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2011年7月21日 第44回社会保障審議会医療保険部会議事録

○日時

平成23年7月21日(木)13:00〜15:07


○場所

東海大学校友会館「阿蘇の間」


○議題

1.部会長の選任及び部会長代理の指名について
2.東日本大震災への対応について
3.治療用装具の療養費に関する受領委任の取扱いについて
4.社会保障・税一体改革成案について
5.診療報酬改定に向けた検討について
6.その他

○議事

○武田総務課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第44回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。
 初めに、委員の皆様の御異動について、事務局から御報告をさせていただきます。
糠谷部会長、神田委員、見坊委員、渡辺委員の各委員が御退任をされ、学習院大学経済学部教授の遠藤久夫委員、全国老人クラブ連合会評議員の川尻禮郎委員、全国知事会社会文教常任委員会委員長、栃木県知事の福田富一委員、日本歯科医師会常務理事の堀憲郎委員、日本商工会議所社会保障専門委員会委員の山下一平委員の各委員が新たに委員に御就任をされております。
また、本日の委員の出欠状況についてでございますが、本日は福田委員及び和田委員より御欠席の連絡をいただいております。
 続きまして、欠席委員の代わりに出席される方についてお諮りをいたします。
 福田委員の代理として近藤参考人の御出席につき、御承認いただければと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○武田総務課長 ありがとうございます。
また、新しい部会長として、社会保障審議会令第6条第3項の規定に基づき、社会保障審議会委員本委員の互選により遠藤部会長が選任をされております。また、部会長代理は社会保障審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会長が指名することとされており、岩村委員が部会長代理に指名されているところでございます。
それでは、まず遠藤部会長より一言ごあいさつをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○遠藤部会長 遠藤でございます。
 新任早々に部会長に選任されることになりまして、甚だ恐縮しております。中医協の委員を6年やりまして、この3月に退任したわけでございますけれども、したがいまして若干中医協のくせがまだ残ってしまうかもしれませんが、本部会の重要性は十分承知しておりますので、皆様方の御協力を得ながら、是非実りある審議ができるよう努力したいと思います。よろしくお願いいたします。
○武田総務課長 ありがとうございました。
 それでは、次に岩村部会長代理より一言ごあいさつをお願いいたします。
○岩村委員 部会長代理ということで御指名いただきました岩村でございます。
 どうぞよろしくお願いをいたします。
○武田総務課長 ありがとうございました。
 それでは、新たに着任された委員の方々から御挨拶をいただきたいと思います。
 まず、川尻委員より一言ごあいさつをお願いしたいと思います。
○川尻委員 全国老人クラブ連合会より、評議員として見坊委員に替わりまして参画させていただきます。どうぞよろしく御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○武田総務課長 ありがとうございました。
 それでは、次に堀委員より一言ごあいさつをお願いしたいと思います。
○堀委員 日本歯科医師会の常務理事を務めております堀と申します。
 新潟県長岡市で歯科の診療所を開設いたしております。どうかよろしくお願いいたします。
○武田総務課長 ありがとうございました。
 次に、山下委員より一言ごあいさつをお願いしたいと思います。
○山下委員 本日から部会委員の仲間に加えていただきました日本商工会議所社会保障専門委員会の委員をしております山下と申します。
 協会けんぽの運営委員もさせていただいております。ヤマシタコーポレーションという福祉用具のレンタルのサービスをしている事業者でございます。いろいろ勉強が足りないこともあるかと思いますけれども、商工会議所として初めてのポストということで頑張らせていただきます。よろしくお願いいたします。
○武田総務課長 ありがとうございました。
 それでは、以下の議事運営は遠藤部会長にお願いをいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 なお、カメラ撮りはここまでということです。
(報道関係者退室)
○遠藤部会長 ありがとうございました。
皆様、よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に移らせていただきます。
 初めに「東日本大震災への対応について」を議題といたしたいと思います。
 事務局より資料が出ておりますので、御報告をお願いしたいと思います。
○武田総務課長 それでは、事務局から御説明をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料の資料1を開けていただきたいと思います。
今回、3月11日に発生いたしました東日本大震災に医療保険制度として対応するために、震災当日を皮切りといたしまして、各種の特例措置を実施をしてきたところでございます。本日は資料にはその概要についてコンパクトにまとめた形で提供させていただいておりますし、その後、震災が診療報酬請求にどのような影響が出ているかについても御報告を申し上げたいと思っております。
 まず、1ページでございますが、大きく分けてここに書いてある5点の内容の特例措置を図ってきたところでございます。
 1番は、保険証紛失というケースに対応いたしまして、被保険者証を紛失した場合であっても、医療機関の窓口で氏名、生年月日などを申し出ることで保険診療を受けることができる措置といたしました。なお、本年6月末日までの取扱いといたしまして、7月1日からは被保険者証が必要だという措置を取ってございます。
それから、住宅が全半壊した方など、非常に生活にお困りの方につきましては、被災地以外の市町村に転入した場合を含めて、医療機関に一部負担金の自己負担を支払わずに受診することができる措置を講じております。6月末日までは口頭で申し立てるだけで免除というような形をとっておりましたが、7月1日からは一部地域を除きまして各保険者が発行する一部負担金等の免除証明書が必要という措置にしてございます。これが1番の項目でございます。
 2番は、保険料につきましては保険者判断で保険料の減免、徴収猶予、納付期限の延長を実施できるような措置を講じております。例えば健康保険で申し上げますと、1つ目の※印にありますように、従業員に対する報酬の支払に著しい支障が生じている事業所につきましては、保険料の減免ができる形としております。
3番は、こういった一部負担金免除でございますとか保険料の免除を行いますと、当然各保険者に財政影響が生じますので、そういった保険者への財政措置を第1次補正予算で実施をしているところでございます。また、一部保険者におかれましては、診療報酬の毎月の支払が事務処理上できない保険者が発生いたしましたので、審査支払機関が立替え払いをすることとし、そのための費用につきましては、これも財政措置を講じているところでございます。
4番は、医療機関への配慮でございます。医療機関につきましては免除した一部負担金を含めて診療報酬全額を請求できることとしておりますし、一部の医療機関は診療録を滅失したことなどによりまして、一人ひとりの患者さんの診療行為に応じた請求ができなくなっておりますので、概算による請求ができることとしております。これは3〜5月診療分までの特例措置という形で実施をいたしました。また、被災者の方を一時的に多く受け入れた医療機関につきましては、診療報酬上の各種基準を満たさなくなっている場合がございますけれども、基準を満たさない場合、または基準を超える場合につきましても減額措置を行わないこととしてございます。
5番は、療養費でございます。あんまマッサージ、はり・きゅうの医師の同意書につきましては添付省略の措置を講じてございます。それから、後ほど出てくる議題と関連いたしますが、治療用装具に係る療養費につきましては装具業者による代理受領により受給することができることとし、患者が一部負担金を含めて全額を立替え払いしなくてもいいような措置を講じているところでございます。
3ページ目が財政支援措置の内容ということで、1次補正で864億円の措置を講じているところでございます。
続きまして、震災後のレセプト受付状況であります。
4ページを見ていただきますと、支払基金分で震災の3か月分のレセプト受付のデータがまとまっております。国保連合会分で2か月分のデータがまとまっております。支払基金分の方を見ていただきますと、宮城県が一番レセプト受付件数の落ち込みが大きくなっておりまして、3月診療分25.7%減、4月診療分10.2%減、5月診療分6.1%減となっております。国保連合会につきましても大体似たような傾向が示されていると考えております。
これにつきましては、5ページから月ごとの主な県別の、また医科、歯科、調剤別の数字を御参考までに掲げております。
5ページが3月診療分でございまして、これによりますと6つの都道府県で対前年マイナスとなっております。
6ページが5月処理分、4月診療分でありまして、対前年マイナスになっているのが3都道府県まで減少していること、また一部ほかの都道府県で請求件数が伸びているところがあるといった状況がうかがえるところでございまして、これも今回の震災が地域的に非常に広範囲にわたっているということをある程度示しているものではないかと思っております。
8ページからが国保連合会分の同様の資料であります。
10ページに「医療機関等を受診された被災者の方々へ」ということで、私どもが関係団体、各都道府県にお送りをいたしまして、例えば医療機関の窓口などに張っていただくための広報資料としてお配りしたものでございますけれども、こういう形で患者の皆様には御案内しているということでございます。
なお、この10ページの下の方に市町村別の日付が入ってございますが、先ほど申し上げましたように、当初は一律で保険証、免除証明書が不要だという扱いをしておりましたけれども、7月以降は実施市町村の事務の対応の状況をヒアリングいたしまして、個別に提示が必要となる日の期限を設定しているということを申し添えたいと思います。
私からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 現実に行われた震災対応をまとめて説明いただいたわけでありますけれども、医療団体の御関係の方とか、あるいは保険者の御関係の方はもう既に御案内かと思いますが、とりあえずすべてまとめた形で、今、お話しいただきました。
ただいまの報告について御質問、御意見はございますでしょうか。
 岡崎委員、どうぞ。
○岡崎委員 高知市長でございます。
 全国市長会から出ておりますので、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
今回行政機関がかなりやられたということで、やはりデータの紛失といいますか、データの滅失といいますか、医療関係、そして住民票を含めて復旧に非常に時間がかかったということもございます。国保中央会の方にはレセプトのデータ等がございました。自分自身も国保中央会の会長ということでお預かりしておりますので、国保中央会にありましたデータについては、それを活用して現地に送り込んでカバーしたということがございます。
今回特に行政関係が持っているデータのバックアップの重要性が強く認識されたと思います。そこはまだなかなか手が打てていない部分もございます。今後、西日本、各地でこういう災害が起こる可能性がありますので、今回の特に医療をめぐるいろいろなデータのバックアップ、これは行政、各種機関につきましてもここをかちっと考え方、バックアップの仕組みをもう一回再確認しておいた方がいいのではないかと思うところでございます。これは意見として申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。貴重な御意見であり、アドバイスであったと思います。
 ほかに何かございますか。
 樋口委員、どうぞ。
○樋口委員 これはお願いでございますけれども、今度の震災、津波で死者の過半数が65歳以上であるということはもう皆様御承知のことと存じます。年をとって災害に遭えば死亡率が高くなるのはある程度当然のことと私は思いますし、医療保険制度における対応について被保険者証なしでの受診や保険料の免除、一部負担金の免除など、いち早くとっていただいたことは適切な措置であったと感謝しております。
 しかし、つい最近も被災地のお医者さんから聞きましたら、被災高齢者の中にお金がかかると思って、つい診療を遠慮しているうちに状態が悪化してしまったという人も二、三見られるということでございます。このような通達と申しましょうか、対応は、内容的には誠に結構だと思うんですけれども、できるだけ被災地とか避難場所とか、あるいは個別の家にこもっているお年寄りにもこのような情報が是非迅速に届くような情報の伝達の方法などについて、また一工夫していただきたいというお願いでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。 
これも非常に貴重な御意見だと思いますが、ただいまの樋口委員の御発言に対して、何か事務局でコメントはございますか。
 武田課長、どうぞ。
○武田総務課長 貴重な御意見をありがとうございました。
私どもも震災直後、さまざま情報ルートが途絶えていることも情報としてこちらにも上がってきておりまして、通常のルートでの通知のほかに、関係団体にも非常に御協力をいただきまして、その関係では日本医師会を初めとした関係団体には誠に感謝申し上げたいと思います。
やはり電気系統、ネット系統がかなりダメージを受けたということで、例えば私どもで講じた措置といたしましては、避難所に張り出す壁新聞のようなものを厚生労働省全体でつくりまして、張り出すなり避難所に置いたというようなことを対応いたしましたが、なかなか隅に届くようなところまでいったかどうかというのは反省、検証の余地があるかもしれません。いただいた御意見を踏まえて、今後に生かしていきたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 今回被災が発生してから大変なことだったと思います。特に私は日本医師会の方ともお話をしたんですけれども、薬剤を至急集めて、トモダチ作戦で米軍の力も借りて、陸上自衛隊の力も借りて経由して、被災地の病院の方に届けたという経緯も詳しく聞いたことがございます。今後の地震の予測等を拝見しますと、中南海沖地震もあり得るということもありますので、万一の場合には医薬品や透析患者への対応や入院ベッドにいらっしゃる方々への対応をどうするかということが本当に短兵急な重要課題として出てまいります。是非今回を教訓に、さまざまなシミュレーションとして生かしていただければとひとつ思っています。
 また、今、税と社会保障改革の議論の中で共通番号制度の話題が出てきているんですけれども、恐らく将来的には一人ひとりが個別のニーズで対応ができる、今の申請型ではなくて、プッシュ型の行政に変わっていくような時代になっていくと思います。そのためにもさまざまなものが一人ひとりに提供できるような体制を想定しながら、さまざまな役所が連携していくことが大切だと思っています。
まして現在、若い人たちはデジタルネイティブの人たちで、iPhone等も積極的に使っている人たちでありますし、年配の方々もお孫さんとのメール等をやったりされております。そうするとそういう携帯端末を使って必要な情報を伝えていくことも、勿論電気とアンテナがあるという前提はありますけれども、今後の改革の中で想定していただければ、壁新聞のみならず、個別にちゃんと届くことができる、あるいは家族がどこにいるかを察知することができるというようなことも考えられますので、広範な改革を志向しながら今後の改革を是非検討していただきたいと思っています。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 山下委員、どうぞ。
○山下委員 先ほど樋口委員からもお話がありましたが、武田課長のお話にもありましたように、情報についていろいろ工夫されているというのはよくわかりますが、時間によって刻々と伝えるべき情報が変わっていきます。次の情報をきちんと流さないと、時間差で後手後手に回ったときには最悪のパターンになります。すでにやられていると思いますけれども、情報を流すことに対しては、次の情報がより綿密に流れるような形で工夫をしていただきたく、その辺を重々注意してやっていただければと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員 私も樋口委員の発言と関連するんですが、私の地元が長岡で、中越地震のときの避難所対応を随分やりました。新潟のときは二度そこで冬を迎えました。これから避難所であるとか仮設住宅でもっていろいろな生活が始まっていくわけですが、その中で今、歯科の方の問題としましては、避難所とか仮設住宅に赴いて、いわゆる訪問診療というものがありますが、歯科の特性として常時寝たきりという1つの縛りがありまして、実際に歩けるけれども避難所や仮設住宅から外に出にくい、交通の足がないという方々がいて、そこを訪問して歯科診療や口腔ケア等を行うときの障害があるというのを現場から聞いております。なかなか難しいところではあると思うんですが、柔軟な個別対応ができないか、今後検討していただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 今、今回のことを教訓にさまざまな災害時に対する体制整備を今以上にしてほしいという、具体的なことも含めて御提案がありましたけれども、ほかに何かございますか。
 それでは、事務局としては今のようなアドバイス、御意見を重々御理解いただいて、今後の対策に使っていただきたいと思います。
 引き続きまして「治療用装具の療養費に関する受領委任の取扱いについて」を議題としたいと思います。
 資料が出ておりますので、事務局から説明をお願いします。
○屋敷保険医療企画調査室長 保険医療企画調査室長でございます。
 資料2に基づきまして、治療用装具の療養費に関する受領委任の取扱いについて、本日は検討という形で御提案をさせていただきたいと思います。
 先ほど東日本大震災に伴います医療保険の対応の中にも一部御紹介がございましたが、治療用装具につきまして今回療養費の分野としては初めてでございますが、現物給付の取扱いを特例として行ったという経緯がございます。それに関連しまして、今回災害対応ということではなく、一般的な施策として治療用装具につきまして現在は療養費の支給で償還払いの仕組みでございますが、治療用装具の性質にかんがみまして現物給付の検討ができないかという御提案でございます。
 1ページ目をごらんいただきたいと思います。現在、治療用装具につきましては、保険医が治療上必要と認めて、装具製作業者につくらせて装着した場合に、その費用について療養費の支給を行うという仕組みでございます。
 最後の13ページをごらんいただきたいと思います。療養費の分野で治療用装具のほか、柔道整復、はり・きゅう、あるいはマッサージといった分野がございます。これらの中で治療用装具といいますのは1つの特徴があり、何かと申しますと、具体的に装具というような形でものに残っていくこと、また装具を製作するに当たりましては義肢装具士が医師の指示の下、診療の補助行為として採型・採寸または装着確認、装着の調整を行っているという点がございまして、その点が他の療養費とは違った性質があるのではないかなというものでございます。現在、支給対象としては練習用義肢、装具、義眼、小児弱視用眼鏡等、弾性着衣等を行っているということでございます。価格につきましては、障害者自立支援法の体系でございます費用の額告示がございます。また、一部完成用部品につきましては通知で行われておりますが、その価格を基準に算定をしているというものでございます。
 2ページ目は償還払いのときの流れでございますが、被保険者、患者の方が受診をし、それに伴いまして医師が必要な装具の処方を行う。その次に、装具業者につきまして製作依頼をし、納品がされる。装着確認、証明書の発行を行い、その後、被保険者から代金の支払を行い、保険者の方に償還払いの請求を行うという流れで現在行われているところでございます。
 3、4ページ目は治療用装具の推計値を含む支給額でございます。平成16〜20年度、平成20年度は一部11月分の集計がございますが、260〜290億程度での推移を示しているということでございますし、過去10年間さかのぼってデータをとれます政府管掌健康保険あるいは高齢者・医療老人保健についてのデータを見てみますと、約150〜160億程度の推移を示しているということでございます。
 5及び6ページ目をごらんいただきたいと思います。療養費の支給対象は先ほど4種類あると申し上げました。治療用装具の場合、医師の同意の関係でごらんいただきたいと思いますが、柔道整復の場合は骨折、脱臼は医師の同意が必要、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の場合は初療は医師の同意書が必要であるということでございます。一方で、治療用装具につきましては医師の意見及び装具装着証明書、ちゃんと製作をし、それが患者さんに合ったものとしてでき上がったかどうかという装着証明書がある、あるいは小児弱視用眼鏡、弾性着衣は装着等の指示書でとどまっているということでございます。
6ページ目でございます。これらの現状の中で今回の受領委任の検討経緯を御説明いたします。東日本大震災による被災者の治療用装具の療養費の取扱いでございますが、治療用装具につきましては一部金額がかなり高額になるものがあるということでございますし、その費用を準備することが困難な被災者の方もいらっしゃるということが考えられたことから、一部負担金の支払の免除を受けておられます被保険者等の負担軽減を図る観点から、受領委任により療養費を受給することができることとしたというものでございます。
検討に当たりましては他の療養費との比較の観点から、医師から必ず文書による指示があること、義肢、コルセット、関節用装具については医師による装着証明書が発行されていること、また代理受領という仕組みにつきましては既に障害者自立支援法に基づいて実績があるといった点、あと労働者災害補償保険法では症状固定後の義肢等の補装具の受領委任が行われている点といったことがあり、治療用装具につきましては災害の特例としまして現物給付化の措置を講じさせていただいているということでございます。
これらの検討をする中で、被保険者等の経済的負担の軽減を図る、あるいは治療中での装具の製作であるというある意味急ぐ点であるということを考え、円滑な治療を行う観点から受領委任の取扱いを行うことを検討させていただいたものでございます。
7ページ目が検討のポイントでございます。やはり療養費であるということでございますので、償還払いが原則である中で現物給付化を行うことを考えましたときに、不適正な受給につながることのないような配慮が必要であろうということでございます。
その点、例えば2つ目の支給対象品目については、医師による装着確認を要するものを対象品目とするといったこと。
あと受領委任の取扱いを行うことができる装具製作業者につきましては、自立支援法に基づく補装具費の支給についての登録・契約等の実績がある補装具業者とすることが考えられるのではないかといった点。
また、現物給付化の方法としましてはさまざま考えられるわけでございますが、例1としては東日本大震災によります取扱いと同様の方法、こちらの方は装具業者から保険者の方へ請求を行い、療養費が支払われるといった方法でございます。
9ページ目、10ページ目は出産育児一時金の場合の例でございます。直接支払制度、これは支払機関がその間に介在する方法でございますし、また10ページ目は介在しない受取代理制度でございますが、これらの出産育児一時金と同様の方法をとること。
また、例3は障害者自立支援法に基づく支給に関する制度でございます。これは装具の製作に入る前に事前に利用者が市町村に補装具費支給の申請を行いまして、市町村が補装具費の支給券を発行する。その支給券に基づきまして、直接に利用者が装具製作業者に対し補装具の購入に要した費用を支払う場合もありますし、また受領委任の取扱いを行われている場合につきましては、利用者負担額のみをお支払いし、補装具製作業者の方から支給券と併せて市町村の方に請求をするといった、市町村の方で事前に支給をするかどうかという確認を行った上で行うという3通りの方法が考えられるのではないかということでございます。
このほかにも7ページ目でございますが、対象者の利便性に配慮しつつも、不適切な受給につながることのないような配慮が考えられる場合につきましては、併せて検討をしてまいりたいと考えております。
説明の方は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ただいま御説明がありましたように、治療用装具に関しまして療養費を受領委任するという形で事実上の現物給付化するということがいいかどうか、更にはどういうスキームでやるかということを御審議いただきたいということですけれども、御質問、御意見はございますでしょうか。
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 お尋ねなんですけれども、1ページ目に支給対象、これは後半のページにも書いてあるんですが、この中に小児弱視用眼鏡等と出ています。例えば今、最先端かどうかわかりませんけれども、報道等で見ますと特殊なコンタクトを使って視力を回復するという治療、オサートとか何とかいうんですか、そういった治療もあるようですけれども、そういったものも想定されているんでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、どうぞ。
○屋敷保険医療企画調査室長 これは眼鏡等の「等」の中には治療上必要なという意味でのコンタクトも入っているという形でございます。
○横尾委員 その場合なんですけれども、「小児」と書いてあるのは年齢を限定するという意味ですか。もう少し少年ぐらいまで延ばすのか、その辺はどうお考えなんでしょうか。
○屋敷保険医療企画調査室長 こちらの小児弱視用眼鏡につきましては治療装具の歴史の中では最近入ってきたものでございまして、まだ小児について限定されているという状況でございます。
○横尾委員 今後拡大も考えるかもしれないということですね。
○屋敷保険医療企画調査室長 可能性はあるかなと思いますが、現在は小児でございます。
○遠藤部会長 ほかにございますでしょうか。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員 受領委任の御提案そのものは利用する方々が一時的なまとまったお金が必要ではなくなるということで、そういう意味では利用者にとってはメリットがある制度であるということは理解をいたしますけれども、一方、一般的に受領委任あるいは受取代理という制度を入れますと、ここの資料にもありますとおり、どうしても利用する方が一時的なお金、必要なお金が少なくなるということで慎重さに欠けるといったことから、不適切な請求につながることが懸念されます。
現実的に健保組合の方でも調べてみますと、治療上必要がないと認められるもの、あるいは料金が基準を超えるものが請求されているというのが実情としてあります。具体的には症状固定後に使用するものとか、日常生活の利便性のために使用するもので、治療上必要とは言えない、例えば義肢などでも外出用と家庭内で着用するもの2本欲しいんだというような方もいらっしゃるようでございますし、また、障害者自立支援法では事前申請になっておりますが、そちらで通らなかったので医療保険の方でという申請も散見されているというのが現状でございます。例として適当かどうかは別にしまして、柔道整復師の療養費も受取代理という形になっているわけですけれども、新聞等でも報道されているとおり、不適切な請求が非常に多くて、健保組合でもかなりトラブルを起こしている、あるいは刑事上の事件で告発されるといったケースもあると認識しております。
申し上げたかったのは、受領委任そのものを否定するつもりはございませんけれども、もしもやるとすればそういったことを考えて慎重な検討が必要であるということでございます。具体的には事前申請というやり方がどうかという御提案が7ページにございましたけれども、そういうことをすればある程度不適切な申請についてはチェックできる。それから、どうしても保険者と業者さんとで直接ということになりますと、トラブルが発生したときの調停役がいないことになります。例えば柔道整復師の療養費については行政が間に入って契約し、罰則も設けるという形にしておりますけれども、そういう監督指導するような体制も組み込んでいくことが、牽制効果という意味も含めて必要ではないかと思っております。
 もう一つ、最後の表にありましたとおり、鍼灸だとかマッサージというところも療養費としてるわけでございまして、こちらの方まで拡大するのはちょっと懸念をしております。そういうおつもりは多分ないのではないかなと推察はいたしますけれども、そういうところにも発展しかねない、そのきっかけになりはしないかという懸念もございます。
 そんなことも含めまして慎重に御検討いただくようにお願いしたいと思います。私どもでも今、御提案のありましたことに対してどういう方法がいいのかということは検討させていただきたいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員 今の白川委員と同じような意見になりますが、治療用装具を必要とする加入者の利便を図るという意味からしますと理解ができますが、一方で各種の給付金を適正に給付していくためには、加入者、事業主、サービス提供者などの方々に対して、保険請求に疑わしい点がある場合の質問、調査、あるいは監督のための法律上の規定が必要になってくるのではないかと考えます。サービス提供者である装具業者に対する調査、監督、これは直接お支払いするという場合の御提案ですが、装具業者に対する調査、監督権限の法律上の規定はどうなっているのか、あるいはどう規定していくお考えなのかという点について御説明をお願いしたいと思います。 
 また、例えば医療機関や薬局などでは行政による指定や公示の仕組みがあり、医療保険者として適正な支払先であることを把握しておりますが、この点は装具業者についても同様の枠組みが必要と考えます。この点はどうお考えか併せてお聞きしたいと思います。
 資料の7ページの「4.現物給付化の方法」における例1〜例3を御説明いただきましたが、それぞれ不正受給防止の効果がどう違うのか、わかりづらい部分がありますので、いずれ御説明をお願いしたいと思いますが、いずれにしましても不正を助長しかねない支払方式の導入には慎重にならざるを得ないと考えます。
私ども協会における装具療養費の支払方法の状況を申し上げますと、ほとんどの場合加入者御本人に支払っております。わずかな例外はありますが、その場合も代理人である御家族へ支払っており、装具業者に対しては原則として支払っておりません。
また、協会の審査状況について申し上げますと、母体企業を基本とする健保組合さんと違って、加入者の方々の実情に目が届きにくいといった事情もございまして、現行の枠組みでさえ水増しなど、不正が疑われるような保険請求があります。加入者に事実関係をお尋ねするなど、装具療養費を含む現金給付への審査を強化しておりますので、検討に当たっては不正の排除もセットで議論されなければならないと考えております。
私どもは本日議題となっている療養費のほか、傷病手当金なども含めた現金給付について、昨年の秋、当部会において事業主、医師に対する質問、調査規定の明確化、支払限度額の設定などの制度改正を要望し、その後一度事務局から御説明がありましたが、まだ制度見直しに至っておりません。まず、これを実現していただくことが必要ではないかと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ただいま小林委員からも保険者団体として白川委員とほぼ同じような基本的な御趣旨の御発言がありまして、中に幾つか事務局に御質問がございました。即答できないものもあるかと思いますけれども、今、お答えできるものがあれば、その範囲で結構ですのでお答えいただければと思いますが、事務局、お願いします。
○屋敷保険医療企画調査室長 仮に今回のような仕組みにした場合の補装具製作業者に対します指導監督の点につきまして、お答えをさせていただきたいと思います。
 現在の健康保険法の上では保険者からの文書提出でありますとか、あるいは負託を受けました厚生労働大臣からの質問調査権が規定をされておりますが、その中で医師、歯科医師、薬剤師あるいは手当てを行った者に対します質問権があるということでございます。これは療養費の中でも特に今、柔道整復、鍼灸、マッサージ等を念頭に置いた規定ではないかなと考えておりますので、今回の補装具製作業者につきましては医療機関に実際に赴いて、製作、採型・採寸から装着の調整まで行うといった点で、業の形態が少し違うという実態はあるのかなと思います。そういうふうに考えますと、指導監督といった点にかんがみますと、装具製作の様態に応じた方法が考えられないかということで、御指摘のとおり検討はする必要があると考えているところでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 逢見委員、どうぞ。
○逢見委員 本件、治療用装具に関わる受領代理制度は、治療用装具がものによっては数十万という高額なものもあると聞いておりますので、そういった点で患者の一時的な負担を軽減するために基本的には好ましい方向だと思っております。
 ただ、今、保険者の方から不正受給に対する懸念が示されておりますので、そうした点について検討するに当たっては不正受給をどのように防止するか、あるいはこういう制度によって更に不正受給を助長することがないように、そこは慎重にやっていかなければいけないと思います。
 現物給付化の方法として例が3つほど挙げられておりますが、そういう意味では先行事例として、例えば例1でいえば東日本大震災における方法が既にあるし、例3であれば障害者自立支援法に基づく事前申請制度が既に行われているということで、こういうところで現に不正と思われる事案が発生していないのかどうかを十分検証しながら、そうしたものも参考にしてもう少し深く検討していってはいかがかと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 岡崎委員、どうぞ。
○岡崎委員 先ほどの健康保険関連の御発言と一緒ですが、個々の保険者からしましても不正な取扱いがないようなチェックの仕方ということは入れていただいた方がいいだろうと思っております。
例えば12ページに今の障害者自立支援法の関係でも事前申請制度がございますが、この仕組みはスキームとしてはいいと思いますけれども、ただ全部が事前申請になるということになると相当の手間がかかります。自立支援の中では事前申請制度が多分うまく機能していると思いますけれども、仮にこのスキームがはまってしまうとかなりの手間がかかりますし、お待たせするということにもなります。というのは、事前申請なので役所で1回決定をしなければいけないので、その間待っていただくという期間が発生をします。その辺りを勘案して利用者の方々がスムーズにサービスが受けられるようにということと、不正をいかにチェックしていくかというバランスが要ると思いますので、そこを考えていただいたらと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 先ほど施術系の不正な支給に関する懸念が3人の委員から出たところですけれども、大変注意しなければならない点だと思います。たまたま知っている事例から顧みて思うことは、1つは調査がちゃんとできるかということを保障すべきだと思いますし、不正があった医療系の施設とか、あるいは業者関係のところの特定がはっきりすれば、例えば行政から出す広報誌に掲示をして、こういったところでは不正があったということもあり得ますよ、ですから不正をしないでくださいという抑止というんでしょうか、予防というんでしょうか、そういったことも仕組みとしておけば、例えば利用者を不当に増やそうとか、架空のもので請求しようということも減るのではないかと思いますので、そういった予防策も是非加味していただくことが大切ではないかなと思っています。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 大体御意見は出尽くしたようでございますが、基本的には受領委任の方向については結構である、ただし不正請求というようなこともあるので、その辺のところがうまく防止できるようなスキームを考える必要がある、これが大体のコンセンサスではないかなと思います。ようございますでしょうか。そういうことであれば、ただいまさまざまな御意見がありましたので、そういうものを踏まえて次回以降また事務局から原案を出していただきまして、それに基づいて審議をいただきたいと思っておりますが、そういう段取りでよろしゅうございますか。
 では、事務局、そういうようなつもりで準備をお願いしたいと思います。
 この件につきましてはこれくらいにいたしまして、次に「社会保障・税一体改革成案について」を議題といたします。
 事務局より資料が出ていると思いますので、説明をお願いします。
○武田総務課長 保険局総務課長でございます。
 お手元に資料3と資料4を関係資料としてお配りさせていただいております。この社会保障・税一体改革の成案につきましては今年の6月30日に、政府・与党社会保障改革検討本部で決定をされております。これにつきまして、ここに掲げられているさまざまな社会保障改革で医療保険に関係する部分につきましては、今後この部会でも御議論をお願いしたいと思っておりますが、本日はまず全体像につきましてかいつまんで御説明をさせていただきたいということでございます。
 資料3の方でございます。「社会保障・税一体改革成案」とあります。
「はじめに」のところで検討経緯などが書いてございます。
2、3ページが改革の全体像、特に基本的考え方となっております。
特に医療保険で関係がありそうなところということで申し上げますと、まず2ページ目の真ん中辺りで今回の社会保障改革の基本理念、「3つの理念」「5つの原則」が示されております。この「3つの理念」「5つの原則」に沿って医療保険制度を考えますと、さまざまな改革の必要性が考えられるのではないかと思っております。特に2ページ目の一番下のところにありますように、より公平・公正で自助・共助・公助の最適なバランスによって支えられる社会保障制度は、特に社会保険制度をとっている制度につきましては重要な概念であると考えております。
 3ページ目になりますと、上の方にございますが、より受益感覚が得られ、納得感のある社会保障の実現を目指す、国民皆保険・皆年金を堅持する、給付と負担のバランスを前提とする、またOECD先進諸国の水準を踏まえた制度設計をする、全体としては中規模・高機能な社会保障体制を目指すという考え方が示されているところでございます。
 真ん中辺に留意する点がございまして、例えば2の機能の充実と重点化・効率化を同時達成をするという点でございますとか、3のところにございます給付・負担両面で世代間・世代内での公平を重視した改革を行うといった点が掲げられているところでございます。
 改革の優先順位が次に書いてございまして、4ページ目の上のところを見ますと、4点、そのうち2として医療・介護等のサービス改革についてまず優先的に取り組むというのが成案でございます。
 では、個別分野ではどのような具体的改革が提言をされているのかということにつきましては4ページ以降でございまして、特に医療・介護のところは5ページを見ていただきますと、「2 医療・介護等」の中の1つ目では医療提供体制の効率化・重点化と機能強化、そのための診療報酬・介護報酬の体系的見直しという点が触れられておりますし、2つ目では保険者機能の強化を通じてセーフティーネット機能の強化・給付の重点化などを図る。
各論でa、b、c、dと書かれておりますが、特にaのところでは短時間労働者に対する適用拡大、市町村国保の財政運営の都道府県単位化・財政基盤の強化ということで、全体として保険者機能の強化と言われておりますが、ここでいう保険者機能はこういった財政的に、または規模、単位という意味で保険者の基盤強化を含む概念と受け取っております。
bは介護保険でございます。
cは高額療養費の見直しによる負担軽減とその規模に応じた受診時定額負担等の併せた検討ということが掲げられております。
dのその他の中で医療保険に特に関係が深いものといたしましては、6ページの最初のところになりますが、後発医薬品の更なる使用促進、医薬品の患者負担の見直し、国保組合の国庫補助の見直し、高齢者医療制度の見直し、こういった点が項目として明示をされている点に注目が要ると考えます。
 8ページは、費用の推計であります。真ん中にございますように、機能強化として追加的に必要になる公費でございますが、全体を通じて約2.7兆円程度、そのうち医療介護等につきましては全体として最大限1.6兆円弱程度という数字が出されているということでございます。
その後は財源に関する議論が続いておりますので、省略をさせていただきます。
15ページの次のページが別紙1になっておりまして、別紙1の次のページから別紙2となっております。別紙2が本文を踏まえまして社会保障改革の具体策、工程及び費用試算ということになっております。
別紙2の1ページ目が子ども・子育て関係であります。
2ページ目が医療・介護の1となりまして、提供体制及びそれを実現するための診療報酬・介護報酬の体系的見直しということが書かれております。
その次の医療介護の2というページが、医療・介護を通じた保険制度の見直しの関係がまとめられておりまして、左側にa、b、c、dとありますが、それぞれ先ほど本文でありましたような短時間労働者に対する適用拡大、市町村国保の財政基盤の強化、高額療養費の見直し、受診時定額負担、低所得者対策、後発医薬品の更なる使用促進、医薬品の患者負担の見直しといった点について、幾つかにつきましては金額を明示した形で項目が並べられておりますし、工程といたしましては税制抜本改革とともに2012年以降速やかに法案提出ということが掲げられております。所要額のところでは下のところを見ていただきますと、医療介護の2で最大1兆円弱程度ということで、先ほど医療・介護の区分で1.6兆円と申し上げましたが、医療保険・介護保険制度の制度改正に関しては公費の追加的投入が最大限1兆円程度と想定をされているということでございます。
以降、その他の点も各項目が掲げられておりまして、適宜御参照いただければと思っております。
資料4に具体的項目について更になるべくわかりやすい形でということで資料が出されております。医療・介護部分を抜粋したものでありますので、スライド番号1番のところは「医療提供体制の効率化・重点化と機能強化」、スライドの2番目はその方向性のイメージ、3ページ目は地域包括ケアを含めた医療・介護のサービス提供体制の将来像の例ということであります。
当部会との関係の深いところといいますと、まず4ページ目に「外来受診の適正化等の取組み」がございます。これにつきましては特定健診の活用、電子化の推進、番号制度の導入の効果など、全体を含めまして外来受診の適正化に取り組むべきということが掲げられてございます。
7ページ目は被用者保険の適用拡大と国保の財政基盤強化につきまして、例えば被用者保険の適用拡大につきましては現在1,700〜1,800万人と見込まれる非正規労働者のうち、仮に雇用保険と同じ条件まで適用拡大をいたしますと、約400万人の方々が健康保険に適用拡大をされるといった具体的な数字をお示ししているところでございます。
9ページは、高額療養費につきましては「充実」という右の真ん中辺の欄を見ていただきますと、大きく2つ改革の具体策が書いてあります。
1といたしまして非課税世帯ではない中低所得者の自己負担の軽減ということで、年収に応じた区分をより細かく区分設定いたしまして、自己負担上限をきめ細かく対応するというのが1点目。
2といたしまして自己負担額に年間上限額を設けるということで、これは左側に仮想例がございますけれども、トータルとして同じ自己負担の方がいらっしゃった場合であっても、毎月7万円の自己負担の方は高額療養費の対象にならず、2月に一遍14万円かかる方は高額療養費で自己負担が低下されるというふうに、毎月の医療費のかかり具合によってばらつきが出ますので、そういった意味で年間上限額を設けたらどうかという具体案になっております。
一方、右下のところになりますけれども、高額療養費の改革を実現するために定額の自己負担を受診時に求めることなどを検討ということでございまして、「(病院・診療所の役割分担を踏まえた外来受診の適正化も検討)。ただし、受診時定額負担については低所得者にも配慮」という形の具体策がまとめられているところでございます。
それぞれ試算といたしましては公費ベースで約1,300億円の増減ということで、全体としては歳出中立的に改革が実現できるのではないかということでございます。
11ページになりますと、高齢者医療制度であります。改革の具体策につきましては「高齢者医療制度の見直し(高齢者医療制度改革会議のとりまとめ等を踏まえ、高齢世代・若年世代にとって公平で納得のいく負担の仕組み、支援金の総報酬割導入、自己負担割合の見直しなど)」が掲げられております。
参考までに高齢者医療制度改革会議のとりまとめの概要を1〜7まで書いております。その枠の外に1行だけ書いてありますが、「※前期高齢者の医療給付費への公費投入も検討課題」ということが内閣官房でまとめた資料にも盛り込まれているということでございます。
12ページは後発医薬品、13ページは国保の関係の見直しがありますので、ごらんになっていただければと思います。
なお、この一体改革の成案につきましては6月30日に決定をされましたが、その後、7月11日に集中検討会議で厚生労働大臣から、「関係者の理解と国民合意を形成しつつ、関係府省の協力も得ながら、着実に改革を進めていく」ということをお話ししているところでございまして、この場、医療保険部会で関係する部分につきましては、今後御議論をいただきたいと考えている次第でございます。
私からは以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ただいま一体改革成案について御説明いただきましたけれども、その中で医療保険部会に該当するような内容につきましては個別の議案としてここで審議をするという段取りだと理解しているわけですが、その個別の話はともかくといたしまして、ただいまの御説明につきまして御意見、御質問はございますか。
 小林委員、どうぞ。
○小林委員 社会保障・税の一体改革について一言申し上げます。
 御案内のとおり、私ども協会けんぽは大変財政状況が厳しく、現状のままでは現在23年度の保険料率は9.50でありますが、24年度の保険料率については3年連続の引上げ、10%を超える水準、健保組合の保険料率との更なる格差の拡大という事態になることを大変危惧しております。
このような中で、社会保障改革に関する集中検討会議で厚生労働大臣が発表されました医療保険制度の改革プランで示された、4つの対応の方向性のパッケージの中に協会けんぽの財政基盤の安定化・強化を盛り込んでいただきました。この点は大変ありがたいことと考えており、是非具体的な施策に結び付けていただくようにお願いしたいと思います。
社会保障・税一体改革成案についてはこの記述はありませんが、厚生労働大臣の方針の実現に向けて御尽力いただけるように重ねてお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 御要望として承りました。
 大谷委員、どうぞ。
○大谷委員 私は患者本人で、患者団体を抱えているものですから、どうしても高額療養費制度のことに終始してしまいます。今回、苦肉の策であるとは聞いておりますが、いきなり出てきました100円負担のことに関して発言をします。個人的には、後に自分が高額療養費制度の恩恵を受けるような病気になったときにありがたいとは思いますから、受診時の100円負担はしたいと思います。しかし、一般論として、100円といえども、何かしらの病気になっているとき、ケガをしているときに、毎回、100円負担を強いられるのは、とても反発があるのではと懸念いたします。
今、小林委員がおっしゃったように、財政難に関しては、充分、理解をしているつもりですが、やはり、「平等」を考えると、国民全体が将来のことを考え、国民全体で負担をするという制度に持っていくべきだと思います。
何回も言いますが、財政難を理解していますので、私、個人的としては、100円負担をしても構わないと思っていますが、しかし、健康な人が負担をしなくても良い制度というのはいかがなものでしょうか。1300億円を捻出するための苦肉の策だとは思いますが、患者さん団体から突っ込まれると非常に苦しいと思っています。
○遠藤部会長 恐らくそれについては、今後個別の議論をしていく中の1つの重要なテーマになるということだと思います。かなりもめるテーマの1つであることは間違いないわけで、本日はジャブのような感じで受け止めさせていただきますが、よくわかります。
 岩本委員、どうぞ。
○岩本委員 大きな点について2つ意見を申し上げたいと思います。
 まず1つは、一体改革は消費税の増税によって社会保障の機能強化を図るというのが大きなポイントだと思うんですけれども、私はこのとおりの形で機能強化を進めるのはなかなか難しくなるだろうと考えておりまして、やはりしっかりと効率化を図るべきところは図るということが必要になってくると思います。
 今回5%から10%に消費税を引き上げるということで、これについては現状低いわけですから抵抗はそれほどないにしても、今後はまた更に高齢化が進展することによって消費税は15%、20%となっていくということが考えられます。
この一体改革の方では財政の予測は2025年度までされていたと思うんですけれども、高齢化はそれ以降も進展しまして、更に社会保障費がかさんでいくと考えますと、今、足元で機能強化ということでこちらの方に経費をたくさんかけていくことになると、どこかで息切れしてしまうということが起こりかねない。そういった意味で非常に長期的な視野に立って考えることが必要になるということ。
更に現在10%に上げるにしても、当然増税反対という声も出てくると思いますので、この場でしっかり切り詰めるところは切り詰めるということをしておかなければ、増税について納得は得られないだろうということが言えると思います。
 2点目なんですけれども、この一体改革の財政については国と地方の一般会計を扱ったものになっていると思いまして、社会保険の会計が入っていないということです。そうしますと例えば機能強化によって保険給付費が増えた場合、公費の所要額が計算されているんですけれども、保険料で負担する分はどうなるのかというものがあると思います。
したがいまして、これから厚生労働省の中のそれぞれの場で一体改革の個別項目を検討するに当たっては、やはり保険の財政も含めた形で数字を見ていくことが必要だろうと思います。具体的には健保や国保、更に介護の方とも連携がありますので、介護保険料がどうなっていくのかという数字を見ながら議論する必要があるのではないかと思います。
 もう一点なんですけれども、先ほど100円負担の話が出ましたが、これは受診抑制や、あるいは低所得者層の負担にどれくらいの影響があるのかということにつきましては、しっかりシミュレーションをして慎重に検討することが必要だろうと思います。
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 鈴木委員、どうぞ。
○鈴木委員 2点ございます。 
 1点は、これまでも話には出ておりましたが、受診時定額負担の問題でございます。我が国の医療制度は低コストで充実しているという意味で、対外的にも評価が高いんですが、唯一自己負担が高いために国民の方から見ると非常に高いものというイメージを持たれていると思うんです。最高3割という自己負担は既に世界一高いわけですが、これを更に100円という形で毎回上げるということは定率負担に定額負担を上乗せする、本当に木に竹を接ぐような非常に不合理な仕組みだと思って反対いたしております。高額療養費の在り方を見直して、高額な医療にかかった方の患者負担を軽減することには賛成ですが、その医療というリスクに備える財源は公的保険である以上、患者ではなく幅広く保険料等に求めるべきだと考えます。受診時定額負担は毎回一定額を支払うことになり、受診回数の多い高齢者には大きな負担となります。また、最初は定額100円でも、一旦導入されれば水準が引き上げられていくということは過去の患者負担の引き上げの例から見ても明らかであり、その結果、高齢者や低所得者の方の受診が控えざるを得なくなるということが懸念されると思います。
 質問なんですが、定額部分が保険給付の対象になるのかならないのかはっきりしていないようなところがあるんですけれども、それを1つ質問としてお伺いしたいと思います。
 もう一点は、医療介護の提供体制の将来像の例についてでございます。これは資料の3ページとかに載っているんですが、これは当初原案として示された図より大分簡素化、単純化されておりまして、その理由がよくわからない。ただ、なくなったものを見ると、地域に密着した病院だとか有床診療所だとか、あるいはこの図にはありませんが、文章では当初「地域一般病床」という言葉が含まれていたのが全部消えているということが、単に偶然に簡単にするために消したのではなくて、何らかの意図を持って消したのではないかという気がするのですが、それについて御説明いただきたい。
といいますのは、原案の方を見ますと、中小病院や有床診療所あるいは全日病などがずっと言っていた地域一般病床、こういった既存資源を活用して世界一の高齢化を乗り切ろうという日本型の案ということで我々も評価していたんですが、成案になりますとそういうものが一切抜けて、これだと大病院と在宅といういわゆる北欧型というか、日本のように高齢化が進んでいない、高齢化率が17〜18%みたいなところでは高負担にすればやれるのかもしれませんが、この話を見ても中負担くらいでやるんだという話もありますし、私は日本では施設とかそういうものを使わないと無理だと思っておりますが、そういったことが消えてしまった理由について教えていただきたい。要するに中身が変わってしまったのか、変えていないのか、それを教えていただきたいと思います。
 以上、2点でございます。
○遠藤部会長 事務局、鈴木委員の御質問の趣旨は御理解できましたでしょうか。お答えできる範囲で結構ですので、お願いします。
○武田総務課長 今、2点いただきまして、2点目の方は医政局から回答いたします。
1点目につきまして、今回の受診時定額負担の性格といたしまして、保険給付の対象になるのかならないのかというようなお言葉での御質問でございました。これにつきましては、いずれにいたしましても具体的にどのような制度が考えられるかにつきましては、今後より資料を多くそろえまして、しっかり時間をとって御議論をいただきたいと思っておりますので、この場で余り先行して御説明するのが適当かどうかというのはございますけれども、考え方といたしまして医療に係る費用の一定部分を保険給付の外として考えるという考え方は、かつて免責制と言われていたように一定部分は保険の対象外、残りの部分を保険対象にして、そこの定率負担という考え方が典型的な免責制の考え方でございます。
これは保険の範囲を狭めていくという点においていろいろ問題はありはしないかと考えてございまして、今回まとめられた受診時定額負担は保険給付の対象といたしましては医療全体について保険給付の対象とした上で、一部負担金につきまして定率と、もう一つ違った考え方による定額の負担を保険給付の中からといいますか、これを控除するような形で給付を考えられないかということを念頭に置いておりますが、いずれにいたしましても詳しく議論をしていただければありがたいと考えてございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 では、医政局、どうぞ。
○岩渕医政局総務課長 鈴木委員が御指摘の点ですが、資料10、18ページでございます。先ほど御指摘のございました「医療・介護の提供体制の将来像の例」の図がここに載っております。これが委員のおっしゃいました詳細なものでございます。これは6月2日の社会保障改革に関する集中検討会議の社会保障改革案の参考資料として会議に提出された資料と同一のものであり、変わっておりません。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 鈴木委員、今の2つはよろしゅうございますか。
○鈴木委員 はい。
○遠藤部会長 横尾委員、どうぞ。
○横尾委員 いただいた資料3、本文の6ページ、そして関連しまして別紙2の改革の具例、工程及び試算に関するページの3ページに出ていますが、高齢者医療制度の見直しというところでございます。後期高齢者医療制度に関わるものを、今、頑張っているところでございますけれども、さきに高齢者医療制度改革会議でまとめ直して、それに基づいてという方向で、本文わずか2行、工程表でも3行ほど書いてあるんですが、これは認識としてそこの改革で描いたものを、あとは実施するということなのかが1点目。
 2点目は、あとはいつやるかということが決まればそのように進むのかということになっているのかどうか、またそのような議論のベースにこういったまとめになったのかを教えていただきたいと思います。このことについては実は全国の関係者が非常に注目をしておりますので、重ねてのお話になるかもしれませんが、述べていただくとありがたいと思います。
○遠藤部会長 では、事務局、お願いします。
○吉岡高齢者医療課長 高齢者医療課長でございます。
御指摘のように、高齢者医療の見直しにつきましては一昨年から大臣主宰の高齢者医療制度改革会議という場で御議論をいただいてきたところでございまして、昨年末にこの改革会議の最終とりまとめが行われたところでございます。今回の一体改革の成案におきましても、高齢者医療の見直しについては改革会議の結論を踏まえた見直しを行うという意味もあって、かなり簡略化された記載になっているところであります。そうした方針に基づいて進めていくということであります。
あともう一点だけ付言いたしますれば、経済団体等からも御指摘をいただいておりますが、前期高齢者の医療給付費への公費投入ということも1つの検討課題だと考えているところでございます。そうしたことで今後、医療保険全体にわたり、この部会で個々の問題についての御議論が行われていくわけでありますけれども、その暁には法案という形で提出されていくことになると思っておりますので、その際には高齢者医療の見直しにつきましてもその重要な一部をなすものとして併せて国会にお出しするということで進めていきたいと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 横尾委員、今のような段取りでよろしいですか。
○横尾委員 法案がいつごろ出るかはもう少し先にならないとわからないということでしょうか。
○吉岡高齢者医療課長 来年の通常国会に税制改正の法案が出されるということであれば、恐らく私どもの医療関係の法案も来年の通常国会になるだろうとは思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 高原委員、どうぞ。
○高原委員 開業医の高原でございます。
 医療費の問題で、医療費が常に上がっているということの問題点からこういう話が出てきているわけですけれども、前々回こちらの方から資料類をお出ししましたが、実際に医療費でかかっているのは薬品代が非常に上がっているということであると思います。入院の医療費で実際には薬品代が上がっているのにDPCで含まれている薬剤費はカウントされず、非常にカバーされた形になっています。1点は、厚労省の事務方にDPCでの薬剤も含めた入院での薬剤費の上がり方、その比を次までに教えていただきたいです。
 もう一点、薬剤費が非常に高いということで後発品を勧められているわけです。各保険者も被保険者にジェネリックを使いましょうという形で案内が来ております。開業医としては結構ジェネリックを使っているつもりです。皆さんから聞かれたときも、あなたはこれとこれはジェネリックですよというように言っています。ところが、ジェネリックを出しても実際には加算があって、患者さんの保険代は、自己負担は余り変わらない。あるいは国が出している医療費としては余り変わらないという意見もございます。ここのところも実際に加算など、全部含めた患者さんの自己負担、あるいは医療費を、例えば高血圧でも結構ですし、そのほかの病気でも結構ですので、幾つか例を挙げて、実際に加算まで入れた医療費の軽減がどの程度なのか。薬価は確かに安いです。薬価は安いけれども、全体としては安くなっていない。この点は保険者の方にもお尋ねしたいと思います。実際にあれだけジェネリックの使用を進めまして、その点でジェネリックを使って全体としてどれくらい医療費が安くなっているのかどうか。もうかなり長いこと進めておられると思うので、資料はあると思います。本当に安くなっているのか。
おまけにジェネリックの場合は、数量ベースでばかり言っています。実際のところ薬価というのは薬価差で言ってこないと、薬価ベースでどれくらいよくなっているのか、そこのところも知りたいところです。
以上、これから先個別の問題でここのところの話し合いが出ると思いますので、厚労省の方も、あと保険者の方もそれまでにどうぞ資料を、本当に後発品を使って安くなっているのか、そうでなくて本当は先発品を安くしないといけないのではないか。特に生活習慣病のお薬は多重で来るとかなり高うございます。まだ後発品がないものもたくさんあります。そこら辺のところでどれくらいかかっているのか。本当は先発品を10年経ったら安くするのが一番いいのではないかと思うんです。現に先発品のメーカーが子会社をつくって後発品をつくっているところがあるんです。無駄です。そういうことがございますので、よくここのところの御検討と御回答をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 後半の御質問は半分中医協の議論とダブるわけですけれども、まずDPCについて薬剤費を算出するという御要望があったわけです。これはやろうと思えばできないわけではないんですが、それをどうするのかということ。
 もう一つは、ジェネリックの実質的自己負担についてある程度出せるのかどうかということですが、これについて事務局としての現段階でのお考えがもしあればお聞かせいただきたいと思います。
○武田総務課長 今、部会長が言っていただきましたように、DPCの中における薬剤費の問題、ジェネリックにしたときの実質的な財政効果など、どれくらい資料が出せるかわかりませんけれども、今後改めて御議論いただく際には資料を出すべく努力してみたいと思います。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 お待たせしました、岡崎委員、どうぞ。
○岡崎委員 地方側の立場と国保の立場で少し発言したいと思います。
まず、地方全体の6団体の立場から申し上げますが、資料3の8ページ、9ページにつきましてはいわゆる書き直していただいた部分でございまして、特に8ページの下の部分、「地方単独事業を含んでおらず」ということで、地方単独事業の関係を拾って全体を整理していただくということは書き直していただいたところでございますが、医療関係に絞っていいますと、御承知のとおり地方単独で乳幼児医療の無料化とか国保への一般会計の繰り入れとか、そういうものが相当ありますので、そういう経費をきちんと総合的に費用推計の中でも織り込んでいただいて、地方の単独事業としての医療関係も含めた社会保障の財源の確保にもつなげていただきたい。大体そういう書きぶりには書き直していただきましたが、特に経費の把握を地方単独事業でしっかりやっていただきたいということでございます。データについては地方6団体も協力して出しますので、その点はよろしくお願いを申し上げたいということでございます。
もう一点、国保の方でございますが、後段の図の方で、医療・介護の2のところに「市町村国保の財政運営の都道府県単位化」と「財政基盤の強化」を入れ込んでいただいております。後期高齢者医療制度が廃止をされまして、大部分が国保へお帰りになるということでございますので、市町村国保の広域化、特に市町村国保から都道府県国保への移行は避けて通れないというのが、岩村先生が座長でございました高齢者医療改革会議の大体の結論でございましたので、やはり広域化の問題と、国民健康保険は50周年を今迎えておりますが、財政的には相当行き詰っておりますので、国保の財源強化、この中にも2,200億円程度の財源強化という額を一定目標として書き込んでいただいておりますが、そこはしっかりとやっていただかなければならないと申し上げておきたいと思います。
我々は保険者の立場から申し上げておりますが、国民健康保険が破綻をしたら、医療は守れません。それは明白でございますので、やはり国保の財源強化を国の責任においてしっかりとやっていただきたいということと、広域化は避けて通れないということを申し上げておきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 安部委員、先ほど来お手を挙げておられましたのでどうぞ。
○安部委員 こちらの資料4の12ページ、少し各論に入ってしまいまして申し訳ないんですが、以前の医療保険部会で市販薬と同効のものは保険から抜くという議論はどうかということで、既にそれについては高止まりするのではないかという意見を申し述べさせていただきまして、それはそのとおりであるというような意見を医療保険部会でいただいたと認識をしております。これはまた少し形を変えて同じようなことが出てきたなと思って驚いているところでありますけれども、このように市販薬類似のもの、成分とか効能に着目して負担割合を変化させるというのを一部のEUの国ではやっているわけでありますが、逆にそういったところでは定率割合はないというところで、日本のように定率負担があって、そこにまたこのような負担が来るということは非常に複雑になることもありますし、先ほど申し上げたとおり高止まりしてしまうということもある。そういったことでこういったパッチワーク的な発想でこういうものが出てくることは非常に問題かなと思っておりまして、これはきちんとまた議論をしていただきたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 これも個別の議論の対象に当然なると思いますので、そのときにまた御発言をいただきたいと思います。
 堀委員、どうぞ。
○堀委員 今日は総論的な話になるというお話なんですが、この成案の冒頭に「OECD先進諸国の水準を踏まえた」ということが高らかにうたわれておりまして、それを踏まえて各論のところでのいわゆる患者さんの窓口負担のことを御提起したいんですが、1つは先ほどから話が出ている定額負担のこともありますけれども、基本的にOECDは数年前のデータではイギリス、フランス等、大体窓口負担が10%11%12%ぐらいでしかない。我が国日本については20%を超えている。これは断トツに大きい。勿論簡単に比較はできないんですが、そういうデータがあるということです。それともう一つこれに関連して、70〜74歳の負担率を上げるというのも出てきているわけで、各論を見ますと最初の「OECD先進諸国の水準を踏まえた」というところと比べると、そこが逆行しているということがあります。そういった意味で受診時定額負担については先ほど委員から苦肉の策という指摘がありましたが、やはりそういうふうに見ると安直な対応ではないかという印象を持っております。したがって基本的にこういった社会保険制度、勿論日本の今の保険制度について質的なものはすばらしいんですが、基本的に3割という窓口負担は既に社会保険制度とは言えないという認識を持っておりますので、数年前日本医師会が出されたグランドデザイン、ここでは高齢者で2割、一般で1割という数字が出ております。我々もそういったところが最終的な目標だろうと思いますので、これからの議論の中で1つ窓口負担ではなくて、財源を確保するということであれば、むしろ公費、保険料、保険料と言うとまたいろいろ議論がありますが、そういった2つのところからアプローチするのが正論だろうと思いますので、その御議論を今後お願いしたいと思っております。
 以上です。
○遠藤部会長 お待たせしました、大谷委員、どうぞ。
○大谷委員 患者は、まさに、この瞬間も高い医療費のことで苦しんでいるのです。そして、改革に期待をしているのです。しかし、今回の社会保障・税一体改革成案は、民主党が主となってやっているのですが、政権が変わればどうなるのでしょう。今、まさしく政権が危ない状況のとき、ハラハラしている患者さんにどのように説明をすれば良いのでしょうか。この点に関して、きちんとお答えをいただけるかたは、いらっしゃいますでしょうか(・・・苦笑いの声が聞こえましたので)なければないで、この「笑い」で答えにしたいと思います。
○遠藤部会長 そういう不安があるということをきちんと議事録に残すというようなこと、あるいは後ろの方に随分メディアの方がいらっしゃいますので、場合によっては書いていただける、そういう対応でよろしゅうございますか。
○大谷委員 はい、お願いします。
○遠藤部会長 白川委員、どうぞ。
○白川委員 2つ質問があるんですけれども、1つは全体、この成案については意見を申し上げたいことがたくさんありますが、それは別にして、この成案の中にいろいろな制度、先ほど来出ております高額療養費の自己負担の問題とか、あるいは受診料の定額負担の問題とか、その他いろいろ出ておりますけれども、一応閣議に報告をされたという位置づけですから、これについて反対だとか、この制度はやめるべきだという議論はこの場でやっていいものかどうか。この成案の持つ意味と医療保険部会の位置づけを整理していただきたいなというのが1つ。
 もう一つは、まだ固まっていないとは思うんですけれども、どういうスケジュールで本年度いっぱいといいますか、どういうテーマを議論するおつもりなのか、決まっていればスケジュールを教えていただきたいという2点をお願いいたします。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 最初の質問は最後に私が質問しようかなと思っていたところでもあるのですが、2つの御質問にお答えいただければと思いますけれども、お願いします。
○武田総務課長 私どもとして現時点で受け止めていることといたしましては、今、お話にありましたように、厚生労働大臣も入りました関係閣僚の中で決定された成案でありますので、かつ厚生労働大臣もこの成案に沿って改革を進めていきたいということを表明しているということでありますけれども、先ほど申し上げましたように、7月11日の集中検討会議でも大臣からは関係者の理解と国民の合意を形成しつつというようなことになっております。したがいまして、私どもも成案はありますが、これを具体的な法案の形にする段階でなるべく広く関係者の理解と国民の合意を形成するように努力をしなければならない。その1つの場がこの医療保険部会であると認識をしております。
先ほど、患者は待てないというようなお話もいただきました。改革の内容につきましてはそういうものもありますので、なるべく早くやらなければいけないものはなるべく早くやらなければいけないという前提で考えなければならないだろう。もう一つ、成案の中での工程表では2012年以降税制改革とともにということですので、一番早いタイミングでいいますと、来年の通常国会に法案を提出した上でなるべく早い施行を目指す、我々事務局としてはそれに向けて検討する必要があるのではないか。それを前提にいたしますと、本部会でも年内に集中的に御議論いただく必要があるのではないかということを現時点では考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 大分時間も経っておりますので、でき得れば個別の議論は、もめるものもあるかと思いますけれども、改めてそちらで御議論いただくという形で、本日この全体についての議論にとどめたいと思います。お話はよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして次の議題でありますが、「次回の診療報酬改定に向けた検討について」を議題といたします。
 事務局の説明をお願いいたします。
○武田総務課長 資料といたしましては、資料5番、6番、7番、8番、9番までがこの議題に関する資料となります。
 1枚紙でございますが、資料5で「平成22年度診療報酬改定のスケジュール」というものがございます。これを見ていただきたいと思いますけれども、診療報酬改定につきましては右上にありますように、医療部会、医療保険部会、実は昨日医療部会がございましたが、医療部会で医療提供体制の確保の観点から御議論いただき、医療保険部会では医療経済あるいは医療保険財政の観点から御議論いただきまして、改定に係る基本方針を策定していただく。そして、その下にありますように、内閣が診療報酬の改定率などを決定する。そういったものを踏まえて、左の方になりますが、中医協で具体的な点数設定に係る調査・審議を行い、諮問・答申を経て決定をする。これが現在の診療報酬決定に至るプロセスでございまして、平成22年度前回につきましてはここに書いてあるような日程で進められたということでございます。これを参考に、私どもといたしましては、前回の議論が7月スタートということでございますので、次回の改定に向けて、まずは自由討議の形で御議論をお願いできないかということで本日関係資料を出しているものでございます。
 なお、今回の改定につきましては、先ほど御紹介いたしました社会保障・税一体改革の成案の中でも改定で取り組むべき事項が書かれておりますので、併せて御説明をさせていただいたということでございます。
 続きまして、資料6でございます。時間の関係で説明は簡略にさせていただきたいと思いますが、これが平成21年の12月8日、22年改定に向けてまとめられた基本方針でございます。
 大変恐縮ですが、ごく簡単に太字で下線が引いてあるところだけ見ていただきますと、2ページ目の上のところで下線を引いておりますけれども、「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」「病院勤務医の負担の軽減」の2つを重点課題として取り組むべきである。
 改定の視点として4点、充実が求められる領域を適切に評価、患者から見てわかりやすく納得できる医療の実現、医療・介護の機能分化と連携の推進、4点目は効率化の余地があると思われる領域を適正化する視点、この「2つの重点課題」「4つの視点」に沿って前回御意見をまとめていただいておりまして、3ページ以降、具体的な項目、例えば救急、産科、小児、外科等につきましては地域連携による救急患者の受入れの推進、小児や妊産婦を含めた救急患者を受け入れる医療機関に対する評価といった個々の評価のポイントにも触れつつ意見書をまとめていただいたところでございます。
 その他の点はごらんをいただければよろしいかと思いますが、最後、5ページに「3 後期高齢者医療の診療報酬について」がございます。これは22年改定の特色でございましたが、下のところにありますけれども、75歳以上という年齢に着目した診療報酬体系については廃止することとするが、その趣旨・目的に配慮しながら具体的な報酬設定ということで、22年改定で年齢に着目した診療報酬の設定はすべて廃止をされておりますので、その点についても御留意をいただきたいと思います。
 この基本方針を受けまして行われた改定が資料7でございます。これも多岐にわたりますので説明はごくかいつまんでということにしたいと思いますが、1ページ目にありますように、22年度診療報酬改定は左側に内閣が定めた全体の改定率+0.19%と、右側に社会保障審議会の基本方針「2つの重点課題」「4つの視点」を踏まえて改定を行ったということが書かれてございます。
 2ページ目の「救急医療の評価の充実について」というところでは、社会保障審議会の意見書を踏まえて救命救急センターの評価500〜1,000点、二次救急医療機関における入院医療の評価、手厚い急性期入院医療の評価、こういった個別の項目で診療報酬の引上げを行われたことが書かれてございます。
 その他、個別に全部御紹介をしたいところではございますが、時間の関係で個別項目は省略をさせていただきたいと思います。
 資料8でございますけれども、実際に改定が諮問・答申という形で行われた際に、中央社会保険医療協議会会長名で厚生労働大臣に出された答申書で、別添の意見書が付いております。
 中医協としては16項目の意見を付されておりまして、これが次の改定に向けての課題とも考えられますので、参考までに配付をさせていただいたということでございます。
 これを見ますと、例えば1番では、基本診療料については在り方について検討を行うほか、結果の検証、財政影響の検証ということが書かれております。
 2番では、慢性期入院医療の在り方のために横断的な実態調査を行うこと。
 3番として、重点課題として評価した事項について影響を検証するとともに、結果を反映させること。
 こういった大きな項目のほか、例えば8番、訪問看護については診療報酬と介護報酬の同時改定に向けてということで、併せて11番も見ていただきますと、これも診療報酬と介護報酬の同時改定に向けて検討すべき事項が意見書として出されております。
 16番にありますように、具体的に調査を行うべきだというような意見書も出されているところでございます。
 これを踏まえて、中医協の方では実際検証作業が進んでおりまして、資料9をごらんいただきたいと思いますが、中医協の診療報酬改定結果検証部会におきまして検証作業が行われております。特に検証項目、調査項目が決定されているところでございまして、平成22年度、23年度の両年度にわたって、それぞれ調査が行われていることを御紹介させていただきたいと思います。
事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 資料そのものはいろいろと膨大なものがありますけれども、こういうことを中医協ではやっているということです。
○武田総務課長 部会長、済みません。続きまして、資料10と11の説明も併せて。
○遠藤部会長 お願いします。
○岩渕医政局総務課長 医政局でございます。
資料10をごらんください。医療提供体制について資料を用意してございます。
2ページに医療提供体制の現在の課題を列挙してございます。医師の不足・偏在、救急・産科・小児科の確保困難、スタッフの業務増大、人口当たり病床数が多く、従事者が少ない、機能分化が不明確などの課題を書いてございまして、医師確保・偏在対策、病院・病床の機能分化・強化、在宅医療体制の強化などにより、医療提供体制の強化を図る必要があると考えているところでございます。
4ページは医学部の入学定員の年次推移でございますが、グラフをごらんいただきますとおわかりになりますとおり、今年度につきましては過去最大の8,923人まで増員しているところでございます。
6ページでございますが、昨年6月に病院等における必要医師数実態調査を実施いたしました。これは全国1万余りの病院等を対象に行ったものでございますが、その結果、必要求人医師数1万8,288人、現員に対して1.11倍、それと必要と考えている医師数を合わせましたトータルな必要医師数は2万4,000人余りで、現員に対して1.14倍という結果が出ているところでございます。
施策の動向といたしましては12ページで今年度より医師確保のために地域医療支援センターという事業を開始しております。これは都市部への医師の集中の背景には高度専門医療への志向とか、都市部の病院に戻れなくなるというお医者さんの将来への不安があるということを踏まえまして、各都道府県に医師の地域偏在の解消に取り組む専任の実働部隊としてセンターを設置いたしまして、医師のキャリア形成と一体的に地域の医師不足病院の医師確保を支援するということでございます。今年度は15か所で先行的に実施することとしています。
13ページになりますが、いわゆる地域医療再生基金に関する資料でございまして、予算総額2,100億円を確保しております。三次医療圏ごとに地域医療再生計画をつくっていただいて、各県に基金を設置して、これを使って事業を展開していただくというものですが、1圏域当たり最低15億円、最高120億円の基金を交付するということで、現在申請を受けて審査をしている状況でございます。
14ページにありますように、社会保障審議会医療部会では昨年10月から医療提供体制の在り方について議論を続けているところでございます。直近ですと昨日、外来診療機能等について議論を行ったところでございます。
15ページからは一体改革の関係の資料でございます。先ほどと重なりますので省略をいたします。
以上でございます。
○遠藤部会長 介護保険をお願いします。
○高橋老健局企画官 老健局企画官でございます。
 資料11をお願いいたします。
 私の方からは、介護保険法の改正法が先月成立しておりますので、その中で医療との連携に関する改正事項、介護報酬に関連する改正事項を中心に説明させていただきます。
 法律の概要でございますけれども、今回の法律の趣旨は、地域包括ケアシステムの実現に向けた取り組みを進めるということでございまして、その下に1〜6まで今回の改正法の改正項目一覧を列記しております。
 1番目には、医療と介護の連携の強化等ということを掲げさせていただいております。
 2ページに行きまして、地域包括ケアシステムということで、5つの視点、5つの構成要素に整理させていただいております。
1といたしまして地域包括ケアの構成要素として医療との連携強化を掲げさせていただいております。これによりまして入院、退院、在宅復帰を通じて切れ目のない地域包括ケアのサービス提供を実現していくというコンセプトでございます。
 3ページ目でございますが、介護保険事業計画は市町村において3年ごとに策定していただいているものですけれども、次期計画が平成24年度、来年度から始まります。今回の改正法では右下の青で塗ってある部分につきまして、地域の実情を踏まえて市町村の努力義務として追加して記載していただく事項ということで、4つございますけれども、在宅医療の推進も含めてございます。
 4ページ目にまいりまして、今回の法改正で新たな地域包括ケアの在宅サービスといたしまして、24時間対応の定期巡回、随時対応サービスを創設しております。これまで施設でなければサービス、24時間の対応を受けられなかったということで、施設に入られているような方につきましても、今後はこの新サービスによりまして住みなれた在宅での生活の継続を可能としていきたいということでございまして、この新サービスは来年4月から開始されます。下の※印にも書いてありますけれども、介護だけではなくて在宅療養支援診療所、地域の医療機関との連携も図りながら、在宅の医療ニーズについてもきちんと対応していきたいということでございます。
 5ページ目でございますが、複合型サービスということで、これまでは小規模多機能と訪問看護は別々の事業所から別々の利用契約で提供されておりましたけれども、今回の創設後、来年4月、制度開始後は同一の事業所から小規模多機能の居宅介護と訪問看護が組み合わされて一体的に提供ができるようになります。これによりまして医療ニーズの高い要介護者の方への支援を充実していきたいということでございます。
 続きまして、介護療養病床の取扱いでございます。これは18年の法改正におきまして平成24年3月31日、今年度末までに転換してこの制度は廃止されることとなっておりました。現状としまして、介護療養病床からの転換が進んでいないということでございまして、今回の法改正におきまして6年間転換期限を延長することといたしました。最後に書いてありますように、この間に追加的支援策を講じることとしておりまして、この点につきましては介護給付費分科会の方で御議論していただくことになろうかと考えております。
 続きまして、介護職員等によるたんの吸引等ということでございます。介護福祉士、一定の研修を受けた介護職員の方につきましては、一定の研修等の条件の下にたんの吸引等の行為を実施できることといたしています。この実施時期につきましても来年4月1日ということでございます。
 サービス付き高齢者住宅ですけれども、住まいというのは地域包括ケアの大きな1つの柱でございまして、日本では高齢者向けの住宅が少ないという御指摘もありましたが、国交省との共管で高齢者住まい法を改正しまして、新たな住まい方を今回制度化いたしました。左下の赤枠にありますような医療と介護サービスを外部から医療保険、介護保険を使って提供することによりまして、住みなれた環境で必要なサービスを受けながら暮らし続ける環境を整備していきたいということでございます。 
 最後でございますが、介護報酬改定の検討状況について御報告いたします。4月からこれまで5回にわたりまして資料に書いてありますようなテーマについてフリートーキング、関係団体をお呼びしてヒアリングしております。5月30日には医療と介護の連携についてということで、医療から介護への移行期の円滑な在り方、要介護者の方でかつ医療ニーズの高い方への対応の強化の在り方について御議論をいただきました。この会議は保険局からは医療課長に御出席いただきまして、中医協における議論についても説明をいただいたところでございます。
今後につきましては、秋ごろに経営実態調査結果をとりまとめられまして、その後12月までかけまして居宅施設サービス等について今回の法改正でつくられた新サービスも含めて御議論をいただいていくことになろうかと考えております。
 説明は以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
 医療提供体制に対して診療報酬は大きな影響を与えますので、現状の医療提供体制の御説明がありましたし、次回同時改定ということでありますので、介護報酬に関しても動向を御説明いただいたということです。
非常に間口の広い話でありますので、時間も迫っておりますから、余り個別具体的なお話はなかなかできないかと思いますので、フリーディスカッションで結構でございますので、何か全体としての御意見があれば承りたいと思います。いかがでございましょうか。
 齊藤委員、どうぞ。
○齊藤委員 前回の改定は、失業率が過去最悪の水準で推移し、賃金、物価も低下するなど、非常に厳しい状況にもかかわらず診療報酬の引き上げが行われました。その結果、医療保険の運営状況は深刻さを増していると思います。
現状におきましても賃金、物価ともに低水準で推移しておりますし、更には電力供給の制約とか円高の傾向の継続などを背景に、国内での事業活動を継続することすら危ぶまれる状況にございます。加えて、震災復興のための巨額な費用も必要であろうと思っております。
一方で、先ほども議論がございましたけれども、社会保障・税一体改革成案におきましても消費税引き上げの時期も非常にあいまいでございます。財源調整のめどが立たない、こういう状況を踏まえますと、今、診療報酬を引き上げるような状況にはないと考えています。ただ、具体的にはこれから各論でいろいろ議論していきたいと考えております。
 以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 診療報酬を上げる下げるの議論は、基本的に内閣の予算編成の過程で決めるということでありまして、ここの部会の職掌ではないということですが、御意見として承っておきます。ありがとうございます。
 ほかにございますか。
 高原委員、どうぞ。
○高原委員 介護と医療のシームレスな連携ということが言われておりますけれども、現状でどういうことがあるかということだけ1点御説明します。
 高齢者の介護付きのアパートに入っている患者さんが一旦肺炎を起こしますと、当然ながらそのまま病院に入らないといけないことになります。しかし、その場合、長期介護の老人アパートは完全に撤去ということになります。そこでもう1つ消えてしまいます。病院に行ってその病気が治っても、全然別の入れる施設をまた探さないといけない。これが現状でございます。ここのところを厚労省の方々はわかっておられるのかどうか。シームレスとよく言われますけれども、実際には1回病気になると、その場で分断されてしまいます。そこのところを何とかうまくいけるような形のシステムにつくっていただければと思います。 
 以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 これは老健局マターの話ということですね。
何かございますか。
○高橋老健局企画官 高齢者の住宅、それから、特養に入られている方でも同じような状況があると認識しておりまして、一旦発熱ですとか急性増悪になって病院に入院されると、その後また特養ですとか高齢者の有料老人ホームに戻ろうとしても、もう退去扱いになってしまうという状況を承知しています。今回の法改正におきましても有料老人ホームの利用者保護の規定を強化しておりまして、そのようなことも踏まえて対応していきたいと思っております。
○遠藤部会長 ほかによろしゅうございますか。
 逢見委員、どうぞ。
○逢見委員 最初のフリーディスカッションということで包括的な意見を述べたいと思いますが、平成24年度は診療報酬と介護報酬の同時改定が予定されているということで、資料8の前回の中医協の意見でもそういう同時改定に向けたいろいろな対応を課題として認識してやってきたわけです。
それと、先ほど示した一体改革の中でも医療について優先的に取り組まなければいけない課題として位置づけられて、特に地域包括ケアシステムは今回の介護保険法改正でもそのために向けたいろいろな手当てが行われてきているということでいうと、次の同時改定、次の新たな医療制度あるいは介護保険制度をつくっていく上で非常に重要なタイミングになると思います。そういう意味ではこの同時改定に向けた準備を影響調査などもやってきているわけですから、そういうことを踏まえてきちんとした、しっかりした議論を先送りせずにやっていく必要があると思います。
 中医協意見書では、地域特性を踏まえた診療報酬の在り方の検討も課題として上げられておりまして、地域特性ということを考えるとやはり今回の震災における被災地での医療提供体制の再構築と、その中で診療報酬をどう位置づけていくかということも重要な課題になっていくと思いますので、そういう視点も踏まえて診療報酬、介護報酬の同時改定に向けた準備を是非進めていただきたいと思っております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。重要な御指摘をいただいたと思います。
 それでは、大体御意見はとりあえずは出尽くしたということで、また個別の議論をするときに是非おっしゃっていただければと思います。
 最後の「その他」になりますけれども、支払早期化及びレセプト電算化の進捗状況というものがありますので、それについて御説明をお願いしたいと思います。
○武田総務課長 総務課長でございます。
 お手元の資料の最後、資料12をごらんいただきたいと思います。時間の関係でかいつまんで御説明をさせていただきたいと思います。
 ページ番号2ですが、レセプト電子化の経緯をまとめております。この最後をごらんください。平成23年4月、今年の4月でありますが、歯科医療機関について平成23年4月に原則電子レセプト請求ということで期限がまいりましたので、これですべての医療機関、薬局について電子レセプトの請求が原則化されております。
その結果として、現時点での電子レセプト請求普及状況ですが、5、6ページのところを見ていただきたいと思います。直近のデータといたしましては、平成23年5月請求分のデータがまとまっております。
5ページの方が件数ベース、6ページの方が施設数ベースということで、件数ベースでいいますと、医科計で93.3%、歯科で37.8%、調剤で99.9%まで電子レセプトが普及をしたということでございます。
6ページですが、施設数ベースで見ますと、それより若干数字が低くなるということでございます。
これをグラフで見たのが7、8ページであります。点線で縦に線がありますのが1年の区切りですので、直近1年間、平成22年4月〜23年5月にかけて歯科医療機関におきましてもかなり御努力、御協力をいただきまして、上昇したということがわかると思います。
一方、9ページを見ていただきますと、施設数ベースでいきますと、23年4月請求時点でありますけれども、紙レセプトによって請求をしているものが施設数ベースではまだ数万か所のレベルになっておりまして、全体で7万か所の医療機関、薬局がまだ紙レセプト請求をやっている状況ということでございます。
10ページ以降は、これを県別に見た状況であります。
これを見ていただいた上で、13ページはこれまで提出いただきました免除・猶予届出の内容から、今後いつの時点でレセプト電子化ができるかというのが推計できますので、これを基に将来推計をやってみたのがこのグラフでございます。これをごらんいただきますと、今後徐々に電子化の普及が進んでいく状況が明らかになったということでございますが、依然としてまだ紙レセプトのところも残っておりますので、引き続き一層の御協力をお願いしたいと思います。
14ページは保険者ベースの普及状況でありまして、これも原則今年の4月から電子受取ということでございまして、被用者保険、特に健保組合の方は施行直前に大きく普及をしておりますが、国民健康保険の方が全面的なシステム刷新との関係がございまして、今年度の後半に100%になる見込みと伺っております。
16ページ以降は支払の早期化ということになりますが、昨年の当医療保険部会におきまして御審議をいただき、御説明をいたしました支払早期化のイメージが17ページでありまして、当初23年9月の診療分から国保分につきまして11月21日まで最大約10日の短縮ということを御提示してございました。
それは18ページにありますように、やはりレセプト電子化のメリット、先行してレセプト電子化を行った医療機関に対するメリットの還元ということで大きな意義があるだろうということであったわけでございます。
19、20ページがその後の状況でございます。私どもといたしましては、各保険者につきまして対応が可能かどうか引き続きお伺いしてまいりました。その結果、市町村国保でいいますと、96.4%の市町村国保、95.7%の国保組合が対応可能というお返事をいただくなど、かなりの割合のところから対応できるという返事をいただいているところでございましたけれども、21ページでは、各都道府県、国保連の状況でありますが、全面的なシステム刷新が行われる予定になっておりました影響が出ております。今年の3月の大震災の発生による計画停電などで導入試験が進んでいないという状況だと聞いております。このため10月請求分からの支払早期化が困難な状況になっております。
22ページが全体まとめでございまして、一番下のところでありますが、24年3月請求分から支払早期化を行う方向で調整をしております。近日中に関係者に通知を発するということで、対応を図ってまいりたいと思っております。
事務局からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
 ただいまの御報告内容について、何か御意見、御質問はございますか。
 柴田委員、どうぞ。
○柴田委員 国保の関係は今、武田課長から説明があったとおりでございますが、私どもの新しいシステムの導入の関係でもともとシステム開発自体難しい点もあったんですけれども、大震災の影響もあるということで遅れてしまいました。誠に申し訳ありません。
10月に全連合会で稼働するように、今、必死になって頑張っているところであります。安定的な運営状況が得られれば、ここで示されているとおり24年3月請求分からということを目指して頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。
 それでは、予定の時間を過ぎておりますので、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。
 次回の開催につきましては、追って事務局より御連絡が行くと思いますので、よろしくお願いします。
 本日は御多忙の中、お集まりいただきまして、本当にどうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

保険局総務課
庶務係(内線3177)
企画調査係(内線3218)
TEL:03(5253)1111

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