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2011年2月7日 第3回生活衛生関係営業等衛生問題検討会議事録

健康局生活衛生課

○日時

平成23年2月7日(月)13:00~15:11


○場所

厚生労働省18階 専用第22会議室


○出席者

構成員

秋山 茂 (北里大学医療衛生学部講師)
大井田 隆 (日本大学医学部教授)
長見 萬里野 (財団法人日本消費者協会参与)
倉田 毅 (富山県衛生研究所長)

オブザーバー

小宮山 健彦 (財団法人全国生活衛生営業指導センター専務理事)

意見聴取人

夢ひたちファームなか里代表 (梶山意見聴取人)
株式会社出石まちづくり公社営業課店長 (酒井意見聴取人)
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長 (佐藤意見聴取人)
社団法人全国消費生活相談員協会理事長 (菅意見聴取人)

○議題

1 関係者からのヒアリング
  ○ホテル・旅館営業者
  ○町家関係者
  ○農林漁業体験民宿関係者
  ○利用者・消費者
2 論点の整理
3 その他

○議事

○三川課長補佐 定刻を過ぎましたので、ただいまから、「平成22年度 第3回生活衛生関係営業等衛生問題検討会」を開催させていただきます。
 本日は、東京都の池田構成員及び千葉市の渡辺構成員は、都合により欠席されております。
 また、本日は、オブザーバーといたしまして、財団法人全国生活衛生営業指導センターの小宮山専務理事、及び全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会・佐藤会長も出席する予定ですけれども、若干遅れて見えられると思います。
 意見聴取人といたしまして、株式会社出石まちづくり公社・酒井意見聴取人、夢ひたちファームなか里代表・梶山意見聴取人、社団法人全国消費生活相談員協会理事長・菅意見聴取人にも御出席をいただいております。
 また、渡辺構成員におかれましては、若干遅れて見えることと思います。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 まず、座席表がありまして、その裏に、構成員名簿と意見聴取人。
 続きまして、会議次第。
 資料1「ヒアリング関係者資料」。
 資料2「論点について(案)」ということで、1枚のものになります。
 資料3といたしまして、参考で、「旅館業法に係る都道府県条例の規定の例について」であります。
 参考資料1といたしまして、前回の議事録、参考資料2といたしまして、旅館業法関係法令の抜粋したものがあります。
 資料番号のついていない横の表で、「旅館業における規制緩和について」、これは前回の資料と同じものになります。
 資料は以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただきますようお願いいたします。
 本日の検討会は公開で行われておりますので、念のため申し添えます。
 それでは、倉田座長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

○倉田座長 本日は、お忙しいところをお集まりいただき、ありがとうございます。
 それでは、早速、議事に入らせていただきます。
 本日は旅館営業の関係の方々からお話を伺うこととしております。どうぞよろしくお願いします。
 なお、説明は1人10~15分程度でお願いします。確認したい点がありましたら、その都度確認し、全体の議論はお話しする方が全部終わってからにいたしますので、よろしくお願いします。
 それでは、事務局から説明をお願いします。

○新津課長補佐 本日は、佐藤会長より先に始めていただくことになっておりましたが、遅れているということでございますので、町家関係者を代表しまして、株式会社出石まちづくり公社・酒井営業課店長からお願いしたいと思います。
 町家につきましては、昨年、特区ということで申請が上がりまして、10月に開業しているという状況でございます。お手元資料にお配りしております、資料番号がない横の一覧をごらんいただければと思います。
 一番上にございます、17番の「町家・古民家を活用した宿泊施設に対する旅館業法の規制緩和」、20番として同様に出ておりますけれども、町家につきましては伝統的な建物ということで、玄関帳場をつくると建物の風情が損なわれるということで、それに代わる条件等をお守りいただくということで特区の方で承認されております。
 それでは、酒井様、よろしくお願いいたします。

○酒井意見聴取人 具体的にどのようなことから申し上げたらよろしいでしょうか。

○新津課長補佐 皆様、どのような営業実態かといったところを含めまして、現在、緩和されている点、それから、進めていくに当たって困難だったこととか、現在の要件についてどのように思われているか等についてお話しいただければと思います。

○酒井意見聴取人 特区申請ということで、簡易宿泊を営業しているわけではございますが、これに当たって、帳場・フロントと、実際にお泊まりになられる簡易宿所、我々の場合は「旅籠西田屋」という名前で営業させていただいておりますが、現場の営業、帳場・フロントの距離が100メートル以内でないといけないという要項がございました。帳場・フロントと、いわゆる営業現場、宿泊される簡易宿所の旅籠西田屋は、ぎりぎり100メートルではあったのですけれども、「但馬の小京都出石」という伝統建造物保存地区群の中に旅籠西田屋はございまして、実際は100メートル以内にそのような特定物件を探すというのは、2号店、3号店を営業していく上で非常に難しい要件であると。

○倉田座長 ちょっとわかりにくいのですが、旅館というか、宿泊施設をこの100メートル以内に置く、そういう意味ですか。

○酒井意見聴取人 お泊まりになられる場所と帳場・フロントの場所が。

○倉田座長 要するに、受付なり何なりする場所と寝る場所が100メートル以内、そういう意味ですか。

○酒井意見聴取人 そうです。

○倉田座長 昔のキャンプ場みたいなものですね。キャンプのところは小屋になっている、あるいは簡易宿泊所。受付があって、鍵を持っていくということですね。

○酒井意見聴取人 そうです。受付する場所と実際にお泊まりになられる場所が違うということになります。今後、2号店舗、3号店舗をつくっていくのが目標になっているのですが、出石の町には、大型の宿泊施設、同業他社さんが余りない状態にありまして、近くに城崎温泉だとか、湯村温泉だとか、いわゆる兵庫県の有名な温泉地がございます。その中で、我々が目標といたしましたのは京都の京町家の中の「町家ステイ」で、和のモダンスタイル、和のテイストでお客様に宿泊を楽しんでいただくものを提供できないかなということで、議論に議論を重ねて10月にオープンさせていただいたということでございます。帳場・フロントと実際の宿泊場所の100メートルということに関しては、もう少し距離的な規制緩和をいただけたらなと思うことが、まず1点、お願いしたいと思っていることです。
 それに基づいて、現在、防犯ビデオが旅籠西田屋の正面玄関のところにあって、いわゆる帳場から常にモニタリングができる状態にしております。それは、365日24時間体制で一応録画しているのですが、お客様が宿泊場所に入られるときに、監視されているという雰囲気を持たれるお客様もいるのではないかということがございます。防犯ビデオカメラの設置義務が条件にありまして、勿論、必要なこととは思っておりますが、やはりお客様の立場からすると、ずっと出入りを見られているという感覚をお持ちでないのかなということは、泊まられたお客様がおっしゃられたことの一つではございます。
 あと、定員数の規制といいますか、ちょっと私どもの勉強不足で申し訳なかったのですけれども、トイレの数が2つしかございません。トイレが2つしかなかったら、10名程度の定員しか実際はだめだということで、最初は15名、厳密にはもう少しお客様が泊まることができたのですけれども、10名ということでやっております。今年の5月に第2期工事をする予定ですが、やはりトイレを増やさないといけないのか、また、費用面で負担になるのかなということで頭を悩ませている次第でございます。
 こういう事例は全国で余りないとお聞きしております。我々は先任者であるということを自覚しながら、勿論、規則は規則の中で、営業を一生懸命していきたいと思っているのですが、規制緩和をすることによって、また我々の営業面でも可能性が見出せるのではないかなということを率直に思う次第でございます。
 そういう感じでよろしいでしょうか。

○倉田座長 ありがとうございました。
 何か質問ございますか。

○堀江課長 実は民主党の委員会が開催されたときに、局長が、まだ見ていないのかと質問されて、「一度見てきます」というふうにお答えしたこともあり、先日行かれまして、それに私も同行しました。どうもありがとうございました。ですから、今、説明をいただいたことで、少しわかりにくいなと思ったことを補足させていただきます。
 いわゆる古民家がございまして、ホテル・旅館というイメージで言うと、例えば15人とか10人とかおっしゃっていただきましたけれども、ここからここが第1号室、ここから第2号室みたいなイメージを皆さんお持ちになると思いますが、そうではなくて、丸ごと1棟を倉田さん御一行にお貸しする格好の営業をされている、そういうビジネスモデルです。ですから、倉田さんは第1号室、秋山さんが第2号室ということではなく、そこでは食事も何も出しません。炊事場があって、食卓があって、そこでみんなでつくって御飯を食べましょうみたいな、1棟をそのままお貸ししますみたいな格好になっているところが、行って、ああ、これが町家なのかというふうに思ったまず一つのことでございます。
 一緒に行きました外山局長はもともと新潟の出身で、倉田先生も、今、富山の方にお見えになりますけれども、日本海側にはこういう古民家みたいなものが多いんだよ、私の親類の家がそうだったとか、外山局長が感想を述べていました。

(佐藤会長入室)

○堀江課長 もう一つ、防犯ビデオというのは、別にどこでだれが何をつくって食べているかというのを見ているわけではなく、普通の家と一緒で、玄関があってガラガラとやると、ビデオが四六時中回っていて、それを100メートル内外のところにある事務所で常時放映していて、何時間分かを録画してあると。

○酒井意見聴取人 そうです。常にモニタリングは帳場の方でできるようになっております。

○堀江課長 玄関というのは1つしかございませんで、そこで常時カメラが見ているということでございます。今、佐藤会長もお見えになったので申し上げますと、1棟まるまる、ここはもともと倉田さんという人が住んでいた家なんだけれども、そこを旅館風簡易宿所として提供して、泊まる人は1団体のみ。だから、それによっては10人でも、あるいは能力的には15人でもいいですけれども、倉田先生の教室の人がダーッと「みんなで行こうや」という感じの使い方をする。お客さんはいるか、いないか、どっちかしかない。こういうイメージのものです。

○酒井意見聴取人 1日1件、1棟貸しということです。

○倉田座長 これは町がやっているのですか、村がやっているのですか。

○酒井意見聴取人 我々は株式会社出石まちづくり公社といいまして、第三セクターが営業しております。

○倉田座長 いろいろお聞きしますが、防犯ビデオというのは今は常識で、ないことによってトラブルが発生したときには責任は公社に来るわけです。ホテルだと全部出ています。こんな小さい、ペンの先ぐらいのものできれいに映るシステムになっていまして、あるかないかというのは普通のところでは見えない。官庁や図書館はバカみたいなカメラをつけていますが、ああいうのはもう古い。安いからつけているだけで、ほかのところはすごいカメラで、どんな立派なホテルへ行ってもついていますね。
 昔、僕らが学生時代、キャビンだ、バンガローとあって、トイレは表だけれども、6人とか8人泊まれて、簡単な炊事もできるようになっている。安い方のキャンプ場と、ちょっとお金を払うというのとありましたが、そういうのが少し程度がよくなったというような感じで、要するにだれも住まなくなったおうちを使用する、そういうことですか。廃村みたいな。

○酒井意見聴取人 そうです。もともと住まれていた方が亡くなって空き家の状態になった。その空き家をどう復活させるかということをテーマに。

○倉田座長 公社さんで中の整備もある程度して、それで客を泊めると。

○酒井意見聴取人 そうです。

○倉田座長 その場合、1棟幾らとなるのか、1人幾らなのか知りませんが、そういう格好で、あとは食事は勝手になさいというわけですね。

○酒井意見聴取人 はい。食事の提供はしておりません。

○倉田座長 わかりました。

○秋山委員 既にこの営業は始まっているわけですね。

○酒井意見聴取人 はい。

○秋山委員 利用者から、防犯カメラの設置について、常時監視されているという苦情のようなものは出たことはありますか。

○酒井意見聴取人 苦情はないです。ただ、ビデオの方が、もっと小さいものだったらよかったのですけれども、帳場の高い位置にあって目立たないのですが、大きめのものを設置してしまったものですから、出入りは見られているんだなと、その程度のことで、苦情はないです。

○秋山委員 先ほど委員長が言われたように、今、防犯カメラを設置するのは当たり前になっているので、利用者からクレームが出てきているとすれば、その利用者の方の教育をしていかなくてはいけないのではないかという気がします。

○倉田座長 多分そうでしょうね。
 ほかに何か質問はありますか。事務方でもどうぞ、何でもいいですから、ありましたら。
 立ち入ったことを聞いて申し訳ないのですが、特区とするからには国がある程度サポートするのですか。

○新津課長補佐 今回、町家として承認したことについての費用負担とか、そういったものは実際はないです。ただ、違いとしては、この横表をごらんいただければと思います。現在、町家としては一番上の17番を特区として認めておりますけれども、一番下にあります総合特区制度については、従来の特区との違いというところでは、税制とか支援を併せてしていきますということで、こちらは支援がありますが、既にやっている町家の方については支援はないということです。ただ、自治体とかそういったところが一緒になって、計画などについてはチェックしていくという形でございます。

○堀江課長 今、疑問を解きあかす話であって、議論は後でするという今日の仕切りになっていますので、私の発言が変にそっちの方に移してしまってもいけないのですが、問題意識として考えていただきますと、先ほど酒井さんからおっしゃっていただいたように、周りに旅館がないという地域でして、あれは何ですかと言ったら、あれはビジネスホテルのようなものと。ビジネスホテルのようなもので、宿泊者は、旅行者というよりは、作業員みたいな方が主に泊まられるようなところでしたというような形でございました。そうではない場合もあるとは思いますけれども、そのままお話をお聞きすれば、城崎温泉に泊まられる方が、日中寄ったりしながら過ごすところというのが一般的な使い方だったところですので、今のところは競争相手はいない。
 かつ、1棟丸ごと貸しみたいな格好ですから、言い方はちょっとあれですけれども、別荘みたいなイメージで借りるということで、全部自炊しなさいということですし、リネンは用意しておいてもらえるでしょうけれども、それも2泊したらどうするのかとか、ちょっと聞き落としましたけれども、毎日替えるとかそういうのではなかったですね。

○酒井意見聴取人 いえ、替えています。

○堀江課長 失礼しました。そういう格好になっていますと。ただ、宿泊施設として見ると、旅館業法の間尺といいますか、簡易宿所ということなんですけれども、面積は十分ある。たまたま十分あるおうちなんですけれども、帳場という意味では、ちょっと100メートル以内と認定するのはきついかなという感じはしますが、それはともかくとして、監視カメラ1個で見ていますと。だから、何かあってキャーッといえば、たぶん3~4分のうちには走っていって、どうしましたかといって助けられる場所ですという形で、帳場が間近にあります。こういうお約束事になっているということだと思いますが、そのとき、今、お話しいただいたように、帳場は100メートルの中でなければだめだろうかとか、あるいは、防犯ビデオは玄関のところに1個あればいいというのは、例えばそれが調子悪かったらどうするのかいう話もあるでしょう。
 あと、おっしゃっていただいたのは、トイレを人数分考えようとすると、3つなければだめということになるのでは困るんですという辺りで、崩していけばいくらでも規制の中身としては崩していきようはある。正味申し上げると、あの防犯ビデオをつけておけば帳場はいいというふうに、もし全国津々浦々なってしまうとすれば、帳場なんか別に要らないというような印象を持ちながら帰ってくるところであって、別にそこで佐藤さんと酒井さんとで取っ組み合いをしていただく必要はないのですけれども、そういうものだからそうなのかなという気もするし、こういうものはもっと応援していかなければいけないというふうに社会が思うのか、いや、何かあったときはどうするんだという方向から見ていくのか。
 特区として認められたところまではいいのですけれども、急にお話を聞いて、各委員から御意見をいただくというのはなかなか大変なことですし、せっかく見てきたので、そういう追加説明をさせていただきました。

○倉田座長 ありがとうございました。私も学生時代に、キャビンやバンガロー、山小屋とか、夏だ冬だとお手伝いしていたことがありまして、現在と昔とは随分違いますけれども、それなりにいろいろある。
 大変申し訳ないですが、出石というのは兵庫県の出石そばの出石ですか。

○酒井意見聴取人 そうです。

○倉田座長 わかりました。そばがうまいですね。

○酒井意見聴取人 はい。ありがとうございます。

○倉田座長 東京にも何か所かあって、よく行きます。
 それでは、次に行きます。佐藤さんがお見えになりましたが、最後にやっていただくことにいたしまして、夢ひたちファームなか里の梶山さんからお願いします。

○新津課長補佐 それでは、梶山さんからお話をいただきたいと思います。
 梶山様が代表されております案件につきましては、参考資料2を見ていただければと思いますが、4ページをお開きいただきたいと思います。中ほどから下ほどに「旅館業法施行規則」というのが抜粋でございますが、「構造設備の基準の特例」、第五条の四に「農林漁業者が農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」、これに基づく場合については除外をするという規定でございます。その規定が、四角でくくっております、一番下でございますが、「前項第四号に掲げる施設」については、「令第一条第三項第一号の基準」ということで、これは何を言っているかといいますと、前のページをごらんいただければと思います。3ページの下から7行目ほど、3の中に「一 客室の延床面積は、三十三平方メートル以上であること」。この33平方メートルというのが既に除外されているということでございます。
 それでは、梶山様には、営業実態を含めまして、緩和されたことによる新たな問題点等を含めて御発言いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○梶山意見聴取人 日立市から来ました、夢ひたちファームなか里の梶山です。
 私たちは地域の活性化のために活動を始めまして、農業体験を通して、子どもたちに食育、また、30代、40代のお母さん、お父さん方にも食育ということで携わっています。それと同時に、団塊の世代の仕事をやめた人たちにも、農業体験をしながら、また、私たちと一緒に、地域の再生ではないですけれども、そういうお手伝いをしてもらいながら、みんなで過疎化になっているところを活発にしていこうという形で、今、活動をしています。
 その中において、農家の手助けをする人たちが都会から来たときに泊まる場所がないということと、それと、農業体験に来たときに食事を提供するのに許可が必要です。何も許可がなく食事を出すことは、何かがあったときには保証できないということで、私たちは飲食店営業を取るときに農家民宿まで取ってしまおうと。ちょうど16年にグリーンツーリズムの全国大会を茨城県でやりまして、17年には農家民宿の勉強会がありまして、そちらに参加して農家民宿を取りました。
 私たちのところは1軒の古民家です。それを本部として使っていましたけれども、そこに飲食店営業と旅館業、消防法も全部クリアーしまして、一応そこを農家民宿にして、そこはお客様1組で、食事は提供します。農業体験とかいろいろ、そういうことは一緒にやります。夜は、私たちは自分のうちを持っていますから、自分のうちに帰ります。お客様は、食事が終わって、お話が終わって、おやすみになる方はどうぞごゆっくりしていってください、この古民家を有意義に使ってください、私たちは帰ります、あしたの朝は何時に来ます、食事の支度に来ますからどうぞごゆっくり、という形で帰ります。
 農家民宿をやるときには、やはりいろいろなことがありました。許可を取るときには県庁にも行って、緩和された農家民宿のいろいろな事例とかそういうのもいただいたり、保健所にも行って、どうしたら農家民宿の許可が取れるか、そちらの方も勉強させていただいております。
 でも、それには随分費用がかかりました。というのは、古民家のうちでだれも住んでいないところを使いましたから、水回りとか、トイレは昔のボッチャン式のトイレです。それは衛生的によくないし、若いお母さんたちはそういうところは嫌だと。子どもは平気でトイレを使うときもありますけれども、20代、30代、40代までのお母さんたちは、農業体験に来ても、違うトイレを貸してくださいといって使いに行きます。そういうことまで教育するのはちょっと大変かなと思いましたし、あとは旅館業のこともありまして、水洗にして合併槽をつけまして、お風呂も直しました。お勝手も直しました。莫大な費用がかかりましたけれども、元を取るというところまでいかないのが農家民宿の経営なんですね。私たち茨城県でも何人かしていまして、集まりがあって話をするのに、どのくらいかかったけれども、これはなかなかお金は回収できないよという段階です。
 それと、農業体験に来ても、泊まるところもある程度整備されていなければ、子どもたちもお母さんたちもなかなか泊まれないというのが現状です。うちは昔の建物ですから、虫は飛んでくるわ、蚊は入ってくるわで、昔の面影を残したいために雨戸をそのままにしているわけです。引き戸の板がありまして、網戸をつけなくてはいけないというので、自家製でつくりまして網戸にしましたけれども、蚊が入ってきます。でも、そういう小さい虫が入ってくるのは泊まれないと。たまにお電話が来ると、虫はどうですか、蚊はどうですかと言うお母さんたちもいます。ですから、昔の考え方で農家民宿をやったら今はなかなか営業できないです。でも、その中において負けないように頑張りながら、こういうのもいいんですよと言いながら、お互いに少し寄り添って農業体験をしながら、農家民宿をやっているというのが現状です。
 うちの方は過疎化になりまして、部落が消滅していくというのが現実で、日立市でも山の中はそうなってきます。ですから、私たちが今やっている活動は大事だなと思っています。そうしないと、耕作放棄地やら、農業をする人たちが少なくなってくるんです。もう60、70のお年寄りが多いですから、私たちの活動を通して、それに興味を持って、田舎の方でもう一度昔やった農業をやってみたいという人たちのお手伝いをしながら、民宿をやっています。
 トイレですけれども、本当は2つなければいけないと言われたのですけれども、お金がないということで1つで我慢してもらいました。民宿には1つでもいいのですけれども、農業体験で100人ぐらい来るときは大変です。私が農協の加工所の代表をしていまして、ピザハウスもつくったりしていますから、そういうところのトイレに行ってもらっています。ですから、トイレのことを言われると、またお金がかかるなとか思います。何しろいろいろなことをやるには先にお金です。だからといって、お金が国とかそういうところから出てくるわけではないです。自己負担です。
 以上が経過です。

○倉田座長 質問は後でもいいですが、事実確認とか、いかがでしょうか。
 基本的には、トイレがそこにあるのはだめだという人は、僕に言わせれば、来ないでいいという話でいかないと、子どもというのは最初から教育が大事なので、畑の向こう側の木陰でおしっこしておいで、うんちしておいでと。それを子どもはやるんですよ。その子どもが育っていって、だんだん都会という中にいるとおかしくなってくるのかな。僕たちは水洗トイレのないところで育ったから。そういう方には山を一度歩かせるといいですね。

○梶山意見聴取人 やっています。山歩きもします。

○倉田座長 トイレのないところね。

○梶山意見聴取人 そういうときには、トイレは外でしてもいいですよと言いますけれども、公には、その辺でトイレしていいですというのは法律的に罰せられますから、なるべく言わないようにしています。

○倉田座長 トイレはついているわけでしょう。僕たち子ども時代のトイレはさっきおっしゃったとおりのことですから、別に何ともないけれども、そうしたら外国は歩けないね、水洗でないところは山ほどありますから。
 どうぞ。

○長見委員 夢ひたちファームというのはNPO法人か何かになっているのですか。どういう仕組みになっているのですか。

○梶山意見聴取人 任意団体です。私はその他活動しているいろいろなことがありまして、それをひっくるめて、今年、法人化に持ってこようと思って、今、勉強している最中です。でも、法人化に持っていくのもお金がかかるんです。今までも体験施設とか、民宿とか、農業体験のいろいろでお金を使い果たしてしまったから、どのくらいあれば法人化に持っていけるかというのを勉強している最中です。私のところは日立市ですけれども、課題としては、行政やその他の団体や仲間にアドバイスをしてもらいながらやっていきたいと思います。
 農家民宿というのは結構やりたい人が多いんです。でも、自分たちでできるという人は少ないです。いろいろな規制とかそういうのがありますので、それをクリアーしていくには、行政、保健所、県とか市の人たちに教わりながらやっていく。あとは、農家民宿をやった人たちにアドバイスをしてもらいながらやっていく。ですから、こういう活動もできますけれども、一人で勝手にやるというのはなかなか難しいです。多分、だれも出来ないと思います。

○倉田座長 どうぞ。

○堀江課長 先ほどの酒井さんのところと対比で申し上げますと、酒井さんのところは去年の11月かその辺のスタートで、テスト中みたいなところでありますから、まだお客さんも余り来ていないという状況にあります。先ほどお話し申し上げましたように、大きな古民家を1棟貸しするというビジネスモデルで、何人までだったら1泊幾らという格好でお貸しされていることでございます。
 そういう観点で言いますと、梶山さんのところは、古民家は1軒だけでしょうかという話と、どれくらいの方が、頻繁に来られているという話なのかどうか。あるいは、酒井さんのところは1棟貸しですので、いくら人気があっても、同じ日にぶつかったら一番に来られたお客さんしか使えない格好になっていますけれども、梶山様のところはどんなふうになっているのか。イメージをちょっとつかみたいので、御説明いただけたらと思います。

○梶山意見聴取人 私たちのところは、1棟貸し、貸すのは1家族だけです。33平米はクリアーしていますけれども、玄関がありまして、4畳半ぐらいの囲炉裏があります。玄関から入りますと、左側に座敷が2つあります。4畳半と6畳です。その後に増築した洋間が7畳ぐらいのところがあります。保健所に許可を取るときに行きましたら、茨城県の場合は、畳1畳・1人でいいですと言われたので、16人ぐらい泊まれます。一応16人は許可を得ていますけれども、10人ぐらいしか泊まらせません。というのは、ちょっときつくなったりしますから。

○大重課長補佐 これは、ただ泊まらせるだけとかそういうことではなく、農業体験が義務になっていると思います。ここに活動記録がありますけれども、必ずそれとセットになっている。ただお客さんが集団で来て泊まるだけというと、農業体験にならないと思いますけれども、そこは、来たときには必ず、余暇活動に必要な何かの体験がセットになるというふうに理解してよろしいのでしょうか。

○梶山意見聴取人 うちのパンフレットの一つは年間会員さんのための農業体験です。もともとこちらの方から入りまして、1か月に2回農業体験をやって、1年間。毎年同じ農業体験をやっていますと、子どもも大人も飽きてしまいますから、今度は会員さんになった方を先生にして、山歩きとか、カヌー遊びとか、遊びを入れていく。今年はツリーハウスをつくるということで、会員さんに一生懸命動いてもらっています。その人たちは宿泊ではないです。毎月2回決めてありまして、体験に来ます。来る方は、東京の三鷹、埼玉県の川口、千葉県。そして、日立市は市報を出していますから、多いのは日立市です。あとはホームページを見て申し込みがあります。
 民宿で来るお客様は夏はすごいです。だから、夏は、済みません、ごめんなさい、いっぱいですとお断りしていることが多いです。私たちのこの活動は、主婦が7人で中心になってやっています。男の方はお手伝いという形で、農業後継者で、今、仕事をしながら家の農業を手伝っているという人たちが何人かいます。その人たちがお手伝いしてくれて、あとは周りにいる農家のお母さんとか、おじいちゃんとか、そういう人たちが先生になってくれたりして私たちの会を盛り上げてくれています。
 そういう方と一緒になって主婦がやっていまして、主婦はお盆は大変なんです。ですから、そこは休み。5月の連休は田植えの準備で忙しいから、民宿は取らないです。お盆も食事提供の民宿は取りませんが、お客さんによってどうしても泊めてくださいというときには、素泊まりでということでお泊めしているときもあります。寒いときは、横に川が流れていまして、囲炉裏で火を焚いて暖房にしても結構寒いですから、1月、2月は、寒くてもいいですかという話をしていますけれども、12月から3月ごろまではなるべく人は取らないようにしています。どうしてもというときにはお泊まりさせています。
 野菜は収穫してそれを料理に使うこともありますし、子どもさんは、昆虫、カブトムシ、そういうものをとったり、あと、シイタケの原木の中にカブトムシの幼虫があるのよということで、全然何にもしないでということはないし、里山を満喫してもらったり、楽しんでもらう。その地域に来たら、農業体験ではなくても、里山の生活を楽しんでもらうのも体験だと思っていますから、何にもしないで、はい、次の日はどこへ行きます、という方はいらっしゃいません。

○倉田座長 ほかにどうですか。

○新津課長補佐 先ほど梶山様から、茨城県での面積のお話が出ましたが、お手元に資料3というのをお配りしておりますが、上から3つ目に、茨城県の客室面積等、条例の関係を用意させていただきました。それを見ていただければ参考になると思います。
 それから、もう1点、宿泊される方の宿泊者名簿とか、玄関帳場というのはどういう状況でされているか、お伺いしたいと思いました。

○梶山意見聴取人 玄関帳場をつくるように言われました。でも、一応机は用意してありますが、玄関帳場の代わりに、玄関を入って土間がありまして、すぐに囲炉裏があります。ですから、囲炉裏のところで受付をしながら宿泊名簿を書いてもらっています。

○倉田座長 ほかにいかがですか。よろしいですか。
 それでは、次に、社団法人全国消費生活相談員協会、菅さんからお願いいたします。

○新津課長補佐 菅理事長からは、いろいろなところに行ったことがあると思いますけれども、利用者の立場から見ていただいて、玄関帳場がなくなった場合とか、客室の広さの制限とか、そういったことについて、期待感とか、経験を含めて御発言いただければと思っております。よろしくお願いいたします。

○菅意見聴取人 初めまして。社団法人全国消費生活相談員協会の菅と申します。
 全国消費生活相談員協会というのは、皆さん御承知のとおり、消費生活センターなどで消費生活相談を受けている相談員を組織したものです。全国の消費生活相談は国民生活センターの方に集約し、年間100万件近い相談が寄せられております。
 その中でも旅館・ホテル、ペンション、いわゆるお客さんをお泊まりさせるところ、その辺の相談というのは全体から見るとそう多くはないです。私ども消費生活相談員協会の事務局と大阪の事務所と北海道事務所、3か所で、行政が休日の日を補完するという意味で、土曜日・日曜日も相談を受けております。
 そのうち本日の課題の宿泊に関しての相談というのは、去年は3,000件の中で3件、前年は4件。また、本年度は2010年度で途中ですが、3件ということで、非常に少ないのですが、相談は入っております。相談の内容は予約をキャンセルしたときのキャンセル料に関して非常に多いです。これは、お客さんの方の契約意識と宿泊施設がお客様の方にきちんと説明できないことから派生しているものかと思います。
 最近あったのは、ペンションを予約したけれども、都合が悪くなってキャンセルした。解約料として10日以降30%のキャンセル料を求められた。近時、インターネットで申し込みをするというのが非常に多いですが、申し込みをしたけれども、日付が1週間ずれていて、「今日お泊まりに来られないのですか」と。来週のことだと思っていたのが、キャンセル料を請求されたと。あるいは、一方的に今後の利用を断られてしまった。その理由をひもといていくと、以前にも、部屋が汚かったり、常備品がないなどのトラブルがあって、前回はおわびとして宿泊費を返金されて、今回もそのような状態でトラブルがあった。それでチェックアウト後に、今後の利用は断ると一方的な電話をされ、こちらには落ち度がないのにどうしてそういう態度をとられるのかと。今回の検討会の論点と少し異なりますが、接客態度と言いますか、マナーというものがお互いずれている、このような相談が入っております。
 先ほど梶山さんがおっしゃったように、グリーンツーリズムというのは、早い段階で、田舎で同級生が突然グリーンツーリズムをやって、脚光を浴びました。彼女は今、あちこち講演に出かけていますが、目のつけどころが、ちょっと時代を見据えてみると、すごく活発に利用されていて、都会から修学旅行生が行っているという状況で、ヒットしているようです。
 ただ、そういうときに、宿泊施設という人を泊めるところの安全面がどうなのか。衛生面は、保健所の食品衛生の立入りとかあるからいいのですけれども、宿泊施設の安全面ですね。ことに古い民家を改造したときは、耐震性とか、避難性とか、そういうものが確保されなければ安心して利用できないのではないかということも感じております。帳場・フロントと客室が離れたところというのは、防犯システムで100メートルというのが駆けつけていく距離から発想されたものなのか、常時見回っていて距離が最大だと発想されたものか。そこのところは、文化の進展とともに少し考えてもいいのではないかとは思いますが、利用者からみて安全面を考えた場合にはよく検討していただきたいと思います。
 いざ火事などのときに、きちんと逃げ場とかそういうものを確保できるのか。古民家の旅籠とかそういうところは、いざ災難のときに戸惑ってしまう。そういうのはやはり設備として欠かすことはできないし、そういうところの規制は、より一層確実にしていかなければ安心して利用できないのではないかというふうに感じております。そういうことから考えると、帳場設置の必要性があるのではないかと思います。ただし、どのように設置するのかは少し考える必要があるかもしれません。

○倉田座長 ありがとうございました。
 今の菅さんの説明に関して、質問、あるいは御意見等、事実確認がありましたら、どうぞ。
 それでは、佐藤さんのお話を伺った後でまた質問をお受けしたいと思います。
 佐藤さん、最後になりましたが、よろしくお願いいたします。

○新津課長補佐 それでは、最後になりましたが、佐藤会長から、旅館業法の規制を受けているホテル・旅館等の営業者を代表して御発言をいただくということで、簡易宿所による問題点とか検討を含めて御発言いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

○佐藤意見聴取人 御紹介のありました、全旅連会長の佐藤でございます。
 全旅連は会員数が約1万7,000軒ほどございまして、支部は47都道府県、1,500支部ほどございます。全国に網羅している団体でございますけれども、私もいろいろなところで会合がありまして、地元だけではなく、あちこちに行きますけれども、最近、特に目につくのは貸家が多くなった。田舎に行けば行くほど空いているところが多くなりました。当然でしょうけれども、2005年から人口が減ってきたことが大きい要因だと思いますが、皆さん御存じのように、2005年をピークにこの5年間で約50万人の人口が減ったと言われています。2011年から10年後、国勢調査によると恐らく500万人ぐらい減るだろうと。空き家も、田舎に行けば、端的に言えば10倍でしょうけれども、地方ほど人口激減が激しくなりますので、10倍以上の空き家が出るだろう。今の空き家の数から見れば、相当少ない数だろうということが予想されると思います。
 最初のうちは、こういった民家を使ってやることについて、ここだけということで特区になっていますけれども、一たんこれが許可になれば、どんどん空き家を宿泊施設にしようと。我々業界の人間も空き家を使ってやろうということになりますと、宿泊が自由にできるわけですから、連休とか、そういう使いやすい日だけ使えばいいということになって、いろいろな問題が出てまいります。我々業界としては、消防法とか、警察とか、保健所の問題とか、いろいろな許可に縛られているものがございますけれども、そういったものが全くないとなりますと、例えば、そういう問題がいろいろ発生した場合の処理はどうするのか。この間も言いましたように、外国人が泊まった場合とか、犯罪者が泊まった場合とか、今は警察が巡回してくるわけですが、例えばけがをした場合、車がぶつかった場合、旅館業界ではほとんど保険の加入を勧めておりますので、そういった保険制度の問題やら、いろいろな問題が出てくると思います。
 私どもは前に、公共の宿についても反対しておりました。公共の宿も、1986年に大型リゾート法ができまして、最初はそんなに増えると思いませんでしたけれども、あっという間に3,000軒ほどになってしまった。3,000軒というと、地方を網羅して1万7,000軒しかないわけですから、相当な数が増えた。空き家が多い今の時代から見ますと、数千軒、数万軒になってもおかしくない時代になるだろう。要するに使いやすいだけ使うとなってくると、5月の連休、正月とか、布団さえ持っていけば何でもできるということであれば、非常にいろいろな問題が出てくるのではないかと思います。
 それから、33平米の規制の緩和だけではなく、学校の近くは今、100メートル以内に風俗営業は取れないと思いますけれども、これも、例えば貸家であれば風俗営業の許可なんか要らないわけです。例えばコンパニオンを呼んできて、学校の周りでドンチャン騒ぎをしてもいい、問題はないということです。これはどうなのでしょうか。これは警察の問題だから関係ないのでしょうか。
 例えば前にも、旅館業法で何か問題になっているところが、学校の前の運動場の中で裸になって、テレビで問題になって、我々の業界でも非常に厳しく対応を図られましたけれども、例えば、学校の前でコンパニオンがいちゃついているところが運動場から見えたら、こういうものはどうなのか。我々旅館業の規制の問題になるのか、ということなのです。それは空き家の問題になるのか、私たちはわかりませんけれども、そういったいろいろな問題が、規制緩和という美名の下に我々のところに規制をかけられても困るということ。もし、このぐらい規制緩和していただけるのでしたら、我々の業界も全部規制を撤廃していただきたい。そうすることによって公平な勝負ができるのではないかと思っております。
 リーマンショック以来、業界のことを言うのは大変恐縮ですけれども、大きい旅館さんを中心に売上が19%ほど減っています。(新聞を提示して)これは『観光経済新聞』という新聞ですけれども、売上が極端に減っているというデータが出てきています。減ることによってどうなるのかというと、倒産も増えると思いますけれども、国が奨励しています、外国人を2,500万人持ってくるというときに、当然、ある程度の宿泊施設でないと対応できません。いくら貸家、民泊があったとしても、そういう施設に何百万人、何千万人の外国人、それから国内のお客様が泊まれるわけはないので、今のうちに規制を緩和してそういったところをなくしていけば、これから将来、どうなるのだろうと。将来、日本の人口が減ってきて、外貨収入を上げるということで国策として外国人を入れていく政策があるわけですから、そういった面からもよくお考えいただきたいと私は思います。
 以上です。

○倉田座長 何か御質問、あるいは、事務局で足すことがあったらおっしゃってください。

○堀江課長 佐藤さん、来られるのが遅かったので、最初の酒井さんのところで御説明があった話で、今日の前提は、あそこはいいとか悪いとかいう話をするのではなく、佐藤さんも酒井さんも梶山さんもそれぞれ頑張っておみえになるというのが前提で、酒井さんのところで申し上げれば、帳場が泊まるところにはない。100メートルほど離れた管理事務所で24時間ビデオでモニターし、また、その内容も録画しながら対応していますと、こういうふうになっています。
 よしあしを私は評価するものではないですけれども、帳場があるかないかといえば、ないわけです。100メートル離れたところにありますと。ビデオで家の中は監視できていないのですけれども、訪問者とか、あるいは、悪い人が来るのは管理できるではないかという考え方。また、酒井さんのところの場合は1棟貸ししますから、私たちの家でも、鍵を開けておいて空き巣に入られれば、あなた何やっていたの?と言われるだけの話です。だから、この方が泊まっていて鍵を締め忘れて、うちが被害を受けていましたというパターンはないという前提であり、通常のホテル、旅館とは事情が異なるわけです。
 少し管理の仕方が違うのだとは思いますけれども、いずれにしましても、旅館あるいはホテルという宿泊施設を運営されている佐藤さんのお立場から、今のような見方をしていけば、100メートル以内のところで集中的に幾つもの民泊みたいなものを管理しておけば事足りるのではないかと、頭の構造としては整理されるわけですけれども、そんなものではないんだという思いは、それはそれで佐藤さんの方にあると思います。旅館業法を所管しているのはうちの方なので、こちらからお聞きするのも失礼ですけれども、帳場というのはこういう意味合いもあるんだという説明をしていただいた方が、すべてに適用させるという議論になったときには必要なのではないかと思います。

○佐藤意見聴取人 帳場よりも、もしそういう商売があるとしたら、我々の旅館組合でやってしまうでしょうね。といいますのは、旅館というのはある程度満館日があるわけです。お客様がいっぱい入る日が全くないわけではない。土曜日がいっぱいになったりして、あふれるお客様が何割かいらっしゃるわけです。そのお客様を近くの民泊という形になると、全部そこに届けてしまう。空いているところに全部押し込んでしまう。
 要するに、ピークのとき、例えば5連休とか3連休のときに、今、お客様があふれている。国土交通省や観光庁も、それを移してピークを緩めようと、段階的にしようという話になっていると思います。休日の分散化ということでやっていますけれども、分散しなくても、空き家が多くなってくると、そこに泊めてしまえということになってきて、旅館業法だけではなく、商売になるわけです。空いているところにボンボン全部泊めればいいということです。何でもありということになります。皆さんのところよりも、民泊なさっているところ、旅館であふれるお客様というのは結構あるわけです。土曜日は確実にあふれます。それを全部紹介していったら、それは商売になりますからみんなやり始めます。そうすると、めちゃめちゃになってしまう。だから、一たんこれにした場合には、いろいろなことができるようになるということなのです。
 例えばフロントの問題も、フロントがなくても、うちから1キロ以内であれば大丈夫だとか、車で5分だとか、こちらで管理しますから大丈夫ですといえば、空き家であれば周りにあるのが全部使える。空き家だけではなく、今度はいろいろなものが、土曜日だけ布団を持っていけば商売になるという考えになってくるのがどういうことなのか、ということをお考えいただきたい。
 それから、ほかの問題をどうするのか。事故が発生した場合に、普通、旅館では、火災保険とか保険があります。だれでもあると思っていますね。しかし、掛けなくても商売ができるのであれば、火災なんてめったにないことですから、それであれば空き家を全部やってしまう。今は、やっていらっしゃる方はまじめに一生懸命やっていらっしゃるかもしれませんけれども、これから緩和した場合、自由にできる、何でもありということでは困るということなのです。

○倉田座長 質問いいですか。佐藤さんの御意見はわかりましたが、酒井さん、梶山さん、菅さん、日本全国に、このような組織というか、そういうやり方をしているところはどのくらいあるのですか。

○酒井意見聴取人 私どもと同じようなパターンの事例というのは、ほぼ存じておりません。

○梶山意見聴取人 農家民宿は随分あります。茨城県は少ない方ですけれども、それでも今は10何軒。あと、県の方に登録していない農家民宿があります。というのは、お客さんがついていて、それ以上お客さんは要らない、リピーターだけでいいからという人もいらっしゃいます。
 それで、去年と一昨年、「おかあさん百選」というのを私もいただいたのですけれども、農家民宿のお母さんたちが全国で100人選ばれているんです。でも、それは一部だけです。だから、農家民宿というのは結構いますけれども、大量に泊めるところはないです。先ほど言ったように、消防法とか、食品衛生法とか、そういう法律はある程度は農家民宿が守っています。ただ、私のところは防犯カメラはないんですね。そういうちょっとしたものがないです。

○倉田座長 菅さんのところは、そういう対象は何かありますか。

○菅意見聴取人 いえ、私の方は相談を受ける行政ですので。先ほど座長がおっしゃったように、今、防犯カメラというのはあって当たり前の時代です。私もずっと前に、清里のペンションを借りて友達と行ったのですが、逆にそういうものがないとすれば、夜は非常に怖くなりますね。ですから、やはり安心ということでは、同じ建物の中ならいいですけれども、離れている場合はあったほうがよろしいのでしょうね。利用者が利用しやすいということは安全面と非日常生活を送れることではないかと思います。今後はグリーンツーリズムや田舎体験等がますます増えていくことでしょうね。衛生面、防犯面、観光等含めて、宿泊施設の十分な管理の必要性と古民家利用等については多少の緩和があってもいいのではないかと。

○倉田座長 今日は、発表なさった4人の方に、事実関係でいろいろ聞きたいことがあれば聞くということで、いい悪いとかそういう話では全くないので、フリーにお話をしていただければと思いますが、何かございますか。

○堀江課長 私ばかり発言して済みません。特に菅さん、あるいは長見さんのところで、社会のルールというのはいろいろな格好でつくれると思うわけで、お二人は特にユーザーを代表すると。先ほどお話をお聞きしたのは、苦情になった部分で、もっとこんなところを使いたいという苦情は余りないと思いますけれども、ただ、こんなものも認めてほしい、もっとこんなものも認めてほしいということからすると、もっといろいろ出てきて、いや、あそこでこんなところに泊まれないのは不自由だと。そういうようないろいろ気持ちを受けて、酒井さんとか梶山さんのところは取り組んでいただいていると思っていますけれども、そういう意味では要望というのは数限りない。
 一方で、先ほどからたくさん出てきていますけれども、何かあったときの責任というのは、私はここで大丈夫なんだ、リスクは私が取りますからといって泊まって、事故が起きたら、私のリスクでしたというふうにはなかなか人は反応しないわけでございまして、こんなことがひどかった、あんなことがひどかったと、ワーッと苦情を言って回る。そこのルールの適正な組み方というのはすごく難しいというのは、言い切れない部分がある。でも、どちらかというとこの日本の社会では、何かあった後になって苦情になる場合が多いのではないか。本当は帳場なんかどうでもいいではないかと言いたい人がいたとしても、なかなかそうも言い切れないという感じなのかなというところで、特にお二人には頑張ってしゃべってくださいということです。
 33平米を減らすとか、帳場はもういいですというような極端な言い方もあるでしょうし、もっとこういうところに留意して、これをもし緩和するならこういうのが代わりになければだめなんだとか、いろいろなルールの仕方があると思います。別に誘導しているわけではないですけれども、今日はこういうヒアリングの場でいろいろとお話をお聞かせいただけると、後からまとめていくときに非常に役に立つだろうと思いますので、よろしくお願いします。

○菅意見聴取人 個別の業法というのは従来から歴史があって、改正を重ねてきていると思いますけれども、近時、ADR機能を備えるというのが、金融業界でもそうですし、個別の方でもそうです。どこか苦情処理をするところが、例えば旅館であれば、私が今まで経験してきたというか、相談員の立場のときには、全国生活営業指導センターさん、小宮山さんのところでしょうか、そこのところにしょっちゅう御相談申し上げておりました。
 解約料についても、規則でもないですけれども、申し合わせ事項のような形で、今、こういうふうに業者を指導していますということはお聞きしました。3日も前に連絡しているのに100%払えというのは、その旅館で出すお料理の分も払わなければいけないのかとか、ADR機関まで立ち上げなくても、そういう苦情相談も今後の業法の中には取り入れて、消費者の支援なりそういうところまで持っていきたいなというふうに感じております。帳場については先ほど言いましたように安全面や接客対応面から考えると必要性があるのではないかと感じております。

○倉田座長 日本の国はそういうところが非常に親切ですね。外国は全部ぶったくりですよ。登録した人は、何の理由があっても3泊5万円なら5万円取られる。登録したら、オンとやったらそれで終わりです。何があっても一切返しません。ヨーロッパもアメリカも外国はほとんどそのやり方です。3泊の予定が1泊しかできなくても、一切返さないですね。そういうところは非常にはっきりしています。
 ちょっとお聞きしたいのですが、日本は、例えば民泊の方もそうですが、どこかへ泊まるというときに、こういう条件です、あとはあなたの責任ですよと。そういう個人の責任といいますか、契約関係が成立したらあとの問題は全部あなたの責任ですと、そういうことはあるのですか、ないのですか。

○梶山意見聴取人 うちの場合は農業体験で、気をつけてやらなければ、もしかしたら何か起きるなという場合は、前もって連絡いただいて、保険入れますといって保険を入れるときもあります。保険は、宿泊料の中に入れるのではなく、別途いただいた方が本当はいいのですけれども、夕方来て次の日の朝帰ると。早く帰ってしまう人たちもあるし、親子4人ですと、名前は来てから登録だと、保険に入れないんです。だから、農業体験で2泊3日とか1泊2日、フル回転をするというときには、申し訳ないですけれども保険は入りますから、住所氏名、フルネームを教えてくださいという感じで入れます。
 だから、そういうことに関しては少しはいいんですけれども、お金は、民泊に申し込んでちょっと都合が悪くてといったときには、取れないですね。私たちは取らないです。食材はある程度自分たちのもので、あと、前の日に仕入れるものは、私のところは日立で、漁港がいっぱいありますから、海のものと山のものがあります。少しのお魚とかそういうものは、前の日に市場に仕入れに行きますものですから、もしかしたら仕入れてしまっても自分のところで使えばいいやという感じで、お金はいただいていません。キャンセル料も。

○倉田座長 ほかに、事実関係の確認だけで結構ですが。

○菅意見聴取人 追加させていただきます。近時は、ホテルに直接申し込むというケース、旅館に申し込むというケースもありますけれども、旅行会社を通じていると、旅行会社からあらかじめ契約約款を渡されるので、何日以内なら何%、前日までは0%と。そういう約款は、従来の旅館に私たちが電話で申し込んだときは、泊まる先からやめる話なんか出てこないし、そういうものがあらかじめ示されていないところもやはりトラブルの一因になるのではないかと思います。

○倉田座長 どうぞ。

○長見委員 課長さんの御指名によりまして。やはり通常の旅館やホテルと同じように期待すると、違うというところが、不満が出たり、トラブルのもとになると思いますので、違いは違いであるということをはっきり出していく必要があると思います。
 ただ、例えばトイレ、3ページの上から6行ぐらいの、「便所は、水洗式であり、かつ、座便式」、座便式というのはどういうものですか。いわゆる洋式トイレですか。

○大重課長補佐 そうです、洋式です。

○長見委員 洋式ということですね。洋式でないと、子どもなんか全然できないで大騒ぎをするので、やはりそういう配慮はどうしても必要になってくるのかなと思いますけれども、違いも一つの文化というか、そういう生活があるんだということを知らせていく必要があると思います。いろんな国へ旅をする人たちも多いわけですから、日本と同じような条件で必ずしもないわけで、そういうことをわかっていればそれはそれで済むようになると思います。
 私は山登りもしますけれども、山小屋なんかひどくて、いまだにギュウギュウ詰めになったり、トイレなんてひどいトイレだったりします。そういうのに平気な人たちもいますので、わかっていれば問題はないのではないかなと思います。

○梶山意見聴取人 先ほど、先に示さなければという話もありましたが、去年の夏休みに、初めての方の申し込があったんです。お父さんから申し込がありましてお迎えしたのですけれども、来たときからお母さんがちょっとおかしいんですね。こわばっていたり。というのは、農家民宿というのはどういうものなのか、お母さんは理解していなかったわけです。虫が入るとか、私のところは開けっ広げで、ちょっと普通のところから隔離されて、周りが竹林。そういうところで、子どもさんが遊んだり何かするところはいいですけれども、お母さんが初めて来たときに、これが農家民宿かなと思ったみたいなのです。
 話をしていまして、この方はもしかしたら、今夜帰りますと言うのではないかなと思っていたのですが、私たちはいつもと同じようにおもてなししながら、一緒にいろいろなことを体験したり、こうやればできますよとか、こういう料理の方法がありますよとか、そういう話をしたら、次の日に「楽しかったです」というお話が出ました。そのときに私は、キャンセルして帰るのではないかと心配していましたと言ったら、本人も、やはり最初来たときはびっくりした、農家民宿がこういうものだとは思わなかったと。古民家ですからね。
 たまたまその方はお父さんだから言わなかったのですが、うちは農家民宿でもいいところではないですよ、昔の古民家を使ってやっていますから、網戸もサッシではないという話はするんですね。作り付けの網戸ですから、少しは虫も入ったりします。でも、蚊帳を使うと楽しいですよといって、蚊帳を使って体験したら、初めての子どもたちも喜んだし、お母さんも、最初はどうかなと思ったけれども、「蚊の心配もなく過ごせて、楽しかったわ」と言って帰っていただいた。よかったんですけれども、本当は来た日は、これはもしかしたら夜帰るなと思っていました。そういうこともあります。

○倉田座長 ほかにいかがですか。

○佐藤意見聴取人 茅葺きの家は、何年に一回ぐらい葺きかえをするのですか。

○梶山意見聴取人 私のところはトタンを張っています。大家さんが茅葺きをするのは大変だから、トタンを張って、あとは吹き付け。茅葺きだと大変ですね。

○佐藤意見聴取人 私も別の仕事で持っていますけれども、屋根葺きかえるだけで300万ぐらいかかります。あれをやっていたら、とても商売なんかならないです。

○倉田座長 農家の体験だったら、写真に昔のままのトイレを出して、全部写真で、こういうところですよ、それでもいらっしゃいとやったら、来ると思うのです。最近は、大学生がバカみたいに米のつくり方を知らないと。あれは、はっきり言うと教育の間違いだと思うのです。つくり方もわからないで、お米がおいしいの、まずいのと言うこと自体、日本は変な国ですが、修学旅行なんて都会に行くことないですから、ベトナムとかタイの農村へ行って体験させたらいいんですよ。場所によってはトイレなんてないのですから。
 最近、公衆便所で若い男性がみんなバンドをずっとおろすんですよ。その話を男の子を持っているお母さんにしたら、うちの子どもたちもそうだと言うのです。座らないとおしっこができないというんです。あなた教育悪いよと、同僚のそのお母さんに言ったのですが、わかりますか。駅のトイレで、さすがに我々大人世代はそんなことはしませんけれども、学生はみんなおしり丸見えぐらいまでおろすんです。あれは基本的に教育の間違いですよ。どういうことですかね。ああいうことだから、今おっしゃったように、水洗でなければだめだとか、男性が後ろ向きにトイレに座るなんてちょっと考えられない。

○大重課長補佐 洋式の癖だと思いますね。

○倉田座長 そうですね。それでいくと、さっき言ったように、お母さん方は水洗で、きれいになって、場合によっては水も出てお尻を洗えるようにしないと座らないとか、こういう話になってしまうんですね。全然別の会議のところでそういう話が出まして、何で男性が座っておしっこするのかという話が外国の人から出たのです。これはやはりえらいことだなということで、これではまともに男の子は育ちませんよ。だから、酒井さんや梶山さんの話は非常に大事だし、おもしろいと思うけれども、そのままでいらっしゃいとやったら、それでまた来る人は変わるのではないですか。

○梶山意見聴取人 その話が出ましたから、ちょっと違うことも言いたいのですけれども、今、野菜のものがどうなっているかというのはお母さんたちもわからないわけです。どういう木にどういうふうに育っているか。お魚も切り身で泳いでいるとか、子どももそういうものだと思っている。切った魚しか見ていない。農業体験をするのは簡単ですよ。行きたければ行けばいいというのは簡単ですけれども、私たちの世代は親に教わっているからわかっている。育てているからわかっている。でも、30代、40代の子どもたち、田舎が嫌いで都会へ出た人たちの子どもたちは、そういうものと接していないからわからない。だから、そういう人たちを田舎に呼んで教育するというのが、私たちの農業体験なのです。
 そういうことで、農業体験、民宿、旅館。このごろは体験をツアーを組んでやっている旅館もあります。だから、もう一度、子どもたち、大人を教育するというのが今の時代なんですね。ただその辺で宿泊すればいい、キャンプすればいいというのは、好きな人は今でもやります。でも、できない人たちをそういう方向に持っていくことが、私たちがもう一度日本を再生する。そんな大したことではありませんけれども、そういうお手伝いをしているのかなと思いながら私たちはやっています。

○倉田座長 ほかに、どうぞ。

○長見委員 肝心の玄関帳場の話ですけれども、私は、受け付けすることだけなら囲炉裏の周りでもいいと思うのです。きちんとした帳場が玄関の脇になければならないということでは必ずしもないと思います。規模が大きくなって宿泊者が大勢になれば、そんなことは言っていられなくて、整理する都合は当然出てきます。宿泊した人たちが何か聞きたいとかいうところがあるので、やはりそういう施設、フロント的なものが必要になってくると思いますけれども、民宿レベルの多くても20人、30人ぐらいの規模なら、ある程度のそういうスペースがあれば、わざわざ設置するのを義務づける必要はないように思います。

○倉田座長 この前も少し出たかと思います。ホテルは多分そうすると思いますが、外国はすべて、どんな民宿だろうとどんなところでもやりますが、身分証明書の提示、あるいはコピーを取るというのはやっていますか。

○梶山意見聴取人 それはやりません。

○倉田座長 そうですか。日本はそういうところは非常に甘いです。どんな国に行っても、どんな田舎へ行っても必ずコピーを取られますね。ヨーロッパの小さい民宿でも、夜、警察が来て全部回収していきますから、どこにだれがいるか全部わかるわけです。入国記録を調べたり、いろいろなことをやって、怪しいのは全部トレースされます。日本のホテルはそういうことはやりませんね。

○佐藤意見聴取人 やっています。これはちゃんと言われていますから。警察からも指示が来まして、外国人の場合はパスポートをコピーして預かるようになっています。

○倉田座長 一晩、必ず預けられますね。

○佐藤意見聴取人 パスポートのコピーですが。

○長見委員 日本人はやらないですね。

○佐藤意見聴取人 日本人は持っていませんから、外国人限りです。宿泊者はちゃんと登録しますから。

○新津課長補佐 同じ外国の方でも日本に住所を有しない方ということですので、例えば日本人の奥さんであったり、外国人登録された方は除かれるということです。

○倉田座長 どうぞ。

○菅意見聴取人 先ほど長見さんがおっしゃられていました帳場というのは、もともと業法ができたときは、ここを通る人は全部書いてもらうという、殿様商売なのかなと。梶山さんのところのようになると、そこに行って、よく来てくださいましたということで、ここで名前なども全部書いていただく。ここのサービスの違いかなということを私は感じています。多分、酒井さんのところも、帳場というのは集合的になくても、一軒一軒回って、ここにはだれだれが泊まるとか、宿帳みたいなものを御用聞きしながら書いて、それでもしかりではないかという感じはしますが、帳場の在り方を考える必要があるかと考えます。

○倉田座長 更に意見の交換というのは、次回、行政の池田さんにお話しいただいて、そこでもまたやるわけですか。

○堀江課長 やりますけれども、今日、来ていただいているスピーカーの方は来られませんので。

○倉田座長 そうですね。この方たちに質問なり、いろいろお聞きしたいことがあれば、まだ時間が少しありますから、どうぞ。

○佐藤意見聴取人 私も古い屋敷の村で茅葺きの家を何軒か持っていました。やはり何年かに一回の葺きかえが大変で、とてもとても商売にならなかったです。
 それから、トイレの話ですけれども、トイレも毎日利用すればいい。そうすると、バクテリアを入れて分解してできますけれども、お客様がその村に来るのは週に何回かしかない。そうすると、バクテリアはエサがなくて死んでしまうわけです。だから、トイレの問題は一番苦労しましたし、金はかかるし、商売として毎日やっていたらいいですけれども、たまにしか来ないと、商売にならない。そこは宿泊施設ではなかったですけれども、それでも大変でしたね。お客様からトイレの苦情が一番多かったです。相当金はかけたのですけれども、きれいにならない。いくら掃除してもきれいにならない。やはり洋式のトイレとかホテルの場合だと、きれいにするのは簡単ですけれども、ああいう施設は難しいですね。

○倉田座長 ほかに何かありましたら、どうぞ。

○堀江課長 今、菅さんがおっしゃっていただいたのがヒントになるか、ならないか、佐藤さんにお聞きしたいのですけれども、酒井さんのところも梶山さんのところも1棟貸しになっていて、帳場はそこにはない。あるいは簡易なものしかない。ただ、濃密にお客様に接しているという意味では、素通りになっているわけではないというのは皆さんわかっている。細かく言うと、ルールが合っているのか、合っていないのかという部分はありますけれども、そこは置いて、1棟貸しして24時間寝ずに見ているかどうかはよくわからないのですが、しかし、大丈夫かなと気にかけながら、今日は出石の方はお客さんが入っているからなあと、見ていただけるみたいなことになっている。
 そういう宿泊施設のマネージャーの立場から見て、実質的な管理は結構できているというふうに見えるのかどうか。勿論、そのまま全部に適用していいということを結論にしたいわけではなく、たまたまこの2つは、何か足りないなと。旅館業法を放っておいていただいて、あるいは、こういうものを野放図に認めるとこうなってしまいますと。さっき佐藤さんの話はよくわかって、オーバーフローしたときはみんな紹介したらいいではないか、お仲間をつくったらいいんだみたいなことは、それはそれで別としまして、よくわからないといえばよくわからないのですけれども、結構しつこく宿泊者のことをチェックされているのかなという気はしました。どんな感じでお考えでしょうか。

○佐藤意見聴取人 最初のうちはまじめな方が一生懸命やっているでしょうけれども、これから人口が500万人も減るとなってくると、地方は空き家ばかりになってしまう。500万人減るわけですよ。東北は900万人ぐらいしかいませんからね。もうわかっているわけで、人口統計なども御専門でしょうから、これから10年間で500万人、その先10年間が700万人、その先は1,000万人ぐらい減るわけでしょう。10年後、20年後、日本の人口が減った場合、空き家しかなくなってしまう。地方へ行きますと高齢者しかいませんし、50歳、60歳以上のところが山ほどあるわけです。それを全部やられてしまったら、旅館業法なんてないと同じです。とにかく土曜日ばかり来るわけですから、土曜日だけ勝負すればいい。先ほど言ったように、布団を持っていけばいいわけです。我々のところは旅館組合で、それは最も得意分野ですから、布団なんか持っていけばいくらでもできてしまいます。だから、民間よりも早く旅館でやるでしょうね、そんなことをやるのであれば。
 だから、酒井さんのところなんかが何軒かできる場合、全部の市町村でやってしまう。それをやられたらどうなるんですか、ということです。そっちの方が早いです。もう自由ですから、何でもありといったら、業法は山ほどあるわけです、保険の問題から何から。それが全部なくてもいいよといったら、みんな好きなことをやりますね。土曜日だけでも商売をする。人件費が毎日では大変ですけれども、パートさんでいいわけですから、学生アルバイトを頼む。皆さんノウハウは持っていますし、簡単なノウハウですから、食事が要らなければ布団を敷くだけです。基本的なノウハウは、今からやる方よりも我々業界は持っています。ただ、それをやってしまったらどうなるのかということです。それは簡単にできますよ。恐ろしいぐらい空き家が多いということです。

○倉田座長 どうぞ。

○長見委員 ただ、そういうところに好んで行く人がそんなに多いかというのも一つあります。お客さんは必ずしもそういう人ばかりではなく、そういうところを好む人がすごく多かったらある意味苦労はないと思いますけれども、そうはなかなかいかないと思いますので、御安心くださいと思いますけれども。

○佐藤意見聴取人 いえ、今、結構話題のところがあるんですよ。そういうぐあいに1部屋借りて10人で泊まるとか、5人で泊まるとか、家族で泊まるという要望はこれから増えてくると思います。今は旅館でも土曜日なんかいっぱいですから、オーバーフローしている部分については、そういうところを紹介するということがもし商売になれば、可能性は否定できない。意外と簡単ですから。

○秋山委員 論理的には簡単だと思いますけれども、旅館の本体が定員オーバーして、オーバーフローした人数をそちらに振り分けるとなると、旅館からそう距離が離れたところには紹介できないわけですね。

○佐藤意見聴取人 その辺は商売のやり方を変えると思います。

○秋山委員 そうすると、旅館業法の範疇の中でオーバーフローした人をそちらに持っていくという話と、話が違うわけです。旅館業をやっている人が民宿の扱いの宿泊もやりますというわけですから、旅館業法の適用の中でやるという話ではないわけですね。

○佐藤意見聴取人 そういうことではなくて、言っている意味が説明不足だったと思いますが、要するに、その温泉地に土曜日に予約が来るわけです。オーバーするわけです。そうすると、観光協会にそういうものをつくるか、何か別の方法でやるかわかりませんけれども、そういう宿泊施設がございますということで紹介できるところが出てくると、そこに行くということです。当然、旅館と違います。

○秋山委員 その場合は、旅館をやっている人が手を出すということではなくて、その旅館のある観光協会なり何なりの団体が、別途、人を宿泊させる施設を持っています、そこに紹介しますという話ですね。

○佐藤意見聴取人 同じ人がやるかどうかはわかりません。経営者は同じでも、やり方が違うかもしれません。要するにやり方は違いますけれども、経営者が同じでもできるということです、ノウハウを持っていますから。だから、意外にこれは広く大きくなりますよということです。意外に多くなると思います。

○秋山委員 そうはならないように思いますが。

○倉田座長 梶山さん、どうですか。

○梶山意見聴取人 先ほどから緩和されるというけれども、みんなが緩和されるわけではないんですね。私たちは民宿指定の許可は取りましても、保健所の許可で、お風呂はどうしなさいとか、今、ここではそういう問題が出ていませんけれども、フロントの問題ですね。私たちも受付は一応設けたのです。でも、1組しか泊まらない。小さい家で、はい、来ましたから、受付のところで受付しましたら、こちらへ来てお茶を飲んでくださいというと、そこの流れがうまくならないですね。ましてや田舎に来て体験したいという人に、かしこまって、はい、受付をしました、はい、今度はこちらに来てお茶どうですかというのでは、そこは体験の道具とかそういうのを置いておく必要はありますけれども、それを使っていなくて、囲炉裏の方で受付をしているということです。
 あと一つ、先ほどから聞いていると、ほかのもので結構規制されているものがあるわけです。消防法とか、保健所の方も、水槽は二層にします、どんなに小さいあれでも二層にしなさいと。そうすると、今まで使っているところは全部取り払わなければならないわけです。換気扇も家庭用ではだめです、ちゃんと囲って大きいのにしなさいと、またそこで10万とか20万かかるわけです。そうやって結構規制されるところがありますから、民宿をつくろうという人もそんなにいないのではないのですか。民宿をつくるのにもお金はかかりますし、元はなかなか取れないので余り増えないと思います。

○佐藤意見聴取人 おっしゃるとおり、農家民宿は結構金がかかります。民泊についても、改装したものについては改装した費用が相当かかってします。要するに、改装しないでできるものが出てくると大変だということなのです。改装費用というのは相当かかります、もし旅館と同じように部屋にある程度設備を設ければ、これは大変です。だから、毎日やるのではなく、曜日を限って忙しいときだけやるとなると、また別になってくるわけです。本格的に一生懸命やる人と、腰掛け的に土曜日だけやるという方と、違ってくるということです。全部一緒くたでやるという考え方は、ちょっと違うのではないかなと思います。
 最初に公営の話もしましたけれども、公営の宿についても、普通はコンパニオンを入れては悪かったのですけれども、結果的にオープンしてしまうと、ああいうところでもコンパニオンを呼んでしまう。全部何でもあり。信じられないような、行政がやっている部分でもああいうことをやってしまう。そういう問題をどうするのかわかりませんけれども、いろいろな問題が規制緩和の名の下に全部できるようになってしまう、それが危険だと私は思います。

○倉田座長 私的なことから言いますが、私は、もともとは農家ではないですが、中学時代は伯父さんのところに預けられまして農家に住んでいましたし、それから、大学時代は山小屋のお手伝いをしたり、先ほど長見さんおっしゃったように、それこそひどいトイレのところも、北アルプスは何十回といろいろな山小屋を経験しました。そういうところから始まって、農家がだんだんなくなっていって、最近の若い人は気まぐれですから、体験したいと。
 それはいいのですが、規制緩和されたらどうなるのか。イメージとしてはよくわかりますが、今ある規制を壊すと、佐藤さんがおっしゃったようなことが多分いろいろな格好で出てくる。ちゃんとやっているところと、そうでないところもみんな許可になるとすれば、何が想定されるかというと、現実的な生活を踏まえた上でどこにでも行けばいいと。一言で言えばそういうようなことをねらっているのか、そこがちょっと見えないのですが、厚労省の本音は何ですか。

○堀江課長 そんなに腹据わっていませんので。要は、これはもともとは厚労省からの提案ではないわけです。ですから、よくも悪くも今ある規制の見直しをしていくというのは、それはそれでしんどいわけですから、特に要望がない部分で、日々これを近代化しますというふうにはなかなかならない。今、特にここの部分はなっているから、お話すると。先ほどから、長見さんと佐藤さんの間で議論が出ているようにも見えますし、そうでないという面もある。というのは、帳場とか33平米の話だけでもないわけです。そのときの議連の話を聞いていると、そういう見直しが適時適切にできていかないこの日本のシステムが日本を遅らせているというのは、規制緩和すべきだという考え方にあるわけです。ですから、帳場の話の検討会をやりますと言うと、「えっ、こんなことで丁寧に議論するの? そんなの厚労省で独断で決めてしまったらいいじゃない」というふうに言われるわけです。
 ただ、あえて佐藤さんの懸念のようなものを増幅して申し上げますと、大井田委員にもお話をお聞きしたいのですが、これもいい、これもいい、これもいいみたいなことをどんどん外した格好の特区のようなものも、認めてもいいではないかという話になっていって、そんなに増えませんよという話があったわけですが、そこから先は自己責任宿泊施設のようなものまで認めると、それは広がるかもしれませんねという話。
 今は、例えば帳場は100メートル以内であれば一切いいですみたいなルールにしたとしても、それは、梶山さんがおっしゃったようにそんなに簡単にできるものではありませんという話ですけれども、これは、象徴的に33平米とか帳場というものがあるもので、先ほど言われたこともどこまであれなのかわかりませんが、トイレの話とか、防災の話とか、その辺りも、これでいいならいつでもどうぞという格好のものまでいいようになっていくと、社会の人の流れというのは随分変わるでしょうし、また、事故が起きたときの対応もどこで責任を取るのでしょうかみたいな話になる。役所側は、今、こういう議論をお聞きしながらアセスメントをしている部分がございまして、危ないけれども、まあ、いいやというのはなかなか言いにくいという意味では、そんなに緩和、緩和とする方向にはならないと思います。

○倉田座長 大井田委員、どうぞ。

○大井田委員 いわゆる旅館業法の公衆衛生及び国民の生活の向上に寄与するかどうかで規制緩和をどう考えるか、ということが目的ではないかと思いますけれども、正直言ってよくわからないんです。ただ、私は、何でもかんでも規制緩和にワッと行ってしまう、規制をするのはけしからんという風潮は、やはりよくないなと思っております。厚労省と政府との間、国会との間もありますけれども、私はそうそう規制緩和しなくてもいいのではないかと思います。
 なぜかというと、ここに「農家民宿『なか里』 旅館業営業許可取得済み・食品営業許可取得済み」と書いてあります。やったからこう書いているわけで、規制緩和をしてビジネスとして繁栄すればいいではないかと、多分そういうお考えで規制緩和を考えていらっしゃるのではないかと思いますけれども、でも、トイレの改築をしたり、業者はそれでビジネスとして潤うわけだから、そう目くじら立てるほどのことではないような気がしましたね、規制緩和をしろという国会側の言い分は。何でもかんでも規制緩和をするのはよくない、ということを言いたかっただけです。

○倉田座長 私は、外国のやり方で非常にいい点が一つあると思います。それは、こういうリスクがありますということを全部書いておくわけです。それで文句が来ても、結局、山はこのリスクというのはすごく高いですね、丘でなければ。でも、それは全部自分の責任なのです、落っこちる、落っこちないは。前の人はスッと行ったけれども、自分は落ちたとしたら、それは自分の責任なのです。私はいつも自分でそう思いながら、歩いているし、非常にリスクが高いところは絶対一人でしか行きません。たとえ家族でも人は連れていかない。それは自己責任なんですよ。こういう大きな川があります、そこに落ちたら流されます、流されたら生死はわかりませんよということをビシッと書いてあります。それを書いていなかったら政府の責任とされるのです。
 例えば、私はCDCに31年間出入りしていますが、あそこがおもしろいのは、アメリカ人が外国に行きますと、その国の健康情報、さっき蚊の話や虫の話がありましたが、そこに行くとこういう虫とこういうものがいます、こういうものとこういうものに刺されるとこういう病気になります、そのためにはこういうワクチンがありますが、これに関してはありませんとか、そういうことがきちっと書いてあるわけです。抗生物質はこういうものがあります、こういうものにはこういうものがありますということが書いてあるわけですが、それを用意するのはあなたですよということなのです。そこに行って刺される、刺されないもあなたの責任。ところが、そこにある病気のことや虫のことが情報としてなかったら、米国厚生省、アトランタのCDCを訴える権利が国民にあるわけです。実際に訴えた人が大きな新聞ダネになったり、「ニューズウィーク」のタネになったことがあります。要するに、個人の責任というのがものすごくあるわけです。いろいろなことに関して楽しむのは自分の勝手だけれども、こういうことはあなたの責任と。交通事故だって全部本人の責任ですね。
 ところが、インフルエンザで1人死んだら、厚労省の責任だとメディアは書くわけですが、6,000人が交通事故で死んでいることは1行も書かないですね。車の許可を与えている経済産業省、道路交通法の国土交通省、警察の交通の取締官、だれも責任を言わないです。厚労省になると国民は目くじら立てて、政治家も目くじら立てるわけです。インフルエンザがなぜ厚労省の責任ですか。本人の責任ですよ。というのは、今は薬も全部あって、早く言えば本人が行かないのが悪いのです。
 情報があるのにそれに対応しないというのは日本の一番悪いところで、起こってしまったらだれかの責任にする。医療の責任というのが一番ふりかかってきますね。今の衛生の問題は全部そうだと思います。日本で簡易水道から出てくる水というのは、どこの水を飲んでも安全です。しかし、日本を離れたら、すべての水は全部リスクが高い。そういうことを日本人は理解しないですね。情報はあるけれども、理解しない。そうしておいて、外国へ行ってなったら日本の政府の責任かというと、そういうことは言わない。日本においては何でも政府の責任にする。そういうときに、厚労省、厚労省というけれども、少し違うのではないか。
 大井田さんが言ったように、リスクをきちっと書いておいて、あとはあなたの責任ですと、そろそろ個人の責任というのをやっていかないと、日本はいつまでたってもだれかの責任なのです。日本の国の責任はだれの責任かというと、結局、あなたの責任なんですね。我々の責任なのです。もし規制緩和したらどうなるかというと、みんな政府の責任になりますね。ということではないですか。ため池のある農家へ行って子どもは落っこちる。それも親の責任です。そこに手すりを置いたら落ちないかというと、やはり落ちるわけです。こうやって飛び上がってボーンと落ちる。そういうことはいくらでもあります。だから、起こりそうなことは全部書いておいて、それを消費者の責任とすればいいわけです。そうでないと、あらゆるものを規制しようと規制しなくても、責任は全部来るから、わかりきっていることはちゃんとやればいいだけの話だと思います。そこのところは日本人というのはまだまだ国際人になれない。
 今、いろいろ聞いていて、そこまでケアしているのかと。農家に行くんですよ。土で泥んこになります。水でこうやってやるだけなのに、きれいなお湯のシャワーがなければというのでは、ちょっと生きていけないですね。是非提案書に書いてほしいのは、アジアの非常に状況の悪い国に修学旅行に行かせろとやったらいいんですよ、中学、高校生は。ちょっと例えは悪いですが、そうでもしないとこの問題は結論はないですね。次回、行政の人のお話も聞いた上でまた議論になると思いますが、佐藤さん、お話はいいですか。

○佐藤意見聴取人 少ないといいますけれども、国体などの場合ですと、どんどん民泊が増えてきています。少ないと先生方はおっしゃるけれども、結構数が増えてきているから、びっくりしているわけです。これから増えるでしょうけれども。

○倉田座長 それでは、今日はいろいろお話をお聞きしました。こちらに来てヒアリングに参加された方の御意見は、また、もし何か気がつくことがありましたら、文章にして是非事務局にお出しください。その上で、ほかの人もお呼びしていろいろ御意見を聞いて、どんなふうにしたらいいかということになるかと思いますが、今日はそれでいいですか。

○堀江課長 今日は、私どもの会議の運び方が必ずしも皆さんとうまくコミュニケーションできていなかった部分もあって、特に酒井さん、梶山さんのところは、本当はもっと広がってもよかったのかなと思っているのは、今、話をしているのは帳場と面積だけですが、もしお戻りになって先に進めていくときに、こんなことも不便です、これが厄介だ、ネックになっていますと。勿論、それに対応しますということを言うわけではないですけれども、ただ、皆さんで情報をシェアしていくことは大事だと思いますので、もしあれば、特に佐藤さんも含めて。

○倉田座長 これは行政が直せという部分と、こういう点は問題があるけれども、どこが対応するかわからないというのがありますね。私は便所を直すというのはとんでもないと思っていて、昔のままで小便や大便をさせればいいので、それが本当の体験で、いろいろなことを知ることで外に出ていって困らないということだと思うのです。昔は、棒2本だけでダーッとしきりが何もない、そういうところがいくらもありました。大きなお向かいの国にもありますが、ついこの間までみんなそうです。日本は水洗の水がどこでも出ると思ったら大間違いで、是非、体験というのは昔の民家でしたらいいと思いますが、そうしたら人は来ないんですかね。

○梶山意見聴取人 許可が出ないです。

○倉田座長 許可が出ない?

○梶山意見聴取人 出ないですよ。

○倉田座長 それがおかしいんだな。

○梶山意見聴取人 合併槽とかいろいろな問題があります。トイレは流しっ放しもいけないし、今、くみ取りのトイレもありますけれども、田舎でボッチャン式のトイレなんてありますかね。余りないですよ。

○倉田座長 そうですか。

○長見委員 そういうトイレをつくるというと、近辺が嫌がったりしますね。農家のはいいかもしれないけれども。

○倉田座長 わかりました。それでは、行政が規制しているところでこういうのは直したらどうだとか、こういう点はもっと強化しろとか、こういう点はどうしたらいいかというようなことで、問題があれば、厚労省として責任あるところは何かを出さなければいけませんね。そのままでもいいけれども、御意見をいただくということでいいですか。今日、ヒアリングをやった方々からいろいろ御意見があれば、更に足して出してもらう。

○堀江課長 勿論です。送っていただければ、次回のときに意見として各委員の机上に置かせていただきます。

○倉田座長 わかりました。
 それでは、少し時間を超えましたが、今日はこれで終わりにします。

○新津課長補佐 あと、資料の2と3をごらんいただければと思います。
 資料2は「論点について(案)」ということで、案としてお示しさせていただいております。今日のヒアリング等を踏まえまして、一定の方向性を出していくに当たって、一つは「玄関帳場設置の必要性」、もう1点は「客室面積の緩和の是非」、「特区事例の状況」、それから「法令」。これは「旅館業法と条例・規制の関係」、「その他」という項目を用意させていただいております。
 特に条例と規制の関係につきましては、法律上は決まった部分があるのですが、資料3としまして、これは一部、各都道府県の中からホームページを利用して、玄関帳場と客室について、北から南までブロック的に引出しをしているものでございます。中には法令に定められた以上に規制がかけられているところもあるということで、これは未定稿でございますが、用意させていただいております。
 この論点を出しておりますが、こういった方向性でよろしいかどうか、御確認させていただきたいと思います。

○倉田座長 資料2の部分の論点については、触れなかった部分もあるけれども、これに関して御意見があれば出してもらうということでいいですね。特に規制緩和と、こういう規制はおかしいのではないか、あるいは、もっと規制しろということもあるかもしれない。そういうことも含めて書いてもらえばいいと思います。あるいはその分野で、更にそういうことをお話して意見を出してもらえる組合とか組織があれば、そこから御意見をいただけばいいと、そういうことですね。

○新津課長補佐 はい。本日のヒアリングを踏まえまして、御意見等あれば、併せて事務局まで御連絡いただければと思います。

○倉田座長 では、委員の先生方も何かこれに関してありましたら、是非お出しいただきたい、それでいいですか。

○新津課長補佐 はい。

○三川課長補佐 次回の日程につきましては、これから日程の調査票をお配りいたしますので、記載の上、事務局まで提出していただきますようお願いいたします。次回の日程の詳細につきましては、決まり次第御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○倉田座長 では、これで終わりにいたします。どうも御苦労さまでした。


(了)
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