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2011年2月18日 平成22年度第4回血液事業部会運営委員会議事録

医薬食品局血液対策課

○日時

平成23年2月18日(金)10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎5号館 厚生労働省 専用第12会議室
東京都千代田区霞が関1-2-2


○出席者

出席委員:(5名)五十音順、敬省略、◎委員長、○委員長代理

○大平 勝美、岡田 義昭、◎佐川 公矯
花井 十伍、半田 誠

欠席委員:(1名)敬称略

山口 照英

参考人

日本赤十字社

○議事

○難波江補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「平成22年度 第4回 血液事業部会運営委員会」を開催いたします。
 なお、本日は公開で行うこととなっておりますので、よろしくお願いいたします。
 委員の出欠状況ですが、山口委員から欠席との御連絡をいただいております。
 また、本日は参考人として、日本赤十字社血液事業本部経営会議委員の田所憲治さん、副本部長の石川隆英さん、副本部長の日野学さん、献血推進課長の菅原拓男さんにお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
 それでは、佐川委員長、以降の進行をよろしくお願いします。
○佐川委員長 おはようございます。佐川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに事務局より資料の確認をお願いいたします。
○難波江補佐 それでは、お手元の資料の確認をさせていただきます。
 一番上が議事次第、座席表、委員名簿となっております。
 資料1、前回の議事要旨(案)。
 資料2、分厚いクリップどめのものでございますが、感染症定期報告。
 資料3-1、供血者からの遡及調査の進捗状況。
 資料3-2、血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について。
 資料3-3、献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数。
 資料4、XMRVに関する文献報告(続報)。
 資料5-1、献血血液の研究開発等での使用に関する指針(案)。
 資料5-2、ポンチ絵となっている指針(案)参考資料。
 資料6、英国滞在歴に関する制限緩和の献血状況。
 資料7、採血基準の改正に伴う準備状況。
 資料8-1、フィブリノゲン製剤納入先医療機関の追加調査。
 資料8-2、C型肝炎訴訟の和解についてというものでございます。
 それから、委員限りとなっておりますが、お手元に日赤作成の2009年の輸血情報、感染症の症例の冊子をお配りさせていただいております。
 以上でございます。
○佐川委員長 それでは、議題の「1.議事要旨の確認」です。
 資料1としてお配りいたしました議事要旨について御意見がありましたら、事務局まで御連絡いただきたいと思います。
 続きまして、議題「2.感染症定期報告について」です。
 まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○難波江補佐 それでは、お手元の資料2、クリップどめのものでございます。感染症定期報告について御報告させていただきます。
 おめくりいただきまして、5ページ以降が去年9月1日から11月30日までの文献でございますが、今回25報ございます。順番に御説明させていただきます。
 1つ目、B型肝炎ですけれども、これはアメリカからの報告でございます。アメリカではワクチン接種事業などが1991年から始まっておりますが、その前後、それをまたいだ形での2期間、96年から2006年と88年から94年、一部ワクチンプログラムの時期にかかっていますが、その感染状況を調査した報告でございます。2期間のHBcの抗体罹患率は6~19歳及び20~49歳の若年層では減少したけれども、50歳以上では変化がなかった。人種別に見ると、白人、メキシコ系アメリカ人よりも黒人その他の人種で高く、また米国出生より外国出生の方が高かったというものでございます。
 まとめとしては、成人におけるHBV罹患率の状況はほとんど変わらず、およそ73万人の米国在住者は慢性的に感染していると説明しております。
 2つ目でございますが、慢性B型肝炎患児の唾液中のB型肝炎ウイルス量を調べたものでございます。
 結論でございますが、HBe抗原陽性の唾液中のHBV-DNA濃度は、HBe抗原陰性の血漿中のHBV-DNA濃度より高かった、39倍あったということで、唾液がHBVの伝播手段となっていることが示唆されたという報告でございます。
 3つ目ですが、これは台湾からの報告でございます。台湾では財政的な理由でルーチンの血液スクリーニングとしてのNATの検査というものが制約されておりますが、実際にやった場合どの程度の効果があるかというものを調べたものでございます。
 HBs抗原陰性/NAT陽性というものを調べたところ、下から4行目でございますが、個別NATで見た場合は4,210例中9例、0.21%、ミニプールで見ると6,080例中3例、0.05%と高いことから、台湾のように潜在的にキャリアが多い地域においては、高感度のNAT法で検査を実施することが有益であると説明しております。
 6ページ、4つ目でございますが、これは日本からの報告でございます。日本では母子感染予防事業が86年から行われておりますが、小児B型肝炎ウイルスキャリアの感染経路などを調べた報告でございます。
 3施設からキャリア187例を見まして、85年までに出生した症例102例、この感染ルートの内訳は、母子感染が57.8%、父子が5.9%、輸血4.9%、水平感染30.4%、不明1例というものでございます。86年以降の85例で見ますと、母子が60%、父子が15.2%、輸血2.4%、水平感染22.4%という報告でございまして、母子感染はまだあるといった報告でございます。
 一番最後の方でございますが、諸外国のように日本でも出生後早期にHBのユニバーサルワクチンが導入されることが望まれる。胎児感染例については出生後の予防処置では防ぐことができず、HBVキャリア妊婦へのグロブリンや抗ウイルス剤投与などを行うべきか、今後検討していく必要があると説明しているものでございます。
 5つ目は日本の日赤からの報告でございますが、2009年の感染症報告で輸血前後の患者検体の実施状況について報告がなされております。これはガイドラインに基づいて実施されているかどうかを調べたものでございます。
 下の方でございますけれども、HBV、B型肝炎症例の輸血前後の検査2007年は8%、2008年が20%、2009年が24%、C型で前後にやられているものは2007年が29%、2008年が12%、2009年が24%、細菌感染でいえば2007年が90%、2008年が94%、2009年が100%ということでガイドラインが医療機関に浸透していることが推察されたという報告でございます。
 続きまして、6番目、これもB型肝炎についての日赤からの報告でございまして、スクリーニングNATプール数の縮小効果について検討が行われております。日赤では99年に500本のプールのNATが開始されまして、その後50本から20本へ縮小し、2008年8月から高感度NATが導入されております。
 その後の輸血後感染症の発生事例を時系列で調べたものが以下に記載されておりまして、ウイルス増殖スピードの遅いHBVについてはプール検体数の縮小・試薬の検出感度向上により、輸血感染HBVの減少傾向が認められた。一方、ウイルス増殖スピードの早いHCV、HIVはスクリーニングNAT導入後約10年が経過した中で、輸血感染例がHCVで3件、輸血感染HIVが1件とNATの導入自体に効果があったことが推測されたという報告でございます。
 ここまでで御審議いただければと思います。
○佐川委員長 委員の先生方、今までのB型肝炎を中心とした報告について何か御意見はございませんか。
 岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 4番で母子感染がメインですけれども、やはり水平感染も無視できない。特に父子感染というのは今まで余り関心が向けられていなかったので、こういうことが明らかになって、母親だけではなく家族も調べて、リスクがあるようなものであれば積極的にワクチン投与をやることが必要だと思います。
 4番に関連して2番で、例えばHBe抗原陽性の方がいる場合は唾液中にもウイルスがいる。それが感染性を持っているかどうかは評価が難しいところなんですけれども、今アトピーの子どもさんなどは、どうしても皮膚をかいたりして傷ができますので、そういう方は優先的というか、ワクチンの投与を考えた方がいいのではないかということを示すような報告だと思います。
 6番に関しては、NATを血液のスクリーニングで使うときにいろいろと効果を検討されたんですけれども、まさにこの報告のとおり、HCVとHIVに関してはダブリングタイムが非常に短いというか、要するにウイルスの増殖が早いので、ある程度のミニプールで効果があるだろうということが当初から期待されていました。実際に実施するとそのとおりだったということであります。B型に関しては増えが遅いので、効果は余りないのではないかということは諸外国で結構言われていたんですけれども、結局ミニプールをより小さくし、感度を上げることによって、そういうことをすれば効果が得られたということですので、その辺では日本の現状というか、各ウイルスの特徴を表したような結果になったということだと思います。
 以上です。
○佐川委員長 貴重な御意見ありがとうございました。
 ほかはよろしいでしょうか。大平先生、どうぞ。
○大平委員 4番に関してなんですが、父子感染例というのはどういったケースが考えられるのか、もしおわかりでしたら教えていただきたいと思います。可能性としては、今、岡田委員が言われたような唾液の問題とか家庭内での感染なのか。初めて聞くものですから、どういった対応が今後必要なのかというところでお聞きしたいです。
 あと、6番のところでは、新NATシステムが導入されたことによってミニプールの中でもどのぐらい改善が期待されるか、これから多分評価が出てくるんだろうと思うんですけれども、HIVとHCVについてはそれほど変わらないのか、HBVでかなり改善が期待されるのか、その辺をちょっと教えていただけたらと思います。
○佐川委員長 どうですか。
○岡田委員 父子感染に関しては、結局父親がキャリアだということで、非常に密接なコンタクトがあるということです。
 2番でたまたま唾液が出たので、一部に誤解があると困るんですけれども、これはあくまでも唾液中にはウイルスがいたということであって、それが即感染源になるかというのは示唆されたぐらいで、明確な証拠はない。例えばここで唾液で危ないなどと報道されてしまうと、ちょっと誤解も生ずるおそれがありますので、可能性の1つだと思ってください。
 確かに今まで父子感染というのは余り注目されていなかったんです。ですので、母子感染の今の予防のプロトコールと同じように妊娠中にお父さんを調べて、キャリアであればイムノグロブリン等のワクチンの投与をする必要があると思います。
○佐川委員長 これはこれからの問題です。重要な問題だと思いますけれども、いろいろエビデンスを集めて、今後の予防方法も含めて十分に審議する必要があると思います。
 ほかはよろしいですか。田所先生、どうぞ。
○田所経営会議委員 NATが新しい試薬・機器で高感度化したことで、HIVについては約2倍感度が上がっています。HCV、HBVについても約数倍感度が上がっていますので、それぐらいの改善効果はある。
 ただ、現状起きているHBV感染例を見ると、原因血液の6割が既往感染キャリアの方、4割がウインドウの方からの献血血液で、そのうちそれぞれ全体の1割ずつはNATが陰性のものです。つまり、既往感染キャリアの6割の中、1割はNAT陰性、ウインドウ期の4割の中の1割、10あるとしたら2はNATの陰性のものという状況にあります。今後HBVについての安全性を改善する場合は、キャリアのところとウインドウのところと両方にらみながら対応策を考えていかなければいけない。方策としては必ずしも一緒ではないかもしれませんので、今その辺を評価中でございます。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 それでは、引き続き報告をお願いします。
○難波江補佐 それでは、続きまして、文献番号7番、A型肝炎です。これはメディア情報でございますが、昨年ですけれども、A型肝炎が国内で流行しているという報道でございます。
 8番、E型肝炎でございますが、これは豚での感染動態を調査した報告でございまして、HEVに自然感染した2匹のお母さん豚から生まれた子豚群、各10匹ずつなんですけれども、A群、B群を生後6か月まで研究した報告で、A群については母子移行のIgG、IgA抗体が検出されて、B群では検出されなかったというもので違いを見たところ、ウイルス血症と抗体陽転の開始は抗体が移行しているA群で有意に遅れていた。ただ、糞便に排出されたウイルスの動態は両群に同様であったという報告でございます。
 9番、パルボウイルス4という最近報告されたウイルスの血清での濃度、初めて電子顕微鏡で可視化することができたという報告で、写真が57ページに掲載されております。57ページの右下に小さいウイルスの写真があるという報告でございます。
 続きまして、文献番号10番、これはドイツからの学会報告でございます。ヒトパルボウイルスB19のDNA陽性血液製剤の感染について検討された。A群、B群分けまして、これはレトロスペクトルですけれども、A群がウイルス量105以下、B群が105以上という血液製剤の受血者の抗体を調べたところ、B群、105以上の群では赤血球濃厚液受血者18名中9名に検出、A群、105以下の群の16名では検出されなかったという報告であります。
 ここまでで何かございましたら、お願いいたします。
○佐川委員長 ここまでで何か御意見ございますか。
 岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 9番の報告ですけれども、PARV4というのはパルボウイルスに属する新しいウイルスなんですが、これは疾患があって見つかったウイルスではなくて、遺伝子が最初に見つかったウイルスです。今までHIVの陽性者とかドラッグユーザーから見つかると言われていて、57ページのTable2、写真の左にあるんですけれども、一般的にウイルスの量が非常に少ないと言われていたんです。そういう少ないウイルスの症例しか報告されていなかったんですけれども、今回、電顕でウイルスが初めてとられたのと同時に108を超えるような高力価のウイルス血漿が認められたということで、このウイルスもパルボウイルスの仲間ですから、そういう面ではウイルス血漿としては結構高いウイルス血漿を示すのか、そういうものでは今まで示された中では一番高いウイルスです。遺伝子が最初に発見されましたので、まだどういう病原性を持っているのかというのはわかっていません。
 それと10番ですけれども、これはポスターか何かの発表なんだと思います。105で線引きがされていますけれども、残念ながら抗体の陽性との関係というのか書いてないので、難しいのは限りなく105に近い血液を輸血された人がたまたま抗体陽性だったかもしれない、その可能性もあるんです。ポスターにそこまで書いてないので、そういう面では受血者の抗体がすべて陰性という条件でこういう評価をされていれば、確かに105で線を引いてもいいと思うんですけれども、抗体の有無まで書いてないので、105で安全かどうかというのは厳しいと思います。
 この人たちは何を言っているかというと、105で線を引きたいというのではなくて、高いウイルス血漿のものは排除するようにしなさい。あとは受血者にとってのリスク、ある人にはパルボが少ないものを投与しなさいとか、そういうことを言っているポスターなんです。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 それでは、続けてお願いします。
○難波江補佐 続きまして、文献番号11番ですが、これはLa Crosseウイルスというアメリカでとれたウイルスでございます。こちらは蚊が媒介するウイルスなんですけれども、アメリカにある蚊ではなくてAedes triseriatusというのがアメリカで媒介していた蚊ですが、アジア由来のヒトスジシマカでもこのウイルスがアメリカで検出されたという報告でございます。
 12番、ウエストナイルでございますが、これは2009年のアメリカでのウエストナイルの流行状況の報告でございまして、2009年に720症例が報告されたというものでございます。
 13番、14番はこれまで何度か岡田先生より御報告いただきましたXMRVについての報告でございます。割愛させていただきます。
 15番、リフトバレー熱ですが、南アフリカで186人のリフトバレー症例が報告されたというものでございます。
 16番、Q熱です。これはイスラエルでQ熱の集団発生が見られ、空調を介して病原体に空気感染したことが示唆されたという報告でございます。
 17番、アメリカ・トリパノソーマ、シャーガス病ですけれども、たしかこれは以前こちらでプロメドの報告だったと思いますが、グアバジュースが唯一の感染源と推測されたという報告が論文となって報告されたものでございます。
 18~20番につきましては、細菌感染で去年報道などでもありましたNew Delhi metallo-β-lactamase1(NDM-1)遺伝子、薬剤耐性のスーパーバグがとれたという報告でございます。
 21番が真菌感染です。Cryptococcus gattiiという重篤な肺炎を起こす真菌ですけれども、これが99年にカナダ、バンクーバーで大流行して、現在でもブリティッシュコロンビアや米国本土でヒトや動物に感染し続けているという報告でございます。
 ここまでで何かございましたら、お願いいたします。
○佐川委員長 ここまでのところで御意見、御追加はございませんでしょうか。ないようです。
 それでは、続いてお願いします。
○難波江補佐 続きまして、22番、クロイツフェルト・ヤコブ病です。これは孤発性のクロイツフェルト・ヤコブ、プリオンタンパク質疾患の特性解析について報告されたものでございまして、新しい遺伝子タイプの報告でございます。
 23番はヤコブ病に関してのEMA、European Medicines Agencyのポジションステートメントのドラフトでございます。
 真ん中辺りでございますが、累積した疫学的エビデンスは血液成分あるいは血漿由来製品による孤発性・家族性・医原性CJD感染を支持しない。ドナーの孤発性・家族性・医原性CJDが供血後に確認された場合、血漿由来製品の回収は妥当ではないという以前からの方針に変更はない。尿由来製品についてCJD、vCJDが感染したという疫学的なエビデンスはないというステートメントのドラフトでございます。
 24番は、バリアントのCJDでのこれまでの対策をまとめたものでございます。英国の血液製剤による感染と遺伝性出血性疾患患者における英国の血液製剤による影響のリスクを低減するための対策について報告されたものでございます。
 英国では1980年から2001年までの間に、英国でプールされた血液凝固因子製剤を投与された患者全員に予防措置が実施された。以降、英国におけるvCJD新規感染は減少し、過去に関係する血液または血液製剤の投与を受けたvCJD患者は見つかっていない。しかし、一般母集団による無症候性vCJDの有病率は不明であり、適切かつ有効なvCJDのスクリーニング試験はない。血友病患者において最近確認された1例目の無症候性vCJD感染症例並びにメチオニン/バリン異型接合患者におけるvCJD報告は、遺伝性出血性疾患患者を含むリスクある集団において継続調査が必要であることを示しているという報告でございます。
 一番最後25番でございますが、これもvCJDにつきまして、これまで輸血による感染例というのが4例報告されているんですが、それ以外で疑われたケースがあるということで、2例についてのケースレポートでございます。
 2例について、それぞれ89年と93年に輸血歴があるんですが、合計103名の供血者の血液に曝露していたというものでございます。ただし、103名のうち99名が症例Aへ輸血された後も20年以上生存している。残りの4名はCJD以外の要因で死亡していたことから、vCJDを発症していない供血者から輸血を受けた症例AとBの2症例がvCJDを発生したことから、vCJDの感染のパターンとして食事を通してBSEに感染した可能性も考えられるという報告でございます。
 以上でございます。
○佐川委員長 ただいまの御報告に対して、CJDの報告について何か追加はございますか。
 先生、どうぞ。
○岡田委員 25番の論文なんですけれども、英国ではvCJDが発症しますと、今まで供血歴を調べていますが、同時に輸血歴も調べているんです。この2人の患者さんは輸血歴があるということで調べていったら、共通のドナーの可能性があるということが示唆されたというのが論文の内容です。
 どうして輸血歴も気にするかというのと、プリオンは129番目のメチオニンの部分がメチオニンとバリンのポリモルフィズムがありまして、メチオニンをホモに持つ人は非常に感受性が高くて発症も高い。一方、メチオニンとバリンをヘテロに持っている人とか、バリンのホモの人というのは抵抗性を失って、感染していても発症には長時間を要するかもしくは発症はないという状態でして、そうなると、供血者がメチオニンとバリンのヘテロとかバリンのホモだった場合、受血者の方が先に発症する可能性もあるのではないかということで輸血歴を調べているんです。ただ、それは調べているだけであって、本当にそういうことが起こるかどうかというのは理論的に可能性があるという段階だと思います。あと、もしかしたら動物実験でそういうことが示されているぐらいだと思います。
 そういうことで、その一環として調べていて、こういう結果になったということで、可能性としてはありますけれども、ここの論文の最後に書いてありますが、やはり食事を通して感染した可能性も十分にあるということです。
○佐川委員長 わかりました。
 ほかにいかがでしょうか。ございませんか。
 それでは、事務局としてはただいまの御意見を十分に念頭に置いて、引き続き感染症の定期報告の収集等をお願いいたします。
 続きまして、議題「3.血液製剤に関する報告事項について」を審議いたします。
 遡及調査の進捗状況や副作用感染症報告の状況、これまで報告された事例のその後の対応状況等について報告をしていただきます。
 事務局から説明をお願いします。
○難波江補佐 お手元の資料3-1、供血者、献血者からの遡及調査の進捗状況でございます。
 2枚目の紙の裏側が最新の状況でございまして、この表の右側が平成22年4月1日から平成22年11月30日までの報告となっております。前回は4月1日から9月30日までのものをお示ししましたが、2か月増えたものでございます。
 調査の対象とした献血件数が1,146件、それをさかのぼって個別NATを見てみますと、陽性となったのが65件あったというもので、すべてHBVだったという報告でございます。前回の9月30日までの報告では52件でございましたので、この2か月で13件個別NAT陽性が確認されたというものでございます。
 これを遡及しました医療機関での使用状況、また感染状況などを確認しますと、陽転事例が3件あったとことで、これは前回も3件でございましたので、この2か月で陽転事例は確認されなかったというものでございます。
 以上でございます。
○佐川委員長 ただいまの御報告に対して、何か御意見はございませんか。よろしいですか。
 それでは、引き続きお願いします。
○難波江補佐 続きまして、資料3-2、こちらは医療機関からの報告でございます。
 今回、劇症例やHIV感染など個票となる新規報告事例はございませんでした。
 また、継続で調査している症例につきましても、新たな報告はございませんでした。
 全体をまとめた表が5ページにございます。横書きですが、平成22年10月26日から平成23年2月2日までの感染症報告、疑い事例を含むものでございますが、全体で32件ございまして、B型肝炎が8件、C型肝炎が13件、HIVが0件、その他が11件というものでございます。
 B型肝炎ですが、陽転事例が7例で、うち個別NAT陽性事例は1例ございました。死亡例は0例でございます。
 C型肝炎は10例ございまして、個別NAT陽性事例は2例でございます。
 4のHIV感染は0例。
 5のその他で、B、C以外の肝炎報告が2例、その他細菌感染での無菌試験陽性事例は0例でございます。
 1枚おめくりいただきまして、6ページ目の一番上にあるものがHBVでの個別NAT陽性となった事例でございますが、この症例は前回御報告させていただいた症例でございまして、その後の新たな情報としては、この方はFFPを使われていたんですが、片割れの赤血球製剤を投与された方の状況を確認しましたところ、下線で引いておりますが、受血者に感染の疑いなしという報告でございます。
 続きまして、8ページ目です。真ん中2例がC型肝炎で、個別NATが陽性となった症例でございます。実はこの2例は同じ献血者で同日に採血された全血由来の血液の赤血球製剤とFFPの片割れ同士でございまして、保管検体のウイルスの塩基配列と投与された患者さんから取れたウイルスの塩基配列とほぼ一致しているという報告でございます。このように極めて輸血によるC型肝炎の可能性が高いということで報告された事例というのは、2007年以来の3年ぶりの報告となります。
 上の方の症例でございますが、この献血自体は2006年11月に献血が行われまして、その方の赤血球が2006年12月に1例目の方、40代女性の方に投与されております。この方は2007年7月にHCVの抗体が陽性であることが判明していたんですが、日赤に報告がなされたのが2010年10月でございました。下でRNAが陽性ということが2010年10月になっておりますが、これをもって報告がなされたわけでございますが、これで日赤の方で遡及調査を開始いたしまして、片割れのFFPについて調べたところ、既に医療機関で使用されておりました。それが下の例になりますが、この方は2007年8月にFFPの投与を受けて、2010年11月に感染が確認されたという報告でございます。
 続きまして、その他の症例でございますが、12ページの一番上ですが、A型肝炎疑いの報告でございます。この方は保管検体を調べたところ、抗体は陽性でRNAは取れなかったということで、医師・企業とも移行抗体の可能性を考えているものでございます。
 その下がもう一つの肝炎疑いの報告でございますが、HEVの疑いで報告されましたが、いずれも保管検体は陰性でございまして、担当医より輸血との因果関係はないと考えられると報告を受けたものでございます。
 その下は細菌感染の報告でございます。
 少し飛びますが、17ページです。北海道管内で行われている試行的なHEVのプールNATの実施状況です。今のところ8,430分の1程度の陽性があるというものでございます。
 資料3-2につきましては、以上でございます。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 委員の先生方あるいは日赤の方々、御意見、御追加発言はございますか。
 岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 C型肝炎の感染例なんですけれども、これは1例目の陽転がわかったのが2007年7月で、一方、FFPを投与された方は2007年8月ということで、もしくは7月7日に判明した時点で日赤に報告が上がっていれば、FFPを特定して防げた可能性もあるということですね。これは医療機関から3年もかかったという理由は何かあったんでしょうか。
○佐川委員長 お願いします。
○日野副本部長 可能性はあったと思います。今、先生がおっしゃられたように、日にち的には3週間程度あります。7月には検査結果が出たと思いますけれども、その日に主治医の先生がそれを見ているかどうか。次回は8月28日になりますので、少しタイムラグはあるんだろうと思います。
 もう一つは、この患者さんは医療機関を複数にまたがっているということがあって、前の医療機関で輸血を受けられたというのが1つあります。
 もう一つは、患者さんの年齢から見ると、HCVの抗体が陽性であっても、そんなにまれではないと多分お医者さんは思ったのかもしれません。
 そういった幾つかの要因が重なって、かなり遅れたということかと思います。
○佐川委員長 よろしいでしょうか。
 ほかに御意見ございますか。岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 NATシステムからいえば、個別は陽性だけれども、ミニプールは陰性だということで、実際ウイルス量はどのぐらい入っていますでしょうか。
○日野副本部長 ウイルス量に関しましては、IU換算で4,400程度ありました。このときのNATシステムというのは、今のS401の前のバージョンで検査していたというのがあります。
 現在に関していえば、昨年6月の安全技術調査会で輸血用血液のNATガイドラインを少し検討していただきましたけれども、そのときに日赤の方から現在のNATシステムにおいては、以前のものと比べて1ログといいますか、前回は100IUぐらいだったと思うんですけれども、今は10~20ぐらいの95%LODを持っていますので、そういう意味からすると、それは確実に今後取れるだろうとは思っています。
○佐川委員長 この時点でのプールの感度はなかったということですね。ディテクトする感度はなかったということでしょうか。
○日野副本部長 100%ディテクトする感度はなかったかもしれないということです。
○佐川委員長 よろしいでしょうか。
 ほかはございませんでしょうか。
 今回C型肝炎の輸血による感染の可能性が非常に高い事例が3年ぶりに報告されました。現在、輸血後肝炎の発生の頻度は、以前に比べて大幅に減ったと思いますが、いまだに完全にゼロではないという理解かと思います。
 日赤におかれましては、これまで血液製剤の供給先の医療機関に対して、血液製剤による副作用あるいは感染症の可能性が疑われた場合は、すぐに連絡するようにお願いしているかと思いますけれども、今回の事例を踏まえてより一層の周知をお願いしたいと思います。
○日野副本部長 本日、お手元に輸血情報といったものをお配りしているかと思います。日赤では年間に何回かこういった輸血情報を医療機関の皆様方に情報提供しているわけですけれども、その裏側を見ていただきたいんですが、ちょうど矢印が書いてありますけれども、輸血前後の検査の重要性とか検体の保管に関して、今までもこういった輸血情報を通して御理解いただいているところですので、今後も引き続き同様にやっていきたいと思っています。
○佐川委員長 わかりました。
 それでは、続きまして、資料3-3について事務局から説明をお願いします。
○難波江補佐 資料3-3、献血件数及びHIV抗体、NAT陽性件数でございます。
 一番下2010年1月から12月までの速報値でございますが、献血件数としては531万人ということで、これも2009年を約3万人上回った数の献血者でございました。一方で陽性件数を見ますと86件ということで、2009年より減っております。10万件当たりで見ますと1.617ということで、ここ5年では最も低い値となっております。
 3ページでございますが、都道府県別で見たところ、全体では前年に比べて減っているんですが、東京では25件、大阪では13件と前年度を上回った数となっております。
 先般のエイズ動向委員会でも報告がありましたが、去年エイズを発症して感染がわかった方が過去最高であったという報告、また検査数は減っているものの陽性例が増えているといった報告がございますので、献血での低下をもって感染が減ってきているわけではなくて、むしろ全体の感染報告というのは増えている状況でございます。
 以上でございます。
○佐川委員長 これについて委員の方々、日赤の方々いかがでしょうか。御意見はありませんか。
 岡田先生、どうぞ。
○岡田委員 今回、全体的には数が減っていても東京と大阪で増えているということで、今まで減ってきていたのがここにきてまた増えたということは、勿論感染者が増えたという可能性もありますけれども、結局検査をするところが余りよく機能していないので献血を利用している可能性もあるかと思います。そういうところで、今までHIVの抗体検査をやっている施設等に何らかの変化があったりとかはないんでしょうか。あとは実際に検査を利用する方が減ってしまったとか、そういうことはないんでしょうか。
○佐川委員長 いかがでしょうか。
○難波江補佐 それはエイズ動向委員会の方でも取り上げられているんですが、例えば今年8月の運営委員会で報告がありましたけれども、島根県は過去20年に2例しか見つからなかったのが、去年半年で3例報告があったということで、県の方でもかなり取組みに強化いただいて、検査体制の充実や広報などをやっていただいたところでございます。全体としてただそれを見た場合、保健所の体制などはなかなか十分な充実が図れていないところかと思います。そこは保健所数全体が減ってきているといった問題であるとか、人員の問題であるとか、様々あるかと思います。
○佐川委員長 そういうことですね。
 大平委員、どうぞ。
○大平委員 昨年検査数が減ったという報告がありましたけれども、検査数が減っても普通のNGOがやっている検査機関ですとか、そういうところは横ばいですとか増えてはいるんです。ですから、そういった面で多分保健所の機能の問題と、また都市部に関してはもう少し違った施設の状況ですとか、そういうものが必要なのではないかと考えていまして、今後はなるべく日赤の献血のところに検査目的で行くのではなくて、行動をどういうふうに変えていくか、特に都市部の問題としてあると思いますので、そこは是非ここからも提言していただけたらありがたいと思います。
○難波江補佐 担当課にもお伝えしてまいりたいと思います。
○佐川委員長 花井委員、どうぞ。
○花井委員 今のことに関連するんですけれども、都市部でいわゆる重点的につくったもの、例えば土日の検査とか、そういったものを1回整理して、東京都などでは一旦下向いたと思います。そういったものがキャパシティーとしてはむしろあふれていて、もし重点的な検査、先ほど大平委員がNGO等々がやっていると言っていましたけれども、そういう集中化して検査体制があるということを今までやってきたわけですが、もしそういう方向でいくのであれば、やはりキャパシティーの拡大というのを東京、大阪等は考えないとだめだろう。
 もう一点は、今ちょうど感染症予防指針を改定、検討していると思うんですけれども、もしくはもう一方の方向性としては、ノーマライゼーションとして医療機関全体での検査の機会を増やすような、つまり保健所等々匿名検査ということではなくて、例えばユニバーサルな検査体制の中で医療機関で補足していくという体制をもっと広げるのか、そこの方向性が今はまだあいまいだと思います。個人的にはノーマライゼーションの方向に向かうべきだと思うんですが、そこは今ちょうど議論、検討中だと思うので、血液事業部会としては日赤からきているデータを踏まえて、検査体制のいわゆるストラテジーというものを明確にして、補足をできるような体制にしてほしいということも併せてお伝えいただけたらと思います。
○佐川委員長 貴重な御提言であったと思います。いろんなところから国全体としての検査体制の拡充、充実が必要かと思います。
 よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして、議題「5.その他」を先に審議いたします。
 XMRVに関して新たな論文が出されていますので、岡田委員より御報告をいただきますが、本件につきましては、昨年5月と11月に二度にわたり審議が行われまして、以下の4点について結論が得られております。
 第1点目として、XMRVと慢性疲労症候群の関連については肯定する論文、否定する論文がそれぞれ出されておりまして、まだ不明の状況です。
 第2点として、我が国で慢性疲労症候群の患者100名の血液を検査したところ、いずれからもこのウイルスは検出されませんでした。
 3点目、献血は本来健康でなければできませんので、現在、慢性疲労症候群の症状を呈している方については、実質的に献血の制限がなされていると考えます。
 第4点目、既往歴まで含めた献血制限を実施した場合、患者及び家族へ社会的影響が及ぶ可能性があり、慎重な対応が求められます。
 以上述べました理由により、現時点では献血者一人ひとりの既往歴までさかのぼって献血制限は行わず、研究の動向を注視すべきという結論が今まで得られているところでございます。
 それでは、岡田委員、よろしくお願いします。
○岡田委員 昨年12月に『Retroviroligy』という雑誌に4報発表された論文です。
 1番と2番は内容的にはほぼ同じなんですけれども、1番目に関して簡単に御説明しますと、英国、韓国、タイの合計437検体の前立腺組織を使いまして、XMRVの遺伝子を検出しました。そうしますと21例、約4.8%が陽性となりました。同じDNAを用いまして、マウスのIntracisternal A particleという多数のコピーを有するような遺伝子がありまして、それを増幅したところ、437検体中115例が陽性だったということです。陽性ということは、ヒト由来のDNAなんですけれども、実はその中の115例もマウスのDNAがコンタミしたということです。XMRVが21例陽性になったものは、すべてIAPも陽性だったということです。こういうことで実験室内でヒトの検体にマウスのDNAが高率に混入していることが明らかになりました。
 今までマウスのDNAが混入しているのではないかということで、マウスのミトコンドリアの遺伝子がコンタミをモニターするために使われていたんですけれども、それよりもIAPがコピー数も多いということで、より微量なマウスのDNAの混入を見つけることができるという論文です。ですから、XMRVの陰性、陽性を測定するときに、マウスのDNAのコンタミがないということを管理する必要があるという論文です。
 2番目はXMRVの遺伝子を特異的に検出すると言われているプライマーでやると、1例も陽性ではなかったんですけれども、マウスの白血病を幅広く検出できるというプライマーを使って増幅すると、15種の異なるマウスの白血病ウイルスが検出できたんです。陽性になったものを調べると、マウス由来のDNAがやはり混入していたということです。
 XMRVの増幅が認められなかった検体も含めると、健常人の検体では33%、CFSの患者さんの検体から53%にマウスDNAが混入していたということで、結論は同じなんですけれども、適切な感度の測定法を用いてマウスのDNAの混入をモニターしながら実験をやる必要があるということを報告しております。
 3番目は驚くべき報告だったんですけれども、XMRV等の遺伝子を増幅するために使っている核酸増幅法のキットの中にマウスのウイルスの断片が混入していて、陽性になったということです。
 陽性になった断片のシーケンスを調べますと、Polytropic endogenous MLVというものが取れてきます。前回の運営委員会の文献9となっていますけれども、これは10番の間違えです。10番の報告と99.6%のホモロジーがあったということです。
 4番ですが、XMRVが持続感染している細胞株というのがあるんです。今まで文献的に報告されたヒトから検出されたXMRVの遺伝子配列を比較したところ、ヒトから検出されたXMRVの遺伝子の変異というのは非常に少ないんです。系統順を書いたりしてオリジンを調べると、ヒトから検出されたXMRVは持続感染している細胞由来であるということが示されたということです。ですから、高感度のPCRで測定されたXMRVはマウスDNAの混入かもしれないということです。
 そういうことで、4番の論文が今までのヒトからXMRVが検出されたということに否定的な内容の論文です。
 以上です。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 委員の先生方、御質問、御追加がありますか。ございませんか。
 どうぞ。
○岡田委員 こういう論文がありまして、ある程度世界の人も驚いたわけです。ただし、1番と2番も今までの陽性検体を調べてマウスがコンタミしたということを言っているわけではなくて、自分たちが得られた陽性検体に関してはマウスのDNAがコンタミしていたということを言っているわけです。
 今、NIHが中心になって慢性疲労症候群150例、健常人150例それぞれを6つの医療機関から検体を集めて、多数の施設で測定するような研究が計画されています。それによって本当にこの論文に示されているようなXMRVがマウスのDNAがコンタミしていたためにアーチファクトとして出たのか、本当にヒトから検出されたかどうかというのがはっきりされると思います。
 以上です。
○佐川委員長 その報告を是非待ちたいと思います。
 今日の御報告も含めまして、先ほど冒頭に私が申し上げたような4点の結論については変更がないものと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○佐川委員長 ありがとうございました。
 また、献血の現場において、仮に献血者の慢性疲労症候群の既往が判明した場合には、現場の問診医の判断で献血を御遠慮いただく場合があるかと思います。これは日赤に対しての質問ですけれども、そういった理解でよろしいでしょうか。
○田所経営会議委員 結構だと思います。我々は受血者の安全と同時に献血者の方の健康も考慮して問診を行いますので、場合によっては御遠慮いただくこともあると考えます。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 それでは、事務局、日赤におかれましては、引き続き研究の動向を注視するとともに、新たな知見が得られましたら、迅速にこの委員会に御報告をしていただきたいと思います。
 それでは、資料5、研究開発等における血液製剤の使用に関する指針の策定について、事務局から説明をお願いいたします。
○難波江補佐 それでは、お手元の資料5-2、資料5-2、ポンチ絵ですが、こちらに基づいて御説明させていただきます。
 本件は前回の運営委員会でこういった指針を策定するということで御了解いただいたところでございまして、今回その案というものを事務局で御用意させていただいたものでございます。
 資料5-2のポンチ絵に基づいて簡単に概略を御説明させていただければと思います。
 1枚目は概念図でございますが、現在インフォームドコンセントを実施しまして献血いただいた血液は、日赤の方で採血されまして製剤化されております。赤で示しているのは規格に適合していて、そのまま医療機関に納入される血液でございますが、それ以外にも様々な検査で不適格とされたような製剤がございます。それから、検査に用いた検体の残余がございます。日赤では血液製剤の製造や検査を実施しまして、またこういったものを用いた研究開発なども行っているところでございます。
 それから、原料血漿が日赤より分画製剤の製販業者に提供されまして、そちらでも製造や検査が実施されて、研究開発なども実施されているところでございます。
 今回の指針の大きな目的の1つは、それ以外の方々、こういった方々が研究開発で血液を使用されたいと要望された場合、どういった形でそれを実施し得るか、提供に係るルールづくりでございます。
 その他としては、公的な研究機関であったり大学、民間企業が試薬に使ったり医薬品製造に用いたりといった場合にこれを使うものでございます。
 医療機関に対しては、規格に適合した製剤、輸血用血液製剤や分画製剤が供給されておるわけでございますが、こういった製剤が医療機関において治療を目的として、いわゆる適合外使用みたいな使われる場合もあるかと思いますが、それについてはここの指針の対象とはしないという形で、青枠でくくったところが今回の指針の対象と考えております。
 続きまして、2枚目でございますが、どういった手続が必要かということを案としてお示ししたものでございます。
 献血血液を用いた研究開発等を希望する方は、日赤なり分画メーカーに対して申請いただきまして、それぞれにおいて申請内容を精査、評価いただいて、ある内容については事前に運営委員会の方に提供いただいて、こちらで評価いただく。あるものについては日赤なり分画メーカーの中で評価いただくというものになっています。分類は後ほど御説明させていただきます。
 運営委員会においては、評価項目に基づいて評価を行って、この使用が妥当かどうかを御判断いただく。その結果を血液事業部会に御報告いただくというものでございます。
 3ページでございますが、テーブルになっておりますが、左側が使用目的、右側が使用者になっております。
 使用目的としては、(ア)血液製剤の有効性・安全性及び献血の安全性の向上を目的とした使用として、研究開発、品質管理試験、検査試薬、疫学調査・研究、その他というものを挙げております。
 (イ)としまして、広く国民の公衆衛生の向上を目的とした使用として、研究開発、品質管理試験、検査試薬、医薬品製造、疫学調査・研究、その他としております。
 その他の分類としては、ヒト遺伝子解析・検査等が含まれる場合、規格適合製剤、そのまま患者さんに治療のために投与できる製剤を用いる場合という項目を掲げております。
 横側の使用者でございますが、採血事業者、血液製剤製販業者、公的研究機関、大学等研究機関、営利を目的とする者、その他というものを掲げておりまして、まず採血事業者と血液製剤製造販売業者につきましては、そもそも血液法の中で血液製剤の安全性の向上などについて技術開発などを行うことが責務とされておりますので、これは本来業務としてやっていただきますので、中でその使用については評価いただいて、運営委員会には使用状況について報告いただくという対応を考えております。
 その他公的な研究機関、大学研究機関などで研究開発や品質管理、検査試薬を用いたい場合につきましても、それぞれの日赤なり製版業者の中で適正を評価いただいて、御報告いただく。ただし、営利を目的とする方が使用する場合においては、事前に運営委員会に諮っていただくことを考えております。
 疫学調査・研究につきましては、そもそもかなりの量を使うということと、調査の結果自身が献血や血液事業そのものにも関わってくる場合がありますので、ここにつきましてはその内容についてこちらに事前に評価いただくものでございます。
 (イ)広く国民の公衆衛生の向上を目的とした使用、血液事業とは直接的に関わりのないものについては、すべてだれがやる場合においてもこちらで事前に評価をいただく。
 遺伝子を扱う場合につきましては、今もHLAタイプとか、これは血液事業としてやらないといけないものがございますが、そういったものを除いてはこちらで評価いただく。
 規格適合製剤、そのまま患者に投与できるものについては、そもそも使用は限定的、これでないと代替できないという場合においてのみ使っていただくというもので、採血事業者、製版業者それぞれは業務としてやらないといけないところがございますので、それ以外の方が使う場合においてはこちらで事前に評価いただくということを考えております。
 4ページでございますが、評価事項でございます。これは運営委員会で評価する場合の評価事項と留意項目です。これは日赤なり分画メーカーの中で評価いただく場合もこれを準用していただくということを考えております。
 「1.使用目的」として、血液製剤の有効性・安全性及び献血の安全性の向上また広く国民の公衆衛生の向上を目的とした使用であることが明らかでなければならないとしております。
 「2.使用する献血血液」は、血液製剤としての規格に適合する血液の使用は限定的でなければならず、使用する場合においては、その目的を達成するため、当該製剤以外では代替できないことが明らかでなければならないとしております。また、献血者に対する感染症検査が陽性となった血液は、感染拡大防止の観点から、特別な場合を除き、原則、用いてはならないとしております。
 「3.使用量」ですが、血液製剤としての規格に適合する血液を使用する場合においては、血液製剤の安定供給に支障が生じないよう配慮しなければならない。規格不適合血や検査残余血を用いる場合、特定の者に使用量が偏ることがないよう配慮しなければならない。また、使用量が多くなることで採血事業者及び血液製剤製造販売業者に過度の業務負担がかかり、血液製剤の供給の遅滞等、医療に支障が生じることがあってはならないとしております。
 「4.使用者」ですが、本指針及び関連指針等を遵守し、献血血液の使用が適切に行われる体制が整備されていなければならないという形にしております。
 一番最後のページになりますが、その他の留意事項として、ここに掲げている内容を記載しておりまして、資料5-1の方に詳細が記載されております。
 資料5-1の4ページ「6 インフォームド・コンセントについて」。献血者は自らの血液が患者への治療に役立てられることを期待し献血を行うものであるので、献血血液が研究開発等へ使用される可能性があることについて、献血者に対し献血の実施前に文書による説明を行い、同意を得る必要がある。
 「7 個人情報の保護について」。採血事業者及び血液製剤製販業者は個人情報を取り扱う場合においては、個人情報保護法を遵守し、研究開発等の利用のために献血血液を用いるまたは第三者に提供する場合においては、匿名化、連結不可能匿名化か連結可能匿名化で対応表を提供しない場合をいいますか、そういう対応を行って献血血液から献血者を特定できなくする措置を講じなければならないとしております。
 「8 ヒト遺伝子解析・検査等について」は、ここに掲げてあるとおりでございまして、特にヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する場合は、ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針を遵守していただく必要があるというものでございます。
 その他の留意事項としましては、7ページ「11 費用の徴収」として、採血事業者、血液製剤の製販業者は献血血液を第三者に提供する場合においては、実費程度の費用を徴収することができるとしております。
 その他市場に流通している血液製剤の研究開発についてですが、この利用にもし疑義が生じた場合については、製版業者は厚生労働省に適宜報告いただくという形になっております。
 残余血液を適切に処理して、無断で第三者に譲渡してはならないとしております。
 危害の防止の報告で、これを使用した際、保健衛生上の危害が発生し、または拡大するおそれを知った場合は、直ちに厚生労働省に報告いただくという形にしております。
 不適切使用についても、運営委員会で対応について御審議いただくということにしております。
 8ページ目でございますが、16番、特に疫学研究を行う場合につきましての留意事項を定めておりまして、疫学研究というのは血液の安全性の向上のみならず医学の発展や国民の健康の保持、増進に多大な役割を果たすことが期待される半面、多くの献血者の血液を用いる必要があることや、その結果が献血者へ及ぼし得る影響にかんがみると、特段の配慮が求められるということで、以下に3点の留意事項を記載しております。
 1つは、疫学研究の倫理指針の対象となる研究についてはその指針が遵守されて、ヒトゲノム解析を行う場合は倫理指針が遵守されている。
 それから、血液の安全性の向上を目的とした研究をやる場合にあっては、研究の実施者に採血事業者または血液製剤の製販業者が参画していること。
 当面の間の措置として、実施者は採血事業者、血液製剤製販業者、国もしくは地方自治体が設置する研究機関により実施される研究または公的補助金を受け実施される研究であるというルールを設けております。
 細則は適宜別途定めます。
 指針は必要に応じ、また施行後5年を目途として見直しの検討を行うものとしております。
 以上簡単でございますが、案を御説明させていただきました。御審議のほどよろしくお願いします。
○佐川委員長 今回初めてこのようなガイドラインが示されましたが、イラストを使っての説明と指針案の本文を使っての説明がなされましたが、委員の方々いかがでしょうか。御意見はございませんか。
 花井委員、どうぞ。
○花井委員 いわゆる血液製剤の有効性・安全性及び献血の安全性の向上を目的とした使用に関しては、一部事業者の方で評価するということなんですが、国民の公衆衛生の向上を目的とした使用に関して採血事業者において、例えば研究開発とか疫学調査・研究というのは今回血液事業部会運営委員会が評価するということになっているんですが、この辺の差というのは何なんですか。疫学調査・研究、研究開発という部分については、具体的にいうと今まで使用していた例で、採血事業者として?@~?Eの範囲のことというのは行われていたんですか。
○佐川委員長 どうぞ。
○日野副本部長 日赤の場合、血液の有効利用に関する譲渡血液の内規があり、各血液センターの所長が判断できるものと、本部が判断するものがあります。
 基本的に本部が判断するものに関しましては、国の方から依頼に基づいて、特に(イ)の部分で検査試薬とか医薬品の製造に関わるものに関しては、営利を目的とする者に譲渡することがありますので、そういうものでやっております。
 譲渡血液の大部分を占める各血液センターの所長が判断するものに関しては(ア)の部分になりまして、量的には?@研究開発とかその他で、主に医療に関してのクロスマッチのための原料を譲渡してほしいというものとか、大学とか公的研究機関においては、赤血球とか血小板の表面の試験管レベルの基礎研究になっていると思います。
 ただ、厳密にいえば(ア)と(イ)の研究開発の部分とか研究の部分に関しては、今後もう少し整理する必要があるとは思っています。
○花井委員 例えば血液事業学会等々の発表などを見ていると、(イ)の?@やら?Dに該当するような、各センターが独自で判断している部分に類するのではないかという発表も今まではあったわけです。これまで割と血液センターレベルである程度いいだろう、行った部分についても、かなりの部分があらかじめ運営委員会に評価をしてもらわなければいけなくなるという理解でいいですか。
○日野副本部長 今もちょっとお話しましたけれども、広く国民の公衆衛生に関係している部分は、突き詰めれば、最終的に(ア)の部分にも入ってくることも考えられると思いますので、その辺りの整理が今後少し必要だと思います。
 今は各血液センターで量的に大部分を占める血液の、基本は(ア)だったと思います。本部が決めるものに関しては(イ)という切り分けだと思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○難波江補佐 今の具体例につきましては、2ページから3ページにかけて(ア)(イ)と分けて、こういったものを想定しているというものを幾つか掲げております。
 2ページの下の方の(ア)で、血液製剤の有効性・安全性及び献血の安全性ということで、研究開発としては人工赤血球の開発とか血小板製剤の有効期限に関する研究。
 品質管理試験では、血液製剤の製造に必要な検査機器の精度管理、先ほどのお話などだと思います。
 あとは検査試薬、疫学研究などでも血液を通じて感染するおそれのある病原体、その他として血液フィルターの性能の評価とか採血基準に関する評価がございます。
 (イ)の広く国民の公衆衛生の向上を目的とした使用として、例えば研究開発も新たな診断薬の開発。
 具体的には書いてないんですが、?Aの新生児スクリーニングというのは、例えば代謝性疾患のスクリーニング、検査をするためにコントロール血清が必要だという場合、直接的には血液製剤の有効性・安全性とは関わりがないことでございますが、子どもの健康のために公衆衛生の向上に寄与するものであると考えられるものでございます。
 その他?Cの血液製剤とは違う、全く関係のないほかの薬の製造において培地で血漿を使ったりとかアルブミンを安定化剤として使う場合がある。
 ?Dのインフルエンザ等の感染症流行予測というのは、インフルエンザが血液を通じて感染するかどうかという別の議論はあるかとは思うんですが、それ自体が血液の安全性とは直接的には関わりのような感染症の調査、抗体価をはかるとか、そういったものを想定しております。
 先ほど花井委員から御指摘のありました、例えば血液学会などで発表しているものはほとんど(ア)に入る部分だと思います。血液学会ではなくて、全然関係のない学会で献血血液を用いて調べたところ、こういったものでしたというものは(イ)に入るという理解でございます。
○花井委員 大体わかったんですけれども、今、例に挙げた?Dのインフルエンザ等の感染症流行予測調査については(イ)に入るわけですね。これは日赤がやっても(イ)に入るということなんですけれども、それは単にインフルエンザはウイルス血症を生じないからという理由でそうなるんですか。これは微妙だと思います。
○難波江補佐 これは例として適切でなかったかもしれません。もともと血液を通じての感染のおそれというものがこれまで言われていないようなものです。
○佐川委員長 どうぞ。
○田所経営会議委員 輸血用血液にインフルエンザのウイルスが見つかるかどうかということについては安全性に関わりますので、これは我々がそれをやっている事業者として責任を持って自らの判断でやるべきことだと考えていますし、今後もそのように考えております。
 ただ、来年度の流行予測で何パーセントの人が抗体を持っているかを調べてほしいという厚労省からの依頼があった場合は、これは直接血液事業には関係のない疫学調査だという具合に考えております。
○佐川委員長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 今、花井委員の質問から、(ア)と(イ)の一部について既に行われている、新しくどの部分が今回きちっと整理しなくてはいけないのかということ、全体としては日赤と日赤の各センターとでいろいろ実際には行われているけれども、もう少し幅を広げて研究目的として、例えば検査試薬をつくっていくとか、そういった意味で有効利用を広げていくという観点からこれを整理するという話の理解でよろしいんですか。
 ただ、これまで実際には表にはよくわからなかった問題として、こういった検査試薬とか研究開発の目的として(ア)で使われている部分についても、どのぐらいの血液の量が使われていたかとか、台帳などがあると思うので、そういうもので計算するとどういった形で提供されていたのかというのは、これを審議する1つの土台としては、ある程度あった方がいいのではないかと思います。今後どのぐらいそういった量的な問題として必要性が出てくるのかという、今回新しくできる決まりと前回とでどういうふうに変化していくかということもやはりちゃんと把握しておいた方がいいのではないかと思います。その辺は日赤の方で調べられるような形なのか、それとも血液製造販売業者の方からどういうふうに伝わっているのかというところはよくわからないものですから、おおよそどのぐらいの量がこの目的として使われるという推計みたいなものが出てくると、ありがたいと思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○難波江補佐 平成21年度の値につきましては、前回の指針を作成する際に配付しました資料で何リットル、何本ということはお示しさせていただいておりまして、21年度で研究開発等に使われたものは2万7,000リットルでございます。廃棄血の製剤の本数でいうと10万2,000本になります。
○佐川委員長 相当大きな量ですね。そういう理解でよろしいでしょうか。研究開発等に使われた血液の量は2万7,000リットルです。
○岡田委員 誤解があるといけないんですが、それは廃棄血がほとんどですね。
○難波江補佐 そうです。
○岡田委員 そう言わないとちょっと大変なことになります。
○佐川委員長 不適格な血液製剤をそういう目的で使ったということでございます。今回の指針も原則的には使用する予定の血液製剤というのは、そういうものが対象になるということですね。
○難波江補佐 今回こちらに書かせていただいていますが、廃棄するような血液の有効利用の促進という点と、規格に適合した製剤については、使用は本当にそれでないとこれができないんだという限定的な場合、そういった理由が明確でなければならないと縛りをつけておりますので、基本的に廃棄血の利用等が進むことにおいて、業務の負荷というものは別として、安定供給に直接的な支障が生じるというものではないということでございます。
○佐川委員長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 そうしますと、今後と(ア)の部分とか(イ)の部分についても、今までは日赤の本部の方で裁量されていた部分と各センターで裁量されていた部分があったわけですけれども、それはどういうふうに改められるんでしょうか。
○佐川委員長 いかがですか。
○難波江補佐 当然運営委員会で事前に評価いただく項目については、こちらに上げていただいて、こちらで評価いただく。
 あと、日赤の中で評価する部分についてですが、中央でやる部分と各センターでやる部分については、また日赤とも協議しながら進めていきたいと思います。
○佐川委員長 それについては、従来どおりという理解でよろしいですね。
○田所経営会議委員 我々も従来どおりと解釈させていただいていて、特に(ア)の部分の安全性等に関わる問題について、我々自身が使う場合あるいは公的医療機関から要請があった場合には、その基準に合致するかを判断した上で、それが適合する場合はお出しする。その結果は従来も国に報告させていただいていますが、今度からは適宜報告するということですから、委員会に報告するということです。報告する場が違うだけだと思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○大平委員 意図としては、日赤の血液事業本部で一括してすべて血液製剤について管理していくところで、センターがそれぞれの判断でかなり裁量があって、今度センターがブロック化されていくという話をお聞きしていたりしたものですから、そういった面でどういう管理システムの中で、今回の問題についても本部がどういうふうに集約していくのかというところお聞きしたかったんです。
○日野副本部長 従来もそうですが、各血液センターは集約とは別に譲渡血液の要望は各県にある地域センターにくると思います。そういう意味では今までと同じ考え方でいいと思いますけれども、先ほど私からお話したように、詳細に関しては今までのものがあるんですけれども、それを少し整理する必要があると思っています。
○佐川委員長 岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 特に問題になるのは、きっと(イ)の?B検査試薬だと思います。例えば診断薬メーカーから、HB陽性血を自分たちの試薬の評価等に使いたいという要望があると思います。この指針がつくられれば、指針にのっとったものであれば一応可能ということになるんですね。
○佐川委員長 どうぞ。
○難波江補佐 先ほど申した5ページの?Aの?Aですが、使用する血液として、後段の方で献血血液に対する感染症検査が陽性となった血液については、感染拡大防止の観点から、特別な場合を除き、原則、用いてはならないとしております。ただし、いずれにしろ試薬メーカー等営利を目的とする方が使用を希望する場合においては、こちらで事前評価するかと思いますので、その目的がここの原則と照らして適切かどうかということをこちらで御審議いただくことになるかと思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○田所経営会議委員 それに関連して追加させていただきたいのですが、例えば従前の感染症試薬については十数年かけて感度や特異性を上げてまいりました。それから、実際に適用となった試薬についても、その品質を上げていくという作業が必要になる場合があります。その場合は我々が検出できるもの、できないものというパネルを自分たちの中で見出して、試薬を提供している業者の方に差し上げて、これを見つけられるようにしてくださいと求めることがあります。そういうことは日々恒常的に試薬の改善、改良するために従来も行ってきています。これについては率直に申し上げますと、一つひとつこの委員会に諮ってやっていたのでは、時間的にも少し遅れる可能性があるので、その辺については猶予を考えていただきたいと思います。
○岡田委員 それはまさに(ア)に入るのではないでしょうか。
○佐川委員長 難波江さん、どうぞ。
○難波江補佐 (ア)であって、採血事業者が実施する場合においても、ここの評価事項に準じて評価をしてくださいという形になりますので、一応これが適用されることになりますが、今の御指摘を踏まえてここの書きぶりは工夫させていただきいと思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○花井委員 渡し方なんですけれども、疫学研究している者からすれば、陽性血というのは非常に貴重なもので、特別な場合というのは厚生科学研究でこういった研究、プロトコールが示され、クエスチョンが極めて国の公衆衛生、感染症予防等々に寄与する場合はこれに該当するという理解なんですか。そうすると、陽性血の提供というのは普通の提供よりも日赤としても取り合いになるというか、それはどういう感じなんですか。優先順位というかね。
○田所経営会議委員 従来のことで申しますと、陽性血液についてはパネルをつくる。あるコントロール試薬、標準試薬としてつくる場合、あるいはいろんな特性を持つ検体というのがありますので、この方法では見つかるけれども、この方法では見つからないという検体もありますので、そういうものを検査の過程で見出して、それを我々が持っているんです。国が全国のコントロールサーベイということで検査機関、あるいは医療機関等の検査の評価をするような場合、そのために陽性の血液を提供させていただいています。
 それ以外には先ほど言いましたように、我々自体が使用している試薬の改善、改良のために陽性の血液を出して、この試薬をこの点でもっと改善してくださいという要望をするために出しています。ですから、一般的にいえば、今までは公的なものにしか陽性血液というのは出した記憶がありません。
○佐川委員長 よろしいでしょうか。半田先生、どうぞ。
○半田委員 話題が献血者の対応ということなんですが、よろしいですか。
○佐川委員長 どうぞ。
○半田委員 いわゆる献血の一般的な考え方というのは、輸血を通して自分たちの血液を患者さんの治療のために使う。こういう概念が実際にきちんと政策として出るということになりますと、献血の考え方がもっと広くなるわけです。当然研究開発などで我々も血液をいただいたこともありますし、実際に研究開発などには供給されているわけです。献血者に対してインフォームドコンセントをとるという作業があるんですけれども、実際には研究開発などで一部はもう使われているわけですが、現状での献血者へのインフォームドコンセントの中でどの程度そういう意味合いが含まれているのかどうかというのはいかがでしょうか。
○佐川委員長 日赤からどうぞ。
○日野副本部長 現在、献血をしていただく前に「お願い」というリーフレットを差し上げています。その中に輸血の血液製剤の安全性・有効性に関しての研究など、医療以外でも有効利用させていただく場合がありますというメッセージを入れているところです。
○半田委員 勿論献血者の方にはいろいろと説明しなくてはいけないんですけれども、基本的な方針というものは変える必要はないということでよろしいんですか。いわゆる目的という意味においては、新たな目的を加えるとか、公衆衛生の向上に対してとかその辺はまだうたっていないということですか。
○日野副本部長 そうです。
○半田委員 なるほどね。
○日野副本部長 その辺はもう少し充実させる必要があると思います。
○佐川委員長 どうぞ。
○岡田委員 今、献血するときには、確かに血液製剤の安全性向上などに使いますと書いてあるんですけれども、それは(ア)に相当するということで、それはもうインフォームドコンセントをとっていると思います。
 ところが(イ)に関しては厳しいと思います。ですので、この指針をするときに(イ)の場合にどういうふうに国民のインフォームドコンセントをとるかというのが1つのかぎになると思います。これが決まって以後の献血者に(イ)の適用で使っていいかどうか聞いて、(イ)に関してはもしかしたらインフォームドコンセントをとったものしか使えないという可能性があるんです。その辺は議論をしないとなかなか難しい面があると思います。
○佐川委員長 難波江さん、どうぞ。
○難波江補佐 インフォームドコンセントのとり方につきましては、今、岡田先生がおっしゃられたとおりだと思います。既に幾つかの研究指針というものが国から出されていまして、ここの中にも書いているんですけれども、疫学倫理指針に該当するような疫学研究をやる場合はそちらの指針に沿った形のインフォームドコンセントが必要となります。
 ただ、例えば連結不可能匿名化を使った資料については疫学研究の指針の対象としないとなっている項目などもございますので、その研究がどの指針に合致するか。例えば遺伝子解析などをやりたいという話になれば、今の遺伝子の検査というのはHLAタイプなど輸血の副作用防止の場合のみやらせていただくことがありますということを献血時にお知らせしていますが、それをやっていないものについてはその指針の対象となるのであればできないことになりますので、そこは何に使うか、何を使うか、どういったプロセスでインフォームドコンセントを得られているかということを見て、できる、できないという判断が必要になるかと思います。
○佐川委員長 いずれにしましても、この指針が成案になった段階で、日赤の今までのインフォームドコンセントの体制等は少し修正なり、相談の対象になってくるとは思います。
 ほかはよろしいでしょうか。御意見がありましたら、お願いします。半田先生、どうぞ。
○半田委員 細かいところで申し訳ないんですけれども、使用目的等のところで(イ)では医薬品製造というものが入っているんです。(ア)の方には医薬品製造というのは入れなくていいんでしょうか。基本的には輸血用血液製剤も含めて血液製剤は医薬品なんですけれども、例えば人工血液というのは医薬品に入るのではないか。これは血液の安定供給に関係していますから、基本的には(ア)の中にも医薬品製造というのを入れておいてもいいのではないか。あるいはこれは研究開発の中に入るのか、その他の中に入れてしまっていいのかというところがありますが、いかがでしょうか。
○難波江補佐 今、御指摘の点につきましては、今の段階のおいては研究開発の中に入っております。具体例として掲げておりますが、それが商品化された場合において、それそのものは血液製剤ではないかということもございますので、ここで項目としては入れておりません。そういった場合が発生したときには、当面その他になるのか、新たに項目をつくるのか、現段階ではそういう考えであえて医薬品という形ではここには入れませんでした。
○佐川委員長 いろいろ御意見が出されました。今、事務局から提示された指針案については、先生方、日赤の方々が提言していただいたいろんな御意見を踏まえて、是非修正案をつくっていただきたいと思います。その過程において、委員の方々にはこの後でもしお気づきになられた点等がありましたら、是非事務局へ御意見を寄せてください。それも踏まえた上で、これをたたき台として新たな修正案を作成して、3月の血液事業部会に提出する予定です。そして、そこで再度審議をしていただく予定でございます。よろしいでしょうか。
○難波江補佐 この後の進め方ですが、今、座長がおっしゃりましたとおりで、今日いただいた御意見、この後、事務局にいただく御意見を踏まえまして、この修正案を作成しまして、3月の血液事業部会で御審議いただければと思っています。そこで御了解いただけますと、そこでの御意見を踏まえて修正をしたものでパブリック・コメントにかけて、御意見をいただくということを考えております。
○佐川委員長 いずれにいたしましても、このような指針がちゃんとした国の方針として出されることによって、今までの血液の有効利用が非常に大きな拡大を見せると思います。そして、国民全体の公衆衛生に利することになると思いますので、是非建設的な御意見を今後も寄せていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、議題「4.日本赤十字社からの報告事項について」。資料6、英国滞在歴に関する制限緩和に伴う献血状況について説明をお願いいたします。
○菅原献血推進課長 日本赤十字社の菅原です。よろしくお願いいたします。
 資料6に基づきまして、英国滞在歴に関する制限緩和に伴う献血状況の報告をさせていただきます。
 1ページ目でございます。採血時の欧州等滞在歴による献血制限の見直しにつきましては、1980年から1996年の間の1日以上の滞在歴を有する者から1か月以上という形に制限が緩和されているところでございます。
 日赤としましては、昨年1月27日の採血分から緩和された制限によって受け入れを開始したところでございますが、対象となる献血受付者数の実数の推移及びこれに係る関連広報の展開について概要を報告させていただきます。
 なお、この調査対象の期間は、昨年1月27日から本年1月31日までの約1年間としてございます。
 まず1つ目でございますが、対象となる献血受付者数、これは実数でございますが、2ページのグラフ1のとおり、37,366人という結果でございます。また、この調査実施期間約1年間における献血協力回数を一人当たり1.7回としまして、延べの献血受付者数を試算いたしますと、約64,000人になるものと推定されます。
 2つ目でございますが、3ページのグラフ2を見ていただくとおわかりになりますが、この対象となる献血受付者数(実数)の滞在期間別の分布を見ますと、1週間以内が全体の78.5%、2週間以内では92.7%となっておりまして、その大部分が2週間以内の滞在歴であったという状況でございます。
 それから、広報展開といたしましては、4ページにございますが、テレビCMの放映を行っており、番組提供として全国放送を展開しております。時期としましては、平成22年4月から5月にかけて行いました。
 また、スポット放映としまして、これらの各地域において空き時間帯に放映を依頼したところでございます。
 5ページ目でございます。第2回目の広報展開といたしましては、特に献血者を確保するのが非常に厳しい時期になってまいります平成22年11月にターゲットを当てまして、全国放送の番組提供をご覧のとおり展開しております。
 また、併せてスポット放映につきましても、ご覧のように各放送局の空き時間帯にその依頼をしたところでございます。
 6ページ目でございます。その他の広報展開としましては、新聞広告の掲載をしております。掲載内容は別添2にありますが、掲載紙としましては、全国紙あるいは地方の主要紙を含め合計約4,076万部を対象としまして、全国的な広報展開をしております。
 掲載日につきましては、ご覧の計3回を行っております。
 3つ目としましては、ラジオ番組での告知ということで、日本赤十字社で現在展開しております全国統一キャンペーン『LOVE in Action』のラジオ大作戦という1つのラジオ展開の中で、各FM局ネットによりまして、朝の時間帯に随時、献血制限緩和に関する情報を提供したところでございます。
 また、併せてポスターの製作及び配付等を行っております。この献血制限緩和に係るポスターを9,400部製作しまして、各センターに配布したということと、併せまして各献血ルームに整備してあります映像配信システム、デジタルサイネージにおいてポスター映像を掲出したという状況になっております。また、定期的に発行しております一般国民向けの小冊子『献血Walker』への関連記事を掲載したということで広報を進めさせていただきました。
 以上でございます。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 ただいまの御報告に対して、御意見はいかがでしょうか。岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 3万7,366人の方が受けたということなんですけれども、今までは1日という滞在歴があったために献血を控えられた方、要するに戻って来られたというのは、何名ぐらいおられるかというのは推定できるんでしょうか。
○菅原献血推進課長 それも内訳がございまして、戻られた方、いわゆる以前これによって制限がかけられていた方で再度献血に来られた方17,981人、構成比で51.9%の19,385人の方が献血者情報として保有していない、いわゆる新規、初回の方という状況でございます。
 この結果からいいますと、再来献血者群については一度献血から離れてしまって戻ってこられていない方がいるということになりますから、今後継続的にPRしていく必要があると思っております。
○佐川委員長 大平委員、どうぞ。
○大平委員 戻って来られた方についてのデータ、献血歴としてのデータは記録として、滞在歴とかそういうものはきちっと確保されるんでしょうか。
○菅原献血推進課長 システム上の情報の管理ということでよろしいですか。現行のシステムでは英国で1泊以上という情報はもともと持っておりまして、対象となる方が献血に来られた場合、献血の受付ができないという情報をシステムで確認できる仕組みになっております。
 献血制限が緩和された昨年1月27日以降につきましては、そういう方が来られた場合には、まず当該情報がシステムで表示されまして、そのような対象の方であるかどうかということを認識することができます。献血制限緩和の対象だということであれば、献血の受付を行うことになるわけですが、実際に献血受付後に製品化する段階で、今まで制限をかけていた情報を解除しなければならないということが発生します。それを解除することによって当該献血者の献血制限に関する付加情報が抹消されてしまうということになりますので、次回に献血に来られたときには、献血制限緩和の対象者であることは把握できません。
○佐川委員長 どうぞ。
○大平委員 そうしますと、遡及も難しくなってくるんですか。
○菅原献血推進課長 遡及といいますと、どういうことですか。
○大平委員 万々一のことで何かあった場合、その方が過去に英国に滞在していたということがわかるんですか。聞き取りとかそういうことでしたらできるんでしょうけれども、データ管理上で以前英国滞在歴1か月とか1日とか、そういうので止められていたということがあって、そして、その方はそういう対象だったということが、何か問題があったときにそこまで遡及できるような管理にはなっていないんですね。
○菅原献血推進課長 そうですね。システム上の管理情報としてはそういう形になります。
 なお、保管されている問診票の原本により、遡及していくことは可能となります。
○佐川委員長 よろしいでしょうか。
 日赤におかれましては、ただいまの御意見等を十分に踏まえまして、引き続き情報の周知、国民への周知をお願いいたします。
 それでは、続きまして、資料7、採血基準の改正に伴う準備状況について日赤から説明をお願いします。
○菅原献血推進課長 それでは、続きまして、資料7の採血基準改正に伴う準備状況について報告をさせていただきます。
 1ページ目からです。採血時におけるリスクとその対応策を事前にわかりやすく情報提供するということで、まず、事前説明という項目で、特に初回献血者向けの事前説明用のDVDを作製するということを本年4月より実施していく予定でございます。これは特に400mL献血の下限年齢が男性に限って17歳に引き下げられることにつきまして、、初回献血者の採血副作用の防止対策の一助とするという目的で作製をしていきたいと考えております。
 献血バスにおきましては、事前説明用のDVDの作成及び再生機器を整備し、初回献血者等に視聴していただきます。献血ルーム等の固定施設につきましては、問診票回答システム、現在、問診票はタッチパネル方式で献血者に回答していただいておりますが、この問診票回答システムの中にも下にある映像イメージの画像を取り込んで見ていただき、御理解いただくということでございます。
 ちなみに、献血バスにつきましては、献血の流れや注意事項に重点を置いたものとして、献血当日の事前説明用として映像時間2分30秒のものと、献血日前に予め説明できるようなことがあれば約10分程度の献血の流れも含めた映像をお見せしていきたいと考えております。下にある映像イメージは、映像時間2分30秒の内容でございます。
 2ページ目、ホームページの改修につきましては、以前にも部会等で報告させていただいております。既に21年度末に初めて献血される方を対象として、このような情報提供を展開しております。
 3ページ目でございますが、献血会場入り口におきましては、デジタルサイネージ、先ほども説明させていただきました映像配信システムが整備されております。この整備自体は平成21年度に実施済みでございますが、今回の採血基準の改正に伴う初回献血者向けの映像コンテンツは、デジタルサイネージにおいても本年3月から事前に配信をしていきたいと考えております。
 また、ここに記載されておりませんが、特に移動献血、学校献血の会場において献血後の献血者をケアする人を配置し、採血副作用の防止に努めるということも行ってまいりたいと考えております。
 4ページ目です。これも既に昨年3月に実施しておりますが、初回献血者とわかるネックストラップをかけていただいて、職員が常に初回献血者に対して注意を払い、安全性確保に努めているという状況でございます。
 5ページ目でございます。これは『お願い!』という献血者にお渡しておりますリーフレットですが、本年4月より改訂したものを配付していきたいと考えております。改定内容としましては、インフォームドコンセントに係る内容、具体的には採血時に生じる副作用、献血していだたいた血液、検査で異常を認めた場合のお知らせ等の内容を簡潔明瞭にしたものであります。
 その下にあります、血液事業統一システムの改修も昨年の英国渡航歴制限緩和以降、問診票改訂と併せて進めておりまして、今年4月より実施すべく、評価を行っているところでございます。
 6ページの問診票回答システムの改修は、献血ルーム等の固定施設で問診票に回答していただくシステムとして使用しておりますが、本年4月より問診票が14項目から23項目に変更になること、また併せて、下にある画面遷移イメージのように初回献血者に対応したDVDの映像も盛り込んだ形で、献血は初めてでしょうかという最初の画面から、最後の問診票の印刷まで4月からの実施に向けて改修しているところでございます。
 7ページ目でございます。事前検査の対応として、採血基準を血色素量に統一するということでございます。これも既に当部会で報告させていただいておりますが、今年4月より全国血液センターで実施をしていくという状況でございます。
 8ページ目、採血後十分に休憩できる環境スペースということで、献血ルームにおいては既に日本赤十字社内で献血ルーム施設整備ガイドラインが昨年9月に策定されておりまして、今後、新設や移転等を実施していく献血ルームにつきましては、特に休憩スペース、採血スペースも含めて献血者の安全性確保を向上させるような整備をしていきたいと考えています。
 最後に9ページ目でございますが、低比重者などへの対応として、これも既に21年度より実施しておりますが、ヘモグロビン不足で献血ができなかった方への栄養相談等の実施、次回の献血につなげるような形で引き続き行っていくという状況でございます。
 以上でございます。
○佐川委員長 ありがとうございました。
 ただいまの御報告に対して、委員の先生方、御意見、御質問はいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、今後も日赤におかれましては、安全な血液事業の運営に向けてしっかり取り組んでいただくようにお願いいたします。
 最後にフィブリノゲン製剤等に係る報告事項について、事務局から報告をお願いします。
○血液対策企画官 それでは、フィブリノゲン製剤についての最近の情報を提供させていただきます。
 資料8-1をお願いいたします。フィブリノゲン製剤納入先医療機関につきまして、追加調査ということで、一番最近に出されたプレスリリースは1月28日に出されたものでございます。
 2ページ目を開いてください。こちらの方は1月28日現在の調査結果といたしまして、医療機関数としては1,005施設、元患者数としては1万4,481名の方が判明しております。
 今後ともこちらの方の調査は引き続き行うこととしておりますが、今までこちらの方の報道、プレスリリースは2週間に一遍の発表だったんですが、2月中旬からこれを原告団、弁護団と調整いたしまして、1か月に1回のプレスリリースの発表となります。今後1か月に1回の発表という形で、それぞれ報告があったところをアップデートしていくこととなります。
 5ページを開いてください。資料8-2でございます。こちらの方はC型肝炎訴訟の和解といたしまして、裁判につきまして和解をしたという事例でございます。
 こちらの方は2月2日付で、2人の方とC型肝炎訴訟の和解をしたということを公表させていただいたものでございます。
 以上でございます。
○佐川委員長 ただいまの説明に対して、委員の先生方いかがでしょうか。御質問、御意見はございませんか。ないようです。
 その他、今まで総括的に何かございませんか。特にないようです。
 それでは、本日の議題は以上でございます。
 次回の日程等については、後日、事務局から連絡いたします。
 本日は御多忙のところ、誠にありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局血液対策課 課長補佐 難波江(内線2905)

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