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2011年2月28日 平成22年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(第9回)新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会(第3回)及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会(第1回)(合同開催)議事録

健康局結核感染症課/医薬食品局安全対策課

○日時

平成23年2月28日(月)16:00~18:00


○場所

中央合同庁舎第5号館共用第15、16会議室(厚生労働省12階)


○議事

○事務局 それでは、マイクが入りましたので、定刻を過ぎまして申し訳ございませんでしたが、平成22年度薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(第9回)及び新型インフルエンザ予防接種後副反応対応検討会(第3回)を合同開催させていただきます。また、本日は議題が前後半ございますけれども、後半には安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種御副反応検討会(第1回)の合同開催とさせていただきます。
 本日は前後半いずれも公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまででお願いします。
 傍聴者の方々も、傍聴に際しての留意事項、例えば静粛を旨とし喧騒にわたる行為をしないことなど厳守をお願いいたします。
 本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は新型インフルエンザワクチン及び子宮頸がん等ワクチンの安全対策について検討するために、薬事・食品衛生審議会の安全対策調査会と健康局長の諮問機関でございます新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催をさせていただきます。特に子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会は本日が第1回目となりますので、まず五十音順でそれぞれの委員の先生方の御紹介をさせていただきます。
 本日の資料の3枚目に委員の名簿がございますので、お手元に参照しながらお願いいたします。
 まず本日御出席いただいております安全対策調査会の常任の委員の先生方でございます、東京大学医学部小児科講座教授の五十嵐先生でございます。
 欠席でございますけれども、国立医薬品食品衛生研究所副所長の大野先生でございます。
 明治薬科大学医薬品安全管理学講座教授の遠藤先生でございます。
 独協医科大学特任教授で、安全対策調査会座長の松本先生でございます。
 参考人でございますけれども、国立病院機構三重病院院長の庵原先生でございます。
 国立病院機構福岡病院統括診療部長の岡田先生でございます。
 山口大学大学院医学系研究科神経内科教授の神田先生でございます。神田先生は今日御所用がございますので、17時15分めどで退席予定と承っております。
 続きまして、新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の委員の先生方を御紹介させていただきます。重複がございますので、いずれの検討会の御所属かは名簿を参照いただきながら、まとめての紹介とさせていただきたいと思います。
 東京都老人医療センター感染症科・研究検査科部長の稲松先生でございます。
 国立感染症研究所感染症情報センター長の岡部先生でございます。
 欠席でございますけれども、防衛医科大学大学校内科学講座第2教授の川名先生でございます。
 国立感染症研究所感染症情報センター室長の多屋先生でございます。
 独立行政法人国立病院機構東京病院外来診療部長の永井先生でございますが、本日、御欠席でございます。
 社団法人日本医師会常任理事の保坂先生でございます。
 聖マリアンナ医科大学産婦人科学教室准教授の鈴木先生でございます。
 本日の委員の出欠は、先ほども申し上げましたけれども、安全対策調査会の大野先生、参考人の桃井先生、予防接種後副反応検討会の委員の川名先生、永井先生がご欠席でございます。
 先ほどの2つの検討会の委員の方々には、いずれか一方の検討会のみという形になってございますけれども、もう一方の委員会にはオブザーバーとして参加いただくことをお願いしたいと思いますので、本日のメインテーブルへの着席状況に変わりがないことを申し上げたいと思います。
 それでは、インフルエンザワクチンの方からですが、本合同検討会の全体の座長は従来どおり松本先生に、座長代理を稲松先生にお願いしたいと存じます。
 これ以降は議事に入りますので、カメラはここまでということでお願いをいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 それでは、以降の進行を松本先生よろしくお願い申し上げます。
○松本座長 それでは、まず事務局から、審議参加に関する遵守事項について報告してください。
○事務局 それでは、薬事分科会審議参加規程について冒頭御報告申し上げます。この件は新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会をまとめて報告させていただきますが、検討会の先生方には薬食審のルールに準じた対応とさせてといただく点、御了解をお願いしたいと存じます。
 本日御出席の委員の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受取状況でございます。
 議題1のインフルエンザワクチンの関係ですが、国産または輸入新型インフルエンザワクチンの製造販売業者である学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社からでございます。
 議題2に関しては、子宮頸がんワクチン等製造販売業者であるサノフィパスツール株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社からの過去3年度における寄附金等の受取状況について申告いただきました。
 競合品目、競合企業につきましては、事前に各委員に資料をお送りし確認をいただいております。
 申出状況からは、今回の審議への不参加の委員はいらっしゃいませんでした。
 なお、受取状況としましては、五十嵐先生がグラクソ・スミスクライン株式会社から50万円超500万円以下の受取、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取との申告がありました。
 また、参考人におきましては、庵原先生が北里研究所、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社から50万円以下の受取、岡田先生が化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取、神田先生がグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、ファイザー株式会社から50万円超500万円以下の受取、化学及血清療法研究所から50万円以下の受取との申告がありました。
 また、検討会の委員の先生では、岡部先生が北里研究所、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取、鈴木先生がグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社50万円以下の受取、多屋先生が北里研究所、化学及血清療法研究所、阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、長くなりましたが、お知らせいたします。
○松本座長 ただいま事務局から説明がありました審議参加に関する遵守事項については、よろしいでしょうか。
 特にないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含めて了解いただいたものといたします。ありがとうございました。
 それでは、次に事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、資料確認をさせていただきます。
 お手元の資料でございますけれども、まず座席表、本日の議事次第、委員名簿、資料の一覧がありますので、資料一覧をお手元に置きながらお願いします。
 資料1-1は「インフルエンザワクチンの副反応報告等の状況について」。
 資料1-2は「重篤症例一覧」。
 資料1-3は「死亡症例一覧」。
 資料1-4は「死亡症例の概要」。
 資料1-5は「昨シーズンの新型インフルエンザワクチンの副反応の報告状況との比較」。
 資料1-6は「ギラン・バレー症候群(GBS)、急性散在性脊髄炎(ADEM)の可能性のある症例一覧」。
 資料1-7は「アナフィラキシーの可能性のある症例一覧」。
 議題1関係の資料は以上でございまして、参考資料としまして、参考資料1-1は「インフルエンザワクチンの添付文書」。
 参考資料1-2は「非重篤症例一覧」。
 参考資料1-3は「GSK社製の新型インフルエンザワクチンの接種に係るフィンランドにおけるナルコレプシーの状況について」の資料をお付けしております。
 資料2のシリーズになりますけれども、資料2-1は「子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告状況」。
 資料2-2は「Hib(ヒブ)ワクチンの副反応報告状況」。
 資料2-3は「小児用肺炎球菌ワクチンの副反応報告状況」。
 資料2-4は「子宮頸がん予防ワクチンの失神に関する注意喚起について」。
 参考資料としましては、参考資料2-1に「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業における副反応報告と薬事法における報告の違い」。
 参考資料2-2は「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業(平成22年度補正予算)の実施状況」。
 参考資料2-3は「各ワクチンの添付文書」。
 資料は以上でございます。過不足等がございましたら、事務局までお申し出ください。
○松本座長 よろしいでしょうか。
 よろしいようでしたら、議題1に移りたいと思います。議題1はインフルエンザワクチンの副反応の報告状況についてです。昨年10月から2010-2011シーズン用のH1N1を含む3価インフルエンザワクチンの接種事業が開始されております。前回に引き続き、3価ワクチンでの副反応の報告状況、死亡症例の評価、重篤症例の評価等について、先生方に御検討をお願いいたします。
 それでは、まず資料について事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1の関係の資料を説明させていただきます。資料1のシリーズを順に御説明いたしますが、まずは資料1-1からお願いいたします。
 資料1-1は副反応報告等の状況、昨シーズンから毎回お示ししておりますものですが、1枚目にございますように、本年の1月末までの報告分の状況をまとめさせていただいております。
 推定接種可能人数、これは0.5mlを1回とした回数分としましては、1月末までで約5,000万ドーズ医療機関への納入が行われております。
 副反応報告は、報告が661例、これは医療機関の分になりますが、うち重篤123、死亡が16という状況になっております。
 2ページ目、3ページ目は関連あり、なしによりまして、いつものように表を分けております。
 3ページ目は男女別、年齢別の報告でございますけれども、男女別に関して、前回までは男性が32%、女性が68%でしたけれども、かなり均等化する方向になってきております。
 年齢別の報告では、副反応報告自体は0~9歳、10歳未満のところがほかの10歳刻みよりも倍以上の報告がある一方で、死亡については、主に高齢者を中心に見られているという状況になっております。
 4ページ、5ページの部分ですが、4ページ目は製造販売業者からの副反応報告でございますけれども、同じく出荷数量は共通ですから5,000万ドーズですが、重篤報告が81、死亡が5例という報告がございました。
 5ページ目については、接種事業に関しまして、医療機関から各自治体を通じて集計されました接種者数の報告を基に副反応の発生状況を表にさせていただきました。こちらの推計でございますと、未報告の県などがありますので、推計が入っておりますためか、小児の接種部分が0.5ml以下でできますので、その点の影響があるのかわかりませんが、5,400万回接種されているという推計になっております。
 全体の報告状況に関しては、特に大きな傾向は出てきておりませんけれども、基礎疾患を有する方の中の15歳未満のグループの報告頻度がほかよりは若干高いという状況になっております。
 6ページ、7ページ、8ページは、各月別にこれを分解した資料になっておりますので、説明は割愛させていただきます。
 9ページは、季節性インフルエンザワクチンの過去の報告状況の実績です。
 10ページは、新型インフルエンザワクチン、昨シーズンの報告の状況の実績でございます。
 資料1-2に移らせていただきまして、資料1-2は報告されました中の重篤な症例を一覧にしています。
 1ページ目は、医療機関からの報告分を出してございます。前回64例この一覧にございましたけれども、今回、死亡症例を除きまして、重篤一覧はトータルで107例ということになっております。こちらは接種日別に表示させていただいておりますので、後半に関しては、今回新たに報告されているものがほとんどでございます。前半も一部報告までラグがあったものが追加されておりますけれども、報告状況はごらんのようなところで、後で全体の報告状況の集計表もございますので、そちらでも御説明させていただきます。
 7ページには製造販売業者報告分の重篤症例の一覧がございます。前回の33例から、今回は死亡症例を除いて76例となっております。
 資料1-3に関しては、死亡症例の一覧をお示しさせていただいてございます。前回12月に開催させていただきました会議では、11月までの報告分を出しておりますが、1番から12番まで報告がございまして、今回新たに追加されておりますのは、No.13からNo.22ということで、2ページ目、3ページ目の分の症例になります。
 2ページ目の13番以降に関しましては、13番の60代、15番の50代という方がお見えでございますけれども、そのほかはいずれも70代、80代ということで、高齢の方の基礎疾患の報告がございます。報告の症例の背景は、従来多く見られているものになります。
 こちらの死亡症例の内訳が3ページにございますけれども、男女別で見ると、男性の死亡報告が多いという傾向は従来と余り変化ございません。
 このうち20番と22番に関しましては、報告医の評価としましては、ワクチンとの関連性がありという報告でございますので、資料1-4の概要で説明をさせていただきたいと思います。
 資料1-4が死亡症例の概要です。従来からお示ししているものですけれども、16ページから症例13が始まっておりまして、これ以降が今回新たに追加されております症例になります。主には先ほど申し上げましたように、高齢者の基礎疾患を保有する方でございます。
 また、報告医の評価が関連なしとなっていたものに関しては、専門家の意見も因果関係は否定的あるいは評価不能といった、これまでに見られた報告と類似した評価になっているところでございますが、報告医が関連ありとされておりました20と22について少し説明させていただきます。
 24ページに症例20がございます。24ページ症例20の報告は、70歳代男性で、慢性閉塞性肺疾患の疑い、高血圧、C型肝炎を基礎疾患としてお持ちであり、陳旧性心筋梗塞の既往がある。ただし、日常生活動作は良好であられたところ、12月6日にワクチン接種、12月8日より食欲低下、11日ごろより感冒症状を認め、自宅で様子を見ておりましたが、14日に接種医療機関へ来院されたということでございました。そのときに寝たきりになられたということで来院された際、SpO2が既に74%ということで、酸素投与を開始され、インフルエンザ検査は陰性であった、胸部レントゲンを撮られまして、肺炎並びに急性呼吸窮迫症候群と診断されまして入院されました。
 入院時には、細菌性肺炎または間質性肺炎を疑われておりましたが、後に血液検査にて間質性肺炎と診断されております。治療が行われましたが、効果は認められず、1月3日に死亡された。剖検は行われていないものでございます。
 25ページの上に報告医の評価がございますが、経過から細菌性肺炎の可能性は低いと判断し、接種後に出現した間質性肺炎によって一連の症状が見られたとして、接種と死亡との因果関係はあり得るという判断でございました。
 専門家の先生方の意見としましては、3名いただいておりまして、A、B、Cとございますが、A先生はワクチンによる薬剤性肺炎の可能性が考えられることから、関係は否定できない。
 B先生のコメントについては、やはり間質性肺炎発症との因果関係は、経過からは完全に否定できないというコメントでございます。
 C先生に関しても、B先生のコメントにも一部ありますが、ワクチンの副作用による間質性肺炎も否定できないが、いわゆる原因不明の間質性肺炎、突発性間質性肺炎の中の急性間質性肺炎の可能性もある。ただ、これらの情報からは因果関係は否定できないとせざるを得ないというものでございました。
 症例22に関しては、26ページ、27ページにございます。
 27ページに症例の概要がございますが、こちらも70歳代男性、糖尿病とC型肝炎を基礎疾患としてお持ちです。
 11月9日に接種したところ、10日に高熱、抗生剤を投与するも効果なく、16日に胸部X線で肺炎と診断されております。21日に呼吸状態が悪化し挿管、人工呼吸管理となりまして、ステロイド、ヘパリンの投与が開始されております。23日に全身状態が大きく改善されたということでございますが、26日に右気胸が新たに発現し、ステロイドを漸減、人工呼吸器の設定を下げるという処置がとられましたが、気胸の改善なく、左肺のスリガラス影が増悪。12月6日に血小板も低下し、12月12日に急性呼吸窮迫症候群、播種性血管内凝固による死亡というものでございます。
 報告医は基礎疾患、C型肝炎等による免疫低下状態の影響も否定はできないということでございますが、接種と呼吸不全の因果関係は否定できないということでございました。ステロイドの急速減量や呼吸器設定を下げたことによる播種性血管内凝固の影響も否定できないが、剖検が行われていないことから、接種と死亡との因果関係は評価できないというコメントでございます。
 専門家の意見はこちらも3名いただいておりますけれども、A先生はワクチン後の肺線維症、急性呼吸窮迫症候群の疑いがある。
 B先生は、情報不足により因果関係は評価できない。
 C先生は接種翌日の発熱、経過からは関係があるように見えるが、紛れ込みも否定できず、因果関係は否定も肯定もできないという評価でございます。
 死亡の関係は以上でございまして、あと残りの資料を簡単に説明させていただきたいと思います。
 資料1-5は、昨シーズンの新型インフルエンザワクチンの副反応の報告状況との比較ということで、昨シーズン、1価のA型インフルエンザワクチンに関しては、およそ2,000万回分ぐらいございましたけれども、今シーズンは3価の中に1価が新型、残り2価は季節性というワクチンに関して、5,000万回分ぐらい出ているということになります。
 副反応件数は、昨年がおよそ600、今シーズンは医療機関、企業と合わせてざっと約300ということで、半分程度ということになっております。したがいまして、副反応の種類別の件数をお示しておりますけれども、昨年に比べると、それぞれの件数はやや低目になっているという状況でございます。
 強いて言うと、3ページの下から8列目の急性散在性脊髄炎が、昨年7件に関して、今年6と5で計11件となっておりますが、後の資料でまた説明いたしますけれども、症例の評価をしたところ、否定できないものは今シーズン5例ということに今のところなっております。
 あとはごらんをいただければと思いますので、GBS、ADEMの関係の資料1-6に移らせていただきたいと思います。
 こちらも従来どおり、選択基準としまして、GBS、ADEMの副反応名に加えまして、しびれや脱力など、1ページ目の一番上に記載しておりますタームの報告症例をリストアップいたしまして、専門家に御評価を願いまして、GBS、ADEMの確からしさを医療機関並びに企業からの報告について御検討いただきました。
 まとめた表は18ページをごらんいただければと思います。GBS、ADEMの可能性のある症例ですが、医療機関からの症例報告数は報告タームで拾った分が54ありましたが、GBSが1例、ADEMの方は3例となっておりますけれども、4例の誤りになるかと思います。失礼しました。
 それから、製造販売業者からの症例報告数は18例のうち、GBS、ADEMがそれぞれ1例ということになっております。
 いずれがGBS、ADEMの疑い症例かというものを19ページに一覧にしておりまして、今回追加された症例は、上の方にありますGBSの方では製造販売業者のNo.7というものでございます。
 ADEMの方ですが、前回は医療機関のNo.15の1件のみでございましたので、医療機関の41、46、48と製造販売業者の15という症例が新たに追加されてございます。
 一応こちらがGBSとADEMの報告状況になります。
 資料1-7は、アナフィラキシーの可能性のある症例でございます。
 こちらも1ページにございますように、副反応名にアナフィラキシーなどの用語が含まれるものをリストアップしまして、前回から今回追加した分は太枠で囲んだ症例を追加してございます。
 例えば5ページの北里研究所の12番、13番などが今回追加されている症例でございます。
 全体の報告状況は15ページになります。15ページのページ番号を振ってなくて恐縮ですけれども、後ろから4枚目になります。アナフィラキシーの可能性のある症例についてのブライトン分類の評価というものを昨シーズンの途中から実施しておりますけれども、今シーズンのものについて見たところでは、拾い上げているものが46例、うち重篤が24例ございましたけれども、ブライトン分類のレベル3以上にすると16例、重篤について11例ということで、10万回接種当たりの頻度で見た場合には、重篤、非重篤にかかわらず0.1件の発現頻度になるものでございます。前回の12月の報告分から、頻度については変化がございませんでした。
 あと、参考資料の方では、参考資料1-3だけ併せて御説明をさせていただきます。参考資料1-3は、合わせて2枚の資料になりますけれども、GSK社製の新型インフルエンザワクチン接種に係るナルコレプシーのWHOの声明ということで、昨年8月の会議にこの件は御報告をさせていただいておりますけれども、その後の続報ということになります。
 本年2月8日にWHOよりPandemrix、日本に入っているものとは製造等が違うということで別製品にはなりますけれども、それとナルコレプシーについての声明が発表されたということです。
 フィンランド、スウェーデン及びアイスランドから、北欧での報告率が特に高いという状況が見られたということでございます。特にフィンランドでは4歳から19歳までのグループでは、非接種者に比べ9倍になるという報告もございました。ただし、原因については、まだ十分にわかっておりませんで、更に本年8月末までに最終報告をまとめる予定ということでございます。
 2ページ目にございますように、今後も新たな情報を入手・評価した段階で、更に情報を更新していくこととしてございます。
 先ほどまで御説明しました資料のように、今シーズンは既に3価のインフルエンザワクチンが主に使われておりますので、1価のインフルエンザワクチンは国産、輸入問わず、ほとんど使用されていないという状況にありますので、参考資料としての御報告にとどめさせていただきました。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。
 今回、死亡症例が追加されておりますが、ほとんどが基礎疾患を有する高齢者に多いようですけれども、このことについて稲松先生何かコメントをいただけますか。
○稲松委員 個々の症例について若干見させていただきましたが、死亡と直接因果関係をつけるのはかなり難しいような感じがしております。従来からの肺線維症とかがんの末期とかいろいろな要因が結構混じり込んでいて、それが死因ではないかという印象は持っています。
○松本座長 今回の死亡例の報告で、特段注意すべきものはないということでよろしいですか。
○稲松委員 はい。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかに死亡症例について御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。大体これまでの傾向と似たような傾向にあるように思えます。
 よろしいようでしたら、あと神経系の報告としまして、ギラン・バレー、ADEMの報告が若干あるみたいなんですが、神田先生、このことに関しまして、何かコメントをいただけますか。
○神田参考人 ADEMの報告で、41、46、48はかなり疑わしいものが挙げられているように思います。ただ、製造販売業者からきている15番も否定できないもので、この4例に関してはかなり可能性が高いのではないかと考えます。
 ここには記載されておりませんが、GBSの50番と51番もかなりGBSの可能性が高いのではないかと見させていただきましたが、どうでしょうか。まとめのところには挙げておられなかったようですが、50番はかなり確率が近いのではないかと思います。
 今まで挙がってきたものの中では、ADEMが前回報告されたものよりちょっと多目に出ているという印象もございます。
 以上でございます。
○松本座長 重篤度も含めていかがでしょうか。前年までを踏まえまして、特に注意をすべき点がありますか。
○神田参考人 全体的な数として特段多いという印象はございませんので、注意としてはそれほどということになるかと思いますけれども、継続して見ていく必要はあるだろうと考えております。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかにこの点に関しまして、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 アナフィラキシーの症例も報告が見られておりますが、頻度、内容等について、岡田先生いかがでしょうか。何かコメントをいただけませんでしょうか。
○岡田参考人 ざっと頻度の計算をしますと、大体100万接種当たり1件弱ぐらいの計算です。昨年が100万接種当たり2~3件ぐらいで多かったですが、今シーズンはこれまでのシーズンと同じような頻度になっていると思います。昨年だけがどうして増えたのかはよくわかりませんが、今年のシーズンの概算は今までとほとんど同じような頻度と思われます。
○松本座長 ありがとうございました。特段、今年に関しては問題ないということでよろしいでしょうか。
 ほかにこの点に関しまして、御意見ございませんでしょうか。今、岡田先生がおっしゃったことでよろしいでしょうか。
 死亡症例及び重篤症例、ギラン・バレー、ADEM、アナフィラキシーを含めた重篤症例について、今シーズンの1月までの報告が集計されました。それにつきまして、専門家の先生の御意見を伺いましたが、その結果を聞いておりますと、昨シーズンまでのインフルエンザワクチンの報告状況などを踏まえましても、特にこのワクチンの安全性において重大な懸念は認められないという印象を受けますが、そういう評価でよろしいでしょうか。特に御意見はございませんか。
 特に御異論がないようですので、現段階でのワクチンの安全性においては、重大な懸念は認められないという評価にさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、インフルエンザワクチンの副反応報告等の状況に関する議題はこれまでとなります。よろしいですか。
○事務局 ありがとうございました。
 先ほど神田先生から御指摘をいただきましたGBSの症例につきましては、資料1-6の参考で集計する方に含めるべきものかと思いますので、修正した上で公表資料を対応させていただきます。ありがとうございました。申し訳ありません。
 それでは、インフルエンザワクチンの安全性に関する合同検討会はこれまでとさせていただきまして、以降に関しては、子宮頸がん等ワクチンに関する合同検討会として引き続き議事を進めさせていただければと存じます。
 議題2に入ります前に、安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会、合同検討会としましては、今回初めてということになりますので、合同会議としての座長及び座長代理の選出をお願いしたいと考えております。
 事務局といたしましては、安全対策調査会の座長である松本先生に全体の座長をお願いさせていただきたいと考えてございます。また、子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の座長に岡部先生をお願いしまして、併せて本合同検討会の座長代理を岡部先生にお願いしたいと考えておりますが、いかがでございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○事務局 ありがとうございます。
 それでは、本合同検討会の全体の座長を松本先生に、座長代理は岡部先生にお願いいたします。
 それでは、引き続きとなりまして、大変恐縮でございますが、松本先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○松本座長 それでは、引き続き座長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 それでは、子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの副反応の報告状況についての議題に入りたいと思います。
 まず事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 それでは、後半の議題、資料2のシリーズになりますけれども、資料2-1、資料2-2、資料2-3というものが、それぞれのワクチンごとになっております。先ほどのインフルエンザワクチンでいうところの報告状況、重篤症例などの資料をまとめてさせていただいておりますので、3ワクチンまとめて順に紹介をさせていただきたいと思います。
 まず資料2-1からお願いいたします。「子宮頸がん予防ワクチンの副反応報告状況について」ということでございます。
 現在、認められておりますワクチン、残りの分はそれぞれのワクチン1製品ずつという対応になっておりますが、こちらはサーバリックスというグラクソ・スミスクライン株式会社の製品でございます。一昨年の12月より発売開始されているものでございます。
 副反応報告件数ですが、本年1月末までの分をまとめさせていただいたものを、まず1ページに記載しております。1月末現在までの出荷数量から接種可能延べ人数ということで、表の一番左でございますけれども、101万6,000人、101万6,000回分、イコールでございますけれども、出てございます。
 副反応の報告状況ですが、製造販売業者からの報告、こちらは薬事法77条の4の2に基づいて重篤と判断された症例でございますけれども、99ございました。
 医療機関からの報告に関してでございますけれども、こちらは事業が開始されたものについてですが、29の報告がございまして、うち11が重篤とされております。
 死亡報告などは0でございました。
 こちらが全体の報告状況で、お一人に3回接種をしますが、接種者数が現在広がっているという状況からは、平均すると1.5回ぐらいではないかと仮定しますと、正味67万人程度打たれているのではないかというものでございます。
 2ページ目からは、接種事業に基づく医療機関からの副反応報告です。集計が12月末までになっております。
 こちらは2月16日までに都道府県を通じまして、報告のあった市町村からのものをまとめておりますが、11月で130市区町村分の66市区町村、3,902接種、12月分で196市区町村中の96市区町村、8,545接種の報告がありまして、市区町村の単位によってかなり人口も対象者数も変わりますが、一律に統一の数として推計いたしますと、?にございますように2万5,000回ほど11月末から12月末までに打たれているのではないかということでございます。
 報告は8件で、うち重篤5件ということで、関連あり、なしを一応分けてございますけれども、まだ評価できるような報告状況にはございません。
 4ページ目には重篤症例の一覧、医療機関からの報告分、いずれも迷走神経反射に関連するような症例でございます。
 5ページ目が製造販売業者からの報告で、同じく重篤の一覧を示してございます。こちらは99ございます。1件16番に後遺症ありというものがありますが、これは後で説明をさせていただきます。
 7ページは副反応名の多いもの順に集計しましたものですが、医療機関からは11例分で、失神4、失神寸前の状態が5ということで、失神関連がやはり多うございました。
 それから、製造販売業者99例の中でも、失神がトップ、発熱13の次が意識消失ということで、こういった関連の報告が多いということになります。
 9ページは後遺症の症例があったものの概要でございますけれども、事例としましては、40歳代の女性で、3月に1回目を打ち、4月に2回目を接種してございましたが、2回目の接種後に発熱、頭痛、関節痛、めまいなどが見られたということでございます。それらの症状は改善しましたが、4日後の26日より味覚及び嗅覚の低下を自覚されたということで、味覚と嗅覚の低下が調査できている時点では、まだ残っておられるということで、後遺症という報告でございました。
 接種を行われた報告医の見解は2に書いてございますけれども、関連を否定できないというものでございました。
 こちらも専門家の意見を3名伺っておりますけれども、A先生は情報不足で判断できない。
 B先生は、理論的にはワクチンは原因として考えにくいということでございますけれども、接種数日後からの症状発現でありますので、因果関係は否定もできないということ。
 C先生は、いずれの事象も接種後の発現ですので、因果関係の否定はできないということでございました。
 多くは情報不足から、今の時点では因果関係は否定もできないということかと思います。
 11ページは、非重篤の医療機関からの報告のリストを示しているものでございます。こちらもやはり血管迷走神経反射の関係のものが多く見られるという状況でございます。
 12ページ以降は、インフルエンザの方でもやっておりましたが、GBS、ADEMの可能性のある副反応報告についてリストを示して、可能性のあるものは意見をいただいてまとめております。
 17ページにございますように、サーバリックスではいずれも今のところ0例でございました。
 18ページ以降はアナフィラキシーの症例に関して、同じように11月1日から1月31日までの企業の情報入手分についてリストに示し、ブライトン分類の観点から評価を行っているものでございます。
 22ページ9番までがアナフィラキシーでございまして、23ページからは迷走神経反射が疑われる副反応症例ということで、前回は事業開始以前の薬事法の副作用の報告状況だけでございましたけれども、報告状況を御報告させていただきましたところ、失神並びにけいれんなどの報告もあり、迷走神経反射が疑われるような副作用については、特にアナフィラキシーと迷走神経反射並びに心因反応の分類評価は臨床的に難しいことから、一連のものとして見た方がいいのではないかという御意見もいただきましたので、ここにありますような報告タームのものを拾い上げて、一応ブライトン分類のアナフィラキシーらしいものに該当するかどうかということを見てございます。
 先ほど申し上げましたように、結構症例がありまして、トータルで34ピックアップしておりまして、集計としましては38ページにございますように、アナフィラキシーのタームで報告されたもの9例中、ブライトン分類3以上は2例ありました。迷走神経反射の方に関しては、ブライトン分類では3以上に引っかかってくるものはなかったということになってございます。
 子宮頸がんワクチンの関係、今、御報告しました中にも、迷走神経反射あるいは失神関係が多かったところでございますけれども、前回もその件は御指摘をいただいておりまして、資料が飛びますけれども、資料2-4をごらんいただきたいと思います。
 サーバリックスの関係の資料としてお付けしておりますけれども、前回、小児科学会の声明においても、やはり今回の事業が行われます10歳代の方々への予防接種に当たっては、失神による転倒事故などに十分注意するようにという声明を御紹介させていただきまして、接種現場への注意喚起の御指摘を頂戴したところでございます。
 資料2-4の1ページ目に関しては、本年1月下旬にはこういった情報提供を医療機関、医療関係者の方へさせていただきまして、???とありますけれども、痛みの発生、接種の仕方、?として臥位で接種する方法、接種後も座らせるなどした上で状態を観察してください。特に若い女性は失神、転倒を起こす可能性がありますということの情報提供をさせていただいております。
 2ページ目以降は、使用上の注意も更に入念的にしております。失神に関する使用上の注意でございます。
 3ページの一番上の枠で改訂前後をお示しておりますけれども、従来より迷走神経反射の注意喚起を重要な基本的注意にしておりましたところ、更に直後または接種後に注射による心因性反応を含む迷走神経反射として失神が現われること。転倒を避けるため30分程度座らせるなどした上でというような部分を改訂させていただいておりまして、こちらは2月の上旬に使用上の注意の改訂を行いまして、情報提供をさせていただいているという状況でございます。
 資料2-2、次はHibワクチンの方に移らせていただきます。
 3ワクチンは、いずれも同じような構成で今のところ資料をつくらせていただいております。
 1ページ目ですが、こちらもアクトヒブという1製品が対象でございますけれども、20年12月に発売開始がされております。
 現在までの接種可能延べ人数、回数分としては約300万ということでございます。正味の人数としましては、これまでの販売状況から把握されている平均接種回数は今1.84回ということで、正味の接種された方の人数としては155万人程度でございます。
 製造販売業者からの報告は55件、医療機関からは19件あり、うちその2例が重篤というものでございました。
 製造販売業者からの報告55の後に括弧書きで1とありますけれども、こちらは死亡報告になりますので、後で死亡症例の概要等を御説明させていただきます。
 2ページ目、3ページ目に関しては、先ほどの頸がんのワクチンと同様ですけれども、12月末までの事業における接種者の状況の集計でございます。若干市区町村数は減りますけれども、11月が83分の50、12月が106分の65市区町村からの集計を基に算出しましたところ、事業開始以降12月末までに1万6,000回ほど接種されているのではないかと思われます。報告は3件で、うち重篤は1件というものになっております。
 4ページ目は、医療機関からの重篤症例の報告の一覧です。
 5ページ目は、製造販売業者からの報告がございます。1例後遺症ありというものもございますけれども、現在、調査中ということですので、また調査ができ次第、こちらにも詳細な概要をお示しできればと考えております。
 6ページ目が副反応報告の状況でございますけれども、医療機関からは2例ですので、件数で多い、少ないが言えるものではありませんが、企業からは55例中、発熱、熱性けいれん、けいれん、アナフィラキシー反応などが比較的上位にございます。
 7ページが死亡症例の概要になります。インフルエンザワクチンでもそうさせていただきましたが、死亡症例の概要報告ではプライバシーへの配慮から、年齢については10歳刻みで今のところまとめさせていただいておりまして、10歳未満の男児ということになります。
 1回目は10月に打ちまして、11月25日の2回目の接種を行ったということでございます。直後は異変なく元気であられたということです。また、午後10時ごろミルクを飲み就寝、24時ごろ母親により呼吸ありを確認されているという症例でございますけれども、午前4時ごろ口から泡を吹き、手足が冷たくなり呼吸停止の状態を家族が発見ということで、救急要請、救急搬送しましたが、同日午前5時35分に死亡確認がされたというものでございます。
 主治医は、この状況から急性肺水腫の疑い、誤嚥の疑いと評価しており、ワクチンとの関係は不明という報告でございました。
 専門家の評価としましては、8ページにございますけれども、3名の先生の評価がございます。
 A先生は、心肺停止状態と接種の時間的前後関係はあるけれども、因果関係は不明。
 B先生は、経過から考えると、乳児突然死症候群の症例であると思う。病理解剖なども行われておらず、SIDSの危険因子の情報もなく、情報不足と判断せざるを得ない。SIDSの原因自体が特定できない状況からは、因果関係が不明というものだということでございます。
 C先生の意見に関しては、この症例の経過からはワクチンとの因果関係を積極的に否定する合理的理由はない。ただ、因果関係否定を支持する傍証はほとんどないということで、因果関係を判断するための情報が十分ではなく、判断できないという御意見でございます。剖検が実施されていないため、死因の判断ができないと言わざるを得ないが、印象としては乳幼児突然死症候群の可能性があるかもしれないという御意見でございました。
 9ページの後遺症例はまだ調査中ということです。
 10ページは、非重篤の一覧でございます。
 11ページ以降は、GBS、ADEMの可能性のある副反応の報告状況ということで、このリスト自体も2例ですけれども、13ページにありますように、今のところはGBS、ADEMの可能性ありとされるものは、このワクチンもいずれもありませんでした。
 14ページからアナフィラキシーの症例がございます。
 19ページにまとめの表がございますけれども、可能性のあるもの9例中、ブライトン分類3以上は6例でございました。
 Hibワクチンの関係の資料は以上になります。
 最後は小児用肺炎球菌のワクチン、資料2-3についてでございます。
 1ページ目ですが、プレベナー水性懸濁皮下注という1製品が対象になります。22年2月に発売が開始されておりまして、1月末までの出荷数量はおよそ200万回分が供給されています。
 企業のサンプリング調査による接種対象者の年齢階層を基に接種者数を推定すると、110万人程度と思われるというものでございます。企業からの報告は発売から58件、医療機関からの報告は22件、うち重篤が3件という状況で、死亡例の報告はございませんでした。
 2ページ目には接種者数の推計を同じように示しておりまして、3つの中ではこのワクチンが一番数が少ないですけれども、11月分40分の20市区町村、12月分が61分の31市区町村の接種状況から、12月末までで4,600回ほど接種されるのではないか。報告は4件、うち重篤は1件という状況でございます。
 4ページは、医療機関からの報告の重篤症例の一覧でございます。
 5ページは、企業からの報告の一覧をお示ししております。
 どういうものが多いかというのは6ページにございます。同じように件数の上位、多かったものから並べたものでございますけれども、発熱が他の副反応に比べると突出して多く、その後にけいれんなどが続いているという状況でございます。
 8ページには非重篤症例の一覧をお示ししております。
 9ページのGBS、ADEMですが、対象となる症例の報告自体が11月から1月末までの間に情報入手はなかったというものでございます。
 10ページ、11ページはアナフィラキシーの関係です。
 3例ございましたけれども、12ページにあるように、ブライトン分類で見れば3以上はまだ0という状況でございます。
 参考資料だけ簡単に御説明させていただきたいと思いますが、参考資料2-1は子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業の副反応と薬事法の報告の違いというものです。インフルエンザと同じような報告を事業においてはお願いしておりますので、薬事法では既知の非重篤な部分に○などは入っておりませんけれども、頸がん等のワクチンの方ではそちらが入っている。また、因果関係に関わらず、事業の方では報告いただくとなっております。
 参考資料2-2でございますけれども、この事業の実施状況ということで、1,750市区町村に対して回収率100%の調査でございます。
 見ていただいてわかりやすいのが2ページ目です。3つのワクチンがありますが、3つをやりますか、2つをやりますか、1つをやりますか。2つの場合、1つの場合には組み合わせあるいは対象にするものはどうですかということを聞いておりますけれども、99.7%が3つのワクチンを対象に実施する。
 3ページ目でございますけれども、個別にそれぞれのワクチンの実施予定を見た場合でも99.9、小児用肺炎球菌は99.8ですけれども、ほぼすべての自治体で行われる。
 4ページ目にございますものが開始時期でございますけれども、22年度に開始する分は左から2つ目の列になりますが、半分から6割ぐらいの市区町村が今年度中から開始するというものでございます。
 5ページ目は対象年齢のどこまでをカバーしますかということでございまして、頸がんでは中学1年生から高校1年生相当を73%の自治体、Hibワクチンでは0~4歳が88.9%、小児用肺炎球菌では0~4歳が88.4%ということで、対象とできる年齢層を広くして、各市町村で実施している状況が伺えるものでございます。
 参考資料2-3は各ワクチンの添付文書ですので、御参考に御用意しております。
 説明が長くなりましたが、以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等はございますでしょうか。
 神田先生は用事がおありだということですので、先に伺っておきますけれども、GBSやADEMというのは、この3つワクチンとも少ないみたいなんですが、何かコメントございますか。
○神田参考人 現時点でとただし書きにありますが、全く疑わしいものは出ておりません。ワクチンでございますから、ADEMはある程度の確率で出てくるものと思いますけれども、特段注意を要する状況ではないと考えてよろしいかと思います。
○松本座長 ありがとうございます。
 Hibワクチンと小児用のプレベナーは少しけいれんがあるみたいなんですが、これは熱性けいれんみたいなものでよろしいんですか。
○神田参考人 情報が十分ではないのでコメントしかねるところでございますけれども、もう少し情報をいただいてから考えた方がよろしいかと思います。
○松本座長 情報を集めるようにしてください。
 この点に関しまして、何かコメントございますか。御意見はございませんか。よろしいでしょうか。
 今回Hibワクチンの10歳未満で死亡症例があるみたいなんですが、これについて何かコメントをいただけませんでしょうか。岡部先生コメントいただけますか。
○岡部委員 岡部ですけれども、拝見すると10歳未満の方で、ここの記載だけでは確かにSIDS、乳幼児突然死症候群というものに一致するようなことがありますけれども、やはり鑑別診断として十分に必要な情報がないということでは判断をしかねると思います。
 ただ、インフルエンザのときにも同じような議論があったと思うんですが、10歳未満ということで、Hibワクチンは対象が0~4歳ですから、4歳以下であろうということが想像はできるんですが、10歳未満でSIDSという診断は非常に矛盾を感じるところです。もともと集計上10歳刻みがいいかどうかというのは再度議論していただいた方がいいと思います。確かに先ほどの補佐からの御説明ではプライバシーの関係であるということがありましたけれども、仮にこれがもうちょっと狭い範囲内の年齢刻みであっても、私はプライバシーの侵害にならないし、むしろ正しい医学的判断のためには必要なことではないかとも思います。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございました。
 現段階では特に懸念することではないということでよろしいですね。
 この点につきまして、何かございますか。保坂先生、どうぞ。
○保坂委員 この資料を見ますと、年齢が書いてある資料も入っています。2歳とか年齢がきちっと入っている報告もありますが、まとめのところを見ると10歳未満となっています。まとめではプライバシーの問題があるということで10歳未満という大きなくくりにされていて、個別の症例のところで、例えば今のHibでいいますと、10ページは10歳未満と書いてあって、11ページはちゃんと年齢が書いたものが出ている。細かい報告もございます。11ページに2歳女性とあります。そういうふうに詳細に何か月と書いてあるものも提示されていて、矛盾を感じるんですけれども、どういう基準でどのようになっているんでしょうか。
○松本座長 事務局からお願いします。
○事務局 御指摘の点に関してですけれども、今の時点での整理といたしましては、特に死亡に関しては個人の特定につながりやすいことから、プライバシーへの配慮をより慎重にしている状況でございます。
 御指摘の点については、また今後検討させていただきたいと思います。
○松本座長 どうぞ。
○保坂委員 例えば10ページの非重篤症例一覧というところも10歳未満と書いてあって、私たち小児科医としては10歳未満でひとくくりにされても参考にならない部分がございますので、死亡症例は非常に少ないし、プライバシー云々ということで全く理解できないわけではありませんが、一覧表をつくるときに何で10歳刻みにしてしまうのかと思います。
○松本座長 その点はいかがですか。
○事務局 御指摘の点については、3ワクチンの接種事業が開始されましてから、これが1回目の合同会議ということになりますので、資料の集計の仕方などにつきましても、私どもも試行錯誤している部分がございますので、御意見をいただいた点については今後検討して対応していきたいと思っております。
○松本座長 死亡症例は確かにプライバシーの問題がありますが、死因との関係を考える場合、余りにも大きい区分だとなかなか難しいのではないかという点もあるので、その辺は事務局で検討していただくということで保坂先生よろしいですか。
○保坂委員 よろしくお願いします。
○松本座長 もう少し情報を詳しくしてもらいたいですね。プライバシーに関係しない程度で、ちょうどいいぐらいの年齢を示していただければと思いますが、よろしいですか。
 ほかにこの症例について御意見はございませんか。死亡症例についてはよろしいですか。ありがとうございました。
 Hibワクチンで若干アナフィラキシーがあるみたいですが、岡田先生いかがでしょうか。何かコメントいただけますか。
○岡田参考人 アナフィラキシーに関しては、世界的に見ても、Hibにしろ、小児用肺炎球菌ワクチンにしろ、ほとんど報告されていません。日本だけが多くなっているのかどうかは、今後注意深く見ていかないといけない部分だろうと思います。
 子宮頸がんの予防ワクチンの失神ですが、理由はよくわかりませんが、世界的に多いことはだけはたしかです。例えばTdapのような10歳代に行われているワクチンはほかにあります。10歳代にやっているワクチンだから失神が多いとは、言えないようです。
○松本座長 どうぞ。
○鈴木委員 婦人科の鈴木です。
 まさに先生がおっしゃるとおりでして、サーバリックスのアジュバントが失神に対する問題であって、2価のワクチンの水酸化アルミニウムに達したサーバリックスのモノホスホリルリピッドAが入っていることによる疼痛だと思います。
 それは海外の臨床試験でも、水酸化アルミニウムだけでプラセボと比べて疼痛が強いということと、あとはこれから承認されるであろう4価ワクチンは水酸化アルミニウムだけなんですが、それよりは疼痛が多いということを考えますと、このサーバリックスはやはり痛みが特徴的なワクチンであろうと考えます。ですから、恐怖心だけで血管迷走神経反射が起きるわけではないのではないかというのは、慎重に対応するべきではないかと思います。
○松本座長 ありがとうございました。
 保坂先生、どうぞ。
○保坂委員 痛みというのは定量化できることではないとは思いますが、サーバリックスの痛みというのは、今、鈴木先生がおっしゃったように、今までのワクチンとは比べものにならないぐらい痛いそうです。接種時も含めて、後まで長引くということもですけれども、何人かの接種された方にお聞きすると、普通にはない独特な痛みだという表現をされます。痛みについてもう少し詳しい研究というか、どういう痛みがあるかということを調べていただきたいと思います。された方でないとわからない部分があるので、それをどうやって定量的なものにするかというのは本当に難しいんですが、その辺を調べていただけるととてもありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
○松本座長 議論している方は男性が多いので、打ったことがない人ばかりが議論しているので、痛い、痛くないの話になりますと、経験がないのでわからないという点があります。
 どうぞ。
○岡田参考人 痛みで起きているのかどうかというのもよくわからないと思います。打った女性に聞いてみると、そのときには余り痛くないけれども、その日の夜に痛くなる。失神が起きているのは、基本的には直後のことが多いですけれども、2~3時間して起きているようなケースもあったりします。サーバリックスの失神のことに皆さんが注目しているから多いのか、先ほど申し上げたようにほかに10歳代にもワクチンをやられているのにあまり起きていないですから、やはりサーバリックスそのものなのか、アジュバントなのか、そういう検討がされているのかどうかを御確認をいただいた方が、今後指導する意味でもありがたいと思います。
○松本座長 ほかに御意見ございますか。多屋先生、何か御意見ございますか。
○多屋委員 失神については前回のときからも注意をしておいた方がいいのではないかというお話をしてきたんですが、先ほどの痛みということであれば、顔の表情を書いたもので痛みの程度を評価するといった表もあるので、もしそういうことを研究あるいは検討するのであれば、そういうものも使えるものがあると思います。
 ただ、原因を究明するまでの間、まだ知られていないところもあると思うので、接種してから30分間は気をつけて体調を見ているということについては、十分情報提供をしておいてあげた方がいいのではないかと思います。今のところ幸い大きなけがに至っている例がないのでいいんですけれども、海外の例ですと、頭蓋内出血ですとか、そういったものも報告が挙がってきているので、その注意はしておいてあげた方がいいと思いました。
○松本座長 それは倒れて頭を打ってということですか。
○多屋委員 はい。そのように記載があります。
○松本座長 現段階では子宮頸がんワクチン接種時に、この前の御意見から注意喚起がされているわけなんですが、この程度の注意喚起でこの事業を続けることの支障にはならないということでよろしいですか。いずれこの点を解明していくことは必要だとは思いますが、現段階で失神の頻度が多いからということで、これを中断する必要性はないと判断してよろしいでしょうか。
 それから、岡田先生、これも失神との関係が問題なんですが、アナフィラキシーに関しては頻度的には問題はないですか。内容の程度とか、純粋にアナフィラキシーに関しては問題ないですか。
○岡田参考人 プレベナーはありませんでしたし、Hibは2例ありますけれども、ブライトン分類でいくと一応3以上ということになっています。海外では相当な数を打たれていますから、海外との状況も確認しながらだと思います。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見はございませんでしょうか。多屋先生、どうぞ。
○多屋委員 集計表のところなんですけれども、恐らく事務局の皆様方も御理解いただいているところで、これから改善をされるのかもしれないんですが、もう少し概要のところを見ていけば、まとめることができる副反応名があるように感じております。
 例えば先ほど御質問があったようなけいれんですと、副反応の概要を見れば熱が出てけいれんが起こっているのかということもわかってきますので、こういったこととか、血小板減少性紫斑病も特発性が付いているのと、付いていないものが分かれているんですけれども、基本的にこのワクチンが原因と考えられた場合は急性血小板減少性紫斑病と診断されることから、並列の病名があったとしても、できるだけ同じものは同じカテゴリーに集計していった方がよりわかりやすいのではないかと思ったことが1点ございます。
 もう一点なんですけれども、Hibとプレベナーは同時接種をされていることが多いんです。実際、今回お示しいただいた表も多分これは両方に入っていると思いながら、大体あると思いながら見ていたんですけれども、もし今後可能ならば、単独で接種した場合と同時接種をされた場合で、同時接種の場合だけ別に見られるような集計をしておくと、より検討がしやすくなるのではないかと感じました。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございました。
 その点は事務局で検討していただけますか。
○事務局 わかりました。
 今の同時接種の点ですけれども、今の資料の整理だけ確認のために御説明させていただきます。例えば資料2-3、肺炎球菌ワクチンの方でいけば8ページになります。資料2-3の8ページ、非重篤の症例の一覧ですけれども、字が細かくて恐縮ですが、左から8列目、縦のラインの同時接種ワクチンということで、特にDPTやアクトヒブとの同時接種が肺炎球菌の場合に行われる。アクトヒブの場合にはDPTとプレベナーということになると思いますけれども、これらがあった場合にはこちらに記載をさせていただく。報告においては、接種部位の局所反応などで一方のワクチンの接種部位にのみ見られている、あるいは報告医が明確にある特定のワクチンの報告としているものを除いては、重複して集計してございます。
○松本座長 それはもうちょっとわかりやすく集計していただければと思います。
 多屋先生、それでよろしいですか。
○多屋委員 はい。
○松本座長 ほかに御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。
 接種事業が開始されまして、副反応報告の状況を集計、報告いただきまして、いろいろと評価をしていただきました。いずれのワクチンにつきましても、一定の副反応は見られておりますが、御意見を伺っておりますと、安全性上の特段の懸念は示されていないという評価と受け取れましたが、それでよろしいでしょうか。現段階では重大な懸念はないという評価でよろしいですか。御異論ございませんか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 それでは、そのような評価とさせていただきます。ありがとうございました。
 なお、事務局は、先ほどの意見も踏まえまして、今後も接種事業を通じて、また企業からの情報収集に努めていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 本日も会議終了後、座長から記者向けのブリーフィングを行うこととなっておりますので、座長に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 ありがとうございます。
 それでは、本日の議論は終了いたしましたけれども、最後に事務局から何かございますか。
○事務局 特に事務局からはございません。
 本会議では貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 また、今回の合同検討会の配付資料等は、厚生労働省のホームページ等に掲載させていただく予定です。
 次回についても、今後調整させていただきたいと思います。
 以上です。
○松本座長 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。長い時間、活発な御議論をありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局結核感染症課
(担当・内線) 予防接種係(内線2383)
(電話・代表) 03-5253-1111 
医薬食品局安全対策課
(担当・内線) 総務係(内線2749)
(電話・代表) 03-5253-1111 

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