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2011年5月24日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会議事録

○日時

平成23年5月24日(火)14:00 ~15:31


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

委員

大野委員(部会長)、石井委員、尾崎委員、斉藤委員、佐藤委員、高橋委員、永山委員、廣野委員、松田委員、宮井委員、山内委員、吉成委員、鰐渕委員

事務局

森口基準審査課長、横田課長補佐、茂野課長補佐、猿田課長補佐、浦上専門官

関係省庁

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課農薬対策室 池田専門官、農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課 今村係長

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会」を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中、お集まりいただき、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、由田委員より御欠席なさる旨の御連絡を頂いておりますが、農薬・動物用医薬品部会の委員14名中13名の御出席を頂いており、部会委員総数の過半数に達しておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告いたします。
 では、まず、本年1月に委員の改選がございましたが、高橋委員におかれましては、今回が初めての御出席になりますので、御紹介させていただきます。
 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所上席研究員の高橋委員です。
○高橋委員 動物衛生研究所の高橋と申します。よろしくお願いいたします。
○事務局 それでは、以後の進行につきまして、大野部会長、お願いいたします。
○大野部会長 それでは、議事に入らせて頂きたいと思います。
 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 では、資料の確認をさせていただきます。
 本日お配りいたしました資料は、まず、議事次第が1枚、その次に、配付資料が書いてある一覧がございます。
 その次に、委員名簿と関係省庁の方の出席者名簿を付けてございます。その後に、座席表がございます。
 その後に、本日御審議いただきます5剤につきまして、それぞれ資料1-1、資料1-2というふうに、各2部ずつ資料を添付させて頂いております。
 なお、4番目に動物用医薬品のセファロニウムを御審議いただく予定にしておりましたが、農林水産省より、残留試験の結果について再度整理したい旨の申し出がありましたので、次回以降の部会での審議とさせていただきたく存じます。
 その後に、動物用医薬品の承認申請に係る意見の聴取の取扱いについての資料といたしまして、資料7-1、7-2がございます。
 その後に、平成23年度食品健康影響評価依頼予定物質について、資料8がございます。
 更に、委員の先生、事務局のみにお配りしております資料として、食品衛生分科会における確認事項の横一枚紙がございます。また、右上に「机上配布」と記した動物用医薬品の承認申請に係る意見の聴取の取扱いについての説明資料が1部ございます。
 不足している資料等がございましたら、事務局までお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。皆さん、大丈夫ですね。
 それでは、本日は、ただいま説明がございました農薬について3品目、それから、動物用医薬品について2品目について御審議していただきます。皆さんにおかれましては、あらかじめ資料をお送りして、いろいろコメントを頂いて、修正させていただきました。どうもありがとうございます。
 それでは、議題の第1番目として、食品中の残留農薬等に関わる残留基準の設定についてということで、ジノテフランについて御審議をお願いいたします。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 農薬1剤目、ジノテフランでございます。資料1-1を御覧下さい。
 今回の残留基準値の検討につきましては、農薬取締法に基づく、にら、キウィー等の適用拡大申請に伴う基準値設定について御審議をお願いするものです。
 「1.概要」でございます。本剤は、テトラヒドロフリルメチル基を有するネオニコチノイド系の殺虫剤です。主な作用機序は、神経のシナプス後膜にあるニコチン性アセチルコリン受容体に対するアゴニスト作用によるものと考えられております。
 化学名、構造式及び物性につきましては、御覧のとおりです。
 1枚めくっていただきまして「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。本剤は、国内において、稲、だいず、えだまめ等に農薬登録があります。以下に国内での使用方法を記載しています。今回適用拡大申請がありました作物名、使用方法は四角で囲って示してございます。
 また、本剤は動物用医薬品としても使用されておりまして、(2)にその使用方法を記載しております。(2)は20ページにございます。
 「3.農薬の作物残留試験結果」でございますが、分析対象の化合物はジノテフランです。分析法につきましても、部会審議が3回目でございまして、変更はございませんが、今回、永山先生に確認をしていただきまして、カラム等について、より詳しく記載をさせて頂いております。また、先生方に1週間前にお配りした資料では、定量限界0.01~0.05という記載になってございましたが、今回、検出限界となってございます。これにつきましては、ここで定量限界0.01~0.05に直させて頂きたいと思います。また、今回提出された資料では、えごまの作物残留試験がございまして、えごまにつきましては妨害が多いため、定量限界が0.4ppmとなってございます。
 作物残留試験結果の概要は別紙1にございます。
 また「4.乳汁への移行試験結果」「5.動物用医薬品の残留試験」「6.ADIの評価」には、前回の部会より変更はございません。
 ADIにつきましては、犬を用いた1年間慢性毒性試験の無毒性量を22mg/kg体重/dayを用いまして、0.22mg/kg体重/dayと評価頂いております。
 また「7.諸外国における状況」でございますが、国際基準は設定されていません。米国では、ばれいしょ、ぶどう等に残留基準値が設定されています。
 「8.基準値案」でございます。残留の規制対象をジノテフランとする案としております。
 なお、食品安全委員会による食品健康影響評価においても、農作物中の暴露評価対象物質をジノテフラン(親化合物のみ)と設定しております。
 基準値案は、別紙2のとおりです。国内作残データを基に基準値案を設定いたしました。
 別紙2の基準値案のところで特に御説明させて頂きたい事項がございます。別紙2の1枚目、芽キャベツの基準値につきましては、現行基準が1.4になっております。これは、米国の基準値1.4を参照して現行基準が設定されたものでございます。10月の部会でお示しいたしました農薬の残留基準値を設定する際に海外の基準値を参照とする場合の桁数の取扱いについてに従いまして、最後の数字を四捨五入して基準値を1と変更させていただく案といたしております。
 また、これに従いまして、はくさいにつきましても同様に1.4を1に変更する必要があるのですが、こちらにつきましては芽キャベツと事情が若干異なります。
はくさいは平成22年6月に国内での農薬登録がされました。その際、登録検査に用いられた作物残留試験データの最大残留量は0.54ppmとのことです。そのときには、既に米国の基準値を基に設定されていた1.4ppmの基準値がありましたのでその値を参照し登録されたとのことです。このため、農林水産省より本基準値については1ppmではなく2ppmにできないかとの申し出がございまして、検討いたしました。
 事務局といたしましては、基準値を1.4で維持することは10月部会での取り決めに反することとなり、また、基準値を1としてしまうと国内登録に支障が生じること、それから、作残データが0.5以上であれば、通常、基準値2が設定できることから、作物残留試験結果の0.54ppmにより、基準値を2とする基準値案といたしております。 
また、もう一枚めくっていただきまして、別紙2の2枚目にございますが、みかんの果皮、その他のスパイス(みかんの果皮を除く。)につきましては、今まで、それぞれ基準値を設定していましたが、みかんの果皮は食品分類ではその他のスパイスに分類され、今回、みかんの果皮の作残データにより、まとめてその他のスパイスに基準値を設定する基準値案といたしております。
 今、お示しいたしました基準値案により、推定摂取量を算出いたしましたものが別紙3にございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児でも34.0%のADI占有率になっております。
 最後のページが答申(案)になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございます。
 今、ちょっとわからなかったのですけれども、はくさいについて、1.4を2にするに当たって、1にすると農水で登録が維持できなくなるためというお話がありましたけれども、これはどういうことでしょうか。
○事務局 農林水産省の方から御説明をお願いしたいと思います。
○農林水産省 どのくらいマージンを取るかということと照らし合わせると登録が維持できなくなってしまうという意味でございます。
○大野部会長 マージンが狭くなるからということで。
○農林水産省 はい、そういうことでございます。
○大野部会長 わかりました。
 それでは、順々に御審議をお願いしたいと思います。それでは、まず最初に、化学名、化学構造について、これは前に山添先生によく伺っていたのですけれども、吉成先生に引き継いでいただけますでしょうか。
○吉成委員 特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、適用方法、薬理作用の辺りはいかがでしょうか。佐藤先生、尾崎先生、いかがですか。よろしいですか。
○尾崎委員 はい。
○大野部会長 高橋先生もよろしいでしょうか。
○高橋委員 1つ、言葉なのですけれども、20ページの「動物用医薬品」のところで、「動物体には直接使用しない」という言葉があるのですが、ネコには直接使うので、「食用動物には」という表現の方がよろしいのではないかと思います。例えば、21ページの7番のところには、同じような表現で「食用動物への直接の使用は」とありますけれども、こういう表現に直していただいた方がいいのかなと思います。
○事務局 では、「食用動物には直接使用しない」と直させて頂きたいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、適用方法、薬理作用のところはよろしいですか。
 では、体内動態代謝物については、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 測定対象物質に関係したところでは、これは以前も御審議して頂いて、ジノテフラン単独でよろしいということです。繰り返しになりますけれども、説明させていただきますと、この物質は、構造のニトロが切れたところと、ニトロについては窒素も含めて取れて、酸素に変わったもの。ニトロが取れたのはDNと言っているのですけれども、酸素に変わったところはそういうものと。それから、フラン環が切れたもの。フラン環のところが酸化されたもの、水酸基がついたものと、いろいろできてきます。そのうちメジャーなものは、ここに出ているMNGという、グアニジンのところが残ったものです。ニトロとメチルがついたグアニジンが残ったもの。それから、UFという、さっきの窒素の部分が酸素に変わったものです。それとDGというものがメジャーな代謝物で出てきます。それは食品安全委員会の報告書に書いてあるのですけれども、それらについて残留試験を行っています。その結果、親化合物と比べて相対的に少ない。見たところ、大体10分の1ぐらいだったかなと思います。そういうところで、測定対象物としては親化合物を追跡すれば、代謝物についてはよろしいと思いました。
 そのほかに細かい代謝物も出ていて、中には10%以上を占めるものもありましたけれども、実際の使用条件の下ではそういうふうにはならないだろうと想像されますし、また、なしとりんごでPHPという代謝物ができますけれども、それは抱合体も含めて測っていて、実際、そのものがそれだけ入っているかというのは不明確なところがあります。また、抱合体も含めて入っているということで、PHP自身が非常に抱合されやすいものであるということを考えてみると、メジャーな代謝物以外のものについても特に問題になるものはないだろうと考えました。そういうことで、結論として、親化合物だけを測定対象物とすればよろしいと考えたところです。
 その辺りについて、先生方、何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、毒性について、いかがでしょうか。鰐渕先生、何か意見ございますか。
○鰐渕委員 前回審議していますし、それ以降、新しいデータも出ていますので、これで結構と思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析については先ほど御説明がございましたけれども、再度分析法、それから、食物分析結果、その辺りについて、いかがでしょうか。追加の修正はございませんか。ありがとうございます。
 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りについてはいかがでしょうか。
○永山委員 1点確認させて頂きたいのですが、先ほどはくさいのお話がございましたけれども、1だと幅が狭くなるというお話でしたけれども、1だと次の桁を四捨五入するので、実際には1.4までいけるので、1としたところで1.4との幅の違いというのはあまり考えられないのですけれども、その辺はいかがなのでしょうか。
もっと細かく言えば1.49まで入ってきますけれども、1.4までは一応、1ということで、基準値クリアということになります。先ほど幅のお話をされていたので、摂取量的には問題ないのかもしれませんけれども、そこの確認をさせて頂きたい。
○農林水産省 おそらく、衛生サイドのルールですと、1だと、1の次のところまで四捨五入で1.49ぐらいまでOKだということだと思うのですけれども、登録のときはそういうことはしてはおりません。
○大野部会長 私、今まで、1と決めたら1.1はだめなのかなと思っていたのですけれども、実際にはそうではないのですか。
○永山委員 はい。基準の取扱い上は、通知文に載っておりますけれども、基準値を判断する場合には、測定値の次の桁、基準値の次の桁を四捨五入して基準値と比較して判断をするとなっておりますので、1と1.0は意味が全く違う。1.0の場合は、1.1、つまり、1.04を超えてしまいますと、これは1.1になりますので、基準上、勿論、違反扱いになるわけですけれども、1となりますと次の桁の四捨五入ですので、1.4の場合は次の桁を四捨五入して、それが1を超えているかどうかという判断になりますので、基準値の判断というところからしますと、1という基準値がついていれば1.4はイコールですので、超えていることにはならないという判断になろうかと思います。
○農林水産省 実際、食品中の残留農薬が違反かどうかという判断は多分そちらで運用されていると思うのですが、登録の際にはより厳しく見ていると御理解いただければと思います。
○佐藤委員 よろしいですか。先ほどの事務局の説明ですと、前回は米国の基準を参照して1.4に設定したということですが、実は、日本の作残データがあってそれが0.54ということで、それを基準にすると、2の設定になりますので,それでよろしいのではないかと思います。
○永山委員 私も、そういう説明でしたら、0.5なので、それに対して2という設定をということでしたらば、これは理解できるのですけれども、先ほどは幅のお話だったものですから、確認をさせていただいた次第です。
○農林水産省 済みません。私の言い方がまずかったと思うのですけれども、今、佐藤委員がおっしゃっていただいたように、結局、今のルールでいったら2ということになると思います。インポートトレランスのルールに従えば、多分、1にするのかなと思うのですけれども、これは国内の登録であり、作残がありますので、基準値を2にしていただければと思っております。
○永山委員 要するに、作残データ上、0.54という数字が出ていますので、それを基に基準値案を考えた場合に、2が適当であるという判断になったという理解でよろしいでしょうか。
○農林水産省 そういうことです。
○永山委員 ありがとうございます。
○大野部会長 どうもありがとうございました。1つ教えていただきました。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、全体を通して御意見ございますでしょうか。
 それでは、資料1-1に示されたものについて、20ページの2行目のところで表現が修正されたことと、分析法の概要のところで、検出限界を定量限界にするという変更がございまして、それも併せて、この案をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 どうもありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、農薬のアミトロールについての説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬2剤目、アミトロールでございます。資料2-1を御覧下さい。
 今回の残留基準の検討につきましては、インポートトレランス申請がなされたことに伴い、暫定基準の見直しを含めた基準値の設定でございます。
 本剤は、トリアゾール系除草剤です。カロテノイド生合成阻害作用を有するものと考えられています。
 化学名、構造式等については記載のとおりでございます。
 2ページ目の「2.適用の範囲及び使用方法」でございます。本剤は、国内では農薬登録がなされていません。インポートトレランス申請がなされたカナダにおける使用方法について記載をしております。
 「3.作物残留試験」でございます。分析対象の化合物は親化合物のアミトロールです。分析の方法については、記載のとおりでございます。結果については、別紙1に記載をしております。
 「4.食品安全委員会におけるADIの評価」でございます。ラットの繁殖試験における無毒性量の0.12mg/kg体重/dayを根拠とし、安全係数100で除しまして、ADIは0.0012mg/kg体重/dayとなってございます。
 また、本剤の発がん性についての評価については、次の3ページに記載のとおりでございまして、発生の機序は遺伝毒性メカニズムとは考えがたく、閾値を設定することが可能であるとされております。国際機関や諸外国においても本剤の発がん性については否定をされております。
 「5.諸外国の状況」でございます。JMPRによる毒性評価が行われ、ADIが設定されております。国際基準は、核果類、仁果類等に設定されております。また、諸外国におきましては記載のとおりでございます。
 これらを踏まえました基準値案といたしまして、アミトロールにつきましては、残留の規制対象物質をアミトロールとする案としております。
 食品安全委員会におきましても、農産物中の暴露評価対象物質として、アミトロール(親化合物のみ)を設定しております。
 基準値案でございますが、6ページの別紙2を御覧下さい。国際基準を参照しまして、仁果類、核果類に基準を設定するとともに、不検出基準について見直しを行いました。脚注に記載のあるとおり、個別の基準がない食品については、一律基準の0.01ppmが適用されることになります。
 なお、小麦、大麦等につきましては、申請に当たって提出された植物運命試験において、代謝物の種類や、その生成量について十分な情報が得られていないことから、基準値は設定しないことといたしました。
 これらの案により暴露評価を行いましたものが、次の7ページの別紙3でございます。TMDI試算によりまして、一番高い幼小児で12.1%のADI占有率となっております。
 最後のページが答申(案)となります。
 なお、試験法につきましては、告示から削除し、通知で示すこととなります。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、化学名、適用方法、用量、その辺で御意見ございますでしょうか。吉成先生、よろしいですか。
○吉成委員 名称なのですけれども、トリアゾールの最後のeは要りますか。食品安全委員会の方の名称が正しいのかと思うのですけれども。
○事務局 確認をいたしまして訂正いたします。
○大野部会長 食品安全委員会の方はeがありませんね。では、それを確認してくださるようお願いいたします。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、薬理作用のところで御意見ございますでしょうか。よろしいですか。ほかの先生もよろしいですか。
 それでは、代謝の面では、吉成先生、いかがでしょうか。
○吉成委員 特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 測定対象物質についてですけれども、代謝物Eというのはりんごの中でできているんですけれども、これはアラニンの抱合体でして、毒性は特に問題になるようなものではないと思いました。そういうことで、親化合物のみを測定することは特に問題ないかなと思いました。よろしいでしょうか。
 それでは、毒性の面から、鰐渕先生、いかがでしょうか。
○鰐渕委員 高用量では毒性がいろいろ認められているところはあるんですけれども、低用量に落としていったときに十分そこの部分は補える試験も全部されているということで、食品安全委員会の方では、一応、ADIは設定できるという形を取っています。発がん性に関しても、腫瘍は甲状腺で出ているんですけれども、それに関しても十分メカニズム的に遺伝毒性でない形で証明されているということで、今回はADIの設定は大丈夫だということになっておって、そのとおりだと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 3ページの一番上の行のところで、どこにがんができたとか、そういうことが書いていないですね。それはよろしいですかね。「発がん性については、以下のとおり評価されている。」で、甲状腺の濾胞細胞の腺腫が出るということですね。そこを書かなくていいんですか。後にすぐに甲状腺何とかかんとかと言っているのが、ちょっと飛躍があるかなと思いました。
○鰐渕委員 太字のところがあるんで、まあ、いいかなとは思うんです。
○大野部会長 よろしいですかね。これを読めば、甲状腺に腫瘍が出たということがよくわかりますから。わかりました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。山内先生、お願いします。
○山内委員 毒性の問題というよりは部会案の文章表現について意見があります。ゴシックのところは食品安全委員会からの引用ですよね。
○大野部会長 そうですね。
○山内委員 明朝体のところは部会の案ということなので、ゴシックの下の3行なのですけれども、本剤については、平成17年にポジティブリスト制度が導入されたときには発がん性が疑われていたことから、日本国においては、食品において不検出とされる農薬等の成分と定められていたということですよね。しかし、今回、食品安全委員会での評価がされ、また、国際機関及び諸外国においても本剤の発がん性は否定されているので、部会としてもADIが設定できると考えると表現していただくと、読んだ側はわかりやすいのですが。
○大野部会長 そうですね。
○山内委員 私が今、申し上げたとおりに直していただく必要はありませんが、趣旨をわかりやすく書いていただければ助かります。
○大野部会長 よろしいですか。そのとおりだと思います。これだけ見ると、いつの決定でこうなったのかというのがわからないですね。その経過を若干詳しく書いてつけ加えてください。
○鰐渕委員 今日初めてですね。大丈夫としているのはね。
○大野部会長 そうですね。それでは、そのように修正をお願いいたします。
○事務局 今の意見を踏まえまして訂正させていただきます。
○大野部会長 ほかに安全性とか毒性の面で御意見ございますでしょうか。先ほど、アラニンの抱合体ができているけれども、特に問題ないと私は申し上げましたけれども、この辺は、鰐渕先生、よろしいでしょうか。
○鰐渕委員 化学的には私はあまり詳しくはないのですけれども、毒性試験をした上では大丈夫なので、大丈夫ではないですか。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析法と分析結果、その辺りについて御意見ございますでしょうか。特によろしいですか。
 それでは、基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。山内先生、お願いします。
○山内委員 別紙2のことについて申し上げていいですか。びわとももは0.05が入っていないのですけれども、これはなぜですか。
 あと、もう一点、この注の書き方がちょっとわかりにくいので、最初、499号によっては不検出とされる農薬等の成分である物質として定められていたが、今般の基準値設定によって、6に該当するものとして限度が定められると。併せて、これ以外の食品区分においては、いわゆる一律基準で0.01ppmが適用されるということですよね。定められて「いるが」ではなくて「いたが」になるのではないかと思います。これも若干わかりやすく書き直しをお願いしたいと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 これも先ほどの修正と同じような形で、わかりやすく修正していただけたらと思います。
○山内委員 びわとももは。
○事務局 御指摘の1つ目ですが、びわとももについては、コーデックスの基準と、国内で運用されている基準については検査部位が異なっておりますので、このまま参照することとはせず、基準値を置かない案といたしました。
○山内委員 それならそれで、そのように注書きしていただいたらいかがかと思います。
○事務局 今まで、検査部位が違うものについては、具体的にそのようなことは記載をしていなかったのですが、今後記載が必要でしょうか。
○大野部会長 それでは、説明を受けて理解していただいたということで、もしよろしければ、そのままにしたいと思うのですけれども。
○山内委員 はい、わかりました。
○大野部会長 では、注の下の方は、山内先生のコメントと同じように修正が必要なんですね。修正してくださるようお願いします。
○事務局 わかりました。
○大野部会長 成分規格の6というのは何ですかね。食品一般成分規格の6にと。この報告書の6だと、基準値案という。
○事務局 5が不検出基準のリストが載っているものです。6が、いわゆる本基準になったものが載っているもののリストです。その他に7があって、7は暫定基準が載っているリストになります。
○大野部会長 わかりました。では、その上も、成分規格の5というのもそういう意味ですね。
○事務局 いわゆる告示370号の番号になります。
○大野部会長 わかりました。ありがとうございます。
 ほかの先生、よろしいですか。
 それでは、基準値と国際的整合性についてはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先ほど幾つか修正提案がございまして、それを修正するということで、修正後の細かいところの確認は私がさせていただくということで、この案をこの部会として報告することを認めていただけますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、ベンチアバリカルブイソプロピルについて、説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農薬3剤目、ベンチアバリカルブイソプロピルについて御説明いたします。資料3-1、報告書(案)を御覧下さい。
 本剤につきましては、平成19年に暫定基準の見直しについて、平成21年に適用拡大について、基準値の告示を行っております。今回は新たに、すいか、かぼちゃ、アスパラガスへの適用拡大申請があったことに伴う基準値の設定について御審議いただくものとなりますので、追加になっている部分を中心に説明させていただきます。
 まず、本剤の「1.概要」ですが、本剤は、アミノ酸アミドカーバメート系殺菌剤です。ホスファチジルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼの活性を特異的に低下させて、細胞膜主要構成成分であるホスファチジルコリンの生合成を阻害することによって殺菌作用を示します。
 化学名及び構造式名につきましては、記載のとおりでございます。
 ページをめくって頂いて「2.適用の範囲及び使用方法について」です。今回、適用拡大となっているものは四角で囲っている3ページのすいか、かぼちゃ及びアスパラガスで、これらについて、農林水産省より基準値設定の依頼がなされております。
 次に「3.作物残留試験」ですが、分析対象化合物はベンチアバリカルブイソプロピル、混在物S-L、代謝物M-3になります。分析方法及び検出限界については記載のとおりでございます。
 当該試験法による作物残留試験の結果につきましては、6ページにあります別紙1に記載しております。
 次に、4ページの「4.ADIの評価」でございますが、ラットの繁殖試験の無毒性量に安全係数100を用いまして0.069mg/kg体重/dayという評価になっており、これらについては前回と同様でございます。
 次に「5.諸外国における状況」ですが、コーデックスでは基準が設定されておらず、主要5か国において記載のとおり基準値が設定されております。
 これらを踏まえました「6.基準値案」についてですが、前回同様、規制対象として、ベンチアバリカルブイソプロピルのみとしております。
 なお、食品安全委員会における食品健康影響評価におきましても、暴露評価対象物質として親化合物のみが設定されているところでございます。
 基準値案でございますが、7ページの別紙2を御覧下さい。今回、基準値の設定依頼がありました作物には、登録の有無の欄に「申」の字がついております。まず、アスパラガスについては0.3、かぼちゃについても0.3、すいかについては0.05となっております。
 当該基準値案を踏まえました暴露評価を8ページの別紙3にまとめております。TMDI試算で一番高い幼小児で7.1%となっております。
 最後のページに答申(案)を記載しております。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 これは適用拡大ということで、以前御審議していただいたものですけれども、今、見直してみて、また何かあるかどうか、御意見いただければと思います。
 化学名、構造、適用方法、その辺りでいかがでしょうか。特に問題はございませんか。斉藤先生、お願いします。
○斉藤委員 今、気がついたのですが、大したことではないのですけれども、2の用途殺菌剤のところでアミノ酸「アミドカーバメート」という表現をしてあって、3ページの方の、この前、メールでお聞きしたときのものだと「カルバメート」になっていて、たしかこれも平成18年のこの委員会で、当時、米谷先生が御指摘されて、これにしましょうとなったのがあると思うので、できればその言い方に統一した方がいいのではないかと思います。「カルバマート」もそうですけれども、言い方が幾つかあるので、一応、本委員会で平成18年のときにこれと決めたのであれば、それにした方が今後はよろしいかと思います。
○事務局 御指摘のとおりに、確認して修正いたします。
○大野部会長 では、お願いいたします。ほかに御意見ございますでしょうか。
 薬理作用のところはこれでよろしいですか。
 代謝のところも特に問題ないでしょうか。
 分析対象物質についても、ほとんど親化合物が残留していて、3ページのところで代謝物としてM-3と混在物のS-Lを測っていますけれども、それはごく微量です。実際に測ってみた結果もそういう結果になっています。そういうことで、親化合物を測定対象物質とするという以前の考え方は問題なかったと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、毒性の面で何か追加ございますでしょうか。
○鰐渕委員 特にないです。
○大野部会長 ありがとうございます。
 それでは、分析法と分析結果、その辺りについて、いかがでしょうか。特に追加の御意見ございませんか。ありがとうございます。
 それでは、基準値と国際的整合性というところではいかがでしょうか。山内先生、お願いします。
○山内委員 11ページの答申(案)で「きゅうり(ガーキンを含む。)」と書いてあるんですけれども、ガーキンというのはよくあるのですか、松田先生。
○松田委員 外国にあります。
○山内委員 それはちゃんと含むということで入れると。わかりました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは「carbamate」の日本語表記について確認して頂いて、以前決めた形に修正するということで、そういうことを前提に、このベンチアバリカルブイソプロピルの部会報告(案)をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 それでは、次の品目ですけれども、これからは動物用医薬品ということで、プリフィニウムについて説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、プリフィニウムの部会報告書(案)について説明させていただきます。資料5-1を御覧下さい。
 今般の残留基準の検討でございますが、いわゆる暫定基準の見直しについて御審議をいただくというものでございます。
 「1.概要」の用途につきましては、牛の消化器や尿路系の鎮痙作用等でございます。プリフィニウムは、アトロピン様の副交感神経遮断作用を示す薬剤でございまして、消化管及び尿路系で鎮痙作用、平滑筋の弛緩作用を示すというものでございます。
 日本では、臭化プリフィニウムが牛の消化器疾患及び尿石症に伴う胃腸管、尿路の緊張・痙攣及び疼痛の緩解等を効能・効果とする動物用医薬品として承認されております。また、ヒト用医薬品としても国内外で承認されているものでございます。
 (3)の化学名、(4)の構造式及び物性、(5)の適用方法及び用量につきましては、記載のとおりでございます。
 2ページにまいりまして「2.対象動物における残留試験」、(1)に「分析の概要」をお示ししてございます。この残留試験では、分析対象の化合物は臭化プリフィニウムが測定されております。分析法の概要につきましては、記載のとおりでございます。
 (2)にまいりまして「残留試験結果」でございますけれども、いずれも定量限界未満という結果となっております。
 「3.許容一日摂取量(ADI)評価」でございますけれども、食品安全委員会の評価の結果、イヌの経口投与による1か月間の亜急性毒性試験の結果、最小毒性量が4mg/kg体重/dayとなっておりまして、これを安全係数の1,000で除しましたADI 0.004mg/kg体重/dayが示されております。
 3ページにまいりまして「4.諸外国の状況」でございます。JECFAにおいては、現在、評価はされておりません。また、基準参照国を調査した結果、いずれの国においても残留基準は設定されていなかったところでございます。
 「5.基準値案」でございます。(1)の「残留の規制対象」ですが、実験動物を利用した代謝試験の結果、臭化プリフィニウムはほとんど代謝されず排出されており、また、残留試験で用いられた分析法を見ますと、試料に臭化カリウムを加えて臭化物塩にして測定されており、動物体内においては、通常、プリフィニウムとして存在しているものと考えられることから、残留の規制対象につきましては、プリフィニウムとする案としております。
 基準値案につきましては、別紙1に記載してございます。4ページを御覧下さい。残留が認められなかったという結果から、定量限界値を基に検討しております。ただ、*2のところに注釈を記載しておりますけれども、この残留試験では、臭化プリフィニウムの量が測定されているために、臭化プリフィニウムとプリフィニウムの分子量の比の0.8を乗じまして、プリフィニウムに換算した値を基準値案としてございます。
 3ページにお戻りいただきまして(3)の「暴露評価」でございます。暴露評価の結果につきましては、こちらの表の記載のとおりでございまして、最も高かった幼小児で13.1%の占有率となっております。
 通常、表の下のところに「なお、詳細の暴露評価については別紙2のとおりである。」と、こういった文言を記載しておりましたけれども、今回抜けておりましたので、後ほど追加させていただきます。
 詳細につきましては、5ページの別紙2でございます。
 最後に、7ページに本剤の答申(案)をお示ししてございます。
 事務局からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 これは暫定基準の見直しということです。それでは、化学名、科学構造、その他について、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
○吉成委員 非常に細かくて申し訳ないのですが、英名の最初は大文字で始めるのでしょうか、小文字で始めるのでしょうか。今まではすべて小文字だったかと思うのですけれども、IUPACとCASの間で整合性がないので、どちらかに統一していただければと思います。
○大野部会長 そうですね。それは統一してくださるようお願いします。
○事務局 合わせて修正させていただきます。
○大野部会長 適用方法とか、用量とか、その辺はよろしいでしょうか。動物用医薬品ということですけれども、廣野先生、専門と違いますけれども、よろしいですか。特に問題ありませんか。
○廣野委員 はい。
○大野部会長 薬理作用のところはいかがでしょうか。
○尾崎委員 あらかじめ少し文章を直させていただいたのですけれども、御検討ください。
○大野部会長 そうですね。この後の「臭化物塩の」というところが取れていますね。
○尾崎委員 最初の2行のところについてです。
○大野部会長 ああ、そうですか。いかがでしょうか。若干表現が変わって、私はこの方がよくなったと思っていますけれども。特によろしいですか。
 それでは、代謝の面ではいかがでしょうか。吉成先生、いかがですか。
○吉成委員 親化合物しかほとんど出ませんし、特に問題ないと思います。
○大野部会長 ありがとうございます。
 分析対象物質についても、今、吉成先生がおっしゃったように、ほとんど代謝されないということで、親化合物のみを対象物質とするということでよろしいと思います。
 では、分析法と分析結果について、いかがでしょうか。特に問題ないでしょうか。
 それでは、基準値と国際的整合性、その辺りで御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、全体を通して御意見ございますでしょうか。吉成先生、お願いします。
○吉成委員 3ページの「5.基準値案」の(1)の最後の言葉なのですけれども、規制対象はプリフィニウムでいいのですけれども、「有効成分の」という言葉が入っているのですけれども、そのものですので、なぜ「有効成分の」という言葉が入ったのか、これはなくてもいいのではないかと思います。特に合剤とかではありませんし。
○大野部会長 そうですね。これはなくてもいいところですね。不必要なところは1文字でも削除する、単純化するという原則からすれば、なくてもいいところは削除してもいいかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。では、この「有効成分の」というところを削除ということでよろしいですね。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、今の吉成先生の御指摘による修正と、それから、先ほどの御説明の中で、3ページの表の下に追加の説明がですね。それが入るということで、このプリフィニウムの部会報告(案)をこの部会の報告としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
 次に、クラブラン酸について説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、動物用医薬品2剤目のクラブラン酸について御説明をさせていただきます。こちらは資料6-1をごらんいただければと思います。暫定基準の見直しについて御検討いただくものでございます。
 本剤につきましては、2月10日に開催をされました本部会におきまして御審議をいただいたところでございます。その際に、残留試験に用いられました分析法の妥当性の確認が必要という宿題を頂いていたものでございまして、本日は、この部分について御報告をさせていただくとともに、再度御審議をお願いしたいと考えているところでございます。
 まず、報告書の1ページから簡単に御説明させて頂きますけれども、修正部分が2か所ございます。横に線が引いてあるところでございますけれども、この部分につきましては、前回の部会の御指摘を踏まえて修正をしたところでございます。それ以外は変更ございません。
 2ページ目の下の表をごらんいただければと思います。前回の部会の御指摘でございますけれども、残留試験に用いられました分析法、特に筋肉の定量限界と検出限界がほぼ同じであるということで、データに問題があるのではないかという御指摘を頂いたところでございまして、こちらの試験法の妥当性につきまして確認が必要という御指摘を頂いたところでございます。
 こちらにつきまして、試験法の検証に関するデータを入手いたしまして、斉藤委員、永山委員、松田委員に御確認をお願いしたところでございます。そうしましたところ、定量限界の求め方自体は問題がないと考えられる。それから、検出限界につきましては、この剤につきましては、妨害ピークから求められておりますので、妥当性を欠くのではないかという御回答を頂いております。これを踏まえまして、本剤につきましては、検出限界よりも定量限界の方が妥当性があるということで、こちらに基づきまして残留基準を設定してはどうかと考えているところでございます。
 それから、もう一つ、2月10日の部会におきまして、基準値案といたしまして、事務局から定量限界の2倍の値を御提案させていただいたところでございます。こちらにつきましても、この分析法の定量限界、牛の筋肉ですと、これが我が国の一律基準の0.01よりかなり高い0.05ppmということで設定されておりまして、これをそのまま基準値、ましてや2倍としておくことについては適切ではないのではないかという御指摘を頂いておりました。
 今回のデータはEUの残留基準の設定の根拠となるものということで提出をされているものでございますけれども、EUの残留基準の設定の方法につきまして、スポンサー企業に確認をさせていただきましたところ、EUでも定量限界2倍の考え方は適用していないということでございました。
 それから、定量限界自体が高いことにつきましては、EUの残留基準、例えば、牛の筋肉では、6ページ目にEUの牛の筋肉0.1ppmというのが設定されてございますけれども、これがもともと設定された後に、この基準値を測定する、分析するに足る方法を開発したということで、定量限界を0.05ppmまでしか下げなかったということのようでございました。
 これらを踏まえまして、本剤の我が国での残留基準の設定に当たりましては、このデータの中では定量限界を採用することが適当ではないかと考えております。ただ、2倍の考え方は適用しないということで、6ページの基準値案のところでございますけれども、先ほどの残留試験に用いられました試験法の定量限界とすることが妥当ではないかということで、改めて本日、御提案をさせて頂いているということでございます。前回からの修正を見え消しでお示ししていて若干わかりにくいかと思いますが、前回の値の半分の値となってございます。
 また、先ほども少し触れましたけれども、0.05ppmを基準値とすることは高すぎるという御指摘もあるところでございますけれども、今回、残留試験のところで0.05を超える残留がないことは確認ができているものの、それ以下の残留がないということは、このデータからはわからないということ。それから、5ページ目の暴露評価のところをごらんいただきますと、修正した残留基準を採用した場合に、暴露評価、TMDI比を求めますと、ADI占有率で幼小児が29.5%程度でございますので、十分にADIの範囲内におさまっているということで、この残留基準の案を御提案させて頂いているところでございます。
 説明は以上でございます。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 分析法に関わることで、いろいろ御修正をいただきました。前回は、代謝とか、その辺は審議したのでしたか。
○事務局 はい。それ以外の部分については御審議をいただきまして、先ほど1ページの修正をさせていただいた部分以外ですと、4ページの5の(1)の下線部が入ってございますが、こちらの記載を修正をさせて頂いているところでございます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 では、今回修正した部分の可否についても御検討頂きたいと思いますけれども、(3)の化学名の「heptanes」のsが消えているということで、ちょっと見にくいですけれども、そういう修正をしていただきました。そういうことでよろしいでしょうか。
 薬理作用のところもよろしいですか。
 代謝のところも、4ページのところで、こういう代謝物、A、Bができますということがありましたけれども、そのとおりだと思います。この辺、よろしいですか。
 分析対象物質としても、ここに書いてありますようにβ-ラクタムがなくなっていますので、抗菌活性がなくなるということで、特にそれについてフォローする必要はないかと思いました。
 安全性の面で何か御確認ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、分析のところが一番重要なところでしたけれども、分析法と分析結果、その辺についての御確認で、いかがでしょうか。いろいろ御議論いただいたところでございますけれども、こういうことでよろしいですか。松田先生、よろしいですか。
○松田委員 はい。
○大野部会長 それでは、基準値の設定と国際的整合性のところでいかがでしょうか。抗菌活性に基づく設定と、比較して、安全性に基づくADIの設定と、両方を比較して設定していますけれども、廣野先生、よろしいですか。
○廣野委員 はい。
○大野部会長 それでは、全体を通して、こういった形で修正していただいたものをこの部会の報告としてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
 それでは、一応、今日の品目について、農薬と動物用医薬品についての御審議は終わりました。
 それでは、今日の審議の結果の食品衛生分科会での取扱いについて、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○事務局 平成22年3月3日に了解されました食品衛生分科会における確認事項に基づき、本日の部会で審議いただいた農薬3剤、動物用医薬品2剤の食品衛生分科会での審議または報告の取扱い(案)につきまして、僣越ながら事務局より原案を用意させていただきました。
 お配りいたしました横一枚紙の紙を御覧下さい。こちらには、本日議論いたしませんでしたセファロニウムが記載してございますが、それにつきましては削除させて頂きたいと思います。
 本日、御審議いただいた品目のうち、農薬アミトロール並びに動物用医薬品プリフィニウム及びクラブラン酸につきましては、いずれも暫定基準等の既に設定されている残留基準の一部改正で区分4または5に該当しないことから、区分3として分科会での取扱いは「報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、特性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 また、農薬及び動物用医薬品ジノテフラン並びに農薬ベンチアバリカルブイソプロピルにつきまして、いずれも食品安全委員会の評価の結果に変更がないことから、区分4として分科会での取扱いは「文書配布による報告」でいかがでしょうか。いずれも「ただし、その用途、特性等から見て慎重に審議する必要がある」ということではないと思われます。
 以上でございます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 ただいま説明されたような形での分科会での取扱いについて、いかがでしょうか。質問、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。それでは、そういった形で取り扱って頂くということで、分科会長の承認を得たいと思います。
 それでは、今後の手続について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 本日、御審議いただきました農薬3剤、動物用医薬品2剤につきましては、食品安全委員会からの通知を受けていることから、一部、先生方の御意見を伺い、訂正が必要なところがございますが、訂正したものをもちまして部会報告書とさせていただきます。
 なお、今後の手続につきましては、パブリックコメント、WTO通報、消費者庁協議等の必要な手続を進める予定としております。
○大野部会長 ありがとうございます。
 山内先生、お願いします。
○山内委員 先ほどの分科会での取扱いなのですけれども、アミトロールは、ポジティブリスト制度導入時には一旦、不検出ということでしたよね。今回は安全性が評価されて、国内でもこの基準に基づいて使っていいということになったので、ほかの、既に基準が設定されているものの修正とか改正とはちょっと質が違うように思うので、私としては、一応、分科会でも御審議いただいた方がいいものに該当すると思うのですが、いかがでしょうか。
○大野部会長 御意見ありがとうございます。
 ほかの先生、いかがでしょうか。発がん性があるということで、以前は不検出ということだったわけですけれども、大きく変わったんで、発がん性がないということの、食品安全委員会の判定と、こちらの判定と、それについて、本委員会でも、上の分科会でも審議していただいた方がいいということですね。よろしいですか、鰐渕先生。
○鰐渕委員 その方がより安全だと思います。
○大野部会長 では、そういう取扱いに変更ということでよろしいでしょうか。では、そういうことで、食品安全分科会での審議を、この2のところに入れるということですかね。では、そういうことでお願いいたします。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 それでは、次の議事について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 では、御説明させていただきます。動物用医薬品につきましては、個別の製剤ごとに食品安全委員会において食品健康影響評価がなされ、当部会において残留基準の設定について御審議頂いているところですが、今般、農林水産大臣より厚生労働大臣へ一括して意見を求める照会がございました。このことについて御審議をお願いいたしたいと存じます。
 資料7-1を御覧下さい。5月19日付で農林水産省から提出された文書です。動物用医薬品の承認に際しましては、製剤の残留性の程度について、薬事法第83条第2項の規定に基づき、同法第14条第2項第3号の承認を与えないものに該当するかどうか、厚生労働大臣の意見を聞くこととされています。
 法令の条文につきましては、先生方の机上に配付させていただきました資料を御覧いただければと思います。
 その農林水産省からの文書の記に記されております動物用医薬品、または動物用医薬部外品のうち、動物体に直接適用しない動物用殺虫剤であって、用法、有効成分の特性等から、食用に供する動物及び食用に供する乳、卵等の生産物を生産している動物が暴露される可能性がないものの承認、再審査、または再評価を行う場合。
 この場合につきましては、薬事法第14条第2項第3号で規定する、承認を与えないものに該当するかどうかということについて、今回、意見が求められました。
 ここで、薬事法第14条第2項第3号に該当しないと厚生労働大臣が回答いたしますと、今後、この記に記されております動物体に直接適用しない動物用殺虫剤につきましては、既に該当しないと回答しましたということになりまして、農林水産省から厚生労働省へ意見が聞かれなくなります。
 続きまして、資料7-2を御覧下さい。これは、厚生労働省への意見聴取に先立ちまして、農林水産省が食品安全委員会へ照会をしているものでございます。
 動物用医薬品の承認に際しましては、食品安全基本法第24条第1項第8号によりまして、食品安全委員会の意見を聴取することになっています。
 一方、食品安全基本法第11条第1項第1号では、食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないときは、この限りではないとしております。
 そして、この記に記されている動物体に直接適用しない動物用殺虫剤が食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないときに該当すると解していいか、農林水産省から食品安全委員会に照会をしているものでございます。
 この照会につきまして、お配りした資料の最後の4ページ目でございますけれども、食品安全委員会の回答がございます。食品安全委員会は、この照会の内容について、食品健康影響評価が明らかに必要でないときに該当すると認められるという旨の回答を行っております。
 今回、照会に至りました経緯につきましては、お配りした資料の2ページ目に食品安全委員会での資料がございますので、それを御覧下さい。「1.概要」以下に今回の照会の概要が記載されております。今回の食品安全委員会、厚生労働省への照会は、畜鶏舎における使用を目的とした動物体に直接適用しない動物用殺虫剤が承認申請されたことに伴い行われたものでした。その剤は、容器に入れて、動物体に直接接触する可能性のない場所に静置する剤と、動物体に直接接触する可能性がない壁などに塗布する用法で使用されているもので、物理化学的性質から本剤が揮発して動物が吸入する可能性はないと考えられるものでした。
 この剤のように、動物が暴露される可能性がないものについては、畜産物中に残留することはなく、食品を介して人の健康に影響を及ぼす恐れがないことから、その承認、再審査、または再評価を行う場合は、食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないときに該当すると認められるかについて、意見を聞くものであると照会理由で説明しております。
 事務局では、この記に記されています動物が暴露される可能性がないという判断ポイントがあいまいであり、はっきりしないために、農林水産省に問い合わせを行いまして、次の回答をいただきました。
 その回答につきまして、お配りしている資料にはないのですけれども、農林水産省からは、動物が暴露される可能性がない、の反対である暴露される可能性がある場合につきまして、容器の設置場所が動物の行動範囲内で直接接触する可能性がある場合、動物体が接触する可能性がある壁等に塗布する場合、揮発性が高く、動物が吸入する可能性がある場合、これらの場合については、動物が暴露される可能性があると判断します。という御回答がございました。
 この、動物が暴露される可能性があるか、ないかの判断につきましては、非常に重要でありまして、厚生労働省の知らないうちに行われてしまうことを避けるために、全ての事例について、この判断をする前に、基準審査課と相談していただくようにお願いをいたしまして内諾を頂いております。
 以上、御説明させていただきましたが、この意見聴取の取扱いといたしましては、事前に全ての事例について、動物が暴露される可能性がない場合に該当するか否か相談を受けることとしていること、それから、食品安全委員会においても、食品健康影響評価が明らかに必要でないと判断していることなどを踏まえまして、薬事法第14条第2項第3号、こういうものには承認を与えないというものには該当しない旨を回答いたしたいと思います。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○大野部会長 ありがとうございました。
 御理解いただけましたでしょうか。私の理解では、ハエ取りリボンだとか、ゴキブリホイホイとか、そういうのは対象外ということかなと思うのですけれども、ちょっと思ったのは、ゴキブリホイホイみたいなものでも、誘引剤みたいな、引きつけるための何かを出していますね。ああいうのも暴露と考えるのかどうか、ちょっとわからないところがありますけれども、暴露される可能性があるかないかということについては、基準審査課と相談するというような御説明だったかと思います。いかがでしょうか。よろしいですか。今、説明がありましたような形で回答するということでよろしいですか。
(「異議なし」と声あり)
○大野部会長 ありがとうございました。
 それでは、この部会として、それでよろしいのではないかというふうにいたします。
 ほかにございましたでしょうか。
○事務局 続きまして、資料8に基づきまして御説明させて頂きたいと思います。資料8を御覧下さい。
 平成23年度食品健康影響評価物質につきまして御報告させて頂きます。食品中に残留する農薬、飼料添加物及び動物用医薬品に係るポジティブリスト制度の導入に伴いまして、平成18年5月に暫定的に基準値を設定した758物質につきましては、年度ごとに計画を立てて、試料の収集ができたものから順次、食品安全委員会へ食品健康影響評価を依頼しているところでございます。これまで758物質のうち376物質について評価を依頼しております。残る382物質につきましては、今後、関係者の協力を得て、評価に必要な試料の収集を進め、今後2年をめどに評価依頼を終了することといたしたいと存じます。382物質のうち、国内登録がなく、なおかつ国際基準も主要国での基準値設定もないもの76物質を予定しておりますが、これらにつきましては、基準値の削除を含め、取扱いを検討いたしたいと存じます。
 平成23年度につきましては、評価に必要な試料の収集状況を勘案して、お配りいたしました通知の別紙に記載してございます211物質について評価依頼をいたすことといたしましたので、ここで御報告させて頂きます。
 以上でございます。
○大野部会長 ありがとうございます。
 これはざっと見てもよくわかりませんけれども、何か気がついたところがございますでしょうか。大変な数の農薬について、情報を集めて頂いて、その集まったところで評価依頼をしているというところでございます。最初、計画は何年間でということでしたか。5年、7年でしたか。
○事務局 計画は、当初5年でしたけれども、昨年度末で5年が経過してしまいまして、昨年の7月に2年間の延長をお願いして、2年間延長することといたしました。
○大野部会長 ありがとうございます。
 そういうことで、非常にたくさんのものを集めるのは大変だったということで、予定より若干延びて、仕方がないかなと、私などはそう思うのですけれども、よろしいですか。特に御意見ございませんか。それでは、御説明どうもありがとうございました。
 議題はそれでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、次回の予定について説明をお願いいたします。
○事務局 次回の本部会の開催日程につきましては、平成23年6月29日水曜日午後を予定しております。後日、委員の日程につきまして確認させて頂きたいと存じます。詳細につきましては、追って御連絡申し上げます。
 以上でございます。
○大野部会長 どうもありがとうございました。
 そのほか、何かございますでしょうか。
○事務局 特にございません。
○大野部会長 先生方もよろしいですか。それでは、他にないということですので、これで本日の部会を終了させていただきます。どうも御協力ありがとうございました。


(了)
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