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2011年1月19日 薬事・食品衛生審議会 医薬品再評価部会議事録

医薬食品局

○日時

平成23年1月19日(木)10時~


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

出席委員(13名):五十音順 敬省略

 安 達 知 子、  笠 貫   宏、 鈴 木 邦 彦、 田 村 友 秀、

 土 屋 文 人、  椿   広 計、 永 井 良 三、 新 見 伸 吾、

 西 岡   清、  橋 田   充、 前 崎 繁 文、◎吉 田 茂 昭、

 四方田 千佳子

 (注) ◎部会長 

 他参考人3名


 欠席委員(1名):敬省略

 菅 野 健太郎

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 成 田 昌 稔 (審査管理課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森   和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 赤 川 治 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○審査管理課長 定刻になりましたので、「薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会」を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきましてありがとうございます。
 本日の委員の出欠ですが、菅野委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、土屋委員、永井委員は遅れて見える旨伺っております。
 現在のところ、当部会委員数14名のうち11名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 本日の審議事項1に関して、産業医科大学整形外科教授の中村先生、横浜市立みなと赤十字病院長の四宮先生、埼玉医科大学呼吸器病センター呼吸器内科教授の金澤先生に参考人としておいでいただいております。それでは、吉田先生、以後の進行をよろしくお願いします。
○吉田部会長 本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いします。
○事務局 資料の確認をいたします。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委員の名簿を御用意しております。また、議事次第に記載されている資料1~資料2、参考資料についてはあらかじめお送りしておりますが、確認をさせていただきます。
 資料1-1「諮問書」、資料1-2「セラペプターゼの研究報告について」これは機構からの報告書です。資料1-3「ダーゼン5mg錠、同10mg錠及び同顆粒1%の有効性に係る企業見解」です。資料1-4「ダーゼン5mg錠、同10mg錠、同顆粒1%医薬品再評価部会資料」と表題が付いておりまして、企業からの総括報告書等の資料になっております。資料1-5「医薬品再評価部会における論点」です。
 資料2「内服固形製剤の品質再評価実施状況等について」です。参考資料1は議題1に関連する平成7年の通知で「医薬品再評価結果平成6年度(その3)について」です。こういったものを事前にお送りしております。
 このほか、当日配付資料として、資料3「競合品目・競合企業リスト」、参考資料2として「医薬品の再評価の流れ」を配付しております。以上です。
 続きまして、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告します。各品目の競合品目選定理由について、資料3を御覧ください。
 本日の対象競合品目ですが、本剤と同様の消炎酵素製剤として、資料3のとおり競合品目3品目を選定しております。以上です。
○吉田部会長 ただ今の事務局からの説明に特段の御意見はございますか。特にないということですので、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては皆様の御了解を得たものとします。
 それでは、各委員からの申出状況について報告をお願いします。
○事務局 各委員からの申出状況です。
 議題1「医療用医薬品の再評価指定」に関して、退室委員はいらっしゃいません。議決には参加しない委員は、土屋委員、永井委員、橋田委員となっております。以上です。
○吉田部会長 本日は審議事項1議題、報告事項1議題となっております。
 議事次第に沿って、審議事項議題1「医療用医薬品の再評価指定について」審議を行います。再評価指定ということですが、当部会の開催が約6年ぶりということで、事務局から再評価の流れについて説明をお願いします。
○事務局 今回の再評価の流れについて御説明します。参考資料2を御覧ください。1枚目ですが、医薬品の有効性・安全性の評価は、その時代の科学水準のレベルを基礎とするものであり、ある時点で妥当である旨の評価を受けたものであっても、その後の科学技術の進歩や新たに得られた知見などにより、当初承認された有効性・安全性について見直しを行う必要が生じる場合があります。その場合、薬事法に基づく再評価が行われることになりますが、その場合は事前に薬事・食品衛生審議会に諮問することとされております。
 今回のケースに当てはめてみますと、後ほど御説明する研究結果を受け、資料1-1の「諮問書」により、この部会に再評価指定の要否について諮問をしました。その諮問を受けて、今回の再評価部会では、資料の黒枠で白抜きでお示しした所、「医薬品の範囲」「提出すべき資料」「資料の提出期限」について御議論いただくこととなります。当部会で再評価の要否及びその内容が決まったら、製造販売業者が必要な試験などを実施し、再評価資料として医薬品医療機器総合機構に申請をし、承認審査を受けることになります。機構が審査結果を取りまとめた後、改めて薬事・食品衛生審議会の御意見を頂戴し、承認継続又は承認取消、効能一部削除の判断が行われるといった全体の流れになります。以上です。
○吉田部会長 要約しますと、今回企業から研究報告をいただきました。その研究報告の結果がポジティブであると判断したらこのまま不問でいく、ネガティブとなると承認取消、どちらとも言えない、もう少し調べた方がいいとなると再評価を行う、という三つのカテゴリーがあって、今のお話は、もし黒白がつかないということであれば、再評価の指定を行うという方向で我々の議論をまとめていくということのようです。私も不慣れですので、途中でストップするかもしれませんが、よろしくお願いします。
 それでは、医薬品医療機器総合機構から今回の研究報告の概要の説明と、続いて事務局から報告結果に対する企業の見解の説明をお願いした後で、参考人の先生方の御意見を伺いたいと思います。まず、機構から概要の説明をお願いします。
○機構 資料1-2「セラペプターゼの研究報告について」機構より説明いたします。
 セラペプターゼは、カイコの腸内細菌から産生される蛋白分解酵素として見出された蛋白質であり、1968年9月に製造承認を取得しております。その後、1988年8月に有効性を見直す必要がある品目として再評価に指定され、1995年2月の中央薬事審議会医薬品特別部会の審議を経て、効能・効果については、過去の試験での有効性が示された効能にのみ絞り認めることとされ、資料の1ページ下段の表の現行のとおりとなっており、さらに次回の再評価までに資料の整備をしておくこととされました。
 以上の再評価結果及び当時の再評価再審査調査会での現在のレベルでの再度の二重盲検試験を実施する必要があるとの意見を踏まえ、セラペプターゼの先発医薬品ダーゼンの承認取得者である武田薬品工業株式会社により、慢性気管支炎患者及び足関節捻挫患者を対象とした製造販売後臨床試験が合計3試験実施され、2010年5月にその結果が医薬品医療機器総合機構に報告されました。
 資料の2ページを御覧ください。慢性気管支炎に対する製造販売後臨床試験として、気管支拡張症、肺気腫、陳急性肺結核を合併している気管支炎を含む成人慢性気管支炎患者311例を対象に、本剤10mg又はプラセボを1日3回、食後に2週間経口投与する無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。その結果、表1に示しますように、有効性の主要評価項目である「痰の切れ」の試験薬投与終了時における投与開始時からの変化量は、本剤群とプラセボ群間に統計学的な有意差は認められませんでした。
 次に資料の3ページを御覧ください。足関節捻挫患者に対する製造販売後臨床試験として、資料では検討1.とされておりますが、まず15歳以上の足関節の固定を施行し、足関節捻挫により明らかな腫脹が認められる患者301例を対象に、本剤10mg又はプラセボを1日3回、食後に1週間経口投与した無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。有効性の主要評価項目として、CTにより測定された足関節部断面積の投与開始時からの変化率が解析されましたが、足関節部断面積評価可能対象集団190例において、本剤群とプラセボ群間に統計学的な有意差は認められませんでした。
 検討1.では、有効性の主要評価項目であるCTにより測定された足関節部断面積の信頼性、妥当性及び反応性について十分な事前の検討がなされていなかったことから、測定法についての検討が行われました。この検討を受け、資料では検討2.とされておりますが、15歳以上の受傷後24~60時間の中等度以上の腫脹が認められる足関節捻挫患者280例を対象に、本剤10mg又はプラセボを1日3回、食後に1週間経口投与した無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されております。その結果、資料の4ページ表3に示しますように、有効性の主要評価項目であるマルチスライスCTにより測定された足関節部断面積の試験薬投与1週間後における投与開始時からの変化量は、本剤群とプラセボ群間に統計学的な有意差は認められませんでした。
 以上の報告を受け、機構の専門委員である呼吸器内科専門医及び整形外科専門医に意見を求めたところ、提出された臨床試験成績では、被験者の選択や主要評価項目の測定方法に関して施設ごとに差が大きいなどの問題点があったことも踏まえ、当該成績のみをもって、本剤の有効性を完全に否定することはできないと考えること。しかしながら、承認を継続するのであれば、有効性を確認する必要があることから、再度臨床試験を実施し、本剤の有効性について検討することは否定しないこと。再試験の実施にあたっては、今回報告された試験のプロトコールから選択・除外基準、画像解析手法等を見直す必要があると考えるとの見解をいただいております。また、類薬の酵素製剤についても、本剤と同様に対応する必要があるのではないかとの見解もいただいております。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。続きまして、企業からの見解等について事務局から説明をお願いします。
○事務局 研究報告の概要は以上のとおりですので、事務局からは今回の試験で有効性が認められなかった原因とその分析、予定している再試験の概要について、本剤の承認取得者である武田薬品工業(株)の見解について、資料1-3に基づいて説明します。
 資料1-3の4ページ、3.1を御覧ください。慢性気管支炎患者を対象とした901試験に関して御説明します。有効性が認められなかった原因として、一つはプラセボ効果、もう一つは軽度の被験者が登録されたという2点を挙げております。また、5ページの表5にありますように、有効性が確認された前回の試験とは異なり、今回の試験では観察期間にプラセボは投与されておりませんでした。5~6ページにかけて表6にまとめているように、前回の試験に比べて、今回はより軽度の患者が登録されたと分析しております。
 そのため、6ページ中程の1.~5.にある変更点を加えた再試験を計画しております。一つずつ言いますと、1.□□□□□□□□□□□□□□、今の試験は2週間だったのですが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。2.対象患者を喀痰を伴った咳嗽が□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□とすることで、本剤の薬効評価に適した、安定した慢性気管支炎患者を登録する。3.痰の切れ(評価項目)の重症度を□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□に変更するなど、901試験より□□□□□を対象とする。4.□□□□□□□□□□□□□。5.併用禁止薬として□□□□□□□□□□を追加する。6.主要評価項目の痰の切れの評価を□□□□□□□□□□に変更する。以上の変更を計画しております。
 次に、足関節捻挫患者を対象とした、主に910試験について御説明します。4ページの2.3.2を御覧ください。その上の枠ですが、このように主要評価項目での有意差は認められなかったものの、画像上のCTスライス面の誤差が解剖学的に1mm未満であった被験者を対象として解析した結果、その下の欄ですが、統計学的に有意差は認められなかったものの、主解析の結果と比較してプラセボ群との差が大きい傾向が認められました。
 7ページを御覧ください。そのため、1.~3.に掲げていますように、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□の変更点を加えた再試験を計画しております。一つずつ申し上げます。1.CT撮影部位において、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□撮影する。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□画像解析を行う。2.□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。3.直近に足関節捻挫の既往がある患者は腫脹がほとんど認められないことが多く、腫脹の緩解を確認する本試験の対象には適さないと考えられるため、除外基準に□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□を規定する。以上の変更点を加えた再試験を計画しております。
 全体としては、7~8ページに表7をまとめております。これら御説明した2つの再試験に加え、□□□□□□□□□□□□□□を予定しており、そのスケジュールを9ページの図1に示しております。この場合、今の見込みですが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□実施期間を見込んでおります。
 以上の説明は、武田薬品工業(株)が現時点で考える企業側の再試験案であり、この試験デザイン等々の適切性については、今後、治験相談の形で医薬品医療機器総合機構が確認することを予定しております。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。それでは、参考人の先生方に、ただ今の機構、事務局の説明や本剤に関する御意見をお願いしたいと思います。まず、中村先生からお願いします。
○中村参考人 私どもは整形外科医ですので、直接関連の深い足関節の捻挫についての効果を見たいと思います。ただ今の御説明にありましたように、このデータでは902試験、910試験ともプライマリー・エンドポイントは満たされなかった。しかし、平均値を見ると、全体として約20%程度の腫脹の軽減が認められてはいます。その有意性が十分でなかったというところで、全体としてはプライマリー・エンドポイントは満たされなかった。しかし、サブ解析でスライス面を一致させた前後比較のデータでは、この有意性は見られたということです。サブアナリシスが、デモグラフィクスにおいて両群間でばらつきが均等に配分されているかという検討がされていないので、このサブグループアナリシスの結果そのものをもって有効性があるとはもちろん言えないわけですが、この2点は平均値が少ない、差がある、サブアナリシスでも有意性が見えることから、これはもう一度きちんと対象及び方法についての検討をした上で、さらに今回のデータを基にしてNを決定していけば、恐らく現実的な臨床試験で有用性の確認はできるだろうと判断をしております。
 慢性気管支炎については、慢性という疾患の選択に問題があったのではなかったかというのが、私どもの現在の感想です。より重症の方々を対象とした上で見れば、また違ったデータが出るのかもしれないと思いました。ただ、平均値がプラセボと比べて逆転していることについては、意外な結果であったというのが私どもの感想です。したがって、足関節の急性炎症による腫脹軽減効果については、きちんとしたプライマリー・デザインによって有効性は証明できるだろうと思っておりますし、現在の集められた資料、902、910試験等を全部まとめたメタアナリシス的な手法を使えば、現データでもかなりのところまでは有効性が見えてくるのではないかとも思います。しかし、再評価においては、プライマリー・エンドポイントをきちんと取っていくという結果で再評価するのが普通ですので、そういうメタアナリシス的な見解ではなく、今回のデータを基にした臨床試験をもう一度おやりになった方がいいのではないかというのが見解です。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。続いて、四宮先生からお願いします。
○四宮参考人 再評価することに関しては異議がないのですが、中村教授がおっしゃったようなことで、方法を変えてもう一度調べてみることに関しては全く同意見です。
 しかし、腫脹というのは基本的に体積を表すものですから、体積を表すのに面積で表すのが、果たして本当に正しい評価かということに非常に疑問を持っています。本当は、体積を評価できるような方法を提示していただいた方が、正確なデータが出るのではないかと考えております。
 もう一つは後療法に関してですが、特に指定をしなかった場合、例えば外傷の後しばらく経ってマッサージするとか、可動運動をさせるとか、そういうことで当然腫脹は減ってくるはずです。あるいは、冷やすとかいろいろなことが加わると、予後が明らかに変わってくる可能性がありますので、偽薬とこれとの間に統一的なものを作らなければいけないと考えます。特に私は整形外科医ですので、足関節の腫脹に関して意見を述べさせていただきました。
○吉田部会長 ありがとうございました。続きまして、金澤先生からお願いします。
○金澤参考人 私は呼吸器科ですから、痰の問題についてのみ説明したいと思います。ダーゼン、類似薬として挙がっているエンピナースやノイチームは、どういう場面で使われているかをもう一度考えてみますと、どちらかというと急性期に上気道炎の後に引き続いて起こっている気管支炎のときの痰の切れの悪さに使われることがほとんどで、慢性気管支炎、今は慢性気管支炎という病名自体が幻ですが、いわゆるCOPDで喀痰を呈するというか、閉塞性障害を持っていて痰を伴う人たちに、ダーゼンなどを長期間投与することはほとんどないと思われます。使われるとすれば、いわゆる喀痰融解剤と呼ばれるカルボシステインやアンブロキソール、N-アセチルシステインといったものが使われていますが、これは喀痰を融解するだけでなく、急性増悪を防止する効果も最近では大規模スタディで認められてきています。呼吸器内科では長期的に慢性気管支炎に対してダーゼンを投与することがないので、少し武田薬品の見解と治験の計画がずれているのではないかと思います。
 実際にCCT-901試験を見ると、「成人慢性気管支炎(気管支拡張症、肺気腫、陳急性肺結核を合併している気管支炎を含む)」と、少しわけの分からない対象になっています。それでも結果が出ればいいわけですが、自覚症状に基づく極めて曖昧なスタディで、プラセボと本剤群は全く差がなくて、もちろん有効性は証明されたとは言えないと思いますし、こんなに結果がぼんやりしていると、□□□□□□□□□□□□□□□、そのプラセボ効果を排除できるかどうか、極めて疑問に思います。現実には、こういった疾患群の治療は、今は大気汚染が随分良くなってきたものですから、喫煙をしているかどうかにほとんどかかっていて、上気道炎になった喫煙者であれば禁煙をさせることが一番大事なことで、こういった病態を見つけ出してきて薬を投与することよりは、ずれていると思います。慢性気管支炎は、昔は「simple chronic bronchitis」「mucopurulent bronchitis」「obstructive bronchitis」という表現があったのですが、単純性慢性気管支炎は喫煙による疾患ですし、慢性下気道感染を伴うような気管支炎はマクロライドの長期投与が主であって、先ほどの喀痰融解剤が従で使われて、主はβ刺激薬になりますから、どうも抗炎症酵素薬の立ち位置が乏しいと思います。
 昨年、COPDのガイドラインが呼吸器学会から出ましたが、それを見ても気道分泌物の除去に関しても増悪の予防に関しても、これらの薬は全く触れられていないし、エビデンスもないということで、有効性を完全に否定するものではありませんが、有効性を証明するのは相当に困難かと思っております。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から今回の研究報告を中心に御質問、御意見をお願いします。
○鈴木委員 この再評価部会は6年ぶりということですが、今回のように有効性が証明されなかったという結果が出たことが6年ぶりということなのでしょうか。こういった再評価試験は頻繁にやられているのだけれど、たまたま今回6年ぶりに有効性が証明されない薬が出たと理解してよろしいのでしょうか。
○事務局 6年前の部会は抗菌剤の一括見直しということで、全体的なところから網をかけた流れになっていますので、今回とは少し状況が違うかと思っております。今回のように何かしら研究報告なりが上がってきて再評価するのは、新しい再評価制度が始まってからはほとんど初めてではないかと思っております。
○吉田部会長 というのは、前回の再評価の指定のときに、臨床試験をやることが条件付けられていたのですね。
○事務局 機構からも簡単に御説明しましたが、この品目において、平成7年に再評価を受けております。再評価結果は、カテゴリー2ですが、有効性・安全性が認められるという評価を受けております。しかし、次回の再評価までに資料を整備しておくことという宿題がついたことから、その宿題に基づいて武田薬品工業が今回の試験を計画したという背景があります。今現在、ダーゼンは再評価の指定も受けておりませんし、平成7年の時点では結果が一旦出ているという整理にはなっているのですが、そういった宿題があることから、全体の流れで見ると、いわゆる再評価の中で今回のものが上がってきたということになろうかと思います。
○吉田部会長 もし、武田薬品工業がこの成績を公表しなかったらどうなるのですか。
○事務局 いずれにしても、次回再評価までにということですので、次回再評価があれば、当然この結果がこちらから上がってきていたということになろうかと思います。
○審査管理課長 薬事法上有効性・安全性に問題がある研究報告をした場合には報告していただくことになっておりますので、これもそういう形で報告が上がってきたものです。また、再評価ですが、最近では脳循環関係の再評価が一番大きかったのではないかと思います。
○吉田部会長 入口論がよく分からないのですが。鈴木先生、よろしいですか。
○鈴木委員 要するに極めて異例の結果が出たということですね。
○吉田部会長 結果に関してはこれから評価することになりますが、一般論としては、定期的に再評価が行われていて、それを定期的に我々がどうすべきか判断するということではなくて、企業がいろいろな臨床試験をやるたびに報告が上がってきて、それに対してこれを再評価すべきか、評価するとしたら有効性があるとかないとかといったことを我々が判断するということですね。
○椿委員 質問ですが、今回送付していただいた資料に過去の二重盲検試験というものがあって、承認時のエビデンスはそれほどではなくて、1960年代だと思うのですが、1979年前後に気管支で行われた二重盲検比較試験は、第一次再評価のために使われたような資料と認識してよろしいでしょうか。
○事務局 正確には第二次になります。
○椿委員 第二次ですね。位置付けの確認だけしました。後ほど評価のときにコメントさせてください。
○鈴木委員 ダーゼンは一般臨床医にとてもなじみの深い薬です。私は内科医ですが、軽い気管支炎などに使います。効果があるのかないのかは余り分からないけれども、昔は薬を出さないと、患者さんに「薬もくれない医者だ」と言われてしまうので使っていた時代もありましたから、何も出さないのもという感じで、昔の流れが続いているような気もします。この薬は非常に歴史のある薬で、名も通っているのですが、年間にどのぐらい売上げがあって、類薬を含めるとどのぐらいの売上げがあるのかと、中医協などでもアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスと比較されるのですが、日本での売上げだけではなくて世界のそういう国々では使われている薬なのかどうかも教えていただけますか。
○事務局 本剤につきましては、武田薬品工業からの聞取りによると、年間約60億円程度の売上げと聞いております。類薬については、資料3の「競合品目を選択した理由」のところにありますが、類薬の売上高で、例えばレフトーゼは約17億円、エンピナースは約15億円、ノイチームは約13億円とあります。
 他国の承認状況ですが、主要国ではアメリカ、カナダは承認がありません。ヨーロッパでは、フランス、ドイツ、イタリアでは承認がありますが、フランスは販売実績がないということで、フランスは承認だけは持っている状況と武田薬品工業から聞いております。
○吉田部会長 今の説明によると、競合品目の類薬を含めて国内で100億円以上市場があるということです。ですが、アメリカ、カナダではこういうものは使われていないということです。私事ですが、私が医師免許をもらったころから既にキモタブなどはありましたから、相当古い薬であることは間違いないと思います。ほかにございますか。
○前崎委員 慢性気管支炎については、金澤先生がおっしゃったように、現時点でも余り有効性がはっきりしないと私自身は判断したのですが、専門家の先生方が有効性を否定できないと言われた根拠はどの辺りにあったのでしょうか。
○吉田部会長 いかがでしょうか。まず事務局から答えていただいて、補足があれば金澤先生からお願いします。
○事務局 当然、試験デザインが悪かったというところが一つの原因になっております。御意見については今先生方から御説明いただいたとおりですが、一つの理由としては、試験デザインによって有効性がうまく検出できなかったということです。
○吉田部会長 金澤先生いかがですか。使われ方の問題も先生はご指摘になっていましたけれども。
○金澤参考人 鈴木先生がいみじくもおっしゃったように、実際のところは本当に効くかどうか分からないけれど、出しておこうという使われ方だと思うのです。こういった試験を組んで、比較的雑多なグループで、しかも主観的な判断基準で、痰がやや切れやすいとかやや切れにくいとか、そういったもので評価した研究そのものが成立するかというのが本当は問われるところだと思います。
○吉田部会長 そこなのです。私からもそれに関して質問なのですが、例えばもう少し重症度を上げようということになると、空振りする可能性もありますが、もし重症度を上げて効果が出た場合は、適用の見直しということになるのですか。重症の者に使いなさいと、軽症の者に使ってはいけないという話になるのですか。
○事務局 当然、エビデンスに基づいて効能・効果を設定していくものですので、基本的には試験デザインを基に効能をどう考えるかということになると思います。
○吉田部会長 ということは、再評価にあたって適用症、あるいは効能・効果が変わることもあり得るということですね。
○事務局 そうです。再評価にあたっては、カテゴリー2ということで、効能・効果の変更も起こり得るということです。
○笠貫委員 先ほど、現在使われているということで、金額が出ました。後で議論はされるとは思いますが、この金澤先生からお話のあった慢性気管支炎と足関節の捻挫では、どれぐらいの使われ方の比率かというデータはありますか。
○事務局 実際どのように使われているかは、今、データでは持ち合わせておりません。
○吉田部会長 企業の方でも把握してはいないということですね。
○事務局 多分、データという意味ではないのだろうと思います。
○吉田部会長 かなり広い範囲で使っていることは事実です。私自身も椎間板ヘルニアになった時にダーゼンを処方されましたし。
○椿委員 先ほど質問したことですが、第二次再評価において行われた再評価で、有効性に疑問のある気管支炎に限定して言いますと、当然サンプルサイズに関しては今回行われた再評価の約4分の1ということで、検出力的には当時の方が小さいものを使ったということ。エンドポイントに関しては、先ほどから議論があるところですが、かなり主観的なエンドポイントに近いものを使ったことに関しては、前回と今回のエンドポイントについてはそれほど差がないこと。また、企業側は前回重症群がそれほど多くリクルートされていないという認識をされているようですが、前回においても、咳の回数や痰の回数が大量とか多いという群がリクルートされた状況にはないのではないかと、原著論文を見る限り考えられます。
 前回と今回で地域差、施設間差の問題が指摘されましたが、おっしゃるとおり、前回の試験は中部地区に限定されています。□□□□□を中心とした地域に限定された試験で、その意味では今回の方が全国の施設に参画していただいたということで、これについてもちろん地域差なり施設間差があることは認めた上で、統計解析担当者は、そのためにサンプルサイズを4倍程度に設定したのではないかと考えることができます。何よりもこのデータに関しては、先ほどから御指摘があるように、普通は統計的な調整によって割といい場所、例えば重症群がいいとか、どういう群がいいということをやって、その上で新たなデザインを組むのが通常ではないかと思うのです。今回に関しては、プラセボよりもエンドポイントが点推定値において劣っているということで、恐らく調整してどういうサブカテゴリーにおいて有効であるかを主張しにくい状況になっているのではないかと思うのです。私自身はその意味では気管支関係の話と、もう一つ先ほどから参考人の先生方からあった話、サブカテゴリーで分析をすれば、本薬についてはいい部分があるという話とは議論を切り分けなければならないのではないかというのが、資料を読んだときの第一印象でした。
○吉田部会長 私も質問したいのですが、結局前回と今回で大きく違うのは、前回の有効性はプラセボ効果だった可能性があるように思うのです。しかも、前回の試験のときに、サブセットアナリシスをしても余り良い局面が出てこなかったので、同じような試験をやってしまったと。今回のサブセットアナリシスを見ても、なかなか良い局面が出てこないということが、特に気管支の場合はあるのではないかと思うのです。以前の再評価の際に有効とした評価の根拠はどこにあったと判断されるのでしょうか。
○事務局 気管支炎の方で言うと、前回の資料については、資料1-4の後段に「気管支炎、肺結核、気管支喘息」というタグがあって、ここにあるのが当時のエビデンスです。紙をはさんで三つあると思いますが、前段の「Double Blind法による小児喘息性気管支炎に対する」等々を含めた二つが承認のときの資料で、後段が再評価時のデータとなっております。このデータをもって、当時はこの効能に対して有効性を認めたという判断に至っております。
○審査管理課長 先ほど椿先生から教えていただいた件ですが、企業からの見解の一つには、前回の試験と比べてプラセボ群についての有効性が想定よりかなり高かったことがあって、もともと有効性については緩和だという前提がありますので、その部分があるのではないかというのが企業見解の一つです。その辺りを踏まえてどう考えるかということも御意見をいただければと思っております。
○審査第四部長 機構から補足説明させていただきます。過去の成功した治験では、観察期にプラセボを投与していて、それに対して上乗せ効果で有効性を評価しているのです。今回の試験については、プラセボと実薬群を対等に評価しているというのが違う点です。
○西岡委員 過去のデータで有意差があったということで、先ほど御指摘がありましたが、これはプラセボ効果ではなく、自然経過だけだったのではないかと感じられます。企業としてはプラセボ効果を重要視して、プラセボを前投与するというデザインを取られているのですが、これ自身は本来のスタディの形態としてはおかしいのではないかと思います。ですから、有意差がなかったという試験の方が正しかったと見るべきではないかと思います。
 もう一つ気になるのですが、エンドポイントの取り方で、足関節の腫れ具合を断面積で測るということで、一見科学的な方法のようには見えますが、腫脹を測るのはものすごく難しいのです。多分、これは整形外科の先生も皮膚科の先生も皆さん同じように苦労されているので、誤差が余りにもありすぎるというのが一つです。また、気管支炎のときに痰の切れをエンドポイントにするというのは科学的なのでしょうか。やり直すのであれば、むしろもっと明らかに分かるような指標をエンドポイントにしない限り、多分同じ結果にしかならないのではないかと思います。私も先生と一緒で、かつてたくさん使った側なのですが、本当に効いたのか効いていないのかという心情で、私は効いたという感触を持ったことがなかったのですが。
○吉田部会長 プロトコールの具体的なことに関しては、もし試験をやることになれば機構と相談ということになるのだと思いますが、先生がおっしゃったように、もしプラセボを最初に投薬しておいてということになると、初めから効果がないことを認めるという話になって倫理的におかしくなりますね。
 あるいは、先ほど言われましたが、マッサージの影響があるので、マッサージもやめてしまえということになると、当然普通はマッサージで治すべき患者がマッサージを受けられないことになって、これまた倫理的に成り立たなくなります。臨床試験のエンドポイントが薬にいきすぎて、患者さんの人権が置いてきぼりになりそうな、そういう危うさもあると思います。ほかに、この点について何かございますか。
○椿委員 先ほど機構から補足説明していただきましたが、そのとおりだと思います。基本的に2週間プラセボを事前に投与したことが非常に大きな影響を与えていると、両者の試験について違う意味を持ったということかと思います。一方で、当時の「医学のあゆみ」史を見る限り、コントローラーがプラセボと実薬の割付行為については責任を持っているのですが、識別可能性についての叙述は一つもない状況だったのです。その中でプラセボから実薬群に切り替わるということで、私自身は1970年代後半の試験から10年以上経った段階での試験ですから、そういうことをやるという手続が分かっているので、もちろんコントローラーの先生は1970年代でもそれなりにきちんとやっていただいたのだろうと信じるところですが、プラセボを投与した後、実薬に変わる段階でそれなりの治験管理ができたかどうかについては、むしろそういう問題でDouble Blind自体が確保できたかどうか、その辺りの試験の質が古い段階で確保できたかというところに疑問を感じました。
 ただ、これはあくまで仮説にすぎないので、先ほど申し上げたように、気管支に関しては今回の試験自体が普通の群間比較でやったので、ネガティブな証拠であることは認めた上で、臨床的に効能・効果を絞るという判断があるのでしたら、それでもかまわないと思います。
 もう一方の試験に関しても、当時の再評価資料としてはこれでよろしいかと思いますが、統計的に言えば、当時の二次再評価の段階での統計的主張は、多重性の調整が一切ないやり方でやっております。ですから、1980年代後半以降の承認に関して言えば、第二次再評価資料ですら十分なエビデンスがあったものではなかっただろうと思います。ただ、これは先ほどの話にもありましたように、エンドポイントの変更・詳細化に基づいて再試験が行われるという判断は、現時点で承認されている医薬品ですので、十分考えられることと認識します。
○笠貫委員 慢性気管支炎について、この試験が難しいと思うのは、確かに今御指摘があったように、EBMと言われ臨床試験の質は格段に差があるという背景があって、プロトコールを変えることは大事だと思うのです。一方で、先ほど部会長がおっしゃったように、倫理的な問題が大きくて、慢性気管支炎の場合には、一つにはプラセボを設けなかったことと、軽症だということで□□□□□□□、一方では□□□□□□□□□□□□とすること自体が大きな問題ではないかと思います。先ほど金澤先生がおっしゃったように、慢性気管支炎という病気の概念自体が変わってきていて、しかもガイドラインに相反することをここで組むこと自体が、むしろ不可能なのではないかと思います。慢性気管支炎の臨床試験自体があり得ないということで、足関節の方が許される範囲なのかどうかという議論に絞った方がよろしいのではないかと思います。
○吉田部会長 基本的に、標準的な治療を確保した上で薬の有効性があるかないかを判断しないと、非常におかしな話になりますので、やるべきことはすべてやった上で、薬がさらに効果を伸ばすか伸ばさないかという判断をしてほしいということだと思います。
○前崎委員 もう一つ、今度は□□□□□□の試験をやるようですが、これについては□□□□□□□□□□□□□□という表記になっています。慢気の方は□□□□□□□□□□□ということで、□□□□□□は□□□□□□□□□□□□したらそんなに差も出ないだろうし、□□□□□□□□□の効能・効果の方が表に出ると思いますから、□□□□に関して、どうしてこのようなプロトコールになったのか理解できないのです。
○事務局 武田薬品工業によると、正にそこが治験のデザインと倫理的な問題の兼合いとのことでした。投与期間が2試験でかなり違って、片方が長いということから、そこまで長い試験で□□□□□□□□□にすることは倫理的に難しいということで、こういった判断がなされたものです。今、先生方からいろいろ御提案いただいているところで、特に慢性気管支炎ですが、これはあくまでも今の武田薬品工業の主張というか、企業見解ですので、今日いただいた御意見を踏まえて、できればもう一度機構でチェックをして、その上でもう一度御議論いただければと思います。今のところ企業見解ということですので、正にそこで我々のチェックを入れさせていただきたいと、一つ御提案したいと思います。
○金澤参考人 否定的なことを散々言いましたが、COPDというカテゴリーで慢性気管支炎という見方をすれば、こういうことになってしまうのだと思うのです。例えば、気道分泌物を除去することをもう少し科学的に解析する方法はどうかとか、増悪を本当に防止するかしないか。今、喀痰融解剤などは増悪防止というところでエビデンスが出てきています。ダーゼンにしても、消炎酵素剤はどの薬もそういうスタディがまだ行われていません。既に市販されている薬ですし、いきなり取消しというのも難しいと思いますので、ガイドラインで取り上げられているようなエンドポイントで見直したらどうかと思います。逆の言い方をすれば、□□□□□□□□□□しておいて慢性気管支炎のスタディを組めというのは、今日的には受け入れられないと思いますから、いずれにしても今の武田薬品工業のデザイン変更は受け入れ難いと感じます。もう少し視点を変えてほしいと思います。
○吉田部会長 ありがとうございました。実は委員の先生方に、最初に伺わなければいけなかったのは、今までの研究と今回の臨床研究をもって再評価に進むべきか、それともここで結論を出せるかを先ずご判断いただいて、その上で、もし再評価するとしたらどういうデザインでするか、という話にいかなければいけなかったのですが、かなりデザインの話の方にいってしまいました。申し訳ありません。
 お伺いしたいのですが、今回のデータで有効性があると判断する方はいないと思いますが、これは十分ネガティブであるということで、再評価はしなくてもいいのではないか、という御意見の方はいらっしゃいますか。
○鈴木委員 先ほどもお話したように、この薬は一般の臨床医も長い間お世話になった薬で、非常に愛着はあるのですが、一言で言えば歴史的使命は終わったという感じがします。かつては薬を出せば患者さんも喜び、医療機関も差益が確保できるという時代でしたから、こういう薬も存在意義があったのでしょうけれど、今は薬はコストですし、患者さんも薬、薬と言うわけでもないのです。こういった薬の販売額を聞くと、ダーゼンだけで60億円、類薬を入れると100億円以上といったものが毎年使われていくことは、今の非常に厳しい医療費抑制下では無駄ではないのかと思います。もっと技術料というか、物から技術へ、人へといった方向にシフトしていく一つの流れに沿って、こういった薬はもういいのではないかと考えております。
 ですので、慢性気管支炎は、再度試験する意味はないと思います。関節の腫脹もCTで評価すること自体が、精密なようで実はそうでないと思いますし、そんなことにCTまで使わなければいけないのかと、私は直感的に無理を感じます。あえてそういうことをするということは、例えば3年ないし4年はかかるわけですから、その間販売が続けられるわけです。それを狙っているのではないかとか、そういったことすら感じてしまうような状況ですし、いい加減にやった試験ではないと思いますので、この結果をもって評価するということでよろしいのではないかと思います。
○西岡委員 私も今の御意見に賛成です。もし、これが販売中止になったときに企業がどれぐらい損害を被るかどうか、そういうことは別にして、今までの薬の使い方というところで、必要のない薬をたくさん使いすぎていると思います。使いすぎた結果として、いろいろな薬剤の有害事象を引き起こしているということにもなります。この薬によっても副作用として非常に重篤な皮膚症状が出てくる、スティーブンス・ジョンソン症候群なども起こったということがありますので、現代の資料を見たところ、試験デザインを組み換えられても同じ結果しか出ないのではないかと思います。それだけ費用が無駄ではないかと思います。
○前崎委員 先ほど金澤先生がおっしゃったように、実際の処方ではかなり上気道炎の患者に出ています。こういう薬は、本当に効くか効かないかをきちんとこの段階で判断していただいて、効果がそれほどないのであれば、薬としては使わないという形にしていただいた方がいいのではないかと思います。
○吉田部会長 先生は、もう1回精密に臨床試験をやる必要はないと。
○前崎委員 私はやる必要はないと、この時点で有効性はないと判断していいのではないかと思います。
○吉田部会長 いかがでしょうか。
○安達委員 先ほどからのお話にもありましたように、上気道炎に関しては効能なしでいいと思うのですが、足の腫脹に関してはもう少し慎重に検討していただければと思います。例えばデザインですが、これは武田薬品工業が行ったデザインですので、もっと違ったデザインで検討した方がいいかどうかについて考えられてもいいのではないかと思います。上気道炎に関しては「効果なし」でよろしいかと思います。かなり無理なプロトコールになるでしょうし、実際に今までの結果でも有効性が出ておりませんので。ただ、一つでも効能があるということになりますと、薬は販売され続け、しかも適応が消えても上気道炎に出される先生もかなりいらっしゃると思いますので、そういう問題点はあるかと思うのですが、有意差はないものの、前回の試験では多少効果があるということで、いろいろな解析の問題もあります。それについては専門外ではありますので、もう少し検討していただけたらと思います。
○吉田部会長 前崎委員でしたか、□□□□のことをおっしゃったのは。
○前崎委員 はい、そのとおりです。□□□□も多分このプロトコールでやれば、それほど差が出てこないと私自身は思っていますので、この薬剤の有効性が立証されるのは難しいのではないかと思います。実際に、□□□□は先ほど言われましたように、クラリスロマイシン、その他マクロライドの症例長期というのは、主体的な治療法ですので、余りこの薬剤の立ち位置はないのではないかと思います。
○吉田部会長 否定的な御意見が多いのですが、再評価の臨床試験をした方がいいのではないかという方はいらっしゃいますか。
○笠貫委員 慢性気管支炎は除くということで私も賛成なのですが、今の□□□□□□のときは、□□□□□□□□□□なのですね。そのときにどう評価をするかが問題になるのではないかと思います。□□□□□□、足の捻挫というのも、本当にプロトコールとして可能かどうか、エンドポイントを含めて、パワー値から症例数の妥当性等を含め、PMDAでもう一度、厳しい目で見ていただきたいと思います。それから、先ほど鈴木先生がおっしゃったように、コスト・エフェクティブネス、コスト・ベネフィットの話はこれから当然入ってくる話なので、そういう意味でも、厳しい目でこの部会は指摘をして、それを踏まえた上で、□□□□と捻挫については、データを出せるかどうかを評価をしていただけたらと思います。自分の専門外だということもあるのですが、分けるのも一つの考え方かと思います。
○吉田部会長 分かりました。それでは、御意見をいただいていない先生方全員に御意見を伺います。田村先生は呼吸器内科医としてどのように判断されますか。
○田村委員 100億円はやはりいかんと思います。やめておいた方がいいのではないですか。
○吉田部会長 全部やめますか。
○田村委員 はい。
○吉田部会長 永井先生はいかがでしょう。
○永井委員 私もよろしいのではないかと。評価は出たのではないかと思います。
○新見委員 私は臨床が分からないのですけれども、やるならおやりになってというスタンスもあるかと思っています。
○橋田委員 私も治療に関しては全く素人ですので、判断できないところなのですが、今のお話にも出ておりましたように、やはり評価の内容の問題で、まだ検討の余地がある部分があれば、そこを残してということでもいいかと思っております。
○四方田委員 臨床のことはよく分からないのですが、長く使われてきている薬ということで、もう一度確認をしていただいてもいいのではないかという気はいたします。
○吉田部会長 その際、呼吸器に関してはやらなくてもいいのではないかという御意見はありますが。
○四方田委員 実際にもう使われないということであれば、先ほど御指摘がありましたように、それは実害もないということですので、整理されてもいいのではないか。それから、女性であるからというわけではないのですが、産婦人科領域でも使われるということが書いてあるのですが、この部分に関しては、放置ということになるのでしょうか。
○吉田部会長 放置ではなくて、例えば、この薬が効く、効かないかを検証する場合、会社側としてはすべての適応症に関して臨床試験をもう1回やり直すということはできないので、代表的な疾患に関してやっていきたいということで、今、三つ挙がっているのだと思います。しかし、そのうちの一つに関しては、ほとんどの先生が効果が認められないというご意見で、さらに進んで、三つとも試験の結果がネガティブなのではないかという御意見もあります。これに対して□□□□とか、あるいは整形後の受傷に関しては、少し試験を追加してみてもいいのではないかという御意見もありました。
○四方田委員 個人的には、私はダーゼンを飲めない体質らしいです。消化管不快が非常に強く飲めないということもあり、整理すべきところは整理してもいいかという気はいたします。
○吉田部会長 事務局に質問なのですが、これは再評価で、例えば気管支炎に関しては要らないけれども、□□□□や捻挫に関しては、臨床試験をやってもらいましょうという判断がここで出たとすると、今の適用はそのまま4年間続くのですか。
○事務局 これも多分いろいろなパターンがあるかと思います。当然、承認を取り消すとなると、承認拒否事由に該当するという判断がまず必要です。それはやはり有効性が全くないという判断がなされる必要があると思います。本日、特に上気道の方を中心に厳しい御意見をいただきましたが、事務局といたしましては、先ほど、実際、臨床の現場の使い方はどうなのか、位置付けが全く治験デザインと異なっているという御指摘もいただきましたので、厳しい御意見を武田薬品工業に伝えた上で、しかも機構のチェックを受けた上で、それでもなお、この部会が御了解いただけるようなデザインをもし組んでくるなら、そのときはそれでやらせるという形も一つかと思っております。
○吉田部会長 ということになると、今の先生方の御意見を機構も聞いておりますが、武田薬品工業と話をして、その結果をまた近いうちに委員の先生方に報告してくれると、こういうことですか。
○事務局 そうです。今度はしっかりこちらの行政側でもチェックした上で、治験デザインを組んでもらいます。
○吉田部会長 それは何月頃ですか。
○事務局 今のところは3月を予定しております。
○吉田部会長 3月ぐらいまでの間に、今の議論を宿題としてもう1回議論させてくれということのようです。その結果を伺った上で最終的に判断する方向でということでよろしいですか。
 よろしいですか。では、そのような形でいきますけれども、デザインをどうするかに関しても、今出た御意見に関しては、機構の方も聞いて頂いたと思いますので、最終的な案に3月の時点で細かなコメントをするという方向でいきたいと思います。では、一応デザインを含めて、本件については3月までの間に継続審議ということでいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、そのように進めさせていただきます。次に、ダーゼン以外の類薬をどうするかという話になりますが、その件についてはいかがでしょうか。御意見ございますか。
○事務局 かなり重複する内容ではありますが、事務局から先に資料1-5について、簡単に御説明をさせていただきます。
 資料1-5では、当初こちらが考えておりました論点を整理しております。(1)はこの有効性についてどう考えるかという点です。ここは、今御説明いただいたように、次回継続という扱いにさせていただきたいと思います。以降はその詳細ということになりますので、まだその話が決まっていないということではございますが、当然再試験がOKでしたら、その再試験の内容については、臨床試験を求めるということです。そして、今の御議論を拝聴していますと、やはりすべての効能に対して求めるというのはなかなか難しいので、ある程度代表の効能で考えるというのも、一つの考えかと承知しています。再試験のデザインの確認を行った上、次回の部会で御議論いただきたいと思っております。そして、もしこのデザインならやってもいいだろうということになりましたら、「いつまでにデータを出す」ということにつきましても御議論いただきたいと思っております。最後に、部会長の御説明にありましたように、実はこれは同じような薬剤がありまして、それが3ページ目にあります。正にダーゼンと同じように、酵素製剤の内用剤で、同じような消炎ですとか、効能・効果を持つような品目がございます。こちらについての取扱いをどうするかということについても御議論いただければと思っております。
○吉田部会長 後で報告もあるのですね。いずれにしても、膨大な類薬があるのですが、これに関してこうした方がいいとか、あるいは企業側に資料を求めたいという話になったとしても、企業側の販売資料や市販後の調査の資料ぐらいしかないのですか。臨床試験はやっていないということですか。
○事務局 今のところ事務局でそこは確認しておりませんので、もしこの類薬についても検討するということでしたら、至急このメーカーに連絡を取りまして、今あるエビデンスを集めて、次回部会にお諮りしたいと思っております。
○吉田部会長 分かりました。一応継続して3月までにもう一度きちんとした判断が出るようですので、再評価指定に関しては継続審議とさせていただきたいと思います。試験デザインや資料の提出期限云々に対しては、PMDAの確認を得て、改めてPMDAの御意見も伺いながら、次回の部会で決定したいと思います。ただ、本剤の類薬である塩化リゾチームやその他の類薬につきましては、次回の部会で再評価指定の要否を決めるということになるのでしょうか。
○事務局 そこは御議論いただこうと思っています。
○吉田部会長 新たな臨床試験を追加する必要がないという御意見も含めまして、そういったことになろうかと思います。よろしいでしょうか。
○鈴木委員 私はダーゼンはもう終わりでいいと思うのです。他の類薬も、ダーゼンも有効性が出るまで何回でも試験するのかということになるし、その間に何年も何年も、3年4年、3年4年と、繰り返しで延長させていいのかという気がします。その類薬も私は一蓮托生だと思うのです。ただ、すべて一緒にというわけにもいかないでしょうから、これらはこれらでしかるべき試験をするかしないかで、しなければあきらめていただくというようなことになるのではないでしょうか。
○吉田部会長 承認を認めないとするのも、結構力仕事のようです。その辺でどういう対応の仕方があるかということについて、我が再評価部会だけで決められるような話なのかどうかということも含めて、事務局サイドにもう一度詰めていただくということにしておきたいと思います。
○西岡委員 類似薬は臨床試験を当然やるべきだと私は思います。類似薬の中で、一番よく使われている疾患があると思うのです。売上げの一番高い疾患が。それを対象にして、本当にエビデンスが取れるかというのをやられるといいかと思います。
 それともう一つ、ダーゼンに関しても適用範囲がかなり広がっています。代表的な疾患で臨床試験をやられるのはそれで結構なのですが、かつての適用拡大の試験は、少ない治験データで、適用が拡大されていました。そういったような形のものが本当にエビデンスを出せるのかどうかを企業に問うていただき、それを出していただく。例えば乳汁分泌というのは、本当にそうなのかどうかというのを、試験までしろとは言わないですが、エビデンスを出していただかないと、ここに載っている資料の治験論文だけでは、判断できません。
○安達委員 例えばダーゼンで、今回、気管支炎も捻挫に関しても、すべて取り消しましょうとなっても、手術後の創部の硬結だとか、乳汁うっ滞とか、他の適用が取れているものに関しても、同時に消えてしまうのかということが分からないのですが。他の類似薬に関しても、効能・適用についてお聞きしたいです。
○事務局 今、先生が御指摘の点は、試験で出た結果をどう判断するかということになりますか。
○安達委員 例えば、今回、全部こういう試験を組むということをなさる必要はないということですね。試験を組んでいないものに関しては、適応がそのまま残るのでしょうか。
○吉田部会長 対象にならなかった疾患に関しては適応症が残るのかということですが。
○事務局 そこについては西岡先生からの御指摘にもありましたが、これまでに得られているエビデンスを御確認いただいて、今整形外科なり慢性気管支炎の方で御判断をいただいていることを類推して、併せて御判断をいただくという格好になります。雑駁な感想で申し上げると、やはり主たる部分が駄目なときに、試験もしていないところがそのまま大丈夫という可能性は難しいと考えています。
○安達委員 そうすると同時に消えるということになるのですね。ダーゼンに関してはそうですね。類似薬に関しては少し難しい扱いになりますね。
○事務局 いずれにしましても、仮に試験をしていただく場合には、周辺の今ある効能に関するエビデンスを整理していただいた上で、試験結果と併せて、その部分も類推可能かどうかということを含めて御判断をいただきたいと思います。
○吉田部会長 今回の御意見を伺いますと、改めて企業側とか、行政側がどのような対応ができるかというようなことについて若干の不明瞭さが残りますが、最悪、例えば再評価部会で本薬の投与は勧められないというような結論が出たというだけでも、相当良いリコメンデーションにはなると思っています。時間の関係もございますので、次に報告事項に移らせて頂きたいと思います。
 報告事項議題1「内服固形製剤の品質再評価実施状況等について」お願いします。
○事務局 報告事項議題1「内服固形製剤の品質再評価実施状況等について」事務局から御説明いたします。お手元の資料2と参考資料2を御用意ください。参考資料2につきまして、品質再評価のプロセスについて御説明させていただきます。
 こちらに「品質に係る再評価のプロセスの概要」があります。次のページにはその「具体的手順とステップ」の詳細を示しております。
 では、フローチャートで簡単に説明させていただきます。品質再評価は医療用内服固形製剤の品質を恒常的に確保することを目的として、平成7年3月以前に承認申請された製剤を対象に、平成9年より再評価指定がなされ、規格及び試験方法に、新たに溶出試験規格が設定されてまいりました。具体的な手順としては、図の一番上にありますように、まず対象成分の選定を行い、これらについて先発企業が予試験を実施しまして、これを公的検査機関、これは国立衛研や地方衛生研究所を指しますが、これら公的検査機関の確認を得ながら、溶出試験条件の設定の妥当性などを勘案の上、再評価指定を行いました。それに基づき、先発企業及び後発企業は、それぞれ再評価申請を行います。先発企業は標準製剤を提供しますので、公的溶出試験案を作成します。その内容につきましては、公的検査機関の協力の下、厚生労働省の溶出試験検討班において検討され、公的溶出試験(案)を定めて公表します。各社はこの公的溶出試験案に基づいて溶出試験を行い、追加資料を厚生労働省に提出をして、再評価を実施、その結果を通知するというものです。この過程におきまして、先発企業及び後発企業は、溶出試験規格を承認内容に追加するための一部変更承認申請を行っております。
 続きまして資料2を御覧ください。実施状況等についてです。こちらの方には品質再評価の指定状況を一覧で示しております。平成9年の第1次指定から第27次の平成15年ですが、こちらまで27回にわたりまして、合計857成分が指定されました。
 次の4~7ページまでがこの指定された状況につきまして、薬効群別に並べ替えた表でございます。また、8~10ページには品質再評価に伴いまして、一番直近の再評価結果通知が、平成22年、昨年の4月23日に行われましたが、そこまでに承認整理された内服固形製剤の成分の一覧を示しています。
 最後に結果状況ですが、11ページと12ページが品質再評価の結果の一覧です。これまで36回にわたりまして、品質再評価の結果通知を行いまして、これを一覧にまとめたものです。36回の合計で延べ705成分、1361規格、4133品目について行っております。品目につきましては、再評価申請後に承認整理を行った453品目を合わせますと、合計4586品目となりまして、これらについては品質再評価が終了したということです。
 なお、対象となる平成7年以前に承認された内服固形製剤のうち、有効成分が難溶性を示したり、あるいは適当な定量法がないなどの理由によって溶出試験規格が設定できない成分がありましたので、そうした物を除けば、今回の再評価結果により、おおむねすべての品質再評価が終了したものと考えております。ただし、承認整理品目につきましては、薬価基準削除日程の経過措置期間を要することなどから、その承認整理までに時間がかかりますので、今後もいくつかの品目については、結果通知を行う場合があると考えています。報告は以上です。
○吉田部会長 分かりやすく言うとジェネリックの薬剤の溶出試験等をやって、クオリティが等しいかどうかのチェックをやりました、そのうちの4000品目のうち、453品目が駄目でしたと、こういう話ですか。
○事務局 駄目でしたというか、その再評価のタイミングに承認をやめてしまったという品目があったということです。
○吉田部会長 今回のダーゼン、その他に関してはどこに当たるのですか。17次というのは。
○事務局 こちらは品質の再評価で、溶出試験に伴うものですので、今回の対象になるような薬効の再評価とはまた別のものです。
○吉田部会長 薬効は別にして、その薬の溶出試験で引っかかったということはないのですね。ジェネリックをチェックされたということはないのですか。
○事務局 そもそも品質再評価の目的と申しますのは、溶出試験というのが過去の製剤、かなり古い製剤には規格自体が設定されておりませんでしたので、再評価を行いながら、溶出試験という規格を新たに入れてもらうという趣旨で行っておりましたので。
○吉田部会長 新たにこういったものの規格をやったところをこれだけが済んだということですか。
○事務局 対応済みになりましたということです。品質を向上させたという意味です。
○吉田部会長 御意見ございますか。では、今後もこういったことでチェックを入れていくということでよろしいのですか。
○事務局 品質再評価につきましては、平成7年以前のものについて行ったのですが、実は平成7年以降のものについては、既に承認審査のときに、規格を入れるようになっておりますので、ほとんどすべての製剤については対応済みです。
○吉田部会長 分かりました。全部過去の分も終わったという理解ですね。
○事務局 はい、そういうことです。
○吉田部会長 他にございますか。今日は、いろいろと審議事項に関して御意見をいただきました。かなり多くの宿題が残ってしまい、未評価の分も相当ありますが、いずれにしても論点はかなり明確に打ち出たのではないかと思います。
○事務局 本日の審議内容の御確認をさせていただいてもよろしいでしょうか。
 こちらで理解している内容ですと、本日いただきました特にデザイン等々、御指摘に十分応えるような試験デザインを武田薬品工業が再度設定し、かつPMDAがその試験内容が妥当であると判断した場合に限り、次回の部会の再評価の検討対象とする。その場合の内容ですが、臨床試験は代表効能でよい。ただし、全体を評価する上で臨床試験にかからなかった効能についても一定のエビデンスが必要である。そして、類薬、塩化リゾチーム、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、ブロメライン、ブロメライン・結晶トリプシン配合剤についても、次回検討とする、というように理解しておりますが、御確認いただければと思います。
○吉田部会長 他にそういうことを言ったはずだと、あるいはこういうことを確認してほしいということがありましたら最後に御意見をいただきたいのですが。
○笠貫委員 時間の経過は非常に大事だと思うのですが、今回のダーゼンが出た後、類薬をどうするかということになると、また同じ議論を進めなくてはいけないので、むしろダーゼンと類薬の関係をどうするかという議論をここでしておいて、類薬の会社の方に、ここの議論を十分伝えた上でどうするかを会社から提出していただき、それをPMDAで十分議論していただいたものを、次回、3月に出していただくと類薬に関する議論を時間的に早められると思います。
○吉田部会長 先ほどの議論では、類薬も一緒に扱おう、という話だったように記憶していますが。
○笠貫委員 事務局の方からそれは出なかったと思うのですが。
○事務局 一括してダーゼンと同じレベルまで持ってきて、次回審議という御指示と承りました。今のところは3月11日ということで次回は予定していますが、類薬については今から話をすることになります。 3月11日を念頭に、機構でもいろいろ確認作業等がありますので、遅れるようでしたら、若干の日程調整をいただいた上で、併せて審議するということでいかがでしょうか。
○吉田部会長 いかがですか。
○審査管理課長 今回の議論を踏まえまして、武田薬品工業の方ともいろいろ効能・効果を含めて検討・指示をさせていただきたいと思いますので、次回、また御説明させていただきます。類薬に関しては、まだどのような試験をそれぞれやられているかということを踏まえて、これからやりますので、そういう意味では、できればダーゼンと一緒に併せてということが一番いいのかもしれませんが、資料整備とかいう点がありますと、部会として1回ずれるとか、そういうこともあり得ますので、御了解をいただければと思っております。
○吉田部会長 いずれにしても、ダーゼンの話が3月に出れば、それを深める中で、当然類薬の扱いも同じようにしましょうという話になると思うので、そういった方向性が明確になればいいのではないかと思うのですが、よろしいですか。それでは、そのようにしていきたいと思います。他に何か事務局の方からありますか。
○事務局 先ほど申し上げましたが、次回の部会は3月11日(金)10時から開催をさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。以上です。
○吉田部会長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。御協力ありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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