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2011年5月12日 第62回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

職業能力開発局

○日時

平成23年5月12日(木)10時00分〜12時00分



○場所

厚生労働省 専用第23会議室 (19階)



○議題

○井上総務課長 それではまだ、定刻とはなってはおりませんが皆様方、お揃いのようですので、これより「第62回労働政策審議会職業能力開発分科会」を開催いたします。
 申し遅れましたが、私は職業能力開発局総務課長をしております井上と申します。よろしくお願い申し上げます。
 労働政策審議会の委員につきましては、4月に任期満了に伴う改選がありました。これに伴い、本分科会も委員の改選が行われたところです。今回は委員改選後の初めての分科会であり、まずは分科会長の選出についてご説明を申し上げます。お手元の参考資料をご覧いただきたいと思います。労働政策審議会令第6条第6項におきまして、「分科会に分科会長を置き、当該分科会に属する公益を代表する委員のうちから、当該分科会に属する委員が選挙する」という規定になっています。この規定によりまして、分科会に属する公益を代表する労働政策審議会(本審議会の委員)から当該分科会に所属する本審議会の委員が選挙するということになってきます。本分科会におきまして該当する公益委員は今野委員のみでございますので、今野委員に分科会長にご就任いただくことになりますのでご報告を申し上げます。
 これ以降の進行につきましては、今野分科会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○今野分科会長 今野です。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。まずは今回の委員の改選について、改選後の名簿はお手元の資料にありますが、新たに委員になられた方がいらっしゃいますので、ご紹介をしたいと思います。まず、労働者代表委員は、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会専門部長の伊東委員です。次は、国公関連労働組合連合会副委員長の豊島委員です。次は、全国建設労働組合総連合書記次長の林委員です。使用者代表につきましては全日本空輸(株)上席執行役員客室本部長の河本委員です。次が、ダイヤ精機(株)代表取締役の諏訪委員です。今日はお休みです。それと、三菱電機(株)取締役常務執行役人事部長の橋本委員です。橋本委員も今日はお休みです。なお、公益代表委員は変更がございません。本日の出欠ですが、黒澤委員、水町委員、高倉委員、諏訪委員と浦元委員が欠席です。橋本委員の代理として、人事部次長の原田さんがいらしています。よろしくお願いします。
 次に議題に入る前に、分科会長の代理を選任させていただきます。先ほど見ていだたきました労働政策審議会令の第6条8項の規定で、分科会長に事故があったときに、その職務を代理することが役割とされておりまして、分科会長が予め指名することとなっています。そこで、今日、お休みなのですが、黒澤委員にお願いをしたいと思っております。いかがでございますか。それでは、黒澤委員にさせていただきます。
 次に、本分科会の下に設置しております若年者労働部会についても、4月の任期満了に伴う委員改選が行われています。部会に属する臨時委員等については、労働政策審議会令第7条第2項の規定によって、分科会長である私が指名することになっています。そこで、お手元の参考資料3で、そこにある方たちを指名したいと考えておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、議題に移ります。今日は議事次第にありますように、「その他」を含めて5件です。まず、1番目は「東日本大震災の対応に係る政省令改正」についてです。まず事務局からお願いします。
○井上総務課長 それでは、お手元の資料1を用いましてご説明します。
 「東日本大震災への対応に係る政省令改正」ですが、まず、資料1-2をご覧ください。第一次補正予算については去る5月2日に成立したところです。関係の法律、政省令につきましては、補正予算の迅速な執行の方針の下、政府全体として補正予算の成立に合わせ、5月2日の施行となったところです。本来、関係の政省令の改正につきましては予め、当分科会に諮問を申し上げるべきところ、事後報告となりましたことにつきまして、お詫びを申し上げますと共に、ご了解を賜りたいと存じます。資料1-3をご覧ください。
 「認定訓練助成事業費補助金の関係の改正」ということです。まず、上の枠囲みの中で制度の概要についてご説明しています。1の「認定職業訓練」では、これは事業主等の行う職業訓練のうち、一定の水準を満たしたものを都道府県知事が認定したもの。それで、認定職業訓練への補助ですが、これは右下の「国の負担割合の引き上げ」の表をご覧いただきますと、現行が国3分の1、県3分の1、それから認定訓練を行う職業訓練法人等の負担が3分の1と。これについて、国の負担割合を2分の1に引き上げるというものです。資料1-2をご覧ください。「職業能力開発校施設整備費等補助金の改正について」ですが、これは現行の制度は上の枠囲みの制度の概要でして、都道府県が設置する公共職業訓練施設の建替え等について必要となる経費について、国が補助するというものです。右下をご覧いただきますと、「国の補助率の引き上げ」とあります。現行制度の補助率2分の1を3分の2に引き上げるものです。これらが政省令の改正の概要です。
 資料1-1にお戻りください。いま申し上げました2つの改正を含めまして、平成23年度の一次補正予算の概要、職業能力開発局、職業能力開発の関係の予算の全体像です。合計が44億7,900万円です。大きく2つに分かれまして、その1つ目が「職業訓練関係」です。その中で3点ありまして、1職業転換訓練費負担金につきましては、被災した離職者などの方々を訓練手当の支給対象に加えることに伴うものです。2施設内訓練の拡充です。これはのちほど触れさせていただきますが、被災の大きかった宮城のポリテクセンターを除く被災地域内のポリテクセンターにおきまして、建設関連分野の訓練をはじめとして、施設内訓練を拡充するものです。3訓練生に対する授業料等の経済的支援です。これは、被災地域内の訓練生等に対する学卒者訓練や在職者訓練の受講料等を免除するものです。なお、離職者訓練については元々、法律の規定に基づきまして無料となっています。
 (2)の訓練施設等の復旧支援です。4点ございまして1で先ほどの認定職業訓練施設等に対する復旧支援です。2で先ほどの都道府県職業能力開発施設の災害復旧等です。3は職業能力開発促進センター等災害復旧等です。これは被災の大きかった宮城のポリテクセンターについては現地での訓練開始が困難であるため、仮設実習場の整備を行うこととしています。その他のポリテクセンターについても必要な修繕等を行うものです。4はその他ですが、コンピュータ・カレッジ、地域職業訓練センター、これらは雇用・能力開発機構の事業としては、平成22年度で終了し、地元の自治体への移管を行ったところですが、平成23年度から3年間、修繕費等について、これまでと同様、国として予算措置を講ずるという激変緩和措置が講じられています。それを基に今回、被災した部分について必要な修繕を行うための予算措置を講じているものです。説明については、以上です。
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは、いまの説明について、ご質問、ご意見をお願いします。
○林委員 認定訓練施設の関係なのですが、今回、国の補助率が3分の1から2分の1に引き上げられたことについては大いに評価させていただきます。その理由として県の負債権が体力低下して、3分の1から6分の1に補助率を引き下げた関係で国の補助率が引き上がった関係だと思うのですが、同時に、職業訓練法人等を構成する被災地の事業主の体力が低下しておりまして、その事業主の負担割合は変わらないわけですよね。したがいまして、県に対して、県が確かに体力低下しているのは理解できるのですが、県がそのまま3分の1から6分の1になって、そのままではなくて県にも一層の努力していただいて、少しでも被災地の事業主の負担が軽減されるようにひとつ、厚生労働省のほうからも県に対して要請していただきたいと思っている次第です。
○浅川育成支援課長 認定訓練を担当しております育成支援課長です。よろしくお願いいたします。ご指摘のとおり、認定訓練校につきましては経営基盤が脆弱なところも多く、今回の被災した地域で復興するにはなかなか負担ができないというところもあるかと存じます。他方で認定訓練につきましては地方自治法上、団体事務ということになっておりまして、基本的には「地方公共団体が自らの判断と責任で行い、地域の特性に応じて行う事務」となっています。したがいまして、訓練校の負担をどのようにするかという県の判断につきまして、国から強く関与できないという仕組みとなっております。ただ、実際に関係県にヒアリングをしておりますけれども、まだ被害状況を精査中という県も多いのですが、訓練校の負担軽減をしますという県もございまして、地域の実態に合わせた復旧支援が各県で今後、行われるものと承知しております。本日のご意見を踏まえまして、私のほうから被災された県に対しまして是非、訓練校の負担を減らすような形でご配慮願いたいということでお願いをしてまいりたいと存じております。
○今野分科会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。
○豊島委員 職業訓練関係のところで、2で「施設内訓練拡充」という項目。に関連すると思うのですが、震災、津波、あるいは原発事故で、それが原因で離職をされた方々がたくさんおられて、再就職が大変困難であるということも報じられています。建設関連分野の職業訓練をはじめとした公共職業訓練を拡充するということで予算を確保していただいていることについては、大変重要なことだと思っています。建設土木関係で免許資格、技能を要するような人材を育成する訓練枠を拡大するということが大変重要でありますし、そしてその免許資格を取るということに留まらないで、しっかりと実務を担えるようにするために、その訓練の中身、訓練期間等をしっかりと確保していただきたいと思いますし、またこれから第二次補正予算の編成に向けていろいろと検討されると思うのですけれども、その中でもこの第一次補正予算の実績、あるいは更なる需要があるのかないのかを踏まえて、一層、充実する方向で検討していただきたい。また、被災して仮設住宅などに、あるいは県外に留まっておられる方もいらっしゃいますが、その中で、もう一遍やっぱり自分の家に帰ってという方もおられますし、その避難した地域で根を生やそうという方もおられるかもしれませんが、その場合でもやはり、転職と言いますか、新しい仕事に変わらざるを得ないと言いますか、新しい技能を付けて行かなければいけないという方もたくさんおられると思いますので、そういった方への配慮等々、広い視野で「はじめとした」と書いてありますが、そこの中に含まれていると思いますが、そういう意味で本当に大変な思いをされている被災者の皆さん、家族を支える形で1日も早く安心が得られるようにご尽力をお願いしたいと思います。以上です。
○井上総務課長 いま、ご説明しました第一次補正予算につきましては政府全体としても現在の状況の中で、がれきの除去、仮設住宅の建設等、いまの時期にまず必要となる施策を盛り込んでおり、職業能力開発関係につきましても建設分野をはじめとした職業訓練、施設内訓練の拡充ということで第一次補正予算の中で手当をしたものです。今後、第二次補正以降の議論も出てくるものと考えています。そのときには、被災地の、そして被災者の方の訓練のニーズを把握して、必要な施策を検討して盛り込んで行きたいと考えています。それが1点です。
 それから、もう1点、いま、豊島委員からご指摘がありましたように、被災者の方にも被災地に留まって、次の職を探される方、それから被災地外のところに移動されて、そこで被災地の一定の復旧を待って戻ろうとする方、そしてもう1つは職種転換も含めて、移動したところで生活を営まれようとする方、いろいろなケースがあると思います。いろいろなケースがある、その部分につきましては、被災者の方が被災地において、あるいは被災地外のところに移動して、訓練を受講される場合、様々な場合において、被災者の方が訓練を十分に受講することが可能となるよう、公共職業訓練の離職者訓練、民間教育訓練機関等を活用した委託訓練については、平成23年度予算として全国ベースで21.5万人の枠を確保しております。これをそういった被災者の方向けの訓練に重点的に、優先的に配分する、使用できるようにするという措置も講じております。
○今野分科会長 はい、どうぞ。
○新谷委員 いまのご答弁とも関係して、第一次補正予算は速やかに執行を是非お願いしたいのですが、今後検討される第二次補正について、いまのご答弁の中で訓練計画の21.5万人の枠の話が出てきたました。その中で被災者の方を優先するという話があったのですが、それは同じパイの中で切り分けるのではなくて、パイ自体の拡大を第二次補正予算で是非考えていただきたいと思います。これが1点です。
 もう1点は、実は連合もいまボランティアを毎日300人ぐらい送り込んでいまして、1カ月で延べ7,000人ぐらい活動しているのですが、私も10日ほど仙台、石巻、東松島に入りました。確かに第一次補正予算でやられているように、建設関係というのは沿岸部を共通して必要な職種だと思うのですが、救援復旧のフェーズから復興のフェーズにだんだん入ってきたときに、これは復興構想会議における東北地方の被災地域の産業復興をどうするかということにも絡んでくるのですが、求められる産業、職種というのは各県によってたぶん違ってくると思うのです。いま共通だから建設ということでいいのですが、今後の復興フェーズにおいて求められる職種への転換も含めて、いま被災された方でいちばん多いのは水産加工業に従事された方々であると思いますので、そういう方々の職種転換なり就職に結びつけるための訓練がいったいどういうものかは、地元の自治体なり政府の復興構想会議との関係で十分連携を取っていただいて対応していただきたいと思います。
 最後にもう1点。特に沿岸地区は被害がひどいものですから、民間の教育訓練機関もかなり被害を受けていると思います。ですから、委託訓練等々をするにしても、受皿がない可能性がありますので、訓練をする設備を、立派な設備は要らないと思うのですが、とにかく国として国設民営みたいな形で、国として設けてやって運営を民間に任せるような発想でもいいと思うのですが、そういった面でも是非ご検討をいただければと思います。
○井上総務課長 ただいま、新谷委員から3点ご指摘いただきました。1点目については若干先ほど私の説明不足だったのですが、全国の委託訓練の定員枠21.5万人を活用してと申しますのは、現在は年度当初の時期ですので、被災者の方向けの訓練に優先的、重点的に使えるという状況がありましたので、迅速に訓練を行うための措置としてこれを行っているということです。委託訓練の定員枠の拡大、これはご指摘のとおり二次補正以降の議論において重要な課題となるものと認識しています。
 2点目ですが、復旧から復興へのフェーズに入ってくる中で、職業訓練、人材育成のあり方も変わってくるのではないかと、このご指摘についてはごもっともだと思っています。復興会議、被災地域の地元、それぞれ今後の被災地域における産業構造、就業構造、これについて現在検討もされていますし、また、これからそういった構想が策定されてくると考えています。私どもとしても、そうした復興会議とそうした検討が行われる場に人材育成を担当する場として積極的に関与し、また被災地の自治体などからも十分に意見をお聞きしながらしっかりと対応していきたいと考えています。
 3点目です。沿岸部を中心として民間教育訓練機関の行う訓練などを行う施設について、検討すべきではないかということです。これについても重要なご指摘と考えており、今後しっかりと検討していきたいと考えています。
○大久保委員 特に大きな予算が振り向けられている3の宮城センターの復旧について質問します。この施設は大変中核的な訓練施設で、被害も甚大だったと聞いています。
 計上されている予算によって宮城センターについては復旧が整うのでしょうか。仮設実習場の整備と書いてありますが、あくまでも一時的な整備で、本格的な復旧は次回以降の予算にさらに計上するということなのでしょうか。そのあたりのニュアンスや中身について伺いたい。
 また、被災地の訓練希望者を、現地だけでは対応しきれないということになろうかと思います。全国にはたくさんの訓練施設があるので、そこでも受け入れを可能にすればいいと思うのですが、実態として各地域の訓練施設が寮等を持っているわけではないため、ほかの地域で受け入れることは限界があると聞いています。そのあたりも含めて是非対応をご検討いただきたい。
○井上総務課長 いま2点ご指摘をいただきました。宮城のポリテクセンターについて、状況を少し説明したいと思います。宮城のポリテクセンターにおいては、実習場の機器のあった部分などが浸水しており、これまでの施設そのものでは訓練を再開できない状況にあります。もう1つ、地形の関係で周囲よりも低くなっており、がれきなどがかなり集積しており、これを除去するのにかなりの時間がかかるということが見込まれる状況にあります。
 一次補正で仮設実習場と書いていますのは、訓練を早期に再開するということが必要ですので、これまでの所在地とは別の場所に仮設実習場を設けて、訓練をできるだけ早期に再開できるようにしていきたいということです。宮城のポリテクセンターのこれまで行っていました訓練、こうした意味での本格的な再開については、今後どうするかということで現在検討中です。
 2点目ですが、被災者の方が被災地外の県に移って訓練を受講されるといったときに、住居の問題ということかと思います。これについては、訓練の場合もそうですが、被災地外の都道府県に広域で移動、就職するという方の場合にも同じ問題があり、住居の問題については関係部局と連携しながら確保できるようにということで進めているところです。
○豊島委員 全国に避難されている方の職業訓練というときに、私の頭に浮かんだのが、もともと雇用・能力開発機構が生まれたときの炭鉱離職者の訓練が想起されたわけであり、そのとき雇用促進住宅、いま雇用保険三事業から二事業になっていますが、雇用促進住宅廃止ということになって、いま実質的にはいろいろな形で活用がされているとは聞いています。例えばリーマンショックのあとのときの活用であったり、いまも活用されているのかもしれませんが、雇用福祉事業ということについての、こういった場合に即対応できる体制があってもいいのではないかという思いもありますので、意見として申し上げておきたいと思います。
○井上総務課長 雇用促進住宅については、すでに被災地域内において避難場所、家を失われた方の住居という形ですでに活用が行われているところです。ただいまの委員のご指摘については、雇用促進住宅を所管する部局に私どもからお伝えをしたいと思います。
○三村委員 こういう制度を政府で始めるわけですが、それをどう周知するかというのもかなり大きな問題かと思います。避難所に関してもかなり孤立した避難所もありますと、こういう制度は敷かれていることを周知する方法についてお伺いしたいのと、先ほどの今後の産業構造や就業構造が変わっていくニーズ把握をどのようにしていくのか、2点お伺いしたいと思います。
○井上総務課長 1点目、こういった施策の周知をどうするかということです。1つには、これはインターネットを活用し施策をご覧いただけるようにということで行っています。ただ、なかなか被災地ではまだインターネットが利用できないという状況も承知していますので、紙媒体も活用し、これは厚生労働省全体ということですが、生活支援情報という形で、訓練の関係なども含め紙媒体でまとめて、避難所においてお配りするとか、あるいは掲示するといった形での周知を図っています。
 それと同時に、労働局でもそれぞれ特別の相談窓口を設けているところですが、雇用・能力開発機構のポリテクセンターについても、特別相談窓口ということで訓練の受講を希望する方、訓練を実施しようとする事業主等の方々、民間教育訓練機関の方々からのご相談を受けており、そのような形で周知を図っていきたいと考えています。
 2点目のこれからの訓練ニーズをどのように把握していくかということですが、先ほど少し申し上げたところとも重なってまいりますが、被災地域の地元の自治体、あるいは関係の経済団体等々から、実態をお聞きしながら、状況を適切に把握していきたいと考えています。
○今野分科会長 非常に簡単な数字でいいのですが、今回の震災で離職しそうな人が何万人というのはわかるのですか。わからないのですかね。つまり、その辺の何かラフでもいいから想定がないと、なかなかその他の政策が難しいと思うのですが。
○井上総務課長 ばらばらな数字になって恐縮です。今回沿岸部でそれまで就業しておられた方、雇用されていた方の数は、約84万人と。それが1つです。
 現在、雇用保険の手続をしている方が約7万人おられると。また、4月下旬の時点での有効求職者の方が、3県で約2万6,000人という数字を把握しています。この3県において平成22年度に公共訓練・基金訓練受講者の方の数は、公共訓練が約7,000人、基金訓練が約1万6,000人、約2万3,000人の方が平成22年度受講されていたと。平成23年度は、当然のことながら2万3,000人という数は大きく増えるであろうと考えています。
○今野分科会長 いちばん最初おっしゃった84万人というのは、雇用者ではないですね。就業者ですね。
○井上総務課長 就業者ということになると思います。
○今野分科会長 私が考えていたのは、独立自営でやっていた人が、漁業でもいいのですが、その方がもう難しくなって雇用に転換する人たちもかなりいるのかと少し思ったものですから、それまで含めて。いいです。わかりました。
 ほかにいかがですか。よろしいですか。第1番目の議題はこの辺にします。続いて2番目の議題に入ります。2番目は、「独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴う関係政令・省令・告示案について」です。本日付で独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴う関係政令2本及び関係省令について、厚生労働大臣から労働政策審議会会長あてに諮問がなされたところです。これを受けて本分科会においても審議を行うということです。まずご説明をお願いします。
○井上総務課長 資料2で説明申し上げたいと思います。説明に入る前に雇用・能力開発機構の廃止法案について、経過を報告申し上げます。この法案については、昨年3月23日に当分科会に諮問し、答申をいただいたところです。本年4月22日に衆議院で可決成立し、4月27日に公布されたところです。この間、委員各位の格別のご指導に感謝申し上げます。
 1年近く経っていますので、政・省令の内容に入る前に法案自体について簡単に説明をしたいと思います。資料2の関係、資料2-7のあと、最後に参考ということで付けています1枚紙をご覧いただきたいと思います。独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律案の概要です。
 この法案の目的ですが、平成20年の閣議決定、雇用・能力開発機構法の廃止についてを踏まえ独立行政法人雇用・能力開発機構を廃止し、高齢・障害者雇用支援機構に職業能力開発業務の移管するなどの改正を行うというのが目的趣旨です。
 ?は法案の内容が大きく4点あります。(1)で独立行政法人雇用・能力開発機構の根拠法である雇用・能力開発機構法を廃止すると。
 (2)で、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の根拠法を一部改正すると。その内容として、1つには法人の名称を高齢・障害・求職者雇用支援機構とすると。2つ目には、雇用・能力開発機構の業務のうち、職業能力開発業務を高齢・障害・求職者雇用支援機構、このあとは「新法人」と略称しますが、新法人に移管すると。
 3つ目には、新たな組織においては、労使代表を含めた方々からなる運営委員会、あるいは地域における協議会、こうした仕組みを活用して労使や地域の職業訓練ニーズが的確に反映されるようにしていくというものです。
 3点目が(3)でして、これはその財形業務の関係ということで、利用実績の乏しい財形教育融資は廃止し、財形持家融資業務等については、勤労者退職金共済機構に移管するというものです。
 (4)に入る前に、グレーの吹き出しで書いてある部分ですが、これは法案を提出した後に議員修正がなされた部分です。施行期日について、原案では4月1日でしたが、これは10月1日ということで半年間あとに延びています。
 もう1つは、(4)の1と関連するところです。これはポリテクセンター等については、ポリテクセンター等の機能を維持することを前提として職員の引受割合に応じた移管条件、譲渡額の減額、あるいは運営経費の高率補助と、こういった措置を平成24年度末まで講じるとしていたものを、修正によりその期間を平成25年度まで延ばしているというものです。
 (4)の2です。雇用・能力開発機構の職員のうち、希望、意欲、能力のある者については、新法人、それから勤労者退職金共済機構の職員として採用するというものです。
 続いて、政令、省令、告示の内容について説明申し上げます。政令について資料2-4をご覧いただきたいと思います。「独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律に係る関係政令の考え方」というものでして、これは今回考えています政令改正の内容を整理したペーパーということです。政令2本あり、1つは?にあります関係政令の整備、経過措置に関する政令ということです。そこでは3点の内容があります。
 (1)は雇用・能力開発機構法の施行令の廃止、(2)は経過措置ということでして、雇用・能力開発機構から国が承継する資産等についての手続を定めるというものです。2は、雇用・能力開発機構から新法人勤労者退職金共済機構に承継する資産等についての手続を定めるものです。3は、新法人が10月1日に発足するわけですが、その主たる事務所については主たる事務所の移転の経費、あるいは移転先の整備の経費を平成23年度予算で手当しております関係上、暫定的に平成24年3月31日までは東京都に置くというものです。移転先としては千葉市幕張を考えているところです。
 (3)は、その他の関係規定の整備ということです。先ほどのポリテクセンター等を都道府県に移管する場合に、運営費の補助がなされるわけですが、現行の制度としても都道府県立の職業能力開発機構の運営経費等について、国が都道府県に運営費交付金を交付する仕組みとなっています。その対象に移管があった場合のポリテクセンター等についての運営経費の補助を対象に含めていくというものです。
 2本目の政令です。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構法施行令です。これは職業能力開発業務を雇用・能力開発機構から新法人に移管することに伴い、必要となってまいります土地等の出資あるいは積立金の処分、こうしたものについての手続を整備しようとするものです。政令については以上です。
 資料2-5で省令の関係を説明申し上げます。ここでは大きく4点の内容があります。1つは(1)ですが、雇用・能力開発機構の関係省令を廃止すると。(2)(3)ですが、職業能力開発業務を新法人に、財形業務を勤労者退職金共済機構に移管することに伴い、必要となる整備を行うというものです。
 4つ目として(4)新法人又は勤労者退職金共済機構の採用の手続ということです。そこでアですが、新法人又は勤労者退職金共済機構における労働条件の内容となるべき事項ということです。これは新法人あるいは勤労者退職金共済機構が労働条件と採用基準を策定し、雇用・能力開発機構を通じて雇用・能力開発機構の職員に提示し、新法人あるいは勤労者退職金共済機構に応募したいとする職員の名簿を雇用・能力開発機構が取りまとめるという一連の手続に関連したものです。
 アの部分については、2枚めくっていただきまして、「独立行政法人雇用・能力開発機構法の廃止に伴う厚生労働省関係省令の整備及び経過措置に関する省令の考え方」ということで、左のほうに労働条件の内容となるべき事項を漢数字で示しているところです。右のほうにその参照としたものを掲げており、左のほうの五以外の部分は労働基準法の施行規則にならっているものです。これは使用者が労働契約の締結にあたり労働者に対して明示しなければならない労働条件の条項です。
 ただ、労働基準法施行規則においては、左のほうの五の部分、「健康保険法による健康保険」以下の部分、これが入っていません。ですので、1頁めくっていただきますと、ここの右の下のほうですが、「職業安定法施行規則」です。これは求人者が示すべき労働条件ということでして、ここにも健康保険法による健康保険の関係などがあります。この部分を今回の省令案では五ということで加えているものです。
 恐縮ですが資料2-5にお戻りいただきたいと思います。(4)のイです。これは先ほど申し上げました労働条件、採用基準の提示の方法ということで、書面の交付あるいは掲示といったことを定めたいというものです。
 ウは、雇用・能力開発機構の職員について、新法人あるいは勤労者退職金共済機構の職員になることについての意思確認の方法ということで、これは書面ということで考えています。
 エです。これは先ほど申しました雇用・能力開発機構が取りまとめる名簿の作成のために必要な事項ということを定めたいというものです。省令については以上です。
 次に、告示について説明申し上げます。資料2-6をご覧いただきたいと思います。「独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律に係る関係告示の考え方」です。政令、省令については、今回諮問をする案件です。告示については、説明をし、ご審議をいただくということで、諮問事項ではありません。
 先ほど触れましたように今回の法律においては、ポリテクセンターについて、その機能維持のできることを条件として移管を可能とするというスキームになっているところです。ポリテクセンターの機能維持が何如なるものであるかということをこの告示で基準として定めようとするものです。
 内容としては大きく4点ありますが、1です。これは雇用・能力開発機構等において、ポリテクセンター等が実施してきたものづくり訓練など高度な職業訓練について、特段の理由のない限り訓練科目等を縮減することなく、その訓練の規模等質を維持することというものです。
 2は、ポリテクセンター等が移管となった場合には、都道府県はその運営に関して労使の代表等を含む地域協議会を設置、開催し、その意見を尊重するというものです。
 3は、都道府県は、ポリテクセンター等における訓練計画を毎年度策定し、その地域協議会の意見を尊重するということです。告示については以上です。
 このあと、先ほど内容について説明しました政令案2本と省令案1本について、要綱を読み上げという形で説明したいと思います。
○事務局 資料1の政令の要綱です。読み上げます。
 独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱。
 第1.独立行政法人雇用・能力開発機構法施行令の廃止。独立行政法人雇用・能力開発機構法施行令は、廃止すること。
 第2.関係政令の整備。1.雇用保険法施行令の一部改正。都道府県に対する経費の補助の事業の対象に、独立行政法人雇用・能力開発機構法を廃止する法律(以下「廃止法」という)の規定により都道府県に譲渡される職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校及び職業能力開発促進センター(以下「職業能力開発促進センター等」という)を加える等所要の改正を行うこと。2.その他。関係政令について所要の改正を行うこと。
 第3.雇用・能力開発機構の解散に関する所要の規定の整備等。1.廃止法の規定により独立行政法人雇用・能力開発機構(以下「雇用・能力開発機構」という)から国が承継する資産及び債務は、厚生労働大臣が財務大臣に協議して定めることとし、当該資産及び債務は一般会計又は労働保険特別会計雇用勘定に帰属させること。2.承継計画書は、次に掲げる事項を基準として定めること。(1)独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「高齢・障害・求職者雇用支援機構」という)が承継する権利及び義務のうち、職業能力開発業務に係る権利及び義務は職業能力開発勘定に、宿舎等業務に係る権利及び義務は宿舎等勘定に帰属すること。(2)独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「勤労者退職金共済機構」という)が承継する権利及び義務のうち、財形業務に係る権利及び義務は財形勘定に、雇用促進融資業務に係る権利及び義務は雇用促進融資勘定に帰属すること。3.高齢・障害・求職者雇用支援機構及び勤労者退職金共済機構が承継する資産に係る評価委員は、厚生労働大臣が任命し、その過半数の一致をもって当該資産の評価を行うこと。4.その他雇用・能力開発機構の解散に関する所要の規定を設けること。
 第5.職業能力開発促進センター等の用に供されている資産の譲渡により生じた収入の額の国庫納付等。1.雇用・能力開発機構が廃止法の規定により職業能力開発促進センター等の用に供されている資産を都道府県に譲渡する際に生じた収入額について、国庫納付又は雇用・能力開発機構に出資する地方公共団体への払戻しを行う等所要の手続を定めること。2.高齢・障害・求職者雇用支援機構が廃止法の規定により職業能力開発促進センター等の用に供されている資産を都道府県に譲渡する際に生じた収入額について、1と同様の手続を定めること。
 第6.高齢・障害・求職者雇用支援機構の主たる事務所を東京都に置く期限。高齢・障害・求職者雇用支援機構の主たる事務所を東京都に置く期限は、平成24年3月31日とすること。
 第7.施行期日。この政令は、平成23年10月1日から施行すること。ただし、雇用・能力開発機構の解散等に係る準備行為に関する規定は、公付の日から施行すること。
 第8.その他。その他所要の経過措置等を整備すること。
 続いて資料2-2の政令です。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構法施行令案要綱。第1.独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「高齢・障害・求職者雇用支援機構」という)に対して政府が土地等を出資する場合に、当該資産に係る評価委員を厚生労働大臣が任命すること等所要の評価の手続を定めること。
 第2.高齢・障害・求職者雇用支援機構の中期計画終了時の積立金の処分に係る承認の手続や国庫納付金の納付の手続等を定めること。
 第3.この政令は、平成23年10月1日から施行すること。
 第4.その他所要の規定を整備すること。
 続いて資料2-3の省令案です。独立行政法人雇用・能力開発機構法の廃止に伴う厚生労働省関係省令の整備及び経過措置に関する省令案要綱。第1.独立行政法人雇用・能力開発機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令の廃止。独立行政法人雇用・能力開発機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令(以下「能開機構財会省令」という)は廃止すること。
 第2.関係省令の整備。1.独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令の一部改正。独立行政法人雇用・能力開発機構(以下「雇用・能力開発機構」という)から職業能力開発業務を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「高齢・障害・求職者雇用支援機構」という)に承継させること等に伴い、業務方法書の記載事項に職業能力開発業務に関する事項を追加する等、能開機構財会省令の一部の規定を追加する等の所要の改正を行うこと。
 2.独立行政法人勤労者退職金共済機構の業務運営並びに財務及び会計に関する省令の一部改正。雇用・能力開発機構から財形業務を独立行政法人勤労者退職金共済機構(以下「勤労者退職金共済機構」という)に承継させること等に伴い、業務方法書の記載事項に財形業務に関する事項を追加する等、能開機構財会省令の一部の規定を追加する等の所要の改正を行うこと。
 3.その他。関係省令について所要の改正を行うこと。
 第3.経過措置。1.高齢・障害・求職者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構が行う採用の手続。(1)独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構が提示する高齢・障害・求職者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構(以下「高齢・障害・求職者雇用支援機構等」という)の労働条件の内容となるべき事項は、次に掲げる事項とすること。ただし、トからカまでの事項については、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでないものとすること。
 イ.労働契約の期間に関する事項。ロ.就業の場所及び従事すべき業務に関する事項。ハ.始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに職員を2組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項。
 2.賃金(退職手当及びチの賃金を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期並びに昇給に関する事項。ホ.健康保険法による健康保険、厚生年金保険法による厚生年金、労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険及び雇用保険法による雇用保険の適用に関する事項。ヘ.退職に関する事項(解雇の事由を含む)。ト.退職手当の定めが適用される職員の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項。チ.臨時に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与並びに最低賃金額等に関する事項。リ.職員に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項。ヌ.安全及び衛生に関する事項。ル.職業訓練に関する事項。ヲ.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項。ワ.表彰及び制裁に関する事項。カ.休職に関する事項。
 (2)高齢・障害・求職者雇用支援機構等の労働条件及び採用の基準の提示は、その内容を記載した書面を雇用・能力開発機構の職員に交付することにより行うほか、雇用・能力開発機構の職員が勤務する場所の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付けることにより行うものとすること。
 (3)高齢・障害・求職者雇用支援機構等の職員となることに関する雇用・能力開発機構の職員の意思の確認は、書面により行うものとすること。
 (4)雇用・能力開発機構が作成する名簿には、高齢・障害・求職者雇用支援機構等の職員となるべき者の氏名、生年月日、所属する機関又は法人の名称、所属する部署及び役職名を記載するものとし、当該名簿には、高齢・障害・求職者雇用支援機構等が必要と認める書類及び当該職員の選定に際し判断の基礎とした資料を添付するものとすること。
 2.高齢・障害・求職者雇用支援機構又は勤労者退職金共済機構が行う積立金の処分等の経過措置を定めること。
 3.その他雇用・能力開発機構の廃止に伴う所要の規定を整備すること。
 第4.施行期日。この省令は、平成23年10月1日から施行すること。ただし、雇用・能力開発機構の解散等に係る準備行為に関する規定は、公付の日から施行すること。
 第5.その他。その他所要の経過措置等を整備すること。以上でございます。
○今野分科会長 それでは、ただいまの説明についてご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○新谷委員 1年かかってやっと法案が成立したということでありまして、この法案の内容についても、この審議会でも十分論議をさせていただきましたし、労働側としては、諸手を挙げて賛成ということではないのですが、非常に宙ぶらりんな状態から一歩踏み出したなという印象でございます。機構の廃止法案というこのスキームについては、1年前の審議会の際にも申し上げましたように、これは使用者代表委員もたぶん同じ思いを持たれていると思うのですが、新法人に移っていかれる能開機構の職員の方々について、非自発的な退職者が出ないように、雇用に関する問題が一切出ないようにということで、労働側としても答申に意見を付けさせていただいております。今後は政府のほうで、独立行政法人の統廃合を行う際に、今回の労働契約を承継しないというスキームが前例とならないようにしてほしいということも、答申に付した意見として申し上げてきました。
 今回の政省令の中にも、新法人での採用の基準等々が示されておりますが、いま申し上げた内容がきちんと守っていただけるように、是非、運営面での対応をお願いしたいと思っております。
 もう1点は、10月1日に新法人に移行することになります。これは民間企業のM&Aでは、たぶん事業譲渡による特定承継という形にあたると思います。要するに、承継するものは承継するし、承継しないものは承継しないということになると思います。その中で、労働契約は承継しないということは、もともとこの話から出てきておりました。実は、労働組合との関係、集団的労使関係での労働協約の取扱いについて1つ懸念しております。
 もともと個人が持っている労働契約と、集団的な組合と法人との集団的な契約である労働協約というのは別ものですので、協約の扱いについて、いまあるスキームといいますか、仕組みについて、新法人でも同じような労働組合の活動ができるように、例えば、専従者は専従者の扱いができるように、組合の掲示板は掲示板として使えるように、そこはきちんと担保できるような形で、指導ができるのかどうかわかりませんが、新法人の運営に当たっては留意していただければと思います。以上の意見を付けまして、労働側としては、この政省令については特に異論はございません。以上です。
○今野分科会長 ほかにありますか。
○高橋委員 職員の雇用に最大限配慮していただけるという思いは我々も全く同じです。質問ですが、能開機構の賃金や一時金の決定方法とか水準と、承継する高障機構、あるいは勤退機構における労働条件の決定方法は基本的に同じなのか、多少違いがあるのか。その辺りをお聞きしたいと思います。
○今野分科会長 少なくとも、ピッタリ同じということは絶対にあり得ないので、どの程度同じかということだと思います。
○井上総務課長 それぞれ能開機構、雇用・能力開発機構、高齢・障害者雇用支援機構、勤労者退職金共済機構とありますが、全部独立行政法人であるということで、基本的な枠組みは共通しております。
 もう1つは、労働条件の水準につきましては、国家公務員の労働条件を標準としております。例えば、よくラスパイレス指数と言われますが、各独立行政法人を通じて、現在、基本的に国家公務員と同等のラスパイレスの100を目指すことを基本に労働条件を策定されておりますので、その意味では概ね同水準ではないかと考えております。
○高橋委員 新しく採用されて新法人に移られる労働者の方々の労働条件、とりわけ水準ですね。それがいまの能開機構で働いていらっしゃる労働条件から低下することのないようにやっていただきたいというお願いです。
○上原委員 決まったことなのでしようがないのですが、名称の問題でこれは長いと。事務方も新法人と言っているくらいですから、頭の3つはいらなくて、雇用支援機構だけでいいのではないかと思いました。
 もう1つは、地方のものは地方に移管するということで進むのだと思いますが、結果として、能開機構の人数が、例えば2割ぐらい減るのか、その辺がもし数字でわかっているのであれば、様子を教えてほしいと思います。これからの作業なのかよくわかりませんが。
○井上総務課長 名称の関係は、当分科会のご議論の中でも、法案を提出した後、国会における審議の中でも、ただいま上原委員からご指摘がありましたようなご指摘がありました。長い名称になった理由について、再度説明いたしますと、新法人の母体となる法人が高齢・障害者雇用支援機構であり、高齢・障害者雇用支援機構につきましては、高齢者と障害者のそれぞれの方々を対象とする業務を行っている法人を端的に示す法人の名称です。そこを維持しつつ、雇用・能力開発機構から承継する職業能力開発業務を行っていることを表現しようとした場合、それは名称ですので、これでも長いというご指摘は当然あると思いますが、一定の長さにおさめるという考え方で「求職者」を加えたということです。しかし、名称として長いのではないかというご指摘は、私どもも十分受け止めておりまして、今後は実際に法人を呼称するときには、略称と申しますか、例えば「雇用支援機構」といった形で名称を使っていくように考えていきたいと思います。
 ポリテクセンターの移管については、法案が先月成立し、公布されたということで、私どもも今後は都道府県にもいろいろとご協議をしていくことが必要であると考えておりますが、いまの状況では、問い合わせをいただいている県が数県ある状況です。ただ、その内容につきましては、問い合わせをされている都道府県のほうでポリテクセンターの移管についてどのようにお考えになっているかという話のレベルまでは来ておらず、どういったことなのかという内容の問合わせが主な内容になっております。
○今野分科会長 結局、まだわからないということですね。
○豊島委員 この諮問の内容については異論はございません。ただ、要望とか意見ということではなく、1つの思いとして聞いていただきたいのですが、いま新谷委員がおっしゃったように、民間の場合であれば譲渡に当たる。民間で言えば合併とか事業譲渡といろいろありまして、そこの当該の従業員、労働組合が交渉という形で関わる。どういう形で譲渡があるのかということも聞かされる。あるいはそのときの移行をどうするかということも、労使協議の対象になって、それも含めて合意の中で移っていくのだと思うのです。独立行政法人の職員の場合は、法律が通ったあとにそのことが初めて明らかになる。それはすでに決定事項であるということです。私が思っているのは、確かに当該法人の使用者、あるいは労働組合がいろいろな形で要請することができるのだと思うのですが、そのことに関わることができない。これは1つの労働者法という観点から言えば、落とし穴になっているのではないかという気がしています。ですから、そういう問題意識を、今日お集まりの委員の皆さん、あるいは厚労省の皆さんにも共有していただければと思っております。具体的にどうこう、それを何とかしていかなければいけないのではないか。当該職員が関われる方法がないと、これから独立行政法人の見直しなどもあると言いますし、改編などもあると思います。そのときに何らかの形で参加できるルートがなければおかしいのではないかという思いがありますので、一言申し上げておきたいと思います。以上です。
○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、多くの委員からご発言がありましたように、当分科会としては、「独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案要綱」が1つです。2つ目は「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構施行令案要綱」です。3つ目は「独立行政法人雇用・能力開発機構法の廃止に伴う厚生労働省関係省令の整備及び経過措置に関する省令案要綱」です。この3つを妥当と認める旨の報告を、私から労働政策審議会会長宛に行うことにしたいと考えております。よろしいですか。
(了承)
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは事務局から報告文案を配付してもらいます。
                (報告文案配付)
○今野分科会長 簡単にお目通しいただけますか。よろしいですか。それでは、そのように報告をいたします。次の議題は「2011年度の年度目標について」ということで、事務局から説明をお願いします。
○井上総務課長 お手元の資料3でご説明いたします。「雇用戦略に係る目標一覧(職業能力開発関係)」ということです。この目標については、昨年度初めて、行政の目標として設定するということで、当分科会におきましてもご議論をいただいたものです。この表の右の所をご覧いただきますと、「中期目標値」ということで、これは昨年度9月に閣議決定された新成長戦略におきまして、2020年の目標ということで掲げられているものです。中間目標値を見据えながら、単年度の目標として、どのような目標を設定をするかということで設定しているものです。5項目あり、それぞれ左から右という形で、2010年度の目標がどうであったのか。実績はどうなっているのか。2011年度にどのような目標を設定しようとしているのか、そうした形でご説明を申し上げます。
 1「ニートの縮減」、サポステによるニートの就職等進路決定者数ということです。ニートの方々の相談、あるいは待っての相談だけではなくて、赴いてのアウトリーチを行う施設として、地域若者サポートステーションがあります。現在、110カ所あります。地域若者サポートステーションを利用されたニートの方々が、半年後において就職等とあるのは、例えば、学校への復学や進学も含んでおり、進路決定をされた方の数がどうかというのが1です。2010年度の目標は7,000人でした。2010年度の実績は途中ですので、6カ月後ということですので、この項目については、数字として出てくるのが時期的に遅めになってきます。おそらく2010年度の目標は達成できるのではないかと考えております。
 2011年度は7,800人と目標を増やしております。これは地域若者サポートステーションの相談、あるいはアウトリーチといった機能の向上を見込んで目標を2010年度よりも高くしております。
 2「ジョブ・カード取得者」については、2020年度までに300万人ということで、2010年度は25万人の目標を設定しておりました。2010年度の実績は2月までということですが、20万人弱ということで、目標の達成が厳しい状況です。
 2011年度は28万人としているのは、ジョブ・カード推進協議会による全国計画におきまして、300万人の目標とは別に、平成24年度までに100万人という目標があり、これを平成23年度、24年度の2カ年度で達成するためには28万人ということで設定しております。
 ジョブ・カードの関係につきましては、昨年の事業仕分けの結果を踏まえるなどして、事業の進め方の枠組みを見直したところでして、こうした見直した枠組みを活用して目標を達成していきたいと考えております。
 3「公共職業訓練(離職者訓練)の受講者数と就職率」については、2010年度の目標は、受講者数が22万人、就職率が施設内訓練で80%、委託訓練で65%。それに対して実績が、受講者数が2月までで約16万3,000人。就職率は、施設内が78.4%、委託訓練が63.0%という状況です。受講者数につきましては、詳細の分析はできておりませんが、4「緊急人材育成支援事業」の基金訓練の受講者数が目標よりも多かったことが影響している可能性があります。3の2011年度の目標については、受講者数の21.5万人は、平成23年度の予算で、この定員枠を確保しています。就職率につきましては、2010年度と同様、施設内訓練を80%、委託訓練を65%と考えております。
 4「緊急人材育成支援事業による基金訓練」については、2010年度の目標が、受講者数15万人、就職率60%ということでした。実績は受講者数で2010年度は27万7,000人強、就職率は69.0%という状況です。
 2011年度については、受講者数12万人、就職率は60%と考えております。ただ、受講者数につきましては、現在、求職者支援制度に関する求職者支援法案を国会に提出しております。これが成立した場合には、10月以降は求職者支援制度となりますので、ここに書いてある12万人は、4月から9月までの半年の基金訓練についての数値ということです。
 5「自己啓発を行っている労働者の割合」については、2010年度の目標が正社員50%、非正社員が30%ということでしたが、2010年度の実績は正社員41.7%、非正社員18.4%ということで、目標には及んでおりません。2011年度につきましても、同じ目標値を設定し、キャリア・コンサルタントの育成、資質の向上等を通じたキャリア・コンサルティングを受講しやすい環境の整備、あるいは教育訓練給付の活用などにより、この目標を達成していきたいと考えております。
 以下、参考として、それぞれの項目ごとに、いま申し上げたような内容を中心に小表を付しておりますが、説明については以上とさせていただきます。
○今野分科会長 ありがとうございました。それでは、ご質問をお願いします。
○澤田委員 4の「緊急人材育成支援事業」の訓練後の就職率は、60%という目標で、いろいろ関係各位の努力が実って69%という実績の報告をいただきました。その上で、2011年度の目標は9月までということですが、昨年度と同じ60%という設定する理由を説明願いたい。もう少し実態を踏まえて高めてもよいのではないかという気がいたします。
 来年度以降といいますか、10月以降になるのでしょうが、緊急人材育成支援事業が、求職者支援制度として恒久化され、その中で就職の支援責任者の訓練実施機関への配置など、訓練受講者への就職支援が強化されるということもありますので、それを踏まえて目標数値は設定すべきではないかと思います。
9月までの間の就職率の設定の仕方が少し低いのではないかということと、10月以降、来年度も含めて、数値目標設定の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 3「公共職業訓練」の同じく就職率の関係ですが、ほぼ目標に近い実績が上がっていると思います。施設内訓練は80%とかなり高い数字ですので、こちらはそのままでもいいのかなと思います。委託訓練との差はずっとこういうものでいいと受け止めるのか、委託訓練のほうももう少し高めていくのだというスタンスに立つのか、数字設定の考え方が違うのではないかという思いますので、その辺の考え方があればお聞かせ願いたいと思います。
○谷主任職業能力開発指導官 基金訓練を担当している能開課の谷と申します。よろしくお願いいたします。いま委員からお話がありました緊急人材育成支援事業の目標設定については、60%以上ということで設定しております。2010年度はこれより高く、就職率は69%ということですので、実際には我々は高い目標をより高めていきたいと思いますので、運営を図っていきたいと思っております。
○今野分科会長 もう1点、これは9月までの目標なので、10月以降はどうするつもりだということですが、その点はいかがですか。まだ決まっていなければ、決まっていないでいいのですが。
○井上総務課長 ひとつ、その前にご報告をさせていただきたいと思います。当分科会で諮問をさせていただき、答申をいただいた求職者支援法案につきましては、4月に衆議院で成立し、今日まさに参議院の厚生労働委員会で審議が行われているところです。この間の委員各位のご指導に感謝を申し上げます。
 求職者支援制度の目標値の設定につきましては、求職者支援制度の制度設計をどうするかということに非常に大きく関わってくるかと考えております。法案が成立したら、速やかに当分科会で制度設計についてご議論をいただき、それを踏まえ、目標値として適切なものを設定することで進めさせていただければと考えております。
○今野分科会長 もう1点の公共訓練についてはいかがですか。
○井上能力開発課課長補佐 公共訓練についてご回答を申し上げたいと思います。先ほどお話にありましたように、特に公共訓練の委託訓練については、平成21年度の就職実績が62.4%ということで、平成22年度の暫定値は63%ということで、都道府県のほうにいろいろ訓練をお願いしておりますが、各種取組みを進めてきたことによって上がってきているところです。新成長戦略でも定めている目標を平成21年度は達成すべく、目標値については65%を計上しております。
○新谷委員 いまの答弁に絡んできますが、資料3の目標、実績の数字が出ていて、澤田委員も公共職業訓練との関係で、いまの基金訓練の就職率の話をされたのです。3頁のところに、基金訓練の就職率の算出方法が上のほうに書いてあります。この資料が今後政府の中で政策の指標として使われるときに、ちょっと違和感があるのです。委託訓練63%に対して、基金訓練は69%となっていて、これは本当にそうかという思いが生じるのです。要するに、算出の基準が違うはずなのに、同じ数字として並んでいることでミスリードするのではないかと思うのです。
 回収率の話はどこにも書いてなくて、3頁のところにも書いていないのです。「算出の基準」の2010年度の実績の※のところに、6万1,460人の就職者がいて、そこに11万人の修了者と引き続き出ていますが、その上の27万人との差は一体どこに消えてしまったのかという問題があるわけです。細かなことは言いませんが、これが同じ表の中で、委託訓練が63%で、基金訓練が69%だと、こちらのほうがいいのではないかと、誰が見ても思います。これは注意して表を作っていかないと、いまの答弁の中でこの話が一切なかったので、これは指摘をしておきたいと思います。以上です。
○今野分科会長 何かありますか。
○桑田審議官 確かに新谷委員のご指摘の問題点は、従前から私どもも非常に1つの論点として認識しております。いまいろいろとご議論をいただいたように、今年度の基金訓練の目標については、あと半年だからということもこれありで、既存の目標値を延長して60%としたところです。むしろ、肝となるのは、今回法案が通ればのことですが、10月以降新しい制度になったときに、どういった目標を設定するかということが、将来に向けてより大きな肝だと思っております。
 それは先ほど総務課長が申し上げたように、制度設計等の過程と並行して、いまご指摘をいただいた課題意識も踏まえて、目標の設定の在り方、あるいは算出の在り方を検討していきたいと思っております。
○新谷委員 はい、わかりました。先ほど井上課長からご説明があったように、参議院の厚生労働委員会で、ちょうどいま求職者支援法案の審議をやっていると思います。早い段階で、おそらくこの法案は成立することになると思います。やはり、法案成立が見えてきた段階で、法の施行に向けて、いまでも当然やっていただいているのでしょうが、政策をきちんと運用できるように、そのベースになるのはデータだと思いますので、その整備をきちんとしていただきたいと思います。
 法案の成立が見えてきた段階で、先ほど事務方からもありましたように、関係政省令の内容を固めていかないと、具体的な施行はできないということもあります。また、このスキームでは、財源の問題で基金の残高によっては労使の負担に関わってくることもありますので、早く残高の見込みなどを示していただきたいと思います。法案の成立が見えてきておりますので、その辺も含めて、事務方には是非日程管理をお願いしたいと思います。以上です。
○今野分科会長 この就職率というのは悩ましいのですよね。公共訓練の場合と、従来の基金訓練の場合は仕掛けが違っているので、基金訓練の場合はそのまま次の訓練に移る人たちもいるわけですよね。ベースが違うというのは、ちょっと悩ましいなと思います。
○新谷委員 ベースの違いはあるのですが、いちばん違っているのは、アンケートの回収率の違いだと思います。委託訓練のほうは、たしかインセンティブの仕組みが入っているので、回収率が98%ぐらいあると思うのですが、基金訓練のほうは違う数字がたぶんありますので申し上げました。
○今野分科会長 いまおっしゃられたように、回収率がもし同じになったとしても、就職率の数字の意味は違うのですよね。公共の場合と、求職者支援制度の場合は、意味が違うことは事実なので、そこまで考えなければいけませんね。
○井上総務課長 2点あります。1点は、いま座長からもお話がありましたように、基金訓練の場合には、引き続き次の訓練を受けるという方が、かなり想定されるということもありまして、このような算出方法を採っております。求職者支援制度の目標設定につきましては、先ほど申し上げましたように、制度設計と併せて、当分科会でご議論をいただけるように準備を進めたいと考えております。
 回収率の問題については、求職者支援制度の制度設計の中でご議論をいただきたいと考えております。これまで当分科会でも、その点についてのご議論があったところですので、報告がなかった受講者のカウントについては、十分に精査して議論をしていただきたいと考えております。
○上原委員 いちばん上にニートの目標が書いてあるのですが、下の2345はないと思うのですが、例えば、ジョブ・カードの28万人の中にニートの人たちも入っていると思うのですが、そういうものの把握の数字というのはあるのですか。
○今野分科会長 例えば、ニートの中でジョブ・カード取得者がどの程度か、公共訓練でジョブ・カード取得者はどの程度か。そういう意味ですね。どうですか。
○田中実習併用職業訓練推進室長 ジョブ・カードの取得者の内訳につきましては、これからは交付機関別にある程度取っていこうと思っていますが、具体的にニートの方がいらっしゃるかどかについては、数字としては、サポステの中でどれぐらい交付化されているかというのはわかるのですが、そういう意味で、機関別の数字から想定できるということはあるかと思います。
○上原委員 7,800人が、2011年度の目標でニートが出ているのですが、これは日本の将来を考えると、60万人というのは島根県とか、そういうレベルの人数ですから非常に重たい。かつ、労働力、人口も減るわけです。そうは言っても、企業のほうでも誰でも雇用できないわけです。例えば、一般的にはグローバル化で、雇用の機会が減るというのは非常に重たい問題です。サポートステーションは110カ所あると言いますが、仮に110で割ると年間70人ぐらいで、そこだけの仕事で、60万人を7,800人で回転するには相当時間がかかります。先進国はどこでも大変悩みがあるようですが、当該職業能力開発局だけの施策で対応するものなのか、もう少し厚労省全体でほかの部門でも、こういう部分についてメスを入れるような仕組みがあるのかどうか、その辺はどうなのでしょうか。
○井上総務課長 2点あります。地域若者サポートステーション自体の数は110です。ただ、地域若者サポートステーション単独ということではなく、もともとニートの方々を支援するネットワークが重要であると考えております。ネットワークとして、例えばハローワーク、教育機関、福祉機関等々で地域のネットワークを構成しております。
 地域若者サポートステーションに相談に来られた方が、就職を希望されているのであれば、ハローワーク等と連携していきます。また、高校中退、復学を希望しておられるのであれば、学校とも連携していくというふうに、ネットワーク全体でこの対策の実効が上がるようにと考えております。
 もう1つは、ここの数字は、進路が決定された方の数が7,000人ということです。地域若者サポートステーションに、同じ方が何度か来られるというのはありますが、年間で相談件数として対応しているのは約30万件あり、そういった活動量があります。
○伊東委員 1項目のニートの関係ですが、いまお話があったように、サポートステーションネットワークを作って連携するというお話ですが、地域の生活者という視点で見たときに、地域若者サポートステーションがあるということ自体が、たぶん周知されていない。もちろん私たちがそれを知ろうとしていない部分もあるかもしれませんが。特に、先ほど教育機関との連携というのがありましたが、教育機関を通して、例えば、こういうことのステーションがあることが、なかなか入ってこないということを考えたときに、折角とてもいいアウトリーチ型と言っていい形で、積極的にアプローチしていただけているということではあるのですが、実際には実感できていないという実態を考えると、やはり周知の仕方を十分に検討していかないといけないと感じているところです。
 先ほど数字をお聞かせいただいて、30万件ご相談があるという中で、実際に進路につながったのが7,000人ということで考えたときに、相談に来たほかの方たちはどうなったのかということにも思いを馳せてしまうわけです。先ほど上原委員がおっしゃったように、非常に由々しき問題なので、これについてはもう少し周知をはじめとして、もちろんネットワークで解決していくことは重要ですが、しかしながら、もう少し行政としてももう一歩積極的な何か働きかけというのは必要ではないかと考えますが、いかがですか。
○井上総務課長 まだ周知が十分でないと、また、もっと効果が上がるようにしていくということについてのご指摘はごもっともだと思います。周知につきましては、先ほど申し上げたところと繰り返しとなりますが、ネットワークの形はできておりますので、ネットワークがより機能を発揮できるように、そこを強化していきたいとまず考えております。
 地域若者サポートステーション自体の機能強化ということについては、もともとはサポートステーションで相談を受けてというところから出発しております。それに加えて、最近アウトリーチということで、待っているのではなくて、いわば出ばっていってというような手法を積極的に行っていくことや、就職、あるいは進学ということで、進路が決定された方についても、継続的にフォローしていくという、継続支援事業も近年追加して実施しております。そのようなことも含めて、今後、地域若者サポートステーションの機能強化も図っていきたいと考えております。
○今野分科会長 いまの2人のご意見は、ニート問題が重要だということが書いてあるわけです。今日は目標自身は目標自身でいいとして、両委員からご指摘がありましたので、今後我々が考えていかなければいけない施策として非常に重要であるということであれば、また別の機会で議論する場を用意していただくというふうにしないと、今日は終わらなくなってしまいますので、そういう対応をしていただきたいということでよろしいですか。
○伊東委員 この項目の5項目が気になるので、ご意見を申し上げたいと思います。単年度目標ということで、2010年度の目標、実績、中期目標と出されていますが、正社員と非正社員ということで、今いろいろと話題になっているところの括りで書かれているわけですが、正社員と非正社員の自己啓発の単純な割合を見ていったときに、目標が例えば50に対して、正社員が41.7。非正社員が30に対して、実績が18.4ということで、その達成率を見たときに、やはり2割ほど差がある。なおかつ、中期の目標値を見たときに、2010年の実績からいけば、正社員は目標は2割弱。非正社員の場合には3割弱ということで、やはり、ここにも大きな乖離があるということを考えたときに、どのようなアプローチをしていったら、その目標に達していけるのかということを真剣に考えなければいけないと思います。
 ちなみに厚生労働省の「職業能力開発基本調査」では、「自己啓発の実施方法」ということで、どういうツールでなされているかということで、細かく分析されているわけです。例えば、それを見ていきますと、いわゆるラジオとかテレビとかの自習等を挙げている方が正社員が49.1%、非正社員は39.3%。社内の自主的な勉強会等でいくと、正社員が25.2に対して、非正社員が30.8ということで、ここは若干非正社員の方が頑張っていらっしゃるところが見えます。実は、社外の勉強会、研究会への参加ということになると、正社員が25.9、社外で非正規が13.9ということで、非正規の方が低いということになっています。そういう内訳も少し分析していただきながら、どうしたらそこのところが伸びていくのか。自己啓発全体を見ていくと、例えば、費用の補助を見ただけでも、正社員は38.0、非正社員は28.2ということで、アプローチの仕方にも差があるということがありますので、今後、2020年の目標を達成するに当たっては、もう一歩、何らかの取組みが必要かと思うのですが、非正社員の動機づけも含めて、その辺はどのようにお考えになっているのかお聞かせいただければと思います。
○今野分科会長 これは基本的に直接言うと、企業が決定していることなのです。それを政策的にどうやって誘導するか、政策手段というのは本当は非常に難しいのではないかと思っているのです。
 それについて、どういう政策手段を考えているかということを説明していただくのが、いま私が発言した趣旨です。もしそれがあれば短かく言って、もう1つ議題があるのです。たぶん決定的な政策手段はないと思うのですが、どうですか。
○浅川育成支援課長 ご指摘のとおりでございます。私どもとしては、キャリア形成促進助成金で、自己啓発支援として、事業主の方が、従業員の方の自己啓発に対して助成を行う場合、それに対して国が助成するといったことを行っております。
 しかしながら、以前の分科会でもご説明させていただきましたとおり、なかなか活用という意味では、あまり活用されていないということで、政策的にはかなり推進力という面では、それほど強くないというのが実態です。実際のところは、基本調査を見ますと、時間がないとか、忙しいとか、そのようなところでなかなか自己啓発が図れないというのが実態のようです。私どもも仕事をする身としては、かなり実感として理解できるところではありますので、このような費用の助成以外にも労働条件や、いろいろなことをトータルとして見て、従業員の方が自己啓発ができるような環境づくりをしていくことが大事ではないかと考えております。
○今野分科会長 いずれにしても、中期目標を設定してしまうのだから、もう少し考えたらというご意見だと思います。ほかにございますか。よろしいですか。もう1つは、4番目の「中央職業能力開発協会の在り方に関する専門委員会」について説明をお願いします。
○星能力評価課長 お手元の資料4に従ってご説明いたします。本日、ご審議をお願いするのは資料の1頁にあります。昨年、厚生労働省におきまして、「厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会」といった委員会が開催されまして、報告書が年末に提出されました。これにおきまして、特別民間法人、私どもの局では中央職業能力開発協会が該当するわけですが、これにつきましても、根拠法に基づく業務の遂行、あるいは情報公開、ガバナンス等に関して必要な検討を審議会で行うとされたことを踏まえて、労働政策審議会能力開発分科会に専門委員会を設置して、1頁の下に「検討内容」にあるような視点でご議論をいただこうというものです。
 そもそもこの整理合理化委員会では、中央労働災害防止協会を特別民間法人の代表例として検証してきたところです。他法人についても、種々問題があるのではないかということで、検証すべきだと。整理合理化委員会の報告で提言されているわけです。いわゆる横串を入れて改革の成果を拡大していこうというものです。
 なお、専門委員会の委員には本分科会の公労使のそれぞれの委員の皆様の中からお二方、さらに公認会計士1名を加えた7名の委員の方々にご協力をお願いして、ご審議をいただいて、11月を目途に取りまとめをいただいた上で、12月には本分科会にご報告をいただき、分科会としての対応を改めて議決いただきたいと考えております。
 こうしたことから、資料の5頁目、労働政策審議会能力開発分科会運営規程に線が引いてありますが、第6条の2として、「分科会に、その所掌事務について、特に専門的な調査を行う必要があるときは、その定めるところにより、専門委員会を置くことができる」。2項として、「専門委員会の議事運営に関し必要な事項は、専門委員会の長が専門委員会に諮って定める」。こういった条項を新たに加えて、専門委員会を正式に分科会の下部組織として位置づける、分科会運営規程の開催につきましてお諮り申し上げたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
○今野分科会長 ご質問、ご意見はありますか。よろしいですか。それではこの改正については了承することにさせていただきます。ありがとうございました。そうなりますと、専門委員の委員を選任しなくてはいけないのですが、選任については、私にご一任いただくということでよろしいですか。そういうことでさせていただきます。今日の予定の議題は終わったのですが、「その他」については、特にないですね。最後に事務局からありましたらお願いします。
○井上総務課長 ございません。
○今野分科会長 次回以降の日程については、改めて事務局から連絡をさせていただきます。議事録の本日の署名委員は、労働者側委員は新谷委員、使用者側委員は上原委員でお願いいたします。時間どおり終わりましたので、閉会とさせていただきます。ありがとうございました。

(了)

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