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2011年4月11日 第2回社会保障審議会第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会議事録

年金局

○日時

平成23年4月11日(月)16:00~17:51


○場所

厚生労働省専用第23会議室(19階)


○出席者

本田 勝彦 (部会長)
山崎 泰彦 (部会長代理)
岩村 正彦 (委員)
海辺 陽子 (委員)
大山 永昭 (委員)
見城 美枝子 (委員)

○議題

(1)不整合記録問題の対象者の整理について
(2)前回御要望のあった資料について
(3)第3号被保険者の不整合記録の状況について
(4)検討すべき論点について
(5)その他




○議事

○本田部会長 それでは、ただいまから第2回「社会保障審議会 第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変御多忙のところ、お集まりいただきまして、どうもありがとうございました。
 まず、本日の委員の出席状況につきまして、事務局の方からお願いいたします。
○古都総務課長 本日、全員御出席ということでございますので、委員会は成立いたしております。
○本田部会長 本日は、大塚副大臣に御出席いただいておりますので、大塚副大臣、一言ごあいさつをお願いいたします。
○大塚厚生労働副大臣 御紹介いただきました大塚でございます。委員の皆様方におかれましては、大変御多忙のところ、本日も第3号被保険者不整合記録問題対策特別部会にお集まりをいただきまして、本当にどうもありがとうございます。
 大変難しい問題でございますが、国民の皆さんの御関心も高く、また、関係者も多数に上りますことから、当部会の委員の皆様方に御指導を仰ぎながら、適切に対応させていただきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
○本田部会長 ありがとうございました。それでは、議事に入ります前に、本日の配付資料につきまして確認をしたいと思います。事務局の方からお願いいたします。
○古都総務課長 それでは、お手元の資料の御確認をさせていただきます。
 本日の議事次第、続きまして、特別部会の座席表。
 資料1「第3号被保険者不整合記録問題対策の対象者の整理について」。
 資料2「第1回特別部会における委員の依頼資料」。
 資料3「第3号被保険者の不整合記録の状況について(粗い推計)」。1枚ものです。
 資料4「第3号被保険者不整合記録問題対策に関する主な論点」。
 資料5「論点に関する参考資料」。
 資料6「3号不整合記録問題に関連するこれまでの行政実務、判例等の考え方(平成23年4月5日 第1回特別部会提出資料『参考資料2』)」。
 以上でございます。
 なお、左手の方に、前回の資料は一式ファイルで綴じて置いておりますので、適宜御参照いただければと思いますが、不足はございませんでしょうか。なければ、よろしくお願いします。
○本田部会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
 本日は、まず、今般の不整合記録問題の対象者につきまして、改めて事務局から説明してもらいます。
 また、前回の部会で委員の皆様から御要望のありました資料につきましても、事務局が用意しておりますので、そちらの説明を併せてお願いしたいと思います。
○梶尾年金課長 年金課長でございます。それでは、資料1に沿いまして、対策の対象者というのがどういう方々がおられるのかというのを改めて整理をいたしましたので、それの御説明をしたいと思います。
 資料1をおめくりいただきまして、まず、1.で対象者の類型ということを書いてございます。
 現在、どういう状況であるかということで申しますと、これは年金の支給決定、裁定を受けているか、否かで大きく分けますと、被保険者、まだ裁定は受けておらず、今後、一定年齢に達したときに年金を請求するという場合、現在は被保険者という方と、既に裁定を受けている年金受給者と、裁定を受けている、いないで大きくわけるという分類ができるかと思います。
 次に、現在、記録ですとか、受給されている年金の状況による区分、具体的には、現時点で不整合な記録が訂正されているか、いないかということで考えますと、被保険者について言えば、一時的には、不整合な状態が生じたものの、年金相談等の際に配偶者の記録と突け合わせをすること等で、不整合であることが判明して、さかのぼって1号被保険者期間に既に訂正をされている方というのと、現在も不整合であることが判明をせずに3号期間のままで記録されて未定者の方がおられる。
 また、受給者についても大きく分けると同じような状況でありまして、一時的には不整合状態があったということですけれども、裁定の際などに配偶者の記録と突け合わせをすること等で不整合が判明して、さかのぼって1号被保険者期間というのに既に訂正されている。現在は、その期間を未納期間として算定した年金額というのを受給されている方と、裁定のときも不整合が判明せずに、その期間を納付済みの3号被保険者期間のままということで未訂正で、そうすると、本来より高い額で受給しているという方が、大きく分けると、おられるということです。
 なお、これを図にしましたのが、最後のページ、裏の表になりまして、横に被保険者の場合と、受給者の場合、縦に上が不整合な部分が訂正されている方、最初は、一応、2号が夫で3号が妻ということで資料をつくっておりますけれども、妻の記録がずっと3号となっていたものを夫の方が、途中で1号であることがあるのに、3号であると不整合に気がついて訂正をして、その期間が1号、未納というふうに訂正されている方と、下の段は、判明していないので、まだ3号として記録された方がおられるし、受給者の場合も同様の区分があって、その場合、既に年金を受給されている額というのは、上の訂正されている方については、少し少ない額というか、本来の額になって、その下の不整合記録のままとなっている方の場合は、不整合期間もその年金額に反映していますので、少し高い額になっているというようなことでございます。
 1ページに戻りまして、大きく分けるとそういうことですけれども、今年の1月から2月24日までの間、いわゆる運用3号の取扱いを受けた方という方がいらっしゃいます。
 この方々は、裁定時に不整合が判明したわけですけれども、そこで訂正を1号被保険者に訂正しないで3号のままという形にしておりますので、上の区分とはちょっと違う方がいらっしゃる。
 あと、既に訂正された中には、正しく訂正したことで、少ない年金額というか、算定した本来の年金額という形のところで、25年の資格期間を満たせなくなって、年金を受給されていない方もいらっしゃるだろうということでございます。
 こういった方々が対策として考える際の対象者ということですけれども、2ページは、こういった不整合というのが生じた契機ですとか、背景を整理したものですけれども、生じた契機、要するに不整合記録、届出漏れが生じた契機としては、大きく分けますと、配偶者である2号の被保険者、配偶者の方が何か資格喪失、会社を辞める等の事情があって、それに伴って御本人の方が3号被保険者でなくなるというケースと、下のポツは、3号被保険者本人の事情の方で年収が基準額以上となる、あるいは離婚をされることもそうですけれども、そういったことで被扶養配偶者でなくなるということで、御本人の変更があって第3号被保険者でなくなった。にもかかわらず、届出をされなかったというケースがあるだろうということです。
 こういったことが生じた背景と書いてございますけれども、昭和61年4月に第3号被保険者という仕組みができて以来、この3号被保険者から1号被保険者への種別変更につきましては、本人の届出義務というのがございます。
 14年からは3号被保険者となる際については、配偶者の事業主経由で届出をするという規定に変わっているということです。
 ただし、被保険者資格自体というのは、届出の有無とは関係なく、客観的な用件に基づいて決まるということでありまして、このために、本来は1号に変わっているのに、届出がないので記録は3号のままであるという状態が生じていたということでございます。
 これに関しまして、資料2の方、委員からの依頼資料というので用意していますけれども、これの4ページ以下に、前回、岩村委員の方から条文をという御要望がありまして、その場で簡単には御説明しましたけれども、どういう条文になっているか、仕組みの方を御報告したいと思います。
 資料2の4ページでございますけれども、資格の取得及び喪失についてということで、被保険者資格というのは、国民年金法上で第7条に、これは漢字であるのが1号、2号、3号ですので、それぞれの号に書いてあるので、1号だと1号被保険者、2号だと2号被保険者のわけですけれども、1号であれば、日本国内に住所を有して20歳以上60歳未満であって、2号でも3号でもない人というのは1号だと、その状態に当たれば1号です。3号に書いてありますのは、第2号被保険者の配偶者であって、主として2号被保険者の収入により生計するものと、これに該当すれば、これは3号です。
 2号は、被用者年金各法という、厚生年金や共済年金の被保険者、組合員または加入者ということでありまして、これらに当たれば、それぞれの号に当たるということで、8条を見ていただきますと、それに至った日に資格を取得するというような条文になってございます。
 5ページには『国民年金法』の解説ですとか、裁判例でもそういう解釈で出るということでございます。
 一方で、6ページで届出に関する条文でございます。上の箱は後に回しまして、国民年金法の見ていただきたいのは、7ページの方からごらんいただきますと、7ページが昭和61年の段階の条文でございまして、12条の1項で「被保険者は」ということで資格の取得、喪失並びに種別の変更に関する事項等々を市町村長に届け出なければならないということで、被保険者は自らそういったことを市町村長に届け出るという義務がある。
 ここに付けておりませんけれども、第2号被保険者については、この規定は適用しないというのが別なところにございまして、これは1号と3号だけを規定している条文でございます。
 こういったことがありましたら、市町村長に届け出るということなんですけれども、前のページに戻りまして、これが被保険者と書いていましたのを、14年度から書き分けまして、第1号は被保険者(第3号被保険者を除く)ですので、先ほど既に2は除いていて1と3と申しましたので、第2条の第1項は第1号被保険者のことだけを指しています。別に、5項の方に「第3号被保険者は」ということを書き分けているということです。
 したがって、第1項の方で第1号被保険者についての条文は従来と変わっていないということで、あと、5項で第3号被保険者は、この条文だけ見ると、市町村長にではなくて、厚生労働大臣にとなっていますが、そういう点が違いますのと、6項に前項の届出はということで、これは配偶者である2号被保険者を使用する事業主を経由して行うと、14年度からこういう規定に、3号についてはそうなったということです。
 この条文を見ますと、5項を見ると、第3号被保険者は資格の取得、喪失並び種別の変更に関する事項と書いてありますので、一見すると、3号被保険者でなくなったものも事業主経由のように一見見えるんですけれども、第3号被保険者から第1号被保険者に変わった場合というのは、届出をする段階では第1号被保険者になっているということになるものですから、第3号被保険者が第1号被保険者に変わったという届出は、1項の方が適用になるということでございます。第1号被保険者から第3号被保険者に変わったというのは、届出をする主語は第3号被保険者になりますので、5項のが適用になるということが1点。
 あと、そういう変更をするのは、この3つの取得、喪失、種別の変更、言葉でいうと、種別の変更という言葉を当てることで呼んでおりまして、取得というのは二十歳に到達するとか、喪失というのは60歳になるとか、そういう場面であって、種別が変わるのは種別の変更ということで整理しております。一応、そういう整理をしてこの条文をつくっているということでございまして、したがって、第3号被保険者になったという届出は、第3号被保険者ですので、事業主経由ですけれども、第3号被保険者でなくなって第1号被保険者になりましたというのは、主語は第1号被保険者なものですから、1項で自らが市町村長に届け出なければならないというような、一応、条文の構造はそういうことでございます。
 それで、先ほどの資料1の方に戻りまして、2ページの(2)の2つ目の○までの関係で、今、条文の紹介をいたしました。
 そういう状態が生じていたわけですけれども、一方で、旧社会保険庁の方では、配偶者が2号被保険者ではなくなったという情報ですとか、本人が配偶者を外れたという情報を基に、3号被保険者から1号被保険者に変わったんではないかということで、その種別変更に係る届出勧奨を一定程度は実施をしてきたおったわけですけれども、17年度に職権による種別変更を開始するまでは、勧奨状をお送りするにとどまって、勧奨状をお送りしても届出をしないという方に対して、それ以上の取組みを行ってきていなかったというようなこと。
 また、裁定の際に、配偶者の記録と突合もありますけれども、不整合記録を見過ごしたというケースもあって、この場合は、その記録のままで年金を受給しているというような事態が生じているということでございます。
 以上が、この問題の対策の対象者となる方は、どういう方々がおられるのかということの頭の整理のためにつくった資料でございます。
 次に資料2で、第1回でお求めになった資料について分担をいたしますけれども、御報告いたします。
 1ページ目に、本人と配偶者との間で不整合となっている記録を有する者のイメージということですけれども、これは、前回、山崎委員の方から数十万から百万を超えるという数字をどう考えたらいいかと、大きな数字なんだけれども、全体から見たら小さいとも見えるけれどもというようなことで、現在、第3号被保険者は約1,000万人おられるわけですけれども、この不整合期間があるという方は、第3号被保険者1,000万の内数というわけではございませんで、過去、種別変更等の届出漏れがあって、現在、第3号の不整合記録がある方というのは、現在の姿でいうと、上の箱の正面だったり、下の箱の正面だったりしますけれども、1号だったり、2号だったり、あるいは受給者であったり、勿論、3号の被保険者である方もいらっしゃると思いますけれども、そういう方もおられて、これまでの経過の中で3号の時期があって、その後、届出漏れがあって、3号の不整合の期間があるというような方がいらっしゃるということで、現在、3号の被保険者である方の中にだけ不整合期間があるというわけではないということで、後ほどの別の資料で種別変更の届出を行った人が全体でどのくらいいたか、というのは、また、別の資料で御報告申し上げたいと思っています。
○中村事業管理課長 続きまして、次の2ページ以降について御説明を申し上げたいと思います。
 前回の特別部会で、今、年金課長の方からも不整合が生じるケースについて大きくは2つのパターンがあるということを御説明申し上げましたけれども、具体的にどういった場合に、そういう不整合が生じ得るかというのをわかりやすいイメージで示せないものかという御指摘もいただいて、まとめたものでございます。
 上から順に御説明を申し上げますと、脱サラという言葉を使っておりますけれども、典型的に、便宜上、夫と3号被保険者が奥様というパターンで書かせていただいておりますが、夫の方が会社員で脱サラをされたという場合に、奥様の方がどうなるかということでございます。
 まず、夫の方は年金機構へ会社経由で2号の喪失の届出が行われる。その後、夫自身が市町村へ1号の届出を行っていただくというのに対しまして、妻の方は、妻自身が市町村に3号から1号への届出を行っていただくということになるわけでございますけれども、右の欄をごらんいただきまして、そこの手続に気づかずに届出を行わないという場合には、日本年金機構が記録している年金記録としては3号のまま管理されたままになるということを書いているところでございます。
 それから、ケース2でございますけれども、夫が定年退職をされたような場合、この場合には、やはり会社の方から夫の2号喪失の届出が機構の方へ来ることになりますけれども、夫の方は、もう60歳に達せられましたので、年金の被保険者ではなくなるということでございます。
 この場合も、右の欄でございますけれども、奥様の方は、専業主婦のままという実態が変わらないということで、届出に気づかれないような場合もあるだろうと、この場合には、やはり市町村への届出が行われなかった場合には、年金機構としては3号のまま年金記録を管理するということになるということで、届出漏れが生じるということを書いておるところでございます。
 それから、ケース3でございますけれども、夫が失業された場合、また、短期間で例えば再就職をされたというケースを書いてございますけれども、まず、失業前に在籍されていた会社の方から年金機構の方に2号喪失の届出がなされます。それで、夫自身が市町村に1号の届出を行っていただくことになります。
 その後、再就職をされたら、再就職先の会社が2号の届出を行っていただくということになります。
 これに併せまして、左側の本来の手続のところで見ていただきますと、妻の方は、夫が失業した段階で市町村に3号から1号への届出を行っていただくということに、まず、なるわけでございまして、再就職をされた場合には、その再就職先の会社が機構に対して、妻の1号から3号への届出を行っていただくというのがルールということになってございます。この場合に、右側の欄でございますけれども、夫が失業しても、奥様の方が専業主婦のままで生活実態が変わらないということで、届出が必要だということに気づかれない場合には、その時点での3号から1号への届出が行われないということになりますので、その後、夫が再就職をされて、3号への届出が出てきたときに、御本人が過去に届出が必要だったと気づかれないようなケースがあるということでございます。
 それから、ケース4で書いてございますのが、夫が中途退職をされた後、医療保険の方が、例えば健康保険の任意継続に加入されているようなケースでございまして、この場合にも、夫の方は市町村へ1号の届出をしていただいて、なお、短期保険の方は任意継続被保険者ということでつながっているようなケースでございます。
 この場合にも、奥様の方は、市町村へ3号から1号への届出を行っていただくという必要があるわけでございますけれども、医療保険の方は、健保の任意継続になっているということで、被扶養者のままになられているケースがあります。
 このまま右側でございますけれども、健康保険では被扶養者であるということで、年金の手続にもし気づかれなかったとすれば、市町村への届出が行われずに、機構としては3号のまま管理を続けるということになるケースがあるということを書いているところでございます。
 ケース5が、今まではケースの1~4まで、配偶者の方が2号資格を喪失されたというケースでございますけれども、ケース5の方は、夫の方が引き続き会社員としては継続をしている中で、奥様の方が、例えばパートに出られて年収が一定の基準を超えたという場合に、これは被扶養から外れるということで、3号から1号への届出を行っていただく必要があるわけでございます。医療保険の方にも同じ届出をしていただく必要があるということになっているところでございます。
 右側の方でございますけれども、健康保険の方の被扶養を外れるという手続を行ったことで、年金の届出を同時にやったというような勘違いがあるとすれば、年金の方の1号への届出がなされないまま、機構としては3号のまま管理がされるというようなことがあるのではないかということで書いてございます。
 なお、年収が一定の基準を超えた場合に、健康保険も含めて手続が漏れているケースもあるのかもしれないということで、一番下のところに書いているということでございます。
 以上、具体的なイメージについて御説明を申し上げました。
 続けて、次の3ページでございますけれども、昭和61年度の3号被保険者制度の創設以来、旧社会保険庁としても一定の種別変更の届出の勧奨を行ってきたということは前回あるいは先ほども御説明を申し上げたところでございますが、それについて取組みをわかりやすくまとめた資料でございます。
 昭和63年度からは、配偶者の方が厚生年金の加入資格を失われたというような場合に、不整合記録が生じている方について一定程度種別変更の届出を勧奨してきたという経緯はございますが、平成9年の1月から基礎年金番号が導入されてございますけれども、大きく2つの情報に基づいて不整合記録が生じている方を把握してきております。
 1つが?のところでございますけれども、配偶者が2号被扶養者でなくなったことに関する情報ということで、夫の方が政管健保、健保組合、いずれも厚生年金で言えば、2号被保険者に相当される方でございますが、この方の資格喪失情報。
それから、10年度からは共済組合からも2号被保険者の資格喪失情報をいただいて、それに基づいて3号被保険者である奥様の方に勧奨を行うということを始めております。
もう一点が、御本人が被扶養配偶者でなくなったことに関する情報ということで、政管健保あるいは共済組合の方で医療保険の方の被扶養者から外れたという情報を入手して、3号から1号への届出がなされていないことの勧奨を行ってきたということでございますが、健保組合のところを×と書いてございますけれども、健康保険組合からは、まだ、こうした情報をいただいていないというのが現状でございますので、健康保険組合の被扶養者から外れられた場合の情報というものに基づいて勧奨を行うということは、現在できていないというのが現状でございます。
こうした情報に基づいて、更に平成17年度からは届出が一定期間ない方に対して、職権による種別変更の実施を始めたというのが従前から御説明している内容でございます。
※のところに書いてございますが、なお、勧奨状をお送りしても住所不明等でその勧奨状がお手元に届かず戻ってきてしまうというケースがございまして、こうした方については、その後、勧奨や職権による種別変更の対象から外れているということで、そのまま3号の記録のまま管理されていると、この部分も1つ問題点としてあるということを書かせていただいているということでございます。
以上でございます。
○本田部会長 ありがとうございました。質疑の時間をこれから取りたいと思いますので、区切りのいいところまで資料の説明を続けさせていただきたいと思います。
 前回、議論をするためのデータが必要という御指摘もございました。そこで現状を把握するという趣旨から不整合記録の状況につきましても事務局から御説明をお願いいたします。
○中村事業管理課長 それでは、説明を続けさせていただきます。資料3をごらんいただければと思います。
 3号被保険者の不整合記録、実情についてできるだけ速やかに、できる限り把握ができないかということで、社会保険オンラインシステム、日本年金機構からも情報をいただきながら分析作業を進めてまいりました。その結果を、本日、粗い推計と書かせていただいておりますが、御報告をさせていただきたいと思います。
 まず、1番のところで、不整合記録を有する対象者数についてということで書かせていただいておりまして、前回、直近5年間で大体3号被保険者の方が毎年70万人を超える規模で、3号から1号への種別変更をされているという実績のデータをお示しいたしました。
 この数字を用いまして、昭和61年から平成21年までに一体どれくらいの方が3号から1号への種別変更をなさったかというものをざっくりと計算をしてみたものが、ここに書いている数字でございまして、1,913万人くらいの方が、単純に推計をすれば、3号から1号への種別変更を過去になさってきたと、これは推計でございます。そういう数字を、まず、示させていただいております。
 次の○でございますけれども、それでは、現在、不整合記録を有する方がどれくらいいらっしゃるのかと、ここでいっている不整合記録というのは、配偶者と御本人で、3号と1号という形で不整合があるという方などでございますけれども、注の1のところをごらんいただきますと、日本年金機構の社会保険オンラインシステムの中で、本人と配偶者で3号と1号で齟齬が生じていると、こういった方の数を抽出しまして、その結果等に基づいて、一定の粗い推計を行ったものでございます。
 大きく3号、1号という形でシステム上、不整合が発生しているケースと、あと、被扶養者から外れたにもかかわらず、まだ、3号のままになられている方と、大きな2つのパターンがあろうかと思いますけれども、それぞれ一定のデータの分析を行った結果として、ここに書かせていただいております。
 右側のところをごらんいただきますと、不整合記録を有する者ということで、全体で97.4万人という数字をここではお示しをしておりますけれども、内訳としまして、受給者の方が14.3万人、被保険者等の方が83.1万人程度いらっしゃるのではないかというふうに推計をいたしたところでございます。
 実は、これらの方の個々の具体的な不整合の月数がどれくらいかというのを、下の2のところで示してございますけれども、その抽出データの中からサンプルを取りまして、実際に個々人の年金の記録というものを確認する作業をいたしました。
 その結果として、かなり多くの方が、実際には、例えば夫が退職をされて、1号になられた後、また、同じ月のうちに再就職をされたような事情でございまして、同じ月のうちにまた3号状態に戻られている、いわゆる同月得喪と呼ばれるような方がたくさんいらっしゃるというような実情がございます。
 こうした方は、年金額という点では、全然記録に齟齬があっても金額に影響がない方でございます。そうした方を取り除いて数字を見たのが、2つ目の○の左側の欄でございまして、不整合記録を有されている方のうち、右側の97.4万人の内数ということになるわけでございますけれども、そのうち、年金額に影響があると考えられる方。
 それで、注2のところをごらんいただきますと、不整合月数が1か月以上の方を、ここでは年金額に影響があると考えられるということで計算をしてございます。
 なお、不整合月数と先ほどから申し上げておりますけれども、本来ならば1号被保険者として記録されるべきところを3号被保険者として記録されている月数のことをここではそのように定義をさせていただいておりまして、ただ、直近2年の間にある当該月数につきましては、まだ、保険料を納めていただくことが可能な期間でございますので、その分については取り除いた数字ということでございます。
 その結果として、左側の欄でございますが、全体で47.5万人くらいいらっしゃって、受給者で申し上げれば5.3万人、被保険者等で言えば42.2万人程度の方が不整合記録を有した形で、かつ年金額に影響があると考えられる方ではないかというふうに推計をいたしたところでございます。
 3つ目の○でございますけれども、これは注のところに書いてございますけれども、日本年金機構に依頼をしまして、社会保険オンラインシステムの中から過去に2年以上さかのぼって、記録を3号から1号に種別変更した人の数をここに掲げさせていただいております。
 まさに、2年以上さかのぼって記録を訂正された方でございますので、3号から1号への記録を訂正した時点で、既に保険料を納めることができない期間があった方ということでございまして、全体で117万6,000人、受給者で言えば、50万3,000人、被保険者等で言えば、67万3,000人くらいが、そうした方であったという数字をここに書かせていただいておるところでございます。
 以上、1番でございます。
 それから、2番をごらんいただきますと、不整合記録を有し、年金額に影響があると考える方の不整合月数について、先ほど上の方で47.5万人、受給者5.3万人、被保険者等42.2万人ということを申し上げましたけれども、その対象になっている方の中から実際にサンプルを取りまして、個々の年金記録を調べたものでございます。併せて1,400人の記録を調べさせていただきました。
 その結果をここに書いてございますが、受給者の方で申し上げれば、一人当たりの不整合月数が約6.8月というような状況になってございまして、このサンプルの中で、不整合月数が最も長い方は、128月、大体10年分くらいの不整合があるという方がいらっしゃったところでございます。
 それから、現役の方、被保険者等につきましては、一人当たりの不整合月数が23.5月という結果が出てございまして、大体2年弱くらいの不整合の月数があるということでございますが、このサンプルの中で、一番長かった方というのは、224月の不整合があるというような結果が出ているところでございます。
 ごらんいただきますと、受給者と被保険者数でやはり受給者の方が少なくなってございますので、やはり裁定のときに一定の記録の訂正が行われているのではないかということは推察されるという状況かと見ているところでございます。
 私からの説明は、以上でございます。
○本田部会長 ありがとうございました。それでは、先ほどの資料1も含めまして、これまでの説明に対しまして、御質問または御意見等ございましたら、御発言をお願いいたします。
 どうぞ。
○岩村委員 数字が出たので、これがまたひとり歩きするとややこしい話になるものですから、ちょっと確認ですけれども、先ほどの資料3の2番目の○のところの、不整合記録を有する対象者数で、年金額に影響があると考えられるもの、つまり右の内数となっている、全体で47.5万人ということですが、これは要するに被保険者であった期間全部が本来3号であるべき期間ではなかった、だから、保険料を全期間にわたって払っていないので本来は年金がもらえないという人の数が47.5万人ということではないということだけ確認させていただきたいんですが、それでよろしいですね。
○本田部会長 どうぞ、事務局。
○中村事業管理課長 これは、一月以上ずれがある方の数字でございますので、今の御指摘は…。
○岩村委員 ですから、例えば非常に極端な例を言うと、1986年のときから第3号被保険者となっているけれども、実はずっと第1号だったという人たちが47万人いるという話ではないということですね。
○中村事業管理課長 違います。
○岩村委員 ついでに言えば、非常に額に影響が出るとしても、少ない人もその中にはかなり含まれているだろうということですね。
○中村事業管理課長 まさにこの中からサンプルを取って不整合の月数を実際に調べたのが、その下の2番の数字でございますので、一月以上不整合の月数がある方の平均が、例えば受給者で言えば6.8月、被保険者等で言えば23.5月というふうにごらんいただければと思います。
○岩村委員 ありがとうございました。
○本田部会長 どうぞ。
○山崎部会長代理 同じ資料で確認させていただきたいと思いますが、前回も百万人とも言われる不整合記録を有する者の重みがどれくらいかという質問をさせていただいたんですが、この資料3は、それに的確に、ほぼお答えいただいているんだろうと思います。
 それで、3号被保険者から1号被保険者に変更したものが1,913万人で、まだ、変更が終わっていない人が97.4万人、合わせて全部変更が終われば、大体2,000万人ということになると思います。その2,000万人のうち直っていないのが、大体百万人、20分の1ということになりますね。そして、年金額に実際に影響があるものが更にその半分、2.5%という理解でいいのかというのが1点でございます。
 もう一つは、変更した結果、年金額に影響が既にあったものが117.6万人いまして、これから変更して影響があると思われる人が47.5万人ですから、総計165万人のうち、直っていないのが47.5万人、つまり3割くらいというふうな理解でいいのかどうか確認させていただきたいと思います。
○中村事業管理課長 今回の推計結果に照らせば、今、おっしゃったとおりだと思ってございます。過去に3号から1号に種別変更をされた方が、大体2,000万人弱くらいいらっしゃるという中で、今、現に不整合記録を3と1の関係でされている方が大体百万人オーダー、その中で、実際に年金額に影響がある方というのが、大体その約半分程度の47万5,000人ということだと理解しております。
○本田部会長 岩村委員、どうぞ。
○岩村委員 やはり同じ資料で、常に数字のところで申し訳ないんですが、2のところの不整合月数の数字が出ていますけれども、一人当たりの不整合月数というのは、不整合月数の長い人がたくさんいると引き上げられて上に上がるということになるんだと思うんですが、その辺、分布はどうなっているのかというのが簡単でもいいんですが、状況を教えていただけると中身がもう少しわかるかなと思うんですが。
○中村事業管理課長 さっき申し上げた受給者のサンプル、700人受給者を取ってございますが、そのうち大体3分の2程度は、ゼロ月の方でいらっしゃいました。
 ここで申し上げている6.8月というのは、残り3分の1の方の平均ということでございますけれども、確かに長い方もいらっしゃいますが、多くの方は、やはり1年未満の方が相当の割合を占めているようにイメージしてございます。
 被保険者についても、それよりは当然長いわけでございますが、ゼロ月という方大体700人のうちで半分くらいいらっしゃいましたので、残りの方の平均として23.5月ということでございまして、こちらもやはり短い方がウエートとしては多いのではないかと理解してございますが、ただ、中には、ここにも書いてございますように、長い方もいらっしゃる。
○岩村委員 ありがとうございました。
○本田部会長 あと、御質問はございませんか。
 どうぞ。
○山崎部会長代理 もう一つ、年金定期便なり、特別便で過去の記録の確認を求めているわけでございます。要するに、これで正しいでしょうか、どうでしょうかというわけですね。
 自分は3号でないのに、3号の記録が通知されてきたと、そこで事務所等に行って相談し、正しい記録に直したというケースは結構あるのでしょうか。
○石塚日本年金機構理事 具体的な数字までは、申し訳ありませんが、把握しておりません。
○山崎部会長代理 つまり、間違った記録であるということをお知らせする機会は相当あったはずだということを、私は言いたいわけでございます。ただ、本人が不利になるから申し出なかったということは十分に考えられるということだと思います。
○本田部会長 今のは、後ほどでいいですか。
○山崎部会長代理 いいです。
○本田部会長 それでは、次の議事に移りたいと思います。今後、短期間で議論をとりまとめていくためにも、議論の道筋を整理していく必要があろうということで、部会としての意見をまとめる際の種々の論点につきまして、前回の部会での委員の皆様の御指摘なども踏まえまして、事務局に整理をしてもらいましたので、それでは、事務局の方から、まず、資料の説明をお願いします。
○梶尾年金課長 それでは、資料4に沿いまして、御説明をしたいと思います。主な論点という資料でございます。
 論点につきまして、3月8日のペーパーを抜本改善策の方向性と論点というのに沿ったような形で、若干大くくりではありますけれども、論点ごとに整理をしたものでございます。
 まず、1ページ目ですけれども、ここは総論といいますか、この不整合期間についてどのように考えたらいいかということで、一番の基本の入口のところになるわけですけれども、ここについても前回は、この問題をどう考えるかというところで議論を大変活発にいただきました。
 その中では、基本的には保険料を払って給付が出るというのは原則であるとか、医療保険と年金とは連動しているんだから、本人の責任が重いんではないか。夫が厚生年金ではなくなったら、妻はもう3号でなくなるという仕組みでなかったことに問題がある、あるいはしっかり把握してピックアップする仕組みをつくっていなかったという問題点の御指摘等をいただいています。
 ただ、一方で、行政の側にも保険料を徴収する責務というのが課せられていたというわけなので、本人の届出義務違反だけを問題にしてよいのか。きちんと届出をして保険料を納めてきた人と、そうではない人を同じに取り扱ってよいかという不公平の指摘もあるけれども、確信的な未納者の場合と、今回の不整合期間がある人とはちょっと違う考え方なんではないかと、パラレルでいいのかという疑問の御意見。
 また、手続すべきであることは知っていたのにやらず、保険料を納めずにきた人と、手続すべきであることを知らずにきた人というのは異なるんではないかという御意見。
 また、一方で、それは届出の勧奨状を送っていたということと、本人が知っていたかどうかというのは別の問題で、それを行政の側では相手方が知っているという証明の術はないんではないか。こういったような御意見、前回の総論的に、この問題をどう評価するかということで、こういった御意見をいただいたところでございます。
 そういった全体の評価が前提になってくるわけですけれども、2ページ以降で、抜本改善策として、具体的な措置をどうしていくのかということについて、3月8日の方向性と論点の資料に沿った形で整理をしてみました。
 まず、措置の内容で、これは、まず、被保険者あるいは受給者共通の話なんですけれども、3月8日のペーパーで、「カラ期間」にして特例追納ができるようにするという形で被保険者、受給者、共通してそういう整理になったわけでございます。右から2段目のところに、そのときのペーパーに、被保険者について「カラ期間」の導入ということと、その期間について特例追納ということができるということの提案があって、これについてどうかということを1点御検討いただきたいと思ってございます。
 次のページで(1)は、今、被保険者、受給者共通と申しましたけれども、次のページであえて(2)受給者だけ区分けしてございます。抜本改善策と方向性と論点は、3ページの3のところに書いてございますように、2と同様にすると書いてあるのは被保険者と同様にするというのが基本的な発想で、その上で、過去に支払われた年金について返還を認めるか、将来の年金額を減額するかどうか、その際の留意事項は、以下の4点のものがあるんではないかということを書いてございまして、したがって、大きな論点としては、受給者については同じでいいのかどうか、別な考えということで、あるのかどうか、過去に支払われた年金の返還を求めるかどうか、また、将来を減額するかどうか、この辺りをどういうふうな整理にしていくのかということでございます。
 備考欄に、前回、従来の行政実務ということで御報告しましたけれども、誤った裁定の場合は、当初の裁定を取り消した上で、再裁定を行って、減額となる場合は、既に支払いした年金の過払い分というのは、不当利得としての返還、直近5年分ということで行っているというのが、現在の実務ではございます。
 次の4ページの3番は、被保険者、受給者共通で、過去に既に不整合であることが判明して訂正された期間についても、同じように特別措置の対象とするかということで、これにつきましては、抜本改善策の方向性と論点においては、上の4行は被保険者分で、下の6行は受給者分の記載ですけれども、いずれも過去の訂正による期間を含むという言い方をしておりまして、既に訂正をした方も同じように対象とするべきだろうということで、提案をしているということでございますけれども、こういうことでよいのかどうかということでございます。
 次の4.は、いわゆる運用3号取扱いを受けた者ということで、1月から2月24日までの間にその取扱いを受けて不整合があることを確認しつつ、3号被保険者のままという形での裁定を行ったような方についてですけれども、これについては、3月8日のペーパーにおきましては、2月24日までの間に運用3号通知に基づき裁定された者については、3月随時払い以降、その裁定された額でお支払いをすると。ただし、この抜本改善策を1月1日に遡及して実施するという結論にする場合には、差額の調整をするということで検討するということ。
 そうではない、2月24日以降の裁定につきましては、運用3号通知ではない、以前の本来の取扱いによる裁定を行うということで、そうすると、受給者ということですので、従者としての扱いが全体の整理に合わせるということを検討するという形で書いてございます。
 これにつきまして、こういう整理でどうか、別の考え方があるかどうかということが論点の1つでございます。
 次の5ページにおきましては「カラ期間」プラス特例追納ということの記載があるわけですけれども、そういった場合に、保険料の額の水準をどうするかというのと、そういった期間は3年間ということでよいのかということでございまして、論点としては、3月8日の大臣の方向性と論点においては、分割納付の期間や方法をどうするかとか、追納の数字をどうするかということを記載してございまして、これにつきましては、現行に似た制度におきましては、備考欄にありますように、免除期間への追納の場合の保険料額の水準というのは、対象となる当時の額に国債の表面利率を勘案した一定率を乗じた額というのを加算して払っていただいているということでございます。
 あと、これは現在、参議院で継続審議中の年金確保支援法案での後納というものについても同じように当時の額に国債の表面利率等の利子を付けた額ということでございます。
 そのほか、ここに2つ書いてございますけれども、現在、高齢任意加入といって、60歳になった時点で、25年を満たさないとか、あるいは40年に足りないということで任意加入をして資格期間を目指すようにしよう、あるいは年金額を増やすようにしようということがあります。
 そういう場合は、直近の普通の保険料額を払って期間を増やすという形になっているというのが、高齢任意加入、納付時点の保険料額ということでございます。
 次の特例納付というのは、過去、昭和44年、48年、53年に国民年金制度創設当初、制度が周知されていなかったこと等を背景に行われた特例納付については、その時点での保険料をベースとして、若干加算をするような額、3回目については、そういった額で設定しているということでございます。
 特例というのは、3年間の措置でよいのかということでございますけれども、この申出期間は3年間に限るということを検討するということで、3月8日の文書はできております。
 なお、年金確保支援法案においても衆議院の修正で3年間に限るべきであろうということで、そういった修正がされたところでございます。
 最後の6ページは、障害年金や遺族年金についてどう考えるかということで、前回もこの問題の対象者というのは、さまざまな人がいて、対象となる年金も老齢だけではなくて、障害年金や遺族年金、こういったことの受給権もどう考えるかということがあるんではないかという御意見をいただいたところであります。この点については、3月8日の紙には特段記載はございませんでした。
 あと、将来に向けた発生防止のための措置ということで、これもどのような対策が考えられるかということが大きな論点の1つかと思います。
 細かいものもさまざまあるんですけれども、大くくりでこの辺りをどういう制度にしていくのかということについて御検討いただきたいということでございます。
 以上でございます。
 あと、資料5で論点に関する参考資料ということで、何を用意しているかだけ紹介いたします。
 1ページ目には、説明の中で少しだけ触れましたけれども、年金制度でいろんな似た期間、現行制度における「カラ期間」とか、学生納付特例期間といういろんな期間というのがあります。どういうのがあるかという参考資料でございます。もし、後ほど御要請があれば御説明をしたいと思います。
 2ページ目は、前回も少し御紹介しました参議院で継続審議になっております年金確保支援法での国民年金保険料の第1号被保険者であって過去の納め忘れ等の期間について、10年前までの分は納められるようにしようという改正を、現在、国会に提案しておりまして、衆議院の段階でそれは恒久措置ではなくて3年間だけに限るべきだという修正が行われておりますが、納める時点から10年前までということでございます。
3ページ目は、そのときに、先ほども触れましたけれども、当時の保険料額に一定の利子を付けた額を払っていただくということで、これは現在存在する免除期間、免除を受けた場合の追納額の記載でございます。
後納制度、現在提案している法案の中の後納もこれと同じことにしてはということを、現在、提案しているということでございます。
4ページは、過去3回行った特例納付というのがどういう制度であったのか、制度創設当初に払い漏れの期間というのを、昭和36年4月にさかのぼって全部納められるようにするというのは、三度行ったと、これは53年のときにもこういったことは繰り返すべきではないという指摘は言われたところでございます。
そのときの保険料額はどうなったかというのは、一番下に付けているというところでございます。
5ページ目は、これまでの保険料額はどうなってきたかということの引き上げの経緯でございます。
最後の6ページは、1月から2月24日までの運用3号の取扱いを受けた方というのが1,314人おられて、そのうちのゼロ月の人を除く一月以上あったという方が988人で、その方々の平均の月数がどうなった、19.9か月であったとか、最高で259月であったと、先ほどこれとは別な集団についての御報告をいたしましたけれども、運用3号取扱いを受けた方については、こうだったということを1つ論点に挙げたこととの関係で数字の御紹介をいたします。
以上でございます。
○本田部会長 それでは、今の説明に対しまして、御質問や御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。
 どうぞ。
○山崎部会長代理 先ほどと同じような質問になるわけですが、最後に説明いただきました資料の6ページでございます。今年の1月1日から2月24日までの間に裁定されたもののうち、運用3号による取扱いの対象となる期間を有する者が1,314人というわけでございますが、分母に当たるものは、この間に裁定を受けた人の総数ということになると思いますが、どれくらいになるでしょうか。
○石塚日本年金機構理事 ちょうど1月1日から2月24日まででずばりの期間の数字は持ち合わせていないんですが、大体毎月、老齢年金の裁定で、月10万件くらいのオーダーですので、これは大体二月ですから、分母は大体20万件というふうにお考えいただければと思います。
○山崎部会長代理 わかりました。
○本田部会長 初歩的な質問で申し訳ないんですけれども、1,314人とありますけれども、この人たちは、運用3号で受給資格ができたという人の数ですか。
○中村事業管理課長 裁定が行われた方でございますので、早い方は3月から、場合によってはこの4月から年金の支払いが始まるという方でございます。
○本田部会長 そういう方がトータルで988人の方ですか。
○中村事業管理課長 年金額に影響がある方が988人ということで、裁定をしたのは1,314人でございますが、残りの方は、また、同じ月の間にまた3号状態に戻られたということで、ずれの期間が一月以内でございましたので、年金額としては影響がない方でございます。
 それで、988名の方が一月以上不整合月数があり、年金額に影響があると見込まれる方でございまして、先ほど岩村委員から、サンプルの方で御指摘がございましたが、内訳について、こちらについては、こういう形になっているということで、1年未満の方が全体の3分の2くらいを占めているというような状況でございます。
○本田部会長 とりあえず、御質問の方はありますか、御意見はいろいろとまたこれから出てくるんだろうと思いますが、御質問、何かありますか。
 見城委員、どうぞ。
○見城委員 今の1,314人のうち988人が年金額に影響があると。その下に3パターンあるんですけれども、例えば年金額に影響と、どの程度というのは、今、御質問できるものなんでしょうか。例えばどの程度、一月以上1年未満の人、どういう形でアバウトなものが伺えるのでしょうか。
○中村事業管理課長 40年満額でという単純計算をしますと、大体一月当たりの年金額への影響が1,640円くらいに、単純に計算すればなると思いますので、約20か月にそれをかけていただければ、年当たりの年金額の影響ということになろうかと思います。
 ただ、このデータに関しては、事情がございまして、今回、お示ししているデータでございますが、まさに廃止された運用3号通知が有効であった間に裁定をされた方ということで、60代の前半の方がかなりの部分を占めているという事情がございます。
 したがって、これらの方が実際に老齢基礎年金を受給され始めますのは、65歳になられてからでございますので、現状においては、まだ多くの方は、そういう年金額が高くなるという効果は発生しておらない方がたくさんの数を占めているというような事情がございます。
○本田部会長 どうぞ。
○大塚厚生労働副大臣 委員長の御質問であったことや、今の委員の御質問は、重要な部分ですので、ちょっと私から改めて念押しをさせていただきたいんですが、資料4の4ページの右から2列目のところの下に「4.『運用3号』通知の留保の解除及び廃止」と書いてありまして、(イ)のところでありますが、ちょっと読ませていただきますと、本年1月1日から2月24日までの間に運用3号通知に基づき裁定された者、今、御質問になった988名、この者については、3月随時払い以降、既裁定額を支給する。ただし、本件の抜本改善策が1月1日に遡及して実施されることとなる場合には、再裁定額と既裁定額の差額を調整することを検討する。つまり、この場で御議論いただく結論が、1月1日までさかのぼって、やはりこれは同じルールで対応するようにという御見解が出た場合には、この988人の方々についても、仮にもう既に年金を支給された方であっても、その差額については、後で調整をさせていただくということで現時点物事が進んでおりますので、そういう前提で御議論をいただければと思います。
○本田部会長 ありがとうございました。
 大山委員、どうぞ。
○大山委員 大元に戻るような質問で恐縮ですが、今回のこの問題の発端について確認させてください。従来のように、システムが無くて紙で事務処理を行っていたら、この問題は見つからなかったのでしょうか。システムが全く動いていない状態を想定した場合の話ですが。
○中村事業管理課長 十分御質問を理解しているかどうかですけれども、紙ベースであっても、届出をいただいて、それを例えば裁定時に配偶者の記録等きちんと確認をするという行為をすれば、ある程度は発見もできるのではないかと思いますけれども。
○大塚厚生労働副大臣 多分この事態が表面化したかどうかという御質問だと思いますので、この年金業務のシステムが全くなくて全部手作業でやっていたとしても、そういうやるべきチェックをしていなかったかもしれないという一昨年の職員の皆さんからの申告で明らかになった事態ですので、システムがなくても同じように明らかになったと思います。ただ、システムがあった場合と、全くない紙で全部やっていた場合の違いは、明らかになった後にこういう何件くらいあるのかという検証ができるかというと、それは紙だけで作業をしていたら、恐らくなかなか検証はできなかったであろうと思います。
○大山委員 何故このようなことを聞いたかというと、行政の不作為に当たるのかどうかという話を考えると、もともとできないことを制度にしていたとしたら、それでも行政側に問題があると考えるのか、あるいはできるようにする措置を行政は取るべきと考えるかで、随分違う判断になるのではないかと思うからです。コンピュータシステムでは、既に経験しているように、わずかな論理的な違いでも、全部、見えてきます。先程、1か月でも3号になり、また戻るような話も言われていました。その中で、1点わからない点について具体的な質問にさせていただきます。130万円を超える年収を得たときに3号から外れるというお話がありましたが、この収入はあくまで年収であるとします。その年収に対して、年金の保険料は月単位になっています。この前提で、コンピュータ化して、もし、確実に収入を押さえることができるとすると、130万円を超えた瞬間に3号から外れるのか、年収は1年前だから次の1年間分が外れるのか、この辺はどういう考え方になっているのかを教えていただきたいと思います。
○梶尾年金課長 実際にそのとおりやられているかどうかはあれですが、物の考え方について御説明いたしますと、130万というのは、前年がどうかとかではなくて、年収130万を超えるような働き方をしているかどうかということになりますので、130万を超えた途端に外れるとか、外れないかではなくて、毎月、毎月の働き方が年に直すと130万になるような働き方をしていれば、被扶養ではないかという形になります。
 したがって、例えばある年、9月まで働いて、そこで130万を超えたから10月から外れるということではなくて、そういう働き方をしているのであれば、さかのぼってもともと違いましたねというような形にもなるというようなことで、毎月毎月の収入を加算していって、一定額を超えたときに被扶養でなくなるという整理ではないということでございます。
○本田部会長 非常に、私も聞いていてわからないんだけれども、要するに税金の問題か、健保の問題、いろんなチェックチャンスはあると思うんですけれども、どういうことで130万を区切って考えておられるんですかという質問ですね。
○大山委員 あくまで年収ですね。
○梶尾年金課長 年収なんですけれども、年収が130万を超える見込みがあるかどうかという形で。
○岩村委員 多分、そこは例えば共済組合の場合だと、大体どういう働き方をしていますかを、1つは前年の所得が130万を超えていますかどうかということと、それから、今、どういう働き方をしていますかということの両方を、今、聞いているんです。
 それで、こういうふうになっていれば、だめですと、そういう扱いにしているんです。かつ、組織的にかけているのは年に1回の調査なので、その時点で、前年の所得と、それから現時点における働き方というのを見て、一定の基準で被扶養配偶者に当たるか、当たらないかというのを判断する、そういうやり方をしていると。
 ただ、途中で、例えば本当にその年に130万を超えてしまったということが仮にわかれば、多分そのときに観念的にはアウトにはなり得るでしょうね。法律上は、観念的にはそういうふうになり得るんですが、実際には、後でわかってしまうと、さかのぼって取り消されたりとかがあって、健保の場合は非常にややこしいことになるので、そこは気をつけてくださいというのは、今、一生懸命通知をしていると、そういうふうに私は理解しています。
○本田部会長 どうぞ。
○大塚厚生労働副大臣 大山先生、鋭い御指摘をしていただいたと思うんですが、これは官僚組織全体が抱えている構造問題でありまして、制度と実務のギャップなんです。
 官僚の皆さんあるいは霞が関は、制度きちんとつくろうとしてくださっていますが、その制度が実務に当てはめると、制度の決めた内容どおりに、哲学どおりに運営されるかどうかわからないということを、今、御指摘いただいたわけで、例えば私の家庭の実例で申し上げますと、私もサラリーマンのときに、家内が130万円を超えることになったので、来年から扶養控除から外してくれといって申告をしなくなるわけです。そうすると、家内は翌年から外れました。
 ところが、ずっと面倒くさいから外しておいてくれと言われて、ずっと外れていたんですけれども、年によっては、家内が余り働きたくないといって、90万とか80万で収入がとどまっているときもあるんですが、それはそのまま届出をしていないので、扶養控除の対象にしていないので、ずっと1号のままだった。
 そうすると、制度としては130万を超えなければ3号でいいわけですけれども、しかし、実務上は、そうなっていない。
○大山委員 逆パターンもあると。
○大塚厚生労働副大臣 ええ、逆パターンもあると。
○岩村委員 今のは違いますね。今、副大臣がおっしゃったのは、全然違う例ですね。それは、御自分が届け出ればいいだけのことなので、制度の問題でも実務の問題でもありませんね。
○大塚厚生労働副大臣 というか、私が申し上げたかったのは、制度というのは130万円に到達しない方については、3号の対象にしてもいいという、そういう制度でつくったとしても、勿論、本人の意思は別ですけれども、実務上はそういう壁があるということを申し上げたくて、1つの例として申し上げました。
○岩村委員 いや、それはちょっと違う例だと思います。
○大塚厚生労働副大臣 わかりました。では、混乱するので取り下げておきます。
○大山委員 このような話を申し上げているのは、この先、同じようなことを起こさないといっても、結局、さかのぼることがあるということを明確にしたかったからですね。なぜ申し上げるかというと、今回のような問題を起こさないようにするには、今の制度に何を加えれば良いのか、過去の問題ではありません。これからです。今後、起きないようにするための追加分を考えると、その追加の分に対して行政の責任がどうあるかを考える方がわかりやすいと思うので、このようなことを申し上げました。しかしながら、記録の修正等を過去にさかのぼって行うことが、どうしてもあるという前提で考えなければならないのかがよくわからないので、繰り返し聞いています。実際、届ければ良いというお話は、岩村先生がおっしゃるとおりですが、現実には、なかなかやり切れない人がいて、やり切れないのは本人の責任だと割り切るのなら、それはそれでまた考え方は違うと思います。その辺、どうなのかを質問させていただきました。
○本田部会長 どうぞ。
○山崎部会長代理 まさに、今の議論なんですが、法律は非常によくできているんです。だけれども、運用との間にかなり幅があるわけですけれども、国民年金創設以来の歴史をずっと見ておりますと、国民年金を拠出制年金として、しかも20歳から60歳まで強制適用という形で仕組むことについては、非常に抵抗があったわけですね。当時、昭和34年に法律ができまして、準備をしたのが35年で、ちょうど安保の年でございますから、まさに再軍備の資金に使われるのではないかということで、まさに確信的に入らない人もいたし、そのような運動をした人たちもいたわけでございますけれども、そういう中で、建前は強制だけれども、実際の運用はいろんな広報、啓発をして、十分に御理解をいただいた上で加入し、自主的に保険料を納付していただくという時代がずっと続いたわけでございます。ですから、それは善政だったんです。強制適用をして取り立てることはしないということですね。ですから、自主加入、自主納付という言葉はよく聞きました。
 したがって、二十歳になっても届けがない限りは加入者ではない、被保険者であっても加入者ではないと、したがって資格期間にも年金の額にも反映しないということでありますね。
 今、問題になっているのは、この運用3号と一旦決断を前大臣がされたわけですけれども、過去の行政責任を非常に問うているわけです。
 しかし、今の歴史から言うと、そういう時代ではなかった時代が非常に長く続いてきたわけでございますね。
(地震発生、一時中断)
○山崎部会長代理 そういう過去の歴史からしますと、無年金者、低年金者が出るのは当たり前のこととして、制度は長い間運用されてきたわけです。ですから、現場の人から聞きますと、どうしても悪質で入らない人を見ると、念書を取ったりしているということはよく聞きました。将来年金がもらえなくても一切文句は言わないんだねという確認をとってまわった市町村なり職員がいたということはよく聞いております。
 ただ、最近になりまして、二十歳になって職権で適用する。あるいは勧奨をする、あるいは強制的な資格の変更なり、悪質な場合には、強制徴収という時代になったわけでございますが、そういう意味では、時代背景をよく考えて過去を見ないといけないんではないかという気がいたします。
 将来に向かってどうかということなんですが、社会保険方式を維持する限り、完全に解消できない問題だと思っておりまして、そういう気がいたします。
○本田部会長 どうぞ。
○海辺委員 質問というか、意見というか、今日出てきた資料3ですと、非常に数字でわかりやすくいろいろと数が挙がってきていますので、いろいろ先生方のお話なんかも伺っていて思いましたのは、要するに私のような本当に普通の主婦として生きている人間ですと、将来やはり年金がもらえなかったら大変だと思って、むしろ自分でやらなければいけないことに対しては、それなりに一生懸命やっているつもりなんですけれども、それで、今回、こういう数値が出てきてわかることは、要するに95%の人はきちんとやっていて、5%の人がやれていなかったということが、多分わかると思うんですけれども、さっきお話からはずれるけれどもということで出てきた年収が130万円を超えるかどうかの話も、要するに私のいわゆる一般的な言葉でいうママ友達というような人の中には、やはりパートをしていらっしゃる方もたくさんいますけれども、皆さん、要するに年度末に、私どもの間では120万円を超えたら気をつけなければとか、そういうことをみんなやっていますので、要するに国のシステムがカバーしてくれない部分は、かなり現場の人たちが上手に運用してきているという文化も多少あるかなと。
そうやって一生懸命やっている人たちが95%いるというか、そういう方々がたくさんいらっしゃる中で、私は、そもそもこの会議自体が、やはり年金が2年までしかさかのぼれないから、例えばテレビで売れない俳優さんなんかが、売れないではない、今は売れていらっしゃる、昔売れていなかった経験をお持ちの俳優さんなんかがテレビでおっしゃっていたのが、年金は私だってもらいたいから、むしろ、その売れなかった期間の分も全部払えるのなら全部払いたいぐらいだけれども、やはりそういうふうにしてしまうと、みんな65歳一歩手前で全額ぼんと入れるようなのが得になってしまうからできないという制度もわかるから、私はせっせと売れるようになってから2年分払いましたけれどもなんていうお話を伺うと、要するにみんなそうやって頑張ってやっているのに、どうしてこの人たちが過剰なまでの救済措置の対象者にならなければいけないのかが、私なんかは理解ができなくて、公平性というお話を、前回の会議のときもさせていただいたんですけれども、そういう人たちを、もし、救済をするのなら、先ほどの売れない時代をお持ちの俳優さんたちなんかにも、全部そういう救済がなかったら非常に不公平であるし、では、そういうことを全部認めるようにしてしまったら、制度自体がやはり成り立たなくなるというところがあると思うので、要するに4月5日のときの参考資料1の10ページに、昭和53年の年金改革の国民年金審議会意見とか、そういうのもあったり、今日、いただいた資料の中でも過去にどういう特例措置がされてきたかというふうなものが、今日の資料5の4ページにあるんですけれども、やはりこういう対策と比べて明らかに違いがあるものには落ち着けないだろうなと思うので、やはりほとんどの真面目に一生懸命やっている人たちの思いを無にしないような対策を講じていかないといけないんではないかと思いました。
 以上です。
○本田部会長 委員の皆さんにちょっとお諮りしたいと思うんですが、期間的な問題もありますし、それぞれ論点ごとにだんだん議論を深めていきたいなと思いますので、第1回と今日とで、かなり基礎的な資料等が出ていますので、誠に委員の皆さん申し訳ないんですけれども、次回までにそれぞれの項目について皆さんのお考えをおまとめになっていただけたらどうかと。
 事務局の方にもお願いなんですけれども、さっきの年金課長の説明も聞いていて、ある意味ではこの資料どおり具体的に説明していただいた方が、どうしても皆さん経験者なものだから、みんな知っているような感じで説明されて、もう字句どおり読んでいただいた方がかえってわかりやすいのではないか、と思います。今日の議論等も踏まえて、皆さんの方からも論点整理を進めていただきたいなと。その方が建設的な進め方になるんではないかと思うんですが、いかがですかね。よろしいでしょうか。
(「はい」と声あり)
○本田部会長 それでは、恐れ入りますけれども、次回に今日の論点整理の1番目の問題は、これは別の問題。今日は1と6も出ておりますが、6は非常に大事な問題で、こういう問題が将来的にどうしたらいいかという問題。資料4の6です。1は、もうこれは議論の対象にしないで、1の問題というのは、2以降の論点に全部絡んでくる基本的な考え方の問題ですから、2以降で1つずつ議論をしていくと。
 最後の6は、今日は説明がありませんでしたけれども、やはり今日の御議論を聞いていても、今後、将来に向けてどういうことを考えていかなければいけないのかなと。
○大山委員 座長、7ではないですか。ここに意見を書けということですか。
○岩村委員 多分、正確なことは、年金局の方で説明してもらった方がいいと思うんですが、障害年金にしても、遺族年金にしても一定の保険料納付済み期間という要件を満たした上で払われるということになっていますので、例えば障害年金の例を取ると、第3号被保険者として保険料納付済み期間というのを満たしているということで障害年金をもらっていたところ、不整合があったので、その第3号被保険者の期間が納付済み期間として消えてしまうと、障害年金をもらう要件を満たさなくなると、ゼロになってしまうという問題が起きるということです。
○本田部会長 前回までは6だったので、間違えてしまった。
○大山委員 ここの6の説明がまだなかったので。
○本田部会長 できれば、次回は、今日の2から6まで、7はまた最後でもいいですけれども、2から6までを項目ごとに議論をしていきたいなと思いますので、誠に恐れ入りますけれども、時間が余りありませんけれども、どうぞよろしくお願いします。
○岩村委員 先ほども御意見に対して、ちょっとコメントなんですが、この問題がなぜ難しいかというのは、前回もお話ししたとおりなんですけれども、原因が複合的な要因によって起こっているということで、先ほど大山委員が将来に向けてということで御指摘になりましたけれども、やはり制度の問題と、それからそれを実際に動かすという、そこでの問題というのもあり、それから、先ほど山崎部会長代理がおっしゃった、そもそも国民年金の、特に旧来の第1号被保険者のところの抱えていた問題というのもあり、もう一つは第3号被保険者から第1号被保険者の入れ替わり、種別変更というのが、勿論、知っている方もたくさんいらっしゃるんでしょうけれども、知らない人もいると、それが、言わば悪意で知らないことにしているとは限らないと、そういうような幾つかの要因が混ざってこの問題が起きているので、そういう意味で、ぱっと、ある意味で原理原則でもって全部ものを片付けてしまうということが必ずしもできないというところに難しさがあるので、先ほど部会長がおっしゃったように、皆さん、考えてこいということなので、そういうことを踏まえて、何が落としどころなのかというのを考えてきましょうということだと思います。
○本田部会長 ただ、まとめていくに当たっては、ある意味で原理原則というものは必要だと思うんです。その上で、それを外れるときにどうやって納得いただけるかと、いろんなものをばらばらやったってしようがないので、やはり原理原則というのは、私は必要かと。それが先ほど山崎さんがおっしゃった、できたときの昭和の安保時代の話が出るとは思わなかったんだけれども、云々があるかもしれないけれども、その後の国民皆年金という中で、やはり原則は保険料を払って年金をもらうという原則、これはでき上がっているんだと、そういうことではないかと。原理原則というのを基本にして、なおかつどうやって、今のこの問題を片付けていくか、としないと、どうしてもばらばらになるのでは、と思います。次回からは、そういう形で議論していきたいと思います。見城さん、どうぞ。
○見城委員 答えを書いてくる、考え方を書いてくるということですか。
○本田部会長 いやいや、書いてこなくていいんです。
○見城委員 書いてこなくていいんですか、この問題に関しては、例えば年代によっても受けとめ方が違うというのを実に感じております。私などは、まさに国民年金ができたころなんですけれども、今、自分が母親として、自分の子どもたちには、4人いますけれども、これは当然国民年金を納めるという意気込みで納めています。そうでないと基礎が壊れると、子どもが年金制度に対して不信なことを言おうと、いや、そういうものではないと、年金というのは、まず納めること、そこからスタートと実行している立場なんですが、では、私が若者のときに、うちの母とか、そういう考えをもって言えたかというと、全く時代が違うので、まず、信頼感とか、年金そのものへの概念もできていなかったというところでしょうか。時代や自分の時間の経過で、年金に対する考えが変わってきているんです。
 ということをかんがみますと、この60を過ぎたような方が、その当時、全員悪意で払わないで飛ばしたかと、ちょっと言い切れないというか、そのときの事情を考えますと、1つあります。
 それから、妻という立場が、それまでは存在がなかった。被扶養者としていましたけれども、年金がなかったわけですから、また、現在とは全く違うわけです。女性の生き方、意識が少し違うところにあったということは1つ言える。これをどう評価するかが難しいんですが、女性はどんどん目覚めて、妻でも、むしろ専業主婦が家庭で家事、育児、こういったことは労働として対価が当然あると。それで、年金というのがきちんとあるべきだという3号というものの概念ができたわけですけれども、そういうプロセスが非常に変容していくというんでしょうか、確固たるものがないまま、例えば家庭の主婦になっていて、すべて健康保険も夫の被扶養、そういうような被扶養者ということに慣れてきた方が、どんな状況だったか、非常に難しいけれども、これを判断するのに、まず、そういった歴史的な背景と、年代的な価値観の違いや意識の違い、こういったものをどう評価していくか、非常に難しい。そういうところが1つあります。ですから、本当は簡単に統計でできれば一番いいと思ったんですが、ただ、それを言っていると、いつになっても答えが出ないので、私が何度も、大体のケースを出していただいて、その数字で少し見たいと申し上げたのは、納めなかった額がどの程度納めなかった人の得で年金の収入で返ってきているのか、それが実際に納めた人との差がどのくらいなのか、難しいですけれども、年収にも差がありますし、だけれども、その辺のところも参考にして、先ほど落としどころという話が出ましたが、この辺ならよろしいか、そういうところを出さなければいけないのかと、実は、そういう苦悩の中におります。そんなことでよろしいのか、悪いのか、もっと冷静にやっていくべきか、その辺が、実は私は苦悩しております。
○本田部会長 どうぞ。
○海辺委員 私、昭和41年生まれなものですから、年金は、私のころは大学生は入らなくてよかったころから二十歳になったらみんなというふうに時代は変わりましたけれども、なので、今回の問題に関しては、まず、本当に複雑で難しいけれども、逆に問題を広げてしまったら話がまとまるはずがないというところが大きいことかと思いますので、やはりポイントはある程度絞って拡散させるべきではないんではないかということを申し上げたかったのと、そもそもこの会議をしなければならなかったこと自体は、やはり国民の理解を得るということだったんだと思うんですけれども、そうすると、国民の理解を得るという点では、ある程度ポイントを絞って問題をわかりやすく解決をしない限り、一般の国民が全く理解できないような答えを出したら、ますますついて来なくなるということだと思いますので、まず、そこが大事ではないかと思いました。
 もう一点申し上げたかったのは、論点4に対して、一つひとつ書いてくるというお話なんですが、ただ、1番の問題のところを、1番の不整合期間についての評価、考え方のところがある程度固まった上でないと、2ページ以降は全く変わってくるのではないかと思いますので、ここの1番を置き去りにして、2ページ以降が、果たして書けるものなのだろうかというのは、私は感じましたので、ちょっと申し上げさせていただきます。
○本田部会長 では、山崎さん。
○山崎部会長代理 海辺委員のおっしゃるとおりで、結局、行政責任を非常に重く見る見方と、個人責任を基本に置く見方とで、やはり対応の仕方ががらりと変わるんだろうと思います。
 ただ、その間に岩村委員のおっしゃったようないろんなケースがあるということだろうと思うんですが、これは副大臣がお見えになっているのでお伺いしたいんですが、今月中にも結論を得たいというふうに伺っておりますが、この抜本改善策の方向性と論点で1つの方向性が出ております。論点というのは、こういう方向で行きたいけれども、ちょっと気になると、議論してほしいということだと思うんですが、この文書は、基本的に諮問文書だと見てよろしいんでしょうか。
○大塚厚生労働副大臣 基本的にそれに近い文書であるというふうに御理解いただいて結構だと思います。
○山崎部会長代理 そうすると、基本的にこれを了承するという答申でもいいということだと。
○大塚厚生労働副大臣 基本的に、そういう御理解で結構かと思います。
○山崎部会長代理 それから、私が非常に気になるのは、今、参議院で継続審議となっている年金確保支援法案でございますが、同じ国会に出るわけですね。ただ、年金確保支援法案というのは、ある意味で非常によくできているわけでございまして、これほど与野党が激突している中で、これは手を握っておられるんですね。ですから、このことの価値を私は非常に重く見たいと思います。
 ですから、年金確保支援法案と整合性が取れるようなものであれば、同じ国会にお出しになっても合意が得やすいし、どうしても急いでおられるみたいですが、成立するのではないかと考えております。
○本田部会長 今、支援法のお話がありましたけれども、確かにこの一つひとつを議論したらぶつかってくるところがいっぱいあるわけですね。期間の問題にしても出てきますから、それはまた別途とは思ったんですけれども、ただ、支援法が出ているからどうかということとは、また別の問題だろうと思います。与野党で合意を得て、今、継続審議ということらしいんですけれども、我々の部会は、そうだからそうでなければいかぬということはないんだろうと。皆さんのお考えをよく聞きながらまとめていけばいいんではないかと。勿論、実現しなければ意味がないわけですから、その中で、いろんな見解等あるかと思いますけれども、余りそれをかたく考えないで、もう少し幅広い御意見をいただいてもいいかなと思います。
 それで、海辺さんのは、私、独断で言ったんですが、1番目のところの論点は、わいわい議論ではなくて、1番目は個別にいきます。一人ひとりの考えが勿論ある中で、考え方はそれぞれ持っていかなければいかぬだろうと。それが私は、原理原則という自分の考え方という言い方をしたんですけれども、御理解をいただきたいと思います。
 では、岩村委員。
○岩村委員 今、原理原則というお話だったので、本当にこれを原理原則で法律の建前だけで考えるとどうなるかということだけは知っておいていただいた方がいいのかなと思ったものですからコメントしておきたいと思います。これは法律の建前だけで考えると、全部チャラにするんです。
 ですから、第3号被保険者という形になっていたところは全部なくなって、第1号被保険者という形になりまして、そこが全部未納だということになるので、したがって、今日御紹介がありました年金の額のところに全部跳ね返ってくると、場合によっては、そこが未納になってしまうので、したがって、そもそも年金がもらえない状態になるかもしれないということがある。
 ですから、今、被保険者の人は、ひょっとすると将来年金がもらえなくなってしまうかもしれないし、それから、現在、年金をもらっている人も、最悪のケースだと、そもそもその年金はなしということになり、更に原理原則でいくと、払ったものを返せということになるんです。それが法律で全部建前どおりやったときの原理原則になる。
 そこからどうしますかというのが、ここでの話ということになるんだと思います。ただ、全部返せといっても時効の問題があるので、実務上、御紹介がありましたけれども、5年分しか請求はしないんですが、そういうことになって、すべてチャラになって、元に戻せと、だから場合によっては全部ゼロになる可能性もあるし、更にさかのぼって返せということも出てくると、そういうお話で、そこからどうしましょうかというのが、ここでの、少なくとも将来の問題ではなく、過去の問題については、そこを考えなければいけないということだと思います。
○本田部会長 大山委員、どうぞ。
○大山委員 せっかく今のようなお話になっているので、確認させてください。まだ見つかっていないのを含めて、見つけられないということはだれの責任になるのでしょうか。、行政側の責任なのでしょうか。
○岩村委員 多分、だれの責任でもないと思います。要するに責任といったときに、政治的な責任の問題なのか、道義的な責任の問題なのか、法律的な責任の問題なのかといういろんな問題があって、政治的にそういう制度をつくるのがどうかという話もあるでしょうし、道義的にどうかということもあるでしょうが、少なくとも法律上の責任という問題は基本的には発生しないと、私は思います。
○大山委員 それは、言い方を変えると、見つけなければ良いということですね。
○岩村委員 いや、見つけた方がいいことは勿論です。
○大山委員 見つけなければ、そのままで良いということですね。
○岩村委員 見つけられなければ、それは仕方がないというのが、法律の割り切りだと思います。それは、結局のところ、納税の世界においても、何においてもすべてそうですね。勿論、脱税についても当然行政が調査しますけれども、しかし、たまたま見つけられない人はいるかもしれない。でも、それはもうそれでしようがないというのが割り切りで、制度というのは、そういうものだと、私は思っています。
○見城委員 そうすると、3号の場合、主婦が3号になって、それでずっと来たけれども、夫がもう辞めて、本来の3号の資格がないのに、そのままいて、それが見つけられなかった、本人がどういう意思だろうと、見つけられないで、そのまま来て、年金の受給のときが来たというのは、見つけられなかったということが、そうすると、どうなるんですか。
○岩村委員 すみません、法律的に言うと、要するに行政の側で、この人は本来1号であるのに、そのまま3号であったと。そのことについて、この人は1号ですねということを行政の方で最終的にはぎりぎり詰めて証明しなければいけないということになるんです。それが、結局のところできなければ、それは3号で年金を裁定するしかないんです。そこのところを行政の方で突き詰める資料を持っていなければ、それは制度の限界であって、それ以上はどうしようもない、そういう割り切りだと思います。
○見城委員 そこで悩んでいたわけですけれども、だからこの会が持たれたわけですが、もう制度上そういうもだと言われてしまったら、不公平も何も関係なく。
○岩村委員 ですから、それを私は放置せよと言っているわけではなく、当然のことながら、そういうことができるだけ起きないように、したがって、今後の問題としては、そこはそういう隙間に落ちるようなことがないように、では、どういうシステムをいかに組みますかということは、そこは先ほど大山先生がおっしゃったとおり、考えなければいけない。
 ただ、いずれにしても、ここは多分理科系の発想とは違っていて、100%パーフェクトということはあり得ないので、何せ利害関係者だけでも数千万という数ですし、それをすべて行政が監視するわけにはいかないわけですから、それはどこかで割り切らざるを得ないというふうに、私は思います。
○海辺委員 済みません、話がだんだんすごく大きくなって難しいなというか、システムの穴をどう塞ぐかということ自体を、この会議自体は、そもそもそこまで考える会議なんですか。
○本田部会長 先ほど副大臣から話がありましたけれども、今、政府の方で、厚労省の方とすれば、できるだけ今国会に法案を出したい。その方向は、まさに1月1日に出た、あの通達問題に発するいろいろな問題の中で、政府とすれば、3月8日に立法措置であの問題を国民の議論の中で、国会で決めたいというお話ですから、あくまでも将来、例えば国民番号制がどうだとか、いろんな問題が将来起こらないようにするためには、いろんな策はありますけれども、当部会では、そこまでの議論へは入らないと。
 ただし、少なくともここで議論する以上は、先ほどの私は6番といいましたが、7番になっていますけれども、やはり3号問題というのは、いろんな意味での将来の年金制度の問題を抱えているので、将来的にはこういうことも考えるべきだというのは要りますけれども、当面、いただいた課題は、この論点の中である、今回の1月1日の通達に絡んで起こったことについて、これを立法措置でやりたいと。その立法措置でやる場合は、こういう形でいきたいけれども、ここについて論点がありますので、皆さんいかがでしょうかというのもありますし、それもないのもあります。そこら辺についても、委員の中で御意見をいただきながら、最終的には案を出すと、ということで、副大臣、よろしいんですか。
○大塚厚生労働副大臣 まずは、先生方に大変な悩みをおかけいただいて恐縮いたしますが、先ほど山崎部会長代理と、本田部会長の間で、それぞれ御意見がありましたが、3月8日の資料について、まずは、このような方向でいかがであろうかということを政府としては表明をしたわけでありますので、この内容について、是か非かということについて御結論をいただければありがたいというのが1点。
 それから、2点目については、先ほども御指摘がありましたが、この中に論点が幾つかあります。その論点について、何がしかの、この部会としての方向感を御示唆いただければ、大変ありがたいと、これが2点であります。
 さりながら、今、るる御議論いただいたような、もっと根っこにある大きな問題もありますので、せっかく御議論いただくわけですから、今後の年金制度や年金行政を考えるに当たって、かくかくしかじかの点は留意すべしと、それは、この運用3号の問題を御議論いただく過程で、当部会として提示をされた留意点であるといって、そういったことも御提示、御示唆をいただくということも大変ありがたいということが3点でございます。
 以上のような内容について、何とかできる限り早い段階で部会としての御意見を賜れば、厚生労働省としては、あるいは政府としては大変助かりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○本田部会長 それでは、次回にできるだけ具体的な議論に入っていきたいと思いますけれども、事務局の方でも、今日の議論等も整理して、今後の議論を整理しやすいような資料をまとめていただきたい。先ほど数字の問題も出していただいたんですけれども、1,314人の問題、それと、先ほどもっと大きな数字がありましたが、今回の案件による財政への影響度というのが、多分計算も大変だろうと思うんですけれども、もしあるならば、追加でいただきたいと思います。やはり無理ですかね。今日の議論を踏まえながら、事務局の方でもできるだけ議論を詰めやすいような形で、資料作成の方もお願いできればと思います。
 途中で地震が来て、一時中断してしまい申し訳ありませんでした。それでは、今日はこういうことで、次回の日程等につきまして、事務局の方から何かございましたら、お願いします。
○古都総務課長 ありがとうございました。次回は、第3回ということで、4月19日の9時半から、若干早うございますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 今日、先ほどいろいろ宿題があったものも、すべてできるかどうかやってみて、できた段階のもので、いろいろ御説明はしたいと考えております。
○本田部会長 ありがとうございました。それでは、本日は、これにて終了ということにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。


(了)

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