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2011年3月7日 第62回厚生科学審議会科学技術部会 議事録

厚生労働省大臣官房厚生科学課

○日時

平成23年3月7日(月)
17:00~19:00


○場所

厚生労働省 省議室(中央合同庁舎第5号館 9階)


○出席者

永井部会長
相澤委員 今井委員 岩谷委員 川越委員 桐野委員
高杉委員 西島委員 野村委員 廣橋委員 町野委員
宮田委員 宮村委員 望月委員 森嶌委員

○議題

1 部会長選出及び部会長代理の指名について
2 平成23年度科学技術関係予算(案)について
3 平成23年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業)について
4 ヒト幹細胞臨床研究について
5 ヒト胚性幹細胞等のヒト幹細胞の樹立と分配に関する検討について
6 ヒト胚研究に関する審査専門委員会の設置について
7 がん研究助成金の事後評価について
8 その他

○配布資料

資料1厚生科学審議会科学技術部会委員名簿
資料2平成23年度科学技術関係施策予算案の概要について
資料3-1平成23年度難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業の概要
資料3-2平成23年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(案)(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究(案)(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業)
資料3-2別紙厚生労働科学研究費補助金の応募に係る府省共通研究開発管理システム(e-Rad)への入力方法について
資料4-1ヒト幹細胞臨床研究実施計画の申請について
資料4-2ヒト幹細胞臨床研究実施計画について
資料5ヒト胚性幹細胞等のヒト幹細胞の樹立と分配に関する検討について(案)
資料6ヒト胚研究に関する審査専門委員会の設置について(案)
資料7がん研究助成金事業事後評価に関して
資料8ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針に関する専門委員会の設置について
資料9第4期科学技術基本計画について
参考資料1厚生科学審議会関係規程
参考資料2ヒト幹細胞を用いる臨床研究実施計画の申請に関する参考資料
参考資料3ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針

○議事

○尾崎研究企画官
 定刻になりましたので、ただ今から第62回厚生科学審議会科学技術部会を開催します。委員の皆様にはご多忙の折、お集りいただき御礼申し上げます。
 議事に入ります前に、平成23年の委員改選に伴いまして本部会委員に変更がありましたので、委員のご紹介をさせていただきます。お名前を五十音順に、資料1の名簿に沿って読み上げさせていただきますので、よろしくお願いいたします。まず、相澤英孝委員です。井部俊子委員、本日はご欠席されています。続きまして、今井通子委員です。続きまして、岩谷力委員です。金澤一郎委員、本日はご欠席されています。続きまして、川越厚委員です。続きまして、桐野高明委員です。佐藤洋委員と、末松誠委員、本日はご欠席されています。続きまして、高杉敬久委員です。永井良三委員です。西島正弘委員です。野村由美子委員です。橋本信夫委員、本日はご欠席されています。続きまして、廣橋説雄委員です。続きまして、福井次矢委員、本日はご欠席されています。続きまして、町野朔委員です。松田譲委員、南裕子委員はご欠席されています。続きまして、宮田満委員です。宮村達男委員です。望月正隆委員です。森嶌治人委員です。本日ご欠席の委員は8名になります。委員の先生方は全員で23名となりますので、出席委員は過半数を超えておりますので、会議が成立いたしますことをご報告いたします。
 続きまして、議事次第を見ながら会議資料のご確認いただきたいと思います。資料1「厚生科学審議会科学技術部会委員名簿」、資料2「平成23年度科学技術関係施策予算案の概要について」、資料3-1「平成23年度難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業の概要」、資料3-2「平成23年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(案)」、資料3-2別紙「厚生労働科学研究費補助金の応募に係る府省共通研究開発管理システム(e-Rad)への入力方法について」、資料4-1「ヒト幹細胞臨床研究実施計画の申請について」、資料4-2「ヒト幹細胞臨床研究実施計画について」、資料5「ヒト胚性幹細胞等のヒト幹細胞の樹立と分配に関する検討について(案)」、資料6「ヒト胚研究に関する審査専門委員会の設置について(案)」、資料7「がん研究助成金事業事後評価に関して」、資料8「ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針に関する専門委員会の設置について」、資料9「第4期科学技術基本計画について」。参考資料1「厚生科学審議会関係規程」、参考資料2「ヒト幹細胞を用いる臨床研究実施計画の申請に関する参考資料」、参考資料3「ヒト受精胚の作成を行う生殖補医療研究に関する倫理指針」です。資料の欠落等ございましたらご指摘ください。よろしいでしょうか。
 それでは具体的な議事に入りたいと思います。部会長が決まるまでは私が議事を進行します。
 議事1は「部会長選出及び部会長代理の指名について」です。参考資料1の4、5頁をご覧ください。厚生科学審議会令第6条第3項がありますが、「部会に部会長を置き、委員の互選により選任する。」と規定されています。部会長の選出をお願いしたいと思います。選出の方法は委員の互選という形になっていますのでお諮りしたいと思います。いかがでしょうか。
○望月委員
 これまでの科学技術部会で的確な運営をされてこられました、東京大学大学院 永井良三先生が適任であると思い、推薦させていただきます。
○尾崎研究企画官
 ただいま、望月委員から永井委員に部会長をお願いしたらどうかとのご発言がありましたが、いかがでしょうか。
                (異議なし)
○尾崎研究企画官
 ご異議ないようですので、永井委員に本審議会科学技術部会の部会長をお願いしたいと存じます。以降の議事運営については部会長にお願いいたします。
○永井部会長
 ただいま部会長という大役を仰せつかりました東京大学の永井です。厚生科学もいろいろな局面、変化があろうかと思います。皆様方のお力をいただきまして円滑な運営に努めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 では、議事を進めてまいりたいと思います。審議会令第6条第5項に「部会長に事故のあるときは、予め指名する者が、その職務を代理する」とされています。この部会長代理につきまして、廣橋委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 議題2です。最初に「平成23年度科学技術関係予算(案)について」、及び、議題3の「平成23年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業)について」、併せて事務局よりご説明をお願いします。
○尾崎研究企画官
 それでは説明をしたいと思います。
 まず、資料2をご覧ください。「平成23年度科学技術関係施策予算案の概要について」です。最初の頁に、「科学技術研究の推進に係る基本的考え方」があります。これに基づきまして、次の2頁、「平成23年度科学技術関係予算案の概要」があります。平成23年度の厚生労働省の予算案で科学技術関係経費は1,501億円で審議されているところです。これは平成22年度、1,541億円と比べてマイナス2.6%という数字です。そのうち、厚生労働科学研究費補助金につきましては、平成23年度は438億円で、平成22年度の472億円と比べましてマイナス7.1%減という予算案です。このスライドの下のほうの厚生労働科学研究費補助金に係る平成23年度予算案の概要で、各研究経費の状況を見ていただきますと、このような状況になっているところです。特別な話としましては、右側の下に(健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト)という特別枠のプロジェクトがあります。この中で研究費部分としまして、表題は難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究経費で、57億円が案に入っています。これを含めまして438億円という状況にあるものです。
 続きまして3頁、「厚生労働省の科学技術関係経費予算額(案)の概要」です。先ほどの1,501億円の内訳です。この中で、下から3つ目のカラムで、産投特会、医薬品等の研究開発に対するバイ・ドール委託費というところで、これにつきましては、平成22年度予算額の4億円がゼロになっています。これに当たるものは独立行政法人医薬基盤研究所の実用化研究支援事業というもので以前は行っていたものですが、平成19年12月の独立行政法人整理合理化計画での事業の見直しが指示され、平成21年度より新規採択を既に中止しているという流れで、平成23年度要求をしなかったものです。そこでこれがゼロになっています。資料2については以上です。
 引き続き、議題の3番目に移ります。資料3-1と資料3-2をご用意ください。
 資料3-1、本日お諮りする公募要項の関係をご覧ください。先ほどご紹介しましたように、特別枠の事業の中で、研究費についての部分があります。その57億円に係るところについて本日お諮りする内容があります。資料3-1のいちばん最後の頁の裏になりますが、8頁を見ていただきたいと思います。「健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクト平成23年度予算案131億円」という表題のスライドです。この中の一部が本日お諮りする研究事業でありますので、これについて説明させていただきます。
 まず、この131億円の事業ですが、これは、いわゆる新成長戦略の7つの戦略分野の1つのライフ・イノベーションによる健康大国戦略を推進するため、1つとして難病・がん等の医療技術の実用化促進と、日本発の革新的な医薬品の開発。2つ目として、海外承認薬等が国内で承認されるまでの期間が長いというドラッグ・ラグ、デバイス・ラグを解消することを目的としているものです。この目的の下、研究費では個別の疾患分野の支援等としまして、次世代のがんワクチン療法の開発や再生医療実用化に向けた新しい項目を構成しているものです。下の枠の一番上で、難病・がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業があります。この57億円が厚生労働科学研究費補助金で行うものです。本日はこの57億円のうち関係する公募要項についてご審議いただくものです。
 資料3-1の1頁に戻っていただき、この57億円がどうできているかについてです。これは難病・がん等の疾患分野の医療の実用化の研究等を効果的に推進し、健康長寿社会を実現するという目的の下に、ここに書いてある6つの研究事業を行っていくものです。
 個別の説明です。その1つは、2頁の「難病関連分野」で、予算額としては20億円で、公募研究を予定しているものです。その内容につきましては、難病患者の全疾患を極めて短期間に解析し、早期に原因究明及び新たな治療法・開発を推進するものです。
 3頁をご覧ください。2つ目は「がん関係研究分野」で、予算額としては14億円で、すべて公募研究で行います。また公募要項のところで説明しますが、この頁の右側に【領域1】・【領域2】と書いてありますが、領域1には?@、?Aがあります。領域2はここに書いてあるとおり、大きく3つの柱で行っていくものです。
 4頁は、「肝炎関係分野」で、5億円を予定しております。内容として公募研究と(指定)研究を予定しています。指定研究については、厚生労働省が研究の主任実施者を指定して行うものであり、競争的に行うものではないというものです。この概要につきましては左側の四角のカラムがありますが、平成22年度1月に施行された「肝炎対策基本法」の趣旨及び今後策定予定の肝炎対策基本指針を踏まえ、行政的な研究を実施するという内容のものです。
 5頁は、「精神疾患関係研究分野」です。予算額としては1.3億円で、指定研究で行います。目的としてはそこに書いてあるようなものを行います。
 6頁は「再生医療関係研究分野」で、予算額は9億円です。研究としては指定研究で行うもので、目的はヒト幹細胞を用いた再生医療技術の早期実現化のための基盤構築ということです。切れ目のない基礎研究から臨床研究への移行を可能とする仕組みを構築するということで、この研究では臨床研究支援体制の基盤構築を目的とした研究を行うものです。課題数は1で研究費は9億円です。事業のイメージはそこに書いてあるような内容です。
7頁は「臨床試験関係研究分野」で、予算額としては7億円です。これは指定研究で行うものです。世界に先がけて臨床研究を実施し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するものです。これについては、左側2つ目の「概要」を見ていただければと思います。まずは、インフラを整備する予定の医療機関を、研究ではない別の事業で公募して決定するものです。これに対して研究費を行うものなので、3番目の○にありますが、別途整備費により実施医療機関の体制整備を行う。個別の具体的な研究費を連動させることにより迅速な実用化を図るということで、これにつきましては、そういう意味で指定となっているものです。
 引き続き、「公募要項」について説明します。先ほど、6つの研究分野があることと、公募することについて説明しましたが、その公募分野についての公募事項をまとめたものが資料3-2です。この夏に見ていただいたものとほぼ同じで、前半部分は省略しながら説明いたします。
 まず、4頁(3)対象経費です。現在、研究を公募する場合には、ここに書いてあるような費目で研究の申請書を出してもらうのですが、ここに書いてありますとおり、「対象経費」の取扱いについては公募までに区分の見直し作業を進めているということで、今後変更する場合がありますのでご留意くださいと書いているものです。基本的には各省のいろいろな研究費でこの区分がまちまちだということで、そこを統一化していこうという流れがあり、できるものから整備していくということでいま検討を進めています。公募を行う時期まではいま書いてあるものは現在の形なのですが、変わりますということです。
 10頁のク.府省共通研究開発管理システムについてです。いま厚生労働科学研究費補助金につきましては競争的資金制度を中心として一連のプロセスをオンライン化した府省共通研究開発管理システム「e-Rad」と呼ばれているものが動いています。今回についてもそれに基づき公募を行うわけですが、多少は変更がありますので、これにつきましては別途の資料3-2別紙がありますので、これに基づいて行わせていただきます。よりわかりやすいように資料3-2に書いてありますので、そちらも見ていただければと思います。
 20頁からの「?X.公募研究事業の概要等」について簡単に説明したいと思います。まず、1.の(1)難病関係研究分野です。これにつきましては、〈事業概要〉を見ていただきますと、希少難治性疾患の原因の多くは遺伝子異常に関連する疾病である。今回の事業ではこれまで網羅的に遺伝子解析を行い、原因遺伝子を同定することは困難であったが、近年、次世代遺伝子解析装置の技術進歩により、全遺伝子を極めて短期間に解析することができるようになった。そのコンセプトを利用して研究を行っていくものです。当研究については2つの公募の形があり、1つは疾患群毎に集中的に遺伝子解析を実施し、原因究明を目指す研究班(拠点研究班)と、もう1つは遺伝子解析について拠点研究班の次世代遺伝子解析装置を共同利用して様々な希少難性疾患の原因究明を目指す研究班(一般研究班)。この2つについて動かすということです。
 公募研究の課題数については21頁の上をご覧ください。前者につきましては2億円で、採択予定数は拠点として5カ所、後者については5,000万円から1億円で10カ所ということで、研究期間は3年間を考えています。
 その次は、拠点研究、一般研究について、(ア)と(イ)に具体的にどういうものをするかなど、研究における注意事項を書いてあります。(ア)の拠点研究につきましては、「なお」以下がありますが、次世代遺伝子解析装置の整備状況等を確認するため、必要に応じてヒアリング又はサイトビジットによる評価もあり得ることを追加しているものです。(イ)は(ア)との区別ということで、これも「なお」以下ですが、新たに遺伝子解析装置を整備するための費用はここには含まないということが書いてあります。
 22頁の(2)がん関係研究分野です。<事業概要>の2段落目で、本研究事業は、平成22年7月に総合科学技術会議でまとめられました「平成23年度科学・技術重要施策アクション・プラン」のライフ・イノベーション・施策パッケージで既に決められている分野としまして、「早期診断・治療を可能とする技術、医薬品、機器の開発」について、特に死亡者が多く、5年生存率が低く、早期診断が困難ながんについて、効率的に研究を推進することが掲げられたことを受けての研究になっているもので、今回新規に取り組む項目の事業です。
 本研究につきましては23頁、領域1と領域2があり、領域1としましては、革新的早期診断・治療法の開発に関する研究、バイオマーカー関係とがん幹細胞を標的とした治療技術の開発等の2つの項目です。領域2としましては、日本発のがんワクチン療法による革新的がん治療の開発に関する研究で、この領域につきましては、主に難治性がんを中心とした日本発のがんペプチドワクチンの創薬を目的とした臨床研究について行うとなっているものです。ここでのペプチドワクチンにつきましては、それ以降に書いてありますが、物としては「GMPグレードで作製して利用し、国際基準のGCPに準じた臨床試験体勢のもとで、第?T相および第?U相(前半)の医師主導型臨床試験を行う」と規定されているものです。
 また、「なお」のところにありますが、本領域は文部科学省の「次世代がん研究戦略推進プロジェクト」と公募課題の設定等において連携しているものであり、その意味で基礎的な研究や探索研究のようなものは回避する。先ほどの内容的にもそうでしたが、探索研究は対象としないということです。
 また、※1を見ていただきますと、本研究事業は、内閣官房医療イノベーション推進室とともに、文部科学省および経済産業省と連携し、産学官が一体となったオールジャパン体制を組むことになりますので、採択後に研究計画の見直し等が多少あるかもしれないということを書いているものです。
 研究費の規模について、これは一般公募型で行うのですが、領域1は5,000万円~1億円で課題数は3~6課題程度。領域2は5,000万円~2億円で5~10課題程度です。研究期間は1~3年と考えているということです。
 24頁は領域1と領域2についてで、領域1については?@~?A、領域2については?@~?Bで、もう少し細かく、公募課題が書かれています。
 続きまして25頁は、(3)肝炎関係の研究分野です。<事業概要>を見ていただきますと、まず、平成20年6月に、肝炎治療戦略会議において、肝炎研究の今後の方向性やその実現に向けた対策についての「肝炎研究7カ年戦略」が取りまとめられました。さらに、平成22年1月に肝炎対策基本法が施行されました。この中で国は、肝炎の治療法等に係る研究促進のために、必要な施策を講じることとされたという背景があります。この状況を踏まえまして、肝炎対策基本法の趣旨に則り、いままでの肝炎関係の研究で対応してこられなかった行政的な研究を推進するということです。採択方針を見ていただきますと、行政的な研究というポイントと、本事業において研究の進捗については、肝炎治療戦略会議へ定期的に報告することが予定されているものです。研究費の規模については、公募型で?@~?Eがありますが、ここに書いてあるような規模で行うものです。
 26頁です。新規課題としては6課題になります。行政的研究はどのようなものかと思われる方もいると思います。それは、一般公募型の?@~?Eを見ていただければと思います。例えば?@肝炎疾患患者等に対する望ましい配慮の在り方、?A情報収集の在り方、?B肝炎患者数の動向予測に関する研究、?C医療経済評価に関する研究、?D小児期のウイルス肝炎に対する治療法の標準化に関する研究、?E肝炎患者の身体的負担等に配慮した検査方法の開発に関する研究、こういったものを行っていくことになります。
 個別の課題では、いまの3つの分野について公募が行われるということです。28頁は、これらの公募について計画表が載っていますが、いまのところ、予算が正式に通過する平成23年4月以降に研究課題の公募を行っていきたいと考えているところです。説明としては以上です。
○永井部会長
 ありがとうございました。ただいまの説明について、ご質問、ご意見がありましたらお願いします。
○望月委員
 資料3-2の21頁の(ア)の所ですが、5疾患群に分ける根拠がよくわからないのですが。例えば、内科系というと何か皆含んでしまうような気もしないでもないのですが、この分け方はどのような理由からでしょうか。
○眞鍋主任科学技術調整官
 申し訳ありません。担当課が少し遅れているようですが、難病の疾患群の分け方に関して、これまでどのような分け方をしていたか、すぐには出てきませんが、私も健康局にいましたことから申し上げますと、小児は小児で1つ分かれています。あとは、神経系、遺伝、循環というような群が難病の中で設定されているような記憶があります。もし違っていましたら、確認をして訂正させていただきます。一応難病の中で伝統的な分け方に従っていると認識しています。
○永井部会長
 ありがとうございます。ほかにいかがですか。
○川越委員
 この資料の3-1の2、3頁なのですが、いちばん上で予算額のことが書いてあるのですが、ここで公募と、3頁では公募型という表現が使われていますが、これはどういう差なのでしょうか。
○尾崎研究企画官
 同じものです。両方とも公募ということで、区別はありません。
○宮田委員
 すごく大雑把な質問をさせてください。平成23年の資料2のほうから伺いますが、科学技術関係経費がマイナス2.6%、厚生労働科学研究費補助金がマイナス7.1%と、昨年、この案を議論したときに、政策コンテストというものが入ってきて、それでますます訳がわからなくなってしまったのですが、結局政策コンテストの対象になって57億円獲得したのでしょうが、獲得してもなお、なぜマイナス7.1やマイナス2.6という不景気な数字になったのかをお尋ねしたいと思います。
○尾崎研究企画官
 厚生労働科学研究費補助金と特別枠の話は、基本的にはリンクをしているものではありません。厚生労働科学研究費補助金については、予算要求のところでも、かなり効率化して圧縮している状況です。特別枠は、先生がおっしゃったように、政策コンテストの結果を経て、実は先ほどの資料3-1の最終8頁で、健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクトというものが政策コンテストではCの判定をいただいて、この額になりました。その影響を受けまして、内容的にはこの額になったということです。
○宮田委員
 客観的になったという報告はいいでしょうが、厚生労働省としては遺憾に思っているのですか。要するに、この国の方針として医療イノベーション推進室のようなものができて、ここの研究は重視されているはずではないのですか。
○尾崎研究企画官
 厚生労働省としては、必要な額というところで要望を、この57億円についてはもともとは95億円という要望を出させていただいたところです。ですので、我々としては、遺憾に思っているところです。
○宮田委員
 それを、是非議事録に書いてください。
○矢島技術総括審議官
 補足します。岡本政務官も実際のヒアリングの場に出ていただきまして、政務官自ら財務副大臣とかなりやり合っていただいた中で、Cという厳しい判定をいただいた結果です。私どもは、なるべくいい点数が取れるようにプレゼンテーションはさせていただきましたし、そのときの模様は確か公開されていると思います。それでも、なおかつその結果がCだったということで、我々は政務官まで出ていただきながらこの結果だったことが、大変遺憾だと思っています。
○宮田委員
 ありがとうございました。それはゴシックで、是非議事録に残していただきたいと思います。
○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。
○野村委員
 肝炎のところなのですが、昨年肝炎のことで取材をしたときに、やはり今いちばん患者さんの高齢化も伴って、集中的に治療をしなければいけないことをそこで知る一方で、検査費用などが無料になったりする中でも、患者さんが治療に専念できるわけではなくて、社会の中で生きている中で治療を受けていかなければいけません。検査費は無料、治療費は補助があっても、行きやすい体制が整えられていないことを現場の声で聞いたりしました。ほかの医学的研究は結果が出る、出ないがあると思うのですが、この行政的な研究はいま集中してやっていく中で、研究後すぐ行政で具体的に施策として実現できるように、いつどのようにもっていかれるのかなと、やはり悠長な話ではないだろうなと思いました。
○肝炎対策推進室
 ご指摘の件については、現在、肝炎対策の推進に関する基本的な指針(案)が、パブリックコメントにかかっているところですが、この案に、行政的な研究課題についても盛り込まれているところであり、指針策定後は、その研究成果等の進捗状況を踏まえ、当該研究者等との連携を図っていく形で取り組んでいきたいと思っています。
○眞鍋主任科学技術調整官
 補足をさせていただきます。こちらの研究費も、1から6まで課題がありますが、それぞれ行政的に必要な研究で、これを行政に活かすという趣旨で設定しています。
○野村委員
 では、それを活かす予定が日程的にきちんとあるということですか。
○肝炎対策推進室
 これらの研究課題については、なるべく具体的な施策に資する研究を採択していくという方針の下に、第三者による評価委員会の評価に基づいて進めていき、その成果に関して、ある程度コンセンサスの得られたものについて、今後の施策に反映していくという方向で取り組んでいきたいと考えております。
○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。
○相澤委員
 初めて委員になったので、ちょっとよくわからないところがあるのですが、日本の医療費は先進国中、対GDP費最低ではないかと理解をしています。こちらの研究費も、やはり先進国の中では、特に対GDP費では少ないというような理解でよろしいのでしょうか。もしそれが事実であるとすれば、議事録に残していただきたいと思います。
○尾崎研究企画官
 いま全体としては、科学技術関係は、第3期の科学技術基本計画がありまして、ここでは平成22年度までこの5年間で25兆円という目標でやってきました。基本的には、今年度までで25兆円には達しないと実績としては出ているところもあります。そういう意味で、たぶん低くなっているのではないかと考えます。
○相澤委員
 全体の話ではなくて、要するに厚生医療に関する研究開発のことをお伺いしたいのです。別に、あとで議事録で補充していただければいいのですが。もし事実であるとすれば、専門外ですが日本の医療が貧困ではないかと。先生方はよく頑張っていらっしゃるのですが、特に総額医療費の点で見ると、貧困ではないかという認識をもっています。その理解が間違っているのであれば、ご指摘いただきますし、理解が正しいのであればそのようにお答えいただければと思います。
○尾崎研究企画官
 諸外国と比べたら、傾向としては桁違いに研究費としては少ない状況です。
○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。
○岩谷委員
 長寿・障害総合研究費が、もともと少ないところをかなり削られているのですが、今日高齢化率が22%の長寿社会で、高齢者の半数以上が単身または老老の核家族という現状なのです。このことは、いかに医療で治療しても、もし一旦お年寄りが病気になった、家に帰ることは非常に難しくなるのだと思います。ですから、在宅をどんどん進めよう、医療を進めて在宅復帰をはかろうということが、国の大きな施策になっているわけです。現実には、そのような高齢の方の生活環境が変わっているわけですから、そういうことも含めて考えていただかないと、医療のレベルを上げても社会で生活を支えられないことが起こるのだと思いますので、その辺りについても議論があったのかどうなのか、教えていただけませんでしょうか。
○尾崎研究企画官
 まず研究費についてですが、特別枠を除いたところで、前年比から見ると、長寿と長寿・障害総合研究事業は、割合としてはちょっと少なめです。我々としては、少ない中でも今年については、より重要だということで要求はさせていただいて、この結果になったことをご理解いただければと思います。そのほかとしては、研究費ではありませんが、先ほど健康長寿社会実現のためのライフ・イノベーションプロジェクトの話を、資料3-1の8頁でしましたが、対策は研究費だけではなくて、事業としていろいろなことをいろいろな分野で総合的にやられていると思います。8頁のいちばん下に、福祉用具・介護ロボット実用化支援事業とありますが、研究費ではないですが、こういう事業も併せて行われている状況です。
○岩谷委員
 皆さん長寿になるわけですが、その先がきちんと支えられていなければ、社会として非常に大変なことだと思いますので、もう少しその辺りの認識といいますか、何かを考えていただければありがたいと思います。
○矢島技術総括審議官
 私どもも、いまは医療や介護はすごく重要なことだと思っています。厚生労働省では、大臣の下、税と社会保障のプロジェクトを立ち上げていまして、各局、医療、介護、子供づくりや貧困の格差なども含めて、省内でプロジェクトチームを立ち上げています。将来、税と社会保障の環境を考えるために、どういうふうに付き合ったらいいのだろうかということも併せて、部局は違いますが、そこと併せて検討させていただいています。私もサブチームの主査ということで、その中での議論に関わらせていただいています。いま先生がご指摘いただいた点は、我々はすごく重要だと認識しています。
○永井部会長
 特別枠で57億円増えたように見えるのですが、ほかの領域については91億円減っているわけですね。この影響は、どのように評価されているのでしょうか。
○尾崎研究企画官
 影響としては、既に各事業について本日お図りしたのは、特別枠の要望分ですが、以前この会議においてご検討いただいた公募要項に基づいて、いま各事業を公募している状況です。額が少なくなっていることからすれば、新規課題等についてその辺りの課題数、採用数には予算として少なくなっていますので、そういう影響はあると考えています。
○今井委員
 資料2のいちばん後ろの頁の予算のところなのですが、?Vの疾病・障害対策研究分野のところが、全体として低くなっています。例えば、生活習慣病・難治性疾患克服総合研究経費などが減っていますが、健康日本21も含め、例えば生活習慣病や高齢病の話、かなり長くいろいろやってきましたよね。ある程度成果が出たので、そろそろ予算を減してもいい部分というのはあるのでしょうか。それとも、例えば生活習慣病などの場合には、途中でこれはもう巷の噂にまでなっていますが、肥満度をあまりタイトに見なくてもいいのではないか。それから、例えばコレステロール値をぎりぎりに下げなくても、むしろ少し高い人のほうが健康で長寿だったというようなデータが出たなどのいろいろな噂が出てしまいました。もう1つは、例えば感染症のようなものに関しては、新しいものがどんどん出てくるので、今後対策としてはかなり費用がかかるのではないだろうかと不安な部分もあります。いろいろパーセンテージを下げていらっしゃる中の低めの部分の、既にでき上がってしまったようなフォローの部分がありましたら、教えてください。
○矢島技術総括審議官
 生活習慣病の研究費の話が出たのですが、記憶で申し訳ないのですが、確か糖尿病等の戦略研究をずっとやっていた影響で、その部分のかなり大がかりな研究が終わったことによって、金額が下がったのではないかと記憶しています。もし間違いであれば、あとで訂正をさせていただきます。
 それから感染症についても、ここにありますようにインフルエンザの問題や、新興・再興感染症の問題もありますので、そのような突発的なものが出れば、そのようなものは別枠の研究費をそのときに当てることも可能ですので、それなりの方向でまた対応させていただければと考えています。
○今井委員
 ありがとうございました。
○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。
○眞鍋主任科学技術調整官
 先ほど望月委員からのご質問にありました、難病の5分類について確認をいたしました。神経、内科、循環器と、特に内科と循環器があるから、混乱を生んだようですが、それぞれ理屈があります。神経に関しては、代表的な神経疾患が多いと。内科と循環器ですが、内科は非常に広範で消化器や呼吸器等患者数が多いと。その中でも、拡張型心筋症等の重症度が高いものを、循環器として特別に括り出していると。あとは、遺伝性と小児ということで、それは別の括りとなっているという説明でした。難病としては、この括りでやらせていただきたいということでした。
○望月委員
 ありがとうございました。
○永井部会長
 よろしいでしょうか。もしほかにご意見がないようでしたら、難病、がん等の疾患分野の医療の実用化研究事業については、資料のとおり進めさせていただくことにします。また、字句の修正等がある場合には、事務局で行いまして、必要に応じて私のほうで確認をして、内容を確定したいと思います。よろしいでしょうか。
 では、議事の4にまいります。「ヒト幹細胞臨床研究について」、審議をお願いします。大阪大学大学院歯学研究科など3機関の申請について、1月7日に厚生労働大臣より諮問されまして、同日付けで当部会に付議されています。事務局より、説明をお願いします。
○研究開発振興課
 ヒト幹細胞臨床研究実施計画については、冊子となっています資料4-1を用いて説明させていただきます。ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針に基づいて申請された臨床研究計画について、今回は新たに諮問、付議が行われた申請4件について、ご報告申し上げます。新たに諮問を付議された4つの申請ですが、資料4-1の表紙にありますように、大阪大学大学院歯学研究科と、大阪大学医学部附属病院から2件の実施計画が出されています。さらに、財団法人先端医療振興財団先端医療センター病院からの実施計画があります。1頁が諮問書です。2頁に付議書があります。1月7日付けで諮問、付議されています。
 個別の案件ですが、まずは大阪大学大学院歯学研究科です。3頁の申請書に続いて、4頁に本実施計画の概要があります。また、概要を示したポンチ絵が13頁にありますので、参照いただけましたら幸いです。研究課題名ですが、自己脂肪組織由来幹細胞を用いた次世代型歯周組織再生療法開発です。対象疾患は、従来の治療法では十分な歯周組織欠損の回復が見込めない辺縁性歯周炎となっています。本研究ですが、自己の腹部または大腿から皮下脂肪組織を採取し、大阪大学歯学部附属病院のCell Processing Centerにあります閉鎖系細胞調製培養装置、いわゆるセルプロセッシング・アイソレーターと呼ばれていますが、その中で脂肪組織の中にある幹細胞を取り出して、1~2週間の培養後、フィブリン糊と混合して、フラップ手術という歯科口腔領域の手術の際に、患者さんの歯周組織に填め込むような移植治療をします。
 本研究機関では、既にビーグル犬を用いた歯周病モデルを作製しまして、脂肪組織由来の未分化間葉系幹細胞の再生効果を確認しています。歯周組織の再生を目的として、自己の脂肪組織由来幹細胞を用いるのは、極めて新規性が高い臨床研究で、まずは安全性を確認することを目的としています。
 次は、大阪大学医学部附属病院からの申請です。14頁に申請書があります。15頁に、本実施計画の概要があります。研究責任者は、外科学講座消化器外科学・教授の森正樹先生です。研究課題名は、消化器外科手術に伴う難治性皮膚瘻に対する自己脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた組織再生医療の臨床応用です。53頁に要約、57頁にポンチ絵がありますので、そちらも合わせて参照いただきたいと思います。実際の研究計画ですが、消化器外科手術に伴う難治性の皮膚瘻で、従来の治療を行っても1カ月以上も治癒が得られずに、瘻孔が貫通している症例を対象としています。
 自己の脂肪組織由来間葉系前駆細胞を注入しまして、瘻孔の閉鎖を期待するという臨床研究です。まず、安全性を評価することが目的となります。全身麻酔を行いまして、腹部、臀部、または大腿からの脂肪組織を吸引すると。その脂肪組織から、間葉系前駆細胞を分離する装置を用いまして処理して、幹細胞を多く含む細胞濃縮液を抽出します。取り出した細胞液とフィブリン糊を混合して、治療部位に混入するという臨床研究です。こちらは、細胞培養を伴わない臨床研究です。類似の臨床研究が、海外では炎症性腸疾患の1つであるクローン病に伴う瘻孔を有する症例に対して、臨床研究が進行しているということです。
 次の研究課題も、大阪大学医学部附属病院からの臨床研究計画です。58頁に申請書がありまして、59頁に本実施計画の概要があります。これらの研究計画は、研究責任者として玉井克人教授が申請しています。研究課題名は、表皮水疱症患者を対象とした骨髄間葉系幹細胞移植臨床研究です。対象疾患は、表皮水疱症で、接合部型及び栄養障害型です。67頁の概要を参照していただくと大変よくわかると思いますが、代表的な臨床像が示されています。大変重篤な遺伝性の皮膚難病です。
 表皮水疱症のうち、このような重篤な病型の患者さんに対して、家族のドナー由来の骨髄間葉系幹細胞の局所の移植術を施行します。家族内のドナーから、骨髄血を採取しまして、細胞培養センターで骨髄間葉系幹細胞を培養。皮膚潰瘍の周囲の皮下に直接移植します。主に主要評価項目は有害事象、副次評価項目として潰瘍面積の縮小程度を測定していくという臨床研究です。
 次は、財団法人先端医療振興財団先端医療センター病院からの申請です。71頁に申請書がありまして、72頁に本実施計画の概要があります。研究課題名は、慢性重症下肢虚血患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球移植による下肢血管再生治療です。対象疾患は、慢性重症下肢虚血(閉塞性動脈硬化症・バージャー病)です。同様の臨床研究については、既に「下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血単核球移植の臨床効果と安全性に対するレトロスペクティブ調査」が全国的に実施されて、162例を対象として検討されている報告があります。また、その後その研究に関しては、ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針に従って、ランダム化比較試験が進行していまして、こちらの部会でも複数回の審議がされている状況です。
 これら説明しました4件の申請ですが、本日の部会の報告に先立ちまして、2月2日に開催された第14回ヒト幹細胞臨床研究審査委員会にて、既に先行審議をされていますことをご報告申し上げます。以上、ヒト幹細胞臨床研究実施計画について、今回は新たに諮問、付議が行われた申請4件について、ご報告いたしました。
○永井部会長
 これは、すでに先行審議が始まっておりますが、これらについて何かご意見、ご質問はございますか。
○宮田委員
 大阪大学のものは、サイトリという脂肪細胞の中から単に幹細胞を分離してきて、それをそのまま培養もせずに移植するという実験ですよね。これは、こういったものの審議の対象になるのですか。
○研究開発振興課
 すでに先行審議をしている内容ですが、この機器はサイトリ社のセルーションという機器を用いております。その簡単な概要としましては、抽出した脂肪の組織を酵素処理し、細胞を細かく分けます。その後に遠心をするという機械で、基本的には閉鎖系で行われる機器です。
 しかし、この機器に関しましては、まだ医療機器としての承認、臨床試験、治験としての承認はまだされておりません。そういった特殊なものを用いる臨床研究ですが、このようなものは医療法の中で、限られた機関の中で臨床研究を行い得るということで、いまのところ審議を行っているところです。
 実際に調整された細胞等につきましては、しっかりとその研究機関で安全性を確認して進めていくような形で、いま処理をしております。
○宮田委員
 仮にこれが医療機器として認可されたあとは、臨床研究で、このような場で議論しなくても済むようになるのですか。
○研究開発振興課
 対象疾患として、すでにその対象疾患がなされておりまして、使用方法、適用も適切なものであれば、全くその必要はございません。
○永井部会長
 ほかにございますか。もしございませんようでしたら、現在審査委員会で審査を行っておりますので、その結果を当部会に報告させていただきまして、その時点で改めて総合的に判断したいと思います。
 議事4にまいります。「ヒト幹細胞臨床研究実施計画について」ご審議をお願いいたします。これは名古屋大学医学部附属病院等4機関の件で、審査委員会の結果についてのご審議をお願いいたします。なお、東京大学大学院医学系研究科及び医科学研究所附属病院の案件がございます。これは私も関与しておりますので、廣橋部会長代理に議事進行をお願いいたします。
○廣橋部会長代理
 これより私が進行いたします。4機関、名古屋大学医学部附属病院などの件について、資料4-2について事務局から説明をお願いいたします。
○研究開発振興課
 資料4-2です。今回ご報告申し上げますのは、名古屋大学医学部附属病院、東京大学大学院医学系研究科、東京大学医科学研究所附属病院、先端医療振興財団先端医療センター病院からの、研究実施計画の報告です。その実施計画の概要と、審査委員会での審議経過について、ご報告申し上げます。
 1頁です。名古屋大学医学部附属病院からの申請で、非培養自己ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞を用いた腹圧性尿失禁治療の有用性に関する研究に関して、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会の永井委員長からの報告です。
 2頁に概要がございます。研究責任者は、名古屋大学医学部附属病院の後藤百万先生です。腹圧性尿失禁患者に対して、ヒト皮下脂肪組織由来間葉系前駆細胞(以下ADRCsと略す)を移植する研究で、研究実施期間は平成25年までです。目標症例数は計30症例となっております。前立腺癌や前立腺肥大症の術後の難治性の尿失禁と、女性の真性腹圧性尿失禁の患者を対象として、被験者の腹部または臀部の皮下脂肪から脂肪吸引法により、脂肪組織を採取いたします。ADRCs分離装置により幹細胞を回収いたします。障害された尿道の括約筋及び尿道粘膜下に経尿道的内視鏡下に注入いたしまして、括約筋機能を回復させて、最終的には尿失禁を改善させることを目的としております。
 ADRCsを注入することで、括約筋障害のために開いている尿道を閉鎖することと、ADRCsが括約筋再生に向かっていくという可能性があること、その細胞から分泌されるサイトカインは局所の血流を改善するといったことなどが、尿失禁を改善させる機序と説明されております。
 なお、今回の臨床研究について、8頁目から実施計画書がございます。なお、17頁には要旨、25頁にはフローチャートとポンチ絵がございます。
 審議の概要は3頁です。平成21年10月に初回審査。委員会での疑義は、主にプロトコルについては、治療効果をきたす機序についての検討と説明が不十分である。対象疾患から前立腺癌の再発が疑われるような症例は除外していただきたい。治療手技の詳細をさらに記載する。このような意見が委員会の中でございました。
 品質安全性については、医療機器としては未承認の細胞分離装置を用いることから、細胞レベルでの安全性の確認として、染色体の評価または細胞の特定解析、感染症の除外検査を実施することを求めておりました。
 また、前臨床研究については、ラットの尿失禁モデルを用いて効果を評価しておりましたが、今回は未承認の医療機器を用いる新規性の高い研究であることから、中型・大型動物での前臨床研究を検討すべきとの意見が委員会で出されました。
 初回審議の意見に対しまして回答を得た後に、第2回の審議は平成22年7月に行っております。注入した細胞が平滑筋細胞に分化することを詳細に検討するようにという意見が出されておりました。また、インフォームド・コンセントの記載内容について、特に被験者の誤解のないようにという形で修正を求めております。また、それらの意見に対し、ブタを用いた安全性の評価と、ラットのモデルに細胞を注入し、作用機序の検討が追加されている。その内容について、特に作用機序については、注入した細胞による圧迫の効果なのか平滑筋の細胞へ細胞が分化していく可能性なのか、また細胞から分泌されるサイトカインによる血管再生といった複数の要因により、尿失禁が改善されるということについて、しっかりと説明がなされることを、委員会の中では意見がなされておりまして、それについてそれぞれ十分な説明がされたということで、委員会では意見がなされました。
 さらに、その機序についても、得られた情報等を説明文書に追加で記載、修正されております。申請資料が適切にすべて修正されたことを委員会で確認し、本臨床研究は了承されております。
 次の審議案件は43頁の東京大学大学院医学系研究科からの申請です。口唇口蓋裂における鼻変形に対するインプラント型再生軟骨の開発、アテロコラーゲンハイドロゲルとポリ乳酸多孔体によって構成される足場素材に自家耳介軟骨細胞を投与して作成するインプラント型再生軟骨に関しまして、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会の永井委員長からのご報告がございます。
 44頁に実施計画の概要がありまして、口唇口蓋裂における鼻変形のうち、隆鼻術及び鼻尖形成が必要な、高度な変形を有する患者3例を対象となっております。50頁から実施計画、58頁には要旨がございます。
 口唇口蓋裂というものは、顎や鼻などに変形を生じる先天性の形態異常です。特に鼻の重篤な変形に関しては、患者からは適切な軟骨組織が十分に採取できない、十分に修正できない例が多数見られるのが現状です。
 そういった症例に対しては、現在姑息的に腸骨の自家移植を行うこと、骨の自家移植を行うということがありますが、侵襲が大きいこと、移植後に硬い鼻ができるために、形態的、美容的にも適切でないという課題が残っております。そのため、力学的強度と、3次元の形状を有する再生軟骨の開発導入が長い間期待されてきております。
 いままで開発されてきた軟骨再生医療に用いられる再生軟骨は、液体状またはゲル状のもので、鼻変形の修正にはなかなか使用できないということがありましたが、本申請者らはアテロコラーゲンハイドロゲルとポリ乳酸多孔体で構成される足場素材に、培養自家耳介軟骨細胞を投与して作成する、いわゆるインプラント型再生軟骨を開発しております。
 本臨床研究では、少数例の口唇口蓋裂患者に臨床をいたしまして、その安全性と、副次的に評価指針の探索を通じて有用性を確認しています。60頁にポンチ絵、61頁から同意説明文書がございます。
 委員会の審議概要は、45頁です。委員会での確認事項としては、PLLAという生体吸収性の基材を用いることの意義と、その効果・安全性の確認が、主な論点となりました。いままでは臨床研究として、細胞懸濁液またはゲルなどにて行われてきましたが、十分な硬さが得られないことが本研究計画の主な理由で、用いる基材については、本申請者らは複数の候補物質について検討を行ってきている、といった回答がされております。なお、ビーグル犬を用いて、そのような複数の基材について深く検討をされてきている経緯が説明されております。
 さらに、細胞培養に伴う安全性の評価、細胞の純度の評価、感染症の検査方法などについて疑義がありましたが、適切に回答がされているということです。それらの回答については、1回目の審議のあとに、持回り審議で適切に修正されたことを確認しまして、委員会の中では了承されております。
 次の案件です。82頁の東京大学医科学研究所附属病院からの申請で、自己骨髄由来培養骨芽細胞様細胞を用いた歯槽骨再生法の検討、第?T、第?Ua相試験に関して、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会の永井委員長からのご報告です。
 83頁に概要がございます。歯槽骨萎縮症を対象として、第?T相と第?U相の臨床研究計画をしております。本研究機関では、すでに平成16年。ヒト幹細胞の指針の発出される以前から、先行する臨床研究として「自己骨髄由来培養骨芽細胞様細胞を用いた歯槽骨再生法の検討」を行ってきております。その臨床研究の内容のプロトコルの修正、改良を行ってきて、その改良点について、ヌードラットに移植し動物実験等を行い、細胞培養や移植方法の最適化を検討し、本臨床研究計画の申請に至っております。
 その結果で、自己骨髄由来間質細胞をbFGF含有の培地で培養する。リン酸カルシウム顆粒上で、デキサメサゾンやアスコルビン酸等を加えて、骨芽細胞様細胞へ分化誘導し、骨移植部へ移植するという臨床研究計画に、若干の修正をしてきております。88頁から計画書、94頁に概要、95頁にポンチ絵があります。
 骨髄間質細胞を、3~4週間の培養を繰り返し、さらに2週間分化誘導の工程があるという臨床研究で、長期の培養を行っております。
 84頁に審議の概要があります。先行した臨床研究の評価と安全性の課題について疑義がありました。さらに、長期の培養に伴う安全性の評価、細胞培養に関する評価の質問がございました。それらの委員会の中での疑義についての回答は、先行する臨床研究の経験を活かし、血清採取の際に細菌が混入したというプロセスについて修正をする、さらに細胞培養過程の安定性を増強させるための条件について修正したことが説明されております。
 引き続いて、本臨床研究では第?T相を行い安全性を評価したあとに、第?U相で有効性を判定する臨床計画であることが説明されております。これらの資料が適切に提出されたことを受け、再審議を行った結果、委員会の中で指針に対する妥当性を確認しております。
 次の案件です。116頁の先端医療振興財団先端医療センター病院の申請で、慢性重症下肢虚血患者に対するG-CSF動員自家末梢血単核球移植による下肢血管再生治療に関して、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会の永井委員長からのご報告です。
 117頁に研究実施計画の概要がございます。慢性重症下肢虚血(閉塞性動脈硬化症・バージャー病)の5症例を対象としまして、G-CSF動員自家末梢血単核球を移植する臨床研究結果です。すでに報告がいろいろありまして、堀江先生らによりまして「下肢虚血患者を対象としたG-CSF動員自家末梢血単核球移植の臨床効果と安全性に対するレトロスペクティブ調査」というものが実施されておりまして、全国で162例の検討がされています。その中では、高い安全性が示されております。
 本申請者、研究責任者のグループでは、2008年から「慢性重症下肢虚血患者を対象とした自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生治療」という、若干異なる幹細胞を用いた臨床研究が行われておりまして、それがさらに進展して、CD34陽性細胞分離機器の医師主導治験で開始しているということで、臨床研究が別途進んでおります。こちらのCD34陽性細胞を用いる臨床研究は、すでに目標症例数11症例を終了しまして、経過観察を行っているところです。
 本研究計画の意義としましては、まず研究結果で5例の重症下肢虚血患者を対象に、G-CSF動員の末梢血単核球移植を実施し、安全性を確認されました。その後に、CD34陽性細胞を移植するのと、本研究であるG-CSF動員の末梢血単核球移植の下肢再生を直接比較するランダム化臨床研究を予定しているということです。
 120頁から実施計画書、126頁が要旨、130頁にポンチ絵、131頁からは被験者に対する説明文書がございます。すでに本研究機関は末梢血管の再生治療の経験がありまして、有効性を評価し、標準治療への確立を想定している段階の臨床研究計画です。
 委員会での審議の結果は、あまり大きな問題点は指摘されず、臨床研究計画の内容は了承されております。以上、ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会で、指針への適合性が確認された4つの申請についてのご報告でした。
○廣橋部会長代理
 ただいまの4件の申請に対する説明について、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。
○宮村委員
 今回4つの計画が提示されたのですが、後の3つは治療のラショナーレが確立していると思いますが、最初の研究について、素人にもわかるように教えていただきたい。腹圧性尿失禁の原因はいろいろなことが複雑に合わさっていると思います。そして、この治療はコラーゲンを注入していったときに、一定の効果があったけれども、それに代わるようなことでということで、幹細胞、前駆細胞を導入し、平滑筋に分化させるという目的のようです。この審議会の中でも、本当に注入した細胞が分化しているのか定量的に示してくださいとか、あるいは作用機序として機械的な侵襲による瘢痕化は考えられないかというような、いくつかの問題点や疑問点があるという記録になっているのですが、最終的にこれらについて、正しいレスポンスがあったのでしょうか。
○研究開発振興課
 まず臨床研究の経緯ですが、コラーゲン注入療法というのは、従来行われているものがございました。対象疾患は、基本的には尿道括約筋が加齢もしくは手術の侵襲によって影響を受けるために、尿失禁が出てくるといった、だいぶ類似の様態があるということがありまして、それに対してコラーゲンを注入する治療がなされているのが現状です。
 まず1点目は、用いていたコラーゲンが今後生産されなくなることです。それと、注入したコラーゲン自体は、効果が短期間にしか見られないということで、治療を繰り返さなければいけないという問題点がありました。それに代わる代替療法として、何かということで、本臨床研究が立案されております。
 注入するものというところで、この脂肪由来の幹細胞が着目されたわけですが、幹細胞を注入することで、機序として、圧迫する効果と、長期に残存すること、入れた細胞が平滑筋に分化する可能性があること、サイトカインが分泌されることがありまして、それらは当初はラットのみの研究で、単発の研究で機序が妥当かどうか評価しづらいということで、さらに中型・大型の前臨床研究を行う必要があるという厳しいご指摘がありまして、それらについて前臨床研究が申請者から十分にされてきたといった経緯がございます。それで、第1回目から第2回目まで、だいぶ時間がかかって、審議が進んできている形になっております。
 証明された主な内容としては、実際に注入した細胞にマーキングをした上で、そういった細胞が平滑筋細胞に一部分化している可能性をお示しいただきまして、その証明する方法としては、用いる抗体を特異性の高い抗体を用いて、分化しているかどうかを評価していただきたいということで、評価していただいていると。サイトカインについては、十分評価ができているということで、追加について、申請者らが適切に対応しているという判定で、今回は臨床研究に進めていきましょうということで、最終的な意見がなされております。
○今井委員
 いまの宮村委員のお話をもっとざっくばらんに言ってしまうと、ほかのものは、いわゆる平滑筋の収縮のような自律的な動く機能は持っていないものですね。ただ、尿道に関しては、筋そのものの弛緩収縮にかかわる問題なので、これが単に量を増してやったために閉塞しているというものでしたら、量をきちんと決めればいいわけですが、平滑筋そのものが自律神経系で動いているわけなので、量の問題と機能の問題の部分がはっきりしていないのではないか、というご質問ではないかという気がしたのです。
 それを両方分けて考えると、平滑筋そのものの筋が出来上がるということは、血管も神経も通るだろうしという部分を、もうちょっと詳しく研究しないと、特に男性の場合には尿道は狭いし、長いので、どちらかというと尿道狭窄を起こす可能性も考えられないことはないと思いますので、その辺を、平滑筋が増えればいいという段階ぐらいでこの話が決まっているみたいなのですが、もうちょっと詳しく調べたほうがいいのではないかということではないでしょうか。
○宮村委員
 おっしゃるとおりです。
○研究開発振興課
 いただきましたご指摘は重要な問題で、委員会の中でも強く指摘されたところです。特に副作用として、逆に尿閉が生じるのではないかという懸念が、多くの委員からなされております。
 完全にそれを証明することは難しいわけですが、注入した細胞で、どれぐらいの圧の変化が生じたか、これは一部機序です。圧の変化がどのくらい改善したかをラットの研究を用いて証明していただいていると。それが神経と平滑筋がどこまでリンクするかというところまでは、なかなか動物実験では難しいところがあります。
 そのあとは、尿閉につきましては、ブタを用いて、尿閉の副作用は生じていないのが現状で、臨床研究を行いながら、そこをよく見ていくのがいちばんいいのではないかというご意見があったところです。貴重なご意見ありがとうございます。
○廣橋部会長代理
 いまの議論の問題は、委員会でもだいぶ議論されたようですが、それをヒトの研究で進めるということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○廣橋部会長代理
 それでは、これらの報告は科学技術部会としては了承として、厚生科学審議会に報告することとします。部会長にお返しいたします。
○永井部会長
 議事5に入ります。「ヒト胚性幹細胞等のヒト幹細胞の樹立と分配に関する検討会について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○谷再生医療推進室長
 この度、ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)等のヒト幹細胞の樹立と分配に関する検討会について、開始に係るご判断をお願いしたいと思いまして、審議事項に挙げさせていただいております。
 検討の趣旨はヒト幹細胞(ここではヒトES細胞、ヒトiPS細胞を含む)を用いた臨床研究の適正な実施を目的として、平成18年7月に「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」を策定し、研究の進展を受けて、平成22年11月に全部改正を行ったところです。
 ヒト幹指針の改正については、採取、調製及び移植といった具体的な内容については、複数研究機関で実施する場合の規定を設けたところではありますが、多能性を有するヒト幹細胞についての樹立と分配といった部分についての規定は、現状設けていないのが実情です。ヒトES細胞の樹立、分配に関しては、平成21年8月に文部科学省が「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針」を策定したところではありますが、基礎研究に係る事項のみということで策定されていることから、臨床研究で必要不可欠な部分であるヒト幹細胞の安全性等についての規定が、現状で定められていないというのが実情です。
 このため、多能性を有するヒト幹細胞の樹立、分配、これはESを含み、これから対応培養が可能であると思われているヒトiPSを含んだ樹立、分配に関する検討を、この度開始させていただいてはと思っております。
 検討課題としては、ヒト幹細胞を用いる臨床研究での使用を前提とした、多能性を有するヒト幹細胞に関して、樹立、分配に係る安全性の確保等についての項目と、樹立、分配における生命倫理上の観点から遵守すべき事項について、おおむね平成23年度中を目途に、一定の結論をまとめていければと思っております。
 検討組織としましては、ヒト幹細胞の改正を目的として平成20年度に設置された「「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の見直しに関する専門委員会」がありますので、そちらで併せて引き続き検討を行っていただいてはと思っております。
 なお、必要に応じて科技部会長の指名を得て、構成員の見直しを今回ES細胞等の樹立に関しての委員会構成として行ってみてはと思います。
 その他としまして「ヒトES細胞の樹立及び分配に関する指針」、これは文部科学省の基礎研究の部分ですが、こちらとの整合性にも留意しながら、議論を進めていかれればと思っております。以上です。
○永井部会長
 ご質問、ご意見をいただけますでしょうか。
○今井委員
 ヒト幹細胞に関しては、かなり前から一般人もいろいろしていて、再生医療は危ないのではないかという印象のほうが強く起こっている状態があって、これは韓国などの美容整形などからのイメージがかなり強いところがあるのですが、実際に最先端医療の中で、日本がかなりリーダーシップを取っている部分もあるのですが、まだ日本ではフォーマットができていないので、先端の医者たちは、胃だの何だのにメンブレンを貼るみたいなものに関しては、北欧のほうに行っていたり、目の角膜などに関してはフランスで始めたりという方向に、かなり行ってしまっているので、非常にもったいないというか、早めにきちんとした何らかのフォーマットを作られるほうがいいのではないかと思うのです。
 その際、もちろん倫理的な問題はきちんとしなければならないと思うのですが、一方で、いわゆる臓器移植みたいなものというのは、人から人へ直接いくものですから、いわゆるトレーサビリティは取れている状態なのですが、そこに一手間入るので、このような言い方をしていいかどうかわからないのですが、人体のものであるから尊厳はあるのだけれども、製品みたいな形になるわけで、そこの部分に対しては、それなりに出所がしっかりしたというか、トレーサビリティが取れるような、番号制ではないですけれども、そういったものがきっちり付くぐらいの、精密なというか、綿密なというか、厳正な状態で、製品を市場に送る。表現が悪くて申し訳ないのですが、そのような感覚を持っていなければならないものなのではないかと思います。
 だからといって、いろいろルールで縛ってしまうと、最先端でまともに研究されている方々にとっては、縛りが多すぎるという状態になりますので、3つ挙げるとしたら、先端でやっていらっしゃる方々にとって、使い勝手のいいルールで、しかし紛い物は完全に排除できるようなルールで、なおかつエンド・ユーザーにきっちりとわかりやすいルールというものを作られることが大切かなと思うのです。
 それにつけても、最先端の医療はこれだけではないのですが、どんどん医学が進歩していく中で、たぶんこの会のメンバーなどは、一部の方はご存じだと思いますが、現場はご存じないと思うのです。それなので、例えば視察とか現場の方たちと意見を交わすような場も、1度はつくったほうがいいと思っています。
○永井部会長
 いまのご提案に対して、事務局はいかがでしょうか。
○谷再生医療推進室長
 貴重なご意見ありがとうございます。まずは、国内で行われている美容整形等の治療ですが、いくつか再生医療学会でも声明文、会員に対する勧告文が出ている現状です。先日、再生医療、細胞医療に係る枠組み検討会というのが、医政局及び医薬食品局で開催されまして、そちらで実際に医療において、再生医療、細胞療法を行うに当たっての注意が出されているのが現状です。
 まさに、今回こういった形で、日本では、先ほど審査していただいたように、いろいろな課題に基づいてきちんと対応している大学で行われている再生医療の反面、医療の現場では、再生医療という名前の下にいろいろと治療がされているやには伺っております。
 こういったものに対して、研究者の皆さんには非常に受け入れやすく、かつ実際に患者たちが迷わずに、きちんとした医療を選択でき、それでいて医療機関がクリニックできちんとできるというのは、なかなか難しい、大きく高いハードルかとは思いますが、こういったものを1つずつ実現していくことを考えながら、文科省、経産省、厚労省の3省が共同で、再生医療実現化ハイウェイという形で、今回予算を提出させていただいたところです。
 こういった中で、文科省はこれから開発されていくであろう、基礎研究、非臨床研究の部分の研究部分を、研究費サイドでサポートしていく、厚労省はそちらの研究費、先ほど尾崎企画官から説明がありましたが、そういった基礎研究が臨床に上がってきたときに、シームレスに受け入れて、そのまま進行していく対象を現状構築していくことを目的に、先ほどの9億という、指定課題ですが、研究費を取らせていただいて、構築を考えております。
 また、経産省においては、知的財産、周辺機器、培地、血清といったものについての総合的な対策を3省で連携して行うことによって、できる限りの支援を行っていきたいと思っております。
 トレーサビリティの面については、現状の基礎研究の文科省の立てている指針については、基礎研究という、人に用いないことを前提に作っておりますので、そういった面ではトレーサビリティというのはやや弱いかと思っておりますので、実際に臨床に応用した場合に、公衆衛生上及び倫理上、どこまでをきちんとつないでいくのかというものに基づいた議論が、まさに今回の委員会の中で検討されればとは思っております。
 最後に、先生方の中で、日程上皆さんというわけには難しいと思いますが、できる限り現場の実際に樹立をしている機関、実際に臨床研究を進めている機関に対して、視察をしていただく機会を設けられればと思っておりますので、最善の努力をしたいと思っております。
○森嶌委員
 いまのご説明を聞いておりますと、最近、内閣府主導で医療イノベーション推進室というのができましたよね。その3省プラス内閣府の4省が集まって、その中でも再生医療というのはかなり大きく取り上げていますよね。そちらのやることと、この委員会で検討することは、どういう関係になるのでしょうか。
○矢島技術総括審議官
 医療イノベーション会議の関係は、具体的にどう進めるかは最終的には決まっていないのですが、少なくとも対象分野を絞る。例えば疾患であれば、がんであるとか、認知症であるとか、疾患を絞り、なおかつその中でも、例えば再生医療でいうなら、角膜の細胞シート、シートを使うようなレベルだとか、心筋細胞シートですとか、具体的なものが出ています。
 ですから、再生医療を扱うというのではなくて、この分野の中のどれから始めるか、それで具体的にやっていくかということを、その中でサクセス・ストーリーを作っていこうと。なるべくドラッグ・ラグ、デバイス・ラグを少なくして、早期に承認に結び付くようなサクセス・ストーリーを、重点的にどういうところから始めるかを議論していただいて、そこを集中的に強化して、そこから突破口というか、そこからまず1つのサクセス・ストーリーを作って、それを広げていくという考え方です。
○谷再生医療推進室長
 今回ご議論いただきたいと思って提示させていただいている委員会につきましては、まさに医療用のES、iPS、胎生幹を含めての、多能性を有する幹細胞について、樹立、これから多能性を有する細胞を作る行為、作ったあとに各研究機関に対して配る行為についての、安全性及びその他の倫理性といったようなものの議論を深めていただいて、ある程度の指針を設けることを目的にしておりまして、医療イノベーション室との関係については、当然連携をしながら進めてはいくのですが、医療イノベーション室は内閣官房にございますので、総合調整としては非常に強い立場にありますし、いろいろと推進するところにおいては我々よりも抜きん出たところがございます。それに対して、我々厚労省、文科省、経産省については、それぞれの分野においては深い知識とノウハウがございますので、そういったものを力を合わせて、うまく医療イノベーションというか、日本独自の技術について、できる限り推進させる形で連携を取っていこうというところです。
○宮田委員
 質問です。いまのご説明である程度わかりましたが、もう1つ戦略的薬事相談というものがありますよね。2月18日の会議で示された中で、少し私どもは混乱しているのですが、いままで薬事法の下でやってきた再生医療の実用化のときの確認申請を戦略的薬事相談で代替するという報道がなされているのですが、一方、そこに参加している委員会の先生方に聞くと、臨床研究においても戦略的薬事相談の範疇に入るという解釈をしている方もいらっしゃるのです。そうすると、今回作る指針はそのときの戦略的薬事相談のベースになる指針になるのかどうかを伺いたいと思います。
○谷再生医療推進室長
 そこについて、戦略的薬事相談についてのベースになるかというか、薬事法の治験における1つの基準になるかということについては、はっきりとお答えできない段階です。というのは、これから発展していく分野ですので、どのような変化が出てくるか、あとはアメリカでも一部ES細胞を使った治験が始まっておりまして、その結果に基づいていろいろ議論がなされなければいけない部分だと思いますので、そういったところではございますが、できればこういった、ある意味フォーラム・スタンダード的な内容を含む指針、国が立てるのではございますが、指針の中からきちんとした薬事法という法律に基づいた指針のほうに、できる限り応用が利くようなものを作ることによって、臨床研究と薬事法の中での治験のレベルが一致していくということを目指していくことが、いちばん重要なのではないかとは思っております。
○永井部会長
 これは欧米ではどのような状況になっているのでしょうか。
○矢島技術総括審議官
 いまの部会長の質問を含めてですが、基本的に日本の場合ですと薬事法上の承認申請と、欧米などですと臨床研究というものは一体的にやっているようなシステムがあるものですから、今回まだ予算案が審議されている最中でして、薬事戦略相談については、来年度予算でどうやるかということで、まだこれから詰めなければいけない部分もまだあるのですが、基本的には治験ということで承認をする前の臨床研究の段階から、臨床研究の段階から将来治験に入るという流れがあるものについても、臨床研究のところから一体的にできるような仕組みができないかということで、いま具体的にいろいろと詰めている段階です。
 ですから、いままでよりも臨床研究の段階からできるような仕組みを構築するべく、準備をしているという考え方です。それが基本的には欧米がそのような形でやっていることが多いと認識しております。
○宮田委員
 できるのだったら早くやってほしいということですが、是非よろしくお願いいたします。
 もう1つ文言に対する質問です。「ヒト幹細胞の樹立、分配等に係る安全性の確保等について」と、やたら「等書きが多いのですが、ここら辺の内容をもう少し具体的に教えていただきたいと思います。
○谷再生医療推進室長
 臨床研究でございますので、まずは安全性ということを強調させていただいておりますが、樹立において用いる細胞自体が個人によって大きく揺らぎが含まれているものですので、そういったものを含めた安定性であるとか、樹立されるべきESライクな器官を有する細胞についての安定性というものも、ある程度求める必要があるかとは思っております。
 また、人の細胞ですので「品質」という言葉が倫理的にいいかという疑問がございますので、あえて書いておりませんが、ある程度きちんとした分化誘導が結果的にできるような細胞というのが、議論として出てこないと、臨床用となった時点で、臨床には用いられないとなっては困りますので、そういったものも含めてご議論いただければと思っております。
○宮田委員
 わかりました。臨床研究と薬事研究のつなぎをするためにも、そこがすごく重要ですので、是非十分な議論を賜りたいと思っております。
○永井部会長
 よろしいでしょうか。よろしければ、当部会の下に専門委員会を設置するということで、そちらで検討していただきます。
○今井委員
 先ほど世界情勢も申し上げましたが、検討というだけではなく、なるべく早く結果、ルールをきちんと作らないと、医療従事者の人たちのスキルはすごく高いのに、国が押さえているのでなかなかちゃんとした技術がどんどん出せない状態になってしまうと思うので、先ほど宮田委員もおっしゃいましたが、なるべく早くできるようにしていただければと思います。
○永井部会長
 これはそういうことを含めての検討ということですね。
○谷再生医療推進室長
 おっしゃるとおりでございます。
○永井部会長
 そうしましたら、委員構成につきましては、必要に応じて私のほうで指名させていただくということで進めさせていただきます。
 これに関係して議事6の「ヒト胚研究に関する審査専門委員会の設置について」、事務局より説明をお願いいたします。
○泉母子保健課長
 母子保健課から説明させていただきます。資料6です。
 1頁です。今回、このヒト胚研究に関する審査専門委員会の設置について、お諮りしたいと思います。設置の趣旨です。「ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究に関する倫理指針」の運用に関し、厚生科学審議会科学技術部会に「ヒト胚研究に関する審査専門委員会」を設置するとしております。ここで経緯について補足したいと思いますが、平成16年に総合科学技術会議から、研究材料としてヒト受精胚の作成をすることは原則禁止としつつ、例外として生殖補助医療の研究のためのヒト受精胚の作成、利用については容認するという方針が出されまして、そのあと本部会の下に設置されました専門委員会と、文科省が設置した専門委員会との合同で、この具体的な内容について検討し、2年前の平成21年4月に取りまとめて、本部会にお諮りをしております。また、昨年末の12月22日の部会には、この倫理指針の告示について、ご報告をしたところでございます。そして、この倫理指針に基づいて、これを実際に運用するに当たって必要な委員会ということになります。
 (1)です。役割としては、ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究についての審査・報告ということです。次の頁の流れ図ですが、この倫理指針の中では、二重審査の規定がありまして、研究を行う研究実施機関において倫理審査委員会、さらにヒト配偶子を提供する提供機関において倫理審査会が、それぞれ設けられるのですが、さらに、厚生労働大臣、文部科学大臣に申請があり、両省でこの指針に適合しているかどうかを確認する。このような手続になっております。
 そして、今回設置をお諮りいたします専門委員会は、この厚労大臣に申請があったものについて、厚生科学審議会への諮問という形になりますが、具体的な審査をしていただくための委員会を科学技術部会の下に置くというものです。
 1頁目に戻っていただきます。2「構成」としては、医学研究者、医療関係者、法学・倫理専門家等から構成するとして、具体的には、委員及び委員長は、科学技術部会長が指名するとしております。
 3「設置の時期」ですが、今年の4月1日の指針の施行日から設置したいと考えております。
 4「会議等の取扱い」は、会議、議事録は原則として公開、ただし一定の要件に該当する場合には、委員長が会議を非公開とすることができるとしております。
 5「その他」の(1)ですが、先ほどご説明しましたように、これは文科省のカウンターパートとなる委員会と、合同で開催いたします。それから、倫理指針の検討を行ってきました、ヒト胚研究に関する専門委員会については、この度廃止させていただきたいと思っております。よろしくお願いたします。
○永井部会長
 ただいまのご説明に関しまして、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。
○相澤委員
 異論はございませんが、研究が進むようにお願いいたしたいと思います。
○永井部会長
 よろしいでしょうか。ご異議がございませんでしたら、ご説明のように、ヒト胚研究に関する専門委員会を廃止し、当部会の下に専門委員会を立ち上げることにいたします。
 続いて、議事7「がん研究助成金事業事後評価について」です。ご説明を事務局からお願いいたします。
○池永政策医療課長
 がん研究助成金の事後評価の進め方について、ご審議いただきたいということです。それに当たりまして、まず、がん研究助成金の概要についてご説明いたします。資料7をご覧ください。厚生労働省のがん研究助成金は、がん対策に対する企画及び行政を推進し、がん医療を向上させることを目的として、1963年より、国立病院の特別会計により予算措置をされておりました補助金です。国立がんセンターにおいて、管理、運営をされてきたということですが、ご承知のように、がんセンターは平成22年4月をもって独立行政法人になりました。これに伴い、平成21年度をもちまして、がん研究助成金は終了しております。
 研究の種類はお手元の資料の真ん中辺りです。公募研究を中心にしていまして、総合研究、計画研究、機械開発研究、それとともに指定研究がありました。
 総合研究については、がんの診断、治療、予防法を確立するための臨床研究を中心として推進するもの、さらに、それらに関連のある基礎研究あるいは行政分野の研究を含めて、異なる機関に身を置く複数の研究者が共同して行う研究ということです。
 計画研究については、関連学会等で研究の重要性が認識され、かつ重要な課題について、焦点をしぼり最も効果的に推進するために共同して研究を行うものです。
 機械開発研究については、がんの診断、治療に必要な機械器具を開発するために、共同して行う研究です。
 指定研究については、その時々の社会的要請に基づき運営委員会の審議を経て会長が、最も重要かつ緊急を要する研究課題及び研究組織を指定して、計画的しかも集中的に推進される研究です。
 これらの運営については、国立がんセンターにおいて「がん研究助成金運営委員会」を設置し、交付対象となる研究課題の選考、交付額、交付申請に係る書類の審査、研究実績の報告に係る書類等の審査を実施してきました。また、個別の研究課題に関しては、運営委員会のもとに、事前評価委員会、中間・事後評価委員会を設置して、研究課題の評価を実施してきました。過去5年間の予算額と課題数については、資料の下ににお示ししております。
 以上が、がん研究助成金ですが、この施策自身は、先ほど申し上げましたように、独法化に伴い、平成21年をもって終了いたしました。こういう形で、政策全体として終了しました関係上、厚生労働省の科学研究開発評価に関する指針に従いますと、この研究開発施策については、事業が終了したあと、原則として事後評価をすることになっていまして、この指針においては外部評価により評価を行うということが定められています。したがいまして、これに沿って事後評価を実施したいということですが、具体的な評価の進め方につきましては、所管課において評価委員会を設置した上で評価を実施し、その結果を科学技術部会に報告して、お諮りした上で、ご議論いただく形で進めさせていただきたいということです。
○永井部会長
 ご質問、ご意見をお願いいたします。
○川越委員
 具体的に該当する研究はどのようになるのでしょうか。戦略研究の扱いはどうなるのでしょうか。
○池永政策医療課長
 今回の事後評価の趣旨ですが、個々の研究の評価は、従来、事前、事後、中間という形でやってきておりますので、個々の研究というより、むしろ施策全体について評価していただくというのが、この評価の趣旨です。
○宮田委員
 これは感想ですが、NIHとかいろいろなところと比べて、ファウンディングのメカニズムは日本は独自というか、ある領域ごとに、そのナショナルセンターの人たちが分けていたということがあって、それが本当に効率的なのかどうかというのは、是非検証していただきたいと。特に、extramuralとかintramuralの割合とか、はっきり言うと依怙贔屓があったかどうかを知りたいのですが、そういったことが日本のがん研究にどういう影響を与えたかが、なかなか難しいと思いますが、中央でやるべきなのか、分散してやるべきなのかというのは、将来私たちにとって重要な課題になるだろうと思いまして、その点も含めて、是非調査をしていただきたいと思います。
○永井部会長
 よろしいでしょうか。そうしましたら、評価委員会で評価を行った後に、当部会に報告いただくということでお願いいたします。
 次に、議事8「ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針に関する専門委員会の設置について」です。事務局より報告をお願いいたします。
○尾崎研究企画官
 これ以降は科学技術部会への報告事項になります。まず資料8です。「ヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理指針に関する専門委員会の設置について」は、前回の部会でその設置が認められたということで、今般委員の指名について、別紙のとおりのメンバーで、厚生労働省の専門委員会はこのメンバーで行うと。いま事務的に指名の手続中というところで、いまは案となっているものです。これを含めて、3省庁で合同で検討していく予定です。
○永井部会長
 ご質問、ご意見はございますか。よろしいでしょうか。
 次に、議事の「その他」です。「第4期科学技術基本計画について」です。事務局より説明をお願いいたします。
○尾崎研究企画官
 資料9「第4期科学技術基本計画策定の経緯について」です。先ほど別のところで少し説明いたしましたが、現在は第3期科学技術基本計画の最終年度でして、第4期の科学技術基本計画の策定について、総合科学技術会議が中心となって進めているところです。
 1頁の1.「これまでの検討経緯」です。平成21年9月に検討を始めるという話が出まして、平成22年12月24日に、その検討のまとめということで、2枚目以降のものがまとまっているところです。この内容については、総合科学技術会議で、2.「今後の予定」というところで、総合科学技術会議の答申を受けて、政府において第4期科学技術基本計画の年度内の閣議決定に向けて、作業をしている状況ですので、その状況についての情報提供です。
○永井部会長
 ご質問、ご意見はいかがでしょうか。
○今井委員
 202030と、要するに女性の活用を2020年までに30%以上にしろという国連のお達しがあって以来、一応いろいろなところで、各省庁で女性の起用は多くなってきているようで、この間も審議会の本会議も、委員の方々が18対10で、3分の1をクリアしている状況になっていたのは、喜ばしいことなのですが、「女性研究者の活躍の促進」というのが載っていますが、これは大いに進めていただきたいと思うのですが、これを活用せよと言っている間は、まだフェアになっていないので、それを意識しなくてもできるぐらいの方向によろしくお願いいたします。
○永井部会長
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、ただいまの報告を承ったということにいたします。
 本日の議事は以上です。事務局から連絡事項はございますか。
○尾崎研究企画官
 次回については別途ご連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
○永井部会長
 長時間どうもありがとうございました。これで終了いたします。


(了)
<【問い合わせ先】>

 厚生労働省大臣官房厚生科学課
 担当:情報企画係(内線3808)
 電話:(代表)03-5253-1111
     (直通)03-3595-2171

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