ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(児童部会) > 第35回社会保障審議会児童部会議事録




2011年7月1日 第35回社会保障審議会児童部会議事録

雇用均等・児童家庭局

○日時

平成23年7月1日(金)10:00〜12:00


○場所

経済産業省別館944号会議室


○出席者

委員

大日向部会長 松原部会長代理 石津委員
大澤委員 小杉委員 榊原委員
土堤内委員 山縣委員 吉田委員
渡辺委員

事務局

高井雇用均等・児童家庭局長 石井大臣官房審議官 田河総務課長
杉上虐待防止対策室長 為石児童福祉調査官 高橋家庭福祉課長
竹林母子家庭等自立支援室長 真野育成環境課長 鹿沼子ども手当管理室長
今里保育課長 泉母子保健課長

○議題

1.地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に
   関する法律の施行に伴う児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令案について
2.最近の児童行政の動向について

○配布資料

資料1社会保障審議会児童部会委員名簿
資料2地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令案について
資料3最近の児童行政の動向について
説明資料
資料3−1平成23年度雇用均等・児童家庭局第1次補正予算について
資料3−2雇用均等・児童家庭局における震災への対応について
資料3−3民法等の一部を改正する法律について
資料3−4社会的養護の課題と将来像について
参考資料
資料3−5児童館ガイドラインについて
資料3−6子ども手当のこれまでの経緯について
資料3−7保育所におけるアレルギー対応ガイドライン
資料3−8母体保護法の一部改正について
資料3−9里親委託ガイドラインについて
資料3−10児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令について(平成23年6月17日施行)

○議事

○大日向部会長
 定刻となりましたので、ただ今から「第35回社会保障審議会児童部会」を開催いたします。委員の皆さまには、お忙しい中、また大変お暑い中をお集まりくださいまして、ありがとうございます。
 会議に先立ちまして、事務局から資料の確認と委員の出欠状況についてご報告をお願いいたします。

○田河総務課長
 総務課長の田河です。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、お手元に配布させていただいております資料の確認をさせていただきます。最初に議事次第がございます。それから、資料1は委員の名簿でございます。資料2は「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備」等の省令案でございます。資料3はホッチキス留めで幾つかに分かれておりますが、「最近の児童行政の動向について」まとめたものでございます。資料3-1から資料3-10「児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令について」までございます。資料は以上ですが、そろっておりますでしょうか。もし不足等がありましたら、事務局へお声掛けください。
 次に、委員の出欠状況でございます。本日は秋田委員、才村委員、佐藤委員、前田委員から所用によりご欠席と伺っております。以上でございます。

○大日向部会長
 ありがとうございました。それでは、議事に入りたいと思います。今日は議事が盛りだくさんですが、12時を目途に終われるよう進めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、議事次第の2番目「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令案」について、事務局からご報告をお願いいたします。

○田河総務課長
 事務局から、資料2に基づきまして説明させていただきます。「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」の児童福祉法関係でございます。1の「改正の背景」でございます。地方分権改革推進委員会第3次勧告(平成21年10月7日)で方針が示されました以下の三つの重点事項のうち、特に地方要望に係る事項を中心に、地方分権改革推進計画に基づいて関連法律の改正を行うという形で行ったものです。その内容を大きく分けますと(a)「施設・公物設置管理の基準」あるいは(b)の「協議、同意、許可、認可、承認」あるいは(c)の「計画等の策定及びその手続」でございますが、児童福祉関係は主に(a)でございます。この法律は国会に提出されましたが成立が遅れて5月に成立いたしました。その成立を受けて、具体的な施行の準備に入ってきたという状況でございます。
 そして、2の「改正の概要」でございます。(a)の施設・公物設置管理の基準の見直しで児童福祉法の一部改正の中身でございますが、児童福祉施設・サービスの人員・設備・運営基準を、今までは厚生労働省令の最低基準省令に基づいて定めておりましたが、それを都道府県等の条例に委任するというものでございますが、その委任の仕方は2番目にありますが、人員・居室面積・あるいは人権侵害防止等の厚生労働省令で定める基準は「従うべき基準」、その他は「参酌すべき基準」とするという形になっております。ですから、人員や居室については厚生労働省令で定める基準に従って条例を作っていただくということになります。また、その他のものは「参酌すべき基準」になっています。ただし、保育所の居室面積基準につきましては、厚生労働大臣が指定する地域にあっては、政令で定める日までの間は「標準」とするとなっております。
 施行期日は平成24年4月1日という形でございますが、経過措置も設けられています。
 基準のイメージが少しわかりにくいので、次のページにそのイメージをお示ししております。先ほど申し上げたように、大きく「従うべき基準」「標準」「参酌すべき基準」の三つに分かれるわけでございますが、まず「従うべき基準」は、条例の内容を直接的に拘束する形になります。必ず適合しなければならない基準でございまして、当該基準に従う範囲内で地域の実情に応じた内容を定める条例は許容されるものの異なる内容を定めることは許されない。ですから、厚生労働省令で人員配置基準をここにお示しし、例えば保育所では保育士・嘱託医・調理員の配置を決め、保育士の数は、0歳児で3人に1人以上、あるいは1〜2歳児は6人につき1人以上というような基準を定めました場合においては、都道府県で条例をつくる場合も当然それに従っていただく。ただし、それを上回るような基準をつくることは許容されるわけでございますが、厚生労働省令に従っていただくという形になるものでございます。保育所あるいは児童養護施設の例をここにお示ししております。児童養護施設に置くべき職員として児童指導員等。あるいは、その人数として児童指導員と保育士の総数は例えば0〜2歳児は2人につき1人以上というような内容が決まるわけでございます。また、人員配置基準とともに居室面積基準、例えば保育所につきましては0〜1歳児を入所させる場合は乳児室の面積を1.65?/人、あるいは児童養護施設の児童の居室を4.95?/人にというような基準については「従うべき基準」という形で定めるということでございます。
 また、人権に直結する運営基準等も「従うべき基準」という整理になっております。具体的には、今は最低基準で書いてあります虐待等の禁止あるいは懲戒権限の濫用禁止、調理室の設置いわゆる自園調理の話でございます。あるいは保育所における保育の内容、保育指針の話でございます。また、秘密保持等といったものを「従うべき基準」として整理しております。
 もう一つの「標準」は、法令の「標準」を通常よるべき基準としつつ、合理的な理由がある範囲内で地域の実情に応じた「標準」と異なる内容を定めることが許容されるものであるということでございます。これは先ほど居室面接基準のところで保育所についての面積をご説明しました。「従うべき基準」と申し上げましたが、特に保育所の居室面積につきましては、先ほど説明しました法律の附則において例外的に厚生労働省令で定める地域にあっては、「標準」という形で定めるということが示されております。そのようなことから、待機児童問題が深刻で、かつ、地価の高い地域については、保育所の居室面積基準を「標準」の基準という形で整理しております。
 そして、「従うべき基準」あるいは「標準」でないものはどういうものになるかというと、「参酌すべき基準」という形になります。地方自治体が十分に参酌した結果としてであれば、地域の実情に応じて異なる内容を定めることが許容されるものでございます。衛生管理や入所者・職員の健康診断、あるいは関係機関との連携等のいろいろな内容が最低基準でも定められておりますが、そうしたものが「参酌すべき基準」という形で整理されます。
 次のページに、具体的に「従うべき基準」として整理される内容がどのようなものなのかというのを簡単に一覧表形式で整理させていただいております。まず、「従うべき基準」には人員配置基準が該当すると申し上げました。これは現行の児童福祉施設の最低基準の順番で整理したもので、冒頭に「第8条ただし書」と書いてあります。これは併設施設がある場合の扱いでございますが、他の社会福祉施設を併置するときの設備および職員の基準を定めたものでございます。右側には規定内容として入所者の居室、各施設に特有の設備、入所者の保護に直接従事する職員については、併置している社会福祉施設の設備及び職員に兼ねることはできないと、ある意味当たり前のことかもしれませんが、そのようなことが書いてあります。
 また、第17条は助産施設の職員に関する人員配置基準でございます。専任又は嘱託の助産師を置かなければならないこと。また、嘱託医の要件として産婦人科の診療に相当の経験を有する者といった現在、最低基準で規定しているものが「従うべき基準」として考えられるものでございます。
 第21条は、乳幼児10人以上を入所させる乳児院の職員についての条項ですが、右側の規定内容を見ますと、小児科の診療に相当の経験を有する医師又は嘱託医、看護師、個別対応職員等が規定されております。あるいは看護師の配置の基準等が規定内容に書いてありますが、内容が少し多くなりますので省略させていただきます。
 次の第22条は、乳幼児10人未満を入所させる乳児院の職員の基準です。
 第27条、第30条は母子生活支援施設の職員、これは右側を見ていただくと、母子支援員や嘱託医などを置かなければならない等が規定されております。
 第28条は母子支援員の資格、第33条は保育所に関する人員配置の中身でございます。右側を見ますと、保育士や嘱託医、調理員を置かなければいけないこと。保育士の配置に関しては乳児等の年齢に応じて職員を置かなければいけないことが規定されています。
 第38条は児童厚生施設の職員の関係です。
 ページが変わりまして、第42条は児童養護施設の職員です。右側に書いてあるのは現行の最低基準の中身でございますが、児童指導員や嘱託医等を置かなければいけないこと。また、下のポツですが児童指導員及び保育士の配置の人数等が定められています。
 第43条は児童指導員の資格あるいは、次の第75条は情緒障害児短期治療施設の職員、これも同様にどういう人員を配置しなければいけないのか。その場合の配置の基準等が定められております。
 そして第80条は児童自立支援施設の職員について同じように、どういう職員を置かなければいけないのか。その場合の職員の数等が定められています。
 第81条は児童自立支援施設の長の資格、第82条は児童自立支援専門員の資格、第83条は児童生活支援員の資格、第88条の3は児童家庭支援センターの職員の配置等でございます。
 次に、5ページです。今まで申し上げたのは人員配置についてでしたが、今度は「居室面積」についてでございます。第8条ただし書、これは面積についても併置している社会福祉施設と兼ねることはできないという内容でございます。
 第19条は乳幼児10人以上を入所させる乳児院の設備の基準、第20条は乳幼児10人未満の乳児院の基準、第26条第1号から第3号あるいは第30条第1項は母子生活支援施設の設備の基準でございます。第32条等が保育所の設備の基準でございます。第41条第1号・第2号は児童養護施設の設備の基準、第74条第1号・第2号は情緒障害児短期治療施設の設備の基準、第79条第2項は児童自立支援施設の設備の基準。このような居室面積基準を「従うべき基準」として定めていくということでございます。
 次の?は人権に直結する運営基準、これも「従うべき基準」であると整理したいと思います。第9条は入所した者を平等に取り扱う原則。あるいは第9条の2は虐待等の禁止、第9条の3は懲戒権限の濫用禁止。第11条は食事。これは自園調理の原則、そして第14条の2は秘密保持等の規定、第15条は助産施設の医療法上の位置付け。そして、次に第19条第1号、第26条第2号など色々と書いておりますが、中身としては調理室の設置を義務付けたものでございます。第32条の2は保育所での食事に関する外部搬入の特例を認める場合の要件、第35条は保育指針。このような内容を「従うべき基準」として定めていきたいと考えております。
 次に、6ページこれは先ほどご説明した法律が逆綴じになっております。9ページが頭で実際の法律がどういう形で規定されているのかという中身です。9ページをお開きいただくとわかりますが、簡単に第45条だけお示ししますと、下段が現行でございます。これは法律でございます。「厚生労働大臣は、児童福祉施設の設備及び運営並びに里親の行う養育について、最低基準を定めなければならない」と、大臣が定めるということが書いてあります。それに対して、上段の改正後のところを見ますと、「都道府県は、児童福祉施設の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない」と規定されております。
 ?と書いてある第2項ですが、「都道府県が前項の条例を定めるに当たっては、次に掲げる事項については厚生労働省令で定める基準に従い定めるもの」とありますが、これが「従うべき基準」ということです。
 「その他の事項については厚生労働省令で定める基準を参酌するものとする」となっておりますが、ここに列挙されたものが「従うべき基準」で、先ほど説明した内容でございます。1「児童福祉施設に配置する従業者及びその員数」、2「児童福祉施設に係る居室及び病室の床面積その他児童福祉施設の設備に関する事項であって児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの」、「児童福祉施設の運営に関する事項であって、児童(助産施設にあっては、妊産婦)の適切な処遇の確保及び秘密の保持、妊産婦の安全の確保並びに児童の健全な発達に密接に関連するものとして厚生労働省令で定めるもの」等が「従うべき基準」で、その他のものについては「参酌すべき基準」となっております。
 6ページをお開きください。6ページに附則として保育所の面積の話がございます。保育所に係る居室の床面積の特例としまして、「都道府県が第13条の規定による改正後の児童福祉法第45条第1項の規定により条例を定めるに当たっては、保育の実施への需要その他の条件を考慮して厚生労働省令で定める基準に照らして厚生労働大臣が指定する地域にあっては、政令で定める日までの間、同条第2項の規定にかかわらず、保育所に係る居室の床面積については、同項の厚生労働省令で定める基準を標準として定めるものとする」とあります。原則は「従うべき基準」でございますが、先ほど申し上げたように、待機児童問題が深刻で、かつ、地価の高い地域については「標準」として定めるという形になるわけでございます。
 「従うべき基準」の内容につきましては、先ほど一覧表でご説明した内容で考えておりますが、どういうものを厚生労働省令で保育所の居室面積の特例と定めるのかという点につきましては、まだ調整中でございますので、後ほど、また各委員にご説明させていただきたいと考えております。そして、この「従うべき基準」の内容等につきましては、また他の施設も同様でございますが、パブリックコメント等にもかけながら、内容を固めていくことを考えております。説明は以上でございます。

○大日向部会長
 ありがとうございました。ただ今の事務局からのご説明・ご報告に対しまして、委員の皆さまからご質問等がありましたら、お願いいたします。

○山縣委員
 不勉強なので、2点教えていただきたいのです。1点目は、現在の最低基準は省令で定める基準としてその後も独立した形で残っていくと考えてよろしいのでしょうか。
 2点目は、保育指針に関してですが、今、並行してこども指針の策定が予定されていますが、現段階の枠組みを見れば、こども指針の中に保育所のみを理想とするパートと、今の保育所の相当数が移行する総合施設に対応するパートがあります。もし、こども指針が出来上がったときにどこまでこれがかかっているのか。保育指針というのは、一番下の小さいところだけを指しているのか、旧保育所パートを指しているのか、こども指針全体を指すのか。そうすると、厚生労働省だけの管轄ではなさそうな気もするし、その辺は、まだできていないところですから伝えにくいかもしれませんが、今の段階でおわかりのことがあれば教えていただきたいと思います。

○田河総務課長
 まず、最初の方でございますが、資料2の最後の9ページをお開きください。説明がわかりにくかったかと思いますが、下段に現行法が書いてありまして、これを見ると第45条で「厚生労働大臣は最低基準を定めなければならない」となっております。これが厚生労働省令で定める、施行規則として定めた内容でございます。そして、今は厚生労働省令で定めたものが直接的にそれが最低基準という形で適用される形になります。
 改正後の姿は上段になりますが、厚生労働大臣が基準を定めるわけではなく、都道府県知事が条例で定めることになるわけでございます。ただ、都道府県知事が条例を定める際に、上の?第2項のところで書いてありますように、「都道府県が前項の条例を定めるに当たっては、次に掲げる事項については厚生労働省令で定める基準に従い定めるものとする」となっております。
 ですから、実は人員配置や面積などは厚生労働省令で引き続き定めるわけでございますけれども、今までは直接的に適用されていたものが、今後は一度厚生労働省令で基準は定めるのですが、それに従って都道府県で条例を定めていただく。上乗せする場合もあるかもしれませんが。
 そういう形で、例えば人員配置や面積の基準が残るといえば残るわけでございますけれども、位置付けが変わってくるかと思っております。

○山縣委員
 今の最低基準に相当するものは、名前は変わるけれども、その独立した省令が残っているという形で理解してよいということですね。わかりました。ありがとうございます。

○大日向部会長
 それでは、二つ目の指針に関しては今里保育課長から、お願いいたします。

○今里保育課長
 こども指針の検討では、現在ワーキングチームで検討されているのは、こども指針という形の基本的な理念を定める部分と、それから施設に関してのそれぞれの保育をする内容などを定める部分があるという形で全体の保育の内容を決めるという形になるわけです。ここで言われている保育指針というのは、施設に関する部分のことだけを指しております。
 では、基本理念の部分はどうなるかといいますと、それは基本理念をどのような法形式で定めるかというのはまだ決まっておりませんので、それはこの地方分権との関係ではどういう位置付けになるのか、そちらの方で整理していく。新しい位置付けを考える中で整理していくことになろうかと思います。

○山縣委員
 後半の部分はどうなりますか。厚生労働省が管轄されるのは三つに分かれた中のどの部分になりますでしょうか。

○今里保育課長
 後半の部分で、厚生労働省が管轄するのは保育指針であることは間違いありませんけれども、総合施設保育要領というものは、総合施設法及び総合施設に関する所管の官庁がどうなるかということが、これもまだ今後の検討課題として残っています。その中で決まっていくことになると思います。

○山縣委員
 意見は別として、とりあえず枠組みについては了解いたしました。

○大日向部会長
 吉田委員、お願いいたします。

○吉田委員
 私も不勉強なので確認と質問と要望を一つずつお願いします。先ほどのご説明で、恐らくそうであろうと思いますけれども、最低基準の地方条例化で「従うべき基準」に関して、そもそも最低基準は自治体や施設が常にそれを改善しなければいけないという大前提がありますので。例えば、地方条例の中で職員配置基準を、今は最低基準上1〜2歳は6:1ですが、運用上、自治体によっては5:1にしたり、3歳の20:1を15:1にしているのですが、これを地方条例の中でそのように規定することが可能なのだろうという確認が一つです。
 それから、調理室を置いて自園調理が原則だけれども、3歳以上については外部搬入を認めるようになって、これも地方条例の中で自治体によっては「外部搬入は原則として認めません」ということがあり得るのかどうかという確認です。
 それから質問の方ですが、この施設設備の基準には直接関係ないと思いますが、児童福祉法の中で今回家庭的保育が位置付けられていて、家庭的保育の基準については一体どうなっているのかということが一つです。
 それから、要望です。これはほとんど独り言のような要望ですが、実際に施設側からすると最低基準だけではなくて、建築基準法や消防法が施設設備上かなりブレーキで、非常に不合理な部分があると聞いています。あるいは、今どこまでやっているかわかりませんが、新しく造るときにルックス調査のようなもので、かなり明るくしなければいけないというようなことがあって、今回の震災でかなり節電でオフィスを暗くしていますが、かえって良いのではないかということ。私はヨーロッパの保育室は基本的に暗いと思いますが、単に明るいだけでよいのかということも含めて、厚生労働省の所管ではないと思いますが、実際の施設運営の中で施設設備等でかなり見直したら良い部分があるような気がしています。可能な範囲で、その辺の実態を把握するなり、今後に備えていただければありがたいという要望です。

○大日向部会長
 それでは確認事項とご質問事項について、お答えをお願いいたします。

○田河総務課長
 上乗せが認められるのかというご質問ですが、それは当然認められると考えております。

○今里保育課長
 家庭的保育の部分ですが、今回は児童福祉施設の施設の部分について地方分権を進めるのがもともとの趣旨でした。実は、家庭的保育の実施基準については同じく定めていますが、これは今回の対象にはなっておりません。ただ、新しい子ども・子育て新システムを検討する中で、基準をどのように決めていくか。それと国と地方の裁量の関係をどのように考えるのかという議論がありますので、それはその中で含めて検討していくと思います。

○大日向部会長
 よろしいでしょうか。他に、いかがでしょうか。石津委員、お願いいたします。

○石津委員
 この「従うべき基準」のことですけれども、待機児童問題を解消するためにそれぞれの自治体が自分たちの考えを基に基準を決めて、それを対応させてほしいというのが、そもそもの始まりだったと思います。そのような意味では「従うべき基準」として定められている基準が、詳細が私はわからないので、従来と変わっているのか変わっていないのか。もし、従来と変わっていないのであれば、待機児童を解消するために、悪ければ基準を下げて対応しようということは実質できないということでよろしいのかどうか。私はそれを肯定しているわけではないのですが、結局何も変わっていないというのが私の感想ですので、特に「従うべき基準」が従前の最低基準とどのように変わったのかということをお尋ねしたいです。
 もう一つ、お金の問題で補助金として地方が国からいただくお金については、「従うべき基準」あるいは従来の最低基準との兼ね合いで変わるのか変わらないのかということです。それをおたずねしたいと思います。
 これとは直接関係がないのですが、今もお話がありましたこども園に関して、保育だけの場合には0〜2歳だけになっていて、自治体がこれからどうするのかはこれから検討に入るところですが、保育課長もいらっしゃいますので、ぜひお伺いしたいのです。0〜2歳だけを公立がやって、その後は幼稚園でもこども園でも行ってよいという考えで0〜2歳だけの保育を設定しているのか。その辺の考えをお聞かせいただきたいと思います。

○今里保育課長
 まず最初の「従うべき基準」が今後どのように定めるかです。これは基本的には、もともと地域主権の議論が平成21年にありましたときには、地方のいろいろな実情に合わせて、地方が自主的に基準を決められるようにするべきではないかということと、子どもの生活を考えれば、一律に最低の分は決めておくべきで、それは下げるべきではないのではないかという両方の考えがありまして、その中で新しい法律の仕組みができたという前提があります。その中で新しい仕組みの中においては国の方で「従うべき基準」として決める基準の内容、水準については従前どおりという意味で、そこのところは委員がご指摘のとおり変わらないというところですが、先ほど総務課長が説明しました附則の部分がございまして、待機児童の状況が非常に大変な場所で、しかも土地を取得することが困難であるところについては、いわば緊急避難的に期間を区切って、国の基準よりも今おっしゃった意味で言えば低い基準を決めることも可能だという部分が一部に出てくる。そういう形で待機児童の問題には対応していこうという部分があります。それがどういう自治体の範囲になるか、どこが範囲になるかについての基準といいますか考え方については、先ほどもご説明させていただきましたように、今は整理中であるということです。
 それから、もう一つのこども園の関係です。0〜2歳の保育所が残るということはどういうことかといいますと、何も子どもの生活を0〜2歳が保育で、3歳から上が幼稚園なり総合施設ということで区切ろうということではありません。現実に0〜2歳だけを対象にしている保育所が全国にある程度の数あります。そういうものについては保育所という形で残って、しかし3歳から上のところとはうまく連携していこうということで考えているわけです。全般的に役割分担をしていこうとか、そういうことではありません。

○石津委員
 お金の話は。

○今里保育課長
 お金の話は現行の保育所で申しますと、国が決めている児童福祉施設の最低基準に従って、それによる運営が可能になるような形での運営費は国庫が2分の1を負担することになっています。今後の考え方としましても国が考える基準、国が考える今回「従うべき基準」として示すものが、そういった費用の算定の基準になると考えております。

○大日向部会長
 よろしいでしょうか。他に、いかがですか。では榊原委員、お願いいたします。

○榊原委員
 今、ご説明いただいた内容については理解しましたが、これまでこうした整理が行われるまでの流れは、待機児童の解消や財政面からの要請があり、その中でいかに効率化・合理化できるのかというドライブの中で、いろいろ工夫を重ねてこのように整理していただいたと理解しています。その上で、3月11日にあれだけ大きな震災が起きた中で、小さな子どもたちの施設がどうだったのか。国や自治体でも再整理されている段階だと思いますが、私も何回か被災地に話を聞きに足を運んでいる中で、例えば保育所については、津波で土台しか残っていないような大きな被害があった所の方たちが、1人の子どもも残さずに逃げ切っていらっしゃる体験を幾つか伺ってみると、小さい0歳の子どもも含めて例えば50人、70人、80人いるような保育所が20人くらいの先生たちで逃げ切っていらっしゃる。どうしたのですかと伺うと、「私たちは最低基準の2倍の職員を持っていた。だからこそ、逃げ切れた」ということが一つ。それから、あれだけ地域のつながりがあるところだったので、園庭に子どもたちを出して点呼した上で、全員いるとわかったらさっと逃げ始めたらしいのですが、園庭に子どもたちが出た段階で、近所の人たち、例えば隣にある学童クラブの職員の方たちが駆けつける。一緒に逃げようとしていた同じ流れの中にある中学校の人たちも手が空いた人が手伝ってくれる。近所の会社のサラリーマンの人たちも手が空いたら助けてくれるという形で皆の手があったから守りきれた。赤ちゃんたちはおんぶするのでも1人が1人しかおんぶできないわけで、1歳の子どもたちは滑車という、いつもの散歩だったら4人か5人しか入らないところに10人くらい入れて運ぼうとしたら、3人の先生でも重くて運べなかった。それをたくさんの人が来て一緒に運んでくれたから逃げられた。2歳以上の子どもは歩かせたというのですが、それも勝手に歩きなさいと言って避難所まで行けるわけがないので、たくさんの人が一緒に歩いたはずです。そのような大変な体験を聞いたり、職住近接が多いはずの三陸の地方ですら親たちはすぐに子どもたちを迎えに来られなくて、3日3晩子どもたちを守り続けて、親に引き渡すまで責任を持ってかかわり続けたという話を伺うと、都市部で大規模な災害があったときに一体どうなのかということに対する再検討が必要ではないかという気がしています。都市部で待機児童が多いところでは、合理化・効率化のドライブが非常にかかっていると思いますが、入れ替わりの多い非常勤職員が多く配置も薄いような保育園で、親たちもすぐに迎えに来られるわけがないところで、小さな子どもたちを守り抜くことができるのかという視点での基準のもう一度の見直しが必要なのではないか。厚生労働省だけではなくて自治体の責任が大変大きくなったと思いますが、皆でやるべき必要があるのではないかという気がしているので、これは要望ということになります。

○大日向部会長
 ありがとうございます。とても貴重なご意見だと思います。このことは次の議題に予定されております「最近の児童行政」のところで大きな課題となっております。そろそろ時間もまいりましたので、他にご質問がなければ、今の榊原委員のご指摘とちょうど重なりますので、次の議事に移りたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
 次の「最近の児童行政の動向について」として、事務局からたくさん資料が出ています。まず事務局からご説明をお願いいたします。

○田河総務課長
 資料3「最近の児童行政の動向について」の1枚紙があります。その裏に目次が付いています。説明資料として資料3-1「平成23年度雇用均等・児童家庭局第1次補正予算について」、資料3-2「雇用均等・児童家庭局における震災への対応について」、資料3-3「民法等の一部を改正する法律について」、資料3-4「社会的養護の課題と将来像について」。資料が多いので説明はここまでとしまして、資料3-5からは配布のみとします。失礼いたします。
 まず、資料3-1「平成23年度雇用均等・児童家庭局第1次補正予算の概要」です。東日本大震災に係る復旧支援。雇用均等・児童家庭局関係で一つは被災者への支援として27億円。地震や津波によって日常生活を奪われ、いろいろな不安や悩みを抱えていらっしゃる方々が多くおられます。そのような方々に対して児童福祉にかかわる専門職種の者が必要に応じてスクールカウンセラー等とも連携を図りながら、避難所、仮設住宅などいろいろな所で生活している子どもたちに対して相談・援助。その相談・援助の中身もかなり幅広い内容が含まれていると思っています。そのための支援として安心こども基金に27億円を積み増ししております。
 そして第2の「被災地の復旧支援」。児童福祉施設等も震災の被害を受けております。この復旧に要する費用として、まず施設整備として47億円。これは国庫補助率の引上げをしております。児童相談所・児童厚生施設をこのようにしておりますが、括弧書きの下、上記の他に「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」に基づいて、自治体の財政力に応じ特別の財政援助を行う。むしろ保育所に関してはこちらの方の適用を受けているものが多いと思います。それから、子育て支援関連施設等に係る復旧支援として8億円。地域子育て支援拠点等の関連施設が契約や再開準備に関する経費が必要になる場合があります。その経費を8億円予算計上しております。
 次のページです。それぞれの予算の内容を簡単に説明したものです。最初は安心こども基金に積み増しした27億円です。積み増しのお金は、都道府県に安心こども基金が積まれていますが、事業主体としては都道府県のみならず市町村という形で考えております。そこでイメージ図にも描いてあるように避難所にいる子ども、親族宅に引き取られた孤児、あるいは被災体験を抱える子どもの自宅、保育所等に出向いて支援していく形を想定しております。
 次に、47億円の施設整備の補助金です。災害復旧です。(3)の「負担割合」を見ていただきますと、?に先ほど説明した激甚法の対象施設、児童養護施設や保育所については100分の50〜100分の90。財政力に応じて最高100分の90まで通常の国庫負担割合に加算していくという形で対応を考えております。
 最後のページです。「子育て支援関連施設等に係る復旧支援事業」として8億円。ここは被災した地域子育て支援拠点等が場合によっては場所を移った場合に初期契約費用等がかかったりします。そうした経費をまかなうためのお金です。補正予算の説明は以上です。
 次に資料3-2です。「雇用均等・児童家庭局における震災への対応について」です。まず幾つかの項目に分けて書いていますが、「子どもへの支援」と書いたところです。ここは3月から被災地の児童相談所職員と他県からの応援の職員でチームを組みまして各避難所を巡回し、現状の把握に努めるとともに、両親を亡くした児童の確認や面談、あるいは養育・生活に関する親族との話し合いも実施しております。現在、両親を亡くした子どもの数は218人という形になっています。
 2番目の丸です。そうした避難所の巡回もありますが、今回の震災により親を亡くした児童については岩手県、宮城県、福島県、仙台市に対し文部科学省と連名で通知を出して、学校や保育所を通じても把握をお願いしております。その際、ひとり親となった児童の把握状況についても照会しておりますし、片方の親御さんを亡くしてひとり親となった家庭が必要な支援が受けられるように遺族年金やハローワークの窓口等にひとり親家庭に対する支援策の概要や照会先を掲載したチラシ等も置いているところです。
 三つ目の丸です。両親を亡くした子どもはどうなっているかです。多くは親族とともに生活しています。そのため、私どもとしては親族里親という制度がありますので、その制度を積極的に活用していただけるよう周知を図っているところです。親族が養育できなくなった場合は、養育里親やファミリーホームなどを活用し、できるだけ家庭的な環境で養育できるようにしていく方針です。その他、ケアに関する手引きを配布したり、児童精神科医の派遣等の取組も連携を図っているところです。
 次のページは「乳幼児・妊産婦への支援」です。震災等によって妊婦健診あるいは乳幼児健診等の母子保健サービスが受けられなくなるのではないか。そうしたことのないように各自治体にお願いしております。
 あるいは2番目の丸ですが、避難している妊産婦等への支援のポイント。そうしたものの情報提供もしております。
 また3番目の丸です。3月22日には妊産婦・乳幼児についての住まいの確保等も自治体にお願いしています。また、生活支援ニュースで避難所生活の留意点等を掲載しております。
 5番目です。福島県・関東地方の乳児を持つ授乳者を対象にした、母乳の放射性物質濃度等に関する緊急調査も行っています。最初は4月24日から28日にかけて調査しました。その際、対象人数は二十数名でしたが、緊急調査で母乳から微量の放射性物質が検出された方もいらっしゃいました。ただ、その値は非常に低い値で、そのまま授乳を継続しても問題ないレベルではありましたが、検出された方に関しては5月に再測定を行っております。さらに福島県及び近隣県等において厚生労働科学研究班によって、より大規模な100人規模の調査を行っております。その結果、微量の放射性物質が検出された方はいらっしゃいますが、これは授乳を継続していただいても問題のないレベルのものでした。そして国立成育医療研究センターが作成した支援のポイント等も配布しております。
 次に「保育の実施等に係る対応」です。保育の実施は震災等により大きく影響を受けております。そのため、広域的な調整体制の構築や費用負担の特例についてQ&A等を発出しております。主な内容としては、基本的には柔軟な対応をお願いしています。住所変更がなくても広域的調整体制で行っていただきたいとか、避難先での新たな「保育に欠ける」認定も聞き取り等の簡便な方法で行って差し支えない等をお示ししております。
 また2番目の丸です。被災により入所児童数が著しく減少した保育所等についての、保育所運営費の特例として、法人との職員の雇用契約が継続していれば、事務費等をそのまま支弁する保育所運営費が継続できるような対応。あるいは、被災によって保育料を減免した場合は公費負担が増えます。公費負担が増えた場合は地方負担も増える。そうしたことのために安心こども基金による減免事業もできるようにしております。
 次に「子ども手当に係る対応」でございます。被災地の事業所によっては賃金の支払いに著しく支障が出る場合があります。その他、子ども手当の事業主拠出金も免除することとしておりますし、申請する際に書類が整わない場合については柔軟な対応をお願いしています。
 次のページが「母子家庭等への支援」です。ここは児童扶養手当に関しても弾力的な運用を自治体にお願いしているところです。住宅等の財産に概ね2分の1以上の損害を受けた場合の所得制限の緩和や新規認定時の添付書類の省略等をお願いしております。また、母子寡婦福祉貸付金について償還期間の猶予。あるいは、母子生活支援施設への円滑な入所等についてお願いしております。
 また、「東京電力福島第一原子力発電所事故関連」でございます。原子力災害対策本部から、福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な考え方が示されたことを踏まえまして、保育所等の園舎・園庭の利用に当たる留意事項、3.8マイクロシーベルトを超えるものについては、屋外活動を制限していただきたいという内容です。そうしたことの通知もしております。
 そして2番目の丸では、その他の保育所以外のものについても同様に通知しております。
 3番目の丸です。5月11日に文部科学省が「実地調査を踏まえた学校等の校庭・園庭における空間線量低減策について」を発出しております。それと合わせるような形で同様の内容を児童福祉施設等にも通知しております。具体的に言いますと、校庭・園庭の土を例えば上下を入れ替える。そうすることによって放射線量がかなり低減できる。そうしたことを通知するとともに、財政的支援を予定する旨の通知もしているところです。また、当然保育所等のモニタリング等も行っております。
 5ページが「夏期の電力需給対策に伴う対応について」です。ここは夏期の電力需給対策に社会福祉施設等への節電もお願いしておりますが、もう一つ夏期の電力需給対策に伴いまして企業の就業時間・就業日が変更されております。そのため、都道府県・市町村に対し、休日保育等の利用ニーズの把握、あるいは実施体制の確保を依頼しております。また、休日保育についての財政支援を、安心こども基金を活用して行うことを通知しているところです。資料3-2の説明は以上ですが、引き続いて他の資料も説明させていただきたいと思います。

○杉上虐待防止対策室長
 虐待防止対策室長の杉上でございます。引き続きまして、資料3-3をお目通しください。民法等の一部を改正する法律の関係です。この資料上は「児童虐待防止のための親権制度の見直しについて」となっております。
 2ページです。平成19年の児童虐待防止法の改正の附則第2条におきまして「児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から親権に係る制度の見直しについて検討を行う」という規定になりました。
 1ページに戻りまして、それに基づきまして研究会を設けて問題点の整理。二つ目のところで「審議会における検討」ということで、法務省の法制審議会において部会で検討を行った要綱案がまとめられたことを書いています。
 その下の丸では、厚生労働省ですが、児童福祉法等の関連の部分について検討する事項があるということで、この部会の中に専門委員会を設けていただきまして検討が行われたところでございます。検討結果等につきましては今年の2月にこの児童部会におきまして、今日はご欠席ですが、この専門委員会の委員長であります才村委員と事務局からご報告したところでございます。その際、この報告書等の内容に合わせて法律案を策定し、今国会に提出する予定ということで申し上げたところでございます。その後の状況について今日はご説明したいと思っています。
 法律案の提出は、共同法案という形で「民法等の一部を改正する法律案」として国会に提出申し上げました。「法案の審議経過」のところにありますとおり、衆議院・参議院とも法務委員会でご審議いただきました。すべて全会一致で可決したところであります。また、この審議の過程の際のポイント、質疑内容あるいは衆・参・法務委員会ともに付帯決議がなされております。それらの点についても若干コメントしながら法案の中身についてご説明申し上げたいと思っております。
 なお、最後の「施行日」のところですが、一部を除き、公布の日が平成23年6月3日ということで、5月27日に可決しまして、6月3日に既に公布されております。施行日につきましては、公布の日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日となっており、現在のところ、関係省庁と協議していく必要はありますが、平成24年4月1日には施行したいということで、政令を秋にでも公布するということで考えているところです。
 それから、後ほど改正法の施行に伴いまして、いろいろな通知といいますか、いろいろな宿題事項等があります。それらについても併せて検討中で、これらについても年内にはパブリックコメントを経た上で通知したいというような作業日程を考えているところです。
 3ページにつきましては「民法等の一部を改正する法律の概要」ということになっております。「要旨」につきましては、先ほど申したとおり、改正法の附則に基づいて、親権制度全般を見直すことになっております。
 「要点」につきましては大きな二つの柱があります。「親権の喪失の制度等の見直し」それから「未成年後見制度等の見直し」、それから「その他」となっております。個別の説明は4ページです。現行法との違いで対比しておりますので、こちらでご説明申し上げます。色塗りのところの説明ですが、黄色の部分は民法、ベージュ色の部分については児童福祉法の改正となっております。
 まず大きな1点目は「親権停止制度の新設」ということです。現行の民法につきましては、親権喪失という制度があるわけですけれども、あらかじめ期限を定めて親権を制限する制度はないということで、これについて使い勝手が悪い等の問題があったわけですけれども、改正後につきましては一定期間、2年以内ということになっておりますが、親権停止の制度を新設することになっております。
 それから、2点目の「親権の喪失等の請求権者の見直し」です。民法上は現在の親権の喪失等の裁判所への請求権を有するのは、子の親族および検察官となっております。また、その下のところですが、児童福祉法で児童相談所長は、親権喪失についてのみ、家庭裁判所への請求権を有するということを今回の改正におきましては、民法においては子ども自身及び未成年後見人、それから未成年後見監督人にも請求権を有するようにする。その下ですが、併せて児童相談所長について今般設けられた親権停止及び従来からありますが管理権喪失の請求、あるいは取消しについても請求権を有することにしたということです。この点につきましては、親権の停止制度はまさしく今ある親権喪失制度に加え、新たに保護者指導など、親子再統合に向けた取組と併せて適切に対応していくという課題があるわけです。そういったものについて取り組んでいきたいと考えております。
 次に「施設長等の権限と親権との関係」です。現行法では親権者がいる施設入所児の場合ですが、施設長等の権限につきまして、児童の監護等に関しその福祉のために必要な措置をとることができるという規定があるわけですが、親権者の親権との関係が非常に不明確ではないかということになっていたわけです。改正後のところにありますとおり、施設長等が児童の監護等に関し必要な措置をとる場合については、親権者は不当な主張をしてはならないということを規定する形で法改正がなされています。その際に、必要な措置を適切にとるために不当な主張の判断基準、あるいは不当な主張等を繰り返す場合について、例えば先ほど言った一時停止にいくような形になるのか、あるいは親権喪失の申し立てをするのか。そういった手順等も含めた基準等を設けるという課題等があるわけです。そういったものについて我々としては検討していくこととしております。
 それから「未成年後見制度等の見直し」ということで、現行法上、未成年後見人は個人で、かつ、一人でなければならないということで自然人を想定しているわけです。今般、そういった自然人ということで、なかなかなり手がないということで、未成年後見人は法人または複数でもよいとなっております。これらについても、ここで「法人」という言葉が出ているわけですけれども、想定としましては施設を退所した児童の元の例えば施設を経営する社会福祉法人、もちろん民法上は制限がないわけですが、そういったものを主に想定されているわけです。また、そういった仕組みを設けるに伴いまして、国会の審議、あるいは付帯決議におきましてそういったものの支援策を検討することなどもいわれているわけです。
 最後の点ですけれども、「児童相談所長による親権代行」ということで、現行法上は施設入所の場合について親権者がいない場合については施設長が親権を代行するという規定が設けられております。里親あるいは一時保護中の親権者等のいない児童については、現在規定がなかったわけですが、改正後につきましてはそこについて整理をし、児童相談所長が親権を代行するという規定を設けまして、これら全般を通じて、子どもの適切な監護をしていくということで法律案を出させていただきまして、先般成立したということです。駆け足でございますけれども、私からの説明は以上です。

○高橋家庭福祉課長
 引き続きまして、家庭福祉課長の高橋でございます。資料3-4の「社会的養護の課題と将来像について」の資料のご説明をさせていただきます。社会的養護の課題について、1月から集中的な議論をしております「児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会」を設けまして、また「社会的養護専門委員会」とも連動しながら議論しておりまして、昨日、児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会で、委員会のとりまとめを行いました。この資料は昨日の委員会資料です。そこで出ました意見なども踏まえまして、文案は若干調整し、さらに社会的養護専門委員会で議論して最終的に確定したいと思っております。
 資料3-4の?は、まだ(案)と付いておりますが、そのとりまとめです。構成は「基本的考え方」、「施設等種別ごとの課題と将来像」「社会的養護の共通事項の課題と将来像」「施設の人員配置の課題と将来像」また「社会的養護の整備量の将来像」という構成になっております。詳細は細かいのですが、次に横長の資料3-4の?というパワーポイントの概要資料がありまして、これをもう少しダイジェストにしたものが資料3-4の?の「社会的養護の課題と将来像(要点)(案)」というものです。これにつきまして、かいつまんで概要をご説明申し上げます。
 そもそもの議論の位置付けを書いておりますが、社会的養護はかつて親がない、親に育てられない子どもへの施策でした。しかし、現在は虐待を受けて心に傷を持つ子ども、障害のある子ども、DV被害の母子への支援と役割が大きく変化しておりまして、その役割機能の変化にハード・ソフトの変革が遅れている。これをしっかりとしなければいけないという課題設定です。
 大きな方向は四つ目の丸にありますように、?家庭的養護の推進、?専門的ケアの充実、?自立支援の充実、?家庭支援、地域支援の充実とあります。下の図にありますように、社会的養護には児童養護施設などの施設があるわけですが、それから里親等の家庭的養護に大きくシフトしながら全体を立てていく。また、市町村の部分の役割が非常に大きくありまして、市町村の子育て支援事業の中での虐待の発見、あるいはその後の支援、また市町村の要保護児童対策地域協議会の取組というところは市町村と児童相談所と都道府県と密接な連携の下で全体のトータルな仕組みとして推進していくものです。
 1枚おめくりいただきまして、課題と将来像の一番大きなポイントは家庭的養護の推進ということですけれども、現在、児童養護施設の7割が大舎制で、定員100人を超える大規模施設もあるわけです。このような環境の中で子どもたちが育つのではなく、できるだけ家庭的な環境で大人との1対1の関係を大事にしながら育てられるようにしようということ。そのために、大きな施設を小さくする。施設本体を小規模化する。またケア単位も大きな単位でケアするのではなく、キッチンがあって、居間があって、子ども部屋が三つ、四つあるような小さい小規模グループケアで、そのような子ども6人から最大8人ぐらいまでの単位で生活できるように本体施設の中も変えていく。また、施設の外で地域の住宅を借りて行うようなグループホーム、さらに個人の方に引き受けていただく里親、その里親が少し大きくなったファミリーホームという形態。このようなものに施設そのものを地域分散化させまして家庭的養護を推進していくのが大きな方針です。児童養護施設につきましては、将来は全施設を小規模グループケア化し、定員規模も45人以下にしていく。施設が地域支援の拠点機能を高めていくという方向性です。そのための手段をこれから講じていきたい。
 次のページの「乳児院」「情緒障害児短期治療施設」「児童自立支援施設」「母子生活支援施設」は、それぞれ専門的施設の課題を抱えております。乳児院でも病気の子ども、障害の子どもなどが増えておりまして、その対応。情緒障害児短期治療施設は、まずは設置数が非常に少ないので、設置推進。母子生活支援施設は、これまでは生活に困窮する母子に住む場所を提供するという古いタイプの機能でしたけれども、今はDV被害者などへの支援という大きな役割が中心になっております。そのための支援の充実という点。
 次のページは里親委託の推進ということで、そのための施策です。日本の社会的養護は施設が9割、里親が1割です。欧米では里親が中心で行われているわけですが、これまで日本ではなかなか進みづらいということも言われているわけですが、実際には例えば新潟県では里親の割合が32%となっています。また、最近5年間で福岡市は里親委託率6.9%から20%へと、たった5年間でこれだけ大きく伸ばしているということで、しっかりとやればできるということです。そのためにやっているところでは、児童相談所に専任の里親担当職員を置く。また里親支援機関、民間委託などを充実する、あるいは体験発表会や市町村と連携した広報、NPOや市民活動を通じた口コミなどの努力をしているわけです。このような所の事例を集めて他の自治体に提供したり、また里親委託ガイドラインの策定などをしているところです。
 また、「望まない妊娠」で保護者が養育できない場合に、新生児里親から養子縁組につなぐような取組など、そのようなものの推進を図っていきたいということです。里親につきましては数を増やすとともに里親支援です。虐待を受けて育てにくい子どもにつきましても、施設のカウンセラーが支援する、あるいは里親会での先輩里親からのいろいろな援助もあるというような体制をつくっていきたいということです。
 その次に「ファミリーホーム」「自立援助ホーム」「児童家庭支援センター」とそれぞれ課題があるわけです。
 その次のページに3の社会的養護の共通事項です。このうちの(1)「施設の運営の質の向上」という点です。児童養護施設でも非常に良い取組をしている所と、まだまだな取組の所との格差が大きいわけです。子どもがどこの施設に措置されるかによって不平等がないように、全体の底上げが必要です。そのために、施設種別ごとの施設運営指針の作成作業を今年度実施したい。施設種別ごとのチームをつくりまして、また先進的な施設などでの運営のノウハウをしっかりと広めていくような手引書的なもの。そのような実践的な知恵や技術を言語化したものを作っていこうということです。
 それから「第三者評価」ですけれども、社会福祉施設共通で行われているものは任意の仕組みで、なかなか社会的養護の施設でも進んでおりません。そういう意味で、社会的養護の施設は子どもが施設を選べない措置施設ですし、施設長の親権代行などの規定もあります。今回の改正でもその辺が強化されるわけで、質の向上の取組として第三者評価の義務付けを最低基準に盛り込む改正を今年の夏に行いたいと思っております。その上で、第三者評価機関の評価の質の向上を図るために、評価の基準や社会的養護の評価を行う評価機関の指定、あるいは研修などを来年に向けて行っていきたいと思っております。
 また、「施設職員の専門性の向上」ということで、施設長の資格要件を、これも最低基準を今年の夏に再度改めまして、定めたいと思っております。併せまして、研修の義務化。施設長になったときの研修とその後2年に1回以上の施設長研修を義務付け、その内容などにつきましても、これから詰めていきたいと思っております。
 その他に親子関係の再構築支援ということで親指導の技術を普及しながらやっていく点。
 次のページに自立支援や子どもの権利擁護等の課題とたくさんあります。
 次のページは「施設の人員配置の課題と将来像」ということで、冒頭に申し上げましたように、社会的養護の施設は現在のような児童虐待などに対応する施設というにはハード・ソフトともに古い規格のままであるということで、この人員配置の引上げが重要な課題であるということです。これにつきまして、例えば児童養護施設では小学校以上は6:1、子ども6人に1人という体制を、目標水準として4:1まで引上げたいということです。6:1と申しましても、早番・遅番、土日など、交代勤務をいたしますと大体3倍ぐらいに収まります。そうすると、1人の職員が子ども18人をみているというような計算になるわけです。心が傷付いた子どものケアができる体制ではありませんので、そこのところの引上げをしたいということです。
 また、下の方にありますが、里親支援の担当職員や自立支援の担当職員など、地域を担当する職員の配置も推進していく必要があるという目標設定をしております。このような目標水準を念頭に置きながら、これは相当額の財源の確保が必要ですので、そのような対面を見つつ、またそれまでの間も段階的な取組も含めて引上げを検討していきたいということです。
 次のページは、社会的養護の児童の全体数の見込みです。現在は4万600人ですが、子ども・子育てビジョンでは4万7,000人ぐらい、あと1、2割増えると想定しております。その後も18歳未満人口はその後の10年で1割減るわけですが、まだまだ掘り起こされていくのではないかということです。
 それから、施設数につきましては今回、子ども・子育てビジョン以降の将来像につきまして想定される将来像を記載しております。施設につきましては数をそれほど増やさないでよいわけですが、ファミリーホームや地域小規模など、そのような小さいタイプのものが相当増えることが見込まれます。
 次のページが「里親等委託率」です。施設から里親へシフトするということです。これまでも努力してきたところ、平成14年の7.4%から平成21年には10.8%まで増えてまいりました。子ども・子育てビジョンでは16%の目標を設定しておりますが、その後10数年間で3割以上への引上げをしたいということで、その3割以上に引上げるためにどのようなことになるかという一定の条件下での試算ですが、児童養護施設につきましては3万人ほどの子どもですが、これを1万人ほどはファミリーホームや里親委託に振り替えまして、児童養護施設は2〜3万人ぐらい。このようなイメージになる試算です。
 その下の「施設機能の地域分散化の姿」ですが、現状の施設が9割、里親が1割という体制を本体施設3分の1、グループホーム3分の1、家庭的養護3分の1という姿に今後十数年かけて変革していきたいということです。
 その次の「社会的養護の充実のためのステップ」ですが、1月に検討委員会を立ち上げて以来、すぐできることはすぐにやるということで、実施要綱の改正などのいろいろな弾力化や里親委託ガイドラインの策定、里親委託率の伸びの大きい自治体の好取組を自治体に提供、当面の最低基準の居室面積などの改正を行いました。それから、その次の段にありますように、次は当面の省令改正を行ったり施設運営指針の作成、それから第三者評価の評価基準、また里親委託推進のためのフォローアップなど、現行の予算の範囲内でできる取組はたくさんありますので、しっかりとやっていきたいと思います。また、その次に平成24年度以降には新たな予算措置が必要な改善事項、また将来、所要の財源も確保しまして人員配置の目標水準を念頭に置いた引上げなど、3段ロケットと言っておりますが段階的に進めして、中長期的にハード・ソフトの変革をしてまいりたい。このようなとりまとめになっております。以上です。

○大日向部会長
 ありがとうございました。資料を一括してご説明いただきましたが、皆さまのご意見はブロックごとに分けていただきたいと思います。三つあると思います。第一が震災対応にかかわる案件。第二が虐待防止にかかわる民法改正。第三が社会的養護に関するものです。まず、資料3-1、3-2に基づきまして震災対応に関して、ご質問・ご意見をいただきたいと思いますが、先ほど榊原委員から設置基準のことも震災対応に関してご質問・ご意見がありましたが、その点に関して、まず事務方から何かお答えいただけることがありましたらと思いますが、いかがでしょうか。

○田河総務課長
 先ほど榊原委員から保育所のお話をいただきました。実際にこれほどの震災が起きて、実際に保育中の子どもに関して亡くなった子どもがいない。これは施設の方のご努力とともに、地域の人の支えもあったと感じております。基準自体は先ほどお示ししたもので、これは国として従うべき基準です。それに応じて自治体として、また運用も含めてどう取り組んでいくのかというのは、むしろ基準だけではなく、施設として個々にどのような対応をとっていくのかということも課題になるのかもしれません。この震災への対応というのは3月に新たに起きた内容です。私どもも問題意識も持ちながら考えていきたいと考えております。

○大日向部会長
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。他に、この震災対応に関して。
 それでは、渡辺委員、山縣委員、松原委員の順にお願いいたします。

○渡辺委員
 私からご質問したいのは、やはり福島第一原発の事故に伴う子どもの放射能被曝リスクの問題です。今、年間20ミリシーベルトということで、これはもちろんICRPが指定している一般人の限度の1ミリシーベルトの20倍になるわけです。こういった限度を非常に感受性の高い子どもに対して適用することに対して私は個人的には無茶だと思っております。しかも、この1ミリシーベルトにしても、20ミリシーベルトにしても、どちらにしても本来は内部被曝、外部被曝の両方を足した数値になりますので、足した限度になるはずですけれども、これについては別々に質問させていただきたいと思います。最初に申し上げておきたいことは、何も確証がないわけです。5年後、10年後にもし本当に、例えば甲状腺がんにしてもそうですが、甲状腺がんにかかる子どもたちが増えてきたときには、これは児童福祉法の理念どころか、憲法第25条の生存権にもかかわってくるような社会保障の根幹にかかわる重大な問題だと思っておりますので、これについてはかなりしっかりとした対応をしていかなければならないし、今の時期にやらなければならないことがたくさんありますので、これについて私は非常に深刻に考えております。お金で補償できる問題ではありませんし、甲状腺がんなり何なりで、その後の子どもたちの結婚や出産等すべてにかかわってくるような一生にかかわる苦しみを子どもに強いるのは私はとても容認できないのです。
 まず、一つは外部被曝についてですが、これについては除染がどの程度進んでいるか。保育所はもちろん、児童福祉施設を含み、これは福島県だけにとどまりませんが、近隣県でもかなり高い数値が出ておりますので、これらについて除染がどれぐらい進んでいるかという状況について教えてください。これが1点目です。
 二つ目は、私はこれからはこちらの方がずっと重大だと思いますが、子どもの内部被曝の問題です。実は私は昨日、福島県伊達市の児童デイサービスの園長に電話をかけて聞いたのですが、ちょうど昨日、一昨日と、園庭の表土の入れ替えをやっているところですというお話を伺いました。これも遅いと思っているぐらいですけれども、おかげで1時間当たり6マイクロシーベルトが0.15マイクロシーベルトになりましたというお話を聞いて良かったと思ったのですが、これも単純に24を掛けて、365を掛けるとどうなるかというと、0.15マイクロシーベルトでも1.3マイクロシーベルトになりますので、ICRPの1ミリシーベルトという基準を超えるわけです。それは外部被曝だけでそれだけになるわけですけれども、子どもたちの口から入るものは全く別になりますので、これらも含んで、私は何か出てくるのではないかという心配をかなり持っております。入所施設、それから保育所もそうですけれども、毎日子どもたちは給食を食べているわけで、入所施設の場合はさらに給食を食べる回数が多いわけですけれども、給食それから飲料水にかかわる部分は、現在の農林水産省が決めている基準では私はやはり無理だと思っております。つまり、大人はある程度我慢します。しかし、子どもに対してそれを適用することに対して、私はかなり無茶だと思っております。それも外部被曝と内部被曝は別々に基準値が設けられていて合算しないというのは、子どもに対して非常に危険な状況をもたらすと思っておりますので、これについて、例えば今保育所も含めた給食、それから児童養護施設等の給食については、もっと厳密な基準を設けるべきだと思っております。それが政治的な絡みの中でどうしても無理だというのであれば調理法なり何なり、いろいろなことに関してでき得る限りの工夫をするべきだと思っておりますので、そういうことについては今すぐにでも本当はやっていかないと、一日一日被曝は進んでいきますので、この対応は緊急にやっていただきたいと思っております。これについても内部被曝の問題については先ほどの資料に出てまいりませんので、これについてはどうなっているかということも教えてください。
 それから三つ目ですが、今、子育てしている親たちの心配がものすごい勢いで増えていて私は非常に心を痛めております。私は自分も子どもを持つ親ですし、皆さま方も親の方はこの事務局の中にもいらっしゃると思いますが、私はやはり自分の子どもを福島県に連れて行くことはとてもできませんし、もっと言えば本当は親は1ミリシーベルトであっても被曝させたくはないと思うのが当たり前だと思います。そういった親たちの苦しみは至極当然だと思いますが、この辺についても非常に対応がバラバラで、私が今一番気にしているは福島県でも関東でもそうですが、子どもに給食を食べさせたくない、あるいは給食の材料については慎重にやってほしいと施設側に申し入れた人たちが、逆にクレーマー扱いを受ける、あるいはモンスターペアレント扱いされることがたくさん出てきていて、私が知っているだけで数人の母親たちが既に精神安定剤の服用を始めています。それぐらい親たちに心労を掛ける状況は、私はこれも異常だと思っています。親たちにとっての健康で文化的な最低限の生活は、今の状況では達せられていない。しかも影響が出てくるのが5年後、10年後ということであれば、それまでずっと苦しみを持ち続けなければいけないというのは、非常にアブノーマルな状況だと思っていますので、施設側の対応をきちんとして、どのように親御さんに不安を与えないようにするかについては、本来は体に入ってくるものについてはリジッドな基準は設けるべきだと思います。それができないのであれば、何らかの手を打たないと、この苦しみは数年にわたって続いていくことになると思います。これらも含めてしっかりしていただきたいと思っています。
 特に、私も今回いろいろ調べてみましたが、親御さんたちはわが子の命にかかわってくるので当たり前だと思いますがものすごく調べていて、松本市の菅谷市長のようにベラルーシで5年間半も活動してきた医師で、今は市長になっていらっしゃる方が、松本市の場合であれば給食の内部被爆はゼロにしますという宣言を出しています。それは現地で活動してきた人たちが内部被爆がどれだけ怖いかをよく知っているので、松本市の場合はゼロにしますと言っているのです。そういった情報があちこち飛んでいるのです。実際にはダブルスタンダードやトリプルスタンダードなどたくさんのスタンダードが飛んでいるのですが、そういった状況の中で不安が起こらないのがおかしな話で、当然不安になりますし、心配になると思います。それらについての対応は本来は国がきちんとやるべきだと思っています。その辺も含めて今の状況がどうなっているか。それから、今後の方針がどうなっているのかについてのお考えをお聞かせていただきたいと思います。以上です。

○大日向部会長
 どなたにお答えいただけますか。田河課長、よろしいですか。

○田河総務課長
 この東京電力の福島第一原子力発電所事故関連については、厚生労働省としての取組も進めております。原子力安全委員会の対応もございます。福島県の方の健康状況の調査などは原子力災害の一環として対応も進められております。私どもとしても児童福祉施設を所管している立場から、取組も進めております。基本的に外部被爆について、今土地の上下の入替えや、外壁を洗ったりする。そうした取組を実際テスト的にやってみると非常に効果が出ている例があります。そのために、私どもも土地の上下の入替え等について、効果的であるので対応していただきたいという趣旨の通知を出すとともに、財政的支援を行うことを考えているところでございます。まだそこは始まったばかりの取組ですので、残念ながらそこの状況を把握している段階ではありません。
 それから、内部被爆のことに関してです。かなりご心配されている方も多いと考えております。特に母乳に関してご不安が多かったので調査しましたが、それ以外のものについても基本的には食品を通じて内部被爆があるのではないか。私も数日前のテレビでも拝見しました。そういう不安に対してどのように対処するのか等の番組でした。そこでも説明されていたのですが、今のところ、これは十分でないとご指摘されるかもしれませんが、食品に関しても放射線の基準が設けられております。それぞれごとに牛乳であれば何百ベクレルなどそういう形の基準が設けられています。そうしたものは確かWHOの文書等々に基づいて基準を定めてあったものであると思っております。今のところ、その基準に従って検査された食品が流通している。一般的にはそれを食べている限り健康上の問題はそれほど心配ないのではないかと言われているところだと思います。ただし、私どもも先ほども言いましたように、被爆が少ない方が当然良いわけです。ですから、土の入替え等で努力する必要があると思っていますし、また内部被爆等について新たな知見等がわかった場合、当然関係者の方々にもお伝えしていく。そういう対応をとりたいと思っております。

○渡辺委員
 今、ご回答いただいたのですが、一つだけお願いしておきたいことは何かといいますと、そもそも1ミリシーベルトにしても、先ほどの食品の基準値にしても、本当に放射線の研究者、あるいは医療に携わっている方々の間で非常に意見が割れています。実際には今の基準値では全然無理だと言っている人たちもいますし、実際には1ミリシーベルトでも危険だと言う人たちもいますし、内部被爆についてもかなり意見が割れています。私は子どもに対してはその中のMAXの対応をとるべきだと思っています。つまり標準的だとか一番下のラインで基準を引くのではなくて、最も高い基準を引いて、最も安全な、つまり打てる手は全部打って一番安全なところに基準をおくべきだと思っています。私は今、国が引いている基準はとてもそこには追いつかないと思っていますし、ここは社会保障審議会の児童部会という場ですので、私はこういうことを申し上げたいわけですが、少なくとも厚生労働省が管轄する0〜18歳で施設に通っている子どもたち、あるいは施設で生活せざるを得ない子どもたちの健康を守るのは、私たちの責任だと思っております。そこについては最大限の対応をしていただきたいわけです。わかりますでしょうか。
 少なくとも私は5年後10年後にはここで委員をやっていることはないと思いますが、5年後10年後にここで委員会をやったときに、ここでいわゆる甲状腺がんなり何なりが優位に発生率が高くなってきて、その子どもたちについてどうしなければいけないということを議論するというのは、とても怖いことだと思っています。今、早くやれることがあるはずなので、それは全力で取り組んでいただきたいと思います。行政だけを責めているわけではなくて、政治の問題も大分絡んでいると思います。しかし、ここは厚生労働省ですから120%の力で努力していただきたいというのが私からの要望です。以上です。

○大日向部会長
 わかりました。それでは山縣委員、お願いいたします。

○山縣委員
 2点質問させてください。1点目は被害状況についてはご報告を受けたのですが、回復状況です。特にこの地域では子どもが比較的少ない地域があったと思います。すなわち、保育所を代表的に言うと、子どもがあまりいなかったところで、例えばその後どの程度、いわゆる今後5年ぐらいを見通したときに、最低20人の定員が維持できるような状況まで回復しているのか。どれだけ戻ってこられるのか。避難して行って、建物は回復できたけれども子どもが戻ってこなければ運営できなくなります。その辺の様子がもしわかれば、お教えいただきたいというのが1点目です。
 2点目は、今、渡辺委員から原発の話があったのですが、この被害数はあくまでも建物を中心とした数字と理解してよろしいですね。そうすると、原発の避難エリアにおいては、いわゆる基準による避難と自主的な安全性を求めての避難との両方があると思いますが、保育所が実際に機能できなくなっている。エリア内にあって開設できないところと、その周辺等にあって制度的・社会的には実施可能だけれども、実際に子どもがいなくなって、保育所として事実上維持できにくくなっている数字が、もしあれば教えていただきたい。その際に、地震の直接的なことについてはいろいろな応援策が示されていましたが、今のような子どもが避難したことによって、入所児童数が著しく減少した保育所等についても、この応援策は準じて適用されると理解してよろしいのでしょうか。以上です。

○大日向部会長
 今里課長、お願いいたします。

○今里保育課長
 まず、今おっしゃった回復の状況は、場所によっても異なっておりまして、復旧の段階から復興の段階に移っていくプロセスに入りかけている状態です。その中で、委員おたずねの具体的にどれぐらいの数の子どもたちが戻ってくるかという見通しが立っているかどうかについては、残念ながら私どもの方で数字は持ち合わせておりません。
 もう一つ、東京電力福島第一原子力発電所の放射線の関係で、避難区域やいろいろな形での区域が設定されています。手元に数字がありませんが、確か十数園だったと思います。後ほど調べてお答えしたいと思いますが、避難区域、行政の区域にかかるということで保育の活動が停止している園はそれくらいの数があります。
 もう一つは、子どもが自主的に避難して、いなくなってしまって、園としての運営が実質的に成り立たない話は聞いているところです。基本的に私どもの仕組みとしては、子どもの数が減って園としての運営が成り立たなくなることがあってはいけないことですので、基本的には災害の対策の中でやっていく話ですが、この原子力発電所の話になりますと、別途、補償の問題が議論されておりまして、その辺のところとどう絡んでくるかという課題が実はあります。何らかの形で必要な費用、あるいは特例をしていくことは当然考えるわけですが、このスキームをそのまま適用するかどうかについては補償の関係の議論を少し待たなければいけないと思っております。

○山縣委員
 ありがとうございました。

○大日向部会長
 お待たせいたしました。松原委員、お願いいたします。

○松原部会長代理
 震災で両親を亡くした子どもについて、親族里親の活用という話が出ていますが、少し詳細を教えていただきたいのです。まず、厚生労働省で何人そういう子どもがいるかという実数を把握されているかということが1点。
 それから、親族里親の場合も、里親ということで柔軟な運用をといっても認定から里親委託という形を従来どおりたどっていきますと、そう簡単にはできないので、いわゆる事実先行で後追いという形を考えていらっしゃるのか。その場合に、後追いでやれば先に生活費をお出しできるということで、現行制度の中でも、親族が一定の経済的な支援を受けられるのではないかと思っています。「柔軟な」というところの周知の中身を教えていただきたい。
 この先は私の意見ですが、この場合、非常に特例的なことですので、そういった子どもを引き受ける親族も、場合によっては災害の被害者であることを考えると、いわゆる里親手当部分についても特例的に出すことができないのか。これは私の考えですので、何かお考えがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

○大日向部会長
 高橋課長、よろしくお願いいたします。

○高橋家庭福祉課長
 現在の状況でございますが、両親を亡くした子どもが今は215人ですが徐々に増えております。まだ増えると思います。そのうち、親族里親の認定が、現在申請が出てきたのが76人分、認定が終わっているのが67人分ということで、ここ数週間で非常に増えてきております。認定手続きにつきまして、非常に迅速に各県でやっていただいておりまして、通常ですと県の児童福祉審議会にかけてという手続きで数か月かかったりするのですが、非常に短期間で、申請が出れば大体1週間もしないくらいでやっております。あるいは件数がそれほど出てくれば、まとめて審議会を1週間に1回くらい、月に2回くらいで処理していますが、数が少ない県もあります。被災地県以外の県に行って適用する場合には、緊急にやる場合は持ち回りでやるなど、かなり迅速に対応していただいています。また、書類などもかなり簡略化してやっております。研修なども迅速に要点のみに絞ってやるというやり方をしております。今回では親族の間で、どの親族が最終的に育てるかを決めるのに少し時間がかかったり、生活が非常に不安定な中で手続きをするところまでいくのに時間がかかったりということです。しかし、申請が遅れても大丈夫なように、最初の災害が出てから養育した期間の分を最初の支度費に乗せて払うような、実質遡及適用的な効果が上がるような特例をやっております。通常入学で小学1年生になったときや中学1年生のときの支度金、1年生だけではなくて他の学年でも同じように学用品がなくなったりしていますから、出せるようにするという特例もしております。
 先ほどおっしゃいました里親手当の問題ですが、これまでは子どもの生活費ということで4万7,000円。これに学習関係の経費を実費で乗せて支払う。その上で、養育里親につきましては、里親のご苦労の部分ということで7万2,000円の里親手当が出ています。ここにつきましては3親等以内の親族里親につきましては、扶養義務もあるからということで里親手当がない扱いですが、これにつきましては、ぎりぎりどこまでできるか検討しまして、おじ・おばにつきましては、3親等といいましても扶養義務を家庭裁判所が指定してかける場合は非常に稀で、通常はかかっておりません。今回、親族里親の実績のうち4割ほどはおじ・おばでございまして、こういうところには今後里親手当が出せるような、養育里親として適用するような、これは省令改正になりますので、これを今年の夏にやっていきたいと思っています。その他、遺族年金や労災の年金などさまざまな支援がありまして、そこを横割り横断的な一覧表を作って提供して、そこのところの手続きも進めやすいようにするなど工夫しています。

○松原部会長代理
 ありがとうございました。

○大日向部会長
 時間の関係で次の二つの案件に移らせていただきたいと思います。まず、どれぐらいご意見のある方がいらっしゃるか、アンケートをとらせていただいてよろしいですか。虐待防止に関する民法改正についてご意見のある方は何人くらいいらっしゃいますか。山縣委員だけですね。
 では、社会的養護に関しては土堤内委員のほかに、今、手を挙げられた3人。計4人で多分時間になると思います。よろしくお願いいたします。では、虐待防止に関する民法改正と併せて社会的養護の方で。まず、山縣委員。

○山縣委員
 セットで。直接は関係ないのですが、障害者虐待防止法が成立しましたね。そことの関係で虐待問題がどうなるのか教えていただきたいのですが、被措置児童等虐待の枠組みの中には障害児施設も入っていますね。これはどのような関係で整理していかれるのか、教えていただきたいと思います。
 2点目は、被措置児童等虐待に入っていなかった代表的な施設、保育所です。保育所に入っている障害児です。障害児枠等で入所している子どもについては、障害者虐待防止法に基づいて、例えば保育所職員による虐待という考え方が導入されるのかどうか。障害者虐待防止法と民法は直接関係ないのですが、虐待問題ということで教えていただきたいというのが1点です。
 3点目は社会的養護の方ですが、これはお願いに近いのですが、過渡的な問題かという理解も若干しているのですが、実は養育里親の研修制度が導入されて、私はこれは良いことだと基本的に思っているのですが、現在の里親が夫婦のうちの片方しか里親養育研修を受けない。嫌だという意味ではなくて、仕事等の関係で非常に受けづらいということで、結果、夫婦の片方だけが研修を受けて、それでも形式的には養育里親になることができる。ある地域で、研修を受けなかった方の方が虐待をされた。これは被措置児童等虐待の範囲に入っているのですが、研修を受けていなくても里親の場合は該当するので、しっくりいかない部分があります。この辺を今すぐではなくて、こういう穴があったことについて、対応策を検討いただけたらと思っています。新規の里親申請者は、比較的夫婦で受けておられると聞いているのです。過渡的な問題であるなら放っておけばよいのですが、将来的なことも含めて、そのような場合のことをご検討いただけたらと思っています。以上です。

○大日向部会長
 最初の虐待の方だけ杉上虐待防止対策室長にお答えいただきまして、その後の社会的養護に関しましては吉田委員、土堤内委員、小杉委員、松原委員の順で、一括してご質問いただいて一括でお答えいただくということでよろしゅうございますか。
 では、まず虐待に関してお答えをいただきます。

○杉上虐待防止対策室長
 障害者の虐待防止法については所管外の部分でもありますので、細部にわたってご説明できるかどうかわかりませんが、議員立法ということで、先般国会で成立しております。施行については来年10月と聞いています。また、児童虐待防止法との関係でいいますと、障害者の虐待防止法については年齢を取り払っていますので、対象としては重複する部分があります。基本的には、児童福祉法や児童虐待防止法の適用になると理解してもらえばよいと思います。検証などいろいろな部分で一部重複している部分があります。この関係は実は障害のある高齢者との関係、高齢者虐待防止法があるわけですけれども、それとの関係もございます。
 また、障害児に係る保育所での施設内虐待は、先ほど申したとおり基本的には子どもの児童福祉施設に関する施設内虐待については児童福祉法の範疇でありますけれども、山縣委員がおっしゃるとおり現在、保育所については対象から外れているということで、今般の障害者の虐待防止法の中において、保育所にいる障害児については適用になるということだったと思っております。
 いずれにしましても、来年10月施行ということで、我々も児童虐待防止法との関連で、整理する分は出てくると思います。以上、現時点でのご報告です。

○大日向部会長
 それでは社会的養護に関してご質問いただきます。吉田委員、お願いいたします。

○吉田委員
 一方的にお話しだけして記録が残ればと思います。震災対応に関しても少し言わせていただきます。社会的養護に関して里親制度がようやく制度的には普及・充実に向かっていると思いますが、里親のみならずフォローアップ体制が極めて重要だと認識しています。そういう意味では、児童相談所のスタッフをどのように活用するか。未成年後見人制度を本当に機能するような運用のあり方が十分なのか。例えば聞いた話ですと、子どもが、ある加害責任を負わなければならないトラブルを起こした。そうすると未成年後見人が損害賠償の責任を負います。そこに対して保険制度なり基金でバックアップするなどがあるのか。そのレベルまで考えていかないと、うまくいかない部分があるだろうと思っています。
 それからもう一つ、先ほどの渡辺委員の話に関連することですが、今回の震災を見ていますと、原発もそうだし津波もそうですが、国・県・市町村という縦軸のラインがかなりうまくつながっていないケースが多々見られた。それから横軸で地域の中で福祉・教育・医療・労働も全然ばらばらになっていた。そのいろいろなひずみがかなり子どもの部分に出ていたのではないかという気がしています。現在もそうですが被災地、現地の状況や置かれた地域の願いや要望と、中央レベルでの対応が必ずしもうまくいっていない。ギャップがあってミスマッチがある。先ほどの園庭表土の入替えについても1回2回はよいのでしょうが、地域によっては3、4月と今の時期とは風向きが違って、いわゆるホットスポット的に全く状況が変わっている中で、原発が終わっていないわけですから、入替えた下の土を上にして、ここがまた汚染されたらまた入替えできるのですかという問題があるし、表土だけを除去したとしても、それが現実には園庭の隅っこにシートで覆って置いてあるわけです。あちらこちらの園でそうなっている状況の地域があって、これをどこに片付けるのですか。あるいは今夏で雑草がかなり生えてきて、その雑草にかなり付着しているケースがあり得る。この雑草はうちの園だけでトラック3台分あるという現実があるのです。そういう部分についても、もう少し先まで見通した丁寧で具体的なフォローや支援を何とかうまく考えていただきたい。
 それから、子どもの心のケアは非常に重要だと思いますが、先ほどの放射能に汚染された内部被爆ということでいけば、親も心が痛むわけですから、親子を含めた子ども家庭福祉という観点でのケアを考えていただきたい。あるいは給食の食材は首都圏でも「どこの産地のものだ」という親がたくさん出てきています。逆に、先ほどの話のようにそれは避けたいというような話もあって、細かい話ですが給食についても食材のトレ−サビリティはだんだん確立してきているわけですから、そういう支援をするなど、細かく丁寧で具体的な支援を総合的な観点からやっていくことを、ぜひお願いしたいと思います。

○大日向部会長
 ありがとうございます。それでは土堤内委員、お願いします。

○土堤内委員
 土堤内でございます。最近の児童行政の動向ということで、先ほど社会的養護の課題と将来像のお話を聞かせていただきました。ご案内のとおり、先般の国会で改正NPO法が成立しております。併せて認定NPO法人等への寄付税制の改正も行われております。これから社会の中でNPOの役割が非常に大きくなりますが、そのための枠組みが今、整いつつあると思います。しかし、先ほどの社会的養護の課題と将来像の話のなかで、NPOに言及される部分が非常に少なかったと思います。実際、今の政権が言っている「新しい公共」として行政とNPOとの関係をどのように構築していくのか、その辺りが議論されたのであれば、それについて追加のご説明をいただきたい。これは社会的養護にかかわらず、子育て支援であったり子ども支援という意味でも、今回の震災でも象徴的に見られるように、行政という公助でできない部分にNPOが入り込んで非常に大きな役割を果たしていると思うからです。
 もし、そういったことがあまり検討されていないということであれば、今後、行政とNPOとの連携をどのように図っていくのか。これは児童行政だけではないのですが、早急に検討し、現在の状況がもし十分把握されていないのであれば、それに関する実態調査なり課題抽出をぜひやっていただきたいと思っております。以上です。

○大日向部会長
 ありがとうございます。小杉委員、お願いいたします。

○小杉委員
 私も社会的養護の課題と将来像という、この方向性は大変納得するものがあったと思います。特に自立支援について、かなり書き込まれたことを大変評価するのですが、今の労働市場の状況を考えると、18歳なり何なりで市場に出てアパートを借りて食べていくことは、ほとんど不可能に近い状況を考えると、この支援の充実はさらに図られるべきだと思います。今、厚生労働省の能力開発事業関係で、キャリア形成支援や特に若い人を対象にしたキャリア形成支援の施策、あるいは職業訓練。基本的な能力の形成から始めるような職業訓練の施策もあります。そういうものとのつなぎを中で考えていただいて、その能力開発の支援をうまく使える連携も今後は必要ではないかと思います。以上です。

○大日向部会長
 最後に松原委員、お願いいたします。

○松原部会長代理
 機会を与えていただき、ありがとうございます。社会的養護につながるのですが、前回の改正で臨検が虐待防止法に入って、ただし、それがあまり実際に活用されていないと考えています。臨検がやみくもに増えればよいというものではないでしょうけれども、今度の一時停止についても実績が残されていく必要があると思います。今回の民法改正の作業には、私も参加しましたが、多くの議論をし、非常に努力を払ってやった改正が内実のともなわないものとならないよう児童相談所等への研修も含めて制度が活用されるようにお願いしたいと思います。
 2点目に、土堤内委員のご発言ともかかわるのですが、里親を増やしていこうというのは私も賛成ですが、里親支援機関事業が始まったこの時点でいうと、啓発等の委託は進んでいるのですが、特に里親委託支援がNPOに委託されていかないということで、広がりをもっていくためにはこういった部分でも民間、NPOの活用が必要ではないかと考えています。これも意見です。
 3点目は、どうしても社会的養護というと児童養護施設等が中心になって語られる部分ですが、私は母子生活支援施設も非常に大きな役割を果たすと思っています。親子でケアができるという大きな存在になっていると思いますが、どうしてもDV対応が強調されてきますと、シェルター的な部分と生活支援施設的な部分を、一つの建物の中でやっていかなければいけないというハードの面での工夫も必要になります。今後、建替が進んでいく中で施設内設備、特に居室の充実も公営第2種住宅以上のものが準備されないと、親子で入ってきてくれないと思います。最低基準だけではなくて、建築補助のところでもう少しかさ上げをお願いできたらと思います。母子生活支援施設はDV対応もシェルター的な役割も果たし、かつ、生活支援、養育支援をする施設としてのハードと職員の充実をお願いしたいと思います。以上、お願いだけということで、3点発言させていただきました。

○大日向部会長
 ご意見・ご要望がほとんどでしたが、ご質問も少しあったと思います。まとめてお答えいただきたいと思います。

○高橋家庭福祉課長
 社会的養護の関係で幾つかいただきました。まず里親研修につきまして、夫婦の片方だけやればとりあえず登録はできるわけですけれども、基本は夫婦で両方でということをお願いしています。ただ、日程の都合などで片方が受けられないことがあります。そのような意味では今後の支援です。継続的な里親研修もありますし、その後の里親同士のいろいろな相互交流など継続的な支援の中で、そういう子育ての知恵や、虐待を受けた子どもに対してどのように接したらよいかを厚くしていく必要があると考えています。
 そのような意味では、未成年後見人のバックアップという論点もありましたが、そこも今回の改正を受けた取組などは検討しています。また国・県・市町村のつながりという点もありました。社会的養護は児童相談所中心でありますが、そこだけではないわけで、市町村の要保護児童対策地域協議会で関連機関全体をつなげてという枠組みですが、そこがまだまだということでございます。そこのところの充実が課題ということだと思っております。
 NPOについてのご指摘がありました。大変重要なご指摘で、特に今回のとりまとめにおきましても、里親支援で里親委託率が非常に伸びたところ、例えば福岡県では非常に元気のよいNPOに推進を委託して、そういうことが活性化に役立ったことがあります。そのような意味で、虐待防止あるいは里親支援推進、その後の自立支援、児童養護施設を退所した後の子どもの問題でのNPOの大きな活躍が期待できると思っておりまして、その推進を図ってまいりたいと思っております。
 また、自立支援でキャリア形成支援、労働関係のいろいろな施策等とのつながりの指摘をいただきました。そのようなところも今回議論しておりまして、そこのところのまずは18歳まで、なお養育の過程で将来自立できるような力を付けていくことも大事ですし、18歳ですぐにということではなくて20歳までの延長ですとか、就職支援あるいは高等教育への進学支援、そこのところの強化が必要だと考えております。里親支援機関事業の取組などを進めていきたいと思っております。
 最後に、母子生活支援施設についてご指摘いただきました。今回の課題検討委員会でも母子生活支援施設についてはかなり厚い議論をしまして、いろいろな課題や今後の方針を盛り込んでおります。ご指摘のようにシェルター的な部分と生活的な部分ということで、ハード部分も今回最低基準で30?以上という1居室の形態をかなり大幅に引き上げたわけですが、それに対応するような施設整備費は現状の基準でも用意しているわけで、そこのところができるように推進を図ってまいりたいと思っております。以上です。

○大日向部会長
 ありがとうございます。予定していた時刻を過ぎてしまいました。本日は大変盛りだくさんの内容ですが、皆さまから十分ご意見いただく時間が必ずしもなかったことを申し訳なく思います。
 児童部会が検討しなくてはいけない課題は今、本当に多く求められていると思います。震災対応の必要性もあって子どもをいかに守っていくか。親の不安にどのように対処していくか。あるいは家族機能が多様化している中で、社会的養護や虐待対応も喫緊課題だと思います。いずれも児童部会が前回開かれたのが2月か3月で震災をはさんでおりますが、今申しましたような課題、今日諮っていただいたような課題は、子どもを守るためにも親を守るためにも、私は非常に大事な課題だと思いますので、委員の皆さまのご意見を十分伺えるよう、今後とも児童部会の開催をできるだけ多くしていただくことを、最後に事務局にお願いしておきたいと思います。
 それでは、時刻を過ぎましたので、今日はここまでとしたいと思います。どうもありがとうございました。



(了)

ホーム > 政策について > 審議会・研究会等 > 社会保障審議会(児童部会) > 第35回社会保障審議会児童部会議事録

ページの先頭へ戻る