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2011年2月16日 第1回リウマチ対策作業班議事録

○日時

平成23年2月16日(水)
13:00-15:00


○場所

KKRホテル東京 瑞宝


○出席者

洪 愛子 (社団法人日本看護協会常任理事)
住田 孝之 (筑波大学医学部教授)
戸山 芳昭 (慶應義塾大学医学部教授)
長谷川 三枝子 (社団法人日本リウマチ友の会会長)
福地 義之助 (順天堂大学名誉教授・漢方免疫アレルギー研究会理事長)
宮坂 信之 (東京医科歯科大学教授)
山本 一彦 (東京大学大学院教授)
横田 俊平 (横浜市立大学大学院医学研究科教授)

○議題

1 リウマチ対策作業班について
2 班長選出
3 第4回リウマチ・アレルギー対策委員会のリウマチ対策に係る指摘事項について
4 リウマチ患者の立場から
5 今後のリウマチ対策について
6 その他

○議事

○眞野課長補佐
 定刻となりましたので、ただいまより第1回「リウマチ対策作業班」を開催いたします。班員の皆様におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。開催に先立ちまして、当疾病対策課長の難波より、一言ご挨拶をお願い申し上げます。

○難波疾病対策課長
 疾病対策課長の難波でございます。先生方におかれましてはお忙しい中にもかかわらず、本日は本会議のためにご参集いただきまして、厚く御礼申し上げます。リウマチ対策といいますのは、厚生労働省は平成2年から総合的な研究事業を進めておりましたが、こういった成果を踏まえて、平成17年にリウマチ・アレルギー対策委員会において、総合的な体系的なリウマチ対策というものの報告書をいただき、基本的方向性を取りまとめていただいた経緯があります。
 今般、そういった報告書が取りまとめられて5年が経過して、医療水準の向上、あるいは社会背景の変化が生じてきております。これらを踏まえて、例えば医療連携のあり方、人材育成のあり方などについて、時代に即したリウマチ対策、こういった点からリウマチ対策が必要であると考えております。
 先生方におかれましては、これまでのリウマチ対策において、いまなお残された課題、あるいは新たに生じた課題を踏まえて、今後のリウマチ対策の方向性および具体的方策について、整理・検討いただきたいと思っております。どうぞ活発なご議論をよろしくお願いいたします。

○眞野課長補佐
 本日の出席状況と、本作業班の班員の先生をご紹介申し上げたいと思います。本日は、今村班員、辻班員、山中班員よりご欠席の連絡をいただいております。横田班員はいらっしゃっていないのですが、重ねてご紹介申し上げます。社団法人日本看護協会常任理事の洪班員。筑波大学医学部教授の住田班員。慶應義塾大学医学部教授の戸山班員。社団法人日本リウマチ友の会会長の長谷川班員。順天堂大学名誉教授、また漢方免疫アレルギー研究会理事長の福地班員。東京医科歯科大学教授の宮坂班員。東京大学大学院教授の山本班員。横浜市立大学大学院医学研究科教授の横田班員です。
 続きまして、当対策作業班の班長選出まで、事務局にて議事を進行したいと思います。まず、お手元の配付資料に関して説明申し上げます。議事次第、リウマチ対策作業班名簿、座席表です。資料1「リウマチ対策作業班開催要項」。資料2「第4回リウマチ・アレルギー対策委員会のリウマチ対策に係る指摘事項」。資料3「リウマチ患者の現状」、こちらは長谷川班員よりご提供を賜っております。資料4「リウマチ対策の骨子(案)」。資料5「リウマチ対策の具体的方策にかかる論点の整理」。続きまして、参考資料に移ります。参考資料1「リウマチ・アレルギー対策委員会の開催要項」。参考資料2「リウマチ対策の評価と現在の問題点」、こちらは宮坂班員よりご提供いただいている資料です。参考資料3「リウマチ・アレルギー対策委員会の報告書におけるリウマチ対策の評価」。参考資料4「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」。参考資料5「リウマチ対策の方向性等」となっております。また、班員の皆様には、本日はご欠席になられております山中班員より地方自治体の取組状況や地方自治体の立場から必要と考えられる取組等に関する資料を、卓上に配付しております。こちらの資料に関しては、後日にお目通しを賜り、ご意見等をいただければと考えております。資料に関しては以上です。過不足等ありましたら、事務局までお申し付けください。
 議事次第に基づいて、議題1にある本作業班の目的と検討事項等に関して、事務局よりご説明申し上げます。資料1ですが、リウマチ対策作業班の目的に関しては、厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会が参集を求めるリウマチ対策の有識者により、厚生労働省におけるリウマチ対策について、専門的な検討を行うことを目的として開催いたします。主な検討事項としては、リウマチ対策を総合的・体系的に実施するため、これまでのリウマチ対策の評価を行うとともに、今後のリウマチ対策の方向性や具体的方策を整理し、委員会に報告するものとします。班の構成は省略いたします。
 作業班に班長を置き、班長は作業班班員の中から互選により選出することとします。また、会議は公開とし、議事録を作成するものとします。作業班の庶務に関しては、疾病対策において処理します。そのほか、開催要項に定めることのほかは、作業班の運営に関して必要な事項は班長が定めるものとしております。以上です。ご質問等、ありますでしょうか。
 続きまして、議題2にある班長の選出を行いたいと存じます。作業班の班長については班員の互選により選出することとなっております。事務局としては、前回の第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会において、「リウマチ対策の現状と課題について」をご発表いただきました宮坂班員にお願いしてはどうかと考えておりますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

○眞野課長補佐
 それでは、宮坂班員に班長をお願いしたいと思います。宮坂班員、班長席にお移りください。それでは、宮坂班長から、一言お願い申し上げます。

○宮坂班長
 班長にご推挙いただきました宮坂です。不束者ですので、班員の先生方にはご協力をいただき、活発な討論をお願いしたいと思います。
 早速、議事に入りたいと思います。まず、議題3に関して、事務局から説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 事務局から説明申し上げます。また、カメラでの頭撮りはここまでとさせていただきたいと思います。
 資料2「第4回リウマチ・アレルギー対策委員会のリウマチ対策に係る指摘事項」です。昨年の12月に開催した第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ・アレルギー対策委員会でいただいた、リウマチ対策に関する主な指摘事項を整理しております。まず、目的については、リウマチの診断は診察、血液検査、X線検査、超音波、MRIなどを総合的に組み合わせると、早期診断が可能になってきているということ。メトトレキサート、各種生物学的製剤の開発により、リウマチ寛解患者が格段に増加していること。リウマチの病状経過は、最初の1年が最も進行が早く、この時点で早期に発見し、治療を開始しなければ関節破壊の進行を招くことがあること。あるいは、早期に介入したほうが平均寿命にも影響があること。早期発見・早期治療が何よりも重要であるといった指摘を受けております。
 また、医療等の提供体制に関しては、中核的な診療体制を有している病院の確保や地域におけるリハビリテーション施設の確保がまだ十分ではないということ。リウマチ診療ガイドラインが平成16年に作られて以降、改定されていないということ。あるいは、日本のリウマチ医は、リウマチ専門医、あるいは整形外科専門医、リウマチ登録医等、他種混在しているために、患者の立場からはどのような形で受診をすればいいのか、判断しかねること。あるいは、病診連携、例えば拠点病院を地区ごとに設置して、ネットワークを形成するような、そのシステム構築が求められている。生物学的製剤の使用に当たっては、専門的な知識が必要であるが、専門医師数がまだ不十分である。生物学的製剤はかなり高価であって、保険3割の方であっても月4万〜5万円、余計に支払わなければならないという問題があること。そういったことが指摘されております。
 また、研究事業については、リウマチ・アレルギー研究事業については、研究目標も明確で、医薬品の開発も行われてはいるが、承認審査が諸外国と比べて遅れているという指摘を受けております。また、クリティカルパスが確立されていないということのご指摘を受けております。以上です。

○宮坂班長
 ただいまの事務局からのご説明について、班員の皆様からご意見等ありませんか。追加をするとか、あるいは新しく入れるとか、何かありましたらご指摘いただきたいと思います。

○横田班員
 いちいちもっともなことばかりなのですが、私が扱っているのが、実は同じリウマチでも小児領域ということがありまして、特に専門医師数が不十分である。現在、リウマチ学会の専門医師数はトータルで60名ぐらいしかおりません。そうすると、全国的に新しいリウマチの治療を展開するのが非常に難しいという事情があります。
 もう1つは、そのことと関連して、そのすぐ上に病診連携と拠点病院、あるいはネットワーク形成という、システム構築ということがありますので、ここ10年間、少ない専門医師数でどうやって全国をカバーしていくかということをやってまいりました。それにしても、やはり生物学的製剤は子どもさんにとっても高いのですが、子どもの場合には小児の慢性特定疾患というのがあって、そこでカバーできているのですが、18歳で打ち切られてしまうのです。そこから先の費用に関して、非常に問題が起きています。それから、承認申請は特に生物学的製剤に関しては、成人と同様に大変進んでいるという面で、私たちはありがたいなと思っているのです。それにしても、1剤を除いて、あとは成人が通ったあと数年しないと認可が下りない。しかも、それは治験が必要であるということで、是非、今後は治験の段階から小児を組み入れてほしいというのが私たちの要望です。以上です。

○宮坂班長
 いまのは、1つは専門医の数が少ない、小児リウマチに関しては特に少ないということです。2番目は、生物学的製剤を使うことができても、使える医師が少ないことに加えて、慢性特定疾患の対象から外れてしまうと、18歳以降費用負担が発生するということですね。それから、病診連携についてもどうするか。それから、医薬品の審査、治験に関してもです。いまお話いただいたのは、小児リウマチに関する点ということですね。ですから、これを報告書のどこかに落とし込むことは可能ですね。

○眞野課長補佐
 前回の報告においても、各所において、小児リウマチに必要な事項というのは別段で記載させていただいていたと思いますので、またご相談しながら中に組み入れていければと考えております。

○宮坂班長
 そうですね。最終的にはこれは白書を作るときの基になりますから、いま横田先生が言われたようなことを落とさないようにうまく盛り込む。また、その白書を途中で委員の先生方にもご覧いただきますので、その時点でまたご指摘をいただければと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○山本班員
 この委員会の立場でのご指摘、全くそのとおりだと思うのですが、要するにこの疾患をリウマチと呼んでいるので、疾患をどこに限定するかを少しはっきりとしておいたほうが、あとで混乱しなくていいのかなと。小児の場合、juvenile……、だから小児リウマチと言われているものを全部含めると。それの大人版はアダルトスティルになることもあるので、そうするとそれはこの中には含まれないのですよね。

○宮坂班長
 これは基本的に関節リウマチですよね。

○眞野課長補佐
 関節リウマチを対象としたその疾患対策ということで。

○山本班員
 それはよくわかっているのだけれども、そのときに小児の中の全身型をどうするかなどというのは、一緒にしてこの中に入れるというようにしておかないと、あとでそれは別ではないのと言われると議論があれなので、その辺を。一応、例えば小児のリウマチとして、これこれこれを含めると書いておくと非常に対象が明確になるということです。

○眞野課長補佐
 ありがとうございます。

○山本班員
 そうでないと、例えばリウマチ性多発筋痛症をどうするかなどという議論になってしまうので、それだけはまずきちんとしておきましょう。

○宮坂班長
 基本的にはこれは関節リウマチで、小児に関してはいま言われたような病態、全身型、関節炎型を含むということですね。ほかにはいかがでしょうか。例えば研究事業の所で、昨今のいろいろな事業仕分け、あるいは予算的な関係で、今後、研究費が大幅にカットされていきますよね。本年度も、予測では30%ぐらいはカットされる可能性はありますよね。こういったことについて、果たして何か記載することが必要かどうかですね。実際には、リウマチの研究班の数も減ってくる。アレルギーももちろんそうかもしれませんが、そういったことが果たして、これは全体の予算があるからやむを得ない部分もあるのですが、折角このリウマチ・アレルギーに対して日が当たり始めたのが、だんだん陰っていってしまうようなところもあるので、白書の中で何か言ってもいいかなとは思っていますけれども。

○山本班員
 あまり「研究目的も明確で」というのは、それこそいろいろと迷走しているのは確かなので。だから、ちょっとこれは書きすぎかなという感じはしますけれども。強いて言えば、そういう意味ではいいかもしれないけれども、4つの大きな公募の項目があって、リウマチは1つでアレルギーが3つなのです。そういう意味では、何でそうなのかという意見を結構よくいろいろな所で聞くので、その辺はいいですかね。

○宮坂班長
 1対3というのは。

○山本班員
 リウマチと花粉症と喘息とアトピー性皮膚炎だったかな。ちょっと覚えていないけれども、そうでしたね。

○眞野課長補佐
 公募課題での分け方としては、そのような形で分けさせていただいておりますが、採択する課題の数に関しては、必ずしもそのとおり相関するわけではないと、当方では考えております。評価委員会等のご意見もいただかなければ、最終的なところは申し上げられませんが、基本的には採択する課題数とはまた別と考えていただければと思っております。

○宮坂班長
 ただ、確かに山本先生がご指摘になったように、従来ですと課題数だけで考えれば、圧倒的にアレルギーが多いのです。金額がどうなっているかはわかりませんが、金額も1対3なのですか。

○眞野課長補佐
 金額的には、ちょっと計算されたものがないので、明言は避けたいと思うのですが、課題数はアレルギー分野のほうが数としては多かった、金額としても多かったとは思います。課題数としては、かなり比率に差が出てきているのは事実ですので、この辺もどういった形にするのか、評価委員会からのご意見も踏まえながら考えていきたいと思います。

○住田班員
 あとたぶんリウマチのほうの課題数、あるいは研究費が減ってきたというのは、この中にもありますように生物学的製剤の登場によって、寛解率が上がってきていると。何となく治る病気であるようになってきているという印象があるのかもしれません。しかしながら、やはり生物学的製剤を安全に使わなければならない。それから、まだ改定されていない診療ガイドラインの作成も残っていますし、さらに言えば5年、10年後の次世代の治療薬を開発していかなければなりませんから、まだリウマチの本質はよくわかっていない。つまり、基盤研究、病因解明から、それに基づく治療戦略の開発。それにいま研究費を費やさねば、5年、10年後は見えてこないという気がしますので、是非そこはリウマチ研究にまだまだ必要な研究費を付けていただきたいと思います。

○宮坂班長
 たぶん研究費がそのように多少リウマチよりアレルギーに偏っているというのは、我々が生物学的製剤を使い出した2003年、あるいはメトトレキサートが承認された1999年より前から見られますので、前のことをそのまま引きずってきて、今に至っている可能性は十分ありますね。ですから、そういった点をもう少しきちんと見直せるものであれば見直して、本当にリウマチでやるべきことがあれば、研究課題数もそれなりにもう少し考えるということは当然であると思います。

○山本班員
 リウマチのぼやきで、アレルギーのほうからいっぱいいらっしゃるのであれだけれども、アレルギーのほうは耳鼻科の主体とされたエステル花粉症と、内科が主体の喘息と、皮膚科が主体のアトピー性皮膚炎が全く違うというか、違う分野なので、同じ項目にするとコンペッションにならないので、歴史的におそらく3つに分けているのだと思います。ところが、リウマチのほうは整形外科と内科がわりと一体的にやっているので、分けられない形で1個になってしまっている。そういった目で見ると、項目がリウマチが1個で、あるいは3つとなってしまっているのだと思うのです。そこのところで、その割合で研究費が配分されてしまうとちょっと困るので、そこのところは場合によっては。

○眞野課長補佐
 そこは留意してやっていきたいと思っております。

○山本班員
 場合によったら、リウマチもそのように項目立てをすることが将来的な発展だとすれば、少しリウマチでも違う項目に立ててもいいかもしれないという気もします。

○宮坂班長
 その点も、また白書の中にもきちんと文言を入れ込んでいくということができればと思います。ほかに何かありますでしょうか。またあれば、あとから付け加えていただくことにして、先に進みたいと思います。議題4にあるリウマチ患者の立場からのご発表ということで、長谷川班員より頂戴したいと思います。約20分でお願いいたします。

○長谷川班員
 長谷川でございます。今日は貴重なお時間をありがとうございます。患者の現状ということで、2010年『リウマチ白書』を基にお話させていただきます。うちの患者会は、昨年50周年を迎えました。リウマチは、かつてはリウマチ・神経痛、年寄りの病気、そして、一生治らない病気というような位置づけの時代でした。いまリウマチ医療の新たな時代を迎えたといいわれております。私ども50年間の患者会の歩みが日本のリウマチ医療そのものの歩みと重なっている時代を通ってきております。
 これは2010年『リウマチ白書』の表紙です。私どもは5年ごとに患者の実態調査をしております。その中で、その時代に患者を取り巻く医療・福祉・社会環境が数で裏付けられるということで、その時代の患者の実態が数で示されるということで、各方面からこの白書を患者の背景資料として活用していただいております。
 これは会員の調査ですので、女性が圧倒的に多いのですが、社会全体からすると、ちょっと女性が多いと思います。
 これはリウマチと診断された年齢です。決して年寄りの病気ではないということで、40代、50代、30代ということで、2000年も2005年も同じような診断の山です。
 いまのリウマチ治療の4本柱です。患者はこれを基に治療をしております。
 その中で、まず主治医はと申しますと、会員調査という背景がありますが、専門医にかかっている者がこれだけおります。専門医にかかる患者が多くなってきたというのは、1996年のリウマチ科の標榜というのが、たとえ自由標榜であってもすごく大きな役割をしていると思います。専門医と出会う患者が多くなった。少なくともそこへ行くと専門医がいるというような出会いが、患者の中に増えてきているということが言えると思います。
 薬の処方ですが、2005年と2010年で比較したものを並べてあります。2010年は薬の処方が減っていますが、これは無答との数の兼ね合いで、必ずしも背景としていま現在断定できないかなと思います。1〜3剤の薬の量が多くなってきているというのは、少し背景として読み取っていける資料になるのかなと思います。
 治療のために処方されている薬の種類ということで、抗リウマチ薬を使って80%の人がきちんと治療を受けていると読み取っていいのかなと思います。それと、いちばん大きいのは生物学的製剤。前回2005年のときはまだ1剤の承認でした。現在、4剤承認された時点での調査ですので、やはり圧倒的に数が増えてきている。ただ、それも期待と同時に薬価の問題がそこに付いてきているというのが、現状としてはあります。
 今回初めてメトトレキサートも設問としました。やはり専門医にかかっている患者が80%いて、そういう中で処方されている患者の数もこのような数で出ております。ですから、1999年、10年遅れてというときに、私どもは外国の患者に「えっ」と言われたのですが、そこから始まって、なかなか使ってもらえないような地域に住んでいる患者もたくさんおりましたが、いま会員ですと全国調査の中では、これだけの患者が使っているということが言えます。
 生物学的製剤は、今回初めて、2010年で設問としました。「いま処方されている」ということで、先ほどと数が少し動いておりますが、設問一つひとつに答えておりますので、27.9%、処方されている。ただ、数としてはそれほど多くないのですが、薬価の問題で使えないという、これは一般の人からの相談も、会で受けている相談の中で、提示されても自分の経済の中では使えない、という相談が多くなってきております。
 手術ですが、2005年はリウマチでの手術が54.4%、それが今回12.4%減少しているということです。やはり初期に適切な薬での治療で機能障害が進行しないと、手術は減っています。これも今回の調査、手術は次の5年後どうなるかということで、はっきり背景として証明できるのかなと思います。
 手術の種類ということで、手術はまだ47%の人がしておりますが、いままでの治療の中で進行、悪化してきた人は、どうしても関節破壊がありますし、手術ということで人口関節置換術は大変多くの患者がしております。手術をすることによって機能が改善されて、社会に出ていって生活を広げるために、QOLを改善するということでは、いまの段階では大きな役割をしております。手術そのものも、大変患者への負担が少ないような進歩の仕方もしてきているということと、女性に多いのでなかなか手術に踏み切れない、結果も悪いというような時代は過ぎて、手術というのが必要な患者には大きな役割をしていると考えられるかなと思います。
 リハビリですが、これはやはり2006年の診療報酬改定でリハビリテーションが大きく変わってきた中で、医療現場も日数制限、リウマチの場合は難病のリハで日数制限は取り払われているのですが、診断書を書いて継続して手術をしていくとか、集団療法が廃止になって、病院では採算のとれないリハはしないということで、リハビリテーションは大変後退しております。
 「リハビリに望むこと」ということですが、治療の4本柱と言われながら大変弱い柱で、初期からリハビリが必要だとは書いてあるのですが、主治医からなかなかリハにつながらなかったり、装具が必要でも処方せんを書いてもらえなかったり、そういうことも患者の望むことに入っております。リウマチという1つの特徴を持った疾患のリハビリということで、これをリハビリの現場のPT、OTなどで、専門的に指導する人が少ないということが背景としては言われております。
 1年前と比較した現在の症状で、これは2005年と2010年の大きな違いの中で、薬の選択肢が増えた。特に生物学的製剤が増えてきた中で、寛解が倍になってきて、良くなった人もこれだけ多くなってきている。当然悪くなった人は少なくなってきている。ただ、変わらないというのが現状維持なのか、本当にコントロールが悪いままきているのか、その辺の背景としては次の段階の調査はしておりません。ただ、このような2000年では考えられなかった寛解という言葉を、私ども患者が「治療の目標は寛解です」というような時代になってきていることは確かに言えると思います。
 身体障害者手帳です。4本柱の治療をしておりましても、どうしても機能障害が進んで、身体障害者手帳を持っている者が今回は57.1%、前回ですと62%です。この数の減り方は、背景としてどのように読んでいいのか、まだ十分な背景分析はできておりません。ただ、1級・2級の重度の人は変わりなく2005年、2010年には70%の人が重度の障害を持って治療を受けている。そうしますと、やはり福祉のほうの重度障害者医療を使ったり、そのような中での身体障害者手帳の役割というか、いままではそのような特定疾患から外れた関節リウマチの1つの手立てとして身体障害者手帳がありました。
 治療してきた中で、日常生活動作ですが、これはあとで読んでいただくとわかりますが、1・2級の重度の障害が多いわりには、自立度が高く出ております。これはすぐに障害が始まるのではなくて、徐々に握力が落ちて機能障害が進んでという中で、どうしても日常生活動作を維持していきたいというところで、患者が頑張って自立度が高いというデータにつながっていると言えると思います。
 日常生活を維持するのに、身近なところでは自助具を使って自立につなげているということです。
 身近にある物を使いながら、朝から夜寝るまでの日常生活動作を自分なりに補っているというのが、このようなものです。これから5年経って、本当にいまのリウマチ医療が進んだときには、自助具は私どもの会の売りの情報の1つですというような時代ではない。これを使わなくても、患者は自立した生活、リウマチ患者の機能障害が進まないという時代につなげていきたいところです。
 日常生活への影響。リウマチはあらゆる場面での影響があります。日常生活、社会生活、職業生活、学校生活、それから結婚生活というように調査しておりますが、1つ日常生活を取り出してあります。やはり生活がだんだん不便になっていく。これはいままでのリウマチ患者はどんな名医に出会っても、どんな薬でも、機能障害が進んで、どうしても日常生活が不自由になってきているという背景があります。その中で、経済的な背景も出費が嵩み生計が苦しくなっていく。これはどんな病気でも同じですが、1つの病気を持つということは、経済的には元気であったときとは違ってきているということが言えます。
 リウマチ治療での医療費助成制度の利用ということで、いま現在は重度障害者の医療費を使っていたのですが、手帳所持が少なくなっていく中で、だんだんと少なくなってくるのかなと思います。
 今回、1つの大きな比較ですが、医療費の自己負担、1カ月平均です。0円というのが2000年、2005年、2010年で、大変少なくなって、これは重度障害者の医療費、自治体でも一部負担などが入ってきていますので、0円というのはだんだん少なくなってきております。今回、2010年の3万円から8万100円、これは高額療養費ですが、これが極端に2000年では考えられなかった金額、そして2005年から生物学的製剤を使っている患者の医療費の自己負担ということで、大きく数で出てきております。
 不安に思うこと。医療は、背景としては新たな時代と言われているのですが、上の3つは患者の三大不安として、2005年から変わらない不安として、いまだに残っております。
 つらいことですが、この上の3つも三大つらいことということで、2005年から患者の生活の生活の中ではあまり変わってきていないという数で出ております。
 医療への要望ですが、原因解明と治療法の確立ということが、いちばん患者の望んでいること。そして、薬の選択肢は多くなったのですが、まだまだコントロールの十分でない患者にとっては安全で有効な薬も必要だということ。それから、身近な専門医ということで、これはどこに住んでいても、同じように進んだ医療が受けられるかと申しますと、あまり使いたくはないのですが、地域での医療の差というのは大変大きく、私ども患者会の中では全国組織として大変大きく感じるところです。それと生物学的製剤を必要な人が本当に使えるようにということで、医療費の問題が大きなネックになっております。
 福祉への要望で、これはリウマチという病気が、いままで神経痛、年寄りの病気の時代から、福祉では福祉の身体障害の部分だけしか対応して見てもらえない。リウマチという病気のほうは切られてしまっているとか、福祉の現場ではリウマチという病気への理解は少ないということです。
 社会への要望で、これはリウマチに限らず、社会環境が整備されていく中で、誰でもが参加できる社会へという時代の中で、少しずつ外に出ていって、参加できるリウマチ患者も多くなってきておりますが、なかなか難しい、十分ではないと言われております。ただ、身体障害者があっても、条件が整っていれば社会参加は可能であり、リウマチという病気を持っていても、決して障害がある時代ではなくなってきているのかなと思います。
 これは医療費の問題、生物学的製剤をどうしてもということで、昨年この白書以外の実態調査をしました。それと併せて、全国の患者・家族、医療の現場からも、何とかこの医療費の問題を解決しようということで、署名活動をして、要望書を厚生労働大臣に出しました。そのとき、医療の側からはリウマチ学会の宮坂理事長、山中理事がご一緒して、私どもが要望書を出しました。大変大きな反響を得ているのですが、これは本当に1つの働きかけの取りかかりになったということで、いま特に動きは何もない状態でおります。
 これで最後ですが、50年前に治らなかった病気が治療の目標は寛解になってきた。そして、いずれは治癒というものを目指せるような時代というのに、私どもはちょうど立ち会っているのかなと考えております。同時に、いままでの治療の中で、機能障害が進んで厳しい患者もたくさんおります。高齢化の中で、問題をたくさん抱えた患者も少なくありません。次の時代の患者にとっては早期診断・早期治療、そして適切な治療によって機能障害を進めないということで、リウマチ患者の姿というのが次にもっと大きく変わっていくことを期待しています。2010年にはこのような顔にはまだなれなかったのですが、「ああ、ああいう病気もあった」という時代になっていきたいなというのが患者の立場からの願いです。以上です。

○宮坂班長
 いまのご発表に関して、皆様のご意見をお伺いしたいと思います。いまここでリウマチ友の会の会員として入られている方というのは、もう既にリウマチになられて、かなりの年限が経った方が主体ですね。

○長谷川班員
 そうですね。早期の人もおります。早期で専門医を聞いてきて入ってという患者も多いです。ですから、身体障害者手帳とか、医療費の手立てを持たないという相談も多くなっております。

○宮坂班長
 ただ、身体障害者で3級までに認定されている方の比率というのは、この会員の中に非常に多いですね。

○長谷川班員
 会員調査の場合は多いです。ただ、年間1,000名弱ぐらいの新入会員があります。また交代はしているのです。いつも一定にこれだけの割合がいるということではないのですが、調査はなぜか高齢の人が多かったです。

○宮坂班長
 それだけ問題意識も持っておられるのかもしれないですね。我々がリウマチの対策を作っていくときに、早期発見・早期治療が必要な人たちと、ある程度リウマチになって一定の年限が経っている方たちも、合わせて対象として考えていくということをしないといけないですね。ほかに何かご意見はありますでしょうか。

○横田班員
 長谷川さん、ありがとうございました。実は先回も申し上げたことなのですが、「不安に思うこと」というスライドがありましたが、この中の第3番目に「薬の副作用や合併症」ということが挙げられています。子どもばかりというお話になってしまいますが、小児の場合には成人よりも罹病期間が非常に長くなるということがありますので、新しい生物学的製剤ができて、それの適用をされる患者さんが、成人と同じようにいま増えているわけですが、去年、一昨年、アメリカのFDAから出た調査。特にTNFαのブロッカーを使っている方の場合に、悪性リンパ腫とか白血病が出るということで、患者さんの間では動揺が広がっていて、白血病、がんの問題は今後、大丈夫かということを特にご両親が非常に心配しています。と同時に、私たちから見るとサイトカインというのを押さえてしまうために、がん等の問題のほかに自己免疫病が出てこないかどうかとか、神経疾患が出てこないか。場合によっては、重篤な感染症というのが間々あるわけですが、これは薬の副作用としてあるわけですが、そういう感染症に今後、自分が肺炎になって死んでしまうのではないかとか、実際に外来の場面で、ちょっと年齢の高い子どもさんたちはそういうことを口にされます。何とかそれを調査したい、今後10年、20年、30年の調査をしたいということを先回申し上げたのですが、そういう意味でも不安に思うことの3番目にそれがノミネートされているということは、私たちがやるべき仕事だろうと、もう一度考えさせていただきました。ありがとうございます。

○長谷川班員
 2000年の調査のときは、むしろこれが上にあったと思うのです。今回の調査の場合ですと、3番目にきているのですが、私どもは大人の患者ですが、患者にとって情報をしっかり持つということがとても大事だというのが、会員調査の中ではあります。情報は、プラスの情報だけではない、マイナスの情報もしっかり患者が持つということは、薬の両面ということでの情報、患者会としてもむしろマイナス療法をしっかり出すことには心がけております。
 その中で、悪性腫瘍についてとか、それは学会が5年かけて悪性腫瘍の調査をしております。そういうものに対して、患者としてはそういうデータを期待したいところです。それとやはり私どもの周りでも、長いリウマチ患者は悪性腫瘍と重なって持っている患者も多いです。そういう人に対して、「専門医がきちんと見極めた治療をしてくださっているはずです」と、相談のときなどはお答えしているのです。その辺も併せて専門医の役割、それと学会の役割が大変重要になってくるのかなと思っています。普段は相談などで説明は、「生物学的製剤の場合は追跡調査をきちんとしているので、そこからすべての情報が集まってわかっているはずです」という答え方をしているのですが、その辺は私ども患者会としてはどのように考えていったらよろしいでしょうか。

○宮坂班長
 薬の副作用を考えたときに、短期的な安全性と長期的な安全性に分けて考えるべきだろうと思うのです。短期的な安全性に関しては、ことに生物学的製剤については、市販後全例調査というシステムがありますので、そこでかなりのものは、1,000に1つぐらいの合併症まで、副作用有害事象まで上がってくるということはあると思います。それは製薬会社もやっておりますし、日本リウマチ学会でもPMS委員会を作って、それをきちんと遂行するようにということをやっています。
 問題は長期なのです。いまの悪性腫瘍、そういう問題は長期安全性で、これについては先ほど長谷川さんが言われたように、日本リウマチ学会ではSECURE試験と言って、生物学的製剤を使っている方を5年間フォローして、悪性腫瘍、特に悪性リンパ腫が出ないかどうかということをやっているのです。ただ、これは会だけでやるべきものではなくて、国として大人だけではなくて小児のものも含めて、きちんとしたデータベースを作って、長期的にこれをフォローしないと、長期的な安全性は検証できないですね。
 欧米は、もう生物学的製剤が出て10年経ちましたが、彼らはデータベースを持ってやっていますから、そこのところがきちんとわかっているのですが、日本でも欧米に負けないような、そして日本人のデータを作ることが必要です。そういう意味では、白書の中にこういったデータベースを作ることを国としてサポートして、長期的な安全性にも対応して、患者さんに安心して治療をしていただけるようにということをきちんとやるべきだと思います。ほかにはいかがでしょうか。

○戸山班員
 患者さん側からの声、医療への要望というのは非常に重要だと思うのですが、そこのスライドの中で下のほうになりますが、30%ぐらいの方から「医療情報の充実」というところが書かれております。これはこういうようなものがあると私たちは非常に助かるという、具体的なものが何かあるのでしょうか。

○長谷川班員
 特にこの調査の中では、そういう具体的なものということではないのですが、医療情報ということで、なかなか十分な情報を取れない患者が多いということです。患者に理解できる情報の出し方、そして必要な情報をどのように患者に届けられるのか。入門編からたくさんの情報を持っている会員が対象ですので、やはり私どもの特別会員として加わっている医療者が、きちんとしたそのときの情報を出していくというのが私どもの役割であるし、そういう声に応えていけることかなと思っております。

○戸山班員
 あとその3つ下の心のケア、これも非常に大事だと思うのですが、これも何かより具体的に、こういうというところはあるのですか。

○長谷川班員
 心のケアと申しますと、すぐ心療内科というよう思うのですが、時々相談の電話で聞いていますと、くどい患者を心療内科に回しているような医療者もいると聞くのですが、そうではなくて心のケアと取り立てて言わなくても、主治医との信頼関係ができていますと、心のケアを改めてする必要はない患者がほとんどです。私は、患者は、主治医と、きちんとした信頼関係の持てる患者にならなければいけないということが、まず前提条件としてあると思います。

○宮坂班長
 いま長谷川さんにお話いただいたようなことは、また今後も対策として何を盛り込むかというところで討論が出てくると思いますので、少し先に進みます。議題5にある「今後のリウマチ対策についての検討」に入りたいと思いますが、事務局から資料のご説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 事務局より説明申し上げます。資料4において、今後、必要とされるリウマチ対策に関して、骨子(案)をお示ししております。前回、平成17年において作成された報告書で示されている方向性と、今回新しく考えているその方向性に関して対比をしております。今回、生物学的製剤の普及による関節破壊の阻止の方法論、あるいは早期診断の方法論等が確立されてきたという状況を踏まえて、それぞれの項に関して記載を加えております。
 ひとつひとつ申し上げますと、3つの大きな柱を立てておりましたが、そちらは前回と同じような形で踏襲して、柱としては3本立てて、医療等の提供および情報提供・相談体制および研究開発等の推進といった観点から、それぞれの対策を打ち立てていければと考えております。
 具体的な柱の方向性としては、「医療等の提供」においては、関節破壊の阻止を目指した早期発見と早期治療の開始に重点を置き、リウマチ発症をより早期に診断し、速やかに寛解導入を図る初期治療を実施する、あるいは可能な限り入院患者を減少させ、又は入院しても短期で退院し、社会復帰できるような適切な入院医療体制を提供する。そういったことを盛り込めればと考えております。
 2つ目としては、「情報提供・相談体制」として、リウマチが寛解を十分に期待できるような疾患になってきたということを踏まえて、情報提供体制の確保や相談体制の確保のための対策を講じる。特に前回との違いとしては、前回は患者の自己管理手法の修得、あるいは普及といった観点のことが書かれておりましたが、やはり積極的に専門医にかかって、きちんとした治療を受けることに重点を置くといった観点から、今回はその項目は抜いております。
 3つ目として、「研究開発等の推進」として、早期診断・早期治療等による寛解導入に結び付ける取組に資するような研究及び失われた関節機能の改善に資するような研究に重点を置くということで考えております。また、患者情報の適切な管理と効率的な活用に資するような研究も推進していきたいと考えております。こちらは長期的な目標展望ということにもなろうかと思いますが、リウマチの予防法と根治的な治療法の開発をこれまでどおり進めていくといったところで考えております。
 また、下の段に関しては、そこの中に「具体的方策」と書いてありますが、中身を具体的に挙げてあるというよりは、その中で題目的に方策の、要は医療の提供については医療体制の確立に関すること、あるいは人材育成に関すること、診療の質の向上に関すること等の具体的な方策を打ち出していく必要があるのではないか。また、情報提供・相談体制においては、情報提供体制への確保のあり方、あるいは相談体制の確保のあり方等について検討いただく。3つ目の研究開発等の推進としては、効果的・効率的な研究推進体制とはどのようなものであるのか、あるいは研究目標の明確化、医薬品の開発促進等について、より具体的な方策をご検討いただければ、と思っております。また、それら政策の評価に関してのご意見も頂戴したいと考えております。そのような方向性で進む、あるいは具体的方策の大きな柱としては、このような形で議論を進めていければと考えております。以上です。

○宮坂班長
 いまご説明がありました今後の対策の方向性、これが資料4の上側、下が具体的な方策ですが、これに関して班員の皆様からご意見をいただきたいと思います。要するにこの5年間、平成17年度に報告書ができてから、それ以降、リウマチに対する疾患概念が変わってきたということがありますし、早期診断・早期治療の重要性がさらにわかってきたということもあります。それから、この間に画期的な治療薬が出てきたということで、平成17年に立てたものから、さらに今回出る報告書、あるいは白書に関しては内容を変えていかなければいけないわけです。その意味で、いまの方向性と具体的な方策を挙げていただいたわけです。これで過不足ないか、あるいはほかに何か追加すべきことがあるか、ご意見をいただければと思います。

○山本班員
 今回の骨子(案)は、内容は賛成ですが、先ほど宮坂先生が言われたとおり、罹患してから長期にわたってらっしゃる方への対策が少し抜けてしまっているというか、早期の方を中心に書かれているので、その辺は少し文言として入れておいたほうがいいのかという気もします。失われた機能というのが入っているので、そこはいいのですが、それは研究開発の推進になっているので、医療等の提供についてもちょっと。

○宮坂班長
 そうですね。医療等の提供の2番目の○の「可能な限り入院患者を減少させて」、これはたぶん少し重症な方を考えているのでしょうけれども、これだけだと不十分かもしれませんので、先生の言われるように少し罹病期間の長い、既に発症して時間が経った方たちに対しても、有効な対策が考えられるような書き方をしたいと思います。ほかにありますか。平成17年のときには、リウマチの考え方がいまとちょっと変わっていまして、あの当時は軽症のリウマチとか重症のリウマチというのは、それぞれ違うものとして語られてきていたのですが、いまは軽症も放っておけば重症になりますし、重症で発症しても、治療が適切だったら軽症になりますから、その辺は相互が可能なわけですが、そのように当時とはかなり違いが出てきていると思います。
 この点も後で追加も可能ですし、ディスカッションしていく中でこの骨子に付け加えたほうがいいことがあればまた加えるということでいきたいと思います。いただきましたご意見を含め、さらに個々の具体的な方策に関しても議論を進めたいと思います。
 次は、「リウマチ対策の具体的方策に係る論点の整理」について、事務局から説明をお願いいたします。

○眞野課長補佐
 資料5です。資料5では、先ほどいただきました具体的方策の部分に関して、個々に議論が必要だろうと考えられる論点を、平成17年の報告書や、前回のリウマチ対策報告書でのご指摘等を踏まえて少し整理させていただいたものをお示ししております。
 資料の中身を説明いたします。1の「医療等の提供」に関しては、特にリウマチの治療に必要な医療体制の確立として、論点になりそうなところを申し上げます。診療ガイドラインの改訂やその普及に関すること、地域の診療レベルの不均衡を是正するべきではないかということが論点としてあります。地域における医療連携体制が図られた医療体制を確保するべきではないか、どのような形の医療体制が必要であるか、ということが議論になるかと思います。また、リウマチのリハビリテーション等を行うことができる環境を確保することが必要ではないか、どのような方法を用いればリハビリテーション等の環境が確保できるのかをご議論いただければと思います。
 「人材育成」に関しては、リウマチ診療に精通したかかりつけ医を育成することに関してご意見をいただきます。リウマチ専門医師を育成することの推進に関してご意見をいただきます。医師以外の医療従事者を育成することの重要性に関してもご議論いただきたいと思います。
 「診療の質の向上」に関しては、先ほどと少し重複しますが、ガイドラインの改訂や普及に関すること。病態別重症度別のクリティカルパスの導入に関すること。国が、関係学会等と連携し、専門医療機関等に必要な情報提供を行うべきではないか。専門医療機関等からの相談に対応するような相談窓口について。こういうことをご議論いただきたいと思っております。
 「情報提供・相談体制」についても併せて説明させていただきます。情報提供体制の確保として、国民及び患者にとって必要な情報を提供することの重要性、どのような情報であるのか、どういう情報が必要とされているのか。国民及び患者に対して、ホームページやパンフレット等を活用した適切な情報提供を行うべきである。どのようなツールを用いて、情報提供を図っていくべきなのか。相談体制の確保としては、リウマチに関する地方自治体の相談員養成を、厚生労働省では継続して事業として実施しておりますが、そちらの事業の活用について。地方公共団体における患者の相談体制についてのご議論をいただければと思います。
 「研究開発及び医薬品開発の推進」としては、効果的かつ効率的な研究推進体制はどのようなものであるか。明確な目標設定、的確な研究評価等による、リウマチに関する研究の戦略的な実施について。研究課題を適切に採択するために、類似する課題を統廃合する。政策的課題に関連するテーマを勘案する。民間企業や医療機関と国との役割を認識することの重要性。継続的かつ汎用性の高い患者データベース等を構築することの重要性について。
 研究目標を明確にする観点からは、当面達成すべき研究分野の設定と、長期的な目標を持って達成すべき研究分野の設定等が必要ではないか。その他の事項として、医薬品の開発促進等に関する点。先ほどからご議論に挙がっておりますが、そういう点についてです。
 「施策の評価等」として、国が実施する重要な施策の実施状況等について評価し、地方公共団体の実施する施策を把握することにより、的確かつ総合的なリウマチ対策を講じていくべきではないか。地方自治体においても、施策を効率的に実施するとともに、主要な施策について政策評価を行う必要があるのではないか。こういうことに関して、皆様からより具体的中身についてご議論いただければと思います。以上です。

○宮坂班長
 それでは、具体的方策の柱の一つひとつについて意見交換、あるいは議論を進めることにいたします。「医療等の提供」では、1番目はリウマチの治療に必要な医療体制の確立、2番目は人材育成、3番目は診療の質の向上と分かれていますが、まずここの部分について皆様からご意見をいただきます。

○山本班員
 口火を切らせていただきます。地域における医療機関の連携の図られた医療体制の確保というのはまさしくそうなのですが、東京都内では確かに医師は結構いると思うのですが、一歩外に出ると、ある県ではほとんどリウマチ専門医がいない所もまだあります。将来的にそういう拠点病院に、リウマチ専門科ができるであろうと期待されたのですが、いまの医療経済の厳しさから、リウマチ科は全体の総合病院の中で高い収益性を図れる科ではないので、各科が苦戦しています。
 いままで、大きな病院で3人体制でやっていたところ、病院長から、2人体制にするとか、リウマチ科の人員を削られる方向にあります。どんどん増やすというのは、日本の中では難しいと思いますけれども、とにかく各地域で拠点をつくらなければいけない所でもそういうことなので、そこのところは国の施策としてそれを充実するような方向にいかないと、せっかくできている地域の拠点が潰れてしまう可能性があると思います。

○宮坂班長
 せっかくこれだけ治療が進歩していながら、日本のリウマチ治療の1つの問題というのは地域格差です。患者さんがどこで生まれたか、育ったかで治療の内容あるいはアウトカムがうっかりすると決まることになりかねない。治療の質も、本人の意思とは全く関係のないところで、地域格差のために治療内容が規定されてしまうこともないわけではないです。
 本来は拠点病院をつくって、その下に病診連携で、いろいろな病院がつながればいいのですけれども、いまの山本先生のご意見というのは、リウマチ科、あるいはリウマチを診る診療科の存亡が危ぶまれる所すらあるということです。
 具体的な例でいうと滋賀県、四国のある地域などではリウマチ専門医の数が少ない。リウマチ学会では教育施設を認定しているのですが、それも1つあるかないかという県があります。そういう意味では拠点病院、ネットワークをきちんと立ち上げるようなことをもう一度国の施策としてやらないと、地域格差をなくすことはなかなかできないです。先ほど情報の問題をやりましたけれども、情報はいろいろな方法で、例えば電子媒体を使うなりして拡散させることはできるのですが、それだけでは不十分で、医療を行う実働部隊をきちんと準備しないと、情報だけがあっても患者さんは宙に浮いてしまうことになります。ここの連携体制、拠点ネットワークのところを今回の白書の中に、あるいは報告書の中に具体的なものが入れられるといいですね。

○戸山班員
 いまの山本先生のところとかなり近いのですが、その前の資料4で、可能な限り入院患者を減少させて、短期入院ないしは社会復帰を早くしようという施策を上に上げた場合に、入院であれば遠くても良い所の拠点病院へ行けばそれでよろしいと思うのです。この施策をやるためには、外来で通院して、関節が痛くて非常に不自由している人を診るというのは非常に重要だと思うのです。その次に落とす地域の外来でのネットワークをしっかりやらないと、ここのところにはいかないという感じがします。ですから、すごく大事だと思います。

○住田班員
 まさにおっしゃるとおりです。究極の施策を考えたならば、ワンペイシャント、ワンカルテとして、それを全部全国ネットでつなげてしまう。

○宮坂班長 ワンペイシャントと何ですか。

○住田班員
 電子カルテです。ワンチャートです。そうすれば、いつでも、どこでも共有することができます。その近くに専門医とか拠点病院がない場合でも、いろいろな地域の医療から、専門医であるとか拠点病院と情報交換して診療することができる。小児のリウマチ専門医がいない所であれば、電子カルテあるいはテレビ会議等々でネットワークをつくることによって、それは解決できるだろう。これは究極の策ですので時間的には。

○宮坂班長
 それはリウマチだけの話ではなくて、ほかの疾患もすべてそうです。

○住田班員
 はい。ですから、最終的にはそういうゴールを目指していくことも必要ではないか。

○宮坂班長
 そうです。ただ、それを可能にするための環境づくりというのはまだ日本ではほとんどできていない状況です。

○住田班員
 韓国であれば、電子カルテシステムは1つしかないです。日本で考えると電子カルテシステムはたくさんありますし、1つの医院で1つのカルテということでバラバラになっていますから、もう少し統一性を持っていけば、そういうネットワークづくり、地域格差の改善は可能になってくるだろうと。それは、国が少し動き出さないと10年後、20年後には成り立たないのではないかと思います。時間はかかると思います。

○宮坂班長
 電子カルテに関しても、別の所でそれなりには動いているのだけれども、なかなか一本化できないです。そういうことも必要ですけれども、リウマチ対策で個別にここで何か入れられること、落ちていることがないかどうかという観点ではどうでしょうか。

○横田班員
 要望にはならないのですけれども、先ほどお話しましたように、小児のリウマチ専門医が非常に少ないこと、小児科医全般が少ないのは皆さんご存じのとおりです。特に、地方へ行けば小児科医はいない所がいっぱいあります。そういう現状の中でどうしたらいいかと考えたときに、アレルギーが気管支喘息のガイドラインを作って、それを一般医が全部患者さんを診られるようにして、それがものすごく普及しました。アレルギー専門医というのは、そこから対応できない子どもを診ることが専門医の役割ということです。
 これまでアレルギーというと全部集めていたのですが、その成功を鑑みて、日本を10ブロックに分けて、それぞれのブロックごとに専門医をせめて2人ずつ置くという対策をいま考えています。そのためには、小児リウマチのガイドラインを、一般の小児科医が使えるレベルでの話にして、それをメソトレキセートまでを使うことにしたのです。ガイドラインというのは、どこに向けて発するかというのは非常に大事だと思っています。一般医向けのガイドライン、専門医は生物学的製剤を使うということで専門医を規定して、それぞれの生物学的製剤に対するガイドラインを作りました。それも、いま大変うまく動き出しています。生物学的製剤を使う専門医のところで問題が起きてしまうのは、やはりお金の問題なのです。そういうシステムを、国の名前でバックアップしてくれると、その進行の度合いが全然違うと思っています。

○宮坂班長
 いまの10ブロックに分けてやるようなことを、国としてサポートするということですか。

○横田班員
 はい。先生たちが言われる拠点病院を各ブロックにつくっていくことをいまやっています。私自身が北海道へ行ったり、山口県へ行ったりして、そこにブロックごとにつくっていくことをやっているのですが、個人の動きでは制限がかかりますので、それを国の対策・方策として各ブロックごとの拠点病院形成を形として推し進めていただければありがたいと思います。

○宮坂班長
 診療ガイドラインについていうと、リウマチに関しては2005年に越智先生が財団と厚生労働省の研究班を基にして作って、それを財団から本にして出しておりますが、それから以降新しいものは出ていません。それについて、いま日本リウマチ学会も作ろうとしています。今度の厚生労働省の指定研究の中で、オールジャパンとして、そういう診療ガイドラインを作りたいと考えています。
 ただ、一般的に診療ガイドラインというのは、リウマチの診療に携わるドクター向けに作っているわけですが、いまの横田先生のお話は、開業医の先生でも対応できるようなバージョンを作るということですね。

○横田班員
 はい。

○宮坂班長
 そういうことも必要かもしれません。

○住田班員
 先生がいまおっしゃられたように、診療ガイドラインを改訂してそれを普及すると。それによって医療の標準化は可能になってくると思います。それは大きな病院であれ、小さなクリニックでもそうなのですが、ただ足らないものは診察能力、血液の検査、レントゲンではなくて、早期発見・早期治療を視点にすると、超音波、関節エコー、MRI画像といった、早期発見に必要なツールが絶対的に必須になってきます。それをどうやって普及していくか。
 学会で関節エコーはやられていますけれども、もう1つMRI画像を撮る機械の廉価な物を普及させる。それ以外の物もあるかもしれませんけれども、そういうツールの設備の普及も標準化に向けて大事になります。

○宮坂班長
 そのことにも触れるべきだと思います。幸いにして超音波、エコーに関しては日本中どこの病院にもあって、問題は関節エコー、関節超音波の技術は標準化がされていなかったのですが、今は学会としてその標準化をやろうと。地域に拠点をつくって、そこで標準化した技術の伝達をやろうということをやっています。そういう動きが、さらに拠点病院ネットワークの形成には役立つだろうと思います。MRIの場合は汎用性というか費用の問題もありますからなかなか難しいです。

○山本班員
 ここにお集まりの方々はご存じだと思いますけれども、ほかの疾患と違って関節リウマチの場合はヨーロッパのガイドラインでもあるように、疾患はもう診断されて、それからずっと治療をするというのを、そのランクアップのためにかかりつけ医から専門医に行くというのではなくて、最初の診断のときに一度は専門医にかからなければいけないというのが重要なアイテムなのです。そこのところが、だんだんと積み上げていく医療体制では駄目だというところは明記しておいたほうがいいような気がするのです。
 まずは、かかりつけ医の方々が使うガイドライン、それからというふうにやっていくと、一般的なイメージとして、初期のリウマチは一般医が診てということになってしまいます。一旦診断が付いて、方向が付けば、当然しばらくはかかりつけ医でよろしいのですが、やはり最初の診断が重要だというところは、かなりきちんと強調しておいたほうがよいのではないか。ほかの疾患とは違うのだというところをどのように強調するか。

○宮坂班長
 先生もご存じだと思いますけれども、今度新しく出たリウマチの分類基準、あるいは診断基準というのは、ヨーロッパの場合は専門家がやることが前提です。これは、ヨーロッパリウマチ学会が提唱して、アメリカリウマチ学会がそれに乗って、今はこれが世界的な、グローバルなリウマチの分類基準、あるいは診断基準なのです。それは開業医が使うことを前提としているのではなくて、専門医が使うことを前提としています。
 ところが、これを日本の現状に当てはめるのはなかなか難しいのです。この分類基準を、果たして日本の現状に当てはめることができるかというのを、いま学会として検証しています。そこで出てきた結論というのは、日本の場合患者さんがいきなり専門医へ行くのはなかなか難しいだろうと。その分類基準も、専門医でも多少使えるようなバージョンを作ろうとしています。例えば1つ以上の関節の腫れがあって、ほかの疾患では説明できないときにはじめてスコアリングシステムを使って診断するわけですが、問題は鑑別診断です。非専門家が鑑別するときに、これだけは問診してください、これだけは検査をしてくださいという項目表を作成して非専門医でも鑑別診断をやりやすくするような形にしようといま考えています。それも1つの落としどころかと思っています。
 いまの現状では、専門医のクオリティもまだ十分ではないですから、そこにいきなりすべての患者さんが行くわけにはいかない。専門医が1人しかいない、2人しかいない県だとできないです。やはり、最初の取っかかりはかかりつけ医になりますから、その人たちでも使えるようなものを、日本としては用意することが必要かと思います。
 先ほどの長谷川さんのご発表では、8割ぐらいの方が専門医にかかっていると患者さんは思っているのですけれども、実はその専門医にも非常に多様性があります。戸山先生は、専門医認定機構の理事であられますけれども、リウマチ専門医の多様性というのを、今後どういう方向に持っていくのかということをお話いただけますか。

○戸山班員
 昔から議論されていて、その基本的なものは国民にわかりやすい専門医、安全・安心な専門医がいちばん上です。学会単位ではなくて、そうではない領域の所でということが基本なのですけれども、即ち内科、外科、整形の1階のところで18は一応それでいきましょうと。その上のところに関しては、学会ではなくてその領域、ですからリウマチであればリウマチ専門医という形で出しています。そのときには、下の1階のところを十分トレーニングして、それで上に上がりましょうと。
 ですからリウマチということになると内科のところの専門医なり認定医となるのでしょうか、それを取って上に上がる。整形のほうもたくさんいますので、整形を取って上に上がって、そのリウマチの専門医は、これだけのところのちゃんとしたものを担保して、トレーニングをやってくださいというところに入るということですから、その領域が2つ、3つということではないような形で進めています。
 それは、いま17のサブスペアリティが出ています。主に内科と外科で、そこのところからということになっています。もう一度言うと、2階のほうは領域別です。消化器・循環器領域専門医。循環器病の専門医、リウマチの専門医というところです。もう1つ認定するためには、第三者機関を設けて、外部の方にも入ってもらって、そこのところをしっかりした形でそれを見ようというところまで来ております。

○宮坂班長
 それは本当の専門医で、日本では診療科の標榜は全く自由ですから、リウマチ科と標榜すると、患者さんは専門医と間違ってしまうところもあります。もう1つは日本だけですけれども、登録医という別のシステムがあります。こういうものも行く行くは1つのものにしていかなければいけないということもあると思うのですが、これは今後の課題だと思います。もう1つは医師だけの問題ではなくて、医療従事者の育成というのがあります。看護師や薬剤師について何かありますか。

○洪班員
 先ほどの長谷川先生の報告を聞いていて、そこに看護師はいるのだろうかと思いました。あまり期待されていないのか、実態が見えていないと思いました。医療は知識を持って専門医が治療するというのは大事だと思うのです。おっしゃるように、いまの日本の状況は不均衡な状況にあります。そうすると、いろいろな職種がリウマチ医療に関して、しっかりとした知識を持たなければいけないということはあろうかと思います。
 不安だとか、痛みだとか、生活への影響ということでいろいろな問題が出てくる患者さんに対して、そこを支えていくのが看護師でありほかの医療職種ではないかと思っております。そうした観点から言うと、専門医だけではなくて、一般医に対して、わかりやすい診療ガイドラインも大事ですし、医師以外の医療従事者に対しても、こうした医療に関しての知識を、もっともっと普及していかないといけないと思います。

○宮坂班長
 いまの点については、次の「情報提供」とか「相談体制」のところでもうちょっと話したいと思います。いまは「医療等」という1本目の柱のところですけれども、後からも話が出てくると思いますが、2番目の「情報提供・相談体制」のところへ移ります。ここも「情報提供体制の確保」と「相談体制の確保」と2つに分かれています。いま洪班員からお話をいただいたコメディカル、保健師、薬剤師、看護師という人たちに対する教育をどうするか。ここでは、リウマチに関する地方自治体の相談員養成を引き続き行うべきではないかということだけで挙がっていますが、これ以外に付け加えることはありますか。これは、あくまで相談体制です。

○洪班員
 保健所がどのような機能をここに果たしているのかわからないのですが、一般の市民が何か問題を感じたときに、まず第一に保健所に相談することもあろうかと思うのです。地方公共団体での相談体制のところにおいては、保健所の機能にも少し期待したいところです。

○宮坂班長
 眞野さん、いまやっているリウマチ・アレルギーの相談員養成事業がありますが、ここに来られている方はどういう方が多いのですか。

○眞野課長補佐
 対象としては、都道府県や市町村等の地方自治体に所属されている保健師の方、あるいは保健所に所属されている保健師の方等ということです。今年度から内容を少し変更した部分もあるのですが、対象としてはどちらかというと、患者から相談が寄せられる機関に所属している方を対象としております。一般の看護師であるとか保健師とは対象がちょっと異なります。

○宮坂班長
 山本先生、いま日本リウマチ財団では、リウマチケアの看護師を育成しようとしていると思いますので、それについて簡単にお話いただけますか。

○山本班員
 私も詳しくは知らないのですけれども、委員会ができていて、いま点数を取りながら講習をやっているということまでは聞いています。そこには看護師さんを含めて結構たくさんの方がいらしています。日本を6ブロックに分けてやると、200〜300人ぐらいの看護師さんを中心とした方が参加されていることは知っていますけれども、それ以上のことはわかりません。

○宮坂班長
 そこは、たぶん看護師さんを中心にして、リウマチに関する専門的な知識を身に付けていただくような講習会をやっているということで、たぶん看護協会にも少しお手伝いいただいているはずです。そういうことも含め、オールジャパンで考えて、医師だけではなくて、コメディカルの方のスキルアップ、あるいは知識をアップさせるようなことをしていくべきでしょうね。

○長谷川班員
 相談員のことなのですけれども、相談員の養成を始めてから何年かしていると思うのですが、全国都道府県を見ても、こういう相談員がいるという情報が出ていないのです。せっかくこれだけの養成をずっと何年も続けてきている中で、そこに住んでいる人たちに、どういうふうに相談員の存在や役割を知らせていくか。そして、地域でどういう役割を果たしてもらうか。
 この前、出てくださった方に伺っても、日常ではあまり動いていないのです。機能していないのが実情のようでした。せっかくですので良い形ができるのでしたら、もうちょっとここを位置づけていくなり、情報をきちんと出して、役割をもっと広く持ってほしいと思います。

○戸山班員
 質問なのですけれども、今がんではグループアプローチというか、チーム医療というか、患者さんを中心にいろいろな方たちが知恵を出して、その周りに集まる方向に動いています。医師のほうとしては、リウマチに対する専門医ないしは小児の専門医というのは当然だし、それを地域に配置するというのはいいのですけれども、看護師さんの場合に、幅広くリウマチ疾患を勉強していただいて底上げをするのか、リウマチに特化したものを日本として目指さなければいけないのかというものがちょっと見えてこないのです。ここで出せる結論ではないかもしれませんが、方向性としてはどっちなのか。がんは間違いなくそうですよね。看護師もすべて含めてそれに行こうと。それでチームワークでチーム医療ですけれども、これはどっちに向かうべきなのでしょうか。私にはちょっとわからないです。

○洪班員
 そこはまだ悩ましいのですが、いま現在は先ほど山本先生がおっしゃったように、リウマチに特化した専門的な知識をもつ看護師の育成は、リウマチケア財団の研修と登録の形から始めていくということで進んでいるところです。発展していけば、いまのがんの専門看護師だとか、認定看護師のような形になっていくかもしれません。それ以外に一般看護師に幅広く理解をすすめるための研修も必要だと思いますが、看護に何が求められているのかというところの整理が必要です。

○福地班員
 私は呼吸器が主な専門分野です。いまお話を伺っていると、リウマチの置かれている問題点、診療所あるいはコメディカルの方々、あるいは患者さんの団体の問題があります。呼吸器の分野ではCOPDという病気があり、これは肺気腫と慢性気管支炎になりますが高齢者に多い病気で、非常にたくさんの患者さんがいて早期診断が問題になっていて、非常に状況が似ています。
 その立場から申し上げますと、我々の経験でいちばん重要なのは、地域連携で、専門医の所に一般の診療医がいかに患者さんを効率よく送って、そして確定診断していただくかということです。大事なことは、それを専門医、あるいは専門施設でも病院でもいいのですが、その入口になった一般医に戻して、定期的に行き来、やり取りして、ネットワークを個々のレベルで確保するというのが実際の患者さんの発掘に役立ちました。
 第2点として、コメディカルのことについては、呼吸療法認定士で、在宅呼吸ケアを中心にして、関係3学会である呼吸器学会、胸部外科学会、麻酔学会が合同でコースをやって認定試験をやって、2万人以上の方が資格を持っています。問題は、その方が病院での一定の認識というか、ポジションを得られないという状況です。それで看護協会と相談したら、今度、看護協会のほうでも呼吸ケアを特別なコースに取り上げて、感染症認定の感染症ナースと同じように、6カ月間ぐらいの特別教育をするということで、全国で2つ始まりました。ですから、コメディカルの人は、しかるべき病院内でのレコグニッションを得られるようなスタックスを、一定のトレーニングを経た人に与えることはモチベーションとしてものすごく大事です。
 第3点は、患者さん団体が社団法人をつくって長くやっておられたことに私は非常に感銘を受けました。私たちは2001年から、患者団体連合会を、学会と患者さん団体の要件を満たしたステーブルな、持続性のある患者さん団体と合同で、連合会の総会を年1回やっています。そのほかにもいろいろな機会を持ち、いろいろなイベントも共同でやっております。
 患者さんに参加していただいて、サーベイランスを5年ごとにやり、『呼吸器白書』として発行して2005年、2010年とやっております。そのいちばんの利点は、医師の医療施設に対する調査と、患者さんの団体を通じての調査と一緒に行って、それを合わせて1つの本にしています。例えば患者教育のことについても、患者さんが教育を受けたと思っている認識と、医師が啓発のいろいろな知識を提供したという認識には非常に乖離があることがわかりました。情報を発信する側と、受け止める側のコミュニケーションというか、お互いの理解が非常に重要だと思います。
 最後に、awarenessを高めるのにCOPDは非常に低いのですが、リウマチはそれが必要ないということで大変強みがあります。リウマチというと皆さんイメージがあります。私はわからないのですが、グローバルにあるいは日本でリウマチの日というのはあるのですか。

○宮坂班長 
 ないです。

○福地班員
 世界でもCOPDの認知度が低いので、ワールドCOPDデーというのがあって、米国を中心にヨーロッパですが、全世界50カ国でやっています。日本では11月の木曜日にやっていますが、その周辺でメディアも入っていただいて、いろいろな所でやって、全国の施設にも呼びかけて、そのawarenessを高めるものだけに集中しています。
 呼吸器学会は、呼吸で5月9日にやっています。それから8月1日が肺の日です。年2回全国の支部でイベントをやり、そしてawarenessを高めています。いちばん大事なことは、患者さん団体との連携で、患者さんに適切な治療の情報提供をするということです。患者教育ということは、いまCOPDのほうでは非常に重要なテーマになっています。参考までに意見を申し上げました。

○宮坂班長
 大変参考になりました。そういうことも含め、我々もやっていかなければいけないと思います。学会と患者さんの会ですね。リウマチの日というのは確かに素晴らしい案だと思います。これは国としてやるよりは、まず我々がやらなければいけないことなのかもしれません。
 3番目は「研究開発及び医薬品開発の推進」のところをご覧いただきまして、過不足がないかどうかの確認をお願いいたします。あとは、同じ頁に「施策の評価」もありますので、そこも含めてご意見があればお伺いいたします。
 先ほど山本先生がご指摘になった、リウマチとアレルギーの比率の問題はここに入っています。確かにこの点については、我々は初めからそうなっているものだとなんとなく思っていましたけれども、よく考えてみると、その比率はどこから来ているかというと、ちゃんと説明することができないです。
 それから研究費のこともそうですが、一定の研究費を国としてきちんと確保しないと、少なくとも世界と争うような、そして患者さんに還元できるような研究をしようと思えば、それなりの投資はしなければいけないので、そういうこともなんとか盛り込めるようにはしたいと思います。
 先ほども出てきましたけれども、継続的かつ汎用性の高い患者データベースを構築するとあるのですが、これもいままでのリウマチの分野ですと、女子医大は単一の大学の中のIORRAというデータベースをやっています。国立病院機構は當間先生を中心にNinjaというデータベースがあります。それから、生物学的製剤を使っている人と、使っていない人を比べる、安全性を見るデータベースでは、私たちがやっているREALというデータベースがあります。
 私たちがやっているREALというデータベースは、厚労科研の研究班を基にできたのですけれども、それは3年間で終わってしまいます。そうすると、それは国としてはサポートがないので、結局我々がいろいろな所からお金を集めてきて維持をしています。このデータベースでいちばん難しい点というのは、1,000例なり1,500例の症例を集めようと思うと、その主治医が全くインセンティブもなしに、データをデータベースに6カ月ごとに登録していかなければいけないという点です。これはボランティア的に善意でやっていただくことになります。
 これをずうっと日本で、善意だけでやる、それに気がついた組織だけがこれをやるというのはなかなか難しくて、どこかの過程で国がこういうデータベースの構築に対してサポートすべきであると考えています。この点についてもご意見があればお願いいたします。

○横田班員
 先ほどお話した、子どもへの生物学的製剤でのリンパ腫とか白血病が出たと。それが論文として出たのが昨年の春です。その秋の学会には、各国からそんなことはないという発表があちこちからありました。少なくとも私が知っている限りでは、アメリカ、オランダ、北欧3国、ドイツというのは、皆さんが疾患登録を持っています。その中でどいう薬剤を使ったかまで登録されています。オランダは、全部ソウセイ番号で生まれたときから管理されているそうです。
 そういうものがあって、反論がすぐに出ました。反論ではない、そのとおりだということになるかもしれませんけれども、そういう意味では、韓国でもそういうのが始まっていますよね。少なくとも小児科領域で始まっています。医療費用の問題などを考えても、非常に大事なことだと思います。ただ、こういうデータベースは、基本的に最初の投資が大事で、あとは調査をずっと続けていくという、やる側からはそういう話がありますし、やられる側からはいま宮坂先生が言われたとおりでインセンティブがないと、なかなか難しいだろうというのはあります。
 向こうの人たちがどうやって登録しているかというと、ある意味で本当の主治医ではなくて、事務的なサポーターがちゃんと付いていて、その方たちが登録していきます。だから、お医者さんには負担がかからないということがあります。その辺も参考になるかなと思うのです。

○宮坂班長
 クラークのような人で、医療情報にIDとパスワードを持ってアクセスできるような人をきちんと養成すればなのですけれども、実際にはその人たちを雇うお金がどこにもないのです。そういうことも含め、国としてサポートするのであれば、そういうこともきちんと指摘をする必要がありますね。

○山本班員
 特に日本としてわからないのは、肺関係の病気が日本人には多いということです。間質性肺炎、ニーモ脂質の肺炎等を含めたものが、ほかと違う可能性があります。それから、薬剤反応性も含めてです。そこのところは、日本固有のものを出していかないと、我が国の患者さんが本当に不利益を被ると思うのです。オールジャパンと言えるかどうかわからないけれども、少なくともきちんと追えるコホートを作っていかなければいけないと思います。

○福地班員
 肺の話が出ましたが、まさに生物学的製剤になってから、日本結核病学会雑誌、日本呼吸器学会雑誌等に症例報告の形でその問題が出ています。ゲフチニブ、イレッサの例でもわかりますように、遺伝子背景が違ったりする可能性があります。そうすると、イレッサの場合間質性肺炎でしたが、副作用の出方・頻度が全然違うということもあります。
 生物学的製剤も、日本についてはまだ比較的新しいということを考えると、先生がおっしゃったように関連学会に糾合して、間質性肺炎とか肺がんはCTで早期診断ができますから、そういうことがわかるようなことが、患者さんのためにも、アカデミックのためにも両方必要です。やはりイニシアティブを取って呼びかけると、皆さん非常に心配しているから協力した体制が出来上がるのではないか。特に国がコミットすると非常にいいと思います。

○宮坂班長
 そうですね。学会同士が連合してやることはもちろん必要だと思います。それを、国としても何らかの形でサポートをすることが必要で、どちらかというと、いままでは感染症とか間質性肺炎というのは短期安全性のほうに入るのですが、どちらかというと製薬会社が生物学的製剤の場合には市販後全例調査でやっていて、製薬会社に丸投げしてしまっているのです。
 それを、国は報告だけ受けていてというところがあります。それだけではなくて、そういう人たちをデータベースでずうっと後までフォローアップして、長期的なアウトカムまで見るためには、やはりデータベースを作るところを国がきちんとサポートすべきだと思います。
 それから、先ほどから話が出てきている発がんなどですが、特にリウマチの場合にいちばん問題になるのは悪性リンパ腫です。リウマチの患者さん自体が悪性リンパ腫を発症しやすいという素地があるところに持ってきて、サイトカインをTNFなり IL-6、特にTNFを阻害すると発がんする可能性があります。これは、当然人種差がある可能性があります。ですから、欧米のデータが良いから日本はしなくてもいいかというとそんなことはなくて、やはり日本は責任を持って出さなければいけない。そういうことについて、国としてきちんとサポートすることが必要であるということは、やはりこの中で是非謳いたいと思います。

○住田班員
 そういたしますと、市販後調査とか安全性の確認というのは、国がすべきということですか。

○宮坂班長
 いまでも、国にはちゃんと報告されて。

○住田班員
 それは報告ですよね。やりなさいという報告を受けるのですけれども、そのやる場所としては学会と考えてよろしいのですか。

○宮坂班長
 いやいや、いま実際の調査は。

○住田班員
 いま実際の調査は製薬会社ですよね。

○宮坂班長
 製薬会社が、その医療機関と契約を結んでデータベースを集めて集約しているけれども、それについての妥当性を、例えば日本リウマチ学会だとPMS委員会で検証しています。そういうことも併せて報告は行っているわけです。

○住田班員
 国が主体でやるわけですけれども、そのラインといいますか、その矢印といいますか、方向性というのをもう少しはっきり国がやること、学会がやること、製薬会社がやること。

○宮坂班長
 それは、厚生労働省が市販後調査に対して検証してくださいということを、日本リウマチ学会に委託してきているわけです。いまでもそれはあるのですけれども、私が言っているのはそういうことではなくて、今の市販後全例調査というのは6カ月とか、3,000例を見たら終わってしまいます。そのデータベースをずっと続けても製薬会社は利潤が出ませんから、データベースの管理には全く興味がないのです。それではしようがないので学会がやっているわけです。やはり、これは国レベルできちんとサポートするような体制にしないと、欧米と競争すると負けるということです。

○住田班員
 国が学会をサポートするということですか。つまり、やる所は学会ですよね。

○宮坂班長
 学会をサポートすべきなのか、何をサポートすべきなのかは今後の話で。

○洪班員 
 本来であれば、国が主体となってサポートするべきものであるのではないかと思うのですが、いまはほかの疾患もそうですが、実際には学会が結構そこを委託されて、あるいは主体となってやっているということです。

○宮坂班長
 それすべてを国がやるべきことかどうか分かりませんけれども、少なくとも国が一定の費用を投下して、それなりの所に責任を持ってやらせるべきではあると思います。

○山本班員
 おそらくそこまで国はお金がないので、建前論でいってもいまの日本は動かないので、初期に製薬会社の方々のエネルギーでスタートしたものを、これからどうやっていくか。この辺で官学民が一体となってなんとか構築するという方向でやらないと、すべて国がやるべきだという議論では何も動かないと思います。

○宮坂班長
 ありがとうございました。これで3つ目、4つ目のところを話し合っていますけれども、ほかに別の観点でご指摘いただけることはありますか。

○長谷川班員
 4番目の施策の評価等のところですが、これは国が実施している状況について評価というのですけれども、やはり国民への情報提供にも絡まってくるのかと思うのです。研究班の講演会をいままでに2回していて、お金がないから1回だというのですけれども、せっかくやっている事業を、新しい展開のある、なしではなくて、やはり国民に示すいちばんいい場かと思うのです。ああいうところを削っていくというのは、国民に対しての情報提供も怠っているし、せっかくの研究班の成果も知られない。私は患者の立場、一般国民の立場として、ああいう場は欲しいと思います。

○宮坂班長
 あとはその研究だけではなくて、これから向こう5年間のリウマチ対策ができるとすると、それについての進捗状況を5年後に検証するのでは遅くて、毎年これを検証するような体制を本来つくらないといけないだろうと思うのです。そういうことが何かできるかどうか。例えば、ここに集っている委員の方に、1年なりどのぐらいかに1度集まっていただいて、今回作成される報告書が、それが本当にどこまで実行に移されているかを検証することがあってもいいのかと思いますが、いかがでしょうか。

○戸山班員
 いま班長は1年ごととおっしゃいましたけれども、1年ごとというのはなかなか辛いだろうと思います。せめて中間評価を確実にやるのは必要かと思います。

○宮坂班長
 評価という点に関して、ほかにはいかがでしょうか。あるいは、これについては国が地方自治体からも報告を受けるわけですが、これについては今どのようになっているのですか。

○眞野課長補佐
 昨年の8月において、地方自治体に対してアンケート調査を行っております。リウマチ対策やアレルギー対策に係る施策や、患者に対する普及啓発活動、研修事業等を実施しているかに関してアンケート調査を実施しております。集計は取りまとめておりますが、まだこの委員会にご報告申し上げてはおりません。最後になります第5回のリウマチ・アレルギー対策委員会においては、山中委員の参考資料も含めてお目通しいただければと考えております。
 そういうアンケートを今回実施したのが、前回の報告書の作成に先立って作成してから2回目です。そういうことも、今後どのような周期でというのは後々考えるとしても、定期的にどのような状況であるのかという変化をこちらでも把握していければと考えております。

○宮坂班長
 アンケート調査をやられるのであれば、それを読むことで現場のニーズがわかります。それで我々が、あるいはリウマチ対策が対応できているのか、できていないのかを検証しながら先へ進むことは必要だろうと思います。
 私も前の会議で、過去5年間のリウマチ対策の検証をやってわかったのですけれども、5年経ってこれができていたとか、できていないというのではちょっと遅すぎるのです。戸山班員が言われたように、中間評価をするなり、あるいはアンケート調査で上がってくるものについて、目利きの方に集まっていただいて、その進捗状況を評価しながらやっていくということを考えてもよいと思います。
 例えば先ほどの研究費の問題だって、一度決まったらこれでずっとやらなければいけないわけではなくて、いまのような意見が出てきたら、来年度からはもう少し見直すということも含めて、話し合いの場があるといいですね。5年に一度というのはちょっと遅いですね。

○横田班員
 どこで言ったらいいのかと思っていたのですが、たぶんここしかないと思いますので発言させていただきます。先ほどお話しました、小児慢性特定疾患と、成人の慢性特定疾患というのがあります。成人の場合には悪性リウマチは入らないで、通常のリウマチは入っていないです。したがって、小児慢性特定で18歳まで来たときにそれが切れます。いまこれを見直そうという動きがあるとお聞きしています。18歳というと、ちょうど大学へ入るとか入らないの年齢で、いろいろお金が使われます。家族としては、せっかく生物学的製剤がうまくいっているのにとても出せない。だからやめてほしいなどということがあります。
 ずうっと来た方に関しては、地方自治体が20歳までは認めようということがいま実際に行われています。そこの部分を何かの形で延長できるような形の政策はとれないだろうか。難しいですかね。子どものリウマチの発生頻度を、厚生省研究班で調べさせていただいたところ、大体1万人に1人程度なのです。いま生まれている子どもは年間110万人ですから100人います。

○宮坂班長
 ただ難しいのは、その人たちに関しては18歳をすぎても国がサポートすることになると、大人で発症した人たちは「なんで俺たちは」という話になりますよね。

○横田班員
 そのとおりなのです。

○宮坂班長
 特定疾患の場合は、希少性の問題がありますから、なかなか簡単にはつなげられないですよね。

○横田班員
 小慢というのは、ある意味では研究事業になっているからお金が出るのです。大人の場合には違うのです。

○宮坂班長
 でも、大人も調査研究事業になっています。

○横田班員
 なっているのですか、同じなのですか。

○眞野課長補佐
 大人の特定疾患特別研究事業も、一応研究事業として事業を実施しており、治療費の助成といった側面もあります。

○横田班員
 言いたかったのは、100人で、いまメソッドで7割うまくいくのです。残り3割ですから30人です。うまくいかない、生物学的製剤の適用になる方はそれほどの人間しかいないので、そんなに財政を圧迫するような数ではないだろうと思うのです。

○宮坂班長
 それも含めて陳情に伺ったわけですけれども、なかなかそう簡単ではなさそうです。それも今後の課題とします。本日いろいろご議論いただきましたが、こういうことも含めて事務局と調整をして報告書の素案をまず起こしたいと考えております。次回の作業班では、今後作る報告書の素案を基に、再度具体的な事項について検討していきたいと考えております。本日の議論は以上になります。事務局から今後の予定についてお願いいたします。

○眞野課長補佐
 本日は、リウマチ対策に関して貴重なご意見や、対策のあるべき方向性、具体的方策に関するご議論をいただきまして誠にありがとうございました。次回第2回リウマチ対策作業班は3月16日の15時より17時まで、厚生労働省内会議室において行います。後日改めてご案内申し上げますので、ご参集いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 また、第2回リウマチ対策作業班では、今回いただきましたご議論や意見を踏まえ、班長よりご提示いただくリウマチ対策に係る報告書の素案に基づき、それぞれの対策について再度ご意見を頂戴したいと考えております。先ほど説明申し上げました、山中班員よりご提供いただきました参考資料に対するご意見も併せて頂戴できればと考えております。
 最後に、本日ご議論いただきました議事録に関しましては、後日送付させていただきますので、別途ご確認をよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。

○宮坂班長
 これにて第1回リウマチ対策作業班を閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

健康局疾病対策課

代表電話: 03-5253-1111
内線:2367・2359

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