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2011年4月14日 平成23年度第1回診療報酬調査専門組織DPC評価分科会議事録

○日時

平成23年4月14日(木)15:00~17:14


○場所

中央合同庁舎5号館 専用第18・19・20会議室


○出席者

【委員】
小山信彌分科会長 吉田英機分科会長代理 相川直樹委員
池上直己委員 緒方裕光委員 金田道弘委員 熊本一朗委員
齊藤壽一委員 酒巻哲夫委員 嶋森好子委員 瀬戸泰之委員
松田晋哉委員 三上裕司委員 美原盤委員 山口直人委員
【事務局】
迫井医療課企画官 他

○議題

1 分科会長の選出について
2 報告事項等
 ・東北地方太平洋沖地震に係るDPC制度関係の対応について
 ・DPC対象病院・準備病院の現況について
 ・平成23年度機能評価係数IIについて
 ・平成24年度診療報酬改定に向けた診断群分類の見直し作業について
3 平成23年2月9日DPC評価分科会 検討概要(検討事項と主な意見等)
4 高額薬剤等の取扱いに係る論点について
 ・高額薬剤等の取扱いに係る論点について
 ・DPC/PDPSにおける高額薬剤の取扱いに係るヒアリングの実施について(案)
5 今後のDPC/PDPS導入影響評価のための調査について~これまでの経緯と論点~
6 医療機関群の設定について(1)

○議事

15時00分 開会

○迫井企画官 
 お待たせいたしました。それでは、予定されておられます委員の先生方、皆さん、到着を
されましたので、ただいまから「平成23年度第1回診療報酬調査専門組織・DPC評価分
科会」を開催させていただきます。
 西岡分科会長が2月11日付で退任をされたため、新しい分科会長が選任されるまでの議
事進行につきましては、事務局であります、私の方で務めさせていただきます。
 まず、委員の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 先ほど申し上げましたとおり、2月11日付で、西岡清分科会長、山口俊晴委員が御退任
となっております。
 また、本日は、東京大学大学院医学系研究科消化管外科学教授、瀬戸泰之委員が、新しく
当分科会の委員に御着任をされております。
 早速でございますが、一言、瀬戸委員より御挨拶をお願いできればと思います。

○瀬戸委員 
 ただいま御紹介いただきました瀬戸でございます。何分こういう場は不慣れなものですか
ら、よろしくお願いいたします。

 ○迫井企画官 
 なお、本日の委員の出欠状況でございます。本日は、伊藤委員と難波委員、それから鈴木
委員が御欠席でございます。
 次に、厚生労働省において異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
4月1日付で、医療指導監査室長として着任をいたしました宮嵜雅則でございます。

○宮嵜医療指導監査室長 
 宮嵜でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○迫井企画官 
 それでは、診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を進めるに当たりまして、分科会長
の選任をお願いしたいと存じます。
 分科会長は、委員の互選により選出することとなっております。どなたか委員の中から分
科会長の御推薦をいただけないでしょうか。
 齊藤委員、お願いいたします。

○齊藤委員 
 今まで分科会長代理をしておられた小山先生が大変適任だと思いますので、いかがでしょ
うか。

○迫井企画官 
 ただいま小山委員を御推挙いただく声がございました。
 ほかにございますか。相川委員、お願いします。

○相川委員 
 私も齊藤委員の御意見に賛成です。小山委員に会長になっていただきたいと思います。

○迫井企画官 
 ありがとうございました。相川委員からも同趣旨の御発言がございました。
 ほかにどなたか御発言ございますでしょうか。
 それでは、小山先生に分科会長をお願いすることで、ほかの委員の先生方も御異存がなけ
ればということで、御了承いただけますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○迫井企画官 
 ありがとうございました。それでは、小山先生に分科会長をお願いすることといたします。
小山先生には、分科会長席への御移動をお願いいたします。
 それでは、以降の議事進行につきましては、分科会長の方でお願いしたいと思います。

○小山分科会長 
 ただいま分科会長に御指名いただきました、東邦大学の小山と申します。よろしくお願い
します。
 私は、現在、東邦大学医学部外科学講座心臓血管外科に属しておりまして、学生の教育は
心臓血管外科をやっております。
 また、診療の方は、東邦大学医療センター大森病院におきまして、心臓血管外科の手術あ
るいは外来を現在も続けております。
 そういった立場でDPCで評価されている1人の医師として、この分科会に今まで参加さ
せていただきましたが、ただいまこれから、このDPC評価分科会の会長ということでもっ
て推挙されましたけれども、そのような立場の中で、これからもやっていきたいと思います
ので、どうか、皆様、よろしくお願いいたします。
 それで、もう一つお決めいただかなければならないのが、私がもし欠席になった場合の分
科会長代理をよろしければ、私の方から推薦をさせていただきたいと思うのですけれども、
この分科会の会長代理には、吉田先生にお願いできますでしょうか。
 皆様、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○小山分科会長 
 では、吉田先生、よろしくお願いいたします。
 それでは、この陣容の中で、これから会議を進めさせていただきますが、私も今、大変緊
張しておりますので、どういうふうに進めていいかよくわからないのですが、よろしくお願
いいたします。
 それでは、まず、本日用意されております資料の確認を事務局の方でお願いいたします。

○丸山主査 
 事務局でございます。それでは、本日の資料の確認をさせていただきます。
 まず、本日の議事次第、めくっていただきまして、先生方の座席表、今、変わっておりま
すが、変わる前の座席表でございます。
 あと、本日付の先生方の名簿の一覧をその後ろに付けてございます。
 こちらから、本体の資料でございます。D-1として「東北地方太平洋沖地震に係るDP
C制度関係の対応について」が1枚。
 D-2「DPC対象病院・準備病院の現状について」が1枚。
 D-3-1「平成23年度機能評価係数IIについて」。こちらがホチキスどめでございま
して、D-3-2として細かい表をホチキスで一束付けさせていただいております。
 D-4「平成24年改定に向けたDPC(診断群分類)の見直し作業について(案)」と
いう紙が1枚。
 D-5、前回2月9日の議事概要をホチキスどめで1セット。
 D-6-1「高額薬剤等の取扱いに係る論点について」。
 同じくD-6-2がヒアリングの実施(案)となっております。
 D-7-1が「DPC/PDPS導入影響評価のための調査について」。
 同じくD-7-2が論点のまとめ紙となっております。
 D-8「医療機関群の設定について(1)」。
 そちらの付属資料として別添が1、2、3とホチキスどめで3種類御用意しております。
数が多うございますが、資料としては以上です。過不足等ございましたら、お申し付けくだ
さい。

○小山分科会長 
 皆様、よろしいでしょうか。1回、この震災のために延期になってしまいましたので、今
日は大変多くの資料が出されておりますけれども、議事の進行にはよろしくお願いいたしま
す。
 それでは、報告事項等について、議題といたしたいと思いますが、まず、事務局よりお願
いいたします。

○丸山主査 
 それでは、再び失礼いたします。
 報告事項等ということで、D-1からD-4まで一通り御説明をさせていただきたく存じ
ます。順番に行かせていただきます。
 まず、D-1でございます。
 東北地方太平洋沖地震に係るDPC制度上の対応と、3月11日の震災に伴いまして、大
きく2つの対応を既にさせていただいております。
 1ポツ目としては、入院患者様が急に多くなってきたり、もしくは職員の方々が派遣した
りすることによって減ってしまったことで、看護配置等満たさなくなる場合が実際に出てき
ているということでございます。
 これについては、出来高の方でもそうなのですが、看護配置が仮に不足したとしても、届
出の変更が必要ないこと。DPC対象病院としては、10対1を切ると要件を満たさなくな
るという規定がございますが、こちらにも該当しないということで、全国に対して周知、連
絡をさせていただいている次第です。これが、1点目でございます。
 2点目は、各医療機関に対してDPCデータの方を御提出いただいていますが、このよう
な状況でございますので、当初、23年2月分を3月25日という締め切りにしておりまし
たが、表にありますとおり、23年の3月分も合わせて6月22日に提出ということで延期
をさせていただいております。これは、全国一律の対応でございます。
 2つ目の○でございます。23年4月よりデータ提出が遅れた場合の減算を開始するとい
う予定でございましたが、こちらは予定どおり6月から運用を開始すると、現時点ではその
予定でございます。
 裏面にいきまして、23年4月以降のデータはということですが、こちらは例年4月、5
月、6月をまとめて7月に御提出いただいておりますので、こちらは、一応、現時点では例
年どおりの提出期限を予定しております。これが震災に係る対応でございます。
 続きまして、順次説明させていただきます。
 D-2は、23年4月から新たにDPC対象病院になった病院が59確定いたしましたの
で、病院数が合わせて1,449、裏面に毎度の表が出てまいりますが、合わせまして約4
7万床という形になりましたという事実関係の御報告でございます。
 D-3でございます。23年4月に機能評価係数IIは、年度ごとに改めるということで
ございましたので、こちらの改定状況の御報告がD-3の資料となります。
 まず、前提として22年改定のときに、中医協で決定された機能評価係数II、これにあ
てがう評価総額の方、特に変更せず、財政中立で6つの係数を再設定しております。
 (2)で、配分についても、中医協の決定どおり、まず、救急医療係数の分を決めまして、
差し引いた残りを5係数で案分をするという計算方式を踏襲しております。
 (3)以降が、今回の結果でございますが、救急医療係数については、様式1を22年7
月に見直しておりますので、救急医療係数に反映される対象患者数、総数が減少しておりま
す。これに伴いまして、救急医療係数で評価される総額が減少しているため、救急医療係数
が全般として低下する傾向が見られております。
 具体的には、3ページ目に今年の分布図。4ページ目が昨年の分布図をお示ししておりま
す。右下が救急医療係数になっておりまして、今年は平均値が0.0051、前回は0.0
061と、全体的に分布が左にシフト、低下する傾向にあると申し上げているのは、そうい
うことでございます。
 逆に、救急医療係数の配分が下がっておりますので、その他の5係数は、全体としてやや
増加する傾向にあります。そちらもグラフにお示ししているとおりで、3ページ目と4ペー
ジ目の左上が機能評価係数IIの合計となりますが、合計としては、おおむね変化のない内
容となっております。
 残り23年4月からの簡単な御紹介ですが、データ提出係数について、部位不明・詳細不
明コードが4割以上のところが30施設ございました。こちらの施設について、減算を開始
しております。減算のない医療機関が0.0039、減算した機関は0.0037となって
おります。
 また、地域医療係数、こちらは全医療機関の総ポイント数が上昇しております。具体的に
は、2ページの表をごらんいただければと思います。
 前回、22年のときに3,709ポイントだったのが、4,234と500ポイント近く
上がっているので、1ポイント当たりの係数が若干低下するという傾向が見られたというこ
とです。
 以上、23年の機能評価係数IIの改定の御報告でございます。
 D-3-2は、8月にも22年度状況を個票にしてお出ししておりますので、それの時点
修正版ということで、後ほど御参考にごらんいただければと存じます。
 最後、D-4でございます。改定ごとに診断群分類の見直しをMDC毎作業班に行ってい
ただいているところですが、そろそろ24年改定に向けて、今回もMDC毎作業班において
DPCの見直し作業を開始させていただきたいというものでございます。
 1の(1)で見直しの基本的考え方。こちらは昨年の改定、前々回の改定のときも同じ4
原則を提示させていただいております。こちらの方、同じ方針で臨んではいかがでしょうか
と。
 (2)です。22年改定のときは、MDC毎作業班に様式1の見直し原案も作成していた
だいておりまして、診断群分類の精緻化においては、ここの情報がかなり重要なファクター
になってまいりますので、今年度も同じく様式1の項目見直し原案についてMDC毎作業班
で作成をしていただいて、それを踏まえて、分科会で御議論させていただけないでしょうか
というのが(2)でございます。
 作業スケジュール(案)としては、2ポツのところに提示させていただいているとおりで
ございます。
 足早でございますが、以上、D-1からD-4、報告事項等の御説明を終わらせていただ
きます。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。以上、ここまでの報告事項のところで、何か御質問あるいは御
意見はございますでしょうか。
 どうぞ。

○三上委員 
 D-1の要件ですけれども、被災者受入れによりとか、いろいろな要件で基準を満たさな
くなった場合というのがありますが、これはいつまでということか、いわゆる災害救助法が
適用されている間は当分の間ということになるのでしょうか。

○丸山主査 
 現時点では、終わりの期限については定めておらず、当面の間、状況を見極めながら対応
させていただきたいと考えております。

○小山分科会長 
 先生、これは、今の原子力がどうなるかわかりませんので、6月22日の方もどうなるの
かわからないので、現状を見ながら不都合がないように配慮するという理解でよろしいので
はないかと思います。
 ほかにいかがでしょうか。ここまでの説明は、よろしいでしょうか。
 では、続きまして、平成23年2月9日DPC評価分科会検討概要につきまして、議題と
したいと思いますので、まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○丸山主査 
 お手元にD-5を御用意いただければと思います。少し時期が空いてございますが、前回
2月9日のDPC評価分科会の検討概要をまとめさせていただきましたので、こちらを御報
告させていただきます。御確認をいただければと存じます。
 1つは、中医協総会1月21日に合意された今後の医療機関別係数の在り方を再度御確認
をいただきましたというのが丸1でございます。
 そちらを踏まえて丸2ですが、機能評価係数I・IIの再整理(案)を提示させていただきま
した。
 その中で、24改定に向けて、機能評価係数IIの具体的な評価方針、こちらを整理させ
ていただいたと理解をしております。事務局提示の概要は、そこに2つの●でまとめさせて
おります。
 今までまとめていた3つの方針、1つ目は、基本小委で了承いただいた基本的な考え方。
 2つ目は、A項目における新たな機能評価係数の絞り込みの考え方。
 3つ目は、昨年の6月末に提示させていただいた機能評価係数IIの考え方、こちら3つ
を統合して24改定に向けた機能評価係数IIの具体的な評価方針というものを提示させて
いただきました。
 その中で、確認をさせていただいた医療機関別係数の在り方の中で、機能評価係数IIの
考え方はDPC制度に参加することでもたらされる医療体制、医療全体としてのメリットを
評価すると、そういうインセンティブとして設定するということを事務局から御提示をさせ
ていただきました。
 これに対する御意見が、下の○からになっております。2軸御提示をさせていただいたと
理解をしておりまして、1軸は、そこにありますとおり、全DPC対象病院が目指すべき望
ましい医療の実現。
 もう一つは、(2)で社会や地域の実情に応じて求められている機能の実現と、2軸を提
示させていただきました。
 1軸目については、1つ目の御意見ですが、DPC制度特有であると。2本目の軸につい
ては、出来高病院であっても求められるものであって、前者に限るべきではないかという御
意見をまずちょうだいいたしました。
 2ページで、それに対しまして、大きく分けて4つ御意見をいただきまして、2ページの
一番上の○ですが、1つはDPC対象病院による4疾病5事業等の取組みについては、診療
実績が開示されているが、出来高病院では明らかではない。
 2つ目は、こういった指数、機能評価係数IIは、本来、DPC対象病院グループの中で
のインセンティブという設定が出発点だったではないかと。ですので、出来高病院の比較論
は適切ではないのではないか。
 3つ目は、データに基づく地域への貢献を評価しようと、そういう仕組みが求められてい
たのではないか。
 4つ目は、出来高病院での貢献、この評価をするということは、それを評価できるデータ
に基づいて出来高評価体系の中でやるべきではないかと、こういった意見をちょうだいいた
しました。
 2つ目の○についてですが、1軸目の標準化については、患者の基礎疾患や年齢等を加味
しない同等・画一的な医療を実施することが正しいといった誤った方向が出てはいけないの
で、医療の個別化という視点を加えるべきではないかという御指摘もいただいたと理解して
おります。
 これらを簡単にまとめてございますが、これらの検討を踏まえまして、機能評価係数II
の評価方針としては(1)(2)の2軸で検討を進めていきまして、具体的な評価の中身に
ついては、今後更に議論をすると御議論をいただいたと理解しております。
 2ページ目の下半分でございますが、現行の機能評価係数IIと特に救急医療係数につい
て問題意識を事務局より御提示させていただいたと理解をしております。
 1つは、救急医療係数は、今後、基礎係数で評価をするか、もしくは機能評価係数IIで
評価をするかという形で御提示をさせていただきましたが、ちょうだいした御意見としては、
1つ目の○です。基礎係数に含まれる形で整理をしてしまうと、医療機関群の中で一生懸命
救急をやっているところと、そうではないところと、この差が適切に評価されないのではな
いかと。
 また、DPC/PDPSの欠点として救急医療の評価が不適切というところであり、個別
の救急対応の評価は残すべきではないかという指摘をいただいております。
 また、救急を出来高にしてはどうかという御意見もありましたが、こちらの最大の問題点
というのを2つ目の○でまとめております。
 どの部分を救急として認定するかということが複雑で解決できなかったのだと、また、海
外の状況も御紹介いただきまして、海外は加算を細かく設定した上で、包括対象としている
ということを御紹介いただいたと思っております。
 それで、前回、何かを決めるというよりは、整理をさせていただいた次第で、救急医療係
数については、引き続き検討をさせていただきたいと思っております。
 3ページ目でございます。D-3として包括範囲に関して議論を始めさせていただきまし
た。
 1つは、出来高は主として技術的色彩の強い診療項目というもので構成し、DPC/PD
PSは本来、包括できるものは可能な限り包括をしようというのが制度の在り方でしたので、
麻酔、放射線治療等を包括したときに、どのような不都合が発生するのか、再度検討すべき
ではないかという御意見をいただきました。
 これに対して、外科系の技術、これについては、同じ病態であっても施設ごとに手技の選
択が異なると、そういったばらつきが大きいということを踏まえて手術を包括外としたのだ
と。また、放射線治療についても病院によってプロトコルの違いなどがあるのだということ
で、包括外にいたしました。
 病理診断も術中迅速診断、こちらできる施設、できない施設の差がありますので、出来高
にしたのだと、こういう経緯の指摘もいただきました。
 根底には、出来高評価、包括評価は、ドクターフィー、ホスピタルフィーの考え方があっ
て、技術者が自分の取り分として考えていると。
 また、手術については、出来高評価体系とはなっていますが、術者による区別がないなど、
既に包括評価になっていて、大きな目で見れば、この仕組みの中にあるという整理でよいで
はないかという御指摘をいただいたということでまとめさせていただいた次第です。
 前回の議事概要としては、以上でございます。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。前回の検討概要を厚生労働省の方から説明をしていただきまし
たけれども、これに対して、皆さん、何か御質問、御意見がありましたらお願いいたします。
 瀬戸先生は、初めてなのでちょっとあれですけれども、こういう形でもって、今、論点を
整理しながら進めていくということでもって御理解をいただければと思います。
 方向性は、これでよろしいですか、この前、こういう形でもって、二月前の話ですけれど
も、これからやっていくということでもって検討概要がこのように整理されております。
 どうぞ。

○池上委員 
 大きな方向性としては、このとおりであったと記憶しております。
 2点申し上げたいのですが、1つは、1入院当たりの包括ということは、全面的に封印さ
れたものではなく、今後の課題としては残っていると、私は記憶しております。
 もう一点目は、ホスピタルフィー、ドクターフィーということを言うのであれば、現在、
出来高となっています特定医療材料についても包括の範囲に含めることを検討してもいい
のではないかと、個人的には考えております。
 以上、2点であります。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。1入院包括ということの議論は、ここでもこの前説明していただ
きましたけれども、現在のところでは、今のところ1つだけ、1入院型の包括、ヘルニアを
入れているわけですけれども、それ以外については、これからデータを見ながら検討してい
こうということです。これから検討事項の中に残すということで、先生、よろしいですね。

○池上委員 
 はい。

○小山分科会長 
 それから、2番目の話は、特定材料が当初非常に大きな問題になっておりまして、我々外
保連の中でもかなり議論をしておりまして、内保連も同じだと思うのですけれども、この辺
のところは、またそれぞれの連合会の方からいろいろな御意見が出てくると思いますので、
それを組み入れながらやっていくという形でよろしいでしょうか。

○池上委員 
 はい。

○小山分科会長 
 ほかにいかがでしょうか。
 では、この方向で行きますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 続きまして、高額薬剤等の取扱いに係る論点につきまして議題としたいと思います。
 まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○丸山主査 
 それでは、失礼いたします。お手元にはD-6-1、D-6-2を御用意いただければと
思います。
 こちらは、前回、D-3として包括評価の整理をさせていただきました。その続きでござ
いまして、今回、D-6-1は、高額薬剤にスポットを当てて論点整理をさせていただいた
資料になってございます。
 まず、D-6-1でございます。1ポツ目、こちらは前回の資料から少し抜粋して見やす
いように書き換えさせていただきましたが、包括評価をより適切なものとするための対応と
いうのは、点線囲いでさせていただいたとおり、2つの原則、原則A、基本的に診断群分類
の精緻化をする。原則B、診断群分類の精緻化をしてもばらつき合併大きい場合は、その診
断群分類を出来高評価にする、包括対象から除外するということで、まず、対応させていた
だきまして、この原則A、Bで対応できないものについて、5つの対応をその時点に応じて
させていただきました。
 C-1は、技術的な色彩の強い項目、これを過去に除外してまいりました。
 C-2として、診療報酬項目の特性に応じた、先ほど出ましたけれども、術中迅速病理な
どは、できる施設とできない施設、あとすべき患者と、しない患者で診療報酬点数の特性に
違いがございましたので、これに応じて見直しをした。
 C-3としては、包括範囲からの除外と書いておりますが、念頭に置いているのは、22
改定で対応させていただいたHIVや血友病薬剤など副傷病に高額な費用がかかる場合、こ
ちらの薬剤は出来高にいたしましょうと。
 4つ目の対応、C-4は、包括点数の設定の見直し、3段階の点数設定の話でございます
が、22改定では、実際の医療資源投入量に近似した3体系に組替えをさせていただいたと、
この対応のことを指しております。
 5つ目の対応、C-5、新規技術に係る取扱いのルール設定。こちらは過去の改定で、新
しい手術については告示で定めて出来高にするとか、診療報酬改定の間に入ってきた高額な
薬剤については出来高評価にすると、このルールを定めてまいりましたと、この対応のこと
を指しております。
 ですので、この原則の2つと、5つのC-1からC-5の対応でしてきたということで、
前回最後に御確認をいただいたと理解をしております。
 こちらの整理を再度確認させていただいた上で、薬剤評価については、どうなっているか
というのを整理させていただいたのが2ポツでございます。
 DPC/PDPSでは、原則として薬剤の評価は包括となっております。手術と麻酔は除
かれていますが、それが基本的に包括でございます。
 こちらをより適切な評価を確保する観点から、次のような(1)から(3)までの対応を
してきております。
 1つ目の視点は、薬剤使用実態のばらつきについて、例えばがんに対する化学療法とか、
それ以外にも同一医療資源病名に対する薬物療法。レジメンの違いによって著しく費用が違
う場合は、原則Aにのっとって、まずはDPCの精緻化、分類を分けるという対応をしてま
いりました。
 2ページ、DPCを設定しても診療内容に相当する出来高点数が均質でない場合は、原則
Bにのっとりまして、包括対象から除外と、出来高点数で算定をするということで対応をし
てまいりました。
 (2)です。新たな高額な薬剤が保険に入ってきた場合、もしくは効能追加がされた場合
の対応でございます。
 こちらは、まず、新しく入ってきたときは、一定要件というのを平成19年7月から導入
させていただきました。該当するDPCにおける薬剤費分布の平均値プラス1SDを超えた
場合は、次の診療報酬改定までの間、出来高評価としましょうと、対応C-5という形でル
ールを定めさせていただきました。
 その次の診療報酬改定において、当該薬剤の使用の有無によって分けるべきかどうかと、
(1)と一緒ですが、原則A、Bにのっとって判断をするという対応をしてきております。
 最後(3)です。これは、22改定の対応で、副傷病の治療に要する薬剤、これが長期に
わたり高いと、HIVと血友病について包括から除外をすると、対応C-3と書いておりま
すが、この(1)(2)(3)の対応を今までさせていただいているということでございます。
 こういった対応を、今、させていただいておりますが、3ポツに現在指摘されている課題
を大きく分けて4つに整理をさせていただきました。
 1つ目は、在院日数への影響を御指摘いただいていると理解しております。1日当たり定
額という支払い方式をDPC/PDPSは採用しておりますので、薬剤投与自体にばらつき
はなくても、投与日や在院日数にばらつきがある場合は、平均在院日数まで入院していない
と、十分な費用償還が得られないではないかと、以前の議論の中で、最適点があって、そこ
まで入院しないと、十分な費用が得られないではないかと、そういった御指摘をいただいた
と理解しています。そういうインセンティブがあるというのが1点目の御指摘です。
 2つ目の御指摘としては、いわゆる平均プラス1SDルール、新しく薬価収載もしくは効
能追加されたときのルールについては、運用上の取扱いについて少し工夫の余地があるので
はないかと。下から3行目の、例えば比較対象とする薬剤の範囲であるとか、該当し得るD
PCの選択や標準費用の計算方法など、今、ルールはありますが、もう少し運用の改善があ
ってもいいのではないかという御指摘をいただいております。
 丸3の3つ目の指摘としては、DPC精緻化の在り方について御指摘をいただいております。
新しい薬剤については、1回出来高に、1SDルールでやっていただいても、次の診療報酬
改定のときに取扱いを再度検討すると。それで、DPCを精緻化、分離するとか、包括の対
象にするとか、判断をしているわけでございますが、そこに例示してあるとおり、22年5
月のドキソルビシン(リボソーム製剤)への対応のように、1つ問題点があるのではないか。
 一方で、既存で包括になっているものであっても、抗がん剤の治療のレジメンというのは
非常に多い。技術革新のスピードが非常に早いので、レジメンごとに設定していてはDPC
が細かくなってきりがないのではないかという御懸念をいただいておりまして、今後、そう
いったDPCを設定する際の基準、これをより明確化してもいいのではないかという御指摘
をいただいていると理解をしています。
 最後、丸4としては、長期継続的な投与を要する場合、22改定にHIVと血友病について
対応しましたが、これ以外の薬剤についても同様の課題がないか精査が必要ではないかと、
以上、まとめて4点の御指摘をいただいていると理解をしています。
 3ページの下です。最後は、今までの御説明を踏まえまして、事務局の方で論点整理をさ
せていただきまして、制度創設以後、薬剤実態のばらつきや、新たな高額薬剤の保険導入、
副傷病治療に関する長期継続的な高額薬剤投与という観点で対応してきましたが、4ページ
の縦表のように、対応の考え方や、今までやってきた原則の方を整理させていただきました。
 一番右の列に、問題点、論点として整理をさせていただいております。
 例えば在院日数の影響については、こちらは現行では行っている対応は実はなくて、入院
期間を通じての薬剤実態のばらつきはないが、在院日数を延ばすインセンティブについてど
う考えるか。
 2つ目の新たな高額薬剤については、繰り返しになりますが、1SDルールの運用を改善
できないか。
 DPCの精緻化の在り方について、精緻化したり、簡素化したりと、このバランスについ
てどう考えるか。
 4つ目の問題としては、HIV、血友病以外に、ほかに薬剤はないでしょうかと、問題点、
論点を整理させていただいております。
 この後、こちらの4点の問題点、論点について御議論いただきたいと思いますが、併せま
して、5ポツで書かせていただいているのは、高額薬剤については、ヒアリングをして更に
検討を進めるということで予定させていただいておりましたので、4ポツの論点整理をする
のと同時並行で有識者、現場の方々からヒアリングを実施してはどうかと、具体案をD-6
-2の1枚紙で御用意をさせていただいております。
 先にこちらを御紹介させていただいて、先生方に御議論をいただきたいと思います。
 D-6-2、ヒアリング実施案についてでございます。抗がん剤を含めた高額薬剤の取扱
いを考えるために、関係有識者からヒアリングを実施したいと存じます。誤字がありますの
で、ここで訂正させていただきたいと思います。
 日程の(1)平成23年の6月中旬めどです。年度が間違っております。23年の6月中
旬をめどに意見聴取、交換を合わせて2~3時間で6~8名の方にお越しいただいて意見交
換をしてはどうかと。
 それで、お越しいただく方については、3ポツに書いてあるとおり、大学病院の方々、が
ん専門病院、あとは地域の中核病院の方々、あと、実際にいろんな医療機関を見ているとい
うことで、審査支払機関の専門の方にお越しいただいてはどうかと。お越しいただく方につ
いては、経営の観点から病院長であったり、実際の臨床をしていただいているという意味で、
関係診療の部長の先生だったり、実際に取り扱う薬剤を見ていただいているということで、
薬剤部長の方にお越しいただいたりということを想定しております。
 4つ目のヒアリング項目としては、今まで論点として挙げられていることを細かく、具体
的なクエスチョンに落としておりますが、こういったことを当日プレゼンしていただいては
いかがでしょうかというヒアリング(案)を6-2でまとめさせていただきました。
 ですので、6-1の4つの問題点についてが1つ、あとは今後のヒアリングの(案)につ
いて、これが2つ目でございます。今日、御議論いただけないでしょうかと、以上、D-6
の関係の資料説明でございます。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、質疑応答をしたいと思いますが、
まず、資料D-6-1の高額薬剤等の取扱いに係る論点ということで、これの御議論をお願
いしたいと思います。
 DPCは、保険制度を単純化する、単純化という言い方はおかしいのですけれども、簡素
化するというか、わかりやすくするということだったのですけれども、逆に精緻化すること
は、出来高に元に戻っていくような形になってしまうというジレンマの中で、今までもこの
中でも何回か御議論をいただいたと思いますが、これをどうやって解決していくかというこ
との話をこれからしていただくことになりますが、まず、D-6-1のところ、特に後ろに
書いてありました4ページ目のところの指摘されている課題について、それぞれ御意見をい
ただければと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○齊藤委員 
 1SDルールは、平成19年7月に始まって、新しい新薬なんかで非常に高いときに、そ
れが出来高算定になって、次の診療報酬改定のときに、その在り方を考え直すというルール
だったわけですが、実態としては、それが始まってから既に4年近く経っているわけですけ
れども、どのような展開になったのでしょうか。

○丸山主査 
 展開という意味には、どういった結果になっているかということですか。

○齊藤委員 
 そうです。その1SDルールに当てはまった薬剤が幾つあって、それが全部次の診療報酬
改定で包括の対象になったのか、あるいはあるものは、やはり出来高のまま外出しが持続し
たのかとか、それから包括化したときに、一般的に言うと、その部分の薬剤費が突出してし
まって、分布としていびつなものになるということも想定されるわけです。その辺、どのよ
うな実情であったかということを教えていただきたい。

○小山分科会長 
 資料はありましたか、ゆっくりどうぞ、資料で1回出ておりますけれども、全部は認めて
いなくて、データを見ながら、これは外出しにした方がいいというデータがあったら外出し
にして、そうではないのは戻したと。でも、その中でもいろいろドジしたというか。

○齊藤委員 
 幾つくらいが外出しのままになったのか、幾つか包括されたのか、包括されたときにどん
な不都合があったのか、すべてめでたし、めでたしだったのか、それが知りたいのです。

○丸山主査 
 済みません、お待たせしました。皆様のお手元のバインダーで、4月22日のD-3の資
料をごらんいただければと思います。こちらの3ページに、今、齊藤委員から御指摘いただ
いた、どういった結果になったのかということを事実関係としてまとめさせていただいてお
ります。
 こちらの方の資料を読ませていただきますと、20年改定から22年改定までの2年間の
間に、高額薬剤の取扱いに該当した薬剤としては、合わせて23薬剤ございます。その中で、
包括評価をどうするか検討したのが19薬剤、そのうち診断群分類を設定して、DPCを精
緻化して包括評価にしたのが16薬剤、既存の診断群分類の中に包括評価していいというの
が3薬剤。それで、22改定の直前に高額薬剤になったので、まだ、十分なデータがないと
いうことで、引き続き24改定まで出来高算定とするのが4薬剤という結果になってござい
ます。

○齊藤委員 
 必ずしも次に全部包括化されるとか、そういうわけでもないわけですね。わかりました。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○三上委員 
 薬剤については、高額薬剤の問題もありますけれども、ジェネリックのような形で薬価が
非常に下がる場合もありますけれども、これは2プラス1SDの形ですが、本来プラスマイ
ナス1SDを超えたものとする方が論理的ではないのでしょうか。これは、どうなのですか。

○小山分科会長 
 つまり、後発品みたいになるもので、マイナス1SDもあり得るのではないかという御指
摘ですね。どうでしょうか。

○丸山主査 
 三上委員の御指摘は、マイナス1SDのときも余りに差が大き過ぎるので包括から除外し
ておくべきではないかと、そういう御指摘という理解でよろしいですか。

○三上委員 
 包括から除外するか、精緻化するかですね。C-4の対応にするかということはどうなの
でしょうか。

○丸山主査 
 ここは、DPC分科会と中医協の御議論にもよると思いますが、今まで問題とされたのが、
特に高くて費用償還が得られないものについてです。ジェネリックが出てきた場合について
は、ジェネリックに先生方の使用が移行して、平均点が下がるということで、包括評価が対
応してきたと理解をしています。

○小山分科会長 
 もう一つ言えば、現時点で、ジェネリックで1SDを超えるようなジェネリックは出てい
ないと言ってよろしいのではないかと思います。
 今、ようやく酵素製剤が、だんだん後発品が、ホルモン系が出てきましたので、そうなる
と、今、先生が御指摘になったようなことが十分可能性があると思いますので、今後検討は
しておいた方がいいかもしれませんね。

○三上委員 
 基本的に包括評価というのは、ある程度のばらつきのあるものを1点に決めるということ
なので、基本的には1SDを超えるものは、少しおかしいのではないかと、プラスもマイナ
スもどちらも是正しましょうということがいいのではないですか。

○小山分科会長 
 これが出た一番の経緯は、御指摘が、これだけがとても大変なのだから何とかしろよとい
うことをここの議論に投げられて、では、どうしたらいいだろうかということで議論したの
で、そういうようなこれからの議論の中での話はよろしいですか。 
 どうぞ。

○迫井企画官 
 補足でお話をさせていただきますが、この制度のそもそもの考え方として、包括評価とい
うことが、もともと一定の範囲の中での薬剤のチョイスは、臨床の現場である程度委ねられ
ています。一方、出来高評価は個々に使用した薬剤の薬価に応じて償還をする考え方です。
包括評価は診断群分類に基づいて、一定の範囲を包括的に評価しましょうというのが原則で
すので、本来ですと個別に評価をするような1SDルールというのは想定されておりません。
ですから、プラスもマイナスも含めて、基本的にはすべてオーバーオールで包括評価をしま
すというのがそもそも制度の趣旨です。
 それで、先ほど分科会長がおっしゃったことにつながるのですが、その運用をすると、一
定の不都合が生じる場合があります。その例が、著しく高額な薬剤あるいは高額な、場合に
よっては技術もそうだろうと思うのですが、機器を使う場合についてもあり得るということ
ですけれども、そういった新規の技術、新規の薬剤で高額なものがもし改定と改定の間で導
入された場合には、基本的にその費用償還が想定されておりませんので、薬剤なり技術なり
がすぐに現場で使えないと、そのことを言ってみれば、改善するためにこういう手当をして
います。
 それで、マイナスのようなジェネリックのようなものが出てきた場合には、おっしゃると
おり、その場で修正をするのではなくて、診療報酬改定のときに包括評価自体を修正すると
いうことで対応するのが制度の考え方です。
 ですから、マイナスの部分について手当をしないというのは、そもそもこの制度の性質上、
そういう取扱いになっているということで、むしろ御理解いただいた方がよろしいのではな
いかと考えます。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。どうぞ。

○山口(直)委員 
 別な議論でもよろしいですか。例えば抗がん剤がいい例になっていますが、乳がんみたい
にテーラーメイド医療がどんどん進んで、どんどん細分化されていくようなパターンの場合
と、それから、同じ疾患でも生物製剤を使うとか、使わないとか、同じ中でばらついている
場合と、全く質が違うような気がするのです。
 それで、質問としては、先ほどの23というものの中を、そういう目で見たときに、どん
なふうになるのかなというのが少し気になるのですが。

○小山分科会長 
 23は、単剤ですね。レジメンではないですね。レジメンではないので、単剤だけです。
この抗がん剤は、1剤、1剤では1SDはなかなか超えないのですけれども、レジメンにす
ると超えてくるのがあるので、今、非常に何とかしてほしいという声が聞こえているのです
けれども、今までのこの分科会の中では、オーバーオールで考えてほしいという形でもって、
基本的にはDPCの出来高と比べれば、3%から5%くらいDPCの方が高くなっているの
で、その中でもって、とりあえず、今、処理をしているということです。
 でも、相変わらずレジメンをそれぞれ一個一個認めろという意見も根強くありますので、
それをやりますと、先ほどから議論に出ているDPCそのものの根幹を揺るがすことになっ
てしまうので、では、どうしましょうかということで、これから議論を進めていこうと。
 その議論の進め方として、この後出てくるヒアリングをやってみようではないかというお
話で、今、進んでいると御理解いただければと思います。それでよろしいですね。

○山口(直)委員 
 ありがとうございます。

○小山分科会長 
 ほかに、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○池上委員 
 直接これに関連しませんけれども、今、D-6-1で出していただいたのは、新たな薬剤
等に対応するためのルールでございますけれども、現在、1,000分類程度のDPCに対
しては値付けがなされていないわけですけれども、それらは逆に放置しておいてもいいのか
どうかという課題が残っていると思います。
 これは、新たな薬剤等が生じた場合の議論をしていますけれども、積み残しといいますか、
1,000の分類、そして患者数にすれば1割程度が実際にはDPC対象病院でも出来高で
支払われていますので、これについて、かねがね疑問に思っていましたので、どういうお考
えか教えていただけますでしょうか。

○小山分科会長 
 今の先生の御質問は、新しい薬剤ではなくても1SDを使うか、使わないか、超えている
ものがあるのではないかということですか。

○池上委員 
 いや、薬剤ということとは関係なく、分類を設定するについて、今、新たな分類をつくる
かどうかという話をしていますけれども、そもそもDPC分類としては約2,500あって、
そのうち1,500には点数が付いていますけれども、残り1,000には点数が付いてい
ないわけですね。それは、今後、そのままにしておくおつもりなのか。

○小山分科会長 
 事務局、お願いいたします。

○丸山主査 
 こちらは、包括点数が設定されていないことの是非について問われていると思いますが、
やはりこの制度がより適正に運営されるためには、D-6-1の冒頭に書かせていただいて
いるとおり、2原則で対応しておりまして、原則のBということになると、ばらつきが大き
い場合については、やはり出来高にしておいて、症例数なり、まとまってきて、それなりの
包括点数を設定しても、現場に影響がないということが確認されなければ、包括点数は設定
できないと理解をしています。いいか、悪いかというよりは結果の現象だと理解しています。

○池上委員 
 それに対して、そもそもそういったDPCの分類の括り方に問題があって、その括り方が
不適切であれば、その分母が小さいだけでなく、その中のばらつきが大きいので、より広い
括りにした場合には、このようなばらつきも全体の中で解消される可能性もあると、私は印
象を持っております。

○小山分科会長 
 括った責任者にお話をしていただきますので、まずは、先生、よろしくお願いします。

○松田委員 
 DPCをどういうふうに開発してきたかというところの制度設計の話になってくると思
うのですけれども、例えばアメリカのDRGですと、最初に処置で分類していって、どちら
かというと、医療支援の消費量というもので分類していくのでああいう形でまとめられると
思うのですけれども、日本のDPCの場合は、制度設計の最初のところで、臨床科の先生方
との話し合いの過程で、臨床的な分類というものを、まず、優先すべきだということで、ま
ず、ダイアグノシスで分類をしていくということをやっていったわけです。
 それで、それぞれの診断名に対して行われた医療行為というものを、ああいった表でつく
っていって、最初のところの分類というのは、総当たりで分類をつくる。その中でまとまり
のいいものをまとめていくという形になるわけですが、その過程で、やはりどうしても、今、
池上委員がおっしゃられたような分類は、実は臨床的には分けなければいけないけれども、
症例数が非常に少ないということもあって、いわゆる医療資源の消費量のまとまりとしては、
まとまり切れないというものが出てくる。
 そういう経緯で出てきているものですので、そういう意味では、支払いを前提としてすべ
てをまとめてしまうということをやってしまうと、恐らく現場の臨床の先生からは理解が得
られないのではないかと個人的には考えております。
 ですから、一応、分類のつくり方の過程でこういうふうになったと御理解をいただければ
と思います。

○小山分科会長 
 ある程度コモン・デジーズを中心としたということですね。よろしいですか。

○池上委員 
 今のDPC分類が、現場の先生にどこまで理解されているのか、私は存じ上げませんけれ
ども。

○小山分科会長 
 一生懸命理解していますから。

○池上委員 
 ただ、DPCとDPC/PDPSとは異なるものであるという理解はしておりますけれど
も、これは、実務的には一体として運営されておりますので、それはもう少し折り合う余地
があるのではないかというのが、私の印象です。
 その議論がないために、これは臨床的に違うから、現在、ここで行っている高額薬剤につ
いても、レジメンについても臨床的に違うと言えば、全部違うという観点から、これはなか
なか包括化への議論も難しくなってくると思いますので、臨床的なことだけにこだわってい
る限り、この議論は解決しないので、あえて申し上げました。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。
 どうぞ。

○松田委員 
 追加しておくと、臨床的な違いというのは、やはり診断名の違いがかなり大きいです。例
えば、脱髄性の疾患なんかの分類のところで、私たちとしても脱髄性の疾患というのは、か
なりまとめることができるのではないかという議論を最初のところでやらせていただいた
わけですけれども、例えば免疫介在性のものなんかも、ギランバレーとそれ以外ということ
になってしまったのですけれども、そういうものをまとめることができないかというお話を
臨床の先生にさせていただいたのですが、疾病概念が違うものは、やはり治療方法が一緒で
あっても分けるべきだという議論がありまして、それで、こういう細かい分類になったと理
解しております。

○小山分科会長 
 これは、もう少しいろいろ考えていかなければならない問題かと思いますけれども、ほか
にいかがでしょうか。
 どうぞ。

○吉田分科会長代理 
 最近、公知申請が出まして、医療機関が勝手にC-5みたいな解釈をしてしまって、新規
薬剤だから、包括外だと勝手に解釈して出してくるんです。一応、丸山主査に去年確認した
のですけれども、要するに官報で出ないものについてはすべて1SDの中に入っているわけ
ですね。それをどこかに明記できませんか。ばんばん公知申請で次から次へと出てきますよ。
みんな医療機関が勝手にC-5だと解釈して外してしまうんです。そういうことが全国的に
起きているので、どこか明記できませんかね。可能ならばでいいです。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○丸山主査 
 基本的に1SDルールを適用する際は、中医協の総会に必ず資料として出ますので、逆に
出ていない以上、包括であるというのがクリアだと理解しております。

○小山分科会長 
 ほかに御意見はよろしいでしょうか。
 では、この問題点を論点整理するために、D-6-2、ヒアリングについてですけれども、
1番と2番については、よろしいかと思うのですけれども、1番と2番について何か御意見
はございますか。
 趣旨は、こういう趣旨でやりたいということと、6月くらいをめどとしてやりたいという
ことですが、これはよろしいですね。
 問題は、3番目の対象等ですけれども、ここら辺について御意見はいかがでしょうか。一
応、厚労省で考えているのは、対象医療機関としては、大学病院、がん専門の病院、それか
ら地域の中核病院、これは恐らく1つではなくて、複数、2つくらいだと思うのですけれど
も、それに、今、吉田先生がおっしゃっていましたが、審査支払機関等の方に来ていただく
ということで考えておりますけれども、ここら辺については、何か御意見はございますでし
ょうか。
 大体大枠、これでよろしいですか。
 金田先生、いいですね。大丈夫ですね。

○金田委員 
 はい。

○小山分科会長 
 では、一応、大枠こういう形でもって、聴取対象者とすれば病院長、それから診療部長、
薬剤部長、それから支払機関の関係者の方に来ていただくということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○小山分科会長 
 問題は、4番目のヒアリング項目ですけれども、一応、(1)(2)(3)、更にその(2)
と(3)は3つ出ているのですけれども、このようなことをヒアリングの項目にしたらと書
いてありますけれども、この内容についていかがでしょうか。もう少し付け加えた方がいい
とか、あるいはこれは要らないというのがありましたら、御議論いただきたいと思うのです
が、いかがでしょうか。
 これは、具体的に高額薬剤の実例というのは、どのくらいの目安で話をもっていこうと思
っているのですか。
 どうぞ。

○丸山主査 
 事務局でございます。実際に、関係の診療の部長さんであるとか、薬剤部長さんにお越し
いただく予定でありますので、身近で困っている実例とかを御提示いただくつもりで書いて
おります。

○小山分科会長 
 それぞれの病院で難渋していることについて、ここでもって述べていただくと。それにつ
いて議論しながら解決策を見出していくと考えてよろしいですね。

○丸山主査 
 はい。

○小山分科会長 
 どうでしょうか、よろしいですか。また、今年、ヒアリングがありますということですけ
れども、では、このヒアリングに係る実施について、こういう趣旨でもってヒアリングをさ
せていただくということで、皆様の御了承を得たというふうに考えさせていただきます。あ
りがとうございました。
 どうぞ。

○丸山主査 
 事務局から1点補足させていただきます。対象者等のところでございますが、6~8名と
いうことで、2ポツに書いておりますが、6月中旬に向けて分科会長と相談させていただい
て、人選については進めさせていただきたいのですが。

○小山分科会長 
 私と向こうと相談をして決めますので、それでよろしいですか。

(「はい」と声あり)

○小山分科会長 
 では、ありがとうございました。
 それでは、続きまして、今後のDPC/PDPS導入影響評価のための調査につきまして、
議題としたいと思います。
 まず、事務局より説明をお願いいたします。
 
○丸山主査 
 それでは、お手元にD-7-1とD-7-2の方を御用意ください。
 今回の資料の趣旨としては、今まで毎年、導入影響評価としてかれこれ数年やってまいり
ましたが、かなり病院数も多くなってきた現況において、これまでの経緯であるとか、結果
の総括をさせていただいて、7-2で今後の調査について少し改めるところは改めると、そ
ういう御提案をさせていただきたいというのが資料の趣旨でございます。
 まず、D-7-1の方からでございますが、これまでの経緯と、結果の概要を簡単にまと
めさせていただきました。
 まず、1ポツ目でございますが、これまでの経緯としては、何度も繰り返しになりますが、
15年度から特定機能病院82病院に導入をさせていただきまして、下の四角囲いの中に閣
議決定の文を引用させていただいておりますが、疾病の特性等に応じた評価の中で、急性期
入院医療については、包括評価を実施すると。それで、その影響を検証しつつ、出来高払い
との適切な組み合わせの下に、疾病の特性及び重症度を反映した包括評価の実施に向けて検
討を進めると。
 このDPC/PDPSの導入影響評価の検証を行うために、本分科会の方が設置されまし
て、当初は、先におめくりいただきましたように、2ページ目の参考3の方になりますが、
DPC影響評価に関する調査項目概要と、こちら基本小委から付託を受けまして、大きく分
けて3つ、診断群分類の妥当性の検証、診療内容の変化等、医療機関の機能の変化、こちら
を評価するということで退院患者調査をスタートさせたわけでございます。
 そして、1患者ごとの退院患者データではわからないものについては、必要に応じて別途
特別調査という形でいろいろ過去にさせていただいた次第です。
 それで、(1)(2)(3)の整理でございますが、(1)については、今日のD-4の
資料でも提出させていただきましたが、DPCの妥当性、こちらを検証していただくと、主
にばらつきの検証をしていただいて、その結果に基づいて、改定時には精緻化であるとか、
簡素化であるとか、こちらを行って今後も継続的に対応しなければならないと。その見直し
の結果は、2ページの参考の2としてまとめさせていただいております。
 先ほど池上委員がおっしゃっていただいたとおり、現時点では2,658設定していて、
包括支払いは1,880となっているわけでございます。
 そして、検証することとなった大項目の2と3については、その後の調査結果を踏まえて、
幾つか調査項目事項の見直しというのを何回かやっております。
 そして、現在は、ここの○で整理するならば、参考3に下線を引かせていただいておりま
す5つの事項を中心に調査の方を実施しているということであります。
 経緯については、簡単にまとめるとこういったことでございました。
 2ページにお進みいただきまして、毎年初夏のころに御報告をさせていただいております
が、その現行調査の結果と当分科会での御評価いただいた概要について、以下、まとめさせ
ていただきました。
 1つ目は、平均在院日数と病床利用率。病床利用率については、目下21年度調査の再集
計として実施中でございます。年を経るごとに平均在院日数は下がっておりまして、毎年検
証しておりますが、その理由は、軽症者を選択していることではなくて、DPCごとに在院
日数が短縮している、この要素が大きいからだということでございます。
 3ページに進んでいただきまして、当分科会での評価としては、過去に比べて医療行為を
せずに入院していた期間、こういうものがなくなって短縮された結果、平均在院日数が下が
っているのだと。それで、平均在院日数とともに、病床利用率もやはり調査をするべきだと
いうことで、今、再集計をさせていただいております。
 (2)の入院経路については、調査結果としては、救急車の搬送率・救急入院率を見てお
りますが、こちらは減っておらず、実数としては、1施設1か月当たりおおむね増加をして
おります。
 他院からの紹介率、こちらを見ておりますが、率も実数も近年増加していると、紹介患者
の方が、DPC病院で増えているという傾向でございます。
 分科会での評価としては、重症症例の指標として救急車の搬送率などを見ておりますが、
割合も減少せず、実数としては増えていることから、重症症例を排除していないのだという
ことで評価をいただいております。
 退院先の状況につきましては、自院の外来の退院割合と、これがDPC/PDPS導入直
後は増加しておりましたが、18年以降は、全体としてほぼ横ばい、明らかな傾向は見られ
ておりません。
 退院時に転院する患者の割合は、一部増加をしてきておりますが、全病院通じて見ると、
傾向が現時点では明らかではないという状況です。
 いただいた評価としては、まず、創設直後の増加傾向については、特定機能病院の特性で
前西岡分科会長には、退院後に、やはり一度自分の外来で診察することは自然だという御説
明をいただいておりますが、これが表れた結果ではないかと。
 また、がんの化学療法での再入院が多くなっておりますので、同一施設で、同一専門外来
に移行して実施する施設などがありますので、こういったことが考えられるということであ
ります。
 退院時転帰の状況については、治癒や軽快、いろいろ指標がございますが、治癒単独での
割合は減少傾向になっておりまして、ただ、治癒と軽快を足した割合については、合わせて
は大きな変動は見られておりません。
 急性期医療については、必ずしも治癒まで入院をしなくなり、病態が安定した、つまり指
標でいうならば、軽快した時点で退院することが多いのだという御評価をいただいておりま
す。
 最後に4ページ、再入院調査、こちらは毎年行っている特別調査、再入院の理由、再転棟
の理由の調査も含めて提示しておりますが、結果の概要としては、同一疾患での再入院の割
合は年々増えております。
 その理由は、化学療法、放射線療法などの計画的な再入院がマジョリティーでございます。
予期せぬ再入院は増加をしておりません。
 それで、値を個別医療機関ごとに見ると、再入院率は、特にがん専門病院、がんセンター
等で多いのが実際に見て取れます。
 再転棟率については、ヒアリングでも御指摘いただいておりましたが、こちらは高い医療
機関の総数というのは、年々減少しているという傾向が見られております。
 分科会での評価としては、手術をした後、放射線療法・化学療法までずっと入院している
のではなくて、一旦退院をすると、こういう合理的な方向に変わっているのであって、再入
院が増えてきているのは自然な結果である。
 最後、患者構成、調査項目としては明示されておりませんが、在院日数などの指標を検討
する上で、こちらを見ないと評価ができませんので見ておりますが、近年、患者構成が大き
く変動するといったことは起きていませんので、そちらはフォローアップをしていると。
 以上が、近年やっている調査のまとめでございます。
 D-7-2にお進みいただきまして、こちらからが論点の提示でございます。
 今、一個一個個別に申し上げましたが、1の(1)です。調査の総括としては、平均在院
日数が減って、入院患者数は増加しております。化学療法、放射線療法の計画的再入院が増
加しているなど、医療の効率化が進展しております。
 退院患者調査をもって明らかな粗診粗療、こちらが危惧されたわけでございますが、こち
らを疑わせる事実、データは現時点では示されていない。
 再入院の上昇については、不適切な再入院を疑った面もありましたが、計画的な化学療
法・放射線療法でありました。
 重傷者患者を避けるような傾向があるのではないかと、こういった危惧については、指標
を取ってみても、重症患者を避けるような傾向は、現時点で認められておりません。これが
今までの総括になろうかと思います。
 ただ、現行の調査では、課題の方、いろいろ御指摘をいただいておりまして、それを(2)
でまとめさせていただいております。
 当分科会、中医協も含めて、いただいている指摘をまとめると、大きく分けて○の3つに
なるのではないかと思っております。
 1つ目は、診療の形態が一旦退院するとか、入院前の検査外来でやるとか、そういった入
院前後の外来を含めた一連の診療提供と、こういう形に変化をしてきているにもかかわらず、
外来を含めた検証ができていないのではないか。
 例えば、退院後の外来に自院の専門外来に通い続けているのか、1回診た後、紹介元に戻
って診療を継続されているのか。
 ほかに例示としては、救急の機能というのは、その後入院するだけでなく、救急でそのま
まお帰りいただく方もいらっしゃるわけで、救急の機能をきちんと評価するには、外来の機
能まで見なければいけないのではないか。
 あと、22年の秋、調査をしようとしましたが、外来化学療法、入院化学療法の役割分担、
こういったものも現状のデータではやはり見られないという環境にあります。
 2つ目の指摘としては、施設機能の調査が不十分ということであります。具体的には、目
下、医療機関群であるとか、22改定から機能評価係数IIについて検討を進めていただい
ているところですが、現行の退院患者調査などの調査事項だけでは分類がつくり切れていな
いと、十分な評価ができていないのではないかという御指摘をいただいております。
 3つ目については、これは年々御指摘いただいているところですが、医療の質についてD
PCでは問われております。こちらの評価を充実させることが必要ではないか。これも現行
調査項目では、やはり取ることが難しいものでございます。
 そこで、2ページに進んでいただきまして、今後の調査の在り方についてどう考えていく
かと。
 1つは、昨年6月ですが、中医協総会に例年の報告をさせていただいたとき、DPC対象
病院、準備病院の調査負担も考慮して、これまで判明した点と、そうではない点は、しっか
り整理して、調査内容の重点化、簡素化、こういったことを、要はメリハリを付けるべきで
はないかという御指摘をちょうだいしております。
 こういった経緯を踏まえまして、今後の調査の考え方、まず、四角の中のように整理させ
ていただいてはどうかというのが、今日御議論いただきたい1点目です。
 調査の考え方(案)ということで、3点お示ししております。
 1つ目は、現行で収集している調査項目については、基本的にデータの収集は継続させて
いただきたい。
 2つ目は収集したデータについて、では何を変えるのかというと、重点的に評価・分析を
行う項目と、集計分析において、従来傾向の確認にとどめると、いわゆるモニタリングをし
ていく程度にとどめるというものに、やはり分けて整理してはいかがでしょうかと。
 3点目、重点的に評価・分析を今後していくものについては、必要に応じて調査事項の追
加はしなければならないのではないかという大方針3つではいかがでしょうかと。
 それで具体例として、2ページの下半分に記載させていただいております。より重点化す
るべきものとして、3つ例示をさせていただいております。
 1つ目は、やはり指摘をされておりますので、外来診療に関する調査、入院医療と直前、
直後の外来診療を一体として評価するような、こういったデータが必要ではないか。
 2つ目の例は、現在、様式3として施設調査票を各医療機関に配らせていただいておりま
すが、こちらを拡充する必要があるのではないか。
 3つ目、医療の質に関連する調査、現行では分析・集計を余り行っておりませんので、た
だ、いきなり完璧なものは難しいと思いますので、試行的に開始してはいかがでしょうかと
いうのが、重点化してはいかがでしょうかという御提案です。
 (2)としては、調査データとしては取り続けるのですが、ここ数年間、傾向は変わって
おりませんので、今後はモニタリングという形に変更してはどうかと、例えば平均在院日数
であるとか、入院経路がどうであるとか、その値についてはひとつひとつ分析というよりは
モニターをしていくという形で確認にとどめてはどうか。
 イメージとしては、3ページ目の表に示させていただいております。先ほど整理させてい
ただいた平均在院日数、入院経路、退院時転帰、患者構成については、今後はモニタリング
する程度でよくて、きちんとここの分科会で御報告をし、分析をし、最後、中医協総会に御
報告をするというものは、再入院・再転棟であるとか、更に重点化するべき外来機能、外来
診療に関する調査や施設機能、医療の質に関するもので重点化を図ってはいかがでしょうか
というのが事務局からの御提案でございます。
 D-7-2の考え方の大方針3つと、具体的な項目について、それぞれ御議論をちょうだ
いできればと存じます。
 資料の説明としては、以上です。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。資料の7-1は、今まで約8年以上経過してきたわけですけれ
ども、その中でずっと調査をしてきたのですけれども、大体の方向性が出ていろいろわかっ
てきましたねというようなことだと思うのですけれども、7-1の資料について、何か御質
問あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。
 この概要については、皆さん、こういうことでよろしいということでよろしいですね。

(「はい」と声あり)

○小山分科会長 
 それで、これを踏まえまして、これからもずっとこれを続けていくのかどうかというのが、
実は7-2の提案であります。
 ここで大きな項目になってくるのは、1つは、調査を外来までやる必要があるだろうとい
うことと、もう一つは医療の質に関連する調査をこれからやっていかなければならないだろ
うという考え方だと思いますけれども、ここら辺のことについて、皆様の御意見あるいは御
質問がありましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○熊本委員 
 今、分科会長がおっしゃられたように、これから質とか外来ということは、今までの経緯
から見ると、重点的にやるべきことかと思うのですけれども、ただ、2ページ目の今後の調
査の在り方の昨年6月の中医協総会で、DPC対象病院、DPC準備病院の調査負担も考慮
しということがございます。
 それで考えると、3ページにもありますように、モニタリングというのは、分析とか、そ
ういったところではモニタリングということで、分析とか、集計とか、そういうもので済ま
せられるわけですけれども、調査される方としては、○がモニタリングに変わったとしても
さほど変わりはしないのではないかという思いを持ちます。
 そうすると、外来診療、施設機能もしくは医療の質に関する調査というのは、今までの経
緯から見ると、非常に重要で、特別調査をやるべきだとは思いますけれども、それがまた新
たな、多大な負担になるということは、やはり考えないといけないことですので、この調査
をやるには、やはりかなり工夫というか、いろんなデータを集めるにしてもちょっと工夫が
必要ではないかと、そういう思いを持ちました。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。病院長になると、発言が違いますね。実際にやらなければならな
いと思うと、美原先生、ここら辺のところはどうですか。余り負担ではないかなという気も
するのですけれども。

○美原委員 
 私が出しているわけではないので、そんなに負担ではないとは思います。

○小山分科会長 
 金田先生、どうですか。

○金田委員 
 そんなには聞いておりません。1つ意見を言ってよろしいですか。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○金田委員 
 医療の質ということですけれども、結論から申し上げますと、病院機能評価を質の評価と
して是非取り上げていただきたい。実は来週、当院は、更新審査で、今、準備しているので
すけれども、やはりものすごい内容です。今、全国の病院の認定割合は約30%ですけれど
も、大学病院を含めて受けるメリットが少ないということで減る傾向にあるとも聞いていま
す、しかし、特に中小病院の医療の質という点においては、続けている病院と、そうではな
い病院とかなり差が出てきている可能性があります。是非、これを入れていただきたいと思
います。
 
○小山分科会長 
 どうぞ。

○三上委員 
 この新設の外来診療と医療の質については、是非やっていただいたらいいのですけれども、
新設ということにつきますと、現在、準備病院とか、今後DPCに入るところという形でD
PCに導入前後の形で比較しないと、なかなか見られないのではないかと。今まで8年間ず
っとやられているところを新たに外来部分の調査をしてもDPCの影響かどうかというの
はわかりにくいのではないかと思うのですけれども、その辺はどうですか。

○小山分科会長 
 先生は、余り意味がないと。

○三上委員 
 いや、今後入られるところについては、出来高のときの外来と、DPCのときの外来がど
うなったのか、あるいは医療の質についても、効率化と医療の質というのは、少し相反する
部分があるので、効率化された分、質がどうなったのかというようなことを調査していくと
いうのは意味があるのではないかと思います。

○小山分科会長 
 わかりました。今の金田先生のお話の第三者評価については、恐らくここのところという
よりも、機能評価係数のIIとか、あそこら辺での議論になるかなと思いますので、またそ
こで議論をさせていただく形になると思いますので、やっているか、やっていないかを評価
してほしいという、これは調査だけですので、調査だけでは評価になりませんので、機能評
価係数Iにはならないと思うので、IIだと思うのですけれども、IIのところでもってそうい
うことをしていることは、評価する必要があるのではないかという御意見だと思いますので、
そこでまた議論させていただきますので、よろしくお願いします。
 どうぞ。

○相川委員 
 外来の診療に関する調査については、やはり私としても是非やるべきだと思っています。
 これは、DPC/PDPS導入影響の評価をするために調査をすることも大事ですけれど
も、実際に現在のDPC/PDPSが妥当であるかということで、既に何回か解説されてお
りますけれども、救急医療の場合は、入院当日の入院前の外来診療がかなり影響していると
いうこともありますので、これは是非やるべきだと思います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。どうぞ。

○池上委員 
 当分科会の諮問に基づいて機能評価係数IIが導入されました。それから、様式1の内容
が変更されましたけれども、これは現場でどのように受け取られて、これは進歩として評価
していただいているのか、あるいはそうではないのかということについて、今後の機能評価
係数IIの在り方、そして、また次の医療機関群の設定の問題についても併せてどのような
お考えを持っておられるのか伺ってみたいと思います。

○小山分科会長 
 あっちですか、こっちですか。

○池上委員 
 ですから、これは結局、今後の調査の新たな論点としてこの分科会が実質的に提唱した機
能評価係数IIをどのように現場として評価して、これによって目的とする医療の内容が評
価されていると、評価しているのかとか、あるいは様式1の評価項目が変更されましたけれ
ども、それは実際、自分の病院にどのように有効に活用されているかどうかなどの点につい
て、分科会としての説明責任を果たすためにも調査の対象にしていただければと存じます。

○小山分科会長 
 事務局の方は、いかがでしょうか。

○迫井企画官 
 事務局でございますが、御指摘の点は、確かに重要なポイントであろうと考えております
し、そのように認識をいたしました。今の話に若干関連しますが、たしか前回の分科会で山
口委員がおっしゃっていたのだと思いますけれども、そもそもこの制度の意義とか、趣旨と
か、現場の受けとめを含めてだと思いますが、そういったものがうまく総括できていないの
ではないのかという御指摘もあったように思います。
 確かにそういう目で、改めて、これは私どもの方でまとめて御提案させていただいたので
すが、やや実務的テクニカルな部分にちょっと目がいっていたのですけれども、そういった
制度面とか、あるいは現場の受けとめとか、制度がよかれと思って対応した事項も含めて、
そういったもののある意味評価につながるような部分の調査も考えたらどうかという問題
提起と受けとめましたので、少しそういったことも含めて今後の検討の中で生かさせていた
だければと、今、考えているところでございます。

○小山分科会長 
 この制度の自己点検評価ですね。考え方ですね。

○迫井企画官 
 そのとおりです。

○小山分科会長 
 わかりました。どうぞ。

○嶋森委員 
 私も重点的な評価の分析の項目の外来診療は非常に重要だと思います。外来で診療する部
分が大きくなっていますので、是非それをやっていただいて、外来でどういう機能を果たす
かということを考えていただきたいと思います。
 また、医療の質に関連する調査は、新しく参入するところだけではなく、今までやってい
るところが、質をどういうふうに担保してきているかということも含めて試行的に調査をし
ていくのはいい方向だと思います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。どうぞ。

○美原委員 
 先ほど質が入ってきたときに、業務が増えるのではないかというお話があったわけですが、
質とは一体何をとっているのか、今、これを拝見しましたらプロセスという言葉が2ページ
の方には書いてある。では、アウトカムまで入ってくるのか、よく言うストラクチャー・プ
ロセス・アウトカムというようなことで全部とっていくのかとか、あるいは質というのが将
来的にP4Pみたいに行くのかなということまで考えているのかなと、そんなことを思った
のですが、私がお聞きしたいのは、質というものをどういうふうにとらえて、具体的にはど
のようなことを我々が報告しなくてはならないのかと、その内容によってかなり負担度は変
わってくると思うのですが。

○小山分科会長 
 報告の内容についてはいかがでしょうか。
 
○迫井企画官 
 結論から申し上げますと、少し今後の御議論の中で整理をさせていただきたいと思ってお
ります。御指摘は、そのとおりでございます。
 それから、この分科会でこの議論をするのは、何も初回ではなくて、過去に何度も制度の
導入の際に質の評価をどうするのかということは、かなり工夫をしてやってきましたが、今
日に至ってまだ十分ではないということです。
 ただ、今、いみじくもおっしゃったように、支払いという視点だけではなくて、質に着目
したさまざまな対応ができないのかというのは、中医協の総会でも継続的に指摘をされてお
りますので、余り大上段に大げさに構えるのではなくて、やや謙虚に試行的と書いたのは、
そういう意味なのですが、何か工夫ができないのかということで、改めてまた御相談したい
と、そういう趣旨です。今の時点で、個別のこうだというものを念頭においているわけでは
ございません。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。どうぞ。

○松田委員 
 重点的に評価・分析を行う項目として、外来診療に関する調査、施設機能に関する調査、
それから医療の質に関連する調査ということで、今、伏見班でやっている内容に対応するも
のが挙げられていると思うのですけれども、外来診療に関しましては、EFファイルを取る
という方法もありますし、もう一つは、電子レセプトを出していただくという方法もありま
す。
 現時点でレセプトの電子化の割合が99%くらい、たしかDPC対象病院はいっていると
思いますので、それで個別のところで電子レセプトのところを同じ番号にして出していただ
ければ、多分つないで分析することは可能ですので、そういう形での対応もあり得るのかな
と思います。
 ですから、外来診療に関してつなげて分析するということは、技術的には問題ありません
ので、後はそれをどのような形で出していただくかということを、JAHIS等を含めて御
議論いただければいいのではないかと思っています。
 それから、施設機能に関する調査ですけれども、一応、研究班の方では拡大施設3という
形で調査をさせていただきましたけれども、これも実はかなりの部分EFファイルで取れる
ものがあります。いわゆる認定基準がありますので、そういうもので取れる部分があります
ので、むしろここで取りにくいのは、やはり人員配置ですとか、そういうところを少し研究
班のデータなんかをお出ししながら少し議論させていただけたらなと思います。
 あと、医療の質に関連する調査ですけれども、これは幾つか論点があります。
 まず、第1点は、アメリカ等でのP4P等の情報がすごく部分的に日本に紹介されるので、
実際、本当にどうなっているかということを、実は余りきちんと伝わっていないです。
 今年のたしか3月だったと思いますけれども、2月ですか、最近よく忘れるので、集中治
療学会がございまして、そのときにアメリカで、いわゆるICUのドクターとして働いてい
る先生がいらっしゃってお話をされたのですけれども、アメリカでもペイメントの方にリン
クしたP4Pという形では、余り今うまくいっていないということをおっしゃられていまし
た。そういう意味で、むしろP4リポーティングであるということをされていました。
 そういう意味で、余りアメリカ的で、いわゆる支払いに直結した医療の質に関連する調査
ということではなくて、むしろヨーロッパ等でやられているような、医療の質そのものを評
価していこうと、それを公開していこうということでの医療の質に関連する調査であるべき
だろうと思います。
 そもそもこの特別調査が始まった原因というのが、いわゆる包括払いになって、粗診、粗
療が起こるのではないかということがもともとの議論の始まりだったと思います。
 そういう意味で、医療の質がきちんと担保されているのだということがわかるような形で
の調査にすることでいいのではないか。
 そういう意味で、先ほど池上委員が言われたことは非常に重要でして、実は様式1という
もので、かなり情報を集めているのですけれども、あれが余り網羅的に今までデータを公開
されていないですね。集計されていない。あの中のデータを使うだけでいろんなことができ
ると思いますので、当面、まず、様式1のデータをきちんと整理することが大事だろうと思
います。
 2番目として、プロセス評価に関しましては、EFファイルでかなり取れる部分がありま
すので、そういうものをベースにしていって、これは欧米諸国でやられているようないろい
ろな医療の質の評価の指標というのがございます。
 例えば周術期の抗生物質の使い方ですとか、いろいろありますので、そういうものを試験
的につくっていきながら、臨床科の先生の御意見なんかも伺いながら、現場に変な影響を与
えるようなものから徐々に出していくという。そういうやり方でよろしいではないかと思い
ます。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。資料7-2の2ページ目の今後の調査の考え方ということでもっ
ていろいろ御議論いただきましたけれども、今のお話を聞きますと、それほど大きな負担な
くできるのではないかというようなお話だったと思います。
 どうもありがとうございました。ほかに御意見はございますか。
 どうぞ。

○池上委員 
 もう一点、今まで再入院の調査に関しては、基本的に自院への再入院ということに限られ
ているわけですけれども、電子レセプトの関連で、すぐの転院という形かどうかは別として、
再入院も把握できるようになったと思うので、それも今後の課題として検討していただける
と。

○小山分科会長 
 再入院、再検討については、一応、モニタリングと、それから重要項目にも入っておりま
すので、その方向で行くと思います。よろしいですね。
 ほかにございますか。
 では、このD-7-2の資料のDPC/PDPS導入影響評価のための調査に係る論点に
ついて、2ページ目に書いてあるような3つの考え方でもって、これから進めていくという
ことでもって、御了解を得られたと考えてよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○小山分科会長 
 では、その方向で進めさせていただきます。
 それでは、最後のところです。あと30分弱ですけれども、続きまして、医療機関群の設
定につきまして議題としたいと思います。
 まず、事務局より御説明をお願いいたします。

○迫井企画官 
 それでは、お手元のD-8の資料を基に、まず、御説明をさせていただきます。
 基礎係数の概念を含めまして、医療機関別係数、調整係数の見直しに伴って、今後、こう
いうふうな対応をさせていただきたいということで、これまで昨年の秋から、2月9日直近
の分科会まで、一通りの議論の整理をさせていただきました。
 まず、D-8の1枚目の1ポツですけれども、医療機関群の設定ということを具体的に今
後検討することにさせていただいておりますが、その前提となります、基本的な考え方のお
さらいです。
 (1)は、これまでいろいろ御議論いただいて、資料を何度か積み上げてまいりまして、
直近の2月9日の分科会で御了承いただきました今後の検討の考え方といいますか、見直し
後の医療機関別係数の在り方というところでまとめたものの再掲です。
 1つ目の○が、医療機関別係数、今は調整係数が入っていますが、最終的な絵姿として医
療機関別係数は、基礎係数、それから機能評価係数I、II、こういった要素で今後考えてい
く方向で検討したいということを御了承いただいたものです。
 ここで出てくる基礎係数というものの設定の方法論としまして、2つ目の○ですが、幾つ
かの医療機関群に分類して、その分類された医療機関群に該当いたします病院の直近の診療
実績。具体的には、括弧で書いていますが、改定前2年間分の出来高実績データ、これを平
均値でもって算出しましょうという考え方で御提示をさせていただいているものです。
 したがいまして、ここの基礎係数の設定に係る医療機関群の設定をどうしていくのかとい
うのが問題になりますし、この医療機関群の設定がうまくいくのであれば、1つ目の○で御
説明いたしました考え方でやってよろしいというのが、分科会、それから中医協総会での御
了解いただいた内容でございます。
 こういう背景で医療機関群の設定を行いたい。ついては、今後御議論を進めていただきた
いという趣旨でございます。
 (2)ですが、では、ここから先が今後の作業のまず出発点でございますが、医療機関を
設定する際に、どういう視点があり得るのかということでございます。
 私どもといたしまして、これまでの検討、それからさまざまなデータの問題も含めまして、
おおよそ2つの視点があるのではないのかということで整理をさせていただきました。
 1ページ目、(2)の丸1ですが、まず、機能的な視点、すなわち医療機関を設定するそ
の理由は、共通する機能、役割あるいは診療特性などに着目をして検討するということでし
ょうと。それは、すなわち同様な診療的あるいは医療機能的な特性を有する医療機関群につ
いて、すなわち包括評価でございますので、同程度の標準化、効率化を促進するということ
が前提となりますので、逆に言いますと、同程度の標準化、効率化を促進することで、臨床
現場に支障がないというような観点で分類を検討すべきということでございます。これが、
まず、機能的な視点。
 それで、具体的な例として、ここにかぎ括弧を空けておりますが、ゆめゆめ事務局がこう
したいという趣旨で書いているわけではございませんので、あらかじめ申し上げておきます。
制度上の位置づけがある医療機関群の例としては、例えばこんなものがありますということ
でございます。特定機能病院、大学病院本院等々を記載させていただいております。
 それから、制度上の位置づけは必ずしも明確でない部分もありますけれども、診療機能と
して、他の医療機関との違いがあると考えられるような、よく引用されるような医療機関群、
これも例ですが、小児の専門病院、特に診療報酬体系で言いますと、小児入院医療管理料の
算定施設などのカテゴリーがあり得るのかなと。
 それから、DPC/PDPSでよく運用されますケアミックスというような概念の病院が
あるのかなということでございます。
 おめくりいただきまして、今のが1つ目の、言ってみれば機能的な役割のような視点でご
ざいます。一方で、丸2にございますが、診療実績データの視点がございます。これは、も
ともと調整係数をどう見直していくのかという議論が出発点でございましたので、どちらか
といいますと、実態面あるいは病院の運営面からいきますと、カテゴリーといいますか、病
院群の議論をする際に、では、実際にそれを病院群ごとに平均値を取るなり、データを分析
した際に、診療実績データ(出来高データ)ですが、そのばらつきが一定程度の範囲に抑え
られないと、実際問題、それは制度としては役に立たないのではないのかという御指摘を重
ねて受けております。それは、そのとおりでございますので、一定程度の範囲に抑えること
が当然必要でしょうと。
 ただし、実際の制度導入において、これはさまざまな激変緩和措置でございますとか、1
枚目にも書きましたけれども、医療機関別係数はそもそも基礎係数だけではなくて、機能評
価係数のI、II、こういったものを合算した指標になりますので、これらトータルの補正も
含めて最終的なばらつきがどうなるのかということもよくよく御吟味をいただく必要があ
りますということであります。
 ですから、データの視点で吟味をすることは必ず必要です。ただ、最終的な絵姿を含めた
吟味をしていただくことも不可欠で、この2つの丸1、丸2の視点で検討していただくとい
うことが適当ではないのかというのが、今回のまず、1つ目の議論のスタート地点としての
御提案であります。
 次に2ポツですけれども、このような視点を今から御議論いただくんですが、こういう視
点で、では、実際に今度はデータとか、いろんな病院群の具体的な議論を進めていくことに
なります。
 その際、既存の、今手元にあるデータにつきまして、ある程度整理をさせていただきまし
たので、後ほど丸山主査の方から説明させていただきますけれども、この2ページから3ペ
ージにかけたようなさまざまな既存のデータ集計について今から見ていただきまして、それ
で最終的に本日の御議論をいただきたいと思っております。
 2ポツのデータにつきまして、資料がございますので、丸山主査の方から説明をさせてい
ただきます。

○丸山主査 
 引き続きデータの説明をさせていただきます。D-8の別添の1、2、3の方をお手元に
御用意ください。
 今回、初回でございますので、全施設、前提としては、22改定のときに使った10か月
分のデータを基に集計を行っております。したがって、今回23年4月から入った59病院
は入っていないデータです。
 別添1は、その基本情報でございまして、今から参加年度であるとか、病床規模で切り口
をカテゴライズしておりますが、そういった医療機関数が幾つあるかという表が別添1です。
 別添1の3ページ目が、その指標間の関係を出しているものですので、この後の箱ひげ図
と併せてごらんいただきたいと思います。
 最後の4ページ目には、何回かごらんいただいている箱ひげ図ですが、見方を記載させて
いただいております。
 実際の表が別添2でございます。こちらは全病院の、我々は基本データと書いております
が、DPCの算定病床数、平均在院日数、1入院当たりの平均点、1日当たりの平均点、こ
ちらの4つの指標をそれぞれのカテゴリーで区分けしたときにどういった姿になるかとい
う形でまとめさせていただいております。
 それぞれ3つか4つのグラフが出てきて、委員の先生方のお手元では、見開きで一つひと
つのカテゴリーが見られるようになっておりますので、1枚ずつおめくりいただきたいと思
います。
 まず、1、2ページは、病床規模別で基本としてどのような特性があるかということでご
ざいますが、平均在院日数、1入院当たり平均点、こちらは余り明らかな傾向はございませ
ん。
 ただ、2ページの1日当たり平均点については、病床規模が大きくなれば、徐々に増加し
ている傾向というのが見られております。
 おめくりいただきまして、3、4ページ目が参加年度別にこれを切り分けた場合でござい
ます。参加年度が直近である方がDPC算定病床数が少ない傾向、なので当初の方が大きい
病院が入ってきたという傾向でございます。
 在院日数については、参加年度が直近になる方が、つまりDPCに入ってから期間が余り
経っていない方が若干在院日数が長くなって、また、1入院当たりの平均点もそれも伴って
長くなっております。
 平成15年度、特定機能病院だけ、この傾向に反しているというのが、ここで注目すべき
点だと思われます。
 1日当たりの平均点に換算をいたしますと、平成15年の参加病院以外は、おおむね横ば
いといった傾向になっているというのが見て取れます。
 おめくりいただきまして、5、6ページ目が特定機能病院であるか、否かによって、今ま
での指標をもう一度再整理をさせていただきました。当然、特定機能病院は大病院でござい
ます。平均在院日数、1入院当たりの平均点は、それ以外の病院よりやや長く、もしくは高
くなっております。1日当たりに換算しても大きく、平均点でいくと、2,400点と2,
700点、300点ほど中央値が違うという状況にございます。
 7ページ、8ページ目は、それを大学本院に分けて集計をさせていただきました。この趣
旨は、特定機能病院の中ほとんど大学病院の本院ですが、国立がん研究センター中央病院と、
国立循環器病研究センター、大阪府立成人病センター、こちらはどちらかというと、がんや
循環器の専門病院ですので、ちょっと除外をして集計をしたというものであります。
 9ページ目、10ページ目が、今度は地域医療支援病院について区分けを見させていただ
いたものです。
 地域医療支援病院の方が、やはり病床数としては大きい傾向です。在院日数は若干短く、
それに伴い1入院当たりの平均点も若干低いのでありますが、1日当たりの単価としては、
それ以外の病院より若干高いという傾向が見て取れます。
 11、12ページは、今度は地域加算別です。地方、都会で差があるという御指摘もあり
ましたので、診療報酬上の地域加算というものに着目をして分析をさせていただきました。
 1級地が東京都23区で、だんだん2級地、3級地に従って都会から離れていくというも
のであります。
 DPC算定病床数については、明らかな傾向はございません。地域加算については、だん
だんなしに向かうにつれて、平均在院日数が徐々に延びていくという形が見て取れます。
 また、1日当たりの平均点は、逆に都会から離れるにつれて若干低下傾向。1入院当たり
については、余り傾向が見られずフラットな状態となっております。
 13ページ、14ページが最後でございますが、併設療養病床の有無ということでケアミ
ックス病院としてどう見れるかということでございますが、療養病床を併設している医療機
関の方がスケールとしては小さい病院が多いということでございます。
 在院日数、1入院当たり平均点は、やや高い状況にございますが、1日当たりの平均点と
しては若干低いという傾向にございます。
 箱ひげ図の御説明としては、以上でございまして、今、提示した指標をそれぞれかけ合わ
せて表示させていただいたのが別添3の資料になりますので、傾向としては、基本的に同じ
ものが見られております。これを二次元分布図で見たら、どのようなクラスター、固まりで
見られるかというものを表示させていただいただけですので、こちらの説明は割愛をさせて
いただきたいと思います。
 データの説明としては、以上でございます。

○小山分科会長 
 では、事務局の説明は、以上でよろしいですか。

○迫井企画官 
 それでは、本体の資料に戻っていただきまして、D-8の2ページから3ページにかけて
は、丸山主査の方が説明をさせていただきましたけれども、2ポツ、既存のデータでまずと
りまとめさせていただいたものを見ていただくと、こんなふうなのかなと、一応文字で起こ
しておりますが、内容は、今の説明のとおりです。
 3ページの3ポツ、以上、私どもの方でまとめられる資料を大体まとめましたということ
で、ここの部分がディスカッションポイントなのかなとまとめさせていただいております。
 3ポツでしつこく3行で書いていますが、あくまで実際に制度を導入するときには、基本
的には激変緩和の対応も当然考慮せざるを得ませんし、それから医療機関ごとにばらつきに
対応するというのは、機能評価係数も含めた、激変緩和も含めた対応が前提になりますので、
本日、御議論いただくような最終的な機関群の設定がそのままイコール、即、例えば調整係
数を廃止するとか、そういったことではないということを、よく誤解されますので、まず、
前提として明記させていただいた上で、以下のステップで御議論をいただけないかというこ
とです。
 まず、1点目、(1)は、先ほど申し上げましたような検討方針に基づいて、2つの視点
を提示させていただいております。これについてどうお考えかということを御議論いただき
たいのが(1)です。
 おめくりいただきまして(2)ですが、医療機関群の設定につきまして、今あるデータを
まとめさせていただきました。
 丸1ですが、まず、全般的にどのようにお考えかということを御議論いただきたいと思っ
ております。
 丸2ですが、今回、集計させていただいたものの中で、やはり機能の面と、明らかにデー
タの面から見て、大学病院本院については突出した傾向が見て取れるというのは、恐らく余
り異論のないところではないのかと事務局の方では考えておりますので、そこの部分につい
ては、少なくとも独立した設定をすることを考慮したらどうかと考えておりますが、特にそ
の点も含めて、今回のデータで御議論いただけないかということでございます。
 (3)でございますが、さらなる検討は当然必要だろうと考えております。今、お示しし
ましたのは、あくまで既存のデータを中心に集計、分析をしておりますので、新たな分析あ
るいは調査を追加するということであれば、どういった視点があり得るのかなと。
 私どもの方で、例として書いているのは、こういったことが考えられるかなということで
ございますが、このことも含めてということでございます。
 ちなみに、例として掲げさせていただいたのは、諸外国の例でも、やはり臨床研修病院あ
るいは医師の人材育成に着目した補正とか、そういったものをかけているケースがあると聞
いておりますので、もし、そういった議論をするのであれば、現在のデータでは、必ずしも
そういった整理ができませんので、経験年数別の指数のような指標が追加で調査する必要が
あるのかなと。
 2つ目は、特に重症度とか、あるいは合併症の有無というようなことがよく議論になりま
すけれども、現在のデータでは必ずしもそういった部分に十分対応できておりませんので、
さりとてすべてのDPCについてそれをやるのは非効率的ですので、特徴的な特定のDPC
に着目してそういった調査をすることが適当ではないかというようなことを例として掲げ
させていただいております。
 最後が、今後のスケジュール(案)でございます。
 以上の点につきまして、御議論いただけないかと資料をまとめさせていただいております。
 事務局からは、以上でございます。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。あと、時間が押してございますけれども、ただいまの資料の説
明については、今のことですけれども、検討する事項は、この資料D-8の3ページ目の検
討と書いてある3番目のところであります。
 これを順番に1つずつやっていきたいと思いますけれども、まず、1番のことについて、
医療機関群設定の視点について御意見はございますでしょうか。こういう形でもって議論を
していっていいでしょうかということですが、もし、ほかに御意見があったら、あるいは御
質問がありましたら、どうぞ。

○三上委員 
 機能について分類していくというのが正しいとは思うのですが、前回、分科会長がおっし
ゃいましたように、大学病院でも調整係数に15%の差があるんだと、なかなか難しいぞと
いうお話がございましたので、機能別に分けた中で、いわゆる出来高実績のものを同時に見
るという、いわゆるDファイルとEファイルをそれぞれ大学病院は大学病院で、ケアミック
スはケアミックス病院でという形で見ていくような、そういう手法で一度分析していただけ
ないでしょうか。

○小山分科会長 
 そういう御提案ですけれども、よろしいですか。

○迫井企画官 
 要は大学病院とケアミックス病院を分けてと。

○三上委員 
 それで、DファイルとEファイルの。

○迫井企画官 
 それぞれの集計ということですね。

○小山分科会長 
 それは、先生、やはり見ないとだめですね。群が決まったときに、この群でどのくらい下
がるのかというのは、やはり全部見ないと、すべての群について必要になってきますね。そ
れが結局、IとIIを加えることによって、どのくらいその幅が縮まるのかという議論になっ
てくるのだと思いますので、ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。

○相川委員 
 総論的なことを言わせていただくのですが、例えば大学病院、80の大学病院としても、
私は、やはりかなりダイバーシティーというか、大学病院というのは、確かに医師を養成す
るところですから、いわゆる教育プログラムなども画一的にはなってはきているものの、そ
れぞれ、例えば国立の大学病院、私立の大学病院あるいは地域の大学病院と、いろいろな面
で、大学病院としてはやはり多様性が必要であると私は思っていますし、大学に入学する医
学生もそれなりに自分がどのような医師になりたいかというようなことも含めて、やはり大
学病院というものが診療の上でも画一的になっていくのは好ましいことだと、私は思ってい
ません。
 ですから、これは非常に総論的ですけれども、確かにDPCという観点からは、なるべく
統一して1つの病院群をつくるという、その必要性は認めますけれども、その辺のところを
よく考えて調査をして、本当に80の大学病院本院が1つにまとめられるかどうかというこ
とも含めて慎重に検討していただきたいと思っています。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。それはそのとおりだと思います。
 どうぞ。

○金田委員 
 4疾病5事業のうち従来自治体病院が担ってきた不採算部門である5事業を行うものと
して、社会医療法人ができたわけですね。これくらい機能的な明確な病院群はないと思うの
で、社会医療法人を是非病院群の1つとして入れる必要があると考えます。

○小山分科会長 
 御意見として承ります。ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○松田委員 
 議論を混乱させないために、やはり事実ベースで議論をしていくのが一番いいのだろうと
思います。やはりこうあるべきだとか、何か思いでやってしまうと、ぐちゃぐちゃになって
しまうので、ですから、今、金田委員が言われましたけれども、現行の制度の中であるもの
というものを分析するための基軸にしていただいて、今あるデータで、やはりファクトベー
スできちんと物事をつくっていった方がいいだろうと思います。
 そういう意味で、あとは運用の仕方の問題ですけれども、例えばドイツなんかですと、フ
ランスも同じようなやり方をしたのですけれども、最初に向こうも、向こうはケース・ミッ
クス・インデックスを使っているのですけれども、大体1インデックス当たりの額みたいな
ものを出して、それを提示した上で、ただそれは支払いには使わないです。大体こういうと
ころに収束すべきだという差を公開することによってインセンティブを付けるということ
をやっているのですけれども、多分具体的な数値がないと、なかなか先に進めないと思いま
すので、例えば今日御提案いただいたように、大学病院本院を切り出したときに、大体どの
くらいの係数になるのかという実際のデータを、推計値みたいなものを出していただいて、
それを基にして次の議論をしていくといいのではないかと思います。
 ただ、その際に、今、相川委員がおっしゃられましたけれども、大学病院として、コアと
して持っていなければいけない機能というものが多分あるのだろうと思うのですけれども、
多分、それが基礎係数に相当してくるものになってくるのだろうと思います。
 あと、大学病院としてのダイバーシティーに関係するところは、機能評価係数のIであっ
たりIIになったりするのだろうと思います。ですから、両方の視点で見ていくということ
が重要ではないかと思います。
 いずれにしても、まず、何か具体的なものがないと議論ができないと思いますので、本院
を分離したときにどのような形で係数がつくれるのかということについて例を示していた
だくことが重要ではないかと思います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。具体的な数値がないとなかなか議論できないということですね。
ほかによろしいですか。
 どうぞ。

○池上委員 
 ちょっと混ぜ返すつもりはないのですけれども、医療機関群という考え方は、結局、全か
無かという、この機関群に入るか、入らないかというイエス、ノーのものであって、今まで
の機能評価係数のように連続性のある数値ではなくて、この群に入れば一律にこの係数であ
ると、この群に入らなかったら一律にこの係数でないと。
 そうした考え方で、これを分析すると、例えば治験をやって新薬が有効であるかどうかと
いうのを見るかごとく、例えば平均在院日数がこのように、大学病院は本院とそうでないの
とでは違うから、だからこれは違う群というのと、ちょっと異なる概念ではないかと思いま
すので、この群の考え方、事務局が御提示されたのは、あくまでも案であるというのですけ
れども、実質上、その後の計算結果は、この案に沿った結果が提出されているので、このま
ま行くと、これが1つの群の考え方になって、その群の平均値をもって、群全体の病院に対
して適用されるという方向性が打ち出されたわけですね。

○小山分科会長 
 そういうことでございます。

○池上委員 
 それは、改めて確認しますけれども、そういう考え方でよろしいのですねということです。

○小山分科会長 
 今、相川委員が御質問なさって、今、松田委員がお話になったとおり、あくまでも基礎係
数というのは基礎であって、その上に乗っかっているものが機能評価係数IとIIがあると
いうことなので、そこでいろいろ特徴づけられてくるというような理解の中で動いている。
 それで、その基礎係数の設定の仕方としては、機能的な視点と、それから診療実績データ、
この2つの視点をもって分類していきますよということなので、よろしいですね。

○池上委員 
 そうですけれども、結局これは、この群に入るか、入らないかということだけで係数が、
基本的な機能、コアの機能が、その群としては均一があって、均一であるか、その群に入っ
た病院はすべて同じ係数がかけられるというのが、この考え方の前提になっているわけです
ね。そういうことで、特定機能病院あるいは地域医療支援病院というのはホモ・ジニアスで、
かつ均一なコア機能を有しているという前提を置くこと、あるいはほかの群を設定するにし
ても、そういった群というのが存在するという前提で、今後議論するということですね。

○小山分科会長 
 はい。そういうことになると思います。それがすべてではないということを、先ほど松田
委員もおっしゃっていましたけれども、そのうちの全体のうちの半分かもしれませんけれど
も、3分の2かもしれませんけれども、基礎的なところは、そこでもって評価しようと、そ
の上の実績については、2番目の視点でいう、いわゆる診療実績データを基にして分類をし
ていこうという趣旨だと理解しております。
 どうぞ。

○三上委員 
 これは、すべてのDPC病院の診療実績データというのが出るということになると、クロ
ス分析というか、クロス集計ができるので、先ほど金田先生がおっしゃったような社会医療
法人ならどうなのかとか、自治体病院ならどうなのか、大学病院でも私立と国立で違うのか
どうかというのは、すべてわかる、分析ができるということですね。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○迫井企画官 
 まず、三上委員の今の問題提起、御質問については、基本的にイエスです。ですから、ク
ロスで医療機関群をこういうふうに切った場合には、こういうふうな数字が出ますというの
は、当然シミュレーション的に少し検証していきながら議論しましょうというのが、まず、
この議論の進め方の大前提です。
 それから、池上委員と、相川委員の御指摘は、極めて重要だと思いますので、確認も込め
て御説明なりをさせていただきますと、D-8の冒頭に書かせていただきました部分で、こ
ういう考え方で検討することを了解を得ています。
 分科会でもそうでしたし、中医協でもそうですが、実際の群の具体像、それからそれによ
って適用されるいろんな医療機関別の係数、その概要がわからないと、その善し悪しは判断
できませんというのは、皆さん共通認識です。
 そうしますと、なかなか作業が、言ってみればトートロジーのような話になりますので、
もし、妥当な具体像ができるとするならば、それはアクセプタブルだから検討を進めてみる
ことについてはいいということで、今日が第1回目の作業であります。
 そのときに、相川委員と池上委員の御懸念のようなものに対する、お答えになるかどうか
わかりませんが、我々の認識は、例えば大学病院なら大学病院、その医療機関群の医療機関
がすべてホモ・ジニアスなのだ、あるいはホモ・ジニアスであるべきだという趣旨で、この
概念といいますか、係数設定を提案させていただいているのではなくて、あくまでDPC/
PDPSの診療報酬の基礎係数の設定について言うと、そういうグループあるいは機関群に
ついてふさわしいと。
 その趣旨は、D-8の(2)の丸1の機能的な視点を用いる理由は、やはり包括評価です
から、同一医療機関群の包括評価をする場合には、一定程度の標準化や効率化が促進される
わけですので、そういった標準化なり効率化が適用されたときに、おおよそ同程度の適用で
差し支えないという視点で機能に着目しましょうという趣旨でありまして、逆にそこに所属
する医療機関がすべてホモ・ジニアスだという視点では、決して我々はとらえておりません
ので、その辺りは是非共通認識にさせていただけないかなと、こういう趣旨でございます。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。そういう方向で、これから御議論を進めさせていただくというこ
とで、よろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○小山分科会長 
 それでは、ちょっと時間も過ぎているのですけれども、大事なところなので、もう少し進
めさせていただきます。
 次の4ページ目の(2)医療機関群の設定について、ここでの議論は、今回のデータだけ
では各論的な検討で結論は出せないのですけれども、ここでいっているところは、丸2のと
ころに書いてあります大学病院本院はちょっと別だねということを設定してはどうかという
御意見に対していかがでしょうか。それはならぬというのか、それはそうだねというふうに
皆さんの御同意が得られるか、いかがでしょうか。特に御異議はございませんか。
 どうぞ。

○松田委員 
 この基礎係数を検討するためにもファクトベースで何かを考えなければいけないとなる
と、今、このデータを見る限りにおいて、特異な動きをしているというか、集計結果として
違っているのは大学病院本院ですので、とりあえず、物事を考えるための取っ掛かりとして、
これを最初のところとして集計していただくということで、私はよろしいのではないかと思
います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。では、その方向で収集を進めさせていただきます。
 最後に(3)今後のさらなる医療機関群の検討ということで、ここで提唱されているのは、
大きなところは、この群を決めるには医療機関の医師数、医師の経験年数別の医師数を出し
ていく必要があるのではないか。そういうような考え方、あるいはその次に書いてある特定
のDPCに着目して検討するというようなことですけれども、この点については、いかがで
しょうか。これもこういうような方向で設定を考えていくということでよろしいですか。
 どうぞ。

○松田委員 
 なるべく、今、厚労省の方でもお持ちになっているデータでいろいろやられた方がいいと
思うのですけれども、いわゆる急性期病院としては、医療計画上も4疾病5事業ということ
がうたわれているわけでありますので、例えば4疾病5事業に関連する集計をされて、そこ
から考えていただくということも可能なのではないかと思います。
 あと1つお願いでございますけれども、以前、外保連試案でBランクからEランクという
形で、どういう手術をどのくらいやっているかという集計をやっていただいたのですけれど
も、あれは非常に参考になるデータだと思いますので、もう一度集計の可否につきまして、
検討をいただけたらと思います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。事務局、よろしいですね。ほかに御意見はございますか。
 どうぞ。

○池上委員 
 医師養成機能の評価というのは、健康保険上、認められることなのですか。

○小山分科会長 
 お願いします。

○迫井企画官 
 池上委員がおっしゃっているのは、多分、初期臨床研修にかかる財政負担の住み分けの話
をおっしゃっているのでしょうか。

○池上委員 
 それだけではなく、全体の医師の教育によって再生するといいますか、拡大するというこ
とは保険財源を使っていいかどうかと、ここで医師の養成機能ということは、ある意味では
教育ということに直結することだと思います。

○小山分科会長 
 お願いします。

○迫井企画官 
 いまひとつ御質問の御趣旨を、測りかねてはいるのですが、私どもで問題提起をさせてい
ただいておりますのは、例えば勤務医の疲弊とか、それから特に病院医療の崩壊と、余りい
い言葉ではないかもしれませんけれども、そういった問題提起があって、例えば前回の改定
でいろんな議論をされましたが、そういったものの背景にある1つの議論は、やはり医療人、
専門医療も含めてですが、医療人を実際問題、OJTといいますか、診療する中で、次の世
代の医療人を育てていくような機能を担っているのも事実でございまして、臨床研修指定病
院のような典型的な施設は、そういったことを主に担っておられるということなのだろうと
思います。
 その実際に行われている診療は、まず、間違いなくかなりの部分が医療保険で賄われてお
ります保険診療でございますので、繰り返しになりますが、池上委員の問題提起は、ちょっ
と私は測りかねるのですが、こういった経験年数別の医師が実際問題配置をされて医療され
ていることは事実でございましょうから、それを集計してこの医療機関群の議論をすること
については何ら問題もないものと理解しております。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○相川委員 
 私、ときどき池上委員と意見が一致することもありますし、また、違うこともあります。
今の企画官の意見に私は賛成です。保険医療は、やはり保険料を払ったり、自分が3割負担
したりする方というのは、保険医療制度の中で養成されてきた医師、その力によって保険医
療を享受するということがあるわけですから、医師を養成していくということを、診療報酬
で一部は負担する、あるいは一部は評価されるべきだと、私は思っていますので、そういう
観点からは、パイの中の一部が機能の評価として、医師の養成に関わるということは評価さ
れて妥当だと思っております。

○小山分科会長 
 どうぞ。

○齊藤委員 
 池上委員の指摘は、今までのコンセプトからちょっと変わってくるのではありませんかと
いう警告だと思います。医師の養成ということに、診療報酬を使うことの是非、これは相川
先生言われたように、大変重要な機能だと思いますけれども、今までそういう視点というも
のは、診療報酬の使い道について、私の知る限り余りなかったと思います。
 ですから、そういうことについてコンセンサスが得られるならば、それはそれでよいので
すが、この問題がひとり歩きして医師をたくさん養成していて、その養成にも手間がかかる
のだから、その人数を算定しようとか、それは違った視点になりますので、関係した人たち
のコンセンサスを固めておく必要はあると思うのです。そうではないですか。

○小山分科会長 
 ありがとうございました。つまり、これは決して算定に使うのではなくて、病院群を分け
るときの1つの病院の機能として評価をしていこうと、そういうことでよろしいですね。
 どうぞ。

○迫井企画官 
 むしろ事務局の立場を慮っていただいているような気もいたしまして、大変ありがたい御
忠告だろうと受けとめて、厳に心しなければならないと思っておりますが、私どもの理解は、
あくまで議論をしていくためのいろんな視点の中の1つです。
 それから、御指摘のような、そもそも保険財源をどう使うかというのは、中医協で専ら御
議論をいただいて合意を得るものでございますので、今、御指摘のようなことを念頭に置い
て、私はこれを整理させていただいたわけでは決してないのですが、仮にそういった議論に
もしなったとしても、当然のことながら中医協で侃々諤々の御議論の後に整理をしていかれ
るものと、事務局では承知をいたしております。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。

○池上委員 
 まさにその点について、考慮された上でここに出されたかどうかということを伺ったまで
です。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。時間も過ぎてしまい、申し訳ありませんけれども、大体これでも
って本日の議論は以上にしたいと思いますけれども、ちょっと私の不手際で分科会長代理を
していただきます吉田先生の御挨拶がなかったので、一言ここで御挨拶していただきます。
遅くなりまして、申し訳ございません。

○吉田分科会長代理 
 済みません、時間オーバーなので簡単にいきます。
 私もDPCレセプトの審査関係をやっていますので、実は東日本の大震災について、DP
Cレセプトについて対応をしました。
 とりあえず、審査委員会としては大震災にかかって被害を受けた医療機関については、と
にかく全部審査をしないで、査定をしないで支払うということを決めて発令しています。
 もう一つ、ヒアリングがございますので、前回は、例の不正請求ではないですけれども、
変な疾患群が多い医療機関が出ましたね。何とか小山分科会長を支えて、中医協でいじめら
れると思うのですけれども、小山先生なら多分、耐えて、耐えて、耐え忍んでいかれると思
いますので、よろしくお願いします。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。大変頼りになる代理に感謝いたします。
 それでは、事務局の方から連絡をお願いいたします。

○丸山主査 
 次回の開催についてですが、5月30日の月曜日を予定させていただきたいと思います。

○小山分科会長 
 ありがとうございます。大変司会の不手際で、時間が10分以上オーバーしてしまって、
誠に申し訳ありませんでした。今回、初回ということでお許し願いたいと思いますけれども、
これからは時間内に終わりたいと思います。
 それでは、平成23年度の第1回の診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を終了させ
ていただきます。
 本日は、お忙しい中ありがとうございました。以上です。

17:14閉会







(了)
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厚生労働省保険局医療課包括医療推進係

代表: 03-5253-1111(内線3289)

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