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2011年7月21日 第58回 先進医療専門家会議議事録

○日時

平成23年7月21日(木)15:30〜16:43


○出席者

【構成員】
猿田座長 吉田座長代理 赤川構成員 天野構成員 加藤構成員 北村構成員 竹中構成員  
田中(憲)構成員 田中(良)構成員 辻構成員 戸山構成員 渡邊構成員
【事務局】
審議官 保険医療企画調査室長 医療課企画官 医療課長補佐 他

○議題

1 第2項先進医療に係る新規技術の届出状況について
2 第3項先進医療(高度医療)に係る新規技術の科学的評価等について

○議事

午後3時30分 開会

○猿田座長
 それでは、時間がまいりましたので、第58回「先進医療専門家会議」を始めさせていただきます。天候の悪いところ、また、御多忙のところを委員の方にはお集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 それでは、本日の構成員の出欠状況ですが、新井構成員、飯島構成員、金子構成員、笹子構成員、永井構成員、中川構成員、樋口構成員、福井構成員、松原構成員が御欠席ということでございます。
 それでは、事務局の方から資料の確認をお願いいたします。

○事務局(医療課長補佐)
 事務局でございます。資料の確認をさせていただきます。
 議事次第と書いてあります1枚紙、座席表の1枚紙、構成員のリストの1枚紙でございます。
 続きまして、先−1「第2項先進医療の新規届出技術について」の5月受付分と、裏に6月受付分が書いてあるものでございます。
 先−2「第2項先進医療の新規届出技術について」の3月受付分と、裏に4月受付分が書いてある1枚紙でございます。
 別紙1のホチキス止め3枚でございます。
 別紙2のホチキス止め3枚でございます。なお、ここに記載不備がございます。先進医療評価用紙(第2号)の当該技術の医療機関の要件(案)の一番下のその他(上記以外の要件)の欄に、日本小腸移植研究会に症例登録することという文面が抜けておりますので、修正をお願いいたします。
 先−3「高度医療評価会議において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」という1枚紙でございます。
 別紙3「高度医療の名称」と書かれているもののホチキス止めでございます。
 以上でございます。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、修正が入りましたけれども、それだけでよろしいでしょうか。
 もう一つ、いつものことですけれども、今回の検討対象の技術に関する利益相反のことは特にございませんね。
 それでは、早速議事の方に入ります。先ず最初に、5月、6月の受付分でございます。よろしくお願いいたします。

○事務局(医療課長補佐)
 先−1の資料「第2項先進医療の新規届出技術について」ということで、5月受付分でございます。
 整理番号256番、技術名が「膀胱全摘除術における内視鏡下手術用ロボット支援(膀胱がんに係るものに限る。)」でございます。適応症等は前立腺癌となっております。これは医療機関からの届出をそのまま記載してございます。
 整理番号257番「ロボット(da vinci S)支援による根治的子宮体癌手術」でございます。適応症等は子宮体癌でございます。
 整理番号258番「根治的縦隔腫瘍除術における手術用ロボット(da vinci S)支援」でございます。適応症が縦隔腫瘍でございます。
整理番号259番「MLPA染色体検査」でございます。適応症が先天形態異常・発達遅滞・精神遅滞を伴い、染色体異常が疑われる先天異常症でございます。
おめくりをいただきまして、6月受付分でございます。
整理番号260番「MRガイド下で集束超音波器(ExAblate2000)を用いた子宮筋腫のアブレーション(MRgFUS;MR−guided focused ultrasound surgery)」でございます。適応症等は症状を有する子宮筋腫でございます。
保険給付されない費用、保険給付される費用、受付日等は記載のとおりでございます。
以上でございます。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。5月受付分が4つ、そのうちの最初の3つが手術用のロボットを使ったテクニック。あとは染色体検査。6月の方は1件ということですが、何か御意見はございますでしょうか。
 吉田先生、どうぞ。

○吉田座長代理
 今、発言がありましたけれども、256番は多分間違えているんですね。前立腺癌はもう先進医療を通っていますので、多分これは膀胱がんと出すところを間違えてしまったんですね。確認してください。

○事務局(医療課長補佐)
 これについても次回までに医療機関に確認させていただきたいと思います。

○猿田座長
 ほかに御意見はありますか。もしございませんようでしたら、5月、6月の受付分に関しては、もう一回事務局の方で整理をしていただくということで、先進医療の届出の3月、4月の受付分をお願いいたします。

○事務局(医療課長補佐)
 それでは、先−2の資料をご覧ください。「第2項先進医療の新規届出技術について(3月受付分)」でございます。
 整理番号247番「マグネットテンチャー」でございます。適応症等は歯列部分欠損症例でございます。事務的対応といたしまして、一番右側をごらんいただきますと、返戻と書いてございます。返戻理由といたしましては、様式の適応症等の記載が一致していないであるとか、使用する医療機器欄について記載がない等、幾つかございます。その点について指摘させていただきまして、返戻させていただいております。
 整理番号248番「大腸癌の化学療法における血中5−FU濃度モニタリング情報を用いた5−FU投与量の決定」でございます。適応症等は大腸癌の化学療法として実施する5−FU注射薬を主剤とした点滴静注治療でございます。これについても返戻させていただいておりまして、5−FU濃度をモニタリングする際の検査試薬が薬事適応外になるということでございます。
 整理番号249番「多血小板血漿を用いた難治性皮膚潰瘍治療」でございます。適応症については褥瘡を含む難治性皮膚潰瘍(美容医療を除く)でございます。これについては使用する医療機器を現在、薬事の承認等を確認中でございまして、今回保留とさせていただきたく考えております。次回までには準備できるかと思っております。
 整理番号250番「不可逆的小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植」。適応症等は長いので省略いたしますけれども、書いてあるとおりでございます。これにつきましては、笹子構成員に総評「適」といただいております。
 整理番号251番「不可逆的小腸不全に対する生体ドナーからの小腸部分移植」につきましても、適応症は同様のものでございまして、事前評価に笹子構成員から「適」といただいてございます。
 おめくりいただきまして、4月受付分でございます。
 整理番号252番「内視鏡手術支援ロボット(da VinciS Surgical System)による食道手術」でございます。適応症等は食道腫瘍でございます。
整理番号253番「内視鏡手術支援ロボット(da VinciS Surgical System)による肺手術」でございます。適応症等は原発性肺癌、転移性肺腫瘍及び肺良性腫瘍でございます。この2つの技術はいずれも返戻とさせていただいておりまして、保険外併用療養費の積算等におきまして、書類の不備がございました。
整理番号254番「リウマチ・膠原病及び血液炎症群における皮膚潰瘍及び壊痕に対する自己骨髄幹細胞移植による血管新生療法」でございます。適応症等はリウマチ・膠原病及び血管炎症候群における皮膚潰瘍及び壊痕でございます。これについてはヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針に該当するということで、書類不備ということで返戻させていただいております。
整理番号255番「NKT細胞を利用した頭頸部癌に対する免疫療法」でございます。適応症等は標準治療終了後の頭頸部再発癌症例で、これについては同様の技術が現在、第3項先進医療において行われているということで、今後、第3項先進医療に申請いただくということで、書類不備として今回は返戻させていただいております。
以上でございます。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。今、御説明をいただきましたように、3月受付分、4月受付分は結構あったんですけれども、いろいろなところで書類不備であるとか、そういったことがあって、せっかくたくさん出てくるんですけれども、半分以上が戻されてしまうということですが、何か御意見はございますでしょうか。
事務局の方で非常に細かいところまで見ていただいて、できるだけ審査にもっていけるようにお願いをしているんですけれども、まだ不備があるということです。
それでは、特に御意見がないようでしたら、3月、4月の受付分はこういう状況ということでございます。
今、御説明をいただいた中で、250、251の不可逆的小腸不全に対する脳死あるいは生体ドナーからの小腸移植並びに小腸部分移植。これは笹子先生が見てくださいまして「適」ということで、今日は笹子先生がお見えにならないものですから、私の方から説明をさせていただきます。
これに関しては、実は北村先生からも見ていただいておりまして、あとで御意見をいただけるということです。
お手元の別紙1の笹子先生からの資料を読ませていただきます。
「不可逆的小腸不全に対する脳死ドナーからの小腸移植」。
適応症はここに書いてあるように「中腸軸捻転症、小腸閉鎖症、壊死性腸炎、腹壁破裂、上腸間膜動静脈血栓症、クローン病、外傷、デスモイド腫瘍などを原疾患とする短腸症候群、または、突発性慢性偽小腸閉塞症、ヒルシュスプルング病類縁疾患、Microvillus inclusion病などの機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例のうち、静脈栄養の合併症などによりその継続が困難な症例、または困難となりつつある症例」でございます。後ほどの生体ドナーの方もこの辺りのところは、少し違いますが、大体同じで、適応症はこういうことでございます。
先進性に関しましては「小腸移植は他臓器の移植と比べ拒絶反応、感染症を来しやすく、その成績は悪く症例数も少なかったが、2000年以降、免疫抑制療法や術後管理の進歩に伴い、その成績は向上し症例数も増えている。小腸移植の実施数は、2009年の国際登録によると73施設で2038例に2188回の小腸移植が行われている。(生体ドナーからの移植は2003年までで15施設、32例、2005年までに61回のみ)。
日本国内では2010年10月までに18例に20(生体11、脳死9)回の小腸移植が行われ、現在14例が生存している。このうち、最近の12例のうち7例(8回、生体3回、脳死5回)が当院で行われた症例であるが、7例とも生存し、移植片は6例で生着、機能しており、全世界、国内での現状を鑑みても当院での成績、内容は高度に先進的と考えられる」というのが先進性に関するコメントでございます。
概要ですけれども「短腸症候群、機能的不可逆性小腸不全のために経静脈栄養から離脱できない症例が静脈栄養の合併症などによりその継続が困難となった場合、正常な栄養状態、発育は維持できず、経静脈栄養の中止は多くの場合致命的である。また、経静脈栄養の合併症そのものも生命を脅かしQOLを著しく低下させるものである。このような症例に対し小腸移植を行うことにより経静脈栄養からの離脱が可能となり、重篤な静脈栄養の合併症を回避できるだけでなく、経口摂取が可能となり、点滴、カテーテルから開放され、ほぼ正常の日常生活をおくれるといった著しいQOLの向上を図ることができる。脳死ドナーからの小腸移植では、小腸と結腸の一部をその部位を還流する血管を含めて切除し、レシピエントの血管と吻合し、同所性に移植する。小腸は全腸管の長さの1/3以内(約1〜2m)であればその一部を切除しても機能に影響がないため生体ドナーからの臓器提供が可能であるが、特に成人のレシピエントの場合には小腸の全長と、場合によっては結腸の一部も移植可能な脳死ドナーからの移植が栄養、水分吸収などの面で有利である。本邦において脳死ドナーの不足は深刻な問題であるが、現在年間十数例の脳死下の臓器提供が行われるようになり、我々の5例の脳死ドナーからの小腸移植の経験からは、そのうち約半数のドナーからの小腸移植な良好な小腸グラフトの採取が可能であり、レシピエントは1-9ヶ月間の待機で脳死ドナーからの小腸移植が可能であった。生体ドナーからの移植には健康なドナーを手術するという倫理的な問題も存在し、また上述のように小腸の一部しか移植することができないため、成人のレシピエントで数ヶ月間の移植待機が可能な医学底緊急度のそれほど高くない症例に対しては脳死ドナーからの移植を積極的にすすめるべきであろう。経静脈栄養を受けている患者は国内に約3000例以上存在し、うち数百例は潜在的な小腸移植の適応症例と考えられ、年間約数十例の新規適応患者が発生すると試算されている。脳死ドナーからの小腸移植は今後、短腸症候群/小腸機能不全に対する根治的治療となり得るものと考えられる」と笹子先生からの御意見が来ております。
効果とすれば「小腸移植の成績は近年向上し、小腸単独移植の移植後1年生存率は80%以上である。移植後の経過が良好でグラフトが生着した場合には、移植後1年の時点で90%以上の症例で、小腸グラフトは機能し静脈栄養を減量することができ、80%以上の症例で静脈栄養から完全に離脱することができる。脳死ドナーからの小腸移植の場合、生体ドナーからの移植と比べ阻血、保存時間が長くなるため移植グラフトの機能回復にやや時間がかかる傾向があるが、移植した小腸が生着し機能が回復すれば、小腸のほぼ全長と結腸の一部の移植が可能なため、栄養、水分の吸収の面ではむしろ有利で、充分に静脈栄養から離脱可能である。経過が良好であれば術後1〜2週間後より経腸栄養が可能となり、その後経口摂取も開始することができ、さらに術後1〜数ヶ月で経静脈栄養より離脱が可能である」ということでございます。
先進医療に係る費用は、ここに書いてあるとおり122万8,600円。
実施科は小児外科、移植・再建・内視鏡外科というふうに、笹子先生からはコメントをいただいております。
2ページ。笹子先生から、適応症は妥当である。
有効性もAで、従来の技術を用いるよりも大幅に有効である。安全性は死亡例も出ていて、問題がちょっとある。合併症が発生することもある。技術的な成熟度はこの分野を専門とし、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制を取っていないと行うことができないということ。社会的妥当性は倫理的問題はない。現時点までの普及性は、罹患率、有病率から勘案して、普及していない。効率性は大幅に効率的であるということ。
将来的に保険収載を行うことが妥当であるということで、総合的には「適」をいただいておりまして、コメントとして「死亡のリスクも少なからずあり、移植という方法以外による予後とのバランスで慎重な適応選択が必要」であるというコメントを、適格性に関していただいています。
3ページの医療機関の要件を見ていただきますと、診療科とすると、小児外科、外科または移植外科。
資格は、消化器外科専門医または小児外科専門医ということであります。当該診療科の経験年数は5年以上。この技術に関する経験年数は1年以上。この技術に関する経験症例数ですが、術者として1例以上、それに加えて、助手または術者として1例以上ということでございます。実際の診療科の医師数は、これも特に問題はないだろうという、要するにそれだけの人がいればいいということですね。
他の診療科の医師数も不要。その他の医療従事者の配置も不要。病床数、看護配置も不要。当直体制も不要。緊急手術の実施体制も不要。院内検査、他の医療機関との連携体制も不要。倫理委員会は必要である。医療安全管理委員会は不要。医療機関としての技術の実数は2症例。
移植関係学会合同委員会において、脳死小腸移植を実施するものとして選定された施設であること。上のところが不要となっているのは、一番重要なのはこの移植関係学会合同委員会において脳死小腸移植を実施するものとして選定された施設でなければならない。これが入るということでございます。
頻回の報告は先ほど言ったように、副作用や事故のこともありますから、5症例までは毎月報告するということ。それから、日本小腸移植研究会に症例登録することというその他の条件が付いております。
以上が脳死ドナーからの小腸移植ということで、技術に関して、特に先進性、概要、効果に関しては、笹子先生は非常にいいのではないかと。ただし、合併症のことがあるから、慎重にやるということと、選ばれた移植が認められている施設でなければならないというところが一応のまとめかと思いますけれども、北村先生からは後でまた御意見をいただくということで、どなたか御意見はございますでしょうか。事務局からどうぞ。

○事務局(医療課長補佐)
 事務局から補足させていただきますと、医療機関の要件のところで、診療科は不要、医師数は不要等々、不要となっておりますが、これは下から4つ目のその他のところで「移植関係学会合同委員会において、脳死小腸移植を実施するものとして選定された施設であること」という要件がかかっております。ここで実質縛れることになりますので、そういった部分の医師数の要件等は特段必要ではないのではないかということで、笹子先生が書かれているものと考えております。

○猿田座長
 こういう場合は混乱しませんか。

○事務局(医療課長補佐)
 従前の高度先進医療で取り扱われていた際にも「移植関係学会合同委員会において、実施するものとして選定された施設であること」という要件でありましたので、そういったことの並びで、特段ここの部分は要らないのではないかと考えているのではないかと思います。
 また、1ページの部分でございますが、医療機関から挙げられてきた概要の紙でございますので、笹子先生の意見というよりは、医療機関からの資料でございます。

○猿田座長
 笹子先生が全部目を通して、それでOKということですね。

○事務局(医療課長補佐)
 はい。目を通していらっしゃいます。

○猿田座長
 ありがとうございました。ということだそうでございますけれども、どなたか御意見はございますでしょうか。吉田先生、どうぞ

○吉田座長代理
 当該技術の医療機関要件で診療科ですけれども、これは数年前に診療科の整理を何個かに行いましたね。そのときは小児外科、外科はいいですが、移植外科はたしか入っていないんです。別に標榜するわけではないのでいいのかと思うんですけれども、ほかの医療技術だと標榜可能な診療科ということで出ています。

○事務局(医療課長補佐)
 確認をさせていただきますけれども、たしか移植が入っていたように記憶しておりますが、そこの書きぶりをどう書いていくかについては、先生の御指摘を踏まえ、検討させていただきます。

○猿田座長
 ほかにございますか。竹中先生、どうぞ。

○竹中構成員
 質問をここでしていいのかどうかわからないですけれども、小腸移植でこれは脳死ドナーですから、部分という言葉を使わないのは生体ドナーですから、小腸は全部取れないのですけれども、実際の手術手技として、部分小腸移植と小腸移植の技術度が将来変わってくるということはないんでしょうか。
 例えば成人の脳死ドナーから小児に移す場合は、部分移植しか絶対にできないですね。これはドナーサイドの問題として、小腸部分というのが後ろで付いてくるんですけれども、技術評価として、ここは何も付けなくて小腸移植だけでいいのか。

○猿田座長
 北村先生、御意見はいかがですか。

○北村構成員
 私は小腸移植を担当している医師ではございませんので、正確さは少し自信のないところがありますけれども、別紙1の4のページに絵がかいてありますように、どこの部分を入れ替えるかと、ここの絵で見ますと十二指腸までは残っていまして、あとはグラフトの小腸を入れて、結腸につないでいるという形だと思いますが、脳死からは小腸の一部を取って、それを入る範囲で入れると。短い腸では短腸症候群といういろいろな病気が起こりますので、必要な長さを子どもの中に入れられるだけ入れるという形ですが、生体の方は生体ドナーの方の生命が安全でなければなりませんので、取る方が部分的であるという形で、受けるレシピエント側から見れば許容範囲で、脳死の場合は長め、生体の場合は短めとなる可能性が高いと思います。この部分と付けてあるのは、あくまでレシピエントではなくてドナー側の事情ということだと思います。

○猿田座長
 わかりました。どうぞ。

○事務局(医療課長補佐)
 2つ御指摘がありました点を御回答させていただきます。
 1つ目、吉田構成員から御指摘がありました移植外科というものになるんですが、標榜診療科名の中に移植で、あとは外科、内科という組み合わせができることになっていますので、移植外科というのは標榜可能です。
 2つ目、技術名に関してですが、最終的にどういう形で評価されるかというのは、評価療養が終わって、保険の世界に入るときには当然議論になろうかと思います。先進医療として行う場合の技術名になりますと、学術的に妥当な範囲で申請施設の方で御検討をいただいた名前を基本的にはこちらに記載をさせていただいております。
 もし表現として、医学的にはこう変えた方がいいのではないかというような御指摘があれば、この会議の場で御意見を承って、申請施設の方と調整をしたいと考えております。

○猿田座長
 ありがとうございました。ほかに御意見はございますか。あと生体ドナーからの小腸部分移植の方。これは先ほどあったように、症例数は勿論、脳死に比べて少ないということと、一番は先進医療に係る費用も脳死の場合に比べて、生体移植の場合は99万8,000円で済んでいるということです。
あとはどうしても先ほど言ったように、脳死からの場合には阻血とかいろいろなことが少し起こるけれども、逆に言うと、全部そういうところから持ってこれるという点はありますが、大体その辺りを除くと、あとは結局一番重要なことは、小腸移植をするときの倫理的な問題ですね。それが生体移植では特に重要な問題になるということで、その辺りのところで北村先生、よろしくお願いします。

○北村構成員
 これは脳死からの方では笹子構成員のおっしゃるとおりで賛成です。現在、保険収載されていない脳死ドナーからの移植では、小腸が残っているだけになっております。待機患者も少ないですので、実際に脳死のドナーからの割り当てが回ってくるチャンスも高い状態ですから、早く先進から更に保険へとつないでいただくのが望ましいと思っています。

○猿田座長
 先生から、脳死に関しては問題ないだろうと。実は前のときの肝臓移植、心臓移植もできるだけ早く保険を通すことで、やはりお金の問題がありますので、そういったことで保険を通させていただいた。北村先生もおっしゃったように、小腸移植に関してはどうしても今まで感染の問題とか、ほかの場合の移植に比べて、どうしても危険性が高かったわけです。それがここに書かれてあるように、免疫抑制剤、そのほかの進歩として抗生剤の使い方もよくなりました。こういったことで脳死から十分できるようになったと思われます。使える脳死からの臓器提供のときに使える部分で、小腸も早くできればということです。
そうすると、まず脳死の場合の移植に関してはよろしいですか。ほかに何か御意見はございますでしょうか。
では、そこのところはお認めいただいたということで、問題の生体移植の方で御意見をいただきたいと思います。

○事務局(医療課長補佐)
 続きまして、生体移植の方については、猿田座長より笹子構成員の評価について、まずお願いしたいと思います。別紙2になります。

○猿田座長
 余り大きな問題のところはないですね。事務局で何か問題はございますか。

○事務局(医療課長補佐)
基本的には別紙2の2ページ、3ページが生体部分の評価でございます。

○猿田座長
 裏の方ですね。承知いたしました。
それでは、今の生体移植の今度は先進技術としての適格性のところです。
適応症に関しては妥当であるということ。有効性は従来の技術を用いるよりも大幅に有効。安全性は問題があり、重い副作用、合併症が発生することあり。技術的な成熟度は当該分野を専門として、かなりの経験を積んだ医師を中心とした診療体制を取っていないと行えない。倫理的な問題はないだろう。現時点での普及性は、罹患率、有病率から勘案して、普及していない。効率性は大幅に効率的である。将来の保険収載を行うことが妥当である。総評として「適」になっていますけれども、移植という方法以外の方法での予後とのバランスで慎重な適応選択は必要ということが技術に対する適格性でございます。
3ページ、医療機関の要件でございますけれども、これは小児外科、外科または移植外科。資格は消化器外科専門医または小児外科専門医。先ほどと同じように5年で、1年ということでございます。術者としての数は1例、助手または術者としても1例でございます。診療科は不要。小腸移植を実施していいとされた施設でありますから、先ほどお話があったように、この辺りのところは全部不要となっております。倫理委員会による審査体制は要。安全委員会は不要で、医療機関としての当該技術の実施症例数は2例。移植関係学会合同委員会において小腸移植を実施するものとして選定された施設であることと5症例。日本小腸移植研究会に症例登録をすることが、先ほどと重なるところがございますけれども、ここで御意見をどうぞ。
加藤先生、どうぞ。

○加藤構成員
 この場合にも第2号の下から4行目「脳死小腸移植を実施する者とし選択された施設であること」が入らないとだめですか。例えば成育医療センターなどの場合には小腸移植は対象になっていないですけれども、実際に行う予定にはしているわけですが、この枠が入るとできなくなりますね。

○事務局(医療課長補佐)
この笹子先生の案では、この生体ドナーからの小腸部分移植についても移植関係学会の合同委員会で脳死小腸移植を実施するものとして選定された施設であるような施設でないと、なかなか十分に安全性を担保できないのではないかということで、こういう意見をいただいているものでございます。これについても、ここで御議論をいただければと思います。

○猿田座長
 吉田先生、どうぞ。

○吉田座長代理
 各外科学会は結構あるんですけれども、移植関係学会合同委員会が公的に認められているんですかね。勝手につくっている委員会がいっぱいあるんです。その辺の区別をしてあげないと、小児医療センターみたいに、やりたくてもできないということになってしまっては困ります。

○事務局(医療課長補佐)
 まず1点、移植関係学会合同委員会ですが、こちらは亡くなられた方が臓器提供をしていただくという場合には、法律に基づいて斡旋機関が斡旋をすることになります。その斡旋先として認められるためには、この移植関係学会合同委員会で承認をしていただく必要がありますので、公的な位置づけがあると考えていいと思っております。
また、施設要件の中でこの文言が入っているというのは、あくまでも評価療養という枠組みの中で医学的妥当性を評価する場合には、一定程度、施設側の要件として担保された中で実施していただく必要があるのではないかということで、施設要件は生体も亡くなられた方からの臓器提供の場合も施設要件の中に含まれているのではないかと事務局としては捉えております。

○猿田座長
 加藤先生、何かありますか。

○加藤構成員
 やはりこれは生体ドナーからの移植ですから、必ずしも脳死小腸移植を実施するものとして選定されて施設と区切る必要はなかろうかという気がするのです。

○事務局(医療課長補佐)
 その辺りも含めて、御議論をいただければと思います。

○猿田座長
 結局こういう生体の場合には、多分親から子どもへというのが一番多くなると思うんですけれども、全体を考えて、北村先生から御意見をもらえますか。

○北村構成員
 まさにそこが問題なんだと思います。脳死の場合にはレシピエントの選択もドナーの選択もすべて第三者的な組織で行われているという点がありますが、生体ドナーからの移植医療はすべてその施設内の倫理委員会、あるいはIRBの中において適応の決定からドナーの方の選定、是非を判断するシステムになっていまして、生体の行われている腎臓はそういう面で大変広いですし、肝臓も肺臓もそういう自設で中心として行う医療として扱われているのが現状なのですが、先進医療として取り上げる場合に、そういう施設基準を設けない形とするかどうかは問題があるように思います。
さらに、保険医療になりましても、施設基準を付けた上での保険医療行為というのはたくさん事例がありますとおり、やはりこれは選定された能力のある施設ということで限らないと、どういうことになっていくのかが施設内でしか分からないという形になる可能性があるような気がいたします。
私は施設基準の下での先進医療、施設基準のある下での保険医療として是非申請をされるべきでないかと思います。移植関係関連学会というのは脳死のときの施設基準あるいは施設の増加、削減等を判断していて、かなり公的な立場になっています。日本医学会を中心としてやっておりますから。それと違いまして、生体の場合には主に移植学会が生体小腸ガイドラインというレシピエントの適応基準、生体臓器移植という項目で、ドナーの基準を公表しています。移植学会はこのガイドラインに載ってほしいということでやっているわけですが、これにつきましては確かに公的な拘束力はないものと思われます。
今回の生体の場合の小腸移植ですが、本質的には先進医療として承認していくべきものだと思いますが、その中で今、申し上げました移植学会の生体臓器移植のガイドラインには親族に限定すると。その親族の限定は六親等、配偶者と三親等とか基準が書いてありますが、この間のような生体腎移植の臓器売買に絡むような養子縁組も法的にはこの枠に入るそうでありますが、その判定を自己の施設内だけで行うという形になると今回のような問題が防止しえないこともあります。その判定をするのに第三者の入った倫理委員会を設けなさいとなっていますが、今回、先進医療で承認した場合、この一施設が通りますと他施設は各地元の厚生局の方で申請が可能になっていきますので、こういう基準をどこまで倫理面で整備するかが問題点です。恐らく大学であれば第三者の入った倫理委員会が開かれると思いますが、更に移植学会の方では精神科医を含めてくれというようなことも提案しています。それは親族の中でも提供してもらえないかということが大変大きなプレッシャーになって御家族の方が悩むというようなこと。反対はできないけれども、悩むということも含めて、精神科医など複数の第三者が入った倫理委員会でドナーの判断をしてくれとなっているんです。そういう人が本当に入った倫理委員会あるいはIRBが設けられているかというところは、いささか疑問な点もありますし、今回の申請の施設は心配無用と存じますが、倫理委員会の名簿も付いておりましたけれども、精神科医が入っているかどうかは判断できません。
ですので、この辺を事務局の方で少し整理していただいて、どこまでの倫理委員会、IRBが各施設内でドナーが適切だと判断するかという範囲をまとめてほしいのです。日本移植学会の基準をそのまま適用してほしいとするのか。あるいは第三者及び精神科医を含めた倫理委員会があることというふうに持っていくのか。一方、生体腎・肝移植にまでそれを適用しますと、大変混乱も起こるかもしれません。生体腎・肝をやっている施設はたくさんありますので、外部委員あるいは精神科医を含めた委員会を持っている施設は100%では絶対にないような気がいたします。
それから、今、加藤先生からも言われましたような脳死の小腸移植の認定を受けていない施設で生体をやるのかどうか。これも大きな問題だと思うんですね。しかし、先進医療でスタートする限りにおいては、国民の福祉という観点からも選定された組織でスタートをしてもらうというのが適正ではないかと思います。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。これは移植の経過でございまして、実は慶應の場合にも生体腎移植を倫理委員会だけで随分早くから始めていて、それからだんだんいろいろな移植のものが出てきて、厳しくなってきました。加藤先生がおっしゃったように、中での倫理委員会だけでやっているものですから、これだけいろいろな問題が起こってきて、移植でも生体の場合は特に考えることが多いということです。
今、北村先生がおっしゃったように、スタートのときには先進医療としてはその辺りのところをしっかりしておいた方がいいのではないかと思いますが、是非、委員の先生から御意見をいただければと思います。
北村先生の御意見とすれば、そこのところを一回整理していただいて、事務局の方でその辺りもしっかり検討していただいて、先進医療としてやっていく上には、こういう形で生体の場合をやっていくのかというふうにしていただくのがいいということですね。

○北村構成員
 そう思いまして、笹子構成員からの検討の別紙2の2ページの社会的妥当性というところが、今はAの倫理的問題はないと、生体の方もドナーの場合もなっているんですけれども、多少問題があるので、どうスタートさせるかを事務局も含めて検討していただいてはいかがかと。特に今は生体における臓器売買の問題が大きな社会問題として取り上げられているときに、果たしてこのようなガイドラインに載っているものがどの程度あるかということも調べていただきたいし、生体小腸だけのスタートラインに限られてもいいのではないかと思います。
既に保険医療になっている生体腎の場合まで広げて、精神科の先生が入った倫理委員会がないとだめだという形はなかなか難しいと思いますし、かえってそれは患者さんに迷惑がかかる、不幸になるということもあり得ますけれども、今回のような事件を起こさないためにも、第三者的で判断できる、望ましくは移植学会のガイドラインに載ったようなもので、この辺から形を取っていくのが適切な時期と思います。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。委員の先生方、御意見はございますでしょうか。
今、北村先生が話されたことが妥当だと思いますし、事務局の方でその辺りはどうですか。今日は脳死の方はこのまま通して、生体の方に関してはそこのところを整理して、申請の施設とも、特に倫理委員会の問題、そのほかを相談してください。

○事務局(医療課長補佐)
 それでは、今の御意見を踏まえまして、事務局の方で再度整理をさせていただきまして、次回の先進医療専門家会議の方でまた御審議をいただければと思います。よろしくお願いします。

○審議官
 この移植関係学会合同委員会で選定された施設については、例えば先進医療の評価様式にある医師数とか病床数とか看護配置とかいうことについて、この移植関係学会合同委員会の方で独自の施設要件を何か決めているんでしょうか。それと同じものをここで決めればいいということなのでしょうか。

○事務局(医療課長補佐)
 私が把握している限りの御回答をさせていただきたいと思います。あくまでも亡くなった方からの臓器提供に基づく移植施設は、ここに掲げられているような純粋な医師の配置数であるとか、そういったものだけに限らず、それ以外の例えば心臓移植であれば、心不全症例の診察件数であるとかバックアップ体制であるとか、そういったことも含めて総合的に移植を行える施設として妥当かどうかというのを総合的に評価していただいているものだと思っています。
 そういう意味で、個々個別の要件、看護配置や当直体制などを期待するよりは、ドナーとレシピエントの両方が存在する特殊な医療技術になりますので、それを総合的に評価していただいている移植関係学会合同委員会で選定された施設というものが評価療養の枠組みでやる場合には、施設要件としてはふさわしいのではないかと思っております。
 そういう意味で、これまで心臓移植、肺移植などもすべて高度先進医療の枠組みから保険の方に入ってまいりましたが、その場合においても現行と同様の考え方で施設基準というのは定めさせていただいているのがこれまでの経緯になります。

○猿田座長
 北村先生、どうぞ。

○北村構成員
 先ほどの脳死ドナーの場合、それで施設基準のところを不要、不要と並べて、脳死ドナーからの小腸移植に緊急手術体制不要というのに四角を囲んでしまうことはどうかと思うんです。脳死移植そのものが緊急手術ですからね。それに緊急手術の実施体制が不要と書いて、それをカバーするのに移植関係学会合同委員会で選定された施設であるという形でするならば、それをもって代表をすると示すべきであって、この不要に四角で囲んでしまうことなどはしない方式の方がいいように思います。脳死の移植で緊急体制が取れないというのは、矛盾が生じるのではないかと思いました。

○事務局(医療課長補佐)
 その点につきましては、医療機関の要件が必ずしも患者の急変時に連携体制が要りませんと言っているものではなくて、そこについて問わないけれども、移植関係合同委員会でそういったことも含めて、しっかりした要件を入れているということですので、ここの不要というところを四角で囲むべきかどうかについては、また事務局の方で整理をさせていただいて、今後この不要というところに四角をするべきかどうかについては、また検討させていただきます。

○猿田座長
 ですから、要は書き方の問題だと思います。そこを誤解のないように書いていただくことが、ここで通すと後でずっといろいろなことが起こりますから、そこだけ十分注意していただくことだと思います。北村先生、そういうことですね。

○北村構成員
 はい。

○猿田座長
 では、その形ということで、ほかにもし御意見がなければ、今日のところは脳死からのものは認めさせていただいて、生体のものに関しては施設とも話し合っていただいて、勿論、笹子先生とももう一回お話ししていただいて、事務局の方で整理をしていただいて決めるということにさせていただきます。

○医療課企画官
今まとめていただいた結論で今後処理させていただきます。1点だけお断りをさせていただきたいのは、今のお話から察しますに、あくまで評価様式にのっとって整理をさせていただいています。ですが、実質的にはいろいろな要件を合同委員会での選定に委ねた格好になっていますので、お認めいただいた脳死の方につきましても中医協に御報告するときに同じような議論になる懸念がありますので、今日お認めいただいた内容を少し事務局の方で整理をさせていただいて、中医協に御紹介するときに誤解のないように配慮させていただくということで御了解をいただくことにさせていただきたいと思います。

○猿田座長
 そういうことでよろしいですね。表現を誤解のないようにしていただくということですが、多分、中医協から言われますからね。ありがとうございました。

○吉田座長代理
免疫抑制剤ですけれども、今まで腎がメインでしたね。いろいろな脳死の移植が入ってきて、実はこれは審査委員会ではできるだけ通そうということになっているんですけれども、もし先進医療で出てきて、小腸移植でも免疫抑制を必ず使いますね。そのときに審査委員会だけの判断で「適」としてしまっていいのかどうか。実際には適応外になってしまうんですけれども、その辺をお願いします。

○猿田座長 
 事務局、どうぞ。

○事務局(医療課長補佐)
 この使用されるタクロリムスについて、適応外使用ではないかという御指摘ですけれども、これについても先進医療専門家会議で「適」となった場合には8月1日までに承認される見込みであるという旨を聞いております。

○吉田座長代理
 わかりました。

○猿田座長
 それでは、この問題はこういう形で決めさせていただいたということで、どうも御協力をありがとうございました。
 続きまして、次の高度医療評価会議において承認された新技術について、事務局の方から説明をしていただけますか。

○事務局(医療課長補佐)
 先−3の資料をごらんください。「高度医療評価会議において承認された新規技術に対する事前評価結果等について」でございます。
整理番号032番「心筋梗塞の急性期患者に対するエポエチレンベータ投与による心機能改善効果」という技術でございます。
適応症につきましては、急性心筋梗塞の急性期の再灌流障害改善でございます。医薬品・医療機器情報で、中外製薬株式会社製の一般名エポエチンベータ、製品名エポジンが適応外医薬品でございます。事前評価構成員として永井構成員に「適」と総評いただいております。
 以上でございます。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。別紙3の資料の後ろに高度医療評価で検討してきましたことが全部書いてありまして、高度医療評価の方でも大分議論をさせていただいて、結局認めていただいたということでございます。
本日、永井先生が御欠席なので、私の方から簡単に別紙3について説明をさせていただきます。
今お話がありましたように、適応症は急性心筋梗塞の急性期の再灌流障害改善でございます。
「急性心筋梗塞は未だ死亡率が高い重篤な疾患であり、心不全の基礎疾患となる。しかし、世界的標準治療法は未だ確立されていない。探索的臨床研究にて、申請者らは心筋梗塞の急性期患者に対するエポエチンベータ投与による心機能改善効果を認めた。本研究では、急性心筋梗塞を対象とした日本初の二重盲検プラセボ対照多施設共同試験を実施し、エリスロポエチンの有効性を検証する。なお、本研究は日本循環器学会Translational Research振興事業に採用され、同学会の支援を受けることとなった」。
概要ですが、試験デザインは多施設共同プラセボ対照二重盲検無作為化並行群試験でございます。
評価項目は主要評価項目が慢性期左室駆出率改善度、副次評価項目が安全性評価でございます。
対象は、発症後可及的速やかに施設に収容された心機能低下を伴う(LVEF50%未満)、急性心筋梗塞の患者のうち、経カテーテル的インターベンション治療が成功した患者。
治療は、本試験がエポエチンベータまたはプラセボを試験薬とする。経カテーテル的インターベンションの治療成功後可及的速やかに試験薬(0.5mL)を9.5mLの生理食塩水に混入したものを静脈内に1分間以上かけて単回投与する。
目標症例数は600例(組み入れ目標数)、参加施設が17施設ということ。
登録は、施設登録及び症例登録は、登録センターにおける中央登録方式とする。
効果は、高頻度使用経験のある薬剤を使用した低コスト治療法の開発。心筋梗塞患者の慢性期心不全を改善。患者のQOLの改善、慢性心不全の治療にかかる医療費の低減、及び従来失われていた人的資源の回復。日本発のエビデンスを海外に向け発信する。
高度医療に係る費用は、急性心筋梗塞の治療・検査等、保険適応のある項目は保険診療によって行う。試験薬等については研究費で負担する。
申請の医療機関は、大阪大学医学部附属病院でございます。
協力医療機関は、新潟大学と昭和大学藤が丘ということで、後で田中先生、吉田先生には決定のときだけ席を外していただくことになるかもしれません。
2ページは別添の心筋梗塞急性期患者に対するエポエチンベータ投与による心機能改善の被験者の適格基準及び選定方法。これは申請書類より抜粋です。
まず選定基準は、初回発症の心筋梗塞患者。ST上昇型急性心筋梗塞で発症から12時間以内に経カテーテル的インターベンション治療により再灌流に成功した患者。入院時の心臓超音波検査もしくは左室造影において、左室駆出率が50%未満の患者。年齢が20歳以上80歳以下。試験参加について文書による同意が得られた患者。
除外基準として、ここに書いている15の項目。これは省かせていただきますけれども、例えば梗塞責任病変以外に血行再建術を要する病変を有する患者。これも高度のときに議論があったんですけれども、これは外すべきだと。明らかな再灌流不良例とかでございます。
選定方法は、恣意的な選定を避けるため、連続した症例について選定の作業を行う。適格症例に対し文書による説明と同意の取得を行い、選定するというものがこの技術でございます。
3ページ、先進医療としての適格性でございます。
永井先生から、倫理的に問題はない。現時点での普及性は罹患率、有病率から勘案して、普及していない。効率性は同程度または劣るということ。将来的に保険収載を行うことが妥当。なお、保険導入等の評価に際しては、以下の事項について検討をする必要がある。もし有効性が証明されれば、保険収載が適切であるということでございます。
総評としては、永井先生は総合的に「適」ですが、本申請は高度医療評価制度の下で臨床研究を行うものである。現時点では有効性は不明であるが、先進技術としての意義を明らかにするため、「適」と判定するということです。
これは高度医療のときにも効果に関して議論があって、エポエチンベータの量がどのくらいかということで随分議論がありました。血液専門家から見ると、少ない量でこんなに効いていていいんだろうかということですけれども、実際の効果を見ると、かなり効いている。特に堀田先生から御意見があったんですけれども、かなり効果があるということで、600例というかなりの例数でございます。それで証明できればということで、高度医療としては認めさせていただいたということでございます。
以上に関しまして、どなたか御意見はございますか。高度医療の方では最初に議論が入ってから、量の問題あるいは適応外の除外基準といったことの議論も随分させていただいて、少ない量でもかなり効果が出るということで、実際にそれを証明してみようということで許可をしたということでございます。
御意見をいただきたいのですが、いかがですか。

○吉田座長代理
永井先生の評価で、効率性が同程度又は劣ると書かれていますが、これはどういう趣旨ですか。

○猿田座長
 どうぞ。

○事務局(医療課長補佐)
 有効性が現時点では必ずしも判明していないというところを含めて、効率性がそういう意味では現在の保険診療と比べて、まだ同程度であるのではないかと。もし有効性が証明されれば、この評価は変わるのかもしれないけれどもという意味でお書きいただいたものと思います。

○猿田座長
 実は永井先生のお考えは、割と保険に近いことを考えていて、かなりの効果がはっきり出ないと、これは混合診療でやっているので、そういった面を考えないといけないだろうということだと思います。高度医療の先生方の考えは、本当に新しく、例えばファーストインマンもそういったような状況でやっていこうということになっていますから、臨床研究で少しやった例を見て効果がありそうだとわかれば、安全であれば高度医療としてやって行けるのではないかと。そこのところはいつも議論が分かれるところです。私はそう判断をしてやっております。
 高度医療の方でも随分議論をしまして、ある程度の効果が出ているということで、結構いろいろな方々が検討をしていて、そういったことで通します。永井先生もそういう形で見ていけばということで、書き方の問題と思います。
 田中先生、どうぞ。

○田中(良)構成員
 この書類の1ページの適応症のところですけれども、急性心筋梗塞の急性期の再灌流障害改善という言葉に違和感があります。4ページの高度医療から出てきている資料には、適応症のところは急性心筋梗塞の急性期の再灌流障害となっていて、改善というのは入っていないんです。

○事務局(医療課長補佐)
 その辺りにつきましても、どういった書きぶりがいいかということについて、医療機関と相談をいたしまして、どういった名称にするかを検討させていただきたいと思います。

○猿田座長
 これは適応症となっているから、障害までで止めておいた方が誤解がないのではないでしょうか。

○事務局(医療課長補佐)
 了解いたしました。そのように修正させていただきます。

○猿田座長
 ありがとうございました。ほかに御意見がなければ、田中先生、吉田先生、判定のところだけ申し訳ございません。

(吉田座長代理、田中(憲)構成員、退室)

○猿田座長
 これは600例もやるというのは、17施設で心筋梗塞でこれだけの症例を集めるのは大変かと思いますけれども、できるということをおっしゃっております。

○北村構成員
 1つよろしいですか。19ページにある諸外国の臨床試験の結果が出ていますね。細かいところはそれぞれ違うのだと思いますが、用量から見ると今回の投与量とかではどうなるんですか。一番下に書いてあるリビールというスタディーも最近有効でないという結果が出ていましたね。

○事務局(医療課長補佐)
 それを含めまして、高度医療の方でも検討をいただいて、最終的にこういった600例のプロトコールをつくっていると考えております。

○北村構成員
 600例とすると、この中で最も多いグループになりますね。それで結論を出していただくということでしょうか。患者さんの負担は比較的安いですね。

○猿田座長
 特に山本先生が統計的にも全部出していただいて、彼女はこれで出せるということと、それから6000単位、12000単位でやっていくということで、大体行けるということでございます。

○北村構成員
 このごろはランダムスタディーの結果が全然違くなってきまして、どれが本当なのか、もう一遍やり直せというのがいっぱいありますね。失礼いたしました。

○猿田座長
 これだけの例数でやれるということですから、しっかり見たところでまた結論を出すということだと思います。よろしいですか。
 そうしたら、こちらの先進医療としてもお認めいただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、中へ入っていただけますでしょうか。

(吉田座長代理、田中(憲)構成員、入室)

○猿田座長
 決定させていただいたということで、ありがとうございました。
ほかにどなたか御意見はありませんでしょうか。今日審議をしていただくのは以上でございます。

○審議官
1つだけすみません。私は3月から震災の担当をしておりまして、先生方も含めて、医療関係の皆様方には被災地の復旧復興に大変御支援をいただきまして、ありがとうございます。
被災地域はもともと医師不足の地域でもあり、従来と同じ方法だけで元に戻るというのは厳しい面がございますけれども、逆に見ると日本の各地域が共通に直面している地域医療提供体制の整備をどうしていくかという課題でもございますので、そうしたものが改善していくように、引き続き御支援をいただければと思います。

○猿田座長
 どうもありがとうございました。構成員の先生方、特に御意見はございませんでしょうか。
もしなければ、これで第58回「先進医療専門家会議」を終わらせていただきます。どうも御協力をありがとうございました。

午後4時43分 閉会

【照会先】
厚生労働省保険局医療課医療係
代表 03−5253−1111(内線3276)


(了)

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