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2011年7月25日 第64回厚生科学審議会科学技術部会 議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成23年7月25日(月)
15:00〜17:00


○場所

三田共用会議所 3階 大会議室C〜E


○出席者

永井部会長
相澤委員 今井委員 岩谷委員 川越委員 桐野委員
野村委員 福井委員 松田委員 町野委員 町野委員 南委員
宮田委員 宮村委員 望月委員 森嶌委員

○議題

1 平成22年度の厚生労働科学研究費補助金の成果の評価について
2 厚生労働科学研究費補助金配分機能の移管計画(案)について
3 ヒト幹細胞臨床研究について
4 遺伝子治療臨床研究について
5 その他               

○配布資料

資料1−1厚生労働科学研究費補助金の成果に関する評価(平成22年度報告書(案))
資料1−1別紙厚生労働科学研究費補助金の成果表(平成22年度)
資料1−2厚生労働科学研究費補助金研究事業の概要(平成22年度報告書)
資料1−3厚生労働科学研究費補助金 平成22年度個別の事業の概要
資料1−3別紙平成22年度 採択課題一覧(案)
資料2厚生労働科学研究費補助金配分機能の移管計画(案)について
資料3−1ヒト幹細胞臨床研究実施計画の申請について
資料3−1別紙金沢大学におけるヒト幹細胞臨床研究倫理指針違反の発生原因と再発防止のための今後の対応について【最終報告書】の概要
資料3−2ヒト幹細胞臨床研究実施計画に係る意見について
資料4−1遺伝子治療臨床研究計画変更報告及び遺伝子治療臨床研究に係る生物多様性影響評価に関する申請について 三重大学医学部附属病院
資料4−2遺伝子治療臨床研究計画の申請及び遺伝子治療臨床研究に係る生物多様性影響評価に関する申請について 大阪大学医学部附属病院
資料4−3遺伝子治療臨床研究計画の申請及び遺伝子治療臨床研究に係る生物多様性影響評価に関する申請について (財)田附興風会医学研究所 北野病院
資料5−1医療イノベーションに関する資料
資料5−2社会保障・税一体改革成案
参考資料1厚生科学審議会科学技術部会委員名簿
参考資料2ヒト幹細胞を用いる臨床研究実施計画の申請に関する参考資料
参考資料3遺伝子治療臨床研究実施計画の申請及び遺伝子治療臨床研究に係る生物多様性影響評価に関する参考資料

○議事

(平成23年11月24日改訂)

○尾崎研究企画官 
 定刻になりましたので、ただいまから「第64回厚生科学審議会科学技術部会」を開催いたします。委員の皆様にはご多忙の折、お集まりいただきお礼を申し上げます。本日は、廣橋委員、井部委員、金澤委員、佐藤委員、末松委員、高杉委員、西島委員、橋本委員の8名の委員からご欠席のご連絡をいただいております。委員が23名の内、出席予定の委員は15名となっておりますが、いま12名ということで過半数を超えておりますので、会議は成立いたしますことをご報告いたします。
 続きまして、本日の配付資料の確認をお願いいたします。議事次第という1枚のペーパーを見ていただきたいかと思います。配付資料の名前は申し上げませんので、資料の番号だけで確認いたします。資料1-1、資料1-1別紙、資料1-2、資料1-3、資料1-3別紙。あと、先生方のほうには「平成22年度厚生労働科学研究費補助金の成果への評価について」に関するご意見というのが、水色の1枚紙であるかと思います。資料2、資料3-1、資料3-1別紙、資料3-2、資料4-1、資料4-2、資料4-3、資料5-1、資料5-2、資料は以上となります。参考資料といたしまして、参考資料1、参考資料2、参考資料3でございます。資料の欠落等ございましたら事務局にお申し出ください。特にないようであれば、それでは、永井部会長に議事の進行をよろしくお願いいたします。
○永井部会長 
 それでは、早速議事に入りたいと思います。最初は、「平成22年度の厚生労働科学研究費補助金の成果の評価について」です。事務局より資料の説明をお願いします。
○尾崎研究企画官 
 厚生労働科学研究費補助金の研究事業については、毎年度その成果の評価のまとめを当部会にお願いしています。まずは資料1-2を用いまして、平成22年度における厚生労働科学研究費補助金の全体像を説明し、その後、各事業の説明のほうに移っていきたいと思います。
 まず資料1-2をお願いします。まずは1頁目をめくりますと、「厚生労働科学研究費補助金制度の概要」ということで、研究費の目的というのが書いてあります。
 2頁目に行きますと、2)厚生労働科学研究費の経緯というところです。3)というところがありまして、厚生労働科学研究には4分野あるということで、行政施策研究分野、厚生科学基盤研究分野、疾病・障害対策研究分野、健康安全確保総合研究分野の4分野に大別されるというものです。
 平成22年度の予算につきましては、それぞれにつきまして2頁目の下の円グラフに書いてあるような構成になっているというところでして、総額としましては472億円という数字になっています。3頁目のほうは、同じ円グラフで、その前平成21年度、20年度、19年度の状況ということで、大体割合につきましてはそれほど変わっていないと思いますが、疾病・障害対策研究分野の割合が少し増えている状況にあります。
 4頁目です。4)研究の課題設定と公募についてです。平成22年度には13の研究事業において、原則として公募により研究課題を採択したと書いてあります。5)に移りまして、予算額及び採択件数の推移等というところです。平成22年度予算は472億円という予算でして、下の表がありますが、平成14年度以降1,400課題程度の研究を実施しており、平成22年度は1,533課題というのを実施しているところです。続いては5頁目の図3-2を見ていただきまして、課題数につきましては、平成21、22年横這いの状況にあるというところです。
 5頁目の6)に行きまして、13の各研究の占める割合は図4のとおりという状況にあるものです。
 6頁目。7)研究費金額階層毎の研究費予算全体に占める割合、採択数等というところで見ていただきますと、1,000万円から3,000万円代の研究課題で、金額ベースでちょうど4割を占めているような状況です。6頁目の図6ですが、2,000万円未満の研究課題で課題数の約3分の2を占めている状況にあるものです。それは7頁目の上のほうに記載があるものです。
 8頁目が「平成22年度厚生労働科学研究費補助金申請・採択結果一覧表」です。
 9頁目から、2「申請課題の評価」というところがあります。これは、評価をどういうふうにやっているかということを書いているものでして、それが10から11頁目にかけて記載しているものです。
 12頁目、3「その他の取組事項」というところを見ていただきたいと思います。4)間接経費の計上というところです。平成22年度公募より、すべての新規研究課題を対象に研究費の30%の間接経費を導入しているものでして、平成22年度の実績は67億円でした。
 13頁に行きまして、4「申請と採択の状況」ですが、平成22年度実績は、課題の採択率は50.7%となっているものです。新規課題につきましては、2,232件で採択が759件ということで、採択率は34%。継続課題につきましては、応募が789件で採択は774件、採択率は98.1%というところです。継続課題で採択されなかったということですが、中間評価というものを行っていますので、研究の進捗が研究成果と比較して非常に遅れていたり、今後の計画においてもその遅れをカバーできる研究内容を示されないということなどから、例えば3年間の研究において期待される成果の達成は困難との評価がなされたというところで、不採択になったという状況です。
 14頁目が、6「公表に関する取組」。研究成果の公表につきましては、2)のところにありますが、研究報告書を厚生労働省図書館、国会図書館、国立保健医療科学院等に配布し、保管・公表するほか、国立保健医療科学院ホームページ上で研究成果、データベースを公開しており、毎月約2万件程度のアクセスがあるという状況です。
 15頁ですが、「各研究事業の概要」というところで、平成22年度の状況としましては、申請件数と採択件数それぞれこのような状況にあるというものです。
 16頁目、全体像の説明の最後になりますが、「各研究事業の論文数、学会発表件数等」というところです。この表につきましては、左から5、6個めのカラムの辺りに「研究費1,000万円当りの論文数」というの欄を今年の表には付けているものです。これにつきましては、昨年度の評価の際に、終了課題の成果の評価については、例えば約1千万円当り論文いくつという出し方も可能ではないかというご意見もありましたところから、新たに「研究費1,000万円当たりの論文数」の欄を追加したものです。ここで1千万円当たりというところですが、これは単純に論文数を予算数で割って算出した数字でして、各研究事業はこのような状況になっているというところです。なお全体、平成22年度の予算額が472億円で、原著論文数は約2万件ですので、1千万円当たりでは単純に4.3件ということになります。
 引き続きまして、資料1-1、資料1-1別紙、資料1-3、資料1-3別紙をご用意いただければと思います。資料1-1がこれからの説明の中心となる資料でして、平成22年度の成果に関する評価の報告書(案)です。資料1-1の別紙は、個別の研究課題ごとに報告された評価、例えば、原著論文数やガイドラインごとの開発状況を一覧表にまとめたものです。資料1-3は、各事業ごとに目的、予算、平成22年度の予算採択の状況、成果、今後の方向性など、平成22年度の事業の概要をまとめたものです。資料1-3別紙は、平成22年度の採択課題の一覧表です。説明としましては、資料1-1について説明をします。
 まず、資料1-1「厚生労働科学研究費補助金の成果に関する評価(案)」です。
 2頁目を見ていただきたいと思います。ここで案として出しています2「評価目的」ですが、厚生科学審議会科学技術部会として評価を実施する。評価結果につきましては、研究費等の研究開発資源の配分への適切な反映等を行うことにより、今後の研究開発の一層効果的な実施を図ることを目的としているということです。
 5頁目に3「評価方法」というところで、評価の対象としましては、厚生労働科学研究費の各研究事業(4研究分野の13研究事業)及び平成22年度の終了課題の成果を全体的に評価するというものです。なお、終了課題の評価につきましては、平成23年6月10日時点のデータを基礎資料として使用したということです。
 2)各研究事業の記述的評価というところを見ていただくと、今回作成した4研究分野13研究事業の記述的評価につきましては、各研究事業所管課(室)が評価委員会委員等の外部有識者の意見を聞いた上で作成したものでありまして、それぞれの各研究事業所管課(室)に、これは資料1-3の「厚生労働科学研究費補助金平成22年度個別の事業の概要」を作成することを依頼して、今回の記述的評価の参考資料としているものです。
 8頁目を見てください。ここからが4「評価結果」となっていまして、9頁目以降が「各研究課題の記述的評価」となります。個別の研究事業の評価につきましては、掻い摘んだ説明とさせていただきたいと思います。
 9頁目で、(1-1)政策科学総合研究ですが、10頁目を見ていただきますと、近年、科学的根拠に基づいて、より質の高い施策立案を行うことを求められているため、本研究事業を推進し、よりよい社会保障制度の再構築に資することが今後とも重要、という評価になっています。
 続きまして、10頁目の下のところ、(a)地球規模保健課題推進研究につきましては、10頁目から11頁目に概要や成果が書いてありまして、今後は、従来の薬物動態学の観点からだけでなく、薬力学の点から臨床効果への民族差の影響を検討するための研究を行う。このほか、血液製剤にかかる途上国への技術移転、地球規模での市販後安全対策等に関する研究についても推進すると書いてあります。
 11頁目の(b)国際医学協力研究につきましては、下のほうになりますが、今後も引き続き、できる限り多くのアジア地域の研究者の参加を得て、アジア地域において問題となっている感染症の予防等の研究に取り組むべきであると書いてあります。
 12頁です。(2)厚生労働科学特別研究事業というものです。本研究事業につきましては、国民の健康生活を脅かす突発的な問題や社会的要請の強い諸課題について、緊急的に行うものを支援する研究です。これにつきましては、今後とも社会的重要性の高い研究事業を効率的かつ効果的に実施していくべき、となっているものです。
 13頁。(3-1)再生医療実用化研究を見ていただきたいと思います。これにつきましては13頁目から14頁目にかけまして概要、成果などが書いてあります。14頁のところには、今後は、基礎医学研究により見出されたシーズの中から、臨床研究ひいては実用化に向けた橋渡しの支援ができるよう、安全かつ有効な医療への実現の可能性の高い研究を重点的に支援することにより、再生医療がより早期に実現化されることを目指すべきであるとなっているものです。
 14頁目を引き続き見ていただきます。(3-2)創薬基盤推進研究のうち(a)ヒトゲノムテーラーメード研究です。これにつきましては、本事業で実施してきた研究のうち、バイオマーカー探索に係るものについては、創薬バイオマーカー探索研究事業に組み入れ、重点的に推進していくべきであるという評価の記述としているところです。
 続きまして17頁のほうに移っていきたいと思います。(3-3)の(a)低侵襲・非浸襲医療機器(ナノテクノロジー)研究です。これにつきましては、今後は、患者にとってより安全・安心な医療技術の実現を図るため、ナノテクノロジー等の技術を用いた非侵襲・低侵襲医療機器開発に資する研究を重点的に推進すべきとなっているところです。
 18頁を見ていただきたいと思います。ここの下のほうにありますが、(b)臨床研究基盤整備推進研究というところです。これにつきましては、19頁目に評価がありまして、中核病院については、平成23年度末までに体制整備すべきマイルストーンが示されているところであり、本研究事業においてはこのマイルストーンを達成することを目標に推進すべきである、と書いてあるところです。
 続きまして20頁目です。(d)臨床疫学基盤整備研究です。これにつきましては、今後は、本事業と同じく質の高い臨床研究の推進を目的とした臨床研究基盤整備推進研究事業に整理・統合した上で実施することが適当と評価はなっていまして、実際には平成23年度、現実にはそれに整理・統合しているという状況にあるものです。
 21頁目からは、?.「疾病・障害対策研究分野」です。これにつきましては26頁目、(7-4)難治性疾患克服研究というところを見ていただきます。まず成果としては、平成22年度は引き続き臨床調査研究分野において130の希少難治性疾患を対象に、多数の専門家を組織した研究班を編成し、これらの疾患の実態解明等の確立に向けた研究を実施し、治療薬の臨床試験に結び付くような研究成果も出されたとなっています。また、疾患横断的な疫学・社会医学的研究等にも取り組んだということが書いてあります。また、130疾患以外に原因不明の希少難治性疾患で、未だ実態が明らかでない177疾患を研究奨励疾患として研究を推進したということが書いてあります。今後としまして、これらの研究を推進することにより、原因解明と新たな診断・治療方法の開発を引き続き進めていくという評価の記述となっているものです。
 27頁目からは、(8)長寿・障害総合研究事業です。まず、長寿科学総合研究につきましては、今後としましては、高齢化社会が進み、高齢者の介護予防や健康保持等に向けた取組の重要性がますます増加する中で、今後、本研究事業の強化・充実が必要であると書いてあるものです。
 28頁目、下のところから(8-3)障害者対策総合研究のところを見ていただければと思います。これにつきましては29頁目に、障害関連研究については、平成22年度より障害・疾患に関する3分野を一元化し、幅広い研究課題に対する効果的な研究企画・進捗管理を行っている。今後も引き続き研究ニーズの一層の明確化を図るとともに、本研究事業の継続的な充実が必要であると記述しているところです。
 30頁目からは、(9)感染症対策総合研究事業です。(9-1)エイズ対策研究につきましては、今後も人権に配慮しつつ、予防と医療の両面において研究の推進が期待されている、という状況を記述しているものです。
 また、引き続きですが、(9-2)肝炎等克服緊急対策研究につきましては、「主な成果として」というところで、疫学研究、基礎研究、臨床研究それぞれここに書いてあるような成果を上げているというところで、今後も緊急的に実施すべき課題と継続的に実施すべき課題のバランスを考慮して、研究課題及び研究規模の設定を行うことが重要であるとしているものです。
 (9-3)新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究です。これらにつきましては、今後も行政的ニーズに基づき、新興・再興感染症、HTLV-?関連疾患、予防接種等、優先度が高いと考えられる研究課題について適切かつ確実な研究実施を図る方針で進める必要がある、という記述になっているものです。
 33頁目からは、?.「健康安全確保総合研究分野」です。そのうち、(10)の地域医療基盤開発推進研究事業につきましては、34頁目の上になりますが、今後、現在検討されている社会保障制度改正の方向性を踏まえつつ、引き続き研究を推進する必要があるという評価としているところです。
 (11)労働安全衛生総合研究事業というところで、行政課題に対応した科学的知見の集積を計画的に推進する必要があるという評価の記述としているところです。
 34頁目からは、(12)食品医薬品等リスク分析研究事業です。35頁目を見ていただきまして、まず、(12-1)食品の安心・安全確保推進研究です。これにつきましては、今後も引き続き輸入食品、国内での食品に係る監視指導体制の強化、食中毒等に係る検知及び発生の予防、新しい化学物質や添加物等に係る検査法の開発等食品の安全確保の根拠となる研究や、国民に対する迅速かつ的確な情報提供のためのリスクコミュニケーション手法についての研究を、さまざまな角度から推進していく必要があるという記述となっているところです。
 35頁目の下から、(12-2)医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究の記載になっていまして、これにつきましては36頁目のところを見ていただきますと、今後としまして、臨床研究や橋渡し研究の推進に合わせて、レギュラトリーサイエンスの考え方に基づく研究の推進とその成果の承認審査への応用を強化すること、薬害肝炎事件の教訓を踏まえて、医薬品等の市販後安全対策総合戦略に関する研究の充実を図り、医薬業績全般にというところで取り組んでいく必要がある、という評価の記述となっているところです。
 37頁目に移っていきたいと思います。(13)健康安全・危機管理対策総合研究事業です。これにつきましては、37、38頁目にあります。本事業は健康危機発生時の対応及び平時の体制整備に関する研究を実施しており、国民の健康を確保するために極めて有用である、という評価の記述をしているところです。
 ここまでが各研究事業の記述的評価の記載になりまして、39頁目からは平成22年度の「終了課題の成果の評価」ということです。ここにつきましては、それぞれの研究成果の数値が得られた課題についての論文数というところはこんな状況であったということ、その中で、厚生労働省をはじめとする行政施策の形成・推進に貢献する基礎資料や、治療ガイドライン、施策の方向性を示す報告書、都道府県への通知、医療機関へのガイドライン等、施策の形成等に反映された件数及び予定反映件数を集計すると204件であったということが書かれています。研究事業ごとの1課題あたり成果の平均を示したものは、41頁目の表8にあります。原著論文は40.8件、その他の論文19.9件、口頭発表は62.2件という状況でありました。
 最後5「おわりに」というところ、42頁を見ていただければと思います。終了課題に関する集計では1万9,000件以上の原著論文等がある等、学術的な成果が示されており、施策への反映については、終了課題に関する集計では204件であり、行政課題の解決に資する成果を上げている研究事業があるものと評価できる、と書いてあります。
 公募研究課題については、行政的に必要な研究課題が公募され、新規分と継続分も合わせて応募課題数の50.7%と書いてあります。ここの括弧内の数字が間違っていまして、申し訳ございませんが訂正のほうお願いします。いま1,726件を3,493件で割っていますが、これは1,533件を3,021件で割るというように訂正いただきたいと思います。
 評価の内容を進めまして、下から7行目ぐらいで、「また」というところです。研究成果の報告をWEB上で一般に公開するシステムが構築されているが、検索機能の強化等システムの機能向上、研究の成果や意義を国民にわかりやすく伝えるための成果の発表会のさらなる拡充等の取組が今後の課題と考えられる。あと、今後は政策等への活用、国民へのわかりやすい成果の説明・普及の努力等について事後評価の重点を置くべき観点として留意しつつ評価を進める必要がある、と案としてはまとめているところです。以上です。
○永井部会長 
 ただいまのご説明にご意見、ご発言等がありましたら、よろしくお願いします。
○松田委員 
 資料1-1についてですが、頂いた資料にあらかじめざっと目を通しますと、文章がまだ少し練れてないのではないかと、非常に乱暴な表現が多いのではないかという印象なのです。一例を挙げますと、15頁の真ん中辺、「今後は、生物資源創薬モデル動物等の開発」という表現がありますが、生物資源創薬モデル動物は英語で訳したらいったいどう訳すのかと。こういう表現とか、19頁の(c)の項の真ん中の辺り、「2型糖尿病及び非アルコール性脂肪肝の有用性」、これは何の有用性を謳っているのかです。こういうあたりは挙げればきりがないのですが、全体的にまだ文書の案という段階ですから、これから文章を推考なさるのかとは思いますが、少し全体的に用語の使い方を検討されたらいかがかと、このように思います。
○永井部会長 
 よろしいですか。確かに少し何か言葉の足りないところがあるのかと思いますが。ほかに。
○宮田委員 
 それに類したことを私も感じていまして、これはたぶん相当バタバタおまとめになって、むしろ頑張った挙句の成果だとは思っているのですが、いちばん重要なのは、数字が不明な点が結構あります。それは表現を少し磨いていただきたい。例えば、26頁の下から6行目、「130疾患以外に原因不明の希少難治性疾患で、未だ実態が明らかでない177疾患を研究奨励疾患として研究を推進し、平成22年度は214疾患に対象を拡大し」と、何だかわからないという状況があります。特にこの報告書の場合には、数字まわりのことで誤解を生んではいけません。これは一例に過ぎませんので、数字を記述した部分に関しては特に念入りに推考していただきたい、というのが1点です。
 もう1つ、終了時の評価という「終了課題の成果の評価」のところを見ていただきたいのですが、41頁の表の「政策への反映(件数)平均」というのがあって、例えば行政政策だと0.2件、第3次対がん総合戦略だと0件、健康安全・危機管理対策総合だと0件ということになっているのです。これは役に立たなかった研究を政策的にしたと、この表だけだと読まざるを得ないのですが、そうではないのではないかと思うのです。こういった平均値の出し方とか、またこうした数字としての出し方が本当に妥当なのかも含めて、ここは少し考えていただきたいと思います。むしろ厚労科学技術会議が遂行している厚労科学研究は、行政的な施策に対して回答を与える研究でありますので、ここがゼロとか0.2というので、よくやったという自己満足の評価はないだろうと私は思います。ですから、ここのご説明は改良の余地ありと思います。
○永井部会長 
 これが施策への反映というのは、どういうふうにカウントされたのでしょうか。事務局はおわかりでしょうか。41頁。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 39頁ですが、こちらの2)終了課題の成果の評価のところで、後段、2段落目です。こちらは行政施策の形成・推進に貢献する基礎資料とか、治療のガイドライン、こういうもので予定反映件数を集計したところ204件ということです。ただ、確かに0.2件とか、ちょっと見るとプアな値になっていますが、集計時点が6月10日なもので、確かに昨年度までの研究なので、本当はここまで全部反映させなくてはいけないのですが、若干この作業も間に合ってないところもあり、あとはもしかしたら我々の各担当課への周知の仕方が少しのんびりになっているところはあるかもしれません。そこは非常に成果を作成、さらに続けまして、そうすればたぶん増えると思います。
○宮田委員 
 たぶん両方だと思います。担当課への周知が、足りないのだと思いますが、いずれにしろこの研究事業は好奇心駆動型の研究ではなくて、ある政策設定があって推進するものですから、最終的な評価はそこで問われなければいけません。その数字の表現がこれでいいのかというのは、少しご検討なさらないといけないと思います。すみませんが是非よろしくお願いします。
○今井委員 
 最初に資料1-2の8頁で、「ヒトゲノムテーラーメイド研究」の新規分というのがゼロなのです。その2つ飛んで下の「創薬バイオマーカー探索研究」のところもゼロなのです。こちら側の成果に関する評価表の「ヒトゲノムテーラーメイド研究」のところを拝見すると、本事業は成果を上げたということです。そうすると、この研究はこれ以上は件数が新規分ないし、一応の結着をみたのかと見ていいということなのですか。「本事業で実施してきた研究のうち、バイオマーカーの探索に係るものについては、創薬バイオマーカー探索研究事業に組み入れ」と書いてあるのですが、こちらも新規研究はなくなっている。それと同じものが「臨床研究支援複合体研究」のところにもあります。
 皆さんは書き方をいろいろおっしゃっていたのですが、こういう終わったものに関しての成果は、成果としてもう少ししっかり決めて、あと、組み入れると言われているそちらのほうもそろそろ終焉かと。データがこちら側にあるのだとしたら、ここもここまでの成果がありましたと決めてしまうか、それとも今後こちら側の、すなわち例えば創薬バイオマーカーの研究に入れますと言っているのだったら、そのあと、そのためにこういう新規研究がないのではなくて、何かをアピールして出してもらうようにするとかということも書き込んだほうがいいのではないかと思うのです。こちら側とこちら側の相関が全然バラバラになって、こちらはこちらで1期ごとにパシッパシッと切った評価だけがなされている気がするのです。
○永井部会長 
 いかがですか。事務局からご説明いただけますか。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 資料1-2の8頁の見方ですが、これは確かにわかりにくい形ですみません。それぞれ申請がゼロとなっていますが、これは、そもそも予算額がほぼ同額で来ているところ、昨年度までに採択したものを継続するために、新規課題を取るだけの余裕がないという場合には、募集を行っていません。そういうときはこの募集件数、この新規分申請はゼロになりますし、採択件数もゼロになります。そこは実際、研究事業として、特に新しい研究事業に多いのですが、事業は始まったばかりで、過去に採択したものを継続することで精一杯で、予算があまり伸びない状況ですから新規分を取れない、というものはこのゼロとなっています。
 ただ、そういうものの中でもその年度に終了するというもの、あるいは年度の途中で出てくる成果というものがありますので、そういうものを書いていると、そういう記載の仕方で、指摘がそのように見えてしまうということは、そのとおりだと思いました。
○森嶌委員 
 これは評価は何となくピンと来ないところがありまして、資料1-1の4頁、「評価方法」が書いてありますね。この評価の下、第3章の「評価の観点」として、必要性と効率性と有効性、これで評価をするのだと明確に述べているわけです。これの観点でこのすべてのものを評価するとどうなるのかは、実はどこにも出てきていないのです。必要性は何となくやろうと決めたときからあると思うのです。効率性、これに対する評価はどうだったのかとか、有効性に対する評価はどうだったのかとか、これがどこにも出てこないのです。
 例えば、同じところの6頁に、いろいろ成果とか発表状況のことが書いてありますが、これを3つに分ける評価をするとどうなるのか。この項目はここの部分で評価をしましょうとか、何かないと、こうやって評価するのですと言っているのが消えていってしまっているのです。これはまとめ方が何か一工夫、二工夫ぐらいしないと、おそらくほかの方にもわからないだろうし、我々もこれをパーっと読んでも、はあはあはあという感じで、本当にこういう評価だったのかが実はよくわからないということになってしまっていると思うのです。
 1つの例でいきますと、6頁の2-4「その他の成果」という部分で「特許の出願及び取得状況」というのがありますね。これは有効性の項目に入れると評価は書ききれるのではないかとか、何かかなり工夫をしないと。もともとその3つで評価しましょうと言っているわけですから、それが全部文章になってしまって、どこにも出てこないということになると、本当にわかりにくいですね。いままでどおりの評価なのかみたいな感じになってしまいますので、是非ご検討をお願いしたいと思います。
○永井部会長 
 いかがですか。事務局何か。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 ご指摘ありがとうございました。加筆させていただきました、こちらの資料1-1の4頁にあります参考3と書いてあります「厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針」、これは政府の大綱的指針を厚労省バージョンに焼き直したものです。そして、ここに「必要性、効率性、有効性」とあり、これに基づいて各事業の中の個別な研究課題は、これで評価をして点数を付けていただいています。ただ、例えば何とか事業があり、そこで20ぐらい課題があり、20人ぐらいの代表者がいるような研究事業ですと、その1つひとつの研究代表者の研究ごとについては、この項目に沿って評価をしていただいて、点数を付けていただいているのです。ただ、今回の評価自体はまとまった何とか事業というところで評価をしているので、必要性、効率性、有効性というところは明確に出てきてない部分があると反省をしました。ご指摘を踏まえて、次に修文等をしたいと思います。
○森嶌委員 
 資料1-1の別紙、これはそれぞれのテーマ、それぞれ研究をされた方から出てきたものですよね。これは本来ですとそういうことで評価をしますということですが、それぞれから出てくる評価がその3つの項目ですね。これに分かれていないとつながらないと思うのですよね。ここにはそれが全く出てこないですよね。それを全体でまとめればこうですというのはこちら側のまとめ方であって、そういう3つの項目に分かれて評価ができていないと、納得性がなかなか得られないと思うのです。ですから、是非ご検討いただきたいと思います。
○野村委員 
 この記述については私が素人だからこのように読んでいるのだろうと思っていましたが、いまの森嶌先生の言うことで少しホッとしています。そうなので、私も専門家でない立場からどういう関連でご意見を言っていいのか悩みましたが、最後の5の「おわりに」というところで少し記述があった点について。要はWEBで公開したあとの、「研究の成果や意義が国民へわかりやすく伝えるための成果の発表会のさらなる拡充等の取り組み」も少しわかりにくいですが、そういうことがあったりしているところで、いろいろ読者に取材をしていく以上、書く立場から言いますと、こういったことを、言葉をやわらかくしたり、やさしくすれば伝わるということではないというのは非常に実感しています。
 読者は情報をとても欲しがっていますし、健康やこういった体のことについてはものすごく関心があって、必要な情報がきちんと得られるのならば、主体的にその病気やいろいろなことに立ち向かおうという力をきちんと持っていらっしゃる読者が多いのですが、私たちの伝え方の立ち位置、言葉の何かやさしさとか、難しかったところをわかりやすくとかいうよりは、いかに一般の人たちが普通に生活して生きていくときに、どういう情報が欲しいかというところへの視点が欠けている記事は、やはり反響が全くないのです。それは自分も身をもって実感をしているところなので、その辺のわかりやすさを何か言葉をとか、ビジュアルでとか、そういう簡単なことではないということを、もう1回考え直していただきたいということです。
 あと、取材をしていて、細かい専門的なことはあれですが、細かい課題を見ていると、私も取材させていただいたこともあるし、取材したいと思う中身ももちろんある中で、取材をしていく中でいつも感じていたのは、ある診療科を取材すると、必ずその先生たちが、ほかの診療科の分野の先生たちが理解があれば、もう少し早期発見ができたりするのにということを、いくつかの大きな国民病と言われているようなNASHとかCKDとか先生がおっしゃっているのが非常に印象的だったので、こういった評価の中にすぐにそういった形の、すごく素晴らしい研究をされているのであれば、そこが他分野とか、他領域、医療に関係せずに社会とか、そちらのほうの領域にまですぐ活かせることはたぶんあると思うので、そのような評価が入ってくると、非常に、先ほど宮田先生が政策に直結するこういった評価だとおっしゃっていたのを理解した上で、それを余計に実感したものですから、すみません、勝手な意見ですが。
○永井部会長 
 そうすると、これは全部直すのは大変でして、来年以降の評価のあり方への宿題ということも少し考えておいていただきたいと思います。
○宮田委員 
 先ほど議論したことはかなり重要なのです。というのはなぜかというと、研究がよくいったという評価軸が実は意外と曖昧であった、ということが今回のレポートで明らかになったのです。ですから、成果を政策的に反映することを重要な評価項目と捉えて、その評価をどういうふうにやるのかと、どういうふうにカウントするのか、あるいは省内でそれを周知徹底して政策に対して還元するのか、を実は問うているのが1つです。もう1つは、ひょっとしたら課題の設定が悪かったのではないかということも実はこの評価の中に含まれるので、研究を行った人たちだけが評価されているのではなくて、ここにおいて公募課題を決めたときの我々の責任もあるのではないかと実は深く思っております。これは本質的な問題なので、ちょっと直せばすぐ出るというものではないので、来年にかけてしっかり議論して詰めていきたいとは思いますが、まず国民に誤解を受けるような表の表現などは、今回は改めていただきたいと思います。
○永井部会長 
 そのほかいろいろお気づきの点もおありだと思いますので、メール、ファックス等でまず事務局へご連絡いただいて、この件は時間がないのです。ですから、いただいたご意見を事務局と私のほうで取りまとめたいと思いますが、お任せいただけますか。
○相澤委員 
 1点よろしいですか。
○永井部会長 
 はい。
○相澤委員 
 この研究費の総額は非常に小さく、このような金額で先端医療を研究している研究者に敬意を表したいと思います。将来に向けてもう少し展望が開けるような評価がなされると良いのではないかと思います。なお、特許制度は、開発された技術の経済的利益をインセンティブとして技術の開発を促進する制度です。したがって、特許権の取得ということを成果として捉えることについては、研究費の目的との兼ね合いを検討する必要があると思います。
○永井部会長 
 よろしくお願いします。ということで、ご意見を是非お寄せいただきたいと思います。また最終的な形については、座長にお任せいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
 議題2にまいります。「厚生労働科学研究費補助金配分機能の移管計画(案)について」、ご審議をいただきたいと思います。事務局よりご説明をお願いします。
○尾崎研究企画官 
 「厚生労働科学研究費補助金配分機能の移管計画(案)について」という資料2の「基本的な考え方」を見ていただきたいと思います。アメリカをはじめとして先進諸外国においては、主要な研究費の配分は専門性と効率性等の観点から、行政機関とは別の専門機関が実施している。他方、我が国において競争的資金の配分については、第3期科学技術基本計画で、この計画は昨年度までで対象年度が終了しているところですが、「独立した配分機関へ移行させる」との方向性が示され、総合科学技術会議においては、「1つ制度は、1つの配分機関に集約されることが望ましい」との指摘がなされてです。
 この状況については、2頁の別紙1、「競争的資金の配分機能の移管に関係する計画及び報告書(抜粋)」に書いてあります。?が第3期科学技術基本計画中の記述、?は総合科学技術会議中の記述、っているところです。
 1頁に戻っていただきまして、こうした状況について、現在は厚生労働省がその配分機能のほとんどを担っている厚生労働科学研究費補助金について、より戦略的・効率的・効果的な運用が可能となるよう、原則、国立保健医療科学院のほうに補助金の配分機能を一括して移管する方向で取組を進めたいと考えています。
 「移管する研究事業の範囲」については、厚生労働科学研究費にいろいろな型があるわけですが、一般公募型研究及び若手育成型研究、いわゆる一般公募をする研究について移管していくことを考えています。指定型研究及び戦略型研究については、引き続き厚生労働省において配分機能を担うこととしています。指定型研究については、厚生労働省が研究するものを決めて、ある研究をしていただくものです。戦略型研究については、厚生労働省の研究計画の企画委員会があり、そこでの検討に基づいて研究を進めていくものです。
 「移管スケジュール」としては、平成24年度から平成28年度までの5年間で、原則としてすべての研究事業の配分機能を国立保健医療科学院に順次移管するつもりです。併せて国立保健医療科学院における受入れ体制の充実、その体制については整備するという方向で考えているものです。3頁を見ていただきますと、平成24年から5年ということなので、各研究事業の配分機能の移管計画(案)として示しているものです。
○永井部会長 
 ただいまのご説明に、ご質問、ご意見をお願いします。
○宮村委員 
 FA機能のことですが、いまのご説明で従来の指定型あるいは戦略型というのは、厚労省で課題の設定をしたり評価をしたりしているということですが、残っているほとんどのところで、課題のFA機能というのにはいろいろな要素があるうち、例えば課題の設定とか、実際の経理の管理、評価、この3つを全部含めての話でしょうか。
○尾崎研究企画官 
 はい、基本的にはそのようになります。もちろん各研究事業の、いま、例えば担当している担当者は、保健医療科学院とは密接に連絡を取り合うことはありますが、保健医療科学院で考えてやっていくということになります。
 評価については先ほどもありましたが、厚労省で基本的な評価の方法とかそういうものを示していただき、いまも各研究事業でそれに基づいた評価の方針を持っていますので、そういったものに基づいて行っていくことになります。
○宮村委員 
 もう1つ、こういうふうに一元化をするところのメリットは、沢山あるところだと思いますが、この厚生科学研究事業の中に評価すべきものに支援事業があると思います。それは個々の事業でやっているものを、こういうふうに一元化するといろいろな点で効率がいいと思います。例えば、ポスドクの設定のミニマムリクワイアメントとか、実際の採択と評価と。支援事業についても同じように一元化していくことになるのでしょうか。
○尾崎研究企画官 
 本日の提案には、支援事業はいまのところ入っていません。支援事業については、いまのやり方で進めていくことを現時点では考えています。
○松田委員 
 この場で申し上げてもしょうがないことなのかもしれませんが、こういうふうに一元化していくという動きであれば、かねてから言われているように、生命科学関連というかライフサイエンス関連の予算は省庁を越えて一元化していく方向にできないものか、あるいはそういうことを目指して何か計画的に動いていく、というお考えはいかがなものなのでしょうか。
○尾崎研究企画官 
 厚労省の厚労科学研究についてはその目的がありますので、基本的には、その目的を果たすために、その範囲内で一元化していくのが最初にあるのではないかと考えています。各省連携すべきものは、別途いまのところもいろいろな方法で行っています。重複とかないようにとか、スムースにいくようにというのは、別途ルートとしてやっているというところです。
○宮田委員 
 統合化する良い点と悪い点はもちろんあるのです。今までばらばらにやっていましたよね。例えば、がんだったら国立がんセンターがやってみたいに。それよりはましになって、少しコンフリクトオブインタレスト(COI)の問題はきれいになると思うのですが、一方で副作用から考えれば、先ほどの評価の点で考えてみますと、政策的な意思を、一方で政策的な研究を本省がやっていて、公募型、若手型をファンディングエージェンシーのほうにしたときに、どうやって伝え連携していくのかと。そこのコーディネーションのための一仕事は少し増えると。各ナショナルセンターがやっていたものを統合化したときに、仕事が減るというのと増えるというのと両方相殺して、少しは仕事が減るという形に今回の改革を進めなければ、プラスではないと思うのです。
 そのために先ほど支援事業は別個だとおっしゃったけれども、統合化の本当の意味があるのなら、支援事業が非常に明確になってきますので、今回のステップではそれはまだ早いのかもしれませんが、将来、統合化の利点を活かすための厚生科学研究費の枠組みの見直し、政策的な意思を、どうやってそこの公募研究とか若手研究の中へ反映させて評価していくかという仕組みの明確さが、どうしてもここでは必要になってくると思います。
 いまの公衆科学衛生院でしたか、そこではできないのですよね。後半のほうで拡充すると言っていましたが、どういうイメージを今持っていらっしゃるのかを伺いたいのです。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 科学技術……では、こういう競争的研究資金の外部の配分をするときは、プログラムディレクターなりプログラムオフィサーとか、いわゆる研究のわかる人をきちんと置いて研究を進めていくと指摘をされています。それは、今後拡充させていくという方向です。現に難病の研究費などは保健医療科学院のほうで決定機能を担って、事実上担っていただいていますが、まだそこに関しては、いままだ十分プログラムオフィサーとかプログラムディレクターをいま……しているのですが、交渉の担当オフィサーも随分気になって辞めさせていただいて、それを科学院の……ビューティだろうと思っています。体制を確保することと政策への反映のところに関しては、本省のアドバイスとか、そういうものもきちんと提案を取っていくことにしたいと思っています。
○宮田委員 
 プログラムの科学的なサイドからの評価を、ここでやると言っているのですか。それですよね。そうなのは分かりました。
 この表の確認ですが、○も△もハイフンも付いていないところは、すべて平成28年度までにファンディングエージェンシーに行くと考えていいのですか。例えばがん関係研究という。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 △の付いているところは、今年度の途中から移管するものです。○を打っているところは平成24年度に移管したいと思っているところです。そのあとは、「平成28年度までに原則として」と書いています。その研究事業、研究事業で個別の背景がある研究事業もあります。そういうものは一律にどのようにやると、できるかどうかは、おそらく事業担当課と十分調整しなくてはいけないと思っています。ただ、方向としてはすべて原則としては移管となっています。
○宮田委員 
 何となく抵抗が強そうな所が目印になっているというわけではないですか。わかりました。
○永井部会長 
 ほかにないですか。これは国の方針としてこうするということが、大枠で決まっていたということですか。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 実は総合科学技術会議において競争的研究資金改革と言われたものが始まったのは、だいぶ前になります。そのあと厚生労働科学研究費に関しても、なるべく早く独立した配分機関を持つようにという指摘が出ていまして、それで私どものほうとしては今回科学院にということで。いずれも総合科学技術会議の方針に従ったということです。
○永井部会長 
 配分機関、国立保健医療科学院において体制は作れるのでしょうか。マンパワーとかいろいろなシステムのことがあると思いますが、その体制づくりについては特に問題ないとお考えでしょうか。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 方向性を打ち出して、私どもとしては組織として本格的に、これは本腰を入れてやろうと思っています。組織要求等も含めてやろうと思っています。
○永井部会長 
 ということですが、この件についてお認めいただけますか。
○岩谷委員 
 1つ教えていただきたいのですが、特に障害に関係する研究は、非常に多領域にわたっています。障害分野の研究はどういうことについて、どういうように取り上げていくかということについても国立保健医療科学院で決定していくのでしょうか。どういう問題を取り上げるというプランというかプロジェクトというか、を何年計画かで作っていく機能まで国立保健医療科学院が行うという意味なのでしょうか。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 ここは非常にそのバランスが難しいところになるかと思うのですが、政策に密着した諸々の研究がありますので、政策の必要性というか、日々のニーズを実感するのはおそらく本省のほうがより感覚的には理解できると思っています。そういうものを科学的な観点でどのように評価してもらうかというところで、FAが入ってくると思っています。政策的なところまですべて科学院が、初めから最後までというところまでではなくて、そこは本省の意向というか、そういうものを十分反映させるような、そういう仕組みを残すべきだと思っています。
○川越委員 
 ちょっと先が見えないところがあって、素直に賛成がなかなかでき難いのですが。例えば、いまここの審議会でやっていることの機能はどういうところに移されるのかとか、指定型研究とか戦略型研究というものが外れるということですが、この表を見ると、その辺、どこが残っていくのかというところがいま一わからないので、教えていただければと思います。
○永井部会長 
 これは科学技術部会からも離れるのですか。単なる配分の話なのでしょうか。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 いいえ、これは配分の話でして、最後の、例えばいまでも評価をしていただいたり、あと公募課題の設定について科技部会にご相談させていただいて、ご承認いただいていますが、それは引き続き科学技術部会にお願いをしたいと思っています。
 ただ、成案を得る段階で私どもはいま担当課でやっています、例えば公募課題の設定とか、というところに専門家というか科学院がこれから要する専門家の目も入った公募課題の設定の案を作って、そしてまたこちらの科技部会にお諮りするというスタイルは変えるつもりはありません。
○桐野委員 
 前から感じているのですが、こういう厚生労働省の研究には、もともとトップダウン型の政策と非常に強く関係したものと、ボトムアップ型のものが当然あると思うのです。ボトムアップ型のものはファンディングエージェンシーが自立的にやったほうが、本来合っていると思うのです。ただ、トップダウン型をおやりになるのであれば、これはむしろはっきりこれはトップダウンでやるということを言っていただいたほうがよくて、トップダウンなのかボトムアップなのかよくわからないやり方というのは、あまりどうかと思うのです。
 トップダウンでおやりになるときは、例えばこういう所で審議をした上で、これについてはこうやるというふうにしたほうが分かりやすいと思うのです。ボトムアップ型については、文科省はほとんど外に出してしまっているし、厚生労働省はいろいろなお仕事で大変でしょうから、こういう実務はこういう所に任せていったほうが合理的ではないかと私は思います。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 私どものイメージはそういうのを持っており、今後、指定型とか、あるいは戦略研究という、こちらは政策的なニーズがあって、どうしてもこの研究はこの先生にとか、そういうものに関しては引き続き本省が担当すると。競争的資金ということで競争的な環境が似合う、そういう、ふさわしいだろうと考えるものをFAとして科学院に出していきたいと考えているところです。
○福井委員 
 私も指定型のものとボトムアップ型のものとで、例えば申請の様式が全く同じというのも、たしかあれは同じだと思うのですが、あれも少し考えていただけないかと以前から思っていました。
 もう1つ全然違う視点ですが、前回も申し上げたのですが、これだけの研究をやっているので、やはり海外に向かって発信するというのも。今回移行することがどれぐらいその契機になるかどうかわかりませんが、アジアの国などは、すごく日本がやっていることを参考にする所も多いようにどこに行っても聞きますので、もうちょっと海外に向けて英語で発信する機能も、どこかうまく組み込んでいただけないかと思っています。
○宮田委員 
 基本的にはこのとおりであると思うのですが、これは移行計画案で、ここで皆さんが「うん」と言ったら、あとは全部進むというのはまずいですよ。これは案というにはあまりにもかそけきものなので、移行計画イメージとしてはわかりましたが、実際に厚生科学研究は非常に重要な研究で、遅滞も中断もある意味では国民の健康とか生命に関係してまいりますので、いわゆる文科省の研究よりももう少しきちんと移行していって、本当に研究が遅滞ないことを保証しなくてはいけない、担保しなくてはいけないと思うのです。
 ですから、今回、イメージは私自身、個人的には了承ですが、具体的に本当にきちんとどういう手順とどういう形で、これは移行していくのだというのをもう一度皆さんの前に提示していただいて、周知を図るべき、知恵を借りるべきだと思います。特にJSTとか、学術振興会とか、こういう形でファンディングエージェンシーの経験を持っていらっしゃる所と、委員の皆さんは随分接触していらっしゃるので、そういったお知恵を拝借して万難を排するべきだと思います。この移行のために厚生科学研究が遅滞してはならないと思うので、もう1回、もう少し具体的で実行計画、例えば1番に関してはこれをやって、これは結局うまくいきましたというご報告をいただいた上で、それでは次へ行きましょうと、本当の意味の移行計画をお知らせいただけませんか。そうしないと皆さんは不安ではないかと思っています。
○永井部会長 
 よろしいですか。それはまだ時間的に余裕はありますか。次の部会で。
○眞鍋主任科学技術調整官 
 計画的に準備を進めますので、その節目節目で科技部会に報告するようにします。
○永井部会長 
 そうしますと、その間にいろいろなご意見をお寄せいただいて、次の部会でもまた提示いただくということにしたいと思います。よろしいですか。ありがとうございます。
 議事3にまいります。「ヒト幹細胞臨床研究について」、ご審議をお願いします。先進医療センターからの1件の申請は5月12日に厚生労働大臣より諮問され、5月20日付けで当部会に付議されて、第15回ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会において先行審議がされています。金沢大学など5機関からの申請については、7月5日に諮問され、20日付けで付議されています。事務局より説明をお願いします。
○椎葉研究開発振興課長 
 研究開発推進課長です。資料3-1の2つ目の○と3つ目の○ですが、金沢大学から虚血性心不全に対して、また肝硬変に対する再生医療の研究計画が上がってきています。これについて若干の説明をさせていただきます。
 これとは別に資料3-1別紙をご覧いただきますと、金沢大学において「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の理解不足及び周知不足、倫理審査に係る複雑な審査体制によって、ヒト幹指針に定める手続きによらず、臨床研究が実施されたところです。これにより患者、国民、関係機関等に多大な迷惑をかけたことは大変遺憾であり、今後このようなことが起こらないよう、指針違反の発生原因、今後の改善策等について、金沢大学が報告書として取りまとめたものを本日の資料として提出しているところです。次の頁からは本文そのものです。
 これに至った「経緯」について説明いたします。平成20年6月13日に金沢大学医学倫理委員会において、脂肪由来細胞を用いた臨床研究2件。「自己脂肪組織由来間質細胞を用いた再生医療に関する臨床研究」、これは虚血性心不全に対するものです。それから「自己脂肪組織由来間質細胞による肝再生療法」です。これら2つの研究が申請され、8月21日に承認されたところです。
 虚血性心不全については1症例に対して、肝再生療法については6症例に対して、それぞれ平成21年2月3日から平成21年12月15日にかけて実施されたものです。被験者の状態は重篤な転機を認めることなく、良好であったということです。その他、これ以外に臨床研究3件が承認されたところですが、いずれも未実施です。
 平成22年4月12日に厚生労働省にヒト幹指針違反であるとの情報提供がなされたところです。研究開発振興課においは、事実関係の調査、これに至った原因や再発防止のための措置について検討しようと。そして報告書を提出するよう指示しているところです。平成22年12月10日付けで厚生労働大臣宛に報告書が提出されています。その本文が次頁からです。1枚目は概要ですので、概要の中で説明いたします。
 2は原因です。脂肪組織由来細胞について、国内外において名称が統一されていないこと、2つの研究計画で「幹細胞」という名称が使用されなかったことから、金沢大学医学倫理委員会がヒト幹細胞指針に該当しないと判断したことが主な原因です。金沢大学研究者及び医学倫理委員会において、ヒト幹指針の理解に不足があったことは否定できないと総括しているところです。
 3の大学の対応です。厚生労働省から、実施された臨床研究がヒト幹指針の対象でありヒト幹指針に抵触するとの指導を受けて、医薬保健研究域長、医学倫理委員会委員長、臨床試験管理センター長の3者を中心に調査を行い、臨床研究を中断することを決定しています。また7名の被験者については良好な状況であることを確認しております。そして今後、ヒト幹指針に整合するよう倫理審査体制の見直しを行うとともに、ヒト幹指針等に対する啓発・教育活動を行うこととするということですが、これについて、倫理委員会の状況は、これまで審査の申請窓口が大学と病院で別々であったところを、一元化したということです。啓発・教育活動ですが、平成22年8月以降5回実施し、啓発・教育活動に努めたところです。
 こういった体制整備を行い、今回先ほど申し上げた2件の研究計画をヒト幹指針の手続きに基づいて申請したところです。そして、この件については、去る7月22日に大学として、指針に違反した事実を公表して謝罪をしているところです。また患者、被験者にもお伝えしたということです。
 最後の21頁です。前回のこの会議において研究費の不正受給の関係者がいるのではないかということでしたが、大学から正式に関係者の関与はなかったという報告をいただいております。以上がこれまでの経緯です。
○永井部会長 
 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見がおありの方はご発言をお願いします。
○相澤委員 
 いまのご説明の資料3-1の別紙の下から4行目で、「臨床研究を中断することを決定した」とありますが、被験者である患者に対する影響はなかったのでしょうか。
○椎葉研究開発振興課長 
 これについては1名だけ輸血をした例がありますが、その他7名の患者については重篤な転機を認めることなく良好であったということです。
○相澤委員 
 この指針に反したことと、現に治療を行われている人がいる場合に、その治療を中断することとは分けて考えるべきではないかと思いました。治療が始まっているので、中断による影響を考えるべきではないかと思ったのです。
○永井部会長
 これは研究であって、効くかどうかわからない治療 ですね。
○相澤委員
 被験者の方に効果は出ていなかったのですか。
○永井部会長 
 全くそれはわからないことをやっていたのです。
○相澤委員 
 わからないという段階なのですね。
○永井部会長 
 その段階です。
○椎葉研究開発振興課長 
 事務局から補足させていただきますが、資料3-1別紙の11頁に資料2-1というのがあります。心不全に関する患者の総括がこちらの頁で、その次の12頁からは肝の再生療法に関する患者のそれぞれの症例、6例が付いていて、それぞれいまのところは良好だという報告を受けています。
○宮田委員 
 まず事実関係の確認ですが、大学が事実を公表して謝罪したということですが、いつですか。
○椎葉研究開発振興課長 
 今年の7月22日、先週の金曜日です。
○宮田委員 
 では、伺いますが、この報告書が出されて7月まで何をしていたのですか、約7カ月です。
○椎葉研究開発振興課長 
 厚労省から連絡後、直ちに調査委員会を設置して調査を行い、その最終報告書を12月10日付けで提出したわけですが、その後、今日に至るまで種々の見直しを行い、学内体制や規制の整備を行ってきたということです。そして、正式にこの案件が、この技術部会に諮問を付議され、7月25日の部会で報告されるということですので、この指針に違反した原因、学内の体制、規定の整備の内容について明らかにしてというタイミングで発表することになった、と大学から聞いております。
○宮田委員 
 それは大きな間違いです。国民に対してはもっと早く発表すべきです。最終報告書が出て、たぶん厚労省の責任だと思いますが、これを国民に半年以上伏せたということになりますよ。いちばん重要なのは、すべて予定調和的にうまくいったのだという状態になってから公表するという態度がよろしくない。これはまさに原子力のときに問われている問題で、どうやって途中のリスク情報みたいなものを国民と共用していくのか。変な話ですが、これは非常に重要な問題を秘めていて、つまり、サイトリ・セラピューティクス社のCelutionという機械を使って吸引した脂肪から、脂肪幹細胞を使った民間の医療機関での再生医療のようなものが実はいっぱいやられているわけです。それに対して、こういうことがあって、実はこれは幹細胞の指針に適合した非常に重要な研究の典型だし、今後の安全性もあまり定まっていない研究であるというシグナルを国民に送る機会を自ら隠したことになります。
 もう1つ伺いたいのは、この事実はどういう経緯で判明したのですか。ひょっとするともっと前に我々は情報を知り得た可能性もあります。
○椎葉研究開発振興課長 
 1つ目のご質問ですが、私どもとしては被験者の安全を最優先に考えてこの研究を中止したことを確認した上で、大学にいろいろな指導を行ってきたところです。いまのご指摘の直ちに公表しなかったという点については、本当に遺憾であると考えております。
 2点目ですが、平成22年4月12日に厚生労働省に対して匿名の情報提供がありました。この情報提供の後に、私どもはこの事実を知って、大学に研究をやめるように指示をして、これについての事実関係、倫理委員会等について報告するようにと命じて、それから報告書が上がってきたのが12月です。これも間があったということで、本当に申し訳ないと思っております。
○宮田委員 
 もう1つ聞いてよろしいですか。幹細胞という表現を入れなかったのは、インテンショナルではありませんか。つまり、研究を申請した研究者の中にそういう意図はなかったのですか。
○椎葉研究開発振興課長 
 それについては大学のほうにはそこまで聞いておりませんので、大学のほうからはタイトルがそうであったということと、そもそもヒト幹指針に対する理解が研究者、倫理委員会ともなかったということで総括されておりますので、私もそうではないかと考えているところです。
○宮田委員 
 私はそうは思いません。申し訳ないですが、この間、ヒト幹指針のときに議論したときに、サイトリはまだ未承認の幹細胞分離装置ということで今回の指針の対象になるという判断をお示しになりましたが、幹細胞の指針の中でこれを取り扱うべきかどうかは、一般にはすぐわかりにくいところがあるので、サイトリ・セラピューティクス社がやっていると思いますが、そういった企業には厚生労働省からきちんとヒト幹指針を認識してもらいたいという情報提供を行うべきだと思います。そうでなければ、こうした事例はどんどん出てきてしまうだろうと思います。
○椎葉研究開発振興課長 
 本日のご議論をいただきまして、私どもも適切な措置をとらせていただきたいと。こういった周知についても、積極的にやらせていただきたいと考えております。
○永井部会長 
 ほかにご意見いかがでしょうか。いずれにしても大学の反応、対応は非常に遅かったですね。問題の本質を十分理解していなかったように思いますし、新聞報道をネットで見ますと、幹細胞が非常にわずかに含まれていたので、今回これが幹細胞研究に該当することに気が付いたということが、ちょっと報道されていました。しかし、再生医療を謳っているわけですから、「幹細胞が」という言葉が入っていようと入っていまいと、明らかにこの指針に該当するという認識をお持ちでなかったことが、公表の遅れになったのではないかと思います。
 いまは金沢大学はよく理解されているのでしょうか。それから、金沢大学は前にも臨床研究で患者の同意を得ずに行ったという事件がありましたね。そのあとそういうことを踏まえて対応をとってきたのか、ということが問題になると思います。
○椎葉研究開発振興課長 
 大学のほうでは昨年8月から5回ほど、これに関する研修をやったということです。理解が深まったと考えております。それから倫理委員会の体制も一新し、申請窓口を一元化し、そしてその研究がヒト幹指針に該当するかしないかをきちんと判断して、その手続きに沿ってやることを確認したところです。
○永井部会長 
 よろしいでしょうか。ただいまの金沢大学の件については報告を了解したということで、次のステップに進めたいと思いますがよろしいでしょうか。これはほかの案件についてもご説明をお願いします。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 事務局より報告いたします。ヒト幹細胞臨床研究実施計画については、資料3-1を用いて説明いたします。1、2頁に1件目の先端医療センターの諮問付議があり、3、4頁に残りの6件の諮問付議があり、10頁に先端医療センターからの概容があって、タイトルは「急性期心原性脳塞栓症患者に対する自己骨髄単核球静脈内投与の臨床研究」です。19頁にポンチ絵もありますので、ご参照ください。
 対象診断は、心原性脳塞栓症です。脳梗塞を発症7〜10日後の患者に対し、自己骨髄細胞を採取し、骨髄単核球分画を経静脈的に投与し、神経機能回復効果と安全性を評価するというものです。これについては、既にヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会を通過し、大臣意見も出ている国立循環器病研究センターとの共同研究を願っているものであります。
 21頁に移ります。金沢大学医薬保健研究域からの申請です。タイトルは「自己脂肪組織由来間質細胞を用いた再生医療に関する臨床研究・虚血性心不全に対して」です。22頁に概要があり、29頁にポンチ絵がありますので、そちらも併せてご覧ください。対象疾患は虚血性心不全で、急性または陳旧性心筋梗塞による低左心機能患者に対して、自己脂肪組職由来間質細胞を経冠動脈的に投与し、その安全性ならびに有効性について検討を行うというものです。既にヨーロッパでは先行した研究があり、安全性が評価されてきているところです。
 30頁は、「肝硬変に対する自己脂肪組織由来間質細胞の経肝動脈投与による肝再生療法の臨床研究」です。こちらも金沢大学医薬保健研究域からの申請です。対象疾患は肝硬変です。概要が31頁、ポンチ絵が39頁です。本研究では肝硬変患者を対象として、自分の脂肪組織より分離された間質細胞を、肝動脈より投与して直接肝臓へ運搬し肝機能を改善させる肝再生療法を行うというものです。肝硬変を対象としては、骨髄由来間葉系幹細胞の経静脈投与による臨床研究が報告されておりますが、脂肪由来間葉系細胞は、本邦で初ということです。
 40頁は、札幌東徳洲会病院からの申請で、「末梢動脈疾患患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療のランダム化比較試験」です。対象疾患は抵抗性の末梢動脈疾患です。41頁に概要があり、52頁にポンチ絵があります。概要は、G-CSF皮下注射から4日目、自己末梢血を採取、血漿分離により単核球を採取、末梢動脈疾患患肢に筋肉内注射し、末梢血管再生効果を見るというものです。これは既に申請が行われている札幌北楡病院等を含む計21施設による、多施設共同研究の一環として行われております。目標症例数は144例ということで、ランダム化比較試験として行っています。
 58頁は、大阪大学医学部附属病院からの申請で、「関節軟骨病変に対する自己滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織移植法」です。59頁に概要があり、71頁にポンチ絵があります。対象疾患は外傷性膝関節軟骨損傷です。概要は、滑膜切除術により取り除いた滑膜組織を細胞調整室にて、まず単層培養し、1〜2週間後ピペッティングによる物理的刺激により立体的な人工組織片を得るというものです。こちらを軟骨損傷部位に移植します。前臨床試験としてはブタで確認しているとのことです。新規性としては、滑膜由来の間葉系細胞を使っているところ、またその立体的な組織片の作成法に新規性があると考えております。
 72頁は、北野病院からの申請で、「骨髄由来単核球細胞を用いた脊髄損傷に対する第?-?相試験」です。73頁に概要があり、ポンチ絵は80頁にあります。対象疾患は受傷3〜12週の急性期から亜急性期の脊髄損傷です。局所麻酔下に、腸骨より骨髄液を100mL採取し、比重遠心法にて単核球を分離します。それを腰椎穿刺の手技にて髄液腔に注入するというものです。脊髄損傷に対する治療としては、2010年に米国でES細胞を用いた臨床試験が開始されております。このグループにおいてはヒト幹審査の以前、2005年より開始している培養自家骨髄間質細胞移植による脊髄再生治療の検討も既に5例行っておられるということです。こちらの治療効果としては、海外でも行われた例があるということですが、少なくとも安全性に問題はなかったという報告があります。
 81頁は、先端医療センターからの申請で、「慢性重症下肢虚血患者に対する自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療」です。概要は82頁、ポンチ絵が91頁にあります。概要は、G-CSFを5日間皮下注射し、その後、血漿分離にて静脈から単核球を取り出し、磁気細胞分離装置を用いてCD34陽性細胞を分離します。この分離した細胞を筋肉内注射にて患部に移植するというものです。こちらもヒト幹指針前からの研究であり、成果は学会に報告されています。今後、高度医療申請も目指して行っていくとのことです。以上です。
○永井部会長 
 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問、ご意見がありましたらご発言をお願いします。既に行われている研究、共同研究として参加するというのが徳洲会のG-CSF動員自家末梢血単核球細胞移植治療は既に動いていて、同じフォーマットで研究が行われるということですね。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 そうです。
○永井部会長 
 先端医療センターの事案は、既に一度行われているということですか。どこで行われた研究だったでしょうか。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 これは札幌東徳洲会とは別の体制で行われており、先端医療センターを中心に行われている研究です。
○永井部会長
 ステージが新しい段階に入ったということで、今回申請になっているということでしょうか。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 今回は、こちらの施設では単核球CD34陽性細胞移植のみならず、単核球細胞移植も行われており、それは既にヒト幹のほうに移行していますが、今回、単核球移植とCD34陽性細胞両方の臨床試験を通して、おそらくはその研究のほうを比較していきたいという考えがあると思われます。
○永井部会長 
 いかがでしょうか。
○宮田委員 
 金沢大学はやり直しの1番で2件分離して出してきていますよね。これは、いま議論した延長線上で、責任者は全く同じ金子教授ということでよろしいのですか。問題の本質は、ここに脂肪由来間質細胞と彼らは書いています。その説明の中で、間葉系細胞としては初めてだと言っているのですが、きちんと、あえて幹細胞が含まれている、あるいは間葉系の幹細胞が含まれている分画を使っているにもかかわらず、間質細胞という曖昧な名前で提案することは、前の倫理委員会の反省を全く示していないと思うのですが、お受け取りになった厚労省はどのように考えていますか。
○谷再生医療推進室長 
 まず名称の件ですが、この点については金子教授を含めて、間質性細胞については、イコール幹細胞であるという認識はもう持たれているということです。
 もう1点は、前回の研究、要するにヒト幹を通さずに行った研究との関連性を含めての判断かと思うのですが、ここは研究者のこだわりが出ているのではないかと思います。こちらとしては、上がってきた名称について、実態に合っているかどうかというサイエンティフィックな判断は事務局としてはなかなか難しいものですから、まず審査委員会なりで、これは実態に合わせていないということであれば、審査委員会の中で名称の変更等を含めての検討をしていただけると、サイエンティフィックな内容を含めての指導ができるので、より指導効果が上がるのではないかと思っております。
○宮田委員 
 指導を前提に受け取ったという、そこまではおっしゃっていないと思いますが。それは必要ありませんが、議事録に残したいのは、それはおかしい。先ほど私はインテンショナルではないかと言ったのですが、もし金沢大学の申し開きを信じるならば、幹細胞という言葉がなかったために見逃してしまったということを前提にするとするならば、この申請に関しては、科学的な見地だけではなくて、人間としての見地から私はおかしいと思います。このまましつこく言われると、インテンショナルだと私は判断せざるを得ないと思います。ということを議事録に載せたいということです。
○永井部会長 
 あとでも報告がありますが、「自己脂肪組織由来細胞を用いた次世代型歯周組織再生療法開発」というのもヒト幹の委員会にかかっていて、こちらも幹細胞という言葉を必ずしも使ってはいなかったのですが、ただ、再生という言葉があれば、それは当然、幹細胞も含まれたプレパレーションを使っているということですね。それは申請者はわかっていたはずだと思います。
○宮田委員 
 だとしたら申請者が自ら倫理委員会に「これは幹細胞が入っています。ですから、審議してください」と言うのが筋です。
 もう1つの問題は、これはオリンパスに注意を喚起してほしいのですが、彼らはサイトリの機器に対して投資しておりますが、彼らのリリースを見る限りでは、脂肪由来細胞群という表現をしていて、幹細胞という表現が入っていないのです。ですから、この機器を使っていろいろな所で美容形成外科などがやられていますが、その辺の観点を十分理解しないまま、この機械が普及してしまうという恐れがあります。そこまでは我々の範疇外だと思いますが、研究においてこのようなことが行われたときに、誰も知らないうちに実は幹細胞の研究をやっていて、倫理指針そのものが事実上、無視されるような研究が拡大することを懸念します。ですから、そういう意味では大学だけではなくて、オリンパスやサイトリにも情報提供をきちんとやるようにという注意を喚起すべきだと思います。
○永井部会長 
 ほかにご意見はありませんか。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 ご指摘ありがとうございます。
○松田委員 
 そういう意味でいえば、病院内の教育あるいはトレーニングを5回やったという、その5回の内容なり議事録なりが、本当にいま話題になったような点に触れて、きちんと徹底されているのかどうかチェックすればよろしいのではないでしょうか。
○谷再生医療推進室長 
 その点については大学のほうに確認をとらせていただきたいと思います。追加ですが、その中の1回は、こちらの今井の前任である田邊が専門官であったときに、きちんと説明に上がって、その上で講演という形をとっておりますが、研修を行っておりますので、そういう意味では中身として宮田委員にご指摘いただいているような、まさに間葉系の細胞ということ、イコール幹細胞であるということについては、ある程度徹底して、向こうには伝えてあるという状態かと思います。
○岩谷委員 
 脊髄再生の研究ですが、脊髄損傷では損傷の程度が非常にわかりませんので、本当に組織を再生して、機能を回復したかどうかは全くわかりません。その後にどのようなリハビリテーションプログラムを組むかによって、その結果は解釈が困難になるということがあります。この研究計画は細胞移植のプロトコールですが、本当に効果があるのかどうかの評価には、その後のリハビリテーション介入とか、生理学的な機能評価、運動学的な評価などを含めて出していかないといけません。
細胞移植することはいいのですが、その後にどのようなモディフィケーションがあって、全体としての回復するかは別の要素が非常に大きいものですから、これだけでは不十分ではないかと思います。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 ご指摘ありがとうございます。今回の臨床試験は、まず安全性を確認するというところから入りますので、今回は対象症例は10症例ですが、特にランダム化試験とか、そういった形態をとっておりません。それは今後の検討課題だと思われます。
 この施設は、ラット、マウス、イヌではそういった臨床研究、基礎研究を行っており、その中では対照と比べて改善を認めていると、論文上では報告されています。今後の報告が待たれるところかと思います。
○永井部会長 
 ほかにいかがでしょうか。詳細なプロトコール等については審査委員会でさらに議論がされると思いますが、多くの再生医療の研究は、いまの段階では安全性試験を中心としていまして、その次の段階でどういうプロトコールを組んでいくかということが議論になるだろうと思います。
 そうしますと、これらの件について、審査委員会に付議するということでよろしいでしょうか。では、宮田委員のご指摘についてはしっかりと議事録に記録しておいていただくことにしたいと思います。
○桐野委員 
 コメントだけいいです。いまおっしゃったとおりだと思いますが、例えば安全性試験をやって、その次にランダム化試験をやることを前提にしているとはとても思えません。例えば、脊髄損傷がランダム化試験ができるような症例がありませんし、本当にある意味では劇的な効果があることを期待しているということであればわかりますが、そうでなければここまでで限界のある試験だと思います。
○永井部会長 
 ご指摘のとおりだと思います。審査委員会では、おそらくそういう点も含めて議論がされると思います。それでは、また検討結果については当部会に報告がありますので、その時点でもう一度ご議論いただきたいと思います。
 では、議事の3にまいります。「ヒト幹細胞臨床研究について」ですが、実施計画についてご審議いただきたいと思います。大阪大学大学院歯学部研究科及び医学部附属病院の件についてご審議いただきます。事務局より説明をお願いします。
○研究開発振興課(今井専門官) 
 資料3-2を用いて説明します。今回、報告しますのは大阪大学歯学部からの1件、大阪大学医学部附属病院からの2件の研究実施計画の報告です。実施計画の概要と審査委員会での審議概要についてご報告します。
 大阪大学大学院歯学研究科から申請のあった「自己脂肪組織由来幹細胞を用いた次世代型歯周組織再生療法開発」に関して、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会の永井委員長からのご報告です。
 次頁に概要があります。対象疾患は「従来の治療法では十分な歯周組織欠損の回復が見込めない辺縁性歯周炎」となっております。7頁から実施計画があり、13頁に要旨、15頁にポンチ絵があります。概要は、脂肪組織の中にある幹細胞を取り出し、1〜2週間の培養後、フィブリン糊と混合し、フラップ手術の際に患者の歯周組織に填め込み移植をするものです。
 審議概要は3頁からありますが、第1回の審議は平成23年2月に行われております。「プロトコールについて」。タイトルの「次世代型」というところは過剰な表現ではないかということであり、「新しい」という表現に直しています。また対象疾患、対象ですが、従来の再生療法による治療で十分に治療することが見込めない疾患を対象とするのですが、今回のもともとの選定基準では、もともとの再生療法により治療することが可能であったため、選定基準をより厳しく変更しております。さらに「同意・説明文書について」は、ボンヒールの使用についてリスクを被験者に十分説明すべきとの指摘がなされています。
 次頁は、初回審議の意見に対し回答を得た後、第2回審議は平成23年5月に行われております。5月には回答を確認した後、さらに「同意・説明文書について」、さらに丁寧な説明を求めております。以上の審議により、持ち回りにて審議を行った結果、当該ヒト幹細胞臨床研究実施計画を了承しております。
 29頁です。大阪大学医学部附属病院から申請のあった「表皮水疱症患者を対象とした骨髄間葉系幹細胞移植臨床研究」です。30頁に概要があり、42頁に臨床像が示されていますが、こういった重篤な遺伝性皮膚難病である表皮水疱症の患者に対して、家族ドナー由来骨髄間葉系幹細胞局所移植術を施行するものです。20mLの骨髄血を採取し、細胞培養センターで骨髄間葉系幹細胞を培養し、皮膚潰瘍の周囲皮下に移植していくものです。表皮水疱症はこれまで対症療法のみが行われておりましたが、チリの共同研究グループは2症例に対し、骨髄間葉系幹細胞移植術を行い、難治性潰瘍部の上皮化の促進・治癒が認められたとのことです。研究実施計画書は35頁に、ポンチ絵は45頁にあります。
 31頁からの審議概要ですが、第1回の審議は平成23年2月に行われており、「プロトコールについて」は、骨髄間葉系幹細胞は免疫原性が低いと言われていますが、「免疫抑制剤を使用しなくても生着することが明らかになり」との記述があったのですけれども、その認識は必ずしも正しいとは考えられないのではないかとの指摘があり、ヒトでの長期生着性について、十分なデータが得られているとは考えられないため、長期生着する可能性があると修正しています。
 「同意・説明文書について」は、細胞培養に用いる抗生物質の残存量について説明を求め、残存する薬剤はごくわずかではあるが、考えられる危険性にアナフィラキシーショックを追記していただいています。
 初回審議の意見に対して回答を得た後、第2回審議が平成23年5月に行われております。その中では、回答を審議した後、同意・説明文書のチリの研究グループについて、対象患者は2名のみであったと明示するように求めており、過大な期待を与えないようにとのことです。持ち回りにて審議を行った結果、この研究実施計画を了承としております。
 66頁です。大阪大学医学部附属病院から申請のあった「消化器外科手術に伴う難治性皮膚瘻に対する自己脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた組織再生医療の臨床応用」についてです。概要が67頁にあります。脂肪組織から間葉系前駆細胞を分離する装置のCelutionを用いて、幹細胞を含んだ濃縮細胞液を抽出する。取り出した濃縮細胞液とフィブリン糊を混和し治療部位に注入するというものです。対象疾患は、消化器外科手術に伴う難治性皮膚瘻です。消化器外科手術に伴う難治性皮膚瘻に対しては、ドレナージや洗浄、掻爬、抗生剤投与や人工肛門造設、人工組織による充填、対象臓器の切除などが行われるも、まだ確立した治療法はなく、そこで本研究となります。73頁から研究実施計画書があり、83頁にポンチ絵があります。
 審議概要は68頁からあり、第1回の審議は平成23年2月に行われております。審査委員会からの主な意見として、動物での本病態モデルが存在しないため、非臨床試験が十分に行われていないのでは、すぐは通せないとのことで、マウスやブタで疑似モデルを作成し、有効性・安全性を確認していただいています。また「本研究で用いる細胞の効果が期待できるか」という指摘に対しては、クローン病に対して用いられた細胞が、今回の細胞にも十分含まれている、他の研究で用いられた細胞が十分含まれていると考えるとの回答を行う。
 「プロトコールについて」は、対象疾患を限定しています。また脂肪採取も重要な操作になると思いますが、その手技を確認しております。「品質・安全性について」は、非自己由来材料について明示することにしています。「同意・説明文書について」、脂肪採取について、その手技・リスクを用いて詳細な説明を求めております。
 こういった初回審議の意見に対し回答を得た後、第2回審議が平成23年5月に行われております。以上、持ち回りにて審議を行った結果、当該、肝細胞臨床研究実施計画を了承としております。
 以上、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会で、指針への適合性が確認された3つの申請について報告いたしました。
○永井部会長 
 ありがとうございました。ただいまのご説明にご質問はありますか。
○宮田委員 
 質問ではありませんが、訂正を1つさせてください。Celutionという機器は、サイトリ・セラピューティクス社が製造しており、いまはサイトリ・セラピューティクス・アジアパシフェックというのが文京区に支社を構えておりまして、そこがこういう機器の情報提供とかメンテナンスをやっていますので、そこに情報提供をしていただきたいのです。オリンパスに濡れ衣を被せてしまったことになりますので、訂正をさせていただきます。
○永井部会長 
 よろしくお願いします。ほかにいかがでしょうか。いずれも2回にわたって、かなり綿密な議論が行われたケースで、基本的には問題ないだろうということでした。
○川越委員 
 本当にクリミティブな質問で恐縮ですが、67頁の「治療研究の概要」の中で、この装置を使って間葉系前駆細胞を分離するということになっていますが、これは先ほどから議論になっているステムセル、幹細胞イコールでよろしいのでしょうか。この中にステムセルが含まれているという理解なのでしょうか。こういう言葉を分けて書いているのは違うからだと思うのですが、その辺の理解が足りないので、教えていただければと思います。
○永井部会長 
 私からお話します。脂肪組織の間葉というのは間質です。ここにはいろいろな細胞が入っています。免疫細胞もあれば血管の細胞もあれば、いままで記述されていない細胞も実はこういう所に存在します。私どもはちょうどこの辺りの基礎研究をしているものですから、多少詳しいのですが、確かにいろいろ多分化能を持った細胞も含まれていますし、いままで記述されていないような多面的な顔を持った細胞もあって、そういうものを使って、どれが効くかはわからないが、とにかくやってみようという挑戦ではないかと思います。ですから、いろいろな細胞が入っているとご理解いただきたいと思います。
○川越委員 
 これはイコールではないのですね。前駆細胞イコール、ステムセルではないのですね。
○永井部会長 
 前駆細胞といいますか、前駆細胞になっていく細胞も入っていますし、既にある程度分化をして前駆細胞になったものも入っていますし、いろいろな細胞が入っているということです。それだけに気を付けて行わなければいけない研究だということです。
 アジアのある国で骨髄由来の間葉系細胞を使っていたら、奇形種だったでしょうか、何かができたということも報告されております。そういうことで、これについては研究を進めてよろしいとご理解いただきたいと思います。いまの件は科学技術部会として了承するということで、厚生科学審議会へ報告することにいたします。
 議事の4にまいります。「遺伝子治療臨床研究」についてです。三重大学など3機関からの申請について、7月に厚生労働大臣より諮問され、当部会で7月付けで付議されております。この間の状況について、事務局からご説明をお願いします。
○尾崎研究企画官 
 資料は4-1から4-3です。平成21年4月に、既に研究の実施について差し支えない旨、厚生労働大臣の意見を述べている三重大学の遺伝子治療臨床研究について、大阪大学医学部附属病院と北野病院との多施設共同研究として行うことに係る申請等に係るものです。今後、遺伝子治療臨床研究に係る指針に基づく作業委員会等、いわゆるカルタヘナに基づく生物多様性影響の評価に関する作業委員会の2つで検討していくというところで、当該部会での意見をいただき、それをそこでの検討にも反映させていくということで考えています。
 まず遺伝子治療の臨床研究に関する指針関係で、資料4-1の4頁の研究目的の欄の対象疾患の欄を見ていただき、当該研究の概要について念のため説明します。当研究の対象患者は食道癌のMAGE-A4という癌抗原が発現し、白血球の型がHLA-A2402である人というところです。MAGE-A4はアミノ酸9個のペプチドです。患者のリンパ球を採取し、そこへMAGE-A4という癌抗原を認識するT細胞受容体の遺伝子をレトロウイルスベクターで導入します。この導入は、三重大学医学部附属病院で行います。今回は、大阪大学と北野病院は患者のリンパ球をここに持ち込んで、三重大学で導入をしていただくという申請になります。
 導入されたリンパ球は、理論上はTCRを発現し、関係癌細胞のみを認識できるようになるというものです。この導入されたリンパ球を患者の体内に点滴で戻して、投与後、14日目、28日目の2日間、計2回、MAGE-A4を投与し、先のリンパ球の活性化あるいは増殖をさせることになります。そして導入されたリンパ球等が癌細胞のみを認識し、攻撃、破壊します。
 5頁目に欄がありますが、研究の目標症例数は3用量というか、1群3例の9例。ただし、投与例増加基準に沿って1群6例まで増加できるということで、最大18例の中で行いますので、今回、多施設の共同研究に移ることによっても、この最大の18例は変わらないということです。
 参考資料3の3頁を見ますと「『遺伝子治療臨床研究に関する指針』に基づく審査の流れ」という図があります。今回の申請について、これまで遺伝子治療臨床研究の作業委員会に携わっていた複数の有識者に事務局から意見を求めたところ、このような方法での多施設共同研究は初めてであること、病院間の搬送に係る細胞の品質の確保についてのデータが現在あまり付いていないこと、これで十分なのかどうか、受入れ試験を求めるかどうかということなど、検討する必要があるという意見をいただきましたので、3頁のスキームの中の真ん中辺りにある新規性の判断の?「その他個別の審査を必要とするような問題を含むか」ということで、作業委員会での科学的事項の論点整理を検討することとしたものです。指針に基づく作業委員会のメンバーについては、今後、部会長とメンバーをどうするか相談し、進めることにしたいと思っております。
 さらに引き続き、カルタヘナの関係について説明します。遺伝子治療臨床研究を行う場合はウイルスベクターを使って、遺伝子導入が伴うことと、導入されて研究される患者が外に出ていくこともあって、通常遺伝子組換え生物等の規制に関する生物の多様性の確保に関する法律、いわゆるカルタヘナ法に関する手続きが必要となります。各3機関は、資料4-1から資料4-3のそれぞれ40頁とか、それ以降にありますが、「第一種使用規程承認申請書」を提出しています。
 この関係の手続きについては、参考資料3の15〜16頁で、特に16頁の表を見ますと、第一種使用規定の承認に当たっては主務大臣は学識経験者の意見を聞かなければならないとされており、この検討の場として科学技術部会の下に「生物多様性影響評価に関する作業委員会」を常設しており、そこで今回についても生物多様性影響の観点からの評価を行います。
 多施設共同で行うというところで、三重大学とほかの2機関との間で、物が動くというところが新しい観点ということと、カルタヘナ法については、各機関について、どのような対応をするかという使用規定を確認するということ、三重大学については、受入れをするという項目が増えるということになります。ほかの2機関については新たに告示として、それがいいかどうかを確認することが必要になりますので、その検討を行うものです。なお、この委員会の委員長については、自治医科大の小澤先生以下、その他7人の先生で検討を行うことになります。以上です。
○永井部会長 
 ただいまの説明について、ご意見ご質問はありますか。よろしいでしょうか。もしご意見がありませんでしたら、論点整理はまだ必要かもしれませんが、このまま進めさせていただくということと、委員のメンバーについてはご一任いただいて、最終的に決定したいと思います。そのように進めさせていただきます。
 では、最後に報告事項です。「社会保障・税一体改革成案(医療イノベーションの推進)」について、事務局よりご説明をお願いします。
○眞鍋主任科学技術調整官
 それでは、資料5-1、資料5-2を用いてご説明します。資料5-2の「社会保障・税一体改革成案」ということで、6月30日に政府・与党社会保障改革検討本部決定でまとめられたものです。こちらの中に「医療イノベーション」という言葉が含まれるということを、本日ご報告するものです。検討の経緯自体は平成22年10月に、政府・与党社会保障改革検討本部を設置し、その後、検討されてきたものです。
 2頁に「社会保障改革の全体像」があります。1に、社会保障改革の基本的考え方とあり、「中規模・高機能な社会保障」ということで、基本的考え方が書かれております。3頁に「基本的な考え方に立つ」ということで、上から6行目に「改革の基本的考え方にたち、必要な社会保障の機能強化を確実に実施し」ということで、制度全般に係る改革を行う。そこの4に、社会保障・財政・財政の相互関係に留意し、社会保障改革と財政健全化の同時達成。その次に、社会保障改革と経済成長との好循環化を実現させるという役割があります。
 次に「改革の優先の順位と個別分野における具体的改革の方向」ということで、(1)においては、まず4頁を見ますと、1〜4とあり、1は子ども・子育て支援、2医療・介護等のサービス改革。まずこれをやると書いてあります。(2)で個別分野が挙げられており、1に、総理から示された「安心」「支え合い」「成長」の3本柱が書かれております。4頁の下の最後のパラグラフは、個別分野ごとの項目とか、重点化・効率化の項目の内容などについては、別紙2の後ろのほうに細かいものを書いております。
 このあと、個別分野における主な項目として、1「子ども・子育て」。2「医療・介護等」となっています。6頁の5「1〜4以外の充実、重点化・効率化」のところに、サービス基盤の整備、医療イノベーションの推進という言葉がここで初めて出てきております。
 医療イノベーションの推進については、資料5-2の後ろから3枚目、6頁を見ますと、「1〜4以外の充実、重点化・効率化項目」の2つ目の○として、医療イノベーションの推進というのがあります。ここで初めて具体的な個別項目が出ております。国際水準の臨床研究中核病院等の創設。日本発のシーズを実用化につなげるための実務的な相談支援、これはPMDAの体制強化。あとは保険償還価格の設定における医療経済的な観点を踏まえたイノベーションの評価等というものがあって、その右側にそれぞれどのようなことをやるかということを具体的に書いています。医療イノベーションだけを抜粋して、詳しくしたものが資料5-1です。これは取りまとめられたものということでご報告しました。以上です。
○永井部会長 
 ありがとうございます。ただいまの説明について、ご質問、ご意見はありますか。それでは、報告をお聞きしたということにしたいと思います。以上、議事は終了です。事務局から連絡事項等をお願いします。
○尾崎研究企画官 
 次回の日程については、8月26日金曜日の10〜12時に開催する予定となっております。委員の皆様には、改めて開催場所等についてご連絡いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○永井部会長 
 長時間にわたりまして、大変ありがとうございました。これで閉会といたします。


(了)
<【問い合わせ先】>

 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当:情報企画係(内線3808)
 電話:(代表)03-5253-1111
     (直通)03-3595-2171

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