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2011年7月14日 第3回 健康日本21評価作業チーム 議事録

健康局総務課生活習慣病対策室

○日時

平成23年7月14日(木)10時〜12時


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省 専用第21会議室(17階)


○議事

(出席者)
  構成員

   安藤 雄一(国立保健医療科学院生涯健康研究部地域保健システム研究分野 上席主任研究官)
   尾崎 米厚(鳥取大学医学部環境予防医学分野 准教授)
   鈴木 律朗(名古屋大学医学部。大学院医学系研究科 造血細胞移植情報管理学(日本造血細胞移植学会)寄付講座 准教授)
   田嶼 尚子(東京慈恵会医科大学 名誉教授)
   辻  一郎(東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野 教授)
   津下 一代(あいち健康の森 健康科学総合センター長)
   西  信雄(国立健康・栄養研究所栄養疫学研究部 国民健康・栄養調査研究室長)
   三浦 克之(滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門 教授)
   宮地 元彦(国立健康・栄養研究所 健康増進研究部長)
   山本 精一郎(国立がん研究センター がん対策情報センターがん情報提供研究部長)
   横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)


  厚生労働省  
  生活習慣病対策室
 
   野田室長
   河野栄養・食育指導官
   高城室長補佐
   菊地室長補佐


(議事録)
○高城室長補佐 皆様、定刻になりましたので、ただいまより第3回「健康日本21評価作業チー
ム」を開催いたします。
 まず、事務局より、本日の委員の出席状況につきまして、御報告をさせていただきます。
 本日は、兼板委員、樋口委員、古井委員から御欠席の御連絡をいただいております。したがい
まして、14名中11名の御出席をいただいている状況にございます。
 本日は、議題1として「健康寿命について」、議題2として「壮年期死亡等について」の報告を
お願いしておりますので、御説明いただく参考人の方を御紹介いたします。
 まず、議題1の「健康寿命について」につきましては、藤田保健衛生大学医学部衛生学講座教
授であられます橋本修二先生でございます。
 議題2の「壮年期死亡等について」につきましては、当作業チームの委員でございます、滋賀
医科大学社会学講座公衆衛生学部門教授であられます三浦克之委員にお願いしております。
 それでは、ここからは、辻座長に議事進行をお願いいたします。
○辻座長 おはようございます。
 それでは、事務局から、配付資料の確認と本日の進め方につきまして、御説明をお願いします。
○高城室長補佐 かしこまりました。
 皆様のお手元にございます議事次第、座席表のほかに、資料1「健康寿命の指標」。
 先ほど席上に追加配付させていただきました「資料1(追加分)」。
 資料2「早世に関する疫学的知見」。
 資料3−1「『健康日本21』を踏まえた健康増進施策の取組状況等の調査について(依頼)」と
いう、自治体向けのもの。
 資料3−2「『健康日本21』に推進に関する取組状況等の調査について(依頼)」という、団体
向けのもの。
 資料4「『生活の質の向上』について」。
 また、皆様のお手元に、前回同様「ご意見(メモ用紙)」を置かせていただいております。これ
は委員の席上のみ配付をさせていただいておりまして、本日、時間の限られていることから、ま
た、十分に御発言いただけなかった御意見につきまして記載をしていただき、御提出をいただき
たいと考えております。
 以上でございますけれども、不足している資料がございましたら、事務局までお申し付けいた
だきますようお願いいたします。皆様、おそろいでございましょうか。
(「はい」と声あり)
○高城室長補佐 ありがとうございます。
 続きまして、本日の評価作業チームの進め方について御説明いたします。
 議題に戻りますけれども、まず、健康局長通知におきましては「国民の健康の増進の総合的な
推進を図るための基本的な方針について」の別添「21世紀における国民健康づくり運動(健康日
本21)の推進について」の「第2 基本的な方向」「1 目的」において「21世紀の我が国を、
すべての国民が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会とするため、壮年期死亡の減少、健康
寿命の延伸及び生活の質の向上を実現することを目的とする。」と記載されております。
 こうしたことを踏まえまして、本日は議題1として「健康寿命について」、議題2として「壮年
期死亡等について」といたしまして、それぞれ30分程度の御報告を行っていただき、その後、質
疑応答に移りたいと考えているところでございます。
 「健康寿命について」につきましては藤田保健衛生大学教授の橋本修二先生、「壮年期死亡等に
ついて」につきましては、本評価作業チーム構成員の滋賀医科大学教授の三浦克之先生に行って
いただく予定としております。
 議題3「その他」といたしまして、先日、自治体並び団体向けに調査票を発出いたしましたの
で、その旨、御報告をいたしたいと思います。
 また、先ほど「健康日本21」の「目的」の中にございました「生活の質の向上について」に関
しては、今回プレゼンテーター等はいませんけれども、事務局の方から簡単に御説明を申し上げ
て、フリーディスカッション、御意見をいただければと思っております。
 以上でございます。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、これより議事に入ります。
 本日は、事務局から説明がありましたように、まずは「健康寿命について」につきまして、藤
田保健衛生大学教授の橋本先生に「健康寿命の指標」という題名で御報告を行っていただきます。
時間は約30程度ということで、橋本先生、よろしくお願いします。
○橋本参考人 藤田保健衛生大学の橋本でございます。よろしくお願いします。
(PP)
 「健康寿命の指標」について、御報告いたします。
 最初に、指標の算定方法を少しお話しさせていただいて、それに基づく算定結果を紹介します。
昨日つくったのですが、その後、少し追加をさせていただきます。
(PP)
 最初に、算定方法です。
(PP)
 健康寿命とは、健康な状態で生存する期間、あるいはその指標の総称を指します。
(PP)
 算定方法の模式図をここに示しております。
 健康寿命は、生命表を基礎としています。これは2007年の男性なんですが、0歳で10万人と
しまして、その後、年齢とともに死亡によって生存数が減少していきまして、80歳で大体5万人、
半分ぐらいになって、その後、100歳余りで生存数が0人になります。
 この生存期間の中で健康な期間と健康でない期間に分けまして、寿命の長い方から短い方まで
お見えになりますので、それを平均して0歳の平均寿命、大体2007年ですと79年ぐらいになり
ますけれども、その中で健康な期間が71年ぐらいで、健康でない期間が大体7、8年。ですから、
大体90%が健康な期間ということになります。
 80歳になりますと5万人ですので、この5万人の平均をとりますと、平均余命は10年も満た
ないわけですけれども、その中でも健康でない期間の割合が比較的高いということがおわかりい
ただけると思います。
(PP)
 健康寿命としましては、さまざまな指標が提案されて使用されています。
 主な違いは、Aとしまして、健康な状態の概念規定。
 Bとしまして、健康な状態の測定方法。
 Cとしまして、その測定結果に基づいて集団の平均を求める際の算定方法。
 こういうものによって違いが起こってきています。
(PP)
 健康な状態の概念としましては、代表的なものは自覚的な健康。活動制限なし。この辺が客観
的な健康に相当する部分です。
 介護の必要なし。慢性疾患なし。こういうものです。
(PP)
 自覚的健康についてのそれを測定する方法としましては、日本では2001年の国民生活基礎調査
を用いまして、あなたの現在の健康状態はいかがですか。「よい」「まあよい」「ふつう」を自覚的
健康と見て、「あまりよくない」「よくない」を自覚的健康でないと見る。こんな測定をします。
 イギリスのCensusの場合は「Good」「Fairly good」が健康で、「not good」が健康でないと分
類します。
 アメリカのNational Health Interview surveyの場合は、このような区分になっています。
(PP)
 活動制限なしの健康としましては、日本の国民生活基礎調査では同様に、あなたは現在健康上
の問題で日常生活に何か影響がありますかという日常生活動作ですね。外出、仕事等、その他の
すべてがない場合に「活動制限なし」と見る。
 イギリスのCensusの場合は、こういう質問について「Yes」「No」で測定していますし、米国
のNational Health Interview surveyの場合は、複数の質問を組み合わせて測定しています。
(PP)
 その他としましては、慢性疾患なしは、アメリカのHealthy People 2010では、悪性新生物、
心疾患、脳血管疾患、高血圧、糖尿病、腎臓病、ぜんそく、関節炎のすべてがない場合に慢性疾
患なしと測定する。
 日本の場合は、患者調査などを使ってさまざまな疾患についての受療の有無ということで測定
をしています。
 介護の必要なしは、日本は2005年で介護保険の要介護2〜5を介護の必要ありと見て、それ以
外をなし、自立と見るという測定も使われています。
(PP)
 C.集団の平均の算定は、大きく分けまして、2つの方式が使用されています。
 Disability-free life expectancy(DFLE)という方式です。これは集団において、各個人の生存
期間を健康、不健康の2つの状態に区分して、健康状態にある生存期間の平均値を算定するとい
う方法です。これが主として現在使われていて、後でお示しするのもすべてDFLEです。
 Disability-adjusted life expectancy(DALE)がもう一つの方式です。集団において、各個人
の生存期間を健康から不健康までの複数の状態に区分しまして、健康状態での生存期間へ換算し
た平均値を算定する。例えば軽度障害の1年間は健康な状態の0.6年間に相当する。重度の場合
はそれが0.3年間であるというわけです。
 この方式の難しさは、ここの重みをどうつくるのか。ここが難しい点になります。
(PP)
 Sullivan法というのが、国内外で広く適用されています。今日お示しするものも、すべて
Sullivan法です。これは基礎資料として、生命表と横断調査による不健康有病率を使います。
 「定常人口の不健康有病率が調査集団の不健康有病率と一致する」という仮定を置いていると
いうものです。
 もう一つの方法が、Rogers法(多相生命表法)というものです。これは主として、小集団へ適
用されています。基礎資料としては、追跡調査による不健康の発生率と回復率、健康者の死亡率
と不健康者の死亡率を用いる。
 こういう仮定は必要ありませんけれども、こういう追跡調査データを必要とするというわけで
す。
(PP)
 今の方法に基づく算定結果をこれから御紹介します。
(PP)
 いろいろなものが求められておりますが、今回はこれだけのものを御紹介します。
 世界193か国についてWHOがかなり包括的な健康寿命というものを求めております。
 ヨーロッパ27か国についてはEHEMU、これは研究者の集まりだと思うのですが、活動制限
なし。
 イギリスのOffice for National Health Statisticsは、活動制限なしとともに自覚的健康。
 アメリカのHealthy People 2010は、更に慢性疾患なしを取り上げています。
 日本は、厚生労働研究班、私どもの研究班では、活動制限なし、自覚的健康、介護の必要なし
を取り上げています。
(PP)
 これが世界193か国の健康寿命の結果です。
 こちら側が男性、こちら側が女性です。横軸が2002年の健康寿命で、縦軸が2007年の健康寿
命です。一つひとつの点が1つの国です。ごらんいただきますと、国の間で健康寿命は大きく異
なることがわかります。ブルーの部分が日本です。ですから、日本は世界で最も健康寿命が長い
ということになります。女性もほぼ同様の傾向です。
(PP)
 これはヨーロッパ27か国の活動制限なしの平均寿命です。
 こちら側が男性、こちら側が女性です。横軸が2005年の活動制限なしの平均寿命で、4年後の
2009年の値が縦軸です。ごらんいただきますと、多くの国では活動制限なし平均寿命が延びてい
ますが、幾つかの国では短くなっています。女性も同様です。これについて理由であるとか、詳
しい分析結果については、私は知りませんので、これ以上コメントはしにくいところです。
(PP)
 これがイギリスです。
 こちら側が活動制限なしの平均寿命、こちら側が自覚的健康の平均寿命です。2001〜2006年
までの推移を示しております。2001年について、イギリスは76年ぐらいが平均寿命ですので、
その中の60歳ぐらい、ですから、8割ぐらいが活動制限のない平均寿命ということになります。
年次とともに伸びています。
 更に活動制限ありの期間は、実は少しですけれども短くなっている傾向があります。女性につ
いても、活動制限なしの期間は延びています。一方で、活動制限ありは横ばい、ないしはやや増
加傾向です。
 自覚的健康については、ほぼ同様なんですが、男女ともに延びていて、自覚的健康でない期間
は、男性は短くなっていて、女性はやや延びているという傾向です。
(PP)
 これがアメリカのHealthy People 2010の結果です。
 まだ最終報告が公表されていませんので、これは中間報告の結果を持ってきました。ですから、
1999年、2000年、2001〜2002年ですから、2年間の違いを見ているだけです。指標としては、
活動制限なしと自覚的健康と慢性疾患なしの3指標です。
 それから、Healthy People 2020も公表されておりますけれども、その中でも健康寿命につい
ては、この3指標を使ってモニタリングをすることが計画されているようです。アメリカは、平
均寿命は74歳ぐらいですが、2年間ですが、少し延びています。
 活動制限なしも、自覚的健康も少しですが延びていて、一方で、慢性疾患なしはむしろ短くな
っているという傾向が見られます。女性も同様です。
(PP)
 これから日本です。活動制限なしの平均寿命を示しています。
 1995年を見ますと、平均寿命は77年ぐらいですけれども、その中で68年ぐらいが活動制限の
ない期間。ですから、ほぼ90%に相当します。
 残りの7年くらいの中で、ADL、日常生活動作の制限ありが3年間くらいで、それ以外の外出、
あるいは運動というところの制限があるのが4年間くらいというところです。
 年次とともに2007年までの推移を見ますと、活動制限なしが延伸しています。
 一方で、活動制限ありも延びている。平均寿命に占める活動制限なしの割合としては、若干低
下傾向が見えます。女性もほぼ同様で、活動制限なしは延びていますが、制限ありも同様に延び
ているという傾向です。
 これは日本の都道府県別の2007年の数字を示したものです。横軸が男性の活動制限なしの平均
寿命、縦軸が女性です。男女ともに都道府県によって2、3歳という非常に大きな違いがあるこ
とがおわかりいただけると思います。
(PP)
 これは自覚的な健康の平均寿命をお示ししたものです。
 活動制限なしの寿命とほぼ同様の傾向です。年次とともに自覚的な健康な期間は男女とも延び
ていますが、自覚的健康でない期間も同様に延びています。
 男性の自覚的な健康の平均寿命と女性の自覚的な健康の平均寿命の都道府県の違いを見ますと、
やはり男女ともにかなり大きな違いがあるということがわかります。
(PP)
 これは高齢者における平均自立期間を示したものです。
 介護保険の要介護2〜5を要介護としまして、それ以外を自立と分類したものです。65歳の
2005年の平均余命は17年ぐらいですから、その中で16年余りが平均自立期間で、残り1年余り
が平均要介護期間になります。平均自立期間は、年次とともに延伸しています。平均要介護期間
も若干延びている。これは女性も同様です。
 こちらは都道府県別の男性の65歳の平均自立期間を示したものです。横軸が2005年で、縦軸
が4年後の2009年の平均自立期間です。都道府県間で平均自立期間がやはりかなり大きな違いが
あることがわかりますが、すべての都道府県で平均自立期間が対角線よりも上にあります。つま
り、延伸しているということを表しています。
(PP)
 健康寿命の指標の算定方法におきまして、健康な状態の概念として、活動制限なし、自覚的健
康、介護の必要なし、慢性疾患なし、などと規定されています。おおむねこういうものが使われ
ているといっていいかと思います。
 一方、健康な状態の測定については、それぞれ異なる方法が使用されています。それぞれごと
に見ますと、共通の方法ですので、年次推移あるいは地域分布の比較性があるわけですが、国際
的に共通のというところには、なかなか難しい問題があるようです。
 健康寿命の指標の算定結果におきまして、日本では活動制限なしと自覚的健康の平均寿命及び
高齢者の平均自立期間のいずれも年次に伴い延伸する傾向が観察されました。また、都道府県間
に大きい差のある傾向が見られました。
 少し時間をいただいて、追加分について御報告をしたいと思います。
 「健康寿命の年次推移、地域分布と関連要因」についてです。
(PP)
 年次推移と地域分布を見るに当たりまして、健康寿命は平均寿命の影響が大きいということで
す。ですから、健康寿命の年次推移と地域分布は、平均寿命のそれと強く相関します。ですから、
健康寿命とともに詳しく見る場合には、平均寿命に占める割合というものも重要な指標になるの
ではないかと思います。
 日本の平均寿命におきましては、近年75歳以上の余命の延伸が大きいです。そして、高年齢で
は、若年齢に比べて健康でない期間が相対的に長い傾向があります。ですから、健康寿命の年次
推移や地域分布を見るときには、そういう年齢範囲を分ける。例えば75歳未満と75歳以上とい
うことで分けることも大切かもしれないと思います。
(PP)
 健康寿命は、健康、不健康、死亡の状態間の移行率により定まります。
 不健康の発生率、不健康の回復率、健康者の死亡率、不健康者の死亡率です。
 それぞれの移行率に対して、要因の関連の強さが異なる可能性があります。
 健康寿命の関連要因に関しては、これまでに多くの知見が得られていますけれども、一方で不
詳の事項も少なくないと思います。ですから、今後更に研究を進めることが重要であると考えて
います。
(PP)
 私どもの健康寿命の関連要因の検討例を御紹介したいと思います。
 これは平均自立期間に対する喫煙と体格の影響の評価です。実は、辻先生のところの大崎コホ
ート研究の追跡調査データを利用しています。
(PP)
 平均自立期間の場合は、自立から要介護に移るという要介護発生率と、要介護の人が自立に戻
るという要介護回復率、それ以外に死亡率という移行率があるわけです。それについて年齢階級
別に求めますと、要介護発生率は年齢とともに当然どんどん上がっていきますが、要介護回復率
は年齢とともに若干低下傾向が見えます。
 ただ、自立者の死亡率に比べまして、要介護者の死亡率は非常に高いということがわかります。
(PP)
 喫煙者、非喫煙者を1としまして、現在喫煙者の要介護発生率の比を見ますと、1.3倍ぐらいと
高くなっています。要介護回復率も少し高いんですが、自立者の死亡率比、要介護者の死亡率比
が極めて高い。その結果として、平均自立期間は非喫煙者に比べて現在喫煙者は4.2年ぐらい短
いという結果が認められています。
(PP)
 これは体格別の結果なんですが、高齢者の場合、やせている人が最も悪いんですが、これは省
略をします。
(PP)
 年次推移に対する喫煙の影響の試算を行った結果です。
 65歳の男性におきまして、喫煙率が2001〜2007年で、1年当たり0.9%程度低下しています。
喫煙者の平均自立期間は、非喫煙者よりも4.2歳短いですから、この喫煙率の低下を平均自立期
間に換算しますと、1年当たり0.03年の延伸になります。ですから、平均自立期間は、1年当た
り0.14年延伸していますけれども、喫煙の低下分が0.03年ですから、大体22%と試算されます。
(PP)
 同様に、2007年の65歳以上の男性における喫煙率の都道府県間差は、最大と最小で12%ぐら
いありますので、これを平均自立期間に換算しますと、0.42年になります。ですから、都道府県
間差は2年以上あるんですが、その中の0.42年、19%ぐらいに相当すると試算されます。
 このような試みの計算というものも、現在進めているところです。
(PP)
 本報告は、2つの研究班の研究成果に基づいております。
 御清聴ありがとうございました。
○辻座長 橋本先生、どうもありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移りたいと思います。どなたか、御質問ございませんでしょうか。
 尾崎構成員、どうぞ。
○尾崎構成員 WHOの場合は、どういうふうに計算するんですか。
○橋本参考人 WHOの場合は、発展途上国を含む多くの国を対象にしておりますので、画一的
なというか、統一的な形で実施するのは非常に難しい状況があります。特に平均寿命ですら、計
算は非常に難しいわけです。
 そういう中で行っておりますので、得られているデータを組み合わせて、最大限それを活用す
る形で行っています。ですから、その意味で、厳密な比較性には問題がある可能性があると理解
しています。
○辻座長 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 橋本先生、ありがとうございました。
 今、市町村ごとに健康日本21の推進をはかっているので、市町村ごとで健康寿命が計算できな
いかと考えています。今、御紹介いただいたのは、surveyを基にしていて、抽出調査になってい
ると思いますけれども、これを市町村で適用できるような形にするためには、すなわち、今の市
町村が持っているデータで算出するためにはどういうふうにやればいいのかということと、愛知
県の場合でも高齢化率をみると、一番若いところでは12%の町から、一番高いところは48%とい
う、市町村格差の方が都道府県格差よりもすごく大きいので、この健康寿命を算定するときに注
意をすることがあれば教えていただきたいと思います。
○橋本参考人 まず、今回お示しした方法については、データの利用という観点からいいますと、
介護保険に基づく認定者数は市町村単位で利用できると思います。あとのものは、いずれも調査
関係ですので、市町村単位といいますと大変規模が小さいですから、難しいと思います。
 介護保険に基づく平均自立期間については、市町村単位で算定することは可能です。ただし、
規模があまりに小さいところになりますと、やはり3年程度の期間を合わせるとか、あるいはば
らつきの大きさ。例えば具体的にいいますと、95%信頼区間を合わせてみるとか、そういう配慮
は必要だとは思います。
 年齢構成の違いについては、平均寿命と同様ですので、健康寿命については、集団間を比較す
るときに特別な年齢構成の調整というものは、基本的には必要ありません。ただし、寿命の延び
を見るときになりますと、高年齢の延びが大きいというのが近年の日本の特徴ですので、そこの
部分の寿命が長くなるということは、健康でない期間が少ないところが延びているということで
すので、その辺は注意する必要があるだろうと思います。
○辻座長 山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 ありがとうございました。
 先ほど平均寿命における健康寿命の割合が大事というお話がありましたけれども、可逆的だと
考えているわけですね。可逆的な部分と不可逆的な部分の割合というのは、どのぐらいなのかわ
かりますか。
○橋本参考人 それはものによると思います。大変難しい問題だと思います。
 基本的に、日常生活動作、ADLの障害ということになりますと、不可逆性を前提にした方法と、
実はそういうカッツ法という方法が更にありまして、その方法では、不可逆的な部分だけを見る
という方法になっておりますけれども、それと比べますと、若干年の違いが出るということで、
それほど大きくはないのではないか。ADLにおきましても、かなり可逆的な部分が大きいのでは
ないかと私自身は感じています。
○山本構成員 あまり違いはないということは、不可逆の方が多いということですね。
○橋本参考人 絶対値としては、自立期間を見ている分には、もともと自立者が多いので、一方、
平均要介護期間を見るということになると、今度は不可逆的な部分の影響がむしろ大きいのでと
いう問題が起こってきます。
○山本構成員 集団の比較というか、年次推移を見る分には、可逆、不可逆を混ぜてしまっても
いいと思うんですけれども、個人に対するインプリケーションと考えたときに、何か自分の過去
の分とかを引いて考えるとかしないといけないので、個人に対して健康寿命のインプリケーショ
ンというか、解釈の仕方とか使い方というのは、どういうふうに考えればいいんでしょうか。
○橋本参考人 大変難しい御質問です。
 まず、不可逆性を前提とした算定も勿論多相生命表の場合にはできますから、計算自体はすべ
てできます。Sullivan法のような有病率だけをベースにしている方法の場合には、勿論そういう
ことはできませんので、その辺は違います。
 個人に対する指標値の解釈をどうするのかは大変難しくて、むしろ私は今後検討していきたい
ということであって、結論を持っていません。
○山本構成員 ありがとうございました。
○辻座長 ほかによろしいですか。
 田嶼構成員、どうぞ。
○田嶼構成員 どうもありがとうございました。
 健康寿命の指標として、日本では活動制限なし、自覚的健康、介護の必要なしという3つの物
差しをお使いになって検討しておられます。それぞれの指標を使って健康寿命を見たときの結果
には、多少差があるように思われます。特に要介護のあり、なしというのは、主治医の判断に任
せられているということがありますので、これを同等に扱えるのかどうなのかということを1つ
お伺いしたい。
 それと、この3つを組み合わせて健康寿命を計算するということはなさっていらっしゃるので
しょうか。それがあればお伺いしたいと思います。
○橋本参考人 健康をどう規定するのか、まず大変難しい問題が含まれていると思います。
 もともと健康寿命は、以前は1つで算定されていたという傾向がむしろ強かったと思います。
それが、これはHealthy People 2000などもそうですけれども、1つの指標で健康寿命を算定し
てきていました。
 それが、自覚的な部分と、主観的な健康という部分と、やはり客観的な健康という部分の違い
があるので、むしろそれを分けようという方向で現在進んできているように感じています。です
から、私どももそういう意味で自覚的な部分と、それとは別に客観的に測定可能な活動制限なし
という、2つの側面を見ていきたい。
 高齢者における介護という問題はとても大事な問題ですので、しかも、先ほど市町村別にも算
定できると申し上げましたが、やはりそういうデータに基づいた指標も必要であろうということ
で、平均自立期間という指標を提案しています。
 ですから、組み合わせて行うということは、我々はやっておりませんけれども、やろうと思え
ば、そういう概念のものを測定するんだと考えれば、計算をすることはできます。
 それから、一緒にまとめていいかどうかという問題は、大変難しい問題だと思います。
○田嶼構成員 この3つの指標の重みづけをどうするのかということも問題になってくるという
ことはないのでしょうか。
○橋本参考人 1つにまとめる場合には、重みというのが問題になると思います。ですが、我々
はまとめて1つにしようとは思っていなくて、ある意味で別々のものだから、別々に観察をして、
それが同じ傾向であるのか、あるいは違う傾向であるのかを見ていきたい。
 実は、まだこの年次推移も地域分布も計算してそれほど時間が経っておりませんので、現研究
班で今、詳しく分析を進めているところです。
○田嶼構成員 わかりました。ありがとうございました。
○辻座長 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 慢性疾患については、日本では計算式には組み込まれていないようですけれども、
例えばがんの患者さんが、がんになったという事実があっても、回復してきて自分は健康だと思
っている人や、私はがんになったから不健康だと思っている人。心臓病でも、ステントを入れて
今は普通に運動をしている。だけど、それを健康ととらえるかどうかということについて、慢性
疾患のとらえ方というのを考えておく必要があるのかどうなのか。またお考えをお願いしたいと
思います。
○橋本参考人 疾患については、実は我々は疾患を除いた場合にどの程度延びるのか。ですから、
疾患の影響をむしろ評価したい。
 ですから、例えば認知症がなければ、どの程度健康寿命が延びるのか。脳血管疾患がなければ、
どの程度延びるのか。実際に今、試算を行いまして、検討を進めているところです。それにより
ますと、やはり脳血管疾患ですとか、認知症の影響は非常に大きいです。がんの場合は寿命も延
びますので、健康寿命も延びるんです。非常に延びるんですが、不健康な活動制限のある寿命も
延びるという傾向がありますので、その疾患による違いというものもあるように感じています。
 ただ、まだ現在詳しく検討するのはこれからというところですので、まだ試算の段階です。
○辻座長 ほかによろしいですか。
 先生、1つだけ。先生の追加資料で5ページのところに「喫煙率の低下により」という文章が
あるんですが、この1年辺り0.03年というのはわかりにいくかなと思いますので、もう一度解説
していただけますか。
○橋本参考人 これでよろしいでしょうか。
○辻座長 はい。
○橋本参考人 65歳の男性における喫煙率を観察しますと、2001〜2007年の国民生活基礎調査
をベースにしておりますが、年齢調整をした喫煙率を見ますと、1年当たりにそれを直すと0.9%
の低下という結果になります。
 一方で、先ほどの大崎コホート研究に基づく喫煙者の平均自立期間を求めますと、非喫煙者よ
りも4.2歳短いという結果が得られます。
 喫煙者と非喫煙者について、0.9%集団としては減るということになりますから、平均自立期間
の短い対象者が0.9%減ると一体どの程度集団全体に直しますと、平均自立期間の平均値は延びる
のかというのを求めているわけです。そうしますと、それが1年当たりで0.03年になる。そのよ
うに見積もっています。
 この方法についても、まだまだ検討の余地はありますので、ここではあくまで試算ということ
で、ですから、喫煙率の低下というものは、平均自立期間への年次推移に対する影響はかなりあ
りそうだという見積りを行ったと理解をしています。よろしいでしょうか。
○辻座長 喫煙率が0.9%下がると、平均自立期間が0.03年延びるという考えでよろしいんです
か。
○橋本参考人 はい。
○辻座長 ありがとうございました。
 ほかにどなたか御質問はございませんか。せっかくの機会ですから。よろしいでしょうか。
 それでは、時間にもなりましたので、先生、どうもありがとうございました。
 その他、御意見がございましたらば、机に置いてありますご意見メモシートに御記入いただい
て、事務局にお伝えいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 続きまして、議題2「壮年期死亡等について」ということで、滋賀医科大学教授の三浦克之先
生から「早世に関する疫学的知見」という題名で御報告を行っていただきます。30分程度でよろ
しくお願いします。
○三浦構成員 私の方からは「早世に関する疫学的知見」ということで発表させていただきます。
(PP)
 平成12年の健康日本21の報告書にもありますように、健康日本21の目的の主要があります。
1つには、今、お話がありました健康寿命の延長ということですが、もう1つには「人の死を最
終的に予防することが不可能である以上、病気予防の重点は早世に置くべきといえる。一方、個
人からみると、早世と障害を予防し、生活の質を高めることによって、稔り豊で満足できる生涯
づくりを目指すことにある」ということであります。
 ここで言う「早世」というのは、65歳未満の死亡ということですが、これを予防することも大
きな目的になっています。この点についての最近の知見についてお話したいと思います。
(PP)
 本日お話するのは4点です。
 1つ目は、早世(65歳未満の死亡)、特に壮年期(25〜44歳)及び中年期(45〜64歳)の総
死亡率の推移について、人口動態統計のデータからお示しします。
 2つ目は、死因別の死亡率で、25〜65歳、壮年期・中年期の死亡率の推移について、これも人
口動態統計のデータからお示しします。
 3つ目は、厚生労働科学研究EPOCH-JAPAN研究班で我々が取組みました知見からですが、
壮年期、中年期の総死亡に関連する要因ということで、総死亡に特に大きな影響があると考えら
れております血圧、喫煙という観点での知見を御紹介します。
 4つ目は、65歳未満の壮年期・中年期の循環器疾患死亡に関連する要因の解析ということで、
これも厚労科学研究で私が今、代表をしておりますNIPPON DATA研究班の知見ですが、こちら
の方は未発表データですので、試算したものを口頭のみで御報告したいと思います。
(PP)
 最初に、45〜64歳の中年期の総死亡率の推移(平成9〜21年)を男女別に見たものです。こ
れを更に5歳階級、45〜49、50〜54、55〜59、60〜64歳と細かい年齢に区切って、平成21年
までの12年間の推移を見ています。
 男性と女性を比べますと、男性の総死亡率が女性に比べてかなり高いことがわかります。縦軸
の目盛は、男女でそろえてあり、人口10万対の総死亡率です。
 60〜64歳の死亡率は、男性では低下しており、女性でも同様に低下しております。単純に平成
9年と平成21年の死亡率の変化率で見た数字が書いてありますが、男性で22%減、女性で25%
減となっています。
 55〜59歳も男女とも低下傾向です。
 50〜54歳、45〜49歳でも同様で、ここまでの5歳階級では、いずれもここ12年間ほぼ低下傾
向ということで、10〜20%の間の低下を示しています。
(PP)
 25〜44歳の壮年期の総死亡率の推移を、やはり5歳年齢階級で示したものです。先ほどのグラ
フの目盛の一番下の200が、このグラフの一番上の目盛の200になっていますので、更に低いと
ころでの推移ということになります。やはり男性の死亡率が、女性よりも高いですが、推移とし
ましては、ほぼ低下傾向ですが、20代、30代の若い層になりますと、横ばいに近い死亡率の推移
を示しております。
 25〜29歳の女性では、ほぼ横ばいですが、平成9年と平成21年を比べる若干増加傾向という
状態になっています。
(PP)
 こちらは25〜64歳をまとめた上位5死因の死亡率の平成9〜21年の12年間の推移です。
 死因として最も多いのは悪性新生物です。やはり女性よりも男性の方が高いですが、ここ12年
間で悪性新生物の総死亡率は低下傾向にあり、16%ほど下がっています。女性でも若干低下傾向
で、10%程度の死亡率の低下が見られます。
 心疾患が緑の線ですけれども、これはほぼ横ばいで、女性でも同様です。
 自殺の死亡率については、平成9〜10年の動きはありますが、平成10年以降はほぼ横ばいに
なっています。女性も同じような動きになっています。自殺については、更に若い壮年層で見ま
すと、若干上昇の傾向が見られましたが、今日はお示ししておりません。
 脳血管疾患の死亡率は、これも低下傾向にありまして、男性で22%、女性で33%低下してお
ります。
 不慮の事故の死亡率も男女とも低下傾向にありまして、男性で36%、女性で27%低下傾向が見
られました。
(PP)
 ここからは、平成20〜22年の厚生労働科学研究EPOCH-JAPAN研究班からの知見を御紹介し
ます。研究代表者は滋賀医科大学の上島弘嗣教授でしたが、私が事務局長をしておりましたので、
こちらを発表させていただきます。
(PP)
 このEPOCH-JAPAN研究は、我が国の代表的なコホート研究を統合したメタアナリシスのプ
ロジェクトでありまして、10年以上追跡をしている全国13コホートを集めております。10の地
域のコホートのほか、全国レベルのNIPPON DATA80、90、JACC studyを合わせた計13コホ
ート、計19万人、200万人年の追跡データを用いて、総死亡に関しては分析しております。
(PP)
 まず、血圧値の性・年齢階級別総死亡への影響の分析ということで、特に40代、50代、60代
といった年代の総死亡への影響を見ましたので、報告させていただきます。大規模なデータです
ので性・年齢階級別に細かく分析することが可能になっています。
 血圧水準別の総死亡率を見ておりますが、喫煙や飲酒、BMIなどの影響は取り除くために統計
学的に調整した結果を出しております。
 血圧10mmHg上昇あたりのリスク、あるいは血圧カテゴリ別に見た総死亡率、集団寄与危険割
合ということで、血圧が至適であったとすれば回避できた死亡の割合というものを計算しており
ます。
(PP)
 スライドの順番を間違えましたが、8ページ目にあります図を先にご説明します。集団寄与危
険割合をどうやって算出するかを若干説明しておきたいと思います。
 これは喫煙の例になっていますが、血圧でも同じですけれども、リスクファクターを持ってい
ない人、持っている人で、その死亡の危険がハザード比になります。例えば喫煙ですと死亡の危
険が高くなる、すなわちハザード比が高くなる。横軸に非喫煙、喫煙者の人数をとりますと、こ
のハザード比1を超える部分の人たちが、喫煙によって過剰に死亡した人ということになります。
全死亡者のうち何%が、喫煙による、すなわちあるリスクファクターの存在による過剰な死亡で
あるかを計算したのが集団寄与危険割合になります。
 戻りますが、血圧についても同じような分析をしましたので、御報告します。
(PP)
 5ページ目に戻りますけれども、血圧水準別の総死亡率、ほかの要因を調整した総死亡率です
けれども、男女とも血圧のレベルが上昇するとともに、総死亡率は直線的に増加している。40代、
50代、60代といった年齢階級でも同じように上昇傾向が見られております。
(PP)
 こちらは血圧の10mmHg上昇あたりの総死亡リスクです。
 男女別に、またそれぞれの年齢階級の死亡に関して見ておりますが、例えば収縮期血圧
10mmHg上昇あたりの総死亡リスクが40代ですと1.4倍になります。この数字が80代に比べま
すと、年齢が若い死亡の方が強く関連が出るということであります。女性でも同じように、高齢
者よりも若い方で血圧上昇による死亡リスクの影響が強いということがわかります。
(PP)
 こちらは血圧分類別の死亡リスクです。
 分類が正常血圧、前高血圧、高血圧のステージ1、ステージ2というものですが、特に男性で
は高齢者よりも若い年代の方で関連が強く、傾きが強いことがわかります。
(PP)
 こちらが先ほど説明しました集団寄与危険割合です。
 性別、年齢階級別の死亡に関して計算したものですが、血圧が至適血圧と言われる120/80未
満を超える血圧によって過剰に死亡する人の割合を見ています。40代の死亡に関しては、約3割
が至適でない血圧による過剰な死亡。50代、60代、70代は20%に至っています。
 女性では、50代、60代で約20%となっており、やはり65歳未満の早世に対して、血圧の高い
ことによる過剰な死亡が非常に大きいことがわかります。
(PP)
 次に、同じような分析を喫煙に関して行いました。
(PP)
 これは先ほど説明しましたので、飛ばさせていただきます。
(PP)
 こちらは喫煙習慣、すなわち非喫煙、過去喫煙、現在喫煙の3群で各年齢層の死亡に対する喫
煙の影響のハザード比、何倍死亡しやすいかというものですが、やはり80代に比べますと、60
代や50代といった年齢で傾きが強く出ることがわかります。
 女性では、喫煙者が少ないので若干不安定になっておりますけれども、やはり高齢者よりも若
い年齢の方が傾きが強いということがわかります。
(PP)
 こちらが喫煙状況別の集団寄与危険割合を見たものです。
 男性全体では23.9%になりますので、総死亡者数のうち20%以上が喫煙あるいは過去の喫煙に
よる過剰な死亡であることがわかります。
 40歳代、50歳代、60歳代を見てみますと、集団寄与危険割合が約3割前後、60代では40%
近くになり、かなり大きな部分の死亡が喫煙による過剰死亡であることがわかります。
(PP)
 女性では喫煙率が低いので、例えば50代ではリスクは高いのですが、過剰死亡は6.7%という
ことで、集団全体に対する影響は男性よりも小さいです。60代で3.4%、50代で6.7%という数
字になっています。
(PP)
 最後のまとめに行く前に、NIPPON DATA研究班の方で行いました循環器疾患死亡に関する予
備解析の結果を口頭で御説明させていただきます。
 NIPPON DATA80は、1980年循環器疾患基礎調査の長期追跡コホート研究ですが、現在24年
の追跡データまで作成しており、特に循環器疾患による65歳未満の死亡の危険因子に関して分析
を行いました。30〜64歳までの約8,000人に限定しまして、24年追跡した65歳未満の死亡に関
しての各要因のリスクを見ました。まず、性、年齢、喫煙、飲酒、肥満という項目を解析モデル
に入れまして分析してみますと、喫煙習慣ありの方のリスクが2.48倍、BMI25以上の肥満あり
の方のリスクが統計学的には境界線ですが1.49倍で、65歳未満の循環器疾患死亡に対するリス
ク上昇が見られました。
 肥満に関連するような高血圧、高コレステロール、糖尿病といった要因も更にモデルに入れて
分析しますと、喫煙習慣ありが2.52倍。肥満ありは血圧やコレステロールの方に引っ張られます
ので1.16倍まで減りますが、高血圧ありのリスクが140/90以上または治療中ということですが、
2.71倍。高コレステロールは総コレステロールが240以上ですが、1.37倍。糖尿病については随
時血糖で200以上ですが、3.21倍。ということで、喫煙、血圧、糖尿病といった項目が非常に強
く早世に影響していることがわかりました。
 以上をまとめますと、平成9年以降12年間におきまして中年期の総死亡率は減少傾向で、壮年
期の総死亡率は低下傾向ですが、若干変化は小さい。
 死因別に見ますと、悪性新生物、脳血管疾患、不慮の事故の死亡率は低下傾向でありまして、
心疾患は横ばい。自殺については、全体としては平成10年以降は横ばい傾向ですが、壮年期では
若干上昇傾向です。
 中・壮年期の総死亡には血圧と喫煙が大きく影響していて、過剰死亡割合が大きい。
 65歳未満の循環器疾患死亡に関しては、喫煙、高血圧、糖尿病が強く関連していることがわか
りました。
 報告は以上です。ありがとうございました。
○辻座長 ありがとうございました。
 それでは、質疑応答に移りたいと思います。何か御質問ありませんでしょうか。
 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 大変興味深いデータをお示しいただきまして、ありがとうございました。特に総
死亡率は年齢とともに減少しているとか、悪性新生物も総数としては増加していますけれども、
年齢別に見ると下がっているということで、これは日本の対策がある程度効果を生んだ可能性も
示唆されるのかなと思いました。
 幾つかお尋ねしたいと思うんですけれども、私たちが市町村のデータとか医療費のデータを分
析したりしていると、若い世代の人で非常にコントロールが悪い人が多い。中高年になってくる
と、健康状態が非常に悪い方たちは、早世期の死亡という形になってしまっているのかもしれま
せんけれども、比較的健康なエリート層が残ってくるデータになっているのかなと思います。
 だから、年齢でこうやって見ていくと、若い世代は喫煙とかのリスクが大きく関与しています
が、高齢者のデータを見るとき、特に80歳とかを見るときに、かなりエリート集団のデータを見
ているのかなという見方をしているんですが、それでいいかどうかということが1つ。
 リスクの考え方の中で、曝露期間といいますか、それも気になるところで、リスクがある人が
例えばどのぐらいの喫煙や血圧の高い影響が何年ぐらい続いて、どういう結果になったか。それ
が若い世代は曝露期間が短いかもしれないし、高齢者だと長いかもしれない。そういう影響とい
うのはどういうふうに考えたらいいかということです。
 それから、死亡は確定で考えられるのであれなんですけれども、健康日本21を考えたときに、
有所見率というか、重大な疾患の有病率も同じような手法で検討ができないか。
 以上、3点です。
○三浦構成員 ありがとうございます。
 3つ御質問をいただきましたけれども、1つ目の高齢者におけるリスクの考え方ですが、確か
に高齢者だけの分析をしますと、高いリスクの方で既に亡くなられた方がおられて、生き残った
方ということで、サバイバーといいますか、そう言う対象者で関連を見ることになりますので、
若干本来の関連よりも弱めに出てくることはあるかなと思います。
 逆に、若いときのリスクファクターの状態を見るということは、先ほど暴露期間のこともあり
ましたが、若いときからの長い期間の危険因子への暴露という要因を見ていることになりますの
で、そういった意味で、若いときの悪いリスクファクターによるリスクが高く出るのだと思いま
す。
 もう一つ、暴露期間の御質問がありましたけれども、確かにこういうリスク要因に関する分析
では、ベースラインの状態と、その後、長期の死亡なり、発症なりとの関連を見ることになるん
ですが、ベースラインでの喫煙にしても、その後も喫煙し続けたという仮定の下に分析をしてお
ります。そういった意味で、途中でやめた方などもその集団に入っている。例えばたばこをやめ
た方、血圧を治療で下げた方のリスクは多分下がっていると思いますが、それを含めて見ても、
リスクが高く出るということは、今、見ているものは、実際のリスクを過小評価している可能性
があると見て理解すればいいのではないかと思います。
 コホート研究で追跡の期間中のいろいろなリスクファクターの変化も考慮した分析が理想的で
すが、調査が難しく、実際は余りされていないというのが現状です。
 最後の質問ですが、死亡に加えて病気の発症、すなわち罹患を見る必要があるのではないかと
いう点もそのとおりであります。今回はEPOCH-JAPANもNIPPON DATAも死亡に関する分析
をしましたけれども、これは死亡に関するデータベースであるためです。ほかの疫学研究で発症、
罹患を見ている疫学研究がありますので、そういったものも見ていかなければいけません。ただ
しこれまでの研究では、循環器疾患に関しましては、循環器疾患死亡で見ても、循環器疾患罹患
で見ても、危険因子との関連についてはほぼ同じ関係が出てきています。
 もう一つ、推移に関してです。例えば死亡率の推移を見ましたが、罹患率の推移というものも
やはり見なければいけないと思います。これは地域で疾病登録をしているようなところのデータ
で、日本でも幾つかありますけれども、そういったところのデータを見る必要がありまして、代
表的な疾病登録をしている集団のデータの解析が必要と思います。
○辻座長 よろしいですか。
○津下構成員 はい。
○辻座長 ほかにどなたかございませんか。
 西先生、どうぞ。
○西構成員 御発表ありがとうございました。
 お話の前半と後半の関連についてお尋ねしたいんですけれども、前半では、中年期の総死亡率
が平成9〜21年で下がってきているという御紹介がありまして、後半では、主に循環器疾患につ
いて、要因として喫煙ですとか、高血圧が重要というお話があったんですが、中年期の死亡の減
少というのは、主に悪性新生物のところの影響が大きいかと思うんですが、その辺り、結局要因
として何が働いていると考えればよろしいでしょうか。
○三浦構成員 非常に重要な点だと思いますけれども、何が寄与しているかという解析はなかな
か難しい面がありまして、山本構成員にもお聞きしたいところなんですが、悪性新生物に関して
は、やはり喫煙率の低下傾向というものがここ10年ぐらいははっきりありますので、それは予防
的に働くだろうと推測されます。
 あとは、予防の検診、がん検診の成果、あるいは医療の進歩による発症した人の救命など、い
ろいろなファクターが入ってくると思いますので、発症が予防できているかどうかに関しては、
罹患率の推移を見る必要があると思います。これは山本構成員に補足していただければと思いま
す。
 それから、脳血管疾患に関して死亡率がこの年代層でも低下傾向にあるということですが、こ
れも喫煙率の低下や、あるいは従来、日本人の血圧の平均値が低下傾向にありますので、そうい
った影響が出ている可能性があります。さらに、これも死亡率の推移ですので、発症者の救命が
進んだという要因も働いておりまして、いろいろ要因が関与していると思います。
 もしがんの罹患率に関して、山本構成員から何か補足がありましたらお願いいたします。
○山本構成員 すぐに答えられないんですけれども、年齢が若い方で罹患率、死亡率が減少して
いるがんが多分寄与しているということだと思うので、そうすると胃がんとか肝臓がんかなと思
います。
○辻座長 ほかにございませんか。
 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 これは市町村を比べるのに簡単な方法がないかなと思って、単純に死亡者数を5
歳階級とか、1歳階級で死亡者のデータが出ていますので、それをグラフに書いたときに、立ち
上がりが早い市町村と立ち上がりが遅い市町村がある。すなわち総死亡率の立ち上がり年齢とい
うのに市町村差というのが見えました。年齢別の死亡率を縦軸にとってグラフを書いたときに、
何歳ぐらいからここの町は死亡者が増加してくるのかというのが見える。、健診の受診率が高くて、
比較的熱心に保健活動をやっているところの方がより高齢期に立ち上がっているような傾向が見
えたんですけれども、実際にどの年代ぐらいから死亡者が急増しているんだということを見ると
いうのは、健康日本21の評価をする上で情報になり得るでしょうか。
○三浦構成員 やはり今回お示ししたような各年齢階級の総死亡率というものでしたら、かなり
安定した指標になるのではないかと思いますが、若い年代になりますと死亡者数も少なくなりま
すので、小さな市町村でその傾向が見られるかどうかは、はっきりわかりません。ある程度人口
規模が大きい市町村や、都道府県レベルでは、年齢階級別の死亡率を全国の値と比較したりする
のは非常に大事な点ではないかと思います。
○辻座長 横山構成員、どうぞ。
○横山構成員 今の話に関連するんですが、先ほど総死亡率の推移の図で、特に高齢者で20%と
大きく改善しているというのは驚きであるんですが、この図をいわゆる出生コホート分析的に見
ると、加齢による死亡率の立ち上がり方が、以前と最近では変わってきていないかという見方は
できないでしょうか。
 要するに、この図の線の結び方を、この向きではなくて、いわゆる出生コホート型の右上がり
の線で結ぶという形にすると、加齢による立ち上がり方の変化が見られないかなと思うんですが、
いかがでしょうか。
○三浦構成員 そうですね。これは出生コホートの線を、例えば平成9年の45〜49歳の方は、5
年後には50〜54歳になりますので、そこの死亡率をつなげていくという分析は可能ですね。
○横山構成員 その上がり方が以前と最近で緩やかになっていないかということができないかと
いうことです。
○三浦構成員 その傾きの年次推移といいますか、そういったことですね。そういう見方はでき
ると思います。統計学的な観点からいろいろな方法があると思います。
○辻座長 ほかにございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先生、どうもありがとうございました。
 続きまして、議題3「その他」に移らせていただきます。事務局から、報告事項等をお願いい
たします。
○高城室長補佐 それでは、事務局より報告させていただきます。
 先般の第1回、第2回、本作業チームの議論をいただきまして、自治体向けと団体向けに調査
票の方を資料3−1、3−2のとおり発出いたしましたので、御報告させていただきます。
 自治体向けにつきましては、資料3−1をごらんください。
 第2回の会議からの主な変更点といたしましては、まず、都道府県向けの調査票を見ていただ
きまして、2ページですが、ベースライン値及び直近値に関して調査の出典を入れさせていただ
いたところになっております。
 また、市町村用の調査票というのが2枚めくっていただきますとございますが、項目を9分野
に加えて、健康日本21の代表項目であります25項目、すなわち都道府県の方に合わせたという
ことでございます。
 更に後ろに付けておりますが、円滑な実施に向けて、自治体用の実施要領を作成して、併せて
配布いたしたいという状況にございます。
 資料3−2でございます。これにつきましては、団体向け、健康日本21推進全国連絡協議会加
入会員団体というところに送らせていただきました。
 第2回の作業チームからの主な変更点といたしましては、2ページですが、項目を自治体向け
と同様に、代表項目に合わせさせていただいたということと、また、実施要領につきましても、
1枚めくっていただいたところに同様のものを付けさせていただいたという状況にございます。
 現在、自治体、団体の方に記入のお願いをしているところでございまして、これにつきまして
は、7月22日を締切りといたしまして、御提出の御協力をいただいている状況にございます。し
たがいまして、7月22日以降、提出いただきましたこの調査票を整理いたしまして、また皆様の
方に御報告をさせていただきたいと考えております。
 資料4でございます。
 本日につきましては、健康日本21でいわゆる壮年期死亡ですとか、健康寿命の考え方について、
参考人の方に御説明をいただきながら、議論をしていただいたという状況でございますけれども、
もう一点、生活の質の向上を実現することが主な目的の1つとして掲げられております。最後の
時間をいただきまして、この生活の質の向上というのは、本日御議論いただいた内容も踏まえて、
どんな指標でとらえていくべきなのかという辺りをフリーディスカッションしていただければと
思っております。
 参考までに、2ページに「健康指標の意義と算出方法」といったものを付けさせていただいて
おります。これは健康日本21を策定した際の参考資料として付けているものでございまして、1
節〜5節で成り立っているものでございますけれども、第1節の指標計算の意義、第2節の早世
指標、第3節の障害指標、第4節の早世障害統合指標、第5節のQOL指標というものがあります。
 この中で、例えば指標計算の意義ということで、繰り返しになりますが、早世指標ですとか、
障害指標、早世障害指標、QOL指標といったものが、こちらに掲げている指標として示されたと
ころでございます。この中でも、特に生活の質の向上という観点に着目すると、さまざまここに
指標が出ておりますけれども、例えば第3節の、本日出てきました2.にあります日常生活動作
(ADL)の状況といったものが1つの指標になるのではないかとかです。
 4ページの第5節にQOL指標があります。ここにつきましては、死亡や健康障害により日常生
活に制限を受けることが無くても、生き甲斐を持って自己実現を果たせるような日常生活を過ご
しているか否かを評価するものであるというもので、例えば(a)〜(i)までありますが、国
際的にはさまざまな指標があるという状況にございます。
 今日お話しいただきました壮年期の死亡ですとか、健康寿命につきましては、第2回で御議論
をいただきました各分野の指標の目標値という具体的なものがございませんで、非常に幅広い考
え方が可能なのではないかと考えております。特に生活の質の向上について、どう考えていくべ
きなのかという点について、本当に資料もほとんどなくて、例えばきちっとした御説明というの
もないんですが、先生方の中で例えば御意見ですとか、お考えがあるようなことがございました
ら、ディスカッションをしていただきまして、今後の参考にさせていただきたいなと思っている
次第でございます。
 よろしければ、先生方の方から自由に御意見なりをいただければと思います。どうぞよろしく
お願いいたします。
○辻座長 そういうことで、今、資料4に沿って、高城補佐の方から御説明をいただきましたけ
れども、健康日本21というものは、壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸、生活の質の向上、この
3つを目標に掲げているわけでございますが、今のお話で、今日ヒアリングで壮年期死亡の減少、
健康寿命の延伸ということについては、こういう指標があって、こういう検討が可能なんだとい
うことが大分わかったと思うんですけれども、1つ残った生活の質の向上は、そもそも健康日本
21の発足当時に、特に目的ということでありましたので、具体的な指標を掲げたわけではありま
せんが、今後どのように考えていったらいいのかということで、先生方の御意見をいただきたい
というお話がありました。
 これをまとめて、その次の参考資料として見ていきますと、早世の指標として、区間死亡確立
ということが今日出たわけでありますし、障害の指標としてADL、その他の場合がありますし、
早世と障害の統合指標として健康寿命というものが今日出てきたわけであります。4ページの第
5節にQOL指標というものがありまして、死亡や健康障害により日常生活に制限を受けることが
無くても、生き甲斐を持って自己実現を果たせるような日常生活を過ごしているか否かというこ
とで、これはかなり大事なことだなと思うんですが、なかなか言うは易くはかるは難しい部分が
あります。欧米ではいろいろなものが開発されていて、一部、日本でもされていますけれども、
それも含めて、先生方の中で実際に使われていらっしゃるものもあると思いますので、その辺も
含めまして、いろいろな立場から御意見をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
 山本先生、どうぞ。
○山本構成員 確認ですけれども、今回の評価にという意味ですか。それとも、今後という意味
ですか。
○高城室長補佐 事務局から御説明させていただきます。
 私ども、健康日本21の評価を進めているところですけれども、今のところ、皆様に御了解をい
ただいているところは、9分野の70項目に対するデータの評価、自治体の取組み、団体の取組み
などを踏まえた評価を併せて行うということになっております。
 こうした中で、この3つの目標についても何らかの形で評価をさせていただきたいと思ってお
りまして、そこがきちんとした指標がなくて、さまざまな意見があるのだったら、それはこうい
う考え方もある、ああいう考え方もあるという形でまとめさせて、一定のとりまとめをさせてい
ただきたいと思っております。なかなかそこがきちんとまとまらないようであれば、勿論、今後
の国民の健康づくり運動において、こういう生活の質の向上をどう考えるのかという将来的な参
考とさせていただくということも考えておりますけれども、まずは、この評価の中でどのような
形で生活の質の向上について評価ができるのか、できないのか、御意見をいただきたいなという
次第でございます。
○辻座長 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 評価というからには、プレとポストがあってはじめて評価ができるというように
比較可能でないといけないので、健康日本21の各分野の指標の中に、例えば身体活動・運動のと
ころで社会活動をしているとかいうものもありましたし、健康教育の機会とか、21の指標の中で
少し拾えるものもあるのではないかというのが1つ。
 もう一つは、生活基礎調査のように、ずっととられていて、もし可能ならば、もう少し細かい
性、年代別の集計とか、二次加工ができる余地があれば、そういうものを活用する手があるのか
なと思います。
 もう一つは、例えば活動の場とか、労働調査とか、スポーツクラブとか、旅行を楽しむ人とか、
いろいろな産業分野でのそういうデータも補助的には使える可能性があるのかなと思います。国
民が生活をエンジョイしているというのがどう変わってきたかというので、そういう産業分野で
の指標も使えるのかもしれないので、それと労働とレジャー白書とか、そういうほかの省庁の資
料も役に立つのではないかなと思います。
○辻座長 先生のお考えとしては、QOLとしてつくられたものを使うというよりは、むしろそれ
に近いようなものとして、特に過去に行われていた全国調査の中で使えるものはないかというこ
とですね。
○津下構成員 そうです。
 それと、よくSF36とかはやられている研究があるので、厚生労働科学研究でそういうものが
何か長期に縦断的に取って見えるものがあれば、役に立つのかなと思います。
 あと、高齢者については、基本チェックリストの中に入っている項目なども使える可能性があ
りますが、21が始まった時点にはなかったと思いますから、継続的にとれる指標で今から見つけ
ることができるもので、今回は評価するしかないのかなと思います。
○高城室長補佐 御意見ありがとうございました。
 急に皆様に話題として出させていただいたんですけれども、またお気づきの点がありましたら、
御意見をいただきたいと思いますし、津下構成員から言われたように、今、まさにデータと自治
体の取組みなどをとりまとめる作業を行っておりますので、そういう前提を眺めながら、どうい
う記述ができるのかということを事務局の方で検討させていただきたいと思います。
 今日は、皆さんの方の御意見というところもございますので、本日のみに限らず、追って、こ
ういう視点で考えてみてはどうかという御意見がありましたら、またいただきたいと考えており
ます。
○辻座長 尾崎構成員、どうぞ。
○尾崎構成員 済みません、基本的には津下先生のおっしゃった部分に賛同します。健康日本21
の評価という範囲だと、比較可能な、なるべく生活の質に近い既存統計を使って評価するという
ことでよいと思います。
 健康日本21とは別になるかもしれませんが、橋本先生のデータにもあるんですが、ほかの調査
でもかなり明らかになっているのは、我が国は健康指標は世界一が良いのに、国民が幸せと思っ
ていない。主観的健康度も(橋本先生の資料にある)イギリスに比べたら、日本は圧倒的によく
ないという人が多いということが出ているので、それは多分、健康日本21とは別に、健康を追い
求めれば幸せになれるかと思ったらそうでもなくて、やってもやっても日本の人は幸せと思えて
いないというか、健康度の自己評価が低いとか、生活の満足度が低いとか、常に人生に不満を持
って、特に最近の傾向だと、他罰的というか、誰かのせいにするとか、だれそれが悪いとか、国
が悪いとか、そういう傾向がすごく強まっているのを危惧していますので、いかに日本の人がお
互い幸せだと思って、支えられ感があって、悪いイベントが起こっても、何とかそれを自分で引
き受けて、納得して、前を向いて生きていこうというようになれるにはどうしたらいいかという
のは、違う意味でとても大きな課題だと思っています。
 すみません、単なる意見です。
○三浦構成員 津下構成員の御意見の補足ですけれども、国民を代表するデータとして継続して
見えるような指標という点では、国民生活基礎調査で行っている健康観とか、心の健康の指標と
か、介護に関するデータもあったと思いますが、そういったもので推移をきちんと見ていくとい
うことは大事だと思います。
 もう一つは、やはり生活の質を落とす要因には疾患の発症がありますので、脳卒中発症率の推
移や、がん罹患の推移などの罹患データ、これらは研究レベルあるいは地域の疾病登録で代表的
に集めているデータがあると思いますので、そういった面からの生活の質の推移を評価すること
も可能なのではないかと思います。
○辻座長 ほかによろしいですか。
 安藤構成員、どうぞ。
○安藤構成員 今の議題で求めている話とはちょっと違うかもしれませんが、例えば今、三浦先
生がおっしゃった国民生活基礎調査ですと、経済的な状況を示すデータもあります。私もこの調
査の個票データで分析をしたら、経済的な要因と受診行動などはかなり関連があるとかいうこと
もわかりましたし、実際に政策を進めるうえでこのような検討が必要ではないかと思います。
 あとは、分野ごとの関連というのがあると思うんです。それぞれみんな独立してお互い入った
の関係であるわけがなくて、実際に自治体等の現場では、一人ひとりの個人に向き合うわけです
から、その方が幾つもリスクを負っている場合というのが普通だと思うんです。ですから、お互
いの関連について、ある程度明らかにするとか、あるいは1人の人間としてリスクがどう重なっ
ているかというのを見るようなことが必要になってくると思います。今のままだと、結局縦割り
で行ってしまうので、それでいいのかなという疑問があります。
 そういう意味では、学術的な面でお互いの関連、いろいろな文献を見つけ出せば、そこそこの
結果は出てくると思いますし、また新たに何か取組むことも必要かなとも思いますので、その辺
りは考慮されていいのではないかと思っています。
 以上です。
○辻座長 よろしいでしょうか。
 最後に私の意見と言いましても、大体皆さんと同じなんですけれども、補足させていただくと、
たしかアメリカのHealthy People 2010で自覚的健康度が入れられたんですが、それのペーパー
を詳しく読んでいると、1つは、QOLのグロースは尺度なんだということを書いているんです。
ですから、生活の質というのはすごく大事なことなんですが、細々した尺度を使うと、それに縛
られてしまって難しい部分があるんですけれども、一番グローバルな指標として、自覚的な健康
観が高いか低いかということは、それで見ることが1つありまして、そのラインの中でアメリカ
とかイギリスも動いているのかなと理解しておりますので、それで十分ではないかなと思うんで
す。
 それで見ると、日本は皆さんおっしゃってくださったように、国民生活基礎調査でかなり前か
らそのデータがありますので、その数字を見ていくとか、地域差を見ていくことは今すぐできま
すので、それはまた振っていただければ、そういうデータも出していけるかなと思います。橋本
先生はもう既に年次推移を出しておられますので、そういった形でやることは可能だろうなと思
っております。
 特にもう一つ考えなければいけないことは、今、国民の健康問題としては、身体的な健康もさ
ることながら、メンタルの問題も非常に大きくなってきて、そして自殺が若干ながら増えてきて
いるという部分がありますので、それも考えると、やはり生活の質あるいは自覚的な部分という
のはすごく大事になってきますので、そこのところをひとつ、先ほどどなたかおっしゃいました
が、自覚的な健康度を規定するような要因ですね。あるいはメンタルな疾患、身体的な疾患が自
覚的な健康度にどういう影響を及ぼして、それが既存の幾つかある代表的なQOL尺度でどういっ
た相関を持っていくのか。その辺、かなり研究的な要素は強いんですが、そういったことを明ら
かにしていくと、国民の健康づくりのストラテジーにもまた新しく出てくるのかなという形を思
いますので、この辺はまた御検討いただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、このフリーディスカッションはこれぐらいにいたしまして、その他ということで、
事務局から何か連絡はありますでしょうか。
○高城室長補佐 どうも本日は御議論ありがとうございました。
 次回の日程でございますけれども、今、データの方を学者の先生方にもお手伝いしていただき
ながら、こちらで整理させていただいているところでございますが、大急ぎでやっておりますが、
まだ不確定要素もあるということで、日程につきましては、また調整をさせていただき、後日、
御案内をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○辻座長 それでは、若干早いですけれども、議事はすべて終わりましたので、これで終了とい
たします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局総務課生活習慣病対策室
 室長補佐 高城
 電話番号 03-5253-1111(内線2348)

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