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2011年4月25日 保険者による健診・保健指導の円滑な実施方策に関する検討会(第7回)

保険局総務課医療費適正化対策推進室

○日時

平成23年4月25日(月)15時00分~17時00分


○場所

全国都市会館3階第1会議室
東京都千代田区平河町2-4-2


○議題

1.本検討会の位置づけについて
2.特定健診・特定保健指導の概要について
3.特定健診・特定保健指導に対して頂いているご意見について
4.地域・職域における生活習慣病予防活動・疾病管理による医療費適正化効果に関する研究について
5.今後の進め方

○議事

○城医療費適正化対策推進室長 お待たせいたしました。ただいまより第7回保険者による健診・保健指導の円滑な実施に関する検討会を開催いたします。
 開会に当たりまして、局長の外口よりごあいさつを申し上げます。
○外口保険局長 本日は、大変お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
 特定健診・保健指導につきましては、関係者の皆様方の御尽力をいただき、平成20年度から導入され、制度導入から3年目を迎えることとなりました。この間、制度の円滑な運営に御協力いただいた方々に、改めて感謝申し上げたいと思います。
 一方で、本日の資料3にもありますように、昨年の医療保険部会を初めとして、さまざまな場面で関係者の皆様から御意見をいただいているところでございます。また、先日は、特定健診・保健指導の実施等についての目標を定めた医療費適正化計画の中間評価を発表し、その中で、現在の保険者の皆様における実施状況等についての調査結果を公表させていただきました。制度導入後のこうした状況等を踏まえまして、この特定健診・保健指導を制度の面からも、内容の面からも、よりよいものとしていくことを目的としまして、本日、検討会を再開させていただくことといたしました。委員の皆様方におかれましては、忌憚のない御意見を賜りたく、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
○城医療費適正化対策推進室長 続きまして、本日お集まりいただきました委員の方々の御紹介をさせていただきたいと思います。議事次第の後ろに配席図をおつけしております。また、資料1の一番最後のページに委員名簿をつけております。御出席の委員の方につきまして、あいうえお順で御紹介をいたします。
 まず、全国市長会、岡崎委員。
 次に、日本私立学校振興・共済事業団、北潟委員。
 日本看護協会、草間委員。
 日本栄養士会、小松委員。
 全国町村会、齋藤委員。
 健康保険組合連合会、白川委員。
 日本公衆衛生協会、多田羅委員。
 国民健康保険中央会、田中委員。
 あいち健康の森健康科学総合センター、津下委員。
 地方公務員共済組合協議会、中島委員。
 全国国民健康保険組合協会、中村委員。
 日本医師会、保坂委員。
 日本人間ドック学会、山門委員。
 共済組合連盟、吉岡委員。
 日本総合健診医学会、吉田委員。
 本日、御欠席の御連絡をいただいておりますのは、日本労働組合総連合会、伊藤委員。
 全国健康保険協会、貝谷委員。
 JFEスチール、高橋委員。
 全国後期高齢者医療広域連合協議会、横尾委員になります。
 続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
 先ほどごあいさつしました保険局長の外口以下でございまして、総務課長の武田でございます。
 高齢者医療課長、吉岡でございます。
 それから、私、医療費適正化対策推進室長の城でございます。
 特定健診・保健指導につきまして具体的な内容についての関係の所掌をしております健康局総務課生活習慣病対策室、高城が出席しております。
 健康局総務課保健指導室、畑農でございます。
 事業主健診の観点からということで、労働基準局安全衛生部労働衛生課、古田でございます。
 介護予防等の観点からということで、老健局老人保健課、日野原でございます。
 事務局は以上でございます。
 続きまして、この検討会の進行等についてでございます。前回までの会は、東北大の辻先生に座長をお願いしておりましたが、お忙しいということで今回交代ということで、多田羅先生にその後任をお願いいたしております。前回からの続きということもございますので、多田羅先生にこの会の座長をお願いしてはどうかと事務局で考えておりますが、いがでございますか。
(「異議なし」と声あり)
○城医療費適正化対策推進室長 ありがとうございます。そうしましたら、多田羅先生に座長をお願いいたしたいと思います。
(多田羅委員、座長席へ)
○城医療費適正化対策推進室長 それから、前回までもそうだったんですが、座長代理には津下委員にお願いしておりましたので、その関係で引き続きお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 では、以後の議事運営につきましては、多田羅座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○多田羅座長 ただいま本検討会の座長を仰せつかりました多田羅でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 我が国の健康保険制度では、皆さん御案内のとおりでございますけれども、かつて保健施設活動という歴史がございました。その中で全国の多くの市町村において住民の健康づくりに向けて貴重な、かけがえのない成果が挙げられたという伝統がございます。まず、その伝統を受けて今回、高齢者医療確保法において、この特定健診・特定保健指導が実施されるようになったことは、そういう伝統にかんがみまして非常に意義のあることであり、画期的なことであったと思っております。しかし、それまでの老人保健法による事業に対し、かなり画期的な事業展開でございますので、制度面で大きな改革を余儀なくされたということがあり、今日多くの面で課題に直面しているというのが現状だろうと思います。
 そういうことですので、この検討会の役割は非常に重要であり、かつ、大きなものであると思っております。そういうことに対し、座長として非常に責任の重さを感じているところでございます。委員の皆様の積極的な御協力をいただいて、充実した検討ができますよう尽力したいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速でございますが、議事に入らせていただきます。まず、議事次第にあります本検討会の位置づけについて、事務局より説明をお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 資料1をごらんください。「本検討会の位置づけについて」ということで用意させていただきました。この検討会につきましては、先ほど第7回と申し上げましたが、この特定健診・保健指導制度が導入される平成20年度の前に、平成18~19年にかけて6回開催されておりまして、その再開という形で招集させていただいたところでございます。当時は、まだこういった制度が始まっておりませんでしたので、それに向けて体制を整備するといったような形で議論が進められておりました。今回再開するに当たりまして、いろいろな改善要望等もいただいておりますし、更に、今後に向けた検討事項もございますものですから、所掌範囲をそういったものに合ったような形で少し手を加えまして、その上で新たに始めさせていただければと思っております。
 具体的には2ページ目をごらんいただければと思います。開催要綱の比較表ということで、要綱でございます。
 「1.目的」のところでは、旧規定におきましては平成20年から施行される予定なので、今後に向けて体制をつくるような書きぶりになっておりますが、改正案としまして、平成20年度から実施されてきたことを踏まえて、より円滑な健診・保健指導を目指していくということで、今後の在り方について今までの実績を踏まえて行うという形でお示しさせていただいております。
 「2.検討事項」としましては、従来「体制」となっておりましたものを「特定健診・保健指導の実施方法」、これは被扶養者の方に対する呼びかけといったことも含めてです。
 (2)健診項目、保健指導の内容等といったものも検討事項として含んでおります。
 (3)健診・保健指導の取り組みの評価方法、これは支援金の加減算等も念頭に置いて、このような書きぶりにいたしました。
 (4)その他、関連事項ということで、がん検診との同時実施等々、その他いろいろございますので、ここでバスケットクローズを置いております。
 それから、3ですが、もう既に事務局側のオブザーバーとして紹介いたしましたけれども、健康局労働安全衛生部、老健局の職員が出席する形でセットいたしております。それから、事務局で医療費適正化対策推進室に加えて、保険システム高度化推進室を加えております。
 それから、欄外に書いておりますが、ワーキンググループという形で今は設けておりませんけれども、適宜技術的な課題のときには各委員からプレゼンテーションされるようなときに、各委員の団体の方で、例えば、そこでプレゼンテーションされる方の御出席を認められるような形であったりということで、柔軟な運営を座長と相談しながら進められればと思い、このような形にいたしております。そういったものを反映した案としての要綱と名簿をつけております。
 以上でございます。もし、こういった形での修正でよろしゅうございましたら、今回これに基づいて名前も変更して、円滑な実施ということではなく、「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」として新たにやりたいと思っております。
 以上でございます。
○多田羅座長 ありがとうございました。ただいまの御説明につきまして、御意見・御質問はいかがでしょうか。
 草間委員どうぞ。
○草間委員 今の御説明はよくわかりました。検討事項のところで実施方法や内容等とか、ここに「等」がついているのはよくわかるんですけれども、委員会の名前の中で「健診・保健指導等」、この場合の「等」というのは、ただいま御説明いただいたように、がん検診なども入るから「等」と考えると受け取ればよろしいのでしょうか。検討項目の中では全部特定健診と特定保健指導ですよね。だから、この「等」には一体、何が含まれるのかを明確にしておいていただきたいんですけれども。
○城医療費適正化対策推進室長 例えば、今日御説明しますが、高齢者の方に対する特定健診をどうするかということが今後ございます。それから、いわゆる特定健診・特定保健指導の範疇を現時点では超えてしまいますが、服薬中の方に対してどうするか。これもやるということになれば特定健診の範疇に入ってくるわけですが、こういったもの。それから、今後の目標等もございますし、がん検診も勿論この中には入りませんので、そういった意味で「等」という形で、委員からの御提案があればできるだけ拾えるようにという趣旨で、私どもの方でこのような名前を用意させていただきました。
○多田羅座長 保坂委員どうぞ。
○保坂委員 この会の根本的なことにかかわることかもしれないんですけれども、こうして新しく始まったことについて、一度ここで見直しというか反省をして、一番いい形にするためにどうしたらいいかということを話し合うのがこの検討会ではないかと私は理解しているんですが、そういたしますと、1番の目的で「より円滑な特定健診・保健指導の実施を推進し」となっていて、そうなりますと、今決めてしまった保険者による特定健診・保健指導というものが絶対固定的なものとしてこの会議においては存在して、それを推進するために何をするかを話し合う会であると受け止められるんですけれども、皆様御存じのように、健診というものが特定健診に限定して行われてしまうようになったということが一つございます。この特定健診はメタボリックシンドロームだけを標的にしていて、被保険者の方の健康のすべての面についてカバーするような健診ではないということは皆様多分お気づきと思いますけれども、その辺のところでもし問題意識を持つとすれば、この特定健診・特定保健指導を発展的に被保険者にとって、あるいは保険者にとっても、それから、医療費適正化にとっても、よりよいものにするためには、この特定健診・保健指導の実施を推進するのではなくて、もう一度もっといい形がないかということも検討するのが、この検討会の役割であると私は思って出席してまいりましたので、この「より円滑な特定健診・保健指導の実施を推進し」という文章をできれば変えていただきたいと思っております。
○多田羅座長 最後のところは、この「より円滑な特定健診・保健指導の実施」は今回、削除すると。
○保坂委員 「1.目的」の中段に「より円滑な特定健診・保健指導の実施を推進」となっているのですが、そのアンダーラインの文章を少し変えるか、あるいは全部削ってしまって、「よりよい健診の在り方について」ということにしていただければ、もっと自由に皆さんが意見を言って、もし、この特定健診の方法の枠組みをそのままするのであっても、もっとよりよい形に、本当に保険者にとっても、被保険者にとっても、保険者がやるのが必ずしもいいかどうかということも、もしかすると議論の元になるかもしれませんけれども、そんなことをここで言うと厚生労働省に怒られるかもしれませんが、そういうことも含めて、本当にみんなの健康のために、それから、医療費の適正化という言葉も嫌いですけれども、それから、健診にかかる費用、能力等も含めて一番いい形にするのはどうかということを、ここでもう一度皆さんで話し合うような会にしていただきたいと思っておりますので、そのことがニュアンスとして入るような要綱の内容に変更していただければと思っております。
○多田羅座長 わかりました。事務局、いかがでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 そういった御意見も事前に私も承っておりまして、その関係でどうしようか御相談をと思っておりました。御趣旨が、端的に言ってしまえば特定健診の制度を廃止もできるようなということも含めて射程に置いて検討するための修正ということでしたので、私どもの立場で申し上げますと、今の法律にのっとって進めている立場、それから、この健診・保健指導というものの意義、今後の役割といったものについては、各保険者の皆様方がどうお考えかということや、委員の皆様方、関係の皆様方がどうお考えかということも踏まえて判断する必要があると思いましたので、このままの案で提示させていただいたところでございます。
○保坂委員 この文章を変えたから直ちに廃止しようということではなくて、そういう方向についても皆様がこの検討会で御意見を出していただけるようにという意味でございまして、もともと法律があるから、その法律の範囲でやるということであれば、例えば、がん検診等もこの特定健診も全然受診率が上がりませんけれども、受診率を上げて本当にみんなのためになるものにするということも含めて、この検討会は保険者の方々が多いわけでございますけれども、その方々の御意見をお伺いするという趣旨をどこかに入れておいていただきたいというのが私からのお願いです。それはどうしてもできないということであれば、「あ、そうですか」と言うしかないですけれども。
○多田羅座長 事務局いかがですか。座長が言わない方がいいかもしれませんけれども、保坂委員のおっしゃったことは議事録に残させていただいて、一応今のところ法律でまだ始まって3年ということですので、その特定健診・保健指導の充実を目指すというところから、文言としてはこだわるわけではないんですが、議事録には残させていただいて、より基本的な御意見もあれば伺うということでいかがでしょうか。
 草間委員どうぞ。
○草間委員 保坂委員の言われることも確かにそういった御意見もあるかと思うんですけれども、特定健診あるいは特定保健指導という形で、平成20年から始まり、とりあえず平成25年までに、例えば、受診率も70%ぐらいにしましょうとか、さまざまな目標をつくってやっているので、とりあえずここの委員会では平成25年の目標も半分ぐらいしかないということも含めると、その平成25年に向けてどうやっていくかというのは、ここの検討会で検討し、制度改革にかかわるようなことだとすると、また別途、委員会を立ち上げてやるという形で、私はとりあえずここは平成25年の一つの掲げている目標にどう到達させるか、あるいは改善すべきところは改善するという形でやるということで、とりあえず特定健診・特定保健指導、「等」に若干枠を広げるかどうかということを含めてやるということで、私は参加させていただいているつもりです。
○多田羅座長 わかりました。
 では、吉田委員どうぞ。
○吉田委員 保坂委員のお考えは、実施が最初にあるのではなくて、あり方も考えながら実施も考えようということであれば、私はこの「実施」よりも「あり方」という言葉を使われてはいかがかと提案いたします。
○多田羅座長 それも含めて事務局の方から御説明ございますか。
○保坂委員 よろしいですか。「実施を推進し」だと非常に限定的になってしまって、今、草間委員がおっしゃったとおりなんですが、今なぜ実施率が上がらないかとか、それから、がん検診の実施率も非常に下がってしまったとか、すごく大きな問題があって、それを解決するためには、特定健診・特定保健指導の法律の枠組みの中ではできない部分があるんじゃないかと私たちは現場で思っているんですね。そうすると、この特定健診・特定保健指導の法律の枠組みの中だけで実施を推進しということを幾ら考えても、非常に難しいのではないかという考えがあっての話で、皆さんが今まで一生懸命やってこられたことをみんな否定するということではなくて、よりよい形にするために法律の枠組みがあるわけですが、その枠組みの中でだけやるということで、ここで幾ら検討しても前向きなことは出てこないのではないかという強い印象を持っていますので、一生懸命皆さんやっていらっしゃるのに非常に実施率が悪いですよね。そういうことで、今、吉田委員におっしゃっていただいたように、「のあり方について検討し」ということで、「実施を推進」となると同じ形のままじゃないとだめじゃないかと読み取れるので。
○武田総務課長 事務局でございます。今、何人かの委員から御指摘をいただきましたが、私どもが用意した案も、後段の方は「あり方について検討を行う」と書いてありますので、今御指摘があったのは認識の部分でございまして、今般どういうことが重要かという認識のところで御意見をいただいているということだろうと思います。
 今お話がありましたように、私どもも基本的には法律に基づいた特定健診・特定保健指導があるということを前提として御議論をいただきたいということでございますし、また、先ほど「等」のところで事務局から説明させていただきましたように、ただし、そこに議論を限定するのではなく、保険者の保健事業についてやや幅広の御議論もいただければありがたいということでもございますので、例えばでございますが、こんな文案ではどうかと思います。「今般、これまでの取組の実績や政府の方針等も踏まえ」、ここは同じですけれども、今御指摘のありました「より円滑な特定健診・保健指導の実施を推進し」のところですが、「よりよい特定健診・保健指導のあり方など、保健事業の取組の強化を図るためには、医療保険者、事業者、市町村等」以下同じでございますけれども、「関係者の連携を一層促進していくことが重要である。こうしたことから」、後段は原文のままで差し支えないと思いますが、「特定健康診査及び特定保健指導の提供方法等の今後のあり方について、今までの実績を踏まえて検討を行うため」、こういう文案であれば、今の御議論を反映することができるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○多田羅座長 つまり、「実施」は削除するということですか。
○武田総務課長 はい。「円滑な」も削除いたしまして「よりよい」とし、それから「実施を推進」というところも「あり方など」と書き換えてはどうかということでございます。
○多田羅座長 いかがでしょうか。
○保坂委員 大変よい修正をしていただきまして感謝しております。
○多田羅座長 ほかの委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今の修正として進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次の議題に移らせていただきます。議題2でございます。特定健診・保健指導について、事務局より説明をお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 私の方から資料2、資料3について続けて御説明させていただきます。
 まず、資料2をごらんください。「特定健診・特定保健指導について」ということで、事務局で用意した資料でございます。ここでは大きく3点の御紹介ということでございます。
 まず、最初のパーツが医療費適正化計画の中間評価でございます。これは、平成22年度に中間年ということで医療費適正化計画の中間評価を先日公表いたしました。その関係の御紹介でございます。
 まず、2ページでございます。これは医療費適正化計画の枠組みの御説明と現在の状況でございます。一番上に、医療費適正化計画の基本的考え方と書いていますが、これは平成20年度を初年度とする5年計画で今、医療費適正化計画を進めているということを書いてございます。
 その目標としては大きく3本立っておりまして、まず、特定健診の実施率、特定保健指導の実施率。これは、全国で平成24年度段階で70%、特定保健指導が45%となっております。それから、メタボの該当者予備軍を10%以上減らすというような目標を立てております。
 それから、効率的な提供ということで、平均在院日数について全国平均と長野県の差を縮めるということで、平成24年度で29.8日にするという目標を立てております。
 その実施状況ということで事実関係でございます。下の方に中間年度における進捗状況を記載しております。平成20年度については確定で、平成21年度は速報値でございますので、そのまま単純に比較はできませんが、特定健診・保健指導については、健診の実施率はおおむね横ばいと少し増えているような感じで見えております。特定保健指導の終了率についても、少し増えているように見えております。
 平均在院日数につきましては、直近データが少し遅れるものですから、制度開始前の平成18~20年度の比較となっております。若干、短縮傾向にあるということでございます。短縮傾向とともに、最短県がこの算出方法でいきますと長野県から東京都に変わっているということがございます。今後、第2期が平成25年度からでございますが、この後いろいろと御議論をいただきながら、平成25年度に反映していくという趣旨でございます。
 3ページをごらんください。これは既に公表した中間評価結果でございますが、その中でポイントだけ拾って御紹介する場合ということで、健診・保健指導に関する部分の分析評価をしたものでございます。本日は参考資料として配付いたしておりますが、その中のポイントを抜粋しております。保険者の取り組みについてアンケート等々で調査をいたしまして、健診の実施率の上位10%ちょっとぐらいの切りのいいところで健診実施率を切りまして、この場合の健保組合の80%以上、それから、市町村国保の50%以上が大体10%オーバーぐらいの線でしたので、その上とそれ以外の保険者さんと実施のやり方について比較したというものでございます。
 その結果、健保組合であれば医療機関との間で個別に健診の契約を結んでいる。あるいは、がん検診と同時実施している。被扶養者の方に対して集中的にという趣旨だと思いますが、一定期間に限定した普及啓発をしている。それから、受診勧奨の取り組みなども独自にしている、こういったものが目立ったということでございます。
 市町村国保について見ますと、一定期間、これも短い期間に集団健診を実施したような場合、それから、がん検診、肝炎ウイルス健診といったものとの同時実施、それから、個別通知をしている。それから、地域の人材を活用している。それから、服薬治療中の者への保健指導を実施しているといったものとも関係が高かったということがございます。これは、ただ相関関係を見ているだけですので、途中に介在変数等がある可能性は十分あるということでございます。
 それ以降4~8ページまでは、その関係のデータでございますので説明は省略させていただきます。
 9ページに今、申し上げたものが同じように文章編として載っておりますので、ごらんいただければと思います。
 2つ目のパーツでございます。高齢者への対応についてということでございます。11ページをごらんいただきたいと思います。これは特定健診・保健指導につきまして、75歳以上の方について今現在どういう状況になっているかということでございます。ルールとしては、端的に言ってしまいますと、広域連合の努力義務として健康診査が行われることになっております。保健指導につきましては若年と違って、やせるというか行動変容を一律に求めるようなものではないということで、本人の求めに応じて健康相談等の機会を提供するということで、動機づけ支援をやるという形になっております。基本的には生活習慣改善というよりもQOL確保、介護予防といったものが重要だという認識でございます。
 12ページでございます。後期高齢者医療制度が今回変わったということで、従来の老人保健制度のときより健診の実施率が下がっているのではないかという御指摘がございまして、その数字がわかるように下にございます。真ん中に参考として平成19年度の受診率26%、それから、平成20年度21%、確かに低くなっているということがございます。
 これで各広域連合の皆様と市区町村が協力して、受診率の向上のための計画をつくって、がん検診や結核検診等との同時実施等を進めておられるという状況を下に記載しております。そういった関係もございまして、受診率自体は少しずつ上がり傾向だと認識しておりますが、こういったことも今後どうするかというときに御承知置きいただきたいということでございます。
 13ページに高齢者の方の健診ということで、関連で介護予防事業関連ということで御紹介させていただいております。介護の方では介護予防ということで、要するに骨折をしない、歩いてこけないといった運動器の機能向上のためのプログラム、口腔機能の改善・向上といったもののために、元になるスクリーニングも含めた健診をやっております。これは介護の方では生活機能評価と呼んでおりました。これが平成22年8月までと表題にございますように、従来そういう形でやっておりましたものが今般メニュー化されて、必ずしもやらなくてもいいという制度に切り替わったという状況がございます。
 この生活機能評価と今の我々の特定健診等との比較が14ページにございます。これは健診項目の比較と費用負担についてわかりやすくということでつけております。真ん中の表だけごらんいただければと思いますが、特定健診と健康診査、特定健診は65歳以上74歳未満で、この対象にある方の場合ですが、健康診査は75歳以上の方の場合でございますけれども、生活機能評価という介護でやっているものと比べますと、脂質や肝機能、代謝系、腎といったものの検査項目が介護の方ではありませんので、1つの健診を介護の健診と特定健診と2回やることはありませんので1回でまとめて実施し、その費用負担をそれぞれの方で、丸いところは医療保険、それ以外のところは介護の方から払うというような実務上の取扱いとして、こういったものを実施してきたということでございます。
 15ページをごらんいただきますと、この介護予防でやっていた生活機能評価が見直しになりまして、メニュー化されまして任意の実施ということになりました。介護予防のためにやるスクリーニングとしては、健診に来られない、おうちに引きこもっている方などを更に探しにいくような事業の方が有効ではないかということもあって、地域の実情に応じて実施できる形になったということでございます。
 こういった高齢者を取り巻く健診の状況の変化、それから、16ページにありますが、新たな高齢者医療制度のもとでは、年齢によって、特に高齢者について制度の違いを設けないようにという基本方針で検討を進めてきておられまして、その結果として、75歳以上の方についても、各保険者が健診・保健指導を義務として実施するという仕組みを導入するということで詰めをすることになっております。ですので、こういったものと、先ほどの高齢者の健診を取り巻く状況とを勘案して、今後、夏までぐらいの間のどこかでこういった議題を取り上げてどのようにしたらいいか、高齢者の方に対する健診と保健指導の在り方はどうかといったことを、今実施しておられる保険者の皆さんの御意見等もいただきながらという趣旨で、ここで御検討をいただければと思っております。
 一番下にありますように、今後、高齢者への対応を含め、プログラムなど技術的な問題は別途検討するとしておりましたが、それをここでまず枠組み等々について御議論をお願いしたいという趣旨でございます。これは今後お願いしたいというものでございます。
 次のページは、今、御説明したものについての論点ということで、健診の目的をどのように位置づけるか。これは糖尿病のようなものも早期発見が必要と書いておりますが、やせる必要があるのかといったことも含めて、どういう指導のあり方があるか。具体的な健診はどうすべきか、保健指導はどうすべきかといったことが論点になるだろうということで、今回お示ししております。次回以降のどこかで御意見をいただければという趣旨でございます。
 3つ目は、治療中の者に対する保健指導の効果でございます。
 19ページをごらんください。特に、実際保険者さんに所属している保健師さんなどから現場の声として聞くことも多うございます。今、高血圧などで薬を飲んでおられる方については医学管理のもとにあるということで、特定保健指導の対象にしないという整理になっております。ですので、特定保健指導の対象者としてスクリーニングで挙げてきても、今は服薬中だということであれば除くと。健診実施後に服薬を開始した場合には、以後外すと。特定保健指導開始後に服薬を開始した場合には、そこから継続するかどうかを対象者本人の意向も踏まえて判断するという仕組みになっております。これは健診とか保健指導の実施率を換算するときに、実施率の分母には入るけれども、分子には入らない方という扱いに今はなっております。ただ、こういった方について、これはまだエビデンス等も必要かと思いますが、保健指導をすることによって更によくなるというか、改善効果が見込まれるのではないかという声がございます。
 次のページをごらんいただきますと、市町村国保の関係で、国保中央会さんで平成20~22年度の3年間こういった調査研究がされております。まだ最終報告ではなくワーキングの報告ということでございますので、配付のみとさせていただいておりますが、資料をつけております。10の国保の直営病院の270名の方に対してやったということでございまして、今既に治療中の方に対して重点支援を更に上乗せでやる方と、そうでない方を比較したときということで、途中経過として一番下の欄にございますが、おおむね重点支援群の方が数値の改善が良好。それから、生活習慣の改善も良好だと読み取れております。
 21ページをごらんいただきますと、こういった方についての保健指導、これは保険者さんの方で効果が見えやすいということがあるので、やるべきではないかという声を私どももいただいておりますので、どうかということでありまして、論点として1つ目は、既に医学的な管理を受けている中で、これは重複になるのか、それとも相乗効果といいますか、ブースター効果といったものが期待できるのではないか。それから、実際に誰がそういったことをするのかといったもの、専門性の問題があるのではないか。それから、改善効果が確かに見えやすいということもありますので、こういったことをどう扱うかといった問題があろうかということでございます。
 こういったことも含めまして、今回いろいろ御意見をいただきながらですが、実際にはどこかでまたこういったものも議題として取り上げたいというものを例として御紹介させていただくものでございます。
 資料3でございますが、その他たくさん御意見をいただいているものを、特に各委員の所属団体等も含めましていただいているものを一覧に載せております。保健指導の弾力運用や、先ほど申し上げた服薬中の方の計算の仕方、技術的な問題から、もっと大きなお話も含めまして健診の関係。
 次のページは集合契約の項目について。がん検診との同時実施について。事業主健診について、データの受け渡しがなかなか円滑にいかないというのは今でもまだあるようでございまして、こういったものについて。それから、高齢者の方への対応、後期高齢者支援金の加減算についてということで、健康保持増進に対してきちんと取り組んだ保険者が報われる仕組みとすることという御意見もあれば、受診率と支援金の加減算を連動させる措置は講じないでくれという御意見もあり、一律に保健者ごとに分類・比較されることは適当ではない。逆に、インセンティブが働く仕組みに改正すべきだといった御意見をいただいております。今後、こういったものを踏まえながら御議論いただくような場を設けたいと思っております。
 その後ろにつきましては、全国健康保険協会から昨年、医療保険部会に提出された意見。それから、健康保険組合連合会さんから提出された意見。更に、後ろから2枚は今回新たに出されたものでして、全国国民健康保険組合協会さんからいただいた課題のリスト。それから、全国健康保険協会の貝谷委員は今日御欠席ですが、今回検討をするに当たってということで基本的な考え方をいただいたものをおつけしております。また別途ごらんいただければと思います。
 資料の説明は以上でございます。
○多田羅座長 ありがとうございました。
 ただいまは議題2、特定健診・特定保健指導等の概要についてと、議題3の特定健診・特定保健指導に対していただいている御意見について併せて御説明いただきました。これからこの検討会において取り組むべき課題の主な点について御説明いただいた次第でございます。いかがでしょうか。
 吉田委員どうぞ。
○吉田委員 3点ほど確認したいんですけれども、現在の階層化の基準等についても議論の対象とお考えなのでしょうかというのが1点。
 2番目が、高齢者健診の中で、比較的身体的な低栄養というようなところに焦点が当たっているかと思いますが、認知症を初めとするメモリー疾患についても一応議論の対象となるのかどうかという点。
 3番目は、治療者の保健指導というのはわかるんですが、治療を受けない未治療者、健診で高いHbA1Cを示しながら、実際に医療を受けていない人たちをすくい上げるというようなことについての検討はどうなるんでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 階層化の議論について言えば勿論対象ではありますが、専門的な領域にわたるものまでここですべて決め切れるかというと、そこは難しいところもあると思います。詳しい方にヒアリングをするとか、検討を依頼するということにはなろうかと思います。もし、やるのであればということですが。ただ、いずれにしましても、ここ3年、各保険者さんにおいても既に取り組んできていただいた中で、実際、現場的にやってきた部分で見えてくるものがあると思いますので、そういったことも出していただきながら、もし改善を要するということであればあると思います。ただ、留保ばかりして恐縮でございますが、システムや今の目標数に関係がございますので、どちらかといえば、5年計画の次の段階で一斉に行うときに反映するようなものが多くなるのではないかとは思います。
 それから、認知症の方に対するものが議論の射程外だということはないと思いますが、保険者さんの方で限られたスタッフと財源をもってどれくらいやるべきものかという御議論が別途あるのではないかと思います。対象外ということではありませんが、ここで取り上げるものとして私の方で「あり」だと申し上げるのは、ちょっと躊躇します。
 それから、未治療者の方の保健指導は、やはり課題だろうと思っております。健診でスクリーニングするという今の仕組みではございますが、もっといい方法なり、もっと安上がりで効果的な方法が期待できればということはあると思いますので、これは是非、御議論いただいたり、専門家の御知見をいただいたりということだと思います。
○多田羅座長 よろしいでしょうか。ほかにございますか。
 白川委員どうぞ。
○白川委員 検討課題につきましてはよく整理していただいているので、特にこれ以外にプラスというつもりはないんですが、かなり検討項目が多いのと、当面我々として一番関心があるのは、特定健診と特定保健指導の第1期、平成24年度までに目標を達成しようということで、今、保険者としては随分努力しているわけですので、まず第1期、もう残り2年しかございませんので、どのように実績を高めるかといいますか、円滑に進めるのかということにまず議論を集中してやっていただきたいというのが希望でございます。当然のことながら、加算・減算の問題や第2期以降に改善しなければいけない問題もあるのは十分承知しておりますが、とりあえず急ぐものを先に検討に挙げていただきたいということをお願いいたします。
 以上でございます。
○多田羅座長 何か内容として具体的にございますか。
○白川委員 特に私どもとして問題意識を持っておりますのは、被用者保険におきましては職場でやっております定期健康診断と産業保健指導を特定健診・特定保健指導とどのように結びつけるかというところで、これでかなり実施率が変わってまいりますし、情報も密になってくると思っておりますので、それが一つ。
 もう一つは、特定保健指導が思ったほど進まない。これは、どこの保険者さんも随分悩んでいらっしゃると思いますので、そこをどういうふうに仕掛けていくのかというところが私どもの関心のあるところでございます。
○多田羅座長 平成24年度までの課題としてですね。御要望として承っておきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。保坂委員どうぞ。
○保坂委員 ちょっと教えていただきたいんですけれども、この検討会の位置づけにかかわると思うんですが、最初の特定健診・特定保健指導のときは後期高齢者医療制度に入っている人は除いていたわけですよね。それが今回、どこかの法律で決まったのか、法律ではなくて決まったのかもよくわからないんですけれども、一緒にしましょうということがありまして、そういう中で75歳以上の方の健診もここに含まれてくるとなると、さっき吉田先生がおっしゃったような高齢者独特のいろいろな問題が出てきているのにもかかわらず同じところに入れてしまって、介護予防のチェックリストをここに一緒に入れてきてしまうとすると、基本的にその人たちにとって何が必要かという仕組み、ここで検討するのはもっと文化的なというか、そういう仕組みの検討はよくわかるんですが、もうちょっと科学的な仕組みというか、そういうものを検討するのもここでやるとすると、ちょっと違うんじゃないかという気がしています。そもそも75歳以上の健診を一緒に入れてしまうということはどういうことなのか、その内容までここで話をするんですかということをお聞きしたいんですが。
○城医療費適正化対策推進室長 今どうなっているかということをもうちょっと正確に申し上げると、高齢者医療確保法で後期高齢者という法律上の整理になりますが、その方については別に外れているということではなくて、特定健診・特定保健指導の対象ではあるけれども、実施が努力義務になっているということが一つございます。中身については、指導の中身は勿論、生活習慣の改善のために直接運動をさせるということではなくて動機づけ、知識の提供という形になっているという現状でございます。
 法律上の枠組みで申し上げると、必ずしもメタボだけがこの仕組みとは書き切っておりません。資料はないんですが申し上げますと、特定健康診査というのは、糖尿病その他の政令で定める生活習慣病に関する健康診査を言うということで、糖尿病を一番法津の念頭に置いてはいるんですが、そういったものについて具体的に今その下のレベルの政令で対象にしているのがメタボ関係ということになります。ですので、更に広げるということについて、保険者の方も専門家の方も含めて御議論いただいた上で、法律上許されないかというと、そういうことではないというのはございます。ただ、いずれにしても方針が決まっているだけで、今後そういったことになってきたときに対応できるような仕組みの検討を今お願いして、実際その法律が通ってやるとなった場合にどうしたらいいかというのを考えていただきたいという趣旨でございます。
○多田羅座長 新しい医療制度を前提にしてというお考えですか。
○吉岡高齢者医療課長 高齢者医療課長でございます。今の高齢者医療の見直しの状況ですが、一昨年の11月から1年以上かけて大臣主宰の高齢者医療制度改革会議で御議論いただいてきました。そして、昨年12月に最終的な取りまとめが行われました。私ども今、これを受けて法案を提出するということで鋭意調整を行っている状況にあるわけです。こうした中で、先般の震災が起きましたので、今後、税・社会保障一体改革の一環として、高齢者医療の見直しの法案も引き続き提出のための調整を行っていくというような状況になっております。したがいまして、今後、制度の在り方が具体的にどういう形になっていくのかという状況が改めて明らかになった時点で、高齢者の問題についても御議論いただければと思っております。
 ただ、先ほど御説明しました、お手元の資料の17ページに、御高齢の方々への対応についての論点ということで3点掲げさせていただいております。これは御高齢の方々への健診の目的をどう位置づけるのか。それから、具体的な健診項目をどう設定するか。
○多田羅座長 ここで言う御高齢というのは75歳以上ということでいいんでしょうか。
○吉岡高齢者医療課長 はい。それから、保健指導の在り方をどのように考えるか、この3点につきましては、制度自体が新しい制度であろうと、今の制度であろうと同じく検討いただくべき課題であろうと思っております。
 いずれにしましても、制度の行く末がもう少し明らかになった段階で、高齢の方の問題については御議論いただければと思っております。
○多田羅座長 そういう取り組みとの関連で、後期高齢者の課題について検討する要因として挙がってきたという理解でよろしいでしょうかね。
○城医療費適正化対策推進室長 はい、そういう形になります。よろしくお願いします。
○多田羅座長 よろしいですか。
○保坂委員 わからないのは、ここはごらんのように保険者の方が多いところであって、保険者としてどういうことをするのがいいかという話をしていただくのには非常に適した場であるけれども、どういう健診が望ましいかとか項目について話すには余り適当ではないように思うものですから、それはそれで別なところで話をして、そうすると経済的な負担が保険者の方にかかるから、それはどうするかということは別な話としてということでないと、ここで経済的なことも含めて、本当に公衆衛生的に健診がいいかどうかということについての検討もこの場でするとなると、ちょっと違うのではないかと思って、どうするんですかということをお聞きしたいんです。
○城医療費適正化対策推進室長 この会の射程に置いています健診や保健指導については、高齢者に限らずすべてそういう問題があると思っておりまして、勿論、保険者さんの方でも、ここに出ている方が医学の専門家かどうかということはさておき、現場ではそういった方たちがやっておられるということで、集約して御意見をいただくことはあると思っていますが、具体的に基準をどうするかといったことについては、専門で研究をしておられる方たちの御意見を伺わないとどうしようもありませんので、ある程度ここで実際に健診を実施して受託なりやっておられる皆さん方の御意見を踏まえて、枠組みなり、こういったことについて検討を要するのではないかという形のある程度の方向性をいただければ、それを例えば、健康局も出席しておりますが、こういったところに持ち帰って、専門家の意見をそちらの会議で集約して基準を作成するとか、もしくはこういった健診はどうかという項目の案を作成するということをお願いする。そちらできちんと検討していただいたものを、またこちらの検討会に報告しまして、こういったものはどうでしょうということになるだろうと。両方相まってということになろうかと思います。
○多田羅座長 今日のところは、それでひとつ。
○保坂委員 納得できませんけれども、また、よくお聞きさせていただきたいと思います。
○多田羅座長 ほかにいかがでしょうか。
 岡崎委員どうぞ。
○岡崎
委員 全国市長会から来ております高知市長の岡崎でございます。国保中央会の会長という立場もあるんですが、具体の論議はこれからですが、高知県全体、そして私どもの高知市も非常に受診率が低いので何とかしなければいけないということで、平成22年度から本格的にてこ入れをしております。例えば、高知県の受診率は大体24~25%というのが県平均ということになっていまして、我々のところはまたそれより低く、20%割っているということで、これではいけないと。いずれにしても健診率を上げていかなければいけないので、基本的に未受診のうちの約4割を対象にして無作為抽出でアンケート調査をとりまして、何で健診を受けていないのかということで幾つかの項目が出てきております。特に、若い方々は自己負担があるので受けにくいということが非常に多かったので、例えば、平成23年度から無料化ということで予算化もしております。ただ、そんなに楽観をしているわけではなくて、ここでいろいろ御意見があるように、健診の項目に魅力がないとか要因がいろいろあると思いますので、無料化にすれば上がるというほど単純には考えておりません。未受診の方に例えば個別訪問を行ったり、電話連絡で受診してくださいということを勧奨したりということを、単独予算でやっています。
 それから、若い方々は自己負担があるということで、平成23年度から無料化にしようということでやっていますが、項目も含めて魅力的、しかも、受けやすいという論議をしていかなければいけないのではないかと思っております。
 それと、保険者としては、この中でも意見が出ておりますが、受診率が低いということでいろいろ助成金をカットするというのは本意ではないし、それについては非常に評判が悪いということもあるので、受診率が低いので助成金等をカットするという考え方では保険者も納得しないと思いますので、インセンティブを上げる方向で考えていって、いろいろ意見が出ておりますので、煮詰めていきたいと思っております。
○多田羅座長 ありがとうございます。加算・減算のところですね。
 ほかにいかがでしょうか。これからの課題の基本的な点について、この機会に。田中委員どうぞ。
○田中委員 国保中央会の田中です。会長がいらっしゃるので、会長の発言を待てばいいと思っておりますけれども。先ほど検討内容について、これは検討するかという話が出たんですが、私自身は資料にありますように、検討事項については1、2、3と挙げられておりましたが、その検討項目で対応していくのが筋ではないかと思っております。特に、健診・保健指導等の実施方法についてとか、特定健診の項目だとか、特定保健指導の内容といったことを、どちらかといえば国の通知主導でやる形で進んでおりますけれども、結果として現場ではなかなか実施効果が上がらない、実績が上がっていないという中で、果たして示された実施方法なり実施項目、実施内容が当を得ているかどうか。これは被用者保険の保険者、それから市町村、国保保険、それぞれ実態が違う中で、全部カバーし切れているかといったことについての反省を込めて問題点、課題点を洗い出して、それに対して何か知恵はないかという議論をやっていただきたいと。
 その際に、先ほど白川委員がおっしゃいましたけれども、私どもは急がなければいけないことがあると。早く健診・保健指導の実が結ばれるような、実効が上がるような知恵を出さなければいかんと。そこについての御議論を優先的にとりあえずやっていただきたいなと思いますし、また、先ほど保坂先生が非常にいいことをおっしゃったのは、要するに、もっといい形があるんじゃないかというところは、制度としていい形があるかどうかという大きな枠組みとはまた別に、実施内容、実施方法としてもっといいやり方があるんじゃないかといったところは、国の通知等の内容等も検討対象に当然取り上げてやっていただけたらと思います。
○多田羅座長 その実施方法は、もう急がなければならないということですか。
○田中委員 この検討会の終点はいつですか。
○城医療費適正化対策推進室長 後ほど御説明しますが、とりあえずは、まず1年くらいを目途にということで考えております。
○田中委員 といいますと、少なくとも既に走り始めてからもう3年目に入っているわけですね。早く地につけるやり方というのを編み出して、知恵を出していかないといけないと思っていますので、そこをとりあえずは優先的に。加算・減算の話はまたありますけれども、そう思っております。
○多田羅座長 急ぐということについての課題の取り上げ方はいかがでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 基本的に、私どもの方でまだ審議順を御提示するほどのものではありませんので、今日の御意見も踏まえまして、またこれを急いでいった方がいいという御議論があれば、資料の整い具合や専門家の御意見のヒアリングなどがあるとすれば日程の調整はいたしますが、できるだけそういった形になるように運営方法を考えたいと思います。
○多田羅座長 ほかにございますか。
 草間委員どうぞ。
○草間委員 急ぐかどうかわかりませんけれども、とにかく平成24年度に向けて受診率を上げる、あるいは特に、特定保健指導の実施率というか終了率が大変悪いというのは大きな問題だろうと思うんです。そういう意味では、特定保健指導の終了率を上げるということも大変重要なことだと思います。
 それに関連しまして、今日御提案いただいている治療中の者に対する保健指導の効果という形で、大変効果があるということと、見えやすいということを御提案いただきました。保健指導は医師、保健師または管理栄養士という形で決められているわけですけれども、実は、この間に保健師の指定規則上の保助看法が改正になりまして、保健師の教育期間が従来は6か月以上だったものが1年以上に変わりました。そういう中で、私ども看護協会としましては、役立つ保健師を育てなければいけないということで、現在、保健師の教育が一応指定規則上は1年以上となっておりますが、大学院教育等でもやったらどうかということで、私は現在、大分県立看護科学大学の学長をさせていただいているんですが、今年から保健師の教育を大学院で行うように、全国で唯一本校だけですけれども、そういう中で、薬剤管理といったものも2年の大学院の教育の中に入れるようにしておりまして、本当に役立つ保健師を育てたいと思っております。そういう意味では、こういった治療中の者に対する保健指導を取り込むことによって、分母には入っているけれども、現在は分子には入っていないということになりますとわかりやすいですし、こういった方たちにも保健師が十分保健指導ができるような教育をしておりますので、是非こういったことも前向きに取り組んでいただければと思います。よろしくお願いします。
○多田羅座長 それは、分子にも入れていくということですね。
○草間委員 そうですね、分子にも入れるような形で。きっちりそういった教育を行う努力をしておりますので、単に私ども大学院で教育しましたというだけではなくて、保健師の役割を拡大していかなければいけないと思っておりますので、こういった治療中の、特に服薬中の患者さん等の保健指導もできるようになれば、保健師のやりがい感もあると思いますので、是非、御検討いただきたいと思います。
○多田羅座長 分子分母の問題はここで結論が出ると、それは平成25年度以降ではなくて、今回にも適用されるんですか。そういう位置づけで、この検討会は行われるのかどうか。
○城医療費適正化対策推進室長 どういう形で出るかにもよりますが、もし、それが変わってきた場合は、システム変更や実際、実務面の問題なども出てきますので、もし変わればということを前提にお話し申し上げますと、まず、平成24年度までには別途手計算で数えて置いておくということはあるかもしれませんが、なかなか載りにくいかなという気がします。平成25年度以降の話として決めていただいたものを、どのように取り組むべきかというのが極めて素直な流れです。
○多田羅座長 それはそうですなんが、急ぐという御指摘もあり、こういう具体的な御提案もあったので。
○城医療費適正化対策推進室長 できないということはありませんが、どのくらい急ぐかということと、どれくらい速やかに結論が得られるかとか、専門家のお話もありますし、これはなかなか大変な話だと思います。
○多田羅座長 技術的にタイムリーになりますよね、多分ね。
 山門委員どうぞ。
○山門委員 今の議論でございますけれども、私どもの理解では、服薬者は階層化のステップ4で特定保健指導から除外されるということがプログラムでは明記されておりますので、そうしますと、吉田委員が先ほど言及しましたけれども、階層化のプログラム自体を変えなければいけないというシステムの変更が必要でございますが、その点はいかがですか。
○多田羅座長 それが多分、大変なんですよね。
○城医療費適正化対策推進室長 まさに、そういうことでございまして、プログラム自体は金科玉条に申し上げるつもりはありませんが、もし、それが変わることになれば専門家の御意見が要りますし、変えるべきかどうかという御議論も、ここでもそうですし、専門家に御議論いただいてということが途中のステップとしてあります。その上で、更にシステムとなれば、それだけ単体でいじるのかという問題もございます。ですので、結論を得るのは急ぐかどうかということと、適用するのがいつからかというのは切り離していただきたい部分ではあります。
○保坂委員 草間委員がおっしゃった保健師の仕事の深さを深くしていくということについては全く異論はありませんが、ただ、それは草間委員がおっしゃったように、草間委員の大学院ではそういうことがやられているけれども、一般のすべての保健師の教育がそうなっているわけではないので、保健指導は全国的にかなりいろいろな方がやるわけですよね。草間先生のところの卒業生だけがやるわけではないので。そうすると、一般的な保健師さんができることというか内容というのを基本して、このシステム自体は考えておくべきで、将来的に保健師さんの仕事の内容がどのような深みのあるものになっていくかということは、またちょっと別なことだと私は感じていますので、保健指導の中でどうするかということとは違うように思います。どの保健師さんであっても、保健師さんに限らないわけですけれども、資格を持っている方が同じようにできるという内容で決めておかないと、非常に大きな問題が起きてくることがあって、現場の保健師さんにとっても非常に負担が大きくなったり、あるいはいろいろなところで摩擦が起きたりして、結局、現場の保健師さんが傷つかれたりするんじゃないかと私は思っています。草間先生たちが一生懸命新たなスキルを育てていかれるのはとてもすばらしいことだと思いますが、それを今すぐここに入れるということは反対です。
○草間委員 先ほど、プログラム全体の変更にもなりますということですし、うちも学生を今年教育したから直ちにできるとは決して思っておりません。ただ、こういった保健師のインセンティブを高めていくということも、今これだけチーム医療が言われているときに、すごく大切なことなんだろうと思うんです。だから、直ちに来年から入れてくださいということではなく、そういった議論も先ほどのプログラムの変更ということになれば、平成24年以降の第1期が終わった後の検討ということにもなるかもしれませんが、いずれにしても、そういったことを念頭に入れて是非検討していただきたいということで発言させていただきましたので、決してうちの卒業生だけが働こうなどとは思っていませんし、直ちに1~2年でできるとは思ってはおりません。
○多田羅座長 わかりました、貴重な御意見ありがとうございます。
 田中委員どうぞ。
○田中委員 少し余計な話かもしれませんが、先ほどから服薬中の者に対する対応の話が話題になっていましたけれども、国保中央会でこのモデル事業を3年間やっておりまして最終年度を迎えておりますが、これの難しいところは、始めるときからその難しさはわかっておったんですけれども、要するに、改善の効果というのが治療の効果なのか、保健指導の効果の切り分けというか、その判断は非常に難しい要素がございます。ですから、できればこの場で研究会の報告というか、取り組んだメンバーがおりますので、機会があったら、このことについてどう対応するかという話題になったときに、モデル事業の結果の話をさせていただけると参考になるのではなかろうかと思っております。
○多田羅座長 それは座長からも是非お願いしたいと思います。
○田中委員 それともう一点、事務局に、これは字句の話で。何か所かに「高齢」という言葉の頭に「御」がつくんだけれども、ここだけ「御高齢」というのが2か所ありましたけれども、これについて。
○城医療費適正化対策推進室長 失礼いたしました。「高齢者」という形で淡々とした用語に統一しようとしたときの資料の修正漏れでございます。大変申し訳ございません。正式にホームページに載せる版で修正させていただければと思います。申し訳ございませんでした。
○多田羅座長 よろしくお願いします。ほかによろしいでしょうか。ちょっと時間も押してまいりましたので、できましたら次の議題に移りたいんですが。
 では、次の議題でございます。議題4、生活習慣病予防活動・疾病管理による医療費適正化効果に関する研究について、本検討会の委員である津下先生から御説明をお願いいたします。
○津下委員 よろしくお願いします。
 参考資料のパワーポイントの二分割のものをごらんいただけますでしょうか。私どもでは、厚生労働科学研究として特定保健指導の効果について検証してまいりました。本制度の保健指導の実施率等の率はあるんですけれども、保健指導の効果がどうなのかという観点で見てまいりましたので、それについて御報告したいと思います。
 積極的支援、動機づけ支援の結果、6か月後、1年後どうなったのか。それから、年代別にその効果は違いがあるのかということ。それから、医療費に及ぼす影響について、超短期ではありますけれども検討しました。それから、集団全体でメタボの対象者が一生懸命保健指導で減っても、また新たに次々に入ってくるという現象もありますので、まず全体として有所見率や受療率がどうなっているかということも見ていかなければいけないと。それから、先ほどからありましたように、保健指導の質を高めるという観点でも検討が必要だと思いまして、このような検討を行いました。
 下にありますものが全体像でして、特定保健指導を実施した人と実施しなかった人で、翌年の健診データがどうなっているのか、医療費がどうなっているのかを見ました。それから、保険者全体、これは健保さんのデータ、または国保と健保と合体しました愛知県の90万人のデータで分析しておりますので、そのような結果を御報告します。
 次のページをごらんください。まず、特定保健指導積極的支援のデータで、60の医療保険者の協力を得て得られたものですけれども、健診時のデータではBMI26.6とか、復囲93という方ですが、6か月後に体重が2.6kg、復囲が2cm減量しておりまして、網かけのところが有意な改善になっております。
 下段は、青のところが保健指導判定値、赤のところが受診勧奨判定値。例えば、血圧で言えば、収縮血圧140以上が受診勧奨判定値になっておりますけれども、すぐに薬というわけではなくて、特定保健指導を実施したというようなものでございますが、保健指導終了時には、血圧・脂質の有所見率はほぼ半減しております。
 下段のHbA1Cにつきましては、5.2~5.6の範囲は減少率が少ないんですが、5.6以上で見ますと40%ぐらいの減少率ということで、積極的支援によって健診の有意な改善と、判定の改善が見られておりました。
 次のページをごらんください。メタボリックシンドロームの判定がどうなったかを見ております。青がメタボリックシンドローム、赤がメタボ予備軍です。階層化判定では、喫煙者はメタボ予備群でも積極的支援になりますし、空腹時血糖が100から保健指導対象になるとか、BMIも加味しているということで、医学的なメタボリックシンドローム以外の予備群の方や非該当の方も積極的支援を行うことにまりますが、6か月後にメタボリックシンドロームが約半減しておりまして、非該当の方が増加しています。これは、地域、職域ともほぼ同様の結果でございました。
 下段ですけれども、検査データの変化と体重減少率との間には非常にきれいな関係が見られました。ゼロというのはプラスマイナス変化なしということ。2%、4%、体重減少率と、例えば、一番上ですと血圧の変化を見ています。これは血圧が幾つ下がったかということなんですが、4%以上の減量で大体7~10ぐらいの血圧の低下を見ております。中性脂肪、HDLコレステロールも体重の減少とともにデータが改善しております。血糖については4%以上のグループで改善が見られています。このように4%以上の減少を一つ目指すと、検査値の改善が期待できるということが示されたわけです。また、この4%以上減少した対象者は全体の40%くらいでしたので、非常に難しい課題ではなくて、対象者の方に4%減量を目指すことで検査値の改善が期待できるんだということをお伝えしてもいいのではないかと考えております。
 次のページが対象群、積極的支援に該当したけれども未実施だったグループとの比較ということで、1年後の健診データを比較しています。未実施の方々も平成20年というのはメタボキャンペーンが非常に活発な年で、体重が0.5kgぐらい減っておりますが、実施群と比べますと実施群の方が有意によかったと。すべての検査データについて実施群と対象群の間に有意差が出ておりまして、メタボ減少率、階層化判定の改善率がよかったということです。
 下の図は、一保険者の例で図示したものですが、青い点線は対象群ということで保健指導、積極的支援を行わなかった方々です。翌年も検査データの改善が大きく見られておりませんが、赤の参加群においては有意な低下を認めておりまして、6か月間の保健指導ではありますけれども、1年後の健診データも有意な低下が見られたということでございます。
 次のページは、アディポネクチンという脂肪細胞から出るアディポサイトカインなんですけれども、体重や腹囲の減少とアディポネクチンの改善の相関関係がきれいに見られています。ほかのマーカーでも内臓脂肪の減少とともに脂肪細胞の機能がよくなってくることが観察されており、その結果として検査データが改善してきていると考えられます。このことから、医学的にも内臓脂肪を減らすことの意義というのは明確ではないかと考えております。
 下は、動機づけ支援の方々に対する支援の効果ですが、動機づけ支援を実施した方と対象群と比べますと、若干はいいんですけれども、動機づけ支援では積極的支援ほど十分な効果が得られなかったというのが結果でした。動機づけ支援1回の保健指導で6か月後の判定というだけでは効果としては若干低いと。ですから、保健指導の実施率の中で動機づけ支援と積極的支援を両者1件ずつとかカウントしてしまうと、手間といっても積極的支援は大きいですし、効果性という意味でも積極的支援が大きいので、やはり分けて考えていただく必要があるのではないかと思っております。
 次ですが、体重減少率を目的変数にしまして、どういう要因が関係しているかを分析しましたけれども、保健指導プログラムの差、機関の差、この差が大きかったということで、保健指導をよりうまくやっていく、手法を広げていくことがとても大事だろうと思っています。
 支援ポイントも継続的な支援がある方がよかったということで有意になっています。
 それから、喫煙者では若干やせにくいというデータがあること。それから、6か月後に血液検査で評価したグループの方が改善効果が大きかったということが、示されました。
 次に、今回、特定保健指導の義務的な対象者ではない40歳未満ですけれども、幾つかの健保さんでは40歳未満についても保健指導を行っておられます。これによりますと、やはり40歳未満で積極的支援を受けられた方は40歳以上よりも大きな効果が得られているという結果でした。この健保さんの場合にはメタボ減少率も70%ということで、かなりしっかりとした効果が出るので、40歳未満の対象者に対する対応も、特に健保さんでは重要になるのではないかと考えております。
 次のページは、ある10万人の健保さんの平均体重の変化を断面的に見ておりますが、20~40代にかけて体重がずっと増えてくるわけで、体重をどんどん増やしてしまって40歳になってから保健指導ということではなく、より早いタイミングからの健康支援、肥満対策というのが求められると考えております。
 下段は、65歳以上に対する保健指導につきましては例数が余り多くないわけで、参考値になるかと思いますが、65歳以上に関しましては体重減少は1.3kg、動機づけも積極的も余り大きな改善効果はなかったわけですけれども、体重減少を目的とはしていなくて、例えば、運動習慣がついたとか、生活が明るくなったというようなデータは有意に改善しておりますが、体重減少を保健指導の現場でも強くは求めていない結果、こういうデータになったのではないかと考えています。
 次のページは医療費分析の結果ですけれども、トヨタ自動車健保組合で保健指導を初年度実施した工場とやらなかった工場がありまして、これは単に機会があったかなかったかで、本人が選んだわけではないということで対象群としました。プロペンシティ・スコア・マッチングという方法で、保健指導に参加した人と参加していない人で医療費がどうなったかを見ております。
 下段がその結果ですが、保健指導完了者では受診が4%減り、点数としては16.7%減っているというようなデータです。
 次のページは、更に2年分の健診前後の医療費の変化を見ているものですけれども、斜め45度のラインが参加群と対象群で変化なしのラインです。45度のラインよりも上側が、参加群の医療費が減少傾向、下が増加傾向ということですけれども、参加群においては受診回数が減少する傾向、また、調剤実日数が減少する傾向が見られているということで、まだ短期的な追跡でで2年間なんですけれども、そのような結果になっておりました。
 そういうことで、特定保健指導は保健指導、積極的支援をやっていただいた方には効果があったとは思いますが、それ以前の方々がどんどん保健指導対象者に上がってくるという課題があります。
 次のページを見ていただきますと、別の健保さんのデータですけれども、この健保さんも非常に熱心に保健指導を行っていらっしゃるんですが、特定保健指導参加者のメタボ改善率は高いのですが、情報提供レベルから悪化した人や、40歳未満から新たに40歳以上になって該当したという問題もありまして、保健指導の改善効果をどういうふうにとらえるのか、が課題です。積極的支援に該当した人が改善した改善率で見るという見方ではなく、健保全体として見るという形になりますと、かなり流入を押さえることも必要ですし、逆に、一生懸命保健指導した人が健保さんを辞められるということもあります。資格喪失のために、せっかく保健指導をおこなったのに脱落になってしまう方も入っているという実態もありますので、丁寧に評価していく必要があるかなと思っています。
 あとは、時間の都合で簡単に御説明しますが、保険者全体で見た生活習慣病の状況について見ております。下の図が糖尿病、高血圧、脂質異常のリスクを2個以上持つ、動脈硬化のリスクグループを愛知県の90万人のデータで見ておりますけれども、青が肥満者、赤が非肥満者です。非肥満者、肥満じゃなくても年齢とともに有所見率は上がっていくと。ただ、肥満者と非肥満者の有所見率の非を見ますと、若年者といっても特定健診なので40歳以上なんですが、例えば、40代ですと男性で2.5倍、女性で4.4倍というように大きな差がありますが、70歳になってくると30%増し程度になってくるということで、肥満が検査データに及ぼす影響というのは年代でかなり違ってくるのではないかと思っております。
 高齢者の有所見率が非常に高いということにつきましては、次のページにありますが、特定健診では若年者も高齢者も一定の基準でやっておりまして、例えば、空腹時血糖が100だったら70歳の人でも異常ととらえるんですけれども、そこまで下げる必要があるかというと医学的にはないでしょうと。
 上の図では、高血圧の治療の目安、または糖尿病の管理の目標につきまして、高齢者は若年者とは少し治療基準も異なっているというような現状もありますので、健診の判定基準が若い人から高齢者まで一律で異常者を増やしてしまっているということも考えていく必要があるかなと思っています。
 それから、特定健診ではお薬を飲んでいますかという問診があります。下につきましては、青のところがお薬を飲んでいる方になります。高血圧については70歳代で40%、女性もそうですし、脂質異常症についても非常に服薬者が多いと。逆に、例えば、65歳のところを見ていただきますと、服薬していない保健指導判定値や受診勧奨判定値に該当する人というのは、どちらかというといい方(健康的な方)でして、薬を飲んでいる方がこれだけいて、その人たちを除いた残りの方々に保健指導をしているというのもどんなものでしょうということ。もう一つは、次のページを見ていただきたいのですが、これはある国保の集団検診分2,300人のデータなんですが、お薬を飲んでいるという方が肥満の方と肥満ではない方と比べますと、肥満の方の方がより若年者からより高頻度で出ていると。ですから、本来ならばお薬を飲む前にしっかりとメタボ対策をやった上で、それでも必要ならばお薬というのが理想ではありますが、現実には肥満を是正することなく服薬している状況にあるのではないかと思っています。
 最後に。特定保健指導の実施方策につきましては、保健師さん、管理栄養士さん、とても一生懸命研修会等で勉強していただきまして、上からの指示的な指導ではなくて、本人の生活全体を見た支援をしていただいていると。参加した方から、本当にこんなに優しいと思わなかったとか、効果が上がって本当に元気になったといういい声もいただいております。ですから、参加された方々がそういう結果が出ているということも頭に置いていただいて、ただ率が低いということではなくて、幾ら率が高くても効果が出ていない、ただ健診をやっているだけでは、やはり病気の予防にはつながらないので、その人にとってプラスの事業をしていくことが非常に大事だろうと考えております。
 以上です。
○多田羅座長 詳細な御報告ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、御質問・御発言いかがですか。保坂委員、お願いします。
○保坂委員 まず、対象になったけれども、ちゃんと積極的支援を完了した方と、そうではない方を比較して、完了した方の方がよかったということは大変よくわかりますし、その支援が非常に適正に行われているのだろうということも思いますが、一方、それに参加する人というのは、もともとそういうモチベーションがある人で、そういう人は改善する率が高いのではないかという考え方もできるんじゃないかということが一つあります。それはどのようにして裏づけるかということは、なかなか難しいと思いますので、それはただ意見として聞いてください。
 もう一つ、17ページの医療費のことですけれども、小さくてよくわからないのですが、2年分を比較したと書いてあるんですが、2年分の累積をどう比較したんですか。2年前のあるときと2年後の診療実日数等を比較したんでしょうか。
○津下委員 まず、医療費のことなんですけれども、診療報酬というのは年によって変わってくるということもありますので対照群と保健指導参加群の差分で見ているということが一つあります。
○保坂委員 だから、いつのものを、例えば、支援に入る前のある月、何年の3月と2年後の3月の実日数等の比較をしているのがどうか、その辺のことがきっちり書いてないと、比較をすることが適正かどうかということもわからないということが一つ。
 それから、ここに生活習慣病総医療費と書いてありますが、これは一体何を指しているのか、生活習慣病総医療費というのは診療報酬の請求の中の何と何を指しているのかということがきちんと示されていないと、よく理解できないということ。
 それから、服薬している方は対象外ということに一応なっているように思いますが、調剤実日数ということで比較されていますけれども、服薬している方も含めてT健保組合では支援をしていて比較されているのか。
○津下委員 詳しくは論文で、今回はサマリーということで出させていただいておりますので明示しておりませんけれども、これは医療経済学者にやっていただいたことなんですが、一つは、健診の前の一点ではなくて一定の期間と。健診の前と後の1年間の累積です。
○多田羅座長 それは本人の報告ですか、どういうデータですか。
○津下委員 そうではなくてレセプトです。
○多田羅座長 レセプト何か月分のデータですね。
○津下委員 そうです。2年間の健診の前の期間と。
○多田羅座長 2年間というと12か月分みたいに聞こえますね。
○津下委員 ですけれども、健診を受けた時期が人によってちょっと違うものですから、その辺の調整が入っています。だから、健診を受診される前と、健診を受診された後ということです。
 もう一つは、生活習慣病については、糖尿病、高脂血症とか病名リストをざっと出しました。レセプトでやっております。
○多田羅座長 レセプトの中で一括した点数の場合、生活習慣病で切り分けられるんですか。
○津下委員 その辺は医療経済的な手法で分析していただいています。いずれにしても、同じ方法で対照群と参加群で比較しているということですので、とりあえず現在はこういう方法でしか残念ながら出せないんですけれども、もう少し観察機関が大きくなれば、よりはっきりとした結果が出ると思っています。
 もう一つ、服薬の者につきましては、これがちょっと不思議なことがありまして、本人は服薬していないとしているんだけれども、例えば、一定の期間なものですから1回ぐらいは服薬していたと。中断している人たちも特定健診を受けたときには服薬していなければ保健指導に入ってくるということもありまして、今の健診の自己申告で薬を飲んでいるというところに「○」をつけていただいているので階層化していますが、レセプトと突合すると若干ずれがあると。特に、脂質異常症の薬は本人は余り意識して飲んでいない、落ちが大きいと。糖尿病の薬というのはほとんどわかっていますが、脂質異常症の薬については、本人が自分が薬を飲んでいるという自己申告がないまま飲んでいる方があったということで、若干その辺りはもう少し詳しく見なければいけないんですけれども。
○保坂委員 ちょっとよろしいですか。こういうところに出してくるには、やはりきちんとした裏づけがあって、きちんと科学的に証明できることでないと非常にまずいと思うんですね。医療費を適正化するためにこれをやるといったときに、やったら適正化しましたというデータをもし出すのであれば、それはかなりきちんとしたものでないと誤解されるのでまずいと思うんです。
 申し上げるのは、調剤実日数も今の津下先生の御説明では、飲んだり飲まなかったりした人たちがいたからということであれば、当然、最初の健診の前は飲んだり飲まなかったりだから調剤実日数は本当は少なくてはいけないはずなのに、その後になって実日数が減ってきたようなデータというのは、誰が考えてもおかしいし、生活習慣病の総医療費はどこでどうやってとったのかというか、何をもってとったのかということも理解できないし、診療実日数というのもいろいろな病気にかかわるわけですよね。それから、時期のことを問題にしているのは、例えば、ある年とある年の同じ月を比較しても、その月にインフルエンザがはやれば実日数は普通上がるわけですよ。ただ、それは同じときで支援を受けた人と受けない人の差だからというようないろいろな御説明はあると思いますけれども、こういうものを出してくるときには、かなりきちんとした裏づけがあって、みんなが納得するような形のデータでないと出していただいては困ると思いますので、今後それはやめてください。
○多田羅座長 これは雑誌か何かで発表しているんですか。
○津下委員 今、研究報告書ではとりあえずまとめはしておりますけれども、論文化するということで今動いております。
○保坂委員 それを出してくる人がちゃんと内容を理解して説明できなければ、これはどういう形で医療費を比べましたと。
○多田羅座長 わかりました。
○津下委員 1つだけ言えるのは、保健指導の参加群においては検査データが改善していると。それは薬が増えて改善したわけではないと。
○多田羅座長 そういうことをおっしゃる根拠のデータについては、もう少しかちっとしたオーソライズされたものを出してほしいということです。内容のことではなくて方法について御指摘されたわけです。
○津下委員 わかりました。
○多田羅座長 事務局どうぞ。
○城医療費適正化対策推進室長 資料の関係では分量と時間がありまして、私どもの方で削ってくれというお願いをした関係もございまして、今日は導入でございましたので、実際これを議題に取り上げるときに詳細を御説明いただけるようなことで、ほかにもそういった研究を各保健者さん、学会の方等も含めてお持ちかと思いますので、そういったもので探してみたいと私ども思っておりますので、私どもの方で落としていただいた部分がございます。申し訳ございません。
○多田羅座長 わかりました。
 山門委員、どうぞ。
○山門委員 2つ。この成績から見ますと、やはり特定保健指導は非常に有効であるということになると思います。そうすると、白川委員がおっしゃるように、いかに保健指導の実施率を高めるかというのが、この検討会の極めて重要な議題になると思います。
 もう一点はちょっと細かくなりますけれども、動機づけ支援についてですが、10ページの下段の表を見ますと、動機づけ支援は積極的支援に比べて保健指導の効果が少ないということがあります。しかしながら、11ページを見ますと、6か月で血液検査をすると非常に体重減少に寄与する。すなわち、先生のお考えは動機づけ支援においても6か月の時点で血液検査をした方がよろしいという御意見でしょうか。
○津下委員 意見と言えるかどうかわかりませんけれども、動機づけ支援をした方、またはポイントが少ない方で6か月後に血液検査があった場合に、それが一つの励みになるということがあるかもしれないし、体重が減少したことによって検査データがよくなったことを確認して方向性が確認できたと。ですから、自己申告で電話等で回答したよりは、きちんと評価した方がよかったのではないかとは思っています。
○山門委員 それは私たちの経験で事実でして、やはり動機づけ支援で6か月の時点で血液検査をするという私どもの団体の所属施設は多いのですけれども、やはり非常に効果がある。ただ、その際に、経費との関係でなかなか難しいところがあるので、その点もこの検討会で一つコメントを出していただけるとよろしいかと思います。
○多田羅座長 ありがとうございます。
 白川委員、どうぞ。
○白川委員 私は、津下先生のプレゼンテーションは非常に興味深く聴かせていただきました。我々保険者として勿論関心があるのは、特定健診・保健指導によってどれくらい健康度に寄与しているかという話と、医療費の適正化に対する投資効果がどうかの2点が最大の関心事でございまして、健康度についてはどなたか委員の方がおっしゃったとおり、御本人の意識が高い方はどうしても健康度が少し高くなると。そういう科学的立証はできなくても、傾向としてはそのように思いますが、実際に投資効果がどのくらいかというのは非常に関心を持っているんですけれども、残念ながら今のところ期間がまだ2年ぐらいのデータしかありませんので、皆さんが納得できるようなデータがまだ示せないということが現状かと思います。ただ、こういう努力はずっと続けて、医療費的にもこういう効果があるんだということを発信し続けないと、この制度は続かないと思っておりますので、詳細な御発表をもうすぐやられるようでございますから、是非、我々保険者の方にも折に触れていろいろな御説明あるいは数字の提示をお願いしたいと、この場をかりてお願いいたします。
○多田羅座長 ありがとうございました。津下先生、そういう御意見でございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○津下委員 ありがとうございます。医療費の分析は結構難しい要因が多々ありまして、単純にはいかないというのがあります。
 それから、もう一つ、優等生だったらという話ですけれども、健保さんでやられている非常に実施率が高いところで否応なしにやっている方も、やり始めたら手応えを感じていい結果が出たということが多々あります。食わず嫌いの人が一歩入っていただくための仕掛けという意味では、そういうことがなければ手挙げ方式に逆になってしまって、関心がある人たちだけ集まってしまう。だけれども、特定保健指導は階層化で、本人は来たくなくても声がかかってしまうところで1回来ていただいて意識改革ができれば、そこから変わってくると私たちは手応えを感じておりますので、その辺も出していきたいと思います。
○多田羅座長 わかりました。貴重な御意見をありがとうございました。
 ちょっと時間が押していますので、簡潔にお願いします。
○小松委員 栄養士会でもよく似た調査を少しやっていまして、動機づけ支援の方は確かに平均で出すと余り効果が上がりにくいんですけれども、かなりの方がよくなってきているという気がしています。ですから、平均では有意差は出なくても、その中にかなりの人がよくなっている割合があると思っております。
 それと、支援回数とか今、津下先生におっしゃっていただいたようなことは、かなり似たデータがあるので、非常にわかりやすく聞かせていただきました。
○多田羅座長 ありがとうございました。
 それでは、少し予定の時間が過ぎてまいりましたので、貴重な御討議をいただいているのでございますが、今日のところは、ほかの回でもこういうデータについては逐次、科学的なデータを御紹介いただく予定にしておりますので、今日のところはこの辺りにさせていただきたいと思います。
 それでは、議題4でございます。今後の進め方について事務局から説明をお願いいたします。
○城医療費適正化対策推進室長 資料4、1枚紙をごらんください。「今後の進め方(案)」ということでございます。日程と項目と荒っぽい形でお示しして恐縮でございますが、細かく日程的に詰めているわけではございませんので、このような形になっております。
 今後のことということで本日4月25日、再開第1回でございます。わかりやすく第1回と記載いたしました。5月下旬ごろに今、日程調整をさせていただいております。6月以降も月1回程度を念頭に置いております。8月ぐらいまでで一巡できればと思っておりますが、そのときに私どもで今念頭に置いております、先ほどお示ししたものに加えまして、特定健診の項目、基準値等々でございまして、非肥満者の方についてどう考えるかであるや高齢者の方への対応、それから、これは別途でございますが、糖尿病学会さんから紹介させていただきたいというものがありまして、基準値の話でございます。HbA1Cについての基準値を国際基準との関係で御紹介して、先に決めてしまいたいことがございまして、ここはお願いしたいということがございます。
 それから、受診促進の関係で被扶養者の方についてどうするかといったものも大きな論点になろうかと思います。先ほどの白川委員の話も含めまして、どういったことをしていけば受診率が上がるかといったこと、制度的にどうかみたいなものもございます。ネックは何かといったこともあると思います。
 それから、円滑な実施ということで、労働安全衛生法の事業主健診のデータの取得といったもの、それから、今後の方向としての支援金の加算・減算等の問題、補助金の単価といった御意見をいただいていますので、ほかにも適宜いただけたものを組み込んでいくということは考えておりますが、月1回ぐらい順不同でございますけれども議題に挙げていきたいということでございます。
 それから、9月以降も専門家に検討をお願いするものは既にそちらに早くお渡ししなければいけませんし、そうでなく引き続き制度的に御検討いただくものは御検討いただくという形を考えておりまして、来年の今ごろまでに一通り終えればということでございます。特に報告書ということではなく、個別のものについて方向が決まれば、本当にすぐやるべきものがあれば、できるだけ平成24年度にも生かせるものは生かしたいと思っておりますし、システムにはねない範囲かもしれませんが、いろいろと実際にどのようなタイミングで実施していくかについても、関係者の皆さんで御議論いただいたものを反映していきたいと思っております。いずれにしましても、次の平成25年度から第2期の計画、そして、新たな健診・保健指導と書きましたが、この御議論を踏まえて何か反映するものがあれば反映していくタイミングとしては、そこを念頭に置いてやっていきたいということでございます。
 それから、各回、必要に応じて有識者の方のヒアリング、それから、いろいろなデータの紹介もできる限りはめていきたいと思っております。こんな進め方でいかがかということでございます。よろしくお願いいたします。
○多田羅座長 ありがとうございます。そういう御説明でございます。5月下旬に第2回、これはいつごろか、まだ下旬というレベルですか。
○城医療費適正化対策推進室長 まだ確定にまで至っておりません。調整中でございます。
○多田羅座長 6~8月は月1回程度、計3回で、下の4つの課題について主に検討していくということでございます。もし、追加の検討課題などがございましたら事務局に御連絡いただいて、会議の中で諮らせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 何か御意見ございますか。田中委員どうぞ。
○田中委員 こういう進め方でいいかと思いますけれども、ただ一点、9月以降のところに書いてある「随時開催し、方向性の見えた事項から必要に応じ、随時、健康局の検討会に対して検討を依頼」というのがちょっと引っかかりまして、確かに、健康政策部門での専門的な部局ですから、そこの御意見というのは当然聞かなければいけないと思いますけれども、特定健診・保健指導というのはあくまで保険者の事業推進でございます。でき得れば、保険局内のこの検討会の中で必要があれば健康局の方においでいただいて、その場でいろいろ御意見等を聞かせていただきながら検討していくという方向性の方が望ましいのではないかと私は思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 役所の中の所掌という意味では健康局も出席を依頼して今やっておりますので、ここで御質問いただければお答えできるというのはありますが、ものによっては学会なり専門家の研究者の方に資料やデータを整えてもらって、技術的な部分の基準を策定していただくといったものもあるだろうと考えておりまして、そういったものについては専門の部局の専門の方にお願いし、そこで検討会をやっていただくということが必要になってくるのではないかという趣旨でございます。
○多田羅座長 その検討結果は、またこちらへ戻ってくるということですか。最終的にはここで検討すると。
○城医療費適正化対策推進室長 そういうつもりで私どもの方は構えを立てております。
○多田羅座長 そちらで独立してやって進んでしまうということではなくて、また一遍、健康局で検討いただいて、こちらに返ってきて。
○城医療費適正化対策推進室長 ものにもよると思いますが、基本的にそうしたいというのが担当事務局の希望です。
○多田羅座長 確かに田中委員がおっしゃるように、一応、保険局マターですからね。行ってしまうと何か。
○田中委員 誤解のないように申し上げますけれども、決して健康局の御意見が必要ではないと、健康局がこういった健診・保健指導の所管外だということを申し上げる気はさらさらございませんで、ただ、保険者の仕事ですので、保険局が責任を持って対応していただきたいということだけを申し上げているわけでございます。たまたま保険局長はそういった専門家でもございますし、保険局長の御意見を聞くわけではございませんけれども、是非そういった視点でお願いしたいということでございます。
○多田羅座長 大変貴重な御意見です。
 保坂委員、どうぞ。
○保坂委員 質問していいですか。ここは保険者の方が主に集まっている健診の検討会でございますので、今の田中委員の御発言はもっともなことだと思いますが、厚生労働省として国民の健診について考える場はどこなんでしょう。そういう視点で考えると、健診とかそういうことは健康局なのかなと思うんですね。そうすると、それは別に大きな枠で考えていて、現在は保険者によるこういうことをやりましょうと国として決めたので、現在決めたところはこの検討会でやるんだけれども、それ以外に国として国民の健診についてこうしましょうということは別にやるという理解でよろしいんでしょうか。
○城医療費適正化対策推進室長 私ども保険者の健診についてですので、こういった会で私が事務局でこうやって説明する立場におりますが、事業主健診も昔からきちんと産業衛生の分野でやってきて歴史もありますし、きちんと改善もされていますし、得意分野もありますのでこういったものもありますし、市町村に移ってから、がん健診や衛生部門でやっているものもございまして、そういう意味で国民の健診という言い方になりますと、さすがにどこの部局ですとビシッとは言いにくうございますが、健診一般で考えたときには、健康局が主に所掌分野になるということは御指摘のとおりだと思います。ただ、それを全部健康局で決めるので、ここは関係ありませんということではなくて、この分野についてはここでやるという趣旨でございます。
○保坂委員 私の理解としては、老人保健法の基本健診というのが前にありましたよね。それがなくなって、特定健診・特定保健指導が始まったと現場では思っていますので、元の基本健診のようなものについての話は保険者の方が話す話では多分ないと思うんですが、それはどこで話すんでしょうかねということを今日はお聞きしておきたいんですが。
○武田総務課長 余り明確な答えにはならないと思いますが、例えば、老人保健のときの健康診査は、所管上は老人保健に関することということで所管課があって、そこが所管していた。今そういう意味で言いますと、生活習慣病対策室は生活習慣病の予防に係る健診を所管すると。例えば、労働安全衛生のところは労働安全衛生の観点から、その担当課がそれに係る健診の所管をすると。そういうことで、健診というよりは目的で切り分けられているのが実態だと思います。今回の特定健診は生活習慣病対策の一環として制度化されましたので、健診の中身については生活習慣病の専門部局で中身の議論をし、それを保険者の側で受け止めたという形になっているのだと私は理解しております。
 今後の議論といたしましては、この場で保険者中心の御議論をいただき、それについて生活習慣病予防の観点や、または、がん健診の観点もあるかもしれませんが、そちらの観点から専門的な議論が必要なときはそちらで議論していただき、最終的には保険者の義務化または私どもの予算要求とも関係してまいりますので、それを保険者、保険局としてどう受け止められるかというのは改めて議論しなければいけないと、こういう形になってくるかと思います。ちょっと明確な御説明になっているかどうかわかりませんけれども、一応そういうことを大まかに御理解いただいた上で今後、この場で議論を進めていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○多田羅座長 大まかにわかったということでよろしいでしょうか。
○保坂委員 よくわかりませんでしたが、本日のところはこのご説明をお聞きしておきます。
○多田羅座長 では、そういうことで今日はひとつ、課長の御説明で御理解いただいたということにさせていただきたいと思います。
 それでは、これにて本日の会を閉会させていただきます。御協力どうもありがとうございました。


(了)

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