3、再生紙ワーキンググループ概要。
 その後ろに、参考資料4-1と4-2がございます。
 以上でございます。不足している資料等ございましたら、事務局までお申し出下さい。
○西島部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 それでは、資料については特に問題ないようですので、議事を進めさせて頂きます。議事次第を御覧頂きますと、本日の議題は2つございまして、「試験法の改正について」と、「食品用器具及び容器包装における再生材料の使用について」の2つでございます。
 まず、第1番目の議題、試験法の改正について、これは2つありますけれども、その1番として、「ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製及びゴム製の器具又は容器包装の試験法の改正について」ということで議事を進めたいと思います。これにつきまして、事務局から資料の説明をお願い致します。
○事務局 資料1-1と資料1-2を用いて説明させて頂きたいと思います。
 まず資料1-1を御覧下さい。「ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製及びゴム製の器具又は容器包装に係る試験法の改正について」でございます。食品用の器具又は容器包装に係る規格基準は、「食品、添加物等の規格基準」、厚生省告示第370号と呼んでおりますが、この告示370号において定められているところでございます。
 今般、この中で定められている試験法の改正について、大きく分けて2つ御審議頂くものでございます。1つ目は、ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装の材質試験について、新規に開発された素材に対応した試験法の改正でございます。2つ目は、ゴム製の器具又は容器包装の材質試験について、回収率が悪いなど分析精度の面で問題があり、厚生労働科学研究等においてこれらの問題点を解消する試験法が提案されたことを踏まえた改正でございます。
 改正内容(案)につきまして御説明させて頂きます。まず、ポリスチレンの試験法、揮発性物質の材質試験法の変更についてです。揮発性物質の材質試験については、従来、現行法では試料をテトラヒドロフランに溶解後、その試験溶液をガスクロマトグラフィーで測定することとしておりますが、ポリスチレンを主成分とする合成樹脂の中でも、スチレン系熱可塑性エラストマー及びシンジオタクチック・ポリスチレン、これらはテトラヒドロフランに全く溶解しないことから、溶解しない場合にあっては、ジクロロベンゼンを溶媒に用いたヘッドスペース法を適用することとする、という改正でございます。
 改正内容の詳細については、資料1-2を御覧下さい。これは新旧対照の条文案となっております。具体的には、1枚めくって頂いて、資料の2ページ目、右側が現行法でございます。現行法では「テトラヒドロフランに試料が溶けた後」と記載がございますが、左側の下線部、「ただし、テトラヒドロフラン添加後、一晩放置しても試料の大部分が溶解しない場合にあっては」以下、ジクロロベンゼンを用いた試験法が書かれています。
 今回の改正は、今まで通常のポリスチレン、テトラヒドロフランに溶けていたポリスチレンについてはそのまま現行の試験法を適用して頂き、溶けない、新規に開発された素材にあっては、ジクロロベンゼンを用いた新たな試験法を適用して頂くものでございます。
 続きまして2点目、資料1-1に戻って頂きまして、(2)にございますゴム製の器具又は容器包装に係る試験法の変更でございます。この中では2点ほどございまして、1点目がカドミウム及び鉛の材質試験についてでございます。ゴムの中でもシリコーンゴムについては、灰化操作中に生成する二酸化ケイ素にカドミウム及び鉛が吸着されるため、回収率が極めて低いという問題点がございました。この問題点を解消するために、二酸化ケイ素を除去できて、簡便で分析精度もすぐれたアルカリ熔融法を定め、これを適用するものでございます。
 なお、この試験法を準用しておりますゴム製の哺乳器具についても、シリコーンゴム製のものについては同様の改正が適用されることとなります。
 具体的にどのように変わるかというところは、資料1-2を御覧下さい。3ページ目でございます。後半部、ゴム製の器具又は容器包装について、「シリコーンゴム製以外の試料にあっては」ということで、従来通りの現行法を定め、それ以外に、「シリコーンゴム製の試料にあっては」ということで、シリコーンゴムの試験法を定めているものでございます。
 続きまして、もう一度資料1-1に戻って頂き、2つ目の改正です。2-メルカプトイミダゾリンの材質試験でございます。この材質試験については、現行では薄層クロマトグラフィーを用いた方法ですが、この方法では定量ができない、検出限界が高い、操作も複雑で長時間を要する等の問題があったことから、高速液体クロマトグラフィーによる簡便で精度の高い試験法に変更するものでございます。また、抽出操作についても、現行のソックスレーを用いる方法から、より操作が簡便な浸漬法に変更するものでございます。こちらも、具体的な変更点については、資料1-2を御覧下さい。
 最後、4ページ目になります。2-メルカプトイミダゾリンの試験法でございます。ここには試料の調製法が書かれておりまして、そこから、告示の構成上、一般の試験法のところに具体的な試験法を記載するものなので、戻って頂いて1ページ目の一般の試験法の中に2-メルカプトイミダゾリンの試験法を新たに定め、高速液体クロマトグラフィーを使った試験法を記載するものでございます。
 以上が試験法の改正についてでございます。
 参考資料1-1,1-2として、検討の関連資料をつけてあります。
 以上です。
○西島部会長 ありがとうございました。ただ今の試験法の改正につきまして、資料1-1で、揮発性物質の材質試験法の変更と、ゴム製品の中のカドミウム、鉛の材質試験、あと、2-メルカプトイミダゾリンの材質試験という大きく3つの改正の御説明がありましたが、これらにつきまして、御質問あるいは御意見がありましたらお願い致します。
○鰐渕委員 全然この辺のことわからないので教えて頂きたいのですけれども、新規に開発されたスチレン系の熱可塑性エラストマーとかシンジオチック・ポリスチレンというのは大体いつごろから開発されて、いつごろから出回っているのかということと、それについて、これまで、全く溶解されないから試料の分析とかできてないと思いますけれども、その間はどうしていたのかということについて少し教えて下さい。
○事務局 厚生労働省の方で、こうした全く溶けないといった今の試験法で試験の実施ができない事例があるということを認識したのは今回が初めてでございます。告示の試験法におきましては、「テトラヒドロフランに溶解した後」という記載がありますので、溶解しなければ試験ができないので、急いで改正を行うものでございますが、実際に市場にはもう数年前から流通していたという情報もありまして、その確認方法については、現行の試験法でテトラヒドロフランに溶解させて、一晩、二晩置いて、確実にプラトーに達するところまで、揮発性物質を抽出させた後に、確認しているということを聞いております。また、これらの溶けないポリスチレンは、もともと結晶性の高いポリスチレンでございますので、通常のポリスチレンよりも揮発性物質が食品中に溶出してくるおそれは少ないのではないかという見解も得られています。
○西島部会長 ありがとうございました。他に御質問。
○早川委員 ?の2-メルカプトイミダゾリンの試験法ですが、資料1-2の1ページ目の最初の方を見ますと、2-メルカプトイミダゾリンの2行目で、「次の操作条件で液体クロマトグラフィーを行うとき」という表現になっておりますけれども、具体的にこの内容を見ても、我々が考える高速液体クロマトグラフィーでありますし、資料1-1でも高速液体クロマトグラフィーというぐあいになっております。これまでの基準の内容がどのようになっているかという整合性もあるかと思いますが、整合性がとれるのならば「高速」をつけた方がいいと思いますが。
○事務局 そうですね。今までの基準を精査して、変更できるのであれば「高速」をつける記載に変更したいと思います。
○西島部会長 ありがとうございました。どうぞ。
○六鹿委員 今までの基準の書き方だと、液体クロマトグラフィーとなっております。今、液体クロマトグラフィーと言うと、一般的に高速液体クロマトグラフィーのことを意味しておりますので、わざわざここで「高速」をつけなくてもいいのではないかとは思います。
○早川委員 感覚的には、液体クロマトグラフィーと言うと、薄層クロマトグラフィーがあって、その次にいわゆるオープンカラムクロマトグラフィーがあるということで、そのイメージもやはり大分残っているのではないかなと思うのですね。ですので、差し支えないという表現をさっきしましたけれども、私は、今後のことを考えたら、使えるのならば、何かそこでの注釈をつけてでも「高速」が使えた方がいいかなと思っておりますけれども。
○事務局 わかりました。検討させて頂きたいと思います。
○西島部会長 そのほか御質問、よろしいでしょうか。
 それでは、ただいまの、液体クロマトグラフィーの前に「高速」をつけるかどうかということは事務局の方で検討して頂いて、どうしましょうか、答えはどこでもらえるのですか。「高速」をつけるかどうかは。
○事務局 確認させていただいて、後日、委員の先生方にメール等で御連絡させて頂きたいと思います。そして、最終的に改正案はこういう形でということで御了解頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
○西島部会長 よろしいですか。
○早川委員 結構です。
○西島部会長 その他よろしいでしょうか。
 それでは、以上で、特に他に御意見がないようですので、ただ今御報告頂きましたことをこの部会の報告ということにさせて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西島部会長 それでは、そのようにさせて頂きます。
 続きまして、議題の1の(2)に移りますが、乳及び乳製品の容器包装に係る試験法の改正についてということですが、これにつきましても、事務局の方からまず御説明をお願い致します。
○事務局 御説明させて頂きます。器具・容器包装に係る規格につきましては、その中に入る内容物、食品ごとに2つに分かれておりまして、乳及び乳製品に係る規格基準につきましては、乳及び乳製品の成分等に関する省令、いわゆる乳等省令において定められております。この乳及び乳以外の食品についての容器包装の規格基準については、「食品、添加物等の規格基準」、いわゆる告示の370号において規定されております。当議題は、乳等省令に係る部分の試験法の改正でございます。
 乳等省令における乳等の容器包装に係る試験法は策定以来かなり年月を経ておるものですが、有害試薬を用いる試験法が存続されているなど、分析法の進歩が必ずしも反映されておりません。このことにつきまして、平成13年から15年度に、河村先生を主任研究員としまして、厚生労働科学研究におきまして試験法等の検討を行って頂きました。
 その資料が、委員限りの資料でございますが、参考資料2でございます。こちらの参考資料2の厚生労働科学研究をもとにしまして、平成18年の3月に一般食品用の容器包装に係る規格基準、告示370号につきまして、有害試薬を用いない方法であったり分析精度の向上という改正が行われております。今回の乳等省令の改正につきましても、過去、平成18年に行われた試験法の変更と同様の改正を行うものでございます。
 資料2-1の2.改正内容(案)につきましては、大きく(1)と(2)に分かれております。(1)は試験法の変更の内容、(2)は標準溶液に基づく限度値の明記について記載されております。資料2-1の(別紙1)(別紙2)に表でまとめておりますので、こちらを御覧頂きながら御説明させて頂きたいと思います。
 まず(別紙1)でございますけれども、(1)試験法の変更としまして、大きく2つのポイントがございます。1つ目は、有害試薬を使用しない試験法への変更、2つ目は分析精度の向上のための変更でございます。
 一番上からですけれども、原子吸光光度法、こちらの試験法はカドミウムや鉛、アンチモン、ゲルマニウムなどの分析法です。こちらにつきましては、分析精度を向上させるため、現行のフレーム方式の他に、電気加熱(フレームレス)方式を追加することとしております。こちらを採用しますと、鉛の分析の感度が向上致します。
 続きまして、材質試験のカドミウム及び鉛。こちらは有害試薬不使用ということで、ポーラログラフ法で使用される水銀を使用しないように、ポーラログラフ法自体を削除するということでございます。それに伴いまして採用する試験法としましては、分析精度の向上される原子吸光光度法又は誘導結合プラズマ発光強度測定法によるものとし、試験溶液の調整に塩酸処理を追加することと致します。この塩酸処理を追加することによって、共存するバリウムやカルシウムによる妨害が低減されます。
 続きまして、材質・溶出試験中のヒ素。こちらの試験法につきましては、有害試薬を使用しないように。現行ですと、臭化第二水銀紙を使用しておりますので、こちらを使用しない方法へ変更することになります。
 続きまして溶出試験のアンチモン。こちらの試験法では、分析精度を向上させるため、現行法の吸光度法から原子吸光光度法又は誘導結合プラズマ発光強度測定法へ変更となります。
 続きまして、溶出試験のゲルマニウム。こちらの試験につきましては、有害試薬であります四塩化炭素を用いておりましたので、四塩化炭素を用いる試験法を削除致しまして、かわりの試験法として、分析精度の向上も考慮致しまして、原子吸光光度法又は誘導結合プラズマ発光強度法へ変更するものでございます。
 続きまして(材質試験)塩化ビニル、(材質試験)揮発性物質、こちらにつきましては、分析精度を向上させるため、現行法のガスクロマトグラフィー用のカラム、いわゆるパックドカラムから測定感度や分離性能を向上させるため、キャピラリーカラムを用いる試験法に変更致しまして、それに伴いまして、定性試験、定量試験の操作条件等を変更致します。
 なお、こちらの揮発性物質の試験ですけれども、先ほどの告示改正の議題にありました、ポリスチレンを主成分とする合成樹脂製の器具又は容器包装に試験法改正にございました既存の溶媒に溶解しない場合の試験法についても取り組むこととしております。
 続きまして(溶出試験)のフェノール。こちらは分析精度を向上させるため、現行法の沈殿の有無で判定を行う臭素法から、吸光度を測定することによって判定する4-アミノアンチピリン法へ変更致します。
 続きまして、材質試験のジブチルスズ化合物。こちらは有害試薬であります四塩化炭素を溶媒として用いておりましたので、こちらの使用をしないように、アセトンとヘキサンの混液に変更します。併せて、分析精度を向上させるため、ろ紙クロマトグラフィーによる測定だったものを、誘導体をガスクロマトグラフィー/質量分析による測定に変更致します。
 続いて、最後ですが、(材質試験)クレゾールリン酸エステルにつきましては、有害試薬であります四塩化炭素を不使用の試験法に変更致します。
 併せて、ガスクロマトグラフィーによる測定から、液体クロマトグラフィーによる測定に変更致しまして、再現性や回収率の向上を図ります。
 続きまして、改正内容その2としまして、(別紙2)を御覧下さい。改正内容その2は標準溶液に基づく限度値の明記でございます。これまでの試験の適否判断におきましては、標準液との比較により行っている部分がございました。例えば最初の4行分ぐらい、標準液より濃くてはならないなど、そのような表記でしたものを、標準液に基づく溶出物質の限度値を明記致しまして、本質的な変更ではございませんが、試験法を見れば、濃度がどれぐらいあるのかということを理解しやすくするものでございます。
 併せまして、今まで濃度の単位がppmで記載されていた部分につきまして、μg/mlであったり、μg/gというように表記に変更致しまして、溶液1ml中に何μg入っているのか、もしくは材質1g中に何μg入っているのかということを理解しやすくする変更を行うものでございます。
 次に、これらの改正について具体的な条文の改正案についてですが、資料2-2を御覧下さい。表がございまして、左側が条文の改正案、右側が現行の条文になっております。下線が引かれている部分が変更点となります。
 1枚目の中央部分の下線が引かれているところですが、右側と対比していただきますと、「標準色より濃くてはならない」という部分が、このように基準値がわかるように記載することとしております。
また、今回の改正は、同様の改正が告示370号において、つまり一般食品の容器包装の規格基準において既に平成18年に改正が行われておりますので、試験法の条文への記載については、告示を引用できる部分については告示を引用するような形となっております。
 例えばページ番号で言いますと13ページを御覧頂きたいのですけれども、中央部分辺りにありますクレゾールリン酸エステルの試験法、現行法、右側を御覧頂きますと、試験溶液の調製から長くいろいろ記載されておりますが、こういった部分につきまして告示を引用する形に致しまして、左側、改正案と致しましては、「食品、添加物等の規格基準第3 器具及び容器包装の部D」、これが告示370号を示すものですけれども、その中の試験法、「クレゾールリン酸エステルの試験を行うとき」と、このような簡潔な記載ぶりとなります。
 告示の試験法の内容につきましては参考としまして、クレゾールリン酸エステルの試験法の横に※7をつけておりまして、ページ番号21ページ以降に記載しております。条文の改正案につきましては、このような形で考えております。
 乳等省令の試験法の改正案の説明につきましては以上です。
○西島部会長 ありがとうございました。
ただ今、試験法の改正について御説明頂きましたが、試験法の変更としては、有害試薬を用いないということと分析精度の向上のため変更、2番目に、標準溶液に基づく限度値の明記ということで御説明頂きましたが、これらにつきまして、御質問、御意見等ありましたらお願い致します。大変たくさん詳細な変更点がございますが。
○鰐渕委員 告示の370号で既にされているということで、試験法自身に関しては特に問題ないとは思うのですけれども、私自身よくわからないのが、同時になぜしなかったのかというのが疑問に残る点で、その辺、何か理由があったのでしょうか。
○事務局 この乳等省令の中での器具・容器包装の規格基準につきましては、2年前の、8月に、この器具・容器包装部会にて、御審議頂いているところであり、そもそも乳製品で、一般食品と分けて器具・容器包装の規格基準を設定していることについて、整合性を考えてもう一回見直しすべきではないかということで、大きな検討課題が残されている状況でございます。
この案件と一緒に、試験法の改正も進めていく予定でしたが、非常に難しい案件でもございまして、食品安全委員会との調整に時間が長くかかっている状態でございます。とはいえ、この試験法については有害試薬を使っている等、なるべく早く対応した方がいいこともあり、今回、改正の審議を頂くものでございます。
○西島部会長 よろしいでしょうか。
 その他御意見等ございますか。
 特に御意見、それ以上ないようですので、これにつきましても、当部会の報告ということにさせて頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西島部会長 ありがとうございます。それでは、当部会の報告ということにさせて頂きますが、この議題1につきましては、本日の審議結果の食品衛生分科会での取扱いにつきまして事務局から説明をお願い致します。
○事務局 それでは、本日、委員の先生方の机の上に1枚、別で配付してあります「食品衛生分科会における確認事項」と手書きで書いてある資料がありますので、そちらを御覧下さい。
本日御審議頂いた試験法の改正については、平成22年3月3日に了解されました「食品衛生分科会における確認事項」に基づき、食品衛生分科会での審議又は報告の取扱いについて検討させて頂きますと、この表の中の5番に該当するものでございまして、いずれも、「食品安全委員会より食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないとき」に該当する旨回答を得られております。
 それに基づき、分科会での取扱いは文書配布による報告でよいと考えますが、いかがでしょうか。いずれも、ただし書きにある、その内容等から見て慎重に審議をする必要があるということではないと思われますので、この取扱いとさせて頂ければと思いますが、よろしくお願いします。
○西島部会長 ありがとうございます。ただ今御説明の通り、このような場合には分科会としては文書の配布による報告でよろしいということですが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西島部会長 特に大きな問題がないということで、それでは、異論がないようですので、これにつきましては、部会として分科会の承認をこれから得ていきたいと思っております。ありがとうございました。
 それでは、議事次第の1を見て頂いて、1番の「試験法の改正について」は以上で終わりにしたいと思います。
 続きまして、本日の議題の2番目ですけれども、「食品用器具及び容器包装における再生材料の使用について」ということで議論をして頂きたいと思います。これについても2つございますが、まず第1点目の「食品用器具及び容器包装における再生プラスチック材料の使用について」、まず事務局から御説明をお願い致します。
○事務局 まず、資料の説明に先立ち、本議題に関する参考人の方々、先生方を改めて御紹介させて頂きます。
 国立医薬品食品衛生研究所の河村先生におかれましては、厚生労働科学研究において食品用器具・容器包装における再生材料の使用の安全性確保に関する研究を実施されており、この分野においては多くの御知見をお持ちでございます。昨年度の厚生労働省委託事業のワーキンググループの座長としても御協力頂いている次第であります。先生には、後ほど厚生労働科学研究の結果等について御意見、コメント頂く予定でございます。
 次に、PETトレイ協議会様と株式会社エフピコ様におかれましては、我が国において既に再生プラスチック材料を使用して、それぞれ食品用PETトレイとポリスチレン、PSトレイを製造しておりまして、その製品の安全性確保のために独自に自主基準等を設定して、積極的な取り組みを実施されております。
 本日は、食品用への再生材料の利用に関する知見をお持ちの参考人として、当部会にお呼び致しております。後に御説明させて頂きます日本の実態について、一部資料や情報等も御提供頂いているところでございます。
 それでは、まず再生プラスチック材料の使用について、事務局から、資料3-1、3-2、3-3を用いて御説明させて頂きたいと思います。
 まず資料3-1を御覧下さい。我が国では、ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)や発泡ポリスチレントレイ(PSトレイ)を初めとしたプラスチックのリサイクルが推進されてきているところでございますが、再生プラスチック材料を食品用の器具及び容器包装に使用するためには、食品衛生法を遵守し、食品衛生上の安全性を確保することが不可欠でございます。
 ただ、再生プラスチック材料を使用するという点につきましては、新品を使った場合には起こり得ない汚染、化学的な汚染物質が混入する可能性がございます。例えば消費者の方がペットボトルを飲んで、それに農薬や洗剤などを入れて家庭で保存して、それを使い終わったからリサイクルに回すといったこと、ごみの収集所で虫がいっぱい飛んでいるので、そこに殺虫剤を散布して、それをリサイクル品として使うといったようなことで、新品では考えられないような汚染物質が入ってくる可能性がございまして、これらの化学的な汚染物質が食品中に移行しないように留意する必要がございます。
 こういった点から、今回、食品用器具・容器包装への再生プラスチック材料の使用について検討を行うこととさせて頂きました。
 次に、「我が国の現状」、今の日本の現状ということで、簡単なリサイクルの話も含めて御説明させて頂きたいと思います。資料3-2を御覧下さい。この3-2は、我が国で実際に食品用で既に再生プラスチック材料が使用されているペットボトルとポリスチレンのトレイについて、それぞれ実態を資料にまとめたものでございます。これを簡単に御説明させて頂きます。
 まず、1枚めくって頂いて2ページ目を御覧下さい。「世界のペットボトルの回収量・回収率」とございます。日本の回収率を御覧頂きますと、78%と、欧州、米国に比べて非常に高い数字であることがおわかり頂けると思います。これは、別途、容器包装リサイクル法でペットボトル等の回収が非常に推進されておりまして、そういった影響が非常に強く出ているものと考えられます。
 続きまして3ページ目、「ペットボトルの回収/再商品化の流れ」について、簡単に示した図でございます。回収は2通り、いわゆる自治体による回収と事業系による事業者等による回収がございまして、ここで集められたものが国内で使用されるものと海外にいってしまうものがあります。現状では海外にいってしまうものが半分ぐらいを占めておりますが、行き先は主に中国です。こうした日本のペットボトルの回収品が大量に中国に流出していること、これは食品衛生法とは関係ありませんが、そういったことも問題点として挙がってきていると聞いています。国内で回収されたものについては、シート、繊維及び成形品等に再商品化されます。
 続きまして4ページ目を御覧下さい。この再商品化される材料につきまして、そのうち食品用はどれぐらいあるのかということを示した表でございます。食品用には、主に、トレイという形でペットボトルのフレークが使われております。主に卵パックや果実トレイ、イチゴやキノコ等の入ったトレイのようなものに使われているという実態がございます。使用量としましても、約38.5%と食品用全体の中のかなり大きな割合を占めていることが御理解頂けると思います。
 続きまして、5ページ目は、こういうものに使用されますという写真を載せているものです。
 続きまして、6ページ目、どのような流れでペットボトルが回収され再商品化されていくのかという流れを示した図でございます。これはPETボトルリサイクル推進協議会さんのパンフレットの中の図を御提供頂いたものです。
 まず、ペットボトルが容器包装リサイクル法に基づき回収されてきます。現在のところ、このペットボトル、何でもいいというわけではなくて、一応指定されているもの、一番左側に青と黄色でくくってありますが、いわゆる飲料と特定調味料ということで、油や食品以外の洗剤とかが入っているペットボトルはその対象にはなっておりません。
 これらの回収されたペットボトルが分別されて、左から3行目、分別収集のところへいきまして、これが選別され、圧縮され、ベール品となります。このベール品を、再商品化工程ということで、更に、違う材質であったり、汚いものであったりを取り除いて粉砕、洗浄して、これがフレークやペレットになって再商品化されます。
 続きまして、このリサイクルの工程には大きく分けて2種類ございます。7ページ目と8ページ目にその2種類の工程を簡単に御説明させて頂いておりますが、まず8ページ目を御覧下さい。「化学的再生法によるペットボトルの再生」です。これは化学的な再生ということで、ペットのポリマーをモノマーレベルまで分解して、更にそれを再重合して再生するものでございます。モノマーまで分解すると不純物はほとんど取り除かれますので、新品のポリマーと同レベルにきれいになっているという見解が欧米でも出されている再生法でございます。
 一方、物理的再生法と言いまして、7ページ目に戻って頂いて、こちらはいわゆる異物を除去して砕いて洗うといった、まさに文字通りの物理的な再生でございます。ただ、最近、この工程に加え、一番最後の行にありますように、高温・減圧下等で一定時間の処理を行い、再生材中の不純物を揮散させ、十分に低減するといった除染処理も多々出てきており、こうした再生も、物理的再生法の一つとされています。これがスーパークリーンとか超洗浄と言われるもので、欧米等を中心に開発されておりまして、主にボトルto ボトルといったペットボトルをそのまま飲料用のペットボトルにといった利用で実施されている方式でございます。
 これらの2つの方式がございますが、6ページ目に戻っていただいて、右上、再商品化のところでボトルtoボトルと書いてあります。我が国でも、一部、ボトルtoボトルで食品用のPETを食品用に利用している実例がございますが、こちらは物理的再生法ではなくて、化学的再生法でございます。なので、不純物は十分に低減されているものでございます。
ただ、この化学的再生法についてはかなりコストがかかるので、この再生法よりも物理的再生法の利用の方が推進されてきているという現状でございまして、先ほど申し上げた一般の卵パックや食品用のトレイは、化学的再生法ではなく、物理的再生法で利用が行われているものでございます。
 説明が前後しましたが、9ページ目を御覧下さい。現状では、既に食品用へのリサイクル材料の使用が実施されてきているところでございますが、業界団体が自主的に食品用ということで基準を作って管理されているという実態もございます。その取り組みについて少し紹介させて頂きます。
 本日、参考人にお越しいただいたPETトレイ協議会さんは、その再生PETをトレイに利用する際の自主基準としまして、9ページにあるような基準を策定し、再生PETトレイを管理しています。内容については、主には2点。1点目は、油性、アルコール性食品には物理的再生法による再生原料は使用しないということ。2点目は、油性、アルコール性食品以外の食品への利用についても、3層品ということで、食品が直接接触する面にはバージン材料を張りつけて、バージン、再生材料、バージンといった形で3層シートを原則すること。その他、定期的な自主検査による品質管理や、10ページ目に簡単に表示しておりますマークをつけて、自主的に再生材料を使用したトレイを管理しています。
 以上がペットボトルの利用、いわゆる使用済みPET材料を再生材料として食品用に利用している取り組みに関する説明でございます。
 続きまして、我が国でもう一つ、再生プラスチック材料の使用が行われておりますポリスチレンのトレイについて簡単に御説明させて頂きます。資料、12ページからでございます。ポリスチレンのトレイにつきましては、今回御出席頂いております株式会社エフピコさんが独自にその会社で自主基準を策定し、食品用のトレイのリサイクルということで実施されています。その取り組みを御紹介させて頂きたいと思います。
 13ページを御覧下さい。ポリスチレンのトレイについては、使用済みプラスチックの回収ルートが、先ほどのペットボトルとは少し異なっておりまして、容器包装リサイクル法における自治体回収というよりは、スーパーマーケットなどで回収箱をお見かけすることも多いかと思いますが、こういったスーパー等の回収所からの回収品が占める割合が多いという実態がございます。このエフピコさんの場合は、そういった輸送形態を利用して、新品を販売するついでに使用済みトレイの回収を実施しています。また、スーパーに対しては、原料となるポリスチレントレイの管理を要請しており、よりきれいな材料を回収するために、その取組みについては、スーパー等と話し合い、指導等しているものでございます。
 続きまして、14ページ目、トレイのリサイクルの工程の図でございます。印刷の関係で多少見にくいですけれども、御了承下さい。まず、トレイが搬入されてきて、選別工程にいきます。ここでは、手作業での選別が重要となっています。色つきのトレイだったり、汚いトレイだったり、そもそも利用できないトレイだったり、そういうものをかなりの大人数で取り除くといった作業を行っています。
 その上で、砕いて水やアルカリ温水で洗浄して、それを乾燥させて溶かしてペレットにします。そのペレットを適宜、工場内で出たバージン品の破損品と合わせて、15ページ目の真ん中の下辺りに書いてありますが、更にここでも、先ほどのPETトレイと同じように、バージンフィルムのラミネート、食品接触面には新品の材料を張るといったラミネートを行って、最終的にはエコトレイという形で再生材料を使用したトレイができ上がるといったことになっています。
 続きまして16ページ、17ページ目を御覧下さい。主に日本では食品用にポリスチレンの使用済みトレイを回収して、物理的再生法で再生を実施しているのはエフピコさん1社と把握しているのですけれども、そうしたことから、回収量等のデータをここに載せています。
回収拠点約7,800拠点、自主的回収に加えて、容リ法のルートの回収も含めて、回収量としては1年に大体7,347トンということで、出荷量の30%を回収している状況です。
 17ページ目は、業界全体のエフピコさんのシェアで、業界全体の大体半分ぐらい回収をされていて、その中でもエコトレイの出荷量がどれぐらいかといったデータを載せているものでございます。
 続きまして18ページ目、エフピコさんも自主的に食品への再生材料の利用ということで、自主基準をつくって、その安全性の確保については取り組みを実施してきておりまして、その取り組み内容について簡単に御説明させて頂きます。
 まず原料のコントロールということで、ここは、先ほど少し申し上げましたが、スーパー等の店頭回収を中心に、なるべくきれいなものだけを回収するというようなことで、覚書等を締結して原料の管理をしているということです。
 2番目としましては、洗浄、選別などの、再生工程や、先ほどPETトレイのところにもありましたバージンフィルムのラミネート等、汚染物質が食品に移行しないような取り組みを実施しております。また、それに加えて、18ページの下の部分、GC/MSによる揮発性の物質分析、その他、農薬や環境ホルモンの分析調査を定期的に行うことによって、食品用のトレイの安全性確認を実施しているということでございます。
 19ページ目は、表示についてと、バージンのポリスチレンフィルムでサンドイッチしたトレイの使用についての説明が記載されています。
また、このエフピコさんの再生工程につきましては、アメリカのFDAの評価も受けており、問題ないとの結果が得られているものでございます。
 以上が我が国の現状でございます。資料3-1の2のところに書かれていることについて、資料3-2を用いて少し詳しく説明させて頂きました。
 続きまして、欧米の規制状況でございます。資料3-1の2ページ目を御覧下さい。
まず、(1)米国について、FDAは、1992年に「食品包装に再生プラスチックを使用する際に考慮すべき課題:化学的な考察」というガイダンスを公表して、再生プラスチック材料を食品包装に使用するための方法論と判断基準を示しています。このガイダンスを踏まえて、個別の事例に対して、ノー・オブジェクション・レターによる回答を実施しており、これが事実上の個別承認制度になっています。ただし、ガイダンスなので、強制力は働かず、必ずしも守らなくてもいいと、FDAもそういったスタンスは表明していますが、結局、個別の事例についてFDAが評価して、使用しても問題ない旨の手紙を出しているので、それが事実上の承認制度になっており、その承認をとっていないリサイクル工程は市場には出てこないというのが現状でございます。
 続きまして、EUでございます。EUでは、2008年に再生プラスチック材料の食品用途への使用に関する規則が発出されております。それまでは、各国ごとに独自の規制が実施されていましたが、この規則により、欧州食品安全機関(European Food Safety Authority(EFSA))による事前の安全性評価が義務づけられました。これがいわゆる個別承認制度です。個別承認制度なので、評価基準は特に詳しいものは明らかにされていません。
 この規則の中では、先ほど説明しました化学的再生工程やバージン品製造工程におけるオフカット品やスクラップは除外されております。
 2011年7月現在、60件ほどの申請がEFSAに提出されておりますが、そのうち評価結果が出されているのは2件のみで、まだこの評価が進んでいないのが実態ですが、それだからといって評価されてない工程が使えないわけではなく、まだ評価が実施されてない工程については、各国の規制に従いながら使用されているというのが実態でございます。
 こうした我が国の状況や欧米の状況を考慮しまして、食品衛生法でどのように管理していくかといったものを「対応案」に書かせて頂いております。食品衛生法においては、再生プラスチック材料の利用を想定した規格基準は設定されておりません。過去に個別案件として、化学的再生法を用いた再生PETの食品用器具及び容器包装への使用については、2件、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼し、問題ないとの評価結果を得ておりますが、それ以外の事例については、特に食品安全委員会の評価は実施されておらず、事業者各自の評価、判断により使用されているのが実態でございます。
 PETトレイ協議会等の業界団体は、自主基準を設定して再生材料の安全性確保に向けて積極的に製品管理を実施されていますが、自主基準であるため、強制力は持ちません。また、輸入品等会員企業以外には基準が浸透していない等の問題点もございます。
 そこで、平成13年から15年に実施された厚生労働科学研究、河村先生が実施されたものでございますが、における食品用器具及び容器包装への再生プラスチック材料の使用に関する研究結果及び先に述べた欧米での規制状況等を踏まえて、平成22年度、昨年度、厚生労働省委託事業としまして、食品用器具及び容器包装の規制の国際整合化に向けた見直しの検討業務ということで、野村総合研究所が実施した業務の中で、再生プラスチック材料の食品用途への使用に関するガイドライン(案)の策定ワーキンググループが設置されまして、その中で、ガイドライン(案)の策定についての検討がなされたところでございます。この検討結果について、資料3-3を用いて簡単に御説明させて頂きます。
 これは、再生プラスチックの使用について事業者が特に留意しなければいけない点を中心にガイドラインのたたき台を作成するべく、各その御知見をお持ちの方に委員として御協力頂きまして、ワーキングを開催したものでございます。
 委員の名簿が1ページ目に出ております。河村先生を座長とし、その他、業界の方やリサイクルに詳しい大学の先生方に御賛同頂いて、ワーキングを昨年度4回開催致しまして、このガイドラインのたたき台をまとめ上げたものでございます。この内容について、簡単に御説明させて頂きます。
 資料3-3の2ページからが本文になります。まず「はじめに」がございまして、続きまして3ページ目、先に説明しました通り、「再生工程の分類と定義」で、物理的再生法と化学的再生法の説明を入れています。
 続きまして4ページ目、ここからが留意点になります。まずは「原料の範囲規制」ということで、原料となる使用済みプラスチックは、食品用途の製品を分別収集したものに限定するものです。これは食品用途以外の製品がリサイクル材料として食品用に使われると、工業用の製品や、その他、口に入るということを想定していない種々の化学物質が製品に混ざってくるおそれがあるので、少なくとも食品用途の製品ということで限定をかける必要があるということでございます。
 その他、使用済みのプラスチックをクラス1からクラス3の汚染のレベルに応じて分類しています。クラス1は、工場において出てくる端材です。これはバージン品と同レベルのものでございます。クラス2については、いわゆる容器包装リサイクル法で分別回収された製品。クラス3は、その他の方法の回収、その他プラスチックということで、いろんなものが混ざって回収された製品ということで、そこから一定の材質を分別するのは非常に難しいし、かなりの汚染物質が混入する可能性が高い。そういったことから、主に食品用に利用するのだとしたら、クラス1かクラス2を使うことが望ましいといった内容になっております。
 続きまして6ページ目でございます。これは、再生プラスチック材料を使用して食品用の器具・容器包装を作るところで、一番留意しなければいけないのは、汚染物質が食品に混入しないことですが、汚染する可能性をゼロにすることはできないので、汚染した場合に、どうやってそれを洗浄するのか、どの程度洗浄するのか、きちんと洗浄できているのかという確認をするための項目でございます。
この中で大きく取り上げているのは、代理汚染試験、いわゆるチャレンジテストと言いまして、新品材料を汚染されたという推定のもとに、物理化学的に幅広い性質を代表する種々の化学物質で汚染させて、それを実際のリサイクル工程に入れて、どれだけ汚染物質が取り除かれるかという試験を行って、きちんと取り除けることを確認するというものでございます。
 ここでは、このチャレンジテストの実施が必要であると記載しています。それ以外にも、機能性バリアと言って、食品との接触面に汚染物質が抜けないようなバリア性を持った素材をラミネートさせるとか、またバージン材料の配合率を上げるとか、いろいろな方法が考えられますが、その場合、科学的根拠は明らかにして保証して下さいと書いてあります。
 ここで1点問題になるのが、チャレンジテストをしたときに、どのレベルまで汚染物質を取り除ければきちんと取り除かれたという保証になるのかといった安全性の判断基準でございます。資料3-3の7ページ目の後半部にそのことについても記載しております。
 再生材料については、どの物質が汚染物質になり得るかわからないといったところから、この安全性の判断基準にはFDAの間接食品添加物、いわゆる器具・容器包装等から溶出する化学物質の評価に用いられている毒性学的閾値の考え方を導入しています。毒性学的閾値とは、すべての化学物質について、その値以下では明らかな健康危害はないとするヒトの暴露閾値の設定について述べた概念でございます。
この概念から、1.5μg/人/日ということで、発がん物質のデータベースから得られた毒性試験等の結果を解析し、発がんの生涯リスクが100万分の1を超えないことを目安として定められた数値を、この値より低いレベルであれば、どの化学物質でも大体は大丈夫でしょうといった数値として設定し、ここに再生プラスチック材料の市場での使用割合の消費係数、1日当たりの食品摂取量3?ということで、これを計算で掛けまして、消費係数については大体5%程度ということで計算した結果として、最終的に食品中で10ppbという値が出ています。
これは、算出の仕方は異なるのですが、農薬のポジティブリストの方でも用いられている限度値の10ppbと同様な値でありますし、ドイツ等でも、限度値としては、10ppbが用いられていることから、日本でも、この再生プラスチックのチャレンジテストにおける限度値については、この10ppbが妥当であるということで、ワーキングでは結論が出ています。
 続きまして、9ページ目でございます。「製造品質管理の保証」ということで、いわゆるGMPでございます。先に述べましたチャレンジテストで汚染物質の除去が保証されていても、それが恒常的に実施されなければ意味がないということで、工程を日常管理して下さいといった項目でございます。
 最後に10ページ目の、6番は、食品衛生法への適合を記載したもので、以上ガイドラインのたたき台として、昨年度のワーキンググループで検討して頂いたところでございます。
 これまで説明させて頂いた内容を踏まえまして、今回、当部会として御議論頂きたいと思います。対応案については、再度資料3-1に戻っていただきまして、3ページ目、(対応案)と書かれているところを御覧下さい。繰り返しになりますが、再生材料を使用する上で最も重要な点は、その原材料である使用済み製品に混入した有害物質(汚染物質)が食品中へ移行しないことです。再生プラスチック材料中の汚染物質が食品を汚染しないことを保証する方法として、代理汚染物質試験が欧米でも導入されておりまして、我が国でも当該試験による確認を義務づけることが妥当であると考えられますが、機能性バリアの使用やバージン材料の配合等、そのほかの方法で汚染物質が食品に混入しないことが担保できる場合には、その根拠を明らかにすることにより代替することができます。
また、この再生材料の使用につきましては、原料の範囲規制や、用途制限の実施等、さまざまなアプローチを組み合わせて、個々の事業者が対応できる部分がありまして、一つの規格でもって、これはだめとか、この基準値を守って下さいといった対応ではなく、個別事例ごとにケース・バイ・ケースで総合的に判断する必要があるのではないかということでございます。
 これまで食品用器具及び容器包装については、食品衛生法第18条に基づき、告示370号の規格基準が定められているところでございますが、再生プラスチック材料の使用の可否については、総合的な判断を伴うため、規格基準による管理が困難であると判断しました。
 以上より、プラスチックに関しては再生材料を用いた器具又は容器包装ごとにその製造又は加工の方法についての評価及び承認を受けたもののみ製造・輸入できることにしたいというのが対応案でございます。
 なお、これは欧米でも同様の制度体系がとられています。今回提示させて頂いた案につきましては、いわゆる個別承認の形をとるということでございますので、厚生労働省だけではなく、食品安全委員会や消費者庁、関係省庁との調整が必要な案件でございますので、今回、この案について御審議頂き、この案で方向性としていいではないかという結果を頂きましたら、その対応について、前向きに関係省庁と調整することを始めたいと考えているところでございます。
 以上で、資料、長くなりましたが、説明を終わりにさせて頂きます。
○西島部会長 ありがとうございました。たくさんの御説明でしたけれども、もうちょっと続けて、ワーキンググループの座長をされました河村先生からコメントをお願い致します。
○河村参考人 今、事務局の太田さんの方から十分に御説明を頂いたので、もう少しだけ補足させて頂きたいと思います。
 平成13年から15年にかけまして、厚生労働科学研究で再生プラスチックの安全性について検討をさせて頂きました。当時は、ちょうど容リ法がだんだん軌道に乗ってくるというころで、回収率も今のように70、80というところではなくて、30%台ぐらいで、まだ再生プラスチックの食品用途への使用というのはそれほど多くなく、ほとんどペットボトルからの再生のみという時期でした。ペットボトルからトレイへの再生というのがメインでしたが、今後もっと拡大し用途も広がっていく可能性があるということで、検討させて頂きました。
 最初の年は、アメリカやヨーロッパの状況を検討しましたが、当時は、アメリカはガイドラインが新しいものに改正されるという話はあったのですがまだ入手できない状況で、ヨーロッパもガイドラインの検討を始めていましたが、まだオープンにはなっていないという状況でした。
 それで、それらの内容を調べることが最初の仕事で、知人を通じてドラフトを頂いたりして、内容を検討させて頂きました。
 平成14年度にはそれらをもとにして再生プラスチックに対する考え方のようなものを書かせて頂いたり、平成15年度には、その当時、市場に出回っている再生PET材、使用済みボトル、再生材を使ったシート、再生材を用いたと思われるトレイ、そういったものをいろいろ入手しまして、多くの金属類とか、揮発性物質、それからPETの不純物であるアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、オリゴマーといったものを片っ端から測定して、どの程度のレベルにあるのか調べました。ケミカルリサイクルに関しては本当に新品と変わらない数値でした。固相重合、スーパークリーンに関してもかなりきれいになっていました。物理的な再生品も新品から作られた製品と比べてそれほど見劣りしないところに来ていました。
 今は、その当時に比べますとリサイクル率も非常に高く、80%ぐらいになっておりますし、PETの場合はトレイだけではなくボトルに使う、もしくはポリスチレンも、非常に順調に進んできています。今後、他のプラスチック、もしくは新しい業者の参入もあると思いますので、何らかの指標が出てくれば再生材の使用に対していい状況になるのではないかと思っております。
 以上です。
○西島部会長 ありがとうございました。
 それでは、事務局並びに河村先生からの御説明を含めまして、御質問、御意見があったらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 先ほどの説明の中で、中国にかなり輸出するということで、それがちょっと問題だということをおっしゃいましたけれども、それはどういうことが問題なのですか。
○事務局 これは食品衛生法の観点ではないのですが、日本のペットボトルが海外に流出してしまうことで、日本国内における流通量が減ってしまい、国内循環という観点からうまく回らないという問題が生じていると聞いています。
○西島部会長 あと、日本では非常にリサイクルが進んでいて、欧米ではまだ5割ぐらいということですが、それは我が国ではリサイクル法があるということで、ほかの国ではないということを反映しているのですか。
○佐多参考人 日本だけなのですが、直接に容器包装リサイクル法という法律で、回収の品質とか、それから表示ですね。これはPETの三角矢印が必ずラベルに入っておりまして、それから本体にも入っていまして、これだけを集めるという限定的な法律があるのは日本だけなのでございます。従って、非常にいい資源として、しかも、全部透明で、これは添加剤が、着色剤も入っていないわけです。キャップはポリオレフィンで、比重で分離できるということで、非常に純粋のPETを得られると。そのために非常に価値が高いものですから、海外諸国が日本の回収品をどんどん高値で持っていくという状態になっておりまして、中国でもペットボトルは160万トンも回収しているわけですけれども、更にまだまだ繊維原料その他に使いたいので、日本のものは非常に手間がかからない、非常に品質がいい回収ボトルなので、どんどん輸入して持っていってしまう。日本はこれが今、法律下で入札制度になっているものですから、入札で高く買う人のところへどんどん落ちていまして、国内で使う分がかなり制約されている。せっかくシートで年間9万5,000トンぐらい使うようになったのですが、これがちょっともう足らないというような状況になっております。
 以上です。
○西島部会長 他に。
○阿南委員 ちょっと聞かせて頂きたいのですが、中国は回収率が結構高くなっていますが、、中国においては、この再生材料を食品に使っているのかどうか、その際の基準みたいなものはあるのか、もしわかればお聞きしたいと思います。
○佐多参考人 中国では主に繊維原料として使われていまして、以前から世界各国から回収ボトルを購入されているのですが、更に国内でもペットボトルが相当排出されるようになりましたけれども、現在のところは、高度の利用技術、例えばシート製造技術とかそういうものはそろっておりませんので、ほとんど繊維原料だと。したがって、まだ食品用の用途に関するいろんな規制というものは検討されていないと考えております。
○阿南委員 この対応案では、代理汚染物質試験というものを義務づけることが妥当であるとされていて、代替もできると述べられていますが、この代理汚染物質試験というものは事業者にとってみれば非常にハードルが高く、とても難しいことなのかどうかということについてお聞かせ頂きたいと思います。
○佐多参考人 代理汚染試験というのは、アメリカのFDAが開発されて、1990年からずっと世界各国からいろいろ試験をして、評価を受けるためにFDAへ申請しているという経過がございまして、既に147件のノー・オブジェクション・レターを得ている中には、これをやっているのが、大部分がやっております。それは、再生工程、あるいは再生技術がいろんなものがございますので、その工程ごとに実際にモデル的な代理汚染物質を投入して、それで全部材質中から、各工程の各段階ごとに分析して、この再生工程、どれぐらい低減できるかという方法なのです。従いまして、結構大変な試験でございます。
それはそうですけれども、食品用に安全にその再生フレークを売るためには、再生技術、あるいは再生工程を個別に安全性を確認しておかなければいけませんので、欧米のプラントメーカー中心に、最初はFDAに申請し、現在はEFSA、欧州の方が制度化したので、そちらへ申請しているという状況でございまして、その上で、その再生工程を、今度は再生事業者が使って、更にそれに品質管理をすると。欧州なんかでは、再生事業者の方は、例えばガスクロマトグラフを持っていて、絶えずその検査をして、そのデータをフランホーファーの研究所へ送って、統計学的に整理して、このロットはだめとかあるとかいうようなことをやっておられます。そういう組み合わせで使っていらっしゃいます。
○阿南委員 ということは、この代理汚染物質試験というものを義務づけることが日本でも可能であるということですね。
○佐多参考人 現に、FDA等から承認を得たプラントを購入されて利用されている事業者もおられます。それが例えば飲料メーカーさんの容器に使うということが既に発表されているようなところでございまして、これからは業界側としてもこれを受け入れていく方向になるのではないかとは判断している状態でございます。
○阿南委員 済みません。しつこくて申し訳ないのですけれども、ではその試験を義務づけるのを決めるということと、個別承認にするということについての関係を教えてください。これは厚労省の方ですかね。
○事務局 チャレンジテストを義務づけるということと個別承認はまた別の方法での管理になりますが、チャレンジテストの方法についても、事業者によって、何を汚染物質とするのか、それをどのような用途で利用するのか等その詳細については、全て事業者任せにするとなかなか難しい部分がありまして、そこをきちんと評価して、さらにこのチャレンジテストでこの用途だったら、更にはその原料はこれだったらという、原料から最終製品の用途に至る総合的な評価として、チャレンジテストの内容も含めて個別の承認審査をしていきたいということで、このような書き方をさせて頂いています。
○阿南委員 そういうチャレンジテストでいろいろなものをちゃんと基準として決めればいいわけですね、要するに。決めるということと個別承認にしますという関係がちょっとわかりにくかったもので。
○西島部会長 多分、それも含めていろいろケース・バイ・ケースということになるので、それでもう個別にしましょうということですか。
○佐多参考人 はい。さまざまな技術がございますので、それに実際に汚染物質を入れて、それで分析をして、その工程がどれぐらい除去できるかということで、一般的には判断できないので。ただ、判断基準は、例えばこのたたき台にあるように、食品中の溶出レベルで10ppbとか、こういうのが必要だと思いますけれども、一つひとつ実験をして判断しないといけないというのが今までの欧米の結果でございます。
○河村参考人 済みません。補足させて頂きます。
○西島部会長 どうぞ。
○河村参考人 チャレンジテストというのはまだ完全に確立したものではありません。ペットボトルについては、アメリカでもEUでもこういった形で大体出来上がっていますが、それでもまだケース・バイ・ケースの部分があります。PET以外のプラスチックに関しては、業者がチャレンジテストとしてトライするということはあっても、ほとんど試験法としてはできていない状況です。

さっき、阿南委員の御質問の中に、これはチャレンジテストのハードルは高いのではないかという話があり、佐多参考人はできるということをおっしゃっていました。実際にはどういう化合物を選ぶかにもよりますが、かなり安全性に懸念がある物質をチャレンジテストの物質として選んでしまうと、それを工場の中に入れることになってしまって、その再生工場を汚染するということも起こる可能性があります。
本当に濃い汚染物質をたくさん入れるというのは業者としてはあまりやりたくないと思います。ある程度薄まったものですとか安全性があまり問題ないものを使用するとか、ある部分に関してはそれにかわる代替の何か、実験室レベルの試験結果や計算式などを組み合わせるというようなこともFDAでは認めていると聞いています。そういったことは一つの文章で書くことができないので、FDAでは個別承認というか、相談しながら対応をしていると聞いております。
○阿南委員 わかりました。
○西島部会長 他によろしいですか。
○鰐渕委員 3層シートのことについてお伺いしたいのですけれども、この間に再生したものを入れて、バージンを両面ではさみ込むということですけれども、いわゆる流通してくるというか、溶け出してくる可能性というものは、特にそういう不純物が混じると、もともとのプラスチック自身に脆弱性があって、それがバージンの方に流出してくるというようなことはないのですか。その辺の試験というのは多分されているとは思うのですが、その辺についてコメントをお願いします。
○佐多参考人 3層シートの表面層の厚みというものは、FDAのガイドラインでは、通常の用途というか、常温用途で25μは少なくとも必要だよというのが出ておりますけれども、我々のところも、とりあえずは25μは必要と。ただ、普通の食品で汚染物質の移行が考慮されるようなものについては、そういう状態でも、例えば油性食品やアルコール性食品にはとりあえず使わないとしております。
 あと、特に皮つき、殻つき、乾燥食品、こういったものにとりあえず、バージン層が多少薄くても当面利用していくということで、今後そういう、例えば先ほどのチャレンジ試験とか、いろいろな食品に接触してもいいよという材料が確保できるようになりましたら、これはダイレクトコンタクトで使わせて頂いて、欧米では既に、特に欧州ではボトルtoボトルですか、飲料ボトルが全体の用途の中の2割ぐらいを超えておりまして、相当こういう物理的再生法でのPET樹脂がまた飲料に使われているという、これは業界側もそういう姿勢でやっているということですから、これからは日本でもそういう方向になるのではないかと思っておりますので、逆に確認試験というのはきちっとやらないといけないと判断しています。
○西島部会長 よろしいですか。
 それでは、広瀬先生、お願いします。
○広瀬委員 多分、いろいろ議論されてきているので、何かちょっと根源的なことに戻るかもしれないのですが、そもそも法律の食品衛生法の基準に合っていればいい話なので、なぜわざわざここで再生ペットボトルを安全性基準を担保してもらう個別申請をしなければいけないのでしょうか。新しい材料だからですか。
 それで、そうすると、この自主基準だけを個別申請でやるというのが何となくバランスが悪くて、実は容器包装自体は既に自主基準でいろんなところで動いているものの、それ自体を申請しないのに、なぜ再生したものだけを新規として食品安全委員会なり何なりに個別申請して担保しなければいけないのかというのがちょっとわからなかったのと、これから議論になると思うのですけれども、個別申請は何を対象としているのか、方法を対象として申請するのか、会社を対象として申請するのでしょうか。一個一個の方法についてやるのかどうかということで。
もう一つ、あと自主基準としては、新しい再生ペットボトル、それは多分、材料が新しいということだと思うのですけれども、その場合は、もし個別申請の方式が一般化するとすれば、新規のそういう材料が出てきたとき、例えば私、ちょっとナノマテリアルとかもやっているので、そういう新しいものが出てきたときも個別申請でやれば対応できたりするのかなと。
 ちょっと3つぐらい重なって、特に答えは今もらおうと思っているわけではなく、これから議論すると思っているのですけれども、一番のコメントは、既に自主基準等で、要するに食品衛生法に加えて、一般の容器包装自体も自主基準で動いているというこの自主基準と、この再生ペットボトルがそれぞれやっている自主基準との、両者の自主基準の違いはどのように扱おうと考えているのか、別に今答えを求めているわけではないのですけれども、考える必要があるのではないかと思います。
○河村参考人 半分、私の方から答えさせて頂いてよろしいですか。
 今、広瀬先生から御質問があった、なぜリサイクルだけこういう自主基準をつくらなければいけないのかということですが、これは新しい材料とみなすからではありません。新しい材料でつくっているものに関しては、何が入っているかわかっていてコントロールすることができます。しかし、リサイクルに関しては、一旦消費者に渡って、それから回収されてきます。その間は企業の管理がされていなくて、何が入るかわからない。その間をどうやって責任を持つかというところがこのガイドラインだと思います。
 何が入っているかわからないものであっても、きちんときれいにすることができるかどうかをそのチャレンジテストで確認しています。全く新しい材質の場合には、業界の方が何を加えて、どのように作るかはちゃんとコントロールされるわけで、企業責任で保証できるものだろうと思います。だから、リサイクルと新規の材質というのは全く違うものだと思います。
○事務局 評価の対象については、リサイクルの特徴から、再生工程のスペックごとになります。会社が同じでも、再生工程の詳細が異なれば、当然、別途評価が必要となります。
 あと、新規材料、ナノマテリアル等についての対応は、広瀬先生おっしゃる通り、これから検討していく事項になりますので、対応の仕方が、こういった個別承認制度がいいのか、規格基準で対応できるのか、それも含めて今後いろいろ調査検討していくことになると思われます。
○広瀬委員 河村先生の答えではありますが、なぜ審議しなければいけないのかという理由ではなくて、食品安全委員会での評価や、個別申請の承認を国がするまでもなく、もう自主基準できているのに、なぜ改めて再生ペットボトルだけをする必要があるのかというのを聞いているのですけれども。
○事務局 それは、自主基準だけでは管理できない部分というのは必ずございまして、輸入品だったり、自主基準だったら自主基準に入ってない事業者だったり、そういったものもございますので、それも含めた対応ということで考えています。
○広瀬委員 もしそれを認めるのであれば、今のプラスチック業界がつくっている一般の容器包装自体の自主基準はどう扱うのですか。
○事務局 それは別途検討している事項でございます。
○広瀬委員 検討しているのを知っていて言っているのですけれども、両者を差別化して、なぜ再生プラスチックを先にしなければいけないかという理由がわからなかったので、それは新しい、要するに、今、例えば規格ができている材料でない材料を使うからこれを始めるからなのかと思ったのですが。
○河村参考人 先ほどお話ししたように、業界が、自分たちがつくっているものに関しては何を入れているかはどこかの段階で必ず把握されているので、企業としては責任が持てる、こういうものでなければいけないという安全の管理はその工程の中でできているはずです。リサイクルの場合は、ブラックボックスの部分があるので、そこをどのようにコントロールするか、どのようにコントロールしていれば企業責任が果たせるのかというところを明確にするものがガイドラインだと私は思っています。
○西島部会長 よろしいですか。
○広瀬委員 はい。
○松岡委員 食品衛生指針、資料3-3ですけれども、この中の文言、2か所についてコメントさせて頂きたいのですが、3番の「原料の範囲規制」というところの本文の4行目ですね。「使用済みのプラスチックは、その品質により」ということで、「品質」という文言が使われているのですけれども、こういう材料を扱っているときに、品質と言われてしまうと、何か原材料のような感じがして、むしろ事務局が、今、説明されるときに使われた「汚染の程度により」とか、そういった方がわかりやすいかなと思いました。
 もう一点ですけれども、5番、「製造品質管理の保証」と書いてありますけれども、これは内容を見てもですし、あと、一般的に使われている、こういうSOPがあるような話のときに使われる文言としては、「製造工程管理」の方がよろしいのではないかと思いました。品質管理に関してはまた別のいろいろ似たようなものがありますので、ここは「製造工程管理」の方がいいかなと。コメントです。
 以上です。
○事務局 検討します。
○西島部会長 ほかに。
○堀江委員 この再生処理法は、物理的再生法と化学的再生法があるということ。化学的再生法はモノマーまで持っていくということですと、今回のこのガイドラインというのは物理的再生法のみを対象とするということでよろしいのでしょうか。
○事務局 一応両方含めた形で書いています。ただ、化学的再生法の方は、汚染物質が取り除かれますので、そういった点でいろいろなことで、化学的再生法については「この限りでない」という文言を入れています。
○西島部会長 他によろしいでしょうか。
○竹内委員 先ほど輸入品のことについてちょっとおっしゃられておりましたけれども、輸入品もこれに、要するにガイドラインに沿ったものしか輸入できなくなるような話になるのでしょうか。
○事務局 もしこれが規制をかけるということになれば、当然そのようなものを輸入してもらうということになります。
○西島部会長 よろしいでしょうか。
 他にありますか。
 それでは、他に御意見ないようですので、先ほど事務局から御説明ありましたように、対応策ですね。これにつきまして、これから関係省庁と調和をとりながら議論を進めていくということになりますが、そのようにして頂いてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西島部会長 ありがとうございました。また、参考人の先生方、どうもいろいろありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間が押していますけれども、議題の2番の(2)の再生紙の使用について御議論をお願いしたいと思います。これにつきましても、まず事務局の方から資料に基づいて御説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料4-1と4-2、4-3を用いて説明させて頂きたいと思います。
 今度は、「食品用器具及び容器包装における再生紙の使用について」の話でございます。資料4-1を御覧下さい。紙は、水によって極めて容易にほぐれて分散し、それを洗浄した上ですき直すことができることから、古くから再生により繰り返し使用されてきております。食品用途においても、段ボール原紙、白板紙等はもう既に古紙原料が配合された再生紙が使用されております。
ただし、この再生紙を食品用に使うということに関しましても、先ほどのプラスチックと同じような汚染の可能性ということはございまして、例えば古紙については、食品用途ではないようなものがそもそも原料でありますので、新聞紙や雑誌等に使われた印刷インクだったり、食品用ではない製品に入っているような化学物質、添加剤だったり、そういったものが混入する可能性があり、こういう汚染物質が再生紙を使用した器具及び容器包装に残存して食品中に移行する可能性についても留意する必要があると。こういったことから、再生紙の使用についても、今回検討を行うこととさせて頂いています。
 まず、我が国の現状につきまして、先ほどと同じように、資料4-2を用いて簡単に御説明させて頂きたいと思います。資料4-2を御覧下さい。1枚めくって頂いて2ページ目、「紙・板紙の種類」ということで、紙製品にはどんなものがあるのかといった種類の分類をさせて頂いております。新聞紙だったり包装用紙だったり段ボールだったりということで、御一覧頂ければと思います。
 続きまして、3ページ目、それでは紙製の食品用容器包装の規模はどれぐらいなのかという推定の図でございます。包装容器全体について、その半分ぐらいが紙・板紙製品の包装容器、その中でも食品用途は更にその半分ぐらいです。ただ、この食品用途と言っても、ほとんどが外箱とか食品に直接接触する用途ではなく、食品に直接接触する用途での使用は、その中の非常にわずかな割合です。これは推定がなかなか難しい部分がありまして、5+α~17と書いてあります。
 4ページ目を御覧下さい。それでは、直接接触の用途とはどのような用途があるのかを書いたのが次の図でございます。見て頂いて、直接的な飲食に関わる部分を御覧下さい。ティーバック、コーヒーフィルター、キッチンペーパー、こういった紙の使用が直接的な使用です。また、購入時に使用とある、いわゆるお弁当の容器やケーキの箱、宅配ピザの箱、これらも直接紙が食品に触れる用途として使用されております。
 続きまして5ページ目、「古紙の回収率と利用率」です。古紙は、古くから回収され、再生紙として利用されて、我が国でもこういった回収は推進されてきておりますので、非常に高い回収率で回収されており、利用もされているものでございます。利用率の方が低くなっておりますが、これは海外への輸出があるためと聞いております。
 続きまして6ページ目、少し見にくいですが、表を御覧下さい。「用途別に見た食品接触材料としての紙の利用形態」ということで、インタビュー調査等により、昨年度、野村総研の委託事業で実施した結果でございます。一番見て頂きたいのが右から2番目の列にあります「再生紙の利用の可能性」というところでございます。ここの「有」に○がついている用途、薄く黄色く色をつけていますが、こちらを御覧頂ければと思います。
 まず、上から弁当の容器、たこ焼きの箱、今川焼き、お饅頭等の包装紙、ケーキの箱、ピザの宅配ケース、卵パック、段ボール、アイスクリームの容器等がございます。先ほども申し上げましたが、段ボールや、あと板紙といったちょっと厚めの紙、これについては再生紙が利用されている可能性が非常に高く、こういった用途に再生紙が使われている可能性が高いということでございます。
 続きまして7ページ目、「食品用途における古紙及び紙製品の流れ」です。まず、右下の消費者のところを見て頂きますと、消費者から排出された古紙が回収業者に回収されます。紙は、プラスチックと異なり、容器包装リサイクル法でも指定対象にはなっているものの、そのルートよりも古くから古紙卸売業者を中心とした回収が進められておりまして、こちらのルートで流通しているということを聞いています。古紙の卸売業者では、古紙標準品質規格による古紙の品質管理がなされており、その古紙が紙の製造業者にいきまして、ここで再生紙が製造されます。それが成形・加工メーカーにいきまして、成形・加工・印刷され、食品メーカーにいって、食品用に使われるといった流れでございます。
 ここに2点ほど自主基準が働いておりまして、1点目は、卸売業者による古紙の品質管理、2点目は、紙の製造業者による製造自主基準といった自主管理です。
 続きまして、ページをめくって頂いて8ページ目を御覧下さい。この自主基準を簡単に御説明させて頂きます。1点目は古紙の標準品質規格ということで、古紙の原料をある程度品質の管理されたものを使いましょうということで、規格をつくっているものでございます。これは食品衛生法のように衛生の観点からつくられたものではないので、品質としてこういうものが混ざっていると、その古紙の利用に悪影響がでるといったことから禁忌品が定められているものでございます。内容を見ると、食品衛生面でも入ってはいけないようなものが入っておりまして、例えばA類の6番、医療関係機関等において感染性廃棄物と接触した紙や、あとB類の5番、感熱紙(ビスフェノールA等が混入する可能性がある)等、一部そうした衛生法上の観点からみて、危ないものも禁忌品として定められています。
 続きまして、9ページ目、製紙連合会、紙製造者による自主基準でございます。紙は、食品衛生法においても、規格基準がほとんどございません。今、規格として設定されているのは着色料等と蛍光物質についてぐらいで、紙の個別規格といったものが告示370号にあるわけではありません。ただ、業界で自主基準をつくられておりまして、食品用の紙ということでバージン品も含めて、管理されているものでございます。
 この自主基準の中で、付属文書の2として、古紙の利用に関して、古紙の原料の規格、取扱い及び製造工程、更には用途等、自主的に管理を行っているところでございます。
以上、簡単に現状の説明をさせて頂きました。
続きまして資料4-1に戻って頂いて、2ページ目を御覧下さい。「欧米の規制状況」についてでございます。紙については、プラスチックとは異なり、米国でもEUでも、国が関与したガイドラインだったり、強制規格は今のところないのが実態です。米国については、再生繊維からのパルプという項目の中に、いわゆる毒物や劇物、有害な、有毒な物質は入っていてはいけないというような大枠の規定が設けられているところでございます。
EUについては、EUレベルで規制は存在しておりませんが、一部の国、特にドイツ等では独自の規制が実施されているようです。また、ヨーロッパ評議会(Council of Europe)が推奨基準を採択しておりまして、こういったものでの運用が図られている。また、連合会、業界団体が自主的にガイドラインを作成しており、そのガイドラインの内容等を見ると、かなり細かく個々の物質について基準値等を定めてはいるものの、強制規格ではなくて、推奨基準という扱いで出されているというのが実態でございます。
以上を踏まえまして、(対応案)として書かせて頂いております。食品衛生法においては、再生紙を想定した規格基準は特に設定されていません。これはプラスチック同様です。先に述べたように、製紙連合会や、古紙の再生促進センターが独自に安全性確保に向けて製品管理を実施していますが、自主基準であるため、強制力を持ちません。また、紙については紙の製造業者の自主基準であるので、それを利用する成形・加工メーカーがその食品用という紙を使ってくれなければそれは意味がないという形になってしまうのも一つの問題点として挙げられます。
この件につきましては、平成16年から18年、先ほど同様、河村先生の方で実施されました厚生労働科学研究における食品用器具及び容器包装への再生紙の使用に関する研究結果等を踏まえまして、プラスチック同様、昨年度、委託事業で、再生紙の使用に関するガイドライン(案)のワーキングを設置し、その中でガイドライン(案)策定についての検討をしているところでございます。この内容についても簡単に御説明させて頂きます。
資料4-3を御覧下さい。ワーキングに関しましては、プラスチック同様、今度は紙の御専門、御知見をお持ちの方にお集まり頂き、ワーキングを4回開催しておりまして、その中で使用についての留意事項をまとめてもらっています。
1ページめくって頂きまして、まず「はじめに」がございまして、3ページ目、「原材料とする古紙」、これは原材料に関するものでございます。原材料については、独自の管理というよりは、我が国においては古紙卸売業者を通じた流通により、古紙の品質規格というものが定められておりまして、それに基づく管理がなされているという状況でございますので、この規格を参考に、食品用についても同様に留意しながらやってもらうのが適当ではないかということで、(参考)として、「古紙標準品質規格」を載せています。
続きまして4ページ目、「古紙パルプの再生工程」ということで、再生工程について記載しています。その古紙の管理、処理工程ということで、汚染をどれだけきれいに洗うかということですが、紙については特にチャレンジテストというものは導入せず、現状の管理を徹底させるといったことで、このような記載になっております。
続きまして5ページ目、「再生紙に残留するおそれがある古紙由来物質」。これは先ほどの河村先生が実施された厚労科研の結果で、厚労科研において、再生紙に残存するおそれがある化学物質の溶出や、材質試験を行ってどれだけの化学物質が残っているのかという実態調査の結果が載っているのですが、その調査結果については、いずれも今のところ安全性に問題のないレベルであると判断されています。
こういったことから、現状では特にこの化学物質、この限度値といった規制値を設ける段階ではないけれども、今後とも入ってくるおそれのある化学物質の種類や残留量に留意する必要があるといった形で記載をしています。
続きまして6ページ目、「最終製品の用途に対する留意点」でございます。紙は、その特性から、水分や油分が多い食品と接触して使用したり、高温で加熱したりすると、そもそも紙の構造が壊れていくので、紙の中の残存化学物質がかなり高い可能性で食品中に移行しやすくなる。そういったことで、こういった使用についての再生紙の利用は避けることが望ましいと記載されています。これは、プラスチックとは異なるのですが、紙については用途をきちんと留意してほしいということで、この項目ができているものでございます。
欧米でも、強制規格ではございませんが、ティーバックとかコーヒーフィルター、あと高温で使用するレンジだったりオーブンだったりの使用には再生紙の使用は認めないといった推奨基準ができています。
7ページ目、これはプラスチック同様、製品の品質管理とか工程管理の保証ということで、GMPのようなものを書かせていただいており、最後、「おわりに」ということで、ガイドラインのたたき台をまとめております。
資料4-1に戻って頂きまして、3ページ目の(対応案)でございます。紙については、古紙、再生紙を利用した食品用の紙というものが既に市場に出ておりまして、古くから使われているという実態がございます。特に段ボールや食品用の板紙については、再生紙が使用されています。また、食品用途の再生紙については、自主的に製紙連合会等の事業者による管理はされているものの、紙は、特に食品用途とそれ以外の用途で明確に区別して扱われていないので、食品用途に特別な管理を強制するということは非常に難しいというのが実態でございます。
先ほどの厚労科研の結果で、現状では、人の健康に影響を及ぼすおそれのある化学的な汚染物質が高レベルで出ているというような結果は出ておりません。これは、我が国では、古紙原料の品質管理が広くなされていることに加えて、製紙連合会等による自主管理が徹底されていることから、今のところ安全性に問題ないレベルで流通していると考えられます。また、欧米でも紙については国の強制規格はなく、業界の自主基準や推奨基準による管理がなされている状況です。
これらの点を踏まえて、食品用途に再生紙を用いることについては、関連事業者がどのような配慮をするべきかについて、今回たたき台として出ておりますようなガイドラインを精査したものを通知することによって、今行われている事業者による自主的な管理を更に徹底させることとしたいと考えます。
ただし、紙はその特性から、水分や油分が多い食品と接触して使用したり高温で加熱したりすると、紙の中の残存化学物質が食品中に移行しやすくなることから、用途の制限を以下のように設けることとしました。
「紙・板紙中の水分又は油分が著しく増加する用途(キッチンペーパー、ティーバッグ、揚げ物の敷き物等)や電子レンジ、オーブン等の長時間の加熱を伴う用途(ケーキの焼き型等)に使用する紙製器具又は容器包装には、再生紙を原材料として用いてはならない」。これは規格基準として告示370号の中に入れ込む形で対応を検討させて頂く予定でございます。
 以上です。御審議をよろしくお願い致します。
○西島部会長 ありがとうございました。これにつきましても、河村先生の方から追加のコメントがあったらお願い致します。
○河村参考人 太田さんの方から随分丁寧に説明して頂いたので十分かと思いますけれども、これについては、海外でもそういったガイドラインがないという段階で、日本だけプラスチックと同じような厳しい規格をつくるというのもなかなか難しいところがあって、実質的に安全性を確保するにはどうすればいいかというところで、最後の使用で、もし万一意図しないようなものが含まれていても、安全性を守る方法としては、そういったものが出やすい用途には使わないということで規制していくというのが一番リーズナブルな方法ではないかと結論した次第です。
 以上です。
○西島部会長 ありがとうございます。今、事務局と河村先生からの御説明ですけれども、これらにつきまして、御質問、御意見があったらお願い致します。
 そうすると、この場合には、先ほどの10ppbというような基準もないということなのですか。
○事務局 はい、そうです。
○西島部会長 他に。
○阿南委員 私は、この提案に賛成したいと思います。消費者自身も、何となく感覚として、紙なら安全という意識が強いのですよ。なので、再生紙かどうかわからなくても、結構平気で油で揚げたものなんかにも使ったりするのですね。また新聞紙を油取りに使ったりもしますので、やはり消費者にそういうことをちゃんとわかってもらうという意味でも非常に重要だと思いますし、恐らく、余り認識をしてない事業者さんたちもいらっしゃるのではないかと、その辺も心配ですので、こういうことがちゃんと情報として出されるということは重要だと思いますし、用途制限をすることについても賛成したいと思います。
○西島部会長 ありがとうございます。他に御意見。
○竹内委員 現在、紙は紙だけでなくて、いろんなコートされて使っている部分があると思うのですけれども、それについては、そのコートした接触面だけの例えば樹脂なり何なりで規制するということなのでしょうか。
○事務局 はい。現状では、プラスチック等でコートされているものについては、プラスチックが食品の接触面として規格基準に該当しなければいけないということで運用されています。
○竹内委員 ということは、その中身が再生紙であっても全然もう気にしないということですか。
○事務局 そうですね。今回のガイドライン案の検討では、対象を限定しておりまして、直接的に紙が接触するものに限定するということで検討しています。
○西島部会長 他によろしいでしょうか。
 用途制限を設けるということがポイントになるかと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、対応策につきまして、先ほど御説明頂いたような形で、事務局の方で進めさせて頂きたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○西島部会長 ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして本日の議題はすべて終了しましたが、事務局から、今後の手続について御説明をお願い致します。
○事務局 1つ目の議題の試験法の改正につきましては、一部、早川先生から御指摘頂いた点は後日御確認頂きますが、本案をもって部会報告書とさせて頂きます。今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費庁協議等の必要な手続を進める予定としております。
 また、2つ目の案件、再生材料についてですが、再生プラスチック材料の使用につきましては、対応案のとおり、関係省庁との調整を開始する予定です。事務局で更なる検討を実施しまして、次回部会では更に具体的な案について御審議頂く予定です。
 また、再生紙の使用につきましては、規格基準の改正につきまして食品安全委員会に諮問することになりますので、そういった諮問の調整後、こちらも更なる具体案について次回部会で御審議頂きたいと思います。
○西島部会長 ありがとうございました。
それでは、3番目の「その他」ですけれども、これについて何か御連絡ありましたらお願い致します。
○事務局 「その他」につきましては、特に議題はございません。
 なお、次回の部会でございますけれども、開催日時、議題等につきまして、後日調整の上お知らせさせて頂きたいと思いますので、よろしくお願い致します。時期としましては、11月中旬以降を予定しております。
冒頭、事務局の不手際により開始時間が遅れましたこと、おわび申し上げます。
 以上でございます。
○西島部会長 ありがとうございました。
 それでは、以上で本日の部会、すべて終了致します。長時間どうもありがとうございました。特に参考人の先生方、ありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課容器包装基準係(03-5253-1111 内線4283,4284)

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