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2011年2月23日 第1回アレルギー疾患対策作業班 議事録

○日時

平成23年2月23日(水)
13:00-15:00


○場所

厚生労働省 省議室


○出席者

天谷 雅行 (慶應義塾大学医学部教授)
今村 聡 (社団法人日本医師会常任理事)
大久保 公裕 (日本医科大学医学部教授)
栗山 真理子 (NPO法人アレルギー児を支える全国ネットアラジーポット専務理事)
洪 愛子 (社団法人日本看護協会常任理事)
河野 陽一 (千葉大学大学院医学系研究科教授)
住田 孝之 (筑波大学大学院人間総合科学研究科教授)
谷口 正実 ((独)国立病院機構相模原病院統括診療部外来部長)
土橋 紀久子 (山梨県甲府市立富竹中学校 養護教諭)
三嶋 理晃 (京都大学医学部教授、漢方免疫アレルギー研究会評議員)
山中 朋子 (青森県健康福祉部医師確保対策監)
吉武 毅人 (第一薬科大学副学長、社会薬学教室教授)

○議事

○眞野課長補佐
 ただいまより、第1回アレルギー疾患対策作業班を開催いたします。班員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。開催に先立ち、当疾病対策課長の難波より、一言ご挨拶をお願いいたします。

○難波疾病対策課長
 先生方にはご多忙にもかかわらず、本班員をお引受けいただき、また本日はこの会議のためにお集まりいただきまして、心より厚く御礼申し上げます。今日ご議論いただくアレルギー疾患の対策というのは、厚生労働省が平成4年度から研究事業を始めてきております。そういった中で病因や病態の解明、治療法の開発などを進めてきたわけです。これらの成果を踏まえて、平成17年にリウマチ・アレルギー対策委員会において、総合的・体系的なアレルギー疾患対策についての報告書、あるいは基本的な方向性が取りまとめられたという経緯がございます。今般、報告書あるいは基本的方向性が取りまとめられてから、5年が経過いたしました。そういった中で私どもは、アレルギー対策の見直しを図りたいと考えており、現在やり残されている課題、新たに生じた課題等を踏まえて、今後アレルギー疾患対策の方向性及び具体的方策について、活発なご議論をお願いしたいと考えております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

○眞野課長補佐
 ありがとうございました。それでは本日の出席状況と、本作業班の班員のご紹介を併せていたします。本日は作業班班員全員のご出席をいただいております。出席者に関して、あいうえお順で申し上げます。慶應義塾大学医学部教授の天谷班員。社団法人日本医師会常任理事の今村班員。日本医科大学教授の大久保班員。NPO法人アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」専務理事の栗山班員。社団法人日本看護協会常任理事の洪班員。千葉大学大学院医学系研究科教授の河野班員。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授の住田班員。独立行政法人国立病院機構相模原病院総括診療部外来部長の谷口班員。山梨県甲府市立富竹中学校養護教諭の土橋班員。京都大学医学部教授、漢方免疫アレルギー研究会評議員の三嶋班員。青森県健康福祉部医師確保対策課の山中班員。第一薬科大学副学長、社会薬学教室教授の吉武班員。
 アレルギー疾患対策作業班の班長の選出まで、事務局にて議事を進行したいと存じます。まず、配付資料についてご説明いたします。資料の頭紙から議事次第、「アレルギー疾患対策作業班班員名簿」及び座席表となっております。資料1「アレルギー疾患対策作業班開催要綱」、資料2「第4回リウマチ・アレルギー対策委員会のアレルギー疾患対策に係る指摘事項」、資料3「患者会から見たアレルギー疾患の5年間と現状の課題、今後への提案」、資料4「アレルギー疾患対策の骨子(案)について」、資料5「アレルギー疾患対策の具体的方策に係る論点の整理」です。
 続いて、参考資料1「リウマチ・アレルギー対策委員会開催要綱」、参考資料2「アレルギー疾患対策の現状、評価、課題」、参考資料3「リウマチ・アレルギー対策委員会の報告書におけるアレルギー疾患対策の評価」、参考資料4「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」、参考資料5「アレルギー疾患対策の方向性等」です。また、班員の皆様の卓上には山中班員より、地方自治体の取組み状況や地方自治体のお立場から、必要と考えられる取組み等に関する資料を配付しております。これらの資料に関して後日お目通しを賜り、ご意見等をいただきたいと考えております。山中班員より、資料に関しての説明をよろしくお願いいたします。

○山中班員
 この調査は全国の衛生部長会を通して先月、一斉に調査を依頼したものです。6枚目をお開きください。すべての都道府県からご回答いただいてはおりませんが、45都道府県からご回答いただいたものを一覧表にしております。この記載方法は参考資料4、「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」の平成17年の委員会報告書の途中に、都道府県の取組みが書いてあるので、それと比較していただければと思って、同じような表を作ってみました。取り組んでいる所が○、やっていない所が×です。いちばん下のほうに、都道府県の合計を記載しております。括弧書きが5年前の取組み状況の数です。括弧でない所が現状です。比較していただきますと、アレルギー対策についての相談体制などは、ほとんどの都道府県で取り組んでおりますが、本来、都道府県が担うべき医療提供体制については、14都道府県が取り組んでいるというところで、まだまだ進んでいないという課題があります。
 それぞれについてごく簡単にまとめたものが1枚目からです。都道府県では各アレルギーに関してどんな事業をしているかというのが、1枚目にあります。花粉症対策が多くやられていますけれども、例えば人材育成は、都道府県においては事業としてなかなかやっておりません。また、普及・啓発についても住民対象のものが多く、医療従事者あるいは保健関係者への啓発や教育というのは、なかなか進んでいないという状況です。
 相談対応については2枚目にあります。国のほうでリウマチ・アレルギー相談員を養成しておりますが、それを受講されているという回答があったものは32ですから、約7割程度が参加しております。政策あるいは企画等に活用されているというのが半数のみということで、まだまだ活用が不十分です。4番目に、市町村との連携が記載してあります。これについても医療との連携、患者団体との連携というのは、まだまだ少ない状況かと思います。
 4枚目が医療提供体制ということで、医療計画に載せているかという質問です。医療計画上定めているというのが14都道府県です。ただ、一般の難病対策の中に位置づけているものもありますので、アレルギー対策という項目を立てて医療提供体制を作っているのは9都道府県、自治体として調査研究をするというのが2県ということで、なかなか医療提供そのものが進んでいないという状況にあります。たぶん、いろいろご議論になるかと思いますけれども、どういった所が専門の医療機関かと。疾患の多さもあるかと思いますが、専門医療機関を把握している所も少ないことがわかりました。
 そういった状況を踏まえて、今後、自治体として取り組んでいかなければならないものをいろいろ整理いたしました。その辺は後半にパワーポイントの表として付けておりますので、後ほどご覧いただければと思います。こちらには記載しておりませんが、近年、例えば鹿児島県や宮崎県のような状況、あるいは昨年度の新型インフルエンザ等、いろいろな健康危機管理が発生しております。そういった場合、アレルギー疾患を持った方々の対応というのも、地方公共団体の1つの役割ではないかと考えております。そういったことについても皆様方からご意見を伺って、ご検討していただければと考えております。

○眞野課長補佐
 それでは議事次第に基づき、議題1、「本作業班の目的と検討事項等」に関して、事務局よりご説明申し上げます。資料1において、リウマチ・アレルギー対策委員会で定めた開催要綱、目的や検討事項等について簡単にご紹介いたします。
 まず目的です。アレルギー疾患対策作業班は、厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会が参集を求めるアレルギー疾患対策の有識者により、厚生労働省におけるアレルギー疾患対策について、専門的な検討を行うことを目的として開催いたします。本作業班はアレルギー疾患対策を総合的・体系的に実施するため、これまでのアレルギー疾患対策の評価を行うとともに、今後のアレルギー疾患対策の方向性及び具体的方策を整理し、委員会に報告するものとします。作業班の構成や班長の指名に関しては省略いたします。会議は公開として、議事録に関しても公開することといたしております。また、作業班の庶務に関しては、当健康局疾患対策課において総括して処理いたします。その他対策要綱に定めるほか、作業班の運営に関して必要な事項は、班長が定めるものといたします。ご質問等はありますか。
 それでは議題2、「班長の選出」を行います。事務局の提案としては、前回の第4回厚生科学審議会疾患対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会において、アレルギー疾患対策の現状、評価、課題に関してご発表いただいた谷口班員にお願いしてはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○眞野課長補佐
 それでは谷口班員に班長をお願いしたいと思います。

○谷口班長
 相模原病院の谷口と申します。まだまだ経験少ない身でございますけれども、前任の秋山委員長から引き継がさせていただきます。経験不足ではありますが、今回、エキスパートの先生方のご指導、ご助言をいただいて、この班の作業をまとめたいと存じます。どうかよろしくお願い申し上げます。

○眞野課長補佐
 なお、以降の議事進行は谷口班長にお願いしたいと存じます。また、カメラでの頭撮りはこれまでとさせていただきます。

○谷口班長
 それでは早速、議事に入ります。まず議題3に関して、事務局より説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 それでは資料2、「第4回リウマチ・アレルギー対策委員会のアレルギー疾患対策に係る指摘事項」をご覧ください。昨年12月に開催した第4回厚生科学審議会疾患対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会でいただいた、アレルギー対策に関する主な指摘事項を整理しております。1つ目として、現状についてはアトピー性皮膚炎が減少している傾向にあるが、ほかのアレルギー疾患は増えており、特に喘息やアレルギー性鼻炎は非常に増加している。あるいは、国民の2人に1人は何らかのアレルギー疾患を持っていると推定されている。アレルギー疾患にはQOLを低下させるのみで、生命にはかかわらないと言われているが、喘息の重積発作、アナヒラキシーショックによる死者はなくなったわけではなく、対策の推進が引き続き重要である。高齢者と不定期受診の喘息死はあまり減っていない。
 続いて、医療等の提供に関してです。アレルギー疾患患者の多くが非専門医にかかっているが、アレルギー疾患患者は数も多く、全部専門医で診るのは困難であり、病診連携が重要である。専門医療体制の整備や病診連携についてはまだ不十分であり、また、それを担う専門医も少ない。専門医に準ずるかかりつけ医、例えば準専門医と位置づけるようなことも案としては考えられるのではないか。アレルギー疾患やその管理について習熟した薬剤師や看護師の育成が重要である。一般医に対するガイドラインの普及が不十分である。成壮年で亡くなった方の多くが普段通院しておらず、これに対する対策が必要である。アレルギー疾患について原因の把握、診断方法がガイドラインで明確にマニュアル化されていない。環境対策に係る事項もあるが、そのような部分にも取組みの推進が必要である。
 相談体制、情報提供に関しては、アレルギー疾患のそれぞれについて講演会などを実施しているが、積極的な参加が得られている疾患もあるが、そうでない疾患もある。特に成年期の喘息患者に対する対策が重要と考えられる。国民に対していかに予防するか、予防するエビデンス、予防ができるエビデンスがどういうものなのかを積極的に情報提供することが必要である。
 最後に研究事業については、諸外国に比べて基盤となるような疫学研究、実態調査の研究が乏しい。あるいは根治につながる治療法として減感作療法があり、その確立や普及に資する研究が重要である。このようなご指摘をいただいたところです。

○谷口班長
 ただいまの事務局からの説明について、班員の皆様からご意見などはありませんか。細かい内容の各論的なことについては、また後で討議いただくわけですけれども、大枠の面で見てこれが抜けているとか、こういう追加が必要だということがありましたら、ご意見をいただければと思います。
 よろしいでしょうか。後でまたご討議いただきますので、次に進めたいと思います。それでは議題4、アレルギー疾患患者会の立場からのご発表を、栗山班員より頂戴したいと思います。

○栗山班員
 本日はこのようなお時間をいただきましてありがとうございます。「患者会から見たアレルギー疾患の5年間と現状の課題、今後への提案」ということで、とてもまとまった文とは申せませんが、患者から見たということでお話させていただければと思います。

(映像開始)

○栗山班員
 まず、私たちアラジーポットの紹介です。親、病棟保母、臨床心理士など7名と顧問の先生2人で、2002年12月1日に設立いたしました。現在の会員数は約1,500人です。ただ、メール会員というか登録会員だけですので、会費は無料です。そのうち1,500名は医療、教育、行政、メディア、企業、個人などのいわゆる親ではない方々がサポーターとなってくださっています。
 設立の経緯は、いま私の子どもは33歳と34歳になり、2人とも寛解状態ですが、そのどもたちが30年前に喘息、アトピー、食物アレルギーという、いわゆる三拍子揃った喘息児だったことに由来します。ところが自分の子どもたちが寛解して周りを見回しますと、30年前と変わらない現状があります。学校に行くのに、説明するのに困る、コントロールがまだ十分でないお子さんたちがたくさんいらしたので、このようなことをやっております。
 私たちの会の目的は、保育園や幼稚園や学校などの教育機関が、アレルギーのあるお子様も楽しく通うことができ、保護者・ご家族が安心して預けられる場となるように、あらゆる機関、あらゆる立場の方々とそれぞれの立場を大切にしながら連携して、社会基盤の整備をしていきたいと願って立ち上げた会です。そのときに患者自らが学び、情報を収集し、蓄積し、整理して患者自らが社会に発信していくということを大事に考えております。
 これが私たちのシンボルマークです。患者会は患者だけが困ったことを共有する、それもとても大切な機能ですが、そのほかにそこで話し合ったことを社会に理解していただく。そのためには、患者自らが伝えることが大事ではないかと考えております。周りのあらゆる方々、それぞれのお立場を大切にしながら連携して、患者である私たちの子どもたち、孫たちの学校生活というか、教育環境の整備をしていきたいと考えております。今日のお話は2004年、2005年のリウマチ・アレルギー検討会の委員をさせていただいた立場から、その成果と現在私たちが抱えている課題を患者の声から、あと、それを克服するためのご提案をさせていただければと思っております。
 まず成果です。心からのありがとうを会員に申し上げたいと思っております。それは「喘息死ゼロ」という目標を掲げてくださったことです。その当時、喘息死は3,000人を超えており、目標が2,000人となりました。「喘息は死なない」と言われている病気で、死なないと患者自身も思っているし、実地医家の先生方も社会も、実際に喘息は死ぬことがあるのに死なない病気と思われています。しかしガイドラインによる治療によって、死ななくてもよい病気になったという理解が広く周知されることになったことに、とても感謝して、私ども患者会は喜んでおります。「喘息死ゼロ」という目標を掲げていただいて、本当にありがとうございました。ゼロに行くことがないことは重々承知しながら、それが進んでいっていることに感謝しております。
 たくさんの課題を掲げていただいて、それが実施され、十分とは言えないながらも着々と進み、多くの疾患の中からアレルギーを取り上げていただいたことをはじめ、多くの感謝の思いはありますが、もう1つの思いとして、ガイドラインの充実というのがあります。ガイドラインというのは患者にとって、医療者とまともな情報を基にコミュニケーションが取れる、とても大切なものです。それができたお蔭で、それが充実したお蔭で学校との連携も取れ、厚生労働省も3月には保育園との連携も取れるようになっています。それぞれの大本のガイドラインを基にした、いろいろなガイドラインができつつあります。これを作れたこと、これを充実させていただいたことに、大きな感謝を持っております。
 これがガイドラインです。2004年に「患者視点でガイドラインを作成」ということで、朝日新聞の1面で大きく取り上げていただきました。それまでは医者が作り、医者が使うものだったガイドラインを、患者の視点で患者向けに作らせていただいた最初のものです。私たちは「何かあったら来てください」というお医者様の「何か」というのが何かを、具体的に目で見えるようにいたしました。班長の宮本先生から、「あなたが患者にとって必要だと思うものをどうぞ、思う存分お書きください」と言われて作らせていただきました。
 これは日本小児アレルギー学会が作った、2004年のハンドブックです。それがもうほとんど出来た段階で、「何か気が付いたことがあったら言って」と言ってくださったので、36のご提案をして、ほとんどのものを反映していただきました。専門家から見れば、発作が起きたときの気道がどうなっているかというのを拡大して、見やすくしてくださったのですが、何も知らない初めて見た患者、あるいは、あまりよく知らない社会の方々にとっては、「ああ、太くなるんだ」というイメージが入ってしまうので、揃えてくださいと言いました。言ってみれば、何も知らない者に情報を提供していただくためのお願いをさせていただきました。それによって2004年の次の2008年というのを、今度は患者が執筆して作りました。
 これは学校でのガイドラインを基にして、日本全国でこれを使っていただきたい、患者と学校と医療者が1つのものを使って、みんながアレルギーに対応していただきたいと思って、文科省、日本学校保健会が作ってくださったものです。まだ、なかなか普及が進んでおりませんが、こういうものが出来るようになったのも、ガイドラインの充実のお蔭だと思っております。
 これは2008年のハンドブックです。患者の立場から一生を見渡した提案、病気の移り変わり、課題、学校で起きたときにどうしていただきたいかというものです。
 これがその表の題です。家族と専門医が一緒に作ったハンドブックというのは、患者の求めるものを学会がサポートして作るという、いままでとは全く異なった視点を持ったものです。作成に参加する患者団体の要件は、日本患者会情報センターと厚生労働省の科研費をいただいた研究班で、一緒に「ペイシェント・インプルブメント・ガイドライン」というものを作り、それによって選考した作成委員たちが作っております。2004年のものは、先生方が作ったガイドラインを患者向けにどう優しく書くかというのが、私の仕事でした。2008年はどちらかと言うと、患者にとって必要なものを私たちが構成し、執筆し、その内容について、ガイドラインを作った先生方が担保してくださるという形を採っております。
 2004年のハンドブックは「2,000冊しか売れなかった」と言われました。ですから2008年を作るときも本屋から、「どうせ売れっこないのにこんなものを作って」と言われました。最近のは調べていないのですが、去年の段階で1万冊売れたと言われております。どういう方々が読んでくださっているかというと、実地医家の先生たちが非常に読んでくださっているそうです。大変ありがたいと思っております。
 これによって何が変わったか。参加した患者会の意識が変わりました。行動が変わりました。ガイドラインは医者が作って医者が使うものと思っていたのを、患者団体が参加して作ったとなったときに、「自分たちも参加できる患者団体になりたい。そのために」と言って努力するような所が生まれてきました。セルフ・ヘルプ・グループから、社会へ疾患の理解も目標にするようになりました。もちろんセルフ・ヘルプ・グループだけでも大切な役割だと思います。ただ、それに自分たちが困っていることをちゃんと社会に伝えることを役割にしていったというのは、とても大きな変化だと考えております。
 ガイドラインの位置づけも変わりました。いままでの医者が作って医者が使うものという位置づけから、ガイドラインに基づいた情報を私たちも一緒に出していこうという姿勢に、患者会が変わってきたと思います。患者会が依頼する講演の演者も、ガイドラインに基づいた話をする先生をお呼びするというように大きく変わってきました。また、患者会には何人か顧問医がいらっしゃいます。そういう先生たちがどんな治療をしていらっしゃるかというのが、顧問医にお願いするときの判断の1つの材料になっています。
 もちろん患者会にはいろいろな患者会があり、それぞれ違う目的を持って設立しているので、何でもかんでも一緒にというのは難しいのですが、患者会同士が少しずつ顔の見える関係になりました。何を基に情報提供をしているか、患者会同士お互いが見えるようになって連携すること、患者が一緒に勉強していくような場も増えていっております。一昨年の新型インフルエンザのときは、「ハイリスクグループ」と言われた喘息の患者団体が集まり、患者会の患者から患者に、こんなことに注意したらいいというものを、先生方のご指導をいただきながら作りました。それは厚生労働省のホームページにアップされております。そういうように患者会の行動も、だんだんと変わっているように思っております。
 医療者の意識も変わりました。治療だけではなく、これで患者の知りたい内容がわかった、患者にどんなことを伝えれば患者が安心するか、患者はどんなことを必要としているかがわかったというお話をよくいただくようになりました。患者会の役割と医療者の役割は異なることを意識していただくようになり、患者は患者教育の対象者、自分が治療を施す相手ではなくて、患者の持っている知識と医者の持っているそれとは違うので、それらを合わせて一緒に治療していこう、と考えてくださる先生方が増えていったと実感しております。
 患者会には疾患がありながら、生活する上での知恵の蓄積があるというようにご評価いただいております。私たちアラジーポットは、患者会は社会資源と考えております。アレルギーのある子どもの気持、アレルギーのある親の気持というのは、伝えなければわからない。私が心臓病のあるお子様のお気持や親御さんのお気持、ほかのいろいろな疾患の方々のお気持を十分にわからないのと同じように、アレルギーも病気の1つです。人口は多いけれども、伝えなければわからない。伝えるのが私たちの役割で、皆様方大勢のご支援をいただいて、それを一緒に伝えていく。ご理解いただき、情報を共有し、医療の展開を進めていければいいなと思っております。
 患者会というのは、社会資源としての患者会です。患者同士の集まりから、社会への理解のための活動もするようになってきております。1つの例ですが、「ペイシェント・インプルブメント・ガイドライン」といって、厚生科研の中からガイドラインに参加する患者団体、あるいは新型インフルのガイドライン作成に参加する患者団体を選んだりするためのものがあります。もしご関心がありましたら、このページを見ていただければと思います。
 そうはいっても、患者会にはいろいろあると皆様もお考えだと思います。私も京都大学やお茶の水など、いろいろな所でお話させていただきますが、そういう所でいちばん先に「患者会ってどんなものだと思いますか」と聞くと、「かわいそうな人の集まり」とか、「怖い団体」といちばん言われてしまいます。全くそういうところがないわけではありませんが、患者会の今後の課題として、社会との連携の中で果たすべき役割を考えていけるようになっていきたいと思っております。そのためには、このようなことがあると思います。今日はお時間がないので、ここは皆様が読んでご理解いただければと思います。これもまたご覧いただければと思います。
 現状に対する患者会の生の声ですが、これは私がいろいろな所でお話させていただいている話の反響とか、お電話でご質問いただいていることとか、最近では2月11日のアラジーポットの講演会の中でのアンケートから出たものです。食物アレルギーは安心、安全な負荷試験の開発をお願いしたい。それをやる医療機関、実地医療機関の質の確保をしてほしい。何かあったときの実地医療機関での相談体制を病院全体で担保してほしい、あるいは医療界全体で考えてほしいと願っております。特に食物アレルギーではエピペンの認可をいただきました。これには私たちも大変感謝しておりますが、いまは保険適用外です。1万2,000円から、高い所では2万円、それを1年に1回取り替えることになるというのは、親にとってはとても大きな負担であるということ、また、保険外の特別な薬を学校に持っているということではなくて、薬として保険で適用されているようなものを、学校に持って行くという社会環境を作っていただければと思っております。
 アトピー性皮膚炎は唯一減ってきているそうですが、やはりステロイドは怖いという患者さんはまだいらっしゃいます。それに輪をかけて「ステロイドは怖い。私の所ではステロイドを使わない治療をしてあげるから」と言う先生方が、まだいらっしゃることによって、患者の不安というのはガイドラインの方向に向かないで、まだまだ拡散しているところがあります。是非、実際に治療をしていただく先生方に、ガイドラインに基づいた治療ができるような体制を作っていただければと思っております。喘息は長期慢性疾患なので、学校や仕事場に影響しない診療体制を築いていただければと思っております。
 あと、医療費の負担にとても地域差があります。それは私たちが相談事業をしていて、とても痛切に感じることです。仕方がないのかもしれないけれども、何か方策を一緒に考えていければと考えております。
 また、次々と新しい薬が出ておりますが、それが適切に使用されているのかという不安を持っておりますので、適切に使用されているということを、市販後調査なりで情報を集約するシステムがお願いできればと思っております。
 よいパンフレットもたくさん作られております。ただ、それがなかなか活用されていないので、是非外来に置くと。ガイドラインに基づいた治療のパンフレットが外来に置いてあるということは、お互いにとってとてもよいことです。ガイドラインに基づいた治療が普及するために、とても大切な要素ではないかと思っております。実は先生方から患者会にも、こんなものがほしいというご要望をいただいております。まだ私たちには余力がありませんが、一緒に実現していきたいと思っております。
 治療と研究と情報提供に対する課題と、課題を感じた後のご提案ですが、まず最大の課題の1つが、ガイドラインはできているけれども、いまだにその治療が浸透していないということです。例えば地域の保健所に呼ばれます。「私はその地方にいる先生方と治療法が違うので」と申し上げると、「だからこそ来てほしいのです。いまのガイドラインに基づく治療はこうですというお話を、患者さんの立場からしていただいて、同じ立場の患者さんが、私と違うということに気が付いていただくきっかけになってほしいんです」と言ってくださいます。パンフレットはできていて、それを配ってもいるけれども、生の話を聞くのとは違うというご評価もいただいております。私たちも相談の中で、ガイドラインはできているけれども、どうしてもそのとおりの治療がされていない、そういう方々がまだまだたくさんいらっしゃるということに、実感としてとてもつらい思いをしております。
 前回谷口先生から、5%の喘息患者さんが50%の喘息医療費をというお話があったかと思います。大変立派に治療してくださっている先生方が大勢いらっしゃる中で、こういうお話をするのはとてもつらいのですが、喘息を十分に治療できない、まだ今のガイドラインに基づいた治療ではない治療をしていらっしゃる先生方が、患者さんの喘息を診ているのではないかというのが、私たち患者会の実感です。これはほかの患者会とも共有している課題ですので、是非お心にとめていただきたいと思っております。かかりつけの先生の所にまず行き、もしその先生に喘息に対する知識がなければ、その先生の持っている知識のまま治療されてしまいます。インターネットを使える方ばかりではないので、地域の先生方の待合い室に、ガイドラインに基づいた情報が行き渡るということは、情報提供としてガイドラインの治療が行き渡るために、とても有用な方法だと思っておりますので、今後もよろしくお願いいたします。
 学会には3,000人しか専門医がいらっしゃいません。是非是非、学会員の専門医を増やしていただきたいと思います。外来小児科学会で「開業の先生方に是非見ていただきたい」と申し上げたら、「そんな難しいことを我々に要求するな」というお返事をいただいたことがあります。喘息の治療が難しいと思われる患者さんは、どうぞ専門医にご紹介いただければと思います。できれば専門医でない先生方が、この方は専門医に紹介したほうがいいかどうかという判断がすぐにできるような、ガイドラインに基づいた情報提供を実地医家の先生、患者さんにしていただければと思っております。
 職場環境としてはタバコを吸わなくなり、分煙という健康が推進される状況になり、大変ありがたいと思っておりますが、まだアレルギーに対する、喘息に対する偏見というのは心の病気、心身症というものがはびこっております。是非、正しい情報を学校の先生や産業医の先生方に伝えていただければと思います。患者会と一緒に作り、患者会と一緒に普及する、実地医家の先生方と一緒に作り、実地医家の先生方と一緒に普及する、看護師や薬剤師の先生方と一緒に作り、看護師や薬剤師の先生方と一緒にガイドラインに基づいた情報を普及することが、とても有効ではないかと思っております。それによって多くのいろいろな立場の方々が、ガイドラインに基づく治療や情報を共有できるのではないかと思っております。
 ペイシェントエデュケーションと同時に、プロバイダーエデュケーションを皆様にお願いしたいと思っております。例えば、班会議で作ったガイドラインに基づいたセルフケアナビのようなものを、研究費の中で作っていくには限りがあります。そういうしっかりした所で作ったものを、環境再生保全機構や日本医療機能評価機構などによって増冊・配布・紹介していただくことは、研究費を二重三重に使うのではなく、環境再成保全機構さんも新たに新しいものを作るためにお金を注ぎ込むのではなく、お互いの貴重な財源を活用しつつ、情報提供をするために助け合っていきたいと考えております。
 その中の1つとして、実地医家の先生方が診療現場で即座に使えるようなガイドラインを作っていただきたいと思います。そのためには関係者が一緒に作る、患者団体もメディア関係者などと一緒に使えるメーリングリストがあると、大変うれしいと思います。そうしますと、ガイドラインに基づいてどこかでやる講演会、あるいは使った資料などを皆さんに、それを求めている団体に即座にお送りすることができる、共有することができると思っております。患者にできることと医療者にできることは違います。患者ができること、患者会がすべきことは一生懸命やっていきたいと思います。
 最後にまとめとして、患者の気持です。いちばん困っていることは、専門医と実地医家の治療格差です。こういうことを申し上げると、こういう場にいらっしゃる先生方には「えっ、何のことだ」と思われるかもしれません。私ども患者団体は、それらの声の聞き場になっておりますので、その実態がいかにすさまじいかをご理解いただきたいと思っております。もちろん、患者自身のセルフケアが十分できていないことも十分に理解した上で、それでも医療関係者側の問題にも目を向けていただきたいと思っております。患者がいちばん望んでいることは、安全で確実な予防と根治の1日も早い実現です。そのためにここでいろいろ議論したお話は、それぞれの皆さんが頑張ってくださっていますが、先ほどのご発表にもありましたように、やはり地域でバラ付きがあります。できれば法律でのバックアップをお願いしたいと思っております。人口の2分の1に何らかのアレルギーがある時代ですので、ご考慮いただければと思います。今日はこのようなお時間をいただきまして、ありがとうございました。

(映像終了)

○谷口班長
 栗山班員、どうもありがとうございました。いまのご発表に関して、班員の皆様のご意見をお願いいたします。
 では、私から栗山班員へご質問します。最後の法律でのバックアップというのは、私たちもよくお願いしたいことがあります。もう少し具体的な内容というか、どういうことかを。

○栗山班員
 国会にアレルギー基本法というのが提出されたと漏れ承っております。ただ、昨今の事情で流れたということで、その内容がどこまでなのか、詳しいことは存じ上げません。前回、この検討会があって「ここで話し合ったことはどういうふうに実現するんですか」と、私が厚生労働省の方にお伺いしたのです。そうしたら「これから先、栗山さんが1県1県地方自治体を回って、こういうふうに決まったので、実現してくださいと言って回ってください」と言われました。そのとき私は即座に、「無理です。時間もないし、お金もないし、そんなこと、紹介状もなくて行って聞いてもらえるということは想像できません」とお話したのです。ああ、そういうことかと。
 要するに、ここで一生懸命話し合って、これがいい、あれがいい、ああしたい、こうしたいということがあっても、先ほどご発表にありましたように違いますよね。もちろん、がん対策基本法のようなところまで望んでいるわけではありませんが、折角いい提案ができたのだから、やはり法律としてみんなで守っていこうというものをいただきたいと思っております。医療情報提供体制にしろ、相談体制にしろ、できることをやっていく以上に、法律によるバックアップで、できる限りの努力をしていただくところまでお願いできればと思っております。

○今村班員
 いまの法的なバックアップということで、基本法云々という話は、私は今日初めて伺いました。基本法という漠然とした法律ではなくて、逆に先ほど青森県のご発表にもあったように、都道府県が具体的に専門医療体制とか、かかりつけ医としてどこまで診療できるのか、その他の方たちが人材としてどういう活用をされるのか、医療連携の中でどういう連携パス等を使って診療するのかという話は、本来、地域医療計画の中に位置づけられるものです。
 現在、4疾病5事業ということで、医療法の中で医療計画を作ることになっておりますよね。4疾病というのは、糖尿病、脳卒中、急性心筋梗塞、がんです。おそらく都道府県はその計画を作ることがものすごく大変で、ほかの大事な疾病になかなか手が回っていないので、都道府県ごとの差がまだまだあるのではないでしょうか。したがって国が対策を取ろうと思えば、医療計画の中に疾病を位置づけることが大事です。しかし今はその議論が厚生労働省の別の審議会等でされていて、例えば精神疾患の連携をどうするかということを医療計画の中に位置づけるとか、具体的な個別の疾病の議論がもうされているはずです。ここで本当にアレルギー疾患というものに対して、そこまでの必要があるのであれば、そういった要望を出していかないと、具体的な法的なバックアップにはつながらないのではないかと思っています。

○谷口班長
 そのほかにいかがでしょうか。それでは栗山班員、ありがとうございました。では議題5、今後のアレルギー疾患対策についての検討に入ります。事務局より資料の説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 資料4、「アレルギー疾患対策の骨子(案)について」をご覧ください。前回、平成14年の報告書における今後目指すべき対策の方向性、あるいは具体的方策の柱立てを左側に書いております。それらも踏まえ、前回、リウマチ・アレルギー対策委員会でご指摘いただいた事項も踏まえ、これから策定する新しい方向性や具体的方策について、案としてご提示しております。まず上段の今後の方向性に関しては、医療等の提供、情報提供・相談体制、研究開発等の推進に整理して、それぞれ方向性を定めていくことについて、中身をご議論いただきたいと思っています。中身を読み上げます。
 医療等の提供においては、かかりつけ医と専門医療機関、かかりつけ医間、専門医療機関間における円滑な医療連携体制の確保を図る。医療連携体制において中心的役割を負うかかりつけ医が担うべき役割を明確化し、その基本的診療技術の習得を推進するとともに、各〃医療職種の人材育成の推進を図り、アレルギー疾患患者に統一的、標準的な治療が提供できるような体制の確保を目標とする。
 情報提供・相談体制については、患者を取り巻く生活環境等の改善を図るため、アレルギー疾患を自己管理する手法等の普及・啓発を図るとともに、地方公共団体と連携し、その手法等の普及・啓発体制の確保を図る。
 研究開発等の推進に関しては、難治性アレルギー疾患に対する治療方法の開発と普及に資する研究を推進するとともに、適切な医療が提供できる医療体制の確保に資する研究を推進する。このような案を提示しております。
 具体的方策に関しては、内容について後ほど具体的なご議論をいただきたいと思っております。このような柱立てをして、それぞれ個別に議論を進めていくのがよろしいのではないかと考えております。

○谷口班長
 ただいまご説明いただいた今後の対策の方向性や、具体的方策の柱に関して、班員の皆様よりご意見を頂戴したいと思います。方向性について、修正や追加事項などはありますか。ご意見をいただければと思います。各論と言いますか、内容に関してはまた後でご討議いただくこともありますが、まずは方向性の3つの柱についてです。前回もこの3つの柱で進めていたわけです。これでいいかということを、まずお考えいただければと思います。

○今村班員
 確認します。1番目の医療連携の重要性というのは、このとおりでよろしいかと思います。かかりつけ医と専門医療機関とか、専門医療機関同士というのはわかるのですけれども、かかりつけ医間というのは、具体的にどういうイメージなのでしょうか。つまり、アレルギー疾患という疾病が多いので、例えば喘息のような呼吸器と、そうでないアトピー性皮膚炎のような皮膚科の連携というイメージなのか、そこが具体的によくわからないのです。通常「病病・病診の連携」とか、「診療所と専門医の連携」というような言い方をよくするのですけれども、ここの意味合いを教えていただければと思います。

○眞野課長補佐
 一応「かかりつけ医間」と申し上げているのは、喘息等を例に挙げますと、どうしても不定期受診をされている患者さんがかなりいらっしゃいます。そのとき自分たちがかかるのに近い医療機関等に、その場でかかってという形で受診されている方も多いと聞いております。そういった方に対し、統一的、標準的な治療をみんなベースとして持っていればいいのですけれども、その方になるべく統一的、標準的な治療が提供されるような体制という意味合いで、かかりつけ医間で情報を供給するようなイメージをしております。

○今村班員
 1人の患者さんに対して、かかりつけ医同士というイメージですか。それとも一般的な開業医全体の標準的な診療を広めるために、お医者さん同士がいろいろな連携をするというイメージですか。どちらのイメージですか。

○眞野課長補佐
 いちばん近いのは後者だと思います。ただ、両面考えられるとは思っておりますので、どちらかが必要かというのは、この場でご議論いただければと思っております。

○今村班員
 これは私のイメージなので、患者さんがどう受けとめられるかはわからないのですけれども、「かかりつけ医」と言ってかかっている方は、その先生の医療、いわゆる患者さんと医師の間の関係がしっかり構築されていて、「自分はこの先生に任せる」という考えでかかっているというイメージなのです。そういう先生を何人ももっていて、たまたま忙しいから今日はこちらのかかりつけ医に行きますというイメージがあまりないのです。ですから1人の患者さんを通してのかかりつけ医間というイメージができなかったので、それを確認したかったのです。

○谷口班長
 栗山班員、どうぞ。

○栗山班員
 いま今村先生のおっしゃったことを私が正しく理解しているかどうかに自信がないですが、患者さんとかかりつけ医の先生の間に患者がその先生をかかりつけ医と決めてかかっていることに関しては、それなりの信頼関係がある。それは事実だと思います。ただ、先ほど今村先生がお聞きになったかかりつけ医間というか、実地医科の先生方のそれぞれのアレルギー疾患に対する治療の中身、ガイドラインに基づいた治療を、より多くの実地医科の先生方にしていただきたいという先ほどの患者からのいちばん強い願いという部分においては1つの問題点だと思っています。要するに、かかりつけ医として選んでしまったら、ずっとその先生に付いていってしまうというのは変な言い方ですが、そこにお医者さんもいまの治療を学んでいただく。患者も先生にお任せして、その先生に信じて付いていくような相互依存のような関係ではなく、きちんと理解し合った関係で治療を続けていってほしいなと。そういう人が増えていけば、アレルギーの治療環境はずっと良くなるのではないかなと思っています。

○今村班員
 あまりこだわる必要もないですが、栗山班員がおっしゃることは十分に理解した上で、文脈の中で連携ということが大事だという意味で、ここにこういう表現が入っていることについてご質問したのです。標準的な診療をかかりつけ医に普及する必要があるということは、違う文章の中に書き込まれればいいのではないかという思いと、多少誤解を招きやすい表現だと感じたので伺いました。以上です。

○谷口班長
 ありがとうございました。そのほか、今後の方向性について、三嶋先生よろしくお願いします。

○三嶋班員
 医療等の提供のところに、平成17年度には「診療ガイドラインの普及」ということを謳われていますが、今回その文言がないのは既に普及がかなりされて、この課題は達成したということでしょうか。

○眞野課長補佐
 診療ガイドラインの普及に関しては、普及されているところにはある程度行き届いてきていて、標準的な治療を相当程度普及しているところはあろうと思いますが、こちらはまた引き続き続けるべき事項だとは考えています。ただ、より力を入れてやるものというのをこの方向性の中で、今後のところでもって5年前であろうと現在であろうと必要であるという事項には変わりがないですが、前回はかなりそこの部分が足りないという指摘が多かったものですから、この方向性の中に盛り込まれた。今回は、そこの部分は一定程度は普及はしてきている。それをより推進する必要性はもちろんあろうと思いますが、第1目標になるのかという観点で見た場合にそのようなものではなくなってきているのではないかと考えています。

○栗山班員
 そうであれば、私は標準的な治療というのをガイドライン風に読み換えてしまったのですが、せっかく三嶋先生がおっしゃってくださったので、ガイドラインという言葉を使って標準治療というか、これからみんながそれを基に治療していこうというキーワードにしていただければなと思います。

○谷口班長
 いかがでしょうか。確かに、ガイドラインがまだ十分に普及したわけではないと思いますので、文言としてはさらなる診療ガイドラインの普及が望まれる、重要であるということも、三嶋委員がご指摘いただいたように必要かなとは思います。

○今村班員
 診療ガイドラインの中身については標準的医療について、ご専門の先生が考えられたもので全く異論はありません。ただ、先ほど栗山班員からのご発表にもあったように、例えば患者さんがそのガイドラインに基づいて、その中からエッセンスのようなものを抜き出して、患者さんにとって大事なものとしてハンドブックというものを作られている。かかりつけ医にとっても、ご専門の先生が丸々一冊作られたガイドラインそのままを全部理解してくださいというのは、なかなか難しいと思いますので、その中から本当に必要な、開業医が標準的に日頃見ていく中で、ここまではきちんと診療レベルを保ってくださいというエッセンス的なものを改めて作っていただく、あるいは我々が作る必要があると思っています。そうでないと、かかりつけ医は糖尿病もあり、高血圧もあり、ありとあらゆる疾病に対して全部ガイドラインどおりに理解して診療しなさいというのは現実的ではないように思います。ガイドラインという言葉がそのまま残ると、かかりつけ医がガイドラインのこの部分を守っていないではないかという議論も起こってしまいます。ですから「ガイドライン等」ですとか、もう少し幅広に表現を書いていただけれるのであれば、その文言が入ること自体はいいと思います。

○谷口班長
 ありがとうございます。そのほか、ご意見はありますか。天谷委員、よろしくお願いします。

○天谷班員
 今後の方向性の研究開発等の推進のところですが、ここには「治療方法の開発」と書いてありますが、もしアレルギー疾患対策の最終的な目標がアレルギー性疾患の患者を減らすということであれば、予防という概念もここに盛り込んでもいいのではないかと考えました。

○河野班員
 いままでのご議論を伺っていて、栗山班員のお話の中で、専門医と実地医家の治療格差が、患者の方々から見てそれほどあるのかと驚きました。逆に言うと、医師側から見ると専門の患者と非専門の患者と言うと変ですが、理解されている患者と、そうでない格差もかなりあります。そういった実状があって、それに対してどうするのかという総論として、厚生労働省からのお話にあった筋としてはこのとおりでいいと思いますが、いまここでも議論されていて、かつここでわからないのが、いままで議論されていることはいままでもやられていることですよね。ガイドラインをどのように普及しよう。どのような簡易版のガイドラインを作成し使い易くしようなど、このような活動はされてきたことではないかと思うので、それでも普及しないというか問題が解決していません。連携のあり方のシステムをもう少し考えて、それを書き込まないと、ずっと同じ総論的な話で終わってしまうのではないかと危惧されます。
 例えば地域のある専門病院と、ある一連の関連病院なり診療所等のクラスタを作って、診療所と病院が明確に専門性の下でのクラスターで、糖尿病といろいろなものとまた違ったクラスタができるのでしょうけれども、そこにおいての互いの連携情報交換。いまはITが進んでいますから、ITを使った連携でお互いというか情報のフィードバックをすることによって、レベルを上げていく工夫など具体的に相手の顔が見える形でやらないと、総論的にガイドラインを出しても難しいのではないか。
 もう1つは喘息でいいますと、喘息の状態を把握する調査票としてasthma control test (ACT)ありますから、小児だったらJPACとかCACTがありますから、そういったものを使ってITを使った形での患者のコントロールができないかと思います。千葉県での精神科の活動をあげますと、統合失調症でやられているのですが、ITAREPSという統合失調症の再発をチェックする10項目の質問表をヨーロッパでは自動的に患者の携帯電話に送りまして、それに対して、患者は携帯電話から返事をサッとする。それが毎週行われるわけです。患者からの回答を受けたサーバーのほうにプログラムがあって、再発をチェックしていく。再発のアラートが出ると警告が患者に送られて、患者が既に指示されていた薬を増量するなどの医療の介入が行われます。千葉県では、ケースワーカーの方が週に一度電話します。10項目の質問項目に対する患者の答えを、コンピュータにケースワーカーの方が入れると、同じように自動的に再発のリスクが出てきます。再発のアラートが出ますと、緊急の訪問看護を掛けます。そのことによって、再発率が大体60%以上70%近く下がります。そういうような何らかの具体的な手段なり情報伝達の仕方、評価の仕方をもう少し整えないと、いくらガイドラインを作っても、いままでと同じ議論の繰り返しになるのではないかと思います。

○谷口班長
 ありがとうございました。普及は非常に大事だということと、まだまだというご意見をいただきました。また、具体的な方法についてご意見をいただきましたが、あとで各論に関してはご意見をいただく時間がありますので、次に進めたいと思います。
 右下の具体的方策の柱に関して、ご意見をいただきたいと思います。この方策の柱は以前と同じで、4つあるいは3つに分かれていますが、この柱でよろしいでしょうか。あるいは、こういう点にもう少し注意を払うべきである。柱を入れるべきであるというご意見がありましたらいただきたいです。よろしくお願いします。大久保班員、よろしくお願いします。

○大久保班員
 研究開発等の推進で、ここのいちばん最後に「医薬品」としか書かれていないのですが、これは医薬品を含む治療法の開発だろうと思います。薬に特化しているように研究開発が思われても困ると思いますので、医薬品あるいは新規治療法の開発促進として。

○谷口班長
 ありがとうございます。個々の項目に関しては、またあとでご討議いただく時間があります。先に進みたいと思います。ありがとうございました。
 いただきましたご意見も含めまして、さらに個々の具体的方策に関して議論を進めていくことにします。事務局より、具体的方策に関わる論点について説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○眞野課長補佐
 資料5をご参照ください。アレルギー疾患対策の具体的方策にかかる論点の整理をさせていただければと思っています。まず、先ほどの大きな方向性の3つの柱に沿って整理をしています。1の医療等の提供に関しては、アレルギー疾患に必要な医療体制の確立。論点としては、例えばガイドラインの改訂及び普及に資する事項。地域の診療レベルの不均衡を是正すべきではないかといった点。アレルギー疾患の管理において、発作時や増悪時の対応のみではなく、平常時の基礎治療こそが重要であって、その中心的役割を担うかかりつけ医のアレルギー疾患に対する基本的診療技術の修得の推進が重要ではないか。地域における医療機関連携の図られた医療体制を確保すべきではないか。不定期受診する患者への対応も検討するべきではないか。喘息死等を予防する医療体制の確保は、引き続き継続されるべきではないか。先ほど河野委員からもありました情報管理あるいは情報の共有等に関しては、ここの部分に入ってくるかと考えています。
 次に、人材の育成に関しては、基本的診療技術を修得したかかりつけ医の育成が必要ではないか。アレルギー専門の医師の育成を推進すべきではないか。医師以外の医療従事者を育成することが必要ではないかといった点。医療的な専門情報の提供に関して、国は関係学会と協力して専門医療機関等に対して、必要な情報提供体制を確保すべきではないか。あるいは、専門医療機関等からの相談に対応する相談窓口の活用も重要ではないかといった点について、ご議論いただければと思っています。
 情報提供・相談体制においては、自己管理の促進。前回においても、患者の自己管理を可能にするということを大きな目標に掲げていましたが、そちらのますますの推進が必要といった観点の柱立てになっています。患者及び患者家族が自己管理することが望まれる事項としては、生活環境改善、罹患している疾患とその治療法の正しい把握、疾患状態の客観的な自己評価、救急時対応等が挙げられるのではないか。患者の自己管理マニュアル等の普及及び活用を図るべきではないか。地方公共団体においては、関係団体、関係学会等と連携して研修会等を実施する等をして、保育所・学校・職域・地域等における自己管理手法の普及を図るべきではないか。また、医療従事者においても自己管理手法を正しく認識し、積極的に患者に指導するべきではないか。情報提供体制の確保としては、国民及び患者にとって必要な情報を提供することが必要ではないか。情報の内容として、例として挙げています。また、ホームページやパンフレット等を活用した情報提供。ほかにも、いろいろな情報提供方法等があれば、ご意見をいただきたいと思っています。
 相談体制の確保に関しては、アレルギーに関する地方自治体の相談員養成を引き続き行うべきではないか。地方公共団体における患者の相談体制を整備すべきではないか。保健所において、市町村からの相談や地域での学校や企業等における対策の取組への助言等の支援を行うべきではないか。そういった点について、ご議論をいただければと思っています。
 研究開発等の推進に関しては、効率的かつ効果的な研究推進体制の構築として、明確な目標設定を持つこと、的確な研究評価を行うことにより、アレルギー疾患に関する研究を戦略的に実施すべきではないか。あるいは研究課題を適切に採択するためには、類似する課題の統廃合や政策的課題に関連するテーマを勘案し、民間企業や医療機関と国との役割を認識することが重要ではないか。継続的かつ汎用性の高い患者データベース等を構築することが重要ではないか。研究目標の明確化としては、前回も当面達成すべき研究分野及び長期的目標を持って達成すべき研究分野として項目を分けていますが、そういったところについて特に前回から引き続き抜き出した事項として、難治性アレルギー性疾患に対する安全かつ有効な治療方法の開発に関する研究、喘息死の効率的な抑止に対する方方の創出と普及に資するような研究。長期的なものとしては、アレルギー疾患の予防法と根治的な治療法の確立を目的としたアレルギー疾患の病体、免疫システム解析と病因解明、減感作療法等に関する研究等を考えています。その他の事項として、医薬品の開発促進等に関することについては、またご議論いただければと思っています。
 最後に施策の評価等として、今回のリウマチアレルギー対策委員会の評価は5年ごとに行われるわけですが、国が実施する重要な施策の実施状況等について評価するとともに、地方公共団体の実施するべき政策を把握することにより、的確かつ総合的なアレルギー疾患対策を講じるべきではないか。あるいは地方自治体においても、施策を効率的に実施するとともに、主要な施策について政策評価を行う必要があるのではないか。そういった点について、ご議論をいただければと思っています。以上です。

○谷口班長
 ありがとうございました。それでは具体的方策の柱個々において、意見交換や議論を進めていくことにしたいと思います。資料5の最初の頁の「医療等の提供」について、ご討議、ご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。

○住田班員
 最初の「医療等の提供」において、2つの問題点というか、はっきりさせなければならないところがあろうかと。1点目は専門医の教育、かかりつけ医の教育。それは、どこが責任を持ってやるのか。例えば、専門医であるならば学会なのか。学会といっても、アレルギー学会、小児アレルギー学会、小児科学会、内科学会、耳鼻科学会とたくさんあるかと思います。それから、かかりつけ医の教育はどこがやるのか。医師会なのか、どこなのか。そういったことを少し明確にして、それぞれに見合ったガイドラインの普及方法。専門医であればガイドラインそのものでいいかもしれないけれども、かかりつけ医であれば非常に簡単にしたパンフレット1枚といった、現場に沿った策を考えていくべきではないか。
 2点目は、地域の診療レベルの不均衡ということがあったときに、いまここでやっていることは厚労省の研究班ですが、国がやるのか地方自治体がやるのかを明確にする。国や地方自治体にトップダウン的に落としていくのか、あるいは地方自治体にボトルアップで上げさせてくるのかを明確にしていかないと、なかなか格差というものは改善しない気がしています。意見というか、課題の提案です。

○今村班員
 先ほど河野先生からお話がありましたが、私は今回初めての参加なので、繰り返しの議論になってしまうかもしれません。まず、いま住田班員のお話にありましたかかりつけ医の教育については、日本医師会あるいは都道府県医師会、それぞれ地域の郡市区医師会の使命だと思っています。実は、こういった医療連携が重要な疾病について、糖尿病とCOPDは既に学会と医師会と関係しているいくつかの団体が一緒になって、学会が作られたガイドラインの中からかかりつけ医が日常診療において必要な知識をエッセンスとして抜き出して、それを全会員に配布して普及・啓発に努めています。全国レベル、都道府県レベル、地区レベルで協議会をつくっていきながら、地域で研修会を開催する場合に、専門医の先生が講師として来られるときでも、その資料を基にして講習会をしていただくということを既に行っているので、同じような形で行うことは可能だと思います。
 もう1つは、国がやるのか都道府県がやるのかというのは、先ほど私は冒頭に地域医療計画の話を申し上げましたが、それぞれの疾病の専門医がどれだけ地域にいて、かかりつけ医で自分がこのアレルギー疾患を診ていくのだという方がどのぐらいいるのかということはそれぞれの地域でないとわからないので、各都道府県ごとに具体的な計画を作らない限り、国で行うのは無理だと思います。その場合、法的な根拠がないままに「どうぞお願いします」といっても、かなり力を入れてやれる都道府県とそうでない都道府県がどうしても出てしまうので、やはり医療計画という法令に基づくものの中に位置づけられるかどうかが重要になってくると思います。この会として、もしそういうことが必要だというのであれば、きちんと医療法の中の医療計画に位置づけるべきであるということを、明確に発信しなければいけないのではないかなと思っています。

○山下班員
 ただいま住田委員、今村委員から地方公共団体の特に都道府県の役割のところについてお話がありましたが、私も全く同じ意見です。先ほどお示しした資料を見ていただくと、東北がほとんど医療計画を載せていないし、いろいろな事業をしていないというのは、マンパワーが専門医がいないことを反映しているのだと思います。ただ、こういう患者さん方が安心して医療を受けられるというのは地方公共団体の責務でもありますし、地方公共団体とすると地域のいろいろな実状を反映しながら医療の仕組みを作っていかなければならないと思っています。ただ、私の資料にも少し付けましたが、できればこれを全国的に進めるとすると、先ほど何回も今村委員がおっしゃっているように、いまは医療法の中の平成24年の医療計画の指針の見直しに向けて議論していると伺っています。4疾病については、せいぜい苦労しながらもなんとか連携が大事とか、それぞれの専門医療機関の役割、かかりつけ医の役割というのを明示しながら、あるいは予防やその後の福祉のところまで含めて、医療計画の中で一体的なサービスができるようなものを作っています。そういう中で、このアレルギーの疾患についても位置づけられれば、地方公共団体がそういうことに目を向けられるようなインセンティブにはなると考えています。
 ただ、現在でも医療計画上は要疾病以外にも、地方の実状に応じてこういったものを入れなさいと書いていますが、例えば喘息ゼロ作戦にしても、喘息の死亡が多い所は実際に取り組まれていないなというのが、栗山さんも入っている研究班の報告書を見ましたら書いてありました。いま、医政局との調整ということにはなるかと思いますが、是非そういったことをご検討いただければと思います。
 それから、こういう報告書に載せるのが合っているかどうかがわかりませんが、先ほど言ったように私ども専門医療機関と言われても、何が専門なのかが私ども自治体としてはわかりにくい。医療計画では非常にわかりやすい形では書いてありますが、アレルギー性疾患の専門医療とは何なのか。それとも、かかりつけ医の先生は専門の医療ができないのかというところももう少し先生方からご意見をいただいて、ここに機能とか役割と書いてありますが、もう少しわかりやすい形でそこを具体的にお示しすることも大事なのではないかと考えていますし、最近医療連携は非常に地域の中では大事だということで、どの医療従事者の方々も患者さん方も理解していただいていますので、連携パスとかそのツールの開発も含めて、うまくいっている事例の紹介とか先進的なパスの紹介も含めてやっていただければ、私どもも取り組みやすくなるかと思います。

○谷口班長
 ありがとうございました。ほかにご意見はありますか。河野委員、よろしくお願いします。

○河野班員
 体制のところに今後医師だけではなくして、薬剤師や看護師の役割がだいぶ大きくなってくるのではないかと思います。実際アレルギーの場合は薬物療法で、その薬の説明等々で、薬剤師の方々が本当の正しい知識を持って、例えば吸入方法から説明できなければいけない。食物アレルギーであれば、栄養士の方々にそういった知識をしっかり持っていただかなければならないという意味で、そういった方の育成ですね。下に人材育成ということが書いてあります。もう1つは、その連携です。だから上のほうで書くとすれば、体制としてはinterprofessional work (IPW)ができなければいけない専門職連携です。
 それから人材育成としては、interprofessional education (IPE)ができなければならない。IPWというのは口で言うのは簡単ですが、その専門職連携というのが以外と簡単にできていないのです。それは、IPWの行うためのIPE、教育が全くなされていない。そこから始めていかないと、きちんとした意味での専門性を持った多職種による専門性の連携ができない。それを書き込んでおいたほうが、これからの方向としてはいいのではないかなと思います。

○吉武班員
 いま、河野先生からお話がありましたが、私も調剤薬局のほうも医療法上では医療機関ということで、3番目に書いてある医療機関連携の中に調剤薬局が含まれているのかというのを一応確認させていただければと言おうと思いましたが、いまご発言いただきましたように、慢性疾患においてかかりつけ医と調剤薬局との連携というのは非常に重要になっていまして、その辺の連携をうまくやっていくのが大事な点だと思いますので、是非この医療機関の中に調剤薬局が入っているというのを明記していただければと思っています。

○洪班員
 その専門職の連携というところで、河野先生がおっしゃったようにそこは是非入れていただきたいです。特に患者さんの自己管理を促進していくことにおいては、以前ですと入院して患者さんへの教育指導というのが何週間か行われていたということがありましたが、現在はそういった教育入院というようなものはほぼできない状況です。そうすると外来での継続した療養指導、あるいは生活への影響というところで相談対応をしていくということも必要になりますし、悪化の予防、再発の予防でも大変重要ではないかと思います。また、このアレルギー疾患の治療ということで関わるだけではなく、2人に1人がアレルギー性の疾患を持っているということですと、一般的な入院診療、外来診療すべてにおいて一般看護職、一般の医療従事者がすべてこういった知識を持つ必要をさらに強化する必要があるのではないかと思います。

○今村班員
 喘息死等を予防する医療体制の確保のなかで、喘息の死亡者数が約3,000人まで減ったということですが、ご高齢の方の死亡が非常に多いということです。医療体制と介護体制の問題で、例えば介護施設に入っている方たちの吸入の使用量が、外来にいらっしゃる自宅の患者さんに比べると圧倒的に少ない。それは、介護施設が医療を提供するのに異常に診療報酬の取扱いに様々な規程があって、1回施設に入所してしまわれた高齢の方は、吸入療法が必ずしも十分にできていないという問題もあるので、何らかの形でもし喘息死を予防するということを書くのであれば、高齢化の中で起こっている問題についても若干触れていただく必要があるのではないかなと思っています。

○谷口班長
 たくさん貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございます。時間が限られています。2番目の柱に移ります。次の頁の情報提供・相談体制について、ご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

○栗山班員
 自己管理の推進というところで、「患者の自己管理マニュアル等の普及・活用を図るべきではないか」という部分です。先ほどの話の中でも申し上げましたが、前回秋山先生の研究班でセルフケアナビというのを作らせていただきました。ただ、研究費の中で作らせていただくのは1,000部ぐらいで、本当に講演会をやったときに1年ぐらいに配ってそれで終わりというものになってしまいますので、環境再生保全機構のようにとてもいいものをたくさん作って配れる所があるので、その連携を取っていただいて、端境期で作ったものをより多く診療所の窓口やら病院の外来に置いていただいて、また保健所などで配っていただけるような、具体的すぎるのかもしれませんが、そういうことをやっていただきたいなと思っています。そういうところが作るには、それなりの人材を集めたりお金を出したりしなくてはいけないので、いまあるツールというか、そのものを活用できる方法、安価で適切なものが広まるような方法もご考慮にいただければと思います。

○三嶋班員
 相談体制の確保にリウマチに関する云々がありますが、確認ですが。

○眞野課長補佐
 こちらは誤記です。大変失礼しました。アレルギー疾患に関するということでお考えいただければと思います。

○山中班員
 先ほどもお話しましたが、危機管理。例えば災害等で、どこかに避難しなければならないといったときに、いろいろな食物が配られます。災害時は地方公共団体の役割だと思っていますが、逆に栗山委員に伺いますが、食物アレルギーの方々の対応というのは自分たちで備蓄をしているとか、何某か自分できちんと対応できるような情報提供などを栗山委員の団体でやっていらっしゃるのでしょうか。

○栗山班員
 お尋ねありがとうございます。私たちの団体はまだ力がなくて、そういうものの備蓄というところまではいかないのですが、できる限りそういうような情報提供は機会を得てやっているつもりではいます。ただ、もちろんあらゆる疾患に対応することはできないし、パンが駄目な人、お米が駄目な人というのはどうしたらいいのだろうと皆さん思われると思いますが、それ以外のもの。このアレルギーがあるから特別な食事ということではなくて、できるだけ共有できるものといったら、もちろん小麦や米となると別だとは思いますが、多くのアレルギーのある方たちも食べられるもので共有のものを備蓄できるようにというふうに、地方公共団体の方にはお願いをしていきたいと思っています。患者さんには、もちろんそういう所に行ったときにおにぎりを食べられない。このためには、そういうものは必要ですよねというお話はしているつもりではいますが、かといって、先ほど河野先生のお話にもありましたように、その温度差は患者にとってもとてもあるものだと思っています。

○山中班員
 ありがとうございました。もう1点は、地方公共団体における患者の相談体制の整備ということです。私は保健所の所長も兼務していまして、人口30万人ぐらいの保健所に勤務していますが、アレルギーに関する相談というのはこの3年間で数えたら6件しかありませんで、ほとんどシックハウスとかが多くて、食物とか喘息というのはあまり保健所には相談がないです。そういうものは例えばかかりつけ医の先生だったり、むしろ民間団体の方々への相談というほうが多いのかなと思っていますが、地方公共団体に求められる相談というのは実感として来ていないものですから、どういったところを求めているのかをこの場でお聞きしたいなと思っています。

○栗山班員
 患者さんが相談していちばん知りたいことは、どこの医療機関にかかったらいいですかということです。それは保健所の対応ではない、保健所では言ってもらえないということは患者さん皆さんご存じなので、もちろんそれ以外のご相談はあると思います。あとアレルギーに関して、ご相談に乗っていただける体制の表明がどうなのかなと。こんなものの相談に乗りますと。保健所というと、行政関係の相談には医療費がつらいとか、そういうことのご相談はあるかと思いますが、直に知りたい「私の病気はどこに行ったら治してもらえるのか」というものの対象ではないことが、大きな理由なのかなと思っています。あとは、お金がかかるので、それをどうにかしてほしいという体制をたぶん保健所にはお願いをしている。依存というか、期待しているのかなと思います。

○今村班員
 山中班員がいらっしゃるので、保健所のことを言うのも何ですが、相談体制の確保で、保健所が企業の対策の取組へ助言をする趣旨の記載がありますが、現実的にはそういうことをされることはおそらくなくて、地域保健と職域保健の連携というのが重要だと言われていながら、実際にはほとんど現場では機能していない。いま都道府県に、地域・職域連携推進協議会というのが設けられているにもかかわらず、あまり機能していない所が多い。二次医療圏単位でも、地域と職域の連携をきちんと図りましょうという会が設けられているわけです。それを活用するのだったら、そういう場でこういった何か助言の窓口を設けたほうがいいという議論をしていただければいいのではないかなと思っています。既にそういう場があるのであればそれを有効に活用すべきだと思います。

○山中班員
 いまの件に関して、県レベルでも保健所レベルでも地域・職域連携の協議会というのがあって、青森県内においても地域レベルではやっている所、やっていない所があります。私どものほうでは、最近はメンタルヘルスということもありまして、自殺予防もテーマとして議論しています。そういう意味では、こういったこともテーマとして産業保険におけるアレルギーの予防といったものは、保健所として十分対応できるものだと思いますので、そういうことを例えば地域連携協議会という文言を書いていただいても結構だと思います。ありがとうございました。

○土橋班員
 学校現場の立場から、情報提供のことについて一言お願いしたいと思います。私たちは、日々学校のほうで子どもたちと過ごしていますが、アレルギーの児童・生徒がいま非常に多くなっているのが実感ですが、学校においてはアレルギーの生徒ばかりではなくて、心臓疾患や腎臓疾患、いまいじめ、不登校、保健室登校、リストカット等、非常にメンタルな部分での管理や指導が多くなっているなと日々感じています。ですが、このアレルギーというのがいちばん増えている点では、重要視しなければならないなと思っています。しかし、いま言ったようにアレルギーばかりやっているわけにはいきませんで、私たちは広く浅くにどうしてもなってしまう現状があります。ですから、保健所、地方公共団体、市町村、県等において、専門的な知識、情報を私たちが吸収する場を是非作ってほしいということが言えるかと思います。
 いま、山梨県の場合は、エピペンを持っている児童・生徒が通っている学校の養護教諭、担任等に対しての使い方、どういうときに使うかとか、技術についてどういうときにどういうふうに使うのかという研修会等も行われていて、かなりアレルギーに対してのいろいろな研修会や、そういうことを知りたいという教職員が増えていることは、アレルギーの疾患が増えている状況の中で非常にいい傾向にあるなと思っていますが、先ほど言ったようにまだまだ学校の中ではいろいろなことが日々起こっているので、アレルギーばかりというわけにはいかないということで、いまやっています。
 栗山さんも入っていただいたのですが、日本学校保健会で学校のアレルギー疾患に対する取組のガイドラインというのを出していますが、これについてもまだ普及がなされていない。エピペンは医療行為なので、養護教諭がやってはいけないのではないかという意見もあるような中で、なかなか具体的にやっていない。私の学校では、私がこのガイドラインを作るのにも加わっていたこともありまして、アレルギー、喘息、アトピーの子については医師の指示をもらってということもやっていますが、学校現場でも普及をされていない状況の中で、いろいろな情報提供をいただきたいと思っています。

○谷口班長
 ありがとうございました。時間が押してきましたので申し訳ありません。その次の柱についてご討議いただければと思います。研究開発等の推進について、ご意見をいただければと思います。よろしくお願いします。

○栗山班員
 (1)の効果的かつ効率的な研究推進体制の構築の場のいちばん最後の「継続的かつ汎用性の高い患者データベース等を構築することが重要ではないか」、これなくしては何もスタートしないと思っています。ただ、学会でも患者数の調査は、どこどこで5年置きにやられている何々先生の研究みたいな数でしか上がってこないのが実感なので、いろいろなところで大切な研究がされているとは思いますが、このデータベースの構築なしには何事も研究にしろ治療にしろ、情報提供にしろスタートしないので、ここに書いていただいたことは大変ありがたいと思います。先ほどから先生方の言ってくださっていることは大変ありがたく、それが実現することを願っていますが、これもその中の大きな1つだと思っています。

○天谷班員
 研究目標の明確化の中の長期的目標に関して、先ほども予防に関して少し述べましたが、アレルギー性疾患が全般的には先進国に増えていて、いままでこの研究活動でどこまで予防ということにおもきを置かれていたかはわかりませんが、なってしまった患者さんを治療する方法を開発するのは絶対に必要なことですが、なる前にいかに予防できるかということも同じくらい、最終的に患者さんの数を減らすという意味では重要だと思います。先ほどの栗山さんのスライドの中でも、新しい知見で食物アレルギーが最初は皮膚から感作されるという話が出てきましたが、喘息に対する抗原、食物に対する抗原は、最初に皮膚から感作が起こっているという新しい知見が集まりつつありますし、1つの予防の方向性として、経皮感作を予防するということが提案されています。従って、スキンケアによる経皮感作の予防により、アトピー性皮膚炎のみならず、喘息、食物アレルギーを予防、抑制することが可能であるという方向性が見えてきておりますので、予防に関しては長期的研究目標のひとつの柱として入れていく時期にあるのではないかなと考えています。

○谷口班長
 貴重なご意見をありがとうございます。いかがでしょうか。いまの天谷先生のお話のように、予防は非常に重要ですが、予防法を確立するには患者の発症因子や増悪因子や、地味ではありますが易学的なデータ、患者さんの臨床背景の調査がどうしても国内で必要ですので、先ほどのお話に戻りますが、基盤となるような易学研究、患者さんの発症因子、予後因子の検討というのも海外では十分にやられていますが、国内でも非常に重要ではないかなと思っています。いかがでしょうか。

○住田班員
 おっしゃられたとおりです。研究の3本の柱を考えた場合に、1つ目は易学調査研究、2つ目はアレルギー疾患全般における予防治療戦略の開発。それは、病因病体解析に基づくものになる。3つ目は資料4の1枚目に書いてある難治性アレルギー疾患の治療になるかと思います。たぶん、通常の治療で効果が得られないものを難治性の疾患と捉えているのではないか。その3つだと思います。

○谷口班長
 ありがとうございます。いかがでしょうか。申し訳ありません。時間が少し押していますので、同じ頁の最後の施策の評価等についてご意見をいただければと思います。

○今村班員
 施策の評価そのものというよりも、先ほどからくどいように申し上げていますが、地域医療計画に乗せればPDCAサイクルに回って、必ずその取組がどう実施されているかを評価することになる。その評価に基づいて次の対策を取っていく流れに乗っていくので、そういう意味では個別にこの議論をするよりも、医療計画に乗せるのだということにしてしまえば、ここは一気に書かれていることのとおりになるのではないかなという理解でいます。

○谷口班長
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○河野班員
 評価というのは確かに大事で、医療提供、情報提供等々、先ほどからの話に出ている中で、情報提供をしましても患者あるいは医療者がそこをどう活用し、理解しているかの評価がありません。結果として、それがなかなか行き渡っていない。いままでもいろいろな活動を非常にやっているし、ここでも対策を立てていろいろなことに取り組んでいるわけですね。全体で評価といいましても、個々での活動の評価をどうするのかが簡単でないでしょうが重要と思います。それで先ほど申し上げたのは、インターネットと携帯電話を使って外国や千葉でやっているような評価方法で個々の把握ができないかなというので、思い付きで申し上げたのですが、そこは何かで書き込めないですか。少なくともそのようなことで個々の活動における評価をやらないと、きっと一方方向で、なかなか全体の把握では評価できないのではないかと思います。

○大久保班員
 河野先生がおっしゃったとおりだと思いますが、まず到達目標が明らかになっていなければ評価のしようがないので、到達目標をいくつかに絞って先ほど住田先生がおっしゃったように、どこのラインを到達目標に置くかによって評価は全くできないと思います。ですから、この班でのことを国で評価するのか、地方はどうするのか。アレルギー協会では公益財団法人として、全部国民に還元する部分があるわけですから、地方でもそういう支部もあります。ですから、この班としての設定目標を立てないと、評価はできないかなと感じました。

○谷口班長
 貴重なご意見をありがとうございます。いかがでしょうか。

○今村班員
 確認ですが、国全体として国の中で均一にこういった治療、これはアレルギーに限らず、すべての疾病だと思いますが、国民が同じレベルの医療を受けられなければいけないというのは理想だと思いますが、現実はその専門医の先生方も極めて偏在している。医師そのものも偏在している中で、同じようにといっても、現実的にはなかなか難しいのだろうと思います。だから、都道府県単位でみんな計画を作りましょうという方向になっている。こういう国の委員会で、それぞれの都道府県が自分たちの地域の実状に応じて立てた計画が、どのぐらい実施されているかということを集めて、国として何かを議論することは可能だと思いますが、この会で国全体がこういう目標を持つべきだということが本当にできるのかどうか、外形的な目標を作ることはできるでしょうけれども、本当に細かいところまではなかなか踏み込めないかなと思っていますが、その辺は専門の先生がどう考えておられるのかを逆にお伺いします。

○谷口班長
 ありがとうございます。私からも事務局の方々にお伺いします。先ほど今村委員からご提案いただいたがんとか心筋梗塞とか脳卒中というものの計画の中に、アレルギー疾患というのを組み入れることができるのでしょうか。この部門とは違うので、何ともそれはあれですが。

○難波疾病対策課長
 事務局としては、まず担当部局と相談をしてみたいと考えていますが、ほかの審議会の先生方のご意見もありますので、必ずということではないかと思います。

○谷口班長
 ありがとうございます。度々、地方ごとに医療事情が違うということで地方ごとの目標が当然違ってくると思いますが、この会の部門だけで全部お願いできる体制が取れるかどうかは難しいかもしれませんが、地方自治体の対応についてチェックというか、やっていただけているかどうかというのをこれからシステムとして取ることは可能でしょうか。それも事務局に伺います。

○眞野課長補佐
 前回の報告書を作成する際に、今回卓上の資料として配付しているようなアンケート調査を事務局から実施しました。窓口を置いている、置いていない。個別の都道府県において事業を持っている、持っていないといったような簡単なアンケート調査を事前にさせていただいて、前回の平成17年度の参考資料として付けています。今回も、これとはまた別に当方からさせていただいたアンケート調査を昨年の8月に実施をしまして、各都道府県から回答をいただいていますが、それだとかなり単純なお願いベースでアンケートをさせていただいています。具体的な事業を掘り下げて詳しく教えてくださいというところまでの調査ではないですが、そういった関連のものであれば例えば毎年実施して、どのような状況かというのを把握することは可能だと考えています。

○谷口班長
 ありがとうございます。ほかにご意見、追加はいかがでしょうか。いままでのお話をまとめさせていただきますと、過去5年あるいはそれ以前、あるいはほかの研究班で患者さんへのパンフレットも含めて、情報伝達が非常に優秀なツールというか、情報はほぼ確立しているわけで、それをいかに広めるかということが全体として重要かなと考えていますし、それを具体的にどうすべきかはもう少し煮詰める必要があるかなと思います。それは地方の協力も含めてと思います。全般に関してでも結構ですが、いかがでしょうか。こういう点を言い忘れたとか、そういう点もありましたら是非ご発言いただければと思います。

○吉武班員
 2番目の情報提供の相談体制ですが、今回アレルギーの専門医療機関という案が出ています。患者さんのアレルギーの講演会等を聞いていますと、自分が受けている治療が本当にいいのかというのを結構専門の先生方に聞く質問が出ていますので、もし可能であればこの専門医療機関を決めて、そこでセカンドオピニオン的な形で専門医の先生からご意見をいただけるという相談体制もあってもいいのかなと思います。

○栗山班員
 いまの専門医のセカンドオピニオンというのは、とてもいい意見だと思います。そういうものができたら、患者さんも助かると思います。
 それとはまた別ですが、前回の報告書の「関係機関等と連携して」という書き方で、患者団体も一緒に情報の普及に関係というか仲間に入れてほしいと申し上げたのですが、書かれたのが「関係機関等」ということで、それが患者団体をイメージしていただけなかった部分だと思います。患者団体も、それに対応できる団体ばかりではないのですが、先ほどの地方でのどんな所と連携してというところには、それこそ全県の中で千葉だけが「患者団体と一緒になって」と書いていただきました。それこそ、がんのほうほど患者団体があるわけでもなく活動しているわけでもないので、すべての都道府県でどうこうということはできませんが、それでも患者視点と患者の本当に困っていることを伝える役割、せめてそこの部分にご一緒させていただければなと思います。

○谷口班長
 ありがとうございます。ほかにご意見はありますか。それでは、そろそろ時間となりました。本日の議論、討論は以上になります。事務局から今後の予定など、連絡事項をよろしくお願いします。

○眞野課長補佐
 本日はアレルギー疾患対策に関して、貴重なご意見や対策のあるべき方向性、具体的方策に関するご議論をいただきまして誠にありがとうございました。次回の「第2回アレルギー疾患対策作業班」は、3月11日15時から17時、厚生労働省内会議室において行いたいと思っています。後日改めてご案内を申し上げますので、ご参集をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。また、「第2回アレルギー疾患対策作業班」においては、今回いただきましたご議論やご意見を踏まえまして、班長より報告書の素案のような形でご提示をいただきまして、アレルギー疾患対策にかかる報告書の素案に基づいて、それぞれの対策について再度ご意見を頂戴したいと考えています。
 最後に、本日ご議論いただきました議事録に関しては後日報告をさせていただきますので、併せてご確認をいただきますようお願いいたします。事務局からは以上です。

○谷口班長
 ありがとうございました。いまお話にありましたように、事務局の方々と私で今日のご意見を参考にして素案を作成して、またそれについて再度ご意見を頂戴したいと思います。
 これにて、「第1回アレルギー疾患対策作業班」を終わりたいと思います。班員の先生方、お忙しいところ本当にありがとうございました。


(了)
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