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2011年4月27日 第73回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

○議事

23/4/27 第73回社会保障審議会介護給付費分科会議事録

1 日時及び場所 平成23年4月27日(水)
午前9時00分から午前11時30分。
グランドアーク半蔵門(4階 富士東の間)
 
2 出席委員:池田、井部、大島、大森、勝田、木村、久保田(藤原参考人)、高智、木間、小林、佐藤、篠原、武久、田中(滋)、田中(雅)、中田、馬袋、福田(和田参考人)、藤原、三上、村川、矢田(上田参考人)、山田 (敬称略)


○宇都宮老人保健課長 定刻になりましたので、「第73回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 本日は、齊藤委員が御欠席とのことです。
 また、久保田委員にかわり藤原参考人、福田委員にかわり和田参考人が、矢田委員にかわり上田参考人がそれぞれ出席されております。石川委員の後任人事については、現在、全国市長会において人選中のことです。
 なお、武久委員は少し遅れて参加されるとの連絡がありました。
 以上より、22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 では、以降の進行は大森分科会長にお願いいたします。

○大森分科会長 おはようございます。今日、御案内は12時までになっているんですけれども、実は今、国会絡みで担当課長さんが何人かそちらの方へ行かなければいけないような御様子でございまして、恐縮ですけれども、11時半ぐらいに今日は終わりにさせていただけないかというお願いでございます。よろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○大森分科会長 はい。
 それで、今日、そこにございますように、地域区分につきまして御説明した後、幾つかこれから議論していただきたい論点みたいなものを提示することが1つございます。これは、実は前回の介護給付費分科会で、地域区分についての区分方法の見直しをやらなかった。したがって、宿題になっていまして、今回はきちんと議論させていただいて、どうすればいいか、結論を得たいというのが第1点目でございます。
 それから、前回、皆さん方に全員2分以内ということで非常に強行しまして、ちょっと反省しています。今日、残っている時間は、この前言えなくて、今日も主張したいことがあれば。今日は全員に回しませんで、御意見がある方に挙手していただいて御発言いただければいいと思っております。今日までフリートーキングを少しさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料の確認をお願いいたしましょう。

○宇都宮老人保健課長 まず「座席表」、その下に「議事次第」がございます。
 資料1として「介護報酬の地域区分の見直しについて」。
 その次、参考として「箱ひげ図の見方について」というのがございます。これは資料1の中に何枚か箱ひげ図がございますので、これを御参照いただいて御理解いただきたいと思います。
 それから、資料2−1、2−2は前回と同じでございまして、フリートーキングのときにお使いいただければと思います。
 それから、資料3「介護事業経営実態調査の回収率について」。
 それから、参考といたしまして、まだ未定稿でございますが、前回の議事録のフリートーキングの部分について記述したものがございますので、これも御参考までにということでございます。
 そのほか、井部委員、武久委員から資料の提出をいただいております。
 また、机上だけですけれども、村川委員から参考資料として書物の提出がございます。
 以上でございます。もし不足がございましたら事務局にお申し付けください。
○大森分科会長 よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○大森分科会長 それでは、早速、「介護報酬の地域区分の見直し」につきまして、全体としての御説明をいただきます。お願いしましょう。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料1をごらんいただきたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして1ページ目でございますが、現行制度についてでございます。
 基本的な考え方ですけれども、平成12年の制度創設時には、介護サービスの提供に要する費用を包括的に評価した介護報酬のうち、直接処遇職員の人件費に相当する部分について、国家公務員の調整手当を基本として地域区分を設け、地域差の勘案を行ったということでございます。
 その後、若干変更がございまして、現行の地域区分といたしましては、基本の報酬単価10円に対しまして、地域割り、サービス種類ごとに割り増しがされるということでございまして、具体的にはその下に4つほど丸が書いてございます。
 まず、地域割りは、特別区、特甲地、甲地、乙地、その他の地域の5区分。
 地域割りごとの上乗せ割合は、特別区が15%、特甲地が10%、甲地が6%、乙地が5%となってございます。
 地域差を勘案する対象範囲は、「人員配置基準において具体的に配置を規定されている職種の職員」の人件費に相当する部分のみということで、物件費、土地代、減価償却費については勘案していないということでございます。
 また、サービス種類ごとの人件費割合は、人件費率70%のサービス、55%のサービス及び45%のサービスの3類型となっているということでございます。
 次の2ページ目に、地域区分の現状というのがございます。
 これが今、御説明いたしました、それぞれの特別区、特甲地、甲地、乙地、その他の上乗せ割合と人件費割合を掛け合わせて、具体的に1単位当たり幾らになっているかという表でございます。
 下の方の表には、それぞれ人件費割合に該当しますサービスの種類を書いています。
 続きまして3ページ、参考2でございますが、今の分類にそれぞれの地区、どこの市区町村が入るかを示した表でございます。
 続きまして4ページの参考3でございますが、サービス種類、地域区分別の請求事業所割合でございまして、下の方の表は、参考として国家公務員の地域別構成割合が載ってございます。こちらは公務員の人数ですので、上と下の表は単純な比較はできませんけれども、それにしても、上のその他の地域がどのサービスについても半数以上で、非常に多いということでございます。
 続いて5ページでございます。これまでの主な見直し内容についてということで、改定時ごとの変遷をこちらに書いてございます。
 12年度当初は、先ほど御説明しましたように、国家公務員の調整手当に準拠した地域区分を設定してございました。
 15年度は特に見直しなしで、18年度の改定のときには、国家公務員給与においては、調整手当に替えて地域手当を新設して区分を7区分に見直したところでございますが、地域手当の制度完成が平成22年4月でございましたので、このときには特に見直しをしなかったということでございます。
 そして、21年度の改定は、まず地域割りについてでございますけれども、このときの議論としては、国家公務員の新たな地域手当の地域区分は、(マル1)官署所在地のみについて地域区分が設定されているということ。(マル2)は後でまたお示ししますが、これまでと比べて平均4.8%の引き下げを行った上で見直しているということで、これをそのまま当てはめるのは困難であるということから、従来の地域割りを踏襲することになったということでございます。
 そして、上乗せ割合につきましては、介護事業経営実態調査結果を踏まえまして、特別区を12%から15%、乙地を3%から5%に引き上げたということがございます。
 そして、地域差を勘案する職員の範囲についてでございますが、これまで直接処遇職員に限られていたものを、人員配置基準において具体的に配置を規定されている職種の職員に拡大したということでございます。
 最後、人件費割合でございますが、それまでは人件費割合60%のサービスと40%のサービスの2種類のみでございましたが、介護事業経営実態調査結果を踏まえまして、人件費割合70%、55%、45%の3種類の類型に見直しをしたということでございます。
 次の6ページ以降、今の説明の補足でございます。
 18年改定のとき、その前の17年の人事院勧告におきましては、民間賃金の地域差を公務員給与に反映させる趣旨で見直しがされたということでございまして、民間賃金の低い地域を考慮して、俸給表水準を全体として、まず4.8%程度の引き下げを行った。そして、引き下げを行った上で、賃金が高い地域には3%から18%の地域手当を支給するといった改正を行ったということでございます。その下に図がございます。
 続いて7ページでございますが、これまでの変遷を表にしたものでございます。
 一番上の介護保険制度創設時は、国家公務員調整手当と同じ区分にしてございました。
 18年度から国家公務員の方が地域手当となったわけでございます。このときに7種類の区分に変わりましたけれども、先ほど申しましたように、介護保険の方は区分を変えなかったということでございます。
 そして、21年度に区分は変えなかったんですけれども、特別区と乙地だけ一部引き上げたということでございます。
 なお、18年度、21年度の表の国家公務員の数字の下に括弧書きでパーセントが書いてございます。これは、全体の俸給表水準を4.8%引き下げた影響を加えた場合、こういった数字になるということでございますので、御参考までに。
 続いて8ページでございますが、これは各制度における地域区分の比較でございます。
 一番上が国家公務員の区分で、括弧内にそれぞれの引き上げのパーセント。その次の23、20、27といった数字は、該当する自治体数でございます。介護保険については従来の5区分で、率は15%、10%、6%、5%となっております。
 それに対しまして、診療報酬と措置費については、国家公務員の地域手当に倣って区分しているところであります。ただ、診療報酬の場合はパーセントではなくて、18点、15点という点数で手当てしているという違いがございます。
 それから、準じる地域というのがございますが、これは国の官署が存在しない地域について、診療報酬、措置費、それぞれルールを設けまして、そのルールに該当する場合には級地を引き上げる作業をしているということで、そういった地域がこれだけあるということでございます。
 続いて9ページでございますが、先ほど大森分科会長の方からもお話がありました、前回の改定のときにこの地域区分の見直しについて、このときは「地域の区分方法について見直しを行わないものとするが、今後、地域区分のあり方について検討することとする」といった宿題をいただいてございまして、これを踏まえて今回御議論いただくことにさせていただきました。
 続いて10ページから、今後の課題ということで示されております。
 10ページの表は、サービスごとに地域区分別の収支差率を見たものでございます。全体として、特別区の方がプラスの感じになってございます。そのほかは非常にばらつきがございますが、集計事業者数をごらんいただきますと、大体400から600台で、これを更に5区分してございますので、区分によっては非常にサンプル数が小さいということもございます。これだけをもって傾向を断定することはなかなか難しいのではないか。むしろ、現在行っております実態調査の方を踏まえて、今後の議論につなげるということかと思います。
 続きまして11ページ、地域区分別の分布状況でございます。
 これは、地方公務員の給与を、左側の方は介護保険制度の地域区分に分けて分布をとった場合。右の図は、国庫公務員制度の地域区分に分けてとった場合でございます。
 ごらんいただきますとわかりますように、右側の方の国家公務員制度の地域区分で分けた場合の方が、右肩上がりの傾向が比較的よく出ている。左側については、若干でこぼこがあるということが1点。
 それから、全体に箱ひげ図の箱の部分が特に分布が集約しているところでありますが、箱の幅が右側の方がどちらかというと狭い傾向で、比較的集約しているのではないかということで、右側の図の方がより実態に近い区分となっているのではないかということでございます。
 続いて12ページでございます。先ほど地方公務員の給与をごらんいただきましたが、今度は介護職員の基本給につきまして、国家公務員の地域区分別の分類に直したものでございます。
 右側の図をごらんいただきますと、ある程度右肩上がりの状況、それから箱の幅は先ほどの左の図より若干狭い傾向があるということでございます。
 それから、左側の表をごらんいただきますと、中央値という欄、平均値という欄もございますが、平均値の方をとりますと、例えば箱ひげ図の「その他」のところで、上の方、下の方、外れ値が多くなってございます。特に上の方の外れ値に平均が引っ張られてしまうということがございますので、中央値の方で比較させていただきたいと思います。
 中央値の下の方の括弧に100%、102%、104%というのがございます。これは、その他の地域の中央値を100%としたときに、それぞれの級地の中央値が何%になるかを見たものでございます。これと一番下の国家公務員給与の地域区分の上乗せ割合を比較していただきたいと思いますが、ある程度はこの国家公務員の地域区分の上乗せ割合と似たような傾向もあるところでございますけれども、赤で囲いました2級地から4級地の部分については、若干でこぼこがあるということでございます。
 この部分は、先ほどごらんいただきました特甲地にある程度相当するような3つの部分を1つにまとめてしまっているようなところがございまして、こういったところがばらつきというか、でこぼこの原因とも考えられるのかなということでございます。
 続いて13ページと14ページにわたりまして、今回の論点を示させていただいております。
 1番目は、地域割りについて、現行の5区分という地域割りを踏襲するのか、あるいは国家公務員地域手当の地域割りの7区分に準拠するのかということについて、どう考えるかということでございます。
 2番目は、仮に国家公務員地域手当の地域割りに準拠した場合に、国の官署が所在しないことにより適用地域の設定のない地域の取り扱いについて、どのようにするのかということでございます。
 下の※でございますけれども、介護保険制度創設時には、一部の地域について自治体からの要望を確認した上で、介護保険制度独自に適用地域を設定したという経緯がございます。
 それに対しまして、診療報酬については、下の※ですけれども、人事院規則で定める地域に準じる地域を別途設定しているということで、1ページ飛んで15ページの方をごらんいただきたいと思います。
 第2 具体的な内容でございます。20年改定のときの議論でございますが、ここで(1)地域加算の対象となっている地域に囲まれている地域。(2)地域加算の対象となっている複数の地域に隣接している地域。こういった地域については、新たに加算の対象とするといった、ある意味機械的に決めてしまうようなルールを診療報酬の場合には設定したということでございます。
 済みませんが、次、14ページにお戻りいただきたいんですけれども、論点の3番目でございます。これについては、現行の上乗せ割合を基本とすべきか、あるいは国家公務員の地域手当と同様に、水準をこちらでは4.8%引き下げておりますが、そういったことを含めて上乗せ割合を設定すべきかといったことについて、どのように考えるのかということでございます。
 ※ですが、先ほど説明しましたように、特別区と乙地については、前回の改定で対応したということでございます。それから、介護報酬の地域区分に係る実態把握調査研究事業、先ほど上乗せ割合は他の地域に比べて均衡を失している可能性が指摘されているということ。それから、公務員については、先ほど言いました4.8%引き下げたといったことがございます。
 (4)人件費割合ですけれども、現行の人件費割合を踏襲するのか、あるいは再検討するのか、現在の3類型についてどう考えるかでございます。これについて、経営実態調査結果を踏まえて判断するかということでございます。
 続いて16ページに飛んでいただきたいと思いますが、今後のスケジュール(案)でございます。
 23年度上旬については、地域区分の地域割り等について、社会保障審議会介護給付費分科会の議論を踏まえ、基本方針を決定。そして、秋以降に介護事業経営実態調査及び改定率の動向を踏まえて結論となってございますが、先ほどの4つの論点のうち、最初の2つ、区分の分け方、それから国の官署が存在しないところについては、上旬の議論である程度基本方針として決めることができるのではないか。
 3点目と4点目については、実際いろいろな数字が出てまいりますので、これについては秋以降の実態調査、改定率の動向を踏まえてということになるのかなという案でございます。
 説明は以上でございます。

○大森分科会長 宿題について少しここで検討しまして、直せるものは直すという方向だと思います。今日は、従来どうなっていて、今どうなっていて、実態が幾つかの比較で示されていますので、御質問なり御意見、気が付いている点があればお出しいただければと思っています。今お話がありましたように、いろいろ御意見を伺った上でまとめるような作業を将来、少しやるんですけれども、今日は自由にいろいろお話くださって結構です。どなたからでも結構でございます。どうぞ。

○馬袋委員 資料説明、ありがとうございました。
 この資料の中で10ページの「今後の課題」の収支差率の数値ですけれども、サンプル数が少なくて、なおかつ地区別の内容のばらつきがある中で出しましたということですが、例えば訪問介護を見たときに、特別区の29.2%という数字が本当なんだろうかというのが、私は実際経営をしていて思います。
 それと、乙地がマイナス10%というと、収支の中で特別区と2位との収支差率の差が40%もあるサービスなのかということになります。こういう形でお出しになる前には、この内容で議論するときは、先ほど言われたように、もう少し経営データがしっかり出たところで出していただかないと。これだけがひとり歩きしてしまいますと、これからの議論の中で、あそこでの数値でそうだったねというところから話が進んでいくおかしな議論になっていくと思います。
 以上です。

○大森分科会長 御指摘のとおりです。したがって、概況調査が非常に重要な意味を持っているわけです。サンプルが少ない段階でこういうふうにやることについて、疑義があることは、課長さんも知ってお話になっています。したがって、今後、実態調査をきちんとなさらない限り、正確ないろいろなものを考えることにならないと。非常に重要な資料がここに出たと解釈できました。今の御指摘、もっともなのですけれども、もう一つ違った意味もあるのではないかと私は思っています。
 ほかにどうぞ。三上さん。

○三上委員 17年には、民間賃金に合わせて国家公務員給与を4.8%引き下げた。民間給与を公務員給与に反映させる形になったわけですけれども、21年の改定のときには、経営実態調査で地域区分の上乗せ率を変えたということですね。これは基本的に公務員給与をベースに考えるのか、いわゆる経営実態調査のような、経営実態にその地域を合わせるのか、考え方を合わせておかないと、いいとこ取りをするというか、あるときは片方に合わせるという形になると、かなりばらつきが出るんじゃないか。
 公務員の給与が基本だということであれば、経営実態調査につきましても余り意味がなくなってくる。そして、介護報酬改定についても、公務員給与をベースに考えていくのが基本になるんじゃないかと思いますので、この辺は考え方を統一していただかないと。
 特に経営実態調査は、報酬が引き下げられたとしても、民間の場合にはそれに合わせて人件費を抑えたり、さまざまな努力をするわけで、当然公務員給与とは全く違う動きをする可能性がありますので、その辺を統一していただきたいと思います。

○大森分科会長 今日は少しいろいろ御意見を伺います。
 どうぞ。

○田中(滋)委員 考え方を統一するという意見に私も賛成いたします。
 経営の成果は、いわば結果指標であって、地域区分別に経営を見て、この上乗せで解消することは別に目的ではないですね。本質的な目的は、従事者採用とか従事者の維持が困難になるような地域がある。あるいは、特別区、特甲地、甲地と分かれているがゆえに、ほかのところに従事者が流れてしまう。これを防ぐことが主目的になって、経営を成り立たせるかどうかは、ほかのいろいろな区分を見て考えるべきです。
 私も、指標としては、地域の人件費を反映している国家公務員の方を優先すべきであって、経営の方は参考指標程度にとどめる方が、この考え方としては適切だと考えます。

○大森分科会長 としますと、3ページに地域区分適用地域の一覧表があるんです。これは5区分でやっていますけれども、国家公務員の方は7区分で、そこに入っている各適用地域の一覧というのがどこかにあるでしょう。できれば、次回、物を判断するときにそれが必要になるんじゃないかと思います。というのは、さっき課長さんがおっしゃったように、当初、いろいろな実情でこの中に入り込んでいる自治体もあるんではないかと、私は個人的に疑っていまして、この適用地域、自治体がどういう自治体であるかということをもう一回確認した上で。
 ただし、ここに入っているところが、地域区分で下がる方にあなたのところは変更するということになると、大騒動になる可能性がまたありますので、そこは理屈をきちんと立てないといろいろなことが起こると思います。国家公務員の適用地域の一覧と比較する作業を、事務局の方でまずやってくださった上で、ここへ出し得るなら出していただいて、きちんと議論したらどうか。今のような御議論が出ましたので、そういう作業が要るんじゃないかと思います。
 どうぞほかに。勝田さん。

○勝田委員 利用者の立場から言いますと、この地域区分というのが人件費に相当する部分であれば、国家公務員の地域手当とは別物なのではないか。介護保険の地域区分というのは、利用者負担にそのままはね返ってくるので、同じ次元で論じるのはおかしいのではないかと思います。
 例えばここにありますように、東京の特別区は15%です。道路や川1本隔てた千葉とか埼玉になりますと5%の乙地になっているわけです。そうすると、利用者が考えれば、事業所の所在地によって、同じサービスを受けながら負担金が違うというのはおかしい。この地域区分をもし前提とするならば、今後、利用者の1割負担に料率がはね返らないようにすることが公平な考え方なのではないかと考えています。
 また、人件費のみを対象とした場合には、例えば特別区に隣接するところとか、その他の地域でも、それで人員不足が深刻なのかと言いますと、逆に隣接するからこそ、そこに人手がとられて人手不足が大変なんだという声も聞いております。そういうことも含めて、全体として基本的な介護報酬を上げるべきなのではないかと考えます。
 以上です。

○大森分科会長 池田さん、どうぞ。

○池田委員 東京は物価が高いから、1割自己負担も高くなるのは当たり前で、それは食事代にしても理容代にしても、みんな当たり前に払っている。だって、東京に住んでいるからです。それはそれぞれの自治体で考えればいいことです。23区が高いから1割自己負担が高いから、平均化するというのは私は全く納得できない。
 問題は、3つあると思います。
 1つは、今、勝田委員もおっしゃいましたけれども、逆ドーナツ現象が起きるんです。つまり、23区は高いから、隣接する武蔵野市とか横浜市の職員がみんな23区へ行ってしまう。そこのバランスを考えないと、23区に人は集まるけれども、周りが逆ドーナツになってしまう。そこをどう調整するかというのが、1つ問題点としてあるのではないか。
 2つ目は、これは介護報酬全体に言えることだと思うんですけれども、なぜ介護職員の給料が安いかというのは、理由がはっきりしています。勤続年数が短いからです。私も前、自治労におりましたので、地方公務員の介護職の給料の分布と民間の賃金構造実態調査をあわせて見たんです。男性の場合は、地方公務員の一部事務組合の職員にほぼ重なります。つまり、ぎりぎり生活給というものを保障しているんです。ところが、女性の場合、年齢でいくとがくんと下がります。これは家計補助賃金です。
 ところが、それは年齢に合わせるとそうなるのであって、勤続年数に合わせると、民間の介護職員で地方公務員の一番上位のところに重なるんです。そういった意味では、のっぺらぼうに介護職員の給料というものを考えるのではなくて、いわばキャリアアップ、長期勤続の中で昇給していく。それを2つ目に考えて設計しないと、バランスが崩れるんじゃないかという気がします。
 3つ目は、国家公務員の地域手当という、ある意味非常に客観的ですから、これを使うのも正当だなとは思うんですけれども、参考値として賃金構造実態調査の数字を出していただけないか。賃金構造実態調査を見ると、東京が抜群に高い。青森、秋田、沖縄がかなり低い。この差はかなりあります。これは単純な平均でありますので、勤続年数とか、そういうことは考えていないというのがあるので、あくまで参考値だと思います。
 そもそも施設を見ると、10%以上の収益を出していますね。この収益はどこから出たんですか。恐らく非常勤職員を16万円、18万円で使っているから、こうなるんです。それとのバランスを考えることになると、地域価格のあり方については、最終的に経営実態調査というものを押さえて議論することになるので、ここで結論は出せないと思いますけれども、今、言った3点については何らかの形で考慮していただけるとありがたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 どうぞ、お願いしましょう。

○高智委員 雑駁とした疑問が1つございます。
 今回は診療報酬との同時改定ということを目指しているわけでございます。したがいまして、現在、中医協の方で任を負っておられます改定結果検証部会というのがございますが、そちらの方の関係で、このような経済的な概念が5つ割り、7つ割りになっていること。これが今後、議論の深化に伴って何らかの影響因子として表面化してくる可能性、あるいはそういう危惧はないのかどうかについてお尋ねしたいと思います。

○大森分科会長 これは事務方から。

○宇都宮老人保健課長 済みません、中医協の検証部会のことですか。

○高智委員 と言いますのは、例えば今後の議論の中で、病介連携とか病診連携とかの連携の話、2つの制度のつなぎ合わせ、あるいはA加算とか、そういう議論があると思いますが、そんな形の中でどういうような影響があるのか、あるいは全く議論にたえないということであれば、それを御説明いただきたいと思います。

○宇都宮老人保健課長 今回、中医協の検証部会でどのような議題について御議論されているのかというのは、ちょっと存じ上げていないんですが、先ほどごらんいただきましたように、診療報酬の方は7区分で国家公務員に準拠してございますので、仮にこちらが7区分に合わせるということであれば、むしろ差が縮まるということになるのかなと。
 ただ、先ほど大森分科会長がおっしゃったように、現状の介護の5区分の分類が大分違っていますので、そこのところをどう考えるかということだと思いますけれども、現時点ではどれぐらいの影響とか、そういうことについてはまだお話できるようなデータは何もないと思います。

○大森分科会長 よろしいでしょうか。
 ほかにどうぞ。

○村川委員 今日の御説明を伺いまして、4点ほど申し上げたいと思います。前回の議事録の未定稿もございますが、前回も地域区分について私なりに若干気づいたことが5ページにも載っております。
 まず1つは、今日御説明のあった中で、社会保障制度の中で既に診療報酬の改定および措置費についても、国家公務員の給与に準拠して進められてきているということからしますと、この介護保険制度もそうしたことは無視できないわけでありますので、そういう見地からの整理ということはあってしかるべきではないかという気がしております。
 2点目としては、前回も申したわけでありますが、特に各地域の介護ニーズ、地域の実態、それから率直に言って地域の物価差、その他、いろいろ勘案しますと、特別区あるいは政令指定都市。政令指定都市といっても、首都圏、近畿圏、その他、単純に1つと見ていいかどうかということはありますが、細かい論点は置くとしても、今後、首都圏や大都市の介護ニーズが量的にも高まる。それへの備えとしての介護人材の確保ということからしますと、そうした地域での人材確保が可能な基盤整備という観点からも、この国家公務員の賃金体系に準拠した地域区分の設定というのは、流れとしては進めていくべきことではないかと思います。
 3点目は、先ほど馬袋委員からもございましたが、個別のデータについては幾つか疑問点もございますので、今後、更に精査をして検討を加えるべきと思います。
 4点目は、今日のデータだけですと、結論だけ申し上げるわけにもいきませんが、前回も申し上げましたが、この介護報酬の中で介護人材との関係では、人件費の比率という論点は重要な要素ではないかと思っております。
 前回、21年改定で従来の2区分が3区分となり、一定の改善は見たところでございますけれども、やはりサービス実態ということから見ますと、訪問介護、訪問看護など訪問系のサービスについては、これは人の力そのものがサービスに展開されているわけでありますから、例えば80%程度の人件費割合を見るべきではないか。また、施設系などは45%程度に置かれておりますが、果たしてそういった位置付けが正しいのかどうか。
 これも少なくとも50%を超えるような位置付けなど、もっと判断材料も必要かと私も思っておりますが、地域区分とあわせて、そうした人材確保に向けた要素というものを重視されていくべきではないかと考えております。
 以上です。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 ほかにどうぞ。
 今、御指摘の点は、2ページの参考1ですけれども、この前もこれを議論して2区分を3区分に変えたんです。ここに並んでいるものが、70%はわかるんです。55%のカテゴリーも、まあ、わかるんですけれども、45%はいろいろなものが入れ込んでいますよね。3施設とグループホームみたいなものが同時に入っていて、これは経営の実態から見ると、少し乱暴のようにも思えるんですが、改めてここに区分けしているサービスの中に入る各種のサービスの妥当性みたいなものも、1回きちんと洗い直してみたらどうかなと、私はちらっと思うんです。
 ちょっと無理しているかなという感じもあるので、最後はえいやと入れ込んで決着を付けていますから、後知恵でちゃんと説明しろと言うと難しいかもしれませんけれども、もう一回きちんと、どういう筋でこういう区分がなされているかということについて、説明可能なようにいろいろなものを直していったらどうかと思います。今の関係で言えば。
 ただ、サービスの比率を先生のように70%、80%でいいかなというのは、直ちには言えないことですので、改めて議論しなければいけないことですけれども、御意見としては伺います。
 ほかにどうぞ。

○馬袋委員 この地域区分のところは人件費を中心にということですが、やはり私ども、いろいろな団体や地域の方々、都市部の方々に聞くと、余りにも特別区とその他では物件費の差があるんだ。これをどういう形で見ていくのか、いつも議論になります。人件費は人件費で考え、そして物件費をどう見ていくのかについても、議論はしておくべきではないかと思っております。
 以上です。

○大森分科会長 ほかにどうぞ。今日、唐突にどうですかと意見を聞かれても困る方もおいでになるかもしれませんので。これは今日に限っていませんので、あと数回はこの種の議論。ほかの重要項目もございますけれども、少しずつ固めるような議論をさせていただきます。本日は、このぐらいで皆さん方、よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○大森分科会長 では、必要なデータを準備して、次に備えることにいたします。
 それでは、残っている時間、ぎりぎりまで結構でございますので、前回話しにくかった、あるいは自分としてはもうちょっと主張したかったことがあれば、伺っていきたいと思っています。今日はテーマを絞っていませんので、追々、少しずつ皆さん方の議事録等を拝見しながら論点をまとめていく作業をいたしますけれども、本日は前回の続きで、フリーにいろいろ議論していただいて結構だと思っています。
 どなたからでも結構でございます。どうぞ。

○勝田委員 まず、東日本大震災から1か月半、もうすぐ2か月になるわけですが、この間、多くの介護従事者が仕事中に亡くなられたということで、この実態把握がなされているのかどうか。今までわかっている数字でも結構ですので、教えていただきたいということと、この亡くなった方々は労災の対象になるのか、補償をどのように考えているのか。特に、ヘルパーさんなどが、ちょうど仕事の時間帯でしたので、高齢者の方々を助けて自分が亡くなったということも聞いていますし、そういう中で、特にヘルパーさんというのは非正規の方も多いわけです。それから、先ほどもおっしゃいましたが、男女差も含めて差をつけないということで、基本的な考えがありましたら是非教えていただきたい。また労災の扱いになるのかどうか、考えをお示しいただきたい。
 今後の介護報酬の改定について、前回、家族の会で「認知症の人も家族も安心して暮らせる要望書」を配付させていただきましたが、十分に説明できなかったわけです。特に私が再三申し上げているのは、認知症については、早期発見、早期治療、そして早期にしっかりしたケアをすることで軽度の状態を維持することができる、重度化を防ぐことができると訴えてきましたし、今後も同じ考えです。
 今回出された中で、地域支援事業の介護予防、日常生活支援総合事業の新設に関わるところで、利用対象や利用方法についてはとても心配しています。現在、地域支援事業の対象というのは、本来、介護保険サービスを利用していない高齢者で、主に介護予防が実施されているわけですが、改正案では、この中に要支援者1、2が含まれているということ。それから、市区町村の判断でやるかやらないのかということを決めると言われています。
 それで、私たちは、今も言いましたように、軽度のときこそしっかりしたケアをするということの中で、この要支援者の認定者に対する介護サービスについては、内容とか事業者を市区町村が任意で定めているということ。そして、従来どおり、重ならない部分については、介護予防サービスは利用できるという複雑な提案がされているわけですが、私たちは介護保険というのは利用者が選べるサービスだということをとても大切に思っていますし、これからもそうです。この新しい介護予防、日常生活の支援総合事業については、選択する権利ということもなくなるのではないか。
 そして、事業内容の中で、見守りとか配食サービスと言われていますが、特に生活援助に関する部分では、暮らしに関わる基本部分が介護保険給付から外されるのではないか、これがとても心配です。2006年の介護報酬のときにも、要支援者の場合は、ホームヘルプサービスとかデイサービスは月単位の定額制になりました。当初は、大丈夫です。希望されれば2回でも3回でもと言っていたのに、実際は1回しか使えないとか、実質的には利用量を減らされた。
 そして、特にこのサービスを利用しているのは、80歳以上の高齢者がとても多いということです。そういう中では、これが創設された場合でも、本来、利用者が選べる、自ら選択して利用することができることを確実にその中で保障していただきたいと考えます。
 もう一つ、どうしても言いたいことは補足給付についてです。これは以前も議論されたことですが、私たちは提言も出している中で、介護保険の収入というのは、実際の介護保険サービスに利用したいと述べてきました。今、補足給付が全体として介護保険の中で幾ら使われているのか、おわかりになる数字で結構ですが、教えていただきたいということと。
 例えば、特別養護老人ホームの入所者の4分の3は補足給付を受けていると聞いていますが、本来、この補足給付を受ける方々というのは一般の生活保護などで対応すべきではないか、介護保険は介護保険財政の本来の直接サービスに使うべきではないかと思います。その点について教えていただければと思います。
 以上です。

○大森分科会長 幾つか御質問がありましたけれども、今日、お答えできることがあれば。

○川又振興課長 振興課長ですけれども、ヘルパー事業所とかデイサービス、ケアマネの事業所など、在宅の事業所の被害状況がまだ十分明らかになっていないところがございます。今、県などを通じて調べていただいておりますけれども、連絡がつかないところがあって、今のところそもそも事業所の被害状況がまだわからないところがありますので、従事者がどれぐらいということもまだ判明していない状況でございます。
 労災等については、介護だけではなくて、全体のルールにのっとってということになろうと思います。
 2点目の介護予防・生活支援総合事業でございますけれども、これは利用者の状態像あるいは意向にのっとって、適切なマネジメントのもとに行われるというのが前提でございますので、それで市町村が創意工夫をして、社会資源あるいは地域のマンパワーを使ってやっていく事業ということでございます。

○古川介護保険計画課長 補足給付についてですけれども、20年度の数字は給付費ベースで約2,400億円です。
 それから、補足給付のあり方についてですけれども、これは介護保険部会でもさまざまな御議論をいただき、とりまとめていただきました報告書の中では、税と社会保障の議論と併せて、そのあり方について考えることとされているところです。

○大森分科会長 今、勝田さんがおっしゃったのは、補足給付は、本来、介護保険財政の話ではないんじゃないか、広く言えば福祉の話ではないですかという問題提起でしょう。それを含めて、そちらの方で御検討になるという理解でしょうか。

○古川介護保険計画課長 補足給付については、確かに低所得者対策という要素がございますので、福祉的要素が強いということはあろうと思います。ただ、同時に公的社会保険でございますので、保険制度の中で所得の再分配を行うことも制度としてはあり得ることだと思っております。
 そうした中で、税と社会保障全体の議論と併せて、公費のあり方、それから保険料のあり方を考えるということになるのだろうと思っております。

○大森分科会長 勝田さんからどうぞ。

○勝田委員 今、お答えいただいているんですが、最初の、もう2か月になろうとしているのに、実際に事業所の被害状況がまたわからないとおっしゃる。では、今どこまでつかんでおられるのか。いろいろなことで頑張ってくださっていることはよくわかるんですが、民間の事業所の団体さんもお見えになっているので、それぞれは私たちも会員の安否確認も含めて、どうしてもまだ所在不明がありますが、事業所については、まず流失されたのか、どうなっているのかという状態像は今、つかんでいるものでどうなのかということをお尋ねしたのです。
 ただ、わからないということでそのままいくのかということがとても不安です。重ねて、今わかっている範囲でどうなのかということをお尋ねしたいということと。
 被災地で高齢者や認知症の方々が、助かった命が震災関連死の形でたくさんの方が亡くなっておられる。この状態を何とかしなければと思いますが、どのようにお考えなのかもあわせてお示し下さい。

○大森分科会長 はい。

○川又振興課長 勿論、今、把握する努力を、各県を通じて行っています。手元に岩手県の4月15日現在でございますけれども、海岸沿いの市町村のデータがございます。事業所数408のうち、確認済みの事業所が394、そのうち何らかの被害があった事業所が110。ただ、これはガラスが割れたとか軽微な被害も込み込みです。先ほどの確認済みの394のうち、サービス提供が可能な事業所が341ということで、86.5%はサービス提供が引き続き可能という状況でございます。
 ただ、全部の確認ができていないという意味で、先ほどはデータがないと申し上げましたけれども、確認の努力をしておりますし、ほぼ9割方のところは確認ができている状況でございます。

○大森分科会長 今のように、手元にわかる数値があったら、最初からお答えになった方が早いです。
 では、課長さん。

○水津高齢者支援課長 厚生労働省の社会援護局の方で、都道府県を通じて、特に物的被害の方が中心になるかと思いますが、何回か調査をしております。それによりますと、児童福祉施設、老人福祉施設、障害福祉施設、その他福祉施設と聞いているんですが、トータルで岩手、宮城、福島を合わせまして、全壊、半壊、一部損壊等、全体で690施設ということでございます。そのうち、施設ごとの内訳もございます。老人福祉施設については、全壊が11、半壊・一部損壊等が224。今、手元にある数字としては、こういったものでございます。

○勝田委員 物も勿論そうですが、当然そこに働いておられた従事者の方々がどうなっているのか。それが建物が壊れたとかじゃなくて、亡くなったり、流失した場合に、そこに働いておられた人たちがどうなったのかという実態把握は、やはり全くわからないのでしょうか。

○水津高齢者支援課長 今、申し上げたのは、厚労省全体として社会援護局の方でとらえている数字でございます。人的被害、厚労省の方で全体像を把握しているということは、現状ではないと思っております。ニュース等を見ていましても不明の方が1万人以上いらっしゃるということで、人的被害トータルの数字としてまとめるということについては、まだしばらく時間がかかるんだろうと推測はいたします。

○大森分科会長 よろしいですか。

○勝田委員 はい。

○大森分科会長 では、池田さん、どうぞ。

○池田委員 前回も申し上げたことなんですけれども、東日本大震災はただごとではない。ジャーナリズムを通じて被災者の人たちの顔を見ていると、それは悲しみに暮れていますけれども、すごくいい表情をしているんです。自分たちで助け合う自助と互助が感動的なまでによみがえっています。もし介護保険がなかったらば、ケアマネジャーが自分のお客さんを守ることもなくて大混乱になったでしょう。
 つまり、私たちが東日本大震災から学ぶべきことは、そこで自助と互助と共助と公助が見事に動き出したということなんです。震災地に行って、お年寄りの衣服の整理も重要です。クーラーの掃除も重要です。介護保険でやって下さい。そんなことを言ってみて下さい。どんな顔をされるでしょうか。つまり、今、大きな変化があるとするならば、一体どこに配分していくのかということを、ここでまじめに考えなければいけないということなんです。
 前回も言いましたけれども、要らないものは要らないんです。家事援助は、デンマークでは週1回か2回です。スウェーデンも1回か2回です。我々は、お年寄り、おばあちゃんのお世話保険をつくったわけじゃありません。何が必要かということを今、震災の中できちんと考えることが必要だということです。
 私は、要支援1、2というのは介護保険から外すべきだと思います。どこで切ったって同じことが起きるんですよ。要介護1で切れば要支援はどうしてくれるということになるんですよ。要支援を切れば、今度、特定高齢者はどうなる。ずっと続いてしまうんです。どこかで切らなければいけないんです。どこかで切ることを考えるとするならば、新しい方式として自治体に任せるという方法も一つの方法だと思います。
 そこで具体的に今、厚生労働省と国交省が相談員付きの住宅をつくって、それと巡回サービスを組み合わせるという方向は間違っていません。ただし、難民キャンプにしてこれをやってもらっては困るので、新しいタウンをつくる軸に置いてほしいということが1つあります。
 もう一つは、この巡回の問題は恐らくこれから非常に大きくなると思うんですけれども、住宅政策とセットしたものと、自宅で短時間回るのと、ちょっと意味が違うんですよね。恐らくどっちも大切だろう。だけれども、どっちかを選んでしまうと政策的に流されてしまうんじゃないかということがあって、ここもすごく大きな論点だと私は思います。
 それから、3つ目が認知症です。前も言いましたけれども、認知症というのは確かに介護保険によって、マジョリティーになりました。社会的な注目が大変集まりました。でも、中核症状とBPSDの区別もついていない。やっていることは見守りだけ。見守りは非常に重要ですけれども、寄り添う介護なんてばかな議論が出ているわけです。寄り添う介護から認知症ケアというものを開放しない限り、本当に役に立つ認知症介護はできないんです。コスト的にもそんなことはできない。
 だから、それをきちんと組み合わせること、どうもここが弱過ぎる。恐らく一番重要なのはBPSDの緩和あるいは解消ということで、ここに集中するだけでも家族の負担は大きく下がるはずです。そして、通所あるいはグループホームという、ある意味では預かり型の見守りになるんですけれども、これを広げていくことはすごく大きなことになるわけです。まさか24時間、認知症の方に人をつけることはできないんです。それは配分上、不可能なんです。
 という意味で、これは後で聞きたいんだけれども、一体幾らお金があるんですかということなんです。お金がないとすれば、そこは仕分けをしなければいけない。切るべきものは切るということをやらなければいけないことになってくるんじゃなかろうかと思います。
 ついでに補足給付のことを言っておきましたけれども、今の金額をそのまま延長すると3,800億円ぐらいになってしまうんじゃないかと思います。あれ、1億円の預金があったって出るわけでしょう。そうすると、厳密にやれば、実は金額は半分以下で済むんですよ。介護保険は半分税金なんです。だから、税金でやっても一切損はしないんです。東日本大震災というものが一体何を私たちに求めているかということを考えれば、そこまで突っ込んでいい時期に来ているんじゃないか、それを申し上げたいと思います。

○大森分科会長 一体お金はどのくらいあるのか、私も知りたいですけれども、今、なかなかそのことは。でも、上がるような話には絶対ならないですよ。幾ら介護が重要であるからといって、この震災対応の中で私どもだけが単価が上がるという話は、恐らく通用しないと、皆さん方もそう思っておいでになるんだけれども、それぞれのお立場だとなかなか言いにくいものですから、難しいこともあるんですけれども。
 私もちょっと言葉は違いますけれども、今回、被災地に相当のお金を投与しなければいけませんので、そのことを私どもがこれから議論するとき、いつも念頭に置きながら議論するということだと私は思っています。だから、3.11の後、従来型のような議論をそのままするということは、給付費分科会もできないという気持ちは私もあるので、そのことを具体的に示すにはどうすればいいかということの知恵を出してもらうということ以外ない。介護保険制度そのものは守り通しますけれども、今回のような非常事態に対して、ここだけが単独で何かできるという話はない。
 その意味で言うと、政府全体が今回どういうふうにお考えになっていて、社会保障の御議論が進んでいるように聞いていますけれども、全体の中でどういうふうに位置付けられるかということも、いつも気にしながら議論することになるんじゃないかと思っています。
 今日、気分的にしゃべり過ぎているような感じが私、していまして、この程度ですけれども、非常に重要なことですので、いつも忘れないで議論したいということをお願い申し上げたいと思っています。
 それ以外に、どうぞ。

○木間委員 今、大森先生がおっしゃいましたように、悲しみを分かち合うために私たちは何をしなければいけないのか、常に考えていかなくてはいけないと私も思っております。
 私は、前回、和光市が地域保健研究会作成の生活援助から自立を目指す生活機能向上プログラムを導入して、介護度を改善し、介護保険給付の低減を実現したことを申し上げました。本日は、北九州市が22年度のモデル事業として生活機能向上プログラムを導入し、生活機能向上サービスを提供し、訪問介護を利用する要支援者の生活機能を向上させた結果について申し上げます。
 北九州市のモデル事業の対象者は、介護予防訪問介護の生活援助を利用している要支援者です。生活機能向上サービスを受ける人と受けない人に分け、比較をしています。提供された生活機能向上サービスは、利用者の家事遂行能力や体調などに合わせて行う体操と作業療法の面から行う手作業と口腔ケアなどです。本人はセルフケアプログラムがあり実施しています。朝・昼・晩の体操や口腔ケアです。
 生活機能向上サービスの提供の前後に、体力測定、活動機能検査、家事遂行能力調査、生活健康度調査が行われています。生活機能向上サービスは、ヘルパーが週1回、1回30分、3か月行いました。生活援助と生活機能向上サービスを一体的に提供した結果を、家事遂行能力と身体機能・体力の面から見ています。生活機能向上サービスを提供された人たちは、ほぼすべての項目に改善傾向が認められました。それに対し、生活機能向上サービスを提供されなかった人たちは、低下あるいは維持の項目が多いという結果になっています。
 例えば、体格、体力、体水分量、身体活動量の測定値の中で改善が認められたのは、安静時脈拍数、握力、10mと6mの通常歩行速度、歩幅、歩数、舌圧、体内総水分量や細胞内液量等々であります。
 生活機能向上サービスの提供の前後に、この事業の評価指標の一つとして、地域保健研究会が開発した家事遂行能力尺度を用いて、掃除、洗濯、調理など家事の36項目について5段階の遂行能力ランクを調査し、解析しています。生活機能向上サービスを提供された人は、家事のすべての項目で、生活機能向上サービスを提供されなかった人たちよりも高く、遂行能力が向上していました。生活援助と並行して生活機能向上の支援を行うことによって重度化防止ができること、また生活機能向上プログラムは効率的に個別対応が可能な手法であるということも実証されました。
 この北九州モデル事業支援評価統括委員長の地域保健研究会の田中甲子先生は、軽度者の介護予防は、高齢者の自立による尊厳と介護保険制度の安定運営のかぎである。高齢者の激増に備えるために、制度化による普及・推進が早急に望まれると指摘なさっておられます。
 別の調査でありますが、慶應義塾大学の池上直己先生たちが予防給付利用者の解析結果を基に、通所介護を勧奨し、訪問介護を抑制する政策の妥当性は認められず、早期に是正する必要があると指摘しています。
 私は、先ほど池田委員がおっしゃいましたことに賛成とか反対とかではなくて、制度を改定するに当たりましては、こうした実証分析を基になさることを望みます。

○池田委員 日本福祉大学のK先生のデータでは、家事援助を使っていると悪くなっているというデータもあります。したがって、いろいろなデータがあるんです。だから、一つや二つでエビデンスはないので、それをきっちりと説明した方が、ちゃんと調査してトータルに比較してみた方がいいと思います。今おっしゃったことは、ある意味で一方的な一つのデータにすぎない。逆のデータもあります。
 もう一つ、予防というのは自己責任じゃないですか。何で介護保険からお金を払わなければいけないんですか。

○大森分科会長 今日、論争をしますか。もう一言答えたいですか。

○木間委員 論争はしません。池田委員に対して論争など、恐ろしくてできません。誤解を解いておきたいのです。
 私は家事援助を必要とか必要でないとかではなくて、客観的なデータがあるということを申し上げているのです。家事援助をすることによって悪化したというデータがあるということも存じております。ただ、今回の場合は、先ほど申し上げましたように、体格とか体力とか体水分量、そういう科学的な数値で示したということであります。
 それから、予防は自己責任ということは、私も高齢者でありますから体操をやって予防をいたしております。ただ、介護予防は異なります。介護予防・日常生活支援総合事業というものが今度できるわけでありますが、制度改定にあたっては、こういうデータを慎重に検討していただきたいということを申し上げておきます。

○大森分科会長 どうぞほかの方。よろしければ早く終わりますけれども。
 どうぞ。

○篠原委員 これからの進め方ということで、要望としてお聞きいただきたいと思います。
 前回、老人保健課長の方からも、夏ごろまでに基本的な視点に沿った議論を進めるといった説明はありましたが、前回、小林委員からも発言がありましたように、具体的な各論の進め方と、どういう形で今後進めていくかの工程表を、できるだけ早目にお示しいただきたいと思います。

○大森分科会長 という要望が出ましたけれども。

○宇都宮老人保健課長 具体的な工程表というよりも、前回も申し上げましたが、とりあえず夏ぐらいまでにある程度の項目の道筋というか、方向性というか、今回の地域区分の話もそうなんですけれども、その辺について比較的早い時期、あるいは重点的に議論すべき話からしていって、秋の実態調査の結果が出たぐらいから、実際にどういうサービスについては評価するとか数字の話も含めてを議論することになると思います。
 現時点では、こういうフリートーキングの中でいろいろお話いただいたものを整理させていただいて、それで実際どういうものから議論すべきかというのを決めていくという話になると思うので、むしろこちらでの御議論をいただいてから少し整理していくということじゃないかと思います。最初から事務局で、この時期にこの項目を議論してということではないのかなと思っておりますが。

○大森分科会長 何か御意見があれば。どうぞ。

○篠原委員 そうすると、しばらくの間、夏ぐらいまではこういうフリートーキングをしていくという認識でよろしいんでしょうか。

○宇都宮老人保健課長 済みません、そういう意味ではなくて、前回と今回、いろいろ御意見をフリートーキングで出していただいたので、大体それで委員の皆様方の問題意識というのも、我々としてある程度把握したということで、これを踏まえてどういった論点を整理して議論していったらいいかというのを考えさせていただいて、分科会長と相談して、今後こういう順番でやりましょうということになると思います。ですから、今日この場で、何をいつ議論ということを示すということではないということです。

○篠原委員 今日、この場でということではございません。わかりました。

○大森分科会長 どうぞ。

○勝田委員 これ、言うべきかどうか迷っていたんですが、先ほど要支援を切ってもいいんだという御発言がありましたが、私は軽度のときにしっかりケアすることで重度化を防ぐ。そうすれば、お金も逆にかからないのではないか。
 そして、予防が自己責任だと。それは確かにそうかもしれません。だけれども、例えば認知症になりたくてなる人はいないわけです。だから、そういうふうに切って捨てていいのかどうか。私たちの議論の前提として、お金がないから切っていいんだということを基調にして今後積み重ねていくというのは、私は恐ろしいなと正直思います。
 そして、確かに東日本大震災について、みんなでやっていこうという考え方は、これは大切ですし、またやらなければなりません。だから、逆に介護保険は我慢しろとか医療保険の方は我慢しろというのは、私はおかしいと思います。介護保険は介護保険、医療は医療としてしっかりやることこそ、逆に東日本の震災に遭われた方も含めて支援することになるのではないか。
 だから、向こうにお金がたくさんかかるから、こっちをうんと我慢しようじゃないか、今までどおりのことを言っていてはだめなんだと言いますが、今そこに住んでおられる方たち、被災された方々だって、きちんとした介護サービスを望んでおられますし、自立自助は確かに大切です。
 笑顔がとてもいいと言われましたが、それは安定したということではない。確かにみんなで助け合いは大切です。だけれども、基本的なことがあってこその助け合いだと私は考えますし、これから議論を進めていくときに、だから我慢しなさいという論法では、お金がないからということはわかります。それをどうやってやっていくのか。
 軽度を切り捨てれば、なおさらお金がかかるのではないかと私は考えておりますし、ケアの方法についても、それはプロの方がおっしゃる分には、それはそれとして聞きますけれども、私たちが地道に30数年間、みんなで支え合ってきたことまで否定されるようなケアのあり方というのはないのではないかと思います。
 以上です。

○池田委員 一言話させていただきます。
 まず、日常生活自立度2以上は要介護1になります。それはテキストにも書いてあります。したがって、境界線が要支援に入っているかどうかということなんです。境界線に対するケアの仕方と、要介護1、つまり認知症自立度2以上は違います。そこのところをエビデンスでちゃんと説明してください。
 もう一つ、被災している要介護高齢者が大変だから、そこにお金を渡さなければいけないんです。どこから出てくるんですか。自分たちが欲しいお金は取っておいて、そっちへ回さないという議論は成立しないということです。
 それと、医療保険のことをおっしゃいましたが、医療保険は3割自己負担です。私、外来に行くと20万円以上取られます。介護保険は1割自己負担ですよ。しかも高額介護サービスだって、1万5,000円以上払わなくていいという制度があります。はっきり言ってうそですよ。お金がないから使えないなんて、うそです。日本の低所得者施策というのは、物すごくよくできています。払いたくないだけですよ。そういうものに私はこの議論を誘導させてはいけない。
 要支援のレベルというのは、基本的に自己責任の問題です。自己責任のない方に介護予防を押し付けたって、やってくれないことは、特定高齢者でわかったはずです。そこを見直せと僕は言っているので、残念ながら勝田さんの意見とは全く違います。

○大森分科会長 どうぞ。

○武久委員 かんかんがくがくとやる前に、一般的に考えまして、予防というのは池田先生がおっしゃるように自己責任の部分がありますけれども、介護保険の場合は保険者というのがありまして介護保険特別会計というものがありますので、各保険者が介護予防を進めることによって介護保険の特別会計をマイナスにしない要素になるということですから、保険者の関与を非常に強くするべきではないかと私は思います。
 例えば医療であれば市民健診というのがあります。これは予防ですけれども、市の方がお金を使って健診をしておりますし、介護保険だけが予防を全部、要支援1、要支援2をカバーしなければいけないということはないと、私も思いますし、その辺のところは、この間の改正案でも、要支援1のところは市町村の保険者が対応するという文言もありましたから、行く行くはそういう方向に行くのではないかと思います。
 先ほどの議論でも、やはり全部のケアプランをヘルパーで覆い尽くしているような例がございまして、その人たちがそれでよくなったかというと、いろいろなデータがありますけれども、余り過保護になると子どもが十分うまくいかないのと同じではないと思いますけれども、ある程度の自助をもう少し意識を高めるという工夫もしないと、この介護保険財政というか、介護保険そのものが将来崩壊するような可能性もあって、重度介護者を手厚くしようと思えば、予防については市町村の保険者がある程度、市町村によって対応するということがいいんじゃないかと私は思います。

○大森分科会長 ほかにどうぞ。

○三上委員 財源の話もあるんですけれども、先ほどから予防をどうするかとか、補足給付を介護保険で払うのはどうかという話ですが、基本的には保険という制度自体は、事故があって、それに対して保険給付するものだと考えておりますので、予防は必要だけれども、介護保険でやるのはおかしいんじゃないかという議論は、当然成り立つものだと私は思います。
 ですから、予防につきましては、介護予防等についても、先ほどあったように、保険者、要は自治体が責任を持っていろいろな事業をやる。保険者の責任でやっていくことはいいですけれども、保険で給付することについては非常に問題がある。この話をすると、健康保険というか、診療報酬の方にもはね返ってくる可能性があるんですが、特定検診等も当然関わってくる話なので、両方あわせて議論しないと整合性がとれなくなってくると思います。
 先ほどあったように、この介護保険の財源を心配するということであれば、私はまず補足給付を最初に議論して、これを介護保険から外すということで、3,000億円近い財源をそこで捻出しておくことは非常に有効じゃないかと思いますので、是非やっていただきたいと思っています。

○大森分科会長 どうぞ。

○武久委員 ちょっと資料の説明をさせていただいてよろしいでしょうか。

○大森分科会長 どうぞ。

○武久委員 今回は、議題2に「平成24年度介護報酬改定に向けて」ということで、各立場でいろいろな要望を話してもいいということで、資料をお配りしてございますので、ごらんになっていただきたいと思います。この分科会でも、介護療養型医療施設の経過措置の6年延長、これは介護保険改正にも入っているということで、ウエートとしては非常に大きい部分だと思いますので、それに伴う要望についてお話をさせていただきたいと思っております。
 昨年6月に老健課と医療課と合同で横断調査を広範囲にやっていただきました。それに対する結果として、いろいろなデータが今も集積されておりますけれども、今お配りしてございますように、これが結果のグラフでございます。棒グラフの方で、右側が介護保険施設及び在宅でございますが、この6つの処置項目についてのデータのみでございます。在宅が結構重度の方を担っているということがわかりますし、その次に特養、なぜか従来型老健は、比較的この6つの項目については軽い。
 その次は、介護療養型の介護療養病床につきましては、25対1に比べましても結構重い方が入っていらっしゃる。これを従来型老健に一体化しようとすると、余りに機能の差が大き過ぎるんじゃないかということであります。これは、医療保険と介護保険で横断的に調査したという非常に画期的な調査でございまして、医療保険の方でも左から3番目の医療療養病床の20対1というところが、ほかのところに比べますと、喀たん吸引とか、いろいろな医療的処置も含めて一番重症ですけれども、介護療養型病床もそれに劣らない。
 最初にお配りした資料の4ページを見ていただきますと、表はちょっと見にくいのでグラフを見ていただきます。
 赤く囲んでいるのが介護療養型です。ほかの一般病棟とか、いろいろなところが出ておりますけれども、それに比べましても、意識障害、摂食嚥下障害、高次脳障害、栄養障害、更に6番目に行きますと、中心静脈栄養、人工呼吸器、気管切開、酸素療法、喀たん吸引、経管・胃ろうという方も非常に多く介護療養型にいらっしゃいます。
 8ページは、疾患名では脳血管疾患、骨折、認知症、心疾患でも、ほかの病棟に比べても遜色ないほどの重度の患者さんを診ています。
 9番でも、がんの患者さんが一般病床とかほかのところと比べてみましても、介護療養型に結構多く入院されているということ。
 それから、その下も同じです。
 11番も同じですけれども、12番で、要介護5の方が66%で、4の方が22.5%。
 最後の13でも、認知症の(ローマ数字4)とMを足しますと60%以上という、介護療養型における認知症高齢者で、特に身体合併があるような方は、ほとんど介護療養型以外ではなかなか診られないという現状であります。
 翻って、要望書の一番前を見ていただきます。ということから考えますと、介護療養型医療施設は存続すべきではないか。そして、要介護4・5の評価をもう少し上げるべきではないか。と申しますのも、要介護度だけでなしに要医療度も非常に高いということで、医療必要度の高い患者には重度加算、医療加算のような評価ももう少し考えていただいたらどうかと思います。
 また、がんの患者さんも、急性期病院で再発やターミナルの方を長く診ることがなかなか難しくなっておりまして、医療療養だけでなしに、介護療養にもがんの患者さんが増えておりますので、これについては別に評価していただけたらどうか。
 それから、今、介護療養型は平均在院日数が300日前後でございますけれども、介護療養型も急性期の病院から治療が終わった患者さんをお受けするということから言うと、促進するためにも医療療養と同じように初期加算というような、在宅から入ってくる、また急性期の病院から治療が終わって入ってくる人に対しての評価をお願いしたら、もう少し患者さんの入院の回転がよくなるのではないか。
 それと、今は介護保険施設はいずれも平均在院日数の縛りがございませんが、本来の介護保険の趣旨から言いますと、要介護状態が軽減すれば在宅へ復帰するということが、これは特養も含めて介護保険法ではなっているわけですけれども、どういうわけかなかなか進んでいないということから考えますと、平均在院日数の短縮をするということが、これから急性期からどんどん患者さんが増えることに対して、介護保険施設のスタンスとしては重要。更には、在宅復帰率、またチーム医療加算。
 それから、現在、特別食は、肝臓食とか腎臓食というように、終戦後間もないころに改定されたままの特別食ですけれども、現状としては、むしろ高脂血症の特別食ではなしに、低栄養、脱水のような患者さんが非常に増えておりますので、こういうことに対して非常に一生懸命やっても特別食加算は全くないということがございます。
 10番目に夜勤看護ですけれども、医療の世界では72時間の夜勤の時間というのがありますけれども、介護保険では64時間という、ちょっと考えられないような時間になっております。現状として、要介護、要医療の患者さんがどんどん増えますと、夜勤者を増員しますと、これに引っかかるというちょっと逆の方向になっておりますので、是非これは外していただいて、入院してこられる患者さんの状態によって、夜勤を増やしたり減らしたりできるような柔軟性を持っていただきたいということ。
 11番目としては、今は6対1と5対1、6対1というのがあるんですけれども、これが24年4月以降なくなるということも非常に困るわけです。というのは、医療療養の方は4対1とか20対1ですけれども、介護療養型の方で、要医療の必要度が比較的医療療養よりは少ないところには、この基準を残しておいていただきたいと思います。
 それから、サービス提供体制強化加算、介護福祉士とかは、20年のときにもこの会で問題になりましたけれども、割合が50%以上という分母を配置数でやるか、現状いる介護職員にするかということで少し議論があったと記憶しております。これは、あくまでも法定配置数分のということにしていただかないと、結局、要介護の方が多いので加配をする。加配すると、これが取れない。法定で計算すると、十分50%以上いるんだけれども、加配したために50%を切ってしまうというのは、公序良俗にちょっと反するような決まりではないかと思います。
 今、24年度の改定について、まだ23年度の4月でございますけれども、今日、改定に対しての要望ということをお話できる時間をいただきましたので、当初ではございますけれども、以上のようなことを要望させていただきたいと思います。また、これを勘案していただいて、いろいろなプランを出していただいて、その結果、秋にもまた詳しい要望も出させていただこうと思っております。
 ありがとうございました。

○大森分科会長 ちょっと私から質問ですけれども、1枚紙の参考資料がございますね。これで真ん中の医療介護施設のところですけれども、ここで圧倒的に重要なのは、喀たん吸引と経管・胃ろうですね。だから、これは制度改正で介護従事者ができるようになっていくわけでしょう。

○武久委員 特養ですね。

○大森分科会長 だけれども、ここを見るとこの2つが非常に重要なんですね。従来は医療行為だったんですけれども、今度は介護職員ができる仕事になりますよね。だから、別にここにとどまる理由はないんじゃないかと素人的に思えるんです。どんどん介護施設の方へ来てくださった方がいいんじゃないか。

○武久委員 私も、この2つの点だけであればそれでいいと思います。ただ、この右側を見ますと老人保健施設です。ここは医師も看護師もいますけれども、特養よりも喀たん吸引も少ないわけですから、結局、特養なり老健に喀たんも入れますと40%ぐらいの患者さんがこういう状態であったときに、果たして夜勤のときに介護職員が法定の中でこれだけの人を回り切れますかということです。要するに、50人のうちの2〜3人であればできますよ。だけれども、30人もいたらどうしますか。できませんよということを言っているんです。

○大森分科会長 問題の御説明がいろいろございました。
 どうぞ、井部さんも資料が出ているんでしたか。

○井部委員 「平成24年度介護報酬改定に関する意見書」を提出しておりますので、説明の時間をいただきたいと思います。東日本大震災の災害の状況をかんがみますと言葉を失うのですが、次期の改定で地域包括ケアシステムを実現するために、看護が機能を十分に発揮できるような体制を検討していただきたいということで、1枚目に要約が書いてあります。
 めくっていただきますと、それぞれの説明があります。簡単に述べたいと思います。
 まず1)は、これまで私も発言してまいりましたけれども、訪問看護を基盤とした小規模多機能型居宅介護の創設ということです。これは推進していただきたい。特に、2行目にあります訪問看護・訪問介護・通所・宿泊の多面的な機能を備えたサービスの創設ということであります。
 2つ目は、「看護職員による居宅療養管理指導」、これはこれまでのサービスとしてあるわけですけれども、算定要件が非常に厳しいために利用が伸びておらないという状況があります。したがいまして、この居宅療養管理指導が機能するような算定の回数や期間についての大幅な見直しをお願いしたいということです。
 3点目は、定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスと、長いサービスの名前ですけれども、是非ともこれは実行性のある仕組みづくりを考えていただきたいということです。訪問看護ステーションとの連携体制は不可欠でありますし、この文章の最後にありますが、看護職員がサービス全体の統括やスーパーバイザーの役割を担うような仕組みを考えていただきたいということです。
 4つ目は、訪問看護と訪問介護を一体的に提供する事業形態の創設ということです。これは新たに複合型事業所が考えられておりますので、看護職員と介護職員の同行訪問が柔軟にできるような仕組みを整備していただきたいということです。
 5番目は、療養通所介護、これもなかなか伸び悩んでいるものでありますが、在宅療養の継続や家族のレスパイトにも非常に効果を発揮しているという報告があります。先ほど池田委員がおっしゃった「預かり型見守り」といった機能も、このサービスが果たすことができると思います。したがって、この療養通所介護のサービスがもっとできますように、重症者の入浴介助などの安全に配慮した実施体制を適切に評価していただくように、考えていただきたいと思います。
 次のページが訪問看護の必要な要介護あるいは要支援者に対して、適時適切なサービス提供が可能な仕組みということに関連してであります。これまでも述べましたように、訪問看護に係る区分支給限度基準額の見直しについて、引き続き検討していただきたいことです。
 それから、訪問看護による退院支援あるいは在宅移行支援の充実ということについての検討もお願いしたいということです。
 3)は、訪問看護による在宅看取りの体制強化という点であります。ちょっと細かいことになりますけれども、介護報酬におきます訪問看護のターミナルケア加算は、死亡日前14日以内に2回以上の訪問などを要件としているわけです。状態の急変や、あるいは退院して数日後の死亡などで2回目の訪問が死亡日に当たった場合には、ターミナルケアが評価されないという状況があります。こうしたことを考えていただき、在宅看取りを支える訪問看護の労力・時間に見合ったターミナルケアの評価というものを要望したいと思います。
 3つ目は、ついの住みかとしての特別養護老人ホームの看護あるいは介護体制の強化ということと、外部医療サービスとの柔軟な連携の仕組みということに関連してです。
 1)が特別養護老人ホームにおきます看護体制の強化という点でありますが、現在、特別養護老人ホームでは、看護職員の夜間の常駐が可能な施設は非常にわずかであります。したがって、利用者の状態に応じて看護職員の夜勤の配置が促進されるような体制加算の見直しなどが必要と思います。
 2)は、日常生活の自立支援に係るケアの推進ということです。これは介護保険の本来の精神でありますけれども、食事や排泄など日常生活の自立支援に係るケアの取組みが重要でありまして、特養においては、特に次に書いてあります「排泄の自立支援」ということが重要であります。この分野の専門看護師、認定看護師も活躍している状況ですが、こうした排泄自立支援に向けた多職種協働での中長期的な取組みなどについて、評価すべきではないかと思います。
 3番目ですが、安全管理体制の構築ということです。先ほどから出ております介護職員によるたんの吸引や経管栄養が認められるようになりまして、特養においては、今後更に医療ニーズの高い利用者の受け入れが多くなると考えられます。このケアの安全かつ適切な実施に当たっては、施設として医療・介護の安全管理体制を整備し、看護職員のサポートや医師との連携を強化することが不可欠であります。医療的ケアの実施あるいは感染予防に関する安全管理の指針を定めて、インシデントの報告・対応体制、あるいは職員研修を整備する施設に対しては評価することが必要ではないかと考えています。
 以上、ありがとうございました。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 ほかに御意見等あれば伺いますけれども。先生、どうぞ。

○大島分科会長代理 申しわけありません、武久先生にちょっとお伺いしたいんですが、一般病床、医療療養型、介護療養型で重症度においてほとんど変わらない。それで、要介護度においては、介護療養型では非常に要介護度の高い方が中心であって、ほかのところでは要医療、要介護、そして要医療プラス要介護というバランスというのは、どういう状況なのか、もしわかっていれば簡単に教えていただきたい。

○武久委員 一般病床の中で、7対1、10対1、13対1、15対1と、看護師さんの数によって病棟が決まっているわけですけれども、7対1が一番看護師さんが多くて、15対1が看護師さんが半分ぐらいしかいないということです。そういうことは、看護師さんとかお医者さんがある程度数がいるところは、高度急性期ということで高度な医療を行いますけれども、13対1、15対1になりますと、どうしても高度な医療が十分できない環境にはあります。
 そうすると、そこにはどうしても入院が長くなるような傾向がありまして、3か月以上入院していると特定患者という名前になりまして入院費が非常に安くなるんですね。それを除くために除外規定が12ほどあるんですけれども、それが18年4月に特定患者の除外規定の中から脳卒中と認知症を外すことになりました。その年の10月から発行する予定だったんですけれども、大きな変革だということで延びておりまして、経過措置がずっと今まで続いているんですね。
 そうすると、15対1、13対1の中にもある程度長期の高齢者さんが入院できるような体制になっています。そういうところと比べますと、医療療養の20対1、25対1と余り変わらない。だけれども、一般病床ですから、外来から入院したり、骨折の手術をしたり、普通の患者さんも混ざっております。だから、特定高齢者というか、要するに慢性期の高齢者の数の割合が多いところは、どちらかというと急性期というよりは慢性期に近い病院だろう。
 だから、一般病床だから全部急性期という意味合いを厚労省全体としては持っていないように思いますけれども、その辺のところを少し整理して、一般病床の中に入っている特定高齢者、特定患者さんを医療療養や介護療養型の、また場合によっては老健・特養の方へ移すことによって、一般病床の枠が少し空くと思うんです。そういう同じような患者さんであれば、同じな診療報酬体系でいくべきだし、いわゆるスタッフの数も同じようにしていったらいいのではないかと私も思うんです。
 それについては、先ほど分科会長がおっしゃったように、喀たんと経管栄養だけだったら特養でもいいんじゃないかと言うんですけれども、特養は特殊な状況でありまして、要介護度が軽くなったら対処するというのが介護保険の建前ですけれども、ついの住みかという位置付けが非常に強いものですから、悪くなって病院へ行っても、また特養へ返されてしまうんですね。そうすると、だんだん長くなると重い患者さんがたまってしまうんです。
 そのために、特養としては、今、井部さんが要求したように、私は医療特養と言っていますけれども、私のところではたまたま看護師さんを役にさせていますけれども、そういう経管栄養や喀たん吸引しないといけない患者さんの割合が非常に高くなってくると、介護職員だけではとても賄えないんですね。そこの量的な問題もありますので、これを直ちに介護保険施設に一体化したらいいじゃないかというのは時期尚早でございまして、医療と介護が半々ずつぐらい必要な患者さん群というのは、どうしてもおります。
 介護が主なところと医療が主なところと半々のところ、この3つの群があるんだということが、このグラフを見ておわかりいただけると思うので、行く行くは分科会長がおっしゃるような方向に行くと思いますけれども、今この辺の過渡期でないかと思いますので、そういう意味で介護療養型病床というのは非常に重要な役割をしているということでございます。

○大島分科会長代理 ちょっと乱暴な言い方かもわかりませんけれども、慢性期が主体になっているような一般病床と、医療療養型と介護療養型の実際に扱っているというか、対象になっている患者さんというのは、ほとんど何も変わっていない、あるいは非常に重複している部分が大きいと言ってよろしいんでしょうか。

○武久委員 それは、保険局医療課の方で調査しておりまして、慢性期医療分科会という別の分科会がありますけれども、そこでも昨年と、それから20年2月に行った調査、同じく医療療養と一般の13対1、15対1を一緒に調べた状態でもほとんどよく似ておるし、場合によっては医療療養の方に重症が多いということは、データとしては出ております。その読み方はまた別ですけれども。

○大森分科会長 どうぞ、三上委員。

○三上委員 武久委員のおっしゃったことで、ちょっと誤解されたら困るんですけれども、13対1、15対1は一般病床なので、さまざまなケースがある。確かに今、言われたように、医療療養と変わらないような、いわゆる特定除外されて90日を超えるような入院患者さんが多いところもありますけれども、その数は病院として調査をして、そんなに多くありません。
 ですから、いわゆる急性期を、あるいは救急入院を受けている13対1、15対1の病院もあるということで、13対1、15対1が慢性期だと一概に決め付けることはできないという結果がちゃんと出ております。ただ、中にはそういうのがあるということは事実です。

○大森分科会長 先生、よろしいですか。

○大島分科会長代理 はい。

○大森分科会長 ほかの方、どうぞ。

○木村委員 少し論点がずれるかもしれませんけれども、前から出ている資料2−1に分科会長メモが載っていて、地域包括ケアシステムを2025年完成に向けて今からスタートしていくということで、基本的な視点が載っています。今日、市町村代表の委員の方々は、お出でになっていないですけれども、今、保険者では第5期介護保険事業計画の策定に入っていくためのニーズ調査等々をしていると思います。
 私自身も地元の市に関与しているので、あえて言いますが、厚生労働省が昨年10月に示したニーズ調査をして、第5期の介護保険事業計画をつくっていく上で、今ほど各委員がおっしゃった在宅医療の話、認知症の話、それから見守り等々の話をしっかり日常生活圏域でセットアップしていくという前提で、ここで各サービスの報酬の単位等々の検討をしていくんですが、保険者側が約4,000箇所ある日常生活圏域の中で、そのニーズ調査をどれぐらい進めようとしているのか。
 何を申し上げたいかというと、この調査の財源の関係とか手間の関係で、その示したとおりのことをやっていないのではないかと私は感じているところです。ですから、今の状況と、それから、それでいいのかということも含めて、2025年までゆっくりやるということもありますが、できるところから、この第5期計画策定から一つひとつ詰めていってもらわないと、ここでいろいろな代表者の方々が議論していくんですが、それをまさに日常生活圏域に落としていったときにうまくいかない気がしてしようがないんですね。
 ですから、申し上げたいことは、今、ニーズ調査がどういうふうに進んで、どれぐらいの自治体が、厚生労働省が示したことでやろうとしているのか。また、やっていないのであれば、どういう理由でやっていけていないのか。そういうことをここにも出していただきたいと思います。今日は突然ですので、資料としては出てこないと思いますが、そのことも並行してやらないと、まさに絵にかいたもちというか、利用者の方々に対しての安心なシステムづくりはできないと思いますので、指摘しておきます。
 以上です。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 はい。

○古川介護保険計画課長 ニーズ調査に関してですけれども、今、木村委員がおっしゃったように、昨年10月に説明会を開催いたしまして、全国の自治体の方にできる限り新たな方式に基づいて調査を実施していただきたいとお願いしております。暫定的ではございますけれども、お示しした項目に沿って全部実施するか、あるいは、今回初めてなので全部はやり切れないけれども、御説明した意図を酌み取って、少なくとも一部は取り入れて実施するかはいろいろありますけれども、何らかこの新たなニーズ調査項目を組み入れてニーズ調査を実施していただけるという御回答自体は、8割から9割になっているというところです。ただ、まだ年度内着手が約4割程度ということですので、実際にどの程度まで実施できているかの検証はできておりませんけれども、そのような御回答を現時点ではいただいているところです。

○大森分科会長 木村さん、よろしいですか。どうぞ。

○木村委員 これは固有名詞を挙げたらまずいのかもしれませんけれども、今回のニーズ調査の意義というのは、日常生活圏域ごとのニーズの把握のはずなんですけれども、前から指摘されているような高齢者の希望調査みたいな内容が多いと思うんです。65歳以上の方々の悉皆調査的なところから把握して分析していかないと、やる意味がないと思うんです。
 ですから、ざっくり厚生労働省さんが考えた意向で8割ぐらいやるという答えが出ましたけれども、内容に関して、私はもう少ししっかり県を通して見てあげないと、やっただけみたいな感じになる気がしてしようがないので、指摘させていただきました。

○大森分科会長 ほかにございますでしょうか。先生、どうぞ。

○田中(滋)委員 介護報酬は経営を成り立たせる側面がありますが、経営については、どちらかというと報酬の水準とか改定率の方が影響があるかもしれません。そこはまだ話になりませんので、報酬だけではなく、さまざまなサービスの基準の変化、改定を通じて地域包括ケアシステムを成り立たせるにはという考え方の整理だけ申し上げます。
 軽度・中度の方にとってみると、お世話型介護ではなくて、本当にその人の自立につながるサービスとしてのリハビリ機能を強化していくのは大変大切だと思います。老健、訪問、通所、すべてリハビリは重点的なものであります。これは報酬という意味だけじゃなくて、サービスの仕方の基準も含めて言っています。重度の方にとっての目的は、在宅限界を高めるサービスですから、今度新設されるであろう定期短時間巡回及び随時対応型、これは在宅限界を高めるためには是非重点化していくべきです。
 また、井部さんが言われた看護の介入ですね。訪問看護、療養通所などの看護の介入というのも、在宅限界を高める重要なサービスであると整理できるのではないでしょうか。
 3つ目は、介護度とはちょっと別かもしれませんが、ターミナルケアです。これは、2025年よりももうちょっと後がターゲットイヤーかもしれません。団塊の世代が本当にたくさん亡くなるのは2025年よりもう少し後になると思うので、地域包括ケアはもう少し前倒しですけれども、目標年をどこかに置いてターミナルケア推進に向けていくこと。これは、在宅、施設、居住系を含めて、亡くなる方を引き受けられるサービスをしていく。こういうそれぞれに重点を置いていく視点が欠かせないと言っておきたいと思います。

○大森分科会長 先生、この前、長い名前、簡略でわかりやすい。アイデアは何かないでしょうか。最後までさっと言いにくいので。法律上は仕方ないでしょう。法律を出しているから、長い名前はしようがない。もともと法律の用語は、一般的に普通の人たちの感覚とずれていますね。内閣法制局問題だと僕、思っているんです。だから、我々としては、もうちょっとなじみやすい言い方で、こういうことを議論するときに、そのことはこれで対応できるという通りやすい言い方で。これが恐らく今後の介護サービスの最も重要な領域になりますので、みんながなじんで使いやすい、いい言い方を。公募しませんか。お知恵があれば出していただければ。
 それ以外の方で、どうぞ。

○勝田委員 そのことに関して、ちょっと教えてほしいんです。たしか介護保険部会の中では、堀田座長さんが中間報告ですということで報告してくださったかと思います。研究会の報告としては、もうまとまったかと思いますが。あのときに、それを担う人材の養成なり、だれが引き受けるのかということを質問したときに、これから検討するんですと、たしか堀田座長さんはお答えになったと思います。
 そのときに、今、委員さんが変わられたんですが、老健施設の会長さんが会議の席上、自分たちが引き受けるんだよということをおっしゃったんですね。今、委員さんが変わられたんですが、それは変更がないのか。そして、何かそのために御準備をなさっているのか、お尋ねしたいと思います。私たち自身は、全体がどうなっていくのかというイメージを図では示されていますが、あのときの御報告では、要介護3以上のひとり暮らしの方ということでした。最近では要介護1から5となっています。
 イメージ的には、それが私たちの在宅を支えるものに本当になるのかなと、なかなか描けない。現段階では、だれがどう担ってくれるのかということが見えてこないんです。それをもし準備されているなり、御説明いただけたらありがたいと思います。

○大森分科会長 何かございますか。

○山田委員 少なくとも老人保健施設は、在宅福祉と在宅支援が2本の柱でございますので、当然我々は在宅支援の中核施設としての機能を果たしたいという考えは常に持っております。当然、まだ足らないところがいっぱいありますので、それは地域包括ケアシステムの中での役割を担い方と、あわせて将来図を示して、これから御提示していきたいと思います。

○大森分科会長 これは、ケアプランのつくり方に関係しますね。木村さんのところは、少し検討に入っておられますか。

○木村委員 今年、調査・研究というよりも、具体的にどういうケアマネジメントをやるかということを調査設計して始めようとして考えているところです。法律は通るんでしょうけれども、内容などをこの検討会の報告書を参考に、現場で仮にこういう状況になったら、どういうふうにケアマネジメントをやるかということを研究というか、実際やるに当たっての課題抽出等を今、始めようとしているところです。

○勝田委員 済みません、もう一度お尋ねしたい。
 老健が担ってくださるということについては、それはそれでいいかと思います。地元に帰りまして、そういうことをなさっている方々にお聞きしましたら、それはとても大きな施設でないと、今でさえ人材不足でやっているのに、外にそれだけを派遣することはとてもできませんよ。やれるのは5%ぐらいですということをお聞きしました。
 委員が変わられたので、そういうことをお聞きするのは酷なことですが、外に出ていくわけですから、全体としてどんなふうにイメージされているのかということが、もし今の段階で。本当にできるのかという懸念を持っています。

○山田委員 その懸念というのは、私たちの力不足だと思いますが、我々は常に在宅を視野に入れて仕事をしているわけでありまして、決して施設ケアだけを提供しているわけじゃございません。そういう意味で、当然在宅ケアの部分で不足している部分は、老人保健施設の機能として、あるいは老人保健施設の本来の与えられた介護保険上のサービスとしてはないかもしれませんけれども、さまざまな在宅サービスを併設して実施してきているわけです。その能力限界というのは現時点ではあるかもしれませんけれども、将来に向けては在宅というのは非常に重要な部門だと思っておりますし、当然我々もやるべきだと思っています。
 その在宅サービスのバックアップをするという基本的な老人保健施設の考え方は、私自身は持っておりますので、決して老人保健施設だけですべてをやろうという気は、毛頭そういう大それた話はできませんけれども、我々は地域ケアの中でその中核として、在宅の不足分あるいは在宅のお手伝いをする部分には積極的に手を出していきたいと思っております。

○大森分科会長 武久さん。

○武久委員 今に関連してですけれども、勿論、老健は管理医師1人と、看護師も余分にいるわけではありませんので、在宅に出ていくという意味ではなかなか難しいんじゃないかと思います。そういうことで、在宅療養支援診療所というのができまして、昨年から在宅療養支援病院ができまして、やはり在宅支援、在宅連携ということは、医療を抜きに語れませんし、また医療機関から外へ出ていくということが在宅支援の柱だと思いますので。
 勿論、老健があるところは、病院があったり、いろいろな施設を併設しているところもありますけれども、単独のところもありますので、それは老健も含めて在宅療養支援診療所、支援病院を含めて、在宅支援をその地域の中でチーム在宅医療連携みたいな形をつくっていかないといけないと思います。

○大森分科会長 池田先生。

○池田委員 研究会に属しておりましたので、簡単に御説明したいと思いますけれども、全老健、慢性期の方がおっしゃったので、施設が中心にイメージされるんだけれども、施設が中心ではありません。あくまでも訪問系サービスというのがどうやって機能していくかということが重要で、できれば施設と複合型であれば非常に機能的だという問題なんですね。これの具体的な問題は、これから給付費分科会で詰めていくわけであって、現時点で固められては困ります。
 もう一つは、零細は無理です。できるわけがない。だから、一定の中堅規模にまとめていくということも必要だと思いますけれども、そこに訪問介護と訪問看護の複合型、なおかつ通所もかみ合わせないとなかなかうまくいかないということで、この設計は、僕はこの給付費分科会の非常に大きな役割だと思います。
 さっきも個人的に申し上げましたけれども、相談員付きの高齢者住宅で巡回するということと、従来の自宅で短時間の巡回をするということは、これは微妙に違います。いずれも役に立ちます。それをどういうふうに整理するかということもひっくるめて、これはかなりきちんと議論をすべきであって、現在の時点でこんな方向だと厚生労働省から言われても困るというのが現状ではないかと思います。

○大森分科会長 篠原さん、さっき予定のことをお聞きになりましたけれども、例えば今日は地域区分について少し説明していただきましたけれども、今のような巡回型の新しいサービスを創設しますので、それの基準と、それにどうお金をつけていくか。それから、御指摘のように人はどういうふうに配置できるのかというのは、なるべく早い時期にこの分科会として検討に入っておかなければいけないですね。こういうテーマは、少し前へ前へと議論しなければいけないようなテーマの一つということになるんじゃないでしょうか。
 まだ事務局と決めているわけじゃありませんけれども、皆さん方の御議論を聞いていると、そういうテーマはできるだけ早い時期に皆さんの御意見を聞いておく必要があるテーマじゃないでしょうか。
 どうぞ。

○馬袋委員 24時間の部分については、先ほど池田委員からもお話がありました通り、在宅ケアをやっているメンバーが、地域を24時間しっかりと、私たちは在宅のチームとして考えていくということのスタートだと思います。訪問介護は日中帯だけ、そして土日はちょっとお休みさせていただく状態であったのも、一部事実のところがあります。しかし、在宅で療養されている方は夜も昼も24時間ですので、24時間を一体的に介護という立場からでもしっかり対応していこうということが、今回のこの中心のテーマです。
 しかし、一つの介護だけでできるものではありません。当然ここに看護であり、医療であり生活もありという、24時間というのは、まさに包括ケアとしてのケアマネジメントを一体的にチームで行うところをスタートだと御理解いただければと思います。私自身も、このサービスの現場をもっています。日中帯でも、昼間でも、いつでもコールしたらつながっている、いつでも来てくれる。そして、確実に今日来てくれるという関係こそが、在宅で長く療養したいという方々に大きな支えになるということです。在宅と施設を含めて連携しながら、これは進めていく大切なサービスになるんだと思っています。
 以上です。

○大森分科会長 どうぞ。

○大島分科会長代理 在宅の話が出てきたのですが、在宅に直接関与されている何人かの先生が見えますけれども、私は在宅医療推進会議を組織して、そこでお願いをしていることもあって、多少動きを知っていますのでお話しておきます。
 医療系では、医師を中心にした在宅療養支援診療所連絡会議が全国組織で発足しまして、歯科医師でも同じように全国組織で、薬剤師も昨年、発足しました。そして、看護系については随分前から訪問看護についての全国組織があります。これで医療系については個別には全国的な組織化ができまして、今、一番大きな問題は、盛んに議論になっています連携をどうしていくかということです。地域というキーワード、そして連携というキーワードで、医療系の連携の動きは動き始めていまして、あと介護系とどう結んでいくのかということが、もう直近の課題になっています。それも着々と今、進みつつあると理解しています。
 その中における一番基本的な24時間365日は当たり前の話でありますが、その体制をどうやってつくっていくのかという基本的なモデルができつつある状況にあると御理解いただければと思います。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○山田委員 先ほどの補足でありますが、地域で介護を支える体制を構築するときに、やはり池田教授がおっしゃったように、今、ばらばらなので非常にむだがあるといいますか、うまくいっていないのではないか。そういう意味では、複合型のサービス。特に医療と介護と、そして僕は医療の中でリハビリテーションを是非入れておくべきで、リハビリテーションを忘れてはいけないと思います。そういうことを複合的に提供していく。当然、これは通所系も訪問系もあわせて、そういうサービスのあり方というのが必要だろうと思います。
 そういう意味では、老人保健施設はすべての職種がそろっていますし、まがりなりにもすべての機能を持っているということと。もう一つは、老人保健施設はこの20年間で在宅部門が非常に重要だということを認識しながら、老人保健施設に訪問看護ステーションあるいはヘルパーステーション、あるいは場合によってはリハビリテーション、訪問リハビリテーションを提供しながらやってきていますので、そういう意味では将来、地域を支える総合在宅支援センター的な機能も老健は果たせるという夢と、そしてそれだけのやりがい、やる気を持っているということを、是非ここで御理解いただきたい。
 ただ、現時点でそれがすべてできるかというと、それは能力的に、あるいは人的にまだできない部分があります。ただ、2025年を目指して、我々は地域の中核施設として、そういう総合在宅支援センター、通所系・訪問系、リハビリテーションを含めたものも併設しながら、地域の中核施設としての機能を果たしていきたいということは、前会長と全く一緒であります。その辺は、表現形式は違うかもしれませんけれども、意気込みだけは御理解いただきたいと思います。
 以上です。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 どうぞ。

○田中(滋)委員 山田委員、馬袋委員から心強い言葉があって、安心いたしました。お二人もおっしゃっていましたけれども、定期巡回あるいは複合型はかぎになります。かぎになるだけに、逆に焦って完成形を2012年に求めることをしてはいけないと思います。2012年はスタートです。最初は実験ぐらいのつもりでしないといけない。例えば2013年になっても、まだ全然広がっていないじゃないか。ニーズがないんだという結論を出してはいけなくて、これからいろいろな試行錯誤を重ねながら広げていく話です。
 したがって、基準づくりも、最初から完成形の、これ以上動かせない、ぎちぎちの基準にしてほしくなくて、最初は柔軟に考えましょうということも大切です。評価も、この委員会として中期的に評価する。毎年評価する話ではないけれども、踏まえながら推進していくべきだと思います。

○大森分科会長 ありがとうございました。
 三上さん、どうぞ。

○三上委員 24時間巡回型のサービスは、スタッフとしても20〜30人の規模が要るということで、施設と訪問系の複合型のものが一番いいだろうと思っております。
 それと、先ほど池田委員が言われた、いわゆる自宅を回る場合と、高専賃のような高齢者住宅、集合住宅の中にそういうものがあって、くるっと回るというのは全く違うと私も感じております。高齢者住宅にそういう介護保険サービスがついたものについては、ほぼ施設という感じがいたします。自宅で、住み慣れた家で介護・療養する場合と、そこを出て高齢者住宅に移り住んで、高齢者ばかりの中で集住化して効率よくやるという場合は、考え方を変えておかないと、これも在宅だと言うとモラルハザードが非常にいろいろ起こってくるんじゃないかと思いますし、ここは研究していただきたいと思います。

○大森分科会長 ほかにございますでしょうか。本日はよろしゅうございましょうか。ございますか。

○山田委員 1点だけ質問。済みません。
 医療と介護の役割分担・連携により、効率的に利用者にふさわしいサービスを提供するというのが論点メモにございますが、医療保険と介護保険、同時改定ですので、そのすり合わせをする場というのは、どこかこれからできるんでしょうか。それとも、例えば中医協と、この分科会と、それぞれが走っていって、事務的にすり合わせをするということでしょうか。

○大森分科会長 では、事務局。

○宇都宮老人保健課長 必ずしもすり合わせということかどうかわからないですが、山田委員が着任される前にもお話させていただいたんですが、こちらの方でも中医協の議論の様子などをヒアリングということもございますでしょうし、また中医協の方でも恐らくこちらの分科会の議論についてのヒアリングということもあるのではないかと思っております。そういうところで情報交換しながら進めていくことになろうかと思います。

○大森分科会長 会議そのものとしては、そういうことを今までやったことがないんじゃないかと思います。ですから、どうしても必要ならばそういうことがあるかもしれませんけれども、今のところは事務方の方で十分調整しながら、ちゃんと情報を伝えてくださるということ。私の気持ちとしては、向こうの方が余り先行して、向こうで決めたから、それに倣えというのは困るので、したがって、私どもとしてはできるだけ早目早目に前倒し風に議論していって、双方歩みが同じようにしたい。そういう気持ちでございます。
 本日はよろしゅうございましょうか。

(「はい」と声あり)

○大森分科会長 それでは、ちょっと事務方の方から。

○宇都宮老人保健課長 それでは、資料3をごらんいただきたいと思います。「介護事業経営実態調査の回収率について」でございまして、この表の一番左側にそれぞれのサービス、そしてその隣の欄に平成23年実態調査の発送数がございまして、現在、こちらにあります数字のサービス事業者の方々に対して調査票を送らせていただいて、御回答いただいているところでございます。
 その右側にこれまでの概況調査、実態調査の有効回答数、有効回答率が書いてございますが、事業によっては大変低い回答率になっているところもございまして、昨年のこの分科会でも大森分科会長の方から回収に是非御協力をというお話がございましたけれども、重ねまして、我々としても回収率を高くするようにお願いしたいということでございます。
 なお、一応締め切りは今月いっぱいということになってございますが、記述の仕方が難しい面などもいろいろあると思います。その辺については事務局の方にお問い合わせいただいて、少しでも回答率を高くしていただくように。今後もできるだけ実態を反映した数字のもとに議論いただきたいと思いますので、是非御協力いただきたいということでございます。
 よろしくお願いいたします。

○大森分科会長 これは、お願いすれば回収率、高まりますか。どうも私は最近不信感に満ちていて、この調査の項目をできるだけ簡略化するということでやってきているんですけれども、お出しにならないところには出さない魂胆があるんじゃないか。そのことを見抜かない限り、これをお願いベースでも、このぐらいの数値で私どもは考えていいんだろうか。
 ただし、この調査はペナルティーがないんだそうです。出さないことについて、何かペナルティーがあるのか。そうしたら、ないそうです。何かペナルティーがあるような工夫はないかと私はちらっと思って、余り野蛮なことを言ってはいけないですけれども、現段階ではお願いして、できるだけすべてのところについて、もう6割は最低超えてもらいたいということをこの席でも改めてお願い申し上げて。
 皆さん方の責任ではございませんけれども、できるだけ情報を流していただいて、これこそが基礎だということを十分御理解いただければと思います。重ねてお願い申し上げたいと思っています。
 本日は以上でございます。ありがとうございました。
 次回は。

○宇都宮老人保健課長 次回につきましては、5月13日9時、会場は本日と同じグランドアーク半蔵門ということでございますので、またよろしくお願いいたします。

○大森分科会長 どうもありがとうございました。


(了)

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