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2011年7月11日 第12回社会保障審議会社会的養護専門委員会 議事録

雇用均等・児童家庭局家庭福祉課

○日時

平成23年7月11日(月)10:00〜12:00


○場所

中央合同庁舎第7号館 金融庁共用会議室−3(9階)


○出席者

委員

柏女委員長
相澤委員
今田委員
大塩委員
大島委員
奥山委員
木ノ内委員
榊原委員
松風委員
高田委員
伊達委員
豊岡委員
藤井委員
吉田委員

事務局

高井雇用均等・児童家庭局長
石井大臣官房審議官
高橋家庭福祉課長
竹林母子家庭等自立支援室長

○議題

・社会的養護の課題と将来像について

○配布資料

資料1社会的養護の課題と将来像とりまとめ(案)
資料2社会的養護の課題と将来像(概要)(案)
資料3社会的養護の課題と将来像(要点)(案)
資料4人員配置の引上げの目標水準について
資料5当面の省令改正の検討事項について
資料6社会的養護の現状について
資料7児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令の概要(平成23年6月公布施行)
資料8児童福祉施設最低基準の条例委任について
資料9ケア内容検討会の検討経緯について
資料10(1)育てノート
資料10(2)育てノート作成マニュアル

○議事

○高橋家庭福祉課長
 定刻になりましたので、ただ今から「第11回社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会」を開催させていただきます。家庭福祉課長の高橋でございます。
 本日は、西澤委員、山縣委員が都合によりご欠席でございます。松風委員は間もなくおいでになる予定でございます。14名の委員がご出席でございます。厚く御礼申し上げます。
 それでは、議事に入りたいと思います。柏女委員長、どうぞよろしくお願いいたします。

○柏女委員長
 皆さま、おはようございます。梅雨が明けて暑い中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。今日は、この社会的養護専門委員会の一つの区切りになるかと思っております。皆さま方のご協力をよろしくお願いいたします。
 それでは事務局から、本日お手元にお配りしております資料の確認を、よろしくお願いいたします。

○高橋家庭福祉課長
 表紙の議事次第に続きまして、これまでの検討経緯という一枚紙がありまして、資料1が本日のとりまとめ案の本文でございます。資料2は、そのパワーポイント版で「概要」の図解でございます。資料3は、それをさらに簡単にしました「要点」でございます。資料4につきましては、前回の課題検討委員会でも人員配置の引上げの目標値について、当初からの委員提案の数値と比較した表を出してはどうかというご意見がございましたので、その表でございます。資料5は「当面の省令改正の検討事項」で、今年の夏に行われる4項目についての資料です。資料6が「社会的養護の現状」についての資料。資料7は、4月の当専門委員会でもご議論いただいた上で6月に公布・施行いたしました児童福祉施設最低基準の改正の概要と条文です。資料8は、児童福祉施設最低基準の条例委任につきましての項目の資料でございます。資料9は、昨年度ケア内容検討会というものをやっておりましたが、その成果のご報告でございます。資料10(1)、資料10(2)は、相澤委員から提供されました「育てノート」でございます。資料は以上でございます。

○柏女委員長
 ありがとうございます。皆さま、お手元にございましたでしょうか。松風委員がおみえになりました。
 お手元に「社会的養護の課題と将来像についての検討経緯」という一枚紙がございます。そちらをご用意いただけますか。これまで、左側にございます「児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会」での1、2月の議論に基づきまして、当専門委員会で4月に第1回の議論を行いました。その後、課題検討委員会で5月、6月の2回にわたってとりまとめ案の議論が行われて、6月30日に課題検討委員会としてのとりまとめがなされています。ここでは、当日の議論や当専門委員会の今日の議論を踏まえた修正については、委員長の私に一任いただいております。そこで、今日はこのとりまとめ案につきまして本専門委員会で議論して、課題検討委員会と本専門委員会の合同のとりまとめという形で報告書を提出したいと考えております。ちょうど6月30日に決定された「社会保障と税の一体改革」の政府案の中でも社会的養護の充実ということが盛り込まれておりまして、私も感激した次第でありますけれども、そこにこの社会的養護の今回のとりまとめを生かしていこうという形で議論を進めてまいりました。
 今日の進め方は、まず、資料全体の説明を事務局から10分程度でお伺いしたいと思います。その上で、報告書の前半の「はじめに」から3番まで、それから省令改正の検討事項について30分ほどご議論いただき、その次に後半の4番から「むすび」まで30分ほどお時間をいただき、そして時間が残れば再度補足的にご意見をいただくという進め方にしたいと思います。それぞれこの報告につきましては、前回以降の進捗状況等については皆さま方のご意見などもメール等にて頂戴しておりますので、そのような形で進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、前半部分、後半部分、そして最後に全体についてのご意見を補足的に頂戴するという形で進めてまいりたいと思います。それでは、事務局より全体を通じての資料の説明をしていただこうと思います。よろしくお願いいたします。

○高橋家庭福祉課長
 それでは、簡単に説明させていただこうと思います。資料1が会議の報告書になっておりますが、これまで各委員とメール等で何度もやり取りして詰めてまいりました。まずは全体を概括していただくため、資料2の「概要」で全体を概括して説明し、また資料1につきまして6月30日以降の修正点を簡単にピックアップして説明いたします。
横長の資料2ですけれども、表紙をめくっていただきますと1「基本的考え方」としまして社会的養護の理念、「子どもの最善の利益のために」ですとか、「社会全体で子どもを育む」という点を押さえ、社会的養護の機能につきましては、「養育機能」、「心理的ケア等の機能」、「地域支援等の機能」という位置付けをしております。次の2ページにありますように、社会的養護と市町村等の役割ということで、社会的養護施設あるいは里親等の家庭的養護がありますけれども、市町村の子育て支援施策、要保護児童対策地域協議会、全体が一連のつながるシステムとして推進していく必要がある。このような位置付けをしております。
 一枚おめくりいただきまして、2の「各施設等種別ごとの課題と将来像」のところですが、「児童養護施設の課題と将来像」というところで、それは施設機能の地域分散化による家庭的養護の推進ということで、その方向性を明確に位置付けました。児童養護施設につきましては、ケア単位の小規模化を進めまして、将来は全施設を小規模グループケアにしていく。また、本体施設の小規模化で定員45人以下にしていく。グループホームの推進、ファミリーホームの推進、里親支援の推進を行い、施設は地域支援を行うセンター施設として高機能化していく。そのための施策を下の方に載せております。
次の4ページにありますように「地域分散化を進める児童養護施設の姿」ということですけれども、小規模グループケア六つと地域小規模施設一つ、ファミリーホームを二つ、またその関連で地域の里親を支えていく、このようなものが標準であるという整理をしております。
2枚おめくりいただきまして7ページ以降に、それぞれの組織別の課題を整理しております。「乳児院」につきましては、専門的養育機能の充実、養育単位の小規模化等の課題。次のページの「情緒障害児短期治療施設」につきましては、まずは設置推進、その上で一時的な利用、通所・外来等の問題、また、名称の見直し問題について触れております。
次に9ページの「児童自立支援施設」につきましては、従来の教護院から児童自立支援施設に変わったわけでありますが、発達障害、行為障害等の障害をもつ子どもが増えてきているということで、心理療法の職員の複数配置化など心理的ケアの充実という点が必要だということです。
次のページの「母子生活支援施設」につきましては、従来の「母子寮」という住む場所を提供する施設から、目的に「入所者の生活支援」を追加して、DVあるいは被虐待児等が半数以上を占める施設になったということで、課題としては、すべての施設が入所者支援の充実をできるように充実を図っていくという点。また、広域利用ですとか児童相談所との関係、公立施設の課題などを整理しています。
次のページは「里親委託の推進」ということで、里親委託率の引上げの課題につきまして、欧米諸国では里親が中心でありますが、日本では施設が9割で里親が1割ということで、なかなか進みにくいということがあったわけですが、例えば新潟県では、里親委託率が既に3割を超えている。また、最近5年間で福岡市が6.9%から20.9%へ大幅に延ばしたなど、実際に一生懸命やったところが伸びているということがあります。児童相談所への専任の担当職員の設置ですとか、里親支援機関の充実、体験発表会や市町村と結びついた活動、NPOや市民活動を通じた口コミなど、このようにさまざまな努力をすれば日本でも3割以上、さらに上の方に行くことは可能ではないかということで、こういう取組を増やしながらやっていくという点。また、新生児里親、親族里親、週末里親等の活用についてです。
次の12ページにありますように、里親支援機関につきましては、里親会ですとか児童養護施設、児童家庭支援センター、そのようなさまざまなチャンネルからの支援を強化していくということです。
13ページの「ファミリーホーム」につきましては、家庭的養護の一つの柱として大幅な整備推進をしていくという点、子ども子育てビジョンでは当面140か所を整備していくということですけれども、将来は1,000か所くらいの里親と並ぶ大きな柱として増やしていく必要があるという整理をしております。
14ページの「自立援助ホーム」につきましては、対応が難しい子ども等への対応をしていくという点で、今回4月に措置費の定員払化で運営の安定を図ったわけでございますが、さらに推進を図っていく必要がある。また、子どもの緊急避難先として運営されている「子どもシェルター」といったものも自立援助ホームの枠組を使いまして、支援推進を図っていく必要があるということです。
15ページの「児童家庭支援センター」につきましては、将来は地域と施設をつなぐ機関として児童養護施設や乳児院の標準装備化をしていくという点。また、市町村との役割分担につきましては、一般的な子育て相談に近い部分は市町村に委ねつつ、専門性の高い役割を請負っていくものという方向性を整理しています。また、今年4月の児童福祉法改正で里親支援機関としての里親支援の位置付けを強めましたけれども、里親支援機関としての役割を明確化し、その地域での役割分担を明確にしていく必要があるということとしています。
 次の16ページ以下は、「社会的養護の共通事項の課題と将来像」につきまして、施設運営指針の作成を施設種別ごとに六つのチームで7月以降に進めていくということ。それから、施設種別ごとの「施設運営の手引書」ということで、それぞれの施設での実践的な知識・技術を言語化して、このようなものを施設ごとに作っていく。また、児童養護施設でのケア標準といったものも作成する。また、「自己点検」の推進、「第三者評価」の義務付けということで、社会福祉共通で行われているものが任意でございますので、社会的養護につきましては、子どもが施設を選べない措置施設で、また施設長の親権代行というものも今回の民法等改正で強化されますので、質の向上の取組として3年に1回以上の第三者評価の受審と結果の公表を義務付ける。その間の年も自己点検などを行い、また3年といわずさらにたびたび繰り返していくことも入れ込めるようなことで評価の推進をしたい。そのための評価基準の見直しや評価機関の強化という点が必要になってくると整理しています。
次の17ページは「施設職員の専門性の向上」ということで、施設長の資格要件および研修の義務化を最低基準に書き込むというのがポイントです。それから、施設の組織力の向上や職員研修の充実などを挙げています。
次の18ページですけれども、「親子関係の再構築支援の充実」ということで、ペアレントトレーニングの技術開発が行われているわけでございますけれども、これを推進していくということ。
次の19ページは「自立支援の推進」ということで、自立生活能力を高めるような養育を行っていく。それから、特別育成費、大学等進学支度費、就職支度費等の充実、措置延長の活用、アフターケアの推進などを整備していくこと。
次の20ページは「子どもの権利擁護」についても、子どもの権利擁護の推進、意見をくみ上げる仕組み、被措置児童等虐待の防止、子どもの養育の記録などとなっています。
次の21ページは「施設類型の在り方と相互連携」です。これにつきましては、施設間のネットワーク化が重要だという観点です。
22ページに地域における総合的な社会資源の整備ということで、三つの段階により重層的で体系的な整備を推進していくということで、短期の治療的施設として情緒障害児短期治療施設を都道府県・指定都市の単位で、それから施設養護の拠点施設として児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、児童家庭支援センターを、家庭的養護として各市町村の区域単位ということでファミリーホームや里親、このような3段構えの整備としています。
 次の23ページにつきましては「社会的養護の地域化と市町村との連携」ということで、児童相談所と市町村が行政的に2段階で推進していくわけでございますけれども、その中で児童養護施設、児童家庭支援センターが地域支援の拠点として地域支援の推進を図っていくという点。今回は地域支援の体制として、施設では直接ローテーションに入らない専門職員、家庭支援専門相談員、個別対応職員、里親支援担当職員、自立支援担当職員、心理療法担当職員があるわけですけれども、こういう職員と児童家庭支援センターの3人の職員で合計8人の体制になるわけでありまして、こういったところを拠点に地域支援等を強化していく。このような図を示しています。
 次の24ページは「人員配置の課題」です。従来のものは昭和50年代に設定した人員配置で、それ以降、虐待の問題やDVの問題などで利用者の像がさまざまに変わったということで、それに対応した人員配置に改めるということです。児童養護施設では6:1を4:1に、さらに小規模ケア加算等と合わせて概ね3:1ないし2:1相当とする。乳児院につきましても0・1歳児の1.7:1を1.3:1に、これも小規模ケアの場合には加算等と合わせますと1:1相当となります。情緒障害児短期治療施設につきましてはお示ししたとおりで、児童自立支援施設につきましては心理療法担当職員などの増加、母子生活支援施設につきましては母子支援員、少年指導員それぞれにつき増員を図ります。
次のページにありますように加算職員の充実も図り、より積極的に行うことについての体制を充実・強化します。25ページの加算職員につきましては、里親支援職員、自立支援担当職員という新しいものも検討し、また心理療法担当職員の全施設配置化、それからその下に細かく書いてありますけれども、それぞれの課題で残された部分につきまして推進していく課題があるという整理をしております。
26、27ページにありますように人員配置の引上げの目標水準の考え方等を整理しています。28ページは社会的養護の高度化を計画的に推進していくということです。
 29ページからは「社会的養護の整備量の将来像」として、まず「社会的養護の児童の全体数」です。全体数のニーズ見込みは非常に難しいわけですが、これは当面、子ども・子育てビジョンで1〜2割増を見込んでおりますが、今後につきましては二つの整理をしています。一つは、子ども・子育てビジョンの目標値の後は、子ども自体の数が1割減るというような人口推計に応じて減るということになるかどうか。むしろ子どもは減るけれども措置児童数は減らないということになるかどうかという点。このような増える要素や抑制要素などを並べながら、なかなか難しいがというようなことでまとめています。
30ページは「施設数等」についての想定される将来像です。平成26年度につきましては子ども・子育てビジョンの目標値ということでありますが、30ページでは施設等の想定される将来像として整理をしております。主に児童養護施設や乳児院の施設数につきましてはほぼ現状でありまして、児童養護施設につきましては10か所ほどが情緒障害児短期治療施設への転換を見込まれるのではないかということです。ファミリーホームにつきましては家庭的養護の推進のために大幅に増やす必要があるのではないか。児童家庭支援センターにつきましては、将来、児童養護施設や乳児院を標準装備としていく。このような整理をしています。
次のページは「里親等委託率」についてです。子ども・子育てビジョンでは平成26年度に16%の目標を設定しています。現在は10.8%ですがこれをさらに3割以上に引上げていくとどのようなイメージになるかということを、一定の条件下での試算として整理したものです。児童養護施設は3万人ですが2万人ぐらいを里親やファミリーホームにシフトしていく必要があるのではないかということです。乳児院につきましては平成26年度から1割ほど減らして、3,000人としておりますが、これは里親委託を積極的に推進した上で、短期的利用や障害や病気の子どもへの対応という点がありますのでこれぐらいの将来像をイメージしております。また、ファミリーホームや里親につきましては大幅な推進ということで、里親委託率は3〜4割ぐらいのイメージになるという試算でございます。
次の32ページは「施設機能の地域分散化の姿」ということで、概ね3分の1を里親およびファミリーホーム、3分の1をグループホーム、3分の1を本体施設という姿に変えていくことになります。
 次の33ページは、これまで3段ロケットということでこのような形になっておりますが、上の二つが1段目でありまして4月から行った実施要綱等改正、里親委託ガイドライン策定、取組事例集の提供、当面の最低基準改正をしました。今年度はさらに夏には施設長資格要件などの省令改正、施設運営指針の作成、手引書の作成、第三者評価の評価基準等の検討などを行いまして、新たな予算措置が必要な改善事項につきましては平成24年度以降に予算措置をしていく。さらに、人員配置の目標水準引上げの本格的なものにつきましては、子ども・子育て新システムなどに合わせて財源を確保した上で人員配置の目標水準引上げを行う。そのようなことで中長期的な取組としてハード・ソフトの変革を進めていく。このような整理になっています。
 資料1に戻りまして、前回6月30日の課題検討委員会で出された意見、また、この1週間に各委員からメール等でお寄せいただいた意見により修正したものをこのようにまとめております。資料1の7ページをご覧ください。施設の役割について他の施設には書いてあったのですけれども、児童養護施設には書いていないということでしたので書きました。
 それから、11ページの上から2行目ですけれども、乳児院における経験豊富な看護職員の確保対策について、具体的なイメージがわかりにくいということでしたので民間施設給与等改善費の関係があることを書いておきました。
 11ページの下の方の?乳児院についてですが、乳児院に入所措置された後の里親委託の推進という記載があったのですけれども、乳児・幼児はできるだけ里親委託を優先して検討するという記述を三つ目のポツに加えております。
 13ページですけれども、情緒障害児短期治療施設につきましては「主に学童期以上の子どもを対象としているが」という現状に対しまして、乳幼児への対応が今後の課題であるとしました。また、心理的ケアのセンター的な役割を持つということも加えております。
 それから、18ページの上から三つ目のポツに「婦人相談所から母子生活支援施設への一時保護委託」とありますけれども、母子生活支援施設は法律上は母子を共に入所させるということでありまして、子どもが生まれていないと駄目なのですが、子どもが生まれる前の妊婦の段階でも、婦人相談所からの一時保護委託という形式を取ることによりまして母子生活支援施設の利用ができるようにすると記載しました。それによりまして、出産後は通常の手続きによる利用に切り替えまして、出産前からの一貫した支援を行えるようにする。これは「望まない妊娠」などでどうしようかと本当に悩む若い母親もいますので、その対応の一つの仕組みとして、母子生活支援施設と里親の新生児委託、そのようなもので受け皿を整備していきたいという一連のものであります。
 それから、20ページの?の四つ目のポツには、今の新生児里親の話に加えまして、養子縁組の活用も大事だというご指摘がありましたので加えております。
 24ページにつきましては?の里親支援機関としての児童家庭支援センターの役割ということで、三つ目のポツに本体施設の地域支援を担う職員との連携と記載しております。
 25ページの?の一番下のポツですけれども、指針やケア標準等を作るに当たりまして、その後の継続的な調査研究や評価によって随時改定し、高めていく必要があるという点を加えました。
 次の26ページには、第三者評価につきまして自立援助ホームとファミリーホームについての努力義務のこと。それから、?として「アセスメントや支援の方法論の研究と普及」という項目を新規に追加して、児童相談所や施設のアセスメントの強化ですとか、施設を小規模化しますと、必要となるケアの方法論についての確立ですとか、継続的な調査研究、長期的な評価というような項目を挙げています。
 次に31ページの?「被措置児童等虐待の防止」のところの四つ目のポツには、家庭的養護の推進に当たりましては、子どもの権利擁護の推進を図る必要があるとしました。
 33ページの上から三つ目のポツには、再アセスメントの問題。その三つ下のポツには、これまでの社会的養護の体制では不十分な課題として、性的虐待への対応の課題。諸外国での性的虐待センターなどの取組も参考にしつつ、今後このような検討もしていく必要があるという課題を提示しています。
 34ページにつきましては、?「施設の地域支援機能の体制整備」の三つ目のポツの記述を加えております。
 35ページは、?「児童相談所の機能強化と体制の充実」で、社会的養護を推進する中で、その中心となる児童相談所の体制の充実が必要であり、これまでも、平成10年から10年間で児童福祉司の数が1.8倍にも増えたわけでございますけれども、まだ今後とも体制の強化が必要であるということを加えています。
 それから、41ページです。最後の「むすび」でございます。子ども・子育て新システム等の関連する動きについて記載しております。先般7月6日に基本制度ワーキングチームの中間とりまとめが行われております子ども・子育て新システムの検討状況の中で、社会的養護につきましては、重要なものの一つとしての位置付けをしておりまして、市町村の子ども・子育て新システムの中での「乳児家庭全戸訪問事業」、「養育支援訪問事業」など、これらと都道府県の児童相談所を中心とした事業が密接に連携しながら、計画的に推進していく必要があるとされています。それから、?が「親権制度等改正」です。今回「民法等の一部を改正する法律」が成立しましたが、その中で、親権者の行為が「不当な妨げ」になるような場合の今後のガイドラインの作成を定めることとなっています。?が「児童福祉施設最低基準の条例委任」です。
 その下の「今後のとりくみ」で、3段階で推進していくわけでございますが、下から二つ目のポツの所を加えておりまして、この社会的養護の課題と将来像のとりまとめは、これまでの議論の積み重ねを踏まえて、短期的にとりまとめ、集中的な検討したわけでございますけれども、ここで取り上げられなかった論点につきましては引き続き検討し、さらなる向上を図る。また、社会的養護を必要とする子どもたちの変化を適切に捉え、ニーズに合った取組を進めていくという点を加えています。以上が、とりまとめの本文でございます。
 残りました資料を簡単に紹介させていただきます。資料4が「人員配置の引上げの目標水準について」、資料5が「当面の省令改正の検討事項について」です。その中で、「施設長の資格要件と研修義務化」についての省令改正を入れています。1枚おめくりいただいて3ページに施設長の資格等の最低基準の条文案のイメージを載せております。この中で1〜4項まで、医師、社会福祉士、それから施設の職員、3年以上勤務経験等とありまして、社会福祉士の資格までのところ、勤務経験も何もなしで資格さえ取ればよいのかというご意見もあったわけでございますが、それにつきましては、本文で第○条のところの柱書の2行目に「人格が高潔で識見が高く、施設を適切に運営する能力を有するもの」という文章を加えまして、そこのところの誤解がないような表記にいたしました。この「人格が高潔で識見が高い」ですとか施設の運営能力、マネージメント能力というのは、国立大学法人の役員の規定にみられるものです。
 次の5ページは「第三者評価の義務化」です。定期的に第三者の評価を受け、その結果を公表するようなことを定めています。それから、次のページは「親族里親」の要件を見直しまして、「おじおば」につきまして、扶養義務がない場合には里親手当を支給するようにする。それから、4番目の「自立援助ホーム及び母子生活支援施設の位置情報の提供方法の見直し」は、「こどもシェルター」の位置情報を提供しないなど、子どもの安全のために必要な場合には情報提供の仕方を見直すということです。
 それから、次の資料6は「社会的養護の現状について」、資料7は「児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令の概要」です。
 資料8は、最低基準の条例委任に伴い、今後は最低基準の見直しをしまして、条例を来年4月の施行に向けて自治体で定めるわけですが、1枚めくっていただいたところに縦長で「従うべき基準」一覧表というのがありますが、現行の最低基準の中で、人員配置基準ですとか、居室面積基準、人権に直結する運営基準等の従うべき基準となる規定内容が記載されています。
 それから資料9につきましては、昨年度「ケア内容検討会」を行いまして、その成果物として児童目標と支援方法の一覧表というものがあります。これは昨年度のケア内容検討会の成果物ですが、今年度また新たにそれぞれの施設指針をワーキングで作成します。また児童養護施設につきましては「ケア標準」としてどういうものが望ましいかということも含めて新しい検討の場をつくって検討を進めていきたいと思います。資料の説明は以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございました。たくさんの資料について概括的に報告をいただきましたので、わかりにくいところもあったかもしれませんけれども、議論については「社会的養護の課題と将来像」を中心に進めていきながら、随時、他の報告いただいたものについてもご意見があれば出していただきたくという形で進めていきたいと思います。ほぼ1時間半弱の時間を残すことができましたので、大きく三つぐらいに分けて、「はじめに」から「3」まで、資料1でいいますと、35ページまでを30分程度でご意見を頂戴しようと思います。そして、「4」「5」最後の「むすび」まで、いわば中長期的な視点のところになるかと思います。その部分についても、やはり30分程度。最後に、全体を通じてご意見を頂戴するという形で進めていければと思います。
 それでは、まず、1〜35ページまでについて、何かご意見等がございましたら、お願いしたいと思います。どなたからでも、結構です。
 この報告書の最初の方は、将来方向を目指した上で、どのような方向を目指すべきなのかということを書いております。従って、それは社会保障審議会の児童部会が10年近く前に一度出した提案をさらに細かく数字目標を掲げながら、方向性を具体的に示していったところに大きな価値があると思います。さはさりながら、近未来的に充実する部分として、いわば人員配置基準等の当面のかさ上げというものもお示ししているという形で、前の課題検討会でも話題になったのですけれども、この職員の配置基準をそのまま進めていっても、将来的に小規模ケアが進んでいくときには、さらなる配置基準がないとやっていけないのではないかというようなことも当然挙がっておりました。それらについては、未来永劫続くというわけではなくて、随時見直しをしながら、小規模化の進展あるいはここにある将来像の進展に伴って、配置基準等について随時検討を行っていくということを意味しているということを確認していただきました。そういう意味では、最初の当面やる部分と将来像が進展していった段階で改善していく部分、その二つの部分に分けられるかと思います。

○奥山委員
 非常に大きな問題をまとめていただいて、ありがとうございました。幾つかコメントと質問をさせてください。全体を読んでいたときに、やはり各施設の業界の方々の意見のとりまとめという部分がかなり大きいので、その点で一つ伺いたいのです。量のこと、つまり人数を増やすということがかなり書かれていて、質の件に関しては、施設長以外のことが出てきません。今の施設の中でどうしても辞める方が多いという問題があります。その原因として、例えば今の給与の水準でよいのかという問題に関してはあまり出ていないので、その辺はそのままでよろしいのでしょうか。現場の皆さまがよろしいのなら、よいのかという感じです。例えばスーパーバイザーとそうではない人の差をもう少し付けて、インセンティブを付けて働きがいのある職場にしていくとか、何かそういう方法があってもよいのではないかと思いました。
 もう一つは、ケア標準を作るといった問題が出てきているのですけれども、本当にエビデンスがあるのかというところがどうも私にはよくわからない部分があるのです。これからお作りになるということもあるのでしょうけれど、本当にどの部分をどう作って、それが将来的にどうなのか。施設を卒業した方たちが一体どうなっているかという研究すらなされていないので、今の施設のケアがどうだったかということや将来的にアウトカムがどうなのかというところが全く分かりません。これは大きな問題だろうと思います。ですから、やはり、ケア標準を作ったらこんなにアウトカムが良くなったというのが、なければいけないとしたら、現在がどうなのかという辺りから調査は始めていないといけない。今度新しい形になったときと、その前とを比べなければならないですから、そこの大規模な調査というのもスタートしていないとまずいのではないかと思うのが一つです。
 それから、もう一つ、性虐待のことを加えていただいたのですけれど、もう一つは非常に暴力的な問題も非常に多くなっていると聞いていますし、施設内の性の問題、暴力の問題が非常に多くなっているので、そういう問題に対して、つまり子どもの量の問題ではなくて、子どもの質をどう捉えて、どう施設を変えていくべきなのかという視点もやはり、もう少し組み込めたらよいのではないかと思います。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。今、幾つかご意見を頂戴しましたが、まず、総括的に高橋家庭福祉課長からお願いいたします。

○高橋家庭福祉課長
 幾つかいただきましたけれども、一つ目の職員の給与水準の問題です。今回、全体には「まずは、人数を増やさなければ」というのが緊急の課題ということで、そこをやっています。ただ、職員の技術水準を高めるために、やはり職員が長く働けるような職場にしていくことが大事だと思っています。今回は27ページで?の「施設の組織力の向上」で、先ほどおっしゃったようなチームとして働けるようにということで施設長・基幹的職員の下にチーム責任者というようなものを置いた上で、その俸給格上げをするとか、このようなことも行いながら、職員が働きやすいような職場をつくる必要があるという点を記載しています。そもそも全体の格上げの話は今後の課題だろうと思っております。
 それから、ケア標準につきましても、エビデンスの議論があります。まずは今ある知見、今ある知恵を言語化するというところでまず作った上で、今後それを高めていく必要があると思います。社会的養護から巣立った人たちが、その後どうなったかという点は大事な視点だと思っています。東京都において、今回調査を行ったものがあります。近々発表になろうかと思います。児童養護施設等の出身者がその後どのように大人になって生活しているか。こういう点の実態調査をまとめていますが、このようなもの、あるいは国の方でまた考えなければいけないと思っております。以上です。

○柏女委員長
 関連して施設関係の方、何かございますでしょうか。よろしいですか。
 待遇の問題については、子ども・子育て新システムの中間とりまとめの中で質の向上というところがあって、そこに、財源の確保がどの程度できるのかというのが十分ではないので、子ども・子育て新システムでも総合施設の配置基準の引上げが議論になっているわけですが、配置基準の引上げ、あるいは職員の待遇の向上については優先順位を付けながら、どれだけ財源が確保されるかということに応じて考えていくというようなことが中間とりまとめの中にも書かれています。それと連動する話ではないかと思っています。
 他には、いかがでしょうか。吉田委員、どうぞ。

○吉田委員
 それでは、幾つか意見というか感想に近いもので恐縮ですけれども、検討委員会で相当議論されていると思いますけれども、私なりに気が付いたことを幾つか申し上げたいと思います。一つはここでずっと話題になっております施設長の資格のことですけれども、今日の資料を拝見すると、この部分は児童福祉施設最低基準の中に規定を設けると。ただ、これは「従うべき基準」の中に入れているのかどうかというところで、どの程度自治体に縛りをかけるのか、今日いただいた資料の縦長の表の中では、施設長の資格について「従うべき基準」の中に入っていないように思いますので、ここを確認させていただきたいのが一つです。
 内容ですけれども、児童福祉法の改正で保護者が不当に妨げてはならないということで、この規定ができた経緯に関しては、行政の判断で人権を一方的に制限してよいのかというような大変重要な内容がここに含まれているということが背景にあるわけです。そうだとすれば、やはり、親の人権であれ、子どもの人権であれ、制限を伴う事柄だというのであれば、施設長の資格に関しても、それにふさわしいものが必要だろうと。言い換えれば、親がさまざまな要求をしてきたときに、それを説得し得る、また、親が納得し得るだけの資格でなければ、本来の法改正の趣旨には合致しないのではないか。「人格高潔」ということで、果たして親が納得してくれるのかどうかという点が気になるところであります。
 それから2点目ですけれども、これはやはり条例化と関連する地域主権の点で、児童自立支援施設についてであります。既に4月1日でしたか、局長通知で公設民営化の通知が出されております。また、それによって質の低下が生じないような配慮が必要だとされておりますが、既に通知が出されているということで解決済みとみるか、それとも、将来像ということを考えれば、ごく短期的なところで児童自立支援施設の質の向上を図るという意味では今回のとりまとめの中に再度触れておいてもよろしいのではないかと思います。
 3点目ですけれども、第三者評価が今回義務付けされたというのはとても大きな前進であると思いますし、措置施設という面からすれば、任意であってはいけないということで、この方向でよろしいと思いますが、これをさらに進めるとすれば、受審して受審結果を公表するだけではなくて、施設側がそれに対してどういう改善をしたのかというところです。改善の自主的な努力についても公表を義務付けて、それを次の評価につなげるということが必要なのではないかと思います。受審しっ放しで終わることのないようにというところで押さえておく必要があるのではないかと思います。
 それから、子どもの権利擁護のところですけれども、この部分に関して、さまざまな配慮がなされており、そして項目として「子どもの参加」という言葉が書かれているのですけれども、具体的な内容について、つまり、参加の中身について言及されていないので、そこもさらに参加を進めるのであれば、例えば子ども会を組織して定期的に子どもの意見を聞き、また運営にかかわれるような体制をつくるというところまで踏み込んで書いて子どもの参加を促す、子どもの権利・人権につながっていくという表記ではいかがでしょうかというところです。以上、私の意見であります。

○柏女委員長
 ありがとうございました。とても大切なご指摘・ご意見をいただいたと思います。高橋家庭福祉課長、何かございますでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 まず、一つ目でご指摘いただきました施設長資格について、新しい各最低基準が「従うべき基準」かどうか。これにつきましては、資料8の「最低基準の条例委任について」という資料の2枚目の下の第81条のところですが、第81条は現状ある条文で書きましたので。第81条には「児童自立支援施設の長の資格」とございます。その右側には児童福祉施設の長の資格要件、これは「従うべき基準」になります。その下の※印で「このほか、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設及び情緒障害児短期治療施設の施設長の資格の要件を新たに追加する」ということで、これらにつきましての、条の番号がそれぞれここに入るわけですけれども、これも同様に「従うべき基準」です。それから、施設長の資格の重要性はご指摘のとおりです。親が納得するようなということです。今回の施設長の資格要件の省令を書くに当たりましては、できるだけ高いものとしてきちんと書いておくという要請と、一方で、あまり形式要件だけではなく、やはり人物でございますので、そこのところがあまり狭まってもいけないのではないかと思いまして、そこのところの兼ね合いの中で、むしろ施設長研修ですね。そういう意味では、これまでのただの施設長資格と違いまして、最初に施設長研修を受講する。それから、2年に1回以上義務付ける。そういうところがポイントだろうと思っておりまして、そういう中で、そのときそのときの課題をしっかりとやる。人権の問題、子どもと親の権利の問題、いろいろなことを、そのときそのときの課題をしっかりやることで質の担保をする。そのようなことで今回は整理しております。
 それから、児童自立支援施設の公設民営の件ですが、今年の地方分権の大綱に沿いまして、この4月に政令改正を行いまして、公設民営を妨げていた児童自立支援施設で公務員として働いていた職員を削ったわけでございます。その施行に当たりましては質の低下を招かないようにと、自治体にも示したわけであります。今回の「課題と将来像」で触れられていないという点でございますが、14ページの三つ目のポツでございますけれども、児童自立支援施設は、少年法に基づく家庭裁判所の保護処分等により入所する場合もあり、これらの役割から、都道府県等に設置義務が課せられていて、大多数が公立施設となっているということで、公的に運営することの意義の記述にとどめています。そういう意味で、逆に公設民営を推奨しているわけではないので、妨げている規定を地方分権の趣旨から削ったということであります。やはり公的なところでやることが大事だという記述をしています。
 それから、第三者評価を評価を行った後、その後も改善をしなければいけないところまでは最低基準の文面に入れてありますが、改善後の行動が重要ではないかというご指摘をいただきました。これにつきましては、現在の最低基準、現行の条文、今年の6月に当面行った改正の中で、自主的に行う評価のところは今年の6月の対応のところで書いていましたが、第5条第3項で「児童福祉施設は、その運営の内容について自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない」と。これは義務付ける第三者評価は概ね3年に1回以上としていますが、その中間年につきましては自主的評価をして、その結果を報告するということで、当然第三者評価を受けた改善内容をその中間年に評価して公表してもらうということになろうかと思います。その辺の実施に当たりましての、運営要領のようなものです。
 あとは、子どもの参加につきましては、いろいろな面があると思います。あまり画一的なことを書くというのは。その中でいろいろなケースがあるのではないかと思いますので。

○柏女委員長
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。他には、いかがでしょう。木ノ内委員、お願いいたします。

○木ノ内委員
 親族里親についてお聞きしたいのですけれども、今回は扶養義務のない「おじおば」についても里親手当てを出そうということで前進があるのですけれども、20ページの「親族による里親の活用」ということで、「親族里親」を活用して、子どもの養育費用を支弁しようというようなことになるわけですけれども、親族里親によってはもちろん出なくて、養育費が出るわけですね。養育費が4万7,680円が出るのです。ところがそれととほぼ同額の児童扶養手当は出ないのです。そうすると親族里親はインセンティブというのかメリットというのか、そういうものが全くない、全体としては親族里親になってほしいという動きをしているわけですけれども、養育費を支弁しますけれども、その代わりに児童扶養手当、ほぼ同額のものがなくなってしまうということは、これはこの文言からいっても子どもの養育費用を支援するという目的にならないのではないかというようなところがありまして、お聞きしたいと思っています。

○柏女委員長
 高橋家庭福祉課長、いかがでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 この点につきましては、児童扶養手当は所得制限がありますけれども、里親につきましては所得制限がないということで4万7,000円に加えまして、教育関係の経費がいろいろ出るというのは、かなりプラスになるのではないかと思っています。今回の見直しでは、「祖父祖母」につきましては、民法上の扶養義務がある点で里親手当は難しいという整理をしてありますけれども、「おじおば」につきましては、里親手当も出せるようにするということで、これはかなりたくさんの「おじおば」に引き受けてもらうインセンティブが相当増えるのではないかと思います。親族による里親ですね。活用には結びつくのではないかと思います。

○柏女委員長
 よろしいでしょうか。他には、いかがでしょう。榊原委員、お願いします。

○榊原委員
 まず、この課題と将来像をまとめていただいたこの全体の流れについて、私は大変評価していまして、今、政府全体でまとめている子ども・子育て新システムがすべての子どもの育ちを社会全体で支えていこうという理念で進められている中で、極めて重要な部分、ここが欠けてはその理念が実現できないという大変重要な部分が、この社会的養護のシステムの中にあると思います。その部分について、これまでになかったような全体的な改革、それから理念を掲げて前進させようという意気込みが感じられるペーパーになっていると思いますし、ここまでまとめってくださった当委員会の委員の皆さまや事務局、政府の方々に感謝していますし、敬意を表したいと思っております。
 全体の流れについて、特に子どもの主体性や権利性の尊重ということもきちんと入れてくださったことも含めて私は評価しているので、意見出しが細かくはできなかったこともあって申し上げられなかったので、全体了解の上での細かい意見ということで言わせていただきたいと思います。その中心は自立の問題にほぼ絞られていまして、3ページ目の「基本的考え方」のページの真ん中に「社会的養護は、三つの機能を持つ」と整理していただいて、???とある。その?にきちんと自立支援や施設退所後のアフターケアを入れていただいたところは大変良かったと思いますが、よく読んでみると、地域支援の機能というのは、どちらかというと親子関係の再構築や地域における子どもの養育、保護者への支援ということで、子育てをする家庭への支援を地域でどうしていくかということだと思います。とても大事なところで、それが社会的養護に入ってくる、入ってこないの水際のところに当たるので、ここをきちんと掲げていただいたのは他の政策との連携という意味も含めて大事なところではありますが、それと社会的養護から巣立っていく子どもたちの自立をどう支えるかは、少し違う課題ではないかという気もしていまして、もし機能の中に置いておくにしても、親子関係の再構築と地域における子どもの養育、保護者への支援が一塊で、もう一つ自立支援やアフターケアが一塊と、自立のところをもう少しきちんとくくって、それも大事な機能であるといえるように、できればしていただきたい。ここまで整理していただいているので、無理であれば今後の課題でよいのですが、三つの機能を四つの機能といってもよいくらい、自立のところも今後強化していく。子どもたちが、一般家庭にいる子どもについても自立がこれだけ難しい時代ですので、強化していくべきテーマであることがわかるようにしていただきたいと思っています。
 その関係ですが、25ページの?の一番下のポツで自立支援計画、子どもたちの抱える課題は一人一人違うので、一人一人について自立支援計画を策定し、と具体的な自立への支援をケアしていくための取組をこのように見える形にして、かかわれる人たちがどう責任を持つかをわかるようにしていただいたのは大変良かったと思いますが、大切なのは施設にいる間に、どういうケアを受けるかというところが本当は社会的養護の政策のゴールではないはずで、家庭で支えられなかった子どもたちが社会的養護の支援を受けて、いかに社会の中できちんとした自分の足場を確立し自立していけるかが社会的養護の政策のゴールのはずなので、自立支援計画の中に本当は追跡調査のようなものが入ってきてよいはずです。こういう自立支援計画を受けて、施設なり里親なりを卒業した子どもが、その後どうなっていったのか。例えば施設を出た子どもでホームレスになっていたり、年越し派遣村に流れ着く子どもたちが少なくないことも取材して見ていると、そこにきちんとゴールを置くという意味でも、例えばこういった計画の中に、報告書の中に入れるかどうかは別にして、追跡調査の視点をきちんと入れていただく。それが、ひいては社会的養護の質の引上げにも、振り返りと見直しと質の向上につながっていくことになるという意味で、そういった視点を、今後の取組、運用の中に入れていただきたいと思います。
 もう1点細かいことですが、29ページ?で「特別育成費、大学等進学仕度費、就職仕度費の増額」を入れてただいたのは、時代の流れに沿っているので、大変大事なことだと思いますが、学習塾費が中学生からです。例えばドロップアウトした子どもたちの取材などをしていて、くっきりわかってくるのは小学校4・5年くらいから学習についていけない状況が起きていて、ひとり親家庭の子どもも含めてですが、「5÷2」が言えないということは、高校生くらいになったときにいよいよ高校から出て行くことになって、本当は小学校の高学年くらいからきちんとした学習支援を、今は学習指導要領の見直しもある中ですので、その辺も視野に入れて本当に自立していってもらうためにどういう支援が必要なのかということは、今後も見直しを重ねていっていただきたいと思います。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。大きく3点、ご質問とご要望・ご意見がありましたが、いかがでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 ありがとうございました。3ページのところは確かに書いてある順番が親の話、自立の子どもの話、またもう一回親の話に戻るので、?の中は書く順番を少し調整する必要がある気がしますので、そこのとりまとめにつきまして、また委員長とご相談したいと思います。
 24ページで追跡調査の話が出てきました。これは自立支援計画とは別だと思いますが、その後どうなったか。今回、東京でこういう調査をやっておりますが、他の所も含めてどのような状況があるか調査する必要があると思います。
 29ページの学習塾費の小学生の話がありました。今回の子ども手当法案で、施設の子どもには施設に出るようになったということがありまして、当面はつなぎ法案で、その後はどうなるかというところですが、今後そこのところの内容が固まった上で、子ども手当、小学生での活用、実際に今はそこのところで小学校で学習塾代わりに、施設に人を呼んでやって非常に効き目があったという話があります。そのような取組を推進していく必要があると思います。

○柏女委員長
 奥山委員、どうぞ。

○奥山委員
 今、榊原委員のおっしゃったことは、先ほど私も言った卒業した子どものアウトカムがどうかということですが、実はこれを競争的資金をもってきて調査をやろうとすると、3年単位でしか調査ができないのです。そうすると非常に短期間で、こういうことに向いている調査ではないと思います。競争的資金だけで、きちんとアウトカムを出そうとすると非常に難しいので、どこかがきちんと長期にフォローできる仕組みをつくらないと、いわゆる研究者に任せてそういう資金を取ってこいというのでは無理だと思います。どこか内部でやれるところにきちんとした構造をつくっていかないと難しいと思うので、そこは気をつけていただいた方が良いと思います。

○柏女委員長
 今の奥山委員と榊原委員のお話ですが、恐らく縦断的に調査をしていく話になって、どこかの機関でそういうことをやっていかないと難しいと思います。縦断調査は厚生労働省の統計情報部でミレニアムベビーについてずっと行われておりますので、そうしたものを統計情報部では難しいかもしれませんが、どこかでやることは考えていく必要があると思いました。
 もう1点、先ほど榊原委員がおっしゃった自立支援計画でのフォローアップも、恐らく今の自立支援計画の中では解除してしまった後のことは全く様式としては書かれていないと思いますが、その後例えば半年・1年後にどうなったのかというのを確認をする様式を改定すればよいのではないかと思います。そういう意味では、施設の運営指針を今年度中に策定するということですので、それに合わせて自立支援計画の書面についても改定を考えてはどうかと思いました。
 豊岡委員、お願いします。

○豊岡委員
 児童相談所の件で、35ページで機能強化や体制の充実に触れていただきまして、非常にありがたいと思います。児童相談所の体制で、職員が増えるという数の問題だけではなくて、一人一人が持っているケースの数です。被虐待の子どもが増えていく中で、児童福祉司もかなり忙殺されているという状況もあります。前回、意見を申し上げましたけれども、結局、児童相談所の児童福祉司が忙しい中では、落ち着いて子どもの自立へ向けての支援がなかなかできないこともあるだろうと思っています。基本的にこの文章を変えてほしいということではありませんが、触れていただく中でそういう問題もあるということを発言させていただきたいと思います。
 それから、児童自立支援施設の件ですが、これは数の問題はまた後ほど発言させていただこうと思いますが、全国の児童自立支援施設の協議会の中で公設民営化につきましては、非常に問題視してきましたし、要望も上げてきましたけれども、結果的にはそのように資格要件が撤廃されたわけですが、現場の職員は児童自立支援施設の機能や役割は非常に重要視しておりますし、その内容については、現場の職員として常に何かあれば厚生労働省に意見を上げていくことが必要だと思っています。そういう機会があれば、ぜひ力強く発言していきたいと思っています。とりあえず以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。松風委員、それから大塩委員、お願いします。

○松風委員
 この報告書につきましては、最低基準の条例化を代表とします地方・都道府県の役割が今後は非常に重くなっていくということ。それから、各都道府県が社会的養護の在り方について、どのように考えを定めていくのかということが非常に重要になっている時期ですので、今後の在り方について、明確な方向性や方針を盛り込んでいただいていることについては非常に重要であり、かつ、良いのではないかと考えております。
 もう一つ、省令で「従うべき基準」を定めていくわけですが、今後の「従うべき基準」の中に、ここに盛り込まれている数字が明確に位置付けられていくことが非常に重要で、そのような意味でも数値について明確に書いていただいていることは非常に重要だと考えております。
 一方、その職員像等は非常に重要なことですが、それに伴ってどのようにサービスが向上したのか、または向上するのかといったような質の面での今後の評価をどうしていくのかということが非常に重要ですし、実際に質が向上することが非常に重要です。その意味からも手引書や運営指針の作成について、ここに記入していただいていることは非常に重要な意味を持っていると考えています。ケア内容検討会の検討経緯で、今までの児童目標や支援方法について非常に細かく示していただいていることについて、これは多分今後この指針や手引書の基になるものだろうと理解しております。
 その中で、お願いしたいことがあります。一つは夜間の対応について、各施設が非常に困窮しているというところでの具体的な対応の仕方。または、子どもに対する対応の内容の必要性について、それからこの本文にも書いていただいていますが、さまざまな障害を持った子どもたちが入所していることや被虐待の子どもたちが多く入所していることから、その入所に至る背景によって、子どもたちへの対応が一律にはいかないところが大きな課題となっておりますので、それぞれの子どもたちのニーズに対応して、どのような手立てを講じていくのか。ただ枠組みだけではなくて、具体的な子どもに対する手立てがわかるようなものにしていく必要があるのではないかと思いました。
 もう一つは、先ほど委員長から、自立支援計画の見直しをセットにしたらどうかというお話がありましたが、私もそれには賛成です。特に先ほど退所後の子どもたちの調査というお話がありましたけれども、入所中に子どもたちがどう変わったかということをきちんと評価しておくことが重要で、そのことが今後の職員の在り方、または必要な職員像等に対するエビデンスにもなると思います。施設内での自立支援計画を見直すことは従来からそうなっていますが、それを全体の評価としてどうしていくのかといったことも併せて考えていく必要があるのではないかと思います。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。今後、施設の運営指針を検討していくに当たって、とても大切なご指摘をいただいたと思います。
 ご意見がたくさん出るようですので、「4」「5」「おわりに」も一緒に、そちらの話も出てきていますので、そちらも含めてご意見を頂戴できればと思います。大塩委員、今田委員、伊達委員の順でお願いしたいと思います。

○大塩委員
 失礼いたします。社会的養護の課題と将来像をタイガーマスク運動をきっかけに、このように大きくきちんと枠組みを設定していただいたことに、深く感謝申し上げたいと思います。
 母子生活支援施設におきましては、いつも社会的養護の枠の中に入りきれず、その中で子どもたちが育っているのに、あるいはもともとは母親自身も社会的養護を必要としている方たちもたくさんあり、その時にきちんと手当を受けられずに母子生活支援施設に入所してきておられる人たちも多い中で、きちんと母子福祉を保障していくという点で、母子生活支援施設について3ページにも渡ってとりまとめていただいたことに、本当に感謝申し上げます。
 細かいことで文章的なことが1点です。それは私の申し上げ方が悪かったと思いますが、15ページ?の3番目のポツ「母子生活支援施設は、貧困母子世帯への支援を」ではなくて「支援も」に変えていただきたいということです。お願いします。
 2点目ですが、先ほどから人員配置を増やしていくことが、質の向上とともにきちんと保障されなければならないことが議論されていて、私もまさにそのとおりだと思います。しかし、母子生活支援施設は今回の4月からの改正の中で加算職員も1人も増えませんでした。それから母子生活支援施設だけではないと思いますが、現場では赤ちゃんを抱っこしたり、子どもを抱っこしたり、子どもたちの話を聞いたり母親の話を聞かせてもらう人手が不足しているのが現状です。ですから、16ページに書いてあります「職員配置の充実と支援技術の普及向上」のところの三つの丸ですが、二つ目の被虐待児個別対応職員の配置、施設内保育の充実、それから3番目の特別生活指導費の加算については障害のある人数に対しての加配というように、早急に手当てをしていただきたいということをお願いしたいというのが2点目です。
 3点目は、母子生活支援施設のことではないのですが、里親のところです。21ページに「親族里親と親族による養育里親を積極的に活用し、要保護児童をできる限り親族が養育できるようにすることが望ましい」と記入してあります。まさに本来的にはそうだと思います。しかし、手元の資料を探せないのですが、ここをよく読んでみたら、他の養育里親には調査の段階で収入状況をきちんと調査するという項目がありますけれども、親族里親に至っては、それは除外されているという記載がありました。果たして、その中で子どもたちの養育を親族だからといってきちんと保障することができるかどうかということを心配しております。子どもたちが親族宅に行きたいと言えばそれはそれで良いと思いますが、子どもたちの意見や気持ちをきちんとくみ上げる仕組みをつくっていただきたいということをお願いしたいと思います。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。今の点については何かありますでしょうか。親族里親の関係。ただ、親族里親は児童相談所が入所の決定を行うので、実態的にどうかは別にして、児童相談所が子どもの意見をしっかりと聞いて、その要望をもとに措置決定をしていくことになっているので、そんなに無理やりに最初からそちらにいくということはないとは思いますが、入念的にそうしたことはとても大事なことだと思いました。ありがとうございます。
 それでは今田委員、お願いします。

○今田委員
 ありがとうございます。乳児院のところですが、10ページに課題と将来像をまとめていただきまして、いろいろな問題を正確にかつ内容のある形で出していただいたことに本当に感謝申し上げたいと思います。ここにもありますように10ページの下の方で現実に乳幼児の入所児を見てみますと、3人に1人は病児ないしは障害を持っている子どもたちで占められているということがあります。しかし、各乳児院の実情を見てみますと、それに対する人員というのはもちろん十分ではありませんし、ここに書き込んでいただきましたが、OT、PT、さらにSTまでの機能ということになってきますと、かなり現実の問題と将来の問題にディスクレパンシーがあるのではないかという気がしますので、この問題を早急に詰めていただければと思います。
 それから、どうしても続きとして病児の問題に言及せざるを得ないのですが、現実には病院等が短期といいますか、入院日数の問題等があって長期の入院が困難であるということが現実としてあります。何とかはざまという形で、とにかく乳児院へということで入っているケースがたくさんあります。従って、その後の問題が先ほど申し上げた乳児院の現実の機能とかなり乖離があることをどうしても申し上げないといけないと思っております。
 それから、もう一つはここに何も触れていませんが、子ども手当一つを見ても事務量がかなり煩雑、なおかつ、高度になって、かなり時間を取られることになっていますので、事務員が現在乳児院では1名ですが、やや大きい乳児院になってくると1名ではとても処理できない現実がありますので、この点もどこかに書き込んでいただくことができれば、非常にありがたいと思っております。以上でございます。ありがとうございました。

○柏女委員長
 ありがとうございました。後半の部分については、いかがでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 事務的なところにつきましては、事務が簡素化できるようにということを思っています。
 それから、「大きな施設では」というところについては、そもそも大きな施設はできるだけ小さいサイズにしていこうという流れの中のことだろうと思っています。

○柏女委員長
 いずれにしても、今田委員がおっしゃった現実と将来像の差をどう埋めていくのかという話はとても大事なことで、現実を進めながら人員配置基準等とセットで検討していくことが絶対的に必要になってくるし、その中で乳児院はどういう役割を担うのかということも、例えば数年後になるのか5年後になるのかわかりませんけれども、そこで議論を徹底的に詰めなければいけないというのは、そのとおりだと思います。ありがとうございました。
 伊達委員、お願いします。

○伊達委員
 前任の藤野興一さんの後任になります全国児童養護施設協議会の伊達と申します。よろしくお願いいたします。私から気が付いたことを3点お話します。まず、1点目ですが、社会的養護の課題ということについてどう認識すればよいのかということをもう少し盛り込めたらよかったと考えています。結局、社会的養護の課題というのは、家庭で養育ができないところをどのように社会がきちんと役割を果たすかということになると思います。そういう意味では、社会的養護の現実問題というのは、先ほど榊原委員からお話がありましたが、子どもたちがうまく自立できていない、社会にうまく送り出せていないことが課題だと思います。これは児童養護施設において二通りの非常に深刻な問題として感じています。まず一つは、子どもたちを育てていて、大きくなって継続的にうまい具合にフォローアップできなくなっていくという現実を抱えている。これは私どもの力量の問題もありますが、考えなければならない問題だと思います。
 もう一つは、社会的養護のニーズは年齢に限りがなく何歳からでも出てきます。そうしますと、児童養護施設も18歳未満であれば当然受け入れなければならないわけですが、年齢が高くなって受入れを要請されたケースに対して、非常にうまく対応できなくなっている。ということは、両方含めて、高齢児ケアをどうやっていくかという体制がうまくつくれていないことが一番大きな問題であろうと思います。
 これに対して、ともすれば「在り方検討」という中身の問題と考える理念のところでは、小さいときからきめ細かな養育をすれば、それで大きくなっても問題が発生しないという期待を抱きがちになるわけですが、実はそれでも難しいことで、我々は社会的養護に立つ人間ですから、どうやって現実の大きい子どもたちの自立支援にきちんと取り組んでいくことができるかということに焦点を合わせた今回の在り方検討のとりまとめであってほしいと考えています。
 そういう意味で、この子どもたちの高くなった年齢に対して誰が対応していくかということで、本来であれば私は中心的な人物としては児童相談所の担当児童福祉司ではないかと考えますが、もちろん現在、児童相談所が置かれている過酷な状況がわかっていないわけではありません。ただ、現実的に従来以上に児童相談所の児童福祉司が子どもたちの退所する場面に付き合えなくなっているのは事実です。入所のところであっぷあっぷになってしまって、退所まで経過を追って、きちんと付き合っていくという作業はできません。そうだとすると、この機能を施設が埋め合わせているかというと、これもうまくいっていない。この部分をどこがやるかということも含めて、きちんと15歳以上、できることなら20歳代の前半まで誰が継続してこの子どもたちを見ていくのかという課題が大きく残っているだろうと思います。
 3点目は、里親についてです。里親支援をゆくゆくは児童養護施設が担っていくような方向性になっていますが、里親に委託される子どもたちが増えていくだろうと思います。それはそれで大変結構なことだと思いますが、里親を具体的に支援していく組織のイメージが、まだよく見えません。本当に子どもたちと出会って、里親が子どもたちが高齢児になったときに支えきれるような、いろいろな意味でバックアップしてくれる支援機関のイメージを、もう少しきちんと出す必要があるのではないかと考えます。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございました。将来に向けての、とても大事な課題だと思います。この後、運営指針の策定をしていきますし、里親についても運営指針の策定が行われますので、セットで里親支援機関のイメージを膨らませていくようなことを進めていく必要があると思います。また、これからは退所場面、あるいは退所した後をどう支援していくかということも運営指針の中でしっかりと議論していく必要があると思います。それこそ今日は渡井さんが傍聴されていますが、渡井さんたちがやっていらっしゃるようなピアサポートが将来的には退所の場面に立ち会っていくことも場合によってはあると思います。ありがとうございました。

○豊岡委員
 今、伊達委員からお話がありましたが、年齢が高くなった子どもが、児童自立支援施設の場合は比較的施設不調で入ってくる子どもが非常に多いので、その辺は課題だと思っています。職員配置の問題ですが、具体的に3:1と書いていただきましたし、心理についても10:1と書いていただいていますので、それはそれで評価したいと思います。ただ、情緒障害児短期治療施設からの不調という子どももいますので、同じ並びでどうなのかということもあって、一言言わせていただきます。しばらくこの流れで結果を見ていくことになると思いますが、児童自立支援施設の困難性ということにも配慮していただいて、心理職員が付くからそれでよいということではなくて、ケアワーカーについてもある程度配置については配慮してほしいという要望です。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございました。では奥山委員、お願いします。

○奥山委員
 一つは、伊達委員がおっしゃっていたことと同じことを前にメールしていますが、確かに各施設が全部里親支援になるという書き方ですが、里親側から見たらどういう支援体制になるのかというビジョンが私もほしいと思います。
 もう一つは、最後のところで、これからのことになるのかもしれませんが、先ほどから出ているケアワーカーや心理士の増員はよいのですが、どうしても発達障害が増えている。それから暴力的な問題、自殺企図の問題など、医療との連携をどのように考えていくのかという視点も必要です。親権のところは少し整理されたのですが、ではそれで本当に医療保護入院まで大丈夫なのかというと議論のあるところで、どうも難しそうだという話も聞いています。そうなってくると、本当に子どもを救えるのか。自殺企図が激しい子どもが入院できないで、施設の方が毎日じっと見ていなければならないことも決してなくはないので、その辺の医療との連携をどう考えていくのかということも、少しだけ頭出ししておいていただいた方がよいと思います。二つ問題があると思いますが、一つは施設の中に医療者をどう入れていくか。外の医療との連携をどうするのかという問題が一つ。
 それに関連する法律の問題で、精神保健福祉法との関連をどう整理していくのか。この二つについて、将来、検討していかなければいけないと思っています。

○柏女委員長
 ありがとうございます。大切なご指摘ではないかと思います。親権制度のガイドラインの検討も進められているようですが、そこでは医療保護入院との関係は出ているのでしょうか。

○事務局
 精神の方とは今、お話を進めている状況です。

○柏女委員長
 わかりました。では、そのようなこともぜひ法制的にも詰めていただくということと、もう一つは、実際的には社会的養護が医療関係者とどう組んでいくかですね。ありがとうございます。
 では、相澤委員と吉田委員、吉田委員の方が手が挙がったのが先でしたか。

○吉田委員
 「今後のとりくみ」のところですが、今後は地域主権、地域分権が進んでいって条例委任になります。そのフォローをきちんとしていく必要があるだろうと思います。この委員会が立ち上がって私の最大の関心は、こうした社会的養護の分野の自治体間格差が生じないようにということでした。この最低基準のうち「従うべき基準」に関しては、必ずしも完全に従うということではなくて、若干地域の実情に応じてという部分もありますので、「従うべき基準」に入ったからといって、大丈夫かなというところがありますので、この部分のフォローを今後も引き続きしていく必要があるだろうと思っています。
 そのためには、国のレベルで情報を集めていただいて、各自治体における取組の参考の資料として提示していただくと、各分野もそうですし、民間団体としても取組が大変しやすいので、ぜひそうしたフォローをお願いしたい。「参酌基準」「標準」に関しても当然ということで、そういうお願いをしておきたいと思います。

○柏女委員長
 これは大事なことだと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。相澤委員、お願いします。

○相澤委員
 1点は、先ほど里親支援ということで、里親支援機関がありましたけれども、この報告書の中で教育機関には前半で少し触れていますが、これからファミリーホームなどが増えてくると、教育機関との連携や労働機関との連携が重要な要素になってくると思いますので、関係機関の中に教育機関、労働機関を入れていただけるとよいのではないかと思いました。
 先ほどからアセスメントと自立支援計画の問題が出ていますが、私もこの問題は非常に重要だと思います。児童相談所から施設に援助指針が送られてきますが、国立武蔵野学院に送られてくる援助指針においても、例えば基本的生活習慣の確立や基礎学力の向上といった抽象的なものが多く、個別的な個々の課題に応じた指針が送られてくるかというと、そうではない現実がありますので、いかに児童相談所と施設が連携してアセスメントをし、支援計画を立てていくかということが非常に重要だと思います。
 同時に、先ほどフォローアップをきちんとするということで、子どもの評価も大事ですが、いかに養育環境をその間に調整した上で、社会に復帰させたケースとそうではないケースによっても全然違います。そういう意味では養育環境に対するアセスメントや評価、地域サポートシステムに対するアセスメントや評価も極めて重要になってきますので、総合的なフォローアップなどを見るような仕組みを、どうつくっていくかということが重要になってくるのではないかと思います。
 もう1点、そういう意味では、きちんとした記録をとることも重要です。今日、お手元に配布させていただきました「育てノート」第1版につきましては、各関係団体の先生や委員や学識経験者で構成されている社会的養護における「育ち」「育て」を考える研究会で、平成22年度につながりのある健やかな「育ち」「育て」を目指して、ケア・支援の質の向上を図るために作成しました。今までの養育記録や生活記録ではない特徴としては、子どものライフヒストリーについて、子どもの成長の過程での重要なエピソードやイベント、あるいは子どもにとって大切な人・物・場所・思い出、それから客観的な内容のみならず、かかわった人々の思いや願い、あるいはその子どもの気持ちや主張など主観的な内容を盛り込んだ記録です。
 本報告書の中にも社会的養護の下で長期間暮らし、成長する子どもについては、社会的養護による主たる養育者が突然代わった場合でも、つながりある健やかな育てを行えるよう記録やその引継ぎの在り方について検討する必要があるという指摘がありますが、本ノートは精緻化していけば一つのツールとして活用していただけるものになるのではないかと我々としては考えておりまして、国立武蔵野学院のホームページに掲載されており使用可能ですので、ぜひとも活用していただいて、ご意見、ご理解いただければ幸いです。
 また、今年度は本研究会においては、子どもに提供する育ちアルバムの作成についても検討する予定で、昨年同様モデル実施や発表会を開催して完成したら公表する予定ですので、ご指導・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございます。これはどこの施設でも自由にダウンロードして使ってもよいのですか。

○相澤委員
 結構です。ぜひ子どもの健やかな成長のために使っていただきたいということです。最初にノートの作成の趣旨や使い方について読んでいただいて、それに同意していただければ使えるようになっています。よろしくお願いします。

○柏女委員長
 わかりました。ありがとうございます。他には、いかがでしょう。全体を通じてあと10分ほど、ご意見を頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。
 では藤井委員と木ノ内委員、お願いします。

○藤井委員
 専門委員会ですので、検討委員会ではずっといろいろな意見を言ってきたので、今回は全体の感想を言う感じになると思いますが、予想以上に具体的な中身までイメージが湧くようなとりまとめができたのではないかと思っています。今後の指針としても、押さえるべきポイントが相当入れ込んであると思っております。
 ただ、児童家庭支援センターから感想を言わせていただきますと、乳児院、児童養護施設の標準装備という言い方で将来的な構想になっていまして、なかなかイメージしにくい。つまり活用の範囲、幅、応用がまだまだいろいろ利くのか、あるいは求められる中身がいろいろあるのではないかということを、今後の可能性としては感じます。
 一方で、心配するのは第二種社会福祉事業としての位置付けがありますが、施設に標準装備されていくことで、施設の本体に吸収合併されてしまうことが懸念されます。施設のケアと地域を含む相談・支援の中身が、子どもに直接かかわっていく発想と、直接家族や家庭に介入していく発想やスタンスのとり方が全然違うものですから、その辺が入所型施設が今まであまりノウハウとして蓄えてこなかった部分があるかもしれないと思っています。そういう意味では、児童家庭支援センターの専門性を今後も高めて生かしていけるような方向性を確認しておきたいと思っています。
 それから、今後の委員会の在り方や具体的な計画がまだ見えていないものですから、それも何とも言いにくいところがありますが、ずっと言い続けている中身に、アセスメントの支援計画はよいのですが、そもそもその子どもに本当に必要なことは何かというニーズの問題です。この部分が人によって解釈が変わる。児童相談所のワーカーと施設担当職員の意見が必ずしも一致しないということが起こっています。機関を含むニーズを把握するための尺度、あるいはできるだけ的確にニーズを明らかにしていく手法を開発していかないと、支援の計画を立てても、いくらアセスメントをしても、当事者あるいは本人の感覚とは全然違うところで物事が走っていくような危険性を感じます。当事者の声を聞くという発想も今回は入っていますので、そういう意味ではチャンスがいろいろと出てくるかもしれませんが、実際に本当にその子どもが良かったといえる中身なのか。あるいはその子どもに本当に必要とされるニーズを、ケアする側あるいは支援する側が捉えていたのか。こういう問題がずっと起こると思います。その一番広い入り口部分を今後できるだけ、こういう制限された短時間でいろいろな人たちがきちんと捉えられるような中身をつくり上げていけると良いと思います。以上です。

○柏女委員長
 ありがとうございました。以前藤井委員は社会的養護のニーズ発表をするための指標、試案をこの委員会に提出されています。今後の委員会の在り方等については、最後に高井局長からのご挨拶の中であると思いますが、次に送っていくべき大事な課題ではないかと思っています。ありがとうございます。
 木ノ内委員の次に奥山委員、大島委員お願いします。

○木ノ内委員
 感想のようなものですけれども、奥山委員から里親側から見た支援の内容をしっかり押さえる必要があるのではないかというご意見をいただいて、とても心強く思いました。今、里親支援機関があっていろいろなところが手を挙げようとしていますが、どちらかというと児童相談所支援、研修の委託であるとか子ども委託の調整といったことが非常に多いので、現実には里親家庭の支援とはなっていないので、ぜひこの声をいただいて積極的に里親側の支援ニーズを私どもも取り組んでいきたいと思っています。

○柏女委員長
 本当の意味での里親支援活動があればよいですね。今は児童相談所の肩代わりが多いですからね。奥山委員、次に大島委員ですね。

○奥山委員
 一つ言い忘れていたと気付いたのですが、児童福祉法の中で要保護児童対策地域協議会の対象に特定妊婦が入りました。妊娠期からの虐待予防は非常に大きなテーマで、妊娠中の母親をいかに保護していくか。現在妊娠した親御さんを施設として抱えてくださるところは非常に少ないです。その辺も今後は少し検討いただいた方が良い分野だと思いました。

○柏女委員長
 ありがとうございます。大切な課題だと思います。大島委員、そして大塩委員ですね。

○大島委員
 自立援助ホームの課題と将来像の中に「子どもシェルター」が出ておりまして、自立援助ホームの制度を利用し取組を支援していこうということでありまして、誤解のないように確認しておきますけれども、将来同じような活動をしようとか施設に近づけていこうということではなくて、シェルターはあくまでもシェルターです。目的も設置の理念も違うわけですから。協力・連携はしていきますが、自立援助ホームの一部という見方でシェルターを見ているわけではないことを確認させていただきたいと思います。

○柏女委員長
 大塩委員、お願いします。

○大塩委員
 先ほどの奥山委員からの妊婦のお話ですが、今回18ページの上から3番目の黒ポツに、婦人相談所からの母子生活支援施設の一時保護の中に、妊娠中の妊産婦も一時保護を利用することができると書き込んでいただきました。奥山委員がおっしゃるように、妊婦に対するケアは虐待防止の観点から非常に大切なことで、それが妊娠中から出産、そして出産後の子育てまで一貫した支援が行えるような制度が必要なので、ここに急きょ母子生活支援施設を入れていただきましたので、母子生活支援施設だけが担う部分ではないと思いますが、妊産婦のケアを担う施設として母子生活支援施設もきちんと活用していただきたいと思っています。それが1点です。
 最後に、課題検討委員会でも何度も申し上げていますが、「課題と将来像」の最後のとりまとめの下から2行目のところに、「今後の社会的養護を必要とする子どもたちの変化を適切に捉え、ニーズに合った取組を進めていく」ということで、この課題と将来像を今後も検討していくことを書き込んでいただきました。これは非常に大事なことなので感謝申し上げます。最初はタイガーマスク現象をきっかけに課題検討委員会が立ち上がって、社会的養護の課題についての検討が非常に進んだということはありがたいことですが、それは裏を返せばタイガーマスクが出なければ、これについては議論がなかったかもしれないと考えますと、社会的養護を受けている子どもたちの今後を考えていく上では、タイガーマスクが現れようが現れまいが、きちんと今後も検討していって、子どもたちの最善の利益を守ることができるよう、日本全体で政策を進めていかなければならないと考えますので、よろしくお願いいたします。

○柏女委員長
 ありがとうございます。高橋課長、お願いします。

○高橋家庭福祉課長
 幾つかご指摘いただいた中で2点だけですが、一つは里親支援の今回の枠組みの中でまだ見えにくいところがあります。今後、里親支援機関がどのようにカバーしていくかという中身です。その中身の活動論の議論が相当あると思います。最初に委員長からもありましたように、今後このとりまとめの後に、それぞれの種別ごとの指針ワーキングで、指針とともに、具体的な中身をどのようにしていくか、もう少し具体論をやる必要があると思っています。里親・ファミリーホームのワーキングでも里親支援機関をどのようにしていくか。そういうことを議論していく必要があると思っています。児童養護施設のところでも、施設の運営論が伊達委員からありましたが、それもまさに運営の指針ワーキングの中で議論する課題が多いと思っています。藤井委員からありました児童家庭支援センターの「標準装備」という言葉の意味合いの法律上の構成をどうするかというのはいろいろ課題があるので、今回はこういう表現にしていますが、そういう意味でご指摘があって、標準装備ということで施設の中に取り込まれてしまわないことをはっきりする意味で、今回は文章を若干修正して第二種社会福祉事業と位置付けられたことや、施設と地域をつなげる機関という表現を加えたという経緯を、私は議事録に残るように発言させていただきます。そこのところを今後またいろいろな議論の中でやっていきたいと思っています。

○柏女委員長
 では、榊原委員、お願いします。そろそろ最後にして、よろしいでしょうか。

○榊原委員
 31ページの「子どもの権利条約」のところで、きちんと章立てていただいたことを大変評価したいと思います。この二つ目のポツですが、せっかく子どもの権利条約に言及していただいて、この中身は各国が批准しているクリアな中身なのに「と言われている」と間接的な表現で腰が引けていて違和感があるので、「こういうことが大事にされている」と。できれば、そこに続けて、これは行間に入れていただきたいのですが、日本では子どもの権利条約を批准しながら、法制度の中に落ちていないところは今後こういった社会的養護の中でも入れ込んでいく必要があるということを今後の課題として位置付けていただきたいと思っています。
 31ページ、32ページで「子どもの養育の記録」というくだりがあったり、「施設類型間の相互連携等の強化」の中で「連続的な支援のプロセスを確保していく支援の在り方が重要である」という言及があったり、先ほど藤井委員からも支援計画の立て方について、各専門家がかかわったときに、どのように一番良いものが立てることができるかというご指摘があったのですが、そういった今後の課題を見ていくと、結局、介護保険のケアプランのように地域の専門家が集まって個別のケースについてカンファレンスを行ったり、ケアマネジメントを行ったりという体制が求められていくことになるのではないか。そこに振り返りが入っていったり、事後のフォローの追跡が入っていったりというかかわりで、1人の子どもについていろいろな視点で最善を探していく。それが子どもが家庭に戻ったり、施設から里親に移ったりと移行していっても、きちんと見ていくことができる体制になっていくのではないかという感じがするので、今後の課題として、そういったケアカンファレンス的な取組み方も拾っていっていただきたいと思います。
 最後に質問ですが、今回この将来像をまとめていただけたことを大変評価しています。期待しています。ただ、これは子ども・子育て新システムの中の一部です。子ども・子育て新システム自体が一体これからどうなっていくのかというのは政権の在り方とも絡んで、非常に不透明な部分が多いと理解しています。これは今後ステップアップというスケジュールを出していただいていますが、実現に向けて一体どのようなスケジュールをお持ちなのかということと、子ども・子育て新システムで2013年度に確か子どもの政策全体に、新たな財政措置として7,000億円くらい。2015年の段階で1兆円超という財政規模が示されているのですが、社会的養護はその中の一部だと思うので、どれくらいの財政規模を、こちらの方に7,000億円と1兆円の中で見ていらっしゃるのかという大枠も教えていただけたら教えていただいた上で、今後の実現の見通しも教えていただきたいと思います。

○柏女委員長
 そのことについて、高橋課長。

○高橋家庭福祉課長
 最後のご質問のところです。この課題と将来像の検討ですが、子ども・子育て新システム全体の中で社会的養護が重要だということもあり、そこのところの具体策という意味合いがあると同時に、社会的養護そのものは長年の懸案として、今後の課題がたくさんあるということで検討をしてまいりました。そういう意味で、子ども・子育て新システムと合わせながら推進していきますけれども、子ども・子育て新システムが動き出さなくても当然推進していくわけでありまして、概要編のステップのところを整理しましたが、新たな予算措置がなくてもできることは今年度どんどんやって、予算措置が必要なものは来年度の予算要求から要求していく。また、大きな財源が必要なものは、「税と社会保障の一体改革」で財源確保しながら実現していきたい。そのようなスケジュールで進めていきたいと思っています。
 また、財源の話は、1兆円の中身につきましては、その中に社会的養護が入るということは中間とりまとめなどでも整理しています。中間とりまとめなので、具体的な金額まで、個々のどの項目がいくらかというところまでは至りませんが、その中に入っていることは位置付けられています。今後は人員配置の引上げや全体に所要の財源が必要となると思いますが、そこについてはしっかりやっていきたいと思っています。

○柏女委員長
よろしいでしょうか。具体的な数字が聞きたいですか。

○榊原委員
 例えば7,000億円の中のどれくらいのポーションを見込んでいるのか。1兆円の中のどれくらいの比重なのかというのを、もし教えていただけるのならお願いします。

○高橋家庭福祉課長
 1兆円の中でのポーションという言い方ではなくなるかもしれませんけれども、今の社会的養護の措置費が国費で830億円です。これは2分の1ですから、倍額が社会的養護にかかる措置費です。その他に虐待・DVの補助金などそのようなものもあります。今後は量的拡大で全体の1、2割対象者が増えれば、量的にも1割増えますし、人員配置の引上げなどにつきましては、ここに書いてある6:1を4:1にというものを一通りやると幾らくらいかかるのかといわれると、大体国費ベースで200億円以上というオーダーになると思います。その他に、いろいろ細かい改善策もたくさん盛り込みましたので、そのようなことで努力したいと思っております。

○柏女委員長
 よろしいでしょうか。200億円ベースということは国費ベースですので、都道府県の負担も入れると400億円ということになると思います。それ以上という形ではないかと思います。それは今後ということで、子ども・子育て新システムとも絡んでくると思います。来年度の予算要求では、その中の恐らく幾らかが確保できることを願いたいと思っております。
 まだ、ご意見はあるかと思いますが、概ね意見も出尽くしましたので、とりまとめ案については一通り議論が終わってご了解いただけたのではないかと思います。今日ご意見をいただいた部分について、字句修正を考えなければならない。次のステップへの検討も多かったわけですが、一部字句修正をしていかなければならない部分もあったと思います。それらにつきましては、取扱いをできれば委員長にご一任いただきまして、本委員会のとりまとめとしてよろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○柏女委員長
 ありがとうございます。それではこれをもって、とりまとめとする形にさせていただきたいと思います。また、省令改正事項につきましては今日の議論も踏まえて、厚生労働省において省令改正の手続きを進めていただきたいと思います。
 最後に私から質問ですが、この専門委員会とこれからつくられる各運営指針をつくるワーキングとの関係についてはどのようになるか、ご説明いただいてよろしいでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 今後、各施設種別ごとのワーキングをつくりたいと思っています。その中にはこの委員会のメンバーにもご相談・ご協力いただくことがあろうかと思います。最終的に年内、12月末にまず指針をまとめる。その他、手引書などもできるだけ早くというスケジュール感です。各ワーキングで議論したものは社会的養護専門委員会で秋口、何月になるかわかりませんが、その辺りで最終的にご議論いただくことになります。
この社会的養護専門委員会は平成19年設置で、委員の任期が2年ということで、一度更新して今年の9月初めでいったんは切れます。その中で秋口から活動再開ということで、そこに持ち込むまでの間、夏の間はワーキングで細かい詰めを進めていきたいと思っています。

○柏女委員長
 わかりました。そうしますと、形的には社会的養護専門委員会の下に設置されるワーキンググループとなりますでしょうか。

○高橋家庭福祉課長
 はい。そういう位置付けです。

○柏女委員長
 わかりました。ありがとうございました。それでは、この間ずっと意見をお聞きいただきました高井局長から、最後に一言ご挨拶を賜りたいと思います。

○高井雇用均等・児童家庭局長
 ありがとうございました。本日とりまとめいただきました課題と将来像につきましては、今年1月からスタートして、既にすぐできるものはやらないといけないということで4月に実施要綱、6月に省令改正をやってきております。この報告書の最後にも書かせていただきましたが、子ども・子育て新システムの問題、民法改正あるいは最低基準を変えなければいけないという周りのいろいろな状況がある中でご検討いただいたわけですが、今出ておりますように、まだまだ課題があります。メインが出ております実施要綱、指針を作ったり省令改正する作業がありますが、任期が切れました後も、また専門委員会をつくって継続していくと思います。ひとまず9月に大部分の先生方の任期が切れるということで、引き続きいろいろとお世話になると思いますので、よろしくお願いします。本日はありがとうございます。

○柏女委員長
 ありがとうございました。今、お話がございましたように、平成19年9月にこの委員会を設置して、4年にわたって検討を続けてまいりました。その間には大塩委員の先ほどのご発言のように、実態調査をしながら、今後の方向を詰めていた時期があって、この委員会があまり開かれない時期もありました。そして、それがタイガーマスクの運動によって、再活性化したということがあります。それについては委員長としても大きな責任を感じております。ただ、ずっとその間、さまざまな調査を続けながら、タイガーマスクの現象があろうがなかろうが、次のステップへ向かう時期にあったことは、この委員会としても事実だろうと思いますし、そこにタイガーマスク運動が、私たちに推進力を与えてくださったと考えていきたいと思っています。
 この委員会は、先ほどの高井局長の話にありましたように、委員は代わっても継続はしていくという話ですので、社会的養護の問題を、ぜひこれからも考えていただきたい。国としても大切にしていただきたいと思いますし、ぜひこの動きをさらに推進していっていただければと思っております。皆さま方のご協力・ご支援によりまして、当面の配置基準等を上げる、質の向上を図る。それから、将来的に目指す像をさらに具体化できたことを皆さま方に心より感謝申し上げまして、今日の専門委員会を閉じたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

雇用均等・児童家庭局家庭福祉課

措置費係: 03(5253)1111内線7888

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