ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ > 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第1回) 議事録




2011年7月4日 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第1回) 議事録

○日時

平成23年7月4日(月)16:00〜18:00


○場所

経済産業省別館 1012号会議室(10階)


○議事

○臨床研修指導官(古田) それでは定刻になりましたので「医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ」を開催いたします。本日は、先生方にはご多忙のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 はじめに当たりまして、医事課長からご挨拶を申し上げます。
○医事課長(村田) 医事課長の村田でございます。平素より医師の臨床研修事業の推進にご協力を賜り、ありがとうございます。
 新しい臨床研修制度は、平成16年に導入されて、今年で8年目になります。導入以来、さまざまなご意見を受けて、平成21年4月に制度の見直しを行ったところですが、次の見直しをその5年後、平成26年に行い、平成27年度の研修から適用する予定としております。
 当ワーキンググループは、まさにこの見直しの始発点として、制度をとりまくさまざまな面からの実態を把握し、論点を整理することを目的に開催するものです。その検討結果は、医道審議会における制度の評価、見直しの議論につなげてまいりたいと考えております。
 制度の改善に向けて、24年末までの1年半余り先生方のお知恵を賜りつつ、ワーキンググループをすすめてまいりたいと思います。今後とも、先生方には、なお一層のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。
○臨床研修指導官 続きまして、初回ですので本ワーキンググループのメンバーをご紹介させていただきます。
 日本医師会常任理事、今村聡委員。東京医科大学教授、大滝純司委員。済生会福岡総合病院長、岡留健一郎委員。東京大学教授、岡部繁男委員。和歌山県立医科大学教授、岡村吉隆委員。岡山大学教授、片岡仁美委員。社会医療法人財団董仙会恵寿総合病院理事長、神野正博委員。東京医科歯科大学附属病院副病院長、田中雄二郎委員。独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター院長、堀田知光委員。京都府健康福祉部医療専門監、横田昇平委員。
 なお、本日は横田先生から所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。岡留委員、岡部委員が多少遅れているようですが、始めさせていただきます。
 続きまして事務局の紹介をさせていただきます。医事課長、村田です。医師臨床研修推進室長、田原です。医師臨床研修専門官、佐藤です。そして私は臨床研修指導官の古田です。よろしくお願いいたします。本日は、文部科学省の医学教育課から新木課長にお越しいただいております。
 本ワーキンググループの座長については、あらかじめ堀田先生にお願いしております。以降の議事運営は座長にお願いいたします。堀田先生、よろしくお願いいたします。
○堀田知光座長 ただいまご紹介あずかりました堀田です。私がなぜ指名されたかということを考えてみますと、丁度この臨床研修制度が始まる8年前は大学で教育現場の責任者でありました。後半は臨床研修病院にいるということで、両方の現場を一応は知っているということからご指名をいただいたのかなと思っております。
 今日は教育・研修の現場を支える方々に、それぞれの立場でご参加いただいておりますので、忌憚のないご意見をいただきながら、見直しのための論点整理ができるように、皆様のご意見を頂戴したいと思っておりますので、どうぞ活発なご議論をいただきたいと思います。よろしくお願いします。まず資料の確認をお願いいたします。
○臨床研修指導官 それでは資料の確認をいたします。まず、本ワーキンググループの座席表が1枚。ワーキンググループの議事次第が1枚。資料1として「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループについて」。資料2として「臨床研修制度の実施状況」。資料3として「平成21年度『初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究』」。資料4として「初期臨床研修制度の評価のあり方に関する研究」(平成22年度総括研究報告書)。資料5として「臨床研修修了者アンケート調査」。資料6として「本ワーキンググループの進め方について(案)」となっております。不足する資料がありましたら、事務局にお申し付けください。
○堀田知光座長 ありがとうございました。それでは議題の1「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループについて」、事務局のほうからご説明をお願いします。
○臨床研修指導官 資料1についてご説明いたします。「臨床研修制度の評価に関するワーキンググループについて」。1「目的」。次回の医師臨床研修制度の見直しに向けて、臨床研修の実施状況や地域医療への影響などに関する実態を把握し、論点を整理するということとしております。
 2「検討内容」として、後ほど議題4でも詳しく説明をいたしますが、1点目、研修医の基本的な診療能力、受入病院の指導・管理体制、研修プログラム等としまして、「臨床研修制度の運営状況に関する事項」。2点目、研修医のキャリア形成、地域医療に与えた影響等、「臨床研修制度の導入による影響に関する事項」。3点目、「臨床研修制度の全体的な評価に関する事項」等としております。
 3「構成員」は先ほどもご紹介させていただきましたとおり、別紙のとおりとなっております。
 4「スケジュール」。平成24年中を目途に検討結果を取りまとめ、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に報告をする、ということとしております。資料1の説明は以上です。
○堀田知光座長 ありがとうございました。本ワーキンググループの目的等について、ご説明いただいたところですが、これから皆様に、最初にこの会のミッションは何なのかというところをぶれないように共通認識として押さえさせていただきたいと思います。と申しますのは、もう1つ部会のほうがありますので、部会との違いは何なのか、ここは何をすべきかのところで、少し意見交換したいと思いますが、いかがでしょうか。事務局のほうから、その点で何かお伝えをすることがありますか。
○医師臨床研修推進室長(田原) それでは、私のほうから少し補足いたします。ここに書かれていますように、このワーキンググループでは、臨床研修制度の次の見直しに向けて、実態の把握と論点整理をするということです。ここでまとまったご意見について、医道審議会の医師臨床研修部会に報告をする予定です。この審議会のほうでは、臨床研修制度の見直しの方向性をしっかり検討していただくということにしておりますけれども、その前にこれまでにいろいろご指摘をいただいております論点について、実態の把握と、そしてその審議会でのご議論がスムーズになりますようにこの場で論点整理をしていただければと、そういう目的です。
○堀田知光座長 ですからここで何か提言を作るとか、方向性を出すということではなくて、あくまで論点を整理して、制度を見直すための資料を作るということが主たる目的だということですので、どうぞその点のご確認をよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。何か特別にいまご発言いただくようなことがありましたら、どうぞご自由にお願いいたします。
○神野正博委員 そうしますと、これは先ほどお話がありました平成27年度の臨床研修に関する要件とか仕組みというのは、この部会のほうで決定するということですか。
○堀田知光座長 方向性としてはそこから出すものですね。
○医師臨床研修推進室長 そういうことです。ですから方向性は審議会で議論をし、そこで決めるということですが、それに至る過程でさまざまな論点がこれまで言われておりますので、この場でその見直しの方向性も念頭に置きながらということではありますけれども、実態把握と論点整理をしていただきたいという趣旨です。
○神野正博委員 この会には権限はないという形ですね。
○堀田知光座長 方向性の決定という意味ではそういうことですね。
○医師臨床研修推進室長 ここの実態把握と論点整備というのは、見直しをするに当たって非常に大きなステップになるかと思いますので、是非その点を念頭に置きまして、ご検討いただければと思っております。
○神野正博委員 ありがとうございます。
○堀田知光座長 ある意味このワーキンググループは裏方ということですが、実際は現場の意見をいちばんきちんと把握できる場所だと思いますし、それから実態調査は、いままでの積重ねはありますけれども、これで十分なのかどうか、もっと調べる論点はないのかということを見つけ出していく会でもありますので、まずはその都度ご意見を賜りたいと思います。そのような会の位置づけでよろしいでしょうか。
○医師臨床研修推進室長 はい。
○堀田知光座長 ありがとうございます。それでは議題2「臨床研修制度のこれまでの経緯と現状について」、ここも状況認識を一致させておきたいと思いますので、事務局のほうからご説明をお願いします。
○臨床研修指導官 それでは資料2の2、3頁ですが、「臨床研修制度のこれまでの経緯」として、大きく旧制度と新制度で、新制度は平成21年度の見直し後について整理しております。時間の関係もありますので、主なポイントに絞ってご説明させていただきます。
 まず「研修期間」は、旧制度については、2つ目にありますように2年以上の努力義務としておりました。新制度になり、2年以上の必修となっています。
 続いて「研修プログラム」ですが、到達目標を達成できる研修プログラムということで、旧制度においても運用されておりましたけれども、16年度からの新制度においては7科必修としていました。その後平成21年度の見直しに当たり、専門医等の多様なキャリアパスへ円滑につながるように見直しを行い、3科必修、2科選択必修に見直しをしております。
 続いて「研修病院の主な指定基準」ということで整理しております。平成21年度において、受入病院の指導体制に格差が生じているというような指摘を踏まえ、臨床研修を行うために必要な症例があることというように規定をしておりましたが、旧制度に規定されておりましたとおり、年間入院患者数3,000人以上というものを、平成22年度からの研修においても適応をしております。※が付いておりますが、この規定について平成24年3月31日までの激変緩和措置がありますので、21年の見直し時に満たしていない病院であっても24年の3月31日までに満たせばよいということになっております。指導医の関係では、16年からの必修科については、受け持つ研修医は5人までが望ましいという規定でしたが、21年の見直しに伴い指導体制を強化するという意味から、研修医5人に対して指導医を1人以上配置という見直しをしております。この規定についても同じように、激変緩和措置が設けられております。
 3頁の「研修医の評価」の部分です。旧制度から、研修期間の中途および終了時に適切な評価を実施するというところは同じですが、新制度16年度からは、研修管理委員会において、研修実施期間、臨床研修の目標の達成度、臨床医としての適性について評価を行うということで、具体的に規定をしております。
 続いて「研修医の募集定員」です。旧制度については、募集定員に関する規定は設けられておりませんでした。平成16年度から病院の規模に応じた設定ということで、1年次、2年次の研修医の合計が病床数を10で除した数、または年間の入院患者数を100で除した数を超えないものというようにしておりました。平成21年の見直し時において、募集定員が研修希望者の1.3倍を超える規模に拡大をしたということから、募集定員の見直しをし、病院ごとに過去の受入実績、医師派遣実績等に基づき、病院ごとに募集定員を設定するという方法に改めております。加えて都道府県別にも上限を設け、都道府県の人口、医学部定員、地理的条件を踏まえた定員設定を行っております。これにつきましては※にありますとおり、平成26年3月31日までの激変緩和措置が設けられております。
 次に9頁の「臨床研修医の受入実績」ということで、「6都府県とその他の道県」とで分けて整理をしております。6都府県は東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡ということで整理しております。必修化前の平成15年度を見ますと、6都府県の割合は約51%となっています。反対にその他の道県については49%で、6都府県の割合が多かったのですが、必修化後に逆転し、平成22年度の受入実績で見ますと、その他の道県が52.2%、6都府県47.8%となっています。
 10頁は、同じく受入実績を「大学病院と臨床研修病院」に分けて整理しております。必修化前の平成15年度は、大学病院の割合が約7割、臨床研修病院が約3割となっていますが、必修化後はこの割合が逆転し、現在平成22年度の受入実績では臨床研修病院が52.8%、大学病院47.2%になっています。
 11頁は「臨床研修の実施体制」ということで、平成23年度に臨床研修医を募集した病院の数です。全体で1,038か所となっており、内訳としては基幹型の臨床研修病院が924か所、基幹型相当の大学病院が114か所となっています。
 次の12頁も、同じく平成23年度の研修医の「募集定員」の関係です。平成16年度以降、募集定員が増加していたのですが、平成20年度以降、徐々に減少しています。平成23年度の募集定員は10,468名で、特例定員を含めますと10,900名となっています。特例定員とは、一定の規模以上の基幹型病院に設けることとしている小児科と産科プログラムの募集定員のことで、この定員は各都道府県の募集定員の上限とは枠外としております。
 続いて13頁は、同じく募集定員を「臨床研修病院と大学病院」に分けて整理をしたものです。平成16年度必修化後の募集定員については、大学病院が約57%、臨床研修病院43%という割合になっていましたが、現在はこれも逆転し、臨床研修病院52.9%、大学病院47.1%という割合になっています。
 14頁は、募集定員を「都市部と地方」に分けております。都市部については、先ほどと同じように6都府県、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡と分けております。こちらは必修化後の平成16年度で、その他の道府県が58%、都市部42%ということで、大きな変化はないのですが、徐々にその他の道県が増えているという状況です。
 15頁は「臨床研修医マッチングの結果」です。昨年の22年9月に行われた、23年度から研修を開始する臨床研修医のマッチングの結果です。マッチングの募集定員は10,692人となっています。希望順位を登録した数が8,331名で、このうちマッチした人数が7,998名、マッチ率は96%となっています。このマッチングの結果を6都府県とその他と分けたのが、グラフになっています。必修化前はその他の道県が52.3%、6都府県47.7%という割合になっていたのですが、必修化後その割合はその他が減少して都市部が増えたのですが、徐々に必修化前の割合に戻ってきている状況になっています。
 続いて16頁は、同じくマッチング結果を大学病院と臨床研修病院別で分けたものがこのグラフです。必修化前の平成15年度で見ますと、大学病院の割合が約59%、臨床研修病院の割合が41%となっています。必修化後大学病院の割合が減少し、臨床研修病院の割合が増化しました。平成22年度のマッチング結果で見ますと、臨床研修病院が52.1%、大学病院が47.9%となっています。臨床研修制度の実施状況は以上です。
○堀田知光座長 ありがとうございました。ご意見をいただく前に、まず確認ですが、この資料は厚生労働省として集めた資料ですか。
○臨床研修指導官 はい、そうです。
○堀田知光座長 全体としてのマッチングの状況、そしてマッチ率の状況、あるいは大学病院と研修病院、あるいは地域で大きく見るとどう見えるか、ということがこれでかなりわかるように思います。一時期この15年度から新しい制度導入で研修医の分布が急激に動いたのが、少し落ち着いてきたというのか、あるところに収束してきたのかという印象もありますが、まずはフリートーキングで、それぞれご意見を賜ればと思います。いかがでしょうか。
○田中雄二郎委員 医科歯科大学の田中です。質問ですが、10頁と最後の頁は、何が違うのかというと数字が違うのですが、10頁は国家試験に合格した人で、16頁はその前のマッチした数字ということでよろしいですか。
○臨床研修指導官 はい、前は受入実績です。受入実績というのは、実際に国家試験を終わった後に採用された人数です。
○田中雄二郎委員 ですから、その差は卒業できなかったか国家試験に不合格になった、ということが主な原因ということですね。
○臨床研修指導官 そういう原因が考えられます。
○医師臨床研修推進室長 それもありますが、もう1つ考慮しなければいけないのは、16頁のマッチングのほうには、防衛医科大学と自治医大の医学生が入っていないことについて考慮しなければいけないかなと思います。自治医大の卒業生は、どちらかというと大学病院よりは臨床研修病院で研修をする場合が多いと。防衛医大の場合は、自衛隊中央病院もしくは防衛医科大学校で研修をされますが、防衛医科大学校は大学病院ではなくて臨床研修病院という扱いになっております。その点が少し違うということです。
○田中雄二郎委員 防衛医大が臨床研修病院という扱いなのですね。
○医師臨床研修推進室長 そういう扱いになっておりますので、必ずしもこの違いのすべてが国家試験の合格率によるものではないと思っております。
○田中雄二郎委員 あとは、アンマッチだった人が実績の中には、どこかに出てくるということもありますね。
○医師臨床研修推進室長 そうですね。アンマッチだった人でも、合格して病院に受け入れられれば実績に数字として出てきております。
○田中雄二郎委員 もう1点、10頁なのですが、大学病院の受入実績というのは、医科歯科大学もそうですが、たすき掛けみたいになっていると、半分の人は協力病院に行くわけです。これは、大学のプログラムで受け入れた人を大学病院とカウントしているのですか。
○医師臨床研修推進室長 そのとおりです。基幹型病院ベースで、受入実績がどのぐらいあるかを数字として表しております。
○田中雄二郎委員 大学病院そのものにいる研修医の数は、もっと少ないということですか。
○医師臨床研修推進室長 その時点その時点で、大学病院にいるかどうかは別途違うと思います。それは、これだけではわからない。臨床研修病院でも大学病院で研修をされる方がいらっしゃいますので、その数字を全部表したものではありません。
○田中雄二郎委員 2年目で戻ってくる人も大学にはいるので、1年目の研修医がどこにいるか。
○医師臨床研修推進室長 1年目にどこにいるかではなくて、大学病院のプログラムで受け入れたかどうかということの数字が反映されています。大学病院のプログラムで、1年目を外の臨床研修病院で受けられた場合も、大学病院としてカウントしているということです。
○大滝純司委員 研修制度の実施状況ですが、ここでお示しいただいているのは、主に枠組みだと思いますが、経過とか、アウトカム的なもの、途中で研修プログラムを変更した人とか、修了を延期した人、修了できなかった人が届け出をすることになっていると思います。マッチング前との比較ができない面もありますが、今後のことを考える上では、そういったデータもお示しいただけると、参考になりますので、ご検討いただきたいと思います。
○岡村吉隆委員 表がいくつかあるのですが、簡単に言うと、1つは大学病院か臨床研修病院かという分け方、もう1つは、6都府県というのは都会の病院とそれ以外の病院ということですね。6都府県かどうかというのは、都府県ごとの定員数の介入があったということですね。定員を決めたわけです。一方で、大学病院か臨床研修病院かというのはそういう介入はなかったということなので、介入がなかったら大学病院が、いまは下げ止まっているけれど、だんだん減ってくると。本来、都会の病院に人気が集中していたのが、都道府県ごとの定員を設けたので、それに関しては補正がなされたのかなと思って見ていたのですが、それでよろしいですか。
○堀田知光座長 それは何年から表れますか。
○医師臨床研修推進室長 まず、地方と都会という意味では、平成21年度に見直しをして、都道府県別に上限を設けて、都会の定員は増えなくなって、むしろ削る方向になっています。大学病院の扱いですが、資料2の4頁の(3)「研修医の募集定員の見直し」の2行目にありますように、病院の募集定員は医師派遣等の実績を踏まえて設定することにしており、大学病院の医師派遣の実績に応じて、最大プラス10名の定員を配分することにしておりますので、そういう意味では、大学病院は一般の臨床研修病院よりは手厚く定員の配分がされているとお考えいただければと思います。そのような見直しを行ったということです。
○堀田知光座長 それは平成21年からなので、平成21年のマッチングの人から、もう表れていると考えていいのですね。
○医師臨床研修推進室長 そうですね。平成22年度の研修医については、それが表れていることになります。平成23年度の研修医に対するマッチング、16頁のマッチングの平成22年度というところは平成23年度の研修医ですが、これについても見直しが適用されております。先ほどご説明しましたように、大学病院の割合は減っているということです。
○田中雄二郎委員 9頁というのは、6都府県とその他の道県の受入実績の割合で、これも6都府県の大学病院とか臨床研修病院、基幹型病院の所在地で分けているわけですか。
○医師臨床研修推進室長 そうです。
○田中雄二郎委員 例えば、医科歯科大などもそうですが、茨城や長野に出していますが、そういうのも東京というカウントになっているのですか。
○医師臨床研修推進室長 そういうことです。
○堀田知光座長 それは田中先生のところのプログラムで、協力病院に出している期間という意味ですね。それがあくまで大学のプログラムに乗った研修ということで、大学病院にカウントされるということですか。
○医師臨床研修推進室長 そういうことです。その点につきましては、後ほどもご説明すると思いますが、資料5の我々が実施している「臨床研修修了者アンケート調査」では、平成22年の修了者からは研修している都道府県を聞いており、それは東京の基幹型病院が研修医を受け入れたとしても、そのうち何か月東京以外の県に行っているのかがわかるような調査をしております。本日は分析が間に合っておりませんが、そういうご指摘を踏まえながら解析を進めていきたいと思っております。
○岡留健一郎委員 そもそも、この臨床研修制度の評価について、いま田原さんが平成21年度の見直しをしたと言いましたが、どういう客観的事実に基づいて厚労省はこういう見直しをしたのか、その辺りが非常に曖昧なのです。我々にはそれが全然見えてこない。いつも田原さんばかり厳しく攻めて申し訳なかったのですが、何だったのだろうか。もし臨床研修制度を評価するのであれば、この辺りの客観的な事実を、タイムスパンが要るかもしれませんが、きちんとしたデータを出さないと、簡単に見直しと言っても、非常におかしいことになるのではないかと思います。
 例えば、我々の日本病院団体としては、医師臨床研修制度が医師不足の全くの責任みたいに、いまメディアを含めて言っているみたいですが、医師不足の元凶はもともと日本の医療制度そのものにあるわけです。専門医制度も確立されていない、卒前・卒後一貫教育でもない、全くばらばらで動いているところにこの臨床研修制度が始まって、とたんに医師不足の元凶みたいに我々を名指しで言われるのです。医師臨床研修制度にこれを持ってこられると、非常に心外のです。ほかの先生方のご意見もお聞きしたいのですが、非常に根本的な質を含んでいる研修制度に、見直し、見直しと簡単に言うけれど、そんなに簡単なものではないだろうと思うのです。
○医師臨床研修推進室長 前回、平成21年度に見直しをしたときの客観的な事実や、そのときに把握できる数字は検討会でお示しをして、議論しております。それから数年経っておりますし、次の見直しはまだしばらく時間がありますので、この場で客観的な事実を積み上げていただいて、次の見直しにつなげていただければと思っております。
○岡留健一郎委員 我々としては、結論ありきの審議会や委員会ははっきり言って御免こうむりたいところなのです。厚労省がやるときは、大体方向が見えていますね。そういう専らの噂なのですが。
○医事課長 耳の痛い話ですが、そういう意味で、まさにいま先生がおっしゃったように、検証に基づいた議論を行っていただきたいと考えております。
○岡留健一郎委員 言質を取りたかったのです。
○医事課長 おっしゃるとおり、そこはデータに基づいて検証をお願いして、それに基づいてご議論いただくということを考えております。
○岡留健一郎委員 それをやっていただきたいと思ったものですから。
○堀田知光座長 基本的に、この会議は論点整理をするわけだから、もし変える必要はないというデータが出れば、そのような方向になると思います。あくまでデータベースで話をしたいということです。
○神野正博委員 この中で唯一の日本海側で、過疎地から参りました。医者もいないのですが、患者もいなくなってくる地域です。能登半島の現場としては、いま岡留先生がおっしゃったように、決して臨床研修制度があったから医師不足になったと、そういうものを付けること自体が、地方から見ても反対です。臨床研修制度で良いところはたくさんあったと思います。
 また、先ほど田中先生がおっしゃったことの関係ですが、いま地域医療ということで1か月の研修をやっているわけです。これに関しては、能登でも能登北部、ほとんど人がいないような所ですが、そういう所に東京の大学とか全国の大学から地域医療研修で来ていらっしゃるのです。そういった意味では、地域医療研修の中身がわかったら教えていただきたいというか、この制度が良かったのか悪かったのか、地域医療と称してどういう所に研修医たちが行っているのかを、是非明らかにしていただきたいと思います。
 そういうことがあって、地域医療研修も地域医療と言いながら、1つの県の中でも都会の病院に行っているケースもあるし、あるいは本当に田舎へ行って訪問診療をしながら、あるいは地域の先生とお酒を飲みながらディスカッションしているような研修もありますので、これの評価を是非入れていただきたいと思います。
○堀田知光座長 最近は女性医師も大変多くて、マッチングではそういう人たちがどこへ行くのかということは興味があるのですが、片岡先生、女性医師の立場からいまの研修制度について、このデータから何かご質問なりコメントをいただけますか。
○片岡仁美委員 女性医師の観点からすると、新医師臨床研修制度導入前にも、研修中に妊娠・出産ということはもちろんあり得たと思うのですが、今回90日以上休んだら修了できないなど、明確な基準ができました。その際90日を越えなければ研修期間中に産休をとっても修了できる、など細部の議論がなされたということは、キャリアと自分の人生をきちんと両立するという観点が生まれる1つのきっかけにもなったと思います。逆に、そのことでうまく合わせることができずにというケースも、もちろんあると思うのですが、少なくとも我々の大学等でも、そういった事例には個人で対処するのではなく、研修センターとしてサポートするという体制はできていると思います。女性についてはそういった現況があります。
 私も10頁の表についてご質問しようと思っていたのです。先ほど田中先生から質問があったので、同じことになるかもしれませんが、平成15年から平成16年で一気に大学病院で研修している人が減って、臨床研修病院が増えたというドラスティックな変化があったようにこの表からは見えるのです。しかし、私は全部の大学病院の現状を知っているわけではありませんが、年度初めの4月は大学病院に所属していて、実際は数箇月で地域の病院に研修に出るというケースは、ままあると思います。少なくとも岡山大学病院では、平成15年以前の状態では、大学病院で研修をスタートし、数か月を超えたら地域で研修を行うというのが通例でした。この表があまりにもインパクトがありすぎるために、大学から市中病院へ、と流れが変わったように言われますが、本当はもともと大学病院にのみ集中していたわけではないのではないかという印象を持っております。
○堀田知光座長 ありがとうございます。確かに、プログラムの中でたすき掛けになっていると、違う病院に行っている時期もあって、全部が大学病院ではないと言うことですね。臨床研修病院でもそういう部分はないわけではないですが、それはもう少し詳細なデータがないとわからないことかもしれないので、もし必要なら、今後この会としてそういう調査も含めてやろうと思います。実態は本当はどうなっているのだということが必要であれば、そのデータも取るような仕組みを考えていきたいと思います。
 今日は岡部先生には基礎医学のほうから出てきていただいているので、いまの議論には参加しにくいかと思うのですが、全体として基礎医学に行く人が少ないということは前から指摘されていますが、このシステムが導入されてから余計にそうなのか、それがデータとして出てくるものかどうか、印象としてどのようなことをお考えですか。
○岡部繁男委員 全国の国立大学の基礎系の教員の統計を取ったり、主要な大学の卒業生が直接基礎に進学する人数を数えたり、そういう調査はいくつかしています。確かに、臨床研修制度の開始時期と合わせて、卒業してすぐに大学院に進学する方は減っています。ただ、長期低落傾向にあるのは確かですので、これが本当に関係があるのかは、客観的な事実はあまりないのです。
 ただ、基礎医学に限らずマイノリティの分野、基礎医学、社会医学、国際医療、あるいは医療行政のようなものなどもそうだと思いますが、そういうところも当然人が少ないだけに逆に大事にしなければいけない分野で、医療の多様性を確保するためには、そういうところに人材を送り続けることが絶対に必要なわけです。臨床研修制度は、当然そういう人たちに目配りをして、そういう方の教育にも資するものである必要があるし、そういう方がきちんと臨床研修の期間に医師としてのQualificationを受けて、そのあと自分の分野で活躍していくという形に、是非この制度を今後作っていただきたいと思います。そういう意味で、統計だけを見ても細かいところはわかりませんので、是非そういう個別の方の聴き取り調査なども含めて調べていただいて、次回の平成27年度の見直しの際にはいい形で組み入れていただければと思っております。
 特に重要なのは、大学院教育との兼合いです。臨床研修と大学院教育をいかに組み合わせるか。学問としての医学を学ぶことは、決して臨床研修にとってマイナスなことではないと思うのです。客観的な事実をつかんで、それを医療に活かしていくというのは、別に大学院であっても臨床研修であっても同じ教育ですので、そういう視点を是非取り入れていただければと思います。
○堀田知光座長 ありがとうございました。貴重な意見をいただきました。ほかに何かご意見はありますか。
○岡留健一郎委員 岡部先生の意見は全く賛成です。厚労省の発表したデータの中にあると思いますが、帰学率を見たのです。臨床研修が終わって、どのぐらい自分の大学に帰ってきているか。東京の数校はものすごく高いのですが、圧倒的に多いのは九大なのです。それはどういうことかというと、研究が終わった連中は、基礎教育も含めて非常に幅広いフィールドで大学院に行かせて、そこでトレーニングして、また将来臨床にフィードバックするという、臨床研修から大学院も含めて専門教育のそういうプロセスがあるから、九大があんなに高い帰学率を誇っているのかなと解析しているのです。おそらく、これからそのデータが出てくると思いますが、厚労省のデータから私はそのように感じました。
○医師臨床研修推進室長 いまの帰学率の調査というのは、我々ではなくて、全国医学部長病院長会議のものだと思います。
○堀田知光座長 全国医学部長病院長会議が、データを持っていると。
○岡留健一郎委員 出ていました。
○堀田知光座長 ありがとうございます。いろいろご意見はありましたが、もう少し詳細な最近の旧制度に対する調査結果も出ていますので、それも踏まえてご意見をいただきたいと思います。
 それでは、「臨床研修制度に対する最近の調査結果」についてご説明をお願いします。
○臨床研修専門官(佐藤) それでは、「臨床研修制度に関する最近の調査結果」についてご説明します。本日は、ここにご紹介するデータに基づいて詳細に内容を議論していただくというよりも、今後このワーキンググループで議論していただくに当たって、このようなデータがありますという紹介の意味合いでデータを紹介したいと思っております。
 資料3、資料4についてですが、こちらはそれぞれ平成21年度、平成22年度の厚生労働科学研究において、国立国際医療研究センター総長の桐野高明先生に取りまとめていただいた報告書の概要です。こちらの研究班では、特に臨床研修制度の評価に際して共通の基盤で議論を行うために、必要な客観的データを整備していただきました。このワーキンググループも、今後議論していく上で活用できるデータが多く含まれていると思いますので、ここでご紹介します。
 この研究活動は、平成21年9月から開始していただきました。平成21年度は、制度の評価に当たって必要な調査について研究班で主にご議論いただき、その中で重要性、緊急性等の観点から優先度の高いものを平成22年度に行っていただきました。
 資料3をご覧ください。こちらは平成21年度研究報告の要旨になります。いちばん表にあるのがこのような構造になっているという絵ですが、評価の対象として3つ挙げられました。オレンジ色の枠になっているものが「研修医の到達目標達成度評価」、青いものが「研修プログラム」あるいは「研修病院の評価」、緑のものが「制度自体に対する評価」です。あとは本文に沿って簡単にご説明します。
 3頁をご覧ください。「研究班の構成」として、ご覧の方々にご研究いただきました。桐野先生を主任研究者として、分担研究者として大滝先生にもご協力いただいております。
 5頁をお開きください。いま申し上げた3つの研究項目について、どのような調査が必要だとか、こういった検討が必要だという議論がありましたので、それをかいつまんでご説明します。
 4「結果および考察」の1)研修医の到達目標達成度評価ですが、この中で4つの調査が必要ではないかという議論がありました。(1)研修到達目標の達成度の評価方法の実態把握として、基幹型病院、当時は1,059ありましたが、そのプログラム責任者を対象としたアンケートをしたらどうかというご提案です。
 アンケートですが、こちらは平成21年度にこの研究班と並行して、研究班の分担研究者にもなっておられた齋藤宣彦先生の厚生労働科学研究で、「医師の初期臨床研修到達目標達成度評価に関する研究」の中で、ある程度ご評価いただいたものがあります。結果としては、達成度の総括評価は、80%の研修プログラムではレポートサマリーによって行われており、観察記録も半数で併用されていた。また、これは後ほど田中先生からもご説明があるかと思いますが、EPOCは大学病院の約40%、大学病院以外は15%が利用されていた。総括評価の時期は2年修了時が約70%、各分野の修了時が約40%であった。その評価者については、指導医が約90%であった。先ほど大滝先生からもありました研修未修了者については、研修医の約3%が未修了と判定されており、その約16%が修了レベルに達していないための未修了とされていたというアンケート調査結果があります。こちらの研究班でも、大滝先生にもご協力いただいております。
 (2)は、研修医の基本的診療能力に関する自己評価です。こちらも、この研究班よりも少し前、平成17年から平成19年に厚生労働科学研究で、聖路加国際病院の福井次矢先生にご研究いただいたものがあります。こちらでは、臨床研修制度が始まる前の平成15年の2年目の研修医と、臨床研修制度が始まってから平成18年の2年目の研修医とで、自己申告ではありますが、主に臨床能力の修得状況、あるいは客観的データとして症状・病態の経験症例数のデータ等を調査したものがあります。こういった悉皆性の高い調査は非常に有用なので、将来に向けて経年的に観察していく方法も検討していく必要があるだろうということが指摘されております。
 (3)は「臨床研修の到達目標」の設定に関する調査です。こちらは、例えば新制度で2年間の研修を修了し、現在は専門医の研修を行っているような医師を対象として、自分の経験した初期臨床研修を振り返って、その内容や到達目標の妥当性等について調査を行うことはどうかといったご指摘です。
 (4)は、オンライン卒後臨床研修評価システム(EPOC)の活用です。こちらも田中先生が非常にご尽力されている分野ですが、EPOCでこれまで集積されたデータの一部を研修医の到達目標達成度調査の現状把握に活用し、EPOCと質的評価手法(ポートフォリオやサンプリング等)を組み合わせて、研修医の評価を行う手法について検討する必要があるのではないかといったご指摘がありました。
 2)研修プログラムの評価としては、(1)臨床研修を行う病院の認証制度と第三者評価。臨床研修の質の保証を目的として、現在外形基準による評価(ストラクチャー評価)はあるけれど、プロセス評価、アウトカム評価と組み合わせた包括的プログラム評価に基づいたような形で、国が臨床研修を行う全病院を対象として行う認証制度が存在していないという現状があって、認証制度の導入が必要なのではないか。必要なのかどうか。必要であるとすれば、どのような形で行えるか。例えば、すべての臨床研修を行う病院が一定期間内に受審できるような評価内容や評価体制を、具体的に検討する必要があるだろうという指摘がありました。
 (2)ですが、先ほども平成21年の見直しの話がありましたが、基幹型臨床研修病院の指定基準の1つとして、「年間入院患者数3,000人以上」といった項目が加わっております。これを満たさない基幹型臨床研修病院が、今後基幹型臨床研修病院としてやっていくことがいいのかどうかを評価するために、今後小規模の基幹型病院の検証をしていく必要があるだろうという指摘がありました。また、基幹型病院の外形基準とそこで行われる臨床研修の質との関連が評価可能となるようなデータの収集を行って、それに基づいて基準を設定すべきだろうという議論も行われました。
 3)制度それ自体に対する評価として、都道府県別の研修医定数上限を決めるための根拠と、その根拠を導くためのデータの収集方法を考慮する必要があるだろうというご指摘。地図情報システム(GIS)の手法を用いて、地図上で医療ニーズ、医療機関、医師の配置等の情報を表示して、相互の関連を機能面から視覚化することによって、研修医を含む医師の最適配置のシミュレーションを行うことなども可能ではないかといったご指摘がありました。
 初期臨床研修を終えて、専門医研修を行っているような医師の地域分布、専門分野別の研修状況等について、全国規模で把握できるよう、確度の高い医師人材データベースの構築も必要ではないかといったご指摘。また、先ほど基礎医学のお話が岡部先生からありましたが、地域医療に従事する医師が減少している問題、あるいは基礎医学者が減少している問題といった指摘について、実態を把握する必要がある。そのための正確なデータを収集した上で、臨床研修制度が減少にどの程度寄与しているのか、その因果関係が明確となるような評価項目、評価手法があるのかどうかを検討する必要があるのではないかというご議論がありました。
 平成21年は、そういった形で臨床研修を評価するための視点をいくつかご提案いただいたわけですが、平成22年度の研究においては、この中で重要性の高いもの、緊急性の高いものについて、11頁の5の4つの項目について調査を行うこととなりました。(1)としては、新しい制度の前後で初期臨床研修を修了した医師に対するアンケート調査。(2)としては、小規模の臨床研修病院に対する実地訪問調査。(3)としては、医師人材養成と地域医療に係る地図情報システム(GIS)のデータ整備。(4)としては、コンピュータを用いた全国規模の卒後臨床研修評価システムの検討。この4つの項目について、平成22年度に行うこととなりました。
 この4つの項目については、資料4で少し詳しくご説明します。目次にある研究項目が、先ほど申し上げたものと全く同じ4つの調査、あるいは検討項目です。次頁ですが、研究班の構成メンバーです。こちらは先ほどご覧いただいた先生方に研究協力者として、EPOCに関しては田中先生にもご協力いただきました。
 3頁ですが、これからは具体的に調査項目についてご説明します。(1)初期臨床研修を修了した医師に対するアンケート調査です。こちらは、新しい臨床研修制度の前と後で、前に研修を行った医師、臨床研修制度が始まってから臨床研修を行った医師、それぞれ2群に分けてアンケート調査を行っております。実施期間は、2011年3月4日から25日です。調査対象者は、新制度下の臨床研修修了者については平成16年から平成19年卒業の医師で、調査時点においては7年目から9年目に当たる4学年の医師です。旧制度の下での臨床研修を行った医師については、平成13年から平成15年卒業の医師で、アンケート調査時点においては3年目から6年目の医師に当たります。こういった医師を対象に、80の大学病院と190の臨床研修病院を通じてアンケート調査票を配付してアンケートを行いました。
 回収率ですが、「結果」をご覧ください。病院単位で言いますと、臨床研修病院が63.7%、大学病院が87.5%と、少し大学病院のほうがいい数字になっておりますが、病院単位では71%の回収率を得ております。個人単位で言いますと、臨床研修病院が51.7%、大学病院が42.3%で、45.9%の回収率を達成しております。具体的な人数については、新制度が693人、旧制度が530人。それぞれの大学病院、臨床研修病院の種別ですが、旧制度では81.7%が大学病院、17.9%が臨床研修病院で研修中の方になっております。新制度では48.9%が大学病院、50.8%が臨床研修病院で研修を行った方になっております。
 結果について、主なものだけ説明します。29頁から、単純集計ですが、具体的な結果が載っております。詳しくはこちらをご参照いただきたいと思いますが、主なところだけかいつまんでご説明します。基礎的な話ですが、地域分布については、30頁の問5にありますように、後ほどご説明する全臨床研修修了者を対象にした修了者アンケート調査と比べて、大体同じような分布になっております。震災の影響で東北がやや少なくなっております。
 診療科の分布は、31頁の問8にあります。旧制度の外科がやや少なくなっておりますが、あとは新制度と旧制度のバランスは大体とれているのではないかと思います。
 49頁です。問12、新幹線や航空機内で急病人が出た際に医師として名乗り出るかどうかについては、新制度の医師の53%、旧制度の医師の46%が「名乗り出る」という結果が出ております。問13は入局に関してですが、こちらは旧制度の93.2%、新制度の76.8%が「入局をしている」という結果が出ております。
○堀田知光座長 ページがわからないのですが。
○臨床研修専門官 申し訳ございません。お手元の報告書には詳しい集計表もあるのですが、お配りした資料には単純集計表はありませんでした。
○医師臨床研修推進室長 いま佐藤からご説明したのは、いまご覧いただいている報告書の頁を申し上げておりましたが、お手元の配付した資料でご説明しますので、こちらは適宜ご参考ということでご覧いただきたいと思います。資料4でご覧いただければと思います。
○臨床研修専門官 失礼しました。資料4の4頁をお開きください。下から3段落目ですが、自身の受けた臨床研修への満足度については、旧制度で3.7点、新制度で3.8点と、平均ですが、あまり変わりのない状況となっております。アンケートの調査結果についてはいろいろありますが、今日はこれまでにしたいと思います。
 続きまして、2番目の調査項目、「小規模の臨床研修病院に対する実地訪問調査」です。6頁をお開きください。実施期間は平成23年2月から3月です。調査対象としては、臨床研修病院のうち新規入院患者が年間3,000人未満、かつ平成21年度、平成22年度の2年間に研修医の受入実績のある全国の7病院を対象としました。ただし、震災の影響で1病院が行けず、実際に行けたのは6病院となります。
 調査体制ですが、NPO法人卒後臨床研修評価機構から、協力依頼によるサーベイヤー2名と研究班員で調査に行っております。どのようなポイントで調査をされたかというと、基本的な診療能力が身に付いているかどうかという点を、臨床研修医に対して担当症例の発表や質疑を通して確認すること、インタビュー対象研修医に対して経験症例数を記入していただいて、それを通して確認をしていただきました。詳細については、それぞれの病院の訪問報告がありますので、こちらをご覧いただきたいと思いますが、東北1病院、関東・信越地方1病院、中部地方2病院、中国・四国地方1病院、九州地方1病院訪問をされております。
 10頁をお開きください。全体的な結果ですが、「考察」をご覧ください。臨床研修体制に関しては、すべての病院において研修管理委員会などが適切に運営されており、指導者の数、質ともに要件を満たされている。小規模病院の特徴として、研修医個々人に対応したきめ細かい指導と、コメディカルスタッフを含めた病院全体の温かい家庭的な雰囲気が共通して見られたということがありました。小規模病院では、すべての診療科を自病院で研修することはできにくく、近隣の大病院と連携しているケースも多いけれど、その連携の実態はきめ細かいものが多く、研修医の満足度も概して高かったという結果でした。
 経験症例数ですが、対象研修医数が7名と少なかったので、ものがどのぐらい言えるかどうかはまた別問題ですが、先ほど申し上げた福井先生の研究班のご報告と比べて、遜色のない内容であったということです。
 11頁をお開きください。3番、「医師人材養成と地域医療に係る地図情報システム(GIS)のデータ整備」についてご説明します。目的としては、新医師臨床研修制度導入前後の地域医療の変化を把握する第一歩として、研修医の地域分布、臨床研修修了後に医師がどのように移動したかの2点について、制度の導入前後の変化を地図上に視覚化したということです。方法としては、平成12年から平成20年の「医師・歯科医師・薬剤師調査」を用いて、市町村単位での勤務先の所在地や従事先の施設の種別、大学病院か臨床研修病院か等に関するデータの提供を受けて、業務委託先の会社において地図上への視覚化作業を行いました。
 具体的には地図を見ていただいたほうがいいかと思いますが、14頁をお開きください。こちらは東北地方と関東地方の首都圏の部分だけ拡大したものを例示として載せておりますが、お手元の報告書にはすべての地域があります。こちらの例でご説明します。
 臨床研修制度の前の状況として、平成12年と平成14年のデータを使っておりますが、その2年で1年目の研修医だった医師の数と、制度の導入後として平成18年と平成20年のデータを用いておりますが、この2年において1年目だった医師の増減を割算したものを色で示しております。1つポイントとなるのが青棒グラフの存在ですが、青棒グラフが研修医の合計数です。合計数が高いのが、大体医学部の存在している地域だとお考えいただいていいのですが、東北地方でも首都圏でも、棒グラフが高めの所が青色になっていることが、一見しておわかりになると思います。これは、平成18年から平成20年にかけて研修医が減った、つまり医学部が存在している、あるいは首都圏に県庁所在地があるような都市部においては研修医が減る傾向にあって、逆にその周辺の地域では赤い地域が多く見られると思いますが、研修医数が増加する傾向が見られるという見方ができるかと思います。
 もう1つ、例を別の地図で説明します。16頁をお開きください。16、17頁ですが、同じ地域で制度の導入前と導入後を上と下で比較できるように地図を並べております。これは1、2年目の研修医数と3、4年目の研修医数を、制度導入前と制度導入後でそれぞれ増減を比較したものです。制度導入前は、1、2年目から3、4年目にかけて、ざっと見ると医学部があったり県庁所在地の部分が緑色っぽくなっている地域が多いことがわかるかと思います。下の制度の導入後は、棒が高くなっている部分が、どちらかというと赤かったりオレンジ色だったりということが、傾向として見られます。これはどういうことを意味しているかというと、1、2年目から3、4年目にかけて、制度導入前は都道府県所在地、あるいは医学部があるような都市部から周辺地域に医師が移動する傾向があったのに対して、制度の導入後は、逆に周辺地域から都道府県所在地、あるいは医学部のあるような都市部に移動する傾向が見られるという見方ができるのではないかと思います。
 これについては、この2学年でいいのか、あるいは5年目以降の医師を追っていないとか、いろいろな検討の余地があるデータだと思いますが、1つの現象を地図化したものとしてご理解いただければと思います。
 最後ですが、20頁をお開きください。4番、EPOCについてです。EPOCとは何かというところから最初にご説明しますと、新卒後臨床研修制度の開始に際して、研修医あるいは指導スタッフが研修の進捗状況を随時記録・閲覧でき、かつ評価を共有できる臨床研修評価ツールとして国立大学附属病院長会議で開発され、2004年から一般供用された評価システムです。どういった活用の仕方ができるかをまとめておりますが、主目的として、研修医評価ツールとして用いることができます。EPOCの評価項目は、そもそも厚生労働省の「臨床研修の到達目標」に準拠しており、それに基づいて研修医の自己評価と指導医による評価の二本立てで評価をするシステムになっております。
 また、プログラムの評価ツールとして活用することができます。こちらは研修医によるプログラム提供側への評価も記録しており、例えば自分の病院と全国データとを比較したり、そういった研修プログラムのパフォーマンスを評価するツールとしての活用も可能です。EPOCは全国の研修医の約6割に利用されているということですが、こちらをもう少し広げれば、研修制度自体の評価の基礎データとして活用することもできる可能性があります。
 それを広げるための1つの方策として、2011年度から「Minimum EPOC」という、手続き等いろいろな面で簡素化されたEPOCの導入がされておりますので、こちらの普及に伴って、サーベイランスシステムとして、より悉皆性が担保できるのではないかと期待されております。以上、長くなりましたが、桐野先生の研究班の報告でした。
○医師臨床研修推進室長 私から、資料5について簡単に説明をしたいと思います。「臨床研修修了者アンケート調査」となっていますが、1頁をご覧いただきたいと思います。この調査は4番目にありますように、厚生労働省医政局医事課医師臨床研修推進室が調査主体となり実施をしている調査です。2番目にありますように、調査年の3月末に臨床研修を修了するすべての医師を対象にしたものになっています。回収結果は7番にありますように、平成21年では回収率55%、平成22年では69.9%になっており、平成23年修了者の方については現在集計中です。
 3頁以降にその結果の概要を載せていますが、簡単に申し上げますと「男女比」について、あるいは「出身大学の所在する地域」について、4頁には「臨床研修を行った病院の種別」について、4番目は「臨床研修を行った病院を選んだ理由」について、5番目は5頁ですが「臨床研修後に従事する病院の種別」について、6番目はその「臨床研修修了後に勤務する病院を選んだ理由」について、6頁ですが「研修医の各診療科における平均ローテート期間」を月数でお示ししたものです。いちばん上では、内科8か月、外科3.2か月、救急1.7か月等々といったローテーションの仕方です。
 7頁にまいりまして、「将来従事を希望する診療科」について、研修前に希望した場合と研修後に希望した場合をそれぞれお示ししています。いちばん右側には、参考として平成20年度の三師調査、医師・歯科医師・薬剤師調査における割合をお示ししています。その下は「将来の診療科を選んだ理由」です。8頁です。10番では「経験した臨床研修の満足度」、11では「医師不足地域での従事について」等々のデータをまとめています。
 そのあとは、平成21年の結果概要と調査票、単純集計をお示ししているところです。時間がありませんので、質問に応じてまた説明をしたいと思います。
○堀田知光座長 ごく最近できたばかりのデータもありますが、臨床研修制度に対する調査結果で、1つは桐野先生が代表の研究班の報告書、これも非常に詳細な分析と課題を提示しておられますし、三師調査の結果を踏まえた分布についてもあります。どれも平成22年度とはいえ、つい最近、ちょうど震災をはさんだ時期の調査という極めて微妙な調査にもなったかとも思いますが、このワーキングとしてはそういった新しいデータを踏まえて、今後どのような補足なり、あるいはどういう視点でデータを集めていくかという議論になろうかと思います。いまのご説明で何かご意見はありませんか。
○神野正博委員 いろいろなことがあって広すぎて何なのですが、ちょっと言いたいことだけ。そうすると今回の資料に関して、アンケートとか調査に関しては、モデルチェンジしたあとの平成21年度の人たちはまだ入ってないのですね。
○医師臨床研修推進室長 そうです。
○神野正博委員 このモデルチェンジの経緯が、先ほど話があったけれどもよくわからないのだけれども、本来、臨床研修の目的はプライマリケアをきちんとできる人たちをつくることだったと思うのですが、このモデルチェンジで専門医研修というのが入って、おそらくこういったデータが相当変わってくると思うのです。ですから、逆にいま平成21年度に入った人たちが卒業をしたときがどう変わるかが非常に興味はあるし、それがいまの臨床研修制度の評価につながるのかと思うので、それを踏まえた、次の質問を踏まえたデータをきちんと取る必要があるのかと思いました。
 もう1つ、これは私は実は本当に不勉強で申し訳なかったのですが、私の所はいま15人ぐらいの研修医をお世話しているのですが、EPOCは60%しかやってなかったのですか。これは本来、正直言って国の制度に則って新臨床研修制度がやっていた、私はてっきり必修化するものだと思っていたのですが。そうすると、EPOC以外で評価する方法は何もないのですよね。あとは、各病院と各研修医が独自に評価していたわけですよね。何か、ご免なさい、明後日の質問かもしれませんが、なぜEPOC100%にしなかったのかと、いまさら不勉強で申し訳ないのですがびっくりしてしまったのです、というのが感想です。
○堀田知光座長 この点に関しては、田中先生、何かコメントはあると。
○田中雄二郎委員 私は100%であってほしいと思うのですが、もともと作ったのが国立大学附属病院長会議で作って、でもどこでも使えますとPRはしたのですが、ちょっとPR不足だったかもしれません。でも、要するに、当初いちばん言われたことは、非常に面倒であると。つまり、286ぐらいの項目についてローテーションごとに評価を入れなくてはいけないので、それが研修医も指導医にとっても非常に負担であることは言われていて、それが普及に対してボトルネックになった可能性はあるのです。
 ですから、いまは2年間で280いくつの項目が終われば、それでもいい、そういう入力方法でもいいと変えてはいますが、変えたから劇的に普及率は上がったというわけでもないのです。ですから、個人的な意見は神野先生がおっしゃるとおりで、何かせっかく必修の臨床研修制度だから、何か必修の評価方法があってもいいのではないかと個人的には思っています。
○医師臨床研修推進室長 制度上の位置づけですが、こういった評価については、いま田中先生からお話もありましたように、負担もある程度あるということで、義務づけというところまではしてなかったわけです。ただし、こういうものを活用してくださいという情報はお知らせしていましたし、実際にEPOCを使ってない所は個別の研修手帳を使って評価をしているものだと考えています。
○堀田知光座長 EPOCについては、いまのことでよろしいですか。いずれにしても60%ではいけないので、もう少し使い勝手のいいものにしてある意味では義務づけてもいいのかもしれない。そうすると全体のデータとして達成度をきちっと評価できるということかもしれませんね。この辺は今後の課題にしたいと考えます。
○大滝純司委員 田中先生の下で私もEPOCにかかわらせていただいていますが、こういった制度の限界でもあると思うのですが、実際に個々の所がきちんとやっているかどうかを、表面的な調査ではなかなか確認できません。制度ではこうなっているということについて、そのとおりやっていない所をどう把握するかが今後の課題の1つであると思います。それを把握できないまま単なる表面的な制度の見直しをしても、結局、制度と実態がどんどん乖離していくことになりかねません。私はEPOCをやっていない所すべてが研修手帳を使って、あるいはレポートをきちんと作らせて、それを管理委員会できちんと把握している所ばかりではないと認識しています。これは個人的にいろいろな所からそういった実態を伺っています。
 もちろん制度が負担になることも事実ですので、できるだけ実施可能性が高い、かつ妥当性の高いものに制度側も変わっていかなければいけないでしょうし、その場合には実態がどうなっているかを、先ほどのご意見にもありましたが、データとしてまずきちんと把握することがますます重要になるだろうと思っています。
○堀田知光座長 EPOCを活用している60%以外の、残りの40%はどういう意味で使ってないかは把握されているのですか。それはどうですか。
○医師臨床研修推進室長 それは具体的には我々のほうでは把握をしていませんので、把握の仕方も含めてご相談しながら進めていきたいと思います。
○堀田知光座長 できれば使いやすいもので統一した仕組みで必須化するのが原則かと思います。この点はよろしいですか。それでは今村先生。
○今村聡委員 本当に基本的なことで恐縮ですが、これは研修プログラムの中で、例えば基幹型、例えば大学病院の場合に、診療科はこれが必修だというのは決まっているわけですが、協力型の病院にどのぐらいの期間いるのでしょうか。例えば大学病院に研修医として入った場合に、外の病院の協力病院のほうが長いケースもあるでしょうし、大学病院の中でローテーションでほとんどすべてを終わられる方もたぶんいるのだと思うのです。そういう期間のルールがあるのかどうかということ。それから大学病院と臨床研修病院の間で、そういう自院と協力している病院に出ている期間の差があるのかどうかは、どうなのでしょうか。
○医師臨床研修推進室長 いまのご質問に対応する実態は把握できていません。協力型病院でどのぐらいの期間研修をしているのかは、我々が実施をしている現在の修了者アンケート調査にも盛り込まれていませんので、これはいまのご指摘を踏まえて盛り込むということは可能です。また、都道府県だけはある程度調べていますのでわかりますが、協力病院にどのぐらい行っているかは、そういう調査項目を設けないと実態はわかりにくいと。
 ただ、基幹型病院に24か月のうち、8か月以上はそこで研修しないといけないということがありますので、少なくとも8か月以上は基幹型病院で研修をしているということは言えるかと思います。
○今村聡委員 その8か月というところを私はきちんと理解していませんでした。それ以外の16か月が、要するに16なのかゼロなのかということはあり得て。
○医師臨床研修推進室長 そういうことです。
○今村聡委員 そのデータはない。
○医師臨床研修推進室長 いまのところありません。
○今村聡委員 昔だと、例えば大学病院に行かれて、大学病院に研修医がたくさんいるから、外の病院に研修に行かれるということがあった。一時期、新しい研修制度になったときに大学病院の研修医が極端に減ってしまったので、外に出せる人がいなくて引き上げるみたいな、そういう議論がいろいろあったように覚えていますが、その辺、例えば臨床研修病院のほうにたくさん研修医が行かれている中で、さらに協力型の地域の病院に出ておられる期間がどうなのかは、従来と変わっている可能性も当然あり得るのかと思ったので伺いました。
 もう1点、アンケートの中に満足か満足でないかと、大学病院で研修したから満足、臨床研修病院で研修したから満足という満足度のアンケートがあったかと思うのですが、その期間によってたぶん相当違ってしまうのかと。だから、全体のプログラムとしては大学のプログラム、臨床研修病院のプログラムということになっているのだろうと思いますが、実際、そこの期間が相当違うと何かアンケートの結果が左右されるのかと、それも気になったものですから。
○堀田知光座長 そのほか全般を通して何かご意見、ご質問。大滝先生はこの研究班の班員でいらっしゃったのですが、何か追加でコメントすることはありますか。
○大滝純司委員 いまかなり詳しくご説明していただいたと思います。ただ、先ほど申しましたこととつながるのですが、ではどうすればいいのかと、どこに問題があるのかについて、これから議論したり分析していく必要があると思います。個人的な意見としては、せっかくこれだけ良いデータが出てきて、また推進室でも毎年基本的な調査をなさるということであれば、むしろ可能な範囲でこれを公開する方向に持っていって、いろいろな方がいろいろな視点で分析できるようにする、今後はそういったことも必要になると思います。
○堀田知光座長 私もこの報告書は膨大な資料なものだから、なかなかフォローしきれない部分があるのですが、見ているとなかなか味があるというか、非常にいろいろな示唆に富むデータだと思うのです。研修医の分布や流れについて当初言われていたのと違うではないか、という印象もかなり持ちます。というのは、都市部と地方との分布などもなかなか興味深い流れがあると思ったところです。これもまだ非常に新しいデータですので、これを踏まえて次もどうこれを継続する部分、それから付け加える部分を今後議論していきたいと思います。
 今後の議論の進め方に入っていきたいのですが、その辺りはいかがですか。
○臨床研修専門官 資料6に基づいて説明します。最初にありました資料1とかぶるところがありますが、改めて少し説明をしたいと思います。「目的」については、先ほど来ありましたとおり、こちらでは次回の臨床研修制度の見直しに向けて、臨床研修の実施状況や地域医療への影響に関する実態を把握して、論点を整理することを目的としています。
 「主な検討内容」については、昨年7月に医道審議会臨床研修部会でご議論いただきました評価項目、こちらに沿った内容で検討を進めていただけたらと考えています。「制度の運用状況に関する事項」、こちらも先ほど資料1にもありましたが、研修医の基本的な診療能力とか、受入病院の指導・管理体制等、「制度の導入による影響に関する事項」、研修医のキャリア形成に与えた影響、あるいは地域医療に与えた影響等、「臨床研修制度の全体的な評価に関する事項」、基本理念、到達目標、研修期間といった根本的なところも含めて検討を進めていきたいと考えています。
 「主な実態把握の方法」としては、いろいろな統計データもあります。先ほど岡部先生からもいろいろな立場の方からヒアリングもというお話もありました。今後また、足りないアンケート調査を行っていくこともあり得ます。また、先ほど少し説明を申し上げました、臨床研修病院へ実際に訪問して調査を行うといった訪問調査の結果、あるいは関係団体が実施する調査、いろいろなデータがありますので、こういったデータ、あるいはいろいろな立場の方からのヒアリング等を活用してご検討いただけるのではないかと考えています。
 「今後のスケジュール」ですが、本日が第1回でしたが、今後おおむね2か月に1回程度開催してまいりまして、平成24年中を目途にワーキンググループでの検討結果を取りまとめて、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会に報告ができればと考えています。ワーキンググループ終了後の予定ですが、参考をご参照いただければと思います。平成25年中を目途に、医師臨床研修部会において臨床研修制度に対する総合的な評価を行って、制度全般の見直しを検討し、平成26年4月以降に、平成27年度から実際に臨床研修が受けられる研修医を募集していくという流れを想定しています。
 次の「別紙」に、本ワーキンググループにおける具体的な検討スケジュールがあります。本日、第1回として、こちらにあるようなテーマでご議論をいただきました。第2回以降は、9月、11月、1月、3月と2か月置きを大体考えていますが、少し系統的に臨床制度の評価に関するデータをもとにご議論いただきたいと考えています。
 9月の第2回では、研修医自体に焦点を当てて、どのような研修プログラムで研修を受けたか、あるいは臨床研修制度の導入によって研修医のキャリア形成がどのような影響を受けたか、そういったことをご議論いただければと考えています。
 また、第3回においては、臨床研修病院に焦点を当てて、臨床研修病院の指導・管理体制、研修医の処遇、あるいは臨床研修の修了状況等についてご議論いただきたいと考えています。
 第4回では、地域医療に与えた影響、こちらについて少しテーマを絞って、研修医の分布とか、あるいは募集定員についてご議論をいただければと考えています。
 この4回までのご議論を受けて、年度末ごろになるかと思いますが、第5回ワーキンググループにおいて一旦論点を整理して、関連する医学教育の実施状況についても少しご議論をいただいて、平成24年度以降については、ヒアリングとか、いろいろとまだ議論し尽くされなかった部分もあるかと思いますので、そういった部分についてご議論いただくという流れを事務局としては考えています。
 これ以外にもいろいろな調査結果が、例えば医師・歯科医師・薬剤師調査の結果など、いろいろな調査結果が今後出てくると思いますので、それについてはここでなくても適宜情報を共有したいと考えています。
○堀田知光座長 今後の進め方について、いま事務局案を出していただきましたが、何か全般的に進め方についてご意見をいただければと思いますが、いかがですか。
○今村聡委員 確認ですが、よろしいですか。
○堀田知光座長 はい。
○今村聡委員 研修医の基本的な診療能力に関しては、例えばいまの医学部の学部教育で、現状の把握というところはありますが、いまの現状を前提として議論するということなのでしょうか。例えば、学生にどこまでの診療行為をさせるかみたいな話は、今後いろいろ起こってきた中で、そこと同時にこの議論が進むものなのか、そこが少し気になるところで、今後の2回から5回を見ても、第2回のところで研修医の基本的診療能力があって、最後に今度、医学部卒前教育を議論することになりますね。何か研修医になる前の卒前教育がどういう状況にあるから、では研修医の基本的な診療能力につながるのかと、順番が何となくわからないこともあったので、確認のために伺いました。
○医師臨床研修推進室長 ここで言う基本的な診療能力については、現在の制度を前提にして、現在の制度がうまく運用されているかどうかを把握するという趣旨です。ですから、すでに臨床研修を終えられた方が目的にしていた到達目標をきちんと達成できているのかどうかを、検証していただくと。
 そういうのを念頭に置きながら第5回では、医学教育の実施状況をその時点で実態を把握して、では将来のあるべき姿という話をすると、少し方向性が出ることにもつながってまいりますが、そういうことを念頭に置いて、では基本的な診療能力についてどういう実態の把握の方法があるのかとか、将来に向けてこういうふうに調査をしていかなければいけないとか、そういうことも併せてご議論いただければと思っています。
○岡留健一郎委員 いま田原君が言ったように、臨床研修教育は、卒前と初期臨床研修制度と専門医と三位一体でないと、私は本当の議論にはならないだろうと思うのです。と申しますのは、私は専門医の第三者機関の検討委員会に入っているのですが、日医の高杉君も来ているのですが、その中で本当の専門医とは何だろうかという議論が出ているのです。では本当の専門医は学会主導なのかと。いや、学会ではないと。国民の目線で見て本当の専門医をつくらないといけないと。そこまではみんなコンセンサスが得られているのですが、ではその母体となる初期臨床研修制度がどうあるべきかは、本当はこれからのディスカッションなのです。
 いまトライアルで平成16年からいままで平成23年、7年かかりましたが、これから評価して、田原君がこれからいちばん苦労すると思いますが、私たちはそういうデータを欲しいわけです。それは、いろいろなところに応用されていくと思うのです。良い医者をつくるためにはどうしたらいいかということで、やはり三位一体で考えていかないといけないのではないかと私はいつも考えているところです。
○堀田知光座長 私もこの会に参加させていただいて、いまの時期に臨床研修制度導入から8年目を迎えて、研修の実態をもう1回把握し直すというときの視点が大切だと思います。そもそも臨床研修制度がなぜ必要とされたかというところに立ち帰ると、これは国民目線に立ったときに、それまでの臨床研修でいいのかということが社会的にかなり指摘されましたよね。そのことにもう1回立ち帰ると、国民目線から見たときにいまの臨床研修制度はどう見えているのか、どう評価されるのかも、先ほど大滝先生は公開すべきだという話もありましたが、そういう視点も是非入れないといけないのではないかと考えております。我々当事者だけが自己満足しているようなものではいけないだろうとは思います。
○田中雄二郎委員 もう一応出た議論ですが、いまのマイナーチェンジの修了者が出るのは来年3月ですよね。ですから、来年3月にまた平成24年度版アンケートが出てきたときに、初めていまのシステムの評価ができるのだろうと思うのです。ですから、このスケジュールによれば、後半部分にならないと本当の評価ができてこないという部分はあるのだろうと思うのです。どういう修了者が出たのか、マイナーチェンジがそれ以前に比べて、例えば修了者の動向にどう影響を与えたのかとかですね。だから、そこはたぶんスケジュールを立てるときに考えなくてはいけないと思うのです。
○岡村吉隆委員 地域医療に与えた影響に関してですが、結構、医学部の定員が増えた地域医療枠とか、県民枠とかいろいろありますよね。その辺のこと、その人たちが卒業してくる時期になってくるのが、ちょうど今回のことに絡んでくると思うのです。それは、どこかで何か議論するときはありますか。
○医師臨床研修推進室長 一応項目としては、資料6の1枚目の2(1)[6]、真ん中より少し下ですがいちばん右端に「地域枠」というのがあります。これは地域枠でいま入学定員が増えていますので、その部分をどう評価するのかということになろうかと思います。先ほど田中先生からお話があったように、間に合うのかどうかというところはよく考えなければいけないかと思いますが、一応テーマとしてはそういったところでご議論いただければと思います。
○大滝純司委員 実態を把握するということですが、私は実態把握の方法について、先ほども少し申しましたが、かなり限界を感じていています。是非、今回のワーキングの早い段階で、海外では実態の把握をどのようにしているのかを、参考情報としていくつか収集してみたいと思っています。詳しく把握しているわけではありませんが、海外でもいま臨床研修システムの見直しが進んで、いろいろな方法が行われていると伺っていますので、是非そういったことも含めて情報を集めていただければと思います。
○岡留健一郎委員 医学部も再編も起こっていますね。アメリカは、いま医学部再編ですね。クリーブランド・クリニックに先々週行ってきましたが、クリーブランド・クリニックは今度メディカルスクールを作りますね。本当に臨床能力の高い、モチベーションの高い病院がこれから率先してやってくると。いままでどうしてもどうでもよかった所は、全部バーンアウトしていくでしょうね。
○堀田知光座長 いかがでしょうか、全体の今後の進め方について何かご意見をいただければ。よろしいですか。いまの流れで言いますと、次回は研修プログラムの履修状況ということになるわけですが、この点で次回までに何か用意してもらいたい資料とか、そういったものがありましたら、是非ご発言いただきたいと思います。研修医の履修、基本的な診療能力を評価するというのは、福井先生の調査資料がありましたよね。あればどちらかというと自分で評価するというか、ちょっと主観的だという意見も一部ありますが、その辺りが基になりますか。
○医師臨床研修推進室長 はい、我々のほうでいま持っていますのは、福井先生の研究班での成果と、もう1つは桐野先生の研究での研修修了者に対するアンケートで、それぞれの診療科でのローテーションが役に立ったかどうかという訊き方をしています。これも客観性の面ではいろいろ議論があるかと思いますが、それぞれ臨床研修を終えて5年、10年経った方が当時を振り返って、当時の研修をどう捉えているのかという見方で評価ができるのではないかと思います。すでにお手元の冊子には単純集計はありますので、ご覧いただけるかと思いますが、次回にはそういった部分についてもう少しわかりやすくお知らせしたいと思っています。
○堀田知光座長 それを踏まえて、もっと必要な調査があるのであれば、それをまた整理してここで議論した上で調査に入ることも考えたいと思っています。よろしいですか。大体今日の議論すべきことはそのようなことだと思っています。特別にご意見がなければ、事務局から今後の予定も含めて何かありましたらお願いします。
○臨床研修指導官 今後の日程ですが、次回は9月ごろの開催を予定したいと思っています。メンバーの先生方には、追って日程調整の連絡をしたいと思っています。事務局から以上です。
○医師臨床研修推進室長 あと、いろいろとご意見がある場合は、メールや、この場でご発言いただければすぐに対応しますが、次回にこういった資料が必要だということを今後考えられた場合には、事務局にお知らせいただければ、できるだけ前もって準備を進めてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
○堀田知光座長 本日の臨床研修制度の評価に関するワーキンググループをこれで終了します。これから2年間のお付合いになりそうです。長丁場でありますので、是非、皆様方、よろしくお付合いいただきますように。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局医事課
医師臨床研修推進室

直通電話: 03−3595−2275

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 医政局が実施する検討会等 > 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ > 医師臨床研修制度の評価に関するワーキンググループ(第1回) 議事録

ページの先頭へ戻る