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2011年7月27日 第2回 災害医療等のあり方に関する検討会

医政局指導課

○日時

平成23年7月27日(水)10:00〜12:00


○場所

厚生労働省 専用第12会議室 


○出席者

構成員

大友座長
井伊構成員 生出構成員 石井構成員 小山構成員 佐藤(保)構成員 佐藤(裕)構成員
高桑構成員 内藤構成員 野原構成員 和田構成員 小井土DMAT事務局長

○議題

1 災害医療のあり方について
2 東日本大震災での災害医療について

○配布資料

資料1資料1
資料2東日本大震災におけるDMAT活動と今後の課題
資料3東日本大震災におけるJMAT活動について
参考資料1日本DMAT活動要領
参考資料2災害時における初期救急医療体制の充実強化について(厚生省健康政策局長通知)
参考資料3医療計画における災害医療の位置付けについて

○議事

○大友座長 ただいまから「第2回災害医療等のあり方に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては本日もお忙しい中、ご出席賜りまして誠にありがとうございます。最初にご出欠についてですが、本日は石原構成員からご欠席とのご連絡をいただいております。それでは、議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いいいたします。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 資料ですが、お手元にありますように、まず次第、席表、構成員名簿、資料1としまして本日の検討資料を置いております。併せまして、別紙としてA3の紙を添付しております。それから、資料2と資料3のそれぞれがあります。そのほかに参考資料として、1から3まであります。また、このほか、第1回検討会の議事録を配付しております。こちらについては、構成員の皆様方には8月5日までにご確認いただきまして、修正等がありましたら、ご連絡いただきますようにお願いいたします。以上です。
○大友座長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入りたいと思います。カメラの頭撮りですが、以上までとさせいただきます。これからの写真等の撮影はご遠慮願いたいと思います。まず、事務局から資料1についてご説明をお願いいたします。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 資料1をご用意いただきたいと思います。本日の議題とありますが、被災地域内外における医療活動、短期のものとしてDMAT災害派遣医療チームに関します検討。その後の活動としまして、中長期の医療提供体制に関します検討をお願いしたいと思います。関連しまして、ドクターヘリの対応についても検討をお願いしたいと思っています。
 まず、3頁のDMATの位置付けですが、防災基本計画においては、国はDMATに参加する医師等に対する教育研修を推進するものとしております。厚生労働省防災業務計画においては、厚生労働省はDMATの運用に関します活動要領を策定するとしております。併せまして、都道府県はこの活動要領に基づき、運用計画を策定し、運用に係る体制を整備するとなっております。
 おめくりいただきまして、「日本DMAT活動要領」といいます旨が定められておりまして、まずDMATの定義があります。「大地震及び航空機・列車事故といった災害時に被災地に迅速に駆けつけ、救急治療を行うための専門的な訓練を受けた医療チームである」ということです。繰り返しになりますが、いちばん下に別な定義もありまして、DMATとは「災害急性期(概ね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣医療チームである」と。活動内容としては、広域医療搬送、病院支援、域内搬送、現場活動等を主に行うとされております。
 こちらの活動について次頁に記載しております。広域医療搬送としましては、被災地内での対応困難な重傷患者を被災地域外に搬送しまして、治療を行うというオペレーションであります。病院支援については、被災地内の病院の治療を支援するというものであります。域内搬送については、地域内、被災地内の患者さんの、救急車、ヘリコプターによる搬送であります。現場活動については、事故などの発災現場においてトリアージ、緊急治療などを行うものです。後方支援としては、通信、移動手段、医薬品の支給、そういった後方に関する活動です。
 次頁は全体をまとめたものですが、円内におけます被災地における活動と、広域医療搬送のように被災地外における活動、またそれを結びつける活動、そういったものが全体の概要となっております。
 7頁は、災害派遣医療チームの養成です。平成17年3月に、独立行政法人国立病院機構災害医療センターにおいて、初めて日本DMAT隊員養成研修を開始しております。平成18年からは、兵庫県災害医療センターでも研修を開始しております。これまで災害医療センターで54回、兵庫県災害医療センターで46回の研修を開催いたしまして、882チームの養成を進めてきたところです。平成23年度までに、1,000チームの養成を進めていくという計画になっております。
 DMAT隊員養成研修の内容です。4日間の内容となっております。災害医療に関します座学のほか、シミュレーションの実習、実践の訓練などを行っております。特に強調されております内容としては、災害現場における標準診療手順でありますとか、阪神大震災の経験を踏まえた圧挫症候群に関する内容などが含まれております。災害地の診療は、外傷初期診療ガイドラインに準拠して実施しております。
 9頁は、災害派遣医療チームの各本部機能です。厚生労働省医政局指導課内の災害医療対策室及びDMAT事務局において、全般の対応と調整を行ってまいります。都道府県におきましては、DMAT都道府県調整本部を設置いたしまして、被災地内、被災地が含まれます県内における調整を行ってまいります。さらに、必要に応じて活動拠点本部を設置しまして、被災地に近い現場の所に本部を設置しまして、調整等を行ってまいります。広域医療搬送を行います場合には、航空機の拠点となります地域に、ステージングケアユニット、SCUを設置いたします。これについての調整を行うのがSCU本部になります。
 統括DMAT等についての説明をさせていただきます。統括DMATといいますのは、統括DMAT研修を終了し、登録した方で、本年6月30日現在で359名の方がいらっしゃいます。これらの方については、災害時に各DMAT本部や指揮所において、指揮、調整、支援などを行います。また、通常時においては、DMATの登録者への訓練や研修、都道府県等の災害医療体制に関する助言等を行います。
 11頁目に全体の本部と統括DMATとの関係を示しております。各被災地ごとに災害対策本部が設置されまして、災害医療本部がその中に含まれるわけですが、DMAT都道府県調整本部がその下に、また関連して、活動拠点本部、SCU本部が置かれます。また、必要に応じて現場の指揮所が設置されるということです。それぞれにおいて、統括DMATの方が入りまして、中心的役割を担っていただくことになっております。
 次は、DMATの活動実績です。これまでの取組みの中で、自然災害、それから事故などの対応のほか、直近の対応としては、2010年11月APEC横浜における警護活動も行っております。
 13頁は、今般の東日本大震災におけるDMATの活動をまとめております。活動場所しては、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の4県、活動チーム数は約340チーム、隊員数1,500名が活動に従事していただいたということです。派遣元都道府県は47都道府県全県にわたっております。活動期間は本年3月11日から3月22日までの12日間になっております。主な活動内容としては、病院支援、域内搬送、広域医療搬送、入院患者の救出や搬送を行っております。これらについては、後ほど小井土事務局長より説明があるものと思っております。
 次頁は、4県における活動を統括的にまとめたものです。
 15頁目は、東日本大震災を踏まえたDMATの活動の課題ということでまとめております。今般の活動内容ですが、阪神・淡路大震災に比べまして、津波の被害による死者、行方不明者が多かったという点が非常に特徴的です。そのため、負傷者が少なく、一方、超急性期、外傷傷病者への救命医療のニーズの把握が困難であったと。反面、慢性疾患がある被災者に対する医療支援ニーズが高い状態が長期にわたって続いたということで、今回の震災で対応した患者さんの姿というのは、これまでDMATが対象としたものとはだいぶ違っていた部分があったということです。
 活動課題?は、DMATの携行資器材及び装備についてです。甚大な災害であったため、48時間以上被災地で活動を続けたDMATの物資が不足し、活動に支障をきたしたという点がありました。また、複数の通信手段を保持していなかったことやバッテリー切れなどにより、通信が困難な状況がありました。また、DMAT事務局やDMAT被災県調整本部等での指揮調整機能ですが、通信インフラの停止や被災地の医療ニーズの把握が困難であったこと、それから多数のDMATが被災地に入ったことにより、DMAT事務局やDMAT被災県調整本部等における派遣調整に係る業務量が膨大となり、全体の調整が困難となったということがありました。広域搬送についてですが、今回の震災での被災県においては、広域医療搬送の計画が策定されていなかったために、関係機関との調整を新たに始めることになりまして、時間を要したということでした。
 活動課題?です。空路の参集を行いまして、82チーム、408名の隊員を自衛隊機により現地に入っていただきました。課題として、ステージングケアユニット、現地からの帰還の際に移動手段の確保が困難であったということがありました。また、携行資器材については空路であったために、持込み機材が制限されまして、活動に際して不足が生じたということでした。
 次頁は、これらの課題に関します論点案です。?としては、DMATの医療活動については、災害急性期にDMATが臨機応変に活動できるよう、DMATの研修内容やDMAT活動要領を見直すべきではないか。具体的には、トリアージが赤である重傷者のカテゴリーに拘ることなく、ほかの中等傷や軽傷の患者にも対応できるようにすべきではないかというものです。それから、DMATが携行できる資器材の量や活動内容を踏まえると、DMAT各隊の活動は、災害の大きさとは関係なく、現地での活動時間が48時間を原則とすべきではないか。これまでのDMATの考え方からいたしますと、活動時間を最初の出発の時点から48時間ということを念頭に置いていたわけですが、現地での活動時間は48時間を原則とすべきではないかということです。また、医療ニーズが長期にわたる場合は、DMAT2次隊の派遣で対応しつつ、他の医療チームの派遣状況に応じて、DMAT全体の撤収時期を見極めるべきではないかということで、柔軟性を確保してはどうかという考えです。それから、DMATは複数の通信手段を保持することとしてはどうかということで、衛星電話や衛星携帯など、複数のデバイスを組み合せて対応してはどうかというものです。
 19頁は論点案?です。指揮調整機能及びロジスティックスに関するものです。災害発生後、早期に、DMAT事務局とDMAT都道府県調整本部に多くの統括DMAT登録者やDMAT隊員を派遣し、調整機能の強化を図ってはどうかということです。また、DMATのロジスティック担当者以外に、被災地内で増大するDMAT都道府県調整本部やDMAT活動拠点本部での業務や病院支援、情報収集等を担う事務要員からなる専属のチーム、ロジスティックチーム(仮称)を新規に創設し、活動内容や活動時期等の具体的な運用を規定すべきではないかということです。また、情報収集において保健所の協力も必要ではないか。それから、都道府県においては、平時から災害発生を想定して、迅速な情報収集と情報の共有、本部や会議等の運用について継続的に訓練を実施すべきではないか。都道府県は、災害発生時に空路参集するDMATの携行資器材や移動手段の確保を念頭に置くべきではないか。このような論点をまとめております。
 次頁は、論点案?です。広域医療搬送として、すべての都道府県は、広域医療搬送に係る患者搬送及び患者受入の計画を平時から策定すべきではないかとしております。また、災害時にはヘリの活用が重要であることから、災害拠点病院の敷地内にヘリポートを設置する等の環境を整えてはどうかとしております。以上がDMATに関する検討であります。
 続いて中長期に対する対応であります。21頁には多数の医療チームの派遣が行われたことがまとめられております。ここに挙げております数字も都道府県のものですとか、民間病院などからの申し出が含まれていない数になっておりますので、大変多くの医療関係者が現地に赴いて活動されたということです。これらについては岩手県、宮城県、福島県においてそれぞれ派遣の申し出を受け、それを調整する機能を持っておりまして、現在の取組みの様子を参考までに付けております。
 25頁からは、DMATの短期的な対応から中長期への移行に関する課題として、DMATの活動時間を超えた災害医療の提供に関する仕組みが不十分であったこと。それから、各種医療団体から派遣される医療チーム等の調整を行う都道府県レベルの組織の立ち上げに地域によってその対応に差が出ておりまして、こういったものをどのようにすべきかが挙げられております。中長期における医療提供体制の構築については、市町村レベルなど、地域における病院や避難所への医療チームの派遣を調整する体制が不十分であったこと。慢性期患者等の受入期間の調整が困難であったということが課題として考えられております。
 論点案としては、これはA3の別添に付いておりますものと併せてご覧いただきたいと思います。急性期から中長期の医療体制への移行としては、災害時の超急性期医療になるDMATの活動を引き継ぐため、医療チームを中長期的に派遣調整する組織が都道府県に必要ではないか。中長期における医療提供体制の構築としては、地域のニーズに応じた医療チームの派遣のため、保健所所管区域、もしくは地域災害拠点病院がカバーする地域単位で、仮称でありますが、災害医療コーディネーターやそれを含む調整機能を持った組織が必要ではないかとしております。平時からの準備としては、患者等の円滑な搬送のために、平時から都道府県及び災害拠点病院を中心として、災害時における域内・域外の搬送計画を策定しておくべきではないか。具体的な訓練を実施すべきではないか。広域災害が発生した場合に備えて、都道府県の関係者や基幹災害拠点病院などの関係者が計画の継続的な見直しのため、それぞれの取組みを共有する場が必要ではないか。このようにしております。
 A3のほうでは、このことを概念的に表の中にまとめております。左側のラインの超急性期については、DMATの活動を中心に厚生労働省とDMAT事務局、それから地域とで調整して実施をしていくとまとめております。期間が経過するに従い、地域における調整、災害医療本部、災害医療コーディネーター、これらにおける調整を徐々に併行して行っていき、中長期的には県の中に置かれる体制を中心に行っていくというものです。それぞれの時期において、活動する医療チームの移り変わりもありますし、情報収集の内容、医療物資の供給主体なども変化していくと想定しております。
 27頁、ドクターヘリについて簡単に進めてまいります。ドクターヘリの現状でありますが、23道府県におきまして、27機で事業を実施しております。
 28頁の今回の東日本大震災のおける活動状況としては、計16機が出動しまして140名以上の患者搬送を実施しております。これらの点からしますと、過去最大規模の出動でありまして、大きな成果をあげたと思っております。
 29頁目は今後の課題と論点案であります。今回の被災地への派遣要請についてはDMAT活動要領に基づいた対応ではありますが、具体的な手順としては消防や警察からの具体的な要請があったわけではなく、基地病院やDMAT事務局、DMATからの打診に応じて、所属都道府県庁との調整で行われたものです。調整においては、被災地内のヘリ拠点にヘリを適切に配置するなどの調整ができたかどうかというところがあります。論点としては、ドクターヘリの運航調整の機能を強化すべきではないかということで、ここはまず具体的な運用に関します部分と、併行してはおりますが、それらが確立したことを受けて、制度的な面での対応というものもあろうかと思います。
 大変駆け足でしたが、長時間かかってしまいました。私からは以上です。
○大友座長 ありがとうございました。多々質疑があるかと思いますが、ご発表がすべて終わってから質疑もしくは討論に入りたいと思います。引き続き、厚生労働省DMAT事務局事務局長の小井土先生から、東日本大震災におけるDMAT活動と今後の課題と題して、資料2について説明をお願いします。
○小井土DMAT事務局長 おはようございます。DMAT事務局の小井土です。よろしくお願いいたします。これまでDMATの活動報告に関しては、できた部分、成果を中心に述べてきましたが、本日はあり方に関する検討会ということなので、今回はできなかった部分、今後の課題について中心に述べさせていただきます。
 資料2に従っていきたいと思います。2頁、宮本室長からもご説明がありましたけれども、DMAT活動の概要としては、今回340隊、1,500人を参集しています。その内、82チーム、408名が空路で参集しています。被災県4県に入りまして、12日間にわたり病院支援、域内搬送、広域医療搬送、入院患者避難搬送などを行っています。
 次の3頁です。このような活動の中で、現在我々が考えている課題は5つと考えています。1番目として、指揮調整機能の更なる強化。2番目として、被災地内でのインターネットを含む通信体制の確保。3番目が広域医療搬送戦略の見直し。4番目が急性期活動戦略の確立。5番目がDMAT全体としてのロジスティックサポートの充実。それぞれ1つずつご説明したいと思います。
 4頁、これが今回の震災で執られたDMATの指揮系統ですけれども、赤字のところが統括DMATの登録者が指揮系統を確立したところです。また、DMAT事務局は3カ所の県庁、2カ所の活動拠点本部、ちょうど黄色で示しているところですけれども、調査ヘリ等で統括DMATを投入しています。また、立川のDMAT本部では、11名の参与の補助を得て、なんとか本部機能を果たしたというところです。
 5頁、この指揮系統に関する課題と対応策ですが、まず1番目として、政府との連携強化で、政府とDMAT事務局の連絡が電話のみであり、調整が困難でありました。今後は、政府の対策本部あるいは現地対策本部への、DMAT事務局要員リエゾンの派遣が必要と考えます。
 2番目として、DMAT事務局の強化ですけれども、今回は事務局員の不足により、初動が遅れたことが否めません。当日、被災地内の県庁に入ることができなかったこと、また、すべての県庁に応援を出すのに多少時間がかかったということがあります。現在、専属は2名ということになっていますので、次の大震災を考えるならば、最低限10名程度の人員は必要ではないかと考えています。
 3番目として、都道府県調整本部への派遣人員の補強ということです。今回、統括DMATに入っていただいたのですけれども、非常に少ない要員で交代要員なしでしたので、疲労と非効率化が著しかったという点がありました。今後は統括DMATの研修の充実、数を増やしていくということ。それと、現場での運用強化が必要ではないかと考えています。
 6頁、2番目の通信インフラに関してです。この表は、各県の発災後のEMIS入力の状況ですけれども、決して満足いくものではありませんでした。7頁のポンチ絵ですけれども、我々DMATは情報が災害を制すると考えています。情報を共有して、然るべき所に医療資源を投入するわけですけれども、そのためには情報を共有するということが必要です。
 8頁、EMISの今後の課題と対応策です。1番目としては、EMISの全都道府県の導入が必要だと考えます。いま現在、7県がまだ未導入です。また、震災時には宮城県がEMISに未入加であったため、なかなか情報が入りづらく、孤立した病院への支援が遅れたことも言われています。迅速に早い段階で全都道府県の導入が必須であると考えています。
 2番目として、EMISの全病院導入ということですけれども、今回全ての病院のデータが登録されていなかったため、特に被災地の沿岸部の病院のデータが全く入ってこなかったため、安否の確認ができなかった。かつ支援が非常に遅れたということがありました。各都道府県へ災害拠点病院だけではなく、二次病院を含めた全病院導入を強く進めていくことが必要と考えます。
 3番目として、DMATの通信機能強化ですけれども、今回沿岸部では通常のインターネット環境の確保が非常に困難であった。通常であれば、DMATがそこに病院支援に入って、それでDMATが代行入力、EMISを代行入力して中央に上げるわけですけれども、DMAT自身もすべてがインターネット接続可能な衛星電話を保持していなかったということで、100%うまくはいかなかったということになります。今後の対応策としては、すべてのDMATがインターネットに接続可能な通信電話を持つべきと考えています。また、自衛隊との関係機関との連携で、自衛隊とももう少し情報共有ができれば、このDMATももうちょっと適材適所に配することができたのではないかと思っています。今回の震災では、自衛隊がいちばん情報を持っていて、移動手段を持っていることがわかりましたので、情報の共有を含めて自衛隊との連携をもっと強めるべきと考えます。
 9頁、3番目の広域医療搬送戦略の見直しです。現在の広域医療搬送計画においては、国が航空機運行計画を提示して、それに合わせるように都道府県がSCUへの域内搬送計画を実施することになっています。しかしながら、10頁目を見ますと、今回は花巻SCUを例に挙げますと、4日間で136人の患者さんが域内搬送されてきたわけですけれども、決して計画的に搬送されたわけではありませんで、必要であれば自衛隊あるいは防災ヘリがどんどんその患者さんをSCUへ搬入してくるということになっていました。
 11頁目、今後の広域医療搬送の課題と対応策ですが、1番目としては初動体制の改善で、1便が飛ぶまでに29時間を要しています。原因として、DMATの導入が遅れたこと、あるいは今回これは広域医療搬送計画がなかったことが原因として考えられます。今後は、広域医療搬送が立ち上がる前に、近隣都道府県への搬送計画を策定することが必要と考えます。また、より多くの地域で広域医療搬送計画を立てることも必要と考えています。
 2番目として、SCU運用モデルの変更ですけれども、今回、花巻ではSCUに集った患者さんが一部は広域医療搬送されましたが、大部分は域内の機能の残っている基幹病院に搬送されたということが行われています。今回、私たちの呼んでいる花巻モデルは、今後の広域医療搬送、すべてのSCUに集まった患者さんをすべてを広域医療搬送するのではなくて、一部の患者さんに対しては、今回花巻で行われたように、域内に搬送するようなモデルもあるのではないかということで、今後、政府総合防災訓練等で実行性を検証していく予定です。また、これが実施されるのであれば、今後、このSCUをフォローする域内の病院を指定することも必要があると思います。
 3番目として、広域医療搬送の資器材です。今回は、傷病者19名の広域医療搬送でしたので、多数でなかったということで資器材は問題にはなりませんでしたけれども、やはり多人数を送るのであれば、資器材の準備というのは必須であり、今後も引き続き整備が必要と考えます。
 12頁、4番目の亜急性期活動戦略の見直しです。今回の震災では、このDMATと医療救護班への引き継ぎの時期に、赤字で示してあるこの医療の供給と需要のギャップが生じて、そこでプリベンタブルデスが出たのではないかというようなことがありました。
 13頁目、本来、元々DMATというのは、救命医療を焦点として、活動期間も48〜72時間としています。
 しかし、14頁ですけれども、今後はやはりこのような大震災になりますと、急性期の医療ニーズというのはかなり継続するということで、DMATの全体の活動期間としては1、2週間をカバーできる体制を今後は検討しなければいけないのではないかと考えています。
 2番目として、亜急性期の病院支援の戦略の構築ということで、亜急性期まで支援が届かなかった病院、孤立してしまった病院の患者さんを今回DMATが移送支援をしたわけですけれども、このような病院の情報を早く把握して、的確に移送するというような戦略も必要と考えます。また、それを支援するのはDMATの仕事ではないかと考えています。
 3番目、亜急性期以降の指揮系統引き継ぎ体制の構築です。これも大きな問題になっていると思います。DMATは指揮命令系統が確立されていますけれども、亜急性期以降慢性期にかけて、これだけ甚大広域で他県にわたったということで、医療救護班の指揮系統というのが明確ではありませんでした。今後はこの亜急性期以降慢性期にかけた指揮命令系統の確立、そしてDMATの引き継ぎ体制を構築する必要があると考えます。
 15頁、最後ですが、ロジスティックサポートの充実に関してですけれども、このポンチ絵は、昨年の我々の研究班で報告した、ロジスティックステーション構想というものです。被災地に入ったDMATを、周辺のロジスティック拠点というものを立ち上げて、そこからロジスティックにDMATをサポートするような体制です。
 次の頁、今回震災を経験して、さらに我々はこのロジスティックステーション構想を具現化していかなければいけないと思っています。今回空路で入ったDMATの足の問題。あるいは陸路で入ったDMATのガソリンの問題はかなり切実でありました。それをサポートするロジスティックというのは必須であると考えます。それで、そのロジスティックを誰がどうやってサポートするかということですけれども、この中央直轄のロジ要員を養成していくことが必要だと考えます。各レベルでは各チームについているロジでは対応が困難でありますので、都道府県を越えた活動になる可能性が高く、都道府県でこのロジを研修、抱えていくのは非常に整備にも時間がかかりますので、是非この中央直轄型のオペレーションとして捉えまして、その要員を確保するために中央でこの体制を確立して、研修等を行っていく必要があると考えます。最後の3番目、備蓄基地の必要性ということで、このロジスティックステーションを実現するためには、どうしてもこの備蓄基地ということが必要になってきます。基地を災害拠点病院に置くのか、あるいはブロックレベルで備蓄するのかは検討が必要ですけれども、備蓄基地の計画というのも必須であると考えています。
 最後の17頁に、今後の課題と対策をまとめてあります。対策としては、DMAT事務局の機能拡充。全DMATへの衛星携帯の整備。SCUをサポートする近隣病院への指定。SCU、DMATへの高度医療資器材の整備。そして、迅速性を維持しつつ、1、2週間をカバーできる体制の確保。病院支援戦略の確立、ロジスティックステーション構想の具現化、中央直轄ロジ要員の確保ということが、今後の喫緊の課題ではないかと考えます。以上です。
○大友座長 ありがとうございました。それではまた後ほど議論を行いたいと思います。引き続きまして、最後に日本医師会常任理事の石井先生から、東日本大震災におけるJMAT活動について、ご発表をお願いいたします。
○石井構成員 それでは資料3をご用意ください。日本医師会災害医療チーム、Japan Medical Association TeamとしてのJMATということを中心にお話をしたいと思います。これは、もともと1年前に提言をし、記者会見をし、広く呼び掛けていたものなのですが、実際には、細かなところを詰める前に震災が発災してしまいましたので、急遽バージョンゼロで立ち上げたものです。2頁のいちばん下にありますように、17日に厚生労働省から日本最大のNGOである日本医師会に対して、派遣要請がなされたことになっています。我々はその前にセットアップしながら派遣ということを決断したということです。もう既に入ってしまった人たちは最初の段階でいまして、その人たちを徐々に追認していったこともあります。
 次の頁、JMATの概要ですが、支援内容は当然1つは救護所医療の引き継ぎ、もっと有り体に言えば、DMATがいなくなったあとフォローしなければいけない、しかしながら、現場の医療のリソースは災害によって毀損しているわけですので、そこをサポートしながら継続していく。それから医療機関の支援も必要ならば行う。それで、いつ撤退するかと言うと、地元の地域医療が立ち直ってきたところが撤退の時期だという想定です。もう1つお話しておかなければいけないのは、いわゆるリスクマネジメントとクライシスマネジメントの違いを、我々はここに折り込んであるということなのです。いわゆるマニュアルがあって、そのマニュアルの想定の中で全部やっていきましょうというのがリスクマネジメントですが、そうではなくて1回限りのディザスター、どういう形を取るか分からないものに対するクライシスマネジメントとしての対応を考えています。ですから、それに対する対応の仕方というのは、いろいろなバリエーションがあり得るということです。当然、衛生状態、感染症、食生活等、それから在宅介護を含めたそういう立ち上げをするということで、いままで能登半島や中越沖等の震災で経験したように、現地の対策会議というようなところに朝晩集まって、検討や連絡会議をするわけですが、そこで地域医師会長が取り回しの中心として議長役を務めるということを想定しながらやりました。
 次の概要に入ります。特徴は面から面に支援するブロック割りをして、ここに書いてあるように、東北地方は日本海側が太平洋側をサポートする。それから遠隔の地はこのようにブロック割りした地域がそれぞれ支える。これも原理原則で、それぞれのつながりで別な道を選んでいることは容認するということで、あくまで日本医師会は都道府県医師会単位で支援側と支援される側で話し合いながら、全体のボリュームとか期間であるとか、その調整をする介入の仕方をしました。チームの構成の例としては、ドクター1名、ナース2名、事務職員は運転手を兼ねてもいいとして1名、これは記録係も兼ねるということです。そして持参機器、器材に関しては、とにかく自分で持って行ってくださいとしました。派遣期間はここにあるように3日から1週間。仕事を休みながら行きますので、また持っている器材や薬剤の限度もありますので、交代で行ってくださいと。これは後で出ますが、時間が長くなってきますと、派遣カレンダーというものにだんだん。手挙げ方式で何日から何日までをどの地区でというのを、医療チームを受け入れた各地区側でも作る、県医師会で作る、県の災害対策本部で連動しながら作る、日本医師会が掌握するという形をとりました。傷害保険を日本医師会で加入しまして、呼応して動いてくれた人たちは、会員であろうとなかろうと、別な団体であろうと、その傘の下で動いていただけるという形を提供しました。
 5頁です。結局6割弱が医師会員、1,400チームで、ここにあるような合計6,239名が7月11日現在の数字になります。19日現在ですと、このようになりまして、後に書きますがJMAT?に移行させようと言っています。
 JMATの具体的な活動状況です。岩手県は、JMAT岩手を5月後半から組織して、被災しなかった中心地域のゾーンが沿岸地域をフォローする。宮城県はこのような活動実績です。福島県はこのような実績になります。
 10頁、避難所におけるチェックリストが必要だろうということで、日本医師会が作成してホームページにアップし、また各都道府県の災害対策本部や医師会に届けたものです。
 その下のJMATトリアージカードというのも同様です。そしてカルテもない、着の身着のままで保険証もない状況の避難者を中心に、まずどうするかという場合には、このようなカードをご本人に持っていただいて、次のチームが継続的に、別なチームが行っても見守りとか治療が継続できるように、「赤いカードを持っている人はここに集まってください」という形で、作業を進めるという形を取りました。
 課題というか、いままで行ってみて感じたことを列記していきますと、都道府県医師会というのは、1.の真ん中にありますが、都道府県の行政との協定書を既に締結していて、災害対策本部が立ち上がると指定地方公共機関として参画することになっています。災害対策本部の中では、医師会長というのは大体副本部長格で動くと規定されています。その枠組を利用しながら、日本医師会はいわゆるNGOなわけですけれども、そのときには準公務員的な働きをする、また費用弁済の話等もその時点で決めるということです。この協定の中で、事後承諾規定というものがあると思いますが、これが非常に大事な要項です。7年前に私が福島県医師会で実際に県との協定を作ったときも、これを導入させてもらいました。今回感じるように、発災した所では「便りがないのは無事な便り」ではなくて、いちばん被災してどうしようもない所は、SOSも出せないのです。そういうおかしいと思ったときには、医療関係者はまず自ら出る、リスクとか何かはありますが、出る、出たうえで、いわゆる対策本部型の準公務員的な活動として認めていただくということが、方々の都道府県で協定の中に盛り込まれ、またゾーンで協定している場所もあります。そういうものの中で、こういうものが非常に今回も役に立ったと考えます。
 その次の、平素の意志疎通という問題。法的な整理、医薬品を誰がどうやって調達して届けるかというところを、多少いろいろあったなということは考えます。
 2.に入りますが、2つ目の―です。情報の共有という問題は先ほど小井土先生からもお話があったように、これは大きな問題だろうと思います。さまざまな通信手段がそれぞれ限界があった。そして全体を考えるとすれば、共通の機器、共通の通信バンド、そういうものを用意しておいて、こういう場合にはいろいろな参入した団体が共有して持つということを考えていただけると、もうちょっと効率的に動けたという気がします。その団体というのは、例えば自衛隊という名前がありましたが、それであれば申し上げるのは海上保安庁、地方の行政、さまざまな協力する各種団体、もちろん消防等々が入ることが必要だろうと思います。
 それから情報は次々に変わっていく、従って情報は常に劣化していくということは、さまざまな反省の中に出てきています。
 それからコーディネート機能をどうするかという問題はこの後も出ると思いますが、基本的に我々医師会は、都道府県単位で完全に対策本部に参画しておりますので、そこから地域のリソースに戻す、置いておくべきだろうと考えています。と言うのは、撤退後のことを考えれば、いろいろな仕掛けを作っておいても、それがいなくなった後にどうするかというと、結局残るのは地域医療の担い手がうまく行政と連携してできるかどうかということですから、そこに最初から中心のフレームワークを作っておけば、後は援軍が皆いなくなっても何とか自立できるという姿になる。ですから、コマンダー役ではなくてコーディネーター役としての地域の医師会長というのをとにかく確保しておくことが必要です。そこにいろいろな流れを集める議長役と言ったのは、そういう意味です。
 特殊災害の対応というのは、我々も考えておりましたが、今回被曝医療の必要性がこれだけ高まってくると、もっと広く周知する必要があったかなと思っています。
 交通手段、緊急車両通行証というものがあると、最初に動けるということです。警察と交渉して、出る方々にはこういう手順で取ってくださいと申し上げて、JMATの活動をしました。費用負担は先ほど申し上げました。
 次の14頁、JMAT派遣中の課題。現地対策本部、結局医師会長が役割を担うということが非常に役に立つということは、先ほど相馬市の例があったと思いますが、相馬市は医師会の会員が市長であるという特殊な地域でしたので、逆に言うと行政から何から全部一本で動いたという事例もあります。
 さまざまな他の職種との情報共有という項目がここにありますが、実際に対策をしながらいろいろな活動をするにあたって、私は小児科医だとか、私は産婦人科だからと言って参加した方は、結局すごく役に立った。それから薬剤師の方、保健師とか看護師とか、いろいろな職種がいろいろな形で入った人は、みんな役に立ったという実例があります。うまく情報を共有して持ち分を作ると、それぞれが役に立つ。ですからいわゆるDMAT的な平準化した医療の提供の仕方、レスキューの仕方ではない、さまざまな人たちのさまざまな活動というのが、ボリューム感と中身が充実してくるという、ある種の括りがあります。
 後継への引き継ぎは先ほど申し上げました。避難所はどんどん動いていきます。避難民も動きますので、先ほどのカードはそのときに役に立ったということです。
 いちばん下にPTSDがあります。今回、PTSDは住民、行政、医療関係者、みんなが一様に持ったものだと思います。ただ、私自身も福島県で被災しながらやっていましたので、圧倒的な自然のパワーを目の当たりにして、寒気をも感じる。これはいくら癒そうとしても、癒せないものです。逆に、それはPTSDなのか、それとも自然の隠されたパワーに対する啓示だったのかというもので、単純に会議でここで話せる内容から外れるかもしれないと思います。
 16頁、フェイズ1の結成、派遣から、フェイズ2、3ということで、だんだん特定し、縮小して、JMAT?に移行。もともと特に医師不足、医療へのアクセスが不便な地域の災害でしたので、どうしてもその後のフォローが必要だろうということで考えています。
 ここでもう1つ、派遣したときの状況を見ますと、いろいろな方が「カオスだった、コントロール不能だった」と言われますが、私は違うと思っています。地元の現地のニーズに応えていったリソースがオーバーフローし、コップからこぼれ出す状況を1回作ることは、被災対応には必要です。そこで逆に言うと、リミットというか適度なボリュームを、お互いに共通認識できて、それではこの状況をこれからどのように継続するかという話ができるわけです。現場でも測りきれないし、外からでは最初からとても掴みきれない。それを実際にやりながら調整したという意味では、決してあの瞬間が無駄だったとか過剰だったとかとは思わないということだけは申し上げます。
 JMAT?は18頁です。長期的なケアということです。
 あとは主な活動の中で、21頁、米軍、自衛隊、警察、製薬団体等との連携、懸案の問題等です。我々はあらゆるリソースをその場合には利用する。逆に言えば、応えてもらったという手応えを持っているということをご報告して終わりにしたいと思います。
○大友座長 ありがとうございました。それでは、議論に入ります。議論は2つに分けたいと思います。前半が超急性期のDMAT、ドクターヘリに関するもの、後半が災害医療における中長期の医療供給体制についてということで、まずDMAT、ドクターヘリについて、どなたからでも結構ですので、ご意見をお願いします。
○石井構成員 ドクターヘリをいつディスパッチするかという議論がありましたが、すでに各地域ではそういう協定書がありますので、医療者として必要だと思って出たということは、それは災害対応だとみなしていただくと、ドクターヘリも当然地域のMCの中で平生は動いているわけですから、そこから飛び出していくということが容認されるべきだし、そうあるべきだろうと思っています。
○大友座長 多くの地域ではそうなっていたと思うのですが、小井土先生からドクターヘリの出動に関してご説明いただけますか。
○小井土DMAT事務局長 今回は、DMAT事務局で11日の夕方から12日の未明にかけて、23都道府県に電話をかけ、被災地へのドクヘリの派遣を要請しました。かけた所は県であったり、ドクヘリの司令室にかけているわけですが、県によっては少し待ってくださいと、調整が必要だという所もありましたし、次の日にすぐにOKが出た所もあります。我々が説明したのは、DMATは災害においては場合によってはドクヘリを使えるということがDMAT要領に書き込まれているので、そこを根拠に出動させることができますという説明をしました。多くの県はそれで了解していただいたと思います。
○大友座長 ですから、そもそも各県が各県の予算で、県民の救急医療のために使っているドクターヘリを被災地に出すことに関しては、多くの県が理解を示して被災地に出していただいたということだと思っております。ほかにご意見はありますか。
 それでは、論点を順番に確認していきたいと思います。DMATの課題として、指揮命令系統ですが、これは事務局機能の強化ということをおっしゃっていたということでよろしいでしょうか。
○小井土DMAT事務局長 そうですね、事務局プラス統括DMATの強化です。指揮を取る人たちの数、質をもっと高めていかなければいけないという意味です。特にDMAT事務局においては、いま専任が2名しかいないということで、参与という体制を昨年作って、参与になっていただいた方がほぼ全員集まっていただいて、今回何とか回せたという状態ですので、次の震災を考えれば数をもう少し潤沢に用意しておかないと、なかなか対応できないということです。
○大友座長 私も4日目ぐらいに応援に行きましたが、24時間体制で事務局の本部機能はやっていらっしゃって、ほとんどの方が電話を取ってしゃべりっ放しという状況が続いておりましたので、もう少し事務局の機能の補強が必要かなと私も感じておりました。この件に関してご意見はありますか。
○佐藤(保)構成員 小井土先生のお話の中であったロジ要員の必要性も当然ですが、それを中央に統括するという必要性もよく理解できるところがあります。自衛隊のお話もありましたし、消防や警察との連絡、いろいろな情報がある中で、そういうものを中央に置くことによって、当然関係省庁も含めた連携も念頭に置いていると考えてよろしいのでしょうか。
○大友座長 ここでは政府の対策本部、現地対策本部にも派遣するべきだったというご意見ですね。
○佐藤(保)構成員 そうです。
○小井土DMAT事務局長 今回、DMATの本部は参与が集まっていただいて何とか回したところがあるのですが、もっと大変だったのは、各都道府県調整本部に入った統括だったと思います。もともと県では3〜4名ぐらいの人を指定して入ってもらうということですが、それでは全く数が足りなかったということで、ずっと交替要員がいなかったことと、かつ調整本部に入った統括のロジをする人が全くいなかったということで、今日近藤先生にも来ていただいていますが、福島県においては1名の統括でロジもすべてやらなければいけない、交替要員なしという中では、かなり厳しい状況になったということだと思います。
○大友座長 当初は、各都道府県に統括DMATを置いて、その方が被災県の県庁に入り、DMAT調整本部の統括をすることになっていました。もともとは72時間で終わることを想定していたものが、今回1週間や10日続いたということで、そういった観点からも統括DMATの補強が必要だということでよろしいですね。
○小井土DMAT事務局長 迅速には入れたのですが、交替要員、ロジがいなかったということです。
○大友座長 この件に関しては、追加はよろしいですか。
○野原構成員 岩手県ですが、この点に関しては我々も全く同じ認識です。当県も、統括DMAT2名が1週間不眠不休で対応いただきました。我々もそれを何とか支援したいと思っていますが、ロジの部分の機能の補強は必要だろうと、我々行政も含めてですが感じております。
○高桑構成員 いまのDMATの研修では、隊員養成研修の中でのロジというのをやっていて、我々も手伝いをしているのですが、もう少し統括DMATとリンクした研修を3月の終わりにやろうというところで、この災害が起ってしまったということです。今後、我々病院の職員も含めてロジの教育は必要ですし、そういう任命というか、私も病院から全く出られず、1週間後にようやく災害医療センターにお手伝いに行けたので、何かしらそういう任命のようなものもあったほうがいいのかなと考えます。
○大友座長 ちょうどロジの話が出ましたので、DMAT事務局から課題として出ているロジスティック機能の強化ということで、ロジステーションもしくは中央直轄のロジ要員ということがありましたが、これに関しては高桑さんから何かご意見はありますか。
○高桑構成員 ロジスティックステーションについても、いろいろな案があると思います。物資についてはいろいろな所から集めて、どこかに拠点を設けてという考え方もあると思うのですが、日赤の救護班で、少し急性期を過ぎてからですが、現地と私どもの病院をミニロジステーションみたいな形で、いろいろな班が入ってきますので、それを一本にまとめたものがありまして、非常に効率的だったと考えております。実験的にやったものですから、これもDMAT等に活用していくような概念を作っていくことも非常に重要なのではないかと考えます。
○大友座長 日赤は非常にロジ機能が強力で、その辺りも参考にさせていただいてということだと思います。今回明白になったのが、通信機能の問題と資機材の調達、移動手段の確保です。これはすべてロジの機能だと思いますので、ここの強化はどうしても必要だと思いますが、ロジに関して追加意見はありますか。この辺りは強化するということでよろしいでしょうか。DMATの提案としては、中央直轄のロジ、それに向けてのロジ要員の研修も含めて、いま統括DMATに関しては研修がありますが、それと同等のロジ要員のための研修、しかも中央で働くためのロジの方の研修ということだと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。特にご意見がなければ、その方向でまとまったということにさせていただきます。
 問題点としてご指摘のあったEMISの件ですが、すべての都道府県の導入が不可欠であることと、今回は沿岸地域の医療機関のEMISの入力ができなかったと。本来ならDMATが入っていって代行入力をするわけですが、今回はDMATの通信機能もかなり厳しかったこともあって、入力が十分できなかったということだと思いますが、これに関して追加のご意見はありますか。
○佐藤(裕)構成員 お伺いしたいのです。宮城県でEMISが未導入の理由についておわかりの方がいらっしゃいましたら、教えていただければありがたいと思います。7県の部分も同じなのですが、どなたかおわかりになる方はいらっしゃいますか。
○小井土DMAT事務局長 宮城県に関しては、入っていたそうなのです。平成20年に1回脱会したというか、予算の関係だったと思います。プラス、宮城県は独自のネットワークを作って、それは今回あまり機能しなかったようですが、EMISから脱会したということです。その後、県内の統括DMATを含めた災害医療の専門家から、入っていないと困るということで、この4月に再加入する予定だったと聞いています。
○佐藤(裕)構成員 今回、EMISの機能が非常に充実している部分、これが大きな機能を発するということであれば、全国的に展開をしていく必要性があるのかなと思います。
○石井構成員 先ほど言ったように、通信手段の問題は、DMATはこうだという積み上げ方をしますと、1つずれたままDMAT独自の動きになりますので、そこはどこかチャンネルを空けておいたらいいのではないかと思うのです。
○大友座長 ご指摘のとおり、前回の第1回検討会で、災害拠点病院も通信機能を強化すべきだと。その中では、インターネットにつながる衛星携帯を装備すべきだ、配備すべきだということですので、その共通のものとしてDMATも持っていくべきだろうという話です。
○石井構成員 もう1つは、ツイッターとかフェイスブックとか、それぞれの地域でやっていた実例がありまして、それぞれがそれなりに機能したと。だから、非常に特殊な、それだけみんな共通で持つ部分と、町のどこにでも溢れているものに参入しながら情報収集するセクションと、マルチで持っていないといけない。1つの方式が駄目になったら、戦艦大和が駄目だから駄目だというような戦い方はしたくないと思うのです。その辺りは少し含みを持たせた書込みのほうがいいと思います。
○大友座長 同じような書込機能としては、EMISの中に掲示板があって、DMATの中ではかなり情報共有ができていたように思いますが、そのほかの手段も持っておくべきだろうということですね。
○石井構成員 EMISだけで持っているデータをほかの病院とか医師会が見せてもらうことも必要だと思うのです。
○大友座長 もちろん、拠点病院やほかの枠組みで入って来られたJMATを含めた医療チームの皆さんに供給すべき、もしくは共有すべき情報に関しては発信していくべきだと私も思います。
○高桑構成員 保健所や医師会の本部でも、EMISが閲覧できるというのは非常に重要なことだと思いますし、訓練の中でEMISを接続させるのに一般のインターネット回線で練習をしているのですが、EMISと衛星回線を常につなげるように、もしくは通常からつないでおくことが必要なのかなと思っております。
○大友座長 先に進みます。事務局からご提示いただいた資料1の18頁をご覧ください。いくつか論点が整理してありますので、これに基づいて議論を進めます。「DMATの医療活動について」ということで、当初は48時間もしくは72時間以内の超急性期の救命医療を行うのがDMATであるということで、そのための研修、仕組み、枠組みを作ってきましたが、今回の震災、津波災害ではその枠組みに収まらず、重傷度が多少低くても医療ニーズがあり、それに対して医療を提供しなければ、結果的には命を失う危険が生じたということで、対象疾患、対応期間も含めて、もう少し臨機応変にするべきだろうという論点です。
 ここで提案されているのは、現地で少なくても48時間しっかり活動する、病院を出て帰ってくるまでは72時間、もしくはもっと長くなるだろうと。それでも足りない場合には二次隊の派遣等々で対応していくべきだろうということですが、これに関してご意見をお願いします。
○井伊構成員 意見というか、この論点に関する質問なのですが、DMATの概要からすると、大地震及び航空機、列車事故ということで、いままではどちらかというと外科系の障害が多発することを前提に構築されてきていると理解しています。日本は災害では風水害が多くて、土石流といった大規模な風水害もあるのですが、そういうことにはこれまであまり、ゼロではないと思いますが、対応していないのではないかと思うのです。この論点からしますと、災害の種類も幅広く対応するようなことも含まれるのかどうかを伺いたいと思います。
○大友座長 活動要領はそう書いてありますが、12頁をご覧いただければわかりますが、実際の出動は風水害等のあらゆる災害に対して、これまでは出動の実績がありました。ただ、比較的規模も大きくなかったことから大きな問題は生じておりませんでしたが、今回はこれまでDMATがターゲットとしていた疾病、活動の時間の範囲では収まらなかったということで、これに関して活動要領を見直してもっと臨機応変に、また、医療ニーズがたくさんある中で他の枠組みで入ってくる医療チームが現地に十分到達していない段階で引き上げてしまうというようなことがないように、そこに関してももう少し臨機応変に対応できるようにするべきだということだと思います。
○生出構成員 関連するようなことですが、15頁に書いてありますように、今回の東日本大震災においては、「慢性疾患を持つ被災者に対する医療支援ニーズが高い状態が、長期に渡り続いた」と。そうすると、DMATには医師と看護師のみとなっておりますが、薬剤師の帯同等をお考えいただけないかどうかご検討願いたいと思います。
○小井土DMAT事務局長 今回、亜急性期から慢性期にかけて薬剤師が非常に活躍したということは多く聞いております。DMATも、ロジスティックな要員として薬剤師も登録されていることはされているのですが、今後は、一次隊は急性期チームとしてはあれですが、二次隊、三次隊を送る機会があれば、そこには薬剤師を入れていくべきではないかと思います。
○生出構成員 是非、よろしくお願いします。
○大友座長 もしくは、中長期的な枠組みの中で薬剤師の役割を明確化し、派遣体制を作っていくことにしてもいいのかもしれません。
○内藤構成員 長岡赤十字病院の内藤です。DMATの論点案ですが、活動時間は48時間を原則にすべきではないかとありますが、私はこのとおりだと思うのです。本来、DMATは救命医療を目指す外傷医、救急医の仕事としてスタートし、実際、教育もそれをやっています。ですから、一旦48時間で打ち切るのがよい。今回のような活動期間の長い災害においては、救命医療はほとんど終わっているわけですが、そのあとも医療ニーズがあるので、DMATの名前は使っていても活動内容は変わると。そうなると、資器材も全く変わってきます。今回、二次隊、三次隊として、DMATという名前を持ちながら一般の救護班という形で、実際たくさんの方にも来ていただきました。超急性期はライフラインも駄目ですから、48時間が活動としては限界なので、これをそのまま継続するのは無理で、一旦ここで打切りという提案に私は賛成です。DMAT活動の中でもいろいろなタイプのものがあると言えます。DMAT教育は、災害医療を変えた。ハードルを下げて、みんなが災害医療に参加してくれる基を築いていただいたので、このモチベーションをこのまま維持するためには、DMATの役割は最初の48時間で切るという意見が妥当と考えます。
○大友座長 いまのご提案の中には、二次隊は違った資器材や薬剤も持っていく必要があるのかなというご意見がありましたが、それはDMAT運営検討会で検討していきたいということですね。
○小井土DMAT事務局長 そうですね。一次隊はとにかく迅速に入れなければいけないので、自分たちの食料も含めて、48時間以上の医療資器材は持てないと思うのです。ですから、二次隊は3日、4日なのかもしれないですが、一次隊は48時間ということでいいと思います。
○大友座長 よろしいでしょうか。それでは、臨機応変ということに関しては、いままでのDMATの活動の対象疾患、活動期間に関してもう少し幅を持たせるということで、活動要領の見直しをしていきたいと思います。
○石井構成員 支援を受ける側からすれば、DMATが来るということはいちばん貴重な事象なわけです。これは何より早く来ると。二次隊以降であれば、今回医師会がやったように何トンという薬剤を空輸して、「ここにありますよ」と言うと、それを全部持ってこなくてもいいわけです。どこかでドッキングすればいいので、それを利用していただくという次のフェイズが作れると思います。
○大友座長 先生のおっしゃるとおりで、小井土先生の資料の12頁をご覧ください。小さく「ギャップ」と書いてありますが、医療救護班、医療チームの到着が、緑のラインが非常に後ろにずれてしまって、大きなギャップが発生していたのです。ここをDMATの二次隊、三次隊を派遣し、医療救護班、医療チームが被災地内で充足するまでの間つなごうではないかという発想です。JMATが迅速に被災地に入ってこられれば、このギャップが埋まりますので、二次隊も必要なくなってくるのだろうと思います。ですから、到着状態もしくは医療チームの充足状況を見て、DMATの二次隊を出すかどうかも判断していくことになると思います。
○高桑構成員 日赤の救護班としては、DMAT研修を随分受けてチームになっています。今回は、DMATとして出た班が途中で救護班に変わったりといった形で、ギャップを埋める方法も取らせていただきました。
○大友座長 おそらく、事務局からご提示いただいているA3の資料の真ん中ですが、どうしても移行期が発生するのだろうと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、論点?ですが、資料1の19頁をご覧ください。先ほどロジの話はしまして、ロジ機能の強化、中央のロジの要員を育成し、そういった形で体制を整備強化していくということで、皆さんの同意をいただいたと思います。この中では保健所の協力ということも出ていますが、これに関してはご意見ありますか。
○井伊構成員 このA3の資料でも、特に亜急性期以降は保健所のということはありますし、いまの議論の中でも、救急からその他の生活支援も必要になってくる時期の中で医療体制をどうするかということになりますので、そうした場合に保健所が拠点になるというのはもっともだろうと。私はEMISに保健所が入っていないことは知らなくて。
○大友座長 入っています。閲覧できます。
○井伊構成員 入っているのですよね。福知山線の事故のときには尼崎の保健所が入っていたと思っていたのですが、これだと促進されていないと書いていますので。
○大友座長 入っていますね。EMISは閲覧できると思いますが。
○一戸医政局指導課課長補佐 資料1の19頁で書いてあるのは、保健所がEMISに入っているかどうかではなくて、いま災害拠点病院を中心にしてEMISに入っていただいているものを、ほかの医療機関にもEMISに入っていただくように、保健所を中心として働きかけていくというイメージの文章です。
○大友座長 阪神大震災を受けてこのEMISという仕組みができたのですが、その中で被災地域内拠点病院のEMISの入力が、インフラの関係でどうしてもできないときには、担当地域の保健所が病院を自転車や徒歩で訪れて、状況を把握し、代行入力をすることということがもともとの役割として入っていましたので、そのことを言っているのだと思います。
○井伊構成員 理解しました。そういうことで保健所の協力が必要だと。また、このA3のペーパーにもありますように、連携の役割を持つということも賛同しますが、県によっては保健所の数が大変少ない。また、保健所の人員が配置としては極端に足りていないという状況がありますので、ここでの議論ではないと思いますが、これに伴って保健所の機能を強化すべきということも書き込んでいただければと思いました。
○内藤構成員 保健所ということでは、新潟県は保健所長が医療コーディネーターを担うことになっておりますので、そこに一言触れさせていただきます。中越地震の反省から、保健所長が医療コーディネーターとして、地域の医師会等と連携しながら全体のコーディネーションをするというのが新潟県のやり方で、大変うまくいっております。何がいいかというと、本来的にはコーディネーションは保健所の仕事ではないと思うのですが、保健所長というのは行政マンでありながら医師であります。ですから、行政を災害医療に引き込む、災害時の情報の最先端に県の行政が触れることができたということで、結果的に大変よかったと。今回、東日本大震災を見ますと、行政が機能を失ってしまったのでいろいろな医療が進まなかったという事実がありますので、保健所を入れるというのは、行政を災害医療に巻き込むという大変大きい意味があると思っております。
○和田構成員 いまの論点とは少しずれるかもしれませんが、今回、避難所といったことでも保健所の役割は非常に多かったと思うのです。保健師の情報は非常に大事だったので、その辺りの強化をよろしくお願いします。
○大友座長 保健所の機能に関しては、また中長期のさまざまな枠組みで入ってくる医療チームの取りまとめのところで議論したいと思います。ロジの話、それに関連しての保健所の話はよろしいでしょうか。資器材、移動手段のことも含めて、ロジを強化して対応していこうということでした。
 論点3に入ります。「広域医療搬送について」ですが、このことに関してご意見はありますか。今回は、花巻空港から羽田空港、新千歳空港、秋田空港に、自衛隊の固定翼機を使った広域医療搬送が行われましたが、非常に時間がかかってしまったという反省があって、こういった論点になっていると思います。
○野原構成員 岩手県です。今回、花巻空港がSCUで活用されたわけですが、昨年、花巻空港でSCUの訓練をしました。県としても、SCUの運営要領を昨年度策定しました。今回の我々の対応がうまくできたかというのはしっかりとした検証が必要だと思いますが、要領等を策定して、空港事務所などの関係機関との連携や行政的な手続をしっかりしておくこと、また、現地で訓練をして、実際に医療活動する場所はここが想定されるとか、そういったことをやっていたことは、今回非常に役に立ったのではないかと思っております。こういった平時からの準備が重要だと考えております。
○大友座長 この広域医療搬送の計画に関しては、地震ごとの計画はあります。つまり、東海、東南海・南海地震、首都直下地震に関しては事前の計画がありますが、それ以外の地震が発生したときに、各地域ごとの計画を持っていないと迅速な広域搬送が実施できないだろうということです。計画を持っているとどの辺りが短縮できるのかに関してご意見ありますか。
○小井土DMAT事務局長 今回、花巻は訓練を1回していたということで、かなり短縮できたと思います。もしも訓練等を行っていなかったら、立上げは非常に遅れただろうし、あるいは我々のほうから拠点としてお願いしたときにも、二つ返事で引き受けていただけなかったかもしれないということで、いずれの県もそういうものを指定して、支援の資器材等に関してもある程度の準備の計画等を持っていくべきではないかと思います。今回は、訓練をやっていたおかげで時間がそれほどかからなかったということかと思います。
○大友座長 それでも、実際には花巻を離陸したのが23時ですね。
○小井土DMAT事務局長 1便が出たのが23時です。SCUが立ち上がったのが12日の朝6時ですので、震災当日、11日には立ち上げられなかったということで、もしも計画があれば11日中に入れた可能性はあると思います。
○大友座長 結局、花巻から搬送する患者も準備ができていて、実際自衛隊の航空機が飛んだのが22時ですから、だいぶ時間がかかってしまったわけですが、この辺りは内閣府では把握されていますか。
○林内閣府政策統括官付災害応急担当参事官補佐 個別の地域での広域医療搬送に関する計画は、すべては把握できておりません。9月1日の政府総合防災訓練等で、地方にお声掛けしながら順次訓練をしている状況です。
○大友座長 結局は自衛隊機の調達がいちばんネックなのかなと認識しておりますが、それでよろしいでしょうか。
○小井土DMAT事務局長 そうですね。事務局としては、かなり早い段階から、空路でDMAT隊員を送ってください、あるいは広域搬送の機体を用意してくださいという話をしていましたから。
○大友座長 その辺りを事前の計画を持ち、自衛隊機を活用した航空搬送も計画に入っているとすると、その話がスムーズに、円滑に進むと理解し、だからこそ事前の計画が必要なのだろうということでよろしいでしょうか。
○小井土DMAT事務局長 はい。
○石井構成員 広域搬送という概念そのものは、もともと救急が第一義的に担うべきもので、それが叶わなければという第二線、第三線の話だと思うのです。救急隊がどのぐらい円滑に、しかも柔軟に動けるかということが最初にあって、その次に自衛隊、しかし、沿岸地区だと海上保安庁というリソースもあるのです。彼らは海を基点にしながら、私自身もヘリコプターで長距離搬送してもらったことがあります。
 もう1つ今回経験したのは、書き込むかどうかは別として、米軍は役に立つということです。これは、彼らが「トモダチ作戦(オペレーション・トモダチ)」という名前を付ける前から応じてもらえましたので。そういうことも必要であれば使うと、こういう柔軟な発想がないと、現地のニーズには耐え切れないということがあると思います。
○唐澤大臣官房審議官 石井先生のお話に関して、これはDMATの広域医療搬送の論点なのかどうかわかりませんが、石井先生のお話のように、今回は原発事故がありまして、福島県から患者と要看護者を2,000人搬送する必要が生じたのです。2,000人搬送するというのは、おそらくDMATの想定になっていないと思います。しかし、そういうことが現実に起こっており、その搬送の中では、今回ではヘリの輸送にこだわったために2日間搬送できなかったという事例も起こっております。それが良いか悪いかは別として、そのような事例もありますので、いまお話にあったように空路や陸路、海上も活用して、大量の患者等を搬送する場合にはどういう搬送が良いかということを、是非この機会に念頭に置いていただきたいと思います。いままでこういう事例はなかったので、非常に貴重な事例なので、検証していただきたいと思います。
○大友座長 全くおっしゃるとおりだと思います。固定翼機を使った搬送は19件だけだったのですが、ドクターヘリもしくは消防防災ヘリ等々を使った搬送は200件以上あったということで、今回も使えるリソースは有効活用して頑張ったのではないかとは思っています。米軍までは使っていないかもしれませんが。
○小井土DMAT事務局長 実際、今回SCUは、花巻の場合は4日間で136人の患者が集まって、広域医療搬送の拠点というよりは、患者集積場所という意味合いが非常に強かったと思います。そういう中で、広域医療搬送するものはするし、域内搬送するものは域内搬送するもので盛岡市内に送ったわけですが、今後はSCUの使い方自体もいろいろなパターンを考えていかなければいけないと思います。
○大友座長 そうですね。SCUは、従来は被災地で発生した最重傷の患者だけを集めて、そこから必ず被災地外に出すということでしたが、災害現場や孤立地域あるいは避難所等から、一旦、患者を集める拠点にもなり、そこから被災地内の病院にも運ぶこともあったということですね。
 各地域で広域医療搬送の計画を持つということですが、先ほど申しましたように、ドクターヘリの有効活用、消防防災ヘリ、海上保安庁のヘリも含めたヘリコプターの活用も含めて計画を持っておく必要があるのかなと。それには中規模で近隣の県に搬送すれば事が足りるようなものの計画と、非常に大規模で遠くまで運ばなければいけないものと、段階別に各地域で広域医療搬送の計画を持っておくことが有効なのかなと思います。
○野原構成員 広域医療搬送に関しては、多数の都道府県間での調整が必要です。例えば他県の空港を利用する場合、県では調整できない部分があり円滑な搬送には広域の視点が必要です。そういった意味では、都道府県における計画策定となると非常に難しい面もありますので、国レベルでの枠組みや連携、ブロック単位の視点などについてもご配慮いただければと思います。
○大友座長 東南海・南海地震、東海地震、首都直下地震は、ご承知のとおり非常に広域の都道府県が巻き込まれますので、政府/内閣府が中心となって計画を作っていますが、仰るとおり広域医療搬送は県をまたがる計画が必要であり、各県だけでは作り切れないところがあって、それはブロックでやるべきだと。そうすると、どういう枠組みで議論になるのでしょうか。例えば、東北ブロックだと、どういう枠組みで検討する必要があるのでしょうか。厚労省は何かアイディアはありますか。
○唐澤大臣官房審議官 今回で言えば、輸送手段については内閣防災で調整してもらっていますので、輸送の対象者と輸送先はバイであったり、厚労省で集約したりという形でやっておりました。搬送自体は、当初はガソリンも不足している状況では、内閣防災に一本化してそこに要請し、そこから現地に戻る形でやっていただいていたということです。
○大友座長 そうすると、論点?の広域医療搬送を平時から策定するということに関しては、各県の消防防災部局も一緒になって、県をまたがる広域の搬送に関しては内閣府も関与するということでよろしいのですか。そうすると、大変ですね。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 最終的に、制度的にどのように整理するかは関係の皆様と相談していきたいと思うのですが、現状でもDMAT検討委員会の中でブロックごとの検討を進めておりますので、先に具体的なオペレーションのイメージを関係者で共有することを作業として進めていくということでいかがかと思います。
○大友座長 了解しました。それでは、まずどういう形が必要かということを整理して、その中で厚生労働省以外のどの省庁もしくは部局と調整するかは、その後の話ということでよろしいですね。DMAT、ドクターヘリの議論はこの辺りにしたいと思います。
 それでは、中長期的な災害医療の対応に関する議論に移ります。これに関してご発言はありますか。
○佐藤(裕)構成員 中長期的な医療を考える上で、前回の会議でも大友座長からお話がありましたとおり、災害医療コーディネーターの方々を常に置いておいて、いろいろ調整することが必要かなと思っております。先ほどお話が出た保健所の職員についても、支援をいただいている医療チームと市の間に立っていただいて、いろいろ調整を取っていただきました。こういう調整役が各会各層にあれば、非常にスムーズに流れていくと思っております。
○大友座長 これは中越、中越沖という2回の震災の経験を基に、新潟県でたくさんの枠組みで入ってくる医療チームを取りまとめる立場の人間が必要だということで作られたものだと思いますが、説明をお願いできますか。
○内藤構成員 当初、その検討委員会のときに、「保健所長が担う」という意見を県行政が出してきたことに、みんな大反対でした。現場を知らない人には無理だろうと。でも、実際蓋を開けてみると大変うまくいって、中越沖地震で来てくれた延べ380チームの救護班が混乱なく活動できたのは、コーディネーションのおかげだと思います。ただ、保健所長だけではなくて、医師会長、副会長は常にミーティングのときにいらしていただきましたし、東京の災害に長けたチームもたくさん来ていただき、県内の者も支えており、チーム性が大事だと思います。先ほども申しましたが、行政職でありドクターである者が担ったということは大きいですし、行政が災害医療を担うという意識づけになったという意味で、意義があったと思います。
 ただ、保健所長を指名すればうまく機能するかというと、とんでもない話です。私どもは、基幹災害医療センターとして講習会を保健所に対しては毎年2回、災害拠点病院研修と合わせて3年間にわたりやってきて、いまならば新潟県のどこで起こっても保健所長がコーディネーションできるだろうというところまで何とか来ました。単に指名したからできるというものでは決してありません。
○石井構成員 保健所長のあり方に関しては、昔、日本医師会が主張していた保健所長は医師であるべきということがようやく評価されてきたかなという気がしますが、実は保健所長の要件は緩和されており、ドクターであるかどうかはわからないのです。そういうことは小泉改革のときに起こっていますから、古い概念で言うとそうなのです。ただ、限定的に考えると、地域によっては保健助長がドクターではない場合があるということを頭に置いて考える必要があると思います。それが1つです。
 もう1つは、先ほどからあるお話の中で、地域のリソースという概念が飛んでいる可能性があると思うのです。というのは、21頁の絵で、医療チームの派遣ということで、派遣はこうであっても、地元に生き残った医療があって、それと相乗してこれがなっているという概念がないと、全部派遣で構成しようかというと、これはいわゆる途上国に対するVertical Intervention(上からの介入)か、それとも、そこにあるものを利用してゆっくり入っていくHorizontal Interventionかという形のミニチュア版が災害被災地への介入ですから、私は先進国ではHorizontal Interventionであるべきだと思っています。上からの指揮系統が別に入ってくる形をどんどん作っていくと、下は動かなくなるし、ぎくしゃくし出すことは避けたほうが思っています。
○大友座長 おっしゃるとおりで、ですから地元の保健所の方が地域の医療のリソースも把握しており、それを勘案した上で、外から入ってきた医療チームに、「どこに行ってください」「こういった活動をお願いします」といった調整を行う。新潟県ではこれが保健所長と地元の郡市医師会長と並列で統括指揮を行うことになっていました。どちらがなってもいいことになっていましたので、地域ごとに、どなたが取りまとめ役として相応しいかを決めていけばいいのではないかと思いますし、だからこそ地元の方がこれをやらないとできないのではないか、外から入ってきた人間がやってもできないのではないかと思います。
○野原構成員 現地では、医療チームのほかにも保健チームや心のケアチーム、災害支援ナース、薬剤師チーム等さまざまなチームが入っておりますので、そういった意味で保健所長が全体をコーディネートすることはそのとおりだと思っております。しかし、今回の災害の場合、被災地域も広範囲にわたっており、また岩手県の場合は2次医療圏も非常に広いという特徴があります。例えば、様々な保健医療チームの情報を共有するにはミーティングが必要なのですが、保健所単位で集まると移動だけで1時間かかってしまうため、もう少し小さなコミュニティ単位、市町村レベルでの調整機能も必要ではないかと思っております。そういった意味では、現地のコーディネート役については保健所長のほかにも災害拠点病院のドクターであったり、郡市医師会の先生方であったり、地域によってさまざまな調整や連携の形態があり得るのではないかと思っております。
○大友座長 全くおっしゃるとおりで、こういう取りまとめ役が必要だということが決まっていれば、その地域の地域防災計画の中で、誰がやるかということを、地域で相応しい方を任命すればいいのではないかと思います。郡市医師会長であったり、拠点病院のコアの先生であったり、各地域ごとに決めていけば良いと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○和田構成員 そこで、1つまとめる組織が必要だと思うのですが、そこの情報収集のところがうまくいかないと、今回の宮城県の場合も、どこの避難所に行くとバッティングするとか、地域によって開業医の先生が顕在な地区とか駄目な地区とか、そういうことがありますので、その辺りの収集をどうするかということが、あるいは保健所関係が活きてくるのかなという感じを持っておりました。
○大友座長 石巻では、発災後すぐに、300を超える避難所が設置されたけれど、避難所に食料が届いているのか、水が届いているのかすら把握できない状況が、発災後1週間近く続いていました。この状況に対して、石巻赤十字病院の医師で、宮城県災害医療コーディネーターの石井先生が、石巻赤十字に支援に入った医療チームに各避難所を回っていただくよう依頼して状況を把握したそうです。これによって全く食料も水も届けられていなかった避難所に支援の手がさしのべられたと聞いております。これは石井先生個人の極めて適切な危機管理能力に追うところが多いと思います。しかし、あらかじめ避難所の状況を把握することを災害医療コーディネーターの役割として定めておけば、個々のコーディネーターの能力に依存することなく、こういった重要な被災者対応を迅速的確に実施していただけるようになると考えます。
○唐澤大臣官房審議官 いまお話が出たので、今回の被災では県ごとに多少それぞれの特徴があったと思いますが、実際に県レベルで派遣チームを手続的に受け入れて、それを各ブロックの拠点病院、あるいは保健所の管轄区域からさらに避難所にレベルダウンして入っていただく形になっているわけです。今回の私の感じでは、ブロックのところで郡市医師会長と災害拠点病院の院長なりコーディネーターに必ず入ってもらわないと、話にならないと。周りの医療資源も活用しなければいけないので、1人だけで決めるのはたぶん無理だと思うのです。保健所長も一緒に入ってもらいたいのですが、拠点病院と保健所の距離が結構遠いのです。集まれないという問題があって、その辺りもチームで決めていくような枠組みを作っていただくと、あとも非常にスムーズに動くので、誰か1人だけで決めるのは難しいかなという感じがしています。
○大友座長 もちろん、複数のチャンネルから情報を集める、もしくは意見を集約することは大事だと思います。ただ、心配するのは、複数のトップになるべき人が集まると、誰がイニシアチブを取るかということです。
○唐澤大臣官房審議官 決定は1人でするという意味です。
○内藤構成員 まさにチームでないと駄目です。誰がトップを担うかは各地域ごとに違うと思います。絶対抜けてはならないのは医師会だと思います。外からの支援救護班はたくさん入りますが、最終的にはゼロになります。何のために入るかというと、被災地の支援です。被災者の自立支援ですから、あまり過剰に入りすぎると被災者を駄目にしてしまう。地域の医師会及び基幹病院の立ち上がり状況を見ながら、いかにきれいに引いていくか、いかにきれいにフェイドアウトして、知らない間にいなくなっていたというのがいちばんの救護のポイントです。そういう意味で、その情報を入れてくれるのは医師会ですから、医師会が入っていないと絶対駄目です。
○大友座長 それは、先ほど石井先生からもご指摘いただいたとおりのお話ですね。こういった機能を担う立場の方がどうしても必要であり、各地域ごとにどの人が相応しいかを決めていくわけですが、その中で医師会長、保健所長、拠点病院も含めた形で参画してもらい、こういった機能を持たせていくべきだということでよろしいでしょうか。
○小井土DMAT事務局長 1点だけ、この表では移行期には災害医療コーディネーターと書かれていますが、今回の震災でも避難者はすぐに出ているので、活動時期としてはここになるかもしれませんが、超急性期からの災害医療コーディネーターの活動開始が必要だと思います。
○大友座長 つまり、DMATとして救命医療を中心として入ってくるチームとは別に、地元で発災当日から避難所が作られ、そこでは当然医療が開始されなければいけないわけですから、そこを担う立場の方が超急性期から必要だろうというご意見ですね。最初から移行期があるような形ということかもしれませんが、当然のことだと思います。
○内藤構成員 超急性期の表の部分で、移行期にある災害医療コーディネーターを、超急性期の中にも入れておかないと話が合わないというお話だと思います。
○大友座長 おそらく、仮称のコーディネーターの立場の方は、心のケアのチームとか肺血栓塞栓症予防チームとか、さらに歯科の先生方など様々な特殊機能を有した医療チームが避難所に入って来る、そんなことも含めて調整をするのだろうと思います。そういった役割があることをコーディネーターの方が理解し、その方々に歯科として入ってきたチームにも役割を付与するということになっていくのではないかと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、この役割が必要だということと、下の欄に経時的にどのチームもしくは部門が担当するべきかが書かれておりますが、これに関してどなたかご意見はありますか。○石井構成員 例えば、one of ideaですが、「コーディネーター機能」と書けば、それが必要だという意味では誰も反対しないと思います。
○佐藤(保)構成員 そもそもコーディネーターの方が各県で活躍する場合、実際に岩手の場合は歯科医師会が入ったのは5日遅れということがありまして、災害医療の計画そのものに関係者の位置づけを明確にしておくことがまず必要です。それがあって初めてコーディネーターの方が活躍する根拠になると思うので、今後の計画見直し検討会にも、是非そのような方向で進めていただきたいと思います。
○大友座長 おそらく、仮称のコーディネーターの立場の方は、心のケアのチームとか肺血栓塞栓症予防チームとか歯科の先生方が避難所に入っていって、やるべきことはたくさんありますので、そんなことも含めて調整をするのだろうと思います。そういった役割があることをコーディネーターの方が理解し、その方々に歯科として入ってきたチームにも役割を付与するということになっていくのではないかと思います。
 よろしいでしょうか。それでは、この役割が必要だということと、下の欄に経時的にどのチームもしくは部門が担当するべきかが書かれておりますが、これに関してどなたかご意見はありますか。
○内藤構成員 赤十字は従来、慢性期の活動でしたが、いまはDMATにもたくさん入っております。実際、今回初動の11日に活動したDMAT155チームのうち日赤が22チームいます。2日目も285チームのうち29チームが日赤ということで、赤十字は最初と中と終わりまで全部活動を続けているのですが、「日赤」の文言がほとんど出てこなくて、とても寂しい思いをしていますので、是非入れていただければと思います。
○佐藤(裕)構成員 ただいまの話で、日赤の医療チームから支援を受けていたとしか理解しておりませんでした。そういったこともありますので、是非、日赤の支援という部分を入れていただければありがたいです。
○内藤構成員 是非、上のほうに入れていただけるとありがたいと思います。
○大友座長 あまり把握できていないのですが、具体的にどこにですか。
○内藤構成員 表の下の部分にある「活動する医療チーム等」の項目の中の、諸々の医療チームとしてのみ日赤救護班の記載があります。いちばん上の行には医師会もあるし大学病院もあるのに、日赤はそこでも「等」の中に入っているのです。我々は国からの指定機関であって、一般医療よりも災害医療を最優先に行っております。少し寂しいので、記載をお願いします。
○大友座長 それでは、医療対策本部の各機関の中に日赤を入れ込むということで。
○内藤構成員 医師会、大学病院の枠に入れていただけるとありがたいかなと思います。医師会の下で結構ですから。
○大友座長 了解しました。
○和田構成員 そういう意味では、国立病院機構もそうだと思いますので、ご考慮をお願いしたいと思います。
○大友座長 よろしくお願いします。
○井伊構成員 日本看護協会ですが、私どもは災害支援ナースを避難所に24時間で入れていって支援活動をしています。私どもは1週間以降ぐらいの活動になって、そうすると看護師のチームや保健師のチーム、コメディカルの介護の人たちもそうですが、そういう場合に、中長期の絵ですとコーディネーター機能があって、いきなり避難所とか医療機関とか仮設診療所という書きぶりですが、現実には市町村行政の市の保健師とか市の担当とうまくいかないと、なかなか入っていけなかったのです。いきなり避難所に直結するような矢印が現実的ではないと思いますが、市町村というのはどういう位置づけになるのかを確認したいと思います。
○大友座長 いまおっしゃったのは、日本看護協会の看護支援チームが入っていったときに、どこで活動していいかの指定をいただくのが難しかったということですか。
○井伊構成員 実際には指定されなくても入ってしまって、現地の対策本部の方々と連携を取りながら動くのです。それは実際そうでしたという話です。しかし、絵ですと調整機能があって、直接避難所ではないのです。
○大友座長 いままではそういう調整機能を担う所がなかったので、個別に入っていったチームが自分たちで。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 ご指摘の点を踏まえて考えていきたいと思います。かなりデフォルメされた図ですので、現実をどのように表現するか検討したいと思います。
○石井構成員 医師会を持ち上げてもらった割には、超急性期から48時間のところに医師会がないのです。最初に言ったように、対策本部が立ち上がったら、都道府県単位では最初に医師会が入るからこそ、本部が機能するということです。
 もう1点は今回の反省で、日本医師会は厚労省とかいろいろな省庁とはコネクションがあるのですが、内閣府とはないのです。もともと担当になって6年、中央防災会議に参画させてもらえるよう働きかけもしているのですが、何の返事もないので、今回を機会に是非ご返事をいただければと思っております。今日書き込むかどうかは別として、そういう概念でいるということだけ認識していただければと思います。
○唐澤大臣官房審議官 この図はなかなか難しいようで、これは本当に仮だと思ってください。ここになくても、うちの団体は無視されたとは決して思わないでください。これはよく揉んで作りたいと思いますので、よろしくお願いします。
○大友座長 例えば、真ん中のラインを超急性期からとしてしまえばいいのかなという気もしますが。
○新村医政局指導課長 報告書を作る時点では、この絵を付ける必要もないのかもしれませんし、今日の議論の題材として活用していただければ結構なので、それを文章化するときによくご相談させていただきたいと思います。
○大友座長 そういうことで、これが最終形ではないので、これは皆さんの議論を助けるためにイメージとして出しているということでご理解いただければと思います。
 議論を進めます。DMATには強力なロジ機能がこれから追加されて、県庁でのサポートが提供され、DMAT活動拠点にも強力なロジ機能が入っていきます。一方で、コーディネーターという名前の枠組みにはそれだけの強力なロジ機能を備えておりません。このためDMATが撤退してしまったあとに、ロジ機能の空白が起こり兼ねないかなと心配するのですが、いかがでしょうか。
○高桑構成員 地元のロジスティックスをどうしていくか、被災地のロジスティックスをどうしていくかというところだと考えます。私は釜石しか知らないのですが、早くに薬剤師会が立ち上がって、日赤はすでに薬を持っていったのですが、ほとんど使わずに、地元の薬剤師で何とかしていただいたと。我々が診療に回ったあと、その処方箋を地元の薬剤師がすべて避難所に配っていただいたということで、非常に立派なロジができておりました。
 そのほかの物資等についても、早い時間に一般の流通も回復してきたものですから、それまでの急性期の食料とかは大変だったと思いますが、市がそういう認識を持っていただきながらやったと。それはなぜかというと、薬剤師会、医師会、自衛隊、日赤、県のチーム、いろいろな所で行われていたと思うのですが、釜石も毎日17時30分から医療調整会議をやって、不足するもの、これから必要になるものといったことについて話をしていたからではないかと考えます。
○大友座長 そうしましたら、いまのお話で、ロジ機能も地元で十分担えるということが確認できたら、DMATのロジチームが撤退する、もしくは引き継ぐと。ラインが4つありますが、上から2つ目に「医療チームに引き継ぎ」とありますが、その下をロジ機能と読み替えるとすると、ロジスティックチームは地元のロジ機能がきちんと機能することが確認できて、そこに機能委譲していくようにして撤退していったほうがいいだろうということになりますね。
○高桑構成員 DMATにしても日赤にしても、地元のロジスティックスに何が必要かを把握した上で、それがちゃんと出来上がるまではサポートすべきではないかと思います。
○大友座長 そこは大事な考え方で、今回の震災でDMATも決められた時間が来たから撤退しますということでやってしまったことは非常に問題でした。現地の医療ニーズがどれだけあって、それに対して現地の医療のリソースが充足しているかどうかを確認しないうちに引き上げてしまったのは問題であったと。そこは臨機応変でいきましょうという方針が決まったわけですが、ロジに関しても同じような考え方が必要だろうということです。そうすると撤退時期は、DMATの医療チームは帰るけれど、DMATのロジチームはもう少し残ったほうがいいということも発生しうるということですね。
○高桑構成員 場合によってはあるのではないかと思います。
○石井構成員 この移行期の図について、DMATが災害医療本部と別にパラレルであって、災害拠点病院がDMATの下にあるというのは、見ていてどうも腑に落ちません。これは一体でないといけません。だから、Horizontal Interventionの関係で全部中に入ってもらわないと、コミュニケーションもできないし、現場では動きも取れないということになります。
○大友座長 DMATの最も重要な機能として、被災地内の拠点病院を強力に支援するということがあるので、どうしてもこういう図になっています。ただ、一応全体が入っていますので、そういった意味では、必ずしも直轄というわけではないように読めるのではないかとも思いますが。
○唐澤大臣官房審議官 行政でこういう図を作ると、必ず大議論になってしまうのです。これは工夫させていただきます。ご指摘はよく理解しております。
○内藤構成員 中越沖地震のときは、いま先生がおっしゃられたとおりで、保健所長を中心とする医療本部の中にDMATのチームも一緒に来てミーティングに入っていました。ただ、今回の災害では状況が違いますが、通常、災害が起こって本当に救命医療が必要な時期は、6時間とか10時間ぐらいで終わってしまいます。その間はDMATが病院に入って支援をし、落ち着いたのでミーティングに参加できるような状況になったというのがあのときの現状でした。
○大友座長 よろしいでしょうか。そうすると、この中長期のところの図は皆さんのご意見をよく反映して、納得いく形で最終形を提示いただけるということですが、考え方としてはこれでよろしいでしょうか。ご同意いただいたと理解させていただきます。
 最後にドクターヘリの課題・論点ということで、1つの問題点として、ドクターヘリの飛行は地元の消防もしくは警察からの要請を受けなければならない、という法律上の規程があります。今回の震災では、地元の被災県の災害対策本部から、もしくは被災地の拠点病院からの要請で飛んだということですが、これはこれで問題ないということでよろしいですね。
○小井土DMAT事務局長 今回、半数のドクヘリに飛んでいただいたのですが、あと半数が飛べなかった理由として考えられるのが、どうしても法的根拠が弱いということで、ドクターヘリのことはDMAT要領の中には災害時に使うことができると書いてあるのですが、そこだけしか拠がなくて、法的根拠が非常に弱いのです。防災基本計画や県の業務計画の中に書き込んでいただかないと難しいという意見が多かったと思います。
 また、災害時においては、各県だけの対応ではなくて、中央一括でDMATの被災地への導入のような、可能かどうかわかりませんが、ある期間は借り上げるということも必要なのかもしれません。
○大友座長 いまのお話は、参考資料1「日本DMAT活動要領」の13頁で、「ドクターヘリは、必要に応じて広域医療搬送、DMATの移動、患者の搬送等に活用することができる」としか書いていないので、ここが弱いと。これだけでは派遣し難かった県があったということですね。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 その辺りの課題はあると承知しております。その状況を受けまして、論点としては非常にざっくりした書き方にしておりますが、この対応については、先ほど申し上げたことと似た言い方になってしまうのですが、具体的な運用はその関係者の間でもう少し詰めていただく部分もあるのかなと思います。その上で、制度的にどのように対応していくのかについては、関係者の皆さんと相談していきたいと思っております。
○石井構成員 これは、初日に非常事態宣言がなされたかなされなかったかという前提から始まる話なのです。いま、通常の業務の中でどこまで読めるかという議論を拡大していこうという話ですが、これは日本における非常事態だったのだと思うのです。それがなされなかった中で、弾力的運用でやったわけです。我々はそのように理解しています。いまの議論はその中の議論だと思いますが、もう一度言いますと、これを超えた事象の場合にはこうだということは、どこかで議論しなければいけないと思っているのです。そういう場が作られれば、是非内閣府に参入して意見を申し上げたいと思っていますが、
 県医師会と県との災害時医療救護協定のみなし条項は、それぞれの地域で持っているわけですが、それでも都道府県域を超える広域災害の場合には適用されるかがわからないとの問題への対応として、1つは厚労省からの依頼を受けたということ、もう1つは都道府県同士、県知事、都知事に依頼をしてもらって、その中で動くという仕掛けを作り、実際我々は最初から広域に動いたのです。もともと総合協定を持っていたり、地域の協定を持っている所は動けるのですが、そうでない所は急遽それをやってもらったと。その下で動くという構成を作ったのです。これを国の単位でそういう要請の中で仕組みを最初に動機づけしてくれれば、その手間は省けたと思っています。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 ご指摘の点を踏まえて考えていきたいというのが結論です。なにぶん医師会の活躍は、ここまで大規模なものは今回初めてだったと承知しておりますが、そういった現状のご活躍を踏まえた枠組みを相談していきたいと思います。
○大友座長 現状では、ドクターヘリに関しては、それを管理している県の運行要領の中に、災害時には被災地に派遣できるという1文が、一応入っている所とそうでない所があって、そこの違いが派遣の差になったかもしれませんが、そこも含めて、今後どうするかをもう少し考えなければいけない。また、非常事態のときにはどうするかに関しても、当然考えておかなければいけないということだと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、中長期的なところに関して、ドクターヘリに関しても、この方向性についてご同意をいただいたと理解したいと思います。活発なご議論をいただきまして大変ありがとうございました。最後に、事務局から何かありますか。
○宮本救急・周産期医療等対策室長 次回の開催につきましては9月を予定していますが、具体的な日程は調整の上、ご案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○大友座長 それでは、本日は以上で終了いたします。ありがとうございました。


(了)

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