ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会)> 第6回感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会議事録




○日時

11時15分~12時00分


○場所

場所:厚生労働省6階共用第8会議室


○議事

第6回感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会


○梅澤課長補佐 定刻になりましたので、ただいまより「第6回日本脳炎に関する小委員会」を開催させていただきます。
 本日はご多用のところを「日本脳炎に関する小委員会」にご出席いただき、まことにありがとうございます。本日の委員の出席状況についてご報告させていただきます。本日は飯沼委員、岩本委員、岡部委員、加藤委員、廣田委員にご出席をいただいています。なお、保坂委員、宮崎委員からはご欠席の連絡をいただいています。また、これまで本小委員会にご出席いただいた5名の方々に、引き続き参考人としてご参加いただいています。
 開会に当たり、外山健康局長より挨拶申し上げます。
○健康局長 おはようございます。開会に当たりまして一言ご挨拶申し上げます。
 本日ご出席の委員、参考人の皆様方には、ご多用にもかかわらず本小委員会にご出席を賜り、まことにありがとうございます。
 日本脳炎の予防接種のあり方につきましては、昨年10月に開催されました第5回の小委員会におきまして、第1期の予防接種が終了していない方への接種方法につきまして、第3次中間報告においてご提言をいただき、平成23年度に9歳及び10歳を迎えるお子さんに対して、平成23年度に積極的勧奨を実施する。平成23年度に5歳から8歳になるお子さんに対しては、平成24年度以降のワクチンの供給量を踏まえつつ、順次年齢の高いほうから、できるだけ早期に積極的勧奨を実施することなどが取りまとめられたところでございます。
 本日は、新たに薬事承認されました乾燥細胞培養日本脳炎ワクチンについて、製薬会社の方からのご報告をいただくことと、第2期接種の接種機会を逃したお子さんに対する接種方法等についてご議論いただくこととしております。各委員、参考人の皆様方から活発なご意見をいただきますことをお願いいたしまして、ご挨拶といたします。よろしくお願い申し上げます。
○梅澤課長補佐 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます、よろしくお願いいたします。
                  (報道陣退出)
○梅澤課長補佐 以降の進行は、座長の加藤委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○座長 それでは、早速、議事を進行させていただきます。事務局より資料の確認をお願いします。
○梅澤課長補佐 資料を確認させていただきます。まず「座席表」、続いて、小委員会の「委員名簿」、「議事次第」です。資料1-1として「エンセバック皮下注用の承認と供給計画等について」、資料1-2として「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(商品名:エンセバック皮下注用)の定期の予防接種における使用について)」という結核感染症課長の通知の案です。資料2として「第2期接種の接種機会を逃した者についての考え方」、資料3として「日本脳炎に関する小委員会第4次中間報告(案)」です。続いて参考資料1として「日本脳炎の予防接種の現状」、参考資料2として「日本脳炎に関する小委員会中間報告」、参考資料3として、同中間報告の第2次の中間報告、参考資料4として、第3次の中間報告、参考資料5として「予防接種法施行令の(抜粋)」です。以上です。不足等がありましたら事務局までお知らせいただきたいと思います。
○座長 よろしいでしょうか。それでは、議題に入ります。まず初めに、新たに薬事承認されました「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」について、開発された化血研の緒方さんからご説明をお願いします。
○緒方参考人 化血研の緒方と申します。先日承認されました、弊社のエンセバックについて簡単にご紹介をさせていただきます。
 まず、資料1-1の1頁です。1月17日に承認をいただきました。承認条件が、使用経験が少ないということで、副作用、安全性等について、きちんと評価し報告することというところです。
 2頁、「製品概要」です。製品は先発の阪大微研さんのジェービックVとほぼ一緒ということです。販売名は「エンセバック皮下注用」です。成分・含量はほとんど一緒ですが、たんぱく含量は4μg/dose入っております。販売に関してはアステラス様にお願いしています。
 3頁、追加臨床試験の結果をご報告しておきます。まず、第1期の予防接種スケジュールについて、効果については期待される効果が得られたということ。そして、副反応についても、注射部位紅斑、注射部位腫脹等々ありましたけれども、いずれも重篤な副反応は認められなかったというところです。副反応に関する情報を下のほうに記載しています。
 次に、今後の予定です。まず「製造販売後調査等」です。製造販売後の調査については「使用成績調査」と「特定使用成績調査」の2つを行います。調査症例数は両者とも3,000例です。内容はそこに記載しているとおりで、調査期間が、前者が5年、後者が8年ということになります。
 特定使用成績調査の接種期ごとの目標症例数ですが、1期追加接種に関しては、本剤は1,000症例、細胞培養由来他剤は250症例、マウス脳由来製剤は250症例、これを最初投与された方々に、エンセバックを投与する場合の安全性情報を調査いたします。
 2期追加接種に関しては同様に、本剤を1,000症例、細胞培養由来他剤を250症例、マウス脳由来製剤を250症例取得するということです。
 次に5頁をご覧ください。「市販直後調査」ですが、内容は一般的な市販後調査ですので詳細は省きます。本年の4月から10月31日まで、半年間、きちんとやっていくというものです。
 6頁、第2期接種に関する臨床研究に関する情報です。本件に関しては承認要件ではありませんけれども、先発のジェービックVと同様に、安全性や有効性に関する調査を行うようにという指導を受けておりますので、その検討を行います。
 その検討の計画ですが、厚生労働科学研究の新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業の中で検討するということで計画を立てています。研究課題名は「ワクチン戦略による麻疹及び先天性風疹症候群の排除」云々、岡部先生の研究班で行います。研究の分担者は岡田先生です。
 研究の詳細についてはそこに書いてあるとおりでして、わかりやすいように下の表に書いてあります。まず、第1期接種で行われたエンセバック皮下注用、マウス脳由来製剤、細胞培養由来製剤を第1期投与された方で、第2期接種でエンセバックを投与していただいて、その安全性・有効性について検討していただく。
 最後に、エンセバックの供給予定です。平成23年度、本年のシーズンであります4月~7月ごろまでに90万本、年度末までに150万本を予定しています。平成23年度トータルで240万本を予定しています。平成24年度以降はそこに書いてあるとおりですけれども、毎年300万本を供給するということです。以上です。
○座長 ありがとうございました。事務局から、このワクチンが今後予防接種法上、どのように取り扱うように予定しているのかご説明をいただきます。
○林課長補佐 本ワクチンですが、「乾燥細胞日本脳炎ワクチン」という一般名ですので、阪大微研のJBICと同様、同じ名称であります。予防接種実施規則上は、現在の日本脳炎の予防接種については、「乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン」を接種するという定めですので、この名称のワクチンについては承認後、定期接種に位置づけられたワクチンとして使用されるということになろうかと思います。
 資料1-2をご覧ください。定期接種として使用されるに当たり、これまでに使われてきている先発のワクチンと比べると、使用症例数が現時点では少ないので、私どもとしては、この点について注意喚起を行うとともに、副反応について十分に現場で留意をしていただいて、副反応報告についても遺漏なく行うよう現場にお願いしてまいりたいと思います。資料1-2はそのための注意喚起の通知の案としていま考えているものです。
○座長 ありがとうございました。ただいまのご説明について、各委員、参考人から何かご意見はありますでしょうか。
○飯沼委員 4/7のところと6/7のところの関連がよくわからないのですが、これは全く別の話ですか。
○緒方参考人 製造販売後調査というのは薬事法上、企業に求められているものであります。後ろのほうは、先ほど林課長補佐が説明されましたが、本剤の使用経験が少ないので臨床研究を行うようにということで、別立てで行うことになっています。
○飯沼委員 別にやるわけですね。
○緒方参考人 はい。
○飯沼委員 わかりました。
○岩本委員 多分、委員会での役割と違うのかもしれませんが、「皮下注用」と書いてありますよね。我々、製品名に関して発言を求められているかどうかわかりませんが、先ほどの小委員会で「日本のワクチン製剤がだんだんガラパゴス化するのではないでしょうか」ということを申し上げました。その1つとして、皮下注は日本のワクチン史の中でいろいろな歴史があるので、理解していないわけではありません。最近、インフルエンザの海外製剤とかで「これは筋注に限る」とか、ワクチンの製剤名に「皮下注」と出て現場が混乱しないでしょうか。
○座長 どうですか、どなたがお答えになりますか。
○緒方参考人 私から説明させていただきます。現場が混乱するかどうかわかりませんが、薬事法上、いわゆる「投与経路を製品名に付けること」ということになっています。本剤の臨床試験に関しては皮下注でやったということで、「皮下注用」という名前になっています。「筋注用」ではやっていませんので、その辺のところは私自身は何とも言いようがないのですが、そういうことでございます。
○座長 岩本委員は、「皮下注用」とわざわざ書いてあることに対しての質問ですか。
○岩本委員 海外から出てくるとは思わないけれども、万が一、海外から「日本脳炎筋注用」とか、「何々ワクチン皮下注用」「筋注用」と出てきたら、現場で打つ先生は大変困るような気がするのです。自分自身は日本脳炎は打つことはないので、老婆心だけです。
○座長 いずれにしても、皮下注用として承認を受けたという意味で書いてあるということですか。
○岡部委員 情報の提供です。日本小児科学会でもその件については、「今後のワクチンの接種方法」ということで現在検討しています。原則は皮下注ですけれども、岩本先生がおっしゃったように、不活化ワクチンに関しては筋注を導入している所がほとんどです。HibあるいはPCV7のように輸入ワクチンが出てきていますし、そういった所から考えて、現行の日本の皮下注について、議論しており、小児科学会としても意見を出す予定です。
○座長 この件はあまり広げないでいただき、ワクチンについてどうするかということの議論にしてください。ほかにいかがでしょうか。皮下注、筋注についてはまた別途、ここでご議論をお願いいたします。本会の事務局または化血研からご説明のあったことについて。よろしいですか。 
                 (了承)
○座長 ありがとうございました。続きまして、今後の第2期の接種機会の確保について。接種の機会を逸した方々がいるわけです。この方々に勧奨する方法に対してご議論をいただきます。第2次中間報告(案)として取りまとめていきたいと思います。事務局から資料2についてご説明をお願いいたします。
○林課長補佐 資料2「第2期接種の接種機会を逸した者についての考え方」に基づいてご説明させていただきます。
 1枚おめくりいただき、まず図をご参照ください。前提となることとして、日本脳炎の予防接種の標準的な接種というのは、3歳で2回、4歳で1回、9歳で1回行われています。大きな枠組みとして、政令上、定期接種として接種することができる年齢という定めがあり、その範囲としては、6か月以上7歳6か月未満、9歳以上13歳未満というところが政令上の接種対象年齢となっております。
 平成17年から21年の間、積極的勧奨が差し控えられていたために、当時3歳や4歳であった方が現在5歳から10歳ぐらいになっている。また、当時9歳であった方が11歳から16歳ぐらいになっていて、これらの方々への勧奨のあり方をこれまで累次ご議論いただいてまいりました。
 1期の接種を逃した方についてのご議論は、前回までで概ね完了しておりまして、例えば7歳半から9歳の方々を政令上の接種対象年齢に加えること、当時3歳で、接種を逃した方を10歳、9歳の方から順次積極的勧奨をしていくことについて前回おまとめいただきました。こちらのほうは来年度、すなわちこの春以降に対応していくということで既に準備を進めているところです。
 今日ご議論いただきたいのは、当時9歳で2期の接種の機会を逃した方、そして、当時3歳、4歳で1期の接種が遅れているためにもう9歳、10歳になってしまっていて、当然のように2期の接種も遅れている。こういった方々に、今後どのようにしていくかということです。
 資料2の1頁に戻って、論点としていくつかあります。まず、大きな枠組みとしては、先ほど申し上げました、政令で接種できる年齢をどうするかということがあります。そして、接種できる希望者に接種できるということが大事でありますけれども、その上で、その方々に個別の通知を行うなどして、積極的勧奨を行うかどうかということが論点になってまいります。
 1期の勧奨についてもそのような順序で進めていただき、接種できる範囲をどうするかということと、積極的勧奨ということでご議論いただきましたが、本日ご提案いたしますものは、希望すれば接種できるという範囲をどうするかという意味です。
 論点1は「政令の接種年齢を超えた者についてどのように対応するか」です。平成23年度に10歳から15歳ぐらいの方には2期の積極的勧奨が行われていないほか、平成23年度に5歳から9歳程度の方については、第1期の接種が遅れていることから第2期の接種の機会を逃しています。これらの方々への第2期接種の提供について、前回の小委員会で少しフリー・トーキング的にご議論いただきましたが、既に12歳を超えているかどうかを問わず、その機会を提供すべきというご意見を多数いただいておりました。このようなことを踏まえ、今回ご提案させていただきますのは、13歳以上の方についても政令の接種対象年齢に加え、定期接種としての接種機会を確保するべきではないかということです。
 次に論点2は「政令の接種対象年齢を延長する場合、何歳まで延長すればよいか」です。第1期の接種機会を逃した方への積極的勧奨をこの春から進めていることとしていますが、6学年ぐらいいる中で、平成23年度は9歳、10歳の方を対象とすることとしています。このほか、4学年がさらに対象として残っています。ワクチンの供給量との関係も見ながらやっていく必要がありますが、先ほどの化血研のご説明で、仮に年間300万本程度さらに供給が加わるということになりますと、合わせて800万本近い供給が年間に期待できるということになります。通常の定期接種と合わせて、3学年程度の勧奨ができるようになるのではないかと考えています。したがって、接種機会を逃した方についてのみ考えると、仮に2学年ずつ積極的勧奨を行っていくとすると、平成25年ぐらいに1期接種の積極的勧奨についてメドが立つということになろうかと思います。
 第2期の接種機会を逃した方々に積極的勧奨を行うかどうかということについては、今後のご議論と考えています。そのことについてはここで議論をしていただくという趣旨ではありませんが、仮に積極的勧奨を行うとすると、平成25年から26年ごろに行うということになろうかと思います。その場合、2期の接種機会を逃した方の中でいちばん年齢が上の方というのは18歳から19歳ぐらいになってくるということです。したがって、ここまで余裕を見て考えるとしても、政令の接種対象年齢を20歳未満まで延長すれば十分ではないかと考えています。
 論点3は「第2期接種の積極的勧奨を実施するか」ということです。1と2は最初に申しましたように、希望すれば接種できるという枠組みを作るということですが、論点3は、さらにこういった方々に個別通知を行って、積極的勧奨を実施するかどうかという論点です。これについては、仮に実施できるとしても平成25年~26年度ごろに開始できるようになりますが、この時期までのワクチンの確保状況、免疫の保有状況、日本脳炎の発生状況等、このような高い年齢で日本脳炎接種の積極的勧奨を行うということは、過去に取りやめた経緯もありますので、そういったことも含め、総合的に勘案した上で実施の是非、時期を改めてご判断いただくべきではないかということです。これについては今日ここでということではなくて、次期までの最新のデータを見据えながらさらに検討してはどうかというご提案とさせていただきたいと思います。資料の説明は以上です。
○座長 ありがとうございました。ただいまは2期接種の機会を逸した者についての考え方ですけれども、このうちの論点1と論点2を中心に、委員、参考人の方からご意見がございましたらお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
 いまの事務局の説明で特にご異論がないようですので、資料3として「日本脳炎に関する小委員会第4次中間報告(案)」が配付されています。いままでのご意見を踏まえ、事務局からご説明をお願いいたします。
○林課長補佐 資料3「日本脳炎に関する小委員会第4次中間報告(案)」をご説明いたします。内容としてはいまご説明したとおりでございます。念のため、一度読み上げたいと思います。
 平成17年度から平成21年度にかけて日本脳炎の予防接種の積極的勧奨が差し控えられたことにより、接種機会を逸した者への対応について、これまで、本小委員会において検討を重ね、第1期の未接種者等、緊要性の高い者を優先して接種の機会を設けるとともに、積極的勧奨を再開することとしてきた。
 しかしながら、第2期接種の機会を逸した者については、現時点では、予防接種法施行令に基づき、定期接種として接種できるのは12歳以下の者に限られているとともに、積極的勧奨に至っていない等の課題が残されている。
 本小委員会の第3次中間報告においては、「平成23年度に10~15歳の者には、第2期接種の積極的勧奨が行われていないほか、平成23年度に5~9歳の者は、第1期接種が遅れていることから第2期接種の機会を逸している。これらの者については、仮にワクチンが十分に確保された段階で第2期接種の積極的勧奨を行うこととした場合、日本脳炎ワクチンの標準的な接種期間と大きく異なる年齢で接種することとなることから、その必要性等について更に検討が必要である。」とされている。
 第2期接種の取り扱いについて、本委員会において検討を行い、以下のように提言する。
?現在は予防接種法施行令の接種対象年齢外となっている、13歳以上20歳未満の者についても、12歳以下の者と同様に、第2期接種の希望があった場合には定期接種の機会を提供するべきである。
?第2期接種の機会を逸した者(平成17年度から平成22年度に9歳となり第2期接種の機会を逸した者及び、平成17年度から平成21年度に3歳となり第1期接種が大幅に遅れたため第2期接種の機会を逸した者・逸する者)への第2期接種の積極的勧奨については、ワクチンの確保状況等を踏まえ、適切な時期に判断を行う。
 なお、第2次中間報告で示されているとおり、市区町村は、第2期接種について、保護者等から接種の希望があった場合に、ワクチンの流通在庫量などを勘案しつつ、接種が受けられるよう、その機会の確保に努めるべきである。
 以上です。
○座長 ありがとうございました。ただいま、資料3の「第4次報告(案)」についてご報告いただきました。この報告(案)ですが、先ほどご意見がなかったようですが、よろしいですか。
○倉根委員 質問です。この案自体は私は賛成です。いまのエンセバックについては第2期、あるいはこれまでにほかのワクチンを受けた者についても抗体は十分上がるというようなデータはあるでしょうか。
○座長 ちょっと待ってくださいね。まず、いまご報告した案についての意見を問うておりますので、振返りはちょっとお待ちください。
○倉根委員 案については私は賛成です。
○座長 いかがでしょうか。ご意見がないようですので、「日本脳炎に関する小委員会第4次報告(案)」については皆様、ご了解が得られたものといただきます。よろしいでしょうか。
                  (了承)
○座長 それでは、この案については、取りまとめた報告として「予防接種部会」に報告させていただきます。ありがとうございました。
 決まり事はこれで終了ですが、いま倉根委員からからご意見がありました。その件について、緒形参考人、何かありますか。
○緒方参考人 倉根委員がおっしゃいましたように、第2期に関しての安全性・有効性に関するデータを持ち合わせておりませんので臨床研究を行うというところでございます。
○座長 それは先ほどご説明になったわけですね。
○廣田委員 関連して、先日の会でバースコホート・アナリシスをしてみる、そのデータを見たいと話しました。すなわち、何年生まれの人が抗体保有率がどうなっているか、どういうように進んでいますでしょうか。
○多屋参考人 実は今日、資料をお持ちしているのですが、急だったので配付にはなっていないのですが、もし、よろしかったらお持ちした資料をご覧いただければいいのですが、コホートに基づいて、抗体保有率について感染症流行予測調査事業30年分の結果をまとめたものをグラフ化してきています。それによると、近年はすべての年齢で抗体保有率が低下している。そういう資料を作ってきていますので、またあとでご覧いただいてもよろしいかと思います。それが去年のものなので、今年の新しいものを先ほど作って、手持ちで持ってきました。
○座長 課長さん、いまお見えになりましたが、今日の議題はもう終了して、時間が少しありますのでフリー・トーキングに入っています。
○岩本委員 ワクチンのプロにとっては当たり前かもしれないのですが、もともと私が「定期接種」「任意接種」という分け方が非常にわかりにくいということをよく言っています。特に定期接種に分類されているワクチンが、要するに日本で承認を受けているので、有償であればいつでも打てますというメッセージが必要なのではないか。特に東南アジア旅行者やトラベルワクチンについて、そういうことを考える。定期の議論とは別なのですが、フリートークということですので、そういう点をこの委員会ではないかもしれませんが、部会などで考えていただきたい。
 製剤について言えば、とりあえずは若い世代に打つ必要があるので、いつごろ余裕というかそういうものが出てくるのか、ということをどう考えていればいいのかと思います。
○座長 ご意見ですね。
○倉根参考人 確認です。2期には当然エンセバックも使うことが可であるということでよろしいのですね。
○林課長補佐 はい、そのとおりです。予防接種実施規則上は区別がありませんので、このワクチンが市場に流通した際に使用ができるということになります。
○座長 ほかに何かよろしいですか。
                 (資料配付)
○座長 先ほどの廣田先生に対する田谷先生のお答えの資料になると思います。
○倉根参考人 これはちょっと答えが難しいのかもしれません。以前13歳以上のところで3期というのがあったと思います。あのときもかなり接種率が低かったと記憶しています。確かに、第2期の希望があった場合には、定期接種の機会を提供するということにはなりますが、現実にはどのぐらいの方が接種を希望するというか、接種しに来ると予想されますでしょうか。
○座長 疫学的にどなたかおわかりでしょうか。
○多屋参考人 当時、第3期の積極的勧奨が行われていた時期の接種率は約半分、50%ぐらいの方しか受けてはおられなかったと思います。
○座長 よろしいですか、ほかにいかがですか。
○多屋参考人 いま、お手元に資料を配っていただきましたので、ちょっとだけこれについて補足します。先ほどの廣田先生のご質問ですが、11頁の上の段にあるのが先ほどの質問に対する回答となっています。各生年別に抗体保有率の動きをグラフ化したもので、すべての生年について、最近抗体保有率が下がってきているというグラフが11頁上段のグラフということになります。
 その前の頁に、ワクチンを接種したかどうかについて、抗体保有率を本年度の流行予測調査事業からグラフ化しました。7頁に示すように、ワクチンを受けていない人々については、大人以外はほとんど抗体を持っていないということ、1回あるいは2回の接種ですと、8頁の下にあるように、抗体がまだ陰性のものがすべての年齢層にいるということ。そして、きちんと3回受けた方については9頁の下にありますように、やはり12歳ぐらいになってくると抗体陰性者が一部出てきてしまうということ。2期の接種まで終わった人については10頁の下段、15歳を過ぎると一部中和抗体、陰性者が出てきてしまうということが、本年度の厚生労働省の事業の結果からわかってきました。以上です。
○座長 ありがとうございました、人口予測からのデータを示していただきました。よろしいですか、ほかに何かご質問はございますか。
○廣田委員 多屋先生、どうもありがとうございました。今回も話題となっているのは、平成23年度に10~15歳の者というと1996年から2001年生まれ、平成23年度に5~9歳というと2002年から2006年生まれですか。それから、今日出た20歳未満を考慮すると1991年から1998年、ちょうどこれに合致するような生まれた年の人の抗体の変動、保有率の変動に絞ったようなバースコホートでの値が出るとストレート・フォワードな結論が出せると考えます。
○多屋参考人 このグラフは1900年代の初めから2008年までを全部グラフ化していますので、廣田先生がご指摘になられた年代層だけをピックアップすることはすぐに可能です。年代が古いほうから順番になっていないので見にくいかと思います。
○座長 ほかにご意見はございますか、よろしいですか。それでは、本日は第4次中間報告(案)についてご賛成いただきましたので、これを先ほど申し上げましたように、部会に報告させていただきます。事務局から何か、報告事項がありましたらお願いします。
○梅澤課長 今後の小委員会の開催ですが、座長とご相談の上、必要に応じて開催させていただきたいと考えています。本日はお忙しい中をご出席いただき、まことにありがとうございました。
○座長 「第6回日本脳炎に関する小委員会」を終了させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

照会先 健康局結核感染症課予防接種係(03-5253-1111 内線:2383、2377)

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