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2011年5月30日 第75回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

23/5/30 第75回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成23年5月30日(月)
午後16時00分から午後19時00分。
全社協・灘尾ホール
 
2 出席委員:池田、井部、大島、大森、勝田、木村、久保田(藤原参考人)、高智、木間、小林、齋藤、佐藤、篠原、武久、田中(滋)、田中(雅)、中田、馬袋、福田(和田参考人)、三上、村川、矢田(上田参考人)、山田 (敬称略)

○宇都宮老人保健課長 定刻より少し早いですが、委員の皆様方おそろいのようですので、ただいまから「第75回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 本日は、藤原委員は御欠席とのことです。
 また、久保田委員に代わり藤原参考人、福田委員に代わり和田参考人、矢田委員に代わり上田参考人がそれぞれ出席されております。
 以上より、現在23名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 なお、本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にもお越しいただいておりますので、後ほど御紹介させていただきます。
 また、前半は医療と介護の連携ということで、関連して保険局の鈴木医療課長にも出席いただいております。
 では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。

○大森分科会長 どうも、御出席ありがとうございます。
 それでは、早速でございますけれども、本日は、お手元にございますように「医療と介護の連携について」と「介護保険施設について」、御説明かたがた御審議をいただきたいと思っています。
 それから、東日本大震災との関係で、要介護認定について特段の措置を取っていますので、それについての御報告がございます。
 本日のテーマに関しまして、あらかじめ、従来もそうでございましたけれども、基礎的なデータについて事務局に用意をしていただいていて、それについて説明していただくという計らいにしてございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それでは、資料の確認をいたします。

○宇都宮老人保健課長 では、資料の確認をさせていただきます。
 まず座席表、議事次第。
 資料1−1として「医療と介護の連携」でございます。
 資料1−2は「これまでの中医協における議論について」。
 資料2−1は「介護保険施設について」。
 続いて資料2−2ですが、「平成24年度介護報酬改定に関する意見および要望」ということで、全国個室ユニット型施設推進協議会からの資料でございます。
 資料2−3は全国有料老人ホーム協会からの資料でございます。
 資料2−4は全国特定施設事業者協議会の資料でございます。
 続いて、資料3は「東日本大震災に対処するための要介護認定有効期間及び要支援認定有効期間の特例に関する省令」。
 それから、佐藤委員の提出資料、村川委員の提出資料、委員の名簿がございます。
 不足のものがございましたら、事務局にお申しつけください。よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 それでは、以下、次のように運ばせていただきます。まず「医療の介護の連携について」、事務局から10分程度御報告いただき、続いて、懐かしい鈴木課長が見えていますので、現在、中医協で議論が進んでいますので、その様子などについて10分程度御説明いただきまして、その後、これをめぐりまして、多分、40分程度は議論できるんではないかと考えます。その後、席の入れ替えがございますので、5分程度休憩いたしまして、「介護保険施設について」のヒアリングをさせていただき、関係の資料の説明をしていただいて議論するという運びにいたしたいと思います。3時間取ってございますけれども、夕飯時期ですので、できるだけ早い方がいいと私は思いますけれども、一応、時間はそうなっていますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、説明をお願いしましょう。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料1−1をごらんいただきたいと思います。
 「医療と介護の連携について」の1ページ目の下でございますが、医療と介護の連携は、住み慣れた地域で、必要な医療・介護サービスを継続的・一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築のために必要不可欠ということでございまして、今後、医療と介護の役割分担と連携の強化を図るために、以下の視点で検討してはどうかということで、3点ほど挙げさせていただいております。1点目は、医療機関からの退院時における介護保険サービスとの連携強化及び円滑な移行について。2点目は、医療の必要性が高い者への対応の強化。ただ、老健施設等については別途ということでございます。それから、3点目は、介護療養病床から介護療養型老健施設等への転換支援等でございます。
 1枚おめくりいただきまして、次のページの上の方には「患者・利用者の流れ」ということで、これは社会保障国民会議の資料から抜き出したものでございます。
 続きまして「訪問看護における医療と介護の連携」ということでございまして、訪問看護全般についてはまた別途時間を取りますので、今回は医療と介護の連携という視点から御議論いただければと思います。
 1枚おめくりいただきまして、スライドの4枚目ですが、「訪問看護の仕組み」。介護保険の利用者が27万3,000人、医療保険が6万6,000人と書いてございます。
 その下が「訪問看護サービスの状況」ということで、利用者の約6割は要介護3以上の中重度者であることなどが示されております。
 次のページをおめくりいただきまして、6枚目は、重度であるほど訪問看護のサービスニーズが高まってくるということでございます。
 その下の表は、医療処置にかかる看護内容について示されておるものでございます。
 続きまして、8枚目のスライドでございますが、事業の規模が小さいほど在宅における看取り数は少なく、また夜間・深夜・早朝訪問件数も少ない傾向があるということが示されております。
 以上より「主な論点」としまして、訪問看護の報酬については、以下のような基本的な考え方にのっとって検討すべきではないかということで、1点目は入院から在宅生活への円滑な移行について、2点目として、医療が必要な重度の要介護者の在宅生活を支えるための適切な訪問看護サービスの提供について、どう考えるかということでございます。
 おめくりいただきまして、参考1として「訪問看護の介護報酬について」、参考2として「居宅介護支援における医療と介護の連携」ということで付けてございます。
 次の12枚目のスライドですが、「歯科・口腔関連サービスの医療と介護の連携」というスライドがございます。
 続きまして「リハビリテーションにおける医療と介護の連携」についてでございます。
 おめくりいただきまして、14枚目のスライドですが、「リハビリテーションの役割分担」ということでございまして、左側の急性期から回復期は主に医療保険、右側の生活期については主に介護保険ということで、平成18年度の制度改正のときから役割分担がなされたわけであります。赤い丸で書いてございますけれども、今回、リハビリテーションについてはやはり別途時間を設けさせていただきますので、回復期から生活期に向かう、ここの部分についての御議論をいただければと思います。
 次の15枚目、下ですけれども、医療と介護の連携のイメージ図がございます。
 続きまして、16枚目ですが、「介護保険におけるリハビリテーションの提供イメージ」でございます。
 その下の17枚目が「通所リハビリテーションにおける個別リハビリテーションの評価」について、点数についてのイメージでございます。
 続いて、1枚おめくりいただきまして、18枚目ですが、「平成21年度の介護報酬改定における通所リハビリテーションの見直し」について、2点ほど書いてございます。短時間・個別のリハビリテーションの評価を行い、また、理学療法士等を手厚く配置している事業所を評価した。2点目は、医療保険において、脳血管疾患等リハビリテーションまたは運動器疾患リハビリテーションを算定している病院・診療所については「みなし指定」を行ったということでございます。
 その下の19枚目のスライドでございますけれども、こちらは医療保険と介護保険の事業所数の比較を行っております。ちょっとわかりにくいかもしれないので御説明を加えますと、左側の介護保険のところなんですけれども、21年度について、通所リハは6,703事業所とございますが、実は21年度、実際どこが提供しているかという内訳が取れなくなっておりまして、そのため、参考として、隣に平成20年度の数値を入れてございます。1年間でそれほど構成は変わらないと思われますので、大体21年度も20年度と同じように、老健、病院が比較的多くて、診療所が少ないというような構成ではないかと思われます。
 右側の医療保険の方ですけれども、脳血管等リハ、運動器リハ、それぞれ、こちらに示されている事業所・施設で提供しておるわけでございますけれども、こういったところが「みなし指定」で通所リハビリテーションを提供できるんですけれども、実際に提供しているところは、通所リハ6,703ということで、医療系のリハを提供している施設数に比べまして、介護保険の方は非常に少ないということが示されている図でございます。
 続きまして、スライドの20枚目でございますが、これは中医協に提出された資料ですので、後ほど鈴木課長から御説明いただいた方がいいかもしれませんけれども、急性期・回復期のリハと、介護保険側のリハのあらあらな評価、報酬のイメージの比較でございます。
 「主な論点」としまして、医療保険から介護保険への円滑な移行のために、これまで必要な対応を行ってきたが、今後、更なる移行に向けてどのような対応が必要か、検討すべきではないかということでございます。
 続きまして、参考1として「平成20年度診療報酬改定後の疾患別リハビリテーション」の報酬のイメージ、参考2は「通所リハビリテーションの介護報酬について」でございます。
 続いて、スライド24枚目から「介護療養型医療施設について」でございます。これまでにもお示ししたような資料でございます。
 25枚目が「療養病床再編成のこれまでの考え方」。
 26枚目が「医療療養病床・介護保険施設について」で、右から2番目には、平成20年に創設されました介護療養型老人保健施設がございます。数字が若干更新されておりまして、介護療養病床のベッド数が8万床、介護療養型老健施設4,000床となってございます。
 その下が「療養病床数の推移」ということで、平成22年12月現在で介護療養病床8万3,101でございます。
 続いて28枚目でございますが、「療養病床からの転換状況」が示されております。
 それから、29枚目でございますが、介護療養病床と医療療養病床の機能分化が進んでいる。これは、医療区分1と医療区分2・3の構成割合を見ると、その辺がわかるということでございます。
 続いて、30枚目のスライドでございますが、この医療区分とADL区分の分布を組み合わせた資料でございます。介護療養病床では、医療区分1かつADL区分3の患者の割合が高く、医療療養では、医療区分2または3であって、ADL区分3の患者の割合が高いということが示されております。
 その下の31枚目は「介護療養病床に関する実態調査結果」ということで、具体的な医療行為と、それぞれの施設や病床において、どの程度なされているかという比較でございます。青い点線で囲った部分については、医療療養と介護関係、介護療養・介護老人保健施設の差がかなりあると思いますが、その下の黄色で囲っております喀痰吸引、経鼻経管・胃ろうについては、介護関係の施設でもそこそこなされているという状況でございます。
 次の32枚目のスライドでございますが、「療養病床の転換意向について」。介護療養病床の転換については未定というところが6割ほどあるんでございますけれども、その未定とした理由について、左側の表にございます。一番多いのは、平成24年度の医療・介護報酬同時改定の方向性を見てから判断したいというのが58%でございました。2番目が、懸念事項があるため転換できないというのが52%で、その懸念事項の内訳として、療養病床が必要とされている、あるいは受皿の問題などが挙げられているところでございます。
 その下の33枚目は、都道府県ごとの転換意向に非常に差があることが示されてございます。
 続いて34枚目でございますが、「介護療養病床の取扱いについて」で、来年の3月31日までに廃止されることになってございましたけれども、今回の法改正で6年間延長するという法案を今、審議いただいているところでございます。
 続いて「介護療養型老人保健施設について」でございます。
 スライド36枚目、37枚目に、介護療養型老人保健施設について、より介護の必要性の高い方を老人保健施設で受けとめることができるようにということで、機能を介護報酬で評価したということ、それから、その給付調整のイメージがございます。
 次の38枚目でございますが、「主な論点」として、療養病床再編成をより一層進めるために、介護療養病床や介護療養型老人保健施設の基準・報酬等について、どのような対応が考えられるか検討すべきではないかということでございます。
 それ以後は参考として、ほかの転換支援策、それから、介護報酬について書いてございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 では、続いて、鈴木課長からお願いします。

○鈴木保険局医療課長 保険局医療課長でございます。
 私から、資料1−2に基づきまして、医療と介護の連携を中心に、今、中医協でどういう議論が行われているかということについて御説明を申し上げます。
 スライド2に書いてございますが、22年に改定をいたしまして、その後、附帯決議がございました。それに基づいて、9月に、今後、中医協でどういう議論を進めていくかという話し合いがありまして、その中で優先して議論するべき議題が3つございました。その中の2つ目が、特に「医療と介護との連携」もしくは「訪問看護」「慢性期入院医療」という、介護ともかなり関連の深い分野であったということでございます。
 ページをおめくりいただきまして、スライド3でございますが、そうした優先順位に基づきまして、平成23年度に22年改定の検証調査をすることになっておりましたが、大きく6項目ございます。そのうちの、赤く書いてございますけれども、3、4、5のところが特に介護保険とも関係をする分野ではないかと思います。在宅歯科医療、障害者歯科医療、それから、リハビリテーションの問題、更には在宅医療の実施状況もしくは医療と介護の連携状況、こうしたものでございます。
 これに基づいて、中医協では、下のスライド4にありますような議論をさせていただいております。まず、184回に、老健局にもお出でいただきまして介護保険制度の見直しについて御意見をお伺いいたしました。それから、185回のときに、在宅医療訪問看護の問題を議論いたしました。これは右にページが書いてございますが、後で御説明申し上げます。それから、186回のときに、特にリハビリテーション、退院調整の問題を議論いたしました。更に、187回では、在宅の歯科診療、それから、薬剤師の業務、以上のような協議を現在していただいておるという状況でございます。
 そのうちの6つの業務について、これから御説明申し上げます。まず「在宅医療について」でございます。スライド5でございますが、これは既に御議論いただいていることだと思いますが、高齢の方で単独世帯が増えている。それから、在宅における看取り率が低い等の問題が背景にあるという中で、特に下の「論点」のところに書いてありますけれども、在宅療養支援診療所という、これは私どもの保健所のシステムですけれども、在宅療養を中心にやっていただく診療所について、なかなか負担感が大きいということがございます。
 特に下のスライド6をごらんいただきますと、ひとりの医師で対応というところが非常に多く、86.3%。ところが、地域内連携、24時間連携は、多くお医者さんを抱えておられる診療所を中心にやっておられるということだと思います。
 次のスライド7、8をごらんいただきますと、在宅療養支援診療所の中でも、実際に看取りをしていただいているところと、そうでないところがあります。上のスライド7は、各県における診療所の中で、青いところが実際に看取りをしていただいている診療所、赤いところが看取りはしていただいていない診療所で、まだしていただいていない診療所も結構数があるということでございます。
 下の8でございますが、これは、各県で看取りをしている、在宅で亡くなっておられる方の数を、1人以上看取られた数の在宅療養支援診療所で割って、具体的に言うと、青いところが在宅看取りのうちで在宅療養支援診療所に絡んでいる部分、赤いところが絡んでいない部分ということになります。したがいまして、まだまだ、これから在宅療養支援診療所を伸ばしていかないといけないということと、それから、在宅療養支援診療所だけでは在宅等の看取りは支え切れないのではないかということになろうかと思います。
 次のスライド9ですけれども、統計的に、左側が在宅の看取りをしていない在宅療養支援診療所と在宅死の割合との相関、右側が実際に1名以上看取っている場合の在宅死との間の相関。これは各県ごとに見ています。右側の場合には相関件数が0.57ということで、一定の相関が見られるということでございます。こういうことを中心に、在宅療養支援診療所もしくは病院について調査をすることになっております。これが1点目でございます。
 2点目は、在宅歯科、歯の問題です。「現状」のところに書いてございますけれども、要介護高齢者の74%で何らかの歯科診療が必要。しかしながら、実際に受けておられるのが27%となります。「課題」に書いてありますが、歯科関連のサービスの訪問部分の認知度、それから、実際にしておられる歯科診療所が少ない問題、連携をどうするかという課題がございます。
 次のページをごらんいただきまして、スライド11ですけれども、歯科の場合には、お家にお伺いするだけではなくて、医療機関、介護保険施設等々に実際に訪問してやっていただくことが可能になっております。これは具体的な歯科診療と、あとは口腔機能管理加算、両方ともでございます。
 ただし、実際に歯科診療を実施している診療所は、下のスライド12にありますが、施設に行く分は少し増えておりますけれども、居宅の方は少し減っているというのが現状でございます。こういうことを中心に、また歯科の方も調査をしたいと思っております。
 それから、3つ目ですが、在宅の薬剤師の業務。特に大きなのは、薬の飲み忘れ、飲み残しの問題でございます。また、実際に訪問して薬剤の指導管理を行っている薬局は全体の1割ぐらいということで、これには薬局の規模、7割以上が3人未満ということと、実施体制の問題等々があろうかと思います。
 特に14のスライドをごらんいただきますと、介護関係の施設で、一番左が老健施設、特養、養護老人ホーム、軽費老人ホーム等となっておりますけれども、特に下の2つをごらんいただきたいと思います。一番下が介護保険、その1つ上が医療保険でございますけれども、どういう場合に医療保険で請求をして、どういう場合に介護保険で請求をするのかということについて、一部では少し明確ではないんではないかという御指摘がございます。
 それから、次のスライド15ですけれども、実際に薬剤管理指導を行う場合、基本的にはお医者さんの指示に基づいて行かれるということですけれども、Dのような多職種提案型というのが今、一部で行われております。それに加えて、薬局が提案をしたり、ケアマネが提案をするという形があり得るのではないかという御指摘もございますので、そういうところも含めて調査をしようと思っております。
 4つ目の訪問看護でございますけれども、先ほど来申し上げていることに加えて、看護師の需給ギャップの問題、先ほど老人保健課長からもありましたけれども、小規模なステーションが多いという問題だと思います。
 次のスライド17をごらんいただきますと、これは老健局の統計ですけれども、実際に人口1,000人当たりの訪問看護の利用人数と自宅死の割合がきれいな相関をしている。相関係数は0.64でございます。規模が小さいというのはスライド18にございますし、スライド19は、先ほど老人保健課長がおっしゃったとおりです。
 更に、スライド20ですけれども、オンコールといいますけれども、24時間電話対応をせざるを得ない。規模の小さい3人未満の零細型ですと、この青いところをごらんいただきますと、月に15.6日オンコール。つまり、2日に一遍はオンコールだということで、非常に過酷な状況になっているということだと思います。
 スライド21は、少し議題は違いますけれども、訪問看護ステーションで、特に左側の青いところをごらんいただきたいと思いますが、現在、診療報酬上では、看護職員と看護職員が訪問した場合にしか、2人同時訪問というのは認めていないんですけれども、看護職員と介護職員が訪問するケースがあるかどうかということになると、25.7%があると答えております。その理由としては、右側に書いてあるとおりであります。一定の場合に、こうした形での看護職員と介護職員の同時訪問を認めるべきかどうかということが1つの論点になり得るということで、こういうことの関連も少し調査をしたいと思っております。
 「退院調整について」でございますけれども、基本的には、実際に在院日数が短くなってくる。それから、入院計画、診療計画が必ずしもきちっとした実質を伴わない場合もあるということです。
 スライド23をごらんいただきますと、現在、退院の直前にこういう退院調整を行われている場合が多いんですが、右のように、もう少し入院の早期からこういう退院調整をすべきではないか。また、入院している医療機関、それから、在宅に戻られてから支える医療機関の連携を少し厚めに評価をしていくべきではないかと思っています。
 その下のスライド24ですけれども、退院後、何日ぐらいまでは訪問看護のニーズがあるかということを見たものです。現在のところ、退院後、要介護認定を受けられていると、介護優先ということで、介護保険の訪問看護しか受けられないということですけれども、実際におられた病院からの医療ニーズも、2週間に限ってぐらいは少しあるのではないかということが図から読み取れるんではないかと思います。
 また、その効果については、次のスライド25に書いてあるとおりで、実際に再入院が減った、自宅退院が増えた等々の効果があるということだと思います。
 最後は「リハビリテーションについて」でございます。これは、18年の同時改定のときに、急性期・回復期については基本的には医療保険で、それから、維持期については介護保険でということで、機能分化を図るということですけれども、これがなかなかうまくいっていない面もあるんではないかということです。
 次のスライド27をごらんいただきますと、先ほど老人保健課長からも若干言及がありましたけれども、一番左は、標準期間として定められております、例えば、脳卒中でありますと180日という期限内であれば、大体このぐらいの算定になります。それを超えて、まだよくなるということであればこのままの点数でいいんですが、よくなるわけではないけれども、どうしてもやらざるを得ないというときは左から2番目の点数になるということで、介護保険と点数上は、どっちが低い、高いということもそうないようですけれども、本当に医療保険を卒業した人がうまく介護保険につながれているのかということも含めて、少し見るべきではないかと思っております。
 下の28は、医療保険独自の問題ではございますけれども、訪問リハビリテーションの場合には、当然、再診というのはその場では発生しないんですけれども、外来の場合には必ず再診をしなければいけないというシステムになっていますので、どの程度そういうことなのかということを少し考えてはどうだろうということになります。
 最後のスライド29ですけれども、以上、申し上げた点について、6月、7月ぐらいに調査をさせていただくことになっておりまして、この結果を9月以降出していただいて、それに基づいて、具体的な22年の改定結果の検証に基づいて議論していただこうと思っております。
 以上でございます。

○大森分科会長 どうもありがとうございました。
 有用な情報だと思いますね。私の記憶では、今まで余りこういうことはなかったんではないですかね。こういうふうな議論を場を設けていただくことはいいことだと思います。先ほど強調されていますように、今日は主として連携の箇所について、御質問なり、あるいは御意見なり、出していただければと思っています。それでは、しばらくの間、質疑をお願いいたします。どなたからでも結構です。どうぞ。
 三上さん、どうぞ。

○三上委員 幾つかお伺いしたいんですが、まず、医療と介護の連携について、一番大切な理由としては、今後、医療の必要性の高い重介護者が増えてくるということが前提で、どういう設計をするかということなんですが、これは1ページ目に書いてあるんですけれども、その後のところで、私は介護療養病床が本当は必要ではないかと思うんですが、それを少し医療の密度の低いもの、介護療養型老人保健施設なり、そういったところに転換しようということを今後ますます進めなければならないということが書いてあるということはどうなんでしょうということが1つ、教えていただきたいことです。
 それと、鈴木課長がせっかく来られているので、帰られたら困るので早めに聞いておきますが、最後の「今後のスケジュール」のところで、検証するんだということですが、被災地の患者さんについては自己負担が免除されるということがあるんですが、そういった方が47都道府県から、3月分からもう既に請求が来ているということで、全国に被災地の人たちが散らばっているという状況があるわけです。そういったことはどのように検証の中で影響を見ると思われているのか、少しお伺いしたいと思います。

○大森分科会長 今、2点出ましたけれども、最初の論点。

○宇都宮老人保健課長 1点目についてでございますけれども、まず、資料1−1の29枚目のスライドでお示しさせていただきましたように、介護療養と医療療養の受け入れている医療区分の患者さんの状態でございますけれども、先ほど説明しましたように、医療療養は医療区分2、3の、まさに医療の必要性の高い方を受け入れる傾向が強まってきていて、介護療養は逆の傾向というように、機能分化が進んでいるという現状があるのではないかということ。
 それから、1枚おめくりいただきまして、31枚目のスライドでございますけれども、実際に医療療養と介護療養で提供されている医療行為の内容につきまして、すべて網羅しているわけではございませんけれども、中心静脈栄養とか、あるいは酸素療法とか、そういった医療必要度の高い方については、医療療養が多く受け入れていて、介護療養はそういった方々が低いというような状況などを見ていただきますと、やはり医療の必要性の高い方は医療療養、それから、介護療養については、介護老人保健施設、介護老人保健施設の中である程度の医療の必要な方の受け入れは進められるようにするべきだとは思いますけれども、こういった機能分化を進めていくということではないかと思ってございます。

○大森分科会長 どうぞ。

○三上委員 医療の必要性の高い人は医療療養というのはよくわかります。鈴木課長が来られているので、医療療養の方は今後考えていただくということでいいと思うんですが、31ページの喀痰吸引が18%、経鼻経管栄養が36.8%あるような、この人たちを老健施設に転換した施設で診るという話は、少し理屈が通らないように思うんですけれども、その辺のところはどうなんでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 その辺につきましては、今、介護保険法等改正法案の中で議論されておりますけれども、まさに喀痰吸引、あるいは経管栄養につきましては、ある程度以上の訓練を積んだ介護職の方にも実施できるような、そういう方向で進んでいるところでございますので、これまでの医療と、今後、改正法案が通った後の医療と、若干変わってくる面もあるんではないかと思います。

○大森分科会長 第1点目は。

○三上委員 まあ、結構です。

○大森分科会長 せっかくですから、鈴木課長。

○鈴木保険局医療課長 被災地、それから、被災地以外の今回の震災の影響をどう考えるか、特に調査においてという御質問だと思います。4点ほどあると思います。今回、いろいろな調査をさせていただく際に、我々としては是非、被災地等々について配慮をさせていただきたいと思っております。例えば、経営実調については、全損地域、すべて被災をしてしまった地域ですとか、郵便が届かない地域、そういうところには調査をしないことにしておりますし、それ以外の被災地についても、送っても大丈夫でしょうかという確認をさせていただいた上で送らせていただくということで、配慮をしたいというのが1点です。
 それから、2点目は、今では当然全国一律で分析をしていたわけですが、少し分けて分析をした方がいいんではないか。やはり影響の出方等々が被災の有無によって異なる可能性があるということで、分けて分析というのが2点目です。
 もう少し方法論を煮詰めなければいけませんけれども、具体的に被災地のデータが上がってこない部分があると思われますので、そこの部分の補正をどう考えるのかが3点目です。
 最後は、この調査に限らず、いろんな調査は、今まではすべて単体で評価をしておりましたけれども、それに加えて、さまざまな医療施設関係、それから、医療の経営状況のデータがございますので、詳細は今、検討中ですけれども、そういうものも併せて、多重・多層的に評価をさせていただけたらと思っております。
 以上です。

○大森分科会長 よろしいですか。

○三上委員 大体わかりましたけれども、医療課長にもう一つだけ伺いたいんですが、先ほどから介護療養はADL3の医療区分1の方が多いというのが出ていたんですけれども、それに対しまして、32ページにあるように、転換が進まない理由として、24年度同時改定を見てからということと、懸念事項があるということがありました。もし介護療養が廃止になる場合には医療療養にかなり行くと思うんですが、その場合に問題は、ADL3の医療区分1というのはどのように評価されるかということで、医療課長が来られているので言いますけれども、以前の18年改定のときから医療区分1、ADL3というのは非常に低く抑えられたために、介護療養に入っておられる多くの方が医療療養に移れないという事情があります。懸念事項で未定が多い理由としては、療養病床が必要とされているとか、あるいは受け入れ先を見つけるのが困難とか、転換すれば十分な医療的ケアができないということが書かれてありますので、医療的ケアをしながら療養病床できちっとやるためには、医療療養の評価の仕方をかなり見直す必要があるんではないかと思うんですけれども、せっかく医療課長が来られているので、どういうおつもりかというのを少しだけ聞いておきたいんです。

○大森分科会長 では、ちょっと漏らすというか、ニュアンスを伝えてくださいますか。

○鈴木保険局医療課長 恐らく、おっしゃっておられるのは、医療区分1、ADL区分3のところを中心に、そうした方々を医療療養の中でどういうふうに評価をするかということだと思います。2つ視点があると思いますが、1つは、医療区分1であれば、基本的には医療の必要度はそんなに高くはないんではないかということであれば、そういう評価は1つあり得るんだろうということです。
 恐らく、今、三上委員がおっしゃったのは、医療区分1の中でも、通常の医療区分1よりも医療的に手のかかる人たちがいるんではないかという御指摘だと思います。現在、私どもの中医協の下にあります慢性期医療の分科会、これは三上委員にもお入りいただいておりますけれども、そこでこういった関係を議論していただいておりますので、必要があれば一定程度の修正はあり得ると思いますが、原則的にはやはり医療区分1、ADL3というのは、医療の必要度は余り高くないという前提だと思います。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 ほかの方、どうぞ。木村さん。

○木村委員 今日は、資料2つにまたがっているので、まず、テーマとして、医療保険から介護保険に移っていくところの問題は、1点に退院時のタイミングでどういうふうに医療サービスを介護保険側のサービスへ繋げていくかということが大事だと考えています。鈴木課長が説明された資料1−2の23と24がわかりやすいと思いますが、いわゆる入院早期から調整していって、地域のケアマネジャーと医療機関側の医療の専門職種が連携を取っていって、在宅に行く、それから、施設に行く等々、いろんなケースがあると思うんですが、例えば、在宅の場合ということで、去年の4月に診療報酬改定で入院早期から在宅で担当していたケアマネジャーが医療機関に呼ばれて連携した場合、指導をした医療機関側が評価されるという介護支援連携指導料が創設されました。タイミングが合えば、退院時も共同指導した場合の評価もあります。多分、今度の調査では、何件算定されているかということが出ると思うんですけれども、私は件数よりも中身が大事だと思うんです。どれだけ介護支援連携指導が行われ、または退院時共同指導が行われて、どれだけきちんと医療機関からの医療保険サービスが介護保険のサービスにつながっていくかという、そこを見ていただきたいと思うんです。今、見ていただいている23ページの上の図の右側が今みたいなイメージで、根拠として、下にある、どういうタイミングでも2週間ぐらいは在宅で迎える準備期間が必要だということが見て取れると思います。
 それから、もう一つ、一番大きなのは、今日、資料は出ていないんですが、介護保険の場合は、要介護認定の結果が出ないと本来のケアプラン作成ができない。また、居宅介護支援費が算定できない。ということで、暫定プランでケアプランを立ててサービスを入れていくというしくみになっているんですけれども、暫定プランを立てる側のケアマネジャーの心理として、認定申請した利用者が要介護のランクで出るか、要支援のランクで出るか、また自立で出るかの境目にある場合非常に不安な状況で、もし自立と出たら全額自費という形になりかねないということで、サービスを入れることを考えてしまって、結果的に介護保険のサービスを入れていくタイミングが遅れてしまっているということもあると思うんです。
 ですから、要介護認定の結果が遅いとか早いとかではなくて、退院時にしっかり訪問看護とか、リハビリテーションとか、必要な医療サービスをきちんと入れていくということをカンファレンスとかで決めた場合、また、本人も合意した場合、サービスを、とりあえず一月分は、入れていくという仕組みを検討するべきではないかと思うんです。どうしても退院後のサービス提供時期が離れてしまうので。それから、市町村は30日以内に要介護認定しなければいけないとなっていますが、仕事で忙殺されていて、ほとんどが間に合わない。つまり、1か月ぐらい空いてしまっているということなんです。ですから、その辺のところも考慮していただいて、新たなしくみを入れていくということが必要なんではないかと思うんです。ですから、暫定プランでしっかり確実に介護保険側の医療サービスをきちっと入れていくということを決めるとか、そういう仕組みをここでもう一回検討しなければいけないのではないかと思います。
 それから、私は薬剤師会の代表でもあるので、資料1−2の14ページで、特別養護老人ホームに薬剤師が訪問することに対しての評価がないということで、逆に言うと、きちんと特別養護老人ホームに薬剤師が訪問して管理ができるという仕組みになれば、後ほど出てくると思うんですが、薬剤管理がうまくいっていないということが解決できるわけであります。老人保健施設の場合は、包括払いとか、いろいろ仕組みの問題があるので、ここは別途考えなければいけないですけれども、現状、特別養護老人ホームとか養護老人ホームの場合、いわゆる居宅と考えれば、薬局薬剤師が訪問してしっかり薬剤の管理をするということも検討の項目に挙げるべきと考えますので、よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 今のは御意見でよろしいですか。

○木村委員 はい。

○大森分科会長 わかりました。
 では、勝田さん、どうぞ。

○勝田委員 医療保険と介護保険の訪問介護について、介護保険の給付は医療保険の給付に優先することとされておりますが、現在でも要介護度4、5での医療ニーズが高くなっているわけです。本来、医療保険で対応すべき訪問看護を介護保険で対応することに無理があるのではないかと考えます。医療が本来必要であれば、医療の訪問看護でやるべきではないかと考えます。
 次に、介護療養型医療施設について、6年間の猶予期間が設けられたわけですが、例えば、介護療養型での退所される理由が、32.6%が死亡退所です。そうしますと、介護療養型と大きな違いは何かといいますと、医師の数が3人から1人になるということであって、実際に介護療養病床が担っている機能を廃止した場合に、医師を減らすことで本当に安心して終末期を迎えることができるのかどうか。その廃止を強行することで、今、利用している人たちの受皿をどのように考えておられるのか、これは是非お伺いしたいということです。
 そして、それに関連して、今日の資料27ページにありますが、介護療養型については、平成18年は12万700床から、平成22年には8万3,101床に減っておりますが、この転換した介護関係に関しては、次の28ページに7,286床になっておりますが、この差の3万313床はどうなったのか。それは医療の方に流れたのか。医療とするならば、本来の医療は、単価でいいますと、26ページにありますように49万円です。そういう点では、それぞれの平均的な1人当たりの費用額によって大きく違いが出てくるのではないかと思われますが、その実態はどうなっているのか、もしおわかりであればお知らせいただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 御質問のところがありましたので。

○宇都宮老人保健課長 まず、最初の御質問は、受皿の問題だったと思いますけれども、これにつきましては、平成20年に創設いたしました介護療養型老人保健施設で終末期を迎える方も含めたものを考えているところでございます。この6年間に、こういった受皿について、更にどうしていくかということについて議論を深めていただいて、そういったニーズに対する受皿を整えていくことではないかと思います。
 それから、27〜28ページに出ていない約3万床ということでございますけれども、手元に細かいデータがないんですが、多くの者は医療療養の方に行ったのではないかと思います。
 ただ、それにつきまして、29枚目のスライドをごらんいただけばわかりますように、医療療養病床に転換したとしても、平成22年の20対1、25対1の看護配置の数字が出てございますが、結果的に医療区分2、3の方々が多いという状態になってきているということでございますので、むしろ入院している患者さんの状態に合わせた転換になっている、それによって機能分化が進んでいるということではないかと思います。

○勝田委員 今のことについてですが、そういうふうに機能分化が進んだということなんですが、本来、医療保険から介護保険へという流れがつくられたというのは、やはり財政的な問題がものすごくあるかと思うんです。そういう点では、逆に医療の方の機能分化したということでは、皆さんが想定されたものとは大きく違ってきているのではないかと考えられるんですが、それはどんなふうにお考えでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 お金ありきという話よりも、むしろ、入院・入所していらっしゃる方の状態像にふさわしい転換をするという考えで進められているということだと思いますので、この部分だけをもってどうこうというのではなくて、全体の療養病床の数にしましても、民主党政権になって38万床維持ということが言われておりますけれども、それにつきましては、介護の必要な方は介護療養病床から介護保険施設へ転換を進めつつ、他方で、例えば、一般病床などで長期に入院していらっしゃる方が多いところは療養型の病床に転換するなどということも言われておりますので、そういった全体を見て、本当に入院・入所していらっしゃる方にふさわしいケアを提供していくということだと思います。

○大森分科会長 次に行きましょう。
 井部さん、お手が挙がりましたね。

○井部委員 今日は医療と介護の連携がテーマですけれども、いずれにしても、冒頭に訪問看護の仕組みが説明されて、この訪問看護が医療と介護の連携の非常に大きなつなぎ目になるということは認識されることだと思います。訪問看護の役割というのは、利用者が在宅の療養をスタートする前から既に始まっておりまして、利用者の入院先の医療機関と協力して退院支援、それから、在宅移行支援を行ってきているわけです。訪問看護師は入院先の医療機関に出向いて、退院調整看護師と情報を共有し、利用者一人ひとりの在宅療養に合った形での介護や、あるいは医療処置のやり方を考えて、本人が、あるいは家族が無理なく在宅に向けて療養ができるようにサポートしているわけです。
 こうした訪問看護による退院支援の役割というのは、医療保険で行うと、訪問看護の場合は診療報酬で評価されるわけですけれども、この退院支援の役割は、介護保険では今のところはそれに該当する評価がないということです。医療保険と介護保険のずれというか、評価の違いがあるということが随所に指摘されているところです。病院の在院日数の短縮化が進んでおりまして、特に環境の変化の影響を受けやすい高齢者がスムーズに在宅療養に移行できるよう、大半が介護保険の利用者になるわけですので、この資料1−1の冒頭の訪問看護の仕組みでも書いてありますように、介護保険により給付される場合が多いわけです。介護保険における退院支援の仕組みについて、次の改定で整備しておく必要があるのではないかということが1点です。
 それから、スライド9の「主な論点」の2番目の「医療が必要な重度の要介護者の在宅生活を支えるための適切な訪問看護サービスの提供」に関連して意見を申し上げたいと思うんです。これまで日本看護協会としましても、これを実現したいと意見を述べてまいりましたが、訪問看護の適切な提供体制を整備するためには、幾つか、今後検討していただきたい事項があると思います。1つは、タイミングの問題です。適切な訪問看護サービスがタイミングよく行われることが重要ですので、次回の改定で創設される予定であります24時間の定時巡回・随時対応型サービスや、訪問看護と小規模多機能の複合型などは、利用者の必要に応じて介護や看護を柔軟に提供するというタイミングの判断がかぎになると思います。利用者の状態をアセスメントして、サービスを統括できる看護の責任者を配置することが、新しいサービスを成功させるための体制づくりに非常に重要ではないかと思います。
 それから、もう一つは、重度になる前の予防的観点から、このタイミングを見直していただきたいと思います。前回改定で創設されました看護職員による居宅療養管理指導というサービスがあります。このサービスは、算定可能な期間とか、あるいは回数が極めて限定されておりまして、実質的にはほとんど利用できない制度になっております。重度化予防や、あるいは利用者家族の療養相談、それから、ケアマネージャーのケアプランの立案の支援など、訪問看護師が活躍できる余地はたくさん残されていると思います。今後、看護職員による居宅療養管理指導、看護協会では「マイナース」と言っていますけれども、マイナースがほとんどいないような状況で、このような既にあるサービスが機能するように、要件の見直しなどもお願いしたいと思っています。
 以上です。

○大森分科会長 御意見として伺っておけばいいですね。
 池田さん、どうぞ。

○池田委員 実際的なことについて、3点だけお願いしたいと思います。1つは、スライド14に重なる問題なんですけれども、実は、退院した後、要支援・要介護1に認定される方々が結構いらっしゃいまして、この方たちにリハという指示がなくて、そこにケアマネジャーが不用意に家事援助系サービス、要支援は車椅子に行きませんけれども、福祉用具などを使って、結果として次の認定で悪化するという事例は少なくないんです。これは私も4週間入院してよくわかったんですけれども、実は退院後のリハみたいなものが非常に重要であって、そこのところが医療なのか、介護なのか、どうも責任の所在がはっきりしない。したがって、本人、家族への徹底とケアマネジャーとの連携は非常に重要であって、これで実は悪化をかなり食い止められるんではないか。そこにどういうふうに進めていくかというのが1点目でございます。
 2点目は、一昨日の朝日新聞に出ておりましたけれども、胃ろうの話です。認知症1,000人ちょっとの調査なんですけれども、2割が食機能が改善した。要するに、口から食べられるようになったということです。それを大変評価されていらっしゃるようなんですけれども、私から見ると、えっと思うんです。8割はつけっ放しということなんです。つけっ放しがどこへ行くかというと、療養病床、あるいは老人保健施設、あるいは特養、そして家族というふうに流れていくわけなんですけれども、これは川上の方できちんと対応しないと、介護はどうしても川下になってしまうので、全部受けてしまう。延命のための胃ろうがいいか、悪いかは議論があるとは思うんですけれども、胃ろうの問題については、本格的に川下派として真面目に対応しないと大変なことになるんではないかと思います。
 3つ目は、認知症地域連携パスは徐々に動き出しているようでありますけれども、これに診療報酬でかなりきちんとした評価を与えると、お医者さんは頭がいいですから、認知症の一定の診断、あるいはケア方針を立てられるので、そこを少し政策誘導的に持っていくことはできないのか。この3点です。
 もう一つつけ加えますと、さっき勝田委員がおっしゃいましたが、訪問看護は医療だから、医療保険の方に持っていくべきだという議論は、私は半分共感するんです。その方法もあるだろう。でも、そうであるならば、療養病床は医療そのものですから、医療保険にに委ねるのは当たり前であります。つまり、訪問看護は医療、療養病床は介護保険に残せというのは議論としては矛盾しているんですね。しかも、実際的には、医療ニーズの多い方は医療療養病床に移っているわけです。大体、すぐ消すはずだった介護型療養病床をこんなに引き延ばしてしまったということについて、私はこれは苦情を申し立てる。やはり療養病床というのは医療の方に統一していく、そういった方針で進んでいただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 3点目は、鈴木さん、何かコメントありますか。

○鈴木保険局医療課長 認知症の問題でございますか。認知症は今日の資料には出しておりませんけれども、認知症の問題で医療が特に関わるべきは2点あると思っております。
 1つは、今、池田委員から御指摘いただいた鑑別診断の問題でして、我々が中医協に前回出させていただいた資料の中で、ある大学病院に紹介状を持って認知症ではないかと言って来られた患者さんのうち、しっかりと認知症と診断がついたのは7割弱でございました。ということは、3割強の方が実は認知症ではなかったということでございますので、やはり鑑別診断というのはしっかりしていくべきだろう。それから、鑑別診断だけではなくて、その後のケアのやり方、医療の提供の仕方も含めてですね。
 2つ目は、いわゆるBPSDといわれているような心理行動症状が非常に激しい場合。ある程度の場合までは恐らく介護で対応できると思いますけれども、どうしてもコントロールが難しい場合には一定の精神医療的なインターベンションが必要な場合があるということで、ここを介護と共同してどうやるかというところだと思います。それは我々の方でもしっかりと見ながら、今回、同時改定でもございますので、論点の1つとしては十分取り上げていきたいと思っております。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 まだございますか。武久さん、どうぞ。

○武久委員 介護療養型医療施設を中心に、二、三の質問と意見を言わせていただきます。
 資料1−1の30番のスライドですけれども、このグラフから見る限りは、老健担当課としては、6年間の介護療養型医療施設の延長が決まったけれども、方向性としては、順次老健の方に移行させたいという意向があるのではないかと思います。
 従来型老健と介護療養型老健との差を見ましても、31番を見てみましても、ここの介護老人保健施設というのは両方入っているのか、従来型なのか、ちょっとわからないんですけれども、介護療養型の下2つの要素を右横の介護老人保健施設でいきなり見るというのは、現在では不可能ではないか。しかも、特養の方が老健よりは少し重いように出ていますけれども、先ほど申しましたように、介護療養型では、死亡退院が30数%ある。
 従来型老健では、たしか前のデータでは3%程度で、10倍ぐらいの開きがあったんですけれども、これはとりも直さず、介護療養型がターミナルとして死亡を看取っているという非常に大きな役割がある。現在、在宅死をどんどん進めようとか、特養の中でのターミナルを進めようとしておりますが、日本人の概念の中には、亡くなるときはだれもいないで夜中に1人で死ぬというイメージは多分ないと思うんです。やはりお医者さんがいて、看護師さんがいて、脈を取っていただいて「御臨終です」と言っていただくような臨終を迎えたいと思っている人が多いんではないか。
 そうなってくると、介護老人保健施設も医師が1人ですし、当然のことながら特養や在宅は医師がおりませんので、すぐお医者さんが来るようにというのは現実に大変難しい状態ですので、結局、最後のところは、医療と介護が半々必要なような、これは病床というべきか、現在は病床ですけれども、私は医師がいるからこそ看取りができるんであって、病床として必要ではないかと思うんです。
 特に30番のスライドの従来型老健のところのADL1が特養や在宅よりもかなり多いということと、介護療養型の病床に比べると非常に大きな差がある。しかも、医療区分は1だけれども、ADLは3というのが介護療養型は非常に多い。多分、介護療養型老健というのは過渡的なものと厚労省はお考えになっているんではないかと思うので、結局、従来型老健の方に収れんしていこうと思うと、果たして6年間で収れんできるのか。ということは、従来型の老健がかなり介護療養型病床に機能として近づいていかないと、介護療養型病床が老健に近づいていくことばかりを考えていても、多分、うまくいかないんではないかという気もするんです。
 だから、課長がおっしゃるように、介護療養型のうちの重症の医療の必要な部分は医療療養へ行ったらいいということですけれども、この辺のすみ分けというものをきちっと整理していただきたいということです。
 それから、従来型老健と転換型というか、介護療養型老健は、多分、機能が違うんです。介護療養型老健は一般病床の急性期病院から何10%か、何割かを入所させることというような条件がいろいろありまして、ここで出ていますように、7,000幾つの転換の中で4,000ぐらいしか介護療養型老健に移っていない。あとの3,000は従来型老健や、ほかのものに移っているということを考えますと、そこのところももう少しクリアに考えていただかないと、我々としても選択のしようがない。
 我々としては、今、このような現状である以上は、この現状の機能、すなわち医療と介護が半々必要という機能、それから、看取り、病院で亡くなる方々の役割を非常に大きく持っているという機能を、従来型老健や特養や在宅にすっかりと移してしまうには、5年や6年で果たして日本人の意識がどう変わっていくかということも含めまして、質問も含めて意見を言わせていただきたいと思います。
 それから、最後に、池田先生がおっしゃいましたけれども、胃ろうをして20%しかよくならない、8割はよくならないではないかと言うけれども、治療というのは2割もよくなったら大したものですよ。手術でも、やって全部成功すると思ったら大間違いであって、嚥下障害というのは喉の第10脳神経前後の神経の麻痺する総症状ですから、この神経麻痺に対して一生懸命リハビリテーションを行えば、片麻痺の場合は、かなり一生懸命リハビリしますけれども、嚥下障害でリハビリテーションを一生懸命したというのは、今までは余りないんです。脳血管障害の場合には、これから早期に胃ろうをつくって、嚥下障害のリハビリテーションを積極的にやれば、この2割が4割になる可能性もあるんです。この可能性を潰すということは、我々医療の側にはないんです。少しでも可能性があれば積極果敢に治療するというのが医療の本質です。
 以上です。

○大森分科会長 御意見と同時に、若干御質問がございました。

○宇都宮老人保健課長 武久委員御指摘のように、従来型老健と介護療養型老健、確かに入っていらっしゃる方の状態像はかなり違うと思います。後ほどの資料でもお示しいたしますが、従来型老健というのは、本来、入所されている方をリハビリなどを一生懸命やって在宅に返すというのが本来の目的でございますので、そういうことと考え併せますと、現在転換してきている老健というのは確かに違う面があると思われます。その辺含めまして、今後の受皿については、先ほど申しましたように、これから更に議論を深めていただいて、どういう形がいいのかということについて検討を進めていくことではないかと思っております。

○大森分科会長 藤原さん。

○藤原参考人 ありがとうございます。
 医療と介護の連携は今までもいろいろと議論されてきて、診療報酬や介護報酬でもさまざまなインセンティブが設けられてきたと思います。しかしまだ連携を進めるインセンティブ付けが不十分と認識されているから、これから議論を始めると言うことだと思いますが、新たな施策を議論する際に是非お願いしたいのは、今まで、医療と介護の連携について設けられてきたインセンティブはどういうものがあったのか、それについて効果はどうだったのか、検証結果がわかるような資料を出していただきたいということです。また、インセンティブ等を通じてどういう場面で、だれとだれの間で情報共有されると効果的なのかということについても、全体がわかるようにお示ししていただきたい。その上で、介護報酬として不足しているものは何なのか、または診療報酬として不足しているものは何なのかを議論するべきです。個別の場面、場面で議論するというのも大切ですけれども、全体像がわかるような資料を御提供いただいて議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。

○大森分科会長 では、高智委員。

○高智委員 多少の確認的なことと、今、議論しております医療と介護の連携の関係ですが、これは単独で存在する課題ではないと思っております。第7回の集中検討会議が19日に開かれましたが、そこで出された資料でも、高齢者の尊厳の保持と自立支援を支える介護という中で論じられました。そして、医療と介護の連携には、介護予防、重度化の予防の概念も入っておりますし、認知症対策の推進も入っております。これが非常に連環性を重視しなければいけない課題であるということを再認識させていただきたいと思います。
 その上で、今までも多分に事務局から御説明、あるいは資料説明の中に入っていたかと思いますけれども、介護老人保健施設の入所者の状態像というものは、介護老人福祉施設の入所者との間で大差は認められないという考え方が背景にあったかと思います。その意味では、特養は生活の場、老健施設は在宅復帰の場という区分がなされておりまして、介護保険制度と関係のあるほとんどの国民のうちとりわけ利用者、保険者、そして施設の運営者等、それぞれがその実態について共通の認識と理解を持てるならば問題ないのでございますけれども、私どもといたしましては、双方の施設を利用する方々にもわかりやすく、また納得のいく説明ができることが不可欠であると考えております。
 ちなみに、報酬単位も随分違うと見ております。資料1−1の26の図ですけれども、「医療療養病床・介護保険施設について」という一覧表でございますが、先ほど勝田委員からも御指摘がございました49万円のところもあればということですが、横並びで見ますと大分違いがある一方で、状態像に大差はない。そこに着目いたしますと、利用者から見て、御自身が入るところ、家族が入るところがどういうところなのか、どういう性格の施設なのか、最も知りたい特性がわからないわけですので、ここはやはり国民にきっちりと、日常からわかるような材料を提供すべきであると思っております。医療と介護が連携する価値を利用者が実感できる仕組み、それも併せて模索していかなければいけないし、広がりのある議論ばかりあるわけでございますけれども、連携の限界性についても同時に考えていく必要があろうかと思います。

○大森分科会長 佐藤さん、どうぞ。

○佐藤委員 本日は資料も出しておったのですが、後ほどと思ったんですが、ちょうど介護と医療の連携ということでございましたので、ここで発言させていただきます。私の提出資料でございますが、先ほど鈴木課長から在宅歯科医療についての御報告もございました。まさに医療と介護の連携というのは、歯科はこういうふうな現状だということも含めてお話しさせていただきたいと思います。
 まず、資料1枚目の図1でございますが、先ほど鈴木課長からお話がありましたように、口腔状態と歯科治療の必要性に乖離があるんだということがさまざま調査からも出てございます。
 図2ですが、在宅療養支援歯科診療所は、一定の研修を受けて、在宅療養支援歯科診療所を申請しているものでございますが、平成21年で、図にございますように3,700件で5.5%。少ないように思いますが、20年度は実際まだ3,000ちょっとで、22年度はおよそ4,000近くというふうに増加してございます。勿論、地域の偏在はございます。
 図3でございますが、在宅医療の依頼が介護施設から多い、一般診療所や訪問看護ステーションからの依頼が少ないという現状を示したものでございます。これは鈴木課長からお話がございましたが、施設での訪問は増加している、一方で在宅での訪問については増加していないということが報告されています。これはまさに依頼があって増えている。それから、在宅へ行く歯科医師の数は微増ながら増えているにもかかわらず、依頼元がないことが、在宅での実施数が少ないという結果になっているんではないかと考えています。
 図4ですが、これは実際に要介護者とその家族について聞き取り調査を行ったものでございます。いわば、こういう制度を知っているか、いないかということになりますが、訪問歯科診療を全く知らない方が6割、介護保険サービスで口腔ケア指導を全く知らない人が8割近く、介護支援専門員による提案状況がなかったとおっしゃる方が8割、こういうふうな現状がまさに私どもが医療と介護の連携の必要性を強く感じるところでございます。先ほど数名の委員からもお話がございますように、連携の在り方を是非ともこういう場で議論してまいりたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 恐縮ですけれども、専門的口腔ケアの専門的というのは、従来の口腔ケアと何か違うところがあるんでしょうか。

○佐藤委員 本日の資料では、歯科医師、歯科衛生士の協力の下で行うという位置づけになっておりますし、今、さまざまな仕掛けの、大学の方でその根拠等も示されている、いわゆる歯科衛生士と歯科医師がチームを組んで行うという位置づけでございます。

○大森分科会長 もう一つ、ここは政府の公的な機関ですけれども、「口腔ケア」という言葉遣いは私どもは自然に使っているんですけれども、漏れ聞きましたら、専門家の皆さん方は、「口腔ケア」というのは商標登録がなされていて、勝手に使えないんではないかと聞いたんです。そんなばかなことがありますかと私は思っているんですけれども、今後も使って構わないでしょうか。先生に聞いてもよろしいかどうか。今日も、私どもが使っている文章の中に「口腔ケア」は出てきていますので、みんな当たり前に使っているので、いいんではないかと思っているんですけれども、どうでしょうか。ここは公の場ですので、ちょっと心配なんですね。

○佐藤委員 確かに商標登録されているというのは事実でございますので、そういう点を考えれば「口腔のケア」という表現もなされると思います。ただ、国民が今まで受けてきた状況を考えたときに、それが本当に合致している観念かということをここは考えてまいりたいと思います。

○大森分科会長 とりあえず私どもとしては、抗議を受けるまでは「口腔ケア」を使うというのはどんなものかと思っているんです。主たる主題ではないんですけれども、ちょっと心配になりましたので。公的な場で平気で使っていて、使ってはいけないなどと言われると困るので、一回ここで私からお話し申し上げておいて、今後も使いますので、御了解いただきたいという趣旨です。
 今の点ですか。どうぞ。

○木村委員 「口腔ケア」という言葉ではなくて、図4が出たのが2006年ですので、今、何をしているかというと、日本歯科医師会と日本介護支援専門員協会と口腔機能向上の普及啓発に努めて、ケアマネジャーのテキスト等をつくっているという前提で聞いてほしいんですけれども、2006年というのは平成18年だと思います。このような状況があるので、当時、18年4月から運動機能向上、栄養改善、それから、口腔機能向上をやりましょうということで、ちょうど始まったばかりのところでこういう調査が多分あったと思います。そこから5年たっていて、私どもはまだ低いとは思っておりますが、こういう口腔機能向上のこととか、栄養改善のことをケアマネジャーにきちんと勉強してもらって、利用者様に必要なサービスを入れていくということをやっていることを、少し補足させていただきたいと思います。

○大森分科会長 田中滋先生で、とりあえずこの議論は一段落いたします。どうぞ。

○田中(滋)委員 ありがとうございます。
 私は分析というか、まとめ的に申し上げます。医療と介護の連携と一言で言いますが、大雑把に分けて、ステージが3つに分けられると考えます。1つは、退院時の在宅生活復帰のところ、入院から在宅へというところの連携です。2つ目は、在宅であれ、施設であれ、要介護者の方々を支えるための医療サービスがどう入りやすいかにかかわる、ずっと続く、継続的な部分です。3つ目が、看取りの段階だと思います。この分科会に与えられた役割である今度の基準並びに報酬の改定にとっては2番目が政策課題だと考えます。
 1番目の退院時の在宅生活復帰は、先ほどの鈴木課長の資料にもありましたように、退院時のみならず、本来は入院の初めからスタートして、在宅関係者を含むカンファレンスがなくてはいけません。しかし、これは別にやってはいけないと定めた法律はないし、基準はないわけです。木村会長も言われましたけれども、むしろ、ケアマネジメントに携わる方々、あるいは病院関係者、在宅の主治医の方々が提供側としていかに行うかであって、報酬問題でもないし、基準を緩めるとか、そういう話でもないと思います。
 2番目の在宅、施設を問わず、要介護者の生活を支える医療サービスの部分は、実はまだまだ基準がいろいろと使いにくかったり、報酬が足りなかったりするので、ここは重点的に、今回急ぐべき話だと見ています。
 3つ目の在宅看取りは、今度の改定一回でできるわけではないです。武久先生も言われましたけれども、何回もかかる話です。介護保険、英語で言うと、しばしば私たちはLong term nursing care insuranceという訳を使います。Long term nursing careについては、日本は国際的に見て高く評価されるところまで来ています。看取り、英語ではEnd of life careといいますが、End of life careとLong term nursing careは勿論連続的ですが、やや性質が違います。End of life careについては、まだ日本は仕組みは十分にできていません。これは、今回いきなり報酬つける云々よりも、2025年、団塊の世代が死に始めて、年間160万、170万に行く前に、End of Life Careを行える提供体制の工夫をしなくてはいけません。これは介護保険前にゴールドプランや新ゴールドプランで提供体制を整備したのと同じように、End of life careに向かっては、いきなり報酬とか、基準よりも、勿論、今、なさっている方の努力は高く評価しますが、まずはもう少し戦略的に資源投入をするところからスタートするべきと考えます。
 以上、この3つを整理で申し上げました。

○大森分科会長 今のことですか。どうぞ。

○三上委員 確かに介護と医療の連携が3つあるというのはそのとおりだと思うんですが、現在、入院状態から在宅へ行くというのはもう制度上できているんですね。診療報酬の介護支援連携指導料というのも、入院中に1回300点、退院時にもう1回、2回取れるというものが、今、既にシステムとしてあるんですけれども、これが余り利用されていない。また、退院時共同指導料2のうち、多職種共同によるカンファレンス等を行う指導加算も2,000点という非常に高い点数があるのにもかかわらず、活用されていないという状況がある。この大きな理由は、1つは、退院後の受皿である、在宅医療を支える診療所なり、中小病院のようなところへの共同利用の配分というのが、最近少しされているんですけれども、それが十分啓発されていない、知られていないということが1つあると思います。
 それと、2つ目の在宅における要介護者の医療サービスについては、前回、池田委員が指摘されたように、自宅と、自宅以外の在宅という、在宅の概念が少しあいまいなところがあるんですけれども、それについての整理が是非必要だと思います。
 それから、もう一つ、看取りの問題については、資料にも出ておりますけれども、日本における、最終的に自宅で看取るということについて、最近の日本人が慣れていないという状況の中で、療養は最後まで自宅でするけれども、自宅での看取りを強要しないという考え方をしていかないと、自宅での看取りだけを評価するという形になると、なかなか進まないんではないかと思います。
 以上です。

○大森分科会長 それでは、ステージを変えますので、5分ほど休憩させていただきます。

(休  憩)

○大森分科会長 それでは、再開をさせていただきます。
 介護保険施設につきまして、今日、お3方がお出でくださっていますので、まず、お3方からお話を伺いたいと思います。最初は、全国個室ユニット型施設推進協議会の諸隈正剛さんでございます。2人目は、全国有料老人ホーム協会の和田四郎さん、3人目が全国特定施設事業者協議会の長田洋さんでございます。お3人の方々、ありがとうございます。恐縮でございます。よろしくお願いします。
 それでは、3人続けまして、各団体10分程度で恐縮ですけれども、お話しいただきます。よろしくお願いいたします。

○宇都宮老人保健課長 済みません。最初に事務局からの説明なんですけれども。事務局の資料説明に引き続いてお願いします。

○大森分科会長 そうでしたか。

○水津高齢者支援課長 それでは、「介護保険施設について」、資料2−1でございます。
 1ページが「介護保険施設等の概要」。
 2ページが基準等を表にしたものでございます。
 3ページですと定員数の推移。
 4ページですと平均の要介護度、施設別にどうかということ。
 それから、5ページが平均在所・在院日数等々をグラフにしたものでございます。
 6ページは「介護保険施設における入・退所者の状況」ということで、特徴的なところを、死亡ということで印がつけてあるということでございます。
 次のページが人数、それから、給付費での施設の占めるシェア、その結果として1人当たりの給付費がどうかというのが下のグラフですが、施設関係は左の方にあるということでございます。
 次の8ページですが、要介護度別の利用者の構成割合でございます。濃い青、橙、水色で要介護3より重い方でございます。ここにある中では、特別養護老人ホームが要介護度の重い方が一番多いということです。別の見方として、重度化していくべきということで、平成26年度には、介護保険3施設で要介護4〜5の方が7割というのを国の目標として定めております。それに照らすと、介護養護老人福祉施設、特養でも現状はこの程度だという見方もあると思います。
 それから、特養でございますが、10ページ、何回もごらんいただいているものでございますが、申込者42万という数、それから、特に在宅で要介護度4〜5の方であれば6.7万人が緊急に入所が必要と思われる方と、そういった数字でございます。
 11ページが、21〜23年度の3か年間の16万床の目標に対して、現時点で22年度まで8.7万人分の基盤整備がなされているということ。12ページがその内訳、13ページがスキームですが、1点説明させていただきますと、22年度補正予算、水色の部分ですが、ここで1床当たりの単価を小規模特養等につきまして、更にアップをして、施設整備の促進方に努力をしているということでございます。
 それから、14ページ以降が医療提供体制、あるいは医師配置関係の資料が幾つかございます。14ページが痰の吸引なり、胃ろう・経鼻経管栄養を初めとする処置について、必要な方の割合。
 それから、15ページが、特に夜間どうかということを中心として、それぞれの人数を実数で書いたものでございます。
 それから、16ページですけれども、特別養護老人ホームですと、嘱託医、非常勤が91.4%ということで、非常に多いということでございます。それから、平均の勤務状況として、8.53日、5〜10日のところが一番多いということです。
 それから、診察回数ですけれども、定期的なものであれば、特養ですと、1か月のうち3回未満で6割ぐらい、老健ですと5割ぐらいということでございます。
 服薬ですけれども、下のグラフを見た方がおわかりいただけると思うんですが、施設ごとに比較しているんですが、特に有料老人ホームの場合、服薬が7〜9とか、10種類以上とか、ここが割と多い。医師配置が求められていない医療老人ホームで薬の数が多いという特徴があるということです。
 次のページはイメージ図でございます。医師配置のあり・なし、あるいは給付調整の緩い・厳しい。
 次のページも同様ですが、特養、老人保健施設、介護療養型医療施設を比較しまして、介護保険、医療保険でどういうふうに給付がされるかというイメージ図でございます。
 次が個室ユニットの関係、あるいは施設内ケアマネの関係でございます。御参考としてですが、介護保険部会で昨年まとめられた意見の中に、1つは、多床室の給付範囲の見直しについて定められているということ、もう一つは、施設のケアマネージャーの役割について位置づけを明確化すべきではないかと。逆に言うと、現状が不明確である。いずれにしても御議論いただくとすれば、介護給付費分科会基準なり、方針なりの関係になるんだろうと思います。
 次のページは、昨年の9月にまとめていただいた一部ユニット型施設についての審議のとりまとめでございます。基本的な考え方にありますように、当座、計画中、建築中の多床室についてはやむを得ないが、新設については、基本的には多床室でなくユニット型を整備すべきということ。
 それから、特に分科会関係として御議論いただかなければ前に進まない話といたしまして、2の(マル1)にありますような、地域主権改革法、第1次が成立しましたが、それに伴いまして省令を定める際、居室定員1名を参酌標準、参酌すべき基準になりましたので、定めることを検討すべきであるということ。
 それから、(マル3)にありますように、ユニット型施設の整備推進の方針を踏まえた介護報酬を検討すべきということ。
 それから、4にありますように、今後の検討項目ということで、人員配置、ユニットの定員数、こういったことも書かれております。
 次から2枚ほど、先ほどありました特養施設のケアマネ、あるいはその相談員等々の役割、現状について、規定がどうなっているかということを付けてございます。
 それから、25ページがユニットの現状でございます。特養ですと、定員ベースで2割ちょっとということです。
 次のページが、ここ1年ぐらいでいろいろな取組みをしております。1つ目は、去年、分科会にかけて御承認いただきました居室面積を下げるということ。それから、予算の方でも、改修をする場合に、ユニット型について単価をアップするということ。それから、次の点は、社会福祉法人がいわば持ち出しで低所得者に対する入所負担、個室ユニットについて軽減する措置ですが、一番下にありますように、生活保護受給者の個室の居住費に係る利用者負担についても今年度の予算で軽減の対象としたということでございます。
 次から3ページほどは居室費のものですけれども、特に28ページをごらんいただくと、緑色の部分が居室費相当ですけれども、ユニット型個室の居室費が大きい。多床室の方はそれが小さいというのはあります。
 それから、29ページは、特に右側の多床室の室料の部分が施設介護サービス費に抱合されているような形になっていて、従来型個室と比べても報酬が高いということがあるということです。
 以上踏まえますと、「主な論点」として、内容は多岐にわたると思うんですが、大くくりにしますと、30ページにありますように、特養における医療提供、ケアマネージャーの在り方、それから、2つ目が個室ユニット推進方策ということかと思います。
 老人保健施設は後ほど宇都宮課長から説明しますので飛ばしていただいて、今日お越しいただいております有料老人ホームや特定施設の関係ですが、52ページになります。52ページは特定施設入居者生活介護の基本的な概要でございます。
 それから、次のページが報酬の比較でございます。下から2番目ないしは一番下の特定施設入居者生活介護、薄いピンクの線になろうと思いますが、こちらが特定施設の報酬でございます。
 それから、後ほども事業者団体の方からお話があると思いますが、54ページでございますけれども、「新成長戦略実現に向けた3段構えの経済対策」の参考資料として、引き続き検討しなさいと宿題になっているような話がございます。内容は、特定施設短期入所者生活介護の短期利用の解禁ということで、特定施設をショートにうまく活用していくという話でございます。
 この場合に、下の55ページになりますが、基準の関係で、特養と特定施設と、それから、ショートステイを並べております。基本的にはかなり似通ったところが多いんですが、違いは医師の配置です。特養と、それから、恐らく特養に準じて基準をつくったということだと思うんですけれども、ショートステイにつきましては、非常勤可ですけれども、医師配置が求められているのに対して、特定施設は求められていないという違いがあるということです。
 次の56ページですけれども、特別養護老人ホームについてショートステイの指定を取るときに特例が認められております。どういう特例かといいますと、上の方が従業員の員数ということで、いわば特別養護老人ホームの従業員と併任を認めるという内容。
 それから、下の方が施設等ということで、こちらについては、特別養護老人ホームの施設とショートステイとして指定を取る場合の施設を併用を認めるということです。特定施設についても何か対応するとすればこういうことになるとは思うんですが、前のページでごらんいただいたように、医師配置のところが1つ論点になるのかなと。特養の方でも医療提供体制の在り方を論点としておりますので、そこはある程度共通するところがあるのかなと思います。
 それから、「主な論点」は、1として、医療提供の在り方。今、申し上げた点もありますけれども、そのほか、事業者団体の方から加算等々を中心としてお話がこの後あろうかと思います。
 それから、2点目は、今ほど申し上げた、空室があるんだったら、それを短期利用するような工夫をしたらどうかということでございます。
 以上です。

○宇都宮老人保健課長 続きまして、前後して申し訳ないんですが、この資料の32枚目、33枚目のスライドをごらんいただきたいと思います。「介護老人保健施設について」でございます。
 介護老人保健施設につきましては、「その者の居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない。」と、下線を引いてございますが、そのような基本方針が定められてございます。そこで今回、在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設、あるいはリハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設という点について、主にごらんいただきたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして、34枚目、35枚目のスライドは、先ほどもごらんいただいたものと同じでございます。
 続いて36枚目でございますが、これは、入所していらっしゃる方の見通しを踏まえて、施設側が最も適切と考える今後の療養・生活の場ということでございまして、介護老人保健施設の従来型のところをごらんいただきたいと思います。赤い点線で囲んでございます。このピンク色の部分が介護老人保健施設がふさわしいということでございますけれども、従来型の老健の場合、入っていらっしゃる方がその老健がふさわしいというふうに、これは本人の希望ではなくて、施設側の判断、評価ということで、29.5%しかいらっしゃらない。その隣の紫色のところでございますが、むしろ特養の方がふさわしいという方が40%いらっしゃるということでございます。
 その下でございますが、介護老人保健施設におけるリハビリテーションの提供について書いてございます。済みません、ここで訂正でございますが、注1に平成12年3月31日と書いてございますが、これは平成11年の間違いでございます。注1は平成11年3月31日の厚生省令でございます。訂正をお願いいたします。
 続いて38枚目でございますけれども、老健施設のリハビリテーション職種の配置について書いてございます。
 その下が、短期集中リハビリテーション実施加算の算定状況でございます。
 その次、40枚目でございますけれども、老健施設の在所日数ということで、調査対象の施設に入所していらっしゃった方々の在所日数の中央値は358日でございましたけれども、この棒グラフは施設ごとの在所日数の中央値を示してございます。358日と申しますと、ほぼ1年でございますけれども、その1年を超える施設が非常に多いという状況でございました。
 その下、退所の状況についてでございますけれども、老健施設から退所した方の施設定員に占める割合が一月当たり10%未満という施設が約7割を占めているということでございました。
 次のページでございます。介護老人保健施設から、今度は自宅へ退所した方の施設定員に占める割合は、一月当たり3%未満という施設が約8割を占めたということでございます。
 その下の(マル3)でございますが、今度は、介護保険施設から退所した方を分母としまして、退所先をごらんいただきますと、約半分が医療機関でございまして、自宅は約4分の1程度という状況でございました。
 続いて、44枚目のスライドでございますが、退所者に占める自宅への退所者の割合が0〜1%という施設が19%あったということでございますけれども、30%以上50%未満は16%、50%以上の施設は8%ということでございました。
 なお、その下の(マル5)でございますけれども、それぞれの加算におきまして、在宅復帰率が30%以上、あるいは50%以上であれば、これらの点数が算定できるということでございますけれども、それぞれの算定事業所数は非常に少ないという状況がおわかりになると思います。
 次の46枚目でございますけれども、老健施設から退所する際の連携の評価。
 それから、47枚目は、老健施設の医療保険との給付調整のイメージでございます。一般的な検査、処置等については、介護保険の基本施設サービス費に包括されているということで、医療保険からは給付されないということがございます。
 次の48枚目でございますが、緊急時の医療の評価につきましては、このような評価がございます。
 「主な論点」といたしましては、老健施設における在宅復帰・在宅療養支援機能を高める方策について、それから、老健施設における医療提供の在り方について、論点として挙げさせていただいております。
 以上でございます。

○大森分科会長 失礼しました。それでは、早速ですけれども、諸隈さんからお願いいたします。

○諸隈意見陳述人 私は、全国個室ユニット型施設推進協議会の副会長の諸隈でございます。
 私たちの協議会は、平成17年8月に全国新型特養推進協議会の名称でスタートして、22年10月、現在の名称に変更しております。一般社団法人の資格も取得しております。スタート時の会員は100足らずでしたが、現在は300、会員数は増加しております。会員数の増加に伴いまして、組織の活動も充実しつつあり、特に最近は研修に力を入れているところでございます。
 私は医者でございまして、今日の医療と介護の連携ということに関連しまして、一、二、若いころのエピソードを言って話を始めたいと思います。
 私は、診療所時代、午後とか夕方、ときどき往診もしておりました。今日の看取りの話ですけれども、あの時分は私も若かったせいでしょう、今晩亡くなられるかなと思ったときは、夕方、その患家に行って、泊まり込みで診ておりました。親類の方がいっぱい集まって、たまには茶碗酒ぐらい飲んで談笑しておられる、そういう雰囲気でございました。何かあったら起こしてねと言って、ふすまの隣で寝ているということもありました。
 それから、特養の思い立ちですが、もともと私の父も脳卒中で10年近く寝たきりで、母親が大分苦労していたということは知っておりまして、私が医者になって、往診先の息子さんは昼間は勤めに出る、お嫁さんもパートで出る、お孫さんは学校に行っている。いわゆる昼間の独居老人ですね。全く寝たきりの人がだれもいないところにいる。私が往診して、例えば、薬をやったり、血圧を測ったりして、どれだけこの人たちの支えになるかということが気になっておりました。佐賀県は7つ市があるんですが、当時特養は、私の市ともう一つの市がない状況でございまして、特養を思い立ったということです。
 個人的な話はこれくらいにしまして、皆さんの手元にわたっていると思います我々の意見書について説明させていただきます。
 「1)サービスの質の向上に向けた配置職員の評価」と書いておりますが、その下に、入居者10人当たりの看護・介護職員数、それから、看護職員、介護職員が括弧の中に書いてあります。介護職員は10人当たり、ユニット型では5.37人、従来型は4.0人でございます。
 3枚目の表をごらんください。これは福祉医療機構が21年度の特養の経営実態を調べたものでございます。上に区分、右側に従来型、ユニット型と書いてあります。縦に、機能性、従事者の状況、収支の状況、財務の状況となっております。これをみんな説明するには時間が足りませんので、ポイントだけを言わせていただきます。
 機能性の欄の下から2番目、定員1人当たり事業活動収入は、従来型よりもユニット型の方が多うございます。利用者と利用料収入も、14.8%と23.8%ですから、私たちの方が明らかに多うございます。個室ユニット型は居住費を標準単価6万円と決めてあるのに対し、従来型は水道・光熱費だけを自己負担されておりますので、1〜1.5万円、その差、約4.5〜5万円ほどの収入の差ということでございます。
 収支の状況の下から2番目、従事者1人当たり人件費というところを見てください。従来型は年間401万円でございます。私たちは360万4,000円。大体10%ほど我々の方が給料を安く支払っていることになります。
 2つ飛ばして、事業活動収入対経常収支差額比率が、普通に言う剰余金といいますか、利益といいますか、そういうところに相当しますが、これは従来型が8.1%、我々は7.7%です。
 次のページの介護職員処遇改善交付金(平成21年度分)の推定も福祉医療機構の調査で、「WAM」の3月号に書いてあるところです。介護保険収入が1施設当たりの収入が従来型では2億6,900万、それの0.9程度ですから、自己負担を引いた介護報酬そのものです。介護保険から支払われる。それに交付率を2.5%掛けて、これは4か月分ですから、12分の4として、交付金額が201万9,000円になっております。これを、下の欄ですが、介護職員数31.3で割って、従来型は1月当たり1万6,126円でございます。
 同じような計算をしまして、個室ユニット型は38.5人の介護職員でありますので、介護職員1人当たり月額は1万2,487円になっております。この比率は、従来型の77%に相当します。
 もう一つ考えますと、特養を経営するに当たりまして、土地代、設備、イニシャルコスト、その他いろいろかかります。それから、介護職員でなくても、事務も厨房も職員はおります。そういうのを抜きにした数字なんです。介護職員をいかに評価しておられるか、個室ユニット型は従来型に比べて77%に見られているんだということでございます。
 次の要望に移りますが、個室ユニット型を厚労省としても非常に推薦していただいておりますが、なお一層、インセンティブが働くような介護報酬単価を決めてほしいと思います。個室ユニット型は決して余分に職員を雇っているということではございません。個室ユニット型のケアを提供するには少なくとも入居者10人当たりの介護職員が5.37人は必要だということを御理解いただきたいと思います。
 次に、個室ユニット型における医療サービスの在り方について御要望いたします。非常に重度化が進んでおります。その対応として、非常勤医師の診療日数が、1日か、多くても2日、それから、看護師は定員3名ですが、実際は5名ぐらいが平均だろうと思います。そういうときに、ターミナル、あるいは重度化したときに、非常に医療提供が手薄いという感じがいたしております。
 最近、こういう例がございました。ターミナル期になっておられる家族の人に、どうしますかと、病院に行って濃厚な治療というか、言葉は悪いですが、どうせ先がというような感じで、特養で看取りをすることを納得されました。しかし、看護師が、その後、「私たち夜はいませんものね」とか言ったものですから、その御家族の方は、やはり病院に送ってくださいということでした。
 家族は、特養で最後を迎えたいという希望者は結構多うございます。それから、職員も、今までみてきた人たちを最後に投げ出すというか、何か後ろめたい気持ちがあると思います。そういうことで、是非、在宅支援診療所とか、訪問看護ステーションの看護師さんたちに、在宅におられるような支援を、新型特養にもできるようにしてほしいと思います。
 このことは特養で、在宅の看取りに近いことが出来るということです。病院・診療所で亡くなっておられる方が82.6%、介護保険施設で亡くなっている方が4.5%、在宅11.7%ですが、介護保険施設で亡くなられる方の8割ぐらいは病院に移って亡くなっております。人間関係も職員とできており、個室ユニットは家のつくりとしてはそんなに自宅と変わらない。そんなに広くはないんですが、ちゃんとしております。そういうところでしっかり看取られるようなことをお願いしたいと思います。
 それから、これは言っていいかどうかわかりませんけれども、特養に入っておられる高齢者も、医療保険の被保険者なんです。施設に入ったから原則嘱託医だけしか診られないというのは、権利を抑制されているんではないかと思ったりしております。
 あと、もう時間がないと思いますが、このごろ聞いた講演を紹介して話を終わりたいと思うんですが、この講演者は、自殺を未然に防ごうと電話相談などに応じているNPO法人自殺防止ネットワーク「風」に参加されている住職さんでした。仏教というのは他人を救うことを基本と話されました。そして、自分自身が充実して幸せでないと本当に相手を思いやることはできないし、決められた以上のサービスはできない。少なくとも自分は不幸ではないという立場で利用者と関わっていくことが大切と話されました。そして、マザー・テレサのマザーハウスの家の壁に日本語でこう書いてあるそうです。「裸の人には衣服だけでなく、人間としての尊厳を着せてあげましょう」と書いてあるそうです。是非こういうふうな施設に個室ユニット型はなっていきたいと思っております。
 1つ、わかりやすく、個室ユニット型のエピソードを話したいと思います。まだうちの施設は5年目に入ったくらいですが、福岡のある大きな会社の幹部までなられた方ですが、奥さんに先立たれてひとり暮らしをされていて、食事とかが余り十分でなかったと思うんですが、体力が弱られて、半分寝たきり状態になられた。たまたまうちの施設に入られて、食事は3度3度きちんと食べられるし、かなり元気になられて、歩行器を使いながら施設内を1日に10回ぐらいは歩かれるように体力が回復されました。その時分になると、昔勤めておられた同僚たちがときどき遊びに来て、部屋ではたまには酒も飲んだりして談笑されていたそうです。個室ユニットでは、家族だけでなく、面会者が非常に多うございます。ここが個室ユニット型の大きな特徴だろうと思います。
 最後にもう一回、「裸の人には衣服だけでなく、人間としての尊厳を着せてあげましょう」。
 以上で終わります。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 それでは、続いて和田さん、お願いします。

○和田意見陳述人 全国有料老人ホーム協会の和田と申します。よろしくお願いいたします。
 私どもの協会から、本日、4点要望させていただきます。
 お手元の資料2ページ目に、まず、有料老人ホーム協会を簡単に御説明させていただきます。「有料老人ホーム入居者の保護」と「事業の健全な発展」を目的にして、昭和57年に設立され、30年を迎えます。老人福祉法第30条に規定されている法定法人で、現在、302法人、630ホームが加盟しております。表にありますように、消費者向け事業、入居者向け事業、事業者向け事業と、大きく3つの柱を持って活動しております。
 次の3ページ目に、そのうちの入居者向け事業、大きなポイントとして入居者基金制度を実施しております。万が一、私どもに加盟しているホームの事業者が倒産等した場合、御入居者が退去せざるを得なくなった場合の入居者保護として、500万円の終身金銭保証制度を平成3年より実施しております。現在、約3万名の方の保証をしております。それから、入居者支援制度ということで、今回の東日本大震災でも発動しております。一番下に書いてありますが、本協会、私どもの有料老人ホーム協会は、こうした事業活動を背景に、更なる高齢者の福祉の増進を図るべく、公益社団法人化を現在目指しております。
 4つの要望ですけれども、まず4ページ目、要望の1点です。「介護予防特定施設におけるサービスの共通化を。」とお願いしております。介護予防サービスについては一定の効果があらわれております。事業の基本スキームというものは維持されるべきではないか。そして、厚生労働省におきまして、昨年秋、要支援者に対するサービスにつきまして、自治体が独自に、1つは介護保険制度による予防給付、もう一つは介護予防日常生活支援総合事業のいずれかを選択できるようにされました。
 一方、介護予防特定施設利用者の中にはホームが所在している自治体以外からの転入者もおります。そのため、居住地特例ですけれども、2を選択した、つまり、日常生活支援総合事業を選択した自治体からの転入者につきましては、介護予防特定施設の給付が行えないということで、日常生活上の支援に支障を来すということもあり得ると思います。したがいまして、介護予防特定施設に入居される入居者につきましては、住所地特例対象者であっても介護予防特定施設の給付を認めていただきたい。これが1点目です。
 2点目は、「混合型特定施設に対する総量規制廃止を。」とお願いしたいと思います。平成18年3月31日付の三位一体法改革成立によって、混合型特定施設に対しましては、自治体に指定拒否権限が付与されました。この規制が続いた結果、右下の表にありますように、住宅型有料老人ホームが非常に増えております。これはやむを得ない事情だと思います。この規制が続いた結果、全国の届出有料老人ホームのうちの5割強が現在、住宅型老人ホームとなっております。これまでの内閣府行政刷新会議の提言等にもかかわらず、総量規制は廃止されるどころか、市町村の一部からは、特定施設に対する強い拒否感が示されております。民間事業の競争に対する事業規制であるということもありまして、自立者・要介護者のそれぞれ住み替え先であります私どもの介護付有料老人ホームは、既に25万人の市場を確立しております。ニーズが非常に高まっております。このような規制緩和に逆行した政策につきましては、速やかに転換をしていただきたいということです。
 それから、3点目は「サービス提供の実態に応じた加算報酬の増設」をお願いしたいと思います。まず、基本方針につきましては、私どもとしては、財政上の問題もいろいろあろうと思います。少なくとも現状維持をお願いしたい。
 そして、処遇改善交付金につきましては、私も一事業者であります。職員の定着率等にも寄与しております。その導入時の趣旨に鑑みて、維持していただきたいということです。
 そして、肝心の加算報酬ですけれども、現在の特定施設では医療ニーズの高い利用者や認知症の利用者を受け入れるケースが急増しています。これからも増えてくると思います。施設系であります介護老人福祉施設や介護老人保健施設では、多種の加算が設置されています。ほぼ同じようなサービスをしております、職員の確保と処遇の観点からも、初期加算、看取り介護加算などの加算報酬の増設について御検討をお願いしたいと思います。
 そして、最後に4点目です。「介護職員が適正に医療処置を行える環境整備を。」ということで、まさに医療、看護、介護の連携ということもあります。特定施設におきまして、医療ニーズの高い入居者の終身の住まいとして、日常的な医療処置は必須の行為となっておりますが、看護師の医療処置実施につきましては、範囲等が明確になっておりません。
 都道府県ごとに定められております「有料老人ホーム設置運営指導指針」では、私どもの看護師の業務内容を大きく3つ挙げられております。1つは日常の健康管理、2つ目は急病時の初期処置、3つ目は入居者が医療を必要とする場合の医療機関との連携となっております。介護老人福祉施設のように勤務医配置がありません。協力医療機関の医師の口頭指示に基づいて処置が行われているのが実態であります。医師の指示の在り方、事故発生時の責任、診療報酬上の評価等を明確にしていただいて、ホームの看護師が安心して業務を実施できるよう、法令上の適切な環境の整備をお願いしたいと思います。
 以上4点です。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 では、長田さん、お願いします。

○長田意見陳述人 続きまして、全国特定施設事業者協議会、特定協の事務局長を務めております長田より御説明申し上げます。
 本日は事業者の意見を聞いていただくこのような場を頂戴し、誠に感謝申し上げます。早速、説明に入らせていただきます。
 表紙をおめくりいただき、1ページをご覧ください。全国特定施設事業者協議会は、会員数全国404法人、会員が運営する施設数は1,288施設となっております。施設数では全国の特定施設の約4割を組織しております。昨年度まで任意団体であり、特定施設事業者連絡協議会と称しておりましたが、本年4月に一般社団法人化しております。活動内容は、特定施設に係る調査研究や法令遵守の事業者支援、介護従事者の定着率の向上のための事業、研修、情報交換会の開催などを実施しております。
 続いて、2ページをごらんください。特定施設の性格についてまとめております。特定施設は、早めの住み替えから介護が必要になっての住み替えまで、多様なニーズに対応してまいりました。有料老人ホーム、高専賃、ケアハウスなどの多様な住まいの入居者に対する介護サービスとして発展してきております。介護、看護、機能訓練、ケアプラン作成などの職員が連携、共同で24時間、ケアプランに基づく介護や、緊急時等の随時の介護を包括的・複合的に提供するサービスとして位置づけられております。今回の制度改正では、サービス付高齢者向け住宅と定時巡回・随時対応型訪問介護・看護の組み合わせが注目されておりますが、特定施設は既に同様のサービスを制度化していただいております。
 下の図表では、平成23年1月時点ですが、半数以上の施設が95%以上の入居率となっております。資料はお出ししませんでしたが、入居を申し込まれている方の数も1施設当たり平均15.2人となっております。すべてが待機者というわけではありませんが、高いニーズがあると考えております。要介護度分布や認知症の方の割合は以下の表のとおりです。
 3ページをご覧ください。本日は大小6つの要望を申し上げます。1つ目は、介護職員処遇改善交付金の問題です。特定施設入居者生活介護の離職率は介護職員全体よりも相当高く、平成20年の段階では30%以上でありました。これが介護報酬改定及び処遇改善交付金によって徐々に改善してきております。
 4ページをご覧ください。処遇改善交付金の対応状況や給与の引き上げの対象者は図表のとおりです。処遇改善交付金を廃止した場合には、介護職員等の賃金水準の引き下げが懸念されます。震災対応を含めて厳しい財政状況の中ではありますが、処遇改善交付金に見合うだけの介護報酬の増額をお願い申し上げます。
 5ページをご覧ください。2点目の要望は、都市部における地域区分単価の引き上げのお願いです。介護職員の処遇改善が1つの目的であった前回改定において、特定施設やグループホームの都市部の地域区分単価は逆に引き下げられています。これは地域区分単価設定上の人件費比率が従来60%であったものが45%に分類されたからです。45%は施設事業全体の収入を分母に算出された模様ですが、この分母には介護報酬に関係のない家賃や食費などが含まれています。
 6ページ目をご覧ください。特定協において介護収入に占める人件費比率を調べたところ、平均で約7割となっております。45%とはかけ離れた数値になっております。また、本日資料はお出ししませんでしたが、特定協の独自調査では、特別区の介護職員と、その他地域の介護職員の給与差は1.2〜1.3倍の格差がございます。地域区分単価の設定方法について、是非とも見直しをよろしくお願い申し上げます。
 7ページ目をご覧ください。3点目の要望は、今日の前半にもございましたが、今回の診療報酬との同時改定に当たっての入居者の医療依存度の高まりや看取りに対する評価などのお願いです。左上の図表を見ていただきますと、特定施設の入居直前の居場所は5割は自宅ですが、3割は医療機関からの入居となっております。しかし、左下の図表のとおり、夜間まで看護職員を置いている特定施設は13.2%にとどまっております。また、右上の図表ですが、特定施設の退去者の状況を見ますと、5割以上が死亡による契約終了となっています。その内訳が下の図表ですが、居室での逝去が3分の1、15%は入院期間が3日以内の御逝去となっております。
 8ページ目をご覧ください。右下の図表をご覧いただきますと、看取りへの対応が難しい理由の1番は、「夜間は看護職員がいないから」となっております。こうしたことから、次の対応の検討をお願いしたいと思います。
 (マル1)として、夜勤の看護職員の配置に対する夜間看護体制加算の増額をお願いしたいと思います。
 (マル2)として、しかし、施設で丸抱えで看護職員を配置することはなかなか難しいこともございますので、必要に応じて併設を含む外部事業所からの訪問看護等を使えるようにしていただきたいと思います。現在は急性増悪期や末期がんの御入居者に限って医療保険の訪問看護が使えますが、下の図にありますとおり、特定施設の介護報酬と区分支給限度基準額の間にはまだ差がございますので、この差額分、介護保険の外部サービスが使えるようにしていただくことを検討していただきたいと思います。
 3つ目としまして、各施設の看取りへの取組みを一層進めるため「看取り介護加算」の創設をお願い申し上げます。
 また、前半の医療、介護の連携で保険局の御説明にもありましたが、居宅である特定施設の御入居者への医療的な対応、看取りは、在宅療養支援診療所などによる医学的管理があってこそ実現しておりますので、特定施設入居時等医学総合管理料などによる診療報酬上の評価、維持・向上もお願いしたいと思います。
 続きまして、9ページをご覧ください。少し細かな点になりますが、医療と介護の連携に関する要望です。特定施設入居者が入院し、その入院先から一時特定施設に戻ってこられたときの介護報酬の算定ができるかどうかがあいまいになっております。もし介護報酬が算定できないとなると、家族のいない特定施設でおひとりで生活することは難しいことから、介護報酬を10割負担していただくか、一時帰宅をあきらめることになってしまいます。退院促進のためにも、できる限り住み慣れた住居でお暮らしいただくためにも、居宅介護サービス費などが算定できるように整理をお願いしたいと思います。なお、特定施設から外泊で自宅に戻られたときには、居宅サービス費を算定できることとされておりますので、この考え方とのバランスも御検討いただければと思います。
 10ページ目をご覧ください。先ほど高齢者支援課長の御説明にもございましたが、特定施設の短期利用についての御要望です。地域でお暮らしの高齢者を支えるため、特定施設も地域包括ケアシステムの一員として御活用いただきたく、短期利用を認めていただきたいという要望です。都市部を中心にショートステイの急な利用は難しくなっておりますので、特定施設も介護保険外の自費サービスとして取り組んでいる事業所が2割強ございます。ただ、費用が高額になります。ショートステイの代替として特定施設の空室を地域資源として活用するため、期間を区切って特定施設に入居される場合も特定施設入居者生活介護の介護報酬を算定できるようにしていただきたいと考えます。これは東京都、埼玉県でも御提言されております。先ほど特養のショートステイの考え方が紹介されていましたが、グループホームはグループホームの短期利用という形で制度化されておりますので、グループホームの形式で御検討いただきたいと思っております。
 最後は11ページですが、災害時の対応になります。今回の東日本大震災において、3つの特定施設が津波の被害を受け、現在も施設全体が避難生活を続けられております。特定協では救援物資の御提供だけではなく、会員施設の御協力で1か月半、継続的な人的支援を行いました。また、そのうちの1施設が明日、併設の特養から元のケアハウスのお部屋に引っ越しされるということで、5名の支援スタッフに今日、手伝いに向かっていただいています。一方、3月11日の厚生労働省の事務連絡でわかったのですが、指定基準省令上、特定施設は災害時による定員超過が認められておりません。この事務連絡で初めて認められたことになっておりますので、他のサービスと同様に制度上、定員超過をお認めいただければと存じます。
 以上、6点をお願いいたしました。何とぞ御検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

○大森分科会長 どうもありがとうございました。
 それでは、先ほどの資料の説明と、今のヒアリングで、どなたからでも結構です。
 それでは、中田さんからどうぞ。

○中田委員 今、諸隈先生から個室ユニットの件で御意見をいただきましたけれども、全国老施協として、個室ユニットの推進について御意見させていただきたいと思っています。今日の資料のスライド25ですけれども、「ユニット型施設の施設数・定員数の年次推移」についてという資料が出てございます。平成20年の段階で個室ユニットは定員数の21.2%しか整備されていないという数字が出てございます。これは特養入所希望者の42万に対して、結局、特養の整備が進んでいないということの数字ではないかと私は思ってございます。第3期の介護保険事業計画、18〜20年の3年間で計画が11万5,000人に対して、整備されたのは8万1,000人、整備率が70.4%となってございます。
 スライド12でございますけれども、「介護基盤の緊急整備」の数字が出てございますけれども、第4期、21〜23年の施設経営全体の緊急整備上乗せ分4万人も含めて16万人になってございまして、平成21、22年の2年分で8万7,000人、特養ホームについては2年間で3万8,000人でございます。これでは入所待機者の解消どころか、増加する入所希望者にも対応できないんではないか。待機者が増加する一方ではないかと私は思ってございます。
 個室ユニット化を進めるには、やはり新たな施設整備が進まなければ無理だと思ってございます。改修によるユニット化は、それができる施設は私はそれほど多くないんではないだろうか。なぜかといいますと、入所希望者のデータを見ますと、かなりの部分が多床室を希望している方が多いわけですから、それをあえて改修するということにはならないんではないか。したがって、このことが進まないんではないかと私は思っております。ですから、各自治体が特別養護老人ホームの必要数をきちっと把握して、その整備計画を第5期の介護保険計画に決めて、100%これを実行するんだというふうにしないと、ユニット化は進まないんではないかと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 もう一点、特別養護老人ホームの医療提供の在り方でございますけれども、これは個室ユニットであれ、従来型であれ、入所者の重度化は顕著でございます。今日の資料にも、20年度平均要介護度が3.83と出ていますけれども、これについては、厚労省の介護給付費実態調査、23年の3月分の調査によると、既に3.88になってございます。それから、今日の資料で、要介護4、5の占める割合も65%になってございますけれども、現在は67.8%になっている、重度化が非常に進んでいるということでございます。
 それから、資料スライド14の医療ニーズでございますけれども、痰の吸引が必要な人が5.3%、胃ろう等の経管栄養が9.9%となっております。このように重度化が進みまして、生活関連の医療行為が必要な人が年々増えてきているという実態でございます。今回の介護福祉法の改正でこれらの医療行為について、条件つきでございますけれども、介護福祉士の職務範囲となります。また、研修を受けた介護職員も可能になるということでございまして、特養ホーム等の介護施設、あるいは在宅の医療ニーズを持つ要介護者にとっては大変ありがたいというか、朗報で、評価したいと思っております。
 ただ、問題は、研修体系と、施設等に課される体制への課題であります。余り厳しい基準を設定されますと、事業者側では、介護職員がこれらの医療行為を行えるような体制を取ることよりも、むしろこれらの医療ニーズのある方への介護サービスの提供、受け入れを現状以上にセーブしてしまう恐れがあるんではないだろうかと思っています。安全性を確保することは勿論大切でございますけれども、私は物事にはバランスが必要ではないかと思っておりまして、医療ニーズを持つ要介護高齢者のことを一義に研修体系や実施体制の設定をお願いしたいと思ってございます。
 それと、もう一点ですけれども、医師配置の資料もスライド16に出てございます。特養ホームの医療については、御存じだと思いますけれども、平成23年4月8日、閣議決定された規制制度改革に関わる方針のライフイノベーション分野、特養ホームの医療体制の改善の項目で、特養ホームの医務室において保険請求が可能ということを周知徹底するという方針が出されてございます。今後、医療ニーズの高い要介護者の増加が推測される中で、特養ホームにおける医療、これは医師の保険請求も含めてでございますけれども、どのように構築するかも議論が必要ではないかと思っております。しかしながら、特養ホームの医療の現状というのはさまざまでございまして、なかなか1つの形ではおさめ切れないんではないか。いろいろな選択肢を整えるべきだと思っております。
 それから、最後になりますけれども、木村委員がしょっちゅう御提案していただいてございますけれども、施設におけるケアマネージャーの役割の件でございます。現状では、施設の相談員とケアマネージャーの兼務は認められてございます。そして、実際はケアマネージャーは、相談系の人と、それから、介護職系の人の2つに大別されるわけでございます。専任の人もいれば、兼務の人もいるということでございます。施設サービス計画の重要性を考えた場合、ケアマネージャーの専任の場合、50対1が基本。これを評価するシステムが私は必要だと思いますので、是非御配慮いただきたい。
 以上です。

○大森分科会長 今のは御意見でいいですか。3団体お見えくださっていますけれども、どなたかに御発言いただきますか。よろしいですか。

○中田委員 諸隈先生は昔からの知り合いで、いつもいろいろとお話しさせていただいてございますので結構です。

○大森分科会長 勝田さん、どうぞ。

○勝田委員 介護老人保健施設と特養について、少し意見を述べたいと思いますが、その前に、資料の中で「在宅」という言葉、「自宅」という言葉、「家庭」という言葉、そして「居宅サービス」という言葉があります。先ほど三上委員もおっしゃいましたが、これをどのように使っておられるのか。区分けして使っておられるのか。この調査の資料中でそのように分けられております。例えば、6ページの介護保険施設における入・退所の表にある介護老人保健施設から「家庭」への退所はというのは、2007年は31%、医療機関へは45.3%とあります。2009年では、43ページにありますが、「自宅」へ26%、医療機関へ52%と、このようにいろんな使われ方がされておりますが、今後、統一した使い方をしていただきたいと思います。もし違うような使い方をなさっているんでしたら、それを明らかにしていただきたいと思います。
 また、介護老人保健施設の基本的性格というのは、要介護者が在宅復帰を目指すリハビリテーション施設となっておりますが、在宅復帰よりも医療機関への退所が多い結果となっています。これは39ページにもありますが、短期集中リハビリ実施状況が横ばいとありますが、ここで言うリハビリテーション効果とは具体的にどのようなものなのか。
 45ページには在宅復帰機能支援加算が少ないということもおっしゃっていますが、前回改正時に入りました短期集中リハビリの有効性について、どのようにお考えなのかお示しいただきたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームについてです。先ほど中田委員がおっしゃった部分と重なる部分もありますが、10ページの入所申し込みは42万1,000人、そのうち要介護度4、5が6万7,000人とあります。多くは老老介護の大変な実態があると認識しております。一方、在宅でない人が11万人とありますが、この人たちは一体どこに暮らしていらっしゃるのか。また、6ページの表によります特養の退所理由は63%が死亡とされております。また、14、15ページにおける医療ニーズの問題や医師の配置問題、また、平均、月当たり8.53日となっておりますが、診療回数がゼロというケースも多いわけです。では、63%の亡くなった方々は、やはりだれに看取られることもなく人生を終えていらっしゃるのでしょうか。先ほどターミナルについてはありますが、医療ニーズの中にターミナルケアというものが存在するのかどうなのか。ここの表には全くあらわれておりませんが、そこはどうなっているのか。
 そして、介護基盤の緊急整備についてですが、先ほども中田委員がおっしゃいましたが、23年度までの目標は16万人とあります。12ページには、特養が3万8,000人となっておりますが、要介護度4、5の方々が6万7,000人待機者がいらっしゃるわけですが、では、今年度でその部分ができる見通しがあるのかどうなのか。今、既に各県では第5期の施設整備なりの委員会が開かれておりますが、この場合について、16万床が達成できない部分に上乗せしていくという考え方なのか、是非そのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 関連ですか。どうぞ。

○池田委員 まず、今の勝田さんが、10ページの、うち在宅でない方はどこにいるんだというのがあるんですが、これは厚労省のホームページを見ても細かく中身が出ておりまして、多くは施設、病院、療養病床ということで、一部わからないというのがありますけれども、基本的には他施設、あと、有料老人ホームとか、グループホーム、そういったところに入っているわけで、ケアは受けているということです。
 着目していただきたいのは、要介護4と5の方で、純粋に在宅で待っていらっしゃる方は6万7,000人です。42万人がひとり歩きしているということですよ。では、グループホームや、有料老人ホームや、老人保健施設や、病院の方は退院した後の受皿として特養はありますが、それは考えなければなりませんけれども、他施設の方がなぜ特養に行くんでしょうか。4人部屋の特養のケアが決していいものだとは私は思っておりません。本人が行きたいわけではないんです。安いから家族が行かせたいということだけなんです。
 その前のページを見ていただきたいんですが、スライド8です。介護老人福祉施設、要介護1〜5まで、入所の割合が出ておるんです。何と要介護1がいらっしゃるんですね。2もいらっしゃる。これを合わせると大体7万人です。1と2の方は在宅でケアが十二分に可能な方ですよ。何で施設に行かなければいけないんですか。つまり、机上の計算でいけば、この方たちがもしいなかったらば、6.7万人は全部消えるんです。要介護1と2、認知症で手がかかるという反応が出そうですが、それは全くありません。生活自立度3以上の場合、要介護3になります。3をひっくるめると34.8%ですから、3分の1は要介護3以下です。これは大体15万人になります。入所者の配分といいますか、変なんです。つまり、本当に特別養護老人ホームが必要な方ということでいけば、施設のベッド数は現在足りているはずなんです。増やせばどうなるかというと、軽い人も入れて、増えていく。ここのところは要介護1〜3の介護報酬の問題で政策コントロールできますよという形で考えていかなければいけない。
 それから、個室ユニットの方の話は、私は非常によくわかります。確かに4人部屋と比べて個室ユニットの介護報酬は低いと思います。低い場合、どうするかというと、高くするためにはどこかから持ってこなければいけないということになります。どこかから持っていかなければならないとなると、どこから持ってくるのか、私は大体想定はつきますけれども、そうやって考えると、簡単に言うと、施設をつくりたい人がいます。施設に入れたい人もいます。でも、どこに施設に入りたい人がいるんでしょうか。家族をケアするために施設に入っていらっしゃるとするならば、むしろ、今、国交省と厚生労働省が進めていらっしゃる住宅の整備と巡回介護と通所の組み合わせといった形にいかなければならないわけであって、単純に特養を増やせとか、施設を増やせという議論は、やはりもう一回、もう一回ではない、何回も何回も出てくるんで、そこは本当にその都度、その都度、検討し、考えていかなければいけない問題ではないかと思います。
 以上です。

○大森分科会長 どうぞ。

○山田委員 老人保健施設の立場から今日の資料について意見を述べさせていただきたいと思います。確かに今日お示しいただいた老健のデータは、老人保健施設のある意味での現実、あるいは実態をあらわしていると思っております。ただ、先ほど勝田委員もおっしゃいましたように、このデータを表面的にとらえていただくと、私たち老健の努力が不足しているという思いの方もいらっしゃると思いますので、幾つか私なりの意見を述べさせていただきたいと思います。
 そもそも老人保健施設の施設入所というのは、入院治療をする必要はないけれども、何らかの生活障害があって在宅での自立した生活は困難な人を対象としていたという前提がございます。それに基づいて3つほど意見を言わせていただきたいんです。老人保健施設の医療行為が非常に少ないというスライド35について1つ、言わせていただきたいんですが、この表の項目だけで医療行為全体を評価するのはいかがかと思いますけれども、老健に対する医療行為が少ないのは、1つには、他の施設系と比べて在宅復帰を目指しているという観点もありますけれども、要介護度は低いということもあるでしょう。
 また、もう一つ、老人保健施設には医師が配置され、看護職員、あるいはリハビリテーション専門職が配置されているわけで、ちょっとした病状の変化や、あるいは急変で、急速にADLが悪くなると、これを経験的に一番よく知っているという側面もありますので、早期の医療対応、そして十分な設備の整った、また報酬上も柔軟に対応できる病院に早期に転院し、なるたけ早く心身の回復を図る。そしてADLの低下を極力避けるように心がけるということもあるのではないかと思っています。そういう意味では、病院へ退所しているということは、病院へ行って、さようならということではないんです。表現は悪いんですけれども。病院へ行って治療してもらって、大半は帰ってきているわけですから、そこはやはり考えてから評価していただきたいと思います。
 もう一つ、経管栄養・胃ろうの点ですが、御承知のように、老人保健施設には医師、看護職員、あるいはSTなどのリハビリテーション職種が常勤としておりますので、なるたけ口から食事摂取に努めることが本人の生きる意欲につながるという思いがあります。さまざまな形の試みの中で、胃ろうや経管栄養への移行をぎりぎりまで防止するといいますか、待っているという一面として、経管栄養・胃ろうのある利用者が少ないという結果になっているかもしれません。実際問題として、食事の提供形態でも、十数種類もつくっている施設がいっぱいございます。利用者の嚥下の状態に合わせて食事を提供しているわけで、これも最初から十数種類あったわけではありませんで、なるたけ口から食べていただきたい、それが御本人の自立への意欲の向上につながるという思いで試行錯誤してここまでやってきているわけですので、そういう点も是非考慮して、ここを見ていただきたいと思います。
 もう一つ、施設が最も適切と考えている療養の場が特養である、あるいは老健であるというのは3割弱しかないという衝撃的なデータですが、勿論、それはそのとおり職員は思っているんだろうと思います。そして入所の長期化、在宅復帰率の低下もそのとおりでありますが、私たちが在宅復帰の努力を怠っているわけではありませんので、そこは考えていただきたい。多くの施設の担当者は日夜、利用者のことを一番に考え、懸命に努力しています。
 その証拠に、平成8年には在宅復帰率66.4%という時代もあったわけでありまして、介護保険に入ったときは45%、そして平成15年に39%、平成19年に31%、そして今度、26%というデータが出ております。例えは悪いかもしれませんが、老人保健施設が誕生したのは昭和63年ですけれども、昭和50年代後半に地域の急性期医療を担っていた基幹病院の一般病床が、治療が一通り終わって退院が可能となっても寝たきりになってしまった方で病床を占拠されて、新たな急患を受け入れることができない、これが「社会的入院」という言葉のスタートだったんですが、このときの状況と似たような状況に老人保健施設が置かれているような気もします。
 私たちは、いわゆる通過施設として、あるいは生活機能の維持・回復を図るリハビリテーション施設として社会的使命を果たしたいのですが、現実は、制度の中をスムーズに利用者が移動できない状況にあるために、老人保健施設の長期入所という今日の結果になっているという側面もあるわけで、逆に、本当は老健でのサービス提供を受けたい方が、適切な時期にベッドが埋まっていて入所ができない状況にもなっていると思います。そのために今回提案されている地域包括ケアシステムが1日でも早く現実のものになるように、老健退所後の受皿である在宅支援にも力を入れて、早くこの状況を打開したいと思っていますので、その辺は是非御理解いただきたいと思います。具体的な要望については、後日また文書で提出させていただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 村川先生、どうぞ。

○村川委員 3つの団体の参考人の方々からいろいろと御説明もありましたので、私からお3方に質問申し上げたいと思います。
 まず、全国個室ユニット協議会の諸隈先生から御説明がございまして、私はユニット型において、特に介護職員の配置などで、事実上、入所者2人に対して職員1以上の、大変御努力されているということについては敬意を表する次第でありますし、また、それが成り立ち得る報酬といったこともこれからの課題の1つと思っております。
 もう一つは、御説明の中で、主に従来型と対比される形でいろいろとデータ説明がございました。私としては、高齢の方々が御利用になる社会資源として、従来型、ユニット型、それぞれが成り立ち得る方向を探ってまいりたいという立場でありますが、率直に言って、御説明がほとんどなかった数字のところを質問したいと思います。
 御提出のありました資料の3ページの収支の状況の支出について、減価償却費が従来型と対比された場合にはやや高い形となっておられるわけですが、こういった辺りはどういうことが根拠であるのか。
 それから、もう一つ、財務の状況におきまして、純資産比率がこれまた従来型と対比して、これは逆に少ない形となっております。非常に限られた時点でのデータでありますので、別に文句を言うということではなくて、どういったことが根拠であるのか、その辺は公平性の観点から一定の御説明は必要なのかなということでお伺いしたいわけです。
 次に、有料老人ホーム協会並びに特定施設の協議会に共通の質問としては、そもそも特定施設は特定施設でありまして、制度上、介護保険施設ではないということを十分御理解いただいているのかどうかということを前提として確認させていただきつつ、確かに今後の報酬体系等に対する御要望が幾つかあることは自由な御発言として受け止めるわけですが、それぞれのお立場に共通しております有料老人ホームの在り方として、その経営の御努力というのは、単に介護報酬体系だけに頼るものではなく、それぞれの法人事業者としての一定の自主的な努力、先ほどのユニット型のケアで見れば、介護職員の配置を法人の御判断で手厚くなさるといったことも社会福祉法人等では行われているわけであります。端的に申しますと、看護師等の配置について、報酬等によらず、どのような御努力をこれまでされているのか、いないのか、そういった辺りは1つの客観的なデータとして表明されてもよいのかなという気がいたしますので、お答えいただければと思います。
 その上で、特に和田様に対してもう一つございますのは、御要望の中で、全国の25万人市場を確立している、確かに1つのデータとしてはそういう側面があるわけでありますが現実に有料協の傘下となっておられるのは302法人、630ホームということで、協会としての御努力については私としては評価するものでありますが、何ゆえ協会に未加入の有料老人ホームという実態があるのか、その背景について少し御説明いただきたいと思います。
 それから、もう一つ、長田さんに対する質問といたしまして、特定施設入居者生活介護としていろいろと御努力されている点、あるいはまた今後の運用において、ショートステイ的な利用ということも1つの発想としてはわかります。しかしながら、現実にグループ傘下の有料老人ホーム、ケアハウス、さらに高齢者専用賃貸住宅など、それぞれの置かれた立場の違いがあることから、果たして住宅といった場合にショートステイといったことがなじむのかどうか、その辺りをどのようにお考えを整理されているのか御説明いただければと思います。
 以上です。

○大森分科会長 それでは、簡単で結構でございますので、諸隈さんから。

○諸隈意見陳述人 減価償却費ですが、これは個室ユニット型の施設が平均的に新しいということです。もう一つは、やや広いということだろうと思います。
 それから、純資産比率ですが、総資産の中に自己資本といいますか、法人の実質の比率ですが、これはやはり借金が多いということですね。簡単に言うと、そういうことです。

○大森分科会長 それでは、あとお2方からもお願いできますか。

○和田意見陳述人 まず、有料老人ホーム協会の加盟率について、低いという御指摘は確かだと思います。有料老人ホーム協会がスタートしたころは4割、5割のシェアを持っていました。有料老人ホーム事業がものすごい勢いで増えたことによって、加盟率が相対的に落ちてきている。絶対数としても毎月増えてはいますけれども、全体の伸びがものすごい勢いであるということ。
 それから、協会としては、御入居者保護を前提にしております。法令遵守を含め、ここにあります入居者基金制度をきっちりやっていくというのが、しっかりした有料老人ホーム業界をつくる大きなポイントだと思っています。そのために入会審査は非常に厳しくしております。すべての帳票類、契約書等をチェックして、特に入居者基金制度加入を前提とした場合、いい加減なホームに入って潰れては困るといったところで、毎月厳しい入会審査を行っています。公認会計士の先生だとか、法律の関係の先生だとか、消費者団体の代表の方、そこできっちりやっている中で、それでも毎月7〜10ホームぐらいずつ増えていますけれども、何度も言うようですが、全体の伸びに追いついていないというのが実情です。

○大森分科会長 どうぞ。

○長田意見陳述人 2つ御質問いただきました。1つは、特定施設は介護保険施設ではないということの認識ですが、そのように認識しております。特定施設は住まいに対する介護保険のサービス、居宅サービスだと認識をしております。
 その上で、看護師の配置に関して、介護報酬以外の努力をということですが、確かに3対1基準を超える人員体制を置いている施設では、上乗せ介護費用の徴収が認められております。こうした特定施設において、夜間13.2%もの施設で看護師を配置しているというのは、上乗せ介護費用の徴収などから配置ができているものと考えております。ただし、その分、費用も高額になってまいりますので、今後、それを介護報酬で見るのか、あるいは御提案しました訪問看護を外付けするような形で少しサポートできないかといったことを御検討いただければと思っております。
 もう一つ、ショートステイ、短期利用のお話ですが、確かに先ほども申し上げたとおり、特定施設は住宅であり、施設ではないということもあって、ショートステイがなじむかどうかというのは、各施設それぞれの判断だと思います。しかし、実際に介護保険外の費用で2割ほどの特定施設では取り組んでおりますので、そうしたところが介護保険を使えることでもう少し利用しやすくなれば、地域包括ケアシステムの一助にもなるんではないかという提案でございます。
 以上です。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 時間目いっぱいですので、これでおわりにしたいんですけれども、今日、3人にお出でくださっていますので、3人に特段に御質問があれば伺います。井部さんから。

○井部委員 全国有料老人ホーム協会の説明資料の中で教えていただきたいんですが、7ページに要望の4がございまして、「看護職員が適正に医療処置を行える環境整備を。」と書いてあります。これを読みますと、協力医療機関の医師の口頭の指示だけでいろんな処置が行われていたりするということのように読み取れるんですけれども、それで医師の指示の在り方や事故発生時の責任、診療報酬上の評価を明確にと書いてありますが、現在、どのような実態なのかを教えていただきたいと思います。

○和田意見陳述人 個別のケースはあると思いますが、ファジーな点は正直あります。私の場合ですと、一事業者として、連携している病院との中できっちりやっている。それから、訪問看護だとか、そういったところでやっています。ただ、やむを得ないときとか、御入居者、家族の中で痰の吸引だとか、そういったものを進められているのもあろうかと思います。医療事故だとかがないように、なおかつ安心してできるようにという中での整備ということをお願いしたわけです。

○大森分科会長 よろしいですか。

○井部委員 ここで言います看護師というのは、有料老人ホームが雇用している看護師でしょうか。

○和田意見陳述人 そうです。

○井部委員 その看護師が医療処置などをしているということですね。

○和田意見陳述人 指導指針では、緊急のとき以外、いわゆる日常の健康管理だとか、そういったものは決められています。医療処置には手が出せないことになっていますので、ここについての整備をお願いしたい。これは逆に入居者だとか、家族からの思いもあります。せっかく看護師がいて、そういうバリアがあるということでですね。

○井部委員 ありがとうございました。

○大森分科会長 武久さん。

○武久委員 今日のヒアリングの3名の方はいずれも個室のサービスだと思うんです。中田委員がおっしゃったように、7割の希望者が個室を希望していると。ただ、私どもの卑近な例では、全病棟を個室にして無料にしたところ、4人部屋がいいと言っていた人がみんな個室へ移ってきた。これは池田先生のおっしゃるように、要するに料金の問題なんですね。今、生活保護の方でも、低所得者の方でも、多分、お家では1人の部屋にいられるんですね。施設へ入ったり入院したりすると総室が当たり前だということ自身が、もう既に時代遅れかと思います。
 だから、今、40歳の人が70歳になったときに、今ある個室、4人部屋がどうなるかということも考えて、特に個室ユニットの場合は、国の補助率が非常に低いんです。そこの上で人をたくさん加配するように言われていますから、必然的に高くなる。それで生活保護が入れない。それだったら、生活保護の分は半分は地方公共団体が見るけれども、半分は施設が見ると、そういうような理屈に合わないことが進んでいるわけです。この際、お3人とも個室を推進する立場として、これからの介護施設は個室が基本だと思うんです。これは厚労省老健局もそうおっしゃっていますので、これが安く入れるようにするためにはどういうふうにしたらいいか、御意見があったらお聞きしたいと思います。

○大森分科会長 では、最後にお1人ずつ簡単にお願いしましょうか。

○諸隈意見陳述人 個室ユニットは、そこのユニットで職員が固定されております。例えば、AというユニットとBというユニットがありますと、夜勤はどちらかの職員がAもBのユニットも見る。そうすると、Aの職員がBを見るときに、Bの入居者の状態を余り知らないわけです。それが非常にストレスがかかるということもあります。それから、職員が急に休むようなときに、なかなか代替要員が見つかりにくいわけです。精いっぱいの努力で今のあれです。
 一回、私が個室ユニットに行ったときに、家族の人から質問を受けました。どういう質問かといいますと、職員が少ないんではないかという質問でした。そのときに私は1.7対1ぐらいの職員を配置しておりました。これ以上職員を配置したら施設は倒れるなと思いまして、これは個人の問題ではないから、家族みんなにアンケート調査をして、集まってください、みんなで話し合いましょうということでやりました。そうしたら、我々の立場も家族の方は理解されて、その後は増やすとは言ってくださいませんでした。
 それから、本体の介護報酬をどう安くするか。人数を減らさなければいけないわけです。個室ユニット型の指導というか、規制というか、その辺がちょっと厳しいんではないかと思います。その辺を少し緩めてもらう。これは勿論、我々の希望どおりにはいかないし、厚労省と骨の話をしなければいけないわけですが、もう少し効率化できるかなと。質を落とさずにできる方法はないかとは思っております。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 では、お願いしましょう。

○和田意見陳述人 個室の場合、当然のことながら設備関係の影響が出てくる。部屋の広さとか。それから、安くというか、イニシャルコストを下げるという意味では、今は増えていますけれども、企業の独身寮だとかをどんどん転換していって、介護的な有料老人ホームにしていっている。そういった、まずハードの面での削減。それから、一番大きいのはサービス体制、職員体制。ぎりぎりのところでやっていく。それが当然費用に影響してくると思います。最後は我々有料老人ホーム、民間で言うのもあれですけれども、税制上の優遇だとか、そういったものでやっていく。その3つではないかと思います。

○大森分科会長 長田さん。

○長田意見陳述人 重なりますが、まず1つは、初期費用に関する環境整備を御検討いただきたいと思います。サービス付高齢者向け住宅には、補助金、融資、税制の支援措置がございますが、有料老人ホーム利用権のものには融資、税制がございません。特に公的融資については、応援をいただけると助かると思います。また、ケアハウスの整備というのも公的な補助があってこそだと思います。
 2つ目は、家賃補助のような仕組みを、一定の所得の低い方に御検討いただければと思います。
 3つ目は、量的に拡大することで、民間市場で競争が働くことで家賃の部分が引き下がっているところがございますので、競争が働くような市場環境の整備も御検討いただきたいと思っております。
 以上です。

○大森分科会長 お3人、ありがとうございました。わざわざお出でくださいました。
 一応、これでこの話は終わりにしたいと思います。

○勝田委員 済みません、座長、1つだけお願いがあります。委員が質問したときに、事務方がおられますので、事務方から質問に対する回答をお願いしたい。今回だめなら次回でも結構ですので、よろしくお願いします。

○大森分科会長 勿論、わかりました。
 もう一つ、御報告がございまして、東日本大震災に関わる省令について、お願いします。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。こちらは、5月27日金曜日に官報に掲載された東日本大震災に係る特例省令でございます。
 要介護、あるいは要支援の認定の更新に際する有効期間を延長するというものでございまして、具体的内容は、その2番に書いてございますが、これは誤解を招きそうな表現なので、2枚おめくりいただきまして、3枚目に黒枠で囲ってございます厚生労働省令第66号がございますが、その四角で囲った部分の下の方に、第1号に掲げる期間及び第2号に掲げる期間並びに、その後ろでございますけれども、12か月間までの範囲内で市町村が定める期間を合算して得た期間ということで、12か月間まで市町村の判断で延長することができるという内容でございます。
 1枚目にお戻りいただきまして、対象としましては、平成23年3月11日から24年3月31日までの間に有効期間が満了する被保険者の方となってございます。
 以上でございます。

○大森分科会長 これは特別措置ですので、御報告を伺うということでございます。
 時間いっぱいでございますが、最後に一言でございますけれども、私のところにはいろいろな御要望がたくさんまいります。特にメンバー以外の方々からもいろいろ御注文、御要望がございまして、介護給付費分科会の議論との兼ね合いでいろいろ御要望等、御意見があった場合に、その趣旨について私が判断いたしまして、これは皆さん方の前でお話ししていただいた方がいいんではないかという場合がございます。普通は余りやっていないんですけれども。
 実は、前回の介護給付費部会で池田委員から、NPOに関わって「利益団体」という表現が出まして、これについて、ある団体から私のところへ御要望というか、一種の御批判がございましたので、この御発言について、池田さんから一言コメントをいただきたいと思います。

○池田委員 7時を超えてしまって誠に申し訳ございません。まず、誤解なきようにしていただきたいのは、私は営利を否定するつもりは全くございません。現実に介護保険が始まってから、株式会社を初めとして民間営利団体が大きな力になったし、ケアの手法も開発してきたわけですから、決して営利団体を蔑視した議論ではないということはわかっていただけると思います。
 問題は「NPO系の営利団体は」という表現を取ったことのようです。NPOは非営利団体のことですが、一般的には、社会福祉法人も社会福祉協議会も、医療法人も含めますが、この場合のNPOというのは、特定非営利団体のみならず、社会福祉法人も若干頭の中にあったことは事実であります。営利団体が悪いわけではないと同様に、非営利団体がいいとは限らないということです。
 ちなみに、正確な年数は覚えていないんですが、2004年か2005年ごろ、指定取り消し事業者の一覧表が厚生労働省から発表されております。勿論、件数が一番多いのは営利団体ですが、それは母数が多いからです。それぞれの分母を営利団体、非営利団体、医療法人、そういった形で分けていくと、最も取り消し率が高かったのはどこかといいますと、実はNPOです。これはデータがありますから、いつでも見られます。最近も新しく取り消し事例をずらっと並べたものは出たようですが、団体別の率がわからない、公表されておりませんので、これはやや古いデータになります。
 そういった意味で、私は非営利も営利も侮辱したつもりはございません。ただ、非営利団体が営利団体と同じような形で介護報酬を語るときに非常に危険だなと思ったのは、申し訳ございませんが、NPOは割と零細が多いということです。明らかに介護報酬というのはスケールメリットがあります。つまり、大きくなればなるほど利益率が高まっていくというのは、前回の経営実態調査を見ていただければすぐわかるわけです。したがって、その水準、つまり、零細の水準で介護報酬を納得するものに上げた場合、大手が大変もうかってしまうよということです。その辺の根拠みたいなものを抜きにしてしゃべっているというのは、それは非営利団体の発言でしょうかという疑問を申し上げたということです。
 あとは、若干誤解といいますか、誤認があるようですけれども、私が内部留保について言ったのは大手事業者ではございません。速記録を読んでいただけばわかるように、老施協、すなわち特別養護老人ホームのことを指しております。それと、すべて介護報酬が低いと事業者はおっしゃる。それは利害関係者としては当たり前でしょう。しかし、現実的に収支差というのは経営実態調査でスケールメリットがはっきり出ている。その辺にやや誤認があるようで、その辺はデータに当たっていただきたいと思います。
 以上でございます。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 次回のことについて。

○宇都宮老人保健課長 次回の日程は、決まり次第、御連絡させていただきます。よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 本日はありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。


(了)

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