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2011年2月25日 第60回労働政策審議会職業能力開発分科会議事録

職業能力開発局

○日時

平成23年2月25日14:00〜16:00


○場所

厚生労働省 専用第23会議室 (19階)



○議題

○今野分科会長 時間になりましたので、ただいまから第60回労働政策審議会職業能力開発分科会を開催します。本日は、大久保委員、水町委員、大江委員、高倉委員、澤田委員、阿部委員、荒委員、浦元委員、大野委員が欠席です。
 議題に移ります。お手元の議事次第にあるように、今日は「平成22年度「能力開発基本調査」結果の概要について」、「第9次職業能力開発基本計画について」の2つです。1番目の議題から入ります。事務局から説明をお願いします。

○白兼基盤整備室長 平成22年度の能力開発基本調査の結果がまとまりまして、一昨日、23日に新聞発表をしましたので、その結果について報告させていただきます。後ほどご審議いただきます第9次計画におきまして今般の調査結果の数値が引用されております。この調査については、資料1にプレス発表した資料を用意しています。1頁のポイントにあるように、3つの部分から構成されています。企業等の能力開発の方針を聞く部分と、事業所で実際にどのような能力開発等が行われていたかということを確認する部分と、事業所で働いている個々の従業員の方が、実際にどのような能力開発を受講したかを調べる。この3つの部分から構成されています。
 今回の平成22年の調査については、基本的に平成21年度中に事業主の方が、従業員の方がどのような能力開発の取組みをしたか、受講したか等を調べたものですので、内容的には平成21年度のものとご理解いただきたいと思います。
 お手元の資料ですが、いま申し上げました3つの部分ごとに特徴として、企業の方針とOJT、OFF-JT、自己啓発支援を事業主がどのようにやったか。従業員の方が、OFF-JTなり、自己啓発をどのように受講されたかという部分を取り出して、まとめて新聞発表をしたわけです。
 資料1の3頁からが概要です。これは、企業における能力開発の方針です。3頁にあるのは、能力開発するのに全体の労働者の方の底上げをするのか、一部選抜した労働者の方の能力開発を特に重視してやるのかという方針について経年で聞いたものです。やはり全体の労働者の方の能力アップをする率が、正社員の方も正社員以外の方も多くなっています。特に、今回の大きな特徴といえるのは、2つあるうちの上のグラフです。正社員の方の方針については、全体の能力アップを図るというものが過半数を超えたということが見ていただけるかと思います。正社員以外の方についても、ほぼ過半数の企業が全体の底上げを図ることを方針にしていることが言えると思います。
 4頁目は、OJTを重視するか、OFF-JTを重視するかという方針を聞いたものです。左側がOJT重視、右側がOFF-JT重視というグラフの形になっています。凸凹していますが、やはりOJTを重視するものが大多数を占めている状況が見ていただけるかと思います。以上が企業の方針です。
 5頁以降は、事業所が具体的にいかにOFF-JTなり、OJTなりをやったかを見たものです。5頁は、計画的なOJTを実施した事業所の割合です。3年間の動きを見ていただくと、凸凹がありますが、ほぼ並んでいます。正社員の方についていうと、6割近くの事業所がこの1年間と前の1年間において、計画的にOJTを実施していると。正社員以外の方については、実施率が低くなっていますが、ほぼ同様の3割弱の事業所が実施していることをご覧いただけると思います。
 6頁は、産業別等です。後ほどいくつかの項目がありますが、このグラフはここにあるような同様の特徴があります。電気・ガスや水道業等、あるいは金融、保険業と。あるいは製造業もそのうちに入りますが、高い部類に入っているところが見て取れるかと思います。6頁の下にあるのが、OFF-JTの実施状況です。平成19年度に実施したもの、平成20年度に実施したもの、平成21年度に実施したもの、3年間の状況ですが、ご覧いただけますように、昨年調査でガクッと実施率が落ちて、今回もわずかに落ちていますが、ほぼ同率ということで推移したことがご覧いただけるかと思います。OFF-JTの実施割合についても、正社員以外については低くなっている状況があります。7頁の産業別は、先ほど申し上げたように、金融や電気・ガス等が高い状況にあります。
 8頁は、従業員の方が行った自己啓発に対して、何らかの支援を行ったかどうかという結果です。先ほどのグラフと同様、平成20年度は平成19年に比べてガクッと落ちて、今回も少し落ちた結果であったということです。正社員と正社員以外の状況についても、同様に正社員の方の支援の実施率が低い状況です。
 実際にどのような支援を行ったかというのが9頁の上のグラフです。金銭的援助を行ったという事業所の割合が高くなっています。項目の順位は前回調査結果と変わっていません。いちばん多いのは金銭的支援です。次に情報提供、勉強会等の援助という順番になっています。9頁の下のグラフは、前回の分科会でも議論になった点です。OFF-JTにどれぐらいの費用を支出しているか、自己啓発支援に対してどれぐらいの費用を支出しているかですが、労働者1人当たりの金額は平成20年度と同額でした。1人当たりOFF-JTについては1.3万円を使った、自己啓発支援については0.4万円を使ったという結果が出ています。
 10頁からが個人調査ということで、従業員の方が実際にどのようなOFF-JT、あるいは自己啓発の受講をしたかという内容です。OFF-JTを受講した労働者の割合を見たものが10頁の上のグラフです。平成20年度については、平成19年度に比べてガクッと落ちたわけですが、今回はわずかに実施割合が伸びたということです。これは、正社員の方、正社員以外の方についても同様の結果が見られました。下のグラフです。OFF-JTの受講内容ですが、前回調査結果と項目の順番は変わっていません。いちばん多かったものは、マネジメントの管理能力を高めるためのOFF-JTであり、ついで品質・安全を高めるためのOFF-JTであり、次にビジネスマナー等のOFF-JTということで続いています。
 11頁は、自己啓発を実際にどれぐらいの方が行ったかというものです。OFF-JT受講と同様の結果です。平成20年度と平成21年度はほぼ同水準で、正社員の40%が実際に行った、正社員以外の方ですと2割の方が行ったということで、同様に正社員以外の方の実施割合が低くなっている状況です。自己啓発の内容については下のグラフにあり、経年別に見て多いもの、少ないものの順番は同様の順番で推移しています。いちばん多いものは「現在の仕事に必要な知識等を身につけるための活動」、2番目に「将来の仕事やキャリアアップに役に立つもの」ということで、受講をされています。
 この資料の最後の頁です。自己啓発に問題があったかどうかを確認したものです。平成20年度について、平成19年度に比べてわずかに問題がある方の率が少し増えたわけですが、今回は正社員の方も正社員以外の方についても、昨年並みの率で問題があったというふうに答えています。8割近い方が何らかの問題があると答えています。その内容は下のグラフです。時間的に余裕がないということがいちばん多い問題点として指摘されています。次に費用がかかりすぎるというものです。3番目が自己啓発の結果を社内でどう評価されるか、されていないのではないかというふうな問題点。次は、家事や育児が忙しいのでというものに続いています。この並びもほぼ同様の傾向が続いています。
 今般の結果で、例えばOJTなりOFF-JTの実施状況についての評価は、いま実施割合等のグラフをいくつか紹介させていただきましたが、例えば8頁にある自己啓発の支援を行っている事業所の割合等にある典型的な形です。平成19年度から平成20年度にかけてガクッと割合が落ち、今年度わずかにまた落ちたことから事業所の取組みについては、全体として低下傾向という評価をさせていただきました。平成21年度調査は低下と評価させていただきましたが、今回は全体として低下傾向。底打ちとか下げ止まりということはまだ見ることができないこともありますので、こういうふうな評価をさせていただきました。
 今般の結果については、職業評価、能力評価の状況ですとか、そういった内容も今回調べていますので、こういったことを含めた報告書については、年度内にまとめさせていただいて委員の皆様方にお送りする予定です。以上です。

○今野分科会長 ありがとうございました。何かご質問ありましたらお願いします。

○新谷委員 資料を拝見しますと、調査時点が昨年の9月で前回の状況は平成21年度ということで、資料の中に職業能力開発に対する方針があまり詳しく出ていないという状況があります。相変わらず、正規と非正規の格差が続いている。かつ、非正規の方々の割合が増えている中で、企業の従業員、労働者に対する職業能力開発の方針が不自然ではないのか。それでは、日本の競争力を将来危うくしかねない可能性もある。もちろん業績が非常に厳しかったというのは重々承知をしていますが、日本のいままでの強みであった企業内での職業能力開発を、是非また復活していただきたいという感想です。以上です。

○今野分科会長 ほかにいかがですか。いま、質問が出た金額ですが、平成20年度調査と平成21年度調査が半分ぐらいにガタッと落ちていますよね。落ち過ぎではないですか。サンプル調査になっているから、調査対象企業が少し中小企業に寄ったとかいう影響があるのではないですか。落ち過ぎ。

○白兼基盤整備室長 規模別に層化して、同じ率を取っていますので、企業規模がどちらかにずれたということはありません。

○今野分科会長 層化するということは、調査表をまくときに層化しているわけですか。

○白兼基盤整備室長 そうです。企業を選択する際に。

○今野分科会長 でも、回収のときに。

○白兼基盤整備室長 大企業より中小企業のほうが、たくさん回収できているのではないかという趣旨ですか。

○今野分科会長 これ、いくらなんでも下がり過ぎだから。9頁は約半減でしょう。もう少し社会現象と。

○上原委員 関連になるかどうかわかりませんが、我々の経験ですと、例のリーマンショック以降、仕事がない状況があって、休業しながら教育訓練を受ける制度がありましたよね。最初は、大変厳しかったのですが、段々緩和されて、積極的に利用した年度があるのですね。だから、景気が回復してきたので、終わって反動が出たみたいな部分があるかもしれません。

○白兼基盤整備室長 今野分科会長のご指摘ですが、平成19年の結果と平成20年の結果のガクッと落ちた状況を見たときに、規模別に大企業のほうが大きく落ちているとか、あるいは中小企業が落ちているとかはなく、全体的に半減しております。

○今野分科会長 全体的に半減している。

○白兼基盤整備室長 はい。

○今野分科会長 設問内容を変えていないですよね。

○白兼基盤整備室長 変えていません。企業ごとに全体として「OFF-JTにいくら使いましたか」、「何人従業員がいますか」ということで、単純に割って平均を取っています。

○今野分科会長 ほかにありますか。

○黒澤委員 それに関連して、本当にちょっとしたことです。10頁の図14の個人から見たときのOFF-JTを受けた比率は、事業所に比べて、ちょっと今年度上がっていますよね。しかしながらこれは従業員サンプルで大企業出身者の比率が多くなったからということではなくて、数値を計算するときウエイトバックされているということですよね。

○白兼基盤整備室長 そうです。

○今野分科会長 ウエイトバックしているのかね。

○黒澤委員 この数字を計算するときに。

○白兼基盤整備室長 規模別に見たときに、例えば大企業であるからということではなくて、全体的に少し上がっている状況です。

○上原委員 設備投資も関係があるのですよね。機械を新たに入れると、ものづくりですと、一通り買えばそこで教えてくれるのですが、面で広げようとすると以降は有料ですよということがあって、何人出すかによりますが、そういう意味では、設備はものづくり系でいうと、減るとそういうのは要らなくなるわけです。海外に行くとなくなるということはあるかもしれません。

○今野分科会長 よくわからないですね。いろいろなことが考えられるということなのですね。

○上原委員 難しい話ですが、もっと質問を掘り下げるような工夫があると、具体的なイメージが教育の中身まで触れているのですか。触れていないですよね。作業が大変になりますが、そこを触れていくと個別要素の凸凹が少しわかると、構成要素の中身がわかると傾向がつかめるようなことがあるかもしれません。

○白兼基盤整備室長 先生方の需要を満たすにはそのほうがいいと。

○今野分科会長 我々の需要ですか。

○新谷委員 例えば、9頁のOFF-JTに支出した1人当たりの平均額もガクッと半減していると先生からご指摘がありました。ちょうどいま、分配をめぐって春の交渉をやっていますが、総額人件費管理という下で、効果に時間のかかる能力開発は不要不急と言ってすぐに切られがちな項目なのです。目の前の賃上げの原資を確保するために、OFF-JTの費用はとりあえず抑えておこうということがあるのではないかと思います。

○今野分科会長 ほかにありますか。

○浅井委員 12頁の図19に非常に、日本の職場の象徴的な回答が出ていると思うのですが、正社員は仕事が忙しくて自己啓発の余裕がないと。正社員以外は家事・育児が忙しくて自己啓発の余裕がない。まるで、M型を連想させるような、要は女性で子どもが2人ぐらいいる方は、正社員以外が圧倒的に多くて、その人たちは子育てとの両立が厳しくて、正社員になる機会もなければ、自分をスキルアップする機会にも恵まれない。ひょっとしたら、この中に母子家庭で苦しんでいる方も入っているのではないかと非常に危惧します。
 ワーク・ライフ・バランスといくら言っても、実際に子どもが何人もいて、生活に追われていて、なかなか正社員としてのポジションを確保していくことができない。1週間ぐらい前に保育園の受入れ人数が足りないことがマスコミでも非常に問題になりましたが、図19を見ると、きわめてきれいな形で、悲鳴を感じる図が出ているのではないかと思います。

○今野分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。またそのうち詳しい報告書が出ると思います。そうすると研究者の要望にも答えられるかもしれません。
 最初の議題はこの辺にさせていただいて、次に入ります。2番目は「第9次職業能力開発基本計画について」です。まず説明をお願いします。

○井上総務課長 お手元の資料2-4をご覧ください。前回のご議論を踏まえるなどして修正いたしております。修正をした後の姿は資料2-1ですが、それでは前回のご議論を踏まえた修正の部分がわかりにくいこともありますので、資料2-4は見え消しの形で用意したものです。
 資料2-4の3頁をご覧ください。今回の修正の種類には、大きく3つございます。1つ目は前回のご議論を踏まえての修正です。2つ目は、前回ご議論をいただいてから、いまの能力開発基本調査もそうですが、この計画の中に数値を引用している統計において、調査統計の最新の結果をいくつか反映しております。3つ目は、関係省庁、都道府県等の関係機関との協議を並行して行っておりますが、それを受けての修正も盛り込んでおります。
 3頁の1の(1)、(2)の関係です。これは、前回まで「総説」ということで一連のものとして文章を書いていたものを見やすくする観点で、(1)(2)という区切りを付けています。同時に、前回の書き方では、いわば攻めの人材育成と守りの人材育成という性格が見えにくいというご指摘を踏まえ、(1)では成長分野、ものづくり分野の人材育成を攻めの部分とし、それから(2)でセーフティネットの関係を守りの人材育成の形で整理しております。3頁については以上です。
 5頁から8頁にかけては、第2部の「職業能力開発をめぐる経済社会の現状」です。
 先に8頁をご覧ください。〈注〉のところです。先ほど申し上げましたように、調査統計の最新の結果が出ております。「労働力調査」を引用しているものについての関連の修正は青色で、「賃金構造基本統計調査」を引用している部分の修正は黄色網かけで、「能力開発基本調査」を引用している部分の修正は紫色でということで、整理しております。
 5頁に戻りまして、この中で赤字の部分は、前回のご議論を踏まえ、あるいは表現ぶりを揃えた修正です。青字なり、黄色網かけの部分は、先ほど申し上げた関連の調査統計の最新結果を踏まえたものです。ただ1点、いちばん最後の行で、「民間企業における課長職以上の女性の割合も6.2%」ということですが、前回のバージョンではその数字を「労働力調査」から引用しておりました。この部分について、関係部局から「賃金構造統計基本調査」の数字を用いることが一般的である旨の指摘がありましたので、「賃金構造統計基本調査」の数字に置き換えております。
 7頁をご覧ください。先ほどの「能力開発基本調査」にもありましたが、企業の労働費用に占める教育訓練費の割合です。これについては、前回さまざまなご意見がございました。それも踏まえ、4行目以下ですが、「平成19年度は2.5万円である一方、平成20年度及び平成21年度は1.3万円となっており、平成19年度の約半額にとどまっている」という形で、修正しております。
 9頁は、第3部の「職業能力開発の実施目標」ということです。そこで4つの柱を立てております。その1つ目は、成長が見込まれる分野・ものづくり分野における人材育成の推進です。前回、この実施目標の部分についても、グローバル化に対応する人材育成を記述することが必要ではないかというご指摘を踏まえ、1の最後のほうに、「また、今後海外への企業進出」以下、3行を加えております。
 10頁をご覧ください。実施目標の3番目、教育訓練と連携した職業能力の評価システムの整備の部分です。下から4行目に、「企業内における適切な能力評価、労働者に対するキャリア形成やスキルアップのインセンティブの付与」ということで書いております。これは、前回、職業能力評価制度、システムについて、どのような役割あるいは効果があるかについてのご議論を踏まえての修正です。
 同頁の4、我が国全体の職業能力開発のプロデュース機能の強化についてです。上から1行目から5行目までを修正しております。「産業構造の変化や国際競争の激化、非正規労働者の増加が進む中で、成長が見込まれる分野の人材育成や雇用のセーフティネットの強化等、現在の我が国の状況においては、職業能力開発に対するニーズが高まっている」と、文章を整理しております。
 12頁は、第4部「職業能力開発の基本的施策」についてです。ここで、大きく8本の柱になっております。その1つ目の柱として、成長が見込まれる分野・ものづくり分野における人材育成の推進、さらにこれを2つに分けて、その1つ目の成長が見込まれる分野における人材育成の推進ということです。この12頁の上から3分の2のところですが、新成長戦略においても、「雇用人材戦略」においてから以下の3行を削除しております。これは、前回のご議論において、委託訓練の就職率の目標の65%が目標として高いと言えないのではないかという指摘を踏まえたものです。
 13頁をご覧ください。13頁の最後の部分、「グローバル化の進展の下では」のところです。これについては、次の14頁のいちばん下の部分「ものづくり分野においても、グローバル化の進展の下では」と併せてご覧ください。前回の成長分野においても、ものづくり分野においてもグローバル化に対応した人材育成が必要というご議論を踏まえて、成長分野・ものづくり分野それぞれに、グローバル化に対応した人材育成について書いております。ただ、それぞれの分野の特徴に応じて書き方は違えております。成長分野については、今後公的にどのように人材育成を支援していくかについて、「企業による人材育成や労働者個人による能力開発を国が支援していく必要がある」という方向性に絞って書いております。
 14頁、ものづくり分野については、1つにはものづくり分野ということで、「海外で技術的な指導ができる人材」ということを入れております。それから、ものづくり分野についてはこれまでも人材育成の実績も相応にあることを踏まえ、支援メニューとしてキャリア形成促進助成金など、具体的な支援メニューを例示しております。
 15頁、非正規労働者等に対する雇用のセーフティネットとしての能力開発の強化の(2)第2のセーフティネットの創設の、下から2行目、「第2のセーフティネットとして、職業訓練及び給付」となっていたところを「就職支援」を加えた形で整理しております。
 16頁はジョブ・カード制度の普及促進の部分です。上から3行目です。前回のバージョンでは、「正規雇用への移行や転換」ということで書いておりましたが、表現としてわかりにくいこともあり、「正社員としての就職や、企業内における正社員へのステップ・アップ」という形で修正しております。同じく16頁の3 教育訓練と連携した職業能力の評価システムの整備の(1)の部分です。そこで、「企業内における適切な能力評価」以下の部分ですが、先ほどど同様の趣旨で修正しております。
 18頁は4本目の大きな柱、職業生涯を通じたキャリア形成支援の一層の推進の部分です。(1)個人の主体的な能力開発の支援の3行目、新成長戦略の「雇用・人材戦略」においてもから以下の4行を加えております。この4行の部分については、前回のバージョンでは、企業による労働者の能力開発の支援の部分に位置づけておりましたが、個人の主体的な能力開発の支援の部分に、ご指摘を踏まえ、移し変えております。
 その(1)の中ほどの「中高年期において培ってきた知識・経験等を活かし自律的にキャリアの見直しを目指す時」は、中高年齢者に対する能力開発の施策の記述が足りないのではないかとのご指摘を踏まえて修正したものです。
 同じく、18頁の(2)企業による労働者の能力開発の支援ですが、そこの1行目から2行目にかけて、「企業が自ら労働者の能力開発を行うことは、企業が求める人材の育成につながるものとして重要であり」という形で修正しております。下から3行目のところ、「また、設備・訓練指導員・訓練ノウハウ・資金等の面で」ということで、これは前回のご議論のご指摘を踏まえ、企業が自ら職業訓練を実施するに当たって、困難となる事情を具体的に例示列挙しております。
 19頁の(3)キャリア教育の推進については、1行目から4行目にかけて、キャリア教育の推進の必要性など、背景にわたる部分を書き加えております。
 20頁は、特別な支援を必要とする者に対する職業能力開発の推進です。4行のところです。前回は、この長期失業者、学卒未就職者等々と、就職困難な特別な支援を必要とする方が就職困難となっている事情について、全部列記した形で書いておりました。それについては、そうするとそれぞれの類型の方がすべての要因に当たると見えてしまうというご指摘を踏まえて、(1)から次頁の(4)、それぞれの部分においてそれぞれの類型の方について、就職困難となる要因を書き分けた修正をしております。
 23頁をご覧ください。8 我が国全体の職業能力開発のプロデュース機能の強化の(1)国のプロデュース機能の強化の必要性のロの部分の6行目以下を整理しております。「人材育成において企業が果たす役割の重要性に変わりはないが、成長が見込まれる分野の人材育成や雇用のセーフティネットの強化等、職業能力開発に対するニーズの高まりに応えていくためには、多様な訓練の担い手を活用しつつ、今後とも職業能力開発施策の質と量の両面にわたる充実を図っていく必要がある」と、整理しております。
 25頁は、インフラ整備の中のロ 職業訓練に係る情報の提供・品質の確保の部分です。その5行目で、「また、職業能力開発施策についての」以下の4行を加えております。これは、前回のご議論において、能力開発施策のメニューなどについての情報発信も1つのインフラではないかとのご指摘を踏まえたものです。
 28頁をご覧ください。インフラとしてのホ 職業訓練の実施体制の整備の?@の最後です。「さらに、国は都道府県とともに」以下の2行を加えております。これは、前回、職業訓練の受講機会の確保についても記述が必要ではないかというご指摘を踏まえたものです。
 最後に、29頁、職業訓練の実施体制の整備の中です。そこの1行目で、「中央訓練協議会や地方訓練協議会において、教育機関や関係行政機関と連携しつつ」と、これは関係行政機関などとの連携を、記述的ではないかというご指摘を踏まえ、修正したものです。説明については以上です。

○今野分科会長 それではご質問・ご意見をお願いいたします。

○中村委員 資料2-4よりは資料2-1のほうがわかりやすいものですから、資料2-1で意見を申し上げたいと思います。先ほど能力開発基本調査の結果が報告されましたが、7頁の(2)に、その結果を踏まえて、それぞれ年度の数字が載っておりますが、(2)の6行目、「平成19年度は2.5万円である一方、平成20年度及び平成21年度は1.3万円となっており、平成19年度の約半額にとどまっている。」と。いわゆる、先ほどの調査結果の単なるデータの紹介ではなくて、そのあとに「平成19年度の約半額にとどまっている」ということで、客観的な分析評価がなされているわけです。
 その6行ぐらい下には、OJTとOFF-JTの数字が並んでおります。これについても、単なるデータの紹介だけではなくて、「平成21年度は31.4%と低い水準にとどまっている」ということで、客観的な分析と評価がなされているわけです。
 しかし、その次、今度は正社員と正社員以外での数字が載っておりますが、ここでは単なるデータの紹介しかない。例えば、「正社員以外では平成20年度は41.3%、平成21年度は38.0%となっている」、ここで終わっているわけです。これは、先ほど2つ紹介しましたが、単なるデータの紹介ではなくて、やはり客観的な分析評価を1行ぐらい入れるべきではないかと思いますので、ご検討をいただきたいと思います。以上です。

○今野分科会長 それは、正社員と比べて低いということをちゃんと書いたほうがいいということですね。

○中村委員 そういうことです。

○今野分科会長 そのすぐ下に、7頁目の下から、第3パラグラフのいちばん最後の行の下から2行目のところに、「非正規労働者は、実際の職務においても単純な職務に就き続ける傾向にあり、職業能力開発形成機会が乏しい者が多い」と書いてあって、これはたぶん気持としては、正社員と比べて訓練機会が少ないということだと思うのですが、これよりはもう少し強めに書いたほうがいいですか。

○中村委員 うん、まあそう読めないことはないのだけど。

○今野分科会長 では、そこをもう少し明確に、はい、わかりました。たぶん書いている趣旨はそういうことだと思うのですが。

○井上総務課長 御指摘を踏まえ、整理をさせていただきたいと思います。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○新谷委員 資料2-4の9頁の1の最後の追加をされたところは、前回ご指摘申し上げ、追加をしていただいて良くなったのです。ただし、これを拝見しますと、「また」の書き出しの中で、海外への企業進出、海外での事業展開の増大と、そのグローバル人材があたかも日本国外に出ていくばかりに見えてしまうのです。グローバル人材と言ったときに、例えば、いま政府で進めようとしている、社会インフラのパッケージ型の輸出、鉄道とか原子力発電所、どちらも非常に二酸化炭素を出さないエコな製品をパッケージで輸出するということを政府としていま推進をされているわけですが、ああいうものはまさしく、海外の需要を国内の雇用につなげていくタイプの海外での事業展開だと思っています。そういった意味では、そういう国内での雇用の増加に結びつけるようなグローバル人材というのもありますので、それがわかるような書きぶりを工夫していただけないかというのが1点です。
 あと2つあります。2点目は、資料2−4の16頁にジョブ・カードについて記述されていますが新成長戦略で、「ジョブ・カードの取得者300万人」という目標が非常に高いハードルとして示されております。今回の9次の計画の中でも、ジョブ・カードを能力開発の基本的なツールとして位置づけるということ、従来のタイプに加えて、公共職業訓練や第2のセーフティネットである求職者支援制度についても期待されると書かれているわけです。これは、現在の普及状況が目標に対してはかなり頑張らないと到達しない現状の中で、今度の9次計画の中でも、かなり力を入れてやらないといけない取組みだと思っております。
 そのあとに、「また、教育訓練と連携した能力評価のシステムにおけるツールとしても活用」と書かれているのですが、このジョブ・カードを今後社会的に普及させていく、あるいは取得者を300万人にするということになると、かなりその能力開発におけるインフラの整備にもつながってくると思います。この基本的な施策のツールであるとともに、能力評価システムとしても重要な連携を持って、このジョブ・カードを使っていく。そのためにかなり政策的に重点的に投入していくということを、あるいはかなり力点を入れてやるんだということを、連携がよくわかるように、記述を工夫していただいたらどうか。この前、事業仕分けでかなりやられた部分でもあり、やはりここは重要なポイントだと思いますので、ツールと評価システムの連携と政策的な強化というところはもう少し盛り込んでいただければというのが、2点目です。
 最後は、28頁の「ホ 職業訓練の実施体制の整備」の上のほうに、国と都道府県、民間との連携というのが書かれてあって、こういった我が国の訓練機関が連携を持ってやっていくという書きぶりについては異存はないのですが、政策的なリソースの配分を考えたときに、能開機構への政府の財政的な支援と地方自治体の訓練への財政的な支援を考えたときに、その訓練受講者1人当たりのリソース配分というのが本当に適正なのかということを指摘する声もある。それは検証できるものがよくわからないのですが、もしわかれば、訓練定員1人当たりの能開機構といいますか、国における経費、それに対する国の補助、それと地方での定員当たりの経費と国からの補助、これらがどういう関係になっているのかというところを、わかれば教えていただければと思います。以上です。

○井上総務課長 まず、1つ目のご指摘、9頁の関連のところです。こういった企業の海外進出など、いわば外に向けての部分だけではなく、国内の雇用に結びついていくような、「新成長戦略」にもご指摘のような、日本のシステムなりをパッケージで移転していくことが書かれております。その点については、趣旨としては、2行目の「我が国がアジアと共に成長するためには」というところで、若干そこを触れたつもりですが、おっしゃられたような点、パッケージ型のシステムの移転に伴って必要となってくる、グローバル化に対応できる人材の育成ということで、少し記述のほうを工夫させていただきたいと思います。

○今野分科会長 結局それは輸出するという話ですね。そうすると、パッケージ型というのはその一例だから、もう少し一般的に書いたら。ですから、パッケージ型のインフラ型のものだけを特化、それをすごく意識して書いてしまうと変になってしまうので、もう少し、輸出でもいくぞというような感じの書き方のほうがいいと思いますけど。修正していただくということで。

○井上総務課長 はい、承知いたしました。そして2つ目のご指摘の16頁から17頁にかけてということになりますが、16頁で3つ目のパラグラフのところ、ジョブ・カードをその職業能力開発施策における基本的なツールとして活用すると。これに加えて、評価の部分でもジョブ・カードの活用を書くべきではないかというご指摘かと思います。
 これ16頁から17頁に、教育訓練と連携した職業能力の評価システムの整備ということで、17頁で少しわかりにくいのですが、真ん中より少し下のところで、「またジョブ・カードについては、教育訓練と連携した能力評価のシステムにおいて、訓練歴の記録等のツールとして有効に活用していく」ということで、触れてはおりますが、もう少しその能力評価におけるツールとしての活用の趣旨が明確になるような形で、書きぶりあるいは書く場所を工夫させていただきたいと思います。
 28頁に関連して、国、雇用能力開発機構が行う職業訓練と、それから都道府県が行う職業訓練で、訓練定員1人当たりのコストがどうなっているか。そういった意味でのリソースの配分がどうなっているかというご指摘かと思います。
 これはなかなかストレートに比べていくというのは難しい面があります。訓練の種類にも学卒訓練、在職者訓練、離職者訓練とあります。離職者訓練についても、期間の長短などあります。その意味で、一般的な業務統計的なものは私どももとっておりませんが、平成20年度に開催されました雇用能力開発機構の在り方検討会において、雇用能力開発機構、それから都道府県がそれぞれ行う、その施設内の離職者訓練について、訓練生1人当たりの経費の比較が行われております。都道府県については個別の都道府県にお願いしまして、サンプル的に調査をしたものです。結果を申し上げますと、訓練生1人当たり施設内訓練、これ6カ月ですが、機構が約80.7万円。それから3つの県にお願いしましたが、93.1万円、73.2万円、83.3万円。経費として見ると、同程度であるという結果が出ております。これは全体的網羅的に捉えたものではありませんが、1つの例として紹介いたします。

○井上委員 見やすいので、資料2-1のほうでお願いいたします。11頁の下から3行目に、「平成32年までに公共職業訓練受講者の就職率を、施設内訓練については80%とすることを目標としている」と記載があります。委託訓練については、今後、雇用・能力開発機構から都道府県に移管されるのだと思うのですけれども、離職者訓練の就職率ですが、能開機構の施設内訓練は平成21年度で79%という数字が出ているかと思います。一方、都道府県の委託訓練は、同じ平成21年度の調査では57.4%ということで、最も低くなっているのが現状ではないかと思います。そうすると、80%という目標を達成するために今後どのようにして引き上げていこうと考えていらっしゃるのか、現段階で何かあれば教えていただければと思います。

○田畑能力開発課長 能力開発課長でございます。いま、施設内の雇用の状態が低いことと、都道府県の就職率のデータのご紹介がありましたけれど、私のいま手元にあります、平成22年度の現時点の数字ですと、雇用・能力開発機構が80.9%、都道府県が65.6%。都道府県のほうが低い状況にあるという現状でございます。今後、都道府県の施設内の就職率を上げていくことが必要でございますので、雇用・能力開発機構が有しておりますいろいろな就職支援のノウハウ、こういったものを都道府県のほうにも提供したり、また、都道府県に対して、私どもはいろいろなヒアリングの場ですとか意見交換の場もございます、そういったところで就職支援の取組みを強化していただくようなお願いをする。そういったノウハウの提供とか、都道府県の取組みを促すことによって、引上げを図ってまいりたいと思っておりますし、また、今後いろいろご意見もいただきながら、都道府県の施設内の就職率向上に取り組んでまいりたい、現時点ではこのように考えております。

○新谷委員 いまの点に関連してなのですが、世の中、民間でできるものは民間にという動きがあって、訓練の世界もそういうことになってきているのかなと思うのです。実は、公共職業訓練の施設内訓練、これは能開機構もそうですし都道府県もそうだと思いますけれども、少人数の定員で専任の指導員の方がついていただいて、入校から訓練修了まで本当にマンツーマンで面倒を見ていただいていると思います。学卒者訓練に入ってこられる方は、最近はちょっと違うかもしれませんけれども、実際に現地に視察などに行かせていただくと、やはり、学校教育の中でどうもうまく適応できなかった方も含めて公共職業訓練施設で見ていただいていて、学校を卒業しても一人前に就職できない方を、半年とか1年の訓練の中できちっと育てていただいて、社会に送り出していただくという、非常に素晴しい訓練をやっていただいていると思うのです。そのときにやっぱり、なぜ就職率がこれだけ施設内訓練が高いのかというのは、マンツーマンで見ていただく専任の指導員の方がいるからではないか。
 それが民間への委託になったときに、民間は講師の方々が非専従で、時間講師が非常に多いという話も聞いていますので、マンツーマンの教育がたぶんできないのではないかという危惧があって、それがいまのこの就職率の違いに出ているのではないかと思っています。ですから、官から民へという動きはいいのですけれども、民に移す際にも、その辺の、訓練だけではなくて、就職に繋げる指導体制をどのように確保していくのかというところをきちんとやっていただきたい。これを要望として申し上げておきたいと思います。

○井上総務課長 民間の教育訓練機関で職業訓練が行われる場合にも適切に就職支援を行っていく。ご指摘のありましたような部分につきまして、いま実施しております基金訓練では、順次、教育訓練機関におきまして訓練期間中にキャリアコンサルティングを実施していただくという形で、就職支援を強化する取組みを促進している状況にございます。今後、創設が予定されております求職者支援制度におきましても、そうした面、訓練の実施機関における就職支援が適切になされるような方向での、行政としての取組みも強めていきたいと考えております。

○黒澤委員 いまのに関連して、これはジョブ・カード制度にも言えるのですけれども、訓練を提供する人間が、訓練の過程で得るその人の能力情報というものをもとに就職先をコンサルすることによって、就職のマッチングの質を高めることができる、そういうものが達成できる、そういうメカニズムというのは非常に重要ですので、そこを是非担保していただきたいというのが1点。
 それからもう1つ、いまの話を伺ってちょっと申し上げたいことがあります。この計画の中に盛り込めないのかもしれないのですけれども、訓練を提供する方の質の確保という意味において、実は、能開機構の方などの話を伺っていると、離職者訓練だけを提供するのではなくて、在職者訓練をも同時に教えるということを通して、最新のノウハウというか、最新の訓練を、自分も指導員として学ぶことができ、だからこそ基礎的な離職者に対する訓練についても非常に質の高い教育を提供することができる。こういった補完性というものを伺ったことがあります。
 今後、能開機構がどうなるのかというのはちょっとよくわかりませんけれども、そうした中で、在職者訓練と離職者訓練を分離するですとか、そういった方向性になると、その辺りの補完性が崩れて、訓練者の方の質の担保という面でも懸念されるのではないかと思いますので、その辺りも是非お考えいただきますようお願いいたします。

○井上総務課長 まず、1点目のご指摘でございます。民間の職業訓練実施機関が職業訓練を行う場合に、職業訓練期間中にキャリアコンサルティングを含めた就職支援を行っていく方向での取組みを強めておりますのは、まさにいま先生からご指摘のあったとおりでございまして、訓練を行う中で把握する、受講者の方の能力の特性ですとか、あるいは就職に結び付けるための情報の把握、これを適切にやっていくことが、キャリアコンサルティングなどを初めとした就職支援を訓練実施機関においてもやっていただく趣旨でございます。
 2点目でこざいます。教える方の人材について、在職者訓練という場を通じて教えるスキルを高める。その意味で、在職者訓練と離職者訓練を分離してしまうのではなく、そこの有機的な連携を持って訓練を実施していくということは、まさにご指摘のとおりだと思います。公共職業訓練におきましては、在職者訓練、離職者訓練これら訓練の連携を図りながら、教える側のスキルが維持・向上されるようにしていきたいと考えております。
 それから、民間の教育訓練機関で職業訓練を実施される場合、現実として見ますとその多くが離職者訓練で、在職者訓練はあまり行われていない状況にございます。ただ、その部分につきましては今後、総合大を見直して、在職の指導員を対象としたスキルアップ訓練を行う中で、これまでは公共職業能力開発施設の指導員が主な受講者になっておりましたが、民間の教育訓練機関の指導員もそうしたスキルアップ研修に積極的に参加していただけるようにして、おっしゃられるような形でのスキルアップを図れるようにしていきたいと考えております。

○上原委員 この柱に、成長分野への人材の育成とセーフティネットの強化との2本柱になっているわけですけれども、最近、不正受給などですね、特に、セーフティネットのほうですね、新聞などにも書かれています。2、3週間前の日経の社説でも、やはり、バラ撒きだというものもあります。現実に事件が起きて、手元にあるこれは21日の朝日の記事ですけれども、訓練を受けないで毎日バイトしていて、それでも10万円もらっていたと。悪用する者がいるわけです。ここで問題なのは、授業費の請求についてはチェック機能が働いていない。だからここでも、これは教育関係の人のコメントですけれども、「国のバラ撒き事業の典型だ」とこう書いてあるわけですね。したがって、この9次の計画の中にも求職者支援法をセーフティネットで恒久化するということが書いてあるわけだけれども、あまり細かいことは書けないと思うのですけれど、チェック機能を働かせるということを書いたほうがいいのではないかという感じがちょっとするのですけれども、その辺はいかがなものかと。

○今野分科会長 何かありますか。

○上原委員 余計なことは書かないのが、当たり前なのかもしれないですけれど。

○今野分科会長 もともと、この報告書の作りからすると、国のプロデューサー機能の中に、結局、訓練の担い手をいろいろな人にやってもらうわけですから、そこの訓練の品質の保証を担保することは非常に重要な仕事で、そこはちゃんとしましょうということは、例えばですけれど、資料2-1の22頁の一番下に「職業訓練に係る情報の提供や品質の確保」というものがあるわけですけれど、結局それの一環なのですよね。だから、品質が確保されていれば不正受給はないわけで。ですから、不正受給問題もこういうところで上手に書くかどうか、あるいはこれで十分かどうかですね、いまある文章で。いずれにしても、いま特定のこの文この文というのはなかなか私も言いにくいですけれど、その問題については広く言えば視野には入っているということだと思うのです。どうしますか、その辺の文章は中をよく見て、いままで書いてある範囲内で十分だったらそのままにさせていただいて、不十分だったらまた書き直させていただくということで。
 いずれにしても、公共が訓練を自分自身でする主体から交替するというのが全体な趣旨ですから、そうするとどこかにやってもらうわけだから、それをどうやってマネジメントして品質を確保するかというのは当然大きな問題ですので、その一環として不正受給の問題もあると思います。だから、不正受給ばかり前面に出るのではなくて、そういう全体のフレームの中で、いまおっしゃられたような問題が十分書き込まれているかという観点からもう一度見させていただくということでいいのではないですか。

○井上総務課長 いま、座長にご指摘いただいた部分が、そこに相当する部分だと思いますが、この部分の記述を精査し、表現についても工夫をさせていただきたいと思います。

○新谷委員 いまの不正受給の話は、この9次計画とは別に後で申し上げようと思ったのですけれど、いま申し上げてよろしいですか。

○今野分科会長 いいですよ。

○新谷委員 まさしく、今週の月曜日(2月21日)に、上原委員がおっしゃったように、朝日新聞の報道から始まって、その後の経過も含めて、かなりマスコミにこの問題が取り上げられていて、新聞報道でしかこれはわかりませんけれど、パソコン教室をやっていた業者が何か協会を作って、10万円もらえるからこの指とまれということでやったと報じられています。まさしく、単なる個人が不正をしたのではなくて、訓練機関が本当に悪意を持って人を集めてやったケースだと思うのです。これは前回のこの分科会でも申し上げたように、不正をやった個人に対しては3倍返しのルールが適用されるので、2倍返しのペナルティーということになるのですけれど、これを通謀したこの訓練機関については、まさしく今回は不正受給を主導しているにもかかわらず、もらった奨励金を返すだけということで、あまりにバランスを欠くのではないか。
 だから本当に、この9次計画からちょっと離れるのですけれど、再発防止という中で、不正行為をやった訓練機関に対してどういう対処ができるのかというところを今後考えないといけないし、この事例を、ちょうど今週この分科会があったので取り上げました。やはり、基金訓練の仕組みでこれをやっているので、こういうものが出たのですけれど、新法に向けてどういう不正防止対策をやるのか。この新聞報道だと、いま上原さんがおっしゃったように、国からチェックしろという指示はなかったとか、時間的余裕もないと、新聞報道では書かれてあるわけで、この辺を厚労省としてどう受け止めて、今後の再発防止に向けていくのだということを、やはりお聞きしておきたいと思います。

○今野分科会長 取り敢えず、9次の計画とは関係なく、もし何かあれば。

○戸ヶ崎主任職業能力開発指導官 まず、基金訓練につきまして、不正受給が報道に出まして、関係者の皆様方にご心配とご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。当面、基金訓練の対応としては、今回の事案について厳正な調査を行った上で必要な処分を行っていくということで、既に調査には着手しておりまして、来週以降本格的に現地調査を含めて対応させていただくというふうに考えております。
 なお、雇用・能力開発機構が中央職業能力開発協会から委託されている事業として、訓練施設にかかるものについて認定基準に合致しているかどうかとか、あるいは巡回指導によって適正な訓練が運営されているかどうかをちゃんと見てくださいという内容になっておりましたこともございまして、各種の支給申請書との整合性を見ることまでは指示をしていなかった部分は確かにございました。今後、全国調査も含めて、雇用・能力開発機構に巡回指導でいろいろと回っていただいておりますので、今後はその巡回指導の一環として、各種の支給申請との整合性なり、不正受給がないかという観点での調査を含めて対応していきたいと考えております。

○松本総務課企画官 一方、新制度につきましては、これは法案要綱の諮問を申し上げた際に御意見をいただいて、その際に私どもから検討中の案としてお答えしたところではございます。まず、法案におきましては、3倍返しの例の規定は、訓練機関の加担によって個人給付が不正受給であった場合には、その部分について訓練機関も連帯してその3倍返しの納付の命令を受けることになるということが、法案には入っていること。このほかに、それでは不十分であることも考えられるという御指摘に対して、不正受給額をお返しいただくのは当然である。また、その旨の事実を公表する。さらに以後の一切の不認定ということはお答えしたところでございます。
 そのほかにも、個々の受講者は毎月定期的にハローワークに出頭を求めるわけですけれども、そういった場合に訓練情報についてお聞きする機会も今と比較すれば増えると思うのですけれど、そういった際の情報なども関係機関で共有して、不正の事案があるのであれば、そういった不正情報に接すれば、直ちに直接の実地調査に入るような対応を取ることを考えております。これからも引き続き検討してまいりますので、また分科会で案をお示ししてお諮りしたいと思っております。

○今野分科会長 それでは、いずれにしても、この9次の基本計画については、私が先ほど整理させていただいたような方向で、もし直す必要があったら直すということにさせていただきますが、よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。

○中村委員 もっと早く気付けばよかったのですけれど。この計画を見ますと、報告書でも計画でもどっちでもいいのですけれど、文言として、「非正規労働者」と「非正社員」と「正社員以外」と同じ表現をするのに使っているのです。確かに、新成長戦略では「非正社員」。先ほど報告があった能力開発基本調査では、これはもう変えられないのだろうけれど、「正社員以外」、こう使っているものですから。変えられないところは変えられないのだと思うので、その出所をしっかりやっておかないと、これは読む人がわけわからなくなっちゃう。もう少し早く気付けばよかったのですが、指摘をしておきたいと思います。

○今野分科会長 ばらばらで入っている。私も気が付かなかったけれど。

○井上総務課長 前回ご審議いただいた以降ですね、今回、修正した案を提示させていただく前に、私どもとしてもできるだけ、同じものは同じ表現を取れるようにとチェックをしているつもりですが、まだ十分でない点はあろうかと思います。引き続き、そうした表現のチェック・修正をさせていただきたいと思います。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○三村委員 キャリア教育に関してです。見え消しが入っている19頁の部分で、だいぶ修正していただき、ありがたく思っておりますが、「総説」にも攻めの部分と守りの部分がありましたが、キャリア教育につきましてはまだまだこのトーンですと守りの、ニート、フリーター対策という部分が色濃くあります。最終的には、キャリア教育は、教育振興基本計画等に示されているように省庁をわたって推進するという積極的な文言を書いていってもいいかなと思っています。例えば、新成長戦略に機能するような人材育成として、キャリア教育をどうするかというトーンも今後は必要になってくるかと思います。
 端的に言いますと、例えば下から2行目辺りになりますか、「教育施策と」というところを、「教育施策あるいは経済産業施策と密接に連携して、総合的な職業能力開発施策を展開する」というトーンで、第9次職業能力開発基本計画辺りから、キャリア教育について打って出る必要があるのではないかと思います。以上です。

○今野分科会長 何かありますか、いかがですか。

○井上総務課長 検討させていただきます。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。

○高橋委員 私は毛色が違いまして、資料2-2の参考資料、1点だけです。27頁に「我が国の人材育成の全体像」があるのですけれども、これは今回新しく作られた資料ではないかと。前にも出していただいていたのですが、今回の9次関連として作られた資料ではないかと思います。その一番大きなブルーの枠囲いを見ると、「実習を重視し、ものづくり産業界における研究者・技術者を育成」ということで、小学校から輪が描いてあるのですけれど、ちょっと無理があるのかなという感じがしますし、総合大とか能開大とかですね、そういうところはまさにこの、実習を重視し、ものづくり産業界における技術者を育成などもやっていますので、ちょっとこの枠の書き方というのですか、範囲といいましょうか、それをちょっと見直しをしていただいたほうが、よろしいのではないかということです。以上です。

○今野分科会長 はい。いいですか。わかりにくいけれど、全体的にこれは。

○井上総務課長 これは、10月だったと思いますが、当分科会のご議論の中でこうした全体像を作ってみればどうかというご指摘を受けて、初めてオリジナルで作ったものでございます。ご指摘のありましたように、青い点線の部分と赤い点線の部分とを完全に、切り分けられるかとか、あるいはオーバーラップするところがあるかということになりますと、これはある程度わかりやすくするために整理したところもありまして、作図的な、技術的な面も含めましてどこまでできるかというところはありますが、工夫したいと思います。

○三村委員 いまの点、高橋委員に反論するわけではありませんけれども。小学校段階というのは非常に重要な部分で、実際に、例えばアメリカ合衆国では、Engineering is Elementaryというプログラムで、小学校から技術者育成をきちんとしているのです。そういうことを考えると、やはり私は、こうした「ものづくり産業界における研究者・技術者を育成」の基盤として、どういうところに興味を持つかとか、どういうところに関心を持たせるかという意味で、小学校は非常に重要な6年間であると思います。私はこのブルーの破線は、小学校も絡めていただければと思います。以上です。

○高橋委員 少なくとも、総合大とか能開大とか短大とかそういうものを、あるいは企業内の認定訓練施設、そういうものはインクルーシブに書くべきではないでしょうか、そう思いますけれども。

○中村委員 広げればいいです。

○高橋委員 はい、そうですね。

○今野分科会長 これ、「実習を重視し、ものづくり産業界における」って、ものづくり産業界以外の産業界は養成しないのですね、これは。そういう問題もあるので。ちょっとこれは考えて。井上さん、ちょっと整理してください。あまりにも、やっぱり、自己評価でできが悪いのであれば、この資料はなくてもいいかもしれないという選択肢も含めて検討してください。

○井上総務課長 検討させていただきます。

○今野分科会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今日もいくつかご意見をいただきました。ただ、これまでも何度もやってまいりましたので、その中で出た多くの意見を踏まえて、今日の案もできています。したがって、今日いただいた案、何点かございますが、それで少し修正をさせていただきます。どう修正をするかをお任せいただいて、それを修正するということを前提に、基本的にはこの分科会ではコンセンサスが形成されたとさせていただければと思います。具体的には、これをまた直して文章にしなければいけませんので、それについては修正をいたしますが、一方で、先ほど事務局からもありましたが、関係機関との調整なども進めているようですので、そういうものを含めて、あとはメールぐらいでやらせていただいて、それで最終的な調整をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。あと事務局から何かありますか。報告が1件ありますか。

○松本総務課企画官 長らく御議論いただきまして、2月1日に法案の要綱につきまして答申を頂戴いたしました求職者支援制度、正式名称では「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律案」でございますが、2月10日に閣議決定を経まして、2月14日に閣法第23号として国会に提出されました。長らく御議論いただきましてどうもありがとうございました。今後とも御指導をいただきたいと思います。以上御報告申し上げます。

○今野分科会長 ほかにございますか。よろしいですか。それでは本日はこれで終了させていただきたいと思います。次回以降については改めて事務局から連絡をさせていただきます。
 議事録の本日の署名は、労働側の委員は井上委員、使用者側の委員は上原委員でお願いいたします。それでは終了いたします。ありがとうございました。

(了)

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